JP6363305B2 - 情報処理システムおよび情報処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、グラフ処理を実行する情報処理システムおよび情報処理方法に関する。
社会インフラや都市などを効率的に設計、運用するため、実社会やサイバー空間に分散するデータを処理し、社会インフラなどの状態の解析、予測や社会を構成する要素を制御する技術が注目されている。
上述の分散するデータとは、温度、湿度などの環境のセンシングデータ、自動車などの機械に関するログデータ、メールやSNSなどの人間や組織に関するログデータから構成される。また、そうした分散データの処理内容は、該当データを分類してラベルやインデックスを付加するクラスタリング処理や、機械学習処理、また、社会を構成する要素(人、モノ、情報など)を最適に配置する制御処理となる。これら処理で得られる、分散データに関する処理結果は、分散した使用者や制御対象に展開される。使用者または制御対象物は、その処理結果に従って、例えば移動手段や移動方向の決定や制御パラメータの決定を行うことになる。
そうした技術として以下の技術が従来から提案されている。すなわち、物理的に分散したセンシングデータを、インターネットなどの通信手段を介して計算機システムに集約して処理し、この処理の結果を制御対象に展開することにより、社会インフラの解析や予測または制御を行う技術(特許文献1参照)などである。
米国特許出願公開第2013/0151536号明細書
しかしながら、上述したような従来技術(Personalized Pagerank Algorithm)では、並列計算の実行時に各計算主体間での同期を必要とし、また、分散したデータを並列計算機に集約しないと処理が出来ない。更に、計算して得られた計算結果は、分散した各制御対象に展開する必要がある。ゆえに、非常に大規模で一箇所に集めることが困難なデータや、集約と展開に時間が掛かる上に時々刻々と更新されるデータ等については、従来技術で処理することができない。
そこで本発明の目的は、大規模で一箇所に集めることができないデータや、時々刻々と更新されるデータに対する効率的な計算を可能とする技術を提供することにある。
上記課題を解決する本発明の情報処理システムは、解析対象の事象に対応した複数の頂点と、対応する事象間の関係性に応じて該当頂点間を結ぶ辺とで構成されるグラフ構造をモデルとして、前記各頂点にそれぞれ対応し、前記辺に対応してデータを授受可能に互いに接続される複数の計算機と、前記各計算機に接続され、前記頂点の事象に対する1つ以上の状態を表す属性を含む識別子を保持する記憶装置と、前記記憶装置において前記各頂点に関して保持する識別子の個数を、前記頂点の分布に基づく空間分布図として表示する表示装置と、を含み、前記各計算機は、前記辺で結ばれて隣接する前記頂点に対応する計算機との間で、互いの保持する識別子の個数に基づく所定のアルゴリズムにより、互いの計算機の間での識別子の遷移確率を計算し、当該計算結果に応じて、互いの計算機が保持する識別子の個数を更新し、前記更新による識別子の個数の変化量を示す特徴量を元に所定のアルゴリズムに従って更新量を決定し、当該更新量に基づいて前記識別子の個数を更新する。
本発明によれば、大規模で一箇所に集めることができないデータや、時々刻々と更新されるデータに対する効率的な計算が可能となる。
実施例1における解析対象となるグラフ構造モデルの例を示す図である。 実施例1における各頂点上の情報子数の一例を示す図である。 実施例1における情報処理システムを含むネットワーク構成のブロック図である。 実施例1の情報処理で行われる処理の一例を示すフローチャートである。 実施例1の受信処理の一例を示すフローチャートである。 実施例1の送信処理の一例を示すフローチャートである。 実施例1の取得処理の一例を示すフローチャートである。 実施例1における計算順序の概略を示す説明図である。 実施例1における計算順序の概略を示す説明図である。 実施例1における計算モデルとループ回数の関係を示す図である。 実施例2の情報処理システムにおける計算機の構成の一例を示すブロック図である。 実施例2における計算モデルの辺に重みがある場合のグラフ構造データを示す図である。 実施例2における辺の重みと遅延時間との関係を示す図である。 実施例2における情報子の遷移時間の一例を示す図である。 実施例3における実社会活動に即したグラフ構造データの取得概念の一例を示す図である。 実施例3における実社会活動に即したグラフ構造データの取得概念の一例を示す図である。 実施例3における情報処理システムの構成の一例を示すブロック図である。 実施例3の情報処理方法における処理手順の一例を示すフローチャートである。 実施例3の情報処理方法における受信処理の一例を示すフローチャートである。 実施例3の情報処理方法における送信処理の一例を示すフローチャートである。 実施例3の情報処理方法における計算結果の取得処理の一例を示すフローチャートである。 実施例4における情報処理システムの構成の一例を示すブロック図である。 実施例4におけるプロセスのデータブロックへのアクセスチャートの例を示す図である。 実施例4におけるプロセスの関係性の一例を示す図である。 実施例4における情報処理システムの概略を示す図である。 実施例4におけるプロセスのアクセスチャートの一例を示す図である。 実施例4におけるデータブロックに対応する情報子格納領域への処理の一例を示す図である。 実施例4における各情報子の格納領域に格納された情報子の数と時間の関係を示す図である。 実施例5における処理対象の倉庫の構成を示す図である。 実施例5におけるピックアップ作業の概念を示す図である。 実施例5における棚に設置された計算機および作業者が保持する移動端末の例を示すブロック図である。 実施例5における計算機および移動端末のハードウェアの構成の一例を示すブロック図である。 実施例5における情報処理の概念を示す図である。 実施例5における各棚に設置された計算機と移動先の関係を示す図である。 実施例5における計算機で行われる処理の一例を示すフローチャートである。 実施例5における計算結果の取得処理に関するフローチャートである。 実施例5における効果例を示す図である。 実施例6における概念を示す図である。 実施例6における情報子の交換例を示す図である。 実施例6における各頂点の情報子数から各ユーザの所属コミュニティを特定する概念を示す図である。 実施例7における概念を示す図である。 実施例8における遷移確率テーブル1の例を示す図である。 実施例8における遷移確率テーブル2の例を示す図である。 実施例8における遷移確率テーブル3の例を示す図である。 実施例9における情報子総数の変化と、情報処理システム全体の情報子の分布の変化を示す図である。 実施例9における計算機で行われる処理の一例を示すフローチャートである。 実施例9における情報子数制御処理の一例を示すフローチャートである。 実施例9における情報子の分裂処理の一例を示すフローチャートである。 実施例9における情報子の融合処理の一例を示すフローチャートである。 実施例9における情報子数と各頂点上で算出される時間方向の相互情報量および各頂点上の情報子数の変化のパワースペクトルの関係を示す図である。 実施例9における概念を示す図である。 実施例10における計算機の処理の一例を示すフローチャートである。 実施例11における計算機で行われる処理の一例を示すフローチャートである。 実施例9における判定のアルゴリズムの一例を示す図である。
以下に本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。まず本実施形態における情報処理方法の技術的思想について、従来技術での課題も踏まえてその概念を説明しておく。従来技術においては、対象データを全て一箇所に集めた上でなければデータ解析が実行できず、大規模データいわゆるビッグデータが解析対象である場合、非常に広範囲に散在する各データを即時性を持って漏れなく効率的に収集してこれを解析し、更にこの解析結果をデータ起源の各対象に応答する処理が必要となり、更新が頻繁なデータには特に適用が困難であった。
そこで本実施形態の情報処理方法においては、こうした不具合を解決すべく、分散したデータごとに解析を行う自律分散型のデータ解析を行うこととなる。この自律分散型のデータ解析は、分散したデータを管理する各要素(具体的には計算機)が、自身のデータと隣接する他の要素のデータに関して所定の計算を行い、要素全体として所望の計算を行う手法である。
上述した自律分散の概念に対応する現象は、自然界では良く見られる現象であり、例えば生物学分野における反応拡散モデルが良く知られている。この反応拡散モデルのうち、例えばシマウマの縞模様形成に関するモデルにおいて、シマウマの縞模様は、各細胞における蛋白質の拡散が個別に行われることによって生じるとされる。本実施形態においては、こうした自律分散の反応拡散モデルを、物や情報などの拡散が各所、各要素にて個別に行われる状況に置き換えてデータ解析に応用した技術について示すものとする。
まず、本発明の情報処理システムの概念的な処理について説明する。図1は、本情報処理システムにおいて解析対象となるグラフ構造モデル(以下、計算モデル1)の概念図である。この計算モデル10は、頂点110〜114とこれら頂点間を結ぶ辺121で構成されるグラフ構造に対し、情報単位である情報子(Information particle)を拡散させることで計算を実施し、各頂点110〜114上の情報子数を解とする計算モデルである。また、本実施例1では計算対象を分類問題とする。
ここで、情報の単位である情報子(識別子)を定義する。情報子は状態(属性)の変数を持つデータで、本実施例1では状態数=2とし(すなわちデータ容量は1ビット)、それぞれ状態u、状態vとする。すなわち、1つの頂点は複数の情報子を含み、後述するように、1つの頂点は、情報子の総数に応じて状態(属性)が対応付けられる。
