今日の無線通信ネットワークにおいては、ロングタームエボリューション(LTE)、LTEアドバンスド、広帯域符号分割多元接続(WCDMA(登録商標))、移動通信のためのグローバルシステム/GSM(登録商標)エボリューションのためのエンハンスドデータレート(GSM/EDGE)、マイクロウェーブアクセスのためのワールドワイドインターオペラビリティ(WiMax)、ウルトラモバイルブロードバンド(UMB)など(いつくかの可能な実装として言及したにすぎない)、いくつかの異なる技術が使用されている。無線通信ネットワークは無線基地局を有し、無線基地局は少なくとも一つの地理的な領域にわたって無線カバレッジを提供しており、この地理的なエリアはセルと呼ばれることがある。セルの定義には送信に使用される周波数バンドが含まれ、これは2つの異なるセルが同一の地理的領域をカバーしつつ、異なる周波数バンドを使用することを意味する。ユーザ装置(UE)は各無線基地局に収容されて無線サービスを提供され、各無線基地局と通信する。ユーザ装置はアップリンク(UL)送信において無線基地局に対してエアインタフェースまたは無線インタフェースを介してデータを送信し、無線基地局はダウンリンク(DL)送信においてユーザ装置に対してエアインタフェースまたは無線インタフェースを介してデータを送信する。
たとえば、LTEのアップリンクでは、ユーザ装置の送信電力制御は、干渉を低下させ、かつ、ユーザ装置のバッテリー消費を削減するために使用される。アップリンク共有チャネルについての送信電力PPUSCH,c(i)のための電力制御の式は、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP) TS 36.213 物理レイヤープロシージャ、v10.4.0、セクション5.1.1において次のように規定されている。
[dBm]
ここで、
PCMAX,c(i)は、設定されたユーザ装置最大送信電力であり、
MPUSCH,c(i)は、リソースブロックの数により表現される物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)リソース割り当てのバンド幅であり、この項は割り当てられたバンド幅の変化を補償する項であり、
PO_PUSCH,c(j)は、設定可能な電力目標値であり、このパラメータはjに依存し、ここでjは、送信がノーマルの送信なのか、セミパーシステントスケジューリング(SPS)送信なのか、それともランダムアクセスレスポンスメッセージなのかに応じて設定され、
αc∈{0,0.4,0.5,0.6,0.7,0.8,0.9,1}は3ビットのパラメータであるとともに、パス損失補償に関連しており、つまり、無線基地局に対するパス損失を増加させるのか、それとも減少させるのかに依存してユーザ装置の送信電力をどの程度補償すべきかに関連しており、
PLcはダウンリンクのパス損失の推定値であり、
は、送信がアップリンク制御情報だけを含んだ送信なのかどうかに依存したオフセットであり、
fc(i)はダウンリンク制御チャネルにおいてグラントに含めて送信される電力制御コマンドによって制御される動的パートである。
ユーザ装置の送信電力はそれゆえに無線通信ネットワーク、たとえば、無線基地局によって制御され、その際には、ゆっくりとした成分を設定するPO_PUSCH,c(j)およびαcと、電力制御コマンドfc(i)による高速な成分とが用いられる。隣接セルへの干渉を低く抑えつつ、良好な受信信号対干渉および雑音比(SINR)を提供するために、他の異なる成分が使用されてもよい。
3GPPにおいてはよりフレキシブルな時分割デュープレックス(TDD)について将来採用することについて評価が実施されている。TDDではリソースがリンクにおいて時間軸で分割されており、アップリンクとダウンリンクとで同一の周波数リソースが使用される。ユーザ装置に対してアップリンク/ダウンリンクパターンを信号伝達するeNodeB、すなわち、無線基地局によってLTEでは分割が制御されており、現在の標準規格によれば10%程度ないし60%程度のアップリンクを用いる構成がサポートされている。現在のところ、この構成はシステムブロードキャストを用いて設定され、それゆえに比較的にゆっくりと変化する。もし、隣接セルがそれぞれ異なるTDD構成を使用している場合、UE間干渉に加え、いわゆるeNodeB間干渉が発生しうる。eNodeB間干渉は、あるセルにおいてはダウンリンク送信であり、異なるセルにおいて同一の周波数上で同時に並行して送信されるアップリンクに対する干渉として観測される。いくつかの配置例において、この干渉は、送信している他のユーザ装置からの典型的なアップリンク干渉よりも非常に強くなることがあるが、これはユーザ装置と比較して無線基地局からのより高い出力電力が原因であり、また、ユーザ装置と無線基地局との間の伝播状況と比較して無線基地局間の伝搬状況が異なっていることが原因となりうる。換言すれば、10ミリ秒の長さの無線フレームにおいてユーザ装置に無線サービスを提供している所与の無線基地局について、他の無線基地局が同一のサブフレームをダウンリンク送信のために使用しているといった事実が原因でeNodeB間干渉が生じているアップリンクサブフレームは、eBodeB間干渉が発生していないアップリンクサブフレームと比較して、より高いレベルの干渉と雑音とを経験することになる。なぜなら、他のすべての無線基地局はこれらのサブフレームをアップリンク送信で使用しているからである。
TDDシステムにおいては同一の周波数がアップリンクとダウンリンクとの双方で使用される。アップリンクとダウンリンクとの間の干渉からシステムを保護するために、アップリンクとダウンリンクとの間にガード期間が挿入される。このガード期間は、ダウンリンクからアップリンクへ切り替えるときに、ユーザ装置が受信から送信へ切り替えるための時間を確保でき、かつ、顕著な干渉電力を受信している無線基地局からの伝搬遅延時間よりも長くなるように、設定される。いくつかの特定の状況では、伝搬特性は、ずっと遠くからの無線基地局の送信が高い電力でもって受信されうるように、変化することもある。このようなケースでは、ガード期間は、十分に大きな値には設定されていないであろうし、第1のアップリンクサブフレームにおいては高い干渉が観測されることになる(第1のアップリンクサブフレームは、ダウンリンク/スイッチングサブフレームの後のアップリンクサブフレームの期間において最初のものである)。
