JP6414307B2 - 動画像復号装置、動画像復号方法、及び、動画像復号プログラム - Google Patents

動画像復号装置、動画像復号方法、及び、動画像復号プログラム Download PDF

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Description

本発明は、動き補償予測を用いた動画像復号技術に関し、特に動き補償予測に利用する
動画像復号装置、動画像復号方法、及び、動画像復号プログラムに関する。
MPEG−4 AVC/H.264(以後、AVC)等に代表される動画像符号化では
、ピクチャを矩形ブロックに分割し、ピクチャ間でブロック単位に動き推定、補償を行う
動き補償予測が用いられる。動き補償予測において各ブロックで生成される動きベクトル
は、その符号量を削減するために、予測処理が施される。
AVCでは、隣接するブロックの動きベクトルの間に強い相関があることを利用して、
隣接ブロックから予測値を算出し、その予測値との差分ベクトルを符号化することによっ
て符号量を削減している。しかし、これらの予測方法では、参照する隣接ブロックの位置
が限定されているために、予測が当たらないと、動きベクトルの差分が大きくなり、発生
符号量が増加する課題があった。また、動きベクトルの符号量は削減されるものの、予測
方向や参照画像インデックス等の他の動き情報は処理対象のブロック毎に符号化されるの
で、効率的な符号化に至っていないという課題もあった。
これらの課題を解決するために、特許文献1のように、複数の隣接ブロックの中から参
照する隣接ブロックを特定する付加情報を符号化することによって、処理対象のブロック
の動き情報を符号化せずに、隣接ブロックの動き情報を使用して符号化を行い、符号量を
削減するマージ符号化技術が用いられる。
特開平10−276439号公報
マージ符号化は、処理対象のブロックの動き情報を符号化せずに、空間及び時間的に隣
接するブロックの動き情報を使用して符号化を行うことで、符号量を削減して符号化効率
を向上させている。また、参照する隣接ブロックの候補を複数用意し、参照する隣接ブロ
ックを特定する付加情報を符号化することによって、より符号化対象ブロックの動き情報
に近い隣接ブロックを参照できるようにしている。
そのため、参照隣接ブロック候補に同じ動き情報を持つ隣接ブロックが複数含まれてい
ると、参照隣接ブロック候補で表現可能な動き情報の種類が少なくなり、結果として符号
化効率の向上に結びつかない。そこで、参照隣接ブロック候補の動き情報を詳細に比較し
、同じ動き情報を持つ参照隣接ブロック候補を削減すると、処理量の増加につながる。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、隣接ブロックの動き
情報を使用して符号化を行う場合に、処理負荷が少なく、動き情報の符号化効率を向上さ
せる技術を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の動画像復号装置は、動画像データの各
ピクチャが分割されたブロック単位で、符号化された符号列を復号する動画像復号装置で
あって、前記復号対象ブロックに空間的に近接する所定位置の復号済みの複数の近接ブロ
ックの動き情報から複数の空間動き情報候補を導出し、前記復号の対象となる復号対象ブ
ロックを有するピクチャと時間的に異なるピクチャが有する復号済みのブロックの動き情
報を導出し、導出された前記復号済みのブロックの動き情報から前記復号対象ブロックの
時間動き情報候補を導出し、導出された前記空間動き情報候補と前記時間動き情報候補と
を含む結合動き情報候補リストを生成する候補リスト生成部を備え、前記候補リスト生成
部は、前記空間動き情報候補をすべての組み合わせで比較することなく前記結合動き情報
候補リストの配列順が一番目の候補と二番目の候補と最後の候補についてはそれぞれの候
補同士を比較して、動き情報が同一である場合は、それらの動き情報が同一の候補からは
一の前記空間動き情報候補を導出し、前記空間動き情報候補と前記時間動き情報候補の間
では動き情報の比較を行わない。
本発明のさらに別の態様は、動画像復号方法である。この方法は、動画像データの各ピ
クチャが分割されたブロック単位で、符号化された符号列を復号する動画像復号方法であ
って、前記復号対象ブロックに空間的に近接する所定位置の復号済みの複数の近接ブロッ
クの動き情報から複数の空間動き情報候補を導出し、前記復号の対象となる復号対象ブロ
ックを有するピクチャと時間的に異なるピクチャが有する復号済みのブロックの動き情報
を導出し、導出された前記復号済みのブロックの動き情報から前記復号対象ブロックの時
間動き情報候補を導出し、導出された前記空間動き情報候補と前記時間動き情報候補とを
含む結合動き情報候補リストを生成する候補リスト生成ステップを有し、前記候補リスト
生成ステップは、前記空間動き情報候補をすべての組み合わせで比較することなく前記結
合動き情報候補リストの配列順が一番目の候補と二番目の候補と最後の候補についてはそ
れぞれの候補同士を比較して、動き情報が同一である場合は、それらの動き情報が同一の
候補からは一の前記空間動き情報候補を導出し、前記空間動き情報候補と前記時間動き情
報候補の間では動き情報の比較を行わない。
本発明のさらに別の態様は、動画像復号プログラムである。このプログラムは、動画像
データの各ピクチャが分割されたブロック単位で、符号化された符号列を復号する動画像
復号プログラムであって、前記復号対象ブロックに空間的に近接する所定位置の復号済み
の複数の近接ブロックの動き情報から複数の空間動き情報候補を導出し、前記復号の対象
となる復号対象ブロックを有するピクチャと時間的に異なるピクチャが有する復号済みの
ブロックの動き情報を導出し、導出された前記復号済みのブロックの動き情報から前記復
号対象ブロックの時間動き情報候補を導出し、導出された前記空間動き情報候補と前記時
間動き情報候補とを含む結合動き情報候補リストを生成する候補リスト生成ステップをコ
ンピュータに実行させ、前記候補リスト生成ステップは、前記空間動き情報候補をすべて
の組み合わせで比較することなく前記結合動き情報候補リストの配列順が一番目の候補と
二番目の候補と最後の候補についてはそれぞれの候補同士を比較して、動き情報が同一で
ある場合は、それらの動き情報が同一の候補からは一の前記空間動き情報候補を導出し、
前記空間動き情報候補と前記時間動き情報候補の間では動き情報の比較を行わない。
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせ、本発明の表現を方法、装置、システム、記
録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有
効である。
本発明によれば、動き情報を処理する際の負荷を抑制しつつ、動き情報の符号化効率を
向上させることができる。
本発明の実施の形態1に係る動画像符号化装置の構成を示す図である。 符号化対象画像の一例を示す図である。 予測ブロックサイズの詳細な定義を示す図である。 図4(a)〜(d)は、動き補償予測の予測方向について説明する図である。 本発明の実施の形態1に係る動画像符号化装置における符号化処理の動作の流れ示すフローチャートである。 本発明の実施の形態1に係る動画像復号装置の構成を示す図である。 本発明の実施の形態1に係る動画像復号装置における復号処理の動作の流れを示すフローチャートである。 図8(a)、(b)は、本発明の実施の形態1における動き補償予測において使用される動き情報を符号化するための2つの予測モードを説明する図である。 実施の形態1の動画像符号化装置における予測モード判定部の詳細な構成を示す図である。 実施の形態1における図9の結合動き情報算出部の構成を示す図である。 図5のステップS502の動き補償予測モード/予測信号生成処理の詳細動作を説明するフローチャートである。 実施の形態1における図11の結合動き情報候補リスト生成の詳細動作を説明するフローチャートである。 空間結合動き情報候補リスト生成に用いる空間候補ブロック群を示す図である。 空間結合動き情報候補リスト生成の詳細動作を説明するフローチャートである。 実施の形態1における結合動き情報候補削除の詳細動作を説明するフローチャートである。 実施の形態1における結合動き情報候補削除における動き情報候補の比較関係を示す図である。 実施の形態1における結合動き情報候補削除における動き情報候補の比較関係を示す図である。 時間結合動き情報候補リスト生成に用いる時間候補ブロック群を示す図である。 時間結合動き情報候補リスト生成の詳細動作を説明するフローチャートである。 時間結合動き情報に対する基準動きベクトル値ColMvに対する、L0予測、L1予測に対して登録する動きベクトル値mvL0t、mvL1tの算出手法を説明する図である。 第1結合動き情報候補リスト追加部の詳細動作を説明するフローチャートである。 組み合わせ検査回数と結合動き情報候補Mと結合動き情報候補Nの関係を説明する図である。 第2結合動き情報候補リスト追加部の詳細動作を説明するフローチャートである。 図11の結合予測モード評価値生成処理の詳細動作を説明するフローチャートである。 結合動き情報候補数が5の場合のTruncated Unary符号列を示す図である。 図11の予測モード評価値生成処理の詳細動作を説明するフローチャートである。 実施の形態1の動画像復号装置における動き情報復号部の詳細な構成を示す図である。 図7の動き情報復号処理の詳細動作を説明するフローチャートである。 図28の結合予測動き情報復号処理の詳細動作を説明するフローチャートである。 図28の予測動き情報復号処理の詳細動作を説明するフローチャートである。 実施の形態2における結合動き情報候補削除の詳細動作を説明するフローチャートである。 実施の形態2における結合動き情報候補削除における動き情報候補の比較内容を示す図である。 実施の形態2における結合動き情報候補削除における動き情報候補の比較関係を示す図である。 実施の形態2における結合動き情報候補削除における動き情報候補の比較関係を示す図である。 実施の形態3における結合動き情報候補削除の詳細動作を説明するフローチャートである。 実施の形態3における結合動き情報候補削除における動き情報候補の比較関係を示す図である。 実施の形態3における結合動き情報候補削除における動き情報候補の比較内容を示す図である。 実施の形態4における結合動き情報候補削除の詳細動作を説明するフローチャートである。 実施の形態4における結合動き情報候補削除における動き情報候補の比較関係を示す図である。 実施の形態4における結合動き情報候補削除における動き情報候補の比較内容を示す図である。 実施の形態5における結合動き情報候補削除の詳細動作を説明するフローチャートである。 実施の形態5における結合動き情報候補削除における動き情報候補の比較関係を示す図である。 実施の形態5における結合動き情報候補削除における動き情報候補の比較内容を示す図である。 実施の形態5における結合動き情報候補削除における動き情報候補の比較関係を示す図である。 ブロックA0の使用可能状況を説明する図である。 実施の形態6における図9の結合動き情報算出部の構成を示す図である。 実施の形態6における結合動き情報候補リスト生成の詳細動作を説明するフローチャートである。 実施の形態6における結合動き情報候補削除における動き情報候補の比較内容を示す図である。 実施の形態6における結合動き情報候補削除における動き情報候補の比較関係を示す図である。
以下、図面とともに本発明の実施の形態に係る動画像符号化装置、動画像符号化方法、
動画像符号化プログラム、並びに動画像復号装置、動画像復号方法、動画像復号プログラ
ムの好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、図面の説明には同一要素には同一
符号を付与して重複する説明を省略する。
(実施の形態1)
[動画像符号化装置全体構成]
図1は、本発明の実施の形態1に係る動画像符号化装置の構成を示す図である。以下、
各部の動作について説明する。実施の形態1に係る動画像符号化装置は、入力端子100
、減算部101、直交変換・量子化部102、予測誤差符号化部103、逆量子化・逆変
換部104、加算部105、復号画像メモリ106、動きベクトル検出部107、動き補
償予測部108、予測モード判定部109、動き情報符号化部110、動き情報メモリ1
11、多重化部112、及び出力端子113を備える。
入力端子100より入力される画像信号から符号化処理対象の予測ブロックの画像信号
が、予測ブロックの位置情報と予測ブロックサイズに基づいて切り出され、予測ブロック
の画像信号は、減算部101、動きベクトル検出部107及び予測モード判定部109に
供給される。
図2は、符号化対象画像の一例を示す図である。実施の形態1に係る予測ブロックサイ
ズに関しては、図2に示すように符号化対象画像が64×64画素の符号化ブロック(C
U)単位で符号化処理され、予測ブロックは符号化ブロックが更に分割された単位で構成
される。最大予測ブロックサイズは符号化ブロックと同じ64×64画素で、最小予測ブ
ロックサイズは4×4画素である。符号化ブロックの予測ブロックへの分割構成は、非分
割(2N×2N)、水平・垂直への分割(N×N)、水平方向のみへの分割(2N×N)
、垂直方向のみへの分割(N×2N)が可能である。水平・垂直への分割の場合のみ、更
に分割された予測ブロックを符号化ブロックとして階層的に予測ブロックに分割でき、そ
の階層をCU分割数で表現する。
