JP6420840B2 - 印刷文書の簡単な符号化、認証およびコピー検出システム - Google Patents
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Description
k=[C/L]−1
ここでdi(i={1,2,...,8};di{0,1})はバイトユニットが担持するデータに関連するバイトの単一データビットであり、間違って検出されるバイトユニットを排除する目的で簡単なチェックサム演算を可能にする。
二次元コードの起源は、バーコードと呼ばれるものに基づく。バーコードは、バー(線)で構成された機械可読コードである。このような符号化の一例(EAN13バーコードと呼ばれ、テリーバートンのツールボックスhttp://www.terryburton.co.uk/barcodewriterで作成されるもの)が、図1に示されている。EANは「欧州商品コード(European Article Number)」の略であるが、EANの頭文字がついたままであっても今では「国際商品コード(International Article Number)」として知られている(http://en.wikipedia.org/wiki/EAN13参照)。EAN13バーコードは13桁(12のデータと1のチェック桁)のバーコード規格であり、幅広いアプリケーション(例えば小売や物流)に広く用いられている。
殆どの研究文献は、モバイルデバイス用の二次元コードに焦点をあてている。これは、現在では携帯電話やスマートフォンが普及している事実による([Ericsson2013]参照)。二次元コード取得の適用例は、必ずしも安定しない環境で行われる。モバイル環境での二次元コードの使用とは対照に、例えば文書認証や工場の自動化(例えばワークピースの検出)といった他の適用例では異なる環境要素を制御することができる。例えば、二次元コードの高品質読み出しに最も重要な要素の一つは照明である。モバイル適用例では照明が不安定となり得る(「Tan2012」参照)のに対し、オフィス環境における文書認証の適用例では照明は当然に安定している。
カメラとコンピュータの補助を得て記録および処理される可視コードを設計する場合、複数の要件を考慮に入れる必要がある。これらの要件の殆どはすべての可視コードについて似ているが、いくつかは対照となるコードの特別な要求に独自のものである。各二次元コードは多数のモジュールで構成される。各モジュールは1ビットの情報を担持する。これらのモジュールが組み合わされてコード記号を構成する。多くの二次元コードは、広く普及している「Quick Response Code」すなわち「QRコード」(http://en.wikipedia.org/wiki/QR_code)などの二次形態のモジュールを用いる。典型的なQRコードが図2(a)に示され、1つのモジュールが赤いフレームでマークされている。他のモジュール形態の例は、例えば[Kato2010]で述べられるように、三角モジュール(「高容量カラーバーコード」)、六角グリッドに配列されたドットモジュール(「MaxiCode」)、および円形セグメントでなるモジュール(「ShotCode」)を含む。いくつかの二次元コードは、データ容量を上げるために複数の色を用いる。一例は、再び高容量カラーバーコードである。各二次元コード記号は(モジュールがない)静領域(quiet zone)で囲まれる。この静領域は、二次元コード記号と周辺領域の他のオブジェクトとのセパレータとして用いられる。
偽造防止に関する文書コーディングは、主に光学的アプローチに基づく確立された主題である([Hill2009]参照)。しかしながら、出入港許可書(clearance papers)、証明書、および特に既成プリンタで印刷されるオフィス書類でみられるドキュメント保護の印形における作成容易かつ検出容易な機構の要望があった([lqbal2006])。さらに、印刷情報の印形のデータ密度は密で堅調(dense and robust)でなければならない([Herrigel2008])。このため、コピーされたオリジナル書類は、コピーとして検出される必要がある。
−二次元コード記号の向きが既知であり、あるいはいくつかの考えられる状態(例えば90°)に少なくとも限定されている、
−二次元コード記号のサイズが既知であり安定している、
