JP6462358B2 - 医用画像表示端末および医用画像表示プログラム - Google Patents

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Description

本発明は、被検者を撮像して得た医用画像を表示するとともに種々の画像処理を簡便かつ直感的に行うことができる医用画像表示端末および医用画像表示プログラムを提供することにある。
現在、医用の画像診断装置として、CT(Computed Tomography)装置、MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置、PET(Positron Emission Tomography)装置、超音波診断装置、血管造影(アンギオグラフィ)撮像装置等が知られている。
近年では、例えば、血管が複雑に絡みあう肝臓などの臓器に対する手術を行う前に造影CT検査を実施し、施術対象となる部位の透視撮像画像を用意し、それをワークステーション上で確認するなどして術前シミュレーションが行われることもある。こうしたシミュレーションは治療計画の検討に有用である。例えば特許文献1には、タブレット端末で肝臓等の臓器を表示して手術動作をシミュレーションする技術も開示されている。
特開2014−54358号公報
特許文献1の技術は、タブレット端末を利用するものであるので場所を選ばずどこでも持ち運んで術前シミュレーションをできるという点で有用であるが、例えば、医用画像に含まれる複数の解剖学的構造物の表示の切替えや、簡便な方法による切除操作などを行えるグラフィカル・ユーザ・インターフェースを備えるものが、より有用であり、実用に資する。
本発明は、こうした問題点に着目してなされたものであって、その目的は、種々の画像処理を簡便かつ直感的に行うことができる医用画像表示端末および医用画像表示プログラムを提供することにある。
上記課題を解決するための本発明の一形態の医用画像表示端末は下記の通りである:
ディスプレイと、操作入力装置と、制御部と、を備える医用画像表示端末であって、
前記制御部は、
前記ディスプレイに少なくとも1つの解剖学的構造物を含む医用画像を表示させることと、
操作者により、前記操作入力装置を介して指定された第1の点および第2の点を特定することと、
前記第1および第2の点によって規定される線を切断基準線として、前記解剖学的構造物を複数に分割することと、
を行うように構成されている、医用画像表示端末。
(用語の説明)
「解剖学的構造物」とは、被写体内で認識可能な対象物(例えば臓器、骨、血管等)のことをいい、脂肪や、腫瘍等の病変等をも含む。
「端末」とは、ネットワークに接続されまたはスダンドアロンで使用され、データ処理を行う情報処理装置をいう。該情報処理装置に任意の周辺装置を接続して構成してもよい。基本的にはタブレット端末やラップトップ型コンピュータのように各種機能が1つのデバイス内に設けられているものも好ましいが、場合によっては、その一部の機能を、例えば負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散して構成することもできる。
「接続」とは、2つの要素が直接接続されている場合に加え、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、ある要素と他の要素とが何らかの中間要素を介して間接的に接続されている場合をも含む。
本発明によれば、種々の画像処理を簡便かつ直感的に行うことができる医用画像表示端末および医用画像表示プログラムを提供することができる。
一実施形態の医用画像表示端末のブロック図の例を示す図である。 タブレット端末として構成された医用画像表示端末の外観模式図である。 病院システムの構成要素の一例を示す図である。 三次元医用画像の一例を示す図である。 三次元医用画像上の任意の対象に対して2点を指定する様子を説明するための図である。 指定された点の一を微調整する様子を説明するための図である。 肝臓を分割する例を示す図である。 分割した肝臓の一部にタッチする様子を説明するための図である。 分割した肝臓の一部のみを非表示とした状態を示す図である。 一例としての操作手順の流れを示すフローチャートである。 領域指定の手順を説明するための図である。 領域指定の手順(一例)を説明するための図である。 領域指定の手順(他の例)を説明するための図である。 領域指定された肝臓を示す図である。 患者頭部の医用画像に対して所定の画像処理を行う一例を示す図である。
本発明の実施の形態を図面を参照して以下に説明する。
