JP6381919B2 - 化合物の無顆粒球症誘発性の評価方法 - Google Patents

化合物の無顆粒球症誘発性の評価方法 Download PDF

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Description

本発明は、化合物の無顆粒球症誘発性の評価方法に関する。
現代医療は、種々の疾患の治療・進展予防に薬物を用いる薬物療法が主体となっている。薬物療法に用いられる低分子化合物を始めとする薬物の殆ど全ては、本来ヒトにとって異物であり、その投与によって治療効果に反して様々な副作用が発現する。副作用は、しばしば薬物治療を断念せざるを得ない場合を惹起する。ある疾患を有する患者にとって有用な薬物とされながら、重篤な副作用によって開発中止となった薬物もあり、またその薬物の投与方法や副作用の発現の厳しいチェックを要求される薬物もある。
薬物投与に起因する副作用の中には、発症率が低く、既知の薬理学的作用とは無関係な毒性であり単純な用量反応性が無く、前臨床、及び臨床試験では発見が難しいものがある。この毒性は一般に、特異体質性薬物毒性(IDT:Idiosyncratic drug toxicity(以下、IDTと略称する場合がある)と呼ばれ、薬物が医薬として上市され、多くの患者に使用されて初めて発見されることが多い。IDTの発現には、これまでのところ患者の遺伝的要因(薬物代謝酵素、薬物受容体、及びトランスポーターの遺伝的多型)、環境要因(例、食事、飲酒、喫煙、及び疾患)、又は薬物に起因する要因(反応性代謝物、化学構造、投与量、及び体内動態)の複雑な組み合わせが関連していると考えられている。
薬物投与に起因する副作用のなかでも、無顆粒球症(顆粒球減少症、好中球減少症)は重大な副作用とされ、血液中の好中球(顆粒球)が著しく減少した無顆粒球症の状態に至った場合、肺炎、敗血症などの重篤な感染症に陥る危険性が非常に高い。
この無顆粒球症においても、IDTの例が知られている。例えば、Phosphodiesterase(PDE)3阻害作用とKチャンネルに対する作用を有するベスナリノンは、不整脈の発現が低く、心事故(心不全の発症など)の発生率も少ない強心薬として有効なものとされたが、その投与中に、ごく希に無顆粒球症を生じる場合があるので、その使用が厳格に制限された。
このようなIDTを前臨床段階で評価又は予測する方法の開発が、常に望まれている。
無顆粒球症の発生機序は大きく2つに分けられ、薬物が好中球の細胞膜に結合してハプテンとして働き抗好中球抗体の産生を引き起こす「免疫学的機序」と、薬物又はその代謝物が、好中球又はその前駆細胞を直接的に傷害する「中毒性機序」があるといわれている。
ウイルスや細菌感染等の環境因子によって活性化された好中球は、ミエロパーオキシダーゼの反応により次亜塩素酸を生成する。非特許文献1では、この次亜塩素酸によってベスナリノンから生じる代謝物が、ベスナリノンがごく希に誘発する無顆粒球症の原因であることが、推測されている。
Uetrecht et al., Journal of Pharmacology and Experimental Therapeutics, 1994, p865-872
本発明の目的は、化合物の無顆粒球症誘発性の評価方法等を提供することである。
前述したように、非特許文献1では、ごく希に誘発するベスナリノンによる無顆粒球症の原因が、次亜塩素酸によってベスナリノンから生じる代謝物であると推測されているが実証はされていない。
一般に、高濃度の次亜塩素酸は細胞毒性(細胞障害性)を示すため、そのまま細胞実験に使用できないが、もし、次亜塩素酸による細胞毒性を軽減できれば、被験化合物と次亜塩素酸が反応して生じる代謝物による細胞毒性が評価可能になり、これを指標として、薬物等の化合物の無顆粒球症誘発性(すなわち、薬物等の化合物が無顆粒球症を誘発する危険性)の評価方法を構築できると考えられる。
そこで、本発明者らは次亜塩素酸による細胞毒性の回避を検討したところ、ジメチルスルホキシドが次亜塩素酸による細胞毒性を抑制できることを見出し、被験化合物から生じる細胞毒性を評価できること、即ち、当該薬物等の被験化合物の無顆粒球症誘発性を評価することを可能にし、本発明を完成するに至った。
なお、ベスナリノンの代謝物生成の有無を確認したところ、ベスナリノンのジメチルスルホキシド溶液(最終ジメチルスルホキシド濃度:0.1%)と細胞毒性を示さない濃度以下の次亜塩素酸を、37℃で24時間インキュベーションしても明確な代謝物は生成しなかったが、予めベスナリノンをジメチルスルホキシドで溶解後(最終ジメチルスルホキシド濃度:0.1%)、次亜塩素酸を混合した場合、高濃度の次亜塩素酸が利用可能となり、速やかな代謝物生成が確認できた(当該結果を明細書の実施例2に示す)。
