以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一部には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
[実施の形態1]
以下、実施の形態1における生体試料分析装置を、図1〜図6を用いて説明する。実施の形態1では、ラベル領域と血清領域とを各々抽出し、ラベル境界と検出対象領域(例えば、血清領域)内のラベル境界の位置を特定し、検出対象領域内にラベル境界が存在する場合には、ラベル無血清領域またはラベル有血清領域のどちらか一方を一時的に除去した。これによって、血清種別を判定する際、血清の色を取得した血清領域がラベル有血清領域なのかラベル無血清領域なのかを考慮でき、判定の精度が向上する。
また、ラベル有血清領域とラベル無血清領域とを結合して血清領域の上下端境界の位置を検出することで正確に血清量を検出することができるようになる。
<生体試料分析装置構成>
図1は、実施の形態1における生体試料分析装置の構成例の概要を示す構成図である。図1に示されるように、生体試料分析装置は、前処理システム100と、前処理システム100全体を制御する制御用PC111と、その先に接続された生体試料の成分を分析する自動分析装置112とから構成される。そして、前処理システム100は、患者から採取した生体試料(例えば、血液)への前処理をする。そして、自動分析装置112は、前処理された生体試料を分析する。
前処理システム100は、搬送ライン101と、投入モジュール102と、遠心分離モジュール103と、検体チェックモジュールである検出装置104と、開栓モジュール105と、バーコードなどのラベラ106と、分注モジュール107と、閉栓モジュール108と、分類モジュール109と、収納モジュール110とから構成される。
まず、患者から採取された生体試料(例えば、血液)が、生体試料管(例えば、採血管)に入れられた後、投入モジュール102に投入される。なお、採血および投入モジュール102への投入は、ユーザのマニュアル作業で行われ、以後の作業は前処理システム100による自動作業となる。また、搬送ライン101は、生体試料管を各モジュール(投入モジュール102、遠心分離モジュール103、検出装置104、開栓モジュール105、ラベラ106、分注モジュール107、閉栓モジュール108、分類モジュール109、収納モジュール110)の間で移動させる。
投入モジュール102は、生体試料が入った生体試料管を生体試料分析装置内に投入する。搬送ライン101は、投入モジュール102により投入された生体試料管を遠心分離モジュール103まで移動させる。
遠心分離モジュール103は、生体試料管に入った生体試料を遠心分離する。ここで、生体試料管には、予め分離剤が入れられている。そして、生体試料が血液の場合は、遠心分離されることで、相対的に比重の大きい血餅の層と、相対的に比重が小さく血液分析に使用される血清の層とに分離される。搬送ライン101は、血餅の層と血清の層とに遠心分離された生体試料を検出装置104まで移動させる。
検出装置104は、遠心分離された生体試料から、生体試料種別と生体試料量とを検出する。そして、搬送ライン101は、生体試料種別が検出装置104により正常、溶血、黄疸、乳びなどと判断された生体試料を分類モジュール109まで移動させる。これによって、溶血、黄疸、乳びなどと判断された生体試料は、エラー検体として分類される。一方、搬送ライン101は、生体試料種別が正常と判断された生体試料(溶血、黄疸、乳びのいずれかと判断されなかった生体試料)を開栓モジュール105まで移動させる。
開栓モジュール105は、遠心分離された生体試料が入った生体試料管の栓を開栓する。搬送ライン101は、栓が開栓された生体試料管を分注モジュール107まで移動させる。また、搬送ライン101は、ラベラ106にてバーコードが貼付された試料容器を分注モジュール107まで移動させる。
分注モジュール107は、生体試料管の中の生体試料を、自動分析装置112などに分析させるためにバーコードが添付された各試料容器に分注する。なお、分注モジュール107は、検出装置104で検出された生体試料量情報に基づき、各試料容器に生体試料を分注する。搬送ライン101は、生体試料が分注された各試料容器を閉栓モジュール108まで移動させる。
閉栓モジュール108は、各試料容器の栓を閉栓する。搬送ライン101は、閉栓された各試料容器を収納モジュール110まで移動させる。
収納モジュール110は、閉栓された試料容器を収納する。収納された各試料容器は、その後、自動分析装置112まで移動され、各種成分の分析がされる。
分類モジュール109は、分注された生体試料が入った各試料容器を分類する。
<検出装置構成>
図2に実施の形態1における検出装置104の構成例の提要を示す。図2に示されるように、検出装置104は、撮像部201(例えば、カメラ)と、画像処理エンジン400と、背景板404とから構成される。また、画像処理エンジン400は、検出対象領域抽出部401と、ラベル抽出部402と、解析部403とから構成される。検出装置104は、生体試料管に入った生体試料に可視光を照射し、可視光を照射した生体試料を撮像部で撮像することで、生体試料種別と生体試料量とを検出する。
撮像部201は、生体試料管202全体の2次元画像を撮像する。撮像部201は、撮像した生体試料管202の画像データを、検出対象領域抽出部401およびラベル抽出部402に入力する。
ここで、生体試料管202には、個人情報などが記載されたラベル203が貼付されており、撮像する際には、ラベル203が貼付されていない側から撮像する必要がある。
つまり、図3(a)に示されるように、生体試料管202に貼付されたラベル203が撮像部201側を向いている場合には、検出対象領域がラベル203で隠れてしまい、撮像部201は、検出対象領域を撮像できない。
一方、図3(b)に示されるように、ラベル203が撮像部201に対して反対側を向いている場合には、撮像部201は、ラベル203とラベル203との隙間の検出対象領域204を撮像できる。以下の説明において、撮像部201と生体試料管202に貼られたラベル203との向きの関係は、図3(b)のようにラベル203とラベル203の隙間から生体試料管202の中の生体試料を撮像できる状態とする。
再び図2を参照する。検出対象領域抽出部401は、撮像部201で撮像された画像から検出対象領域(例えば、生体試料領域)を抽出する。
この検出対象領域を抽出する手法としては、特定の閾値を用いて抽出する方法が考えられる。例えば、検出対象領域抽出部401は、画像を構成する各画素の画素値と予め設定された閾値(検出対象領域を抽出するための閾値)とを比較することで、画素値が閾値の範囲内の画素を検出対象領域として抽出する。なお、この閾値は、生体試料管202の種類や、照明の光量、撮像部201の設定値などにより変更してもよい。
ここで、生体試料管202の種類によっては、壁面の材質が異なり、光の透過率が異なるため、同じ生体試料であっても、撮像部201で撮像した画像から得られる色は異なる場合がある。このため、閾値を生体試料管202の種類によって変更することにより、より正確に検出対象領域を抽出する事ができるようになる。
また、検出対象領域抽出部401は、閾値に替えて、予め設定された判別式に撮像部201で撮像した画像の各画素値を代入して得た値に基づき、検出対象領域とその他の領域とを分割することで、検出対象領域を抽出するようにしても良い。
検出対象領域抽出部401は、抽出した検出対象領域内のラベル境界の候補直線を検出する。また、検出対象領域抽出部401は、検出対象領域内に含まれる検出した全ての候補直線の両端(直線の始点および終点)のXY座標を取得し、取得した候補直線の両端のXY座標を解析部403に入力する。
