JP6473132B2 - 自動傾斜式注入セット組立体 - Google Patents

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Description

本発明は、一般に、傾斜式注入セットに関し、詳細には、自動傾斜式皮内注入セットに関する。より詳細には、本発明は、解放部材の取り外しが、ばね駆動されるハブを作動させて針またはカニューレを挿入する、傾斜式皮内注入セットに関する。より詳細には、本発明は、針またはカニューレの挿入後に傾斜式皮内注入セットにコネクタが連結される傾斜式皮内注入セットに関する。
糖尿病などの状態を患う人を含む数多くの人々は、日常的なインスリン注入などの何らかの形態の注入療法を使用して自身の血糖値の厳密な制御を維持する。日常的インスリン療法には2つの基本的形態が存在する。第1の形態は、シリンジおよびインスリンペンを含む。これらのデバイスは、使用が簡単で、コストが比較的低いが、これらは、通常一日につき3から4回の注入ごとに、針の突き刺しを要する。第2の形態は、約3年持続するインスリンポンプの購入を伴う注入ポンプ療法を含む。ポンプの初期コストは大きくなり得るが、ユーザから見て、ポンプを使用した圧倒的多数の患者は、自身の残りの生涯にわたってポンプを使用し続けることを好む。これは、注入ポンプは、シリンジおよびペンよりも複雑であるが、インスリンの連続的注入、精密な投薬、およびプログラム可能な日常的スケジュールという利点をもたらす。これは、より厳密な血糖値制御、および健康であるというより向上された感覚をもたらす。
注入ポンプの使用は、インスリンをポンプ内のリザーバからユーザの皮膚内に運ぶ、通常は注入セットまたはポンプセットと称される廃棄可能な構成要素の使用を要する。注入セットは、通常、ポンプコネクタ、長さのあるチュービング、および中空注入針またはカニューレがそこから延びるハブまたは基部からなる。ハブまたは基部は、使用中、基部を皮膚表面上に保持する接着剤を有し、手動または手動もしくは自動挿入デバイスの助けを借りて皮膚に塗布され得る。
現在、ほとんどのインスリン注入セットは、据え付けられた金属針または可撓性のプラスチックカニューレを用いて皮膚の皮下層にインスリンを送達する。そのような注入セットは、通常、皮膚表面の下方4〜10mmにインスリンを送達する。しかし、皮膚表面の上側3mm、つまり皮内空間が、より良好な薬物吸収を容易にする。残念なことに、皮内層が比較的薄いことにより、針をそのような深さに挿入し、注入部位をこの狭い帯域内に長期にわたって維持することは困難である。
皮内注入を提供する1つの技術は、マントゥ(Mantoux)技術である。当業者に知られているように、マントゥ技術は、通常、結核症試験を投与するときに使用される。熟練された施術者は、最初、皮膚の選択された領域を親指と人さし指の間でピンと張り、次いで、針をゆっくりと、面取り部を上方向に向け、5度から15度の角度で皮膚表面に挿入する。施術者は、次いで、針を前進させて表皮の約3mm貫通させ、伸張された皮膚を解放し、薬剤を注入する。しかし、皮内送達が、標準的なマントゥ技術で達成され得る場合でも、この方法は、極めて変動しやすく、ユーザのエラーの影響をうけやすい。
ほとんどのインスリン注入セットは、通常、挿入された針またはカニューレを衝撃または他の外部力から隔離するためのいかなる特徴も提供しない。これらの注入セットは、通常、皮膚表面の下方4〜10mmにインスリンを送達するため、このセットへの衝撃または他の外部力は、より深く挿入された針またはカニューレにそれほど効果を与えない。しかし、皮膚表面の上側3mmを標的にする試みがなされる場合、セットのあらゆる衝撃または移動が、針またはカニューレの挿入および注入パフォーマンスに悪影響を及ぼし得る。
さらに、ほとんどのインスリンセットは、針またはカニューレ挿入中に皮膚表面の「隆起(tenting)」を結果として生じさせ得る挿入装置を有し、この場合、皮膚表面は、針またはカニューレの挿入前または挿入中に幾分偏向され、これは、皮膚表面の上側3mmを精密に標的にすることを困難にする。
加えて、一部のユーザは、注入セットの針またはカニューレを自身の皮膚に手動で挿入することに慎重である。手動の針またはカニューレの挿入中のユーザのためらいは、不適正に挿入されたカニューレを招く可能性があり、それによって薬物療法に負の影響を与える。
したがって、ユーザに対してある程度の快適性を維持しながら、内容物を、皮膚表面の上側3mm、つまり皮内空間に送達してより良好な薬物吸収を容易にすることができる自動注入セットに対する必要性が存在する。
本発明の目的は、針またはカニューレを皮膚表面に対して傾斜させて自動的に挿入して、インスリンまたは他の薬剤を皮膚表面の上側3mmを標的にするまたはこれに送達することができる、自動注入セットを提供することである。
本発明の別の目的は、針またはカニューレを傾斜させて自動的に挿入してマントゥ挿入技術を複製し、インスリンまたは他の薬剤を皮膚表面の上側3mmに送達することができる、注入セットを提供することである。
本発明の別の目的は、皮膚表面を注入部位に固定するための皮膚固定接着層を有する注入セットであって、それにより、セットは、皮膚表面の隆起の低減されたリスクを伴って針またはカニューレを自動的に挿入することができるおよび/または皮内深さを精密に標的にすることができる、注入セットを提供することである。
本発明の例示的な実施形態によれば、注入セットは、皮膚表面に固定されるように適合され、固定の基部部材と、可動部材とを含む。針またはカニューレは、可動部材に連結され、固定の基部部材に対して移動可能である。可動部材は、針またはカニューレが、固定の基部部材の外部に露出されない第1の位置から、針またはカニューレが、固定の基部部材の外部に露出される第2の位置まで移動可能である。解放部材は、可動部材を第1の位置に保持する。解放部材の取り外しは、移動可能な摺動部材が第2の位置まで移動することを可能にする。
本発明の例示的な実施形態によれば、注入セットの針またはカニューレを挿入する方法は、針またはカニューレを有する注入セットを注入部位に置くことを含む。解放部材が注入セットから取り外されて、注入セットの可動部材が、第1の位置から、針またはカニューレが非垂直の角度で注入部位に挿入される第2の位置まで移動することを可能にする。
