JP6388651B2 - 静電式スキャナ、イオン注入システム及びイオンビーム処理方法 - Google Patents

静電式スキャナ、イオン注入システム及びイオンビーム処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、イオン注入装置に関するものであり、特にイオン注入装置においてビーム角度の均一性制御に関するものである。
(関連出願)
本出願は、2013年6月26日に特許出願された米国仮出願第61/839,516号の優先権を主張するものである。
半導体電子技術、太陽電池及びその他の技術に対する今日の製造処理では、シリコンやその他の種類の基板にドーピングするか又はその他の変更処理を行うのにイオン注入装置のシステムに頼っている。ある種類のイオン注入装置のシステムは、イオンビームを発生させ、このイオンビームを基板に指向させて、イオンが基板の表面の下側に留まるようにしてドーピングを実行している。多くの適用分野では、スポットビーム又はリボンビームのような、規定の形状及びイオンビームエリアを有するイオンビームにより基板上を走査して、このイオンビームエリアよりも大きい基板エリア内にイオン種を注入している。基板を固定のビームに対して走査させることができ、又は基板とビームとの双方を互いに走査させるようにしうる。これらの如何なる状況でも、多くの適用分野では、基板がその大部分に亘って(跨って)均一に注入されるようにする必要がある。しかし残念ながら、注入処理中にある種の不均一性が生じるおそれがある。
ある種の不均一性は、注入処理中にイオンビームにより生ぜしめられるおそれがある。不均一性の1つは、名目上平行なイオンビームの入射角の発散(広がり)である。ある場合には、この入射角の発散は、基板を組織的に横切るように通り、一方の側に向かう入射角が他方の側に向かう入射角と異なるようになるおそれがある。ビームラインのイオン注入装置はしばしば、ビーム路に亘って種々の成分を通るイオンを成形、偏向、加速及び減速させることによりイオンビームを処理する。多くのシステムでは、基板に入射される前の最終段階でイオンビームを“平行化”させた後でも、基板を横切るイオンの垂直角の発散は例えば、約0.5°〜1.0°の範囲とすることができる。入射角の僅かな相違でも注入処理の不均一性に大きな影響を及ぼすおそれがある。これらの及びその他の事項に基づき、本発明による改善が必要となるものである。
本発明の一例では、イオン注入装置内でイオンビームを走査する静電式スキャナを提供する。静電式スキャナには、イオンビームに面する第1の内面であって、イオンビームの伝搬方向に対し直角な第1の平面内で凹型の形状をしているこの第1の内面を有している第1の走査プレートと、この第1の走査プレートに対向するとともに、イオンビームを受入れるギャップでこの第1の走査プレートから隔てられている第2の走査プレートであって、この第2の走査プレートはイオンビームに面している第2の内面を有し、この第2の内面は第1の平面内で凸型の形状をしている当該第2の走査プレートとを設け、第1の走査プレート及び第2の走査プレートはギャップ内で静電界を発生するとともにイオンビームの伝搬方向に対し直角な水平方向に沿ってこのイオンビームを往復走査させるように構成されているようにしうる。
他の例では、イオン注入システムが、第1の走査プレートと、この第1の走査プレートに対向する第2の走査プレートとを有するイオンビーム走査用静電式スキャナを具えるようにする。第1の走査プレート及び第2の走査プレートは、イオンビームを通すギャップにより互いに分離させるとともにこれら走査プレート間に電界を発生させるように構成することができる。イオン注入システムには、走査させるイオンビームを第1の平面内で湾曲に曲げるように動作する磁気コリメータをも設け、この湾曲が外側湾曲部分及び内側湾曲部分を有し、第1の走査プレートと第2の走査プレートとが相互作用して、第1の平面に対し直角な垂直方向に沿ってイオンビームの可変垂直集束を発生させるようになっており、可変垂直集束は、内側湾曲部分よりも外側湾曲部分に沿ってより大きく発散するようになっているようにしうる。
更に他の例では、イオンビーム処理方法が、イオンビームに面する内面において凹型の曲率を有する第1の走査プレートと、イオンビーム及び第1の走査プレートに面する内面において凸型の曲率を有する第2の走査プレートであって、凹型の曲率及び凸型の曲率を第1の平面内に位置するようにした当該第2の走査プレートとの間にイオンビームを指向させるステップを具えるようにする。このイオンビーム処理方法は更に、第1の走査プレートと第2の走査プレートとの間の変動電界を用いて、イオンビームの伝搬方向に対し直角な水平方向でイオンビームを往復走査させるステップを具えるようにしうる。
図1Aは、代表的なビームラインのイオン注入装置を示す線図的頂面図である。 図1Bは、図1Aの装置で選択構成要素を示す頂面図である。 図2Aは、本発明の実施例によるイオンビームの外側湾曲部分を形成する光学構成要素を表す線図である。 図2Bは、本発明の実施例によるイオンビームの内側湾曲部分を形成する光学構成要素を表す線図である。 図3Aは、静電式スキャナの一実施例を示す正面図である。 図3Bは、静電式スキャナの他の実施例を示す正面図である。 図3Cは、本発明の実施例による静電式スキャナを示す等角図である。 図3Dは、本発明の実施例による静電式スキャナを示す頂面図である。 図4は、本発明の実施例による他の静電式スキャナを示す正面図である。 図5は、本発明の実施例による静電式スキャナを従来の静電式スキャナ上に重畳した状態を示す正面図である。