図1に、状態uの情報子132と状態vの情報子131を例示する。各情報子は辺121に沿って拡散(情報子の拡散140)する。計算結果は各頂点上の情報子数から得ることができる。各頂点上の情報子数テーブル150(図2参照)から、例えば頂点A(頂点110)は情報子数(状態u)=0、情報子数(状態v)=2で、情報子数(状態v)が最大となる。最大となった情報子の状態を分類結果に対応させる。すなわち状態uを分類結果A、状態vを分類結果Bとすると、頂点Aは分類結果Bとなる。後述する計算機が各頂点において同様に計算すると、全ての頂点をAかBのどちらかに分類することができる。なお、図2は、各頂点上の情報子数の一例を示す図である。
続いて、本実施例1における情報処理システム100の構成例について説明する。図3は本実施例1における情報処理システム100の構成の一例を示すブロック図である。図3に示す情報処理システム100は、1つ以上の計算機220−1〜220−4を含むものであり、これら計算機間はネットワーク1で接続されている。なお、以降は、特に計算機間の区別を行わない限り、計算機220と記すものとする。
これら計算機220は、CPU221、RAMなど揮発性記憶装置で構成される主記憶装置222、ハードディスクドライブなど適宜な不揮発性記憶装置で構成されるストレージ223、キーボードやマウス、ディスプレイ等の入出力装置224、ネットワークI/F225を含んでいる。こうした構成を有する計算機220は、CPU221が、主記憶装置222に格納されたプログラム226を実行して必要な機能を実装し、計算機自体の統括制御を行なうとともに各種判定、演算及び制御処理を行なう。従って、本実施例1の情報処理方法に対応する機能は、上述の計算機220がプログラム226の実行により実装される機能に該当する。
次に、上述の図3の計算モデルをあらためて説明しつつ、本実施例1における情報処理方法の実際手順について図に基づき説明する。図4は本実施例1の情報処理方法における手順の一例を示すフローチャートである。この場合、まずステップ311において、各計算機220−1〜220−4は、各計算機毎に分割して配置された、上述の計算モデル10における該当頂点に関するデータを、自身のストレージ223などに格納する。例えば計算機220−1がストレージ223にて格納するデータは、例えば図3に例示するように、ストレージ223における所定データ領域230−1に格納される。ここで、図1と同様の計算モデル10を想定し、同一の記号を付している。
なお、1つのグラフ構造データが複数のストレージ223のデータ領域230−1〜230−4に分散して保存され、各データ領域230−1〜230−4は、ネットワーク1を介して接続される。
上述のデータ領域230−1では、頂点Aたる頂点110と、頂点Bたる頂点111と、各頂点の接続先の情報を計算機220−1がストレージ223に格納する。すなわち、頂点Aたる頂点110が接続された頂点Dたる頂点113の情報と、頂点Bたる頂点111が接続された頂点Aたる頂点110と、頂点Cたる頂点112と、頂点Dたる頂点113の情報がストレージ223のデータ領域230−1に格納される。
続いて、ステップ312において、各計算機220は、上述のステップ311で各データ領域230から取得した計算モデル10に含まれる全ての頂点に対し、各頂点に割り当てられている情報子の数を、予め決められた数で初期化する。例えば、頂点Aたる頂点110について予め決められた数が状態u=0、状態v=2であった場合、計算機220は、ストレージ223にて格納するデータのうち、頂点Aに割り当てられる情報子数を、情報子数(状態u)=0、情報子数(状態v)=2とする。
上述したステップ312の後、各計算機220は、一定回数のループ処理(ステップ313−1〜313−2)を実行する。各計算機220は、当該ループ処理内において、上述のステップ311にてデータを取得した全頂点に対しループ処理(ステップ314−1〜314−2)を実行し、情報子の受信処理(ステップ315)と送信処理(ステップ316)を実行する。上述の二つのループ処理(ステップ313−1〜313−2、ステップ314−1〜314−2)が終了した後、各計算機220は、計算結果の取得処理(ステップ317)を実行して本フローチャートを終了する。
続いて、上述したフローチャートのうち、受信処理(ステップ315)と、送信処理(ステップ316)、および、計算結果の取得処理(ステップ317)について説明する。 図5は、受信処理(ステップ315)の一例を示すフローチャートである。各計算機220は、当該フローチャートの開始後、情報子を他頂点から受信したか否かについて判定を行う(ステップ411)。この判定が真であれば(ステップ411:Y)、計算機220はストレージ223にてデータを格納する情報子数を更新し(ステップ412)、上述の判定が偽ならば(ステップ411:N)、本フローチャートを終了する。
図6は、送信処理(ステップ316)の一例を示すフローチャートである。各計算機220は、当該フローチャートの開始後、上述の頂点に関するループ処理(ステップ314)で選択された頂点から辺で接続された頂点(隣接する頂点と呼称する)上の情報子数を取得する(ステップ512)。なお、ここで計算機220が取得する情報子数は、過去に取得した情報子数の場合でも良い。
その後、計算機220は、上述のステップ314で選択された頂点上の情報子に対するループ処理(ステップ513−1〜513−2)を実行する。計算機220は、当該ループ内において、上述のステップ314で選択された情報子に対して遷移確率を算出する(ステップ514)。この遷移確率の算定式を数式(1)として以下に示す。
Figure 0006363305
ただし、Ndjは頂点jの次数である。また、左辺Pは遷移確率を示し、Puは状態uの情報子の遷移確率を示す。また、uとvは情報子の異なる状態を表す。例えば、2状態(1ビット)の情報子であれば、uは状態=0、vは状態=1となる。また、NuおよびNvは情報子数を表す。例えば、Nuは状態uの情報子数、Nvは状態 vの情報子数となる。また、第3項および第4項のΣは近傍範囲内の隣接する頂点に対して計算する。NuiおよびNvjは近傍範囲内の隣接する頂点jの各状態の情報子数となる。また、f,gは関数、α、βは正の定数である。
なお、計算機220は過去の情報子の更新履歴に基づく予測にて遷移確率を算定するとしても良い。こうした予測方法における計算機220は、予め、テストパターンを上述の数式(1)に入力して得られた結果を正解データとし、過去の情報子の更新履歴と該頂点の情報子数を入力データとして、所定のニューラルネットワークで学習させ、こうして学習させたモデルを遷移確率の算出に用いるものとする。計算機220は本モデルを用いることで、隣接する頂点の情報子数を過去の情報子の更新履歴に置き換えることができる。
上述のステップ514に続き、計算機220は、ステップ515において、上述のステップ514で算出した遷移確率と予め決められた閾値とを比較する。その結果、例えば、閾値が0.5で、0.5≦遷移確率≦1の場合(ステップ515:Y)、すなわち遷移確率が高いと判定した計算機220は処理をステップ516に進める。他方、例えば、0≦遷移確率<0.5である場合(ステップ515:N)、計算機220は遷移確率が低いと判定し、処理を終了(ステップ520)に進める。
計算機220は、ステップ516において、ステップ512で情報子数を得ている隣接する頂点から一つの頂点を選択する。ここでの選択方法は、ランダムやラウンドロビンなどが考えられる。次に計算機220は、ステップ517において、上述のステップ516で選択した隣接する頂点(に対応する計算機)に対し、該情報子のデータ(状態)をネットワークI/F125から送信する。また計算機220は、ステップ518において、当該頂点の情報子数を更新(情報子を送信したため、情報子数−1を実行)する。
続いて、図7は、図4のフローチャートにおける計算結果の取得処理(ステップ317)に関する詳細なフローチャートを示す。計算機220は、当該フローチャートの開始後、ステップ611において、自身がストレージ223にて格納する各頂点の各状態の情報子数を比較し、最大の情報子数を保有する状態を選択する。例えば、状態数が2状態(uとv)であって、ある頂点上の状態uの情報子数が1、状態vの情報子数が2の場合、計算機220は状態vを選択する。
次に計算機220は、ステップ612において、上述のステップ611で選択した状態に対応する結果を、ネットワーク1上の所定の計算機220の表示装置ないし入出力装置224に表示する。例えば、状態vに対応する結果が分類結果Bであった場合、該頂点が分類Bに属していることが分かる(状態uはコミュニティA)。他の頂点も同様に計算することができる。
ここで、本計算モデルの特徴として、計算結果は情報子の計算順序に依存しないという点がある。図4、図6にて例示したフローチャートにおいて、頂点のループ(ステップ314−1)および頂点上の情報子のループ(513−1)は、その頂点や情報子の計算順序が自由であって、例えば、ある頂点Aを処理し、その後頂点Bを処理した場合と、頂点Bを処理し、その後頂点Aを処理した場合で、計算結果が変化しない。すなわち計算順序は自由である。
図8A、図8Bに、図3の計算モデル10および情報処理システム100を想定した際の計算順序について、その概略を示す。図8A、図8Bでは、計算順序の異なる二つのフローチャートを示しており、それぞれ図8Aの処理順序1と図8Bの処理順序2として記載する。また、頂点間の送信受信によるデータ(情報子)の移動は、頂点Dが関連する移動のみ示している。