本発明の例示的な実施形態の追加の目的、利点、および顕著な特徴は、付属の図と共に本発明の例示的な実施形態を開示する以下の詳細な説明から当業者に明らかになるであろう。
本発明の例示的な実施形態のさまざまな目的、利点、および新規の特徴は、付属の図と併せ読めば、以下の詳細な説明からより容易に理解されるであろう。
本発明の第1の例示的な実施形態によるカニューレ挿入前の注入セットの斜視図である。 図1の注入セットの分解斜視図である。 挿入装置の取り外し後の図1の注入セットの上部平面図である。 図1の注入セットの立面断面図である。 図1の注入セットの底部平面図である。 接着剤パッチを有さない図1の注入セットの底部平面図である。 カバーが取り外された、図1の注入セットの斜視図である。 図7の注入セットの立面図である。 解放ピンが取り外された、図1の注入セットの斜視図である。 図9の注入セットの上部平面図である。 解放ピンが取り外された、図1の注入セットの斜視図である カニューレ挿入後の図11の注入セットの斜視図である。 図12の注入セットの上部平面図である。 図13の注入セットの立面断面図である。 図12の注入セットの底部平面図である。 カバーが取り外された、図12の注入セットの斜視図である。 図16の注入セットの立面図である。 図16の注入セットの上部平面図である。 図16の注入セットの斜視図である。 図1の注入セットの基部の斜視図である。 図1の注入セットのハブの斜視図である。 本発明の第2の例示的な実施形態による、カニューレ挿入前の注入セットの斜視図である。 図22の注入セットの分解斜視図である。 図22の注入セットの上部平面図である。 図22の注入セットの立面断面図である。 カバーが取り外された図22の注入セットの斜視図である。 図25の注入セットの上部平面図である。 図22の注入セットの底部平面図である。 可動部材が移動する前の、解放ピンが取り外された図22の注入セットの斜視図である。 可動部材がカニューレを挿入するために移動した後の、図29の注入セットの斜視図である。 カニューレの挿入を示す図30の注入セットの前部斜視図である。 図31の注入セットの上部平面図である。 図30の注入セットの側面断面図である。 図30の注入セットの底部平面図である。 カバーおよび接着剤パッチが取り外された、図30の注入セットの前部斜視図である。 図35の注入セットの上部平面図である。 図35の注入セットの底部平面図である。 コネクタが連結された、図30の注入セットの斜視図である。 図38の注入セットの上部平面図である。 図38の注入セットの立面断面図である。 図38の注入セットの底部平面図である。 カバーおよび接着剤パッチが取り外された、図38の注入セットの斜視図である。 図42の注入セットの上部平面図である。 図42の注入セットの底部平面図である。 図22の注入セットのコネクタの斜視図である。 図22の注入セットの基部の斜視図である。 図22の注入セットのハブの前部斜視図である。 図22の注入セットのハブの後部斜視図である。 図22の注入セットの摺動部材の前部斜視図である。 図49の摺動部材の底部斜視図である。
図を通じて、同様の参照番号は、同様の部分、構成要素、および構造を指すことが理解されるであろう。
以下で説明され、図1〜50に示される本発明の例示的な実施形態は、解放ピンを注入セットから取り外すことによって、皮膚表面に対して傾斜させて皮内針挿入を自動的に実行する手段を提供する。挿入は、皮膚表面の上側3mmを精密に標的にし、インスリンを標準的なインスリンポンプ(図示せず)を介して皮膚の皮内層に送達する。
本発明の第1の例示的な実施形態による注入セット組立体1が、図1〜21に示される。図1に示されるような注入セット組立体1は、図2に示されるように、剛性鋼針2と、ハブ3と、固定の基部部材4とを含む。接着剤パッドまたはパッチ5が、基部部材4を皮膚表面に固定する。剛性針2は、基部部材4に移動可能に連結されたハブ3に据え付け式に連結される。ハブ3は、固定の基部部材4に対して、針2が注入セット組立体1の外部に露出されない第1の位置から、針2が注入セット組立体1の外部に露出される第2の位置まで移動する。接着パッド5内の開口部6は、針2が、そこを通り抜けることを可能にする。コネクタ7は、チュービング8を、注入ポンプ(図示せず)から注入セット組立体1まで連結する。コネクタ7は、剛性針2を挿入する前に注入セット組立体1に連結され得る。
剛性針2は、好ましくは、そこを通って薬剤を送達することを容易にするために中空であり、好ましくは、鋭敏な面取りされた先端部を備えて31ゲージステンレス鋼から作製される。針2の患者端部9内の端部ポートは、薬剤を注入部位内に送達することを可能にする。側部ポートが、端部ポートに加えて、またはその代わりに使用され得る。針2の非患者端部10内の開口部は、インスリンポンプからチュービング8を通して送達された薬剤を受け入れる。
図2、図4、および図21に示されるようなハブ3は、針2を据え付け式に受け入れ、針2は、接着剤などの任意の適切な方法でこれに固定され得る。ハブ3内の孔11は、針2を受け入れ、針2は、その中に接着剤を用いて固定され得る。針2の患者端部9は、図4に示されるように、ハブ3の第1の端部12を超えて延びる。針2の非患者端部10は、ハブ3内の空洞23内に配設されて可撓性の内部チュービング25の第1の端部24を受け入れる。空洞23は、好ましくは、細長にされて、ハブ3が第1の位置(図4)から第2の位置(図14)まで移動するときに内部チュービング25が移動するための空間を提供する。ハブ3は、好ましくは、射出成形されたプラスチックから作製されるが、任意の適切な材料が使用され得る。
図2および図21に示されるようなハブ3は、前部端部13および後部端部14を有する。第1の突出部15および16の対が、前部端部13の近位のハブ3の側壁17および18から外方向に延びる。第1の突出部15および16は、好ましくは、ほぼ円筒状である。第2の突出部19および20の対は、ハブ3の後部端部14の近位の側壁17および18から外方向に延びる。第2の突出部19および20は、好ましくは、円筒状である。円周方向に延びる溝21および22が、第2の突出部19および20内に配設される。
