JP6407576B2 - 模型眼モジュール、これを用いた眼内レンズ検査装置及び眼内レンズ検査方法 - Google Patents

模型眼モジュール、これを用いた眼内レンズ検査装置及び眼内レンズ検査方法 Download PDF

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本発明は、模型眼モジュール、これを用いた眼内レンズ検査装置及び眼内レンズ検査方法に関する。
従来から、白内障患者の水晶体を摘出した後、視力補正として眼内レンズを挿入する手術が行われている。このような眼内レンズは、患者の眼に挿入された際に適切に機能するよう光学的な仕様が決められている。このような眼内レンズの仕様は、光学特性を検査し確認しながら決定される。従って、眼内レンズを製造するに当たっては、規定した仕様どおりの製品が製造されているかを検査確認する作業が発生する。このような検査確認作業は、膨大な数の検体を扱う関係上、高精度であることに加え、できる限り短時間で安価に行われることが望ましい。
検査確認作業が必要な光学特性として、波面収差が上げられる。波面収差には、球面収差、コマ様収差、色収差、非点収差、歪曲収差等がある。球面収差は、レンズの外側位置と中心位置とで光の焦点位置が異なるために発生し、球面収差が存在すると、像がボケて見える。コマ様収差は、光軸からの距離によって像の倍率が変わるために起こり、コマ(彗星)が短い尾を引くように収差が画像に現れる。色収差は、光経上に存在する媒体の屈折率が色によって異なることで発生する軸上色収差と、斜めから入射した光が色によって焦点距離が変わることで発生する倍率色収差があり、このような色収差が存在すると色がにじんで見えてしまう。非点収差は、レンズの軸に対する対称性が悪い場合に発生し、非点収差が存在すると、物が歪んで見えてしまう。歪曲収差は、同じ平面にピントを合わせているはずが中央と周囲でピントずれることで発生し、歪曲収差が存在すると、映った像が湾曲して見えてしまう。
眼内レンズの収差の検査方法としては2通りの方法が考えられる。一つは、眼内レンズ単体の収差を眼内レンズに平行光線が入射している状態で検査する方法、もう一つは、眼の中に入れた状態、すなわち眼内レンズに角膜で屈折した光線が入射している状態で検査する方法である。これら2つの検査方法では、入射する光線の違いによって得られる収差量が異なる場合がある。実際に眼内レンズを人の眼に入れた場合は、角膜で屈折した光が眼内レンズに入るため、後者の方法が現実に近い。後者の検査を実施するには、角膜模型レンズを持つ模型眼モジュールを使用した検査が必要である。
上記模型眼モジュールとしては、ISO11979−2で規格化されている模型眼モジュール(以下ISO模型眼モジュールと言う)が公知である。このISO模型眼モジュールは角膜模型レンズと眼内レンズとの間に空気層がある。一方、実際の人眼の構造は、角膜と水晶体の間は前房水、水晶体と網膜の間は硝子体(しょうしたい)で満たされており、その主成分は水である。従ってISO模型眼モジュールの構造は、実際の人眼の構造とは異なっている。また、眼内レンズと角膜模型レンズとの間の距離によっては角膜模型レンズ前面を抜ける光線の直径(入射瞳径又は射出瞳径)が大きくなり、波面収差検査器の受光部のサイズを超えてしまい収差が検査できないことがある。
この点、特開2013−15345号公報には、眼内レンズ検査装置として角膜模型レンズと網膜に相当するスクリーンとの間を液体で満たす構成が提案されている。そして、上記角膜模型レンズとしては、人間の角膜曲率に合わせた曲面を有するレンズいわゆるメニスカス形状のレンズを用いることが開示されている。この場合、液体に浸るのはメニス
カス形状レンズの凹面側となる。しかし、被検査体である眼内レンズを液体内に配設する際、あるいは、液体を注入する際に気泡が発生することがある。発生した気泡は、こうしたメニスカス形状レンズの凹面部に捕獲されやすく、検査を不正確なものとするおそれがある。従って、気泡が発生しないように時間をかけてゆっくり眼内レンズを設定したり、液体を注入したりする工夫、あるいは、発生した気泡を取り除く処理をする工夫等を要する場合があり、短時間で検査できないおそれがある。
また、波面収差等の光学特性は、網膜に相当するスクリーンに映し出される映像を解析して行う必要がある。最も簡単な方法は、スクリーン位置にCCD(Charge Coupled Device)等の受光素子を配置し、電気信号に変換して、電子計算機で解析する方法である。しかし、角膜模型レンズとスクリーンとの間を液体で満たしている場合は、スクリーンが液体に接しているため、受光素子を液体内に配設することになる。このため、防水対策が必要となり、装置が複雑化し、装置価格の上昇、故障の原因等につながるおそれがある。上記公報においては、この問題を解決するため、スクリーンを半透明状とし、裏面側からスクリーンに投影される像を解析するようにしている。この場合、通過像による輝度の低下により、解析精度が上がらないおそれがある。
特開2013−15345号公報
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、一般的な光学レンズである両凸レンズを角膜模型レンズとして用いることで安価に作製でき、かつ短時間で精度の良い検査が可能な模型眼モジュールの提供並びに当該模型眼モジュールを用いた眼内レンズ検査装置及び眼内レンズ検査方法の提供を目的とするものである。
上記課題を解決するためになされた模型眼モジュールは、
眼内レンズの波面収差を検査するための模型眼モジュールであって、
開口を有し、内部に体液近似透明液体が収容可能なケーシングと、
このケーシングの開口に嵌合する角膜模型レンズと、
上記ケーシング内に眼内レンズを上記角膜模型レンズと光軸を略一致させるよう配設するための着脱部と
を備え、
上記ケーシングが上記光軸の通過位置周辺に透明部を有し、
上記角膜模型レンズが両凸レンズであることを特徴とする。
当該模型眼モジュールは、人眼の角膜に相当する角膜模型レンズ、水晶体に相当する眼内レンズ及び硝子体に相当する透明部を備えている。当該模型眼モジュールは、上記角膜模型レンズと上記眼内レンズとの間及び上記眼内レンズと上記透明部との間が体液近似透明液体で満たされることで、実際の人眼の構造に極めて近い構成となり、精度の高い検査ができる。また、当該模型眼モジュールは、角膜模型レンズとして両凸レンズを使用している。両凸レンズは難しい加工を要しないレンズであり、当該模型眼モジュールを安価に構成できる。さらに、体液近似透明液体に浸る部分も凸形状となり、体液近似透明液体内に発生した気泡や体液近似透明液体内に存在する空気等がレンズ部付近に留まることがなく、短時間で精度の高い検査が実施できる。
上記体液近似透明液体としては、水が好ましい。水は実際の人眼内を満たす液体と屈折
率が近く、かつ特別な調合ステップや取扱いを必要としない。従って、容易かつ確実な検査を実施することが可能である。そのため、上記模型眼モジュールを用いた検査の精度を維持しつつ、より短時間で検査が実施できる。
上記角膜模型レンズの一方側の媒質を空気、他方側の媒質を水とした場合の水側開口数NAとしては、0.04以上0.20以下が好ましい。このように開口数を上記範囲内とすることで、模型眼モジュール内を通る光路が実際の人眼の場合と極めて近くなり、さらに精度の高い検査が可能となる。なお、開口数NAとはレンズの分解能を決める指数であり、レンズから焦点位置に至る光線の光軸に対する最大角度をθ、レンズと焦点との間の光路上の媒質の屈折率をnとするとき、NA=n×sinθで表される量である。
上記ケーシングが、不透明な筒状部と、この筒状部の底面部分を覆うよう配設される板状の上記透明部と、筒状部の上面側に着脱可能に嵌合し、中央に上記開口を有する蓋部とを備え、上記着脱部が、上記筒状部の内面側に挿脱可能に構成され、中央部に眼内レンズを係止可能な円形状開口部を有しているとよい。上記着脱部がこのように構成されることで、眼内レンズの着脱を容易かつ短時間に行うことができる。
当該模型眼モジュールは、上記角膜模型レンズの外面側又は透明部の外面側若しくは内面側に積層される反射板をさらに備えるとよい。上記反射板を用いて上記模型眼モジュール内を通過する光線を反射することで干渉模様ができるため、上記干渉模様による収差測定を行うことができるようになる。
上記課題を解決するためになされた眼内レンズ検査装置は、
上記模型眼モジュールと、
上記模型眼モジュールの角膜模型レンズの外面又は透明部の外面に光線を照射する光源ユニットと、
