JP6392599B2 - 学習分類子システム、学習分類子生成方法及びプログラム - Google Patents

学習分類子システム、学習分類子生成方法及びプログラム Download PDF

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Description

本発明は、学習分類子システム及び学習分類子生成方法、並びに分類子生成方法を実行するプログラムに関する。
統計的手法等を用いたデータ解析によって、複数のデータから、これらのデータの内容に適合するルールを生成するデータマイニング技術が知られている。
また、社会の情報化に伴って、様々な場面で発生するデータが蓄積されており、蓄積された膨大なデータから知識(ルール)を獲得する方法が求められている。適切なルールが獲得できることで、データ解析を行うシステムは、様々なデータの解析を可能とする。例えば、対象者の遺伝子を解析して分類することで、対象者がどのような病気を発病する可能性が高いかをなど判断することが可能になる。また、監視カメラが撮影して得た画像から、監視場所の人の動きをデータ化し、その人の動きの解析に基づいて被写体となる人を分類することにより、挙動不審な人を探し出すことができる。
このようなデータ解析を行うためのルール獲得手法として、学習分類子システム(Learning Classifier System:LCS)が提案されている。このLCSは、生物の環境への適応戦略である学習と進化の双方の概念を取り入れた適応システムである。具体的には、LCSは、条件部と行動部とからなる分類子について、強化学習の手法により学習を行うとともに、遺伝的アルゴリズム(Genetic Algorithm: GA)を用いて分類子を進化させ、それによって、複数のデータ(環境状態)に適応可能な分類子を生成するシステムである。このLCSのうち、より正確性の高いルール(分類子)を進化対象とするようにしたシステムはXCS(Accuracy-based Learning System)と呼ばれている。(例えば、非特許文献1参照)。
中田外4名、「個別化による学習分類子システムの一般化促進」、計測自動制御学会、計測自動制御学会論文集、47(11)、 581-590、2011年11月30日
ところで、データ解析のためにデータの分類を行う分類子は、通常、分類する条件が多いほど、より正確な分類が可能である。例えば、対象者の遺伝子を解析して分類する場合には、1つ1つの遺伝子のタイプを識別できるような多数の分類子が必要となり、分類子の数が非常に多くなってしまう。
分類子の数が多いということは、解析対象となるデータが入力されたとき、入力データと分類子との比較を行う際の演算処理の負担が多くなり、最適な行動値を得るまでに時間がかかるという問題が発生する。また、分類子を記憶するためのハードウェア資源が増えるため、データの解析や分類を行うシステムが大規模なものになってしまうという問題が起こる。
また、分類子が持つ条件部の長さについても、その条件の長さが必要以上に長い場合、入力データと分類子との比較を行う際の演算処理の負担が大きくなるという問題がある。
本発明は、学習分類子システムが持つ分類子を最適化することで、分類子を使用したデータ分類を可能な限り少ない負担で行うことを目的とする。
本発明の学習分類子システムは、
評価対象となる系列データを取得するデータ取得部と、
前記系列データと照合させる条件部と、該条件部で照合された行動を示す行動部と、該行動部で示された行動を行うことのフィットネス値を持つ分類子を記憶した分類子記憶部と、
前記データ取得部が取得した前記系列データに基づいて、前記分類子記憶部が記憶した分類子を選択し、該選択した分類子の集合である照合集合を得る照合集合取得部と、
前記照合集合取得部が取得した照合集合内の分類子を、該分類子の行動部の値に基づいて選択して、行動集合を得る行動集合取得部と、
前記行動集合内の分類子のフィットネス値を学習で更新する学習部と、
前記行動集合取得部が得た行動集合に含まれる複数の分類子が1つの分類子に包摂できる場合に、包摂を行って行動集合に含まれる分類子を減らす包摂部と、
前記包摂部が出力する行動集合から一定の条件に基づいて分類子の選択又は変形を行う遺伝的アルゴリズム処理部と、
前記遺伝的アルゴリズム処理部が出力するそれぞれの分類子が持つ条件部を縮小する縮小部と、
前記データ取得部が取得した系列データに照合する照合集合が存在しない場合に、前記データ取得部が取得した系列データの少なくとも一部をコピーすることで得た条件部を持つ分類子を作成する被覆部と、を備え、
前記縮小部が縮小した分類子又は前記被覆部が作成した分類子により、前記分類子記憶部が記憶した分類子の更新を行い、前記分類子記憶部が記憶した分類子の最適化を行うようにした。
また、本発明の学習分類子生成方法は、系列データと照合させる条件部と、その条件部で照合された行動を示す行動部と、その行動部で示された行動を行うことのフィットネス値を持つ分類子を分類子記憶部に記憶させて、その記憶した分類子の最適化を行う学習分類子生成方法である。
そして、評価対象となる系列データを取得するデータ取得処理と、
取得した前記系列データに基づいて、照合集合処理部により、前記分類子記憶部が記憶した分類子を選択し、該選択した分類子の集合である照合集合を得る照合集合取得処理と、
前記照合集合取得処理で取得した照合集合内の分類子を、行動集合取得部により、該分類子の行動部の値に基づいて選択し、行動集合を得る行動集合取得処理と、
学習部により、前記行動集合内の分類子のフィットネス値を学習で更新する学習処理と、
前記行動集合に含まれる複数の分類子が1つの分類子に包摂できる場合に、包摂部により包摂を行って行動集合に含まれる分類子を減らす包摂処理と、
前記包摂処理が行われた行動集合から一定の条件に基づいて、遺伝的アルゴリズム処理部により、分類子の選択又は変形を行う遺伝的アルゴリズム処理と、
前記遺伝的アルゴリズム処理で得られた分類子が持つ条件部を、縮小部により縮小する縮小処理と、
前記データ取得処理で取得した系列データに照合する照合集合が存在しない場合に、被覆部において、前記系列データの少なくとも一部をコピーすることで得た条件部を持つ分類子を作成する被覆処理と、
前記縮小処理を行った分類子又は前記被覆処理で作成した分類子により、前記分類子記憶部が記憶した分類子の更新を行う更新処理と、を含む。
