<第1実施形態>
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態の遊技機の説明図である。
本実施形態の遊技機10は前面枠12を備え、該前面枠12は外枠(支持枠)11に開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(図2参照)は前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠(本体枠)12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠15(透明板保持枠)が取り付けられている。
また、ガラス枠15の左右には内部にランプやLED等を内蔵し装飾や演出、および異常発生時の報知(例えば、払出異常が発生した場合はランプやLED等を異常報知色(例えば、赤色)で点灯(点滅)させる)のための発光をする枠装飾装置18や、音響(例えば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面枠12の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。また、異常発生時はスピーカ(上スピーカ)19a、スピーカ(下スピーカ)19bから音声で異常内容が報知されるようになっている。なお、ガラス枠15の所定部位に払出異常報知用のランプを設けるようにしても良い。
また、前面枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿21(貯留皿)、遊技機10の裏面側に設けられている払出ユニットから払い出された遊技球が流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿(受皿)23及び打球発射装置の操作部24等が設けられている。さらに、上皿21の上縁部には、遊技者からの押圧操作入力を受け付けるための演出ボタンスイッチ25aを内蔵した演出ボタン25が設けられている。また、演出ボタン25の上面(押圧面)には、遊技者からの接触操作入力を受け付けるためのタッチパネル29が設けられている。さらに、前面枠12下部右側には、前面枠12やガラス枠15を開放したり施錠したりする鍵を挿入するための鍵穴26が設けられている。
なお、本実施形態ではタッチパネル29を演出ボタン25と一体的に設けたが、タッチパネル29は、演出ボタン25と別体であってもよく、例えば、演出ボタン25の近傍にサブ表示装置を設け、そのサブ表示装置の表示面にタッチパネル29を設けてもよい。
また、演出ボタン25右方には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン27、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン28、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図示省略)等が設けられている。この実施形態の遊技機10においては、遊技者が上記操作部24を回動操作することによって、打球発射装置が上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域32に向かって発射する。また、遊技者が演出ボタン25やタッチパネル29を操作することによって、表示装置41(図2参照)における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)において、遊技者の操作を介入させた演出等を行うことができる。
次に、図2を用いて遊技盤30の一例について説明する。図2は、本実施形態の遊技盤30の正面図である。
遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33及びガイドレール31に囲繞されて構成される。遊技領域32には、ほぼ中央に表示装置41を備えたセンターケース(遊技演出構成体)40が配置されている。表示装置41は、センターケース40に設けられた凹部に、センターケース40の前面より奥まった位置に取り付けられている。すなわち、センターケース40は表示装置41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出し周囲の遊技領域32から遊技球が飛び込みにくくするように形成されている。
表示装置41(変動表示装置)は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等の遊技に関する情報が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームが行われる。また、表示画面には遊技の進行に基づく演出のための画像(例えば、大当り表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。
また、センターケース40には、動作する可動演出部材によって、特図変動表示ゲームを含む遊技の演出を行う可動演出装置をなす盤演出装置44が備えられている。この盤演出装置44として、センターケース40の下部には第1盤演出装置44aが設けられている。第1盤演出装置44aは六角柱状の可動演出部材を備え、図2に示す初期位置から上方へ向かって動作可能であり、破線で示す範囲で動作することが可能である。また、盤演出装置44としてセンターケース40の左部及び右部には第2盤演出装置44bが設けられている。第2盤演出装置44bは板状の可動演出部材を備え、図2に示す初期位置から表示装置41の中央へ向けて動作可能であり、破線で示す範囲で動作することが可能である。また、盤演出装置44としてセンターケース40の上部には第3盤演出装置44cが設けられている。第3盤演出装置44cは円形の可動演出部材を備え、図2に示す初期位置から下方へ向けて動作可能であり、点線で示す範囲で動作することが可能である。
ここで、第1盤演出装置44aと第3盤演出装置44cは、表示装置の中央部分の近傍で動作範囲の一部が重なっていて互いに干渉するものであり、同時に動作すると衝突するおそれがある。また、第2盤演出装置44bは、動作範囲が他の盤演出装置44と重ならずに干渉しないため、他の盤演出装置44と同時に動作しても衝突することはない。
また、センターケース40の左下部には、表示装置41で表示する飾り特図変動表示ゲームとは別に飾り特図変動表示ゲームを実行する第四図柄の表示や、始動記憶数の表示を行うサブ情報表示装置90が設けられている。
このサブ情報表示装置90は、第1特図変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームを実行する第四図柄を表示するサブゲーム表示部をなす単一の発光部で構成された第1サブゲーム表示部91と、第2特図変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームを実行する第四図柄を表示するサブゲーム表示部をなす単一の発光部で構成された第2サブゲーム表示部92と、を備える。さらに、二つの発光部により第1特図変動表示ゲームを実行する権利である第1始動記憶の数を示す第1サブ表示部93と、二つの発光部により第2特図変動表示ゲームを実行する権利である第2始動記憶の数を示す第2サブ表示部94と、を備える。
第1サブゲーム表示部91と、第2サブゲーム表示部92では、対応する特図変動表示ゲームが変動表示中であることを示す表示や、結果を示す表示を発光部の消灯、点滅、点灯により表示可能である。また、第1サブ表示部93、第2サブ表示部94は、第1始動記憶(特図1保留)、第2始動記憶(特図2保留)の数を、それぞれ二つの発光部の消灯、点滅、点灯により表示可能である。
サブ情報表示装置90を表示装置41とは別途に設けたことで、第四図柄を表示装置41に表示することにより表示装置41の表示領域を占有することがなく、表示領域を有効に活用することができる。なお、サブ情報表示装置90は、第1盤演出装置44a、第2盤演出装置44b、第3盤演出装置44cの動作範囲外に設けられており、これらが動作する過程でサブ情報表示装置90が覆われてしまうことがないようにされている。
遊技領域32におけるセンターケース40の下方右側には、普図変動表示ゲームの開始条件を与える普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート、流入領域)34が設けられている。普図始動ゲート34に入賞した遊技球は、ゲートスイッチ34a(図4参照)により検出される。
また、遊技領域32におけるセンターケース40の下方左側には、三つの一般入賞口35が配置され、センターケース40の下方右側であって普図始動ゲート34よりも下側には、一つの一般入賞口35が配置されている。これら一般入賞口35に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ35a(図4参照)により検出される。
また、遊技領域32におけるセンターケース40の下方には、第1特図変動表示ゲームの開始条件を与える始動入賞口36(第1始動入賞口、始動入賞領域、流入領域)が設けられている。始動入賞口36に入賞した遊技球は、始動口1スイッチ36a(図4参照)により検出される。
また、始動入賞口36の直下には、第2特図変動表示ゲームの開始条件を与える普通変動入賞装置37(第2始動入賞口、始動入賞領域、流入領域)が設けられている。
普通変動入賞装置37は、上端側が手前側に倒れる方向に回動することで開放して遊技球が流入し易い状態に変換可能な可動部材37bを備えており、この可動部材37bは、常時は遊技球が流入できない閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(図4参照)によって、普通変動入賞装置37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。普通変動入賞装置37に入賞した遊技球は、始動口2スイッチ37a(図4参照)により検出される。なお、普通変動入賞装置37が閉状態でも入賞できるようにし、閉状態では開状態よりは入賞しにものとしても良い。
また、普通変動入賞装置37の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口30aが設けられている。
さらに、遊技領域32におけるセンターケース40の下方であって、始動入賞口36よりも右側には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な特別変動入賞装置(大入賞口)38が配設されている。
特別変動入賞装置38は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉38cを有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。すなわち、特別変動入賞装置38は、例えば、駆動装置としての大入賞口ソレノイド38b(図4参照)により駆動される開閉扉38cによって開閉される大入賞口を備え、特別遊技状態中や小当り遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としての大入賞口スイッチ(カウントスイッチ)38a(図4参照)が配設されている。本実施形態の遊技機では、大入賞口スイッチ38aが2つ設けられ、大入賞口内に流入した遊技球は何れかの大入賞口スイッチ38aに検出されるようになっている。このように大入賞口スイッチ38aを複数設けることで、大入賞口内に流入した遊技球を迅速に検出できる。
本実施形態の遊技機10においては、遊技球が流下する遊技領域32のうち、センターケース40の左方の領域が左側遊技領域とされ、センターケース40の右方の領域が右側遊技領域とされている。そして、遊技者が発射勢を調節して左側遊技領域へ遊技球を発射(いわゆる左打ち)することで始動入賞口36への入賞を狙うことができ、右側遊技領域へ遊技球を発射(いわゆる右打ち)することで普図始動ゲート34や普通変動入賞装置37や特別変動入賞装置38への入賞を狙うことができるようになっている。
ここで、本実施形態の遊技機10において、右側遊技領域に対応する位置には、センターケース40の右端部に取り付けられた流路形成部材42が配設されており、右側遊技領域へと発射された遊技球は、流路形成部材42によって形成される流路を通過するよう構成されている。なお、流路形成部材42の少なくとも前面の材質は、流路形成部材42によって形成される流路を通過する遊技球を外部から視認可能な材質になっているので、遊技者等は、流路形成部材42によって形成される流路を通過する遊技球(すなわち、右側遊技領域を流下する遊技球)を、流路形成部材42の前方から流路形成部材42を透して視認することができる。
また、遊技領域32の外側(ここでは遊技盤30の右下部)には、特図変動表示ゲームをなす第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲーム及び普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームの表示や、各種情報を表示する一括表示装置50が設けられている。
図3に示すように一括表示装置50は、発光源としてLEDを備える複数の発光部がマトリクス状に配置された構成となっており、各発光部は独立して点灯態様を設定可能である。また、遊技者は各発光部の点灯態様をそれぞれ視認可能である。なお、一括表示装置50を説明する図において各発光部に表示したD1〜D32の記号と発光部を囲む破線は説明のために表示したものであり、実際の一括表示装置50では表示されていない。また、発光源はLEDに限られずランプでも良い。さらに、液晶表示装置やEL表示装置などにより各発光部を構成しても良い。
この一括表示装置50には、第1特図変動表示ゲームを表示する特図1表示器51(D1〜D8)、第2特図変動表示ゲームを表示する特図2表示器52(D17〜D26)、普図変動表示ゲームを表示する普図表示器53(D27〜D30)が設けられている。また、第1特図変動表示ゲームを実行する権利である第1始動記憶の数を示す特図1保留表示器54(D9、D10)、第2特図変動表示ゲームを実行する権利である第2始動記憶の数を示す特図2保留表示器55(D11、D12)、普図変動表示ゲームを実行する権利である普図始動記憶の数を示す普図保留表示器56(D31、D32)が設けられている。
さらに、一括表示装置50には、左打ちよりも右打ちの方が有利な遊技状態であることを報知する第1遊技状態表示部(第1遊技状態表示器、右打ち報知部)57(D13)、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部(第2遊技状態表示器、時短状態報知部)58(D14)、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置38の開閉回数)を表示するラウンド表示部60(D15、D16)が設けられている。なお、一括表示装置50には、更に、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する表示部(表示器)等が設けられていてもよい。また、遊技盤30において遊技者が視認可能な位置には、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっていることを表示する第3遊技状態表示部(第3遊技状態表示器、確率状態表示部)が設けられているが、これを一括表示装置50に設けても良い。
特図1表示器51では、第1特図変動表示ゲームの変動時間中においては、予め定められた複数の点灯パターンを予め定められた順序で表示する特図1変動中表示を繰り返し行う。そして、第1特図変動表示ゲームの変動時間が終了すると、当該第1特図変動表示ゲームの結果に応じた点灯パターン(結果態様)を停止表示する。特図1変動中表示において表示する点灯パターンの各々や結果態様として表示する点灯パターンは、第1特図変動表示ゲームを表示するための識別情報(特図、特別図柄)をなす。
特図2表示器52では、第2特図変動表示ゲームの変動時間中においては、予め定められた複数の点灯パターンを予め定められた順序で表示する特図2変動中表示を繰り返し行う。そして、第2特図変動表示ゲームの変動時間が終了すると、当該第2特図変動表示ゲームの結果に応じた点灯パターン(結果態様)を停止表示する。特図2変動中表示において表示する点灯パターンの各々や結果態様として表示する点灯パターンは、第2特図変動表示ゲームを表示するための識別情報(特図、特別図柄)をなす。
普図表示器53では、普図変動表示ゲームの変動時間中においては、予め定められた複数の点灯パターンを予め定められた順序で表示する普図変動中表示を繰り返し行う。そして、普図変動表示ゲームの変動時間が終了すると、当該普図変動表示ゲームの結果に応じた点灯パターン(結果態様)を停止表示する。普図変動中表示において表示する点灯パターンの各々や結果態様として表示する点灯パターンは、普図変動表示ゲームを表示するための識別情報(普図、普通図柄)をなす。
なお、特図1表示器51における特図1変動中表示、特図2表示器52における特図2変動中表示及び普図表示器53における普図変動中表示の詳細について後述する。
特図1保留表示器54は、第1特図変動表示ゲームの実行権利である第1始動記憶の数(第1保留数)を複数の発光部の消灯、点滅、点灯により表示する。特図2保留表示器55は、第2特図変動表示ゲームの実行権利である第2始動記憶の数(第2保留数)を複数の発光部の消灯、点滅、点灯により表示する。普図保留表示器56は、普図変動表示ゲームの実行権利である普図始動記憶の数(普図保留数)を複数の発光部の消灯、点滅、点灯により表示する。
第1遊技状態表示部(右打ち報知部)57は、右打ちよりも左打ちの方が遊技者にとって有利な遊技状態の場合(通常打ち時)にはランプを消灯状態にし、左打ちよりも右打ちの方が遊技者にとって有利な遊技状態の場合(右打ち時)にはランプを点灯状態にする。
第2遊技状態表示部(時短状態報知部)58は、時短状態が発生していない通常の遊技状態の場合(変動時間短縮機能未作動時)にはランプを消灯状態にし、時短状態が発生している場合(変動時間短縮機能作動時)にはランプを点灯状態にする。
ラウンド表示部60は、特別遊技状態中でない場合にはすべての発光部を消灯状態にし、特別遊技状態中には特別結果に応じて選択されたラウンド数に対応した点灯態様とする。本実施形態の場合、選択されたラウンド数が「4」のときはD15のみを点灯状態にし、選択されたラウンド数が「16」のときはD16のみを点灯状態にするよう構成されている。なお、特図1表示器51や特図2表示器52、ラウンド表示部60等は7セグメント型の表示器で構成してもよい。
図4は、本実施形態のパチンコ遊技機10の制御システムのブロック図である。
遊技機10は遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130と、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
上記CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路を有し、遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号やリセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
この実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、本実施形態のように、電源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
上記バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
また、遊技制御装置100にはRAM初期化スイッチ112が設けられている。このRAM初期化スイッチ112が操作されると初期化スイッチ信号が生成され、これに基づき遊技用マイコン111内のRAM111C及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する処理が行われる。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111B及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)111Cを備える。
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111B又はRAM111Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM111Bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パターンテーブルを記憶している。変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が大当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、リーチ状態となった後の変動パターンである後半変動パターンを決定するためのテーブル(後半変動グループテーブルや後半変動パターン選択テーブル等)、リーチ状態となる前の変動パターンである前半変動パターンを決定するためのテーブル(前半変動グループテーブルや前半変動パターン選択テーブル等)が含まれている。
ここでリーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしても良い。
そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(期待値が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ(Nリーチ)、スペシャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP2リーチ)、スペシャル3リーチ(SP3リーチ)、プレミアリーチが設定されている。なお、期待値は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチ<プレミアリーチの順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定する場合(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの当りを判定するための大当り乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当りを判定するための当り乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU111Aは、特図変動表示ゲームに関する処理において、ROM111Bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(当り(大当り又は小当り)或いははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態或いは高確率状態)、現在の遊技状態としての普通変動入賞装置37の動作状態(時短動作状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。ここで、CPU111Aは、特図変動表示ゲームを実行する場合に、ROM111Bに記憶された複数の変動パターンテーブルのうち、何れか一の変動パターンテーブルを取得する変動振り分け情報取得手段をなす。
払出制御装置200は、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
遊技用マイコン111の入力部120には、遊技機に対する電波の発射を検出する盤電波センサ62、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、特別変動入賞装置38の大入賞口スイッチ38aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。近接I/F121は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、センサや近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、センサやスイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
近接I/F121の出力は、第2入力ポート123又は第3入力ポート124へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれる。なお、近接I/F121の出力のうち、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a及び大入賞口スイッチ38aの検出信号は第2入力ポート123へ入力される。また、近接I/F121の出力のうち、盤電波センサ62の検出信号及びセンサやスイッチの異常を検出した際に出力される異常検知信号は第3入力ポート124に入力される。また、第3入力ポート124には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサ61の検出信号や、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63の検出信号、遊技機10の前面枠(本体枠)12等に設けられた本体枠開放検出スイッチ64の検出信号も入力されるようになっている。なお、振動を検出する振動センサスイッチを遊技機に設け、検出信号が第3入力ポート124に入力されるようにしても良い。
また、近接I/F121の出力のうち、第2入力ポート123への出力は、主基板100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へも供給されるようになっている。さらに、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aの検出信号は、第2入力ポート123の他、遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。
上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
第2入力ポート123が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポート123に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE2をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。第3入力ポート124や後述の第1入力ポート122も同様である。
また、入力部120には、払出制御装置200からの枠電波不正信号(前面枠12に設けられた枠電波センサが電波を検出することに基づき出力される信号)、払出ビジー信号(払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号)、払出異常ステータス信号(払出異常を示すステータス信号)、シュート球切れスイッチ信号(払出し前の遊技球の不足を示す信号)、オーバーフロースイッチ信号(下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号)、タッチスイッチ信号(操作部24に設けられたタッチスイッチの入力に基づく信号)を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート122が設けられている。
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号やリセット信号などの信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットバッファ125が設けられており、シュミットバッファ125はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの停電監視信号や、RAM初期化スイッチ112からの初期化スイッチ信号は、一旦第1入力ポート122に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットバッファ125によりノイズ除去されたリセット信号RESETは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RESETは出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RESETを中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RESETは入力部120の各ポート122,123,124には供給されない。リセット信号RESETが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RESETが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
出力部130には、遊技用マイコン111から演出制御装置300への通信経路及び遊技用マイコン111から払出制御装置200への通信経路に配されるシュミットバッファ132が設けられている。遊技制御装置100から演出制御装置300及び払出制御装置200へは、シリアル通信でデータが送信される。なお、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにした片方向通信とされている。
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板70を介して出力するバッファ133が実装可能に構成されている。このバッファ133は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F121から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ133を通さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサ61や盤電波センサ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ133、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板70には、上記バッファ133から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部130には、データバス140に接続され特別変動入賞装置38を開成させるソレノイド(大入賞口ソレノイド)38b及び普通変動入賞装置37の可動部材37bを開成させるソレノイド(普電ソレノイド)37cの開閉データを出力するための第2出力ポート134が設けられている。また、出力部130には、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136が設けられている。
また、出力部130には、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子板71へ出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子板71にはフォトリレーが備えられ、例えば遊技店に設置された外部装置(情報収集端末や遊技場内部管理装置(ホールコンピュータ)など)に接続可能であり、遊技機10に関する情報を外部装置に供給することができるようになっている。また、第5出力ポート137からはシュミットバッファ132を介して払出制御装置200に発射許可信号も出力される。
さらに、出力部130には、第2出力ポート134から出力される大入賞口ソレノイド38bや普電ソレノイド37cの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子板71へ出力する第4ドライバ138dが設けられている。
上記第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第2ドライバ138bには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第3ドライバ138cは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。
12Vを出力する第2ドライバ138bによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第3ドライバ138cによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子板71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ133や第2出力ポート134、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、すなわち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置500へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置500との間でシリアル通信によってデータの送受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行われるため、入力ポート122,123,124のようなポートは設けられていない。
次に、図5を用いて、演出制御装置300の構成について説明する。
演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(CPU)311と、主制御用マイコン311からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)312と、各種のメロディや効果音などをスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
上記主制御用マイコン311には、CPUが実行するプログラムや各種データを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、作業領域を提供するRAM322、停電時に電力が供給されなくとも記憶内容を保持可能なFeRAM323、現在の日時(年月日や曜日、時刻など)を示す情報を生成する計時手段をなすRTC(リアルタイムクロック)338が接続されている。なお、主制御用マイコン311の内部にも作業領域を提供するRAMが設けられている。また、主制御用マイコン311にはWDT(ウォッチドッグ・タイマ)回路324が接続されている。主制御用マイコン311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定してVDP312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータやソレノイドの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。
VDP312には、作業領域を提供するRAM312aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ312bが設けられている。また、VDP312にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM325や、画像ROM325から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)326が接続されている。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン311とVDP312との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。
VDP312から主制御用マイコン311へは、表示装置41の映像とガラス枠15や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるための垂直同期信号VSYNC、データの送信タイミングを与える同期信号STSが入力される。なお、VDP312から主制御用マイコン311へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び主制御用マイコン311からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITなども入力される。
演出制御装置300には、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する信号変換回路313が設けられている。VDP312から信号変換回路313へは、映像データ、水平同期信号HSYNC及び垂直同期信号VSYNCが入力されるようになっており、VDP312で生成された映像は、信号変換回路313を介して表示装置41に表示される。
音源LSI314には音声データが記憶された音声ROM327が接続されている。主制御用マイコン311と音源LSI314は、アドレス/データバス340を介して接続されている。また、音源LSI314から主制御用マイコン311へは割込み信号INTが入力されるようになっている。演出制御装置に300には、ガラス枠15に設けられた上スピーカ19a及び前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337が設けられており、音源LSI314で生成された音声はアンプ回路337を介して上スピーカ19a及び下スピーカ19bから出力される。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された飾り特図保留数コマンド、飾り特図コマンド、変動コマンド、停止情報コマンド等を、演出制御指令信号(演出コマンド)として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置46やサブ情報表示装置90を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、ガラス枠15に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(例えば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置44(例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める可動役物等)を駆動制御する盤演出可動体制御回路334が設けられている。ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332〜334は、アドレス/データバス340を介して主制御用マイコン311と接続されている。なお、ガラス枠15にモータ(例えば演出用の装置を動作させるモータ)等の駆動源を備え、動作する可動演出部材によって、特図変動表示ゲームを含む遊技の演出を行う可動演出装置をなす枠演出装置を設け、この枠演出装置を駆動制御する枠演出可動体制御回路を備えていても良い。
さらに、演出制御装置300には、ガラス枠15に設けられた演出ボタン25に内蔵されている演出ボタンスイッチ25a、ガラス枠15に設けられたタッチパネル29、盤演出装置44内のモータの初期位置等を検出する演出役物スイッチ47(演出モータスイッチ)のオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力する機能や、演出制御装置300に設けられた音量調節スイッチ335の状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力するスイッチ入力回路336が設けられている。
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41、モータやLEDを駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、モータやLED、スピーカを駆動するためのDC15Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン311として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号は、主制御用マイコン311に供給され、当該デバイスをリセット状態にする。また、主制御用マイコン311から出力される形で、VDP312(VDPRESET信号)、音源LSI314、スピーカを駆動するアンプ回路337(SNDRESET信号)、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路332〜334(IORESET信号)に供給され、これらをリセット状態にする。また、演出制御装置300には遊技機10の各所を冷却する冷却FAN45が接続され、演出制御装置300の電源が投入された状態では冷却FAN45が駆動するようにされている。
本実施形態の遊技機10では、図示しない発射装置から遊技領域32に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口30aへ流入し遊技領域32から排出される。そして、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置200(図4参照)によって制御される払出ユニットから、ガラス枠15の上皿21又は下皿23に排出される。
普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するための非接触型のスイッチなどからなるゲートスイッチ34a(図4参照)が設けられており、遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aにより検出される。遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図始動記憶数が上限数(例えば、4個)未満ならば普図始動記憶数を加算(+1)してROM111Bに普図始動記憶を1つ記憶する。この普図始動入賞の記憶数は、一括表示装置50の普図保留表示器56に表示される。また、普図始動記憶には、ゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき抽出された普図変動表示ゲームの結果を決定するための当り判定用乱数値(当り乱数値)が記憶されるようになっている。
そして、普図始動記憶があり普図変動表示ゲームを開始可能な場合、すなわち、普図変動表示ゲームの実行中でなく、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置37を開状態に変換する当り状態でもない場合は、最先に記憶された普図始動記憶に記憶された当り判定用乱数値とROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当りはずれを判定し、普図変動表示ゲームを開始する処理を行う。この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(普図特定結果)が導出されることとなる。
また、遊技制御装置100は普図変動表示ゲームを実行する処理として、一括表示装置50に設けられた普図表示器53に、所定の変動時間に亘り予め定められた複数の点灯パターンを予め定められた順序で繰り返し表示する普図変動中表示を行った後、結果に応じた点灯パターン(結果態様)を停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。なお、普図表示器53を表示装置41で構成し、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させて結果を表示するように構成しても良い。
普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、当りの種類に対応して普図表示器53に特別の結果態様をなす第1当り停止図柄〜第3当り停止図柄の何れかとなる点灯パターンを停止表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の可動部材37bを所定時間(例えば、0.5秒間又は1.7秒間)上述のように開放する制御を行う。すなわち、遊技制御装置100が、変換部材(可動部材37b)の変換制御を行う変換制御実行手段をなす。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示器53にはずれの結果態様となる点灯パターンを表示する制御を行う。
また、始動入賞口36への入賞球及び普通変動入賞装置37への入賞球は、それぞれ内部に設けられた始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aによって検出される。遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、始動入賞口36への入賞に基づき始動記憶(特図始動記憶)をなす第1始動記憶を所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶するとともに、普通変動入賞装置37への入賞に基づき始動記憶(特図始動記憶)をなす第2始動記憶を所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶する。始動入賞口36や普通変動入賞装置37への入賞に基づき、それぞれ始動記憶情報として大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出されるようになっており、抽出された乱数値は、第1始動記憶や第2始動記憶としてRAM111Bに記憶される。そして、この始動記憶の記憶数は、一括表示装置50の特図1保留表示器54や特図2保留表示器55に表示されるとともに、センターケース40の表示装置41においても飾り特図始動記憶表示として表示される。また、サブ情報表示装置90の第1サブ表示部91や第2サブ表示部92においても表示される。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、第1特図変動表示ゲーム又は第2特図変動表示ゲームが開始可能な状態となると、開始する特図変動表示ゲームに応じた最先の始動記憶に記憶された大当り判定用乱数値とROM111Bに記憶されている判定値と比較し、特図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理などを行う。さらに、遊技制御装置100のCPU111Aは、実行する特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出力する。
そして、第1特図変動表示ゲームを実行する場合は、所定の変動時間に亘り特図1表示器51(変動表示装置)で予め定められた複数の点灯パターンを予め定められた順序で繰り返し表示する特図1変動中表示を行った後、結果に応じた点灯パターン(結果態様)を停止表示する第1特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。また、第2特図変動表示ゲームを実行する場合は、所定の変動時間に亘り特図2表示器52(変動表示装置)で予め定められた複数の点灯パターンを予め定められた順序で繰り返し表示する特図2変動中表示を行った後、結果に応じた点灯パターン(結果態様)を停止表示する第2特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置41(変動表示装置)で特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄等)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。また、サブ情報表示装置90のサブゲーム表示部で特図変動表示ゲームに対応して発光部の発光態様を変化させる飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、演出状態の設定や、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。すなわち、演出制御装置300が、遊技(変動表示ゲーム等)に関する演出を制御する演出制御手段をなす。
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームは、例えば、表示装置41において前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)を左変動表示領域(第1特別図柄)、右変動表示領域(第2特別図柄)、中変動表示領域(第3特別図柄)のそれぞれにおいて各図柄を識別困難な速さで変動表示(高速変動)する。そして、所定時間後に変動している図柄を左変動表示領域、右変動表示領域、中変動表示領域の順に順次停止させて、左変動表示領域、右変動表示領域、中変動表示領域の各々で停止表示された識別情報により構成される結果態様により特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置41では、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果が大当りや小当りの場合は、特図1表示器51又は特図2表示器52に特別結果態様や小当り結果態様となる点灯パターンを表示するとともに、特別遊技状態や小当り遊技状態を発生させる処理を行う。また、これに対応して表示装置41に表示される飾り特図変動表示ゲームの結果態様も特別結果態様や小当り結果態様となる。
特別遊技状態や小当り遊技状態を発生させる処理においては、遊技制御装置100のCPU111Aは、例えば、大入賞口ソレノイド38bにより特別変動入賞装置38の開閉扉38cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。そして、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定の開放可能時間が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。すなわち、遊技制御装置100が、停止結果態様が特別結果態様となった場合に、大入賞口を開閉する制御を行う大入賞口開閉制御手段をなす。また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器51又は特図2表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として高確率状態を発生可能となっている。この高確率状態は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態に比べて高い状態である。また、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき高確率状態となっても、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームの両方が高確率状態となる。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態(特定遊技状態、普図高確率状態)を発生可能となっている。この時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率)を通常確率(普図低確率状態)である0よりも高い高確率(普図高確率状態)とすることが可能である。これにより、普通変動入賞装置37が普図低確率状態である場合よりも、単位時間あたりの普通変動入賞装置37の開放時間が多くなるように制御するようになっている。ここで、本実施形態における普通変動入賞装置37は、通常遊技状態においては可動部材37bを開放しないように普図確率が0に設定されている。
また、時短状態において、普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)は、例えば、500m秒となり、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間は、例えば、600m秒となり、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、第1当り停止図柄の開放時間(普電開放時間)と開放回数(例えば、500m秒×1回)、第2当り停止図柄の開放時間(普電開放時間)と開放回数(例えば、1700m秒×2回)、第3当り停止図柄の開放時間(普電開放時間)と開放回数(例えば、1700m秒×3回)、となるように設定することが可能である。
なお、普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御を行うよう適宜普図変動表示ゲームの実行時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間を設定しても良く、例えば、時短状態においては、上述の普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)を第1変動時間よりも短い第2変動時間となるように制御することが可能である(例えば、10000m秒が1000m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間を第1停止時間よりも短い第2停止時間となるように制御することが可能である(例えば、1604m秒が704m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、開放時間(普電開放時間)を通常状態(普図低確率状態)の第1開放時間よりも長い第2開放時間となるように制御することが可能である(例えば、100m秒が1352m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数(普電開放回数)を第1開放回数(例えば、2回)よりも多い回数(例えば、4回)の第2開放回数に設定することが可能である。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率)を通常動作状態である場合の通常確率(普図低確率状態、例えば、1/251)よりも高い高確率(普図高確率状態、例えば、250/251)とすることが可能である。
時短状態においては、普図変動時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間、普図確率の何れか一つ又は複数を変化させることで普通変動入賞装置37を開状態に状態変換する時間を通常よりも延長するようにする。また、変化させるものが異なる複数種類の時短状態を設定することも可能である。また、当りとなった場合に第1開放態様と第2開放態様の何れかを選択するようにしても良い。この場合、第1開放態様と第2開放態様の選択確率を異ならせても良い。また、高確率状態と時短状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし一方のみを発生させることも可能である。
なお、特図1表示器51と特図2表示器52は、別々の表示器でも良いし同一の表示器でも良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように各特図変動表示ゲームが表示される。また、表示装置41も、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームで別々の表示装置や別々の表示領域を使用するとしても良いし、同一の表示装置や表示領域を使用するとしても良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように飾り特図変動表示ゲームが表示される。また、遊技機10に特図1表示器51、特図2表示器52を備えずに、表示装置41のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。また、第2特図変動表示ゲームは、第1特図変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっている。すなわち、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームの始動記憶がある場合であって、特図変動表示ゲームの実行が可能となった場合は、第2特図変動表示ゲームが実行(優先して実行)されるようになっている。また、本実施形態の説明において、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
なお、特に限定されるわけではないが、上記始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ38aには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。また、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63や前面枠(本体枠)12等に設けられた本体枠開放検出スイッチ64には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
以下、このような遊技を行う遊技機の制御について説明する。まず、上記遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される制御について説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、主に図6及び図7に示すメイン処理と、所定時間周期(例えば4m秒)で行われる図10に示すタイマ割込み処理とからなる。
〔メイン処理〕
先ず、メイン処理について説明する。メイン処理は、電源が投入されることで開始される。このメイン処理においては、図6及び図7に示すように、まず、割込みを禁止する処理(ステップS1)を行ってから、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップS2)を行う。次に、レジスタバンク0を指定し(ステップS3)、所定のレジスタ(例えばDレジスタ)にRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(ステップS4)。本実施形態の場合、RAMのアドレスの範囲は0000h〜01FFhで、上位としては00hか01hをとり、ステップS4では先頭の00hをセットする。次に、発射停止の信号を出力して発射許可信号を禁止状態に設定する(ステップS5)。発射許可信号は遊技制御装置100と払出制御装置200の少なくとも一方が発射停止の信号を出力している場合に禁止状態に設定され、遊技球の発射が禁止されるようになっている。
その後、入力ポート1(第1入力ポート122)の状態を読み込み(ステップS6)、電源投入ディレイタイマを設定する処理を行う(ステップS7)。この処理では所定の初期値を設定することにより、主制御手段をなす遊技制御装置100からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(例えば、払出制御装置200や演出制御装置300)のプログラムが正常に起動するのを待つための待機時間(例えば3秒)が設定される。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって従制御装置(例えば払出制御装置200や演出制御装置300)が立ち上がる前にコマンドを従制御装置へ送ってしまい、従制御装置がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。すなわち、遊技制御装置100が、電源投入時において、主制御手段(遊技制御装置100)の起動を遅らせて従制御装置(払出制御装置200、演出制御装置300等)の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段をなす。
また、電源投入ディレイタイマの計時は、RAMの正当性判定(チェックサム算出)の対象とならない記憶領域(正当性判定対象外のRAM領域又はレジスタ等)を用いて行われる。これにより、RAM領域のチェックサム等のチェックデータを算出する際に、一部のRAM領域を除外して算出する必要がないため電源投入時の制御が複雑になることを防止することができる。
なお、第1入力ポート122には初期化スイッチ信号が入力されるようになっており、待機時間の開始前に第1入力ポート122の状態を読み込むことで、初期化スイッチ112の操作を確実に検出できる。すなわち、待機時間の経過後に初期化スイッチ112の状態を読み込むようにすると、待機時間の経過を待ってから初期化スイッチ112を操作したり、電源投入から待機時間の経過まで初期化スイッチ112を操作し続けたりする必要がある。しかし、待機時間の開始前に状態を読み込むことで、このような煩わしい操作を行わなくても電源投入後すぐに操作を行うことで検出されるようになり、電源投入時に行った初期化の操作が受け付けられないような事態を防止できる。
電源投入ディレイタイマを設定する処理(ステップS7)を行った後、待機時間の計時と、待機時間中における停電の発生を監視する処理(ステップS8からS12)を行う。まず、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数(例えば2回)を設定し(ステップS8)、停電監視信号がオンであるかの判定を行う(ステップS9)。
停電監視信号がオンである場合(ステップS9;Y)は、ステップS8で設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているかを判定する(ステップS10)。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合(ステップS10;N)は、停電監視信号がオンであるかの判定(ステップS9)に戻る。また、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合(ステップS10;Y)、すなわち、停電が発生していると判定した場合は、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、所定期間に亘り停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定することで、ノイズなどにより停電を誤検知することを防止でき、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。
すなわち、遊技制御装置100が、所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段をなす。これにより、主制御手段をなす遊技制御装置100の起動を遅らせている期間において発生した停電に対応することが可能となり、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。なお、待機時間の終了まではRAMへのアクセスが許可されておらず、前回の電源遮断時の記憶内容が保持されたままとなっているため、ここでの停電発生時にはバックアップの処理等は行う必要がない。このため、待機時間中に停電が発生してもRAMのバックアップを取る必要がなく、制御の負担を軽減することができる。
