JP6435029B2 - 映像符号化装置及び映像符号化プログラム - Google Patents

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Description

本発明は、動き予測を用いて映像符号化を行う映像符号化装置及び映像符号化プログラムに関する。
映像符号化技術は、MPEG−2、MPEG−4、MPEG−4/AVCが多く用いられており、最近では次世代の映像符号化規格であるHEVCが規格化されつつある。映像符号化規格では、1つのピクチャ内に閉じた情報を用いて符号化を行う画面内符号化と、時間的に連続した複数のピクチャを用いて符号化を行う画面間符号化が用いられている。
画面間符号化には画面間の差分値を削減するために動き予測処理を行い、差分値と動きベクトル情報を符号化することで情報量を削減している。ただ、映像の正しい動きを捉えて符号化すべき差分値を小さくするためには、動き予測処理に膨大な演算量を必要とする。
この膨大な演算量を削減するためにはいくつかの方法が考えられる。1つ目は予測ベクトルの周辺を探索する方法である。これは符号化ブロックの動き予測結果と周囲の符号化ブロックの動き予測結果には相関が高いという傾向に基づいたものであり、MPEG−4/AVCや次世代符号化規格であるHEVCでは予測ベクトルの算出方法が定められており、ブロックの動きベクトルは予測ベクトルからの差分値のみを符号化することで符号量の削減を行っている。この予測ベクトルを利用し、ブロック周辺の既出の動きベクトルから予測ベクトルを算出し、予測ベクトルが指し示す位置を探索の中心として周辺を探索するという方法である。
2つ目は探索点を効率よく削減し探索する方法である。ステップサーチに代表されるように、ある探索範囲の探索点全てを評価するのではなく、まず広く離散的な数点を評価しその中で最も適した点を中心に近傍点を探索して行くことで少ない演算量で動きベクトルを決定する方法である。近年ではEPZS(Enhanced Predictive Zonal Search)と呼ばれるステップサーチと全探索を組み合わせた探索手法が使われており、少ない演算量で全探索とほぼ同等程度の探索精度を実現している。
3つ目は縮小画像による探索方法である。探索処理の前に入力映像信号のピクチャと復号映像信号の参照画像を同じ比率で縮小し探索を行う。これにより探索点の数と探索点を評価するための演算量の両方が削減されるため、大幅な演算量の削減が可能となる。この探索方法は演算性能が限られているソフトウェアコーデックや、広い探索範囲を必要とするプロ向けのハードウェアコーデック等で有効な方法である。しかし、一方で画像の縮小比率を上げていくと物体の細かい動きを正確に予測することが難しくなるため、動きベクトルの精度は悪くなってしまうという問題がある。
このような問題を解決するために、広い探索範囲と高い動きベクトルの精度を両立させる従来技術の手法としては、複数の探索領域を設定し第一の領域の動き探索後に評価値の閾値判定を行い、第二の領域の動き探索を行うか否かを決定する動きベクトル探索方法がある(例えば、特許文献1参照)。
特開平11−075192号公報
しかしながら、特許文献1に記載の動きベクトル探索方法にあっては、符号化ブロックに対する探索演算量が均一にならないため、ソフトウェアでの実装においては問題ないがハードウェアへの実装においては制御が難しくなるという問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、探索処理よりも前段階で入力映像信号のピクチャと復号映像信号の参照画像の縮小比率と探索範囲を決定して探索を行うことにより、符号化ブロックに対する探索演算量を均一にすることができる映像符号化装置及び映像符号化プログラムを提供することを目的とする。
