JP6436927B2 - 高周波用リアクトル - Google Patents

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Description

本発明は、高周波用リアクトルに関し、さらに言えば、数kHz〜数百kHzの高周波で数百A以上の大電流が流れる高周波用リアクトルに関する。この高周波用リアクトルは、電力変換回路用や共振回路用として好適に使用できるものである。
従来、電力変換回路用や共振回路用といった高周波大電流用の用途に使用される高周波用リアクトルには、空芯のソレノイドコイルが一般的に用いられていた。しかし、空芯のソレノイドコイルを用いた場合、漏れ磁束が大きくなるため、誘導加熱により周囲の金属構造物が過熱状態になるのを防止する必要がある。そこで、近年、磁路を形成する部材として、強磁性材料からなるコア(鉄芯)が用いられるようになってきている。コアを磁路形成部材として用いたリアクトルは、直流や低周波では従来から使用されてきたが、高周波・大電流という用途に適用する場合は、以下に述べるように、コアの冷却といった課題を解決する必要がある。
すなわち、コアを磁路形成部材として用いた交流リアクトルは、所望のインダクタンスを得るために、コア中に磁気抵抗となるギャップを必要とする。しかし、単一のギャップとすると、ギャップが大きくなり、漏れ磁束が過大となるため、一般的には、コアに多数の小ギャップを間隔をあけて設け、それによって全体で必要なギャップ量を確保している。これらの小ギャップには、通常、絶縁材の成型物が充填される。
この種の交流リアクトルでは、小ギャップに充填された絶縁材の熱伝導性が低いため、小ギャップ(絶縁材)で分断された(挟まれた)前記コアの個々の部分(分断領域)は、冷却されにくい。その結果、それらの部分が鉄損によって発熱することで、前記コアが過熱状態になる怖れがある。そこで、何らかの方法で前記コアを冷却する必要があるが、そのための一つの方策を採用した高周波用リアクトルが特許文献1(特許第5649231号公報)に開示されている。この高周波用リアクトルは、本願と同一の出願人に係るものである。
特許文献1の高周波用リアクトルでは、複数の(小)ギャップを有する前記コアが、導電性を持つ第1固定部材及び第2固定部材によって互いに隙間(空気流通用の通路)をあけた状態で固定された複数のコア・ブロックから構成されており、電気的に絶縁された状態で前記コアに機械的に接続されたベース部材を介して当該高周波用リアクトルを所望の使用箇所に固定するようになっている。前記ベース部材は、絶縁部材を介して前記第1固定部材に機械的に接続されている。前記ベース部材と前記第1固定部材との距離は、前記ギャップの幅よりも大きくされている。こうすることで、簡単な構成と低い製造コストで、コロナ放電に起因する前記コイルの絶縁性能劣化を防止しながら、前記コアを冷却できるようにしている(請求項1、図1〜図10、段落0023〜0026を参照)。
本発明に関連する他の先行技術としては、特許文献2(特開2010−147106号公報)に開示されたリアクトルがある。このリアクトルでは、コイルを形成する巻線としてリッツ線(線径が非常に小さい導体の外周に絶縁膜を設けてなる複数の導電性素線を束ねたもの)が使用されている。これは、表皮効果による交流抵抗の増加を抑制し、もって前記コイルの銅損を抑制するためである。つまり、前記巻線に高周波電流が流れると、表皮効果によって前記巻線の交流抵抗が増加して、前記巻線の銅損が増加することから、前記巻線としてリッツ線を採用することで前記巻線における発熱を抑制しようとするものである。(請求項1、図1〜図3、段落0002〜0003を参照)。
本発明に関連するさらに他の先行技術としては、特許文献3(特開平11−144971号公報)に開示されたコイル部品がある。このコイル部品は、磁性粉末とスペーシング材を圧縮成型してなるロの字型磁心と、その磁心の対向する磁脚に巻回された巻線を備えており、前記磁心が磁性粉末とスペーシング材の圧縮成型体から構成され、前記巻線がリッツ線から構成されている。このコイル部品では、前記磁心において磁性材中にギャップが分散して形成されるため、前記磁心からの漏れ磁束(リーケージフラックス)が分散する。このため、高周波領域での動作においても、その漏れ磁束に起因する前記巻線中の渦電流が減少し、したがって、その渦電流に起因する前記巻線の銅損、つまり、前記巻線における発熱を抑制することができる。さらに、前記巻線がリッツ線から構成されることから、前記巻線における発熱をいっそう抑制することが可能となる(請求項6、9、図9、段落0056〜0072を参照)。
特許第5649231号公報 特開2010−147106号公報 特開平11−144971号公報
本発明者の研究によれば、上述した特許文献1の高周波用リアクトルでは、簡単な構成と低い製造コストで、コロナ放電に起因する前記コイルの絶縁性能劣化を防止しながら、前記コアを冷却することが可能であるが、前記コイルについて別の問題があることが判明した。それは、前記コイルのリアクタンス(交流抵抗)は、前記コイルの全巻数(全ターン)を使用する場合に最大であり、したがって銅損も最大となるはずなのに、前記コイルの全巻数の一部(一部ターン)を使用する場合の銅損の方が、前記コイルの全巻数を使用する場合の銅損よりも大きくなることがある、という問題である。本発明者は、この問題について鋭意検討した結果、この問題は次のようにして生じることを見出した。
すなわち、特許文献1の高周波用リアクトルでは、高周波磁束の通路としての前記コアが、所定間隔をあけて並置された複数のコア・ブロックから構成されていると共に、それらコア・ブロックの上下両端部は上固定板及び下固定板によって所定位置に固定されている。前記コア・ブロックの各々には、前記高周波磁束の方向に沿って所定間隔で複数のギャップが形成されている。前記コイルの巻線は、前記コア(すなわち前記コア・ブロック群)の中央部の外周に、単一の銅管を前記高周波磁束にほぼ直交する方向に沿って所定回数巻回することによって形成されている。また、所望のインダクタンスを選択可能とするために、前記銅管(前記コイル)の途中に複数の接続端子(タップ)が並設してあり、それら接続端子のうちの二つを選択してそれらの間に所定の電圧を印加することで、前記コイルの全巻数の全部または一部に選択的に電流を流すことができるようになっている。
このため、前記コイルの全巻数の全部に電流を流した場合、前記コア・ブロック群の各々を通過する高周波磁束は、当該コア・ブロック群の上下両端部の近傍(ここには前記コイルの巻線が存在しない)において外部に漏れる。つまり、当該コア・ブロック群の上下両端部の近傍に漏れ磁束が生じる。他方、前記コイルの全巻数の一部に電流を流した場合には、前記コア・ブロック群の上下両端部の近傍に漏れ磁束が生じるだけでなく、前記コア・ブロック群の前記コイルの電流が流れない部分(つまり前記コイルの不使用部分)と重なる領域(重なり領域)にも漏れ磁束が生じる。これらの漏れ磁束は、前記コイルの前記不使用部分に渦電流を惹起し、しかも、表皮効果によって前記コイル自体の抵抗が増加するから、前記不使用部分に生じる銅損は大きなものになるのである。その結果、前記コイルの前記不使用部分が過熱状態になる。
このように、前記コイルの全巻数の一部に電流を流した場合には、前記コイルの使用部分で銅損が生じるだけでなく、前記コイルの前記不使用部分でも銅損が生じるため、それら銅損の和が、前記コイルの全巻数に電流を流した場合に生じる銅損よりも大きくなってしまい、上述した問題が生じることが判明したのである。
上述した問題の原因、すなわち、前記コイルの前記不使用部分に生じる渦電流を考慮すると、前記コイルの巻線として使用されている前記銅管に代えて、上述した特許文献2のリアクトルや特許文献3のコイル部品で使用されているようなリッツ線を使用することで、上記問題を解決できそうである。しかし、単にリッツ線を使用するだけでは、上記問題を解決することはできないことが明らかである。なぜなら、高周波大電流用の高周波リアクトルでは、コイルに流れる電流が数百A以上の大電流であるため、リッツ線を形成する導電性素線の各々が持つ薄膜の絶縁材では、前記コイルの1ターン当たりに作用する電圧に耐えられないからである。何らかの方法で前記コイルの絶縁能力を強化しなければならない。また、前記コイルへの高周波電流の通電に伴い前記コイルが発熱することから、前記コイルの冷却方法についても考えなければならない。しかし、特許文献2及び3には、これらについては何ら教示も示唆もされていない。
また、複数の導電性素線の束というリッツ線の構成から考えて、複数の前記接続端子(タップ)をそのリッツ線の途中に設けるのは容易ではない。よって、この点においても何らかの工夫が必要である。
さらに、前記コイルの全巻数の全部に電流を流す場合でも、その一部に電流を流す場合でも、表皮効果に起因して前記コイルに生じる銅損それ自体を低減することも望まれる。
本発明は、以上述べたような事情を考慮してなされたものであり、その目的とするところは、コイルの全巻数のうちの所望部分(所望ターン)を選択して使用できる構成を持つ場合に、例えば、コイルの全巻数の一部を使用する場合の銅損の方が、そのコイルの全巻数を使用する場合の銅損よりも大きくなる、というような不合理な事態の発生を防止することができる高周波用リアクトルを提供することにある。
