以下に説明する実施例では、複数のドメインから構成されるネットワークシステムにおいて、複数のドメインに跨る複数の伝送経路の設定または変更の迅速化を図る。ここでドメインとは、管理体系が異なるネットワークを意味する。すなわち、ドメイン毎にネットワーク管理機構が存在する。また、本実施例において、面とは、伝送経路の集合体である。具体的には、現用面は、現用系として運用している伝送経路の集合体であり、復旧面(予備面とも称す)は、復旧用として運用する予定の伝送経路の集合体である。
実施例1では、異なる管理機構を有するネットワークが複数相互に接続されたシステムにおいて、第1のネットワークにおける複数の設定変更と第2のネットワークにおける複数の設定変更を協調して実行する例について説明する。なお、実施例1では、ネットワークの管理機構が存在する単位にネットワークと称しているが、ドメインという表現を用いても良い。その場合、複数のドメインが相互接続されたシステムにおいて、第1のドメインにおける複数の設定変更と第2のドメインにおける複数の設定変更を協調して実行するシステムとしても良い。
<通信システムのシステム構成例>
図1は、実施例1にかかる通信システムの構成例を示す説明図である。実施例1の相互接続された通信システム1は、第1のネットワーク10Aと第2のネットワーク10Bとより構成される。実施例1では、2つのネットワーク10A,10Bを相互接続しているが、3以上のネットワークを相互接続しても良い。ネットワーク10Aは、管理サーバ5Aと、ネットワークノード(以下、単に「ノード」)n11〜n16と、端末TA1〜TA3と、を有する。第1のネットワーク10A内において、ノードn11〜n16を区別しない場合は、ノードn1と表記し、端末TA1〜TA3を区別しない場合は、端末TAと表記する。
第2のネットワーク10Bは、管理サーバ5Bと、ノードn21〜n26と、端末TB1〜TB3と、を有する。第2のネットワーク10B内において、ノードn21〜n26を区別しない場合は、ノードn2と表記し、端末TB1〜TB3を区別しない場合は、端末TBと表記する。
通信システム1内において、ノードn11〜n16、n21〜n26を区別しない場合は、ノードnと表記し、端末TA1〜TA3、TB1〜TB3を区別しない場合は、端末Tと表記する。また、ネットワーク10A,10Bを区別しない場合は、ネットワーク10と表記する。また、管理サーバ5A,5Bを区別しない場合は、管理サーバ5と表記する。ノードn間の線分は伝送路となるリンクである。なお、端末Tとノードnとの間のリンクは、有線でも無線でもよい。
また、実施例1では、二つのネットワーク10A,10Bを接続するリンクに仮想的な接続ポイントである仮想接続ノードv1〜v3を接続点として設定する。仮想接続ノードv1〜v3を区別しない場合は、仮想接続ノードvと表記する。なお、実施例1では、第1のネットワーク10Aと第2のネットワーク10Bとの間を3経路にて接続しているが、2経路、或いは4経路以上にて接続しても良い。また、管理サーバ5Aは、ノードn11とのみ接続しているように図1中では記載しているが、図示しない管理用のネットワークを用いて、ネットワーク10A内の全てのネットワークノードn11〜n16と接続されている。同様に、管理サーバ5Bは、ノードn21とのみ接続しているように図1中では記載しているが、図示しない管理用のネットワークを用いて、ネットワーク10B内の全てのネットワークノードn21〜n26と接続されている。
<接続管理テーブル>
接続管理テーブルは、接続相手のネットワークとの接続関係を管理するテーブルである。接続管理テーブルは、第1のネットワーク10Aと第2のネットワーク10Bのそれぞれの管理サーバ5A,5Bに用意される。
図2Aは、実施例1にかかる第1のネットワーク10Aにおける第2のネットワーク10Bとの接続を管理する接続管理テーブル200Aの記憶内容例を示す説明図である。第1のネットワーク10A側の接続管理テーブル200Aは、フィールドとして、リンクID201Aと、自ノード202Aと、仮想接続ノード203Aと、リンク帯域204Aと、を有する。リンクID201Aは、値として、第1のネットワーク10Aと第2のネットワーク10Bとを接続するリンクを一意に特定する識別子を格納する。自ノード202Aは、値として、リンクID201Aで特定されるリンクに接続している自ネットワークにおけるノードを一意に特定する識別子を格納する。仮想接続ノード203Aは、値として、リンクID201Aで特定されるリンク上に仮想的に存在する接続ポイント(仮想接続ノードv1〜v3)を一意に特定する識別子を格納する。リンク帯域204Aは、値として、リンクID201Aで特定されるリンクの帯域(通信速度)を格納する。
実施例1では、接続管理テーブル200Aに示されるように、第1のネットワーク10Aおよび第2のネットワーク10Bは、3経路にて接続されている。またそれら3経路は、AB1、AB2、AB3として識別される。リンクAB1は、自ネットワーク10Aのノードn14と仮想接続ノードv1とが1[Gbps]の帯域で接続されていることを示している。また、リンクAB2は、自ネットワーク10Aのノードn15と仮想接続ノードv2とが1[Gbps]の帯域で接続されていることを示している。さらに、リンクAB3は、自ネットワーク10Aのノードn16と仮想接続ノードv3とが1[Gbps]の帯域で接続されていることを示している。
図2Bは、実施例1にかかる第2のネットワーク10Bにおける第1のネットワーク10Aとの接続を管理する接続管理テーブル200Bの記憶内容例を示す説明図である。第2のネットワーク10B側の接続管理テーブル200Bは、フィールドとして、リンクID201Bと、自ノード202Bと、仮想接続ノード203Bと、リンク帯域204Bと、を有する。リンクID201Bは、値として、第2のネットワーク10Bと第1のネットワーク10Aとを接続するリンクを一意に特定する識別子を格納する。自ノード202Bは、値として、リンクID201Bで特定されるリンクに接続している自ネットワークにおけるノードを一意に特定する識別子を格納する。仮想接続ノード203Bは、値として、リンクID201Bで特定されるリンク上に仮想的に存在する接続ポイント(仮想接続ノードv1〜v3)を一意に特定する識別子を格納する。リンク帯域204Bは、値として、リンクID201Bで特定されるリンクの帯域を格納する。
実施例1では、接続管理テーブル200Bに示されるように、第1のネットワーク10Aおよび第2のネットワーク10Bは、3経路にて接続されている。またそれら3経路は、AB1、AB2、AB3として識別される。リンクAB1は、自ネットワーク10Bのノードn24と仮想接続ノードv1とが1[Gbps]の帯域で接続されていることを示している。また、リンクAB2は、自ネットワーク10Bのノードn25と仮想接続ノードv2とが1[Gbps]の帯域で接続されていることを示している。さらに、リンクAB3は、自ネットワーク10Bのノードn26と仮想接続ノードv3とが1[Gbps]の帯域で接続されていることを示している。
なお、ネットワーク10B側におけるリンクID201Bとして、第1のネットワーク10A側と同一の識別子を利用しているが、第1のネットワーク10A側と第2のネットワーク10B側で異なるリンクIDを用いても良い。
<現用系の伝送経路設定例>
図3は、実施例1にかかる通信システム1における現用系の伝送経路の設定例を示す説明図である。実施例1では、端末T間の通信を実現するため、3本の現用系の伝送経路が設定される。すなわち、現用系の伝送経路91(91a〜91e)、伝送経路92(92a〜92e)、および伝送経路93(93a〜93e)が設定される。なお、伝送経路91c、92c、93cは、仮想接続ノードv1〜v3を跨ぐため、伝送経路91c1、91c2、92c1、92c2、93c1、および93c2に仮想的に分離される。
なお、伝送経路91は、端末TA1から設定されるため、図3では伝送経路91の伝送方向は端末TA1から端末TB1への矢印であらわしているが、設定後は双方向で伝送可能である。伝送経路92は、端末TA2から設定されるため、図3では伝送経路92の伝送方向は端末TA2から端末TB2への矢印であらわしているが、設定後は双方向で伝送可能である。伝送経路93は、端末TB3から設定されるため、図3では伝送経路92の伝送方向は端末TB3から端末TA3への矢印であらわしているが、設定後は双方向で伝送可能である。
<伝送経路管理テーブル>
伝送経路管理テーブルは、現用系の伝送経路を管理するテーブルである。伝送経路管理テーブルは、第1のネットワーク10Aと第2のネットワーク10Bのそれぞれの管理サーバ5A,5Bに用意される。
図4Aは、実施例1にかかる第1のネットワーク10Aにおける現用系の伝送経路を管理する伝送経路設定情報400A0の記憶内容例を示す説明図である。伝送経路設定情報400A0は、フィールドとして、復旧面401Aと、NGノード402Aと、NG接続403Aと、伝送経路ID404Aと、送信元405Aと、経由ノード406Aと、送信先407Aと、帯域408Aと、を有する。
復旧面401Aは、値として、復旧面を一意に特定する識別子を格納する。NGノード402Aは、値として、復旧面401Aに対応するNGノードを一意に特定する識別子を格納する。NGノードは、障害ノードやメンテナンス中のノードなど、通信不可能な状態のノードである。NGノード402Aは、復旧面401Aの値が現用面を示す「A0」の場合は規定されない。すなわち、「A0」は、いずれのノードn1にも障害やメンテナンスが発生していない理想的な状態を示す面である。
NG接続403Aは、値として、接続が禁止される仮想接続ノードvを一意に特定する識別子を格納する。伝送経路ID404Aは、値として、復旧面401Aに含まれる伝送経路を一意に特定する伝送経路IDを格納する。送信元405Aは、値として、伝送経路ID405Aで特定される伝送経路の送信元を一意に特定する識別子を格納する。経由ノード406Aは、値として、伝送経路ID405Aで特定される伝送経路を通過するノードを一意に特定する識別子を格納する。送信先407Aは、値として、伝送経路ID405Aで特定される伝送経路の送信先を一意に特定する識別子を格納する。帯域408Aは、値として、伝送経路ID405Aで特定される伝送経路の帯域を格納する。フィールド401A〜407Aは、あらかじめ設定され、帯域408Aは、管理者の入力により設定される。