本発明の一態様は、入力映像信号のピクチャの時間的相関を利用し、該ピクチャについて符号化ブロック単位に動き予測を行いその差分の符号化処理を行う映像符号化装置であって、前記入力映像信号のピクチャと動き予測先の復号映像信号の参照画像を所定の縮小比率を用いて縮小処理を行う縮小手段と、前記縮小手段において縮小した入力映像信号のピクチャの符号化ブロックと復号映像信号の参照画像の探索領域とを用いて動き予測処理を行い、動きベクトルを決定するベクトル決定手段と、を備え、前記縮小手段は、前記入力映像信号のピクチャの直前に符号化を行ったピクチャの動きベクトルに対して動きベクトルの時間的距離を揃えるためのスケーリング処理を施した後に動きベクトル成分の分散値を算出し、算出した前記分散値に応じた縮小比率で、前記入力映像信号のピクチャと前記復号映像信号の参照画像とを縮小処理することを特徴とする映像符号化装置である。
本発明の一態様は、コンピュータを、上記の映像符号化装置として機能させるための映像符号化プログラムである。
本発明によれば、動き予測を用いて符号化を行う映像符号化方式において、動き探索を行う際の縮小比率を適応的に切り替えることにより演算量を均一化することができるとともに動きベクトルの精度を向上させることができるという効果が得られる。
本発明の一実施形態の構成を示すブロック図である。 図1に示すインター予測処理部102の構成を示すブロック図である。 符号化ピクチャ構造の一例(階層符号化M=3の場合)を示す図である。 符号化ピクチャ構造の一例(階層符号化M=8の場合)を示す図である。 各フレームレートにおける入力映像信号と復号映像信号との時間的距離を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態による映像符号化装置を説明する。図1は同実施形態の構成を示すブロック図である。以下に示す「符号化ブロック」についてはMPEG−2やH.264/AVC規格ではマクロブロックのことを示し、HEVCについてはコーディングユニット(CU)又はプレディクションユニット(PU)のことを指し示す。図1に示す映像符号化装置100において、インター予測処理部102の中の縮小画像生成部201が、従来技術と異なる構成であり、他の部分はH.264/AVCやHEVC等の映像符号化装置として用いられている従来の一般的な構成と同様である。
映像符号化装置100は、符号化対象の入力映像信号を入力し、入力映像信号のピクチャをブロックに分割してブロックごとに符号化し、そのビットストリームを符号化ストリームとして出力する。この符号化のため、予測残差信号生成部103は、入力映像信号とイントラ予測処理部101あるいはインター予測処理部102の出力である予測信号との差分を求め、それを予測残差信号として出力する。変換・量子化処理部104は、予測残差信号に対して離散コサイン変換等の直交変換を行い、変換係数を量子化し、その量子化された変換係数を出力する。エントロピー符号化部105は、量子化された変換係数をエントロピー符号化し、符号化ストリームとして出力する。
一方、量子化された変換係数は、逆量子化・逆変換処理部106にも入力され、ここで逆量子化と逆直交変換され、予測残差信号を出力する。復号映像信号生成部107では、予測残差信号とイントラ予測処理部101あるいはインター予測処理部102の出力である予測信号とを加算し、符号化した符号化対象ブロックの復号映像信号を生成する。この復号映像信号は、インター予測処理部102で参照画像として用いるために、ループフィルタ処理部108に対して出力される。ループフィルタ処理部108では符号化歪みを低減するフィルタリング処理を行い、このフィルタリング処理後の画像を復号映像信号としてインター予測処理部102に対して出力する。
次に、図2を参照して、図1に示すインター予測処理部102の構成を説明する。図2は、図1に示すインター予測処理部102の構成を示すブロック図である。インター予測処理部102は、縮小画像生成部201、プレ探索処理部202、整数画素探索処理部203、第一モード判定部204、小数画素探索処理部205、第二モード判定部206及び小数画像生成部207を備える。縮小画像生成部201は、入力映像信号(原画像)と復号映像信号を入力し、縮小処理を行って出力する。プレ探索処理部202は、縮小された入力画像信号及び復号映像信号を入力し、縮小された映像データ上で動き探索処理を行う。整数画素探索処理部203は、プレ探索処理部202で探索した結果の動きベクトルを入力する。また、第一モード判定部204は、プレ探索処理部202から符号化モード情報を入力する。