また、同一の周波数バンドにおいて隣り合った複数の周波数上で複数のTDDキャリアが存在する可能性がある。たとえば、2300MHz−2400MHzのバンドにおいて、たとえば、各キャリアが20MHzバンド幅となる、複数のキャリアが存在しうる。フィルタリングが完全でないことが原因で、異なるキャリアが相互に干渉を引き起こす。たとえば、ある一つのキャリアでのダウンリンク送信が他のキャリアでのアップリンク受信に対して干渉を引き起こす。隣接したキャリアにおいてダウンリンク送信を行う、受信側としての無線基地局におけるサブフレームにおける干渉は、隣接したキャリアがアップリンクとして使用されるサブフレームと比較して、より高いものとなりうる。
UL/DL干渉は、いずれかの隣接TDDセルにおけるグローバルポジショニングシステム(GPS)の同期誤りのケースでも発生する。このケースでは、非同期の無線基地局が他の無線基地局と干渉するとともに、同様のケースが生じるだろう。
バンド7、すなわちDL周波数バンドが2620MHz−2670MHzであり、UL周波数バンドが2500MHz−2570MHzである周波数分割デュープレックス(FDD)システムや、バンド38、すなわち周波数バンドが2570MHz−2620MHzであるTDDシステムでは、隣接チャネル干渉によって同様の問題が発生する可能性がある。よって、FDDキャリアでさえ、ダウンリンク送信が隣接キャリアで実行されるようなあるサブフレームでは、ダウンリンク送信が行われないもののユーザ装置のアップリンク送信が実行されるような他のサブフレームと比較して、比較的に高い干渉が発生しうる。
現在のところ、ユーザ装置が無線基地局に対して送信するための送信電力を決定する際に使用される、当該ユーザ装置についての電力制御パラメータを用いて、無線基地局は当該ユーザ装置を設定する。無線基地局は、たとえば、電力コマンドfc(i)を使用してユーザ装置の送信電力を調整する。電力制御パラメータは定期的に更新されてもよく、電力コマンドfc(i)はよりゆっくりとしたマナーで送信電力を変化させる。上述した干渉の種類は、いくつかのサブフレームにおいてより劇的に干渉を増加させることがあり、無線通信ネットワークの性能が低下してしまう。
本実施形態の目的は無線通信ネットワークの性能の低下を小さくすることである。
ある観点によれば、当該目的は、無線通信ネットワークにおいて送信するときにユーザ装置によって使用される送信電力を決定する、ユーザ装置において実行される方法によって達成される。ユーザ装置は、無線通信ネットワークにおいて無線ネットワークノードにより収容されて無線サービスを提供される。ユーザ装置は、無線ネットワークノードから、電力制御パラメータの複数のセットのうちから電力制御パラメータのセットを示すインジケーションを受信する。電力制御パラメータの複数のセットはユーザ装置に記憶される。ユーザ装置は、インジケーションにより指し示された電力制御パラメータのセットに基づいて送信電力を決定する。
ユーザ装置がインジケーションに基づいて送信電力を決定することで、送信電力はフレキシブルかつ効率的な手法でもって無線ネットワークノードによって制御される。したがって、制御パラメータのセットを決定するためにインジケーションを使用するといった特徴によって、ユーザ装置は送信電力を劇的に変更することが可能となる。
他の観点によれば、上記目的は、無線通信ネットワークにおいてユーザ装置の送信電力を制御する、無線ネットワークノードにより実行される方法によって達成される。上述したように、無線ネットワークノードは無線通信ネットワークにおいてユーザ装置に無線サービスを提供する。無線通信ネットワークノードは、ユーザ装置の送信電力を決定するためにユーザ装置によって使用される電力制御パラメータのセットを決定する。無線ネットワークノードは、さらに、インジケーションをユーザ装置に送信する。インジケーションは、ユーザ装置に記憶されている電力制御パラメータの複数のセットのうちの電力制御パラメータのセットを示している。これによりユーザ装置の送信電力は制御される。
さらに他の観点によれば、上記の目的は、無線通信ネットワークにおいて送信するときにユーザ装置によって使用される送信電力を決定するユーザ装置によって達成される。ユーザ装置は、無線通信ネットワークにおいて無線ネットワークノードによりサービスを提供されるように構成されている。ユーザ装置は、電力制御パラメータの複数のセットを記憶するように構成されたメモリを有する。ユーザ装置はさらに、無線ネットワークノードから、電力制御パラメータの複数のセットのうちの電力制御パラメータのセットを指し示すインジケーションを受信する受信機を有する。さらに、ユーザ装置は、インジケーションにより指し示された電力制御パラメータのセットに基づいて送信電力を決定するように構成された決定回路を有している。
さらに他の観点によれば、上記目的は、無線通信ネットワークにおいてユーザ装置の送信電力を制御する無線ネットワークノードによって達成される。無線ネットワークノードは無線通信ネットワークにおいてユーザ装置に無線サービスを提供するように構成されている。無線通信ネットワークノードは、ユーザ装置の送信電力を決定するためにユーザ装置によって使用される電力制御パラメータのセットを決定するように構成された決定回路を有している。無線ネットワークノードは、さらに、インジケーションをユーザ装置に送信するように構成された送信機を有している。インジケーションは、ユーザ装置に記憶されている電力制御パラメータの複数のセットのうちの電力制御パラメータのセットを示している。よってユーザ装置の送信電力は無線ネットワークノードにより制御されることになる。
本実施形態は、電力制御パラメータの複数のセットのうちから電力制御パラメータのセットを決定するために、当該電力制御パラメータのセットを示すことによって、送信電力のセッティングにおけるフレキシビリティが増加する。これにより、電力制御パラメータのセットが素早く変更可能となり、高い干渉レベルにあるサブフレームにおいても送信可能となるように送信電力が決定され、たとえば、隣接セルにおける干渉に対してより敏感でなくなるようにサブフレームの性能が向上しよう。