また、本発明のプログラムは、上述した学習分類子生成方法の各処理をコンピュータに実行させる手順を含む。
本発明によると、系列データを分類する分類子を包摂により一般化することで分類子の数を減らすことができると共に、縮小によりそれぞれの分類子が持つ条件部が縮小され、系列データを分類する分類子が最適化される効果を有する。
本発明の一実施の形態例による学習分類子システムの構成例を示すブロック図である。 本発明の一実施の形態例による学習分類子システムの処理の流れを示すフローチャートである。 本発明の一実施の形態例による分類子の例を示す図である。 本発明の一実施の形態例による分類子の可変長条件部の例を示す図である。 本発明の一実施の形態例による分類子の各集合の例を示す図である。 本発明の一実施の形態例による包摂の例を示す図である。 本発明の一実施の形態例による遺伝的アルゴリズム処理部での処理例(例1)を示すフローチャートである。 本発明の一実施の形態例による行動集合のサブセットの選択例を示す図である。 本発明の一実施の形態例による選択したサブセットの条件部に一点交叉を行う例を示す図である。 本発明の一実施の形態例による条件部のメモリサイズをランダムに設定する例を示す図である。 本発明の一実施の形態例による遺伝的アルゴリズム処理部での処理例(例2)を示すフローチャートである。 本発明の一実施の形態例による分類子獲得例を示す図である。 本発明の一実施の形態例による進化計算の例を示す図である。 本発明の一実施の形態例による被覆の例を示すフローチャートである。 本発明の一実施の形態例による縮小の例を示す図である。 本発明の一実施の形態例による処理で分類子の遺伝子長が適切に設定される状態を示す図である。
以下、本発明の一実施の形態例(以下、「本例」と称する。)を、添付図面を参照して説明する。
[1.システム全体の構成例]
図1は、本例の学習分類子システムの全体の構成例を示す。図1は、学習分類子システムが実行する処理機能から見た構成である。この図1に示す学習分類子システムは、例えばコンピュータに、学習分類子システムとして作動させるためのプログラム(ソフトウェア)を実装することで構成される。
図1に示すように、外部の環境1において、分類する対象となる系列データが生成され、データ取得部2がその生成された系列データを取得するデータ取得処理を行う。ここで取得される系列データは、例えば、1番目のデータ、2番目のデータ、3番目のデータ、・・・と時間的な順序があるデータである。但し、系列データを構成する各データは、一定時間ごとのデータであるとは限らない。また、系列データは、時間以外の要因で順序があるデータでもよい。なお、系列データの具体的な例については後述する。
分類子記憶部3は、系列データと照合するための分類子の集合であるルール集合[P]を記憶する。ルール集合[P]内の分類子は、系列データを分類する条件部と、その条件部で分類された行動を示す行動部と、その行動部で示された行動を行うことの適合度を示すフィットネス値を持つ。分類子記憶部3が記憶するルール集合[P]は、外部に出力され、系列データの分類や解析を行う際に使用される。本例の学習分類子システムでは、この分類子記憶部3が記憶するルール集合[P]を最適化する処理が行われる。分類子記憶部3が記憶するルール集合[P]は、分類子出力部11から外部に出力される。この分類子出力部11から出力されるルール集合[P]内の分類子を使用して、データの分類や解析が実行される。
分類子記憶部3が記憶するルール集合[P]は、照合集合取得部4で、データ取得部2が取得した系列データと比較される。そして、照合集合取得部4は、その比較結果に基づいて、条件部が系列データと照合した分類子をルール集合[P]から取り出す照合集合取得処理が行われる。この照合集合取得部4でルール集合[P]から取り出した分類子の集合を照合集合[M]と称する。
この照合集合[M]は行動集合取得部5に送られ、行動集合取得部5において、照合集合取得部4で取り出した照合集合[M]内のそれぞれの分類子の行動部の値に基づいて取り出された、特定の行動の分類子の集合である行動集合[A]を取得する行動集合取得処理を行う。また、照合集合[M]内の分類子は外部の環境1に渡され、環境1でフィットネス値の信頼度が判断される。このフィットネス値の信頼度の判断は、強化学習部6での強化学習処理により行われる。そして、行動集合取得部5では、その強化学習部6での信頼度の判断結果に基づいて、行動集合[A]内の分類子のフィットネス値を更新する。
行動集合取得部5で得た行動集合[A]内の分類子は、包摂部7に供給される。
包摂部7では、行動集合[A]に含まれる複数の分類子が、1つの分類子に包摂できる場合に、その包摂を行って行動集合に含まれる分類子を減らす処理を行う。すなわち、行動集合[A]に含まれる複数の分類子の中で、特定の分類子よりも一般化された表現の別の分類子が存在する場合に、包摂部7では、その特定の分類子を行動集合[A]から削除することで、分類子を減らす処理が行われる。
そして、包摂部7で処理された行動集合[A]が、遺伝的アルゴリズム処理部8に供給される。
遺伝的アルゴリズム処理部8では、一定の条件に基づいて分類子の選択又は変形の処理が行われる。この一定の条件に基づいて分類子の選択又は変形の処理を行う際には、少なくとも一部に、遺伝的アルゴリズム(GA)と称される処理が適用される。遺伝的アルゴリズム処理部8で分類子に対して行われる処理の具体例については後述する。
遺伝的アルゴリズム処理部8で処理された分類子は、縮小部9に供給され、縮小部9で、供給される分類子が持つ条件部が縮小可能である場合に、縮小する処理が行われる。具体的には、分類子の条件部の内の最も古い時間のデータを参照する条件が、不特定のデータであることを示す条件であるとき、縮小部9は、該当する不特定のデータであることを示す条件を削除して、条件部を縮小する。この縮小部9での条件部の縮小処理は、最も古い時間のデータを参照する条件が、不特定のデータであることを示す条件でなくなるまで繰り返し実行される。
縮小部9が出力する分類子は分類子記憶部3に供給され、この分類子記憶部3に記憶された分類子が更新される。ここで、分類子の更新とは、縮小部9が出力する分類子を、分類子記憶部3が記憶するルール集合[P]に加えると共に、フィットネス値の低い分類子を、ルール集合[P]から削除する処理である。例えば、2つの分類子がルール集合[P]に加えられる場合、フィットネス値の低い順にルール集合[P]から2つの分類子が削除される。