本発明の他の目的は、コイルのうちの所望部分(所望ターン)を選択して使用できる構成を持つ場合に、前記コイルの全巻数の最小部分(最小ターン)を使用する場合に銅損が最小となり、前記コイルの全巻数の最大部分(最大ターン)を使用する場合に銅損が最大となるというような、単調増加の電力損失特性を持つ高周波用リアクトルを提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、コイルの全巻数のうちの所望部分(所望ターン)を選択して使用できる構成を持つ場合に、前記コイルが単一の導体(例えば銅管)を前記コアまたはその一部に複数回巻回させた構成を持つ従来例に比べて、表皮効果に起因して前記コイルに生じる銅損それ自体を低減することができる高周波用リアクトルを提供することにある。
ここに明記しない本発明の他の目的は、以下の説明及び添付図面から明らかになる。
(1)本発明の高周波用リアクトルは、
複数のコイル要素を直列に接続した構成を持つ、通電によって磁束を生成するコイルと、
前記磁束を通すための磁路を形成するコアと、
前記コイルの全巻数のうちの所望部分を選択して使用できるようにするために、前記コイルの近傍に設けられた複数の接続端子とを備え、
複数の前記コイル要素の各々は、線状導体を前記コアまたはその一部に1回または複数回巻回させることによって形成されていると共に、互いに隣接する前記線状導体は、それら線状導体の間にある前記接続端子を用いて電気的・機械的に相互接続されており、
前記線状導体は絶縁被膜を有する導電性素線を複数個束ねてなるリッツ線の構成を有しており、
前記線状導体の外周は絶縁性の被覆材で覆われている
ことを特徴とするものである。
本発明の高周波用リアクトルでは、前記コイルが複数の前記コイル要素を直列に接続した構成を持ち、それらコイル要素の各々が、前記コアまたはその一部に1回または複数回巻回させてなる前記線状導体によって形成されている。また、互いに隣接する前記線状導体(前記コイル要素)が、それら線状導体(コイル要素)の間にある前記接続端子を用いて電気的・機械的に相互接続されている。このため、前記線状導体が前記絶縁被膜を有する前記導電性素線を複数個束ねてなるリッツ線の構成を有していても、前記コイルの近傍に設けられた前記接続端子を介して前記コイルに電圧を印加することで、前記コイルの全巻数のうちの所望部分を選択して使用することが可能である。つまり、前記線状導体がリッツ線の構成を持っていても、前記コイルの途中の所望箇所に複数の前記接続端子を設けることが可能である。
また、前記線状導体は、前記絶縁被膜を有する前記導電性素線を複数個束ねてなる素線束の外周を前記絶縁性被覆材(例えば絶縁チューブ、ホース等)によって覆うことで形成されているので、前記線状導体の絶縁能力が強化されている。したがって、前記線状導体は、リッツ線の構成を持っていても、前記コイルの1ターン当たりに作用する高電圧に耐えることができる。
さらに、前記線状導体は、前記絶縁被膜を有する前記導電性素線を複数個束ねてなるリッツ線の構成を有すると共に、その外周が前記絶縁性被覆材によって覆われているため、電流密度によっては、前記絶縁性被覆材の外周面に接する大気(空気)によって効果的に冷却され、過熱状態になる恐れがない。大気による冷却(空冷)では不十分な場合には、例えばファンを用いて送風することで、前記線状導体を強制的に冷却することができるので、この場合も前記線状導体が過熱状態になる恐れがない。
また、複数の前記コイル要素の各々が、リッツ線の構成を持つ前記線状導体を前記コアまたはその一部に1回または複数回巻回させることによって形成されているため、前記コイルの全巻数の一部に高周波の大電流を流した際に、前記コアの前記コイルの電流が流れない部分(つまり前記コイルの不使用部分)と重なる領域(重なり領域)に漏れ磁束が貫通しても、その漏れ磁束によって前記コイル(前記コイル要素)の不使用部分に生じる渦電流は効果的に抑制される。しかも、前記コイル(前記コイル要素)に高周波の大電流を流しても、表皮効果は生じ難い。したがって、前記コイル自体の交流抵抗も抑制される。
したがって、前記コイルの全巻数のうちの所望部分(所望ターン)を選択して使用できる構成を持つ場合に、例えば、前記コイルの全巻数の一部を使用する場合の銅損(発熱量)の方が、そのコイルの全巻数を使用する場合の銅損(発熱量)よりも大きくなる、というような不合理な事態の発生を確実に防止することができる。また、その結果として、前記コイルの全巻数の最小部分を使用する場合に銅損(発熱量)が最小となり、前記コイルの全巻数を使用する場合に銅損(発熱量)が最大となるというような、単調増加の電力損失特性が得られる。
さらに、前記コイル要素の各々に表皮効果が生じ難いことから、前記コイル(前記コイル要素)に高周波の大電流を流してもそのコイル自体の交流抵抗はほとんど増加しない。つまり、前記コイルが単一の導体(例えば銅管)を前記コアまたはその一部に複数回巻回させた構成を持つ従来例に比べて、表皮効果に起因して前記コイルに生じる銅損それ自体を低減することができる。
(2) 本発明の高周波用リアクトルの好ましい例では、前記コイルの両端に位置する前記コイル要素以外の前記コイル要素の各々では、互いに隣接する位置にある二つの前記線状導体のうちの一方の一端と他方の一端とが、対応する一つの前記接続端子に機械的・電気的に共通接続され、それによって前記二つの線状導体がそれらの間にある前記接続端子を用いて電気的に相互接続される。
(3) 本発明の高周波用リアクトルの他の好ましい例では、前記線状導体が、前記絶縁被膜を有する前記導電性素線を複数個束ねてなる素線束を複数個、さらに撚って束ねてなる素線束の束からなり、その素線束の束の外周が前記被覆材で覆われる。
(4) 本発明の高周波用リアクトルのさらに他の好ましい例では、前記線状導体と前記被覆材の間に、前記線状導体を冷却するための冷却用流体(例えば水、空気等)を流動するための内部空隙が形成され、前記線状導体の端部に、前記内部空隙に対して前記冷却用流体の供給・排出を行うための流体供給・排出部材(例えばニップル)が設けられる。
(5) 本発明の高周波用リアクトルのさらに他の好ましい例では、複数の前記接続端子が、前記コイルの近傍に設置された端子固定部材(例えば端子固定板)に固定され、前記コイルに含まれるすべての前記線状導体が、複数の前記接続端子を介して前記端子固定部材によって機械的に支持される。
(6) 本発明の高周波用リアクトルのさらに他の好ましい例では、前記コアが、複数のコア・ブロックと、それらコア・ブロックを所定位置に固定する少なくとも一つのコア・ブロック固定部材(例えば上固定板と下固定板)とを備え、前記端子固定部材が前記コア・ブロック固定部材に保持される。
(7) 本発明の高周波用リアクトルのさらに他の好ましい例では、前記コアが、複数のコア・ブロックを組み合わせた構成を有し、それらコア・ブロックの間に前記コア・ブロックを冷却するための冷却媒体を通過させるための冷却媒体通路が設けられる。
本発明の高周波用リアクトルによれば、(a)コイルの全巻数のうちの所望部分(所望ターン)を選択して使用できる構成を持つ場合に、例えば、コイルの全巻数の一部を使用する場合の銅損の方が、そのコイルの全巻数を使用する場合の銅損よりも大きくなる、というような不合理な事態の発生を防止することができる、(b)コイルのうちの所望部分(所望ターン)を選択して使用できる構成を持つ場合に、前記コイルの全巻数の最小部分(最小ターン)を使用する場合に銅損が最小となり、前記コイルの全巻数の最大部分(最大ターン)を使用する場合に銅損が最大となるというような、単調増加の電力損失特性を持つ、(c)コイルの全巻数のうちの所望部分(所望ターン)を選択して使用できる構成を持つ場合に、前記コイルが単一の導体(例えば銅管)を前記コアまたはその一部に複数回巻回させた構成を持つ従来例に比べて、表皮効果に起因して前記コイルに生じる銅損それ自体を低減することができる、といった効果が得られる。
本発明の第1実施形態に係る高周波用リアクトルの要部構成を示す平面図である。 本発明の第1実施形態に係る高周波用リアクトルの要部構成を示す側面図である。 本発明の第1実施形態に係る高周波用リアクトルに使用されているコイル要素としての線状導体の構造を概略的に示す図で、(a)は複数の導電性素線を撚って束ねてなる素線束と、その外周を覆う絶縁チューブとを備えた構成を示す断面図、(b)は複数の素線束を撚って束ねてなる素線束をさらに撚って束ねてなる素線束の束と、その外周を覆う絶縁チューブとを備えた構成を示す断面図、(c)は(a)の構成を持つ場合の要部外観図である。 本発明の第2実施形態に係る高周波用リアクトルの要部構成を示す平面図である。 本発明の第2実施形態に係る高周波用リアクトルの要部構成を示す側面図である。 本発明の第2実施形態に係る高周波用リアクトルに使用されているコイル要素としての線状導体の構造を概略的に示す図で、(a)はコイル要素としての線状導体とその端部の構成を示す要部側面図、(b)はその要部平面図である。 (a)は本発明の第2実施形態に係る高周波用リアクトルに使用されているコイル要素としての線状導体の端部の構成を示す要部拡大側面図、(b)はその要部拡大平面図である。 本発明の第1実施形態及び第2実施形態に係る高周波用リアクトルのコイル要素として使用されている線状導体の、リッツ線構成を作製するプロセスの一例を示す断面説明図である。 コイル導体として単一の銅管を使用した従来の高周波用リアクトルの要部構成を示す正面断面図であり、高周波電流がコイルの全巻数の全部に流れる時の磁束の状態を示している。 コイル導体として単一の銅管を使用した従来の高周波用リアクトルの要部構成を示す側面図である。 コイル導体として単一の銅管を使用した従来の高周波用リアクトルの要部構成を示す正面断面図であり、高周波電流がコイルの全巻数の一部に流れる時の磁束の状態を示している。 コイル導体として単一の銅管を使用した従来の高周波用リアクトルの要部構成を示す側面図であり、高周波電流がコイルの全巻数の一部に流れる時のコアとその不使用部分の重なり領域を示している。