整数画素探索処理部203は、プレ探索処理部202と第一モード判定部204でそれぞれ指定された動きベクトル及び符号化モードで整数画素の探索処理を行う。小数画素探索処理部205は、整数画素探索処理部203において探索した結果の動きベクトルを入力する。第二モード判定部206は、整数画素探索処理部203から符号化モード情報を入力する。
小数画素探索処理部205は、整数画素探索処理部203と第二モード判定部206でそれぞれ指定された動きベクトル及び符号化モードで小数画素の探索処理を行う。小数画像生成部207は該当する復号映像信号位置の小数画素補間画像を生成し、小数画素探索処理部205に対して出力する。小数画素探索処理部205において探索された結果の予測残差画像と動きベクトル情報は予測残差信号生成部103に対して出力される。
本実施形態は、図2に示す縮小画像生成部201において、プレ探索処理部202で行う探索処理の縮小精度を適応的に決定することで高い符号化効率と少ない演算量を実現するものである。ここで、縮小画像による動き予測処理の必要性について説明する。動き予測処理は物体の動きを正確に追随することで高い符号化効率を実現できるため、探索範囲は広ければ広いほど符号化効率が向上する。しかし、探索範囲を広くすればするほど動き予測に必要な演算量が増大するため、ハードウェア・ソフトウェアの処理能力やアプリケーション用途に応じて適切な探索範囲を設定している。少ない演算量で広い探索範囲をカバーする方法の1つとして縮小画像による探索方法がある。
例として当該符号化ブロックのサイズを16×16、探索範囲を±8、単画素精度による全探索の動き探索処理部とすると、1ブロックの動き探索処理を行うのに必要な差分処理回数は、16×16×(8×2+1)2=73984となる。入力映像信号と復号映像信号をそれぞれ1/2に縮小し同様の探索範囲を探索した場合、符号化ブロックのサイズと探索範囲がそれぞれ縦横半分になるため、差分演算回数は8×8×(4×2+1)2=5184となり、約7%の演算量で処理が可能となる。
また、単画素精度の探索処理で必要であった演算回数と同等の演算を1/2縮小画像上で行うと、±16画素の探索範囲をカバーできる。縮小比率を1/2、1/4、1/8と大きくすればするほど少ない演算量で広い探索範囲をカバーすることができるが、細かいテクスチャがつぶれてしまうために動きベクトルの精度が低下するという問題点もある。
縮小画像探索による探索範囲と動きベクトルの精度についてはトレードオフの関係があるため、入力映像信号や復号映像信号の特性や特徴に応じて適応的に設定する必要がある。
次に、縮小精度を決定する手法を説明する。1つ目の縮小精度決定手法は入力映像信号のピクチャと復号映像信号の参照画像との時間的距離と画像サイズによって縮小精度を適応的に設定する手法である。入力映像信号のピクチャと復号映像信号の参照画像との時間的距離が大きくなればなるほど動いている物体の動き量は大きくなるため、広い範囲を探索する必要がある。入力映像信号のピクチャと復号映像信号の参照画像との時間的距離は符号化ピクチャ構造とフレームレートによって決定する。符号化ピクチャ構造は様々な種類があるが、代表的なものは図3、図4に示すものである。
図3は主にMPEG−2やH.264/AVCで用いられ、図4はHEVCで主に用いられている符号化ピクチャ構造である。図3及び図4のPで示したピクチャは過去のピクチャのみを参照して符号化を行う片方向予測ピクチャを表しており、Bで示したピクチャは過去のピクチャと未来のピクチャの両方を参照して符号化を行う両方向予測ピクチャを表している。図3の符号化ピクチャ構造場合、入力映像信号の当該ピクチャと復号映像信号との間隔はPピクチャで3ピクチャ間、Bピクチャは1ピクチャ間又は2ピクチャ間となっている。図4の場合、入力映像信号のピクチャと復号映像信号の参照画像との間隔は1ピクチャ間〜8ピクチャ間まで変化する。ただし符号化ピクチャ構造とその参照関係はこの通りではなく実際の符号化時には任意に設定可能である。
