JP6477787B2 - 通信システム - Google Patents

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本発明は、シールド電線の取付構造および通信システムに関する。
特開2013−109919号公報(特許文献1)に開示されているように、シールド電線の取付構造が知られている。一般的に、高圧システムや低圧システムに接続されるシールド電線は、電線部と、電線部を被覆するシールド層と、シールド層を被覆するシースとを備えている。
シールド電線の先端からシースを皮剥ぎすることにより、シールド層が露出する。シールド層の先端(ドレン線ともいう)には、アース端子が取り付けられる。アース端子が金属板や車両ボディ等に固定されることで、アース接続が行われる。一方、シースおよびシールド層の皮剥ぎされた部分には、電線が露出する。電線(芯線)には接続端子が取り付けられ、接続端子は、シールドケース等の中に収容された電装品に接続される。
特開2013−109919号公報
一般的には、シールド電線のシールド層はドレン線を介してアース接続される。ここで、高圧システムに接続されたシールド電線(高圧配線)のシールド層がアース接続され、低圧システムに接続されたシールド電線(低圧配線)のシールド層もアース接続されているとする。この構造によれば、低圧配線の通信性能を確保することが可能となる。
ここで、高圧通信に用いられる基準電位は、低圧通信に用いられる基準電位に比べて十分に高い。高圧通信で用いられる電位と接地電位との間の電位変動値と、低圧通信で用いられる電位と接地電位との間の電位変動値とは異なる。したがって、高圧配線と低圧配線(接地電位)との間に大きな電位変動差が生じることになる。高圧配線と低圧配線(あるいは接地電位)とが互いに近接して配置されている場合には、浮遊容量やフィルタなどの結合により、高圧配線の通信基準電線と低圧配線(あるいは接地電位)との間の電位変動差がノイズとして高圧配線に重畳し、高圧通信が正常に機能しない可能性がある。
本発明は、高圧システムに接続されたシールド電線(高圧配線)にノイズが重畳することを抑制可能なシールド電線の取付構造、およびそのようなシールド電線の取付構造を備えた通信システムを提供することを目的とする。
シールド電線の取付構造は、高圧システムに接続され、高圧通信を行なうシールド電線の取付構造であって、上記シールド電線は、電線部と、上記電線部を被覆する第1シールド層と、を備え、上記第1シールド層は、上記高圧システムか、もしくは上記高圧システムと同電位の部位に接地されている。
上記の構成によれば、高圧システムに接続されたシールド電線(高圧配線)のシールド層が、高圧システムと同電位の部位に接地される。高圧配線の通信基準電線とシールド接地部との間の電位変動差は、高圧配線のシールド層をアース接続する場合の電位変動差に比べて小さくなる。したがって、電位変動差に起因して発生するノイズが抑制され、ひいては高圧配線の通信性能を確保することが可能となる。
好ましくは、上記シールド電線は、上記第1シールド層を被覆する第2シールド層をさらに備え、上記第2シールド層は、低圧システムか、もしくは上記低圧システムと同電位の部位に接地されている。
上記の構成によれば、低圧配線の通信性能を確保することも可能となる。
通信システムは、互いに近接して配置された高圧システムおよび低圧システムと、上記高圧システムに接続されたシールド電線と、を含み、上記シールド電線は、上記のシールド電線の取付構造を備えている。
上記の構成によれば、高圧システムに接続されたシールド電線(高圧配線)にノイズが重畳することを抑制可能なシールド電線の取付構造、およびそのようなシールド電線の取付構造を備えた通信システムを得ることができる。
