JP6430972B2 - 構造に基づくプローブ切断による核酸標的の同定 - Google Patents

構造に基づくプローブ切断による核酸標的の同定 Download PDF

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Description

本発明は、核酸検出の分野に関する。特に本発明は、標的核酸の多重検出を介する高処理能力多重検出を実施するための方法を提供する。
標的核酸の検出のための多くの方法が知られている。核酸検出のための現在利用可能な均一アッセイには、TaqMman(登録商標)、Amlpliflour(登録商標)、色素結合、対立遺伝子選択的動力学的PCR、及びScorpion(登録商標)プライマーアッセイがある。これらのアッセイ法は、検出すべき各標的核酸について異なる色素が必要なため、容易に多重化することができず、従って、その改良への可能性が限定されている。かかる限界を克服するために、最近のいくつかの研究は、容易に分離及び検出が可能な切断可能「タグ」部分を含むオリゴヌクレオチドプローブの使用を開示している(例えば、Chenna et al., 米国特許出願公開第2005/0053939号;Van Den Boom、米国特許第8,133,701号を参照)。しかし、これらの研究からの結果は、検出タグを標的核酸に正確に相関させることができるかどうかについて問題が残っており、標的核酸の高処理能力多重検出を実施するための正確な方法に対するニーズがいまだに存在することを示している。
本発明は、核酸配列検出のための新規方法を提供する。この方法では、増幅領域内で標的核酸に結合したオリゴヌクレオチドプローブからの固有の同定性の切断断片が、PCR中にDNAポリメラーゼの5’−ヌクレアーゼ活性により産生される。これは、プローブの5’末端に結合した非相補性「フラップ」領域を有することにより達成される。標的核酸の本体は、固有の切断断片を同定することにより決定することができる。例えばこれは、質量分析法により容易に達成することができる。固有の容易に分解可能な質量を有する極端に多数の可能な切断断片のために、核酸標的の迅速で高処理能力多重検出が可能になる。
従って1つの態様において、本発明は、試料中の標的核酸配列の存在又は非存在を検出する方法であって:
(a)標的核酸を含む試料を、以下の(i)及び(ii):
(i)一対のオリゴヌクレオチドプライマーであって、ここで、第1のオリゴヌクレオチドプライマーは、標的核酸配列の1つの鎖中の領域に相補的な配列を含み、かつ第1の伸長産物の合成を開始し、そして第2のオリゴヌクレオチドプライマーは、前記第1の伸長産物中の領域に相補的な配列を含み、かつ前記第1の伸長産物に相補的な核酸鎖の合成を開始する、前記一対のオリゴヌクレオチドプライマー;及び
(ii)少なくとも2つの異なる部分である第1の部分及び第2の部分を含む、オリゴヌクレオチドプローブであって、
前記第1の部分は、標的核酸配列の領域と少なくとも部分的に相補的な配列を含むヌクレオチド類似体を有する、又は有しない標準的ヌクレオチドを含み、前記第1の部分は、前記一対のオリゴヌクレオチドプライマーにより結合された標的核酸配列内でアニーリングし、そして前記第1の部分は、3’末端でブロックされて、核酸ポリメラーゼによる伸長を妨害し、3’→5’エキソヌクレアーゼによる切断を阻止し、
第1の部分の5’末端に結合される前記第2の部分は、ヌクレオチド及び非ヌクレオチドのいずれか一方、又はヌクレオチド及び非ヌクレオチドの両方を含み、標的核酸配列に相補的ではない配列を含み、そして前記第2の部分は、エキソヌクレアーゼ耐性修飾を含む、
前記オリゴヌクレオチドプローブ
と接触させることによって反応混合物を調製する工程;
(b)5’→3’ヌクレアーゼ活性を有する核酸ポリメラーゼを用いて、前記標的核酸配列を増幅する工程であって、前記一対のオリゴヌクレオチドプライマー及び前記オリゴヌクレオチドプローブが前記標的核酸配列へアニーリングすることができ、前記一対のオリゴヌクレオチドプライマーからプライマー伸長産物を合成することができる条件下で、一方で前記核酸ポリメラーゼの5’→3’ヌクレアーゼ活性が、前記アニーリングされたオリゴヌクレオチドプローブから、前記オリゴヌクレオチドプローブの第1の部分から、追加のヌクレオチドを有する又は有さない前記オリゴヌクレオチドプローブの第2の部分を含有する断片を切断しかつ放出することができる条件下で、前記標的核酸配列を増幅する工程;
(c)オリゴヌクレオチドプローブの第2の部分を含有する前記断片を、エキソヌクレアーゼ耐性修飾まで前記断片を切断する3’→5’エキソヌクレアーゼを用いて処理し、それにより、固有の質量識別可能なサイズを有する単一の断片を生成する工程;並びに、
(d)質量分析法により単一の前記断片の存在又は非存在を検出し、それにより、試料中の標的核酸配列の存在又は非存在を検出する工程、
を含む、前記方法を提供する。いくつかの実施態様において、質量分析法の汚染物質を除去するために前記反応混合物を精製する工程が、前記検出工程(d)の前に行われる。
いくつかの実施態様において、検出工程(d)は、マトリックス支援レーザー脱離イオン化−飛行時間型(Matrix-Assisted Laser Desorption Ionization-Time of Flight)(MALDI−TOF)MS、タンデムMS、電子噴霧イオン化−飛行時間型(Electrospray Ionization-Time of Flight)(ESI−TOF)、ESI−イオントラップ(ESI-iontrap)、液体クロマトグラフィー(LC)−MS、ガスクロマトグラフィー(GC)−MS、及びイオン移動度(IM)−MSからなる群から選択される質量分析計により行われる。いくつかの実施態様において、核酸ポリメラーゼは、熱安定性DNAポリメラーゼである。
別の態様において本発明は、
試料中の標的核酸配列の存在又は非存在を検出する方法であって:
(a)標的核酸を含む試料を、以下の(i)及び(ii):
(i)一対のオリゴヌクレオチドプライマーであって、ここで、第1のオリゴヌクレオチドプライマーは、標的核酸配列の1つの鎖中の領域に相補的な配列を含み、かつ第1の伸長産物の合成を開始し、そして第2のオリゴヌクレオチドプライマーは、前記第1の伸長産物中の領域に相補的な配列を含み、かつ前記第1の伸長産物に相補的な核酸鎖の合成を開始する、前記一対のオリゴヌクレオチドプライマー;及び
(ii)少なくとも2つの異なる部分である第1の部分及び第2の部分を含む、オリゴヌクレオチドプローブであって、
前記第1の部分は、標的核酸配列の領域と少なくとも部分的に相補的な配列を含むヌクレオチド類似体を有する、又は有しない標準的ヌクレオチドを含み、前記第1の部分は、前記一対のオリゴヌクレオチドプライマーにより結合された標的核酸配列内でアニーリングし、前記第1の部分は、一本鎖特異的5’→3’エキソヌクレアーゼによる切断に対して前記第1の部分を耐性とする修飾を5’末端に含み、
第1の部分の3’末端に結合される前記第2の部分は、ヌクレオチド及び非ヌクレオチドのいずれか一方、又はヌクレオチド及び非ヌクレオチドの両方を含み、標的核酸配列に相補的ではない配列を含み、そして前記第2の部分は、一本鎖特異的5’→3’エキソヌクレアーゼによる切断に対して前記第2の部分を耐性とする修飾を含む、
前記オリゴヌクレオチドプローブ
と接触させることによって反応混合物を調製する工程;
(b)5’→3’ヌクレアーゼ活性を有する核酸ポリメラーゼを用いて、前記標的核酸配列を増幅する工程であって、前記一対のオリゴヌクレオチドプライマー及び前記オリゴヌクレオチドプローブが前記標的核酸配列へアニーリングすることができ、前記一対のオリゴヌクレオチドプライマーからプライマー伸長産物を合成することができる条件下で、一方で前記核酸ポリメラーゼの5’→3’ヌクレアーゼ活性が、前記アニーリングされたオリゴヌクレオチドプローブから、前記オリゴヌクレオチドプローブの第1の部分から、追加のヌクレオチドを有する又は有さない前記オリゴヌクレオチドプローブの第2の部分を含有する断片を切断しかつ放出することができる条件下で、前記標的核酸配列を増幅する工程;
(c)オリゴヌクレオチドプローブの第2の部分を含有する前記断片を、エキソヌクレアーゼ耐性修飾まで前記断片を切断する一本鎖特異的5’→3’エキソヌクレアーゼを用いて処理し、それにより、固有の質量識別可能なサイズを有する単一の断片を生成する工程;並びに、
(d)質量分析法により単一の前記断片の存在又は非存在を検出し、それにより、試料中の標的核酸配列の存在又は非存在を検出する工程、
を含む、前記方法を提供する。いくつかの実施態様において、質量分析法の汚染物質を除去するために前記反応混合物を精製する工程が、前記検出工程(d)の前に行われる。
本方法のいくつかの実施態様において、2つ又はそれ以上の標的核酸は、単一の多重反応により検出される。いくつかの実施態様において、単一の多重反応において2つ又はそれ以上の標的核酸を検出するために、2つ又はそれ以上のオリゴヌクレオチドプローブが使用される。いくつかの実施態様において、エキソヌクレアーゼ耐性修飾は、ホスホロチオエート、2’−O−メチル−リボヌクレオチド、プロパンジオールスペーサー、HEGスペーサー、及び反転ヌクレオチドからなる群から選択される。いくつかの実施態様において、質量分析法の汚染物質を除去するための前記反応混合物を精製する工程が、工程(d)の前に行われる。いくつかの実施態様において、検出工程(d)は、マトリックス支援レーザー脱離イオン化−飛行時間(MALDI−TOF)MS、タンデムMS、電子噴霧イオン化−飛行時間(ESI−TOF)、ESI−イオントラップ、液体クロマトグラフィー(LC)−MS、ガスクロマトグラフィー(GC)−MS、及びイオン移動度(IM)−MSからなる群から選択される質量分析計により行われる。いくつかの実施態様において、核酸ポリメラーゼは、熱安定性DNAポリメラーゼである。
別の態様において本発明は、少なくとも2つの異なる部分である第1の部分及び第2の部分を含む、オリゴヌクレオチドプローブを含む組成物であって、前記第1の部分は、前記第1の部分が標的核酸の領域と結合できるように、前記標的核酸配列の領域と少なくとも部分的に相補的な配列を含むヌクレオチド類似体を有する、又は有しない標準的ヌクレオチドを含み、そして前記第1の部分は、3’末端でブロックされて、DNAポリメラーゼによる前記オリゴヌクレオチドプローブの伸長を妨害し、3’→5’エキソヌクレアーゼによる切断を阻止し、前記第2の部分は前記第1の部分の5’末端に結合され、ヌクレオチド及び非ヌクレオチドのいずれか一方、又はヌクレオチド及び非ヌクレオチドの両方を含み、標的核酸配列に相補的ではない配列を含み、そして前記第2の部分は、エキソヌクレアーゼ耐性修飾を含む、前記組成物を提供する。