図3は、予測ブロックサイズの詳細な定義を示す図である。CU分割数が0であって最
大の予測ブロックサイズである64画素×64画素から、CU分割数が3であって最小の
予測ブロックサイズである4画素×4画素までの13の予測ブロックサイズが存在するこ
とになる。
本発明の実施の形態1に係る予測ブロックの分割構成に関して、この組み合わせに限定
されない。また、動画像符号化装置における予測ブロックサイズの選択は、符号化ブロッ
ク単位で符号化効率のより良い構造を適応的に選択することが可能であるが、実施の形態
1は予測ブロック単位での画面間予測及び画面間動き情報の符号化に注目したものである
ため、最適な予測ブロックサイズの選択に関する構成要素及び説明を省略する。以降の動
画像符号化装置の動作に関しては、選択した予測ブロックサイズ単位で施される動作を説
明する。
図1に戻り、減算部101は、入力端子100より供給される画像信号と予測モード判
定部109より供給される予測信号を減算して予測誤差信号を算出し、予測誤差信号を直
交変換・量子化部102に供給する。
直交変換・量子化部102は、減算部101より供給される予測誤差信号に直交変換及
び量子化を施し、量子化された予測誤差信号を予測誤差符号化部103及び逆量子化・逆
変換部104に供給する。
予測誤差符号化部103は、直交変換・量子化部102より供給される量子化された予
測誤差信号をエントロピー符号化して、予測誤差信号に対する符号列を生成して、多重化
部112に供給する。
逆量子化・逆変換部104は、直交変換・量子化部102より供給される量子化された
予測誤差信号に対して、逆量子化や逆直交変換などの処理を行い、復号予測誤差信号を生
成し加算部105に供給する。
加算部105は、逆量子化・逆変換部104より供給される復号予測誤差信号と、予測
モード判定部109より供給される予測信号を加算して、復号画像信号を生成し、復号画
像信号を復号画像メモリ116に供給する。
復号画像メモリ106は、加算部105より供給される復号画像信号を格納する。また
、画像全体の復号が完了した復号画像については参照画像として1以上の所定画像数記憶
し、参照画像信号を動きベクトル検出部107と動き補償予測部108に供給する。
動きベクトル検出部107は、入力端子100より供給される予測ブロックの画像信号
と、復号画像メモリ106に記憶された参照画像信号の入力を受けて、各参照画像に対す
る動きベクトルを検出し、動きベクトル値を予測モード判定部109に供給する。
一般的な動きベクトルの検出方法は、画像信号と同一位置より所定の移動量だけ移動さ
せた参照画像に相当する画像信号について誤差評価値を算出し、誤差評価値が最小となる
移動量を動きベクトルとする。誤差評価値としては、画素毎の差分絶対値の総和SAD(
Sum of Absolute Difference)や、画素毎の二乗誤差値の総
和SSE(Sum of Square Error)等を利用する。さらに、動きベク
トルの符号化に関わる符号量も誤差評価値に含めることも可能である。
動き補償予測部108は、予測モード判定部109より指定される参照画像指定情報と
、動きベクトル値に従って、復号画像メモリ106内の参照画像指定情報で示される参照
画像を、動きベクトル値だけ予測ブロックの画像信号と同一位置より移動させた位置の画
像信号を取得して予測信号を生成する。
予測モード判定部109より指定される予測モードが単予測の場合には、1つの参照画
像から取得した予測信号を動き補償予測信号とし、予測モードが双予測の場合には、2つ
の参照画像から取得した予測信号を重みづけ平均したものを動き補償予測信号とし、動き
補償予測信号を予測モード判定部109に供給する。ここでは双予測の重みづけ平均の比
率を1:1とする。
図4(a)〜(d)は、動き補償予測の予測種別について説明するための図である。単
一の参照画像からの予測を行う処理を単予測と定義し、単予測の場合はL0予測またはL
1予測という2つの参照画像管理リストに登録された参照画像のいずれか一方を利用する
図4(a)は単予測であってL0予測の参照画像(RefL0Pic)が符号化対象画
像(CurPic)より前の時刻にある場合を示している。図4(b)は単予測であって
L0予測の参照画像が符号化対象画像より後の時刻にある場合を示している。同様に、図
4(a)および図4(b)のL0予測の参照画像をL1予測の参照画像(RefL1Pi
c)に置き換えて単予測を行うこともできる。
2つの参照画像からの予測を行う処理を双予測と定義し、双予測の場合はL0予測とL
1予測の双方を利用してBI予測と表現する。図4(c)は双予測であってL0予測の参
照画像が符号化対象画像より前の時刻にあって、L1予測の参照画像が符号化対象画像よ
り後の時刻にある場合を示している。図4(d)は双予測であってL0予測の参照画像と
L1予測の参照画像が符号化対象画像より前の時刻にある場合を示している。このように
、L0/L1の予測種別と時間の関係は、L0が過去方向、L1が未来方向とは限定され
ずに用いることが可能である。
図1に戻り、予測モード判定部109は、動きベクトル検出部107より入力される各
参照画像に対して検出された動きベクトル値と、動き情報メモリ111に格納された動き
情報(予測種別、動きベクトル値、及び参照画像指定情報)をもとに、実施の形態1にお
いて定義した動き補償予測モードのそれぞれに対して用いられる、参照画像指定情報と動
きベクトル値を動き補償予測部108に設定する。設定した値によって、動き補償予測部
108から供給される動き補償予測信号と、入力端子100より供給される予測ブロック
の画像信号を用いて、最適な動き補償予測モードを決定する。
予測モード判定部109は、決定した予測モード、及び予測モードに応じた予測種別、
動きベクトル、及び参照画像指定情報を特定する情報を、動き情報符号化部110に供給
し、決定した予測モード及びその予測モードに対する、予測種別、動きベクトル値、及び
参照画像指定情報を動き情報メモリ111に供給すると共に、減算部101及び加算部1
05に決定した予測モードに対応する予測信号を供給する。
動画像符号化装置において、基準とする参照画像を符号化するために同一画面内の符号
化済画像を用いて予測を行う画面内予測が行われるが、実施の形態1は画面間予測に注目
したものであるため、画面内予測に関連する構成要素は省略する。予測モード判定部10
9の詳細な構成については後述する。
動き情報符号化部110は、予測モード判定部109より供給される予測モード、及び
予測モードに応じた予測種別、動きベクトル、及び参照画像指定情報を特定する情報を所
定のシンタックス構造に従って符号化することで、動き情報の符号列を生成し、多重化部
112に供給する。
動き情報メモリ111は、予測モード判定部109より供給される動き情報(予測種別
、動きベクトル、及び参照画像インデックス)を、最小予測ブロックサイズ単位を基準と
して所定画像分記憶する。処理対象の予測ブロックの隣接ブロックの動き情報を空間候補
ブロック群とし、処理対象の予測ブロックと同一位置にあるColPic上のブロックと
その周辺ブロックの動き情報を時間候補ブロック群とする。
ColPicとは、処理対象の予測ブロックとは別の復号済みの画像であって、復号画
像メモリ106に参照画像として記憶されている。実施の形態1では、ColPicは直
前に復号した参照画像とする。なお、実施の形態1では、ColPicは直前に復号した
参照画像としたが、表示順で直前の参照画像や表示順で直後の参照画像でもよく、符号化
ストリーム中に、ColPicに用いる参照画像を直接指定することも可能である。
動き情報メモリ111は、空間候補ブロック群と時間候補ブロック群の動き情報を、候
補ブロック群の動き情報として予測モード判定部109に供給する。多重化部112は、
予測誤差符号化部103から供給される予測誤差の符号化列と、動き情報符号化部110
から供給される動き情報の符号化列を多重化することで符号化ビットストリームを生成し
、出力端子113経由で、記録媒体・伝送路等に当該符号化ビットストリームを出力する
図1に示した動画像符号化装置の構成は、CPU(Central Processi
ng Unit)、フレームメモリ、ハードディスクなどを備える情報処理装置等のハー
ドウェアによっても実現可能である。
図5は、本発明の実施の形態1に係る動画像符号化装置における符号化処理の動作の流
れ示すフローチャートである。予測ブロック単位毎に、入力端子100より処理対象の予
測ブロック画像を取得する(S500)。動きベクトル検出部107は、処理対象の予測
ブロック画像と復号画像メモリ106に格納された複数の参照画像より、参照画像毎の動
きベクトル値を算出する(S501)。
続いて、予測モード判定部109は、動きベクトル検出部107より供給される動きベ
クトルと、動き情報メモリ111に格納された動き情報を用いて、実施の形態1において
定義した動き補償予測モードのそれぞれに対する予測信号を、動き補償予測部108を用
いて取得し、最適な予測モードを選択し、予測信号を生成する(S502)。ステップS
502の処理の詳細については後述する。
続いて、減算部101は、処理対象の予測ブロック画像と予測モード判定部109より
供給された予測信号との差分を予測誤差信号として算出する(S503)。動き情報符号
化部110は、予測モード判定部109より供給される予測モード、及び予測モードに応
じた予測種別、動きベクトル、及び参照画像指定情報を特定する情報を所定のシンタック
ス構造に従って符号化し、動き情報の符号化データを生成する(S504)。
続いて、予測誤差符号化部103は、直交変換・量子化部102で生成された量子化さ
れた予測誤差信号をエントロピー符号化して、予測誤差の符号化データを生成する(S5
05)。多重化部112は、動き情報符号化部110から供給される動き情報の符号化デ
ータと、予測誤差符号化部103から供給される予測誤差の符号化データを多重化し、符
号化ビットストリームを生成する(S506)。
加算部105は、逆量子化・逆変換部104より供給される復号予測誤差信号と、予測
モード判定部109より供給される予測信号を加算して、復号画像信号を生成する(S5
07)。加算部105によって、生成された復号画像信号が復号画像メモリ106に供給
、格納され、以降に符号化する符号化画像の動き補償予測処理に用いられる(S508)
。動き情報メモリ111は、動きベクトル検出部107より供給される動き情報(予測種
別、動きベクトル、及び参照画像指定情報)を最小の予測ブロックサイズ単位で格納する
(S509)。
[動画像復号装置全体構成]
図6は、本発明の実施の形態1に係る動画像復号装置の構成を示す図である。以下、各
部の動作について説明する。実施の形態1に係る動画像復号装置は、入力端子600、多
重分離部601、予測差分情報復号部602、逆量子化・逆変換部603、加算部604
、復号画像メモリ605、動き情報復号部606、動き情報メモリ607、動き補償予測
部608、及び出力端子609を備える。
入力端子600より符号化ビットストリームが多重分離部601に供給される。多重分
離部601は、供給された符号化ビットストリームの符号列を予測誤差情報の符号化列と
、予測モード、並びに予測モードに応じた予測種別、動きベクトル、及び参照画像指定情
報を特定する情報で構成される動き情報の符号化列に分離する。当該予測誤差情報の符号
化列を予測差分情報復号部602に供給し、当該動き情報の符号化列を動き情報復号部6
06に供給する。
予測差分情報復号部602は、多重分離部601より供給された予測誤差情報の符号化
列を復号し、量子化された予測誤差信号を生成する。予測差分情報復号部602は、生成
した量子化された予測誤差信号を逆量子化・逆変換部603に供給する。
逆量子化・逆変換部603は、予測差分情報復号部602より供給される量子化された
予測誤差信号を逆量子化や逆直交変換などの処理を行って予測誤差信号を生成し、復号予
測誤差信号を加算部604に供給する。
加算部604は、逆量子化・逆変換部603より供給される復号予測誤差信号と、動き
補償予測部608より供給される予測信号を加算して復号画像信号を生成し、復号画像信
号を復号画像メモリ605に供給する。
復号画像メモリ605は、図1の動画像符号化装置における復号画像メモリ106と同
じ機能を有し、加算部604から供給された復号画像信号を格納し、参照画像信号を動き
補償予測部608に供給する。また、復号画像メモリ605は、格納された復号画像信号
を再生時刻に合わせて、画像の表示順序に従い出力端子609に供給する。
動き情報復号部606は、多重分離部601より供給される動き情報の符号化列より、
予測モード、並びに予測モードに応じた予測種別、動きベクトル、及び参照画像指定情報
を特定する情報を動き情報として復号する。復号した動き情報と、動き情報メモリ607
より供給される候補ブロック群の動き情報より、動き補償予測に用いる予測種別、動きベ
クトル及び参照画像指定情報を再生し、動き補償予測部608に供給する。また、動き情
報復号部606は再生した動き情報を、動き情報メモリ607に供給する。動き情報復号
部606の詳細な構成については後述する。
動き情報メモリ607は、図1の動画像符号化装置における動き情報メモリ111と同
じ機能を持ち、動き情報復号部606より供給される再生した動き情報を最小予測ブロッ
クサイズ単位を基準として所定画像分記憶する。また、動き情報メモリ607は、空間候
補ブロック群と時間候補ブロック群の動き情報を、候補ブロック群の動き情報として動き
情報復号部606に供給する。
