JP6399310B2 - 電力ケーブル接続用ユニットの製造方法、電力ケーブル接続用ユニット、およびインナーコアリボン - Google Patents

電力ケーブル接続用ユニットの製造方法、電力ケーブル接続用ユニット、およびインナーコアリボン Download PDF

Info

Publication number
JP6399310B2
JP6399310B2 JP2015063490A JP2015063490A JP6399310B2 JP 6399310 B2 JP6399310 B2 JP 6399310B2 JP 2015063490 A JP2015063490 A JP 2015063490A JP 2015063490 A JP2015063490 A JP 2015063490A JP 6399310 B2 JP6399310 B2 JP 6399310B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
inner core
insulating cylinder
power cable
connecting unit
diameter
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015063490A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016185002A (ja
Inventor
稔之 沼澤
稔之 沼澤
藤田 健一
健一 藤田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Electric Industries Ltd filed Critical Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority to JP2015063490A priority Critical patent/JP6399310B2/ja
Publication of JP2016185002A publication Critical patent/JP2016185002A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6399310B2 publication Critical patent/JP6399310B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Organic Insulating Materials (AREA)
  • Insulating Bodies (AREA)
  • Cable Accessories (AREA)

Description

本発明は、電力ケーブル接続用ユニットの製造方法、電力ケーブル接続用ユニット、およびインナーコアリボンに関する。
一対の電力ケーブルを、互いに軸を一致させつつ突き合わせて直線状に接続することがある。このとき、一対の電力ケーブルのケーブル導体の接続部分は、圧縮スリーブによって圧縮接続され、圧縮スリーブの周囲には、電力ケーブル接続用絶縁筒(または常温収縮ジョイント、以下、絶縁筒)が装着される。
一対の電力ケーブルの接続部分に絶縁筒を装着する際には、まず、帯状のインナーコアリボン(拡径保持部、またはスパイラルコアリボン)を螺旋状に巻回して、筒状のインナーコア(拡径保持筒、またはスパイラルコア)を形成する。次に、絶縁筒の軸方向に貫通した中空部内にインナーコアを挿入することで絶縁筒を拡径する。なお、絶縁筒をインナーコアによって拡径したものを電力ケーブル接続用ユニットと呼ぶ。次に、電力ケーブル接続用ユニットの中空部の開口に一方の電力ケーブルを挿入し、電力ケーブル接続用ユニットを一方の電力ケーブルに退避させておく。次に、一対の電力ケーブルのそれぞれのケーブル導体を圧縮スリーブにより圧縮接続する。次に、電力ケーブル接続用ユニットを一対の電力ケーブルの接続部分に配置する。次に、電力ケーブル接続用ユニットからインナーコアを取り除くことにより、絶縁筒を弾性的に収縮させて一対の電力ケーブルの接続部分に被せる(例えば、特許文献1)。
電力ケーブル接続用ユニットでは、インナーコアは、絶縁筒を拡径する際に絶縁筒の収縮力によって潰れずに絶縁筒を拡径状態で保持することが求められる。そこで、従来では、インナーコアの強度を向上させるため、インナーコアリボン内に金属製の芯部(鋼線)を設ける場合があった。
特開2010−213428号公報
ところで、絶縁筒内に異物が混入した場合、絶縁筒の絶縁性能や電界緩和特性を劣化させる可能性がある。そのため、電力ケーブル接続用ユニットの製造工程のうちの一工程として、絶縁筒にX線を照射して、絶縁筒内の異物を検査する工程が行われることがある。
上記したインナーコアリボン内に金属製の芯部を設けた場合では、絶縁筒がインナーコアによって拡径された状態で、絶縁筒にX線を照射して、絶縁筒内の異物を検査する工程を行うと、金属製の芯部によってX線が遮られるため、絶縁筒内の異物を検出することが困難となっていた。そのため、インナーコアリボン内に金属製の芯部を設けた場合では、絶縁筒単体に対してX線を照射して絶縁筒単体内の異物を検査する工程を行い、その後、絶縁筒にインナーコアを挿入するという方法が採られていた。しかしながら、この方法では、絶縁筒を拡径する工程で絶縁筒とインナーコアとの間に混入した異物を検出することができなかった。
