JP6422701B2 - 研磨材 - Google Patents
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Description
特許文献2には、金属製帯板からなる基板面に対して、ダイヤモンドなどの砥粒を金属系結合剤の電着により結合させたヤスリ層を有する帯板ヤスリの製造方法の発明が記載されている。
特許文献3には、ダイヤモンド粉末を耐摩耗性ポリイミド樹脂に練り込んだ混合物をシートに成形し、このシートを硬質板に接合し、裏面にポリウレタン樹脂シートを接合した爪みがき器の発明が記載されている。
特許文献4には、ダイヤモンドまたは超硬合金の表面にダイヤモンド層を形成したものに対して、レーザ光により前記ダイヤモンドに溝を形成して、凸形状の多数の切れ刃を形成した切削・研削工具の発明が記載されている。
表層部に多孔構造部分を有する金属成形体からなる研磨材であって、
前記金属成形体の表層部の多孔構造部分が、厚さ方向に形成された、表面側に開口部を有する幹孔と、幹孔の内壁面から幹孔とは異なる方向に形成された枝孔からなる開放孔を有しているものである、研磨材を提供する。
表層部に多孔構造部分を有する金属成形体からなる研磨材であって、
前記金属成形体の表層部の多孔構造部分が、厚さ方向に形成された、表面側に開口部を有する幹孔と、幹孔の内壁面から幹孔とは異なる方向に形成された枝孔からなる開放孔と、厚さ方向に形成された、表面側に開口部を有していない内部空間を有しており、さらに前記開放孔と前記内部空間を接続するトンネル接続路を有しているものである、研磨材を提供する。
「金属成形体の表層部」は、表面から粗面化により形成された開放孔(幹孔または枝孔)の深さ程度までの部分であり、50〜500μm程度の深さ範囲である。
多孔構造は、金属成形体の表面に対して、連続波レーザーを使用して2000mm/sec以上の照射速度でレーザー光を連続照射して粗面化することで形成できる。
第一成形体である金属成形体と第二成形体(但し、第一成形体である金属成形体と異なる構成材料または同じ構成材料からなる成形体)が接合された複合成形体からなる研磨材であって、
前記第一成形体である金属成形体が、表層部に形成された多孔構造部分を有するものであり、
前記第一成形体である金属成形体の表層部の多孔構造部分が、厚さ方向に形成された、表面側に開口部を有する幹孔と、幹孔の内壁面から幹孔とは異なる方向に形成された枝孔からなる開放孔を有しているものであり、
多孔構造部分の一部が研磨機能を有する部分であり、
残部の多孔構造部分の開放孔内に前記第二成形体の構成材料が入り込んだ状態で、前記第一成形体である金属成形体と前記第二成形体が接合されているものである、研磨材を提供する。
第一成形体である金属成形体と第二成形体(但し、第一成形体である金属成形体と異なる構成材料または同じ構成材料からなる成形体)が接合された複合成形体からなる研磨材であって、
前記第一成形体である金属成形体が、表層部に形成された多孔構造部分を有するものであり、
前記第一成形体である金属成形体の表層部の多孔構造部分が、厚さ方向に形成された、表面側に開口部を有する幹孔と、幹孔の内壁面から幹孔とは異なる方向に形成された枝孔からなる開放孔と、厚さ方向に形成された、表面側に開口部を有していない内部空間を有しており、さらに前記開放孔と前記内部空間を接続するトンネル接続路を有しているものであり、
多孔構造部分の一部が研磨機能を有する部分であり、
残部の多孔構造部分の開放孔内に前記第二成形体の構成材料が入り込んだ状態で、前記第一成形体である金属成形体と前記第二成形体が接合されているものである、研磨材を提供する。
本発明の研磨材では、第一成形体である金属成形体の表層部に形成された多孔構造部分の一部が研磨機能を有しており、多孔構造部分の残部が第二成形体との接合機能を有しているものである。
「金属成形体の表層部」は、表面から粗面化により形成された開放孔(幹孔または枝孔)の深さ程度までの部分であり、50〜500μm程度の深さ範囲である。
多孔構造は、金属成形体の表面に対して、連続波レーザーを使用して2000mm/sec以上の照射速度でレーザー光を連続照射して粗面化することで形成できる。
多孔構造部分が一面または2以上の面に複数箇所形成されているときは、1または2以上の箇所が研磨機能を有する部分となり、残部が第二成形体との接合部となる。
多孔構造部分が一面の1箇所のみに形成されているときは、一部が研磨機能を有する部分となり、残部が第二成形体との接合部となる。
本発明の研磨材が金属成形体からなるものであるとき、前記金属成形体の表層部に形成された多孔構造部分が研磨材として機能するものである。
本発明の研磨材が第一成形体である金属成形体と第2成形体からなるものであるとき、前記第一成形体である金属成形体の表層部に形成された多孔構造部分は、一部の多孔構造部分が研磨材として機能し、残部の多孔構造部分が第一成形体と第二成形体との接合部として機能するものである。
金属成形体とは異なる構成材料からなる成形体(第2成形体)としては、前記接合面の開放孔などの内部に入り込ませることができ、その後、固化または硬化できるものであればよく、樹脂、ゴム、エラストマー、第一成形体の金属と異なる金属または同じ金属などを挙げることができる。
金属成形体として前記筒を使用するときは、外表面と内表面の一方または両方の表層部に多孔構造部分を形成することができる。
