JP6370737B2 - 内耳特性評価装置、内耳特性評価方法 - Google Patents

内耳特性評価装置、内耳特性評価方法 Download PDF

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本発明は、内耳の特性(聴力など)を評価する内耳特性評価装置、内耳特性評価方法に関する。
内耳特性(内耳機能)を評価する方法として聴力検査が用いられている。また、聴力検査より詳細に内耳特性(内耳機能)を評価する方法として、非侵襲に内耳の入出力特性を推定する方法が提案されている(非特許文献1)。内耳は、主に、音の入力に合わせて振動する基底膜とそれを増幅する細胞(外有毛細胞)、振動を検知する細胞(内有毛細胞)で構成されている。外有毛細胞の特性により、基底膜振動の入出力特性は図1に示すような圧縮特性を示す。図1は非特許文献2に開示された入力音圧レベルと基底膜振動速度の関係を表す図である。また受検者(被評価者)の解答に依らず、耳音響放射を用いて内耳特性を測定する方法が提案されている(非特許文献3)。耳音響放射とは、基底膜振動に由来し、耳から放出される音である。耳音響放射の入出力特性は基底膜振動と同様に圧縮特性を示すことが知られている。耳音響放射には、歪型、反射型の2種類が存在する。歪型の耳音響放射は、基底膜振動の圧縮特性により生じる歪成分である。反射型の耳音響放射は、基底膜の機械的特性の不均一性による反射音であって、刺激音の特性を保つ。図2は非特許文献4に開示された耳音響放射、刺激音の例を示す図である。図2(A)は耳音響放射の音圧(Pa)の時間変化の例、図2(B)は刺激音の音圧(Pa)の時間変化の例を示す図である。
D. A. Nelson, A. C. Schroder, and M. Wojtczak, "A new procedure for measuring peripheral compression in normal-hearing and hearing-impaired listeners," J. Acoust. Soc. Am., October 2001, Vol. 110, No. 4, pp. 2045-2064 R. Nobili, F. Mammano, and J. Ashmore, "How well do we understand the cochlea?," TINS, 1998, Vol. 21, No. 4, pp. 159-166 P. T. Johannesen, and E. A. Lopez-Poveda, "Cochlear nonlinearity in normal-hearing subjects as inferred psychophysically and from distortion-product otoacoustic emissions," J. Acoust. Soc. Am., October 2008, Vol. 124, No. 4, pp. 2149-2163 Goodman SS, Withnell RH, De Boer E, Lilly DJ, and Nuttall AL. , "Cochlear delays measured with amplitude-modulated tone-burst evoked OAEs," Hearing Research, February 2004, Vol. 188, Issues 1-2, pp. 57-69
非特許文献1に開示された心理物理的な推定方法は、測定に時間がかかる上に、主観的な応答を必要とするため、新生児などの解答が難しい受検者(被評価者)には適用が難しい。特に、新生児を対象としたスクリーニングへの応用が難しいという欠点があった。
一方、非特許文献3に開示された耳音響放射を用いて内耳特性を評価する方法は、理論的背景が十分でなく、図3に示すように心理物理的に推定された入出力特性との違いが大きくなる場合があることが問題となっている。図3は、参考非特許文献1に開示された、心理物理的推定方法で内耳の反応を推定した結果と、耳音響放射の入出力特性を用いて内耳の反応を推定した結果とを比較して示す図である。同図の被験者1、被験者2の結果に顕著なように、耳音響放射の入出力特性を用いて内耳機能(内耳特性)を推定した場合、心理物理的手法による推定結果との誤差が大きくなる場合があることが問題であった。
