添付図面に示し、かつ本明細書でさらに詳細に説明するように、本開示は、多数の外科的処置で使用するための様々なカスタマイズされた患者適合装置を開発するための新規のシステムおよび方法に関する。システムおよび方法は、収集するMRIデータまたはCTデータから獲得され得る患者特有の形態を使用して1つ以上の患者適合装置を導き出す。この患者適合装置は、1組のデータ点から導き出されるような、1つまたは複数の外科的処置の最中に直面する表面に相補的な面を含む。本明細書で説明する様々な実施形態によれば、患者適合装置は、さらに、所望の軸および/または挿入軌道を含み得る。本明細書で説明する代替的な一実施形態によれば、患者適合装置は、さらに、外科的処置の最中に使用される少なくとも他の装置に適合し得る。本開示の他の特徴は、以下の開示および本発明の様々な実施形態を検討した後、明らかとなる。
本開示の複数の実施形態は図1〜101に示されている。ここで図1を参照すると、本開示の一実施形態による解剖学的特徴の特有の分類の3次元モデルの斜視図が示されている。ここでは、モデル2は複数の椎体4、6で構成されているが、他の実施形態によれば、特定の患者に対する任意の解剖学的分類で構成され得る。モデル2に関連するデータは、MRIまたはCTスキャンから、または患者の対応する骨の解剖学的構造のX線画像から(あるいは他のデータソースから)収集され得る。データは、収集されると、公知のソフトウェアツールを使用してCADプログラムに変換され、このプログラムでは、データセットはモデル2を表し、かつ外科的処置において使用される1つ以上の装置の輪郭、サイズ、形状および向きを形成するための追加のデータ点を提供するために使用され得る。
代替的な実施形態によれば、データは、超音波または核医学走査装置から獲得され得る。さらに別の代替的な実施形態では、これらデータは、骨密度スキャナーからのデータによって補足されるかまたはそれとマージされて、外科的処置の完了後に患者の体内に留まるように設計されたデバイスの製作を行ったり、あるいは、特に、外科的処置が1つ以上の埋め込み型デバイスの挿入を含む場合、いずれかの所望の軸の向きのさらなる制御を達成したりし得る。
図2は、本明細書で説明する様々な実施形態による、外科的処置を容易にするために使用する装置の製造方法を実行する様々なステップを示すフローチャートである。好ましい実施形態によれば、方法は、以下のステップを含む:
A) MRIまたはCTスキャンによって患者の解剖学的構造に関するデータを獲得するステップ;
B) MRIまたはCTスキャンデータを3次元の1つまたは複数のデータセットに変換するステップ
C) 患者に実施される1つまたは複数の外科的処置を容易にするために使用されるように構成されたデバイスの1つ以上の軸の向きを決定するステップ;
D) 決定された軸を使用し、かつ変換された1つまたは複数のデータセットから導き出された任意の他の制約を考慮して、1つまたは複数の外科的処置を容易にするために使用されるデバイスをモデリングするステップ;
E) 例えば、ラピッドプロトタイピング機を使用することにより、モデリングされたデバイスの原型を生成するステップ;および
F) 1つまたは複数の外科的処置の最中に使用するために原型を準備するステップ。
図2に示すように、この方法は、追加的なステップを含んでもよいし、または外科的処置で使用される追加的なデバイスに繰り返してもよい。データを獲得するステップは、一般に、MRIやCT、または当業界で公知の他の好適な走査機器を使用して患者をスキャンすることによる伝統的な方法で実行される。その後、データは、機器によって収集され、かつソフトウェアまたは当業界で公知の他のアルゴリズム手段によって、例えばデータを、例えば、CADフォーマットでデータを表すことができる公知のモデリングソフトウェアプログラムにエクスポートすることによって、3次元の1つまたは複数のデータセットに変換され得る。このデータ変換を行ったら、デバイスを、1つまたは複数のデータセットを補完するようにモデリングし、かつ、患者の解剖学的構造の最初のスキャンからの1つまたは複数のデータセットを観察する前またはその間のいずれかにおいて、外科医によって決定された1つ以上の軸によって、デバイスの向きを決定し得る。
変換された1つまたは複数のデータセットから導き出された任意の他の制約を考慮する方法ステップは、モデリングされたデバイスのサイズを、外科医の空間制限に適合するように調整すること、いくつかの解剖学的特徴を回避するように、モデリングされたデバイスの要素の向きを決定すること、1つまたは複数の外科的処置において使用される1つ以上の器具および/または用具に好都合に動作可能に関連付けられ得る1つ以上の面を作り出すことなどを含み得る。原型は、公知のラピッドプロトタイピング機を使用して、あるいは、CNCフライス盤などのミリング機によって生成され得る。あるいは、この方法によって製作された最初のデバイスは、さらに検討するためにおよびまたは外科医によって操作するための一時的な状態にあり、その後、本明細書で説明する手法の1つを使用して、最終的に構成され得る。ステップは、相補的なデバイスに繰り返してもよく、それらのうちのいくつかまたは全ては、患者の解剖学的構造または以前製作されたデバイスにさらに適合する面を含み得る(すなわち、下記で詳細に説明するように、製作されたデバイスは、1つ以上のデバイスを互いに隣接させる適合面を有し得る)。
あるいは、本明細書で説明するシステムおよび方法は、特定の患者に関する様々な解剖学的特徴、例えば、患者の複数の椎体などの配列を容易にして、脊柱変形を矯正し得る。例えば、1つまたは複数のデータセットは、解剖学的特徴の初期位置を提供し得るが、さらに、このデータセットを、術前設定において外科医によって操作して、1つまたは複数の外科的処置が完了した後の解剖学的特徴の最終的な位置などの所望の1つまたは複数のデータセットを作成し得る。このように、上述のシステムおよび方法によって形成されたデバイスは、解剖学的特徴の初期位置または最終的な位置のいずれかにおいて使用され、かつ外科的処置の各段階において、それらの特定の位置および向きに適合され得る。これらの段階的なデバイスは、今度は、外科医に対し、術前計画と比べて、外科的処置によって達成する矯正度を決定するための視覚的なガイドを提供する。本開示の方法の他の変形例は、発明の概要において説明されており、かつ添付の特許請求の範囲に含まれる。
製作方法は、ラピッドプロトタイピング機、例えばステレオリソグラフィ(STL)機、選択的レーザ焼結(SLS)機、または熱溶解積層(FDM)機、直接金属レーザ焼結法(DMLS)、電子ビーム溶解(EBM)機、または他の積層造形機の使用を含み得る。そのようなラピッドプロトタイピング機の一例は、3D Systemsから市販されており、かつモデルSLA−250/50として公知である。ラピッドプロトタイピング機は、液体、粉体または他の非硬化樹脂または金属を、3次元構造に選択的に硬化し、これを残りの非硬化樹脂から分離し、洗浄/滅菌して、装置として直接使用し得る。プロトタイピング機は、個々のデジタルデータセットを受信し、かつ所望の装置の各々に対応する1つの構造を生産する。
一般的に、ステレオリソグラフィ機は樹脂を生産し、その樹脂は、最適な機械的特性より劣るかもしれない(これは、特定の外科的な使用には一般的に容認できないとし得る)ため、その代わりに、プロトタイピング機が、モールドを生産するために使用され得る。モデルを準備した後、従来のプレスまたは真空成形機を使用して、より好適な材料、例えばステンレス鋼、チタン合金、アルミ合金、クロム合金、PEEK、炭素繊維、または他の金属または金属合金から、装置を生産し得る。
別の代替的な実施形態によれば、システムおよび方法は、1つまたは複数のデータセットをCNC機に提供することを含み、この機械は同様に、上記でリストした、より機械的に安定した材料のうちの1つから、あつらえのミルド(milled)装置を製造するために使用され得る。さらに別の代替的な実施形態では、本明細書で説明する実施形態による装置の大量生産はまた、例えば、大人数の患者の間で、特定の向きまたは挿入軌道が共通である場合に、達成され得る。
特定の本開示の一実施形態によれば、システムおよび方法は、患者の脊柱(spine)に関連付けられる様々な外科的処置と共に使用するための装置を製作するために提供される。変性椎間板疾患(degenerative disc disease)、生まれつき(natural)の脊椎変形、脱出椎間板、脊椎損傷または他の脊椎障害を患っている人は、痛みを軽減しかつさらなる損傷を防止するために、患部領域の手術を必要とすることが多い。そのような脊椎手術は、損傷の性質および範囲に依存して変わる外科的処置によって、損傷した関節組織の切除、組織インプラントの挿入および/または2つ以上の隣接する椎体の固定を含み得る。
様々な程度の変性椎間板疾患、および/または腰痛に関連する神経圧迫を有する患者に対し、変性疾患の治療には、脊椎固定術(spinal fusion surgery)、または腰関節固定術(「癒合(fusion)」)が一般に使用される。癒合は、1つ以上の椎間腔を伸延および/または減圧した後、任意の関連の関節突起間関節または椎間板(disc)を切除してから、2つ以上の隣接する椎骨を互いに接合または「癒合」することを一般に含む。椎体の癒合はまた、2つ以上の隣接する椎骨の固定を一般に含み、これは、ロッドまたはプレート、およびスクリューまたは他のデバイスを脊椎関節に挿入して、椎骨の様々な部分を、隣接する椎骨の対応する部分に接合させることによって成し遂げられ得る。
癒合は、患者の腰椎、胸椎または頸椎領域で行われ得る。癒合には、椎骨にアクセスし、かつ任意の生体活性材料などの所望のインプラントを埋め込むための用具を必要とする。そのような処置は、ドリル、ドリルガイド、デブリドマン具、洗浄装置、バイス、クランプ、カニューレ、レトラクター、ディストラクター、切除具、切除ガイド、および他の挿入/後退具および器具を含む、追加的な用具および/または器具の採用を必要とすることが多い。これらの用具、器具および固定デバイスの挿入、配列すなわち位置合わせおよび配置は、手術の成功にとって極めて重要である。そのようなものとして、カスタマイズされたおよび患者特有の用具または器具を提供することによって、外科的処置が成功する可能性を高める。
例えば、図3および図4に、上述のシステムおよび方法によって形成されかつ特定の固定関連の手術に使用され得る1つの特定の装置を示す。本開示の一実施形態によれば、装置は、椎弓根スクリューガイド10の形態にあってもよく、この椎弓根スクリューガイドは、内側本体12と2つの全体的に細長いウィング14とで構成され、各ウィング14は、全体的にシリンダー状の柱16において終端する。好ましい実施形態では、シリンダー状の柱16の各々は、図3に示すように、実質的に中空で、1つ以上のタイプのデバイスをそこに挿入できるようにしている。内側本体12は、さらに、内側本体12の下面の周りに形成された縦方向キャビティ20を含む(図3の斜視図に示す)。シリンダー状の柱16の各々は、さらに、下部患者接触面18、19を含み、これら面は、下記で詳細に説明するように、縦方向キャビティ20と共に、複数の解剖学的特徴に適合するための複数の患者特有の輪郭を提供する。
下部患者接触面18、19および縦方向キャビティ20の輪郭および位置は、患者のMRIまたはCTスキャンから変換された1つまたは複数のデータセットを使用することによって形成される。図3および図4に示す椎弓根スクリューガイド10の残部は、外科医の特定の好みに合うように形成され得る。例えば、ウィング14は、患者に適合した解剖学的特徴の対応する位置に2つのシリンダー状の柱16を配置するのに十分な長さでさえあれば十分である。ウィングは、本開示の新規の態様から逸脱せずに、他の形状、向き、厚さなどを取ってもよい。同様に、内側本体12は、縦方向キャビティ20に適合するサイズにされてさえいれば十分であり、およびウィング14以外の他の延長部を含んで、必要に応じて椎弓根スクリューガイド10の把持または操作を支援し得る。
さらに、ウィング14は、半可鍛性材料または半硬質材料から作製され、椎弓根スクリューガイド10が、特定の手術に関して、対応する解剖学的分類に配置されるときに、少なくとも部分的な締り嵌めを形成し得る。例えば、スナップ嵌めまたは締り嵌めは、2つのシリンダー状の柱16を下関節突起に隣接させて配置し、その後、ウィングを最終的な向きに位置決めしてからシリンダー状の柱を所望の位置に撓ませるときの、ウィング14の微妙な撓みによって形成され得る。この点において本開示のさらなる態様を、下記で詳細に説明する。
図5は、本開示の一実施形態による解剖学的特徴の特有の分類に関する、図3に示す装置の平面図である。ここで、椎弓根スクリューガイド10は、内側本体12が椎体4の中心部分の上方において中心に位置するように、位置決めされ、縦方向キャビティ20が、この特定の椎体4の棘突起41の輪郭とかみ合うようにする。同様に、シリンダー状の柱16は、椎弓根スクリューガイド10の各内側に1つずつ位置決めされ、ウィング14が椎体4の椎弓板43に広がって、シリンダー状の柱16が下関節突起44、45に近接して配置されるようにする。シリンダー状の柱16の下部患者接触面18、19は、下関節突起44、45の輪郭と、上関節突起42の後ろ側でかみ合うように形成される。