図1は、実施形態に係る無線通信ネットワークの概要を示している。無線通信ネットワークは、LTE,LTE−Advanced,WCDMA,GSM/EDGE、WiMax,UMBまたはこれらと同様のものなど、いつくかの異なる技術を使用しうる。
無線通信ネットワークは無線ネットワークノード12を有し、これはここでは無線基地局12’として例示されており、少なくとも一つの地理的な領域において無線カバレッジを提供しており、ここでは地理的の領域をセル11と呼ぶことにする。無線基地局12’は、たとえば、NodeB、エボルブドNodeB(eNB、eNodeB)、基地局トランシーバ局、アクセスポイント基地局、基地局ルータ、または、たとえば無線アクセス技術や使用される用語によって名称が依存する、無線基地局12’によって無線サービスを提供されるユーザ装置10と通信可能ないずれかのネットワークユニットである。無線ネットワークノード12は、ここでは、無線基地局12’として例示されるが、リレーノードやビーコンノード、その他が含まれてもよい。
ユーザ装置10は無線基地局12’と通信する。ユーザ装置10は、アップリンク(UL)送信において無線基地局12’に対してエアインタフェースまたは無線インタフェースを介してデータを送信し、無線基地局12’は、ダウンリンク(DL)送信においてユーザ装置10に対してエアインタフェースまたは無線インタフェースを介してデータを送信する。“ユーザ装置”という用語は限定的な用語ではなく、無線端末、無線デバイスまたは無線ノード、たとえば、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、ラップトップ、モバイル、センサー、リレー、モバイルタブレット、または、各セル内で通信する小型基地局などであってもよい。
従来技術において、送信に使用されるサブフレーム間でたとえば4dBまでは電力制御コマンドfc(i)を用いてリソースブロックあたりで要求される送信電力がゆっくり変更される状況では良好な電力制御がサポートされていたが、他のセルにおいて干渉がどの程度の害をもたらすかを示す知識や干渉レベルにおける、高速な変動に起因した大幅な変更について取り扱うには不向きであった。とりわけ、いくつかのサブフレームが、たとえば、eNodeB間干渉の被害を被っているが、他のサブフレームは被害を被っていないケースでは、ここで説明する電力制御プロセスは、これを考慮し、無線通信ネットワークの性能を向上させる。干渉変動の特別なケースは、無線フレームの間隔でもって周期的に発生する干渉変動である。この例には、ダウンリンクからアップリンクへの切り替えにおけるガード期間の後の最初のアップリンクサブフレームが、リモート無線基地局からの高い干渉により被害を被っているケースが含まれよう。
本実施形態は、所望の送信電力または送信の電力における大幅な変更を取り扱うために電力制御のフレキシビリティを増大させる。無線基地局12’はユーザ装置10にインジケーションを送信する。インジケーションは、電力制御パラメータの複数のセットのうちの電力制御パラメータのセットを指し示す。電力制御パラメータの複数のセットはユーザ装置10に記憶されており、たとえば、内蔵メモリや外部メモリに記憶されており、電力制御パラメータのセットは、ユーザ装置10が送信電力を決定するときにユーザ装置10によって使用される。したがって、いくつかのサブフレームにおける送信電力の大きな変更が、インジケーションだけを用いてシグナリングすることが可能となる。
インジケーションは、スケジュールされたサブフレームにおいて送信するときに使用される電力制御パラメータのセットの、インデックス付きリストのインデックスのように、明示的なインジケーションであってもよい。これに代えて、インジケーションは、異なるサブフレームについての送信電力を決定するために異なる電力制御パラメータを使用するように構成されたユーザ装置10において、使用されるサブフレームのインジケーションのように、黙示的なインジケーションであってもよい。
電力制御パラメータのセットは、次のいずれか一つまたはいずれかの組み合わせてあってもよい。
・設定された最大送信電力PCMAX,c(i)
・設定可能な電力目標値PO_PUSCH,c(j):このパラメータはjに依存し、ここでjは、送信がノーマルの送信なのか、セミパーシステントスケジューリング(SPS)送信なのか、それともランダムアクセスレスポンスメッセージなのかに応じて設定される
・3ビットのパラメータ、αc∈{0,0.4,0.5,0.6,0.7,0.8,0.9,1}:これはパス損失補償に関連しており、つまり、無線基地局に対するパス損失を増加させるのか、それとも減少させるのかに依存してユーザ装置の送信電力をどの程度補償すべきかに関連している
・電力オフセットΔTF,c(i):これは、送信がアップリンク制御情報だけを含んだ送信なのかどうかに依存している
・電力制御コマンドによって制御される動的パートであるfc(i):これはダウンリンク制御チャネルにおいてグラントに含めて送信されうる。これは絶対的なコマンドや累積的なコマンドのいずれであってもよい。なお、ここでの言及は一部の例示にすぎない。
したがって、本実施形態は、所望の送信電力における大きな変更を取り扱うために電力制御のフレキシビリティを増加させる。いくつかの実施形態では、ユーザ装置10が複数の予め設定された電力制御パラメータを切り替えるようにするシグナリング方法によって電力制御のフレキシビリティが達成され、ユーザ装置10はいつくかの実施形態において累積された電力制御コマンド間で切り替えを実行してもよい。いくつかの実施形態では、フレキシビリティは、送信電力を決定するときに異なる電力制御パラメータを適用することによって達成され、ここで電力制御パラメータは予め設定されたパターンにしたがってサブフレームインデックスに依存したものであってもよい。たとえば、無線基地局が第1のサブフレームでグラントを送信し、たとえば、これはサブフレームインデックス4であり、ユーザ装置10はユーザ装置10に記憶されている第1のサブフレームについての電力制御パラメータのセットを抽出する。他のサブフレーム、たとえば、サブフレームインデックス0−3と5−9について、電力制御パラメータの異なるセットがユーザ装置10にすでにコンフィギュレーション(設定)の期間おいてに記憶されている。