いくつかの実施態様において、オリゴヌクレオチドプローブの第2の部分中のエキソヌクレアーゼ耐性修飾は、ホスホロチオエート、2’−O−メチル−リボヌクレオチド、プロパンジオールスペーサー、HEGスペーサー、反転ヌクレオチド、又は、修飾の結合点を越えてオリゴヌクレオチド断片をエキソヌクレアーゼ切断に対して耐性にする任意の他の修飾からなる群から選択される非切断性ヌクレオチドを含む。別の実施態様において、オリゴヌクレオチドプローブの第2の部分は、任意の有機部分又は反復単位(例えば、(CH2−CH2−O)など)でもよい非ヌクレオチドを含む。
別の態様において本発明は、少なくとも2つの異なる部分である第1の部分及び第2の部分を含む、オリゴヌクレオチドプローブを含む組成物であって、前記第1の部分は、前記第1の部分が標的核酸の領域と結合できるように、前記標的核酸配列の領域と少なくとも部分的に相補的な配列を含むヌクレオチド類似体を有する、又は有しない標準的ヌクレオチドを含み、そして前記第1の部分は、一本鎖特異的5’→3’エキソヌクレアーゼによる切断に対して前記第1の部分を耐性とする修飾を5’末端に含み、前記第2の部分は前記第1の部分の3’末端に結合され、ヌクレオチド及び非ヌクレオチドのいずれか一方、又はヌクレオチド及び非ヌクレオチドの両方を含み、標的核酸配列に相補的ではない配列を含み、そして前記第2の部分は、一本鎖特異的5’→3’エキソヌクレアーゼによる切断に対して前記第2の部分を耐性とする修飾を含む、前記組成物を提供する。
いくつかの実施態様において、前記オリゴヌクレオチドプローブの第2の部分中のエキソヌクレアーゼ耐性修飾は、ホスホロチオエート、2’−O−メチル−リボヌクレオチド、プロパンジオールスペーサー、HEGスペーサー、反転ヌクレオチド、又は、修飾の結合点を越えてオリゴヌクレオチド断片をエキソヌクレアーゼ切断に対して耐性にする任意の他の修飾からなる群から選択される非切断性ヌクレオチドを含む。別の実施態様において、前記オリゴヌクレオチドプローブの第2の部分は、任意の有機部分又は反復単位(例えば、(CH2−CH2−O)など)でもよい非ヌクレオチドを含む。
図1は、本発明の方法の例示である。 図2Aは、オリゴヌクレオチドT9JTTTGCのエキソヌクレアーゼI消化後のオリゴヌクレオチド断片を示し、ここで、Jは2’−O−メチル−ウリジン(A)である。 図2Bは、オリゴヌクレオチドT9JTTTGCのエキソヌクレアーゼI消化後のオリゴヌクレオチド断片を示し、ここで、JはHEGスペーサー(B)である。 図2Cは、オリゴヌクレオチドT9JTTTGCのエキソヌクレアーゼI消化後のオリゴヌクレオチド断片を示し、ここで、Jはプロパンジオールスペーサー(C)である。 図3は、PCR増幅反応中のEGFR T790M変異体5`−フラッププローブの断片のLC−MSと、次にエキソヌクレアーゼIによる以後の消化無し(A)又は有り(B)で行なった後の、抽出イオンクロマトグラム(EIC)を示す。
定義
本明細書で使用される用語「試料」は、核酸を含む試料又は培養物(例えば、微生物学的培養物)を含む。用語「試料」はまた、生物学的及び環境試料の両方を含むことを意味する。試料は、合成起源の検体を含むことができる。生物学的試料は、全血、血清、血漿、臍帯血、絨毛膜絨毛、羊水、脳脊髄液、脊髄液、洗浄液(例えば、気管支、胃、腹膜、乳管、耳、関節鏡)、生検試料、尿、糞便、痰、唾液、鼻粘膜、前立腺液、精液、リンパ液、胆汁、涙、汗、母乳、乳房流体、胚細胞及び胎児細胞を含んでよい。好適な実施態様において、生物学的試料は、血液、より好ましくは血漿である。本明細書において用語「血液」は、従来から定義されているように、全血、又は血清及び血漿などの血液の任意の画分を包含する。血漿は、抗凝固剤で処理された血液の遠心分離により得られる全血の画分を指す。血清は、血液試料が凝固した後に残っている液体の水の部分を指す。環境試料は、表面物質、土壌、水、及び産業試料などの環境材料、ならびに食品及び乳製品加工機器、装置、設備、用具、使い捨て及び非使い捨ての物質から得られる試料を含む。これらの例は、本発明に適用できる試料の種類を限定するものとして解釈すべきではない。
本明細書において用語「標的」又は「標的核酸」は、その存在が検出又は測定されるか、又はその機能、相互作用、又は特性が検討されるべきである任意の分子を意味することを意図する。従って、標的は、本質的に検出可能なプローブ(例えば、オリゴヌクレオチドプローブ)、又はアッセイが存在するか、又は当業者により製造することができる、任意の分子を含む。例えば、標的は、検出可能なプローブ(例えば、抗体)と結合又は他の方法で接触することが可能な核酸分子、ポリペプチド、脂質、又は炭水化物などの生体分子であってもよく、ここで検出可能なプローブはまた、本発明の方法によって検出することができる核酸を含む。本明細書で使用する場合「検出可能なプローブ」は、目的の標的生体分子にハイブリダイズ又はアニーリングすることができ、本明細書に記載される標的生体分子の特異的検出を可能にする任意の分子又は薬剤を意味する。本発明のある態様において、標的は核酸であり、検出可能なプローブはオリゴヌクレオチドである。用語「核酸」及び「核酸分子」は、本開示を通して交換可能に使用し得る。この用語は、オリゴヌクレオチド、オリゴ、ポリヌクレオチド、デオキシリボヌクレオチド(DNA)、ゲノムDNA、ミトコンドリアDNA(mtDNA)、相補的DNA(cDNA)、細菌DNA、ウイルスDNA、ウイルスRNA、RNA、メッセージRNA(mRNA)、転移RNA(tRNA)、リボソームRNA(rRNA)、siRNA、触媒性RNA、クローン、プラスミド、M13、P1、コスミド、細菌人工染色体(BAC)、酵母人工染色体(YAC)、増幅された核酸、アンプリコン、PCR産物、及び他のタイプの増幅された核酸、RNA/DNAハイブリッド、及びポリアミド核酸(PNA)を指し、これらのすべては一本鎖又は2本鎖形態であることができ、そして、特に明記しない場合は、天然のヌクレオチドと同様に機能することができる天然のヌクレオチドの公知の類似体、及びそれらの組み合わせ及び/又はそれらの混合物を包含するであろう。従って、用語「ヌクレオチド」は、ヌクレオシドのトリ、ジ、及びモノリン酸、ならびにポリ核酸又はオリゴヌクレオチド内に存在するモノリン酸モノマーを含む天然に存在するヌクレオチド、及び修飾された/天然に存在しないヌクレオチドの両方を指す。ヌクレオチドはまた、リボ、2’−デオキシ;2’,3’−デオキシ、ならびに当技術分野で公知の広範囲の他のヌクレオチド模倣物でもよい。模倣物は、3’−O−メチル、ハロゲン化塩基又は糖置換体などの連鎖停止ヌクレオチド;非糖のアルキル環構造を含む代替的な糖構造;イノシンを含む代替塩基;デアザ修飾;カイ及びプサイリンカー修飾;質量標識修飾;ホスホロチオエート、メチルホスホネート、ボラノホスフェート、アミド、エステル、エーテルを含むホスホジエステル修飾物又は置換体;及び、光切断ニトロフェニル部分などの切断結合を含む基本的な又は完全なヌクレオチド間置換体を含む。
標的の存在又は非存在は、定量的又は定性的に測定することができる。標的は、例えば単純な又は複雑な混合物、又は実質的に精製された形を含む、種々の異なる形態であることができる。例えば標的は、他の成分を含む試料の一部でもよく、又は試料の唯一の又は主要な成分であることができる。従って標的は、細胞全体又は組織、細胞もしくは組織抽出物、その分画された溶解物、又は実質的に精製された分子の成分であることができる。また、標的は、既知の又は未知の配列又は構造のいずれかを有することができる。
用語「増幅反応」とは、核酸の標的配列のコピーを増やすための任意のインビトロの手段を指す。
「増幅する」とは、増幅を可能にするのに十分な条件への解決策を提示する工程を指す。増幅反応の成分は、特に限定されないが、例えばプライマー、ポリヌクレオチド鋳型、ポリメラーゼ、ヌクレオチド、dNTPなどを含むことができる。「増幅する」という用語は、典型的には標的核酸の「指数的」増加を指す。しかしながら、本明細書で使用される「増幅する」はまた、核酸の選択された標的配列の数の直線的増加を意味することができるが、一回の単一のプライマー伸長工程とは異なる。
「ポリメラーゼ連鎖反応」又は「PCR」は、標的2本鎖DNAの特定のセグメント又は部分が、等比級数的に増幅される方法を指す。PCRは、当業者に公知である;例えば、米国特許第4,683,195号及び4,683,202号;及びPCR Protocols: A Guide to Methods and Applications, Innis et al., eds, 1990を参照。
本明細書で使用される「オリゴヌクレオチド」は、ホスホジエステル結合又はその類似体により連結された、天然の又は修飾ヌクレオシドモノマーの線状オリゴマーを指す。オリゴヌクレオチドは、標的核酸に特異的に結合することができるデオキシリボヌクレオシド、リボヌクレオシド、これらのアノマー型、ペプチド核酸(PNA)などを含む。通常モノマーは、ホスホジエステル結合又はその類似体により連結されて、数モノマー単位、例えば3〜4から数十のモノマー単位、例えば40〜60のサイズの範囲のオリゴヌクレオチドを形成する。オリゴヌクレオチドが文字の配列、例えば「ATGCCTG」によって表される場合、これは、ヌクレオチドが左から右に5’→3’の順であり、特に明記しない場合は、「A」はデオキシアデノシンを表し、「C」はデオキシシチジンを表し、「G」はデオキシグアノシンを表し、「T」はデオキシチミジンを表し、「U」は、リボヌクレオシドであるウリジンを表す。通常、オリゴヌクレオチドは4つの天然デオキシヌクレオチドを含み;しかし、これらはまた、リボヌクレオシド又は非天然のヌクレオチド類似体を含むことができる。活性について酵素が、例えば1本鎖DNA、RNA/DNA2本鎖などの特異的なオリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチド基質要件を有する場合、オリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチド基質のための適切な組成物の選択は、十分に当業者の知識の範囲内である。
