JP6444328B2 - 移動体端末試験装置および試験方法 - Google Patents

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本発明は、携帯電話やスマートフォン等の移動体端末との間で基地局と同様の通信を行い、移動体端末の試験を行なう移動体端末試験装置において、移動体端末に対してケーブル接続環境で、アンテナ接続環境におけるアップリンク信号に含まれる高調波や相互変調波等の移動体端末の受信に影響を与える不要信号がダウンリンク信号に回り込んだ状況を再現させるための技術に関する。
移動体端末の試験を行なう場合、実際の使用環境と同様に試験装置と移動体端末とが互いのアンテナを介して通信を行なうアンテナ接続環境と、試験装置の信号端子と移動体端末のアンテナ接続端子の間をケーブル接続して通信を行なうケーブル接続環境とがある。
図6は、異なる周波数帯でそれぞれ送受信を行なうキャリアアグリゲーション(CA)方式に対応した移動体端末1をアンテナ接続環境で試験する場合のシステム例を示すものであり、移動体端末1の一つのアンテナ接続端子(送受兼用とする)1aには第1周波数帯用のアンテナ2aが接続され、別のアンテナ接続端子(送受兼用とする)1bには第2周波数帯用のアンテナ2bが接続され、これを試験する試験装置10側にも、信号端子10aに第1周波数帯送信用のアンテナ12aが接続され、信号端子10bに第2周波数帯送信用のアンテナ12bが接続され、信号端子10cに第1周波数帯受信用のアンテナ12cが接続され、信号端子10dに第2周波数帯受信用のアンテナ12dが接続されている。
そして、試験装置10は、送受信部11で生成した第1周波数帯のダウンリンク信号DL1を、アンテナ12aを介して放射し、第2周波数帯のダウンリンク信号DL2を、アンテナ12bを介して放射する。
移動体端末1は、ダウンリンク信号DL1、DL2をアンテナ2a、2bで受信し、ダウンリンク信号DL1に応答する第1周波数帯のアップリンク信号UL1を、アンテナ2aを介して放射するとともに、ダウンリンク信号DL2に応答する第2周波数帯のアップリンク信号UL2を、アンテナ2bを介して放射する。
試験装置10の送受信部11は、移動体端末1のアンテナ2a、2bから出力されたアップリンク信号UL1、UL2を、アンテナ12b、12cを介して受信し、周波数変換処理および復調処理などを行なう。試験装置10は、この復調結果に基づき、移動体端末1の動作を調べる。
上記したアンテナ接続環境の場合、外来信号の影響を排除するために、試験装置10のアンテナ12a〜12dと移動体端末1(アンテナ2a、2bを含む)とを、外部に対して電磁的にシールドされ、且つ内部での不要な反射が無い空間(電波暗箱)に設置する必要があり、システムが大掛かりとなる。また、試験環境内での信号減衰の程度等を定量的に正しく把握することが困難で、正確な測定が行なえないという問題がある。
これに対し、試験装置と移動体端末とをケーブルで接続して通信を行なうケーブル接続環境では、外来信号や空間反射の影響を受けず、信号減衰の程度もケーブルの減衰量等から正確に把握でき、正確な測定が可能である。
上記移動体端末1の試験をケーブル接続環境で行なう場合、図7に示す試験装置10′のように、送受信部11と信号端子10a、10bの間にアンテナ接続模擬部13を設ける。
アンテナ接続模擬部13は、送受信部11から出力されたダウンリンク信号DL1、DL2をそれぞれ分配器14、15でそれぞれ2つの信号(DL1a,DL1b)、(DL2a,DL2b)に分け、その分けた信号の一つずつの組合せを合成器16、17で加算合成して、アンテナ接続環境において移動体端末1の一方のアンテナ2aで受信される受信信号と同等の合成信号DLA(=DL1a+DL2b)と、他方のアンテナ2bで受信される受信信号と同等の合成信号DLB(=DL1b+DL2a)を生成する。