図2は、いくつかの実施形態に係るフローチャートとシグナリング方式とを組み合わせた方式を示している。図2は、無線基地局12’に対する送信についてユーザ装置10で送信電力を適用するときに使用される電力制御パラメータのセットをシグナリングする明示的な手法を示している。図示した実施形態は、たとえば、電力制御パラメータの異なるセットを記憶したリストにおいて、電力制御パラメータの異なるセット間で切り替えを行うための効率的なシグナリングを実現する。
アクション201:ユーザ装置10は、ネットワーク、たとえば、無線基地局12’や他のネットワークノードによって電力制御パラメータの複数のセットを用いて設定され、これはまた電力制御プロセスとも呼ばれる。これは、無線リソース制御(RRC)シグナリンやその他の同様のものなど、上位レイヤーのシグナリングを介して実行されうる。無線基地局12’は、たとえば、ユーザ装置10に対して、電力制御パラメータの第1セットAと電力制御パラメータの第2セットBとをシグナリングするか、送信する。電力制御パラメータの第1セットAと電力制御パラメータの第2セットBは、無線基地局12’に対する送信についての送信電力を決定する際にユーザ装置10によって使用されうる。
アクション202:無線基地局12’は、ユーザ装置10から受信されたULリクエストやその他の同様のものなどに応答して、サブフレームなどの無線リソースをユーザ装置10に対してスケジューリングする。
アクション203:無線基地局12’は、スケジューリングしたサブフレームについて使用される電力制御パラメータのセットを決定する。たとえば、無線基地局12’は、隣接セルからの当該サブフレームにおける干渉のインジケーションを推定するか受信する。無線基地局12’は、ユーザ装置10が当該サブフレームでフルパワーで送信すべく、フルの送信電力を示す電力制御パラメータのセットを選択することについて何の問題もないかどうかについて判定してもよい。他の例として、無線基地局12’はセル間におけるユーザ装置からの干渉を推定または検知し、ユーザ装置10にその送信電力を低下するよう要請してもよい。この場合、無線基地局12’は減少した送信電力を示す電力制御パラメータのセットを決定または選択してもよい。追加の実施形態の代替案として、無線基地局12’はセル11におけるロード(負荷)が閾値を下回っていることを判定し、負荷が低いために、ユーザ装置10についての電力制御パラメータのセットについて送信電力の制限を設けずに、決定してもよいし、逆に、負荷が高いために、ユーザ装置10についての電力制御パラメータのセットについて送信電力の制限を設けて、決定してもよい。
アクション204:無線基地局12’は、スケジューリングしたサブフレームを示す情報とインジケーションとを送信またはシグナリングするが、これはたとえば、スケジューリングしたサブフレームを使用した送信についてのアップリンクグラントメッセージに搭載されてもよい。インジケーションは、ユーザ装置10において送信電力を決定する際に使用されるべき、電力制御パラメータのセットを示している。インジケーションはポインターであってもよく、たとえば、電力制御パラメータの複数のセットを列挙したインデックス付きリストにおけるインデックスであってもよい。無線基地局12’は、絶対的なまたは累積的な電力制御コマンドfc(i)をアップリンクグラントメッセージに搭載してシグナリングしてもよいし、これをアップリンクグラントメッセージとは別にシグナリングしてもよい。
アクション205:ユーザ装置10は、受信したインジケーションによって示されている電力制御パラメータのセットを、たとえば、記憶しているインデックス付きリストから抽出しうる。
アクション206:ユーザ装置10は、抽出した電力制御パラメータのセットに基づき送信電力を決定し、もし電力制御コマンドfc(i)が存在するのであれば電力制御コマンドfc(i)をさらに適用して決定してもよい。
アクション207:ユーザ装置10は、グラントされたサブフレームの信号送信について、決定した送信電力を適用しうる。したがって、ユーザ装置10は、たとえば、リファレンス信号またはデータ送信信号を、決定した送信電力を用いて、送信する。
たとえば、無線基地局12’は、サブフレームxについてグラントを送信し、電力制御パラメータの第2セットBを示す。ユーザ装置10は、送信電力でサブフレームxを使用するが、この送信電力は電力制御パラメータの第2セットBに基づくものである。
上述したように送信電力は次式から決定されてもよい。
累積的な電力制御コマンドが使用されるケースでは、異なるプロセスに対しては異なる累積が使用される。たとえば、複数の異なる累積fc,0(i)、fc,1(i)・・・を用いる場合、すべてのプロセスは、fc,n(i)=fc,n(i−1)∀nに応じて各サブフレームごとにアップデート(更新)されるが、これは、選択されたプロセスxを示す電力制御コマンドが、電力制御コマンド値fc,x(i)=fc,x(i−1)+ρでもって更新されない限り、実行される。選択されたプロセスfc,x(i)だけが式において使用される。
図3はいくつかの実施形態に係るフローチャートとシグナリング手法とを合わせて示している。図3はユーザ装置10で送信電力を決定するときに使用される電力制御パラメータのセットをシグナリングする手法であって黙示的な手法を示している。これらの実施形態では、送信電力を決定する際に使用される電力制御パラメータはアップリンクグラントメッセージで送信されず、その代わりに、ユーザ装置10は一つまたは複数のサブフレームを使用するように予め設定されており、これはたとえばサブフレームインデックスのセットなどを用いて設定されており、これについては電力制御パラメータの特定のセットが適用される。