なお、検出対象領域内のラベル境界の候補直線を検出する手法としては、検出対象領域抽出部401が、検出対象領域のみが検出されたカラー画像やグレースケール画像から、生体試料管径方向と45度以内の角度の直線を検出する。これにより、検出対象領域内のラベル境界の候補直線が検出される。
また、検出対象領域抽出部401は、抽出した検出対象領域204から、検出対象領域204の上端の境界である検出対象領域上端境界204Tの位置と、検出対象領域204の下端の境界である検出対象領域下端境界204Bの位置とを検出する。また、検出対象領域抽出部401は、検出した検出対象領域上端境界204Tの位置(例えば、検出対象領域上端境界204Tの始点および終点の座標)と検出対象領域下端境界204Bの位置(例えば、検出対象領域下端境界204Bの始点および終点の座標)を算出する。そして、検出対象領域抽出部401は、算出した検出対象領域上端境界204Tの位置と検出対象領域下端境界204Bの位置とを解析部403に入力する。
なお、検出対象領域上端境界204Tの位置と検出対象領域下端境界204Bの位置とを検出する手法としては、検出対象領域抽出部401が、検出対象領域204を抽出するマスク画像から生体試料管径方向と45度以内の角度ずれの直線を検出し、検出した直線のうち最も生体試料管202の栓側に位置する直線を検出対象領域上端境界204T、最も生体試料管202の底部側に位置する直線を検出対象領域下端境界204Bとして検出する方法がある。また、検出対象領域204の位置の取得はマスク画像を用いた手法に限るものではない。例えば、抽出した検出対象領域の輪郭画像を用いてもよい。さらに、直線を検出する方法ではなく、輪郭画像にノイズ処理を施した後、輪郭座標の生体試料管軸方向最小、最大値を血清領域の上下端境界の位置としてもよい。
ラベル抽出部402は、撮像部201によって撮像された画像から撮像部201の撮像面側に位置するラベル(以下、ラベル領域と呼ぶ場合がある)を抽出する。
ラベル領域を抽出する手法としては、特定の閾値を用いて抽出する方法がある。例えば、ラベル抽出部402は、画像を構成する各画素の画素値と予め設定された閾値(ラベル領域を抽出するための閾値)とを比較することで、画素値が閾値の範囲内の画素をラベル領域として抽出する。
なお、この閾値は、照明の光量、撮像部201の設定値などにより変更してもよい。また、ラベル抽出部402は、閾値に替えて、予め設定された判別式に撮像部201で撮像した画像の各画素値を代入して得た値によって、ラベル領域とその他の領域とを分割することで、ラベル領域を抽出するようにしても良い。
ラベル抽出部402は、抽出したラベル領域から、ラベル203の上端の境界であるラベル上端境界203Tと、ラベル203の下端の境界であるラベル下端境界203Bの位置を検出する。また、ラベル抽出部402は、検出したラベル上端境界203Tの位置(例えば、ラベル上端境界203Tの始点および終点の座標)とラベル下端境界203Bの位置(例えば、ラベル下端境界203Bの始点および終点の座標)を算出する。そして、ラベル抽出部402は、算出したラベル上端境界203Tの位置とラベル下端境界203Bの位置とを解析部403に入力する。
また、ラベル境界の位置を検出する手法としては、ラベル抽出部402が、ラベル領域を抽出するマスク画像から生体試料管径方向と45度以内の角度の直線を検出し、検出した直線のうち最も生体試料管202の栓側に位置する直線をラベル上端境界203T、検出した直線のうち最も生体試料管202の底部側に位置する直線をラベル下端境界203Bとして検出するようにしても良い。なお、直線検出には、マスク画像を用いなくともよい。例えば、ラベル領域のみが抽出されたカラー画像や、抽出したラベル領域の輪郭画像を用いてもよい。
解析部403は、ラベル抽出部402により抽出されたラベル領域の境界位置(ラベル上端境界203Tおよびラベル下端境界203Bの位置)に基づいて、検出対象領域204に対するラベルの境界位置を特定する。そして、解析部403は、検出対象領域204に対するラベルの境界位置に応じて、生体試料の情報(生体試料の色など)を検出する閾値を変化させる。
つまり、解析部403は、特定した検出対象領域204に対するラベルの境界位置に基づいて、検出対象領域とラベル領域との重なりの度合いを特定する。そして、解析部403は、ラベル抽出部402により抽出されたラベル203と、検出対象領域抽出部401によって抽出された検出対象領域204との重なりの態様(度合い)に応じて、生体試料の情報(生体試料の色など)を検出する閾値を変化させる。
例えば、解析部403は、ラベル抽出部402により抽出されたラベル領域の境界位置に基づいて、検出対象領域抽出部401により抽出された検出対象領域内のラベル203の境界位置を特定する。
以下、図4(a)〜(j)を用いて解析部403により特定される、検出対象領域204とラベル領域との重なりの度合いの例について、具体的に説明する。
まず、図4(a)、図4(h)〜(j)のように検出対象領域204と重なる領域にラベル203が貼付されていない場合について説明する。
例えば、撮像部201により撮像された画像が図4(a)の場合、ラベル上端境界203Tおよびラベル下端境界203Bのいずれもが、全ての候補直線よりも上方に位置する。
また、撮像部201により撮像された画像が図4(h)〜(j)である場合、ラベル上端境界203Tおよびラベル下端境界203Bのいずれもが、全ての候補直線よりも下方に位置する。
つまり、解析部403は、ラベル下端境界203Bを検出対象領域204内の最も上方に位置する候補直線よりも上方に特定する場合、または、ラベル上端境界203Tを検出対象領域204内の最も下方に位置する候補直線よりも下方に特定する場合に、検出対象領域204とラベル領域とが重なっていないと判定する。
なお、解析部403が、ラベル下端境界203Bを検出対象領域上端境界204Tよりも上方に特定する場合、または、ラベル上端境界203Tを検出対象領域下端境界204Bよりも下方に特定する場合に、検出対象領域204とラベル領域とが重なっていないと判定するようにしても良い。
ここで、例えば血清などの生体試料は、透過率が高いため、生体試料管202の後方にある物体からの散乱光がカメラに入射する。そして、図4(a)、図4(h)〜(j)に示されるようにラベル上端境界203Tおよびラベル下端境界203Bともに検出対象領域204内に位置しない場合、検出対象領域204は、撮像部201の撮像面に対して生体試料管202の背面側に貼付されたラベル203が存在しない第2領域(以下、ラベル無対象領域204Nと呼ぶ場合がある)のみとなる。つまり、ラベル無対象領域204Nは、背景板404が背景となる。
この場合、解析部403は、背景板404が背景となる場合のラベル無対象領域204Nの色(以下、ラベル無対象領域色と呼ぶ場合がある)と対応する閾値を取得する。そして、解析部403は、取得した閾値に基づき、ラベル無対象領域204Nの色を検出(または識別)する。また、解析部403は、ラベル無対象領域204Nの色を検出することで生体試料が正常、溶血、黄疸、乳びのいずれに該当するかなどの判定をする。なお、解析部403に替えて検出装置104が備える色検出部(不図示)が、生体試料の色を検出(または識別)するようにしても良い。
検出装置104が備える試料量検出部(不図示)は、検出対象領域上端境界204Tと検出対象領域下端境界204Bと予め設定されている生体試料管内径とに基づいて生体試料量を検出する。
次に、図4(c)および図4(d)のように検出対象領域204の全ての領域にラベル203が添付されている場合について説明する。例えば、撮像部201により撮像された画像が図4(c)または図4(d)の場合、ラベル上端境界203Tは、全ての候補直線よりも上方に位置し、かつ、ラベル下端境界203Bは、全ての候補直線よりも下方に位置する。