金属成形体として、図1に示すような平板の金属成形体1を使用したときは、面2〜面7の内の一部面に1または2以上の多孔構造部分が形成されていてもよいし、6面全てに1または2以上の多孔構造部分が形成されていてもよいし、1つの面の一部または複数の面の一部に多孔構造部分が形成されていてもよいし、さらに2つの面または3つの面の境界部分の角部に多孔構造部分が形成されていてもよい。
金属成形体11は、第1多孔構造部分を有する面(研磨面)12a(図2中、太線で形成位置を示している)と、第2多孔構造部分を有する接合面(樹脂成形体20との接合面)12bを有している。
金属成形体11は、接合面12bにおいて樹脂成形体20と接合一体化されている。
金属成形体11は、研磨面12aと接合面12bがそれぞれ反対面に形成されているが、研磨面12aは接合面12bと同じ面に形成されていてもよいし、他の面に形成されていてもよい。
金属成形体111は、第1多孔構造部分を有する面(研磨面)120aと、第2多孔構造部分を有する接合面(樹脂成形体112との接合面)120bを有している。
金属成形体111は、接合面120bにおいて樹脂成形体112と接合一体化されている。
金属成形体111は、研磨面120aが第1端面111a側の周面111cに形成され、接合面120bが反対側の第2端面111b側の周面111cに形成されている。
研磨面120aは、第1端面111aに形成されていてもよいし、第2端面111b側の周面111cと第1端面111aの両方に形成されていてもよい。
接合面120bは、さらに第2端面111bに形成されていてもよい。
図4(a)、(b)に示す金属成形体11は、そのまま研磨材として使用することができるほか、図4(c)に示すような金属成形体11と樹脂成形体20の複合成形体からなある研磨材10にすることができる。
図4(c)に示す研磨材10は、研磨面12aのみが露出した状態で、接合面12bを含む金属成形体11が樹脂成形体20に埋設されている。
図5の金属成形体211は、半球の全面に形成された第1多孔構造部分を有する面(研磨面)220a(図5中、太線で形成位置を示している)と、残部の半球に形成された第2多孔構造部分を有する接合面(樹脂成形体212との接合面)220bを有している。
金属成形体211は、接合面220bにおいて樹脂成形体212と接合一体化されている。
研磨材が金属成形体のみからなる場合には多孔構造部分は研磨面となり、研磨材が第1成形体(金属成形体)と第2成形体の複合成形体からなる場合には、複数の多孔構造部分は研磨面および接合面となる。
以下、研磨材が金属成形体(第1成形体)と樹脂成形体(第2成形体)の複合成形体からなる場合について説明する。
図6は、金属成形体11の表面(例えば、図2の研磨面12aと接合面12b)に多数の線(図面では3本の線61〜63を示している。各線の間隔は50μm程度)が形成されて粗面化された状態(多孔構造部分が形成された状態)を示している。なお、「金属成形体の表層部」は、表面から粗面化により形成された開放孔(幹孔または枝孔)の深さ程度までの部分であり、50〜500μm程度の深さ範囲である。
粗面化された表面を含む金属成形体11の表層部は、図7、図8に示すように、表面12(第1多孔構造部分からなる研磨面12aおよび第2多孔構造部分からなる接合面12b)側に開口部31のある開放孔30を有している。
開放孔30は、厚さ方向に形成された開口部31を有する幹孔32と、幹孔32の内壁面から幹孔32とは異なる方向に形成された枝孔33からなる。枝孔33は、1本または複数本形成されていてもよい。
なお、金属成形体11の多孔構造(第1多孔構造部分と第2多孔構造部分)は、開放孔30の一部が幹孔32のみからなり、枝孔33がないものでもよい。
内部空間40は、トンネル接続路50により開放孔30と接続されている。
なお、多数の開放孔30が一つになって溝状の開放空間45が形成されていてもよい。
本発明の研磨材が金属成形体と樹脂成形体の複合成形体からなる場合には、金属成形体11が有している開放孔30、内部空間40、トンネル接続路50、開放空間45を含む多孔構造部分は、研磨面(第1多孔構造部分)12aおよび接合面(第2多孔構造部分)12bになる。
本発明の研磨材が金属成形体と樹脂成形体の複合成形体からなるときは、接合面12bである第2多孔構造部分に樹脂が入り込んだ状態で、金属成形体11と樹脂成形体20が強い結合力で接合一体化されており、研磨面12aである第1多孔構造部分は露出されている。
本発明の研磨材は、金属成形体の表面を粗面化する(即ち、粗面化して表層部に多孔構造を形成する)ことで製造することができる。
粗面化工程(多孔構造の形成工程)は、金属成形体の表面に対して、連続波レーザーを使用して2000mm/sec以上の照射速度でレーザー光を連続照射する。
この工程では、金属成形体の表面に対して高い照射速度でレーザー光を連続照射することで、ごく短時間で粗面にすることができる。
連続波レーザーの照射速度が前記範囲であると、加工速度を高めることができる(即ち、加工時間を短縮することができる)。
(A)レーザー光の照射速度が5000〜20000mm/sec
(B)金属成形体表面の面積が100mm2
要件(A)、(B)であるときの加工時間を上記範囲内にするとき、処理対象となる表面の全面を粗面化することができる。