本明細書において「オリゴヌクレオチドプライマー」又は単に「プライマー」は、標的核酸鋳型上の配列にハイブリダイズし、オリゴヌクレオチドプローブの検出を促進するポリヌクレオチド配列を指す。本発明の増幅実施態様において、オリゴヌクレオチドプライマーは、核酸合成の開始点として機能する。非増幅実施態様においては、オリゴヌクレオチドプライマーは、架橋剤により切断され得る構造を作成するために使用することができる。プライマーは種々の長さであってもよく、従い、50ヌクレオチド長未満、例えば12〜25ヌクレオチド長である。PCRで使用されるプライマーの長さと配列は、当業者に公知の原理に基づいて設計することができる。
本明細書において用語「オリゴヌクレオチドプローブ」は、目的の標的核酸にハイブリダイズ又はアニーリングすることができ、標的核酸の特異的検出を可能にするポリヌクレオチド配列を指す。
「ミスマッチヌクレオチド」又は「ミスマッチ」は、その位置で標的配列に相補的でないヌクレオチドを指す。オリゴヌクレオチドプローブは、少なくとも1つのミスマッチを有していてもよいが、また2、3、4、5、6、又は7以上のミスマッチヌクレオチドを有することもできる。
本明細書で使用される用語「多型」は、対立遺伝子変異体を指す。多型は単一ヌクレオチド多型(SNP)、ならびに単純な配列長多型を含むことができる。多型は、別の対立遺伝子と比較して、1つの対立遺伝子での1つ又はそれ以上のヌクレオチド置換に起因するか、又は挿入もしくは欠失、複製、反転、及び当該技術分野で公知の他の改変に起因することができる。
本明細書で使用される用語「質量識別可能なサイズ (mass-distinguishable size)」は、「切断産物のサイズ」、「分解産物のサイズ」、又は「プローブ断片サイズ」と交換可能に使用することができ、本発明の方法により記載されるように、オリゴヌクレオチドプローブの切断及び放出に起因する1つ又はそれ以上の分解産物のサイズを指す。質量識別可能なサイズを有する断片(MDF)は、特に限定されないが、オリゴヌクレオチドプローブ断片、ヌクレオチドオリゴヌクレオチドプローブ断片、非ヌクレオチドオリゴヌクレオチドプローブ断片、分離を容易にするために修飾タグ(例えば、疎水性及び親和性部分)を含むオリゴヌクレオチドプローブ断片を含んでよい。固有の質量識別可能なサイズを有する断片を産生することは、顕著に改善された感度をもたらし、多重反応を実行する能力の増強を可能にする。
本明細書で使用される用語「修飾 (modification)」は、分子レベル(例えば、塩基部分、糖部分、又はリン酸骨格)におけるオリゴヌクレオチドプローブの改変を指す。ヌクレオシド修飾としては、特に限定されないが、切断ブロッカー又は切断インデューサーの導入、マイナーグルーブ結合剤の導入、同位体濃縮、同位体欠失、重水素の導入、及びハロゲン修飾がある。ヌクレオシド修飾はまた、ハイブリダイゼーションの厳密度を上昇させるか、又はオリゴヌクレオチドプローブの融解温度を上昇させる部分を含むことができる。例えば、ヌクレオチド分子は、2’及び4’炭素を接続する追加のブリッジで修飾して、ヌクレアーゼによる切断に耐性であるロックされた核酸(LNA)を得ることができる。
例えば、標的ポリヌクレオチドに対するプローブのように、1つの分子の別の分子への結合に関して「特異的」又は「特異性」という用語は、その分子と他の分子の実質的に少ない認識、接触、又は複合体形成とともに、2つの分子間の安定な複合体の、認識、接触、及び形成を指す。本明細書において用語「アニール」は、2つの分子間の安定な複合体の形成を指す。
プローブは、プローブの少なくとも1つの領域が、核酸配列の相補体の少なくとも1つの領域と実質的な配列同一性を共有するなら、核酸配列に「アニーリングすることができる」。「実質的な配列同一性」は、少なくとも約80%、好ましくは少なくとも約85%、好ましくは少なくとも約90%、好ましくは少なくとも約95%、又は99%、及び最も好ましくは100%の配列同一性である。DNA配列とRNA配列の配列同一性を決定する目的で、U及びTはしばし同一のヌクレオチドであると見なされる。例えば、配列ATCAGCを含むプローブは、配列GCUGAUを含む標的RNA配列にハイブリダイズすることができる。
本明細書で使用される用語「切断剤」は、オリゴヌクレオチドプローブを切断して、質量識別可能な大きさの断片を生成することができる任意の手段を指し、特に限定されないが、酵素を含む。増幅が起こらない方法では、切断剤は、単独で、オリゴヌクレオチドプローブの第2の部分又はその断片を、切断、分解、又は放出するように機能することができる。切断剤は酵素でもよい。切断剤は、天然でも、合成でも、非修飾でも、又は修飾されていてもよい。
増幅が起きる方法について、切断剤は、好ましくは合成(又は重合)活性及びヌクレアーゼ活性を有する酵素である。このような酵素はしばしば、核酸増幅酵素である。核酸増幅酵素の例は、サーマス・アクアティクス(Taq)DNAポリメラーゼ(TaqMA.RTM.)又は大腸菌(E. coli )ポリメラーゼIである。酵素は、天然でも、非修飾でも、又は修飾されていてもよい。
用語「エキソヌクレアーゼ耐性修飾まで前記断片を切断する (cleaves said fragments up to the exonuclease-resistant modification)」という用語は、それ事態がエキソヌクレアーゼ耐性修飾に到達するまで、又はエキソヌクレアーゼ耐性修飾に近接して配置される定義されたヌクレオチドで断片を切断する切断活性を意味する。3’→5’エキソヌクレアーゼ活性について、修飾の近傍の定義されたヌクレオチドは、修飾からすぐの3’の第1の部分に配置することができる。あるいは、定義されたヌクレオチドは、3’→5’エキソヌクレアーゼによる切断が、定義されたヌクレオチドの位置で一貫して停止する限り、修飾から3’へ2又は3又はそれ以上の位置に配置することができるであろう。
用語「プロパンジオール」又は「プロパンジオールスペーサー」は、1,3−プロパンジオールを指し、プロパン−1,3−ジオール、1,3−ジヒドロキシプロパン、及びトリメチレングリコールと同義である。用語「HEG」又は「HEGスペーサー」は、3,6,9,12,15−ペンタオキサヘプタデカン−1,17ジオールと同義であるヘキサエチレングリコールを指す。反転ヌクレオチドという用語は、糖部分が、隣接するヌクレオチドの糖部分に、3’−3’ホスホジエステル結合を介して連結しているヌクレオチドを指す。
用語「質量分析法の汚染物質 (contamitants of mass spectrometry)」とは、質量分析計による質量識別可能なサイズを有する断片(MDF)の検出を妨害することができる任意の物質を指す。質量分析法のいくつかの汚染物質の例は、Keller et al., Analytica Chimica Acta (2008) 627:71-81に開示されている。
「核酸ポリメラーゼ」は、核酸へのヌクレオチドの取り込みを触媒する酵素を指す。例示的な核酸ポリメラーゼは、DNAポリメラーゼ、RNAポリメラーゼ、末端トランスフェラーゼ、逆転写酵素、テロメラーゼなどを含む。
「熱安定性DNAポリメラーゼ」とは、選択された期間にわたって高温に曝されたとき、安定(すなわち、破壊又は変性に抵抗する)であり、十分な触媒活性を保持するDNAポリメラーゼを指す。例えば、熱安定性DNAポリメラーゼは、2本鎖核酸を変性させるために必要な時間、高温に曝された時、その後のプライマー伸長反応を行うのに十分な活性を保持する。核酸変性に必要な加熱条件は、当技術分野で公知であり、米国特許第4,683,202号及び4,683,195号に例示されている。本明細書で使用する場合、熱安定性ポリメラーゼは典型的には、ポリメラーゼ連鎖反応(「PCR」)などの温度サイクリング反応に使用するのに適している。熱安定性核酸ポリメラーゼの例としては、サーマス・アクアティカス(Thermus aquaticus)Taq DNAポリメラーゼ、サーマス属Z05ポリメラーゼ、サーマス・フラバス(Thermus flavus)ポリメラーゼ、サーモトガ・マリチマ(Thermotoga maritima)ポリメラーゼ、例えばTMA−25、TMA−30ポリメラーゼ、Tth DNAポリメラーゼなどがある。
「修飾 (modified)」ポリメラーゼは、少なくとも1種のモノマーが、天然の又は野生型形態のポリメラーゼ、又は別の修飾形態のポリメラーゼなどの参照配列と異なるポリメラーゼを指す。例示的な修飾は、モノマーの挿入、欠失、及び置換を含む。修飾ポリメラーゼは、2つ以上の親由来の特定できる成分配列(例えば、構造的又は機能的ドメインを)を持っているキメラポリメラーゼを含む。また、修飾ポリメラーゼの定義内には、参照配列の化学修飾を含むものも含まれる。修飾ポリメラーゼの例には、G46E E678G CS5 DNAポリメラーゼ、G46E L329A E678G CS5 DNAポリメラーゼ、G46E L329A D640G S671F CS5 DNAポリメラーゼ、G46E L329A D640G S671F E678G CS5 DNAポリメラーゼ、G46E E678G CS6 DNAポリメラーゼ、Z05 DNAポリメラーゼ、Z05ポリメラーゼ、Z05ゴールドポリメラーゼ、Z05Rポリメラーゼ、E615G Taq DNAポリメラーゼ、E678G TMA−25ポリメラーゼ、E678G TMA−30ポリメラーゼ、等が挙げられる。
用語「5’→3’ヌクレアーゼ活性」又は「5’−3’ヌクレアーゼ活性」は、典型的には核酸鎖合成に関連する核酸ポリメラーゼの活性を指し、核酸鎖の5’末端からヌクレオチドが除去される。例えば、大腸菌(E. coli )DNAポリメラーゼはこの活性を有するが、クレノウ断片はこの活性を持たない。5’→3’ヌクレアーゼ活性を有するいくつかの酵素は、5’→3’エキソヌクレアーゼである。「1本鎖特異的5’−3’エキソヌクレアーゼ」という用語は、2本鎖核酸よりも1本鎖核酸に対する選択性を有する5’末端から作用するエキソヌクレアーゼを指す。かかる1本鎖特異的5’−3’エキソヌクレアーゼの例には、枯草菌(B. subtilis)からのエキソヌクレアーゼ、脾臓からのホスホジエステラーゼ、酵母からのエキソヌクレアーゼII、酵母からのエキソヌクレアーゼV、及びノイロスポラ・クラッサ(Neurospora crassa)からのエキソヌクレアーゼがある。
用語「3’→5’エキソヌクレアーゼ」又は「3’→5’エキソヌクレアーゼ活性」は、核酸鎖の3’末端からヌクレオチドが除去される酵素又は酵素の活性を指す。3’→5’エキソヌクレアーゼの例には、大腸菌(E. coli )からのエキソヌクレアーゼI、大腸菌(E. coli )からのエキソヌクレアーゼIV、大腸菌(E. coli )からのエキソヌクレアーゼV、ファージT4からのT4エキソヌクレアーゼIV、ファージT4からのT4 DNAポリメラーゼ、酵母からのエキソヌクレアーゼI、酵母からのエキソヌクレアーゼIII、瞬間凍結、キイロショウジョウバエ(Drosophila)からのDNAポリメラーゼ、キイロショウジョウバエ(Drosophila)からのDNAポリメラーゼ、及び蛇毒ホスホジエステラーゼがある。