図4Aでは、面A0は、第1のネットワ―ク10Aにおいて障害が発生していない状況での運用面を示している。また、図4Aでは3本の伝送経路を設定していることを示している。例えば、伝送経路P01は、端末TA1からノードn11、n14、v1を経由して、端末TB1へ到達する伝送経路であり、且つ帯域408Aとして10[Mbps]が確保される。また、伝送経路P03では、端末TB3からノードv3、n16、n13を経由して、端末TA3へ到達する伝送経路であり、且つ帯域408Aとして20[Mbps]が確保される。なお、伝送経路P01〜P03は、それぞれ、図3に示した伝送経路91〜93に対応する。
なお、実施例1では、端末TA1が端末TB1へデータ送信するといったように、1対1の接続構成を例に説明したが、端末TA1が端末TB1と他の端末とにデータ送信するといったように、1対多の接続構成において、実施しても良い。
図4Bは、実施例1にかかる第2のネットワーク10Bにおける現用系の伝送経路を管理する伝送経路設定情報400B0の記憶内容例を示す説明図である。伝送経路設定情報400B0は、フィールドとして、復旧面401Bと、NGノード402Bと、NG接続403Bと、伝送経路ID404Bと、送信元405Bと、経由ノード406Bと、送信先407Bと、帯域408Bと、を有する。
復旧面401Bは、値として、復旧面を一意に特定する識別子を格納する。NGノード402Bは、値として、復旧面401Bに対応するNGノードを一意に特定する識別子を格納する。NGノードは、障害ノードやメンテナンス中のノードなど、通信不可能な状態のノードである。NGノード402Bは、復旧面401Bの値が現用面を示す「B0」の場合は規定されない。すなわち、「B0」は、いずれのノードn1にも障害やメンテナンスが発生していない理想的な状態を示す面である。
NG接続403Bは、値として、接続が禁止される仮想接続ノードvを一意に特定する識別子を格納する。伝送経路ID404Bは、値として、復旧面401Bに含まれる伝送経路を一意に特定する伝送経路IDを格納する。送信元405Bは、値として、伝送経路ID405Bで特定される伝送経路の送信元を一意に特定する識別子を格納する。経由ノード406Bは、値として、伝送経路ID405Bで特定される伝送経路を通過するノードを一意に特定する識別子を格納する。送信先407Bは、値として、伝送経路ID405Bで特定される伝送経路の送信先を一意に特定する識別子を格納する。帯域408Bは、値として、伝送経路ID405Bで特定される伝送経路の帯域を格納する。フィールド401B〜407Bは、あらかじめ設定され、帯域408Bは、管理者の入力により設定される。
図4Bでは、面B0は、第2のネットワ―ク10Bにおいて障害が発生していない状況での運用面を示している。また、図4Bでは3本の伝送経路を設定していることを示している。例えば、伝送経路P01は、端末TA1からノードv1、n21、n24を経由して、端末TB1へ到達する伝送経路であり、且つ帯域408Bとして10[Mbps]が確保される。また、伝送経路P03では、端末TB3からn23、n26、ノードv3を経由して、端末TA3へ到達する伝送経路であり、且つ帯域408Bとして20[Mbps]が確保される。伝送経路ID404Bとして、図4Aで示した第1のネットワーク10A側の識別子と同一の識別子を用いているが、異なる識別子を用いても良い。
<障害発生時の伝送経路設定例>
図5は、実施例1にかかる通信システム1における障害発生時の伝送経路の設定例を示す説明図である。実施例1では、ノードn14に障害が発生する場合を想定して説明する。図5に示されるように、通信システム1では、ノードn14に障害が発生した場合の復旧設定として、現用系としての伝送経路91(P01)に対して、復旧用の経路である伝送経路94(94a、94b、94c、94d1、94d2、94e、94f、94g)が事前に算出、準備される。
第1のネットワーク10A側の管理サーバ5Aは、ノードn14に障害が発生した場合の復旧面である面A1を、復旧用の伝送経路の設定情報として事前に算出して管理する。一方、第2のネットワーク10B側の管理サーバ5Bは、面A1の設定において、仮想接続ノードv1〜v3を通過する伝送経路の設定情報をネットワーク10の管理サーバから受信する。また、管理サーバ5Bは、受信した仮想接続ノードv1〜v3を通過する伝送経路の設定情報から、第2のネットワーク10B側の伝送経路の変更設定情報を算出して管理する。より具体的には、管理サーバ5Bは、自ネットワークに障害が発生していない状況(すなわち、面B0)において、面A1にて設定される伝送経路と接続するための設定情報を算出し、当該設定情報を面B0A1として管理する。
<復旧面の事前設定シーケンス>
図6は、実施例1にかかる復旧面の事前設定例を示すシーケンス図である。管理サーバ5Aは、第1のネットワーク10Aの管理者の入力により、第2のネットワーク10Bとの接続境界点として、図2Aに示した仮想接続ノード203Aに値v1〜v3を設定する(ステップS601)。続いて、管理サーバ5Aは、第1のネットワーク10Aの管理者により、図4Aに示した伝送経路設定情報400A0に、図4Aに示した伝送経路P01,P02の情報(現用系の伝送経路情報)を設定する。具体的には、管理サーバ5Aは、伝送経路P01、P02について、送信元405A、経由ノード406A、送信先407A、帯域408Aを設定する。(ステップS602)。
一方、管理サーバ5Bは、第2のネットワーク10Bの管理者による入力により、第1のネットワーク10Aとの接続境界点として、図2Bに示した仮想接続ノード203Bに値v1〜v3を設定する(ステップS603)。続いて、管理サーバ5Bは、第2のネットワーク10Bの管理者により、図4Bに示した伝送経路P03の伝送経路設定情報(現用系の伝送経路情報)を設定する。具体的には、管理サーバ5Bは、伝送経路P03について、送信元405B、経由ノード406B、送信先407B、帯域408Bを設定する。(ステップS604)。
管理サーバ5Aは、図4Aに示した伝送経路P01,P02の設定情報から伝送経路P01,P02の接続要求情報を生成して、管理サーバ5Bに通知する(ステップS605)。なお、伝送経路P01の接続要求情報に関しては、図7を用いて後述する。
管理サーバ5Bは、図4Bに示した伝送経路設定情報400B0を更新する(ステップS606)。具体的には、たとえば、管理サーバ5Bは、管理サーバ5Aから受信した伝送経路P01,P02の接続要求情報を受信して、図4Bに示した伝送経路設定情報400B0に、伝送経路P01,P02の情報(現用系の伝送経路情報)を追加する。伝送経路P01の情報とは、図4Bに示した伝送経路ID404Bが「P01」であるエントリ(フィールド405B〜408Bの値)である。伝送経路P02の情報とは、図4Bに示した伝送経路ID404Bが「P02」であるエントリ(フィールド405B〜408Bの値)である。
つぎに、管理サーバ5Bは、伝送経路P03の情報(現用系の伝送経路情報)から伝送経路P03の接続要求情報を生成して、管理サーバ5Aに通知する(ステップS607)。
管理サーバ5Aは、図4Aに示した伝送経路設定情報400A0を更新する(ステップS608)。具体的には、たとえば、管理サーバ5Aは、管理サーバ5Bから受信した伝送経路P03の接続要求を用いて、図4Aに示した伝送経路設定情報400A0に、伝送経路P03の情報(現用系の伝送経路情報)を追加する。伝送経路P03の情報とは、図4Aに示した伝送経路ID404Aが「P03」であるエントリ(フィールド405A〜408Aの値)である。
続いて、管理サーバ5Aは、第1のネットワーク10A内において発生の可能性のある障害を想定して、復旧用の伝送経路設定情報を算出する(ステップS609)。第1のネットワーク10A側の復旧用の伝送経路設定情報については、図9および図10で説明する。なお、実施例1では、第1のネットワーク10A内に配備された6台のノードn1の個々の障害を組み合わせたパターンについて、復旧用の伝送経路設定情報を算出するが、その他の障害発生パターンを用いても良い。例えば、ノードn1間を接続するリンクの障害や、ノードn1におけるポートの障害等を考慮した障害を想定しても良い。
管理サーバ5Bは、同様に、第2のネットワーク10B内において発生の可能性のある障害を想定して、復旧用の伝送経路設定情報を算出する(ステップS610)。第2のネットワーク10B側の復旧用の伝送経路設定情報については、図11で説明する。
管理サーバ5Aは、ステップS609で算出した復旧用の伝送経路設定情報から伝送経路の接続変更リストを生成して、管理サーバ5Bに通知する(ステップS611)。接続変更リストについては、図12を用いて後述する。
管理サーバ5Bは、第2のネットワーク10Bに障害が発生していない場合において、管理サーバ5Aから接続変更リストを受信し、第2のネットワーク10Bにおいて障害未発生時の復旧用の伝送経路変更情報を算出する(ステップS612)。これにより、第2のネットワーク10Bにおける伝送経路P01〜P03は、第1のネットワーク10Aにおける障害復旧向けの伝送経路と接続される。障害未発生時の復旧用の伝送経路変更情報については、図16で説明する。
また、管理サーバ5Bは、第2のネットワーク10Bにおける障害発生を想定した場合において、管理サーバ5Aから受信した第1のネットワーク10Aにおける障害復旧向けの伝送経路と接続するために、第2のネットワーク10Bにおいて障害発生時の復旧用の伝送経路変更情報を算出する(ステップS613)。なお、障害発生時の復旧用の伝送経路変更情報については、図16で説明する。
さらに、管理サーバ5Bは、図4Bに示した伝送経路の情報と、ステップS612およびステップS613で算出した復旧用の伝送経路変更情報を用いて、復旧面の伝送経路情報を第2のネットワーク10B内の個々のノードn2に設定する(ステップS614)。ノードn2への設定内容は、図18で後述する。