図2および図20に示されるような基部部材4は、前部端部26および後部端部27を有する。下側表面28は、図4に示されるように、前部端部26から後部端部27に向かって延びる。下側表面28内の開口部29は、針2がそこを通り抜けることを可能にする。好ましくは、開口部29は、細長くされ、前部端部26から後方向に延びる。外側ガイドレール30および31は、図20に示されるように、第1の端部34および35から第2の端部36および37まで前方向に延びる。くぼみ73および74が、外側ガイドレール30および31内に形成されて、解放ピン56の係止部材60および61を受け入れる。内側部分38および39は、第1の端部40および41から第2の端部42および43まで前方向に延びる。好ましくは、第1の端部34、35、40および41は同一線上にあり、第2の端部36、37、42、および43は同一線上にある。好ましくは、外側ガイドレール30および31ならびに内側部分38および39は、同一平面上にあり、接着剤パッチ5に対してほぼ平行である。内側ガイドレール44および45は、内側部分38および39の第2の端部42および43の近位である第1の端部46および47から、基部部材4の第1の端部26の近位の停止部材48および49まで延びる。内側ガイドレール44および45は、第1の部分50および51を有し、第1の部分50および51は、第1の端部46および47から内側ガイドレール44および45の第2の部分52および53まで下方向に延びる。第1の部分50および51は、好ましくは、図20に示されるように、第2の部分52および53に対して約20度の角度αを形成する。第2の部分52および53は、接着剤パッチ5に対してほぼ平行である。内側部分38および39ならびに内側ガイドレール33および45は、好ましくは同一線上にある。柱54および55が、基部部材4から上方向に延び、外側ガイドレール30および31の第2の端部36および37と、基部部材4の第1の端部26との間に配設される。
解放ピン56などの解放部材は、図2に示されるように、ハンドル58がその上側表面59から外方向に延びる基部57を有する。ハンドル内の開口部90は、その把持を容易にする。係止部材60および61が、基部57の下側表面62から外方向に延びる。ハンドル58は、係止部材60および61が延びる第2の方向とはほぼ反対の第1の方向に延びる。
ばね部材62および63が、図4、図10、および図14に示されるように、ハブ3と基部部材4の間を延びる。ばね部材62および63の第1の端部64および65は、ハブ3の第2の突出部19および20に連結される。好ましくは、フックが、ばね部材62および63の第1の端部64および65に配設されて第2の突出部19および20内の溝21および22と係合する。ばね部材62および63の第2の端部66および67は、基部部材4の柱54および55によって受け入れられる。好ましくは、ばね部材62および63は、圧縮ばねである。
カバー68が、図1および図6に示されるように、基部部材4に連結される。カバー68は、上側壁69と、そこから下方向に延びる側壁70および71とを有する。側壁70および71は、好ましくは、上側壁69からほぼ垂直に延びる。前部壁72は、図2に示されるように、上側壁69および側壁70および71から下方向に湾曲する。開口部75および76は、カバー68が基部部材に連結されたとき、基部部材4の外側ガイドレール30および31内のくぼみ73および74と位置合わせされる。
隔壁77が、図4に示されるように、基部部材4の後部端部27内のコネクタ開口部78内に配設されて基部部材4を封止し、針2の非患者端部10内の開口部へのアクセスを防止する。隔壁77は、好ましくは、イソプレンから作製されるが、任意の適切な材料が使用され得る。内部チュービングの第2の端部79が、隔壁77に隣接する流体経路80内に配設されて、隔壁77から、内部チュービング25を通り、針2の非患者端部10までの流路を形成する。
コネクタ7は、図4に示されように、それに連結された、薬剤をインスリンポンプ(図示せず)から注入セット組立体1に送達するための可撓性のプラスチックチュービング8を有する。ポンプコネクタが、インスリンポンプに連結するためにチュービング8の一方の端部に配設される。コネクタ7は、注入セット組立体1の基部部材4に連結するためにチュービング8の他方の端部に配設される。チュービング8は、図1および図3に示されるように、コネクタ7の後部表面87を通り抜けて連結する。針82は、コネクタ7から前方向に延びて、図4に示されるように、コネクタ7が基部部材4に連結されたときに、基部部材4内に配設された隔壁77を穿孔する。ハブ隔壁77を穿孔することにより、ハブ針2は、インスリンポンプに流体的に連結される。スナップアーム83および84が、基部部材4によって受け入れられてコネクタ7をそれに固定する。スナップアーム83および84を(針82に向かって)内方向に移動させることにより、コネクタ7は、必要に応じて注入セット組立体1から連結解除されることが可能になる。ガイドアーム85および86は、図2に示されるように、スナップアーム83と84の間を前方向に延びて、コネクタ7と、注入セット組立体1の基部部材4を位置合わせすることを容易にする。
感圧接着剤パッド5が、図4に示されるように、基部部材4の下側表面28に連結される。接着剤裏張り88が、図1に示されるように、接着剤パッド5に連結されて使用前に接着剤パッドを覆う。接着剤裏張り88は、タブ要素89を有して、接着剤パッドが注入部位に固定されるとき、裏張りを接着剤パッド5から分離して接着剤パッドを露出させることを容易にする。感圧接着剤パッド5は、接着剤繊維などの任意の適切な材料を備えることができる。
作動および組立体
第1の例示的な実施形態は、皮膚表面の上側3mmを精密に標的にする皮内針挿入を実行するための接着剤で固定された、自動注入セット組立体1を備える。注入セット組立体1は、皮膚表面に接着式に取り付けられることが可能であり、解放ピン56が、そこから取り外されて、針2を所望の挿入位置に自動的に傾斜させて挿入することができる。針2の挿入位置は、ばね部材62および63によって維持され、それによって、わずかに荷重された状態に留まって、ハブ3の後方向の移動をほぼ防止する。
