JP6397379B2 - 変化領域検出装置、方法、及びプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、変化領域検出装置、方法、及びプログラムに関する。
航空写真や衛星画像からの変化検出はその有用性から、長い期間にわたりコンピュータビジョンやリモートセンシングの分野において研究されてきた。特に近年の急速な都市化における土地利用形態の変化のモニタリングや都市計画への利用のためにその重要性はますます増している。
異なる時点で撮影された航空写真や衛星画像から地上の変化を検出する技術は大きく2つに分けられる。1つは各時点での地上の三次元構造を復元し、その高さ方向の変化量から変化領域を検出しようとするものである。もう1つは画素間の地理的な対応関係が決定された複数の画像を利用するものである。これは各画素値を利用して、地上の物体の変化などを画素ごとに数値化し、このような数値の変化量によって表現される画像の変化から変化領域を検出するものである。
前者の技術として近年広く研究されているものとして、航空機によって撮影されたパノラマ画像を用いるものがある。これは、ステレオ画像を利用して撮影した領域の3次元構造(Digital Surface Modelと呼ばれる)を復元し、異なる時点における高さの変化が大きな領域を変化領域とするものである。三次元構造復元技術の進歩によって、地上に存在する物体の高さを精度よく得ることが出来るようになったため、これを利用して高い精度で変化領域を検出することが出来る(非特許文献1参照)。
最先端の研究成果によるとかなり高い精度で変化領域を推定することが出来るものの、航空機を利用してステレオ画像を取得することが難しいことに加え、通常の航空写真を撮影するよりもコストがかかるため技術の適用範囲が限定されてしまう。また、地上の変化は必ずしも高さ方向の変化を伴うものではない。例えば、2階建ての家屋が建て変わった場合などを想像してみればよい。したがってこのような手法によって検出できる変化の種類は限られている。
もう一方の三次元情報を利用しない技術について、ステレオ画像ではない通常の航空写真に画像処理の手法を適用することによって変化領域を推定する手法も数多く研究されている。こちらの技術の特徴としては、地上の物体の高さに依存したものではないため、より多くの種類の変化を検出できるということが挙げられる。また、ステレオ画像と比較すると通常の航空写真は取得しやすく、技術の適用範囲は広くなる。
そのようなもののひとつに建築物のスペクトル変化に注目したものがある。これは建築物が変化すると、これにともなって色だけではなく、反射に代表される光学的な性質が変化するという事実を利用し、このような変化を数値化する指標を用いて変化領域を検出する手法である。変化領域を決定する際にはファジー論理やデンプスター=シェーファーの決定理論などが用いられる(非特許文献2参照)。
また、航空写真に対して画像処理の手法に加えてノンパラメトリックな密度推定手法とEMアルゴリズムと呼ばれる統計的機械学習の手法を適用することによって変化領域を検出する研究例もある(非特許文献3参照)。
2つの異なる時点において撮影された航空写真から確度の高い変化領域を発見し、当該領域を正例として教師あり学習を行い、識別器を構成するという研究例もある(非特許文献4参照)。なお、ここでいう識別器とは、数値ベクトルを入力としてうけとり、入力パターンが注目物体であるか否かを出力する関数一般を指す。
航空写真からの変化検出を行う際に従来から大きな障害となっているのが影の変化である。したがって、影の領域を推定し、その影の変化による影響を事前に除こうとする研究例が数多くある(非特許文献5参照)。
航空写真は撮影したタイミングによって影が生じる方向が変わったり、森林の植生が変わったりしてしまう。このような変化によっても航空機からの地上の見え方が変わってしまうため、本来検出したい土地利用変化以外の非本質的な変化を検出してしまうという難点がある。
J.Tian, S.Cui, and P.Reinartz, "Building Change Detection Based on Satelite Stereo Imagery and Digital Surface Models," IEEE Transactions on Geoscience and Remote Sensing, vol.52, No.1, 2014. P.Du, S.Liu, P.Gamba, K.Tan, and J.Xia, "Fusion of Defference Images for Change Detection Over Urban Areas," IEEE Journal of Selected Topics in Applied Earth Observations and Remote Sensing, Vol.5, No.4, 2012. L.Bruzzone, and D.F.Prieto, "An Adaptive Semiparametric and Context-Based Approach to Unsupervised Change Detection in Multitemporal Remote-Sensing Images," IEEE Transactions on Image Processing, Vol.11, No.4, 2002. L.Castellana, A.D’addabbo, and G.Pasquariello, "A Composed supervised/unsupervised approach to improve change detection from remote sensing," Pattern Recognition Letter, Vol.28, No.4, 2007. T.T.Ngo, C.Collet, and V.Mazet, "MRF and Dempster-Shafer Theory for Simultaneous Shadow/Vegetation Detection on High Resolution Aerial Color Images," In Proceedings of ICIP, 2014.