参考技術1におけるハイブリッド車両を示す概略構成図である。 参考技術1における電池センサ(通信システム)の機能ブロックを示す図である。 参考技術1(および実施の形態)における電池センサに用いられるシールド電線を示す側面図である。 参考技術1(および実施の形態)における電池センサに用いられるシールド電線を示す断面図である。 参考技術1における電池センサの電池ECU、電圧測定モジュール、シールド電線、および保持板の配置構成の一例を模式的に示す斜視図である。 参考技術1の電池センサにおいて、通信が行われている際の電位を、低圧配線を基準としてみた場合の様子を示す図である。 参考技術1の電池センサにおいて、通信が行われている際の電位を、高圧配線を基準としてみた場合の様子を示す図である。 参考技術1の電池センサにおいて、通信が行われている際の様子を模式的に示す図である。 参考技術2における電池センサ(通信システム)の機能ブロックを示す図である。 参考技術2の電池センサにおいて、通信が行われている際の様子を模式的に示す図である。 実施の形態における電池センサ(通信システム)の機能ブロックを示す図である。 実施の形態の電池センサにおいて、通信が行われている際の様子を模式的に示す図である。 実施の形態の電池センサにおいて、通信が行われている際の電位(シールド層の内側)を示す図である。 実施の形態の電池センサにおいて、通信が行われている際の電位(シールド層の外側)を示す図である。 実施の形態の第1変形例で使用されるシールド電線を示す断面図である。 実施の形態の第1変形例の電池センサにおいて、通信が行われている際の様子を模式的に示す図である。 実施の形態の第2変形例で使用されるシールド電線およびクランプを示す側面図である。 実施の形態の第2変形例の電池センサにおいて、通信が行われている際の様子を模式的に示す図である。 実施の形態の第2変形例の電池センサにおいて、通信が行われている際の電位を示す図である。 実施の形態の第2変形例の比較例の電池センサにおいて、通信が行われている際の様子を模式的に示す図である。 実施の形態の第2変形例の比較例の電池センサにおいて、通信が行われている際の電位を示す図である。
[参考技術]
実施の形態について説明する前に、実施の形態に関する参考技術について、以下、図面を参照しながら説明する。同一の部品および相当部品には同一の参照番号を付し、重複する説明は繰り返さない場合がある。
[参考技術1]
図1を参照して、参考技術1におけるハイブリッド車両100について説明する。ハイブリッド車両100は、図示しないエンジンと、バッテリ10と、システムメインリレーSMRと、駆動部PCUと、回転電機40と、電池センサ50とを備える。
バッテリ10は、リチウムイオン電池などの二次電池から構成される。バッテリ10は、エンジンの作動に伴い生じる動力や、車両外部からの電力を受けて充電される。システムメインリレーSMRは、電力線PL1に介挿されたリレーと、接地線NL1に介挿された他のリレーとを含む。これらのリレーは、制御装置からの信号を受けることで、バッテリ10と駆動部PCUとを電気的に接続したり、切り離したりする。
駆動部PCUは、バッテリ10からの直流電力を、回転電機40を駆動するための交流電力に変換する。駆動部PCUは、回転電機40によって発生した交流電力を、バッテリ10を充電するための直流電力に変換することもできる。具体的には、駆動部PCUは、コンバータ20と、コンデンサC1,C2と、インバータ30とを含む。
コンバータ20は、スイッチング制御により、電力線PL2とバッテリ10との間で双方向の直流電圧変換を行なう。コンデンサC1は、電力線PL1と接地線NL1との間に接続され、コンデンサC2は、電力線PL2と接地線NL1との間に接続される。インバータ30は、電力線PL2および接地線NL1間の直流電力と、回転電機40に入出力される交流電力との間で双方向の電力変換を行なう。
回転電機40は、駆動部PCUから交流電力を受けて、駆動力を発生する。駆動力は、図示しない駆動輪に伝達され、ハイブリッド車両100は走行する。回転電機40は、回生制動時には、駆動輪の回転力によって発電する。発電電力は、駆動部PCUによって充電電力に変換され、バッテリ10に供給される。電池センサ50は、バッテリ10のバッテリ電圧などに関する情報を検出し、電池センサ50による検出値は、図示しない制御装置に送られる。以下、図2を参照して、参考技術における電池センサ50について説明する。
(電池センサ50)
電池センサ50は、バッテリ10のバッテリ電圧など、バッテリ10に関する情報を測定する。たとえば、バッテリ電圧に加えて、充放電電流およびバッテリ温度などが測定されることで、バッテリ10の充電状態(SOC)を演算できる。車両に搭載された制御装置は、バッテリ10のバッテリ電圧など、バッテリ10に関する各種の情報に基づいて、システムメインリレーSMR(図1)、コンバータ20(図1)、およびインバータ30(図1)を制御する。これにより、バッテリ10の充電および放電が制御される。