本明細書中、用語「代謝物」は、便宜的に、生体内の環境を模した条件で生成した、薬物の変化物を意味する。
すなわち、本発明は、次の態様を含む。
項1. 化合物の無顆粒球症誘発性の評価方法であって、
好中球及びその前駆細胞からなる群より選択される1種の哺乳動物細胞を、被験化合物、ジメチルスルホキシド及び次亜塩素酸ナトリウムを含有する混合物に曝露する工程A、
前記哺乳動物細胞の生存率を測定する工程B、及び
前記生存率を低下させた被験化合物を、無顆粒球症誘発性を有する化合物であると評価する工程C
を含む方法。
項2. 前記哺乳動物細胞が、HL−60細胞又はTHP−1細胞である項1に記載の方法。
項3. 前記工程Aにおいて、次亜塩素酸ナトリウムの量が、ジメチルスルホキシドの非存在下では前記哺乳動物細胞に対して細胞毒性を示す量である項1又は2に記載の方法。
項4. 工程Aにおける前記混合物中の次亜塩素酸ナトリウムの濃度が0.5〜5mMの範囲内である項1又は2に記載の方法。
項5. 工程Aにおいて、ジメチルスルホキシドの量が、次亜塩素酸ナトリウムの1モルに対して0.4L以上である項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
項6. 前記無顆粒球症誘発性が、中毒性機序に基づく無顆粒球症誘発性である項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
項7. 前記無顆粒球症誘発性が、化合物の代謝物の細胞毒性に基づく無顆粒球症誘発性である項6に記載の方法。
項8. 前記化合物の代謝物が、化合物の次亜塩素酸による変化物である項7に記載の方法。
項9. 医薬候補化合物のスクリーニング方法であって、
項1〜8のいずれか1項に記載の方法によって無顆粒球症誘発性を有すると評価された化合物を、医薬候補から除外する工程を含む方法。
項10. 項1〜9のいずれか1項に記載の方法に用いられるためのキットであって、
ジメチルスルホキシド、及び次亜塩素酸を備えるキット。
本発明によれば、化合物の無顆粒球症誘発性の評価方法等が提供される。
ベスナリノンの分解生成物(代謝物)の生成を示すLC−UVのチャートである(実施例2)。 ベスナリノンの分解生成物(代謝物)の細胞毒性と、還元型グルタチオンによる細胞保護効果を示すグラフである(実施例3)。 GSH(−)、及びGSH(+)のLC-UV分析結果のクロマトグラムである(実施例3)。 反応性代謝物の同定のためのクロマトグラム(UV 254nm)である(実施例5) 反応性代謝物の同定のためのスペクトルである(実施例5)。 代謝物XM−2の細胞毒性評価のグラフである(実施例6)。 代謝物XM−1のヒト血漿成分中での安定性の評価のグラフである(実施例7)。 代謝物XM−2のヒト血漿成分中での安定性の評価のグラフである(実施例7)。 各種市販薬についての評価結果を示すグラフである(実施例8)。 各種市販薬の細胞毒性に対する保護効果を示すグラフである(実施例9)。
本明細書中、「無顆粒球症」は、「顆粒球減少症」、及び「好中球減少症」と同義であり、及びこれらを包含する。
化合物の無顆粒球症誘発性の評価方法
本発明の、化合物の無顆粒球症誘発性の評価方法は、
好中球及びその前駆細胞からなる群より選択される1種の哺乳動物細胞を、被験化合物、ジメチルスルホキシド、及び次亜塩素酸ナトリウムを含有する混合物に曝露する工程A、
前記哺乳動物細胞の生存率を測定する工程B、及び
前記生存率を低下させた被験化合物を、無顆粒球症誘発性を有する化合物であると評価する工程C
を含む。
工程A
工程Aでは、好中球及びその前駆細胞からなる群より選択される1種の哺乳動物細胞を、被験化合物、ジメチルスルホキシド及び次亜塩素酸ナトリウムを含有する混合物に曝露する。
すなわち、工程Aの試験系は、好中球及びその前駆細胞からなる群より選択される1種の哺乳動物細胞、ジメチルスルホキシド、被験化合物、及び次亜塩素酸を含有する。
本発明の方法で評価される化合物(被験化合物)は、特に限定されず、例えば、医薬、及び動物薬、並びにそれらの候補化合物であることができる。
本発明の方法で用いられる「好中球及びその前駆細胞からなる群より選択される1種の哺乳動物細胞」(本明細書中、単に哺乳動物細胞と称する場合がある。)は、好適には、ミエロペルオキシダーゼを発現する細胞である。
前記哺乳動物細胞は、例えば、ヒト、サル、ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、イヌ、ネコ、ウサギ、ハムスター、モルモット、マウス、又はラット等の哺乳動物の細胞であることができる。好ましくは、前記哺乳動物細胞は、被験化合物が投与される、又は投与されている哺乳動物の細胞である。