管理サーバ5Bは、ステップS611と同様に、第2のネットワーク10B側の障害を想定してステップS610で算出した復旧用の伝送経路情報から伝送経路の接続変更リストを生成して、管理サーバ5Aに通知する(ステップS615)。接続変更リストについては、図13を用いて後述する。
管理サーバ5Aは、第1のネットワーク10Aに障害が発生していない場合において、管理サーバ5Bから接続変更リストを受信し、第1のネットワーク10Aにおいて障害未発生時の復旧用の伝送経路変更情報を算出する(ステップS616)。これにより、第1のネットワーク10Aにおける伝送経路P01〜P03は、第2のネットワーク10Bにおける障害復旧向けの伝送経路と接続される。障害未発生時の復旧用の伝送経路変更情報については、図15で説明する。
また、管理サーバ5Aは、第1のネットワーク10Aにおける障害発生を想定した場合において、管理サーバ5Bから受信した第2のネットワーク10Bにおける障害復旧向けの伝送経路と接続するために、第1のネットワーク10Aにおいて障害発生時の復旧用の伝送経路変更情報を算出する(ステップS617)。障害発生時の復旧用の伝送経路変更情報については、図15で説明する。
さらに、管理サーバ5Aは、図4Aに示した伝送経路の情報と、ステップS616およびステップS617で算出した復旧用の伝送経路変更情報を用いて、第1のネットワーク10A内の個々のノードn1に設定する(ステップS618)。ノードn1への設定内容は、図17で後述する。ステップS618までの処理が完了すると、管理サーバ5A、5Bは、実際のネットワーク運用を開始する(ステップS619)。
図7は、図6に示した伝送経路P01の接続要求情報の通知例(ステップS605)を示す説明図である。管理サーバ5Aは、仮想接続ノードv1〜v3の先に、端末TB1が接続されていると仮定して、図7に示したトポロジー701を構成する。図7のようにトポロジー701を仮定したことにより、管理サーバ5Aは、任意の2点間の経路を、既知の経路算出方法、例えばダイクストラ法等により探索することができる。
実施例1では、管理サーバ5Aは、送信元である端末TA1から送信先である端末TB1までの経路P01のうち、第1のネットワーク10Aにおける経路を、既知であるダイクストラ法により探索する。具体的には、端末TA1からのデータは、ノードn11、n14、及び仮想接続ノードv1を介して、第2のネットワーク10Bと接続する経路を探索する。
また、管理サーバ5Aは、第1のネットワーク10Aにおける伝送経路P01の情報400A0−1を、図4に示した伝送経路設定情報400A0から抽出する。伝送経路P01の情報400A0−1は、伝送経路設定情報400A0の中の伝送経路P01に関するエントリである。管理サーバ5Aは、伝送経路P01の情報400A0−1から、NGノード402Aを削除し、かつ、経由ノード406Aから仮想接続ノードv1以外のノードn11、n14を削除することにより、伝送経路P01の接続要求情報700A0−1を生成して、管理サーバ5Bへ通知する(ステップS605)。
ステップS605により、管理サーバ5Aは、第1のネットワーク10A側のトポロジー701を通知することなく、管理サーバ5Bに対して、第2のネットワーク10B側の伝送経路作成要求を実行することができるようになる。すなわち、接続相手側ドメイン(この場合は、第2のネットワーク10B)では、管理サーバ5Bは、接続リンク(伝送経路91c、92c)毎に終点ノード(端末TB1)までのコストを算出する必要がない。また、自ドメイン(この場合は、第1のネットワーク10A)において、管理サーバ5Aは、複数のドメインに跨るデータ伝送経路P01,P02の情報を算出する。したがって、接続相手側ドメインでは、管理サーバ5Bは、接続する相手側との接続リンク毎のコストを複数受信する必要がない。
なお、図7では、伝送経路P01の接続要求情報700A0−1について説明したが、伝送経路P02の接続要求情報についても同様に生成され、管理サーバ5Bに通知される。また、伝送経路P03の接続要求情報についても同様に、管理サーバ5Bが生成し、管理サーバ5Aに通知することになる(ステップS607)。
図8は、図6に示した伝送経路P01の設定の実行例(ステップS606)を示す説明図である。管理サーバ5Bは、管理サーバ5Aから受信した接続要求情報700A0−1を用いて、図8に示したトポロジー801において、接続ポイントである仮想接続ノードv1から送信先の端末TB1までの伝送経路を、既知であるダイクストラ法により探索する。具体的には、管理サーバ5Bは、伝送経路P01に対して、仮想接続ノードv1、ノードn24、ノードn21を経由して端末TB1へ到達する経路を探索する。
なお、図8では、伝送経路P01の接続要求情報700A0−1について説明したが、伝送経路P02の接続要求情報についても同様に、管理サーバ5Bは、図8に示したトポロジー801において、接続ポイントである仮想接続ノードv2から送信先の端末TB2までの伝送経路を、既知であるダイクストラ法により探索する。また、伝送経路P03の接続要求情報についても同様に、管理サーバ5Aは、図7に示したトポロジー701において、接続ポイントである仮想接続ノードv3から送信先の端末TA3までの伝送経路を、既知であるダイクストラ法により探索する(ステップS608)。
図9は、実施例1にかかる第1のネットワーク10Aにおいて障害復旧のために準備する復旧用の伝送経路設定情報400A1の記憶内容例を示す説明図である。復旧用の伝送経路設定情報400A1のフィールドは、図4Aと同一であるため説明を省略する。復旧用の伝送経路設定情報400A1は、図6のステップS609で算出される。
管理サーバ5Aは、復旧面401Aの値として「A1」を設定する。管理サーバ5Aは、第1のネットワーク10Aにおいて、ノードn14に障害が発生した場合を想定して、NGノード402Aの値として「n14」を設定する。ノードn14は、仮想接続ノードv1に直接接続される。すなわち、ノードn14に障害が発生した場合は、仮想接続ノードv1を経由して、第2のネットワーク10Bと通信できなくなる。したがって、管理サーバ5Aは、NG接続403Aの値として「v1」を設定する。
面A1では、現用系の面A0と同様、3本の伝送経路P01、P02、P03が設定される。したがって、管理サーバ5Aは、伝送経路ID404A、送信元405A、送信先407A、および帯域408Aの値として、現用系の面A0と同じ値を設定する。
また、管理サーバ5Aは、トポロジー701を用いて、ダイクストラ法などにより、伝送経路P01〜P03ごとに、送信元405Aから送信先407Aまでの経由ノード406Aを特定する。具体的には、管理サーバ5Aは、伝送経路P01〜P03ごとに、NGノード402Aであるノードn14とNG接続403Aである仮想接続ノードv1を経由しないように、経由ノード406Aを特定する。これにより、復旧用の伝送経路設定情報400A1が算出される。
なお、図9では、NGノード402Aがノードn14の場合を例に挙げて説明したが、管理サーバ5Aは、NGノード402Aの全組み合わせについて、復旧用の伝送経路設定情報の算出を試行する。したがって、第2のネットワーク10Bとの伝送経路が少なくとも1本確保できるNGノード402Aの組み合わせについて、復旧用の伝送経路設定情報が算出される。一方、NGノード402Aの値が「n11〜n16」や「n12〜n16」など、第2のネットワーク10Bとの伝送経路が1本も確保できない組み合わせについては、復旧用の伝送経路設定情報は算出されない。
図10は、実施例1にかかる第1のネットワーク10Aにおける復旧面伝送経路設定DB1000Aの記憶内容例を示す説明図である。復旧面伝送経路設定DB1000Aは、伝送経路設定情報をエントリとするデータベースである。伝送経路設定情報400A0は、図4Aで説明したように、図6のステップS602で算出されたエントリである。伝送経路設定情報400A1は、図9で説明したように、図6のステップS609で算出されたエントリである。伝送経路設定情報400A2以降も、図9で説明したように、図6のステップS609で算出されたエントリ群である。
また、第2のネットワーク10B側でも、ステップS610において、管理サーバ5Bは、同様な処理を実行することで、各復旧面についての伝送経路の設定情報が算出される。
図11は、実施例1にかかる第2のネットワーク10Bにおける復旧面伝送経路設定DB1000Bの記憶内容例を示す説明図である。復旧面伝送経路設定DB1000Bは、伝送経路設定情報をエントリとするデータベースである。伝送経路設定情報400B0は、図4Bで説明したように、図6のステップS604で算出されたエントリである。伝送経路設定情報400A1以降は、図6のステップS610で算出されたエントリ群である。復旧面伝送経路設定DB1000A,1000B(以下、復旧面伝送経路設定DB1000)は、あらかじめ用意されたデータベースであってもよい。
図12は、図6のステップS611により第1のネットワーク10Aから第2のネットワーク10Bへ通知する伝送経路の接続変更リスト1200Aの一例を示す説明図である。接続変更リスト1200Aは、第1のネットワーク10A側の障害発生を想定した場合における、ネットワーク復旧用の伝送経路の設定変更を示すテーブルである。第1のネットワーク10Aの管理サーバ5Aは、管理サーバ5Bへ、接続変更リスト1200Aを事前に送付しておくことにより、第1のネットワーク10Aに障害が発生した場合において、第2のネットワーク10Bとの接続を迅速に復旧することが可能となる。
接続変更リスト1200Aは、図10に示した第1の復旧面伝送経路設定DB1000Aから、NGノード402Aを削除し、経由ノード406Aの値を仮想接続ノードから仮想接続ノードv以外のノードn1を削除し、かつ、面A0のエントリ120A0内の伝送経路の情報(伝送経路ID401A,送信元405A,経由ノード406A,送信先407A,帯域408Aの値)と同一の伝送経路の情報とすることにより、エントリ120A0、120A1、…を生成する。