つまり、解析部403は、ラベル上端境界203Tを検出対象領域204内の最も上方に位置する候補直線よりも上方に特定し、かつ、ラベル下端境界203Bを検出対象領域204内の最も下方に位置する候補直線よりも下方に特定する場合に、検出対象領域204の全ての領域にラベル203が重なっていると判定する。
なお、解析部403が、ラベル上端境界203Tを検出対象領域上端境界204Tよりも上方に特定し、かつ、ラベル下端境界203Bを検出対象領域下端境界204Bよりも下方に特定する場合に、検出対象領域204の全ての領域にラベル203が重なっていると判定するようにしても良い。
そして、図4(c)および図4(d)のように検出対象領域204と重なる全ての領域にラベル203が添付されている場合、検出対象領域204は、撮像部201の撮像面に対して生体試料管202の背面側に貼付されたラベル203が存在する第1領域(以下、ラベル有対象領域204Lと呼ぶ場合がある)のみとなる。
この場合、解析部403は、ラベル203が背景となった場合のラベル有対象領域204Lの色(以下、ラベル有対象領域色と呼ぶ場合がある)と対応する閾値を取得する。そして、解析部403は、取得した閾値とラベル有対象領域204Lの色とに基づき、生体試料の色を検出する。また、解析部403は、生体試料の色を検出することで生体試料が例えば正常、溶血、黄疸、乳びのいずれに該当するかなどの判定をする。
次に、図4(b)、図4(e)〜(g)のように、検出対象領域204と重なる一部の領域にラベル203が貼付されている場合について説明する。例えば、撮像部201により撮像された画像が図4(b)の場合、ラベル上端境界203Tは、全ての候補直線よりも上方に位置する。また、ラベル下端境界203Bは、検出対象領域204内のいずれかの候補直線と一致する。
また、撮像部201により撮像された画像が図4(e)の場合、ラベル上端境界203Tおよびラベル下端境界203Bは、検出対象領域204内のいずれかの候補直線と一致する。
また、図4(f)および図4(g)の場合、ラベル上端境界203Tは、検出対象領域204内のいずれかの候補直線と一致する。また、ラベル下端境界203Bは、全ての候補直線よりも下方に位置する。
つまり、検出対象領域204内にラベル下端境界203Bまたはラベル上端境界203Tを特定する場合に、解析部403は、検出対象領域204とラベル領域の一部とが重なっていると判定する。
そして、図4(b)、図4(e)〜(g)のように、検出対象領域204と重なる一部の領域にラベル203が貼付されている場合に、検出対象領域204は、背景板404が背景となるラベル無対象領域204Nと、生体試料管202に添付されるラベル203が背景となるラベル有対象領域204Lとが混在することとなる。
この場合、検出対象領域抽出部401は、ラベル203の境界に基づいて、検出対象領域204を、ラベル無対象領域204Nとラベル有対象領域204Lとに分離する。そして、解析部403は、検出対象領域204からラベル無対象領域204Nを一時的に除去する。具体的には、図4(b)の場合、検出対象領域抽出部401は、ラベル下端境界203Bの位置よりも下方の領域を検出対象領域204から一時的に除去する。また、図4(e)の場合、検出対象領域抽出部401は、ラベル上端境界203Tの位置よりも上方の領域およびラベル下端境界203Bの位置よりも下方の領域を検出対象領域204から一時的に除去する。また、図4(f)および図4(g)の場合、検出対象領域抽出部401は、ラベル上端境界203Tの位置よりも上方の領域を検出対象領域204から一時的に除去する。
そして、解析部403は、除去した結果残った領域であるラベル有対象領域204Lの色であるラベル有対象領域色と対応する閾値を取得する。そして、解析部403は、取得した閾値とラベル有対象領域204Lの色とに基づき、生体試料の色を検出する。また、解析部403は、生体試料の色を検出することで生体試料が例えば正常、溶血、黄疸、乳びのいずれに該当するかなどの判定をする。
なお、図4(b)、図4(e)〜(g)のように、検出対象領域204と重なる一部の領域にラベル203が貼付されている場合、検出対象領域抽出部401は、検出対象領域204からラベル有対象領域204Lを一時的に除去するようにしても良い。この場合、解析部403は、除去した結果残った領域であるラベル無対象領域204Nの色であるラベル無対象領域色と対応する閾値を取得する。そして、解析部403は、取得した閾値とラベル無対象領域204Nの色とに基づき、生体試料の色を検出する。
また、検出対象領域抽出部401は、ラベル無対象領域204Nの面積とラベル有対象領域204Lとの面積を比較し、面積が小さい方の領域を検出対象領域204から一時的に除去するようにしても良い。この場合、解析部403は、除去した結果残った領域の色と対応する閾値を取得する。そして、解析部403は、取得した閾値と残った領域の色とに基づき、生体試料の色を検出する。
ここで、背景板404の色をラベル203の色と大きく異なる色(例えば、補色)とした場合、ラベル無対象領域204Nの色とラベル有対象領域204Lの色とが、大きく異なる。そのため、ラベル無対象領域204Nとラベル有対象領域204L各々を抽出するための閾値や判別式などを設定することが容易である。しかし、撮像された画像を人の目で確認することを考慮すると、背景板404の色は、ラベル203の色と近いことが望ましい。本実施の形態1では、ラベル203の色と背景板404の色とを近い色にした場合でも、生体試料の色の識別精度と、生体試料の量の検出精度とを向上できるようになる。
なお、解析部403は、例えば、検出対象領域204の画像を構成する画素の画素値の平均値や、画素値の中央値や、画素の分散値などを利用する。また、解析部403は、取得した閾値と色を比較することによって、生体試料の色を検出し、生体試料が例えば正常、溶血、黄疸、乳びのいずれに該当するかなどの判定をする。さらに、このような生体試料種別の判定は、あらかじめ設定されている閾値との比較に限るものではない。例えば、生体試料種別間の判別式をあらかじめ設定しておき、検出対象領域204の全画素の画素値または代表値(検出対象領域204の全画素の画素値の平均値や画素値の中央値など)を判別式に代入して得られた値によって生体試料種別を判定するようにしてもよい。
また、図7に示されるように検出装置104が、光源701a,bと、ドライバ702a,bと、画像処理エンジン400と、生体試料管ホルダ704と、コントローラ705と、入出力インタフェース706と、データバス707とをさらに備えるようにしても良い。
照射部である光源701は、光を生体試料管202に照射する。なお、光源701としては、強度が強く、指向性の高い光であるLED光源などを用いる。また、光源701から照射される光は可視光であり、波長の範囲はおおよそ、400nmから700nmである。また、光源701は、ドライバ702a,b(例えば、電源)により駆動される。
光源701は、生体試料管202に照射される光の強度分布が一様となるように配置される。具体的には、例えば、面照明を生体試料管202の前方の左右2箇所に、生体試料管軸と光源の長軸が平行となるように配置される。そして、生体試料管202に照射される光の強度分布が一様になることで、より正確に生体試料の色を取得する事ができるようになる。
また、光源701の形状は面照明に限るものではない。例えば、バー照明を用いてもよい。さらに、光源701が配置される位置は、生体試料管202の前方の左右2箇所に限るものではない。例えば、生体試料管202の前方の上下2箇所に配置される、または左右2箇所、上下2箇所の計4箇所に配置されるようにしても良い。