図2は、電池センサ50の内部に備えられる機能ブロックのうち、バッテリ10のバッテリ電圧を測定する電池ECU51などを中心に示す図である。図2の中には、保持板56も図示している。保持板56は、ケースや取付ブラケットなど、金属製の部材から構成される。保持板56は、信号や電力が入出力されるといった、特定の制御動作を行なうような機能は有していないが、説明上の便宜のため、電池センサ50の機能ブロックを示す図2中に図示している。
図2に示すように、バッテリ10は、複数のバッテリブロックを電気的に直列接続することにより構成される。電池センサ50は、低圧システムとしての電池ECU51と、高圧システムとしての電圧測定モジュール52〜55と、シールド電線61〜65と、保持板56とを備える。
電池ECU51は、マイコン51A、絶縁電源51C、およびコネクタ51Bを含む。電圧測定モジュール52〜55は、それぞれ、監視IC52A〜55Aと、コネクタ52B〜55Bとを含む。監視IC52A〜55Aは、絶縁電源51Cから駆動電力が供給される。監視IC52A〜55Aは、各バッテリブロックの正極側端子と負極側端子とに接続され、端子間電圧を測定する。電池ECU51のマイコン51Aは、監視IC52A〜55Aが測定した端子間電圧(電圧情報)を集約する。
具体的には、マイコン51Aは、シールド電線61およびコネクタ52Bを介して監視IC52Aに電気接続される。監視IC52Aは、シールド電線62およびコネクタ53Bを介して監視IC53Aに電気接続される。監視IC53Aは、シールド電線63およびコネクタ54Bを介して監視IC54Aに電気接続される。監視IC54Aは、シールド電線64およびコネクタ55Bを介して監視IC55Aに電気接続される。監視IC55Aは、シールド電線65およびコネクタ51Bを介してマイコン51Aに電気接続される。
すなわち、マイコン51Aと電圧測定モジュール52〜55(監視IC52A〜55A)とは、シールド電線61〜65を介して直列に接続され、1つの閉回路を構成している。マイコン51Aは、シールド電線61を通して、電圧測定モジュール52〜55に対する命令信号を出力する。一方、マイコン51Aは、シールド電線65を通して、電圧測定モジュール52〜55からの当該命令信号に対する応答信号の入力を受ける。
ここで、シールド電線61は、電圧測定モジュール52〜55の起動に関する命令信号(低圧信号)を主として伝送する。一方、シールド電線62〜65は、電圧測定モジュール53〜55の起動に関する命令信号(低圧信号)だけでなく、電圧測定モジュール52〜55が測定した電圧に関する信号(高圧信号)をも伝送する。電圧測定モジュール52〜55へと電圧情報が順次伝達され、伝達された電圧情報はマイコン51Aで集約される。
(シールド電線61〜65)
シールド電線61〜65(図2)は、略同一の構成を有している。シールド電線61〜65の構成について、シールド電線62に着目して説明し、シールド電線61,63〜65についての説明は繰り返さないものとする。図3および図4は、それぞれ、シールド電線62を示す側面図および断面図である。
図3および図4に示すように、シールド電線62は、電線部62A、絶縁体62B(図4)、シールド層62C(図4)、ドレン線62D、およびシース62Gを有する。電線部62Aは、一対の芯線62P,62Nを含む。シールド層62C(第1シールド層)は、金属編組チューブや金属箔テープから構成され、絶縁体62Bを介して電線部62A(芯線62P,62N)を被覆している。シース62Gは、シールド層62Cの周囲を被覆しており、シールド層62Cの一部は、ドレン線62Dとして外部に取り出されている。
図2を再び参照して、シールド電線61,63,64,65は、シールド電線62と略同一の構成を有している。シールド電線61,63,64,65は、それぞれ、電線部62Aに相当する電線部61A,63A,64A,65Aと、ドレン線62Dに相当するドレン線61D,63D,64D,65Dとを備えている。電線部61A〜65Aについては、図2の中では1つの矢印を用いて模式的に図示している。電線部61A〜65Aは、いずれも、芯線62P,62N(図3,図4)に相当する一対の芯線を含んでいる。
