JP6440157B2 - 会話評価装置、会話評価システム、及び、会話評価方法 - Google Patents

会話評価装置、会話評価システム、及び、会話評価方法 Download PDF

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本発明は、コミュニケーション状態を評価する会話評価装置、会話評価システム、及び、会話評価方法に関する。
従来、人体に装着しないセンサを用いて、人体の心身状態を検出する技術が知られている。例えば、被計測者の心身状態を、被計測者に意識させることなく予測又は判断することを目的とした心身状態判定システムが開示されている(特許文献1参照)。
特許文献1に記載の心身状態判定システムは、データ処理手段、及び、評価手段を備えている。上記データ処理手段は、被計測者の荷重値又は重心位置の時系列信号からリアプノフ指数等の心身状態指数を算出する。上記評価手段は、算出された心身状態指数と、心身状態に対応した既知の心身状態指数の時間的傾向及び数値を格納しているデータベース内の心身状態指数とを比較し、被計測者の心身状態を予測又は判断する。
特許文献1に記載の心身状態判定システムによれば、被計測者に負担を掛けることなく無意識のうちに、且つ主観的判断によらず、被計測者の心身状態を予測又は判断することができると記載されている。
国際公開2004−082479号公報
しかしながら、特許文献1に記載の心身状態判定システム等の従来の技術は、個人の心身状態を予測又は判断するに止まり、複数の人間によるコミュニケーションの状態を評価する技術は知られていない。一方、会議、打ち合わせ等は、企業等において頻繁に行われており、その生産性の向上が重要である。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、複数の会話者の間におけるコミュニケーション状態を評価することの可能な会話評価装置、会話評価システム、及び、会話評価方法を提供することを目的としている。
本発明の第1の会話評価装置は、2個以上の所定数の椅子にそれぞれ着座した会話者による所定時間の会話におけるコミュニケーション状態を評価する会話評価装置であって、受信部、重心算出部、及び、評価部を備える。前記受信部は、前記所定数の椅子に、それぞれ、配置された3個以上の荷重検出器によって検出された検出結果を受信する。前記重心算出部は、受信された検出結果から各椅子の座面にかかる全荷重及び重心位置を、それぞれ、求める。前記評価部は、前記全荷重及び前記重心位置に基づき、前記所定数の椅子にそれぞれ着座している前記所定数の会話者の間におけるコミュニケーション状態を評価する。
本発明の第2の会話評価装置は、前記第1の会話評価装置であって、同期判定部を備える。前記同期判定部は、前記全荷重及び前記重心位置の少なくとも一方に基づき、前記所定数の会話者の間における行動の同期性を判定する。前記評価部は、前記同期判定部によって前記所定数の会話者の間における行動の同期性が高いと判定される程、コミュニケーションが活発であると評価する。
本発明の第3の会話評価装置は、前記第2の会話評価装置であって、前記同期判定部が、前記所定数の椅子における前記全荷重の変化、及び、前記所定数の椅子における前記重心位置の変化の少なくとも一方のタイミングが、同期しているか否かに応じて、前記所定数の会話者の間における行動の同期性を判定する。
本発明の第4の会話評価装置は、前記第2の会話評価装置又は前記第3の会話評価装置であって、前記重心位置が、前記座面の前後方向の重心位置と、前記座面の左右方向の重心位置との2つの位置で表される。
本発明の第5の会話評価装置は、前記第4の会話評価装置であって、周波数分析部を備える。前記周波数分析部は、前記所定数の椅子毎に、且つ、前記所定時間内において予め設定された時間区間毎に、前記全荷重の波形、前記前後方向の重心位置の波形、及び、前記左右方向の重心位置の波形を、それぞれ、フーリエ変換して周波数毎の振幅を求める。前記同期判定部は、周波数毎に、前記全荷重の振幅、前記前後方向の重心位置の振幅、及び、前記左右方向の重心位置の振幅のうち、少なくとも1つに基づいて前記所定数の椅子の間での同期性を判定する。
本発明の第6の会話評価装置は、前記第5の会話評価装置であって、正規化部を備える。前記正規化部は、前記所定数の椅子毎に、且つ、前記周波数毎に、前記所定時間内に設定された全ての前記時間区間における前記全荷重の振幅の最大値及び最小値を用いて、前記全荷重の振幅を正規化し、前記所定数の椅子毎に、且つ、前記周波数毎に、前記所定時間内に設定された全ての前記時間区間における前記前後方向の重心位置の振幅の最大値及び最小値を用いて、前記前後方向の重心位置の振幅を正規化し、前記所定数の椅子毎に、且つ、前記周波数毎に、前記所定時間内に設定された全ての前記時間区間における前記左右方向の重心位置の振幅の最大値及び最小値を用いて、前記左右方向の重心位置の振幅を正規化する。前記同期判定部は、周波数毎に、前記正規化部によって正規化された3つの振幅のうち、少なくとも1つに基づいて前記所定数の椅子の間での同期性を判定する。
本発明の第7の会話評価装置は、前記第6の会話評価装置であって、最大値算出部を備える。前記最大値算出部は、前記所定数の椅子毎に、前記時間区間毎に、且つ、周波数毎に、前記正規化部によって正規化された前記全荷重の振幅、前記正規化部によって正規化された前記前後方向の重心位置の振幅、及び、前記正規化部によって正規化された前記左右方向の重心位置の振幅の中から、振幅の最大値を求める。前記同期判定部は、周波数毎に、且つ、前記時間区間毎に、前記最大値算出部よって求められた振幅の最大値に基づき、前記所定数の椅子の間での同期性を判定する。
本発明の第8の会話評価装置は、前記第7の会話評価装置であって、前記同期判定部が、周波数毎に、且つ、前記時間区間毎に、前記最大値算出部によって求められた前記所定数の椅子にそれぞれ対応する前記所定数の振幅の最大値の積を求め、求められた積が大きい程、前記所定数の椅子の間での同期性が高いと判定する。