動き補償予測部608は、図1の動画像符号化装置における動き補償予測部108と同
じ機能を持ち、動き情報復号部606より供給される動き情報に基づいて、復号画像メモ
リ605内の参照画像指定情報が示す参照画像を、動きベクトル値だけ予測ブロックの画
像信号と同一位置より移動させた位置の画像信号を取得して予測信号を生成する。動き補
償予測の予測種別が双予測であれば、各予測種別の予測信号を平均したものを予測信号と
して生成し、予測信号を加算部604に供給する。
出力端子609は、復号画像メモリ605より供給された復号画像信号を、ディスプレ
イなどの表示媒体に出力することで、復号画像信号が再生される。
図6に示した動画像復号装置の構成も、図1に示した動画像符号化装置の構成と同様に
、CPU、フレームメモリ、ハードディスクなどを備える情報処理装置等のハードウェア
によっても実現可能である。
図7は、本発明の実施の形態1に係る動画像復号装置における復号処理の動作の流れを
示すフローチャートである。多重分離部601は、入力端子600より供給された符号化
ビットストリームを予測誤差情報の符号化列と、動き情報の符号化列に分離する(S70
0)。分離された動き情報の符号化列は動き情報復号部606に供給され、動き情報メモ
リ607より供給される候補ブロック群の動き情報を用いて、復号対象ブロックの動き情
報を復号する(S701)。ステップS701の処理の詳細については後述する。
分離された予測誤差情報の符号化列は、予測差分情報復号部602に供給され、量子化
された予測誤差信号として復号され、逆量子化・逆変換部603で逆量子化や逆直交変換
などの処理を施されることで、復号予測誤差信号が生成される(S702)。
動き情報復号部606より、復号対象ブロックの動き情報が動き補償予測部608に供
給され、動き補償予測部608は動き情報にしたがって動き補償予測を行い予測信号を算
出する(S703)。加算部604は、逆量子化・逆変換部603から供給された復号予
測誤差信号と、動き補償予測部608から供給された予測信号とを加算し、復号画像信号
を生成する(S704)。
加算部604より供給された復号画像信号は、復号画像メモリ605に格納される(S
705)と共に、動き情報復号部606より供給された復号対象ブロックの動き情報が動
き情報メモリ607に格納される(S706)。これで、予測ブロック単位の復号処理が
終了する。
[実施の形態1の詳細機能説明]
本発明の実施の形態1に係る動画像符号化装置の予測モード判定部109の動作、図5
のフローチャートにおけるステップS502の処理、並びに本発明の実施の形態1に係る
動画像復号装置における動き情報復号部606の動作、図7のフローチャートにおけるス
テップS701の処理の詳細動作を、以下説明する。
[実施の形態1における動き補償予測モードの定義]
図8(a)、(b)は、本発明の実施の形態1における動き補償予測において使用され
る動き情報を符号化するための2つの予測モードを説明するための図である。第一の予測
モードは、予測対象ブロックと当該予測対象ブロックに隣接する符号化済ブロックにおけ
る時間方向や空間方向の動きの連続性を用いて、当該予測対象ブロックは自身の動き情報
を直接符号化せずに、空間及び時間的に隣接するブロックの動き情報を符号化に使用する
手法であり、結合予測モード(マージモード)と呼ぶ。
第一の予測モードは、予測対象ブロックと当該予測対象ブロックに隣接する符号化済ブ
ロックにおける時間方向や空間方向の動きの連続性を用いて、当該予測対象ブロックは自
身の動き情報を直接符号化せずに、空間及び時間的に隣接するブロックの動き情報を符号
化に使用する手法であり、結合予測モード(マージモード)と呼ぶ。
ここで、空間的に隣接するブロックとは予測対象ブロックと同じ画像に属する符号化済
みブロックの中で、予測対象ブロックに隣接するブロックを指す。ここで、時間的に隣接
するブロックとは予測対象ブロックとは別の符号化済みの画像に属するブロックの中で、
予測対象ブロックと同一空間位置及びその周辺にあるブロックを指す。
結合予測モードの場合には、複数の隣接ブロック候補より選択的に結合する動き情報が
定義でき、動き情報は使用する隣接ブロックを指定する情報(インデックス)を符号化す
ることで、指定情報をもとに取得した動き情報をそのまま動き補償予測に用いる。更に、
結合予測モードにおいては、予測差分情報を符号化伝送せずに、結合予測モードで予測さ
れた予測信号を復号ピクチャとするSkipモードを定義し、結合した動き情報のみの少
ない情報で復号画像が再生できる構成を有する。Skipモードにおいて伝送する動き情
報は、結合予測モードと同様に隣接ブロックを定義する指定情報となる。
第二の予測モードは、動き情報の構成要素を個別にすべて符号化し、予測ブロックに対
して予測誤差の少ない動き情報を伝送する手法であり、動き検出予測モードと呼ぶ。動き
検出予測モードは、従来の動き補償予測の動き情報の符号化と同様に、参照画像を特定す
るための情報(参照画像インデックス)と、動きベクトルを特定するための情報が別々に
符号化される。
動き検出予測モードには、単予測と双予測のどちらを使用するか予測モードで指示し、
単予測単予測の場合には1つの参照画像に対する参照画像を特定する情報と、動きベクト
ルの予測ベクトルとの差分ベクトルを符号化する。双予測の場合には2つの参照画像に対
する参照画像を特定する情報と、動きベクトルがそれぞれ個別に符号化される。動きベク
トルに対する予測ベクトルは、AVCと同様に隣接ブロックの動き情報から生成されるが
、結合予測モードと同様に、複数の隣接ブロック候補より予測ベクトルに用いる動きベク
トルを選択でき、動きベクトルは予測ベクトルに使用する隣接ブロックを指定する情報(
インデックス)と差分ベクトルの2つを符号化することで伝送される。
[実施の形態1における動画像符号化装置における予測モード判定部の詳細動作説明]
図9は、実施の形態1の動画像符号化装置における予測モード判定部109の詳細な構
成を示す図である。予測モード判定部109は、最適な動き補償予測モードを決定する機
能を有する。
予測モード判定部109は、動き補償予測生成部900、予測誤差算出部901、予測
ベクトル算出部902、差分ベクトル算出部903、動き情報符号量算出部904、予測
モード評価部905、結合動き情報算出部906、及び結合動き補償予測生成部907を
含む。
図1における予測モード判定部109に対して、動きベクトル検出部107より入力さ
れた動きベクトル値が、動き補償予測生成部900に供給され、動き情報メモリ111よ
り入力された動き情報が、予測ベクトル算出部902、及び結合動き情報算出部906に
供給される。
また、動き補償予測部108に対して、動き補償予測生成部900、及び結合動き補償
予測生成部907、から、動き補償予測に用いる参照画像指定情報と動きベクトルが出力
され、動き補償予測部108より、生成された動き補償予測画像が予測誤差算出部901
に供給される。予測誤差算出部901には更に、入力端子100より符号化対象となる予
測ブロックの画像信号が供給される。
また、予測モード評価部905から、動き情報符号化部110に対して符号化する動き
情報と確定した予測モード情報を供給し、動き情報メモリ111に動き情報を供給し、動
き補償予測信号を減算部101及び加算部105に供給する。
動き補償予測生成部900は、予測に使用可能な各参照画像に対して算出された動きベ
クトル値を受信し、参照画像指定情報を予測ベクトル算出部902に供給し、参照画像指
定情報と動きベクトルを出力する。
予測誤差算出部901は、入力された動き補償予測画像と処理対象の予測ブロック画像
より、予測誤差評価値を算出する。誤差評価値を算出するための演算としては、動きベク
トル検出における誤差評価値と同様に、画素毎の差分絶対値の総和SADや、画素毎の二
乗誤差値の総和SSE等を使用できる。更に、予測残差の符号化を行う際に施される、直
交変換・量子化を行うことによって復号画像に生じる歪成分の量を加味することで、より
正確な誤差評価値が算出可能である。この場合には、予測誤差算出部901内に、図1に
おける減算部101、直交変換・量子化部102、逆量子化・逆変換部104、加算部1
05の機能を有することで実現できる。
予測誤差算出部901は、各予測モードにおいて算出された予測誤差評価値と、動き補
償予測信号を予測モード評価部905に供給する。
予測ベクトル算出部902は、動き補償予測生成部900より参照画像指定情報を供給
され、動き情報メモリ111から供給される隣接ブロックの動き情報における候補ブロッ
ク群より、指定された参照画像に対する動きベクトル値を入力し、複数の予測ベクトルを
予測ベクトル候補リストと共に生成し、差分ベクトル算出部903に、参照画像指定情報
と共に供給する。予測ベクトル算出部902は、予測ベクトルの候補を作成し、予測ベク
トル候補として登録する。
差分ベクトル算出部903は、予測ベクトル算出部902より供給された、予測ベクト
ル候補のそれぞれに対して、動き補償予測生成部900から供給される動きベクトル値と
の差分を計算し、差分ベクトル値を算出する。算出された差分ベクトル値と予測ベクトル
候補に対する指定情報である予測ベクトルインデックスを符号化した際、符号量が最も少
ない。差分ベクトル算出部903は、最も少ない情報量である予測ベクトルに対する予測
ベクトルインデックスと差分ベクトル値を参照画像指定情報と共に、動き情報符号量算出
部904に供給する。
動き情報符号量算出部904は、差分ベクトル算出部903より供給される、差分ベク
トル値、参照画像指定情報、予測ベクトルインデックス、および予測モードより、各予測
モードにおける動き情報に要する符号量を算出する。また、動き情報符号量算出部904
は、結合動き補償予測生成部907より、結合予測モードにおいて伝送する必要がある、
結合動き情報インデックスと予測モードを示すための情報を受け取り、結合予測モードに
おける動き情報に要する符号量を算出する。
動き情報符号量算出部904は、各予測モードにおいて算出された動き情報及び動き情
報に要する符号量を予測モード評価部905に供給する。
予測モード評価部905は、予測誤差算出部901より供給された各予測モードの予測
誤差評価値と、動き情報符号量算出部904から供給された各予測モードの動き情報符号
量を用いて、各予測モードの総合動き補償予測誤差評価値を算出し、最も少ない評価値で
ある予測モードを選択し、選択した予測モードと選択した予測モードに対する動き情報を
、動き情報符号化部110、動き情報メモリ111に出力する。また、予測モード評価部
905は同様に、予測誤差算出部901より供給された動き補償予測信号に対して、選択
した予測モードにおける予測信号を選択して減算部101及び加算部105に出力する。
結合動き情報算出部906は、動き情報メモリ111より供給される隣接ブロックの動
き情報における候補ブロック群を用いて、単予測であるか双予測であるかを示す予測種別
、参照画像指定情報、動きベクトル値で構成される動き情報として、複数の動き情報を結
合動き情報候補リストと共に生成し、結合動き補償予測生成部907に供給する。
図10は、結合動き情報算出部906の構成を示す図である。結合動き情報算出部90
6は、空間結合動き情報候補リスト生成部1000、結合動き情報候補リスト削除部10
01、時間結合動き情報候補リスト生成部1002、第1結合動き情報候補リスト追加部
1003および第2結合動き情報候補リスト追加部1004を含む。結合動き情報算出部
906は、空間的に隣接する候補ブロック群より所定の順番で動き情報の候補を作成し、
その中から、同一の動き情報を持つ候補を削除したのち、時間的に隣接する候補ブロック
群より作成した動き情報の候補を追加することで、有効な動き情報のみを結合動き情報候
補として登録する。この時間結合動き情報候補リスト生成部を結合動き情報候補リスト削
除部より後段に配置した点が、本実施の形態の特徴的な構成であり、時間結合動き情報候
補を同一の動き情報を削除する処理の対象からはずすことにより、符号化効率を落とすこ
となく演算量を削減することが可能である。結合動き情報算出部906の詳細動作に関し
ては、後述する。
図9に戻り、結合動き補償予測生成部907は、結合動き情報算出部906より供給さ
れた結合動き情報候補リストより、登録された結合動き情報候補のそれぞれに対して、動
き情報より、予測種別に応じて1つの参照画像(単予測)もしくは2つの参照画像(双予
測)の参照画像指定情報と動きベクトル値を動き補償予測部108に指定して、動き補償
予測画像を生成すると共に、それぞれの結合動き情報インデックスを動き情報符号量算出
部904に供給する。
図9の構成では、それぞれの結合動き情報インデックスにおける予測モード評価は、予
測モード評価部905で施されるが、予測誤差評価値及び動き情報符号量を予測誤差算出
部901及び動き情報符号量算出部904より受け取り、結合動き補償予測生成部907
内で、最適な結合動き補償予測の結合動きインデックスを確定させた後に、他の予測モー
ドを含めた最適予測モードの評価を行う構成を取ることも可能である。
図11は、図5のステップS502の動き補償予測モード/予測信号生成処理の詳細動
作を説明するためのフローチャートである。この動作は、図9の予測モード判定部109
における詳細動作を示している。
最初に、結合動き情報候補リスト生成を行い(S1100)、結合予測モード評価値を
生成する(S1101)。続いて、予測モード評価値を生成し(S1102)、生成した
評価値を比較することで最適な予測モードを選択する(S1103)。ただし、ステップ