ここで開示する実施例は、イオン注入システムにおいてイオンビームを制御する装置及び方法を提供する。イオン注入システムの例には、ビームラインイオン注入システムが含まれている。本発明の実施例が対象とするイオン注入システムは、スポットの一般的形状を有する断面形状の“スポットイオンビーム”を発生するイオン注入システムを含むものである。本発明の実施例では、新規な偏向システムであって、これを通過するイオンビームのビーム特性を調整する当該偏向システムを提供する。この新規な偏向システムは特に、静電式スキャナの一部を形成することができるとともに、他のビームライン構成要素により導入される不均一性を補償するようにビームを走査及び整形するのに用いることができる。種々の実施例では、以下に詳述するように、湾曲させた静電プレートの一組の対を、磁気コリメータのようなビームコリメータと関連して用いて、基板を横切って走査する際にイオンビームの垂直角の発散の不均一性を低減させるようにする。
本発明の実施例の静電式スキャナは特に従来の磁気コリメータとともに用いて、従来のイオン注入システムではこの磁気コリメータを経るイオン移動後に導入されるイオンビームの垂直角の発散及び基板を横切るイオンビームの垂直角の発散の不均一性を低減させることができる。この特定の不均一性は、従来の多くのイオン注入装置においては、コリメータの磁石がイオンの外側湾曲軌跡を内側湾曲軌跡よりも大きな偏向角で曲げるようにコリメータの磁石成分の形状が設定されているという事実により生じるものである。その結果、外側湾曲に隣接するイオンビームの部分においてイオンがより多く集束するようになり、より多く収束したイオンビーム又は(特定のビームの種類に応じて)発散がより少なくなったイオンビームがこれらの部分で基板に到達するようになる。今日のイオン注入装置の一例では、殆ど平行なビームがイオンビームの“外側湾曲”部分に曝される基板の側に向かって生じることができ、一方、発散したビームがイオンビームの“内側湾曲”部分に曝される側で基板に当り、その結果、垂直角の発散は、一例では基板を横切る種々の個所でゼロ度付近の値(<〜0.1°)から0.5°及び1°間の値までの範囲となる。
図1Aは、イオン注入装置100の一般的な特徴事項を示す頂面図であり、図1Bは本発明の実施例に応じたイオン注入装置100の選択した構成要素の詳細を示す頂面図である。このイオン注入装置100の種々の要素には、イオン源102と、分析用磁石104と、静電式スキャナ106と、磁気コリメータ108と、基板ステージ110とが含まれる。このイオン注入装置100は、イオンビーム112を発生させ、このイオンビーム112を基板114に伝達するように構成されている。図1Aに示す特定の構成は特に、中電流イオン注入に適しているものとしうる。しかし、本発明の実施例はこの状況に限定されるものではない。イオン源102と、分析用磁石104と、質量分析スリット(個別には図示せず)と、基板ステージ110とを含むイオン注入装置100の種々の構成要素の動作は周知であり、このような構成要素の更なる説明は省略する。
図1Aに示すように、イオンビーム112は、伝搬方向がイオン源102及び基板ステージ110間で変化する経路に沿って指向される。以下で説明する際の便宜上、本発明の図示の実施例を説明するのに異なる座標系を採用する。静電式スキャナでは、構成要素にY、Xs及びZsを付した第1のデカルト座標系を用い、磁気コリメータ108の出口では、構成要素にY、Xc及びZcを付した第2のデカルト座標系を用いる。各座標系では、Y方向が同じ絶対方向である。異なる座標系に対するZ方向は、各々の場合に特定点でのイオンビーム伝搬方向に沿っている。従って、絶対方向ZcはZsと異なる。同様に、XcはXsと異なる。しかし、Xc及びZcは“X‐Z”平面を規定し、この平面はXs及びZsにより規定される平面と共通としうる。
イオン注入装置100は、従来の装置と同様に、磁気コリメータ108内でイオンビーム112を弧に沿って湾曲させる。この場合、イオンビーム112は、Y方向に対し直角なX‐Z平面内にある弧内で湾曲される。図面中、イオンビーム112は、このイオンビーム112が図1Aの頂面図内で基板114に向かって伝搬する際に右に向かって湾曲するものと示してある。従来のイオン注入装置に応じて以下に詳述するように、磁気コリメータ108は、外側湾曲位置Oにおけるイオンビーム112の弧の外側でのイオンビームの集束が、内側湾曲位置Iにおけるイオンビーム112の弧の内側でのイオンビームの集束と比較して相違するように構成されている。このことは、個別に図示していない磁気コリメータ108の構成要素の配列によるものである。このような従来の磁気コリメータの配列によれば、設計の簡素化及びコンパクト化の利点が得られる。しかし、磁気コリメータ108により達成される可変集束は、基板114に伝搬する際のXc方向に沿うイオンビーム112に適用される可変集束に移される。特に、いわゆるイオンビーム112の“垂直集束”は、外側湾曲点Oと内側湾曲点Iとの間で変化する。垂直集束は、図示のX‐Z平面に対し直角のY方向に対するイオンビームの集束を表す。これに関連する用語“垂直角の発散”は、Y方向に対し垂直なXc‐Zc平面に関するイオン軌道のための角度範囲を言及するものである。例えば、外側湾曲点Oにおけるイオンは平行軌道を有することができ、これらの平行軌道は全てY方向に対し直角であり、しかもXc‐Zc平面に対し平行に位置し、この場合垂直角の発散はゼロである。一方、内側湾曲点Iにおけるイオン軌道はXc‐Zc平面に対し約1度までの角度範囲に亘って変化でき、この場合垂直角の発散は1度であると言える。
