次に、本発明の実施の形態を、実施例を用いて説明する。尚、以下では、図柄の変動表示の終了に伴い当り図柄が停止表示されると、遊技者に所定量の遊技利益(例えば、賞球)を付与可能な当り遊技を実行可能なパチンコ遊技機に、本発明を適用した例を説明する。
図1乃至図3に示すように、実施例1のパチンコ遊技機1は、遊技機枠50と、遊技機枠50内に取り付けられた遊技盤2とを備えており、遊技盤2は遊技機枠50から着脱自在に構成されている。図3は、遊技盤2を遊技機枠50から取り外した状態のものを示す。遊技機枠50は、装飾面を有する前面枠51と、遊技盤2等を取り付ける本体枠52と、パチンコ遊技機1をホールの島設備に取り付けるための外枠53と、を有して構成されており、前面枠51、本体枠52及び外枠53は、一側端側で軸支され夫々開閉可能に構成されている。
また、前面枠51には、遊技者の操作量(回転角度)に応じた発射強度で遊技球を発射させるための発射ハンドル60、遊技球を貯留し貯留した遊技球を発射装置側に供給可能な打球供給皿(上皿)61、及び打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)62が設けられている。また前面枠51には、遊技の進行に伴って実行される遊技演出の実行中などに、遊技者が操作可能な第1演出ボタン63a、第2演出ボタン63b(これら2個の演出ボタンを総称して単に「演出ボタン63」ともいう)が設けられている。複数の演出ボタンは、遊技演出の種類に応じて使用する演出ボタンを使い分けることができる。
また前面枠51には、装飾用の枠ランプ66及びスピーカ67が設けられている。尚、演出ボタン63の構成は本実施例1の態様に限らず、遊技者からの入力を検知できるものであればたり、遊技者が直接ボタン部に接触して入力を行う入力検知手段(例えば、出没式、タッチセンサ式等)であってもよいし、遊技者の身体の一部が近接したことを検知して入力を行う非接触式の入力検知手段(光電式等)であってもよい。遊技盤2には、発射ハンドル60の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3が、レール部材4で囲まれて形成されている。また、遊技盤2には、装飾用の盤面ランプ5が設けられている。遊技領域3には、遊技球を誘導する複数の遊技釘16が突設されている。また、レール部材4の先端には球戻り防止片6が設けられており、一旦遊技領域へ誘導された遊技球が発射装置側へ戻るのを防止することができる。
また遊技領域3の中央付近には、液晶表示装置からなる画像表示装置7が設けられている。画像表示装置7の表示画面7aには、演出図柄8L、8C、8R(単に「演出図柄8」ともいう)が表示される演出図柄表示領域7b(「演出図柄表示部」ともいう)が設けられており、当該演出図柄8L、8C、8Rは、後述の第1特別図柄の変動表示及び第2特別図柄の変動表示に同期して変動表示を行う。演出図柄表示領域7bは、例えば「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなり、左の図柄表示エリアには左演出図柄8Lが表示され、中の図柄表示エリアには中演出図柄8Cが表示され、右の図柄表示エリアには右演出図柄8Rが表示される。また、演出図柄8L、8C、8Rはそれぞれ、例えば「1」〜「9」までの数字をあらわした複数の図柄(識別情報)からなる。演出図柄表示領域7bに停止表示される左、中、右の演出図柄によって、後述(図4参照)の第1特別図柄表示器41a(「第1特別図柄表示部」ともいう)に表示される第1特別図柄の変動表示の結果、及び第2特別図柄表示器41b(「第2特別図柄表示部」ともいう)に表示される第2特別図柄の変動表示の結果(つまり、特別図柄当否判定(単に「当否判定」ともいう)の結果)を、遊技者が認識し易いように表示する。尚、第1特別図柄、第2特別図柄、演出図柄のいずれかを指して単に「図柄」や「識別情報」ということもある。
例えば、特別図柄当否判定の結果が大当りとなった場合には、「777」などの3桁同一のゾロ目(「当り演出図柄」ともいう)で演出図柄を停止表示することが可能である。また、小当りとなった場合には「135」などの予め設定したチャンス図柄や「3★3」などの専用図柄(「小当り演出図柄」ともいう)で演出図柄を停止表示することが可能である。また、外れとなった場合には「637」や「373」などの3つの図柄のうち少なくとも1つの図柄が異なるバラケ目図柄(「外れ演出図柄」ともいう)で演出図柄を停止表示することが可能である。これにより、遊技者は停止表示した演出図柄を見ることで、遊技の進行状況を容易に把握することが可能となる。つまり遊技者は、一般的には特別図柄当否判定の結果を第1特別図柄表示器41aや第2特別図柄表示器41bに表示される特別図柄を見て直接的に把握するのではなく、演出図柄表示領域7bに表示される演出図柄を見て把握する。尚、左・中・右の図柄表示エリアの位置は夫々区別して設ける必要はなく、左・中・右の演出図柄の表示エリアをそれぞれ図柄表示エリア(演出図柄表示領域7b)の全体としてもよい。また、演出図柄の変動表示の態様としては、例えば上下、左右、斜め方向等にスクロール表示する態様がある。
画像表示装置7の表示画面7a上では、前述のような演出図柄を用いた遊技演出(演出図柄遊技演出)を表示するほか、当り遊技に伴って実行される当り遊技演出や、客待ち用のデモ演出などが表示される。尚、演出図柄遊技演出や当り遊技演出やデモ演出では、数字等の演出図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄以外の演出画像も表示される。また画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特図保留の記憶数に応じて第1演出保留9aを表示する第1演出保留表示領域9c(第1演出保留表示部)と、後述の第2特図保留の記憶数に応じて第2演出保留9bを表示する第2演出保留表示領域9d(第2演出保留表示部)とがある。第1演出保留又は第2演出保留の表示態様(表示数)により、後述の第1特図保留表示器43a(図4参照)にて表示される第1特図保留の記憶数及び第2特図保留表示器43bにて表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことができる。
遊技領域3の中央付近であって画像表示装置7の前方には、演出図柄表示領域7bを取り囲むように、センター装飾体10が設けられている。センター装飾体10の下部には、遊技球が転動可能な遊技球転動面を有するステージ部11が設けられている。またセンター装飾体10の左部には、中空状のワープ部12が設けられている。ワープ部12にはワープ入口とワープ出口とが設けられており、遊技領域3を流下する遊技球をワープ入口から受け入れ、当該遊技球をワープ出口から排出しステージ部11へと誘導する。ステージ部11の転動面に誘導された遊技球は、ステージ部11に誘導されない遊技球と比して高い可能性で、後述の第1始動口20に入球可能とされている。さらにセンター装飾体10の上部には、LED等の電飾部材(盤面ランプ5)を有し遊技状態に応じて点灯可能であって、文字や図形等を象った装飾部材13が配されている。
また、センター装飾体10の上部であって、装飾部材13の後方には、遊技演出に伴って動作可能な可動装飾部材14が設けられている。図3では、可動装飾部材14の一部分のみが視認可能となっているが、例えば、比較的当りの可能性の高い遊技演出の実行に伴って、可動装飾部材が下方に落下し、当該可動装飾部材が表示画面7aの前面を覆い、その大部分が視認可能となる。これにより、遊技者は当りへの期待感を高めることとなる。遊技領域3における画像表示装置7の下方には、遊技球の入球し易さが変化しない非可変式の第1始動口20を備える固定入賞装置19が設けられている。第1始動口20への遊技球の入球に基づいて、特別図柄当否判定用乱数等(第1特別図柄当否判定用乱数等)が取得され、予め定められた所定条件が成立すると第1特別図柄に係る当否判定(第1特別図柄当否判定)が実行されると共に第1特別図柄が変動表示され、当否判定の結果に基づいて停止表示される。
センター装飾体10の右下部(第1始動口20の右方上部)には、遊技球の入球し易さが変化する可変式の第2始動口21を備える可変入賞装置22(「可変式始動口」ともいう)が設けられている。第2始動口21への遊技球の入球に基づいて、特別図柄当否判定用乱数等(第2特別図柄当否判定用乱数等)が取得され、予め定められた所定条件が成立すると第2特別図柄の当否判定(第2特別図柄当否判定)が実行されると共に第2特別図柄が変動表示され、当否判定の結果に基づいて停止表示される。可変入賞装置22は、可動部材23を備え、可動部材23の作動によって第2始動口21を開閉するものである。この開閉動作によって、第2始動口21は、第1の態様(閉状態)から当該第1の態様よりも遊技球の入球可能性が高い第2の態様(開状態)へと変化可能である。可動部材23は、第2始動口ソレノイド24(図5参照)により駆動される。本実施例1では、第2始動口21は、可動部材23が開状態にあるときだけ遊技球が入球可能とされ、可動部材23が閉状態にあるときには遊技球が入球不能となっている。尚、第2始動口21は、可動部材23が閉状態にあるときは開状態にあるときよりも遊技球が入球困難となるものであれば、可動部材23が閉状態にあるときに完全に入球不能となるものでなくてもよい。
遊技領域3における第1始動口20の右方(第2始動口の下方)には、第1大入賞口30を備えた第1大入賞装置31(「第1可変入球口」ともいう)が設けられている。第1大入賞装置31は、開閉部材32を備え、開閉部材32の作動により第1大入賞口30を開閉するものである。開閉部材32は、第1大入賞口ソレノイド33(図5参照)により駆動される。第1大入賞口30は、開閉部材32が開状態にあるときだけ遊技球が入球可能となる。すなわち、第1可変入球口31は、開閉部材32の開閉動作により、遊技球が入球不能な入球不能状態(閉状態)と遊技球が入球可能な入球可能状態(開状態)とに変化可能である。
また、遊技領域3における第1始動口20の下方(第1大入賞口30の左下方)には、第2大入賞口35を備えた第2大入賞装置36(「第2可変入球口」ともいう)が設けられている。第2大入賞装置36は、開閉部材(開閉板)37を備え、開閉部材37の作動により第2大入賞口35を開閉するものである。開閉部材37は、第2大入賞口ソレノイド38(図5参照)により駆動される。第2大入賞口35は、開閉部材37が開状態にあるときだけ遊技球が入球可能となる。すなわち、第2可変入球口36は、開閉部材37の開閉動作により、遊技球が入球不能な入球不能状態(閉状態)と遊技球が入球可能な入球可能状態(開状態)とに変化可能である。また、第2大入賞装置36は、第2大入賞口35に入球した遊技球が通過可能な特定領域39及び非特定領域49と、第2大入賞口35に入球した遊技球を特定領域39又は非特定領域49に誘導する(振り分ける)ための可動片150を含んで構成されている。可動片150(可動部)は、可動片ソレノイド151(図5参照)により駆動されるもので、可動片150は、第2大入賞口35の開放、換言すると開閉部材37の開放動作の開始を契機として、その動作が開始される(図56参照)。可動片ソレノイド151がOFFのとき、すなわち可動片150が動作していないときは(非動作状態)、第2大入賞口35に入球した遊技球は非特定領域49に誘導されて、特定領域39を通過することが不可能となる。一方、可動片ソレノイド151がONのとき、すなわち可動片150が動作しているときは(動作状態)、第2大入賞口35に入球した遊技球は特定領域39に誘導されて、特定領域39を通過することが可能となる。本パチンコ遊技機1では、第2大入賞口35に入球した遊技球の少なくとも1個が特定領域39を通過したことが検知されることに基づいて、後述の高確率状態を発生させている。つまり特定領域39は、確変作動口となっている。このような特定領域39は、第1大入賞装置31には設けられていない。
遊技領域3におけるセンター装飾体10の右側領域には、遊技球が通過可能なゲート28(遊技球通過口)が設けられている。ゲート28への遊技球の通過に基づいて、普通図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件が成立すると、第2始動口21を開状態とするか否かを判定する普通図柄当否判定が実行されると共に普通図柄が変動表示され、普通図柄当否判定の結果に基づいて停止表示される。当り普通図柄が停止表示すると第2始動口21を開状態となる。さらに、遊技領域3の下部には、複数の一般入球口27が設けられている。このように各種入球口等が配されている遊技領域3を、左右方向の中央より左側の左遊技領域(第1遊技領域)3Aと、右側の右遊技領域(第2遊技領域)3Bと、に分けることができる。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように(弱い発射強度で)遊技球を発射する打方を、左打ちといい、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように(強い発射強度で)遊技球を発射する打方を、右打ちという。このように異なる発射強度で遊技球を発射することで、遊技球を異なる任意の遊技領域に進入させ、当該発射球を遊技者が狙った遊技領域(例えば、左遊技領域、右遊技領域)に流下させることが可能となる。
図54には実施例1の遊技盤2の模式図を示している。これに示す通り、第1始動口20は、遊技盤面に形成された遊技領域において、左遊技領域3A(第1遊技領域)を流下する遊技球が入球可能であって、右遊技領域3B(第2遊技領域)を流下する遊技球が入球不能な位置に設けられている。これにより、遊技領域3に発射された遊技球は、左遊技領域3Aを流下し、図54に示す流下経路(a)、(b)を通って、第1始動口20に入球可能となる。また、第1大入賞口30は、右遊技領域3Bを流下する遊技球が入球可能であって、左遊技領域3Aを流下する遊技球が入球不能な位置に設けられている。これにより、遊技領域3に発射された遊技球は、右遊技領域3Bを流下し、流下経路(d)、(g)を通って、第1大入賞口30に入球可能となる。
また、ゲート28は、右遊技領域3Bを流下する遊技球が入球可能であって、左遊技領域3Aを流下する遊技球が入球不能な位置に設けられている。これにより、遊技領域3に発射された遊技球は、右遊技領域3Bを流下し、流下経路(d)、(e)を通って、ゲート28を通過可能(入球可能)となる。また、第2始動口21(可変始動口)は、右遊技領域3Bを流下する遊技球が入球可能であって、左遊技領域3Aを流下する遊技球が入球不能な位置に設けられている。これにより、遊技領域3に発射された遊技球は、右遊技領域3Bを流下し、流下経路(d)、(f)を通って、第2始動口21に入球可能となる。
また、第2大入賞口35は、遊技領域の左右方向略中心部の下方に設けられており、左遊技領域3Aを流下する遊技球、及び、右遊技領域3Bを流下する遊技球の何れもが入球可能な位置に設けられている。これにより、遊技領域3に発射された遊技球は、左打ちを行っている場合、左遊技領域3Aを流下し、流下経路(a)、(c)を通って、第2大入賞口35に入球可能となる。また、右打ちを行っている場合、右遊技領域3Bを流下し、流下経路(d)、(h)を通って、第2大入賞口35に入球可能となる。