前記哺乳動物細胞は、好ましくは、ヒトの細胞である。
前記哺乳動物細胞は、例えば、単離細胞、細胞を含む組織、又は細胞若しくは組織から樹立される培養細胞(細胞株)であることができる。
前記哺乳動物細胞は、試験の再現性の高さ、及び入手の容易さ等の観点から培養細胞(細胞株)であることが好ましい。当該培養細胞(細胞株)としては、例えば、HL−60細胞、及びTHP−1細胞が挙げられる。HL−60細胞、及びTHP−1細胞は、商業的に入手可能である。
前記哺乳動物細胞は、好ましくは、例えば、HL−60細胞である。
前記哺乳動物細胞が好中球の前駆細胞である場合、当該前駆細胞は、レチノイン酸、又はジメチルスルホキシド等の分化誘導剤によって、好中球様細胞に分化誘導されていてもよい。
工程Aにおいて、通常、前記混合物は、前記哺乳動物細胞に対して大過剰量で用いられる。
工程Aにおいて、次亜塩素酸ナトリウムの量は、ジメチルスルホキシドの非存在下では前記哺乳動物細胞に対して細胞毒性を示す量、すなわち通常は前記哺乳動物細胞に対して細胞毒性を示す量、であることができる。
工程Aにおいては、ジメチルスルホキシドが存在することにより、次亜塩素酸ナトリウムをこのように多量に使用しても、次亜塩素酸ナトリウム自体の細胞毒性を抑制(回避)できる。一方、次亜塩素酸ナトリウムをこのように多量に使用することにより、次亜塩素酸ナトリウムにより被験化合物から生体内で生じる可能性がある代謝物を、工程Aにおいて、生成させることができる。
次亜塩素酸ナトリウムの量が、ジメチルスルホキシドの非存在下では前記哺乳動物細胞に対して細胞毒性を示す量であることは、例えば、ジメチルスルホキシド及び被験化合物を用いないこと以外は工程Aと同様の試験系で、工程Aと同様の操作を実施した場合に、工程Bで測定される前記哺乳動物細胞の生存率が低下することにより、確認できる。
次亜塩素酸ナトリウムの量は、好ましくは、ジメチルスルホキシドの非存在下では前記哺乳動物細胞に対して細胞毒性を示さない最大量の10〜40倍の範囲内の量であることができる。
工程Aにおける前記混合物中の次亜塩素酸ナトリウムの濃度は、好ましくは、1〜5mMの範囲内である。ここで、工程Aにおいて、前記混合物が、前記哺乳動物細胞に対して大過剰量で用いられる場合、工程Aの試験系における次亜塩素酸ナトリウムの濃度(すなわち前記哺乳動物細胞が曝露される次亜塩素酸ナトリウムの濃度)は、当該「前記混合物中の次亜塩素酸ナトリウムの濃度」に近似する。前記哺乳動物細胞が曝露される次亜塩素酸ナトリウムの濃度は、好ましくは、0.5〜5mMの範囲内である。
工程Aにおける前記混合物が含有する次亜塩素酸ナトリウムは、工程Aにおいて、任意の形態であることができる。具体的には、次亜塩素酸ナトリウムは、工程Aにおいて、例えば、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸、及び次亜塩素酸イオン等からなる群から選択される1種以上の形態であることができる。すなわち、前記「次亜塩素酸ナトリウムの濃度」は、例えば、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸、及び次亜塩素酸イオンの各濃度の合計であることができる。
工程Aにおける前記混合物が含有するジメチルスルホキシドの濃度の下限は、好ましくは0.1v/v%である。
工程Aにおける前記混合物が含有するジメチルスルホキシドの濃度の上限は、特に限定されないが、前記哺乳動物細胞に悪影響がでない濃度であることが好ましく、具体的には、例えば、0.2v/v%であることができる。
ここで、工程Aにおいて、前記混合物が、前記哺乳動物細胞に対して大過剰量で用いられる場合、工程Aの系におけるジメチルスルホキシドの濃度は、当該「前記混合物が含有するジメチルスルホキシドの濃度」に近似する。
工程Aにおいて、ジメチルスルホキシドの量は、好ましくは、次亜塩素酸ナトリウムの1モルに対して0.4L以上である。
工程Aにおいて、次亜塩素酸ナトリウムに対するジメチルスルホキシドの量比の上限は、特に限定されないが、前記哺乳動物細胞に悪影響がでない量であることが好ましく、具体的には、例えば、次亜塩素酸ナトリウムの1モルに対して、好ましくは1.3Lである。
工程Aにおける前記混合物は、通常、水を含有する。
工程Aにおける前記混合物は、前記哺乳動物細胞を、前記曝露の期間生存させるため、前記哺乳動物細胞を培養できる培地を含有することが好ましい。
前記哺乳動物細胞を培養できる培地は、前記哺乳動物細胞の種類等に応じて適宜選択すればよいが、例えば、2%FBS(ウシ胎児血清)を含有するRPMI−1640培地(Sigma−Aldrich社)が挙げられる。