(I)図9、図10に示すように、金属成形体の表面(例えば長方形とする)の一辺(短辺または長辺)側から反対側の辺に向かって1本の直線または曲線が形成されるように連続照射し、これを繰り返して複数本の直線または曲線を形成する方法。
(II)金属成形体の表面の一辺側から反対側の辺に向かって連続的に直線または曲線が形成されるように連続照射し、今度は逆方向に間隔をおいての直線または曲線が形成されるように連続照射することを繰り返す方法。
(III)金属成形体の表面の一辺側から反対側の辺に向かって連続照射し、今度は直交する方向に対して連続照射する方法。
(IV)接合面に対してランダムに連続照射する方法。
同じ連続照射条件であれば、1本の直線または1本の曲線を形成するための照射回数(繰り返し回数)が増加するほど金属成形体の表面に対する粗面化の程度が大きくなる。
このときの間隔は、レーザー光のビーム径(スポット径)よりも大きくなるようにする。
また、このときの直線または曲線の本数は、金属成形体11の面12(研磨面12aおよび接合面12b)の面積(粗面化対照となる一部または全部の面積)に応じて調整することができる。
そして、これらの複数本の直線または複数本の曲線を1群として、これを複数群形成することができる。
このときの各群の間隔は0.01〜1mmの範囲(図10に示すb2の間隔)で等間隔になるようにすることができる。
なお、図9、図10に示す連続照射方法に代えて、図11に示すように、連続照射開始から連続照射終了までの間、中断することなく連続照射する方法も実施することができる。
出力は4〜4000Wが好ましく、50〜1000Wがより好ましく、100〜500Wがさらに好ましい。
波長は300〜1200nmが好ましく、500〜1200nmがより好ましい。
ビーム径(スポット径)は5〜200μmが好ましく、5〜100μmがより好ましく、5〜50μmがさらに好ましい。
焦点位置は−10〜+10mmが好ましく、−6〜+6mmがより好ましい。
金属成形体の表面は、平面でも曲面でもよいし、平面と曲面の両方を有しているものでもよい。
このとき、粗面化され、多孔構造部分が形成された金属成形体の表層部が図7、図8に示すような状態になることを説明する。
図6に示すとおり、レーザー光(例えば、スポット径11μm)を連続照射して多数の線(図面では3本の線61〜63を示している。各線の間隔は50μm程度。)を形成することで粗面化する。1本の直線への照射回数は1〜10回が好ましい。
このようにレーザー光を連続照射したときに図7、図8で示されるような開放孔30、内部空間40、開放空間45などが形成される詳細は不明であるが、所定速度以上でレーザー光を連続照射したとき、金属成形体11の表面12(接合面12b。但し、複合成形体の場合には研磨面12aおよび接合面12b)に一旦は孔や溝が形成されるが、溶融した金属が盛り上がって蓋をしたり、堰き止めたりする結果、開放孔30、内部空間40、開放空間45が形成されるものと考えられる。
また、同様に開放孔30の枝孔33やトンネル接続路50が形成される詳細も不明であるが、一旦形成された孔や溝の底部付近に滞留した熱によって、孔や溝の側壁部分が溶融する結果、幹孔32の内壁面が溶融して枝孔33が形成され、さらに枝孔33が延ばされてトンネル接続路50が形成されるものと考えられる。
なお、連続波レーザーに代えてパルスレーザーを使用したときには、金属成形体の接合面には開放孔が形成されるが、前記開放孔同士を接続するトンネル接続路、開口部を有していない内部空間は形成されない。
次の工程では、粗面化された金属成形体11の接合面12bを含む部分と樹脂成形体20を一体化させる。
この工程では、
前工程においてレーザー光が照射された金属成形体11の接合面12bを含む部分を金型内に配置して、前記樹脂成形体となる樹脂を射出成形する工程、または
前工程においてレーザー光が照射された金属成形体11の接合面12bを含む部分を金型内に配置して、前記樹脂成形体20となる樹脂を接触させた状態で圧縮成形する工程、
のいずれかの方法を適用することができる。
その他、熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂の成形方法として使用される公知の成形方法も適用することができる。
熱可塑性樹脂を使用した場合には、溶融した樹脂に圧力などをかけることで、金属成形体に形成された孔や溝やトンネル接続路内に樹脂を入り込ませた後、樹脂を冷却固化させることで複合成形体を得られる方法であればよい。射出成形や圧縮成形のほか、射出圧縮成形などの成形方法も使用することができる。
熱硬化性樹脂を使用した場合には、液状或いは溶融状態の樹脂に圧力などをかけることで、金属成形体に形成された孔や溝やトンネル接続路内に樹脂を入り込ませた後、樹脂を熱硬化させることで複合成形体を得られる成形方法であればよい。射出成形や圧縮成形のほか、トランスファー成形などの成形方法も使用することができる。
なお、射出成形法と圧縮成形法で熱硬化性樹脂(プレポリマー)を使用したときは、後工程において加熱などをすることで熱硬化させる。
熱可塑性樹脂は、用途に応じて公知の熱可塑性樹脂から適宜選択することができる。例えば、ポリアミド系樹脂(PA6、PA66等の脂肪族ポリアミド、芳香族ポリアミド)、ポリスチレン、ABS樹脂、AS樹脂等のスチレン単位を含む共重合体、ポリエチレン、エチレン単位を含む共重合体、ポリプロピレン、プロピレン単位を含む共重合体、その他のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂を挙げることができる。