本発明の第9の会話評価装置は、前記第4の会話評価装置であって、正規化部を備える。前記正規化部は、前記所定数の椅子毎に、前記所定時間内における前記全荷重の最大値及び最小値を用いて、前記全荷重を正規化し、前記所定数の椅子毎に、前記所定時間内における前記前後方向の重心位置の最大値及び最小値を用いて、前記前後方向の重心位置を正規化し、前記所定数の椅子毎に、前記所定時間内における前記左右方向の重心位置の最大値及び最小値を用いて、前記左右方向の重心位置を正規化する。前記同期判定部は、前記正規化部によって正規化された全荷重、前後方向の重心位置、及び、左右方向の重心位置のうち、少なくとも1つに基づき、前記所定数の椅子の間での同期性を判定する。
本発明の第10の会話評価装置は、前記第9の会話評価装置であって、最大値算出部を備える。前記最大値算出部は、前記所定数の椅子毎に、且つ、前記所定時間内において予め設定された時間区間毎に、前記正規化部によって正規化された前記全荷重、前記正規化部によって正規化された前記左右方向の重心位置、及び、前記正規化部によって正規化された前記左右方向の重心位置の中から、最大値を求める。前記同期判定部は、前記最大値算出部よって求められた最大値に基づき、前記所定数の椅子の間での同期性を判定する。
本発明の第11の会話評価装置は、前記第10の会話評価装置であって、前記同期判定部が、前記所定数の椅子にそれぞれ対応する前記最大値算出部よって求められた前記所定数の最大値の積を求め、求められた積が大きい程、前記所定数の椅子の間での同期性が高いと判定する。
本発明の会話評価システムは、2個以上の所定数の椅子にそれぞれ着座した会話者による所定時間の会話におけるコミュニケーション状態を評価する会話評価システムであって、前記所定数の椅子と、会話評価装置と、を備える。前記所定数の椅子は、それぞれ、荷重検出器、及び、送信部を備える。前記荷重検出器は、座面の下部に3個以上配置され、それぞれ、荷重を検出する。前記送信部は、前記荷重検出器によって検出された検出結果を送信する。前記会話評価装置は、受信部、重心算出部、及び、評価部を備える。前記受信部は、前記所定数の椅子の送信部によって送信された前記検出結果を受信する。前記重心算出部は、受信された検出結果から各椅子の座面にかかる全荷重及び重心位置を、それぞれ、求める。前記評価部は、前記全荷重及び前記重心位置に基づき、前記所定数の椅子にそれぞれ着座している前記所定数の会話者の間におけるコミュニケーション状態を評価する。
本発明の会話評価方法は、2個以上の所定数の椅子にそれぞれ着座した会話者による所定時間の会話におけるコミュニケーション状態を評価する会話評価方法であって、受信工程、重心算出工程、及び、評価工程を含む。前記受信工程において、前記所定数の椅子に、それぞれ、配置された3個以上の荷重検出器によって検出された検出結果を受信する。前記重心算出工程において、受信された検出結果から各椅子の座面にかかる全荷重及び重心位置を、それぞれ、求める。前記評価工程において、前記全荷重及び前記重心位置に基づき、前記所定数の椅子にそれぞれ着座している前記所定数の会話者の間におけるコミュニケーション状態を評価する。
本発明の会話評価装置、会話評価システム、及び、会話評価方法によれば、複数の会話者の間におけるコミュニケーション状態を評価することができる。
本発明の実施形態に係る会話評価システムの構成を示す図である。 図1に示す椅子の構成を示す図である。(a)は、椅子の全体構成を示す図であり、(b)は、圧力センサの配置を示す平面図である。 図2に示す4つの圧力センサの出力と重心位置との関係を示す図である。 図1に示す周波数分析部がフーリエ変換を行う対象の時間区間を示す図である。(a)は、会話時間と時間区間との関係を示す図であり、(b)は、時間区間と測定点との関係を示す図である。 図1に示す会話評価装置の動作を示す全体フローチャートである。 図5に示すフローチャートのステップS107における正規化処理の工程を詳細に示すフローチャートである。 図1に示す会話評価システムの実験結果のうち、第1グループの同期性を示す図である。 図1に示す会話評価システムの実験結果のうち、第1グループの発案数を示す図である。 図1に示す会話評価システムの実験結果のうち、第2グループの同期性を示す図である。 図1に示す会話評価システムの実験結果のうち、第2グループの発案数を示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図面(図1〜図10)を参照しながら説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
まず、図1を参照して、本実施形態に係る会話評価システム100について説明する。図1は、本実施形態に係る会話評価システム100の構成を示す図である。会話評価システム100は、2個以上の所定数N(図1では、N=3)の椅子1にそれぞれ着座した会話者による所定時間TM(例えば、10分間)の会話におけるコミュニケーション状態を評価する。会話評価システム100は、所定数Nの椅子1、及び、会話評価装置2を備える。会話評価装置2は、所定数Nの椅子1と通信可能に接続されている。所定数N(ここでは、3つ)の椅子1は、それぞれ、座面11の下部に配置された3個以上(ここでは、4個)の圧力センサ15と、圧力センサ15によって検出された検出結果を送信する送信部17とを備えている(図2参照)。
ここで、図2を参照して椅子1の構成について説明する。図2は、図1に示す椅子1の構成を示す図であって、図2(a)は、椅子1の全体構成を示す側面図であり、図2(b)は、圧力センサ15の配置を示す平面図である。図2(a)に示すように、椅子1は、座面11、背もたれ12、上側平板状部材13、下側平板状部材14、圧力センサ15、高さ調節部16、及び、送信部17を備えている。
座面11は、会話者が着座する面であって、会話者を支持する。背もたれ12は、会話者の背中を支持する。上側平板状部材13は、座面11の下方に配置された矩形平板状の部材であって、4個の圧力センサ15の上面に会話者の荷重を付与する。ここでは、上側平板状部材13は、厚さ5mmの鉄製の部材である。