このうち図8Aの処理順序1において、頂点Dは頂点Aと頂点Bと頂点Eと辺に接続されるため、当該頂点間で情報子の移動が発生する。計算順序1では、頂点Dの受信処理の前に、頂点Aについて頂点Dと同一周期の送信処理と、頂点E頂点Dと同一周期の送信処理が実行されている。しかし、頂点Bについて頂点Dと同一周期の送信処理はまだ実行されていないため、頂点Dの受信処理では、頂点Aからの同一周期の情報子の移動710と、頂点Bからの前の周期の情報子の移動712と、頂点Eからの同一周期の情報子の移動711が発生する。
一方、図8Bの前記処理順序2では、頂点Dの受信処理の前に、頂点A、頂点B、頂点Eの送信処理が実行されていないため、頂点Aからの前の周期の情報子の移動750と、頂点Bからの前の周期の情報子の移動750と、頂点Eからの前の周期の情報子の移動750が発生する。これから、処理順序1と処理順序2では情報子の移動するタイミングが異なる。
しかしこれらの処理順序1と処理順序2のどちらでも、処理をある程度の時間繰り返した後では、同じ計算結果に収束する。以上から、本計算モデルは、図3にて示した構成例では、並列計算時に、各計算機220が独立に計算を実施しても計算結果が変化しないことを示しており、各計算機220が広域に分散し、計算機間の通信手段の遅延の問題で同期などの連携が実行できない場合でも処理が実行できることとなる。ゆえに、本発明によって広域にデータが分散した対象問題に対して分類問題を解くことが可能である。
更に具体的な例を図9にて示す。図9は、計算モデルとループ回数の関係を示す図である。図9に示す例は頂点数が4096の計算モデルである。なお図9では頂点間の辺は図が煩雑化するため示していない。図9は、円の中心付近では頂点が密集しており、外周に行くほど頂点の密度が低くなる。また、円を横切っている頂点が無い波状のギャップは、円の中心付近のギャップより、円の外周付近の頂点間の距離の方が大きい。そのため、従来の統計的手法の1つである距離の閾値による分類を行った場合、波状のギャップを認識することができず、正しく分類できない。
一方で、本発明の手法では、自律分散的に分類を行うため、中心付近の高密度の領域でのギャップと外周付近の低密度でのギャップを正しく認識できる。この図9で示す計算モデルにおいて、情報子の状態数は2とし、この情報子数の初期化において、頂点群810−1に情報子(状態u)、頂点群810−2に情報子(状態v)を、それぞれ4096×8個を割り当てたとする。また図9の各頂点において、情報子数が、状態uが多い場合と状態vが多い場合で、図示する濃度(白色からグレーを経て黒色に至る色調濃度)を変えている。
図9のループ回数tの状態810において、情報子はグラフ構造データの上端と下端の一部に拡散しているだけであるが、ループ回数t+nの状態820において、情報子は全体に行き渡っている。しかし、上述のループ回数t+nの状態では、グラフ構造データ中心のギャップ付近で、分類精度が落ちている。一方、ループ回数t+2nの状態830では綺麗な分類を行っている。
以上のように本実施例1によれば、大規模で一箇所に集めることができない分散データや、時々刻々と更新されるデータに対する効率的な計算が可能となる。
続いて、実施例1の計算モデルにて定義した各辺が重み係数を含む場合について、実施例2として説明する。この実施例2においては、実施例1にて示した送信処理に各辺の重み係数に基づいた遅延処理が加わる。そのため計算機220は該当処理を実行する遅延器911を有する構成となっている。その他の構成については、前記実施例1と同様である。
図10は、実施例2の情報処理システムにおける計算機910の構成の一例を示すブロック図である。ここで示す計算機910は、前記実施例1の図3で示した各計算機220−1〜220−4に相当するもので、同一機能をもつモジュールは同一の符号を付す。実施例2における当該計算機910は、計算機220−1〜220−4に対し、遅延器911を新たに有する。
これを踏まえて、図11は、計算モデルの辺に重みを付加した場合のグラフ構造データ920を示す。当該グラフ構造データ920では、頂点A950と頂点B951と頂点C952が含まれ、頂点A−B間の辺には値が1である重み960、頂点A−C間の辺には値が10である重み961が存在するとする。
重みを負荷したグラフ構造データ920において、情報子が頂点A950から頂点B951に移動するとき、計算機910は、上述の重み960に従って、遅延器911により情報子の遷移を遅延させる。図12は、辺の重みと遅延時間との関係テーブル940を予め規定した例を示す。
図13は、情報子の遷移時間の一例を示す図である。計算機910は、すなわち、情報子の遷移時間を制御し、たとえば図13にて示すように情報子の遷移時間930は、頂点A950から頂点B951に移動するとき、重み=1であるから遅延時間t=1(970)とする。同様に、頂点A950から頂点C952に移動するとき、重み=10(961)であるから、遅延時間はt=10(971)となる。重みと遅延時間の関係は、図12の如く予めテーブル940で与えても良いし、予め定めた所定の数式などを用いて計算機910が算出するとしても良い。
続いて、実施例1にて示した図4のフローチャートにおけるステップ311、すなわちグラフ構造データの取得処理に際して、実社会の活動に即してデータを自動的に取得する機能を有する情報処理システムの例について説明する。実施例3の概念において、計算モデルであるグラフ構造データを情報処理システム上で算出せず、実社会の活動をそのまま用いることとなる。
図14は、実施例3における実社会活動に即したグラフ構造データの取得概念の一例を示す図である。図14において、例えば、実社会の活動として人の会話を想定した場合、計算モデルたるグラフ構造データは、人の会話のログ(誰と誰が、何回、どのくらいの時間、会話したかのログ)から構造化される。
例えば実社会における活動(1000)で人A(1001)と人B(1002)が会話を行った場合、その記録データを得た計算機220は、該当会話の頻度および時間を表現したグラフ構造データ1010として、上述の人Aに相当する頂点A(1011)と人Bに相当する頂点B(1012)との間に辺1013を生成する。
上記生成されたグラフ構造データ1010に対して、情報子による解析を行った結果1020を示す。各頂点の属性は、各頂点上の情報子数に従って算出でき、頂点A1021、頂点B1022は黒い四角で表現された情報子の属性となる。図14の1020と図15の1060は結果に至る計算の手段が異なるが同じ解析結果を示す。
計算機220は、上述の処理によってデータの構造化1030を行う。もちろん、実社会の活動は、人の会話に限らず、物と物の間の活動(例えば、ロボット、自動車、信号機などの機械の通信)、人と物の間の活動、また人を介した物の間の活動(複数の施設や棚を巡回する人を介して、場所や施設間の間接的な通信)、仮想空間上でのSNSのユーザ間の交流(メッセージ通信、電子メールなど)等でも良い。この場合の計算機220は、実社会における活動をグラフ構造データに構造化し、その後、実施例1で例示した処理と同様に解析する。
一方で、グラフ構造データを構造化するときの入力データである実社会における活動に、情報子を付随させれば、グラフ構造データを構造化する間の入力データそのものを利用した計算が可能である。図15は、実社会における活動に付随して情報子を交換する様子1050を示す図である。上述の人Aと人Bは情報子を保持でき、人Aと人Bとの会話時にこの情報子を更新できる場合、計算機220は、実社会の活動を使用した計算1070を実行して、その計算結果たる解析結果1060として、実社会上すなわち人Aと人Bが保持する情報子数が得られる。実施例3〜6においては本概念に対応した具体的な構成について説明することとする。
こうした実施例3における情報処理システムの構成について以下説明する。図16は、本実施例3における情報処理システム100の構成の一例を示すブロック図である。ここで例示する情報処理システム100は、デバイス群3001と頂点3010に保持または実装されるデバイス3020によって構成される。本実施例では、一例として実社会を処理対象とした情報処理システムを記載し、デバイス群3001は実社会の人の集まり、各デバイスは人等が保有するスマートデバイスとする。もちろん、デバイス群は人に限らず、車などの移動体、機械に付随するスマートフォン、組み込みコンピュータのような機器やデータに付随するプログラムでも良い。解析対象となる問題は、頂点群の分類問題とする。各頂点が人の場合、例えば、ある集団のコミュニティ検出などに応用される。
この場合、計算機たるデバイス3020は、CPU3021、プログラム3026を格納する主記憶装置3022、ストレージ3023、入出力装置3024、ネットワークI/F3025で構成される。またデバイス3020は通信可能と認識される近傍範囲3030を有するものとする。図16の例では、人や機器に付随するデバイス3020において、該デバイス3020を中心とし、予め決められた値を半径とする円が近傍範囲3030となる。こうした近傍範囲3030はデバイス間の物理的な距離から算出できるが、ネットワークI/F3025の発信する無線電波等の到達範囲や、デバイス間(すなわちデバイスを保有する頂点間)のコミュニケーションの頻度、例えばメールの交換回数などがある閾値以上の範囲でもよい。
また、デバイス3020はネットワークI/F3025などを用いて近傍範囲3030内において通信可能である。図16の例では頂点3010は近傍範囲3030内に存在する別のデバイス3011に通信を行う機能を有する。この近傍範囲3030に存在するデバイスが、実施例1で示した辺で接続された頂点に相当するため、実社会の活動そのものが辺となる。つまり実施例1のグラフ構造データが不要となる。また、本実施例3では、デバイス3020を頂点と呼称する。
次に、本実施例3における情報処理方法の処理手順の一例について説明する。図17は本実施例3の情報処理方法における処理手順を示すフローチャートである。ここで、情報の単位である情報子は実施例1で定義したものと同様である。