本発明の実施例では、静電式スキャナ106のような静電式スキャナは、イオンビームに生じる可変集束を低減させるように構成した新規な偏向プレート、すなわち“走査プレート”を有する。以下に開示するように、走査プレートの設計は特に、コリメータ磁石のような構成要素により生ぜしめられる可変集束を補償するように構成配置されている。これにより、注入処理の全体の均一性を高め、その結果、イオン注入処理におけるイオン軌道の角度変化により影響を受ける基板特性に対して基板に亘る均一性を良好にする。
図1Bを参照するに、本発明の実施例に応じた、走査プレートとコリメータ磁石との相互関係を示すイオン注入装置100の詳細を開示している。磁気コリメータ108のようなコリメータの可変集束を補償するために、静電式スキャナ106のような静電式スキャナを、(以下の図3A、3B、4及び5に示す)Xs‐Y平面内で非直線形状を有する走査プレートを以て構成する。このようにすることにより、Xs(及びXc)方向に沿う位置を通るイオンの有効焦点距離を調整し、その結果、垂直角の発散を低減させる効果が得られる。イオンビームは(Y方向に沿って)高く且つ(Xs方向に沿って)狭いイオンビームとして静電式スキャナに入る可能性がある為、本発明の実施例により達成する垂直方向の均一性の制御が水平方向の均一性の制御よりも重要となりうる。
図1Bに示すように、イオンビーム112の反対側にそれぞれ配置されているとともにこのイオンビーム112が通過するギャップを形成する凹型のスキャナ部分202及び凸型のスキャナ部分204を有する静電式スキャナ106をこのイオンビーム112が通過する。凹型のスキャナ部分202及び凸型のスキャナ部分204は図1Bでは詳細ではなく線図的に示してある。しかし、以下で説明する図3A〜3Dが凹型のスキャナ部分202及び凸型のスキャナ部分204の代表的な詳細を示している。図3A〜3Dに詳述する種々の実施例では、凹型のスキャナ部分202及び凸型のスキャナ部分204の各々に1つ以上の走査プレートを設け、凹型のスキャナ部分202の各走査プレートが凸型のスキャナ部分204の1つの走査プレートと対になるようにしうる。特に、凹型のスキャナ部分202は(以下で説明する図に示すXs‐Y平面内で)イオンビーム112に面して凹型面を呈し、一方、凸型のスキャナ部分204はイオンビーム112に面して凸型面を呈する。このようにすることにより、凹型のスキャナ部分202の付近に位置するイオンに対するイオン軌道の垂直発散を増大させるとともに、凸型のスキャナ部分204の付近に位置するイオンに対するイオン軌道の垂直発散を減少させる効果が得られる。
更に図1Bに示すように、中央の光線軌道115のようなイオンビーム112は静電式スキャナ106を出射し、ここで中央の光線軌道115がZs方向を規定する。しかし、静電走査の影響の為に、イオンは凹型のスキャナ部分202に近づくほど図1Bで見て左の方向に発散し、凸型のスキャナ部分204に近づくほど右の方向に発散する。これにより、イオンビームの伝搬の平均方向はZs方向に平行に位置させることができるが、イオンビーム112を磁気コリメータ108に近づくにつれ扇形に広げる。
イオンビーム112が磁気コリメータに入ると、このイオンビーム112は、異なるイオン軌道に対する複数の個々の弧を有する弧120にそって曲げられる。明瞭のために、ここでは以下の決まりを採用する。弧120の内方の部分122は凸型のスキャナ部分204に近い方のイオン軌道より成っており、弧120の外方の部分124は凹型のスキャナ部分202に近い方のイオン軌道より成っている。図1Bには、Zsに対し平行な方向にそれぞれ移動させた場合の凹型のスキャナ部分202及び凸型のスキャナ部分204の部分をそれぞれ表す投影されたスキャナ部分202A及び投影されたスキャナ部分204Aも図示されている。この決まりを用いると、弧120は、投影されたスキャナ部分204Aに向かう方向に且つ投影されたスキャナ部分202Aから離れる方向に曲がる。以下に詳述するように、弧120の内方の部分122に沿って移動するイオンビーム112のイオンは、凸型の静電走査プレート(凸型のスキャナ部分204)に隣接する局部的な電界と磁気コリメータ108により与えられ僅かに収束させる磁界との組合せ効果を受ける。弧120の外方の部分124に沿って移動するイオンビーム112のイオンは、凹型の静電走査プレート(凹型のスキャナ部分202)に隣接する局部的な電界と磁気コリメータ108により与えられ多く収束させる磁界との組合せ効果を受ける。これらの競合する電界及び磁界は本発明の実施例においては調和され、イオンビーム112内の垂直方向の発散を全体として減少させる。