それゆえ、椎弓根スクリューガイド10は、複数のかみ合うまたは適合する位置を提供し、それらのうちのいずれか1つが正しく位置決めされていない場合、他の2つの載置に影響を及ぼす。この態様では、椎弓根スクリューガイドは従来技術からの著しい向上をもたらし、従来技術では、わずかに回転、誤配列または誤配置されることがあり、それでも外科医には、デバイスが適切に載置されているかのように見える。余剰のおよび複数の合わせ面により、確実に、椎弓根スクリューガイド10が適切に配置されかつ適切に配列すなわち位置合わせされるようにする。椎弓根スクリューガイド10が適切に配置または配列すなわち位置合わせされていない場合、下部患者接触面18、19は、下関節突起44、45の各々に嵌らず、それにより、縦方向キャビティ20が棘突起41にしっかりと載置されない。
図6は、図5に示す装置の斜視図である。シリンダー状の柱16の配置が、シリンダー状の柱16の各々の軸の向きに対して追加的なものであり、これらの向きは、下関節突起44、45に隣接した載置とは無関係とし得る(すなわち、垂線に対する軸の方向は、シリンダー状の柱16間で異なり得る)ことを示すために、所望の挿入軌道ラインA、Bを示す。シリンダー状の柱16の向きも、上述の1つまたは複数のデータセットから導き出され、および好ましい一実施形態では、椎弓根の位置と一致しかつ椎弓根から固定装置の貫入を防ぐ(すなわち、スクリューが、椎弓根を通って延在するか、または椎弓根スクリューを椎弓根の側部から出すような角度で挿入されるかのいずれかの可能性をなくす)方向に固定装置(すなわち、椎弓根スクリュー)を挿入できるようにする向きに基づいて選択される。
図3〜6に示す装置のカスタマイズされたまたは構成された患者接触面を、図7の椎弓根スクリューガイド10の斜視的な底面図によって示す。ここで、下部患者接触面18、19は、複数の複合半径を有する動的輪郭を含み、面18、19が、椎骨の対応する解剖学的特徴に完全に合致するようにし得る。それゆえ、これら面は、外科的処置の最中にシリンダー状の柱16が配置される箇所で椎骨の面に実質的に合致し、かつ椎骨の異なる面とは実質的に合致しない。このように、外科医は、椎弓根スクリューガイド10が、椎骨に適切に載置していないために誤整列されている場合、即座に知らされる。
図8は、本開示の代替的な実施形態による装置を示す。この実施形態では、いくつかの隣接する椎体4、6、8に対するマルチレベル椎弓根スクリューガイド10’を示す。マルチレベル椎弓根スクリューガイド10’は、それぞれ複数の第2ウィング14’および第3ウィング14”を含み、それら各々は、隣接する椎骨部6、8に複数の椎弓根スクリューを挿入および配列するために、対応するシリンダー状の柱16’、16”を有する。4以上または2以下の個数の複数レベルは、本発明の趣旨から逸脱することなく達成し得ることがはっきりと理解される。
図9は、複数のセクション12”、12”’、12””で構成された、本開示のさらに別の代替的な実施形態による装置を示す。図8に示す実施形態と同様に、この椎弓根スクリューガイド10”は、脊柱の複数レベル4、6、8での椎弓根スクリューの配列および挿入をできるようにする。しかしながら、複数のセクション12”、12”’、12””は、各々、内側本体が修正されており、係合端部および収容端部を含んで、複数のセクション12”、12”’、12””が、図9に示すように接合され得るようにする。複数のセクション12”、12”’、12””の各々の収容端部および係合端部は異なるので、組み立て時に、適切な順序のセクション12”、12”’、12””のみを達成し得る(すなわち、セクション12”は、セクション12”’とのみ接合し得る)。この図面は、本開示のさらに別の態様を示し、特に、各デバイスに関連付けられる特定の解剖学的特徴との位置合わせおよびかみ合いをさらに確実にするために、互いに隣接する特定のデバイスにかみ合うまたは接合する能力は、同様に、椎骨に矯正力を加える手段を提供し、かつ変形矯正の程度を可視化する。
図10は、カスタマイズされた器具を備える、図5の実施形態による装置を示し、このカスタマイズされた器具は、特定の外科的処置の最中に装置と連携して使用され得る。例えば、上述したような脊椎固定処置の最中、外科医が1つ以上の椎弓根スクリューを患者の椎骨に取り付けて、椎体内(intra−vertebral body)に所望の癒合を生じさせることはよくあることである。シリンダー状の柱16の内径は、器具60の次第に大きくなる外径に対応し、器具60が、シリンダー状の柱16中へと、予め決められた距離のみ進入し、それにより、しっかりした停止を提供し、かつ同様に、椎弓根スクリュー62が患者の骨の解剖学的構造内を進入し過ぎないようにする手段を提供し得る。さらに別の実施形態によれば、シリンダー状の柱16の中空部分は、小さい内径のセクションを有し(図10には図示せず)、これは、器具60の外径に備え付けられたエンドストッパーに対応し、器具がシリンダー状の柱16を貫入しすぎないようにし、それにより安全限界を越えて椎弓根スクリュー62を挿入しないようにし、かつそのように配置にし得る。
図11は、本開示のさらに別の代替的な実施形態による装置の斜視図である。ここでは、装置は椎弓根スクリューガイド100であり、この椎弓根スクリューガイドは、内側本体の周りに細いブリッジ112をさらに含み、図12に示すようにカラー130を修正済み椎弓根スクリューガイド100と結合できるようにする。カラー130は、患者の棘突起に適合する曲線をつけられた下面を含み(図3に示す実施形態の縦方向キャビティと同様)、かつ手術の最中に操作される椎骨の特定の解剖学的特徴に適合するように椎弓根スクリューガイド100に挿入され得る。それゆえ、この実施形態では、カラー130は、2つのシリンダー状の柱116の下部患者接触面118、119に加え、患者適合輪郭の少なくとも1つを含み、かつ、異なる椎骨での外科的処置に必要とされるときには、除去されて、異なる輪郭の他のカラーと交換され得る。この実施形態では、シリンダー状の柱116は、さらに、1つ以上のアパーチャ111を含んで、シリンダー状の柱116の中を進む間の椎弓根スクリューの可視化を容易にし得る。
図13は、本開示のさらに別の代替的な実施形態による外科的処置を容易にする装置の斜視図である。この実施形態では、上述のシステムおよび方法によって形成された装置は、椎弓切除用切除ガイド150で構成されている。この椎弓切除用切除ガイドは、さらに、ガイドワイヤまたは他の固着要素を挿入するための少なくとも1つ整列チャネル151と、ブレードまたは他の刃先の経路を方向付けるための切除用スロット152とを含む。図3で上述した椎弓根スクリューガイドのように、この椎弓切除用切除ガイド150はまた、椎弓切除用切除ガイド150を1つ以上の椎体とかみ合わせるようにする下部患者接触面155を含む。図13においては全体的に直角プリズムとして示すが、他の幾何学的形状の椎弓切除用切除ガイド150も等しく現実的であり、および開示の範囲内であるとみなされることがはっきりと理解される。
図14は、本開示のさらに別の代替的な実施形態を示す。この実施形態では、上述のシステムおよび方法によって形成された装置は、同様に下部患者接触面165を含むチューブレトラクター160で構成されている。この患者接触面165は、チューブレトラクター165のシリンダー状本体163から選択的に除去可能であるチューブレトラクターのセクション164に形成され、チューブレトラクター165は、いくつもの手術で再使用され得る一方で、セクション164は患者毎に刷新されてシリンダー状本体163に結合される。チューブレトラクターはまた、全体的に中空の内部ルーメン162と、挿入の最中に操作するための少なくとも1つタブ161とを含み、このタブは、外科医がチューブレトラクター160を確実に適切に位置合わせするのを支援する。
図15〜17は、本開示のさらに別の代替的な実施形態を示す。この実施形態では、テンプレートは、限定されるものではないが、例として、1種以上の生物活性物質または骨移植片、または人工椎間板を導入するための埋め込み型ケージなどの、1つ以上の椎体間デバイスの配置を容易にする患者適合ガイド180を含み得る。図15および図16では、外科医が1つ以上の椎体間デバイスを配置するのを支援するための、独特の解剖学的分類(2つの隣接する椎骨間)に対して考えられる1つの位置にある患者適合ガイド180を示す。
図17では、特定の外科的処置のために、上述のシステムおよび方法を使用して、複数の構成要素をどのように製作し得るかを示すために、患者適合ガイド180を分解図で示す。これらの構成要素は、患者特有のインサート182、ガイドスリーブ184およびコネクタ186を含み、最終的な組み立て状態では、図15に示す患者適合ガイド180を形成する。
ここで図18〜19には、本開示の別の代替的な実施形態が詳細に示されている。この実施形態によれば、複数の固定装置198、198’をさらに組み込み得る外科用テンプレート190を示し、これら固定装置を使用して、テンプレート190を様々な異なる方法で固着し得る。この実施形態によれば、テンプレート190は、患者の棘突起を挟んで抱えるような向きにされた中間セクション192を含み、およびさらに、1つ以上の固定装置198、198’を挿入するためのアパーチャ(図18〜19には図示せず)を含み得る。テンプレート190は、さらに、ガイド196でそれぞれ終端する、2つの横方向に延在する部分すなわち「ウィング」194を含み得る。本明細書で開示した他の実施形態と関連して、上記で提供されたガイドの説明は、この実施形態に関して、参照することにより本書に援用される。
図18〜19に示す実施形態によれば、固定装置198、198’は、テンプレート190の中間セクション192のアパーチャ(図示せず)を通して挿入され、テンプレート190を安定化させ、かつ患者の棘突起に固着し得る。一実施形態によれば、第1の固定装置198の方向および向きは、第2の固定装置198’の向きおよび方向とは異なり、永久的な固定装置の挿入および配置前のテンプレート190の安定性をさらに高める。さらに別の実施形態によれば、アパーチャは、図18〜19に示すものとは異なる個所に配置されてもよく、および手術および患者特有の骨の解剖学的構造での必要に応じて、より少数またはより多数としてもよい。
ここで図20〜21には、本開示のさらに別の代替的な実施形態が詳細に示されている。この実施形態では、テンプレート200は、さらに、2つの追加的な接触面205を含み、これら接触面は、好ましくは、患者接触端部に中空の開口部と、それを通って延在する、固定装置199、199’を挿入するためのアパーチャとを有する。図18〜19に関連して上記で説明したように、固定装置199、199’の目的は、テンプレート200を骨の解剖学的構造に固着し、および複数のガイド206を通した永久的な固定装置(図示せず)の固着を容易にすることである。
図20を参照して説明すると、テンプレート200は、第1の固定装置199を挿入するための、テンプレート200の上面から延出する隆起208を含み、隆起208は、固定装置199の形状および長さに適合するように部分的に中空である。隆起208は、図20に示すように、テンプレート200の横方向に延在する部分すなわち「ウィング」204の上方へと延在する。隆起208は、程度の差はあるが、図20に示すものよりもテンプレートの上方へ延在して、固定装置199の過挿入に対するしっかりした停止を提供し得る。同様に、テンプレート200の反対側の横方向に延在する部分すなわち「ウィング」も、第2の固定装置199’を挿入するための隆起208’を含む。
この実施形態によれば、患者接触面の決定およびモデリングに関して上記の開示を組み込むことにより、テンプレート200は、少なくとも4つの患者特有の接触面205、207を有する。この実施形態は、テンプレートの安定性および位置決めを向上させ、かつ外科医が、動的に安定した外科用テンプレートを達成できるようにし、次に、永久的な固定装置が全て、特定の外科的な必要性に対して予め決められた方向および向きに確実に位置決めされて挿入されるようにする。これは、テーブルの独立した脚のような働きをしかつ患者の骨の解剖学的構造に対して異なる位置(および異なる平面)に位置決めされている4つの患者接触面を設け、テンプレート200の安定性および位置決めをさらに向上させることによって、成し遂げられる。
図18〜21に示す実施形態によれば、ガイドおよび他の患者接触面は、深さが特有であるとしてもよく、かつさらに、患者の骨の解剖学的構造内への制御された深さまでの一時的な固定装置の挿入に適合するように、特定の内径を組み込み得る。さらに、ガイドは特定のねじ内面を有し、このねじ内面は、特定の固定装置に適合し、かつスクリューなどのねじ固定装置の挿入を容易にし得る。いくつかの実施形態では、テンプレートは、固定装置が骨の解剖学的構造に過度に貫入しないようにする、または深さの制御された第1の組の固定装置をテンプレートに一時的に固着させるのを容易にするように、特定の患者のために設計し得る。