この場合、各デバイス3020は、フローチャートの開始後、まず該当頂点3010の情報子数を初期化する(ステップ3111)。当該ステップ3111の処理内容は、当該デバイス3020において、情報子の数を予め決められた数で初期化するものとなる。例えば、頂点Aの予め決められた数が状態u=0、状態v=2であった場合、デバイス3020は頂点Aに割り当てられる情報子数を、情報子数(状態u)=0、情報子数(状態v)=2とする。その後、デバイス3020は、ステップ3112において、受信処理のプロセスの起動を実行し、ステップ3113において送信処理のプロセスの起動を行う。
次にデバイス3020は、ステップ3114において、計算結果の取得処理のプロセスを起動する。デバイス3020は、受信処理のプロセス(ステップ3112)と送信処理のプロセス(ステップ3113)と計算結果の取得処理のプロセス(ステップ3114)を並列に実行してもよい。
以下、上述の各プロセスのうち受信処理のプロセス(ステップ3112)について説明する。本実施例3における受信処理と、実施例1での受信処理との主な違いは、一定時間経過による処理の追加である。図18は、受信処理の一例を示すフローチャートである。
デバイス3020は、当該プロセス開始後、ステップ3211において、予め決められた時間を経過したか否かを判定する。判定が真ならば(ステップ3211:Y)、デバイス3020は、ステップ3212に処理を移す。
また、ステップ3212においてデバイス3020は、他のデバイスより情報子を受信したかどうか判定し、判定が真ならば(ステップ3212:Y)、ステップ3213において、自デバイスの情報子数を更新(情報子数−1)する。該プロセスは終了の割り込みなどで終了する。また、ステップ3211の処理は、一定時間の経過に代わって、通信をトリガとした処理であってもよい。
続いて上述の送信処理のプロセス(ステップ3113)について具体的に説明する。本実施例3における送信処理と実施例1の送信処理との主な違いは、一定時間経過による処理の追加である。
図19は、送信処理の一例を示すフローチャートである。デバイス3020は、当該プロセスの開始後、ステップ3311において、予め決められた時間を経過したか否かを判定する。この判定が真ならば(ステップ3311:Y)、デバイス3020はステップ3312に処理を移す。このステップ3312においてデバイス3020は、前述した近傍範囲3030内に存在する頂点に対し通信を行い、この頂点が保持する情報子数を取得する。
続くステップ3313−1〜ステップ3313−2は自頂点の各情報子に対するループ処理である。当該ループ処理において、ステップ3314では、デバイス3020は、自情報子の遷移確率を算出する。当該ステップは実施例1のステップ514の処理と同様である。
その後、デバイス3020は、ステップ3315において、上述のステップ3314で算出された遷移確率と予め決められた閾値とを比較する。その結果、遷移確率>閾値が真であるならば(ステップ3315:Y)、ステップ3316に処理を進める。例えば、閾値が0.5で、0≦遷移確率<0.5の時、デバイス3020は、処理をステップ3311に進め、他方、0.5≦遷移確率≦1ならば、処理をステップ3316に進める。
デバイス3020は、ステップ3316において、近傍範囲330内の頂点から一つの頂点を選択する。この選択方法は、ランダムや順番(ラウンドロビン)などが考えられる。その後、デバイス3020は、ステップ3317において、上述のステップ3316で選択した頂点(のデバイス)に対し、自情報子のデータ(状態)をネットワークI/F3025から送信する。
またデバイス3020は、ステップ3318において、自頂点の情報子数を更新(情報子を送信したため、情報子数−1を実行する)。また、これらの処理のパラメータ(例えば遷移確率の算出式の係数、閾値、選択方法など)は頂点で異なっても良い。
次に、上述の計算結果の取得処理のプロセス(ステップ3114)について具体的に説明する。図20は、計算結果の取得処理のフローチャートを示す。この場合、デバイス3020は、計算結果の取得処理の開始後、ステップ3411にて、入出力装置3024から結果取得の要求があるかを判定する。この判定が真ならば(ステップ3411:Y)、デバイス3020は、ステップ3412およびステップ3413を実行する。当該ステップは実施例1のステップ611とステップ612とそれぞれ同様であり、説明は省略する。
以上の処理により、実施例1と同様に頂点に対する分類問題が解ける。実施例3における頂点は、実社会に分散するデバイスであるので、つまり、実社会に分散するデバイスに対する分類問題をグラフ構造データを生成せずに効率的に解ける。
次に、上述の実施例3における各頂点がデータであり、頂点間の辺がデータ間のアクセスの連続性とした計算モデルに対応した情報処理システムの例として実施例4を示す。本実施例4では、複数の計算機上で複数のプロセスが処理される時、各プロセスに必要なデータを効率よく計算機に配置する方法を提供するものである。
図21は、実施例4における情報処理システムの構成の一例を示すブロック図である。図21で例示する情報処理システム4000において、計算機120−1と計算機120−2がネットワーク1で接続されており、計算機120−1でプロセス1が処理されており、当該計算機120−1のデータ領域130−1にデータブロック1、2、3が格納されているとする。
また計算機120−2でプロセス2が処理されており、当該計算機120−2のデータ領域130−2にデータブロック4、5、6が格納されているとする。また上述のデータブロックは、上述のプロセス1、2に必要なデータが格納されている。また、データ領域130−1、130−2は、ストレージ(図示省略)上に格納されて、計算機120で実行されるプログラムが計算に必要とするタイミングで、ストレージのデータ領域130から所望のデータが主記憶(図示省略)上に転送される。
図22は、各プロセス1、2の各データブロックへのアクセスチャート4010の例を示す図である。図22に例示するアクセスチャート4010において、時間区画Tにおける時間方向に隣接するデータブロックを関係性ありとする。具体的には、プロセス1がデータブロック1にアクセスし、その後、連続してデータブロック2にアクセスした場合、データブロック1−データブロック2の関係性を「+1」する。
図23は、各プロセスの関係性を積算して算出した関係性4020の一例を示す図である。図23におけるテーブル4021において、行のデータブロック1と列のデータブロック2の値(4211)の「2」は、上述の時間区間Tにおいて、データブロック1へのアクセス後に連続してデータブロック2へアクセスした回数が「2」回であることを示している。また、図23の関係性のテーブル4021をグラフ表記すると関係グラフ4023となる。当該グラフ4023は回数「0」の辺を表記していない。この結果から、本来は、データブロック1、2、6がプロセス1の処理計算機のデータ領域すなわちデータ領域(130−1)、データブロック3、4、5がプロセス2の処理計算機のデータ領域すなわちデータ領域(130−2)に格納されているのが好ましいことを示している。
図24は、本実施例4における情報処理システム4100の概略図を示す。当該情報処理システム4100は、図21の情報処理システム4000の記憶領域の構成を詳細化した図である。情報処理システム4100は、各データ領域130−1、130−2に、各データブロックに対応する情報子格納領域1〜6(4101−1〜4101−6)を持つ。この格納領域はひとつ以上の情報子を格納する機能を持つ。
続いて、本実施例4の情報処理方法について説明する。図25は、各プロセスのアクセスチャート4200を示す図である。本実施例4では、各データブロックのアクセス時に、各データブロックに対応する情報子格納領域に対し処理を実施するものとする。図26は、この情報子格納領域に対する処理4300の一例を示す図である。ここでは、プロセス1がデータブロック1にアクセスした時、情報子の格納領域1に対する処理4201として、当該領域1に格納されている情報子を取得する。すなわち情報子数を減算する。
当該例では、当該処理前には情報子数=10に対し、当該処理4210において、上述の領域1に格納されている情報子を5個取得している(情報子数=10−5=5)。その後、プロセス1はデータブロック2にアクセスするため、上述のデータブロックに対応する情報子の格納領域2に対し処理4202を実施する。本処理では、前処理4201で取得した5つの情報子を、当該領域2に加算する(4211)。
そしてさらに、当該処理では、当該領域から情報子を取得する(4212)。このような処理を繰り返すことで、情報子を各データブロックに対応する格納領域間で循環させる。関連性の高い(連続してアクセスされやすい)データブロックは、情報子の分布によって、同一のクラスタに分類される。定期的に、情報子の分布に従ってデータブロックを計算機のデータ領域間で移動させることで、関連性の高いデータブロックを同一の計算機に集めることができる。
次に、本実施例4の計算例を示す。図27は、各情報子の格納領域1〜6に格納された情報子の数と時間の関係を示す図である。また当該図27において、各情報子の格納領域に格納される情報子の数の初期状態をテーブル4310にて示す。
ここで、本実施例4では、情報子の状態数は2(状態uと状態v)で、上述の時間変化やテーブル4310の情報子数は状態u―状態vの式で算出している。また、初期状態は、データ領域130−1上の領域1〜3は情報子u=10、情報子v=0(情報子uー情報子v=10)、データ領域130−2上の上記領域4〜6は情報子u=0、情報子v=10(情報子u−情報子v=−10)とする。各領域の情報子数は、データブロックへのアクセス毎に更新され、図27のように時間変化していく。