また、映像のフレームレートによっても入力映像信号のピクチャと復号映像信号の参照画像との時間的距離が変化する。フレームレートとは、1秒間に表示されるフレーム数のことであり、用途に応じて24フレーム/秒、30フレーム/秒、60フレーム/秒、120フレーム/秒など様々なフォーマットが存在する。
符号化ピクチャ構造とフレームレートにおける入力映像信号のピクチャと復号映像信号の参照画像との時間的距離の関係を図5に示す。図5は、各フレームレートにおける入力映像信号と復号映像信号との時間的距離を示す図である。1つ目の縮小精度決定手法としては図5に示す入力映像信号のピクチャと復号映像信号の参照画像との時間的距離に応じて縮小比率を適応的に切り替えるものである。例えば、入力映像信号のピクチャと復号映像信号の参照画像との時間的距離に閾値を設定し、閾値以下の場合はピクチャ間の時間的距離は小さいため低い縮小比率の縮小画像を用いて探索を行うことで精度の良い動き予測処理を実行し、閾値以上の場合はピクチャ間の時間的距離は大きいため高い縮小比率の縮小画像を用いて探索を行うことで広い探索範囲で動き予測処理を実行する。
これによって少ない演算量でも入力映像信号のピクチャと復号映像信号の参照画像との時間的距離が遠ければ遠いほど広い範囲の動き探索処理が可能となり符号化効率が向上する。上記の閾値は複数用いるようにしてもよい。1つの閾値を用いれば2種類の縮小比率を切り替えることができる。2つの閾値を用いれば3種類の縮小比率を適応的に切り替えることが可能となる。また、縮小比率と動き探索範囲を可変とすることで、1ピクチャあたりの動き予測に要する演算量が一定に保つことが可能となる。これはハードウェア実装においては高いハードウェア稼働率で動作させることが可能となり、無駄のないハードウェア構成が可能となる。
また、近年画像サイズがHDサイズ(1920×1080画素)から4k(3840×2160画素)や8k(7680×4320)という画像サイズが普及しつつある。全く同じ内容の映像であっても画像サイズがHDサイズから4kサイズになると、その物体の動き量は2倍になるため、動き探索範囲も2倍の広さが必要になるため、上記で示した時間的距離の閾値は画像サイズによっても個別に設定する必要がある。
次に、2つ目の縮小精度決定手法について説明する。2つ目の縮小精度決定手法は入力映像信号の画像情報(輝度値)から縮小比率を適応的に切り替える手法である。例えば入力映像信号のピクチャと復号映像信号の参照画像との間のフレーム間差分絶対値和を算出し縮小比率を切り替える。入力映像信号のピクチャの画素値をcur(x,y)、復号映像信号の参照画像の画素値をref(x,y)、ピクチャ水平サイズをwidth、ピクチャ垂直サイズをheightとすると、入力映像信号のピクチャと復号映像信号の参照画像とのフレーム間差分絶対値和diffは(1)式のように表すことができる。
Figure 0006435029
上記のフレーム間差分絶対値和が大きい場合は物体の動き量が大きいと判断し、縮小比率を大きくして広い探索範囲で動き探索処理を行う。フレーム間差分絶対値和が小さい場合は物体が動いていない又は物体の動き量が小さいと判断し縮小比率は小さくして精度よく動き探索処理を行う。このようにして入力映像信号のピクチャの画像情報から物体の動き量を推定し縮小比率を適応的に切り替える。
同様の手法として、入力映像信号のピクチャと復号映像信号の参照画像の符号化ブロック累算値の差分絶対値和を用いる方法もある。例として符号化ブロックを64×64画素、1ピクチャの水平方向の符号化ブロック数をblk_width、1ピクチャの垂直方向の符号化ブロック数をblk_heightとすると、符号化ブロック累算値の差分絶対値和diff2は(2)式のように表すことができる。