そして、この合成信号DLA、DLBを、それぞれサーキュレータ18、19、信号端子10a、10bおよびケーブルCa、Cbを介して移動体端末1のアンテナ接続端子1a、1bに入力させ、移動体端末1のアンテナ接続端子1a、1bから出力されるアップリンク信号UL1、UL2を、サーキュレータ18、19を介して送受信部11に入力させ、受信復調させる。
このように構成された試験装置10′であれば、基地局と移動体端末との間で行なわれる通信をアンテナ接続環境と同等の条件で試験することが可能である。
ところが、移動体端末1のアンテナ2a、2bは極めて近い位置にあるので、その一方のアンテナから放射されたアップリンク信号が他方のアンテナを介して端末内に回り込む現象が発生する。
ここで、図8の(a)のように、周波数帯B1のアップリンク信号UL1(基本波成分UL1r)に含まれる高調波成分UL1hがアンテナ間結合によって回り込み、その回り込み成分UL1h′が、図8の(b)のように、周波数帯B2のダウンリンク信号DL2に重なる、あるいは近接する場合がある。ここで、受信試験におけるダウンリンク信号DL2のレベルは、アップリンク信号に比べて格段に低く、その高調波の回り込み成分のレベルも十分高いため、その回り込み成分によりダウンリンク信号の受信品質が低下する恐れがある。
このような受信品質の低下は試験環境によるものではなく、移動体端末自体のアンテナ間結合によるものであるので、移動体端末の動作を評価する一つの項目となる。
しかし、上記構成の試験装置10′では、移動体端末1の複数のアンテナ間の結合による信号回り込みの状況を再現することができないという問題がある。
携帯電話等の通信機器における規格を定めている3GPP規格には、このような移動体端末のアンテナ間結合に関する測定システムについて規定されていないが、適用可能な技術として、非特許文献1の3GPP TS 36.508 V12.8.0の490ページには、移動体端末へのダウンリンク信号に、信号発生器で生成した妨害波(変調波や搬送波)を加算して、移動体端末に与える構成が示されている。
3GPP TS 36.508 V12.8.0 p490
上記非特許文献1の技術を用い、移動体端末が出力するアップリンク信号に含まれる高調波や相互変調波等の移動体端末と基地局との間の通信を妨害する信号を模擬した信号を信号発生器で生成して、ダウンリンク信号に加えて移動体端末に与える構成が考えられる。
しかしながら、このような構成では、移動体端末自身が出力したアップリンク信号と全く相関のない信号を用いることになり、移動体端末自身が実際に出力したアップリンク信号による影響を正しく把握することが困難である。
本発明は、この課題を解決し、基地局との間で複数のアンテナを用いて信号の授受を行なう方式に対応した移動体端末のアンテナ間の結合による動作への影響を、ケーブル接続環境で正確に把握できる移動体端末試験装置および試験方法を提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本発明の請求項1の移動体端末試験装置は、
アンテナを接続するための複数のアンテナ接続端子(1a〜1d)を有し、該複数のアンテナ接続端子に接続された複数のアンテナを用いて基地局との間で無線通信を行なう移動体端末(1)の動作試験を、前記複数のアンテナ接続端子に信号送受信用のケーブルを接続した状態で行なう移動体端末試験装置において、
前記移動体端末の試験に必要なダウンリンク信号を生成出力するとともに、前記移動体端末の前記アンテナ接続端子から出力されるアップリンク信号を受信する送受信部(21)と、
前記送受信部と前記移動体端末との間が仮想的にアンテナを介して接続された状態となるように、前記送受信部が生成したダウンリンク信号を前記移動体端末の前記アンテナ接続端子に入力させ、該移動体端末の前記アンテナ接続端子から出力されるアップリンク信号を前記送受信部に入力させるアンテナ接続模擬部(22)と、