図27の時刻Tpに着目すると、格納領域3と格納領域6の情報子の状態数の大小が反転している。そのため、初期状態では、領域1〜3と領域4〜6というクラスタであるが、時刻Tfでは、領域1、2、6と領域3、4、5というクラスタに変化している。これは、図23のデータブロック間の関係性4020で前述した好ましいデータブロックの配置になっている。
次に、倉庫における荷物のピックアップ作業に関し、当該作業を行う作業者の動線距離を短くするように、倉庫内の棚の再配置を行う問題を扱う場合の情報処理方法について実施例5として示す。図28は、処理の対象とする倉庫5000の構成を例示する。当該倉庫5000は内部に複数の領域を持つ。図28における倉庫5000は、領域A(5010−1)〜領域D(5010−4)の4つの領域を持つ。
これら各領域A〜Dは、該当領域内に複数の棚5011−A1〜5011−D1が配置されている。図28の例では、領域A(5010−A)に置かれている棚の1つとして棚5011−A1を図示しているが、その他の複数の棚が配置されているものとする。領域B〜領域Dも領域Aと同様に複数の棚5011を有している。さらに、各棚5011は、複数の荷物5012を置くことができる。図28の例では、棚A−1(5011−A1)に荷物5012−A1−1、5012−A1−2が配置された例を図示している。他の棚5011についても同様に複数の荷物5012を配置可能である。
続いて、上述の各棚5011に配置された荷物5012のピックアップ作業について説明する。図29はピックアップ作業の概念を示す図である。図29において、作業者5100は所定の荷物リスト5110に従って、各棚5011に置いてある荷物5012をピックアップする。本実施例5では、ピックアップする荷物は荷物5012−A1−1、5012−B1−2、5012−D1−1である。
作業者5100は、リスト5110に従って、各荷物5012が置かれている棚5011−A1、5011−B1、5011−D1を訪問することになる。その場合、該当作業者の移動経路は移動経路5120のようになる。ここで、荷物5012のピックアップ順は規定されない。
次に、上述の荷物5012のピックアップ作業において、複数の作業者5100がいた場合、本実施例5の情報処理方法により作業者5100の移動距離を削減する方法について説明する。図30は、棚に設置した計算機および作業者5100が所持する移動端末を示すブロック図である。本実施例では、各棚5011に計算機5210が設置されており、また、各作業者5100は移動端末5220を所持している。
図31は、計算機5210および移動端末5220の構成例を示すブロック図である。
計算機5210および移動端末5220は同様の構成である。計算機5210および移動端末5220は、CPU1021、RAMなど揮発性記憶装置で構成される主記憶装置1022、ハードディスクドライブなど適宜な不揮発性記憶装置で構成されるストレージ1023、キーボードやマウス、ディスプレイ等の入出力装置1024、ネットワークI/F1025を含む。CPU1021が、主記憶装置1022に格納されたプログラム1026を実行することで所定の機能を提供し、計算機自体の統括制御を行なうとともに各種判定、演算及び制御処理を行なう。
続いて本実施例の情報処理方法の概念について説明する。図32は実施例5における情報処理の概念を示す図である。図32において、作業者5100が棚B−1(5011−B1)から荷物を取得した状態1(5301)の後、上述の作業者5100が棚B−1(5011−B1)から棚D−1(5011−D1)に移動して状態2(5302)となり、その後、作業者5100が棚B−1(5011−B1)から荷物5012を取得して、状態3(5303)に至った一連の作業例を示している。
上述の状態1(5301)において、作業者5100が棚B−1から荷物5012を取得する時、該当作業者5100が所持する移動端末5220と棚B−1に設置された計算機5210−B1との間で通信を実施し、互いの情報子数を更新する。
また、状態2において作業者5100が棚5011を移動し、状態3で別の棚5011−D1から荷物を取得する時、該当作業者5100が所持する移動端末5220と棚D−1に設置された計算機5210−D1との間で通信を実施し、互いの情報子数を更新する。すなわち、作業者5100を介して、棚B−1から棚D−1へ情報子が移動している。こうした処理を複数の各作業者で実施することで、棚間で情報子が循環することになる。
その後、各棚の計算機5210は、自身が有する情報子数から、各棚の移動先を算出する。たとえば、情報子の種類が2種(状態uと状態v)であった場合、状態u>状態vの時、移動先の領域をA、状態u<=状態vの時、移動先の領域をBとする。
図33は、実施例5における各棚5011に設置された計算機5210と、各棚5011の移動先の関係を示す図である。図33において、各棚5011に設置された計算機5210と棚5011の移動先の関係を記述したテーブル5400を示す。このテーブル5400から、棚A−1と棚B−2とは領域B、棚A−2、棚B−1、棚B−3は領域Aに設置することが推奨される。
その後、作業者5100は上述の移動先領域に従って移動することとなる。この移動は、計算機5210からの指示を受けた棚5011の自走機構(図示省略)や、或いは棚5011の移動を実行するロボット(図示省略)により実行されてもよい。また、棚5011の移動の実行タイミングは、計算機5210からの指示により毎日夜間でも良いし、隔日などであってもよい。
次に、本実施例5における計算機5210の処理のフローチャートについて説明する。図34は、各計算機5210で行われる処理の一例を示すフローチャートである。
各計算機5210は、当該フローチャートの開始後、情報子数を初期化(ステップ5511)する。その後、当該計算機5210の受信処理(ステップ5512)と、送信処理(ステップ5513)のプロセスを起動する。その後、計算機5210は計算結果の取得処理(ステップ5514)を起動する。こうした各処理(ステップ5511〜5513)は、実施例3に関する図17に記載の各処理(ステップ3111〜3114)と同様なものとすることができる。
図35は、計算結果の取得処理(ステップ5514)に関するフローチャートを示す。このフローチャートにおけるステップ5611にて、各計算機5210は、自身が保持する各状態の情報子数を比較し、最大の情報子数を保有する状態を選択する。例えば、状態数が2状態(uとv)であって、ある頂点上の状態uの情報子数が1、状態vの情報子数が2の場合、計算機5210は状態vを選択する。
その後、計算機5210は、ステップ5612において、上述のステップ5611で選択した状態に対応する移動先領域を決定し、ネットワーク等で接続された所定の表示装置ないし自身の入出力装置1024に表示する。例えば、状態vが最大の状態であった場合、対応する領域は領域B(状態uは領域A)である。
図36は、本実施例5の効果を示す図である。図36においては、計算機5210による上述の棚移動のシミュレーションによる、作業者5100の移動距離削減効果について示している。この例では、初期状態5700の時の作業者5100の移動距離を1とした時、本実施例5による解析結果に基づく棚の移動を実施した場合の収束状態5701において、倉庫にてピックアップ作業を行う作業者の移動距離は0.08となり、削減効果は92%となった。
以上のように、本実施例5によれば、棚から荷物のピックアップを行う作業者5100の動線から、棚の配置を最適化することができる。
次に、ソシアルネットワークサービスなどの複数のユーザ間の交流サービスにおいて、ユーザのクラスタリング、すなわちコミュニティを検出する問題を扱う際の、情報処理方法について実施例6として説明する。ここでは、上述の実施例3において各頂点がユーザで、頂点間の辺がユーザ間の交流とする情報処理システムを想定する。ここで、交流とは、例えば、メールの送受信、メッセージの送受信、個人のページへの訪問や投稿などが該当する。
図37は、本実施例6の概念を示す図である。図37において、ユーザ1(6011)とユーザ2(6012)が、それぞれ保有する端末6031、6032を利用し、交流サービスを通じてメッセージ送信(6020)を行った場合を想定する。
この場合、ユーザ1は、保有する端末1(6031)を操作し、例えばメッセージ送信画面6040から、ユーザ2に宛ててメッセージを送信する。このメッセージはサーバなどの交流サービスの情報処理システムを介し、ユーザ2の端末2に届けられ、例えば、メッセージ受信画面6041が該当端末にて表示されることになる。
なお、端末6031、6032の構成は、前記実施例3の図16に示したデバイス3020と同様の構成である。
図38は、本実施例6における情報子の交換例を示す図である。図38において、情報子を、各ユーザが所持する端末または上述の交流サービスを提供している情報処理サービスの各ユーザの記憶領域、に格納するものとする。この場合、初期状態を状態1(6101)とする。
その後、ユーザ1(6011)がユーザ2(6012)にメッセージを送信する時、該当端末6031、6032はメッセージに情報子を付加する。状態2(6102)にて、端末6031、6032がメッセージに付加する情報子数6113の例を示す。ここでは、ユーザ1の端末6031から情報子5個が付加された例となっている。
その後、状態3(6103)において、上述のメッセージをユーザ2の端末6032が受信した時、上述のメッセージに付加された情報子に基づき、ユーザ2の端末6032で格納される情報子数6112を更新する。
図39は、実施例6における各頂点の情報子数から各ユーザの所属コミュニティを特定する概念を示す図である。図中の頂点A〜Eは、各端末に相当する。