図2A、2B、3A〜3D、4及び5を参照するに、湾曲させた走査プレート装置と、このような走査プレートにより達成されるイオンビーム特性の制御との詳細例をこれらの図に示している。このような湾曲させた走査プレート装置は“静電式スキャナ”と称され、イオンビームを走査するとともに、イオンビームに対する可変垂直焦点を発生させて磁気コリメータにより適用される可変垂直焦点が補償されるようにするものである。特に、図3C及び3Dは静電式スキャナの斜視図及び頂面図をそれぞれ示し、図3A、3B、4及び5は静電式スキャナの正面図を示している。
イオンビームの可変集束の効果を強調するために、図2A及び2Bに一組の光学素子として磁気コリメータ108及び静電式スキャナ106を開示しており、これによりイオンビーム集束特性へのこれら光学素子の影響を、特にこれらの図に示すY方向に対し平行である垂直方向での集束を表している。
一例では、本発明者は、既知の磁気コリメータの特性をXc方向に沿う位置の関数として解析した。図2Aに示すように、外側湾曲位置O(図1A参照)に相当する磁気コリメータの外側湾曲位置108Oは、後焦点面121で示すように約1.2mの垂直焦点距離を有し、内側湾曲位置Iに相当する内側湾曲位置108Iは、後焦点面123で示すように3mの焦点距離を有する。この可変集束を補償するために、静電式スキャナ106のような本発明の実施例の静電式スキャナに、湾曲させた一組の静電プレートを設ける。上述したように、湾曲した静電プレート(以後“走査プレート”と称する)は、内側湾曲と外側湾曲との間での磁気コリメータの集束における変化を補償する可変集束を達成するように作用する。一例では、湾曲した静電プレートが、外側湾曲部分の焦点距離を補償する発散レンズ125と、内側湾曲部分の焦点距離を補償してイオンビームの垂直発散がイオンビームに亘って最小となるようにする収束レンズ126とを有効に形成する作用をするようにする。
原理的には、磁気コリメータにより生ぜしめられるイオンビームの可変垂直集束を補償するのは種々の方法で達成しうる。例えば、発散レンズは従来の静電式スキャナの下流でイオンビームの外側湾曲部分に向かうように配置することができ、一方、収束レンズはイオンビームの内側湾曲部分に向かうように配置する。しかし、イオンビームは静電式スキャナの動作中Xs方向に沿って急速に走査される為、垂直集束における変化は走査と正確に同期させる必要がある。この同期を達成するには、必要とする高電圧増幅器と一緒に他の光学素子を加え、静電式スキャナの走査プレートにより発生されるのと同じ周波数及び同じ波形で光学素子を駆動するのが技術的に面倒なものである。磁気コリメータの垂直集束におけるこの変化を補正する他の方法は、例えば、いわゆるダブル(又はトリプル)インデックス設計を用いて従来の磁気コリメータ設計に代わる成形した磁極片の平行用磁石を設計して導入することである。しかし、このことは、磁石の寸法、費用及び複雑性を増大させ、現存のイオン注入装置に対する改良とするのは困難である。従って、湾曲させた走査プレートを有する本発明の実施例による静電式スキャナは、イオンビームに対する基板に亘る垂直角の発散を最小にする簡潔で有効な手段を提供するものである。
図3Aを参照するに、この図には、凹型のスキャナ部分202及び凸型のスキャナ部分204を有する静電式スキャナ211を示している。この実施例では、凹型のスキャナ部分202及び凸型のスキャナ部分204の各々が電極として作用する単一のプレートを有するようにしうる。図3Aの見方は、静電式スキャナ211のある個所でZs方向に沿う伝搬方向で下流に向かって見たものである。イオンビーム112はビーム高H及びビーム幅Wにより規定されており、この場合HはWよりも大きくなっている。凹型のスキャナ部分202及び凸型のスキャナ部分204には一対の電圧源V及びV がそれぞれ接続されており、VはV とは異なる電圧を生じる。ある実施に当っては、電圧源V及びV をAC信号として適用し、V及びV は殆どのACサイクルに対し異なる電圧値を有するようにする。これらの電圧値が異なると、凹型のスキャナ部分202及び凸型のスキャナ部分204間に電界が発生する。凹型のスキャナ部分202はXs‐Y平面内でイオンビーム112に対し凹型の内面203を呈し、凸型のスキャナ部分204はイオンビーム112に対し凸型の内面205を呈する。第1の内面の凹型形状、すなわち凹型の内面203と、第2の内面の凸型形状、すなわち凸型の内面205との双方により、Xs‐Y平面内で放射弧(ラジアルアーク)を規定しうる。
特定の実施においては、電圧源V及びV により生ぜしめられる電圧値は、これらの双方がゼロに等しい場合を除いて、所定の如何なる瞬時においても同じ大きさで逆極性を有するようにしうる。しかし、Xs‐Y平面内で、凹型のスキャナ部分202が凹型の内面203を有するとともに凸型のスキャナ部分204が凸型の内面205を有する為、発生される電界は、Y(垂直)方向を中心として対象とはならない。これによりイオンビーム112の可変垂直集束がもたらされる。その理由は、ビームが凹型のスキャナ部分202及び凸型のスキャナ部分204間で往復走査される為である。