−二次元コードが平面に印刷され、画像取得デバイスに対して適切に整列している。小さな歪みのみであれば想定内、
−環境条件は安定している。
上記の条件をすべて満たす場合、データをもたないモジュールの数量を減らすことができる。これは、どのようにマイクロIDENTコード(図3(b)参照)を用いるかであり、これは図3(a)に示すData Matrix Code(http://en.wikipedia.org/wiki/Data_Matrix_(computer)参照)の簡略版である。Data MatrixのFPは、二次元コード記号の外側の線のみを用いるため、QRコードのFPほど大きくない。記号の二辺が実線であり、他の辺はドットである。保持データが特定量より大きい場合、複数のData Matrixブロックが1記号に組み合わされる(図3(a)では、1ブロックが赤い四角でマークされている)。Data Matrixの場合は複数のデータブロックを用いるのに対し、マイクロIDENTコードはData Matrixの実線を2本のみを用い、1のデータブロックのみを用いる。
マイクロIDENTコードは、1バイトのペイロードに加え簡単な誤り検出用の1パリティビットを担持する単一のデータブロック(DB)で構成される、バイトユニット(BU)と呼ばれる素(原子)ユニットに断片化できる。BUの一例を図4(a)に示す。BUは、複数のノッチとピンホールを呈する。これらのノッチとピンホールは、印刷とコピーのプロセスでぼやけるため、コピーされたデータの検出に用いられる(図4(b)及び図4(c)参照)。BUは特に記載フォントに、例えばiドット(図5参照)または句読点のドットとして適用することができる。A4版のページは、テキストの符号化、認証、および/またはコピー検出に利用可能なこのようなBUを数百含めることがができ、この場合に各BUの全体サイズは0.5mm2未満である。
最初で最大の特徴は、BUは印刷文書に低コストでセキュリティ性を追加することである。BUは、特別なハードウェアを必要としない点で特に興味深い。代わりに、マイクロIDENTは、多くのオフィスでみられるレーザプリンタやスキャナに提供することができる。図5に示す上記の適用例のようにBUをiドットの代わりに使用すると、読む人間にはほんの僅かの乱れしかない。この符号化はしばしば人に見落とされ、あるいは印刷−スキャンプロセスで生じた通常の歪みと判断される。このように、副作用として隠しデータの形態を提供する。制限の一つは保存しうるデータ量であり、これは文書の文字内容(例えばiドット)によって予め制限されているからである。この制限のため、BUを記号列、例えばシリアル番号のキャリアとして利用することができる。別分野の応用例では、暗号システムへの付加物として利用可能であり、記号列をBUにエンコードしてこれを暗号キーに使用してデータを解読する。これはさらなるセキュリティ層を追加する。BUは、複雑な誤り訂正を排除しているため、印刷・スキャンプロセスにおいて崩壊しうる。この「瑕疵(flaw)」は、コピー攻撃を難しくするため、設計による瑕疵と呼ばれる。
各mIC−BUは1バイトのデータを担持することから、「バイトユニット」の表現が用いられる。加えてこれは1のパリティビットを担持する。BUの別の例の詳細を図6(a)に示す。(BUの一角の)赤い縁取り領域がFPとして規定される。他の領域はデータ領域(緑の縁取り)とパリティビット(青い縁取り)であり、これらがともに3×3モジュールのデータブロック(DB)を構成する。データはモジュール毎に1ビットとしてモジュール内にエンコードされる。黒いモジュールが1の値と等しく、白いモジュールが0の値と等しい。これらのモジュールが図6(b)に示す昇順にスキャンされる。この番号は、単一データビットdiのインデックスとしても用いられ、ここでi={1,2,...,8};di{0,1}である。パリティビットpは以下の値に設定される。
(式1)
3.2.2.章で説明した1つのBUは、多くの用途で十分な情報を保存できない。代わりに、これらは大きな符号化データストリームの原子部品として利用される。本明細書で提案するアプローチの1つが以下のものである:
データストリーム全体を構成する複数のバイトユニットが、テキストの全範囲にわたって分散される。これらはiドット、句読点、および用いる言語によっては弁別記号として用いられる他のドット(例えば独語のウムラウト(「¨」))の代わりとして用いられる。言語が異なる場合、各言語でドットの出現率が異なるためデータ保持容量が異なる。言語ごとの符号化能力の違いを示すべく、経験的に算出された言語統計を表1に示す。これらの結果は、用いる言語に拘わらず、単一のBUを用いるよりデータ保持容量が大きくなるため、文書に複数のBUをエンコードするアプローチが将来有望であることを示している。さらに、この符号化は、大きな二次元コードがするように印刷ドキュメントを邪魔しない。この符号化アプローチによって、予め規定された小さな領域の代わりに、文書全体を符号化領域に用いることができる。このアプローチの一例を図8に示し、ここにはルイス・キャロルの「不思議の国のアリス」の一節が示されている。導入されているBUは上から下にスキャンされ、BUが縦方向の同じ位置にある場合は左から右にスキャンされる。処理環境が安定しているためだけに、追加の同期(synchronisation)を行わない位置読み出し(positional readout)のアプローチが適切となる。
(表1)
複数のステップを用いて検出と復号のレートが向上する。以下のステップは主に、偽陽性の検出(すなわち、通常のiドットをBUとして検出してしまう)を低減するためである。検出と復号は、スキャンされた8ビットグレー値画像に基づいて行われる。このプロセスで用いられる閾値やヒット/ミス演算子(hit-or-miss operator、[Dougherty2003]第4章、「Hit−or−Miss Transform」、pp.79ff.参照)は、帰納的に生成される。このヒット/ミス演算子は、二値画像オブジェクト検出に用いられるモフォロジック演算子(morphological operator)である。BUの検出と復号は、以下の部分に分けることができる:
ここでは、グレー値画像が、固定の閾値Tbinを利用して二値の黒白画像に変換される。ヒット/ミス演算子(図9(a)参照)を用いて、図9(b)に赤いドットで示す潜在的なFPを検出する。テキスト内で、この操作で検出された点は、関心点(points-of-interest、POI)と呼ばれる。検出されたPOIで互いに非常に近いものは、1つを除いて、破棄される。
上で検出されたPOIは、可能性のあるBUの左下の縁(BUのFP)であるため、これらが所定サイズの検出範囲(すなわち「検出フレーム」)に広げる起点として用いられる。検出フレームはBUが位置する可能性のある領域であり、より精密な検査が有望な部分である。検出フレームのサイズは、印刷サイズとスキャナ解像度から既知であるBUのサイズへと配向される。考えられる歪曲とノイズを考慮すると、検出フレームはBUのサイズより大きく設定される(図9(b)参照、検出フレームが青で強調されている)。黒いピクセルの連続領域がオブジェクトである。検出フレーム内の各オブジェクトについて、その面積と四角い境界ボックスが算出される。したがって、オブジェクトの面積は、オブジェクトを構成する黒いピクセルの数である(図9(c)の青のマーク)。境界ボックスは、検出されたオブジェクトの周りの最小の四角いフレームを表す(図9(c)の緑のマーク)。このフレームのサイズが、可能性のある正しくないBUの検出基準として用いられる。完全なBUは白い静領域で囲まれているため、検出フレームを拡大しても領域サイズは変わらない。この事実と反対に、検出フレームが拡がると、他の検出されたオブジェクトの殆どはその領域サイズが変化する。図9(b)と図9(c)にこの作用の例が見られる。検出された可能性のあるBUの読み出しが、前に生成された境界ボックスで開始される。これは境界ボックスで画定された領域内で、元のグレー値画像に基づいて行われる。BU読み出しでは、以下のステップが実行される。
このステップは、可能性のあるBUの縁の歪曲を無視するためにある。これらの歪曲は、印刷とスキャン手段において生じるノイズによって避けられないものである。