また、本例の学習分類子システムは、被覆部10を備える。被覆部10は、データ取得部2が取得した系列データに照合する照合集合[M]が存在しない場合に、データ取得部2が取得した系列データの少なくとも一部をコピーすることで得られる条件部を持つ分類子を作成する被覆処理を行う。被覆部10が作成した分類子は、分類子記憶部3が記憶するルール集合[P]に加えられる。
[2.システム全体の処理の流れ]
図2は、本例の学習分類子システムの全体の処理の流れを示すフローチャートである。
まず、照合集合取得部4が、データ取得部2で取得した系列データを参照する(ステップS11)。そして、照合集合取得部4は、ステップS11で参照した系列データのうち、分類子記憶部3が記憶したルール集合[P]内の分類子の条件部と照合したものを選択し、その照合した分類子よりなる照合集合[M]を取得する(ステップS12)。
次に、行動集合取得部5が、照合集合[M]内の分類子の行動部の値に基づいて、照合集合[M]から選択した行動集合[A]を作成する(ステップS13)。そして、行動集合取得部5は、行動集合[A]内の分類子のフィットネス値を、強化学習部6で強化学習した結果に基づいて更新する(ステップS14)。
次に、行動集合[A]に含まれる複数の分類子が、1つの分類子に包摂できる場合に、包摂部7がその包摂を行う(ステップS15)。この包摂部7での包摂が行われることで、行動集合[A]に含まれる分類子の数を減少することができる。
包摂部7が出力する行動集合[A]は遺伝的アルゴリズム処理部8に供給され、一定の条件に基づいた分類子の選択又は変形の処理が行われる(ステップS16)。この遺伝的アルゴリズム処理部8で行われる処理の詳細は、別のフローチャート(図7,図11)で説明する。
そして、遺伝的アルゴリズム処理部8が出力する分類子が縮小部9に供給され、分類子の条件部が縮小可能である場合に、縮小部9において縮小処理が行われる(ステップS17)。
縮小部9が出力する分類子は分類子記憶部3に送られ、この分類子記憶部3でルール集合[P]に加えられると共に、このときルール集合[P]に加える分類子を生成させるために使用した照合集合[M]の内の分類子をルール集合[P]から削除する更新処理が行われる(ステップS18)。そして、分類子記憶部3において分類子の最適化処理を終了するか否かが判断され(ステップS19)、分類子の最適化処理を継続して行う場合には、ステップS11からの処理が再度実行される。また、分類子の最適化処理を終了する場合には、分類子の処理を終了する。
[3.分類子の例]
図3は、入力データから分類子が生成される例を示す。
ここでは、ある人物が各時刻で滞在した場所を入力データとし、その場所での行動をクラスとする。例えば、午前7時に「kitchen」に滞在し、そこでの行動が「breakfast」であるとする。また、午前8時に「bathroom」に滞在し、そこでの行動が「shower」であり、午前9時に「office」に滞在し、そこでの行動が「working」であるとする。
このような行動の変化があるとき、あるタイミングtに「kitchen」に滞在し、その2つ後のタイミングt+2に「office」に滞在したという条件を満たすとき、タイミングtのときに「kitchen」に滞在中の行動が、「breakfast」であるというルール(分類子1)が作成可能である。
同様にして、図3に示す表から、あるタイミングtで「kitchen」に滞在し、それより1つ前のタイミングt−1に「office」に滞在したという条件を満たすとき、タイミングtのときに「kitchen」に滞在中の行動が、「lunch」であるというルール(分類子2)が作成可能である。
さらに、図3に示す表から、あるタイミングtで「kitchen」に滞在し、それより2つ後のタイミングt+2に「bedroom」に滞在したという条件を満たすとき、タイミングtのときに「kitchen」に滞在中の行動が、「dinner」であるというルール(分類子3)が作成可能である。
これら分類子1,2,3から分かるように、分類子は「if−then」ルールを示すものである。つまり、「if」部である条件部の条件を満たすとき、「then」である行動部の行動を行うという結論が得られる分類子である。
このような分類子を作成した場合、例えば分類子3のルールについては、「kitchen」に滞在中の行動が、「breakfast」や「lunch」である可能性が少なく、行動部の適合度が高い分類子と言える。一方、分類子1や分類子2については、別の行動の可能性があり、行動部の適合度が低い可能性がある。また、あるタイミングで行動を予測する場合、それより後の行動は分からないため、分類子は、タイミングtと、それより過去のタイミング(t−1など)の状況から、行動を判断するのが好ましい。
図3の表の例では、「lunch」を定義する分類子として、例えば次の3つの分類子cl31,cl32,cl33が作成可能である。通常、分類子は固定長とするのが一般的であるが、ここでは可変長とする。但し、本実施の例においても、固定長の分類子を適用してもよい。
分類子cl31={kitchen,office,bathroom:lunch}
分類子cl32={kitchen,office:lunch}
分類子cl33={kitchen:lunch}
分類子cl31は、現在tの場所「kitchen」より1つ前のタイミングt―1の場所が「office」であり、さらにその1つ前のタイミングt―2の場所が「bathroom」であるとき、現在tの行動が「lunch」と定義する分類子である。分類子cl31は、「kitchen,office,bathroom」が条件部であり、「:」の右側の「lunch」が行動部である。
分類子cl32は、現在tの場所「kitchen」より1つ前のタイミングt―1の場所が「office」であるとき、現在tの行動が「lunch」と定義する分類子である。分類子cl32は、「kitchen,office」が条件部であり、「:」の右側の「lunch」が行動部である。