S1101及びS1102の評価値生成の順序はこれに限らない。
選択された予測モードに従い予測信号を出力し(S1104)、選択された予測モード
に従い動き情報を出力する(S1105)ことで、予測ブロック単位の動き補償予測モー
ド/予測信号生成処理が終了する。ステップS1100、S1101、及びS1102の
詳細動作に関しては後述する。
図12は、図11のステップS1100の結合動き情報候補リスト生成の詳細動作を説
明するためのフローチャートである。この動作は、図9の結合動き情報算出部906にお
ける構成の詳細動作を示している。
図10の空間結合動き情報候補リスト生成部1000は、動き情報メモリ111より供
給される空間候補ブロック群から領域外である候補ブロックや、イントラモードである候
補ブロックを除いた候補ブロックから空間結合動き情報候補リストを生成する(S120
0)。空間結合動き情報候補リスト生成の詳細な動作は後述する。
続いて、結合動き情報候補リスト削除部1001において、生成された空間結合動き情
報候補リストより、同一の動き情報を持つ結合動き情報候補を削除して動き情報候補リス
トを更新する(S1201)。結合動き情報候補削除の詳細な動作は後述する。
時間結合動き情報候補リスト生成部1002は、続いて動き情報メモリ111より供給
される時間候補ブロック群から領域外である候補ブロックや、イントラモードである候補
ブロックを除いた候補ブロックから時間結合動き情報候補リストを生成し(S1202)
、時間結合動き情報候補リストと結合して結合動き情報候補リストとする。時間結合動き
情報候補リスト生成の詳細な動作は後述する。
次に、第1結合動き情報候補リスト追加部1003は、時間結合動き情報候補リスト生
成部1002で生成された結合動き情報候補リストに登録された結合動き情報候補から0
個から4個の第1補充結合動き情報候補を生成して結合動き情報候補リストに追加し(S
1203)、当該結合動き情報候補リストを第2結合動き情報候補リスト追加部1004
に供給する。第1結合動き情報候補リスト追加の詳細な動作は後述する。
次に、第2結合動き情報候補リスト追加部1004は、第1結合動き情報候補リスト追
加部1003より供給される結合動き情報候補リストに依存しない0個から2個の第2補
充結合動き情報候補を生成して第1結合動き情報候補リスト追加部1003より供給され
る結合動き情報候補リストに追加し(S1204)、処理を終了する。第2結合動き情報
候補リスト追加の詳細な動作は後述する。
動き情報メモリ111より、結合動き情報算出部906に供給される動き情報の候補ブ
ロック群には、空間候補ブロック群と時間候補ブロック群が含まれる。まず、空間結合動
き情報候補リスト生成について説明する。
図13は、空間結合動き情報候補リスト生成に用いる空間候補ブロック群を示す図であ
る。空間候補ブロック群は、符号化対象画像の予測対象ブロックに隣接している同一画像
のブロックを示す。ブロック群は、その管理が最小予測ブロックサイズ単位で行われ、候
補ブロックの位置は、最小予測ブロックサイズの単位で管理されるが、隣接ブロックの予
測ブロックサイズが最小予測ブロックサイズよりも大きな場合には、予測ブロックサイズ
内の全ての候補ブロックに同一の動き情報が格納される。実施の形態1においては、隣接
するブロック群の内、図13に示すようなブロックA0、ブロックA1、ブロックB0、
ブロックB1、ブロックB2の5ブロックを空間候補ブロック群とする。
図14は、空間結合動き情報候補リスト生成の詳細動作を説明するためのフローチャー
トである。空間候補ブロック群に含まれる5つの候補ブロックのうち、ブロックA0、ブ
ロックA1、ブロックB0、ブロックB1、ブロックB2について、ブロックA1、ブロ
ックB1、ブロックB0、ブロックA0の順序で以下の処理を繰り返し行う(S1400
〜S1403)。
最初に候補ブロックの有効性を検査する(S1401)。候補ブロックが領域外でなく
イントラモードでない場合、候補ブロックは有効となる。候補ブロックが有効であれば(
S1401:YES)、候補ブロックの動き情報を空間結合動き情報候補リストに追加す
る(S1402)。
ステップS1400からS1403までの繰り返し処理に続いて、空間結合動き情報候
補リストに追加された候補数が4未満だった場合(S1404:YES)、候補ブロック
B2の有効性を検査する(S1405)。ブロックB2が領域外でなくイントラモードで
ない場合(S1405:YES)、ブロックB2の動き情報を空間結合動き情報候補リス
トに追加する(S1406)。
ここでは、空間結合動き情報候補リストには4以下の候補ブロックの動き情報が含まれ
るとしたが、空間候補ブロック群は、処理対象の予測ブロックに隣接する少なくとも1以
上の処理済みのブロックであり、候補ブロックの有効性によって空間結合動き情報候補リ
ストの数が変動すればよく、これに限定されない。
図15は、結合動き情報候補削除の詳細動作を説明するためのフローチャートである。
空間結合動き情報候補リスト作成処理により、生成される結合動き情報候補の最大数をM
axSpatialCandとすると、i=MaxSpatialCand−1からi>
0までの結合動き情報候補(候補(i))に対して以下の処理を繰り返し行う(S150
0〜S1506)。
候補(i)が存在していれば(S1501のYES)、ii=i−1からii>=0ま
での結合動き情報候補(候補(ii))に対して以下の処理を繰り返し行い(S1502
〜S1505)、候補(i)が存在しない場合(S1501のNO)はステップS150
2からS1505までの候補(ii)についての繰り返し処理をスキップする。
まず、候補(i)の動き情報(動き情報(i))と候補(ii)の動き情報(動き情報
(ii))が同一であるか検査し(S1503)、同じである場合(S1503のYES
)、候補(i)を結合動き情報候補リストから削除し(S1504)、候補(ii)につ
いての繰り返し処理を終了する。
動き情報(i)と動き情報(ii)が同一でない場合(S1503のNO)、iiから
1を減算し、候補(ii)についての処理を繰り返す(S1502〜S1505)。
ステップS1500からS1505までの繰り返し処理に続いて、iから1を減算し、
候補(i)についての処理を繰り返す(S1500〜S1506)。
図16に結合動き情報候補が4つの場合のリスト中の候補の比較関係を示す。すなわち
時間結合動き情報候補を含まない4つの空間結合動き情報候補について総当たりで比較し
て同一性を判定し、重複する候補を削除する。
ここで、結合予測モードは時間方向や空間方向の動きの連続性を用いて、予測対象ブロ
ックは自身の動き情報を直接符号化せずに、空間及び時間的に隣接するブロックの動き情
報を符号化に使用する手法であるが、空間結合動き情報候補が空間方向の連続性を基づい
ているのに対し、時間結合動き情報候補は時間方向の連続性に基づいて後述する方法で生
成されており、これらの性質は異なるものである。よって時間結合動き情報候補と空間結
合動き情報候補に同一の動き情報が含まれることは稀であり、同一の動き情報を削除する
ための結合動き情報候補削除処理の対象から時間結合動き情報候補を除いても、最終的に
得られる結合動き情報候補リストに同一の動き情報が含まれることは稀である。
また、後述するように時間結合動き情報候補ブロックは最小予測ブロックよりも大きな
サイズである最小空間予測ブロック単位で管理されるため、時間的に隣接する予測ブロッ
クの大きさが最小空間予測ブロックよりも小さな場合には、本来の位置とはずれた位置の
動き情報が用いられることとなり、その結果、動き情報に誤差を含む場合が多い。そのた
め、空間結合動き情報候補の動き情報とは異なる動き情報となることが多く、同一の動き
情報を削除するための結合動き情報候補削除処理の対象から除いても影響が少ない。
図17は、空間結合動き情報候補の最大数が4である場合の結合動き情報候補削除にお
ける候補の比較内容の一例である。図17(a)は空間結合動き情報候補のみを結合動き
情報候補削除処理の対象とした場合の比較内容であり、図17(b)は空間結合動き情報
候補と時間結合動き情報を処理の対象とした場合の比較内容である。空間結合動き情報候
補のみを結合動き情報候補削除処理の対象とすることにより、動き情報を比較の回数が1
0回から6回に減少している。
このように、時間結合動き情報候補を結合動き情報候補削除処理の対象にしないことに
より、同一の動き情報を適切に削除しながら、動き情報の比較の回数を10回から6回に
削減することが可能である。
続いて、時間結合動き情報候補リスト生成について説明する。図18は、時間結合動き
情報候補リスト生成に用いる時間方向周辺予測ブロックの定義を説明する図である。時間
候補ブロック群は、予測対象ブロックが属する画像とは別の復号済みの画像ColPic
に属するブロックの中で、予測対象ブロックと同位置及びその周辺にあるブロックを示す
。ブロック群は、その管理が最小空間予測ブロックサイズ単位で行われ、候補ブロックの
位置は、最小空間予測ブロックサイズの単位で管理される。本発明の実施の形態1におい
ては、最小空間予測ブロックサイズは最小予測ブロックサイズを垂直方向、水平方向にそ
れぞれ2倍した大きさとする。時間的に隣接するブロックの予測ブロックのサイズが最小
空間予測ブロックサイズよりも大きな場合には、予測ブロックサイズ内のすべての候補ブ
ロックに同一の動きの情報が格納される。一方、予測ブロックのサイズが最小空間予測ブ
ロックサイズよりも小さな場合には、時間方向周辺予測ブロックの左上に位置する予測ブ
ロックの動きの情報を時間方向周辺予測ブロックの情報とする。図18(b)に予測ブロ
ックサイズが最小空間予測ブロックサイズより小さい場合の時間方向周辺予測ブロックの
動き情報を示す。
図18(a)におけるA1〜A4、B1〜B4、C、D、E、F1〜F4、G1〜G4
、H、I1〜I16の位置のブロックが、時間的に隣接するブロック群となる。実施の形
態1においては、これら時間的に隣接するブロック群の内、時間候補ブロック群をブロッ
クHとブロックI6の2ブロックとする。
図19は、時間結合動き情報候補リスト生成の詳細動作を説明するためのフローチャー
トである。時間候補ブロック群に含まれる2つの候補ブロックであるブロックHとブロッ
クI6について(S1800、S1805)、ブロックH、ブロックI6の順序で候補ブ
ロックの有効性を検査する(S1801)。候補ブロックが有効である場合(S1801
:YES)、ステップS1802〜ステップS1804の処理が行われ、生成された動き
情報が時間結合動き情報候補リストに登録され、処理が終了する。候補ブロックが画面領
域外の位置を示す場合や、候補ブロックがイントラ予測ブロックである場合(S1801
:NO)、候補ブロックが有効でなく、次の候補ブロックの有効/無効判定が行われる。
候補ブロックが有効である場合(S1801:YES)、候補ブロックの動き情報をも
とに結合動き情報候補に登録する参照画像選択候補を確定する(S1802)。実施の形
態1ではL0予測の参照画像を、L0予測の参照画像のうち処理対象画像に最も近い距離
にある参照画像とし、L1予測の参照画像を、L1予測の参照画像のうち処理対象画像に
最も近い距離にある参照画像とする。
ここでの参照画像選択候補の確定手法は、L0予測の参照画像とL1予測の参照画像が
決定できればよく、これに限定されない。符号化処理と復号処理で同一の手法で参照画像
を確定することで、符号化時に意図した参照画像を確定できる。他の確定手法としては、
例えばL0予測の参照画像及びL1予測の参照画像の参照画像インデックスが0である参
照画像を選択する手法や、空間隣接ブロックが使用しているL0参照画像及びL1参照画
像で、最も多く使用されている参照画像を予測対象ブロックにおける参照画像として選択
する手法や、符号化ストリーム中で各予測種別の参照画像を指定する手法を用いることが
可能である。
次に、候補ブロックの動き情報をもとに結合動き情報候補に登録する動きベクトル値を
確定する(S1803)。実施の形態1における、時間結合動き情報は、候補ブロックの
動き情報で有効な予測種別である動きベクトル値をもとに、双予測の動き情報を算出する
。候補ブロックの予測種別がL0予測もしくはL1予測の単予測の場合には、予測に用い
られている予測種別(L0予測或いはL1予測)の動き情報を選択し、その参照画像指定
情報と動きベクトル値を双予測動き情報生成の基準値とする。
候補ブロックの予測種別が双予測である場合には、L0予測或いはL1予測のどちらか
一方の動き情報を基準値として選択する。基準値の選択方法は、例えばColPicと同
じ予測種別に存在する動き情報を選択する、候補ブロックのL0予測、L1予測のそれぞ
れの参照画像でColPicとの画像間距離が近い方を選択する、或いは候補ブロックの
L0予測、L1予測のそれぞれの動きベクトルが符号化処理対象画像と交差する方を選択
する等が挙げられる。
双予測動き情報生成の基準とする動きベクトル値が確定したら、結合動き情報候補に登
録する動きベクトル値を算出する。
図20は、時間結合動き情報に対する基準動きベクトル値ColMvに対する、L0予
測、L1予測に対して登録する動きベクトル値mvL0t、mvL1tの算出手法を説明
するための図である。
基準動きベクトル値ColMvに対するColPicと候補ブロックの基準とする動き
ベクトルの対象となる参照画像との画像間距離をColDistとする。L0予測、L1
予測の各参照画像と処理対象画像との画像間距離をCurrL0Dist、CurrL1
Distとする。ColMvを、ColDistとCurrL0Dist、CurrL1