本実施形態の医用画像表示端末101(単に画像表示端末ともいう)は、図1、図2に示すような構成であり、一例として、タブレット端末や、または、タッチパネルディプレイを有するラップトップ型PC(ノート型PC)のような可搬型の端末で構成される。図2はタブレット端末の例を示している。この医用画像表示端末101は、市販の汎用タブレット端末等に本願発明の一形態に係る医用画像表示プログラムをインストールして構成されたものであってもよい。
図2に示すように、この例では、画像表示端末101は、薄型の筐体101aを有しそのうちの1つの面にタッチパネル式ディスプレイ161′が設けられている。こうした画像表示端末101は、例えば、図3に示すように、病院システムに接続されて使用されるものであってもよい。この例の病院システムは、ネットワーク30に接続された次のような機器を備えている:撮像装置1、薬液注入装置10、病院情報システムであるHIS(Hospital Information System)21、放射線科情報システムであるRIS(Radiology Information System)22、画像保存通信システムであるPACS(Picture Archiving and Communication Systems)23、ワークステーション24およびプリンタ25等。なお、これらのすべてが必須の構成要素というわけではなく、一部を省略することもできる。上記各要素は1つのみでもよいし複数でもよい。
撮像装置1としては、CT装置、MR装置、アンギオグラフィ装置といった撮像装置が挙げられる。当然ながらその他の種類の撮像装置を利用してもよいし、同種のまたは異なる種類の複数台の撮像装置を利用するものであってもよい。薬液注入装置10としては、少なくとも造影剤を注入する造影剤注入装置であってもよく、具体的には、薬液が充填された容器(一例でシリンジ)から薬液を押し出す駆動機構と、その動作を制御する制御回路とを備えたものであってもよい。一例として、注入ヘッドとコンソールとを備えた造影剤注入装置を利用することができる。
再び図1を参照し、画像表示端末1は、ディスプレイ161、タッチパネル163、入力デバイス165、通信部167、インターフェース168と、スロット169と、制御部150と、記憶部159を備えている。なお、これのすべてが必須という訳ではなく、一部が省略されてもよい。
ディスプレイ161としては、液晶パネルや有機ELパネル等のデバイスが挙げられる。タッチパネル163が一体的に設けられたタッチパネル式ディスプレイを利用することもできる。タッチパネルとしては、抵抗膜、静電容量、電磁誘導、表面弾性波、赤外線等の方式のものを用いることができる。具体的な一例として、静電容量方式等の複数の位置でのタッチであるマルチタッチを検出可能なものであってもよい。タッチ操作は、ユーザの指やタッチペン等を用いて行うことができる。タッチパネルは、該タッチパネルに対するタッチ操作の開始、タッチ位置の移動、タッチ操作の終了等を検出し、検出されたタッチの種類、および、座標情報を出力するものであってもよい。
入力デバイス165としては、例えば、物理的なボタンやマイク等が挙げられる。また、非接触で操作者の入力を行うことができる「Leapセンサ」(Leap Motion社製)等の検出装置が入力デバイス165として設けられていてもよい。「Leapセンサ」は、操作者の指の動き等を非接触で認識できる入力デバイスであり、具体的には、赤外線照射部と赤外線カメラ等を有する。照射された赤外線が手に当たったときの反射光をカメラで撮影して画像解析を行うことで、三次元空間内での手ないし指の位置、動き、形状等をリアルタイムで検出するものである。このセンサは、タブレット端末やラップトップ型PCに有線または無線で接続さして使用する態様であってもよい。何ら限定されるものではないが、インターフェース168に有線接続されるようなものであってもよい。
通信部167は、外部のネットワークまたは機器と、有線方式または無線方式で通信を行えるようにするためのユニットである。通信部167は、データを外部に送出するためのトランスミッタおよびデータを外部から受信するレシーバ等を有するものであってもよい。インターフェース168は外部の種々の機器等を接続するためのものであり、図では1つのみ示されているが、当然ながら複数設けられていてもよい。
制御部150は、中央処理装置(CPU)およびメモリ等を有し、種々の演算処理を行う。なお、制御部150にて行われる各種処理については、(i)コンピュータプログラムにて実現してもよいし、(ii)ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。制御部150は、本実施形態では、所定の機能を実現する概念的な構成として、画像表示部155a、操作判定部155b、表示変更部155cとを有している。