以下、本発明の好適な実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
(第1実施形態の構成)
本発明の第1実施形態に係る高周波用リアクトル1を図1〜図3に示す。この高周波用リアクトル1の全体構造は、図1及び図2に示すとおりである。
図1及び図2から分かるように、第1実施形態に係る高周波用リアクトル1は、通電によって磁束を生成するコイル10と、コイル10により生成された磁束を通すための磁路を形成するためのコア(磁路形成部材)20とを備えている。
コイル10は、複数のコイル要素13を直列に接続した構成を持つ、平面形状が略楕円形のソレノイドコイルで(図1を参照)、コア20の内側にコア20をその前後方向に貫通するように配置されている。コイル10は、所定のインダクタンスを得るために、外周が絶縁被覆された線状導体13aからなるコイル要素13を複数個、コア20の中央部21aの周囲に螺旋状に巻き付けた構成を持ち、全体が略楕円形の断面を持つ筒状になっている。コイル10の前端部はコア20の前端面から前方(図1及び2では左側)に突出し、コイル10の後端部は湾曲した状態でコア20の後端面から後方(図1及び2では右側)に突出している。コイル10の前端部と後端部以外の部分は、コア20の内側にある。後述するように、各コイル要素13を形成する線状導体13aは、リッツ線の構成を有している。
コア20の近傍には、具体的に言えば、コア20の前端面より少し前方に離れた位置には、矩形の端子固定板17が上下方向に延在するように設けられている。端子固定板17の前面には、複数の接続端子(タップ)11が所定レイアウトで並列固定されている。これらの接続端子11は、必要に応じて、コイル10の全巻数のうちの所望部分を選択して使用できるようにするために設けられている。高周波電圧を容易に印加できるように、すべての接続端子11は端子固定板17の前面より前方に突出した状態で配置されている。また、すべての接続端子11の後端部は、端子固定板17の後面より後方に少し突出している。これは、各コイル要素13を形成する線状導体13aの端部13aaを対応する接続端子11に接続する作業を容易にするためである。
最上位と最下位にある接続端子11以外の接続端子11の後端部には、端子固定板17の後面側において、隣接する二つのコイル要素13を形成する線状導体13aの端部13aaが電気的・機械的に共通接続されている。換言すれば、隣接する二つのコイル要素13を形成する線状導体13aは、それら線状導体13aの間にある接続端子11を介して、電気的に相互接続されている。また、最上位にある接続端子11の後端部には、端子固定板17の後面側において、最上位にあるコイル要素13を形成する線状導体13aの端部13aaが電気的・機械的に単独接続されている。最下位にある接続端子11の後端部には、端子固定板17の後面側において、最下位にあるコイル要素13を形成する線状導体13aの端部13aaが電気的・機械的に単独接続されている。コイル10を構成するすべてのコイル要素13は、このようにして、対応する接続端子11を介して直列接続されているのである。したがって、接続端子11のうちの任意の二つを選択してそれらの間に所定の高周波電圧を印加することで、コイル10の全巻数の全部または一部に選択的に高周波電流を流す(つまり、コイル10の全巻数の全部または一部を選択的に使用する)ことが可能である。
コア20の上端と下端には、矩形状の上固定板30と下固定板40がそれぞれ配置されており、上固定板30と下固定板40は機械的に相互接続されている。こうして、コア20は、上固定板30と下固定板40によって挟持されている。これは、後述するように、コア20が複数のコア・ブロック21を組み合わせて構成されているため、それらコア・ブロック21を所定位置に固定する必要があるからである。
上固定板30と下固定板40の機械的接続(連結)は、4本の連結ボルト50を用いて行われている。各連結ボルト50の下端は、その下端に形成されたネジ部(図示せず)を下固定板40の対応する透孔(図示せず)に挿入されており、下固定板40を貫通した先端部に締付ナット51がねじ込まれている。各連結ボルト50の上端のネジ部(図示せず)は、上固定板30の対応する透孔(図示せず)に挿入されており、上固定板30を貫通した先端部に締付ナット51がねじ込まれている。コア20を構成する複数(ここでは7個)のコア・ブロック21は、このようにして、所定間隔を維持しながら上固定板30と下固定板40によって押圧・挟持され、相互に一体化されている。
上固定板30と下固定板40の材料は、導電性があることが必要であり、電気伝導度の高い銅またはアルミニウムとするのがより好ましい。こうすることで、コア20の上下両端部から生じる漏れ磁束が効果的に遮蔽され、漏れ磁束に起因する周囲の金属構造物の過熱を防止することができる。なお、上固定板30と下固定板40の外面は、覆われておらず、裸のままである。
本第1実施形態に係る高周波用リアクトル1が対象としているのは、主として、約1kHz〜100kHzの高周波数の大電流(約300A以上)であるから、上記の連結ボルト50と締付ナット51が過熱状態になるのを防止するためには、連結ボルト50と締付ナット51は絶縁物から、例えばFRP(繊維強化プラスチック)から作られているのが好ましい。
上固定板30の前端と下固定板40の前端部には、端子固定板17の上端と下端がそれぞれ接続されている。端子固定板17は、こうして、コイル10及びコア20の前方において、上固定板30と下固定板40によって保持されている。また、コイル10を構成するすべてのコイル要素13は、端子固定板17上の対応する接続端子11にそれぞれ電気的・機械的に接続されている。このため、コイル10は端子固定板17によって保持され、端子固定板17は上固定板30と下固定板40によって保持され、コア20は上固定板30と下固定板40によって保持されていることになる。
下固定板40は、コア20とは反対側に(ここではコア20の下方に)配置された4個の絶縁性の高圧用碍子(図示せず)によって、所定間隔をあけて、略矩形板状で導電性のベース(図示せず)に機械的に接続されている。このベースには、高周波用リアクトル1を固定するための透孔(図示せず)が複数個、形成されている。高周波用リアクトル1を使用する際には、例えば、それらの透孔にボルトを挿入してその端部にナットをねじ込むことで、所望の構造物に前記ベースを固定すればよい。その時、前記ベースに取り付けられている接地線接続ネジによって、接地線(図示せず)の一端を前記ベースに固定する。こうして、前記ベースを接地電位に維持することができる。この点は、上述した特許文献1に記載の高周波用リアクトルと同様であるから、これ以上の詳細な説明は省略する。
上述したように、コア20の上端部と下端部に導電性の上固定板30と下固定板40がそれぞれ配置されているので、コア20からその上方及び下方へ生じる漏れ磁束は、上固定板30と下固定板40によって効果的に遮蔽される。その結果、上固定板30の上方にある金属構造物や、下固定板40の下方にある前記ベースと金属構造物(高周波用リアクトル1が固定される金属構造物を含む)が、漏れ磁束によって過熱状態になるのを防止することができる。
上固定板30と下固定板40には、後述するように、上固定板30と下固定板40の内側の近傍領域にそれぞれ生成される漏れ磁束によって少なくない渦電流が流れるため、電気伝導度が高い材料で作られていても、かなりの熱が発生する。そこで、必要に応じて、上固定板30と下固定板40には、それぞれ、冷却機構が設けられる。例えば、上固定板30の内部に冷却水通路が形成され、その冷却水通路の両端に一対の冷却水ニップル(図示せず)が装着され、それらの冷却水ニップルを通じて、上固定板30の内部に冷却水を供給・排出できるようにするのが好ましい。これは下固定板40についても同様である。しかし、本実施形態では、上固定板30と下固定板40には冷却機構が設けられていない。
次に、上記構成を持つコア20の詳細構造について説明する。
コア20は、単一部材ではなく、図1及び図2に明瞭に示すように、同じ構成を持つ7個のコア・ブロック21を組み合わせて構成されている。換言すれば、コア20は、7個のコア・ブロック21に分割されている。これらのコア・ブロック21は、ここではフェライト製であるが、これに限定されるものではなく、他の強磁性材料(例えば珪素鋼板など)で作られていてもよい。また、コア20を構成するコア・ブロック21の総数も任意であり、仕様に応じて最適となるように決定される。なお、これらコア・ブロック21の外表面は、覆われておらず、裸のままである。