公知の繊維状充填材としては、炭素繊維、無機繊維、金属繊維、有機繊維等を挙げることができる。
炭素繊維は周知のものであり、PAN系、ピッチ系、レーヨン系、リグニン系等のものを用いることができる。
無機繊維としては、ガラス繊維、玄武岩繊維、シリカ繊維、シリカ・アルミナ繊維、ジルコニア繊維、窒化ホウ素繊維、窒化ケイ素繊維等を挙げることができる。
金属繊維としては、ステンレス、アルミニウム、銅等からなる繊維を挙げることができる。
有機繊維としては、ポリアミド繊維(全芳香族ポリアミド繊維、ジアミンとジカルボン酸のいずれか一方が芳香族化合物である半芳香族ポリアミド繊維、脂肪族ポリアミド繊維)、ポリビニルアルコール繊維、アクリル繊維、ポリオレフィン繊維、ポリオキシメチレン繊維、ポリテトラフルオロエチレン繊維、ポリエステル繊維(全芳香族ポリエステル繊維を含む)、ポリフェニレンスルフィド繊維、ポリイミド繊維、液晶ポリエステル繊維などの合成繊維や天然繊維(セルロース系繊維など)や再生セルロース(レーヨン)繊維などを用いることができる。
このような開放孔30などの開口径より小さな繊維径の繊維状充填材を使用したときには、金属成形体の開放孔30などの内部に繊維状充填材の一部が張り込んだ状態の複合成形体が得られ、金属成形体と樹脂成形体の接合強度が高められるので好ましい。
熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、熱可塑性エラストマー100質量部に対する繊維状充填材の配合量は5〜250質量部が好ましい。より望ましくは、25〜200質量部、さらに望ましくは45〜150質量部である。
なお、複合成形体からなる研磨材10は、接合面12bだけを形成した金属成形体(第一成形体)11を使用して複合成形体を製造した後、金属成形体(第一成形体)11の樹脂成形体(第二成形体)20との非接合面に対して、研磨面12aとなる多孔構造部分を形成する方法を適用して製造することもできる。
本発明の金属成形体からなる研磨材、または金属成形体(第一成形体)と樹脂成形体(第二成形体)の複合成形体からなる研磨材は、レーザーの連続照射法を適用して研磨面となる多孔構造部分を形成することができる。
このため、金属成形体のどの部分であっても研磨面を形成することができることから、平面、曲面、角部、凹部、孔などの所望部分に研磨面を有する研磨材を得ることができる。
このような金属成形体からなる研磨材、または金属成形体(第一成形体)と樹脂成形体(第二成形体)の複合成形体からなる研磨材は、爪ヤスリ、角質除去具などの美容器具、野菜の摺り下ろし器、皮むき器などの調理器具、木材製品および樹脂製品などの面取り具などとして使用することができる。
さらに本発明の研磨材は、工業的加工用のグラインダ(自由研削盤、機械研削盤)に用いられる砥石、糸のこぎり、糸ヤスリなどとしても使用することができる。
また、金属成形体(第一成形体)と樹脂成形体(第二成形体)の複合成形体からなる研磨材は、例えば、樹脂成形体部分が取手になり、その取手の先に研磨面(金属成形体)を有する研磨材にすることができるため、金属のみからなる研磨材と比べると使いやすくなる。
第二成形体として金属成形体を使用するときは、第一成形体の金属成形体と同じ金属からなるものでもよいし、異なる金属からなるものでもよい。
この複合成形体からなる研磨材の製造方法について説明する。
最初の工程にて、上記した方法と同様に連続波レーザーを使用して粗面化することで、金属成形体(第一成形体)の表層部に研磨面(第1多孔構造部分)と接合面(第2多孔構造部分)を形成する。
この粗面化処理によって、金属成形体の研磨面(第1多孔構造部分)と接合面(第2多孔構造部分)は、いずれも図7、図8に示すような状態になっている。
接着剤を塗布することで、図7、図8に示すような開放孔30、内部空間40、開放空間45、開放孔30の枝孔33やトンネル接続路50内に接着剤を侵入させ、さらにそれらから溢れた接着剤が接合面(第2多孔構造部分)の表面(開放孔30などの外)も覆うようにする。
接着剤(接着剤溶液)は、開放孔30などの内部に侵入し易くなるように粘度を調節することが好ましい。
なお、この工程では、金属成形体の接合面(第2多孔構造部分)と接合させる樹脂成形体または金属成形体の面にも接着剤を塗布することができる。
熱可塑性接着剤としては、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、アクリル系接着剤、ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、アイオノマー、塩素化ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、プラスチゾル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルエーテル、ポリビニルピロリドン、ポリアミド、ナイロン、飽和無定形ポリエステル、セルロース誘導体を挙げることができる。
熱硬化性接着剤としては、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、レソルシノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ビニルウレタンを挙げることができる。
