JP6456394B2 - 胎児仮死の診断 - Google Patents

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Description

本発明は、胎児仮死、特に子癇前症以外の母体における状態により生じる仮死の診断またはモニタリングに関する。
妊娠にはしばしば、胎児の仮死を伴う。胎児仮死をモニタリングすることが重要である。なぜなら、これは、妊娠または陣痛が損なわれることを示し得るためである。胎児仮死の多くの兆候が過去用いられてきており、例えば、母体が感じる胎動の減少、羊水中の胎便、胎児心拍陣痛図における異常な表示、および典型的には陣痛中に子宮頸部開口を通じてこすり取ることで胎児血液を少量採集することにより評価される生化学的兆候が挙げられる。
胎児仮死は、胎児/妊娠における多数の起こり得る問題(例えば、呼吸障害、成長障害、妊娠性糖尿病、逆子(breach position)、臍帯障害、胎盤障害、子宮障害および子癇前症)の1つの指標であると考えられる。
胎児仮死の治療はその重度に依存するが、出産前管理計画の一部としてのモニタリングから、誘発された陣痛または未計画の帝王切開出産のための緊急入院まで及び得る。
胎児仮死を生じ得る障害を発症するリスクがある妊娠は、高い妊娠期血圧および/または尿蛋白値の測定によって現在識別されている。しかし、これらの測定は、妊娠障害の不十分な予測因子であるとして報告されている。結果として、集中的かつ高価な管理、治療、および診断計画に割り当てられた見かけ上高リスクの妊娠の大部分は問題がなく、かつ見かけ上低リスクの妊娠の大部分が予期せぬ医療介入を要する。したがって、現在の医療慣行は、胎児仮死を生じ得る障害を発症するリスクがある妊娠を十分に識別していない。
EP1634082は、母体における子癇前症の診断のための方法を開示しており、この方法は、母体唾液由来の生物試料中の尿酸塩を測定する工程を含む。これは、母体唾液中の尿酸塩値の上昇の存在により、子癇前症のリスクがあるまたは子癇前症を罹患している女性の識別を可能とする。
EP1634082の方法は、特に子癇前症の警告信号を提供するように開発されており、それがモニターする信号、唾液尿酸塩値は、日周リズム、母体の妊娠の期および医療/感情状態に従って制御を受ける。
JP20062666721は、被験者の健康をモニタリングするための唾液尿酸塩の使用に関する。
Soukupら(2012) Diabet. Metabol. Syndrome 4:14は、唾液尿酸塩と心血管代謝リスク因子との間の相関を調べており、唾液尿酸値と血清尿酸値とが線形関係を有することを示唆している。この主張を支持するデータは提示されていない。いずれの場合でも、この研究は、胎児の健康とは無関係である。
Gaoら(2008) Prenatal Diagnosis 28:810-814は、羊水中尿酸塩が乳児出産結果を予測するかを研究している。Gaoらにおいて用いられたような羊水の採取は侵襲性であり、よって胎児に害をなすリスクがある。
Akahoriら(2012) Gynecol. Obs. Invest. 73:162-167は、母体血清尿酸塩と胎児成長および母体腎機能とを相関させている。アッセイは第36週で実施されたが、これは、出産前管理の指針を提供するには遅すぎる。
Laughtonら(2009) Am. J. Obs. Gynecol. 201:582.e1-582.e6は、母体血漿尿酸塩と胎児成長とを相関させている。
このように、いくつかの既知の研究は、血清または血漿の尿酸塩採取に基づく。しかし、本発明者らは、唾液尿酸塩値と血清尿酸塩値とが相関しないことを見出している(図1および2)。
本発明者らはまた、唾液および血清の尿酸塩が、痛風のような状態において、または運動(exercise)中/後は相関しない(Owen-Smithら(1998) The Lancet 351:1932)ことに留意している。いかなる理論にも縛られることなく、唾液尿酸塩と血清尿酸塩とを切り離すことは、唾液尿酸塩が、血液尿酸塩値と独立して変動し得る間質液中尿酸塩値の影響を受けやすいことによって説明され得る。
その原因に関わらず胎児仮死を診断するための改善法または代替法の必要性が未だ存在する。