一方、停電監視信号がオンでない場合(ステップS9;N)、すなわち、停電が発生していない場合には、電源投入ディレイタイマを−1更新し(ステップS11)、タイマの値が0であるかを判定する(ステップS12)。タイマの値が0でない場合(ステップS12;N)、すなわち、待機時間が終了していない場合は、停電監視信号のチェック回数を設定する処理(ステップS8)に戻る。また、タイマの値が0である場合(ステップS12;Y)、すなわち、待機時間が終了した場合は、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセス許可をし(ステップS13)、全出力ポートにオフデータを出力(出力が無い状態に設定)する(ステップS14)。
次に、シリアルポート(遊技用マイコン111に予め搭載されているポートで、この実施形態では、演出制御装置300や払出制御装置200との通信に使用)を設定し(ステップS15)、先に読み込んだ第1入力ポート122の状態から初期化スイッチがオンにされたかを判定する(ステップS16)。
初期化スイッチがオフである場合(ステップS16;N)は、RWM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータ1(例えば5Ah)であるかを判定し(ステップS17)、正常であれば(ステップS17;Y)、RWM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータ2(例えばA5h)であるかを判定する(ステップS18)。そして、停電検査領域2の値が正常であれば(ステップS18;Y)、RWM内の所定領域のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を行い(ステップS19)、算出したチェックサムと電源断時のチェックサムが一致するかを判定する(ステップS20)。チェックサムが一致する場合(ステップS20;Y)は、図7のステップS21へ移行し、停電から正常に復旧した場合の処理を行う。
また、初期化スイッチがオンである場合(ステップS16;Y)と判定された場合や、停電検査領域のチェックデータが正常なデータでないと判定された場合(ステップS17;NもしくはステップS18;N)、チェックサムが正常でない(ステップS20;N)と判定された場合は、図7のステップS26へ移行して初期化の処理を行う。すなわち、初期化スイッチが外部からの操作が可能な初期化操作部をなし、遊技制御装置100が、初期化操作部が操作されたことに基づきRAMに記憶されたデータを初期化する初期化手段をなす。
図7のステップS21では、初期化すべき領域に停電復旧時の初期値をセーブする(ステップS21)。ここでの初期化すべき領域とは、停電検査領域、チェックサム領域及びエラー不正監視に係る領域である。なお、払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号である払出ビジー信号の状態を記憶するビジー信号ステータス領域もクリアされ、払出ビジー信号の状態を確定していないことを示す不定状態とされる。同様にタッチスイッチ信号の状態を記憶するタッチスイッチ信号状態監視領域もクリアされ、タッチスイッチ信号の状態を確定していないことを示す不定状態とされる。その後、RWM内の遊技状態を記憶する領域を調べて特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態であるか否かを判定する(ステップS22)。ここで、特図の高確率中でない場合(ステップS22;N)は、ステップS23,S24をスキップしてステップS25へ移行する。また、特図の高確率中である場合(ステップS22;Y)は、高確率報知フラグ領域にオン情報をセーブし(ステップS23)、遊技盤30に設けられる高確率報知LED(エラー表示器)のオン(点灯)データをセグメント領域にセーブする(ステップS24)。そして、後述の特図ゲーム処理を合理的に実行するために用意されている処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)へ送信し(ステップS25)、ステップS31へ進む。本実施形態の場合、ステップS25では、機種指定コマンド、特図1保留数コマンド、特図2保留数コマンド、確率情報コマンド、画面指定のコマンド(客待ち中なら客待ちデモ画面のコマンド、それ以外なら復旧画面のコマンド)等の複数のコマンドを送信する。また、機種によっては、これらのコマンドに加えて、演出回数情報コマンドや高確率回数情報コマンドも送信する。
一方、ステップS16、S17、S18、S20からステップS26へジャンプした場合には、RAMアクセス禁止領域をアクセス許可に設定し(ステップS26)、ビジー信号ステータス領域やタッチスイッチ信号状態監視領域を含む全てのRAM領域を0クリアして(ステップS27)、RAMアクセス禁止領域をアクセス禁止に設定する(ステップS28)。そして、初期化すべき領域にRAM初期化時の初期値をセーブする(ステップS29)。ここでの初期化すべき領域とは、客待ちデモ領域及び演出モードの設定に係る領域である。そして、RAM初期化時のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)へ送信して(ステップS30)、ステップS31へ進む。本実施形態の場合、ステップS30では、機種指定コマンド、特図1保留数コマンド、特図2保留数コマンド、確率情報コマンド、RAM初期化のコマンド(客待ちデモ画面を表示させるとともに、所定時間(例えば30秒間)光と音でRAM初期化の報知を行わせるためのコマンド)等の複数のコマンドを送信する。また、機種によっては、これらのコマンドに加えて、演出回数情報コマンドや高確率回数情報コマンドも送信する。
ステップS31では、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動する処理を行う。なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU111Aに対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路へ供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
上記ステップS31のCTC起動処理の後は、乱数生成回路を起動設定する処理を行う(ステップS32)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)へ乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU111Aによって行われる。また、乱数生成回路のハードウェアで生成されるハード乱数(ここでは大当り乱数)のビット転置パターンの設定も行われる。ビット転置パターンとは、抽出した乱数のビット配置(上段のビット転置前の配置)を、予め定められた順で入れ替えて異なるビット配置(下段のビット転置後の配置)として格納する際の入れ替え方を定めるパターンである。このビット転置パターンに従い乱数のビットを入れ替えることで、乱数の規則性を崩すことができるとともに、乱数の秘匿性を高めることができる。なお、ビット転置パターンは、固定された単一のパターンであっても良いし、予め用意された複数のパターンから選択するようにしても良い。また、ユーザーが任意に設定できるようにしても良い。
その後、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を抽出し、対応する各種初期値乱数(本実施形態の場合、特図の当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数、小当り図柄乱数)、普図の当りを決定する乱数(当り乱数)、普図の当り図柄を決定する乱数(当り図柄乱数))の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから(ステップS33)、割込みを許可する(ステップS34)。本実施形態で使用するCPU111A内の乱数生成回路においては、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値を各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
続いて、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップS35)を行う。なお、特に限定されるわけではないが、本実施形態においては、大当り乱数、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数は乱数生成回路において生成される乱数を使用して生成するように構成されている。ただし、大当り乱数はCPUの動作クロックと同等以上の速度のクロックを基にして更新される所謂「高速カウンタ」であり、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数はプログラムの処理単位であるタイマ割込み処理と同周期となるCTC出力(タイマ割込み処理のCTC(CTC0)とは別のCTC(CTC2))を基にして更新される「低速カウンタ」である。また、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数においては、乱数が一巡する毎に各々の初期値乱数(ソフトウェアで生成)を用いてスタート値を変更する所謂「初期値変更方式」を採用している。なお、前記各乱数は、+1或いは−1によるカウンタ式更新でもよいし、一巡するまで範囲内の全ての値が重複なくバラバラに出現するランダム式更新でもよい。つまり、大当り乱数はハードウェアのみで更新される乱数であり、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数はハードウェア及びソフトウェアで更新される乱数である。
上記ステップS35の初期値乱数更新処理の後、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数(例えば2回)を設定し(ステップS36)、停電監視信号がオンであるかの判定を行う(ステップS37)。停電監視信号がオンでない場合(ステップS37;N)は、初期値乱数更新処理(ステップS35)に戻る。すなわち、停電が発生していない場合には、初期値乱数更新処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返し行う。初期値乱数更新処理(ステップS35)の前に割り込みを許可する(ステップS34)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
なお、上記ステップS35での初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合には両方で初期値乱数更新処理が実行されるのを回避するため、メイン処理で初期値乱数更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要があるが、本実施形態のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみにした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
停電監視信号がオンである場合(ステップS37;Y)は、ステップS36で設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているかを判定する(ステップS38)。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合(ステップS38;N)は、停電監視信号がオンであるかの判定(ステップS37)に戻る。また、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合(ステップS38;Y)、すなわち、停電が発生していると判定した場合は、一旦割込みを禁止する処理(ステップS39)、全出力ポートにオフデータを出力する処理(ステップS40)を行う。
その後、停電検査領域1に停電検査領域チェックデータ1をセーブし(ステップS41)、停電検査領域2に停電検査領域チェックデータ2をセーブする(ステップS42)。さらに、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理(ステップS43)、算出したチェックサムをセーブする処理(ステップS44)を行った後、RWMへのアクセスを禁止する処理(ステップS45)を行ってから、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
以上のことから、遊技を統括的に制御する主制御手段(遊技制御装置100)と、該主制御手段からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(払出制御装置200、演出制御装置300等)と、を備える遊技機において、主制御手段は、電源投入時において、当該主制御手段の起動を遅らせて従制御装置の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段(遊技制御装置100)と、当該所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段(遊技制御装置100)と、を備えていることとなる。
また、各種装置に電力を供給する電源装置400を備え、当該電源装置400は、停電の発生を検出した際に停電監視信号を出力するように構成され、停電監視手段(遊技制御装置100)は、所定期間に亘り停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定するようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、データを記憶可能なRAM111Cと、外部からの操作が可能な初期化操作部(初期化スイッチ)と、初期化操作部が操作されたことに基づきRAM111Cに記憶されたデータを初期化する初期化手段(遊技制御装置100)と、を備え、当該初期化手段の操作状態を待機時間の開始前に読み込むようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、待機時間の経過後にRAM111Cへのアクセスを許可するようにしていることとなる。
〔チェックサム算出処理〕
図8には、上述のメイン処理におけるチェックサム算出処理(ステップS19、S43)を示した。このチェックサム算出処理では、まず、算出アドレスの開始値としてRWMの先頭アドレスを設定し(ステップS51)、繰り返し数を設定し(ステップS52)、算出値として「0」を設定する(ステップS53)。繰り返し数には使用しているRAMのバイト数が設定される。
その後、算出アドレスの内容に算出値を加算した値を新たな算出値とし(ステップS54)、算出アドレスを+1更新して(ステップS55)、繰り返し数を−1更新し(ステップS56)、チェックサムの算出が終了したかを判定する(ステップS57)。算出が終了していない場合(ステップS57;N)は、ステップS54へ戻って上記処理を繰り返す。また、算出が終了した場合(ステップS57;Y)は、チェックサム算出処理を終了する。
〔初期値乱数更新処理〕
図9には、上述のメイン処理における初期値乱数更新処理(ステップS35)を示した。この初期値乱数更新処理では、まず、大当り図柄初期値乱数を+1更新し(ステップS61)、小当り図柄初期値乱数を+1更新する(ステップS62)。そして、当り初期値乱数を+1更新し(ステップS63)、当り図柄初期値乱数を+1更新して(ステップS64)、初期値乱数更新処理を終了する。
ここで、「大当り図柄初期値乱数」は、特図変動表示ゲームの大当り停止図柄を決定する乱数の初期値となる乱数、「小当り図柄初期値乱数」は、特図変動表示ゲームの小当り停止図柄を決定する乱数の初期値となる乱数のことである。また、「当り初期値乱数」は普図変動表示ゲームの当りを決定する乱数の初期値となる乱数、「当り図柄初期値乱数」は、普図変動表示ゲームの当り停止図柄を決定する乱数の初期値となる乱数のことである。このように、メイン処理の中で時間が許す限り初期値乱数をインクリメントし続けることによって、乱数のランダム性を高めることができるようにしている。
なお、小当り図柄乱数は、小当りのない機種では当然存在しない。また、機種によっては、当り図柄初期値乱数が存在しない遊技機もある。
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。図10に示すように、タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。遊技用マイコン111においてタイマ割込みが発生すると、自動的に割込み禁止状態になって、図10のタイマ割込み処理が開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、まず、レジスタバンク1を指定する(ステップS101)。レジスタバンク1に切り替えたことで、所定のレジスタ(例えばメイン処理で使っているレジスタ)に保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理を行ったのと同等になる。次に、所定のレジスタ(例えばDレジスタ)にRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(ステップS102)。ステップS102では、メイン処理におけるステップS4と同じ処理を行っているが、レジスタバンクが異なる。次に、各種センサやスイッチからの入力や、信号の取込み、すなわち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップS103)を行う。それから、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(大入賞口ソレノイド38b、普電ソレノイド37c)等のアクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理(ステップS104)を行う。なお、メイン処理におけるステップS5で発射停止の信号を出力すると、この出力処理が行われることで発射許可の信号が出力され、発射許可信号を許可状態に設定可能な状態とされる。この発射許可信号は払出制御装置を経由して発射制御装置に出力される。その際、信号の加工等は行われない。また、当該発射許可信号は遊技制御装置から見た発射許可の状態を示す第1の信号であり、払出制御装置から見た発射許可の状態を示す第2の信号(発射許可信号)も払出制御装置内で生成され、発射制御装置に出力される。つまり、2つの発射許可信号が発射制御装置に出力されており、両者が共に発射許可となっている場合に、遊技球が発射可能な状態となるよう構成されている。
次に、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを払出制御装置200に出力する払出コマンド送信処理(ステップS105)、乱数更新処理1(ステップS106)、乱数更新処理2(ステップS107)を行う。その後、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ38aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないかなど)を行う入賞口スイッチ/状態監視処理(ステップS108)を行う。また、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理(ステップS109)、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理(ステップS110)を行う。
次に、遊技機10に設けられ、特図変動表示ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップS111)、磁気センサ61からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理を行う磁石不正監視処理(ステップS112)、盤電波センサ62からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理を行う盤電波不正監視処理(ステップS113)を行う。それから、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップS114)を行って、タイマ割込み処理を終了する。
ここで、本実施形態では、割込み禁止状態を復元する処理(すなわち、割込みを許可する処理)や、レジスタバンクの指定を復元する処理(すなわち、レジスタバンク0を指定する処理)は、割込みリターンの際(タイマ割込み処理の終了時)に自動的に行う。なお、使用するCPUによっては、割込み禁止状態を復元する処理やレジスタバンクの指定を復元する処理の実行を命令する必要がある遊技機もある。
〔入力処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における入力処理(ステップS103)の詳細について説明する。図11に示すように、入力処理においては、まず入力ポート1、すなわち、第1入力ポート122に取り込まれたスイッチの検出信号の状態を読み込む(ステップS121)。そして、8ビットのポート(入力ポート1)のうち未使用ビットがあればそのビットの状態をクリアする(ステップS122)。
続いて、読み込まれた入力ポート1の状態をRWM内のスイッチ制御領域1にセーブ(格納)し(ステップS123)、入力ポート2、すなわち、第2入力ポート123のアドレスを準備して(ステップS124)、RWM内のスイッチ制御領域2のアドレスを準備する(ステップS125)。その後、8ビットのポート(入力ポート2)のうち未使用ビットがあればそのビットデータを準備し(ステップS126)、8ビットのポート(入力ポート2)のうち反転するビットがあればそのビットデータを準備して(ステップS127)、スイッチ読み込み処理(ステップS128)を行う。ここで、本実施形態において「準備」とは、レジスタに値をセットすることを意味するが、これに限らず、RWM、その他のメモリに値をセットするようにしてもよい。
次に、入力ポート3、すなわち、第3入力ポート124のアドレスを準備して(ステップS129)、RWM内のスイッチ制御領域3のアドレスを準備する(ステップS130)。その後、8ビットのポート(入力ポート3)のうち未使用ビットがあればそのビットデータを準備し(ステップS131)、8ビットのポート(入力ポート3)のうち反転するビットがあればそのビットデータを準備して(ステップS132)、スイッチ読み込み処理(ステップS133)を行い、入力処理を終了する。
なお、未使用のビットデータや反転するビットデータは、入力ポート毎に準備されている。
したがって、ステップS126で準備する入力ポート2の未使用ビットデータと、ステップS131で準備する入力ポート3の未使用ビットデータとは、異なるデータであるが、結果として同じ値のデータである可能性もある。
また、ステップS127で準備する入力ポート2の反転するビットデータと、ステップS132で準備する入力ポート3の反転するビットデータとは、異なるデータであるが、結果として同じ値のデータである可能性もある。
〔スイッチ読み込み処理〕
次に、上述の入力処理におけるスイッチ読み込み処理(ステップS128、S133)の詳細について説明する。図12に示すように、スイッチ読み込み処理においては、まず、対象の入力ポートに取り込まれた信号の状態を読み込む(ステップS141)。そして、8ビットのポートのうち未使用ビットがあればそのビットの状態をクリアし(ステップS142)、反転の必要なビットを反転(ステップS143)した後、対象のスイッチ制御領域のポート入力状態1にセーブ(格納)する(ステップS144)。その後、2回目の読み込みまでのディレイ時間(例えば約100μ秒)が経過するのを待つ(ステップS145)。
ディレイ時間が経過すると、対象の入力ポートに取り込まれた信号の状態の2回目の読み込みを行う(ステップS146)。そして、8ビットのポートのうち未使用ビットがあればそのビットの状態をクリアし(ステップS147)、反転の必要なビットを反転(ステップS148)した後、対象のスイッチ制御領域のポート入力状態2にセーブ(格納)する(ステップS149)。その後、1回目と2回目の読み込みで状態が同じビットを1、違うビットを0とした確定ビットパターンを作成し(ステップS150)、確定ビットパターンとポート入力状態2との論理積をとり、今回確定ビットとする(ステップS151)。
次に、1回目と2回目の読み込みで状態が同じビットを0、違うビットを1とした未確定ビットパターンを作成し(ステップS152)、未確定ビットパターンと前回割込み時の確定状態との論理積をとり、前回保持ビットとする(ステップS153)。これにより、スイッチのチャタリング等によるノイズを除去した信号の状態を得ることができる。そして、今回確定ビットと前回保持ビットを合成し、今回の確定状態としてセーブして(ステップS154)、前回と今回の確定状態との排他的論理和をとり、立上りエッジとしてセーブし(ステップS155)、スイッチ読み込み処理を終了する。
なお、スイッチの読み込みは、タイマ割込みの周期が短い場合(例えば2m秒)には、各割込みの処理ごとにそれぞれ1回ずつスイッチの読み込みを行って前回の読み込みの結果と比較することで信号が変化したか否か判定する方法があるが、そのようにすると次の割込み処理までに前回の割込みで読み込んだスイッチの状態が失われた場合、正しい判定が行えないおそれがある。これに対し、本実施形態のように、所定の時間差をおいて1回の割込み処理の中で2回のスイッチ読み込み処理を行うことで、上記のような不具合を回避することが可能となる。
〔出力処理〕
次に、前述のタイマ割込み処理における出力処理(ステップS104)の詳細について説明する。図13に示すように、出力処理では、まず、一括表示装置(LED)50のセグメントのデータを出力する出力ポート135にオフデータを出力(リセット)する(ステップS161)。次に、普電ソレノイド37cや大入賞口ソレノイド38bのデータを出力する出力ポート134に出力するデータを合成し、出力する(ステップS162)。
そして、一括表示装置(LED)50のデジット線を順次スキャンするためのデジットカウンタの値を更新して(ステップS163)、デジットカウンタの値に対応するLEDのデジット線の出力データを取得する(ステップS164)。本実施形態の場合、デジットカウンタの値は0から3の範囲で+1更新される。次いで、取得したデータと外部情報データを合成して(ステップS165)、合成したデータ(例えば、「扉・枠開放」のデータ、「セキュリティ信号」のデータ)をデジット・外部情報出力用の出力ポート136に出力する(ステップS166)。
その後、デジットカウンタの値に対応するRWM内のセグメント領域からセグメント線の出力データをロードし(ステップS167)、ロードしたデータをセグメント出力用の出力ポート135に出力する(ステップS168)。本実施形態では、例えば、特図1表示器51及び特図2表示器52と、普図表示器53と、特図1保留表示器54及び特図2保留表示器55と、普図保留表示器56と、ラウンド表示部60と、第2遊技状態表示部58とをダイナミック点灯させる。
続いて、外部情報の各種出力データを合成し(ステップS169)、合成したデータ(例えば、「大当り信号1」のデータ、「大当り信号2」のデータ、「大当り信号3」のデータ、「大当り信号4」のデータ、「図柄確定回数信号」のデータ、「始動口信号」のデータ、「メイン賞球信号」のデータ)と発射許可の出力データを合成して(ステップS170)、合成したデータを外部情報・発射許可信号出力用の出力ポート137へ出力する(ステップS171)。次に、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート1に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子出力ポート1へ合成したデータを出力する(ステップS172)。その後、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート2に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子出力ポート2へ合成したデータを出力する(ステップS173)。
次に、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート3に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子出力ポート3へ合成したデータを出力する(ステップS174)。さらに、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート4に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子出力ポート4へ合成したデータを出力する(ステップS175)。そして、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート5に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子出力ポート5へ合成したデータを出力し(ステップS176)、出力処理を終了する。
〔払出コマンド送信処理〕
次に、前述のタイマ割込み処理における払出コマンド送信処理(ステップS105)の詳細について説明する。図14に示すように払出コマンド送信処理では、まず、入賞数カウンタ領域2にカウントがあるかをチェックする(ステップS181)。
入賞数カウンタ領域は遊技制御装置100のRAM111Cに設けられ、入賞数カウンタ領域1と入賞数カウンタ領域2が設けられている。入賞数カウンタ領域1は、払出制御装置200に対して賞球の払い出しを指示するための払出コマンド(賞球指令)を送信するために用いる領域であって、払出コマンドを未だ送信していない賞球に対応する入賞のデータが記憶される。すなわち、入賞数カウンタ領域1が、賞球指令に関する情報を記憶可能な賞球指令カウンタをなす。
入賞数カウンタ領域2は、入賞口への入賞により発生した賞球数(払出予定数)が所定数(ここでは10個)になる毎に外部装置へ出力するメイン賞球信号を送信するために用いる領域であって、メイン賞球信号の生成処理を行っていない賞球に対応する入賞のデータが記憶される。すなわち、入賞数カウンタ領域2が、メイン賞球信号に関する情報を記憶可能なメイン賞球信号カウンタをなす。なお、外部装置には、このメイン賞球信号の他に、払出制御装置200からも実際に払い出した賞球数が所定数(ここでは10個)になる毎に払出賞球信号が出力されるようになっており、この二つの信号を照合することで、不正な払い出しを監視することが可能となっている。
これらの入賞数カウンタ領域にはそれぞれ、各入賞口に対して設定された賞球数別(本実施形態の場合、3個賞球、10個賞球、14個賞球)に入賞数カウンタ領域が設けられており、入賞口への入賞に基づき対応する入賞数カウンタ領域のカウント数が1加算されるようになっている。つまり、入賞領域への一の入賞を単位として当該入賞の情報を記憶可能とされている。なお、入賞数カウンタ領域1は入賞数カウンタ領域2よりも広い領域が割り当てられ、より多くの入賞のデータを記憶できるようにされている。これは、メイン賞球信号が送信先の状態に関係なく送信可能であるのに対し、払出コマンドが送信先である払出制御装置200の状態により送信を保留する場合もあり、より多くの未送信データが蓄積される可能性があるためである。
具体的には、本実施形態の場合、入賞数カウンタ領域1の3個賞球カウンタ領域、10個賞球カウンタ領域、及び14個賞球カウンタ領域には、それぞれ65535入賞まで記憶することができ、入賞数カウンタ領域2の3個賞球カウンタ領域、10個賞球カウンタ領域、及び14個賞球カウンタ領域には、それぞれ255入賞まで記憶することができるよう構成されている。
入賞数カウンタ領域2にカウントがあるかをチェックする処理(ステップS181)においては、賞球数別に設けられた複数の入賞数カウンタ領域のうち、チェック対象とされた入賞数カウンタ領域に「0」でないカウント数があるかを判定する。そして、カウント数がない場合(ステップS181;N)は、チェック対象となる入賞数カウンタ領域2のアドレスを更新し(ステップS182)、すべての入賞数カウンタ領域のカウント数のチェックが終了したかを判定する(ステップS183)。この判定で、すべてのチェックが終了した(ステップS183;Y)と判定すると、ステップS192に移行する。一方、すべてのチェックが終了していない(ステップS183;N)と判定すると、ステップS181へ戻って上記処理を繰り返す。本実施形態の場合、3個賞球カウンタ領域→10個賞球カウンタ領域→14個賞球カウンタ領域の順にチェック対象となる入賞数カウンタ領域2のアドレスを更新する。
また、上記ステップS181で、カウント数がある(ステップS181;Y)と判定した場合には、対象の入賞数カウンタ領域のカウント数を−1更新し(ステップS184)、対象の入賞数カウンタ領域2のアドレスに対応する払出数を取得する(ステップS185)。そして、賞球残数領域の値と取得した払出数を加算し(ステップS186)、加算結果を賞球残数領域にセーブする(ステップS187)。なお、この処理の前における賞球残数領域の値としては、メイン賞球信号の出力の基準となる所定数に満たなかった端数が記憶されている。
その後、加算結果から10を減算して(ステップS188)、減算結果が0以上かを判定し(ステップS189)、0以上でない場合(ステップS189;N)は、ステップS192の処理に移行する。また、0以上である場合(ステップS189;Y)は、メイン賞球信号出力回数領域の値を+1更新する(ステップS190)。すなわち、賞球残数が10個になる度に、メイン賞球信号の出力回数を+1更新する。
そして、減算結果を賞球残数領域にセーブして(ステップS191)、ステップS188の処理に戻る。これにより、ホールコンピュータなどの外部の装置にメイン賞球信号が出力されるようになる。すなわち、遊技制御装置100が、所定の入賞領域への遊技球の入賞に伴い払い出しが決定された賞球数に関する情報を含むメイン賞球信号を遊技機の外部に出力する外部情報出力手段をなす。なお、メイン賞球信号を出力するようにすることで、大当り中などの遊技球の払い出しが集中する場合に、遊技球の払い出しとともに賞球信号の出力が遅延して、大当り中に発生した正確な賞球数が計数することができないといった不具合を防止することができる。
ここで、ステップS181〜S191の処理は、メイン賞球信号の出力回数を更新する(増やす)処理であり、ステップS192〜S201の処理は、払出コマンドを送信する処理である。
ステップS192では、払出コマンド送信タイマが「0」でなければ−1更新し(ステップS192)、払出コマンド送信タイマが「0」になったかを判定する(ステップS193)。払出コマンド送信タイマが「0」でない場合(ステップS193;N)は、払出コマンド送信処理を終了する。また、払出コマンド送信タイマが「0」である場合(ステップS193;Y)は、払出ビジー信号フラグをチェックして、払出ビジー信号がビジー状態であるかを判定する(ステップS194)。
払出ビジー信号は払出制御装置200が払出制御を即座に開始可能な状態か否かを示す信号であって、払出制御を即座に開始可能でない場合には払出ビジー信号がオン状態(ビジー状態)とされる。つまり、払出ビジー信号は、払出コマンド(賞球指令)を受付可能な状態であるか否かを示す信号とも言える。すなわち、払出ビジー信号が、払出制御手段(払出制御装置200)が払出制御を開始可能であるか否を示す状態信号をなす。
この払出ビジー信号がビジー状態である場合(ステップS194;Y)は、払出コマンド送信処理を終了する。すなわち、本実施形態では、タイマ割込み毎に払出コマンドを送信するのではなく、所定時間が経過し(払出コマンド送信タイマの値が0になり)、且つ、払出制御装置200側が賞球を払い出せる状態である場合に、払出コマンドを送信するよう構成されている。このように払出制御装置200が払出制御を即座に開始可能でなく、払出コマンドを送信しない場合は、払出コマンドの送信に関する以降の処理を行わないようにすることで、無駄な処理を行うことを防止し制御の負担を軽減するようにしている。
払出ビジー信号がオン状態(ビジー状態)になる条件は、例えば、払出動作中、球貸し動作中、シュート球切れエラー中、オーバーフローエラー中、枠電波不正発生中、払出球検出スイッチ(払い出された球を監視するスイッチ)の異常中、払出不足エラー中、払出過剰エラー中、払出制御装置200のメモリ内に払い出すべき賞球数のカウント(未払い出しの賞球数=獲得遊技球数残)があるとき(=0でないとき)等である。
払出ビジー信号がビジー状態でない場合(ステップS194;N)は、入賞数カウンタ領域1にカウントがあるかをチェックする(ステップS195)。入賞数カウンタ領域1にカウントがあるかをチェックする処理(ステップS195)においては、賞球数別に設けられた複数の入賞数カウンタ領域のうち、チェック対象とされた入賞数カウンタ領域に「0」でないカウント数があるかを判定する。
そして、カウント数がない場合(ステップS195;N)は、チェック対象となる入賞数カウンタ領域1のアドレスを更新し(ステップS196)、すべての入賞数カウンタ領域のカウント数のチェックが終了したかを判定する(ステップS197)。この判定で、すべてのチェックが終了した(ステップS197;Y)と判定すると、払出コマンド送信処理を終了する。一方、すべてのチェックが終了していない(ステップS197;N)と判定すると、ステップS195へ戻って上記処理を繰り返す。本実施形態の場合、3個賞球カウンタ領域→10個賞球カウンタ領域→14個賞球カウンタ領域の順にチェック対象となる入賞数カウンタ領域1のアドレスを更新する。
また、上記ステップS195で、カウント数がある(ステップS195;Y)と判定した場合には、対象の入賞数カウンタ領域のカウント数を−1更新し(ステップS198)、対象の入賞数カウンタ領域1のアドレスに対応する払出数コマンドを取得する(ステップS199)。そして、取得した払出数コマンドを払出用シリアル送信バッファに書き込み(ステップS200)、払出コマンド送信タイマ領域に初期値をセーブして(ステップS201)、払出コマンド送信処理を終了する。払出コマンド送信タイマは送信間隔を管理するためのもので、初期値として、例えば200m秒が設定される。
これにより、入賞領域への一の入賞を単位とした払出コマンド(賞球指令)が生成され、払出制御装置200に送信されるようになる。払出制御装置200はこの払出コマンドに基づき所定数の賞球を払い出す制御を行う。すなわち、遊技制御装置100が、払出制御手段(払出制御装置200)から出力される当該払出制御手段が払出制御を開始可能であるか否を示す状態信号が払出制御を開始可能であることを示している場合に賞球指令を払出制御手段に送信する賞球指令送信手段をなす。
このように遊技制御装置100が、払出制御装置200から出力される状態信号に基づいて賞球指令を送信する制御を行うので、払出制御装置200が即座に払出制御を実行可能な場合にのみ賞球指令が送信されることとなる。これにより、未だ払い出しが行われていない入賞に対応するデータは遊技制御装置100側で保持されるようになるので停電発生時には遊技制御装置100でバックアップされるようになり、払出制御装置200にバックアップするための機能を備えなくとも正確な払出制御を実現できる。
従来の遊技機(例えば、特開2000−312759号公報の遊技機)では、何らかの原因により電源の遮断状態が発生した場合、払出制御装置200は自身の記憶手段にデータをバックアップし、電源遮断直前のデータによる払出制御状態を維持するようにしている。しかしながら、従来の遊技機では、バックアップするための機能が必要となるため、コストアップにつながるという問題があった。本発明によれば、払出制御装置200にバックアップするための機能を備えなくとも正確な払出制御を実現できるようにすることができる。
また、外部の装置に送信されるメイン賞球信号は払出ビジー信号の状態に関係なく出力されるので、遅滞なくメイン賞球信号を出力でき、ホールコンピュータなどの外部の装置では賞球の払い出しの時期を正確に把握でき、例えばベース値を正確に把握できるようになる。また、賞球指令に関する情報を記憶可能な賞球指令カウンタと、メイン賞球信号に関する情報を記憶可能なメイン賞球信号カウンタとを別々に備えるので、送信タイミングが異なる賞球指令とメイン賞球信号の情報を別々に管理でき、情報を確実に管理することができる。
以上のことから、統括的に遊技制御を行うとともに、遊技領域32に設けられた入賞領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37、一般入賞口35、特別変動入賞装置38)への遊技球の入賞に基づいて賞球指令を送信する遊技制御手段(遊技制御装置100)と、遊技制御手段から送信される賞球指令に基づいて、遊技球の払出制御を行う払出制御手段(払出制御装置200)と、を備え、遊技制御手段は、払出制御手段から出力される当該払出制御手段が払出制御を開始可能であるか否を示す状態信号(ビジー信号)に基づいて賞球指令を払出制御手段に送信する制御を行い、停電が発生し該停電から復帰した場合には、払出制御手段から払出制御を開始可能であることを示す状態信号が出力されていたとしても、直ちに賞球指令を払出制御手段に送信せず、払出制御手段から払出制御を開始可能であることを示す状態信号が所定期間に亘って継続して出力されたことに対応して賞球指令を払出制御手段に送信するようにしていることとなる。
また、遊技領域32に賞球数の異なる入賞領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37、一般入賞口35、特別変動入賞装置38)を複数設け、遊技制御手段(遊技制御装置100)は、賞球数毎に、遊技球の払出制御を指示する賞球指令の未送信の有無を特定可能な賞球指令カウンタ(遊技制御装置100)を備え、状態信号が払出制御を開始可能であることを示し、かつ、各賞球指令カウンタに未送信の賞球指令がある場合に、賞球指令を払出制御手段(払出制御装置200)に送信するようにし、状態信号が当該払出制御手段が払出制御を開始可能であるか否かの特定を、各賞球指令カウンタに未送信の賞球指令があるか否かの特定よりも先に行うようにしていることとなる。
また、統括的に遊技制御を行うとともに、所定の入賞領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37、一般入賞口35、特別変動入賞装置38)への遊技球の入賞に基づいて賞球指令を送信する遊技制御手段(遊技制御装置100)と、遊技制御手段から送信される賞球指令に基づいて、遊技球の払出制御を行う払出制御手段(払出制御装置200)と、を備え、遊技制御手段は、払出制御手段から出力される当該払出制御手段が払出制御を開始可能であるか否を示す状態信号が払出制御を開始可能であることを示している場合に賞球指令を払出制御手段に送信する賞球指令送信手段(遊技制御装置100)と、所定の入賞領域への遊技球の入賞に伴い払い出しが決定された賞球数に関する情報を含む賞球信号(メイン賞球信号)を遊技機の外部に出力する外部情報出力手段(遊技制御装置100)と、を備え、外部情報出力手段は、払出制御手段から出力される状態信号が、払出制御手段が払出制御を開始可能であるか否かに関係なく賞球信号の出力を行うようにしたこととなる。
また、賞球指令送信手段(遊技制御装置100)は、停電が発生し該停電から復帰した場合には、状態信号が払出制御を開始可能であることを示していたとしても、直ちに賞球指令を払出制御手段(払出制御装置200)に送信せず、状態信号が払出制御を開始可能であることを示している状態が所定期間に亘って継続していることに対応して賞球指令を払出制御手段に送信するようにしたこととなる。
また、遊技制御手段(遊技制御装置100)は、賞球指令に関する情報を記憶可能な賞球指令カウンタ(遊技制御装置100)と、賞球信号(メイン賞球信号)に関する情報を記憶可能な賞球信号カウンタ(遊技制御装置100)と、を備え、賞球指令送信手段(遊技制御装置100)は、所定の入賞領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37、一般入賞口35、特別変動入賞装置38)への一の入賞を単位として賞球指令を生成し、状態信号が払出制御を開始可能であることを示している場合に一の賞球指令を払出制御手段(払出制御装置200)に送信するように構成され、賞球指令カウンタ(遊技制御装置100)は、所定の入賞領域への一の入賞を単位として当該入賞の情報を記憶可能であり、所定の入賞領域への遊技球の入賞時に更新を行うとともに、払出制御手段への賞球指令への送信に対応させて更新を行うことで、送信していない賞球指令の数を記憶可能とし、外部情報出力手段は、所定の入賞領域への遊技球の入賞に伴い払い出しが決定された賞球数を累積し、累積値が所定数に達する毎に賞球信号を遊技機の外部に出力するように構成され、賞球信号カウンタは、所定の入賞領域への一の入賞を単位として当該入賞の情報を記憶可能であり、所定の入賞領域への遊技球の入賞時に更新を行うとともに、外部情報出力手段による賞球数の累積処理に対応させて更新を行うことで、未だ累積処理を行っていない賞球数を記憶可能であることとなる。
〔乱数更新処理1〕
図15には、タイマ割込み処理における乱数更新処理1(ステップS106)を示した。乱数更新処理1は、初期値乱数更新処理の対象となっている大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数の初期値(スタート値)を更新するための処理である。この乱数更新処理1では、まず、大当り図柄乱数が次回の初期値(スタート値)設定待ちであるかを判定する(ステップS211)。
大当り図柄乱数が初期値設定待ちでない場合(ステップS211;N)は、小当り図柄乱数が次回の初期値(スタート値)設定待ちであるかを判定する(ステップS214)。また、大当り図柄乱数が初期値設定待ちである場合(ステップS211;Y)は、次回初期値として大当り図柄初期値乱数をロードし(ステップS212)、ロードした大当り図柄乱数の次回の初期値を対応する乱数カウンタ(乱数領域)のスタート値を保持するレジスタ(スタート値設定レジスタ)に設定する(ステップS213)。その後、小当り図柄乱数が次回の初期値(スタート値)設定待ちであるかを判定する(ステップS214)。
小当り図柄乱数が初期値設定待ちでない場合(ステップS214;N)は、普図の当り乱数が次回の初期値(スタート値)設定待ちであるかを判定する(ステップS217)。また、小当り図柄乱数が初期値設定待ちである場合(ステップS214;Y)は、次回初期値として小当り図柄初期値乱数をロードし(ステップS215)、ロードした小当り図柄乱数の次回の初期値を対応する乱数カウンタ(乱数領域)のスタート値を保持するレジスタ(スタート値設定レジスタ)に設定する(ステップS216)。その後、普図の当り乱数が次回の初期値(スタート値)設定待ちであるかを判定する(ステップS217)。
普図の当り乱数が初期値設定待ちでない場合(ステップS217;N)は、普図の当り図柄乱数が次回の初期値(スタート値)設定待ちであるかを判定する(ステップS220)。また、普図の当り乱数が初期値設定待ちである場合(ステップS217;Y)は、次回初期値として当り初期値乱数をロードし(ステップS218)、ロードした普図の当り乱数の次回の初期値を対応する乱数カウンタ(乱数領域)のスタート値を保持するレジスタ(スタート値設定レジスタ)に設定する(ステップS219)。その後、普図の当り図柄乱数が次回の初期値(スタート値)設定待ちであるかを判定する(ステップS220)。
普図の当り図柄乱数が初期値設定待ちでない場合(ステップS220;N)は、乱数更新処理1を終了する。また、普図の当り図柄乱数が初期値設定待ちである場合(ステップS220;Y)は、次回初期値として当り図柄初期値乱数をロードし(ステップS221)、ロードした普図の当り図柄乱数の次回の初期値を対応する乱数カウンタ(乱数領域)のスタート値を保持するレジスタ(スタート値設定レジスタ)に設定し(ステップS222)、乱数更新処理1を終了する。
〔乱数更新処理2〕
図16には、タイマ割込み処理における乱数更新処理2(ステップS107)を示した。乱数更新処理2は、特図1,特図2の変動表示ゲームにおける変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する処理である。なお、本実施形態の遊技機では、変動パターン乱数として1バイトの乱数(変動パターン乱数2、3)と、2バイトの乱数(変動パターン乱数1)があり、乱数更新処理2は両方を更新対象とし、割込みが発生するごとに更新対象を切り替えて処理する。しかも、更新対象の乱数が2バイトの場合には、上位のバイトと下位のバイトに対して異なる割込み時に更新処理を行うようになっている。すなわち、メイン処理に対する一の割込み処理において実行される乱数更新処理2による2バイトの変動パターン乱数1(リーチ変動態様決定用乱数)の更新は、上位1バイト若しくは下位1バイトの何れかについて実行されるように構成されている。
この乱数更新処理2では、まず、更新すべき複数の乱数のうちいずれの乱数を今回の更新処理の対象とするかを順番に指定するための乱数更新スキャンカウンタを更新する(ステップS231)。本実施形態の場合、乱数更新スキャンカウンタの値は0から3の範囲で更新される。そして、乱数更新スキャンカウンタの値が「0」のときは変動パターン乱数1(上位)が更新され、「1」のときは変動パターン乱数1(下位)が更新され、「2」のときは変動パターン乱数2が更新され、「3」のときは変動パターン乱数3が更新される。次に、乱数更新スキャンカウンタの値に対応する演出乱数更新テーブルのアドレスを算出する(ステップS232)。
次いで、算出されたアドレスに基づいて参照したテーブルから乱数の上限判定値を取得する(ステップS234)。このとき参照するテーブルには、乱数の種類ごとに上限判定値、すなわち、乱数が一巡したか否かを判定するための値が格納されている。
続いて、例えば本実施形態において遊技用マイコンとして使用しているCPUには、DRAMのリフレッシュ等のため使用されるリフレッシュレジスタ(以下、「Rレジスタ」と称する)が設けられておらず、その代わりに、Rレジスタと同等の動作をする「M1カウンタ」というカウンタを内蔵しているが、そのM1カウンタの値をロードする(ステップS234)。M1カウンタの値を使用することで、乱数にランダム性を付与することができる。次に、M1カウンタの値をマスクするためのマスク値を取得し、M1カウンタの値をマスクする(ステップS235)。なお、マスク値は、更新対象の乱数によって異なるビット数、例えば、変動パターン乱数1の下位1バイトを更新する場合には、M1カウンタの下位3ビットに、また、変動パターン乱数1の上位1バイトを更新する場合には、M1カウンタの下位4ビットに設定されている。乱数の種類によって上限値が異なるためである。なお、マスク値として、変動パターン乱数1の下位1バイトを更新する場合には、M1カウンタの下位3ビットを、また、変動パターン乱数1の上位1バイトを更新する場合には、M1カウンタの下位4ビットを例示したが、数値は一例であってこれに限られるものではない。
次に、更新する乱数領域(乱数カウンタ)が2バイト乱数の上位1バイトであるかを判定する(ステップS236)。そして、乱数領域が2バイト乱数の上位1バイトである場合(ステップS236;Y)は、加算値として、上位1バイトをマスク値によってM1カウンタの値をマスクすることによって残った値(以下、これを「マスクした値」と称する)に「1」を加算したマスク更新値に設定し、下位1バイトを「0」に設定して(ステップS237)、ステップS239に進む。また、乱数領域が2バイト乱数の上位1バイトでない場合(ステップS236;N)は、加算値として、上位1バイトを「0」に設定し、下位1バイトを上記マスク更新値に設定して(ステップS238)、ステップS239に進む。なお、マスクした値に「1」を加算するのは、マスクした値が「0」になる場合があり、「0」を後に加算すると加算する前の値から変化しないので、それを避けるためである。
そして、更新する乱数領域が2バイト乱数かを判定し(ステップS239)、2バイト乱数である場合(ステップS239;Y)は、更新する乱数領域の値(2バイト)を設定して(ステップS240)、ステップS242に進む。また、更新する乱数領域が2バイト乱数でない場合(ステップS239;N)は、乱数値の上位1バイトとして「0」を設定し、乱数値の下位1バイトとして、更新する乱数領域の値(1バイト)を設定し(ステップS241)、ステップS242へ進む。
ステップS242では、乱数値にステップS237又はS238で決定した加算値を加算した値を新たな乱数値とし、この新たな乱数値がステップS233で取得した上限判定値よりも大きいかを判定する(ステップS243)。そして、新たな乱数値が上限判定値より大きくない場合(ステップS243;N)は、新たな乱数値を1バイト乱数又は2バイト乱数の下位の乱数領域にセーブする(ステップS245)。また、新たな乱数値が上限判定値より大きい場合(ステップS243;Y)は、新たな乱数値から上限判定値を減算した値を再度の新たな乱数値とし(ステップS244)、この値を1バイト乱数又は2バイト乱数の下位の乱数領域にセーブする(ステップS245)。
次に、更新した乱数領域が2バイト乱数であるかを判定し(ステップS246)、2バイト乱数でない場合(ステップS246;N)は、乱数更新処理2を終了する。また、2バイト乱数である場合(ステップS246;Y)は、新たな乱数値(再度の新たな乱数値を算出した場合はその値)を2バイト乱数の上位の乱数領域にセーブし(ステップS247)、乱数更新処理2を終了する。
本実施形態の場合、演出乱数更新テーブル上に、上限判定値や、M1カウンタのマスク値、更新する乱数領域の種別情報(1バイト乱数、2バイト乱数(上位)、2バイト乱数(下位))、更新領域のアドレスなどが、更新する乱数の種類分(4ブロック)定義されている。
このように、CPU111Aは、特図1,特図2の変動表示ゲームにおける変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する。従って、CPU111Aは、始動入賞口36や普通変動入賞装置37の始動領域での遊技球の検出に基づいて抽出される各種乱数のうち、特図変動表示ゲームの変動態様(変動パターン)を決定するための変動パターン乱数を更新する乱数更新手段をなす。
〔入賞口スイッチ/状態監視処理〕
図17には、タイマ割込み処理における入賞口スイッチ/状態監視処理(ステップS108)を示した。この入賞口スイッチ/状態監視処理では、まず、大入賞口(特別変動入賞装置38)内の一方の大入賞口スイッチ38aに対応する入賞口監視テーブル1を準備し(ステップS301)、大入賞口が開いていないにもかかわらず大入賞口に不正な入賞がないか監視するとともに正常な入賞を検出する不正&入賞監視処理(ステップS302)を実行する。
入賞口監視テーブルには、対象のスイッチに入力があるかを判定するデータの位置を示す監視スイッチビット、不正監視情報の下位アドレス、不正入賞数領域の下位アドレス、不正入賞エラー報知コマンド、不正入賞数上限値(不正発生判定個数)、入賞口スイッチテーブルのアドレス、報知タイマ更新情報(許可/更新)の情報が定義されている。また、入賞口監視テーブルのうちの入賞テーブルには、監視の繰り返し回数(スイッチの数)に加えて、各スイッチ毎に、監視スイッチビット、入賞数カウンタ領域1の下位アドレス、入賞数カウンタ領域2の下位アドレスの情報が定義されている。入賞口監視テーブルは、監視対象のスイッチのそれぞれに応じたものが用意されている。
その後、大入賞口(特別変動入賞装置38)内の他方の大入賞口スイッチ38aに対応する入賞口監視テーブル2を準備し(ステップS303)、不正な入賞がないか監視するとともに正常な入賞を検出する不正&入賞監視処理(ステップS304)を実行する。
次に、普電内の入賞口スイッチ(始動口2スイッチ37a)の入賞口監視テーブルを準備し(ステップS305)、不正な入賞がないか監視するとともに正常な入賞を検出する不正&入賞監視処理(ステップS306)を実行する。そして、不正監視処理が不要な入賞口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36aや一般入賞口35の入賞口スイッチ35a)の入賞口監視テーブルを準備し(ステップS307)、入賞数を更新する入賞数カウンタ更新処理(ステップS308)を行う。
次に、状態を監視すべき複数のスイッチ並びに信号のうちいずれのスイッチ又は信号を今回の監視の対象とするかを順番に指定するための状態スキャンカウンタを更新する(ステップS309)。本実施形態の場合、の状態スキャンカウンタは0から3の範囲で更新される。その後、状態スキャンカウンタの値に応じて、監視する状態を設定するための遊技機状態監視テーブル1を準備する(ステップS310)。そして、エラーが発生しているかなどの状態を判定する遊技機状態チェック処理(ステップS311)を行う。
本実施形態の場合、状態スキャンカウンタの値を遊技機状態監視テーブル1に参照することで、状態スキャンカウンタの値が「0」である場合はスイッチのコネクタ抜けなどの発生により出力されるスイッチ異常1信号に基づく状態の監視が設定され、状態スキャンカウンタの値が「1」である場合は払出制御装置200からのシュート球切れスイッチ信号に基づく状態の監視が設定される。状態スキャンカウンタの値が「2」である場合はオーバーフロースイッチ信号に基づく状態の監視が設定され、状態スキャンカウンタの値が「3」である場合は払出異常ステータス信号に基づく状態の監視が設定される。
次に、状態スキャンカウンタの値に応じて、監視する状態を設定するための遊技機状態監視テーブル2を準備する(ステップS312)。そして、エラーが発生しているかなどの状態を判定する遊技機状態チェック処理(ステップS313)を行う。
本実施形態の場合、状態スキャンカウンタの値を遊技機状態監視テーブル2に参照することで、状態スキャンカウンタの値が「0」である場合はガラス枠開放検出スイッチ63から出力される信号に基づく状態の監視が設定され、状態スキャンカウンタの値が「1」である場合は本体枠開放検出スイッチ64から出力される信号に基づく状態の監視が設定される。また、状態スキャンカウンタの値が「2」である場合は枠電波不正信号に基づく状態の監視が設定され、状態スキャンカウンタの値が「3」である場合はタッチスイッチ信号に基づく状態の監視が設定される。
次に、状態スキャンカウンタの値が「0」であるかを判定し(ステップS314)、エラースキャンカウンタの値が「0」でない場合(ステップS314;N)は、入賞口スイッチ/状態監視処理を終了する。この場合は、次に参照する遊技機状態監視テーブル3に状態の監視対象がない場合である。また、エラースキャンカウンタの値が「0」である場合(ステップS314;Y)は、遊技機状態監視テーブル3を準備し(ステップS315)、エラーが発生しているかなどの状態を判定する遊技機状態チェック処理(ステップS316)を行う。
本実施形態の場合、状態スキャンカウンタの値を遊技機状態監視テーブル3に参照することで、状態スキャンカウンタの値が「0」である場合はスイッチのコネクタ抜けなどの発生により出力されるスイッチ異常2信号に基づく状態の監視が設定される。なお、遊技機状態監視テーブル3には状態スキャンカウンタが「1」から「3」の場合は定義されていない。
その後、払出制御装置200が払出制御を開始可能であるかを示す払出ビジー信号をチェックする払出ビジー信号チェック処理(ステップS317)を行って、入賞口スイッチ/状態監視処理を終了する。なお、ステップS315からS317の処理は、タイマ割込み毎に更新される状態スキャンカウンタの値が「0」の場合のみ実行されるため、4回のタイマ割込みに1回の割合で実行されることとなる。すなわち、タイマ割込みが4m秒毎に行われる場合は、16m秒毎にステップS315からS317の処理が行われることとなる。
〔不正&入賞監視処理〕
図18には、上述の入賞口スイッチ/状態監視処理における不正&入賞監視処理(ステップS302,S304,S306)を示した。この不正&入賞監視処理は、特別変動入賞装置38の二つの大入賞口スイッチ38aの各々及び普通変動入賞装置37の始動口2スイッチ37aに対して行われる処理である。大入賞口(特別変動入賞装置38)や普電(普通変動入賞装置37)については、無理やり開閉部材を開いて遊技球を入れて賞球を払い出させる不正が行われ易いため、入賞の検出の他に不正の監視をする。
この不正&入賞監視処理においては、まず、エラー監視対象の入賞口スイッチの不正監視期間フラグをチェックし(ステップS321)、不正監視期間中であるかを判定する(ステップS322)。不正監視期間とは、エラー監視対象の入賞口スイッチが大入賞口スイッチ38aである場合は特別変動入賞装置38を開放する特別遊技状態中以外の期間であり、エラー監視対象の入賞口スイッチが始動口2スイッチ37aである場合は普図の当りに基づき普通変動入賞装置37の開放制御を実行している状態以外の期間である。
そして、不正監視期間である場合(ステップS322;Y)は、対象の入賞口スイッチに入力があるかを判定する(ステップS323)。対象の入賞口スイッチに入力がない場合(ステップS323;N)は、対象の報知タイマ更新情報をロードする(ステップS332)。また、対象の入賞口スイッチに入力がある場合(ステップS323;Y)は、対象の不正入賞数を+1更新し(ステップS324)、更新後の不正入賞数が監視対象の不正発生判定個数以上であるかを判定する(ステップS325)。
本実施形態の場合、エラー監視対象の入賞口スイッチの種類にかかわらず、不正発生判定個数を5個に設定しているが、不正発生個数は、入賞口スイッチの種類毎に異なる個数を定義することもできる。
判定個数を5個としているのは、例えば、開状態にある大入賞口が閉状態に変換した際に遊技球が大入賞口の扉部材に挟まり、その遊技球が大入賞口スイッチの有効期間を過ぎて入賞した場合や信号にノイズがのった場合にそれを不正と判断しないようにするためであり、不正でないのに簡単にエラーと判定しないためである。
そして、不正入賞数が監視対象の不正発生判定個数以上でない場合(ステップS325;N)は、対象の入賞口スイッチの入賞口監視テーブルを準備する(ステップS330)。また、不正入賞数が監視対象の不正発生判定個数以上である場合(ステップS325;Y)は、不正入賞数を不正発生判定個数に留め(ステップS326)、対象の不正入賞報知タイマ領域に初期値(例えば60000m秒)をセーブする(ステップS327)。次に、対象の不正発生コマンドを準備し(ステップS328)、不正フラグとして不正入賞発生フラグを準備して(ステップS329)、準備した不正フラグを対象の不正フラグ領域の値と比較する(ステップS340)。
一方、不正監視期間中でない場合(ステップS322;N)は、対象の入賞口スイッチの入賞口監視テーブルを準備し(ステップS330)、賞球の設定を行う入賞数カウンタ更新処理(ステップS331)を行う。そして、対象の報知タイマ更新情報をロードし(ステップS332)、報知タイマの更新許可の有無を判定する(ステップS333)。そして、報知タイマの更新が許可されない場合(ステップS333;N)は、不正&入賞監視処理を終了する。また、報知タイマの更新が許可される場合(ステップS333;Y)は、対象の報知タイマが0でなければ−1更新する(ステップS334)。なお、報知タイマの最小値は0に設定されている。
報知タイマの更新は、エラー監視対象の入賞口スイッチが一方の大入賞口スイッチ38aである場合は許可され、エラー監視対象の入賞口スイッチが他方の大入賞口スイッチ38aである場合は許可されない。これにより、特別変動入賞装置38についての不正報知について、報知タイマの更新が倍の頻度で行われてしまい、規定時間(例えば60000m秒)の半分でタイムアップしてしまうことを防止している。なお、エラー監視対象の入賞口スイッチが始動口2スイッチ37aである場合は報知タイマの更新は常に許可される。