さらに別の実施形態によれば、各患者接触面は、患者接触面の少なくとも一部分の周りに組み込まれた、患者接触切除面を備える統合ブレードを有し、固定装置の挿入前に、さらにテンプレートを骨の解剖学的構造に設定して固着し得る。ブレードの目的は、軟組織を切り開いて、テンプレートと患者の骨の解剖学的構造との間の骨接触に対してより良好なテンプレートを達成することである。ガイドの中空部分およびテンプレートの他の患者接触面は、さらに、テンプレートを所望の位置に設定した後、これらの中空面内に軟組織を位置決めできるようにし、テンプレートを患者の骨の解剖学的構造にさらに固着させる。ブレードは、ガイドの形状に適合するように実質的にシリンダー状またはリング形状とし得るか、または患者接触面に適合するように、卵形、多角形、または他の形状とし得る。
患者の解剖学的構造への本明細書で説明する患者接触面の載置および配置に対してさらに安定性を加えるために、接触面は、さらに、1つ以上のスパイクまたは歯を含み、これらスパイクや歯は、患者の生解剖学的構造に接触しかつ少なくとも部分的に貫入してデバイスを適所に固着する働きをし得る。一実施形態では、スパイクまたは歯は、同じ材料から作製され、かつ患者接触面に永久的に取り付けられ得る。別の実施形態では、スパイクまたは歯は、本明細書で説明するもののような異なる材料で作製され、およびさらに、必要に応じて患者接触面の1つ以上に選択的に挿入され得る。
ここで図22を参照すると、本開示のさらに別の代替的な実施形態が示されている。この実施形態によれば、テンプレート220は複数の患者接触面212、219を有し、これら患者接触面は、「浮いている」患者適合構成要素214を使用することによって達成され、この患者適合構成要素は、第1の組の患者接触面212が位置決めされる前または後のいずれかの時点で、複数のガイド216の1つに挿入され得る。患者適合構成要素214は、さらに、長手方向キー218を含み、このキーは、ガイド216のスロットまたは溝(図22には図示せず)に対応して、テンプレート220のそれぞれの患者適合構成要素214の適切な位置(回転式に)に容易にもたらし得る。
それゆえ、この実施形態によれば、テンプレート220は、テンプレート220をその所望の位置に固着する少なくとも2つの固定装置(図示せず)を使用することによって第1の位置に固着され、その後、複数の患者適合構成要素214は、テンプレート220のガイド216に挿入されて、患者の骨の解剖学的構造の2つの別個の位置の周りに載置され得る。
ここで図23を参照して説明すると、本開示のさらに別の実施形態が示されており、器具240を使用して、本明細書で開示した様々な実施形態によるテンプレート230の挿入を容易にし得る。器具240は、好ましくは、ハンドル242と、延長アーム244とで構成され、その長さは、特定の患者の解剖学的特徴および/または外科医の好みに依存して変わり得る。延長アーム244の遠位端部にはタブ246があり、このタブは、テンプレート230の1つの面に配置された、対応するスロット236に適合するように形成されている。動作時、器具240は、テンプレート230と接合され、かつ患者の手術部位内にテンプレート230を挿入および位置決めするために使用され得る。
ここで図24を参照すると、本開示の別の代替的な実施形態が示されている。この実施形態によれば、患者特有ではなく(しかし、代替的な実施形態では、患者特有とし得る)、かつさらに、複数の患者に特有の構成要素254をテンプレート250に取り付ける手段を提供するテンプレート250が提供され得る。図24に示すように、構成要素254は、アパーチャ252、258を整列させて、スクリュー、ピン、または他の同様のデバイスなどの1つ以上の固着デバイス(図24には図示せず)を取り付けることによって、テンプレート250に固着され得る。構成要素254がテンプレート250に固着されたら、患者接触面262を使用して、統合した構成要素254を所望の位置にしてテンプレート250を案内および位置決めし得る。このように、標準的なテンプレート250は、任意の患者のデータを獲得する前に提供され、かつ患者の解剖学的データを収集した後に形成される患者特有の構成要素254と組み合わせられ、それにより、特定の外科的応用のためにテンプレートをあつらえて適合させることや製作することをなくし得る。
この実施形態によれば、テンプレート250は再使用可能であってもよいし、または代替的な実施形態では、使い捨てであってもよい。テンプレート250は、本明細書でリストした材料のいずれかで構成し得るが、好ましい実施形態では、金属、金属合金またはポリマーベースの材料で形成される。さらに別の代替的な実施形態によれば、構成要素254は、適所にはめ込み得るか、または摩擦嵌合接続を有してもよく、それゆえ、テンプレート250に取り付けるためのスクリューや他の固着デバイスを必要としない。さらに別の代替的な実施形態では、テンプレート250は、患者の解剖学的構造におけるばらつきおよび異なるサイズの椎体(患者の脊柱の異なるレベルまたは領域に関して)を網羅するために、様々な設定サイズおよび向きで設けられ得る。
ここで図25には、本開示の別の実施形態が詳細に示されている。この実施形態では、テンプレート270は、複数の患者接触面276、278を有し、かつ、さらに、テンプレート270を患者の棘突起に固着するために複数のクランプ272を含む。この実施形態によれば、クランプ272はそれぞれ、患者接触面274(ここでは、各外側面の周りで棘突起に接触するように設計される)を有し、テンプレートを患者の解剖学的構造の所望の位置に固着する。クランプ272のそれぞれは、テンプレート270(立面図で示す)に対して外側に位置決めされ、かつテンプレート270の本体に対する設定位置に付着させ得る。クランプ272は、ラッチ機構、ラチェット機構、方向特定抵抗機構(direction−specific resistance mechanism)、または選択的に解放可能な締め付け機構を含むいくつもの公知の手段によって、棘突起に対する定位置に固着され得る。この実施形態では、クランプ272は、骨の解剖学的構造に生じる反対の力が、患者のテンプレート270に対してバランスがとられるようにする。次に、クランプ機構によって、骨表面に対するテンプレート270の整列を保証および維持し、さらに、永久的な固定装置の挿入に関する精度を保証する。クランプは、様々な形状、またはピン、パドル、または並置安定化力(juxtapositional stabilizing force)を加える任意の他のタイプの対向面を含む実施形態をとり得る。
一実施形態によれば、図24および図25に示す外科用ガイドは、ガイドスリーブの患者接触端部の周りに面を含み(254参照、図24)、ガイドスリーブの患者接触端部が患者の椎骨に接触する箇所(278参照、図25)で、関節突起複合体(facet complex)に存在する軟組織に合致するようにし得る。それゆえ、この実施形態によれば、1つまたは複数の全体的にシリンダー状のガイドスリーブは、半シリンダーまたは部分シリンダー(図24および図25に示すように)に似た患者接触面を含んで、この軟組織との接触を回避する。
代替的な一実施形態では、外科用ガイドは、さらに、配置を容易にするために切り取られているかまたは選択的に切り取られ得るまたは折られ得る1つ以上の部分を含み得る。そのような外科用ガイドの1つを図26Aおよび図26Bに示す。この実施形態によれば、外科用ガイドは複数の患者接触面を含み、患者接触面の1つ以上は修正されて、適所に配置されているときのガイドの除去を容易にし得る(図26Aの面282を参照)。さらに、本明細書で説明するような外科用ガイドは、ガイドを好ましい位置に固着するために1つ以上のクランプ要素、例えば図26Aおよび図26Bに示すクランプ284を含み得る。
さらに別の実施形態によれば、図27Aおよび図27Bに示すように、1つまたは複数のガイドスリーブ254は、さらに、1つ以上のインサート288の挿入ができるようにし得る。これらのインサート288は、外径が1つまたは複数のガイドスリーブ254の内径に合うようなサイズにされ、かつ様々なサイズのドリルビットまたはタップ(例として)を収容するために、インサート288を通って長手方向に延びる内部アパーチャを有し得る。実際には、インサート288は、スクリューなどの固定装置をさらに挿入するために、ドリルビットがパイロット孔を形成するのを容易にしかつそのようにドリルビットを案内し得る。一実施形態によれば、インサート288は、さらに、特定レベルの患者の脊柱に特有のインサート288を識別するための1つ以上の印、または前記インサート288の方向、向き、使用または目的を示す他の印を含み得る。
ここで図28を参照して説明すると、ガイドスリーブ254とかみ合う外科用ガイドを備えるインサート288は、可変長Lを有し、かつガイドの幾何学的形状、患者の解剖学的構造、インサートの目的などに依存して、より長くまたはより短く作製し得る。例えば、より深い特定のドリルが必要とされる場合、インサート288はより短く、ドリルビットが患者の椎骨にさらに貫入するように適合し得る。同様に、インサート288の内部アパーチャは、インサートと共に使用するための精密な用具または器具に依存して、可変直径を有し得る(図29Aおよび図29Bに示すように)。このように、外科医は、外科的処置の実施時にインサートの各々(これは、さらに、前記インサートを対象とした位置または特定の用途を示すために1つ以上の印を含み得る)を備えるドリルまたはタップなどの適切な用具を外科医が使用していることを保証し得る。上述の原理のさらなる説明は、図29Aおよび図29Bを参照し、これらの図は、タップ器具配置用の4.5ミリメートルのアパーチャ直径、および1/8インチのドリルビットに関連して使用するための1/8インチのアパーチャ直径をそれぞれ有する、インサートを示す。
ここで図30を参照して説明すると、一実施形態によれば、上述のインサート288はまた、ガイドスリーブ254に加えて、インサート288をさらに患者特有の解剖学的構造と適合させるための患者特有の接触面294を含み得る。これにより、インサート288およびインサート288が含まれるガイドの安定性および適切な位置への位置決めを、よりしっかりとしたものにできる。さらに、ドリルビットまたは他の振動または揺動具に関連して使用されるインサート288に関し、インサート288のこれらの患者適合面294はまた、初期のパイロット孔を作製するときに、ドリルビットの遠位端部が椎体の表面上で「ウォーキング」すなわち移動することがないようにし、それにより、固定装置の間違った軌道となる危険性を低下させる。
本開示のさらなる実施形態によれば、上記で詳細に説明した(および本明細書で開示したいくつかの実施形態による)外科用ガイドの本体から延出する1つ以上の突起によって形成された患者接触面は、関節突起間関節などの患者の解剖学的特徴の周囲の軟組織に貫入しかつ付着するための、尖頭的または半尖頭的な接触縁部を含み得る。この実施形態によれば、接触面は、軟組織侵入用の凹状キャビティを含み得る。これらの凹状キャビティは、脚の外側周囲に縁部を形成し、縁部は、軟組織の切除を容易にするために尖頭的または選択的に尖頭的であり、下にある骨に置かれ得る/かみ合い得る。これは、患者接触面の正確な位置が小さな誤差範囲内に入る必要がありかつ処置の最中にわたって不変なままである必要がある脊椎の外科的処置には、特に重要である。
ここで図31を参照して詳細に説明すると、インサートは、さらに、全体的にシリンダー状のインサート本体の1つの面の周りにキーまたはノッチ296を含み、このキーまたはノッチは、デバイスのガイドスリーブ254上の切り欠き部またはスロット298にかみ合うように構成され得る。このように、インサート288の適切な回転/向きは、ガイドスリーブ254の中空体にインサートを案内するときに、保証される。
ここで図32A〜34Bを参照すると、切除ガイド(上述の図13で示したものような)の別の図が提供されている。一実施形態によれば、切除ガイドは、切除ガイドの少なくとも1つの面の周りに複数の患者特有の接触面302を含む。好ましい実施形態では、切除ガイドは、さらに、切除器具(図33A〜Cに示すような)の挿入を容易にするための患者特有の「トラック」303を含み、かつ特定の外科的処置の最中に、1つ以上の器具の接触面304をさらに提供することによって、下にある面を不必要に切除しないようにその器具の挿入深さを制御し得る。図32A〜34Bに関連して示す実施形態によれば、切除ガイドは、椎弓切除のために提供され得る。他の実施形態によれば、患者特有のガイドは、とりわけ椎体部分切除術(corpectomy)、PSO(Pedicle Subtraction Osteotomy)、SPO(Smith−Peterson Osteotomy)、脊柱切除(VCR:Vertebral Column Resection)、または非対称的骨切り術(Asymmetric Osteotomy)(矢状面または前頭面のいずれかにおける)における実施において使用するために製作され得る。
これらの患者特有の切除ガイドは、患者の解剖学的データから製作され、かつ複雑な処置の実施を、それらの結果の確実性を大きくして、支援し得る。例えば、いくつかの骨切り術、具体的にはPSOおよびSPOは、豊富な手術の技術を必要とし、かつ時間のかかることが多い。これは、一部には、骨構造に対する脈管要素および神経要素の密接な関係に起因し、これは、外科医に、これらの処置のうちの1つの最中に、安全にかつ効果的に骨を切除するためのナビゲーションの課題をもたらす。これは、後方アプローチでは特に当てはまる。患者特有のガイドを使用することによって、外科医は、処置を開始する前に切除軌道および経路の位置決めおよび配列を確認し、および図32A〜34Bに関連して上記で提供した開示を促進するためには、また、脈管要素および神経要素との接触を避けるために重要な深度制御の程度を提供し得る。
