JP6374841B2 - 仮想マシン配置装置および仮想マシン配置方法 - Google Patents
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そこで、本発明は、上記事情に鑑みて、サーバ仮想化環境に対して物理サーバ電源制御を適用したときのサービス応答性を維持させることを課題とする。
また、物理サーバ電源制御手法を実行することによって仮想マシンの再配置頻度が増大し、物理サーバ間の負荷不均衡が発生しても、過負荷となった物理サーバのハッシュ空間上の担当領域に他の物理サーバの仮想ノードを配置することで、過負荷となった物理サーバの発生頻度を削減し、物理サーバ間の負荷を均衡化することができる。よって、過負荷となった物理サーバの発生頻度の増大に起因するサービス応答性の低下は回避され、物理サーバ電源制御手法実行時のシステム全体のサービス応答性を維持することができる。
なお、ハッシュ空間上で、担当の物理サーバと、当該担当の物理サーバの近くに配置されたSLAの高い仮想マシンとの間に、他の物理サーバの仮想ノードが配置される確率も小さくなり、当該仮想ノードを持つ他の物理サーバに担当が切り替わるような、SLAの高い仮想マシンの再配置は起こりにくい。
したがって、サーバ仮想化環境に対して物理サーバ電源制御を適用したときのサービス応答性を維持させることができる。
負荷情報出力部42は、負荷情報収集部41が収集した負荷情報を、仮想マシン配置装置1または仮想インフラ管理装置4に定期的に送信する。
物理サーバ2−1〜2−nの各々の電源状態の管理情報は、例えば、電源状態決定部13(後記)が作成することができる。仮想マシン3−1〜3−mの各々のSLAの管理情報は、仮想マシンが動作して提供されるサービスのSLAを仮想マシンごとに設定した情報であり、例えば、仮想インフラ管理装置4のオペレータが作成することができる。また、仮想マシン3−1〜3−mの各々のSLAは、仮想マシン3−1〜3−mに導入するシステムの種類によって異なっており、オペレータはシステムの種類ごとのSLAを事前に指定する。
ハッシュ値決定部12の機能に関する詳細は、後記する。
なお、物理サーバの他の電源状態として、例えば、仮想マシンを動作させるほどの電源供給は無いが必要最小限の動作を継続可能なサスペンド状態を用意することもできる。サスペンド状態の物理サーバには、仮想マシンを配置することはできないが、オン状態へ移行するための時間がオフ状態に比べて非常に短い。
電源状態決定部13の機能に関する詳細は、後記する。
配置構成決定部14の機能に関する詳細は、後記する。
ハッシュ値決定部12によってハッシュ値が決定された物理サーバおよび仮想マシンは、コンシステントハッシュ法で規定するハッシュリング(ハッシュ空間)上の該当位置に配置される。ハッシュリング上への配置のタイミングは、(a)初期割当時と、(b)運用時とに分類することができる。
なお、SLAが付与された新たな仮想マシンが追加された場合にも、この新たな仮想マシンを含めた、上記のハッシュ値のソートが行われる。
運用時にて稼働物理サーバを削減する場合、削減する物理サーバの担当領域に配置されている仮想マシン群を隣接物理サーバが引き継いで担当する。隣接物理サーバは元々担当していた仮想マシン群と、引き継いだ仮想マシン群とをまとめて新たにグルーピングする。ハッシュ値決定部12は、新たにグルーピングされた仮想マシン群に対して、既に説明したハッシュ値の高SLA順ソートを行う。
h0:追加物理サーバのハッシュ値
Sf:ハッシュ値h0の担当領域を持つ追加物理サーバ
hv:追加物理サーバSfの担当領域に配置されている1または複数の仮想ノードのうち最初の仮想ノードVf(追加物理サーバSfに最も近い仮想ノード)のハッシュ値(ただし、仮想ノードVfが存在する場合に限る)
hn:ハッシュリング上で、追加物理サーバSfの1つ後の隣接物理サーバSrのハッシュ値
hl:ハッシュリング上で、ハッシュ値hvまたはハッシュ値hnよりも前に位置し、追加物理サーバSfの担当領域に配置されている(複数の)仮想マシンであって、所定SLA以上を要する仮想マシンのなかで、最も後方に位置する仮想マシンvmのハッシュ値