シールド電線61〜65の電線部61A〜65Aは、マイコン51Aおよび監視IC52A〜55Aを直列に接続しており、通信線として機能することができる。一方、シールド電線61〜65のドレン線61D〜65Dは、いずれも接地されている。ドレン線61D〜65Dは、たとえばハイブリッド車両100(図1)のボディなどに接続される。
図5は、電池ECU51、電圧測定モジュール52〜55、シールド電線61〜65、および保持板56の配置構成の一例を模式的に示す斜視図である。上述のとおり、電池ECU51および電圧測定モジュール52〜55は、シールド電線61〜65によって直列に接続される。図示上の便宜のため、シールド電線61は実線で示され、シールド電線62は点線(ドット線)で示され、シールド電線63は一点鎖線で示され、シールド電線64は二点鎖線で示され、シールド電線65は破線で示されている。
上述のとおり、シールド電線61は、電圧測定モジュール52〜55の起動に関する命令信号(低圧信号)を主として伝送する。すなわち、シールド電線61は低圧通信を行なう。シールド電線62〜65は、電圧測定モジュール53〜55の起動に関する命令信号(低圧信号)だけでなく、電圧測定モジュール52〜55が測定した電圧に関する信号(高圧信号)をも伝送する。すなわち、シールド電線62〜65は高圧通信を行なう。
シールド電線61〜65は、いずれも、金属製の保持板56に近接して配置されている。保持板56は、ケースや取付ブラケットなど、金属製の部材から構成される。すなわち、高圧通信を行なうシールド電線62〜65は、低圧システムの一つであるシールド電線61や、保持板56に近接して配置されている。
図6は、通信が行われている際の電位を、低圧配線(シールド電線61)を基準としてみた場合の様子を示している。線L1,L2に示すように、低圧配線(シールド電線61)を基準としてみた場合、低圧通信の電位はたとえば12Vの付近で約一定の値となる。これに対して、線PL,NLに示すように、低圧配線(シールド電線61)を基準としてみた場合には、高圧通信の電位は変動している。
図7は、通信が行われている際の電位を、高圧配線(シールド電線62〜65)を基準としてみた場合の様子を示している。線PL,NLに示すように、高圧配線(シールド電線62〜65)を基準としてみた場合、高圧通信の電位は、約一定の値となる。これに対して、線L1,L2に示すように、高圧配線(シールド電線62〜65)を基準としてみた場合には、低圧通信の電位は変動している。
図6および図7に示すように、電圧測定モジュール52〜55(高圧システム)が駆動されている際には、高圧配線と低圧配線(接地電位)との間には、大きな電位変動差(たとえば300V〜400V)が生じることになる。
このような大きな電位変動差が生じるという状況が存在している中で、シールド電線61〜65は、いずれも、金属製の保持板56の近傍に配置されている(図5参照)。すなわち、高圧通信を行なうシールド電線62〜65の近傍には、低圧システムの一つであるシールド電線61や、低圧の構造体である保持板56が位置している。
(参考技術1の作用効果)
図8を参照して、参考技術1における作用および効果について説明する。以下の説明は、シールド電線62に着目しているが、シールド電線63〜65(図2参照)についても同様である。
上述のとおり、シールド電線62(電線部62A)は、高圧システムとしての電圧測定モジュール52,53を接続している。シールド電線62のシールド層62Cは、ドレン線62Dを介してボディGNDなどに接地されている。シールド層62Cは、電線部62Aを覆うように設けられているため、高圧通信で発生するノイズは、シールド層62Cの内側にとどまることとなる。したがって、高圧通信で発生するノイズの影響は、低圧システム(シールド電線61など)におよぶことはほとんどなく、低圧配線の通信性能を確保することが可能となっている。
しかしながら、参考技術1の構成では、高圧通信の通信性能が正常に機能しない可能性がある。すなわち、電線部62A(芯線62P,62N)とシールド層62Cとの間には、浮遊容量Cp,Cnが形成される。高圧配線の通信基準電線と低圧配線(接地電位)との間に生じる電位変動差は、浮遊容量Cp,Cnを介して、ノイズとして高圧配線に重畳し、高圧通信が正常に機能しない可能性がある。
[参考技術2]
(電池センサ50A)
