JP6407757B2 - 指標算出装置、指標算出システム、指標算出方法、および制御プログラム - Google Patents

指標算出装置、指標算出システム、指標算出方法、および制御プログラム Download PDF

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本発明は、脈圧と相関のある指標を算出する指標算出装置等に関する。
一般的な血圧測定方法として、直接法と間接法とが知られている。直接法とは、観血的方法とも呼ばれるもので、被検者の動脈の内圧を直接連続して測定する方法である。具体的には、被検者の血管にカテーテルを導入し、血液凝固を抑制するための抗血小板凝固薬(ヘパリンなど)を血管内に微量注入しながら、血管内から血液の一部をカテーテル内へ導き、血圧測定を行う方法である。この直接法は、測定される血圧値の信頼性が高いことから、手術中の血圧モニタに利用される。しかし、医療機関など以外(例えば、家庭)で手軽に実施できる血圧測定法ではなく、この方法を実施する際には衛生面での注意が必要で、合併症を起こす可能性もある。また、解析も複雑である。
一方の間接法は、非観血的方法とも呼ばれ、被検者の血圧を非連続的に測定する方法と、連続的に測定する方法とがある。非連続的に測定する方法としては、聴診法(コロトコフ法)、振動法(オシロメトリック法)、および超音波ドップラー法が挙げられ、連続的に測定する方法としては、トノメータ(トノメトリ)法および容積補償法が挙げられる。この間接法は、基本的には、測定の際に被検者の体に接触して外力を加えるアクティブな方法である。
すなわち、間接法は、減圧時に止められていた血流が再び生じる時に加えられている圧力が血圧に相当するとの考え方に基づいている。このため、間接法では、被検者の血管に加圧して血流が止められた状態を作り、その後、血流が生じるまで徐々に減圧する工程が含まれる。被検者の体の一部に圧力を加える器具としては、カフやマンシェットなどが知られている。間接法は、自動で血圧を測定する血圧計に利用されており、間接法を利用した血圧計は、医療上の専門技術を必要とせず手軽であり、健康診断や家庭での日常的な健康管理などの用途に広く用いられている。
ここで、図11を参照して、上記の直接法または間接法で測定される血圧値について簡単に説明する。図11はヒトの血圧値の経時的変化を模式的に示したものである。血圧は、心臓の拍動によって生じるものであり、収縮期に上昇し、拡張期に下降する。このため、血圧値の経時変化は、図示のような周期的な変動となる。
この波形において、一周期における血圧の最大値を収縮期血圧(最高血圧)と呼び、図8では、Pと表記している。一方、一周期における血圧の最小値を拡張期血圧(最低血圧)と呼び、図8では、Pと表記している。また、脈圧ΔPは、
ΔP=P−P
として算出される。脈圧ΔPは、太い血管に生じる動脈硬化の指標とされる。
ここで、病院や保健所で看護師や医師を目の前にすると血圧が異常値を示す「白衣血圧」と呼ばれる現象が知られているように、血圧は被検者の情動の変化によって敏感に変化する。そのため、被検者の血圧を計測する場合、理想的には、血圧が計測されていることに被検者が無自覚であることが望ましい、と考えられている。
しかし、間接法による血圧測定を受ける被検者は、指先あるいは上腕部など体の一部にカフやマンシェットを取り付けられ、該体の一部を加圧され、また、血圧測定の際に作動するポンプ、およびサーボモータが発する音を聞くことになる。また、カフ圧によって圧迫された箇所においてうっ血が生じる可能性があり、高血圧患者や高齢者に対する負担を強いる。さらに、被検者の皮膚の状態によってはカフの取り付けが困難である場合もある。したがって、上述の間接法は、被検者にストレスを感じさせることなく血圧を測定することができないので、理想的な血圧測定法とはいえない。
このため、カフ等を用いることなく、心電信号や脈波信号などを用いて血圧の推定値を算出する方法が検討されている。例えば、下記の特許文献1には、光学式の脈波センサから得た脈波信号を解析して取得した特徴量を所定の算出式に代入することによって、血圧の推定値を算出することが記載されている。また、下記の非特許文献1、2にも、光電容積脈波を用いることにより、カフを用いることなく血圧を推定する技術が開示されている。
特開2008−302127号公報(2008年12月18日公開)
近藤里帆、河中治樹、小栗宏次,「夜間就寝時における光電容量脈波センサのみを用いたカフレス血圧変動量推定」,信学技報,p.7-12,MBE2013-61,2013-10 鈴木里実、小栗宏次,「心血管特性を考慮したデータ分類による光電脈波信号を用いたカフレス血圧推定」,信学技報,p.1-4,MBE2008-70,2008-12