H(a,b):ハッシュ値a、bの間に位置する任意のハッシュ値
その場合、
追加物理サーバSfのハッシュ値h0の、ハッシュ値決定部12による書き換え後のハッシュ値hrを、
hr = H(hl,hv) 仮想ノードVfが存在する場合
hr = H(hl,hn) 仮想ノードVfが存在しない場合
とする。
なお、追加物理サーバSfの担当領域に配置されている仮想ノードVfが、ハッシュ値hlの仮想マシンvmよりも前に配置されている場合には、当該仮想ノードVfがハッシュ値hlの仮想マシンvmを担当するのであり、追加物理サーバSfが担当するわけではない。
既に説明したように、電源状態決定部13は、物理サーバ電源制御手法によって、システム負荷に応じて稼働物理サーバの数を調整することができる(周知)。このとき、電源状態決定部13は、電源状態を変更する物理サーバを適切に選定する。稼働物理サーバの数の調整により稼働物理サーバの数を増やす場合、追加する物理サーバの選定は、例えば、物理サーバの電源切替履歴、性能スペック値、使用可能残年数などのさまざまな選定要素に基づいて行うことができる。
なお、電源状態を、オン状態でもオフ状態でもない他の電源状態(サスペンド状態)に変更する物理サーバを選定することに対しても、上記の選定方法を応用することができる。
既に説明したように、配置構成決定部14は、所定の仮想マシン配置変更タイミング(初期配置のタイミングも含む)にて、仮想マシンの配置構成を決定する。仮想マシン配置変更タイミングは、主に、(1)物理サーバ電源制御手法によって特定の物理サーバにて負荷が上昇し、その物理サーバに予め設定されている上限の負荷閾値を超えたタイミング(サービス品質維持のため)、(2)新規の稼働物理サーバを追加するタイミング(負荷分散のため)、(3)電源オフに変更して稼働物理サーバを削減するタイミング(負荷分散のため)、が該当する。このとき、配置構成決定部14は、これらの仮想マシン配置変更タイミングにて再配置が必要となる仮想マシンを適切に選定し、選定した仮想マシンを適切な物理サーバに再配置する。
結果的に、すべての過負荷物理サーバの担当領域に対して、過負荷物理サーバの負荷が負荷閾値を下回るように1または複数の仮想ノードが配置される。このとき、過負荷物理サーバが担当している仮想マシンの少なくとも一部は、当該仮想ノードに対応する他の物理サーバが担当する。
特徴1:ハッシュリング上の所定位置(図6(a)参照)に配置されている物理サーバS1〜S5について、(負荷−負荷閾値)の値が最も大きい物理サーバS1の担当領域に、(負荷−負荷閾値)の値が最も小さい物理サーバS3の仮想ノードVS3を配置すること。
特徴2:仮想ノードVS3の配置だけでは物理サーバS1の負荷が負荷閾値を下回らないため、(負荷−負荷閾値)の値が2番目に小さい物理サーバS4の仮想ノードVS4を追加的に配置すること。
特徴3:(負荷−負荷閾値)の値が2番目大きい物理サーバS2の担当領域に、まだ物理サーバリソースに余裕のある物理サーバS4の仮想ノードVS4を配置すること。
特徴4:(負荷−負荷閾値)の値が正となっている物理サーバが存在しなくなったため、(負荷−負荷閾値)の値が負となっている物理サーバS5の仮想ノードを生成する必要がなくなったこと。
各負荷観測タイミングにて、物理サーバ負荷変動により仮想ノードが配置されている物理サーバがLightServerに変化した場合(図7(a),(b)参照)、物理サーバS2は、そのハッシュ領域に配置されている仮想ノードVS4を削除することによってHeavyServerに転じるため、削除を行わない(図8(c),(d)参照)。
図11に示すように、本実施形態の仮想マシン配置装置1にて実行される運用時の処理は、以下のとおりである。この処理は、ステップS1から開始する。なお、すでに説明した通り、稼働物理サーバに対して、初期配置されている仮想マシンに対して、SLAに基づいたハッシュ値が割り当てられている。つまり、高SLA仮想マシンのハッシュ値は、ハッシュ値決定部12によって、担当物理サーバのハッシュ値に近い値となっている。