上記模型眼モジュール内を通過し、角膜模型レンズ又は透明部から出射した光線を撮影し、画像を取得する撮像ユニットと
を備える。
当該眼内レンズ検査装置は、上記模型眼モジュールを用いているので、映像の受光位置が上記模型眼モジュールの外部、すなわち空気中となる。従って、防水等の対策をすることなく容易に装置が実現できる。また、映像を加工等することなく直接参照できるので、精度の高い検査ができる。
上記眼内レンズ検査装置の模型眼モジュールにおいて、角膜模型レンズの外面を通過する光線の直径としては、3mm以上6.6mm以下が好ましい。このように光線の直径を上記範囲内とすることで、模型眼モジュール内を通る光線の直径が実際の人眼の場合と極めて近くなり、精度の高い検査が可能となる。また、光線の直径が一般的な非臨床の波面収差検査器の受光面に収まるので、特別な検査器を用意する必要がない。なお、光線の直径とは、光線を包接する円の直径を意味する。
また、上記課題を解決するためになされた眼内レンズ検査方法は、
上記眼内レンズ検査装置を用い、眼内レンズの波面収差を検査する眼内レンズ検査方法であって、
上記ケーシング内に体液近似透明液体を充填する工程と、
上記着脱部に眼内レンズを装着する工程と、
上記光源ユニットから角膜模型レンズの外面又は透明部の外面に光線を照射する工程と、
上記撮像ユニットにより、模型眼モジュール内を通過し、角膜模型レンズ又は透明部か
ら出射した光線を撮影し、画像を取得する工程と、
上記撮像工程で取得した画像データに基づいて眼内レンズの波面収差の有無又はその程度を判定する工程と
を有することを特徴とする。
当該検査方法は、眼内レンズに対し短時間で精度の高い検査を実施できるので、眼内レンズが規格通りの仕様を持つか否かを効率よく検査することができる。
上記判定工程において、撮像工程で取得した画像データを眼内レンズ未装着状態で取得した画像データと対比するシャック・ハルトマン法を用いることができる。シャック・ハルトマン法は、計測スピードが速く、安価に実現でき、振動に強い。従って、安価に検査装置が構成でき、かつ短時間で検査が可能となる。
反射板を有する模型眼モジュールを用いて眼内レンズの波面収差を検査する眼内レンズ検査方法では、上記光線照射工程において、角膜模型レンズ及び透明部のうち反射板が積層されていない方に照射し、上記撮像工程において、反射板で反射し、模型眼モジュール内を往復して出射した光線を撮像し、上記判定工程において、画像データの干渉模様により判定するとよい。このように反射板を有する模型眼モジュールを含み、干渉計を用いて判定することで、簡便で高解像度な検査が可能となる。
また、本発明の模型眼モジュールを、眼内レンズの波面収差を検査するための模型眼モジュールであって、開口を有し、体液近似透明液体が収容可能なケーシングと、ケーシングの開口に嵌合する角膜模型レンズと、ケーシング内に眼内レンズを角膜模型レンズと光軸を略一致させるよう配設する眼内レンズの保持部とを備え、ケーシングが光軸の通過位置周辺に透明部を有し、ケーシングが角膜模型レンズと眼内レンズとの間に平板状の透明部を有し、ケーシングに、体液近似透明液体に生じた気泡を、模型眼モジュールの光学系の光路から逃がすための空間が設けられていることを特徴とする模型眼モジュールとしてもよい。これにより、模型眼モジュールを水中で組み立てる必要がなく、組み立て中に模型眼モジュールの光学系の光路内に気泡が生じても、簡便に気泡を光路内から逃がすことができる。
また、模型眼モジュールの上下方向において、上記空間の気泡が進入する開口が、平板状の透明部の眼内レンズと対向する面よりも上側に位置するように構成してもよい。さらに、上記空間は、ケーシング内の体液近似透明液体が収容される領域と模型眼モジュールの外部の領域とを接続する第1の貫通孔である。あるいは、上記空間は、気泡を収容可能な凹部である。
さらに、本発明の模型眼モジュールを、ケーシングが角膜模型レンズを光軸周りに回転させる回転部を有する構成としてもよい。これにより、特に眼内レンズがトーリックレンズである場合に、模型眼モジュールを用いた評価検査時に角膜模型レンズと眼内レンズの相対位置を簡便に調整することができる。
また、ケーシングは、体液近似透明液体が収容される領域とケーシングの外部の領域とを接続する第2の貫通孔を有し、ケーシングに収容された体液近似透明液体は、第2の貫通孔の開口における表面張力又は、ケーシング内外の気圧差により第2の貫通孔からの自然流出が抑止される構成としてもよい。これにより、模型眼モジュールの組み立て中に、体液近似透明液体は、余分な量だけ模型眼モジュールの外部に排出される。
さらに、ケーシングは、ケーシングに着脱可能に装着される角膜模型レンズの保持部を有する構成としてもよい。これにより、模型眼モジュール内に眼内レンズを固定した後で
も、現在装着されている角膜模型レンズの保持部を、光学性能の異なる角膜模型レンズを備える別の保持部に交換することで、評価検査に使用する角膜模型レンズを自由に取り替えることができる。また、模型眼モジュールを、角膜模型レンズの外面側又は前記透明部の外面側若しくは内面側に積層される反射板をさらに備える構成とすることもできる。また、当該反射板を備える模型眼モジュールを用い、上記の眼内レンズ検査方法において、光線照射工程において、角膜模型レンズ及び透明部のうち反射板が積層されていない方に照射し、撮像工程において、反射板で反射し、模型眼モジュール内を往復して出射した光線を撮像し、判定工程において、画像データの干渉模様により判定する構成としてもよい。
また、眼内レンズ検査装置を、模型眼モジュールの角膜模型レンズの外面又は透明部の外面に光線を照射する光源ユニットと、模型眼モジュール内を通過し、角膜模型レンズ又は透明部から出射した光線を撮影し、画像を取得する撮像ユニットとを備える構成としてもよい。
以上説明したように、本発明の模型眼モジュールは、安価に作製でき、かつ短時間で精度の良い検査を可能とする。従って、本発明の模型眼モジュールを用いた眼内レンズ検査装置は、短時間で精度の良い検査を実現できる。また、本発明の眼内レンズ検査装置を用いた眼内レンズの検査方法は、規格通りの仕様を持つ眼内レンズを効率よく検査することができる。
本発明の一実施形態に係る模型眼モジュールを示す模式的断面図である。 図1の模型眼モジュールを用いた眼内レンズ検査装置を示す概略構成図である。 図2の眼内レンズ検査装置を用いて眼内レンズを検査する方法を示すフロー図である。 図2の眼内レンズ検査装置とは異なる実施形態に係る眼内レンズ検査装置を示す概略構成図である。 本発明の一実施形態に係る模型眼モジュールを示す模式的断面図である。 本発明の一実施形態に係る模型眼モジュールの概略上面図である。 本発明の一実施形態に係る模型眼モジュールを示す模式的断面図である。 本発明の一実施形態に係る模型眼モジュールの概略上面図である。
以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の実施の形態を説明する。
[第一実施形態]
<模型眼モジュール>
図1の模型眼モジュール1は、眼内レンズXの波面収差を検査するための模型眼モジュールである。当該模型眼モジュール1は、開口を有し、内部に体液近似透明液体が収容可能なケーシング2と、このケーシング2の開口に嵌合する角膜模型レンズ3と、ケーシング内に眼内レンズXを上記角膜模型レンズ3と光軸を略一致させるよう配設するための着脱部4と備えている。また、当該模型眼モジュール1で検査する波面収差の種類としては、特に限定されないが、球面収差、コマ様収差、色収差、非点収差、歪曲収差等があげられる。
(眼内レンズX)
眼内レンズXは、当該模型眼モジュール1において人眼の水晶体に相当する。白内障手
術の際に水晶体を摘出した場合、人眼は無水晶体となり強度の遠視となる。その代わりに挿入される人工の水晶体が眼内レンズ(IOL)である。一般に単焦点眼内レンズが使用され、手術後は単焦点となる。また、眼内レンズの度数を様々に変化させることにより、手術後の屈折度数を変化させることができる。それによって近視や遠視の矯正をすることもできるため、屈折矯正手術の側面も持つ。従って、手術前に患者毎に眼内レンズの度数が決定されている。
眼内レンズXの素材としては、アクリル樹脂、シリコン樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等があるが、一般にアクリル樹脂が選ばれる。特に硝子体手術と同時又は将来行う可能性がある白内障手術においては、シリコン樹脂ではなく、アクリル樹脂が選択される。シリコン樹脂では硝子体手術中にガス注入を行うと曇りが生じ、手術が困難になるおそれがあるためである。