その後、報知タイマの値が0であるかを判定し(ステップS335)、値が0でない場合(ステップS335;N)、すなわちタイムアップしていない場合は、不正&入賞監視処理を終了する。また、値が0である場合(ステップS335;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合は、対象の不正解除コマンドを準備し(ステップS336)、不正フラグとして不正入賞解除フラグを準備する(ステップS337)。そして、報知タイマの値が0になった瞬間であるかを判定する(ステップS338)。
報知タイマの値が0になった瞬間である場合(ステップS338;Y)、すなわち今回の不正&入賞監視処理で報知タイマの値が0になった場合は、対象の不正入賞数をクリアし(ステップS339)、準備した不正フラグを対象の不正フラグ領域の値と比較する(ステップS340)。また、報知タイマの値が0になった瞬間でない場合(ステップS338;N)、すなわち前回以前の不正&入賞監視処理で報知タイマの値が0になった場合は、準備した不正フラグを対象の不正フラグ領域の値と比較する(ステップS340)。
そして、準備した不正フラグと対象の不正フラグ領域の値が一致した場合(ステップS340;Y)は、不正&入賞監視処理を終了する。また、準備した不正フラグと対象の不正フラグ領域の値が一致しない場合(ステップS340;N)は、準備した不正フラグを対象の不正フラグ領域にセーブし(ステップS341)、演出コマンド設定処理を行い(ステップS342)、不正&入賞監視処理を終了する。以上の処理により、エラーの発生に伴いエラー報知コマンドが演出制御装置300に送信され、エラーの解除に伴い不正入賞エラー解除コマンドが演出制御装置300に送信されて、エラー報知の開始、終了が設定されることとなる。
〔入賞数カウンタ更新処理〕
図19には、上述の入賞口スイッチ/状態監視処理及び不正&入賞監視処理における入賞数カウンタ更新処理(ステップS308,S331)を示した。この入賞数カウンタ更新処理においては、まず、入賞口監視テーブルから監視する入賞口スイッチの個数を取得し(ステップS351)、対象の入賞口スイッチに入力(正確には入力の変化)があるかを判定する(ステップS352)。
対象の入賞口スイッチに入力がない場合(ステップS352;N)は、テーブルアドレスを次レコードのアドレスに更新して(ステップS361)、全スイッチの監視が終了したかを判定する(ステップS362)。また、対象の入賞口スイッチに入力がある場合(ステップS352;Y)は、対象の入賞数カウンタ領域1の値をロードし(ステップS353)、ロードした値を+1更新して(ステップS354)、オーバーフローするか判定する(ステップS355)。そして、オーバーフローが発生していない場合(ステップS355;N)は、更新後の値を入賞数カウンタ領域1にセーブし(ステップS356)、対象の入賞数カウンタ領域2の値をロードする(ステップS357)。また、オーバーフローが発生した場合(ステップS355;Y)は、対象の入賞数カウンタ領域2の値をロードする(ステップS357)。本実施形態の場合、ステップS354では、賞球(払出コマンド送信)のためのカウンタを更新している。カウンタサイズは2バイト(0〜65535の範囲)である。
対象の入賞数カウンタ領域2の値をロード(ステップS357)した後、ロードした値を+1更新して(ステップS358)、オーバーフローするか判定する(ステップS359)。そして、オーバーフローが発生していない場合(ステップS359;N)は、更新後の値を入賞数カウンタ領域2にセーブし(ステップS360)、テーブルアドレスを次レコードのアドレスに更新して(ステップS361)、全スイッチの監視が終了したかを判定する(ステップS362)。また、オーバーフローが発生した場合(ステップS359;Y)は、テーブルアドレスを次レコードのアドレスに更新して(ステップS361)、全スイッチの監視が終了したかを判定する(ステップS362)。本実施形態の場合、ステップS358では、メイン賞球信号のためのカウンタを更新している。カウンタサイズは1バイト(0〜255の範囲)である。
全スイッチの監視が終了していない場合(ステップS362;N)は、対象の入賞口スイッチに入力があるかを判定する処理(ステップS352)に戻る。また、全スイッチの監視が終了した場合(ステップS362;Y)は、入賞数カウンタ更新処理を終了する。以上の処理により、入賞領域への入賞に基づき入賞数カウンタ領域1及び2が更新されて入賞の情報が記憶されることとなる。
〔遊技機状態チェック処理〕
図20には、上述の入賞口スイッチ/状態監視処理における遊技機状態チェック処理(ステップS311,S313,S316)を示した。この遊技機状態チェック処理では、まず、状態スキャンカウンタに対応する状態監視テーブルを取得し(ステップS371)、監視対象である信号がオンであるかを判定する(ステップS372)。
状態監視テーブル(入賞口スイッチ/状態監視処理にて準備した遊技機状態監視テーブル)には、状態スキャンカウンタに対応した情報が定義されている。この情報としては、例えば、状態監視領域の先頭アドレスの下位アドレス、対象の信号情報が保存されているスイッチ制御領域のポート入力状態領域の下位アドレス、対象の信号のビットだけを取り出すマスクデータ、信号オンの判定データ、状態オフコマンド(エラー系の場合はエラー報知終了コマンドをなす)、状態オンコマンド(エラー系の場合はエラー報知開始コマンドをなす)、状態オフ監視タイマ比較値、状態オン監視タイマ比較値が含まれる。
対象の信号がオンでない場合(ステップS372;N)は、状態フラグとして状態オフフラグを準備して(ステップS373)、対象の状態オフコマンドを取得し、準備する(ステップS374)。その後、対象の状態オフ監視タイマ比較値を取得して(ステップS375)、対象の信号制御領域の値と今回の信号の状態を比較する(ステップS379)。対象の信号がオンでない場合(ステップS372;N)とは、エラー系の信号ではエラーでない(正常である)ことを示す状態であり、タッチスイッチからの信号ではタッチされていないことを示す状態である。
一方、対象の信号がオンである場合(ステップS372;Y)は、状態フラグとして状態オンフラグを準備して(ステップS376)、対象の状態オンコマンドを取得し、準備する(ステップS377)。その後、対象の状態オン監視タイマ比較値を取得して(ステップS378)、対象の信号制御領域の値と今回の信号の状態を比較する(ステップS379)。対象の信号がオンである場合(ステップS372;Y)とは、エラー系の信号ではエラーである(異常や不正である)ことを示す状態であり、タッチスイッチからの信号ではタッチされていることを示す状態である。
対象の信号制御領域の値と今回の信号の状態が一致した場合(ステップS379;Y)、すなわち信号の状態が変化していない場合は、対象の状態監視タイマを+1更新して(ステップS382)、対象の状態監視タイマの値が監視タイマ比較値以上となったかを判定する(ステップS383)。また、対象の信号制御領域の値と今回の信号の状態が一致しない場合(ステップS379;N)、すなわち信号の状態が変化した場合は、対象の信号制御領域に今回の信号状態をセーブする(ステップS380)。そして、対象の状態監視タイマをクリアし(ステップS381)、対象の状態監視タイマを+1更新して(ステップS382)、対象の状態監視タイマの値が監視タイマ比較値以上となったかを判定する(ステップS383)。
対象の状態監視タイマの値が監視タイマ比較値以上でない場合(ステップS383;N)は、遊技機状態チェック処理を終了する。また、対象の状態監視タイマの値が監視タイマ比較値以上である場合(ステップS383;Y)は、状態監視タイマを−1更新し、比較値−1の値に留めて(ステップS384)、準備した状態フラグを対象の状態フラグ領域の値と比較する(ステップS385)。
そして、準備した状態フラグと対象の状態フラグ領域の値とが一致する場合(ステップS385;Y)は、遊技機状態チェック処理を終了する。また、準備した状態フラグと対象の状態フラグ領域の値とが一致しない場合(ステップS385;N)は、準備した状態フラグを対象の状態フラグ領域にセーブし(ステップS386)、演出コマンド設定処理を行って(ステップS387)、遊技機状態チェック処理を終了する。これにより、ステップS374で準備した状態オフコマンド又はS377で準備した状態オンコマンドが演出制御装置300に送信されることとなる。
〔払出ビジー信号チェック処理〕
図21には、上述の入賞口スイッチ/状態監視処理における払出ビジー信号チェック処理(ステップS317)を示した。この払出ビジー信号チェック処理においては、まず、払出制御装置200から入力される払出ビジー信号がオンであるかを判定する(ステップS391)。なお、払出ビジー信号は、払出制御装置200が払出制御を開始できない場合にオン状態とされるようになっている。
払出ビジー信号がオンである場合(ステップS391;Y)は、状態フラグとしてビジー状態フラグを準備して(ステップS392)、オン確定監視タイマ比較値(例えば32m秒)を設定し(ステップS393)、ビジー信号状態領域の値が今回の信号の状態と一致するかを判定する(ステップS396)。また、払出ビジー信号がオンでない場合(ステップS391;N)は、状態フラグとしてアイドル状態フラグを準備して(ステップS394)、オフ確定監視タイマ比較値(例えば32m秒)を設定し(ステップS395)、ビジー信号状態領域の値が今回の信号の状態と一致するかを判定する(ステップS396)。これにより、同じ状態が、複数回のタイマ割込み分継続しているかチェックすることができる。
ビジー信号状態領域の値が今回の信号の状態と一致しない場合(ステップS396;N)には、ビジー信号状態領域に今回の信号の状態をセーブし(ステップS397)、ビジー信号監視タイマを0クリアして(ステップS398)、ビジー信号監視タイマを+1更新する(ステップS399)。また、ビジー信号状態領域の値が今回の信号の状態と一致する場合(ステップS396;Y)には、ビジー信号監視タイマを+1更新する(ステップS399)。
次に、ビジー信号監視タイマの値が、ステップS393又はステップS395で設定した監視タイマ比較値以上であるかを判定し(ステップS400)、監視タイマ比較値以上でない場合(ステップS400;N)は、払出ビジー信号チェック処理を終了する。また、監視タイマ比較値以上である場合(ステップS400;Y)は、ビジー信号監視タイマを−1更新し、比較値−1の値に留めて(ステップS401)、ステップS392又はステップS394で準備した状態フラグを払出ビジー信号フラグ領域にセーブし(ステップS402)、払出ビジー信号チェック処理を終了する。
この処理により、払出ビジー信号に基づきビジー信号ステータスが設定される。この際に、払出ビジー信号の状態が変化してもすぐにはビジー信号ステータスを変更せず、信号確定時間に亘り変化した状態が継続した場合にビジー信号ステータスを変更するようにしており、ノイズ等の影響を受け難くしている。
また、電源投入時にビジー信号ステータスがクリアされるので、何れかの信号状態が信号確定時間に亘り継続するまではビジー信号ステータスは設定されず不定状態となる。これにより、停電が発生し該停電から復帰した場合には、払出制御装置200から払出制御を開始可能であることを示す状態信号が出力されていたとしても、直ちに賞球指令が払出制御装置200に送信されないようになり、払出制御装置200から払出制御を開始可能であることを示す状態信号が所定期間に亘って継続して出力されたことに対応して賞球指令が払出制御装置200に送信されるようになる。これにより、払出制御装置200が賞球指令を受信して即座に払出処理が可能なことを確実に把握してから賞球指令を送信するようになり、賞球指令に対応する払出制御が行われないことを防止できる。
〔特図ゲーム処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(ステップS109)の詳細について説明する。特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入力の監視と、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を行う。
図22に示すように、特図ゲーム処理では、先ず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入賞を監視する始動口スイッチ監視処理(ステップA1)を行う。始動口スイッチ監視処理では、始動入賞口36、第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置37に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。
次に、大入賞口スイッチ監視処理(ステップA2)を行う。この大入賞口スイッチ監視処理では、特別変動入賞装置38内に設けられた大入賞口スイッチ38aでの遊技球の検出を監視する処理を行う。
次に、特図ゲーム処理タイマが「0」でなければ−1更新する(ステップA3)。なお、特図ゲーム処理タイマの最小値は「0」に設定されている。そして、特図ゲーム処理タイマの値が「0」であるかを判定する(ステップA4)。特図ゲーム処理タイマの値が「0」である場合(ステップA4;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合は、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定し(ステップA5)、当該テーブルを用いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(ステップA6)。そして、特図ゲーム処理番号に応じてサブルーチンコールを行う(ステップA7)。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理(ステップA8)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図変動中処理(ステップA9)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図表示中処理(ステップA10)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理(ステップA11)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエンディングコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理(ステップA12)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステップA13)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う大当り終了処理(ステップA14)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「7」の場合は、小当りが発生した際の大入賞口の開放時間・開放パターンの設定、ファンファーレコマンドの設定、小当り中処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当りファンファーレ中処理(ステップA15)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「8」の場合は、エンディングコマンドの設定や小当り残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り中処理(ステップA16)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「9」の場合は、小当り中処理の際に大入賞口内に入賞した残存球が排出されるための時間を設定する処理や、小当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り残存球処理(ステップA17)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「10」の場合は、特図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り終了処理(ステップA18)を行う。
その後、特図1表示器51の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA19)、特図1表示器51に係る図柄変動制御処理(ステップA20)を行う。そして、特図2表示器52の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA21)、特図2表示器52に係る図柄変動制御処理(ステップA22)を行い、特図ゲーム処理を終了する。一方、ステップA4にて、特図ゲーム処理タイマの値が「0」でない場合(ステップA4;N)、すなわちタイムアップしていない場合は、ステップA19の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
なお、小当りは条件装置の作動を伴わない結果態様であり、大当りとは条件装置の作動を伴う特別結果である。条件装置とは、特図変動表示ゲームで大当りが発生(大当り図柄の停止表示)した場合に作動するもので、条件装置が作動するとは、例えば大当り状態が発生して特別電動役物としての特別変動入賞装置38を連続して作動させるための特定のフラグがセットされる(役物連続作動装置が作動される)ことを意味する。条件装置が作動しないとは、例えば小当り抽選に当選したような場合のように前述のフラグはセットされないことを意味する。なお、「条件装置」は上記のようなソフトウェア的にオンオフされるフラグのようなソフトウェア手段であっても良いし、電気的にオンオフされるスイッチのようなハードウェア手段であっても良い。また、「条件装置」は、その作動が電動役物の連続作動に必要条件とされる装置として、パチンコ遊技機の分野においては一般的に使用されている用語であり、本明細書においても同様な意味を有する用語として使用している。
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(ステップA1)の詳細について説明する。図23に示すように、始動口スイッチ監視処理では、先ず、第1始動口(始動入賞口36)入賞監視テーブルを準備し(ステップA101)、ハード乱数取得処理(ステップA102)を行って、第1始動口への入賞があるか否かを判定する(ステップA103)。
ステップA103にて、第1始動口への入賞がないと判定した場合(ステップA103;N)には、ステップA109の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
一方、ステップA103にて、第1始動口への入賞があると判定した場合(ステップA103;Y)には、特図時短中(普電サポート中)であるか否かを判定する(ステップA104)。
ステップA104にて、特図時短中でないと判定した場合(ステップA104;N)には、ステップA107の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
一方、ステップA104にて、特図時短中であると判定した場合(ステップA104;Y)には、右打ち指示報知コマンドを準備して(ステップA105)、演出コマンド設定処理(ステップA106)を行う。すなわち、時短状態であれば、特図変動表示ゲームの確率状態にかかわらず、右打ち指示報知コマンドを準備して(ステップA105)、演出コマンド設定処理(ステップA106)を行う。本実施形態の遊技機10の場合、第1始動口(始動入賞口36)へは左打ちでないと入賞せず、普通変動入賞装置37へは右打ちでないと入賞しない。したがって、時短状態は、左打ちよりも右打ちの方が有利な遊技状態となるが、時短状態中に第1始動口に入賞があった場合(すなわち、時短状態中に左打ちされた場合)には、右打ち指示報知コマンドを演出制御装置300に送信して、右打ちするよう指示する報知(警告)を演出制御装置300によって行うよう構成されている。
次いで、第1始動口(始動入賞口36)による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA107)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA108)を行う。
次に、第2始動口(普通変動入賞装置37)入賞監視テーブルを準備し(ステップA109)、ハード乱数取得処理(ステップA110)を行って、第2始動口への入賞があるか否かを判定する(ステップA111)。
ステップA111にて、第2始動口への入賞がないと判定した場合(ステップA111;N)には、始動口スイッチ監視処理を終了する。
一方、ステップA111にて、第2始動口への入賞があると判定した場合(ステップA111;Y)には、普通電動役物(普通変動入賞装置37)が作動中である、すなわち、普通変動入賞装置37が作動して遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かを判定し(ステップA112)、普通電動役物が作動中である(ステップA112;Y)と判定すると、ステップA114の処理に移行して、それ以降の処理を行う。一方、ステップA112にて、普通電動役物が作動中でない(ステップA112;N)と判定すると、普電不正発生中であるかを判定する(ステップA113)。
普電不正発生中であるかの判定では、普通変動入賞装置37への不正入賞数が不正発生判定個数(例えば5個)以上である場合に不正発生中であると判定する。普通変動入賞装置37は、閉状態では遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合は何らかの異常や不正が発生した場合であり、このような閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数する。そして、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上である場合に不正発生中と判定する。
ステップA113にて、普電不正発生中でない(ステップA113;N)と判定すると、第2始動口(普通変動入賞装置37)による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA114)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA115)を行って、始動口スイッチ監視処理を終了する。また、ステップA113にて、普電不正発生中である(ステップA113;Y)と判定した場合は、始動口スイッチ監視処理を終了する。すなわち、第2始動記憶をそれ以上発生させないようにする。
〔ハード乱数取得処理〕
次に、上述の始動口スイッチ監視処理におけるハード乱数取得処理(ステップA102、A110)の詳細について説明する。図24に示すように、ハード乱数取得処理では、まず、第1始動口(始動入賞口36)及び第2始動口(普通変動入賞装置37)のうち、監視対象の始動口の入賞なし情報を設定して(ステップA121)、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチに入力があるか否かを判定する(ステップA122)。そして、監視対象の始動口スイッチに入力がない場合(ステップA122;N)は、ハード乱数取得処理を終了する。一方、監視対象の始動口スイッチに入力がある場合(ステップA122;Y)は、乱数ラッチレジスタステータスを読み込み(ステップA123)、対象の乱数ラッチレジスタにラッチデータがあるかを判定する(ステップA124)。
対象の乱数ラッチレジスタにラッチデータがない場合(ステップA124;N)、すなわち乱数が抽出されていない場合は、ハード乱数取得処理を終了する。また、対象の乱数ラッチレジスタにラッチデータがある場合(ステップA124;Y)は、監視対象のハード乱数ラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードし、準備する(ステップA125)。そして、第1始動口(始動入賞口36)及び第2始動口(普通変動入賞装置37)のうち、監視対象の始動口の入賞あり情報を設定して(ステップA126)、ハード乱数取得処理を終了する。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、上述の始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(ステップA108、A115)の詳細について説明する。特図始動口スイッチ共通処理は、始動口1スイッチ36aや始動口2スイッチ37aの入力があった場合に、各々の入力について共通して行われる処理である。
図25に示すように、特図始動口スイッチ共通処理では、先ず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチへの入賞の回数に関する情報を遊技機10の外部の管理装置に対して出力する回数である始動口信号出力回数をロードし(ステップA131)、ロードした値を+1更新して(ステップA132)、出力回数がオーバーフローするかを判定する(ステップA133)。出力回数がオーバーフローしない場合(ステップA133;N)は、更新後の値をRWMの始動口信号出力回数領域にセーブして(ステップA134)、ステップA135の処理に移行する。一方、出力回数がオーバーフローする場合(ステップA133;Y)は、ステップA135の処理に移行する。本実施形態では、始動口信号出力回数領域に「0」から「255」までの値を記憶することができる。そして、ロードした値が「255」である場合には+1更新によって更新後の値は「0」になり、出力回数がオーバーフローすると判定するよう構成されている。
次に、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチに対応する更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値未満かを判定する(ステップA135)。更新対象の特図保留数が上限値未満でない場合(ステップA135;N)は、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。また、更新対象の特図保留数が上限値未満である場合(ステップA135;Y)は、更新対象の特図保留数(特図1保留数又は特図2保留数)を+1更新して(ステップA136)、対象の始動口入賞フラグをセーブする(ステップA137)。続けて、監視対象の始動口スイッチ及び特図保留数に対応する乱数格納領域のアドレスを算出して(ステップA138)、ステップA125にて準備した大当り乱数をRWMの大当り乱数格納領域にセーブする(ステップA139)。次に、監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数を抽出し、準備して(ステップA140)、RWMの大当り図柄乱数格納領域にセーブする(ステップA141)。
次いで、第1始動口(始動入賞口36)への入賞であるかを判定する(ステップA142)。
ステップA142にて、第1始動口への入賞でないと判定した場合(ステップA142;N)には、ステップA145の処理に移行する。
一方、ステップA142にて、第1始動口への入賞であると判定した場合(ステップA142;Y)には、小当り図柄乱数を抽出し、準備して(ステップA143)、RWMの小当り図柄乱数格納領域にセーブする(ステップA144)。
次いで、変動パターン乱数1から3を対応するRWMの変動パターン乱数格納領域にセーブして(ステップA145)、特図保留情報判定処理(ステップA146)を行う。
次いで、監視対象の始動口スイッチ及び特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備し(ステップA147)、演出コマンド設定処理(ステップA148)を行って、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
ここで、遊技制御装置100(RAM111C)は、始動入賞口36や普通変動入賞装置37の始動入賞領域での遊技球の検出に基づき、所定の乱数を抽出し前記変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶として所定数を上限に記憶する始動記憶手段をなす。また、始動記憶手段(遊技制御装置100)は、第1始動入賞口(始動入賞口36)への遊技球の入賞に基づき抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に第1始動記憶として記憶し、第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づき抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に第2始動記憶として記憶する。
〔特図保留情報判定処理〕
次に、上述の始動口スイッチ共通処理における特図保留情報判定処理(ステップA146)の詳細について説明する。特図保留情報判定処理は、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理である。
図26に示すように、まず、ステップA137にてセーブした始動口入賞フラグをチェックして、第1始動口(始動入賞口36)への入賞であるかを判定する(ステップA151)。
ステップA151にて、第1始動口への入賞でないと判定した場合(ステップA151;N)には、ステップA154の処理に移行する。
一方、ステップA151にて、第1始動口への入賞であると判定した場合(ステップA151;Y)には、特図時短中であるかを判定する(ステップA152)。
ステップA152にて、特図時短中であると判定した場合(ステップA152;Y)には、特図保留情報判定処理を終了する。
一方、ステップA152にて、特図時短中でないと判定した場合(ステップA152;N)には、大当り中または小当り中であるかを判定する(ステップA153)。
ステップA153にて、大当り中または小当り中であると判定した場合(ステップA153;Y)には、特図保留情報判定処理を終了する。
一方、ステップA153にて、大当り中または小当り中でないと判定した場合(ステップA153;N)には、大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かにより大当りであるか否かを判定する大当り判定処理(ステップA154)を行う。そして、判定結果が大当りである場合(ステップA155;Y)は、対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数チェックテーブルを設定し(ステップA156)、ステップA140にて準備した大当り図柄乱数に対応する停止図柄情報を取得して(ステップA157)、ステップA164の処理に移行する。
一方、判定結果が大当りでない場合(ステップA155;N)は、第1始動口(始動入賞口36)への入賞であるかを判定する(ステップA158)。
ステップA158にて、第1始動口への入賞でないと判定した場合(ステップA158;N)には、はずれの停止図柄情報を設定して(ステップA163)、ステップA164の処理に移行する。
一方、ステップA158にて、第1始動口への入賞であると判定した場合(ステップA158;Y)には、大当り乱数値が小当り判定値と一致するか否かにより小当りであるか否かを判定する小当り判定処理(ステップA159)を行う。そして、判定結果が小当りでない場合(ステップA160;N)は、はずれの停止図柄情報を設定して(ステップA163)、ステップA164の処理に移行する。
一方、判定結果が小当りである場合(ステップA160;Y)には、小当り図柄乱数チェックテーブルを設定し(ステップA161)、ステップA143にて準備した小当り図柄乱数に対応する停止図柄情報を取得して(ステップA162)、ステップA164の処理に移行する。
そして、対象の始動口スイッチ及び停止図柄情報に対応する先読み停止図柄コマンドを準備し(ステップA164)、演出コマンド設定処理を行う(ステップA165)。次に、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA166)を行い、特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理を行う(ステップA167)。
その後、特図変動表示ゲームの変動態様における前半変動パターンを示す前半変動番号及び後半変動パターンを示す後半変動番号に対応する先読み変動パターンコマンドを準備して(ステップA168)、演出コマンド設定処理を行い(ステップA169)、特図保留情報判定処理を終了する。なお、ステップA166における特図情報設定処理、ステップA167における変動パターン設定処理は、特図普段処理で特図変動表示ゲームの開始時に実行される処理と同様である。
以上の処理により、先読み対象の始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果を含む先読み図柄コマンドと、当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームでの変動パターンの情報を含む先読み変動パターンコマンドが準備され、演出制御装置300に送信される。これにより、始動記憶に対応した結果関連情報(大当りか否かや変動パターンの種類)の判定結果(先読み結果)を、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に演出制御装置300に対して知らせることができ、特に表示装置41に表示される飾り特図始動記憶表示を変化させるなどして、その特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に結果関連情報を報知することが可能となる。
すなわち、遊技制御装置100が、始動入賞記憶手段(遊技制御装置100)に始動記憶として記憶される乱数を、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行前に判定する(例えば特別結果となるか否か等を判定)事前判定手段をなす。なお、始動記憶に対応して記憶された乱数値を事前に判定する時期は、当該始動記憶が発生した始動入賞時だけではなく、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームが行われる前であればいつでもよい。
〔大入賞口スイッチ監視処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における大入賞口スイッチ監視処理(ステップA2)の詳細について説明する。図27に示すように、大入賞口スイッチ監視処理では、まず、特図ゲーム処理番号の値が「4」であるか、すなわち大入賞口開放中処理中であるかを判定する(ステップA201)。大入賞口開放中処理中である場合(ステップA201;Y)は、ステップA205の処理に移行する。また、大入賞口開放中処理中でない場合(ステップA201;N)は、特図ゲーム処理番号の値が「5」であるか、すなわち大入賞口残存球処理中であるかを判定する(ステップA202)。
大入賞口残存球処理中である場合は(ステップA202;Y)は、ステップA205の処理に移行する。また、大入賞口残存球処理中でない場合は(ステップA205;N)は、特図ゲーム処理番号の値が「8」であるか、すなわち小当り中処理中であるかを判定する(ステップA203)。
小当り中処理中である場合は(ステップA204;Y)は、ステップA205の処理に移行する。また、小当り中処理中でない場合(ステップA203;N)は、特図ゲーム処理番号の値が「9」であるか、すなわち小当り残存球処理中であるかを判定する(ステップA204)。
特図ゲーム処理タイマが「0」になるまで特図ゲーム処理番号は次に移行しないため、このように特図ゲーム処理番号によって遊技の進行状態をチェックすることができる。
小当り残存球処理中でない場合(ステップA204;N)は、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。また、小当り残存球処理中である場合(ステップA204;Y)は、ステップA205の処理に移行する。
そして、入賞カウンタに「0」をセットして(ステップA205)、大入賞口スイッチ1(一方の大入賞口スイッチ38a)に入力があるかを判定する(ステップA206)。
大入賞口スイッチ1に入力がない場合(ステップA206;N)は、大入賞口スイッチ2(他方の大入賞口スイッチ38a)に入力があるかを判定する(ステップA210)。また、大入賞口スイッチ1に入力がある場合(ステップA206;Y)は、大入賞口カウントコマンドを準備して(ステップA207)、演出コマンド設定処理(ステップA208)を行う。そして、入賞カウンタを+1更新し(ステップA209)、大入賞口スイッチ2(他方の大入賞口スイッチ38a)に入力があるかを判定する(ステップA210)。
大入賞口スイッチ2に入力がない場合(ステップA210;N)は、入賞カウンタの値が0であるかを判定する(ステップA214)。また、大入賞口スイッチ2に入力がある場合(ステップA210;Y)は、大入賞口カウントコマンドを準備して(ステップA211)、演出コマンド設定処理(ステップA212)を行う。そして、入賞カウンタを+1更新し(ステップA213)、入賞カウンタの値が0であるかを判定する(ステップA214)。
入賞カウンタの値が「0」であるかの判定(ステップA268)において、入賞カウンタの値が「0」である場合(ステップA214;Y)は、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。
また、入賞カウンタの値が「0」でない場合(ステップA214;N)は、大入賞口残存球処理中であるかを判定する(ステップA215)。
大入賞口残存球処理中である場合(ステップA215;Y)は、大入賞口スイッチ監視処理を終了し、大入賞口残存球処理中でない場合(ステップA215;N)は、小当り残存球処理中であるかを判定する(ステップA216)。
小当り残存球処理中である場合(ステップA216;Y)は、大入賞口スイッチ監視処理を終了し、小当り残存球処理中でない場合(ステップA216;N)は、入賞カウンタの値(1又は2)を大入賞口カウント数に加算し(ステップA217)、大入賞口カウント数が上限値(一のラウンドで入賞可能な遊技球数。例えば「9」)以上となったかを判定する(ステップA218)。
大入賞口カウント数が上限値以上となっていない場合(ステップA218;N)は、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。また、大入賞口カウント数が上限値以上となった場合(ステップA218;Y)は、大入賞口カウント数を上限値に留め(ステップA219)、特図ゲーム処理タイマ領域を0クリアして(ステップA220)、小当り中処理中であるかを判定する(ステップA221)。小当り中処理中でない場合(ステップA221;N)は、大入賞口スイッチ監視処理を終了し、小当り中処理中である場合(ステップA221;Y)は、大入賞口制御ポインタ領域に小当り開放動作終了の値をセーブして(ステップA222)、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。これにより大入賞口が閉鎖されて一のラウンドが終了することとなる。
〔特図普段処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図普段処理(ステップA8)の詳細について説明する。図28に示すように、特図普段処理では、先ず、特図2保留数(第2始動記憶数)が「0」であるかを判定する(ステップA301)。特図2保留数が「0」である(ステップA301;Y)と判定すると、特図1保留数(第1始動記憶数)が「0」であるかを判定する(ステップA306)。そして、特図1保留数が「0」である(ステップA306;Y)と判定すると、客待ちデモが開始済みであるかを判定し(ステップA311)、客待ちデモが開始済みでない場合(ステップA311;N)は、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグをセットする(ステップA312)。
続けて、客待ちデモコマンドを準備して(ステップA313)、演出コマンド設定処理(ステップA314)を行い、特図普段処理移行設定処理1(ステップA315)を行って、特図普段処理を終了する。一方、ステップA311にて、客待ちデモが開始済みである場合(ステップA311;Y)は、特図普段処理移行設定処理1(ステップA315)を行って、特図普段処理を終了する。
また、ステップA301にて、特図2保留数が「0」でない場合(ステップA301;N)は、特図2変動開始処理(ステップA302)を行い、特図2保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備して(ステップA303)、演出コマンド設定処理(ステップA304)を行う。そして、特図2の特図変動中処理移行設定処理(ステップA305)を行って、特図普段処理を終了する。
また、ステップA306にて、特図1保留数が「0」でない場合(ステップA306;N)は、特図1変動開始処理(ステップA307)を行い、特図1保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備して(ステップA308)、演出コマンド設定処理(ステップA309)を行う。そして、特図1の特図変動中処理移行設定処理(ステップA310)を行って、特図普段処理を終了する。
このように、特図2保留数のチェックを特図1保留数のチェックよりも先に行うことで、特図2保留数が「0」でない場合には特図2変動開始処理(ステップA302)が実行されることとなる。すなわち、第2特図変動表示ゲームが第1特図変動表示ゲームに優先して実行されることとなる。つまり、遊技制御装置100が、第2始動記憶手段(遊技制御装置100)に第2始動記憶がある場合には、当該第2始動記憶に基づく変動表示ゲームを、第1始動記憶に基づく変動表示ゲームよりも優先的に実行する優先制御手段をなす。
〔特図普段処理移行設定処理1〕
次に、前述の特図普段処理における特図普段処理移行設定処理1(ステップA315)、後述の特図表示中処理における特図普段処理移行設定処理1(ステップA741)の詳細について説明する。図29に示すように、特図普段処理移行設定処理1では、まず、処理番号として特図普段処理に係る「0」を設定し(ステップA321)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブして(ステップA322)、変動図柄判別フラグ領域をクリアする(ステップA323)。そして、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(ステップA324)、特図普段処理移行設定処理1を終了する。
〔特図1変動開始処理〕
次に、上述の特図普段処理における特図1変動開始処理(ステップA307)の詳細について説明する。特図1変動開始処理は、第1特図変動表示ゲームの開始時に行う処理である。図30に示すように、まず、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特図1)を示す特図1変動フラグを変動図柄判別領域にセーブし(ステップA331)、第1特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判別するための大当りフラグ1にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ1設定処理(ステップA332)を行う。
次に、特図1停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図1停止図柄設定処理(ステップA333)を行った後、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA334)を行い、第1特図変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特図1変動パターン設定情報テーブルを準備する(ステップA335)。その後、第1特図変動表示ゲームにおける変動態様である変動パターンを設定する変動パターン設定処理(ステップA336)を行い、第1特図変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA337)を行って、特図1変動開始処理を終了する。
〔特図2変動開始処理〕
次に、上述の特図普段処理における特図2変動開始処理(ステップA302)の詳細について説明する。特図2変動開始処理は、第2特図変動表示ゲームの開始時に行う処理であって、図30に示した特図1変動開始処理での処理と同様の処理を、第2始動記憶を対象として行うものである。
図31に示すように、まず、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特図2)を示す特図2変動フラグを変動図柄判別領域にセーブし(ステップA341)、第2特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判別するための大当りフラグ2にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ2設定処理(ステップA342)を行う。
次に、特図2停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図2停止図柄設定処理(ステップA343)を行った後、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA344)を行い、第2特図変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特図2変動パターン設定情報テーブルを準備する(ステップA345)。その後、第2特図変動表示ゲームにおける変動態様である変動パターンを設定する変動パターン設定処理(ステップA346)を行い、第2特図変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA347)を行って、特図2変動開始処理を終了する。
〔大当りフラグ1設定処理〕
図32には、上述の特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理(ステップA332)を示した。この大当りフラグ1設定処理では、まず、小当りフラグ領域にはずれ情報をセーブして(ステップA351)、大当りフラグ1領域にはずれ情報をセーブする(ステップA352)。次に、RWMの特図1大当り乱数格納領域(保留数1用)から大当り乱数をロードし、準備して(ステップA353)、当該特図1大当り乱数格納領域(保留数1用)を0クリアする(ステップA354)。なお、保留数1用とは、消化順序が最先(ここでは特図1のうちで最先)の特図始動記憶についての情報(乱数等)を格納する領域である。その後、準備した大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かに応じて大当りであるか否かを判定する大当り判定処理(ステップA355)を行う。
そして、大当り判定処理(ステップA355)の判定結果が大当りである場合(ステップA356;Y)は、ステップA352にてはずれ情報をセーブした大当りフラグ1領域に大当り情報を上書きしてセーブし(ステップA357)、大当りフラグ1設定処理を終了する。一方、大当り判定処理(ステップA355)の判定結果が大当りでない場合(ステップA356;N)は、準備した大当り乱数値が小当り判定値と一致するか否かに応じて小当りであるか否かを判定する小当り判定処理(ステップA358)を行う。
そして、小当り判定処理(ステップA358)の判定結果が小当りである場合(ステップA359;Y)は、ステップA351にてはずれ情報をセーブした小当りフラグ領域に小当り情報を上書きしてセーブし(ステップA360)、大当りフラグ1設定処理を終了する。一方、小当り判定処理(ステップA358)の判定結果が小当りでない場合(ステップA359;N)は、大当りフラグ1領域にも小当りフラグ領域にもはずれ情報をセーブしたまま大当りフラグ1設定処理を終了する。このように、本実施形態において、第1特図変動表示ゲームの結果は、「大当り」、「小当り」、及び「はずれ」のうちの何れかとなる。
〔大当りフラグ2設定処理〕
図33には、上述の特図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理(ステップA342)を示した。この大当りフラグ2設定処理では、まず、大当りフラグ2領域にはずれ情報をセーブする(ステップA371)。次に、RWMの特図2大当り乱数格納領域(保留数1用)から大当り乱数をロードし、準備して(ステップA372)、当該特図2大当り乱数格納領域(保留数1用)を0クリアする(ステップA372)。なお、保留数1用とは、消化順序が最先(ここでは特図2のうちで最先)の特図始動記憶についての情報(乱数等)を格納する領域である。その後、準備した大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かに応じて大当りであるか否かを判定する大当り判定処理(ステップA374)を行う。
そして、大当り判定処理(ステップA374)の判定結果が大当りである場合(ステップA375;Y)は、ステップA371にてはずれ情報をセーブした大当りフラグ2領域に大当り情報を上書きしてセーブし(ステップA375)、大当りフラグ2設定処理を終了する。一方、大当り判定処理(ステップA374)の判定結果が大当りでない場合(ステップA375;N)は、大当りフラグ2にはずれ情報をセーブしたまま大当りフラグ2設定処理を終了する。このように、本実施形態において、第2特図変動表示ゲームの結果は、「大当り」及び「はずれ」のうちの何れかとなる。
〔大当り判定処理〕
図34には、上述の特図保留情報判定処理、大当りフラグ1設定処理及び大当りフラグ2設定処理における大当り判定処理(ステップA154、A355、A374)を示した。この大当り判定処理では、まず、大当り判定値の下限判定値を設定し(ステップA381)、対象の大当り乱数の値が下限判定値未満かを判定する(ステップA382)。なお、大当りであるとは大当り乱数が大当り判定値と一致することである。大当り判定値は連続する複数の値であり、大当り乱数が、大当り判定値の下限の値である下限判定値以上で、かつ、大当り判定値の上限の値である上限判定値以下である場合に、大当りであると判定される。
大当り乱数の値が下限判定値未満である場合(ステップA382;Y)は、判定結果としてはずれを設定し(ステップA387)、大当り判定処理を終了する。具体的には、当該大当り判定処理が、大当りフラグ1設定処理における大当り判定処理(ステップA355)である場合には、大当り乱数の値が下限判定値未満である場合(ステップA382;Y)は、小当り又ははずれであるので、判定結果として「大当り以外(小当り又ははずれ)」を設定する(ステップA387)。一方、当該大当り判定処理が、大当りフラグ2設定処理における大当り判定処理(ステップA374)である場合には、大当り乱数の値が下限判定値未満である場合(ステップA382;Y)は、はずれであるので、判定結果として「大当り以外(はずれ)」を設定する(ステップA387)。
また、大当り乱数の値が下限判定値未満でない場合(ステップA382;N)は、高確率状態であるかを判定する(ステップA383)。
そして、高確率状態である場合(ステップA383;Y)は、高確率中の上限判定値を設定し(ステップA384)、対象の大当り乱数の値が上限判定値より大きいかを判定する(ステップA386)。また、高確率状態でない場合(ステップA383;N)は、低確率中の上限判定値を設定し(ステップA385)、対象の大当り乱数の値が上限判定値より大きいかを判定する(ステップA386)。
大当り乱数の値が上限判定値より大きい場合(ステップA386;Y)は、判定結果としてはずれを設定し(ステップA357)、大当り判定処理を終了する。具体的には、当該大当り判定処理が、大当りフラグ1設定処理における大当り判定処理(ステップA355)である場合には、大当り乱数の値が上限判定値より大きい場合(ステップA386;Y)は、小当り又ははずれであるので、判定結果として「大当り以外(小当り又ははずれ)」を設定する(ステップA387)。一方、当該大当り判定処理が、大当りフラグ2設定処理における大当り判定処理(ステップA374)である場合には、大当り乱数の値が上限判定値より大きい場合(ステップA386;Y)は、はずれであるので、判定結果として「大当り以外(はずれ)」を設定する(ステップA387)。
また、大当り乱数の値が上限判定値より大きくない場合(ステップA386;N)、すなわち大当りである場合は、判定結果として大当りを設定し(ステップA388)、大当り判定処理を終了する。
〔小当り判定処理〕
図35には、上述の特図保留情報判定処理及び大当りフラグ1設定処理における小当り判定処理(ステップA159、A358)を示した。この小当り判定処理では、まず、小当り下限判定値を設定し、対象の大当り乱数の値が小当り下限判定値未満かを判定する(ステップA391)。なお、大当り判定と同一の乱数(大当り乱数)を用いて小当り判定を行う。すなわち、小当りであるとは大当り乱数が小当り判定値と一致することである。小当り判定値は連続する複数の値であり、大当り乱数が、小当り判定値の下限の値である小当り下限判定値以上で、かつ、小当り判定値の上限の値である小当り上限判定値以下である場合に、小当りであると判定される。無論、大当り判定値の範囲と小当り判定値の範囲は被らないよう設定されている。
大当り乱数の値が小当り下限判定値未満である場合(ステップA391;Y)、すなわちはずれである場合は、判定結果としてはずれを設定し(ステップA393)、小当り判定処理を終了する。
また、大当り乱数の値が小当り下限判定値未満でない場合(ステップA391;N)は、小当り上限判定値を設定し、対象の大当り乱数の値が小当り上限判定値より大きいかを判定する(ステップA392)。
大当り乱数の値が小当り上限判定値より大きい場合(ステップA392;Y)、すなわちはずれである場合は、判定結果としてはずれを設定し(ステップA393)、小当り判定処理を終了する。
また、大当り乱数の値が小当り上限判定値より大きくない場合(ステップA392;N)、すなわち小当りである場合は、判定結果として小当りを設定し(ステップA394)、小当り判定処理を終了する。
〔特図1停止図柄設定処理〕
図36には、上述の特図1変動開始処理における特図1停止図柄設定処理(ステップA333)を示した。この特図1停止図柄設定処理では、まず、大当りフラグ1が大当りかを判定し(ステップA401)、大当りである場合(ステップA401;Y)は、特図1大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)から大当り図柄乱数をロードする(ステップA402)。次に、特図1大当り図柄テーブルを設定して(ステップA403)、ロードした大当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得し、特図1停止図柄番号領域にセーブする(ステップA404)。この処理により特別結果の種類が選択される。
その後、特図1大当り停止図柄情報テーブルを設定して(ステップA405)、停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得し、停止図柄パターン領域にセーブする(ステップA406)。停止図柄パターンとは、特図表示器(ここでは特図1表示器51)での停止図柄や表示装置41での停止図柄を設定するためのものである。次に、停止図柄番号に対応するラウンド数上限値情報を取得し、ラウンド数上限値情報領域にセーブして(ステップA407)、停止図柄番号に対応する時間短縮判定データを取得し、時間短縮判定データ領域にセーブして(ステップA408)、停止図柄パターン及び確率状態に対応する演出モード移行情報をセーブする(ステップA409)。これらの情報は、特別遊技状態の実行態様、及び特別遊技状態の終了後の演出モードを設定するためのものである。本実施形態の場合、当りを契機に演出モードが移行し、当り図柄の種類(大当り図柄の種類、又は小当り)に応じて当り終了後に移行する演出モードの移行先が変化する。また、特図1における大当りのうち特定の大当り図柄(例えば、4R確変図柄)となる場合は、遊技状態が確変中であるか否かに応じて、移行先の演出モードが確変確定となる専用の演出モードとなるのか、確変であるか否か区別が困難な演出モードに移行するかが決定される。そして、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備する(ステップA418)。
一方、大当りフラグ1が大当りでない場合(ステップA401;N)は、小当りフラグが小当りかを判定し(ステップA410)、小当りである場合(ステップA411;Y)は、特図1小当り図柄乱数格納領域(保留数1用)から小当り図柄乱数をロードする(ステップA411)。次に、特図1小当り図柄テーブルを設定し(ステップA412)、ロードした小当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得し、特図1停止図柄番号領域にセーブする(ステップA413)。
その後、停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得し、停止図柄パターン領域にセーブして(ステップA414)、停止図柄パターンに対応する演出モード移行情報をセーブする(ステップA415)。そして、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備する(ステップA418)。
また、小当りフラグが小当りでない場合(ステップA410;N)は、はずれ時の停止図柄番号を特図1停止図柄番号領域にセーブし(ステップA416)、はずれ停止図柄パターンを停止図柄パターン領域にセーブして(ステップA417)、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備する(ステップA418)。以上の処理により、特図変動表示ゲームの結果に対応した停止図柄が設定される。
その後、飾り特図コマンドを飾り特図コマンド領域にセーブし(ステップA419)、演出コマンド設定処理(ステップA420)を行う。この飾り特図コマンドは、後に演出制御装置300に送信される。そして、停止図柄番号に対応する図柄データを試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA421)、特図1大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)を0クリアし(ステップA422)、特図1小当り図柄乱数格納領域(保留数1用)を0クリアして(ステップA423)、特図1停止図柄設定処理を終了する。
〔特図2停止図柄設定処理〕
図37には、上述の特図2変動開始処理における特図2停止図柄設定処理(ステップA343)を示した。この特図2停止図柄設定処理では、まず、大当りフラグ2が大当りかを判定し(ステップA431)、大当りである場合(ステップA431;Y)は、特図2大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)から大当り図柄乱数をロードする(ステップA432)。次に、特図2大当り図柄テーブルを設定して(ステップA433)、ロードした大当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得し、特図2停止図柄番号領域にセーブする(ステップA434)。この処理により特別結果の種類が選択される。
その後、特図2大当り停止図柄情報テーブルを設定して(ステップA435)、停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得し、停止図柄パターン領域にセーブする(ステップA436)。停止図柄パターンとは、特図表示器(ここでは特図2表示器52)での停止図柄や表示装置41での停止図柄を設定するためのものである。次に、停止図柄番号に対応するラウンド数上限値情報を取得し、ラウンド数上限値情報領域にセーブして(ステップA437)、停止図柄番号に対応する時間短縮判定データを取得し、時間短縮判定データ領域にセーブして(ステップA438)、停止図柄パターン及び確率状態に対応する演出モード移行情報をセーブする(ステップA439)。これらの情報は、特別遊技状態の実行態様、及び特別遊技状態の終了後の演出モードを設定するためのものである。また、本実施形態の場合、特図2における大当りにおいては、何れの大当り図柄であっても移行先の演出モードが確変確定となる専用の演出モードとなる。そして、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備する(ステップA442)。
一方、大当りフラグ2が大当りでない場合(ステップA431;N)は、はずれ時の停止図柄番号を特図2停止図柄番号領域にセーブし(ステップA440)、はずれ停止図柄パターンを停止図柄パターン領域にセーブして(ステップA441)、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備する(ステップA442)。以上の処理により、特図変動表示ゲームの結果に対応した停止図柄が設定される。
その後、飾り特図コマンドを飾り特図コマンド領域にセーブし(ステップA443)、演出コマンド設定処理(ステップA444)を行う。この飾り特図コマンドは、後に演出制御装置300に送信される。そして、停止図柄番号に対応する図柄データを試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA445)、特図2大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)を0クリアして(ステップA446)、特図2停止図柄設定処理を終了する。
すなわち、遊技制御装置100が、第1始動入賞口(始動入賞口36)での遊技球の検出に基づいて(第1始動記憶に基づいて)変動表示ゲームとして第1変動表示ゲームを実行し、第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)での遊技球の検出に基づいて(第2始動記憶に基づいて)変動表示ゲームとして第2変動表示ゲームを実行するゲーム実行手段をなす。また、遊技制御装置100が、判定手段(遊技制御装置100)による判定結果に基づき変動表示ゲームの実行を制御するゲーム実行手段をなす。
〔特図情報設定処理〕
次に、上述の特図保留情報判定処理、特図1変動開始処理及び特図2変動開始処理における特図情報設定処理(ステップA166、A334、A344)の詳細について説明する。本実施形態の場合、確率状態(低/高確率、時短あり/なし)は変動の振り分けに影響せず、遊技制御装置100が管理している演出モードが変動の振り分けに影響する。演出モードは、確率状態、時短状態の有無、特図変動表示ゲームの進行状況などに応じて、複数の演出モードから一の演出モードが設定されるようになっている。
図38に示すように特図情報設定処理では、まず、前半変動グループ選択ポインタテーブルを設定して(ステップA451)、演出モード情報に対応する前半変動グループ選択ポインタを取得する(ステップA452)。