Figure 0006435029
上記の累算値の差分絶対値和diff2が大きい場合は物体の動き量が大きいと判断し、縮小比率を大きくして広い探索範囲で動き探索処理を行う。累算値の差分絶対値和が小さい場合は物体が動いていない又は物体の動き量が小さいと判断し縮小比率は小さくして精度よく動き探索処理を行う。このようにして入力映像信号のピクチャの画像情報から物体の動き量を推定し縮小比率を適応的に切り替える。
また、入力映像信号のピクチャのテクスチャの細かさによって縮小比率を適応的に切り替える手法もある。入力映像信号のピクチャのテクスチャの細かさを推定するために、符号化ブロックごとの分散値の1ピクチャの合計値を算出する。符号化ブロックの画素値の平均値をaveとした場合の符号化ブロックの分散値の1ピクチャの合計値var_picは式(3)のように表すことができる。
Figure 0006435029
上記の符号化ブロックごとの分散値の1ピクチャ合計値が大きい場合は細かいテクスチャが多い画像であると判断できるので、縮小比率を小さくし比較的狭い範囲を精度よく動き探索処理を行う。このようにして入力映像信号のピクチャの画像情報から物体のテクスチャの細かさを推定し縮小比率を適応的に切り替える。
次に、3つ目の縮小精度決定手法について説明する。3つ目の縮小精度決定手法は符号化順で直前に符号化したピクチャの符号化結果を用いる手法である。入力映像信号のピクチャの符号化開始時に、符号化順で1つ前に符号化を行ったピクチャの符号化ブロックごとの動きベクトル成分について、時間的距離を揃えるためのスケーリング処理を施した後にその動きベクトル成分の分散値を1ピクチャ分計算する。
符号化順で1つ前に符号化を行ったピクチャの動きベクトルの水平成分をmv_x[i]、垂直成分をmv_y[i]、当該ピクチャとその参照画像との時間的距離をt_cur、符号化順で1つ前に符号化を行ったピクチャとその参照画像との時間的距離をt_pstとすると、時間的距離でスケーリングされた動きベクトル成分mv_scale_x[i]、及びmv_scale_y[i]は(4)式のように表すことができる。
Figure 0006435029
符号化順で1つ前に符号化を行ったピクチャの1ピクチャ分の動きベクトルの本数をmv_num、動きベクトル水平成分の平均値をmv_x_ave、垂直成分の平均値をmv_y_aveとすると、動きベクトルの分散値mv_var_x、mv_var_yはそれぞれ(5)式、(6)式のように表すことができる。
Figure 0006435029
Figure 0006435029
最後に、(7)式に示す様に上記(5)式、(6)式の合計値mv_varを算出する。
Figure 0006435029
mv_varと閾値を比較してmv_varの方が大きい場合は物体が一様な動きをしておらず、様々な方向に動いていたり、画面のズームインやズームアウトの映像であったり、海面のように動きが一定ではないような映像であることが推測できる。この様な場合は縮小比率を大きくして広い探索範囲で動き探索処理を行うことで様々な動きに対応する。逆にmv_varと閾値を比較してmv_varの方が小さい場合は、物体の動きは小さい又は一様な動きをしていると推測できるので、縮小比率を小さくし狭い範囲を精度よく探索を行う。
また、符号化順で1つ前に符号化を行ったピクチャの差分動きベクトルの累算値を用いる方法もある。差分動きベクトルとは、H.264/AVCやHEVCで定められている符号化ブロックの周囲のブロックの動きベクトルから決定される予測ベクトルと動きベクトルとの差分値のことを指す。符号化順で1つ前に符号化を行ったピクチャの差分動きベクトルを1ピクチャ分累算する。差分動きベクトルをそれぞれmv_diff_x[i]、mv_diff_yとすると差分動きベクトルの1ピクチャ累算値mv_diff_sumは式(8)のように表される。
Figure 0006435029
