以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。尚、本実施例におけるフローチャートの各ステップの説明において、例えば「ステップS1」と記載する箇所を「S1」と略記する場合がある。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。遊技盤2は、透明(あるいは半透明)なプラスチック等の合成樹脂で作られており、遊技盤の裏側を遊技者は視認可能になっている。この実施の形態では、遊技盤2の裏側に副画像表示装置51が設けられる。そして、副画像表示装置51における表示内容が透明な遊技盤2を通して遊技者が視認可能になっている。尚、遊技盤2は、全面が透明である必要はなく、副画像表示装置51に対応する部分のみが透明に構成されていてもよい。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。尚、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。
複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはともに、例えば方形状に形成されている。尚、第1特図の種類と第2特図の種類は同じ(例えば、ともに「0」〜「9」を示す数字、及び、「−」を示す記号)であってもよいし、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば「00」〜「99」を示す数字(あるいは2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には開口があり、この開口の後方に画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。尚、この実施の形態では、画像表示装置5の視認性を確保するために遊技盤2に開口を設けているが、開口を設けずに遊技盤2の画像表示装置5に対応する部分を透明にしてもよい。
一例として、画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L,5C,5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L,5C,5Rにおいて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L,5C,5Rにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、画像表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。尚、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。尚、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L,5C,5Rにて可変表示される飾り図柄には、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなどであればよく、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい)で構成される。飾り図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。尚、飾り図柄は8種類に限定されず、大当り組合せやハズレとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば7種類や9種類など)。
飾り図柄の可変表示が開始された後、可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでには、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L,5C,5Rにおいて、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大(例えば「8」)である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小(例えば「1」)である飾り図柄が表示される。あるいは、飾り図柄表示エリア5L,5C,5Rのうち少なくともいずれか1つ(例えば「左」の飾り図柄表示エリア5Lなど)において、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロール表示を行って、図柄番号が最小である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大である飾り図柄が表示されるようにしてもよい。
画像表示装置5の下方であって、遊技盤2の背面側には副画像表示装置51が設けられている。副画像表示装置51は、例えば画像表示装置5よりも小型のLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。副画像表示装置51の表示領域では、画像表示装置5における可変表示や始動入賞と関連する各種演出(例えば予告演出)が実行される。この実施の形態では、副画像表示装置51は、図1に示す初期位置(待機位置)から画像表示装置5の前面側に重畳する位置(重畳位置)に動作(水平動作)可能になっている。また、副画像表示装置51は、画像表示装置5に対して表示面を傾斜させる傾斜動作や表示面を前面から視認可能な状態で回転する回転動作が可能になっている。このような構成により、副画像表示装置51の表示領域における演出表示や、副画像表示装置51の動作を伴う予告演出を実行できるようになっている。尚、画像表示装置5をメイン液晶、副画像表示装置51をサブ液晶ともいう。
遊技盤2の開口の内側には、演出の実行時等に動作する可動部材52が設けられている。この実施の形態では、8個の可動部材52が設けられており、副画像表示装置51が動作するときに、その動作と連動した動作が実行される。可動部材52は、図1に示すように遊技盤2の開口部の内側に収納された状態から、突出する動作が可能になっている。尚、ここでいう「連動」とは、同時に動作することや対応して動作することをいう。対応した動作とは、一方の動作中に他方が動作を停止する互い違いの動作等をいう。
副画像表示装置51の表示領域には、始動入賞記憶表示エリア5Hが配置されている。始動入賞記憶表示エリア5Hでは、特図ゲームに対応した可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。また、始動入賞記憶表示エリア5Hのおける保留記憶表示は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生したものであるか、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生したものであるかに応じて、その表示態様(例えば表示色や形状)を異ならせるようにしても良い。例えば、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を丸型の青色表示とし、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を丸型の赤色表示とする。尚、このように色分けされた保留記憶表示を、後述するまとめ保留表示とする場合には、色ごとに個別にまとめ保留表示としてまとめ保留表示を色分けしても良いし、色ごとに個別にまとめずに、まとめ保留表示は、常に決められた色で表示するようにしても良い。
尚、後述するように、まとめ保留表示がなされる場合は、画像表示装置5の下部の表示領域にも保留表示がなされるため、始動入賞記憶表示エリア5Hは、副画像表示装置51のみならず、画像表示装置5の下部の表示領域を含む領域となっている。また、本実施例では、副画像表示装置51における始動入賞記憶表示エリア5Hを通常保留表示位置と称する場合があり、画像表示装置5における始動入賞記憶表示エリア5Hをまとめ保留表示位置と称する場合がある。
尚、画像表示装置5、及び/または、副画像表示装置51は、LCDに限定されず有機EL等の他の表示装置で構成されてもよい。
尚、本実施例では、公知の遊技機のように、遊技状態によっては、保留記憶数として「4」や「8」等の上限値が設定されていないために、保留記憶数が多くなることから、副画像表示装置51に設定された始動入賞記憶表示エリア5Hにのみ保留記憶数を表示するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、第1始動入賞口に入った入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を、数値等で表示する表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器や、第2始動入賞口に入った入賞球数すなわち第2保留記憶数を数値等で表示する表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器を設けるようにしても良い。また、始動入賞記憶表示エリア5Hと同じく合計保留記憶数を表示する個別の合計保留記憶表示器を設けるようにしても良い。
これら第1特別図柄保留記憶表示器、第2特別図柄保留記憶表示器および合計保留記憶表示器は、例えば、複数のLED点灯部を有するLED表示器や、数値表示が可能なセグメント表示器や、液晶表示器を使用すれば良い。尚、これら表示器においては、図形や絵柄による保留表示と、保留記憶数の数値表示とを同時に表示するようにしても良い。また、メイン液晶またはサブ液晶にて保留数を常に表示する部位を設けるようにしても良い。
これら第1特別図柄保留記憶表示器、第2特別図柄保留記憶表示器および合計保留記憶表示器の表示は、始動入賞がある毎に、表示している保留記憶数を1増やし、対応する第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bでの可変表示が開始される毎に、表示している保留記憶数を1減らすようにすれば良く、これらの保留記憶数の表示を更新する処理は、例えば、後述する遊技制御用タイマ割込み処理の特別図柄プロセス処理(S15)において表示制御を行う処理が実行されることによって実現されれば良い。
画像表示装置5の下方であって副画像表示装置51の前面側には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、始動領域(第2始動領域)第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しがたい通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすい拡大開放状態となる。尚、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態であるときでも、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、拡大開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。あるいは、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態において、例えば第2始動入賞口を閉鎖することなどにより、第2始動入賞口には遊技球が進入しないように構成してもよい。このように、第2始動領域としての第2始動入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすい拡大開放状態と、遊技球が通過(進入)しにくいまたは通過(進入)できない通常開放状態とに変化する。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「50」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「50」)以下であれば、第2始動条件が成立する。尚、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)しやすくする。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。尚、遊技球が大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。従って、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L,8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサが内蔵されていればよい。
スティックコントローラ31Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニットが設けられていればよい。例えば、傾倒方向センサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組み合わせた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサが設けられていればよい。
続いて、副画像表示装置51(サブ液晶)の構造や動作について説明する。図3はパチンコ遊技機1の側面の断面図である。図3に示すように、副画像表示装置51は、画像表示装置5の前面側の下方に設けられる。また、遊技盤2や普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6Bの後方に設けられる。副画像表示装置51は、副画像表示装置51を動作させるための動作装置53を備える。演出制御基板12に搭載された演出制御用CPU120は、この動作装置53を制御することで、副画像表示装置51を動作させる。
副画像表示装置51は、図3に示す初期位置(待機位置)においては、画像表示装置5に対して表示面が傾いた状態となる。このように初期位置(待機位置)においては、副画像表示装置51を上向きに傾斜させておくことで、遊技者の視線に対して垂直に近くなるため、副画像表示装置51における表示の視認性を向上させることができる。尚、図3に示す初期位置において、前面側からみて副画像表示装置51の一部(上部)が画像表示装置5と重畳するようになっているが、初期位置においては重畳しないようにしてもよい。
副画像表示装置51は、待機位置から画像表示装置5の前面側に重複する重畳位置に移動する水平動作(上下動作)が可能になっている。このとき、図4に示すように、副画像表示装置51の表示面は傾斜させたまま水平動作するようになっている。
図5は、副画像表示装置51を水平動作させるため機構の一例を示す図である。また、副画像表示装置51の本体は、2本のアーム54により支持される。そして、2本のアーム54は、それぞれモータやギアから構成される水平駆動手段55によって副画像表示装置51の本体を持ち上げる動作が可能なように軸支されている。
また、副画像表示装置51の本体は、水平駆動手段55及びアーム54の動作によって、図5(B)に示すような折りたたまれた状態と、図5(A)に示すような伸びた状態と、に変化可能に構成されている。演出制御用CPU120が、水平駆動手段55を駆動させ、アーム54を上下させることによって、このような水平動作を実現する。
また、副画像表示装置51は、表示面を前面から視認可能な状態で回転する回転動作が可能になっている。図6に示すように、副画像表示装置51の表示面の裏側にモータや副画像表示装置51の本体側に固定されるギア57と噛合するギア等で構成される回転駆動手段56が設けられ、モータの回転に応じて副画像表示装置51を回転させる回転動作が可能になっている。尚、この実施の形態では、副画像表示装置51が重畳位置にあるときに回転動作するようになっているが、待機位置においても回転動作するようにしてもよい。演出制御用CPU120が、回転駆動手段56を駆動させることによって、このような回転動作を実現する。
また、副画像表示装置51は、画像表示装置5に対して表示面を傾斜させる傾斜動作が可能になっている。副画像表示装置51の表示面の裏側にモータやギア等で構成される傾斜駆動手段58が設けられる。そして、図7(A)〜(C)に示すように、モータの回転に応じて、副画像表示装置51を上向き、水平、下向き等に傾斜させる傾斜動作が可能になっている。尚、この実施の形態では、副画像表示装置51が重畳位置にあるときに傾斜動作するようになっているが、待機位置においても傾斜動作するようにしてもよい。演出制御用CPU120が、傾斜駆動手段58を駆動させることによって、このような傾斜動作を実現する。
尚、以上の駆動手段は一例であり、副画像表示装置51の水平動作、回転動作、及び、傾斜動作が可能であれば、その構造や動作のさせ方は任意である。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。パチンコ遊技機1では、遊技領域に設けられた通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことといった、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。
この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームが開始される。また、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームが開始される。
第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームでは、特別図柄の可変表示を開始させた後、特図変動時間としての可変表示時間が経過すると、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示されれば、所定表示結果としての「小当り」となる。また、大当り図柄や小当り図柄とは異なる特別図柄が確定特別図柄として停止表示されれば「ハズレ」となる。
特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。特図ゲームでの可変表示結果が「小当り」になった後には、大当り遊技状態とは異なる特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。
この実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「2」の数字を示す特別図柄を小当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄としている。尚、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄となるようにしてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄が停止表示されて特定表示結果としての「大当り」となった後、大当り遊技状態において、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間や0.1秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を開放状態とする。これにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とするラウンドが実行される。
ラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。大入賞口の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数(例えば「15」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。尚、ラウンドの実行回数が上限回数に達する前であっても、所定条件の成立(例えば大入賞口に遊技球が入賞しなかったことなど)により、ラウンドの実行が終了するようにしてもよい。
大当り遊技状態におけるラウンドのうち、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に長い時間(例えば29秒など)となるラウンドは、通常開放ラウンドともいう。一方、特別可変入賞球装置7を第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に短い時間(例えば0.1秒など)となるラウンドは、短期開放ラウンドともいう。
大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「3」、「7」の数字を示す特別図柄は通常開放ラウンド大当り図柄となり、「5」の数字を示す特別図柄は短期開放ラウンド大当り図柄となる。特図ゲームにおける確定特別図柄として通常開放ラウンド大当り図柄が導出された後に制御される通常開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態(通常開放大当り状態)では、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、第1期間となる所定の上限時間(例えば29秒間)が経過するまでの期間、あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させるラウンドが実行される。尚、通常開放大当り状態は、第1特定遊技状態ともいう。
特図ゲームにおける確定特別図柄として短期開放ラウンド大当り図柄が導出された後に制御される短期開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態(短期開放大当り状態)では、各ラウンドで特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる上限時間(大入賞口扉により大入賞口を開放状態とする期間の上限)が、通常開放大当り状態における第1期間よりも短い第2期間(例えば0.1秒間)となる。尚、短期開放大当り状態では、大入賞口の開放期間が第2期間となるように制御されればよく、それ以外の制御は通常開放大当り状態と同様に行われるようにしてもよい。あるいは、短期開放大当り状態では、ラウンドの実行回数が、通常開放大当り状態における第1ラウンド数(例えば「15」)よりも少ない第2ラウンド数(例えば「2」)となるようにしてもよい。
このような短期開放大当り状態では、大入賞口に遊技球が入賞すれば所定個数(例えば15個)の出玉(賞球)が得られる。しかし、大入賞口の開放期間は第2期間(0.1秒間など)であって、非常に短い。そのため、短期開放大当り状態は実質的には出玉(賞球)が得られない大当り遊技状態である。尚、短期開放大当り状態は、第2特定遊技状態ともいう。
また、短期開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態は、通常開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態に比べて、大入賞口の開放期間が短いものに限定されず、例えば大入賞口の開放期間(上限時間)は短期開放ラウンド特定遊技状態と通常開放ラウンド特定遊技状態とで同一である一方で、短期開放ラウンド特定遊技状態では大入賞口を開放状態とする上限回数(例えば2回)が通常開放ラウンド特定遊技状態での上限回数(例えば15回)に比べて少なくなるものであってもよい。すなわち、短期開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態は、各ラウンドで大入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい第1状態に変化させる期間が通常開放ラウンド特定遊技状態における第1期間よりも短い第2期間となることと、ラウンドの実行回数が通常開放ラウンド特定遊技状態における第1ラウンド数よりも少ない第2ラウンド数となることのうち、少なくともいずれか一方となるものであればよい。
小当り図柄となる「2」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として導出された後には、特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。この小当り遊技状態では、短期開放大当り状態と同様に特別可変入賞球装置7において大入賞口を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させる可変入賞動作が行われる。すなわち、小当り遊技状態では、例えば特別可変入賞球装置7を第2期間にわたり第1状態(開放状態)とする動作が繰り返し実行される。
画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L,5C,5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L,5C,5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示状態が所定のリーチ状態となることがある。
ここで、リーチ状態とは、画像表示装置5の表示領域にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部又は一部の飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L,5C,5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L,5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリア5Cなど)では飾り図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L,5C,5Rにおける全部又は一部で飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
また、リーチ状態となったことに対応して、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置5の表示領域に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、飾り図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。尚、リーチ演出には、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L,8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ状態となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(リーチ態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ態様では「大当り」となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。
一例として、この実施の形態では、ノーマルリーチ、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったリーチ態様が予め設定されている。そして、スーパーリーチαやスーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ態様が出現した場合には、ノーマルリーチのリーチ態様が出現した場合に比べて、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高くなる。
こうした飾り図柄の可変表示動作を利用した可変表示演出としては、「滑り」や「擬似連」などがあり、その他にも、例えば「発展チャンス目」や「発展チャンス目終了」、「チャンス目停止後滑り」といった、各種の演出動作が実行されてもよい。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出あるいは「滑り」や「擬似連」などの可変表示演出とは異なり、例えば所定の演出画像を表示することや、メッセージとなる画像表示や音声出力、ランプ点灯などのように、飾り図柄の可変表示動作とは異なる演出動作により、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、スーパーリーチによるリーチ演出が実行される可能性があること、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、遊技者に予め報知するための予告演出が実行されることがある。予告演出となる演出動作は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L,5C,5Rの全部にて飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となるより前(「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L,5Rにて飾り図柄が仮停止表示されるより前)に実行(開始)されるものであればよい。また、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを報知する予告演出には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後に実行されるものが含まれていてもよい。
予告演出のうちには、先読み予告演出となるものが含まれていればよい。先読み予告演出は、可変表示結果が「大当り」となる可能性などが予告される対象となる可変表示を開始するより前に、特図ゲームの保留情報などに基づいて実行可能となる予告演出である。特に、複数回の特図ゲームに対応して複数回実行される飾り図柄の可変表示にわたり、可変表示結果が「大当り」となる可能性などを連続して予告する先読み予告演出は、連続予告演出とも称される。