7個のコア・ブロック21は、いずれも同じ矩形板状であり、同じ姿勢で、一方向(ここでは前後方向)に沿って、互いに平行に等間隔で配置されており、上固定板30と下固定板40によって所定位置に保持・固定されている。隣接するコア・ブロック21の間の隙間は、冷却媒体通路22となっている。
7個のコア・ブロック21を同じ姿勢で且つ等間隔で保持・固定するため、下固定板40の内側(上側)には、7個の略矩形のコア・ブロック係合溝(図示せず)が形成されており、それらコア・ブロック係合溝の一つひとつに、各コア・ブロック21の下部21eの先端が係合するようになっている。隣接するコア・ブロック係合溝の間には、冷却媒体用スリット(図示せず)が形成されていて、その冷却媒体用スリットを介して、隣接するコア・ブロック21の間にある冷却媒体通路22は相互に連通している。同様に、上固定板30の内側(下側)にも、7個の略矩形のコア・ブロック係合溝(図示せず)が形成されており、それらコア・ブロック係合溝の一つひとつに、各コア・ブロック21の上部21dの先端が係合するようになっている。隣接するコア・ブロック係合溝の間には、冷却媒体用スリット(図示せず)が形成されていて、その冷却媒体用スリットを介して隣接するコア・ブロック21の間にある冷却媒体通路22は、相互に連通している。
このように、隣接するコア・ブロック21の間にある冷却媒体通路22が、その上下にある冷却媒体用スリットと連通しているため、冷却媒体である空気(大気)は、コア20の内部を6層になって上下方向に貫通して流動するようになる。しかも、コア20の両端(前端及び後端)にある二つのコア・ブロック21の外面も、冷却媒体である空気に接触していて、その空気は自由に流動可能である。このように、各々のコア・ブロック21の全面を空気が流動可能になっているから、空気の自然対流のみで、各々のコア・ブロック21(すなわちコア20)に対して所望の冷却効果が得られる。
本実施形態では、冷却媒体通路22を通過する冷却媒体は、空気(大気)である。また、冷却媒体としての空気は、自然対流で冷却媒体通路22を通過するようになっている。しかし、自然対流では冷却効果が不十分な場合は、下固定板40の下方に強制冷却ファンを取り付けるなどして、冷却媒体としての空気が強制的に冷却媒体通路22を通過させるようにしてもよい。つまり、必要に応じて、強制冷却構造としてもよい。
本発明者による実験では、コア・ブロック21の材料としてフェライトを使用した場合、コア・ブロック21(コア20)の単位重量当たりの鉄損が概ね15W/kg程度までは、ファンを使用しない自然対流による空気冷却(空冷)で、コア・ブロック21の過熱なしに連続使用が可能であった。
各コア・ブロック21は、図1に明瞭に示すように、一定厚さの矩形板から二つの矩形の透孔21cをくりぬいた形状をしている。二つの透孔21cの間の部分が中央部21aで、中央部21aの左右両側に配置された部分が端部21bである。中央部21aと二つの端部21bの上端は、上部21dによって互いに連結されている。中央部21aと二つの端部21bの下端は、下部21eによって互いに連結されている。こうして、コア・ブロック21の全体形状は、漢字の「日」を横に寝かせた形状になっている。図1及び図2に示すように、コイル10は、各コア・ブロック21の中央部21aを取り巻くように二つの透孔21cを貫通しており、その状態で端子固定板17によって保持されている。
通電時にコイル10によって生成される磁束が通過する磁路は、コア・ブロック21の中央部21aから上部21d(または下部21e)を通って左右の端部21bを通過し、さらに下部21e(または上部21d)を通って中央部21aに戻るルートである。したがって、コイル10の全巻数の全部に高周波電流を流すと、磁束はそのルートに沿ってコア・ブロック21内に生成される。磁束は、コア・ブロック21の上部21d及び下部21eから漏れやすいが、導電性の上固定板30と下固定板40がそれらに密着して配置されているため、漏れ磁束のほとんどが上固定板30と下固定板40で効果的に遮蔽され、上固定板30の上方と下固定板40の下方には漏れ磁束は生成されない。しかし、上固定板30と下固定板40の内側、すなわち、上固定板30の下方領域と下固定板40の上方領域にはそれぞれ、透孔21cを横断するように漏れ磁束が生成される。
各コア・ブロック21の中央部21aと左右の端部21bには、図2に示すように、磁路に所望の磁気抵抗を生成するための複数のギャップ21fが形成されており、これらのギャップ21fの大きさの合計が必要なギャップ値に等しくなるようにしている。これらのギャップ21fには、薄い絶縁性のギャップ板(ギャップ絶縁材)23が充填されている。ギャップ板23は、絶縁材を成形したものである。ギャップ板23の厚さ(ギャップ21fの大きさ)が小さい方が漏れ磁束が減少するので、好ましい。ギャップ板23の厚さ(ギャップ21fの大きさ)は、例えば10mm以下、より好ましくは5mm以下とするのが好ましい。
コア・ブロック21の中央部21aと端部21bは、ギャップ板23(ギャップ21f)によって分断されているので、隣接する二つのギャップ板23(ギャップ21f)で挟まれた箇所(以下、この箇所を「分断領域」という)24は、どこにも電気的に接続されていない。つまり、コイル10に通電した時には、各々の分断領域24は、電気的に浮いた状態(電気的フローティング状態)にあり、その電位はフローティング電位にあることになる。なお、上固定板30と下固定板40はいずれも導体であるので、上部21dは上固定板30と同じ電位となり、下部21eは下固定板40と同じ電位となる。
一般に、高周波用リアクトル1のコイル10の両端電圧V(V)は、リアクトル1のインダクタンスをL(H)、リアクトル1に供給される電流をI(A)、その周波数をf(Hz)とすると、V=2πfLIの式により求められる。したがって、周波数fが高いほど、電流Iが大きいほど、コイル10(リアクトル1)の両端電圧Vは高くなる。例えば、f=10,000(Hz)、L=100(μH)、I=500(A)とすると、両端電圧Vは、
V=2π×10,000×100×10−6×500=3,142(V)
もの高電圧となる。したがって、空気と接触するコア・ブロック21の表面において、コロナ放電が生じる可能性が高いことが分かる。
しかも、本実施形態の高周波用リアクトル1では、フローティング電位にある分断領域24が多数あるので、コロナ放電はいっそう発生しやすい。コア・ブロック21に隣接する空気中でコロナ放電が生じると、コイル10の絶縁性能の劣化、具体的に言えば、後述する線状導体13aの絶縁被覆の寿命短縮という問題が生じる。その結果、最終的には、高周波用リアクトル1が絶縁破壊を生じる恐れがある。高周波用リアクトル1に供給される電流の周波数に反比例して、線状導体13aの絶縁被覆の寿命が短くなるので、周波数が高くなればなるほど、コロナ放電を防止する必要性が高くなる。
本実施形態の高周波用リアクトル1は、数kHz〜数百kHzの高周波で数百A以上の大電流用であるから、コロナ放電防止の必要性は極めて高いが、コロナ放電は効果的に防止されるようになっている。その理由の詳細は、上述した特許文献1に記載されているので省略するが、要するに、高電圧部に近くコロナ放電発生の原因となる上固定板30と下固定板40並びにコア・ブロック21を、接地電位に電位固定せず、代わりに高圧用碍子(図示せず)で接地電位から絶縁しているからである。こうすることで、印加電圧の大部分を前記高圧用碍子に作用させることができるため、上固定板30、下固定板40及びコア・ブロック21に作用する電圧を大幅に小さくして、コロナ放電が発生し難くすることが可能となるのである。
続いて、コイル10の構造についてより詳細に説明する。
コイル10は、上述したように、線状導体13aからなる複数のコイル要素13の集合体となっている。この理由は、互いに隣接するコイル要素13(線状導体13a)をそれらの間にある接続端子11を介して電気的・機械的に相互接続することにより、リッツ線の構成を持つ線状導体13aによるコイル10の形成と、コイル10の巻回構造の途中への複数の接続端子11の設置とを、同時に実現できるようにするためである。このようにすることにより、線状導体13aにリッツ線の構成を使用しながら、コイル10の全巻数のうちの所望部分を選択して使用できるようになる。
各々のコイル要素13は、コア20の二つの透孔21cを貫通して中央部21aの周囲に1回(1ターン)または複数回(複数ターン)巻回せしめられた線状導体13aから構成されている。線状導体13aの両端部13aaには、コイル10の前方に設置された端子固定板17上の複数の接続端子11との接続を容易にするために、圧着端子がそれぞれ接続されている。それらの圧着端子は、固定ネジ12を用いて、それぞれ対応する接続端子11の後端部に接続されている。各固定ネジ12は、圧着端子の透孔(図示せず)を貫通して対応する接続端子11の後端部のネジ孔(図示せず)にねじ込まれている。このような構成によって、線状導体13a(コイル要素13)の各端部13aaが対応する接続端子11にそれぞれ機械的・電気的に接続されている。その結果、コイル10を構成するすべてのコイル要素13(線状導体13a)が直列に電気的接続され、全体として、単一のソレノイドコイルとしての機能を発揮することができる。