本発明の目的は、絶縁筒がインナーコアによって拡径された状態であっても絶縁筒内の異物を精度よく検査することができる電力ケーブル接続用ユニットの製造方法、電力ケーブル接続用ユニット、およびインナーコアリボンを提供することである。
本発明の一態様によれば、
一対の電力ケーブルを直線状に接続する電力ケーブル接続用ユニットの製造方法であって、
軸方向に貫通する中空部を有する筒状の絶縁筒を形成する工程と、
筒状のインナーコアを形成する工程と、
前記絶縁筒の前記中空部内に前記インナーコアを挿入することで前記絶縁筒を拡径する工程と、
前記絶縁筒が前記インナーコアによって拡径された状態で前記絶縁筒にX線を照射し、前記絶縁筒内の異物を検査する工程と、を有し、
前記インナーコアを形成する工程では、可撓性を有する本体部と、前記本体部を補強する補強部と、を有し、前記本体部と前記補強部とが共にX線を透過する材料からなる帯状のインナーコアリボンを螺旋状に巻回することで前記インナーコアを形成する電力ケーブル接続用ユニットの製造方法が提供される。
本発明の他の態様によれば、
上記態様に記載の電力ケーブル接続用ユニットの製造方法によって製造される電力ケーブル接続用ユニットが提供される。
本発明の更に他の態様によれば、
上記態様に記載の電力ケーブル接続用ユニットの製造方法に用いられるインナーコアリボンが提供される。
本発明によれば、絶縁筒がインナーコアによって拡径された状態であっても絶縁筒内の異物を精度よく検査することができる電力ケーブル接続用ユニットの製造方法、電力ケーブル接続用ユニット、およびインナーコアリボンが提供される。
本発明の一実施形態に係る電力ケーブル接続用ユニットの製造方法におけるフローを示す図である。 本発明の一実施形態に係る絶縁筒を示す軸方向断面図である。 本発明の一実施形態に係るインナーコアリボンを示す軸方向と直交する断面図である。 本発明の一実施形態に係る接続用ユニットを示す軸方向断面図である。 本発明の一実施形態に係るX線検査工程を示す概略図である。
<本発明の一実施形態>
(1)電力ケーブル接続用ユニットの製造方法
図1〜図5を用い、本発明の一実施形態に係る電力ケーブル接続用ユニットの製造方法について説明する。図1は、本実施形態に係る電力ケーブル接続用ユニットの製造方法におけるフローを示す図である。図2は、本実施形態に係る絶縁筒を示す軸方向断面図である。図3は、本発明の一実施形態に係るインナーコアリボンを示す軸方向と直交する断面図である。図4は、本実施形態に係る接続用ユニットを示す軸方向断面図である。図5は、本実施形態に係るX線検査工程を示す概略図である。なお、以下において、ステップを「S」と略す。
以下の方法によって製造される本実施形態の電力ケーブル接続用ユニット(以下、接続用ユニット10)とは、例えば、筒状の絶縁筒20と、絶縁筒20を拡径する筒状のインナーコア30と、を有する複合構造のことをいう。接続用ユニット10は、一対の電力ケーブルを直線状に接続するために用いられるよう構成されている。
図1に示すように、本実施形態の接続用ユニット10を製造する工程は、例えば、絶縁筒形成工程S110、インナーコア形成工程S120、絶縁筒拡径工程S130、およびX線異物検査工程S140を有している。以下、詳細を説明する。
(S110:絶縁筒用意工程)
図2に示すように、まず、絶縁筒20を用意する(S110)。
本実施形態の絶縁筒20は、軸方向に貫通する中空部210を有する筒状体として構成されている。絶縁筒20は、中空部210の両端の開口220a,220bに一対の電力ケーブルがそれぞれ挿入され、中空部210の内部で一対の電力ケーブルのそれぞれの端部が互いに軸を一致させつつ突き合わされて直線状に接続されるよう構成されている。また、絶縁筒20の中空部210の内径は拡径しない状態では電力ケーブルの外径よりも小さくなっており、絶縁筒20は、弾性的に収縮して電力ケーブルの接続部分に密着するように構成されている。なお、電力ケーブルは、例えば、CVケーブル(Cross−Linked Polyethylene insulated Vinylchloride sheath Cable)として構成されており、中心から外側に向けて、ケーブル導体、ケーブル内部半導電層、ケーブル絶縁体、ケーブル外部半導電層、ケーブル遮蔽層、およびケーブル防食層を有している。
本実施形態の絶縁筒20は、例えば、中空部210の中心軸側から外側に向けて、内部半導電層230、絶縁層240、外部半導電層250およびストレスコーン部260を有している。内部半導電層230、外部半導電層250およびストレスコーン部260は、半導電性を有し、例えば、シリコーンゴムおよびカーボンブラックを含んでいる。一方、絶縁層240は、絶縁性を有し、例えば、シリコーンゴムを含んでいる。なお、内部半導電層230、外部半導電層250、ストレスコーン部260、および絶縁層240のそれぞれを構成する材料としては、エチレンプロピレンゴム、またはエピクロロヒドリンゴムであってもよい。