前記移動体端末の特定のアンテナ接続端子から出力されて前記送受信部に入力されるアップリンク信号から、前記無線通信に不要な信号であるアップリンク不要信号を抽出するアップリンク不要信号抽出部(40)と、
前記アップリンク不要信号抽出部で抽出されたアップリンク不要信号を、前記特定のアンテナ接続端子以外のアンテナ接続端子に与えるダウンリンク信号に加算合成する信号加算部(27〜30)とを備えたことを特徴とする。
また、本発明の請求項2の移動体端末試験装置は、請求項1記載の移動体端末試験装置において、
前記ダウンリンク信号に加算する前記アップリンク不要信号のレベルを可変するレベル可変手段(45)を設けたことを特徴とする。
また、本発明の請求項3の移動体端末試験装置は、請求項1または請求項2記載の移動体端末試験装置において、
前記アップリンク不要信号抽出部は、
前記アップリンク信号から、前記無線通信に不要な信号で、且つ、前記ダウンリンク信号が出力されるダウンリンク周波数帯に入る信号を前記アップリンク不要信号として抽出するように構成されていることを特徴とする。
また、本発明の請求項4の移動体端末試験方法は、
アンテナを接続するための複数のアンテナ接続端子(1a〜1d)を有し、該複数のアンテナ接続端子に接続された複数のアンテナを用いて基地局との間で無線通信を行なう移動体端末(1)の動作試験を、前記複数のアンテナ接続端子に信号送受信用のケーブルを接続した状態で行なう移動体端末試験方法において、
前記移動体端末の特定のアンテナ接続端子から出力されたアップリンク信号を受信する段階と、
前記アップリンク信号から前記無線通信に不要な信号であるアップリンク不要信号を抽出する段階と、
前記抽出されたアップリンク不要信号を、前記複数のアンテナ接続端子のうち前記特定のアンテナ接続端子以外のアンテナ接続端子に与えるダウンリンク信号に加算合成する段階とを含むことを特徴とする。
また、本発明の請求項5の移動体端末試験方法は、請求項4の移動体端末試験方法において、
前記アップリンク不要信号を抽出する段階は、
前記アップリンク信号から、前記無線通信に不要な信号で、且つ、前記ダウンリンク信号が出力されるダウンリンク周波数帯に入る信号を前記アップリンク不要信号として抽出することを特徴とする。
このように、本願発明では、移動体端末の特定のアンテナ接続端子から出力されたアップリンク信号から、前記無線通信に不要な信号であるアップリンク不要信号を抽出し、これを移動体端末の特定のアンテナ接続端子以外のアンテナ接続端子に与えるダウンリンク信号に加算合成している。
このため、特定のアンテナ接続端子から出力されたアップリンク信号に含まれる無線通信に不要な信号であるアップリンク不要信号を移動体端末の別のアンテナ接続端子に与えることができ、ケーブル接続環境において、移動体端末のアンテナ結合時の状態を再現して精度の高い試験を行なうことができる。
また、ダウンリンク信号に加算するアップリンク不要信号のレベルを可変するレベル可変手段を設けているので、そのレベル可変によりアンテナ間の結合度の違いを模擬することができ、それによる移動体端末の動作の変化を容易に把握できる。
本発明の実施形態の構成図 本発明の実施形態の要部の構成図 本発明の実施形態の要部の構成図 本発明の別の実施形態の構成図 本発明の別の実施形態の構成図 アンテナ接続環境の試験システムを示す図 ケーブル接続環境の試験システムを示す図 移動体端末のアンテナ間結合の影響を説明するための図
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明を適用した移動体端末試験装置(以下、単に試験装置と記す)20の構成を示している。
この試験装置20は、基地局との間で2つの異なる周波数帯B1、B2を用いて送受信を行なうCA(キャリアアグリゲーション)等の通信方式に対応した移動体端末1を試験対象とするものであり、最も簡易な構成例として、移動体端末1には、周波数帯B1の信号を送受信するアンテナを接続するためのアンテナ接続端子1aと周波数帯B2の信号を送受信するアンテナを接続するためのアンテナ接続端子1bが設けられているものとする。