工程Aにおける前記混合物のpHは、通常、ほぼ中性(例、pH6〜8)である。
工程Aにおける前記混合物を用意する方法は、被験化合物、ジメチルスルホキシド及び次亜塩素酸を混合できる方法であれば、特に限定されない。
具体的には、工程Aにおける前記混合物は、例えば、
(1)被験化合物をジメチルスルホキシドに溶解させること、
(2)次亜塩素酸ナトリウム水溶液を用意すること、
(3)前記(1)で得られた被験化合物溶液と、前記(2)で用意した次亜塩素酸ナトリウム水溶液を、混合すること、
(4)前記(3)で得られた混合液と、前記哺乳動物細胞を培養できる培地を混合すること
によって、調製できる。
工程Aにおける混合液に、前記哺乳動物細胞を曝露する方法は特に限定されず、例えば、工程Aにおける混合液を、前記哺乳動物細胞を入れたウェルに添加することによって、実施できる。
前記哺乳動物細胞は、前記曝露の間、前記哺乳動物細胞が生存できる条件下で維持される。
前記哺乳動物細胞が生存できる条件は、前記哺乳動物細胞の種類等に応じて適宜選択すればよいが、例えば、5%CO2濃度、及び約30〜約40℃(好ましくは37℃)の範囲内の温度である。
曝露の期間は、好ましくは、約18〜約30時間(例、約24時間)の範囲内である。
工程B
工程Bでは、前記哺乳動物細胞の生存率を測定する。
前記哺乳動物細胞の生存率の測定は、MTT試験、ATP試験、又はLDH漏出試験等の慣用の方法に従って行えばよい。例えば、MTT試験は、市販のキットを用いて実施することができる。
工程C
工程Cでは、前記生存率を低下させた被験化合物を、無顆粒球症誘発性を有する化合物であると評価する。
被験化合物が前記生存率を低下させたことは、当該被験化合物を添加していない対照との比較により、判断できる。
好ましくは、当該被験化合物を添加していない対照との比較により、被験化合物が前記生存率を、例えば、90%以下に低下させた場合、被験化合物が前記生存率を低下させた、と判断する。
ここで、前記生存率を低下させる程度が高いことは、無顆粒球症誘発性が高いことの予測因子の一つであることができる。
本発明の方法は、単独で、又は化合物の他の評価方法と組み合わせて用いることができる。
本発明の評価方法により評価される無顆粒球症誘発性は、好ましくは、中毒性機序に基づく無顆粒球症誘発性、より好ましくは、化合物の代謝物(特に、化合物の次亜塩素酸による変化物)の細胞毒性に基づく無顆粒球症誘発性である。
医薬候補化合物のスクリーニング方法
本発明の医薬候補化合物のスクリーニング方法は、本発明の化合物の無顆粒球症誘発性の評価方法によって無顆粒球症誘発性を有すると評価された化合物を、医薬候補から除外する工程を含む。
キット
本発明のキットは、本発明の化合物の無顆粒球症誘発性の評価方法、又は本発明の医薬候補化合物のスクリーニング方法において用いられるためのキットであって、
ジメチルスルホキシド、及び次亜塩素酸を備える。
当該キットは、好中球及びその前駆細胞からなる群より選択される1種の哺乳動物細胞を備えることができる。
当該キットは、使用説明書を備えることができる。
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
以下、LC-UV分析は、特に記載の無い限り、以下の条件で行った。
[条件]
装置:Quattro Micro API及びUPLC (Waters)
カラム:Aquity UPLC BEH C18 (1.7μm, 2.1x100 mm, Waters)
カラム温度:40℃
移動相:A)水/アセトニトリル/ギ酸=95/5/0.1 (v/v/v), B)アセトニトリル/ギ酸=100/0.1 (v/v)
グラジエント条件:0 min (A:B=100:0)→12 min (A:B=0:100), リニアーグラジエント
流速:0.4 mL/min
検出器:UV(254nm)
以下、MTT assayは、特に記載の無い限り、CCK-8(同仁化学)を用いて、CCK-8添加後、約1.5時間5%CO2にてインキュベーション反応させることにより、行った。
実施例1 NaOClの細胞毒性の回避
(各種溶媒又はビタミンを用いたプレ処置系調製液の作成)
DMSO(ジメチルスルホキシド(dimethylsulfoxide), 和光純薬工業)と0.54M NaOCl水溶液(Sigma-Aldrich)を10/90、20/80、又は40/60(v/v)の比で混合し、及び2%FBS(ウシ胎児血清(fetal bovine serum), Biowest)含有RPMI-1640培地(Sigma-Aldrich)で希釈して表1に示すプレ処置系調製液とした(DMSO、及び各種NaOCl最終濃度を表1に示す)。