現用系である面A0における伝送経路P01は、仮想接続ノードv1を経由して第2のネットワーク10Bと接続する構成である。第1のネットワーク10Aにおいて、ノードn14に障害が発生した場合は、復旧面である面A1を用いて第1のネットワーク10Aは復旧される。面A1のエントリ120A1の伝送経路ID404Aは、「P01」である。したがって、面A1では、面A0の設定に対して、伝送経路P01の経路を変更する必要があることを示す。具体的には、面A1における伝送経路P01は、仮想接続ノードv2を経由して第2のネットワーク10Bと接続する構成である。
図10における面A1のエントリ400A1では、伝送経路P01に対する経由ノード406Aが複数管理されたが、図12に示した接続変更リスト1200Aでは、経由ノード406Aとして仮想接続ノードv2のみが設定され、その他のノードn11、n14は削除される。具体的には、図10の面A1のエントリ400A1における伝送経路P01に対する経由ノード406Aでは、ノードn11、n12、n15、及び仮想接続ノードv2が管理される。一方、図12に示した接続変更リスト1200Aの面A1のエントリ120A1における伝送経路P01に対する経由ノード406Aに示すように、仮想接続ノードv2のみが、管理サーバ5Aから管理サーバ5Bへ通知される(ステップS611)。
同様に、エントリ120A0において、現用系である面A0における伝送経路P02は、仮想接続ノードv2を経由して第2のネットワーク10Bと接続する構成である。一方、エントリ120A2において、復旧面である面A2における伝送経路P02は、仮想接続ノードv1を経由して第2のネットワーク10Bと接続する構成である。また、エントリ120A0において、現用系である面A0における伝送経路P03は、仮想接続ノードv3を経由して第2のネットワーク10Bと接続する構成である。一方、エントリ120A3において、復旧面である面A3における伝送経路P03は、仮想接続ノードv2を経由して第2のネットワーク10Bと接続する構成である。
第2のネットワーク10Bの管理サーバ5Bは、管理サーバ5Aから、第1のネットワーク10Aに障害が発生した場合を想定した接続変更リスト1200Aを受信し、第1のネットワーク10A側の設定変更に対応した、第2のネットワーク10B側の伝送経路の設定変更情報を算出する(ステップS612)。
管理サーバ5Bは、第2のネットワーク10B側において障害が発生していない場合の面B0において、第1のネットワーク10A側の設定変更情報である面A1に対応する面B0A1を、第2のネットワーク10B側の運用面として管理する。管理サーバ5Bは、第2のネットワーク10Bにおいて障害が発生していない状況において、管理サーバ5Aから運用面を面A1に変更する通知を受信すると、第2のネットワーク10Bにおける運用面を面B0A1へ変更する。これにより、管理サーバ5Bは、第1のネットワーク10A側の設定変更要求に対して迅速に第2のネットワーク10B側の設定変更を実行することができる。
同様に、エントリ120A2では、面A0の設定に対して伝送経路P02の経路を変更する必要があることを示す。また、エントリ120A3では、面A0の設定に対して伝送経路P03の経路を変更する必要があることを示す。
図13は、図6のステップS615により第2のネットワーク10Bから第1のネットワーク10Aへ通知する伝送経路の接続変更リスト1200Bの一例を示す説明図である。接続変更リスト1200Bも、上記と同様の処理で、管理サーバ5Bにより作成される。接続変更リスト1200Bは、第2のネットワーク10B側の障害発生を想定した場合における、ネットワーク復旧用の伝送経路の設定変更を示すテーブルである。接続変更リスト1200Bは、図11に示した第2の復旧面伝送経路設定DB1000Bから、NGノード402Bを削除し、経由ノード406Bの値を仮想接続ノードから仮想接続ノードv以外のノードn2を削除し、かつ、面B0のエントリ120B0内の伝送経路の情報(伝送経路ID401B,送信元405B,経由ノード406B,送信先407B,帯域408Bの値)と同一の伝送経路の情報を削除することにより、エントリ120B0、120B1、…を生成する。管理サーバ5Bは、管理サーバ5Aへ、接続変更リスト1200Bを事前に送付しておくことにより、第2のネットワーク10Bに障害が発生した場合において、第1のネットワーク10Aとの接続を迅速に復旧することが可能となる。
図14は、実施例1にかかる第2のネットワーク10Bにおける多様な障害復旧のために準備すべき面のパターンを示すパターンテーブル1400Bの一例を示す説明図である。パターンテーブル1400Bは、管理サーバ5Bが準備する障害復旧のための運用面パターンを示す。パターンテーブル1400Bは、行方向の面A0,A1,…と、列方向の面B0,B1,…との組み合わせとなるマトリクスで構成される。
管理サーバ5Bは、第2のネットワーク10B側のみの現用系での運用面である面B0と、障害パターンに対する復旧面である面B1、B2、B3、…を準備する。管理サーバ5Bは、管理サーバ5Aから、第1のネットワーク10A側において障害が発生した場合に運用する復旧面A1、A2、A3、…に対する接続変更リスト1200Aのエントリを受信すると、第2のネットワーク10B側と第1のネットワーク10A側の双方の障害発生に対応する復旧面を算出し、蓄積管理する。
具体的には、管理サーバ5Bは、運用面B0と第1のネットワーク10A側の全パターン(面A0,A1,…)との組み合わせである面B0A0,B0A1,B0A2,B0A3,…を示す伝送経路設定情報を算出し、障害発生に備える(ステップS612)。そして、管理サーバ5Bは、第2のネットワーク10B側での障害発生を考慮して、列方向の面B1A0,B1A1,B1A2,B1A3,…,B2A0,B2A1,B2A2,B2A3,…,B3A0,B3A1,B3A2,B3A3,…)を示す伝送経路設定情報を事前に算出し、障害発生に備える(ステップS613)。
図示はしないが、管理サーバ5Aにおいても、パターンテーブル1400Aにより面を算出する(ステップS616、S617)。具体的には、管理サーバ5Aは、運用面A0と第2のネットワーク10B側の全パターン(面B0,B1,…)との組み合わせである面A0B0,A0B1,A0B2,A0B3,…を示す伝送経路設定情報を算出し、障害発生に備える(ステップS616)。そして、管理サーバ5Aは、第1のネットワーク10A側での障害発生を考慮して、列方向の面A1B0,A1B1,A1B2,A1B3,…,A2B0,A2B1,A2B2,A2B3,…,A3B0,A3B1,A3B2,A3B3,…)を示す伝送経路設定情報を事前に算出し、障害発生に備える(ステップS613)。
図15は、実施例1にかかる第2のネットワーク10Bにおける復旧面伝送経路設定DB1500Bの記憶内容例を示す説明図である。復旧面伝送経路設定DB1500Bは、図14のマトリクスで示した復旧面B0A0〜B0A3,…,B3A0〜B3A3,…を示す伝送経路設定情報をエントリとするデータベースである。復旧面B0A0〜B0A3,…,B3A1〜B3A3,…は、第1のネットワーク10A及び第2のネットワーク10Bの双方に障害が発生した場合を考慮した面である。ただし、面B0A0は、第1のネットワーク10A及び第2のネットワーク10Bのいずれにも障害が発生していない現用系の面である。面B0A0は、復旧面伝送経路設定DB1000Bの面B0のエントリから複製される。
管理サーバ5Bは、第2のネットワーク10B側にのみ障害が発生した場合の復旧面を示す復旧面伝送経路設定DB1000B(図11)と、第1のネットワーク10A側に障害が発生した場合の復旧面を示す接続変更リスト1200A(図12)と、から算出する。
例えば、復旧面B0A1は、復旧面伝送経路設定DB1000Bの面B0のエントリと接続変更リスト1200Aの面A1対応のエントリとから算出される。面B0A1は、第2のネットワーク10Bに設定している現用系の面B0に対して、第1のネットワーク10A側において障害が発生し、運用面を面A1に変更する通知が届く場合を想定した伝送経路である。面B0における伝送経路は、3本(P01、P02、P03)である。面A1では、伝送経路P01に対して、仮想接続ノードv2を介した接続への修正が必要なことが接続変更リスト1200Aにより通知される。
そのため、管理サーバ5Bは、面B0における伝送経路P01に対して、仮想接続ノードv2を介した経路を新たに探索する。具体的には、面B0A1における伝送経路P01は、端末TA3からのデータを仮想接続ノードv2、ノードn25、n24、n21を経由して、端末TB1で伝送する経路となる。
したがって、管理サーバ5Bは、伝送経路設定DB1500Bの面B0A1のエントリにおいて、まず、面B0を複製する。つぎに、管理サーバ5Bは、面B0A1のエントリにおいて、NG接続403Bに、接続変更リスト1200Aの面A1対応のNG接続403Bで指定された仮想接続ノードv1を削除する。そして、管理サーバ5Bは、面B0A1のエントリにおいて、経由ノード406Bに、仮想接続ノードv2を介した経路を経由する仮想接続ノードv2、ノードn25、n24、n21を上書きする。これにより、伝送経路設定DB1500Bの面B0A1のエントリが完成する。
また例えば、復旧面B3A2は、復旧面伝送経路設定DB1000Bの面B3のエントリと接続変更リスト1200Aの面A2対応のエントリとから算出される。面B3A2は、第2のネットワーク10Bに設定している復旧面B3に対して、第1のネットワーク10A側において障害が発生し、運用面を面A2に変更する通知が届く場合を想定した伝送経路である。復旧面伝送経路設定DB1000Bの面B3のエントリでは、NG接続403Bに「v3」が設定されているため、仮想接続ノードv3の利用が不可である。また、接続変更リスト1200Aの面A2対応のエントリでは、NG接続403Bに「v2」が設定されているため、仮想接続ノードv2の利用が不可になる。
そこで、管理サーバ5Bは、仮想接続ノードv1経由にするように伝送経路P02を探索する。すなわち、端末TA2からのデータを、仮想接続ノードv1、ネットワークノードn24、n25、及びn22を経由して、端末TB2へ伝送する経路を探索する。