分類子cl33は、現在tの場所が「kitchen」であるとき、現在tの行動が「lunch」と定義する分類子である。分類子cl33は、「kitchen」が条件部であり、「:」の右側の「lunch」が行動部である。
これらの例から分かるように、条件部の各データの内で、左端のデータは、現在tのデータであり、それより前のタイミングのデータが、右側に順に並ぶ。なお、それぞれの分類子は、行動部で示された行動を行うことの適合度に基づいたフィットネス値を持つ。各分類子が持つフィットネス値についての説明は省略する。
このようにして、複数のタイミングでの場所の時系列での変化、又は1つのタイミングでの場所から、行動を予測する分類子を作成することが可能である。本例においては、この3つの分類子cl31,cl32,cl33のように、分類子の条件部の長さ(条件を示すデータの数)は可変とする。但し、条件部の最大の長さ(メモリサイズ:最大のデータの数)は、予め決めた値とする。
また、条件部が持つ条件として、特定タイミングでのデータ(上述した例での場所)が不特定であることを示す場合もある。
図4は、分類子の構成を示す図である。
図4に示すように、系列データCは、C=C,C−1,C−2,・・・・、C−nであり、(n+1)個のデータで構成されているものとする。なお、Cは現タイミングのデータである。
このとき、例えば分類子cl11として、現タイミングとそれより2つ前までの3つのデータC,C−1,C−2を条件部とし、この条件部のデータから予測される行動「grooming」を行動部(クラス)として示すことができる。つまり、分類子cl11は、もし(if)、系列データCのCが「lounge」、C−1が「bathroom」、C−2が「lounge」である場合、行動部(クラス)は、「grooming」であるというルールを示している。
これに対して、例えば分類子cl12として、現タイミングのデータCだけを条件部とし、その条件より予測される行動「working」を行動部(クラス)として示す場合がある。つまり、分類子cl12は、もし(if)、系列データCのCが「office」である場合、行動部(クラス)は、「working」である、というルールである。
このように、本例の場合、分類子ごとに条件部を可変長に設定することができる。
[4.各集合の例]
図5は、分類子記憶部3が記憶するルール集合[P]と、照合集合取得部4が取得する照合集合[M]と、行動集合取得部5が取得する行動集合[A]の例を示す図である。
図5の例の場合、データ取得部2で取得した系列データは、3ビットのデータである。例えば、タイミングtのときデータ[1,0,0]であり、タイミングt−1のときデータ[0,1,1]であり、タイミングt−2のときデータ[0,0,0]であり、以下同様にM個前(Mは整数)までのデータが存在する。
分類子記憶部3が記憶するルール集合[P]が記憶する分類子は、条件部が、最大で系列データの3つのタイミングt,t−1,t−2のデータを示す。例えば、ルール集合[P]内の分類子{110,11#:1}は、条件部として、タイミングtのときのデータが[110]であり、タイミングt−1のときのデータが[11#]であるときを示す。そして、行動部の値が[1]であることを示す。ここで、条件部の値[#]は、該当する値が不特定であることを示す。すなわち、データ[11#]は、データ[110]である場合と、データ[111]である場合とが含まれる。
また、あるタイミングのデータが、全て不特定の値[#]である場合もある。例えば、分類子{###,011:0}は、タイミングtのデータがいずれの値であっても、タイミングt−1のときのデータが[011]であれば、条件に照合することを示す。
このようにして、データ取得部2に系列データが入力し、その系列データが入力する毎に、ルール集合[P]との照合処理が行われ、照合集合取得部4では、ルール集合[P]内のいずれかの分類子の条件部と照合したとき、その分類子が照合集合[M]として選び出される。
図5の例では、照合集合[M]として、4つの分類子{110,11#:1}、{1#0,##1:0}、{##0,0#1,0##:0}、{###,011:0}が選択された例を示す。
そして、行動集合取得部5は、照合集合[M]から、行動値の信頼度とフィットネス値が高いものを選ぶ。行動集合[A]として選ばれた分類子は、強化学習部6での強化学習によりフィットネス値が更新される。
[5.包摂の例]
図6は、包摂部7における包摂処理の例を示す。図6Aは、分類子clと分類子clとで包摂ができる場合の例である。図6Bは、分類子clと分類子clとで包摂ができない場合の例である。なお、この図6の例は、系列データの各データが4ビットで構成される例として示している。
図6Aに示す包摂ができる例について説明する。
分類子clと分類子clは、以下の通りである。mの値は、過去のデータを参照するデータ長を示す。
分類子cl={##10:1,m=0}
分類子cl={1#10,1##0:1,m=1}
この分類子clと分類子clが存在するとき、分類子clは、分類子clの下位概念の分類子であると見なすことができる。すなわち、2つの分類子clと分類子clは行動値が「1」で同じである。また、分類子clは、分類子clとデータ長mの数を同じにした場合、分類子cl={##10,####:1,m=1}と見なすことができる。この分類子cl={##10,####:1}と分類子cl={1#10,1##0:1}を比較すると、分類子clは、分類子clで不特定「#」で示される箇所が、特定の値(1又は0)である場合に相当する。したがって、分類子clは、分類子clの下位概念のルールに相当する。
このため、分類子clは包摂部7での包摂の処理により削除される。
次に、図6Bに示す、包摂できない例について説明する。分類子clと分類子clは以下の通りである。
分類子cl={1#10:1,m=0}
分類子cl={###0,#110,111#:1,m=2}
この分類子clと分類子clが存在するとき、分類子clと分類子clは、上位概念と下位概念の関係ではない。すなわち、2つの分類子clと分類子clは、データ長mの数を同じにした場合、分類子clは、{1#10,####,####:1,m=2}となる。このようにデータ長Mを同じにして、分類子cl={1#10,####,####:1}と分類子cl={###0,#110,111#:1}とを比較する。ここで、分類子clのデータC[1#10]と分類子clのデータC[###0]を比べると、分類子clの方が上位概念と言える。一方、分類子clのデータC−1[####]と、分類子clのデータC−1[#110]とを比較すると、分類子clの方が上位概念となっている。したがって、データを参照する位置ごとに上位概念と下位概念の関係が異なるため、一方が他方の上位概念とは言うことはできない。つまり、両者は、包摂関係にはない。このため、分類子clと分類子clとの比較では、いずれの分類子も削除されることはない。