眼内レンズXは、光学部と光学部を保持するためのレンズ支持部とを有する。眼内レンズXとしては、手術時の切開をできるだけ小さくするため、光学部を折りたたみ可能なシリコン樹脂あるいはアクリル樹脂で構成したものが広く使われている。折りたたみ可能な眼内レンズXは、小さく折りたたまれた状態で患者の眼内に挿入され、その弾性力により元の状態に復元する。
上記眼内レンズXには、有水晶体眼内レンズ(Phakic IOL)も含まれる。有水晶体眼内レンズとは、主として強度の近視矯正を目的とし、有水晶体のまま眼内に眼内レンズを挿入する際に使用する眼内レンズであり、眼内コンタクトとも呼ばれる。
(ケーシング)
上記ケーシング2は、不透明な筒状部2aと、この筒状部2aの底面部分を覆うよう配設される板状の透明部2bと、筒状部2aの上面側に着脱可能に嵌合し、中央に上記開口を有する蓋部2cとを有する。
上記筒状部2aは、模型眼モジュール1の側壁を構成している。筒状部2aの内径としては特に限定されないが、例えば10mm以上100mm以下とすることができる。筒状部2aの長さとしては特に限定されないが、例えば10mm以上50mm以下とすることができる。
筒状部2aの材質としては、特に限定されないが、樹脂、金属、セラミック等を用いることができる。
透明部2bは、板状部材であり、眼内レンズX及び角膜模型レンズ3の光軸の通過位置周辺に位置している。透明部2bは、外側から照射される光線を模型眼モジュール1内に取り込むための窓の役割を果たす。透明部2bの材質は、透明であれば特に限定されないが、透明なガラスや樹脂等を用いることができる。また、透明部2bは板状であるので、これに垂直に照射される光線が屈折しない。
透明部2bの厚さの上限としては、10mmが好ましく、6mmがより好ましい。透明部2bの厚さが上記上限を超える場合、光線の透過率が下がり検査精度が下がるおそれがある。一方、透明部2bの厚さの下限としては、0.2mmが好ましく、1mmがより好ましい。透明部2bの厚さが上記下限未満である場合、ケーシング2としての強度が不足するおそれがある。
蓋部2cは、中央に開口を有し、上記開口に角膜模型レンズ3が嵌合される。また、蓋部2cは、筒状部2aに着脱可能に設けられている。
角膜模型レンズ3は、当該模型眼モジュール1において人眼の角膜に相当する。人眼の角膜には、目に光を取り入れる窓の役割があるほか、光を屈折させて水晶体とともに目のピントを合わせる働きがある。角膜模型レンズ6も同様の役割を持っており、ガラス、樹脂等の透明な材料で形成されている。
角膜模型レンズ3としては、両凸レンズを用いる。上記角膜模型レンズ3を両凸形状とすることで、上記角膜模型レンズ3は、難しい加工が不要であるため、当該模型眼モジュール1が安価に構成できる。さらに、角膜模型レンズ3は、屈折率が人眼の角膜と同等となるように、また、収差がほぼ0となるように、レンズ曲面が設計されていてもよい。角膜模型レンズ3の素材としては、特に限定されないが、眼内レンズXと同様の素材を用いることができる。角膜模型レンズ3の径としては特に限定されないが、例えば5mm以上25mm以下とすることができる。角膜模型レンズ3の厚みとしては特に限定されないが、例えば1mm以上20mm以下とすることができる。
角膜模型レンズ3と眼内レンズXとのレンズ間距離の上限としては、20mmが好ましく、15mmがより好ましい。上記レンズ間距離が上記上限を超える場合、撮像ユニット12に像が収まらないおそれがある。一方、上記レンズ間距離の下限としては、0mmが好ましく、2mmがより好ましい。上記レンズ間距離が上記下限未満の場合、眼内レンズXもしくは角膜模型レンズ3が正しく設置できないおそれがある。
また、角膜模型レンズ3の一方側の媒質を空気、他方側の媒質を水とした場合の水側開口数NAの上限としては、0.20が好ましく、0.13がより好ましい。上記開口数が上記上限を超える場合、実際の人眼の光学系では生じない状態となっているおそれがある。一方、上記開口数の下限としては、0.04が好ましく、0.09がより好ましい。上記開口数が上記下限未満の場合、実際の人眼の光学系では生じない状態となっているおそれがある。角膜模型レンズ3の開口数が上記範囲内にある場合、眼模型内を透過する光路が実際の人眼の場合と極めて近くなり、さらに精度の良い検査が可能となる。
着脱部4は、筒状部2aの内面側に挿脱が可能である。着脱部4は、中央部に眼内レンズXを係止可能な円形状開口部4aを有する。
着脱部4は、角膜模型レンズ3の中心点と、着脱部4で保持した眼内レンズXの中心点との距離が、人眼の角膜から水晶体までの距離と、略一致するように配設されている。このように配設することで、実際の人眼の場合と極めて近くなり、精度の良い検査が可能となる。
着脱部4の円形状開口部4aの開口径としては、眼内レンズXの光学部の径よりもわずかに小さい径が好ましい。こうすることで、眼内レンズXの光学部を通過した光線をそのまま角膜模型レンズ3に入射できる上に、光学部の前面を円形状開口部4aで支えることができる。
円形状開口部4aの開口径の上限としては、7mmが好ましい。円形状開口部4aの開口径が上記上限を超える場合、眼内レンズXを固定しにくくなり、検査に時間がかかるおそれがある。一方、円形状開口部4aの開口径の下限としては、4mmが好ましい。円形状開口部4aの開口径が上記下限未満となる場合、実際の人眼の場合と近い径を持つ光線を通過させることができなくなるおそれがある。
円形状開口部4aは、一対の係止部を有する。上記係止部は、上記円形状開口部4aの開口近くの角膜模型レンズ3とは反対側の面に、眼内レンズXの光学部と略同等の幅で対
向し、眼内レンズを係止可能に形成されている。上記係止部に眼内レンズXの支持部を装着することで、眼内レンズXが着脱部4に固定できる。
ケーシング2内で、角膜模型レンズ3、着脱部4の円形状開口部4aの開口及び透明部2bは、互いに同軸上に配置されており、透明部2bに入射した光線は、円形状開口部4aの開口を経て角膜模型レンズ3から出射できるように構成されている。
ケーシング2は、内部に体液近似透明液体を溜めることができる構成となっている。当該模型眼モジュール1を用いて検査を行う際には、ケーシング2内を体液近似透明液体で充填し、当該模型眼モジュール1内を通過する光路が体液近似透明液体内となるように設定する。充填する体液近似透明液体としては、体液近似透明液体である限り特に限定されないが、水が好ましい。水は実際の人眼内を満たす液体と屈折率が近く、かつ特別な調合等必要とせず、取り扱いも容易であるため、短時間で検査を実施することができる。そのため、当該模型眼モジュール1を用いた検査の精度を維持しつつ、より短時間で検査が実施できる。
上記体液近似透明液体は、生理食塩水であってもよい。生理食塩水を使用する場合は、実際の人眼内を満たす液体と屈折率がほぼ同じであり、さらに精度の高い検査が可能となる。なお、生理食塩水とは、質量濃度が0.9%である食塩水である。
<眼内レンズ検査装置>
次に、図2を参照しつつ、上記模型眼モジュール1を用いた眼内レンズ検査装置10について説明する。眼内レンズ検査装置10は、模型眼モジュール1、光源ユニット11及び撮像ユニット12を備えている。
光源11は、模型眼モジュール1の透明部2bより入射し角膜模型レンズ3より出射する光線を照射する。光源11の光源としては、特に限定されないが、強度を十分に確保できるレーザ光源、LED光源等公知のものを用いることができる。
照射する光の光線の直径を制御するためには、公知のレンズ、ビームエキスパンダ、拡散板等、公知の技術を利用することができる。上記光線の直径の上限としては、角膜模型レンズ3の外面を通過する位置において24mmが好ましく、6.6mmがより好ましい。上記光線の直径が上記上限を超える場合、光線が一般的な非臨床の波面収差検査器の受光面に収らなくなり、特別な検査器が必要となるおそれがある。一方、上記光線の直径の下限としては、角膜模型レンズ3の外面を通過する位置において2mmが好ましく、3mmがより好ましい。上記光線の直径が上記下限未満の場合、眼内レンズの収差の検査できる範囲が狭くなり、検査が不十分となるおそれがある。
撮像ユニット12は、受光部12aと電子計算機12bから構成される。収差を求める方法としては、特に限定されないが、例えばシャック・ハルトマン法が公知である。シャック・ハルトマン法を用いる場合、受光部12aとして2次元配列されたマイクロレンズとCCD等の撮像素子を有するものを用いる。撮像ユニットで取得した画像は、電子計算機12bで処理することができる。