本発明の種々の態様は、核酸ポリメラーゼの特別な性質に基づく。核酸ポリメラーゼはいくつかの活性を有することができ、特に核酸ポリメラーゼは、より大きい相補的なポリヌクレオチドにアニーリングしたオリゴヌクレオチドからモノヌクレオチド又は小さなオリゴヌクレオチドを切断することができる5’→3’ヌクレアーゼ活性を有することができる。効率的に切断を発生させるためには、上流のオリゴヌクレオチドは、より大きな同じポリヌクレオチドにアニーリングする必要がある。
米国特許第5,210,015号、5,487,972号、及びHolland et al., 1988, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 88:7276-7280に記載されているように、5’→3’ヌクレアーゼ活性を利用する標的核酸の検出は、「TaqMan(登録商標)」又は「5’−ヌクレアーゼアッセイ」により行うことができる。TaqMan(登録商標)アッセイでは、増幅された領域内でハイブリダイズする標識検出プローブが、増幅反応中に存在する。プローブは、DNA合成のプライマーとしてプローブが作用することを防ぐように、修飾される。増幅は、2本鎖核酸で、5’→3’ヌクレアーゼ活性を有するDNAポリメラーゼを使用して行われる。増幅の各合成工程中に、伸長されるプライマーから下流の標的核酸にハイブリダイズする任意のプローブは、DNAポリメラーゼの5’→3’ヌクレアーゼ活性により分解される。すなわち、新しい標的鎖の合成はまた、プローブの分解をもたらし、分解産物の蓄積は、標的配列の合成の指標を提供する。
分解産物を検出するのに適した任意の方法を、5’ヌクレアーゼアッセイで使用することができる。検出プローブはしばしば、その1つが他の色素の蛍光を消光することができる2つの蛍光色素で標識される。色素はプローブに結合され、典型的には、レポーター又は検出色素は5’末端に結合され、消光色素は内部部位に結合され、従って、プローブが非ハイブリダイズ状態にある時消光が起き、従ってDNAポリメラーゼの5’→3’ヌクレアーゼ活性によるプローブの切断が、2つの色素の間で起きる。増幅は、消光の同時排除と、最初に消光された色素から観察される蛍光の増加とともに、色素間のプローブの切断を引き起こす。分解産物の蓄積は、反応蛍光の増加を測定することによって追跡される。米国特許第5,491,063号及び5,571,673号は、増幅と同時に生じるプローブの分解を検出するための別の方法を記載する。
標的核酸の検出のための5’ヌクレアーゼアッセイは、5’→3’ヌクレアーゼ活性を有する任意のポリメラーゼを使用することができる。すなわちいくつかの実施態様において、5’ヌクレアーゼ活性を有するポリメラーゼは、熱安定性及び熱活性核酸ポリメラーゼである。このような熱安定性ポリメラーゼとしては、特に限定されないが、真正細菌属サーマス(Thermus)、及びソーモトガ(Thermatoga)、及びサーモシホ(Thermosipho)の種々の種からのポリメラーゼの天然及び組換え形態、ならびにこれらのキメラ形態がある。例えば本発明の方法で使用できるサーマス(Thermus)種のポリメラーゼは、サーマス・アクアティカス(Thermus aquaticus)(Taq)DNAポリメラーゼ、サーマス・サーモフィラス(Thermus thermophilus)(Tth)DNAポリメラーゼ、サーマス種Z05(Z05)DNAポリメラーゼ、サーマス種sps17(sps17)、及びサーマス種Z05を含む(例えば、米国特許第5,405,774号、5,352,600号、5,079,352号、4889,818号、5,466,591号、5,618,711号、5,674,738号、及び5,795,762号を参照)。本発明の方法において使用することができるサーモトガ(Thermotoga)ポリメラーゼは、例えば、サーモトガ・マリチマ(Thermotoga maritima)DNAポリメラーゼとサーモトガ・ネアポリタナ(Thermotoga neapolitana)DNAポリメラーゼを含み、使用できるサーモシホ(Thermosipho)ポリメラーゼの例は、サーモシホ・アフリカヌス(Thermosipho africanus)DNAポリメラーゼである。サーモトガ・マリチマ(Thermotoga maritima)とサーモシホ・アフリカヌス(Thermosipho africanus)DNAポリメラーゼの配列は、国際特許出願番号PCT/US91/07035に、公報番号WO92/06200で公開されている。サーモトガ・ネアポリタナ(Thermotoga neapolitana)の配列は、国際特許公報WO97/09451に見出すことができる。
5’ヌクレアーゼアッセイでは、増幅の検出は、典型的には増幅と同時(すなわち「リアルタイム」)である。いくつかの実施態様において、増幅の検出は定量的であり、かつ増幅検出はリアルタイムである。いくつかの実施態様において、増幅の検出は定性的(例えば、標的核酸の存在又は非存在の終点検出)である。いくつかの実施態様において、増幅の検出は増幅の後である。いくつかの実施態様において、増幅の検出は定性的であり、増幅の検出は増幅の後である。
本発明において、オリゴヌクレオチドプローブからの分解産物の検出は、蛍光レポーター色素や消光色素の使用を含まないが、代わりに2つの別個の部分を有するプローブの合成を含む。第1の部分は、この部分が検出すべき標的核酸に結合できるように、標的核酸と少なくとも部分的に相補的な相補的部分であり、標準のヌクレオチド又はヌクレオチド類似体からなる。さらに、プローブのこの第1の部分の3`末端は、それがDNAポリメラーゼによって伸長されないように、及び3’→5’エキソヌクレアーゼによって切断することができないように、修飾又はブロックされている。第2の部分は第1の部分の5`末端に結合した非相補性部分であり、標的核酸に結合することができない「5`フラップ」領域を形成する(図1参照)。この5`フラップ部分は、ヌクレオチド又は非ヌクレオチド、又はヌクレオチドと非ヌクレオチドの両方から構成することができる。オリゴヌクレオチドプローブのフラップ5`第2部分に存在することができる非ヌクレオチドは、任意の有機部分であるか又は反復単位(例えば、(CH2−CH2−O)nなど)でもよい。第2の部分もまた、これは3’→5’エキソヌクレアーゼの活性に対して耐性にする修飾を含有する(図1中で「X」として示されている)。この修飾は、3’→5’エキソヌクレアーゼにより切断できないヌクレオチド類似体でもよく、このようなヌクレオチド類似体の例としては、ホスホロチオエート、2’−O−メチルリボヌクレオチド、プロパンジオールスペーサー、HEGスペーサー、反転ヌクレオチド、又は、修飾の結合点を越えてオリゴヌクレオチド断片をエキソヌクレアーゼ切断に対して耐性にする任意の他の修飾がある。
本発明は、オリゴヌクレオチドプライマー及びプローブを提供する。これらのプローブ及びプライマーを生成するために使用される方法が制限されることは、決して意図されない。当業者は、プローブ及びプライマーを作製するための多種多様な化学合成戦略及び試薬に精通している。また、本発明のオリゴヌクレオチドプローブは、天然のヌクレオチド構造又は天然の塩基(例えば、アデニン、グアニン、チミン、シトシン、及びウラシル)に限定されることも、意図されない。核酸中に典型的に見出される天然に存在する複素環塩基に加え、非天然核酸類似体もまた、本発明で使用される。
非天然の類似体は、天然に存在しない複素環式又は他の修飾塩基を有するものが挙げられる。特に、多くの非天然塩基はさらに、例えば、Seela et al. (1991) Helv. Chim. Acta 74:1790, Grein et al. (1994) Bioorg. Med. Chem. Lett. 4:971-976, 及び Seela et al. (1999) Helv. Chim. Acta 82:1640に記載されている。さらに例示すると、融解温度(Tm)修飾物として作用するヌクレオチドに使用される特定の塩基が、任意選択的に含まれる。例えば、これらのいくつかは、7−デアザプリン類(例えば、7−デアザグアニン、7−デアザアデニンなど)、ピラゾロ[3,4−D]ピリミジン類、プロピニル−DN(例えば、プロピニル−dU、プロピニル−DC等)を含む。例えば、1999年11月23日に発行されたSeelaの米国特許第5,990,303号(標題「SYNTHESIS OF 7-DEAZA-2’-DEOXYGUANOSINE NUCLEOTIDES」)を参照されたい。他の代表的な複素環式塩基としては、例えば、ヒポキサンチン、イノシン、キサンチン;2−アミノプリン、2,6−ジアミノプリン、2−アミノ−6−クロロプリン、ヒポキサンチン、イノシン、及びキサンチンの8−アザ誘導体;アデニン、グアニン、2−アミノプリン、2,6−ジアミノプリン、2−アミノ−6−クロロプリン、ヒポキサンチン、イノシン、及びキサンチンの7−デアザ−8−アザ誘導体;6−アザシトシン;5−フルオロシトシン;5−クロロシトシン;5−ヨードシトシン;5−ブロモシトシン;5−メチルシトシン;5−プロピニルシトシン;5−ブロモビニルウラシル;5−フルオロウラシル;5−クロロウラシル;5−ヨードウラシル;5−ブロモウラシル;5−トリフルオロメチルウラシル;5−メトキシメチルウラシル;5−エチニルウラシル;5−プロピニルウラシル、4−アセチルシトシン、5−(カルボキシヒドロキシメチル)ウラシル、5−カルボキシメチルアミノメチル−2−チオウリジン、5−カルボキシメチルアミノメチルウラシル、ジヒドロウラシル、β−D−ガラクトシルケオシン(galactosylqueosine)、イノシン、N6−イソペンテニルアデニン、1−メチルグアニン、1−メチルイノシン、2,2−ジメチルグアニン、7−デアザアデニン、2−メチルアデニン、2−メチルグアニン、3−メチルシトシン、5−メチルシトシン、N6−メチルアデニン、7−メチルグアニン、7−デアザグアニン、5−メチルアミノメチルウラシル、5−メトキシアミノメチル−2−チオウラシル、β−D−マンノシルケオシン、5’−メトキシカルボキシメチルウラシル、5−メトキシウラシル、2−メチルチオ−N6−イソペンテニルアデニン、ウラシル−5−オキシ酢酸(V)、ウィブトキソシン(wybutoxosine)、シュードウラシル、ケオシン、2−チオシトシン、5−メチル−2−チオウラシル、2−チオウラシル、4−チオウラシル、5−メチルウラシル、ウラシル−5−オキシ酢酸メチルエステル、3−(3−アミノ−3−N−2−カルボキシプロピル)ウラシル、(acp3)w、2,6−ジアミノプリン、及び5−プロピニルピリミジンなどを含む。さらに例示すると、修飾オリゴヌクレオチドの他の例は、1つ以上のロックされた核酸(LNA(登録商標))モノマーを有するものがある(例えば、Link Technologies, Ltd., Lanarkshire, Scotland; under license from Exiqon A/S, Vedbaek, Denmarkから入手できるLNA(登録商標)モノマーを含むオリゴヌクレオチド)。このようなヌクレオチド類似体はまた、例えば、米国特許第6,639,059号、及び米国特許出願第2003/0092905号に記載されている。