タブ90および91が、図6に示されるように、カバー68の側壁70および71から内方向に延びる。基部部材4内のくぼみ93および94は、カバー68のタブ90および91を受け入れ、それによってカバー68と基部部材4の間にスナップ嵌合を作り出す。コネクタ7のスナップアーム83および84は、基部部材4の後部端部内に挿入され、それにより、図6に示されるように、そのフック95および96は、基部部材4内のくぼみ97および98によって受け入れられる。ガイドアーム85および86は、スナップアーム83および84が、挿入中、内方向に撓んで基部部材4とのスナップ嵌合を提供する間、挿入中のコネクタ7の位置合わせを維持する。ガイドアーム85および86の自由端部は、好ましくは、面取りされてガイドアーム85および86の基部部材4内の挿入を容易にする。口部97が、図7〜9に示されるように、基部部材4から後方向に延びて、挿入されたコネクタ7を支持する。
針2は、最初、注入セット組立体1内にわずかに窪められて偶発的な針の突き刺しをほぼ防止するが、図5および図6に示されるように、注入セット組立体1の底部から見え、そのため、ユーザは、注入セット組立体1を注入部位に接着する前に、注入セット組立体1のプライミングを目で見て判断することができる。
ユーザは、最初、接着剤裏張り88を剥がし、注入セット組立体1の基部部材4の下側表面28上の接着剤パッド5を暴露する。接着剤裏張り88のタブ89は、その取り外しを容易にする。注入セット組立体1は、次いで、ユーザによる下方向の圧力または印加力によって注入部位に接着され得る。ハブ3の摺動作用が、以下でより詳細に説明されるように、針2を、皮膚表面の上側3mm、すなわち皮内空間に傾斜させて挿入して、より良好な薬物吸収を容易にする。ユーザは、所望に応じて、コネクタ7を連結解除し、再連結することができる。
作動前、ハブ3は、図1および図2〜10に示されるように、第1の位置に係止される。上記で留意されたように、針2は、図5および図6に示されるように、接着剤パッド5および基部部材4内それぞれの開口部6および29内に窪められ、その開口部を通して見ることができ、それによって偶発的な針の突き刺しを防止し、注入セット組立体1の目に見えるプライミングを可能にする。解放ピン56の係止部材60および61は、図7〜10に示されるように、カバー68の開口部75および76および基部部材4のくぼみ73および74内に受け入れられ、それによってハブ3の前方向の移動を防止する。ばね部材62および63は、最初、伸張された位置にある。図7および図8に示されるように、係止部材60および61は、ハブ3の突出部19および20の第2のセットの移動を防止し、それにより、ばね部材62および63が、ハブ3を挿入位置に引っ張ることが防止される。
注入セット組立体1は、図11に示されるように、解放ピン56を注入セット組立体1から取り外すことによって始動される。ハンドル58内の開口部90は、ユーザによって把持され、カバー68から外方に上方向に持ち上げられ、それによって係止部材60および61を基部部材内のくぼみ73および74から取り外し、それにより、ばね部材62および63は、ハブ3を第1の位置(図7および図8)から挿入位置(図16および図17)まで移動させることができる。ばね部材62および63は、わずかに荷重された状態に留まって、ハブ3の後方向の移動を防止し、それによって針2の挿入部位からの取り外しを防止する。
係止部材60および61が、くぼみ73および74から取り外されたとき、ばね部材62および63内に蓄えられたエネルギーが、解放され、それによってハブ3を、針2が露出されない第1の位置(図4)から針2が挿入される第2の位置(図14)まで移動させる。したがって、解放ピン56の取り外しの結果、針2の皮膚の皮内層内の自動的な傾斜挿入が生じる。
ばね部材62および63は、解放ピン56を取り外した際にハブ3を前方向に移動させる。ハブ3の前方向の移動は、図16、図18、および図19に示されるように、突出部15および16の第1のセットが基部部材4の停止部材48および49と接触したときに停止される。図10に示されるように、ハブ3の第1の突出部15および16は、最初、内側ガイドレール44および45の第1の部分50および51の後部端部に配置される。ハブ3の前方向の移動は、第1の突出部15および16を、内側ガイドレール44および45の傾斜された第1の部分50および51を下方に摺動させ、それによって、第1の突出部が内側ガイドレール44および45の第1の部分50および51を下方に摺動するときの高さの相違により、針2と皮膚との最初の接触を引き起こす。針2は、約20度の角度(内側ガイドレール44および45の第1の部分50および51の角度)で挿入される。ばね部材62および63は、引き続き第2の突出部19および20を、内側ガイドレール44および45の第2の部分52および53に沿って前方向に引き出す。内側ガイドレール44および45の第2の部分52および53は、接着剤パッチ5に対してほぼ平行であり、それによって針2の挿入深さを限定する。第1の突出部15および16の、内側ガイドレール44および45の第2の部分52および53に沿った連続した前方向の移動は、針2を注入部位にある皮膚内へと駆動する。ハブ3の前方向の移動は、第1の突出部15および16が停止部材48および49と接触したときに停止される。ハブ3の第2の突出部19および20は、外側ガイドレール30および31に沿って移動し、それにより、第2の突出部19および20の全体の移動は、接着剤パッチ5に対してほぼ平行の方向である。カバー68の内面98は、基部部材4の内側および外側ガイドレールに対応し、それによって、図4に示されるように、そこを通る第1および第2の突出部15、16、19および20の移動のためのトラックを提供する。
第2の突出部19および20は、線形移動に限定され、それにより、内側ガイドレール44および45の傾斜された第1の部分50および51に沿った第1の突出部15および16の最初の移動は、針2の移動に径方向の成分を提供する。内側ガイドレール44および45の第2の部分52および53に沿った第1の突出部15および16の移動は、針2の移動に軸方向の成分を提供する。