ここでは、コイル10を構成する複数のコイル要素13が、コイル10の中央部21aの周囲に巻回されているが、本発明はこれには限定されない。コイル10を構成する複数のコイル要素13が、コア20の全体の外周に巻回されてもよいことは言うまでもない。
図1及び図2に明瞭に示すように、各コイル要素13を形成する線状導体13aは、巻数が一定ではなく、最小の巻数(ターン数)は例えば1、最大の巻数(ターン数)は例えば8とされる。各線状導体13aの巻数は、接続端子11の選択によってどのような可変インダクタンス値に設定できるようにする必要があるか等に応じて、任意に決定される。すべてのコイル要素13の線状導体13aは互いに分離・独立しており、それら線状導体13aが上下方向に積み重なるように配置されていると共に、順に相互に直列接続されている。隣接する二つの線状導体13a(コイル要素13)の電気的・機械的接続は、それらの間にある接続端子11を介して行われている。具体的に説明すると、上下に隣接する二つの線状導体13a(コイル要素13)について、下方の線状導体13aの上位にある端部13aaと、上方の線状導体13aの下位にある端部13aaとが、それら線状導体13aの間にある単一の接続端子11に機械的に共通接続されており、それによって上下に隣接する二つの線状導体13a(コイル要素13)が電気的に相互接続されているのである。
コイル10は以上のような構成を有しているため、後述するように、線状導体13a(コイル要素13)をリッツ線構成としても、最上位から最下位までの線状導体13a(コイル要素13)を互いに直列に接続して、コイル10を構成することができると同時に、これら線状導体13a(コイル要素13)同士の接続箇所の各々と両端に接続端子11をそれぞれ接続・配置することが可能である。
図2に示した例で言えば、最上位の線状導体13a(コイル要素13)の巻数は5であり、最上位から2番目の線状導体13a(コイル要素13)の巻数は2であり、最上位から3番目、つまり最下位の線状導体13a(コイル要素13)の巻数は8である。接続端子11の総数は4個である。そして、最上位の線状導体13aの一方の(上位にある)端部13aaは、最上位にある接続端子11に単独で接続されている。最上位の線状導体13aの他方の(下位にある)端部13aaと、最上位から2番目の線状導体13aの一方の(上位にある)端部13aaとは、最上位から2番目にある接続端子11に共通接続されており、これによって、最上位の線状導体13aと最上位から2番目の線状導体13aとは相互に電気的に接続されている。同様に、最上位のから2番目の線状導体13aの他方の(下位にある)端部13aaと、最上位から3番目(最下位)の線状導体13aの一方の(上位にある)端部13aaとは、最上位から3番目にある接続端子11に共通接続されており、これによって、最上位から2番目の線状導体13aと最上位から3番目(最下位)の線状導体13aとは相互に電気的に接続されている。最上位から3番目(最下位)の線状導体13aの他方の(下位にある)端部13aaは、最上位から4番目(最下位)にある接続端子11に単独で接続されている。
図2の例では、3個のコイル要素13は、このようにして相互に電気的接続され、全体としてコイル10(ソレノイドコイル)の機能を発揮するようになっていると共に、コイル10の全巻数の途中に4個の接続端子11を配置して、コイル10の全巻数のうちの所望部分を選択して使用できるようになっている。例えば、最上位の接続端子11とその直下(最上位から2番目)の接続端子11の間に電圧を印加すると、巻数5に対応するインダクタンスが得られ、最上位の接続端子11と最上位から3番目の接続端子11の間に電圧を印加すると、巻数7(=5+2)に対応するインダクタンスが得られる。また、最上位の接続端子11と最上位から4番目(最下位)の接続端子11の間に電圧を印加すると、巻数15に対応するインダクタンスが得られる。よって、線状導体13a(コイル要素13)をリッツ線で形成しながら、接続端子11を選択することで所望のインダクタンスを選択しながら高周波用リアクトル1を稼働することが可能である。
次に、図3を参照しながら、各コイル要素13を形成する線状導体13aの具体的構成について説明する。
図3(a)の例では、線状導体13aは、複数(図では19本とされているが、実際は数百〜数千本)の絶縁被膜14bを有する導電性14(線径は例えば0.1〜0.2mmとする)を撚って束ねることで形成されており、「リッツ線」の構成を有している。この線状導体13aの全体構成は、図3(c)のようになる。各導電性素線14は、通常、図8に示すように、細い銅線14aの外周を絶縁被膜14bで被覆してなるエナメル線である。また、束ねられた複数の導電性素線14(つまり素線束16)を複数個、さらに束ねて素線束の束16aとして使用するのが一般的である。なお、線状導体13aの各端部13aaでは、各々の導電性素線14の絶縁被膜14bが剥離されていて、それらの剥離部分に圧着端子が固着されている。
線状導体13aには大きな高周波電流が流れるため、かなり発熱するから、線状導体13aを冷却する必要がある。図3(a)の例では、線状導体13aは、その絶縁チューブ15が常時接触する大気によって自然冷却されるようになっている。線状導体13aからの発熱量がそれほど大きくない場合は、このような自然冷却で十分である。しかし、自然冷却では足りないほど線状導体13aからの発熱量が大きい場合は、例えば、適当なファンをコイル10の近傍に設置して、高周波リアクトル1の稼働中に線状導体13aに向けて送風するようにするのがよい。つまり、線状導体13aを強制冷却するのがよい。
線状導体13a用の絶縁チューブ15としては、例えば公知の熱収縮チューブが好適に利用できるが、これには限定されない。電気的絶縁性を持つチューブであれば、任意のものが使用可能である。
図3(b)の例は、線状導体13aは、図3(a)の線状導体13aから絶縁チューブ15を除いた構成を持つ素線束16を複数個(図では3個)束ねて撚り、その周囲を絶縁チューブ15で覆った構成を有している。つまり、図3(b)の線状導体13aは、数百〜数千本の導電性素線14を撚って束ねた「リッツ線」の構成を持つ素線束16を複数個、さらに撚って束ねてなる素線束の束16aから形成されており、「複合リッツ線」の構成を有している。絶縁チューブ15は、その素線束の束16aの外周を被覆するように装着されている。より大きな電流を流す場合には、図3(a)の構成に代えて、線状導体13aを図3(b)のような構成とするのが好ましい。
図3(b)の構成では、絶縁チューブ15とその内側にある複数の素線束16の間に内部空隙15aが形成されることがあるが、この内部空隙15aによって何ら問題は生じない。
図3(a)、図3(b)のいずれの構成においても、線状導体13aを形成する導電性素線14の総数や素線束16の総数は、流れる高周波電流の大きさに応じて適宜設定すればよい。同様に、導電性素線14の線径や材質も、流れる高周波電流の大きさに応じて適宜設定すればよい。
(第1実施形態の動作)
次に、以上の構成を持つ本発明の第1実施形態に係る高周波用リアクトル1の動作について、コイル導体に単一の銅管を使用した従来の高周波用リアクトル101と比較しながら説明する。
図9及び図10は、コイル導体に単一の銅管を使用した従来の高周波用リアクトル101において、高周波電流がコイルの全巻数の全部に流れる時の磁束の状態を示す。また、図11及び図12は、その従来の高周波用リアクトル101において、高周波電流がコイルの全巻数の一部に流れる時の磁束の状態を示す。
図9及び図10に示すように、従来の高周波用リアクトル101は、コイル110を除いて、本発明の第1実施形態に係る高周波用リアクトル1とほぼ同一の構成を持つ。すなわち、従来の高周波用リアクトル101は、通電によって磁束を生成するコイル110と、コイル110により生成された磁束を通すための磁路を形成するためのコア(磁路形成部材)120とを備えている。コイル110は、略楕円形の平面形状で単一の銅管を複数回巻回してなるソレノイドコイルで、コア120の内側にコア120を前後方向に貫通するようにして固定されている。図10に示すように、コア120の前端からは、コイル110の前面に設けられた複数の接続端子(タップ)111が前方に突出している。接続端子111は、本実施形態の高周波リアクトル1とは異なり、コイル110の前面に直接装着されている。端子固定板は設けられていない。コア120の後端からは、コイル110の湾曲した後端部が後方に突出している。