ステレオ画像を利用しない変化領域検出技術の多くは画素ごとの変化情報と統計的な推定を利用するものであり、パターンの意味づけや学習などの知的な情報処理を含まない。そのため、例えば赤色の建物が黒色の建物に変わったときに、それは黒い建物なのか影の影響によるものなのかを正確に判別することが出来ない。さらに、純粋に物理的な性質に基づいた指標のみを利用した場合、植生の変化など時間の経過による地上のテクスチャの変化を誤って土地利用形態の変化として検出してしまう可能性が高くなる。
一方、知的な情報処理を含む技術もこれまで提案されてきたが、学習のために自動的に生成された情報が必ずしも高品質ということができず、不正確なノイズの混入を防ぐことが出来ない。そのため、このようにして得られた識別器の効果は限定的であると考えられる。人力で学習のためのデータを生成することも考えられるが必要となるデータの量と労力を考えると現実的ではない。加えて、学習のための情報を必要としない技術も提案されてはきたものの、処理に時間がかかるため、大量のデータに適用するには不向きである。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、変化領域を精度よく検出するための変化領域検出装置、方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る変化領域検出装置は、異なる第1時点及び第2時点で撮影された航空写真と、前記第1時点に対応する地図情報とを用いて土地利用変化を検出する変化領域検出装置であって、変化領域検出を行う際に、入力された前記第1時点の航空写真の画素を特徴づける局所特徴ベクトル、及び前記第2時点の航空写真の画素を特徴づける局所特徴ベクトルを計算する局所特徴ベクトル計算手段と、前記第1時点及び第2時点の各々の航空写真で同じ座標を持つ画素において計算された局所特徴ベクトルから、前記画素ごとに変化量を計算する変化量計算手段と、前記画素ごとの変化量から、変化領域候補を検出する変化領域候補決定手段と、前記第1時点に対応する地図情報と前記第1時点の航空写真とから、前記第1時点の航空写真の小領域と、変化検出対象を含むか否かを示す情報とからなる検出対象識別器学習用データセットを作成する学習用データセット構築手段と、前記検出対象識別器学習用データセットから、変化検出対象を含むか否かを識別するための検出対象識別器を学習する検出対象識別器構築手段と、前記変化領域候補決定手段によって検出された変化領域候補の各々について、前記検出対象識別器を用いて、前記変化領域候補が前記変化検出対象を含むか否かを識別し、前記変化検出対象を含まない前記変化領域候補を除外する非検出対象領域除外手段と、を含んで構成されている。
また、本発明に係る変化領域検出装置において、前記学習用データセット構築手段は、前記地図情報から、前記変化検出対象の物体の存在する画像座標を取得し、当該画像座標に基づいて前記学習用データセットを作成するようにすることができる。
また、本発明に係る変化領域検出装置において、前記局所特徴ベクトル計算手段は、注目画素及び前記注目画素の周辺の小領域の色又は輝度の情報も利用して、注目画素周辺の形又はテクスチャに関する情報を記述する前記局所特徴ベクトルを計算するようにすることができる。
また、本発明に係る変化領域検出装置において、前記検出対象識別器学習手段は、前記検出対象識別器学習用データセットに含まれる小領域の画素を特徴づける局所特徴ベクトルを計算し、前記計算された画素の前記局所特徴ベクトルをまとめ上げる処理によって、前記検出対象識別器学習用データセットに含まれる小領域の大域特徴ベクトルを計算し、前記大域特徴ベクトルに基づいて変化検出対象を含むか否かを識別するための前記検出対象識別器を学習し、前記非検出対象領域除外手段は、前記変化領域候補決定手段によって検出された変化領域候補の各々について、前記第2時点の航空領域の前記変化領域候補の画素を特徴づける局所特徴ベクトルを計算し、前記計算された画素の前記局所特徴ベクトルをまとめ上げる処理によって、前記変化領域候補の大域特徴ベクトルを計算し、前記計算した大域特徴ベクトルに基づいて、前記検出対象識別器を用いて、前記変化領域候補が前記変化検出対象を含むか否かを識別するようにすることができる。
また、本発明に係る変化領域検出装置において、前記変化量計算手段は、前記第1時点及び第2時点の各々の航空写真で同じ座標を持つ画素において計算された局所特徴ベクトルから、前記画素ごとに、利用する局所特徴ベクトルに合わせた距離関数から計算される距離を、前記変化量として計算するようにすることができる。
本発明に係る変化領域検出方法は、局所特徴ベクトル計算手段、変化量計算手段、変化領域候補決定手段、学習用データセット構築手段、検出対象識別器構築手段、及び非検出対象領域除外手段を含み、異なる第1時点及び第2時点で撮影された航空写真と、前記第1時点に対応する地図情報とを用いて土地利用変化を検出する変化領域検出装置における変化領域検出方法であって、前記局所特徴ベクトル計算手段が、変化領域検出を行う際に、入力された前記第1時点の航空写真の画素を特徴づける局所特徴ベクトル、及び前記第2時点の航空写真の画素を特徴づける局所特徴ベクトルを計算するステップと、前記変化量計算手段が、前記第1時点及び第2時点の各々の航空写真で同じ座標を持つ画素において計算された局所特徴ベクトルから、前記画素ごとに変化量を計算するステップと、前記変化領域候補決定手段が、前記画素ごとの変化量から、変化領域候補を検出するステップと、前記学習用データセット構築手段が、前記第1時点に対応する地図情報と前記第1時点の航空写真とから、前記第1時点の航空写真の小領域と、変化検出対象を含むか否かを示す情報とからなる検出対象識別器学習用データセットを作成するステップと、前記検出対象識別器構築手段が、前記検出対象識別器学習用データセットから、変化検出対象を含むか否かを識別するための検出対象識別器を学習するステップと、前記非検出対象領域除外手段が、前記変化領域候補決定手段によって検出された変化領域候補の各々について、前記検出対象識別器を用いて、前記変化領域候補が前記変化検出対象を含むか否かを識別し、前記変化検出対象を含まない前記変化領域候補を除外するステップと、を含む。