また、前記のDMSOに換えて、DMF(N,N-ジメチルホルムアミド(N,N-dimethylformaide), 和光純薬工業)、又はエタノール(Ethanol)(Ethanol 95%, Sigma-Aldrich)、ビタミンA(Vitamin A)(Retinoic Acid, 東京化学工業)、ビタミンE(Vitamin E)((±)-α-Tocopherol, Sigma)を用いて、表1の最終濃度の各プレ処置系調製液を調製した。
各プレ処置系調製液のpHはほぼ中性であった。
(NaOClの細胞障害の回避)
HL-60細胞(2×104 cells/well)を各プレ処置系調製液(100μl/well)に24時間曝露(5%CO2、37℃にてインキュベーション)した後、MTT assay (CCK-8, 同仁化学)にて細胞生存率を評価した。その結果を表1に示す。なお、対照としては、2%FBS含有RPMI-1640培地を用いた。
DMSOを用いた場合、最終濃度0.10%以上で、NaOClによる細胞毒性を回避できることが確認された。一方、DMSO以外では、NaOClによる細胞毒性を回避できなかった。
実施例2 NaOClによるベスナリノン分解物生成試験
以下に説明するように、NaOCl最終濃度が異なる調製液(NaOCl添加系調製液(NaOCl:0.1mM)、及びプレ処置系調製液(NaOCl:2.7mM))を作成し、これをインキュベーションして、ベスナリノン分解物生成を試験した。なお、NaOClを含有しない調製液を標準溶液とした。
(NaOCl添加系調製液(NaOCl:0.1mM)の作成)
ベスナリノンをDMSO(dimethylsulfoxide,和光純薬工業)に溶解して100mMベスナリノン溶液とした。0.54μM NaOCl溶液(Sigma-Aldrich)を2%FBS(fetal bovine serum、Biowest)含有RPMI-1640培地(Sigma-Aldrich)で希釈して1mM NaOCl希釈液とした。100mMベスナリノン溶液の1μL、及び1mM NaOCl希釈液の10μLを分取して、89μLのRPMI-1640培地と混合してNaOCl添加系調製液とした(ベスナリノン:100μM, NaOCl:0.1mM)。
NaOCl添加系調製液のpHはほぼ中性であった。
なお、0.1mM NaOClは、HL-60細胞(DSファーマバオメディカル株式会社)を24時間培養した際に細胞毒性を示さない最大NaOCl濃度であることを別途確認した。
(プレ処置系調製液(NaOCl:2.7mM)の作成)
ベスナリノンを初期濃度20%のDMSOに溶解して81mMのベスナリノン溶液とした。この溶液20μLと0.54M NaOCl水溶液(Sigma-Aldrich)80μLとを混合後、2%FBS(fetal bovine serum, Biowest)含有RPMI-1640培地(Sigma-Aldrich)で希釈してプレ処置系調製液とした(ベスナリノン:100μM, NaOCl:2.7mM)。
プレ処置系調製液のpHはほぼ中性であった。
(ベスナリノン分解生成比較とその結果)
NaOCl添加系調製液はMCO-18AIC(UV)(三洋電機株式会社)にて24時間、37℃で5%CO2にてインキュベーションした後に、一方、プレ処置系調製液は作成後直ちに、それぞれタンパク質を除去して、UV 254nmにおいて、ベスナリノン分解生成物のLC-UV分析を行った。
図1にLC-UV分析結果を示す(縦軸は信号強度(AU)であり、横軸は溶出時間(分)である)。
標準溶液のクロマトグラムにおけるピークとNaOCl添加系調製液のクロマトグラムにおけるピークはほぼ同じであり、NaOCl濃度0.1mMでは、24時間インキュベーションしてもベスナリノンの分解物がほとんど生成しないことが確認された。
一方、NaOCl濃度が2.7mMという高濃度であるプレ処置系調製液では、ベスナリノンの分解物が多く生成することが確認された。
実施例3 NaOClプレ処置系の細胞毒性、及びGSHによる細胞保護効果
(各ベスナリノン濃度のプレ処置系調製液の段階希釈調製)
ベスナリノンを初期濃度20%のDMSOに溶解して81mMのベスナリノン溶液とした。この溶液20μLと0.54M NaOCl水溶液(Sigma-Aldrich)80μLとを混合し、及び2%FBS(fetal bovine serum, Biowest)含有RPMI-1640培地(Sigma-Aldrich)で段階希釈して、各ベスナリノン濃度のプレ処置系調製液とした(ベスナリノン:100μM、33μM、10μM、3.3μM)。
各プレ処置系調製液のpHはほぼ中性であった。
(試験方法)