次いで、前半変動グループ選択オフセットテーブルを設定して(ステップA453)、対象の特図保留数と停止図柄パターンに対応するオフセットデータを取得する(ステップA454)。
次いで、前半変動グループ選択ポインタとオフセットデータを加算して(ステップA455)、加算して得た値を変動振分情報1領域にセーブする(ステップA456)。これにより変動振分情報1領域には、停止図柄の種類、保留数、及び演出モードに基づいて生成された変動振分情報1がセーブされる。この変動振分情報1は、前半変動(リーチ開始前までの変動態様)を振り分けるためのテーブルポインタであり、後に変動グループを選択するために用いられる。ただし、機種の仕様次第であるが、保留数が多い時に変動時間を短くするのははずれの場合のみであるため、はずれ以外の場合には、結果として保留数は前半変動の振り分けに影響しない。なお、変動グループとは複数の変動パターンが含まれたもので、変動パターンを決定する際には、まず変動グループを選択し、さらにこの変動グループの中から一の変動パターンを選択するようになっている。
次いで、後半変動グループ選択ポインタテーブルを設定して(ステップA457)、演出モード情報に対応する後半変動グループ選択ポインタを取得する(ステップA458)。
次いで、後半変動グループ選択オフセットテーブルを設定して(ステップA459)、対象の特図保留数と停止図柄パターンに対応するオフセットデータを取得する(ステップA460)。
次いで、後半変動グループ選択ポインタとオフセットデータを加算して(ステップA461)、加算して得た値を変動振分情報2領域にセーブして(ステップA462)、特図情報設定処理を終了する。これにより変動振分情報2領域には、停止図柄の種類、保留数、及び演出モードに基づいて生成された変動振分情報2がセーブされる。この変動振分情報2は、後半変動(リーチの種類(リーチなしも含む。))を振り分けるためのテーブルポインタであり、後に変動グループを選択するために用いられる。ただし、はずれの場合のみ保留数に応じてリーチの発生率が変化する(保留数が多い時にリーチの発生率が低くなる)ため、はずれ以外の場合には、結果として保留数は後半変動の振り分けに影響しない。
〔変動パターン設定処理〕
次に、上述の特図保留情報判定処理、特図1変動開始処理、及び特図2変動開始における変動パターン設定処理(ステップA167、A336、A346)の詳細について説明する。なお、変動パターンは、特図変動表示ゲームの開始からリーチ状態となるまでの変動態様である前半変動パターンと、リーチ状態となってから特図変動表示ゲームの終了までの変動態様である後半変動パターンとからなり、先に後半変動パターンを設定してから前半変動パターンを設定する。
図39に示すように変動パターン設定処理では、まず、変動グループ選択アドレステーブルを設定し(ステップA471)、変動振分情報2に対応する後半変動グループテーブルのアドレスを取得し、準備して(ステップA472)、対象の変動パターン乱数1格納領域(保留数1用)から変動パターン乱数1をロードし、準備する(ステップA473)。本実施形態において、後半変動グループテーブルの構造は、当り用とはずれ用とで構造が異なる。具体的には、当り用は1バイトサイズ、はずれ用は2バイトサイズとなっている。はずれの発生率よりも当りの発生率が低く、1バイトでも足りるため、データ容量の節約の観点から、当り用は1バイトサイズになっている。したがって、当り時は、2バイトの変動パターン乱数1の下位の値だけを使用している。また、当りの発生率よりもはずれの発生率は高く、より多様な演出を出現させたいため、はずれ用は2バイトサイズになっている。
そして、特図変動表示ゲームの結果がはずれであるかを判定し(ステップA474)、はずれである場合(ステップA474;Y)には、2バイト振り分け処理(ステップA475)を行って、ステップA477の処理に移行する。また、はずれでない場合(ステップA474;N)には、振り分け処理(ステップA476)を行って、ステップA477の処理に移行する。
そして、振り分けられた結果得られた後半変動選択テーブルのアドレスを取得し、準備して(ステップA477)、対象の変動パターン乱数2格納領域(保留数1用)から変動パターン乱数2をロードし、準備する(ステップA478)。そして、振り分け処理(ステップA479)を行い、振り分けられた結果得られた後半変動番号を取得し、後半変動番号領域にセーブする(ステップA480)。この処理により、後半変動パターンが設定されることとなる。
次に、前半変動グループテーブルを設定し(ステップA481)、変動振分情報1と後半変動番号を基にテーブル選択ポインタを算出する(ステップA482)。そして、算出したポインタに対応する前半変動選択テーブルのアドレスを取得し、準備して(ステップA483)、対象の変動パターン乱数3格納領域(保留数1用)から変動パターン乱数3をロードし、準備する(ステップA484)。その後、振り分け処理(ステップA485)を行い、振り分けられた結果得られた前半変動番号を取得し、前半変動番号領域にセーブして(ステップA486)、変動パターン設定処理を終了する。この処理により、前半変動パターンが設定され、特図変動表示ゲームの変動パターンが設定されることとなる。すなわち、遊技制御装置100が、ゲームの実行態様である変動パターンを複数のうちから設定する変動パターン設定手段をなす。
〔変動開始情報設定処理〕
次に、上述の特図1変動開始処理及び特図2変動開始処理における変動開始情報設定処理(ステップA337、A347)の詳細について説明する。図40に示すように変動開始情報設定処理では、まず、対象の変動パターン乱数1〜3の乱数格納領域をクリアする(ステップA491)。次に、前半変動時間値テーブルを設定し(ステップA492)、前半変動番号に対応する前半変動時間値を取得する(ステップA493)。さらに、後半変動時間値テーブルを設定し(ステップA494)、後半変動番号に対応する後半変動時間値を取得する(ステップA495)。
そして、前半変動時間値と後半変動時間値を加算し(ステップA496)、加算値を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA497)。その後、前半変動番号に対応する変動コマンド(MODE)を準備し(ステップA498)、後半変動番号に対応する変動コマンド(ACTION)を準備して(ステップA499)、演出コマンド設定処理を行う(ステップA500)。次に、変動図柄判別フラグに対応する特図保留数を−1更新して(ステップA501)、変動図柄判別フラグに対応する乱数格納領域のアドレスを設定する(ステップA502)。次いで、乱数格納領域をシフトし(ステップA503)、シフト後の空き領域をクリアして(ステップA504)、変動開始情報設定処理を終了する。
以上の処理により、特図変動表示ゲームの開始に関する情報が設定される。すなわち、遊技制御装置100が、始動記憶手段(遊技制御装置100)に記憶された各種の乱数値の判定を行う判定手段をなす。また、遊技制御装置100が、始動記憶の判定情報に基づいて、変動表示ゲームで実行する識別情報の変動パターンを決定することが可能な変動パターン決定手段をなす。
そして、これらの特図変動表示ゲームの開始に関する情報は後に演出制御装置300に送信され、演出制御装置300では、特図変動表示ゲームの開始に関する情報の受信に基づき、決定された変動パターンに応じて飾り特図変動表示ゲームでの詳細な演出内容を設定する。これらの特図変動表示ゲームの開始に関する情報としては、始動記憶数(保留数)に関する情報を含む飾り特図保留数コマンド、停止図柄に関する情報を含む飾り特図コマンド、特図変動表示ゲームの変動パターンに関する情報を含む変動コマンド、停止時間の延長に関する情報を含む停止情報コマンドが挙げられ、この順でコマンドが演出制御装置300に送信される。特に、飾り特図コマンドを変動コマンドよりも先に送信することで、演出制御装置300での処理を効率よく進めることができる。
〔特図変動中処理移行設定処理(特図1)〕
図41には、特図普段処理における特図変動中処理移行設定処理(特図1)(ステップA310)を示した。この特図変動中処理移行設定処理(特図1)では、まず、処理番号として「1」を設定し(ステップA511)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップA512)。
そして、客待ちデモフラグ領域をクリアし(ステップA513)、特図1の変動開始に関する信号(例えば、特別図柄1変動中信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA514)。その後、特図1変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブし(ステップA515)、特図1点滅制御タイマ領域に点滅制御タイマ(特図1表示器51の点滅の周期のタイマ)の初期値(ここでは52ms)を設定して(ステップA516)、特図変動中処理移行設定処理(特図1)を終了する。
〔特図変動中処理移行設定処理(特図2)〕
図42には、特図普段処理における特図変動中処理移行設定処理(特図2)(ステップA305)を示した。この特図変動中処理移行設定処理(特図2)では、まず、処理番号として「1」を設定し(ステップA521)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップA522)。
そして、客待ちデモフラグ領域をクリアし(ステップA523)、特図2の変動開始に関する信号(例えば、特別図柄2変動中信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA524)。その後、特図2変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブし(ステップA525)、特図2点滅制御タイマ領域に点滅制御タイマ(特図2表示器52の点滅の周期のタイマ)の初期値(ここでは104ms)を設定して(ステップA526)、特図変動中処理移行設定処理(特図2)を終了する。
〔特図変動中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図変動中処理(ステップA9)の詳細について説明する。図43に示すように、特図変動中処理では、まず、停止図柄パターンに対応する表示時間を設定して(ステップA601)、設定した表示時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA602)。本実施形態の場合、停止図柄パターンがはずれ図柄パターンである場合には表示時間として600m秒を設定し、停止図柄パターンが大当り図柄パターンである場合には表示時間として600m秒を設定し、停止図柄パターンが小当り図柄パターンである場合には表示時間として600m秒を設定する。
次いで、特図表示中処理移行設定処理(ステップA603)を行って、特図表示中処理を終了する。すなわち、遊技制御装置100が、変動表示ゲームの停止結果態様を表示する停止時間を設定する停止時間設定手段をなす。
〔特図表示中処理移行設定処理〕
図44には、上述の特図変動中処理での特図表示中処理移行設定処理(ステップA603)を示した。この特図表示中処理移行設定処理では、まず、特図表示中処理に係る処理番号「2」を設定し(ステップA611)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップA612)。
次に、特図1の変動終了に関する信号(例えば、特別図柄1変動中信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA613)、特図2の変動終了に関する信号(例えば、特別図柄2変動中信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブして(ステップA614)、外部情報端子に出力用の特図変動表示ゲームの実行回数に係る図柄確定回数信号制御タイマ領域に制御タイマ初期値(例えば256m秒)をセーブする(ステップA615)。その後、特図1表示器51における特図1変動表示ゲームの制御用の情報として、特図1表示器51での変動停止に係る停止フラグを特図1変動制御フラグ領域にセーブし(ステップA616)、特図2表示器52における特図2変動表示ゲームの制御用の情報として、特図2表示器52での変動停止に係る停止フラグを特図2変動制御フラグ領域にセーブして(ステップA617)、特図変動中処理移行設定処理を終了する。
〔特図表示中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図表示中処理(ステップA10)の詳細について説明する。図45及び図46に示すように、特図表示中処理では、まず、特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理にて設定された小当りフラグをロードして(ステップA701)、RWMの小当りフラグ領域をクリアする処理(ステップA702)を行う。
次いで、特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理にて設定された大当りフラグ1と、特図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理にて設定された大当りフラグ2と、をロードして(ステップA703)、RWMの大当りフラグ1領域及び大当りフラグ2領域をクリアする処理(ステップA704)を行う。そして、ロードされた大当りフラグ2が大当りかを判定して(ステップA705)、大当りである(ステップA705;Y)と判定すると、第2特図変動表示ゲームの大当り(特図2大当り)の開始に関する試験信号(例えば、条件装置作動中信号をON、役物連続作動装置作動中信号をオン、特別図柄2当り信号をON)をRWMの試験信号出力データ領域にセーブして(ステップA708)、ラウンド数上限値テーブルを設定する(ステップA709)。
一方、ステップA705にて、大当りフラグ2のチェックの結果、大当りでない(ステップA705;N)と判定すると、ロードされた大当りフラグ1が大当りかを判定して(ステップA706)、大当りである(ステップA706;Y)と判定すると、第1特図変動表示ゲームの大当り(特図1大当り)の開始に関する試験信号(例えば、条件装置作動中信号をON、役物連続作動装置作動中信号をオン、特別図柄1当り信号をON)をRWMの試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA707)、ラウンド数上限値テーブルを設定する処理(ステップA709)を行う。
ラウンド数上限値テーブルを設定する処理(ステップA709)を行った後、ラウンド数上限値情報に対応するラウンド数上限値(本実施形態の場合、「16」又は「4」)を取得し、RWMのラウンド数上限値領域にセーブする(ステップA710)。続けて、ラウンド数上限値情報に対応するラウンドLEDポインタを取得し、RWMのラウンドLEDポインタ領域にセーブする(ステップA711)。
次に、停止図柄パターンに対応した飾り特図コマンドをRWMの飾り特図コマンド領域からロードし、準備して(ステップA712)、演出コマンド設定処理(ステップA713)を行う。その後、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報に係る確率情報コマンドを準備して(ステップA714)、演出コマンド設定処理(ステップA715)を行う。続けて、特図1又は特図2停止図柄設定処理にて設定された図柄情報(停止図柄番号又は停止図柄パターン)に対応するファンファーレコマンドを準備して(ステップA716)、演出コマンド設定処理(ステップA717)を行う。
次に、大入賞口開放情報と、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率の状態に対応する信号をRWMの外部情報出力データ領域にセーブする(ステップA718)。本実施形態の場合、ステップA718において、大入賞口開放情報と確率の状態に対応する信号として、大当り2信号と大当り3信号をセーブする。なお、それぞれのON/OFFは大入賞口開放情報と確率の状態とで決まる。例えば、大当り2信号は、出玉のある大当り(大入賞口開放情報が大入賞口開放情報1以外)である場合にはON、出玉のない大当り(所謂、突確大当りなど。大入賞口開放情報が大入賞口開放情報1)である場合には、時短状態中での大当り時であればON、それ以外ではOFFとなる。また、大当り3信号は、出玉のある大当りである場合にはON、出玉のない大当りである場合にはOFFとなる。
その後、大入賞口開放情報と、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率の状態に対応する大当りファンファーレ時間(例えば5000m秒、4700m秒、7700m秒又は300m秒)を設定して(ステップA719)、設定した大当りファンファーレ時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA720)。そして、特図ゲームモードフラグをロードし、ロードしたフラグを特図ゲームモードフラグ退避領域にセーブする(ステップA721)。これにより特別結果が発生した際における特図の確率状態、時短状態の情報が記憶される。そして、後に記憶した情報に基づき特別遊技状態の終了後の演出モードが決定される。
そして、大入賞口開放情報に対応する大入賞口(特別変動入賞装置38)の大入賞口不正入賞数領域をクリアし(ステップA722)、大入賞口開放情報に対応する大入賞口の大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブする(ステップA723)。その後、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1(ステップA724)を行い、特図表示中処理を終了する。すなわち、遊技制御装置100が、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームの何れかで結果が特別結果となることに基づき、特別変動入賞装置38を開状態に変換する特別遊技状態を発生する特別遊技状態発生手段をなす。
一方、ステップA706にて、大当りフラグ1が大当りでない場合(ステップA706;N)は、ロードした小当りフラグが小当りかを判定する(ステップA725)。
ステップA725にて、小当りフラグが小当りであると判定した場合(ステップA725;Y)には、高確率変動回数更新処理(ステップA726)、演出モードの設定に関する演出モード情報チェック処理(ステップA727)を行って、特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態であるかを判定する(ステップA728)。
ステップA728にて、特図の高確率中でないと判定した場合(ステップA728;N)には、飾り特図コマンド領域から飾り特図コマンドをロードし、準備して(ステップA729)、演出コマンド設定処理(ステップA730)を行う。次いで、小当りファンファーレコマンドを準備し(ステップA731)、演出コマンド設定処理(ステップA732)を行って、ステップA733の処理に移行する。
また、ステップA728にて、特図の高確率中であると判定した場合(ステップA728;Y)には、ステップA733の処理に移行する。このように、本実施形態の遊技機10においては、特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態である場合には、小当りの発生で大入賞口は開くが、小当りの発生を遊技者に意識させないようにするために、表示装置41に表示される画面を変化させないようになっている。
そして、特図ゲームモードフラグをロードし、ロードしたフラグを特図ゲームモードフラグ退避領域にセーブする(ステップA733)。その後、小当りファンファーレ中処理移行設定処理1(ステップA734)を行い、特図表示中処理を終了する。
一方、ステップA725にて、小当りフラグが小当りでないと判定した場合(ステップA725;N)には、高確率変動回数更新処理(ステップA735)、演出モードの設定に関する演出モード情報チェック処理(ステップA736)を行い、演出モード番号に対応する切替準備残り回転数を設定して(ステップA737)、演出残り回転数と切替準備残り回転数とが一致するかを判定する(ステップA738)。なお、切替準備残り回転数は、複数の演出モードのうちの全ての演出モードにおいて異なる値(回転数)であってもよいし、複数の演出モードのうちの何れかの演出モードにおいて同一の値(回転数)であってもよいし、複数の演出モードのうちの全ての演出モードにおいて同一の値(回転数)であってもよい。
ステップA738にて、演出残り回転数と切替準備残り回転数とが一致しないと判定した場合(ステップA738;N)には、特図普段処理移行設定処理1(ステップA741)を行い、特図表示中処理を終了する。
一方、ステップA738にて、演出残り回転数と切替準備残り回転数とが一致すると判定した場合(ステップA738;Y)には、演出モード切替準備コマンドを準備して(ステップA739)、演出コマンド設定処理(ステップA740)を行った後に、特図普段処理移行設定処理1(ステップA741)を行い、特図表示中処理を終了する。演出モード切替準備コマンドは、演出モードが切り替わる数回転前から先読み演出を行わないようにするためのコマンドであり、演出モード切替準備コマンドを演出制御装置300に送信することによって、モードをまたいで演出に矛盾等が生じないようにすることができる。
〔高確率変動回数更新処理〕
次に、上述の特図表示中処理における高確率変動回数更新処理(ステップA726、A735)の詳細について説明する。図47に示すように、高確率変動回数更新処理では、まず、特図高確率中(高確率状態中)であるかを判定する(ステップA751)。特図高確率中でない場合(ステップA751;N)は、高確率変動回数更新処理を終了する。また、特図高確率中である場合(ステップA751;Y)は、高確率変動回数を−1更新して(ステップA752)、高確率変動回数が「0」となったかを判定する(ステップA753)。
高確率変動回数が「0」でない場合(ステップA753;N)には、高確率変動回数更新処理を終了する。また、高確率変動回数が「0」となった場合(ステップA753;Y)には、高確率報知フラグ領域をクリアして(ステップA754)、高確率終了に関する信号(例えば、大当り2信号をOFF)を外部情報出力データ領域にセーブする。
次いで、高確率状態と時短状態の終了に関する信号(例えば、特別図柄1高確率状態信号をOFF、特別図柄2高確率状態信号をOFF、特別図柄1変動時間短縮状態信号をOFF、特別図柄2変動時間短縮状態信号をOFF、普通図柄1高確率状態信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブする。なお、「高確率&時短あり」の状態と「高確率&時短なし」の状態とがあり、特図高確率中でも、普図は確率状態しか変化しないので、普通図柄1変動時間短縮状態信号及び普通電動役物1開放延長状態信号は常時OFFされている。
次いで、遊技状態表示番号領域に時短なしの番号をセーブし(ステップA757)、普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率フラグをセーブして(ステップA758)、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率&時短なしフラグをセーブする(ステップA759)。
次いで、左打ち指示に関する信号(例えば、発射位置指定信号1をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA760)、右打ち中の表示LED(例えば、第1遊技状態表示部57)を消灯させるため、遊技状態表示番号2領域に左打ち状態中の番号をセーブして(ステップA761)、高確率変動回数更新処理を終了する。
〔演出モード情報チェック処理〕
次に、上述の特図表示中処理における演出モード情報チェック処理(ステップA727、A736)の詳細について説明する。図48に示すように、演出モード情報チェック処理では、まず、次モード移行情報が更新なしコードであるかを判定する(ステップA771)。次モード移行情報が更新なしコードである場合(ステップA771;Y)は、演出モード情報チェック処理を終了する。この場合は、実行した特図変動表示ゲームの回数に応じた演出モードの変更が行われない場合であって、例えば高確率状態において次回の大当りまで継続する演出モードが選択されている場合である。
また、次モード移行情報が更新なしコードでない場合(ステップA771;N)は、演出モードの変更までの特図変動表示ゲームの実行可能回数である演出残り回転数を−1更新し(ステップA772)、演出残り回転数が「0」となったかを判定する(ステップA773)。演出残り回転数が「0」となっていない場合(ステップA773;N)には、演出モード情報チェック処理を終了する。また、演出残り回転数が「0」となった場合(ステップA773;Y)、すなわち次の特図変動表示ゲームから演出モードを変更する場合は、演出モード情報アドレステーブルを設定し(ステップA774)、次モード移行情報に対応するテーブルのアドレスを取得する(ステップA775)。
そして、移行する演出モードの演出モード番号を取得し、RWM内の演出モード番号領域にセーブして(ステップA776)、移行する演出モードの演出残り回転数を取得し、RWM内の演出残り回転数領域にセーブして(ステップA677)、移行する演出モードの次モード移行情報を取得し、RWM内の次モード移行情報領域にセーブする(ステップA678)。その後、新たに設定された演出モード番号に対応する確率情報コマンドを準備し(ステップA779)、準備した確率情報コマンドが停電復旧時送信コマンド領域の値と一致するかを判定する(ステップA780)。準備した確率情報コマンドが停電復旧時送信コマンド領域の値と一致する場合(ステップA780;Y)、すなわち確率の状態が変化していない場合には、演出モード情報チェック処理を終了する。
また、準備した確率情報コマンドが停電復旧時送信コマンド領域の値と一致しない場合(ステップA780;N)には、準備した確率情報コマンドを停電復旧時送信コマンド領域にセーブして(ステップA782)、演出コマンド設定処理(ステップA782)を行う。
次いで、新しく設定された演出残り回転数に対応する演出回転数コマンドを準備して(ステップA783)、演出コマンド設定処理(ステップA784)を行う。
次いで、高確率変動回数に対応する高確率変動回数コマンドを準備して(ステップA785)、演出コマンド設定処理(ステップA786)を行う。
次いで、新たな演出モードは左打ちするモードであるかを判定し(ステップA787)、左打ちするモードでない場合(ステップA787;N)には、演出モード情報チェック処理を終了する。また、左打ちするモードである場合(ステップA787;Y)には、左打ち指示報知コマンドを準備し(ステップA788)、演出コマンド設定処理(ステップA789)を行って、演出モード情報チェック処理を終了する。これにより、演出モードの切替の規定回転数前から切替を予告する演出を行うことが可能となる。このように遊技制御装置100で演出モードを管理するようにしたことで、例えば特定の演出モードでのみ特定のリーチを発生させる等の制御が可能となり、遊技の興趣を向上することができる。
〔ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1〕
次に、上述の特図表示中処理におけるファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1(ステップA724)の詳細について説明する。図49に示すように、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1では、まず、ファンファーレ/インターバル中処理に係る処理番号である「3」を設定し(ステップA791)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップA792)。
次に、大当り(特別遊技状態)の開始に関する信号(例えば、大当り1信号をON(大当り+小当りで出力)、大当り4信号をON(大当りで出力))を外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA793)、高確率状態と時短状態の終了に関する信号(例えば、特別図柄1高確率状態信号をOFF、特別図柄2高確率状態信号をOFF、特別図柄1変動時間短縮状態信号をOFF、特別図柄2変動時間短縮状態信号をOFF、普通図柄1高確率状態信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA794)。なお、特図高確率中でも、普図は確率状態しか変化しないので、普通図柄1変動時間短縮状態信号及び普通電動役物1開放延長状態信号は常時OFFされている。その後、特別遊技状態で実行したラウンド数を管理するためのラウンド数領域をクリアし(ステップA795)、遊技状態表示番号領域に時短なしの番号をセーブして(ステップA796)、普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率フラグをセーブする(ステップA797)。
そして、変動図柄判別フラグ領域をクリアし(ステップA798)、高確率状態の表示に係る遊技盤30に設けた遊技状態表示LED(第3遊技状態表示部)を消灯させるために高確率報知フラグ領域をクリアして(ステップA799)、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率&時短なしフラグをセーブする(ステップA800)。次に、停電復旧時に演出制御装置300に出力されるコマンドをセーブする停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(低確率)をセーブし(ステップA801)、高確率状態で実行可能な特図変動表示ゲームの回数を管理するための高確率変動回数領域をクリアする(ステップA802)。これにより高確率状態及び時短状態が終了し、通常確率状態かつ通常状態となる。
その後、演出モード番号領域に演出モード1の番号をセーブし(ステップA803)、演出残り回転数領域をクリアして(ステップA804)、次モード移行情報領域に更新なしコードをセーブする(ステップA805)。そして、右打ち指示に関する信号(例えば、発射位置指定信号1をON)を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA806)、右打ち中の表示LED(例えば、第1遊技状態表示部57)を点灯させるため、遊技状態表示番号2領域に右打ち状態中の番号をセーブして(ステップA807)、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1を終了する。これにより、特別遊技状態の発生に伴い演出モードの情報が一旦クリアされることとなる。
〔小当りファンファーレ中処理移行設定処理1〕
次に、上述の特図表示中処理における小当りファンファーレ中処理移行設定処理1(ステップA734)の詳細について説明する。
図50に示すように、小当りファンファーレ中処理移行設定処理1では、まず、処理番号として小当りファンファーレ中処理にかかる「7」を設定して(ステップA811)、当該処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA812)。
次いで、小当りファンファーレ時間(例えば0.3秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA813)、小当り遊技の開始に関する信号(例えば、大当り1信号をON(大当り+小当りで出力))を外部情報出力データ領域にセーブして(ステップA814)、小当り遊技の開始に関する信号(例えば、特別図柄1小当り信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA815)。
次いで、大入賞口不正入賞数領域をクリアして(ステップA816)、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブする(ステップA817)。
次いで、右打ち指示に関する信号(発射位置指定信号1をON)を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA818)、右打ち中の表示LED(例えば、第1遊技状態表示部57)を点灯させるため、遊技状態表示番号2領域に右打ち状態中の番号をセーブして(ステップA819)、小当りファンファーレ中処理移行設定処理1を終了する。
〔ファンファーレ/インターバル中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理におけるファンファーレ/インターバル中処理(ステップA11)の詳細について説明する。図51に示すように、ファンファーレ/インターバル中処理では、まず、特別遊技状態のラウンド数を+1更新し(ステップA901)、特別遊技状態のラウンド数に対応するラウンドコマンドを準備して(ステップA902)、演出コマンド設定処理(ステップA903)を行う。
その後、大入賞口動作判定テーブルを設定し(ステップA904)、大入賞口開放情報に対応する開放切替判定値を取得して(ステップA905)、特別遊技状態のラウンド数が、取得した開放切替判定値よりも大きいかを判定する(ステップA906)。
ラウンド数が開放切替判定値よりも大きい場合(ステップA906;Y)は、短開放用の大入賞口開放時間(例えば0.2秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA907)、大入賞口開放中処理移行設定処理(ステップA909)を行って、ファンファーレ/インターバル中処理を終了する。
また、ラウンド数が開放切替判定値よりも大きくない場合(ステップA906;N)は、長開放用の大入賞口開放時間(例えば29秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA908)、大入賞口開放中処理移行設定処理(ステップA909)を行って、ファンファーレ/インターバル中処理を終了する。
ここで、本実施形態においては、大当りパターンとして、(1)4R、大入賞口開放情報1(全て短開放)、(2)16R、大入賞口開放情報2(全て長開放)、(3)16R、大入賞口開放情報3(1〜4Rは長開放、5〜16Rは短開放)、(4)4R、大入賞口開放情報4(全て長開放)、(5)16R、大入賞口開放情報5(全て長開放)、(6)16R、大入賞口開放情報6(1〜8Rは長開放、9〜16Rは短開放)、(7)16R、大入賞口開放情報7(1〜4Rは長開放、5〜16Rは短開放)が設定されている。
したがって、大入賞口動作判定テーブルには、大入賞口開放情報1データと開放切替判定値「0」とが、大入賞口開放情報2データと開放切替判定値「16」とが、大入賞口開放情報3データと開放切替判定値「4」とが、大入賞口開放情報4データと開放切替判定値「4」とが、大入賞口開放情報5データと開放切替判定値「16」とが、大入賞口開放情報6データと開放切替判定値「8」とが、大入賞口開放情報7データと開放切替判定値「4」とが対応付けて記憶されている。そして、ラウンド数が開放切替判定値以下である間は長開放、ラウンド数が開放切替判定値を上回ると短開放となる開放動作を行うようになっている。
〔大入賞口開放中処理移行設定処理〕
図52には、上述のファンファーレ/インターバル中処理における大入賞口開放中処理移行設定処理(ステップA909)を示した。この大入賞口開放中処理移行設定処理においては、まず、処理番号を大入賞口開放中処理にかかる「4」に設定し(ステップA911)、処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA912)。その後、大入賞口の開放開始に関する信号(例えば、特別電動役物1作動中信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブして(ステップA913)、大入賞口への入賞数を記憶する大入賞口カウント数領域の情報をクリアする(ステップA914)。そして、大入賞口ソレノイド出力データ領域にオンデータをセーブして(ステップA915)、大入賞口開放中処理移行設定処理を終了する。
〔大入賞口開放中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における大入賞口開放中処理(ステップA12)の詳細について説明する。図53に示すように、大入賞口開放中処理では、まず、実行中の特別遊技状態における現在のラウンド数とRWMのラウンド数上限値領域のラウンド数上限値とを比較して現在のラウンドが最終ラウンドであるかを判定する(ステップA1001)。そして、最終ラウンドでない場合(ステップA1001;N)は、大入賞口動作判定テーブルを設定し(ステップA1002)、大入賞口開放情報に対応する開放切替判定値を取得して(ステップA1003)、特別遊技状態のラウンド数が、取得した開放切替判定値よりも大きいかを判定する(ステップA1004)。
ラウンド数が開放切替判定値よりも大きい場合(ステップA1004;Y)には、短閉鎖用の残存球処理時間(例えば1.4秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA1005)、ラウンド間のインターバルに係るインターバルコマンドを準備して(ステップA1007)、演出コマンド設定処理(ステップA1010)を行い、大入賞口残存球処理移行設定処理(ステップA1011)を行って、大入賞口開放中処理を終了する。
また、ラウンド数が開放切替判定値よりも大きくない場合(ステップA1004;N)には、長閉鎖用の残存球処理時間(例えば1.9秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA1006)、インターバルコマンドを準備して(ステップA1007)、演出コマンド設定処理(ステップA1010)を行い、大入賞口残存球処理移行設定処理(ステップA1011)を行って、大入賞口開放中処理を終了する。
一方、最終ラウンドである場合(ステップA1001;Y)は、最終用の残存球処理時間(例えば1.9秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA1008)、特別遊技状態の終了の際におけるエンディング表示画面の表示制御等に係るエンディングコマンドを準備して(ステップA1009)、演出コマンド設定処理(ステップA1010)を行い、大入賞口残存球処理移行設定処理(ステップA1011)を行って、大入賞口開放中処理を終了する。
〔大入賞口残存球処理移行設定処理〕
図54には上述の大入賞口開放中処理における大入賞口残存球処理移行設定処理(ステップA1011)を示した。この大入賞口残存球処理移行設定処理においては、まず、処理番号を大入賞口残存球処理にかかる「5」に設定して(ステップA1021)、処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA1022)。そして、特別変動入賞装置38の開閉扉38cを閉鎖するために、大入賞口ソレノイド38bをオフさせるためのオフデータを大入賞口ソレノイド出力データ領域にセーブして(ステップA1023)、大入賞口残存球処理移行設定処理を終了する。
〔大入賞口残存球処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における大入賞口残存球処理(ステップA13)の詳細について説明する。図55に示すように、大入賞口残存球処理では、まず、実行中の特別遊技状態における現在のラウンド数とRWMのラウンド数上限値領域のラウンド数上限値とを比較して現在のラウンドが最終ラウンドであるかを判定する(ステップA1101)。
そして、特別遊技状態における現在のラウンドが最終ラウンドでない場合(ステップA1101;N)は、大入賞口動作判定テーブルを設定し(ステップA1102)、大入賞口開放情報に対応する開放切替判定値を取得して(ステップA1103)、通常用のインターバル時間(例えば0.1秒)を設定する(ステップA1104)。
次いで、特別遊技状態のラウンド数が、取得した開放切替判定値よりも大きいかを判定し(ステップA1105)、ラウンド数が開放切替判定値よりも大きい場合(ステップA1105;Y)には、ステップA1109の処理に移行する。また、ラウンド数が開放切替判定値よりも大きくない場合(ステップA1105;N)には、大入賞口開放情報はランクダウン演出系の値であるかを判定する(ステップA1106)。
ここで、ランクダウン演出とは、大当りラウンドが継続するか否かを報知するラウンド継続報知演出を実行し、該ラウンド継続報知演出において大当りラウンドが継続されないことを報知する演出が該当する。具体的には、大当りパターンとして、「16R、大入賞口開放情報2(全て長開放)」と「16R、大入賞口開放情報3(1〜4Rは長開放、5〜16Rは短開放)」との何れかが選択された場合に、大当りラウンドの1R〜3Rまで表示装置41の表示画面に所定の大当りラウンド演出を表示し、4R目でラウンド継続報知演出を実行する。選択された大当りパターンが「16R、大入賞口開放情報2(全て長開放)」であれば、ラウンド継続報知演出においてラウンド継続が報知され、5R目以降のラウンドにおいても大入賞口が長開放で開放され、選択された大当りパターンが「16R、大入賞口開放情報3(1〜4Rは長開放、5〜16Rは短開放)」であれば、ラウンド継続報知演出においてラウンド非継続が報知され、5R目以降のラウンドにおいて大入賞口が短開放で開放されることとなる。
大入賞口開放情報がランクダウン演出系の値でない場合(ステップA1106;N)は、ステップA1109の処理に移行する。また、大入賞口開放情報がランクダウン演出系の値である場合(ステップA1106;Y)は、ラウンド数が特殊演出ラウンドの値(例えば、4R)であるかを判定する(ステップA1107)。
ラウンド数が特殊演出ラウンドの値でない場合(ステップA1107;N)は、ステップA1109の処理に移行する。また、ラウンド数が特殊演出ラウンドの値である場合(ステップA1107;Y)、例えばラウンド数が4Rである場合は、ランクダウン演出用のインターバル時間(例えば3.6秒)を設定して(ステップA1108)、ステップA1109の処理に移行する。なお、特殊ラウンド数は1種類に限らず、例えば4Rと8Rというように複数種類設けても良い。
そして、ステップA1104又はA1108にて設定したインターバル時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA1109)、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理2(ステップA1110)を行って、大入賞口残存球処理を終了する。
一方、特別遊技状態における現在のラウンドが最終ラウンドである場合(ステップA1101;Y)は、特別結果が導出された際の演出モードを記憶する特図ゲームモードフラグ退避領域からフラグをロードし(ステップA1111)、ロードしたフラグと大入賞口開放情報と停止図柄パターンとに対応するエンディング時間を設定して(ステップA1112)、設定したエンディング時間(例えば1.9秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA1113)。その後、大当り終了処理移行設定処理(ステップA1114)を行って、大入賞口残存球処理を終了する。
〔ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理2〕
図56には、上述の大入賞口残存球処理におけるファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理2(ステップA1110)を示した。このファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理2では、まず、ファンファーレ/インターバル中処理に係る処理番号である「3」を設定し(ステップA1121)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップA1122)。
次に、大入賞口(特別変動入賞装置38)の開放終了に関する信号(例えば、特別電動役物1作動中信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブして(ステップA1123)、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理2を終了する。
〔大当り終了処理移行設定処理〕
図57には、上述の大入賞口残存球処理における大当り終了処理移行設定処理(ステップA1114)を示した。この大当り終了処理移行設定処理においては、まず、大当り終了処理に係る処理番号として「6」を設定し(ステップA1131)、処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA1132)。その後、大入賞口(特別変動入賞装置38)の開放終了に関する信号(例えば、特別電動役物1作動中信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA1133)。
次に、大入賞口への入賞数を記憶する大入賞口カウント数領域の情報をクリアし(ステップA1134)、特別遊技状態のラウンド数を記憶するラウンド数領域の情報をクリアして(ステップA1135)、特別遊技状態のラウンド数の上限値を記憶するラウンド数上限値領域の情報をクリアする(ステップA1136)。そして、ラウンド数の上限値判定用のフラグを記憶するラウンド数上限値情報領域の情報をクリアし(ステップA1137)、大入賞口の開放情報判定用のフラグを記憶する大入賞口開放情報領域の情報をクリアして(ステップA1138)、大当り終了処理移行設定処理を終了する。
〔大当り終了処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における大当り終了処理(ステップA14)の詳細について説明する。図58に示すように、この大当り終了処理では、まず、時間短縮判定データが、時短作動データかを判定する(ステップA1201)。
時短作動データでない場合(ステップA1201;N)は、大当り終了設定処理1を行い(ステップA902)、時短作動データである場合(ステップA1201;Y)は、大当り終了設定処理2を行う(ステップA903)。そして、演出モード情報アドレステーブルを設定して(ステップA1204)、変動開始時(停止図柄設定時)に設定された演出モード移行情報に対応するテーブルのアドレスを取得する(ステップA1205)。
次に、遊技制御装置100での演出モードの管理に必要な情報をセーブする処理として、まず、特別遊技状態の終了後に設定される演出モードの演出モード番号を取得し、演出モード番号領域にセーブする(ステップA1206)。さらに、特別遊技状態の終了後に設定される演出モードの演出残り回転数を取得し、演出残り回転数領域にセーブして(ステップA1207)、特別遊技状態の終了後に設定される演出モードの次モード移行情報を取得し、次モード移行情報領域にセーブする(ステップA1208)。
その後、演出モード番号に対応する確率情報コマンドを準備し(ステップA1209)、コマンドを停電復旧時送信コマンド領域にセーブして(ステップA1210)、演出コマンド設定処理(ステップA1211)を行う。ここで、確率情報コマンドとして、「高確率・時短あり」、「高確率・時短なし」の何れかに、更に演出モードの情報が含まれた複数のコマンドがある。本実施形態の場合、大当りが終了すると必ず確変状態になる(所謂ST状態)ので、確率情報コマンドとして、「高確率・時短あり・演出モードA」、「高確率・時短あり・演出モードB」、「高確率・時短あり・演出モードC」、「高確率・時短なし・演出モードA」があり、この処理では使われないが、他に「低確率・時短なし・演出モードA」、「低確率・時短なし・演出モードB」、「低確率・時短なし・演出モードC」がある。
次いで、演出残り回転数に対応する演出回転数コマンドを準備して(ステップA1212)、演出コマンド設定処理(ステップA1213)を行う。
次いで、高確率変動回数に対応する高確率変動回数コマンドを準備し(ステップA1214)、演出コマンド設定処理(ステップA1215)を行って、大当り終了後に時短状態が発生するかを判定する(ステップA1216)。
大当り終了後に時短状態が発生する場合(ステップA1216;Y)は、特図普段処理移行設定処理2を行い(ステップA1219)、大当り終了処理を終了する。
また、大当り終了後に時短状態が発生しない場合(ステップA1216;N)は、左打ち指示報知コマンドを準備し(ステップA1217)、演出コマンド設定処理(ステップA1218)を行った後に、特図普段処理移行設定処理2を行い(ステップA1219)、大当り終了処理を終了する。
〔大当り終了設定処理1〕
図59には、上述の大当り終了処理における大当り終了設定処理1(ステップA1202)を示した。この大当り終了設定処理1では、まず、時短状態なしに関する信号(例えば、大当り2信号をOFF)を外部情報出力データ領域にセーブして(ステップA1221)、高確率状態と時短状態なしの開始に関する信号(例えば、特別図柄1高確率状態信号をON、特別図柄2高確率状態信号をON、特別図柄1変動時間短縮状態信号をOFF、特別図柄2変動時間短縮状態信号をOFF、普通図柄1高確率状態信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA1222)。
次に、遊技状態表示番号領域に時短状態なしの番号をセーブし(ステップA1223)、普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率フラグをセーブして(ステップA1224)、特図ゲームモードフラグ領域に特図高確率&時短なしフラグをセーブする(ステップA1225)。その後、高確率変動回数領域に初期値(例えば100回)をセーブし(ステップA1226)、左打ち指示に関する信号(例えば、発射位置指定信号1をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA1227)、右打ち中の表示LED(第1遊技状態表示部57)を消灯させるため、遊技状態表示番号2領域に左打ち状態中の番号をセーブして(ステップA1228)、大当り終了設定処理1を終了する。
〔大当り終了設定処理2〕
図60には、上述の大当り終了処理における大当り終了設定処理2(ステップA1203)を示した。この大当り終了設定処理2では、まず、時短状態の開始に関する信号(例えば、大当り2信号をON)を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップA1231)。時短状態の開始に関する信号は、大当り中から出力されているので継続する形で、外部情報出力データ領域にセーブされる。次いで、高確率状態と時短状態の開始に関する信号(例えば、特別図柄1高確率状態信号をON、特別図柄2高確率状態信号をON、特別図柄1変動時間短縮状態信号をON、特別図柄2変動時間短縮状態信号をON、普通図柄1高確率状態信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA1232)。
次に、遊技状態表示番号領域に時短状態ありの番号をセーブし(ステップA1233)、普図ゲームモードフラグ領域に普図高確率フラグをセーブして(ステップA1234)、特図ゲームモードフラグ領域に特図高確率&時短ありフラグをセーブする(ステップA1235)。その後、高確率変動回数領域に初期値(例えば100回)をセーブして(ステップA1256)、大当り終了設定処理2を終了する。なお、本実施形態の場合、時短状態中は右打ちモードであるが、大当り中から右打ちモードが設定されているので、大当り終了設定処理2では右打ちに関する設定を行わない。
すなわち、遊技制御装置100が、特別遊技状態の終了後に、予め定められた所定期間に亘って特定遊技状態(時短状態)を発生可能な特定遊技状態発生手段をなす。そして、特定遊技状態においては、当該特定遊技状態でない場合よりも普通変動入賞装置37への入賞が容易となるように普通変動入賞装置37の動作を制御するとともに、当該特定遊技状態でない場合よりも第1特図変動表示ゲーム、第2特図変動表示ゲーム及び普図変動表示ゲームの変動時間を短縮するように構成されていることとなる。
〔特図普段処理移行設定処理2〕
図61には上記した大当り終了処理における特図普段処理移行設定処理2(ステップA1219)を示した。この特図普段処理移行設定処理2においては、まず、特図普段処理に係る処理番号として「0」を設定し(ステップA1241)、処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA1242)。
その後、大当りの終了に関する信号(例えば、大当り1信号をOFF、大当り3信号をOFF、大当り4信号をOFF)を外部情報出力データ領域にセーブして(ステップA1243)、大当りの終了に関する信号(例えば、条件装置作動中信号をOFF、役物連続作動装置作動中信号をOFF、特別図柄1当り信号をOFF、特別図柄2当り信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA1244)。続いて、時間短縮判定フラグ領域の情報をクリアし(ステップA1245)、大当りのラウンド回数を示すラウンドLEDのポインタ領域の情報をクリアして(ステップA1246)、演出モード移行情報領域の情報をクリアする(ステップA1247)。そして、特図ゲームモードフラグ退避領域の情報をクリアし(ステップA1248)、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(ステップA1249)、特図普段処理移行設定処理2を終了する。
〔小当りファンファーレ中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における小当りファンファーレ中処理(ステップA15)の詳細について説明する。図62(a)に示すように、小当りファンファーレ中処理では、小当り中処理移行設定処理(ステップA1301)を行う。
〔小当り中処理移行設定処理〕
次に、上述の小当りファンファーレ中処理における小当り中処理移行設定処理(ステップA1301)の詳細について説明する。図62(b)に示すように、小当り中処理移行設定処理では、まず、処理番号として小当り中処理にかかる「8」を設定して(ステップA1311)、当該処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA1312)。
次いで、小当り遊技における大入賞口の開放時間(例えば0.2秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブして(ステップA1313)、小当り動作の開始に関する信号(例えば、特別電動役物1作動中信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA1314)。
次いで、特別変動入賞装置38の開閉扉38cを開放するために、大入賞口ソレノイド38bをオンさせるためのオンデータを大入賞口ソレノイド出力データ領域にセーブする(ステップA1315)。
次いで、大入賞口への入賞数を記憶する大入賞口カウント数領域の情報をクリアし(ステップA1316)、小当り中制御ポインタ領域に小当り動作初期値(例えば「0」)をセーブして(ステップA1317)、小当り中処理移行設定処理を終了する。
〔小当り中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における小当り中処理(ステップA16)の詳細について説明する。図63に示すように、小当り中処理では、まず、小当り中制御ポインタの値をロードして(ステップA1401)、ロードした値が小当り動作終了値(例えば「6」)以上であるかを判定する(ステップA1402)。
ロードした値が小当り動作終了値以上でない場合(ステップA1402;N)には、小当り中制御ポインタを+1更新し(ステップA1403)、小当り動作移行設定処理(ステップA1404)を行って、小当り中処理を終了する。
一方、ロードした値が小当り動作終了値以上である場合(ステップA1402;Y)には、特図ゲームモードフラグ退避領域からフラグをロードし(ステップA1405)、ロードしたフラグが特図高確率中に関するフラグであるかを判定する(ステップA1406)。これにより、特図高確率中での小当りかを判定する。なお、ここでは、時短状態中であるか否かは問わない。
ロードしたフラグが特図高確率中に関するフラグである場合(ステップA1406;Y)には、小当り残存球処理移行設定処理(ステップA1409)を行い、小当り中処理を終了する。また、ロードしたフラグが特図高確率中に関するフラグでない場(ステップA1406;N)には、小当り終了画面のコマンドを準備し(ステップA1407)、演出コマンド設定処理(ステップA1408)を行って、小当り残存球処理移行設定処理(ステップA1409)を行い、小当り中処理を終了する。
〔小当り動作移行設定処理〕
次に、上述の小当り中処理における小当り動作移行設定処理(ステップA1404)の詳細について説明する。図64に示すように、小当り動作移行設定処理では、制御ポインタ(小当り中制御ポインタ)に応じて分岐処理(ステップA1411)を行う。
ステップA1411にて、制御ポインタが「0」,「2」,「4」の場合は、制御ポインタに対応するウェイト時間(例えば1500m秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA1412)、大入賞口ソレノイド出力データ領域にオフデータをセーブして(ステップA1413)、小当り動作移行設定処理を終了する。
また、ステップA1411にて、制御ポインタが「1」,「3」,「5」の場合は、制御ポインタに対応する大入賞口開放時間(例えば200m秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA1414)、大入賞口ソレノイド出力データ領域にオンデータをセーブして(ステップA1415)、小当り動作移行設定処理を終了する。
ここで、本実施形態の場合、300m秒の小当りファンファーレ時間の後に、200m秒の開放と1500m秒の閉鎖とを交互に行い、開放の終了時及び閉鎖の終了時に小当り中制御ポインタが順次更新される。
具体的には、1回目の200m秒開放の終了時(すなわち、1回目の200m秒開放から1回目の1500m秒閉鎖への切り替わり時)に小当り中制御ポインタが「0」に更新され、1回目の1500m秒閉鎖の終了時(すなわち、1回目の1500m秒閉鎖から2回目の200m秒開放への切り替わり時)に小当り中制御ポインタが「1」に更新され、2回目の200m秒開放の終了時に小当り中制御ポインタが「2」に更新され、2回目の1500m秒閉鎖の終了時に小当り中制御ポインタが「3」に更新され、3回目の200m秒開放の終了時に小当り中制御ポインタが「4」に更新され、3回目の1500m秒閉鎖の終了時に小当り中制御ポインタが「5」に更新される。そして、4回目の200m秒開放の終了時に小当り中制御ポインタが「6」に更新され、1900m秒の小当り残存球時間と、その後の100m秒の小当りエンディング時間との経過後に、小当り状態が終了する。したがって、4回目の200m秒開放の後に、2000m秒間閉鎖されるので、見た目のエンディング時間は2000m秒となる。
〔小当り残存球処理移行設定処理〕
次に、上述の小当り中処理における小当り残存球処理移行設定処理(ステップA1409)の詳細について説明する。図65に示すように、小当り残存球処理移行設定処理では、まず、処理番号として小当り残存球処理にかかる「9」を設定して(ステップA1421)、当該処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA1422)。
次いで、小当り残存球処理時間(例えば1.9秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA1423)、大入賞口ソレノイド出力データ領域にオフデータをセーブして(ステップA1424)、小当り残存球処理移行設定処理を終了する。
〔小当り残存球処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における小当り残存球処理(ステップA17)の詳細について説明する。図66(a)に示すように、小当り残存球処理では、小当り終了処理移行設定処理(ステップA1501)を行う。
〔小当り終了処理移行設定処理〕
次に、上述の小当り残存球処理における小当り終了処理移行設定処理(ステップA1501)の詳細について説明する。図66(b)に示すように、小当り終了処理移行設定処理では、まず、処理番号として小当り終了処理にかかる「10」を設定して(ステップA1511)、当該処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA1512)。
次いで、小当りエンディング時間(例えば0.1秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブして(ステップA1513)、小当り動作の終了に関する信号(例えば、特別電動役物1作動中信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA1514)。
次いで、大入賞口カウント数領域の情報をクリアし(ステップA1515)、小当り中制御ポインタ領域の情報をクリア(例えば0クリア)して(ステップA1516)、小当り終了処理移行設定処理を終了する。
〔小当り終了処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における小当り終了処理(ステップA18)の詳細について説明する。図67に示すように、小当り終了処理では、まず、特図ゲームモードフラグ退避領域からフラグをロードし(ステップA1601)、ロードしたフラグが特図高確率中に関するフラグであるかを判定する(ステップA1602)。
ロードしたフラグが特図高確率中に関するフラグでない場合(ステップA1602;N)は、演出モード情報アドレステーブルを設定して(ステップA1603)、変動開始時(停止図柄設定時)に設定された演出モード移行情報に対応するテーブルのアドレスを取得する(ステップA1604)。
そして、移行する演出モードの演出モード番号を取得し、RWM内の演出モード番号領域にセーブして(ステップA776)、移行する演出モードの演出残り回転数を取得し、RAM内の演出残り回転数領域にセーブして(ステップA1606)、移行する演出モードの次モード移行情報を取得し、RWM内の次モード移行情報領域にセーブする(ステップA1607)。その後、演出モード番号に対応する確率情報コマンドを準備し(ステップA1608)、準備した確率情報コマンドが停電復旧時送信コマンド領域の値と一致するかを判定する(ステップA1609)。準備した確率情報コマンドが停電復旧時送信コマンド領域の値と一致する場合(ステップA1609;Y)は、ステップA1619の処理に移行する。
また、準備した確率情報コマンドが停電復旧時送信コマンド領域の値と一致しない場合(ステップA1609;N)には、準備した確率情報コマンドを停電復旧時送信コマンド領域にセーブして(ステップA1610)、演出コマンド設定処理(ステップA1611)を行う。
次いで、演出残り回転数に対応する演出回転数コマンドを準備して(ステップA1612)、演出コマンド設定処理(ステップA1613)を行う。