内部半導電層230は、一対の電力ケーブルのケーブル導体の接続部分を圧縮接続する圧縮スリーブに接することで、電力ケーブルのケーブル導体と等電位となるよう構成されている。また、外部半導電層250は、絶縁層240の外周を覆うように設けられている。ストレスコーン部260は、絶縁層240の軸方向の両端側に接して設けられ、ストレスコーン部260の絶縁層240側の面は、中空部210の軸方向に対して所定の傾斜角で傾斜している。外部半導電層250およびストレスコーン部260は、段剥ぎされた電力ケーブルのケーブル外部半導電層に電気的に接続され、接地されるよう構成されている。このように絶縁筒20が構成されていることにより、一対の電力ケーブルの接続部分の周囲において、電位分布がストレスコーン部260に沿って緩やかに形成され、電界が集中することが抑制される。
本実施形態の絶縁筒20は、例えば、以下のようにして形成される。まず、内部半導電層230、外部半導電層250およびストレスコーン部260を、それぞれ所定の金型を用い、別々にモールド成形する。このとき、内部半導電層230、外部半導電層250およびストレスコーン部260を半導電性樹脂により形成する。次に、内部半導電層230、外部半導電層250およびストレスコーン部260を所定の金型にセットし、内部半導電層230およびストレスコーン部260の中心に中空部210となる芯金を配置する。この状態で、金型に絶縁性樹脂を注入することにより、内部半導電層230、外部半導電層250およびストレスコーン部260の間に絶縁層240を形成する(オーバーモールド成形)。そして、金型から絶縁筒20を取り外し、絶縁筒20から不要部分を除去する。このようにして、内部半導電層230、絶縁層240、外部半導電層250およびストレスコーン部260を有する絶縁筒20が一体として成形される。
(S120:インナーコア形成工程)
次に、図3に示すように、インナーコアリボン(拡径保持部、またはスパイラルコアリボン)300を用意する。
本実施形態のインナーコアリボン300は、帯状体として構成され、例えば、本体部320および補強部310を有している。本体部320は、可撓性を有し、X線を透過する材料からなっている。具体的には、本体部320は、例えば、結晶性の高密度ポリエチレン(HDPE)、または非結晶性の低密度ポリエチレン(LDPE)を含んでいる。なお、非結晶性の低密度ポリエチレン(LDPE)は耐熱性が低いため、後述する接続用ユニット10を保管する際の温度が高くなると、インナーコアリボン300の強度が低下し、後述するインナーコア30が潰れる可能性がある。一方で、インナーコアリボン300は、後述するインナーコア30を形成する際に巻き付け易く、曲げ弾性率が小さいことが望まれる。したがって、本体部320は、耐熱性が高く、曲げ弾性率が小さい高密度ポリエチレンを含んでいることが好ましい。
本体部320は、例えば、軸方向に垂直な方向の両端にそれぞれ嵌合部330a,330bを有している。本体部320の軸方向に垂直な方向の一端に設けられた嵌合部330aは、インナーコアリボン300が螺旋状に巻回されたときに、隣接する本体部320の軸方向に垂直な方向の他端に設けられた嵌合部330bに嵌合するよう構成されている。
また、嵌合部330a,330bは、絶縁筒20内に後述するインナーコア30が挿入されたときにインナーコア30の圧縮方向が互いに嵌合する方向に沿う(一致する)ように構成されている。また、嵌合部330a,330bは、インナーコアリボン300の中心軸に対して点対称となっている。具体的には、嵌合部330a,330bは、それぞれカギ形となっている。これにより、絶縁筒20内にインナーコア30が挿入されたときに、隣接するインナーコアリボン300同士が外れることが抑制される。
また、一対の嵌合部330a,330bは、それぞれ、本体部320の中心軸側を向いた嵌合面330c,330dを有している。嵌合面330c,330dは、嵌合部330a,330b同士が嵌合したときに互いに接するよう構成されている。また、嵌合面330a,330bのそれぞれは、嵌合部330a,330bの嵌合が外れることを抑制するように嵌合部330a,330bの嵌合方向(本体部320の中心軸を中心とする同心円の接線方向)に対して傾斜している。これにより、嵌合部330a,330bの嵌合強度をさらに向上させることができ、嵌合部330a,330bの嵌合が外れることを抑制することができる。
補強部310は、本体部320を補強するよう構成されている。補強部310の強度は、本体部320の強度よりも高くなっている。これにより、インナーコアリボン300を螺旋状に巻回することにより形成されるインナーコア30の剛性を向上させることができる。その結果、インナーコア30によって絶縁筒20を拡径する際に、インナーコア30が絶縁筒20の収縮力によって潰れずに絶縁筒20を拡径状態で保持することが可能となる。
また、補強部310は、本体部320と同様に、X線を透過する材料からなっている。言い換えれば、補強部310および本体部320は、金属よりも高いX線透過率を有している。これにより、後述するX線異物検査工程において、インナーコアリボン300でX線が遮られることを抑制することができる。