コア120の構成は、本実施形態の高周波用リアクトル1のコア20のそれと同じである。すなわち、コア120は7個のコア・ブロック121から構成され、それらコア・ブロック121の間には冷却媒体通路122が形成されている。各コア・ブロック121は、一定厚さの矩形板から二つの矩形の透孔121cをくりぬいた形状をしており、その全体形状は漢字の「日」を横に寝かせた形状になっている。透孔121cの間の部分が中央部121a、中央部121aの左右両側に配置された部分が端部121b、中央部121aと二つの端部121bの上端を連結するのが上部121d、中央部121aと二つの端部121bの下端を連結するのが下部121eである。中央部121aと左右の端部121bには、複数のギャップ121fが形成され、これらのギャップ121fには薄い絶縁性のギャップ板(ギャップ絶縁材)123が充填されている。隣接する二つのギャップ板123(ギャップ121f)で挟まれた箇所は、分断領域124である。
コア120の上端と下端には、矩形状の上固定板130と下固定板140がそれぞれ配置されており、上固定板130と下固定板140は機械的に相互接続されている。こうして、コア120は、上固定板130と下固定板140によって所定の配置状態で挟持されている。
上固定板130と下固定板140の機械的接続(連結)は、4本の連結ボルト150を用いて行われている。各連結ボルト150の下端は、その下端に形成されたネジ部(図示せず)を下固定板140の対応するネジ孔(図示せず)にねじ込むことで固定されている。各連結ボルト150の上端のネジ部(図示せず)は、上固定板130の対応する透孔(図示せず)に挿入されており、上固定板130を貫通した先端部に締付ナット151がねじ込まれている。コア120を構成する複数のコア・ブロック121は、このようにして、上固定板130と下固定板140によって押圧・挟持され、相互に一体化されている。
下固定板140は、コア120とは反対側に(ここではコア120の下方に)配置された4個の絶縁性の高圧用碍子(図示せず)によって、所定間隔をあけて、略矩形板状で導電性のベース(図示せず)に機械的に接続されている。このベースには、高周波用リアクトル101を固定するための透孔(図示せず)が複数個、形成されている。高周波用リアクトル101を使用する際には、例えば、それらの透孔にボルトを挿入してその端部にナットをねじ込むことで、所望の構造物に前記ベースを固定すればよい。その時、前記ベースに取り付けられている接地線接続ネジによって、接地線(図示せず)の一端を前記ベースに固定する。こうして、前記ベースを接地電位に維持することができる。この点は、上述した特許文献1に記載の高周波用リアクトルと同様である。
以上の構成を持つ図9〜図10の従来の高周波用リアクトル101において、コイル110の全巻数の全部(全ターン)を使用する時には、最上位にある接続端子111と最下位にある接続端子111が選択的に使用される。この状態では、高周波コイル電流CIが単一の銅管よりなるコイル110の全体に流れる。この時に高周波用リアクトル101で生成される磁束Fと漏れ磁束LFの様子は、図9のようになる。すなわち、磁束Fは、コア・ブロック121の中央部121aから上部121d(または下部121e)を通って左右の端部121bを通過し、さらに下部121e(または上部121d)を通って中央部121aに戻るルートに沿って生成される。これと同時に、コア・ブロック121の上固定板130と下固定板140の内側(上固定板130の下方領域と下固定板140の上方領域)に、それぞれ、透孔121cを横断するように漏れ磁束LFが生成される。この時、リアクタンスが最大となり、コイル110の銅損(発熱量)も最大となる。
コイル110の全巻数の一部(一部ターン)を使用する時には、例えば最下位にある接続端子111とそれより上位にある複数の接続端子111のうちの一つが選択的に使用され、図11及び図12に示すように、高周波コイル電流CIがコイル110の全体には流れない。コイル電流CIは、最下位の接続端子111とそれより上位にある選択された接続端子111の間にある、コイル110の一部にのみ流れる。この時に高周波用リアクトル101で生成される磁束Fと漏れ磁束LFの様子は、図11のようになる。すなわち、磁束Fは、コア・ブロック121の中央部121aから上部121d(または下部121e)を通って左右の端部121bを通過し、さらに下部121e(または上部121d)を通って中央部121aに戻るルートに沿って生成される。これは、コイル110の全巻数の全部(全ターン)を使用する時と同じである。これと同時に、コア・ブロック121の上固定板130と下固定板140の内側(上固定板130の下方領域と下固定板140の上方領域)と、コア・ブロック121のコイル110の不使用部分との重なり領域OLとに、それぞれ、透孔121cを横断するように漏れ磁束LFが生成される。つまり、コイル110の全巻数の全部(全ターン)を使用する時よりも、漏れ磁束LFの生成される範囲がずっと広くなる。これらの漏れ磁束LFは、コイル110の前記不使用部分に渦電流を惹起し、しかも、表皮効果によってコイル110自体の抵抗が増加するから、前記不使用部分に生じる銅損は大きなものになるのである。その結果、コイル110の前記不使用部分が過熱状態になる。
その結果、コイル110が単一の銅管をコア120の一部に複数回巻回させた構成を持つ従来の高周波用リアクトル101では、本来、コイル110のリアクタンス(抵抗)は、コイル110の全巻数(全ターン)を使用する場合に最大であり、したがって銅損も最大となるはずなのに、例えばコイル110の全巻数の半分程度を使用する場合の銅損の方が、コイル110の全巻数を使用する場合の銅損よりも大きくなってしまう、という不合理な事態が生じるのである。
これに対し、本実施形態の高周波用リアクトル1では、以下のようにして、このような不合理な事態が防止される。
すなわち、コイル10の全巻数の全部(全ターン)を使用する時には、最上位と最下位にある二つの接続端子11が選択的に使用され、高周波コイル電流CIがコイル10のコイル要素13(線状導体13a)のすべてに流れる。この時、従来の高周波用リアクトル101の場合と同様に、磁束Fは、コア・ブロック21の中央部21aから上部21d(または下部21e)を通って左右の端部21bを通過し、さらに下部21e(または上部21d)を通って中央部21aに戻るルートに沿って生成される。これと同時に、コア・ブロック21の上固定板30と下固定板40の内側(上固定板30の下方領域と下固定板40の上方領域)に、それぞれ、透孔21cを横断するように漏れ磁束LFが生成される。この時、リアクタンスが最大となり、コイル10の銅損(発熱量)も最大となる。
コイル10の全巻数の一部(一部ターン)を使用する時には、例えば最下位にある接続端子11とそれより上位にある複数の接続端子11のうちの一つが選択的に使用され、高周波コイル電流CIがコイル10のコイル要素13(線状導体13a)のすべてには流れない。コイル電流CIは、最下位の接続端子11とそれより上位にある選択された接続端子11の間にあるコイル要素13(線状導体13a)にのみ流れる。この時、磁束Fは、コア・ブロック21の中央部21aから上部21d(または下部21e)を通って左右の端部21bを通過し、さらに下部21e(または上部21d)を通って中央部21aに戻るルートに沿って生成される。これは、コイル10の全巻数の全部(全ターン)を使用する時と同じである。これと同時に、コア・ブロック21の上固定板30と下固定板40の内側(上固定板30の下方領域と下固定板40の上方領域)と、コア・ブロック21のコイル10の不使用部分との重なり領域OLとに、それぞれ、透孔21cを横断するように漏れ磁束LFが生成される。つまり、コイル10の全巻数の全部(全ターン)を使用する時よりも、漏れ磁束LFの生成される範囲がずっと広くなる。従来の高周波用リアクトル101では、前記重なり領域OLに生成される漏れ磁束LFにより、コイル110の不使用部分に渦電流が流れていたが、本実施形態の高周波用リアクトル1では、コイル要素13(線状導体13a)のすべてがリッツ線の構成を持っているため、コイル10の不使用部分に渦電流がほとんど流れず、その結果、コイル10の不使用部分での銅損(発熱)がほとんど生じない。よって、リアクタンスは、コイル10の使用割合に見合う値となり、それに対応して、コイル10の銅損(発熱量)もコイル10の使用割合に見合う値となる。
その結果、コイル110が単一の銅管をコア120の一部に複数回巻回させた構成を持つ従来の高周波用リアクトル101では、本来、コイル110のリアクタンス(抵抗)は、コイル110の全巻数(全ターン)を使用する場合に最大であり、したがって銅損も最大となるはずなのに、例えばコイル110の全巻数の半分程度を使用する場合の銅損の方が、コイル110の全巻数を使用する場合の銅損よりも大きくなってしまう、という不合理な事態が生じていたが、本実施形態の高周波用リアクトル1では、このような事態が生じないのである。
(第1実施形態の効果)
以上詳細に述べたように、本発明の第1実施形態に係る高周波用リアクトル1では、コイル10が複数のコイル要素13を直列に接続した構成を持ち、それらコイル要素の各々が、コア20またはその一部に1回または複数回巻回させてなる線状導体13aによって形成されている。また、互いに隣接する線状導体13a(つまりコイル要素13)が、それら線状導体13a(コイル要素13)の間にある接続端子11を用いて電気的・機械的に相互接続されている。このため、線状導体13aが、複数の導電性素線14を撚って束ねてなる素線束16と、その外周を覆う絶縁チューブ15とを備えたリッツ線の構成を有していても、コイル10の所定箇所に設けられた接続端子11を介してコイル10に電圧を印加することで、コイル10の全巻数のうちの所望部分を選択して使用することが可能である。つまり、コイル10の途中の必要箇所に、複数の接続端子(タップ)11を設けることが容易である。