ハッシュ値決定部12は、稼働物理サーバを削減する場合には、削減される稼働物理サーバが担当していた仮想マシンを引き継いだ隣接物理サーバは、引き継いだ仮想マシンも含めて新たにグルーピングし、新たにグルーピングされた仮想マシン群に対して、既に説明したハッシュ値の高SLA順ソートを行う。また、ハッシュ値決定部12は、物理サーバを追加する場合には、当該追加の物理サーバが高SLA仮想マシンを担当せずに済むように、当該追加の物理サーバのハッシュ値を書き換える。具体的には、ハッシュ値決定部12は、当該追加する物理サーバに対して、高SLA仮想マシンを担当する物理サーバのハッシュ空間上の担当領域内で高SLA仮想マシンのハッシュ値よりも小さな(高SLA仮想マシンの後方となる)ハッシュ値を決定する。また、物理サーバ負荷変動や物理サーバ追加・削除に伴い不要となった仮想ノードについて適宜削除を行う。
ステップS1〜ステップS6の処理は、継続的に繰り返される。
本実施形態によれば、ハッシュ空間上ではSLAの高い仮想マシンは担当の物理サーバの近くに配置されるため、物理サーバ電源制御手法を実行することによって仮想マシンの再配置頻度が増大しても、SLAの高い仮想マシンの再配置頻度を削減することができる。一般的に、ハッシュリング上では、仮想マシンが担当の物理サーバに近いほど両者間の範囲が小さくなり、新規稼働物理サーバの追加によってハッシュリング上に当該追加の新規稼働物理サーバが両者間にランダムに配置される確率は小さくなり、当該追加の新規稼働物理サーバに担当が切り替わるような仮想マシンの再配置が起こりにくくなるからである。よって、担当の物理サーバの近くに配置されたSLAの高い仮想マシンの再配置は概して起こりにくくなり、SLAの高い仮想マシンの再配置に起因するサービス応答性の低下は回避され、物理サーバ電源制御手法実行時のシステム全体のサービス応答性を維持することができる。
また、物理サーバ電源制御手法を実行することによって仮想マシンの再配置頻度が増大し、物理サーバ間の負荷不均衡が発生しても、過負荷となった物理サーバのハッシュリング上の担当領域に他の物理サーバの仮想ノードを配置することで、過負荷となった物理サーバの発生頻度を削減し、物理サーバ間の負荷を均衡化することができる。よって、過負荷となった物理サーバの発生頻度の増大に起因するサービス応答性の低下は回避され、物理サーバ電源制御手法実行時のシステム全体のサービス応答性を維持することができる。
なお、ハッシュリング上で、担当の物理サーバと、当該担当の物理サーバの近くに配置されたSLAの高い仮想マシンとの間に、他の物理サーバの仮想ノードが配置される確率も小さくなり、当該仮想ノードを持つ他の物理サーバに担当が切り替わるような、SLAの高い仮想マシンの再配置は起こりにくい。
したがって、サーバ仮想化環境に対して物理サーバ電源制御を適用したときのサービス応答性を維持させることができる。
配置構成決定部14による、仮想マシンの初期配置および再配置は、上記の手順1〜手順4に限らず、例えば、物理サーバの各々の(負荷−負荷閾値)の値の大小に関係なく、Heavy Serversに分類される物理サーバの担当領域に、Light Serversに分類される任意の物理サーバの仮想ノードを配置することで実現してもよい。
本実施形態では、ハッシュ値の昇順方向がハッシュリングの時計回り方向に一致する場合について説明したが、ハッシュ値の昇順方向がハッシュリングの反時計回り方向に一致する場合にも、本発明を適用することができる。
本実施形態で説明したソフトウェアをハードウェアとして実現することもでき、ハードウェアをソフトウェアとして実現することもできる。
その他、ハードウェア、ソフトウェア、フローチャートなどについて、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
2−1〜2−n 物理サーバ
3−1〜3−m 仮想マシン
4 仮想インフラ管理装置
10 処理部
11 負荷情報入力部
12 ハッシュ値決定部
13 電源状態決定部
14 配置構成決定部