<眼内レンズ検査方法>
次に上記模型眼モジュール1を用いた眼内レンズ検査方法について説明する。当該眼内レンズ検査方法としては、図3に示すように、透明液体充填工程(S1)、眼内レンズ装着工程(S2)、光線照射工程(S3)、撮像工程(S4)及び波面収差判定工程(S5)を有している。
透明液体充填工程(S1)では、ケーシング2内に体液近似透明液体を充填する。また充填する体液近似透明液体の量としては、蓋部2bを装着した状態において、角膜模型レンズ3の下面全面が上記体液近似透明液体に接する量が好ましい。
眼内レンズ装着工程(S2)では、着脱部4に眼内レンズXを装着する。眼内レンズXの光学部の一方の面を着脱部4の円形開口部に接するように配置し、眼内レンズの一対の支持部を係止部にそれぞれ装着することで固定する。その後、着脱部4を蓋部2bに装着し、さらに蓋部2bをケーシング2の筒状部2aに装着する。
光線照射工程(S3)では、光源ユニット11から光線を出射し、透明部2bの外面に照射する。照射する光線は、角膜模型レンズ3から出射される光線の眼内レンズ側における光線の直径が上述の範囲となるように光線の直径を調整することが好ましい。また、照射する光線が、模型眼モジュール1の透明部2bから入射し、角膜模型レンズ3から出射するように光源ユニット11の向きや眼内レンズXの向き等を調整する。
撮像工程(S4)では、撮像ユニット12により、模型眼モジュール1内を通過し、角膜模型レンズ3から出射した光線を撮影し、画像を取得する。シャック・ハルトマン法を用いる場合、入射波面は、2次元配列されたマイクロレンズで分割され、撮像素子に投影される。マイクロレンズを介して撮像素子に結像されるスポットは、収差に応じて入射波面(検査波面)の法線に垂直な方向にシフトされ結像される。取得した画像は、CCD等を通じて電気信号に変換され、電子計算機12bに送られる。
波面収差判定工程(S5)では、撮像工程で取得した画像データに基づいて眼内レンズの波面収差の有無又はその程度を判定する。波面収差の有無は、撮像工程で取得した画像を電子計算機12b上に表示して確認することができる。電子計算機12bを用いて、それぞれのスポット位置を演算することで波面収差を求めて判定してもよい。電子計算機12bは、検査データとして外部装置(図示されていない)へ送信する。外部装置への転送は、公知のネットワーク技術を利用して行うことができる。外部装置へ転送することで情報の集中管理が可能となり、特に本発明の眼内レンズ検査装置を複数台使用して検査を行っている場合、工程管理が容易となる。また、電子計算機で解析後のデータを送信するため、データ送信量を少なくでき、ネットワークに負荷をかけない。
<利点>
当該模型眼モジュール1は、網膜に相当する透明部2bを有し内部に体液近似透明液体を溜めることができるケーシング2、人眼の角膜に相当する角膜模型レンズ3及び眼内レンズXを装着できる着脱部4を備えている。当該模型眼モジュール1は、上記角膜模型レンズ3と着脱部4に装着された上記眼内レンズXの間及び上記眼内レンズXと上記透明部2bとの間が体液近似透明液体で満たされるので、実際の人眼の構造に極めて近い構成となっており、精度の高い検査ができる。また、当該模型眼モジュール1は、角膜模型レンズ3として、両凸レンズを使用している。両凸レンズは難しい加工が不要であるため、当該模型眼モジュール1を安価に構成できる。さらに、体内近似透明液体に浸る部分も凸形状となり、体内近似透明液体内に発生した気泡や体内近似透明液体内に存在する空気等がレンズ部付近に留まることがなく、短時間で精度の高い検査を実施することができる。
当該眼内レンズ検査装置10は、上記模型眼モジュール1を備えることで、人眼の網膜に相当する透明部2bの外側から光を入射し、角膜模型レンズ3から出射して、映像を検査することができる。このため、映像の受光位置が上記模型眼モジュール1の外部、すなわち空気中となる。従って、防水等の特別の対策をすることなく受光が可能となるため、容易に装置が実現できる。また、映像を加工等することなく直接参照できるので、精度の高い検査ができる。
[第二実施形態]
本発明の眼内レンズ検査装置の第二の実施形態として、収差の検査に干渉計を用いる場合について説明する。
図4の眼内レンズ検査装置30は、模型眼モジュール101、光源ユニット11及び干渉計ユニット31及び電子計算機32を備えている。
模型眼モジュール101は、図1の模型眼モジュール1と同様であり、さらに反射板5を備える。
反射板5は、上記模型眼モジュール101の透明部2bの外面側に積層(配設)されている。反射板5は、模型眼モジュール101の透明部2bから出射した光線を反射する。反射板5によって反射した光線(以下、反射光線という)が上記模型眼モジュール101の透明部2bの外面を照射し、角膜模型レンズ3から出射するように、反射板5の方向は調整されている。
干渉計ユニット31は、光線の干渉を検査することができる。光源ユニット11については、図1の光源ユニット11と同様であるため、同一符号を付して説明を省略する。
光源ユニット11から照射された光線は、角膜模型レンズ3から入射し、透明部2bから出射される。
上記透明部2bから出射された光線は、反射板5によって反射され、反射光線として、再び角膜模型レンズ3から出射され、干渉計ユニット31に戻る。その際、往復する2つの光線によって干渉模様が発生する。この干渉模様には模型眼モジュール101内の収差に応じて、歪みが生じる。干渉計ユニット31は、この干渉模様を干渉計によって画像として取得し、取得した画像データを電子計算機32に送る。
電子計算機32は、干渉計の取得結果を受け取り、発生している干渉模様の歪みから、収差を求める。上記収差の結果から眼内レンズの波面収差の有無又はその程度が判定できる。
当該眼内レンズ検査装置30は、検査に干渉計を用いている。このように構成し、判定することで、干渉計を用いて検査を行っても簡便で高解像度の検査が可能となる。
[第三実施形態]
本発明の眼内レンズ検査装置の第三の実施形態における模型眼モジュールについて以下説明する。図5に示すように、本実施形態における模型眼モジュール1000は、透明部1001、筒状部1002、蓋部1003、眼内レンズ1007の保持部1004を有する。本実施形態では、透明部1001、筒状部1002、蓋部1003がケーシングを構成する。なお、以下の説明において、図5に示すX軸方向を水平方向、左右方向とし、Y軸方向を垂直方向、上下方向とし、Y軸の正方向を上方、上側とし、Y軸の負方向を下方、下側とする。
透明部1001は、光透過性を有する板状部材であり、角膜模型レンズ1005及び眼内レンズ1007の光軸の通過位置周辺に設けられている。なお、本実施形態では、角膜模型レンズ1005と眼内レンズ1007とは、互いの光軸AXが一致するように配置されている。透明部1001と筒状部1002とは、接着剤等によって互いに接着されている。または、別部品によって固定してもよい。透明部1001の厚さに関する条件は、第
一実施形態と同じであるため説明は省略する。
本実施形態において、蓋部1003には円筒部1013が設けられ、円筒部1013の内周面1014によって角膜模型レンズ1005が保持される。また、蓋部1003は、筒状部1002の受け部1010及び内周面1012によって、筒状部1002内に位置決めされる。そして、蓋部1003には、蓋部1003が筒状部1002に位置決めされたときに、角膜模型レンズ1005と眼内レンズ1007との間に介在するように平板ガラス1006が設けられている。なお、平板ガラス1006が、平板状の透明部の一例に相当する。
さらに、蓋部1003には、蓋部1003が筒状部1002に位置決めされたときに、透明部1001と筒状部1002と蓋部1003とで囲まれる領域と模型眼モジュール1000の外部の領域とを接続する貫通孔1008が設けられている。図5に示すように、貫通孔1008の下側の開口1016は、上下方向において平板ガラス1006の下面1015よりも上方に位置する。これにより、後述するように、平面ガラス1006の下面1015に残留した気泡を、貫通孔1008の開口1016に誘導して、貫通孔1008を通過させ、模型眼モジュール1000の外部領域に逃がすことができる。