一実施形態では、図32A〜34Bに示す切除ガイドに関連付けられた切除具は、今日の外科的処置で現在使用されている典型的なタイプの用具である。別の実施形態によれば、下記で詳細に説明するように、器具が、器具の位置および深さをさらに制御するのを容易にするために、専門の切除バー(cutting bur)または切除チップが含まれ得る。例えば、図33A〜33Cに示すように、器具の切除部分は、患者特有の処置に必要とされるよりも器具が切除ガイドに挿入されすぎないようにするトラックボール308を有し得る。
図34A〜34Bに詳細に示すように、トラックボール308は、切除ガイドの「トラック」303の第1の部分まで挿入され得るが、切除ガイドの「トラック」の第2のすなわちより深い部分(そこを通って切除面は移動できる)までは挿入できず、それにより、切除器具を確実に適切な深さにする。図34A〜34Bに示す以外の、トラックボール308を切除ガイドの上面に対して水平に、場合によっては切除ガイドのトラック303まで横方向かつ下方に動かすことができる別の幾何学的形状が提供され得る。この実施形態では、それゆえ、切除器具は、切除ガイドの「トラック」303のある位置において、一定の深さで患者の解剖学的構造の周りを動くことができるが、切除ガイドの「トラック」303の周りのさらに別の位置では、より深くもできる。それゆえ、切除ガイドに対して器具に許されている深さは、切除ガイドの「トラック」303の周りで可変とし得る。
これらの患者特有の切除ガイドを使用することによって達成される他の利点は以下を含む:迅速でかつ制御して骨の除去を達成する手段を提供すること;処置の最中に使用される切除具の空間的向きを提供すること;器具を制御して案内することおよび術前計画過程中に視覚化することの双方によって、切除の正しい向きを保証すること;切除前に変形矯正の正確な計算を提供すること;正確な骨切除を提供し、それにより変形矯正を確実に行うこと;神経および脈管要素を保護するための、深度が制御された切除制限;制御された切除ベクトル、および神経要素への接触または損傷の回避;および後方、前方、後外側、大孔を通る(transforaminal)または外側侵入(direct lateral)アプローチでの切除アプローチを提供する能力。
図35は、本開示のさらに別の代替的な実施形態による上面図である。この実施形態では、デバイス310は、デバイスを患者の骨の解剖学的構造から取り外すことなく、固定装置(椎弓根スクリューなど)を配置できるようにする離脱(break−away)部分314を含む、1つ以上の患者接触要素を提供し得る。離脱外側縁部は、破壊される部分314に穿孔の軸を提供するデバイスの外科用ガイド部分の面にスロット315を生成することによって、形成され得る。
この実施形態によれば、ガイドスリーブは非対称的としてもよく、それにより、2つの異なる内径を可能にする:一方は、手用具(すなわちドリル、タップ)の案内を容易にし、および他方は、デバイスの隆起またはキャップ(椎弓根スクリューのチューリップ状部分)を収容する。ガイドスリーブの離脱部分314が除去されると、椎骨まではっきりと見ることが可能となり、かつそこまでのしっかりとした経路ができるため、案内デバイスを除去することなく、椎弓根スクリューの配置を可能にする。
図36は、図35に示す実施形態によるデバイスの詳細図である。図36には、スロット315の詳細図が示されており、このスロットは、好ましい実施形態では、デバイス310の製作中に形成され得るが、代替的な実施形態では、デバイスが製作された後に、デバイス310のガイドスリーブの特定の面の周りへスロット315を形成する穿孔または他の技術によって、形成され得る。
図37〜39は、図35に関して示しかつ説明した実施形態によるデバイスの追加的な図である。図37には、2つの離脱部分314がデバイス310から分離されている、非対称的なガイドスリーブが示されている。図38には、図26A〜Bに関して示しかつ説明した実施形態が示されているが、ここでは、上述したような離脱部分314を備える非対称的なガイドスリーブを有する。
図40A〜Dは、少なくとも1つ以上の離脱部分を有する実施形態による、図35〜39に関して上述したデバイスの追加的な斜視図である。離脱部分は、除去されると、好ましくは外科医によって廃棄される。
本明細書で説明する実施形態の各々は、モジュール(すなわち、単一レベル)構成、またはモノリシック(すなわちマルチレベル)構成で提供され得る。それゆえ、ここで提供する説明を容易にしやすくするために、いくつかの実施形態は、1つ(モジュールまたはモノリシック)の実施形態で示したが、開示の趣旨から逸脱することなく、異なる(モノリシックまたはモジュール)構成で提供し得る。様々な態様では、モノリシックの実施形態は、脊柱以外の患者の骨の解剖学的構造の複数の位置を、椎体の2〜10レベルのどこかに含み得るか、またはそれらを取り囲み得る。本明細書で説明する実施形態は、開示のいくつかの実施形態を説明するためのものであり、開示の範囲を限定するものではないことがはっきりと理解される。
本明細書で説明する様々な実施形態によれば、外科または教育環境において使用するための、ピン、スクリュー、フック、クランプ、ロッド、プレート、スペーサ、楔、インプラントなどを含むがこれらに限定されない様々な固定装置が、迅速かつ簡単に製作され得る。同様に、患者適合インサータ、スクレーパ、カッター、エレベータ、キューレット、骨鉗子、探針、スクリュードライバー、パドル、ラチェット機構、除去および救出具、カニューレ、外科用メッシュなどを含むがこれらに限定されない、様々な器具および/または他のデバイスは、患者特有のデータに基づいて製作され得る。
患者特有のデータを使用しかつ複数の患者適合面を有して製作され得る装置には、患者の椎骨における椎間腔の高さを修復するために使用される多数のインプラントを含む、インプラントとして使用されるデバイスが含まれる。例えば、様々な患者に適合した金属性、ポリマー性またはエラストマー性インプラントが、本明細書で説明する方法を使用して製作され、インプラントのいくつかの患者接触面が、正確にかつ精密に患者の解剖学的構造に適合し得る。一実施形態では、インプラントは、退化しており修復を必要とする患者の解剖学的特徴に適合し得る。別の実施形態では、インプラントは、必然的に、患者の解剖学的構造に存在する構造的または生理的変形を矯正し、それにより、患者の解剖学的構造の位置または配列を矯正する働きをし得る。他のインプラントは患者特有とし得るが、修復機能または他の構造機能(すなわち、補聴器型のインプラントケース)の働きはしない。
本明細書で説明するインプラントは、積層造形によって製造され得る。脊柱インプラントとの関連では、インプラントは、全てのアプローチ(前方、外側侵入、大孔を通る、後方、後外側、後外側侵入(direct lateral posterior)など)に使用され得る。インプラントの具体的な特徴は、外科的ないくつかの目的、例えば前弯の修復、椎間板の高さの修復、矢状面または冠状面のバランスの修復などに対処するものとし得る。
本開示によって考慮される他の適用例は、椎体間固定(interbody fusion)インプラント、椎間腔高さ修復インプラント、フットプリントマッチングを有するインプラント、表面領域最大化、終板または他の椎骨欠損に適合する形状および輪郭を含み、およびさらに、相対的な粗度または他の表面特徴などの接触面を明確にし得る。例えば、インプラントは、方向特定形状をさらに含む患者の解剖学的構造に基づいて製作され、インプラントは、アクセスポータル(access portal)を通って難なく椎間腔に収まり得る。あるいは、インプラントは、インプラントの部位およびインプラントが移動する必要のある経路の双方に関する解剖学的制約を考慮するように製作され、かつさらに、解剖学的欠損を補償し得る。脊柱インプラントの関連では、インプラントは、さらに、前弯または冠状面の欠損の矯正に所望の角度を明確にし、インプラントの患者特有の高さを明確にし、または(椎間板の高さ修復に続く所望の高さ)、許容された拡張度(拡張可能なインプラントに対し)を明確にし、かつ外科および外科医の好みに依存して一方向または多方向とし得る。
一実施形態によれば、患者適合デバイスの製作は、患者適合椎骨プレートを作製するために使用され得る。限定されるものではないが、例えば、患者のデータは、脊柱再建手術に使用される1つ以上の前方頚部または腰部プレートの適合面を作製するために獲得され得る。これらプレートは、2つ以上のセグメントまたは椎骨にわたる適合面を含む、骨の解剖学的構造に適合する輪郭または表面特徴を含み得る。さらに別の実施形態では、患者のデータは、プレートの位置に関する識別子を備えた特定の患者に適合したプレートを作製するのに使用され、さらに、あつらえのドリル孔または患者特有の他の配列点を含み得る。他のタイプのプレートは、脊椎手術に使用されかつ説明されたものに加えて、本開示から逸脱せずに、本明細書で説明する、患者に適合する特徴を組み込み得る。
ここで図41〜44を参照すると、本開示の代替的な実施形態が示されている。いくつかの処置では、特定の手術部位内またはその近くに複数の軌道が必要である。例えば、第1の固定装置は、第1の軌道に固着される必要があり、および第2の固定装置も、第1の軌道とは異なる第2の軌道に固着される必要があるとし得る。この実施形態によれば、複数のガイドを必要とせずに、複数の軌道が達成され得、および実際に、カスタマイズされたガイドまたはその構成要素によって容易にされ得る。
図41〜44を参照して説明すると、本実施形態は、アパーチャ325を通る第1の軌道を有する第1のガイドスリーブ320を含み、およびさらに、第2の軌道Dを有する第2のガイドスリーブ320’、および第3の軌道Cを有するインサートを含み得る。この実施形態によれば、インサートは、本明細書で説明するタイプのような外科用ガイドまたはガイドスリーブと一緒に、または図42〜44に示すガイドと一緒に使用され得る。インサートは、全体的にシリンダー状とし得、およびガイドスリーブに挿入され得るように同様のサイズとし得、および好ましくは、スロット(図41には図示せず)と適切に位置合わせするために少なくとも1つのタブ322、322’を含む。骨の解剖学的構造に対してガイドを位置合わせ(registration)することによって、外科医は、ガイドの適切な位置決めを確認でき、およびそれにより、インサートのカスタマイズされた向きによって、固定装置を所望の位置に配置できる向きをもたらす。
この追加的な実施形態の概念は、ガイドの少なくとも1つの部分を使用して(患者の解剖学的構造に配置される/取り付けられるとき)、患者の解剖学的構造に追加的な軌道を生じることを含む。限定されるものではないが、例として、本明細書で説明する外科用ガイドの以下の態様は、新しいガイドを形成する必要なく、代替的な軌道を決定しかつそれを生じるために使用され得る:
・ 1つまたは複数のガイドスリーブ;
・ 1つまたは複数のガイドスリーブインサート;
・ ホルダー取付領域;
・ ガイドのアーム(すなわち、クリップ、穴、位置合わせ点などによって)。
上述の構成要素に関連付けられるいずれかの基準点は、第2のまたは他の複数の軌道を決定するために使用され得る。例えば、軸線、接線、交差点、半径、予め決められたマーカ(X線撮影用マーカなど)、表面特徴、終点または他の位置合わせ可能な位置を、第2のインサートの向きを決定するための基準として使用し得る。
同様に、ガイド上の任意の公知の点または幾何学的形状を使用して、ガイドに「はめ込み」得る別のモジュール部分を形成し、複数の軌道をもたらし得る。例えば、ガイドのホルダー取付領域は、異なる軌道をもたらす「張出し」アームを取り付けるために使用され得る。これはまた、ガイドのアームが通る穴、例えば、張出しアームが挿入され得る固定スクリューの穴に適用され得る。
別の実施形態は、追加的な空間的な方向付け特徴として固定スクリューまたは椎弓根スクリューを使用し得る。固定スクリューおよび椎弓根スクリューは、計画された、特定の向きで配置される。これらのスクリューの長さおよび方向は予め決められているため、隣接するレベルの軌道は、これらのスクリューの向きおよび特徴に基づき得る。
あるいは、外科医は、ガイド内の固定スクリューの穴の位置を使用して、あつらえのインサートを必要とすることまたは必要としないことを含め、追加的な軌道を生じ得る。別の代替的な実施形態では、外科医は、特定の向きに配置された椎弓根スクリューを使用し、追加的な軌道を形成し得る。
図42A〜Bは、本開示の別の代替的な実施形態によるガイド400の上面図である。ガイド400は、好ましくは、少なくとも第1の組のガイドスリーブ410および第2の組のガイドスリーブ412を含む。この実施形態は、一部には、処置の最中にアクセスを必要とするいくつかの領域において確かめられない患者適合面のデータに起因して、限定されるものではないが、例として、仙腸骨の固定に特に有用である。より詳細には、腸骨稜に両側で到達するために、非常に幅広の軟組織を露出させる必要があり、これは、正常な解剖学的構造に対して過度に破壊的である。例えば、S1椎弓根スクリューガイドの位置を使用することによって、あつらえのガイドの軌道が製作され得る。軌道の向きは、より内側の位置合わせの位置を用いることによって決定され、およびそれにより、新しいガイド生じることなく、または他のあつらえて製作された器具を用いずに、様々な腸骨および仙骨の軌道にアクセスできるようにする。