また、管理サーバ5Bは、仮想接続ノードv1経由にするように伝送経路P03を探索する。すなわち、端末TB3からのデータを、ノードn23、n22、n25、n24、及び仮想接続ノードv1を経由して、端末TA3へ伝送する経路を探索する。
また、管理サーバ5Bは、管理サーバ5Aに対して、面B3と面A2の両方に対応する必要がある場合は、面B3における伝送経路P03に対して、仮想接続ノードv1を介した20[Mbps]の接続に変更となることを通知する。
管理サーバ5Aは、面B3と面A2の両方に対応する運用面A2B3を運用する場合、管理サーバ5Bからの伝送経路P03の接続修正通知に従い、伝送経路P03を再探索して、保持管理する。
図16は、実施例1にかかる第1のネットワーク10Aにおける復旧面伝送経路設定DB1500Aの記憶内容例を示す説明図である。第1のネットワーク10Aにおける復旧面伝送経路設定DB1500Aも、復旧面伝送経路設定DB1500Bと同様に生成される。復旧面伝送経路設定DB1500Aは、復旧面A0B0〜A0B3,…,A3B1〜A3B3,…を示す伝送経路設定情報をエントリとするデータベースである。復旧面A0B0〜A0B3,…,A3B1〜A3B3,…は、第1のネットワーク10A及び第2のネットワーク10Bの双方に障害が発生した場合を考慮した面である。ただし、面A0B0は、第1のネットワーク10A及び第2のネットワーク10Bのいずれにも障害が発生していない現用系の面である。
管理サーバ5Aは、第1のネットワーク10A側にのみ障害が発生した場合の復旧面を示す復旧面伝送経路設定DB1000A(図10)と、第2のネットワーク10B側に障害が発生した場合の復旧面を示す接続変更リスト1200B(図13)と、から算出する。
図17は、実施例1にかかる第1のネットワーク10A内の各ノードn1が保持する伝送経路設定テーブルの一例を示す説明図である。図17では、現用系である面A0を示す伝送経路設定情報とノードn14に障害が発生したことを想定した復旧面A1を示す伝送経路設定情報をエントリとする伝送経路設定テーブル1711〜1716を示す。
(A)は、ノードn11が保持する伝送経路設定テーブル1711である。(B)は、ノードn12が保持する伝送経路設定テーブル1712である。(C)は、ノードn13が保持する伝送経路設定テーブル1713である。(D)は、ノードn14が保持する伝送経路設定テーブル1714である。(E)は、ノードn15が保持する伝送経路設定テーブル1715である。(F)は、ノードn16が保持する伝送経路設定テーブル1716である。
伝送経路設定テーブル1711〜1716において、面A0のエントリは、図6のステップS608により、管理サーバ5Aが各ノードn1に設定するエントリである。また、面A1B0のエントリは、図6のステップS618により、管理サーバ5Aが各ノードn1に設定するエントリである。ただし、ノードn14が障害発生ノードであるため、伝送経路設定テーブル1714には、面A1B0のエントリは存在しない。
伝送経路設定テーブル1711では、ノードn11が、面A0での運用において伝送経路P01を管理しており、端末TA1からデータを受信して、ノードn14へ転送し、かつ、その時に確保している帯域が10[Mbps]であることを示している。また、伝送経路設定テーブル1711では、ノードn11が、面A1B0での運用において伝送経路P01を管理しており、端末TA1からのデータを受信して、ノードn12へ転送し、かつ、その時に確保している帯域が10[Mbps]であることを示している。
伝送経路設定テーブル1712では、ノードn12が、面A0での運用において伝送経路P02を管理しており、端末TA2からデータを受信して、ノードn15へ転送し、かつ、その時に確保している帯域が5[Mbps]であることを示している。また、伝送経路設定テーブル1712では、ノードn12が、面A1B0での運用において伝送経路P02を管理しており、端末TA2からデータを受信して、ノードn15へ転送し、かつ、その時に確保している帯域が5[Mbps]であることを示している。
伝送経路設定テーブル1713では、ノードn13が、面A0での運用において伝送経路P03を管理しており、ノードn16からデータを受信して、端末TA3へ転送し、かつ、その時に確保している帯域が20[Mbps]であることを示している。また、伝送経路設定テーブル1713では、ノードn13が、面A1B0での運用において伝送経路P03を管理しており、ノードn16からデータを受信して、端末TA3へ転送し、かつ、その時に確保している帯域が20[Mbps]であることを示している。
伝送経路設定テーブル1714では、ノードn14が、面A0での運用において伝送経路P01を管理しており、ノードn14からデータを受信して、仮想接続ノードv1へ転送し、かつ、その時に確保している帯域が10[Mbps]であることを示している。
伝送経路設定テーブル1715では、ノードn15が、面A0での運用において伝送経路P02を管理しており、ノードn12からデータを受信して、仮想接続ノードv2へ転送し、かつ、その時に確保している帯域が5[Mbps]であることを示している。また、伝送経路設定テーブル1715では、ノードn15が、面A1B0での運用において伝送経路P01,P02を管理している。伝送経路P01では、ノードn15が、ノードn12からデータを受信して、仮想接続ノードv2へ転送し、かつ、その時に確保している帯域が10[Mbps]であることを示している。また、伝送経路P02では、ノードn15が、ノードn12からデータを受信して、仮想接続ノードv2へ転送し、かつ、その時に確保している帯域が5[Mbps]であることを示している。
伝送経路設定テーブル1716では、ノードn16が、面A0での運用において伝送経路P03を管理しており、仮想接続ノードv3(v3)からデータを受信して、ノードn13へ転送し、かつ、その時に確保している帯域が20[Mbps]であることを示している。また、伝送経路設定テーブル1716では、ノードn16が、面A1B0での運用において伝送経路P03を管理しており、仮想接続ノードv3からデータを受信して、ノードn13へ転送し、かつ、その時に確保している帯域が20[Mbps]であることを示している。
図18は、実施例1にかかる第2のネットワーク10B内の各ノードn2が保持する伝送経路設定テーブルの一例を示す説明図である。図18では、ノードn14に障害が発生したことを想定した復旧面B0A1を示す伝送経路設定情報とノードn15およびノードn26に障害が発生したことを想定した復旧面B3A2を示す伝送経路設定情報をエントリとする伝送経路設定テーブル1821〜1826を示す。
(A)は、ノードn21が保持する伝送経路設定テーブル1821である。(B)は、ノードn22が保持する伝送経路設定テーブル1822である。(C)は、ノードn23が保持する伝送経路設定テーブル1823である。(D)は、ノードn24が保持する伝送経路設定テーブル1824である。(E)は、ノードn25が保持する伝送経路設定テーブル1825である。(F)は、ノードn26が保持する伝送経路設定テーブル1826である。
伝送経路設定テーブル1821〜1826において、復旧面B0A1のエントリおよび復旧面B3A2のエントリは、図6のステップS614により、管理サーバ5Bが各ノードn2に設定するエントリである。ただし、ノードn26が障害発生ノードであるため、伝送経路設定テーブル1826には、面B3A2のエントリは存在しない。
伝送経路設定テーブル1821では、ノードn21が、復旧面B0A1での運用において伝送経路P01を管理しており、ノードn24からデータを受信して、端末TB1へ転送し、かつ、その時に確保している帯域が10[Mbps]であることを示している。また、伝送経路設定テーブル1821では、ノードn21が、復旧面B3A2での運用において伝送経路P01を管理しており、ノードn24からデータを受信して、端末TB1へ転送し、かつ、その時に確保している帯域が10[Mbps]であることを示している。
伝送経路設定テーブル1822では、ノードn22が、復旧面B0A1での運用において伝送経路P02を管理しており、ノードn25からデータを受信して、端末TB2へ転送し、かつ、その時に確保している帯域が5[Mbps]であることを示している。また、伝送経路設定テーブル1822では、ノードn22が、復旧面B3A2での運用において伝送経路P02,P03を管理している。伝送経路P02では、ノードn22が、ノードn25からデータを受信して、端末TB2へ転送し、かつ、その時に確保している帯域が5[Mbps]であることを示している。また、伝送経路P02では、ノードn22が、ノードn23からデータを受信して、ノードn25へ転送し、かつ、その時に確保している帯域が20[Mbps]であることを示している。
伝送経路設定テーブル1823では、ノードn23が、復旧面B0A1での運用において伝送経路P03を管理しており、端末TB3からデータを受信して、ノードn26へ転送し、かつ、その時に確保している帯域が20[Mbps]であることを示している。また、伝送経路設定テーブル1823では、ノードn23が、復旧面B3A2での運用において伝送経路P03を管理しており、端末TB3からデータを受信して、ノードn22へ転送し、かつ、その時に確保している帯域が20[Mbps]であることを示している。
伝送経路設定テーブル1824では、ノードn24が、復旧面B0A1での運用において伝送経路P01を管理しており、ノードn25からデータを受信して、ノードn21へ転送し、かつ、その時に確保している帯域が10[Mbps]であることを示している。また、伝送経路設定テーブル1824では、ノードn24が、復旧面B3A2での運用において伝送経路P01〜P03を管理している。伝送経路P01では、ノードn24が、仮想接続ノードv1からデータを受信して、ノードn21へ転送し、かつ、その時に確保している帯域が10[Mbps]であることを示している。また、伝送経路P02では、ノードn24が、仮想接続ノードv1からデータを受信して、ノードn25へ転送し、かつ、その時に確保している帯域が5[Mbps]であることを示している。また、伝送経路P03では、ノードn24が、ノードn25からデータを受信して、仮想接続ノードv1へ転送し、かつ、その時に確保している帯域が20[Mbps]であることを示している。
