上述の特許文献1では、太陽電池に、一般のシリコン太陽電池より低照度での発電効率が高い色素増感太陽電池(DSC)を用いたりして、少しでも電力を確保し、照明を長く点灯させる工夫が施されている。しかしながら、本件発明者は、さらに電力を確保し、照明を長く点灯させることが可能な意匠パネルの発明に至った。
本発明の目的は、意匠パネル部と太陽電池パネル部とが相互に表裏面となるように重ね合わせられて成る自照式の意匠パネルにおいて、より多くの電力を確保し、照明を長く点灯させることができる意匠パネルを提供することである。
本発明の意匠パネルは、太陽電池を用いた自照式の意匠パネルにおいて、相互に表裏面となるように重ね合わせられる意匠パネル部と太陽電池パネル部とを有し、それらの意匠パネル部および太陽電池パネル部は、それらの基板の少なくとも一部が透光性を有し、前記意匠パネル部での背面方向への漏光で前記太陽電池が回生発電することを特徴とする。
上記の構成によれば、太陽電池を用いて、独立して(外部からの給電無しに)、自照(内照)可能な意匠パネルにおいて、本発明の意匠パネルは、意匠パネル部と太陽電池パネル部とを相互に表裏面となるように重ね合わせて構成され、たとえば窓際に配置され、裏(背)面側の太陽電池パネル部のパネル面を窓側に、表(前)面側の意匠パネル部のパネル面を室内側に向けて使用される。
したがって、意匠パネル部には任意で精細な意匠を施すことができ、また太陽電池パネル部はそのままで、意匠パネル部だけを変更(交換)するような使い方も可能になる。また、デザイナーや広告主などの要望に応じた様々な態様での使用が可能になり、新たな用途に展開可能になる。なお、前記意匠パネル部は、内部照明を有する構成に限らず、EL素子のように、自発光可能なパネルであってもよく、自照式のパネルであればよい。
一方、上述のように相互に表裏面となるように重ね合わせられている意匠パネル部および太陽電池パネル部において、それらの基板の少なくとも一部が透光性を有するように形成され、前記意匠パネル部での背面方向への漏光で前記太陽電池が回生発電する。したがって、意匠パネル部の発光部分で、裏面の基板側に跳ね返り、従来は基板で吸収されて無駄になっていた光を、透光性の基板でさらに裏側に取出し、太陽電池が回生発電するので、発電効率をより向上し、照明を長く点灯させることができる。
また、本発明の意匠パネルでは、前記太陽電池は、色素増感太陽電池から成ることを特徴とする。
上記の構成によれば、前記太陽電池が色素増感太陽電池(DSC)である場合、一般のシリコン太陽電池より低照度での発電効率が高い。したがって、裏側の意匠パネル部から漏れてくる弱い光でも、確実に捉えて回生することができる。また、色素増感太陽電池(DSC)は、一般的に透光性を有するので、発電効率の差はあるが、両面(表裏)いずれからの光でも発電できる。これは、半導体太陽電池には無い色素増感太陽電池(DSC)の特長である。そのため、透光性基板への特別な細工は、意匠パネル部に行うだけでよい。
さらにまた、本発明の意匠パネルでは、前記太陽電池は、その受光面の色素の違いおよび/または発電層の厚みの違いによる意匠が形成されていることを特徴とする。
上記の構成によれば、前記太陽電池を色素増感太陽電池(DSC)とすることで、色素の違いを利用して、受光面に意匠を形成することができる。また、前記色素増感太陽電池(DSC)では、発電層(一般的には二酸化チタン)の厚み(層数)の差によっても、意匠を形成することができる。
また、本発明の意匠パネルでは、前記意匠パネル部は、表面側から、意匠が施された加飾パネルと、照明光を特定部に集光する集光板と、照明光を拡散する散光板と、前記照明光を伝播する導光板と、反射板とを積層して構成され、前記導光板の端縁には発光素子が設けられ、前記導光板は、前記発光素子から入射した照明光が、その厚み方向に反射を繰返して、面方向に伝播してゆくものであり、前記集光板は、局所的に印刷ドットが形成され、そのドット部によって、前記散光板で均一化された光を取出して照明光として前記加飾パネルの背面側から照射し、前記反射板は、前記印刷ドットの領域以外に反射膜が形成されていることを特徴とする。
上記の構成によれば、意匠パネル部は、エッジライト式の内照式パネルで構成されるので、該意匠パネルの薄型化が可能になる。さらに、集光板の印刷ドットによって、そのエッジライトの照明光で、加飾パネルを局所的に照明することができ、前記加飾パネルの意匠を効果的に引き立たせることが可能になる。
しかも、集光板において、前記意匠部分の局所的な印刷ドットによって前面方向に光路が変換されるが、該集光板から出射されず、表面で反射して前記意匠の照明に寄与しなかった光や、前記印刷ドットによって背面方向に反射されてしまった光は、反射板の反射膜の無い部分から太陽電池に到達するので、前述のように、従来は無駄になっていた光を利用することができる。
さらにまた、本発明の意匠パネルでは、前記意匠パネル部は、表面側から、意匠が施された加飾パネルと、照明光を特定部に集光する集光板と、照明光を拡散する散光板と、前記照明光を伝播する導光板と、反射板とを積層して構成され、前記導光板の端縁には発光素子が設けられ、前記導光板は、前記発光素子から入射した照明光が、その厚み方向に反射を繰返して、面方向に伝播してゆくものであり、前記集光板は、局所的に印刷ドットが形成され、そのドット部によって、前記散光板で均一化された光を取出して照明光として前記加飾パネルの背面側から照射し、前記反射板は、前記印刷ドットの領域に反射膜が形成され、前記印刷ドットの領域以外はハーフミラー、スリット、またはピンホールに形成されていることを特徴とする。