しかしながら、上述のような従来技術では、重回帰式にて血圧の推定値を算出しており、重回帰式の重みを算出するために大量のデータを用意する必要があるという問題がある。なお、どの程度の血圧値が正常であるかには個人差があるため、血圧の絶対値は必ずしも必要であるわけではなく、血圧あるいは脈圧の上下動、すなわち血圧あるいは脈圧の相対的な変動の程度を把握することの方が医療診断には重要な場合が多い。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、カフを用いることなく、また重回帰式を用いることなく、測定対象者の脈圧と相関のある指標を算出することのできる装置等を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明の指標算出装置は、生体の脈圧と相関のある指標を算出する指標算出装置であって、上記生体の心拍に起因する周期的な波形を有する心拍性信号から上記生体における脈波の伝搬速度を示す第1パラメータを算出する脈波伝搬速度算出部と、上記心拍性信号から上記生体の血管径の変化量を示す第2パラメータを算出する血管径変化量算出部と、上記第1パラメータと上記第2パラメータとを用いて上記生体の脈圧と相関のある指標を算出する指標算出部と、を備えていることを特徴としている。
本発明の発明者の研究により、心拍性信号から生体における脈波の伝搬速度を示す第1パラメータを算出することが可能であり、また、心拍性信号から生体の血管径の変化量を示す第2パラメータを算出することができることが分かっている。そして、本発明の発明者の研究により、上記第1パラメータと上記第2パラメータとを用いて上記生体の脈圧と相関のある指標を算出できることが分かっている。したがって、上記の構成によれば、カフを用いることなく、また重回帰式を用いることなく脈圧と相関のあるパラメータを算出することができる。
また、上記指標算出部は、上記第1パラメータの自乗に上記第2パラメータを乗じて上記指標を算出することが好ましい。
ここで、Bramwell−Hillの式から、脈圧は、脈波伝搬速度の自乗に血管径変化量を乗じた値に比例することが分かっている。よって、上記の構成によれば、Bramwell−Hillの式から見て妥当な値の指標を算出することができる。
また、上記指標算出装置は、上記生体の複数の異なる測定位置で測定された上記心拍性信号から、当該測定位置間における上記心拍性信号の伝搬時間を算出する伝搬時間算出部を備え、上記脈波伝搬速度算出部は、上記測定位置間の距離を上記伝搬時間で除した値を上記第1パラメータとして算出することが好ましい。
上記の構成によれば、生体の複数の異なる測定位置で測定された心拍性信号から、当該測定位置間における心拍性信号の伝搬時間を算出し、該測定位置間の距離を伝搬時間で除した値を上記第1パラメータとして算出する。
ここで、生体の複数の異なる測定位置で心拍性信号を測定した場合、各測定位置で測定された心拍性信号間に時間ズレ(位相ズレ)が生じる。この時間ズレは、当該測定位置間を脈波が伝搬する時間に相当すると考えられるため、測定位置間の距離を上記時間ズレ(すなわち脈波伝搬時間)で除した値は、脈波伝搬速度に相当する値となる。したがって、上記の構成によれば、脈波伝搬速度を示す第1パラメータとして適切な値を心拍性信号から算出することができる。なお、上記の伝搬時間は、例えば、各測定位置で測定された心拍性信号間のピーク間隔を求めることで算出可能である。
また、上記伝搬時間算出部は、上記伝搬時間の算出に用いる心拍性信号間の相関を示す相関関数を生成し、該相関関数を用いて上記伝搬時間を算出することが好ましい。
上記の構成によれば、心拍性信号間の相関を示す相関関数を生成し、該相関関数を用いて伝搬時間を算出する。よって、心拍性信号の波形がノイズを多く含むような場合であっても、適切な伝搬時間を算出することができる。なお、相関関数を用いる場合、相関が極大となる時間ズレを伝搬時間として算出すればよい。
また、上記血管径変化量算出部は、上記心拍性信号の振幅を上記第2パラメータとして算出することが好ましい。
本発明の発明者の研究により、上記第2パラメータとして心拍性信号の振幅を用いることで脈圧と相関性の高い指標を算出することができることが分かっているので、上記の構成によれば、脈圧と相関性の高い指標を算出することができる。
また、上記指標算出装置は、マイクロ波が上記生体で反射した信号から上記心拍性信号を抽出する心拍性信号抽出部を備えていることが好ましい。
マイクロ波が上記生体で反射した信号は、生体に非接触で取得することができるため、上記の構成によれば、非接触で生体の脈圧を算出することができる。
また、生体の脈圧と相関のある指標を算出する指標算出システムであって、上記生体の心拍に起因する周期的な波形を有する信号を検出する検出器と、上記指標算出装置と、を含む指標算出システムであれば、上記指標算出装置と同様の効果を奏する。
また、本発明の指標算出方法は、上記の課題を解決するために、生体の脈圧と相関のある指標を算出する指標算出装置が実行する指標算出方法であって、上記生体の心拍に起因する周期的な波形を有する心拍性信号から上記生体における脈波の伝搬速度を示す第1パラメータを算出するステップと、上記心拍性信号から上記生体の血管径の変化量を示す第2パラメータを算出するステップと、上記第1パラメータと上記第2パラメータとを用いて上記生体の脈圧と相関のある指標を算出するステップと、を含むことを特徴としている。該指標算出方法によれば、上記指標算出装置と同様の効果を奏する。