図3Aの実施例は、一定の厚さのプレートとして形成したスキャナ部分を示しているが、他の実施例では、凹型及び凸型のスキャナ部分を他の形状としうる。図3Bは、図3Aの実施例におけるように、凹型のスキャナ部分202がイオンビーム112に面する凹型面を有し、凸型のスキャナ部分204がイオンビーム112に面する凸型面を有している他の静電式スキャナ250を示している。しかし、この実施例では、凹型のスキャナ部分202及び凸型のスキャナ部分204の外側部分はY方向に対し平行な向きになっている。特に、図3A及び3Bの形状は双方共、それぞれの凹型及び凸型部分に同じ距離間隔及び同じ電圧を与える同じ電界をもたらすことができる。
前述したように、ある実施例では、凹型のスキャナ部分202及び凸型のスキャナ部分204の各々に複数の走査プレートを設けることができる。図3Cは、凹型のスキャナ部分202及び凸型のスキャナ部分204の各々が、短い走査プレートと長い走査プレートとを有している静電式スキャナ260の一変形例を示す頂面図である。図示するように、凹型のスキャナ部分202は、凸型のスキャナ部分204の前方走査プレート212及び後方走査プレート210とそれぞれ対向する前方走査プレート208及び後方走査プレート206を有している。図3Cに更に示されているように、Xs‐Z平面における静電式スキャナ260の形状は、電極(走査部分)が互いに広がっている従来の静電式スキャナに類似させることができる。それでもなお、ある実施例では、Xs‐Y平面において、前方走査プレート208及び前方走査プレート212の対の形状と、後方走査プレート206及び後方走査プレート210の対の形状とを図3Bに示すものに類似させることができる。従って、前方走査プレート208及び後方走査プレート206のそれぞれの表面、すなわち表面214及び表面220はXs‐Y平面においてイオンビーム222に対して凹型の弧を呈し、前方走査プレート212及び後方走査プレート210のそれぞれの表面218及び216はXs‐Y平面においてイオンビーム222に対して凸型の弧を呈する。
一例では、動作に際して、前方走査プレート208及び前方走査プレート212間に可変電圧を印加することができ、一方、後方走査プレート206及び後方走査プレート210には電圧を印加しない。特に、前方走査プレート208及び前方走査プレート212間には、これらの間で極性が変化するAC信号として電圧波形を印加することができる。このようにすることにより、前方走査プレート208及び前方走査プレート212間に規定されているギャップ223を通過するイオンビーム222の偏向を変化させる。イオンビーム222は、特に水平方向において、すなわちXs方向に沿ってラスタされ、時間平均されたイオンビームエンベロープとして図3Cに示すイオンビーム222に対する形状を生ぜしめる。他の例では、前方走査プレート208及び前方走査プレート212間に、且つ同時に後方走査プレート206及び後方走査プレート210間に可変電圧信号を加えることができる。
前述したように、凹型のスキャナ部分202及び凸型のスキャナ部分204により発生される電界はY方向を中心として対称的でない為、イオンビーム222がXs方向に沿って往復走査される際に、このイオンビーム222は凹型のスキャナ部分202に近い方に位置する場合とは相違して凸型のスキャナ部分204に近い方に位置する場合にY方向で異なるように集束される。
可変垂直集束が前述した静電式スキャナの何れかにより生ぜしめられる原因は、Zs方向に沿って下流に向かう静電式スキャナ270の他の実施例を表す図4を参照することにより良好に理解しうるものである。静電式スキャナ270は、イオンビーム276の両側に配置された凹型のスキャナ部分272及び凸型のスキャナ部分274を有する。図4に示す状態では、イオンビーム276は凹型のスキャナ部分272及び凸型のスキャナ部分274間のほぼ中間に位置している。このイオンビーム276はY方向において比較的高く、Xs方向に沿って狭くなっている。動作に当っては、イオンビーム276が可変の静電偏向電界を受け、この電界の極性は1秒当り複数回切換るようにしうる。破線は、如何なる所定の破線に沿っても電圧が一定である等電位線を表すことを意味している。電界の方向を概してXs方向に沿って延在させうる従来の静電式スキャナと相違して、矢印278及び280は、イオンビーム276の頂部及び底部における電界の方向がそれぞれ異なっていることを示している。図示するように、これらの頂部及び底部における電界はXs方向に対し平行ではなく、凸型のスキャナ部分204に向かって収束する。イオンビームをXs方向に沿って往復走査させる際の電界の正味の効果は、イオンビームが凹型のスキャナ部分202に近い方の外側軌道に沿って位置した場合に、より一層垂直に発散する集束を達成するとともに、凸型のスキャナ部分204に近い方の内側軌道に対しては垂直方向に収束する集束を達成するものである。