したがって、本発明は、胎児仮死を診断および/またはモニタリングする方法を提供し、この方法は、妊娠母体から取得した1つまたはそれ以上の試料における唾液中尿酸値を測定する工程を含む。
50時間の期間にわたり2時間ごとに測定した唾液中および血中の尿酸塩値を示す。 図1に示されるデータを用いて血液尿酸塩値に対して唾液尿酸塩値をプロットしている。
本発明によれば、胎児仮死は、代謝ストレスで発現する胎児におけるストレスとして定義される。本発明の創作にあたり、本発明者らは、胎児における代謝ストレスが母体の唾液中で、例えば、尿酸値の上昇で検出され得ること、およびこの代謝ストレスは、種々の特定障害の警告兆候であることを見出した。
唾液の採集は、例えば母体または胎児からの血液の採取と異なり侵襲性ではなく、そして例えば皮下注射針を用いた血液試料採取や指に針を刺す試験を行うことに関連した痛みの懸念を伴わない。唾液の採集はまた、尿の採集よりも簡便である。したがって、唾液試験についての患者のコンプライアンスのレベルは高く、試験の遅れがより少なく、臨床結果がより良好なものとなる。さらに、唾液の採集は、熟練した実務者の業務とすることを必要としない。
本発明による胎児仮死の診断またはモニタリングは、仮死の特定原因の診断を提供しないが、これは、母体をより適切な管理、治療、および診断計画下に割り当てることまたは移すことを可能とする。
したがって、本発明の方法は、妊娠中に起こり得る問題の早期警告、およびリスクがある母体および胎児のより効率的な管理を提供する。
診断またはモニタリングは、単一の試料に基づき得るが、この場合、胎児仮死と関連しない尿酸塩値の急上昇の原因(例えば、母体における急性ストレス)についてモニタリングすることが好ましい。本発明の典型的な使用では、2つまたはそれ以上の試料、より好ましくは5つまたはそれ以上の試料、典型的には10またはそれ以上、あるいは20またはそれ以上の試料が、妊娠母体から取得される。
診断またはモニタリングは、これまで利用可能であったよりも広い範囲での妊娠/胎児の問題の診断を行うために使用され得る。子癇前症のみの指標となる試験を提供することは当該分野で公知である。本発明の一実施形態は、その仮死が子癇前症により生じたもの以外である胎児仮死の診断またはモニタリングを提供する。よって、例えば、子癇前症を罹患していないと分かっている母体が、子癇前症により生じる以外の胎児仮死について試験され得る。本発明の試験は、胎児仮死の特定原因についての先入観なく、実施され得る。
本発明の別の実施形態は、母体が胎児仮死を生じ得る状態にあると知られていない場合の方法を提供する。よって、この方法は、そうでなければ正常な妊娠中であると考えられるため特定の試験を行う必要がない母体を、より適切な管理、治療および診断計画に移すことを可能とする。
本発明の方法は、過去または現在の妊娠に伴う問題が知られている患者に有用であり得るが、妊娠に伴う合併症を受けるリスクが低いと一般に考えられる母体に特に適している。このような母体は、約12歳または16歳からであり、一般には約16歳〜50歳であり、好ましくは約18歳〜40歳であり、そして臨床上正常な血圧および/または臨床上正常な尿中蛋白値を有すると考えられ得る。
本発明による臨床上正常な血圧とは、現地の慣行に従って医師により通常の方法で定義され、そして140mmHgまたはそれ以下の収縮期血圧および/または90mmHgまたはそれ以下の拡張期血圧を含み得る。
本発明による臨床上正常な蛋白値とは、現地の慣行に従って医師により通常の方法で定義され、そして24時間尿試料中300mg未満、好ましくは150mg未満の蛋白を含み得る。
したがって、本発明の方法は、試料中の臨床上高い尿酸値が胎児仮死を示すという原理に取り組む。
本発明による臨床上高い唾液中尿酸値は、妊娠初期または別の適切な節目のベースライン(正常)値(このベースラインは安定であるか、または時間/発達で変動するものであり得る)に従って較正され得る。正常値は、個体、群、または集団のレベルで決定され得る。典型的には、臨床上高い唾液中尿酸値は、約275μmol/lを上回り、好ましくは約350μmol/lを上回り、より好ましくは約400μmol/lを上回る。一般に、試料中の高尿酸値のパターンは、胎児仮死を示す。