好ましい実施形態では、図42A〜Bのガイドは、腸骨稜の上側で浮いており、および必ずしも腸骨稜と接触しておらず、これは、不安定なまたは敏感な解剖学的構造を有する一部の患者では望ましい。追加的な軌道は、ガイドスリーブまたはガイドスリーブインサートの元の向きに基づき得る。さらに、他の仙骨構造、例えば仙骨翼、S2椎弓根、または横断仙腸関節(trans−sacroliliac joint)中への軌道も達成され得る。
少なくとも1つの実施形態によれば、インサートの患者接触端部は、患者に適合していなくてもよく、および他の実施形態によれば、第2の軌道を通って配置される固定装置に、向きならびに深さの制御をもたらし得る。図41〜44は、1つの異なる軌道のみを示すが、追加的な軌道は、単一のガイドインサートを備え得ることが明白に理解される。
図43Aは、3つのレベル処置(仙腸骨プラス1つの追加的なレベル)のガイドの上面図であり、第1の対のガイドスリーブとは異なる2つの軌道を有する一対のインサートを示す。図43Bは、図43Aに示すデバイスの詳細な平面図を示す。より具体的には、この実施形態で提供されるガイドスリーブ422、423は、ガイドの1つまたは複数のスリーブ422、423の一般的な軌道とは異なるカスタマイズされたおよび特有の軌道をもたらすように、ガイドと一緒に使用されるインサート424を変化させることができる。インサート424は、図43〜44に示すものとは異なるおよび/または追加的な軌道を含み得るか、またはあるいは、1つまたは複数のガイドスリーブと同軸でなくてもよい所望の方向にガイドの本体から外側へ延在し得る。
この実施形態はまた、腫瘍の手術において、または骨表面が存在しないまたは変更(修正(revisions))される箇所で使用され得る。隣接するレベルからのガイドは、これらの追加的な軌道をもたらすために使用され得る。
ここで図45を参照すると、本開示の代替的な実施形態による外科用ガイドと一緒に使用され得る2つの外科用ドリリングスリーブ432、434が側面図で示されている。ドリリングスリーブは、一般的に、当該技術分野において公知であるが、本実施形態は、ドリリングスリーブの遠位端部において骨表面と接触するように、1つ以上の患者適合インサートまたはガイドスリーブを通って配置され得る、あつらえのドリルスリーブ432、434に関する(図46参照)。あつらえのドリルスリーブ432、434は、任意の材料で作製され得るが、好ましい実施形態は、十分に強度がありかつドリルスリーブ材料を破壊および/または剝離する脆弱性を回避する金属または金属合金から製造されたスリーブ432、434を有し得る。それゆえ、ドリルスリーブ432、434は、スリーブ432、434を損傷させることなく、またはスリーブからの材料をドリリングの部位に堆積させることなく、ならびにドリリングスリーブ432、434を再使用することなく、高速のドリリングの影響に耐え得る。スリーブ432、434はまた、滅菌の最中に遭遇する高温にも耐える必要がある。金属製スリーブ432、434の別の利点は、切除面を「穿孔」または機械加工して、ガイドの遠位端部435が、骨に「食い込んで」、固定する手段を提供できるようにする能力である。
図46は、本開示の代替的な実施形態による外科用ガイド450、ガイドスリーブ452およびドリリングスリーブ432のアセンブリの正面図である。この実施形態では、交差する骨の解剖学的構造とスリーブ432との間に間隙をもたらすことができるドリリングスリーブ432が提供される。あるいは、スリーブの穿孔されたまたは患者特有の縁部は、下にある骨表面とより良好に接触し得る。
対向する異なる角度において患者適合ガイドスリーブを通って骨まで配置されるドリルスリーブは、椎骨へのガイドの追加的な固定を提供する。インサートを通したドリルスリーブの収束はまた、追加的な固定の必要性をなくす。本開示の趣旨から逸脱することなく、より多数または少数のインサートおよび/またはガイドスリーブが患者特有のガイドを備え、外科的処置においてドリリング動作を容易にし得ることが、明白に理解される。一実施形態では、スリーブは使い捨てであり、および他の実施形態では、スリーブは再使用可能である。
図47A〜Dは、本開示の一実施形態によるアセンブリトレイおよび患者適合外科用デバイスを配置する方法の図である。この実施形態によれば、アセンブリトレイ460は、複数の患者特有のデバイスDを備え、これにより、外科医の好みまたは特定の手術に従って、デバイスDの配置の系統立て、構造および効率化を強化する。
アセンブリトレイは、限定されるものではないが、以下の要因:
・ 手術の件数および手術の特定レベルZ1〜Z4(すなわち、複数のガイドが使用される);
・ 椎弓根スクリューインプラントの直径および長さの選択(任意選択的な変形例を含む);
・ 選択したインプラントに対応する、1つまたは複数のナビゲーションガイド;
・ 特定の適用例に提供されるモノリシックなガイドと直列および/またはそのガイドを含む、ガイドおよび/またはスリーブの組み合わせ
を含む、手術室でユーザが成功を収めるに必須である配置構成を提供する。
一実施形態によれば、アセンブリトレイ460は、特定のレベルにおける特定の領域で動作する必要がある必要な部分を全て含む「ゾーン」Z1〜Z5からなる。トレイ460は、好ましくは系統立てられ、およびデバイスDは、手術の前に所望の位置に配置され、および手術の直前に滅菌用の施設に到達し得る。トレイ上の各「ゾーン」は、限定されるものではないが、例として、特定の椎骨レベルのための、ガイドD、インサートI、および椎弓根スクリューSを含み得る。さらに、特定の椎骨レベルに特有の任意のドリルスリーブ、固定スクリューまたは他の付属物が、その「ゾーン」に含まれ得る。トレイは、好ましくは、特定の手術に特有の印462を含み、これは、異なるデバイス、領域、レベルなどに対応する。
トレイは、実施される手術のサイズ(すなわち2レベル対3レベル)に依存して様々なサイズがあってもよく、およびゾーンを、脊柱のレベルに適合させるように、ラベルが付けられ得るか(ゾーン1は、L1である)、または他の特有の印を含み得る。例えば、ゾーンは、色分けされてもよいし、およびある領域またはレベルに関してインサートをガイドに適合させるのを容易にするために、特定のガイドに相補的な対応する異なるインサートが同様にコード化されてもよい。別の実施形態では、構成要素は、バーコードを付けられるか、RFIDコードを付けられるか、または適切な走査機器によって読み取られ得る他の特有の特徴を有する。
さらに、トレイは、ガイドのより安全なパッケージングおよび向きを提供する。これは、材料の繊細な性質および特定のガイドに対して製作された異なる突起に起因して運搬または蒸気滅菌の最中に保護を必要とし得るプラスチックガイドに関し、特に重要である。パッケージングは、これらの重要なステップの最中に、寸法完全性を保証するために必要とされる。
上述の通り、本開示のいくつかの実施形態は、頸椎(すなわち、C1〜C7)で手術を行う際に使用するための手術法および装置に組み込まれ得る。胸腰部と頸椎との間の椎骨の幾何学的形状が類似していることに起因して、上述の概念の多くが、頸椎の処置において使用されるために患者適合外科用ガイドに組み込まれ得る。しかしながら、頸椎および周囲の解剖学的構造の特有の特徴は、患者適合頸部ガイドの向きを決定しかつ配置するときに、考慮する必要があり、そのうちのいくつかを、図48〜63に関連して下記で説明する。
ここで図48A〜Cを参照すると、レベルC7で行われる処置において使用される本開示の一実施形態が示されている。この実施形態によれば、頸部ガイド470は、外科医が患者の骨の解剖学的構造に対して適切な位置に正確にかつ信頼性高く頸部ガイドを配置できるようにする、複数の患者適合接触面を含む。図48Aに示すように、この実施形態の頸部ガイドは、ガイド470の内側本体にアーチまたはブリッジセクション471を含み、これは、棘突起を回避するように向けられ、かつ椎体と接触するように配置される(この実施形態では、レベルC7において)。頸部ガイド470は、好ましくは、第1の横突起の対応する面とかみ合わせるように術前に構成された第1の患者特有の面と、第1の横突起に対向する第2の横突起の対応する面とかみ合わせるように術前に構成された第2の患者特有の面とを含む。頸部ガイド470は、さらに、対応する第1および第2の端部を有する第1および第2の脚472を含み、第1および第2の端部は、椎骨の第1および第2の横突起の対応する部分とかみ合わせるように構成された第1および第2の患者特有の面の位置を提供する。
一実施形態では、第1および第2の脚472は、図48A〜Cに示すように実質的にシリンダー状であり、およびさらに、スリーブを内部に挿入できるように中空とし得る。一実施形態では、上記で詳細に説明したように、スリーブは、スリーブが第1または第2の脚472の中空部分に挿入された後、患者の対応する解剖学的特徴とかみ合う患者特有の面を有する遠位端部を含み得る。いくつかの実施形態では、スリーブおよび脚472は、患者特有の面を含む。別の実施形態では、スリーブおよび脚472の一方のみが患者特有の面を含む。
スリーブは、スクリュー、K−ワイヤ、またはドリルなどのデバイスまたは器具または用具を挿入するためのアパーチャを含み得る。いくつかの実施形態では、ガイド470は、椎弓根スクリュー、外側塊スクリュー(lateral mass screw)、皮質スクリュー(cortical screw)または小関節面スクリュー(facet screw)のうちの1つを収容するように構成されたスリーブを挿入できるような向きにされている。本開示のガイドと一緒に使用するために考えられたスクリューおよび他のデバイスは、標準的なものとしても、または特定のガイドと一緒にまたは特定のレベルでのみ使用されるようにカスタマイズされてもよい。
図48Bに示すように、ガイドは、さらに、第1および第2の脚472に第1および第2の延長部474を含み、これは、例えば、固定スクリューを挿入するための補助アパーチャおよび経路を含み得る。この実施形態によれば、延長部474は、延長部のアパーチャを通って横突起まで挿入するための固定スクリューを収容し、頸部ガイド470を患者の骨の解剖学的構造に固着し得る。本明細書で説明する本開示の新規性から逸脱することなく、他のタイプのデバイスが、頸部ガイドを患者に確実に一時的に載置するために用いられ得ることが明白に理解される。
ここで図48Cを参照すると、図48A〜Bに関連して説明される頸部ガイドの上面図が示されている。アーチまたはブリッジ471は、棘突起を避けて示されているが、代替的な実施形態では、ブリッジ471の下面は、さらに、棘突起の対応する面とかみ合う患者特有の面を含み得る。この実施形態の例は、図54Aに関連して下記で説明される。頸部ガイド470は、さらに、患者、特定のガイド、ガイドが使用されるべき脊柱の位置またはレベル、特定のガイドによって収容されるデバイスまたは器具または用具のサイズ、ガイドの向きなどに関連する印を含み得る。印のいくつかの例を、図48A〜Cに示す。頸部ガイド470はまた、インサータなどの器具の遠位端部を収容するためのスロット、チャネル、溝または鍵穴を含み得る。
ここで図49A〜Cを参照すると、レベルC2で使用するための頸部ガイドに関連する、本開示の別の実施形態が示されている。頸椎のこの特定のレベルは、図48A〜Cに関連して上述したブリッジ491、脚492およびスリーブの向きを必要とする。特に、第1および第2の脚492は、わずかに上向きの軌道を備え、デバイス、器具または用具を、そこを通して配置するように、向けられ、これは、椎骨の椎弓根に接触するのに理想的な向きにされている。この実施形態は、ガイド490を一時的に載置するための固定スクリューまたは他のデバイスを収容するための延長部のない状態で示されているが、そのような延長部は、レベルC2のための頸部ガイドを備え得ることが考慮される。図48〜49に関連して説明したように、C7およびC2を除く他のレベルも、本開示の適用に考えられる。
ここで図50A〜Dを参照すると、本開示の別の実施形態が示されている。この特定の頸部ガイド500は、インサート(図示せず)、例えば、外側塊スクリューを収容するような向きにされたスリーブ510を含む。図示の特定のガイドは、頸椎のレベルC5に適用されるように設計されている。図50Cに最もよく示すように、ブリッジ502は、インサータなどの器具の遠位端部を収容するためのスロット503を含む。別の実施形態では、ブリッジ502のスロット付部分は、内側領域に、頸部ガイドの2つの分離した部分を接合するための接続部を含み得る。この特定の実施形態のさらなる詳細を、図53A〜Eに関連して説明する。図50C〜Dに示す患者特有の脚に加えて、この実施形態は、さらに、椎骨の椎弓板の面(laminar surface)の下側に配置するための第1および第2のタブ520を含む。タブ520は、頸部ガイドを患者特有の解剖学的構造に固着するのを支援し、および以下の段落でさらに詳細に説明される。