この実施の形態では、先読み予告演出として、始動入賞記憶表示エリア5Hにおいて特図保留記憶数を特定可能に表示する表示部位を、通常時における表示態様とは異なる特別な表示態様に変化させることにより、予告対象となる可変表示において「大当り」となる可能性などを予告するメモリ予告(保留表示予告)や予告の対象となる可変表示が実行されるまでの複数回の可変表示渡って画像表示装置5にキャラクタ画像を継続して表示させるとともに、当該キャラクタ画像を用いたストーリーを展開させるキャラクタ表示予告が実行されるようになっている。
また、この実施の形態では、このような先読み予告演出とは別に、可変表示が実行されるときに、当該可変表示の変動パターンや可変表示結果に基づいて、当該可変表示結果が「大当り」となる可能性などが予告される変動中予告演出が実行されるようになっている。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「非リーチ」(「通常ハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、所定のリーチハズレ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示結果は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、通常開放ラウンド大当り図柄となる特別図柄のうち、「3」の数字を示す特別図柄といった通常大当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、複数種類の大当り組合せのうち、所定の通常大当り組合せ(「非確変大当り組合せ」ともいう)となる確定飾り図柄が停止表示される。通常大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L,5C,5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L,5C,5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。通常大当り組合せを構成する図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄は、通常図柄(「非確変図柄」ともいう)と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄が通常大当り図柄となることに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、通常大当り組合せの確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「非確変」(「通常大当り」ともいう)の可変表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。「非確変」の大当り種別で可変表示結果が「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時間短縮制御(時短制御)が行われる。時短制御が行われることにより、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示時間(特図変動時間)は、通常状態に比べて短縮される。通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態などとは異なる通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短制御は、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、可変表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、通常開放ラウンド大当り図柄となる特別図柄のうち、「7」の数字を示す特別図柄といった確変大当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、飾り図柄の可変表示態様が「通常」である場合と同様のリーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、複数種類の大当り組合せのうち、所定の確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。確変大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L,5C,5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L,5C,5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。確変大当り組合せを構成する図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄は、確変図柄と称される。特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される場合に、飾り図柄の可変表示結果として、通常大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがあるようにしてもよい。
確定飾り図柄が通常大当り組合せであるか確変大当り組合せであるかにかかわらず、特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「確変」の可変表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。「確変」の大当り種別で可変表示結果が「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確率変動制御(確変制御)が行われる。確変制御が行われることにより、各回の特図ゲームにおいて可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」となる確率は、通常状態に比べて高くなるように向上する。確変制御は、大当り遊技状態の終了後に可変表示結果が「大当り」となって再び大当り遊技状態に制御されるという条件が成立したときに、終了すればよい。尚、時短制御と同様に、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されたときに、確変制御を終了してもよい。また、大当り遊技状態の終了後に特図ゲームが開始されるごとに実行される確変転落抽選にて確変制御を終了させる「確変転落あり」の決定がなされたときに、確変制御を終了してもよい。
時短制御が行われるときには、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御が行われる。このように、時短制御に伴い第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御としては、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。
高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、時短制御が行われる期間と同一であればよい。
時短制御と高開放制御がともに行われる遊技状態は、時短状態あるいは高ベース状態ともいう。また、確変制御が行われる遊技状態は、確変状態あるいは高確状態ともいう。確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態は、高確高ベース状態とも称される。確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態は、高確低ベース状態とも称される。尚、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態のみを、特に「確変状態」ということもあり、高確低ベース状態とは区別するために、時短付確変状態ということもある。一方、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態(高確低ベース状態)は、高確高ベース状態と区別するために、時短なし確変状態ということもある。確変制御が行われずに時短制御や高開放制御が行われる時短状態は、低確高ベース状態とも称される。確変制御や時短制御および高開放制御がいずれも行われない通常状態は、低確低ベース状態とも称される。通常状態以外の遊技状態において時短制御や確変制御の少なくともいずれかが行われるときには、特図ゲームが頻繁に実行可能となることや、各回の特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」となる確率が高められることにより、遊技者にとって有利な状態となる。大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な遊技状態は、特別遊技状態とも称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、「5」の数字を示す特別図柄といった短期開放ラウンド大当り図柄が停止表示される場合や、「2」の数字を示す特別図柄といった小当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、開放チャンス目として予め定められた複数種類の確定飾り図柄の組合せのいずれかが停止表示されることがある。また、特図ゲームにおける確定特別図柄として、短期開放ラウンド大当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後などに、所定のリーチ組合せとなる確定飾り図柄(短期開放ラウンド大当り状態に対応したチャンス目となる確定飾り図柄)が停止表示されることもある。
特図ゲームにおける確定特別図柄が短期開放ラウンド大当り図柄となることに対応して、各種の確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「突確」(「突確大当り」あるいは「突然確変大当り」ともいう)の可変表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。「突確」の大当り種別で可変表示結果が「大当り」となったことに基づいて、短期開放大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確変制御が行われればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、「2」の数字を示す特別図柄といった小当り図柄が停止表示されて可変表示結果が「小当り」となったことに基づいて、小当り遊技状態に制御され、その終了後には、遊技状態の変更が行われず、可変表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御される。ただし、可変表示結果が「小当り」となる特図ゲームが実行されたときに、特別遊技状態における特図ゲームの実行回数が所定回数に達していれば、小当り遊技状態の終了後には、特別遊技状態が終了して通常状態となることがある。
飾り図柄の可変表示結果として開放チャンス目を構成する確定飾り図柄が導出表示された後に大入賞口が開放状態となる場合には、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」であることに基づき短期開放大当り状態に制御されたときと、可変表示結果が「小当り」であることに基づき小当り遊技状態に制御されたときとがある。また、飾り図柄の可変表示結果としてリーチ組合せを構成する確定飾り図柄が導出表示された後に大入賞口が開放状態となる場合にも、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」であることに基づき短期開放大当り状態に制御されたときと、可変表示結果が「小当り」であることに基づき小当り遊技状態に制御されたときとがある。
確定飾り図柄が非確変大当り組合せや確変大当り組合せとなる飾り図柄の可変表示中には、再抽選演出が実行されることがある。再抽選演出では、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L,5C,5Rに通常大当り組合せとなる飾り図柄を仮停止表示させた後に、例えば「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L,5C,5Rにて同一の飾り図柄が揃った状態で再び変動させ、確変大当り組合せとなる飾り図柄(確変図柄)と、通常大当り組合せとなる飾り図柄(通常図柄)のうちいずれかを、確定飾り図柄として停止表示(最終停止表示)させる。ここで、大当り種別が「非確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた飾り図柄を再変動させた後に通常大当り組合せとなる確定飾り図柄を導出表示する再抽選落選演出が行われる。これに対して、大当り種別が「確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた飾り図柄を再変動させた後に確変大当り組合せとなる確定飾り図柄を停止表示する再抽選当選演出が実行されることもあれば、再抽選落選演出が実行されることもある。
通常大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示された後には、大当り遊技状態の開始時や大当り遊技状態におけるラウンドの実行中、大当り遊技状態においていずれかのラウンドが終了してから次のラウンドが開始されるまでの期間、大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから次の可変表示ゲームが開始されるまでの期間などにて、確変状態に制御するか否かの確変報知演出となる大当り中昇格演出が実行されてもよい。尚、大当り中昇格演出と同様の報知演出が、大当り遊技状態の終了後における最初の可変表示ゲーム中などにて実行されてもよい。大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから実行される大当り中昇格演出を、特に「エンディング昇格演出」ということもある。
大当り中昇格演出には、確定飾り図柄が通常大当り組合せであるにもかかわらず遊技状態が確変状態となる昇格がある旨を報知する大当り中昇格成功演出と、確変状態となる昇格がない旨を報知する大当り中昇格失敗演出とがある。例えば、大当り中昇格演出では、画像表示装置5の表示領域にて飾り図柄を可変表示させて通常図柄と確変図柄のいずれかを演出表示結果として停止表示させること、あるいは、飾り図柄の可変表示とは異なる演出画像の表示を行うことなどにより、確変状態となる昇格の有無を、遊技者が認識できるように報知すればよい。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81,82に伝送するソレノイド回路111などが搭載されている。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L,8R及び遊技効果ランプ9といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L,8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L,8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23からの検出信号を伝送する配線が接続されている。尚、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23は、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L,8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。
図8(A)は、この実施の形態で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。尚、図8(A)に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
図8(A)に示す例において、コマンド8001Hは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第1変動開始コマンドである。コマンド8002Hは、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第2変動開始コマンドである。コマンド81XXHは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L,5C,5Rで可変表示される飾り図柄などの変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドである。ここで、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。変動パターン指定コマンドでは、指定する変動パターンなどに応じて、異なるEXTデータが設定される。
コマンド8CXXHは、特別図柄や飾り図柄などの可変表示結果を指定する可変表示結果通知コマンドである。可変表示結果通知コマンドでは、例えば図8(B)に示すように、可変表示結果が「ハズレ」であるか「大当り」であるかの決定結果(事前決定結果)や、可変表示結果が「大当り」となる場合の大当り種別を複数種類のいずれとするかの決定結果(大当り種別決定結果)に応じて、異なるEXTデータが設定される。より具体的には、コマンド8C00Hは、可変表示結果が「ハズレ」となる旨の事前決定結果を示す第1可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C01Hは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第2可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C02Hは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第3可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C03Hは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第4可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C04Hは、可変表示結果が「小当り」となる旨の事前決定結果を示す第5可変表示結果通知コマンドである。
コマンド8F00Hは、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L,5C,5Rで飾り図柄の変動停止(確定)を指定する図柄確定コマンドである。コマンド95XXHは、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドである。遊技状態指定コマンドでは、例えばパチンコ遊技機1における現在の遊技状態に応じて、異なるEXTデータが設定される。具体的な一例として、コマンド9500Hを時短制御と確変制御がいずれも行われない遊技状態(低確低ベース状態、通常状態)に対応した第1遊技状態指定コマンドとし、コマンド9501Hを時短制御が行われる一方で確変制御は行われない遊技状態(低確高ベース状態、時短状態)に対応した第2遊技状態指定コマンドとする。また、コマンド9502Hを確変制御が行われる一方で時短制御は行われない遊技状態(高確低ベース状態、時短なし確変状態)に対応した第3遊技状態指定コマンドとし、コマンド9503Hを時短制御と確変制御がともに行われる遊技状態(高確高ベース状態、時短付確変状態)に対応した第4遊技状態指定コマンドとする。
コマンドA0XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態の開始を示す演出画像の表示を指定する当り開始指定コマンド(「ファンファーレコマンド」ともいう)である。コマンドA1XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態において、大入賞口が開放状態となっている期間であることを通知する大入賞口開放中通知コマンドである。コマンドA2XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態において、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であることを通知する大入賞口開放後通知コマンドである。コマンドA3XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態の終了時における演出画像の表示を指定する当り終了指定コマンドである。
当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、例えば可変表示結果通知コマンドと同様のEXTデータが設定されることなどにより、事前決定結果や大当り種別決定結果に応じて異なるEXTデータが設定されてもよい。あるいは、当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、事前決定結果及び大当り種別決定結果と設定されるEXTデータとの対応関係を、可変表示結果通知コマンドにおける対応関係とは異ならせるようにしてもよい。大入賞口開放中通知コマンドや大入賞口開放後通知コマンドでは、例えば通常開放大当り状態や短期開放大当り状態におけるラウンドの実行回数(例えば「1」〜「15」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。
コマンドB100Hは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ22Aにより検出されて始動入賞(第1始動入賞)が発生したことに基づき、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドである。コマンドB200Hは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ22Bにより検出されて始動入賞(第2始動入賞)が発生したことに基づき、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドである。
コマンドC1XXHは、始動入賞記憶表示エリア5Hなどにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第1特図保留記憶数を通知する第1保留記憶数通知コマンドである。コマンドC2XXHは、始動入賞記憶表示エリア5Hなどにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第2特図保留記憶数を通知する第2保留記憶数通知コマンドである。第1保留記憶数通知コマンドは、例えば第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動条件が成立したことに基づいて、第1始動口入賞指定コマンドが送信されるときに、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。第2保留記憶数通知コマンドは、例えば第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2始動条件が成立したことに基づいて、第2始動口入賞指定コマンドが送信されるときに、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。また、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、第1開始条件と第2開始条件のいずれかが成立したときに、特図ゲームの実行が開始されることなどに対応して送信されるようにしてもよい。
第1保留記憶数通知コマンドは、第1始動入賞の発生により第1始動条件が成立したときに、第1特図保留記憶数の増加を通知するものとして送信される。また、第2保留記憶数通知コマンドは、第2始動入賞の発生により第2始動条件が成立したときに、第2特図保留記憶数の増加を通知するものとして送信される。
この実施の形態では、保留記憶情報として、第1始動入賞口と第2始動入賞口とのいずれに始動入賞したかを指定する第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドを送信するとともに、第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数を指定する第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドを送信する。尚、保留記憶数が増加したときに、第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数が増加したことを示す保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド)を送信する一方、保留記憶数が減少したときに、第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数が減少したことを示す保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンド)を送信するようにしてもよい。
第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドに代えて、合計保留記憶数を通知する合計保留記憶数通知コマンドを送信するようにしてもよい。すなわち、合計保留記憶数の増加(または減少)を通知するための合計保留記憶数通知コマンドが用いられてもよい。
コマンドC4XXHは、入賞時判定結果の内容を示す入賞時判定結果指定コマンドである。この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、始動入賞時にいずれの変動パターンとなるかを判定する。そして、入賞時判定結果指定結果コマンドのEXTデータに判定結果としての変動パターンを指定する値を設定し、演出制御基板12に対して送信する制御を行う。
図19は、入賞時判定結果指定コマンドの内容の一例を示す説明図である。図19に示すように、この実施の形態では、始動入賞時にいずれの変動パターンになると判定したとかに応じて、EXTデータに値が設定され、入賞時判定結果指定コマンドが送信される。例えば、第1始動入賞口または第2始動入賞口への始動入賞時に変動パターンが「ショート非リーチはずれ」となると判定した場合には、EXTデータに「02(H)」を設定した入賞時判定結果指定コマンドが送信される。また、例えば、第1始動入賞口または第2始動入賞口への始動入賞時に変動パターンが「リーチ特殊当り」となると判定した場合には、EXTデータに「13(H)」を設定した入賞時判定結果指定コマンドが送信される。
この実施の形態では、入賞時判定処理において、始動入賞の発生に基づき、可変表示結果が「大当り」に決定されるか否かや「小当り」に決定されるか否か、変動パターン種別決定用の乱数値MR3がいずれの決定値の範囲になるかを判定する。そして、入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータに、可変表示結果が「大当り」や「小当り」に決定されることを指定する値などを設定し、演出制御基板12に対して送信する制御を行う。演出制御基板12に搭載された演出制御用CPU120は、入賞時判定結果指定コマンドに設定されている値に基づいて、可変表示結果が「大当り」や「小当り」に決定されるか否かや、変動パターン種別を認識できる。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(ReadOnlyMemory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(RandomAccessMemory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(CentralProcessingUnit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Outputport)105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
図9は、主基板11の側においてカウントされる乱数値を例示する説明図である。図9に示すように、この実施の形態では、主基板11の側において、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3、普図表示結果決定用の乱数値MR4のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。尚、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。
乱数回路104は、これらの乱数値MR1〜MR4の一部または全部を示す数値データをカウントするものであればよい。CPU103は、例えば図13に示す遊技制御カウンタ設定部154に設けられたランダムカウンタといった、乱数回路104とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを更新することで、乱数値MR1〜MR4の一部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。