ノイズデテクタが、FPの縁にノイズが生じている度合いが高い場合をチェックする。理想的なケースでは、FPの左側が1本の垂直縁で構成され、水平の縁がない。理想的なケースでは、FPの下側には1本の水平縁があり、垂直縁がない。印刷とスキャンプロセスによりBUにノイズが生じ、このノイズがBUの縁(edges)の数を特定することによって検出される。左側と下側について、縁の数は与えられている。このため、FPのこれらの部分を用いてエッジデテクタを介してノイズを検出する。Sobel演算子(Sobel-operator、[Burger2009]参照、pp.135ff.)に閾値TSobel=25を用いて2つの縁の画像を作成する(垂直縁と水平縁)。この閾値はSobel勾配画像を二値の縁画像に変換するのに必要である。二値の縁画像は縁のピクセルカウントに用いられる。検出された水平縁と垂直縁がnedgeまで足され、BUのコピー版の増大されたノイズレベルを判定するのに用いられる。nedgeが特定値Tnoiseより大きい場合、評価されたオブジェクトは破棄される。
モジュールは、4×4のピクセルクラスタで定義される(すなわち、BUごとに合計16モジュール)。このような分割例が図7に示されている。
各モジュールが、グレー値の画像閾値の補助により読み出される。この閾値は各モジュールの平均グレー値を評価することにより特定される:
(式2)
式2は、モジュールMjに属するすべてのグレー値を示すものである。したがって、
は評価モジュールの(計算上の)平均グレー値を示す。閾値Troはモジュールの位置に適合(adapt)され、これはFP、外側領域、または内側領域がある(図10参照)。FP内の閾値Trojは、内側領域および外側領域の閾値に比べて低い値に設定される。正しいFPモジュール
は、常に低い信号値(黒)である。さらに、Trojは隣接するモジュールの平均グレー値
によって適合される:
(式3)
式3において、パラメータTposjはモジュールの位置適合閾値を示し、Tnbは隣接モジュールの閾値を示す。隣接モジュール(上下左右)の4つまでの異なる平均グレー値が
で示される。Trojは、いずれかの隣接モジュールがTnbより高い平均グレー値
を有する場合に、Tnbで適合される。式(2)の演算後に16の二値が評価された各BUについて演算される。ここで提案する技術は、8ビットのグレー値画像を二値にマッピングするため、二値化処理として解される。ここに記載するアプローチは、8ビットのグレー値画像の代わりに二値画像のみを用いる[Ehlenbroker2012]記載のアプローチとは異なる。従来のアプローチと比較すると、本発明のアプローチは飛躍的によい結果が得られる。
FPに属する前に演算されたq値(q-values)でFPの存在がチェックされる。1またはそれ以上のFPモジュールが0であるq値に対応する場合、BU全体が破棄される。
検出された可能性のある各BUについて、チェックサム(パリティビット)が演算される。チェックサムが正しくないBUが検出される(式(1)参照)。
この章は2つに別れている。最初の部分(章4.1)では、テキストデータエンコーディング(Text Data Encoding)が説明され、第2のより応用指向の部分(章4.2)では、冗長コピー検出(Redundant Copy Detection)に取り組んでいる。
BUがテキスト内に符号化されて、文書符号化アプリケーションの符号化能力と堅牢性(robustness)がテストされる。ルイス・キャロルの「不思議の国のアリス」の1ページの抜粋がmIC−BUを用いて符号化される。用いたフォントはPostScript Times Romanで、フォントサイズは12ポイントである。テストに用いたこの1ページのテキストにちょうど200のドットがある。殆どのドットはiドットであり、他はすべて句読点(.?!:;)にみられる。1つのBUモジュールが0.127mm×0.127mm(0.005インチ×0.005インチ)のサイズ(すなわち「バイトユニットモジュールサイズ」)に印刷される。1つのBUの4×4モジュールは0.508mm×0.508mm(0.02インチ×0.02インチ)のサイズであり、あるいは換言すると、全体の印刷範囲は0.26mm2のオーダーである。
(表2)
(表3)