以上の一連の手順から、メッセージを介してユーザ間で情報子が循環することとなる。実施例3や図39にて示すように、こうして更新された各頂点の情報子数(図39における時刻t+2の状態)から、各ユーザ(=頂点)が所属するコミュニティを特定する。こうして特定されたコミュニティは、例えば、同一コミュニティに属するユーザの公開テキスト情報から頻出キーワードを抽出し、該当コミュニティに属するユーザにマーケティングを行うなどの応用が考えられる。以上から、本実施例6にて交流サービス上でのユーザが所属するコミュニティを検出できる。
次に、上述の実施例5にて示した倉庫5000において、図29の各作業者5100の荷物リスト5110が予め入手できた場合の棚5011の最適配置をシミュレーションする形態について実施例7として示す。
上述の実施例5においては、倉庫5000内での作業者5100の移動履歴に合わせて棚5011(A1〜D1)の最適配置を実施する例を示した。本実施例7では、例えば計算機5210が荷物リスト5110を入手してから、該当荷物リスト5110中の荷物の発送まで十分な時間があるならば、計算機5210が、この荷物リスト5110からグラフ構造データを作成し、実施例1にて示した情報処理システム100と同様の計算を実行する。
計算機5210は、その計算結果(分類結果)から、上述の実施例5で示した、分類結果(情報子数)と移動先領域の関係表に基づいて棚5011の移動先を算出する。こうした計算機5210による棚5011の移動先の算出後、倉庫5000内にて実際に作業者5100が荷物5012のピックアップ作業に入る前に、計算機5210にて算出された棚5011の移動先に従って棚5011を配置する。棚5011の配置手段については実施例5と同様である。よって、本実施例7は、計算機5210が、1つ以上の荷物リスト5110からグラフ構造データを生成する方法に対応したものとなる。
計算機5210が上述の荷物リストからグラフ構造データを生成する概念について説明する。図40は、実施例7の概念を示す図である。この場合、例えば、3つの荷物リスト7001、7002、7003が存在し、作業者5100はこれらリスト7001〜7003の番号順に荷物5012をピックアップするとする。また、各棚5011を頂点とすると、倉庫5000内における作業者5100の移動の軌跡は作業者5100の軌跡のグラフ7010のようにできる。
このグラフ7010の各辺に付加された値は、該当作業者5100の通過回数である。グラフ7010の辺を、上述の通過回数の最大数で規格化すると、規格化された作業者5100の軌跡のグラフ7011のようになる。このグラフ7011は、各辺に重みを付加されたグラフ構造データとなる。
こうしたグラフ構造データを、実施例1、2と同様の情報処理システムが処理することで、頂点すなわち棚5011を分類することが可能であり、この分類結果に対応する移動先を実施例5の方法で算出することで、各棚5011の最適な移動先を算出できる。
次に、情報処理システムの計算機が実施例1における遷移確率式(数式(1))を遷移確率テーブルとして持つ形態について、実施例8として示す。
図41は、遷移確率テーブル1(8001)の例を示す図である。図42は、遷移確率テーブル2(8002)の例を示す図である。図43は、遷移確率テーブル3(8003)の例を示す図である。
情報処理システムの計算機は、この遷移確率テーブル8001〜8003に、自頂点の情報子数(u,v)と隣接頂点の情報子数(ΣNju、ΣNjv)とを照合し、テーブル中での対応値を特定することで遷移確率を決定する事ができる。上記の各テーブル8001〜8003の値は、計算機が予めシミュレーションを実行し、目的とする結果が得られる値を実験的に算出したものとなる。
次に、実施例1の計算モデルにて定義した情報処理システムにおいて、計算機220で行われる処理または計算機220間の通信にエラーが発生し、情報子のデータが変動した場合、情報子の総数の変動を抑制する例を実施例9として説明する。なお、情報処理システムの構成は、前記実施例1の情報処理システム100と同様である。
前記エラーが本情報処理システムに与える影響を記載する。実施例1で示したとおり、当該情報処理システムは情報子を計算機220間で通信し、交換することで情報処理システム全体の計算を実現している。
しかし、前記エラーがある場合、情報処理システム全体の計算が所望する通りに行われない可能性がある。例えば、簡単な例では、第一の計算機と、第二の計算機の間で情報子が移動している場合、前記計算機220間で、ある割合でエラーが発生し、情報子がロストする場合、時間と共に情報処理システム全体の情報子の総数が減少し、最終的には、情報子は移動しなくなり、所望の処理結果が得られない。
また逆に、時間と共にシステム全体の情報子の総数が増加する場合も、所望の処理結果が得られない。情報子の総数が増加する場合は、例えば、減少した情報子を増やす機能を内蔵した場合等が考えられる。
図44は、実施例9において情報子の総数が変化したときの、情報処理システム全体の情報子の分布の変化を示す図である。図44の状態1(9001)〜状態4(9004)は情報子の分布を示しておる。また、本図では頂点を二次元格子状に配置し、情報子は2状態(uとvとする)を用意し、各頂点において、状態uの情報子数>状態vの情報子数ならば灰色、それ以外ならば黒色で分布を表している。
図44において、実施例1で示した分類問題の処理は、状態2(9002)で実現できている。しかし、情報子総数が減少すると状態1(9001)となり、情報子総数が増加すると状態3(9003)または、状態4(9004)となり所望の処理結果を得ることができない。ゆえにエラーを有する環境下で処理する情報処理システムにおいて、情報子の総数を一定量または所定の範囲内に保つ方法を記載する。
情報子の分布は図44で示すとおり、本情報処理システムは情報子数で異なる分布状態となる。よって、各頂点において、前記状態を検知する方法と各状態に合わせ情報子数を制御する方法を組み合わせることで、システム全体の情報子の総数を一定量に保つことができる。
図45〜図48に情報子数の制御処理を加えたフローチャートを示す。まず、図45は、実施例1で示した図3のフローチャート(図3)に、情報子数制御処理9101を加えたフローチャートを示す。情報子数制御処理(9101)は、各頂点における受信の処理(315)の後に実行される。その他の処理については、前記実施例1の図3と同様であるので、説明を省略する。
次に、図46は、当該情報子数制御処理(9101)のフローチャートを示す。当該処理ではまず、計算機220は、計算対象となっている頂点の情報子数の時間変化データを主記憶装置222から取得する(9201)。
計算機220は、取得した時間変化データに基づき、状態予測アルゴリズムを用いてシステム状態を予測する(9202)。本実施例9では、状態1〜状態4の何れかに予測される。状態1は情報子数が少なく、状態2、状態3と順に多くなり、状態4が最も多い状態を意味する。
計算機220は、予測された状態に従い、次の処理を決定する。状態1の場合は、情報子の分裂処理(9210)を実行し、状態2の場合は何もせず、状態3または状態4の場合は、情報子の融合処理が実行される(9211)。その後、本処理は終了する。
また、各状態1〜4に対応する処理(分裂、融合、何もせず)は目的に応じて変更することができる。本実施例9では、状態2を所望の状態としているため、状態2よりも情報子数が少ない状態1では分裂、情報子数が多い状態3、4では融合処理となる。
ここで、状態の予測(9202)と各状態の処理の分岐(9203)について具体的に説明する。状態の予測に用いる特徴量としては、例えば、相互情報量とパワースペクトルを用いる。
図49は、情報子数と各頂点上で算出される時間方向の相互情報量および各頂点上の情報子数の変化のパワースペクトルの関係を示す。計算機220は、予め決められた一定時間Tの間の情報子数を記憶し(時間変化データ)、その時間Tの相互情報量とパワースペクトルを算出する。
相互情報量は時間方向の2つの情報量から算出され、各情報量は一定時間T内の各頂点の状態の発生確率から算出される。発生確率は、例えば、情報子が2つの状態(uとv)を有し、各頂点の状態も2つの状態(uとvで、頂点上の情報子の数で決まる)の時、状態uの確率Puは時間T内の状態uであった割合、確率Pvは状態vであった割合から算出できる。
情報量は、より前記確率が同一になるほど少なくなる傾向にあり、例えば、Puが0またはPvが0の時は情報量も0となる。相互情報量も同様の傾向を持つ。
また、パワースペクトルは各頂点上の情報子の変化量から算出される。各計算機220で、頂点上の情報子の変化量を高速フーリエ変換し、変換結果から直流成分を除いた交流成分の電力値としてパワースペクトルが計算される。パワースペクトルは、情報子量が変化しない、または変化量がノイズのように一定の周期を持たない場合は低い値をとり、一定の周期で増減を繰り返す場合には大きな値をとる指標である。
図49において、Iave(9502)は各頂点上の相互情報量の平均値を示し、Idif(9501)は各頂点上の相互情報量の最大と最小の差分を示し、PWacはパワースペクトル(9503)を示す。
図49から、また、状態の予測に用いる特徴量は、情報子の流量も利用できる。流量は一定時間あたりの情報子数の変化の大きさを示し、例えば一定時間T内で送信された情報子の総数(頂点から見たときの情報子の流出量)や、受信した情報子の総数(頂点から見たときの情報子の流入量)、または一定時間T内の情報子の数の最大数と最小数の差などである。
図53は、状態1〜4の判定を行う擬似コードで記載したアルゴリズム530の例を示す。
アルゴリズム530は、x1が相互情報量の平均値Iave(9502)を示し、x3がパワースペクトル(9503)を示し、yが予測された状態を示す。以上のような方法により、各頂点において、情報処理システム全体の状態を予測する。