次いで、高確率変動回数に対応する高確率変動回数コマンドを準備して(ステップA1614)、演出コマンド設定処理(ステップA1615)を行う。
次いで、新たな演出モードは左打ちするモードであるかを判定し(ステップA1616)、左打ちするモードでない場合(ステップA1616;N)には、ステップA1619の処理に移行する。また、左打ちするモードである場合(ステップA1616;Y)には、左打ち指示報知コマンドを準備して(ステップA1617)、演出コマンド設定処理(ステップA1618)を行った後に、ステップA1619の処理に移行する。
そして、特図ゲームモードフラグ退避領域からフラグをロードし(ステップA1619)、ロードしたフラグが特図時短中(時短状態中)に関するフラグであるかを判定する(ステップA1620)。
ロードしたフラグが特図時短中に関するフラグである場合(ステップA1620;Y)には、特図普段処理移行設定処理3(ステップA1623)を行って、小当り終了処理を終了する。
また、ロードしたフラグが特図時短中に関するフラグでない場合(ステップA1620;N)には、左打ち指示に関する信号(例えば、発射位置指定信号1をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA1621)、右打ち中の表示LED(例えば、第1遊技状態表示部57)を消灯させるため、遊技状態表示番号2領域に左打ち状態中の番号をセーブして(ステップA1622)、特図普段処理移行設定処理3(ステップA1623)を行い、小当り終了処理を終了する。
〔特図普段処理移行設定処理3〕
次に、上述の小当り終了処理における特図普段処理移行設定処理3(ステップA1623)の詳細について説明する。図68に示すように、特図普段処理移行設定処理では、まず、処理番号として特図普段処理にかかる「0」を設定して(ステップA1631)、当該処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA1632)。
次いで、小当りの終了に関する信号(例えば、大当り1信号をOFF)を外部情報出力データ領域にセーブして(ステップA1633)、小当りの終了に関する信号(例えば、特別図柄1小当り信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA1634)。
次いで、変動図柄判別フラグ領域の情報をクリアし(ステップA1635)、演出モード移行情報領域の情報をクリアして(ステップA1636)、特図ゲームモードフラグ退避領域の情報をクリアする(ステップA1637)。
次いで、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(ステップA1638)、特図普段処理移行設定処理3を終了する。
〔演出コマンド設定処理〕
次に、タイマ割込み処理中に実行される各処理における演出コマンド設定処理の詳細について説明する。図69に示すように、演出コマンド設定処理では、まず、演出用シリアル送信バッファのステータスを読み込み(ステップA2001)、演出用シリアル送信バッファは満杯であるかを判定する(ステップA2002)。
演出用シリアル送信バッファが満杯である場合(ステップA2002;Y)は、演出用シリアル送信バッファのステータスを読み込む処理(ステップA2001)に戻る。
また、演出用シリアル送信バッファが満杯でない場合(ステップA2002;N)は、コマンドデータ(MODE)を演出用シリアル送信バッファに書き込む(ステップA2003)。
次いで、演出用シリアル送信バッファのステータスを読み込み(ステップA2004)、演出用シリアル送信バッファは満杯であるかを判定する(ステップA2005)。
演出用シリアル送信バッファが満杯である場合(ステップA2005;Y)は、演出用シリアル送信バッファのステータスを読み込む処理(ステップA2004)に戻る。
また、演出用シリアル送信バッファが満杯でない場合(ステップA2005;N)は、コマンドデータ(ACTION)を演出用シリアル送信バッファに書き込んで(ステップA2006)、演出コマンド設定処理を終了する。
なお、演出コマンド設定処理のことを、単に「コマンド設定処理」と称することもある。
〔図柄変動制御処理〕
図70に、前述の特図ゲーム処理における図柄変動制御処理(ステップA20,A22)、後述の普図ゲーム処理における図柄変動制御処理(ステップB15)を示した。図柄変動制御処理は、特別図柄(第1特図、第2特図等)や普通図柄(普図)の変動の制御と特別図柄や普通図柄の表示データの設定を行う処理である。
この図柄変動制御処理では、まず、制御対象の図柄(例えば、第1特図、第2特図、及び普図の何れか)にかかる変動制御フラグが変動中であるかチェックする(ステップA2101)。本実施形態の場合、ステップA19、ステップA21、ステップB14にて準備した変動制御テーブル上に、変動制御フラグ領域の下位アドレス、点滅制御タイマの初期値、変動図柄番号上限判定値、表示テーブル2(停止用)のアドレス、表示テーブル1(変動用)のアドレスが定義されている。
制御対象の図柄にかかる変動中フラグが変動中である場合(ステップA2102;Y)は、制御対象の図柄に対応する図柄表示テーブル(変動用)を取得する(ステップA2103)。本実施形態の場合、ステップA19、ステップA21、ステップB14にて準備した変動制御テーブル上に、図柄表示テーブル(変動用)のアドレスが定義されている。
次いで、制御対象の点滅制御タイマを−1更新し(ステップA2104)、更新後の点滅制御タイマが「0」であるかを判定して(ステップA2105)、更新後の点滅制御タイマが「0」でない場合(ステップA2105;N)は、制御対象の変動図柄番号領域の値に対応する表示データを取得する(ステップA2108)。そして、取得した表示データを対象のセグメント領域にセーブして(ステップA2111)、図柄変動制御処理を終了する。
また、更新後の点滅制御タイマが「0」である場合(ステップA2105;Y)は、対象の点滅タイマ領域に対応する点滅制御タイマ初期値をセーブし(ステップA2106)、制御対象の変動図柄番号を対応する範囲で+1更新して(ステップA2107)、制御対象の変動図柄番号領域の値に対応する表示データを取得する(ステップA2108)。そして、取得した表示データを対象のセグメント領域にセーブして(ステップA2111)、図柄変動制御処理を終了する。
一方、制御対象の図柄にかかる変動中フラグが変動中でない場合(ステップA2102;N)は、制御対象の図柄に対応する図柄表示テーブル(停止用)を取得する(ステップA2109)。本実施形態の場合、ステップA19、ステップA21、ステップB14にて準備した変動制御テーブル上に、図柄表示テーブル(停止用)のアドレスが定義されている。
次いで、制御対象の停止図柄番号領域の値に対応する表示データを取得し(ステップA2110)、取得した表示データを対象のセグメント領域にセーブして(ステップA2111)、図柄変動制御処理を終了する。
ステップA2106でセーブする点滅制御タイマ初期値は、処理対象のゲームに応じて準備されている変動制御テーブルにおいて定義された値がセーブされる。ここでは、第1特図(第1特図変動表示ゲーム)の変動制御テーブルにおいて点滅制御タイマ初期値として52msに相当する値が定義されており、第2特図(第2特図変動表示ゲーム)の変動制御テーブルにおいて点滅制御タイマ初期値として104msに相当する値が定義されており、普図(普図変動表示ゲーム)の変動制御テーブルにおいて点滅制御タイマ初期値として52msに相当する値が定義されている。この点滅制御タイマ初期値は、一括表示装置50において変動時間中に点灯パターンを更新する間隔である。
また、ステップA2107における対応する範囲は、処理対象のゲームに応じて準備されている変動制御テーブルにおいて定義された変動図柄番号上限判定値により規定される。ステップA2107において変動図柄番号を+1更新することで変動図柄番号上限値に達した場合は変動図柄番号を0にするようにされており、変動図柄番号は0〜(変動図柄番号上限判定値−1)の範囲で順次更新される。ステップA2108、A2111ではこの変動図柄番号に応じた表示データ(点灯パターン)を取得して表示する設定を行うようになっており、変動図柄番号上限判定値に等しい回数の点灯パターンの更新(変更)が行われることで一巡する表示が繰り返し行われることとなる。
ここでは、第1特図(第1特図変動表示ゲーム)の変動制御テーブルにおいて変動図柄番号上限判定値として8が定義されており、変動図柄番号を0〜7の範囲で更新可能である。よって、第1特図変動表示ゲームの変動表示中に繰り返し表示する特図1変動中表示は8回の点灯パターンの更新で一巡することとなる。また、第2特図(第2特図変動表示ゲーム)の変動制御テーブルにおいて変動図柄番号上限判定値として2が定義されており、変動図柄番号を0と1で交互に更新可能である。よって、第2特図変動表示ゲームの変動表示中に繰り返し表示する特図2変動中表示は2回の点灯パターンの更新で一巡することとなる。また、普図(普図変動表示ゲーム)の変動制御テーブルにおいて変動図柄番号上限判定値として4が定義されており、変動図柄番号を0〜3の範囲で更新可能である。よって、普図変動表示ゲームの変動表示中に繰り返し表示する普図変動中表示は4回の点灯パターンの更新で一巡することとなる。
このように処理対象のゲームに応じて準備されている変動制御テーブルにおいて点滅制御タイマ初期値と変動図柄番号上限値を定義することで、一括表示装置50において点灯パターンを更新させる間隔や表示が一巡する更新回数をゲームごとに設定することができる。
〔振り分け処理〕
図71には、上述の変動パターン設定処理における振り分け処理(ステップA476、A479、A485)を示した。振り分け処理は、変動パターン乱数1に基づいて、後半変動グループテーブルから特図変動表示ゲームの後半変動選択テーブルを選択したり、変動パターン乱数2に基づいて、後半変動選択テーブルから特図変動表示ゲームの後半変動パターン(後半変動番号)を選択したり、変動パターン乱数3に基づいて、前半変動選択テーブルから特図変動表示ゲームの前半変動パターン(前半変動番号)を選択したりするための処理である。
この振り分け処理では、まず、対象の選択テーブル(ステップA472にて準備した後半変動グループテーブル、ステップA477にて準備した後半変動選択テーブル、又はステップA483にて準備した前半変動選択テーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコード(すなわち「0」)であるかをチェックする(ステップA2201)。ここで、後半変動グループテーブル、後半変動選択テーブル、及び前半変動選択テーブルは、少なくとも一の後半変動選択テーブルや後半変動パターン(後半変動番号)や前半変動パターン(前半変動番号)と対応付けて所定の振り分け値を記憶しているが、振り分けの必要がない選択テーブルの場合、振り分け値「0」、すなわち、振り分けなしのコードが先頭に規定されている。
そして、対象の選択テーブル(後半変動グループテーブルや後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコードである場合(ステップA2202;Y)は、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(ステップA2207)、振り分け処理を終了する。
一方、対象の選択テーブル(後半変動グループテーブルや後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコードでない場合(ステップA2202;N)は、対象の選択テーブル(後半変動グループテーブルや後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブル)に最初に規定されている一の振り分け値を取得する(ステップA2203)。
続けて、ステップA473やA478やA484にて準備した乱数値(変動パターン乱数1や変動パターン乱数2や変動パターン乱数3の値)からステップA2203にて取得した振り分け値を減算して新たな乱数値を算出し(ステップA2204)、当該算出した新たな乱数値が「0」よりも小さいかを判定する(ステップA2205)。そして、新たな乱数値が「0」よりも小さくない場合(ステップA2205;N)は、次の振り分け値のアドレスに更新した後(ステップA2206)、ステップA2203の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
すなわち、対象の選択テーブル(後半変動グループテーブルや後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブル)に次に規定されている振り分け値を取得し(ステップA2203)、その後、前回のステップA2205にて判定済みの乱数値から振り分け値を減算することで新たな乱数値を算出して(ステップA2204)、算出した新たな乱数値が「0」よりも小さいか否かを判定する(ステップA2205)。
上記の処理をステップA2205にて新たな乱数値が「0」よりも小さいと判定(ステップA2205;Y)するまで実行する。これにより、対象の選択テーブル(後半変動グループテーブルや後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブル)に規定されている少なくとも一の後半変動選択テーブルや後半変動パターン(後半変動番号)や前半変動パターン(前半変動番号)の中から何れか一の後半変動選択テーブルや後半変動パターン(後半変動番号)や前半変動パターン(前半変動番号)が選択される。
そして、ステップA2205にて、新たな乱数値が「0」よりも小さいと判定すると(ステップA2205;Y)、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(ステップA2207)、振り分け処理を終了する。
〔2バイト振り分け処理〕
図72には、上述の変動パターン設定処理における2バイト振り分け処理(ステップA475)を示した。2バイト振り分け処理は、変動パターン乱数1に基づいて後半変動グループテーブルから特図変動表示ゲームの後半変動選択テーブルを選択するための処理である。
この2バイト振り分け処理では、まず、選択テーブル(ステップA472にて準備した後半変動グループテーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコード(すなわち「0」)であるかをチェックする(ステップA2301)。ここで、後半変動グループテーブルは、少なくとも一の後半変動選択テーブルと対応付けて所定の振り分け値を記憶しているが、後半変動パターンが「リーチなし」となる後半変動選択テーブルのみを規定する後半変動グループテーブル(例えば、結果がはずれの場合の一部の変動グループテーブル)にあっては、振り分けの必要がないため、振り分け値「0」、すなわち、振り分けなしのコードが先頭に規定されている。
そして、選択テーブル(後半変動グループテーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコードである場合(ステップA2302;Y)は、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(ステップA2307)、2バイト振り分け処理を終了する。
一方、選択テーブル(後半変動グループテーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコードでない場合(ステップA2302;N)は、選択テーブル(後半変動グループテーブル)に最初に規定されている一の振り分け値を取得する(ステップA2303)。
続けて、ステップA473にて準備した乱数値(変動パターン乱数1の値)からステップA2303にて取得した振り分け値を減算して新たな乱数値を算出し(ステップA2304)、当該算出した新たな乱数値が「0」よりも小さいかを判定する(ステップA2305)。そして、新たな乱数値が「0」よりも小さくない場合(ステップA2305;N)は、次の振り分け値のアドレスに更新した後(ステップA2306)、ステップA2303の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
すなわち、選択テーブル(後半変動グループテーブル)に次に規定されている振り分け値を取得し(ステップA2303)、その後、前回のステップA2305にて判定済みの乱数値から振り分け値を減算することで新たな乱数値を算出して(ステップA2304)、算出した新たな乱数値が「0」よりも小さいか否かを判定する(ステップA2305)。
上記の処理をステップA2305にて新たな乱数値が「0」よりも小さいと判定(ステップA2305;Y)するまで実行する。これにより、選択テーブル(後半変動グループテーブル)に規定されている少なくとも一の後半変動選択テーブルの中から何れか一の後半変動選択テーブルが選択される。
そして、ステップA2305にて、新たな乱数値が「0」よりも小さいと判定すると(ステップA2305;Y)、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(ステップA2307)、2バイト振り分け処理を終了する。
図71に示す振り分け処理の構成と、図72に示す2バイト振り分け処理の構成とは、基本的に同じであるが、振り分けに使用する乱数のサイズが1バイトであるか、2バイトであるかという点で異なるため、計算するためのプログラム命令が異なっている。
〔普図ゲーム処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における普図ゲーム処理(ステップS110)の詳細について説明する。普図ゲーム処理では、ゲートスイッチ34aの入力の監視と、普図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、普図の表示の設定等を行う。
図73に示すように、普図ゲーム処理では、まず、ゲートスイッチ34aからの入力を監視するゲートスイッチ監視処理(ステップB1)を行い、始動口2スイッチ37aからの入力を監視する普電入賞スイッチ監視処理(ステップB2)を行う。次に、普図ゲーム処理タイマが「0」でなければ−1更新する(ステップB3)。なお、普図ゲーム処理タイマの最小値は「0」に設定されている。そして、普図ゲーム処理タイマの値が「0」となったかを判定する(ステップB4)。
普図ゲーム処理タイマの値が「0」である(ステップB4;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていたと判定すると、普図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する普図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する処理(ステップB5)を行って、当該テーブルを用いて普図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する処理(ステップB6)を行う。そして、普図ゲーム処理番号に応じてサブルーチンコールを行う(ステップB7)。
ステップB7にて、普図ゲーム処理番号が「0」の場合は、普図変動表示ゲームの変動開始を監視し、普図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、普図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図普段処理(ステップB8)を行う。
また、ステップB7にて、普図ゲーム処理番号が「1」の場合は、普図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図変動中処理(ステップB9)を行う。
また、ステップB7にて、普図ゲーム処理番号が「2」の場合は、普図変動表示ゲームの結果が当りであれば、時短状態中であるか否かに応じた普電開放時間の設定や、普図当り中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図表示中処理(ステップB10)を行う。
また、ステップB7にて、普図ゲーム処理番号が「3」の場合は、普図当り中処理の継続、或いは普電残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図当り中処理(ステップB11)を行う。
また、ステップB7にて、普図ゲーム処理番号が「4」の場合は、普図当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う普電残存球処理(ステップB12)を行う。
また、ステップB7にて、普図ゲーム処理番号が「5」の場合は、普図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図当り終了処理(ステップB13)を行う。
その後、普図表示器による普通図柄の変動を制御するための普図変動制御テーブルを準備した後(ステップB14)、普図表示器による普通図柄の変動の制御に係る図柄変動制御処理(ステップB15)を行って、普図ゲーム処理を終了する。
一方、ステップB4にて、普図ゲーム処理タイマの値が「0」でない(ステップB4;N)、すなわちタイムアップしていないと判定すると、ステップB14の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
〔ゲートスイッチ監視処理〕
次に、上述の普図ゲーム処理におけるゲートスイッチ監視処理(ステップB1)の詳細について説明する。図74に示すように、ゲートスイッチ監視処理では、まず、ゲートスイッチ34aに入力があるかを判定する(ステップB101)。そして、ゲートスイッチ34aに入力がある場合(ステップB101;Y)は、右打ちする遊技状態(例えば、大当り中、小当り中、特図時短中(普電サポート中))であるかを判定する(ステップB102)。
右打ちする遊技状態である場合(ステップB102;Y)は、普図保留数を取得して当該普図保留数が上限値(例えば「4」)未満であるかを判定する(ステップB105)。また、右打ちする遊技状態でない場合(ステップB102;N)は、左打ち指示コマンドを準備し(ステップB103)、演出コマンド設定処理(ステップB104)を行った後に、普図保留数を取得して当該普図保留数が上限値未満(例えば「4」)であるかを判定する(ステップB105)。
普図保留数が上限値未満である場合(ステップB105;Y)は、普図保留数を+1更新し(ステップB106)、更新後の普図保留数に対応する当り乱数格納領域のアドレスを算出する(ステップB107)。そして、当り乱数を抽出し、RWMの当り乱数格納領域にセーブして(ステップB108)、当り図柄乱数を抽出し、RWMの当り図柄乱数格納領域にセーブして(ステップB109)、ゲートスイッチ監視処理を終了する。
また、ステップB101にてゲートスイッチ34aに入力がないと判定した場合(ステップB101;N)や、ステップB105にて普図保留数が上限値未満でないと判定した場合(ステップB105;N)は、ゲートスイッチ監視処理を終了する。すなわち、遊技制御装置100(RAM111C)は、普図始動ゲート34での遊技球の検出に基づき、所定の乱数を抽出し普図変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶として所定数を上限に記憶する始動記憶手段をなす。
〔普電入賞スイッチ監視処理〕
次に、上述の普図ゲーム処理における普電入賞スイッチ監視処理(ステップB2)の詳細について説明する。図75に示すように、普電入賞スイッチ監視処理では、まず、普図当り中か、すなわち普図変動表示ゲームが当り状態となって普通変動入賞装置37が所定回数の開放動作を実行中であるかを判定する(ステップB201)。そして、普図当り中である場合(ステップB201;Y)は、始動口2スイッチ37aに入力があるかを判定し(ステップB202)、始動口2スイッチ37aに入力がある(ステップB202;Y)と判定すると、普電カウンタのカウント数を+1更新する(ステップB203)。
次に、更新後の普電カウンタのカウント数が上限値(例えば「6」)以上であるかを判定して(ステップB204)、カウント数が上限値以上である(ステップB204;Y)と判定すると、普図当り中制御ポインタ領域に当り動作終了の値(例えば「4」)セーブし(ステップB205)、普図ゲーム処理タイマを0クリアして(ステップB206)、普電入賞スイッチ監視処理を終了する。すなわち、普図の当り状態中に上限値以上の普電入賞があった場合は、その時点で普図の当り状態が途中で終了するようにする。
また、ステップB201にて普図当り中でないと判定した場合(ステップB201;N)、ステップB202にて始動口2スイッチ37aに入力がないと判定した場合(ステップB202;N)、又はステップB204にて普電カウント数が上限値以上でないと判定した場合(ステップB204;N)は、普電入賞スイッチ監視処理を終了する。
〔普図普段処理〕
次に、上述の普図ゲーム処理における普図普段処理(ステップB8)の詳細について説明する。図76に示すように、普図普段処理では、まず、普図保留数が「0」であるかを判定し(ステップB301)、普図保留数が「0」である場合(ステップB201;Y)は、普図普段処理移行設定処理1(ステップB321)を行い、普図普段処理を終了する。また、普図保留数が「0」でない場合(ステップB301;N)は、RWMの当り乱数格納領域(保留数1用)、当り図柄乱数格納領域(保留数1用)から乱数をロードし(ステップB302)、当り乱数格納領域(保留数1用)、当り図柄乱数格納領域(保留数1用)を0クリアして(ステップB303)、普図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が通常確率(すなわち、普図低確率)よりも高くされた普図高確率中であるか、すなわち時短状態中であるかを判定する(ステップB304)。
普図高確率中でない場合(ステップB304;N)は、普図低確率時の下限判定値(低確率下限判定値)を設定し(ステップB305)、普図高確率中である場合(ステップB304;Y)は、普図高確率時の下限判定値(高確率下限判定値)を設定する(ステップB306)。
その後、当り乱数の値が上限判定値以上であるかを判定し(ステップB307)、当り乱数の値が上限判定値以上でない場合(ステップB307;N)、当り乱数の値がステップB305又はB306にて設定した下限判定値未満であるかを判定する(ステップB308)。
当り乱数の値が上限判定値以上である場合(ステップB307;Y)や、当り乱数の値がステップB305又はB306にて設定した下限判定値未満である場合(ステップB308;Y)は、当りフラグ領域にはずれ情報をセーブし(ステップB309)、はずれ停止図柄番号を設定し(ステップB310)、はずれ図柄情報を普図停止図柄情報領域にセーブして(ステップB311)、停止図柄番号を普図停止図柄領域にセーブする(ステップB315)。
一方、当り乱数の値がステップB305又はB306にて設定した下限判定値未満でない場合(ステップB308;N)は、当りフラグ領域に当り情報をセーブし(ステップB312)、ステップB302にてロードした当り図柄乱数に対応する当り停止図柄番号を設定し(ステップB313)、停止図柄番号に対応する停止図柄情報を普図停止図柄情報領域にセーブして(ステップB314)、停止図柄番号を普図停止図柄領域にセーブする(ステップB315)。
本実施形態の場合、普図低確率時における当りの確率は0/251、普図高確率時における当りの確率は250/251であり、上限判定値は「251」、低確率下限判定値は「251」、高確率下限判定値は「1」である。
したがって、普図低確率時は、当り乱数の値が「0」〜「250」全ての場合ではずれとなる。
また、普図高確率時は、当り乱数の値が「1」〜「250」の何れかである場合が当り、当り乱数の値が「0」である場合がはずれとなる。
停止図柄番号を普図停止図柄領域にセーブ(ステップ315)した後、停止図柄番号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップB316)。
その後、当り乱数格納領域をシフトし(ステップB317)、シフト後の空き領域を0クリアして(ステップB318)、普図保留数を−1更新する(ステップB319)。すなわち、最も古い普図保留数1に関する普図変動表示ゲームが実行されることに伴い、普図保留数1以降に保留となっている普図保留数2〜4の順位を1つずつ繰り上げる処理を行う。この処理により、普図当り乱数格納領域の普図保留数2用から普図保留数4用の値が、普図当り乱数格納領域の普図保留数1用から普図保留数3用に移動することとなる。そして、普図当り乱数格納領域の普図保留数4用の値がクリアされて、普図保留数が1デクリメントされる。
そして、普図変動中処理移行設定処理(ステップB320)を行って、普図普段処理を終了する。すなわち、遊技制御装置100が、普図始動ゲート34(流入領域)での遊技球の検出に基づいて(普図始動記憶に基づいて)変動表示ゲームとして普図変動表示ゲームを実行するゲーム実行手段をなす。
〔普図普段処理移行設定処理1〕
図77には、前述の普図普段処理での普図普段処理移行設定処理1(ステップB321)、後述の普図表示中処理での普図普段処理移行設定処理1(ステップB508)を示した。この普図普段処理移行設定処理1では、まず、普図普段処理に移行するための処理番号として「0」を設定し(ステップB331)、処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップB332)。その後、普電不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(ステップB333)、普図普段処理移行設定処理1を終了する。
〔普図変動中処理移行設定処理〕
図78には、上述の普図普段処理での普図変動中処理移行設定処理(ステップB320)を示した。この普図変動中処理移行設定処理では、まず、普図変動中処理に移行するための処理番号として「1」を設定し(ステップB341)、処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップB342)。
その後、普図変動時間(例えば500m秒。本実施形態の場合、普図低確率状態と普図高確率状態とで普図変動時間は共通となっている。)を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップB343)、普図変動表示ゲームの開始に関する信号(例えば、普通図柄1変動中信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブして(ステップB344)、普図変動表示ゲームが変動中であることを示す変動中フラグを普図変動制御フラグ領域にセーブする(ステップB345)。
そして、普図表示器の点滅周期のタイマの初期値である点滅制御タイマ初期値(ここでは52ms)を普図点滅制御タイマ領域にセーブして(ステップB346)、普図変動中処理移行設定処理を終了する。
〔普図変動中処理〕
次に、上述の普図ゲーム処理における普図変動中処理(ステップB9)の詳細について説明する。図79(a)に示すように、普図変動中処理では、普図表示中処理移行設定処理(ステップB401)を行う。
〔普図表示中処理移行設定処理〕
次に、上述の普図変動中処理における普図表示中処理移行設定処理(ステップB401)の詳細について説明する。図79(b)に示すように、普図表示中処理移行設定処理では、まず、普図表示中処理に移行するための設定処理として処理番号を「2」に設定し(ステップB411)、処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップB412)。その後、普図表示器における普図変動表示ゲームの結果の表示時間である普図表示時間(例えば600m秒)を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップB413)、普図の変動終了に関する信号(例えば、普通図柄1変動中信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップB414)、普図変動表示ゲームが停止中であることを示す停止フラグを普図変動制御フラグ領域にセーブして(ステップB415)、普図表示中処理移行設定処理を終了する。
〔普図表示中処理〕
次に、上述の普図ゲーム処理における普図表示中処理(ステップB10)の詳細について説明する。図80に示すように、普図表示中処理では、まず、普図普段処理にて設定された当りフラグ(当り情報又ははずれ情報)をロードし(ステップB501)、RWMの当りフラグ領域をクリアして(ステップB502)、ロードされた当りフラグが当り情報かを判定する(ステップB503)。
当りフラグが当り情報でない場合(ステップB503;N)は、普図普段処理に移行するための普図普段処理移行設定処理1(ステップB508)を行って、普図表示中処理を終了する。
一方、当りフラグが当り情報である場合(ステップB503;Y)は、当り中処理設定テーブルを設定して(ステップB504)、普図停止図柄情報に対応する当り開始ポインタの値(例えば、「0」,「2」,「4」の何れか)を取得し、普図当り中制御ポインタ領域にセーブする(ステップB505)。次いで、普図停止図柄情報に対応する普電開放時間(例えば、500m秒又は1700m秒)を取得し、普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップB506)。その後、普図当り中処理移行設定処理(ステップB211)を行って、普図表示中処理を終了する。
〔普図当り中処理移行設定処理〕
図81には、上述の普図表示中処理における普図当り中処理移行設定処理(ステップB507)を示した。この普図当り中処理移行設定処理では、まず、普図当り中処理に移行するための処理番号として「3」を設定し(ステップB511)、その処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップB512)。その後、普図変動表示ゲームの当りに関する信号(例えば、普通図柄1当り中信号をON)と、普電作動開始に関する信号(例えば、普通電動役物1作動中信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブして(ステップB513)、普電ソレノイドを駆動(オン)する信号を出力するため、普電ソレノイド出力データ領域にオンデータをセーブする(ステップB514)。
さらに、普通変動入賞装置37への入賞数を記憶する普電カウント数領域の情報をクリアして(ステップB515)、普電不正監視期間における普通変動入賞装置37への入賞数を記憶する普電不正入賞数領域の情報をクリアする(ステップB516)。そして、普通変動入賞装置37の不正監視期間外を規定するフラグ(不正監視期間外フラグ)を普電不正監視期間フラグ領域にセーブして(ステップB517)、普図当り中処理移行設定処理を終了する。
〔普図当り中処理〕
次に、上述の普図ゲーム処理における普図当り中処理(ステップB11)の詳細について説明する。図82に示すように、普図当り中処理では、まず、普図当り中制御ポインタをロードし、準備して(ステップB601)、ロードした普図当り中制御ポインタの値が上限値以上であるかを判定する(ステップB602)。
そして、普図当り中制御ポインタの値が上限値以上でない場合(ステップB602;N)は、普図当り中制御ポインタを+1更新し(ステップB603)、普電作動移行設定処理(ステップB604)を行って、普図当り中処理を終了する。
また、普図当り中制御ポインタの値が上限値以上である場合(ステップB602;Y)は、ステップB603における普図当り中処理制御ポインタ領域を+1更新する処理を行わずに、普電作動移行設定処理(ステップB604)を行って、普図当り中処理を終了する。
〔普電作動移行設定処理〕
図83には、上述の普図当り中処理における普電作動移行設定処理(ステップB604)を示した。普電作動移行設定処理は、普通変動入賞装置37を開閉するための普電ソレノイド37cの駆動制御を行う処理であり、制御ポインタ(普図当り中制御ポインタ)の値に応じて処理を分岐するようにしている。この普電作動移行設定処理では、まず、制御ポインタの値に応じた分岐処理を行う(ステップB611)。
制御ポインタの値が「0」又は「2」であった場合は、ステップB612へ移行して、普通変動入賞装置37の閉塞を制御するため、制御ポインタに対応する普通変動入賞装置37の閉塞後のウェイト時間を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップB612)、普電ソレノイド37cをオフさせるため、普電ソレノイド出力データ領域にオフデータをセーブして(ステップB613)、普電作動移行設定処理を終了する。
また、制御ポインタの値が「1」又は「3」であった場合は、ステップB614へ移行して、普通変動入賞装置37の開放を制御するため、制御ポインタに対応する普通変動入賞装置37の開放時間である普電開放時間を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップB614)、普電ソレノイド37cをオンさせるため、普電ソレノイド出力データ領域にオンデータをセーブして(ステップB615)、普電作動移行設定処理を終了する。
また、制御ポインタの値が「4」であった場合は、ステップB616へ移行して、普通変動入賞装置37の開放制御を終了して普電残存球処理を行うため、処理番号として「4」を設定する(ステップB616)。そして、この処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブし(ステップB617)、普電残存球処理時間を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップB619)。その後、普電ソレノイド37cをオフさせるため、普電ソレノイド出力データ領域にオフデータをセーブして(ステップB619)、普電作動移行設定処理を終了する。
ここで、本実施形態では、例えば、ステップB612にてウェイト時間として200m秒を、ステップB614にて普電開放時間として1700m秒を、ステップB618にて普電残存球処理時間として600m秒をセーブする。
さらに、普図停止図柄が「当り図柄1」である場合は、図80に示す普図表示中処理のステップB505において、当り開始ポインタの値として「4」が取得され、普図表示中処理のステップB506において、普電開放時間として「500m秒」が取得される。したがって、600m秒の表示時間の経過後、普電開放時間が「500m秒」であるため普電(普通変動入賞装置37)が500m秒間開放し、その後、普図当り中制御ポインタが「4」であるため600m秒の普電残存球処理時間が設定される。
また、普図停止図柄が「当り図柄2」である場合は、図80に示す普図表示中処理のステップB505において、当り開始ポインタの値として「2」が取得され、普図表示中処理のステップB506において、普電開放時間として「1700m秒」が取得される。したがって、600m秒の表示時間の経過後、普電開放時間が「1700m秒」であるため普電が1700m秒間開放し、その後、普図当り中制御ポインタが「2」であるため200m秒のウェイト時間が設定され、次いで、普図当り中制御ポインタが「3」に更新されるため普電が1700m秒間開放し、次いで、普図当り中制御ポインタが「4」に更新されるため600m秒の普電残存球処理時間が設定される。
また、普図停止図柄が「当り図柄3」である場合は、図80に示す普図表示中処理のステップB505において、当り開始ポインタの値として「0」が取得され、普図表示中処理のステップB506において、普電開放時間として「1700m秒」が取得される。したがって、600m秒の表示時間の経過後、普電開放時間が「1700m秒」であるため普電が1700m秒間開放し、その後、普図当り中制御ポインタが「0」であるため200m秒のウェイト時間が設定され、次いで、普図当り中制御ポインタが「1」に更新されるため普電が1700m秒間開放し、次いで、普図当り中制御ポインタが「2」に更新されるため200m秒のウェイト時間が設定され、次いで、普図当り中制御ポインタが「3」に更新されるため普電が1700m秒間開放し、次いで、普図当り中制御ポインタが「4」に更新されるため600m秒の普電残存球処理時間が設定される。
〔普電残存球処理〕
次に、上述の普図ゲーム処理における普電残存球処理(ステップB12)の詳細について説明する。図84(a)に示すように、普電残存球処理では、普図当り終了処理移行設定処理(ステップB701)を行う。
〔普図当り終了処理移行設定処理〕
次に、上述の普電残存球処理における普図当り終了処理移行設定処理(ステップB701)の詳細について説明する。図84(b)に示すように、普図当り終了処理移行設定処理では、まず、普図当り終了処理に係る処理番号「5」を設定して(ステップB711)、その処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップB712)。
その後、普図エンディング時間(例えば100m秒)を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップB713)、普通変動入賞装置37の作動終了に関する信号(例えば、普通電動役物1作動中信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブして(ステップB714)、普通変動入賞装置37への入賞数を計数する普電カウント数領域をクリアする(ステップB715)。そして、普図当り中制御ポインタ領域をクリアして(ステップB716)、普図当り終了処理移行設定処理を終了する。
〔普図当り終了処理〕
次に、上述の普図ゲーム処理における普図当り終了処理(ステップB13)の詳細について説明する。図85(a)に示すように、普図当り終了処理では、普図普段処理移行設定処理2(ステップB801)を行う。
〔普図普段処理移行設定処理2〕
次に、上述の普図当り終了処理における普図普段処理移行設定処理2(ステップB801)の詳細について説明する。図85(b)に示すように、普図普段処理移行設定処理2では、まず、普図普段処理に係る処理番号「0」を設定して(ステップB811)、その処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップB812)。
その後、普図変動表示ゲームの当り終了に関する信号(例えば、普通図柄1当り中信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップB813)、普通変動入賞装置37の不正監視期間を規定するフラグ(不正監視期間中フラグ)を普電不正監視期間フラグ領域にセーブして(ステップB814)、普図普段処理移行設定処理2を終了する。
〔セグメントLED編集処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理におけるセグメントLED編集処理(ステップS111)の詳細について説明する。セグメントLED編集処理では、一括表示装置50に設けられた特図1保留表示器54、特図2保留表示器55、普図保留表示器56、第1遊技状態表示部57、第2遊技状態表示部58、ラウンド表示部60を構成するセグメントLEDの駆動に関する設定等を行う。
図86に示すように、セグメントLED編集処理では、まず、点滅表示タイマを+1更新して(ステップS501)、点滅表示タイマ領域の特定ビットの出力がオンであるか(1であるか)否かを判定する(ステップS502)。本実施形態の点滅表示タイマは、8ビットの点滅表示タイマ領域を用いて4ms毎に行われるタイマ割込み処理で+1更新することで構成される。このセグメントLED編集処理では、点滅表示タイマ領域のビット5の出力がオンタイミングであるか(1であるか)を判定するようにしている。ビット5の値は128ms毎に0と1が入れ替わるので、128msを単位とした消灯、点灯の制御が可能である。もちろん他のビットを参照してより短い時間又は長い時間を単位とした消灯、点灯の制御を行うことも可能である。
出力オンタイミングである場合(ステップS502;Y)は、普図保留表示器での表示態様が規定された普図保留数表示テーブル1,2のうちの、普図保留数表示テーブル1を設定し(ステップS503)、出力オンタイミングでない場合(ステップS502;N)は、普図保留数表示テーブル2を設定する(ステップS504)。
そして、設定した普図保留数表示テーブルから普図保留数に対応する表示データを取得し、普図保留表示器のセグメント領域にセーブする(ステップS505)。本実施形態では、普図保留数が「0」〜「2」の何れかであれば、どちらの普図保留数表示テーブルが設定された場合であっても、表示データは同じになる。
次に、出力オンタイミングであるかを判定し(ステップS506)、出力オンタイミングである場合(ステップS506;Y)は、特図1保留表示器での表示態様が規定された特図1保留数表示テーブル1,2のうちの、特図1保留数表示テーブル1を設定し(ステップS507)、出力オンタイミングでない場合(ステップS506;N)は、特図1保留数表示テーブル2を設定する(ステップS508)。
そして、設定した特図1保留数表示テーブルから特図1保留数に対応する表示データを取得し、特図1保留表示器のセグメント領域にセーブする(ステップS509)。
その後、出力オンタイミングであるかを判定し(ステップS510)、出力オンタイミングである場合(ステップS510;Y)は、特図2保留表示器での表示態様が規定された特図2保留数表示テーブル1,2のうちの、特図2保留数表示テーブル1を設定し(ステップS511)、出力オンタイミングでない場合(ステップS510;N)は、特図2保留数表示テーブル2を設定する(ステップS512)。
そして、設定した特図2保留数表示テーブルから特図2保留数に対応する表示データを取得し、特図2保留表示器のセグメント領域にセーブする(ステップS513)。
さらに、ラウンド表示部での表示態様が規定されたラウンド表示テーブルを設定して(ステップS514)、ラウンド表示LEDポインタに対応する表示データを取得し、ラウンド表示部のセグメント領域にセーブする(ステップS515)。
次に、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部58での表示態様が規定された遊技状態表示テーブル1を設定して(ステップS516)、遊技状態表示番号に対応する表示データを取得し、第2遊技状態表示部58のセグメント領域にセーブする(ステップS517)。本実施形態では、1個のLEDからなる第2遊技状態表示部58を、通常中には消灯させ、特図時短中(普電サポート中)には点灯させるよう構成されている。
その後、左打ちよりも右打ちの方が有利な遊技状態であることを報知する第1遊技状態表示部57での表示態様が規定された遊技状態表示テーブル2を設定して(ステップS518)、遊技状態表示番号2に対応する表示データを取得し、第1遊技状態表示部57のセグメント領域にセーブして(ステップS519)、セグメントLED編集処理を終了する。本実施形態では、1個のLEDからなる第1遊技状態表示部57を、通常打ち(左打ち)時には消灯させ、右打ち時(本実施形態の場合、大当り中、小当り中、普電サポート中)には点灯させるよう構成されている。
すなわち、特図1保留表示器54、特図2保留表示器55及び普図保留表示器56が、始動記憶手段に記憶された始動記憶の情報を表示する始動記憶表示手段をなす。また、遊技制御装置100が始動記憶表示手段での表示を制御する始動記憶表示制御手段をなす。
図87(a)には、特図1保留表示器54、特図2保留表示器55、普図保留表示器56における表示態様を示した。何れの表示器も2つの発光部により保留数を表示するように構成されており、保留数0では何れも消灯、保留数1では一方を消灯し他方を点灯、保留数2では両方を点灯、保留数3では一方を点灯し他方を点滅、保留数4では両方を点滅させるようにしている。
このような表示態様は、上述したように保留数表示テーブル1と2を点滅表示タイマ領域のビット5の値に応じて選択することで128ms毎に交互にテーブルが選択されるようにし、選択されたテーブルに現在の保留数を参照して対応する表示態様を設定することで実現される。図87(b)には各保留数表示テーブル1と2の内容を示した。なお、図87(a)に示したように各表示器で保留数に対応する表示態様は同じであり、保留数表示テーブルの内容も同じであるのでここではまとめて示している。ここでは発光部1がD9,D11,D31に対応し、発光部2がD10,D12,D32に対応する。
例えば保留数1の場合、発光部1については保留表示テーブル1と2で何れも消灯が選択されることで消灯状態となり、発光部2については保留表示テーブル1と2で何れも点灯が選択されることで点灯状態となる。また、保留数3の場合、発光部1については保留表示テーブル1と2で何れも点灯が選択されることで点灯状態となる。発光部2については保留表示テーブル1では点灯が選択され、保留表示テーブル2では消灯が選択されることで128ms毎に点灯と消灯を繰り返す点滅状態となる。
すなわち、点滅状態とする場合には、点滅表示タイマの値が所定の消灯範囲(ここではビット5が0の範囲)であれば消灯し、消灯範囲以外(ここではビット5が1の範囲)であれば点灯するようにする。また、少なくとも特図1保留表示器54と特図2保留表示器55の表示態様において点滅状態とする場合の消灯範囲は共通の範囲であり、ここでは普図保留表示器56の表示態様において点滅状態とする場合の消灯範囲についても共通の範囲とされている。
さらに、点滅表示タイマは常時更新されるようになっており、保留数が変化した場合であっても点滅表示タイマがリセットされたり、別の値が設定されたりすることはない。よって、点滅状態に移行する場合には、保留数が変化した後の初めてのセグメントLED編集処理における点滅表示タイマの値に応じて点灯と消灯の何れかの発光状態となる。例えば保留数3から保留数4に変化する場合の発光部1については点灯状態から点滅状態に変化するが、変化する際の点滅表示タイマの値が保留表示テーブル1を選択する値(ビット5が1)であれば点灯が継続され、保留表示テーブル2を選択する値(ビット5が0)であれば即座に消灯される。
このように発光態様を制御することで点滅のタイミングが発光部1と発光部2とで同期するようになり、表示の視認性、装飾性が高まる。さらには、特図1保留表示器54、特図2保留表示器55、普図保留表示器56における点滅のタイミングも同期するようになり、表示の視認性、装飾性がより高まる。また、一つの点滅表示タイマにより複数の発光部の点滅制御が可能となり、制御の負担を軽減することができる。すなわち、一括表示装置50が、発光体により遊技に関する情報を表示する情報表示装置をなし、遊技制御装置100が、情報表示装置を制御する情報表示装置制御手段及び点滅状態において消灯する期間と点灯する期間とを制御するための点滅表示タイマをなす。
また、保留数が変化して点滅状態から点灯状態に移行する場合には、保留数が変化した後の初めてのセグメントLED編集処理において点滅表示タイマの値が保留表示テーブル1を選択する値(ビット5が1)であれば点灯が継続され、保留表示テーブル2を選択する値(ビット5が0)であれば即座に消灯から点灯に変更されることとなる。すなわち、点滅状態が終了する際に、現在の発光状態と、移行する発光状態とが異なる場合には、即座に発光状態が変更されるようになっている。なお、ここでは点滅状態から消灯状態に移行する場合がないが、このような移行がある場合には、上記と同様に現在の発光状態が消灯であれば消灯が維持され、現在の発光状態が点灯であれば即座に消灯に変更されることとなる。
以上のことから、始動条件の成立に基づき、識別情報を変動表示するゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に有利な状態を発生する遊技機において、発光体により遊技に関する情報を表示する情報表示装置(一括表示装置50)と、情報表示装置を制御する情報表示装置制御手段(遊技制御装置100)と、を備え、情報表示装置制御手段は、消灯状態と点灯状態の何れか一方又は両方と、点滅状態と、の何れかの状態で発光体を制御することで遊技に関する情報を表示するように構成され、点滅状態において消灯する期間と点灯する期間とを制御するための点滅表示タイマ(遊技制御装置100)を備え、点滅状態とする場合には、点滅表示タイマの値が、所定の消灯範囲であれば消灯し、所定の消灯範囲以外であれば点灯するように制御するように構成され、点滅状態であるか否かに関わらず点滅表示タイマを常時更新し、点滅状態が開始される際には、開始時の点滅表示タイマの値に応じた発光状態から開始するようにしたこととなる。したがって、点滅状態への移行や点滅状態からの移行の際にタイマ値を設定したりリセットとしたりするなどの処理が不要となり、制御の負担を軽減することができる。
また、遊技球の流入を検出可能な流入領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37、普図始動ゲート34)と、流入領域での遊技球の検出に基づきゲームの実行権利となる始動記憶を所定の上限数まで記憶可能な始動記憶手段(遊技制御装置100)と、始動記憶手段に記憶された始動記憶に基づきゲームを実行するゲーム実行手段(遊技制御装置100)と、を備え、流入領域は、第1流入領域と、第2流入領域と、を備え、始動記憶手段は、第1流入領域での遊技球の検出に基づき始動記憶として第1の始動記憶を記憶し、第2流入領域での遊技球の検出に基づき始動記憶として第2の始動記憶を記憶し、ゲーム実行手段は、第1の始動記憶に基づき第1のゲームを実行し、第2の始動記憶に基づき第2のゲームを実行するように構成され、情報表示装置制御手段(遊技制御装置100)は、第1の始動記憶の数を情報表示装置(一括表示装置50)の第1表示部に表示し、第2の始動記憶の数を情報表示装置の第2表示部に表示し、第1表示部と第2表示部で共通の点滅表示タイマを使用して点滅状態を制御するようにしたこととなる。したがって、複数の表示部で共通の点滅表示タイマを使用できるので、制御の負担を軽減することができる。また、複数の表示部で点滅状態を同期させることができ、装飾性及び視認性が向上する。
ここで本実施形態では、第1流入領域と第2流入領域は、始動入賞口36、普通変動入賞装置37及び普図始動ゲート34のうちから選択される2つである。そして、第1の始動記憶と第2の始動記憶は、選択された2つの流入領域に対応する始動記憶であって、第1始動記憶、第2始動記憶及び普図始動記憶のうちの2つである。また、第1のゲームと第2のゲームは、選択された2つの流入領域に対応するゲームであって、第1特図変動表示ゲーム、第2特図変動表示ゲーム及び普図変動表示ゲームのうちの2つである。また、第1表示部と第2表示部は、選択された2つの流入領域に対応する表示部であって、特図1保留表示器54、特図2保留表示器55及び普図保留表示器56のうちの2つである。
また、情報表示装置制御手段(遊技制御装置100)は、第1表示部と第2表示部で所定の消灯範囲を共通の範囲とするようにしたこととなる。したがって、複数の表示部で点滅状態を同期させることができ、装飾性及び視認性が向上する。
また、点滅状態が終了する際に、現在の発光状態と、移行する発光状態とが異なる場合には、即座に発光状態を変更するようにしたこととなる。したがって、状態の変化を即座に遊技者に報知することができる。
なお、特図1保留表示器54、特図2保留表示器55、普図保留表示器56において共通の点滅表示タイマを用いて点滅状態の表示を行うとしたが、一括表示装置50におけるこれ以外の表示器(特図1表示器51、特図2表示器52、普図表示器53、第1遊技状態表示部57、第2遊技状態表示部58、ラウンド表示部60など)についても点滅状態での表示を行うようにし、この場合に共通の点滅表示タイマを用いて当該点滅状態を制御し、互いの表示器で点滅状態が同期するようにしても良い。
また、特図1保留表示器54、特図2保留表示器55、普図保留表示器56の保留表示テーブルの内容を設定することで、それぞれの保留表示器の様々な点灯態様を構成できるとともに、保留表示器の間での点灯態様の関連性を持たせることができる。例えば、特図1保留表示器54と特図2保留表示器55とで、点滅状態の点灯と消灯の期間を逆にするようにしても良い。点滅表示タイマは共通であるので、両表示器で点滅状態となると交互に点灯するようになり視認性及び装飾性が向上する。
また、発光状態が点滅状態へ移行又は点滅状態から移行する際に、点滅表示タイマの値に基づく点滅状態における発光状態が移行の前後で変化しない場合には、一時的に異なる発光状態にするようにしても良い。例えば、点灯状態から点滅状態へ移行する際に、点滅状態における点滅表示タイマの値に基づく発光状態が点灯状態となるタイミングである場合には、移行に伴い一時的に消灯状態とするようにする。また、点滅状態から点灯状態へ移行する際に、点滅状態における点滅表示タイマの値に基づく発光状態が点灯状態であるタイミングである場合には、移行に伴い一時的に消灯状態とするようにする。一時的に変更する時間は任意に設定可能であり、点滅状態の切替時間である128msよりも短くすれば点滅状態へ移行した際に短い点滅が発生し視認性が高まる。
また、点滅周期を128msとしたがこれに限られるものではない。特に点滅周期を短くすれば点滅状態へ移行又は点滅状態から移行する際に移行を認識可能となるまでの時間を短くすることができる。また、点滅状態へ移行した所定期間は点滅周期をそれ以外の期間よりも短くするようにしても良い。
また、上述の制御では、参照する保留表示テーブルを切り替えることでセグメント領域に設定するデータを設定していたが、保留表示テーブルを参照せずに始動記憶数の情報と点滅表示タイマの情報とに基づきセグメント領域へ直接にデータを設定するようにしても良い。
〔磁石不正監視処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における磁石不正監視処理(ステップS112)の詳細について説明する。磁石不正監視処理では、磁気センサ61からの検出信号に基づき異常の有無を判定し不正報知の開始や終了の設定等を行う。
図88に示すように、磁石不正監視処理では、まず、磁気センサ61から出力されて第3入力ポート124(入力ポート3)に取り込まれる検出信号の状態から、磁気センサ61がオン、すなわち異常な磁気を検出した状態であるかを判定する(ステップS601)。磁気センサ61がオンである場合(ステップS601;Y)、すなわち異常な磁気を検出した場合は、異常な磁気の検出期間を計時する磁石不正監視タイマを+1更新して(ステップS602)、当該タイマがタイムアップしたかを判定する(ステップS603)。本実施形態の場合、磁石不正監視タイマが32m秒以上である場合にタイムアップしたと判定する。
磁石不正監視タイマがタイムアップした場合(ステップS603;Y)、すなわち異常な磁気を一定期間継続して検出した場合は、磁石不正監視タイマをクリアし(ステップS604)、磁石不正報知タイマ初期値(例えば60秒)を磁石不正報知タイマ領域にセーブする(ステップS605)。そして、磁石不正報知のコマンドを準備し(ステップS606)、磁石不正フラグとして磁石不正発生フラグを準備して(ステップS607)、準備した磁石不正フラグが磁石不正フラグ領域の値と一致するかを判定する(ステップS613)。すなわち、磁気センサ61が一定期間(例えば、8回の割込み)連続してオンであった場合に異常が発生していると判定するようにしている。
一方、磁気センサ61がオンでない場合(ステップS601;N)、すなわち異常な磁気を検出していない場合は、磁石不正監視タイマをクリアし(ステップS608)、磁石不正の報知時間を規定する磁石不正報知タイマが「0」でなければ−1更新する(ステップS609)。なお、磁石不正報知タイマの最小値は「0」に設定されている。そして、磁石不正報知タイマの値が「0」であるかを判定する(ステップS610)。なお、磁石不正監視タイマがタイムアップしていない場合(ステップS603;N)も、ステップS609の処理に移行する。
そして、磁石不正報知タイマの値が「0」でない場合(ステップS610;N)、すなわちタイムアップしていない場合は、磁石不正監視処理を終了する。また、磁石不正報知タイマの値が「0」である場合(ステップS610;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合であって、不正報知の期間が終了した場合又は当初から不正報知が行われていない場合は、磁石不正報知終了のコマンドを準備する(ステップS611)。さらに、磁石不正フラグとして磁石不正解除フラグを準備して(ステップS612)、準備した磁石不正フラグが磁石不正フラグ領域の値と一致するかを判定する(ステップS613)。
そして、準備した磁石不正フラグが磁石不正フラグ領域の値と一致する場合(ステップS613;Y)は、磁石不正監視処理を終了する。また、準備した磁石不正フラグが磁石不正フラグ領域の値と一致しない場合(ステップS613;N)は、準備した磁石不正フラグを磁石不正フラグ領域にセーブし(ステップS614)、演出コマンド設定処理を行って(ステップS615)、磁石不正監視処理を終了する。
ここで、「ステップS601;N」→「ステップS608」→「ステップS609」→「ステップS610;Y」→「ステップS611」→「ステップS612」→「ステップS613;Y」が正常ルートである。
〔盤電波不正監視処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における盤電波不正監視処理(ステップS113)の詳細について説明する。電波不正監視処理では、盤電波センサ62からの検出信号に基づき異常の有無を判定し不正報知の開始や終了の設定等を行う。
図89に示すように、電波不正監視処理では、まず、盤電波センサ62から出力されて近接I/F121を経由して第3入力ポート124(入力ポート3)に取り込まれる検出信号の状態から、盤電波センサ62がオン、すなわち異常な電波を検出した状態であるかを判定する(ステップS701)。電波センサがオンである場合(ステップS701;Y)、すなわち異常な電波を検出した場合は、電波不正報知タイマ初期値(例えば60秒)を電波不正報知タイマ領域にセーブする(ステップS702)。
そして、盤電波不正報知のコマンドを準備し(ステップS703)、盤電波不正フラグとして盤電波不正発生フラグを準備して(ステップS704)、準備した盤電波不正フラグが盤電波不正フラグ領域の値と一致するかを判定する(ステップS709)。すなわち、磁気不正の場合は、磁気センサ61のオンが所定回数検出された時点で異常が発生していると判定する一方、盤電波不正の場合は、盤電波センサ62のオンが1回検出された時点で異常が発生していると判定するようにしている。
一方、盤電波センサ62がオンでない場合(ステップS701;N)、すなわち異常な電波を検出していない場合は、電波不正の報知時間を規定する電波不正報知タイマが「0」でなければ−1更新する(ステップS705)。なお、電波不正報知タイマの最小値は「0」に設定されている。そして、電波不正報知タイマの値が「0」であるかを判定する(ステップS706)。
電波不正報知タイマの値が「0」でない場合(ステップS706;N)、すなわちタイムアップしていない場合は、盤電波不正監視処理を終了する。また、電波不正報知タイマの値が「0」である場合(ステップS706;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合であって、不正報知の期間が終了した場合又は当初から不正報知が行われていない場合は、盤電波不正報知終了のコマンドを準備し(ステップS707)、盤電波不正フラグとして盤電波不正解除フラグを準備して(ステップS708)、準備した盤電波不正フラグが盤電波不正フラグ領域の値と一致するかを判定する(ステップS709)。