包摂部7では、この図6に示すような比較が、行動集合[A]内の全ての分類子の間で行われる。このようにして、包摂部7で包摂の処理が行われた行動集合[A]は、遺伝的アルゴリズム処理部8に供給される。
[6.遺伝的アルゴリズム処理部の例(例1)]
図7は、遺伝的アルゴリズム処理部8での処理の例(例1)を示すフローチャートである。
まず、遺伝的アルゴリズム処理部8は、行動集合[A]から行動サブセット[A(t−m)]を作成する(ステップS21)。この行動サブセット[A(t−m)]は、条件部のデータ長mの値ごとに、分類子を分類したものである。
次に、遺伝的アルゴリズム処理部8は、それぞれの行動サブセット[A(t−m)]毎に、そのサブセット内の分類子のフィットネス値の平均を算出する(ステップS22)。さらに、そのフィットネス値の平均値を使用して、いずれかの行動サブセット[A(t−m)]をルーレット選択する(ステップS23)。なお、フィットネス値の平均値を使用してルーレット選択を行う例については後述する。
そして、ルーレット選択が行われた分類子に、遺伝的アルゴリズム(Genetic Algorithm:GA)を適用して、一定の条件に基づいて分類子の選択又は変形を行う(ステップS24)。ここでは、遺伝的アルゴリズムを適用した処理として、一点交叉と称される条件部の変形と、条件部のサイズの変更を行う。
図8は、ステップS21で行動サブセットを取得してから、ステップS23でルーレット選択を行うまでの例を示す図である。ここでは、図8の左側に示すように、行動集合[A]内に、4つの分類子が存在する。これらの4つの分類子を以下に示す。この例では、系列データの各データは2桁である。Fの値はフィットネス値である。
{01,0#,11:01,F=0.5}(m=2)
{0#,01:01,F=0.8}(m=1)
{0#:01,F=0.1}(m=0)
{01,##:01,F=1.0}(m=1)
ここで、図8に示すように、遺伝的アルゴリズム処理部8では、それぞれの分類子について、条件部の長さ(すなわちmの値)に基づいて分類し、行動サブセットを得る。すなわち、m=0の行動サブセット[A(t−0)]として、分類子{0#:01,F=0.1}を得る。また、m=1の行動サブセット[A(t−1)]として、分類子{0#,01:01,F=0.8}と、分類子{01,##:01,F=1.0}を得る。さらに、m=2の行動サブセット[A(t−2)]として、分類子{01,0#,11:01,F=0.5}を得る。
そして、遺伝的アルゴリズム処理部8では、それぞれの行動サブセット内の分類子のフィットネス値Fの平均を算出する。
ここでは、フィットネス値Fの平均値として、m=0の行動サブセット[A(t−0)]はF=0.1、m=1の行動サブセット[A(t−1)]はF=0.9、m=2の行動サブセット[A(t−2)]はF=0.5となる。
そして、それぞれの行動サブセットのフィットネス値の平均値を使用して、行動サブセット内の分類子をルーレット選択する。ルーレット選択とは、複数のデータから1個又は複数のデータを選択するとき、その選択する確率を、特定の値に基づいて変化させる処理である。具体的には、フィットネス値の平均値を使用して、分類値を選択する確率を変化させるものである。
例えば、図8の例では、フィットネス値の平均値が0.9のm=1の行動サブセット[A(t−1)]は、選択される確率を0.9/1.5とする。また、フィットネス値の平均値が0.5のm=2の行動サブセット[A(t−2)]は、選択される確率を0.5/1.5とする。さらに、フィットネス値の平均値が0.1のm=0の行動サブセット[A(t−0)]は、選択される確率を0.1/1.5とする。
このようなルーレット選択を行うことで、遺伝的アルゴリズム処理部8では、例えば図8の右端に示すように、m=1の行動サブセット[A(t−1)]が選択される可能性が最も高くなる。但し、この行動サブセット[A(t−1)]が選択されるのは一例であり、確率は低くなるが、その他の行動サブセットがルーレット選択で選択されるケースもある。
図9は、ルーレット選択された行動サブセット内の分類子に対して、一点交叉の遺伝的アルゴリズム(GA)による変形が行われる例を示す。
例えば、ルーレット選択された行動サブセット内には、以下の2つの分類子が存在するとする。
{0#,01:01,F=0.8}
{01,##:01,F=1.0}
このとき、その2つの分類子の条件部の特定の同じ位置のデータを入れ替える処理を行う。例えば、一方の分類子のデータC「0#」の後半の「#」と、他方の分類子のデータC「0#」の後半の「1」とを入れ替える。また、一方の分類子のデータC―1「01」の後半の「1」と、他方の分類子のデータC−1「##」の後半の「#」とを入れ替える。
さらに、図9に示す交叉の処理が行われた分類子に対して、メモリサイズ(データサイズ)をランダムに変更して、遺伝的アルゴリズムによる変形を行う。
図10は、このメモリサイズのランダムな変更例を示す。
例えば、分類子{0#,01:01,F=0.8}が存在するとき、その分類子の条件部「0#,01」として、その後に3つのデータを加えて、「0#,01,11,10,10」とし、分類子をm=1からm=4に変更する。加えるデータはランダムな値とする。
また、分類子{0#,01:01,F=0.8}の条件部「0#,01」の後半の「01」を削除して、分類子をm=1からm=0に変更する。
なお、増加による変更を行う際には、メモリサイズの最大値(すなわちmの最大値)は、予め決めた値とする。
このようにして、遺伝的アルゴリズム処理部8で変形や選択などの処理が行われた分類子が、縮小部9に供給される。
[7.遺伝的アルゴリズム処理部の例(例2)]
図11は、遺伝的アルゴリズム処理部8での処理の例(例2)を示すフローチャートである。この例は、進化計算を行う例である。