また、リッツ線の構成を持つ線状導体13a(コイル要素13)は、複数の導電性素線14を束ねてなる素線束16の外周を、絶縁チューブ15によって被覆して形成されているので、導電性素線14(の銅線14a)が持つ絶縁被膜14bよりも絶縁能力が強化されている。したがって、線状導体13a(コイル要素13)は、リッツ線の構成を持っていても、コイル10の1ターン当たりに作用する高電圧に耐えることができる。
さらに、線状導体13aは、絶縁被膜14bを有する導電性素線14を複数個束ねてなるリッツ線の構成を有すると共に、その外周が絶縁チューブ15によって覆われているため、電流密度によっては、絶縁チューブ15の外周面に接する大気(空気)によって効果的に冷却され、過熱状態になる恐れがない。大気による冷却(空冷)では不十分な場合には、例えばファンを用いて送風することで、線状導体13aを強制的に冷却することができるので、この場合も線状導体13aが過熱状態になる恐れがない。
また、複数のコイル要素13の各々が、リッツ線の構成を持つ線状導体13aをコア20またはその一部に1回または複数回巻回させることによって形成されているため、コイル10の全巻数の一部に高周波の大電流を流した際に、コア20のコイル10の電流が流れない部分(つまりコイル10の不使用部分)と重なる領域(重なり領域)に漏れ磁束が貫通しても、その漏れ磁束によってコイル10(コイル要素13)の不使用部分に生じる渦電流は効果的に抑制される。しかも、コイル10(コイル要素13)に高周波の大電流を流しても、コイル要素13の各々に表皮効果は生じ難い。したがって、コイル10(コイル要素13)自体の交流抵抗の増加も抑制される。
したがって、コイル10の全巻数のうちの所望部分(所望ターン)を選択して使用できる構成を持つ場合に、例えば、コイル10の全巻数の一部を使用する場合の銅損(発熱量)の方が、そのコイル10の全巻数を使用する場合の銅損(発熱量)よりも大きくなる、というような不合理な事態の発生を確実に防止することができる。また、その結果として、コイル10の全巻数の最小部分を使用する場合に銅損(発熱量)が最小となり、コイル10の全巻数を使用する場合に銅損(発熱量)が最大となるというような、単調増加の電力損失特性が得られる。
さらに、コイル要素13の各々に表皮効果が生じ難いことから、コイル要素13に高周波の大電流を流してもそのコイル要素13自体の交流抵抗はほとんど増加しない。つまり、コイル110が単一の導体(例えば銅管)をコア120またはその一部に複数回巻回させた構成を持つ従来の高周波用リアクトル101に比べて、表皮効果に起因してコイル10に生じる銅損それ自体を低減することができる。
なお、複数のコイル要素13の各々がリッツ線を巻回させた構成を持つため、コイル10に高周波の大電流を流しても、コイル10の発熱量は抑制される。従って、コイル10の冷却は、通常、大気を利用した空冷で足りる。しかし、それでは足りない場合は、素線束16の周囲の内部空隙15aに適当な冷却用媒体(例えば冷却水)を流動させる構成を設けて、コイル10を強制的に冷却できるようにするのが好ましい。
本発明者の試験によれば、上述した第1実施形態の高周波リアクトル1と同じ構成のリッツ線を使用したコイルで高周波リアクトルを構成した場合、10kHzの周波数において、電流が流れない不使用のコイル要素13に漏れ磁束が作用しても、コイル要素13が過熱状態にならないことを確認できた。また、その際のコイル要素13の損失も直流損失の2倍以下と小さい値であることを確認できた。
なお、上述した第1実施形態では、すべての接続端子11が、コイル10の近傍に設置された端子固定板17に固定されており、コイル10を構成するすべての線状導体13a(コイル要素13)が、対応する接続端子11を介して端子固定板17に支持されているため、構成がシンプルになっているが、本発明はこれには限定されない。コイル10を構成するすべての線状導体13a(コイル要素13)を支持する部材または機構を、端子固定板17とは別に設けてもよいことは言うまでもない。
(第2実施形態の構成)
続いて、図4〜図7を参照しながら、本発明の第2実施形態に係る高周波用リアクトル1Aについて説明する。
第2実施形態の高周波用リアクトル1Aは、図4〜図7から理解されるように、コイル10に代えてコイル10Aが使用されている点を除いて、上述した第1実施形態の高周波用リアクトル1と同じ構成である。よって、同一構成については、高周波リアクトル1と同一の符号を付してその説明を省略する。
第2実施形態の高周波用リアクトル1Aでは、以下に述べるように、コイル10Aを構成するコイル要素13Aの線状導体13Aaが、水冷方式で冷却されるようになっている。
コイル10Aは、図4及び図5に示すように、線状導体13Aaからなる複数のコイル要素13Aの集合体となっている。この点は上述した第1実施形態の高周波リアクトル1と同じである。
各々のコイル要素13Aは、コア20の二つの透孔21cを貫通して中央部21aの周囲に1回(1ターン)または複数回(複数ターン)巻回せしめられた線状導体13Aaから構成されている。線状導体13Aaの両端部13Aaaには、コイル10Aの前方に設置された端子固定板17上の複数の接続端子11との接続を容易にするために、圧着端子がそれぞれ接続されている。それらの圧着端子は、固定ネジ12を用いて、それぞれ対応する接続端子11の後端部に接続されている。各固定ネジ12は、圧着端子の透孔(図示せず)を貫通して対応する接続端子11の後端部のネジ孔(図示せず)にねじ込まれている。このような構成によって、線状導体13Aaの各端部13Aaaが対応する接続端子11にそれぞれ機械的・電気的に接続されている。その結果、コイル10Aを構成するすべてのコイル要素13A(線状導体13Aa)が直列に電気的接続され、全体として、単一のソレノイドコイルとしての機能を発揮することができる。
各コイル要素13Aを形成する線状導体13Aaは、巻数が一定ではなく、最小の巻数(ターン数)は例えば3、最大の巻数(ターン数)は例えば11とされる。各線状導体13Aaの巻数は、接続端子11の選択によってどのような可変インダクタンス値に設定できるようにする必要があるか等に応じて、任意に決定される。すべてのコイル要素13Aの線状導体13Aaは互いに分離・独立しており、それら線状導体13Aaを上下方向に積み重ねるように配置されていると共に、順に相互に直列接続されている。隣接する二つの線状導体13Aa(コイル要素13A)の電気的・機械的接続は、それらの間にある接続端子11を介して行われている。つまり、上下に隣接する二つの線状導体13Aa(コイル要素13A)について、下方の線状導体13Aaの上位にある端部13Aaaと、上方の線状導体13Aaの下位にある端部13Aaaとが、それら線状導体13Aaの間にある単一の接続端子11に機械的に共通接続されており、それによって上下に隣接する二つの線状導体13Aa(コイル要素13A)が電気的に相互接続されているのである。
コイル10Aは以上のような構成を有しているため、後述するように、線状導体13Aa(コイル要素13A)をリッツ線構成としても、最上位から最下位までの線状導体13Aa(コイル要素13A)を互いに直列に接続して、コイル10Aを構成することができると同時に、これら線状導体13Aa(コイル要素13A)同士の接続箇所の各々と両端に接続端子11をそれぞれ接続・配置することが可能である。
図5に示した例で言えば、最上位の線状導体13Aa(コイル要素13A)の巻数は7であり、最上位から2番目の線状導体13Aa(コイル要素13A)の巻数は3であり、最上位から3番目、つまり最下位の線状導体13Aa(コイル要素13A)の巻数は11である。接続端子11の総数は4個である。そして、最上位の線状導体13Aaの一方の(上位にある)端部13Aaaは、最上位にある接続端子11に単独で接続されている。最上位の線状導体13Aaの他方の(下位にある)端部13Aaaと、最上位から2番目の線状導体13Aaの一方の(上位にある)端部13Aaaとは、最上位から2番目にある接続端子11に共通接続されており、これによって、最上位の線状導体13Aaと最上位から2番目の線状導体13Aaとは相互に電気的に接続されている。同様に、最上位のから2番目の線状導体13Aaの他方の(下位にある)端部13Aaaと、最上位から3番目(最下位)の線状導体13Aaの一方の(上位にある)端部13Aaaとは、最上位から3番目にある接続端子11に共通接続されており、これによって、最上位から2番目の線状導体13Aaと最上位から3番目(最下位)の線状導体13Aaとは相互に電気的に接続されている。最上位から3番目(最下位)の線状導体13Aaの他方の(下位にある)端部13Aaaは、最上位から4番目(最下位)にある接続端子11に単独で接続されている。