図5も、Zs方向に沿って下流に向かう静電式スキャナ270を示す図であり、この場合、一組の従来の走査プレートがこの静電式スキャナ270の凹型のスキャナ部分272及び凸型のスキャナ部分274上に重畳されている。従来の左側の走査プレート283及び従来の右側の走査プレート285が互いにY方向に対し平行に延在している。この場合、従来の走査プレートにより発生される静電界がXs方向に沿って位置する。このような従来の静電界は、上述した通り磁気コリメータ108のようなコリメータ磁石により生ぜしめられる可変垂直集束を補償しない。これに対し、凹型のスキャナ部分272及び凸型のスキャナ部分274により得られる湾曲した静電走査プレート構造によれば、イオンビーム276の走査中に発生されるイオンビームの偏向と正確に同期して可変垂直集束を生ぜしめることができる。従って、イオンビーム276が外側湾曲位置O(図1A及び1Bを参照)に対応する凹型のスキャナ部分272に隣接している場合には、凹型のスキャナ部分272及び凸型のスキャナ部分274間に発生される静電界により、この場合以外で磁気コリメータ108により生じる如何なる垂直角の発散をも補償するのに適した垂直集束を外側湾曲位置Oで提供する。イオンビーム276が内側湾曲位置Iに対応する凸型のスキャナ部分274に隣接している場合には、凹型のスキャナ部分272及び凸型のスキャナ部分274間に発生される静電界により、この場合以外で磁気コリメータ108により生じる如何なる垂直角の発散をも補償するのに適した垂直集束を内側湾曲位置Iで提供する。図4及び5に示す凹型のスキャナ部分272及び凸型のスキャナ部分274の一般的な形状は、一例では前方走査プレート208及び前方走査プレート212のような、又は他の例では後方走査プレート206及び後方走査プレート210のような如何なる対の対向する走査プレートの断面をも表すようにしうることを銘記すべきである。凸型及び凹型の走査プレート間でのXs方向に沿う絶対距離間隔は、後方走査プレート206及び後方走査プレート210の場合には図3Cの頂面図に示すようにより一層大きくしうること勿論である。
種々の実施例では、静電式スキャナの操作部分の寸法及び形状を、所定のイオン注入システムで発生されるイオンビームに対するイオンビーム寸法に調整する。例えば、所定のビームライン装置は、静電式スキャナ270を通過する際に図5にHとして示す最適なビーム高を有するイオンビームを発生するように構成することができる。図5に示すように、凹型のスキャナ部分272及び凸型のスキャナ部分274は、左側の従来の走査プレート283及び右側の従来の走査プレート285により示される従来の構成配置に対する距離間隔と同じである一定の水平距離間隔 SCAN だけ分離させることができる。これにより、静電式スキャナ270における所定の印加電圧に対し、スキャナ電極(プレート)の距離間隔を距離間隔WSCANと同じにした従来のスキャナにおけるのと同じ静電界の強度を発生させる能力を容易に達成するようにする。
従って、可変垂直集束を上述したようなイオンビーム276に適切に適用するために、凹型のスキャナ部分272及び凸型のスキャナ部分274の内面がこれらの従来の走査プレートの対応体、すなわち従来の左側の走査プレート283及び従来の右側の走査プレート285と一致している一組の上側及び下側の湾曲点を規定するように凹型及び凸型のスキャナ部分を配置するのが望ましいものとしうる。この状態を図5に示しており、この図5は湾曲点A、B、C、Dの組を示しており、一方では点A及びCを、他方では点B及びDを垂直ライン291及び垂直ライン293により示す距離間隔WSCANだけ分離させており、この距離間隔は左側の従来の走査プレート283及び右側の従来の走査プレート285の一定の距離間隔と同じである。更に、湾曲点A及びBは(Xs‐Y平面において)従来の走査プレート283の内面と重畳しており、湾曲点C及びDは(Xs‐Y平面において)従来の走査プレート285の内面と重畳している。更に図5に示すように、湾曲点A及びCはイオンビーム276の頂部286の位置とほぼ整列されており、湾曲点B及びDはイオンビーム276の底部288の位置とほぼ整列されている。この構成では、凹型のスキャナ部分272及び凸型のスキャナ部分274の距離間隔は、これらの間に発生される電界によりイオンビーム276が適切に整形されるようなものである。特に、電界の強度は、左側の従来の走査プレート283及び右側の従来の走査プレート285により規定された従来の構成配置の電界の強度と同じである。更に、イオンビーム276は、往復のラスタ時に凹型のスキャナ部分272及び凸型のスキャナ部分274の縁部を切取るおそれは、左側の従来の走査プレート283及び右側の従来の走査プレート285により得られた従来の静電走査プレートと比較してそれほど大きくない。標準よりも大きいイオンビーム290が発生される場合でも、図5に示す構造を用いた場合にはこのイオンビーム290が斜面特徴282及び284に当るおそれが回避される。
ある実施例では、静電式スキャナの凹型及び凸型の双方の部分がXs‐Y平面において円弧の形状を有するようにしうる。しかし、他の実施例では、Y方向に沿う走査プレートの有限寸法を補償するために、特に凹型の走査プレート内でより高次の特徴が得られるようにしうる。このようにすることにより、Y方向に沿う走査プレートの高さがイオンビームの高さに比べて制限されている為に発生されるおそれのある収差を補償する。より高次の形状は、斜面特徴282及び284により示されるように凹型の走査プレートの両端における曲率を有効に高めることができる。
種々の実施例では、走査プレートの第1の内面の凹型形状により、第1の曲率を中央部分に有するとともに、この第1の曲率よりも大きい第2の曲率を弧の端部に有する当該弧を規定することができる。静電式スキャナ270で例示したように、曲率を高めることにより、静電式スキャナ270の最上部又は最下部における距離間隔WSCANの値を有効に減少させる。他の実施例では、走査プレートの上端及び下端に向かって高めた曲率は、Xs‐Y平面において走査プレートを放物線形状にすることにより得ることができる。更なる他の実施例では、走査プレートが、収差やその他の理想的でないビームの特徴を低減させるのに最適なより高次の多項式により規定された形状を有するようにしうる。