(参考非特許文献1:M. Epstein, and M. Florentine, "Inferring basilar-membrane motion from tone-burst otoacoustic emissions and psychoacoustic measurements," J. Acoust. Soc. Am., January 2005, Vol. 117, No. 1, pp. 263-274)
そこで本発明では、非侵襲かつ対象者の解答に依存せずに、内耳特性を評価することができる内耳特性評価装置を提供することを目的とする。
本発明の内耳特性評価装置は、刺激音呈示部と、耳音響放射算出部と、位相変調量計算部を含む。
刺激音呈示部は、振幅変調音である刺激音を被評価者の外耳道に呈示する。耳音響放射算出部は、刺激音の呈示によって生じた耳音響放射を算出する。位相変調量計算部は、刺激音に対する耳音響放射の位相変調量を計算し、位相変調量の最大値、位相変調量の最大値における刺激音の音圧の少なくとも何れかを出力する。
本発明の内耳特性評価装置によれば、非侵襲かつ対象者の解答に依存せずに、内耳特性を評価することができる。
非特許文献2に開示された入力音圧レベルと基底膜振動速度の関係を表す図。 非特許文献4に開示された耳音響放射、刺激音の例を示す図であって、図2(A)は耳音響放射の音圧(Pa)の時間変化の例、図2(B)は刺激音の音圧(Pa)の時間変化の例を示す図。 参考非特許文献1に開示された、心理物理的推定方法で内耳の反応を推定した結果と、耳音響放射の入出力特性を用いて内耳の反応を推定した結果とを比較して示す図。 実施例1の耳音響放射測定装置、内耳特性評価装置の構成を示すブロック図。 実施例1の耳音響放射測定装置を挿入した際の外耳道および内耳を示す概略断面図。 実施例1の耳音響放射測定装置の動作を示すフローチャート。 実施例1の内耳特性評価装置の動作を示すフローチャート。 実施例1の刺激音生成部が生成する刺激音を説明する図。 検証実験において耳音響放射算出部が算出した耳音響放射の例を示す図であって、図9(A)は耳音響放射の位相変調量を示す図、図9(B)は耳音響放射の振幅の時間変化を示す図。 検証実験において位相変調量計算部が計算した位相変調量の例を示す図であって、位相変調量と刺激音の音圧との関係を表す図。 ある被評価者における心理物理的方法で推定した内耳の入出力関数の増幅率と位相変調量との関係についての実験結果を示す図であって、図11(A)は、心理物理的方法で推定した内耳における増幅率と刺激音の音圧との関係を示す図、図11(B)は位相変調量と刺激音の音圧との関係を示す図。 位相変調量の最大値と内耳特性(内耳機能)の相関関係について示す図。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。なお、同じ機能を有する構成部には同じ番号を付し、重複説明を省略する。
以下、図4を参照して実施例1の耳音響放射測定装置、内耳特性評価装置の構成について説明する。図4は、本実施例の耳音響放射測定装置1、内耳特性評価装置2、内耳特性評価装置3の構成を示すブロック図である。図4に示すように、本実施例の耳音響放射測定装置1は、刺激音呈示部11と、外耳道内音取得部12と、AD変換部13を含む構成である。本実施例の内耳特性評価装置2は、刺激音生成部21と、耳音響放射算出部22と、位相変調量計算部23と、内耳特性推定部24と、表示部25を含む構成である。内耳特性評価装置の構成は上述の構成に限らず、同図に示すように、耳音響放射測定装置1と内耳特性評価装置2の構成要件の全てを含む内耳特性評価装置3の構成としてもよい。また、耳音響放射測定装置と内耳特性評価装置を分離して構成した場合、AD変換部13は同図に示すように耳音響放射測定装置内に設けてもよいし、内耳特性評価装置内に設けてもよい。耳音響放射測定装置と内耳特性評価装置を分離して構成した場合、耳音響放射測定装置と内耳特性評価装置は有線または無線で通信可能に接続されているものとする。
以下の説明では、同図に示された耳音響放射測定装置1と内耳特性評価装置2の構成を前提として説明を進める。