具体的には、補強部310は、高分子の高張力体により構成され、例えば、アラミド繊維、超高分子量ポリエチレン繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール(PBO)繊維、およびポリアクリロニトリル(PAN)系炭素繊維のうちの少なくともいずれかの繊維を含んでいる。補強部310は、これらの繊維を、例えば、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂により固めることにより形成されている。補強部310がこれらの材料からなっていることにより、インナーコアリボン300の成形時の寸法精度、インナーコアリボン300の長期保管性、インナーコアリボン300の耐破断性、インナーコアリボン300の曲げ剛性を向上させることができる。
補強部310は、例えば、本体部320の軸方向に沿って延在し、本体部320の径方向の中心に設けられている。また、補強部310の軸方向に垂直な断面は、中心対称に構成されおり、例えば円形に構成されている。これにより、インナーコアリボン300の軸方向に垂直な方向のうちのいずれの方向からの応力に対しても、インナーコアリボン300の剛性が確保される。
本実施形態のインナーコアリボン300は、例えば、以下のようにして形成される。まず、例えばアラミド繊維を(不飽和)ポリエステル樹脂により固めた線状の補強部310を用意する。次に、補強部310を押出機のクロスヘッドに導く。なお、クロスヘッドには、本体部320に相当する成形口を有するダイスが設けられている。そして、押出機からクロスヘッドに例えば高密度ポリエチレンを送り込むことにより、上記ダイスにおいて補強部310の外周を覆うように本体部320を押出す。その後、本体部320および補強部310を有するインナーコアリボン300を冷却する。このようにして、インナーコアリボン300が形成される。
上述のようにインナーコアリボン300を用意した後、インナーコアリボン300を螺旋状に巻回することで、筒状のインナーコア(拡径保持筒)30を形成する。このとき、インナーコアリボン300の嵌合部330aを、隣接するインナーコアリボン300の嵌合部330bに嵌合させる。また、このとき、インナーコア30の内径を電力ケーブルの外径よりも大きくする(以上、S120)。
(S130:絶縁筒拡径工程)
次に、小径部、テーパ部、および大径部が軸方向に設けられた拡径治具(不図示)を用意する。なお、拡径治具の大径部の内径は、インナーコア30の外径よりも大きくなっている。次に、拡径治具の表面と、絶縁筒20の中空部210の内周面とに潤滑油を塗布する。次に、大径部の内部にインナーコア30を配置した状態で、小径部を絶縁筒20に挿入する。次に、絶縁筒20を小径部、テーパ部、大径部の順で滑らせて、一度、拡径治具の大径部において、絶縁筒20を拡径した状態で保持させる。次に、拡径治具の大径部を絶縁筒20から引き抜きながら、絶縁筒20をインナーコア30に滑らせて乗り移らせる。
このようにして、図4に示すように、絶縁筒20の中空部210内にインナーコア30を挿入することで、絶縁筒20を拡径する。これにより、絶縁筒20およびインナーコア30を有する接続用ユニット10が形成される(以上、S130)。
(S140:X線異物検査工程)
次に、図5に示すように、異物検査装置40に、接続用ユニット10を配置する。
ここで、異物検査装置40は、例えば、X線源410と、X線検出器480と、を有している。X線源410は、フィラメント420と、ターゲット430と、を有している。また、X線源410は、フィラメント420に所定の電流を流し、フィラメント420とターゲット430との間に高電圧を印加して、フィラメント420からターゲット430に向けて電子を衝突させることで、ターゲット430からX線を放出させるよう構成されている。ターゲット430は、例えば、タングステン(W)またはタンタル(Ta)からなっている。X線検出器480は、接続用ユニット10を挟んでX線源410と反対側に配置され、接続用ユニット10を透過したX線を検出するよう構成されている。また、本実施形態では、X線検出器480は、様々なものがあるが、一例として、ライン状に構成され、接続用ユニット10の軸方向に対して垂直な方向に沿って配置されている。なお、異物検査装置40には、接続用ユニット10を軸方向に移動させる移動機構(不図示)が設けられている。
なお、以下において、X線源410からX線検出器480に向かう方向を「X線透過方向」とする。また、接続用ユニット10内において、X線源410に近い側を「X線入射側」とし、X線検出器480に近い側を「X線透過側」とする。
次に、異物検査装置40において、X線源410からX線を放出させ、接続用ユニット10に対してX線を照射する。そして、X線検出器480により、X線の透過率が低い部分、すなわちX線の影(の有無)を観察する。絶縁筒20を構成する、炭素(C)、水素(H)、酸素(O)、シリコン(Si)等は、X線透過率が高い。一方、異物として混入することが予想される、鉄(Fe)、銅(Cu)等の金属は、X線透過率が低い。このため、絶縁筒20内に例えば上記のような金属の異物がある場合、金属の異物は、X線の影となって検出される。
このとき、絶縁筒20がインナーコア30によって拡径された状態、つまり、絶縁筒20内にインナーコア30が介在した状態で、絶縁筒20に対してX線を照射する。上述のように、インナーコアリボン300を構成する本体部320および補強部310がX線を透過する材料からなっていることにより、インナーコアリボン300でX線が遮られることが抑制される。これにより、絶縁筒20がインナーコア30によって拡径された状態であっても、絶縁筒20内の異物を精度よく検査することが可能となる。具体的には、異物の最小検出精度を(直径)0.2mm以下とすることができる。