試験の感度は、尿酸値が臨床上高いと考えられる値を設定することにより調整され得る。感度と特異性との間にトレードオフがあり、その値を臨床上高いと考える閾値が低いほど高感度の試験を提供し、これは、値の正常な変動(例えば日周変動)の検出のために特異性が低くなる(すなわち、偽陽性が多くなる)。しかし、閾値が高いほど、逆に感度が低くなり、特異性が高くなる。
胎児ストレスの診断またはモニタリングのために、本発明の一実施形態は、異なる日に取得された2つまたはそれ以上の試料、好ましくは3つまたはそれ以上の試料、必要に応じて4つまたはそれ以上の試料中で、尿酸値が臨床上高いことを必要とする。
胎児仮死の診断または徴候をもたらすために繰り返し高い尿酸値を検出することの必要性を取り入れることにより、本発明の一実施形態は、高尿酸値を有する試料数が必要な試料数よりも少ない場合を除去することにより、診断の特異性の増大を可能とする。
本発明の一実施形態では、試料は、週に1回取得される。これは、予想通りの慣例手順を確立することにより患者のコンプライアンスをさらに向上する。
本発明の別の実施形態では、試料は、週に1回より多頻度で、例えば、1日に1回、例えば4日もしくはそれ以上、1週間もしくはそれ以上、2週間もしくはそれ以上、またはそれよりも長い期間の間、取得される。採取頻度は、臨床上の必要性または関心に従って、モニタリング期間中で変動され得る。
本発明の別の実施形態では、試料は、1日のほぼ同じ時間に取得される。これにより、例えば自然の日周リズムのために、偽陽性または偽陰性の測定が好都合に回避される。
多くの合併症が後の妊娠第2期または第3期に生じ得る。したがって、本発明の一実施形態では、試料は、妊娠第30週、好ましくは第20週、必要に応じて第10週から出産まで取得される。典型的には、試料は、妊娠第20週から出産まで、必要に応じてほぼ出産前の期間においてはより高い頻度で(例えば毎日)取得される。採取および試験を妊娠の特定期に限定することで費用を安くし、大規模なモニタリングをより財政的に実行可能なものとすることができる。
母体からの唾液試料の採集は、例えば管(その中に吐き出し得る)または脱脂綿棒(かむか、または単に舌下に置き得る)を用いて、技術的に高度な装置を用いることなく安価に実施され得る。好ましくは、試料は舌下腺唾液である。
本発明は、胎児仮死を生じる全ての妊娠状態についての警告兆候を検出するために用いられ得、そしてHELLP症候群、子癇、妊娠性糖尿病、妊娠性高血圧、前期破水、癒着胎盤および子宮内胎児発育遅延の1つまたはそれ以上を示し得る。さらに、本発明は、早産または他の緊急出産の可能性の早期警告を提供し得る。
本発明の別の局面は、胎児仮死、特にHELLP症候群、子癇、妊娠性糖尿病、妊娠性高血圧、前期破水、癒着胎盤および子宮内胎児発育遅延の1つまたはそれ以上により生じた仮死の指標としての、母体唾液中尿酸値の使用を提供する。この指標は、モニタリングまたは診断の目的での使用に適している。胎児仮死(本発明のこの局面および全ての局面において)は、子癇前症により生じたもの以外、必要に応じて子癇により生じたもの以外でもあり得る。この使用の他の任意および好ましい実施形態は、一般に本発明の診断またはモニタリングの方法に関して記載されている通りである。
本発明の特定の実施形態を、添付の図面を参照して以下の実施例に記載する。
(実施例1:試料採集および尿酸測定)
唾液の試料を、出産前に産婦人科通院中の一連の妊娠中の被験者から脱脂綿棒を舌下に置くことにより採集した。全血試料中尿酸測定向けの標準手動式尿酸計測器用の試験片上に、各綿棒から一滴の唾液を搾り出した。次いで、試料を製造者の指示書に従って試験し、そして測定尿酸値を計測器上に表示し、記録した。
表示尿酸値を、全血試料からの尿酸濃度を提供するように較正した。したがって、唾液尿酸値を、補正係数を用いてこの表示尿酸値から算出した。
妊娠第6週または第20週から出産まで、週に1回、1日のほぼ同じ時間に採集した試料から、唾液尿酸濃度を決定した。
(実施例2:データ解析および診断)
尿酸濃度を、149人の女性の無作為な試料から、妊娠第6週より実施例1に従って決定した。これらのデータは、平均唾液尿酸が6週間の約100μmol/lから40週間の約250μmol/lまで妊娠期間とは非線形に増大し、増大率は第30週から第40週に上昇したことを示す。