ゴム系接着剤としては、天然ゴム、合成ポリイソプレン、ポリクロロプレン、ニトリルゴム、スチレン−ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエン−ビニルピリジン三元共重合体、ポリイソブチレン−ブチルゴム、ポリスルフィドゴム、シリコーンRTV、塩化ゴム、臭化ゴム、クラフトゴム、ブロック共重合体、液状ゴムを挙げることができる。
前工程の処理のとおり、接着剤は、開放孔30、内部空間40、開放空間45、開放孔30の枝孔33やトンネル接続路50内に侵入しており、さらにそれらから溢れて接合面12の表面(開放孔30などの外)も覆っているため、接着剤によるアンカー効果がより強く発揮されることになる。
このため、このようにして得られた金属成形体(第一成形体)と樹脂成形体または金属成形体(第二成形体)の複合成形体の接合強度は、例えば、金属成形体の表面に対して、エッチング処理などの化学的処理またはサンドブラスト処理などの物理的処理をした後で接着剤を使用して樹脂成形体を接合して得た複合成形体の接合強度よりも高くすることができる。
金属成形体(第一成形体)と樹脂成形体または金属成形体(第二成形体)の複合成形体は、金属成形体(第一成形体)に形成された研磨面(第1多孔構造部分)を有する研磨材として使用することができる。
また第2成形体として金属成形体を使用したときは、第2成形体である金属成形体側にも研磨面(第1多孔構造部分)を形成することができる。
実施例および比較例は、図12に示す金属成形体11(厚さ1mm,アルミニウム:A5052)の一部面(研磨面)12a(40mm2の広さ範囲)に対して、表1に示す条件でレーザー光を連続照射して、金属成形体からなる研磨材を得た。
実施例1〜5、比較例1〜3は図9に示すようにレーザー光を連続照射し、実施例6は図10に示すようにレーザー光を連続照射した。
図14は、実施例2の連続波レーザーによる連続照射後における金属成形体11の研磨面12aのSEM写真(100倍、500倍である)。面12が粗面化され、小さな凹部が形成された状態が確認できた。
図15は、実施例3の連続波レーザーによる連続照射後における金属成形体11の研磨面12aのSEM写真(100倍、500倍である)。面12が粗面化され、小さな凹部が形成された状態が確認できた。
図16は、実施例4の連続波レーザーによる連続照射後における金属成形体11の研磨面12aのSEM写真(100倍、500倍である)。面12が粗面化され、小さな凹部が形成された状態が確認できた。
図17は、実施例5の連続波レーザーによる連続照射後における金属成形体11の研磨面12aのSEM写真(100倍、500倍である)。面12が粗面化され、小さな凹部が形成された状態が確認できた。
図18は、実施例6の連続波レーザーによる連続照射後における金属成形体11の研磨面12aのSEM写真(100倍、500倍である)。面12が粗面化され、小さな凹部が形成された状態が確認できた。
図19は、比較例2の連続波レーザーによる連続照射後における金属成形体11の研磨面12aのSEM写真(100倍、500倍である)。照射速度が1000mm/secであることから、研磨面12aの粗面化が十分になされていなかった。
下記条件にて、上記の金属成形体11を使用して、図20に示す複合成形体からなる研磨材を製造した。なお、上記の金属成形体の研磨面12aを接合面12bとして使用した。
樹脂:GF60%強化PA66樹脂(プラストロンPA66−GF60−01(L7):ダイセルポリマー(株)製),ガラス繊維の繊維長:11mm
樹脂温度:320℃
金型温度:100℃
射出成形機:ファナック製ROBOSHOT S2000i100B)
実施例および比較例の図20に示す複合成形体を用い、引張試験を行ってせん断接合強度を評価した。結果を表1に示す。
引張試験は、金属成形体11側の端部を固定した状態で、金属成形体11と樹脂成形体20が破断するまで図20に示すX方向(図2のX方向であり、接合面12bに対して平行方向)に引っ張った場合の接合面12bが破壊されるまでの最大荷重(S1)を測定した。
<引張試験条件>
試験機:オリエンテック社製テンシロン(UCT−1T)
引張速度:5mm/min
チャック間距離:50mm
工業的規模で大量生産することを考慮すれば、加工時間の短縮ができる(即ち、製造に要するエネルギーも低減できる)実施例1の製造方法の工業的価値は非常に大きなものである。
実施例1と実施例2、3との対比から確認できるとおり、実施例2、3のようにレーザー照射の繰り返し回数を増加させることで接合強度を高めることができるが、その場合であっても、比較例1〜3と比べると加工時間を短縮することができた。
実施例1〜3と実施例4〜6との対比から確認できるとおり、実施例4〜6のようにレーザーの照射速度を高めたときにはより接合強度(図2、図20のX方向への接合強度S1)を高めることができた。
なお、図20に示す複合成形体において、金属成形体11の樹脂成形体20との非接合面に対して、表1に示す条件でレーザーを連続照射して研磨面となる多孔構造部分(図13〜図19と同様の構造になる)を形成して研磨材を得た。
実施例および比較例は、図21に示す金属成形体(厚さ3mm,アルミニウム:A5052)の接合面12bの全面(90mm2の広さ範囲)に対して、表2に示す条件でレーザー光を連続照射した。