本パチンコ遊技機1では、遊技開始の際は第2始動口21への入球頻度が低い低ベース状態とされており、左打ちにて第1始動口20への入球を狙って遊技を行う。一方、第1始動口20への入球に基づく当否判定において大当りとなり遊技状態が低ベース状態から第2始動口21への入球頻度が高い高ベース状態に変化した際には、右打ちにてゲート28及び第2始動口21への入球を狙って遊技を行う。また、詳しくは後述するように、大当り遊技中は、発生した大当りの種類や大当りが発生した際の遊技状態によって、左打ち又は右打ちにて、第1大入賞口30又は第2大入賞口35への入球を狙って遊技を行う。また、連荘状態(高ベース状態及び大当り遊技が連続して発生する状態)においては、右打ちにて、ゲート28、第2始動口21、第1大入賞口30、及び、第2大入賞口35への入球を狙って遊技を行う。そして、第1始動口、第2始動口、第1大入賞口、第2大入賞口、及び一般入球口に遊技球が入球した場合には、夫々の入球口において予め定められた数の遊技球(「賞球」ともいう)が払い出される。
また、図3及び図4に示すように、遊技盤2の右下部には主表示器40が配置されている。主表示器40には、第1特別図柄を変動表示及び停止表示する第1特別図柄表示器41a(第1特別図柄表示部)、第2特別図柄を変動表示及び停止表示する第2特別図柄表示器41b(第2特別図柄表示部)、及び、普通図柄を変動表示及び停止表示する普通図柄表示器42(普通図柄表示部)が含まれている。また主表示器40には、第1特別図柄に係る当否判定情報(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器43a、第2特別図柄に係る当否判定情報(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器43b、及び、普通図柄表示器42の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器44が含まれている。
また主表示器40には、第1特別図柄当否判定又は第2特別図柄当否判定の結果が当りになったことを示す当り表示器48、第1特別図柄当否判定又は第2特別図柄当否判定の結果が当りになった場合に、実行される当り遊技のラウンド数を示すラウンド表示器45、確率変動機能が作動することを示す遊技状態表示器46、及び、遊技球の発射方向、すなわち右打ちすべき状態か左打ちすべき状態かを示す発射方向表示器47が含まれている。これら主表示器40に含まれる各種表示器は後述の主制御部によって表示制御される。第1特別図柄の変動表示は、第1始動口20への遊技球の入球を契機として行われる。第2特別図柄の変動表示は、第2始動口21への遊技球の入球を契機として行われる。尚以下の説明では、第1特別図柄及び第2特別図柄を総称して特別図柄ということがある。また、第1特別図柄表示器41a及び第2特別図柄表示器41bを総称して特別図柄表示部41ということがある。また、第1特図保留表示器43a及び第2特図保留表示器43bを総称して特図保留表示部43ということがある。
特別図柄表示部41では、特別図柄(識別情報)を所定時間変動表示した後停止表示し、停止表示された特別図柄(停止図柄)によって第1始動口20又は第2始動口21への入球に基づく抽選(特別図柄当否判定、大当り抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄は、特別図柄当否判定によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた特定特別図柄(特定識別情報)である場合(すなわち、大当り図柄や小当り図柄である場合)には、停止表示された特定特別図柄の種類に応じた開放パターンにて第1大入賞口30又は第2大入賞口35を開放させる特別遊技(大当り遊技、小当り遊技)が行われる(図6を参照)。尚、特別遊技における大入賞口(第1大入賞口30及び第2大入賞口35)の開放パターンについては後述する。
具体的に、図4に示すとおり、第1特別図柄表示器41aは、「i〜p」で示す8個のLEDで構成されており、第1特別図柄当否判定の結果に応じた特別図柄を表示する。例えば、第1特別図柄当否判定の結果が、第1の結果(15R第1大当り)となった場合には、「ijn」の3個のLEDを点灯し残りを消灯する。また、第2の結果(2R第2大当り)となった場合には、「jnkl」の4個のLEDを点灯し、残りを消灯する。
また、第3の結果(2R第3大当り)となった場合には、「jnklp」の5個のLEDを点灯し、残りを消灯する。また、第4の結果(第1小当り)となった場合には、「mnop」の4個のLEDを点灯し残りを消灯する。また、外れとなった場合には、「lo」の2個のLEDを点灯し、残りを消灯することができる。また、第2特別図柄表示器41bは、「a〜h」で示す8個のLEDで構成されており、第2特別図柄当否判定の結果に応じた特別図柄を表示する。停止表示態様については、第1特別図柄表示器41bと同様に、第2特別図柄当否判定の結果に応じて夫々異なる表示態様に定められている。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば予め定められた順序で、左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯する態様とすることができる。
本パチンコ遊技機1では、第1始動口20又は第2始動口21への遊技球の入球があると、その入球に基づいて特別図柄当否判定用乱数等の各種情報(「取得情報」ともいう)を取得し、取得した各種情報は、主制御部のRAMに形成される特図保留記憶部85に一旦記憶される。詳細には、第1始動口20への入球であれば第1特図保留として第1特図保留記憶部85aに記憶され、第2始動口21への入球であれば第2特図保留として第2特図保留記憶部85bに記憶される。各々の特図保留記憶部85に記憶可能な特図保留の数には上限が設定されており、本実施例1における上限値はそれぞれ4個となっている。これら第1特図保留記憶部85a及び第2特図保留記憶部85bを、夫々「第1取得情報記憶手段」及び「第2取得情報記憶手段」ともいい、総じて「取得情報記憶手段」ともいう。
特図保留記憶部85に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の変動表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する特別図柄当否判定用乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の変動表示を実行することをいう。従って、本パチンコ遊技機1では、第1始動口20又は第2始動口21への遊技球の入球に基づく特別図柄の変動表示がその入球時にすぐに実行できない場合、すなわち特別図柄の変動表示の実行中や特別遊技の実行中である場合であっても、所定個数を上限として、その入球に対する特別図柄当否判定の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような特図保留の数は、第1特図保留表示器43a及び第2特図保留表示器43bに表示される。具体的には第1特図保留表示器43aは、「uv」の2個のLEDで構成されており、第1特図保留の数に応じてLEDを表示制御することにより、第1特図保留の数を表示するものである。例えば、保留数が0の場合は「u□v□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数が1の場合は「u□v●」というようにuのLEDを消灯vのLEDを赤色で点灯させる表示態様とすることができる。また、保留数が2の場合は「u●v□」というようにuのLEDを赤色で点灯させvのLEDを消灯する表示態様とすることができる。また、保留数が3の場合は「u●v●」というように両方のLEDを赤色で点灯させる表示態様とすることができる。
また、保留数が4(上限数)の場合は「u▲v▲」というように両方のLEDを緑色で点灯させ表示態様とすることができる。また、第2特図保留表示器43bは、「wx」の2個のLEDで構成されており、第2特図保留の数に応じてLEDを表示制御することにより、第2特図保留の数を表示するものである。例えば、保留数が0の場合は「w□x□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数1〜4についても第1特図保留表示器43aと同様に定められている。
普通図柄の変動表示は、ゲート28への遊技球の通過を契機として行われる。普通図柄表示器42では、普通図柄を所定時間変動表示した後、停止表示し、停止表示された普通図柄(停止図柄)によって、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄当否判定の結果を報知する。停止表示される普通図柄は、普通図柄当否判定によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(当り普通図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口21を開放させる補助遊技が行われる。尚、第2始動口21の開放パターンについては後述する。
具体的には図4に示す通り、普通図柄表示器42は、「st」の2個のLEDから構成されており、その点灯態様によって普通図柄当否判定の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば、判定結果が当りである場合には、「s■t■」(例えば、■:点灯、□:消灯とする)というように両LEDが点灯した当り普通図柄を停止表示する。また判定結果が外れである場合には、「s□t■」というようにtのLEDのみが点灯した態様の外れ普通図柄を表示する。尚外れ普通図柄は、特定普通図柄ではない。普通図柄が停止表示される前には予め定められた所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示が実行されるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯・消滅を繰り返す態様である。
本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過があると、その通過に基づいて普通図柄当否判定用乱数等の各種情報(「取得情報」ともいう)を取得し、取得した各種情報は主制御部のRAMに形成される普図保留記憶部86に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部86に記憶可能な普図保留の数には上限が設定されており、本実施例1における上限値は4個となっている。
普図保留記憶部86に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の変動表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄当否判定用乱数を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の変動表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄の変動表示がその通過時にすぐ実行できない場合、すなわち普通図柄の変動表示の実行中や補助遊技の実行中である場合であっても、所定個数を上限として、その通過に対する普通図柄当否判定の権利を留保することができるようになっている。そしてこのような普図保留の数は、普図保留表示器44に表示される。具体的には普図保留表示器44は、「qr」の2個のLEDで構成されており、普図保留の数に応じてLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示するものである。例えば、保留数が0の場合は「q□r□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数が1の場合は「q□r●」というようにqのLEDを消灯しrのLEDを赤色で点灯させる表示態様とすることができる。また、保留数2〜4についても第1特図保留表示器43aと同様に定められている。
次に図2及び図5に基づいて、本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明する。本実施例1のパチンコ遊技機1は、特別図柄当否判定や普通図柄当否判定や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御を行う主制御基板80(「主制御部」ともいい、「遊技制御部」ともいう)、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行うサブ制御基板90(「サブ制御部」ともいい、「演出制御部」ともいう)、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板110(「払出制御部」ともいう)、画像表示装置7に表示される演出図柄8、演出表示器102に表示される図柄、演出第1特図保留表示器103a、及び演出第2特図保留表示器103b等の表示制御を行う画像制御基板100(画像制御部)等を備えている。また、図2に示すように、パチンコ遊技機1の後面側(裏面側)の略中央部には主制御基板80を収納した主制御基板収納ケースが設けられ、この主制御基板ケースの上方には、音声制御基板106、ランプ制御基板107及び画像制御基板100を収納した画像制御基板等収納ケースが設けられ、その画像制御基板等収納ケース上にはサブ制御基板90を収納したサブ制御基板収納ケースが設けられている。また、主制御基板ケースの下方左側には、払出制御基板を収納する払出制御基板ケースが設けられ、その右側には、電源基板109を収納する電源基板ケースが設けられている。
主制御基板80には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)81が実装されている。遊技制御用マイコン81には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。遊技制御用マイコン81は、入出力回路87(I/Oポート部)を介して他の基板等とデータ(情報)の送受信を行う。入出力回路87は、遊技制御用マイコン81に内蔵されていてもよい。また、ROMは外付けであってもよい。遊技制御用マイコン81のRAMには、上述した特図保留記憶部85(第1特図保留記憶部85a及び第2特図保留記憶部85b)と普図保留記憶部86とが設けられている。
主制御基板80には、中継基板88を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、主制御基板80には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには主制御基板80から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、ゲートセンサ28a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、特定領域センサ39a、及び一般入球口センサ27aが接続されている。これら各種センサを「検知手段」ともいう。
第1始動口センサ20aは、第1始動口20内に設けられて第1始動口20に入球した遊技球を検知するものである。第2始動口センサ21aは、第2始動口21内に設けられて第2始動口21に入球した遊技球を検知するものである。ゲートセンサ28aは、ゲート28内に設けられてゲート28を通過した遊技球を検知するものである。第1大入賞口センサ30aは、第1大入賞口30内に設けられて第1大入賞口30に入球した遊技球を検知するものである。第2大入賞口センサ35aは、第2大入賞口35内に設けられて第2大入賞口35に入球した遊技球を検知するものである。特定領域センサ39aは、第2大入賞口35内の特定領域39に設けられており、第2大入賞口35に入球した遊技球のうち特定領域39を通過した遊技球を検知するものである。非特定領域センサ49aは、第2大入賞口35内の非特定領域49に設けられており、第2大入賞口35に入球した遊技球のうち非特定領域49を通過した遊技球を検知するものである。一般入球口センサ27aは、各一般入球口27内にそれぞれ設けられて一般入球口27に入球した遊技球を検知するものである。