Distの距離比率でスケーリングした動きベクトルを、それぞれに登録する動きベクト
ルとする。具体的には、登録する動きベクトル値mvL0t、mvL1tは、下記式1、
2で算出される。
mvL0t=mvCol×CurrL0Dist/ColDist・・・(式1)
mvL1t=mvCol×CurrL1Dist/ColDist・・・(式2)
となる。
図19に戻り、このようにして生成された、双予測の参照画像選択情報(インデックス
)と、動きベクトル値を結合動き情報候補に追加し(S1804)、時間結合動き情報候
補リスト作成処理が終了する。
続いて、第1結合動き情報候補リスト追加部1003の詳細な動作について説明する。
図21は、第1結合動き情報候補リスト追加部1003の動作を説明するためのフローチ
ャートである。最初に、時間結合動き情報候補リスト生成部1002より供給される結合
動き情報候補リストに登録された結合動き情報候補の数(NumCandList)と結
合動き情報候補最大数(MaxNumMergeCand)から、第1追加結合動き情報
候補を生成する最大数であるMaxNumGenCandを式3より算出する(S200
0)。
MaxNumGenCand=MaxNumMergeCand-NumCandList; (NumCandList>1)
MaxNumGenCand=0; (NumCandList<=1) (式3)
次に、MaxNumGenCandが0より大きいか検査する(S2001)。Max
NumGenCandが0より大きくなければ(S2001のNO)、処理を終了する。
MaxNumGenCandが0より大きければ(S2001のYES)、以下の処理を
行う。まず、組み合わせ検査回数であるloopTimesを決定する。loopTim
esはNumCandList×NumCandListに設定する。ただし、loop
Timesが8を超える場合にはloopTimesは8に制限する(S2002)。こ
こで、loopTimesは0から7までの整数となる。loopTimesだけ以下の
処理を繰り返し行う(S2002からS2009)。
結合動き情報候補Mと結合動き情報候補Nの組み合わせを決定する(S2003)。こ
こで、組み合わせ検査回数と結合動き情報候補Mと結合動き情報候補Nの関係について説
明する。
図22は組み合わせ検査回数と結合動き情報候補Mと結合動き情報候補Nの関係を説明
するための図である。図22のようにMとNは異なる値であって、MとNの合計値が小さ
くなる順に設定される。
結合動き情報候補MのL0予測が有効で且つ結合動き情報候補NのL1予測が有効であ
るか検査する(S2004)。結合動き情報候補MのL0予測が有効で且つ結合動き情報
候補NのL1予測が有効であれば(S2004のYES)、結合動き情報候補MのL0予
測の参照画像と動きベクトルが結合動き情報候補NのL1予測の参照画像と動きベクトル
と異なるか検査する(S2005)。結合動き情報候補MのL0予測が有効で且つ結合動
き情報候補NのL1予測が有効でなければ(S2004のNO)、次の組み合わせを処理
する。結合動き情報候補MのL0予測の参照画像と結合動き情報候補NのL1予測の参照
画像が異なれば(S2005のYES)、結合動き情報候補MのL0予測の動きベクトル
と参照画像を結合動き情報候補NのL1予測の動きベクトルと参照画像と組み合わせて双
結合動き情報候補を生成する(S2006)。ここでは、第1追加結合動き情報候補とし
て、ある結合動き情報候補のL0予測とそれとは異なる結合動き情報候補のL1予測の動
き情報を組み合わせた双結合動き情報を生成する。結合動き情報候補MのL0予測の参照
画像と結合動き情報候補NのL1予測の参照画像が同じであれば(S2005のNO)、
次の組み合わせを処理する。ステップS2006に続いて、双結合動き情報候補を結合動
き情報候補リストに追加する(S2007)。ステップS2007に続いて、生成した双
結合動き情報の数がMaxNumGenCandであるか検査する(S2008)。生成
された双結合動き情報の数がMaxNumGenCandであれば(S2008のYES
)、処理を終了する。生成された双結合動き情報の数がMaxNumGenCandでな
ければ(S2008のNO)、次の組み合わせを処理する。
ここでは、第1追加結合動き情報候補を、結合動き情報候補リストに登録されたある結
合動き情報候補のL0予測の動きベクトルと参照画像を、別の結合動き情報候補のL1予
測の動きベクトルと参照画像と組み合わせて、動き補償予測の予測種別が双予測である双
結合動き情報候補としたが、これに限定されない。例えば、結合動き情報候補リストに登
録されたある結合動き情報候補のL0予測の動きベクトルとL1予測の動きベクトルに+
1などのオフセット値を加えた動き補償予測の予測種別が双予測である結合動き情報候補
、結合動き情報候補リストに登録されたある結合動き情報候補のL0予測の動きベクトル
またはL1予測の動きベクトルに+1などのオフセット値を加えた動き補償予測の予測種
別が単予測である結合動き情報候補としてもよいし、それらを任意に組み合わせてもよい
ここで、第1追加結合動き情報候補は、結合動き情報候補リストに登録された結合動き
情報候補の動き情報と処理対象の動き情報候補の動きに微妙にずれがある場合に、結合動
き情報候補リストに登録された結合動き情報候補の動き情報を修正して有効な結合動き情
報候補を生成することで、符号化効率を高めることができる。
続いて、第2結合動き情報候補リスト追加部1004の詳細な動作について説明する。
図23は、第2結合動き情報候補リスト追加部1004の動作を説明するためのフローチ
ャートである。最初に、第1結合動き情報候補リスト追加部1003より供給される結合
動き情報候補リストに登録された結合動き情報候補の数(NumCandList)と結
合動き情報候補最大数(MaxNumMergeCand)から、第1追加結合動き情報
候補を生成する最大数であるMaxNumGenCandを式4より算出する(S220
0)。
MaxNumGenCand=MaxNumMergeCand-NumCandList; (式4)
次に、以下の処理をiについてMaxNumGenCand回繰り返し行う(S220
1からS2205)。ここで、iは0からMaxNumGenCand−1の整数となる
。L0予測の動きベクトルが(0,0)、参照インデックスがiであって、L1予測の動
きベクトルが(0,0)、参照インデックスがiである予測種別が双予測である第2追加
結合動き情報候補を生成する(S2202)。第2追加結合動き情報候補を結合動き情報
候補リストに追加する(S2203)。次のiについて処理する(S2204)。
ここでは、第2追加結合動き情報候補を、L0予測の動きベクトルが(0,0)、参照
インデックスがiであって、L1予測の動きベクトルが(0,0)、参照インデックスが
iである予測種別が双予測である結合動き情報候補とした。これは、一般的な動画像にお
いて、L0予測の動きベクトルとL1予測の動きベクトルが(0,0)である結合動き情
報候補の発生頻度が統計的に高いためである。結合動き情報候補リストに登録された結合
動き情報候補の動き情報に依存せず、統計的に利用頻度が高い結合動き情報候補であれば
、これに限定されない。例えば、L0予測やL1予測の動きベクトルはそれぞれ(0,0
)以外のベクトル値でもよく、L0予測とL1予測の参照インデックスが異なるように設
定してもよい。また、第2追加結合動き情報候補を符号化済みの画像や符号化済みの画像
の一部の発生頻度の高い動き情報とし、符号化ストリームに符号化して伝送して設定する
こともできる。なお、ここではBピクチャ(Bスライス)について説明したが、Pピクチ
ャ(Pスライス)の場合は、L0予測の動きベクトルが(0,0)で、予測種別がL0予
測である第2追加結合動き情報候補を生成する。
ここで、第2追加結合動き情報候補として結合動き情報候補リストに登録された結合動
き情報候補に依存しない結合動き情報候補を設定することで、結合動き情報候補リストに
登録された結合動き情報候補が0個である場合に、結合予測モードを利用することを可能
とし、符号化効率を向上させることができる。また、結合動き情報候補リストに登録され
た結合動き情報候補の動き情報と処理対象の動き情報候補の動きが異なる場合に、新たな
結合動き情報候補を生成して選択肢の幅を広げることで、符号化効率を向上させることが
できる。
図24は、図11のステップS1101における結合予測モード評価値生成処理の詳細
動作を説明するためのフローチャートである。この動作は、図9の結合動き補償予測生成
部908を用いた構成の詳細動作を示している。
最初に予測誤差評価値を最大値に設定し、予測誤差が最小となる結合動き情報インデッ
クスを初期化(例えば、−1などのリスト外の値)する(S2300)。結合動き情報候
補リスト生成処理により、生成された結合動き情報候補リストの数をnum_of_in
dexとすると、i=0からnum_of_index−1までの結合動き情報候補につ
いて以下の処理を繰り返し行う(S2301からS2309)。
先ず、結合動き情報候補リストよりインデックスiに格納された動き情報を取得する(
S2302)。続いて動き情報符号量を算出する(S2303)。結合予測モードにおい
ては、結合動き情報インデックスのみが符号化されるので、結合動き情報インデックスの
みが動き情報符号量となる。
結合動き情報インデックスの符号列としては、実施の形態1では、Truncated
Unary符号列を用いる。図25は、結合動き情報候補数が5の場合のTrunca
ted Unary符号列を示す図である。Truncated Unary符号列を用
いて結合動き情報インデックスの値を符号化する場合には、結合動き情報インデックスが
小さいほど、結合動き情報インデックスに割り当てられる符号ビットが小さくなる。例え
ば、結合動き情報候補数が5個である場合、結合動き情報インデックスが1であれば'1
0'の2ビットで表現されるが、結合動き情報インデックスが3であれば'1110'の4
ビットで表現される。なお、ここでは上記のように結合動き情報インデックスの符号化に
Truncated Unary符号列を利用しているが、他の符号列生成手法を用いる
ことも可能であり、これに限定されない。
続いて、動き情報の予測種別が単予測である場合(S2304:YES)、1つの参照
画像に対する参照画像指定情報と動きベクトルを、図1における動き補償予測部108に
設定して、動き補償単予測ブロックを生成する(S2305)。動き情報が単予測でない
場合(S2304:NO)、2つの参照画像に対する参照画像指定情報と動きベクトルを
動き補償予測部108に設定して、動き補償双予測ブロックを生成する(S2306)。
続いて、動き補償予測ブロックと予測対象ブロックの予測誤差と動き情報符号量より、
予測誤差評価値を算出し(S2307)、予測誤差評価値が最小値である場合には評価値
を更新すると共に、予測誤差最小インデックスを更新する(S2308)。
全ての結合動き情報候補についての予測誤差評価値が比較された結果、選択された予測
誤差最小インデックスを、結合予測モードで用いる結合動き情報インデックスとして、予
測誤差最小値、動き補償予測ブロックと共に出力し(S2310)、結合予測モード評価
値生成処理を終了する。
図26は、図11のステップS1102の予測モード評価値生成処理の詳細動作を説明
するためのフローチャートである。
最初に、予測モードが単予測であるか否かを判別する(S2500)。単予測であれば
、処理対象とする参照画像リスト(LX)を予測に用いている参照画像リストに設定する
(S2501)。単予測でなければ、双予測であるから、この場合はLXをL0とする(
S2502)。
次に、LX予測に対する参照画像指定情報(インデックス)と動きベクトル値を取得す
る(S2503)。続いて、予測ベクトル候補リストを生成し(S2504)、予測ベク
トルの中から最適予測ベクトルを選択し、差分ベクトルを生成する(S2505)。最適
予測ベクトルの選択手法は、予測ベクトルと伝送する動きベクトルの差分ベクトルを実際
に符号化する際の符号量が最も少ないものを選択することが望ましいが、単純に差分ベク
トルの水平・垂直成分の絶対値の総和が小さいものを選択するなどの手法で、簡易的に算
出してもよい。
続いて、再度予測モードが単予測である否かを判別し(S2506)、予測モードが単
予測であればステップS2509に進む。単予測でない、すなわち、双予測であれば、処
理対象の参照リストLXがL1か否かを判定する(S2507)。参照リストLXがL1
であれば、ステップS2509に進み、L1でない、すなわち、L0であればLXをL1
として(S2508)、ステップS2503からステップS2506までの処理と同じ処
理が行われる。
続いて、動き情報符号量を算出する(S2509)。単予測モードの場合に、符号化す
る動き情報としては、1つの参照画像に対する、参照画像指定情報、差分ベクトル値、及
び予測ベクトルインデックスの3要素、双予測モードの場合には、L0とL1の2つの参
照画像に対する、参照画像指定情報、差分ベクトル値、及び予測ベクトルインデックスの
計6要素となり、各々符号化された符号量の総量が動き情報符号量として算出される。本
実施の形態における予測ベクトルインデックスの符号列生成手法としては、結合動き情報
インデックスの符号列と同様にTruncated Unary符号列を用いるものとす
る。
続いて、参照画像に対する参照画像指定情報と動きベクトルを図1における動き補償予
測部108に設定して、動き補償予測ブロックを生成する(S2510)。