特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かや、可変表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かを、決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「65535」の範囲の値をとる。大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合における飾り図柄の可変表示態様である大当り種別を「非確変」、「確変」、「突確」のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「100」の範囲の値をとる。
変動パターン決定用の乱数値MR3は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターンを、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「997」の範囲の値をとる。普図表示結果決定用の乱数値MR4は、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける可変表示結果を「普図当り」とするか「普図ハズレ」とするかなどの決定を行うために用いられる乱数値であり、例えば「3」〜「13」の範囲の値をとる。
図10は、この実施の形態における変動パターンを示している。この実施の形態では、可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。尚、可変表示結果が「ハズレ」で飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンは、非リーチ変動パターン(「非リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称され、可変表示結果が「ハズレ」で飾り図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンは、リーチ変動パターン(「リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称される。また、非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンは、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に対応したハズレ変動パターンに含まれる。可変表示結果が「大当り」である場合に対応した変動パターンは、大当り変動パターンと称される。
大当り変動パターンやリーチ変動パターンには、ノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンと、スーパーリーチαまたはスーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンとがある。大当り変動パターンと小当り変動パターンは、可変表示結果が「大当り」または「小当り」となる場合に対応した当り変動パターンに含まれる。
「非リーチ」である場合に対応した変動パターンには、変動時間が短縮されない短縮なしの変動パターンや、合計保留記憶数が「4」〜「8」である場合に対応して変動時間が短縮される変動パターンが用意されている。さらに、遊技状態が確変状態や時短状態といった時短制御が実行される場合に対応した変動パターンも用意されている。合計保留記憶数や遊技状態に応じて、これらのいずれかの変動パターンが選択されることで、合計保留記憶数や遊技状態に応じて、変動時間を短縮する制御が可能になる。
尚、本実施例では、各変動パターンに応じて変動時間が固定的に定められており、変動時間が最短のもので2秒の変動パターンから最長のもので30秒の変動パターンまで用意されている。例えば、変動時間として、スーパーリーチβ(ハズレ)やスーパーリーチβ(大当り)の変動パターンに対して最も長い変動時間である30秒が設定され、短縮非リーチの変動パターンに対して最も短い変動時間である2秒が設定されている。よって、第1特別図柄または第2特別図柄並びに演出図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)、いずれの変動パターンであっても30秒以内に終了することになり、打球発射装置(図示せず)における発射間隔が0.6秒とされているので、1の可変表示中に発射可能な最大球数は、30秒を0.6秒で除した値である50球である。
尚、図10に示す各変動パターンは、複数の変動パターン種別のうち、少なくとも1つの変動パターン種別に含まれるようにしてもよい。即ち、各変動パターン種別は、例えば飾り図柄の可変表示中に実行される演出動作の態様などに基づいて分類(グループ化)された単一または複数の変動パターンを含むように構成されていてもよい。
変動パターンは、変動パターン決定用の乱数値MR3を基づいて、例えば可変表示結果ごとに予め用意された変動パターン決定テーブルを参照することにより、図10に示すいずれかの変動パターンに決定される。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、図10に示すような変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
図11は、ROM101に記憶される特図表示結果決定テーブルの構成例を示している。この実施の形態では、特図表示結果決定テーブルとして、図11(A)に示す第1特図表示結果決定テーブル130Aと、図11(B)に示す第2特図表示結果決定テーブル130Bとが、予め用意されている。第1特図表示結果決定テーブル130Aは、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームにおいて可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かや、可変表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。第2特図表示結果決定テーブル130Bは、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かや、可変表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。
第1特図表示結果決定テーブル130Aでは、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態または時短状態(低確状態)であるか、確変状態(高確状態)であるかに応じて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、「大当り」や「小当り」、「ハズレ」の特図表示結果に割り当てられている。第2特図表示結果決定テーブル130Bでは、遊技状態が通常状態または時短状態(低確状態)であるか、確変状態(高確状態)であるかに応じて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、「大当り」や「ハズレ」の特図表示結果に割り当てられている。
第1特図表示結果決定テーブル130Aや第2特図表示結果決定テーブル130Bにおいて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される決定値を示すテーブルデータは、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられる決定用データとなっている。第1特図表示結果決定テーブル130Aと第2特図表示結果決定テーブル130Bのそれぞれでは、遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態または時短状態(低確状態)であるときよりも多くの決定値が、「大当り」の特図表示結果に割り当てられている。これにより、パチンコ遊技機1において確変制御が行われる確変状態(高確状態)では、通常状態または時短状態(低確状態)であるときに比べて、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなる。すなわち、第1特図表示結果決定テーブル130Aと第2特図表示結果決定テーブル130Bのそれぞれでは、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態であるときに、通常状態や時短状態であるときに比べて大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなるように、決定用データが大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられている。
第1特図表示結果決定テーブル130Aの設定例では、所定範囲の決定値(「30000」〜「30099」の範囲の値)が「小当り」の特図表示結果に割り当てられている。その一方で、第2特図表示結果決定テーブル130Bの設定例では、「小当り」の特図表示結果に決定値が割り当てられていない。このような設定により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立したことに基づいて可変表示結果の判定を行う場合と、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立したことに基づいて可変表示結果の判定を行う場合とで、特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定される割合を、異ならせることができる。
特に、第2特図を用いた特図ゲームでは特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定されることがないので、例えば時短状態(低確高ベース状態)や確変状態(高確高ベース状態)といった、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい遊技状態において、賞球を得ることが困難な小当り遊技状態の頻発を回避して、遊技の間延びによる遊技興趣の低下を防止できる。尚、第2特図表示結果決定テーブル130Bにおいても、第1特図表示結果決定テーブル130Aにおける設定とは異なる所定範囲の決定値が、「小当り」の特図表示結果に割り当てられるようにしてもよい。例えば、第2特図表示結果決定テーブル130Bでは、第1特図表示結果決定テーブル130Aに比べて少ない決定値が、「小当り」の特図表示結果に割り当てられてもよい。こうして、時短状態や確変状態といった高ベース状態であるときには、通常状態や時短なし確変状態といった低ベース状態であるときよりも、小当り遊技状態に制御すると決定される割合が低くなるようにしてもよい。あるいは、第1開始条件と第2開始条件のいずれが成立したかにかかわらず、共通の特図表示結果決定テーブルを参照して、特図表示結果の決定を行うようにしてもよい。
図12は、ROM101に記憶される大当り種別決定テーブル131の構成例を示している。大当り種別決定テーブル131は、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定されたときに、大当り種別決定用の乱数値MR2に基づき、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り種別決定テーブル131では、特図ゲームにおいて可変表示(変動)が行われた特別図柄が第1特図(第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲーム)であるか第2特図(第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲーム)であるかに応じて、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)が、「非確変」や「確変」、「突確」といった複数種類の大当り種別に割り当てられている。
大当り種別決定テーブル131の設定例では、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて、「突確」の大当り種別に対する決定値の割当てが異なっている。すなわち、変動特図が第1特図である場合には、所定範囲の決定値(「83」〜「100」の範囲の値)が「突確」の大当り種別に割り当てられる一方で、変動特図が第2特図である場合には、「突確」の大当り種別に対して決定値が割り当てられていない。このような設定により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合と、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合とで、大当り種別を「突確」に決定する割合を、異ならせることができる。特に、第2特図を用いた特図ゲームでは大当り種別を「突確」として短期開放大当り状態に制御すると決定されることがないので、例えば時短制御に伴う高開放制御により、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい遊技状態において、賞球を得ることが困難な短期開放大当り状態の頻発を回避して、遊技の間延びによる遊技興趣の低下を防止できる。
尚、変動特図が第2特図である場合にも、変動特図が第1特図である場合とは異なる所定範囲の決定値が、「突確」の大当り種別に割り当てられるようにしてもよい。例えば、変動特図が第2特図である場合には、変動特図が第1特図である場合に比べて少ない決定値が、「突確」の大当り種別に割り当てられてもよい。あるいは、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかにかかわらず、共通のテーブルデータを参照して、大当り種別の決定を行うようにしてもよい。
また、ROM101には、特図表示結果の決定結果や、大当り種別の決定結果に応じて、変動パターンを、変動パターン決定用の乱数値MR3に基づいて、複数種類のうちのいずれかに決定するために参照される変動パターン決定テーブルが記憶される。
RAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、例えば図13に示すような遊技制御用データ保持エリア150が設けられている。図13に示す遊技制御用データ保持エリア150は、保留特定領域151と、第1特図保留記憶部151Aと、第2特図保留記憶部151Bと、普図保留記憶部151Cと、遊技制御フラグ設定部152と、遊技制御タイマ設定部153と、遊技制御カウンタ設定部154と、遊技制御バッファ設定部155とを備えている。
図14(A)に示すように、保留特定領域151には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では50+50=100)に対応した領域が確保されている。尚、図14(A)には、合算保留記憶数カウンタの値が5である場合の例が示されている。図14(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では100)に対応した領域が確保されており、第1始動入賞口または第2始動入賞口への入賞にもとづき入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。従って、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、第1始動入賞口および第2始動入賞口への入賞順が記憶される。尚、保留特定領域は、RAM102に形成されている。
図14(B)に示すように、第1特図保留記憶部151Aは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第1始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部151Aは、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第1始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(第1保留記憶数を無制限に記憶可能とするために、例えば「50」)に達するまで記憶する。こうして第1特図保留記憶部151Aに記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき所定の遊技価値が付与されるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
第2特図保留記憶部151Bは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第2始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部151Bは、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第2始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(第2保留記憶数を無制限に記憶可能とするために、例えば「50」)に達するまで記憶する。こうして第2特図保留記憶部151Bに記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき所定の遊技価値が付与されるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
この実施の形態では、前述したように、1の可変表示中に発射可能な最大球数(最も長い変動パターンによる変動において発射可能な球数)は50球であるので、現実にはあり得ないが、仮に、これら1の可変表示中に発射された最大球数の遊技球が、いずれか一方の始動入賞口(第1始動入賞口または第2始動入賞口)に全て入賞して保留記憶となったとしても、そのときの保留記憶数は50を越えることはあり得ないとともに、これら最も長い変動パターンが連続して実行される確率は著しく低いとともに、他の変動パターンとの組合せが発生しても、これら組合せた変動パターンの変動時間において発射可能な最大球数が、全て第1始動入賞口または第2始動入賞口に入賞することは現実の遊技においてはあり得ないので、この実施の形態としては、図14(B)に示すように、第1特図保留記憶部151A並びに第2特図保留記憶部151Bに、50の保留記憶の保存領域を設定することで、実際の遊技において該設定された保留記憶領域が不足すること、つまり、第1特図保留記憶部151Aまたは第2特図保留記憶部151Bの全ての保留記憶領域にデータが記憶されて満杯状態になってしまうことがないように第1特図保留記憶部151Aと第2特図保留記憶部151Bの保存領域が設定されている。
つまり、本実施の形態では、保留記憶の記憶可能数として、最長の変動時間に基づいて算出される発生可能な最大の保留記憶数である50が設定されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら記憶可能数としては、実際の遊技において各変動パターンが決定される確率に当該変動パターンの変動時間を乗じた平均変動時間を算出するとともに、これら平均変動時間の変動パターンの変動が所定回数連続して発生することを想定して、平均変動時間に所定回数を乗じた時間において発射可能な最大球数から該時間において実行される変動回数を減じた数、つまり、実際の遊技における複数の変動表示を考慮した記憶可能数を設定しても良いし、更に、遊技領域に穿設された釘の配置等から統計的に得られた始動入賞の入賞確率に基づいて算出される想定最大保留数よりもやや多い数を設定しても良い。すなわち、実際の遊技において全ての保留記憶領域にデータが記憶されてしまう可能性のない保留記憶数や、全ての保留記憶領域にデータを記憶することが困難な保留記憶数、例えば、一日に発射可能な最大球数(13(時間)×60(分)×100(1分間の発射可能最大数)=78000)や、過去の遊技履歴に基づく一日に第1始動入賞口または第2始動入賞口に入賞した最大入賞数よりも多い数を記憶可能数に設定すれば良い。
尚、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第1始動条件の成立に基づく保留情報(第1保留情報)と、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第2始動入賞の成立に基づく保留情報(第2保留情報)とを、共通の保留記憶部にて保留番号と対応付けて記憶するようにしてもよい。この場合には、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過(進入)したかを示す始動口データを保留情報に含め、保留番号と対応付けて記憶させればよい。
尚、本実施例では、第1特図保留記憶部151Aには、第1保留記憶数を無制限に記憶可能とするために、現実の遊技では満杯となることのない50の保存領域が確保されている。また、第2特図保留記憶部151Bにも、第2保留記憶数を無制限に記憶可能とするために、現実の遊技では満杯となることのない50の保存領域が確保されている。
この実施の形態では、前述したように、1の可変表示中に発射可能な最大球数は50球であるので、現実にはあり得ないが、仮に、これら1の可変表示中に発射された最大球数の遊技球が、いずれか一方の始動入賞口(第1始動入賞口または第2始動入賞口)に全て入賞して保留記憶となったとしても、そのときの保留記憶数は50を越えることはあり得ないので、この実施の形態としては、図14(B)に示すように、第1特図保留記憶部151A並びに第2特図保留記憶部151Bに、50の保留記憶の保存領域を設定することで、該設定された保留記憶領域が不足すること、つまり、第1特図保留記憶部151Aまたは第2特図保留記憶部151Bの全ての保留記憶領域にデータが記憶されてしまうことがないように第1特図保留記憶部151Aと第2特図保留記憶部151Bが設定されている。つまり、本実施の形態では、保留記憶の記憶可能数として、最長の変動時間に基づいて算出される発生可能な最大の保留記憶数である50が設定されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら記憶可能数としては、遊技領域に穿設された釘の配置等から統計的に得られた始動入賞の入賞確率に基づいて算出される最大保留数よりもやや多い数、すなわち、実際の遊技において全ての保留記憶領域にデータが記憶されてしまう可能性のない保留記憶数を記憶可能数に設定すれば良い。
普図保留記憶部151Cは、通過ゲート41を通過した遊技球がゲートスイッチ21によって検出されたにもかかわらず、未だ普通図柄表示器20により開始されていない普図ゲームの保留情報を記憶する。例えば、普図保留記憶部151Cは、遊技球が通過ゲート41を通過した順に保留番号と対応付けて、その遊技球の通過に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された普図表示結果決定用の乱数値MR4を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
尚、本実施例では、普図保留記憶部151Cに記憶可能な保留データの記憶数が所定の上限値である「4」に設定されているが、第1特図保留記憶部151Aまたは第2特図保留記憶部151Bと同様に、普図保留記憶部151Cが記憶可能な保留データの記憶数を無制限に記憶可能とするために、その上限値を現実の遊技では満杯となることのない「50」に設定しても良い。
遊技制御フラグ設定部152には、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況などに応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、遊技制御フラグ設定部152には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
遊技制御タイマ設定部153には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている。例えば、遊技制御タイマ設定部153には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
遊技制御カウンタ設定部154には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するためのカウンタが複数種類設けられている。例えば、遊技制御カウンタ設定部154には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。ここで、遊技制御カウンタ設定部154には、遊技用乱数の一部または全部をCPU103がソフトウェアにより更新可能にカウントするためのランダムカウンタが設けられてもよい。
例えば、遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタには、乱数値MR2〜MR5を示す数値データが、ランダムカウント値として記憶され、CPU103によるソフトウェアの実行に応じて、定期的あるいは不定期に、各乱数値を示す数値データが更新される。CPU103がランダムカウント値を更新するために実行するソフトウェアは、ランダムカウント値を乱数回路104における数値データの更新動作とは別個に更新するためのものであってもよいし、乱数回路104から抽出された数値データの全部又は一部にスクランブル処理や演算処理といった所定の処理を施すことによりランダムカウント値を更新するためのものであってもよい。
遊技制御バッファ設定部155には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、遊技制御バッファ設定部155には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるI/O105は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。
図2に示すように、演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。
演出制御基板12には、画像表示装置5や副画像表示装置51に対して映像信号を伝送するための配線や、副画像表示装置51や可動部材52を動作させるための情報信号を伝送するための配線、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。さらに、演出制御基板12には、スティックコントローラ31Aに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、コントローラセンサユニット35Aから伝送するための配線や、プッシュボタン31Bに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ35Bから伝送するための配線も接続されている。
副画像表示装置51は、ソレノイドやモータやアクチュエータといった駆動手段を備える。演出制御用CPU120は、副画像表示装置51動作用の演出制御データに基づいて、駆動手段の動作を制御することで、副画像表示装置51に所定の演出動作を実行させる。可動部材52は、ソレノイドやモータやアクチュエータといった駆動手段を備える。演出制御用CPU120は、可動部材52動作用の演出制御データに基づいて、駆動手段の動作を制御することで、可動部材52に所定の演出動作を実行させる。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。
一例として、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の演出装置(例えば画像表示装置5、副画像表示装置51やスピーカ8L,8R、遊技効果ランプ9及び装飾用LED、演出用模型など)による演出動作を制御するために使用する演出制御パターンを複数種類格納した演出制御パターンテーブルが記憶されている。演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。演出制御パターンテーブルには、例えば特図変動時演出制御パターンと、予告演出制御パターンと、各種演出制御パターンとが、格納されていればよい。
特図変動時演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、特図ゲームにおいて特別図柄の変動が開始されてから特図表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるまでの期間における、飾り図柄の可変表示動作やリーチ演出、再抽選演出などにおける演出表示動作、あるいは、飾り図柄の可変表示を伴わない各種の演出表示動作といった、様々な演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。予告演出制御パターンは、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。