また、周波数帯B1は、例えばFDD方式の運用バンド3として割り当てられている1710〜1785MHz(アップリンク)、1805〜1880MHz(ダウンリンク)であり、周波数帯B2は、TDD方式の運用バンド42として割り当てられている3400〜3600(アップリンク、ダウンリンク共通)等であるが、その組合せは任意である。また、ここでは、二つの周波数帯について送受信兼用の2種類のアンテナ用いる移動体端末1を試験対象としているが、一つの周波数帯のみを使用し、送受信兼用、受信専用、送信専用等を含めて複数のアンテナを用いる方式であってもよい。
この移動体端末1を試験する試験装置20には、移動体端末1の試験に必要な二つの異なる周波数帯B1、B2のダウンリンク信号DL1、DL2を生成出力するとともに、移動体端末1の二つのアンテナ接続端子1a、1bから出力されるアップリンク信号ULl、UL2を受けて受信復調する送受信部21と、送受信部21から出力されるダウンリンク信号DL1、DL2を移動体端末1の2つのアンテナ接続端子1a、1bに与えるとともに、移動体端末1の2つのアンテナ接続端子1a、1bから出力されるアップリンク信号ULl、UL2を送受信部21に入力させることで、アンテナ接続環境と同等の状態を模擬するアンテナ接続模擬部22とを有している。
このアンテナ接続模擬部22は、ダウンリンク信号DL1、DL2を分配器23、24によりそれぞれ移動体端末1のアンテナ接続端子数(この場合2)に分け、その分けたダウンリンク信号(DL1a,DL1b)、(DL2a,DL2b)から一つずつ選んで組合せたダウンリンク信号の組(DL1a,DL2b)、(DL1b,DL2a)を合成器27、28により加算し、アンテナ接続環境において移動体端末1の各アンテナ2a、2bが受信する信号を生成する。
なお、これらの合成器27、28は、上記のダウンリンク信号合成機能の他に、後述するアップリンク不要信号UL1p、UL2pを、ダウンリンク信号に加算合成する本発明の信号合成部を兼ねている。
合成器27、28から出力される合成信号DLA、DLBは、サーキュレータ31、32、信号端子20a、20bおよびケーブルCa、Cbを介して移動体端末1のアンテナ接続端子1a、1bにそれぞれ入力される。
一方、移動体端末1のアンテナ接続端子1a、1bから出力されるアップリンク信号UL1、UL2は、ケーブルCa、Cb、信号端子20a、20bおよびサーキュレータ29、30を介して、送受信部21に入力される。
送受信部21によるダウンリンク信号の出力およびアップリンク信号の受信復調は、制御部35によって制御される。制御部35は、操作部36の操作により予め指定された各種パラメータや試験項目にしたがって送受信部21を制御し、試験対象の移動体端末1との間のリンク確立処理(呼接続処理)を行い、各種試験を実行させ、その試験結果等を表示部37に表示させる。
なお、上記分配器23、24、合成器27、28、サーキュレータ31、32、ケーブルCa、Cb、後述のアップリンク不要信号抽出部40等の損失は既知とし、制御部35は、これら既知の損失を考慮して、ダウンリンク信号の出力レベル、アップリンク不要信号等、試験に必要な信号のレベル管理を行なうものとする。
この試験装置20には、移動体端末1のアンテナ間の結合によるアップリンク信号の回り込みを再現するために、アップリンク不要信号抽出部40が設けられている。
アップリンク不要信号抽出部40は、移動体端末1の複数のアンテナ接続端子1a、1bのうち、アップリンク信号を出力する特定(この場合、両方)のアンテナ接続端子1a、1bから出力されて送受信部21に入力されるアップリンク信号UL1、UL2に含まれる高調波や相互変調波等の移動体端末と基地局との通信には不要な信号であるアップリンク不要信号UL1p、UL2pを抽出する。