まず、遺伝的アルゴリズム処理部8は、行動集合[A]内の分類子の条件部を、時間軸上の位置毎に分類する(ステップS31)。次に、遺伝的アルゴリズム処理部8は、時間軸上の位置毎に、その分類子が持つフィットネス値の累積値を算出する(ステップS32)。そして、そのフィットネス値の累積値を正規化した値とする(ステップS33)。
その後、遺伝的アルゴリズム処理部8は、その正規化したフィットネス値の累積値の中で、予め決めた閾値以上の累積値を持つ位置ta,tb,・・・を確定する(ステップS34)。そして、遺伝的アルゴリズム処理部8は、その確定した位置ta,tb,・・・毎に、値をルーレット選択して、新たな分類子を生成する(ステップS35)。
図12は、ここでの分類子の獲得例を示す図である。
図12の例は、住宅内の各部屋にセンサを設置し、センサの位置とセンサタイプと部屋を記録し、それぞれの部屋での行動(クラス)についても記録したものである。ここでは、それぞれの行動の時間(タイムスタンプ)についても記録している。
例えば、2011年11月28日、2時27分59秒から10時18分11秒まで、[Bedroom]の[Bed]センサが人物の存在を検出し、行動が[Sleeping]であるとする。同様に、図12に示すように各時刻でセンサが検出され、それぞれの行動が記録される。
この図12に示す位置変化と行動の記録から、図12の下側に示すように、4つの分類子cl〜clが生成されたとする。この4つの分類子cl〜clは、「:」の左側が条件部、「:」の右側が行動部である。この例の場合も条件部は可変長である。また、条件部は、タイミングのデータ(現時点から何個前のデータかを示す)を持つ。但し、以下のデータではタイミングのデータ及びフィトネス値は省略する。
分類子cl={(#,#,#),(#,#,#),(Shower,#,#):Breakfast}
分類子cl={(Cooktop,#,#),(#,#,#),(Seat,#,#):Lunch}
分類子cl={(Fridge,#,#),(#,#,Living),(#,#,Entrance):Snack}
分類子cl={(Basin,PIR,Bathroom),(Maindoor,#,Entrance):Grooming}
このように、住宅内での位置の変化の記録から、行動を判断する分類子を獲得することができる。この分類子を使用することで、センサが検出したデータを使用して、そのときの行動を判断できるようになる。
図13は、このようなタイプの分類子に対して、遺伝的アルゴリズム処理部8で行われる処理の例を示す。但し、図13では、分類子の条件部や行動部のデータは、「1」又は「0」の値として示す。この図13に示す処理は、進化計算と称される。
まず、遺伝的アルゴリズム処理部8に行動集合[A]が供給されるとき、遺伝的アルゴリズム処理部8は、その行動集合[A]内の各分類子の条件部の各要素が、時間的にどのタイミングの条件であるかに基づいて分類する。例えば、行動集合[A]は、図13に示す以下の分類子cl,cl,clで構成されるとする。
分類子cl{(1#0,t),(00#,t−2):1,F=0.8}
分類子cl{(#00,t−2),(##0,t−3):1,F=0.2}
分類子cl{(000,t−2):1,F=0.1}
このとき、遺伝的アルゴリズム処理部8では、行動集合分類データDtを得る。この行動集合分類データDtは、それぞれの分類子の条件部が、どのタイミングの条件であるかを示し、遺伝的アルゴリズム処理部8は、この行動集合分類データDtから、それぞれのタイミングごとのフィットネス値Fの累積値の集合FS(n)を得る。例えば、タイミングtは分類子clの条件があり、その分類子clのフィットネス値0.8が累積値となる。また、タイミングt−2は3つの分類子cl,cl,clの条件があり、その3つの分類子cl,cl,clのフィットネス値0.8,0.2,0.1を加算した値1.1が累積値となる。タイミングt−3は分類子clの条件があり、その分類子clのフィットネス値0.2が累積値となる。
このようにして、遺伝的アルゴリズム処理部8では、図13に示すように以下のフィットネス値の累積値列FS(n)が得られる。
FS(n)={0.8,0.0,1.1,0.2,・・・,0.0}
遺伝的アルゴリズム処理部8は、このFS(n)内の各値を正規化して、以下のPaccept(n)を得る。ここでは、FS(n)内の最大値1.1を1.00に正規化する。
accept(n)={0.73,0.00,1.00,0.18,・・・,0.00}
次に、遺伝的アルゴリズム処理部8は、この正規化した値Paccept(n)の中で、予め決めた閾値以上のものを選択する。例えば、値が0.50以上のものを取り出す。上述した例では、0.73と1.00が取り出される。ここで、遺伝的アルゴリズム処理部8は、それぞれの値が示すタイミングt及びt−2を判断する。
次に、遺伝的アルゴリズム処理部8は、行動集合[A]内の各分類子の条件部の内で、タイミングtのデータCを集めた行動集合[A]のサブセット[A(C)]と、タイミングt−2のデータC−2を集めた行動集合[A]のサブセット[A(C−2)]とを得る。
そして、遺伝的アルゴリズム処理部8は、それぞれのサブセット[A(C)],[A(C−2)]から、フィットネス値Fを使ったルーレット選択で候補となるデータを選び、新たな分類子を生成させる。
例えば、作成される分類子の1つの例として、タイミングtのデータCとして、(1#0,t)を選び、タイミングt−2のデータC−2として、(000,t−2)を選び、分類子{(1#0,t),(000,t−2):1,F=0.45}とする。また、作成される分類子の別の例として、タイミングtのデータCとして、(1#0,t)を選び、タイミングt−2のデータC−2として、(#00,t−2)を選び、分類子{(1#0,t),(#00,t−2):1,F=0.5}とする。
これらの新たに生成された分類子のフィットネス値Fは、作成された分類子内の各条件のデータの選択元の分類子が持つフィットネス値の平均値とする。
このようにして、遺伝的アルゴリズム処理部8は、元の行動集合[A]内の分類子の各構成要素を使って変形した分類子を作成し、その作成された分類子を出力する。
[8.縮小の例]
図14は、縮小部9の処理を示す。