また、本実施形態において、透明部1001と筒状部1002と蓋部1003とで囲まれる領域において、筒状部1002の受け部1011によって、眼内レンズ1007の保持部1004が位置決めされる。また、眼内レンズ1007は保持部1004の円筒部1017の内周面1018の内側に位置決めされる。さらに、本実施形態において、眼内レンズ1007の支持部1023は、保持部1004の円筒部1017の外周に沿うように配される。そして、眼内レンズ1007の支持部1023は、弾性を持つ材料でできているレンズ止め用のリング1022の弾性力によって、眼内レンズ1007の保持部1004の上面1019に押圧される。これにより、リング1022と眼内レンズ1007の保持部1004との間で眼内レンズ1007の支持部1023が挟まれて、眼内レンズ1007の位置が保持部1004に対して固定される。なお、レンズ止め用のリング1022はレンズの有効径を遮ることなく簡便にレンズを固定できればよいので、様々な態様ものが考えられる。例えばゴム製のリングを用いてもよく、また金属線を多角形にしたようなものやクリップのようなものでもよい。またリングに拘る必要もなく、いわゆるプッシュ式のキャップのようなものでもよいし、弾性体の利用が難しければいわゆるねじ込み式のキャップやナット形状のものでも利用できる。
図6は、保持部1004における、眼内レンズ1007、円筒部1017、リング1022等の相対位置を示す模式図である。図6に示すように、眼内レンズ1007は、円筒部1017の内周面1018の内側に位置決めされるとともに、2本の支持部1023が円筒部1017に設けられた溝1024を挿通するように配される。本実施形態において、作業者は、リング1022を円筒部1017の外周に嵌め、さらにリング1022を押し下げて、2本の支持部1023がリング1022と保持部1004の上面1019とで挟まれた状態にする。なお、リング1022は、円筒部1017の外周に所定の接触圧力で当接している。したがって、本実施形態では、リング1022を用いることで、保持部1004において眼内レンズ1007をより確実に位置決めすることができる。
本実施形態においては、模型眼モジュール1000を上記構成とすることにより、透明部1001と筒状部1002と蓋部1003とで囲まれる領域を水で満たしたときに、気泡が生じても、当該領域内に気泡が閉じ込められることなく、模型眼モジュール1000を手動で光軸AXに対して傾ける等して、気泡を貫通孔1008から模型眼モジュール100の外部に逃がすことができる。なお、本実施形態では、貫通孔1008により気泡を模型眼モジュール1000の外部に逃がす構成としたが、貫通孔1008の代わりに凹み
を設けてもよい。これにより、貫通孔1008を設ける場合と同様に、一度凹み内に誘導された気泡が、透明部1001、眼内レンズ1007、絞り1021、平板ガラス1006、角膜模型レンズ1005により形成される光学系の光路に戻る懸念が解消される。このように、模型眼モジュール1000に気泡を逃がすための空間を設けることで、眼内レンズ1007の評価検査時に光学系の光路内に気泡が介在する懸念を解消することができる。
従来、ISO模型眼モジュール等では、眼内レンズを例えば水中にて評価するため、模型眼モジュールに水を閉じ込めて評価検査を行っていた。そして、ISO模型眼モジュール内に気泡が入らないようにISO模型眼モジュール全体を水中に浸漬した状態で眼内レンズをISO模型眼モジュール内において位置決めする必要があった。ただし、水中でISO模型眼モジュールの組み立てを行う場合、角膜模型レンズ表面にも水滴が付着し、評価検査を行う際に、角膜模型レンズが損傷しないように付着した水滴を取り除く必要があった。
本実施形態においては、図5に示すように、蓋部1003と保持部1004には、それぞれ貫通孔1008、1009が設けられている。このため、以下に説明するように、本実施形態では、上記の模型眼モジュールの組み立てを水中で行う必要がない。まず、作業者は、透明部1001が底になるように筒状部1002を平面上に載置する。そして、作業者は、透明部1001と筒状部1002とで囲まれる領域に水を注入する。水は、水面の高さが筒状部1002の受け部1010の位置と略同じになる程度まで注入する。次に、作業者は、保持部1004を図5に示す位置に配置する。保持部1004を配置する際、作業者は、保持部1004の下面を水面に当接させて、さらに保持部1004を水中に押し込む。そして、保持部1004が水中に押し込まれるときに、保持部1004の下面側(透明部1001側)にある水は、貫通孔1009を通じて保持部1004の上面側(蓋部1003側)に移動する。なお、貫通孔1009は、保持部1004の下面に気泡が生じた場合に、生じた気泡を逃がす機能も有する。
次に、作業者は、蓋部1003を図5に示す位置に配置する。上記の通り、上下方向において、貫通孔1008の開口1016が平板ガラス1006の下面1015よりも上方に位置する。したがって、作業者は、蓋部1003を配置する際に、最初に平板ガラス1006の下面1015と水面とを当接させる。次に、作業者は、蓋部1003を下方に押し込み、図5に示す位置まで移動する。蓋部1003が水中に押し込まれるときに、余分な水は、貫通孔1008を通じて、模型眼モジュール1000の外部に逃げる。以上により、本実施形態では、模型眼モジュール1000の組み立てを水中で行わなくとも、透明部1001、筒状部1002、蓋部1003で囲まれた領域を水で満たされた状態にすることができる。さらに、組み立て中に光学系の光路内に気泡が生じても、作業者は、気泡を貫通孔1008、1009から模型眼モジュール1000の外部に誘導ことができる。また、一度注入した水は、組み立て中に余分な分だけ貫通孔1008から模型眼モジュール1000の外部に排出することができる。
さらに本実施形態では、蓋部1003の円筒部1013の上下方向における高さが筒状部1002の上下方向における高さよりも高い位置に設けられている。これにより、貫通孔1008から水が排出され続けても、水は筒状部1002から模型眼モジュール1000の外部へと流れ、水が円筒部1013を乗り越えて角膜模型レンズ1005側に流入する懸念がない。したがって、貫通孔を上記のように設けることで、複雑な構成部材を追加することなく、模型眼モジュール1000の組み立て時に生じた気泡を簡易に除去することができる。そして、本実施形態によれば、模型眼モジュール1000の作製コストを抑えつつ、光学系の光路内に気泡が介在する懸念がないため精度よく眼内レンズ1007の評価検査を実施することができる。
[第四実施形態]
本発明の眼内レンズ検査装置の第四の実施形態における模型眼モジュールについて以下説明する。図7に示すように、本実施形態における模型眼モジュール2000は、透明部2001、筒状部2002、蓋部2003、角膜模型レンズ2005の保持部2012、眼内レンズ2007の保持部2004を有する。本実施形態では、透明部2001、筒状部2002、蓋部2003、角膜模型レンズ2005の保持部2012がケーシングを構成する。なお、以下の説明においても、図7に示すX軸方向を水平方向、左右方向とし、Y軸方向を垂直方向、上下方向とし、Y軸の正方向を上方、上側とし、Y軸の負方向を下方、下側とする。
透明部2001は、光透過性を有する板状部材であり、角膜模型レンズ2005及び眼内レンズ2007の光軸の通過位置周辺に設けられている。なお、本実施形態では、角膜模型レンズ2005と眼内レンズ2007とは、互いの光軸AXが一致するように配置されている。透明部2001と筒状部2002とは、接着剤等によって互いに接着されている。透明部2001の厚さに関する条件は、第一実施形態と同じであるため説明は省略する。
本実施形態において、蓋部2003は、筒状部2002の受け部2008及び内周面2009によって、筒状部2002に位置決めされる。そして、蓋部2003には、蓋部2003cが筒状部2002に位置決めされたときに、角膜模型レンズ2005と眼内レンズ2007との間に介在する位置に平板ガラス2015が設けられている。
また、筒状部2002には、蓋部2003が筒状部2002に位置決めされたときに、透明部2001と筒状部2002と蓋部2003とで囲まれる領域と模型眼モジュール2000の外部の領域とを接続する貫通孔2019が設けられている。貫通孔2019の内径は、貫通孔2019の開口における水の表面張力又はケーシング内外の気圧差によって、水が貫通孔2019から自然流出しないように適宜設定される。例えば、貫通孔2019の内径は0.1mm〜3mmに設定すると好適に水の自然流出を防止することができる。より好ましくは0.5mm以下に設定すると透明部2001と筒状部2002とで囲まれる領域に水を注入しただけの状態において、貫通孔2019から自然流出を防止することができる。