図51A〜Cを参照すると、図50A〜Dに示されている実施形態の追加的な図が示されている。この実施形態によれば、タブ520は、頸部ガイド500が適所に配置されると、関節突起間関節包を分離しかつ関節突起間関節に入るような向きにされている。タブ520の片側または両側が、患者に適合し得る。患者に適合するタブ520は、上側または下側で関節突起間関節に入ってもよいし、またはいくつかの実施形態では、双方を提供し得る。図示のこの実施形態では、タブ520は、関節突起間関節と締り嵌めを形成し、かつ頸部ガイドを適所に固着する。タブ520は、上述の締り嵌めを可能にするように曲がるのに好適な材料で作製され得、外科用ガイドの残りの部分と同じ材料でもまたは異なる材料でもよい。タブ520はまた、非可撓性材料で作製され、ガイドの材料の可撓性を用いて、上述の締り嵌めを可能にし得る。
ここで図52A〜Cを参照すると、この実施形態では棘突起に配置される固定スクリューなどのデバイスを収容するアパーチャ504をさらに含むスロット付ブリッジ502を示す本開示の実施形態が示されている。一実施形態では、アパーチャ504にはねじ山が付けられており、および別の実施形態では(図55Bに示すような)、ねじ山が付けられていない。アパーチャ504は、さらに、例えば図52A〜Cに示す固定スクリューを、頸部ガイドを頸椎の特定のレベルに固着するのに望ましいように、より上向きに向けることによって、特定の軌道を含み得る。図52A〜Cに示す実施形態はまた、図54Aに関連して説明した実施形態などの棘突起の対応する面とかみ合うブリッジ502の下面に配置された患者特有の面を含む実施形態に組み込まれ得る。
代替的な一実施形態によれば、上述の頸部ガイドは、さらに、ロッキングする手段を含み得る。図53A〜Eを参照すると、そのような実施形態は、ガイドの第1のセクション525をガイドの第2のセクション527にロッキングする手段を含み、およびさらに、特定の解剖学的特徴、例えば棘突起の周りで互いにかみ合うような向きにされた第1のカラーセクション526および第2のカラーセクション528を含み得る。第1および第2のセクション525、527および第1のカラーセクション526および第2のカラーセクション528は、限定されるものではないが、図53A〜Cに示すように1つ以上のタブを隣接する面の相補的なスロットに挿入することによることを含む、当業界で公知の好適な技術によって接合され得る。このようにして、第1および第2のセクション525、527の接合は、最初に頸部ガイドの第1および第2の脚を適所に配置してから、ガイドの第1および第2のセクション525、527を接合することによって、締り嵌めを可能にし得る。締り嵌めは、第1および第2の脚(および対応する第1および第2の患者特有の面)が、患者の骨の解剖学的構造に対して位置決めされたままである間の、接合しているガイドの第1および第2のセクション525、527の張力によって、引き起こされる。締り嵌めに加えて、または締り嵌めの代わりに、1つ以上のピンおよび/またはスクリューが、ガイドの第1のセクション525と第2のセクション527との間を通過して、それらを、剛性のアセンブリに接合し得る。これらのピンおよび/またはスクリューは、さらに、棘突起または椎骨の解剖学的構造の任意の他の部分を刺し通し、ガイドアセンブリを骨に安定化させかつ固定し得る。図面に示す第1および第2のカラーセクション526、528は、患者特有の面を有しないが、この特徴を含むことが、本開示の範囲内にあることは明白に理解される。
上述の通り、頸部ガイドは、図54A〜Cに示すように、さらに、ブリッジの下部に、棘突起とかみ合う患者特有の面を含み得る。患者特有の面は実質的に凹状とし、ブリッジの位置の下側に配置された棘突起の相補的な凸面を収容し得る。いくつかの実施形態では、頸部ガイドはまた、インサータなどの器具の遠位端部を収容するためのスロット、チャネル、溝または鍵穴を含み得る。図54B〜Cに、頸部ガイドのスロット付部分とかみ合う例示的なインサータが示されている。図54Cから最もよく分かるように、インサータの遠位端部は、2つの尖端(tines)を含み、尖端の一方は、ガイドのブリッジに配置されたスロット内に収容され、および他方の尖端は、ブリッジの外側面に配置され得る。挿入器具はまた、180度回転されて、第2の尖端が、ブリッジの反対側の外側面に配置され得るようにする。いくつかの実施形態では、尖端は、テクスチャー加工または複数の小さなかかりを含む内部表面を含み、ブリッジの1つ以上の面を掴み得るか、またはブリッジの面内にある相補的な窪みと接触してそれと接合され得る(これは、図54Cには図示しない)。
さらに別の実施形態によれば、頸部ガイドは、さらに、図55A〜Cに示すタイプなどのクランプを配置するための1つ以上のアパーチャを含み得る。クランプ540は、ねじアパーチャおよびクランプ540の対応するねじポストを提供することによって、固着されかつ締め付けられ得るか、またはクランプ540を適切な位置にロックするために、ねじポストおよび対応するナットを有し得る。図55Bに示すように、クランプ540は、椎骨の解剖学的面に対して位置決めされ、その後、図55Cに示す実施形態の場合のように、ねじポストおよびねじアパーチャまたはナットによって、固着位置まで締め付けられ得る。頸部ガイドを固着する動作を改善するために、2つ以上のクランプ540が提供され得る。この同じ方法で、図59A〜Bに示すように、1つ以上のタブまたはフックが、ガイドを患者の骨の解剖学的構造に固着するための頸部ガイドを備え得る。実際には、クランプ540またはフックは、最初に、所望の位置および箇所に配置されてから、ガイドが下げられて、クランプ540のポストまたはフックが、ガイドの対応するアパーチャに入るようにする。ひとたび、ポストがアパーチャを通って位置決めされると(図55Cおよび図56C〜Dに示すように)、ナットが、ねじポストにねじ式に接続され、かつ締め付けられて、頸部ガイドを患者の解剖学的構造に固着する。
胸腰ガイドで上述した通り、本明細書で説明する頸部ガイドは、患者特有の解剖学的構造に軸方向のまたはあるいは軸外の軌道を提供し得る。そのような軸外軌道は、上述のようなおよびここで図57に示すようなスリーブ550を備え得る。軌道は、上述の走査機器の使用から決定され、および最適な患者の解剖学的構造、骨密度などに基づいて選択され得る。軸外軌道は、ガイドと一緒に使用されるデバイス、器具または用具の所望の軸が同軸関係で達成され得るように、一般的に小さい椎骨が脚または対応するスリーブの位置決めを可能にしない頸椎の領域では、特に重要とし得る。軸外軌道を提供することによって、ガイドは、デバイスを固着する働きをし得るか、または他の方法では達成できない方向に用具または器具を挿入できるようにし得る。
図58A〜Cに示す本開示の実施形態は、患者特有のガイド較正モデルを含む。モデルは、ユーザに、1つ以上の予め決められたスクリューの軌道を含む患者特有のガイドを形成するための患者の解剖学的構造の視覚および触覚表示の双方を提供する。予め決められたスクリューの軌道のモデリングは、患者適合面の向きおよび配置、およびガイドの構成要素(すなわち、脚、スリーブ、インサートなど)の方向を支援する。モデルを使用することによって、ユーザはまた、調整可能および再使用可能である非患者特有のガイドを形成し得る。この一例は、ヒンジ、ラチェット、スイベル、ピボット、セットスクリューなどを備える外科用ガイドとし得、これは、調整されるまたは合わせられると、適所に「ぴったり」と収まり、かつひとたびユーザがそれらの調整を終了したら、ロックされ得る。その後、ガイドスリーブは、突出ペグ560(図58A〜Cに示すような)の上側に配置されて、所望のドリル/タップ/スクリューの軌道を提供し得る一方で、ガイドの残りの部分は、ユーザの裁量でまたは患者特有の解剖学的構造と最適な嵌りを達成するように、構成され得る。
図59A〜Dは、好ましくは患者の頸椎を伴う処置と一緒に使用され得る外科用デバイスの別の実施形態を示す。この実施形態によれば、デバイスは、複数のスリーブ572を含み、および複数のスリーブ572の1つ以上は、選択的に取り外し可能なクリップ、例えば図59C〜Dに示すクリップ574を収容し得る。一実施形態では、図59Aに示すように、選択的に取り外し可能なクリップ574は、クリップ574に関連付けられたポスト573を、スリーブの本体のスロット571内に配置することによって、収容される。この収容は、摩擦嵌合とし得るが、一層好ましくは、ひとたびデバイスが患者の解剖学的構造に配置されたら、クリップ574の不要な取り外しを防止する、スナップ式またはラッチ式の取り付けである。当業者には、この実施形態と一緒に使用される他の接続も考慮される。
図60A〜Cは、前段落で説明されているデバイスの追加的な図を含む。図60Aは、少なくとも1つのクリップ574が、デバイスのスリーブの本体に係合され、かつさらに、隣接する骨の構造の底面に係合されているデバイスの側面図である。ここでは、骨構造は、頸椎の椎弓板(lamina)であるが、クリップは、他の解剖学的特徴とも一緒に使用されることが考慮される。図60Bは、図59Dに示すクリップ574’と同様の2つのクリップ574’を備えるデバイスを示す。図60Cは、特定の一実施形態による、クリップとデバイスのスリーブとの間の接続に関する詳細を示す。
図61A〜Cは、ガイドおよび関連のクリップのさらに別の実施形態を示す。ここでは、クリップ575は、好ましくはばねクリップであり、および図61Aから最もよく分かるように、通常、クリップの遠位端部において、スリーブの本体から離れるように付勢される。クリップ575とガイドのスリーブとの間の接続は、クリップ575が、スリーブの本体に対してまたはそのより近くに押され得るようなものであり、クリップに関連付けられた通常の付勢が、それに対する抵抗を生じる。図61B〜Cに示すように、ひとたび押されると、クリップ575は、隣接する解剖学的特徴の真下に挿入され得る。この実施形態では、クリップ575は、関連の患者の解剖学的構造、ここでは、患者の椎骨の上関節突起間関節(superior facet joint)に不要な損傷を生じないような向きにされ得る。クリップ575の遠位端部を、上関節突起複合体(superior facet complex)に配置することによって、クリップ575は、解剖学的構造に貫入することなく、骨の解剖学的構造間で楔状にされ、およびそうでなければ、患者に対して損傷を生じる。クリップ575とスリーブとの間の取り付けを永久的な取り付けであるとして示すが、図59および図60の実施形態で説明されているように、図61A〜Cのクリップ575は、選択的に取り外し可能とし得ることが考慮される。
図62A〜Eは、図59〜61のデバイスのさらに別の実施形態の図を示す。この実施形態によれば、クリップ575は、デバイスの本体に対して調整するために剛性のコネクタ576に選択的に結合され得る。好ましい実施形態によれば、図62A〜Bに最も良く示すように、調整は、デバイスの表面にある対応するねじ穴に挿入されたねじポスト577によって行われる。デバイスに対するねじポスト577の位置決めは、好ましくは、カム要素の回転を引き起こし、これは、同様に、患者の解剖学的構造の表面の周りでの接触固着点をもたらす。
ねじポスト577の調整はまた、ユーザが、患者の解剖学的特徴からクリップ575の遠位端部を選択的に係合および係合解除できるようにし得る。一実施形態では、この調整は、図62Bおよび図62Dに最も良く示すように、デバイスの本体から離れるようにクリップ575をそらすために、ポスト577および剛性のコネクタ576によって生じる。図62A〜Eに示すように、剛性のコネクタ576は、好ましくは各クリップの遠位端部に配置されたカム要素580を含む複数のクリップ575のそれぞれに結合され得る。剛性のコネクタ576の他の接続および向きが、この実施形態と一緒に使用するために考慮される。
上述のクリップは、クリップの遠位端部が患者の解剖学的構造の骨表面と接触しかつそれを貫入するように、先細または尖っているとし得る。他の実施形態では、クリップは、さらに、テクスチャー加工または機械加工された面を含み、患者の解剖学的構造に係合しかつそれと摩擦係合を生じ得る。他の面の変形例および幾何学的形状は、患者の解剖学的特徴との接続を改善するために、クリップの設計に組み込まれ得る。
クリップは、好ましくは、患者特有ではないが、患者特有の面を含み得ることが望ましい。クリップはまた、患者の解剖学的構造の変形例に一致するように、実質的に変形可能とし得る。クリップはまた、上述の通りデバイスのスリーブにではなく、デバイスのインサートに、永久的にまたは選択的にのいずれかで取り付けられ得る。
一実施形態では、デバイスは、図63A〜Hに示すものなどのスペーサを用いる係合をさらに可能にし得る。スペーサ590は、図63A〜Bに示すような1つ以上の患者特有の面を含み得るか、または様々な異なる適用例において使用されるように製作され得る。脊柱の外科的処置では、スペーサ590は、デバイスが患者の脊柱の複数のレベルの周囲に患者特有の面を有することを可能にする。図63C〜Eに最も良く示すように、スペーサ590は、好ましくは、デバイスにも結合される。この実施形態では、スペーサは、デバイスを所望の解剖学的構造および/または上述のガイド要素の向きに位置合わせするために、別の1つまたは複数の面を提供する。
図48〜63に関連する上述の概念は、便宜上、頸椎の処置に関して説明されたが、頸椎への適用に限定されず、および胸腰仙椎(thoracolumbosacral spine)および腸骨にも適用され得る。