図9を参照して、参考技術2における電池センサ50Aについて説明する。図9は、電池センサ50Aの内部に備えられる機能ブロックのうち、バッテリ10のバッテリ電圧を測定する電池ECU51などを中心に示す図である。
参考技術2は、上述の参考技術1の場合とは異なり、マイコン51Aおよび監視IC52A〜55Aが、電線部61A〜65Aによってのみ接続されている。すなわち、参考技術2では、ドレン線61D〜65D(図2参照)を用いたアース接続が行われていない(図9中の一点鎖線で示す領域を参照)。
(参考技術2の作用効果)
図10を参照して、参考技術2の構成では、電線部62A(芯線62P,62N)と接地電位(ボディGND)との間に浮遊容量Cp,Cnが形成される。高圧配線の通信基準電線と低圧配線(接地電位)との間に生じる電位変動差は、浮遊容量Cp,Cnを介して、ノイズとして高圧配線に重畳し、高圧通信が正常に機能しない可能性がある。
これに限られず、電線部62Aで発生する高圧のノイズも周囲に広がり、低圧システム(シールド電線61など)に影響する。配策による分離のみで、耐ノイズ性を得るためには、高圧配線と低圧配線(若しくは接地電位)との間の距離を十分に確保する必要があり、装置の大型化を招いてしまう。
参考技術1,2の構成に加えて、ノイズフィルタを追加するといった対策も考えられる。しかしながら、ノイズフィルタの追加は、装置の大型化に繋がり、費用やノイズフィルタ(フェライトコア)の割れなど、別の懸念も生じ得る。さらに、ノイズフィルタの追加は、通信信号の精度向上や応答性を上げることへの支障ともなり得る。
参考技術1,2の構成に加えて、高圧通信で使用される信号を低圧化するといった対策も考えられる。しかしながら、信号の低圧化は、フォトカプラやトランスなどの素子を追加することに加えて、低圧用の電源を高圧システム内に組み込む必要があり、別の配策の課題や、装置の大型化、費用面の課題といったことが生じ得る。
[実施の形態]
実施の形態について、以下、図面を参照しながら説明する。上述の参考技術と同一の部品および相当部品には同一の参照番号を付し、重複する説明は繰り返さない場合がある。
図11を参照して、実施の形態における電池センサ50Bについて説明する。図11は、電池センサ50Bの内部に備えられる機能ブロックのうち、バッテリ10のバッテリ電圧を測定する電池ECU51などを中心に示す図である。実施の形態と上記の参考技術1(図2参照)とは、シールド電線62〜65のドレン線62D〜65Dが、高圧システムに接地されているという点において相違している。すなわち、実施の形態におけるドレン線62D〜65Dは、ボディGNDには接地されていない。
具体的には、シールド電線62のドレン線62Dは、電圧測定モジュール52に接地されている。これにより、シールド電線62のシールド層62C(第1シールド層)(図12参照)は、ドレン線62Dを介して電圧測定モジュール52と同電位に接地されていることになる。ドレン線62Dを介して基準電位を確保するラインは、できるだけ低インピーダンスであることが好ましい。
同様に、シールド電線63〜65のドレン線63D,64D,65Dは、電圧測定モジュール53,54,55にそれぞれ接地されている。これにより、シールド電線63,64,65のシールド層は、電圧測定モジュール53,54,55とそれぞれ同電位に接地されていることになる。シールド電線63〜65の場合も、ドレン線63D,64D,65Dを介して基準電位を確保するラインは、できるだけ低インピーダンスであることが好ましい。
(実施の形態の作用効果)
図12を参照して、実施の形態における作用および効果について説明する。以下の説明は、シールド電線62に着目しているが、シールド電線63〜65(図11参照)についても同様である。シールド層62Cを、ドレン線62Dを介して高圧システム(電圧測定モジュール52)に接地させることによって、参考技術1の場合に比べて低圧通信の影響が高圧通信におよぶことを抑制できる。
具体的には、電圧測定モジュール52(高圧システム)に接続されたシールド電線62(高圧配線)のシールド層62Cが、電圧測定モジュール52(高圧システム)に接地される。これにより、シールド電線62(高圧配線)の通信基準電線とシールド接地部との間の電位変動差が、シールド電線62(高圧配線)のシールド層をアース接続する場合の電位変動差に比べて小さくなる。