圧力センサ15は、図2(b)に示すように、座面11の背もたれ12側(後側)の2箇所と、背もたれ12の反対側(前側)の2箇所に配置され、会話者の荷重を検出する。具体的には、圧力センサ15は、例えば、上側平板状部材13の4隅に配置されている。また、圧力センサ15は、例えば、ミネベア株式会社製の歪みゲージ式フォースセンサである。また、圧力センサ15の左右方向の距離LXは、例えば、13cmであり、圧力センサ15の前後方向の距離LYは、例えば、12cmである。
下側平板状部材14は、圧力センサ15の下側に配置された矩形平板状の部材であって、4個の圧力センサ15の下面を支持する。ここでは、下側平板状部材14は、上側平板状部材13と同様に、厚さ5mmの鉄製の部材である。
高さ調節部16は、会話者による図略のレバーの操作に応じて、座面11の高さを調節する。送信部17は、圧力センサ15の検出結果を会話評価装置2(受信部21)に対して送信する。具体的には、送信部17は、例えば、会話評価装置2(受信部21)との間でブルートゥース(Bluetooth(登録商標))を用いて通信される。
次に、図1に戻って、会話評価装置2の構成について説明する。会話評価装置2は、例えば、パーソナルコンピュータであって、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)を備える。上記ROMには、制御プログラムが格納されている。そして、上記CPUは、上記ROMに格納された制御プログラムを読みだして実行することによって、受信部21、重心算出部22、周波数分析部23、正規化部24、最大値算出部25、同期判定部26、及び、評価部27を含む各種機能部として機能する。また、上記CPUは、上記ROMに格納された制御プログラムを読みだして実行することによって、上記HDDを、記憶部28として機能させる。上記RAMは、上記CPUが、上記制御プログラムを実行する際の作業領域として用いられる。
受信部21は、所定数Nの椅子1の送信部17によって送信された圧力センサ15の検出結果を受信する。具体的には、受信部21は、例えば、椅子1の送信部17とブルートゥース(Bluetooth(登録商標))を用いて通信される。また、圧力センサ15は、1つの椅子1に3個以上(ここでは、4個)配置されているため、受信部21は、所定数Nの椅子1に配置された4個の圧力センサ15の検出結果を受信する。椅子1の個数(所定数N)が3個である場合には、12個(=3×4)の圧力センサ15の検出結果を受信する。受信部21は、受信した12個(=3×4)の圧力センサ15の検出結果を記憶部28に格納する。
重心算出部22は、受信部21によって受信された検出結果から各椅子1の座面11にかかる全荷重WT及び全荷重WTの重心位置Pを、それぞれ、求める。また、重心算出部22は、求められた全荷重WT及び重心位置Pを記憶部28に格納する。ここで、図3を参照して、重心位置Pを求める方法について説明する。図3は、図2に示す4つの圧力センサ15(151〜154)の出力W1〜W4と重心位置Pとの関係を示す図である。
重心位置Pは、点Q1と点Q3とを結ぶ線分と、点Q2と点Q4とを結ぶ線分との交点である。点Q1は、圧力センサ151の中心と、圧力センサ152の中心とを結ぶ線分上の点であって、次の(1)式を満たす点である。
L1:L2=W2:W1 (1)
ここで、距離L1は、圧力センサ151の中心と点Q1との間の距離であり、距離L2は、圧力センサ152の中心と点Q1との間の距離である。
同様にして、点Q2、点Q3、点Q4の位置が、圧力センサ151〜154の、それぞれの出力W1〜W4に応じて求められる。また、圧力センサ151の中心と圧力センサ152の中心とを結ぶ線分、圧力センサ152の中心と圧力センサ153の中心とを結ぶ線分、圧力センサ153の中心と圧力センサ154の中心とを結ぶ線分、及び、圧力センサ154の中心と圧力センサ151の中心とを結ぶ線分で構成される長方形の中心位置RをX−Y座標の中心とする。
x軸は、中心位置Rを通り、圧力センサ151の中心と圧力センサ152の中心とを結ぶ線分、及び、圧力センサ153の中心と圧力センサ154の中心とを結ぶ線分と平行な直線である。また、X座標は重心位置Pの左右方向の位置を示す。よって、以下の説明では、重心位置Pの左右方向の位置を、「左右方向の重心位置X」という。
y軸は、中心位置Rを通り、圧力センサ152の中心と圧力センサ153の中心とを結ぶ線分、及び、圧力センサ154の中心と圧力センサ151の中心とを結ぶ線分と平行な直線である。また、Y座標は重心位置Pの前後方向の位置を示す。よって、以下の説明では、重心位置Pの前後方向の位置を、「前後方向の重心位置Y」という。また、重心位置Pの位置は、座標(X,Y)で表される。
再び、図1に戻って、会話評価装置2の構成について説明する。周波数分析部23は、所定数Nの椅子1毎に、且つ、所定時間TM内において予め設定された時間区間TPm(m=1〜M)毎に、全荷重WTの波形、前後方向の重心位置Yの波形、及び、左右方向の重心位置Xの波形を、それぞれ、フーリエ変換して周波数F(例えば、F=0〜100Hz)毎の振幅Bを求める。
ここで、図4を参照して、時間区間TPm及び測定点MPについて説明する。図4は、図1に示す周波数分析部23がフーリエ変換を行う対象の時間区間TPmを示す図である。図4(a)は所定時間TMと時間区間TPmとの関係を示す図であり、図4(b)は、時間区間TPmと測定点MPとの関係を示す図である。図4(a)は、全荷重WTの変化の一例を示すグラフG0であって、横軸は時間tを示し、縦軸は、全荷重WTを示す。時間区間TPmは、所定時間TM内に設定され、フーリエ変換を行う対象の波形を規定する時間区間TPmである。
図4(b)に示すように、時間区間TPmは、予め設定された個数(例えば、1024個、ただし、図4(b)では簡略化のため、8個としている)の測定点MPを含む。測定点MPは、予め設定されたサンプリング間隔ΔT(例えば、10msec)毎の全荷重WTの検出値である。また、図4(b)に示すように、時間区間TPmは、測定点MPを1個ずつ時間軸の正方向にズラして設定される。