ここで図64〜67を参照すると、本開示の一態様による様々な実施形態が示されており、これらは、ガイドワイヤ/ピンおよびカニューレ装着(cannulated)デバイス、例えばスクリュー、および対応する器具および/またはインプラントの使用に関する。これらの実施形態によれば、上述の外科用ガイドは、さらに、「カニューレ装着」システムを含み得、このシステムでは、K−ワイヤまたはガイドピン/ワイヤが、患者特有のガイドに関連付けられたスリーブまたはインサートのうちの1つを通って配置され、および任意のそれに続く器具および/またはインプラントが、ワイヤの長手方向軸に沿ってそれらの適切な箇所まで案内するためにワイヤを使用する。
図64〜65を参照すると、ガイドは、ワイヤ600を収容する長手方向チャネルをそれぞれ有する複数の器具スリーブを収容しており、このワイヤの収容は、好ましくは各インサートの中心を通って行われており、このことは、他の器具および/またはインプラントの中心合わせを行うために使用され得る。図66に示すように、器具スリーブは、ガイドの上面の上側に延在し、これは、同様に、より長いガイドワイヤ600に適合し、かつワイヤ600を、患者の骨の解剖学的構造に挿入されている間、適切な個所に安定させ得る。
次いで、図67に示すように、器具スリーブは、取り除かれ得る。ガイドが、外科的処置を行っている外科医を支援する場合、外科用ガイドは残っていてもよい。しかしながら、図68に示すように、ひとたびワイヤ600が適切に載置されたら、ガイドは完全に除去され得ることが考慮される。
ひとたびワイヤ600が適所になると、カニューレ装着スクリューなどの1つ以上の器具またはインプラントが、ワイヤ600によって摺動式に収容され、それにより、適切な位置および軌道に配置され得る。限定されるものではないが、さらなる例として、少なくとも1つのボアを含むカニューレ装着スクリューは、図64に示すガイドによって確立されたワイヤ600上に位置決めされ得る。カニューレ装着スクリュー以外の他のインプラントが、これらの実施形態、ならびに上述のものを含む様々な器具と一緒に使用され、かつ本開示の一部をなし得ることが明白に理解される。
ここで図69〜73を詳細に参照すると、椎体においてMIS処置を行うデバイスが示されている。デバイスは、全体的にシリンダー状の中空のレトラクター692で構成され、これは、第1の端部および第2の端部を有する。レトラクター692の本体は、その長手方向軸にわたって中空であり、それにより、レトラクター692が、拡張器を収容でき、かつ上述の通りレトラクターを漸進的に拡張できるようにしており、およびさらに、図69に示すようなあつらえてまたは標準的に製作されたインサートを含む用具、器具またはデバイスを収容することができるようにしている。レトラクター692の第1の端部は、好ましくは、同様に図69に示される1つ以上の患者特有の終片部694をかみ合い式に収容するように設計されている。レトラクター692はまた、好ましくは、結合デバイス710を収容するために、レトラクター692の全体的にシリンダー状の本体の外壁に沿って配置された取付接合部を含み得る。
結合デバイス710は、好ましくは、各端部に、1つ以上の取付接合部を収容するためのスロットまたは溝を有する。一実施形態では、取付接合部、および特定の結合デバイス710のスロットまたは溝は、相補的であり、および接合時にしっかりとした接続を形成する。いくつかの実施形態では、取付接合部と結合デバイス710のスロットまたは溝との間の接続は、ひとたび接合部およびスロットまたは溝がかみ合うと、結合デバイスの所望の角度または方向が達成されるようにされている(図72に最も良く示すように)。一実施形態では、接続は、ロッキング接続である。別の実施形態では、接続は、スナップ嵌め接続である。別の実施形態では、接続は、接合部とスロットまたは溝との間の摩擦係合である。さらなる説明のために、図95〜97を参照のこと。
結合デバイス710は、1つ以上のレトラクター692を互いに対して固着するために使用されてもよく、および好ましい実施形態では、患者の皮膚表面の上側で結合される(すなわち、経皮的)。結合デバイス710は、第1のレトラクター692および第2のレトラクター692を互いに所望の位置で固着するようなサイズおよび形状にされ得る。さらに別の実施形態によれば、結合デバイス710は、1つ以上のレトラクター692に固着されて、関連のインサートに対して所望の向きまたは軌道をもたらし得る。結合デバイス710はまた、マルチレベルのMIS処置において使用されてもよく、および少なくとも1つの実施形態によれば、他の結合デバイスに接合されて、レトラクター692の配列の間に横方向および長手方向の間隔の双方を確保し得る。
インサート695は、様々な形状およびサイズとしてもよく、および図1〜68に関連して上述したインサートに関連付けられるものなどの特徴を含み得る。上述の装置の様々な図が、図70〜73に示され、およびマルチレベルのMISの適用例を含む実施形態を含む。
ここで図74を参照すると、結合デバイスが、好ましくは結合デバイス710の本体によってあつらえて製作されかつ1つ以上の位置合わせ要素695を収容し得る複数のチャネルを含むことを除いて、図69〜73の実施形態と同様の実施形態が示されている。位置合わせ要素695は、図74に示す通り固定ピンとし、および図74に示すアセンブリを特定の骨の解剖学的構造に固着するために使用され得る。この実施形態の他の変形例は、図86A〜Cに示され、これらは、位置合わせ要素を案内するような向きにされた、あつらえて製作されたチャネルを含み、患者の椎弓板、小関節面、部、棘突起、または他の解剖学的特徴に貫入する。さらに、チャネルは、図87A〜Bに示すような異なるまたは複数の位置に設けられてもよく、結合要素を必要とすることなく、上述の利点を提供する。いくつかの実施形態では、結合要素における、およびレトラクターの本体におけるチャネルの使用は、図88A〜Bに示すように、組み合わせられ得る。
位置合わせデバイス695はまた、第1の寸法および第2の寸法を含んでもよく、それにより、外科医に、位置合わせ要素の深さを計測する能力をもたらす。例えば、位置合わせ要素695は、カラーを含んでもよく、これは、位置合わせ要素の第1の寸法よりも厚く、位置合わせ要素695が骨の解剖学的構造へ貫入するのを止めるようにする。
図75を参照すると、アセンブリが、さらに、2つ以上の結合要素711、712を接合するブリッジ要素715を含む別の実施形態が示されている。この実施形態では、ブリッジ要素715および結合要素711、712は、より安定的なアセンブリを形成する。同様に、図75には、異なる用具、器具またはデバイスに適合するために異なる形状およびサイズの開口部を含んで示されている各レトラクターチューブ用のインサートが示されている。このようにして、カスタマイズされたインサートは、特定のレトラクターチューブに関連付けられた特定の適用例に特有としてもよく、および特定の用具、器具またはデバイスのみを収容し得る。
ここで図76A〜Cを参照すると、外科用デバイスの代替的な実施形態が示されている。この実施形態では、好ましくは再使用可能なハンドルが、選択的に互いにおよびデバイスに結合され得る第1および第2の部分732、734で構成される。このハンドルは、好ましくは、最小侵襲外科的処置でデバイスに取り付けられ、かつ関連の1つまたは複数のデバイスに、位置合わせおよび安定性の双方をもたらす。ハンドルの第1およびセクション部分732、734は、好ましくは、ユーザが片手で簡単に把持できるような人間工学的な形状を含み、および好ましくは、1つまたは複数のデバイスの垂直軸からオフセットして、外科的処置の最中に、ユーザの視界を干渉しないようにしている。あるいは、ハンドル部分732、734は、ユーザの視野に干渉しないように、曲線をつけられおよび/または角度が付けられ得る。図76A〜Cには、スロット付接続部が示されているが、ハンドル部分732、734およびハンドルを1つまたは複数のデバイスに接続する他の手段が考慮される。特に、図95〜97において下記で説明される様々な接続デバイスが、図76A〜Cに示される実施形態に組み込まれ得る。
図77A〜Gは、1つ以上の任意選択的な位置合わせ/深さ/位置決め制御要素を含む、外科用デバイスの別の代替的な実施形態を示す。ここでは、ハンドルは、ハンドルの幅を調整するために、互いに対して複数の位置に位置決めされ得る、少なくとも第1および第2の部分732、734を含む。第1および第2の部分732、734の少なくとも一方は、公知の寸法の幅を示す印744を含む。図77A〜Gのデバイスは、好ましくは、ハンドルの角度を、1つ以上のデバイスの所望の向きに従って変化させることができる、少なくとも1つの回転調整部742を含む。ハンドルは、好ましくは、1つまたは複数のデバイスに配置される1つまたは複数のインサートに結合される(図77A〜Gには図示しない)。好ましい実施形態はまた、図77Cに示すような1つ以上の深さ制御調整要素740を含む。これは、デバイスの「脚」の平行移動を可能にする。デバイスは、好ましくは、脚の周りに印を含み、特定の処置および患者の解剖学的構造のためにデバイスを調整するときに、使いやすくするために公知の寸法を反映する。
図78A〜Bは、所望の角度および/または幅および/または高さの調整を達成するのを支援する調整ガイド790、792を示す。調整ガイド790、792は、好ましくは、デバイスのハンドルまたは脚に結合し、および所望の位置または向きが達成されると、適所に固定される。例えば、図78Bに最も良く示すように、幅は、ハンドルに対して調整ガイド790を配置することによって設定されてもよく、それにより、ひとたび調整ガイドが適所に固着されたら、ハンドルの動きを防止する。同様に、角度調整ガイド792は、楔の機能を果たし、およびひとたびデバイスに対してしっかりと配置されたら、ハンドルに対する脚のより大きいまたはより小さい回転を防止する(図78Bに示すように)。
図79A〜Bは、特定の外科的処置での切開およびエントリーポータルの位置を決定するのを支援するためのデバイスの図を含む。デバイスは、好ましくは、公知の解剖学的特徴と位置合わせされ得る少なくとも1つの基準要素802を含む。ここでは、特徴は、患者の脊柱の中心線および/または棘突起の長手方向軸である。デバイスは、さらに、高さ、幅および角度調整部803、800、806を含み得る。角度調整部806は、少なくとも1つのガイド部材804と関連付けられ、ユーザの好みに従って所望の位置へと回転または旋回され得る。ガイド部材804はまた、好ましくは、高さ調整可能であり、およびさらに、マーキング面を含む遠位端部を含んでもよく、マーキング面は、ユーザが、後で参照できるように患者での所望の位置をマークできるようにする。マーキング面は、直接接触していても、またはレーザまたは他の同様の光学マーキングデバイスなどを用いて間接的であってもよい。図79Bは、この実施形態による、最終的な位置にあるデバイスを示し、それにより、ガイド部材は、所望の位置にあり、および関連の処置のために、下にある患者の解剖学的構造の方に向けられる。図80は、図79A〜Bのデバイスの詳細な図である。
ここで図81A〜Cを参照すると、実施形態の別の例が提供されており、ここでは、取付接合部と結合デバイス710のスロットまたは溝との間の接続が、ひとたび接合部およびスロットまたは溝がかみ合うと、結合デバイス710の所望の角度または方向が達成されるようにされている。上述の図69〜75を再度参照する。図81A〜Cはまた、レトラクターが、棘突起にわたっておよび患者の脊柱の異なるレベル間に結合され得る実施形態を示す。非脊柱処置に使用するためのこの実施形態の他の変形例が、明白に考慮される。さらに、上記である程度詳細に説明したように、レトラクターおよび結合要素710およびブリッジ要素はまた、外科医または他の医療専門家に、特定のアセンブリの各構成要素が適切な個所で組み立てられかつ適切な装置に接合されることを保証する識別情報を提供する、1つ以上の特有の印を含み得る。
いくつかの適用例では、外科医に、図82A〜84Cに示す実施形態などの拡張可能なレトラクターチューブを提供することが望ましい。この実施形態では、図82Aに、第1の位置付けの折り畳まれたレトラクターチューブ820が示されており、および図82Bに示すような第2の位置付けのレトラクターよりも断面積が小さい。図82Aのレトラクターは、小さな切開を通して挿入され、かつ患者特有の解剖学的特徴とかみ合う。レトラクター820が適切に位置決めされた後、レトラクター820は、限定されるものではないが、例として、レトラクター820に提供される器具または用具(図82A〜Bには図示せず)を使用することなどによって、拡張され得る。ひとたびレトラクター820がその第2の位置に位置決めされたら、図82Cに示すように、追加的な器具、用具、デバイスまたはさらにはレトラクターが、それを通して位置決めされ得る。図82A〜Dに示す実施形態を参照すると、拡張可能なレトラクター820は、さらに、図69〜73に関連して上述したような、患者特有の終片部825を取り付ける手段を含み得る。
前段落で説明した実施形態の変形例を、図83〜84に示す。これらの実施形態によれば、レトラクターチューブは、図84Bに最も良く示すように、レトラクターチューブの内周面に沿って配置された複数の長手方向ヒンジによって拡張可能である。ヒンジは、機械的なヒンジとしても、または一体丁番(すなわち、レトラクターチューブの材料から形成される)としてもよい。他の実施形態では、ヒンジの変形例は、本明細書で説明する実施形態の新規性から逸脱することなく、組み込まれ得る。いくつかの実施形態では、レトラクターチューブは使い捨てである。他の実施形態では、レトラクターチューブは再使用可能である。