そして、上記指標算出装置としてコンピュータを機能させるための制御プログラムであって、上記脈波伝搬速度算出部、上記血管径変化量算出部、および上記指標算出部としてコンピュータを機能させるための制御プログラムによっても、上記指標算出装置と同様の効果を奏する。
本発明によれば、重回帰式を用いることなく脈圧と相関のある指標を算出することができるという効果を奏する。
本発明の一実施形態に係る指標算出システムの概略構成の一例を示すブロック図である。 上記指標算出システムを用いて脈圧を計測する様子を説明する図である。 Bramwell−Hillの式に関するパラメータを示す図である。 上記指標算出システムが脈圧の算出に用いる心拍性信号の波形データの一例を示す図である。 体幹部および抹消部のそれぞれから得た心拍性信号の波形データの一例を示す図である。 体幹部および抹消部のそれぞれから得た心拍性信号の相互相関を示すグラフである。 上記指標算出システムが実行する指標算出処理の一例を示すフローチャートである。 上記指標算出処理におけるパラメータ算出処理の一例を示すフローチャートである。 10人の測定対象者について、指標算出システムによって求めた指標BPestと、従来法で計測された脈圧値との間の相関関係を示す図である。 後処理を行った指標BPestを示す図である。 ヒトの血圧値の経時的変化を模式的に示したものである。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。なお、以下の説明では、脈圧測定の対象がヒトである場合の例を説明するが、ヒト以外の動物(生体)を対象とすることも可能である。
(指標算出システム100を用いた脈圧測定方法)
図2を参照して、本発明の一実施形態に係る指標算出システム100の使用例を説明する。図示のように、指標算出システム100は、マイクロ波センサ3aおよび3bの2つのマイクロ波センサ(検出器)3と、指標算出装置10とを含む。
指標算出システム100では、マイクロ波センサ3aおよび3bから測定対象者に対してマイクロ波を照射する。そして、マイクロ波センサ3aは、自らが照射したマイクロ波が測定対象者で反射した反射波を含むセンサ信号を受信して指標算出装置10に出力し、マイクロ波センサ3bは、自らが照射したマイクロ波が測定対象者で反射した反射波を含むセンサ信号を受信して指標算出装置10に出力する。この後、指標算出装置10は、マイクロ波センサ3aおよび3bのそれぞれから出力されたセンサ信号を解析することにより、測定対象者の脈圧と相関のある指標を算出する。
このように、指標算出システム100では、マイクロ波の照射によって得たセンサ信号を用いて脈圧と相関のある指標を算出する。マイクロ波は、視認されることがなく、マットレスや測定対象者の衣服などを透過し、また測定対象者からある程度離れた位置から照射してもセンサ信号を得ることができるため、図示の例のようにマットレスの下方にマイクロ波センサ3aおよび3bを配置することもできる。
これにより、マットレスの上で横になっている測定対象者の脈圧を測定することができ、測定対象者が脈圧の測定中(マイクロ波の照射中)であることを意識することもないので、測定対象者にストレスを与えることなく脈圧と相関のある指標を算出することができる。また、脈圧と相関のある指標は連続的に算出することができるので、例えば測定対象者の就寝中の脈圧変動をモニタリングするといった用途にも利用できる。なお、測定対象者の姿勢はこれに限定されない。例えば、測定対象者は椅子等に座っていてもよいし、立っていてもよい。
(指標算出システム100の構成例)
続いて、指標算出システム100のより詳細な構成を、図1を用いて説明する。図1は、指標算出システム100の概略構成および指標算出装置10の要部構成の一例を示すブロック図である。図1に示すように、指標算出システム100は、マイクロ波センサ3、入力装置4、表示装置5、および指標算出装置10を含む。
マイクロ波センサ3は、マイクロ波を発信して、測定対象者で反射した反射波を含むセンサ信号を検出するマイクロ波レーダーである。マイクロ波センサ3が検出したセンサ信号は無線または有線通信にて指標算出装置10に送られる。なお、出力波形は特に限定されず、例えば、マイクロ波センサ3として、連続波(CW)レーダー、FMCWレーダー、パルスレーダー、あるいはドップラーレーダーを適用することもできる。また、波長も特に限定されず、波長0.1mm〜1mのマイクロ波に対応する周波数帯の電磁波などが適用され得る。また、マイクロ波の出力にも特に制限はなく、如何なる出力のマイクロ波を用いてもよい。ただし、測定対象者の身体への影響を考慮すれば、周波数に応じて上限値を設定し、その上限値以下の出力とすることが望ましい。例えば、10GHz以上の周波数のマイクロ波を用いる場合には、10mW以下のマイクロ波を用いることが好ましい。