オリゴヌクレオチドプローブ及びプライマーは、当該分野で公知の任意の技術を用いて調製することができる。特定の実施態様において、例えば、オリゴヌクレオチドプローブ及びプライマーは、Beaucage and Caruthers (1981) Tetrahedron Letts. 22(20):1859 1862により記載された固相ホスホラミダイト法による方法を含む、任意の核酸合成法を用いて化学的に合成される。さらに説明すると、オリゴヌクレオチドはまた、トリエステル法を用いて合成することができる(例えば、Capaldi et al. (2000) “Highly efficient solid phase synthesis of oligonucleotide analogs containing phosphorodithioate linkages” Nucleic Acids Res. 28(9):e40 and Eldrup et al. (1994) “Preparation of oligodeoxyribonucleoside phosphorodithioates by a triester method” Nucleic Acids Res. 22(10):1797?1804を参照)。当技術分野で公知の他の合成技術も使用することができ、例えば、Needham VanDevanter et al. (1984) Nucleic Acids Res. 12:6159 6168に記載された自動合成機も、任意選択的に使用することができる。多様な機器が、自動化オリゴヌクレオチド合成のために市販されている。マルチヌクレオチド合成アプローチ(例えば、トリヌクレオチド合成等)もまた、任意選択的に利用される。さらにプライマー核酸は、任意選択的に種々の修飾を含む。特定の実施態様において、例えばプライマーは、その後のアンプリコンクローニング等を促進するために、例えば制限部位リンカーを含む。さらに例示すると、プライマーはまた、例えば米国特許第6,001,611号に記載のような増幅反応の特異性を改善するために、任意選択的に修飾される。プライマー及びプローブは、本明細書に記載のように又は当該技術分野で知られているように、種々の他の修飾を用いて合成することができる。
本発明の反応混合物、方法、及び他の態様で利用されるプローブは、ヌクレオチド又は非ヌクレオチドタグを有していてもよい。このようなタグは、当該分野で公知の種々の技術により、直接又は間接的にオリゴヌクレオチドに結合させることができる。例示すると、使用されるタグの種類に応じて、タグは、末端(オリゴヌクレオチドプライマー及び/又はプローブの5’又は3’末端)又は非末端ヌクレオチドに結合することができ、様々なサイズ及び組成のリンカー又はスペーサーアームを介して、間接的に結合することができる。市販のホスホラミダイト試薬を用いて、適切に保護されたホスホルアミダイトを介して5’又は3’末端に官能基(例えば、チオール又は1級アミン)を含むオリゴヌクレオチドを生成することができ、例えばInnis et al. (Eds.) PCR Protocols: A Guide to Methods and Applications, Elsevier Science & Technology Books (1990)(Innis)に記載されたプロトコールを使用して、そのようなオリゴヌクレオチドにタグを結合することができる。
基本的に任意の核酸(標準又は非標準の標識又は非標識)は、The Midland Certified Reagent Company (Midland, TX), Operon Technologies Inc. (Huntsville, AL), Proligo LLC (Boulder, CO)、及び他の多くの業者などの様々な商業的供給源のいずれかから、カスタム又は標準注文することができる。
本発明のオリゴヌクレオチドプローブををTaqMan PCRアッセイで使用すると、プローブのアニーリングされた第2の部分内の複数の切断部位のために、プローブの複数の断片が生成される(図1)。これらの断片は、質量分析によるその後の検出において、所定の標的核酸について、「質量識別可能な特性」をもたらすであろうが、試料中の複数の標的核酸の存在(例えば、10を超える標的核酸を用いる多重アッセイ)が、膨大な数の「質量識別可能な特性」断片を生成し、従って、異なる標的核酸を起源とする非常によく似た質量を有する断片が現れるであろう。従って、特定の標的核酸の有無を正確に同定することは困難であろう。この問題は、エキソヌクレアーゼ耐性修飾自体に到達するまで、又は5’フラップ部分のエキソヌクレアーゼ耐性修飾に対して3’側に位置する定義されたヌクレオチドで、断片を切断し、それ以上断片を切断しない3’→5’エキソヌクレアーゼを使用することにより、解決される。その結果、個々の標的核酸のために単一の「固有質量」の断片が生成され、質量分析により検出されるであろう。
質量識別可能なサイズを有する断片 (fragments with mass-distinguishable sizes)(MDF)は、特定の物理的属性又は検出特性(特に限定されないが、長さ、質量、電荷、又は電荷対質量比を含む)により区別される。好適な実施態様において、検出特性は質量である。別の関連する実施態様において、MDFは、物理的な属性(特に限定されないが、質量、MALDI−TOF質量分析における飛行時間を含む)に関連する挙動により区別することができる。関連する実施態様においてMDFは、1つ以上のオリゴヌクレオチドプローブから放出され、選択的に質量スペクトルマトリックスから脱離され、従って、非選択的プライマー及びオリゴヌクレオチドプローブ(すなわち、標的核酸が存在しない)は脱離されない。これらの実施態様においてMDFは、反応混合物中に存在するオリゴヌクレオチドプローブ又は他の非MDFよりも、質量分析マトリックスから、より効率的に脱離する必要がある。好適な質量分析マトリックスは、2,5−ジヒドロキシ安息香酸、アルファ−シアノ−4−ヒドロキシ桂皮酸、3−ヒドロキシピコリン酸(3−HPA)、クエン酸ジ−アンモニウム(DAC)、及びこれらの組み合わせが挙げられる。別の実施態様において、質量分析マトリックスは、タンパク質の分析のために設計されてもよい。タンパク質分析のための例示的なマトリックスとしては、特に限定されないが、DHBとCHCAがある。
この方法はさらに、非切断又は部分的切断オリゴヌクレオチドプローブから1つ又はそれ以上のオリゴヌクレオチドプローブ断片(すなわちMDF)を分離する追加の工程を含むことができる。分離は、例えばビオチン又は他のアフィニティーリガンドなどの捕捉リガンド、及び捕捉リガンドに対する特異的結合活性を有する、アビジン、ストレプトアビジン、抗体、受容体、MDFに相補的な捕捉プローブ、又はその機能性断片などの捕捉剤を使用して行われる。MDFは、捕捉剤に対する特異的結合活性を有する捕捉リガンドを含むことができる。捕捉リガンド及び捕捉剤は、これを質量分析計で検出されたMDFの質量範囲から排除することができるように、MDFの残りの部分に質量を追加するために使用することができる。ある実施態様において、捕捉プローブは、切断産物のユニバーサル増幅のためのユニバーサルプライマーを有することができる。
分離工程はまた、MDFから塩、酵素、又は他のバッファー成分を除去するために使用することができる。クロマトグラフィー、ゲル電気泳動、又は沈殿などの当技術分野で周知のいくつかの方法を、試料をクリーンアップするために使用することができる。例えば、サイズ排除クロマトグラフィー又はアフィニティークロマトグラフィーは、試料から塩を除去するために使用することができる。分離方法の選択は、試料の量に依存し得る。例えば、少量の試料が利用可能であるか、又は小型化装置を使用した場合、マイクロアフィニティークロマトグラフィー分離工程を使用することができる。さらに、分離工程が所望されるかどうか、及び分離方法の選択は、使用される検出方法に依存し得る。例えば、マトリックス支援レーザー脱離/イオン化及び電子噴霧イオン化の効率は、試料から塩を除去することによって改善することができる。例えば塩は、マトリックス支援レーザー脱離/イオン化レーザーからエネルギーを吸収することができ、より低いイオン化効率をもたらす。
質量分析は、本発明の質量識別可能なサイズ(のMDF)を有する断片を検出するのに、従って、標的核酸を同定及び/又は定量するのに好適な方法である。MDFは質量分析計でイオン化することができ、イオンは、その質量対電荷比に基づいて空間又は時間で分離することができる。こうして質量分析計は、各イオンに関連する質量を算出する。従って質量分析法に言及する場合、質量という用語は、質量対電荷比を説明するための簡略化のために使用することができる。
質量分析法は、分子を分離し識別するための高感度かつ正確な技術である。一般に質量分析計は、2つの主要成分(イオンの生成のためのイオン源、及び質量対電荷比を測定する質量選択分析計)を有し、これは、これらのイオンの質量の測定値に変換される。いくつかのイオン化法が当技術分野において公知であり、本明細書に記載されている。MDFは、オリゴヌクレオチドプローブからの切断前、切断中、又は切断後に荷電させることができる。電荷は質量分析の手順を介して取得することができるため、質量分析法によって測定されるMDFは、常に荷電を必要とはしない。質量分析では、このような電荷及び検出部分などのMDFの任意成分は、MDFに質量を寄与するために使用することができる。