画像表示部155aは、予め撮像された被検者の医用画像データを外部から取得し、それに基いて三次元医用画像を作成してそれをディスプレイ161に表示させるものであってもよい。または、外部で作成された三次元医用画像のデータを取得し、それをディスプレイ161に表示させるものであってもよい。
画像表示部155aは、一例として、例えば肝臓や血管といった解剖学的構造部のそれぞれを独立のオブジェクトとして表示する。また、解剖学的構造部を自動的に認識してそれぞれを異なる色で表示するようなものであってもよい。
操作判定部155bは、タッチパネル163に対する入力操作や、入力デバイス165(特にはLeapモーションセンサ等)に対する入力操作を受け付ける。入力操作の種類としては、例えば、タッチ操作や所定のジェスチャ操作(長押し操作、スワイプ操作、ドラッグ操作、ピンチイン操作、ピンチアウト操作等)が挙げられる。操作判定部155bはこれらの入力を判定して受け付ける。
画像処理部155cは、例えば操作判定部155bが受け付けた操作に基づき、種々の画像処理を行う。例えば、
−三次元表示された画像の回転機能、平行移動機能、
−画像の拡大/縮小機能、画像の透過度変更機能、
−オブジェクトの表示/非表示の切替え機能、
−オブジェクトのカット(分割)機能、
−オブジェクトの領域指定機能、等
である。なお、これらの機能の具体的な内容については後述する一連の動作の中で詳しく説明する。
再び図1全体を参照し、記憶部159は、ハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)、ソリッドステートドライブ(SDD:Solid State Drive)、および/またはメモリなどで構成されたものであってもよく、OS(Operating System)のプログラムや、本発明の一形態に係る医用画像処理プログラム(アルゴリズムデータやグラフィカルユーザインターフェースデータ等を含む)が格納されていてもよい。また、各種処理に用いるその他のプログラムや、テーブル、データベース等を必要に応じ格納する。コンピュータプログラムは、制御部のメモリにロードされることによって実行され、CPUなどのハードウェアと協働し、これにより本実施形態のような機能を備えた制御部を構成するものであってもよい。
コンピュータプログラムは、任意のネットワークを介して必要時に外部機器からその全部または一部がダウンロードされるものであってもよい。コンピュータプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、「記録媒体」とは、メモリーカード、USBメモリ、SDカード(登録商標)、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM、EEPROM、CD−ROM、MO、DVD、および、Blu−ray(登録商標)Disc等の任意の「可搬の物理媒体」を含むものとする。コンピュータプログラムは、プログラム製品として構成することもできる。本実施形態の医用画像表示端末は、上記のような記憶媒体を読み込むためのスロット169が設けられていてもよい。
(動作)
続いて、本実施形態の医用画像表示端末での画像表示の動作例について説明する。図4A〜図4Cは、一例として、予め撮像された被検者の肝臓およびその周辺の画像を模式的に示している。なお、以下では操作者が指でタッチパネルを操作することを前提として説明するが、当然ながら、タッチペン等を利用しても構わない。また、タッチパネルでの入力を例として説明するが、当然ながらLeapモーションを利用した非接触の入力であってもよい。タッチパネルのような接触式の入力手段と、Leapモーションのような非接触式の入力手段は、両方の入力方式が備えられていてもよいし、いずれか一方のみが備えられていてもよい。
画像表示端末101は、操作者が、被検者の医用画像を表示させるための操作(例えばタッチパネル上で所定のアイコン等をタッチする)を行った場合に、一例として図4Aのような医用画像65を表示する。この医用画像は、一例として、被検者を撮像した画像データに基づいて作成された三次元画像であり、ここでは、肝臓71と血管73、75の解剖学的構造物が模式的に示されている。
なお、この医用画像65のデータは、画像表示端末101が、有線接続または無線接続された外部機器から読み込んだものであってもよい。画像表示端末101の記憶部159にこの画像データが格納されていてもよい。「外部機器」としては、所定のデータベースサーバ、PACS23、またはワークステーション24等が挙げられる。