このアップリンク不要信号抽出部40は、基本的には、図2に示しているように、アップリンク信号UL1、UL2から無線通信に必要な基本波成分を除去して不要波成分のみを出力するフィルタ41、42と、増幅器43、44とで構成されている。
ここで、フィルタ41、42の最も単純な構成例としては、アップリンク信号の基本波のみを除去しその他の周波数成分を通過させるバンドリジェクションフィルタ(BRF)が使用できる。また、アップリンク信号の基本波より高い周波数成分がダウンリンク信号の受信に影響を与えることがわかっている場合には、アップリンク信号の基本波より高い周波数成分のみを通過させるハイパスフィルタ(HPF)が使用でき、逆に、アップリンク信号の基本波より低い周波数成分がダウンリンク信号の受信に影響を与えることがわかっている場合には、アップリンク信号の基本波より低い周波数成分のみを通過させるローパスフィルタ(LPF)が使用できる。
上記構成例は、アップリンク信号の基本波成分を除いた広い周波数帯域に存在するアップリンク不要信号を抽出しているが、受信に大きな影響を与えることが予想されるのは、ダウンリンク信号と重なる、あるいは、それに近い信号成分であり、これはダウンリンク信号が出力されるダウンリンク周波数帯に入る不要信号成分であるといえる。
したがって、上記フィルタ41、42として、アップリンク信号から、無線通信に不要な信号で、且つ、ダウンリンク周波数帯に入る信号成分のみをアップリンク不要信号として選択的に抽出するものを用いれば効果的である。ダウンリンク周波数帯が固定であれば、その周波数帯の信号成分のみを通過させる周波数固定型のバンドパスフィルタを用いればよい。
ただし、試験条件によって、アップリンクやダウンリンクで用いる周波数帯が変わる場合がある。それに対応するためには、周波数可変型のフィルタを用いればよい。
図3にその一例を示す。このフィルタ41、42は、第1の周波数変換器41a、42a、バンドパスフィルタ(BPF)41b、42b、第2の周波数変換器41c、42cによって構成されている。
第1の周波数変換器41a、42aは、入力されるアップリンク信号UL1、UL2に含まれる不要信号成分のうち、ダウンリンク周波数帯に入る不要信号成分が、バンドパスフィルタ41b、42bの通過帯域内に収まるような周波数のローカル信号を用いて周波数変換処理を行なう。
第2の周波数変換器41c、42cは、バンドパスフィルタ41b、42bを通過した信号を、第1の周波数変換器41a、42aによる周波数変換前の元の周波数、即ち、ダウンリンク周波数帯に入る周波数に戻すような周波数のローカル信号を用いて周波数変換処理を行なう。
これによって、アップリンク信号UL1、UL2に含まれる不要信号成分のうち、ダウンリンク周波数帯に入る不要信号成分だけを抽出することができる。アップリンクやダウンリンクの周波数帯が変更される場合、それに応じて第1の周波数変換器41a、42aのローカル信号の周波数および第2の周波数変換器41c、42cのローカル信号の周波数を変更すればよい。
アップリンク信号UL1、UL2から抽出されたアップリンク不要信号は、増幅器43、44によって所定レベル(移動体端末1のアップリンク信号に含まれる不要信号の出力レベルに近いレベル)に増幅される。
これらの処理により、アップリンク信号UL1、UL2に含まれる高調波や相互変調波等のような移動体端末と基地局との間の通信には不要で、且つ、移動体端末の受信バンド(ダウンリンク周波数帯)に入るアップリンク不要信号UL1p、UL2pが抽出されることになる。このアップリンク不要信号抽出処理に必要な周波数情報や後述するレベル可変部45のレベル設定情報は、制御部35によって設定されるものとする。
抽出されたアップリンク不要信号UL1p、UL2pは、レベル可変部45に入力され、そのレベルが、例えば移動体端末1のアンテナ間の結合度(例えば−10dB)に対応したレベルに設定されたアップリンク不要信号UL1p′、UL2p′が出力される。