ここで図85を参照すると、本明細書で説明するレトラクターチューブを備えるインサートは、さらに、様々な寸法の長手方向ボアを含んでもよく、これにより、実際に、1つ以上の手術道具または器具の安全かつ効果的な適用を可能にする。例えば、図85に示すように、インサート830は、その幾何学的形状によって、安全止めまたは深さ制御止め832を提供し得る(すなわち、器具または用具がインサートの長手方向ボア内で、ある深さを越えて通過しないようにする)。別の実施形態によれば、患者特有の終片部834は、器具または用具が、制御された深さを越えて延在しないようにする能力を提供し得る。
ここで図89A〜90Cを参照すると、MIS処置を行うときに、患者の脊柱の複数のレベルの周りに配置されたレトラクター間に結合部900を提供することがしばしば望ましい。図89A〜Bに示すように、本開示の一実施形態は、2つの隣接するレトラクターチューブ間に配置される追加的なレトラクターチューブ910のための第2の位置をさらに含むそのような結合部900を提供することである。患者の骨の解剖学的構造へのそれらのしっかりとした固定を含む、2つの隣接するレトラクターチューブの組み合わせ、および図89A〜Bに示すカプラー900によってもたらされた剛体構造は、2つの位置決めされたレトラクター間の第2の位置を通って追加的なレトラクター910を挿入するための、明確に定義された基準点を提供する。その後、この追加的なレトラクター910を使用して、患者の解剖学的構造へのレトラクターの追加的な固定を必要とせずに、例えば、2つの隣接する椎骨の間の箇所で、追加的な外科的処置を行い得る。
ここで図91A〜92Dを参照すると、上述のレトラクターおよび関連の要素に関する様々な他の実施形態が示されている。図91A〜Dに示すように、一実施形態は、調整可能な結合要素920を提供する。調整可能な特徴は、限定されるものではないが、長さ、幅、高さ、方位角、および深さを含み得る。この実施形態では、患者特有の結合要素またはブリッジは、予め構成される必要はなく、および調整可能な結合要素が再使用され得る。一実施形態では、患者特有のデータは、外科医に、特定のMIS処置において使用される所望の設定に調整可能な結合要素920を調整するための特定の設定を提供するために使用され得る。このデータは、MIS処置の前に提供され、かつ任意の患者にカスタマイズされた装置を用いるまたは用いない、具体的な手術計画が含まれ得る。
本明細書でなされる本開示の趣旨から逸脱することなく、様々な機械的な特徴が、上述の結合デバイスに組み込まれ得る。出願人は、本開示をさらに補足しかつ結合デバイスにおいて用いることができる様々な機械的な特徴に対する追加的な支援をもたらすために、同時係属でありかつGeorge Frey博士を単独の発明者として指名している米国特許出願公開第2009/0105760号明細書の全体を、参照することにより援用する。
図93A〜Dには、別の実施形態が示されており、特定の患者の解剖学的構造に一致するためにカスタマイズされ得るかまたは曲線をつけられ得る、手術道具、器具またはデバイスのテンプレートが、提供される。いくつかの実施形態では、図93A〜Bに示すように、テンプレートは、外科医に、ロッドなどのデバイスに対する特定の寸法、形状、向きなどを提供し得る。さらに他の実施形態では、テンプレートは、図93C〜Dに示すものなどのデバイスとし得る。
図94A〜Cは、本開示の一実施形態の様々な図であり、複数の患者特有のガイドを含む。複数のガイドは、図54Bに示すインサータなどの器具を収容し、かつそれによって操作され得る。あるいは、複数のガイドは、複数の細長いシャフトまたは「インジケータ」を収容して、ユーザが、患者の下にある解剖学的構造に関連付けられた位置、向き、湾曲および/または変形を可視化するのを支援し得る。ここでは、下にある解剖学的構造は、T10からL4までの患者の脊柱である。インジケータは、患者の脊柱のこれらのレベルに関連付けられる変形の視像を生じ得る。さらに、インジケータは、外科医が、変形を矯正するかまたは他の方法で患者を治療するための固定ロッドまたは他のインプラントの長さおよび向き(湾曲を含む)を決定できるようにし、かつまた、光学系によって取り込まれて、矯正、ロッドの形状/長さ、またはガイドの正しい位置決めを決定するために、湾曲をデジタル式に再現し得る。インジケータは、外科的処置の他の態様においてユーザを支援し得る。例えば、図94Cは、側面図において複数のインジケータを示し、これにより、外科医は、患者の脊柱の各レベルの高さの違い、および1つのレベルから次のレベルの違いを可視化できる。インジケータはまた、ユーザが、特定の患者特有のガイドが誤配列されているかまたは除去されたかどうかを可視化できるようにする。
図95A〜Cは、本開示の実施形態によるスリーブまたはインサートに取り付けるためのコネクタの側面図である。このコネクタは、ねじポストが収容されるねじ穴を含み、およびねじ係合によってポストに回転式に固着される。この接続タイプは、限定されるものではないが、本明細書で説明する位置合わせデバイスと外科用ガイドデバイスとの間の接続を含む、様々な方法で使用され得る。図96A〜Cは、本開示の別の実施形態によるクランプコネクタを示す。図97A〜Cは、本開示のさらに別の実施形態によるスクリューまたはピンコネクタを示す。ここでは、スクリューは、スリーブ要素のスロットを通して挿入され、およびさらに、デバイスに関連付けられる装置の遠位端部のスロットを通して挿入される。例えば、装置は、上述のものなどの位置合わせデバイスの脚を含み得る。
図98A〜Cは、本開示の一実施形態によるインサートおよびガイドスリーブの斜視的な側面図である。ここでは、インサートは1つの基準マーキングを含み、これは、インサートを所望の向きに位置合わせするための切れ目、溝、ノッチ、スコーリングまたは他のマーキングを含み得る。マーキングは、好ましくは、裸眼およびX線透視法によっての双方で見ることができ、および他の公知の医療スキャン技術によって見ることができてもよい。この実施形態は、切除またはドリリング器具を収容するためのインサートを整列するのに、またはインプラントを挿入するのに、特に有用である。
図99A〜Gは、本明細書で説明する様々な実施形態のうちの1つによるガイドを位置合わせするためのシステムの様々な図を示す。このシステムは、さらに、調整可能なアームアセンブリを含み、これは、手術面にまたはあるいは患者に付着させ得る。図99Aは、1つまたは複数のデバイスから離れた第1の位置にあるアームアセンブリを示し、および図99Bは、1つまたは複数のデバイスに取り付けられたアームアセンブリを示し、患者の皮膚に載せることによって安定性をもたらす。1つまたは複数のデバイスとアームアセンブリとの間のこの取り付けによって、ユーザは、患者の脊柱に外科的処置を行うときに、1つまたは複数のデバイスの矢状方向の角度を設定しかつ固定できる。図99Cは、図99A〜Bの実施形態を斜視図で示す。
図99D〜Eは、代替的な実施形態を示し、ここでは、アームアセンブリは、患者の皮膚に載る伸縮式部材を含み、これは、関連の1つまたは複数のデバイスに対して所望の長さおよび角度に調整され得る。これは、ユーザがハンドルを掴んでいないときに、1つまたは複数のデバイスのハンドルを適所に保持する働きをする。図99F〜Gは、アームアセンブリのさらに別の実施形態を示し、ここでは、アセンブリは、手術台またはサイドテーブルまたは他の水平な面に取り付けられている。これらの実施形態はそれぞれ、好ましくは、ひとたび所望の向きおよび位置が確立されたら、アームアセンブリの構成要素を適所に固着するためのロッキング機構を含む。
図100A〜Dは、本開示の一実施形態による経皮的送達デバイスの斜視的な側面図である。デバイスは、好ましくは、拡張可能/格納式チップを有する遠位端部を含む。図100Cに示すような第1の位置にあるとき、デバイスは、本明細書で説明するガイドおよび/またはインサートのいずれかを通して挿入され得る。挿入後、デバイスは、図100Dに示すように拡張され、かつ拡張位置にロックされ得る。デバイスのシャフトは、さらに、所望の距離を越えたガイドおよび/またはインサートへの挿入を防止するためのカラーを含み得る。
図101A〜Dは、本開示のさらに別の代替的な実施形態による患者特有のガイドの様々な図である。この実施形態では、ガイドの患者接触面は、さらに、表面接触要素を含む。これらの要素は、例えば、下にある骨表面の周りの軟組織を係合し得、および軟組織への貫入に有用である。これらの要素はまた、より大きな安定性をもたらし、かつ触覚的なフィードバックを改善し、これは、次に、ユーザが、ガイドが正しい位置にあるかどうかを決定できるようにする。好ましい実施形態では、接触要素は、かかりまたはブレードに似た形状にされるが、他の実施形態では、様々な鋭さ、半径、長さ、および向きを有し得る。
上述のデバイスは、いくつかのガイドスクリューおよび/または器具と一緒に使用するためと説明したが、デバイスは、例として、内外側(medial−to−laterally)に配置された経椎弓根(transpedicular)スクリュー(一般に、皮質骨軌道スクリュー)を含む様々な他の埋め込み型および非埋め込み型装置と一緒に使用され得ることが、明白に理解される。本開示の趣旨から逸脱することなく、他のスクリューおよび器具が、上述の外科用デバイスと一緒に使用されてもよく、および添付の特許請求の範囲内にあるとみなされる。
本開示の様々な実施形態を詳細に説明したが、それらの実施形態の修正例および代替例が当業者に思いつくことは明らかである。しかしながら、以下の特許請求の範囲に記載するように、そのような修正例および代替例は本開示の範囲および趣旨内にあることがはっきりと理解される。さらに説明するために、本出願が優先権を主張する仮特許出願および特許出願でもたらされる情報および材料は、明らかに本開示の一部であり、かつそれら全体が参照することにより本書に援用される。
さらに、本発明の癒合ケージは、2つの標的椎骨間での脊柱への移植に特に好適であり、かつ本発明の説明の多くは、脊柱の適用例におけるそれらの使用に関するが、本発明の実施形態によって提供される利点はまた、2つ以上の骨構造の癒合が望まれ得る患者内の他の位置での移植によって実現され得る。本発明は、一般的な骨格の修復および治療の分野での適用例を有し、脊柱の損傷および疾患の治療に対して特に適用されることを、当業者は認識する。しかしながら、本発明の原理はまた、他の領域での適用例を見出し得ることが認識される必要がある。
用語「患者」を使用して、開示の様々な実施形態を説明したが、この用語は、なんら限定するものではないと解釈されることがはっきりと理解される。例えば、患者は、ヒト患者または動物患者のいずれかとし、および本明細書で説明する装置および方法は、ヒトの解剖学的構造で実施される外科的処置を行うように、獣医学に等しくあてはまる。それゆえ、本明細書で説明する装置および方法は、脊椎外科医によって使用される外科的処置を越える適用を有し、および概念は、本開示の趣旨から逸脱することなく、他のタイプの「患者」および処置にも適用される。
開示の上記の説明は、図示および説明のために提供された。上記は、本明細書で開示した1つまたは複数の形態に開示を限定するものではない。上記の詳細な説明では、例えば、開示の様々な特徴は、開示を合理化するために1つ以上の実施形態に分類されている。この開示の方法は、特許請求する開示が各特許請求項で明確に列挙される以上の特徴を必要とすることを反映するとは解釈されない。むしろ、以下の特許請求の範囲を反映するように、発明の態様は、単一の上記の開示の実施形態の全てではない特徴に存在し得る。それゆえ、以下の特許請求の範囲は、この詳細な説明に組み込まれ、各特許請求項は、開示の別個の好ましい実施形態としてそれ自体に基づくものとする。
様々な実施形態において、本発明は、様々な実施形態、実質的に本明細書に図示および説明されるように、そのサブコンビネーション、およびサブセットを含む、構成要素、方法、プロセス、システムおよび/または装置を含む。当業者は、本開示を理解した後に、本発明をどのようになしかつ使用するかを理解する。様々な実施形態では、本発明は、本明細書に図示および/または説明されないアイテムがないデバイスおよびプロセスを提供することを含むか、またはその様々な実施形態では、例えば、性能を改善し、簡単にしおよび/または実効コストを削減する先のデバイスまたはプロセスにおいて使用され得るようなアイテムがないことを含む。
さらに、本開示は、1つ以上の実施形態およびいくつかの変形例および修正例の説明を含んだが、例えば、本開示を理解した後、当業界での技能および知識の範囲内にあるとし得るように、他の変形例および修正例が開示の範囲内にある。代替的な、交換可能なおよび/または等価の構造、機能、範囲またはステップが本明細書で開示されているかどうかにかかわらず、および任意の特許性のある主題に公式に専念するものではなく、特許請求されるもののそのような代替的な、交換可能なおよび/または等価の構造、機能、範囲またはステップを含め、許される範囲の代替的な実施形態を含む権利を獲得するものである。