またソレノイド類としては、第2始動口ソレノイド24、第1大入賞口ソレノイド33、第2大入賞口ソレノイド38及び可動片ソレノイド151が接続されている。これら各種ソレノイドを「駆動手段」ともいう。第2始動口ソレノイド24は、可変入賞装置22の可動部材23を駆動するためのもので、第1大入賞口ソレノイド33は、第1大入賞装置31の開閉部材32を駆動するためのものである。また、第2大入賞口ソレノイド38は、第2大入賞装置36の開閉部材37を駆動するためのもので、可動片ソレノイド151は、第2大入賞装置36の可動片150を駆動するものである。さらに主制御基板80には、第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄表示器41b、普通図柄表示器42、第1特図保留表示器43a、第2特図保留表示器43b、普図保留表示器44、ラウンド表示器45、遊技状態表示器46、発射方向表示器47、及び当り表示器48が接続されている。すなわち、これらの主表示器40の表示制御は、遊技制御用マイコン81によりなされる。
また主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。払出制御基板110には、賞球や貸球を払い出す払出装置120、及びカードユニット135(パチンコ遊技機1に隣接して設置され、挿入されたプリペイドカード(遊技価値記憶媒体)等に記憶されている情報に基づいて球貸しを可能にするもの)が接続されているとともに、発射制御基板111(「発射制御部」ともいう)を介して発射装置112が接続されている。発射装置112には、発射ハンドル60(図1参照)が含まれる。
払出制御基板110は、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技球の払い出しを制御する払出制御用ワンチップマイコン116(「払出制御用マイコン」ともいう)が実装されている。払出制御用マイコン116には、遊技球の払い出しを制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。払出制御用マイコン116は、入出力回路117を介し、遊技制御用マイコン81からの信号や、パチンコ遊技機1に接続されたカードユニット135からの信号に基づいて、払出装置120の払出モータ121を駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球の払い出しを行ったりする。払い出される遊技球は、その計数のため払出センサ122、123により検知される。尚遊技者による発射装置112のハンドル60(図1参照)の操作があった場合には、タッチセンサ114が発射ハンドル60への遊技者の接触を検知し、発射ボリューム115が発射ハンドル60の回転量を検知する。そして、発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モータ113が駆動制御されることとなる。
また主制御基板80は、サブ制御基板90に対し各種コマンドを送信する。主制御基板80とサブ制御基板90との接続は、主制御基板80からサブ制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板80とサブ制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
また図5に示すように、サブ制御基板90には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン91(「演出制御用マイコン」)が実装されている。演出制御用マイコン91には、遊技の進行に伴って遊技演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。演出制御用マイコン91は、入出力回路95を介して他の基板等とデータの送受信を行う。入出力回路95は、演出制御用マイコン91に内蔵されていてもよい。また、ROMは外付けであってもよい。
サブ制御基板90には、画像制御基板100、音声制御基板106、ランプ制御基板107が接続されている。サブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板100の画像制御用ワンチップマイコン101(「画像制御用マイコン」)のCPUに、画像表示装置7、演出表示器102、演出第1特図保留表示器103a、及び演出第2保留表示器103bの表示制御を行わせる。画像制御基板100のRAMは、画像データを展開するためのメモリである。画像制御基板100のROMには、画像表示装置7に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字及び記号等(演出図柄、保留図柄等を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。画像制御基板100のCPUは、演出制御用マイコン91からの指令に基づいてROMから画像データを読み出す。そして、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
演出表示器102は、2個のLEDからなり、演出図柄8の変動表示及び停止表示にあわせて変動表示及び停止表示を行い、2個のLEDの点灯・消灯、又は色の組合せにより、演出図柄8の表示結果(特別図柄当否判定の結果)を示す表示態様で停止表示する。また、演出第1特図保留表示器103a、及び演出第2保留表示器103bも同様に2個のLEDからなる。そして、2個のLEDの点灯・消灯、又は色の組合せにより、演出第1特図保留表示器103aは第1演出保留表示領域9cに表示される保留個数及び第1特図保留表示器43aで表示される保留個数と同じ保留個数を示す表示態様で表示制御される。また、演出第2特図保留表示器103bは第2演出保留表示領域9dに表示される保留個数及び第2特図保留表示器43bで表示される保留個数と同じ保留個数を示す表示態様で表示制御される。これは、キャラクタ図柄を表示画面7a(演出図柄表示部)の略全体に表示したり、可動装飾部材14を動作させて表示画面7aの演出図柄表示領域7b(演出図柄表示部)の略全体を被覆したりすることで、演出図柄、第1演出保留表示部、又は第2演出保留表示部の一部又は全部が視認できない状態になることがあるため、この様な表示器が設けられている。尚、画像制御基板100の画像制御用ワンチップマイコン101に換えて、又は加えてVDP(Video Display Processor)を設けてもよい。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ67から出力する音声等の音響データは、サブ制御基板90のROMに格納されている。尚、音声制御基板106にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板106にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ67を画像制御基板100に接続し、画像制御基板100のCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板100のROMに音響データを格納してもよい。
また、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、枠ランプ66や盤面ランプ5等のランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を、ROMに格納されているデータから決定し、ランプ制御基板107を介して枠ランプ66や盤面ランプ5等のランプ(LED)の点灯制御を行う。
さらに演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107に中継基板108を介して接続された可動装飾部材14を動作させる。尚可動装飾部材14は、図1では一部分のみ視認可能となっているが、センター装飾体10に設けられた可動式のいわゆるギミックのことである。演出制御用マイコン91は、可動装飾部材14を所定の動作態様で動作させるための動作パターンデータ(「駆動データ」ともいう)を、サブ制御基板90のROMに格納されているデータから決定し、決定した動作パターンデータに基づいて可動装飾部材14の動作を制御する。尚、ランプ制御基板107にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUにランプの点灯制御や可動装飾部材14の動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、ランプ制御基板107にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
またサブ制御基板90には、第1演出ボタン63a又は第2演出ボタン63b(図1参照)が操作(押す、回転、引く等)されたことを検知する第1演出ボタン検知スイッチ63c及び第2演出ボタン検知スイッチ63dが接続されている。従って、第1演出ボタン63a又は第2演出ボタン63bに対して遊技者が所定の入力操作を行うと、対応する演出ボタン検知スイッチらサブ制御基板90に対して信号が出力される。
次に、本実施例1のパチンコ遊技機1における当否判定(特別図柄当否判定)に係る制御について説明する。特別図柄当否判定の結果として、「大当り」、「小当り」、「外れ」がある。「大当り」のときには、特別図柄表示部41に「大当り図柄」が停止表示される。また「小当り」のときには、特別図柄表示部41に「小当り図柄」が停止表示される。また「外れ」のときには、特別図柄表示部41に「外れ図柄」が停止表示される。大当り又は小当りと判定されると、停止表示された特別図柄の種類に応じた開放パターンにて、第1大入賞口30又は第2大入賞口35を開放する「特別遊技」が実行される。大当りとなって実行される特別遊技を「大当り遊技」といい、小当りとなって実行される特別遊技を「小当り遊技」という。尚、停止表示する特別図柄の種類は、「大当り」、「小当り」、「外れ」において、夫々1又は複数の特別図柄を設けてもよい。
大当りには複数の種別が設けられている。図6に示すように大当りの種別としては、「15R(ラウンド)第1大当り」、「2R第2大当り」、「2R第3大当り」、「15R第4大当り」、及び、「2R第5大当り」がある。また、これら大当りとなった場合に実行される大当り遊技では、その1ラウンド目及び2ラウンド目において、内部に特定領域39を有する第2大入賞口35が所定の開放パターンで開放され(図56参照)、3ラウンド目以降のラウンドがある場合には、内部に特定領域39を有していない第1大入賞口30が所定の開放パターンで開放される。この第2大入賞口35が開放する(特定領域39への遊技球の通過を狙う)ラウンドを、Vラウンドやチャンスラウンドやチャレンジラウンドともいう。また、このVラウンドにおいて、特定領域39を遊技球が通過した場合、所定の特典が付与される。尚、このVラウンド(特定ラウンド)は、可動片150を動作させるラウンドであり、Vラウンド以外のラウンド(非特定ラウンド)は可動片150を動作させない。すなわち、第2大入賞口35を開放させるラウンドであっても、Vラウンド以外のラウンドである場合には、可動片150が動作せず、特定領域39が常に閉状態とされており、たとえ遊技球が第2大入賞口35に入球しても当該遊技球が特定領域39に誘導されることはない。すなわち、Vラウンド以外のラウンドは「遊技球が特定領域を通過不能なラウンド」ともいえる。
また、Vラウンドは、第2大入賞口35の開放パターンによって、特定領域39への入球可能性が異なるように設定されている。Vラウンドにおいて、図56に示す第1開放パターンが実行された場合、第2大入賞口35は当該Vラウンドにおいて最大28s開放されるため、容易に遊技球を入球させることができ、多量の賞球を獲得することが可能となる。一方で、可動片150(可動部)が動作して特定領域39(V)が開状態となっている期間は、第2大入賞口35は閉状態とされており、また、特定領域39(V)が開状態となる前も、100msの極短時間しか開状態とされないため、特定領域39に遊技球を通過させるのは困難である。従って、Vラウンドにおいて第2大入賞口35が第1開放パターンで開閉する場合、当該Vラウンドは特定領域を遊技球が通過するのが困難なラウンドとされる。また、当該Vラウンドを、特定領域を遊技球が通過するのが不能なラウンドとしてもよい。尚、特定領域39を開状態とする可動片150は、第2大入賞口35の開放パターンの開始を契機として、200msの閉状態(非動作)の後、4000msの開状態(動作)を行い、その後、閉状態とされる。また、Vラウンドが終了する場合、可動片150は動作途中であっても当該終了と共に特定領域39を閉状態とし、動作を終了する。
また、Vラウンドにおいて、図56に示す第2開放パターンが実行された場合、第2大入賞口35は当該Vラウンドにおいて最大28s開放されるため、容易に遊技球を入球させることができ、多量の賞球を獲得することが可能となる。また、可動片150(可動部)が動作して特定領域39(V)が開状態となっている期間(4000ms)も、第2大入賞口35は開状態とされており、特定領域39に遊技球を通過させるのは容易である。従って、Vラウンドにおいて第2大入賞口35が第2開放パターンで開閉する場合、当該Vラウンドは特定領域39を遊技球が通過するのが容易なラウンドとされる。また、Vラウンドにおいて、図56に示す第3開放パターンが実行された場合、第2大入賞口35は、100msという極短時間、開状態となっただけで開放パターンを終了するため、遊技球を入球させることが困難とされる。また、可動片150(可動部)が動作して特定領域39(V)が開状態とされる前に、Vラウンドを終了するため、特定領域39に遊技球を通過させるのは困難(不可能)である。従って、Vラウンドにおいて第2大入賞口35が第3開放パターンで開閉する場合、当該Vラウンドは特定領域を遊技球が通過するのが困難なラウンドとされる。また、当該Vラウンドを、特定領域を遊技球が通過するのが不能なラウンドとしてもよい。
次に、図6に示すように、「15R第1大当り」及び「15R第4大当り」は、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放回数(ラウンド数)が15回であり、1ラウンド目と2ラウンド目に、特定領域39(単に「V」ともいう)への遊技球の通過が可能(容易)な態様(図56に示す第2開放パターン)で第2大入賞口35を開放させる大当りである。また、「15R第1大当り」及び「15R第4大当り」は、Vラウンドにおいて、可動片150の動作タイミングと第2大入賞口35の開放パターンとによって、遊技球が特定領域39を通過容易な大当りとされている。従って、遊技者は、「15R第1大当り」及び「15R第4大当り」のVラウンドにおいて、第2大入賞口35を狙って通常通り(普通に)遊技球を発射しさえすれば、特定領域39に遊技球を容易に通過させることが可能である。
また、「2R第2大当り」は、大入賞口(第2大入賞口35)の開放回数(ラウンド数)が2回であり、1ラウンド目と2ラウンド目に、特定領域39(単に「V」ともいう)への遊技球の通過が可能(容易)な態様(図56に示す第2開放パターン)で第2大入賞口35を開放させる大当りである。また、「2R第3大当り」は、大入賞口(第2大入賞口35)の開放回数(ラウンド数)が2回であり、且つ開放時間は通じて28sと長時間であるものの、特定領域39(単に「V」ともいう)への遊技球の通過が困難(不可能)な態様(図56に示す第1開放パターン)で第2大入賞口35を開放させる大当りである。また、「2R第5大当り」は、、大入賞口(第2大入賞口35)の開放回数(ラウンド数)が2回であり、且つ、開放時間は100msと極短時間(一瞬開閉)とされ、特定領域39(単に「V」ともいう)への遊技球の通過が困難(不可能)な態様(図56に示す第3開放パターン)で第2大入賞口35を開放させる大当りである。