針2の傾斜挿入は、注入部位を維持する堅固なアンカーを提供する。通常、短い針(すなわち1〜3mm)の皮膚内の配置を維持することは非常に困難である。しかし、針2を傾斜させて挿入することにより、皮膚自体が、鉛直の保持力を提供する。したがって、挿入された針2は、鉛直および水平の両方に固定される。さらに、傾斜された挿入は、カニューレ開口部の鉛直高さを低減することによって、注入に対する針またはカニューレの選択がより可撓性になることを可能にする。また、針2は、傾斜させて挿入されるため、傾斜されない挿入のために提供されたものより長い針および/または針開口部が、同じ皮内深さを標的にするために使用され得る。
最初、注入セット組立体1を皮膚表面に接着させることにより、精密な機械的基礎が提供され、針角度、皮膚の引っ張り、伸張および/平坦化、および挿入深さが一貫することを確実にする。さらに、そのようにする際、隆起もまた、低減されまたは解消される。さらに、針部位をポンプ連結から隔離することにより、振動および移動が低減される。加えて、針2をあらゆる外部力からさらに隔離する低プロファイルが、提供される。
第2の例示的な実施形態
本発明の第2の例示的な実施形態による注入セット組立体101が、図22〜50に示される。図22および図23に示されるような注入セット組立体101は、剛性鋼針102と、ハブ103と、固定の基部部材104と、摺動基部部材105とを含む。接着剤パッドまたはパッチ106が、基部部材104を皮膚表面に固定する。剛性針102は、ハブ103に据え付け式に連結され、ハブ103は、摺動基部部材105に据え付け式に連結され、摺動基部部材105は、固定の基部部材104に移動可能に連結される。ハブ103および摺動基部部材105は、固定の基部部材104に対して、針102が、注入セット組立体101の外部に露出されない第1の位置から、針102が、注入セット組立体101の外部に露出される第2の位置まで移動する。接着剤パッド106内の開口部107は、針102が、そこを通り抜けることを可能にする。コネクタ108は、チュービング(図1の8)を注入ポンプ(図示せず)から注入セット組立体101まで連結する。
剛性針102は、好ましくは、薬剤をそこを通して送達することを容易にするために中空であり、好ましくは、鋭敏な面取りされた先端部を備えて31ゲージステンレス鋼から作製される。針102の患者端部109内の端部ポートは、薬剤が注入部位に送達されることを可能にする。側部ポートは、端部ポートに加えてまたはその代わりに使用され得る。針102の非患者端部110内の開口部は、インスリンポンプからチュービング8を通して送達された薬剤を受け入れる(図1)。
図23、図47、および図48に示されるように、ハブ103は、針102を据え付け式に受け入れ、針102は、接着剤によってなどの任意の適切なやり方でこれに固定され得る。ハブ103内の孔111は、針102を受け入れ、針102は、その中に接着剤によって固定され得る。針2の患者端部109は、図25に示されるように、ハブ103の第1の端部112を超えて延びる。針102の非患者端部110は、ハブ3内の空洞123内に配設されてインスリンポンプから送達された薬剤を受け入れる。ハブ103は、好ましくは、射出成形プラスチックから作製されるが、任意の適切な材料が使用され得る。
図23、図47、および図48に示されるように、ハブ103は、第1の端部112および第2の端部113を有する。第1の突出部115および116の対が、第1の端部112の近位のハブ103の側壁117および118から外方向に延びる。第1の突出部115および116は、好ましくは、ほぼ円筒状である。第2の突出部119および120の対は、ハブ103の第2の端部113の近位の側壁117および118から外方向に延びる。第2の突出部119および120は、好ましくは、ほぼ円筒状である。円周方向に延びる溝121および122が、第2の突出部119および120内に配設される。管状部材114は、その中に開口部124を有して、図25に示されるように、空洞123と流体連通する流体通路125にアクセスする。隔壁177が、開口部124内に配設されて、ハブ103内の開口部124を封止する。ハブ103の後部は、コネクタ108が、開口部124内の隔壁177を通りぬけて連結されるように任意の適切なやり方で封止される。
図23、図25、および図46に示されるような基部部材104は、第1の端部126および第2の端部127を有する。下側表面128が、図25に示されるように、第1の端部126から第2の端部127に向かって延びる。下側表面128内の開口部129は、針102が、そこを通り抜けることを可能にする。好ましくは、開口部129は、細長くされ、前部端部126から後方向に延びる。ガイドレール130および131が、図46に示されるように、第1の端部134および135から第2の端部136および137まで前方向に延びる。輪郭形成された部分138および139が、ガイドレールの第1の端部134および135に配設されて、ハブ103が第1の位置にあるときに第1の突出部115および116を受け入れる。ガイドレール130および131は、第1の部分140および141を有し、第1の部分140および141は、輪郭形成された部分138および139からガイドレール130および131の第2の部分142および143まで下方向に延びる。第1の部分140および141は、好ましくは、図46に示されるように、第2の部分142および143に対して約20度の角度αを形成する。第2の部分142および143は、基部部材104の第1の支持部材144に対してほぼ平行である。柱145および146が、基部部材104から上方向に延び、ガイドレール130および131の第1の端部134および135と、第2の端部136および137との間に配設される。
第2の支持部材147が、基部部材104の第2の端部127に配設される。好ましくは、第2の支持部材147は、内側支持部材148と、外側支持部材149および150とを含む。くぼみ151および152が、図23および46に示されるように、内側支持部材148と外側支持部材149および150との間に形成される。
解放ピン156は、図23に示されるように、ハンドル158が、その上側表面159から外方向に延びる、基部157を有する。ハンドル158内の開口部190は、その把持を容易にする。係止部材160および161は、基部157の下側表面155から外方向に延びる。ハンドル158は、係止部材160および161が延びる第2の方向とはほぼ反対の第1の方向に延びる。