その後、実施例1〜6、比較例1〜3と同様に実施して、図22に示す複合成形体を得た。
得られた複合成形体について、図2で示すY方向(図23のY方向)に相当する引張り接合強度(S2)を次の方法にて測定した。
引張試験は、図23に示すように、金属成形体11側の治具70により固定した状態で、金属成形体11と樹脂成形体20が破断するまで図23のY方向(図2のY方向であり、接合面12bに対して垂直方向)に引っ張った場合の接合面12bが破壊されるまでの最大荷重(S2)を測定した。
<引張試験条件>
試験機:オリエンテック社製テンシロン(UCT−1T)
引張速度:5mm/min
チャック間距離:50mm
しかし、表2の比較例4〜6との対比から明らかなとおり、本願発明の製造方法を適用することにより、金属成形体11と樹脂成形体20の接合面12b(面積90mm2)に対して垂直方向(図2のY方向)に引っ張ったときの引張強度(S2)も高くできることが確認できた。
なお、図22に示す複合成形体において、金属成形体11の樹脂成形体20との非接合面に対して、表2に示す条件でレーザーを連続照射して研磨面となる多孔構造部分を形成して研磨材を得た。
実施例および比較例は、図24に示す金属成形体(厚み3mm,アルミニウム:A5052)の接合面12bの全面(40mm2の広さ範囲)に対して、表3に示す条件でレーザーを連続照射した。
実施例10〜14、比較例8、9は図9に示すようにレーザー光を連続照射し、実施例15は図10に示すようにレーザー光を連続照射し、比較例7は図11に示すようにレーザー光を連続照射した。
次に、処理後の金属成形体を使用して、下記の方法で圧縮成形して、実施例および比較例の複合成形体を得た。
金属成形体10を接合面12bが上になるように型枠内(テフロン製)に配置し、接合面12上に樹脂ペレットを加えた。その後、型枠を鉄板で挟みこみ、下記条件で圧縮して、図25に示す複合成形体を得た。
さらに図25に示す複合成形体において、金属成形体11の樹脂成形体20との非接合面に対して、表3に示す条件でレーザーを連続照射して研磨面となる多孔構造部分を形成して研磨材を得た。
温度:285℃
圧力:1MPa(予熱時)、10MPa
時間:2分間(予熱時)、3分間
成形機:東洋精機製作所製圧縮機(mini test press-10)
実施例および比較例の複合成形体を用い、引張試験を行って引張り接合強度を評価した。結果を表3に示す。
引張試験は、次のようにして実施した。
図26に示すように、複合成形体の樹脂成形体20の露出面に対して、アルミニウム板72aとその面に対して垂直方向に固定された引張部73aからなる治具74aを接着剤71aにより固着した。
同様に図26に示すように、複合成形体の金属成形体11の露出面に対して、アルミニウム板72bとその面に対して垂直方向に固定された固定部73bからなる治具74bを接着剤71bにより固着した。
固定部73bを固定した状態で、下記条件にて引張部73aを引っ張った場合の接合面12が破壊されるまでの最大荷重(S2)を測定した。
<引張試験条件>
試験機:テンシロン
引張速度:5mm/min
チャック間距離:16mm
開口部を有していない内部空間の有無を確認した。以下にその方法を示す。
複合成形体の接合面12bを含む接合部において、レーザ照射方向に対して垂直方向(図6のA-A、B-B、C-C方向)にランダムに3箇所切断し、それぞれの表層部の断面部を走査型電子顕微鏡(SEM)で無作為に3点観察した。
SEM観察写真(500倍)において内部空間の有無を確認できた場合、その個数を数えた。なお、内部空間の最大径が10μm以下のものは除外した。
内部空間の個数(9箇所での平均値)を示した(表3)。
また、内部空間を微小部X線分析(EDX)で分析し、樹脂が内部空間まで侵入していることを確認した。
SEM:日立ハイテクノロジーズ社製 S-3400N
EDX分析装置:アメテック(旧エダックス・ジャパン)社製 Apollo XP
また、図3のように複合成形体の金属面が曲面の場合には、曲面の接線に対して垂直方向にサンプルを切断することで、同様の測定が可能である。
なお、顕微レーザラマン分光測定装置を用いても樹脂が内部空間まで侵入していることを確認できる。
相対的に白く見える部分が金属成形体10であり、相対的に黒く見える部分が樹脂成形体20である。
図27からは厚さ方向に形成された複数の孔と、複数の独立した空間が確認でき、それらは全て黒く見えることから、樹脂が侵入していることが確認できる。
厚さ方向に形成された孔は、開放孔30の幹孔32に相当する孔と認められる。
独立した空間は、幹孔32の内壁面から幹孔32の形成方向とは異なる方向に延ばされた枝孔33の断面であるか、内部空間40であると認められる。
そして、内部空間40であるとすると、内部に樹脂が侵入していることから、開放孔30とトンネル接続路50で接続されているものと考えられる。
このため、実施例10の複合成形体は、接合面12に対して垂直方向に引っ張ったとき(図2のY方向)の接合強度(S2)が高くなっている。
相対的に白く見える部分が金属成形体10であり、相対的に黒く見える部分が樹脂成形体20である。
図28からは厚さ方向に形成された複数の孔と、複数の独立した空間が確認でき、それらは全て黒く見えることから、樹脂が侵入していることが確認できる。
厚さ方向に形成された孔は、開放孔30の幹孔32に相当する孔と認められる。