伝送経路設定テーブル1825では、ノードn25が、復旧面B0A1での運用において伝送経路P01,P02を管理している。伝送経路P01では、ノードn25が、仮想接続ノードv2からデータを受信して、ノードn24へ転送し、かつ、その時に確保している帯域が10[Mbps]であることを示している。伝送経路P02では、ノードn25が、仮想接続ノードv2からデータを受信して、ノードn22へ転送し、かつ、その時に確保している帯域が5[Mbps]であることを示している。
また、伝送経路設定テーブル1825では、ノードn25が、復旧面B3A2での運用において伝送経路P02,P03を管理している。伝送経路P02では、ノードn25が、ノードn24からデータを受信して、ノードn22へ転送し、かつ、その時に確保している帯域が5[Mbps]であることを示している。また、伝送経路P03では、ノードn25が、ノードn22からデータを受信して、ノードn24へ転送し、かつ、その時に確保している帯域が20[Mbps]であることを示している。
伝送経路設定テーブル1826では、ノードn26が、復旧面B0A1での運用において伝送経路P03を管理しており、ノードn23からデータを受信して、仮想接続ノードv3へ転送し、かつ、その時に確保している帯域が20[Mbps]であることを示している。
<障害復旧シーケンス>
図19は、実施例1にかかる障害復旧処理例を示すシーケンス図である。このシーケンスは、図6のシーケンスの終了後に実行される。例えば、ノードn14に障害が発生すると、管理サーバ5Aは、直接接続しているノードn11等から、ノードn14に障害が発生していることが通知される。その結果、管理サーバ5Aは、ノードn14に障害が発生していることを検出する(ステップS1900)。管理サーバ5Aは、ノードn14に障害が発生している場合の復旧面A1を、復旧設定候補として選択する(ステップS1901)。また、管理サーバ5Aは、選択した復旧設定候補である復旧面A1に基づき、第1のネットワーク10A側の復旧を実行することを示す運用面変更情報を、管理サーバ5Bへ通知する(ステップS1902)。なお、運用面変更情報を通知する際、運用面を変更する時間を合わせて通知しても良い。例えば、相対的な時間の指定では、通知後3分後、あるいは絶対的な時間として時、分、秒等を指定しても良い。
管理サーバ5Bは、自身が管理する第2のネットワーク10Bに障害が発生していない場合は、管理サーバ5Aから受信した復旧設定候補の通知に対して、了承を通知する(ステップS1903)。一方、管理サーバ5Bは、第2のネットワーク10Bにおいて障害が発生し復旧設定を施す必要がある場合は、ステップS1900〜S1902のように、復旧設定候補を選択し、第2のネットワーク10B側の復旧を実行することを示す運用面変更情報を管理サーバ5Aへ通知する。この場合、管理サーバ5Aは、ステップS1903のように、管理サーバ5Bから受信した復旧設定候補の通知に対して、了承を通知することになる。
管理サーバ5Aは、管理サーバ5Bからの応答に基づいて、第1のネットワーク10Aにおける実際の運用面を決定する(ステップS1904)。具体的には、管理サーバ5Aは、第2のネットワーク10B側の設定に変更がない場合、すなわち、面B0を運用する場合は、第1のネットワーク10A側の復旧設定候補のみを考慮し、運用面を面A1B0に決定する。また、管理サーバ5Aは、運用面A1B0での運用を実行することを、自身が管理する第1のネットワーク10A内の各ノードn1へ通知する(ステップS1905)。
なお、運用面A1B0は、第2のネットワーク10Bにおいて障害が発生していない状況である面B0と、第1のネットワーク10A側のみにおける障害復旧を実行するための面A1とを組み合わせて算出した復旧面である。
管理サーバ5Bは、ステップS1902で受信した運用面変更情報に基づき、第2のネットワーク10Bにおける運用面を面B0A1に変更することを決定する(ステップS1906)。また、管理サーバ5Bは、運用面B0A1での運用を実行することを、第2のネットワーク10B内の各ノードn2へ通知する(ステップS1907)。ステップS1907までの処理が完了すると、管理サーバ5A,5Bは、復旧面伝送経路設定DB1500A、1500Bを参照して、設定変更した運用面A1(すなわち、面A1B0),面B0A1での運用を開始する(ステップS1908)。
なお、管理サーバ5Bが、ステップS1900〜S1902のように、管理サーバ5Aへ復旧設定候補を応答した場合には、管理サーバ5Aは、ステップS1906、S1907に示した処理を実行する。たとえば、管理サーバ5Bが面B2で運用することを決定した場合、ステップS1908において、管理サーバ5A,5Bは、設定変更した運用面A1B2,面B2A1での運用を開始することになる。
<ノードnのハードウェア構成例>
図20は、実施例1にかかるノードnのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。ノードnは、ネットワークインタフェース2010−1〜N(Nは1以上の整数)、スイッチ2011、テーブル管理部2012、データ転送テーブル2013(現用系テーブル2014、復旧面テーブル2015)、及び利用テーブル制御部2016を有する。
また、データ転送テーブル2013は、現用系の伝送経路設定を示す現用系テーブル2014と復旧面における伝送経路設定を示す復旧面テーブル2015とを有する。ノードnは、ネットワークインタフェース2010を介して伝送経路設定情報及び復旧面IDを受信する。伝送経路設定情報は、図17および図18の伝送経路設定テーブルのエントリである。
スイッチ2011は、転送用のデータを受信した場合、データ転送テーブル2013に従い、出力先のネットワークインタフェース2010へデータをスイッチする。一方、受信したデータが、伝送経路設定情報及び復旧面IDの場合は、ノードnは、テーブル管理部2012へ受信データをスイッチする。テーブル管理部2012は、受信したデータが伝送経路設定情報の場合、現用系テーブル2014または復旧面テーブル2015を更新する。
例えば、図17の面A0における伝送経路設定情報については、ノードnは、当該伝送経路設定情報を現用系テーブル2014に格納する。また面A1における伝送経路設定情報については、ノードnは、当該伝送経路設定情報を復旧面テーブル2015に格納する。ネットワーク10内に障害が発生していない場合は、ノードnは、現用系テーブル2014を利用して運用を実行する。また、障害が発生している場合は、ノードnは、その障害パターンに応じて復旧面テーブル2015を利用して運用を実行する。
なお、ノードn1は、図17の伝送経路設定情報のすべてを復旧面テーブル2015に格納し、図17の面A0(現用)における伝送経路設定情報については、現用系テーブル2014にも格納して現用系におけるネットワーク運用を実行しても良い。
同様に、ノードn2は、図18の伝送経路設定情報のすべてを復旧面テーブル2015に格納する。なお、面B0A0(現用)における伝送経路設定情報については、ノードn1と同様に、復旧面テーブル2015と現用系テーブル2014の両方に格納して現用系におけるネットワーク運用を実行しても良い。
また、ネットワーク10内に障害が発生した場合は、ノードnは、利用する復旧面の伝送経路設定情報を現用系テーブル2014に複製し、現用系テーブル2014を常に利用してネットワーク10の運用を実行しても良い。一方、テーブル管理部2012は、受信したデータが復旧面を通知する復旧面ID(B0A1等)の場合は、受信した復旧面IDを利用テーブル制御部2016に通知する。利用テーブル制御部2016は、テーブル管理部2012から受信した復旧面IDに従い、スイッチ2011が受信データ転送用に利用するテーブルを、復旧面IDが示す復旧面テーブル2015に変更する。
なお、利用テーブル制御部2016が、テーブル管理部2012から受信した復旧面IDに従い、スイッチ2011が受信データ転送用に利用する現用系のテーブルを復旧面IDが示す復旧面テーブル2015から複製して更新する運用を実施しても良い。
<管理サーバ5のハードウェア構成例>
図21は、実施例1にかかる管理サーバ5のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。管理サーバ5は、CPU2101、メモリ2102、ストレージ2103、ネットワークインタフェース2100を備え、各構成はバス2104を介して互いに接続される。CPU2101は、ストレージ2103に格納された各種のプログラムをメモリ2102にロードし、プログラムを実行する。CPU2101がプログラムを実行することによって管理サーバ5が備える機能を実現できる。
メモリ2102は、CPU2101によって実行されるプログラム及び当該プログラム実行に必要なデータを格納する。メモリ2102に格納されるプログラム及びデータについては、図22を用いて後述する。ネットワークインタフェース2100は、外部ネットワークと接続するためのインタフェースである。図21において、外部ネットワークと接続するインタフェースが一つのように描かれているが、複数のインタフェースを装備しても良い。
<管理サーバ5の機能的構成例>
図22は、実施例1にかかる管理サーバ5の機能的構成例を示すブロック図である。管理サーバ5は、メモリ2102に記憶されたプログラムをCPU2101が実行することで、運用前設定管理処理2200、伝送経路管理処理2201、伝送経路追加削除処理2202、設定変更要因監視処理2203、及び他ネットワークとの接続処理2204を実行する。
運用前設定管理処理2200は、ネットワーク管理者等から、他のネットワークと接続するための設定入力を受け付け、ネットワーク間接続情報DB2210としてメモリ2102に保持する。これにより、ネットワーク間接続情報DB2210は、図2Aおよび図2Bに示した接続管理テーブル200A,200Bを保持することになる。