図13は、通信が行われている際の電位(シールド層62Cの内側)を示す図であり、通信が行われている際の電位を、シールド層62Cの内側から見た様子を示している。線PL,NLに示すように、シールド層62Cの電位DLを基準としてみた場合、高圧通信の電位は、約一定の値となる。シールド電線62(高圧配線)の通信基準電線とシールド接地部との間の電位変動差が小さくなることにより、電位変動差に起因して発生するノイズが抑制され、ノイズが高圧配線に重畳することはほとんどなくなる。
上記のような構成に限られず、シールド電線62のシールド層62C(図12参照)は、電圧測定モジュール52そのものではなくて、電圧測定モジュール52と同電位を形成する部位があれば、その部位に接地されていても同様の効果が得られる。
図14は、通信が行われている際の電位(シールド層62Cの外側)を示す図であり、通信が行われている際の電位を、シールド層62Cの外側から見た様子を示している。シールド層62Cを高圧システム(たとえば電圧測定モジュール52)に接地させるという構成を採用した場合、高圧システムで発生するノイズは、シールド層62Cの外部に広がりやすくなる。その対策として、以下の第1変形例(図15および図16)に示す構成が採用されることが好ましい。
[実施の形態の変形例]
以下、図15〜図21を参照して、実施の形態における変形例について説明する。以下の説明では、実施の形態と各変形例との相違点についてのみ述べるものとし、重複する説明は繰り返さないものとする。
(第1変形例)
図15は、実施の形態の第1変形例で使用されるシールド電線62Jを示す断面図である。シールド電線62Jは、電線部62A、絶縁体62B、シールド層62C(第1シールド層)、ドレン線62D、およびシース62Gに加えて、絶縁体62H、シールド層62E(第2シールド層)、およびドレン線62Fをさらに備えている。
シールド層62Eは、金属編組チューブや金属箔テープから構成され、絶縁体62Hを介してシールド層62Cを被覆している。シース62Gは、シールド層62Eの周囲を被覆しており、シールド層62Eの一部は、ドレン線62Fとして外部に取り出されている。
図16に示すように、シールド層62Eは、ドレン線62Fを介して、低圧システムまたは低圧システムと同電位の部位に接地される(たとえばボディGNDなど)。当該構成によれば、低圧システムの側から高圧システムの側に広がるノイズだけでなく、高圧システムの側から低圧システムの側に広がるノイズを抑制可能となる。ドレン線62Fを介して接地電位を確保するラインは、できるだけ低インピーダンスであることが好ましい。
(第2変形例)
図17を参照して、電線部62A(芯線62P,62N)およびドレン線62Dのうちのシールドされていない部分(シールド層62Cによって被覆されていない部分)は、クランプ58などによって保持され、芯線62P,62Nおよびドレン線62DからボディGNDまでの各距離La,Lb,Lcは、一定の値となるように構成されていることが好ましい。
図18を参照して、当該構成によれば、未シールド部において電位差を有する芯線62P,62Nおよびドレン線62Dが、一定の絶縁距離(あるいはノイズ結合抑制距離)を持つことになる。すなわち、浮遊容量の値について、Cp≒Cn≒Cdの関係が成立し、芯線62P,62Nおよびドレン線62Dに対して同レベルのノイズが重畳することになる。結果として、図19に示すような安定した通信波形を得ることが可能となる。
なお、クランプ58に限られず、モールド樹脂や、テープなどを用いて各距離La,Lb,Lcが一定の値となるように構成しても構わない。Cp≒Cnの関係であっても構わない。図18ではドレン線62Dが3本線のうちの端の位置に配置されているが、ドレン線62Dの位置を真ん中にすると、より大きな効果が期待できる。
このような構成は、上記の第1変形例と組み合わせて実施することも可能である。すなわち、シールド電線62J(図15,図16)を用いる場合には、電線部62A(芯線62P,62N)およびドレン線62Dのうちのシールドされていない部分(シールド層62Cによって被覆されていない部分)は、クランプ58などによって保持され、芯線62P,62Nおよびドレン線62DからボディGND(あるいはシールド層62E)までの各距離は、一定の値となるように構成されていることが好ましい。