上記の構成によれば、意匠パネル部は、エッジライト式の内照式パネルで構成されるので、該意匠パネルの薄型化が可能になる。さらに、集光板の印刷ドットおよび反射板によって、そのエッジライトの照明光で、加飾パネルを局所的に照明することができ、前記加飾パネルの意匠を効果的に引き立たせることができるとともに、意匠部分以外の部分はボヤッと浮き上がらせるという視覚効果を得ることができる。
しかも、前記意匠以外の部分で、光量を落した照明の残りの光は、反射板のハーフミラー、スリット、または目に見えない程度のピンホールを通して太陽電池に到達するので、無駄になる光を利用することができる。
また、本発明の意匠パネルでは、前記意匠パネル部は、表面側から、意匠が施された加飾パネルと、照明光を拡散する散光板と、前記照明光を伝播する導光板と、反射板とを少なくとも積層して構成され、前記導光板の端縁には発光素子が設けられ、前記導光板は、前記発光素子から入射した照明光が、その厚み方向に反射を繰返して、面方向に伝播してゆくものであり、前記反射板は、その全面が、ハーフミラー、スリット、またはピンホールに形成されることを特徴とする。
上記の構成によれば、意匠パネル部は、エッジライト式の内照式パネルで構成されるので、該意匠パネルの薄型化が可能になる。さらに、そのエッジライトの照明光で、加飾パネルを照明することができ、該加飾パネルの意匠を引き立たせることが可能になる。
しかも、反射板は、パターンニングされておらず、その全面が、ハーフミラー、スリット、または目に見えない程度のピンホールに形成されるので、導光板の前面から出射されず、表面で反射した光は、そのまま該反射板の前記ハーフミラー、スリット、またはピンホールを透過して前記色素増感太陽電池(DSC)に到達するので、前述のように、従来は無駄になっていた光を利用することができる。また、意匠の違いに対して、反射板のデザインを共通にすることができ、コストを削減することができる。さらにまた、色素増感太陽電池(DSC)には均等に光を導くことで、発電量を安定させることができるとともに、裏面側では該色素増感太陽電池(DSC)が均等に浮き上がるという視覚効果を得ることができる。
さらにまた、本発明の意匠パネルでは、前記加飾パネルは、所望の複数色がハーフトーン印刷されて前記意匠が形成されており、前記発光素子は複数色の光源を有し、印刷色と光源色との組合わせによって、前記意匠が選択的に発光することを特徴とする。
上記の構成によれば、加飾パネルのカラー印刷と、光源のカラー発光との組合わせによって、光源のカラーに合った色の意匠だけを発光させたり、或いは白色光源を用いることで、全面の意匠を発光させたりすることが可能になる。
また、本発明の意匠パネルでは、表裏で一体化された前記意匠パネル部および太陽電池パネル部は、略鉛直に立てた状態で使用され、下部側には、それらを前記立てた状態で支持するための支持部材が設けられ、前記発光素子を点灯させる点灯回路、前記点灯回路を電力付勢する二次電池、および前記太陽電池パネル部で発電された電力を前記二次電池に充電する充電回路が、前記意匠パネル部および太陽電池パネル部の下部側または前記支持部材内に設けられることを特徴とする。
上記の構成によれば、前記の意匠パネルを、表彰、褒彰、顕彰の楯などとして用いることが可能になる。そして、そのような楯において、前記のように加飾パネルを局所的に照明する場合は、たとえば特定のマークや冠の部分だけを光らせることが可能になる。
さらにまた、本発明の意匠パネルでは、太陽電池を電源として、その出力電力で発光素子を電力付勢する二次電池または電気二重層キャパシタを充電する充電回路を備え、該充電回路が、前記太陽電池の出力電力を前記二次電池または電気二重層キャパシタに注入するDC−DCコンバータと、前記DC−DCコンバータの前段に介在され、前記太陽電池の出力電力で充電される蓄電素子と、前記蓄電素子と前記DC−DCコンバータとの間に介在されるスイッチ素子と、前記蓄電素子の充電電圧を監視し、前記充電電圧が予め定める電圧となると、前記スイッチ素子をONさせて、前記蓄電素子の充電電力を前記DC−DCコンバータに給電することで、該DC−DCコンバータを動作させる制御回路とを含むことを特徴とする。
上記の構成によれば、DC−DCコンバータが前記太陽電池の出力電力を、該意匠パネルの前記自照(内照)のための電源となる二次電池や電気二重層キャパシタに充電するにあたって、DC−DCコンバータは、前記太陽電池の出力電力を電源として、それ自体で自発的に動作してしまうので、太陽電池、特に低照度下で発電可能な色素増感太陽電池には、DC−DCコンバータを接続すると、それによる負荷が大き過ぎて、太陽電池は出力電圧が立上がらず、シャットダウン状態となって有効に電力を取り出せないことがある。