したがって、この実施例のための解析は、350μmol/l未満の唾液尿酸値が正常であり、350〜400μmol/lの範囲内の値が限界であり、400μmol/lより大きい値が異常に高いと仮定する。
135人の被験者において、唾液尿酸濃度を、妊娠第20週より出産まで毎週、実施例1に従って測定し、そして各妊娠の臨床結果を記録した。この研究の結果を以下に記載する。
この研究の結果を、以下のように妊娠中の臨床事象に従って4群で表にした:
表1.子癇前症を有すると診断された被験者
表2.小新生児(small baby)(約2500gまたはそれ以下)で新生児集中治療室に入室
表3.糖尿病を含む他の病状を伴う被験者
表4.異常唾液尿酸結果を伴う正常妊娠
Figure 0006456394
表1に言及すると、15人の被験者を、子癇前症を有すると臨床医が分類した。これらの15人のうち、10人が妊娠性高血圧および尿蛋白を示し、5人が高血圧のみを示した。15人全てが、唾液尿酸塩値上昇のパターンが顕著であり、これは、平均して6〜7の場合で出現した。15人の子癇前症被験者のうち11人において、最初の異常唾液尿酸読み取り値が平均して13週間で出現し、これは最初の従来マーカー(高血圧/蛋白尿)より前であった。子癇前症の唾液尿酸パターンは、妊娠早期に重篤な子癇前症を有した2人の被験者によっても示されたが、この場合に高血圧も尿蛋白も示さなかった。
偽陰性はなかった。「正常な」唾液尿酸パターンを示している被験者はいずれも、子癇前症や他の妊娠異常を有するものでないと見出された。
Figure 0006456394
表2に言及すると、8人の被験者が小新生児を出産した。8人全員とも、彼女らの唾液尿酸上昇パターンによって識別可能であった。これらの中で3人のみが従来の子癇前症マーカーの異常を示した。さらなる3人は高血圧も蛋白尿もいずれとも示さなかったが、出産前管理チームの専門知識によって診断された。
8人の被験者のうち2人は診断が確定しなかった。両被験者とも、唾液尿酸値上昇が第24週で開始したことを示した。両被験者とも家庭分娩を予定していたものであり、結果として新生児集中治療室へ緊急で入室することとなった。これらの被験者のうち1人は子癇前症の従来のマーカーを有しておらず、家庭分娩を予定していたが、第38週で新生児集中治療室への緊急入室が必要となった。
Figure 0006456394
表3に言及すると、医学的障害を有する7人の被験者が唾液尿酸上昇の結果のパターンを示した。これらの状態は、分娩前に産科チームには知られていた。
Figure 0006456394
分娩が順調であった11例の場合、結果は、第30週の前の異常唾液尿酸値が1回または2回のいずれかであることを示した。このパターンは、妊娠異常の場合(唾液尿酸上昇が典型的には第24週より分娩までに6/7回生じた)ほど顕著でないことが認識し得た。
したがって、胎児仮死の診断の基準に、少なくとも2つの異常な唾液尿酸読み取りの必要性を取り込むことにより、偽陽性の検出を低減させた。
(実施例3:代替のデータ解析および診断)
特定診断方法を開発するために、実施例2からのデータセットを再解析した。それが最初の妊娠であり、妊娠上の問題が起こる臨床上リスクが低く(被験者の医療記録にそうではない旨の情報がないものと定義)、被験者の年齢が18歳〜40歳であった場合、その被験者を再解析のために含めた。
組み入れ基準を作成し、妊娠上の問題の既往歴があり、かつ/またはより従来の方法によってより大きなモニタリング値で選択される被験者を排除した。
上述の基準に従って76人の被験者を選択した。これらのうち26人の被験者が、提供した唾液試料の2つまたはそれ以上が275μmol/lまたはそれ以上の尿酸値であった。臨床的徴候を示した26人の被験者のうち、17人の臨床結果を表5に示す。
Figure 0006456394
偽陰性結果はなかった。このことは、尿酸値が275μmol/lまたはそれ以上であった唾液試料が1つであるかまたは全くなかった被験者はいずれも、従来の診断指標によって検出される臨床的徴候を示さなかったことを意味する。よって、この診断は、妊娠に伴う特定の臨床上の問題があった被験者の100%を検出した。したがって、本方法は、公知の現在の臨床慣行(46%の感度であると報告されている)よりも高い感度を示す。