特図変動時演出制御パターンのうちには、例えばリーチ演出を実行する変動パターンごとに、それぞれのリーチ演出における演出態様を異ならせた複数種類のリーチ演出制御パターンが含まれてもよい。特図変動時演出制御パターンや各種演出制御パターンといった、それぞれの演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値、表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データ、終了コードといった、各種の演出動作を制御するための制御データから構成され、時系列的に、各種の演出制御の内容や、演出制御の切換タイミング等が設定されていればよい。その他にも、演出制御パターンには、副画像表示装置51や可動部材52における動作制御の内容等を指定する動作制御データなどが含まれる。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、例えば図15に示すような演出制御用データ保持エリア190が設けられている。図15に示す演出制御用データ保持エリア190は、演出制御フラグ設定部191と、演出制御タイマ設定部192と、演出制御カウンタ設定部193と、演出制御バッファ設定部194とを備えている。
演出制御フラグ設定部191には、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示状態などといった演出動作状態や主基板11から伝送された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、演出制御フラグ設定部191には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
演出制御タイマ設定部192には、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示動作などといった各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。例えば、演出制御タイマ設定部192には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
演出制御カウンタ設定部193には、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。例えば、演出制御カウンタ設定部193には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。
演出制御バッファ設定部194には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、演出制御バッファ設定部194には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。尚、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図16のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図16に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(S11)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(S12)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する(S13)。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる乱数値MR1〜MR5といった遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(S14)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(S15)。特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(S16)。CPU103は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする。
普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU103は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる(S17)。一例として、コマンド制御処理では、遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図17は、特別図柄プロセス処理として、図16に示すS15にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、第1始動入賞口に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ22Aがオンしていたら、または第2始動入賞口に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ22Bがオンしていたら、すなわち、第1始動入賞口または第2始動入賞口への始動入賞が発生していたら、始動口スイッチ通過処理を実行する(S100,S101)。そして、S110〜S120のうちのいずれかの処理を行う。第1始動口スイッチ22Aまたは第2始動口スイッチ22Bがオンしていなければ、内部状態に応じて、S110〜S120うちのいずれかの処理を行う。
図18は、始動口スイッチ通過処理として、図17のS101にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU103は、まず、第1始動口スイッチ22Aがオン状態であるか否かを確認する(S1211)。第1始動口スイッチ22Aがオン状態でなければ、S1222に移行する。第1始動口スイッチ22Aがオン状態であれば、CPU103は、その時点の遊技状態が大当り遊技状態であるか否か、つまり、大当り遊技中であるか否かを判定する(S1211a)。大当り遊技中であるか否かは、特別図柄プロセスフラグの値が、大当り開放前処理(S114)に対応した値、大当り開放中処理(S115)に対応した値、大当り開放後処理(S116)、大当り終了処理(S117)に対応した値に該当するか否かにより判定すれば良い。大当り遊技中でない場合、つまり、特別図柄プロセスフラグの値が、大当り開放前処理(S114)に対応した値、大当り開放中処理(S115)に対応した値、大当り開放後処理(S116)、大当り終了処理(S117)に対応した値に該当しない場合には、S1213に進む。一方、大当り遊技中である場合、つまり、特別図柄プロセスフラグの値が、大当り開放前処理(S114)に対応した値、大当り開放中処理(S115)に対応した値、大当り開放後処理(S116)、大当り終了処理(S117)に対応した値に該当する場合には、S1212に進み、その時点の第1保留記憶数が、図18(B)に示すように、第1保留記憶数と「大当り遊技状態」に対応する制限値である「15」以上であるか否かを判定する。尚、第1保留記憶数が「15」以上となるのは、大当り遊技状態の開始前に15以上の保留記憶が記憶されていて、大当り遊技が開始された場合が考えられる。
その時点の第1保留記憶数が15以上である場合にはS1222に移行する一方、その時点の第1保留記憶数が15以上でない場合には、S1213に移行する。
遊技状態が大当り遊技中でない場合、或いは、遊技状態が大当り遊技中であって第1保留記憶数が15以上でない場合に移行するS1213においてCPU103は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1213)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1214)。また、CPU103は、第1始動入賞口および第2始動入賞口への入賞順を記憶するための保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域、図14(A)参照)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第1」を示すデータをセットする(S1215)。
つまり、本実施の形態においては、上記したS1211aやS1212の処理を実行することにより、図18(B)に示すように、第1保留記憶については、大当り遊技状態中においてのみ、大当り遊技状態前における15以下の保留記憶数から15よりも多い保留記憶数に増加することや、大当り遊技状態となる前に既に保留記憶数が15以上である場合に、更に保留記憶が増えることが制限される一方、その他の遊技状態である、時短フラグがセットされていない「低ベース状態」や時短フラグがセットされている「高ベース状態」においては、制限なく保留記憶が記憶されるようになっている。尚、遊技状態に関係なく、常に制限なく保留記憶が記憶されるようにしても良い。
この実施の形態では、第1始動口スイッチ22Aがオン状態となった場合(すなわち、第1始動入賞口に遊技球が始動入賞した場合)には「第1」を示すデータをセットし、第2始動口スイッチ22Bがオン状態となった場合(すなわち、第2始動入賞口に遊技球が始動入賞した場合)には「第2」を示すデータをセットする。例えば、CPU103は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、第1始動口スイッチ22Aがオン状態となった場合には「第1」を示すデータとして01(H)をセットし、第2始動口スイッチ22Bがオン状態となった場合には「第2」を示すデータとして02(H)をセットする。尚、この実施の形態において、対応する保留記憶がない場合には、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、00(H)がセットされている。
次いで、CPU103は、乱数回路104やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1特図保留記憶部151A(図14(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(S1216)。尚、S1216の処理では、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(MR2および変動パターン判定用乱数(MR3)が抽出され、保存領域に格納される。尚、変動パターン判定用乱数(MR3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(MR3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
次いで、CPU103は、検出した始動入賞にもとづく変動がその後実行されたときの変動表示結果や変動パターンを始動入賞時にあらかじめ判定する入賞時判定処理を実行する(S1217)。そして、CPU103は、第1保留記憶数カウンタの値にもとづいて第1保留記憶数指定コマンドを演出制御基板12に送信するための制御(送信設定)を行い、その後、入賞時判定処理の判定結果にもとづいて入賞時判定結果指定コマンドを演出制御基板12に送信するための制御(送信設定)を行う(S1218)。
尚、S1218の処理を実行することによって、この実施の形態では、遊技状態(高確率状態や高ベース状態であるか否か、大当り遊技状態であるか否か)にかかわらず、CPU103は、第1始動入賞口に始動入賞するごとに、必ず第1保留記憶数指定コマンドおよび入賞時判定結果指定コマンドの両方を演出制御基板12に対して送信する。
尚、この実施の形態では、第1始動入賞口と第2始動入賞口とに遊技球が入賞した始動入賞順に従って、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示が実行されるが、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれか一方の変動表示を優先して実行するように構成してもよい。例えば、高ベース状態に移行された場合には、第2始動入賞口に始動入賞しやすくなり第2保留記憶が溜まりやすくなるのであるから、第2特別図柄の変動表示を優先して実行するようにしてもよい。この場合には、S1215の処理を省略可能であるとともに、図14(A)に示す保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)が不要となる。また、この場合には、CPU103は、高ベース状態でなく(時短フラグがセットされていない場合)、大当り遊技中でないことを条件に、第1始動入賞口に始動入賞したことにもとづく入賞時判定処理(S1217)を行うようにしてもよい。すなわち、条件を満たさない場合には、入賞時判定処理(S1217)の実行を制限するようにし、特定の変動表示の表示結果が大当りやスーパーリーチとなることを予告する先読み予告演出(詳細については後述する)を実行させないようにしてもよい。第2特別図柄の変動表示を優先して実行する構成において、第2始動入賞口に始動入賞しやすい遊技状態では、第1始動入賞口に始動入賞したことにもとづく第1特別図柄の変動表示が後回しにされ続けることがあるため、先読み予告演出を実行しても、予告対象の変動表示がなかなか実行されない状態が生じてしまう可能性がある。しかし、入賞時判定処理(S1217)の実行を制限することで、第1始動入賞口に始動入賞したことにもとづく先読み予告演出を実行させないようにすることができ、そのような状態を回避することができる。また、高ベース状態や大当り遊技中に入賞時判定処理を制限することによって、大当りとなる保留記憶が記憶されていることが認識できる状態で遊技が行われることを防止することができる。尚、大当り遊技中であるか否かは、例えば、特別図柄プロセスフラグの値で確認される。その場合、CPU103は、特別図柄プロセスフラグの値が4〜7のいずれかであるときに大当り遊技中であると判定する。また、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100側では入賞時判定処理を常に行い、演出制御基板12側で、高ベース状態であるか否か、大当り遊技中であるか否かを判定し、先読み予告演出の実行を制限するようにしてもよい。
また、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれか一方の変動表示を優先して実行するように構成した場合において、例えば、高ベース状態に移行された場合には、第2始動入賞口に始動入賞しやすくなり第2保留記憶が溜まりやすくなるのであるから、この第2保留記憶を副画像表示装置51(サブ液晶)に表示し、その他の第1保留記憶を画像表示装置5(メイン液晶)に表示するようにしても良い。また、低ベース状態の場合には、第2始動入賞口に始動入賞し難くなるので、第1保留記憶を副画像表示装置51(サブ液晶)に表示し、第2保留記憶を画像表示装置5(メイン液晶)に表示するようにしても良い。このように、遊技状態に応じて入り易い始動入賞に対応する保留記憶表示を副画像表示装置51(サブ液晶)に表示することで、多数表示される保留記憶表示が画像表示装置5(メイン液晶)にて表示されている演出画像等の邪魔にならないようにしても良い。尚、高ベース状態に移行された場合には、第2始動入賞口に始動入賞しやすくなるが、溜まった第2保留記憶の消化も速くなるため、当該第2保留記憶のまとめ保留表示を行わないように制御しても良い。
次いで、CPU103は、第2始動口スイッチ22Bがオン状態であるか否かを確認する(S1222)。第2始動口スイッチ22Bがオン状態でなければ、そのまま処理を終了する。第2始動口スイッチ22Bがオン状態であれば、CPU103は、時短フラグがセットされているか否か、つまり、その時点の遊技状態が高ベース状態であるか否かを判定する(S1222a)。
時短フラグがセットされていない場合には、S1224に移行する一方、時短フラグがセットされている場合には、S1223に進み、その時点の第2保留記憶数が、図18(B)に示すように、第2保留記憶数と「高ベース状態」に対応する制限値である「15」以上であるか否かを判定する。尚、第2保留記憶数が「15」以上となるのは、高ベース状態の開始前に15以上の保留記憶が記憶されていて、高ベース状態が開始された場合が考えられる。
その時点の第2保留記憶数が15以上である場合には処理を終了する一方、その時点の第2保留記憶数が15以上でない場合には、S1224に移行する。
遊技状態が高ベース状態でない場合、或いは、遊技状態が高ベース状態であって第2保留記憶数が15以上でない場合に移行するS1224においてCPU103は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やすとともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1225)。また、CPU103は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第2」を示すデータをセットする(S1226)。
つまり、本実施の形態においては、上記したS1222aやS1223の処理を実行することにより、図18(B)に示すように、第2保留記憶については、高ベース中においてのみ保留記憶が15よりも増えることや、既に15以上である場合に、新たに保留記憶が追加されることが制限される一方、その他の遊技状態である、時短フラグがセットされていない「低ベース状態」や大当り遊技中においては、制限なく保留記憶が記憶されるようになっている。尚、遊技状態に関係なく、常に制限なく保留記憶が記憶されるようにしても良い。
次いで、CPU103は、乱数回路104やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2特図保留記憶部151B(図14(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(S1227)。尚、S1227の処理では、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(MR2)および変動パターン判定用乱数(MR3)が抽出され、保存領域に格納される。尚、変動パターン判定用乱数(MR3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第2特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(MR3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
次いで、CPU103は、入賞時判定処理を実行する(S1228)。そして、CPU103は、第2保留記憶数カウンタの値にもとづいて第2保留記憶数指定コマンドを演出制御基板12に送信するための制御(送信設定)を行い、その後、入賞時判定処理の判定結果にもとづいて入賞時判定結果指定コマンドを演出制御基板12に送信するための制御(送信設定)を行う(S1229)。
尚、S1229の処理を実行することによって、この実施の形態では、遊技状態(高確率状態や高ベース状態であるか否か、大当り遊技状態であるか否か)にかかわらず、CPU103は、第2始動入賞口に始動入賞するごとに、必ず第2保留記憶数指定コマンドおよび入賞時判定結果指定コマンドの両方を演出制御基板12に対して送信する。
この実施の形態において、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるときには、後述する特別図柄通常処理(図17のS110、図20)により、特図表示結果(特別図柄の可変表示結果)を「大当り」や「小当り」として大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御するか否かの決定が行われる。また、後述する変動パターン設定処理(図17のS111)において、飾り図柄の可変表示態様を具体的に規定する変動パターンの決定などが行われる。他方、これらの決定とは別に、遊技球が始動入賞口(第1始動入賞口または第2始動入賞口)にて検出されたタイミングで、CPU103がS212の入賞時乱数値判定処理を実行することにより、特図表示結果として大当り図柄や小当り図柄を導出表示すると決定される乱数値MR1であるか否かの判定や、飾り図柄の可変表示態様がスーパーリーチを伴う所定表示態様となるか否かの判定などを行う。これにより、始動入賞口に進入した遊技球の検出に基づく特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるより前に、特図表示結果が「大当り」や「小当り」となることや、飾り図柄の可変表示態様が所定表示態様となることを予測し、この予測結果に基づいて、演出制御基板12の側で演出制御用CPU120などにより、先読み予告演出を実行するか否かを、決定することができる。
図17のS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、S110〜S120の処理のいずれかを選択して実行する。
S110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部151Aや第2特図保留記憶部151Bに記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
S111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かの事前決定結果や合計保留記憶数、遊技状態などに基づき、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データを用いて変動パターンを図10に示す複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターン設定処理が実行されて特別図柄の可変表示が開始されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
S110の特別図柄通常処理やS111の変動パターン設定処理により、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄や特別図柄および飾り図柄の可変表示時間を含む変動パターンが決定される。すなわち、特別図柄通常処理や変動パターン設定処理は、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を用いて、特別図柄や飾り図柄の可変表示態様を決定する処理を含んでいる。
S112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。例えば、S112の特別図柄変動処理が実行されるごとに、遊技制御タイマ設定部153に設けられた特図変動タイマにおける格納値である特図変動タイマ値を1減算あるいは1加算して、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームであるかにかかわらず、共通のタイマによって経過時間の測定が行われる。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。このように、S112の特別図柄変動処理は、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動や、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動を、共通の処理ルーチンによって制御する処理となっていればよい。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
S113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフであり、小当りフラグがオンである場合には、特図プロセスフラグの値が“8”に更新される。また、大当りフラグと小当りフラグがともにオフである場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
S114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、可変表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、例えば大当り種別が「非確変」、「確変」、「突確」のいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を設定するようにしてもよい。一例として、大当り種別が「非確変」または「確変」に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「15回」に設定することにより、通常開放大当り状態とする設定が行われればよい。一方、大当り種別が「突確」に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.1秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「15回」に設定することにより、短期開放大当り状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
S115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
S116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値に達した場合に大当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、大入賞口開放回数最大値に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
S117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L,8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための各種の設定を行う処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
S118の小当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“8”のときに実行される。この小当り開放前処理には、可変表示結果が「小当り」となったことに基づき、小当り遊技状態において大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。一例として、可変表示結果が「小当り」となったときには、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となったときと同様に、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.1秒」に設定するとともに、大入賞口の開放回数を「15回」に設定することにより、小当り遊技状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“9”に更新される。
S119の小当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“9”のときに実行される。この小当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対する駆動信号の供給を停止させる処理などが実行されればよい。
S120の小当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“10”のときに実行される。この小当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L,8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、小当り遊技状態の終了を報知する演出動作が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理などが含まれている。ここで、小当り遊技状態が終了するときには、確変フラグや時短フラグの状態を変更しないようにして、小当り遊技状態となる以前のパチンコ遊技機1における遊技状態を継続させる。小当り遊技状態の終了時における待ち時間が経過したときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
図20は、特別図柄通常処理として、図17のS110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図20に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(S231)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、S231の処理では、遊技制御カウンタ設定部154に記憶されている第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
S231にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(S231;No)、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データをそれぞれ読み出す(S232)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
S232の処理に続いて、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「50」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(S233)。また、S233の処理では、遊技制御カウンタ設定部154にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「2」に更新する(S234)。