mIC−BUを用いた別のアプローチが、コピー検出用の冗長符号化である。データ容量を最大化する代わりに、印刷データに冗長性を組み入れる。同一のBUを1のドキュメント内で複数回エンコードして冗長性を得る。この可能性のある冗長性を演算処理するときに2つの制限が考えられる。1のドキュメントが提供するデータ担持能力(C)と、符号化するデータストリングの長さ(L)であり、ここで「データストリング」の用語は1の文書内にエンコードされるデータをいう。パラメータCは文書内のドット数により与えられ、これは符号化されたBUの数と等しい。パラメータLはデータストリング内に用いられる英数文字数と等しい。単一の英数文字が7ビットのASCIIコードに符号化され、1のBUにマッピングされる。このため、長さLはBUで表現できる。付加される冗長BUの可能な最大量は、L≦Cの制限下で以下となる:
最大の冗長性を得るには、n=k+1の同一データを有するBUを符号化された英数文字ごとに印刷する必要がある。組み合わせると、これらのnのBUは符号語(cord word)を構成する。「符号語」は、コードの単一要素である。符号語は、複数の記号で構築される。例えば、二値の符号語は0と1で構築される。例えば3つの記号の長さを有する二値の符号語は、以下の構成となる:010、111、001等である。符号語のハミング距離([Hamming1950])を演算して、これを読み出し後の符号語の分類に用いることができる。一般に、2つの符号語x=(x0,x1,...,xt)Tとy=(y0,y1,...,yt)T、(x≠y)は以下のように規定される:
ここでdH(xi,yi)は:
tは両方の符号語の長さである。パラメータΔ(x,y)は変える必要がある符号語xの桁数であり、符号語yとして読まれる(分類される)。この章で提案している冗長コーディングはn/2のハミング距離を生成する。n個のBUが元々1の文字に属する場合、別の文字に属するBUを解釈するためにn/2のBUを変える必要がある。この評価は保守的であり、なぜなら現実世界のシナリオでは1の文字に属するn/2のBUが別の文字のBUに正確に変わることはあまりないからである。もっとあり得るのは複数の異なる文字に属するBUに歪みが生じたり、1の文字のいくつかのBUが単に検出できないかである。分類の決定はハミング距離で実行される:文字を検出するには、n/2以上の特定の文字に属する検出されたBUが必要となる(印刷とスキャンプロセス後)。さらに以下が規定される:
ここでbは1の文字について検出されたBU、sはデータストリーム内でこの文字が符号化された回数である。変数aは分類決定に用いられるBUの数である。このステップは、データストリーム内で同一の文字が複数回生じるため追加される。
単独文字間の識別方法の一つは、4.2章で提案した推測技術を用いる代わりに位置コーディングを用いることである。このため、バイトユニットの個々の位置に埋め込まれる追加の情報レイヤが提供される:符号化領域全体が複数の符号化サブ領域に分割され、各サブ領域のmIC−BUの数が第2の情報レイヤとして用いられる。位置コーディングの一例を図13に示す。
符号化領域を、赤線でマークした6つのサブ領域に分割する(図13参照)。BUが黒のドットでマークされ、各符号化サブ領域のBUの量が各サブ領域の右下に示される。BUはその位置に基づいてスキャンされる。スキャン方向は、図13に示す上から下に向かう。同一のyレベルで複数のBUが存在する場合、これらのBUのスキャンの順番がx方向に変わる(左から右へ)。最初のBU(左上)と最も近い次のBUの位置の差が、同じyレベルでない場合に限り、用いられるサブ領域の情報をもつ。この情報がxとy次元の距離の差に符号化される。続いて、長い距離の次元の差が短い次元の距離で割られる。図13でこの番号は6で、これは長い方のy次元の距離が短い方の距離の長さの約6倍であるからであり、符号化サブ領域の数も6となる。
明細書において、文書のセキュリティ適用の新規な符号化技術が提案されている。提案するマイクロIDENTコーディング(すなわち「mIC」)は、標準二次元コードの基本モジュールに基づく。提案するmICは、大きなFPやエラー訂正コーディングといった標準二次元コードの特徴のいくつかを用いず、このためデータ密度が向上する。このアプローチは、バイトユニット(Byte−Units、BU)と呼ばれる小さなコード記号の印刷を実現する。印刷サイズが小さいため、例えばiドットやドキュメントの他のドットに置換してBUをテキストドキュメントに埋め込むことができる。これにより、標準的なオフィス機器で利用可能な隠しコーディング(hidden coding)が可能となる。この隠しコーディングが、コピーされた場合に自己崩壊特性を有することが成功裏に示された。この自己崩壊は、コピーすると元のBUコードのレイアウトに小さな崩壊(ノイズ)が生じる結果である。さらに、オリジナルのプリントアウトに高い読み出しレートを得ることができる。