アクション301:ユーザ装置10は、ネットワーク、たとえば、無線基地局12’やその他のネットワークノードによって設定されるが、電力制御パラメータの複数のセットが用いられて設定されてもよく、これは電力制御プロセスと呼ばれてもよい。これは、無線リソース制御(RRC)シグナリンやその他の同様のものなど、上位レイヤーのシグナリングを介して実行されうる。無線基地局12’は、たとえば、ユーザ装置10に対して、電力制御パラメータの第1セットS1をシグナリングするか、送信する。このセットはすべてのサブフレームについてデフォルト(初期)のセットとして使用されうる。しかし、無線基地局12’は、たとえば、電力オフセットなど、一つまたは複数の電力制御パラメータを含む電力制御パラメータの他のセットS2をさらに送信またはシグナリングしてもよく、ここでこのセットは、サブフレームのビットセットSについてすでに設定されたセットとは異なっている。ビットセットSは、サブフレームの番号を示すビットを含んでいる。ビットセットSは、あるサブフレームを示しているが、このサブフレームは、送信電力を決定する際に一つまたは複数の電力制御パラメータを含む電力制御パラメータの他のセットS2がユーザ装置10によって適用されるサブフレームである。ビットセットSは一つまたは複数のサブフレームを含んでいてもよい。この設定は、無線基地局12’から、たとえば、電力制御パラメータのセットがどのサブフレームに対して有効であるかを示すビットセットを用いて、シグナリングされてもよい。
アクション302:無線基地局12’はリソースなどのULリクエストに応答してユーザ装置10に対してサブフレームなどの無線リソースをスケジューリングする。なお、スケジューリングは、ユーザ装置10にどの電力制御パラメータのセットが使用されるかを考慮して実行される。したがって、アクション302は、図2に示したアクション202、203に対応している。一例として、電力制御パラメータのあるセットが、あるサブフレームについて使用されうる。あるサブフレームはダウンリンク送信においてセル11の隣接セルにおいて使用されているサブフレームであってもよい。これにより、eNodeB間干渉は、これらのあるサブフレームにおいて発生し、これらのサブフレームについては、たとえば、ユーザ装置10に対して送信電力について制限を課さないようにすることで、性能が向上するであろうが、これはこれらのサブフレームがすでに高い干渉を受けているからである。
アクション303:無線基地局12’は、ユーザ装置10に対してスケジューリングしたサブフレームを示すアップリンクグラントメッセージを送信する。無線基地局12’は、たとえば、サブフレームxを使用することを示すアップリンクグラントメッセージを送信しうる。これは、サブフレームxがユーザ装置10のメモリに記憶されている予め設定された電力制御パラメータのセットを有しており、電力制御パラメータのセットが黙示的に指し示されることを意味する。無線基地局12’は、セル11のユーザ装置に対して動的に異なるサブフレームをスケジューリングしてもよい。
アクション304:ユーザ装置10は、スケジューリングされたサブフレームについての送信電力を決定する際に使用する一つまたは複数の電力制御パラメータを、電力制御パラメータのセットから抽出する。すなわち、電力制御パラメータのセットは、ユーザ装置10に記憶されているセットの一つであって、指し示されたサブフレームに関連付けられたセットである。たとえば、サブフレームがビットセットSに含まれている場合、電力オフセットなど、電力制御パラメータの他のセットS2がそのサブフレームについては使用される。しかし、サブフレームの番号がビットセットSに含まれていない場合、電力制御パラメータのデフォルトのセットS1が使用される。
アクション305:ユーザ装置10は、スケジューリングされたサブフレームを使用してデータ送信を実行するときなど、送信電力を決定するときに抽出した電力制御パラメータを使用する。
アクション306:ユーザ装置10は、決定した送信電力を適用ないしは使用することによって、無線基地局12’に向けてデータまたはリファレンス信号を送信しうる。
よって、アクション303で実行される黙示的なインジケーションはネットワークから、たとえば、どのサブフレームについての電力制御パラメータのセットが有効であるのかを指し示すビットセットを使用して、シグナリングされうる。たとえば、電力制御パラメータの第1セットが、あるアップリンクサブフレームに使用され、電力制御パラメータの他のセットが他のサブフレームに使用され、たとえば、フレキシブルTDDを実装しているLTE TDDシステムにおけるフレキシブルサブフレームに使用される。無線基地局12’は、ユーザ装置10からの送信をスケジューリングするためにサブフレームを選択し、当該サブフレームについてグラントをユーザ装置10に送信することによって、どの電力制御パラメータのセットが適用されるべきかを黙示的にシグナリングまたは指し示してもよい。適用される電力制御パラメータは、たとえば、固定的に予め設定された電力オフセット、新規のパラメータのすべてセット、または、異なる累積された電力制御エンティティを含みうる。累積された電力制御エンティティは、電力制御パラメータの異なるセットについてのものと同一であってもよい。
一例として、10ミリ秒の長さの無線フレームにおける1ミリ秒の長さの各サブフレームは、上位レイヤーのシグナリングによって設定された電力制御パラメータのセットを有していてもよい。とりわけ、電力制御パラメータの目標受信電力PO_PUSCH,C(j)は、各ULサブフレームについて個別に設定されるが、他の電力制御パラメータや変数についてはすべてのサブフレーム間で共通に設定されてもよい。追加として、または、代替案として、電力制御パラメータの最大(許容)送信電力PCMAX,c(i)は各サブフレームについて個別に設定されてもよいが、これは最大許容送信電力を低下させることによって、異なるセル間またはシステム間でのUE間干渉を抑制するために実行されうる。
本実施形態の有利な点は、アップリンク送信を可能ならしめるアップリンク送信電力制御におけるフレキシビリティを増加させつつ、高い干渉レベルにあるサブフレームのフレキシビリティを増加させ、または、隣接セルにおける干渉に対して敏感ではなくしてサブフレームの性能を向上させることである。
いくつかの一般的な実施形態によれば、無線通信ネットワークにおいて送信する際にユーザ装置10によって使用される送信電力を決定する、ユーザ装置10において実行される方法のアクションが、図4に示したフローチャートを参照しながら以下で説明される。ユーザ装置10は無線通信ネットワークにおける無線ネットワークノード12によって収容されて無線サービスを提供される。なお、以下の各ステップは、以下で説明する順番でもって実行されなければならないものではなく、いずれかの適切な順序が採用されればよい。いくつかの実施形態でのみ実行されるアクションは破線のボックスにより表記される。
アクション401:ユーザ装置10は、ユーザ装置10の設定処理の期間において無線ネットワークノード12から電力制御パラメータの複数のセットを受信しうる。