本発明に係るプログラムは、コンピュータを、上記の変化領域検出装置を構成する各手段として機能させるためのプログラムである。
本発明の変化領域検出装置、方法、及びプログラムによれば、第1時点及び第2時点の各々の航空写真で同じ座標を持つ画素において計算された局所特徴ベクトルから画素ごとに変化量を計算し、画素ごとの変化量から変化領域候補を検出し、第1時点に対応する地図情報と第1時点の航空写真とから検出対象識別器学習用データセットを作成し、検出対象識別器学習用データセットから、変化検出対象を含むか否かを識別するための検出対象識別器を学習し、検出された変化領域候補の各々について、検出対象識別器を用いて、変化領域候補が変化検出対象を含むか否かを識別し、変化検出対象を含まない変化領域候補を除外することにより、変化領域を精度よく検出することができる、という効果が得られる。
本発明の実施の形態に係る変化領域検出装置の機能的構成を示すブロック図である。 小領域を等間隔にサンプリングする場合における、格子点を中心とする小領域の取り出し方を説明するための図である。 局所特徴ベクトルの距離計算における格子点のペアの取り方を説明するための図である。 格子点以外の画素の距離決定の方法を説明するための図である。 小領域をフィルタリングする処理を説明するための図である。 本発明の実施の形態に係る変化領域検出装置における変化領域候補生成処理ルーチンのフローチャート図である。 本発明の実施の形態に係る変化領域検出装置における局所特徴ベクトル計算処理ルーチンのフローチャート図である。 本発明の実施の形態に係る変化領域検出装置における変化量計算処理ルーチンのフローチャート図である。 本発明の実施の形態に係る変化領域検出装置における変化領域候補決定処理ルーチンのフローチャート図である。 本発明の実施の形態に係る変化領域検出装置における学習処理ルーチンのフローチャート図である。 本発明の実施の形態に係る変化領域検出装置における学習用データセット構築処理ルーチンのフローチャート図である。 本発明の実施の形態に係る変化領域検出装置における検出対象識別器構築処理ルーチンのフローチャート図である。 本発明の実施の形態に係る変化領域検出装置における大域特徴ベクトル変換処理ルーチンのフローチャート図である。 本発明の実施の形態に係る変化領域検出装置における変化領域検出処理ルーチンのフローチャート図である。 本発明の実施の形態に係る変化領域検出装置における変化領域候補決定処理ルーチンのバリエーションを示すフローチャート図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号をつけ、その繰り返しの説明は省略する。
本発明の実施の形態のポイントは2点ある。
1点目は、過去に作成された地図を参照することによって得られる、変化検出対象が存在する画像座標から教師情報を生成することにより、人手で新たに教師情報を作成するという煩雑な作業を行うことなく、高品質な教師情報を得ることができるという点である。これを利用して機械学習手法により、注目対象を分類する識別器を構築し、この識別器を用いて本来検出すべきでない対象を最終的な結果から除外することにより、最終的に精度良く変化領域を検出することができる。
2点目は、一般物体認識において用いられている特徴量を変化検出対象の分類に用いることにより、画素ごとの情報ではなく小領域の見た目に基づく情報を利用しているという点である。これにより、従来利用されてきた画素ごとに注目していた特徴量では利用できなかった形やテクスチャに基づく情報を新たに利用できるようになり、地図から得た教師情報と組み合わせることにより、正確な分類を実現することができる。
本発明の実施の形態に係る変化領域検出装置は、撮影年月日が異なるが位置合わせがなされた同じ解像度を持つ2枚の航空写真と、電子的に記録された地図情報を組み合わせて変化検出対象を正確に識別できる識別器を学習し、学習された識別器を用いて変化検出対象を含まない変化領域候補を取り除き、最終的な変化領域を座標の集合として出力する装置である。また、本発明の実施の形態に係る変化領域検出装置は、航空写真からの変化領域検出に関し、特に統計的機械学習手法を用いて変化領域を検出する技術に関する。
<本発明の実施の形態に係る変化領域検出装置の構成>
図1に示すように、本発明の実施の形態に係る変化領域検出装置1は、CPUと、RAMと、後述する各処理ルーチンを実行するためのプログラムや各種データを記憶したROMと、を含むコンピュータで構成することが出来る。この変化領域検出装置1は、機能的には図1に示すように入力部10と、演算部20と、出力部40を備えている。
本発明の実施の形態において、旧航空写真とは、入力された2枚の航空写真のうち、より過去において撮影されたものを指し、本発明の実施の形態では、旧航空写真を第1時点で撮影された航空写真と称する。また、新航空写真とは、より現在に近い時点において撮影されたものを指し、本発明の実施の形態では、新航空写真を第2時点で撮影された航空写真と称する。
本発明の実施の形態に係る変化領域検出装置1は、異なる第1時点及び第2時点で撮影された航空写真と、第1時点に対応する地図情報とを用いて土地利用変化を検出する。また、地図情報は、旧航空写真が撮影された当時のものを想定しているが、必ずしもその限りではない。
入力部10は、第1時点で撮影された航空写真と第2時点で撮影された航空写真とを受け付ける。また、入力部10は、後述する演算部20によって用いられる、地図情報、検出対象情報、正例閾値、及び負例閾値を受け付ける。
演算部20は、局所特徴ベクトル計算部22と、変化量計算部24と、変化領域候補決定部26と、学習用データセット構築部28と、検出対象識別器構築部30と、非検出対象領域除外部32とを備えている。
局所特徴ベクトル計算部22は、変化領域検出を行う際に、入力部10より入力された、第1時点の航空写真の画素を特徴づける局所特徴ベクトル、及び第2時点の航空写真の画素を特徴づける局所特徴ベクトルを計算する。