尚、本実施例では、Vラウンドを1ラウンド目及び2ラウンド目の複数ラウンドに設定しているが、他の態様として、1ラウンド目又は2ラウンド目の何れか一方だけをVラウンド(特定ラウンド)とし、他方を非Vラウンド(非特定ラウンド)としてもよい。また、Vラウンドを3ラウンド以上設けてもよい。
本実施例1のパチンコ遊技機1では、大当り遊技中の特定領域39への遊技球の通過に基づいて、その大当り遊技の終了後の遊技状態を、後述の高確率状態に移行させる(通過しなかった場合は低確率状態)。従って、特別図柄当否判定の結果が前述の15R第1大当り、2R第2大当り、又は、15R第4大当りとなった場合には、特定領域への遊技球の通過可能性が(2R第3大当り及び2R第5大当りと比較して)比較的高い態様で1ラウンド目及び2ラウンド目のVラウンドが実行される。そして、当該大当り遊技の実行中に特定領域39へ遊技球を通過させることで、大当り遊技後の遊技状態を高確率状態に移行させることが可能となる。これに対して、2R第3大当り又は2R第5大当りとなった場合には、1ラウンド目及び2ラウンド目のVラウンドにおいて、特定領域への遊技球の通過が困難な第1開放パターン又は第3開放パターンで第2大入賞口35が開放されるため、当該大当り遊技の実行中に特定領域39へ遊技球を通過させることができず、その大当り遊技後の遊技状態は、後述の通常状態(低確率状態)となる可能性が非常に高い(低確率状態になるといってもよい)。
一方、第1小当り又は第2小当りとなった場合に実行される小当り遊技(第1小当り遊技又は第2小当り遊技)の開放パターンは、前述した「2R第5大当り(2R第5大当り遊技)」と同じ開放パターンとされており、第2大入賞口35を0.1秒間に亘って2回開放する(入球可能状態とする)ものである。この小当り遊技の開放パターンは、見かけ上「2R第5大当り」と近い開放パターンとされており(開放間の閉鎖時間も同じ時間とされる)、遊技者からは小当り遊技か2R第5大当りかを認識するのが困難な開放パターンとされている。すなわち第1小当り又は第2小当りになると、第2大入賞口35に遊技球が入球困難な態様で第2大入賞装置36を開放させる。尚、小当り遊技の実行中に、可動片150が動作することはないので、たとえ第2大入賞口35に遊技球が入球しても当該遊技球が特定領域39を通過することはない。仮に何らかの事情で特定領域39への遊技球の通過があったとしても、Vラウンド以外のラウンドでは、特定領域39の通過(特定領域センサ39aでの検知)を有効なものとして処理しない無効期間とされており、当該特定領域39の通過に基づいて何らかの特典が付与されることはない。
また、図6に示すように、小当り遊技の実行後の遊技状態を小当り遊技の実行前から変化させないものとする。そのため、小当り遊技の実行前の遊技状態が通常状態(低確率状態)であれば、小当り遊技の実行後の遊技状態も通常状態となる。そして遊技者から見れば、前述の2R第5大当りと小当りとは大入賞口(第2大入賞口35)の開放パターンを見ても区別することが困難なものとされている。すなわち、遊技者は大入賞口の開放パターンから、特別図柄当否判定の結果が、2R第5大当りになったのか小当り(第1小当り又は第2小当り)になったのかを認識するのが困難である。また、演出上も、2R第5大当りに係る大当り遊技と、小当り(第1小当り又は第2小当り)に係る小当り遊技と、の実行中において、並びに、その後の演出図柄の変動表示中において、遊技者が両者を区別困難なように、共通の演出(演出態様)を実行可能としている。また、本実施例では、後述するように、2R第5大当りに係る大当り遊技、又は、小当り(第1小当り又は第2小当り)に係る小当り遊技が発生したことを遊技者が気づきにくいような演出を実行するものとしている。例えば、変動表示中に実行していた演出に関連する演出を2R第5大当り遊技中(又は、小当り遊技中)も実行し、その間に、開放パターンを終了させる。
また、第2大入賞口35の内部の可動片150の動作態様や遊技球が特定領域を通過したかどうかについても、遊技者が視認し難い構造とされている。これにより、2R第5大当りとしての特別遊技中に特定領域39へ遊技球を通過させたとしても(最も通過させるのは困難であるが)、それだけでは、その後の遊技状態が高確率状態に移行したかどうかを認識するのは困難である。その結果、小当りとなった場合、及び2R第5大当りになった場合には、その発生を気付き難くし、仮に発生に気づいたとしても小当り遊技か大当り遊技かを判別し難く、当り遊技(小当り遊技又は大当り遊技)終了後に、新たに高ベース状態が設定されたかもしれないという期待感を持ちつつ遊技を進行することが可能となる。またこれにより、遊技興趣を高めることが可能となる。尚、小当りにおいては大入賞口の開放回数を、ラウンド数とは言わず、単に開放回数という。
より具体的には、本実施例1のパチンコ遊技機1における各大当り及び各小当りとなったときの大入賞口の開放パターンは、図6のようになっている。すなわち、15R第1大当りとなった場合(第1特別図柄表示器41aに15R第1大当り図柄が停止表示された場合)、及び15R第4大当りとなった場合(第2特別図柄表示器41bに15R第4大当り図柄が停止表示された場合)には、1R〜2Rまでは第2大入賞口35を最大28秒開放し、3R〜15Rまでは第1大入賞口30を最大28秒開放させる。この大当りでは、1R目及び2R目における第2大入賞口35の開放パターンが特定領域39に遊技球を通過させるのが容易な開放パターンとされており、そのラウンド中に特定領域39へ遊技球を通過させることが容易となっている。
また、2R第2大当りとなった場合(第1特別図柄表示器41aに2R第2大当り図柄が停止表示された場合)には、1R〜2Rまでを、第2大入賞口35を最大28秒開放させる。また、1R目及び2R目における第2大入賞口35の開放パターンが特定領域39に遊技球を通過させるのが容易な開放パターンとされており、そのラウンド中に特定領域39へ遊技球を通過させることが容易となっている。また、2R第3大当りとなった場合(第1特別図柄表示器41aに2R第3大当り図柄が停止表示された場合)には、1R〜2Rまでを、第2大入賞口35を最大28秒開放させる。また、1R目及び2R目における第2大入賞口35の開放パターンが特定領域39に遊技球を通過させるのが困難な開放パターンとされており、そのラウンド中に特定領域39へ遊技球を通過させることは困難(不可能)となっている。また、2R第5大当りとなった場合(第2特別図柄表示器41bに2R第5大当り図柄が停止表示された場合)には、1R〜2Rまでを、第2大入賞口35の開放時間が夫々最大0.1秒と極短時間とされている(一瞬開閉)ため、そのラウンド中に第2大入賞口35に入球させること、すなわち、特定領域39へ遊技球を通過させることはほぼ不可能となっている。
また、15R第1大当り、15R第4大当り、及び、2R第5大当りに係る大当り遊技の終了後は、時短機能及び高ベース発生機能が作動するものとされ、2R第3大当りに係る大当り遊技の終了後は、時短機能及び高ベース発生機能が作動しないものとされる。また、2R第2大当りに係る大当り遊技の終了後の時短機能及び高ベース発生機能が作動状態は、2R第2大当りになった際、すなわち、2R大当り遊技の実行前と同じ作動状態とされる。また、第1小当りとなった場合(第1特別図柄表示器41aに第1小当り図柄が停止表示された場合)、及び、第2小当りとなった場合(第2特別図柄表示器41bに第2小当り図柄が停止表示された場合)には、第2大入賞口35において最大0.1秒間の開放を2回行う。すなわち、2R第5大当りの大当り遊技における2ラウンド目と同じ大入賞口を、同じ開放パターンで開放させる。
尚、第1特別図柄(特図1)の当否判定における各大当りへの振分確率は、15R第1大当りが40%、2R第2大当りが50%、2R第3大当りが10%となっている。これに対して、第2特別図柄(特図2)の当否判定における大当りは、15R第4大当りが75%、2R第5大当りが25%となっている。すなわち、後述の開放延長機能の作動(高ベース状態の発生)により入球容易となった第2始動口21への入球に基づく当否判定により大当りとなった場合には、比較的有利な大当り(15R第4大当り)が発生する可能性が高く設定されている。このように本パチンコ遊技機1では、第1始動口20に遊技球が入球して行われる当否判定(第1特別図柄の大当り抽選)において大当りとなるよりも、第2始動口21に遊技球が入球して行われる当否判定(第2特別図柄の大当り抽選)において大当りとなる方が、遊技者にとって有利となる可能性が高くなるように設定されている。すなわち、遊技者は、第2始動口21への入球を期待して遊技を行う。特に第2始動口21への入球頻度が高まる開放延長機能の作動中においては顕著である。
ここで本パチンコ遊技機1では、大当りか、小当りか、外れかの判定は「特別図柄当否判定用乱数(「当否判定用情報」ともいう)」に基づいて行われ、大当りとなった場合の大当りの種別の判定は「大当り種別決定用乱数(「図柄決定用乱数」、「図柄決定用情報」ともいう)」に基づいて行われる。この特別図柄当否判定、及び大当り種別決定判定を、夫々を「当否判定(判定)」ともいい、総じて「当否判定(判定)」ということもある。図7(A)に示すように、特別図柄当否判定用乱数は0〜629までの範囲で値をとる。大当り種別決定用乱数は、0〜99までの範囲で値をとる。尚、第1始動口20又は第2始動口21への入球に基づいて取得される乱数(取得情報)には、特別図柄当否判定用乱数及び大当り種別決定用乱数の他に、「リーチ乱数(「リーチ情報」ともいう)」及び「変動パターン乱数(「変動パターン情報」ともいう)」がある。
リーチ乱数は、特別図柄当否判定の結果が外れである場合に、演出図柄を用いてその結果を示す遊技演出(演出図柄遊技演出)においてリーチを発生させるか否かを決める乱数である。リーチとは例えば、左と右の2個の演出図柄8R、8Lが同じ図柄で停止(仮停止)され、残り1個の中演出図柄8Cが変動中の状態をいう(「7↓7」の状態)。そして、変動中の中演出図柄8Cが停止中の演出図柄8R、8Lと同じ図柄で停止すれば、3つの演出図柄が同一の図柄で停止することとなり、当りとなる。尚、この場合の演出図柄の停止(仮停止)には、演出図柄表示領域7b内で多少揺れているような表示(揺れ変動)も含まれる。このリーチ乱数は、0〜126までの範囲で値をとる。
また、変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。変動パターン乱数は、0〜198までの範囲で値をとる。また、ゲート28の通過に基づいて取得される乱数には、図7(B)に示す普通図柄当否判定用乱数がある。普通図柄当否判定用乱数は、第2始動口21を開放させる補助遊技を行うか否かの判定(普通図柄抽選)のための乱数である。普通図柄乱数は、0〜240までの範囲で値をとる。
次に、本実施例1のパチンコ遊技機1の遊技状態に関して説明する。パチンコ遊技機1は、特別図柄及び普通図柄に対する確率変動機能、変動時間短縮機能、及び、開放延長機能の各機能が作動状態又は非作動状態となる組合せにより、複数の遊技状態を有している。特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)について確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」といい、作動していない状態を「通常状態(「低確率状態」ともいう)」という。高確率状態では、特別図柄当否判定において大当りと判定される確率が通常状態よりも高くなっている。すなわち、通常状態では通常状態用の大当り判定テーブルを用いて当否判定を行うものの、高確率状態では、大当りと判定される特別図柄当否判定用乱数の値が多い高確率状態用の大当り判定テーブルを用いて、当否判定を行う(図8(A)参照)。つまり、特別図柄の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の変動表示の結果が大当りとなる(停止図柄が大当り図柄となる)確率が高くなる。
また、特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)について変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示の開始時から確定表示時までの時間)の平均値が、非時短状態における特別図柄の変動時間の平均値よりも短くなっている。すなわち、時短状態においては、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターンテーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(図9参照)。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入球(特図保留として記憶され得る入球)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当りを狙うことができる。
特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)についての確率変動機能と変動時間短縮機能とは同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普通図柄についての確率変動機能及び変動時間短縮機能は、特別図柄の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普通図柄の確率変動機能及び変動時間短縮機能は、特別図柄の時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。よって、時短状態では、普通図柄当否判定における当り確率が非時短状態よりも高くなっている。すなわち、当りと判定される普通図柄乱数(当り乱数)の値が非時短状態で用いる普通図柄当り判定テーブルよりも多い普通図柄当り判定テーブルを用いて、普通図柄当否判定(普通図柄の判定)を行う(図8(D)参照)。つまり、普通図柄表示器42の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、普通図柄の変動表示の結果が当りとなる(停止図柄が普通当り図柄となる)確率が高くなる。
また時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本実施例1では、普通図柄の変動時間は非時短状態では30秒であるが、時短状態では1秒である(図8(E)参照)。さらに時短状態では、補助遊技における第2始動口21の開放時間が、非時短状態よりも長くなっている。すなわち、可変入賞装置22の開放時間延長機能が作動している。加えて時短状態では、補助遊技における第2始動口21の開放回数が非時短状態よりも多くなっている。すなわち、可変入賞装置22の開放回数増加機能が作動している。具体的に、非時短状態において普通図柄当否判定の結果が当りになると、可変入賞装置22の開閉部材37が0.2秒の開放動作を1回行い、その期間第2始動口が開状態となる。また時短状態において普通図柄当否判定の結果が当りになると、可変入賞装置22の開閉部材37が2.0秒の開放動作を3回行うものとされる。