さらに、動き補償予測ブロックと予測対象ブロックの予測誤差と動き情報符号量より、
予測誤差評価値を算出し(S2511)、予測誤差評価値と、参照画像に対する動き情報
である、参照画像指定情報と差分ベクトル値と予測ベクトルインデックスを動き補償予測
ブロックと共に出力し(S2512)、予測モード評価値生成処理を終了する。
以上の処理が、実施の形態1における動画像符号化装置における予測モード判定部10
9の詳細動作となる。
[実施の形態1における動画像復号装置における動き情報復号部の詳細動作説明]
図27は、図6に示した実施の形態1の動画像復号装置における動き情報復号部606
の詳細な構成を示す図である。動き情報復号部606は、動き情報ビットストリーム復号
部2600、予測ベクトル算出部2601、ベクトル加算部2602、動き補償予測復号
部2603、結合動き情報算出部2604、及び結合動き補償予測復号部2605を含む
図6における動き情報復号部606に対して、多重分離部601より入力された動き情
報ビットストリームが、動き情報ビットストリーム復号部2600に供給され、動き情報
メモリ607より入力された動き情報が、予測ベクトル算出部2601、及び結合動き情
報算出部2604に供給される。
また、動き補償予測部608に対して、動き補償予測復号部2603、及び結合動き補
償予測復号部2605から、動き補償予測に用いる参照画像指定情報と動きベクトルが出
力され、予測種別を示す情報を含めた復号された動き情報が、動き情報メモリ607に格
納される。
動き情報ビットストリーム復号部2600は、多重分離部601より入力された動き情
報ビットストリームを符号化シンタックスに従って復号していくことで、伝送された予測
モードと、予測モードに応じた動き情報を生成する。生成した動き情報の中で、結合動き
情報インデックスは、結合動き補償予測復号部2605に供給され、参照画像指定情報が
予測ベクトル算出部2601に供給され、予測ベクトルインデックスがベクトル加算部2
602に供給され、差分ベクトル値がベクトル加算部2602に供給される。
予測ベクトル算出部2601は、動き情報メモリ607より供給された隣接ブロックの
動き情報と、動き情報ビットストリーム復号部2600より供給された参照画像指定情報
から、動き補償予測の対象となる参照画像に対する予測ベクトル候補リストを生成し、参
照画像指定情報と共にベクトル加算部2602に供給する。予測ベクトル算出部2601
の動作に関しては、動画像符号化装置における図9の予測ベクトル算出部902と同一の
動作が行われ、符号化時の予測ベクトル候補リストと同一の候補リストが生成される。
ベクトル加算部2602は、予測ベクトル算出部2601より供給された予測ベクトル
候補リスト及び参照画像指定情報と、動き情報ビットストリーム復号部2600から供給
された予測ベクトルインデックス及び差分ベクトルより、予測ベクトルインデックスで示
された位置に登録された予測ベクトル値と差分ベクトル値を加算することで、動き補償予
測対象となる参照画像に対しての動きベクトル値が再生される。再生された動きベクトル
値は、参照画像指定情報と共に、動き補償予測復号部2603に供給される。
動き補償予測復号部2603は、ベクトル加算部2602より参照画像に対する、再生
された動きベクトル値と参照画像指定情報が供給され、動きベクトル値と参照画像指定情
報を動き補償予測部608に設定することで、動き補償予測信号を生成する。
結合動き情報算出部2604は、動き情報メモリ607から供給される隣接ブロックの
動き情報より、結合動き情報候補リストを生成し、結合動き情報候補リストとリスト内の
構成要素である結合動き情報候補の参照画像指定情報と動きベクトル値を、結合動き補償
予測復号部2605に供給する。
結合動き情報算出部2604の動作に関しては、動画像符号化装置における図9の結合
動き情報算出部906と同一の動作が行われ、符号化時の結合動き情報候補リストと同一
の候補リストが生成される。
結合動き補償予測復号部2605は、結合動き情報算出部2604より供給される結合
動き情報候補リストとリスト内の構成要素である結合動き情報候補の参照画像指定情報と
動きベクトル値と、動き情報ビットストリーム復号部2600より供給される結合動き情
報インデックスより、結合動き情報インデックスで示された結合動き情報候補リストにお
ける参照画像指定情報と動きベクトル値を再生し、動き補償予測部608に設定すること
で、動き補償予測信号を生成する。
図28は、図7のステップS701の動き情報復号処理の詳細動作を説明するためのフ
ローチャートである。動き情報ビットストリーム復号部2600と予測ベクトル算出部2
601、及び結合動き情報算出部2604により、図7のステップS701の動き情報復
号処理が行われる。
動き情報復号処理は、特定のシンタックス構造で符号化された符号化ビットストリーム
より動き情報を復号する処理である。最初に符号化ブロックの所定単位でSkipフラグ
を復号する(S2700)。以降は予測ブロック単位の処理となる。
SkipフラグがSkipモードを示している場合(S2701:YES)、結合予測
動き情報復号を行う(S2702)。ステップS2702の詳細処理については、後述す
る。
Skipモードでない場合(S2701:NO)、マージフラグを復号する(S270
3)。マージフラグが1を示している場合(S2704:YES)には、ステップS27
02の結合予測動き情報復号に進む。
マージフラグが1でない場合(S2704:NO)、動き予測フラグを復号し(S27
05)、予測動き情報復号を行う(S2706)。ステップS2706の詳細動作につい
ては、後述する。
図29は、図28のステップS2702の結合予測動き情報復号処理の詳細動作を説明
するためのフローチャートである。
最初に予測モードに結合予測モードを設定し(S2800)、結合動き情報候補リスト
を生成する(S2801)。ステップS2801の処理は、動画像符号化装置における図
11のステップS1100の結合動き情報候補リスト生成処理と同一の処理である。
つぎに、結合動き情報インデックスを復号し(S2802)、続いて、結合動き情報候
補リストより、結合動き情報インデックスで示す位置に格納されている動き情報を取得す
る(S2803)。取得する動き情報としては、単予測/双予測を示す予測種別、参照画
像指定情報、動きベクトル値となる。
生成された動き情報は、結合予測モードの動き情報として格納され(S2804)、結
合動き補償予測復号部2606に供給される。
図30は、図28のステップS2706の予測動き情報復号処理の詳細動作を説明する
ためのフローチャートである。
最初に、予測種別が単予測であるか否かを判別する(S2900)。単予測であれば、
処理対象とする参照画像リスト(LX)を予測に用いている参照画像リストに設定する(
S2901)。単予測でなければ、双予測であるから、この場合はLXをL0とする(S
2902)。
次に、参照画像指定情報を復号し(S2903)、差分ベクトル値を復号する(S29
04)。次に、予測ベクトル候補リストを生成し(S2905)、予測ベクトル候補リス
トが1より大きな場合(S2906:YES)、予測ベクトルインデックスを復号し(S
2907)、予測ベクトル候補リストが1の場合(S2906:NO)、予測ベクトルイ
ンデックスに0を設定する(S2908)。
ここで、ステップS2905では、動画像符号化装置における図26のフローチャート
のステップS2504と同様の処理が行われる。
次に、予測ベクトル候補リストより、予測ベクトルインデックスで示す位置に格納され
ている動きベクトル値を取得する(S2909)。復号した差分ベクトル値と動きベクト
ル値を加算することで動きベクトルを再生する(S2910)。
続いて、再度予測種別が単予測である否かを判別し(S2911)、予測種別が単予測
であればステップS2914に進む。単予測でない、すなわち、双予測であれば、処理対
象の参照リストLXがL1か否かを判定する(S2912)。参照リストLXがL1であ
れば、ステップS2914に進み、L1でない、すなわち、L0であればLXをL1とし
て(S2913)、ステップS2903からステップS2911までの処理と同じ処理が
行われる。
続いて、生成された動き情報として、単予測の場合には、1つの参照画像に対する参照
画像指定情報と動きベクトル値が、双予測の場合には、2つの参照画像に対する参照画像
指定情報と動きベクトル値が、動き情報として格納され(S2914)、動き補償予測復
号部2603に供給される。
実施の形態1における、動画像符号化装置及び動画像復号装置においては、結合動き
情報算出部において、時間結合動き情報候補リスト生成部を結合動き情報候補リスト削除
部の後段に配置して、空間結合動き情報候補のみを結合動き情報候補削除処理の対象とす
ることにより、少ない演算量で結合動き情報候補リストから同一の動き情報を持つ結合動
き情報候補を適切に削除することが可能となり、その結果、結合動き情報候補リストに新
たな結合動き情報候補を追加することにより結合予測モードに用いることができる動き情
報の種類が増加し、符号化効率を向上させることができる。
また、実施の形態1における、動画像符号化装置及び動画像復号装置においては、動き
情報候補リスト削除部において、動き情報の比較の回数が減少するため、回路規模や処理
時間の削減といった効果も有する。
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2を説明する。実施の形態2は、実施の形態1に対して、結
合予測候補削除の動作が異なる。結合予測候補削除の動作以外の構成および処理は実施の
形態1と同一であるので、ここでは図10の結合動き情報候補リスト削除部1001にお
ける結合動き情報リスト削除処理の実施の形態1との差異のみ説明する。
図31は、実施の形態2における結合動き情報候補削除の詳細動作を説明するためのフ
ローチャートである。空間結合動き情報候補リスト生成部1000における空間結合動き
情報候補リスト作成処理(S1200)により、生成される結合動き情報候補の最大数を
maxSpatialCandとすると、i=maxSpatialCand−1からi
>0までの結合動き情報候補(候補(i))に対して以下の処理を繰り返し行う(S30
00〜S3004)。
候補(i)が存在していて(S3001のYES)、候補(i)の動き情報(動き情報
(i))と候補(i−1)の動き情報(動き情報(i−1))が同じである場合(S30
02のYES)、候補(i)を結合動き情報候補リストから削除する(S3003)。
候補(i)が存在しない場合(S3001のNO)、または存在していても動き情報(
i)と動き情報(i−1)が同一でない場合(S3002のNO)は処理を繰り返す(S
3004)。
続いて、候補(maxSpatialCand−1)が存在していて(S3005のY
ES)、候補(maxSpatialCand−1)の動き情報(動き情報(maxSp
atialCand−1))と結合動き情報候補リストの最初の結合動き情報候補(動き
情報(0))が同一である場合(S3006のYES)、候補(maxSpatialC
and−1)を削除し(S3007)、処理を終了する。
候補(maxSpatialCand−1)が存在しない場合(S3005のNO)、
または存在していても動き情報(maxSpatialCand−1)と動き情報(0)
が同一でない場合(S3006のNO)はそのまま処理を終了する。
図32は、空間結合動き情報候補の最大数が4である場合の実施の形態2における結合
動き情報候補削除における候補の比較内容の一例である。図32に示すように、空間結合
動き情報候補の最大数が4である場合には、4回の比較のみ行う。
図33に結合動き情報候補が4つの場合のリスト中の候補の比較関係を示す。すなわち
、時間結合動き情報候補を含まない4つの空間結合動き情報候補について、結合動き情報
候補リストの配列順において隣り合う候補同士を比較し、かつ、最上位の候補と最下位の
候補を比較することにより、同一性を判定し、重複する候補を削除する。
図34は、空間結合動き情報候補の最大数が4である場合の結合動き情報候補削除処理
における周辺ブロックの比較を説明する図である。図34(a)はブロックA1、B1、
B0、A0が使用可能である場合の例を示している。ブロックA1、B1、B0、A0が
使用可能である場合には、前述した空間結合動き情報候補リスト作成処理により作成され
る結合動き情報候補リストは{A1,B1,B0,A0}となるから、結合動き情報候補
削除における動き情報の比較は図32(a)の矢印の関係において行われる。
同様に、図34(b)はブロックB1、B0、A0、B2が使用可能である場合、図3
4(c)はブロックA1、B1、B0、B2が使用可能である場合の結合動き情報候補削
除における動き情報の比較の関係を示している。
ここで、動き情報は空間方向に連続性が強いことから、隣接するブロックでは動き情報
が同一である確率が高く、一方隣接していないブロックでは動き情報が同一である確率は
低くなる。よって、結合動き情報候補削除処理において、隣接するブロック間の比較のみ
行っても同一の動き情報を適切に削除することが可能である。
また、隣接するブロックの動き情報のみを比較するために、周辺候補ブロック群のうち
予め定めたブロック位置の動き情報同士を比較するという方法も考えられるが、その場合
結合動き情報候補リストの各動き情報候補のブロック位置をすべて記録しておく必要があ
り、回路規模の増大や処理の複雑化につながる。