具体的には、局所特徴ベクトル計算部22は、入力された航空写真上で等間隔に配置された格子点を中心とする小領域を、局所特徴ベクトルと呼ばれる数値ベクトルに変換する。
図2に、小領域を一定間隔で取り出す操作を説明するための図を示す。図2において黒点は画像上に等間隔で配置された格子点を表す。また、黒点を中心とした円は小領域を表す。図2においては見易さのために小領域を円で表したが、小領域は任意の形状でよい。局所特徴ベクトル計算部22は、各小領域について、当該小領域に含まれる画素の色や輝度値に基づいて当該小領域を数値ベクトルに変換する。そして、局所特徴ベクトル計算部22は、各格子点座標に対応する数値ベクトルの集合を出力する。
例えば、局所特徴ベクトル計算部22は、第1時点の航空写真の注目画素及び注目画素の周辺の小領域の色又は輝度の情報も利用して、注目画素周辺の形又はテクスチャに関する情報を記述する局所特徴ベクトルを計算する。
変化量計算部24は、局所特徴ベクトル計算部22によって出力された、第1時点及び第2時点の各々の航空写真で同じ座標を持つ画素において計算された局所特徴ベクトルから、画素ごとに変化量を計算する。
具体的には、変化量計算部24は、第1時点及び第2時点の各々の航空写真で同じ座標を持つ画素において計算された局所特徴ベクトルから、画素ごとに、利用する局所特徴ベクトルに合わせた距離関数から計算される距離を、変化量として計算し、航空写真の解像度と同じサイズで各要素に航空写真間の変化量が格納された二次元配列を出力する。
二次元配列を距離マップとすると、距離マップ[x][y]には2つの航空写真上で座標が(x,y)であるような画素間の変化量が格納されている(画像左上をx=0,y=0とする)。変化量を計算するに当たって、まず、格子点に相当する画素に対応した局所特徴ベクトル同士の距離を計算し、当該距離を各格子点同士の変化を表す量として、距離マップの当該箇所に格納する。
図3に、第1時点の航空写真と第2時点の航空写真との格子点同士での対応付けを表す図を示す。変化量計算部24は、図3に示すように、格子点に相当する画素に対応した局所特徴ベクトル同士の距離を計算し、当該距離を各格子点同士の変化を表す量として、距離マップの当該箇所に格納する。
なお、ここでいう距離とは必ずしもユークリッド距離を指すものではなく、カーネル関数を利用するなど様々な形態が考えられる(例えば、非特許文献6参照)。ここで、vとvをd次元ベクトル、
とすると、2つのベクトル間のユークリッド距離L(v,v)は、
と表される量である。
[非特許文献6]赤穂昭太郎,「カーネル多変量解析 --- 非線形データ解析の新しい展開」,岩波書店,2008.
次に、変化量計算部24は、格子点以外の点の変化量を決定する。そのため、まず変化量計算部24は、距離マップを、格子点を中心とする重複のない正方領域に分割し、各正方領域に含まれる座標の変化量を、正方領域の中心となっている座標の変化量と同じとする。
図4に、格子点を3画素ごとに配置して変化量を算出する場合の例を示す。図4に示すように、黒い四角は格子点に相当する配列要素を表し、太線で囲まれた正方領域に含まれる配列要素には中心となっている配列要素と同じ変化量が格納される。
変化量計算部24は、以上のようにして作成された、入力画像と同じサイズをもち、かつ各要素が画素間の変化量であるような二次元配列を出力する。
変化領域候補決定部26は、変化量計算部24によって計算された画素ごとの変化量から、変化領域候補を検出する。
具体的には、変化領域候補決定部26は、変化量計算部24で計算された二次元配列である距離マップを入力として受け取り、当該距離マップに対して閾値処理を施す。閾値の決定方法としては人手で与えるほかに、変化量の分布から統計的に求める方法などが考えられる。本発明の実施の形態では、閾値が人手によって予め与えられている場合を例に説明する。
変化量計算部24によって計算された画素ごとの変化量が、予め決定された閾値より大きな画素で、かつ、連続的につながっている領域を1つにまとめて得られる画像座標の集合をS,S,…,Sとし、当該画像座標の集合を変化領域候補とする。ここでNは自然数で得られた候補の数を表す。また、各S(i=1,…,N)は、具体的には、
のように表される(NはSに含まれる画像座標の総数を表す)。そして、変化領域候補決定部26は、変化領域候補の集合S={S,S,…,S}を出力する。
学習用データセット構築部28は、入力部10によって受け付けられた第1時点に対応する地図情報と第1時点の航空写真とから、第1時点の航空写真の小領域と、変化検出対象を含むか否かを示す情報とからなる検出対象識別器学習用データセットを作成する。具体的には、学習用データセット構築部28は、地図情報から、変化検出対象の物体の存在する画像座標を取得し、当該画像座標に基づいて学習用データセットを作成する。
なお、地図情報としては、例えば、第1時点に対応する地図を表す画像(例えば、複数の多角形領域を含んで表される。)を用いる。また、検出対象情報としては、例えば、地図情報の多角形領域の各々が何を表すのか(例えば、家屋又は道路など)を示す情報を用いる。
具体的に、まず、学習用データセット構築部28は、第1時点の航空写真と、第1時点の航空写真を撮影した当時の地図情報及び検出対象情報を入力として、第1時点の航空写真からランダムかつ大量に小領域を取り出す。
次に、学習用データセット構築部28は、小領域を抽出する小領域集合フィルタリング処理において、変化検出対象が、入力部10により入力された正例閾値以上の割合で含まれている小領域を正例、入力部10により入力された負例閾値以下の割合でしか含まれていない小領域を負例として検出対象識別器学習用データセットに追加していく。ランダムに取得された小領域に含まれる画素が変化検出対象であるかどうかは、入力された地図情報及び検出対象情報を参照することによって決定される。
図5に、小領域に含まれる変化検出対象の領域の比率を求める操作を表す。図5において点線で表される正方領域はランダムに選択された小領域を表し、灰色の長方形の領域は変化検出対象が当該領域に存在することを示す。