(各種機能について)
画像表示端末101は、肝臓71、血管73、75等のそれぞれの解剖学的構造物を、独立のオブジェクトとして(すなわちそれぞれを個別に選択したり、表示のオンオフを切替えたりできるように)表示する。それぞれのオブジェクトは、好ましくは異なる色で表示される。血管およびそれに類似する解剖学的構造物としては、例えば肝動脈、門脈、肝静脈、胆管のうち少なくとも1が表示されるようなものであってもよい。
画像表示端末101(別の捉え方をすれば本実施形態の医用画像表示プログラム)がもつ基本的な画像処理機能としては例えば次のようなものがある:
−回転機能
−拡大/縮小機能
−表示透過度変更機能
−表示/非表示の切替え機能
−カット機能
−領域指定機能、等。
以下、順に説明する。なお、これらの機能のすべてが備わっている必要はなく一部が省略されてもよい。
(回転機能)
画像表示端末101は、操作者が、画面上に触れてその指を移動させると、それに応じて、三次元の医用画像65の表示方向を変化させる。このような回転機能により、操作者は、任意の角度から所望の対象部位を観察することができる。
(拡大/縮小機能)
画像表示端末101は、操作者が、画面上の2点に触れ、その2点間の距離を離すようにまたは近づけるような操作(ピンチアウト操作、ピンチイン操作)をした場合、それに応じて、表示されている画像の拡大または表示を行う。このような機能により、操作者は例えば2本の指を画面上で動かすだけで簡単に画像の拡大、縮小を行って所望のサイズで確認を行うことができる。
(表示透過度切替機能)
画像表示端末101は、操作者がいずれかの解剖学的構造物(例えば肝臓71)をタッチした場合に、その表示濃度を変更する。具体的には、通常の表示状態と、半透明状態との2つの状態の間で切替えが行われるようなもの、すなわち、一回タッチすると半透明状態となり、もう一度タップすると通常の表示状態に戻るようなものであってもよい。別の言い方をすれば、第1の透過度(一例で透過度0%)と第2の透過度(半透明)とが切り替わる構成である。他の態様としては、例えば透過度0%、30%、70%、100%(非表示)のように複数の段階に設定されており、タップする毎に順次表示濃度が切り替わるようになっていてもよい。この場合、透過度100%(つまり非表示の状態)はこのループから除外してもよい。当然ながら、透過度の具体的な数値は適宜変更可能であり、要するに、透過度が少なくとも複数段に設定されていて、それらが切り替わるようなっていればよい。
このような表示透過度切替機能によれば、任意の解剖学的構造物をタッチするだけで表示透過度の切替え機能を発揮させることができる。したがって、透過度の切替を行うために何らかのアイコン等を別途選択したり、コマンドを選択したりする必要がある方式と比較して、簡便かつ直感的に操作を行うことができる。
また、表示が上記のようにループ状に切り替わるようになっている場合も、元の表示状態に戻すのに例えば別途アイコン等を選択したりする必要がないという点で好ましい。さらに、こうしたループ状の表示切替えは、選択されたオブジェクトの表示色を変更するのみで実現できるので、画像処理の簡素化や少ないメモリでの演算処理が可能となる点でも好ましい。
(表示/非表示切替え機能)
画像表示端末101は、操作者が、所定の解剖学的構造物に一定時間以上触れていた場合(一例)、その解剖学的構造物を「選択された状態」とする。「選択された状態」であることを示すために、その解剖学的構造物(例えば肝臓71)が初期状態とは異なる色で表示させたり、点滅表示させたりするようにしてもよい。
画像表示端末101は、操作者が、選択された状態の解剖学的構造物(例えば肝臓71)に触れたままその指先(一例)を画面端の方に移動させた場合(スワイプ操作、ドラッグ操作等)、その解剖学的構造物を非表示とする。この例の場合、肝臓71が非表示となり、血管73、75の三次元画像のみが残ることとなる。
このような機能は、操作者が所望の解剖学的構造物のみを見たい場合に有用である。また、本実施形態のように、解剖学的構造物を直接選択し、移動させるだけで非表示とすることができる方式によれば、例えば何らかのアイコンを選択するなどしてはじめて表示のオンオフを切り替えるモードとなるようなものに比べて、簡便かつ直感的に操作を行うことができる。