図4(b)に示すように、1番目の時間区間TP1は、測定開始時刻に対応する時間tが零の測定点MP(1個目の測定点MP)から、8個目の測定点MPまでの時間区間である。2番目の時間区間TP2は、時間tがサンプリング間隔ΔTの測定点MP(2個目の測定点MP)から、9個目の測定点MPまでの時間区間である。3番目の時間区間TP3は、時間tがサンプリング間隔ΔTの2倍(2×ΔT)の測定点MP(3個目の測定点MP)から、10個目の測定点MPまでの時間区間である。
ここで、上述したように、サンプリング間隔ΔTは10msecであり、時間区間TPm内の測定点MPの個数は1024個であるため、時間区間TPmは、10.24秒である。また、ここでは、所定時間TMが10分であるため、時間区間TPmの個数Mは、約60000(=10×60/0.01)個である。
また、図4に示すように、フーリエ変換の対象となる測定データは、サンプリング間隔ΔT毎の離散データであるため、フーリエ変換は、離散フーリエ変換(DFT:Discrete Fourier Transform)として実行される。また、離散フーリエ変換は、高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)を使って高速に計算することができる。
図1に示すように、正規化部24は、所定数Nの椅子1毎に、且つ、周波数F毎に、全荷重WTの振幅B、前後方向の重心位置Yの振幅B、及び、左右方向の重心位置Xの振幅Bを正規化する。
具体的には、正規化部24は、所定数Nの椅子1毎に、且つ、周波数F毎に、所定時間TM内に設定された全ての時間区間TPm(m=1〜M)における全荷重WTの振幅BWm(F)(m=1〜M)を、次の(2)式〜(4)式を用いて正規化する。
BWX(F)=max(BW1(F)、BW2(F)、…、BWM(F)) (2)
BWN(F)=min(BW1(F)、BW2(F)、…、BWM(F)) (3)
BWAm(F)=(BWm(F)−BWN(F))/
(BWX(F)−BWN(F)) (4)
ここで、max()は、括弧内の複数の(ここでは、M個の)数値の中から、それらの最大値を出力する関数である。よって、BWX(F)は、振幅BWm(F)(m=1〜M)の最大値である。また、min()は、括弧内の複数の(ここでは、M個の)数値の中から、それらの最小値を出力する関数である。よって、BWN(F)は、振幅BWm(F)(m=1〜M)の最小値である。振幅BWAm(F)は、時間区間TPmにおける全荷重WTの振幅BWm(F)の正規化後の振幅である。
また、正規化部24は、所定数Nの椅子1毎に、且つ、周波数F毎に、所定時間TM内に設定された全ての時間区間TPm(m=1〜M)における前後方向の重心位置Yの振幅BYm(F)(m=1〜M)を、次の(5)式〜(7)式を用いて正規化する。
BYX(F)=max(BY1(F)、BY2(F)、…、BYM(F)) (5)
BYN(F)=min(BY1(F)、BY2(F)、…、BYM(F)) (6)
BYAm(F)=(BYm(F)−BYN(F))/
(BYX(F)−BYN(F)) (7)
ここで、BYX(F)は、振幅BYm(F)(m=1〜M)の最大値である。また、BYN(F)は、振幅BYm(F)(m=1〜M)の最小値である。振幅BYAm(F)は、時間区間TPmにおける前後方向の重心位置Yの振幅BYm(F)の正規化後の振幅である。
同様に、正規化部24は、所定数Nの椅子1毎に、且つ、周波数F毎に、所定時間TM内に設定された全ての時間区間TPm(m=1〜M)における左右方向の重心位置Xの振幅BXm(F)を、次の(8)〜(10)式を用いて正規化する。
BXX(F)=max(BX1(F)、BX2(F)、…、BXM(F)) (8)
BXN(F)=min(BX1(F)、BX2(F)、…、BXM(F)) (9)
BXAm(F)=(BXm(F)−BXN(F))/
(BXX(F)−BXN(F)) (10)
ここで、BXX(F)は、振幅BXm(F)(m=1〜M)の最大値である。また、BXN(F)は、振幅BXm(F)(m=1〜M)の最小値である。振幅BXAm(F)は、時間区間TPmにおける左右方向の重心位置Xの振幅BXm(F)の正規化後の振幅である。
最大値算出部25は、所定数Nの椅子1毎に、時間区間TPm毎に、且つ、周波数F毎に、正規化部24によって正規化された全荷重WTの振幅BWAm(F)、正規化部24によって正規化された前後方向の重心位置Yの振幅BYAm(F)、及び、正規化部24によって正規化された左右方向の重心位置Xの振幅BXAm(F)の中から、振幅の最大値BAm(F)を求める。この処理を数式で表すと、次の(11)式となる。
BAm(F)=max(BWAm(F)、BYAm(F)、BXAm(F))
(11)
同期判定部26は、全荷重WT及び重心位置Pに基づき、所定数Nの会話者の間における行動の同期性を判定する。具体的には、同期判定部26は、所定数Nの椅子1における全荷重WTの変化、及び、所定数Nの椅子1における重心位置Pの変化の少なくとも一方のタイミングが、同期しているか否かに応じて、所定数Nの会話者の間における行動の同期性を判定する。
更に具体的には、同期判定部26は、周波数F毎に、且つ、時間区間TPm毎に、最大値算出部25によって求められた所定数Nの椅子1にそれぞれ対応する所定数Nの振幅Bの最大値BAm(F)の積Gm(F)を求め、求められた積Gm(F)が大きい程、所定数Nの椅子1の間での同期性が高いと判定する。積Gm(F)は、次の(12)式で求められる。
Gm(F)=BAm1(F)×BAm2(F)×BAm3(F) (12)
ここで、BAmn(F)は、n番目(n=1〜N、N=3)の椅子1の時間区間TPmにおける振幅Bの最大値BAm(F)である。
評価部27は、全荷重WT及び重心位置Pに基づき、所定数Nの椅子1にそれぞれ着座している所定数Nの会話者の間におけるコミュニケーション状態を評価する。具体的には、評価部27は、同期判定部26によって所定数Nの会話者の間における行動の同期性が高い程(積Gm(F)が大きい程)、コミュニケーションが活発であると評価する。