図5において、P1、P4、P6は変化検出対象の領域との重複が大きいため、正例として検出対象識別器学習用データセットに加えられる。P2、P3は変化検出対象の領域との重複が十分小さいため、負例として検出対象識別器学習用データセットに加えられる。P5は変化検出対象の領域との重複が、正例となるほど大きくもなく、負例となるほど小さくも無いため、どちらにも加えられず、検出対象識別器学習用データセットには含まれない。
そして、学習用データセット構築部28は、検出対象識別器学習用データセットが所望のサイズに到達するまで繰り返し行い、最終的に得られた画像の集合と、各画像に変化検出対象が含まれるか否かという情報とを含む検出対象識別器学習用データセットを出力とする。
検出対象識別器構築部30は、変化検出対象の種類毎に、学習用データセット構築部28によって作成された検出対象識別器学習用データセットから、変化検出対象を含むか否かを識別するための検出対象識別器を学習する。
具体的には、検出対象識別器構築部30は、検出対象識別器学習用データセットに含まれる小領域の画素を特徴づける局所特徴ベクトルを計算し、計算された画素の局所特徴ベクトルをまとめ上げる処理によって、検出対象識別器学習用データセットに含まれる小領域の大域特徴ベクトルを計算し、大域特徴ベクトルに基づいて変化検出対象を含むか否かを識別するための、各変化検出対象に対応した検出対象識別器を学習する。
ここで、変化検出対象をO,O,…,Oとし、各変化検出対象に対応した検出対象識別器をf,f,…,fとすると、f(j=1、…、M)はD次元ベクトルxを入力として受け取り数値を出力する関数で、f(x)>0のとき入力xに対応する領域を変化検出対象物体Oであるとみなす。複数の識別器の出力が正であるときは最も大きな数値を出力した識別器に対応した変化検出対象物体であるとみなす。また、すべての識別器の出力が負であったときには、入力xに対応する領域には変化検出対象物体が含まれていないとみなす。
学習に当たって、検出対象識別器学習用データセットに含まれる画像や変化検出対象が含まれるか否かという教師情報は、学習しようとする検出対象識別器の種類に応じて適切に数値ベクトルなどに変換される。また、検出対象識別器学習用データセットに含まれる画像は大域特徴ベクトルと呼ばれるベクトルに変換する。
検出対象識別器構築部30においては、入力領域として小領域全体を入力とする。また、局所特徴ベクトル統合処理としては、局所特徴ベクトルの平均を計算する、あるいは次元ごとに最大値を求めるなどの処理が考えられる。大域特徴ベクトルとしては一般物体認識などで用いられるBag-of-Visual-WordsやFisher Vectorといった様々な特徴ベクトルを利用することが考えられる。
検出対象識別器としては様々なものが考えられるが、具体的なものを挙げれば、パーセプトロンやニューラルネットワーク、サポートベクターマシンなどがある。
検出対象識別器構築部30は、以上のようにして学習された検出対象識別器を出力する。
非検出対象領域除外部32は、変化領域候補決定部26によって検出された変化領域候補の各々について、検出対象識別器構築部30によって出力された検出対象識別器を用いて、変化領域候補が変化検出対象を含むか否かを識別し、変化検出対象を含まない変化領域候補を除外する。
具体的には、非検出対象領域除外部32は、変化領域候補決定部26によって検出された変化領域候補の各々について、第2時点の航空領域の変化領域候補の画素を特徴づける局所特徴ベクトルを計算し、計算された画素の前記局所特徴ベクトルをまとめ上げる処理によって、変化領域候補の大域特徴ベクトルを計算し、計算した大域特徴ベクトルに基づいて、検出対象識別器を用いて、変化領域候補が変化検出対象を含むか否かを識別し、最終的に出力する変化領域を決定する。
まず、非検出対象領域除外部32は、変化領域候補の集合から、各変化領域候補に相当する航空写真上の領域を検出対象識別器にかけるために、各変化領域候補に相当する航空写真上の領域を大域特徴ベクトルに変換する。変化領域候補に対応する画像の大域特徴ベクトル変換がこのプロセスにあたる。
検出対象識別器構築部30においては入力領域として小領域全体を用いたが、本プロセスにおいては変化領域候補の集合Sに含まれるSが入力となる。すなわちSに含まれる画像領域から局所特徴ベクトルを計算し、局所特徴ベクトル統合処理によって抽出した局所特徴ベクトルを大域特徴ベクトルに変換する。ここで用いられる大域特徴ベクトルは検出対象識別器構築部30において、検出対象識別器の学習に用いられたものと同じものである。
次に、非検出対象領域除外部32は、大域特徴ベクトルを検出対象識別器にかけることにより、各変化領域候補に変化検出対象が含まれているかどうかを判別し、変化検出対象が含まれている変化領域候補のみを最終的に変化領域として出力する。変化領域候補Sから計算された大域特徴ベクトルをx(S)とすると、最終的に出力される領域集合Tは、
となる。
このとき、本質的ではない見た目の変化に対して頑健な大域特徴ベクトルを利用することにより、撮影時点の違いから生じる建物の影の変化や季節の移り変わりによる田畑や森林の変化、自動車などの動物体の移動によるテクスチャの変化といった、本来変化領域として検出すべきではない領域を正確に出力結果から除くことができ、最終的に精度よく変化領域を把握することが可能となる。
出力部40は、非検出対象領域除外部32によって出力された変化領域を結果として出力する。
<本発明の実施の形態に係る変化領域検出装置の作用>
次に、本発明の実施の形態に係る変化領域検出装置1の作用について説明する。第1時点で撮影された航空写真及び第2時点で撮影された航空写真が変化領域検出装置1に入力されると、変化領域検出装置1は、図6に示す変化領域候補生成処理ルーチンを実行する。
<変化領域候補生成処理ルーチン>
ステップS100において、入力部10は、第1時点で撮影された航空写真と第2時点で撮影された航空写真とを受け付ける。
次に、ステップS102において、局所特徴ベクトル計算部22は、変化領域検出を行う際に、上記ステップS100で受け付けた、第1時点の航空写真の画素を特徴づける局所特徴ベクトル、及び第2時点の航空写真の画素を特徴づける局所特徴ベクトルを計算する。ステップS102は、図7に示す局所特徴ベクトル計算処理ルーチンによって実現される。