そこで、DC−DCコンバータの前段にスイッチ素子を設けて、太陽電池からDC−DCコンバータを完全に切り離せるようにする。一方、太陽電池とスイッチ素子との間には蓄電素子を設けておき、前記太陽電池の出力電力で、先ずその蓄電素子を充電するようにする。太陽電池、特に色素増感太陽電池は、電流源素子であり、その時点の光量に対応した発電電流を絶え間なく流し出し、蓄電素子の充電電圧が、この色素増感太陽電池の開放端電圧に達すると充電を終了する。そして、その蓄電素子は、コンデンサなどの容量性素子であり、光量が多い程早く充電を終了する。そこで、この充電電圧を監視し、その監視結果に応じてスイッチ素子をON/OFFする制御回路を設ける。
前記制御回路は、前記充電電圧が、予め定める電圧となるまではスイッチ素子をOFFしてDC−DCコンバータへの入力を遮断させておき、予め定める電圧となるとONさせて、前記蓄電素子の充電電力を該DC−DCコンバータに給電して、該DC−DCコンバータを動作させる。前記予め定める電圧は、前記太陽電池の開放端電圧に近く、DC−DCコンバータにとって効率の良い入力電圧範囲であって、コンデンサなどから成る前記蓄電素子の定格電圧以下とする。
したがって、低照度時にDC−DCコンバータが切離されており、かつ直流抵抗値がほぼ無限大のコンデンサなどから成る蓄電素子が接続されていることで、太陽電池の負荷が極限まで軽くなって、前記蓄電素子に前記太陽電池の電流(電荷)が蓄積される。そして蓄電素子の充電電圧が予め定める電圧に立上がると、制御回路は、スイッチ素子をONして、その立上がった電圧でDC−DCコンバータを動作させる。蓄電素子は瞬間的な大電流の供給に適したデバイスであるので、例えDC−DCコンバータの立上げ投入電流が大きくても、問題無く該DC−DCコンバータを立上げることができる。
一方、DC−DCコンバータの動作に伴い、蓄電素子の放電が進み、充電電圧が前記予め定める電圧にまで低下すると、制御回路は、スイッチ素子をOFFして、DC−DCコンバータへの給電を停止して動作を停止させるとともに、再び蓄電素子への充電を開始する。
これによって、前記予め定める電圧未満の範囲の光量の光エネルギーを取込み、蓄電素子に蓄積されるので、これまで発電に利用できなかった、たとえば室内灯の光のような極低照度の光も利用して、より効率的に太陽エネルギーを取込むことができる。特に、太陽電池を室内に設置した場合において、より効率的に太陽エネルギーを獲得でき、好適である。
また、本発明の意匠パネルでは、前記太陽電池が共通接点に接続され、前記蓄電素子が一方の個別接点に接続される切換えスイッチと、前記切換えスイッチの他方の個別接点と前記DC−DCコンバータとを接続するバイパスラインと、照度を監視し、該照度が予め定める閾値以上の高照度であれば前記切換えスイッチを他方の個別接点に接続し、前記閾値未満の低照度であれば前記切換えスイッチを一方の個別接点に接続する照度センサをさらに備えることを特徴とする。
上記の構成によれば、DC−DCコンバータの前段に蓄電素子を設けることで、上述のように低照度での発電が可能になるが、蓄電素子を通してしか、DC−DCコンバータは太陽電池の出力電力を取込むことができない。そのため、高照度では、スイッチ素子の切替わり(サイクル)が頻繁になるものの、該スイッチ素子がOFFしている間は、太陽電池の出力電力をDC−DCコンバータに移すことができない。さらに、高照度になると、連続動作状態になり、該スイッチ素子による充電/放電の切替え時間のロスも無視できなくなる。
そこで、照度センサによる高照度検知機能を設け、たとえば10,000lux以上の高照度を検知したら、該照度センサは、太陽電池と蓄電素子との間に設けられた切換えスイッチを切替え、バイパスラインを介して、太陽電池の出力電力を直接DC−DCコンバータに与える。これによって、太陽エネルギーの取込みロスを無くすことができる。
本発明の意匠パネルは、以上のように、太陽電池を用いて、独立して(外部からの給電無しに)、自照(内照)可能な意匠パネルにおいて、意匠パネル部と太陽電池パネル部とを相互に表裏面となるように重ね合わせ、かつそれらの基板の少なくとも一部が透光性を有し、前記意匠パネル部での背面方向への漏光で前記太陽電池が回生発電するようにする。
それゆえ、意匠パネル部には任意で精細な意匠を施すことができ、また太陽電池パネル部はそのままで、意匠パネル部だけを変更(交換)するような使い方も可能になる。また、デザイナーや広告主などの要望に応じた様々な態様での使用が可能になり、新たな用途に展開可能になる。さらにまた、意匠パネル部の発光部分で、裏面の基板側に跳ね返り、従来は基板で吸収されて無駄になっていた光を発電に利用することができ、発電効率をより向上し、照明を長く点灯させることができる。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の一形態に係る意匠パネル101の斜視図である。この意匠パネル101は、太陽電池を用いた自照式の意匠パネルであるパネルブロック102が、支持部材103によって、略鉛直に起立するように支持されて構成されている。たとえば、この意匠パネル101は、机上や窓際になどに載置されて、表彰、褒彰、顕彰の楯などとして用いることができる。そして、この意匠パネル101は、そのような楯において、後述するように、特定のマークや冠の意匠部分104だけを光らせたり、全面を光らせたりできるようになっている。その光らせる内部照明の電源として、背面側に太陽電池パネルが設けられ、下部には後述の充電回路および二次電池が設けられている。