状態1は、情報子の数が少なく、各頂点の状態が静止(情報子の変化量が0)の状態で、例えば、相互情報量は0になる(各状態の発生確率の何れかが0になっている)。この場合、相互情報量の最大と最小の差分やパワースペクトルも0になる。状態2は、状態1の判定が偽かつ、相互情報量が予め決められた閾値(th1)より小さい場合に、判定される。これは、状態2において、特に境界付近の情報量が多い一方、全体的に状態が変化せず情報量が少ないためである。
次に状態3の判定は、パワースペクトルが閾値(th2)以上の時に状態3と判定される。これは状態3において、周期的なパターンの変化をしていることを表している。それ以外の状態を状態4と判定する。
以上のアルゴリズム530によって、計算機220は、相互情報量とパワースペクトルから情報子の総数に応じた状態1〜4を予測する。
なお、状態の予測に用いる特徴量として、相互情報量とパワースペクトルを用いる例を示したが、所定時間内の情報子の個数の変化量を用いればよい。所定時間内の情報子の個数の変化量の一例として相互情報量を用いることができる。また、所定時間内の情報子の個数の変化量の一例としてパワースペクトルを用いることができる。また、所定時間内の情報子の個数の変化量の一例として情報子の個数の最大値と最小値の差分を用いることができる。
次に、図47は、情報子の分裂処理(9210)のフローチャートを示す。分裂処理では、まず計算機220が処理対象となっている頂点に格納されている情報子の中からひとつの情報子を選択する(9301)。情報子の選択の方法は、自頂点に格納されている情報子の中からランダムで選択する方法や、自頂点に格納されている情報子で状態が多い方の状態を情報子の中からランダムで選択(例えば、頂点に状態uの情報子が3つ、状態vの情報子が2つならば、状態uの情報子の中からランダムで選択)する方法などを適宜採用することができる。
その後、計算機220は選択された情報子を元に、新しい情報子を生成する処理を実行する(9302)。前記生成処理の例として、計算機220は選択された情報子と同一の状態を持つ情報子をひとつ生成する。情報子は、前記実施例1で記載したとおり、状態の変数を持ち、例えば二状態ならばuとvなどである。よって、選択された情報子の状態がuの時、生成される情報子の状態もuとなる。
以上の処理によって、計算機220は新たな情報子を生成し、情報処理システムの情報子に加えることができる。
図48は、情報子の融合処理(9211)のフローチャートである。融合処理では、まず計算機220が処理対象となっている頂点に格納されている情報子の中からひとつの情報子を選択する(9401)。選択された情報子を融合元の情報子と呼ぶ。
情報子の中からひとつの情報子を選択する方法は、ランダムで選択する方法や、自頂点に格納されている情報子の数で、最も多い状態を持つ情報子の中からランダムで選択(例えば、頂点に状態uの情報子が3つ、状態vの情報子が2つならば、状態uの情報子の中からランダムで選択)する方法や、受信した情報子のうちもっとも新しい情報子を選択する方法、などを適宜採用すればよい。
その後、計算機220は融合元の情報子を元に融合先の情報子を選択する(9402)。前記融合先の情報子の選択では、選択された情報子と同一の状態を持つ情報子からランダムで選択する。
その後、計算機220は前記処理9401で融合元の情報子および前記融合先の情報子をもとに融合処理を実施する(9403)。前記融合処理では、融合先の情報子のデータを削除する。すなわち、融合先の情報子が消滅し、融合元の頂点が保持され、自頂点内の情報子数がひとつ減少する。
以上の処理によって、計算機220は融合先の情報子を削除して、情報処理システムの情報子から消滅させることができる。
上記の方法に従って処理することで、計算機220が全体の情報子を集約せずに情報処理システム全体における情報子の総数を一定の範囲内(所望の処理を行う範囲内)に保つことが可能となる。
図50は、実施例9の概念図を示す。情報処理システム全体の情報子数が減少すると、各頂点おいて状態1(9001)に移行し、計算機220では情報子の分裂処理(9210)が行われ情報子の数が増加する。一方、情報処理システム全体の情報子の数が増加すると、各頂点において状態3、4に移行し、計算機220では情報子の融合処理が行われ、情報子数が減少する。このように情報処理システムでは、情報子の総数の予測結果(状態1〜4)に応じて、情報子の分裂処理や融合処理または情報子の維持によって情報子の総数を調整し、所望の状態2を保つことができる。
次に、実施例10は、前記実施例9で記載した情報子の総数の管理方法を用いて、情報処理システム全体の状態数が複数存在する場合の構成例を示す。図51は、前記実施例9の図46に示したシステム全体の状態数を複数(n)に変更したフローチャートを示す。
本実施例10において、前記状態の数をn個とし、状態1から情報子数が少ない順に並んでいるとする(状態1が最も少ない)。
図51のステップ9201、9202は実施例9の図46と同様である。図51のステップ10001において、まず計算機220は目標状態を主記憶装置222から取得する。前記目標状態とは、情報処理システム全体の所望の処理を実現する状態を表し、図示しない管理計算機から設定することができる。あるいは、計算機220に予め設定されていてもよい。
本実施例10では、目標状態として状態3が予め設定されている場合を説明する。目標状態が状態3では、各状態の添え字の符号は情報子が少ない順に並んでいるため、状態1〜2は情報子の数が少なく、状態4〜nは情報子の数が多いときに判定される。
そして、本処理では各状態1〜nに割り当てる情報子の分裂処理か融合処理または操作なしの何れかが決定される。例えば、状態1〜2では情報子の分裂/融合処理(10010、10011)では分裂処理に決定され、状態4〜n(10012、10013)では融合処理に決定される。
その後、前記決定に従い、計算機220は情報子の分裂/融合処理のどちらか一方が実施される(10010〜10013)。ここで分裂処理と、融合処理は実施例9の図47、図48に記載した処理内容と等しい。また、ステップ10001の条件分岐に係るアルゴリズムは、頂点が処理される計算機220の主記憶装置222に格納されており、ネットワークを介して当該アルゴリズムを変更することで、前記条件を変更することができる。なお、ステップ10001の条件分岐に係るアルゴリズムは、前記実施例9のアルゴリズム530と同様であり、相互情報量とパワースペクトルから情報子の総数に応じた状態1〜nを予測する。
以上のように、状態の数がnの場合においても、前記実施例9と同様にして情報子の総数の予測結果(状態1〜n)に応じて、情報子の数を調整し、所望の状態3(目標状態)を保つことができる。
次に、実施例11は、前記実施例10で記載した構成に、情報処理システム全体の処理を加えた構成を示す。図52は、実施例11における計算機で行われる処理の一例を示すフローチャートである。このフローチャートは、前記実施例10で説明した図51の処理に、情報処理システム全体の処理を加えたフローチャートである。
本実施例11においては、前記実施例10と同様に情報処理システム全体の状態の数をn個とし、状態1から状態nまで、情報子が少ない状態から昇順に並んでいるものとする。
本実施例11では、各状態における情報子の分裂/融合処理(10010、10020、10030、10040)の後に、各状態における情報処理システム全体のための処理(10011、10021、10031、10041)が加えられている。これらの各処理は、情報処理システム全体の状態1〜nに従って異なる処理を実施することができる。
さらに、本実施例11の計算機220には、物理的な位置を変更可能な移動装置が付加されて、情報処理システム全体の状態1〜nに応じた処理で移動することができる。また、計算機220間の通信エラーが、計算機220間の物理的な距離に依存しており、距離が長いとエラーレートが上昇し、短いとエラーレートが減少する場合を考える。
情報処理システムの状態の数が4(n=4)で、所望の状態は2とする。この時、情報処理システム全体の状態が状態1となっている場合、すなわち、全体の情報子の総数が少なく、情報子の数を増加させるため、計算機220は、情報子の分裂/融合処理10010で情報子の分裂処理を実施する。
その後、状態1の処理(10011)において、情報子の数が減少する原因と考えられる通信エラーを改善する効果を目的として、前記移動装置が付加された計算機220に凝集の決定を行う。前記凝集とは計算機220同士が近づくように移動させることで、予め決められた点に集合する方法や、隣接する計算機220に近づく方法などが考えられる。複数の計算機220が凝集することで、計算機間の距離が短くなり、通信エラーレートが改善され、システム全体を所望の処理を実現できる。
一方、情報処理システム全体の状態が状態3、4となっている場合、全体の情報子の総数が多く、情報子数を減少させるため、計算機220は情報子の分裂/融合処理(10030、10040)で情報子の融合を実施する。
その後、計算機220は、状態3、4の処理(10031、10041)において、まだ通信エラーが許容できるか否かを判定し、前記移動装置が付加された計算機220に散開の決定を行う。前記散開とは計算機220同士が遠ざかるように移動させることである。本実施例11で開示した構成の効果として、例えば前記移動装置を伴う計算機220がロボットなどであった場合、複数のロボットは互いの距離を一定の範囲内に収める効果がある。
また、前述の例では、距離に応じて通信エラーが異なる場合を示したが、例えば、ネットワークI/F225で、通信エラーレートが高い近接赤外線通信と、通信エラーレートが低いWirelessLANなどの通信ネットワークを切り替える方法であったり、エラーレートの高い通信経路を、エラーレートの低い通信経路に切り替える方法であってもよい。