ケーシングに注入された水が貫通孔2019から自然流出しないことについて、さらに説明する。ここで、貫通孔の直径d[m]、透明部2001と筒状部2002で囲まれる領域の水の高さをh[m]、水の密度ρ[kg/m]、重力加速度g[m/s]、水の表面張力σ[N/m]、水の接触角θ[deg]とする。貫通孔から水が自然流出しない条件は、貫通孔において水の表面張力が、ケーシング内に囲われた水による水圧より大きいことなので、以下の式(1)で表される。
Figure 0006407576
ここで、貫通孔の円周l=dπ、貫通孔の面積S=(d/2)πである。
なお、表面張力は単位長さ当たりの力なので、孔の円周に比例することが知られている。また、ρ、g、σ、πは固有値であり、その値は、一般的な資料における記載に従う。
一例として、貫通孔の内周面の表面が平滑面で接触角θはほぼ0と仮定すると、h=30mmの場合について上記の条件式(1)は、
72.75×10−3[N/m]×d≧1000[kg/m]×9.8[m/s
×30×10−3[m]×d/4
よって、
d≦9.9×10−4[m]≒1[mm]
すなわち、本実施形態において貫通孔2019の直径は1mm以下であればよい。ただし、実際の水の接触角は0°より大きい点や、貫通孔の内周面の表面が粗面である場合等も考慮すると、水の自然流出をより確実に防止するため、設計値よりも小さい貫通孔の孔径を設定することが望ましい。
また、本実施形態において、透明部2001と筒状部2002と蓋部2003とで囲まれる領域において、筒状部2002の受け部2010及び内周面2011によって、眼内レンズ2007の保持部2004が位置決めされる。また、眼内レンズ2007は保持部2004の円筒部2020の内周面2021の内側に位置決めされる。さらに、本実施形態において、眼内レンズ2007の支持部2016が、保持部2004の円筒部2020の外周に沿うように配される。そして、眼内レンズ2007の支持部2016は、リング2017の弾性力によって、眼内レンズ2007の保持部2004の下面2022に押圧される。これにより、リング2017と眼内レンズ2007の保持部2004との間で眼内レンズ2007の支持部2016が挟まれて、眼内レンズ2007の位置が保持部2004に対して固定される。
さらに、筒状部2002には、内周面側に水を注入した際に生じた気泡を逃がすための溝2018が設けられている。本実施形態では、透明部2001と筒状部2002と眼内レンズ2007とその保持部2004とで囲まれる領域と、眼内レンズ2007とその保持部2004と蓋部2003(平板ガラス2006)とで囲まれる領域とが、水で満たされた状態となる。したがって、例えば、眼内レンズ2007の保持部2004を筒状部2002に位置決めした後で気泡が生じ、気泡が眼内レンズ2007の表面に残留しても、作業者は模型眼モジュール2000を光軸AXに対して傾ける等して気泡を溝2018内に逃がすことができる。また、気泡が平板ガラス2006の下面2015に残留しても、作業者は、模型眼モジュール2000を傾ける等して、気泡を眼内レンズ2007と保持部2004の円筒部2020の内周面2021との間を通過させて透明部2001側に誘導し、さらに溝2018内に逃がすことができる。図7に示すように、上下方向における筒状部2002の断面において、溝2018は略L字形に形成されているため、一度溝2018内に誘導された気泡は、透明部2001、眼内レンズ2007、平板ガラス2006、角膜模型レンズ2005により形成される光学系の光路内に戻る懸念が解消される。なお、平板ガラス2006が、平板状の透明部の一例に相当する。
本実施形態では、模型眼モジュール2000の組み立てにあたり、作業者は、透明部2001が底になるように筒状部2002を平面上に載置する。そして、作業者は、透明部2001と筒状部2002とで囲まれる領域に水を注入する。水は、水面の高さが筒状部2002の受け部2007の位置と略同じになる程度まで注入する。次に、作業者は、保持部2004を図7に示す位置に配置する。保持部2004を配置する際、作業者は、保持部2004の下面を水面に当接させて、さらに保持部2004を水中に押し込む。そして、保持部2004が押し込まれるときに、余分な水は、貫通孔2019を通じて模型眼モジュール2000の外部に排出される。本実施形態では、透明部2001と筒状部2002とで囲まれる領域に注入された水は、貫通孔2019は細径の穴であるので、その表面張力又はケーシング内外の気圧差により、貫通孔2019から自然排出されず、保持部2004を水中に押し込む等、注入された水に圧力が加えられたときに貫通孔2019から排出される。
次に、作業者は、蓋部2003を図7に示す位置に配置する。蓋部2003を配置する際に、蓋部2003に押し込まれた水は、上記と同様、貫通孔2019を通じて、模型眼
モジュール2000の外部に排出される。以上の通り、本実施形態においても、模型眼モジュール2000の組み立てを水中で行う必要がない。また、模型眼モジュール2000の組み立て中に光学系の光路内に気泡が生じても、気泡を溝2018に逃がすことができる。さらに、透明部2001と筒状部2002とで囲まれる領域に注入した水は、組み立て中に余分な分だけ貫通孔2019から排出することができる。
さらに、本実施形態においては、図7に示すように、角膜模型レンズ2005の保持部2012が設けられている。保持部2012が、角膜模型レンズを光軸周りに回転させる回転部の一例である。角膜模型レンズ2005の保持部2012の外周面2013は、蓋部2003の内周面2014と摺動可能に接し、保持部2012が蓋部2003に嵌め合わされている。これにより、保持部2012は、光軸AX周りに回転させることができる。したがって、作業者は、模型眼モジュール2000を用いて眼内レンズ2007の評価検査を実施しているときに、保持部2012を回転させることで、角膜模型レンズ2005と眼内レンズ2007の相対位置を所望の位置に調整して眼内レンズ2007の視機能を評価することができる。
図8に、本実施形態における模型眼モジュール2000の上面図を示す。図8に示すように、蓋部2003の上面に所定の角度間隔で指標2023が付されている。さらに、角膜模型レンズ2005の保持部2012の上面にも、指標2024が付されている。作業者は、保持部2012を光軸AX周りに回転させ、指標2024をいずれかの指標2023に合わせることで、保持部2012と蓋部2003の相対位置を決定することができる。
眼内レンズ2007がトーリックレンズである場合、眼内レンズ2007の評価をするためには角膜模型レンズ2005と眼内レンズ2007との軸合わせをする必要がある。ここで、角膜模型レンズ2005は、人眼の乱視が想定されたトーリックレンズとしてもよい。従来の模型眼モジュールでは、眼内レンズは単焦点や多焦点等の回転対称型の眼内レンズが想定されているため、角膜模型レンズと眼内レンズとの軸合わせは想定されていない。このため、角膜模型レンズを保持するユニット自体が、模型眼モジュール内に水を密閉する機能を有していたり、他のユニットと接着等により固定されていたりして、角膜模型レンズを自由に軸合わせすることはできなかった。
一方、本実施形態では、角膜模型レンズ2005の保持部2012の外周面2013と蓋部2003の内周面2014との上下方向の接触範囲は、例えば5mm以上20mm以下、より好ましくは8mm以上12mm以下である。この接触範囲が5mm未満に設定されると、作業者が保持部2012を回転させた際に保持部2012が傾く等して、保持部2012と蓋部2003との嵌め合いが解除され、角膜模型レンズ2005の光軸が図7に示す光軸AXに対して傾き、正常に眼内レンズ2007の評価を行うことができない可能性がある。一方、上下方向における接触範囲が20mm以上に設定されると、図7において保持部2012の上下方向の長さが長くなるため、角膜模型レンズ2005ひいては眼内レンズ2007に入射する光の画角が狭まってしまい、実際の眼球における視界よりも狭い視界での評価しかできなくなってしまう。
特に、一般的な視力表を用いて眼内レンズ2007の視機能を評価する際は、模型眼モジュールを横(図7に示す模型眼モジュール2000をXY平面内で90度回転させた状態)にして使用することが好ましい。この場合、Y軸方向が重力方向であるから、必然的に保持部2012には、保持部2012を光軸AXに対してY軸の負方向に傾かせる力が働く。このため、上記のように角膜模型レンズ2005の保持部2012の外周面2013と蓋部2003の内周面2014との接触範囲を規定すると、眼内レンズ2007の評価検査時に、保持部2012が光軸AXに対して傾かないように、保持部2012と蓋部