アクション402:ユーザ装置10は、受信した電力制御パラメータの複数のセットをユーザ装置に記憶しうる。
アクション403:ユーザ装置10は、無線ネットワークノード12から、電力制御パラメータの複数のセットのうちの電力制御パラメータのセットを指し示すインジケーションを受信する。電力制御パラメータの複数のセットは、上述したように、ユーザ装置10に記憶される。電力制御パラメータの複数のセットは、一つまたは複数のサブフレームに適用される電力制御パラメータの特定のセットを含みうるものであり、インジケーションは一つまたは複数のサブフレームに含まれているサブフレームを指し示す。たとえば、インジケーションは、電力制御パラメータのデフォルトのセットとは異なる、予め設定された電力制御パラメータのセットに関連付けられたサブフレームを示していてもよい。電力制御パラメータのセットは、一つまたは複数の電力制御パラメータのセットを含みうるものであり、最大送信電力、目標受信電力、送信電力を決定する際に考慮されるパス損失を割合でもって表した値、電力オフセット値、および、電力コマンド値などが含まれてもよい。さらに、インジケーションはアップリンクグラントメッセージに搭載されてもよい。インジケーションは、さらに、たとえば、電力制御パラメータのセットのリストにおけるポインターであってもよく、送信電力を決定する際にユーザ装置10によって適用される電力制御パラメータのセットが何であるかを、当該リスト内で指し示すものであってもよい。たとえば、インジケーションは、インデックス付きリストにおけるインデックスであってもよく、各インデックスは電力制御パラメータのセット、たとえば最大送信電力または同様のものなどを表す。
アクション404:ユーザ装置10は、電力制御パラメータのセットであって指し示されたセットに基づいて送信電力を決定する。たとえば、ユーザ装置10は以下の式を用いて送信電力を決定する。
ここで、
PPUSCH,c(i)は、物理アップリンク共有チャネルにおけるi番目のサブフレームについての送信電力であり、
PCMAX,c(i)は、最大送信電力であり、
MPUSCH,c(i)は、リソースブロックの数により表現される物理アップリンク共有チャネルのリソース割り当てのバンド幅であり、
PO_PUSCH,c(j)は、目標受信電力であり、
αc∈{0,0.4,0.5,0.6,0.7,0.8,0.9,1}であり、これは送信電力を決定する際に考慮されるパス損失を割合にて示した値でありうるもので、
PLcはダウンリンクのパス損失の推定値であり、
ΔTF,c(i)は、電力オフセット値であり、
fc(i)は、電力コマンド値である。
いくつかの実施形態では、ユーザ装置10は、累積的な電力コマンドを受信する。この場合、ユーザ装置10は、直前に使用した電力コマンドに対して累積的な電力コマンドを累積することを決定する。ユーザ装置10は、電力制御パラメータの異なるセットについては、異なる累積を適用してもよい。
図5は、無線通信ネットワークで送信する際にユーザ装置によって使用される送信電力を決定するユーザ装置10のブロック図である。ユーザ装置10は、無線通信ネットワークにおける無線ネットワークノード12によって収容されて無線サービスを提供されるように構成されている。
ユーザ装置10は、メモリ502を有し、メモリ502は電力制御パラメータの複数のセットを記憶するように構成されている。電力制御パラメータの複数のセットは、一つまたは複数のサブフレームについて適用される電力制御パラメータの特定のセットを含んでいてもよく、インジケーションは、一つまたは複数のサブフレームに含まれているサブフレームを指し示す。
ユーザ装置10は、さらに、受信機501を有し、受信機501は無線ネットワークノード12からインジケーションを受信するように構成されており、インジケーションは記憶されて電力制御パラメータの複数のセットのうちの電力制御パラメータのセットを指し示している。上述したように、電力制御パラメータのセットは、最大送信電力、目標受信電力、送信電力を決定する際に考慮されるパス損失を割合でもって表した値、電力オフセット値、および、電力コマンド値などのうち少なくとも一つを含みうる。いくつかの実施形態によれば、受信機501は、さらに、ユーザ装置10の設定の期間において無線ネットワークノード12から電力制御パラメータの複数のセットを受信するように構成されてもよい。この場合、ユーザ装置10は、メモリ502に電力制御パラメータの複数のセットを格納するように構成される。
ユーザ装置10は、また、決定回路503を有しており、決定回路503は指し示された電力制御パラメータのセットに基づき送信電力を決定するように構成されている。受信機501はインジケーションを含むアップリンクグラントメッセージを受信するように構成されていてもよい。インジケーションは、電力制御パラメータのセットについてのリストにおけるポインターであってもよく、このポインターは、当該リストにおいて決定回路503によって適用されるべき電力制御パラメータのセットが何であるかを指し示す。決定回路503は、いつくかの実施形態において、以下の式を用いて送信電力を決定するように構成されてもよい。
ここで、
PPUSCH,c(i)は、物理アップリンク共有チャネルにおけるi番目のサブフレームについての送信電力であり、
PCMAX,c(i)は、最大送信電力であり、
MPUSCH,c(i)は、リソースブロックの数により表現される物理アップリンク共有チャネルのリソース割り当てのバンド幅であり、
PO_PUSCH,c(j)は、目標受信電力であり、
αc∈{0,0.4,0.5,0.6,0.7,0.8,0.9,1}であり、これは送信電力を決定する際に考慮されるパス損失を割合にて示した値でありうるもので、
PLcはダウンリンクのパス損失の推定値であり、
ΔTF,c(i)は、電力オフセット値であり、
fc(i)は、電力コマンド値である。
受信機501は、さらに、累積的な電力コマンドを受信するように構成されてもよい。この場合、決定回路503は直前に使用した電力コマンドに対してついて累積的な電力コマンドを累積するように構成されるとともに、電力制御パラメータの異なるセットに対しては異なる累積を適用するように構成されてもよい。