次に、図5、図6を参照して、会話評価装置2の動作を説明する。図5は、図1に示す会話評価装置2の動作を示すフローチャートである。図6は、図5に示すフローチャートのステップS107における正規化処理の工程を詳細に示すフローチャートである。
まず、図5に示すように、受信部21によって、所定数N(ここでは、3個)の椅子1に、それぞれ、配置された4個の圧力センサ15の検出結果が受信される(ステップS101)。次に、重心算出部22によって、ステップS101において受信された検出結果から各椅子1の座面11にかかる全荷重WT及び重心位置P(X,Y)が、それぞれ、求められる(ステップS103)。
そして、周波数分析部23によって、時間区間TPm(m=1〜M)毎に、全荷重WTの波形、前後方向の重心位置Yの波形、及び、左右方向の重心位置Xの波形がフーリエ変換されて周波数F毎の振幅Bが求められる(ステップS105)。次に、正規化部24によって時間区間TPm(m=1〜M)における全荷重WTの振幅BWm(F)、前後方向の重心位置Yの振幅BYm(F)、及び、左右方向の重心位置Xの振幅BXm(F)が正規化される(ステップS107)。
そして、最大値算出部25によって、時間区間TPm(m=1〜M)における正規化された全荷重WTの振幅BWAm(F)、正規化された重心位置Yの振幅BYAm(F)、及び、正規化された重心位置Xの振幅BXAm(F)の中から、振幅の最大値BAm(F)が求められる(ステップS109)。次いで、同期判定部26によって、時間区間TPm(m=1〜M)における所定数N(ここでは、3個)の椅子1にそれぞれ対応する振幅Bの最大値BAm(F)の積Gm(F)が求められる(ステップS111)。そして、評価部27によって、ステップS111で求められた積Gm(F)が大きい程、所定数Nの会話者の間における行動の同期性が高く、コミュニケーションが活発であると評価され(ステップS113)、処理が終了される。
このようにして、全荷重WT、前後方向の重心位置Y、及び、左右方向の重心位置Xに基づき、所定数Nの椅子1にそれぞれ着座している所定数Nの会話者の間におけるコミュニケーション状態を評価することができる。なお、ステップS101が「受信工程」の一例に相当し、ステップS103が「重心算出工程」の一例に相当し、ステップS113が「評価工程」の一例に相当する。
本実施形態では、全荷重WT、前後方向の重心位置Y、及び、左右方向の重心位置Xに基づき、所定数Nの会話者の間におけるコミュニケーション状態を評価する場合について説明したが、全荷重WT、前後方向の重心位置Y、及び、左右方向の重心位置Xのうち、少なくとも1つに基づき、所定数Nの会話者の間におけるコミュニケーション状態を評価する形態であればよい。
また、同期判定部26によって所定数Nの会話者の間における行動の同期性が高いと判定される程、コミュニケーションが活発であると評価されるため、コミュニケーション状態を的確に評価することができる。
全荷重WTの変化、前後方向の重心位置Yの変化、及び、左右方向の重心位置Xの変化の、少なくとも1つのタイミングが、所定数Nの椅子1間で同期しているか否かに応じて、所定数Nの会話者の間における行動の同期性が判定されるため、同期性を的確に判定することができる。
重心位置Pは、座面11の前後方向の重心位置Yと、座面11の左右方向の重心位置Xと、の2つの位置で表されるため、重心位置Pを的確に表現することができる。
所定数Nの椅子1毎、且つ、時間区間TPm毎に、フーリエ変換して得られた全荷重WTの振幅BWm(F)、前後方向の重心位置Yの振幅BYm(F)、及び、左右方向の重心位置Xの振幅BXm(F)のうち、少なくとも1つに基づいて所定数Nの椅子1の間での同期性を判定するため、同期性を更に的確に判定することができる。
本実施形態では、全荷重WT、重心位置Y、及び、重心位置Xをフーリエ変換する場合について説明するが、フーリエ変換を行わない形態でもよい。この場合には、処理が簡略化される。この場合の具体的な処理については、図面(図1〜図10)を用いた説明の後に説明する。
正規化された3つの振幅(正規化された全荷重WTの振幅BWAm(F)、正規化された重心位置Yの振幅BYAm(F)、及び、正規化された重心位置Xの振幅BXAm(F))のうち、少なくとも1つに基づいて所定数Nの椅子1の間での同期性が判定されるため、同期性を更に的確に判定することができる。
正規化された3つの振幅(正規化された全荷重WTの振幅BWAm(F)、正規化された重心位置Yの振幅BYAm(F)、及び、正規化された重心位置Xの振幅BXAm(F))の最大値BAm(F)に基づき、所定数Nの椅子1の間での同期性を判定するため、同期性を更に的確に判定することができる。
本実施形態では、正規化された3つの振幅の最大値BAm(F)に基づき、所定数Nの椅子1の間での同期性を判定する場合について説明したが、正規化された3つの振幅のうち、少なくとも1つに基づいて同期性を判定する形態であればよい。例えば、正規化された重心位置Yの振幅BYAm(F)、及び、正規化された重心位置Xの振幅BXAm(F)のうち、大きい方の振幅に基づいて同期性を判定する形態でもよい。
所定数N(ここでは、3個)の椅子1にそれぞれ対応する振幅Bの最大値BAm(F)の積Gm(F)を求め、求められた積Gm(F)が大きい程、所定数Nの椅子1の間での同期性が高いと判定するため、同期性を更に的確に判定することができる。
本実施形態では、N個の最大値BAm(F)の積Gm(F)に基づき、同期性を判定する場合について説明したが、N個の最大値BAm(F)に基づき、同期性を判定する形態であればよい。例えば、N個の最大値BAm(F)から同調性を評価する関数の出力を用いて、同期性を判定する形態でもよい。例えば、次の(13)式で得られる出力Hm(F)に基づいて同調性を評価する形態でもよい。
Hm(F)=(BAm1(F)K×BAm2(F)K×BAm3(F)K
×(BAm1(F)+BAm2(F)+BAm3(F)) (13)
ここで、係数Kは、2以上の整数であって、例えば3である。