なお、図1では、マイクロ波センサ3aおよびマイクロ波センサ3bという2つのマイクロ波センサ3を備える例を示している。例えば、マイクロ波センサ3aは測定対象者の体幹部に向けてマイクロ波を照射し、該体幹部からのセンサ信号を受信し、マイクロ波センサ3bは測定対象者の末梢部に向けてマイクロ波を照射し、該末梢部からのセンサ信号を受信する。しかし、マイクロ波センサ3の数は、2つに制限されることはなく、2つより多く設けられてもよい。
体幹部としては、背部あるいは胸郭周辺、末梢部としては、四肢(腕、手、足、脚)などが挙げられる。例えば、図2の例のように、測定対象者がマットレス上に仰向けで横になった状態での測定を行う場合、背部の直下にマイクロ波センサ3aを配置し、脚または腕の直下にマイクロ波センサ3bを配置してもよい。なお、以下では、マイクロ波センサ3bが測定対象者の橈骨付近にマイクロ波を照射する例を説明する。
入力装置4は、入力操作を受け付ける装置である。例えば、指標算出に用いるパラメータの1つである個人特性パラメータは、入力装置4を介して入力される。
表示装置5は、指標算出システム100によって算出された指標を表示する。なお、表示装置5の表示面にタッチパネルを積層して、入力装置4の入力面が表示装置5の表示面を兼ねる構成としてもよい。
(指標算出装置10の構成例)
次に、指標算出装置10の構成について説明する。図1に示すように、指標算出装置10は、指標算出装置10を統括して制御する制御部1と、指標算出装置10にて使用される各種データを記憶する記憶部2とを備えている。そして、制御部1は、心拍性信号抽出部11、血管径変化量算出部12、位相ズレ算出部(伝搬時間算出部)13、個人特性取得部14、脈波伝搬速度算出部15、および指標算出部16を備えている。
心拍性信号抽出部11は、マイクロ波センサ3aから受信したセンサ信号、およびマイクロ波センサ3bから受信したセンサ信号のそれぞれから心拍性信号の抽出を行う。例えば、センサ信号に含まれる、心拍に特徴的な0.8Hz〜3Hz程度の周波数を抽出するバンドパスなどのフィルタ処理を行うことで、該センサ信号から心拍と相関した波形の心拍性信号を抽出することが可能である。心拍性信号は、測定対象者の心臓の拍動に起因する周期に対応する波形を含む信号である。なお、心拍性信号の抽出を行う方法としては、フィルタ処理に制限されず、如何なる方法を用いてもよい。また、後述のパラメータ算出が容易になるように、例えば直流増幅器等によって心拍性信号の電圧値を増幅してもよい。
血管径変化量算出部12は、心拍性信号抽出部11が抽出した心拍性信号から、測定対象者の血管径の変化量を示すパラメータ(第2パラメータ)であるΔDを算出する。
位相ズレ算出部13は、測定対象者の体幹部からの心拍性信号と、測定対象者の末梢部からの心拍性信号との時間のズレ(伝搬時間)を示すパラメータであるtdelayを算出する。
個人特性取得部14は、測定対象者の個人特性を示すパラメータとして、該測定対象者の身長を示すパラメータHを取得する。Hの値は、脈圧算出時までに取得すればよく、事前に記憶部2に格納しておいたものを使用してもよいし、測定時に入力装置4にて入力させてもよい。
脈波伝搬速度算出部15は、位相ズレ算出部13の算出したパラメータtdelayと、個人特性取得部14が取得したパラメータHとを用いて、測定対象者の脈波伝搬速度の推定値(第1パラメータ)を算出する。この算出方法の詳細は後述する。
指標算出部16は、脈波伝搬速度算出部15が算出した脈波伝搬速度と、血管径変化量算出部12が算出したパラメータΔDとを用いて、測定対象者の脈圧と相関のある指標を算出する。この算出方法の詳細は後述する。なお、指標算出部16が算出する指標は、脈圧と相関があり、従来法で測定した脈圧値と同様の用途に用いることができる。ただし、この指標は、相対的な脈圧の変動を把握するための指標であって、較正等の処理を行わなければ、基本的に従来法で測定した脈圧値と同じ単位(mmHg)、同じ値とはならない。
以上のように、指標算出システム100では、マイクロ波センサ3aおよび3bからマイクロ波を測定対象者に照射して、反射してきたマイクロ波であるセンサ信号を検出する。そして、指標算出装置10が該センサ信号から心拍性信号を抽出し、抽出された心拍性信号に基づいて各パラメータを算出し、脈圧と相関のある指標を算出する。これにより、指標算出システム100によれば、測定対象者に接触することなく、また測定対象者に気付かれることすらなく脈圧と相関のある指標を出力することができる。よって、精神的、および物理的なストレスを測定対象者に与えることなく、脈圧と相関のある指標を提示することができる。
なお、図11に基づいて説明したように、脈圧は血圧と相関のある生体データであり、血圧が増減したときには、脈圧も同様に増減する。したがって、例えば臨床において、指標算出装置10が算出した脈圧値を、従来の血圧計で測定した血圧値と同様の用途(脈圧値の低下を契機として昇圧剤を投与する等)に利用することができる。
(脈圧の推定について)
脈圧に関する数式として、下記のBramwell−Hillの式が知られている。下記の数式において、ΔPは脈圧、ρは血液密度、PWVは脈波伝搬速度(Pulse Wave Velocity)、Dは動脈の内径、ΔDはその変化量である。