加えて、ユーザ装置10は、適用回路504を有してもよく、適用回路504は、無線ネットワークノード12に対して送信するために決定した送信電力を適用するように構成される。適用回路504は、電力増幅器(PA)505に接続されていてもよく、電力増幅器(PA)505は、送信機506を介して、リファレンス信号および/またはデータ送信信号などの送信信号を送信するときに送信電力を供給する。
本実施形態は無線通信ネットワークにおける送信についての送信電力を適用するものであり、一つまたは複数のプロセッサ、たとえば、図5に示したユーザ装置10に備えられている処理回路505に実装されうるものであり、これはまた本実施形態の機能およびまたはアクションを実行するためのコンピュータプログラムコードとともに実装されてもよい。このプログラムコードは、コンピュータプログラムプロダクトとして提供されうるものであり、たとえば、ユーザ装置10に対してロードされると本実施形態を実行するコンピュータプログラムコードを記録したデータ搬送媒体の形態として提供されもよい。このようなデータ搬送媒体はCD−ROMディスクの形態で提供されうる。メモリスティックなど他のデータ搬送媒体において具現化されてもよい。コンピュータプログラムコードは、さらに、ユーザ装置10に対してダウンロードされる、サーバ上の純粋なプログラムコードとして提供されてもよい。当業者であれば、ここで記述された様々な回路が、アナログ回路およびデジタル回路、および/または、ソフトウエアおよび/またはファームウエア(たとえばメモリに記憶されている)を用いて構成されている一つまたは複数のプロセッサを含みうるものであると理解するであろうし、一つまたは複数のプロセッサによって実行されると、上述した処理が実行されることになる。一つまたは複数のこれらのプロセッサや他のデジタルハードウエアは、単一用途特定集積回路(ASIC)に搭載されてもよいし、いくつかのプロセッサや様々なデジタルハードウエアがいくつかの分離したコンポーネントにわたって分散配置されてもよいし、システムオンチップ(SoC)の中に個別にパッケージ化されてもよいし、組み込まれてもよい。
無線通信ネットワークにおいてユーザ装置の送信電力を制御する方法のアクションであって、無線基地局12’として例示した無線ネットワークノード12において実行されるアクションについて、図6に示したフローチャートを参照しながら、いくつか一般的な実施形態を説明する。無線ネットワークノード12は、無線通信ネットワークにおいてユーザ装置10を収容して無線サービスを提供する。各ステップの順番は以下で説明する順番で実行されなければならないものではなく、いずれかの適切な順序で実行されればよい。いくつかの実施形態でのみ実行されるアクションは破線のボックスで示されている。
アクション601:無線ネットワークノード12はユーザ装置10に対して電力制御パラメータの複数のセットを送信することによって当該複数のセットを用いてユーザ装置10を設定する。
アクション602:無線ネットワークノード12は、ユーザ装置10の送信電力を決定するためにユーザ装置10によって使用される電力制御パラメータのセットを決定する。電力制御パラメータのセットは、最大送信電力、目標受信電力、送信電力を決定する際に考慮されるパス損失を割合でもって表した値、電力オフセット値、および、電力コマンド値などのうち少なくとも一つを含みうる。たとえば、無線ネットワークノード12は、ユーザ装置10が在圏しているセル11における干渉の状況、および/または、セル11に隣接した隣接セルにおける干渉の状況を分析してもよい。この分析結果に基づき、無線ネットワークノード12は電力制御パラメータのセットを決定する。干渉の状況は、あるサブフレームなどについての削減されたSNR値によって探索されてもよい。この分析結果は、eNB−eNB干渉(eNB間干渉)、隣接キャリア間干渉、UE−UE干渉(UE間干渉)などを示していてもよい。
アクション603:無線ネットワークノード12は無線ネットワークノード12が備えるメモリから、決定した電力制御パラメータを指し示すインジケーションを抽出してもよい。
アクション604:無線ネットワークノード12は、ユーザ装置10に対してインジケーションを送信する。上述したように、インジケーションは、ユーザ装置10に記憶されている電力制御パラメータの複数のセットのうちの電力制御パラメータのセットを指し示している。無線ネットワークノード12は、これにより、ユーザ装置10の送信電力を制御する。電力制御パラメータの複数のセットは、たとえば、ユーザ装置10と同様に、無線ネットワークノード12においてインデックス付きリストの中に記憶されていてもよく、この場合、インジケーションは当該リストのインデックスを示す。いつくかの実施形態では、電力制御パラメータの複数のセットは、一つまたは複数のサブフレームに適用される電力制御パラメータの特定のセットを含み、インジケーションは当該一つまたは複数のサブフレームに含まれているサブフレームを指し示す。たとえば、異なるサブフレーム間ではユーザ装置10において電力制御パラメータが異なるように設定されうる。無線ネットワークノード12は、この異なる複数のサブフレームについて電力制御パラメータを把握しており、これは無線ネットワークノード12によって設定されたものであるため、無線ネットワークノード12は、ユーザ装置10に対して送信電力についてはたとえば何の制限もなく、サブフレームをスケジューリングする。ユーザ装置10は、当該サブフレームについて設定された電力制御パラメータに基づいて送信電力を決定する。
いくつかの実施形態では、無線ネットワークノード12は、セル11においてユーザ装置10を収容して無線サービスを提供し、これはサービング(在圏)セルと呼ばれ、上述した一つまたは複数のサブフレームは、セル11またはセル11の隣接セルにおいてダウンリンク送信で使用されている一つまたは複数のサブフレームである。これらのサブフレームは、eNodeB間干渉に晒されることがあるとともに、UE間干渉にも晒されることもあり、これは電力制御パラメータのセットを決定する際に考慮される。さらに、インジケーションは、グラントされたサブフレームについて送信されてもよい。グラントされたサブフレームは隣接チャネル干渉を被る。これは、たとえば、送信データの関連性に基づき、ユーザ装置10が送信電力の制限なして送信すべきか、または、電力制限つきで送信すべきことを示す。