独立した空間は、幹孔32の内壁面から幹孔32の形成方向とは異なる方向に延ばされた枝孔33の断面であるか、内部空間40であると認められる。
そして、内部空間40であるとすると、内部に樹脂が侵入していることから、開放孔30とトンネル接続路50で接続されているものと考えられる。
このため、実施例11の複合成形体は、接合面12に対して垂直方向に引っ張ったとき(図2のY方向)の接合強度(S2)が高くなっている。
図29からは厚さ方向に形成された複数の孔と、複数の独立した空間が確認でき、それらは全て黒く見えることから、樹脂が侵入していることが確認できる。
厚さ方向に形成された孔は、開放孔30の幹孔32に相当する孔と認められる。
独立した空間は、幹孔32の内壁面から幹孔32の形成方向とは異なる方向に延ばされた枝孔33の断面であるか、内部空間40であると認められる。
そして、内部空間40であるとすると、内部に樹脂が侵入していることから、開放孔30とトンネル接続路50で接続されているものと考えられる。
このため、実施例12の複合成形体は、接合面12に対して垂直方向に引っ張ったとき(図2のY方向)の接合強度(S2)が高くなっている。
相対的に白く見える部分が金属成形体10であり、相対的に黒く見える部分が樹脂成形体20である。
金属成形体10には、多数の開放孔30が形成されていることが確認できる。
このため、実施例15の複合成形体は、接合面12に対して垂直方向に引っ張ったとき(図2のY方向)の接合強度(S2)が高くなっている。
実施例16は、図31に示す金属成形体200(厚さ3mm:アルミニウム:A5052)の接合面212の全面(120mm2の広さ範囲)に対して、表4に示す条件でレーザー光を連続照射した。
次に、処理後の金属成形体を使用して、下記の方法でコンプレッション成形して、図32に示す金属成形体200(A5052)/フェノール樹脂成形体220の複合成形体を得た。
実施例17は、図31に示す金属成形体200(厚さ3mm:SUS304)の接合面212の全面(120mm2の広さ範囲)に対して、表4に示す条件でレーザー光を連続照射した。
次に、処理後の金属成形体を使用して、下記の方法でコンプレッション成形して、図32に示す金属成形体200(SUS304)/フェノール樹脂成形体220の複合成形体を得た。
さらに図32に示す複合成形体において、金属成形体200の樹脂成形体220との非接合面に対して、表4に示す条件でレーザーを連続照射して研磨面となる多孔構造部分を形成して研磨材を得た。
実施例16と同じ金属サイズの未処理金属成形体(アルミニウム:A5052)を使用して、下記の方法でコンプレッション成形したが、金型から取り出し時にA5052とフェノール樹脂が自然に剥がれてしまい、複合成形体を得ることができなかった。
また、実施例17と同じ金属サイズの未処理金属成形体(SUS304)を使用して、下記の方法でコンプレッション成形したが、金型から取り出し時にSUS304とフェノール樹脂が自然に剥がれてしまい、複合成形体を得ることができなかった。
樹脂:GF強化フェノール樹脂(AV811:旭有機材工業(株)製)
金型温度:175℃
型閉圧:95kg/cm2
樹脂サンプル重量:5.6g
加熱時間:90秒
コンプレッション成形機:東邦製26t上部フライホイール型コンプレッション成形機
試験機:オリエンテック社製テンシロン(UCT-1T)
引張速度:5mm/min
チャック間距離:50mm
実施例18は、図33に示す金属成形体100(厚さ3mm:SUS304)の接合面112の全面(120mm2の広さ範囲)に対して、表6に示す条件でレーザー光を連続照射した。
次に、処理後の金属成形体100を使用して、接合面112に接着剤(コニシ(株)製MOS7-200)を塗布し、GF60%強化PA66樹脂(プラストロンPA66-GF60-01(L7):ダイセルポリマー(株)製)を接合させ、図34に示す金属成形体100(SUS304)/PA66-GF60-01(L7)の成形体120の複合成形体を得た。
比較例10は、実施例18と同じサイズの未処理金属成形体(SUS304)に接着剤(コニシ(株)製MOS7-200)を塗布し、GF60%強化PA66樹脂(プラストロンPA66-GF60-01(L7):ダイセルポリマー(株)製)を接合させ、図34に示すSUS304/PA66-GF60-01(L7)複合成形体を得た。
さらに図34に示す複合成形体において、金属成形体100の樹脂成形体120との非接合面に対して、表5に示す条件でレーザーを連続照射して研磨面となる多孔構造部分を形成して研磨材を得た。
実施例18および比較例10の複合成形体を用い、実施例16、17と同じ方法で引張試験を行って引張り接合強度を評価した。結果を表5に示す。
実施例19は、図35に示す金属成形体300(厚さ1mm:アルミニウム:A5052)の接合面312の全面(40mm2の広さ範囲)に対して、表6に示す条件でレーザー光を連続照射した。
次に、処理後の金属成形体300を使用して、接合面312に接着剤(コニシ(株)製MOS7-200)を塗布し、全く同様にレーザー処理した金属成形体320(アルミニウム:A5052)を接合させ、図36に示す金属成形体300(A5052)/金属成形体320(A5052)の複合成形体を得た。
比較例11は、実施例19と同じサイズの未処理金属成形体(A5052)に接着剤(コニシ(株)製MOS7-200)を塗布し、全く同様の未処理金属成形体を接合させ、図36に示す金属成形体300(A5052)/金属成形体320(A5052)の複合成形体を得た。