HL-60細胞(2×104 cells/well)を、各ベスナリノン濃度のベスナリノンのプレ処置系調製液(100μl/well)に24時間曝露(5%CO2、37℃にてインキュベーション)した後、MTT assay (CCK-8,同仁化学)にて細胞生存率を評価した。また同様にして、還元型グルタチオン(GSH)(1mM)を共存させて、24時間曝露後の細胞生存率を測定した。なお、ベスナリノンを溶解していないプレ処置系調製液を対照とした。結果を図2に示す(縦軸は細胞生存率(%)であり、横軸はベスナリノン濃度(μM)である)。
(試験結果)
図2に示されるように、HL-60細胞(2×104 cells/well)を、ベスナリノンのプレ処置系調製液(100μl/well)に曝露した結果、濃度依存的な細胞毒性が認められ、一方、これに1mMのGSHを共存させた場合には、細胞は保護された。
従って、ベスナリノンのプレ処置系調製液の細胞毒性が、次亜塩素酸ナトリウムによってベスナリノンから生じた反応性代謝物による細胞毒性であることが示唆された。
さらに、同様の試験を他の血液系細胞株(THP-1)を用いて実施したところ、同様の結果が得られた。
実施例4 NaOClによるベスナリノン分解物のクロマトグラフィー
ベスナリノンをDMSO(dimethylsulfoxide,和光純薬工業)に溶解して81mMベスナリノン溶液とした。この溶液20μLと0.54M NaOCl水溶液(Sigma-Aldrich)80μLとを混合し、及び2%FBS(fetal bovine serum, Biowest)含有RPMI-1640培地(Sigma-Aldrich)で希釈してプレ処置系調製液とした(ベスナリノン:100μM, NaOCl:2.7mM)。
当該調製液100μLに2%FBS含有RPMI-1640を10μL添加し(GSH(−))、あるいは、当該調製液100μLに2%FBS含有RPMI-1640に溶解した10mM GSHを10μL添加した(GSH(+))。
各プレ処置系調製液のpHはほぼ中性であった。
両群ともに、2%FBS含有RPMI-1640を用いてタンパク質を除去して、LC-UV分析を行った。
なお、実施例3と同様に細胞生存率を比較した結果、GSHを添加しない場合は細胞毒性が認められ、GSHを添加した場合は細胞毒性が認められなかった。
(ベスナリノン分解物比較とその結果)
図3にGSH(−)、及びGSH(+)のLC-UV分析結果を示す(縦軸は信号強度(AU)であり、横軸は溶出時間(分)である)。
当該分析結果において、4.67分でのピークの物質をXM-1と称し、及び9.77分でのピークの物質をXM−2と称する。
HL-60細胞(2×104 cells/well)を、ベスナリノンのプレ処置系調製液に曝露した場合(即ち、GSH(−)条件)、細胞生存率が濃度依存的に低下し、及びXM−1及びXM−2が主に生成していた(図3、上図)。一方、HL-60細胞(2×104 cells/well)を、ベスナリノンのプレ処置系調製液及び1mM GSHに曝露した場合(即ち、GSH(+)条件)、細胞生存率は低下せず、及びXM−2が消失し、代わりにXM-1の生成が増加した(図3、下図)。
従って、XM−2がベスナリノンのプレ処置系において認められた細胞毒性の原因物質(反応性代謝物)であることが示唆された。
実施例5 クロマトグラフィーによる反応性代謝物の同定
(プレ処置系調製液の作成)
ベスナリノン、又はXM-1を、それぞれDMSO(dimethylsulfoxide,和光純薬工業)に溶解して、81mM ベスナリノン溶液、又は81mM XM-1溶液とした。この溶液20μLと0.54M NaOCl水溶液(Sigma-Aldrich)80μLとを混合し、及び2%FBS(fetal bovine serum, Biowest)含有RPMI-1640培地(Sigma-Aldrich)で希釈してプレ処置系調製液とした(ベスナリノン、又はXM-1:100μM, NaOCl:2.7mM)。
各プレ処置系調製液のpHはほぼ中性であった。
XM−2をDMSOにて溶解してXM−2標準溶液とした(XM−2濃度:100μM)。
各液をメタノールで20倍希釈し、タンパク質を除去して、LC-UV分析及びLC-MSスペクトル分析を行った。
図4−1にクロマトグラム(UV 254nm)(縦軸は信号強度(AU)であり、横軸は溶出時間(分)である)を、及び図4−2にスペクトルを示す。
(試験結果)
ベスナリノンのプレ処置系調製液、XM-1のプレ処置系調製液、及びXM−2の標準溶液のクロマトグラム(図4−1)で共通して、溶出時間9.64分のピーク(図4−1中、矢印で示す。)が観察され、そのLC-MSスペクトル(m/z)(図4−2)として主に285や165(それぞれを、図4−2中、矢印で示す。)が認められた。
従って、ベスナリノンのプレ処置系調製液で認められた反応性代謝物は、XM−2であることが同定された。