異なる質量分析法、例えば、四重極質量分析法、イオントラップ質量分析法、飛行時間型質量分析法、ガスクロマトグラフィー質量分析法、及びタンデム質量分析法は、本明細書に記載されるように、イオン源及び質量分析器の様々な組み合わせを利用することができ、これは、カスタマイズされた検出プロトコルを設計する際の柔軟性を可能にする。さらに質量分析計は、イオン源からの全てのイオンを質量分析計に、順次に又は同時に伝送するようにプログラムすることができる。さらに質量分析計は、他のイオンをブロックしながら、質量分析計への伝送のために特定の質量のイオンを選択するようにプログラムすることができる。
質量分析計内のイオンの動きを正確に制御する能力は、検出プロトコルにおいてより大きな選択肢を可能にし、これは、例えば多重実験から多数のmMDFが分析されている場合に有利であることができる。例えば、多数のMDFを用いる多重実験では、同様のレポーターのグループから個々のレポーターを選択し、個別にそのレポーターを分析することが有利であり得る。質量分析計で検出された質量範囲の制御に基づくもう1つの利点は、切断されていないか又は部分的に切断されたタグ付けされたプローブが分析されることを排除することであり、これはアッセイからのバックグラウンドノイズを低減する。
質量分析計は、小さな質量差を有するイオンを分解し、イオンの質量を高精度に測定することができる。すなわち質量分析計は、密接に関連したタグの質量を区別することができるため、同様の質量のMDFは同じ実験内で一緒に使用することができる。質量分析法を用いて達成される高度の分解能と質量正確性は、得られたレポータータグを互いに区別することができるため、タグ化プローブの大きなセットの使用を可能にする。多重実験を設計する時は、タグ付けされたプローブの大きなセットを使用する能力は有利である。
MDFの質量を検出するために質量分析法を使用する別の利点は、この種の質量分析の高感度に基づいている。質量分析計は、イオン源によって形成されるイオンの大部分を利用し、これらのイオンを質量分析器を介して検出器に効率的に伝送することにより、高感度を達成する。この高レベルの感度のために、制限された量の試料であっても質量分析法を用いて測定することができる。これは、各MDF種の量が少なくてもよい多重実験で有利となり得る。
質量分析法は、当技術分野で公知である(Burlingame et al. Anal. Chem. 70:647R-716R (1998); Kinter and Sherman, Protein Sequencing and Identification Using Tandem Mass Spectrometry Wiley-Interscience, New York (2000)を参照)。質量分析法に関連する基本的なプロセスは、試料由来の気相イオンの発生、及びそれらの質量の測定である。
気相イオンの動きは、質量分析計内に生成された電磁場を用いて正確に制御することができる。これら電磁場におけるイオンの移動は、イオンのm/zに比例し、これは、m/z従って試料の質量を測定する基礎を形成する。これら電磁場におけるイオンの移動は、イオンが封じ込められ集束されることを可能にし、これが質量分析法の高感度の原因である。m/z測定の過程で、イオンはこれらのイオンの到着を記録する粒子検出器に効率良く伝送される。各m/zにおけるイオンの量はグラフ上のピークによって示され、ここで、x軸はm/zであり、y軸は相対存在量である。異なる質量分析計は、異なるレベルの解像度を有し、すなわち、質量が密接に関連しイオン間のピークを分解する能力を有する。分解能は、R=m/デルタmとして定義され、ここで、mはイオン質量であり、デルタmは質量スペクトルにおける2つのピーク間の質量の差である。例えば、1000の分解能を有する質量分析計は、m/zが100.1のイオンからm/zが100.0のイオンを分解することができる。
いくつかの種類の質量分析計が利用できるか、又は、様々な構成で製造することができる。一般に、質量分析計は、以下の主要な構成要素を有している:試料注入口、イオン源、質量分析器、検出器、真空システム、及び機器制御システム、及びデータシステム。試料注入口、イオン源、及び質量分析器の違いは一般に、機器のタイプとその能力を規定する。例えば、注入口は、キャピラリー−カラム液体クロマトグラフィー源であってもよく、又はマトリックス支援レーザー脱離に使用されるような直接プローブ又はステージでもよい。一般的なイオン源は、例えば、ナノスプレー及びマイクロスプレー又はマトリックス支援レーザー脱離を含む電子噴霧である。例示的な質量分析器は、四重極質量フィルタ、イオントラップ質量分析器、及び飛行時間型質量分析器を含む。
イオン形成プロセスは、質量スペクトル分析の出発点である。いくつかのイオン化法が利用可能であり、イオン化法の選択は、分析される試料に依存する。例えば、ポリペプチドの分析のために、電子噴霧イオン化(ESI)のような比較的穏やかなイオン化法が望ましいことがある。ESIについては、試料を含有する溶液は、強い電場を生成する高電位で細針を通過し、これは、質量分析計に向けられる高荷電液滴の微細な噴霧をもたらす。他のイオン化法は、例えば中性原子の高エネルギービームを使用して固体試料に衝突させて脱離及びイオン化を引き起こす高速原子衝撃(FAB)を含む。マトリックス支援レーザー脱離イオン化(MALDI)は、レーザーパルスが、UV吸収化合物マトリックス中で結晶化された試料に衝突するために使用される方法である。当技術分野で公知の他のイオン化法は、例えば、プラズマ及びグロー放電、プラズマ脱離イオン化、共鳴イオン化、及び二次イオン化がある。MDFは、タグ付けされたプローブからの切断前、切断中、又は切断後にイオン化することができる。
電子噴霧イオン化(ESI)は、本明細書に記載の本発明に有用であるいくつかの性質を有する。例えばESIは、イオン化又は気化することが困難なポリペプチドのような生物学的分子のために使用することができる。さらにESIの効率は、高感度測定のための基礎を提供する極端な高さにすることができる。さらにESIは、溶液から荷電分子を生成し、これは、溶液中のMDFを分析するのに便利である。これに対して、MALDIのようなイオン化法は、イオン化の前に試料の結晶化を必要とする。
ESIは、溶液から荷電分子を直接生成することができるため、液体クロマトグラフィーシステムからの試料に適合している。例えば、質量分析計は、HPLCなどの液体クロマトグラフィーシステムの注入口を有することができ、従って画分はクロマトグラフィーカラムから質量分析計に流れる。液体クロマトグラフィーシステムと質量分析計のこのインライン構成は、時にLC−MSと呼ばれる。例えば、質量分析の前に、切断されたMDFから、切断されていない又は部分的に切断されたMDFを分離するために、LC−MSシステムを使用することができる。さらに、質量分析の前にMDF試料から塩又は他の緩衝成分を除去するために、クロマトグラフィーを使用することができる。例えば、イオン化法の効率を上昇させ、こうして質量分析法による検出感度を改善するために、インライン又はオフラインで逆相HPLCカラムを使用する試料の脱塩を、使用することができる。
異なるイオン源と対にすることができる種々の質量分析器が利用可能である。当業者に公知なように、異なる質量分析器は異なる利点を有する。検出のために選択される質量分析計及び方法は、特定のアッセイに依存し、例えば、検出のために少量のイオンが生成された場合、例えば、より高感度の質量分析計を使用することができる。いくつかのタイプの質量分析計及び質量分析が、以下に記載される。
イオン移動度質量(IM)分光法は、質量分析法(MS)に新次元を追加する気相分離法である。IMは、その衝突断面積に基づいて気相イオンを分離し、タンパク質及びペプチドの同定及び特徴付けに使用される強力なツールを得るために、飛行時間型(TOF)質量分析法と組合せることができる。従ってIM−MSは、MDFがタンパク質又はペプチドである時、本発明に対する特定の有用性を有する。IM−MSは、Verbeck et al. in the Journal of Biomolecular Techniques (Vol 13, Issue 2, 56-61)により、より詳細に考察されている。
四重極質量分析は、四重極質量フィルタ又は分析器を利用する。このタイプの質量分析器は、2つの電気的に接続された2セットとして構成された4本のロッドで構成されている。rfとdc電圧の組み合わせがロッドの各対に適用され、これは、イオンがマスフィルタの先頭から最後に移動すると、イオンの振動運動を引き起こす電場を生成する。これらの電場の結果は、一対のロッドにおけるハイパス質量フィルターと、他の対のロッドにおけるローパスフィルタの生成である。ハイパスフィルターとローパスフィルタ間の重複は、両方のフィルターを通過し四重極の長さを横断することができる所望のm/zを残す。このm/zが選択され、四重極質量フィルタで安定したままであり、一方、他のすべてのm/zは不安定な軌道を持っており、質量フィルタに残っていない。上昇するm/zが質量フィルタを通過して検出器に到達するために選択されるように、適用される電場に傾斜を付けることにより、質量スペクトルが得られる。さらに四重極はまた、rf専用の電場を印加することにより、すべてのm/zのイオンを含有し伝送するように設定することができる。これは、質量フィルタリングなしでイオン伝送が必要とされている質量分析計の領域で、四重極がレンズ又は集束システムとして機能することを可能にする。さらに以下に説明するように、これはタンデム質量分析で有用であろう。
四重極質量分析器、ならびに本明細書に記載される他の質量分析器は、規定されたm/z又は質量範囲を分析するようにプログラムすることができる。質量分析計のこの特性は、本明細書に記載の発明のために有用である。切断されたMDFの質量範囲はアッセイの前にはわかっているため、質量分析計は、より大きいか又はより小さい質量範囲のイオンを排除しながら、予定の正しい質量範囲のイオンを伝送するようにプログラムすることができる。質量範囲を選択する能力は、アッセイにおけるバックグラウンドノイズを減少させることができ、従って、シグナル対ノイズ比を上昇させる。さらに、規定された質量範囲は、MDFの質量より大きいすべての切断されていないオリゴヌクレオチドプローブの分析を排除するのに使用することができる。従って質量分析計は、固有の分離工程、ならびにMDFの検出及び同定を達成することができる。