いったん非表示となった解剖学的構造物(例えば肝臓71)は、画面隅にサムネイル画像として表示されるようになっていてもよい。このサムネイル画像は、(i)画面上の常時表示されるものであってもよいし、または(ii)所定の操作の後に現れるものであってもよい。サムネイル画像としては、図4F(詳細後述)に例示されているようなものであってもよい。なお、この図は、後述する「カット機能」の説明のためのものであるが、サムネイル画像66に関してはカット機能を利用している場合以外にも応用可能であるので、これを参照して説明する。同図のサムネイル画像66は、小さいウィンドウ内に非表示状態となっている解剖学的構造物のイメージ画像を含むむのである。サムネイル画像66のサイズは、限定されるものではないが、画像の表示領域に対して面積比で例えば1/16以下程度のサイズであってもよい。
隠れているサムネイル画像を表示させるための「所定の操作」としては、例えば、操作者が3本指または4本指で画面上に触れその指を上、下、左、右等の所定方向に移動させる操作であってもよい。画像表示端末101は、その操作が行われた場合に、非表示状態となっていたサムネイル画像66を画面の一部を表示する。
操作者がサムネイル画像66に触れ、それを画面中央側(一例)に向かってドラッグ操作、スワイプ操作またはフリック操作することで、非表示となっていた解剖学的構造物が再度表示されるようになっていてもよい。当然ながら、単にそれらのサムネイル画像66にタッチするだけで、非表示となっていた解剖学的構造物が再度表示されるような構成も可能である。
(カット機能)
カット機能は次のように行なわれる。肝臓71をカットし、さらにその後その一部を非表示とする例について以下説明する。図5は一連の操作のフローチャートである。
画像表示端末101は、まず、ステップS1として図4Aのような医用画像65を表示する。そして、画像表示端末101は、操作者が、図4Bに示すように、任意の解剖学的構造物(ここでは肝臓71)上の2点に触れた場合に、その状態、すなわち2点が触れられていることを判定する(ステップS2)。なお、タイミングとしては、2点が同時にまたは実質的同時に触れられるものであってもよい。
次いで、いわゆる長押しの場合に機能を発揮させるようにするために、画像表示端末101は、2点が触れられている状態が一定時間以上継続したか否かの判定を行う(ステップS3)。
画像表示端末101は、ステップS3で一定時間以上継続と判定した場合に、触れられていた2点P1、P2が指定されたことを所定の表示態様で画面上に表示する。「所定の表示態様」としてはどのようなものであってもよいが、例えば、(i)点P1、P2とそれらを結ぶ線L1の両方を表示する、または、(ii)点P1、P2のみもしくは線L1のみを表示するものであってもよい。点P1、P2に関しては、指定された位置がよく分かるように、単なる小さいドットではなく、図4Bのような少し大きめのグラフィカル画像(例えば、円形、矩形、多角形、星形などどのような形状であっても構わないが、ここでは円形を例示している)などの表示としてもよい。
画像表示端末101は、操作者が画面から手を離した後も、図4Cのように指定された点P1、P2をそのまま表示させるものであってもよい。また、点P1、P2の位置の微調整を受け付けるように構成されていてもよい。このように微調整を受け付けるモードであることが分かるように、例えば、P1、P2の円形のグラフィカル画像および/または線L1が点滅表示するようになっていてもよい。図4Cでは、一例として、点P2が少し動かされて点P2′に微調整された状態を例示している。この微調整は、操作者が例えば指で点P1、P2のグラフィカル画像を動かすことで行なわれるものであってもよい。
このようにして点P1、P2の指定が終わった後、ステップS4において、例えば操作者が画面上の所定のアイコン(例えば「OK」入力用のアイコン)をタッチする。すると、カット機能により、図4Dに示すように点P1、P2を結ぶ線L1によって肝臓が切断される(ステップS5)。線L1を挟んで2つに分割された第1の部位71−1と第2の部位71−2は、それぞれ独立の解剖学的構造物として操作可能となる。なお、上記操作意外の方法として、例えば(i)アイコンをタッチするのではなく、画面上の所定のエリアをタッチすることにより、または、(ii)複数回タッチする(一例でダブルタップ)といった通用外の操作をすることにより、上記機能を実行するようにしてもよい。
したがって、例えば、第1の部位71−1をタッチした場合(ステップS6)であれば、上述した機能により、図4Eに示すようにその表示濃度が切り替わる。具体的には、第第1の部位71−1のみが半透明表示となる。もう一度タッチすることで元の表示に戻る。
また、例えば第1の部位71−1を長押しして画面周辺部側にスワイプ操作またはドラッグ操作等した場合には、その部位が非表示状態となり、第2の部位71−2と血管73、75のみが残る。