以下、図5、図6を参照して本実施例の耳音響放射測定装置1の動作を説明する。図5は、本実施例の耳音響放射測定装置1を挿入した際の外耳道および内耳を示す概略断面図である。図6は、本実施例の耳音響放射測定装置1の動作を示すフローチャートである。
耳音響放射測定装置1は、振幅変調音を刺激音として、内耳の基底膜から反射して生じた(反射型の)耳音響放射を計測する。計測には従来手法(参考非特許文献2)を用いた。
(参考非特許文献2:D. H. Keefe, "Double-evoked otoacoustic emissions. I. Measurement theory and nonlinear coherence," J. Acoust. Soc. Am., June 1998, Vol. 103, No. 6, pp.3489-3498)
より詳細には、刺激音呈示部11は、振幅変調音である刺激音を被評価者9の外耳道に呈示する(S11)。刺激音呈示部11は、例えば2つのスピーカで構成することができ、後述する刺激音生成部21が生成した刺激音系列(Ss)を取得して、外耳道へ刺激音を呈示する(S11、詳細は後述)。外耳道内音取得部12は、外耳道内音を収音する(S12)。外耳道内音取得部12は、例えば小型のマイクロフォンで実現することができる。外耳道内音取得部12は、外耳道内音を収音し、収音信号(Sm a)をAD変換器13へと出力する(S12)。AD変換部13は、収音された外耳道内音をデジタル化する(S13)。AD変換部13は収音信号(Sm a)をデジタル信号(Sm d、デジタル収音信号ともいう)に変換し、耳音響放射算出部22へ出力する(S13)。
次に、図7を参照して本実施例の内耳特性評価装置2の動作を説明する。図7は、本実施例の内耳特性評価装置2の動作を示すフローチャートである。刺激音生成部21は、振幅変調音である刺激音系列(Ss)を生成し、刺激音呈示部11に出力する(S21)。
刺激音系列(Ss)の生成には、参考非特許文献2に開示された手法を使用した。図8に示すように、刺激音系列(Ss)は3つの刺激音(S1〜S3)で構成される。刺激音(S1〜S3)は2チャネルで構成される。刺激音生成部21は、S1〜S3の各刺激音を
S1:チャネル1にAM音、チャネル2に無音
S2:チャネル1に無音、チャネル2にAM音
S3:チャネル1にAM音、チャネル2にAM音
となるように生成する(S21)。前述の刺激音呈示部11は、このように生成された刺激音系列(Ss)を、1ブロックを指定回数(例えば100−1000回)繰り返して呈示する(S11)。耳音響放射算出部22は、刺激音の呈示によって生じた耳音響放射を算出する(S22)。より詳細には、耳音響放射算出部22は、AD変換部13からデジタル収音信号(Sm d)を取得し、デジタル収音信号(Sm d)に基づいて耳音響放射(Soae)を算出し、位相変調量計算部23に出力する(S22)。
<ステップS22の詳細な手順>
耳音響放射算出部22は、刺激音系列(Ss)の刺激音S1〜S3について計測された信号をそれぞれ平均する。平均を取った信号をR1〜R3と呼ぶ。耳音響放射算出部22は、下式を用いて、振幅変調音誘発耳音響放射(amplitude-modulated-tone-evoked otoacoustic emissions: AMEOAE)(Soae)を算出する(参考非特許文献2)。
AMEOAE=R1+R2-R3
<Keefeらの手法(参考非特許文献2)の原理>
鼓膜からの反射音と耳音響放射は重複された状態で外耳道内音として外耳道内音取得部12で取得される。従って、外耳道内音から耳音響放射のみを取り出す処理が必要になる。鼓膜からの反射音は刺激音圧に対して線形であることから、上式を計算すると反射音は0になる。一方、OAEは圧縮特性を持っているため、R1+R2>R3となる。そのため、上式を計算すると、耳音響放射の一部(非線形な部分)を取り出すことが出来る。S1とS2を異なるスピーカから呈示しているのは、スピーカの非線形性の影響を避けるためである。一つのチャネルからS1〜S3を呈示すると、スピーカの非線形性により、S3がS1+S2と等しくなくなる。
次に、位相変調量計算部23は、耳音響放射算出部22から耳音響放射(Soae)を取得し、刺激音に対する耳音響放射(Soae)の位相変調量(Spm)を計算し、位相変調量の最大値(max Spm)、位相変調量の最大値(max Spm)における刺激音の音圧(Lf)の少なくとも何れかを出力する(S23)。