そこで、本発明の実施の形態2における結合動き情報候補削除では、結合動き情報候補
のブロック位置にかかわらず、結合動き情報候補リストに追加された順番で比較を行った
うえ、結合動き情報候補リストの最後の候補と最初の候補の比較を行うことにより、図3
4に示すように隣接するブロック間の動き情報の比較が可能であり、少ない比較回数で同
一の動き情報を適切に削除することが可能である。
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3を説明する。実施の形態3は、実施の形態1に対して、結
合予測候補削除の動作が異なる。結合予測候補削除の動作以外の構成および処理は実施の
形態1と同一であるので、ここでは図10の結合動き情報候補リスト削除部1001にお
ける結合動き情報リスト削除処理の実施の形態1との差異のみ説明する。
図35は、実施の形態3における結合動き情報候補削除の詳細動作を説明するためのフ
ローチャートである。空間結合動き情報候補リスト生成部1000における空間結合動き
情報候補リスト作成処理(S1200)により、生成された結合動き情報候補の数をnu
mCand、結合動き情報候補削除の動作における結合動き情報候補比較の演算回数をn
umCompareとすると、i=numCompare[numCand]−1からi
>=0まで以下の処理を繰り返し行う(S3300〜S3303)。
ここで、比較演算回数numCompare[i]はnumCandの値に応じて図3
7(a)のように定めるものとする。またiの値に応じて比較候補インデックスcur[
i]と参照候補インデックスref[i]の値を図37(b)のように定める。
結合動き情報候補リストのインデックスcur[i]の結合動き情報候補(候補(cu
r[i]))の動き情報(動き情報(cur[i]))と候補(ref[i])の動き情
報(動き情報(ref[i]))が同じである場合(S3301のYES)、候補(cu
r[i])を結合動き情報候補リストから削除する(S3302)。
動き情報(cur[i])と動き情報(ref[i])が同一でない場合(S3301
のNO)は処理を繰り返す(S3303)。
図36に結合動き情報候補が4つの場合のリスト中の候補の比較関係を示す。すなわち
、時間結合動き情報候補を含まない4つの空間結合動き情報候補について、結合動き情報
候補リストの配列順において最上位から3番目までに含まれる候補について、総当たりで
比較し、さらに必要に応じて最上位の候補と最下位の候補を比較することにより、同一性
を判定し、重複する候補を削除する。
図37に示すように、本発明の実施の形態3における結合予測候補削除の動作において
は、動き情報の比較の回数は空間結合動き情報候補リスト生成部で生成された結合動き情
報候補リストの結合動き情報候補の数により、0回から4回となり、すべての動き情報を
比較した場合と比べて、比較回数を大きく削減することが可能である。
また、結合動き情報候補リストの最初の3つの結合動き候補に関してはすべての組み合
わせの比較が行われているので、比較回数の削減により同一の動き情報を持つ結合動き情
報候補が削除できなかった場合にも同一の動き情報は結合動き情報候補リストの後半にの
み存在する。
前述したように、結合動き情報インデックスの符号列はTruncated Unar
y符号列を用いるため、符号列の短い小さなインデックス値に冗長な動き情報が存在する
と符号化効率の低下につながるが、本発明の実施の形態3における結合動き情報候補削除
の方法によれば、小さなインデックス値の結合動き情報候補リストの同一の動き情報は確
実に削除することができるので、処理負荷を低減しながら、動き情報の符号化効率を向上
させることが可能である。
(実施の形態4)
次に、本発明の実施の形態4を説明する。実施の形態4は、実施の形態2に対して結合
予測候補削除の動作が異なる。結合予測候補削除の動作以外の構成および処理は実施の形
態2と同一であるので、ここでは図10の結合動き情報候補リスト削除部1001におけ
る結合動き情報リスト削除処理の実施の形態1との差異のみ説明する。
図38は、実施の形態4における結合動き情報候補削除の詳細動作を説明するためのフ
ローチャートである。はじめに、空間結合動き情報候補リスト生成部1000における空
間結合動き情報候補リスト作成処理(S1200)により、生成された結合動き情報候補
の数をnumCand、結合動き情報候補の最大数をmaxSpatialCandとし
たとき、numCand>0であるなら(S3500のYES)、i=maxSpati
alCand−1からi>=numCandまでの結合動き情報候補(候補(i))の値
を結合動き情報候補リストの最後の結合動き情報候補(候補(numCand−1))と
する(S3501〜S3503)。
numCandが0以下であるなら(S3500のNO)何も行わずに処理を終了する
次に、i=maxSpatialCand−1からi>0までの結合動き情報候補(候
補(i))に対して以下の処理を繰り返し行う(S3504〜S3507)。
候補(i)の動き情報(動き情報(i))と候補(i−1)の動き情報(動き情報(i
−1))が同じである場合(S3505のYES)、候補(i)を結合動き情報候補リス
トから削除する(S3506)。
動き情報(i)と動き情報(i−1)が同一でない場合(S3505のNO)は処理を
繰り返す(S3507)。
続いて、候補(maxSpatialCand−1)が存在していて(S3508のY
ES)、候補(maxSpatialCand−1)の動き情報(動き情報(maxSp
atialCand−1))と結合動き情報候補リストの最初の結合動き情報候補(動き
情報(0))が同一である場合(S3509のYES)、候補(maxSpatialC
and−1)を削除し(S3510)、処理を終了する。
候補(maxSpatialCand−1)が存在しない場合(S3508のNO)、
または存在していても動き情報(maxSpatialCand−1)と動き情報(0)
が同一でない場合(S3509のNO)はそのまま処理を終了する。
本発明の実施の形態4における結合動き情報候補削除の動作は、実施の形態2における
結合動き情報候補削除の動作に対し、S3500〜S3503を追加した点と、S300
01を削除した点が異なる。S3500〜S3503を追加したことにより、空間結合動
き情報候補リスト生成部1000における空間結合動き情報候補リスト作成処理(S12
00)により、生成された結合動き情報候補の数が空間結合動き情報候補の最大数に満た
ない場合において、結合動き情報候補の最大数まで結合動き情報候補の末尾の結合動き情
報候補を追加している。
図39に結合動き情報候補が4つの場合のリスト中の候補の比較関係を示す。すなわち
、結合動き情報候補リストに登録された候補数が所定の最大候補数に満たない場合、結合
動き情報候補リストの最下位の候補を複製して空き候補を埋めた上で、結合動き情報候補
リストの配列順において隣り合う候補同士を比較し、かつ、最上位の候補と最下位の候補
を比較することにより、同一性を判定し、重複する候補を削除する。たとえば、候補が一
つ足りないときに3番目の候補を4番目にコピーした上で隣り合う候補同士を比較し、か
つ、最上位の候補と最下位の候補を比較すると、結果的に3つの候補について総当たりの
比較をしたことと実質的に同じになる。
図40は本発明の実施の形態4における結合動き情報候補削除の動作を説明する図であ
る。図40(a)は生成された結合動き情報候補の数が3、空間結合動き情報候補の最大
数が4の場合の先頭候補追加前の追加後の結合動き情報候補を示している。このように、
インデックス3の位置にリストの最後の結合動き情報候補が追加されるので、S3504
〜S3507における結合動き情報候補の比較は図40(b)のようになり、生成された
結合動き情報候補の数が空間結合動き情報候補の最大数に満たない場合にはすべての組み
合わせで比較が行われることとなり、確実に同一の動き情報の結合動き情報候補を削除す
ることが可能である。
(実施の形態5)
次に、本発明の実施の形態5を説明する。実施の形態5は、実施の形態1に対して、結
合予測候補削除の動作が異なる。結合予測候補削除の動作以外の構成および処理は実施の
形態1と同一であるので、ここでは図10の結合動き情報候補リスト削除部1001にお
ける結合動き情報リスト削除処理の実施の形態1との差異のみ説明する。
図41は、実施の形態3における結合動き情報候補削除の詳細動作を説明するためのフ
ローチャートである。空間結合動き情報候補リスト生成部1000における空間結合動き
情報候補リスト作成処理(S1200)により、生成される結合動き情報候補の最大数を
maxSpatialCandとすると、i=maxSpatialCand−1からi
>=0まで以下の処理を繰り返し行う(S3700〜S3704)。
ここで、iの値に応じて比較候補インデックスcur[i]と参照候補インデックスr
ef[i]の値を図43のように定める。
結合動き情報候補リストのインデックスcur[i]の結合動き情報候補(候補(cu
r[i]))が存在していて(S3701のYES)、候補(cur[i])の動き情報
(動き情報(cur[i]))と候補(ref[i])の動き情報(動き情報(ref[
i]))が同じである場合(S3702のYES)、候補(cur[i])を結合動き情
報候補リストから削除する(S3703)。
候補(cur[i])が存在しない場合(S3701のNO)、または存在していても
動き情報(cur[i])と動き情報(ref[i])が同一でない場合(S3702の
NO)は処理を繰り返す(S3004)。
図42に結合動き情報候補が4つの場合のリスト中の候補の比較関係を示す。すなわち
、時間結合動き情報候補を含まない4つの空間結合動き情報候補について、結合動き情報
候補リストの配列順において最上位から3番目までについては隣り合う候補同士を比較し
、最下位の候補と最上位の候補を比較し、さらに最下位の候補と2番目の候補を比較する
ことにより、同一性を判定し、重複する候補を削除する。
図43に示すように、本発明の実施の形態5における結合予測候補削除の動作において
は、動き情報の比較の回数は4回となり、すべての動き情報を比較した場合と比べて、比
較回数を大きく削減することが可能である。
図44は、空間結合動き情報候補の最大数が4で、空間結合動き情報候補ブロックのう
ちブロックA0が使用不可能である場合の本発明の実施の形態5における結合予測候補削
除処理における周辺ブロックの比較を説明する図である。図44に示すように、本発明の
実施の形態5における空間結合動き情報候補削除の動作によれば、ブロックA0が使用不
可能である場合に、隣接するブロック間で適切に比較が行われている。
また、図45は様々な予測ブロックサイズ、CU内分割モードにおいてブロックA0の
使用可能状況を示した図である。図45においては、ブロックA0が使用可能である予測
ブロックは○、使用不可能である予測ブロックは×で示している。図45に示すように、
ブロックA0は使用不可能となる頻度が高いため、ブロックA0が使用不可能となる場合
に適切に比較が行われることにより、高い頻度で同一の動き情報を適切に削除することが
できるので、処理負荷を低減しながら、動き情報の符号化効率を向上させることが可能で
ある。
(実施の形態6)
次に、本発明の実施の形態6を説明する。実施の形態6は、実施の形態3に対して、結
合動き情報算出部906の構成、図11のステップS1100の結合動き情報候補リスト
生成の詳細動作および結合予測候補削除の動作における比較演算回数numCompar
e[i]、比較候補インデックスcur[i]および参照候補インデックスref[i]
の値が異なる。それ以外の構成および処理は実施の形態3と同一であるので、ここでは結
合動き情報算出部906の構成、図11のステップS1100の結合動き情報候補リスト
生成の詳細動作および結合予測候補削除における比較演算回数numCompare[i
]、比較候補インデックスcur[i]および参照候補インデックスref[i]の値の
実施の形態3との差異のみ説明する。
図46は、本発明の実施の形態6における結合動き情報算出部906の構成を示す図で
ある。結合動き情報算出部906は、空間結合動き情報候補リスト生成部4000、時間
結合動き情報候補リスト生成部4002、結合動き情報候補リスト削除部4001、第1
結合動き情報候補リスト追加部4003および第2結合動き情報候補リスト追加部400
4を含む。結合動き情報算出部906は、空間的に隣接する候補ブロック群より所定の順
番で動き情報の候補を作成し、その中から、同一の動き情報を持つ候補を削除したのち、
時間的に隣接する候補ブロック群より作成した動き情報の候補を追加することで、有効な
動き情報のみを結合動き情報候補として登録する。
また、図47は本発明の実施の形態6における図11のステップS1100の結合動き
情報候補リスト生成の詳細動作を説明するためのフローチャートである。この動作は、図
9の結合動き情報算出部906における構成の本発明の実施の形態6における詳細動作を
示している。
図47の空間結合動き情報候補リスト生成(S4200)、時間結合動き情報候補リス
ト生成(S4202)、第1結合動き情報候補リスト追加(S4203)および第2結合
動き情報候補リスト追加(S4204)の動作は、本発明の実施の形態3における図12
の同じ番号を付与したステップと同一であるので説明を割愛する。
結合動き情報候補リスト削除部4001は、時間結合動き情報候補リスト生成部400
2にて生成された結合動き情報候補リストより、同一の動き情報を持つ結合動き情報候補