以上要するに、本発明の実施例によれば、従来の装置により発生されるイオンビームに対する垂直角の発散を低減させる新規の静電式スキャナを提供するものである。本発明の実施例によれば、静電走査プレートより成る湾曲されたスキャナ部分を設けることにより、従来の磁気コリメータが生ぜしめる可変垂直集束を調整する。本発明の実施例によれば、走査プレートの正確な形状は、磁気コリメータにより得られる可変の垂直集束に応じて調整する。従って、弧の内側領域及び外側領域間でイオンビームの垂直集束における比較的大きな変化を生じる磁気コリメータを、イオンビームが凹型の走査プレートと凸型の走査プレートとの間で偏向された際に垂直集束において比較的大きな変化を生じる一組の走査プレートと結合させることができる。
特に垂直角の発散の減少は、この垂直角の発散が走査方向(Xs又はXc)に沿って均一になるとともに、従来のように扱われるイオンビームのある部分に見られる発散よりも一般的に著しく少なくなるように基板又はウエハに亘って達成される。ある実施例では、イオンビームが基板に放出される前に磁気コリメータにより曲げられるイオンビームが通る弧の内側部分及び外側部分のイオンの垂直角の発散を0.2度よりも小さくする。
このことは、現存するイオン注入装置に対する角度的なイオンの発散を与える課題を表すアスペクト比を有する3次元の装置構造内でのドーパントの正確な位置を可能にするのに役立たせることができる。更に、基板に亘るイオンビームの垂直角の発散を減少させるこの能力は、注入をチャネリング方向に沿って慎重に行う適用分野にとって特に重要なものとしうる。この後者の場合には、注入イオンの垂直角の発散の僅かな変化でさえも、注入深さをかなり変化させ、これにより基板に亘る装置特性をかなり変化させる結果をもたらすおそれがある。
上述した本発明の開示は、本発明の範囲をここに記載した特定の実施例により制限するものではない。実際に、当業者にとっては、上述した実施例に加えて本発明に対する他の種々の実施例及び変形例が、上述した開示及び添付図面から明らかとなるであろう。従って、このような他の実施例及び変形例は本発明の範囲内に入るものである。更に、本発明を、特定の目的に対する特定の環境での特定の実施の状況で上述したが、当業者は、本発明の有効性はこれらに限定されず、本発明の上述した開示はかなり多くの目的にも対するかなり多くの環境においても有利に実施しうることを認識しうるであろう。従って、本発明の特許請求の範囲は、上述した本発明の全開示範囲及び精神を考慮して解釈すべきである。

Claims (15)

  1. イオン注入装置内でイオンビームを走査する静電式スキャナにおいて、該静電式スキャナが、
    前記イオンビームに面する第1の内面であって、前記イオンビームの伝搬方向に対し直角な第1の平面内で凹型の形状をしている当該第1の内面を有している第1の走査プレートと、
    該第1の走査プレートに対向するとともに、前記イオンビームを受入れるギャップで該第1の走査プレートから隔てられている第2の走査プレートであって、該第2の走査プレートは前記イオンビームに面している第2の内面を有し、該第2の内面は前記第1の平面内で凸型の形状をしている当該第2の走査プレートと
    を具えており、
    前記第1の走査プレート及び第2の走査プレートが、前記ギャップ内で静電界を発生し、前記イオンビームの伝搬方向に対し直角な水平方向に沿って前記イオンビームを往復走査させるように構成されている
    静電式スキャナ。
  2. 請求項1に記載の静電式スキャナにおいて、前記第1の内面の前記凹型の形状と前記第2の内面の前記凸型の形状との双方により前記第1の平面内で放射弧を規定している静電式スキャナ。
  3. 請求項1に記載の静電式スキャナにおいて、前記第1の内面の前記凹型の形状が弧を規定しており、該弧は、該弧の中央部分において第1の曲率を有しているとともに、該弧の端部において前記第1の曲率よりも大きい第2の曲率を有している静電式スキャナ。
  4. 請求項1に記載の静電式スキャナにおいて、前記第1の内面の前記凹型の形状と前記第2の内面の前記凸型の形状との各々が前記第1の平面内で放物線形状を有している静電式スキャナ。
  5. 請求項1に記載の静電式スキャナにおいて、前記第1の走査プレートと前記第2の走査プレートとが相互作用して、
    前記イオンビームが前記第1の走査プレートに隣接する際に前記イオンビームの伝搬方向に対し直角で且つ前記水平方向に対して直角な垂直方向で前記イオンビームの第1の垂直集束を発生させるとともに、
    前記イオンビームが前記第2の走査プレートに隣接する際に前記垂直方向で前記イオンビームの第2の垂直集束を発生させ、
    前記第1の垂直集束は前記第2の垂直集束よりも大きく発散するようにした
    静電式スキャナ。
  6. 請求項1に記載の静電式スキャナにおいて、前記イオンビームが前記第1の走査プレートと前記第2の走査プレートとの間で往復走査される際に、前記イオンビームの垂直集束が連続的に変化するようになっている静電式スキャナ。