光源701から照射された光は生体試料管202を透過し、波長の一部は生体試料管202の中の生体試料に吸収され、一部は生体試料を透過する。透過した光は生体試料管202を透過して、生体試料管202表面に貼付されたラベル203上で散乱する。散乱した光は再度生体試料管202、生体試料、生体試料管202の順に透過して撮像部201に入射する。画像処理エンジン400では撮像部201で撮像された画像から検出対象領域抽出処理などの画像処理を行い、検出対象領域204の境界の位置および検出対象領域204の色を認識する。
入出力インタフェース706はインタフェースとして用いられ、検出した生体試料種別、生体試料量の表示やデータの伝送、生体試料種別、生体試料量の検出などに用いられるパラメータなどを入力する際に用いる。
<全体処理>
図5は、実施の形態1における全体処理の概要を示す図である。
まず、S501にて、撮像部201は、生体試料管202全体の2次元画像を撮像する。そして、撮像部201は、撮像した生体試料管202の画像データを画像処理エンジン400に入力する。なお、撮像部201により撮像された画像は、上述した図4(a)〜(j)のような画像になる。
次に、S502にて、画像処理(後述、図6)が実行される。
次に、S503にて、制御用PC111は、算出した生体試料種別および生体試料量を出力する。生体試料種別および生体試料量は、例えば、溶血、黄疸、乳びなどのエラー検体のフラグ立てや、生体試料量不足の判定などに利用される。
<画像処理>
図6は、実施の形態1における画像処理の概要を示す図である。
まず、S601にて、ラベル抽出部402は、S501にて撮像部201が撮像した画像からラベル領域を抽出し、ラベル上端境界203Tとラベル下端境界203Bの位置を検出する。また、ラベル抽出部402は、検出したラベル上端境界203Tの位置(例えば、ラベル上端境界203Tの始点および終点の座標)とラベル下端境界203Bの位置(例えば、ラベル下端境界203Bの始点および終点の座標)を算出する。そして、ラベル抽出部402は、算出したラベル上端境界203Tの位置とラベル下端境界203Bの位置とを解析部403に入力する。
次に、S602にて、検出対象領域抽出部401は、検出対象領域204を抽出し、抽出した検出対象領域204内のラベル境界の候補直線を検出する。また、検出対象領域抽出部401は、検出対象領域204内に含まれる検出した全ての候補直線の両端(直線の始点および終点)のXY座標を取得し、取得した候補直線の両端のXY座標を解析部403に入力する。
次に、S603にて、解析部403は、S601にて入力されたラベル上端境界203Tの両端のXY座標と、ラベル下端境界203Bとの両端のXY座標と、S602にて入力された検出対象領域204内の候補直線の両端のXY座標とを照合し、一致する直線を検索する。
次に、S604にて、解析部403は、S603にて検索した結果に基づき、検出対象領域204とラベル領域との重なりの度合いを判定する。
S604にて、解析部403が、検出対象領域204とラベル領域とが重なっていないと判定する場合(S604−ラベル無)、S605へ進む。なお、解析部403は、ラベル下端境界203Bが検出対象領域上端境界204T(検出対象領域204内の最も上方に位置する候補直線)よりも上方にあると判定する場合、または、ラベル上端境界203Tが検出対象領域下端境界204B(検出対象領域204内の最も下方に位置する候補直線)よりも下方にあると判定する場合に、検出対象領域204とラベル領域とが重なっていないと判定する。
また、S604にて、解析部403が、検出対象領域204の全ての領域にラベル領域が重なっていると判定する場合(S604−ラベル有)、S607へ進む。なお、解析部403は、ラベル上端境界203Tが検出対象領域上端境界204Tよりも上方(または検出対象領域上端境界204Tの位置)にあり、かつ、ラベル下端境界203Bが検出対象領域下端境界204Bよりも下方(または検出対象領域下端境界204Bの位置)にある場合に、検出対象領域204の全ての領域とにラベル領域とが重なっていると判定する。
また、S604にて、解析部403が、検出対象領域204とラベル領域の一部とが重なっていると判定する場合(S604−一部)、S609へ進む。なお、解析部403は、ラベル下端境界203Bまたはラベル上端境界203Tの少なくともいずれか一方が、検出対象領域204内の候補直線(検出対象領域上端境界204Tの位置および検出対象領域下端境界204Bに位置する候補直線を除く)と一致する場合に、検出対象領域204とラベル領域の一部とが重なっていると判定する。
S604−ラベル無だった場合、S605にて、解析部403は、ラベル無対象領域色と対応する閾値を取得する。
次に、S606にて、解析部403は、取得した閾値とラベル無対象領域204Nの色とに基づき、生体試料の色を検出する。また、解析部403は、生体試料の色を検出することで生体試料が正常、溶血、黄疸、乳びのいずれに該当するかなどの判定をする。S606の処理の後は、S613へ進む。
S604−ラベル有だった場合、S607にて、解析部403は、ラベル有対象領域色と対応する閾値を取得する。
次に、S608にて、解析部403は、取得した閾値とラベル有対象領域204Lの色とに基づき、生体試料の色を検出する。また、解析部403は、生体試料の色を検出することで生体試料が正常、溶血、黄疸、乳びのいずれに該当するかなどの判定をする。S608の処理の後は、S613へ進む。
S604−一部だった場合、S609にて、検出対象領域抽出部401は、検出対象領域204からラベル無対象領域204Nを一時的に除去する。
次に、S610にて、解析部403は、ラベル有対象領域色と対応する閾値を取得する。
次に、S611にて、解析部403は、取得した閾値とラベル有対象領域204Lの色とに基づき、生体試料の色を検出する。また、解析部403は、生体試料の色を検出することで生体試料が正常、溶血、黄疸、乳びのいずれに該当するかなどの判定をする。
次に、S612にて、検出対象領域抽出部401は、ラベル有対象領域204Lと一時的に除去したラベル無対象領域204Nとを結合する。
次に、S613にて、検出対象領域抽出部401は、合成後の検出対象領域204から、検出対象領域204の上端の境界である検出対象領域上端境界204Tの位置と、検出対象領域204の下端の境界である検出対象領域下端境界204Bの位置とを検出する。また、検出対象領域抽出部401は、検出した検出対象領域上端境界204Tの位置(例えば、検出対象領域上端境界204Tの始点および終点の座標)と検出対象領域下端境界204Bの位置(例えば、検出対象領域下端境界204Bの始点および終点の座標)を算出する。そして、検出対象領域抽出部401は、算出した検出対象領域上端境界204Tの位置と検出対象領域下端境界204Bの位置とを試料量検出部に入力する。
次に、S614にて、試料量検出部は、S613にて入力された検出対象領域上端境界204Tと検出対象領域下端境界204Bと、予め設定されている生体試料管内径とに基づいて生体試料量を検出する。
なお、S601の前処理として、画像処理エンジン400が、撮像部201が撮像した画像の表色系を変換するようにしても良い。具体的には、画像処理エンジン400は、画像の表色系をRGB表色系からHSV表色系に変換する。そして、S601にて、ラベル抽出部402は、HSV表色系に変換された後の画像からラベル領域を抽出する。
なお、解析部403に替えて検出装置104が備える色検出部(不図示)が、生体試料の色を検出するようにしても良い。
<実施の形態1の効果>
以上説明した実施の形態1によれば、ラベル抽出部402により抽出されたラベル203の境界位置に基づいて、検出対象領域抽出部401により抽出された検出対象領域204内のラベル203の境界位置を特定することで、生体試料の情報を検出する精度を向上できるようになる。