<局所特徴ベクトル計算処理ルーチン>
ステップS200において、上記ステップS100で受け付けた、第1時点で撮影された航空写真と第2時点で撮影された航空写真とを取得する。
ステップS202において、上記ステップS200で取得された第1時点で撮影された航空写真及び第2時点で撮影された航空写真について、当該航空写真上で等間隔に配置された格子点を中心とする小領域をサンプリングする。
ステップS204において、上記ステップS202でサンプリングされた小領域の各々について、当該小領域を局所特徴ベクトルに変換する。
ステップS206において、上記ステップS204で得られた局所特徴ベクトルの集合を結果として出力して、局所特徴ベクトル計算処理ルーチンを終了する。
次に、変化領域候補生成処理ルーチンに戻り、ステップS104において、変化量計算部24は、上記ステップS102で出力された局所特徴ベクトルの集合について、第1時点及び第2時点の各々の航空写真で同じ座標を持つ画素において計算された局所特徴ベクトルから、画素ごとに変化量を計算する。ステップS104は、図8に示す変化量計算処理ルーチンによって実現される。
<変化量計算処理ルーチン>
ステップS300において、上記ステップS102で出力された局所特徴ベクトルの集合を取得する。
ステップS302において、上記ステップS300で取得した局所特徴ベクトルの集合に基づいて、各格子点のペアについて、当該格子点に相当する画素に対応した局所特徴ベクトル同士の距離を計算し、当該距離を各格子点同士の変化を表す量として、距離マップの当該箇所に格納する。
ステップS304において、上記ステップS302で格子点間の変化量が格納された距離マップを、格子点を中心とする重複のない正方領域に分割し、各正方領域に含まれる座標の変化量を正方領域の中心となっている格子点の変化量と同じとする。
ステップS306において、上記ステップS304で得られた距離マップを結果として出力して、変化量計算処理ルーチンを終了する。
次に、変化領域候補生成処理ルーチンに戻り、ステップS106において、変化領域候補決定部26は、上記ステップS104で計算された画素ごとの変化量から、変化領域候補を検出する。ステップS106は、図9に示す変化領域候補決定処理ルーチンによって実現される。
<変化領域候補決定処理ルーチン>
ステップS400において、上記ステップS104で出力された距離マップを取得する。
ステップS402において、上記ステップS400で取得された距離マップに基づいて、距離マップの要素に対応する画素の各々について、当該画素の変化量が、予め決定された閾値より大きい画素を抽出する。
ステップS404において、上記ステップS402の閾値処理によって抽出された画素の各々について、連続的につながっている領域を1つに結合し変化領域候補とする。
ステップS406において、上記ステップS404で得られた変化領域候補の各々を変化領域候補の集合として出力し、変化領域候補決定処理ルーチンを終了する。
次に、変化領域候補生成処理ルーチンに戻り、ステップS108において、上記ステップS106で出力された変化領域候補の集合を結果として出力し、変化領域候補生成処理ルーチンを終了する。
次に、学習処理ルーチンについて説明する。
第1時点で撮影された航空写真と、地図情報、検出対象情報、正例閾値、及び負例閾値とが変化領域検出装置1に入力されると、変化領域検出装置1は、図10に示す学習処理ルーチンを実行する。
<学習処理ルーチン>
ステップS500において、入力部10は、第1時点で撮影された航空写真と、地図情報、検出対象情報、正例閾値、及び負例閾値とを受け付ける。
ステップS502において、学習用データセット構築部28は、上記ステップS500で受け付けられた第1時点に対応する地図情報と第1時点の航空写真とから、第1時点の航空写真の小領域と、変化検出対象を含むか否かを示す情報とからなる検出対象識別器学習用データセットを作成する。ステップS502は、図11に示す学習用データセット構築処理ルーチンによって実現される。
<学習用データセット構築処理ルーチン>
ステップS600において、上記ステップS500で受け付けられた、第1時点で撮影された航空写真と、地図情報、検出対象情報、正例閾値、及び負例閾値とを取得する。
ステップS602において、上記ステップS600で取得した第1時点の航空写真から、小領域をランダムに複数個取得する。
ステップS604において、上記ステップS600で取得された、地図情報、検出対象情報、正例閾値、及び負例閾値に基づいて、上記ステップS602で取得された小領域の各々について、変化検出対象が正例閾値以上の割合で含まれている当該小領域を正例、負例閾値以下の割合でしか含まれていない当該小領域を負例として検出対象識別器学習用データセットに追加する。
ステップS606において、上記ステップS604のフィルタリング処理によって得られた検出対象識別器学習用データセットを結果として出力して、学習用データセット構築処理ルーチンを終了する。
次に学習処理ルーチンに戻り、ステップS504において、検出対象識別器構築部30は、変化検出対象の種類毎に、上記ステップS502で構築された検出対象識別器学習用データセットから、変化検出対象を含むか否かを識別するための検出対象識別器を学習する。ステップS504は、図12に示す検出対象識別器構築処理ルーチンによって実現される。
<検出対象識別器構築処理ルーチン>
ステップS700において、上記ステップS502で出力された検出対象識別器学習用データセットを取得する。
ステップS702において、検出対象識別器構築部30は、上記ステップS700で取得された検出対象識別器学習用データセットに含まれる小領域の画素を特徴づける局所特徴ベクトルを計算し、計算された画素の局所特徴ベクトルをまとめ上げる処理によって、検出対象識別器学習用データセットに含まれる小領域の大域特徴ベクトルを計算する。ステップS702は、図13に示す大域特徴ベクトル変換処理ルーチンによって実現される。