また、このとき、絶縁筒20内の異物だけでなく、絶縁筒20とインナーコア30との間の異物も検出する。これにより、絶縁筒拡径工程(S130)で絶縁筒20とインナーコア30との間に混入した異物を確実に検出することができる(以上、S140)。
以上により、接続用ユニット10が製造される。
異物が検出されなかった良品の接続用ユニット10は、絶縁筒20がインナーコア30によって拡径された状態で出荷される。
電力ケーブルを布設する現場では、接続用ユニット10を用いて、例えば以下のようにして、一対の電力ケーブルを接続する。接続用ユニット10の中空部210の開口に一方の電力ケーブルを挿入し、接続用ユニット10を一方の電力ケーブルに退避させておく。次に、一対の電力ケーブルのそれぞれのケーブル導体を圧縮スリーブにより圧縮接続する。次に、接続用ユニット10を一対の電力ケーブルの接続部分に配置する。次に、接続用ユニット10の中空部210の内部からインナーコアリボン300を引き抜く(紐解く)ことにより、接続用ユニット10の端部から徐々にインナーコア30を取り除いていく。これにより、絶縁筒20を弾性的に収縮させて一対の電力ケーブルの接続部分に被せる。以上のようにして、一対の電力ケーブルが直線状に接続される。
(2)本実施形態に係る効果
本実施形態によれば、以下に示す1つ又は複数の効果を奏する。
(a)本実施形態によれば、インナーコアリボン300を構成する本体部320および補強部310がX線を透過する材料からなっている。これにより、X線異物検査工程(S140)において、インナーコアリボン300でX線が遮られることを抑制することができ、インナーコアリボン300がX線の影となることを抑制することができる。絶縁筒20とインナーコア30とがX線透過方向に重なる部分(インナーコア30を挟んで絶縁筒20のX線入射側の部分およびX線透過側の部分の両方)においても異物を検査することが可能となる。その結果、絶縁筒20がインナーコア30によって拡径された状態であっても、絶縁筒20内の異物を精度よく検査することが可能となる。
なお、参考までに、インナーコアリボン内に補強部として金属製の芯部を設けた場合では、絶縁筒がインナーコアによって拡径された状態でX線異物検査工程を行うと、金属製の芯部によってX線が遮られるため、絶縁筒内の異物を検出することが困難となる。この場合、芯部の直径が例えば0.5mm以上とされるため、直径0.5mm未満の異物がX線透過方向に芯部と重なった場合には、異物を検出することが出来なくなる。また、たとえ芯部の直径を細くした場合であっても、X線透過方向に芯部と重なる範囲での異物の検出精度が低下し、誤検出が増加するため、接続用ユニットの歩留まりを悪化させてしまう可能性がある。これに対して、本実施形態によれば、インナーコアリボン300がX線透過性を有していることにより、絶縁筒20がインナーコア30によって拡径された状態であっても、X線異物検査工程における異物の検出精度を向上させることができる。その結果、絶縁筒20内の微小な異物を検出することが可能となり、異物が混入した不良品の接続用ユニット10が流出することを未然に防ぐことが可能となる。
(b)本実施形態によれば、X線異物検査工程(S140)において、絶縁筒20内の異物だけでなく、絶縁筒20とインナーコア30との間の異物も検出する。これにより、絶縁筒拡径工程(S130)で絶縁筒20とインナーコア30との間に混入した異物も確実に検出することができる。
なお、参考までに、インナーコアリボン内に補強部として金属製の芯部を設けた場合では、上述のように、絶縁筒がインナーコアによって拡径された状態でX線異物検査工程を行うと、金属製の芯部の影響により、絶縁筒内の異物を検出することが困難となる。そのため、インナーコアリボン内に金属製の芯部を設けた場合では、絶縁筒単体に対してX線異物検査工程を行い、その後、絶縁筒拡径工程を行う方法が採られることがある。しかしながら、この方法では、絶縁筒拡径工程で絶縁筒とインナーコアとの間に混入した異物を検出することができない。このため、この方法では、絶縁筒拡径工程をクリーンルーム内で行い、絶縁筒とインナーコアとの間に異物が混入しないように厳密に管理する必要がある。これに対して、本実施形態によれば、X線異物検査工程(S140)において、絶縁筒20内の異物だけでなく、絶縁筒20とインナーコア30との間の異物も検出することが可能となる。これにより、絶縁筒拡径工程(S130)を行う前に、絶縁筒20単体に対してX線異物検査工程を行う必要が無くなる。また、絶縁筒拡径工程(S130)後に1度だけX線異物検査工程(S140)を行うだけで、絶縁筒拡径工程(S130)で絶縁筒20とインナーコア30との間に混入した異物も確実に検出することができる。その結果、異物が混入した不良品の接続用ユニット10が流出することを未然に防ぐことが可能となる。
<本発明の他の実施形態>
以上、本発明の実施形態について具体的に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
上述の実施形態では、内部半導電層230、外部半導電層250、ストレスコーン部260、および絶縁層240のそれぞれを構成する材料が、シリコーンゴム、エチレンプロピレンゴム、またはエピクロロヒドリンゴムである場合について説明したが、内部半導電層、外部半導電層、ストレスコーン部、および絶縁層のそれぞれを構成する材料として、複数種のゴムを用いても良い。つまり、内部半導電層、外部半導電層、ストレスコーン部、および絶縁層のそれぞれを構成する材料が異なっていても良い。