<ステップS23の詳細な手順>
位相変調量計算部23は、AMEOAE(Soae)の位相(θOAE[t])を計算する。この計算には、ヒルベルト変換、短時間FFTなどを使用することができる。θOAE[t]は、刺激音と同一の変調周波数で変調されるため、位相変調量計算部23は、その振幅値を計算し、位相変調量(Spm)とする。
内耳特性推定部24は、位相変調量の最大値(の有無)、位相変調量の最大値における刺激音の音圧の少なくとも何れかに基づいて内耳特性を推定する(S24)。表示部25は、一方の軸を刺激音の音圧とし、他方の軸を位相変調量とし、両者の関係を可視化して表示する(S25)。
<検証実験>
以下、本発明の原理を検証した検証実験の結果を開示する。搬送波、変調波は正弦波とした。搬送波の周波数を1000Hzとし、時間長さを80msとした。変調波の周波数を50Hzとし、変調深さを0.44とした。刺激音の音圧レベルは30dBから80dBまでとし、5dB刻みとした。呈示回数として、前述のブロックを100〜1000回呈示することとした。ここで、AM音の変調波が正弦波の場合は、変調周波数に制限はないが、刺激長は振幅変調を1周期以上含むようにした。AM音の変調波は正弦波である必要はない(変調周波数が一定でなくてもよい)。ただし、変調深さは一定とし、刺激長は、振幅変調が1周期以上含まれる長さとする必要がある。AM音の搬送波は正弦波である必要はない。AM音の搬送波を正弦波以外とした場合には、周波数帯域は一定とする必要がある(AM音の搬送波として、例えばホワイトノイズ、狭帯域ノイズなども可)。
検証実験の結果、耳音響放射算出部22において、刺激音と同一の搬送波周波数、変調周波数を持つ耳音響放射が算出された(図9(B)参照)。また耳音響放射の位相は、刺激音と同一の変調周波数で変調されていた(図9(A)参照)。また、位相変調量は、刺激音のある音圧レベルにおいて最大となっていた(図10参照)。
<心理物理的方法で推定した内耳の増幅率と位相変調量の最大値との関係>
以下、図11を参照して心理物理的方法で推定した内耳の増幅率と位相変調量の最大値との関係について考察する。図11は、ある被評価者における心理物理的方法で推定した内耳の入出力関数の増幅率と位相変調量との関係についての実験結果を示す図である。図11(A)は、心理物理的方法で推定した内耳における増幅率と刺激音の音圧との関係を示す図である。図11(B)は位相変調量と刺激音の音圧との関係を示す図である。
この実験の結果、何れの被験者においても、位相変調量が最大値となる刺激音の音圧(Lf、図11(B)の例では0dB近傍)において、心理物理的方法で推定した内耳の増幅率の傾きが0.5とほぼ等しくなることが分かった。以下では内耳の増幅率の傾きが0.5となる座標を、屈折点と呼ぶものとする。上記の実験の結果から、位相変調量が最大値となる刺激音の音圧と屈折点における刺激音の音圧とがほぼ一致することが分かった。なお、図11(A)(B)の横軸、図11(B)の縦軸は相対値とした。図11(A)(B)の横軸については、Lfをすべての被験者に対して算出し、入出力特性と位相変調特性の刺激音圧を、それぞれ、Lfに対する相対的な値として表現した。図11(B)の縦軸については、位相変調量を各被験者の最大値で正規化した。
検証実験の結果が示す通り、耳音響放射の位相変調量から内耳の入出力特性(圧縮特性)を評価することができる。一般に、難聴の度合いに応じて入出力特性の屈折点は高い音圧レベル側にずれる。さらに重度の難聴の場合は、圧縮特性が失われることが知られている。本発明では、耳音響放射の位相変調量から入出力特性の屈折点の位置を推測することができる。図12に示すように、屈折点の位置(耳音響放射の位相変調量のピーク位置)から、難聴の重症度を評価することが出来る。また、位相変調量にピークが検出されなかった場合には、重度の難聴であると判断できる。この新たな知見に基づいて、上述した内耳特性推定部24は、被評価者の聴力(内耳特性)を評価することができる。また上述した表示部25は、図11(B)相当のグラフを評価者に表示することにより、評価者に位相変調量に目立ったピークが存在するか否か、ピークが存在する場合にはその位置を見せることができ、評価者に被評価者の聴力を判定させることができる。