普通図柄についての確率変動機能及び変動時間短縮機能、並びに、可変入賞装置22の開放時間延長機能及び開放回数増加機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、第2始動口21が頻繁に開放され、第2始動口21へ遊技球の入球頻度が高くなる(「高頻度状態」ともいう)。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」といい、作動していない状態を「低ベース状態」という。高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当りを狙うことができる。
高ベース状態(高頻度状態)は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普通図柄についての確率変動機能及び変動時間短縮機能、並びに、可変入賞装置22の開放時間延長機能及び開放回数増加機能のうち少なくとも一つの機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも第2始動口が開放され易く(入球頻度が高く)なっていればよい。また、高ベース状態は、特別図柄の時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。この様な高ベース状態を発生する機能を「高ベース発生機能」ということもできる。
本実施例1のパチンコ遊技機1では、15R第1大当り及び15R第4大当りとなった場合の特別遊技後の遊技状態は、その特別遊技中に特定領域39の通過がなされていれば、特別図柄の高確率状態且つ特別図柄の時短状態、且つ高ベース状態となる(図6参照)。この遊技状態を特に、「高確高ベース状態」という。高確高ベース状態は、予め定められた回数(本実施例では、100回)の特別図柄の変動表示が実行されるか、又は、大当りとなって大当り遊技が実行されることにより終了する。
また、2R第3大当りとなった場合の特別遊技後の遊技状態は、その特別遊技中に特定領域39を通過することは極めて困難であるので、特別図柄の低確率状態且つ特別図柄の非時短状態、且つ低ベース状態となる(図6参照)。この遊技状態を特に、「低確低ベース状態(通常状態)」という。また、2R第5大当りとなった場合の特別遊技後の遊技状態は、その特別遊技中に特定領域39を通過することは極めて困難であるので、特別図柄の低確率状態且つ特別図柄の時短状態、且つ高ベース状態となる(図6参照)。この遊技状態を特に、「低確高ベース状態(「時短モード」ともいう)」という。低確高ベース状態は、所定回数(例えば100回)の特別図柄の変動表示が実行されるか、大当りにとなって、その大当り遊技が実行されることにより終了する。可能性は限りなく低いが、仮に特定領域39を通過した場合には、「高確高ベース状態」となる。
また、2R第2大当りとなった場合の特別遊技後の遊技状態は、その特別遊技中に特定領域39の通過がなされていれば、特別図柄の高確率状態となる。これに加えて、2R大当りとなった際のベース状態が低ベース状態であれば、特別図柄の非時短状態且つ低ベース状態、すなわち、「高確低ベース状態」となり、2R大当りとなった際のベース状態が高ベース状態であれば、特別図柄の時短状態且つ高ベース状態、すなわち、「高確高ベース状態」となる。
この高確低ベース状態は、高確率状態であることが潜伏している状態、すなわち高確率状態であることが遊技者にとって認識困難な状態である。つまり高確低ベース状態は、いわゆる「潜伏確変状態」である。また、このように現在の特別図柄当否判定の大当り確率が低確率か高確率か(低確率状態か高確率状態か)を報知しない状態を、「確率非報知状態」という。これに対して、前述の高確高ベース状態は、高確率状態であることが遊技者にとって明らかな状態である。つまり高確高ベース状態は、いわゆる「確変遊技状態(「確変モード」ともいう)」である。尚、パチンコ遊技機1を初めて遊技する場合において、電源投入後の遊技状態は、特別図柄の低確率状態且つ特別図柄の非時短状態、且つ低ベース状態、すなわち「低確低ベース状態」とされる。
高確高ベース状態や低確高ベース状態といった高ベース状態では、右打ちにより右遊技領域3Bへ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。これは、高ベース状態では、低ベース状態と比べて第2始動口21が開放され、第2始動口21への入球頻度が高くなっており、第1始動口20への入球よりも第2始動口21への入球の方が容易となっているからである。そのため、普通図柄当否判定の契機となるゲート28へ遊技球を通過させつつ、第2始動口21へ遊技球を入球させるべく右打ちを行う。これにより左打ちをするよりも、多数の始動入球(特別図柄当否判定の機会)を得ることができる。この状態のとき、発射方向表示器47が所定の態様で点灯制御され、右遊技領域3Bへ発射すべきことを報知する。
これに対して、高確低ベース状態や低確低ベース状態といった低ベース状態では、左打ちにより左遊技領域3Aへ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。これは、低ベース状態では、高ベース状態と比べて第2始動口21が開放されにくく、当該第2始動口21への入球頻度が低くなっており、第2始動口21への入球よりも第1始動口20への入球の方が容易となっているからである。そのため、第1始動口20へ遊技球を入球させるべく左打ちを行う。これにより右打ちするよりも、多数の始動入球(特別図柄当否判定の機会)を得ることができる。この状態のとき、発射方向表示器47が所定の態様で点灯制御(表示制御)され、左遊技領域3Aへ発射すべきことを報知する。
具体的には発射方向表示器47は、「yz」の2個のLEDで構成されており、遊技状態に応じてLEDを点灯させることにより発射方向を示すものである。例えば、低ベース状態では、「y□z□」(例えば、□:消灯、■:点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様として左遊技領域へ発射すべきことを報知することができる。また、高ベース状態では、「y■z■」(例えば、□:消灯、■:点灯とする)というように両LEDを点灯する表示態様として右遊技領域へ発射すべきことを報知することができる。
[主制御メイン処理]
次に、図10〜図37に基づいて遊技制御用マイコン81の動作(主制御部による制御処理)について説明する。尚、遊技制御用マイコン81の動作説明にて登場するカウンタ、フラグ、ステータス、バッファ等は、主制御基板80のRAMに設けられている。主制御基板80に備えられた遊技制御用マイコン81は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、主制御基板80のROMから図10に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず初期設定を行う(S101)。初期設定では例えば、スタックの設定、定数設定、割り込み時間の設定、主制御基板80のCPUの設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間用コントローラ)の設定や、各種のフラグ、ステータス及びカウンタのリセット等を行う。フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」であり、カウンタの初期値は「0」である。尚初期設定(S101)は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。尚、実施例1及び図面において、普通図柄を「普図」、特別図柄を「特図」、第1特別図柄を「特図1」「第1特図」、第2特別図柄を「特図2」「第2特図」ということがある。
初期設定(S101)に次いで、割り込みを禁止し(S102)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)では、図7に示した種々の乱数カウンタの値を1加算する更新を行う。各乱数カウンタの値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。尚各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。更新された乱数カウンタ値は主制御基板80のRAMの所定の更新値記憶領域(図示せず)に逐次記憶される。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)が終了すると、割り込みを許可する(S104)。割り込み許可中は、割り込み処理(S105)の実行が可能となる。この割り込み処理(S105)は、例えば4ms周期で主制御基板80のCPUに繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。そして、割り込み処理(S105)が終了してから、次に割り込み処理(S105)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。尚、割り込み禁止状態のときにCPUに割り込みパルスが入力された場合は、割り込み処理(S105)はすぐには開始されず、割り込み許可(S104)がされてから開始される。
[割り込み処理]
次に、割り込み処理(S105)について説明する。図11に示すように、割り込み処理(S105)では、まず出力処理(S201)を実行する。出力処理(S201)では、以下に説明する各処理において主制御基板80のRAMに設けられた出力バッファにセットされたコマンド(制御信号)等を、サブ制御基板90や払出制御基板110等に出力する。ここで出力するコマンド等には、遊技状態、特別図柄当否判定の結果、大当り種別としての図柄、変動パターン等に関する情報等が挙げられる。尚コマンドは、例えば2バイトの情報からなる。上位1バイトは、コマンドの種類に関する情報であり、下位1バイトはコマンドの内容に関する情報である。
出力処理(S201)に次いで行われる入力処理(S202)では、主にパチンコ遊技機1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、一般入球口センサ27a等(図5参照))が検知した検知信号を読み込み、賞球情報としてRAMの出力バッファに記憶する。また、下皿62の満杯を検知する下皿満杯検知センサからの検知信号も取り込み、下皿満杯データとしてRAMの出力バッファに記憶する。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S203)は、図10の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)と同じである。即ち、図7に示した各種乱数カウンタ値(普通図柄乱数カウンタ値も含む)の更新処理は、タイマ割り込み処理(S105)の実行期間と、それ以外の期間(割り込み処理(S105)の終了後、次の割り込み処理(S105)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S203)に次いで、後述する始動口センサ検知処理(S204)、普図動作処理(S205)、特図動作処理(S206)、特定領域センサ検知処理(S207)、始動入球時処理(S208)、及び電源断監視処理(S209)を実行する。その後、本発明に深く関連しないその他の処理(S210)を実行して、割り込み処理(S105)を終了する。そして、次に主制御基板80のCPUに割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のS102〜S104の処理が繰り返し実行され(図10参照)、割り込みパルスが入力されると(約4ms後)、再び割り込み処理(S105)が実行される。再び実行された割り込み処理(S105)の出力処理(S201)においては、前回の割り込み処理(S105)にてRAMの出力バッファにセットされたコマンド等が出力される。
[始動口センサ検知処理]
図12に示すように、始動口センサ検知処理(S204)ではまず、ゲート28に遊技球が通過したか否か、即ち、ゲートセンサ28aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S301)。ゲート28を遊技球が通過していれば(S301でYES)、普通図柄保留球数(普図保留の数、具体的にはRAMに設けた普図保留の数をカウントするカウンタの値)が4以上であるか否か判定し(S302)、遊技球がゲート28を通過していなければ(S301でNO)、S305に進む。
普通図柄保留球数が4以上であれば(S302でYES)、S305に進む。一方、普通図柄保留球数が4以上でなければ(S302でNO)、普通図柄保留球数に「1」を加算し(S303)、普通図柄乱数取得処理(S304)を行う。普通図柄乱数取得処理(S304)では、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−H、図7(B))を取得し、その取得乱数値(取得情報)を、主制御基板80のRAMに設けられた普図保留記憶部のうち現在の普通図柄保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
S305では、第2始動口21に遊技球が入球したか否か、即ち、第2始動口センサ21aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S305)。第2始動口21に遊技球が入球していない場合(S305でNO)にはS309に進むが、第2始動口21に遊技球が入球した場合には(S305でYES)、特図2保留球数(第2特図保留の数、具体的には主制御部80のRAMに設けた第2特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が4個(上限数)に達しているか否か判定する(S306)。そして、特図2保留球数が4個に達している場合(S306でYES)には、S309に進むが、特図2保留球数が4個未満である場合には(S306でNO)、特図2保留球数に1を加算する(S307)。
続いて特図2関係乱数取得処理(S308)を行う。特図2関係乱数取得処理(S308)では、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−A)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−AS)、リーチ乱数カウンタの値(ラベル−TRND−RC)及び変動パターン乱数カウンタの値(ラベル−TRND−T1)を取得し(つまり図7(A)に示す乱数の値を取得し)、それら取得乱数値(取得情報)を第2特図保留記憶部85bのうち現在の特図2保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
続いて始動口センサ検知処理(S204)では、第1始動口20に遊技球が入球したか否か、即ち、第1始動口センサ20aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S309)。第1始動口20に遊技球が入球していない場合(S309でNO)には処理を終えるが、第1始動口20に遊技球が入球した場合には(S309でYES)、特図1保留球数(第1特図保留の数、具体的には主制御部80のRAMに設けた第1特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が4個(上限数)に達しているか否か判定する(S310)。そして、特図1保留球数が4個に達している場合(S310でYES)には、処理を終えるが、特図1保留球数が4個未満である場合には(S310でNO)、特図1保留球数に「1」を加算する(S311)。