また、検出対象領域204を、第1領域と、第2領域とに分離することで、検出対象領域204とラベル領域の一部とが重なっている場合でも、生体試料の情報を検出する精度を向上できるようになる。
[実施の形態2]
ある画像の検出対象領域204と別の画像の分離剤領域の色とが部分的に等しいことがある。そのため、全画像に共通の閾値などを用いて検出対象領域204を抽出する際、分離剤領域の一部も抽出される。
実施の形態2が実施の形態1と異なる点は、ラベル領域と生体試料分離剤混合領域を各々抽出し、ラベル境界と生体試料分離剤混合領域内のラベル境界の候補直線との位置関係を取得することによって、生体試料分離剤混合領域または分離剤領域を除去する点である。また、分離剤領域を除去して生体試料種別および生体試料量を検出する点である。
これによって、生体試料量を検出する精度がさらに向上する。さらに、分離剤領域が抽出された場合でも、生体試料管軸方向のラベル203の位置によらず、生体試料種別および生体試料量を検出精度を向上させることができるようになる。以下、実施の形態2を実施の形態1と異なる点を主に図8および図9を用いて説明する。
<全体処理>
図8は、実施の形態2における全体処理の概要を示す図である。
まず、S801にて、撮像部201は、生体試料管202全体の2次元画像を撮像する。そして、撮像部201は、撮像した生体試料管202の画像データを画像処理エンジン400に入力する。なお、撮像部201により撮像された画像は、上述した図4(a)〜(j)のような画像になる。例えば、撮像部201は、生体試料管ホルダ704に設置された生体試料管202を撮像する。
次に、S802にて、画像処理(後述、図9)が実行される。
次に、S803にて、制御用PC111は、算出した生体試料種別および生体試料量を出力する。生体試料種別および生体試料量は、例えば、溶血、黄疸、乳びなどのエラー検体のフラグ立てや、生体試料量不足の判定などに利用される。
<画像処理>
図9は、実施の形態2における画像処理の概要を示す図である。
まず、S901にて、画像処理エンジン400は、S801にて撮像部201が撮像した画像の表色系を変換する。
具体的には、画像処理エンジン400は、画像の表色系をRGB表色系からHSV表色系に変換する。撮像部201が撮像した画像は一般的にRGB表色系であるが、RGB表色系は画像処理には適していない場合もある。一方、HSV表色系は人間が色を知覚する方法と類似しており、従来人手で行っていた生体試料種別の認識を自動化するのに適している。また、変換後の表色系はHSV表色系に限るものではなく、生体試料種別および生体試料量の検出に適した他の表色系(例えば、L*a*b*表色系)を用いるようにしても良い。
次に、S902にて、ラベル抽出部402は、S901にて変換された後の画像からラベル領域を抽出し、ラベル上端境界203Tとラベル下端境界203Bの位置を検出する。また、ラベル抽出部402は、検出したラベル上端境界203Tの位置(例えば、ラベル上端境界203Tの始点および終点の座標)とラベル下端境界203Bの位置(例えば、ラベル下端境界203Bの始点および終点の座標)を算出する。そして、ラベル抽出部402は、算出したラベル上端境界203Tの位置とラベル下端境界203Bの位置とを解析部403に入力する。
次に、S903にて、検出対象領域抽出部401は、S901にて変換された後の画像から生体試料分離剤混合領域(検出対象領域と分離剤領域とからなる領域)を抽出する。また、検出対象領域抽出部401は、抽出した生体試料分離剤混合領域内のラベル境界の候補直線を検出する。また、検出対象領域抽出部401は、生体試料分離剤混合領域内に含まれる検出した全ての候補直線の両端(直線の始点および終点)のXY座標を取得し、取得した候補直線の両端のXY座標を解析部403に入力する。
なお、生体試料分離剤混合領域を抽出する手法としては、特定の閾値を用いて抽出する方法がある。例えば、検出対象領域抽出部401は、画像を構成する各画素の画素値と予め設定された閾値(生体試料分離剤混合領域を抽出するための閾値)とを比較することで、画素値が閾値の範囲内の画素を生体試料分離剤混合領域として抽出する。なお、この閾値は、生体試料管202の種類や、照明の光量、撮像部201の設定値などにより変更してもよい。
また、検出対象領域抽出部401は、閾値に替えて、予め設定された判別式に撮像部201で撮像した画像の各画素値を代入して得た値によって、生体試料分離剤混合領域とその他の領域とを分割することで、生体試料分離剤混合領域を抽出するようにしても良い。
次に、S904にて、解析部403は、S902にて入力されたラベル上端境界203Tの両端のXY座標と、ラベル下端境界203Bとの両端のXY座標と、S903にて入力された生体試料分離剤混合領域内に含まれる全ての候補直線の両端のXY座標とを照合し、一致する直線を検索する。
例えば、撮像部201により撮像された画像が図4(a)の場合、ラベル上端境界203Tおよびラベル下端境界203Bのいずれもが、生体試料分離剤混合領域内の全ての候補直線よりも上方に位置する。
また、撮像部201により撮像された画像が図4(h)〜(j)のいずれかである場合、ラベル上端境界203Tおよびラベル下端境界203Bのいずれもが、生体試料分離剤混合領域内の全ての候補直線よりも下方に位置する。
また、撮像部201により撮像された画像が図4(c)または図4(d)の場合、ラベル上端境界203Tは、生体試料分離剤混合領域内の全ての候補直線よりも上方に位置し、かつ、ラベル下端境界203Bは、生体試料分離剤混合領域内の全ての候補直線よりも下方に位置する。
また、撮像部201により撮像された画像が図4(b)の場合、ラベル上端境界203Tは、生体試料分離剤混合領域内の全ての候補直線よりも上方に位置する。また、ラベル下端境界203Bは、生体試料分離剤混合領域内のいずれかの候補直線と一致する。
また、図4(f)および図4(g)の場合、ラベル上端境界203Tは、生体試料分離剤混合領域内のいずれかの候補直線と一致する。また、ラベル下端境界203Bは、生体試料分離剤混合領域内の全ての候補直線よりも下方に位置する。
次に、S905にて、解析部403は、S904にて検索した結果に基づき、生体試料分離剤混合領域とラベル領域との重なりの度合いを判定する。
S905にて、解析部403が、生体試料分離剤混合領域の全部の領域とラベル領域とが重なっていないと判定する場合(S905−ラベル無)、S906へ進む。なお、解析部403は、ラベル下端境界203Bが生体試料分離剤混合領域上端境界(生体試料分離剤混合領域内の最も上方に位置する候補直線)よりも上方にあると判定する場合、または、ラベル上端境界203Tが生体試料分離剤混合領域下端境界(生体試料分離剤混合領域内の最も下方に位置する候補直線)よりも下方にあると判定する場合に、検出対象領域204とラベル領域とが重なっていないと判定する。
また、S905にて、解析部403が、生体試料分離剤混合領域にラベル領域が重なっていると判定する場合(S905−ラベル有)、S908へ進む。なお、解析部403は、ラベル上端境界203Tが生体試料分離剤混合領域上端境界よりも上方(または生体試料分離剤混合領域上端境界の位置)にあり、かつ、ラベル下端境界203Bが生体試料分離剤混合領域下端境界よりも下方(または生体試料分離剤混合領域下端境界の位置)にある場合に、生体試料分離剤混合領域の全ての領域にラベル領域が重なっていると判定する。
また、S905にて、解析部403が、生体試料分離剤混合領域とラベル領域の一部とが重なっていると判定する場合(S905−一部)、S910へ進む。なお、解析部403は、ラベル下端境界203Bまたはラベル上端境界203Tの少なくともいずれか一方が、生体試料分離剤混合領域内の候補直線(生体試料分離剤混合領域上端境界の位置および生体試料分離剤混合領域下端境界に位置する候補直線を除く)と一致する場合に、生体試料分離剤混合領域とラベル領域の一部とが重なっていると判定する。