mv_diff_sumと閾値を比較してmv_diff_sumの方が大きい場合は物体が一様な動きをしていない映像であると推測できるので、縮小比率を大きくし広い範囲の探索を行う。逆にmv_diff_sumと閾値を比較してmv_diff_sumの方が小さい場合は物体が動いていない又は一様な動きをしている映像であると推測できるので、縮小比率を小さくして狭い範囲を精度よく探索を行う。
以上説明したように、様々な条件から入力映像信号のピクチャと復号映像信号の参照画像の縮小精度を適応的に設定することによって、物体の動きが大きい場合には広い探索範囲を、物体の動きが小さい場合には細かい精度の動き探索を行うことが可能となり、全体の符号化効率を向上させることができる。縮小画像を生成するための手法としては画素を間引く手法や、画素の平均値を用いる手法、縮小フィルタを用いる手法等があるが、本実施形態では縮小画像生成方法は任意の手法が適用可能である。
このように、縮小画像による探索手法に関する手法において、画像サイズや探索距離、物体の動き等の様々な情報を元に適切な縮小比率を設定し、ピクチャ毎に縮小比率を適応的に変更しながら探索処理を行うことで、少ない演算量で広い探索範囲と高い動きベクトルの精度を両立させることが可能になる。
前述した実施形態における映像符号化装置100をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、PLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されるものであってもよい。
以上、図面を参照して本発明の実施の形態を説明してきたが、上記実施の形態は本発明の例示に過ぎず、本発明が上記実施の形態に限定されるものではないことは明らかである。したがって、本発明の技術思想及び範囲を逸脱しない範囲で構成要素の追加、省略、置換、その他の変更を行ってもよい。
動き探索処理に要する演算量が限られている映像符号化装置又は動き探索処理に要する演算量を均一にする必要のある映像符号化装置及び映像符号化プログラムに適用できる。
100・・・映像符号化装置、101・・・イントラ予測処理部、102・・・インター予測処理部、103・・・予測残差信号生成部、104・・・変換・量子化処理部、105・・・エントロピー符号化部、106・・・逆量子化・逆変換処理部、107・・・復号映像信号生成部、108・・・ループフィルタ処理部、201・・・縮小画像生成部、202・・・プレ探索処理部、203・・・整数画素探索処理部、204・・・第一モード判定部、205・・・小数画素探索処理部、206・・・第二モード判定部、207・・・小数画像生成部

Claims (2)

  1. 入力映像信号のピクチャの時間的相関を利用し、該ピクチャについて符号化ブロック単位に動き予測を行いその差分の符号化処理を行う映像符号化装置であって、
    前記入力映像信号のピクチャと動き予測先の復号映像信号の参照画像を所定の縮小比率を用いて縮小処理を行う縮小手段と、
    前記縮小手段において縮小した入力映像信号のピクチャの符号化ブロックと復号映像信号の参照画像の探索領域とを用いて動き予測処理を行い、動きベクトルを決定するベクトル決定手段と、
    を備え、
    前記縮小手段は、前記符号化ブロックに対する探索演算量を均一にするために、前記入力映像信号のピクチャの直前に符号化を行ったピクチャの動きベクトルに対して動きベクトルの時間的距離を揃えるためのスケーリング処理を施した後に動きベクトル成分の分散値を算出し、算出した前記分散値と閾値とを比較して、前記分散値が閾値以上である場合には縮小比率を、基準となる縮小比率よりも大きい縮小比率に設定し、前記分散値が閾値未満である場合には縮小比率を、基準となる縮小比率よりも小さい縮小比率に設定し、前記入力映像信号のピクチャと前記復号映像信号の参照画像とを縮小処理することを特徴とする映像符号化装置。
  2. コンピュータを、請求項1に記載の映像符号化装置として機能させるための映像符号化プログラム。
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