次に、図6を用いて、正規化処理について説明する。図6は、図5に示すフローチャートのステップS107における正規化処理の工程を詳細に示すフローチャートである。なお、以下の処理は全て、正規化部24によって行われる。まず、全ての時間区間TPm(m=1〜M)における全荷重WTの振幅BWm(F)の最大値BWX(F)及び最小値BWN(F)が、上記(2)式、及び、(3)式を用いて求められる(ステップS201)。次に、ステップS201で求められた最大値BWX(F)及び最小値BWN(F)を用いて、全荷重WTの振幅BWm(F)の正規化後の振幅BWAm(F)が上記(4)式によって求められる(ステップS203)。
次いで、全ての時間区間TPm(m=1〜M)における重心位置Yの振幅BYm(F)の最大値BYX(F)及び最小値BYN(F)が、上記(5)式、及び、(6)式を用いて求められる(ステップS205)。そして、ステップS205で求められた最大値BYX(F)及び最小値BYN(F)を用いて、重心位置Yの振幅BYm(F)の正規化後の振幅BYAm(F)が上記(7)式によって求められる(ステップS207)。
次いで、全ての時間区間TPm(m=1〜M)における重心位置Xの振幅BXm(F)の最大値BXX(F)及び最小値BXN(F)が、上記(8)式、及び、(9)式を用いて求められる(ステップS209)。そして、ステップS209で求められた最大値BXX(F)及び最小値BXN(F)を用いて、重心位置Xの振幅BXm(F)の正規化後の振幅BXAm(F)が上記(10)式によって求められ(ステップS211)、図5のステップS109へ進められる。
このようにして、全荷重WTの正規化後の振幅BWAm(F)、重心位置Yの正規化後の振幅BYAm(F)、及び、重心位置Xの正規化後の振幅BXAm(F)を求めることができる。
次に、図7〜図10を参照して、会話評価システム100の効果を検証した実験の結果について説明する。まず、この実験の内容について説明する。データの取得環境として、初対面同士の会話を対象とし、会話一組の人数は3人とした。参加者は、大学生又は大学院生の20代の日本人6名(男性5名,女性1名)であり、6名を2つのグループ(第1グループ、第2グループ)に分けた。日常的に会議等で使用されている約30m2(10m×3m)の部屋で、丸机(半径約50cm,高さ約80cm)の周りに120度ずつの等間隔で椅子1を3台配置し着座してもらった。極力日常の会話と同様の環境を作るために椅子1の位置、回転、又は、背もたれ12の固定は行わなかった。取得するデータは、椅子1による全参加者の時系列の圧力センサ15の検出結果に加え、会話に影響を与えないように隠しビデオカメラによって参加者の行動を記録した。
参加者は、同時に部屋に入り、すぐ椅子1に着席してもらった。次に、監督者が注意事項と会話内容を告げ、部屋から退出すると同時に10分間の議論ベースの会話を開始させた。議論の課題は「出来る限り多くレンガの使い方を挙げよ」とした。これは、個人やグループの議論の創造性を評価する際によく用いられる議題である。議論中はメモ書きや情報端末などの道具を使ってはならず、とにかく可能な限り多くの使い方を口頭で列挙することを目的とさせた。なお、参加者がセンシングされているという意識をしないように、その事実は実験前には伝えなかった。データ取得のサンプリング周波数は100Hz(サンプリング間隔ΔTは10msec)とした.10分間の議論が終わると同時に監督者が部屋に入り、議論を終了させた。
次に、図7〜図10を参照して、会話評価システム100の効果を検証した実験の結果について説明する。図7は、図1に示す会話評価システム100の実験結果のうち、第1グループの同期性を示す図である。図7の横軸は、時間T(sec)を示し、縦軸は周波数F(Hz)を示す。また、上記式(12)で求められた積Gm(F)が、予め設定された閾値TH(ここでは、0.38)以上である場合に白色の点、積Gm(F)が、閾値TH未満である場合に黒色の点を、対応する時間T及び周波数Fの位置にプロットした。図7に示すように、同期性が高いと評価された白い点が周波数0〜50Hzの全域に亘って帯状に形成されている箇所の個数は、約18個であった。
図8は、図1に示す会話評価システム100の実験結果のうち、第1グループの発案数(発案の個数)を示す図である。図7の横軸は、時間T(秒)を示し、縦軸は発案数を示す。図8に示すように、10分間で第1グループから発案された個数は、20個であった。
図9は、図1に示す会話評価システム100の実験結果のうち、第2グループの同期性を示す図である。図9は、図7と同様に、その横軸は、時間T(秒)を示し、縦軸は周波数F(Hz)を示す。また、上記式(12)で求められた積Gm(F)が、予め設定された閾値TH(ここでは、0.38)以上である場合に白色の点、積Gm(F)が、閾値TH未満である場合に黒色の点を、対応する時間T及び周波数Fの位置にプロットした。図9に示すように、同期性が高いと評価された白い点が周波数0〜50Hzの全域に亘って帯状に形成されている箇所の個数は、約32個であった。
図10は、図1に示す会話評価システム100の実験結果のうち、第2グループの発案数を示す図である。図10の横軸は、時間T(秒)を示し、縦軸は発案数を示す。図10に示すように、10分間で第1グループから発案された個数は、41個であった。
このように、図8と図10とを比較すると、発案された個数が第1グループより第2グループの方が多かった。具体的には、第2グループの発案数は、第1グループの発案数の約2倍であった。図7と図9とを比較すると同期性が高いと評価された白い帯状部が第1グループより第2グループの方が多かった。具体的には、第2グループの白い帯状部の個数は、第1グループの白い帯状部の個数の約2倍であった。
また、ビデオカメラによって記録した参加者の行動によれば、第1グループでは、400秒付近で、第2グループでは、540秒付近で、最も会話が盛り上がっている様子が記録されていた。これに対して、図7の400秒付近、及び、図9の540秒付近には、最も鮮明な白い帯状部が見られた。このように、図7及び図9に示す会話評価システム100によるコミュニケーション状態の評価は、ビデオカメラに記録されたコミュニケーション状態と一致していた。したがって、上記実験によって、会話評価システム100が複数の会話者の間におけるコミュニケーション状態を評価することができることが検証された。