ここで、上記数式に関連するパラメータについて図3に基づいて説明する。図3は、Bramwell−Hillの式に関するパラメータを示す図である。図示のように、血管(動脈)の断面には周期的に微小変化が生じる。より詳細には、同図の左下の時点では、血管の内径はD、血管壁の引張応力σ、血圧P、であったところ、同図の右下の時点では、血管径はD+dDに、引張応力はσ+dσに、血圧はP+dPに変化している(dはΔと同義)。
ここで、PWVは、血管の弾性係数E、血管の壁厚c(一定値)、内径D、血液密度ρのパラメータで表すことが可能である。これらのパラメータのうち、血管の弾性係数Eは、動脈壁硬化の程度を示す指標として有用であるが、血圧や脈圧のように簡易には測定できない。このため、上記数式は、従来法で測定した脈圧等のパラメータを代入して血管の弾性係数Eを求めるという用途で利用されていた。
本願の発明者は、上記数式において、脈圧が脈波伝搬速度の自乗に血管内径の変化を乗じた値に比例していること、そして血液密度ρおよび血管径Dは概ね一定の値となる(脈圧の測定中に変動がない)ことに着想を得て、心拍性信号から得たパラメータを用いて脈圧と相関のある指標BPestを算出することが可能であることを見出した。
具体的には、脈圧と相関のある指標BPestの算出に下記の数式(1)を用いることができることを見出した。この数式(1)を用いて算出した指標BPestは、相対的な値ではあるが測定対象者の脈圧に応じた値となるため、測定対象者の脈圧の変動のモニタリング等の用途には十分適用が可能である。なお、心臓の拍動の一拍ごとにBPestを算出する場合、下記の数式(1)のΔDの代わりに、ΔD/Dを用いてもよい。
BPest=PWV・ΔD ・・・(1)
(血管径の変化量ΔDの算出方法)
次に、血管径の変化量ΔDの算出方法を図4に基づいて説明する。図4は、心拍性信号の波形データの一例を示す図である。なお、波形データの縦軸Vは心拍性信号の電圧値を示し、横軸tは時間(秒)を示す。
このような波形データは、心拍性信号抽出部11が、マイクロ波センサ3aが受信したセンサ信号に対して、バンドパスなどのフィルタ処理を行うことで取得される。なお、同図では、マイクロ波センサ3aの出力に基づく波形データを示しているが、マイクロ波センサ3bの出力に基づく波形データを用いてもよい。
図示のように、測定対象者の体外に配置されたマイクロ波センサ3aから、測定対象者の表皮に向けてマイクロ波を放射することによって得たセンサ信号からは、心臓の拍動に起因する周期的な波形の心拍性信号(以下、信号Aと呼ぶ)が得られる。なお、同図では、i〜(i+2)周期の3周期を示している。
これらの各周期は1拍の心拍に対応しており、1周期の波形には振幅の大きい上に凸のピーク(以下、第1ピークと呼ぶ)と、第1ピークよりも振幅の小さい上に凸のピーク(以下、第2ピークと呼ぶ)とが含まれている。この第2ピークは、心臓からの血流が血管で反射することによって生じる反射波であると考えられ、連続測定された脈圧や、脈波にも出現し得る。
血管径変化量算出部12は、このような波形データにおける第1ピークの振幅をΔDとして算出する。つまり、第1ピークの極大値Dから極小値Dを引いて、ΔDを算出する。なお、ΔDの代わりに、ΔD/Dを用いる場合、第1ピークの高さDをDとすればよい。また、第2ピークの高さをDとしてもよいが、第2ピークは不安定な時もあるので、第1ピークの高さをDとすることが好ましい。
(心拍性信号の振幅を血管径変化量ΔDとすることの妥当性)
血圧は、心拍出量の変動に応じて図11に示すように周期的に変化する。また、その値は心臓の駆出力、動脈壁の弾力性、末梢血管抵抗、および個人特性などの影響を受けることが分かっている。また、脈波の波形にもこれらの影響が反映されること、すなわち脈波が血圧の情報を含むことが分かっており、脈波を利用した血圧推定法が存在することは背景技術で説明した通りである。
そして、本願の発明者らによる研究により、マイクロ波がヒト(あるいは他の動物)で反射した反射波(上述のセンサ信号)にも血管の伸展性や剛性に関する情報が含まれていることが分かってきた。センサ信号に血圧の情報が含まれることの機序は、完全に解明されてはいないが、体表面における微細な動き(体表面微動)がセンサ信号に反映されることにより、センサ信号に血圧の情報が含まれることになると推測される。
ここで、心拍出量の増加は、心臓における心駆出量の増加に関連し、心駆出量が増加することにより、血管壁にかかる圧力が上昇して、血管径が拡大する。そして、このような血管壁にかかる圧力の上昇や血管径の拡大は、マイクロ波の反射波に反映されると考えられる。したがって、マイクロ波の反射波から抽出した心拍性信号の振幅は、血管径の増減が反映した値となると考えられる。つまり、血管壁にかかる圧力が上昇して血管径が拡大するにつれて心拍性信号の値は大きくなり、血管径が極大になったときに心拍性信号も極大となると考えられる。よって、心拍性信号の振幅を血管径変化量ΔDとして用いること、および心拍性信号のピークの高さを血管径Dとして用いることには妥当性がある。
(体幹部から末梢部までの心拍性信号の伝搬時間tdelayの算出方法)