本実施例の内耳特性評価装置2(3)は、被評価者の主観的な解答に依存せずに、内耳特性を評価できる。そのため、新生児など自力での回答が難しい被評価者の聴力を評価することができる。
なお、上述の実施例において耳音響放射の算出方法は、参考非特許文献2の方法に依ったが、耳音響放射の算出方法はこれに限られない。例えば、耳音響放射の算出方法として、同様に非線形性を利用した方法である参考非特許文献3の方法を利用してもよい。
(参考非特許文献3:J. J. Guinan Jr., B. C. Backus, W. Lilaonitkul,and V.Aharonson, "Medial Olivocochlear Efferent Reflex in Humans: Otoacoustic Emission (OAE) Measurement Issues and the Advantages of Stimulus Frequency OAEs," J. Assoc. Res. Otolaryngol., December 2003, Volume 4, Issue 4, pp. 521-540)
また、耳音響放射の計測は、ドップラーシフト振動計などを使って、鼓膜の振動を測定する方法でもよい。上述の実施例では、刺激音を刺激音系列として生成したが、これに限らず刺激音圧を連続的に変えて、一つの刺激音として生成、呈示してもよい。
原理的には、変調深さを一定にしていれば、刺激音圧に応じて位相変調量が変化するはずである。その位相変調量と刺激音圧の関係を、位相変調特性としてもよい。
上述の検証実験では、変調深さを固定して音圧レベルを変えたがこれに限らず、音圧レベルを固定して、変調深さを変えて位相変調特性としてもよい。
<補記>
本発明の装置は、例えば単一のハードウェアエンティティとして、キーボードなどが接続可能な入力部、液晶ディスプレイなどが接続可能な出力部、ハードウェアエンティティの外部に通信可能な通信装置(例えば通信ケーブル)が接続可能な通信部、CPU(Central Processing Unit、キャッシュメモリやレジスタなどを備えていてもよい)、メモリであるRAMやROM、ハードディスクである外部記憶装置並びにこれらの入力部、出力部、通信部、CPU、RAM、ROM、外部記憶装置の間のデータのやり取りが可能なように接続するバスを有している。また必要に応じて、ハードウェアエンティティに、CD−ROMなどの記録媒体を読み書きできる装置(ドライブ)などを設けることとしてもよい。このようなハードウェア資源を備えた物理的実体としては、汎用コンピュータなどがある。
ハードウェアエンティティの外部記憶装置には、上述の機能を実現するために必要となるプログラムおよびこのプログラムの処理において必要となるデータなどが記憶されている(外部記憶装置に限らず、例えばプログラムを読み出し専用記憶装置であるROMに記憶させておくこととしてもよい)。また、これらのプログラムの処理によって得られるデータなどは、RAMや外部記憶装置などに適宜に記憶される。
ハードウェアエンティティでは、外部記憶装置(あるいはROMなど)に記憶された各プログラムとこの各プログラムの処理に必要なデータが必要に応じてメモリに読み込まれて、適宜にCPUで解釈実行・処理される。その結果、CPUが所定の機能(上記、…部、…手段などと表した各構成要件)を実現する。
本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。また、上記実施形態において説明した処理は、記載の順に従って時系列に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力あるいは必要に応じて並列的にあるいは個別に実行されるとしてもよい。
既述のように、上記実施形態において説明したハードウェアエンティティ(本発明の装置)における処理機能をコンピュータによって実現する場合、ハードウェアエンティティが有すべき機能の処理内容はプログラムによって記述される。そして、このプログラムをコンピュータで実行することにより、上記ハードウェアエンティティにおける処理機能がコンピュータ上で実現される。