以上、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明した。ただし、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である(例えば、下記に示す(1)〜(3))。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数等は、図面作成の都合上から実際とは異なる。また、上記の実施形態で示す各構成要素の形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の構成から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
(1)本実施形態では、会話評価装置2が重心算出部22を備える場合について説明したが、椅子1が重心算出部22と同等の機能を備える形態でもよい。この場合には、椅子1の送信部17は、全荷重WT及び重心位置Pを送信する。
(2)本実施形態では、全荷重WT、重心位置Y、及び、重心位置Xをフーリエ変換する場合について説明するが、フーリエ変換を行わない形態でもよい。この場合には、処理が簡略化される。
具体的には、正規化部24は、所定数Nの椅子1毎に、所定時間TM内における全荷重WTの最大値WM及び最小値WMを用いて、全荷重WTを正規化し、正規化された全荷重WAを求める。同様に、正規化部24は、所定数Nの椅子1毎に、所定時間TM内における重心位置Yの最大値YX及び最小値YNを用いて、重心位置Yを正規化し、正規化された重心位置YAを求め、所定時間TM内における重心位置Xの最大値XX及び最小値XNを用いて、重心位置Xを正規化し、正規化された重心位置XAを求める。最大値算出部25は、所定数Nの椅子毎に、時間区間TPm(m=1〜M)毎に、正規化された全荷重WA、重心位置YA、及び、重心位置XAの中から最大値Jmを求める。同期判定部26は、所定数Nの椅子1にそれぞれ対応する所定数Nの最大値Jmの積Fm(=Jm1×Jm2×Jm3)を求め、求められた積Fmが大きい程、所定数Nの椅子1の間での同期性が高いと判定する。評価部27は、同期性が高い程、コミュニケーションが活発であると評価する。
(3)本実施形態では、会話者の人数が椅子1の個数と同一である場合について説明したが、椅子1の個数が会話者の人数より多い形態でもよい。この場合には、会話評価装置2は、会話者が着座している椅子1からの情報に基づいて、コミュニケーション状態を評価すればよい。
本発明は、2人以上の所定数の会話者による所定時間の会話におけるコミュニケーション状態を評価する会話評価装置、会話評価システム、及び、会話評価方法に利用可能である。
100 会話評価システム
1 椅子
11 座面
13 上側平板状部材
14 下側平板状部材
15 圧力センサ
16 高さ調節部
17 送信部
2 会話評価装置
21 受信部
22 重心算出部
23 周波数分析部
24 正規化部
25 最大値算出部
26 同期判定部
27 評価部
28 記憶部

Claims (12)

  1. 2個以上の所定数の椅子にそれぞれ着座した会話者による所定時間の会話におけるコミュニケーション状態を評価する会話評価装置であって、
    前記所定数の椅子に、それぞれ、配置された3個以上の荷重検出器によって検出された検出結果を受信する受信部と、
    受信された検出結果から各椅子の座面にかかる全荷重及び重心位置を、それぞれ、求める重心算出部と、
    前記全荷重及び前記重心位置の少なくとも一方に基づき、前記所定数の椅子にそれぞれ着座している前記所定数の会話者の間におけるコミュニケーション状態を評価する評価部と、
    前記全荷重及び前記重心位置の少なくとも一方に基づき、前記所定数の会話者の間における行動の同期性を判定する同期判定部と
    を備え、
    前記評価部は、前記同期判定部によって前記所定数の会話者の間における行動の同期性が高いと判定される程、コミュニケーションが活発であると評価
    前記重心位置は、前記座面の前後方向の重心位置と、前記座面の左右方向の重心位置との2つの位置で表される、会話評価装置。
  2. 前記同期判定部は、前記所定数の椅子における前記全荷重の変化、及び、前記所定数の椅子における前記重心位置の変化の少なくとも一方のタイミングが、同期しているか否かに応じて、前記所定数の会話者の間における行動の同期性を判定する、請求項1に記載の会話評価装置。
  3. 前記所定数の椅子毎に、且つ、前記所定時間内において予め設定された時間区間毎に、前記全荷重の波形、前記前後方向の重心位置の波形、及び、前記左右方向の重心位置の波形を、それぞれ、フーリエ変換して周波数毎の振幅を求める周波数分析部を備え、
    前記同期判定部は、周波数毎に、前記全荷重の振幅、前記前後方向の重心位置の振幅、及び、前記左右方向の重心位置の振幅のうち、少なくとも1つに基づいて前記所定数の椅子の間での同期性を判定する、請求項に記載の会話評価装置。
  4. 前記所定数の椅子毎に、且つ、前記周波数毎に、前記所定時間内に設定された全ての前記時間区間における前記全荷重の振幅の最大値及び最小値を用いて、前記全荷重の振幅を正規化し、
    前記所定数の椅子毎に、且つ、前記周波数毎に、前記所定時間内に設定された全ての前記時間区間における前記前後方向の重心位置の振幅の最大値及び最小値を用いて、前記前後方向の重心位置の振幅を正規化し、
    前記所定数の椅子毎に、且つ、前記周波数毎に、前記所定時間内に設定された全ての前記時間区間における前記左右方向の重心位置の振幅の最大値及び最小値を用いて、前記左右方向の重心位置の振幅を正規化する正規化部を備え、