続いて、体幹部から末梢部までの心拍性信号の伝搬時間tdelayの算出方法を図5に基づいて説明する。図5は、体幹部および抹消部のそれぞれから得た心拍性信号の波形データの一例を示す図である。
図示のように、末梢部のマイクロ波センサ3bから得た心拍性信号(以下、信号Bと呼ぶ)の波形データも、信号Aの波形データと同様の波形であるが、末梢部の方が心臓から遠い分、波形が現れるタイミングが遅延する。より詳細には、マイクロ波センサ3aから3bまで距離Lだけ離れていることにより、第1ピークが極大値となるタイミングが、信号Bの波形データでは、信号Bの波形データと比べてtdelayだけ遅れている。
よって、位相ズレ算出部13は、信号Bの波形データの周期iにおいて第1ピークが極大値となった時刻と、信号Aの波形データの周期iにおいて第1ピークが極大値となった時刻との差をtdelayとして算出する。なお、差分を算出する対象となる時刻は、同じ周期において対応するピーク形状の時刻であればよく、第1ピークの極大値の時刻に限られない。例えば、第1ピークの極小値の時刻であってもよいし、第2ピークの極大値または極小値の時刻であってもよい。
(体幹部から末梢部までの心拍性信号の伝搬時間tdelayの算出方法の他の例)
マイクロ波センサ3の感度やセンシング時の状況によっては、変曲点が図5のように明瞭な波形が得られないことがある。このような場合、得られた心拍性信号の相関関数を生成し、この相関関数からtdelayを算出してもよい。これについて図6に基づいて説明する。
図6は、信号Aと信号Bの相互相関を示す相関関数のグラフである。この相関関数は、下記の数式に信号Aと信号Bから得た各種パラメータを代入することで算出することができる。なお、下記数式において、Rsuは相互相関係数、σsは信号Aの標準偏差、σuは信号Bの標準偏差、s(t)は信号A、u(t)は信号B、μsは信号Aの相加平均、μuは信号Bの相加平均、tは時間である。
図5に示したように、信号AとBは、時間がtdelayだけずれているが波形は同様となるから、tdelayだけずらせば相関が極大となる。つまり、図6の相関関数が極大となる時間tをtdelayとして算出すればよいことになる。
(指標算出システム100による脈圧測定処理の流れ)
次に、指標算出システム100による指標算出処理(指標算出方法)の流れを図7に基づいて説明する。図7は、指標算出処理の一例を示すフローチャートである。
指標算出システム100のマイクロ波センサ3aおよび3bは、S1において、マイクロ波を測定対象者に対して発信する。マイクロ波センサ3aおよび3bは、S2において、発信したマイクロ波が測定対象者により反射した信号をセンサ信号として検出し、該センサ信号を指標算出装置10に送信する。
S3において、指標算出装置10の心拍性信号抽出部11は、マイクロ波センサ3から受信したセンサ信号を取得し、例えばバンドパスフィルタなどを用いて、センサ信号から心拍性信号を抽出する。なお、心拍性信号抽出部11は、マイクロ波センサ3aから取得したセンサ信号と、マイクロ波センサ3bから取得したセンサ信号のそれぞれから心拍性信号(信号AおよびB)を抽出する。
S4では、信号A、Bを解析して、指標算出に用いる各パラメータを算出する。なお、このパラメータ算出処理については、後に詳述する。
S5において、指標算出装置10の指標算出部16は、S4で算出されたパラメータを、記憶部2に記憶されている上述の数式(1)に代入して、指標を算出する。また、S6において、指標算出部16は、計算によって求められた指標を表示装置5に出力し、表示させる。
(パラメータ算出処理の流れ)
続いて、図7のS4で行われるパラメータ算出処理の流れを図8に基づいて説明する。図8は、パラメータ算出処理の一例を示すフローチャートである。
血管径変化量算出部12は、信号Aの波形データを解析して、波形の周期を特定し、特定した1つの周期に含まれる波形の第1ピークの極大値Dと極小値Dを特定する。そして、極大値Dと極小値Dの差分を血管径変化量ΔDとして算出する(S10)。そして、血管径変化量算出部12は、算出した血管径変化量ΔDを指標算出部16に通知する。なお、上述のように、信号Bの波形データから血管径変化量ΔDを算出してもよい。
また、位相ズレ算出部13は、信号AおよびBの波形データを解析して、波形の周期を特定し、特定した周期に含まれる波形の第1ピークが極大値Dを取る時刻を信号AおよびBのそれぞれについて特定する。そして、これら時刻の差分を位相ズレtdelayとして算出する(S11)。そして、算出したtdelayを脈波伝搬速度算出部15に通知する。
さらに、個人特性取得部14は、入力装置4を介して入力された測定対象者の身長を示すパラメータHを取得し(S12)、取得したパラメータHを脈波伝搬速度算出部15に通知する。
次に、脈波伝搬速度算出部15は、位相ズレ算出部13から通知されたtdelayと個人特性取得部14から通知されたパラメータHを用いて、下記の数式にて脈波伝搬速度PWVを算出する(S13)。そして、脈波伝搬速度算出部15は、算出した脈波伝搬速度PWVを指標算出部16に通知し、これによりパラメータ算出処理は終了する。