図2は、パネルブロック102の図であり、(a)は正面図であり、(b)は側面図である。パネルブロック102は、たとえば、幅Wが200mm、高さH1が300mm、厚さDが14.4mmの薄型パネル105の下部に、周辺回路部品が取付けられて構成される。その周辺回路部品として、薄型パネル105の直下には、前記内部照明のエッジライトとして、高さH2、たとえば5mmのLED基板106が設けられている。そのLED基板106の下方において、一方の側部側にはLED制御回路107が配置され、他方の側部側には後述の充電回路1,1aが配置され、それらの回路107;1,1aの下方には、電池ボックスが設けられている。電池ボックス内には、たとえば単4形の二次電池4,4aが、2個直列に収納されている。図1および図2で示す例では、回路107;1,1aおよび電池ボックスは、パネルブロック102が延長されて搭載されているが、支持部材103内に収納されてもよい。
図3は前記パネルブロック102の一実施形態の正面図であり、図4は前記パネルブロック102の下端部分を厚み方向に切断した模式的な断面図である。パネルブロック102は、意匠パネル部111と太陽電池パネル部121とを有し、かつそれらが個別に作製され、それらの意匠パネル部111および太陽電池パネル部121は、相互に表裏面となるように重ね合わせられて構成されている。裏(背)面側の太陽電池パネル部121の2枚の基板122,123の厚さは、たとえばそれぞれ2.2mmである。
そして、表(前)面側の意匠パネル部111は、前記LED基板106を用いたエッジライト(内部照明)式の意匠パネルであり、表面側から、意匠が施された加飾パネル112と、照明光を特定部に集光する集光板116と、照明光を拡散する散光板113と、前記照明光を伝播する導光板114と、反射板115とが積層されるとともに、前記導光板114の端縁に、前記LED基板106が設けられて構成される。このようなエッジライト式の内照式パネルで構成することで、該意匠パネル101を薄型化することができる。なお、図4では、上述のようなパネルブロック102の積層構造を理解し易くするために、図1や図2に比べて、厚みを強調して(厚く描いて)いるとともに、厚みの割合が実際の厚みとは厳密には異なっている。
加飾パネル112は、たとえば2mmの透明な樹脂板の裏面において、前記特定部が対応する意匠部分104に、所望の複数色の意匠がハーフトーン印刷されて構成されている。散光板113は、たとえば2mmの乳白色の板から成り、導光板114を介する照明光を、面方向に均一に拡散する。導光板114は、たとえば2mmの透明な樹脂板から成り、前記LED基板106から入射した照明光が、該導光板114の厚み方向に反射を繰返して面方向に伝播してゆく。反射板115は、導光板114側が鏡面に加工された樹脂板や、金属薄板などから構成される。
図5は、前記集光板116の一実施形態の正面図である。集光板116は、たとえば3mmの透明な樹脂板1161で、前記意匠部分104に臨む前記特定部分に、集光ドットパターン(凹凸)1162が形成されて成り、その集光ドットパターン(凹凸)1162によって、散光板113で散乱された光を、厚み方向に射出し、加飾パネル112の背面側から照射する。前記集光ドットパターン(凹凸)1162は、レーザ加工或いはNCルーター加工によって形成され、或いはスクリーン印刷やエッチングなどで形成される。
図6は、反射板115の一実施形態の正面図である。本実施形態では、反射板115は、たとえば1mmの樹脂板1151の表面に、反射膜1152が形成されて構成される。注目すべきは、前記特定部分である意匠部分104、すなわち集光ドットパターン(凹凸)1162の部分には、前記反射膜1152が形成されていないことである。したがって、反射膜1152のその部分は、開口1153となっている。
このように構成することで、エッジライトの照明光で、加飾パネル112を局所的に照明することができ、前記加飾パネル112の意匠部分104を効果的に引き立たせることができる。そして、前述のように、加飾パネル112の意匠部分104は複数色の意匠がハーフトーン印刷されて形成されており、LED基板106に搭載される発光素子としてのLEDにも、複数色の素子を用い、印刷色とLEDの光源色との組合わせによって、前記意匠部分104が選択的に発光するように構成してもよい。たとえば、赤色のLEDが発光すると赤色の意匠部分が発光し、緑色のLEDが発光すると緑色の意匠部分が発光し、・・・白色のLEDが発光すると総ての色の意匠部分が発光するというような具合である。このように構成することで、意匠部分104への注目度を飛躍的に高めることができる。
太陽電池パネル部121は、前述のように色素増感太陽電池(DSC)から成り、電極の形成された一対の基板122,123間に、色素を吸着した図示しない酸化チタン粒子や、電解液が封入されて構成される。したがって、この太陽電池パネル部121には、受光面に色素の違いによる簡単な意匠(文字、図形、絵柄等)を形成することができる。或いは、色素増感太陽電池(DSC)では、一般的には二酸化チタンから成る発電層の厚み(層数)の差によっても、意匠を形成することができる。