ばね部材162および163が、図26および図27に示されるように、ハブ103と基部部材104の間を延びる。ばね部材162および163の第1の端部164および165は、ハブ103の第2の突出部119および120に連結される。好ましくは、フックが、ばね部材162および163の第1の端部164および165に配設されて、第2の突出部119および120内の溝121および122と係合する。ばね部材162および163の第2の端部166および167は、基部部材104の柱145および146によって受け入れられる。好ましくは、ばね部材162および163は、圧縮ばねである。
カバー168が、図22、図23、および図25に示されるように、基部部材104に連結される。カバー168は、上側壁169と、そこから下方向に延びる側壁170および171とを有する。側壁170および171は、好ましくは、上側壁169からほぼ垂直に延びる。上側壁169は、第1の端部172から第2の端部173まで延びる。
隔壁177が、図25に示されるように、ハブ103の管状部材114の開口部内に配設されて、ハブ103を封止し、針102の非患者端部110内の開口部へのアクセスを防止する。隔壁177は、好ましくは、イソプレンから作製されるが、任意の適切な材料が使用され得る。ハブ103内の流路が、隔壁177から通路125を通り、空洞123を通って針102の非患者端部110まで形成される。
コネクタ108は、図22に示されるように、これに連結された、薬剤をインスリンポンプ(図示せず)から注入セット組立体101に送達するための可撓性のプラスチックチュービング8(図1)を有する。ポンプコネクタは、インスリンポンプに連結するためにチュービング8の一方の端部(図1)に配設される。コネクタ108は、注入セット組立体101の基部部材104に連結するためにチュービング8の他方の端部(図1)に配設される。チュービング8(図1)は、図1および図22に示されるように、コネクタ108の後部表面187を通り抜けて連結する。針182が、コネクタ108から前方向に延びて、図40に示されるように、コネクタ108がハブ103に連結されたときにハブ103内に配設された隔壁177を穿孔する。ハブ隔壁177を穿孔することにより、ハブ針102は、インスリンポンプに流体的に連結される。スナップアーム183および184が、基部部材104によって受け入れられてコネクタ108をこれに固定する。スナップアーム183および184を(針182に向かって)内方向に移動させることにより、コネクタ108は、必要に応じて注入セット組立体101から連結解除されることが可能になる。ガイドアーム185および186が、図22に示されるように、スナップアーム183と184の間を前方向に延びて、コネクタ108と注入セット組立体101の基部部材104を位置合わせすることを容易にする。
基部摺動部材105は、図22、図49および図50に示されるように、ハブ103の第2の突出部119および120を受け入れるための開口部192および193を中に有する壁191を有する。支持部材194および195が、開口部192および193の内方向に配設されて、第2の突出部119および120を受け入れる。アーム196および197が、支持部材194および195の前方向に延びる。好ましくは、アーム196および197は、ほぼU字形状にされて、図43に示されるように、基部摺動部材が第2の位置にあるとき、コネクタ108のガイドアーム185および186を受け入れることを容易にする。壁191の端部198および199は、図42に示されるように、基部部材104の停止部材132および133と接触することによって、基部摺動部材105の前方向の移動を限定する。停止部材132および133から内方向に離間された開口部は、基部摺動部材105のアーム196および197を受け入れる。
感圧接着剤パッド106が、図25に示されるように、基部部材104の下側表面128に連結される。接着剤裏張り188が、図23に示されるように、接着剤パッド106に連結されて使用前に接着剤パッドを覆う。接着剤裏張り188は、タブ要素189を有して、接着剤パッドが注入部位に固定されるとき、裏張りを接着剤パッド106から分離して接着剤パッドを露出させることを容易にする。感圧接着剤パッド106は、接着剤繊維などの任意の適切な材料を備えることができる。
第2の例示的な実施形態は、皮膚表面の上側3mmを精密に標的にする皮内針挿入を実行するための接着剤で固定された、自動注入セット組立体101を備える。注入セット組立体101は、皮膚表面に接着式に取り付けられることが可能であり、解放ピン156が、そこから取り外されて、針102を所望の挿入位置に自動的に傾斜させて挿入することができる。針102の挿入位置は、ばね部材162および163によって維持され、それによって、わずかに荷重された状態に留まって、ハブ103および基部摺動部材105の後方向の移動を防止して、挿入された針102の取り外しを防止する。
図22に示されるように、コネクタ108は、その作動前に注入セット組立体101に連結されない。基部摺動部材105は、基部摺動部材105の大部分がカバー168の外部に配設される第1の位置にある。壁191の湾曲された部分153は、図26に示されるように、接着剤パッチ106の縁の近位にある。解放ピン156の係止アーム160および161が、図26および図27に示されるように、壁191の端部198および199と、基部部材104の停止部材132および133との間に配設され、それによってばね部材162および163がハブ103および基部摺動部材105を前方向に引き出すことを防止する。第2の突出部119および120は、図26に示されるように、基部摺動部材105の開口部192および193内ならびに支持部材194および195上に受け入れられ、それにより、基部摺動部材105およびハブ103は、一緒に移動する。
針102は、最初、注入セット組立体101内にわずかに窪められて偶発的な針の突き刺しをほぼ防止するが、図28に示されるように、注入セット組立体101の底部から見え、そのため、ユーザは、注入セット組立体101を注入部位に接着する前に、注入セット組立体101のプライミングを目で見て判断することができる。