非表示となった第1の部位71−1は、サムネイル画像66として画面の周辺部に表示されるか、または、既述のとおり、この時点では非表示であるが操作者による所定の操作(例えば3本指または4本指を画面上で同時移動させる操作)が行われた場合にサムネイル画像66が表示される状態となる。サムネイル画像66内の部位を元の表示に戻す操作に関しても、上述した通りである。
本実施形態のように、2点を長押しすることで分割機能を発揮させることができる構成によれば、例えば何らかのアイコン等が表示されてそれを選択することで当該機能を発揮させるものに比べて、簡便かつ直感的に操作を行うことができる。とりわけ、本願のように解剖学的構造物上での位置指定が必要な作業においては、片手で、しかもマウス等や専用のカットツール等を用いずにカットを行うことができるということは、ソフトウェアとして非常に使い易く医療現場において非常に実用的である。
(領域指定)
画像表示端末101は、操作者の次のような操作により解剖学的構造物の一部を領域指定する。図6Aは、図4Bを参照して説明した操作のように点P1、P2の2点に触れられた状態である(なお、操作者の指は画面上の2点に触れたままの状態であるが、図示は省略している)。
この状態から、次いで、例えば図6Bに示すように、操作者が2本の指を移動させた場合(限定されるものではないが2本の指の同時移動)、画像表示端末101は、移動後の2点の点P1′、P2′の位置を特定し、それに基いて略四角形の領域を指定する。具体的には、移動前の2点P1、P2および移動後の2点P1′、P2′の4点で囲まれる四角形を領域指定する。
ここでも、上記同様、操作者が手を離しても画面上に指定された領域の略四角形が残り、かつ、それぞれの点P1、P2、P1′、P2′の位置を個別に動かして位置の微調整を行えるように、画像表示端末101が構成されていることも好ましい。指定された領域を確定する方式としては、例えば、操作者が、操作者が画面上の所定のアイコン(例えば「OK」入力用のアイコン)をタッチするようなものであってもよいし、または、そうではなく、一定の時間が経過した場合に、端末101が自動的にその領域を確定させるような方式であってもよい。なお、これに関しては、指定された領域の形状に関わらない共通的な事項である。「OK」入力用のアイコンを操作する等の入力以外に、(i)画面上の所定のエリアをタッチすることにより、または、(ii)複数回タッチする(一例でダブルタップ)といった通用外の操作をすることにより、本機能を実行するようにしてもよいことは、上記同様である。
図6Bのように4点P1、P2、P1′、P2′の位置が指定されている場合に、各位置を微調整できるように、点P1、P2、P1′、P2′の円形(一例)のグラフィカル画像やそれらを結ぶ線を点滅表示するようにしてもよい。
領域指定された領域Sa1(図6B参照)は、その他の部位から分割され独立のオブジェクトとして操作可能となる。したがって領域のみの表示濃度を変更したり、表示のオンオフを切替えたりすることが可能となる。このような機能によれば、例えば当該領域Sa1のみ非表示にすることで、内側の血管73、75の観察や、血管73、75と肝臓71との関係を確認することが可能となる。
なお、領域指摘は必ずしも四角形で行われる必要はなく、三角形もしくは五角形以上の多角形形状が領域指定されるものであってもよい。また上記では2本の指を一例として同時移動させて四角形を領域指定する例を示したが、これに限らず、例えば、コンパスのように扇形を領域指定する操作(下記参照)を複数回行うことで四角形または多角形を領域指定するようなものであってもよい。
本実施形態では、一例で、略扇形の領域を指定できるようになっていてもよい。例えば、図6Cのように2点の点P1、P2に触れている状態から、操作者が一方の指(例えば親指、点P1)を回動中心として、コンパスのように、他方の指(例えば人差し指、点P2)を所定角度回転させた場合に、画像表示端末101がその動作を認識して、移動後の人指し指の点P2′を特定し、点P1、P2、点P2′の3点に基づき、扇形の領域を指定するものであってもよい。具体的には、点P1、P2を結ぶ線L1、点P1、P2′を結ぶ線L2、および二点P2、P2′を接続する円弧L3によって規定される扇形がその一例である。
指定された領域Sa2(図7参照)は、上記同様、肝臓71のその他の部位から分割され独立の解剖学的構造物として操作可能となる。こうして分割された独立のオブジェクトを半透明にしたり、完全に非表示にしたりできることは、上記説明と同様である。