[Kamijo2008]
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Claims (13)
- 印刷文書の符号化、認証およびコピー検出のシステムであって、複数の小さな二次元印刷コード記号、すなわちバイトユニット(mIC−BU、BU)が印刷ドキュメントの印刷面にわたって散在して符号化を構成し、各バイトユニット(mIC−BU、BU)は、当該バイトユニット(mIC−BU、BU)の位置特定のための検出パターン(FP)と、1バイトのデータ(d1乃至d8)および白黒1ビットモジュールとしてエンコードされた1のパリティビット(p)をもつ単一データブロック(DB)で構成され、
前記バイトユニット(mIC−BU、BU)は、それぞれ白の静領域で囲まれた印刷ドットの形態で、前記印刷ドキュメントの印刷面にわたって分散され、当該バイトユニット(mIC−BU、BU)の印刷サイズは、前記符号化が裸眼では見えず、前記印刷ドキュメントをコピーすると前記バイトユニット(mIC−BU、BU)が劣化して、前記印刷ドキュメントのコピー上で前記符号化の読み出しが防止されることを特徴とするシステム。 - 請求項1に記載のシステムにおいて、前記バイトユニット(mIC−BU、BU)は印刷テキスト領域にわたって分散されており、iドット(i-dots)、句読記号(「.」、「?」、「!」、「:」、「;」)のドット、および/または、用いる言語によっては、トレマ(分音記号)または独語のウムラウト(「¨」)といった弁別記号として用いられる他のドットの代わりとして用いられることを特徴とするシステム。
- 請求項2に記載のシステムにおいて、前記印刷テキスト領域にわたって分散された複数のバイトユニット(mIC−BU、BU)によって符号化データストリームが構成されることを特徴とするシステム。
- 請求項3に記載のシステムにおいて、前記符号化データストリームの個々の英数文字は、前記バイトユニット(mIC−BU、BU)のうちの対応する1つにマッピングされ、前記英数文字は好適にASCIIコードに符号化されることを特徴とするシステム。
- 請求項3または4に記載のシステムにおいて、冗長性を獲得するために、同一のバイトユニット(mIC−BU、BU)が前記印刷ドキュメント内で複数回符号化されることを特徴とするシステム。
- 請求項5に記載のシステムにおいて、文字長Lとデータ積載量Cを有する所与の印刷テキストとを有する所与の符号化データストリームについて、n=k+1の同一のバイトユニット(mIC−BU、BU)が前記符号化データストリームの各文字に印刷された場合に最大の冗長性が達成され、ここでkは以下の式で算出される整数である:
k=[C/L]−1
ことを特徴とするシステム。 - 請求項1乃至6のいずれかに記載のシステムにおいて、各バイトユニット(mIC−BU、BU)が4×4の1ビットモジュールで構成されることを特徴とするシステム。
- 請求項7に記載のシステムにおいて、前記検出パターン(FP)が、前記バイトユニット(mIC−BU、BU)の1つの角に2本の実線を形成する、7個のブラックモジュールでなることを特徴とするシステム。
- 請求項1乃至8のいずれかに記載のシステムにおいて、前記パリティビット(p)は各バイトユニット(mIC−BU、BU)の内側領域にエンコードされることを特徴とするシステム。
- 請求項1乃至10のいずれかに記載のシステムにおいて、各バイトユニット(mIC−BU、BU)は全体印刷範囲が0.5mm2未満で、バイトユニットモジュールのサイズが0.1mm×0.1mmから0.175mm×0.175mmのオーダーであることを特徴とするシステム。
- 請求項1乃至11のいずれかに記載のシステムにおいて、前記バイトユニット(mIC−BU、BU)は1200dpiのオーダーの印刷解像度で印刷されることを特徴とするシステム。
- オフィスプリンタやスキャナで作成または処理された文書の符号化、認証およびコピー検出における、請求項1乃至12のいずれかに記載のシステムの使用。
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