を削除して動き情報候補リストを更新する(S4201)。この結合動き情報候補リスト
削除部4001を時間結合動き情報候補リスト生成部4002より後段に配置し、後述す
る結合予測候補削除動作における結合予測候補削除処理に時間結合動き情報候補を含めた
点が、本発明の実際の形態6における特徴である。
次に、本発明の実施の形態6における結合予測候補削除の詳細動作を図35および図4
8を用いて説明する。図35は本発明の実施の形態6における結合予測候補削除の詳細動
作を説明するフローチャートであり、本発明の実施の形態3における結合予測候補削除の
詳細動作と同一である。
また、時間結合動き情報候補リスト生成部4002にて生成された結合動き情報候補リ
ストに含まれる結合予測候補の数をnumCandとし、比較演算回数numCompa
re[i]をnumCandの値に応じて図48(a)のように、比較候補インデックス
cur[i]と参照候補インデックスref[i]の値をiの値に応じて図48(b)の
ように定める。
本発明の実施の形態6においては、空間結合動き情報候補リスト生成部4000におい
て生成される空間結合予測候補の数の最大値は4であり、さらに時間結合動き情報候補リ
スト生成部4002において時間結合動き情報候補が生成されるため、結合予測候補リス
トに含まれる結合予測候補の数の最大値は5であるが、図48(a)に示すように比較演
算回数numCompare[i]はnumCandの値が5のときも4となっている。
すなわち、空間結合動き情報候補リスト生成部4000にて生成された空間動き情報候
補の数が最大値である4である場合には、時間結合動き情報候補リスト生成部4002に
て生成された時間結合動き情報候補は結合予測候補削除動作における比較演算の対象とな
らないので、結合動き情報候補削除(S4201)を時間結合動き情報候補リスト生成(
S4202)の前段で行う動作、すなわち、本発明の実施の形態3における結合動き情報
候補リスト生成の動作と同様の動作となる。
一方、空間結合動き情報候補リスト生成部4000にて生成された空間動き情報候補の
数が最大値である4に満たない場合には、時間結合動き情報候補リスト生成部4002に
て生成された時間結合動き情報候補も結合予測候補削除動作における比較演算の対象とな
る。
図49に空間結合動き情報候補が4つの場合および空間結合動き情報候補が3つの場合
のリスト中の候補の比較関係を示す。すなわち、空間結合動き情報候補が4つの場合(図
49(a))、時間結合動き情報候補を含まない4つの空間結合動き情報候補について、
結合動き情報候補リストの配列順において最上位から3番目までに含まれる候補について
、総当たりで比較し、さらに必要に応じて最上位の候補と最下位の候補を比較することに
より、同一性を判定し、重複する候補を削除する。空間結合動き情報候補が3つの場合(
図49(b))、時間結合動き情報候補を含めて4つの結合動き情報候補について、結合
動き情報候補リストの配列順において最上位から3番目までに含まれる候補について、総
当たりで比較し、さらに必要に応じて最上位の候補と最下位の候補を比較することにより
、同一性を判定し、重複する候補を削除する。
よって、有効な空間動き情報候補の数が最大値である場合に特性の異なる時間結合動き
情報候補を結合動き情報候補削除の処理の対象から除いて処理負荷を低減し、有効な空間
動き情報候補の数が最大値に満たない場合には、時間結合動き情報候補を結合動き情報候
補削除の処理の対象とすることで同じ処理負荷で結合動き情報候補削除の処理の精度をさ
らにあげることができるので、処理負荷を低減しながら、動き情報の符号化効率を向上さ
せることが可能である。
なお、上記の説明では、実施の形態6において、結合予測候補の比較方法は実施の形態
3の方法を用いた例を説明したが、実施の形態6において、結合予測候補の比較方法は実
施の形態1、2、4、5のいずれの方法を適用してもよい。
以上述べた実施の形態の動画像符号化装置および動画像復号装置は以下の技術的特徴を
有する。
[1]マージ符号化技術における候補削除処理において、候補削除処理を時間結合動き
情報候補生成よりも先に行って、時間結合予測候補を候補削除処理の対象から除いた(図
10、図12のステップS1201とS1202参照)。これにより、符号化効率を保ち
つつ、候補削除処理における候補比較の演算回数が削減できる。
[2]マージ符号化技術における候補削除処理において、結合動き情報候補リストに追
加された結合動き情報候補を、リストに追加された順番で比較を行ったうえ、さらに最後
の候補と最初の候補の比較を行うようにした(図31のステップS3000からS301
8参照)。
[3]マージ符号化技術における候補削除処理において、結合動き情報候補リストに含
まれる結合動き情報候補の同一性を判定する比較演算処理を予め既定したインデックス対
して予め既定した回数行うようにした(図35のステップS3300からS3303、図
37、図41のステップS3700からS3704、図43、図47のステップS420
0からS4204、図48参照)。
[4]マージ符号化技術における候補削除処理において、空間結合情報候補生成処理に
おいて生成された結合動き情報候補の数が最大値に満たない場合、結合動き情報候補リス
トの予め既定したインデックスの結合動き情報候補を、結合動き情報候補の数が最大値に
なるまで追加してから、結合動き情報を候補の比較演算を行うようにした(図38のステ
ップS3501からS3503参照)。
以上述べた実施の形態の動画像符号化装置が出力する動画像の符号化ストリームは、実
施の形態で用いられた符号化方法に応じて復号することができるように特定のデータフォ
ーマットを有しており、動画像符号化装置に対応する動画像復号装置がこの特定のデータ
フォーマットの符号化ストリームを復号することができる。
動画像符号化装置と動画像復号装置の間で符号化ストリームをやりとりするために、有
線または無線のネットワークが用いられる場合、符号化ストリームを通信路の伝送形態に
適したデータ形式に変換して伝送してもよい。その場合、動画像符号化装置が出力する符
号化ストリームを通信路の伝送形態に適したデータ形式の符号化データに変換してネット
ワークに送信する動画像送信装置と、ネットワークから符号化データを受信して符号化ス
トリームに復元して動画像復号装置に供給する動画像受信装置とが設けられる。
動画像送信装置は、動画像符号化装置が出力する符号化ストリームをバッファするメモ
リと、符号化ストリームをパケット化するパケット処理部と、パケット化された符号化デ
ータをネットワークを介して送信する送信部とを含む。動画像受信装置は、パケット化さ
れた符号化データをネットワークを介して受信する受信部と、受信された符号化データを
バッファするメモリと、符号化データをパケット処理して符号化ストリームを生成し、動
画像復号装置に提供するパケット処理部とを含む。
また、以上の符号化及び復号に関する処理は、ハードウェアを用いた伝送、蓄積、受信
装置として実現することができるのは勿論のこと、ROM(Read Only Mem
ory)やフラッシュメモリ等に記憶されているファームウェアや、コンピュータ等のソ
フトウェアによっても実現することができる。そのファームウェアプログラム、ソフトウ
ェアプログラムをコンピュータ等で読み取り可能な記録媒体に記録して提供することも、
有線あるいは無線のネットワークを通してサーバから提供することも、地上波あるいは衛
星ディジタル放送のデータ放送として提供することも可能である。
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。実施の形態は例示であり、それらの各構
成要素や各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変
形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
100 入力端子、 101 減算部、 102 直交変換・量子化部、 103 予
測誤差符号化部、 104 逆量子化・逆変換部、 105 加算部、 106 復号画
像メモリ、 107 動きベクトル検出部、 108 動き補償予測部、 109 予測
モード判定部、 110 動き情報符号化部、 111 動き情報メモリ、 112 多
重化部、 113 出力端子、 600 入力端子、 601 多重分離部、 602
予測差分情報復号部、 603 逆量子化・逆変換部、 604 加算部、 605 復
号画像メモリ、 606 動き情報復号部、 607 動き情報メモリ、 608 動き
補償予測部、 609 出力端子、 900 動き補償予測生成部、 901 予測誤差
算出部、 902 予測ベクトル算出部、 903 差分ベクトル算出部、 904 動
き情報符号量算出部、 905 予測モード評価部、 906 結合動き情報算出部、
907 結合動き補償予測生成部、 1000 空間結合動き情報候補リスト生成部、
1001 結合動き情報候補リスト削除部、 1002 時間結合動き情報候補リスト生
成部、 1003 第1結合動き情報候補リスト追加部、 1004 第2結合動き情報
候補リスト追加部、 2600 動き情報ビットストリーム復号部、 2601 予測ベ
クトル算出部、 2602 ベクトル加算部、 2603 動き補償予測復号部、 26
04 結合動き情報算出部、 2605 結合動き補償予測復号部、 4000 空間結
合動き情報候補リスト生成部、 4001 結合動き情報候補リスト削除部、 4002
時間結合動き情報候補リスト生成部、 4003 第1結合動き情報候補リスト追加部
、 4004 第2結合動き情報候補リスト追加部。

Claims (3)

  1. 動画像データの各ピクチャが分割されたブロック単位で、符号化された符号列を復号す
    る動画像復号装置であって、
    前記復号対象ブロックに空間的に近接する所定位置の復号済みの複数の近接ブロックの
    動き情報から複数の空間動き情報候補を導出し、前記復号の対象となる復号対象ブロック
    を有するピクチャと時間的に異なるピクチャが有する復号済みのブロックの動き情報を導
    出し、導出された前記復号済みのブロックの動き情報から前記復号対象ブロックの時間動
    き情報候補を導出し、導出された前記空間動き情報候補と前記時間動き情報候補とを含む
    結合動き情報候補リストを生成する候補リスト生成部を備え、
    前記候補リスト生成部は、前記空間動き情報候補をすべての組み合わせで比較すること
    なく前記結合動き情報候補リストの配列順が一番目の候補と二番目の候補と最後の候補に
    ついてはそれぞれの候補同士を比較して、動き情報が同一である場合は、それらの動き情
    報が同一の候補からは一の前記空間動き情報候補を導出し、前記空間動き情報候補と前記
    時間動き情報候補の間では動き情報の比較を行わないことを特徴とする動画像復号装置。
  2. 動画像データの各ピクチャが分割されたブロック単位で、符号化された符号列を復号す
    る動画像復号方法であって、
    前記復号対象ブロックに空間的に近接する所定位置の復号済みの複数の近接ブロックの
    動き情報から複数の空間動き情報候補を導出し、前記復号の対象となる復号対象ブロック
    を有するピクチャと時間的に異なるピクチャが有する復号済みのブロックの動き情報を導
    出し、導出された前記復号済みのブロックの動き情報から前記復号対象ブロックの時間動
    き情報候補を導出し、導出された前記空間動き情報候補と前記時間動き情報候補とを含む
    結合動き情報候補リストを生成する候補リスト生成ステップを有し、
    前記候補リスト生成ステップは、前記空間動き情報候補をすべての組み合わせで比較す
    ることなく前記結合動き情報候補リストの配列順が一番目の候補と二番目の候補と最後の
    候補についてはそれぞれの候補同士を比較して、動き情報が同一である場合は、それらの
    動き情報が同一の候補からは一の前記空間動き情報候補を導出し、前記空間動き情報候補
    と前記時間動き情報候補の間では動き情報の比較を行わないことを特徴とする動画像復号
    方法。
  3. 動画像データの各ピクチャが分割されたブロック単位で、符号化された符号列を復号す
    る動画像復号プログラムであって、
    前記復号対象ブロックに空間的に近接する所定位置の復号済みの複数の近接ブロックの
    動き情報から複数の空間動き情報候補を導出し、前記復号の対象となる復号対象ブロック
    を有するピクチャと時間的に異なるピクチャが有する復号済みのブロックの動き情報を導
    出し、導出された前記復号済みのブロックの動き情報から前記復号対象ブロックの時間動
    き情報候補を導出し、導出された前記空間動き情報候補と前記時間動き情報候補とを含む
    結合動き情報候補リストを生成する候補リスト生成ステップをコンピュータに実行させ、
    前記候補リスト生成ステップは、前記空間動き情報候補をすべての組み合わせで比較す
    ることなく前記結合動き情報候補リストの配列順が一番目の候補と二番目の候補と最後の
    候補についてはそれぞれの候補同士を比較して、動き情報が同一である場合は、それらの
    動き情報が同一の候補からは一の前記空間動き情報候補を導出し、前記空間動き情報候補
    と前記時間動き情報候補の間では動き情報の比較を行わないことを特徴とする動画像復号
    プログラム。
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