なお、以上では点P1、P2、点P2′の3点に基づき扇形の領域を指定することを述べたが、上記機能を利用すれば、例えば、円形を指定したり、または、半円を指定したりすることもできる。図6Cは、一例で、親指を回動中心として人指し指を回していく例であるが、これとは逆に、人差し指を回動中心として親指を回していくようにしても同様の領域指定が可能であることは言うまでもない。
上記説明では、肝臓およびその周辺の医用画像を例に挙げたが、当然ながら、本発明において解剖学的構造物は特定のものに限定されない。例えば図8に示すように、被検者の頭部の医用画像を表示し、それに対して種々の画像処理を行うことができるようになっていてもよい。画像処理の例としては、上述したような各種機能はいずれも適用可能であるが、図8では一例として、頭蓋骨77に対して線L1によって囲まれる範囲が領域指定されるとともに、その領域が非表示または半透明表示とされることで、内部の血管78を見ることができる状態となっている。何ら限定されるものではないが、線L1によって囲まれる領域は例えば円形であってもよい。当然ながら矩形や扇形、その他の形状であっても構わない。
以上、図面を参照して本発明の実施形態について説明したが、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であり、上記例に限定されるものではない。
(付記)
本明細書は下記の発明を開示する(なお、括弧中の符号は本発明を何ら限定するものではない):
1.ディスプレイ(161)と、操作入力装置(163、165)と、制御部(150)と、を備える医用画像表示端末(101)であって、
前記制御部(150)は、
前記ディスプレイに少なくとも1つの解剖学的構造物(71、73、75)を含む医用画像を表示させることと、
操作者により、前記操作入力装置を介して指定された第1の点(P1)および第2の点(P2)を特定することと、
前記第1および第2の点によって規定される線(L1)を切断基準線として、前記解剖学的構造物を複数に分割することと、
を行うように構成されている、医用画像表示端末。
2.前記制御部(150)は、
画面上の2点が長押しされたことを受け付け、前記解剖学的構造物を複数に分割する動作モードを開始するように構成されている。
3.前記制御部(150)は、
解剖学的構造物がタッチされたことを受け付け、
それに対応して、タッチされたその部位の画像の透過度を変更するように構成されている。
4.デフォルトの透過度である第1の透過度と、それとは異なる第2〜第nの透過度(nは整数)が設定されており、
前記制御部(150))は、
解剖学的構造物がタッチされた場合に、前記第1〜第nの透過度による表示を順次切り代えていくように構成されている。
5.前記第1〜第nの透過度が少なくとも半透明状態であって、完全透過の状態を含まない。
6.前記制御部(150)は、
解剖学的構造物を、画面上の所定位置に移動させる操作することを受け、
それに対応して、当該解剖学的構造物を非表示とするように構成されている。
7.前記移動させる操作が、フリック操作、ドラッグ操作、またはスワイプ操作のいずれかである。
8.前記制御部(150)は、
一旦非表示とされた前記解剖学的構造物を、(i)画面上に直接サムネイル画像(66)で表示させる、または、(ii)所定の操作があったときに画面上にサムネイル画像(66)を出現させるように構成されている。
9.ディスプレイ(161)と、操作入力装置(163、165)と、制御部(150)とを備える医用画像表示端末(101)であって、
前記制御部(150)は、
前記ディスプレイに少なくとも1つの解剖学的構造物(71、73、75)を含む医用画像を表示させることと、
操作者が前記操作入力装置で同時に2箇所を指定することで入力された第1の点(P1)および第2の点(P2)を特定することと、
を行うように構成されている、医用画像表示端末。
10.前記制御部は、さらに、
前記第1および第2の点(P1、P2)の少なくとも一方に、タッチ操作可能なグラフィカル画像を表示させ、
前記グラフィカル画像を移動させることでそれらの点(P1、P2)の位置を微調整するように構成されている。
11.前記制御部は、さらに、
前記第1の点(P1)および第2の点(P2)を特定した後、操作者がそれらの点(P1、P2)を移動させる操作を受け付けて、移動後の2点(P1′、P2′)を特定し、
特定した4点(P 1、P 2、P 1′、P 2′)によって規定される四角形の範囲を領域指定するように構成されている。
なお、点(P1、P2)の上記移動は一例で「同時」に行なわれるものであってもよい。ここで「同時」とは、必ずしも完全に同時である必要はなく、若干の時間的なズレ(例えば1〜2sec以下)を伴ってはいるがほぼ同時であるような場合をも含む。別の例としては、上述したように、一例で、コンパスのように扇形を領域指定する操作を複数回行うことで四角形形または多角形を領域指定するようなものであってもよい。