<大域特徴ベクトル変換処理ルーチン>
ステップS800において、上記ステップS700で取得された検出対象識別器学習用データセットに含まれる複数の小領域を取得する。
ステップS802において、上記ステップS800で取得された複数の小領域の各々について、当該小領域の画素を局所特徴ベクトルに変換する。
ステップS804において、上記ステップS800で取得された複数の小領域の各々について、上記ステップS802で得られた局所特徴ベクトルを統合して、大域特徴ベクトルを生成する。
ステップS806において、上記ステップS804で得られた大域特徴ベクトルの各々を結果として出力して、大域特徴ベクトル変換処理ルーチンを終了する。
次に検出対象識別器構築処理ルーチンに戻り、ステップS704において、検出対象識別器構築部30は、上記ステップS702で出力された大域特徴ベクトルの各々に基づいて、各変化検出対象O,O,…,Oに対応した検出対象識別器f,f,…,fを学習する。
ステップS706において、検出対象識別器構築部30は、上記ステップS704で学習された検出対象識別器f,f,…,fを結果として出力して、検出対象識別器構築処理ルーチンを終了する。
次に、変化領域検出処理ルーチンについて説明する。
変化領域候補生成処理ルーチンによって変化領域候補の集合が出力され、学習処理ルーチンによって検出対象識別器が出力されると、変化領域検出装置1は、図14に示す変化領域検出処理ルーチンを実行する。
<変化領域検出処理ルーチン>
ステップS800において、非検出対象領域除外部32は、変化領域候補生成処理ルーチンのステップS100で受け付けた第2時点で撮影された航空写真と、変化領域候補生成処理ルーチンによって出力された変化領域候補の集合と、学習処理ルーチンによって出力された検出対象識別器とを取得する。
ステップS802において、非検出対象領域除外部32は、上記ステップS800で取得された第2時点で撮影された航空写真と変化領域候補の集合とに基づいて、変化領域候補の集合に含まれる画像領域から局所特徴ベクトルを計算し、計算された局所特徴ベクトルを統合して大域特徴ベクトルに変換する。ここで用いられる大域特徴ベクトルは検出対象識別器構築部30において、検出対象識別器の学習に用いられたものと同様のものである。
ステップS804において、非検出対象領域除外部32は、上記ステップS800で取得された検出対象識別器と、上記ステップS802で得られた大域特徴ベクトルとに基づいて、変化領域候補の集合に含まれる変化領域候補の各々について、検出対象識別器を用いて、変化領域候補が変化検出対象を含むか否かを識別する。
ステップS806において、非検出対象領域除外部32は、上記ステップS804で得られた識別結果に基づいて、変化領域候補の集合から、変化検出対象を含まない変化領域候補を除外する。
ステップS808において、出力部40は、上記ステップS806によって変化検出対象を含まない変化領域候補が除外された変化領域候補の集合を結果として出力して、変化領域検出処理ルーチンを終了する。
以上説明したように、本発明の実施の形態に係る変化領域検出装置によれば、第1時点及び第2時点の各々の航空写真で同じ座標を持つ画素において計算された局所特徴ベクトルから画素ごとに変化量を計算し、画素ごとの変化量から変化領域候補を検出し、第1時点に対応する地図情報と第1時点の航空写真とから検出対象識別器学習用データセットを作成し、検出対象識別器学習用データセットから、変化検出対象を含むか否かを識別するための検出対象識別器を学習し、検出された変化領域候補の各々について、検出対象識別器を用いて、変化領域候補が変化検出対象を含むか否かを識別し、変化検出対象を含まない変化領域候補を除外することにより、変化領域を精度よく検出することができる。
また、過去にある地点において撮影された航空写真をもとに、同じ地点で新たに撮影された航空写真から、影や植生の変化がある場合でも、そのような変化に対して頑健に、かつ、新規に学習用のデータを作成するという煩雑な作業を介することなく変化領域を検出することが可能となる。
また、電子的に利用可能となっている地図情報を識別器の学習に利用することにより変化領域の検出精度の改善を図ることができる。
また、検出対象を識別するための識別器を学習するための高品質なデータセットを新たな労力をかけることなく構築し、構築されたデータセットを用いて学習した識別器を利用して、検出対象を含まない変化領域候補を最終的な出力結果から除くことができる。
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。
例えば、本発明の実施の形態では、変化領域候補の集合を生成する処理と、検出対象識別器を学習する処理と、変化領域を検出する処理とを1つの装置で行う場合を例に説明したが、変化領域候補の集合を生成する処理と、検出対象識別器を学習する処理と、変化領域を検出する処理とを、別々の装置で実行してもよい。その場合には、変化領域候補の集合を生成する装置は、局所特徴ベクトル計算部22と、変化量計算部24と、変化領域候補決定部26とを含んで構成され、検出対象識別器を学習する装置は、学習用データセット構築部28と、検出対象識別器構築部30とを含んで構成され、変化領域を検出する処理装置は、非検出対象領域除外部32を含んで構成される。
また、本発明の実施の形態において、変化領域候補決定部26は、予め定められた閾値に基づいて閾値処理を行う場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、例えば変化量の分布から閾値を統計的に求めてもよい。この場合、変化領域候補決定処理ルーチンは、図15に示すように、閾値を決定するステップS401を更に含む。
また、本発明の実施の形態において、学習用データセット構築部28は、地図情報及び検出対象情報を用いて、学習用データセットを作成する場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、地図情報に検出対象情報が含まれており、学習用データセット構築部28は、地図情報を用いて学習用データセットを作成してもよい。