S905−ラベル無だった場合、S906にて、検出対象領域抽出部401は、生体試料分離剤混合領域から分離剤領域を除去する。具体的には、検出対象領域抽出部401は、生体試料分離剤混合領域の画素値を用いて、生体試料分離剤混合領域を検出対象領域204と分離剤領域とに分離し、分離後の分離剤領域を除去する。また、解析部403は、ラベル無対象領域色と対応する閾値を取得する。
次に、S907にて、解析部403は、取得した閾値とラベル無対象領域204Nの色とに基づき、生体試料の色を検出する。また、解析部403は、生体試料の色を検出することで生体試料が正常、溶血、黄疸、乳びのいずれに該当するかなどの判定をする。S907の処理の後は、S914へ進む。
S905−ラベル有だった場合、S908にて、検出対象領域抽出部401は、生体試料分離剤混合領域から分離剤領域を除去する。また、解析部403は、ラベル有対象領域色と対応する閾値を取得する。
次に、S909にて、解析部403は、取得した閾値とラベル有対象領域204Lの色とに基づき、生体試料の色を検出する。また、解析部403は、生体試料の色を検出することで生体試料が正常、溶血、黄疸、乳びのいずれに該当するかなどの判定をする。S909の処理の後は、S914へ進む。
S905−一部だった場合、S910にて、検出対象領域抽出部401は、生体試料分離剤混合領域からラベル無対象領域204Nを一時的に除去する。また、検出対象領域抽出部401は、生体試料分離剤混合領域からラベル無対象領域204Nを除去した後の領域から、分離剤領域を除去することで、ラベル有対象領域204L(第3領域)を抽出する。
次に、S911にて、解析部403は、ラベル有対象領域色と対応する閾値を取得する。
次に、S912にて、解析部403は、取得した閾値とラベル有対象領域204Lの色とに基づき、生体試料の色を検出する。また、解析部403は、生体試料の色を検出することで生体試料が正常、溶血、黄疸、乳びのいずれに該当するかなどの判定をする。
次に、S913にて、検出対象領域抽出部401は、ラベル有対象領域204L(第3領域)と一時的に除去したラベル無対象領域204N(第2領域)とを結合する。
次に、S914にて、検出対象領域抽出部401は、結合した後の検出対象領域204から、検出対象領域204の上端の境界である検出対象領域上端境界204Tの位置と、検出対象領域204の下端の境界である検出対象領域下端境界204Bの位置とを検出する。また、検出対象領域抽出部401は、検出した検出対象領域上端境界204Tの位置(例えば、検出対象領域上端境界204Tの始点および終点の座標)と検出対象領域下端境界204Bの位置(例えば、検出対象領域下端境界204Bの始点および終点の座標)を算出する。そして、検出対象領域抽出部401は、算出した検出対象領域上端境界204Tの位置と検出対象領域下端境界204Bの位置とを試料量検出部に入力する。
次に、S915にて、試料量検出部は、S914にて入力された検出対象領域上端境界204Tと検出対象領域下端境界204Bと、予め設定されている生体試料管内径とに基づいて生体試料量を検出する。上述した処理により、試料量検出部は、第2領域と第3領域とを結合した画像に基づいて、生体試料の量を検出する。
なお、S910にて、検出対象領域抽出部401は、生体試料分離剤混合領域からラベル有対象領域204Lを除去した画像から、分離剤領域を除去することで、ラベル無対象領域204N(第4領域)を抽出するようにしても良い。この場合、S912にて、解析部403は、ラベル無対象領域色と対応する閾値に基づき、生体試料の色を検出する。また、S913にて、検出対象領域抽出部401は、ラベル無対象領域204N(第4領域)と一時的に除去したラベル有対象領域204L(第1領域)とを結合する。そして、S915にて、試料量検出部は、第4領域と第1領域とが結合された画像に基づいて、生体試料量を検出する。つまり、解析部403(または色検出部)は、取得した閾値に応じて、ラベル無対象領域204N(第4領域)の画像の色と、ラベル有対象領域204L(第1領域)の画像の色とを各々検出する。
<実施の形態2の効果>
以上のように、本実施の形態2によれば、検出対象領域204から第2領域を除去した画像から、分離剤領域を除去した第3領域を抽出することで、実施の形態1の効果に加えて、生体試料種別および生体試料量の検出精度をさらに向上させることができるようになる。
また、第2領域と第3領域とを結合した画像に基づいて、生体試料の量を検出することで、生体試料量を検出する精度をさらに向上させることができるようになる。
また、取得した閾値に応じて、ラベル無対象領域204N(第2領域)の画像の色と、ラベル有対象領域204L(第3領域)の画像の色とを各々検出できるようになる。
[実施の形態3]
実施の形態1および実施の形態2では、図3(b)のようにラベル203とラベル203の隙間から生体試料管202の中の生体試料を撮像できることを前提としている。
実施の形態3が、実施の形態1と異なる点は、検体を回転させながら画像を撮像し、ラベル203とラベル203の隙間を検出する点である。これによって、撮像部201と生体試料管202に貼られたラベル203の向きとの関係がどのような状態であっても、図3(b)の状態の画像を取得できるようになる。以下、実施の形態3を実施の形態1と異なる点を主に図10〜図13を用いて説明する。
<検出装置構成>
図10は、実施の形態3における検出装置の構成例の概要を示す図である。図10に示されるように、検出装置は、撮像部201と、背景板404と、光源701a,bと、ドライバ702a,bと、画像処理エンジン400と、生体試料管ホルダ704と、コントローラ705と、入出力インタフェース706と、データバス707と、把持機構1001と、移動機構1002と、上下制御部1003と、回転機構1004と、回転制御部1005とから構成される。
把持機構1001は、生体試料管ホルダ704に設置された生体試料管202を把持する。
上下制御部1003は、移動機構1002を制御することで、把持機構1001を上下方向に移動させる。
ここで、生体試料管ホルダ704は搬送ラインにより搬送され、停止機構(不図示)等により停止される。そして、生体試料管ホルダ704に生体試料管202が設置された状態では、停止機構が生体試料管202に照射される光を遮るため、生体試料管202に一様に光を当てることが難しい。移動機構1002は、把持機構1001により把持された生体試料管202を、生体試料管202全体が撮像部201により撮像される位置まで移動させる。把持機構1001が、生体試料管202を上方に移動させることによって、生体試料管202全体に光が照射されるようになる。
回転制御部1005は、回転機構1004を制御することで、把持機構1001により把持された生体試料管202を、回転させる。
回転機構1004は、把持機構1001により把持された生体試料管202を、回転させることで、生体試料管202に貼付されたラベル203と撮像部201との位置関係を変化させる。回転機構1004が、生体試料管202に貼付されたラベル203と撮像部201との位置関係を変化させることで、撮像部201が、生体試料管202を一周撮像できるようになる。
入出力インタフェース706は検出された生体試料種別や生体試料量を表示する。また、入出力インタフェース706は、データの伝送、生体試料種別、生体試料量などに用いられるパラメータの入力を受け付ける。
<全体処理>
図11は、実施の形態3における全体処理の概要を示す図である。
まず、S1101にて、生体試料管202が、生体試料管ホルダ704に設置される。
次に、S1102にて、搬送ライン101は、生体試料管ホルダ704に設置された生体試料管202を把持機構1001の下方まで移動させる。