S231にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(S231;Yes)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(S235)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、S235の処理では、遊技制御カウンタ設定部154にて第1保留記憶数カウンタが記憶する第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、S235の処理は、S231にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
尚、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるものに限定されず、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が進入(通過)して始動入賞が発生した順に、特図ゲームの実行が開始されるようにしてもよい。この場合には、始動入賞が発生した順番を特定可能なデータを記憶するテーブルを設けて、その記憶データから第1特図と第2特図のいずれを用いた特図ゲームの実行を開始するかが決定できればよい。
S235にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(S235;No)、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データをそれぞれ読み出す(S236)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
S236の処理に続いて、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「50」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(S237)。また、S237の処理では、遊技制御カウンタ設定部154にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(S238)。
S234,S238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかを決定するための使用テーブルとして、変動特図指定バッファ値に対応する特図表示結果決定テーブルを選択してセットする(S239)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合には第1特図表示結果決定テーブル130Aを使用テーブルにセットする。一方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合には第2特図表示結果決定テーブル130Bを使用テーブルにセットする。また、CPU103は、図18(A)に示すS402の処理と同様に、現在の遊技状態に対応した特図表示結果決定用テーブルデータを選択すればよい。続いて、変動用乱数バッファに格納された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データを、「大当り」や「小当り」、「ハズレ」の各特図表示結果に割り当てられた決定値と比較して、特図表示結果を「大当り」と「小当り」と「ハズレ」のいずれとするかを決定する(S240)。
S239では現在の遊技状態に対応した特図表示結果決定用テーブルデータが選択されていることから、S240の処理では、特図ゲームなどの可変表示が開始されるときの遊技状態が確変状態であるか否かに応じて、異なる決定用データを用いて特図表示結果を「大当り」とするか否かが決定される。例えば、特図ゲームなどの可変表示が開始されるときの遊技状態が通常状態又は時短状態であるときには、第1特図表示結果決定テーブル130Aや第2特図表示結果決定テーブル130Bにおいて遊技状態が通常状態又は時短状態の場合に対応するテーブルデータが、通常決定用データとして選択され、これを参照して乱数値MR1に対応する特図表示結果を決定する。これに対して、特図ゲームなどの可変表示が開始されるときの遊技状態が確変状態であるときには、第1特図表示結果決定テーブル130Aや第2特図表示結果決定テーブル130Bにおいて遊技状態が確変状態の場合に対応するテーブルデータが、特別決定用データとして選択され、これを参照して乱数値MR1に対応する特図表示結果を決定する。
S240にて特図表示結果を決定した後には、その特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(S241)。そして、「大当り」であると判定された場合には(S241;Yes)、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(S242)。このときには、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、大当り種別決定テーブル131を選択してセットする(S243)。こうしてセットされた大当り種別決定テーブル131を参照することにより、変動用乱数バッファに格納された大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データを、「非確変」、「確変」、「突確」の各大当り種別に割り当てられた決定値のいずれと合致するかに応じて、大当り種別を複数種別のいずれとするかを決定する(S244)。
S244の処理にて大当り種別を決定することにより、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を、時短状態と、時短状態よりも遊技者にとって有利度が高い確変状態とのうち、いずれの遊技状態に制御するかが、可変表示結果としての確定特別図柄が導出される以前に決定されることになる。こうして決定された大当り種別に対応して、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた大当り種別バッファの格納値である大当り種別バッファ値を設定することなどにより(S245)、決定された大当り種別を記憶させる。一例として、大当り種別が「非確変」であれば大当り種別バッファ値を「0」とし、「確変」であれば「1」とし、「突確」であれば「2」とすればよい。
S241にて「大当り」ではないと判定された場合には(S241;No)、その特図表示結果が「小当り」であるか否かを判定する(S246)。そして、「小当り」であると判定されたときには(S246;Yes)、遊技制御フラグ設定部152に設けられた小当りフラグをオン状態にセットする(S247)。
S246にて「小当り」ではないと判定された場合や(S246;No)、S245,S247の処理のいずれかを実行した後には、大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御するか否かの事前決定結果、さらには、大当り遊技状態とする場合における大当り種別の決定結果に対応して、確定特別図柄を設定する(S248)。一例として、S246にて特図表示結果が「小当り」ではないと判定された場合には、特図表示結果を「ハズレ」とする旨の事前決定結果に対応して、ハズレ図柄となる「−」の記号を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。その一方で、S246にて特図表示結果が「小当り」であると判定された場合には、特図表示結果を「小当り」とする旨の事前決定結果に対応して、小当り図柄となる「2」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、S241にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、S244における大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のいずれかを、確定特別図柄に設定する。すなわち、大当り種別を「非確変」とする決定結果に応じて、通常開放ラウンド大当り図柄のうち通常大当り図柄となる「3」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、大当り種別を「確変」とする決定結果に応じて、通常開放ラウンド大当り図柄のうち確変大当り図柄となる「7」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。大当り種別を「突確」とする決定結果に応じて、短期開放大当り図柄となる「5」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。
S248にて確定特別図柄を設定した後には、特図プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値である“1”に更新してから(S249)、特別図柄通常処理を終了する。S235にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(S235;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(S250)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、図21のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図21に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して(S71)、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(S72)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば(S72;No)、S72の処理を繰り返し実行して待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えば演出制御バッファ設定部194に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。一例として、演出制御コマンドが2バイト構成である場合には、1バイト目(MODE)と2バイト目(EXT)を順次に受信して演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
S72にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(S72;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(S73)、コマンド解析処理を実行する(S74)。S74にて実行されるコマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
S74にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(S75)。S75の演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L,8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDといった装飾発光体における点灯動作、演出用模型における駆動動作といった、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。
S75の演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(S76)、演出制御に用いる各種の乱数値として、演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。その後、S72の処理に戻る。
図22〜図23は、コマンド解析処理(S74)の具体例を示すフローチャートである。主基板11から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU120は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド受信バッファは、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。尚、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。尚、遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU120は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(S611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU120は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(S612)。尚、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(S613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターン指定コマンドであれば(S621)、演出制御用CPU120は、その変動パターン指定コマンドを、RAMに形成されている変動パターン指定コマンド格納領域に格納する(S622)。そして、変動パターン指定コマンド受信フラグをセットする(S623)。
受信した演出制御コマンドが可変結果通知コマンドであれば(S625)、演出制御用CPU120は、受信した可変結果通知コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果5指定コマンド)を、RAMに形成されている表示結果通知コマンド格納領域に格納する(S626)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定通知コマンドであれば(S627)、演出制御用CPU120は、図柄確定コマンド受信フラグをセットする(S628)。
受信した演出制御コマンドが第1保留記憶数通知コマンドであれば(S651)、演出制御用CPU120は、その第1保留記憶数通知コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)を第1保留記憶数として第1保留記憶数保存領域に格納する(S652)。
受信した演出制御コマンドが第2保留記憶数通知コマンドであれば(S654)、演出制御用CPU120は、その第2保留記憶数通知コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)を第2保留記憶数として第2保留記憶数保存領域に格納する(S655)。
次いで、受信した演出制御コマンドがいずれかの入賞時判定結果指定コマンドであれば(S661)、演出制御用CPU120は、受信した入賞時判定結果指定コマンドのEXT値を入賞時判定結果記憶バッファ(図24参照)において合算保留記憶数に対応付けられた領域に保存する(S662)。このようにすることで、各保留記憶の入賞時判定結果の内容をEXT値に基づいて特定できるようになっている。尚、本実施例では、各保留記憶の変動カテゴリをEXT値に基づいて特定できるようになっている。
尚、この実施の形態では、合算保留記憶数は、第1保留記憶数保存領域に格納されている第1保留記憶数と第2保留記憶数の保存領域に格納されている第2保留記憶数とを合算することで求められる。第1保留記憶数は、第1保留記憶数通知コマンドを受信した後に、S652において更新され、第2保留記憶数は、第2保留記憶数通知コマンドを受信した後に、S655において更新されるため、合算保留記憶数も同じタイミングで更新される。また、入賞時判定結果指定コマンドは、始動口スイッチ通過処理のS1218においては、第1保留記憶数通知コマンドを送信した後に送信され、S1228においては、第2保留記憶数通知コマンドを送信した後に送信される。そのため、演出制御基板12は、合算保留記憶数を更新した後に、入賞時判定結果指定コマンドを受信する。尚、演出制御用CPU120は、S665の処理で、例えば、入賞時判定結果指定コマンドの2バイト目のデータを入賞時判定結果バッファにおいて合算保留記憶数に対応付けられた保存領域にセットする。入賞時判定結果指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)で、入賞時判定結果が特定されるからである(図9参照)。また、入賞時判定結果バッファにセットされたデータは、後述する可変表示開始設定処理(S171の処理が実行されるタイミングなど)において、先にセットされたものから順に削除される。
図24(A)は、入賞時判定結果を保存する領域(入賞時判定結果記憶バッファ)の構成例であって、合計保留記憶数が少なく、まとめ保留表示が行われていない状況例を示す説明図であり、図24(B)は、合計保留記憶数が通常保留表示位置(図38〜図39参照)に保留表示を追加表示できない10個に到達することにより、まとめ保留表示が表示される状況例を示す説明図である。
図24(A)及び図24(B)に示すように、この実施の形態では、入賞時判定結果記憶バッファにおいて合算保留記憶数に対応付けられた100個の保存領域が確保されている。これら100個の保存領域には、入賞時判定結果指定コマンドのEXT値を格納するEXT領域と、後述する先読み予告設定処理にて決定される保留表示の表示態様に対応した値が格納される表示態様フラグと、その保留表示がまとめ保留表示の対象となっているか否かを示すデータが格納されるまとめ表示フラグとが設定されている。
具体的に、図21(A)に示すように、合計保留記憶数が「6」であって、全ての保留表示を通常保留表示位置であるサブ液晶(図36参照)に表示できる場合には、まとめ表示フラグには、全て、まとめ保留表示の非対象を示すデータである「0」が格納されていることで、通常保留表示位置(サブ液晶)に全ての保留表示が表示されるようになる。尚、このとき、図24(A)に示すように、最新の保留記憶に対応するNo.6に対応するEXT領域に、入賞時判定処理においてスーパーリーチα大当りと判定されたことを示す「10」が格納されることにより、後述する先読み予告設定処理にて先読み予告演出の実行が決定されることにより、特殊態様に対応した「1」が表示態様フラグとして格納されているときには、該表示態様フラグとして格納されている「1」に対応する表示態様である特殊態様(本例では「☆」)で表示され、その他の保留表示は、表示態様フラグとして格納されている「0」に対応する表示態様である通常態様(本例では「○」)で表示される。
また、図24(B)に示すように、合計保留記憶数が「10」であって、全ての保留表示を通常保留表示位置であるサブ液晶(図37参照)に表示できない場合には、図24(B)に示すように、全ての保留記憶の表示態様フラグとして「0」が記憶されている場合には、最新の保留記憶から4つ前までの5つの保留記憶がまとめ保留表示の対象とされ、該まとめ表示の対象とされた保留記憶に対応するまとめ表示フラグに、保留表示の対象を示すデータである「1」が格納されることにより、No.6〜10の保留記憶の保留表示が、大きな黒丸内に「5」の数字を有するまとめ保留表示としてメイン液晶に設定されたまとめ保留表示位置(図37参照)に表示され、その他のNo.1〜5の保留記憶の保留表示は、通常態様にて通常保留表示位置(サブ液晶)に表示される。
尚、この実施形態のように、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれか一方の変動表示を優先して実行するように構成されている場合において、いずれの入賞時判定結果であるかを区別するために、第1始動入賞口への始動入賞時の入賞時判定結果を保存する第1入賞時判定結果記憶バッファと、第2始動入賞口への始動入賞時の入賞時判定結果を保存する第2入賞時判定結果記憶バッファとを用意するようにしてもよい。例えば、変形例において、第1入賞時判定結果記憶バッファには、第1保留記憶数の記憶可能数(この例では50)に対応した保存領域が確保されていれば良く、また、第2入賞時判定結果記憶バッファには、第2保留記憶数の記憶可能数(この例では50)に対応した保存領域が確保されていれば良い。また、この場合には、第1入賞時判定結果記憶バッファおよび第2入賞時判定結果記憶バッファには、受信した入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータが記憶される。尚、入賞時判定結果記憶バッファ(第1入賞時判定結果記憶バッファおよび第2入賞時判定結果記憶バッファ)は、演出制御基板12が備えるRAMに形成されれば良い。
また、受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU120は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(S663)。そして、S611に移行する。
次に、先読み予告演出について説明する。先読み予告演出とは、演出の対象となる変動表示が開始されるよりも前に実行され、演出の対象となる変動表示が大当りとなることや特定の変動(例えば、リーチ演出を含むなど)となることを予告する予告演出のことである。この実施の形態では、先読み予告演出として、始動入賞記憶表示エリア5Hにおいて、予告対象となる変動表示(保留記憶)に対応する保留表示が、通常の表示態様(以下、通常態様)とは異なる表示態様(後述する特殊態様)で表示される演出が行われる。
図25は、演出制御プロセス処理として、図21のS75にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図25に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、先読み予告演出を実行するか否かを決定する処理等が含まれる先読み予告設定処理を実行する。
図26は、図25のS161にて実行される先読み予告設定処理の一例を示すフローチャートである。図26に示す先読み予告決定処理において、演出制御用CPU120は、まず、新たな始動口入賞指定コマンド(第1始動口入賞指定コマンドまたは第2始動口入賞指定コマンド)を受信したか否かを判定する(S751)。始動口入賞指定コマンドを新たに受信していなければ(S751;No)、そのまま先読み予告設定処理を終了する。
新たな始動口入賞指定コマンドを受信していれば(S751;Yes)、現在予告演出(先読み予告演出及び変動中予告演出を含む)を実行中であるか否かを判定する(S752)。S752では、先読み予告演出の実行を開始するときに後述するS756等でオン状態にセットされる先読み予告実行中フラグがオン状態であるかを判定すること等により、現在先読み予告演出を実行中であるか否かを判定すればよい。また、この実施の形態では、先読み予告演出及び変動中予告演出が副画像表示装置51において実行されるようになっている。従って、S752では変動中予告実行中フラグがオン状態であるかを判定すること等により、変動中予告演出が実行中であるか否かも判定する。
現在予告演出を実行中であれば(S752;Yes)、先読み予告設定処理を終了する。この実施の形態では、先読み予告演出が既に実行中である場合には新たな先読み予告演出を実行しないようになっている。尚、先読み予告演出が実行中である場合に新たな先読み予告演出を実行するようにしてもよい。また、変動中予告演出が実行中である場合であっても、先読み予告演出と演出内容や演出装置が重複しない場合には、同時に実行可能であってもよい。
尚、この実施の形態では、S752の処理において、先読み予告演出及び変動中予告演出の双方の実行の有無を判定しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、S752の処理において、先読み予告演出または変動中予告演出のいずれか一方を実行であるか否かを判定し、先読み予告演出または変動中予告演出のいずれか一方を実行中のときのみ、新たな先読み予告演出を実行しないようにしても良い。
現在予告演出を実行中でなければ(S752;No)、先読み予告演出の実行を制限する先読み予告制限中であるか否かを判定する(S753)。この実施の形態では、高ベース状態であるときや今回の入賞より前の入賞に対応した保留データに大当りやリーチとなるものが含まれている場合には先読み予告制限中であると判定する。このようにすることで、先読み予告演出の実行時間を確保出来なくなることや、先読み予告演出の対象となる可変表示より前に大当りやリーチとなって演出対象が不明確になることを防止できる。その他、先読み予告演出を実行するのにふさわしくない場合に、先読み予告制限中であると判定するようにしてもよい。先読み予告制限中であれば(S753;Yes)、先読み予告設定処理を終了する。
先読み予告制限中でなければ(S753;No)、先読み予告演出を実行するか否かを決定する(S754)。一例として、S754の処理では、先読み予告演出の実行の有無を決定するための使用テーブルとして、予め用意された先読み予告決定テーブルを選択してセットする。先読み予告決定テーブルでは、各保留記憶の入賞時判定結果の内容をEXT値に基づいて特定される変動カテゴリなどに応じて、先読み予告種別決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、先読み予告演出を実行しない場合に対応する「実行なし」の決定結果や、先読み予告演出を実行する場合に対応する「実行あり」の決定結果に、割り当てられていればよい。その後、演出制御用CPU120は、例えば乱数回路124や演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタなどから抽出した先読み予告決定用の乱数値を示す数値データに基づいて、先読み予告決定テーブルを参照することにより、先読み予告演出の有無を決定すればよい。
S754の処理では、例えば図27に示すような決定割合で、先読み予告演出の有無が決定されればよい。図27に示す決定割合の設定例では、変動カテゴリに応じて、先読み予告演出の有無の決定割合を異ならせている。図27に示すように、変動カテゴリが「スーパーリーチ共通」や「小当り」である場合には、「非リーチ共通」や「その他のハズレ」である場合よりも、先読み予告演出が実行される割合(「実行あり」に決定される割合)が高くなっており、変動カテゴリが「大当り」である場合には、「スーパーリーチ共通」や「小当り」である場合よりも、先読み予告演出が実行される割合が高くなっている。このような設定により、保留記憶表示の表示態様が特殊態様となったことによって、可変表示結果やスーパーリーチの有無を示唆することができる。尚、図27における決定割合では、「非リーチ共通」や「その他のハズレ」である場合には先読み予告演出が実行されないようになっているが、所定の割合(例えば「スーパーリーチ共通」である場合よりも低い割合)で実行するようにしてもよい。
続いて、S754の処理において先読み予告演出を実行する「実行あり」に決定されたか否か判定する(S755)。「実行なし」に決定された場合には(S755;No)、先読み予告設定処理を終了する。「実行あり」に決定された場合には(S755;Yes)、先読み予告演出の実行を開始するための各種設定を実行し(S756)、先読み予告演出設定処理を終了する。尚、S756の処理において前述した入賞時判定結果記憶バッファ(図24(A)参照)の表示態様フラグに特殊態様に対応した「1」が格納される。S756では、まず先読み予告演出が実行中であることを示す先読み予告実行中フラグをオン状態にセットする。そして、演出制御用CPU120は、先読み予告演出用の予告演出制御パターンを読み出してその予告演出制御パターンに基づいて先読み予告演出を開始する。この実施の形態では、副画像表示装置51において、先読み予告演出が実行されるようになっている。
尚、本実施例では、S754の処理において変動カテゴリに応じて、先読み予告演出の有無の決定割合を異ならせているが、本発明はこれに限定されるものではなく、まとめ保留表示がなされているか否かにより、先読み予告演出の有無の決定割合を異ならせても良い。例えば、まとめ保留表示がなされているときには、先読み予告演出を実行されてやすくすれば、遊技者に保留記憶を増やさせるための動機づけを与えることができる。
図34は、先読み予告演出が実行される場合の演出動作例を示している。図34(A)に示すように、画像表示装置5において飾り図柄の可変表示が実行されているときに、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を遊技球が通過すると、主基板11から演出制御基板12に対して入賞時判定結果指定コマンドが送信され、その値が入賞時判定結果記憶バッファに保存される。演出制御基板12では、入賞時判定結果指定コマンドが送信されたことに対応して、図26のS751においてYesと判定され、S754の処理において先読み予告演出を実行するか否かが決定される。ここで先読み予告演出を実行すると決定された場合には、S756において先読み予告演出が開始される。この実施の形態では、図34(B)に示すように、副画像表示装置51にキャラクタ画像が表示され、始動入賞記憶表示エリア5Hにおいて増加した保留表示を指さして、「チャンス」という文字が表示され、このキャラクタが指さす保留記憶の表示態様が前述した特殊態様(本例では「☆」)に変化する先読み予告演出が実行される。このような先読み予告演出を実行することで、対応する可変表示の可変表示結果が「大当り」となりやすい(チャンスである)ことを予告することができる。
また、この実施の形態では、始動入賞口に遊技球が入賞したことに基づく先読み予告演出を、始動入賞口の近傍(裏側)に設けられた副画像表示装置51において実行するので、遊技者に分かりやすく先読み予告演出を実行できる。また、画像表示装置5における可変表示や演出を邪魔することなく先読み予告演出を実行できる。