また、管理サーバ5は、ネットワーク管理者等から、ネットワークのトポロジー701,801や伝送経路の端点情報(例えば端末Tの情報)等の入力を受け付ける。
管理サーバ5は、端点間でデータを送受信するための伝送経路の探索、及びネットワーク10内に障害発生した場合の復旧用の伝送経路の探索を行い、現用系伝送経路設定DB2211、及び復旧面伝送経路設定DB2212としてメモリ2102に保持する。これにより、現用系伝送経路設定DB2211は、図4A,図4Bに示した伝送経路設定情報400A0,400B0を保持することになる。また、復旧面伝送経路設定DB2212は、図10、図11、図15,図16に示した復旧面伝送経路設定DB1000A,1000B,1500B,1500Aを保持することにある。
さらに、管理サーバ5は、他の管理サーバ5から受信した伝送経路接続要求情報を復旧面接続要求DB2213としてメモリ2102に保持する。これにより、たとえば、管理サーバ5Bは、図7および図8に示したように、復旧面接続要求DB2213に、管理サーバ5Aからの接続要求情報700A0−1を格納することになる。
伝送経路管理処理2201は、管理サーバ5が実行する運用前設定管理処理2200における復旧用の伝送経路設定情報を算出し、復旧面伝送経路設定DB2212のエントリとしてメモリ2102に保持する。
伝送経路追加削除処理2202は、ネットワーク管理者等からの端点間接続の追加や削除の入力を受け付け、現用系の伝送経路設定情報や復旧用の伝送経路設定情報を算出し、メモリ2102内の現用系伝送経路設定DB2211、及び復旧面伝送経路設定DB1000,1500の更新を行う。
設定変更要因監視処理2203は、ネットワーク10上の設定変更が必要となる要因、例えばノードnの障害監視を行い、障害を検出した場合は、当該ノードnの識別子を設定変更要因管理DB2214としてメモリ2102に保持する。
他ネットワークとの接続処理2204は、他の管理サーバ5から運用面の変更を受信した場合、受信した運用面に対応した自ネットワーク10における運用面を選択し、関係するノードnへ変更後の運用面IDを通知する。
<運用前設定管理処理2200>
図23は、実施例1にかかる管理サーバ5による運用前設定管理処理2200の詳細な処理手順例を示すフローチャートである。運用前設定管理処理2200は、図6のシーケンスに対応する。
管理サーバ5は、図2Aおよび図2Bに示したように、ネットワーク管理者からの入力に従い、他のネットワーク10と接続するための仮想接続ノードvを設定し、図7および図8に示したように、ネットワーク10のトポロジー701,801を作成する(ステップS2301)。ステップS2301は、図6のシーケンスのステップS601、S603に対応する。
つぎに、管理サーバ5は、ネットワーク管理者からの端点間接続要求の入力に従い、図4Aおよび図4Bに示したように、現用系の伝送経路設定情報400A0,400B0を算出する(ステップS2302)。ステップS2302は、図6のシーケンスのステップS602、S604、S606、S608に対応する。
つぎに、管理サーバ5は、自身が管理するネットワーク10において障害の発生可能性を設定する。実施例1では、各ネットワーク10の6台のノードnが接続されているため、それらの障害に対する組合せを想定した復旧面を想定し、各復旧面に復旧面IDを付与して管理する(ステップS2303)。
具体的には、たとえば、管理サーバ5Aは、ノードn14を障害ノードとした場合に、復旧面IDとして「A1」を付与し、ノードn15を障害ノードとした場合に、復旧面IDとして「A2」を付与し、ノードn16を障害ノードとした場合に、復旧面IDとして「A3」を付与し、ノードn14,n15を障害ノードとした場合に、復旧面IDとして「A4」を付与し、ノードn14,n16を障害ノードとした場合に、復旧面IDとして「A5」を付与する。なお、障害ノードの組み合わせによっては伝送経路が設定できない場合もあるが、ステップS2303は、全組み合わせを想定して復旧面IDが付与される。伝送経路が設定できない組み合わせは、次のステップS2304で判明する。
つぎに、管理サーバ5は、ステップS2303にて設定した復旧面毎に、復旧用の伝送経路探索処理を実行する(ステップS2304)。復旧用の伝送経路探索処理(ステップS2304)では、管理サーバ5は、復旧用の伝送経路を探索し、復旧面IDと共に保持する。復旧用の伝送経路は、復旧面において指定されたNGノードを経由しない伝送経路である。これにより、管理サーバ5Aは、具体的には、たとえば、図10に示した復旧面伝送経路設定DB1000Aを構築する。また、管理サーバ5Bも、図11に示した復旧面伝送経路設定DB1000Bを構築する。ステップS2303は、図6のシーケンスのステップS609、S610に対応する。復旧用の伝送経路設定情報算出処理(ステップS2304)の詳細については、図24で説明する。
つぎに、管理サーバ5は、復旧面毎に算出した復旧用の伝送経路設定情報に対して、仮想接続ノードvを通過する伝送経路設定情報を復旧面IDを含む接続変更リスト1200を、接続する他の管理サーバ5へ通知する(ステップS2305)。すなわち、管理サーバ5Aは、復旧面伝送経路設定DB1000Aから伝送経路の接続変更リスト1200Aを生成して、管理サーバ5Bに通知する(ステップS611)。同様に、管理サーバ5Bは、復旧面伝送経路設定DB1000Bから伝送経路の接続変更リスト1200Bを生成して、管理サーバ5Aに通知する(ステップS615)。
つぎに、管理サーバ5は、他の管理サーバ5から接続変更リスト1200の受信を待ち受ける(ステップS2306:No)。接続変更リスト1200が受信できた場合(ステップS2306:Yes)、管理サーバ5は、通知された他のネットワーク10における復旧面に対応した自ネットワーク10における復旧面を算出し、復旧面IDと共に保持管理する(ステップS2307)。具体的には、たとえば、管理サーバ5Aは、図6のステップS616、S617を実行する。これにより、管理サーバ5Aは、図16に示した伝送経路設定DB1500Aを構築する。管理サーバ5Bは、図6のステップS612,S613を実行する。これにより、管理サーバ5Bは、図15に示した伝送経路設定DB1500Bを構築する。
つぎに、管理サーバ5は、ノードn毎に現用面を示す伝送経路設定情報及び復旧面を示す伝送経路設定情報を、各ノードnへ通知する(ステップS2308)。具体的には、たとえば、管理サーバ5Aは、ノードn11に図17の(A)のエントリを通知し、ノードn12に図17の(B)のエントリを通知し、ノードn13に図17の(C)のエントリを通知し、ノードn14に図17の(D)のエントリを通知し、ノードn15に図17の(E)のエントリを通知し、ノードn16に図17の(F)のエントリを通知する。
同様に、管理サーバ5Bは、ノードn21に図18の(A)のエントリを通知し、ノードn22に図18の(B)のエントリを通知し、ノードn23に図18の(C)のエントリを通知し、ノードn24に図18の(D)のエントリを通知し、ノードn25に図18の(E)のエントリを通知し、ノードn26に図18の(F)のエントリを通知する。ステップS2308は、図6のステップS614,S618に対応する。
このあと、管理サーバ5は、ステップS2308の処理を完了すると、ネットワーク10の運用を開始する(ステップS2309)。ステップS2309は、図6のステップS619に対応する。
<復旧用の伝送経路探索処理(ステップS2304)>
図24は、図23に示した復旧用の伝送経路探索処理(ステップS2304)の詳細な処理手順例を示すフローチャートである。管理サーバ5は、想定している障害に対する復旧面、すなわち、ステップS2303で設定した復旧面IDにおいて、復旧用の伝送経路を算出していない復旧面IDを選択する(ステップS2401)。管理サーバ5は、選択した復旧面IDにおいて、現用系の伝送経路P01〜P03の中から、復旧用の伝送経路を探索していない現用系の伝送経路を選択する(ステップS2402)。
管理サーバ5は、選択した現用系の伝送経路に対して復旧用の伝送経路をダイクストラ法などにより探索する(ステップS2403)。すなわち、管理サーバ5は、復旧面IDにおいて想定した障害ノードを経由しない復旧用の伝送経路を探索する。管理サーバ5は、復旧用の伝送経路が探索できたか否かを判断する(ステップS2404)。管理サーバ5は、探索できなかった場合は、伝送経路の探索不可を表示し(ステップS2405)、ステップS2407へ進む。
一方、探索できた場合(ステップS2404:Yes)、管理サーバ5は、探索した復旧用の伝送経路(送信元、経由ノード、送信先の組み合わせ)を保持する(ステップS2406)。
つぎに、管理サーバ5は、選択した復旧面IDにおいて、全ての現用系の伝送経路に対する復旧用の伝送経路を探索したかを判断する(ステップS2407)。探索していない場合(ステップS2407:No)、ステップS2402に戻る。一方、探索した場合(ステップS2407:Yes)、管理サーバ5は、全復旧面IDに対する復旧用の伝送経路の探索をすべて実行したかを判断する(ステップS2408)。すべて実行していない場合(ステップS2408:No)、ステップS2401に戻る。一方、すべて実行した場合(ステップS2408:Yes)、管理サーバ5は、復旧用の伝送経路探索処理(ステップS2304)を終了し、図23のステップS2305に移行する。これにより、復旧面伝送経路設定DB1000が構築される。
<伝送経路追加削除処理2202>
図25は、図23に示した伝送経路追加削除処理2202の詳細な処理手順例を示すフローチャートである。管理サーバ5は、ネットワーク管理者により、自身が管理するネットワーク10における端点である端末T間の接続追加が要求されたかを判断する(ステップS2501)。接続追加が要求されていない場合(ステップS2501:No)、管理サーバ5は、端点(例えば端末T)間の接続削除が要求されているかを判断する(ステップS2506)。接続削除が要求されていない場合(ステップS2506:No)、ステップS2501に戻る。