上述の実施形態では、絶縁筒用意工程(S110)において絶縁筒20をモールド成形する場合について説明したが、絶縁筒用意工程では絶縁筒のメーカーから提供された成形済みの絶縁筒を用意しても良い。
上述の実施形態では、インナーコアリボン300の本体部320における嵌合部330a,330bがそれぞれカギ形となっている場合について説明したが、嵌合部は、互いに嵌合可能であれば、他の形状となっていてもよい。
上述の実施形態では、インナーコアリボン300の補強部310が本体部320の中心に設けられている場合について説明したが、インナーコアリボンの補強部は、本体部の一部に設けられていれば良く、本体部の中心に設けられていなくても良い。
上述の実施形態では、絶縁筒用意工程(S110)において、内部半導電層230、外部半導電層250およびストレスコーン部260を所定の金型にセットして、これらの間に絶縁層240を形成する場合について説明したが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、他の絶縁筒を形成する方法としては、金型に絶縁性樹脂を注入する時点で、芯金には内部半導電層およびストレスコーン部を配置して絶縁層を形成し、その後に、絶縁層の外側に導電性塗料を塗布して外部半導電層を形成してもよい。
上述の実施形態では、インナーコア形成工程(S120)においてインナーコアリボン300を押出成形する場合について説明したが、インナーコア形成工程ではインナーコアリボンのメーカーから提供された成形済みのインナーコアリボンを用意しても良い。
上述の実施形態では、筒状のインナーコア30を形成した後に、絶縁筒拡径工程(S130)を行う場合について説明したが、絶縁筒の中空部内でインナーコアリボンを螺旋状に巻回し、絶縁筒の中空部内で筒状のインナーコアを形成しながら、絶縁筒を拡径してもよい。
上述の実施形態では、X線検出器480がライン状に構成されている場合について説明したが、X線検出器は、フィルム、フラットパネルディテクタ(FPD)、イメージングプレート(IP)などのように面状に構成されていてもよい。
<本発明の好ましい態様>
以下、本発明の好ましい態様について付記する。
(付記1)
本発明の一態様によれば、
一対の電力ケーブルを直線状に接続する電力ケーブル接続用ユニットの製造方法であって、
軸方向に貫通する中空部を有する筒状の絶縁筒を形成する工程と、
筒状のインナーコアを形成する工程と、
前記絶縁筒の前記中空部内に前記インナーコアを挿入することで前記絶縁筒を拡径する工程と、
前記絶縁筒が前記インナーコアによって拡径された状態で前記絶縁筒にX線を照射し、前記絶縁筒内の異物を検査する工程と、を有し、
前記インナーコアを形成する工程では、可撓性を有する本体部と、前記本体部を補強する補強部と、を有し、前記本体部と前記補強部とが共にX線を透過する材料からなる帯状のインナーコアリボンを螺旋状に巻回することで前記インナーコアを形成する電力ケーブル接続用ユニットの製造方法が提供される。
(付記2)
好ましくは、付記1に記載の電力ケーブル接続用ユニットの製造方法であって、
前記異物を検査する工程では、
前記絶縁筒内の異物と、前記絶縁筒と前記インナーコアとの間の異物とを検査する。
(付記3)
好ましくは、付記1又は2に記載の電力ケーブル接続用ユニットの製造方法であって、
前記絶縁筒単体に対してX線を照射して、前記絶縁筒単体内の異物を検査する工程を不実施とする。
(付記4)
好ましくは、付記1〜3のいずれかに記載の電力ケーブル接続用ユニットの製造方法であって、
前記補強部は、アラミド繊維、超高分子量ポリエチレン繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維、およびポリアクリロニトリル系炭素繊維のうちの少なくともいずれかの繊維を含む。
(付記5)
本発明の他の態様によれば、
付記1〜4のいずれかに記載の電力ケーブル接続用ユニットの製造方法によって製造される電力ケーブル接続用ユニットが提供される。
(付記6)
本発明の更に他の態様によれば、
付記1〜4のいずれかに記載の電力ケーブル接続用ユニットの製造方法に用いられるインナーコアリボンが提供される。
(付記7)
本発明の更に他の態様によれば、
帯状に構成され、螺旋状に巻回されることで、一対の電力ケーブルの接続部分に装着される絶縁筒を拡径するための筒状のインナーコアを形成するインナーコアリボンであって、
可撓性を有する本体部と、
前記本体部を補強する補強部と、を有し、
前記本体部と前記補強部とが共にX線を透過する材料からなるインナーコアリボンが提供される。
10 接続用ユニット
20 絶縁筒
30 インナーコア(拡径保持筒)
40 異物検査装置
210 中空部
220a,220b 開口
230 内部半導電層
240 絶縁層
250 外部半導電層
260 ストレスコーン部
300 インナーコアリボン(拡径保持部、またはスパイラルコアリボン)
310 補強部
320 本体部
330a,330b 嵌合部
410 X線源
420 フィラメント
430 ターゲット
480 X線検出器