また、上述の変化領域検出装置は、内部にコンピュータシステムを有しているが、コンピュータシステムは、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、本願明細書中において、プログラムが予めインストールされている実施形態として説明したが、当該プログラムを、コンピュータ読取り可能な記録媒体に格納して提供することも可能である。
10 入力部
20 演算部
22 局所特徴ベクトル計算部
24 変化量計算部
26 変化領域候補決定部
28 学習用データセット構築部
30 検出対象識別器構築部
32 非検出対象領域除外部
40 出力部

Claims (7)

  1. 異なる第1時点及び第2時点で撮影された航空写真と、前記第1時点に対応する地図情報とを用いて土地利用変化を検出する変化領域検出装置であって、
    変化領域検出を行う際に、入力された前記第1時点の航空写真の画素を特徴づける局所特徴ベクトル、及び前記第2時点の航空写真の画素を特徴づける局所特徴ベクトルを計算する局所特徴ベクトル計算手段と、
    前記第1時点及び第2時点の各々の航空写真で同じ座標を持つ画素において計算された局所特徴ベクトルから、前記画素ごとに変化量を計算する変化量計算手段と、
    前記画素ごとの変化量から、変化領域候補を検出する変化領域候補決定手段と、
    前記第1時点に対応する地図情報と前記第1時点の航空写真とから、前記第1時点の航空写真の小領域と、変化検出対象を含むか否かを示す情報とからなる検出対象識別器学習用データセットを作成する学習用データセット構築手段と、
    前記検出対象識別器学習用データセットから、変化検出対象を含むか否かを識別するための検出対象識別器を学習する検出対象識別器構築手段と、
    前記変化領域候補決定手段によって検出された変化領域候補の各々について、前記検出対象識別器を用いて、前記変化領域候補が前記変化検出対象を含むか否かを識別し、前記変化検出対象を含まない前記変化領域候補を除外する非検出対象領域除外手段と、
    を含む変化領域検出装置。
  2. 前記学習用データセット構築手段は、前記地図情報から、前記変化検出対象の物体の存在する画像座標を取得し、当該画像座標に基づいて前記検出対象識別器学習用データセットを作成する請求項1に記載の変化領域検出装置。
  3. 前記局所特徴ベクトル計算手段は、注目画素及び前記注目画素の周辺の小領域の色又は輝度の情報も利用して、注目画素周辺の形又はテクスチャに関する情報を記述する前記局所特徴ベクトルを計算する請求項1又は2に記載の変化領域検出装置。
  4. 前記検出対象識別器構築手段は、前記検出対象識別器学習用データセットに含まれる小領域の画素を特徴づける局所特徴ベクトルを計算し、前記計算された画素の前記局所特徴ベクトルをまとめ上げる処理によって、前記検出対象識別器学習用データセットに含まれる小領域の大域特徴ベクトルを計算し、前記大域特徴ベクトルに基づいて変化検出対象を含むか否かを識別するための前記検出対象識別器を学習し、
    前記非検出対象領域除外手段は、前記変化領域候補決定手段によって検出された変化領域候補の各々について、前記第2時点の航空領域の前記変化領域候補の画素を特徴づける局所特徴ベクトルを計算し、前記計算された画素の前記局所特徴ベクトルをまとめ上げる処理によって、前記変化領域候補の大域特徴ベクトルを計算し、前記計算した大域特徴ベクトルに基づいて、前記検出対象識別器を用いて、前記変化領域候補が前記変化検出対象を含むか否かを識別する請求項1〜請求項3の何れか1項記載の変化領域検出装置。
  5. 前記変化量計算手段は、前記第1時点及び第2時点の各々の航空写真で同じ座標を持つ画素において計算された局所特徴ベクトルから、前記画素ごとに、利用する局所特徴ベクトルに合わせた距離関数から計算される距離を、前記変化量として計算する請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の変化領域検出装置。
  6. 局所特徴ベクトル計算手段、変化量計算手段、変化領域候補決定手段、学習用データセット構築手段、検出対象識別器構築手段、及び非検出対象領域除外手段を含み、異なる第1時点及び第2時点で撮影された航空写真と、前記第1時点に対応する地図情報とを用いて土地利用変化を検出する変化領域検出装置における変化領域検出方法であって、
    前記局所特徴ベクトル計算手段が、変化領域検出を行う際に、入力された前記第1時点の航空写真の画素を特徴づける局所特徴ベクトル、及び前記第2時点の航空写真の画素を特徴づける局所特徴ベクトルを計算するステップと、
    前記変化量計算手段が、前記第1時点及び第2時点の各々の航空写真で同じ座標を持つ画素において計算された局所特徴ベクトルから、前記画素ごとに変化量を計算するステップと、
    前記変化領域候補決定手段が、前記画素ごとの変化量から、変化領域候補を検出するステップと、
    前記学習用データセット構築手段が、前記第1時点に対応する地図情報と前記第1時点の航空写真とから、前記第1時点の航空写真の小領域と、変化検出対象を含むか否かを示す情報とからなる検出対象識別器学習用データセットを作成するステップと、
    前記検出対象識別器構築手段が、前記検出対象識別器学習用データセットから、変化検出対象を含むか否かを識別するための検出対象識別器を学習するステップと、
    前記非検出対象領域除外手段が、前記変化領域候補決定手段によって検出された変化領域候補の各々について、前記検出対象識別器を用いて、前記変化領域候補が前記変化検出対象を含むか否かを識別し、前記変化検出対象を含まない前記変化領域候補を除外するステップと、
    を含む変化領域検出方法。
  7. コンピュータを、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の変化領域検出装置を構成する各手段として機能させるためのプログラム。
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