そして、準備した盤電波不正フラグが盤電波不正フラグ領域の値と一致する場合(ステップS709;Y)は、盤電波不正監視処理を終了する。また、準備した盤電波不正フラグが盤電波不正フラグ領域の値と一致しない場合(ステップS709;N)は、準備した盤電波不正フラグを盤電波不正フラグ領域にセーブし(ステップS710)、演出コマンド設定処理を行って(ステップS711)、盤電波不正監視処理を終了する。
ここで、「ステップS701;N」→「ステップS705」→「ステップS706;Y」→「ステップS707」→「ステップS708」→「ステップS709;Y」が正常ルートである。
〔外部情報編集処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における外部情報編集処理(ステップS114)の詳細について説明する。外部情報編集処理では、払出コマンド送信処理(ステップS105)、入賞口スイッチ/状態監視処理(ステップS108)、磁石不正監視処理(ステップS112)、盤電波不正監視処理(ステップS113)での監視結果に基づいて、情報収集端末や遊技場内部管理装置等の外部装置や試射試験装置に出力する情報を作成して出力バッファにセットする処理等を行う。
図90及び図91に示すように、外部情報編集処理では、まず、ガラス枠開放エラーの発生中でもなく(ステップS801;N)、本体枠開放エラーの発生中でもない場合(ステップS802;N)には、扉・枠開放信号のオフデータを外部情報出力データ領域にセーブし(ステップS803)、セキュリティ信号のオフデータを外部情報出力データ領域にセーブして(ステップS804)、ステップS807の処理に移行する。
一方、ガラス枠開放エラーの発生中である場合(ステップS801;Y)、あるいは、本体枠開放エラーの発生中である場合(ステップS802;Y)には、扉・枠開放信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブし(ステップS805)、遊技機エラー状態信号のオンデータを試験信号出力データ領域にセーブして(ステップS806)、ステップS807の処理に移行する。
そして、初期化スイッチの操作等によりRAMに記憶されたデータの初期化が行われた時から所定時間(例えば256m秒)を計時するセキュリティ信号制御タイマが「0」でなければ−1更新する(ステップS807)。なお、セキュリティ信号制御タイマの初期値は、メイン処理においてRAMクリアで起動したときのRAM初期値設定時に設定され、セキュリティ信号制御タイマの最小値は「0」に設定されている。そして、セキュリティ信号制御タイマの値が「0」であるかを判定する(ステップS808)。
セキュリティ信号制御タイマの値が「0」でない場合(ステップS808;N)、すなわちタイムアップしていない場合は、セキュリティ信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブして(ステップS809)、ステップS810の処理に移行する。また、セキュリティ信号制御タイマの値が「0」である場合(ステップS808;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合は、ステップS809の処理を行わずに、ステップS810の処理に移行する。
そして、磁石不正の発生中である場合(ステップS810;Y)、盤電波不正の発生中である場合(ステップS811;Y)、枠電波不正の発生中である場合(ステップS812;Y)、普電不正の発生中である場合(ステップS813;Y)、あるいは、大入賞口不正の発生中である場合(ステップS814;Y)は、セキュリティ信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブし(ステップS816)、遊技機エラー状態信号のオンデータを試験信号出力データ領域にセーブして(ステップS817)、ステップS818の処理に移行する。すなわち、エラーの発生が外部情報として出力される。
一方、磁石不正の発生中でもなく(ステップS810;N)、盤電波不正の発生中でもなく(ステップS811;N)、枠電波不正の発生中でもなく(ステップS812;N)、普電不正の発生中でもなく(ステップS813;N)、大入賞口不正の発生中でもない場合(ステップS814;N)は、遊技機エラー状態信号のオフデータを試験信号出力データ領域にセーブして(ステップS815)、ステップS818の処理に移行する。
そして、払出予定の賞球数に関する情報を設定するメイン賞球信号編集処理(ステップS818)を行い、始動口の入賞信号を編集する始動口信号編集処理(ステップS819)を行う。
次に、特図変動表示ゲームの実行回数に係る情報の出力時間を制御するための図柄確定回数制御タイマが「0」でなければ−1更新する(ステップS820)。なお、図柄確定回数制御タイマの最小値は「0」に設定されている。そして、図柄確定回数制御タイマの値が「0」であるかを判定する(ステップS821)。
図柄確定回数制御タイマの値が「0」である場合(ステップS821;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合は、図柄確定回数信号のオフデータを外部情報出力データ領域にセーブして(ステップS822)、外部情報編集処理を終了する。
また、図柄確定回数制御タイマの値が「0」でない場合(ステップS821;N)、すなわちタイムアップしていない場合は、図柄確定回数信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブして(ステップS823)、外部情報編集処理を終了する。
〔メイン賞球信号編集処理〕
次に、上述の外部情報編集処理におけるメイン賞球信号編集処理(ステップS818)の詳細について説明する。メイン賞球信号編集処理は、入賞口への入賞により発生した賞球数(払出予定数)が所定数(本実施形態の場合、10個)になる毎に生成されるメイン賞球信号を外部装置へ出力する処理である。
図92に示すように、メイン賞球信号編集処理では、まず、メイン賞球信号出力制御タイマが「0」でなければ−1更新する(ステップS831)。なお、メイン賞球信号出力制御タイマの最小値は「0」に設定されている。そして、メイン賞球信号出力制御タイマの値が「0」であるかを判定する(ステップS832)。メイン賞球信号出力制御タイマの値が「0」である場合(ステップS832;Y)は、メイン賞球信号出力回数が「0」であるかを判定する(ステップS833)。
そして、メイン賞球信号出力回数が「0」でない場合(ステップS833;N)は、メイン賞球信号出力回数を−1更新し(ステップS834)、メイン賞球信号出力制御タイマ領域にメイン賞球信号出力制御タイマ初期値をセーブする(ステップS835)。このメイン賞球信号出力制御タイマ初期値は、メイン賞球信号のオン状態(例えば、ハイレベル)の時間(例えば128m秒)とオフ状態(例えば、ロウレベル)の時間(例えば64m秒)とのうちの、オン状態の時間(例えば128m秒)となっている。その後、メイン賞球信号をオン状態にするオンデータをRWMの外部情報出力データ領域にセーブして(ステップS837)、メイン賞球信号編集処理を終了する。
また、メイン賞球信号出力回数が「0」である場合(ステップS833;Y)は、外部装置用のメイン賞球信号をオフ状態にするオフデータをRWMの外部情報出力データ領域にセーブして(ステップS838)、メイン賞球信号編集処理を終了する。
一方、メイン賞球信号出力制御タイマの値が「0」でない場合(ステップS832;N)は、メイン賞球信号出力制御タイマが出力オン区間中であるかを判定する(ステップS836)。なお、メイン賞球信号出力制御タイマが出力オン区間中であるとは、メイン賞球信号出力制御タイマの値が「0」でないことである。メイン賞球信号出力制御タイマが出力オン区間中である場合(ステップS836;Y)は、ステップS837の処理に移行する。また、メイン賞球信号出力制御タイマが出力オン区間中でない場合(ステップS836;N)は、外部装置用のメイン賞球信号をオフ状態にするオフデータをRWMの外部情報出力データ領域にセーブして(ステップS838)、メイン賞球信号編集処理を終了する。
本実施形態では、遊技制御装置100からは、遊技球の払出予定個数が10個になる毎にメイン賞球信号が出力され、払出制御装置200からは、遊技球の払出個数が10個になる毎にメイン賞球信号が出力されるよう構成されている。
具体的には、遊技制御装置100は、10個の払出予定毎(払出コマンドを送信する毎)に、メイン賞球数信号出力回数を+1更新(払出コマンド送信処理内のサブルーチン)し、更新(設定)されている出力回数分、メイン賞球信号を出力する。
予定毎に出力されるメイン賞球信号に対し、払出制御装置200からは実際に10個の払出が行われる毎に賞球信号が送信されるので、予定と結果の整合をとることができ、不正な払出に対応することができる。また、大当り期間中に入賞しても、球切れ等で払出が遅れ、大当り終了後に払い出された場合にも、入賞時に出力されるメイン賞球信号によって、ホールコン(ホールコンピュータ)が正確な情報を収集(判断)することができる。
〔始動口信号編集処理〕
次に、上述の外部情報編集処理における始動口信号編集処理(ステップS819)の詳細について説明する。始動口信号編集処理は、始動口1スイッチ36aや始動口2スイッチ37aの入力があった場合に、各々の入力について共通して行われる処理である。
図93に示すように、始動口信号編集処理では、まず、始動口信号出力制御タイマが「0」でなければ−1更新する(ステップS841)。なお、始動口信号出力制御タイマの最小値は「0」に設定されている。そして、始動口信号出力制御タイマの値が「0」であるかを判定する(ステップS842)。始動口信号出力制御タイマの値が「0」である場合(ステップS842;Y)は、始動口信号出力回数が「0」であるかを判定する(ステップS843)。
そして、始動口信号出力回数が「0」でない場合(ステップS843;N)は、始動口信号出力回数を−1更新し(ステップS844)、始動口信号出力制御タイマ領域に始動口信号出力制御タイマ初期値をセーブする(ステップS845)。この始動口信号出力制御タイマ初期値は、始動口信号のオン状態(例えば、ハイレベル)の時間(例えば128m秒)とオフ状態(例えば、ロウレベル)の時間(例えば64m秒)とのうちの、オン状態の時間(例えば128m秒)となっている。その後、始動口信号をオン状態にするオンデータをRWMの外部情報出力データ領域にセーブして(ステップS847)、始動口信号編集処理を終了する。
また、始動口信号出力回数が「0」である場合(ステップS843;Y)は、外部装置用の始動口信号をオフ状態にするオフデータをRWMの外部情報出力データ領域にセーブして(ステップS848)、始動口信号編集処理を終了する。
一方、始動口信号出力制御タイマの値が「0」でない場合(ステップS842;N)は、始動口信号出力制御タイマが出力オン区間中であるかを判定する(ステップS846)。なお、始動口信号出力制御タイマが出力オン区間中であるとは、始動口信号出力制御タイマの値が「0」でないことである。始動口信号出力制御タイマが出力オン区間中である場合(ステップS846;Y)は、ステップS847の処理に移行する。また、始動口信号出力制御タイマが出力オン区間中でない場合(ステップS846;N)は、外部装置用の始動口信号をオフ状態にするオフデータをRWMの外部情報出力データ領域にセーブして(ステップS848)、始動口信号編集処理を終了する。
図94には、特図1表示器51、特図2表示器52及び普図表示器53においてそれぞれ対応する変動表示ゲームの変動時間中に表示する表示態様を示した。なお、一括表示装置50の表示を説明する各図において、網掛けで示す発光部は点灯していることを示し、白色で示す発光部は消灯していることを示している。
特図1表示器51では、第1特図変動表示ゲームの変動時間中においては図94(a)に示すように発光部を点灯させる特図1変動中表示を行う。この特図1変動中表示は、特図1表示器51に含まれる8つの発光部のうち一つの発光部のみを点灯する8種類の点灯パターンから構成されている。
点灯パターンの表示順序は、点灯する発光部がD1→D2→D3→D4→D8→D7→D6→D5の順に遷移するように表示する順序となっている。各点灯パターンの表示時間は52msであり、特図1変動中表示が一巡する時間は416msである。この第1変動中表示では、何れの点灯パターンでも点灯する発光部が1つとされ、点灯した発光部の数と消灯した発光部の数の比率が常に一定となっており、表示に統一感を持たせ装飾性を高めるようにしている。第1特図変動表示ゲームの変動時間中はこの特図1変動中表示を繰り返し行うようになっている。
そして、第1特図変動表示ゲームの変動時間が終了すると、特図1表示器51の表示は当該第1特図変動表示ゲームの結果(複数種類の当り結果の何れか又ははずれ結果)に応じた点灯パターン(結果態様)とされて結果を表示する。なお、ここでは特図1表示器51に表示する結果態様として用いられる点灯パターンを、特図1変動中表示の点灯パターン以外の点灯パターンとして結果態様が表示されたことを判別しやすくするようにしている。もちろん結果態様として特図1変動中表示に含まれる点灯パターンを用いるようにしても良い。また、一の結果に対して複数の点灯パターンを割り当て、このうちから乱数等により選択した一つを表示するようにしても良い。
特図2表示器52では、第2特図変動表示ゲームの変動時間中においては図94(b)に示すように発光部を点灯させる特図2変動中表示を行う。この特図2変動中表示は、D17、D19、D21、D23、D25を点灯させる点灯パターンと、この点灯パターンとは点灯と消灯が反転したD18、D20、D22、D24、D26を点灯させる点灯パターンとの2つの点灯パターンから構成されている。各点灯パターンの表示時間は104msであり、特図2変動中表示が一巡する時間は208msである。この第2変動中表示では、何れの点灯パターンでも点灯する発光部が4つとされ、点灯した発光部の数と消灯した発光部の数の比率が常に一定となっており、表示に統一感を持たせ装飾性を高めるようにしている。第2特図変動表示ゲームの変動時間中はこの特図2変動中表示を繰り返し行うようになっている。
そして、第2特図変動表示ゲームの変動時間が終了すると、特図2表示器52の表示は当該第2特図変動表示ゲームの結果(複数種類の当り結果の何れか又ははずれ結果)に応じた点灯パターン(結果態様)とされて結果を表示する。なお、ここでは特図2表示器52に表示する結果態様として用いられる点灯パターンを、特図2変動中表示の点灯パターン以外の点灯パターンとして結果態様が表示されたことを判別しやすくするようにしている。もちろん結果態様として特図2変動中表示に含まれる点灯パターンを用いるようにしても良い。また、一の結果に対して複数の点灯パターンを割り当て、このうちから乱数等により選択した一つを表示するようにしても良い。
普図表示器53では、普図変動表示ゲームの変動時間中においては図94(c)に示すように発光部を点灯させる普図変動中表示を行う。普図変動中表示は、普図表示器53に含まれる4つの発光部のうち一つの発光部のみを点灯する4種類の点灯パターンから構成されている。
点灯パターンの表示順序は、点灯する発光部がD27→D28→D30→D29の順に遷移するように表示する順序となっている。各点灯パターンの表示時間は52msであり、普図変動中表示が一巡する時間は208msである。この普図変動中表示では、何れの点灯パターンでも点灯する発光部が1つとされ、点灯した発光部の数と消灯した発光部の数の比率が常に一定となっており、表示に統一感を持たせ装飾性を高めるようにしている。普図変動表示ゲームの変動時間中はこの普図変動中表示を繰り返し行うようになっている。
そして、普図変動表示ゲームの変動時間が終了すると、普図表示器53の表示は当該普図変動表示ゲームの結果(複数種類の当り結果の何れか又ははずれ結果)に応じた点灯パターン(結果態様)とされて結果を表示する。なお、ここでは普図表示器53に表示する結果態様として用いられる点灯パターンを、普図変動中表示の点灯パターン以外の点灯パターンとして結果態様が表示されたことを判別しやすくするようにしている。もちろん結果態様として普図変動中表示に含まれる点灯パターンを用いるようにしても良い。また、一の結果に対して複数の点灯パターンを割り当て、このうちから乱数等により選択した一つを表示するようにしても良い。
すなわち、遊技制御装置100が、所定の変動時間の後に結果を導出する変動表示ゲーム(普図変動表示ゲーム、第1特図変動表示ゲーム、第2特図変動表示ゲーム)を実行する遊技制御手段をなす。また、普図始動ゲート34を遊技球が通過することにより発生する普図始動記憶に基づき実行される普図変動表示ゲーム、始動入賞口36への遊技球の入賞に基づき発生する第1始動記憶に基づき実行される第1特図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37への遊技球の入賞に基づき発生する第2始動記憶に基づき実行される第2特図変動表示ゲームが、始動条件をなす第1の始動条件の成立に基づき実行される第1の変動表示ゲーム又は始動条件をなす第2の始動条件の成立に基づき実行される第2の変動表示ゲームをなす。
また、一括表示装置50が変動表示ゲーム(普図変動表示ゲーム、第1特図変動表示ゲーム、第2特図変動表示ゲーム)を表示する表示装置をなし、特図1表示器51、特図2表示器52及び普図表示器53が、第1の変動表示ゲームを表示する第1発光表示部又は第2の変動表示ゲームを表示する第2発光表示部をなす。また、特図1変動中表示、特図2変動中表示及び普図変動中表示が、第1の変動表示ゲームの変動時間において第1発光表示部で表示される予め定められた複数の点灯パターンを予め定められた順序で表示する第1変動中表示又は第2の変動表示ゲームの変動時間において第2発光表示部で表示される予め定められた複数の点灯パターンを予め定められた順序で表示する第2変動中表示をなす。
上記した普図変動中表示、特図1変動中表示及び特図2変動中表示では、それぞれ表示が一巡することで、当該変動中表示を行う表示器に含まれる全ての発光部が点灯するようにされている。これにより、発光部の消耗度合を均一化することができるとともに、故障により点灯しない発光部の発見が容易となる。また、上記した普図変動中表示、特図1変動中表示及び特図2変動中表示では、同じ発光部が点灯する点灯パターンが連続しないようにし、変動中表示が進行していることを解りやすくしている。
また、特図1表示器51と特図2表示器52の関係において、特図1表示器51に含まれる発光部の数は特図2表示器52に含まれる発光部の数より少なくされている。また、第1変動中表示に含まれる点灯パターンの数は第2変動中表示に含まれる点灯パターンの数よりも多く、第1変動中表示における一の点灯パターンを表示する時間は第2変動中表示における一の点灯パターンを表示する時間よりも短くされている。また、第1変動中表示が一巡するのにかかる時間は第2変動中表示が一巡するのにかかる時間よりも長くされている。
このようにすることで、特図1表示器51での表示と特図2表示器52での表示の趣が異なったものとなり、一括表示装置50における装飾性が向上するとともに実行中の特図変動表示ゲームの種類を判別することが容易となる。
また、第2特図変動表示ゲームは第1特図変動表示ゲームよりも優先して行われ、特別遊技状態の後に発生可能な特定遊技状態(時短状態)では、普通変動入賞装置37への入賞が容易となり第2始動記憶が発生しやすく、特図変動表示ゲームの実行時間も短縮されるようになっている。よって、特定遊技状態中は第2特図変動表示ゲームの実行頻度が第1特図変動表示ゲームよりも高くなる。
このように特定遊技状態中において実行頻度が高い特図変動表示ゲームの変動中表示である特図2変動中表示に含まれる点灯パターンを少なくしたことで、短い変動時間でも特図2変動中表示が一巡しやすくなり、特図2変動中表示が途中までしか進行しないことで生じる変動表示中における表示の違和感や、発光部の消耗度合の偏りがないようにしている。なお、特図2変動中表示が一巡する時間は、特定遊技状態において第2特図変動表示ゲームについて設定可能な変動時間のうち最も短い時間よりも短くされており、第2特図変動表示ゲームでは少なくとも特図2変動中表示が一巡はするようにされている。
また、普図変動中表示が一巡する時間と、特図2変動中表示が一巡する時間は同じ時間とされている。これにより、普図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームの両方が変動時間中である場合には、特図2表示器52の表示と普図表示器53の表示がある一定のリズムをもって変化するようになり、あたかも両表示器の表示に関連があるようにも見えるようになり、一括表示装置50における装飾性が向上することとなる。さらにこれらの表示を行う特図2表示器52と普図表示器53は隣接して設けられていることも一括表示装置50における装飾性の向上に寄与している。特に第2特図変動表示ゲームが高頻度で実行される特定遊技状態において効果的である。
また、普図変動中表示が一巡する時間は、特図1変動中表示が一巡する時間の半分の時間とされている。すなわち、普図変動中表示が一巡する時間は、特図1変動中表示が一巡する時間の約数となる時間とされている。これにより、普図変動表示ゲームと第1特図変動表示ゲームの両方が変動時間中である場合には、特図1表示器51の表示と普図表示器53の表示がある一定のリズムをもって変化するようになり、あたかも両表示器の表示に関連があるようにも見えるようになり、一括表示装置50における装飾性が向上することとなる。
さらに、特図1表示器51の発光部の数は普図表示器53の発光部の数の2倍であって一巡に含まれる点灯パターンの数も2倍である。すなわち、特図1表示器51の発光部の数は普図表示器53の発光部の数の倍数であって一巡に含まれる点灯パターンの数も同じ倍数である。また、変動中表示は何れも点灯する発光部が時計回りに遷移するような表示であって、一の点灯パターンを表示する時間も同じである。これらのことも両者の表示に一体感を持たせ、一括表示装置50における装飾性の向上に寄与している。特に第1特図変動表示ゲームが高頻度で実行される特定遊技状態でない状態において効果的である。
なお、ここでは普図変動中表示が一巡する時間を、特図1変動中表示が一巡する時間である416msの約数の一つである208msとしたが、これ以外の約数となる時間であっても良い。また、特図1表示器51の発光部の数を、普図表示器53の発光部の数である4の倍数の一つである8としたが、これ以外の倍数となる数であっても良い。また、ここでの特図1表示器51と普図表示器53との関係は、変動中表示が一巡する時間の比と、発光部の数の比と、が逆数の関係となるようにして、さらに装飾性を高めるようにしているが、逆数の関係になくても良い。
また、第1特図変動表示ゲームの変動時間の開始時には、発光部D1のみを点灯させる点灯パターンから特図1変動中表示を開始するようになっている。この場合に、遊技において最も導出される頻度が高いはずれの結果に対応する点灯パターンを、発光部D1のみを点灯させる点灯パターンとすれば、第1特図変動表示ゲームではずれ結果を表示している状態から次の第1特図変動表示ゲームの変動表示を開始する際に点灯する表示部が移動することがなく、変動表示開始時における表示の違和感をなくすことができる。
また、はずれの結果に対応する点灯パターンを、変動時間で使用される頻度が最も低い発光部D5のみを点灯させる点灯パターンとすれば、発光部の消耗度合を均一化することができる。また、このはずれ結果に対応する点灯パターンと、特図1変動中表示を開始する際の点灯パターン(D1のみ点灯する点灯パターン)とは、特図1変動中表示において連続する点灯パターンである。よって、第1特図変動表示ゲームではずれ結果を表示している状態から次の第1特図変動表示ゲームの変動表示を開始する際には、特図1変動中表示における表示態様の変化と同じ変化となり、変動表示開始時における表示の違和感をなくすことができる。
なお、一巡の特図1変動中表示において前半の点灯パターンで用いられるために使用頻度が高いD1〜D4を用いない点灯パターンをはずれの結果に対応させることでも、発光部の消耗度合を均一化する効果が得られる。また、はずれ結果に対応する点灯パターンは複数の発光部を点灯する点灯パターンでも良く、例えばD1とD2を点灯させる点灯パターンやD5とD6を点灯させる点灯パターンなどでも良い。また、はずれ結果に対応する点灯パターンとして複数種類の点灯パターンを割り当て、このうちから乱数等により選択した一つを表示するようにしても良い。
以上のことから、始動条件の成立に基づき、所定の変動時間の後に結果を導出する変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム、第2特図変動表示ゲーム、普図変動表示ゲーム)を実行する遊技機において、遊技を統括的に制御し、変動表示ゲームの実行制御を行う遊技制御手段(遊技制御装置100)と、遊技制御手段に制御されて変動表示ゲームを表示する表示装置(一括表示装置50)と、を備え、遊技制御手段は、始動条件をなす第1の始動条件の成立に基づき、変動表示ゲームをなす第1の変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム、第2特図変動表示ゲーム、普図変動表示ゲーム)を実行し、始動条件をなす第2の始動条件の成立に基づき、変動表示ゲームをなす第2の変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム、第2特図変動表示ゲーム、普図変動表示ゲーム)を実行するように構成され、表示装置は、第1の変動表示ゲームを表示する第1発光表示部(特図1表示器51、特図2表示器52、普図表示器53)と、第2の変動表示ゲームを表示する第2発光表示部(特図1表示器51、特図2表示器52、普図表示器53)と、を備え、遊技制御手段は、第1の変動表示ゲームの変動時間においては、第1発光表示部を用いて予め定められた複数の点灯パターンを予め定められた順序で表示する第1変動中表示(特図1変動中表示、特図2変動中表示、普図変動中表示)を繰り返す制御を行い、第2の変動表示ゲームの変動時間においては、第2発光表示部を用いて予め定められた複数の点灯パターンを予め定められた順序で表示する第2変動中表示(特図1変動中表示、特図2変動中表示、普図変動中表示)を繰り返す制御を行うように構成されていることとなる。
また、第2発光表示部(例えば、特図2表示器52)に含まれる発光部の数は、第1発光表示部(例えば、特図1表示器51)に含まれる発光部の数よりも多い数とされ、第2変動中表示(例えば、特図2変動中表示)を一巡させる場合に点灯パターンを更新する回数が、第1変動中表示(例えば、特図1変動中表示)を一巡させる場合に点灯パターンを更新する回数よりも少なくなるように制御するとともに、第2変動中表示における点灯パターンの変化の間隔が、第1変動中表示における点灯パターンの変化の間隔よりも長い時間となるように制御するようにしていることとなる。
また、始動条件の成立に基づき、所定の変動時間の後に結果を導出する変動表示ゲームを実行する遊技機において、遊技を統括的に制御し、変動表示ゲームの実行制御を行う遊技制御手段と、複数の発光部により構成され、遊技制御手段に制御されて変動表示ゲームを表示する表示装置と、を備え、遊技制御手段(遊技制御装置100)は、変動時間においては、予め定められた複数の点灯パターンを予め定められた順序で表示装置(特図1表示器51、特図2表示器52、普図表示器53)に表示することを繰り返すように構成され、変動時間に表示する複数の点灯パターンは、点灯した発光部の数と消灯した発光部の数との比率が、何れの点灯パターンでも同じであることとなる。
また、変動時間に表示する複数の点灯パターンは、変動時間以外では表示されない点灯パターンであり、変動時間において点灯パターンを更新する間隔は、点灯パターンによらず一定であることとなる。
また、遊技球が入賞不能な閉状態と、遊技球が入賞可能な開状態とに状態変換可能な特別変動入賞装置38と、遊技球が入賞しにくい若しくは入賞不能な閉状態と、該閉状態よりも遊技球が入賞容易若しくは入賞可能な開状態とに状態変換可能な普通変動入賞装置37と、を備え、遊技制御手段(遊技制御装置100)は、第1の変動表示ゲームと第2の変動表示ゲームのうち予め定められた一方の変動表示ゲーム(例えば、第2特図変動表示ゲーム)において結果が特別結果となることに基づき、特別変動入賞装置38を前記開状態に変換し、第1の変動表示ゲームと第2の変動表示ゲームのうち予め定められた他方の変動表示ゲーム(例えば、普図変動表示ゲーム)において結果が特別結果となることに基づき、普通変動入賞装置37を開状態に変換し、普通変動入賞装置37への入賞に基づき予め定められた一方の変動表示ゲームの始動条件が成立可能であることとなる。
また、遊技球が入賞可能な始動入賞口36と、遊技球が入賞しにくい若しくは入賞不能な閉状態と、該閉状態よりも遊技球が入賞容易若しくは入賞可能な開状態とに状態変換可能な普通変動入賞装置37と、遊技球が入賞不能な閉状態と、遊技球が入賞可能な開状態とに状態変換可能な特別変動入賞装置38と、を備え、遊技制御手段(遊技制御装置100)は、第1の変動表示ゲームと第2の変動表示ゲームの何れかで結果が特別結果となることに基づき、特別変動入賞装置38を開状態に変換する特別遊技状態を発生する特別遊技状態発生手段(遊技制御装置100)と、特別遊技状態の終了後に、予め定められた所定期間に亘って特定遊技状態を発生可能な特定遊技状態発生手段(遊技制御装置100)と、を備え、特定遊技状態発生手段は、特定遊技状態においては、当該特定遊技状態でない場合よりも普通変動入賞装置37への入賞が容易となるように普通変動入賞装置37の動作を制御するとともに、当該特定遊技状態でない場合よりも変動時間を短縮するように構成され、特定遊技状態である場合に第2の変動表示ゲームについて設定可能な変動時間のうち最も短い時間は、第2変動中表示を一巡させるのにかかる時間よりも長い時間とするようにしていることとなる。
なお、始動入賞口36への遊技球の入賞に基づき第1の始動条件をなす第1始動記憶を記憶し、普通変動入賞装置37への遊技球の入賞に基づき第2の始動条件をなす第2始動記憶を記憶する始動記憶手段(遊技制御装置100)を備えているが、第1始動記憶と第2始動記憶の何れか一方又は両方について、特図変動表示ゲームの実行を保留するための始動記憶を発生させないようにしても良い。また、第2始動記憶がある場合には、当該第2始動記憶に基づく第2の変動表示ゲーム(例えば、第2特図変動表示ゲーム)を、第1始動記憶に基づく第1の変動表示ゲーム(例えば、第1特図変動表示ゲーム)よりも優先的に実行する優先制御手段(遊技制御装置100)を備えているが、第1始動記憶と第2始動記憶を発生順に消化するようにしても良い。
図95には、特図1変動中表示の変形例を示した。本実施形態の一括表示装置50では、特図1表示器51における発光部の配置と、普図表示器53における発光部の配置とで、対称性を有する部分である対応部分が含まれている。この対称性を有する配置には、同一の配置や、点対称な配置、線対称な配置などが含まれる。例えば、特図1表示器51におけるD1、D2、D5、D6の発光部の配置と、普図表示器53における発光部の配置とは同一な配置となった対応部分であり、点対称な配置及び線対称な配置でもある。特図1表示器51におけるD2、D3、D6、D7や、D3、D4、D7、D8と、普図表示器53の配置の関係も同様である。
そして、このように対称性を有する関係にある対応部分における点灯態様に関連を持たせることで装飾性を高めるようにしている。関連を持つ点灯態様としては、対称性を有する配置となった対応部分において両表示器の間で対称の位置にある発光部(対応する発光部)における点灯態様について、点灯パターンの変化の前後ですべて一致する変化である同一の変化となる点灯態様が挙げられる。
また、関連を持つ点灯態様としては、点灯パターンの変化前における点灯態様が対称(点対称や線対称)であり、点灯パターンの変化後における点灯態様も変化前と同じ対称性となる変化である対称の変化となる点灯態様や、連続する所定回数の変化の過程において、一方の表示器の対応部分における変化と他方の表示器の対応部分における変化が逆の順序となっている変化である逆順の変化となる点灯態様も含まれる。さらに、点灯と消灯を反転させることで上記の同一の変化、対称の変化又は逆順の変化に該当する変化となる点灯態様も含まれる。
図95(a)に示すようにここでの特図1変動中表示では、2つの発光部を点灯させる(1)〜(7)の7種類の点灯パターンと、すべての発光部を消灯する(8)の点灯パターンの8種類の点灯パターンを順次行うようになっている。
この特図1変動中表示において、(1)〜(4)の点灯パターンにおけるD1、D2、D5、D6の部分での点灯態様の変化は、図95(b)に示す普図変動中表示の(1)〜(4)の点灯パターンにおける点灯態様の変化と同一又は点対称の変化である。すなわち、点灯パターンの更新により点灯する発光部が遷移する方向が同一である変化となっている。また、(1)〜(4)の点灯パターンにおけるD3、D4、D7、D8の部分での点灯態様の変化は、図95(b)に示す普図変動中表示の(1)〜(4)の点灯パターンにおける点灯態様の変化と線対称となる変化である。
このように対称性を有する関係にある対応部分における点灯態様に関連を持たせることで、両表示器の表示に一体感が生まれ一括表示装置50における装飾性を高めることができる。なお、ここでは、特図1変動中表示において一の点灯パターンを表示する時間を52msとし、普図変動中表示において一の点灯パターンを表示する時間を104msとし、特図1変動中表示における点灯パターンを更新する間隔の時間が、普図変動中表示における点灯パターンを更新する間隔の時間の約数となるようにしたが、同一の時間としても良いし、その他の約数となる時間としても良い。また、特図1表示器51の発光部の数を、普図表示器53の発光部の数である4の倍数の一つである8としたが、これ以外の倍数となる数であっても良い。また、ここでの特図1表示器51と普図表示器53との関係は、変動中表示における点灯パターンを更新する間隔の時間の比と、発光部の数の比と、が逆数の関係となるようにして、さらに装飾性を高めるようにしているが、逆数の関係になくても良い。
この特図1変動中表示でも表示が一巡することで特図1表示器51に含まれる全ての発光部が点灯するようにされている。これにより、発光部の消耗度合を均一化することができるとともに、故障により点灯しない発光部の発見が容易となる。また、上記した普図変動中表示、特図1変動中表示及び特図2変動中表示では、同じ発光部が点灯する点灯パターンが連続しないようにし、変動中表示が進行していることを解りやすくしている。さらに、点灯パターンとしてすべての発光部を消灯する点灯パターンを含めることでも変動中表示が進行していることを解りやすくしている。
図96には特図1変動中表示の別例を示した。図96(a)に示す例では、特図1変動中表示におけるD1、D2、D5、D6の部分での点灯態様の変化は、図95(b)に示す普図変動中表示の点灯態様の変化と点灯と消灯を反転させることで同一となる変化である。また、図96(a)に示す特図1変動中表示におけるD3、D4、D7、D8の部分での点灯態様の変化は、図95(b)に示す普図変動中表示の点灯態様の変化と点灯と消灯を反転させることで逆順となる変化である。
図96(b)に示す例では、特図1変動中表示におけるD1、D2、D5、D6の部分での点灯態様の変化は、図95(b)に示す普図変動中表示の点灯態様の変化と逆順の変化である。また、図96(b)に示す特図1変動中表示におけるD3、D4、D7、D8の部分での点灯態様の変化は、図95(b)に示す普図変動中表示の点灯態様の変化と同一の変化である。
図97には、対称性を有する関係にある対応部分を含む表示器の別例を示した。この例では図97(a)に示すように、特図1表示器51における発光部D1〜D8の配置と、特図2表示器52における発光部D17〜D24の配置とが、対称性(ここでは線対称かつ点対称)を有する部分である対応部分となっている。なお、図97(a)における特図1表示器51と特図2表示器52は、それぞれはずれの結果態様を表示した状態を示している。
図97(b)には特図1表示器51における特図1変動中表示を示し、図97(c)には特図2表示器52における特図2変動中表示を示した。図97(b)に示す特図1変動中表示における点灯態様の変化は、図97(c)に示す特図2変動中表示における点灯態様の変化と線対称及び点対称の変化となっている。なお、この特図1変動中表示及び特図2変動中表示における各点灯パターンの表示時間は52msとなっている。
また、この特図1変動中表示及び特図2変動中表示はそれぞれ、一巡しても表示器に含まれる発光部のうち一部の発光部を使用しないようになっている。そして、図97(a)に示すように変動中表示で使用しない表示部を点灯させる点灯パターンが外れの結果態様を示す点灯パターンとなるようにされている。これにより、各発光部の消耗度合を均一化することができる。
図98には、特図1変動中表示及び普図変動中表示の別例を示した。この例では、点灯した2つの隣接する発光部が時計回り方向に周回するように点灯パターンを変化させている。このように、点灯パターンの変化の過程において、両表示器における点灯した発光部又は消灯した発光部の移動態様が同一である変化も関連を持った変化の一つである。
図99には、特図1変動中表示の別例を示した。この例では、時計回り方向に隣接する発光部が順次点灯するように点灯パターンを変化させ、すべての発光部が点灯した後に、時計回り方向に隣接する発光部が順次消灯するように点灯パターンを変化させるようになっている。このように、ある順番や方向に従って隣接する発光部が順次点灯又は消灯する変化となるように特図1変動中表示を行い、同様に他の表示器でもある順番や方向に従って隣接する発光部が順次点灯又は消灯する変化となるようにすることも関連を持った変化の一つとなる。
以上のことから、第1発光表示部(例えば、特図1表示器51)に含まれる発光部の数と、第2発光表示部(例えば、普図表示器53)に含まれる発光部の数は異なる数とされ、第1変動中表示(例えば、特図1変動中表示)を一巡させる時間と、第2変動中表示(例えば、普図変動中表示)を一巡させる時間と、を同じ時間とするように制御し、第1発光表示部の一部又は全部である2以上の発光部の配置と、第2発光表示部の一部又は全部である2以上の発光部の配置とは、同一又は対称な配置とされた対応部分とされており、第1変動中表示における任意の期間での第1発光表示部の対応部分における点灯態様の変化と、第2変動中表示における任意の期間での第2発光表示部の対応部分における点灯態様の変化とが、同一、対称若しくは逆順の変化又は点灯と消灯を反転させると同一、対称若しくは逆順となる変化の少なくとも一つの変化となるように制御するようにしていることとなる。
また、第1発光表示部(例えば、特図1表示器51)に含まれる発光部の数と、第2発光表示部(例えば、普図表示器53)に含まれる発光部の数は異なる数とされ、第1変動中表示(例えば、特図1変動中表示)を一巡させる時間と、第2変動中表示(例えば、普図変動中表示)を一巡させる時間と、を同じ時間とするように制御するようにしていることとなる。
また、第1発光表示部(例えば、特図1表示器51)に含まれる発光部の数は、第2発光表示部(例えば、普図表示器53)に含まれる発光部の数の倍数となる数であり、遊技制御手段(遊技制御装置100)は、第1変動中表示(例えば、特図1変動中表示)における点灯パターンを更新する間隔の時間が、第2変動中表示(例えば、普図変動中表示)における点灯パターンを更新する間隔の時間の約数となるように制御し、第1変動中表示を一巡させた場合には第1発光表示部に含まれる全ての発光部が少なくとも1回は点灯するように制御するとともに、第2変動中表示を一巡させた場合には第2発光表示部に含まれる全ての発光部が少なくとも1回は点灯するように制御するようにしている。
また、遊技制御手段(遊技制御装置100)は、第1変動中表示(例えば、特図1変動中表示)における点灯パターンの更新の間隔と、第2変動中表示(例えば、特図2変動中表示)における点灯パターンの更新の間隔とが同じ時間となるように制御するとともに、第1変動中表示と第2変動中表示の少なくとも一方は、表示を行う発光表示部に含まれる発光部のうちの一部の発光部を使用せずに表示可能とするようにしていることとなる。
また、遊技制御手段(遊技制御装置100)は、第1変動中表示(例えば、特図1変動中表示)における点灯パターンの更新の間隔と、第2変動中表示(例えば、特図2変動中表示)における点灯パターンの更新の間隔とが同じ時間となるように制御するようにしていることとなる。
図100には、一括表示装置50の変形例を示した。この一括表示装置50では、第2特図変動表示ゲームを表示する特図2表示器51をD17〜D20及びD22〜D25とし、第2特図変動表示ゲームを実行する権利である第2始動記憶の数を示す特図2保留表示器55をD21、D26としている。
また、一括表示装置50には、左打ちよりも右打ちの方が有利な遊技状態であることを報知する第1遊技状態表示部(第1遊技状態表示器、右打ち報知部)57、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部(第2遊技状態表示器、時短状態報知部)58をD11、D12、D14としている。さらに、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置38の開閉回数)を表示するラウンド表示部60をD13、D15、D16としている。
このように、各変動表示ゲームを表示する表示器と当該変動表示ゲームの始動記憶数を表示する保留表示器を隣接して設けることで遊技者が理解しやすくなる。また、スペックの異なる遊技機に対して同じ一括表示装置50を流用する場合において、ゲームの実行を保留するための始動記憶を発生させない変動表示ゲームがある場合に隣接する保留表示器を当該変動表示ゲームの表示器の一部として組み込むように利用すれば他の表示器の配置を変える必要がないため容易である。
なお、以上の説明においては、変動表示ゲームとして始動条件の成立に基づき所定の変動時間の後に結果を導出する変動表示ゲームを実行し、当該変動表示ゲームの結果が特別結果となることに基づき特別遊技状態を発生するいわゆる1種タイプの変動表示ゲームが挙げたが、これ以外の変動表示ゲームであっても良い。例えば、始動条件の成立に基づき所定の変動時間の後に結果を導出する変動表示ゲームを実行し、当該変動表示ゲームの結果が特定結果となることに基づき開放される入賞装置に流入した遊技球が当該入賞装置内の特定領域に入賞することに基づき、特別遊技状態を発生するいわゆる2種タイプの変動表示ゲームであっても良い。
また、上述した遊技機のように特図変動表示ゲームとして2つの独立した1種タイプの変動表示ゲームを行うようにしても良いし、一方を1種タイプ、他方を2種タイプとしても良いし、両方を2種タイプとしても良い。また、特図変動表示ゲームとして1つの1種タイプ又は2種タイプの変動表示ゲームを行うようにしても良い。また、普通変動入賞装置37を常時入賞可能な第2始動入賞口とし、当該第2始動入賞口への入賞に基づき第2始動記憶が発生するようにして、普図変動表示ゲームについては行わないようにしても良い。
また、上述した各変動中表示では同じ発光部が点灯する点灯パターンが連続しないようにしているが、同じ発光部が点灯する点灯パターンが連続するようにしても良い。また、まったく同一の点灯パターンが連続するようにしても良く、このようにすれば当該点灯パターンの表示時間を長くすることができる。
また、特図1表示器51、特図2表示器52及び普図表示器53に含まれる発光部の数は任意に設定可能である、もちろん一つの発光部のみで構成されていても良い。また、特図1変動中表示、特図2変動中表示及び普図変動中表示は、それぞれ異なる表示内容としたが同一の表示内容であっても良い。また、発光部の点灯態様として点灯と消灯を挙げたが、これ以外にも点滅や発光色の変化などを含んでいても良い。点滅の場合は点滅のパターンも点灯態様に含む。
また、一括表示装置50での特図1表示器51、特図2表示器52、普図表示器53での表示を制御するための点滅制御タイマに替えて、特図1保留表示器54、特図2保留表示器55、普図保留表示器56での点滅状態を制御するための点滅表示タイマを用いて表示を制御するようにしても良い。この場合、特図1表示器51、特図2表示器52、普図表示器53での表示において必要な表示更新タイミングに応じて、点滅表示タイマ領域の参照するビットを選択するようにし、当該ビットが0と1の何れであるかにより順次表示を更新するようにする。このようにすることで、特図1表示器51、特図2表示器52、普図表示器53での表示の切り替えタイミングと特図1保留表示器54、特図2保留表示器55、普図保留表示器56での点滅状態における発光状態の切替タイミングとを同期させることも可能となり、装飾性を向上することができる。
次に演出制御装置300での制御について説明する。演出制御装置300の主制御用マイコン(CPU)311では、図101に示すメイン処理と、図示しないタイマ割込み処理を行う。
〔メイン処理〕
図101に示すようにメイン処理では、はじめにプログラム開始時の処理を行う。このプログラム開始時の処理では、まず、割込みを禁止し(ステップC1)、CPUの初期設定を行う(ステップC2)。次に、VDP312の初期設定を行って(ステップC3)、割込みを許可する(ステップC4)。次いで、表示用データの生成を許可して(ステップC5)、乱数シードを設定し(ステップC6)、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(ステップC7)。これにより、停電発生検出済みフラグ等がクリアされる。
ステップC1からC7のプログラム開始時の処理を行った後、メインループ処理としてループの処理を行う。このループ処理では、まず、WDT(watchdog timer)をクリアする(ステップC8)。次いで、演出ボタン25やタッチパネル29の操作に基づく入力信号(立ち上がりエッジ)から入力情報を作成する演出ボタン入力処理(ステップC9)を行う。演出ボタン25やタッチパネル29からの入力の読み込みはタイマ割込み処理内で行い、この演出ボタン入力処理では演出ボタン25やタッチパネル29からの入力があった時に、演出内容を変更する処理等を行う。
そして、LEDや液晶の輝度、音量などの変更可能範囲の設定や、遊技者によるLEDや液晶の輝度、音量の変更などの操作を受け付けるホール・遊技者設定モード処理を行う(ステップC10)。次に、飾り特図変動表示ゲームの変動態様の詳細を決定する乱数を更新する乱数更新処理(ステップC11)を行う。
次いで、遊技制御装置100からのコマンドを解析して対応を行う受信コマンドチェック処理(ステップC12)を行い、演出の進行を制御するための設定や描画コマンドの編集を行う演出表示編集処理(ステップC13)を行って、描画コマンドの準備終了を設定する(ステップC14)。これらの処理では、描画する内容に合わせ各種データの更新を行う等して、最終的に描画データをフレームバッファに設定するところまで行う。1/30秒(約33.3m秒)以内に描画する画面の描画データを準備できていれば問題なく画像更新できる。
そして、フレーム切替タイミングであるか否かを判定する(ステップC15)。本実施形態では、システム周期(1フレーム1/30秒)を作るため、Vブランク割込(1/60秒)が2回入るとフレーム切替タイミングであると判定する。なお、フレーム切替タイミングは適宜任意に変更可能であり、例えば、1/60秒で画像の更新(フレームの切り替え)を行ってもよいし、1/60秒よりも遅いタイミングで画像の更新(フレームの切り替え)を行ってもよい。ステップC15で、フレーム切替タイミングでないと判定した場合(ステップC15;N)には、ステップC15の処理を繰り返して行う。一方、ステップC15で、フレーム切替タイミングであると判定した場合(ステップC15;Y)には、画面描画を指示する(ステップC17)。
その後、スピーカ(上スピーカ19a、下スピーカ19b)からの音声の出力に関する制御を行うサウンド制御処理(ステップC17)、盤装飾装置46や枠装飾装置18、サブ情報表示装置90などのLEDの制御を行う装飾制御処理(ステップC18)、盤演出装置44のモータやソレノイドの制御を行う可動体制御処理(ステップC19)を行う。そして、可動演出装置の初期動作の設定を行う初期動作処理を行い(ステップC20)、WDTをクリアする処理(ステップC8)に戻る。
〔受信コマンドチェック処理〕
図102には、上述のメイン処理における受信コマンドチェック処理を示した。この受信コマンドチェック処理では、まず、1フレーム(1/30秒間)の間に何個のコマンドを受信したかをカウントするコマンド受信カウンタの値をコマンド受信数としてロードし(ステップC201)、コマンド受信数が0でないか否かを判定する(ステップC202)。そして、コマンド受信数が0であると判定した場合(ステップC202;N)は、当該受信コマンドチェック処理を終了する。また、受信コマンド数が0でないと判定した場合(ステップC202;Y)には、コマンド受信カウンタ領域の内容をコマンド受信数分減算する(ステップC203)。
次いで、受信コマンドバッファの内容をコマンド領域にコピーして(ステップC204)、コマンド読出インデックスを0〜31の範囲で+1更新し(ステップC205)、コマンド受信数分のコマンドのコピーが完了したか否かを判定する(ステップC206)。このように、本実施形態では、受信コマンドバッファ内で直接コマンドの解析を行わず、受信コマンドバッファの内容をコマンド領域(解析用のRAM領域)にコピーし、コマンド領域でコマンドの解析作業を行うよう構成されている。これにより、コマンドの解析中に遊技制御装置100からコマンドが送信されてくる場合に備えて、コマンド(データ)を移動して空きを作っておくことができる。また、コマンドの解析をメイン処理一巡単位でまとめて行うことができる。
ステップC206で、コマンド受信数分のコマンドのコピーが完了していないと判定した場合(ステップC206;N)には、ステップC204の処理に戻る。また、コマンド受信数分のコマンドのコピーが完了したと判定した場合(ステップC206;Y)には、コマンド領域の内容をロードして(ステップC207)、受信コマンド解析処理(ステップC208)を行う。
次いで、コマンド領域のアドレスを更新し(ステップC209)、コマンド受信数分のコマンドの解析が完了したか否か判定する(ステップC210)。そして、コマンド受信数分のコマンドの解析が完了していないと判定した場合(ステップC210;N)には、ステップC207の処理に戻る。また、コマンド受信数分のコマンドの解析が完了したと判定した場合(ステップC210;Y)には、当該受信コマンドチェック処理を終了する。このように、受信コマンドチェック処理では、1フレーム(1/30秒間)の間に受信したコマンドをまとめて解析する。なお、本実施形態では、コマンドを32個分まで保存できる構成としている。
〔受信コマンド解析処理〕
図103には、上述の受信コマンドチェック処理における受信コマンド解析処理を示した。この受信コマンド解析処理では、まず、コマンド上位バイトをMODE、下位バイトをACT(ACTION)として分離し(ステップC231)、MODE及びACTは正常範囲であるか否かを判定する(ステップC232、ステップC233)。MODE及びACTは正常範囲であると判定した場合(ステップC232;Y、ステップC233;Y)には、MODEに対するACTは正しい組合せであるか否かを判定する(ステップC234)。
また、ステップC232、ステップC233で、MODE又はACTは正常範囲でないと判定した場合(ステップC232;N、ステップC233;N)、あるいは、ステップC234でMODEに対するACTは正しい組合せでないと判定した場合(ステップC234;N)には、受信コマンド解析処理を終了する。
ステップC234で、MODEに対するACTは正しい組合せであると判定した場合(ステップC234;Y)には、MODEは変動系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC235)。変動系コマンドは、特図の変動パターンを指令するコマンドである。そして、MODEは変動系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC235;Y)には、変動系コマンド処理(ステップC236)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC235で、MODEは変動系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC235;N)には、MODEは大当り系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC237)。大当り系コマンドは、大当り中演出に関する動作(ファンファーレ画面やラウンド画面の表示など)を指令するコマンドや、小当り中演出に関する動作(ファンファーレ画面や終了画面の表示など)を指令するコマンドである。そして、MODEは大当り系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC237;Y)には、大当り系コマンド処理(ステップC238)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC237で、MODEは大当り系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC237;N)には、MODEは図柄系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC239)。図柄系コマンドは、特図の図柄に関する情報(例えば、特図の停止図柄を何にするかなど)を指令するコマンドである。そして、MODEは図柄系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC239;Y)には、図柄系コマンド処理(ステップC240)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC239で、MODEは図柄系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC239;N)には、MODEは保留数コマンドやエラーコマンドなどの単発系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC241)。単発系コマンドは、図柄コマンドと変動系コマンドのように組合せで意味をなすコマンドと違い、単独で成立するコマンドである。この単発系コマンドには、客待ちデモコマンド、保留数コマンド、図柄停止コマンド、確率情報系コマンド、エラー/不正系コマンド、機種指定コマンドなどがある。そして、MODEは単発系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC241;Y)には、単発系コマンド処理(ステップC242)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC241で、MODEは単発系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC241;N)には、MODEは先読み図柄系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC243)。そして、MODEは先読み図柄系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC243;Y)には、先読み図柄系コマンド処理(ステップC244)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC243で、MODEは先読み図柄系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC243;N)には、MODEは先読み変動系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC245)。そして、MODEは先読み変動系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC245;Y)には、先読み変動系コマンド処理(ステップC246)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。また、ステップC245で、MODEは先読み変動系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC245;N)には、受信コマンド解析処理を終了する。
なお、先読み変動系コマンド及び先読み図柄系コマンドは、先読み演出を実行するために必要な情報を含むコマンドである。先読み演出(先読み予告、或いは先読み予告演出ともいう)とは、特図変動表示ゲームが未実行の始動記憶(保留)に対応する特図変動表示ゲームがその後実行された時に大当りになるか否か(或いはどんな変動パターンになるか)を、所定の信頼度で遊技者に事前報知すべく、表示装置41に表示する飾り特図始動記憶表示等を通常と異なる態様で行うことや、表示装置41に演出表示を行うなどの演出である。そして、先読み系コマンド(先読み変動系コマンド及び先読み図柄系コマンド)は、先読み演出の対象となる始動記憶に対応する変動パターンや停止図柄を事前に知らせるコマンドであり、始動入賞時に遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される。なお、先読みでない通常の変動系コマンドや図柄系コマンドは、変動表示開始時に遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される。
〔単発系コマンド処理〕
図104には、上述の受信コマンド解析処理における単発系コマンド処理を示した。この単発系コマンド処理では、まず、MODEは遊技制御装置100に設定された機種に関する情報を含む機種指定コマンドに対応するものであるかを判定する(ステップC261)。そして、MODEは機種指定コマンドに対応するものであると判定した場合(ステップC261;Y)は、内部情報をコマンドに対応する機種情報に書き換える機種設定処理を行い(ステップC262)、単発系コマンド処理を終了する。
また、ステップC261で、MODEは機種指定コマンドに対応するものでないと判定した場合(ステップC261;N)は、RAM111Cの初期化を行ったことを示すRAM初期化コマンドに対応するものであるかを判定する(ステップC263)。そして、MODEはRAM初期化コマンドに対応するものであると判定した場合(ステップC263;Y)には、RAM初期化処理を行い(ステップC264)、単発系コマンド処理を終了する。RAM初期化処理(ステップC264)では、初期化の必要な領域を初期化し、RAM初期化画面情報を設定する。さらに、RAM初期化が行われた際の演出を行うためにRAM初期化用シナリオデータを設定する。
また、ステップC263で、MODEはRAM初期化コマンドに対応するものでないと判定した場合(ステップC263;N)は、MODEはRAM111Cの初期化を行わずに停電から復旧したことを示す停電復旧コマンドに対応するものであるかを判定する(ステップC265)。そして、MODEは停電復旧コマンドに対応するものであると判定した場合(ステップC265;Y)には、停電復旧処理を行い(ステップC266)、単発系コマンド処理を終了する。停電復旧処理(ステップC266)では、初期化の必要な領域を初期化し、停電復旧画面を表示するための復旧画面情報を設定する。さらに、停電復旧の際の演出を行うために停電復旧用シナリオデータを設定する。
また、ステップC265で、MODEは停電復旧コマンドに対応するものでないと判定した場合(ステップC265;N)は、MODEは客待ちデモの開始を示す客待ちデモコマンドに対応するものであるかを判定する(ステップC267)。そして、MODEは客待ちデモコマンドに対応するものであると判定した場合(ステップC267;Y)には、客待ちデモ処理を行い(ステップC268)、単発系コマンド処理を終了する。客待ちデモ処理(ステップC268)では、P機(パチンコ機)状態を客待ちデモ中に設定し、客待ち演出を行うために客待ち用シナリオデータを設定する。
また、ステップC267で、MODEは客待ちデモコマンドに対応するものでないと判定した場合(ステップC267;N)には、MODEは特図1保留であるかを判定する(ステップC269)。そして、MODEは特図1保留である場合(ステップC269;Y)には、発生した保留に対応する飾り特図始動記憶表示を表示装置41に表示する処理や消化された保留に対応する飾り特図始動記憶表示を消去する処理などを行う特図1保留情報設定処理を行い(ステップC270)、単発系コマンド処理を終了する。また、ステップC269で、MODEは特図1保留に対応するものでないと判定した場合(ステップC269;N)には、MODEは特図2保留であるかを判定する(ステップC271)。そして、MODEは特図2保留である場合(ステップC271;Y)には、発生した保留に対応する飾り特図始動記憶表示を表示装置41に表示する処理や消化された保留に対応する飾り特図始動記憶表示を消去する処理などを行う特図2保留情報設定処理を行い(ステップC272)、単発系コマンド処理を終了する。すなわち、演出制御装置300が、個々の始動記憶に対応した始動記憶表示(飾り特図始動記憶表示)により始動記憶に関する情報を表示する始動記憶報知表示を行う始動記憶表示手段をなす。
また、ステップC271で、MODEは特図2保留でない場合(ステップC271;N)には、MODEは確率情報であるかを判定する(ステップC273)。そして、MODEは確率情報である場合(ステップC273;Y)には、現在の確率状態に関する設定を行う確率情報設定処理を行い(ステップC274)、単発系コマンド処理を終了する。
また、ステップC273で、MODEは確率情報でない場合(ステップC273;N)には、MODEはエラー/不正であるかを判定する(ステップC275)。そして、MODEはエラー/不正である場合(ステップC275;Y)には、エラー報知を行うなどの対応する処理を行うエラー/不正設定処理を行い(ステップC276)、単発系コマンド処理を終了する。
また、ステップC275で、MODEはエラー/不正でない場合(ステップC275;N)には、MODEは演出モード切替であるかを判定する(ステップC277)。そして、MODEは演出モード切替である場合(ステップC277;Y)には、演出モードを切り替える処理を行う演出モード切替処理を行い(ステップC278)、単発系コマンド処理を終了する。
また、ステップC277で、MODEは演出モード切替でない場合(ステップC277;N)には、MODEは図柄停止であるかを判定する(ステップC279)。そして、MODEは図柄停止でない場合(ステップC279;N)は、単発系コマンド処理を終了する。また、MODEは図柄停止である場合(ステップC279;Y)には、正常なコマンドであるかを判定する(ステップC280)。正常なコマンドであるかの判定では、例えば飾り特図停止コマンドの対象が現在変動中の特図を対象としたものであるかを判定する。
そして、正常なコマンドでない場合(ステップC280;N)は、単発系コマンド処理を終了する。また、正常なコマンドである場合(ステップC280;Y)は、対応する特図の停止設定を行い(ステップC281)、全図柄が停止したなら遊技状態フラグを通常状態に設定して(ステップC282)、単発系コマンド処理を終了する。これにより、対応する飾り特図変動表示ゲームの変動表示が停止する。遊技状態フラグは現在の遊技状態を示すフラグであり、通常状態の他、変動中、大当り中、小当り中などの状態を示すフラグがあり、状況に応じて適切なフラグが設定される。
〔先読み図柄系コマンド処理〕