縮小部9は、遺伝的アルゴリズム処理部8が出力する分類子の条件部が縮小可能である場合に、縮小する処理を行う。具体的には、分類子の条件部内の末尾のタイミングのデータが、全ての桁で不特定の値「#」であるとき、縮小部9は、そのタイミングのデータを削除する。
例えば、図14に示すように、CとC−1とC−2のデータよりなる分類子{0#,##,##:01}が遺伝的アルゴリズム処理部8から出力されるとする。このとき、C−2のデータ(##)は、全て不特定の値(#)で構成された最大一般化条件部である。したがって、C−2のデータ(##)は、縮小部9で削除される。さらに、そのC−2のデータ(##)を削除することで末尾となるC−1のデータ(##)についても、全て不特定の値(#)で構成された最大一般化条件部であり、縮小部9で削除される。このように縮小部9では、最も古い時間のデータを参照する条件が、不特定のデータであることを示す条件でなくなるまで繰り返し実行される。
このようにして、分類子{0#,##,##:01}は、縮小部9での縮小処理で、分類子{0#:01}となる。
[9.被覆の例]
図15は、被覆部10での被覆の処理を示すフローチャートである。
被覆部10での処理について説明すると、被覆部10は、照合集合[M]取得部4で現在の入力データに照合する分類子がルール集合[P]から選び出されたか否かを判断する(ステップS41)。ここで、現在の入力データに照合する分類子が選び出された場合には、被覆部10は分類子の生成処理を行わず、図15のフローチャートの処理を終了する。
そして、ステップS41で、現在の入力データに照合する分類子が存在しない場合に、ステップS42以降の処理が行われる。すなわち、被覆部10は、データ取得部2が取得した入力データ系列をコピーした条件部を持つ分類子を生成する(ステップS42)。このとき、条件部のメモリサイズ(データサイズ)はランダムに設定される。但し、ランダムに設定されるメモリサイズの最大値は予め決めた値とする。
次に、被覆部10は、予め決めた確率Pで、生成した分類子の条件部の中のデータを、一般化した不特定の値「#」に置き換え、分類子を変形させる(ステップS43)。そして、被覆部10は、このようにして生成した分類子を、分類子記憶部3が記憶したルール集合[P]に追加する(ステップS44)。
このようにして、入力した系列データに照合する分類子が存在しない場合には、被覆部10で新たな分類子が生成され、ルール集合[P]に追加される。
[10.本例の学習分類子システムの効果]
以上説明した本例の学習分類子システムによると、分類子記憶部3が記憶するルール集合[P]を最適化することができる。図16は、この分類子が最適化される状態を説明する図である。一般的に分類子は、条件部の長さが長い程、行動部で示すデータが正しいものとなるので、条件部の長さが長い程、フィットネス値で示される適合度が、最大値である1に近づく。フィットネス値が1に近い値となるためには、分類子内の条件部が適正に変形や修正される必要があり、そのための処理が遺伝的アルゴリズム処理部8で行われる。この遺伝的アルゴリズム処理部8での処理で、図16に矢印Saで示すように、フィットネス値が0から1に近づく。
ところで、フィットネス値は1が最大値であり、フィットネス値が1の状態では、いくら条件を増やしても、フィットネス値が1のままであり、分類子によるデータ分類を行う際の精度は向上しない。したがって、分類子の条件部の長さ(メモリサイズ)や、分類子そのものの数は、フィットネス値が1の状態で最小であることが好ましい。この分類子の条件部のメモリサイズの縮小は、縮小部9での縮小により行われ、分類子の数を減らす処理は、包摂部7での包摂により行われる。したがって、図16の矢印Sbに示すように、フィットネス値が1の状態での最小位置xに近づける処理が行われる。
したがって、本例の学習分類子システムによると、分類子記憶部3が記憶するルール集合[P]は、最小の数の分類子で構成されるようになると共に、その分類子内の条件部の条件の長さ(メモリサイズ)についても最小化され、最適化された分類子の集合よりなるルール集合[P]が得られる。このように最適化された分類子が得られることで、系列データを分類子で分類する際には、最小の演算処理で系列データの分類が可能になり、効率のよいデータ分類が可能になる。
[11.変形例]
なお、上述した実施の形態例で説明した分類子の構成の例は、それぞれ好適な一例を示したものであり、別の構成の分類子としてもよい。また、照合集合[M]の分類子を使用して、ルール集合[P]内の分類子を更新するための分類子とする処理の順序についても、一例を示したものであり、実質的に同様の処理が行われる場合には、一部の処理順序を変更してもよい。
また、上述した実施の形態例の学習分類子システムでは、コンピュータにプログラムを実装することで、図1に示す機能ブロックが構成されるようにしたが、それぞれの機能部での処理を行うハードウェアを用意して、ハードウェアで学習分類子システムを構成してもよい。
1…環境、2…データ取得部、3…分類子記憶部、4…照合集合取得部、5…行動集合取得部、6…強化学習部、7…包摂部、8…遺伝的アルゴリズム処理部、9…縮小部、10…被覆部、11…分類子出力部

Claims (9)

  1. 評価対象となる系列データを取得するデータ取得部と、
    前記系列データと照合させる条件部と、該条件部で照合された行動を示す行動部と、該行動部で示された行動を行うことのフィットネス値を持つ分類子を記憶した分類子記憶部と、
    前記データ取得部が取得した前記系列データに基づいて、前記分類子記憶部が記憶した分類子を選択し、該選択した分類子の集合である照合集合を得る照合集合取得部と、
    前記照合集合取得部が取得した照合集合内の分類子を、該分類子の行動部の値に基づいて選択して、行動集合を得る行動集合取得部と、
    前記行動集合内の分類子のフィットネス値を学習で更新する学習部と、
    前記行動集合取得部が得た行動集合に含まれる複数の分類子が1つの分類子に包摂できる場合に、包摂を行って行動集合に含まれる分類子を減らす包摂部と、
    前記包摂部が出力する行動集合から一定の条件に基づいて分類子の選択又は変形を行う遺伝的アルゴリズム処理部と、
    前記遺伝的アルゴリズム処理部が出力するそれぞれの分類子が持つ条件部を縮小する縮小部と、
    前記データ取得部が取得した系列データに照合する照合集合が存在しない場合に、前記データ取得部が取得した系列データの少なくとも一部をコピーすることで得た条件部を持つ分類子を作成する被覆部と、を備え、