ここでは移動体端末1の二つのアンテナ接続端子からアップリンク信号が出力され、その他のアンテナ接続端子が無い場合を想定しているので、一方のアンテナ接続端子から出力されたアップリンク信号から抽出したアップリンク不要信号を他方のアンテナ接続端子に与え、他方のアンテナ接続端子から出力されたアップリンク信号から抽出したアップリンク不要信号を一方のアンテナ接続端子に与えればよいので、アップリンク不要信号はそれぞれ一系列のみあればよい。また、アップリンク信号を出力しない別のアンテナ接続端子がある場合には、分配器を用いて各アップリンク不要信号を複数系統に分岐して、ダウンリンク信号と加算合成する必要がある。
レベル設定された一方のアップリンク不要信号UL1p′は、アップリンク信号UL1を出力するアンテナ接続端子1a以外のアンテナ接続端子1bにダウンリンク信号を与える合成器28に入力され、他方のアップリンク不要信号UL2p′は、アップリンク信号UL2を出力するアンテナ接続端子1b以外のアンテナ接続端子1aにダウンリンク信号を与える合成器27に入力される。
この構成により、アンテナ接続端子1aから出力された第1周波数帯B1のアップリンク信号ULlに含まれる高調波や相互変調波等の通信に不要な信号と同等でそのレベルが管理されたアップリンク不要信号UL1p′が、他のアンテナ接続端子1bに入力されるダウンリンク信号に加算合成されて入力され、アンテナ接続端子1bから出力された第2周波数帯B2のアップリンク信号UL2に含まれる高調波や相互変調波等の通信に不要な信号と同等でそのレベルが管理されたアップリンク不要信号UL2p′が、他のアンテナ接続端子1aに入力されるダウンリンク信号に加算合成されて入力されることになる。
このため、アンテナ接続環境において、移動体端末1が一つのアンテナから出力するアップリンク信号に含まれる高調波や相互変調波等の通信に不要な信号が、端末自体のアンテナ間結合により他のアンテナを介して端末内に回り込む現象を精度良く再現することができ、その回り込みの影響によるダウンリンク信号の受信品質の低下を正確に把握できる。
上記した移動体端末1の複数のアンテナ間結合による受信品質への影響は、移動体端末1が通信に用いる周波数帯によって種々変化するが、上記構成の試験装置20であれば、アンテナ接続環境での移動体端末1の複数のアンテナ間の結合による影響を正確に把握できる。
なお、移動体端末1のアンテナ間結合の程度は経験的に−10dB程度と予想されるので、上記のように、各アンテナ接続端子に与えるアップリンク不要信号のレベルを、元のアップリンク信号に含まれる不要信号のレベルに対して、10dB程度低く設定した状態で、移動体端末1の受信感度試験などを行い、規定の受信感度が得られるか否かを判定することで、移動体端末1のアンテナ間結合による動作を評価できる。
上記試験装置20は、異なる二つの周波数帯を用い、一方の周波数帯についての一系列のダウンリンク信号DL1と他方の周波数帯についての一系列のダウンリンク信号DL2とを合波して、アンテナ接続環境において、移動体端末1の2つの送受兼用のアンテナが接続されるアンテナ接続端子1a、1bに入力される信号を模擬的に生成し、これに、アップリンク不要信号を加算合成していたが、本発明はこれに限定されるものではなく、ダウンリンク信号の系列数や、移動体端末のアンテナ接続端子の数に応じて変形可能である。
図4は、移動体端末1が、送受信兼用のアンテナ接続端子1a、1bの他に、二つの周波数帯B1,B2用の受信専用のアンテナ接続端子1c、1dを有している場合の試験装置20の構成例を示している。
この場合、移動体端末1のアンテナ接続端子の数に合わせて、分配器23、24の分岐数を4に増やし、4つの合成器27〜30を設けるとともに、アップリンク不要信号UL1p′、UL2p′を分配器46、47によってそれぞれ3分岐する。