S161において先読み予告設定処理を実行した後には、演出制御用CPU120は、S162において保留表示更新処理を実行する。図28は、保留表示更新処理を示すフローチャートである。保留表示更新処理において、演出制御用CPU120は、先ず、入賞時判定結果記憶バッファ(図24参照)に記憶されている保留記憶数を特定し(S261)、該入賞時判定結果記憶バッファに記憶されている保留記憶数と現在の始動入賞記憶表示エリア5Hに表示されている保留表示数とが一致しているか否か、つまり、保留記憶数に変化(増加または減少)があったか否かを判定する(S262)。ここで、入賞時判定結果記憶バッファに記憶されている保留記憶数と現在の始動入賞記憶表示エリア5Hに表示されている保留表示数とが一致している場合(保留記憶数に変化がない場合)は、当該保留表示更新処理を終了する。一方、入賞時判定結果記憶バッファに記憶されている保留記憶数と現在の始動入賞記憶表示エリア5Hに表示されている保留表示数とが異なっている場合(保留記憶数に変化がある場合)は、S263に進む。
S263において演出制御用CPU120は、保留記憶数が増加しているか否かを判定する。ここで、保留記憶数が増加している場合は、S264に進む。一方、保留記憶数が増加していない場合は、S269に進む。
S264において演出制御用CPU120は、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける通常保留表示位置(サブ液晶)に新たな保留表示の追加表示が可能であるか否か、つまり、まとめ保留表示による表示を行わないと新たな保留表示(通常保留表示位置に表示されている保留表示であり、以下、通常保留表示位置に表示されている保留表示を総称して通常保留表示と表記する場合がある)を表示できないか否かを判定する。
具体的に、本実施例において通常保留表示位置(サブ液晶)に新たな保留表示を表示できない場合としては、合計保留表示数が既に「9」であるときに新たに始動入賞が発生して合計保留表示数が「10」となる場合や、まとめ保留表示位置(メイン液晶)に1のまとめ保留表示が表示されているとともに、該まとめ保留表示よりも左側の通常保留表示位置に5つの通常保留表示が表示されているとともに、まとめ保留表示よりも右側の通常保留表示位置に4つの通常保留表示が表示されているとき(つまり、既に合計保留表示数が「14」となっているとき)に、新たに始動入賞が発生して合計保留表示数が「15」となる場合等が例示される。
ここで、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける通常保留表示位置に新たな保留表示が可能である場合は、S268に進んで、更新後の入賞時判定結果記憶バッファに格納された各保留記憶のデータに基づいて始動入賞記憶表示エリア5Hの表示を更新した後、保留表示更新処理を終了する。このようにすることで、新たに発生した始動入賞による保留記憶に対応した保留表示が、該保留記憶に対応して入賞時判定結果記憶バッファの表示態様領域に格納されている表示態様にて通常保留表示領域に表示される。
一方、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける通常保留表示位置に新たな保留表示が不可能、つまり、既に通常保留表示位置に9個の保留表示が表示されている場合は(S264;N)、S265に進んで、演出制御用CPU120は、入賞時判定結果記憶バッファ(図24参照)において表示態様フラグに「0」がセットされたまとめ保留表示が可能な保留記憶の配列が存在するか否かを判定する。ここで、表示態様フラグに「0」がセットされたまとめ保留表示が可能な保留記憶の配列が存在しない場合は、S268に進む。一方、表示態様フラグに「0」がセットされたまとめ保留表示が可能な保留記憶の配列が存在する場合は、S266に進む。
具体的に、まとめ保留表示が可能な保留表示の配列としては、通常保留表示位置に5つが連続している保留表示の配列(新たな保留記憶に対応する通常保留表示を含む配列を含む)が該当する。つまり、まとめ保留表示の対象とする保留記憶として、新たな始動入賞による保留記憶と該保留記憶の直近の4つの保留記憶(新たな始動入賞による保留記憶から4つ前までの保留記憶)が該当する。
尚、仮に、まとめ保留表示が可能な通常保留表示が存在しない場合には、既に存在するまとめ保留表示を解除して、まとめ保留表示の対象を再特定して、全ての保留記憶に対応する保留表示が可能となるようにしても良い。
具体的に、合計保留記憶数が9個目の保留記憶が先読み予告演出の対象(ターゲット)に決定されて特殊態様の通常保留表示とされている場合であれば、特殊態様の通常保留表示よりも後には、まとめ保留表示が可能な配列が存在しないので、特殊態様の通常保留表示よりも前にまとめ保留表示が可能な配列が存在するかが判定される。この場合には、特殊態様の通常保留表示の前には、まとめ保留表示が可能な連続する5つの通常保留表示の配列の組合せが複数(具体的には4つの配列組合せ)存在するので、該4つの配列組合せのうちから、特殊態様の通常保留表示に最も近い配列組合せである特殊態様の通常保留表示の直前の5つの通常保留表示がまとめ保留表示対象として特定される。
尚、本実施の形態では、複数の特殊態様の保留表示(まとめ保留表示を含む)が同時に表示されることはないので、通常保留表示だけが表示されている場合にまとめ保留表示を新たに表示する場合には、必ずまとめ保留表示が可能な配列が存在するが、例えば、既にまとめ保留表示が表示されていて、該まとめ保留表示よりも後の通常保留表示の数が6つあり、まとめ保留表示から3つ目の通常保留表示が特殊態様の通常保留表示である場合には、まとめ保留表示が可能な配列が存在しないことになるので、上記したように、既に存在するまとめ保留表示の対象が解除され、新たにまとめ保留表示する対象が再特定されることにより、全ての保留記憶に対応する保留表示が表示されることになる。
また、本実施の形態では、上記したように、まとめ保留表示の対象となる保留記憶として、できるだけ後に始動入賞した保留記憶を優先して特定することにより、まとめ保留表示が表示された後に直ぐに解除されて保留表示が視認し難くなってしまうことを防ぐようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、先に始動入賞した保留記憶を優先的にまとめ保留表示の対象としても良いし、更には、1番目〜10番目の全ての通常保留表示をまとめ保留表示としても良く、これらまとめ保留表示の対象とする保留記憶としては、保留表示が視認性を考慮して適宜に決定すれば良い。
S266において演出制御用CPU120は、まとめ保留表示可能な保留記憶の配列に含まれる保留記憶について入賞時判定結果記憶バッファ(図24参照)のNoが最も多きい保留記憶を含む配列を特定する。そして、当該まとめ保留表示可能な保留記憶のまとめ表示フラグ値を、まとめ表示の非対象であることを示すフラグ値「0」から、まとめ表示の対象であることを示すフラグ値「1」に更新した後、S268に進む。
また、前述したS263において保留記憶数が増加していない場合に進むS269において、演出制御用CPU120は、入賞時判定結果記憶バッファ(図24参照)に基づいて解除条件が成立したまとめ保留表示があるか否かを判定する。
尚、本実施例における解除条件としては、図39に示すように、通常保留表示位置において、まとめ保留表示よりも先に消化される通常保留表示が無くなったこと、つまり、次に開始される変動表示の対象が、まとめ保留表示に含まれている保留記憶となったこととしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら解除条件は、まとめ保留表示に含める保留記憶数や、通常保留表示位置の表示可能な保留表示数等に応じて、適宜に設定すれば良く、例えば、まとめ保留表示よりも先に消化される通常保留表示が所定数(例えば1)となったことを条件としても良い。
ここで、解除条件が成立したまとめ保留表示がない場合は、S268に進む。一方、解除条件が成立したまとめ保留表示がある場合は、S270に進み、解除条件が成立したまとめ保留表示に含まれる保留表示に対応する保留記憶のまとめ表示フラグ(入賞時判定結果記憶バッファ)のフラグ値を、「1」から「0」に更新した後、S268に進む。
そして、まとめ保留表示が解除された保留表示を含む全ての保留表示を始動入賞記憶表示エリア5Hに表示可能か否かを判定する(S271)。全ての保留表示を始動入賞記憶表示エリア5Hに表示可能である場合(S271のY)には、S268に進むことで、まとめ保留表示が、通常保留表示位置の5つの保留表示に変更されて始動入賞記憶表示エリア5Hに表示されるとともに、まとめ保留表示以外の各保留表示が右側へシフトして表示される。
一方、解除された保留表示を含む全ての保留表示を始動入賞記憶表示エリア5Hに表示不可能である場合(S271のN)には、S265に進んで、再度、最新の始動入賞に対応する保留表示を含む配列がまとめ保留表示の対象として優先して特定され、該特定されたまとめ保留表示の対象の保留表示のまとめ表示領域のデータが「1」に更新された後、S268に移行することで、まとめ保留表示の対象が変更された保留表示が始動入賞記憶表示エリア5Hに表示される。
S268において演出制御用CPU120は、更新後の入賞時判定結果記憶バッファに格納された各保留記憶のデータに基づいて、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける表示を更新する。尚、演出制御用CPU120は、入賞時判定結果記憶バッファのまとめ表示フラグに「1」がセットされている保留記憶をまとめ保留として画像表示装置5(メイン液晶)に表示し、それ以外の保留記憶を通常の保留記憶表示として副画像表示装置51(サブ液晶)に表示する。そして、当該保留表示更新処理を終了する。
尚、本実施例では、上記したように、保留記憶数に変化がある場合には、始動入賞記憶表示エリア5Hの表示を更新し、保留記憶数に変化がない場合には、始動入賞記憶表示エリア5Hの表示を更新しない形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、保留記憶数の増減に関係なく、始動入賞記憶表示エリア5Hの表示を更新するようにしても良いし、或いは、保留記憶数が減少する場合、つまり、保留記憶の表示が左側にスライドする場合には、始動入賞記憶表示エリア5Hの表示が大きく変更するので、これら始動入賞記憶表示エリア5Hの表示を全て一旦消去してから、入賞時判定結果記憶バッファにおける第1特図保留記憶または第2特図保留記憶のそれぞれのエントリに格納されている保留表示フラグから特定される表示態様の表示データを表示バッファデータに描画することにより、始動入賞記憶表示エリア5Hの表示を変更するようにしても良い。
このような処理を行うことにより、変動表示の開始時に実行される、可変表示開始設定処理において保留記憶が消費されて、入賞時判定結果記憶バッファの保留記憶がシフトされた場合には、シフト後の入賞時判定結果記憶バッファの保留記憶に基づいて、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける保留記憶表示もシフトされて表示されるとともに、始動入賞により、新たな保留記憶があった場合には、該保留表示更新処理の前に実行される前述した先読み予告設定処理にて、当該保留記憶の表示パターンが決定されて保留表示フラグにセットされ、該保留表示フラグにセットされたフラグ値に応じた表示態様にて、始動入賞記憶表示エリア5Hに表示されるようになる。
図38〜図39を用いて保留記憶表示の更新態様について詳述する。図38(A)に示すように、副画像表示装置51(サブ液晶)において通常保留表示位置には、通常サイズの通常保留表示を表示可能な表示位置が左右方向に9箇所設定されており、各表示位置においては独立して通常保留表示を表示可能とされており、9箇所全てに通常保留表示を表示する(合計保留記憶数9に対応)ことができる。また、画像表示装置5(メイン液晶)においてまとめ保留表示位置には、まとめ保留表示を表示可能な表示位置が左右方向に9箇所設定されており、各表示位置においては独立してまとめ保留表示を表示可能とされており、9箇所全てにまとめ保留表示を表示する(合計保留記憶数45に対応)ことができる。尚、変動表示が実行される毎に、保留記憶が減少(消費)されることに応じて、保留記憶表示も、所定のシフト方向(本実施例では画面の左方向)にシフトする。
本実施例の始動入賞記憶表示エリア5Hにおいては、通常保留表示によって「1×9=9」、まとめ保留表示によって「5×9=45」の保留記憶を表示できるので、最大で9+45=54の合計保留記憶数を表示可能とされている。尚、本実施例では、前述したように、第1特図保留記憶部151Aや第2特図保留記憶部151Bにおいて保留記憶として記憶可能な記憶数として50を設定することで、合計保留記憶数としては100を記憶可能としているが、これら記憶可能な数である100の保留記憶は、前述したように、実際の遊技において発生することはあり得ないとともに、これら100の保留記憶を表示可能とすると、1の保留表示が非常に小さくなってしまい、視認し難くなってしまうことから、現実的に発生する可能性がある最大保留記憶数として、変動表示が実行される実行効率にもとづく保留記憶の増減等を考慮して54を想定し、始動入賞記憶表示エリア5Hの仕様を、これら54の保留記憶を表示できるような仕様としている形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら始動入賞記憶表示エリア5Hの仕様として、保留記憶として記憶可能な数である100の保留記憶を全て表示可能な仕様としても良い。
ここで、上記した保留表示更新処理が実行されることで、保留表示がどのように変化するのかを説明すると、遊技が開始されて始動入賞が発生して変動表示が実行されているときに、更に始動入賞が発生することで、通常保留表示位置(サブ液晶)に、通常サイズの通常保留表示が1つずつ追加表示されていき、図38(B)に示すように、最大9つまで通常保留表示が表示されていく(合計保留記憶数=9)。
これら9つまで通常保留表示が表示されている状態において、更に始動入賞が発生して合計保留記憶数が10となる場合には、該発生した始動入賞による保留記憶の保留表示を通常保留表示位置(サブ液晶)に追加表示できないので、前述したように、新たな始動入賞による保留記憶の保留表示とその直前の4つの保留表示とがまとめ保留表示の対象として特定され、該特定された保留表示のまとめ表示フラグ(図24の入賞時判定結果記憶バッファ)のフラグ値が「1」に更新されることで、新たな始動入賞による保留記憶の保留表示とその直前の4つの通常保留表示とがまとめ保留表示として、図38(C)に示すようにまとめ保留表示位置(メイン液晶)に表示される。つまり、通常保留表示位置(サブ液晶)には、5個の保留記憶表示がなされるとともに、まとめ保留表示位置(メイン液晶)には、1個のまとめ保留表示がなされるようになり、これらの表示によって遊技者は合計10個の保留記憶が存在することを認識できる。
そして、該始動入賞が発生した際に実行中の変動表示を含む5回の変動表示が終了することで4つの保留記憶が消化された場合(当該期間中の新たな始動入賞はないものと仮定する)には、通常保留表示位置(サブ液晶)に表示されていた4つの通常保留表示が順次消去されることにより、5つ目の通常保留表示とまとめ保留表示位置(メイン液晶)に表示されたまとめ保留表示とが4回、左方向にシフトすることで、図39(D)に示す保留表示となる。尚、図39(D)に示す保留表示では、1の通常保留表示と1のまとめ保留表示とが表示されることにより、合計保留記憶数が6であることを、遊技者は把握できる。
そして、更に1の変動表示が終了して1の保留記憶が消化されたときには、まとめ保留表示よりも先に消化される通常保留表示が存在しないことである、まとめ保留表示の解除条件が成立することになるため、まとめ保留表示に含まれる保留表示のまとめ表示領域(入賞時判定結果記憶バッファ)のデータ値が「1」から「0」に更新されることで、図39(E)に示すように、まとめ保留表示が5つの通常保留表示に変更される。
つまり、変動表示の開始に消化される保留記憶の保留表示としては、まとめ保留表示ではなく、必ず通常保留表示として表示されるようになっており、開始された変動表示に対応する保留表示がどの保留表示であるのかが明確に解るようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらまとめ保留表示を解除することなく、まとめ保留表示を、メイン液晶の始動入賞記憶表示エリア5Hの左位置に表示されている保留記憶表示が吸い込まれる演出で用いられるポケット表示領域に移動させて表示し、該ポケット表示領域においてまとめ保留表示の数を5→4→3→2→1のように、変動表示の開始毎に漸減させるようにしても良い。
図39に示すように、入賞時判定結果記憶バッファ(図24参照)において、表示態様フラグのフラグ値が「0」である場合は、「○」の表示態様にてサブ液晶に表示される。また、表示態様フラグのフラグ値が「1」である場合は、「☆」の表示態様にてサブ液晶に表示される。また、まとめ表示フラグのフラグ値が「1」である場合は、大きな黒丸内に「5」の数字を有する表示態様にてメイン液晶に表示される。尚、まとめ表示フラグのフラグ値が「0」である場合は、まとめ保留表示の対象にならない。
尚、本実施例では、保留記憶表示の表示態様を「○」の表示態様と「☆」の表示態様と大きな黒丸内に「5」の数字を有する表示態様とを例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、保留記憶表示の表示態様の色彩(柄等を含む)を異ならせるようにしても良く、例えば、通常の保留記憶表示を赤色にし、先読み予告演出の対象の保留記憶表示を青色にし、まとめ保留の保留記憶表示を黄色にして、各保留記憶の色彩により保留記憶表示の種別や保留記憶数を認識できるようにしても良い。
尚、本実施例では、前述したS265において表示態様フラグに「0」がセットされたまとめ保留表示が可能な保留記憶の配列が存在するか否か、つまり先読み予告演出の対象となる表示態様フラグに「1」がセットされている保留記憶以外で、まとめ保留表示が可能な保留記憶の配列が存在するか否かを判定しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、表示態様フラグに「1」がセットされている保留記憶、つまり先読み予告演出の対象となっている保留記憶を含めてまとめ保留表示が可能な保留記憶の配列が存在するか否かを判定しても良い。この場合には、先読み予告演出の対象となる表示態様フラグに「1」がセットされている保留記憶を含むまとめ保留表示を、通常のまとめ保留表示である大きな黒丸内に「5」の数字を有する表示態様と異なる表示態様にしても良い。例えば、変形例において、まとめ保留表示を大きな星印内に「5」の数字を有する表示態様(特別態様)にし、当該まとめ保留表示に先読み予告演出の対象となっている保留記憶が含まれることを示すようにしても良い。このような変形例では、まとめ保留表示を表示することにより、表示可能な保留記憶の数を増やすことが可能となるとともに、これらまとめ保留表示についても通常態様または特別態様にて表示されるので、遊技機の興趣を向上できる。
尚、本実施例では、通常保留表示位置(サブ液晶)に表示可能な保留記憶表示の個数を9個にしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、通常保留表示位置(サブ液晶)に表示可能な保留記憶表示の個数を10個にして、10個目の保留記憶表示を一旦表示させてから、まとめ保留表示が発生する態様であっても良い。
尚、本実施例では、通常保留表示位置をサブ液晶に設け、まとめ保留表示位置をメイン液晶に設けているが、本発明はこれに限定されるものではなく、まとめ保留表示位置をサブ液晶に設け、通常保留表示位置をメイン液晶に設けるようにしても良い。更に、保留記憶表示またはまとめ保留表示の近傍に、合計保留数を数値で表示するようにしても良い。また、メイン液晶またはサブ液晶のいずれか一方に、通常保留表示位置及びまとめ保留表示位置の双方を設けるようにしても良い。尚、メイン液晶(またはサブ液晶)にのみに通常保留表示位置及びまとめ保留表示位置の双方を設けるようにした場合には、通常保留表示位置の表示領域とまとめ保留表示位置の表示領域とを異なる位置に表示(例えば、上下2列に表示)して、遊技者が通常の保留表示であるか、まとめ保留表示であるかを認識し易くしても良い。
図25に戻り、S162において保留表示更新処理を実行した後には、演出制御用CPU120は、例えば演出制御フラグ設定部191などに設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなS170〜S177の処理のいずれかを選択して実行する。
S170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11からの第1変動開始コマンドあるいは第2変動開始コマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。
S171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示や、その他の各種演出動作を行うために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類などに応じた確定飾り図柄や各種の演出制御パターンを決定する処理などを含んでいる。
S172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、演出制御タイマ設定部192に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行う。こうした演出制御を行った後、例えば特図変動時演出制御パターンから飾り図柄の可変表示終了を示す終了コードが読み出されたこと、あるいは、主基板11から伝送される図柄確定コマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を完全停止表示させる。特図変動時演出制御パターンから終了コードが読み出されたことに対応して確定飾り図柄を完全停止表示させるようにすれば、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応する可変表示時間が経過したときに、主基板11からの演出制御コマンドによらなくても、演出制御基板12の側で自律的に確定飾り図柄を導出表示して可変表示結果を確定させることができる。確定飾り図柄を完全停止表示したときには、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
S173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、当り開始指定コマンドを受信したきに、その当り開始指定コマンドが大当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を大当り中演出処理に対応した値である“6”に更新する。これに対して、当り開始指定コマンドを受信したときに、その当り開始指定コマンドが小当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を小当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する。また、当り開始指定コマンドを受信せずに、演出制御プロセスタイマがタイムアウトしたときには、特図ゲームにおける特図表示結果が「ハズレ」であったと判断して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
S174の小当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この小当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L,8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、小当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、小当り中演出処理では、例えば主基板11からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値を小当り終了演出に対応した値である“5”に更新する。
S175の小当り終了演出処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この小当り終了演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L,8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、小当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
S176の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L,8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、例えば主基板11からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“7”に更新する。
S177のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“7”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L,8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
図29は、可変表示開始設定処理として、図25のS171にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図29に示す可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば主基板11から伝送された可変表示結果通知コマンドにおけるEXTデータを読み取ることなどにより、特図表示結果が「ハズレ」となるか否かを判定する(S522)。特図表示結果が「ハズレ」となる旨の判定がなされたときには(S522;Yes)、例えば主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドにおけるEXTデータを読み取ることなどにより、指定された変動パターンが飾り図柄の可変表示態様を「非リーチ」とする場合に対応した非リーチ変動パターンであるか否かを判定する(S523)。
S523にて非リーチ変動パターンであると判定された場合には(S523;Yes)、非リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(S524)。一例として、S524の処理では、まず、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される左確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の左確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「左」の飾り図柄表示エリア5Lに停止表示される左確定飾り図柄を決定する。次に、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「右」の飾り図柄表示エリア5Rに停止表示される右確定飾り図柄を決定する。このときには、右確定図柄決定テーブルにおける設定などにより、右確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄の図柄番号とは異なるように、決定されるとよい。続いて、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア5Cに停止表示される中確定飾り図柄を決定する。尚、S524の処理では、変動図柄予告を実行中である場合に対応して、所定のチャンス目図柄となる非リーチ組合せの確定飾り図柄を決定すればよい。
S523にて非リーチ変動パターンではないと判定された場合には(S523;No)、リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(S525)。一例として、S525の処理では、まず、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される左右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の左右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「左」と「右」の飾り図柄表示エリア5L,5Rにて揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。さらに、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて停止表示される中確定飾り図柄を決定する。ここで、例えば中確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号と同一になる場合のように、確定飾り図柄が大当り組合せとなってしまう場合には、任意の値(例えば「1」)を中確定飾り図柄の図柄番号に加算または減算することなどにより、確定飾り図柄が大当り組合せとはならずにリーチ組合せとなるようにすればよい。あるいは、中確定飾り図柄を決定するときには、左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号との差分(図柄差)を決定し、その図柄差に対応する中確定飾り図柄を設定してもよい。