9つの偽陽性結果があった。このことは、7人の被験者が、尿酸値が275μmol/lまたはそれ以上であった唾液試料が2つまたはそれ以上であり、よって見かけ上胎児仮死を示すが、従来の診断指標によって検出される臨床的徴候を示さなかったことを意味する。よって、本発明の方法の特異性は、胎児仮死の指標があった被験者の高割合(85%)が妊娠に伴う臨床上の問題を有したという程度のものである。この特異性レベルは、現在の臨床慣行(83%の特異性を有すると報告されている)よりも高い。
本発明の方法は、46人の陰性臨床結果のうち46人を正確に識別した。
(比較例1−血液尿酸塩は唾液尿酸塩を予測しない)
実施例1に従って唾液尿酸塩濃度を決定し、標準法を用いて血液尿酸塩濃度を決定した。唾液中および血中の尿酸塩値を50時間の期間にわたって2時間ごとに1人の被験者において測定した。唾液尿酸塩および血液尿酸塩の両方とも、このモニタリング期間にわたって変動した(図1)。しかし、唾液尿酸値の増加または減少は、血液尿酸塩値の対応する増加または減少と常に関連したわけではなかった(図1)。唾液尿酸塩に対する血液尿酸塩のプロットは、これらの2つの尿酸塩測定値の間に有用な相関がなく、データが広範に点在することを示す(図2;線形r=0.1028)。したがって、血液尿酸塩は、唾液尿酸塩を予測しなかった。
したがって、本発明は、胎児仮死の診断およびその使用を提供する。

Claims (16)

  1. 胎児仮死の診断および/またはモニタリングに用いるための測定データの取得方法であって、妊娠母体から取得した1つまたはそれ以上の試料中の唾液中尿酸値を測定する工程を含み、該胎児仮死が、子癇前症により生じたもの以外である、方法。
  2. 前記妊娠母体が、胎児仮死を生じ得る状態を有すると知られていない、請求項に記載の方法。
  3. 前記妊娠母体が約18歳〜40歳の間である、請求項1または請求項2に記載の方法。
  4. 前記妊娠母体が臨床上正常な血圧を有する、請求項1からのいずれかに記載の方法。
  5. 前記妊娠母体が臨床上正常な尿中蛋白値を有する、請求項1からのいずれかに記載の方法。
  6. 前記妊娠母体が、140mmHgまたはそれ以下の収縮期血圧および90mmHgまたはそれ以下の拡張期血圧を有する、請求項または請求項に記載の方法。
  7. 前記妊娠母体が、24時間尿試料中300mg未満、好ましくは150mg未満の蛋白を有する、請求項または請求項に記載の方法。
  8. 前記試料中の臨床上高い尿酸値が、胎児仮死を示す、請求項1からのいずれかに記載の方法。
  9. 前記妊娠母体から取得した1つまたはそれ以上の試料中の唾液中尿酸値が、約275μmol/lを上回り、好ましくは約350μmol/lを上回り、より好ましくは約400μmol/lを上回る、請求項に記載の方法。
  10. 異なる日に取得された2つまたはそれ以上の試料、好ましくは3つまたはそれ以上の試料、必要に応じて4つまたはそれ以上の試料中で高い尿酸値が、胎児仮死を示す、請求項または請求項に記載の方法。
  11. 前記試料が週に1回取得される、請求項1から10のいずれかに記載の方法。
  12. 前記試料が妊娠第20週より出産まで取得される、請求項1から11のいずれかに記載の方法。
  13. 前記試料が舌下腺唾液である、請求項1から12のいずれかに記載の方法。
  14. 前記胎児仮死が、HELLP症候群、子癇、妊娠性糖尿病、妊娠性高血圧、前期破水、癒着胎盤および子宮内胎児発育遅延の1つまたはそれ以上を示す、請求項1から13のいずれかに記載の方法。
  15. 胎児仮死の指標としての、母体唾液中尿酸値の使用であって、該胎児仮死が子癇前症により生じたものでない、使用
  16. HELLP症候群、子癇、妊娠性糖尿病、妊娠性高血圧、前期破水、癒着胎盤および子宮内胎児発育遅延の1つまたはそれ以上の指標としての、請求項15に記載の母体唾液中尿酸値の使用。
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