続いて特図1関係乱数取得処理(S312)を行う。特図1関係乱数取得処理(S312)では、特図2関係乱数取得処理(S308)と同様に、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている特別図柄当否判定用カウンタの値(ラベル−TRND−A)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−AS)、リーチ乱数カウンタの値(ラベル−TRND−RC)及び変動パターン乱数カウンタの値(ラベル−TRND−T1)を取得し(つまり図7(A)に示す乱数値を取得し)、それら取得乱数値を第1特図保留記憶部85aのうち現在の特図1保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
[普図動作処理]
遊技制御用マイコン81は、始動口センサ検知処理(S204)に次いで、図13に示す普図動作処理(S205)を行う。普図動作処理(S205)では、普通図柄表示器42及び可変入賞装置22に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「普図動作ステータス1、2、3、4」を割り当てている。そして、「普図動作ステータス」が「1」である場合には(S401でYES)、普通図柄待機処理(S402)を行い、「普図動作ステータス」が「2」である場合には(S401でNO、S403でYES)、普通図柄変動中処理(S404)を行い、「普図動作ステータス」が「3」である場合には(S401、S403で共にNO、S405でYES)、普通図柄確定処理(S406)を行い、「普図動作ステータス」が「4」である場合には(S401、S403、S405の全てがNO)、普通電動役物処理(S407)を行う。尚普図動作ステータスは、初期設定では「1」である。
[普通図柄待機処理]
図14に示すように、普通図柄待機処理(S402)ではまず、普通図柄の保留球数が「0」であるか否かを判定し(S501)、「0」であれば(S501でYES)この処理を終える。一方「0」でなければ(S501でNO)、後述の普通図柄当否判定処理を行う(S502)。また、普通図柄当否判定処理(S502)に次いで、普通図柄変動パターン選択処理を行う(S503)。普通図柄変動パターン選択処理では、図8(E)に示す普通図柄変動パターン選択テーブルを参照して、遊技状態が時短状態であれば、普通図柄の変動時間が1秒の普通図柄変動パターンを選択する。一方、遊技状態が非時短状態であれば、普通図柄の変動時間が30秒の普通図柄変動パターンを選択する。また普通図柄変動パターン選択処理に次いで後述の普通図柄乱数シフト処理(S504)を行う。また、普通図柄乱数シフト処理(S504)に次いで、普通図柄変動開始処理を行い(S505)、処理を終える。普通図柄変動開始処理では、S503で選択した普通図柄変動パターンにて普通図柄の変動表示を開始するとともに、普通動作ステータスを「2」にセットする。また普通図柄変動開始処理では、サブ制御基板90に普通図柄の変動開始を知らせるため、普通図柄変動開始コマンドをセットする。
[普通図柄当否判定処理]
図15に示すように、普通図柄当否判定処理(S502)ではまず、普図保留記憶部に格納されている普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−H)を読み出す(S601)。次いで、時短フラグがONか否か(すなわち遊技状態が時短状態であるか否か)を判定する(S602)。S602で、時短フラグがONである、すなわち時短状態であると判定された場合(S602でYES)、図8(D)に示す普通図柄当り判定テーブルのうち時短状態用のテーブル(当り判定値が「0」〜「239」)に基づく高確率普図当否判定により、当りか否かを判定し(S604)、S605の処理に移行する。すなわち、読み出した普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−H)が当り判定値の何れかと一致するか否かを判定する。一方、S602で、時短フラグがONでない、すなわち、非時短状態であると判定された場合(S602でNO)、図8(D)に示す普通図柄当り判定テーブルのうち非時短状態用のテーブル(当り判定値が「0」、「1」)に基づく低確率普図当否判定により、当りか否かを判定し(S603)、S605の処理に移行する。
そして、S605で、普図当否判定(S603、S604)の結果が、当り(普図当り)か否かを判定し(S605)、外れと判定された場合(S605でNO)、停止表示する外れ普通図柄(普図外れ図柄)を決定し(S606)、処理を終える。一方、S605で当り(普図当り)と判定された場合(S605でYES)、停止表示する当り普通図柄(普図当り図柄)を決定し(S607)、普図当りフラグをONにして(S608)、処理を終える。
[普通図柄乱数シフト処理]
普通図柄変動パターン選択処理(S503)に次いで普通図柄乱数シフト処理(S504)を実行する。図16に示すように、普通図柄乱数シフト処理(S504)ではまず、普通図柄保留球数を1ディクリメントする(S701)。次いで、普図保留記憶部における各普図保留の格納場所を、現在の位置から読み出される側に一つシフトする(S702)。そして、普図保留記憶部における最上位の保留記憶の格納場所であるアドレス空間を空(「0」)にして、即ち普図保留の4個目に対応するRAM領域を0クリアして(S703)、処理を終える。このようにして、普図保留が保留順に消化されるようにしている。
[普通図柄変動中処理]
図17に示すように、普通図柄変動中処理(S404)ではまず、普通図柄の変動時間が経過したか否か判定し(S801)、経過していなければ(S801でNO)処理を終える。一方、経過していれば(S801でYES)、普通図柄変動停止コマンドをセットする(S802)とともに、普図動作ステータスを「3」にセットする(S803)。そして、普通図柄の変動表示を、普通図柄当否判定用乱数の判定結果に応じた表示結果(当り普通図柄又は外れ普通図柄)で停止させる等のその他の処理を行ってから(S804)、この処理を終える。
[普通図柄確定処理]
図18に示すように、普通図柄確定処理(S406)ではまず、普図当りフラグがONであるか否かを判定する(S901)。普図当りフラグがONでなければ(S901でNO)、普図動作ステータスを「1」にセットして(S905)、この処理を終える。一方、普図当りフラグがONであれば(S901でYES)、続いて時短フラグがONであるか否か、すなわち時短状態中か否かを判定する(S902)。そして時短状態中であれば(S902でYES)、可変入賞装置22(第2始動口21)の開放パターンとして時短状態中の開放パターンをセットする(S903)。時短状態中の開放パターンとは、前述の通り、2.0秒の開放を3回繰り返す開放パターンである。従って、第2始動口21の開放回数をカウントする第2始動口開放カウンタに「3」をセットする。
これに対して、非時短状態中であれば(S902でNO)、可変入賞装置22(第2始動口21)の開放パターンとして非時短状態中の開放パターンをセットする(S906)。非時短状態中の開放パターンとは、前述の通り、0.2秒の開放を1回行う開放パターンである。従って、第2始動口開放カウンタに「1」をセットする。そして、開放パターンのセット(S903、S906)に続いて、普図動作ステータスを「4」にセットし(S904)、この処理を終える。
[普通電動役物処理]
図19に示すように、普通電動役物処理(S407)ではまず、普図当り終了フラグがONであるか否かを判定する(S1001)。普図当り終了フラグは、当りとなって実行された補助遊技において、第2始動口21の開放が終了したことを示すフラグである。
普図当り終了フラグがONでなければ(S1001でNO)、第2始動口21の開放中か否かを判定する(S1002)。開放中でなければ(S1002でNO)、第2始動口21を開放させる時期(タイミング)に至ったか否かを判定し(S1003)、至っていなければ(S1003でNO)処理を終え、至っていれば第2始動口21を開放させ(S1004)、処理を終える。一方、第2始動口21の開放中であれば(S1002でYES)、第2始動口21を閉鎖させる時期(タイミング)に至ったか否か(すなわち第2始動口21を開放してから予め定められた開放時間が経過したか否か)を判定し(S1005)、至っていなければ(S1005でNO)処理を終え、至っていれば(S1005でYES)第2始動口21を閉状態(閉鎖)とする(S1006)。
そして第2始動口21の閉鎖処理(S1006)に次いで、第2始動口開放カウンタの値を1ディクリメントし(S1007)、第2始動口開放カウンタの値が「0」であるか否か判定する(S1008)。「0」でなければ(S1008でNO)、再び第2始動口21を開放させるためにそのまま処理を終える。一方「0」であれば(S1008でYES)、補助遊技を終了させる普図当り終了処理を行う(S1009)とともに、普図当り終了フラグをセットして(S1010)処理を終える。尚、第2始動口開放カウンタは、時短状態中であれば第2始動口21の開放(可動部材23の開放動作)が3回なされると「0」になり、非時短状態中であれば第2始動口21の開放が1回なされると「0」になる。
これに対してS1001において普図当り終了フラグがONであれば(S1001でYES)、S903又はS906にてセットされた回数の第2始動口21の開放動作は終了しているので、普図当り終了フラグをOFFするとともに(S1011)、普図当りフラグをOFFし(S1012)、普図動作ステータスを「1」にセットして(S1013)処理を終える。これにより、次回の割り込み処理において、普図動作処理(図13)として再び普通図柄待機処理(S402)が実行されることになる。
[特図動作処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、普図動作処理(S205)に次いで特図動作処理(S206)を行う。特図動作処理(S206)では、図20に示すように、特別図柄表示器41及び大入賞装置(第1大入賞装置31及び第2大入賞装置36)に関する処理を5つの段階に分け、それらの各段階に「特図動作ステータス1、2、3、4、5」を割り当てている。そして、「特図動作ステータス」が「1」である場合には(S1101でYES)、特別図柄待機処理(S1102)を行い、「特図動作ステータス」が「2」である場合には(S1101でNO、S1103でYES)、特別図柄変動中処理(S1104)を行い、「特図動作ステータス」が「3」である場合には(S1101、S1103で共にNO、S1105でYES)、特別図柄確定処理(S1106)を行い、「特図動作ステータス」が「4」である場合には(S1101、S1103、S1105で共にNO、S1107でYES)、大当り遊技としての特別電動役物処理1(S1108)を行い、「特図動作ステータス」が「5」である場合には(S1101、S1103、S1105、S1107の全てがNO)、小当り遊技としての特別電動役物処理2(S1109)を行う。尚、特図動作ステータスは、初期設定では「1」である。
[特別図柄待機処理]
図21に示すように、特別図柄待機処理(S1102)ではまず、第2始動口21の保留球数(即ち特図2保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1201)。特図2保留球数が「0」である場合(S1201でYES)、即ち、第2始動口21への入球に起因して取得した乱数カウンタ値の記憶がない場合には、第1始動口20の保留球数(即ち特図1保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1206)。そして、特図1保留球数も「0」である場合(S1206でYES)、即ち、第1始動口20への入球に起因して取得した乱数カウンタ値の記憶もない場合には、画像表示装置7の表示画面7aを待機画面とする処理中(客待ち用のデモ画面の実行中)であるか否かを判定し(S1211)、そうであれば(S1211でYES)処理を終え、そうでなければ(S1211でNO)待機画面を表示するために待機画面設定処理を実行する(S1212)。
S1201において特図2保留球数が「0」でない場合(S1201でNO)、即ち、第2始動口21への入球に起因して取得した乱数カウンタ値の記憶が1つ以上ある場合には、後述の特図2当否判定処理(S1202)、特図2変動パターン選択処理(S1203)、特図2乱数シフト処理(S1204)、特図2変動開始処理(S1205)をこの順に行う。また、特図2保留球数が「0」であるが特図1保留球数が「0」でない場合(S1201でYES、S1206でNO)、即ち、第2始動口21に係る乱数カウンタ値の記憶はないが、第1始動口20への入球に起因して取得した乱数カウンタ値の記憶が1つ以上ある場合には、後述の特図1当否判定処理(S1207)、特図1変動パターン選択処理(S1208)、特図1乱数シフト処理(S1209)、特図1変動開始処理(S1210)をこの順に行う。このように本実施例1では、第1特図保留に基づく第1特別図柄の変動表示は、第2特図保留が「0」の場合(S1201でYESの場合)に限って行われる。すなわち第2特図保留の消化(第2特別図柄の変動表示)は、第1特図保留の消化(第1特別図柄の変動表示)に優先して実行される。そして本実施例1では、第2特図保留に基づく当否判定の方が、第1特図保留に基づく当否判定よりも、遊技者にとって利益の大きい大当りになりやすくなっている(図8(B))。
[特図2当否判定処理]
図22に示すように、特図2当否判定処理(S1202)ではまず、判定値として、RAMの第2特図保留記憶部85bの最下位の領域(即ち第2特図保留の1個目に対応するRAM領域)に記憶されている(最も古い記憶の)特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−A)を読み出す(S1301)。次いで、確変フラグがONか否か、すなわち高確率状態であるか否かを判定する(S1302)。そして、高確率状態でなければ(S1302でNO)、すなわち通常状態であれば、大当り判定テーブル(図8(A))のうち通常状態用の大当り判定テーブル(大当り判定値が「3」及び「397」)に基づいて当否判定を行う(S1303)。一方、高確率状態であれば(S1302でYES)、大当り判定テーブル(図8(A))のうち高確率状態用の大当り判定テーブルに基づいて当否判定を行う(S1307)。高確率状態用の大当り判定テーブルでは、大当り判定値は、「3」、「53」、「113」、「173」、「227」、「281」、「337」、「397」、「449」、「503」とされている。
大当り判定(S1303、S1309)の結果が「大当り」と判定された場合(S1304でYES)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−AS)を読み出して、図8(B)に示す大当り種別判定テーブルに基づいて大当り種別を判定し(S1310)、当該大当り種別決定用乱数の値に基づいて大当り図柄を決定し(S1311)、大当りフラグをONにして(S1312)、処理を終える。尚、第1特別図柄に係る当否判定の場合は、第1特別図柄用の大当り種別判定テーブルを用いて大当り種別を判定し、第2特別図柄に係る当否判定の場合は、第2特別図柄用の大当り種別判定テーブルを用いて大当り種別を判定する。また、第1特別図柄(特図1)の当否判定にて大当りと判定された場合は、15R第1大当り、2R第2大当り及び2R第3大当りのうち何れかが実行される。また、第2特別図柄(特図2)の当否判定にて大当りと判定された場合は、15R第4大当り及び2R第5大当りの何れかが実行される(図8(B))。