S522にて特図表示結果が「ハズレ」ではないと判定されたときには(S522;No)、特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」である場合、または、特図表示結果が「小当り」である場合であるか、これら以外の場合であるかを判定する(S526)。「突確」または「小当り」であると判定されたときには(S526;Yes)、例えば開放チャンス目といった、「突確」の場合や「小当り」の場合に対応した最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(S527)。一例として、変動パターン指定コマンドにより変動パターンPC1−1〜PC1−3のいずれかが指定された場合に対応して、複数種類の開放チャンス目のうち、いずれかを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する。この場合には、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新されるチャンス目決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定のチャンス目決定テーブルを参照することなどにより、開放チャンス目のいずれかを構成する確定飾り図柄の組合せを決定すればよい。また、変動パターン指定コマンドにより変動パターンPC1−4または変動パターンPC1−5のいずれかが指定された場合には、例えばS525と同様の処理を実行することにより、リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定すればよい。
S526にて「突確」または「小当り」以外の「非確変」または「確変」であると判定されたときには(S526;No)、大当り組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(S528)。一例として、S528の処理では、まず、演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタなどにより更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、続いてROM121などに予め記憶された所定の大当り確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、画像表示装置5の画面上で「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L,5C,5Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。このときには、大当り種別が「非確変」、「確変」のいずれであるかや、大当り中における昇格演出の有無などに応じて、異なる飾り図柄を確定飾り図柄とする決定が行われるようにしてもよい。
具体的な一例として、大当り種別が「非確変」である場合には、複数種類の通常図柄のうちいずれか1つの飾り図柄を選択して、非確変大当り組合せを構成する確定飾り図柄に決定すればよい。また、大当り種別が「確変」である場合には、複数種類の通常図柄または確変図柄のうちからいずれか1つの飾り図柄を選択して、非確変大当り組合せまたは確変大当り組合せを構成する確定飾り図柄に決定すればよい。このとき、非確変大当り組合せの確定飾り図柄に決定された場合には、可変表示中の再抽選演出において確変状態に制御される旨の報知が行われず、大当り遊技状態に対応して実行される大当り中昇格演出などにより確変状態に制御される旨が報知されればよい。他方、確変大当り組合せの確定飾り図柄に決定された場合には、可変表示中の再抽選演出において、あるいは再抽選演出を実行することなく、確変状態に制御される旨の報知が行われる。
S524,S525,S527,S528の処理のいずれかを実行した後には、変動中予告演出の実行の有無と、実行する場合における変動中予告演出の演出態様に対応した変動中予告パターンとを決定する予告演出決定処理を実行する(S529)。
図30に示すように、予告演出決定処理(S529)において、演出制御用CPU120は、まず、変動表示結果と変動パターンとを特定する(S711)。変動表示結果は、変動開始時において主基板11から送信される変動表示結果(はずれ、確変大当りA、確変大当りB、非確変大当り)を指定するための変動表示結果指定コマンドを格納するための変動表示結果指定コマンド格納領域に記憶されている変動表示結果指定コマンドにより特定することができる。また、変動パターンは、前述したように、変動パターン指定コマンド格納領域に記憶されている変動パターン指定コマンドにて特定できる。
次いで、S712において演出制御用CPU120は、変動中予告演出の有無と変動中予告パターンとを決定するための使用テーブルとして、予め用意された変動中予告決定テーブルを選択してセットする。変動中予告決定テーブルでは、可変表示結果通知コマンドから特定される可変表示結果や、変動パターン指定コマンドから特定される変動パターンなどに応じて、変動中予告種別決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、変動中予告演出を実行しない場合に対応する「実行なし」の決定結果や、変動中予告演出を実行する場合における複数の変動中予告パターンなどに、割り当てられていればよい。その後、演出制御用CPU120は、例えば乱数回路124や演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタなどから抽出した変動中予告決定用の乱数値を示す数値データに基づいて、変動中予告決定テーブルを参照することにより、変動中予告演出の有無と変動中予告パターンとを決定すればよい。
図32は、この実施の形態における変動中予告パターンの一覧を示す図である。この実施の形態では、副画像表示装置51を用いた変動中予告演出が実行されるようになっている。図32に示す、予告パターンYP1は、副画像表示装置51(サブ液晶)に予告画像を表示して、サブ液晶を待機位置から重畳位置に水平(鉛直)動作(図4〜図5に示す動作)させる変動中予告演出に対応している。予告パターンYP2は、予告パターンYP1の演出動作に加えてサブ液晶を傾斜動作(図7に示す動作)させる変動中予告演出に対応している。予告パターンYP3は、予告パターンYP2の演出動作に加えて、可動部材52をサブ液晶の動作と連動するように第1の態様で動作させる(例えば8つ設けられた可動部材52の一部を動作させる)変動中予告演出に対応している。予告パターンYP4は、予告パターンYP1の演出動作に加えてサブ液晶を回転動作(図6に示す動作)させるとともに、可動部材52をサブ液晶の動作と連動するように第2の態様で動作させる(例えば8つ設けられた可動部材52の全てを動作させる)変動中予告演出に対応している。
このように、この実施の形態では、副画像表示装置51を複数のパターンで動作させる変動中予告演出が実行可能になっている。これにより、副画像表示装置51の表示や動作に遊技者を注目させることできる。また、演出のバリエーションが豊富になり遊技の興趣が向上する。尚、水平動作、傾斜動作、回転動作を任意に組み合わせて動作させるようにしてもよい。また、その動作に可動部材52の動作や副画像表示装置51の表示を連動させてもよい。
また、可動部材52を動作させる態様は複数設けられており、その態様に応じて副画像表示装置51には異なる動作をするようになっている。これにより、演出のバリエーションが豊富になり、遊技の興趣が向上する。さらに、可動部材52を動作させる態様に応じて画像表示装置5における演出内容も異ならせてもよい。
図35は、予告パターンYP4に決定された場合の演出動作例を示している。予告パターンYP4に決定された場合には、まず、副画像表示装置51に予告画像が表示され、予告画像が表示された状態で副画像表示装置51が待機位置から重畳位置に水平動作(図4〜図5に示す動作)する。その後、図35(A)及び図35(B)に示すように、副画像表示装置51が回転動作するとともに、可動部材52が連動して動作する。尚、回転動作とは、必ずしも1回転する必要はなく、図35(A)及び図35(B)に示すような動作を繰り返すものも含まれる。
また、図35(A)及び図35(B)に示すように、副画像表示装置51が回転動作するときでも、副画像表示装置51に表示された演出画像の遊技者にその表示角度を変えないように制御される。これにより、副画像表示装置51を動作させた場合でも副画像表示装置51に表示された演出画像の視認性がよくなり、演出の興趣が向上する。
尚、図35に示した予告演出の演出動作は、演出制御用CPU120が、後述するS531でセットされた予告パターンに対応する予告演出制御パターンに基づいて、サブ液晶を制御することによって実行される。
本実施例では、副画像表示装置51を待機位置から重畳位置に移動させて動作させた場合に、副画像表示装置51の保留記憶表示が消去される。このようにすることで、副画像表示装置51(サブ液晶)を動作により保留記憶表示が視認し難くなってしまい、保留記憶が誤認されてしまうことを防ぐことができる。また、画像表示装置5にてまとめ保留表示が表示されている場合には、当該まとめ保留表示を消去するようにしても良い。尚、副画像表示装置51が重畳位置から待機位置に戻ったら、一旦消去された保留記憶表示を再び表示させるのが望ましい。更に、副画像表示装置51にて保留記憶表示が消去されている期間は、画像表示装置5(メイン液晶)や他の保留表示装置で保留数を特定可能にしておくことが望ましい。
尚、本実施例では、副画像表示装置51を動作させる場合に、当該副画像表示装置51の保留記憶表示を消去するようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、副画像表示装置51を動作させた場合であっても、当該副画像表示装置51の保留記憶表示を継続するようにしても良い。また、画像表示装置5にてまとめ保留表示が表示されている場合に、副画像表示装置51を動作させると、まとめ保留表示が見え難くなるため、当該まとめ保留表示を副画像表示装置51に表示するようにしてもよい。保留の数を数字や他のシンボルで表示するものであってもよい。このようにすることで、副画像表示装置51を動作したことによって、遊技者を困惑させてしまうことを防止できる。
S712の処理では、例えば図33に示すような決定割合で、変動中予告演出の有無と変動中予告パターンとが決定される。図33に示す決定割合の設定例では、変動パターンが「非リーチハズレ」、「リーチハズレ」、「大当り」、「小当り」のいずれに対応したものであるかに応じて、変動中予告演出の有無や変動中予告パターンの決定割合を異ならせている。
具体的には、変動パターンが「リーチハズレ」である場合には、「非リーチハズレ」である場合よりも、変動中予告演出が実行される割合(「予告実行なし」以外に決定される割合)が高くなっており、変動パターンが「大当り」である場合には、「非リーチハズレ」、「リーチハズレ」、「小当り」である場合よりも、変動中予告演出が実行される割合が高くなっている。このような設定により、変動中予告演出が実行されたことによって、可変表示結果が「大当り」となることやリーチが実行されることを予告・示唆することができる。
また、予告パターンYP3,YP4は、変動パターンが「非リーチハズレ」や「リーチハズレ」である場合には選択されづらくなっているとともに、変動パターンが「大当り」である場合には選択されやすくなっている。特に予告パターンYP4は、変動パターンが「非リーチハズレ」である場合には選択されない。このような設定により、変動中予告演出の演出態様に応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り信頼度)やリーチとなる可能性(リーチ信頼度)が異なるので、遊技者が予告演出の演出態様に注目するようになり、遊技の興趣が向上する。図33に示す設定例では、予告パターンYP4の変動中予告演出が実行された場合には、可変表示結果が「小当り」となる場合を除き必ずリーチとなるようになっている(リーチ信頼度が100%)。尚、実行された場合に必ず「大当り」や「小当り」となるような予告パターンを設けてもよい。また、変動パターンが「リーチハズレ」や「大当り」である場合には、ノーマルリーチの変動パターンかスーパーリーチの変動パターンであるかに応じて、予告パターンの決定割合を異ならせてもよい。この場合、スーパーリーチの変動パターンである場合には決定される一方、ノーマルリーチの変動パターンや、「非リーチハズレ」、「小当り」である場合には決定されない予告パターンを設けてもよい。このようにすることで、特定の予告パターンとなった場合には、必ずスーパーリーチとなることを予告できる。
尚、本実施例では、S712の処理において変動パターンが「非リーチハズレ」、「リーチハズレ」、「大当り」、「小当り」のいずれに対応したものであるかに応じて、変動中予告演出の有無や変動中予告パターンの決定割合を異ならせているが、本発明はこれに限定されるものではなく、まとめ保留表示がなされているか否かに応じて、変動中予告演出の有無や変動中予告パターンの決定割合を異ならせても良い。例えば、まとめ保留表示がなされているときには、予告演出を実行されてやすくすれば、遊技者に保留記憶を増やさせるための動機づけを与えることができる。
図30に戻り、S713において演出制御用CPU120は、予告演出の実行を決定したか否かを判定する(S713)。ここで、予告演出の実行を決定しなかった場合は、当該予告演出決定処理を終了する。一方、予告演出の実行を決定した場合は、S714に進んで、決定した予告演出の種別をRAM122の所定領域に記憶し、S715に進む。
S715において演出制御用CPU120は、入賞時判定結果記憶バッファ(図24参照)に基づいて保留記憶数が所定値以上(本実施例では9以上)か否かを判定する。ここで、保留記憶数が所定値以上でない場合は、当該予告演出決定処理を終了する。一方、保留記憶数が所定値以上である場合は、S716に進む。
S716において演出制御用CPU120は、キャラクタ予告演出の実行の有無を決定する。一例として、S716の処理では、キャラクタ予告演出の実行の有無を決定するための使用テーブルとして、予め用意されたキャラクタ予告演出実行決定テーブルを選択してセットする。キャラクタ予告演出実行決定テーブルでは、各保留記憶の入賞時判定結果の内容をEXT値に基づいて特定される変動カテゴリなどに応じて、キャラクタ予告演出実行決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、キャラクタ予告演出を実行しない場合に対応する「キャラクタ予告演出なし」の決定結果や、キャラクタ予告演出を実行する場合に対応する「キャラクタ予告演出あり」の決定結果に、割り当てられていればよい。その後、演出制御用CPU120は、例えば乱数回路124や演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタなどから抽出したキャラクタ予告演出実行決定用の乱数値を示す数値データに基づいて、キャラクタ予告演出実行決定テーブルを参照することにより、キャラクタ予告演出の有無を決定すればよい。
S716の処理では、例えば図31に示すような決定割合で、キャラクタ予告演出の有無が決定されればよい。図31に示す決定割合の設定例では、変動パターンが「非リーチハズレ」、「リーチハズレ」、「大当り」、「小当り」のいずれに対応したものであるかに応じて、キャラクタ予告演出の有無の決定割合を異ならせている。
具体的には、変動パターンが「リーチハズレ」である場合には、「非リーチハズレ」である場合よりも、キャラクタ予告演出が実行される割合(「キャラクタ予告演出あり」に決定される割合)が高くなっており、変動パターンが「大当り」である場合には、「非リーチハズレ」、「リーチハズレ」、「小当り」である場合よりも、キャラクタ予告演出が実行される割合が高くなっている。このような設定により、キャラクタ予告演出が実行されたことによって、可変表示結果が「大当り」となることやリーチが実行されることを予告・示唆することができる。
図30に戻り、前述のS716の処理にてキャラクタ予告演出の実行を決定したか否かを判定する(S717)。ここで、キャラクタ予告演出の実行を決定した場合は、キャラクタ予告演出の実行を開始するための各種設定を実行し(S718)、当該予告演出決定処理を終了する。一方、キャラクタ予告演出の実行を決定しなかった場合は、当該予告演出決定処理を終了する。このように本実施例では、保留記憶数が所定値以上である場合に、所定のキャラクタがメイン液晶に表示されるキャラクタ予告演出の実行がなされる(図37参照)。
図29に戻り、S529の処理を実行した後には、その他の可変表示中における演出の実行設定を行う(S530)。一例として、S530の処理では、変動中予告演出とは異なる演出を実行するための設定が行われてもよい。そのような演出としては、例えば可変表示の開始時や実行中における所定のタイミングにて、スピーカ8L,8Rから所定の効果音(例えばアラーム音やチャイム音、サイレン音など)が出力されるような態様の演出や、遊技効果ランプ9などに含まれるフラッシュランプが光るような態様の演出のうち、一部または全部を含む所定態様の演出を実行することにより、可変表示結果が「大当り」となることを直ちに告知(確定的に報知)する一発告知態様の演出が実行されてもよい。あるいは、そのような演出として、可変表示結果が「大当り」となることに対応した特別な演出画像(プレミアム画像)を表示する演出が実行されてもよい。
他の一例として、S530の処理では、可変表示結果が「大当り」となる可能性などにはかかわらず、例えば賑やかしのために所定態様の演出を実行するための設定が行われてもよい。より具体的には、遊技効果ランプ9に含まれる所定のランプが光るような態様の演出や、ミニキャラとなる所定の演出画像を表示する演出といった、所定態様の演出を実行できればよい。
その後、演出制御パターンを予め用意された複数パターンのいずれかに決定する(S531)。このとき、演出制御用CPU120は、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンなどに対応して、複数用意された特図変動時演出制御パターンのいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする。また、S529における変動中予告演出の予告パターンの決定結果に対応した予告演出制御パターンを選択し、使用パターンとしてセットする。
S531の処理を実行した後には、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、演出制御タイマ設定部192に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(S532)。続いて、画像表示装置5における飾り図柄などの変動を開始させるための設定を行う(S533)。このときには、例えばS531にて使用パターンとして決定された特図変動時演出制御パターンに含まれる表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部123のVDP等に対して伝送させることなどにより、画像表示装置5の画面上に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L,5C,5Rにて飾り図柄の変動を開始させればよい。その後、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(S534)、可変表示開始設定処理を終了する。
この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。
例えば、メイン液晶でサブ液晶における演出とは独立して所定の演出を実行するようにしてもよい。この場合においても、メイン液晶で所定の演出が実行される前に、その演出内容を示唆する示唆演出がサブ液晶において実行されることがあるようにしてもよい。この場合も、サブ液晶において表示された演出画像がメイン液晶に移動する演出や、演出画像が表示されたサブ液晶がメイン液晶の前面に移動する演出が実行されるようにしてもよい。そして、いずれの演出が実行されるかに応じて大当り信頼度やリーチ信頼度が異なるようにしてもよい。
上記実施の形態では、副画像表示装置51(サブ液晶)において、画像表示装置5(メイン液晶)に表示される画像と関連した画像として、予告演出(先読み予告演出、変動中予告演出)の演出画像が表示されるようになっていたが、これ以外にも画像表示装置5に表示される画像と関連した画像が表示されるようにしてもよい。例えば、画像表示装置5に表示される画像(演出画像や飾り図柄)と同様の画像を副画像表示装置51に表示するようにしてもよい。また、画像表示装置5に表示される画像と対応する画像を、縮小あるいは簡略化等して表示するようにしてもよい。例えば、見た目は異なる画像であっても、同じ変動に対する表示であってもよいし、変動に関連していなくても同じような見た目の表示をするようにしてもよい。
また、画像表示装置5と副画像表示装置51とを用いて1つの演出画像(キャラクタ画像や文字等)を構成するように表示してもよい。
また、副画像表示装置51において予告演出以外の演出(例えば画像表示装置5における演出の補助的な表示等)を実行するようにしてもよい。例えば、副画像表示装置51において、予め定められた特定演出を実行し、画像表示装置5において、特定演出の演出内容に対応した特別演出を実行するようにしてもよい。例えば、副画像表示装置51において演出結果として成功と失敗とがある特定演出を実行し、その特定演出が成功となったときに、画像表示装置5において「滑り」や「擬似連」の可変表示演出が実行されたり、スーパーリーチとなるようにしてもよい。この場合は、演出制御基板12において、変動パターン(可変表示演出を伴うか否かやスーパーリーチとなるか否か)に基づいて特定演出を実行するか否かやその演出結果を決定するようにすればよい。このようすることで、副画像表示装置51における演出内容に応じて、画像表示装置5における演出内容も変化するので、副画像表示装置51における演出に遊技者がより注目するようになる。
また、遊技者のミッションを提示して、そのミッションが達成できた場合には遊技者にとって有利となるような演出(ミッション演出)を実行する場合において、画像表示装置5において遊技者にミッションを提示した後に、そのミッションの内容を副画像表示装置51に継続的に表示しておくようにしてもよい。このようにすることで、遊技者がミッションの内容を把握しやすくなる。
また、副画像表示装置51において画像表示装置5における演出の説明を表示するようにしてもよい。例えば、画像表示装置5において実行されているリーチ演出や予告演出の信頼度や擬似連変動の回数を副画像表示装置51に表示するようにしてもよい。
また、副画像表示装置51において低ベース状態における普通図柄表示器20の表示結果を予告示唆するような演出(例えばルーレットの演出など)を実行してもよい。また、副画像表示装置51において低ベース状態において普図当りとなって開放した第2始動入賞口に遊技球が入賞した場合に、当該入賞に基づく可変表示に対応した演出を実行するようにしてもよい。例えば、低ベース状態において、第2始動入賞口に複数の遊技球が入賞した場合、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されるので、第2特図を用いた特図ゲームに対応した可変表示が複数回連続して実行されることになる。この場合、第2特図に対応した保留が消化されるまで、特別な演出モードに移行するようにして、その特別な演出モードに対応した演出を副画像表示装置51において実行するようにしてもよい。
また、スティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bを操作させる演出を実行する場合に、副画像表示装置51において操作を促す演出を実行するようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、予告演出(変動中予告演出)が実行されるとき副画像表示装置51が動作するようになっているが、画像表示装置5において飾り図柄の可変表示や各種の演出が実行されているときに、動作(物理的な動作及び画像表示の演出動作を含む)するようにしてもよい(動作タイミングは任意であってよい)。例えば、画像表示装置5において可変表示が実行されているときに、リーチ演出が実行される前に、リーチとなることや大当りとなることの予告演出を副画像表示装置51により実行するようにしてもよいし、リーチ演出が実行されてから大当りとなることや信頼度が高いことを予告する予告演出を副画像表示装置51により実行するようにしてもよい。また、画像表示装置5に飾り図柄が停止したときに、確変昇格演出(再抽選演出)を副画像表示装置51により実行するようにしてもよい。また、大当り中にラウンド数が昇格する演出や確変大当りに昇格する大当り中昇格演出、エンディング昇格演出を副画像表示装置51により実行するようにしてもよい。また、確変状態であることを報知しない潜伏確変状態を設けた場合、潜伏確変状態において確変状態であることを報知する演出を副画像表示装置51により実行するようにしてもよい。さらに、先読み予告演出を実行するときに、副画像表示装置51を動作させるようにしてもよい。
以上説明したように、副画像表示装置51を設けることで、副画像表示装置51において多彩な演出を実行できる。また、画像表示装置5おける可変表示と切り離して演出が実行できるので、よりわかりやすい演出が実行できるようになる。
また、本実施例によれば、演出制御用CPU120が図30の予告演出決定処理のS716〜S718で保留記憶数が所定値以上のときにキャラクタ予告演出の実行を決定することで、保留記憶の数が所定数以上であるときにキャラクタ予告演出(特定演出)が実行されるので、遊技機の興趣を向上できる。
また、本実施例によれば、図38に示すように、合計保留記憶数が10個であって、全ての保留表示を通常保留表示位置であるサブ液晶に表示できない場合に、5個の保留記憶をまとめ保留表示としてメイン液晶に表示することで、保留記憶数に応じた好適な保留表示を行うことができる。
また、本実施例によれば、図35に示すように副画像表示装置51を待機位置から重畳位置に移動させて動作させた場合に、副画像表示装置51の保留記憶表示が消去されることで、副画像表示装置51を動作により保留表示が視認し難くなってしまい、保留記憶が誤認されてしまうことを防ぐことができる。
次に、画像表示装置5(メイン液晶)と副画像表示装置51(サブ液晶)、及び、これらに表示される画像データが格納されるフレームバッファ領域について詳述する。
画像表示装置5(メイン液晶)と副画像表示装置51(サブ液晶)は、例えば、液晶パネルとバックライトとを有する液晶表示モジュールにて形成されており、該液晶表示モジュールの液晶パネルにより表示部(表示領域)が形成されている。尚、ここでは各表示装置が液晶表示モジュールを使用した場合について説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、画像表示装置5及び副画像表示装置51は、飾り図柄の画像等を所定の解像度で表示することのできるものであれば、液晶以外の画像表示形態の表示装置、例えば、CRT(CathodeRayTube)、FED(FieldEmissionDisplay)、PDP(PlasmaDisplayPanel)、ドットマトリクスLED、有機或いは無機のエレクトロルミネッセンス(EL)パネル等の表示装置により構成されてもよい。
また、メイン液晶とサブ液晶とは異なる表示面積と表示画素密度とを有している。ここでは、図40に示すように、メイン液晶の総画素数は、横800ピクセル、縦600ピクセルとなっているとともに、サブ液晶の総画素数は、横400ピクセル、縦300ピクセルとなっているものとする。また、メイン液晶に10インチの液晶パネルが用いられているとともに、サブ液晶に5インチの液晶パネルが用いられている。つまり、サブ液晶がメイン液晶よりも表示画素密度が高い(画素サイズの小さい)表示装置となっている。
表示制御部123に設けられるVRAMは、CGROMから読み出された画像データを一時記憶して展開するためのフレームバッファ領域として機能する。図40に示すように、フレームバッファ領域には、メイン液晶に表示される第1画像データ(第1連携画像)が描画される第1描画領域(第1画像バッファ領域)と、サブ液晶に表示される第2画像データ(第2連携画像)を描画される第2描画領域(第2画像バッファ領域)、及びサブ液晶に表示される第2画像データ(第2連携画像)が描画される第3描画領域(第2画像バッファ領域)が割り当てられている。そして、第1描画領域には、X軸方向(横方向)に800ピクセル、Y軸方向(縦方向)に600ピクセルが割り当てられ、第2描画領域には、X軸方向(横方向)に400ピクセル、Y軸方向(縦方向)に300ピクセルが割り当てられ、第3描画領域には、X軸方向(横方向)に640ピクセル、Y軸方向(縦方向)に480ピクセルが割り当てられる。
尚、メイン液晶に表示される第1画像データを読み出す第1描画領域とサブ液晶に表示される第2画像データを読み出す第2描画領域とは、対応するメイン液晶とサブ液晶の表示面積の比率のみに対応した領域として設定されて、共通の画像データを描画可能とされている。
この例では、第1描画領域の総画素数は、メイン液晶の総画素数と同一となっている。また、第2描画領域の総画素数は、サブ液晶の総画素数よりも小さくなっている。また、第3描画領域の総画素数は、サブ液晶の総画素数と同一となっている。そして、サブ液晶に表示される第2画像データを描画するときには、第2描画領域または第3描画領域のいずれかを用いるようになっている。