なお、PWVは、上記数式に示すように、動脈の経路長Lを脈波伝搬時間PWTT(Pulse Wave Transit Time)で除した値となる。そして、体幹部と橈骨付近との2カ所で心拍性信号を検出した場合、経路長Lは0.389Hと表される。また、この経路を脈波が伝搬する時間であるPWTTとしては、位相ズレ算出部13が算出したパラメータtdelayを用いる。
ただし、上記Hの係数(0.389)は、測定対象者が日本の成人男性であり、測定位置(末梢部)が腕である場合を想定した値であり、この係数は、マイクロ波センサ3aおよび3bの配置(距離)に応じた値とする必要がある。つまり、女性や他の年齢層を対象とした場合や、マイクロ波センサ3aおよび3bの配置部位を変えた場合には、身体寸法データベースなどから算出した、上記とは異なる係数を用いる。このような係数は、予め算出して記憶しておき、測定対象者の年齢や性別に応じた係数を読み出して使用すればよい。
なお、図8では、S10の処理の後、S11〜S13の処理を行う例を示しているが、S11〜S13の処理を先に行ってもよいし、これらの処理を並行して行ってもよい。
(指標算出システム100の精度)
以下では、指標算出システム100が算出した指標BPestと、従来法で計測された脈圧値との相関について、図9に基づいて説明する。図9は、10人の測定対象者(A〜J)について、指標算出システム100によって求めた指標BPestと、従来法で計測された脈圧値との間の相関関係を示す図である。より詳細には、同図の上側には、測定対象者(A〜J)について、指標算出システム100によって求めた指標BPestと、従来法で計測された脈圧値との間の相関係数を示している。そして、同図の下側には、最も相関係数の値が大きかった測定対象者Dについて、指標算出システム100によって求めた指標BPestと、従来法で計測された脈圧値との間の相関関係を示すグラフである。なお、該グラフにおいて、塗り潰しの四角が指標BPestを示している。
同図の表に示すように、測定対象者の多くにおいて、指標BPestが従来法で計測された脈圧値と高い相関があるという結果となっている。そして、同図のグラフに示すように、指標BPestが従来法で計測された脈圧値と同様の経時的変化をしていることが分かった。
このように、指標算出システム100が算出した指標BPestは、測定対象者に一切触れる必要がないにもかかわらず、従来法で計測された脈圧値と極めて高い相関がある。そして、指標BPestは、従来法で計測された脈圧値と同様に経時変化しているので、測定対象者の脈圧値の継続的なモニタリング等の用途にも好適に適用できることが分かる。
また、指標BPestは、相対的な脈圧値を示すものであるが、上記の通り、従来法で計測された脈圧値と相関している。このため、指標BPestを較正することにより、絶対的な脈圧値(単位がmmHgであり、従来法で計測された脈圧値と同様の値となる脈圧値)を算出することも可能である。
なお、図9のデータは、まず、測定対象者について指標BPestを算出すると共に、従来法で脈圧値を測定し、次に、測定対象者に運動負荷をかけ、その後で再度、指標BPestの算出と、従来法による脈圧値の測定を行うことで取得された。また、従来法での脈圧値の測定には、カフを用いる血圧計を用いた。
(後処理)
図9の測定対象者Fのように、相関係数が比較的低い値となった測定対象者については、算出した指標BPestに後処理を行って補正してもよい。これについて、図10に基づいて説明する。図10は、後処理を行った指標BPestを示す図である。なお、同図において、塗り潰しの四角が後処理前の指標BPestを示し、白抜きの菱形が脈圧の実測値を示す。そして、一点鎖線が脈圧の実測値を多項式近似して得た曲線であり、白抜きの太線が指標BPestを多項式近似して得た曲線である。
このように、一定区間における推定点を多項式近似によって求めることにより、その区間での変動の傾向を把握することができる。なお、後処理の手法は、この例に限定されず、例えば、移動平均処理等も適用可能である。
このような後処理を行うことにより、相関係数rは0.836まで改善した。よって、相関係数が比較的低い値となった測定対象者については、後処理にて指標BPestを補正することが望ましい。つまり、PWVの自乗にΔDを乗じた値を補正して出力する構成も本発明の範疇に含まれる。
(使用する心拍性信号について)
上記では、マイクロ波センサにて検出したセンサ信号から抽出した心拍性信号を用いる例を説明したが、脈圧と相関のある指標の算出に使用する心拍性信号は、測定対象者の心拍に起因する周期的な波形を有する信号であればよく、この例に限られない。
例えば、脈波信号を用いて上述の指標BPestを算出することも可能である。この場合、マイクロ波センサの代わりに、脈波センサを用いて脈波信号を検出すればよい。使用する脈波センサは、脈波信号の検出が可能なものであれば特に限定されないが、例えば測定対象者の指先などにLED光を照射し、その反射光(もしくは透過光)から、脈波の変動を検出する光電(容積)脈波センサを使用してもよい。このようなセンサを用いることにより、非侵襲で、かつ、カフ等を用いることなく、心拍性信号を得ることができる。