Claims (3)

  1. 一対の電力ケーブルを直線状に接続する電力ケーブル接続用ユニットの製造方法であって、
    軸方向に貫通する中空部を有する筒状の絶縁筒を形成する工程と、
    筒状のインナーコアを形成する工程と、
    前記絶縁筒の前記中空部内に前記インナーコアを挿入することで前記絶縁筒を拡径する工程と、
    前記絶縁筒が前記インナーコアによって拡径された状態で前記絶縁筒にX線を照射し、前記絶縁筒内の異物を検査する工程と、を有し、
    前記インナーコアを形成する工程では、可撓性を有する本体部と、前記本体部を補強する補強部と、を有し、前記本体部と前記補強部とが共にX線を透過する材料からなる帯状のインナーコアリボンを螺旋状に巻回することで前記インナーコアを形成する電力ケーブル接続用ユニットの製造方法。
  2. 前記異物を検査する工程では、
    前記絶縁筒内の異物と、前記絶縁筒と前記インナーコアとの間の異物とを検査する請求項1に記載の電力ケーブル接続用ユニットの製造方法。
  3. 前記補強部は、アラミド繊維、超高分子量ポリエチレン繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維、およびポリアクリロニトリル系炭素繊維のうちの少なくともいずれかの繊維を含む請求項1又は2に記載の電力ケーブル接続用ユニットの製造方法。
JP2015063490A 2015-03-25 2015-03-25 電力ケーブル接続用ユニットの製造方法、電力ケーブル接続用ユニット、およびインナーコアリボン Active JP6399310B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015063490A JP6399310B2 (ja) 2015-03-25 2015-03-25 電力ケーブル接続用ユニットの製造方法、電力ケーブル接続用ユニット、およびインナーコアリボン