202とを嵌め合わせることができる。
特に、眼内レンズ2007がトーリックレンズである場合は、角膜模型レンズ2005の円柱屈折力は、眼内レンズ2007の円柱屈折力に伴って変更する必要があるため、角膜模型レンズ2005は簡易に取り替え可能であることが好ましい。この点、上記のように角膜模型レンズ2005の保持部2012の外周面2013と蓋部2003の内周面2014との上下方向における接触範囲を規定することで、保持部2012の取替え時に保持部2012が光軸AXに対して傾く懸念がなく、角膜模型レンズ2005と眼内レンズ2007との軸合わせを容易に行うことができる。本実施形態においては、模型眼モジュール2000の組み立てが完了した後で、角膜模型レンズ2005の保持部2012、蓋部2003、眼内レンズ2007の保持部2004をそれぞれ取り外すことで、眼内レンズを取り替えることができる。また、保持部2012を取り外し、角膜模型レンズ2005とは異なる光学性能を有する角膜模型レンズを備える別の保持部に取り替えることで、評価検査に用いる角膜模型レンズを自由に取り替えることができる。したがって、本実施形態では、複雑な構成部材を追加せずに制作コストを抑えつつ、検査対象の眼内レンズがトーリック眼内レンズである場合でも精度よく評価可能な模型眼モジュール2000を作製することができる。
[その他の実施形態]
本発明は上記実施形態に限定されるものではない。たとえば、円形状開口部4aの係止部を開放状態にある眼内レンズXの支持部よりわずかに狭い幅とすることで、眼内レンズXのレンズ支持部の弾性力により眼内レンズXが着脱部4の円形状開口部4aに固定されてもよい。
模型眼モジュール1として、開口部4aが円形状のものを説明したが、開口部は四角形状等の他の形状であってもよい。また、模型眼モジュール1の側壁として、丸い筒状部2aで構成する場合を説明したが、模型眼モジュール1の側壁は、角筒状等の他の形状であってもよい。
眼内レンズ検査方法では、透明液体充填工程(S1)の後に、眼内レンズ装着工程(S2)を行う方法を説明したが、逆の順序すなわち眼内レンズ装着工程(S2)を先に行ってもよい。逆の順序で行う場合は、蓋部2bをケーシング2の筒状部2aに装着する前に透明液体充填工程(S1)を行う。
第二実施形態の眼内レンズ検査装置30において、同一経路を互いに逆方向に進行する光の干渉模様を用いる方法を説明したが、他の公知の方法を用いてもよい。たとえば、マイケルソン干渉計、マッハツェンダー干渉計を用いることができる。
第一実施形態の眼内レンズ検査装置10において、光源ユニット11から出射された光線が、模型眼モジュール1の透明部2bの外面に入射し角膜模型レンズ3から出射する形態を述べたが、光源ユニット11から出射された光線が、模型眼モジュール1の角膜模型レンズ3の外面に入射し透明部2bから出射する形態を用いても、眼内レンズ検査装置10と同様の効果を奏する。この場合、光源ユニット11は模型眼モジュール1の角膜模型レンズ側3に配設され、撮像ユニット12は模型眼モジュール1の透明部2b側に配設される。
第二実施形態の眼内レンズ検査装置30において、反射板5が透明部2bの外面側に配設されている場合を説明したが、反射板5は透明部2bの内面側に配設されていてもよい。また、反射板5は、角膜模型レンズ3の外面側に配設されていてもよい。反射板5が角膜模型レンズ3の外面側に配設されている場合は、光源ユニット11及び干渉計ユニット
31は、模型眼モジュール101の透明部2b側に配設される。光源ユニット11から出射された光線が、模型眼モジュール101の透明部2bの外面に入射する経路を利用することで、このような配設としても当該眼内レンズ検査装置は、眼内レンズ検査装置30と同様の効果を奏する。
上記の説明における角膜模型レンズは、上記に限らず、種々の用途に合わせて構成することができる。すなわち、上記の説明では角膜模型レンズを1枚用いる構成としたが、レンズ及び光学部品を複数組み合わせた光学系を角膜模型レンズとして使用してもよい。特に上記の第三及び第四実施形態では、模型眼モジュールに注入された水と角膜模型レンズとの間に平板ガラスが配設されているため、角膜模型レンズは両凸レンズに限らず自由に構成することができる。
また、上記の第三実施形態の模型眼モジュール1000と第四実施形態の模型眼モジュール2000を組み合わせ、模型眼モジュール1000の蓋部1003を光軸AX周りに回転自在に設けてもよいし、筒状部1002の側面に貫通孔2019を設ける構成としてもよい。さらに、貫通孔2019は筒状部1002の側面に限らず、各実施形態においてケーシングの所望の位置に設けることができる。そして、これらの構成に限らず、種々の用途に合わせて、適宜構成を変更することもできる。
さらに、上記の第三実施形態の模型眼モジュール1000又は第四実施形態の模型眼モジュール2000を、図4に示される第二実施形態の模型眼モジュール101の代わりに用いることで、上記反射板を用いて模型眼モジュール1000又は模型眼モジュール2000内を通過する光線を反射することで干渉模様ができるため、上記干渉模様による収差測定を行うことができるようになる。なお、模型眼モジュール101の代わりに模型眼モジュール1000又は模型眼モジュール2000を用いた場合でも、模型眼モジュール以外の構成等は上記の第二実施形態と同様であるため、詳細な説明は省略する。
また、上記の第一実施形態の模型眼モジュール1又は第二実施形態の模型眼モジュール101に対して、第三、四実施形態に倣い、ケーシングが角膜模型レンズを光軸周りに回転させる回転部を有する構成とすることもできる。また、上記の第一実施形態の模型眼モジュール1又は第二実施形態の模型眼モジュール101に対して、第三、四実施形態に倣い、体液近似透明液体が収容される領域とケーシングの外部の領域とを接続する貫通孔を設け、ケーシングに収容された体液近似透明液体が、貫通孔の開口における表面張力又はケーシング内外の気圧差により、貫通孔からの自然流出が抑止される構成としてもよい。また、上記の第一実施形態の模型眼モジュール1又は第二実施形態の模型眼モジュール101に対して、第三、四実施形態に倣い、ケーシングに着脱可能に装着される角膜模型レンズの保持部を有する構成としてもよい。
また、角膜模型レンズは、人眼の球面収差を再現した非球面レンズとしてもよい。また、上記の説明では模型眼モジュールに水を注入する場合を想定したが、水の代わりに周知の体液近似透明液体を調整して注入してもよい。また、上記の説明において、透明部は、少なくとも角膜模型レンズ及び眼内レンズの光軸の通過位置周辺が透明部であればよい。
以上のように、本発明の模型眼モジュール及び当該模型眼モジュールを使った眼内レンズ検査装置は、短時間で精度の良い検査を安価に実現できる。そのため、特に膨大な検体数を扱う製造時の眼内レンズの仕上がりを検査確認する作業に好適に使用できる。
1 模型眼モジュール
2 ケーシング
2a 筒状部
2b 透明部
2c 蓋部
3 角膜模型レンズ
4 着脱部
4a 円形状開口部
5 反射板
10 眼内レンズ検査装置
11 光源ユニット
12 撮像ユニット
12a 受光部
12b 電子計算機
30 眼内レンズ検査装置
31 干渉計ユニット
32 電子計算機
1000、2000、101 模型眼モジュール
1001、2001 透明部
1002、2002 筒状部
1003、2003 蓋部
1004、2004 眼内レンズの保持部
1005、2005 角膜模型レンズ
1006、2006 平板ガラス
1007、2007 眼内レンズ
1008、1009、2019 貫通孔
1013 円筒部
1021 絞り
1022、2017 リング
1023、2016 眼内レンズの支持部
1024、2018 溝
2012 角膜模型レンズの保持部
2023、2024 指標

Claims (20)

  1. 眼内レンズの波面収差を検査するための模型眼モジュールであって、
    開口を有し、内部に体液近似透明液体が収容可能なケーシングと、
    前記ケーシングの開口に嵌合する角膜模型レンズと、
    前記ケーシング内に前記眼内レンズを前記角膜模型レンズと光軸を略一致させるよう配設するための着脱部と
    を備え、
    前記ケーシングが前記光軸の通過位置周辺に透明部を有し、
    前記角膜模型レンズが両凸レンズであり、
    前記ケーシングが、不透明な筒状部と、前記筒状部の底面部分を覆うよう配設される板状の前記透明部とを備える
    ことを特徴とする模型眼モジュール。
  2. 前記体液近似透明液体が水である請求項1に記載の模型眼モジュール。