12.前記制御部は、さらに、
前記第1の点(P1)および第2の点(P2)を特定した後、操作者が、その2点のうち一方(P2)を、他方の点(例:P1)を中心として回転移動させる操作を受け付けて入力を受け付けて移動後の第2の点(P2′)を特定し、
特定した前記3つの点(P1、P2、2′)によって規定される三角形または扇形の範囲を領域指定するように構成されている。
13.コンピュータに、
ディスプレイに少なくとも1つの解剖学的構造物(71、73、75)を含む医用画像を表示させる処理と、
操作者により、前記操作入力装置を介して指定された第1の点(P1)および第2の点(P2)を特定する処理と、
前記第1および第2の点によって規定される線(L1)を切断基準線として、前記解剖学的構造物を複数に分割する処理と、
を行わせる、医用画像表示プログラム。
14.コンピュータに、
ディスプレイに少なくとも1つの解剖学的構造物(71、73、75)を含む医用画像を表示させるステップと、
操作者により、前記操作入力装置を介して指定された第1の点(P1)および第2の点(P2)を特定するステップと、
前記第1および第2の点によって規定される線(L1)を切断基準線として、前記解剖学的構造物を複数に分割するステップと、
を行わせる、医用画像表示方法。
なお、上記13.および14.はいずれも上記1.の発明内容に対応するものであるが、本明細書は、他にも、コンピュータプログラムに関する発明および医用画像表示方法に関する発明として、上記1.に従属する内容の発明や他の独立請求項に相当する内容の発明のカテゴリー表現を変更したものをも開示するものである。
1 撮像装置
10 薬液注入装置
71 肝臓
73、75 血管
101 医用画像表示端末
101a 筐体
150 制御部
155a 画像表示部
155b 操作判定部
155c 表示変更部
159 記憶部
161 ディスプレイ
161′ タッチパネル式ディスプレイ
163 タッチパネル
165 入力デバイス
167 通信部
168 インターフェース
169 スロット

Claims (5)

  1. ディスプレイと、操作入力装置と、制御部とを備える医用画像表示端末であって、
    前記制御部は、
    前記ディスプレイに少なくとも1つの解剖学的構造物を含む医用画像を表示させることと、
    操作者が前記操作入力装置で同時に2箇所を指定することで入力された第1の点および第2の点を特定することと、
    を行うように構成され、さらに、
    前記第1の点および第2の点を特定した後、操作者がそれらの点を移動させる操作を受け付けて、移動後の2点を特定し、特定した4点によって規定される四角形の範囲を領域指定するように構成されている、
    医用画像表示端末。
  2. 前記制御部は、さらに、
    前記特定した4点のそれぞれに、タッチ操作可能なグラフィカル画像を表示させ、
    前記グラフィカル画像を移動させることでそれらの点の位置を微調整するように構成されている、請求項に記載の医用画像表示端末。
  3. 前記制御部は、さらに、
    領域指定された前記四角形の範囲を、領域指定されていないその他の部位から分割して独立のオブジェクトとして操作できるようにする処理を行う、
    請求項1または2に記載の医用画像表示端末。
  4. コンピュータに、
    ディスプレイに少なくとも1つの解剖学的構造物を含む医用画像を表示させる処理と、
    操作者により操作入力装置を介して指定された第1の点および第2の点を特定する処理と
    前記第1の点および第2の点を特定した後、操作者がそれらの点を移動させる操作を受け付けて、移動後の2点を特定し、特定した4点によって規定される四角形の範囲を領域指定する処理と、
    を行わせる、医用画像表示プログラム。
  5. ディスプレイに少なくとも1つの解剖学的構造物を含む医用画像を表示させるステップと、
    操作者により操作入力装置を介して指定された第1の点および第2の点を特定するステップと、
    前記第1の点および第2の点を特定した後、操作者がそれらの点を移動させる操作を受け付けて、移動後の2点を特定し、特定した4点によって規定される四角形の範囲を領域指定するステップと、
    を有し、前記各ステップはコンピュータによって行われる、医用画像表示方法。
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