15 配置構成変更実行部
16 電源切替実行部
20 通信部
30 記憶部
41 負荷情報収集部
42 負荷情報出力部
Claims (4)
- 物理サーバのハッシュ値、および、所定のSLA(Service Level Agreement)を持つ仮想マシンのハッシュ値を、昇順の閉じたハッシュ空間上に配置し、前記ハッシュ空間上で前記仮想マシンの配置位置から昇順にたどって最初に出合う前記物理サーバを担当の物理サーバとすることで、複数の前記物理サーバの各々に前記仮想マシンを配置する仮想マシン配置装置であって、
前記物理サーバのハッシュ値および前記仮想マシンのハッシュ値を決定するハッシュ値決定部と、
前記物理サーバの負荷情報に基づいて前記物理サーバの各々の電源状態を決定する電源状態決定部と、
前記決定した電源状態に応じて前記仮想マシンの配置構成を決定する配置構成決定部と、を備え、
前記ハッシュ値決定部が、前記ハッシュ空間上で前記物理サーバの各々の担当領域に配置されている1または複数の前記仮想マシンに関して、当該仮想マシンのSLAが昇順になるように、当該仮想マシンのハッシュ値を書き換え、
前記配置構成決定部が、過負荷となった前記物理サーバのハッシュ空間上の担当領域に、リソースに余裕のある他の前記物理サーバを仮想化した仮想ノードを配置し、前記物理サーバのハッシュ空間上の担当領域に配置されている前記仮想マシンの少なくとも一部を、前記仮想ノードに対応する他の前記物理サーバが前記過負荷となった物理サーバに代わって担当することで、前記過負荷となった物理サーバの負荷が負荷閾値を下回るように、前記配置構成を決定する、
ことを特徴とする仮想マシン配置装置。 - 前記電源状態決定部は、前記電源状態をオフ状態にして前記物理サーバを削減する際、前記仮想マシンのうちSLAが所定以上である高SLA仮想マシンの担当数が少ない前記物理サーバを優先的に選択して削減する、
ことを特徴とする請求項1に記載の仮想マシン配置装置。 - 前記電源状態決定部が前記電源状態をオン状態にして前記物理サーバを追加する際、
前記ハッシュ値決定部は、前記追加する物理サーバに関して、前記仮想マシンのうちSLAが所定以上である高SLA仮想マシンを担当する前記物理サーバのハッシュ空間上の担当領域内で当該高SLA仮想マシンのハッシュ値よりも小さなハッシュ値に書き換える、
ことを特徴とする請求項1に記載の仮想マシン配置装置。 - 物理サーバのハッシュ値、および、所定のSLA(Service Level Agreement)を持つ仮想マシンのハッシュ値を、昇順の閉じたハッシュ空間上に配置し、前記ハッシュ空間上で前記仮想マシンの配置位置から昇順にたどって最初に出合う前記物理サーバを担当の物理サーバとすることで、複数の前記物理サーバの各々に前記仮想マシンを配置する仮想マシン配置装置における仮想マシン配置方法であって、
前記仮想マシン配置装置は、
前記物理サーバのハッシュ値および前記仮想マシンのハッシュ値を決定するハッシュ値決定部と、
前記物理サーバの負荷情報に基づいて前記物理サーバの各々の電源状態を決定する電源状態決定部と、
前記決定した電源状態に応じて前記仮想マシンの配置構成を決定する配置構成決定部と、を備えており、
前記ハッシュ値決定部が、前記ハッシュ空間上で前記物理サーバの各々の担当領域に配置されている1または複数の前記仮想マシンに関して、当該仮想マシンのSLAが昇順になるように、当該仮想マシンのハッシュ値を書き換え、
前記配置構成決定部が、過負荷となった前記物理サーバのハッシュ空間上の担当領域に、リソースに余裕のある他の前記物理サーバを仮想化した仮想ノードを配置し、前記物理サーバのハッシュ空間上の担当領域に配置されている前記仮想マシンの少なくとも一部を、前記仮想ノードに対応する他の前記物理サーバが前記過負荷となった物理サーバに代わって担当することで、前記過負荷となった物理サーバの負荷が負荷閾値を下回るように、前記配置構成を決定する、
ことを特徴とする仮想マシン配置方法。
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