XM−2の構造を以下に示す。
当該反応式を一般化すると、次式の通りである。
[式中、Rは、ジメトシキベンゾイル骨格を有する置換基であり、及びRは、カルボスチリル骨格を有する置換基である。]
実施例6 XM−2の細胞毒性評価
(代謝物XM−2の調製)
実施例5と同様の方法でXM−2を抽出精製した。
(プレ処置系調製液の調製)
XM−2をDMSO(dimethylsulfoxide,和光純薬工業)に溶解して、各濃度(100mM、33mM、10mM、及び3.3mM)のXM−2のDMSO溶液とした。
各プレ処置系調製液のpHはほぼ中性であった。
(試験方法)
HL-60細胞(2×104cells/well)を、各濃度のXM−2のDMSO溶液に曝露(約24時間、5%CO2にてインキュベーション)した後、MTT assay(CCK-8、同仁化学)にて細胞生存率を評価した。
また同様にして、還元型グルタチオン(GSH)(1mM)を一部の細胞に共存させて、24時間曝露後の細胞生存率を測定した。結果を図5に示す。細胞生存率は対照(DMSO)に対する割合(%)で示す。***は、対照と比較してp<0.001であることを示す。データはmean±SD(n=3)である。縦軸は細胞生存率(%)であり、横軸はXM−2の濃度(μM)である。
(試験結果)
図5に示されるように、HL-60細胞を、XM−2のDMSO液に曝露すると、濃度依存的な細胞毒性が認められた。一方、1mMのGSHを共存させると、細胞毒性は軽減された。
従って、XM−2は細胞毒性を示す反応性代謝物であることが明らかとなった。
実施例7 XM−1及びXM−2のヒト血漿成分中での安定性の評価
(代謝物XM−1及びXM−2の調製)
XM−1、及びXM−2をそれぞれメタノール(Sigma-Aldrich)に溶解して1 mg/mLのXM−1試験液、及びXM−2試験液とした。
(試験方法)
ヒト血漿として、6個体(男性3名及び女性3名)からプールしたヒト血漿(日本農産工業株式会社)を用いた。
XM−1については、これを、ヒト血漿に添加して1μg/mLの濃度とし、37℃で、各時間(0,0.5,1,2,4,8h)、5%CO2にてインキュベーションした。
一方、XM−2については、これを、氷冷したヒト血漿及び水成分(Water/Plasma=100/0, 95/5, 90/10, 75/25, 50/50, 0/100)に添加し、及び混合した。
それぞれ2倍量のメタノールでタンパク質を除去して、LC-UV分析を行った。
図6にXM−1の結果を、及び図7にXM−2の結果を示す。縦軸は信号強度(AU)であり、横軸は溶出時間(分)である。図6中、実線矢印はXM−1を示し、点線矢印は、ベスナリノンを示す。図7中、実線矢印はXM−1を示し、大きな白抜き矢印は、XM−2を示す。図7中、Water/PlasmaをW/Pと略記する。
(試験結果)
図6から明らかなように、XM−1はヒト血漿(37℃)中で8時間インキュベーションしても溶出時間に変化がなく、ヒト血漿(37℃)において安定であった。
一方、図7から明らかなように、氷冷下でさえ、ヒト血漿成分の存在下ではXM−2は速やかにXM−1へ変換された。
以上より、XM−1はヒト血漿中で安定に存在できるが、XM−2はヒト血漿中では不安定であり、生成しても速やかにXM−1へ変換されることが示唆された。
実施例8 各種市販薬の細胞毒性の評価
(各種市販薬のプレ処置系調製液の調製)
実施例1のベナスリノン分解試験液の調製と同様にして、各種市販薬をDMSOに溶解して81 mM 薬物溶液とし、この薬物溶液20 μLと0.54M NaOCl水溶液80 μLとを混合して、16.4 mM各薬物分解試験液とした。この各薬物分解試験液を2%FBS含有RPMI-1640培地で段階希釈して、各プレ処置系調製液とした(ベスナリノン、各種市販薬濃度:33μM,
3.3μM)。
各プレ処置系調製液のpHはほぼ中性であった。
なお、対照(Control)としては、DMSOのみをNaOCl水溶液と混合して用いた。
(各種市販薬の細胞毒性の評価)
HL-60細胞(2×104 cells/well)を、各種市販薬のプレ処置系調製液(100μl/wellに24時間曝露(5%CO2、37℃にてインキュベーション)した後、MTT assay(CCK-8, 同仁化学)にて細胞生存率を測定することにより、各種市販薬の細胞毒性を評価した。結果を図8に示す。縦軸に細胞生存率(cell viability)(%)を示し、横軸に各種市販薬の一般名を示す(Controlは、前記対照(Control)である)。
(試験結果)