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015063490A JP6399310B2 (ja) 2015-03-25 2015-03-25 電力ケーブル接続用ユニットの製造方法、電力ケーブル接続用ユニット、およびインナーコアリボン

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016185002A JP2016185002A (ja) 2016-10-20
JP6399310B2 true JP6399310B2 (ja) 2018-10-03

Family

ID=57243292

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015063490A Active JP6399310B2 (ja) 2015-03-25 2015-03-25 電力ケーブル接続用ユニットの製造方法、電力ケーブル接続用ユニット、およびインナーコアリボン

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6399310B2 (ja)

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4705799B2 (ja) * 2005-04-11 2011-06-22 株式会社エクシム 常温収縮チューブ用インナーコア

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016185002A (ja) 2016-10-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN101902024B (zh) 用于hvdc缆线的具有阻性场分级材料的柔性接头及其与hvdc缆线连接的方法
FI97917C (fi) Optisia kuituja sisältävä pitkänomainen vedenalainen kaapeli
CA3001513C (en) Joint for electric cables with thermoplastic insulation and method for manufacturing the same
US11607828B2 (en) Process for jointing cables
US11195687B2 (en) X-ray source voltage shield
KR20160098525A (ko) 콘덴서 코어
KR20170002655A (ko) 고전력 케이블용 전계 제어 디바이스 및 그 제조 방법
JP6399310B2 (ja) 電力ケーブル接続用ユニットの製造方法、電力ケーブル接続用ユニット、およびインナーコアリボン
US10784019B2 (en) Cable
KR102172809B1 (ko) 연장 부재를 교차결합 또는 가황처리하기 위한 방법 및 장치
KR101940770B1 (ko) 금속도금 탄소섬유를 이용하여 지중 매설되는 탐지용 전선을 제조하는 방법 및 상기 탐지용 전선이 일체화된 매설 배관
US10622118B2 (en) Cable
KR102419396B1 (ko) 광전복합케이블의 중간접속부
KR102304368B1 (ko) 접속함용 슬리브 삽입 장치 및 방법
CA2991339C (en) A method of building an insulation system around a naked conductor section of a power cable
US20220310283A1 (en) Multicore cable and harness
CN105626033B (zh) 石油测井仪的侧向电极组件及其制造方法
KR101781530B1 (ko) 반도체 측정장비를 연결하는 초소형 케이블 커넥터
JP2017184323A (ja) ケーブル終端接続部
JP2016144222A (ja) 絶縁筒、ケーブル終端接続構造および気中終端接続部
JP2015119570A (ja) 電力ケーブルのストレスコーン、その装着方法及び電力ケーブルの終端接続部

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20171024

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180525

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180605

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180613

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180808

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180821

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6399310

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250