この処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等どのようなものでもよい。具体的には、例えば、磁気記録装置として、ハードディスク装置、フレキシブルディスク、磁気テープ等を、光ディスクとして、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD−RAM(Random Access Memory)、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD−R(Recordable)/RW(ReWritable)等を、光磁気記録媒体として、MO(Magneto-Optical disc)等を、半導体メモリとしてEEP−ROM(Electronically Erasable and Programmable-Read Only Memory)等を用いることができる。
また、このプログラムの流通は、例えば、そのプログラムを記録したDVD、CD−ROM等の可搬型記録媒体を販売、譲渡、貸与等することによって行う。さらに、このプログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することにより、このプログラムを流通させる構成としてもよい。
このようなプログラムを実行するコンピュータは、例えば、まず、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、一旦、自己の記憶装置に格納する。そして、処理の実行時、このコンピュータは、自己の記録媒体に格納されたプログラムを読み取り、読み取ったプログラムに従った処理を実行する。また、このプログラムの別の実行形態として、コンピュータが可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することとしてもよく、さらに、このコンピュータにサーバコンピュータからプログラムが転送されるたびに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することとしてもよい。また、サーバコンピュータから、このコンピュータへのプログラムの転送は行わず、その実行指示と結果取得のみによって処理機能を実現する、いわゆるASP(Application Service Provider)型のサービスによって、上述の処理を実行する構成としてもよい。なお、本形態におけるプログラムには、電子計算機による処理の用に供する情報であってプログラムに準ずるもの(コンピュータに対する直接の指令ではないがコンピュータの処理を規定する性質を有するデータ等)を含むものとする。
また、この形態では、コンピュータ上で所定のプログラムを実行させることにより、ハードウェアエンティティを構成することとしたが、これらの処理内容の少なくとも一部をハードウェア的に実現することとしてもよい。

Claims (4)

  1. 振幅変調音である刺激音を被評価者の外耳道に呈示する刺激音呈示部と、
    前記刺激音の呈示によって生じた耳音響放射を算出する耳音響放射算出部と、
    前記刺激音に対する前記耳音響放射の位相変調量を計算し、前記位相変調量の最大値、前記位相変調量の最大値における刺激音の音圧の少なくとも何れかを出力する位相変調量計算部と、
    を含む内耳特性評価装置。
  2. 請求項1に記載の内耳特性評価装置であって、
    前記位相変調量の最大値、前記位相変調量の最大値における刺激音の音圧の少なくとも何れかに基づいて内耳特性を推定する内耳特性推定部
    を含む内耳特性評価装置。
  3. 請求項1、または2に記載の内耳特性評価装置であって、
    一方の軸を前記刺激音の音圧とし、他方の軸を前記位相変調量とし、両者の関係を可視化して表示する表示部
    を含む内耳特性評価装置。
  4. 振幅変調音である刺激音を被評価者の外耳道に呈示するステップと、
    前記刺激音の呈示によって生じた耳音響放射を算出するステップと、
    前記刺激音に対する前記耳音響放射の位相変調量を計算し、前記位相変調量の最大値、前記位相変調量の最大値における刺激音の音圧の少なくとも何れかを出力するステップと、
    を内耳特性評価装置が実行する内耳特性評価方法。
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