顆粒球減少症(無顆粒球症)が知られている代表的な薬物である、プロカインアミド(Procainamide)、アセトアミノフェン(Acetaminophen)、クロザピン(Clozapine)、ハロペリドール(Haloperidol)及び塩酸チクロピジン(Ticlopidine Hydrochloride)(図3中、Ticlopidine)は、いずれも次亜塩素酸モデルで濃度依存的な細胞毒性が認められた。一方、ベスナリノン同様にピペラジンを有しているが、顆粒球減少症がほとんど知られていない薬物であるオランザピン(Olanzapine)やレボフロキサシン(Levofloxacin)は、細胞毒性が認められなかった。したがって、本発明の方法は、市販薬においても顆粒球減少のポテンシャル評価が可能であり、毒性評価モデルとして広く応用可能であると考えられた。
実施例9 各種市販薬の細胞毒性に対する保護効果
(プレ処置系調製液)
ベスナリノンをDMSO(dimethylsulfoxide,和光純薬工業)に溶解して81mMベスナリノン溶液とした。この溶液20μLと0.54M NaOCl水溶液(Sigma-Aldrich)80μLとを混合し、及び2%FBS(fetal bovine serum, Biowest)含有RPMI-1640培地(Sigma-Aldrich)で希釈してプレ処置系調製液とした(ベスナリノン:33μM, NaOCl:2.7mM)。
また、前記のベスナリノンに換えて、プロカインアミド(procainamide)、又はアセトアミノフェン(acetaminophen)を用いて各プレ処置系調製液とした(プロカインアミド、又はアセトアミノフェン:33μM、NaOCl:0.9mM)。なお、対照(Control)としては、DMSOのみをNaOCl水溶液と混合して用いた(NaOCl:0.9mM)。
(試験方法)
HL-60細胞(2×104 cells/well)を、各溶液のプレ処置系調製液に24時間曝露(5%CO2、37℃にてインキュベーション)した後、MTT assay(CCK-8, 同仁化学)にて細胞生存率を評価した。
また、同様にして、但し、還元型グルタチオン(GSH)(1mM)、N-アセチル-L-システイン(N-Acetyl-L-Cystein)(NAC 1mM)、N-アセチル-L-チロシン(N-Acetyl-L-Tyrosin)(NAT 1mM)、又はカタラーゼ(Catalase)(CAT 0.1 mg/mL)を一部の細胞に共存させて、24時間曝露後の細胞生存率を測定した。結果を図8に示す。縦軸は信号強度(AU)であり、横軸は溶出時間(分)である。グラフのカラムは、左から、ブランク、GSH(1mM)、NAC(1mM)、NAT(1mM)、又、及びカタラーゼ(Catalase)(CAT 0.1 mg/mL)である。
結果、GSHとNACで各薬物による細胞毒性に対して、保護効果が認められた。
従って、SH基が保護的に作用していることが示唆された。

Claims (8)

  1. 化合物の無顆粒球症誘発性の評価方法であって、
    好中球及びその前駆細胞からなる群より選択される1種の哺乳動物細胞を、被験化合物、ジメチルスルホキシド及び次亜塩素酸ナトリウムを含有する混合物に曝露する工程A、
    前記哺乳動物細胞の生存率を測定する工程B、及び
    前記生存率を低下させた被験化合物を、無顆粒球症誘発性を有する化合物であると評価する工程C
    を含み、
    工程Aにおける前記混合物中のジメチルスルホキシドの濃度が度0.1〜0.2v/v%であり、次亜塩素酸ナトリウムの濃度が2.0〜2.7mMである方法。
  2. 前記哺乳動物細胞が、HL−60細胞又はTHP−1細胞である請求項1に記載の方法。
  3. 前記工程Aにおいて、次亜塩素酸ナトリウムの量が、ジメチルスルホキシドの非存在下では前記哺乳動物細胞に対して細胞毒性を示す量である請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記無顆粒球症誘発性が、中毒性機序に基づく無顆粒球症誘発性である請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記無顆粒球症誘発性が、化合物の代謝物の細胞毒性に基づく無顆粒球症誘発性である請求項に記載の方法。
  6. 前記化合物の代謝物が、化合物の次亜塩素酸による変化物である請求項に記載の方法。
  7. 医薬候補化合物のスクリーニング方法において
    請求項1〜のいずれか1項に記載の方法によって無顆粒球症誘発性を有すると評価された化合物を、医薬候補から除外する方法。
  8. 請求項1〜のいずれか1項に記載の方法に用いられるためのキットであって、
    ジメチルスルホキシド、及び次亜塩素酸を備えるキット。
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