尚、表示制御部123(特にVDP)が、第1描画領域を用いてメイン液晶に表示される第1画像データを描画するとともに、第2描画領域を用いてサブ液晶に表示される第2画像データを描画するときには、フレームバッファ領域における第1描画領域及び第2描画領域のそれぞれに、同一の解像度となっているスプライト画像を描画する。
そして、第1描画領域にて描画された第1画像データは、等倍の総画素数でメイン液晶に表示される。また、第2描画領域にて描画された第2画像データは、総画素数をサブ液晶の総画素数に拡大してサブ液晶に表示をする。尚、この例では、第2描画領域にて描画された第2画像データが、横400ピクセル、縦300ピクセルとなっており、この第2画像データを160%拡大(スケールアップ)して横640ピクセル、縦480ピクセルの画像データとしてサブ液晶に表示している。
尚、第2画像データを160%拡大(スケールアップ)する際には、例えば、5ピクセルの画像データを8分割し、分割された1つ画像データを1ピクセルとして8ピクセルの画像データに変換したり、隣接するピクセル同士の間に、該ピクセル同士を平均した新たなピクセルを生成して、第2画像データの総画素数を拡大したりする方法が用いられる。更に尚、従来公知の画像コンバート処理により第2画像データを拡大してもよい。
このようにメイン液晶とサブ液晶のうち、表示画素密度が高いサブ液晶に対応する第2描画領域の第2画像データを、表示画素密度が低いメイン液晶の表示画素密度と同一の画素密度の画像データとして描画し、この第2描画領域に描画された低い画素密度の第2画像データを拡大して読み出して表示画素密度が高いサブ液晶に表示することで、フレームバッファ領域において描画される画像データの画素密度を同一にできるので、描画処理を効率的に行えるとともに、データ量が大きい高い画素密度の画像データを記憶しておく必要がないので、描画する画像データのデータ量を低減することができる。
また、この例では、メイン液晶とサブ液晶とで異なる解像度の液晶パネルを用いても、描画処理を効率的に行うことができるので、メイン液晶とサブ液晶とに用いる液晶パネルを、それぞれ異なるメーカーから調達できるようになるため、スマートフォン(携帯電話)などの普及により低コストで安価に流通している小型で高解像度の液晶パネルをサブ液晶として用いることができ、パチンコ遊技機1の製造コストを低減できるようになる。
尚、第2画像データを等倍で表示したい場合には、第3描画領域を用いて第2画像データを描画する。第3描画領域の総画素数は、サブ液晶の総画素数と同一となっており、第3描画領域にて描画された第2画像データは、等倍の総画素数でサブ液晶に表示される。
このようにすることで、低い画素密度の第2画像データを拡大して表示画素密度が高いサブ液晶に表示している場合においても、該表示画素密度が高いサブ液晶に高い画素密度の画像を切り替えて表示でき、パチンコ遊技機1の演出効果を高めることができる。
尚、この例では、表示画素密度が高いサブ液晶に対応する第2描画領域の第2画像データを、表示画素密度が低いメイン液晶の表示画素密度と同一の画素密度の画像データとして描画し、この第2描画領域に描画された低い画素密度の第2画像データを拡大して読み出して表示画素密度が高いサブ液晶に表示するようにしているが、本発明はこれに限ることなく、サブ液晶がメイン液晶よりも表示画素密度が低い(画素サイズの大きい)表示装置として構成し、この表示画素密度が低いサブ液晶に対応する第2描画領域の第2画像データを、表示画素密度が高いメイン液晶の表示画素密度と同一の画素密度の画像データとして描画し、この第2描画領域に描画された高い画素密度の第2画像データを縮小して読み出して表示画素密度が低いサブ液晶に表示するようにしてもよい。
例えば、図41のように、メイン液晶に表示される第1画像データを読み出す第1描画領域とサブ液晶に表示される第2画像データを読み出す第2描画領域とは、対応するメイン液晶とサブ液晶の表示面積の比率のみに対応した領域として設定されて、共通の画像データを描画可能とし、かつ第1描画領域の総画素数は、メイン液晶の総画素数と同一とし、第2描画領域の総画素数は、サブ液晶の総画素数よりも大きくする。
この例では、メイン液晶の総画素数は、横800ピクセル、縦600ピクセルとなっているとともに、サブ液晶の総画素数は、横320ピクセル、縦240ピクセルとなっている(図41参照)。尚、メイン液晶に10インチの液晶パネルが用いられているとともに、サブ液晶に5インチの液晶パネルが用いられている。つまり、サブ液晶がメイン液晶よりも表示画素密度が低い(画素サイズの大きい)表示装置となっている。
図41に示すように、フレームバッファ領域には、メイン液晶に表示される第1画像データ(第1連携画像)が描画される第1描画領域(第1画像バッファ領域)と、サブ液晶に表示される第2画像データ(第2連携画像)を描画される第2描画領域(第2画像バッファ領域)、及びサブ液晶に表示される第2画像データ(第2連携画像)が描画される第3描画領域(第2画像バッファ領域)が割り当てられている。そして、第1描画領域には、X軸方向(横方向)に800ピクセル、Y軸方向(縦方向)に600ピクセルが割り当てられ、第2描画領域には、X軸方向(横方向)に400ピクセル、Y軸方向(縦方向)に300ピクセルが割り当てられ、第3描画領域には、X軸方向(横方向)に320ピクセル、Y軸方向(縦方向)に240ピクセルが割り当てられる。
この例では、第1描画領域の総画素数は、メイン液晶の総画素数と同一となっている。また、第2描画領域の総画素数は、サブ液晶の総画素数よりも大きくなっている。また、第3描画領域の総画素数は、サブ液晶の総画素数と同一となっている。そして、サブ液晶に表示される第2画像データを描画するときには、第2描画領域または第3描画領域のいずれかを用いるようになっている。
尚、表示制御部123(特にVDP)が、第1描画領域を用いてメイン液晶に表示される第1画像データを描画するとともに、第2描画領域を用いてサブ液晶に表示される第2画像データを描画するときには、フレームバッファ領域における第1描画領域及び第2描画領域のそれぞれに、同一の解像度となっているスプライト画像を描画する。
そして、第1描画領域にて描画された第1画像データは、等倍の総画素数でメイン液晶に表示される。また、第2描画領域にて描画された第2画像データは、総画素数をサブ液晶の総画素数に縮小してサブ液晶に表示をする。尚、この例では、第2描画領域にて描画された第2画像データが、横400ピクセル、縦300ピクセルとなっており、この第2画像データを80%縮小(スケールダウン)して横320ピクセル、縦240ピクセルの画像データとしてサブ液晶に表示している。
尚、第2画像データを80%縮小(スケールダウン)する際には、例えば、5ピクセルの画像データを4分割し、分割された1つ画像データを1ピクセルとして4ピクセルの画像データに変換したり、いくつかのピクセルを間引きしたりする方法が用いられる。更に尚、従来公知の画像コンバート処理により第2画像データを縮小してもよい。
このようにすることで、フレームバッファ領域において描画される各画像データの画素密度を同一にできるので、描画処理を効率的に行えるとともに、表示画素密度が低いサブ液晶には、高い画素密度の画像データとして描画された画像が縮小して表示されるので、精密な画像表示を行うことができ、パチンコ遊技機1の演出効果を高めることができる。
尚、第2画像データを等倍で表示したい場合には、第3描画領域を用いて第2画像データを描画する。第3描画領域の総画素数は、サブ液晶の総画素数と同一となっており、第3描画領域にて描画された第2画像データは、等倍の総画素数でサブ液晶に表示される。
このようにすることで、高い画素密度の第2画像データを縮小して表示画素密度が低いサブ液晶に表示している場合においても、該表示画素密度が低いサブ液晶に低い画素密度の画像を切り替えて表示でき、フレームバッファ領域に必要とされるメモリ容量を低減することができる。
以上の例によれば、第1描画領域と第2描画領域では、表示画素密度が擬似的に同一とされているので、共通の画像データを描画するときに、画像を拡大や縮小して描画する必要がないので、制御が複雑化してしまうことを防止できるとともに、各描画領域に描画された画像データが、各描画領域に対応するメイン液晶またはサブ液晶の表示画素密度に応じた倍率にて拡大または縮小されて読み出されるため、メイン液晶とサブ液晶として表示画素密度が同一のものを使用する必要がないので、表示画素密度が異なる安価な表示装置を使用できるので、コストを削減することができる。
また、メイン液晶及びサブ液晶は、それぞれ個別の画像データを表示できるとともに、それぞれに表示される画像中のキャラクタ等が連携する連携画像データを表示できる。例えば、サブ液晶がメイン液晶と重畳位置にあるときに、図42に示すような連携画像データをメイン液晶、及び、サブ液晶に表示すことができる。
前述した通り、サブ液晶は、モータなどの駆動手段を駆動させることで、サブ液晶がメイン液晶と重ならない非重畳位置と、サブ液晶がメイン液晶と重なる重畳位置と、の間で動作可能になっている。さらに、本実施の形態の駆動手段に含まれる移動用モータは、ステッピングモータとなっており、パルス電力に同期して動作して正確に回転の制御ができるようになっている。そして、移動用モータを制御する演出制御用CPU120は、移動用モータに送ったパルス電力に基づいて、移動用モータの回転数及びこの回転数に応じたサブ液晶の移動距離を把握できるようになっている。
そして、図42に示すように、演出制御用CPU120は、把握したサブ液晶の移動距離に応じた位置(フレームバッファ領域における座標)に、フレームバッファ領域に、第1描画領域及び第2描画領域を単一の領域として連携画像データを描画する。そして、第1描画領域に描画された連携画像データ(第1連携画像データ)をメイン液晶に表示させるとともに、第2描画領域に描画された連携画像データ(第2連携画像データ)をサブ液晶に表示させることで、メイン液晶、及び、サブ液晶に連携画像データを表示することができる。尚、このとき、サブ液晶の枠部分のサイズを考慮した位置(フレームバッファ領域における座標)に描画を行うことで、適切な連携画像データをメイン液晶、及び、サブ液晶に表示することができる。
即ち、本発明の遊技機を以下のように構成してもよい。所定の遊技が可能な遊技機であって、第1表示装置(メイン液晶)と、表示領域の少なくとも一部が前記第1表示装置の表示領域に重畳して配置される第2表示装置(サブ液晶)と、前記第1表示装置と前記第2表示装置に互いに連携した表示内容(連携画像データ)を表示する演出を実行する演出実行手段(演出制御用CPU120)と、前記第1表示装置に表示される画像の画像データと前記第2表示装置に表示される画像の画像データとが読み出し可能に格納されるフレームバッファ(フレームバッファ領域として機能するVRAM)と、備え、前記第2表示装置に表示される第2連携画像の画像データ(第2連携画像データ)を格納する第2画像バッファ領域(第2描画領域)の少なくとも一部は、該第2表示装置の前記第1表示装置に対する物理的な重畳状態に応じて、前記第1表示装置に表示される第1連携画像の画像データ(第1連携画像データ)を格納する第1画像バッファ領域(第1描画領域)内に設定され、前記第2画像バッファ領域に格納された画像データは、前記第1表示装置並びに前記第2表示装置に共通に読み出されて表示される(第1描画領域に描画された第1連携画像データをメイン液晶に表示させるとともに、第2描画領域に描画された第2連携画像データをサブ液晶に表示させる)。この特徴によれば、第1表示装置に対する第2表示装置の物理的な重畳状態に応じた第2画像バッファ領域が第1画像バッファ領域内に設定されているので、これら第2画像バッファ領域が全て、第1画像バッファ領域外に設定されている場合に比較して、フレームバッファに必要とされるメモリ容量を低減することができるとともに、例えば、第1連携画像と第2連携画像として、単一画像を表示する場合には、同一の画像を第1画像バッファ領域と第2画像バッファ領域とに重複して描画する必要がないので、これら第2表示装置を設けることによってフレームバッファの制御が複雑化してしまうことを防止することができる。
また、図42では、サブ液晶がメイン液晶と重ならない非重畳位置と、サブ液晶がメイン液晶と重なる重畳位置と、の間で動作する場合を示したが、サブ液晶はメイン液晶に隣接する位置(非重畳位置)を保ったまま近傍を移動する場合も、図42に示したような制御が可能である。
即ち、本発明の遊技機を以下のように構成してもよい。所定の遊技が可能な遊技機であって、第1表示装置(メイン液晶)と、前記第1表示装置に隣接して配置される第2表示装置(サブ液晶)と、前記第1表示装置と前記第2表示装置に互いに連携した表示内容を表示する演出を実行する演出実行手段(演出制御用CPU120)と、前記第1表示装置に表示される画像の画像データと前記第2表示装置に表示される画像の画像データとが読み出し可能に格納されるフレームバッファ(フレームバッファ領域として機能するVRAM)と、備え、前記第2表示装置に表示される第2連携画像の画像データ(第2連携画像データ)を格納する第2画像バッファ領域(第2描画領域)は、該第2表示装置の表示領域の前記第1表示装置の表示領域に対する物理的な隣接状態に応じて、前記第1表示装置に表示される第1連携画像の画像データ(第1連携画像データ)を格納する第1画像バッファ領域(第1描画領域)の近傍領域に設定され、前記第1連携画像及び前記第2連携画像の画像データは、前記第1画像バッファ領域及び前記第2画像バッファ領域に亘って描画された共通の1の画像の画像データである(例えば、第1描画領域及び第2描画領域を単一の領域として連携画像データを描画し、第1描画領域に描画された第1連携画像データをメイン液晶に表示させるとともに、第2描画領域に描画された第2連携画像データをサブ液晶に表示させる部分)。この特徴によれば、第1表示装置の表示領域に対する第2表示装置の表示領域の物理的な隣接状態に応じて第1画像バッファ領域と第2画像バッファ領域とが近接してフレームバッファに設定されているため、第1画像バッファ領域及び第2画像バッファ領域に亘って共通の1の画像データとして第1連携画像及び第2連携画像の画像データを描画することができるので、第1画像バッファ領域と第2画像バッファ領域とが、第1表示装置の表示領域に対する第2表示装置の表示領域の物理的な近接状態と無関係に設定される場合に比較して、画像データを描画する際における描画位置の指定等の処理を単純化できるので、これら第2表示装置を設けることによってフレームバッファの制御が複雑化してしまうことを防止することができる。
また、上記実施の形態や変形例では、画像表示装置5(メイン液晶)よりも小型な副画像表示装置51(サブ液晶)が用いられているが、本発明はこれに限定されるものではなく、メイン液晶とサブ液晶が同一の大きさであってもよいし、メイン液晶よりも大型なサブ液晶であってもよい。
また、メイン液晶とサブ液晶の位置関係は上記実施の形態や変形例で説明したものに限定されず、サブ液晶がメイン液晶と重ならない非重畳位置と、サブ液晶がメイン液晶と重なる重畳位置と、に変化する場合に、上下方向、左右方向、あるいはそれらを組み合わせた方向にサブ液晶が動作するようにすればよい。また、サブ液晶がメイン液晶の隣接する位置を移動する場合にも、その動作は演出内容に応じて任意であってよい。
上記実施の形態では、第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出に基づいて第1特図を用いた特図ゲームが実行され、第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出に基づいて第2特図を用いた特図ゲームが実行されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過(進入)したかにかかわらず共通の特別図柄を用いた特図ゲームが実行されるものであってもよい。
上記実施の形態においては、変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御基板(サブ側)に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御基板に通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、主基板(メイン側)は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。
この場合、演出制御基板は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。尚、主基板の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御基板の方で選択を行う様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。尚、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
その他にも、パチンコ遊技機1の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。
加えて、本発明の遊技機は、遊技者に景品として遊技球が払い出され、遊技者は払い出された遊技球(貸し球の場合もある)を遊技領域に発射して遊技が行われる遊技機であったが、プリペイドカードや会員カード等の遊技用記録媒体の記録情報より特定される大きさの遊技価値である度数を使用して、遊技に使用するための遊技得点を付与するとともに、付与された遊技得点または遊技による入賞により付与された遊技得点を使用して遊技機内に封入された遊技球を遊技領域に打ち込んで遊技者が遊技を行う遊技機にも本発明を適用することができる。
即ち、遊技領域に設けられた始動領域を遊技媒体が通過したことに基づいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報の可変表示を行い表示結果を導出表示する可変表示手段を備え、当該可変表示手段に予め定められた特定表示結果が導出表示されたときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機であるが、遊技得点が0でないときに遊技得点を使用して遊技機内に封入された遊技球を遊技領域に打ち込んで遊技が行われ、遊技球の打ち込みに応じて遊技得点を減算し、遊技領域に設けられた入賞領域に遊技球が入賞することに応じて遊技得点を加算する遊技機にも本発明を適用できる。そのような遊技機は、遊技得点の加算に使用可能な遊技用価値の大きさを特定可能な情報が記録された遊技用記録媒体を挿入するための遊技用記録媒体挿入口と、遊技用記録媒体挿入口に挿入された遊技用記録媒体に記録されている記録情報の読み出しを行う遊技用記録媒体処理手段を備えていてもよい。
また、スロットマシンに本発明を適用してもよい。例えば、スロットマシンにおいて表示結果を導出するためのドラムとは別にその表示結果を予告・示唆する演出画像表示装置に、上記実施の形態の副画像表示装置51を採用してもよい。
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
また、上記の実施の形態では、まとめ保留表示として1種類のみを表示する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、まとめ保留表示として、まとめる保留表示の数が異なる複数種類のまとめ保留表示を表示するようにしても良いし、例えば、第1保留記憶のまとめ保留表示と、第2保留記憶のまとめ保留表示とを異なるまとめ保留表示(まとめ数が違うもの或いはまとめ数が同一でも態様が異なるもの等)として表示するようにしても良い。
また、上記の実施の形態では、まとめ保留表示はまとめ保留表示位置(メイン液晶)に表示し、通常保留表示は通常保留表示位置(サブ液晶)に表示する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、まとめ保留表示が無い場合には、通常保留表示位置に通常保留表示を表示し、まとめ保留表示がある場合には、該まとめ保留表示とともに表示される通常保留表示も、まとめ保留表示位置に表示するようにしても良い。
また、上記の実施の形態では、まとめ保留表示位置を画像表示装置5(メイン液晶)における始動入賞記憶表示エリア5H内に設けた形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、まとめ保留表示位置を副画像表示装置51(サブ液晶)に設けるようにしても良い。
また、上記の実施の形態では、まとめ保留表示を、通常保留表示位置において通常保留表示を追加できない合計保留記憶数である10となったときに表示する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら5つの保留表示をまとめ保留表示として表示する場合において、通常保留表示の数(まとめ数)が5になったときに、まとめ保留表示を表示するようにしても良く、このまとめ数は適宜設定しても良い。尚、上記の実施の形態におけるまとめ数とは、通常保留表示をまとめて、まとめ保留表示にするための閾値となる通常保留表示の数のことである。
また、上記の実施の形態では、図18(B)に示すように、第1保留記憶数については、大当り遊技状態であるときに制限数として15が設定され、第2保留記憶数については、高ベース状態であるときには制限数として15が設定される形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら遊技状態に関係なく、第1保留記憶数並びに第2保留記憶数について、常に無制限としても良い。
また、上記の実施の形態では、高ベース状態においては、短縮非リーチはずれの変動パターンが決定されやすくなることにより、変動時間が短縮されるものの、保留記憶数が増えた場合に、通常の非リーチはずれよりも変動時間が短い短縮変動パターンの決定割合を増やして変動時間を短くすることを行っていないが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、第1保留記憶数が所定数以上となったときや、第2保留記憶数が所定数以上となったとき、或いは、合計保留記憶数が規定数以上となったときに短縮変動パターンに決定される割合を高めることにより、保留記憶数が増えたときには変動時間が短くなって、単位時間において消化される保留記憶数が多くなるようにしても良い。尚、このように、保留記憶数が増えたときには変動時間の短い短縮変動パターンの決定割合を増やすことで、他のノーマルリーチ等の変動パターンの決定割合が変化する場合においては、入賞時判定処理において、保留記憶数が変化しても変動パターンが変化しない共通の判定値等に基づいて変動パターンのカテゴリ(非リーチ、ノーマルリーチ、スーパーリーチ等)に基づいて、先読み予告演出の実行・非実行や、先読み予告演出の演出パターンを決定するようにすれば良い。
また、上記の実施の形態では、第1始動入賞と第2始動入賞を区別せずに、入賞した順に変動表示を実行することから、始動入賞記憶表示エリア5Hに、第1保留記憶と第2保留記憶とを区別することなく表示する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら始動入賞記憶表示エリア5Hにおいて、例えば、第1保留記憶は青色、第2保留記憶は赤色等のように、色や形状、或いは、表示位置の違い等によって、第1保留記憶と第2保留記憶とを識別可能に表示するようにしても良い。尚、このように第1保留記憶と第2保留記憶とを識別可能に表示する場合にあって、所定数(例えば10)以下の保留表示に、第1保留記憶の保留表示と第2保留記憶の保留表示とが共存する場合には、まとめ表示を表示しないようにして、第1保留記憶と第2保留記憶との識別がまとめ保留表示により困難となってしまうことを防ぐようにしても良い。
また、上記の実施の形態では、特別図柄の保留記憶については無制限としたが、普通図柄の保留記憶については、公知のパチンコ遊技機と同様に、上限値を4とした形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら普通図柄の保留記憶についても、特別図柄の保留記憶同様に、無制限としても良い。尚、このように、普通図柄の保留記憶について無制限とする場合にあっては、特別図柄の保留表示と同じく、例えば、保留記憶数が規定値(例えば10)を越えた場合には、所定数の保留記憶をまとめたまとめ保留表示を表示するようにすれば良い。尚、このように、普通図柄の保留記憶数を無制限とする場合にあっては、普通可変入賞球装置6Bが開放されることにより変化した普通図柄の保留記憶数の値に応じて異なる態様の特殊演出を実行するようにしても良い。
また、上記の実施の形態では、特別図柄の保留記憶について、記憶可能な第1保留記憶数、第2保留記憶数として50、合計保留記憶数として100とした形態を例示しているが、これら第1保留記憶や第2保留記憶の記憶可能数としては、公知のパチンコ遊技機における上限値である4よりも大きな値であれば良いとともに、合計保留記憶数としては公知のパチンコ遊技機における上限値である8よりも大きな値であれば良い。
また、上記の実施の形態では、まとめ保留表示を解除するときに、まとめ保留表示が解除されることを遊技者に解りやすくするための報知演出を実行していないが、本発明はこれに限定されるものではなく、まとめ保留表示が解除されることを遊技者に報知する報知演出、例えば、ミニキャラクタが登場してまとめ保留表示に作用する演出を実行して、これらミニキャラクタの作用によりまとめ保留表示が通常保留表示に変更されるように表示しても良い。
また、上記の実施の形態では、低ベース状態においては、第1保留記憶数と第2保留記憶数の双方を無制限とした形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらのいずれか一方のみを無制限としても良い。
また、上記の実施の形態では、低ベース状態においては、第1保留記憶数と第2保留記憶数を無制限とした形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、低ベース状態においては第1保留記憶数と第2保留記憶数を所定数(例えば15)に制限し、高ベース状態においては第1保留記憶数と第2保留記憶数を無制限にするようにしても良い。
また、上記の実施の形態では、まとめ保留表示の対象を、始動入賞時における入賞時判定結果の内容によることなく決定しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、入賞時判定結果が非リーチである保留表示のみをまとめ保留表示の対象としても良い。つまり入賞時判定結果に基づいてまとめ保留表示を実行しても良い。
また、上記の実施の形態では、合計保留記憶数が規定数である10以上となった場合には、まとめ保留表示を表示する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、始動入賞記憶表示エリア5Hの仕様として、54の保留表示を通常保留表示のみで表示可能とすることで、まとめ表示を行わないようにしても良い。
また、上記の実施の形態では、解除条件が成立してまとめ保留表示から通常保留表示に戻された保留表示については、再度、まとめ保留表示に変化されることがない形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、まとめ保留表示から通常保留表示に戻された保留表示であっても、再度、まとめ保留表示に変化するようにしても良い。尚、通常保留表示に戻された保留表示を、再度、まとめ保留表示に変化させるようにする場合において、短期間に、まとめ保留表示の解除とまとめ保留表示への変化とが
繰り返されると、保留表示の視認性が著しく低下してしまう畏れがあるので、このように、短期間に、まとめ保留表示の解除とまとめ保留表示への変化とが実行される場合には、これらまとめ保留表示への変化を制限するようにしても良い。
また、上記の実施の形態では、始動入賞記憶表示エリア5Hにおいて表示可能な保留記憶数を54とした形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら表示可能な保留記憶数Hとしては、該保留記憶数Hに1の通常保留表示を行うのに必要な面積Kを乗じた値が、始動入賞記憶表示エリア5Hに割り当て可能な面積Pの値よりも少なくなる保留記憶数Hを設定すれば良い。
また、上記の実施の形態では、特殊態様の通常保留表示を極力除いてまとめ保留表示とする形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、特殊態様の通常保留表示がある場合には、まとめ保留表示を行わないように制限しても良いし、逆に、これら通常保留表示の表示態様に関係なく、特殊態様の通常保留表示についても、その他の通常保留表示と同じくまとめ保留表示とするようにしても良い。
また、上記の実施の形態では、副画像表示装置51(サブ液晶)に、始動入賞記憶表示エリア5Hを設けて保留表示を行う形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら始動入賞記憶表示エリア5Hに加えて、合計保留記憶数を数値等にて副画像表示装置51に表示するようにしても良い。
また、通常保留表示の態様とまとめ保留表示の態様の形状は類似していることが望ましい。更に、通常保留表示の色とまとめ保留表示の色は類似していることが望ましい。通常保留表示とまとめ保留表示とが関連(類似)した表示態様とすることで、通常保留表示とまとめ保留表示の関係を遊技者が認識し易くなる。尚、関連した表示態様としては、大きさは違っても、形状が同じものであったり、同じモチーフを使用したり、同じキャラクタを使用したり、同じ色を使用するものであってもよい。