このように構成される太陽電池パネル部121が、前述の意匠パネル部111に背中合わせで積層され、周縁部の少なくとも3辺に、軸直角断面がコの字状のフレーム131が嵌め込まれるなどして一体化されることで、前記パネルブロック102が完成する。そして、照度レベルが高い間に太陽電池パネル部121が発電し、充電回路1,1aによって二次電池4や電気二重層コンデンサ4aに充電が行われ、照度レベルが低くなると、LED制御回路107が二次電池4や電気二重層コンデンサ4aの電力でLED基板106のLEDを点灯し、加飾パネル112の意匠部分104を引き立たせる。
LEDの点灯/消灯は、たとえば前記支持部材103等に取り付けた照度センサによって自動的に行ってもよく、或いは支持部材103等に取り付けたスイッチによって手動で行ってもよい。
したがって、本実施の形態の意匠パネル101は、太陽電池を用いて、独立して(外部からの給電無しに)、自照(内照)可能な意匠パネルにおいて、意匠パネル部111と太陽電池パネル部121とを個別に作製し、それらを表裏で組合わせて使用するので、太陽電池パネル部121はそのままで、意匠パネル部111だけを変更(交換)するような使い方が可能になる。また、デザイナーや広告主などの要望に応じた様々な態様での使用が可能になり、新たな用途に展開することができる。さらにまた、本実施の形態の意匠パネル101は、特別なメンテナンスを必要とせず、メンテナンスフリーで、太陽光による充電およびその充電電力を利用した照明を行うことができる。
なお、上述の実施形態では、意匠パネル部111は、LED基板106を用いたエッジライト(内部照明)式の意匠パネルであるが、有機或いは無機のEL素子などを用いた自発光式の意匠パネルであってもよい。
そして、集光板116の集光ドットパターン(凹凸)1162によって、散光板113で均一化された光を取出して照明光として加飾パネル112の背面側から局所的に照射し、加飾パネル112の意匠部分104を効果的に引き立たせることができる。その際、集光板116において、前記意匠部分104の局所的な集光ドットパターン(凹凸)1162によって前面方向に光路が変換されるが、該集光板116から出射されず、表面で反射して前記意匠部分104の照明に寄与しなかった光や、前記集光ドットパターン(凹凸)1162によって直接背面方向に反射されてしまった光は、漏光として反射板115の反射膜1152の無い開口1153部分から太陽電池パネル部121に取出すので、従来では基板(本実施形態の場合は反射板115)で無駄になっていた光を回生発電し、発電効率をより向上して、照明を長く点灯させることができる。
なお、本実施形態の意匠パネル101では、太陽電池パネル部121には色素増感太陽電池(DSC)パネルを用いるので、該太陽電池パネル部121側の基板122,123は、元々透光性であり、発電効率の差はあるが、両面(表裏)いずれからの光でも発電できる。これは、半導体太陽電池には無い色素増感太陽電池(DSC)の特長である。そのため、基板122には、漏光による回生発電のために特別な細工をする必要はない。そして、色素増感太陽電池(DSC)である場合、一般のシリコン太陽電池より低照度での発電効率が高く、したがって裏側の意匠パネル部121から漏れてくる弱い光でも、確実に捉えて回生することができる。
(実施の形態2)
図7は、本発明の実施の他の形態に係る意匠パネルのパネルブロックに使用される一実施形態の反射板115aの正面図である。この反射板115aは、上述の反射板115に代えて用いられる。注目すべきは、この反射板115aは、反射膜1152は、集光ドットパターン(凹凸)1162の形成される意匠部分104に対応した範囲1155に形成され、前記範囲1155以外は、ハーフミラー、スリット、または目に見えない程度のピンホールに形成されていることである。図8の例では、微小なピンホール1154を示している。
このように構成することで、意匠部分104を、より効果的に引き立たせることができるとともに、意匠部分104以外の部分はボヤッと浮き上がらせるというコントラストの視覚効果を得ることができる。また、太陽電池パネル部121側から見たときに、該太陽電池パネル部121のパターンのみが浮き出て見える(臓物が見えない)という見栄え効果を得ることもできる。しかも、意匠部分104以外で、光量を落した照明の残りの光は、反射板115aのピンホール1154を通して太陽電池パネル部121に到達するので、無駄になる光を利用することができる。
(実施の形態3)
図8は、本発明の実施の他の形態に係る意匠パネルのパネルブロックに使用される一実施形態の反射板115bの正面図である。この反射板115bは、上述の反射板115,115aに代えて用いられる。注目すべきは、この反射板115bは、反射膜1152がパターンニングされておらず、その全面が、前記ハーフミラー、スリット、または目に見えない程度のピンホールに形成されていることである。図8の例では、微小なピンホール1154を示している。このような反射板115bでも、従来は無駄になっていた光を利用することができる。