また、大当りフラグには、大当りの種別が15R第1大当りおよび15R第4大当りであった場合にONする長当りフラグと、2R第2大当り及び2R第3大当りであった場合にONする短当りフラグとがある。ここで、ラウンド表示器45は、2R用ランプと15R用ランプとの2個のLEDで構成されており、2R第2大当り又は2R第3大当りとなって短当りフラグがONにされると、2R第2大当り図柄又は2R第3大当り図柄が確定表示するタイミングで、2R用ランプの方が点灯表示される。具体的には、「2R▲15R△」(例えば、▲:点灯、△:消灯とする)の様な表示態様となる。また、15R第1大当り及び15R第4大当りの何れかとなって長当りフラグがONにされると、対応する大当り図柄が確定表示するタイミングで、15R用ランプの方が点灯表示される。具体的には、「2R△15R▲」の様な表示態様となる。
一方、大当り判定(S1303、S1307)の結果が「大当り」でないと判定された場合(S1304でNO)、小当りか否かを判定する(S1305)。すなわち、特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−A)が、小当り判定値である「101」〜「105」の何れかと一致するか否か判定する(図8(A))。そして、小当りでないと判定された場合(S1305でNO)、外れ図柄を決定し(S1308)、処理を終える。小当りであると判定された場合(S1305でYES)、小当り図柄を決定し(S1306)、小当りフラグをONにして(S1306)、処理を終える。尚、小当りか否かを決める乱数を、特別図柄当否判定用乱数とは別に設けてもよい。
[特図2変動パターン選択処理]
特別図柄待機処理(図21)では、特図2当否判定処理(S1202)に次いで、特図2変動パターン選択処理を行う(S1203)。図23及び図24に示すように、特図2変動パターン選択処理(S1203)ではまず、遊技状態が時短状態か否か(時短フラグがONか否か)を判定する(S1401)。そして、時短状態でなければ(S1401でNO)、すなわち非時短状態であれば、大当りフラグがONか否かを判定する(S1402)。S1402で、大当りフラグがONであると判定した場合(S1402でYES)、大当りの種別が15R大当り(15R第4大当り)であるか否かを判定する(S1417)。そして15R大当りである場合には(S1417でYES)、非時短状態中15R大当り用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態且つ長当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1403)。具体的には、変動パターンP1又は変動パターンP2が選択される。
一方、S1417において15R大当りでないと判定した場合(S1417でNO)、即ち2R第5大当りである場合には、非時短状態中2R大当り用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態且つ短当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1706)。具体的には、変動パターンP3が選択される。尚、変動パターンが決まれば変動時間も決まる。また本実施例1では、非時短状態中大当り用テーブルは、大当りが長当り(15R大当り)か短当り(2R大当り)かによっても分かれている。尚、非時短状態中大当り用テーブルは、長当り用と短当り用とに分かれていなくてもよい。これは後述の時短状態中大当り用テーブルについても同様である。
一方、大当りフラグがONでなければ(S1402でNO)、小当りフラグがONか否かを判定する(S1405)。そして、小当りフラグがONであれば(S1405でYES)、非時短状態中小当り用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態且つ小当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1409)。具体的には、本実施例1では必ず変動パターンP4が選択される。
また、小当りフラグがONでなければ(S1405でNO)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RC)がリーチ成立乱数値か否かを判定する(S1406)。図8(C)に示すように、リーチ成立乱数値は時短状態であれば「0」〜「5」であり、非時短状態であれば「0」〜「13」である。すなわち、時短状態の方が非時短状態よりも外れ時のリーチがかかりにくくなっている。これは、時短状態において変動時間の短いリーチ演出無し外れがより多く選択されようにすることで、特図保留の消化スピードを早めるためである。
リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RC)がリーチ成立乱数値である場合(S1406でYES)、即ち、リーチ有外れの場合には、非時短状態中リーチ有外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態且つリーチ有外れに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1407)。本実施例1では、変動パターンP5又はP6が選択される。
リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RC)がリーチ成立乱数値でない場合(S1406でNO)、即ち、リーチ無外れの場合には、非時短状態中リーチ無外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態且つリーチ無外れに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1408)。このリーチ無外れ時には、保留球数に応じた短縮変動の機能が働くようになっている。すなわち、特別図柄の保留球数が「3」又は「4」であるときは、特別図柄の保留球数が「0」〜「2」であるときに比して変動時間の短い変動パターンが選択されるようになっている。本実施例1では、変動パターンP7又はP8が選択される。
またS1401において、遊技状態が時短状態であると判定した場合(S1401でYES)には、図24に示すように、参照する変動パターンテーブルを時短状態中用のテーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態に該当する部分)にする事以外は、上記ステップS1402〜S1609と同様の流れで処理(S1410〜S1416)を行う。すなわち、大当りであれば図9の時短状態中且つ大当りに該当する部分を参照し、小当りであれば図9の時短状態中且つ小当りに該当する部分を参照し、リーチ有外れであれば図9の時短状態中且つリーチ有外れに該当する部分を参照し、リーチ無外れであれば図9の時短状態中且つリーチ無外れに該当する部分を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する。
尚、時短状態中の変動パターンテーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態に該当する部分)では、リーチ無外れ時の保留球数に応じた短縮変動の機能が保留球数「2」〜「4」のときに働く。すなわち、非時短状態中よりも短縮変動が選択され易くなっている。また、大当りのうち長当りに当選した場合に、非時短状態中よりも変動時間の短い変動パターンが選択され易くなっている。つまり、時短状態中の変動パターンテーブルは、非時短状態中の変動パターンテーブルよりも特別図柄の変動時間の平均値が短くなるようなテーブルとなっている。
前述のようにして変動パターンの選択を行った後は、図23に示すその他の処理(S1404)を行ってこの処理を終える。尚、その他の処理(S1404)では、選択した変動パターンに応じた変動パターン指定コマンドをRAMの出力バッファにセットする。セットした変動パターン指定コマンドは、後述の変動開始コマンドに含められて、出力処理(S201)によりサブ制御基板90に送られる。
[特図2乱数シフト処理]
図25に示すように、特図2乱数シフト処理(S1204)ではまず、特図2保留球数を1ディクリメントする(S1501)。次いで、第2特図保留記憶部85bにおける各種カウンタ値の格納場所を、1つ下位側(例えば第2特図保留記憶部85bがアドレス「0000」〜「0003」に対応するアドレス空間からなる場合、アドレス「0000」側)にシフトする(S1502)。そして、第2特図保留記憶部85bの最上位のアドレス空間に「0」をセットして、即ち、(上限数まで記憶されていた場合)第2特図保留の4個目に対応するRAM領域を0クリアして(S1503)、この処理を終える。
特図2乱数シフト処理(S1204)を実行した後は、図21の特図2変動開始処理(S1205)を実行する。特図2変動開始処理(S1205)では、特図動作ステータスを「2」にセットすると共に、変動開始コマンドをRAMの出力バッファにセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。
図21の特別図柄待機処理(S1102)において、特図2保留球数が「0」であり、且つ、特図1保留球数が「0」でない場合(S1201でYES、S1206でNO)には、特図1当否判定処理(S1207)、特図1変動パターン選択処理(S1208)、特図1乱数シフト処理(S1209)、特図1変動開始処理(S1210)をこの順に行う。
[特図1当否判定処理]
図26に示すように、特図1当否判定処理(S1207)では、図22に示した特図2当否判定処理(S1202)と同様の流れで処理(S1601〜S1609)を行う。従って本処理の詳細な説明は省略する。但し、本処理は特図1に関する処理であるので、S1601では、RAMの第1特図保留記憶部85aの最下位の領域(即ち第1特図保留の1個目に対応するRAM領域)に記憶されている特別図柄当否判定用乱数カウンタ値(ラベル−TRND−A)を読み出す。またS1608における大当りの種別判定では、15R第1大当り、15R第2大当り、及び2R第3大当りのいずれとも判定される可能性がある(図8(B))。図8(B)の第1特別図柄(特図1)の欄に示すように、各大当りの振分率は、15R第1大当りが40%、15R第2大当りが50%、2R第3大当りが10%となっている。この大当りの種別判定で15R第1大当り又は15R第2大当りと判定された場合には、ステップS1609において大当りフラグとして長当りフラグをONする。一方、2R第3大当りと判定された場合には、S1609において大当りフラグとして短当りフラグをONする。
[特図1変動パターン選択処理]
図27及び図28に示すように、特図1変動パターン選択処理(S1208)では、図23及び図24に示した特図2変動パターン選択処理(S1403)と同様の流れで処理(S1701〜S1720)を行う。従って本処理の詳細な説明は割愛する。
但し、本処理は特図1に関する処理であるので、S1702(図27)でYESの場合(すなわち大当りフラグがONの場合)には、さらに大当りの種別が15R大当り(15R第1大当り)であるか否かを判定する(S1703)。そして15R大当りである場合には(S1703でYES)、非時短状態中15R大当り用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態且つ長当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1704)。具体的には、変動パターンP1又は変動パターンP2が選択される。
一方、S1703において15R大当りでないと判定した場合(S1703でNO)、すなわち、2R第2大当り又は2R第3大当りである場合には、非時短状態中2R大当り用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態且つ短当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1706)。具体的には、変動パターンP3が選択される。
また、この特図1変動パターン選択処理では、S1712(図28)でYESの場合(すなわち大当りフラグがONの場合)にも、さらに大当りの種別が15R大当り(15R第1大当り)であるか否かを判定する(S1713)。そして15R大当りである場合には(S1713でYES)、時短状態中15R大当り用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態且つ長当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1714)。具体的には、変動パターンP9〜P11のいずれかが選択される。
一方、S1713において15R大当りでないと判定した場合(S1713でNO)、すなわち、2R第2大当り又は2R第3大当りである場合には、時短状態中2R大当り用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態且つ短当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1715)。具体的には、変動パターンP12が選択される。
この特図1変動パターン選択処理において、変動パターンの選択(S1704、S1706、S1709、S1710、S1711、S1714、S1715、S1718、S1719、S1720)を行った後は、その他の処理(S1705、図27)を行って、この処理を終える。その他の処理(S1705)では、選択した変動パターンに応じた変動パターン指定コマンドをRAMの出力バッファにセットする。セットした変動パターン指定コマンドは、後述の変動開始コマンドに含められて、出力処理(S201)によりサブ制御基板90に送られる。
[特図1乱数シフト処理]
図29に示すように、特図1乱数シフト処理(S1209)ではまず、特図1保留球数を1ディクリメントする(S1801)。次いで、第1特図保留記憶部85aにおける各種カウンタ値の格納場所を、1つ下位側にシフトする(S2002)。そして、第1特図保留記憶部85aの最上位のアドレス空間に「0」をセットして、即ち、(上限数まで記憶されていた場合)第1特図保留の4個目に対応するRAM領域を0クリアして(S1803)、この処理を終える。
特図1乱数シフト処理(S1209)を実行した後は、図21の特図1変動開始処理(S1210)を実行する。特図1変動開始処理(S1210)では、特図動作ステータスを「2」にセットすると共に、変動開始コマンドをRAMの出力バッファにセットして、第1特別図柄の変動表示を開始する。
[特別図柄変動中処理]
図30に示すように、特別図柄変動中処理(S1104)ではまず、特別図柄の変動時間(図21のS1203又はS1208で選択された変動パターンに応じて決まる変動時間、図9参照)が経過したか否かを判定する(S1901)。変動時間が経過していないと判定した場合(S1901でNO)、処理を終える。これにより特別図柄の変動表示が継続される。
一方、変動時間が経過したと判定した場合(S1901でYES)、変動停止コマンドをセットする(S1902)。そして、確変フラグがONか否か判定し(S1903)、ONであれば(S1903でYES)、確変カウンタを1減算し(S1904)、確変カウンタの値が「0」か否かを判定する(S1905)。S1905で確変カウンタが「0」であると判定した場合、確変フラグをOFFし、S1907の処理に移行する。一方、確変フラグがONでないと判定した場合(S1903でNO)、及び確変カウンタが「0」でないと判定した場合(S1905でNO)、S1907の処理に移行する。