  7. イオンビームを走査する静電式スキャナを具えるイオン注入システムであって、前記静電式スキャナが、
    第1の走査プレートと、
    該第1の走査プレートに対向する第2の走査プレートであって、前記第1の走査プレート及び第2の走査プレートが、前記イオンビームを通すギャップにより互いに分離されているとともに、前記第1の走査プレート及び第2の走査プレート間で静電界を発生するように構成されているようにした当該第2の走査プレートと、
    前記イオンビームを第1の平面内で湾曲に曲げるように動作する磁気コリメータと
    を有しているようにしたイオン注入システムにおいて、
    前記湾曲が外側湾曲部分及び内側湾曲部分を有し、
    前記静電界により、前記磁気コリメータにより生じる垂直角の発散を補償するのに適した垂直集束前記内側湾曲部分で提供する
    イオン注入システム。
  8. 請求項7に記載のイオン注入システムにおいて、
    前記第1の走査プレートは、前記イオンビームに面する第1の内面と、前記イオンビームの伝搬方向に対し直角である垂直平面内で凹型の形状とを有し、
    前記第2の走査プレートは、前記イオンビームに面する第2の内面と、前記垂直平面内で凸型の形状とを有している
    イオン注入システム。
  9. 請求項7に記載のイオン注入システムにおいて、
    前記第1の走査プレートと前記第2の走査プレートとが相互作用して、
    前記イオンビームが前記第1の走査プレートに隣接する際に前記垂直方向に沿う前記イオンビームの第1の垂直集束を発生させるとともに、
    前記イオンビームが前記第2の走査プレートに隣接する際に前記垂直方向に沿う前記イオンビームの第2の垂直集束を発生させ、
    前記第1の垂直集束は前記第2の垂直集束よりも大きく発散するようにした
    イオン注入システム。
  10. 請求項7に記載のイオン注入システムにおいて、前記イオンビームが前記第1の走査プレートと前記第2の走査プレートとの間で往復走査される際に、前記イオンビームの垂直集束が連続的に変化するようになっているイオン注入システム。
  11. 請求項7に記載のイオン注入システムにおいて、該イオン注入システムが更に、ビームの高さを前記イオンビームの伝搬方向に対し直角である前記垂直方向にした前記イオンビームを前記静電式スキャナに伝達するように構成された質量分析スリットを有し、
    前記第1の走査プレート及び前記第2の走査プレートは、前記垂直方向に対し直角な水平方向に沿って前記第1の走査プレート及び前記第2の走査プレートの間に水平距離間隔を規定しており、前記第1の走査プレート及び第2の走査プレートの各々は、前記ビームの高さに等しい距離だけ分離された第1及び第2の湾曲点を有し、前記水平距離間隔だけ離間され且つ前記垂直方向に対し平行にした第1及び第2の垂直ラインをそれぞれ、前記第1及び第2の走査プレートのそれぞれの前記第1及び第2の湾曲点が交差しているイオン注入システム。
  12. 請求項7に記載のイオン注入システムにおいて、前記磁気コリメータは、前記イオンビームを、前記外側湾曲部分に沿う垂直焦点に等しい前記内側湾曲部分に沿う垂直焦点を有する基板に伝達するように構成されており、前記垂直焦点は前記垂直方向に沿って位置し、前記内側湾曲部分及び前記外側湾曲部分のイオンの垂直角の発散は0.2度よりも小さくなるようにするイオン注入システム。
  13. イオンビームに面する内面において凹型の曲率を有する第1の走査プレートと、前記イオンビーム及び前記第1の走査プレートに面する内面において凸型の曲率を有する第2の走査プレートであって、前記凹型の曲率及び凸型の曲率を第1の平面内に位置するようにした当該第2の走査プレートとの間にイオンビームを指向させるステップと、
    前記イオンビームの伝搬方向に対し直角な水平方向において、前記第1の走査プレートと前記第2の走査プレートとの間で変動電界を用いて前記イオンビームを往復走査するステップと
    を具えるイオンビーム処理方法。
  14. 請求項13に記載のイオンビーム処理方法において、前記イオンビームが前記第1の走査プレートに隣接する場合に、前記変動電界は、前記水平方向に対し直角で且つ前記イオンビームの伝搬方向に対して直角な垂直方向における前記イオンビームの第1の垂直集束を発生させるとともに、前記イオンビームが前記第2の走査プレートに隣接する場合に、前記変動電界は、前記垂直方向における前記イオンビームの第2の垂直集束を発生させ、前記第1の垂直集束を前記第2の垂直集束よりも大きく発散させるようにするイオンビーム処理方法。
  15. 請求項13に記載のイオンビーム処理方法において、該イオンビーム処理方法が更に、磁気コリメータを用いて、前記イオンビームを第1の平面内で湾曲に曲げるステップを具え、前記湾曲が外側湾曲部分及び内側湾曲部分を有し、前記磁気コリメータは、前記イオンビームを、前記外側湾曲部分に沿う垂直焦点に等しい前記内側湾曲部分に沿う垂直焦点を有する基板に伝達するように構成されており、前記垂直焦点は前記垂直方向に沿って位置し、前記内側湾曲部分及び前記外側湾曲部分イオンの垂直角の発散0.2度よりも小さくなるようにするイオンビーム処理方法。
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