以上のように、本実施例11によれば、前記実施例10の効果に加えて、通信エラーの発生状態や、通信状態に応じて移動装置を制御することが可能となって、通信エラーの発生率が低い位置へ計算機220を移動させることが可能となる。
以上、本実施例1〜11の情報処理システムおよび情報処理方法によれば、大規模で一箇所に集めることができないデータや、時々刻々と更新されるデータに対する効率的な計算が可能となる。
本明細書の記載により、少なくとも次のことが明らかにされる。すなわち、本実施例1〜11の情報処理システムにおいて、前記各計算機は、前記頂点に関して自身が格納している前記識別子(情報子)のうち個数が最も多い識別子の属性を、該当頂点の属性と判定するものである、としてもよい。これによれば各頂点に対応する事象について、事象のクラスタリングを効率的に行うことができる。
また、上述の情報処理システムにおいて、前記各計算機は、前記アルゴリズムとして、自身で格納する前記各頂点に関する識別子の個数と、前記隣接する計算機が格納する前記各頂点に関する識別子の個数とを変数とした所定関数により、自計算機から隣接する他の計算機への該当識別子の遷移確率を計算する数式を保持しており、当該数式を用いて前記遷移確率を計算するものである、としてもよい。これによれば、各事象のクラスタリングの根拠となる識別子の個数に関して効率的で精度良好な更新処理を行うことが可能となる。
また、上述の情報処理システムにおいて、前記各計算機は、前記アルゴリズムとして、自身で格納する前記各頂点に関する識別子の個数と、前記隣接する計算機が格納する前記各頂点に関する識別子の個数との関係に応じて予め定められた 自計算機から隣接する他の計算機への該当識別子の遷移確率を規定するテーブルを保持しており、当該テーブルを用いて前記遷移確率を計算するものである、としてもよい。これによれば、各事象のクラスタリングの根拠となる識別子の個数に関して更に効率的で精度良好な更新処理を行うことが可能となる。
また、上述の情報処理システムにおいて、前記各計算機は、前記遷移確率の計算結果に応じて識別子の個数を更新する際、自身と前記隣接する計算機とで格納する識別子の個数の総和を維持するよう更新を行うものである、としてもよい。これによれば、識別子の通信に関して効率的で精度良好な更新処理を行うことができる。
また、上述の情報処理システムにおいて、前記グラフ構造における複数頂点に対して1つの計算機が対応するとしてもよい。これによれば、複数の頂点すなわち複数の事象に関して統括するサーバ装置において本発明の情報処理方法を実行することが可能となる。
また、本実施例1〜11における、ネットワークを介してメッセージを送受信する複数の端末と管理計算機とを含む情報処理装システムにおいて、前記各端末は、前記ネットワークを介したメッセージの送受信に代えて、各端末が物理的に近接した場合に該当端末間で直接通信を行い、該当端末が格納している識別子の個数を更新するものである、としてもよい。これによれば、インターネット等の広域通信回線だけでなく各種の近接無線通信等の手段によるメッセージ授受の形態にも対応して処理を行うことが可能となる。
なお、本発明は上記した各実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に記載したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加、削除、又は置換のいずれもが、単独で、又は組み合わせても適用可能である。
また、上記の各構成、機能、処理部、及び処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、及び機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。

Claims (14)

  1. 解析対象の事象に対応した複数の頂点と、対応する事象間の関係性に応じて該当頂点間を結ぶ辺とで構成されるグラフ構造をモデルとして、前記各頂点にそれぞれ対応し、前記辺に対応してデータを授受可能に互いに接続される複数の計算機と、
    前記各計算機に接続され、前記頂点の事象に対する1つ以上の状態を表す属性を含む識別子を保持する記憶装置と、
    前記記憶装置において前記各頂点に関して保持する識別子の個数を、前記頂点の分布に基づく空間分布図として表示する表示装置と、を含み、
    前記各計算機は、前記辺で結ばれて隣接する前記頂点に対応する計算機との間で、互いの保持する識別子の個数に基づく所定のアルゴリズムにより、互いの計算機の間での識別子の遷移確率を計算し、当該計算結果に応じて、互いの計算機が保持する識別子の個数を更新し、前記更新による識別子の個数の変化量を示す特徴量を元に所定のアルゴリズムに従って更新量を決定し、当該更新量に基づいて前記識別子の個数を更新することを特徴とする情報処理システム。
  2. 請求項1に記載の情報処理システムであって、
    前記特徴量は、
    一定時間内の前記識別子の個数の変化量に基づき算出される相互情報量であることを特徴とする情報処理システム。
  3. 請求項1に記載の情報処理システムであって、
    前記特徴量は、
    一定時間内の前記識別子の個数の変化量に基づき算出されるパワースペクトルであることを特徴とする情報処理システム。
  4. 請求項2に記載の情報処理システムであって、
    前記特徴量は、
    前記相互情報量の最大値と最小値の差であることを特徴とする情報処理システム。
  5. 請求項1に記載の情報処理システムであって、
    前記各計算機は、
    1以上の特徴量に基づいて、各頂点の状態を所定数のグループに分類し、当該分類されたグループに応じて、前記識別子の個数の増加、減少又は維持のいずれかを選択することを特徴とする情報処理システム。
  6. 請求項5に記載の情報処理システムであって、
    前記グループは、第1の状態から第4の状態の何れかに分類され、
    前記特徴量が0の場合には、各頂点の状態が静止する第1の状態に分類し、
    時間方向の2つの情報量から算出される相互情報量が予め決められた第1の閾値より小さい場合に第2の状態に分類し、
    前記変化量から算出されるパワースペクトルが第2の閾値以上のときに第3の状態に分類し、
    前記第1〜第3の状態以外を第4の状態に分類することを特徴とする情報処理システム。
  7. 請求項6に記載の情報処理システムであって、
    前記各計算機は、
    前記第1の状態のときには、前記識別子の個数の増加を選択して情報子の分裂処理を実行し、
    前記第2の状態のときには、前記識別子の個数の維持を選択し、
    前記第3または第4の状態のときには、前記識別子の減少を選択して情報子の融合処理を実行することを特徴とする情報処理システム。
  8. 解析対象の事象に対応した複数の頂点と、対応する事象間の関係性に応じて該当頂点間を結ぶ辺とで構成されるグラフ構造をモデルとして、前記各頂点にそれぞれ対応し、前記辺に対応してデータを授受可能に互いに接続される複数の計算機は、
    前記頂点の事象に対する1つ以上の状態を表す属性を含む識別子を前記各計算機に接続された記憶装置に格納し、
    前記記憶装置において前記各頂点に関して保持する識別子の個数を、前記頂点の分布に基づく空間分布図として表示装置に出力し、
    前記各計算機が、前記辺で結ばれて隣接する前記頂点に対応する計算機との間で、互いの保持する識別子の個数に基づく所定のアルゴリズムにより、互いの計算機の間での識別子の遷移確率を計算し、当該計算結果に応じて、互いの計算機が保持する識別子の個数を更新し、前記更新による識別子の個数の変化量を示す特徴量を元に所定のアルゴリズムに従って更新量を決定し、当該更新量に基づいて前記識別子の個数を更新することを特徴とする情報処理方法。
  9. 請求項8に記載の情報処理方法であって、
    前記特徴量は、
    一定時間内の前記識別子の個数の変化量に基づき算出される相互情報量であることを特徴とする情報処理方法。
  10. 請求項8に記載の情報処理方法であって、
    前記特徴量は、
    一定時間内の前記識別子の個数の変化量に基づき算出されるパワースペクトルであることを特徴とする情報処理方法。
  11. 請求項9に記載の情報処理方法であって、
    前記特徴量は、
    前記相互情報量の最大値と最小値の差であることを特徴とする情報処理方法。
  12. 請求項8に記載の情報処理方法であって、
    前記各計算機が、1以上の特徴量に基づいて、各頂点の状態を所定数のグループに分類し、当該分類されたグループに応じて、前記識別子の個数の増加、減少又は維持のいずれかを選択することを特徴とする情報処理方法。
  13. 請求項12に記載の情報処理方法であって、
    前記各計算機が、前記グループを、第1の状態から第4の状態の何れかに分類し、
    前記特徴量が0の場合には、各頂点の状態が静止する第1の状態に分類し、
    時間方向の2つの情報量から算出される相互情報量が予め決められた第1の閾値より小さい場合に第2の状態に分類し、
    前記変化量から算出されるパワースペクトルが第2の閾値以上のときに第3の状態に分類し、
    前記第1〜第3の状態以外を第4の状態に分類することを特徴とする情報処理方法。
  14. 請求項13に記載の情報処理方法であって、
    前記各計算機は、前記第1の状態のときには、前記識別子の個数の増加を選択して情報子の分裂処理を実行し、前記第2の状態のときには、前記識別子の個数の維持を選択し、前記第3または第4の状態のときには、前記識別子の減少を選択して情報子の融合処理を実行することを特徴とする情報処理方法。
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