そして、合成器27において、ダウンリンク信号DL1、DL2から分岐された信号DL1a、DL2aと、アップリンク不要信号UL2p′から分岐された信号UL2pcとを加算合成し、その合成信号DLAを、サーキュレータ31、信号端子20a、ケーブルCaを介して移動体端末1のアンテナ接続端子1aに入力させる。
また、合成器28において、ダウンリンク信号DL1、DL2から分岐された信号DL1b、DL2bと、アップリンク不要信号UL1p′から分岐された信号UL1pcとを加算合成し、その合成信号DLBを、サーキュレータ32、信号端子20b、ケーブルCbを介して移動体端末1のアンテナ接続端子1bに入力させる。
また、合成器29において、ダウンリンク信号DL1、DL2から分岐された信号DL1c、DL2cと、アップリンク不要信号UL1p′、UL2p′から分岐された信号UL1pa、UL2paとを加算合成し、その合成信号DLCを、信号端子20c、ケーブルCcを介して移動体端末1のアンテナ接続端子1cに入力させる。
また、合成器30において、ダウンリンク信号DL1、DL2から分岐された信号DL1d、DL2dと、アップリンク不要信号UL1p′、UL2p′から分岐された信号UL1pb、UL2pbとを加算合成し、その合成信号DLDを、信号端子20d、ケーブルCdを介して移動体端末1のアンテナ接続端子1dに入力させる。
この構成の場合、移動体端末1のアンテナ接続端子1aから出力されるアップリンク信号UL1に含まれる相互変調波がそれと同一周波数帯の受信専用のアンテナ接続端子1cへ回り込んだ時の影響が大きく、また、アンテナ接続端子1bから出力されるアップリンク信号UL2に含まれる相互変調波がそれと同一周波数帯の受信専用のアンテナ接続端子1dへ回り込んだ時の影響が大きく現れるものと予想されるが、本実施形態の試験装置20であれば、その影響による受信品質の低下を把握することができる。
図5は、ダウンリンク信号の系列数を増やした構成例を示している。この構成例は、一つの周波数帯について二つのダウンリンク信号を用いる方式(例えばMIMO方式)に適用できるものであり、送受信部21から第1周波数帯の二つのダウンリンク信号DL1、DL1′を出力し、第2の周波数帯の二つのダウンリンク信号DL2、DL2′を出力させる。
これら4系統のダウンリンク信号は、分配器23〜26によりそれぞれ4分岐され、その4種類の分岐出力を一つずつ組合せたものと、前記分配器46、47によって分岐されたアップリンク不要信号とが、4つの合成器27〜30で合成される。
この場合、図4で示した試験装置20が4つの信号端子20a〜20dから出力する信号DLA〜DLDに、ダウンリンク信号DL1′、DL2′の分岐成分が含まれる点が異なるが、それらの信号にアップリンク不要信号が含まれているので、CAとMIMO方式を併用した移動体端末1のアンテナ間結合による受信品質への影響を正確に把握することができる。
なお、ダウンリンク信号の系列数がさらに多くなった場合には、それに応じて分配器を増加すればよく、また移動体端末のアンテナ接続端子が多くなった場合には、それに応じて合成器の数を増加させればよい。
また、ここでは、比較的離間した異なる周波数帯(運用バンド)を用いて効率的に通信を行なうために複数のアンテナを用いる方式の移動体端末を試験する場合について説明したが、同一周波数帯を用いたMIMO方式や近接する複数の周波数帯を用いた方式の移動体端末を試験する装置についても本発明を適用できる。
この場合、ダウンリンク信号やアップリンク信号は複数系統あっても実際に電波で放射する無線周波数帯が同じか近いので、その無線周波数よりそれぞれ一定値低い周波数帯でダウンリンク信号およびアップリンク不要信号の抽出、分配、合成をデジタル処理によって行ない、それによって得られた合成信号をアナログ信号に変換し、無線周波数へ一括的に周波数変換処理を行なって各信号端子から出力することも可能である。その場合、アンテナ接続模擬部22、アップリンク不要信号抽出部40をデジタル処理方式とし、送受信部21には、デジタル信号のダウンリンク信号の生成処理およびアップリンク信号復調処理を行なう機能と、アンテナ接続模擬部22と信号端子20a〜20dの間で、D/A変換、A/D変換、周波数変換等の処理を行なう機能をもたせればよい。