インジケーションは、アップリンクグラントメッセージに搭載されてもよい。この場合、インジケーションは、電力制御パラメータのセットのリストにおけるポインターとなりうる。ポインターは、リスト内で、送信電力を決定する際にユーザ装置10によって適用される電力制御パラメータのセットが何であるかを示し、これはたとえば、上述したインデックスに相当する。
図7は、いつくかの実施形態にしたがって無線ネットワークにおいてユーザ装置10の送信電力を制御する無線ネットワークノードのブロック図である。無線ネットワークノード12は無線通信ネットワークにおいてユーザ装置10を収容して無線サービスを提供するように構成されている。
無線ネットワークノード12は、決定回路701を有し、決定回路701は、ユーザ装置10の送信電力を決定する際にユーザ装置10によって使用されることになる電力制御パラメータのセットを決定するように構成される。決定回路701は、ユーザ装置10が在圏しているセル11における干渉の状況、および/または、セル11に隣接した隣接セルにおける干渉の状況を分析するように構成されてもよい。セル11に隣接した隣接セルは、無線ネットワークノード12によって無線サービスが提供されてもよいし、隣接ネットワークノード120によって無線サービスが提供されてもよい。
無線ネットワークノード12は、送信機702を有し、送信機702は、ユーザ装置10に対してインジケーションを送信するように構成される。インジケーションは、ユーザ装置10に記憶されている電力制御パラメータの複数のセットのうちの電力制御パラメータのセットを指し示している。これにより、ユーザ装置10の送信電力は無線ネットワークノード12によって制御される。電力制御パラメータの複数のセットは、一つまたは複数のサブフレームに適用される電力制御パラメータの特定のセットを含みうる。インジケーションは当該一つまたは複数のサブフレームに含まれているサブフレームを指し示してもよい。いくつかの実施形態において、送信機702は、インジケーションを含むアップリンクグラントメッセージを送信するように構成される。インジケーションは、電力制御パラメータのセットのリストにおけるポインターとなりうるもので、ポインターは、リスト内で、送信電力を決定する際にユーザ装置10によって適用される電力制御パラメータのセットが何であるかを示す。インジケーションは、グラントされたサブフレームについて送信されてもよく、グラントされたサブフレームは隣接チャネル干渉を被るものである。これは、決定回路701において決定される。
さらに、無線ネットワークノード12は、設定回路703を有してもよく、設定回路703は、送信機702を介してユーザ装置10に対して電力制御パラメータの複数のセットを送信したり、ユーザ装置からのデータ信号などの、干渉、送信電力などを示すデータを受信機704を介して受信したりすることによって、電力制御パラメータの複数のセットを用いてユーザ装置10を設定するように適合している。無線ネットワークノード12は、セル11におけるユーザ装置10を収容して無線サービスを提供するように構成されている。一つまたは複数のサブフレームは、セル11またはセル11の隣接セルにおいてダウンリンク送信に使用されている一つまたは複数のサブフレームである。いくつかの実施形態において、電力制御パラメータのセットは、最大送信電力、目標受信電力、送信電力を決定する際に考慮されるパス損失を割合でもって表した値、電力オフセット値、および、電力コマンド値などのうち少なくとも一つを含みうる。
無線ネットワークノードは、さらに、抽出回路705を有してもよく、抽出回路705は、インジケーションを抽出するように構成されており、たとえば、メモリ706からインジケーションを抽出する。インジケーションは、無線ネットワークノード12においてメモリ706から決定された電力制御パラメータのセットを指し示す。
本実施形態は無線通信ネットワークにおけるユーザ装置10の送信電力を制御するものであり、一つまたは複数のプロセッサ、たとえば、図7に示した無線ネットワークノード12に備えられている処理回路707に実装されうるものであり、これはまた本実施形態の機能および/またはアクションを実行するためのコンピュータプログラムコードとともに実装されてもよい。このプログラムコードは、コンピュータプログラムプロダクトとして提供されうるものであり、たとえば、無線ネットワークノード12に対してロードされると本実施形態を実行するコンピュータプログラムコードを記録したデータ搬送媒体の形態として提供されもよい。このようなデータ搬送媒体はCD−ROMディスクの形態で提供されうる。メモリスティックなど他のデータ搬送媒体において具現化されてもよい。コンピュータプログラムコードは、さらに、無線ネットワークノード12に対してダウンロードされる、サーバ上の純粋なプログラムコードとして提供されてもよい。当業者であれば、ここで記述された様々な回路が、アナログ回路およびデジタル回路、および/または、ソフトウエアおよび/またはファームウエア(たとえばメモリに記憶されている)を用いて構成されている一つまたは複数のプロセッサを含みうるものであると理解するであろうし、一つまたは複数のプロセッサによって実行されると、上述した処理が実行されることになる。一つまたは複数のこれらのプロセッサや他のデジタルハードウエアは、単一用途特定集積回路(ASIC)に搭載されてもよいし、いくつかのプロセッサや様々なデジタルハードウエアがいくつかの分離したコンポーネントにわたって分散配置されてもよいし、システムオンチップ(SoC)の中に個別にパッケージ化されてもよいし、組み込まれてもよい。
上述した実施形態はどのように組み合わされてもよい。本実施形態はアップリンクデータチャネルについて記述されているが、電力制御を使用する他のアップリンク送信にも適用可能であり、たとえば、物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)およびアップリンクサウンディングリファレンス信号などにも適用可能である。図面や明細書においては例示的な実施形態が記述されている。しかし、様々な変更や修正がこれらの実施形態に対して適用可能である。また、特定の用語が用いられてきたが、これらは限定目的で使用されてはおらず、一般的で記述的な感覚でのみ使用されており、実施形態の範囲は添付の特許請求の範囲によって確定される。