さらに図36に示す複合成形体において、金属成形体300の樹脂成形体320との非接合面に対して、表6に示す条件でレーザーを連続照射して研磨面となる多孔構造部分を形成して研磨材を得た。
実施例19および比較例11の複合成形体を用い、図37に示すせん断試験を行ってせん断接合強度を評価した。結果を表7に示す。
試験機:オリエンテック社製テンシロン(UCT-1T)
引張速度:5mm/min
チャック間距離:50mm
金属成形体(厚さ3mm:SUS304)の10mm×60mmの範囲に対して、表4に示す条件でレーザー光を連続照射して、10mm×60mmの研磨面を有する研磨材を得た。但し、処理面積は600mm2、加工時間は32秒であった。
この研磨材を使用して、樹脂成形品(樹脂射出成形品)に対する研磨作用を試験した。
(樹脂成形品)
寸法:90mm×50mm×3mm
材質:品番SER20:ダイセルポリマー(株)製のABS樹脂(難燃グレード)
品番S1100:ダイセルポリマー(株)製のPC/ABSアロイ
品番E10:ダイセルポリマー(株)製のABS樹脂(帯電防止グレード)
本発明の研磨材は、工業的加工用のグラインダ(自由研削盤、機械研削盤)に用いられる砥石、糸のこぎり、糸ヤスリなどとしても使用することができる。
11 金属成形体(第一成形体)
12a 研磨面(第1多孔構造部分)
12b 接合面(第2多孔構造部分)
20 樹脂成形体(第二成形体)
30 開放孔
31 開口部
32 幹孔
33 枝孔
40 内部空間
45 開放空間
50 トンネル接続路
Claims (6)
- 表層部に多孔構造部分を有する金属成形体からなる研磨材であって、
前記金属成形体の表層部の多孔構造部分が、厚さ方向に形成された、表面側に開口部を有する幹孔と、幹孔の内壁面から幹孔とは異なる方向に形成された枝孔からなる開放孔を有しているものであり、
前記表層部が、表面から粗面化により形成された開放孔までの50〜500μmの深さ範囲のものである、研磨材。 - 表層部に多孔構造部分を有する金属成形体からなる研磨材であって、
前記金属成形体の表層部の多孔構造部分が、厚さ方向に形成された、表面側に開口部を有する幹孔と、幹孔の内壁面から幹孔とは異なる方向に形成された枝孔からなる開放孔と、厚さ方向に形成された、表面側に開口部を有していない内部空間を有しており、さらに前記開放孔と前記内部空間を接続するトンネル接続路を有しているものであり、
前記表層部が、表面から粗面化により形成された開放孔までの50〜500μmの深さ範囲のものである、研磨材。 - 第一成形体である金属成形体と第二成形体(但し、第一成形体である金属成形体と異なる構成材料または同じ構成材料からなる成形体)が接合された複合成形体からなる研磨材であって、
前記第一成形体である金属成形体が、表層部に形成された多孔構造部分を有するものであり、
前記第一成形体である金属成形体の表層部の多孔構造部分が、厚さ方向に形成された、表面側に開口部を有する幹孔と、幹孔の内壁面から幹孔とは異なる方向に形成された枝孔からなる開放孔を有しているものであり、
前記表層部が、表面から粗面化により形成された開放孔までの50〜500μmの深さ範囲のものであり、
多孔構造部分の一部が研磨機能を有する部分であり、
残部の多孔構造部分の開放孔内に前記第二成形体の構成材料が入り込んだ状態で、前記
第一成形体である金属成形体と前記第二成形体が接合されているものである、研磨材。 - 第一成形体である金属成形体と第二成形体(但し、第一成形体である金属成形体と異なる構成材料または同じ構成材料からなる成形体)が接合された複合成形体からなる研磨材であって、
前記第一成形体である金属成形体が、表層部に形成された多孔構造部分を有するものであり、
前記第一成形体である金属成形体の表層部の多孔構造部分が、厚さ方向に形成された、表面側に開口部を有する幹孔と、幹孔の内壁面から幹孔とは異なる方向に形成された枝孔からなる開放孔と、厚さ方向に形成された、表面側に開口部を有していない内部空間を有しており、さらに前記開放孔と前記内部空間を接続するトンネル接続路を有しているものであり、
前記表層部が、表面から粗面化により形成された開放孔までの50〜500μmの深さ範囲のものであり、
多孔構造部分の一部が研磨機能を有する部分であり、
残部の多孔構造部分の開放孔内に前記第二成形体の構成材料が入り込んだ状態で、前記第一成形体である金属成形体と前記第二成形体が接合されているものである、研磨材。 - 前記第二成形体が樹脂成形体であり、
前記残部の多孔構造部分の開放孔内に前記樹脂成形体を構成する樹脂が入り込んだ状態で、前記第一成形体である金属成形体と前記第二成形体である樹脂成形体が接合されているものである、請求項3または4記載の研磨材。 - 前記第二成形体が樹脂成形体または金属成形体であり、さらに前記第一成形体である金属成形体と前記第二成形体である樹脂成形体または金属成形体の間に接着剤層を有しており、
前記残部の多孔構造部分の開放孔内に前記接着剤層を構成する接着剤が入り込んだ状態で、前記第一成形体である金属成形体と前記第二成形体である樹脂成形体または金属成形体が接合されているものである、請求項3または4記載の研磨材。
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