  3. 前記角膜模型レンズの一方側の媒質を空気、他方側の媒質を水とした場合の水側開口数が0.04以上0.20以下である請求項2に記載の模型眼モジュール。
  4. 前記ケーシングが、前記筒状部の上面側に着脱可能に嵌合し、中央に前記開口を有する蓋部を備え、
    前記着脱部が、前記筒状部の内面側に挿脱可能に構成され、中央部に眼内レンズを係止可能な円形状開口部を有している請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の模型眼モジュール。
  5. 前記角膜模型レンズの外面側又は前記透明部の外面側若しくは内面側に積層される反射板をさらに備える請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の模型眼モジュール。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の模型眼モジュールと、
    前記模型眼モジュールの角膜模型レンズの外面又は透明部の外面に光線を照射する光源ユニットと、
    前記模型眼モジュール内を通過し、角膜模型レンズ又は透明部から出射した光線を撮影
    し、画像を取得する撮像ユニットと
    を備える眼内レンズ検査装置。
  7. 前記模型眼モジュールの角膜模型レンズの外面を通過する光線の直径が3mm以上6.6mm以下である請求項6に記載の眼内レンズ検査装置。
  8. 請求項6又は請求項7に記載の眼内レンズ検査装置を用い、眼内レンズの波面収差を検査する眼内レンズ検査方法であって、
    前記ケーシング内に体液近似透明液体を充填する工程と、
    前記着脱部に眼内レンズを装着する工程と、
    前記光源ユニットから角膜模型レンズの外面又は透明部の外面に光線を照射する工程と、
    前記撮像ユニットにより、模型眼モジュール内を通過し、角膜模型レンズ又は透明部から出射した光線を撮影し、画像を取得する工程と、
    前記撮像工程で取得した画像データに基づいて眼内レンズの波面収差の有無又はその程度を判定する工程と
    を有することを特徴とする眼内レンズ検査方法。
  9. 前記判定工程において、撮像工程で取得した画像データを眼内レンズ未装着状態で取得した画像データと対比するシャック・ハルトマン法を用いる請求項8に記載の眼内レンズ検査方法。
  10. 請求項5に記載の模型眼モジュールと、前記模型眼モジュールの角膜模型レンズの外面又は透明部の外面に光線を照射する光源ユニットと、前記模型眼モジュール内を通過し、角膜模型レンズ又は透明部から出射した光線を撮影し、画像を取得する撮像ユニットと、を備える眼内レンズ検査装置を用い、眼内レンズの波面収差を検査する眼内レンズ検査方法であって、
    前記ケーシング内に体液近似透明液体を充填する工程と、
    前記着脱部に眼内レンズを装着する工程と、
    前記光源ユニットから角膜模型レンズ及び透明部のうち前記反射板が積層されていない方の外面に光線を照射する工程と、
    前記撮像ユニットにより、模型眼モジュール内を通過し、前記反射板で反射し、模型眼モジュール内を往復して角膜模型レンズ又は透明部から出射した光線を撮影し、画像を取得する工程と、
    前記撮像工程で取得した画像データの干渉模様により眼内レンズの波面収差の有無又はその程度を判定する工程と
    を有することを特徴とする眼内レンズ検査方法。
  11. 眼内レンズの波面収差を検査するための模型眼モジュールであって、
    開口を有し、内部に体液近似透明液体が収容可能なケーシングと、
    前記ケーシングの開口に嵌合する角膜模型レンズと、
    前記ケーシング内に前記眼内レンズを前記角膜模型レンズと光軸を略一致させるよう配設する前記眼内レンズの保持部と
    を備え、
    前記ケーシングが前記光軸の通過位置周辺に透明部を有し、
    前記ケーシングが前記角膜模型レンズと前記眼内レンズとの間に平板状の透明部を有し、
    前記ケーシングに、前記体液近似透明液体に生じた気泡を、前記模型眼モジュールの光学系の光路から逃がすための空間が設けられている
    ことを特徴とする模型眼モジュール。
  12. 前記模型眼モジュールの上下方向において、前記空間の前記気泡が進入する開口が、前記平板状の透明部の前記眼内レンズと対向する面よりも上側に位置することを特徴とする請求項11に記載の模型眼モジュール。
  13. 前記空間は、前記ケーシング内の前記体液近似透明液体が収容される領域と前記模型眼モジュールの外部の領域とを接続する第1の貫通孔であることを特徴とする請求項11又は請求項12に記載の模型眼モジュール。
  14. 前記空間は、前記気泡を収容可能な凹部であることを特徴とする請求項11又は請求項12に記載の模型眼モジュール。
  15. 眼内レンズの波面収差を検査するための模型眼モジュールであって、
    開口を有し、内部に体液近似透明液体が収容可能なケーシングと、
    前記ケーシングの開口に嵌合する角膜模型レンズと、
    前記ケーシング内に前記眼内レンズを前記角膜模型レンズと光軸を略一致させるよう配設するための着脱部と
    を備え、
    前記ケーシングが前記光軸の通過位置周辺に透明部を有し、
    前記角膜模型レンズが両凸レンズであり、
    前記ケーシングが前記角膜模型レンズを前記光軸周りに回転させる回転部を有する
    ことを特徴とする模型眼モジュール。
  16. 眼内レンズの波面収差を検査するための模型眼モジュールであって、
    開口を有し、内部に体液近似透明液体が収容可能なケーシングと、
    前記ケーシングの開口に嵌合する角膜模型レンズと、
    前記ケーシング内に前記眼内レンズを前記角膜模型レンズと光軸を略一致させるよう配設するための着脱部と
    を備え、
    前記ケーシングが前記光軸の通過位置周辺に透明部を有し、
    前記角膜模型レンズが両凸レンズであり、
    前記ケーシングは、前記体液近似透明液体が収容される領域と前記ケーシングの外部の領域とを接続する第2の貫通孔を有する、
    ことを特徴とする模型眼モジュール。
  17. 眼内レンズの波面収差を検査するための模型眼モジュールであって、
    開口を有し、内部に体液近似透明液体が収容可能なケーシングと、
    前記ケーシングの開口に嵌合する角膜模型レンズと、
    前記ケーシング内に前記眼内レンズを前記角膜模型レンズと光軸を略一致させるよう配設するための着脱部と
    を備え、
    前記ケーシングが前記光軸の通過位置周辺に透明部を有し、
    前記角膜模型レンズが両凸レンズであり、
    前記ケーシングは、前記ケーシングに着脱可能に装着され前記角膜模型レンズを保持する保持部を有する
    ことを特徴とする模型眼モジュール。
  18. 前記角膜模型レンズの外面側又は前記透明部の外面側若しくは内面側に積層される反射板をさらに備える請求項11から請求項17のいずれか1項に記載の模型眼モジュール。
  19. 請求項11から請求項18のいずれか1項に記載の模型眼モジュールと、
    前記模型眼モジュールの角膜模型レンズの外面又は透明部の外面に光線を照射する光源ユニットと、
    前記模型眼モジュール内を通過し、角膜模型レンズ又は透明部から出射した光線を撮影し、画像を取得する撮像ユニットと
    を備える眼内レンズ検査装置。
  20. 請求項18に記載の模型眼モジュールと、前記模型眼モジュールの角膜模型レンズの外面又は透明部の外面に光線を照射する光源ユニットと、前記模型眼モジュール内を通過し、角膜模型レンズ又は透明部から出射した光線を撮影し、画像を取得する撮像ユニットと、を備える眼内レンズ検査装置を用い、眼内レンズの波面収差を検査する眼内レンズ検査方法であって、
    前記ケーシング内に体液近似透明液体を充填する工程と、
    前記着脱部に眼内レンズを装着する工程と、
    前記光源ユニットから角膜模型レンズ及び透明部のうち前記反射板が積層されていない方の外面に光線を照射する工程と、
    前記撮像ユニットにより、模型眼モジュール内を通過し、前記反射板で反射し、模型眼モジュール内を往復して角膜模型レンズ又は透明部から出射した光線を撮影し、画像を取得する工程と、
    前記撮像工程で取得した画像データの干渉模様により眼内レンズの波面収差の有無又はその程度を判定する工程と
    を有することを特徴とする眼内レンズ検査方法。
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