図105には、上述の受信コマンド解析処理における先読み図柄系コマンド処理(ステップC244)を示した。この先読み図柄系コマンド処理では、まず、最新の保留情報が特図1保留であるかを判定する(ステップC301)。最新の保留情報が特図1保留である場合(ステップC301;Y)、すなわち、受信した先読み図柄系コマンドが特図1保留に関するものである場合は、コマンドを特図1保留数に対応する特図1先読み図柄コマンド領域にセーブし(ステップC302)、先読み変動コマンド受信待ちフラグをセットして(ステップC304)、先読み図柄系コマンド処理を終了する。
また、最新の保留情報が特図1保留でない場合(ステップC301;N)、すなわち、受信した先読み図柄系コマンドが特図2保留に関するものである場合は、コマンドを特図2保留数に対応する特図2先読み図柄コマンド領域にセーブし(ステップC303)、先読み変動コマンド受信待ちフラグをセットして(ステップC304)、先読み図柄系コマンド処理を終了する。ステップC304で先読み変動コマンド受信待ちフラグをセットするのは、先読み図柄コマンドと先読み変動コマンド(先読み変動パターンコマンド)とがセット(ペア)のためである。
〔先読み変動系コマンド処理〕
図106には、上述の受信コマンド解析処理における先読み変動系コマンド処理(ステップC246)を示した。この先読み変動系コマンド処理では、まず、先読み変動コマンド受信待ち中であるかを判定する(ステップC311)。ここでは、上述の先読み図柄系コマンド処理で設定される先読み変動コマンド受信待ちフラグがある場合に受信待ち中と判定するようになっている。先読み変動コマンド受信待ち中でない場合(ステップC311;N)は、先読み変動系コマンド処理を終了する。一方、先読み変動コマンド受信待ち中である場合(ステップC311;Y)は、先読み変動コマンド受信待ちフラグをクリアする(ステップC312)。
その後、ステップC313〜C316の処理では、遊技制御装置100から受信した先読み変動コマンド(先読み変動パターンコマンド)を、演出制御装置300での処理に便利なように変換する処理を行う。まず、最新保留情報の図柄の保留数に対応する先読み変動MODE変換テーブルを設定する処理(ステップC313)を行って、今回受信した先読み変動系コマンドに対応する始動記憶の特図種別の情報と当該特図種別の現在の保留数とに応じて、MODEを変換するためのMODE変換テーブルを設定する。
次いで、設定したMODE変換テーブルを参照して、先読み変動コマンドのMODEに対応するサブ内先読み変動コマンドMODEを取得する(ステップC314)。さらに、先読み変動ACT変換テーブルを設定して(ステップC315)、先読み変動コマンドのACTに対応するサブ内先読み変換コマンドACTを取得する(ステップC316)。
MODEには前半変動の情報が含まれているが、このMODEに基づき設定される前半変動の内容や時間は判定時における保留数によって変化するので、事前判定時の判定と特図変動表示ゲーム開始時の判定とで判定結果が異なる場合がある。よって、判定時の保留数に影響されずに先読み予告演出の処理を容易かつ確実に行うことができるようにするために、現在の保留数に応じた変換態様でMODEを変換し、判定時の保留数によらずに共通して扱うことができるようにしている。例えば、リーチなしはずれ変動であって保留の状況によっては短い前半変動時間になる可能性があるものや、リーチなしはずれ変動であって保留の状況にかかわらず長い前半変動時間となるもののように、先読み予告演出の設定で考慮する事項で区分けしたMODEに変換しておき、先読み予告演出の処理を容易かつ確実に行うことができるようにする。
また、ACTにはリーチの有無やリーチの種類などの後半変動の情報が含まれている。このACTに基づき設定される後半変動の内容は判定時の保留数によって変化することはない。しかし、例えばノーマルリーチでも、最終停止図柄がリーチ図柄の1コマ手前で停止するはずれと、1コマ先で停止するはずれと、当りの場合とが設定されているように、同種のリーチでも様々な態様があり、このそれぞれに対応したACTが設定されているため、値の範囲が広いものとなっている。このため、同一系統のリーチに対応するACTを同一のACTに変換することで数を減らし、先読み予告演出の処理におけるチェックなどの処理負担を軽減するようにしている。
次いで、変換後のMODE、ACTは共に0以外であるかを判定する(ステップC317)。変換後のMODE、ACTは共に0以外でない場合(ステップC317;N)は、異常なコマンド値であるので先読み変動系コマンド処理を終了する。一方、変換後のMODE、ACTは共に0以外である場合(ステップC317;Y)は、変換後コマンドを最新保留情報、保留数に対応する先読み変動コマンド領域にセーブして(ステップC318)、MODEとACTの組合せ(コマンド組合せ)が正常であるかを判定する先読みコマンド整合チェック処理(ステップC319)を行う。
先読みコマンド整合チェック処理(ステップC319)の結果、コマンド組合せが正常でない場合(ステップC320;N)は、先読み変動系コマンド処理を終了する。一方、コマンド組合せが正常である場合(ステップC320;Y)は、先読み予告演出の実行を抽選する先読み抽選処理(ステップC321)を行い、先読み予告演出を発生するかを判定する(ステップC322)。
そして、先読み予告演出を発生しない場合(ステップC322;N)は、先読み変動系コマンド処理を終了する。一方、先読み予告演出を発生する場合(ステップC322;Y)は、未だ実行されていない特図変動表示ゲームにおいて実行することが当該特図変動表示ゲームの開始前に予め決定される演出である特定演出であるかを判定する(ステップC323)。
特定演出でない場合(ステップC323;N)は、選出された先読み予告演出に対応する表示を設定し(ステップC324)、先読み変動系コマンド処理を終了する。この場合の先読み予告演出は、表示装置41に表示される飾り特図始動記憶表示の表示態様を現時点から変更する保留変化予告などである。
また、特定演出である場合(ステップC323;Y)は、対象となる全てのゲームの先読み予告演出を設定し(ステップC325)、特定演出フラグをセーブする(ステップC326)。さらに、当該始動記憶に対応する特定演出情報格納領域の領域に最終フラグをセーブして(ステップC327)、先読み変動系コマンド処理を終了する。
例えば、発生する先読み予告演出(すなわち、先読み抽選処理(ステップC321)で選出された先読み予告演出)が、複数の特図変動表示ゲームに亘り連続で特定の演出やリーチ状態を発生させる演出や、変動表示中に登場するキャラクタによって予告を行う演出のような特定演出の場合は、ステップC325において先読み予告演出の対象となる各特図変動表示ゲームで実行する演出内容を先読み予告演出の実行を決定した際に予め設定するようにしている。
なお、表示装置41に表示される飾り特図始動記憶表示の表示態様を現時点から変更する保留変化予告について、当該始動記憶の消化までの特図変動表示ゲームにおいてさらなる表示態様の変化が行われる場合に、どのタイミングで変化を行うかを予め設定するようにしても良い。また、飾り特図始動記憶表示の表示態様を現時点よりも後のタイミングで変更する保留変化予告であれば、その変化のタイミングを予め設定するようにしても良い。
図107には、未だ実行されていない特図変動表示ゲームにおいて実行することが当該特図変動表示ゲームの開始前に予め決定される演出である特定演出について、当該特定演出の実行が決定された際に予め設定する情報を記憶しておくための、RAM322に設定される特定演出情報格納領域を示した。
図107(a)に示すように特定演出情報格納領域には、第1始動記憶(特図1)のそれぞれの始動記憶について消化順序と対応付けられた領域1aから1dと、第2始動記憶(特図2)のそれぞれの始動記憶について消化順序と対応付けられた領域2aから2dの8つの領域が設けられている。また、現在実行中の特定演出の情報を格納する実行中領域が設けられている。そして、特定演出の実行が決定された際には、ステップC325において各始動記憶に基づく特図変動表示ゲームにおける特定演出の内容が決定され、対応する領域に情報が格納される。
図107(b)には、第1始動記憶について特定演出をなす先読み予告演出としてカウントダウン予告が設定された場合を示した。この場合は、消化順序が4番目となる第1始動記憶が発生した際に当該始動記憶を対象とする先読み予告演出の実行が決定された場合である。そして、特定演出の実行の決定に基づき先読み予告演出の対象となる消化順序が1から4番目の始動記憶について、それぞれの特図変動表示ゲームでの演出内容が決定され、特定演出情報格納領域の対応する領域に情報が格納される。
消化順序が1番目及び2番目の第1始動記憶については、カウントダウン予告「表示なし」が設定されている。これによりこれらの始動記憶に基づく特図変動表示ゲームではカウントダウン予告は表示されない。ただし、特定演出情報格納領域に情報が設定されていることで特定演出の実行期間であることは把握できるようにされている。このように演出を実行しない旨についても予め設定しておくことが可能であり、これにより後に実行されるカウントダウン予告と矛盾するような演出が行われてしてしまうことを防止できる。
また、消化順序が3番目の第1始動記憶については、カウントダウン予告「カウント1」が設定されている。これによりこの始動記憶に基づく特図変動表示ゲームでは、予告対象の特図変動表示ゲームの一つ前であることを示す「1」の表示を行う演出が実行される。そして、消化順序が4番目の第1始動記憶については、カウントダウン予告「カウント0」が設定されている。これによりこの始動記憶に基づく特図変動表示ゲームでは、予告対象の特図変動表示ゲームであることを示す「0」の表示を行う演出が実行される。
なお、特定演出が開始されていない時点では実行中領域には情報は格納されていない。特定演出の対象となる特図変動表示ゲームが開始される毎に、第1始動記憶の消化順序1番目の領域の情報と、第2始動記憶の消化順序1番目の領域の情報のうち、消化された始動記憶に対応する領域の情報が実行中領域にコピーされる。また、これに伴いコピー元の領域の情報は消去され、消化順序2〜4の情報が一つずつ繰り上げられる。
図107(c)には、第2始動記憶について特定演出をなす先読み予告演出として連続予告が設定された場合を示した。この場合は、消化順序が4番目となる第2始動記憶が発生した際に当該始動記憶を対象とする先読み予告演出の実行が決定された場合である。そして、先読み予告演出の対象となる消化順序が1から4番目の始動記憶について、それぞれの特図変動表示ゲームでの演出内容が決定され、特定演出情報格納領域の対応する領域に情報が格納される。この例では消化順序に応じて連続予告の1回目から4回目の演出が順次行われるように設定されている。
なお、先読み系コマンドの受信に基づき特定演出の実行を決定するようにしたが、任意のタイミングで特定演出の実行を決定し、各始動記憶に基づく特図変動表示ゲームにおける特定演出の内容を決定して特定演出情報格納領域に情報を格納するようにしても良い。また、先読み系コマンドの情報に基づかずに特定演出として先読み予告演出ではない演出を設定することも可能であり、例えば、現時点で消化順序が4つ目となる第1始動記憶に基づく特図変動表示ゲームにおいて演出を行うことを設定することも可能である。この場合、当該演出の対象となる始動記憶が未だ発生していなくても演出の実行を設定可能であり、特定演出情報格納領域の対応する領域に情報を格納しておけば良い。
〔図柄系コマンド処理〕
図108には、上述の受信コマンド解析処理における図柄系コマンド処理(ステップC240)を示した。この図柄系コマンド処理では、まず、MODEに対応する特図種別(特図1か特図2の何れか)を設定し(ステップC351)、MODEとACTの組み合わせに対応する図柄種別を設定してセーブし(ステップC352)、図柄系コマンド処理を終了する。
図柄種別とは、はずれ図柄、16R確変A大当り図柄、16R確変B大当り図柄、16R通常A大当り図柄、16R通常B大当り図柄、4R確変大当り図柄、小当り図柄等の図柄のカテゴリであり、ACTのデータと対応付けられている。特図1と特図2で図柄の割合が変わるので(確変割合は同じ)、MODE毎にこの図柄種別設定テーブルを分けて設けており、複数ある図柄種別設定テーブルからMODEのデータに対応するものを選択し、さらに当該テーブルを参照してACTに対応する図柄種別を設定する。
〔変動系コマンド処理〕
図109には、上述の受信コマンド解析処理における変動系コマンド処理(ステップC236)を示した。この変動系コマンド処理では、まず、特図種別が未確定であるかを判定する(ステップC361)。特図種別とは、特図の種別が特図1か特図2かを示す情報であり、上述の図柄系コマンド処理のステップC251で設定される情報である。
この特図種別が未確定である場合(ステップC361;Y)は、変動系コマンド処理を終了する。また、特図種別が未確定でない場合(ステップC361;N)、すなわち特図種別が設定されている場合は、変動コマンドと図柄コマンドの組み合わせをチェックし(ステップC362)、変動コマンドと図柄種別が不整合であるかを判定する(ステップC363)。
変動コマンドと図柄種別が不整合である場合(ステップC363;Y)は、変動系コマンド処理を終了する。また、変動コマンドと図柄種別が不整合でない場合(ステップC363;N)は、変動コマンドから変動パターン種別を判別する(ステップC364)。図柄種別とは図柄のカテゴリを意味し、図柄種別には例えば、はずれ図柄、16R確変A大当り図柄、16R確変B大当り図柄、16R通常A大当り図柄、16R通常B大当り図柄、4R確変大当り図柄、小当り図柄などがある。変動コマンドと図柄種別が不整合である場合とは、はずれの変動コマンド(変動パターンコマンド)を受信したのに、16R確変A大当り図柄の図柄コマンドを受信していた時のような、演出を行う上で矛盾してしまう組み合わせ(変動コマンドと図柄種別の組み合わせ)であることを意味する。
変動コマンドから変動パターン種別を判別する処理(ステップC364)では、受信したコマンドに応じて、特図の変動表示演出の大まかな分類である変動パターン種別を判別する。そして、変動コマンドに応じた演出を行うための情報を設定する変動演出設定処理を行う(ステップC365)。
次に、P機状態(パチンコ機の状態)として特図変動中を設定する(ステップC366)。ここで、特図変動中とは、特図の変動中(客待ちデモ中や大当り中、或いはファンファーレ中等でないこと)を表している。さらに、先読み演出回数(先読み実行回数)がゼロでなければ先読み演出回数を−1更新(先読み演出回数を1だけ減らす処理)し(ステップC367)、変動系コマンド処理を終了する。なお、特定演出情報格納領域の情報により先読み予告演出の実行回数や終了を管理可能であることから先読み演出回数を設定しなくても特定演出を管理することは可能である。
〔変動演出設定処理〕
図110には、上述の変動系コマンド処理における変動演出設定処理(ステップC365)を示した。この変動演出設定処理では、まず、変動パターン種別がリーチなし変動であるかを判定する(ステップC381)。変動パターン種別がリーチなし変動である場合(ステップC381;Y)は、機種コード及び特図種別とその時点の演出モードに対応する前半予告振分グループアドレステーブルを設定する(ステップC382)。なお、リーチなし変動であるので図柄種別は必ずはずれ図柄であり、ここでは図柄種別を特に参照しなくてもよい。なお演出モードは、演出制御装置300が管理する遊技モードに相当し、機種によって当然異なるが、ここでは通常モード、確変モード、時短モード及び潜伏モードなどがある。さらに、各モード内に予告演出の振り分け率や表示装置41における飾り特図変動表示ゲームの演出態様を異ならせた複数のモードを設けている。
次に、前半予告振分グループアドレステーブルを参照して、MODE、特図種別の保留数に対応する前半予告振分グループテーブルのアドレスを取得する(ステップC383)。これによりリーチなし変動の場合には、各変動中に出現する予告演出の抽選内容(具体的には各予告演出態様の出現率)を保留数に応じて変化させることが可能となる。その後、前半変動中に出現する予告を設定するための前半予告設定処理を行う(ステップC386)。
一方、変動パターン種別がリーチなし変動でない場合(ステップC381;N)は、機種コード、特図種別、演出モード及び図柄種別に対応する前半予告振分グループアドレステーブルを設定する(ステップC384)。そして、前半予告振分グループアドレステーブルを参照して、MODE、変動パターン種別に対応する前半予告振分グループテーブルのアドレスを取得し(ステップC385)、前半変動中に出現する予告を設定するための前半予告設定処理を行う(ステップC386)。
次に、後半変動の予告演出を抽選する。なお、特図変動表示ゲームの後半変動とはいわゆるリーチアクション(例えば、特図の複数列の表示領域のうち特定領域を除く表示領域が大当りとなる特別結果態様(特別な図柄の組合せ)で変動表示が停止していて、特定領域のみで変動表示している状態)の変動表示である。一方、特図変動表示ゲームの前半変動とはリーチアクション開始前までの変動表示である。
まず、機種コード、特図種別、演出モード及び図柄種別に対応する後半予告振分グループアドレステーブルを設定する(ステップC387)。後半予告振分グループアドレステーブルは、後半予告振分グループテーブルのアドレスを選択するためのテーブルである。そして、後半予告振分グループアドレステーブルを参照してACTに対応する後半予告振分グループテーブルのアドレスを取得し(ステップC388)、後半予告振分グループテーブルを使って後半変動中(リーチ中)に出現する予告の抽選を行う(ステップC389)。
その後、MODE、ACTに対応する変動演出の内容を決定し(ステップC390)、予告抽選結果に対応する演出の内容を決定する(ステップC391)。これにより、飾り特図変動表示ゲームの変動時間や主なリーチ内容などの演出や予告が決定されることとなる。さらに、決定された特図変動表示ゲームの変動パターン(リーチ演出など)や予告内容も参照して停止図柄を決定する停止図柄設定処理を行う(ステップC392)。
次に、変動演出の表示設定を行い(ステップC393)、予告演出の表示設定を行う(ステップC394)。これらの処理により、上述したように設定された飾り特図変動表示ゲームでの演出や予告が実行可能となる。そして、BGMの番号である音番号、装飾ランプ等による演出の種類を示す番号である装飾番号を設定し(ステップC395)、特図種別に対応する飾り特図変動(識別情報の変動表示)の表示設定を行う(ステップC396)。さらに、情報表示装置630において、識別情報の変動表示とは別に飾り特図変動表示ゲームを表示する第4図柄の変動表示を設定するために、特図種別に対応する第4図柄変動の表示設定を行い(ステップC397)、変動演出設定処理を終了する。
〔前半予告設定処理〕
図111には、上述の変動演出設定処理における前半予告設定処理(ステップC386)を示した。この前半予告設定処理では、まず、特定演出の実行が決定された場合に設定され、特定演出の対象となる最後の始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始時にクリアされる特定演出フラグがあるかを判定する(ステップC551)。この特定演出フラグがない場合(ステップC551;N)は、前半変動中に出現する予告の抽選を行い(ステップC558)、前半予告設定処理を終了する。この処理では、前半予告振分グループテーブルを使って前半変動中に出現する予告の抽選を行う。この場合、特定演出は選択されない。
また、特定演出フラグがある場合(ステップC551;Y)は、前半予告演出として特定演出情報格納領域の対象となる特図種別(今回特図変動表示ゲームを実行する特図種別)での消化順序が1番目の領域に記憶された演出を設定する(ステップC552)。これにより、特定演出を実行すると決定された際に予め設定された情報に基づき前半予告演出が設定されることとなる。次に、当該消化順序が1番目の領域の情報を実行中領域にコピーし(ステップC553)、予告対象の始動記憶に設定される最終フラグがあるかを判定する(ステップC554)。
最終フラグがない場合(ステップC554;N)、すなわち、今回の特図変動表示ゲームが特定演出を実行する最後の特図変動表示ゲーム(先読み予告演出であれば予告対象の特図変動表示ゲーム)でない場合はステップC556に移行する。また、最終フラグがある場合(ステップC554;Y)、すなわち、今回の特図変動表示ゲームが特定演出を実行する最後の特図変動表示ゲーム(先読み予告演出であれば予告対象の特図変動表示ゲーム)である場合は、特定演出フラグをクリアして(ステップC555)、ステップC556に移行する。そして、対象となる特図種別の領域の情報を消化順序が一つ早い領域へシフトして(ステップC556)、シフト後の空き領域をクリアし(ステップC557)、前半予告設定処理を終了する。
特定演出フラグがクリアされた状態では特定演出情報格納領域を参照した特定演出の設定が行われないようになる。これにより、何らかの原因により特定演出情報格納領域に情報が残ってしまったとしてもこの情報に基づく演出の設定はなされないようになり、意図しない特定演出の実行を防止できる。
以上の処理により、特定演出情報格納領域に予め設定された情報に基づき特定演出が設定されるようになる。なお、前半変動中に特定演出を行うとしたが、後半変動中にも特定演出を行うようにしても良いし、前半と後半に亘り特定演出をしても良い。ただし、後半変動中に特定演出を行うためには当該特図変動表示ゲームがリーチとなる必要があるため、先読み情報に基づきリーチとなることが判明した始動記憶についてのみ後半変動中の特定演出を設定してその情報を特定演出情報格納領域に記憶するようにする。
〔特図1保留情報設定処理〕
図112には、上述の単発系コマンド処理における特図1保留情報設定処理(ステップC270)を示した。この特図1保留情報設定処理では、まず、現在記憶されている特図1保留数をロードし前保留数とし(ステップC501)、新保留数として特図1保留数にコマンドの値をセットして(ステップC502)、新保留数と前保留数が同じであるかを判定する(ステップC503)。
新保留数と前保留数が同じである場合(ステップC503;Y)は、特図1保留情報設定処理を終了する。また、新保留数と前保留数が同じでない場合(ステップC503;N)は、新保留数に対応する保留用モーション制御テーブルのインデックスを算出してセーブし(ステップC504)、シナリオレイヤー番号6を準備する(ステップC505)。さらに、特図1保留シナリオ用データテーブル(保留X個)のアドレスを準備し(ステップC506)、シナリオデータ設定処理を行う(ステップC507)。この処理により、保留数の増加又は減少に伴う飾り特図始動記憶表示の表示又は消去と、これに伴う装飾表示(アニメーション)が設定される。なお、装飾表示の実行中に新たな始動記憶が発生した場合は、実行中の装飾表示の終了後に新たな始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示の表示と装飾表示が実行されるように設定する。
そして、保留数が増加したかを判定し(ステップC508)、増加した場合(ステップC508;Y)は、新保留数に対応する色情報領域に保留通常点灯の表示パターンを設定する(ステップC509)。これにより、今回発生した始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示について、先読み予告演出などが行われていない通常表示態様での表示が設定される。なお、当該飾り特図始動記憶表示においての先読み予告演出については先読み変動系コマンド処理にて設定が行われる。
その後、P機状態が大当り中であるかを判定し(ステップC510)、大当り中である場合(ステップC510;Y)は、特図1保留情報設定処理を終了する。また、大当り中でない場合(ステップC510;N)は、始動口入賞音を出力要求し(ステップC511)、特図1保留情報設定処理を終了する。
一方、保留数が増加していない場合(ステップC508;N)、すなわち減少した場合は、特図1先読み情報領域をシフトし(ステップC512)、色情報領域をシフトして(ステップC513)、特図1保留情報設定処理を終了する。
なお、大当り中でない場合に始動口入賞音を出力するようにしたが、特図1保留表示器54の表示状態として、点滅状態が開始される場合や終了する場合にのみ始動口入賞音を出力するようにしても良い。点滅状態が開始される場合や終了する場合は、移行の前後で発光状態が同一であると移行したか否かを認識しにくくなるが、始動口入賞音を出力することでこのような問題を解消できる。また、点滅状態が開始される場合であって、移行の前後で発光状態が同一である場合のみ始動口入賞音を出力するようにしても良い。
〔特図2保留情報設定処理〕
図113には、上述の単発系コマンド処理における特図2保留情報設定処理(ステップC272)を示した。この特図2保留情報設定処理では、上述の特図1保留情報設定処理と同様の処理を第2始動記憶について行うものであり、ステップC521〜C531、C535、C536の処理は上述の特図1保留情報設定処理と同様の処理である。
また、保留数が増加した場合(ステップC528;Y)には、特定演出フラグがあるかを判定し(ステップC532)、特定演出フラグがない場合(ステップC532;N)は、特図2保留情報設定処理を終了する。また、特定演出フラグがある場合(ステップC532;Y)は、対象が特図1(第1始動記憶)であるか、すなわち、特定演出を実行する最後の特図変動表示ゲーム(先読み予告演出であれば予告対象の特図変動表示ゲーム)が第1始動記憶に基づく特図変動表示ゲームであるかを判定する(ステップC533)。
対象が特図1でない場合(ステップC533;N)は、特図2保留情報設定処理を終了する。また、対象が特図1である場合(ステップC533;Y)は、特定演出情報格納領域の実行中領域の情報を対応する領域にコピーして(ステップC534)、特図2保留情報設定処理を終了する。これにより割り込んで実行される特図2変動表示ゲームでは実行中の特定演出が繰り返し行われることとなる。
このように情報をコピーするようにしたことで、簡単な制御で矛盾がなく遊技者が認識しやすい演出を行うことができる。また、第1始動記憶を対象とした特定演出の実行中に発生した新たな第2始動記憶に基づく特図変動表示ゲームを開始する際に、特定演出の進行度合い(現在何回目であるかなど)をいちいち参照する必要がなく、制御の負担を軽減することができる。
図114には、始動記憶が消化されて減少する際の装飾表示(アニメーション)の一例を示した。図114(a)に示すように表示装置41の表示領域の中央には、飾り特図変動表示ゲームを表示する飾り特図変動表示ゲーム表示部85が設けられる。ここでは、左、中、右の変動表示領域の各々で識別情報を変動表示した後に停止表示することで飾り特図変動表示ゲームを表示する。
また、表示領域の中央下部には始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示を表示する記憶表示部83が設けられる。記憶表示部83には、第1始動記憶を表示する第1記憶表示部83aと、第2始動記憶を表示する第2記憶表示部83bとが設けられている。第1記憶表示部83aに表示される飾り特図始動記憶表示は、第1始動記憶と一対一に対応し、記憶順に並んで表示されるものであり、ここでは4つの第1始動記憶があることを示している。左端の飾り特図始動記憶表示が最先に記憶された第1始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示であり、消化される毎に左へ移行するようになっている。また、それぞれの始動記憶に対応する特図1変動表示ゲームの結果や変動パターン等の先読み結果をその表示態様により示唆することが可能である。
また、第2記憶表示部83bでは第1記憶表示部83aと同様に第2始動記憶と一対一に対応した飾り特図始動記憶表示を表示する。なお、図114(a)では、消化順序が3番目の第2始動記憶について飾り特図始動記憶表示の表示態様を変化させる先読み演出が行われている。
第1記憶表示部83aの左方には、現在実行中の特図変動表示ゲームに対応する始動記憶に関する情報を表示する実行中記憶表示部84が設けられる。この実行中記憶表示部84には、特図変動表示ゲームの開始時に第1記憶表示部83a又は第2記憶表示部83bの左端にある飾り特図始動記憶表示が移行し、実行される特図変動表示ゲームの結果や変動パターン等をその表示態様により示唆するようになっている。
表示領域の右上部には、始動記憶数を表示する始動記憶数表示部86が設けられる。この始動記憶数表示部86には、第1始動記憶の数を表示する第1始動記憶数表示部86aと、第2始動記憶の数を表示する第2始動記憶数表示部86bとが設けられている。
図114(a)に示す状態から第2始動記憶が消化されて減少すると、図114(b)に示すように第2記憶表示部83bの左端にある飾り特図始動記憶表示が第2記憶表示部83bの左上方へ飛び出し、図114(c)に示すように実行中記憶表示部84へ流入する表示が行われる。また、図114(b)、(c)に示すように始動記憶数表示部86では、第2始動記憶数表示部86bの数値が減少するとともに拡大表示される表示が行われる。
そして、図114(d)に示すように飾り特図変動表示ゲーム表示部85では第2始動記憶に基づく特図2変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームが開始される。また、第2記憶表示部83bでは、図114(d)に示すように飾り特図始動記憶表示が第2記憶表示部83bの上方へ飛び出し、図114(e)に示すように一つずつ左の位置へ移行するように第2記憶表示部83bに戻る表示が行われる。
これにより、図114(f)に示すように第2始動記憶の消化に伴い、図114(a)の状態から第2記憶表示部83bの飾り特図始動記憶表示が一つずつ左へシフトした状態となるとともに、第2始動記憶数表示部86bの数値が一つ減少した状態となる。なお、第1始動記憶の場合も同様の装飾表示が行われる。
図115には、始動記憶が発生して増加する際の装飾表示(アニメーション)の一例を示した。図115(a)に示す状態から第2始動記憶が発生すると、図115(b)、(c)に示すように第2記憶表示部83bの下方であって、新たな飾り特図始動記憶表示が表示される位置の下方から飾り特図始動記憶表示が出現して上方へ移動する表示が行われる。また、第2始動記憶数表示部86bでは、図115(b)、(c)に示すように第2始動記憶数表示部86bの数値が増加するとともに拡大表示される表示が行われる。
これにより、図115(d)に示すように第2始動記憶の増加に伴い、図115(a)の状態から第2記憶表示部83bに飾り特図始動記憶表示が一つ増加した状態となるとともに、第2始動記憶数表示部86bの数値が一つ増加した状態となる。なお、第1始動記憶の場合も同様の装飾表示が行われる。
図116、図117には、特定演出の設定と実行の過程の一例を示した。図116に示すように、第1始動記憶としてZ、A、B、Cの4つがある状態で(t11)、第1始動記憶Zに基づく特図変動表示ゲームであるゲームZが開始されている(t12)。このとき特定演出情報格納領域には情報が格納されていない状態となっている(図117(a)参照)。
このゲームZの実行中に新たな第1始動記憶Dが発生し、当該第1始動記憶Dを対象とした先読み予告演出(特定演出)の実行が決定されている(t13)。このとき先読み予告演出の対象となる第1始動記憶AからDについて、それぞれの特図変動表示ゲームでの演出内容が決定され、特定演出情報格納領域の対応する領域に情報が格納される(図117(b)参照)。
そして、ゲームZが終了し、第1始動記憶Aに基づく特図変動表示ゲームであるゲームAが開始される(t14)。このゲームAからゲームDは特定演出情報格納領域に格納された情報に基づき特定演出を実行する特定演出期間となる。ゲームAの開始時には、特定演出情報格納領域における第1始動記憶の消化順序1番目の領域に記憶された情報を参照して当該特図変動表示ゲームで実行する特定演出としてカウントダウン予告「表示なし」が設定される。また、特定演出情報格納領域における第1始動記憶の消化順序1番目の領域に記憶された情報が実行中領域にコピーされる。このように特定演出期間であるが、特定演出を表示しないことが選択されている期間は待機期間となる。また、第1始動記憶Aの消化に伴って第1始動記憶BからDの消化順序が繰り上がることから、特定演出情報格納領域における第1始動記憶での消化順序が1番目の情報が消去されるとともに、第1始動記憶での以降の情報が一つずつ繰り上げられる(図117(c)参照)。
その後、ゲームAが終了し、第1始動記憶Bに基づく特図変動表示ゲームであるゲームBが開始される(t15)。ゲームBの開始時には、特定演出情報格納領域における第1始動記憶の消化順序1番目の領域に記憶された情報を参照して、当該特図変動表示ゲームで実行する特定演出としてカウントダウン予告「表示なし」が設定される。また、特定演出情報格納領域における第1始動記憶の消化順序1番目の領域に記憶された情報が実行中領域にコピーされる。さらに、第1始動記憶Bの消化に伴って第1始動記憶C、Dの消化順序が繰り上がることから、特定演出情報格納領域における第1始動記憶での消化順序1番目の情報が消去されるとともに、第1始動記憶での以降の情報が一つずつ繰り上げられる(図117(d)参照)。
ゲームBが終了すると第1始動記憶Cに基づく特図変動表示ゲームであるゲームCが開始される(t16)。ゲームCの開始時には、特定演出情報格納領域における第1始動記憶の消化順序1番目の領域に記憶された情報を参照して、当該特図変動表示ゲームで実行する特定演出としてカウントダウン予告「カウント1」が設定される。また、特定演出情報格納領域における第1始動記憶の消化順序1番目の領域に記憶された情報が実行中領域にコピーされる。これによりゲームCでは、予告対象の特図変動表示ゲームの一つ前であることを示す「1」の表示を行う演出が実行される。このように特定演出期間であって特定演出を表示することが選択されている期間は実行期間となる。また、第1始動記憶Cの消化に伴って第1始動記憶Dの消化順序が繰り上がることから、特定演出情報格納領域における第1始動記憶での消化順序1番目の情報が消去されるとともに、第1始動記憶での以降の情報が一つずつ繰り上げられる(図117(e)参照)。
そして、ゲームCが終了すると第1始動記憶Dに基づく特図変動表示ゲームであるゲームDが開始される(t17)。ゲームDの開始時には、特定演出情報格納領域における第1始動記憶の消化順序1番目の領域に記憶された情報を参照して、当該特図変動表示ゲームで実行する特定演出としてカウントダウン予告「カウント0」が設定される。また、特定演出情報格納領域における第1始動記憶の消化順序1番目の領域に記憶された情報が実行中領域にコピーされる。これによりゲームDでは、予告対象の特図変動表示ゲームであることを示す「0」の表示を行う演出が実行される。また、第1始動記憶Dの消化に伴って特定演出情報格納領域における第1始動記憶での消化順序1番目の情報が消去される(図117(f)参照)。
この第1始動記憶Dは、特定演出を実行する最後の特図変動表示ゲーム(先読み予告演出であれば予告対象の特図変動表示ゲーム)を実行する始動記憶であり、第1始動記憶Dに対しては最終フラグが設定されている。これにより、今回の特図変動表示ゲームで特定演出が終了することを把握でき、特定演出フラグがクリアされて特定演出が終了するようになっている。そして、このゲームDが終了すると実行中領域の情報がクリアされる(図9(a)参照)。
図118、図119にも、特定演出の設定と実行の過程の一例を示した。なお、図118において図116と異なる部分は、t21、t22、t23、t24の第2始動記憶の発生とその消化が行われる部分であり、これ以外の部分は図116と同じであって、同じ符号を付して説明を省略する。
ゲームZが終了して、第1始動記憶Aに基づく特図変動表示ゲームであるゲームAが開始されると(t14)、特定演出情報格納領域における第1始動記憶の消化順序1番目の領域に記憶された情報を参照して当該特図変動表示ゲームで実行する特定演出としてカウントダウン予告「表示なし」が設定される。また、特定演出情報格納領域における第1始動記憶の消化順序1番目の領域に記憶された情報が実行中領域にコピーされる。また、第1始動記憶Aの消化に伴って第1始動記憶BからDの消化順序が繰り上がることから、特定演出情報格納領域における第1始動記憶での消化順序1番目の情報が消去されるとともに、第1始動記憶での以降の情報が一つずつ繰り上げられる(図119(a)、図117(c)参照)。
このゲームAの実行中に第2始動記憶Eが発生すると(t21)、実行中領域の情報が第2始動記憶Eに対応する領域である第2始動記憶の消化順序1番目の領域へコピーされる(図119(b)参照)。ゲームAが終了すると第2始動記憶Eに基づく特図変動表示ゲームであるゲームEが開始される(t22)。これに伴い、特定演出情報格納領域における第2始動記憶の消化順序1番目の領域に記憶された情報を参照して当該特図変動表示ゲームで実行する特定演出としてカウントダウン予告「表示なし」が設定される。また、特定演出情報格納領域における第2始動記憶の消化順序1番目の領域に記憶された情報が実行中領域にコピーされる。また、第2始動記憶Eの消化に伴って特定演出情報格納領域における第2始動記憶での消化順序1番目の情報が消去される(図119(c)参照)。すなわち、第1始動記憶に基づく特図変動表示ゲームを対象とした特定演出の実行中に新たな第2始動記憶が発生した場合には、実行中の特定演出を当該第2始動記憶に基づく特図変動表示ゲームにおいても実行することが可能であることとなる。
また、ゲームEの終了後にゲームBが開始され、このゲームBが終了して第1始動記憶Cに基づく特図変動表示ゲームであるゲームCが開始されると(t16)、特定演出情報格納領域における第1始動記憶の消化順序1番目の領域に記憶された情報を参照して当該特図変動表示ゲームで実行する特定演出としてカウントダウン予告「カウント1」が設定される。また、特定演出情報格納領域における第1始動記憶の消化順序1番目の領域に記憶された情報が実行中領域にコピーされる(図119(d)、図117(e)参照)。これによりゲームCでは、予告対象の特図変動表示ゲームの一つ前であることを示す「1」の表示を行う演出が実行される。また、第1始動記憶Cの消化に伴って第1始動記憶Dの消化順序が繰り上がることから、特定演出情報格納領域における第1始動記憶での消化順序1番目の情報が消去されるとともに、第1始動記憶での以降の情報が一つずつ繰り上げられる(図119(d)、図117(e)参照)。
このゲームCの実行中に第2始動記憶Fが発生すると(t23)、実行中領域の情報が第2始動記憶の消化順序1番目の領域へコピーされる(図119(f)参照)。ゲームCが終了すると第2始動記憶Fに基づく特図変動表示ゲームであるゲームFが開始される(t24)。これに伴い、特定演出情報格納領域における第2始動記憶の消化順序1番目の領域に記憶された情報を参照して当該特図変動表示ゲームで実行する特定演出としてカウントダウン予告「カウント1」が設定される。また、特定演出情報格納領域における第2始動記憶の消化順序1番目の領域に記憶された情報が実行中領域にコピーされる。また、第2始動記憶Fの消化に伴って特定演出情報格納領域における第2始動記憶での消化順序1番目の情報が消去される(図119(f)参照)。
なお、ゲームEやゲームFの実行中に新たな第2始動記憶が発生した場合は、実行中領域の情報が特定演出情報格納領域の対応する領域にコピーされるので、当該第2始動記憶に基づく特図変動表示ゲームでは現在実行中の特定演出が繰り返し行われることとなる。また、一のゲーム中に新たな第2始動記憶が複数発生した場合も、特定演出情報格納領域のそれぞれの領域に実行中領域の情報がコピーされるので、これらの第2始動記憶に基づく特図変動表示ゲームでは現在実行中の特定演出が繰り返し行われる。
ただし、特定演出を実行する最後の特図変動表示ゲーム(先読み予告演出であれば予告対象の特図変動表示ゲーム)であるゲームDの実行中に第2始動記憶が発生した場合には、当該ゲームDの開始時に特定演出フラグがクリアされていることから、当該第2始動記憶について実行中領域の情報はコピーされない。よって、当該第2始動記憶に基づく特図変動表示ゲームでは特定演出が実行されない。なお、特定演出フラグがクリアされていることによっても当該第2始動記憶に基づく特図変動表示ゲームでは特定演出が実行されないこととされる。
また、例えばゲームEやゲームFのように割り込んで実行された特図変動表示ゲームの結果が特別結果となった場合には、特定演出フラグがクリアされるようになっている。これにより、特別遊技状態の終了後に特定演出が再開されてしまうことを防止している。なお、この場合に特定演出情報格納領域の情報についてもクリアするようにしても良いが、特定演出フラグがクリアされれば当該特定演出情報格納領域の情報を参照することがなく、また、新たな特定演出の実行が設定される際には特定演出情報格納領域の情報が上書きされることから、特定演出情報格納領域の情報についてはクリアしなくても良い。
また、第1始動記憶を対象とした特定演出の実行中に発生した新たな第2始動記憶に基づく特図変動表示ゲームでは、当該第2始動記憶の発生時に実行中であった特定演出が繰り返し行われるとしたが、実行中であった特定演出と全く同じ演出を行うようにしても良いし、一部を変更するようにしても良い。例えば、演出表示や背景の色や内容、音声を異ならせるようにしても良い。演出表示の内容を異ならせる例としては、カウントダウン予告のカウント1の演出が繰り返される場合に、第2始動記憶に基づく特図変動表示ゲームを実行する度に「カウント1−1」→「カウント1−2」→「カウント1−3」のように値の一部を変更することが挙げられる。また、「カウント0.9」→「カウント0.8」→「カウント0.7」のように値を変更しても良い。
また、第1始動記憶を対象とした特定演出の実行中に発生した新たな第2始動記憶に基づく特図変動表示ゲームでは特定演出を実行しないようにしても良い。また、予告対象の第1始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの内容に応じて、当該第2始動記憶に基づく特図変動表示ゲームで特定演出を実行するか否かを選択するようにしても良い。例えば、予告対象の第1始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果が特別結果となる場合には、特別結果とならない場合よりも第2始動記憶に基づく特図変動表示ゲームで特定演出が実行される可能性が高くなるようにする。
また、第1始動記憶を対象とした特定演出の実行中に発生した新たな第2始動記憶に基づく特図変動表示ゲームでは、後に実行される特定演出の内容を示唆又は報知するようにしても良い。特定演出の内容はすでに決定されて特定演出情報格納領域に記憶されているので、この情報を参照してその内容を示唆又は報知することが可能である。特に、特定演出期間であるが表示が開始されていない待機期間であれば、後に特定演出が実行されることを示唆したり、その内容をダイジェストで表示したりするなどして報知することも可能である。
また、特定演出の実行が決定された際には、各始動記憶に基づく特図変動表示ゲームにおける特定演出の内容が決定されるとしたが、これ以外の情報を決定しておくようにしても良い。例えば、各始動記憶に基づく特図変動表示ゲームにおける飾り特図変動表示ゲームの停止図柄を決定しても良い。この場合、全ての特図変動表示ゲームで同じ停止図柄とすることや、カウントダウン予告のように中図柄の値が一つずつ減少するようにすることなど、停止図柄による演出の設定が可能となる。また、第1始動記憶を対象とした特定演出の実行中に新たな第2始動記憶が発生した場合には、実行中の特図変動表示ゲームの停止図柄が当該第2始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの停止図柄ともなるように停止図柄の情報をコピーして設定するようにしても良い。ただし、実行中の特図変動表示ゲームの停止図柄が特別結果となる場合にはコピーしないようにする。
また、特図変動表示ゲームを対象として特定演出を設定するとしたが、普図変動表示ゲームを対象として特定演出を設定するようにしても良い。この特定演出として普図変動表示ゲームの先読み予告演出を実行する場合には、普図始動記憶について当該普図始動記憶に基づく普図変動表示ゲームの開始前に結果等の情報を判定する先読み処理を行うようにする。また、普図変動表示ゲームを対象とした特定演出と特図変動表示ゲームを対象とした特定演出を同時に実行可能としても良いし、同時には実行しないようにしても良い。
以上のことから、始動入賞領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37、普図始動ゲート34)での遊技球の検出に基づき変動表示ゲームを実行し、変動表示ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技状態を発生する遊技機において、始動入賞領域での遊技球の検出に基づき変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶を所定の上限数まで乱数値とともに記憶可能な始動記憶手段(遊技制御装置100)と、始動記憶手段に始動記憶として記憶された乱数値に基づき変動表示ゲームの結果を決定し、当該変動表示ゲームを実行するゲーム実行手段(遊技制御装置100)と、未だ実行されていない変動表示ゲームにおいて実行することが当該変動表示ゲームの開始前に予め決定される演出である特定演出を制御する演出制御手段(演出制御装置300)と、を備え、演出制御手段は、特定演出を実行することを決定した際に、当該特定演出の対象となる変動表示ゲームのそれぞれにおいて実行する当該特定演出の実行内容について予め設定するようにしたこととなる。したがって、簡単な制御で矛盾がなく遊技者が認識しやすい演出を行うことができる。また、現在の特定演出の進行度合い(現在何回目であるかなど)をいちいち参照する必要がなく、制御の負担を軽減することができる。
また、始動記憶手段に始動記憶として記憶された乱数値を、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームが実行されるよりも前に判定する事前判定手段(遊技制御装置100)を備え、演出制御手段は、事前判定手段の判定結果に基づき特定演出を実行することを決定可能であることとなる。したがって、事前判定手段の判定結果を示唆又は報知する特定演出を実行可能となる。
また、始動入賞領域は、第1始動入賞領域(始動入賞口36)と、第2始動入賞領域(普通変動入賞装置37)と、を備え、始動記憶手段は、第1始動入賞領域での遊技球の検出に基づき始動記憶として第1始動記憶を記憶し、第2始動入賞領域での遊技球の検出に基づき始動記憶として第2始動記憶を記憶し、ゲーム実行手段は、第2始動記憶がある場合には、当該第2始動記憶に基づく変動表示ゲームを、第1始動記憶に基づく変動表示ゲームよりも優先的に実行するように構成され、演出制御手段は、第1始動記憶に基づく変動表示ゲームを対象とした特定演出の実行中に新たな第2始動記憶が発生した場合には、実行中の特定演出を当該第2始動記憶に基づく変動表示ゲームにおいても実行することが可能であることとなる。したがって、第1始動記憶を対象とした特定演出の実行中に第2始動記憶に基づく変動表示ゲームが割り込んだとしても特定演出が途切れることがないようにすることができる。
また、演出制御手段は、特定演出を実行することを決定した際に、当該特定演出の対象となる変動表示ゲームのそれぞれについて結果態様として表示する停止図柄を予め設定し、第1始動記憶に基づく変動表示ゲームを対象とした特定演出の実行中に新たな第2始動記憶が発生した場合には、当該第2始動記憶に基づく変動表示ゲームの停止図柄を、実行中の変動表示ゲームの停止図柄と同一の停止図柄とすることが可能であることとなる。したがって、停止図柄も特定演出の一部とすることができ、遊技の興趣を向上することができる。また、第1始動記憶を対象とした特定演出の実行中に第2始動記憶に基づく変動表示ゲームが割り込んだ場合に同一の停止図柄とするので、別途停止図柄を決定する処理が不要となり制御の負担を軽減することができる。
次に、盤演出装置44の動作について説明する。動作することによって、特図変動表示ゲームを含む遊技の演出を行う盤演出装置44である第1盤演出装置44a、第2盤演出装置44b、第3盤演出装置44cはそれぞれ、図2に示す初期位置にある状態を検出するための演出役物スイッチ47を備えており、演出制御装置300において初期位置にあるか否かを検出することが可能となっている。そして、盤演出装置44の動作を行う際に、当該動作を行う盤演出装置44が初期位置にない場合には、これに対応する処理を行うようにしている。
図120には、第1盤演出装置44aの動作の一例を示した。ここでは予定動作として上段に示すように、初期位置から動作して初期位置に戻す動作を断続的に複数回行う演出(t61〜t62、t63〜t65、t66〜t67、t68〜t69)を行う予定となっている。また、可動演出部材の動作に対応する発光演出を行うことが可能な発光演出装置をなす盤装飾装置46や枠装飾装置18の装飾LEDは、第1盤演出装置44aの動作に合わせて発光演出を行う予定となっている。なお、盤装飾装置46や枠装飾装置18の装飾LEDは、第1盤演出装置44aの動作に合わせた発光演出を行っていない期間においても独立して発光による演出を実行可能である。
しかし、実際の動作として下段に示すように、初期位置から動作を開始したが(t61)、何らかの原因により第1盤演出装置44aが正常に動作せずに次の動作予定タイミング(t63)でも初期位置に戻っていない状態となっている。この場合、初期位置に戻った後は(t64)、その後の予定の動作をすべて行わないようにしている。ただし、装飾LEDについては予定通りのタイミングで発光演出を行う。
図121には、第1盤演出装置44a、第2盤演出装置44b、第3盤演出装置44cの動作の一例を示した。図121(a)に示すようにここでは予定動作として、まず、第1盤演出装置44aが初期位置から動作して(t71)、初期位置に戻り(t72)、その後、第2盤演出装置44bと第3盤演出装置44cが初期位置から動作して(t73)、初期位置に戻る(t74)演出を行う予定となっている。また、盤装飾装置46や枠装飾装置18の装飾LEDは、第1盤演出装置44aの動作に合わせて対応する発光演出を行い(t71〜t72)、第2盤演出装置44bと第3盤演出装置44cの動作に合わせて対応する発光演出を行う(t73〜t75)予定となっている。
しかし、実際の動作として示すように、第1盤演出装置44aを初期位置から動作したが(t71)、何らかの原因によりが正常に動作せず、第2盤演出装置44b、第3盤演出装置44cの動作予定タイミング(t73)でも初期位置に戻っていない状態となっている。この場合、第1盤演出装置44aと動作範囲が重ならない第2盤演出装置44bについては、動作しても衝突するなどの問題が生じないため予定通り動作を行う(t73〜t75)。
また、第1盤演出装置44aと動作範囲が重なる第3盤演出装置44cについては、動作を行うと衝突するなどの問題が生じるおそれがある。よって、第1盤演出装置44aが初期位置に戻るまで動作の開始を待機し(t74)、ここから予定されていた動作を行う(t74〜t76)。すなわち、動作の開始が遅れた時間(t73〜t74)だけ、動作の終了も同じ時間(t75〜t76)だけ遅れることとなる。また、表示装置41においては、第3盤演出装置44cの動作を遅延させている期間(t73〜t74)に、特定の待機中演出を表示するようにする。これにより、表示装置41での表示と第3盤演出装置44cの動作とに違和感が生じないようにしている。なお、盤装飾装置46や枠装飾装置18の装飾LEDは、盤演出装置44の動作に関係なく、予定通りのタイミングで発光演出を行う。
また、図121(b)に示すように、第1盤演出装置44aが初期位置に戻るまで動作の開始を待機している時間(t73〜t74)が所定時間以上となった場合には、予定されていた第3盤演出装置44cの動作を行わないようにする。これにより、予定されたタイミングから大きくずれたタイミングで動作することや、特図変動表示ゲームの終了までに動作が完了しないことを防止でき、遊技の興趣の低下を防止することができる。
〔可動体制御処理〕
図122には、上述のメイン処理における可動体制御処理(ステップC19)を示した。この可動体制御処理では、まず、処理対象として第1盤演出装置を設定し(ステップC601)、待機設定処理を行う(ステップC602)。その後、処理対象として第2盤演出装置を設定し(ステップC603)、待機設定処理を行い(ステップC604)、さらに処理対象として第3盤演出装置を設定し(ステップC605)、待機設定処理を行う(ステップC606)。そして、モータやソレノイドを制御して設定された動作が行われるようにする動作制御処理を行って(ステップC607)、可動体制御処理を終了する。すなわち、演出制御装置300が可動演出装置をなす盤演出装置44の動作を制御する演出制御手段をなす。
〔待機設定処理〕
図123には、上述の可動体制御処理における待機設定処理(ステップC602、C604、C606)を示した。この待機設定処理では、まず、自身の動作待機フラグがあるかを判定する(ステップC611)。動作待機フラグは動作の開始を待機している場合に設定されるフラグである。第1盤演出装置44a、第2盤演出装置44b、第3盤演出装置44cのそれぞれに対応して第1動作待機フラグ、第2動作待機フラグ、第3動作待機フラグが用意されており、動作の開始を待機している盤演出装置44に対応したフラグが設定される。例えば第1盤演出装置44aの動作の開始を待機している場合には第1動作待機フラグが設定される。また、自身の動作待機フラグとは、現在処理対象となっている盤演出装置44の動作の開始を待機している場合に設定されるフラグであり、例えば、待機設定処理(ステップC602)であれば第1盤演出装置44aの動作を待機している場合に設定される第1動作待機フラグが自身の動作待機フラグとなる。
この自身の動作待機フラグがある場合(ステップC611;Y)、すなわち自身の動作を待機している場合は、ステップC613に移行する。また、自身の動作待機フラグがない場合(ステップC611;N)は、自身の動作開始タイミングであるかを判定する(ステップC612)。自身の動作開始タイミングとは、特図変動表示ゲームの開始時に設定された動作開始タイミングである。例えば、第1盤演出装置44aであれば、図120におけるt61、t63、t66、t68、図121におけるt71が動作開始タイミングである。この自身の動作開始タイミングでない場合(ステップC612;N)は、待機設定処理を終了する。また、自身の動作開始タイミングである場合(ステップC612;Y)は、自身は初期位置にあるかを判定する(ステップC613)。
自身は初期位置にない場合(ステップC613;N)は、自身の以降の動作をキャンセルし(ステップC621)、自身の動作待機タイマをクリアし(ステップC622)、自身の動作待機フラグをクリアして(ステップC623)、待機設定処理を終了する。すなわちこの場合は、自身の動作を待機しているか、自身の動作開始タイミングであるにもかかわらず自身が初期位置にない場合であって、自身の動作に何らかの異常がある場合である。このため、自身の動作を行わないように設定を行い、動作待機フラグや動作の待機時間を計時するタイマをクリアする。
なお、自身の以降の動作をキャンセルする場合に、当該特図変動表示ゲームについてのみ動作を行わないようにしても良いし、当該特図変動表示ゲームから数ゲームに亘り動作を行わないようにしても良いし、遊技機の電源の再投入があるまで動作を行わないようにしても良い。また、この場合にエラー報知を遊技機で行うようにしても良いし、台間機やホールコンピュータなどの外部の装置へエラーの発生を通知するようにしても良い。
また、自身は初期位置にある場合(ステップC613;Y)は、干渉するものは初期位置にあるかを判定する(ステップC614)。なお、本実施形態では第1盤演出装置44aと第3盤演出装置44cとが互いに干渉するものである。干渉するものは初期位置にある場合(ステップC614;Y)は、自身の動作待機フラグがあるかを判定し(ステップC615)、自身の動作待機フラグがない場合(ステップC615;N)は、動作開始を設定して(ステップC618)、待機設定処理を終了する。この場合は予定通りに動作を開始する場合である。動作開始を設定することで動作に必要な情報が設定され、この情報に基づき動作制御処理(ステップC607)で実際の動作制御がおこなわれる。
また、自身の動作待機フラグがある場合(ステップC615;Y)は、自身の動作待機タイマをクリアし(ステップC616)、自身の動作待機フラグをクリアして(ステップC617)、動作開始を設定して(ステップC618)、待機設定処理を終了する。この場合は自身の動作を待機していたが動作が可能な状態となったため動作を開始する場合である。
一方、干渉するものが初期位置にない場合(ステップC614;N)は、自身の動作待機フラグがあるかを判定し(ステップC619)、自身の動作待機フラグがない場合(ステップC619;N)は、自身の動作を待機している時間を計時するための自身の動作待機タイマに初期値をセーブし(ステップC624)、自身の動作待機フラグをセットして(ステップC625)、待機設定処理を終了する。これにより、自身の動作を待機する期間が開始される。
また、自身の動作待機フラグがある場合(ステップC619;Y)は、自身の動作待機タイマがタイムアップしたかを判定する(ステップC620)。そして、タイムアップしていない場合(ステップC620;N)は待機設定処理を終了する。また、タイムアップした場合(ステップC620;Y)は、自身の以降の動作をキャンセルし(ステップC621)、自身の動作待機タイマをクリアし(ステップC622)、自身の動作待機フラグをクリアして(ステップC623)、待機設定処理を終了する。すなわち、この場合は自身の動作を待機する時間が所定時間以上となった場合であり、この場合は自身の動作を行わないようにしている。すなわち、演出制御装置300が、一の可動演出部材の動作の開始を遅延させる時間を計時する計時手段をなす。
なお、以上の説明では、干渉する盤演出装置44が初期位置に戻るまで自身の動作を待機するとしたが、干渉しない位置まで移動したことを検出可能であれば干渉しない位置に移動したことに基づき自身の動作を開始するようにしても良い。また、干渉する盤演出装置44が干渉するおそれがある位置にある場合であっても、今回の演出での自身の動作範囲が干渉する位置まで到達しない範囲であれば動作を行うようにしても良い。また、動作待機タイマは盤演出装置44毎に待機時間を計時するようにしたが、一つの動作待機タイマのみを用い、最初に動作の待機を開始した時点から当該盤演出装置44の動作の待機が終了するまでの時間を計時するものとしても良い。
以上のことから、始動条件の成立に基づき、識別情報を変動表示するゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に有利な状態を発生する遊技機において、可動演出部材を動作することによりゲームの演出を行う可動演出装置(盤演出装置44)と、当該可動演出装置を制御する演出制御手段(演出制御装置300)と、を備え、演出制御手段は、可動演出部材の動作を開始する際に、当該動作の開始位置に存在しない場合には、当該動作を行わないようにするようにしたこととなる。したがって、異常が発生している可動演出装置の動作を行わないようにすることができ、適切に遊技機の不具合に対応することができる。なお、ゲームの演出を行う可動演出装置は、特図変動表示ゲームの演出を行うものであっても良いし、普図変動表示ゲームの演出を行うものであっても良いし、両方の変動表示ゲームの演出を行うものであっても良い。また、例えば客待ち状態での演出など変動表示ゲームに関係したもの以外の演出を行うようにしても良く、遊技機において実行する演出であればどのような演出を行うようにしても良い。また、可動演出装置は盤演出装置44に限られず、前面枠12やガラス枠15に設けられる枠演出装置であっても良い。
また、演出制御手段により制御され、可動演出部材の動作に対応する発光演出を行うことが可能な発光演出装置(盤装飾装置46、枠装飾装置18)を備え、演出制御手段は、可動演出部材の動作を行わないようにした場合であっても、発光演出装置による発光演出を予定されていた通りに実行するようにしたこととなる。したがって、可動演出装置の動作による演出を中止しても発光による装飾は行われることとなり、装飾性の著しい低下を防止して遊技の興趣の低下を防止できる。
また、複数の可動演出装置を備え、演出制御手段は、一の可動演出部材の動作を開始する際に、他の可動演出部材が所定位置に存在しない場合に、同時に動作しても当該可動演出部材どうしが干渉しない場合には当該一の可動演出部材の動作を開始し、同時に動作すると当該可動演出部材どうしが干渉する場合には当該一の可動演出部材の動作を行わないようにしたこととなる。したがって、影響のない範囲で可動演出装置を動作することができ、装飾性の著しい低下を防止して遊技の興趣の低下を防止できる。
また、始動条件の成立に基づき、識別情報を変動表示するゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に有利な状態を発生する遊技機において、可動演出部材を動作することによりゲームの演出を行う複数の可動演出装置(盤演出装置44)と、当該可動演出装置を制御する演出制御手段(演出制御装置300)と、を備え、演出制御手段は、一の可動演出部材の動作を開始する際に、他の可動演出部材が所定位置に存在しない場合であって同時に動作すると当該可動演出部材どうしが干渉する場合には、他の可動演出部材が一の可動演出部材と干渉しない位置に移動するまで当該一の可動演出部材の動作の開始を遅延するようにしたこととなる。したがって、他の可動演出装置に異常が発生している場合に一の可動演出装置の動作を待機させることができ、適切に遊技機の不具合に対応することができる。
また、演出制御手段により制御され、可動演出部材の動作に対応する発光演出を行うことが可能な発光演出装置(盤装飾装置46、枠装飾装置18)を備え、演出制御手段は、一の可動演出部材の動作の開始を遅延させた場合であっても、発光演出装置による発光演出を予定されていた通りに実行するようにしたこととなる。したがって、可動演出装置の動作による演出を遅延しても発光による装飾は行われることとなり、装飾性の著しい低下を防止して遊技の興趣の低下を防止できる。
また、演出制御手段は、一の可動演出部材の動作の開始を遅延させる時間を計時する計時手段(演出制御装置300)を備え、計時手段により計時された時間が所定値を超えた場合には、当該一の可動演出部材の動作を行わないようにしたこととなる。したがって、一の可動演出装置が予定されたタイミングから大きくずれたタイミングで動作することや、特図変動表示ゲームの終了までに動作が完了しないことを防止でき、遊技の興趣の低下を防止できる。
また、演出制御手段により制御され、遊技に関する演出表示を行う表示装置41を備え、演出制御手段は、一の可動演出部材の動作の開始を遅延させている期間に、特定の待機中演出を表示装置に表示するようにしたこととなる。したがって、可動演出装置の動作による演出を遅延しても別途の装飾が行われることとなり、装飾性の著しい低下を防止して遊技の興趣の低下を防止できる。
なお、盤装飾装置46や枠装飾装置18の装飾LEDは、盤演出装置44の動作に関係なく、予定通りのタイミングで発光演出を行うとしたが、動作開始の遅延や動作のキャンセルがあった場合には、これに合わせて発光演出の開始を遅延したりキャンセルしたりしても良い。すなわち、演出制御手段(演出制御装置300)により制御され、可動演出部材の動作に対応する発光演出を行うことが可能な発光演出装置(盤装飾装置46、枠装飾装置18)を備え、演出制御手段は、一の可動演出部材の動作の開始を遅延させた場合は、当該一の可動演出部材の動作に対応するように発光演出装置の発光演出の開始も遅延させるようにしても良い。このようにすれば、可動演出装置による演出と発光演出装置による演出を同期させることができ、装飾性の低下を防止して遊技の興趣の低下を防止できる。