    前記同期判定部は、周波数毎に、前記正規化部によって正規化された3つの振幅のうち、少なくとも1つに基づいて前記所定数の椅子の間での同期性を判定する、請求項に記載の会話評価装置。
  5. 前記所定数の椅子毎に、前記時間区間毎に、且つ、周波数毎に、前記正規化部によって正規化された前記全荷重の振幅、前記正規化部によって正規化された前記前後方向の重心位置の振幅、及び、前記正規化部によって正規化された前記左右方向の重心位置の振幅の中から、振幅の最大値を求める最大値算出部を備え、
    前記同期判定部は、周波数毎に、且つ、前記時間区間毎に、前記最大値算出部よって求められた振幅の最大値に基づき、前記所定数の椅子の間での同期性を判定する、請求項に記載の会話評価装置。
  6. 前記同期判定部は、周波数毎に、且つ、前記時間区間毎に、前記最大値算出部によって求められた前記所定数の椅子にそれぞれ対応する前記所定数の振幅の最大値の積を求め、求められた積が大きい程、前記所定数の椅子の間での同期性が高いと判定する、請求項に記載の会話評価装置。
  7. 前記所定数の椅子毎に、前記所定時間内における前記全荷重の最大値及び最小値を用いて、前記全荷重を正規化し、
    前記所定数の椅子毎に、前記所定時間内における前記前後方向の重心位置の最大値及び最小値を用いて、前記前後方向の重心位置を正規化し、
    前記所定数の椅子毎に、前記所定時間内における前記左右方向の重心位置の最大値及び最小値を用いて、前記左右方向の重心位置を正規化する正規化部を備え、
    前記同期判定部は、前記正規化部によって正規化された全荷重、前後方向の重心位置、及び、左右方向の重心位置のうち、少なくとも1つに基づいて前記所定数の椅子の間での同期性を判定する、請求項に記載の会話評価装置。
  8. 前記所定数の椅子毎に、且つ、前記所定時間内において予め設定された時間区間毎に、前記正規化部によって正規化された前記全荷重、前記正規化部によって正規化された前記左右方向の重心位置、及び、前記正規化部によって正規化された前記左右方向の重心位置の中から、最大値を求める最大値算出部を備え、
    前記同期判定部は、前記最大値算出部よって求められた最大値に基づき、前記所定数の椅子の間での同期性を判定する、請求項に記載の会話評価装置。
  9. 前記同期判定部は、前記所定数の椅子にそれぞれ対応する前記最大値算出部よって求められた前記所定数の最大値の積を求め、求められた積が大きい程、前記所定数の椅子の間での同期性が高いと判定する、請求項に記載の会話評価装置。
  10. 2個以上の所定数の椅子にそれぞれ着座した会話者による所定時間の会話におけるコミュニケーション状態を評価する会話評価装置であって、
    前記所定数の椅子に、それぞれ、配置された3個以上の荷重検出器によって検出された検出結果を受信する受信部と、
    受信された検出結果から各椅子の座面にかかる全荷重及び重心位置を、それぞれ、求める重心算出部と、
    前記全荷重及び前記重心位置の少なくとも一方に基づき、前記所定数の椅子にそれぞれ着座している前記所定数の会話者の間におけるコミュニケーション状態を評価する評価部と、
    前記全荷重及び前記重心位置の少なくとも一方に基づき、前記所定数の会話者の間における行動の同期性を判定する同期判定部と
    を備え、
    前記評価部は、前記同期判定部によって前記所定数の会話者の間における行動の同期性が高いと判定される程、コミュニケーションが活発であると評価し、
    前記重心位置は、前記座面の前後方向の重心位置と、前記座面の左右方向の重心位置との2つの位置で表される、会話評価装置。
  11. 2個以上の所定数の椅子にそれぞれ着座した会話者による所定時間の会話におけるコミュニケーション状態を評価する会話評価システムであって、
    前記所定数の椅子と、会話評価装置と、を備え、
    前記所定数の椅子は、それぞれ、
    座面の下部に配置された3個以上の荷重検出器と、
    前記荷重検出器によって検出された検出結果を送信する送信部と、を備え、
    前記会話評価装置は、
    前記所定数の椅子の送信部によって送信された前記検出結果を受信する受信部と、
    受信された検出結果から各椅子の座面にかかる全荷重及び重心位置を、それぞれ、求める重心算出部と、
    前記全荷重及び前記重心位置に基づき、前記所定数の椅子にそれぞれ着座している前記所定数の会話者の間におけるコミュニケーション状態を評価する評価部と、
    前記全荷重及び前記重心位置の少なくとも一方に基づき、前記所定数の会話者の間における行動の同期性を判定する同期判定部と
    を備え、
    前記評価部は、前記同期判定部によって前記所定数の会話者の間における行動の同期性が高いと判定される程、コミュニケーションが活発であると評価
    前記重心位置は、前記座面の前後方向の重心位置と、前記座面の左右方向の重心位置との2つの位置で表される、会話評価システム。
  12. 2個以上の所定数の椅子にそれぞれ着座した会話者による所定時間の会話におけるコミュニケーション状態を評価する会話評価方法であって、
    前記所定数の椅子に、それぞれ、配置された3個以上の荷重検出器によって検出された検出結果を受信する受信工程と、
    受信された検出結果から各椅子の座面にかかる全荷重及び重心位置を、それぞれ、求める重心算出工程と、
    前記全荷重及び前記重心位置に基づき、前記所定数の椅子にそれぞれ着座している前記所定数の会話者の間におけるコミュニケーション状態を評価する評価工程と、
    前記全荷重及び前記重心位置の少なくとも一方に基づき、前記所定数の会話者の間における行動の同期性を判定する工程と
    を含み、
    前記評価工程では、前記判定する工程において前記所定数の会話者の間における行動の同期性が高いと判定される程、コミュニケーションが活発であると評価
    前記重心位置は、前記座面の前後方向の重心位置と、前記座面の左右方向の重心位置との2つの位置で表される、会話評価方法。
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