なお、脈波信号は、血圧と同様の波形(図11参照)となるため、上記実施形態と同様の演算で各パラメータ(ΔD、tdelay、PWV)を算出することができる。そして、これらのパラメータを用いることにより、指標BPestを算出することができる。
(指標の他の例)
上記実施形態では、PWVの自乗にΔDを乗じて指標BPestを算出する例を示したが、算出する指標は、脈圧と相関のある指標であればよく、この例に限られない。例えば、脈波については、速度脈波(1次微分)、加速度脈波(2次微分)などが診断に利用されている。このため、PWV×ΔDの1次微分や、2次微分なども血圧に関連した医療情報として使える可能性があり、このような値を脈圧と相関のある指標として算出してもよい。
(ソフトウェアによる実現例)
指標算出装置10の制御ブロック(特に制御部1)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェアによって実現してもよい。
後者の場合、指標算出装置10は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムおよび各種データがコンピュータ(またはCPU)で読み取り可能に記録されたROM(Read Only Memory)または記憶装置(これらを「記録媒体」と称する)、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などを備えている。そして、コンピュータ(またはCPU)が上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、脈圧と相関のある指標の算出に利用することができる。
3a マイクロ波センサ(検出器)
3b マイクロ波センサ(検出器)
10 指標算出装置
11 心拍性信号抽出部
12 血管径変化量算出部
13 位相ズレ算出部(伝搬時間算出部)
14 個人特性取得部
15 脈波伝搬速度算出部
16 指標算出部
100 指標算出システム

Claims (8)

  1. 生体の脈圧と相関のある指標を算出する指標算出装置であって、
    上記生体の心拍に起因する周期的な波形を有する心拍性信号から上記生体における脈波の伝搬速度を示す第1パラメータを算出する脈波伝搬速度算出部と、
    上記心拍性信号から上記生体の血管径の変化量を示す第2パラメータを算出する血管径変化量算出部と、
    上記第1パラメータと上記第2パラメータとを用いて上記生体の脈圧と相関のある指標を算出する指標算出部と、を備え
    上記指標算出部は、上記第1パラメータの自乗に上記第2パラメータを乗じて上記指標を算出することを特徴とする指標算出装置。
  2. 上記生体の複数の異なる測定位置で測定された上記心拍性信号から、当該測定位置間における上記心拍性信号の伝搬時間を算出する伝搬時間算出部を備え、
    上記脈波伝搬速度算出部は、上記測定位置間の距離を上記伝搬時間で除した値を上記第1パラメータとして算出することを特徴とする請求項に記載の指標算出装置。
  3. 上記伝搬時間算出部は、上記伝搬時間の算出に用いる心拍性信号間の相関を示す相関関数を生成し、該相関関数を用いて上記伝搬時間を算出することを特徴とする請求項に記載の指標算出装置。
  4. 上記血管径変化量算出部は、上記心拍性信号の振幅を上記第2パラメータとして算出することを特徴とする請求項1からの何れか1項に記載の指標算出装置。
  5. マイクロ波が上記生体で反射した信号から上記心拍性信号を抽出する心拍性信号抽出部を備えていることを特徴とする請求項1からの何れか1項に記載の指標算出装置。
  6. 生体の脈圧と相関のある指標を算出する指標算出システムであって、
    上記生体の心拍に起因する周期的な波形を有する信号を検出する検出器と、
    請求項1からの何れか1項に記載の指標算出装置と、を含むことを特徴とする指標算出システム。
  7. 生体の脈圧と相関のある指標を算出する指標算出装置が実行する指標算出方法であって、
    上記生体の心拍に起因する周期的な波形を有する心拍性信号から上記生体における脈波の伝搬速度を示す第1パラメータを算出するステップと、
    上記心拍性信号から上記生体の血管径の変化量を示す第2パラメータを算出するステップと、
    上記第1パラメータと上記第2パラメータとを用いて上記生体の脈圧と相関のある指標を算出するステップと、を含み、
    上記指標を算出するステップでは、上記第1パラメータの自乗に上記第2パラメータを乗じて上記指標を算出することを特徴とする指標算出方法。
  8. 請求項1に記載の指標算出装置としてコンピュータを機能させるための制御プログラムであって、上記脈波伝搬速度算出部、上記血管径変化量算出部、および上記指標算出部としてコンピュータを機能させるための制御プログラム。
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