    前記縮小部が縮小した分類子又は前記被覆部が作成した分類子により、前記分類子記憶部が記憶した分類子の更新を行い、前記分類子記憶部が記憶した分類子の最適化を行うようにした
    学習分類子システム。
  2. 前記分類子記憶部が記憶する分類子は、1個以上M個以下の数(Mは2以上の整数)の条件で構成される条件部を持ち、
    前記照合集合取得部は、分類子が持つ条件部に記載された全ての条件が、前記データ取得部が取得した系列データと一致するとき、該当する分類子を、系列データに照合した分類子として選択するようにした
    請求項1に記載の学習分類子システム。
  3. 前記分類子が持つ条件部で指示される条件には、系列データの特定箇所が不特定のデータであることを示す条件を含むようにした
    請求項1又は2に記載の学習分類子システム。
  4. 前記包摂部は、行動集合に含まれる複数の分類子の中で、特定の分類子よりも一般化された表現の別の分類子が存在する場合に、前記特定の分類子を行動集合から削除する処理を行う
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の学習分類子システム。
  5. 前記遺伝的アルゴリズム処理部は、行動集合内の分類子を、条件部のデータ長に基づいて複数のサブセットの分類子に分け、それぞれのサブセットの分類子の信頼度に基づいてルーレット選択することで分類子を選択し、
    選択された複数の分類子の条件部の同じ位置のデータを入れ替える交叉、又は、選択された分類子の条件部が持つデータを変化させる突然変異を行う
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の学習分類子システム。
  6. 前記遺伝的アルゴリズム処理部は、行動集合内の分類子の条件部が持つ条件を、同じ位置の条件ごとにフィットネス値を加算し、行動集合内の分類子から、フィットネス値の加算値が高い位置の条件を持つ分類子を選択することで行動集合のサブセットを得、該サブセット内の各分類子が持つ条件をルーレット選択して選ばれた条件を持つ分類子を生成する
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の学習分類子システム。
  7. 前記縮小部は、分類子の条件部の内の最も古い時間のデータを参照する条件が、不特定のデータであることを示す条件であるとき、該当する不特定のデータであることを示す条件を削除して、条件部を縮小する処理を行うと共に、その条件部を縮小する処理を、最も古い時間のデータを参照する条件が、不特定のデータであることを示す条件でなくなるまで繰り返し実行する
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の学習分類子システム。
  8. 系列データと照合させる条件部と、該条件部で照合された行動を示す行動部と、該行動部で示された行動を行うことのフィットネス値を持つ分類子を分類子記憶部に記憶させ、記憶した分類子の最適化を行う学習分類子生成方法であり、
    評価対象となる系列データを取得するデータ取得処理と、
    取得した前記系列データに基づいて、照合集合処理部により、前記分類子記憶部が記憶した分類子を選択し、該選択した分類子の集合である照合集合を得る照合集合取得処理と、
    前記照合集合取得処理で取得した照合集合内の分類子を、行動集合取得部により、該分類子の行動部の値に基づいて選択し、行動集合を得る行動集合取得処理と、
    学習部により、前記行動集合内の分類子のフィットネス値を学習で更新する学習処理と、
    前記行動集合に含まれる複数の分類子が1つの分類子に包摂できる場合に、包摂部により包摂を行って行動集合に含まれる分類子を減らす包摂処理と、
    前記包摂処理が行われた行動集合から一定の条件に基づいて、遺伝的アルゴリズム処理部により、分類子の選択又は変形を行う遺伝的アルゴリズム処理と、
    前記遺伝的アルゴリズム処理で得られた分類子が持つ条件部を、縮小部により縮小する縮小処理と、
    前記データ取得処理で取得した系列データに照合する照合集合が存在しない場合に、被覆部において、前記系列データの少なくとも一部をコピーすることで得た条件部を持つ分類子を作成する被覆処理と、
    前記縮小処理を行った分類子又は前記被覆処理で作成した分類子により、前記分類子記憶部が記憶した分類子の更新を行う更新処理と、を含む
    学習分類子生成方法。
  9. 系列データと照合させる条件部と、該条件部で照合された行動を示す行動部と、該行動部で示された行動を行うことのフィットネス値を持つ分類子を分類子記憶部に記憶させ、該記憶した分類子の最適化をコンピュータに実行させるプログラムであって、
    評価対象となる系列データを取得するデータ取得手順と、
    取得した前記系列データに基づいて、前記分類子記憶部が記憶した分類子を選択して、該選択した分類子の集合である照合集合を得る照合集合取得手順と、
    前記照合集合取得手順で取得した照合集合内の分類子を、その分類子の行動部の値に基づいて選択して、行動集合を得る行動集合取得手順と、
    前記行動集合内の分類子のフィットネス値を学習で更新する学習手順と、
    前記行動集合取得手順で得た行動集合に含まれる複数の分類子が1つの分類子に包摂できる場合に、その包摂を行って行動集合に含まれる分類子を減らす包摂手順と、
    前記包摂手順が行われた行動集合から一定の条件に基づいて分類子の選択又は変形を行う遺伝的アルゴリズム手順と、
    前記遺伝的アルゴリズム手順で得られた分類子が持つ条件部を縮小する縮小手順と、
    前記データ取得手順で取得した系列データに照合する照合集合が存在しない場合に、前記データ取得手順で取得した系列データの少なくとも一部をコピーすることで得た条件部を持つ分類子を作成する被覆手順と、
    前記縮小手順で縮小した分類子又は前記被覆手順で作成した分類子により、前記分類子記憶部が記憶した分類子の更新を行う更新手順とを、
    コンピュータに実行させるプログラム。
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