図5の例では、3個のコイル要素13Aは、このようにして相互に電気的接続され、全体としてコイル10A(ソレノイドコイル)の機能を発揮するようになっていると共に、コイル10Aの全巻数の途中に4個の接続端子11を配置して、コイル10Aの全巻数のうちの所望部分を選択して使用できるようになっている。例えば、最上位の接続端子11とその直下(最上位から2番目)の接続端子11の間に電圧を印加すると、巻数7に対応するインダクタンスが得られ、最上位の接続端子11と最上位から3番目の接続端子11の間に電圧を印加すると、巻数10(=7+3)に対応するインダクタンスが得られる。また、最上位の接続端子11と最上位から4番目(最下位)の接続端子11の間に電圧を印加すると、巻数21(=7+3+11)に対応するインダクタンスが得られる。よって、線状導体13Aa(コイル要素13A)をリッツ線で形成しながら、接続端子11を選択することで所望のインダクタンスを選択しながら高周波用リアクトル1Aを稼働することが可能である。
各線状導体13Aa(コイル要素13A)の具体的構成の例を図6及び図7に示す。
図6及び図7に示した線状導体13Aaは、図3(a)または図3(b)に示した第1実施形態の線状導体13aの外側に、それと同心となるように円筒形の絶縁性ホース19を装着し、さらに、線状導体13Aaの両端部13Aaaに冷却水ニップル18をそれぞれ装着・一体化して構成されている。このため、端子固定板17上の接続端子11に端部13Aaaを固定するだけで、冷却水ニップル18も固定することができる。
線状導体13Aaとホース19の間には、線状導体13Aaの冷却用の冷却水を通すための内部空隙19bが形成されている。この内部空隙19bは、線状導体13Aaの両端部13Aaaに装着された冷却水ニップル18の内部通路と連通しており、いずれか一方の冷却水ニップル18から冷却水を供給すると、その冷却水は内部空隙19bを通って他方の冷却水ニップル18から排出されるようになっている。したがって、ホース19は所定の耐水性と耐圧性を持つ材料で作製される必要がある。
ホース19の端部は、線状導体13Aaの端部13Aaaに装着された冷却水ニップル18の接続部18aに圧入されており、ホース19の外部から複数のホースバンド19aで締め付けることによって、その圧入状態で固定されている。線状導体13Aaとホース19の間の内部空隙19bは、接続部18aの内部流路を通って冷却水ニップル18の開口部に連通している。線状導体13Aaを形成する素線束16(または素線束の束16a)は、冷却水ニップル18の接続部18aの内部を貫通して端部13Aaaに電気的・機械的に接続されていて、内部空隙19bを通過する冷却水によって効果的に冷却されるようになっている。
(第2実施形態の動作)
上述した構成を持つ第2実施形態の高周波用リアクトル1Aの動作は、冷却水ニップル18を介して線状導体13Aaの内部に冷却水が供給される点を除いて、上述した第1実施形態の高周波用リアクト1のそれと同じである。よって、その説明は省略する。
(第2実施形態の効果)
第2実施形態の高周波用リアクトル1Aは、以上のような構成を有するので、上述した第1実施形態の高周波用リアクト1と同じ効果が得られるだけでなく、構成が少し複雑になり、製造コストが少し高くなるが、冷却水ニップル18を介して内部空隙19bに冷却水を供給することにより、稼働中のコイル要素13A(ひいてはコイル10A)の冷却がいっそう効率的且つ確実に行える。その結果、コイル10Aが過熱状態になるのを防止しながら、上述した第1実施形態の高周波用リアクト1よりも大きな電流をコイル10Aに流すことが可能となるという効果も得られる。
なお、上述した第2実施形態では、線状導体13Aa(コイル要素13A)の冷却用流体として水を使用するようにしているが、本発明はこれには限定されない。線状導体13Aa(コイル要素13A)を冷却できるものであれば足り、冷却用流体として、水以外の任意の液体または気体を使用できることは言うまでもない。また、線状導体13Aaは、図3(a)に示した素線束16の外周に絶縁チューブ15を被覆した構成としてもよいし、図3(b)に示した素線束の束16aの外周に絶縁チューブ15を被覆した構成としてもよい。
(変形例)
上述した第1及び第2実施形態は本発明を具体化した例を示すものである。したがって、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を外れることなく種々の変形が可能であることは言うまでもない。
例えば、高周波用リアクトル1のインダクタンス値やコイル10の巻数・電流によっては、複数のコア・ブロック21を固定する上固定板30や下固定板40を冷却する必要がない場合もある。その場合には、上固定板30と下固定板40を冷却する機構は省略可能である。また、上述した実施形態では、複数のコア・ブロック21と上下の固定板30及び40とを別に作製してから組み合わせてコア20としているが、本発明はこれに限定されない。コア20を複数のコア・ブロック21に分割せずに一体的に製作してもよい。
コイル10、10Aは、複数のコイル要素13、13Aを互いに直列接続した構成を有し、且つ、隣接する二つのコイル要素13、13A同士の電気的接続が対応する接続端子11を介して行われており、さらに、コイル要素13、13Aの各々が、複数の導電性素線14を束ねて形成された素線束16、または複数の素線束16を束ねて形成された素線束の束16aを含むリッツ線構成を有していれば足り、それ以外の点、例えばコイル要素13、13Aの形状や材質や巻数、コイル要素13、13Aを構成する素線束16に含まれる導電性素線14の総数や、素線束の束16aに含まれる素線束16の総数などについては任意に変更可能である。導電性素線14の構成や材質についても同様であり、上述した実施形態で示されたものに限定されない。
1、1A 高周波用リアクトル
10、10A コイル
11 接続端子
12 固定ネジ
13、13A コイル要素
13a、13Aa 線状導体
13aa、13Aaa 線状導体の端部
14 導電性素線
14a 銅線
14b 絶縁被膜
15 絶縁チューブ
15a 内部空隙
16 素線束
16a 素線束の束
17 端子固定板
18 冷却水ニップル
18a 冷却水ニップルの接続部
19 ホース
19a ホースバンド
19b 内部空隙
20 コア
21 コア・ブロック
21a コア・ブロックの中央部
21b コア・ブロックの端部
21c コア・ブロックの透孔
21d コア・ブロックの上部
21e コア・ブロックの下部
21f コア・ブロックのギャップ
22 冷却媒体通路
23 ギャップ板
24 分断領域
30 上固定板
40 下固定板
50 連結ボルト
51 締付ナット

Claims (6)

  1. 複数のコイル要素を直列に接続した構成を持つ、通電によって磁束を生成するコイルと、
    前記磁束を通すための磁路を形成するコアと、
    前記コイルの近傍に設置された端子固定部材と、
    前記コイルの全巻数のうちの所望部分を選択して使用できるようにするために、前記端子固定部材に固定された複数の接続端子とを備え、
    複数の前記コイル要素の各々は、線状導体を前記コアまたはその一部に1回または複数回巻回させることによって形成されていると共に、互いに隣接する前記線状導体は、それら線状導体の間にある前記接続端子を用いて電気的・機械的に相互接続されており、
    前記線状導体は絶縁被膜を有する導電性素線を複数個束ねてなるリッツ線の構成を有しており、
    前記線状導体の外周は絶縁性の被覆材で覆われており、
    前記コイルに含まれるすべての前記線状導体は、複数の前記接続端子を介して前記端子固定部材によって機械的に支持されていることを特徴とする高周波用リアクトル。
  2. 前記コイルの両端に位置する前記コイル要素以外の前記コイル要素の各々では、互いに隣接する位置にある二つの前記線状導体のうちの一方の一端と他方の一端とが、対応する一つの前記接続端子に機械的・電気的に共通接続されており、それによって前記二つの線状導体がそれらの間にある前記接続端子を用いて電気的に相互接続されている請求項1に記載の高周波用リアクトル。
  3. 前記線状導体が、前記絶縁被膜を有する前記導電性素線を複数個束ねてなる素線束を複数個、さらに撚って束ねてなる素線束の束からなっており、その素線束の束の外周が前記被覆材で覆われている請求項1または2に記載の高周波用リアクトル。
  4. 前記線状導体と前記被覆材の間に、前記線状導体を冷却するための冷却用流体を流動するための内部空隙が形成されており、
    前記線状導体の端部に、前記内部空隙に対して前記冷却用流体の供給・排出を行うための流体供給・排出部材が設けられている請求項1〜3のいずれかに記載の高周波用リアクトル。
  5. 前記コアが、複数のコア・ブロックと、それらコア・ブロックを所定位置に固定する一対の導電性のコア・ブロック固定部材とを備えており、
    前記端子固定部材が一対の前記コア・ブロック固定部材に保持されている請求項1〜4のいずれかに記載の高周波用リアクトル。
  6. 前記コアが、複数のコア・ブロックを組み合わせた構成を有しており、それらコア・ブロックの間に前記コア・ブロックを冷却するための冷却媒体を通過させるための冷却媒体通路が設けられている請求項1〜4のいずれかに記載の高周波用リアクトル。
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