そして、この反射板115bは、集光ドットパターン(凹凸)1162のような特定の意匠部分104に対応したものではなく、細かな意匠が意匠パネル101の前面に散りばめられている意匠や、比較的均一な意匠に好適に実施することができる。また、この反射板115bは、意匠(加飾パネル112)の違いに対して、反射板115bのデザインを共通にすることができ、コストを削減することができる。さらにまた、色素増感太陽電池(DSC)には均等に光を導くことで、発電量を安定させることができるとともに、意匠パネルが発光している夜間等の照度が低い時に、該色素増感太陽電池(DSC)は暗くて見え難くなるところ、漏光で該色素増感太陽電池(DSC)が均等に浮き上がるという視覚効果を得ることができる。
(実施の形態4)
続いて、前記充電回路1として好適な具体例について、以下に説明する。図9は、本発明の実施の一形態に係る充電回路1の電気的構成を示すブロック図である。この充電回路1は、太陽電池2を電源として、その出力電力を、DC−DCコンバータ3が、二次電池4に予め定められる充電電圧および充電電流に変換して、該二次電池4を充電する。太陽電池2は、前記太陽電池パネル部121から成り、上述のように、低照度での発電が可能で、室内などでも使用可能な色素増感太陽電池(DSC)である。二次電池4としては、前記電池ボックス内に収容された2個直列の単4形の二次電池であり、ニッケル水素電池を用いることができる。したがって、定格電圧は、1.2V×2=2.4Vである。
注目すべきは、この充電回路1では、先ず、DC−DCコンバータ3の前段に、スイッチ素子51を設けて、太陽電池2からDC−DCコンバータ3を完全に切り離せるようにしている。これは、DC−DCコンバータ3が、太陽電池2の出力電力を電源として、それ自体で自発的に動作してしまうので、太陽電池2、特に低照度下で発電可能な前記色素増感太陽電池(DSC)の場合に顕著に、DC−DCコンバータ3を接続すると、それによる負荷が大き過ぎて、太陽電池2は出力電圧が立上がらず、シャットダウン状態となって有効に電力を取り出せないことがあるためである。
また、注目すべきは、太陽電池2とスイッチ素子51との間には、蓄電素子6が設けられており、太陽電池2の出力電力で、先ずこの蓄電素子6が充電されるようになっており、さらにこれらの蓄電素子6およびスイッチ素子51に関連して、制御回路7が設けられていることである。制御回路7は、蓄電素子6の充電電圧を監視し、その監視結果に応じてスイッチ素子51をON/OFFする。詳しくは、制御回路7は、前記充電電圧を監視する電圧監視回路71と、その監視結果に応答してスイッチ素子51をON/OFF制御するON/OFF制御回路72とを備えて構成される。ON/OFF制御回路72は、電圧監視回路71で監視される充電電圧が、予め定める電圧となるまではスイッチ素子51をOFFしてDC−DCコンバータ3を停止させておき、予め定める電圧となるとONさせて、蓄電素子6の充電電力をDC−DCコンバータ3に給電して、該DC−DCコンバータ3を動作させる。前記予め定める電圧は、前記太陽電池2の開放端電圧に近く、DC−DCコンバータ3にとって効率の良い入力電圧範囲であって、コンデンサなどから成る該蓄電素子6の定格電圧以下とする。
このように構成することで、先ず低照度時にDC−DCコンバータ3が切離されることで、太陽電池2の負荷が軽くなる。一方、太陽電池2には、蓄電素子6が接続されているが、該蓄電素子6としては、直流抵抗値が無限大に近いコンデンサ(電気二重層キャパシタ:EDLCを含む)が用いられるので、負荷抵抗が無限大になり、図13において、負荷線は、略水平のcとなり、開放電圧Vocと交わる。図13は、太陽電池の出力特性を示すグラフである。太陽電池は、負荷が或る程度大きい負荷線aの場合、高照度ならば高効率で電力を発生するが(電圧Va,電流Ia)、低照度の場合、電圧がVbと小さくなり、取出せる電力(Ib*Vb)も小さくなる。しかしながら、その低照度であっても、負荷が小さい負荷線bの場合は、電力は(Ib*Vb’)となり、発電効率が良くなる。本実施形態の充電回路1は、この負荷をさらに小さい前記負荷線はcとするものである。
一方、蓄電素子6の充電電圧は、図14に示すように、太陽電池2のI−V特性の電流で充電され、最終的に、太陽電池2の前記開放電圧Vocに至る。図14は、蓄電素子6の動作を説明するためのグラフである。
これによって、太陽電池2の出力電圧、したがって蓄電素子6の充電電圧が立上がり易くなり、一定の電荷が蓄積でき、予め定める電圧まで立上がると、ON/OFF制御回路72は、スイッチ素子51をONして、その立上がった電圧でDC−DCコンバータ3を確実に動作させることができる。ON/OFF制御回路72は、蓄電素子6の充電電圧、すなわちDC−DCコンバータ3の入力電圧が、該DC−DCコンバータ3の効率の低い電圧まで下がると、スイッチ素子51をOFFして、再び蓄電素子6に充電を行う。ON/OFF制御回路72は、このような動作を繰返す。
そして、前記予め定める電圧未満の範囲の電力は、蓄電素子6に蓄積されるので、これまで発電に利用できなかった、たとえば室内灯の光のような極低照度の光も利用して、より効率的に太陽エネルギーを取り込むことができる。太陽電池2を室内に、特に照度が著しく変化する窓際に設置した場合において、より効率的に太陽エネルギーを獲得でき、好適である。