図20を参照して、仮に、芯線62P,62Nおよびドレン線62DからボディGNDまでの各距離La,Lb,Lcが一定の値となるように構成されていない場合には、浮遊容量の値について、Cp≠Cn≠Cdの関係が成立しやすくなる。芯線62P,62Nおよびドレン線62Dに対して異なるレベルのノイズが重畳することになる。結果として、図21に示すような不安定な通信波形が得られることになる。
(他の変形例)
上述の実施の形態および各変形例は、ハイブリッド車両における電池センサ(通信システム)や、その電池センサに備えられるシールド電線の取付構造に基づき説明している。上述の実施の形態および変形例は、異なる電位基準や電位変動を有する高圧システムおよび低圧システムにおいて、互いに影響を与えたくないようなものであればすべてに適用できるものである。
たとえば、上述の実施の形態および変形例は、ハイブリッド車両のPLC通信において、高圧配線に信号通信が重畳するような場合にも有効に適用可能である。プラグインハイブリッド車両において、民生電源(家電)や車両に用いられる高圧配線と低圧配線との間に生じる影響を抑制するような場合にも適用可能である。
あるいは、上述の実施の形態および変形例は、スマートグリッドにおいて、民生電源(家電)や車両に用いられる高圧配線と低圧配線との間に生じる影響を抑制するような場合にも適用可能である。車両に限られず、上述の実施の形態および変形例は、車両以外のPLC通信(電力会社の通信システムなど)にも適用可能である。
以上、実施の形態および変形例について説明したが、上記の開示内容はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10 バッテリ、20 コンバータ、30 インバータ、40 回転電機、50,50A,50B 電池センサ、51 電池ECU、51A マイコン(低圧システム)、51B,52B,53B,54B,55B コネクタ、51C 絶縁電源、52,53,54,55 電圧測定モジュール(高圧システム)、52A,53A,54A,55A 監視IC、56 保持板、58 クランプ、61,62,62J,63,64,65 シールド電線、61A,62A,63A,64A,65A 電線部、61D,62D,62F,63D,64D,65D ドレン線、62B,62H 絶縁体、62C シールド層(第1シールド層)、62E シールド層(第2シールド層)、62G シース、62N,62P 芯線、100 ハイブリッド車両、C1,C2 コンデンサ、Cn,Cp,Cd 浮遊容量、L1,L2,NL,PL 線、La,Lb,Lc 距離、NL1 接地線、PCU 駆動部、PL1,PL2 電力線、SMR システムメインリレー。

Claims (2)

  1. 第1電源システムおよび第2電源システムと、
    前記第1電源システムに接続され、第1通信を行なう第1シールド電線と、
    前記第2電源システムに接続され、前記第1シールド電線に近接して配置され、第2通信を行なう第2シールド電線と、を備え、
    前記第1シールド電線は、第1電線部と、前記第1電線部を被覆するシールド層と、前記シールド層を被覆する外側シールド層と、を含み、
    前記シールド層の一部は、第1ドレン線として引き出され、前記第1電源システムか、もしくは前記第1電源システムと同電位の部位に接地されており、
    前記外側シールド層の一部は、第2ドレン線として引き出され、前記第2電源システムか、もしくは前記第2電源システムと同電位の部位に接地されており、
    前記第1電線部は、第1芯線および第2芯線を含み、
    前記第1芯線のうちの前記シールド層によって被覆されていない部分から前記外側シールド層までの距離と、前記第2芯線のうちの前記シールド層によって被覆されていない部分から前記外側シールド層までの距離とが略同じである、
    通信システム。
  2. 前記第1芯線のうちの前記シールド層によって被覆されていない部分から前記外側シールド層までの距離と、前記第2芯線のうちの前記シールド層によって被覆されていない部分から前記外側シールド層までの距離と、前記第1ドレン線のうちの前記シールド層によって被覆されていない部分から前記外側シールド層までの距離とが略同じである、
    請求項に記載の通信システム。
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