1……移動体端末、1a〜1d……アンテナ接続端子、20……移動体端末試験装置、21……送受信部、22……アンテナ接続模擬部、23〜26……分配器、27〜30……合成器、31、32……サーキュレータ、35……制御部、36……操作部、37……表示部、40……アップリンク不要信号抽出部、41、42……フィルタ、43、44……増幅器、45……レベル可変部、46、47……分配器

Claims (5)

  1. アンテナを接続するための複数のアンテナ接続端子(1a〜1d)を有し、該複数のアンテナ接続端子に接続された複数のアンテナを用いて基地局との間で無線通信を行なう移動体端末(1)の動作試験を、前記複数のアンテナ接続端子に信号送受信用のケーブルを接続した状態で行なう移動体端末試験装置において、
    前記移動体端末の試験に必要なダウンリンク信号を生成出力するとともに、前記移動体端末の前記アンテナ接続端子から出力されるアップリンク信号を受信する送受信部(21)と、
    前記送受信部と前記移動体端末との間が仮想的にアンテナを介して接続された状態となるように、前記送受信部が生成したダウンリンク信号を前記移動体端末の前記アンテナ接続端子に入力させ、該移動体端末の前記アンテナ接続端子から出力されるアップリンク信号を前記送受信部に入力させるアンテナ接続模擬部(22)と、
    前記移動体端末の特定のアンテナ接続端子から出力されて前記送受信部に入力されるアップリンク信号から、前記無線通信に不要な信号であるアップリンク不要信号を抽出するアップリンク不要信号抽出部(40)と、
    前記アップリンク不要信号抽出部で抽出されたアップリンク不要信号を、前記特定のアンテナ接続端子以外のアンテナ接続端子に与えるダウンリンク信号に加算合成する信号加算部(27〜30)とを備えたことを特徴とする移動体端末試験装置。
  2. 前記ダウンリンク信号に加算する前記アップリンク不要信号のレベルを可変するレベル可変手段(45)を設けたことを特徴とする請求項1記載の移動体端末試験装置。
  3. 前記アップリンク不要信号抽出部は、
    前記アップリンク信号から、前記無線通信に不要な信号で、且つ、前記ダウンリンク信号が出力されるダウンリンク周波数帯に入る信号を前記アップリンク不要信号として抽出するように構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の移動体端末試験装置。
  4. アンテナを接続するための複数のアンテナ接続端子(1a〜1d)を有し、該複数のアンテナ接続端子に接続された複数のアンテナを用いて基地局との間で無線通信を行なう移動体端末(1)の動作試験を、前記複数のアンテナ接続端子に信号送受信用のケーブルを接続した状態で行なう移動体端末試験方法において、
    前記移動体端末の特定のアンテナ接続端子から出力されたアップリンク信号を受信する段階と、
    前記アップリンク信号から前記無線通信に不要な信号であるアップリンク不要信号を抽出する段階と、
    前記抽出されたアップリンク不要信号を、前記複数のアンテナ接続端子のうち前記特定のアンテナ接続端子以外のアンテナ接続端子に与えるダウンリンク信号に加算合成する段階とを含むことを特徴とする移動体端末試験方法。
  5. 前記アップリンク不要信号を抽出する段階は、
    前記アップリンク信号から、前記無線通信に不要な信号で、且つ、前記ダウンリンク信号が出力されるダウンリンク周波数帯に入る信号を前記アップリンク不要信号として抽出することを特徴とする請求項4の移動体端末試験方法。
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