ユーザは、最初、接着剤裏張り188を剥がし、注入セット組立体101の基部部材104の下側表面128上の接着剤パッド106を暴露する。接着剤裏張り188のタブ189は、その取り外しを容易にする。注入セット組立体101は、次いで、ユーザによる下方向の圧力または印加力によって注入部位に接着され得る。ハブ103および基部摺動部材105の摺動作用が、以下でより詳細に説明されるように、針102を、皮膚表面の上側3mm、すなわち皮内空間に傾斜させて挿入して、より良好な薬物吸収を容易にする。ユーザは、針102の挿入後にコネクタ108を連結し、所望に応じて、コネクタ108を連結解除し、再連結することができる。
作動前、ハブ103および基部摺動部材105は、図26および図27に示されるように、第1の位置に係止される。上記で留意されたように、針102は、図28に示されるように、接着剤パッド106および基部部材104内それぞれの開口部107および129内に窪められ、その開口部を通して見ることができ、それによって偶発的な針の突き刺しを防止し、注入セット組立体101の目に見えるプライミングを可能にする。解放ピン156の係止部材160および161は、図22に示されるように、基部部材104の停止部材132および133と、基部摺動部材105の壁191の端部198および199との間に受け入れられ、それによってハブ103および基部摺動部材105の前方向の移動を防止する。係止部材160および161は、カバー168の第2の端部173に隣接して受け入れられる。ばね部材162および163は、最初に、伸張された位置にあり、それによってその中にエネルギーを蓄える。係止部材160および161は、ハブ103の突出部119および120の第2のセットの移動を防止し、それにより、ばね部材162および163が、針102を挿入位置まで移動させることが防止される。コネクタ108は、針102の挿入前、注入セット組立体101に連結されない。
注入セット組立体101は、図29および図30に示されるように、解放ピン156を注入セット組立体101から取り外すことによって始動される。ハンドル158内の開口部190は、ユーザによって把持され、カバー168から上方向に持ち上げられ、それによって係止部材160および161を、基部部材104の停止部材132および133と基部摺動部材105の壁191の端部198および199との間から取り外す。ばね部材162および163内に蓄えられたエネルギーが、解放され、それにより、針102は、露出されない位置(図27および図28)から挿入される位置(図34〜36)まで移動する。
係止部材160および161が、取り外されたとき、ばね部材162および163内に蓄えられたエネルギーが、解放され、それによってハブ103および基部摺動部材105を、針102が露出されない第1の位置(図27および図28)から針102が挿入される第2の位置(図34〜36)まで移動させる。したがって、解放ピン156の取り外しの結果、針102の皮膚の皮内層内の自動的な傾斜挿入が生じる。
ばね部材162および163は、解放ピン156の取り外し時、ハブ103および基部摺動部材105を前方向に移動させる。ハブ103および基部摺動部材105の前方向の移動は、図35および図36に示されるように、基部摺動部材105の壁191の端部198および199が、基部部材104の停止部材132および133と係合したときに停止される。
図27および図46に示されるように、ハブ103の第1の突出部115および116は、最初、ガイドレール130および131の第1の部分140および141の輪郭形成された部分138および139内に配置される。ハブ103の前方向の移動は、第1の突出部115および116を、ガイドレール130および131の傾斜された第1の部分140および141を下方に摺動させ、それによって、第1の突出部115および116がガイドレール130および131の第1の部分140および141を下方に摺動するときの高さの相違により、針102と皮膚との最初の接触を引き起こす。針102は、約20度の角度(ガイドレール130および131の第1の部分140および141の角度)で挿入される。ばね部材162および163は、引き続き第2の突出部119および120を、基部部材104の第2の支持部材147に沿って、摺動する基部摺動部材105と共に前方向に引き出す。ガイドレール130および131の第2の部分142および143は、接着剤パッチ106に対してほぼ平行であり、それによって針102の挿入深さを限定する。第1の突出部115および116の、ガイドレール130および131の第2の部分142および143に沿った連続した前方向の移動は、針102を注入部位にある皮膚内へと駆動する。ハブ103および基部摺動部材105の前方向の移動は、端部198および199が停止部材132および133と接触したときに停止される。ハブ103の第2の突出部119および120は、基部摺動部材105に据え付けられ、それにより、第2の突出部119および120の全体の移動は、接着剤パッチ106に対してほぼ平行の方向である。カバー168の内面は、基部部材104のガイドレール130および131に対応し、それによって、図25に示されるように、第1の突出部115および116の移動のためのトラックを提供する。
第2の突出部119および120は、線形移動に限定され、それにより、ガイドレール130および131の傾斜された第1の部分140および141に沿った第1の突出部115および116の最初の移動は、針102の移動に径方向の成分を提供する。ガイドレール130および131の第2の部分142および143に沿った第1の突出部115および116の移動は、針102の移動に軸方向の成分を提供する。基部摺動部材105の内方向の移動は、低減されたサイズを有する注入セット組立体101を提供する。図29に示されるように、第1の位置にある基部摺動部材105の壁191は、カバー168の第2の端部173を超えて延びる。基部摺動部材105は、図30に示されるように、針102が挿入されたときに第2の位置まで移動され、それにより、基部摺動部材の壁191は、カバー168の第2の端部173と同一平面上になる。