次に、S1103にて、把持機構1001は、生体試料管202を把持する。
次に、S1104にて、把持機構1001は、把持した生体試料管202を、生体試料管202全体が撮像部201により撮像される位置まで上方に移動させる。
次に、S1105にて、回転機構1004は、把持機構1001が把持する生体試料管202を回転させる。
次に、S1106にて、撮像部201は、図13(a)〜(f)に示されるように、回転機構1004により回転されている生体試料管202を複数回、撮像する。そして、撮像部201は、撮像した生体試料管202の各画像データを画像処理エンジン400に入力する。
ここで、図13(g)の横軸は、図13(a)から(f)に相当する生体試料管202の角度(向き)を示し、縦軸は、抽出した検出対象領域面積を示す。ラベルとラベルの隙間が撮像部側に向いた図13(d)の角度にて、検出対象領域面積は最大になる。
再び図11を参照する。次に、S1107にて、画像処理エンジン400は、画像選択処理(後述、図12)を実行することで、S1006にて入力された各画像データから、一つの画像を選択する。
次に、S1108にて、S1107にて選択された画像から、生体試料分離剤混合領域およびラベル領域が抽出される。そして、抽出されたラベル領域からラベル境界を検出し、生体試料分離剤混合領域に対するラベル境界の位置に基づき、生体試料種別の判別および生体試料量が検出される。そして、その結果が出力される。
<画像選択処理>
図12は、実施の形態3における画像選択処理の概要を示す図である。
まず、S1201にて、画像処理エンジン400は、画像の撮像された順番を示すnと検出対象領域最大面積Smaxと検出対象領域面積が最大の画像が撮像された順番を示すnmaxとを初期化する。
次に、S1202にて、画像処理エンジン400は、撮像部201によりn(初期化された後の値は1)番目に撮像された画像の表色系をRGB表色系からHSV表色系に変換する。
次に、S1203にて、検出対象領域抽出部401は、撮像部201によりn番目に撮像された画像の検出対象領域を抽出する。なお、検出対象領域を抽出するための閾値は固有の値であり、検出対象領域を高精度に抽出するものでなくとも良い。また、閾値は、生体試料管種類や生体試料種ごとに固定の値を設定するようにしてもよい。
次に、S1204にて、検出対象領域抽出部401は、S1203にて抽出した検出対象領域の検出対象領域面積Snを算出する。
次に、S1205にて、検出対象領域抽出部401は、S1204にて算出した検出対象領域面積Snが検出対象領域最大面積Smaxよりも大きいかを判定する。S1205にて、検出対象領域抽出部401が、検出対象領域面積Snが検出対象領域最大面積Smaxよりも大きくないと判定する場合(S1205−No)、S1207へ進む。一方、S1205にて、検出対象領域抽出部401が、検出対象領域面積Snが検出対象領域最大面積Smaxよりも大きいと判定する場合(S1205−Yes)、S1206へ進む。
次に、S1206にて、検出対象領域抽出部401は、Smaxの値をSnへ更新する。また、検出対象領域抽出部401は、nmaxの値をnへ更新する。
次に、S1207にて、検出対象領域抽出部401は、撮像部201にて画像が撮像された回数を示す撮像回数Nとnとの値が等しくないかを判定する。S1207にて、検出対象領域抽出部401が、撮像回数Nとnとの値が等しいと判定する場合(S1207−No)、S1209へ進む。一方、S1207にて、検出対象領域抽出部401が、撮像回数Nとnとの値が等しくないと判定する場合(S1207−Yes)、S1208へ進む。
次に、S1208にて、検出対象領域抽出部401は、nの値をインクリメントする。S1208の処理が実行された後、S1202へ戻る。
S1207にてNoだった場合、S1209にて、検出対象領域抽出部401は、nmax番目に撮像された画像を、検出対象領域面積が最大の画像として選択する。また、nmax番目に撮像された画像の検出対象領域面積は、検出対象領域最大面積Smaxとなる。そして、S1210へ進む。
次に、S1210にて、検出対象領域抽出部401は、検出対象領域とラベル領域がともに撮像部側に向いた画像として、第nmax−α(αは撮像回数に応じて定まる数値であり、例えば、α=撮像回数N/4などのように算出される。また、αは、生体試料管径などを考慮して決定されるようにしても良い。)番目または第nmax+α番目に取得した画像を選択する。つまり、図13(d)に示される、第nmax番目に取得した画像は、ラベルとラベルの隙間が最大で、検出対象領域面積が最大となるが、ラベル領域が画像内に含まれているとは限らない。一方、図13(c)や図13(e)などのように、図13(d)の1回以上前後に撮像された画像は、画像内に検出対象領域とラベル領域を両方とも含む。そのため、検出対象領域抽出部401は、検出対象領域面積が最大となる画像より1回以上前または後に撮像した画像を選択する。
なお、画像選択処理において、n番目に撮像された画像に対する処理を開始するタイミングは、n番目の画像を撮像し取得した直後が望ましい。n番目の画像を取得するたびに当画像の処理を行うことによって、ラベルとラベルの隙間が最大となる画像の探索結果をより早く出力できる。ただし、n番目に取得した画像の処理を開始するタイミングは、n番目の画像を撮像し取得した直後に限るものではなく、あらかじめ設定した撮像回数N回を撮像した後、画像選択処理の実行を開始するようにしても良い。
また、検出対象領域面積からラベルとラベルの隙間が最大となる画像を探索したが、これに限るものではない。例えば、ラベル領域の面積を用いて、ラベルとラベルの隙間が最大となる画像を選択してもよい。
<実施の形態3の効果>
以上のように、本実施の形態3によれば、撮像部201が、回転されている生体試料管202を複数回、撮像することで、実施の形態1と異なる効果として、撮像部201と生体試料管202に貼られたラベルの向きとの関係がどのような状態であっても、ラベルとラベルの隙間から生体試料管202の中の生体試料を撮像できるようになる。
[実施の形態4]
実施の形態4が実施の形態3と異なる点は、検出装置が、ライン撮像部(例えば、ラインセンサカメラ)を備える点である。これによって、1回の撮像によって、図3(b)と同等の画像を取得できるようになる。以下、実施の形態4を実施の形態3と異なる点を主に図14および図15を用いて説明する。
<全体処理>
図14は、実施の形態4における全体処理の概要を示す図である。
まず、S1401にて、生体試料管202が、生体試料管ホルダ704に設置される。
次に、S1402にて、搬送ライン101は、生体試料管ホルダ704に設置された生体試料管202を把持機構1001の下方まで移動させる。
次に、S1403にて、把持機構1001は、生体試料管202を把持する。
次に、S1404にて、把持機構1001は、把持した生体試料管202を、生体試料管202全体が撮像部201により撮像される位置まで上方に移動させる。
次に、S1405にて、回転機構1004は、把持機構1001が把持する生体試料管202を回転させる。
次に、S1406にて、ライン撮像部は、回転機構1004により回転されている生体試料管202の1周分の画像を撮像する。これによって、1回の撮像で、図15に示されるような、生態試料管202の全周の画像が撮像される。そして、ライン撮像部は、撮像した生体試料管202の画像データを画像処理エンジン400に入力する。
次に、S1407にて、画像処理エンジン400は、ライン撮像部により撮像された画像の表色系をRGB表色系からHSV表色系に変換する。
次に、S1408にて、S1407にて変換された後の画像から、生体試料分離剤混合領域およびラベル領域が抽出される。そして、抽出されたラベル領域からラベル境界を検出し、生体試料分離剤混合領域に対するラベル境界の位置に基づき、生体試料種別の判別および生体試料量が検出される。そして、その結果が出力される。