図10は、上述のように構成される充電回路1の具体的構成を示す電気回路図である。DC−DCコンバータ3は、回路モジュールから成り、コンバータIC31と、抵抗R19,R21,R22と、コンデンサC6,C7と、インダクタL1とを備えて構成される。スイッチ素子51からハイ側ライン32を介するハイ側入力電圧inは、抵抗R19を介してコンバータIC31の電源入力端子VINに入力されるとともに、イネーブル端子ENをプルアップする。また、前記ハイ側入力電圧inは、インダクタL1を介してコンバータIC31の端子Lに与えられる。さらに、前記インダクタL1の入力側には、GNDライン33との間にコンデンサC6が設けられている。前記ライン32,33間には、共振によるノイズ除去用のコンデンサC7が設けられている。
コンバータIC31は、電源入力端子VINへの入力電圧に対して、インダクタL1およびコンデンサC6を使用して昇降圧動作を行い、大容量負荷駆動用の出力端子Voutからハイ側ライン34へ電圧outを出力し、その電圧outは、ノイズ除去用のコンデンサC2からダイオードD1および電流制限抵抗R18を介して、二次電池4に充電電圧として与えられる。二次電池4の充電電圧は、3.0V以下となるように、前記出力端子Voutからハイ側ライン34への出力電圧outは、ダイオードD1の降下分である0.3Vと電流制限抵抗R18での電圧降下分VR18とを含めて、3.3V+VR18となる。前記電流制限抵抗R18での電圧降下分VR18は、二次電池4の充電電圧が最小(2.0V)時にDC−DCコンバータ3の出力電流が最大になるので、その時の電流値が、DC−DCコンバータ3の仕様内に収まるように設定される。
その出力電圧outはまた、分圧抵抗R21,R22を介して、フィードバック端子FBに入力され、コンバータIC31は定電圧出力を行う。このフィードバックを、MPPT(最大電力ポイント追尾)方式にしても良い。その場合、色素増感太陽電池(DSC)の電流電圧特性に最適な負荷制御を行え、室内光のような低照度下でも有効に光エネルギーを獲得できる。
一方、本実施形態では、太陽電池2は、前記色素増感太陽電池(DSC)で、2個直列に接続され、出力電圧V1の最大値が6Vとなっている。その太陽電池2から、ハイ側ライン73とGNDライン33との間に出力された電圧V1は、蓄電素子(コンデンサ)C1の定格電圧になるようにツェナダイオードZ1で制限され、該蓄電素子6を充電する。蓄電素子6には、図10のようにコンデンサC1が一般的であるが、充放電のサイクルが短い場合には、容量の大きい電気二重層キャパシタを用いるようにすれば、より効率的である。
ON/OFF制御回路72は、スイッチ素子Q1,Q2,Q4と、抵抗R1〜R7,R17と、コンデンサC5とを備えて構成される。太陽電池2からハイ側ライン73に出力された電圧V1は、前記スイッチ素子51として、FETから成るスイッチ素子Q3を介して、前記ハイ側ライン32から前記入力電圧in(電圧V4)としてDC−DCコンバータ3に与えられる。そのハイ側ライン73とGNDライン33との間には分圧抵抗R4,R5が接続されており、コンデンサC1の充電電圧V1はこの分圧抵抗R4,R5で分圧されて電圧V2が出力される。この電圧V2はFETQ2のゲートに与えられ、FETQ2のソースはGNDライン33に接続され、ドレインは抵抗R7,R6を介して、ハイ側ライン73、すなわちFETQ3のソースに接続される。
したがって、コンデンサC1に電荷が蓄積されてゆき、図11(a)で示すように該コンデンサC1の充電電圧V1が上昇し、それに伴い、図11(b)で示すようにFETQ2のゲート電圧V2が上昇し、ON電圧Vth以上となると、該FETQ2がONする。これによって、FETQ2のドレイン電圧V3は図11(c)で示すように変化し、FETQ3のゲート電圧は、抵抗R6でプルアップされていた状態から、前記電圧V1を略抵抗R6,R7で分圧した電圧となり、該FETQ3がONする。FETQ3のONによって、ハイ側ライン32の電圧V4(in)は、図11(d)で示すように、コンデンサC1の放電に伴い低下してゆく。なお、FETQ2がONすると、抵抗R1,R2を介して、ハイ側ライン73から電流を引込み、それによってFETQ1のゲート電圧が低下し、該FETQ1がONして、抵抗R3を介して前記FETQ2のベース電圧V2を安定させる正帰還が行われており、チャタリングが防止されている。
スイッチ素子51としてのFETQ3がONすると、前記電圧V4(in)がコンバータIC31のイネーブル端子ENに与えられ、該コンバータIC31が動作し、図11(e)で示すように、安定化した電圧V5(out)が出力される。
電圧監視回路71は、シャントレギュレータIC1と、コンパレータIC2と、ダイオードD2と、コンデンサC3,C4と、抵抗R8〜R16とを備えて構成される。先ず、前記ハイ側ライン34の電圧V5(out)がダイオードD2および抵抗R10を介して取込まれ、コンデンサC3で平滑化されて、該電圧監視回路71の電源電圧V6として使用される。その電圧V6は、コンパレータIC2の電源入力端に供給されるとともに、抵抗R13,R11,R12で分圧され、抵抗R11,R12間の電圧を基準として、これらの抵抗R11,R12と並列に接続されるシャントレギュレータIC1で安定化される。