さらに、遅延させている時間が所定値を超えた場合には、当該一の可動演出部材の動作を行わないようにするとともに、当該可動演出部材の動作に対応する発光演出装置(盤装飾装置46、枠装飾装置18)の発光演出も行わないようにしても良い。これにより、一の可動演出装置が予定されたタイミングから大きくずれたタイミングで動作、発光することや、特図変動表示ゲームの終了までに動作や発光演出が完了しないことを防止でき、遊技の興趣の低下を防止できる。
また、盤演出装置44の動作開始を待機可能な時間は、当該動作の当該特図変動表示ゲームにおけるタイミングや、当該特図変動表示ゲームの結果に応じて設定可能である。例えば、当該動作が当該特図変動表示ゲームの序盤や中盤など、後にまだ時間的余裕がある場合には、後の演出の一部を省略するなどすることが可能であるので、これを考慮して待機可能な時間を設定可能である。また、当該特図変動表示ゲームの結果が特別結果である場合は、特別遊技状態中まで盤演出装置44の動作が継続してもそれほど問題とならないため、当該特図変動表示ゲームの結果がはずれとなる場合よりも待機可能な時間を長くすることが可能である。また、盤装飾装置46や枠装飾装置18の装飾LEDにおける発光演出の開始を遅延させる場合も同様である。これにより、特別結果となる可能性があることを示唆又は報知することもできる。
また、盤演出装置44の動作開始を遅延させた場合に、当該動作の一部を省略できるようにし、遅延の影響が小さくなるようにしても良い。例えば、盤演出装置44の動作開始を遅延させた場合は、当該動作の途中であっても当初予定されていた終了タイミングで初期位置に戻すようにしても良い。また、動作時間が異なる複数の動作パターンを用意しておき、待機時間に応じて当初予定されていた終了タイミングからのずれが少なくなるような動作パターンを選択するようにしても良い。
また、図120に示したように、盤演出装置44の動作予定タイミングに初期位置にない場合は、当該盤演出装置44の以降の動作を行わないようにするするとしたが、次々回以降の動作予定タイミングで初期位置に戻っていれば動作を行うようにしても良い。
次に、サブ情報表示装置90について説明する。図124(a)に示すように、サブ情報表示装置90は、第1特図変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームを実行する第四図柄を表示するサブゲーム表示部をなす単一の発光部L5で構成された第1サブゲーム表示部91と、第2特図変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームを実行する第四図柄を表示するサブゲーム表示部をなす単一の発光部L6で構成された第2サブゲーム表示部92と、を備える。さらに、二つの発光部L1,L2により第1特図変動表示ゲームを実行する権利である第1始動記憶の数を示す第1サブ表示部93と、二つの発光部L3,L4により第2特図変動表示ゲームを実行する権利である第2始動記憶の数を示す第2サブ表示部94と、を備える。なお、図124(a)では説明のために各発光部にL1〜L6の符号を表示しているが、実際には表示しても良いししなくても良い。
図124(b)には、第1サブ表示部93、第2サブ表示部94における表示態様を示した。何れの表示部も二つの発光部により保留数を表示するように構成されており、保留数0では何れも消灯、保留数1では一方を消灯し他方を点灯、保留数2では両方を点灯、保留数3では一方を点灯し他方を点滅、保留数4では両方を点滅させるようにしている。
このような表示態様は、図124(c)に示す特図1、特図2サブ保留数表示テーブル1と2をサブ点滅表示タイマ領域のビット2の値に応じて選択することで約133ms毎に交互にテーブルが選択されるようにし、選択されたテーブルに現在の保留数を参照して対応する表示態様を設定することで実現される。
本実施形態のサブ点滅表示タイマは、RAM322等に設けられる8ビットのサブ点滅表示タイマ領域を用いてフレーム切替タイミング(1/30秒)毎に行われる装飾制御処理(ステップC18)で+1更新することで構成される。そして、サブ点滅表示タイマ領域のビット2の出力がオンタイミングであるか(1であるか)を判定してサブ保留数表示テーブルを選択するようにしている。ビット2の値は約133ms毎に0と1が入れ替わるので、約133msを単位とした消灯、点灯の制御が可能である。もちろん他のビットを参照してより短い時間又は長い時間を単位とした消灯、点灯の制御を行うことも可能である。
図124(c)には各サブ保留数表示テーブル1と2の内容を示した。なお、図124(b)に示したように各表示部で保留数に対応する表示態様は同じであり、サブ保留数表示テーブルの内容も同じであるのでここではまとめて示している。特図1サブ保留表示テーブル1,2はL1,L2の表示態様を制御するものであり、特図2サブ保留表示テーブル1,2はL3,L4の表示態様を制御するものである。
例えば保留数1の場合、L1,L3についてはサブ保留表示テーブル1と2で何れも消灯が選択されることで消灯状態となり、L2,L4についてはサブ保留表示テーブル1と2で何れも点灯が選択されることで点灯状態となる。また、保留数3の場合、L1,L3についてはサブ保留表示テーブル1と2で何れも点灯が選択されることで点灯状態となる。L2,L4については保留表示テーブル1では点灯が選択され、サブ保留表示テーブル2では消灯が選択されることで約133ms毎に点灯と消灯を繰り返す点滅状態となる。
すなわち、点滅状態とする場合には、サブ点滅表示タイマの値が所定の消灯範囲(ここではビット2が0の範囲)であれば消灯し、消灯範囲以外(ここではビット2が1の範囲)であれば点灯するようにする。また、少なくとも第1サブ表示部93と第2サブ表示部94の表示態様において点滅状態とする場合の消灯範囲は共通の範囲である。
さらに、サブ点滅表示タイマは常時更新されるようになっており、保留数が変化した場合であってもサブ点滅表示タイマがリセットされたり、別の値が設定されたりすることはない。よって、点滅状態に移行する場合には、保留数が変化した後のサブ点滅表示タイマの値に応じて点灯と消灯の何れかの発光状態となる。例えば保留数3から保留数4に変化する場合のL1,L3については点灯状態から点滅状態に変化するが、変化する際のサブ点滅表示タイマの値がサブ保留表示テーブル1を選択する値(ビット2が1)であれば点灯が継続され、サブ保留表示テーブル2を選択する値(ビット2が0)であれば即座に消灯される。
また、保留数が変化して点滅状態から点灯状態に移行する場合には、保留数が変化した後のサブ点滅表示タイマの値がサブ保留表示テーブル1を選択する値(ビット2が1)であれば点灯が継続され、サブ保留表示テーブル2を選択する値(ビット2が0)であれば即座に消灯から点灯に変更されることとなる。すなわち、点滅状態が終了する際に、現在の発光状態と、移行する発光状態とが異なる場合には、即座に発光状態が変更されるようになっている。なお、ここでは点滅状態から消灯状態に移行する場合がないが、このような移行がある場合には、上記と同様に現在の発光状態が消灯であれば消灯が維持され、現在の発光状態が点灯であれば即座に消灯に変更されることとなる。
第1サブゲーム表示部91と、第2サブゲーム表示部92では、対応する特図変動表示ゲームの変動表示中は発光部L5又はL6を点滅させて変動表示中であることを表示する。この変動表示中の表示は、図124(d)に示すようにサブ点滅表示タイマ領域のビット2の値に応じて約133ms毎に点灯と消灯を切り替えることで実現される。この点滅表示での点灯と消灯の期間は、第1サブ表示部93と第2サブ表示部94での点滅表示での点灯と消灯の期間と同期している。
また、第1サブゲーム表示部91と、第2サブゲーム表示部92では、対応する特図変動表示ゲームの終了に伴いゲームの結果に応じた点灯態様や点灯色としてゲーム結果を表示する。本実施形態の場合、図124(e)に示すようにはずれである場合は消灯状態にし、大当り又は小当りである場合は点灯状態にする。なお、小当りの場合の表示態様をはずれや大当りとは異なる表示態様としても良い。例えば、変動中における点滅とは異なる態様で点滅させるようにしても良い。また、対応する特図変動表示ゲームを実行していないサブゲーム表示部では、前回の結果の表示が維持される。
このように発光態様を制御することで点滅のタイミングが第1サブゲーム表示部91、第2サブゲーム表示部92、第1サブ表示部93及び第2サブ表示部94で同期するようになり、表示の視認性、装飾性が高まる。また、一つのサブ点滅表示タイマにより複数の発光部の点滅制御が可能となり、制御の負担を軽減することができる。すなわち、演出制御装置300が、サブ情報表示装置90を制御するとともに点滅状態において消灯する期間と点灯する期間とを制御するためのサブ点滅表示タイマをなす。
〔サブ情報表示装置制御処理〕
図125には、メイン処理(図120参照)における装飾制御処理(ステップC18)で行われるサブ情報表示装置制御処理を示した。このサブ情報表示装置制御処理では、まず、サブ点滅表示タイマを+1更新して(ステップC701)、サブ点滅表示タイマ領域の特定ビットの出力がオンであるか(1であるか)否かを判定する(ステップC702)。上述したように本実施形態のサブ点滅表示タイマは、8ビットのサブ点滅表示タイマ領域を用いて1/30秒毎に行われる装飾制御処理で+1更新することで構成され、サブ点滅表示タイマ領域のビット2の出力がオンタイミングであるか(1であるか)を判定するようにしている。ビット2の値は約133ms毎に0と1が入れ替わるので、約133msを単位とした消灯、点灯の制御が可能である。もちろん他のビットを参照してより短い時間又は長い時間を単位とした消灯、点灯の制御を行うことも可能である。
出力オンタイミングである場合(ステップC702;Y)は、第1サブ表示部93での表示態様が規定された特図1サブ保留数表示テーブル1,2のうちの、特図1サブ保留数表示テーブル1を設定し(ステップC703)、出力オンタイミングでない場合(ステップC702;N)は、特図1サブ保留数表示テーブル2を設定する(ステップC704)。そして、設定した特図1サブ保留数表示テーブルから特図1サブ表示保留数に対応する表示データを取得し、第1サブ表示部93に対応するセグメント領域にセーブする(ステップC705)。なお、特図1サブ表示保留数は、特図1保留情報設定処理(図112参照)で設定されるようになっており、ここでは、実際の第1始動記憶の数と常に一致した値が設定されるようになっている。
次に、出力オンタイミングであるかを判定し(ステップC706)、出力オンタイミングである場合(ステップC706;Y)は、第2サブ表示部94での表示態様が規定された特図2サブ保留数表示テーブル1,2のうちの、特図2サブ保留数表示テーブル1を設定し(ステップC707)、出力オンタイミングでない場合(ステップC706;N)は、特図2サブ保留数表示テーブル2を設定する(ステップC708)。そして、設定した特図2サブ保留数表示テーブルから特図2サブ表示保留数に対応する表示データを取得し、第2サブ表示部94に対応するセグメント領域にセーブする(ステップC709)。なお、特図2サブ表示保留数は、特図2保留情報設定処理(図113参照)で設定されるようになっており、ここでは、実際の第2始動記憶の数と常に一致した値が設定されるようになっている。
次に、サブ変動表示タイマが0であるかを判定する(ステップC710)。サブ変動表示タイマは特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームの変動時間を管理するものであり、特図変動表示ゲームの開始時に当該特図変動表示ゲームの変動時間に応じた初期値が設定される。
このサブ変動表示タイマが0である場合(ステップC710;Y)、すなわち変動時間中でない場合は、サブ情報表示装置制御処理を終了する。また、サブ変動表示タイマが0でない場合(ステップC710;N)、すなわち変動時間中である場合は、サブ変動表示タイマを−1更新し、タイムアップしたか、すなわち値が0となったかを判定する(ステップC712)。
タイムアップした場合(ステップC712;Y)は、結果表示テーブル(図124(e)参照)を設定し(ステップC713)、結果に対応する表示データを取得して対応するセグメント領域にセーブし(ステップC714)、サブ情報表示装置制御処理を終了する。これにより、特図変動表示ゲームの結果に対応した結果態様が表示されることとなる。
また、タイムアップしていない場合(ステップC712;N)は、出力オンタイミングであるかを判定する(ステップC715)。そして、出力オンタイミングである場合(ステップC715;Y)は、第1サブゲーム表示部91と第2サブゲーム表示部92のうち実行中の特図変動表示ゲームに対応した表示部の発光部の点灯を設定し(ステップC716)、サブ情報表示装置制御処理を終了する。また、出力オンタイミングでない場合(ステップC715;N)は、第1サブゲーム表示部91と第2サブゲーム表示部92のうち実行中の特図変動表示ゲームに対応した表示部の発光部の消灯を設定し(ステップC717)、サブ情報表示装置制御処理を終了する。これにより、変動表示中は第1サブゲーム表示部91と第2サブゲーム表示部92のうち実行中の特図変動表示ゲームに対応した表示部の発光部が点滅状態となる。すなわち、演出制御装置300がサブ情報表示装置90の表示を制御する表示制御手段をなす。
以上のことから、始動条件の成立に基づき、識別情報を変動表示するゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に有利な状態を発生する遊技機において、遊技を統括的に制御する遊技制御手段(遊技制御装置100)と、遊技制御手段からの情報に基づき演出を制御する演出制御手段(演出制御装置300)と、遊技制御手段に制御され、発光体により遊技に関する情報を表示する情報表示装置(一括表示装置50)と、演出制御手段に制御され、発光体により遊技に関する情報を表示するサブ情報表示装置90と、を備え、遊技制御手段は、消灯状態と点灯状態の何れか一方又は両方と、点滅状態と、の何れかの状態で発光体を制御することで遊技に関する情報を情報表示装置で表示するように構成され、点滅状態において消灯する期間と点灯する期間とを制御するための点滅表示タイマ(遊技制御装置100)を備え、点滅状態とする場合には、点滅表示タイマの値が、所定の消灯範囲であれば消灯し、所定の消灯範囲以外であれば点灯するように制御するように構成され、点滅状態であるか否かに関わらず点滅表示タイマを常時更新し、点滅状態が開始される際には、開始時の点滅表示タイマの値に応じた発光状態から開始するようにし、点滅状態が終了する際に、現在の発光状態と、移行する発光状態とが異なる場合には、即座に発光状態を変更するようにしたこととなる。したがって、点滅状態への移行や点滅状態からの移行の際にタイマ値を設定したりリセットとしたりするなどの処理が不要となり、制御の負担を軽減することができる。また、サブ情報表示装置90を備えることで、遊技者に対して遊技に関する情報をより確実に報知可能となる。
また、演出制御手段(演出制御装置300)は、消灯状態と点灯状態の何れか一方又は両方と、点滅状態と、の何れかの状態で前記発光体を制御することで遊技に関する情報をサブ情報表示装置90で表示するように構成され、点滅状態において消灯する期間と点灯する期間とを制御するためのサブ点滅表示タイマ(演出制御装置300)を備え、点滅状態とする場合には、サブ点滅表示タイマの値が、所定の消灯範囲であれば消灯し、所定の消灯範囲以外であれば点灯するように制御するように構成され、点滅状態であるか否かに関わらずサブ点滅表示タイマを常時更新し、点滅状態が開始される際には、開始時のサブ点滅表示タイマの値に応じた発光状態から開始するようにし、点滅状態が終了する際に、現在の発光状態と、移行する発光状態とが異なる場合には、即座に発光状態を変更するようにしたこととなる。したがって、点滅状態への移行や点滅状態からの移行の際にタイマ値を設定したりリセットとしたりするなどの処理が不要となり、制御の負担を軽減することができる。
また、遊技球の流入を検出可能な流入領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37、普図始動ゲート34)と、流入領域での遊技球の検出に基づきゲームの実行権利となる始動記憶を所定の上限数まで記憶可能な始動記憶手段(遊技制御装置100)と、始動記憶手段に記憶された始動記憶に基づきゲームを実行するゲーム実行手段(遊技制御装置100)と、を備え、流入領域は、第1流入領域と、第2流入領域と、を備え、始動記憶手段は、第1流入領域での遊技球の検出に基づき始動記憶として第1の始動記憶を記憶し、第2流入領域での遊技球の検出に基づき前記始動記憶として第2の始動記憶を記憶し、ゲーム実行手段は、第1の始動記憶に基づき第1のゲームを実行し、第2の始動記憶に基づき第2のゲームを実行するように構成され、演出制御手段(演出制御装置300)は、第1の始動記憶の数をサブ情報表示装置90の第1サブ表示部93に表示し、第2の始動記憶の数をサブ情報表示装置90の第2サブ表示部94に表示し、ゲームをサブ情報表示装置90のサブゲーム表示部91,92で少なくとも点滅状態を用いて表示し、第1サブ表示部93、第2サブ表示部94及びサブゲーム表示部91,92で共通のサブ点滅表示タイマを使用して点滅状態を制御するようにしたこととなる。したがって、点滅状態への移行や点滅状態からの移行の際にタイマ値を設定したりリセットとしたりするなどの処理が不要となり、制御の負担を軽減することができる。
また、演出制御手段(演出制御装置300)は、第1サブ表示部93、第2サブ表示部94及びサブゲーム表示部91,92で所定の消灯範囲を共通の範囲とするようにしたこととなる。したがって、複数の表示部で点滅状態を同期させることができ、装飾性及び視認性が向上する。
なお、第1サブゲーム表示部91と第2サブゲーム表示部92は、それぞれ単一の発光部で表示を行うとしたが、複数の発光部により表示を行うようにしても良い。例えば、2つの発光部を備えるようにして変動表示中は交互に点灯するように点滅させる。また、結果態様の表示として、はずれの場合は一方のみを点灯し、当りの場合は他方のみを点灯させるようにしても良い。もちろん、3つ以上の発光部により表示を行うようにしても良い。また、上述の実施形態では、サブゲーム表示部を第1サブゲーム表示部91と第2サブゲーム表示部92とで分けているが、一つのサブゲーム表示部で第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームの表示を行うようにしても良い。
また、遊技制御装置100において一括表示装置50の特図1保留表示器54、特図2保留表示器55及び普図保留表示器56での点滅状態を制御するための点滅表示タイマと、演出制御装置300で第1サブゲーム表示部91、第2サブゲーム表示部92、第1サブ表示部93及び第2サブ表示部94の点滅状態を制御するためのサブ点滅表示タイマを同期させるようにしても良い。
すなわち、点滅表示タイマとサブ点滅表示タイマの更新周期を同一とするとともに、所定のタイミングで同一の初期値が設定されるようにして常に値が同一となるようにする。このようにしてそれぞれが参照するビットや消灯状態とする範囲を同一とすれば、特図1保留表示器54、特図2保留表示器55、普図保留表示器56、第1サブゲーム表示部91、第2サブゲーム表示部92、第1サブ表示部93及び第2サブ表示部94のうち、任意の発光部における点滅状態を同期させることが可能となり、装飾性や視認性が向上する。また、参照するビットや消灯状態とする範囲を同一としなくとも、所定の周期性を持って点滅させることは可能であり、これによっても装飾性や視認性が向上する。
また、上述の説明では、第1サブゲーム表示部91、第2サブゲーム表示部92、第1サブ表示部93及び第2サブ表示部94で同一のサブ点滅表示タイマを用い、点滅状態の消灯期間を同一とすることで、全てが同期するようにしたが、これらの表示部の一部又は全部について別々のサブ点滅表示タイマを用いても良いし、点滅状態の消灯期間が異なるものとして同期しないようにしても良い。
また、第1サブゲーム表示部91と第2サブゲーム表示部92では、点滅状態で表示する変動時間の終了に伴い即座に結果に応じた発光態様に移行するようにしたが、移行直前における発光状態と、結果に応じた発光状態とが異なる場合には、結果に応じた発光状態と一致する発光状態となるまで現在の発光状態を維持しても良い。例えば、移行直前の発光状態が点灯であるが結果がはずれであり消灯に移行する必要がある場合に、サブ点滅表示タイマ領域の参照するビット(ここではビット2)の値が変化して点灯期間が終了するまでは点灯を維持し、その後はずれの結果態様に対応した消灯状態とする。このようにすれば、変動表示の終了の際に第1サブ表示部93や第2サブ表示部94での点滅表示と同期して発光状態が変化するようになり装飾性や視認性が向上する。
さらに、変動表示の開始の際も、現在表示中の前回の結果に対応する発光状態と、サブ点滅表示タイマ領域の値に応じた発光状態とが異なる場合には、両発光状態が一致するまで変動表示の開始を遅らせるようにしても良い。例えば、現在表示中の前回の結果に対応する発光状態がはずれに対応する消灯であり、点滅状態に移行すると点滅表示タイマ領域の値に応じて発光状態が点灯となる場合には、点滅表示タイマ領域の値に応じて発光状態が消灯となる消灯期間の開始まで点滅状態に移行しないようにする。このようにすれば、変動表示の開始の際に第1サブ表示部93や第2サブ表示部94での点滅表示と同期して発光状態が変化するようになり装飾性や視認性が向上する。
このような変動表示の開始、終了の際に点滅状態を同期させるようにする制御は、一括表示装置50において、特図1表示器51、特図2表示器52、普図表示器53、特図1保留表示器54、特図2保留表示器55、普図保留表示器56で、点滅状態を制御するために共通の点滅表示タイマを用いて表示を制御するようにした場合にも適用可能である。
また、第1サブゲーム表示部91と第2サブゲーム表示部92での変動表示の時間は、サブ変動表示タイマにより管理しているが、特図変動表示ゲームの変動表示の終了時に遊技制御装置100から演出制御装置300に対して停止コマンドが送信される場合には、この停止コマンドの受信をもって変動表示を停止するようにしても良い。このように停止コマンドを受信するような構成とした場合でもサブ変動表示タイマによる変動時間の管理を並行して行うようにしても良く、この場合は、停止コマンドの受信とサブ変動表示タイマのタイムアップの何れか早い方で変動表示を停止するようにしても良い。
また、上述したように第1サブゲーム表示部91と第2サブゲーム表示部92では、移行直前における発光状態と、結果に応じた発光状態とが異なる場合には、結果に応じた発光状態と一致する発光状態となるまで現在の発光状態を維持するようにしても良いが、このような制御を行うのはサブ変動表示タイマがタイムアップしたことに基づき変動表示を終了する場合のみとし、停止コマンドの受信により変動表示を終了する際には現在の発光状態にかかわらず即座に結果に応じた発光状態とするようにしても良い。もちろん停止コマンドの受信により変動表示を終了する際にも結果に応じた発光状態と一致する発光状態となるまで現在の発光状態を維持するようにしても良いし、サブ変動表示タイマがタイムアップしたことに基づき変動表示を終了する場合のみ即座に結果に応じた発光状態とするようにしても良い。
〔第1変形例〕
次に、上述した第1実施形態の遊技機の第1変形例について説明する。なお、基本的には、上述の実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、一括表示装置50での保留表示器の更新を一時的に待機するようにしている。
〔セグメントLED編集処理〕
本変形例の遊技機では、図86に示したセグメントLED編集処理に替えて図126に示すセグメントLED編集処理を行う。このセグメントLED編集処理では、普図保留数表示テーブル1,2の何れかを設定(ステップS503、S504)した後、表示の変化を一定時間待機させるための表示遅延処理を行い(ステップS901)、設定した普図保留数表示テーブルから普図表示保留数に対応する表示データを取得し、普図保留表示器のセグメント領域にセーブする(ステップS902)。普図表示保留数とは、普図保留表示器56に表示する保留数の値であり、更新を待機している期間は実際の保留数とは異なる値となる場合がある。
また、特図1保留数表示テーブル1,2の何れかを設定(ステップS507、S508)した後、表示の変化を一定時間待機させるための表示遅延処理を行い(ステップS903)、設定した特図1保留数表示テーブルから特図1表示保留数に対応する表示データを取得し、特図1保留表示器のセグメント領域にセーブする(ステップS904)。特図1表示保留数とは、特図1保留表示器54に表示する保留数の値であり、更新を待機している期間は実際の保留数とは異なる値となる場合がある。
また、特図2保留数表示テーブル1,2の何れかを設定(ステップS511、S512)した後、表示の変化を一定時間待機させるための表示遅延処理を行い(ステップS905)、設定した特図2保留数表示テーブルから特図2表示保留数に対応する表示データを取得し、特図2保留表示器のセグメント領域にセーブする(ステップS906)。特図2表示保留数とは、特図2保留表示器55に表示する保留数の値であり、更新を待機している期間は実際の保留数とは異なる値となる場合がある。
〔表示遅延処理〕
図127には、上述のセグメントLED編集処理における表示遅延処理(ステップS901、S903、S905)を示した。この表示遅延処理では、まず、対応する保留の前保留数と実際の保留数である実保留数とを比較する(ステップS531)。対応する保留とは現在処理対象となっている保留であり、例えば、普図保留数を対象とした表示遅延処理(ステップC901)であれば普図保留が対応する保留である。また、前保留とは後述のステップC540で設定されるように、表示待機期間が経過して実保留数を表示した際の保留数である。
前保留数と実保留数とが一致しない場合(ステップS532;N)は、対応する保留の待機フラグがあるかを判定する(ステップS533)。待機フラグは実保留数の表示を待機している期間に設定されるフラグである。普図保留表示器、特図1保留表示器、特図2保留表示器のそれぞれに対応して普図待機フラグ、特図1待機フラグ、特図2待機フラグが用意されており、表示を待機している保留表示器に対応したフラグが設定される。例えば、普図保留数の実保留数の表示を待機している場合には普図待機フラグが設定される。
対応する保留の待機フラグがない場合は、対応する保留の待機フラグをセーブし(ステップS534)、対応する保留の表示待機タイマに初期値(例えば128ms)をセーブする(ステップS535)。その後、前保留数を表示保留数に設定し(ステップS538)、表示遅延処理を終了する。これにより、前保留数が対応する保留表示器に表示されることとなる。
一方、前保留数と実保留数とが一致する場合(ステップS532;Y)や、対応する保留の待機フラグがある場合(ステップS533;Y)は、対応する保留の表示待機タイマが0でなければ−1更新し(ステップS536)、対応する保留の表示待機タイマが0であるか、すなわちタイムアップしたかを判定する(ステップS537)。
対応する保留の表示待機タイマが0でない場合(ステップS537;N)は、前保留数を表示保留数に設定し(ステップS538)、表示遅延処理を終了する。また、対応する保留の表示待機タイマが0である場合(ステップS537;Y)は、実保留数を表示保留数に設定する(ステップS539)。そして、新たな前保留数として実保留数を設定し(ステップS540)、対応する保留の待機フラグをクリアして(ステップS541)、表示遅延処理を終了する。
この表示待機処理により、始動記憶数が変化しても一定期間は一括表示装置50の保留表示器に表示される始動記憶数は変化しないようになり、頻繁に始動記憶数の表示が更新されることにより遊技者が表示を把握することが困難となることを防止している。
図128には始動記憶の増加や減少が所定時間内に複数回発生した場合における、一括表示装置50の保留表示器54,55での表示と、表示装置41の記憶表示部83、始動記憶数表示部86での表示の一例について示した。ここでは、複数回の始動記憶数の変化として第2始動記憶が一つ消化された後に第2始動記憶が一つ発生した場合を示した。
この例では図128(a)に示すように、まず、第1始動記憶数が4であり第2始動記憶数が3である状態となっており(t41)、一括表示装置50の第2保留表示器55及び表示装置41の第2記憶表示部83b、第2始動記憶数表示部86bでは、何れも第2始動記憶数が3であることが表示された状態となっている。なお、一括表示装置50の第1保留表示器54及び表示装置41の第1記憶表示部83a、第1始動記憶数表示部86aでは第1始動記憶数が4であることが表示されており、この例では第1始動記憶数の変化はないため説明を省略するが、以下に説明する第2保留表示器55及び第2記憶表示部83b、第2始動記憶数表示部86bと同様の表示制御となっている。
その後、第2始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが開始されて第2始動記憶が消化されて第2始動記憶数が2に変化すると(t42)、表示装置41の第2記憶表示部83b、第2始動記憶数表示部86bでは即座に始動記憶数の変化に応じた表示が行われる。これに対して一括表示装置50の第2保留表示器55では、セグメントLED編集処理(図86参照)の表示遅延処理(S510)により表示の更新が遅延される。よって、始動記憶数の変化があってもこれに応じた表示の変化が即座に行われずに待機期間に亘り変化前の表示が維持される。そして、待機期間が経過するとその時点の始動記憶数の表示が行われるようになり(t43)、ここでは第2始動記憶数が2である表示となる。
また、第2始動記憶が発生して第2始動記憶数が3に変化した場合も同様に(t44)、表示装置41の第2記憶表示部83b、第2始動記憶数表示部86bでは即座に始動記憶数の変化に応じた表示が行われる。これに対して一括表示装置50の第2保留表示器55では、始動記憶数の変化があってもこれに応じた表示の変化を即座に行わずに待機期間に亘り変化前の表示が維持される。
図128(b)には待機期間に再度の始動記憶数の変化があった場合の一例を示した。すなわち、図128(a)での第2始動記憶の発生(t44)が、待機期間中にあった場合である。この場合も、表示装置41の第2記憶表示部83b、第2始動記憶数表示部86bでは即座に始動記憶数の変化に応じた表示が行われる。これに対して一括表示装置50の第2保留表示器55では、待機期間中であるので始動記憶数の変化前の表示である3を示す表示が維持された状態であり、新たな第2始動記憶が発生しても表示は変化しない。
そして、待機期間が経過するとその時点の始動記憶数の表示が行われるようになり(t43)、ここでは第2始動記憶数が3である表示となる。すなわち、第2始動記憶の増減があっても第2始動記憶数が3であることが表示された状態のままとなる。なお、待機期間中に始動記憶の変化があっても新たな待機期間は設定されないようにされており、長期間に亘り現実の始動記憶数の表示が行われないことがないようにされている。
図129には、図128(b)の例における表示態様を示した。図129(a)、(f)に示すように、第2始動記憶数が3であることが示されている状態(図128のt41)から、第2始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが開始されて第2始動記憶が消化されて第2始動記憶数が2に変化すると(図128のt42)、図129(b)、(c)に示すように、表示装置41の第2記憶表示部83b、第2始動記憶数表示部86bでは即座に始動記憶数の減少に応じた表示が行われる。その後、第2始動記憶が発生して第2始動記憶数が3に変化すると(図128のt44)、図129(d)、(e)に示すように、表示装置41の第2記憶表示部83b、第2始動記憶数表示部86bでは即座に始動記憶数の増加に応じた表示が行われる。
これに対して一括表示装置50の第2保留表示器55では、図129(f)から(h)に示すように始動記憶数の変化があっても、図129(i)に示すような変化に応じた表示の変化を即座に行わずに待機期間に亘り変化前の表示が維持される。ここでは、第2始動記憶数が2に減少した後に待機期間中に3に増加しており、表示上は第2始動記憶数が3を示す状態のままとなる。なお、図129(f)から(h)では、点灯状態を網掛けで示し、点滅状態を斜線で示している。
なお、待機期間のような短時間で始動記憶数が複数回変化する場合には、図129(b)や(d)に示す装飾表示を省略し、飾り特図始動記憶表示の表示又は消去のみを行うようにしても良い。また、待機期間に関係なく、図129(b)や(d)に示すように始動記憶の変化に伴う装飾表示が行われている途中で更なる始動記憶の変化が発生した場合は、実行中の装飾表示を中止し、新たな始動記憶の変化に伴う装飾表示を行うようにしても良い。
また、表示装置41に飾り特図始動記憶表示を表示するようにしたが、表示装置41とは別の第2の表示装置に表示するようにしても良い。この第2の表示装置は液晶表示装置であっても良いし、LEDで構成された表示装置であっても良い。また、ここでは第1始動記憶と第2始動記憶の表示について説明したが、普図始動記憶についても表示装置41に飾り普図始動記憶表示を表示する又は第2の表示装置に表示するようにし、上述と同様に制御を行うようにしても良い。
以上のことから、始動領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37、普図始動ゲート34)での遊技球の検出に基づき変動表示ゲームを実行し、前記変動表示ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与する遊技機において、遊技を統括的に制御する遊技制御手段(遊技制御装置100)と、始動入賞領域での遊技球の検出に基づき変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶を所定の上限数まで乱数値とともに記憶可能な始動記憶手段(遊技制御装置100)と、遊技制御手段により制御され、始動記憶手段に記憶された始動記憶の情報を表示する始動記憶表示手段(一括表示装置50)と、遊技制御手段からの情報に基づき遊技の演出の制御を行う演出制御手段(演出制御装置300)と、演出制御手段に制御され、遊技の演出表示を行う表示装置41と、を備え、演出制御手段は、始動記憶手段に記憶された始動記憶の情報を表示装置41に始動記憶表示として表示可能であり、所定期間内に始動記憶の数の変化が複数回あった場合にも、当該所定期間内の変化の過程を省略せずに表示し、遊技制御手段は、所定期間内に始動記憶の数の変化が複数回あった場合に、当該所定期間内の変化の過程を省略して始動記憶表示手段に表示するようにしたこととなる。これにより、遊技者が始動記憶の情報を把握しやすくなる。
〔第2変形例〕
次に、上述した第1実施形態の遊技機の第2変形例について説明する。なお、基本的には、上述の実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、表示装置41での飾り特図始動記憶表示の更新を一時的に待機するようにしている。
〔特図1保留情報設定処理〕
本変形例の遊技機では、図112に示した特図1保留情報設定処理に替えて図130に示す特図1保留情報設定処理を行う。この特図1保留情報設定処理では、新保留数と前保留数が同じでない場合(ステップC503;N)に、飾り特図始動記憶表示の更新待機中であるかを判定する(ステップC651)。
飾り特図始動記憶表示の更新待機中でない場合(ステップC651;N)は、更新待機タイマに初期値(例えば128ms)をセーブし(ステップC652)、ステップC504以降の処理を行う。この処理により、保留数増加又は減少に伴う飾り特図始動記憶表示における装飾表示(アニメーション)が設定されるが、この場合には、所定の更新待機時間が経過した後に飾り特図始動記憶表示の増加又は減少を行うとともに装飾表示を開始する表示が設定される。
一方、飾り特図始動記憶表示の更新待機中である場合(ステップC651;Y)は、新保留数に対応する連続変化用モーション制御テーブルのインデックスを算出してセーブし(ステップC653)、更新待機タイマをクリアして(ステップC654)、ステップC525以降の処理を行う。この処理により、始動記憶数の増加又は減少に伴う飾り特図始動記憶表示の増加又は減少と装飾表示(アニメーション)が設定されるが、この場合には、更新待機中でない場合にステップC504で設定された表示をキャンセルして連続変化用の表示を設定する。
連続変化用の表示は、前回の始動記憶数の変化と今回の始動記憶数の変化をまとめて表示する内容となっている。前回の始動記憶数の変化と今回の始動記憶数の変化が始動記憶数の増加と減少である場合には、増加と減少の順序にかかわらず減少する表示を行った後に増加の表示を行うようになっている。
〔特図2保留情報設定処理〕
また、図113に示した特図2保留情報設定処理に替えて図131に示す特図2保留情報設定処理を行う。この特図2保留情報設定処理でも上述した特図1保留情報設定処理と同様に、ステップC651〜C654の処理を行う。
図132には表示装置41における飾り特図始動記憶表示の更新の一例を示した。図132(a)に示すように第2始動記憶が3つある状態で新たな第2始動記憶が発生している。これにより飾り特図始動記憶表示を増加させる表示とこれに伴う装飾表示が設定されるが、この表示は所定の更新待機時間が経過した後に飾り特図始動記憶表示の更新が開始される表示であり、図132(b)に示すように更新待機時間中では第2記憶表示部83bや第2始動記憶数表示部86bにおいて表示は変化しない。
その後、更新待機時間中に第2始動記憶が消化されると、更新待機中である場合に設定された表示がキャンセルされて連続変化用の表示が設定される。この場合、第2始動記憶は増加の後に減少しているが、連続変化用の表示では図132(c)、(d)に示すように始動記憶が減少する表示を先に行った後に図132(e)、(f)に示すように始動記憶が増加する表示を行う一連の表示が行われる。
一方、図132(a)に示すように第2始動記憶が3つある状態で新たな第2始動記憶が発生し、図132(g)に示すように更新待機時間となって更新が待機された状態となり、この更新待機時間中に始動記憶数の変化がなかった場合は、図132(h)、(i)に示すように第2始動記憶が増加する表示のみが行われる。この表示は当該第2始動記憶が発生した際に設定された表示である。
以上のことから、演出制御手段(演出制御装置300)は、所定期間内に始動記憶の増加及び減少があった場合には、変化の順番に係らずに始動記憶の減少に対応する表示を行った後に始動記憶の増加に対応する表示を行うようにしたこととなる。
なお、始動記憶数が増加した後に更新待機時間中に再度始動記憶が増加した場合も、更新待機中である場合に設定された表示がキャンセルされて連続変化用の表示が設定される。この場合は2回分の始動記憶の増加に対応した表示が行われる。また、連続変化用の表示を通常の表示を連続して実行する内容としたが、通常の表示とは異なるものとして連続して変化があったことを強調するようにしても良い。
また、連続変化があった場合に装飾表示を省略したものとしても良い。例えば、図132(b)、(e)の表示を省略して単に飾り特図始動記憶表示が表示又は消去されるのみとしても良い。すなわち、演出制御手段(演出制御装置300)は、始動記憶の増加又は減少に伴い始動記憶表示を変化させる際に、当該変化を装飾する装飾表示を行うことが可能なように構成され、所定期間内に始動記憶の数の変化が複数回あった場合には、当該所定期間内における装飾表示の表示を省略するようにしたこととなる。
また、上述の第1変形例と組み合わせても良い。この場合一括表示装置50での保留表示器の更新を一時的に待機する待機時間と、表示装置41での始動記憶数表示部86の更新を一時的に待機する更新待機時間とを同じ時間としても良いし、異なる時間としても良い。
〔第3変形例〕
次に、上述した第1実施形態の遊技機の第3変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、サブ情報表示装置90での更新を一時的に待機するようにしている。
図133には始動記憶の増加や減少が所定時間内に複数回発生した場合における、表示装置41で始動記憶数を表示する記憶表示部83、始動記憶数表示部86での表示と、サブ情報表示装置90で始動記憶数を表示するサブ表示部の表示の一例について示した。ここでは、複数回の始動記憶数の変化として第2始動記憶が一つ消化された後に第2始動記憶が一つ発生した場合を示した。
この例では図133(a)に示すように、まず、第1始動記憶数が4であり第2始動記憶数が3である状態となっており(t81)、表示装置41の第2記憶表示部83b、第2始動記憶数表示部86b、サブ情報表示装置90の第2サブ表示部94では、何れも第2始動記憶数が3であることが表示された状態となっている。なお、表示装置41の第1記憶表示部83a、第1始動記憶数表示部86a、サブ情報表示装置90の第1サブ表示部93では第1始動記憶数が4であることが表示されており、この例では第1始動記憶数の変化はないため説明を省略するが、以下に説明する表示装置41の第2記憶表示部83b、第2始動記憶数表示部86b、サブ情報表示装置90の第2サブ表示部94と同様の表示制御となっている。
その後、第2始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが開始されて第2始動記憶が消化されて第2始動記憶数が2に変化すると(t82)、表示装置41の第2記憶表示部83b、第2始動記憶数表示部86bでは即座に始動記憶数の変化に応じた表示が行われる。これに対してサブ情報表示装置90の第2サブ表示部94では表示の更新が遅延される。よって、始動記憶数の変化があってもこれに応じた表示の変化が即座に行われずに待機期間に亘り変化前の表示が維持される。そして、待機期間が経過するとその時点の始動記憶数の表示が行われるようになり(t83)、ここでは第2始動記憶数が2である表示となる。
また、第2始動記憶が発生して第2始動記憶数が3に変化した場合も同様に(t84)、表示装置41の第2記憶表示部83b、第2始動記憶数表示部86bでは即座に始動記憶数の変化に応じた表示が行われる。これに対してサブ情報表示装置90の第2サブ表示部94では、始動記憶数の変化があってもこれに応じた表示の変化を即座に行わずに待機期間に亘り変化前の表示が維持される。
図133(b)には待機期間に再度の始動記憶数の変化があった場合の一例を示した。すなわち、図133(a)での第2始動記憶の発生(t84)が、待機期間中にあった場合である。この場合も、表示装置41の第2記憶表示部83b、第2始動記憶数表示部86bでは即座に始動記憶数の変化に応じた表示が行われる。これに対してサブ情報表示装置90の第2サブ表示部94では、待機期間中であるので始動記憶数の変化前の表示である3を示す表示が維持された状態であり、新たな第2始動記憶が発生しても表示は変化しない。
そして、待機期間が経過するとその時点の始動記憶数の表示が行われるようになり(t83)、ここでは第2始動記憶数が3である表示となる。すなわち、第2始動記憶の増減があっても第2始動記憶数が3であることが表示された状態のままとなる。なお、待機期間中に始動記憶の変化があっても新たな待機期間は設定されないようにされており、長期間に亘り現実の始動記憶数の表示が行われないことがないようにされている。
図134には、図133(b)の例における表示態様を示した。図134(a)、(f)に示すように、第2始動記憶数が3であることが示されている状態(図133のt81)から、第2始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが開始されて第2始動記憶が消化されて第2始動記憶数が2に変化すると(図133のt82)、図134(b)、(c)に示すように、表示装置41の第2記憶表示部83b、第2始動記憶数表示部86bでは即座に始動記憶数の減少に応じた表示が行われる。その後、第2始動記憶が発生して第2始動記憶数が3に変化すると(図133のt84)、図134(d)、(e)に示すように、表示装置41の第2記憶表示部83b、第2始動記憶数表示部86bでは即座に始動記憶数の増加に応じた表示が行われる。
これに対してサブ情報表示装置90の第2サブ表示部94では、図134(f)から(h)に示すように始動記憶数の変化があっても、図134(i)に示すような変化に応じた表示の変化を即座に行わずに待機期間に亘り変化前の表示が維持される。ここでは、第2始動記憶数が2に減少した後に待機期間中に3に増加しており、表示上は第2始動記憶数が3を示す状態のままとなる。なお、図134(f)から(h)では、点灯状態を網掛けで示し、点滅状態を斜線で示している。
なお、待機期間のような短時間で始動記憶数が複数回変化する場合には、図134(b)や(d)に示す装飾表示を省略し、飾り特図始動記憶表示の表示又は消去のみを行うようにしても良い。また、待機期間に関係なく、図134(b)や(d)に示すように始動記憶の変化に伴う装飾表示が行われている途中で更なる始動記憶の変化が発生した場合は、実行中の装飾表示を中止し、新たな始動記憶の変化に伴う装飾表示を行うようにしても良い。
このような制御を行うために、図125に示したサブ情報表示装置制御処理におけるステップC705の直前及びステップC709の直前に表示遅延処理を行うようにする。この表示遅延処理は図127に示した処理と同様の処理とし、演出制御装置300において第1サブ表示部93又は第2サブ表示部94を対象とした待機時間の設定や表示保留数の設定を行うものとする。
なお、上述の第1変形例の構成を組み合わせても良い。この場合、一括表示装置50での保留表示器の更新を一時的に待機する待機時間と、サブ情報表示装置90での始動記憶数の更新を一時的に待機する待機時間とを同じ時間としても良いし、異なる時間としても良い。
以上のことから、始動領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37、普図始動ゲート34)での遊技球の検出に基づき変動表示ゲームを実行し、変動表示ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与する遊技機において、遊技を統括的に制御する遊技制御手段(遊技制御装置100)と、始動領域での遊技球の検出に基づき変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶を所定の上限数まで乱数値とともに記憶可能な始動記憶手段(遊技制御装置100)と、遊技制御手段により制御され、始動記憶手段に記憶された始動記憶の情報を表示する始動記憶表示手段(一括表示装置50)と、遊技制御手段からの情報に基づき遊技の演出の制御を行う演出制御手段(演出制御装置300)と、演出制御手段に制御され、遊技の演出表示を行う表示装置41と、演出制御手段に制御され、発光体により遊技に関する情報を表示するサブ情報表示装置90と、を備え、演出制御手段は、始動記憶手段に記憶された始動記憶の情報を表示装置41に始動記憶表示として表示可能であるとともに、サブ情報表示装置90の発光体を用いて表示可能であり、所定期間内に始動記憶の数の変化が複数回あった場合に、表示装置41では当該所定期間内の変化の過程を省略せずに表示し、サブ情報表示装置90では当該所定期間内の変化の過程を省略して表示し、遊技制御手段は、所定期間内に始動記憶の数の変化が複数回あった場合に、当該所定期間内の変化の過程を省略して始動記憶表示手段に表示するようにしたこととなる。これにより、遊技者が始動記憶の情報を把握しやすくなる。
また、上述の第2変形例の構成を組み合わせても良い。この場合、図132に示したように、更新待機時間中に記憶表示部83や始動記憶数表示部86の表示の更新を待機し、始動記憶が減少する表示を先に行った後に始動記憶が増加する表示を行う一連の表示を行う構成をそのまま適用しても良い。
また、図135に示すように、記憶表示部83では表示の更新を待機せずに始動記憶数の変化に伴い即座に表示を更新し、始動記憶数表示部86では表示の更新を待機するようにしても良い。すなわち、図133(a)、(b)のそれぞれに対応して言えば、第2サブ表示部94及び第2始動記憶表示部86bが上段のような変化を行い、第2記憶表示部83は下段のように即座に変化するようにしても良い。図135に示す例は図53(b)と同様に、複数回の始動記憶数の変化として第2始動記憶が一つ消化された後に待機期間中に第2始動記憶が一つ発生した例である。
図135(a)、(f)に示すように、第2始動記憶数が3であることが示されている状態から、第2始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが開始されて第2始動記憶が消化されて第2始動記憶数が2に変化すると、図135(b)、(c)に示すように、表示装置41の第2記憶表示部83bでは即座に始動記憶数の減少に応じた表示が行われる。その後、第2始動記憶が発生して第2始動記憶数が3に変化すると、図135(d)、(e)に示すように、表示装置41の第2記憶表示部83bでは即座に始動記憶数の増加に応じた表示が行われる。
これに対して表示装置41の第2始動記憶数表示部86bでは、図135(a)から(e)に示すように始動記憶数の変化があっても変化に応じた表示の変化を即座に行わずに待機期間に亘り変化前の表示が維持される。ここでは、第2始動記憶数が2に減少した後に待機期間中に3に増加しており、表示上は第2始動記憶数が3を示す状態のままとなる。また、サブ情報表示装置90の第2サブ表示部94では、図135(f)から(h)に示すように始動記憶数の変化があっても、図134(i)に示すような変化に応じた表示の変化を即座に行わずに待機期間に亘り変化前の表示が維持される。ここでは、第2始動記憶数が2に減少した後に待機期間中に3に増加しており、表示上は第2始動記憶数が3を示す状態のままとなる。なお、図135(f)から(h)では、点灯状態を網掛けで示し、点滅状態を斜線で示している。
このような表示を行う場合には、図130のステップC504や図131のステップC524において、記憶表示部83の表示については即座に飾り特図始動記憶表示の増加又は減少を行うとともに装飾表示を開始する表示を設定し、始動記憶数表示部86の表示については所定の更新待機時間が経過した後に始動記憶数表示の増加又は減少を行うとともに装飾表示を開始する表示を設定するようにする。
また、図130や図131のステップC653では、記憶表示部83の表示については即座に飾り特図始動記憶表示の増加又は減少を行うとともに装飾表示を開始する表示を設定し、始動記憶数表示部86の表示については更新待機中でない場合にステップC504やC524で設定された表示をキャンセルして連続変化用の表示を設定するようにする。この場合の連続変化用の表示として、始動記憶数が更新待機の開始時の値に戻った場合(増加と減少が同回数発生した場合)には始動記憶数表示の更新表示や装飾表示を行わない表示を設定する又は単にステップC504やC524で設定されていた表示をキャンセルするのみとする。すなわち、現状の表示が変化なく維持されるようにする。また、始動記憶数が更新待機の開始時の値と異なる場合(例えば連続して始動記憶が発生した場合)には、始動記憶数表示を現時点の始動記憶数に変更する更新表示や装飾表示を含む表示を設定する。
なお、図135での例とは逆に、始動記憶数表示部86では表示の更新を待機せずに始動記憶数の変化に伴い即座に表示を更新し、記憶表示部83では表示の更新を待機するようにしても良い。すなわち、一括表示装置50の特図1保留表示器54、特図2保留表示器55、普図保留表示器56、表示装置41の第1記憶表示部83a、第2記憶表示部83b、サブ情報表示装置90の第1始動記憶数表示部86a、第2始動記憶数表示部86b、表示装置41やサブ情報表示装置90に普図保留数を表示する表示部を設けた場合はそれらの表示部における表示のそれぞれについて、始動記憶数の変化があった場合に即座に表示を変更するか、始動記憶数の変化があっても待機期間に亘り表示の変更を待機するかを任意に設定可能である。
以上のことから、始動領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37、普図始動ゲート34)での遊技球の検出に基づき変動表示ゲームを実行し、変動表示ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与する遊技機において、遊技を統括的に制御する遊技制御手段(遊技制御装置100)と、始動領域での遊技球の検出に基づき変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶を所定の上限数まで乱数値とともに記憶可能な始動記憶手段(遊技制御装置100)と、遊技制御手段により制御され、始動記憶手段に記憶された始動記憶の情報を表示する始動記憶表示手段(一括表示装置50)と、遊技制御手段からの情報に基づき遊技の演出の制御を行う演出制御手段(演出制御装置300)と、演出制御手段に制御され、遊技の演出表示を行う表示装置41と、演出制御手段に制御され、発光体により遊技に関する情報を表示するサブ情報表示装置90と、を備え、演出制御手段は、始動記憶手段に記憶された始動記憶の情報を表示装置41に始動記憶表示として表示可能であるとともに、サブ情報表示装置90の発光体を用いて表示可能であり、始動記憶表示には、第1表示(記憶表示部83)と第2表示(始動記憶数表示部86)とがあり、それぞれが独立して同じ内容の始動記憶の情報を表示するように構成され、所定期間内に始動記憶の数の変化が複数回あった場合に、第1表示では当該所定期間内の変化の過程を省略せずに表示し、第2表示及びサブ情報表示装置90では当該所定期間内の変化の過程を省略して表示し、遊技制御手段は、所定期間内に始動記憶の数の変化が複数回あった場合に、当該所定期間内の変化の過程を省略して始動記憶表示手段に表示するようにしたこととなる。これにより、遊技者が始動記憶の情報を把握しやすくなる。
また、演出制御手段は、所定期間内に始動記憶の増加及び減少があった場合には、変化の順番に係らずに第1表示において始動記憶の減少に対応する表示を行った後に始動記憶の増加に対応する表示を行うようにしたこととなる。
また、演出制御手段は、始動記憶の増加又は減少に伴い第1表示において始動記憶表示を変化させる際に、当該変化を装飾する装飾表示を行うことが可能なように構成され、所定期間内に始動記憶の数の変化が複数回あった場合には、当該所定期間内における装飾表示の表示を省略するようにしたこととなる。
〔第4変形例〕
次に、上述した第1実施形態の遊技機の第4変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、一の特図変動表示ゲームにおいて複数種類の特定演出を実行可能となっている。
図136(a)に示すように本変形例での特定演出情報格納領域は、第1始動記憶(特図1)のそれぞれの始動記憶について消化順序と対応付けられた領域1aから1dと、第2始動記憶(特図2)のそれぞれの始動記憶について消化順序と対応付けられた領域2aから2dの8つの領域の各々に、第1の特定演出に対応する情報を格納する第1格納領域(領域1x−1、xはa〜d)と、第2の特定演出に対応する情報を格納する第2格納領域(領域1x−2、xはa〜d)と、が設けられている。また、実行中領域も第1の特定演出と第2の特定演出に対応するように領域が二つ設けられている。
すなわち、一つの始動記憶に対して二種類の特定演出の情報を格納できるようになっている。これにより、それぞれの特定演出の実行が決定された際に、当該特定演出の対象となる特図変動表示ゲームのそれぞれにおいて実行する当該特定演出の実行内容について予め設定し、各々の特定演出の実行内容を独立して管理することができる。
図136(b)には、第1始動記憶について第1の特定演出としてカウントダウン予告が設定され、第2の特定演出として保留変化予告が設定された例を示した。この例では、消化順序が4番目となる第1始動記憶が発生した際に、特定演出として当該始動記憶を対象とする先読み予告演出の実行が決定されている。ここでは第1の特定演出としてカウントダウン予告が選択されており、対象となる消化順序が1から4番目の始動記憶について、それぞれの特図変動表示ゲームでのカウントダウン予告の演出内容が決定され、特定演出情報格納領域の対応する領域である第1始動記憶の第1格納領域に情報が格納される。
さらに、第2の特定演出として保留変化予告が選択されており、対象となる消化順序が1から4番目の始動記憶について、それぞれの特図変動表示ゲームでの保留変化予告の演出内容が決定され、特定演出情報格納領域の対応する領域である第1始動記憶の第2格納領域に情報が格納される。なお、第2格納領域では、保留変化予告の対象を消化順序が4番目である「保留4」として特定しているが、これは特定演出の設定の際に消化順序が4番目であった始動記憶を意味するものであり、始動記憶の消化に伴って消化順序が変化した際に予告対象の始動記憶が変更されるということではない。例えば、各始動記憶に固有のIDを付して予告対象を当該IDで特定するようにしても良い。また、各始動記憶に固有のIDで始動記憶を特定して特定演出を管理する場合には、特定演出情報格納領域においても消化順序に対応付けられた領域により特定演出を管理するのではなく、IDに対応付けられた領域により特定演出を管理するようにしても良い。
消化順序が1番目及び2番目の第1始動記憶については、カウントダウン予告「表示なし」が設定され、保留変化予告「保留4(1段階UP)」が設定されている。これによりこれらの始動記憶に基づく特図変動表示ゲームではカウントダウン予告は表示されないが、第2の特定演出を設定した際に消化順序が4番目であった始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示を、1段階だけ期待度の高い態様に変化させる保留変化予告が行われる。
また、消化順序が3番目の第1始動記憶については、カウントダウン予告「カウント1」が設定され、保留変化予告「変化なし」が設定されている。これによりこの始動記憶に基づく特図変動表示ゲームでは、保留変化予告として飾り特図始動記憶表示をさらに変化させることは行われないが、カウントダウン予告として予告対象の特図変動表示ゲームの一つ前であることを示す「1」の表示を行う演出が実行される。
また、消化順序が4番目の第1始動記憶については、カウントダウン予告「カウント0」が設定され、保留変化予告「変化なし」が設定されている。これによりこの始動記憶に基づく特図変動表示ゲームでは、保留変化予告として飾り特図始動記憶表示をさらに変化させることは行われないが、カウントダウン予告として予告対象の特図変動表示ゲームの一つ前であることを示す「0」の表示を行う演出が実行される。
特定演出の対象となる特図変動表示ゲームが開始される毎に、第1始動記憶の消化順序1番目の領域の情報と、第2始動記憶の消化順序1番目の領域の情報のうち、消化された始動記憶に対応する領域の情報が実行中領域にコピーされる。この際、第1格納領域の情報は実行中領域−1にコピーされ、第2格納領域の情報は実行中領域−2にコピーされる。また、これに伴いコピー元の領域の情報は消去され、消化順序2〜4の情報が一つずつ繰り上げられる。
また、特定演出情報格納領域の実行中領域の情報を対応する領域にコピーする処理(ステップC534)、すなわち、第1始動記憶を対象とする特定演出の実行中に第2始動記憶が発生した場合に当該第2始動記憶に基づく特図変動表示ゲームで現在実行中の特定演出を繰り返し実行可能とする処理では、予告の種類に応じて情報のコピーを行うか否かを選択するようにする。図136(b)の例では、カウントダウン予告についてはコピーして繰り返し実行されるようにしても問題ないが、保留変化予告については繰り返し実行されると予定された以上に段階が進行してしまうこととなるためコピーを行わない。
なお、第2始動記憶が発生した際に予告の内容を参照してコピーするか否かを選択するようにしても良い。また、例えば第1格納領域はコピーしても問題がない予告を格納し、第2格納領域にはコピーすると都合の悪い予告(例えば、保留変化予告)を格納するとして、第2始動記憶が発生した際には第1格納領域の情報のみをコピーするようにしても良い。よって、例えば特定演出として保留変化予告のみが設定される場合に、第1格納領域には情報を格納せず、第2格納領域のみに情報を格納する。
また、同時に複数の特定演出を設定することも可能であるし、既に特定演出が設定されている状態でさらに別の特定演出を設定することも可能である。また、予告対象が同一であっても良いし、異なっていても良い。
それぞれの特定演出で予告対象が異なる場合には、最終フラグは特定演出を実行する始動記憶のうち最も遅くに消化される始動記憶に設定するようにする。また、すでに特定演出が設定されている状態でさらに別の特定演出が設定される場合であって、先に設定されていた特定演出を最後に実行する始動記憶よりも、後に設定される特定演出を最後に実行する始動記憶が後に消化される始動記憶である場合には、先に設定されていた最終フラグを消去して、後の始動記憶に最終フラグを設定する。すなわち、最終フラグは一連の特定演出の全てが終了することとなる始動記憶に対して設定するようにする。さらに、各特定演出の終了を把握できるように、特定演出毎に対応する最終フラグを設定しても良いし、特定演出フラグについても、実行している特定演出毎に対応する特定演出フラグを設定するようにしても良い。
また、以上の説明では、一つの始動記憶に対して二種類の特定演出を設定できるとしたが、これ以上の種類の特定演出を設定できるようにしても良い。この場合、一つの始動記憶に対して設定可能な特定演出の数だけ格納領域を設けるようにする。
以上のことから、始動入賞領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37、普図始動ゲート34)での遊技球の検出に基づき変動表示ゲームを実行し、変動表示ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技状態を発生する遊技機において、始動入賞領域での遊技球の検出に基づき変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶を所定の上限数まで乱数値とともに記憶可能な始動記憶手段(遊技制御装置100)と、始動記憶手段に始動記憶として記憶された乱数値に基づき変動表示ゲームの結果を決定し、当該変動表示ゲームを実行するゲーム実行手段(遊技制御装置100)と、未だ実行されていない変動表示ゲームにおいて実行することが当該変動表示ゲームの開始前に予め決定される演出である特定演出を制御する演出制御手段(演出制御装置300)と、を備え、演出制御手段は、一の変動表示ゲームにおいて複数種類の特定演出を実行可能であり、複数種類の特定演出を実行する場合には、各特定演出について当該特定演出を実行することを決定した際に、当該特定演出の対象となる変動表示ゲームのそれぞれにおいて実行する当該特定演出の実行内容について予め設定し、各々の特定演出の実行内容を独立して管理するようにしたこととなる。
なお、本発明の遊技機は、遊技機として、前記実施の形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技球を使用する全ての遊技機に適用可能である。また、本発明をスロットマシンに適用することも可能である。このスロットマシンとしてはメダルを使用するスロットマシンに限られるものではなく、例えば、遊技球を使用するスロットマシンなどの全てのスロットマシンが含まれる。また、上述の各変形例の構成は適宜組み合わせて適用することが可能である。
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。