<実施の形態4の効果>
以上のように、本実施の形態4によれば、ライン撮像部を用いて検体1周分の画像を撮像することで、実施の形態3の効果に加えて、ラベルとラベルの隙間が最大となる画像を複数回の画像から探索する処理をなくすことができるため、処理時間を短縮できる。
[実施の形態5]
実施の形態5が実施の形態3と異なる点は、複数回取得した画像の中から、ラベル領域が撮像部側に向いた画像と検出対象領域204が撮像部側に向いた画像とを選択する点である。また、選択したラベル領域が撮像部側に向いた画像からラベル領域を抽出し、検出対象領域204が撮像部側に向いた画像から検出対象領域204を抽出する点である。以下、実施の形態5を実施の形態3と異なる点を主に図16〜図18を用いて説明する。
<全体処理>
図16は、実施の形態5における全体処理の概要を示す図である。
まず、S1601にて、生体試料管202が、生体試料管ホルダ704に設置される。
次に、S1602にて、搬送ライン101は、生体試料管ホルダ704に設置された生体試料管202を把持機構1001の下方まで移動させる。
次に、S1603にて、把持機構1001は、生体試料管202を把持する。
次に、S1604にて、把持機構1001は、把持した生体試料管202を、生体試料管202全体が撮像部201により撮像される位置まで上方に移動させる。
次に、S1605にて、回転機構1004は、把持機構1001が把持する生体試料管202を回転させる。
次に、S1606にて、撮像部201は、回転機構1004により回転されている生体試料管202を複数回、撮像する。そして、撮像部201は、撮像した生体試料管202の各画像データを画像処理エンジン400に入力する。
次に、S1607にて、画像処理エンジン400は、画像選択処理(後述、図17)を実行することによって、生体試料の領域を含む第1画像と、第1画像よりも生体試料管202の撮像面側に添付されたラベル203の領域が大きい第2画像とを選択する。
次に、S1608にて、S1607にて選択された検出対象領域が撮像部側を向いた画像(第1画像)から、生体試料分離剤混合領域が抽出される。また、S1607にて選択されたラベル領域が撮像部側を向いた画像(第2画像)、ラベル領域が抽出される。そして、抽出されたラベル領域からラベル境界を検出し、生体試料分離剤混合領域に対するラベル境界の位置に基づき、生体試料種別の判別および生体試料量が検出される。そして、その結果が出力される。
<画像選択処理>
図17は、実施の形態5における画像選択処理の概要を示す図である。
まず、S1701にて、画像処理エンジン400は、画像の撮像された順番を示すnと、検出対象領域最大面積Smaxと、検出対象領域面積が最大の画像が撮像された順番を示すnmaxと、ラベル領域最大面積Slmaxと、ラベル領域面積が最大の画像が撮像された順番を示すnlmaxとを初期化する。
次に、S1702にて、画像処理エンジン400は、撮像部201によりn(初期化された後の値は1)番目に撮像された画像の表色系をRGB表色系からHSV表色系に変換する。
次に、S1703にて、検出対象領域抽出部401は、図18(a)〜(f)に示されるように、撮像部201によりn番目に撮像された画像から検出対象領域を抽出する。
次に、S1704にて、検出対象領域抽出部401は、S1703にて抽出した検出対象領域の検出対象領域面積Snを算出する。
次に、S1705にて、検出対象領域抽出部401は、S1704にて算出した検出対象領域面積Snが検出対象領域最大面積Smaxよりも大きいかを判定する。S1705にて、検出対象領域抽出部401が、検出対象領域面積Snが検出対象領域最大面積Smaxよりも大きくないと判定する場合(S1705−No)、S1707へ進む。一方、S1705にて、検出対象領域抽出部401が、検出対象領域面積Snが検出対象領域最大面積Smaxよりも大きいと判定する場合(S1705−Yes)、S1706へ進む。
次に、S1706にて、検出対象領域抽出部401は、Smaxの値をSnへ更新する。また、検出対象領域抽出部401は、nmaxの値をnへ更新する。
次に、S1707にて、ラベル抽出部402は、図18(a)〜(f)に示されるように、撮像部201によりn番目に撮像された画像からラベル領域を抽出する。なお、ラベル領域を抽出するための閾値は固有の値であり、ラベル領域を高精度に抽出するものでなくとも良い。また、閾値は、生体試料管種類や生体試料種ごとに固定の値を設定するようにしてもよい。
次に、S1708にて、ラベル抽出部402は、S1707にて抽出したラベル領域のラベル領域面積Slnを算出する。
次に、S1709にて、ラベル抽出部402は、S1708にて算出したラベル領域面積Slnがラベル領域最大面積Slmaxよりも大きいかを判定する。S1709にて、ラベル抽出部402が、ラベル領域面積Slnがラベル領域最大面積Slmaxよりも大きくないと判定する場合(S1709−No)、S1711へ進む。一方、S1709にて、ラベル抽出部402が、ラベル領域面積Slnがラベル領域最大面積Slmaxよりも大きいと判定する場合(S1709−Yes)、S1710へ進む。
次に、S1710にて、ラベル抽出部402は、Slmaxの値をSlnへ更新する。また、ラベル抽出部402は、nlmaxの値をnへ更新する。
次に、S1711にて、画像処理エンジン400は、撮像部201にて画像が撮像された回数を示す撮像回数Nとnとの値が等しくないかを判定する。S1711にて、画像処理エンジン400が、撮像回数Nとnとの値が等しいと判定する場合(S1711−No)、S1713へ進む。一方、S1711にて、検出対象領域抽出部401が、撮像回数Nとnとの値が等しくないと判定する場合(S1711−Yes)、S1712へ進む。
次に、S1712にて、画像処理エンジン400は、nの値をインクリメントする。S1712の処理が実行された後、S1702へ戻る。
S1711にてNoだった場合、S1713にて、検出対象領域抽出部401は、nmax番目に撮像された画像を、生体試料の領域を含む検出対象領域面積が最大の画像(第1画像)として選択する。また、nmax番目に撮像された画像の検出対象領域面積は、検出対象領域最大面積Smaxとなる。
次に、S1714にて、ラベル抽出部402は、nlmax番目に撮像された画像を、第1画像よりも生体試料管202の撮像面側に貼付されたラベル203の領域が大きい、ラベル領域面積が最大の画像(第2画像)として選択する。また、nlmax番目に撮像された画像のラベル領域面積は、ラベル領域最大面積Slmaxとなる。
以下、図18を用いて、検出対象領域面積が最大となる画像の例と、ラベル領域面積が最大となる画像の例を説明する。図18は、回転させながら撮像部201で取得された各画像の検出対象領域の面積とラベル領域の面積の推移を示す。図18(g)、(h)の横軸は、図18(a)から(f)に相当する生体試料管202の角度、図18(g)の縦軸は抽出した検出対象領域面積、図18(h)の縦軸は抽出したラベル領域面積を示す。検出対象領域面積が最大となるとき、検出対象領域が撮像部側に向いた図18(d)のようになる。また、ラベル領域面積が最大となるとき、ラベル領域が撮像部側に向いた図18(a)のようになる。
<実施の形態5の効果>
以上のように、本実施の形態5によれば、生体試料の領域を含む第1画像から検出対象領域204を抽出し、第1画像よりも生体試料管202の撮像面側に貼付されたラベル203の領域が大きい第2画像からラベル203を抽出することで、実施の形態1と異なる効果として、検出対象領域204の抽出精度を向上させることができるようになる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。