シャントレギュレータIC1により制御された電圧は、抵抗R14からコンデンサC4に与えられて安定化され、電圧V8として、コンパレータIC2の非反転入力端に入力される。コンパレータIC2の反転入力端には、DC−DCコンバータ3への入力電圧in(電圧V4)が、抵抗R8,R9で分圧されて入力される。コンパレータIC2の出力は抵抗R15によって正帰還されるとともに、該出力端は抵抗R16によって前記電源電圧V6にプルアップされる。
コンパレータIC2の出力は、ON/OFF制御回路72に送られ、微分用のコンデンサC5から放電抵抗R17に与えられ、それらのコンデンサC5と抵抗R17との接続点の電圧V10は、FETQ4のゲートに与えられる。FETQ4は、FETQ2のゲート電圧V2を、GNDライン33へ地絡するために設けられている。
したがって、前記図11(e)で示すコンバータIC31の動作によって、図11(f)で示すように、コンパレータIC2の非反転入力端の電圧V8は定電圧で安定するのに対して、反転入力端の電圧V7は、コンデンサC1の放電に伴い低下してゆく。そして、電圧V7が電圧V8より低くなると、コンバータIC31の出力はローレベルからハイレベルに変化する。これによって図11(g)で示すコンパレータIC2の出力V9は前記電源電圧V6に吊上がり、コンデンサC5で微分されて、図11(h)で示す電圧V10がFETQ4のゲートに与えられて該FETQ4がONする。これによって、FETQ2、したがってFETQ3がOFFし、図11(d)で示すように、DC−DCコンバータ3がOFFする。こうして、DC−DCコンバータ3は、期間T2の間だけ駆動され、期間T1,T3の間は休止するように、間欠駆動される。
以上のように、図10の充電回路1によれば、低照度時にDC−DCコンバータ3を切離し、太陽電池2の出力電圧V1を、確実に立上げることができる。また、前記出力電圧V1が予め定める電圧未満で、これまで発電に利用できなかった電力も、有効に取込むことができる。
(実施の形態5)
図12は、本発明の実施の他の形態に係る充電回路1aの電気的構成を示すブロック図である。この充電回路1aは、前述の充電回路1に類似し、対応する部分には同一の参照符号を付して、その説明を省略する。先ず、この充電回路1aでは、蓄電装置として、電気二重層キャパシタ(EDLC)4aが用いられる。これによって、該蓄電装置の劣化が抑えられ、メンテナンスフリー化が図られている。しかしながら、電気二重層キャパシタ(EDLC)4aは、単純にコンデンサの放電曲線で放電するので、負荷との間には、定電圧回路10が介在されている。
また、この充電回路1aでは、蓄電装置として、電気二重層キャパシタ(EDLC)4aが用いられることで、太陽電池2からの出力電力を該電気二重層キャパシタ(EDLC)4aの端子電圧以上とする電荷注入手段を用いることで、充電を行うことができる。したがって、電荷注入手段としては、チャージポンプ回路や、最大電圧保護を行う過電圧保護回路だけでも実現可能である。しかしながら、蓄電素子6に蓄積した電荷を、できるだけ早く該電気二重層キャパシタ(EDLC)4aに渡して、再び光エネルギー蓄積モードに戻すことが望ましい。一方、蓄電装置が、二次電池4であっても、電気二重層キャパシタ(EDLC)4aであっても、共に電圧が低い時には、充電時に大きな電流が流れる。そのため、前記電荷注入手段としては、その大電流を流し込むだけの能力のある素子が必要で、本実施形態では、DC−DCコンバータ3aを用いている。ただし、このDC−DCコンバータ3aには、図13の負荷線aに対応した、DC−DCコンバータ3に比べて、簡素な構成を用いることができる。
さらにまた、この充電回路1aでは、蓄電素子6をバイパスするための切換えスイッチ52およびバイパスライン8が設けられるとともに、それに関連して、切換えスイッチ52を切換える照度センサ9が設けられる。切換えスイッチ52は、太陽電池2と蓄電素子6との間に設けられ、太陽電池2が共通接点に接続され、蓄電素子6が一方の個別接点に接続され、他方の個別接点がバイパスライン8に接続される。バイパスライン8は、蓄電素子6をバイパスして、太陽電池2とDC−DCコンバータ3aとを直結することができる。
これは、DC−DCコンバータ3,3aの前段に蓄電素子6を設けることで、低照度での発電が可能になるが、蓄電素子6を通してしか、DC−DCコンバータ3,3aは太陽電池2の出力電力を取込むことができず、高照度では、スイッチ素子51の切替わり(サイクル)が頻繁になるものの、該スイッチ素子51がOFFしている間は、太陽電池2の出力電力をDC−DCコンバータ3,3aに移すことができないためである。特に、高照度になると、スイッチ素子51は連続動作状態になり、充電/放電の切替え時間のロスが無視できなくなる。
そこで、照度センサ9は、照度を監視し、該照度が予め定める閾値以上の高照度であれば、切換えスイッチ52を他方の個別接点、すなわちバイパスライン8に接続し、前記閾値未満の低照度であれば、切換えスイッチ52を一方の個別接点、すなわち蓄電素子6に接続する。このような照度センサ9による高照度検知機能によって、たとえば10,000lux以上の高照度を検知したら、該照度センサ9は、蓄電素子6をバイパスして、太陽電池2の出力電力を直接DC−DCコンバータ3,3aに与えるので、太陽エネルギーの取込みロスを無くすことができる。