針102が挿入された後、コネクタ108が、注入セット組立体101に取り付けられる。コネクタ108は、針102の患者端部109から注入セット組立体に連結され、それによって図38に示されるように、注入セット組立体101のサイズの低減を容易にする。コネクタ108のスナップアーム183および184は、図43および図46に示されるように、基部部材104内のくぼみ174および175内に挿入される。ガイドアーム185および186は、スナップアーム183および184が、挿入中、内方向に撓んで基部部材104とのスナップ嵌合を提供するとき、挿入中のコネクタ108の位置合わせを維持する。ガイドアーム185および186の自由端部は、好ましくは、面取りされてガイドアーム185および186の基部部材104内の挿入を容易にし、基部摺動部材105のアーム196および197によって受け入れられる。基部部材104の第1の支持部材144は、図42に示されるように、挿入されたコネクタ108を支持する。基部部材104の第2の支持部材147は、挿入された基部摺動部材105を支持する。
コネクタ針182は、ハブ103の管状部材114内に配設された隔壁177を穿孔する。流路が、インスリンポンプ(図示せず)から、チュービング8(図1)を通り、コネクタ針182を通ってハブ通路125内、ハブ空洞123内、および針102の非患者端部110内へと形成される。
針102の傾斜挿入は、注入部位を維持する堅固なアンカーを提供する。通常、短い針(すなわち1〜3mm)の皮膚内の配置を維持することは非常に困難である。しかし、針102を傾斜させて挿入することにより、皮膚自体が、鉛直の保持力を提供する。したがって、挿入された針102は、鉛直および水平の両方に固定される。さらに、傾斜された挿入は、カニューレ開口部の鉛直高さを低減することによって、注入に対する針またはカニューレの選択がより可撓性になることを可能にする。また、針102は、傾斜させて挿入されるため、傾斜されない挿入のために提供されたものより長い針および/または針開口部が、同じ皮内深さを標的にするために使用され得る。
最初、注入セット組立体101を皮膚表面に接着させることにより、精密な機械的基礎が提供され、針角度、皮膚の引っ張り、伸張および/平坦化、および挿入深さが一貫することを確実にする。さらに、そのようにする際、隆起もまた、低減されまたは解消される。さらに、針部位をポンプ連結から隔離することにより、振動および移動が低減される。加えて、針102をあらゆる外部力からさらに隔離する低プロファイルが、提供される。
皮膚の皮内層に注入することにより、本発明の例示的な実施形態は、皮下送達システムと比較したとき、インスリンのより良好な吸収の可能性をもたらす。そのようにする際、一般ユーザは、インスリンの消費を少なくすると共に、より良好な薬剤治療計画を維持することが可能になり得る。複数の針またはマイクロ針が、所望の場合、単一の針またはマイクロ針の代わりに使用され得ることが理解されよう。
前述で説明された実施形態は、皮内注入セットに関するが、本発明の原理はまた、患者カニューレが、剛性金属導入針の助けを借りて挿入される軟質プラスチックカテーテルからなる皮下注入セットなどの他のタイプの注入セットにも適用可能である。
本発明のごく少数の例示的な実施形態が上記で詳細に説明されてきたが、当業者は、多くの改変形態が、本発明の新規の教示および利点から著しく逸脱することなく例示的な実施形態において可能であることを容易に理解するであろう。したがって、すべてのそのような改変形態は、付属の特許請求の範囲およびその等価物内に定義された本発明の範囲内に含まれるよう意図される。

Claims (10)

  1. 皮膚表面に固定されるように適合された注入セットであって、
    皮膚表面に接続されることが可能な固定の基部部材と、
    接続された針またはカニューレを有し、前記固定の基部部材に対し相対的に可動である可動部材であって、前記針またはカニューレが前記固定の基部部材の外部に露出していない第1の位置から、前記針またはカニューレが前記固定の基部部材の外部に露出している第2の位置に移動可能である可動部材と、
    前記可動部材を前記第1の位置に保持する解放部材と、を備え、皮膚表面に実質的に垂直方向への前記注入セットから前記解放部材の除去によって、前記可動部材前記第2の位置へ移される、注入セット。
  2. 請求項1に記載の注入セットにおいて、
    前記可動部材が、皮膚表面に平行でない方向で移動することを特徴とする注入セット。
  3. 請求項1に記載の注入セットにおいて、
    前記可動部材を前記第1の位置から前記第2の位置へと移動させるために、前記固定の基部部材と前記可動部材との間に、ばね部材が接続されていることを特徴とする注入セット。
  4. 請求項1に記載の注入セットにおいて、
    前記可動部材が前記第2の位置にあるときに、前記針またはカニューレは、皮膚表面に対して非垂直な角度で配置されることを特徴とする注入セット。
  5. 請求項1に記載の注入セットにおいて、
    前記可動部材が前記第2の位置にあるときに、前記針またはカニューレは、皮膚表面に対して約20度の角度で配置されることを特徴とする注入セット。
  6. 請求項1に記載の注入セットにおいて、
    前記可動部材が前記第1の位置から前記第2の位置に移動したときに、前記注入セットの長さが減少することを特徴とする注入セット。
  7. 請求項3に記載の注入セットにおいて、
    前記ばね部材が、前記第2の位置から前記第1の位置に向かう方向への前記可動部材の移動を実質的に防止することを特徴とする注入セット。
  8. 請求項1に記載の注入セットにおいて、 前記可動部材の前記第1の位置から前記第2の位置への移動が、第1の方向の第1の移動と第2の方向の第2の移動とを含み、前記第1の方向と前記第2の方向とは同一線上にないことを特徴とする注入セット。
  9. 請求項8に記載の注入セットにおいて、
    前記第1の方向は、皮膚の表面に向かうように角度づけられていることを特徴とする注入セット。
  10. 請求項9に記載の注入セットにおいて、
    前記第2の方向は、皮膚の表面に実質的に平行であることを特徴とする注入セット。
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