イオントラップ質量分析は、イオントラップ質量分析器を利用する。これらの質量分析装置では、すべてのm/zのイオンが最初にトラップされ、質量分析器中で振動しているように、電場が適用される。イオンは、八重極レンズシステムなどの集束デバイスを介して、イオン源からイオントラップに入る。イオントラップは、検出器の電極を介する励起と放出の前にトラップ領域で起きる。質量分析は、上昇するm/zのイオンをトラップの外へそして検出器の中へ排出する方法で、振動の振幅を増大させる電圧を、順次印加することによって達成される。四重極質量分析とは対照的に、全てのイオンは、選択されたm/zを有するものを除いては、質量分析器の電場に保持される。イオントラップの1つの利点は、一度にトラップされるイオンの数を制限するように注意している限り、非常に高感度を有することである。イオンの数の制御は、イオンがトラップに注入される時間を変化させることによって達成することができる。イオントラップの質量分解能は四重極質量フィルタと同様であるが、イオントラップは低いm/z限界を有する。
飛行時間型質量分析法は、飛行時間型質量分析器を利用する。m/z分析のこの方法では、イオンは、電場中の加速(高電圧により生成される)により、まず固定量の運動エネルギーが与えられる。加速後、イオンは、無電場領域又は「ドリフト」領域に入り、ここでイオンは、そのm/zに反比例する速度で移動する。従って、低いm/zを有するイオンは、高いm/zを有するイオンより速く移動する。無電場領域の長さを移動するのにイオンが必要とする時間が測定され、イオンのm/zを計算するために使用される。
この種の質量分析の1つの考慮事項は、試験されるイオンのセットが同時に分析器に導入されることである。例えば、この種の質量分析は、短い明確に定義されたパルスでイオンを生成するMALDIのようなイオン化技術に適している。別の考慮事項は、それらの運動エネルギーの量が変動するイオンにより生成される速度の広がりを制御することである。より長い飛行管、イオン反射器、又はより加速している電圧の使用は、速度の広がりの影響を最小限に抑えることを可能にする。飛行時間型質量分析器は、四重極又はイオントラップ質量分析器よりも、高レベルの感度及びより広いm/z範囲を有する。また、質量分析器の走査を必要としないため、この種の質量分析器を用いて、データを迅速に得ることができる。
ガスクロマトグラフィー質量分析法は、リアルタイムで標的を検出するための素晴らしい解決策を提供する。システムのガスクロマトグラフィー(GC)部分は、化学混合物をアナライトのパルス(例えば、MDF)に分離し、質量分析計(MS)はアナライト同定し定量化する。
タンデム質量分析は、上記の質量分析器の組み合わせを利用することができる。タンデム質量分析計は、さらなる分析目的のイオンを分離するために、第1の質量分析計を使用して、そのm/zに応じてイオンを分離することができる。目的の単離されたイオンは次に、断片イオンに分解(衝突活性化解離又は衝突誘起解離と呼ばれる)され、断片イオンは第2の質量分析器によって分析される。2つの質量分析器は、通常衝突セルによって空間的に分離されているため、これらの種類のタンデム質量分析計システムは、空間系のタンデムと呼ばれる。タンデム質量分析計システムはまた、1つの質量分析器が使用される時間系でタンデムを含むが、質量分析器は順番に使用されて、イオンを単離(断片化を含む)し、次に質量分析を行う。
空間カテゴリ中のタンデムの質量分析計は、2つ以上の質量分析器を有する。例えば、タンデム四重極質量分析計システムは、第1の四重極質量フィルタ、次に衝突セル、次に第2の四重極質量フィルタ、次に検出器を有することができる。他の構成は、第1の質量分析器のために四重極質量フィルタを使用し、第2の質量分析器のための飛行時間型質量分析器を使用し、衝突セルが2つの質量分析器を分離するものである。他のタンデムシステムは当技術分野で公知であり、リフレクトロン飛行時間、タンデムセクター、及びセクター四重極質量分析法を含む。
時間カテゴリ中のタンデムの質量分析計は、異なる時間に異なる機能を実行する1つの質量分析器を有する。例えばイオントラップ質量分析計は、すべてのm/zのイオンをトラップするために使用することができる。目的のイオンのm/zを除くすべてのm/zのイオンをトラップから吐出する一連のrfスキャン機能が適用される。目的のm/zが単離された後、rfパルスが適用されて、トラップ内でガス分子との衝突を引き起こし、イオンの断片化を誘導する。次に断片化されたイオンのm/z値が、質量分析器により測定される。フーリエ変換質量分析計としても知られているイオンサイクロトロン共鳴装置は、時間システム中タンデムの一例である。
実験の各段階で選択されるイオンを制御することにより、いくつかのタイプのタンデム質量分析実験を行うことができる。異なるタイプの実験は、異なるモードの操作(時に、質量分析器の「スキャン」と呼ばれる)を利用する。最初の例(質量スペクトルスキャンと呼ばれる)では、第1の質量分析器と衝突セルが、質量分析のために全てのイオンを第2の質量分析器に伝送する。第2の例(生成物イオンスキャンと呼ばれる)では、目的のイオンは、第1の質量分析器で質量選択され、次いで衝突セル中で断片化される。生成されたイオンは次に、第2の質量分析器を走査することによって質量分析される。第3の例(前駆体イオンスキャンと呼ばれる)では、第1の質量分析器がスキャンされて、質量分析されたイオンが断片化のために衝突セルに順次伝送される。第2の質量分析器は、検出器への伝送のために目的の生成物イオンを質量選択する。従って、検出器信号は、共通の生成物イオンに断片化することができるすべての前駆体イオンの結果である。他の実験フォーマットは、質量スキャンにおいて一定の質量差が説明されるニュートラルな喪失スキャンを含む。多重実験のように、1回の実験で大きなセットのレポータータグが測定される時、これらの異なるタンデム質量分析スキャン法の使用が有利であり得る。
典型的な応用では、反応中に生成されるMDFの量は、サイクル閾値(Ct)値(これは、検出可能な量の核酸を生成するのに必要なサイクル数を表す)に基づいて決定される。Ct値の決定は、当該分野で公知である。簡単に述べると、PCRの間に、形成されたアンプリコンの量が増加すると、信号強度が測定可能なレベルに上昇し、反応が非対数増殖期に入ったときに、後のサイクルでプラトーに達する。反応の対数期の間にサイクル数に対する信号強度をプロットすることにより、測定可能なシグナルが得られる特定のサイクルが推定され、PCRの開始前に標的の量を計算するのに使用される。Ctを決定する例示的な方法は、例えば、加水分解プローブを参照して、Heid et al. Genome Methods 6:986-94, 1996に記載されている。
実施例1
エキソヌクレアーゼ耐性修飾の評価
本発明の方法を実施するために使用することができる異なるエキソヌクレアーゼ耐性修飾を評価するために、以下のオリゴヌクレオチドを合成した:T9JTTTGC(配列番号1)、ここで、T9は5’フラップ部を表し、Jは修飾を表す。1つの特定の実験に用いた修飾は、ホスホロチオエート、2’−アミノ−ウリジン、2’−フルオロ−ウリジン、2’−O−メチル−ウリジン、プロパンジオールスペーサー、及びHEG(完全名)スペーサーを含んだ。各オリゴヌクレオチドの1Mを、1XエキソヌクレアーゼIバッファー(New England Biolabs)及び2単位のエキソヌクレアーゼI(New England Biolabs)に懸濁し、37℃で30分間インキュベートした。氷上で冷却することにより反応を終了させ、エキソヌクレアーゼ消化生成物を、Agilent Q-TOF 6530装置中の液体クロマトグラフィー−質量分析(LC−MS)により分析した。修飾のうち3つ(2’−O−メチルウリジン、HEGスペーサー、及びプロパンジオールスペーサー)を含むオリゴヌクレオチドからのエキソヌクレアーゼI−消化生成物は、図2A〜Cの質量スペクトル図上に示されている。これらの結果は、これらの修飾が、修飾の結合点を越えてオリゴヌクレオチドの消化をブロックするのに有効であることを示している。
実施例2
5’−フラッププローブを使用するEGFR T790M増幅の検出
PCRアッセイを行って、表皮増殖因子受容体(EGFR)遺伝子のT790M変異(ヌクレオチド変化2369C−>T)を検出した。T790M変異の位置を含むEGFR遺伝子の領域の増幅のために、以下のプライマーを使用した。
前進プライマー:5’CCTCCCTCCAGGAAGCCTACGTGA3`(配列番号2)
逆進プライマー:5’CAGTCGAAGGGCATGAGCTGEA3`(E=t−ブチルベンジル−dC、配列番号3)
検出のために、以下の5’−フラッププローブを使用した。
5’−C6ECCTGCACGGTGGAGGTGAGGCAGP−3`(配列番号4)、ここで、C6は非相補的5’フラップ部分を表し、Eは1,3−プロパンジオールを表し、及びPはリン酸塩を表す。PCR反応混合物は、96ウェルプレートに以下の最終濃度で調製した:50mMのトリス−HCl(pH8.0)、80〜100mMの塩化カリウム、各200μMのdATP、dCTP、及びdGTP、400μMのdUTP、各200nMのプライマー、200nMの5’−フラッププローブ、標的DNA(1,000〜100,000コピーのEGFRプラスミド)、20nMのDNAポリメラーゼ(5’ヌクレアーゼ活性を有する)、0.1mM EDTA、2.5mM酢酸マグネシウム。増幅と分析は、Roche LightCycler(登録商標)480 装置 (Roche Applied Science, Indianapolis, Ind.) を使用して行なった。以下の温度プロファイルを用いた:95℃で1分(又は、95℃(10秒)〜62℃(25秒)を2サイクル後、92℃(10秒)〜62℃(25〜30秒)のサイクリングを99回。PCR反応の終わりに、10単位のエキソヌクレアーゼI(New England Biolabs)を、試料ウェルの一部に添加し、溶液を37℃で30分間インキュベートし、次に氷上で冷却した。
界面活性剤と他の汚染物質の除去のために、反応生成物をTopTip (Glygen Corp) 陰イオン交換スピンカラムに通過させ、次に、Agilent Q-TOF 6530装置にのせ、断片をLC−MSで分析した。図3は、エキソヌクレアーゼIによる消化前(A)と消化後(B)の、5’−フラッププローブの断片の抽出されたイオンクロマトグラム(EIC)を示す。エキソヌクレアーゼI消化無しの反応で、配列C6ECCとC6ECCTを有するプローブ断片に対応する予測される質量を有する2つの異なるピークが観察された。しかし、エキソヌクレアーゼI消化後は、プローブ断片C6ECに対応する質量を有する単一の明らかなピークが観察され、C6ECCとC6ECCTに対応するピークは、もはや観察されなかった。

Claims (16)

  1. 試料中の標的核酸配列の存在又は非存在を検出する方法であって:
    (a)標的核酸を含む試料を、以下の(i)及び(ii)と接触させる工程