ステップS2501の判断において、接続追加が要求された場合(ステップS2501:Yes)、管理サーバ5は、追加された端点間の伝送経路をダイクストラ法などにより探索して保持する(ステップS2502)。たとえば、第1のネットワーク10Aにおいて端末TA2が存在せず、かつ、第2のネットワーク10Bにおいて端末TB2が存在しない場合、すなわち、伝送経路P02が存在しない場合に、第1のネットワーク10Aにおいて端末TA2が追加され、かつ、第2のネットワーク10Bにおいて端末TB2が追加された場合、端末TA2、TB2間の伝送経路P02が探索される。
管理サーバ5は、ステップS2502による伝送経路の追加に伴い、復旧面を更新する(ステップS2503)。具体的には、たとえば、管理サーバ5が管理サーバ5Aである場合、管理サーバ5Aは、復旧面伝送経路設定DB1000Aの面A0以降のエントリに、あらたに探索された伝送経路(たとえば、伝送経路P02)の設定情報(伝送経路ID404A,405A,406A,407A,408Aの値)を追加する。復旧面伝送経路設定DB1500Aについても同様に実行する。
また、管理サーバ5が管理サーバ5Bである場合、管理サーバ5Bは、復旧面伝送経路設定DB1000Bの面B0以降のエントリに、あらたに探索された伝送経路(たとえば、伝送経路P02)の設定情報(伝送経路ID404B,405B,406B,407B,408Bの値)を追加する。復旧面伝送経路設定DB1500Bについても同様に実行する。
管理サーバ5は、ステップS2308と同様に、あらたに探索された伝送経路の設定情報を用いて更新情報を生成し、自身が管理するノードnへ通知する(ステップS2504)。たとえば、あらたに探索された伝送経路が伝送経路P02である場合、管理サーバ5は、伝送経路IDがP02であるエントリ(予備面、伝送経路ID、接続先、自ノード、接続先、帯域の値)を更新情報として生成し、該当するノードnに通知する。これにより、たとえば、図17に示したノードn1の伝送経路設定テーブルが更新され、図18に示したノードn2の伝送経路設定テーブルが更新される。
そして、管理サーバ5は、図12および図13に示したように、更新された復旧面伝送経路設定DB1000から接続変更リスト1200を生成して、他の管理サーバ5へ通知して(ステップS2505)、ステップS2501に戻る。
また、ステップS2506において、管理サーバ5は、端点間の接続削除が要求された場合(ステップS2506:Yes)、要求に従い伝送経路の設定情報であるエントリを復旧面伝送経路設定DB1000の各エントリから削除する(ステップS2507)。たとえば、復旧面伝送経路設定DB1000において、端末TA2、TB2間の接続削除が要求された場合、管理サーバ5は、復旧面伝送経路設定DB1000,1500の各エントリから伝送経路IDが「P02」であるエントリ(伝送経路ID404B,405B,406B,407B,408Bの値)を削除する。復旧面伝送経路設定DB1500についても同様に実行する。
管理サーバ5は、ステップS2507による伝送経路の削除に伴い復旧面を更新する(ステップS2508)。具体的には、たとえば、管理サーバ5が管理サーバ5Aである場合、管理サーバ5Aは、復旧面伝送経路設定DB1000Aの面A0以降のエントリから、削除要求された伝送経路(たとえば、伝送経路P02)の設定情報(伝送経路ID404A,405A,406A,407A,408Aの値)を削除する。また、管理サーバ5が管理サーバ5Bである場合、管理サーバ5Bは、復旧面伝送経路設定DB1000Bの面B0以降のエントリから、削除要求された伝送経路(たとえば、伝送経路P02)の設定情報(伝送経路ID404B,405B,406B,407B,408Bの値)を削除する。復旧面伝送経路設定DB1500についても同様に実行する。
管理サーバ5は、削除要求された伝送経路の伝送経路IDを、自身が管理するノードnへ通知する(ステップS2509)。これにより、ノードnは、通知された伝送経路IDを含むエントリを、伝送経路設定テーブルから削除する。
そして、管理サーバ5は、図12および図13に示したように、削除後の復旧面伝送経路設定DB1000から接続変更リスト1200を生成して、他の管理サーバ5へ通知して(ステップS2505)、ステップS2501に戻る。
<設定変更要因監視処理2203>
図26は、図23に示した設定変更要因監視処理2203の詳細な処理手順例を示すフローチャートである。図26は、図19のシーケンスに対応する。管理サーバ5は、自身が管理するネットワーク10における設定変更要因(障害等)を検知したかを判断する(ステップS2601)。検知されていない場合(ステップS2601:No)、管理サーバ5は、ステップS2601を継続する。検知された場合(ステップS2601:Yes)、管理サーバ5は、検知した設定変更要因から変更すべき復旧面を特定する(ステップS2602)。具体的には、たとえば、管理サーバ5Aは、ノードn14の障害を検知した場合、ノードn14に対応する復旧面A1を特定する。
管理サーバ5は、特定した復旧面の復旧面IDを、関連する管理サーバ5へ通知する(ステップS2603)。たとえば、復旧面IDを特定した管理サーバ5が管理サーバ5Aである場合、関連する管理サーバ5は、復旧面伝送経路設定DB1000Aのエントリ400A1において、送信元405Aである端末TB3や送信先407Aである端末TB1,TB2を管理する管理サーバ5Bである。
管理サーバ5は、関連する管理サーバ5から、ステップS2603に対する応答を受信したかを判断する(ステップS2604)。当該応答を受信していない場合(ステップS2604:No)、管理サーバ5は、ステップS2604の処理を継続する。一方、当該応答を受信した場合(ステップS2604:Yes)、管理サーバ5は、受信した応答に基づき復旧面を運用すべき面に決定する。
例えば、応答が単なる了承の場合は、管理サーバ5は、ステップS2602にて特定した復旧面を、運用すべき面に決定する。たとえば、第2のネットワーク10Bにおいて現用系の面B0が運用されている場合は、管理サーバ5Bからの応答は、単なる了承である。したがって、管理サーバ5は、特定した復旧面A1を運用すべき面に決定する。
また例えば、応答を返信した側のネットワーク10の復旧面を変更する通知である場合は、管理サーバ5は、受信した復旧面の変更通知に対応した復旧面を選択しなおして、運用すべき面に決定する(ステップS2605)。たとえば、第2のネットワーク10Bにおいてノードn26の障害が検知され、管理サーバ5Bから復旧面変更通知として復旧面ID「B3」が通知された場合、管理サーバ5Aは、特定した復旧面A1を選択し直す。すなわち、管理サーバ5Aは、復旧面伝送経路設定DB1500Aから、復旧面A1B3のエントリを選択し、復旧面A1B3を運用すべき面に決定する。
管理サーバ5は、ステップS2605で決定した復旧面の復旧面IDを、自身が管理するノードnへ通知し(ステップS2606)、ステップS2601の処理を実行する。通知を受けたノードnは、通知を受けた復旧面IDのエントリを伝送経路設定テーブルから選択して、運用することにある。
図27は、実施例1にかかる管理サーバ5によるネットワーク10の運用面の切替処理の詳細な処理手順例を示すフローチャートである。図27は、図19のシーケンスに対応する。管理サーバ5は、他の管理サーバ5から復旧面の変更通知を受信したか否かを判断する(ステップS2701)。具体的には、たとえば、ステップS2603により、管理サーバ5は、他の管理サーバ5から復旧面の変更通知を受信したか否かを判断する。
受信していない場合(ステップS2701:No)、管理サーバ5は、ステップS2701を継続する。一方、受信した場合(ステップS2701:Yes)、管理サーバ5は、自身が管理するネットワーク10の運用面に変更があるか否かを確認する(ステップS2702)。変更がない場合(ステップS2702:No)、管理サーバ5は、復旧面の変更通知を送信した管理サーバ5に、復旧面の変更を了承する応答を返信し(ステップS2703)、ステップS2705に移行する。これにより、復旧面の変更通知を送信した管理サーバ5は、ステップS2604で復旧面の変更を了承する応答を受信することになる。
一方、変更がある場合(ステップS2702:Yes)、管理サーバ5は、復旧面の変更通知を送信した管理サーバ5に、自身のネットワーク10における復旧面の変更通知(すなわち、復旧面ID)を応答する(ステップS2704)。これにより、復旧面の変更通知を送信した管理サーバ5は、ステップS2604で復旧面の変更通知の応答を受信することになる。
管理サーバ5は、ステップS2701で受信した他のネットワーク10における運用面の変更通知に伴い、自身が管理するネットワーク10の運用面を変更する(ステップS2705)。管理サーバ5が管理サーバ5Bである場合、管理サーバ5Aから運用面の変更通知として復旧面ID「A1」が送信されたとする。第2のネットワーク10Bにおいて現用系の面B0が運用されている場合、管理サーバ5Aは、運用面を面B0から面B0A1に変更する。
このあと、管理サーバ5は、自身が管理するノードnに、復旧面の変更を通知(ステップS2706)し、ステップS2701の処理を実行する。上記の例では、管理サーバ5Bは、ノードn2に復旧面ID「B0A1」を通知する。これにより、ノードn2は、復旧面ID「B0A1」のエントリを伝送経路設定テーブルから選択して、運用することにある。
このように、実施例1によれば、障害発生時の復旧パスを複数の管理サーバが連携して障害発生前に算出するため、時間的な余裕をもって最適な復旧経路を算出することができる。また、算出した復旧経路を障害発生前に各ノードへ配信するため、障害の影響を受けずに復旧経路を通知することができる。さらに、障害が発生した場合、各ノードに通知済みの伝送経路設定を利用するため、障害の発生した伝送経路の復旧を迅速に行うことができる。また、障害の発生した伝送経路を復旧させるための複数ノードへの復旧通知を、管理サーバから1回の同一な識別子送信で可能であり、迅速な伝送経路の復旧通知を行うことができる。