    (i)一対のオリゴヌクレオチドプライマーであって、ここで、第1のオリゴヌクレオチドプライマーは、標的核酸配列の1つの鎖中の領域に相補的な配列を含み、かつ第1の伸長産物の合成を開始し、そして第2のオリゴヌクレオチドプライマーは、前記第1の伸長産物中の領域に相補的な配列を含み、かつ前記第1の伸長産物に相補的な核酸鎖の合成を開始する、前記一対のオリゴヌクレオチドプライマー;及び
    (ii)少なくとも2つの異なる部分である第1の部分及び第2の部分を含む、オリゴヌクレオチドプローブであって、
    前記第1の部分は、標的核酸配列の領域と少なくとも部分的に相補的な配列を含むヌクレオチド類似体を有する、又は有しない標準的ヌクレオチドを含み、前記第1の部分は、前記一対のオリゴヌクレオチドプライマーにより結合された標的核酸配列内でアニーリングし、そして前記第1の部分は、3’末端でブロックされて、核酸ポリメラーゼによる伸長を妨害し、3’→5’エキソヌクレアーゼによる切断を阻止し、
    第1の部分の5’末端に結合される前記第2の部分は、ヌクレオチド及び非ヌクレオチドのいずれか一方、又はヌクレオチド及び非ヌクレオチドの両方を含み、標的核酸配列に相補的ではない配列を含み、そして前記第2の部分は、エキソヌクレアーゼ耐性修飾を含む、
    前記オリゴヌクレオチドプローブ;
    (b)5’→3’ヌクレアーゼ活性を有する核酸ポリメラーゼを用いて、前記標的核酸配列を増幅する工程であって、前記一対のオリゴヌクレオチドプライマー及び前記オリゴヌクレオチドプローブが前記標的核酸配列へアニーリングすることができ、前記一対のオリゴヌクレオチドプライマーからプライマー伸長産物を合成することができる条件下で、一方で前記核酸ポリメラーゼの5’→3’ヌクレアーゼ活性が、前記アニーリングされたオリゴヌクレオチドプローブから、前記オリゴヌクレオチドプローブの第1の部分から、追加のヌクレオチドを有する又は有さない前記オリゴヌクレオチドプローブの第2の部分を含有する断片を切断しかつ放出することができる条件下で、前記標的核酸配列を増幅する工程;
    (c)オリゴヌクレオチドプローブの第2の部分を含有する前記断片を、エキソヌクレアーゼ耐性修飾まで前記断片を切断する3’→5’エキソヌクレアーゼを用いて処理し、それにより、固有の質量識別可能なサイズを有する断片を生成する工程;並びに、
    (d)質量分析法により単一の前記断片の存在又は非存在を検出し、それにより、試料中の標的核酸配列の存在又は非存在を検出する工程、
    を含む、前記方法。
  2. 2つ又はそれ以上の標的核酸が単一の多重反応で検出される、請求項1に記載の方法。
  3. 2つ又はそれ以上のオリゴヌクレオチドプローブが、単一の多重反応で2つ又はそれ以上の標的核酸を検出するために使用される、請求項2に記載の方法。
  4. 前記エキソヌクレアーゼ耐性修飾が、ホスホロチオエート、2’−O−メチル−リボヌクレオチド、プロパンジオールスペーサー、HEGスペーサー、及び反転ヌクレオチドからなる群から選択される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 質量分析法の汚染物質を除去するために反応混合物を精製する工程が、前記検出工程(d)の前に行われる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記検出工程(d)が、マトリックス支援レーザー脱離イオン化−飛行時間型(MALDI−TOF)MS、タンデムMS、電子噴霧イオン化−飛行時間型(ESI−TOF)、ESI−イオントラップ、液体クロマトグラフィー(LC)−MS、ガスクロマトグラフィー(GC)−MS、及びイオン移動度(IM)−MSからなる群から選択される質量分析計により行われる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記核酸ポリメラーゼが熱安定性DNAポリメラーゼである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 試料中の標的核酸配列の存在又は非存在を検出する方法であって:
    (a)標的核酸を含む試料を、以下の(i)及び(ii)と接触させる工程
    (i)一対のオリゴヌクレオチドプライマーであって、ここで、第1のオリゴヌクレオチドプライマーは、標的核酸配列の1つの鎖中の領域に相補的な配列を含み、かつ第1の伸長産物の合成を開始し、そして第2のオリゴヌクレオチドプライマーは、前記第1の伸長産物中の領域に相補的な配列を含み、かつ前記第1の伸長産物に相補的な核酸鎖の合成を開始する、前記一対のオリゴヌクレオチドプライマー;及び
    (ii)少なくとも2つの異なる部分である第1の部分及び第2の部分を含む、オリゴヌクレオチドプローブであって、
    前記第1の部分は、標的核酸配列の領域と少なくとも部分的に相補的な配列を含むヌクレオチド類似体を有する、又は有しない標準的ヌクレオチドを含み、前記第1の部分は、前記一対のオリゴヌクレオチドプライマーにより結合された標的核酸配列内でアニーリングし、前記第1の部分は、一本鎖特異的5’→3’エキソヌクレアーゼによる切断に対して前記第1の部分を耐性とする修飾を5’末端に含み、
    第1の部分の3’末端に結合される前記第2の部分は、ヌクレオチド及び非ヌクレオチドのいずれか一方、又はヌクレオチド及び非ヌクレオチドの両方を含み、標的核酸配列に相補的ではない配列を含み、そして前記第2の部分は、一本鎖特異的5’→3’エキソヌクレアーゼによる切断に対して前記第2の部分を耐性とする修飾を含む、
    前記オリゴヌクレオチドプロー

    (b)5’→3’ヌクレアーゼ活性を有する核酸ポリメラーゼを用いて、前記標的核酸配列を増幅する工程であって、前記一対のオリゴヌクレオチドプライマー及び前記オリゴヌクレオチドプローブが前記標的核酸配列へアニーリングすることができ、前記一対のオリゴヌクレオチドプライマーからプライマー伸長産物を合成することができる条件下で、一方で前記核酸ポリメラーゼの5’→3’ヌクレアーゼ活性が、前記アニーリングされたオリゴヌクレオチドプローブから、前記オリゴヌクレオチドプローブの第1の部分から、追加のヌクレオチドを有する又は有さない前記オリゴヌクレオチドプローブの第2の部分を含有する断片を切断しかつ放出することができる条件下で、前記標的核酸配列を増幅する工程;
    (c)オリゴヌクレオチドプローブの第2の部分を含有する前記断片を、エキソヌクレアーゼ耐性修飾まで前記断片を切断する一本鎖特異的5’→3’エキソヌクレアーゼを用いて処理し、それにより、固有の質量識別可能なサイズを有する断片を生成する工程;並びに、
    (d)質量分析法により単一の前記断片の存在又は非存在を検出し、それにより、試料中の標的核酸配列の存在又は非存在を検出する工程、
    を含む、前記方法。
  9. 2つ又はそれ以上の標的核酸が単一の多重反応で検出される、請求項8に記載の方法。
  10. 2つ又はそれ以上のオリゴヌクレオチドプローブが、単一の多重反応で2つ又はそれ以上の標的核酸を検出するために使用される、請求項9に記載の方法。
  11. 前記エキソヌクレアーゼ耐性修飾が、ホスホロチオエート、2’−O−メチル−リボヌクレオチド、プロパンジオールスペーサー、HEGスペーサー、及び反転ヌクレオチドからなる群から選択される、請求項8〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 質量分析法の汚染物質を除去するために反応混合物を精製する工程が、検出工程(d)
    の前に行われる、請求項8〜11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 検出工程(d)が、マトリックス支援レーザー脱離イオン化−飛行時間型(MALDI−TOF)MS、タンデムMS、電子噴霧イオン化−飛行時間型(ESI−TOF)、ESI−イオントラップ、液体クロマトグラフィー(LC)−MS、ガスクロマトグラフィー(GC)−MS、及びイオン移動度(IM)−MSからなる群から選択される質量分析計により行われる、請求項8〜12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 前記核酸ポリメラーゼが熱安定性DNAポリメラーゼである、請求項8〜13のいずれか1項に記載の方法。
  15. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法において使用するための、少なくとも2つの異なる部分である第1の部分及び第2の部分を含む、オリゴヌクレオチドプローブを含む組成物であって、
    前記第1の部分は、前記第1の部分が標的核酸の領域と結合できるように、前記標的核酸配列の領域と少なくとも部分的に相補的な配列を含むヌクレオチド類似体を有する、又は有しない標準的ヌクレオチドを含み、そして前記第1の部分は、3’末端でブロックされて、核酸ポリメラーゼによる伸長を妨害し、3’→5’エキソヌクレアーゼによる切断を阻止し、
    前記第2の部分は前記第1の部分の5’末端に結合され、ヌクレオチド及び非ヌクレオチドのいずれか一方、又はヌクレオチド及び非ヌクレオチドの両方を含み、標的核酸配列に相補的ではない配列を含み、そして前記第2の部分は、ホスホロチオエート、2’−O−メチル−リボヌクレオチド、プロパンジオールスペーサー、HEGスペーサー、及び反転ヌクレオチドからなる群から選択される、エキソヌクレアーゼ耐性修飾を含む、
    前記組成物。
  16. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法において使用するための、少なくとも2つの異なる部分である第1の部分及び第2の部分を含む、オリゴヌクレオチドプローブを含む組成物であって、
    前記第1の部分は、前記第1の部分が標的核酸の領域と結合できるように、前記標的核酸配列の領域と少なくとも部分的に相補的な配列を含むヌクレオチド類似体を有する、又は有しない標準的ヌクレオチドを含み、そして前記第1の部分は、一本鎖特異的5’→3’エキソヌクレアーゼによる切断に対して前記第1の部分を耐性とする修飾を5’末端に含み、
    前記第2の部分は前記第1の部分の3’末端に結合され、ヌクレオチド及び非ヌクレオチドのいずれか一方、又はヌクレオチド及び非ヌクレオチドの両方を含み、標的核酸配列に相補的ではない配列を含み、そして前記第2の部分は、一本鎖特異的5’→3’エキソヌクレアーゼによる切断に対して前記第2の部分を耐性とする修飾を含む、
    前記組成物。
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