そしてS1907では、時短フラグがONか否かを判定し(S1907)、時短フラグがONであると判定した場合(S1907でYES)、時短状態中に実行した特別図柄の変動表示回数をカウントする時短カウンタの値を1減算し(S1908)、時短カウンタの値が「0」か否かを判定し(S1909)、「0」であれば(S1909でYES)、時短フラグをOFFにし(S1910)、S1911の処理に進む。また、時短フラグがONでないと判定した場合(S1907でNO)、及び時短カウンタの値が「0」でないと判定した場合(S1909でNO)、S1911の処理に進む。
S1911では、特図動作ステータスを「3」にセットする(S1911)。そして、特別図柄の変動表示を、特別図柄当否判定乱数及び大当り種別決定用乱数の判定結果に応じた結果で停止させる等のその他の処理を行い(S1912)、この処理を終える。
[特別図柄確定処理]
図31に示すように、特別図柄確定処理(S1106)ではまず、大当りフラグがONであるか否かを判定する(S2001)。大当りフラグがONであれば(S2001でYES)、続いて大当りの種別が15R大当り(15R第1大当り又は15R第4大当り)か否かを判定する(S2002)。S2002で、大当りの種別が15R大当りであると判定した場合(S2002でYES)、大当り遊技中に実行するラウンドの回数をカウントするラウンドカウンタの値に「15」をセットし(S2003)、S2005の処理に移行する。一方、S2002で、大当りの種別が15R大当りでないと判定した場合(S2002でNO)、すなわち、この場合の大当りの種別は、2R大当りであるので、ラウンドカウンタの値に「2」をセットし(S2004)、S2005の処理に移行する。
S2005では、大当りの種類に応じた大入賞口開放パターンをセットし(S2005)、S2006の処理に移行する。ここで、大入賞口の開放パターンは、大当りの種別に応じて定められており(図6参照)、本実施例では、特定のラウンドにおいて開閉動作する大入賞口を固定化している。具体的に、何れの大当りにおいても、1ラウンド及び2ラウンドは第2大入賞口35を開閉し、(3ラウンド以上の大当りであれば)3ラウンド〜15ラウンドは第1大入賞口30を開閉するものとしている。一方で、異なる大当りの種別において、特定のラウンドにおいて同じ大入賞口(例えば、1ラウンド目は第2大入賞口35)を開閉させるものの、その開閉パターン(開放パターン)は異なる場合がある。
すなわち、本実施例では、大当りの種別毎に、大入賞口の開放パターンが定められている。具体的には、15R第1大当りであれば、15R第1大当り用の開放パターンをセットし、15R第1大当り遊技の実行中に当該15R第1大当り用の開放パターンを実行するものとされる。また、2R第2大当りであれば2R第2大当り用の開放パターンをセットし、2R第3大当りであれば2R第3大当り用の開放パターンをセットし、15R第4大当りであれば15R第4大当り用の開放パターンをセットし、2R第5大当りであれば2R第5大当り用の開放パターンをセットする。そして、夫々の大当り遊技において対応する大当り用開放パターンを実行する。
S2006では、大当り遊技を開始するべく、大当りのオープニングコマンドをセットする(S2006)。オープニングコマンドは、大当りの種別によって定められており、15R大当り(15R第1大当り、15R第2大当り及び15R第4大当り)用オープニングコマンド、2R第3大当り用オープニングコマンド等、各大当りに対応して夫々設けられている。そして、セットされたオープニングコマンドによって、その後、対応するオープニング期間が実行される。具体的に、15R大当りの場合には、オープニング期間として5000msの期間が設定され、2R大当りの場合には、オープニング期間として900msの期間が設定される。そして、主制御部80は、セットしたオープニングコマンドを、出力処理(S201)により、所定のタイミングでサブ制御部90に対して送信し、当該オープニングコマンドを受信したサブ制御部90では、オープニング期間に対応した所定の遊技演出を行うものとされる。また、S2007では、大当り遊技のオープニング期間を開始し(S2007)、特図動作ステータスを「4」にセットする(S2008)。
また、S2001において大当りフラグがONでないと判定された場合(S2001でNO)、次いで、小当りフラグがONであるか否かを判定する(S2009)。小当りフラグがONであれば(S2009でYES)、小当り用開放パターンをセットし(S2010)、S2011の処理に移行する。ここで、小当りの開放パターンは、第2大入賞口35を0.1秒の開放時間で、2回開閉するものとしている。これは、2R第5大当りの開放パターンと同様のパターンとされている。S2011では、小当り遊技を開始するべく、小当り遊技のオープニングコマンドをセットすると共に(S2011)、小当り遊技のオープニング期間を開始し(S2012)、特図動作ステータスを「5」にセットする(S2013)。ここで、大当りとは異なる小当り用のオープニングコマンドを有しており、オープニング期間として900msの期間が設定される。そして、主制御部80は、セットした小当り用オープニングコマンドを、出力処理(S201)により、所定のタイミングでサブ制御部90に対して送信し、当該小当り用オープニングコマンドを受信したサブ制御部90では、オープニング期間に対応した所定の遊技演出を行うものとされる。尚、S2009において、小当りフラグがONでないと判定した場合(S2009でNO)、大当り遊技も小当り遊技も開始しないため、特図動作ステータスを「1」にセットし(S2014)、処理を終える。
[特別電動役物処理1(大当り遊技)]
図32に示すように、特別電動役物処理1(S1108)ではまず、確変フラグがONか否かを判定し(S2101)、確変フラグがONであると判定した場合(S2101でYES)、確変フラグをOFFし(S2102)、次いで、時短フラグがONか否かを判定する(S2103)。S2103で、時短フラグがONであると判定した場合(S2103でYES)、時短フラグをOFFし(S2104)、S2105の処理に移行する。尚、S2101でNOと判定された場合、確変フラグをOFFにすることなくS2103の処理に移行し、S2103でNOと判定された場合、時短フラグをOFFにすることなくS2105の処理に移行する。つまり、大当り遊技の実行中は、低確率状態且つ非時短状態に制御される。本実施例1では非時短状態中は常に低ベース状態であるので、大当り遊技の実行中は低ベース状態に制御されることにもなる。
次に、大当り終了フラグがONであるか否かを判定する(S2105)。大当り終了フラグは、大当り遊技において大入賞装置(第1大入賞装置31及び第2大入賞装置36)の開放が全て終了(大当り遊技が終了)したことを示すフラグである。大当り終了フラグがONでないと判定した場合(S2105でNO)、次いで所定のラウンドの実行中かどうか、すなわち所定のラウンドに定められた大入賞口(第1大入賞口又は第2大入賞口)の開放パターン(開閉パターン)の実行中かどうかを判定する(S2106)。S2106で、ラウンドの実行中でないと判定した場合(S2106)、次いで、ラウンド開始時期かかどうかを判定する(S2107)。これは、前述した大当り種別毎に設定した大当り遊技の開放パターンに基づいて判定する。例えば、1ラウンド目の開始前であれば、オープニング期間が終了して1ラウンド目の最初の開放処理を実行するタイミングであるかどうかによって判定する。また、既に1ラウンド目を開始した後であれば、前のラウンドが終了し、且つ、所定のインターバル期間が経過したかどうかによって判定する。尚、ラウンドを、単に「R」ともいう。
S2107で、ラウンド開始時期であると判定した場合(S2107でYES)、対応するラウンドのラウンド開始コマンドをセットし(S2108)、大入賞口開放処理を行い(S2109)、S2110の処理に移行する。これにより、大入賞口が開放状態となり所定のラウンドが開始することとなる。尚、S2108では、1ラウンド目の開始であれば「1R開始コマンド」、2ラウンド目の開始であれば「2R開始コマンド」のように、開始するラウンドを特定可能なラウンド開始コマンドがセットされる。セットされたラウンド開始コマンドは、S201の出力処理により、サブ制御部90に送信される。また、S2109の大入賞口開放処理では、実行される大当りの種別に応じて定められた大当り開放パターンであって、開始されるラウンドに定められた開放パターンが開始される。S2110では、開始するラウンドがVラウンド(1ラウンド目又は2ラウンド目)かどうか、すなわち、開始するのが、内部に特定領域39を有する第2大入賞口35(「Vアタッカー」ともいう)を開放するラウンドであって、可動片150を動作させる(特定領域39を遊技球が通過可能な状態とする)ラウンドであるかどうかを判定する(S2110)。本実施例では、1ラウンド目及び2ラウンド目の2個のラウンドが、可動片150を動作させるVラウンドに設定されている。
S2110で、開始するラウンドがVラウンド(1ラウンド目又は2ラウンド目)でない、すなわち、3ラウンド目以降であると判定した場合(S2110でNO)、処理を終える。これは、大当り種別毎に、ラウンドカウンタの値を用いて判定してもよいし、別途実行するラウンドが何ラウンド目かをカウントするラウンドカウンタを設けて判定してもよい。一方、S2110で、開始するラウンドがVラウンド(1ラウンド目又は2ラウンド目)であると判定した場合(S2110でYES)、予め定められた特定領域有効パターンに基づいて特定領域の有効期間を設定する(S2111)と共に、予め定められた特定領域開閉動作パターンに基づいて特定領域の開閉動作を開始し(S2112)、処理を終える。一方、S2107で、ラウンド開始時期でないと判定した場合(S2107でNO)、処理を終える。ここで、ラウンド開始時期でないと判定する場合として、例えば、1ラウンド開始前のオープニング期間実行中や、ラウンド終了後のインターバル期間中を挙げることができる。
ここで、Vラウンドにおいて、特定領域センサ39aによって遊技球が検知され、VフラグがONになったタイミングで、遊技状態表示器46を所定の表示態様とし、大当り遊技終了後の遊技状態が高確率状態となることを報知する。具体的には、遊技状態表示器46は「a1a2a3」の3個のLEDで構成されている。そして、本実施例1では、通常状態(低確率状態)においては、「a1□a2□a3□」(例えば、□:消灯、■:点灯)の表示態様とされる。また、大当り遊技中の特定領域センサ39aによって遊技球が検知され、VフラグがONになったタイミングで、「a1■a2■a3■」の表示態様とされる。そして、大当り遊技が終了し、遊技状態が高確率状態に設定されると「a1□a2□a3□」の表示態様とされる。また、遊技状態表示器46の点灯制御タイミングはこのようなタイミングに限定されず、大当り遊技中は、遊技球が特定領域を通過しても「a1□a2□a3□」の表示態様のままとし、大当り遊技終了後の高確率状態へ移行するタイミングで「a1■a2■a3■」とし、高確率状態から低確率状態に移行するタイミングで「a1□a2□a3□」の表示態様としてもよい。
すなわち、後述の特定領域センサ検知処理(図35)では、V有効期間中のV通過(特定領域39への遊技球の通過)の検知時のみVフラグをONし、V有効期間外(V無効期間中)にV通過検知があったとしてもVフラグをONしないこととしている。尚、VフラグがONである場合には、所定のタイミングで確変フラグがONにされる。すなわち、大当り遊技後の遊技状態が高確率状態に設定される(後述の遊技状態設定処理(図33))。このようにすることで、不正行為によるV通過に基づいてVフラグがONされることのないように、すなわち、不正に高確率状態に設定されることのないようにしている。
尚、本実施例1では、V有効期間設定処理(S2111)において、15R第2大当りである場合にも特定領域センサ39aによる遊技球の検知を有効と判定する期間(第1期間)に設定するが、他の態様として、15R第2大当りの場合は1R目及び2R目において第1期間を設定しないものとしてもよい。すなわち、15R第2大当りの場合は1R目及び2R目を第2期間に設定するようにしてもよい。15R第2大当りに係る大当り遊技では、第2大入賞口35の開放時間を0.1秒と極短時間に設定しているため遊技球が第2大入賞口35へ入球する可能性は限りなく低いが、第2期間に設定しておけば、万が一入球した場合でもVフラグをONにしてしまうことがない。これにより、不正にVフラグをONにしたり、まれな入球によりVフラグがONになったりしてしまうのを防止することができる。尚、本実施例では、Vラウンドを1ラウンド目及び2ラウンド目としているが、他のラウンドに設定してもよいし、Vラウンドを1個のラウンドだけとしてもよいし、3個以上のラウンドに設定してもよい。
S2106で、ラウンドの実行中であると判定した場合(S2106でYES)、そのラウンドにおける大入賞口への入球個数が規定の最大入球個数(本実施例1では1ラウンド当り10個)に達しているか否かを判定する(S2113)。規定入球個数に達していなければ(S2113でNO)、実行中のラウンドの終了時期かどうか(ラウンドに定められた開放パターンを全て終了したかどうか)を判定する(S2114)。そして、S2114で、ラウンドの終了時期でないと判定した場合(S2114でNO)、処理を終える。
これに対して、S2113で規定入球個数(当該ラウンドにおける入球数が10個)に達したと判定した場合(S2113でYES)、又は、S2114でラウンドの終了時期である(ラウンドに定められた開放パターンを全て終了した)と判定した場合(S2114でYES)、すなわち、2つのラウンド終了条件のうちのいずれかが成立した場合には、S2115の処理に移行する。S2115では、対応するラウンドのラウンド終了コマンドをセットし(S2115)、S2116の処理に移行する。尚、S2115では、1ラウンド目の終了であれば「1R終了コマンド」、2ラウンド目の終了であれば「2R終了コマンド」のように、終了するラウンドを特定可能なラウンド終了コマンドがセットされる。セットされたラウンド終了コマンドは、S201の出力処理により、サブ制御部90に送信される。S2116では、所定の大入賞口閉鎖処理を実行し(S2116)、次いで、ラウンドカウンタの値を1ディクリメントし(S2117)、ラウンドカウンタの値が「0」かどうかを判定する(S2118)。ラウンドカウンタの値が「0」でないと判定された場合(S2118でNO)、次のラウンドを開始するため、処理を終える。
一方、ラウンドカウンタの値が「0」であると判定された場合(S2118でYES)、大当り遊技を終了させる大当り終了処理として、大当りのエンディングコマンドをセットすると共に(S2119)、大当りのエンディング演出を開始する(S2120)。そして、大当り終了フラグをONにし(S2121)、処理を終える。尚、ラウンドカウンタは、長当り(15R大当り)であればラウンド(ラウンド遊技)が15回実行されると「0」になり、短当り(2R大当り)であればラウンド(ラウンド遊技)が2回実行されると「0」になる。
また、S2105において大当り終了フラグがONであれば(S2105でYES)、最終ラウンドが終了しているので、大当りのエンディング演出の実行時間が経過したか否かを判定し(S2122)、エンディング時間が経過していなければ(S2122でNO)、処理を終える。一方、エンディング時間が経過していれば(S2122でYES)、大当り終了フラグをOFFにし(S2123)、後述の遊技状態設定処理(S2124)を行う。そして、大当りフラグをOFFにし(S2125)、特図動作ステータスを「1」にセットし(S2126)、処理を終える。これにより、次回の割り込み処理において、特図動作処理(図20)として再び特別図柄待機処理(S1102)が実行されることになる。
[遊技状態設定処理]
図33に示すように、遊技状態設定処理(S2124)ではまず、VフラグがONであるかどうかを判定する(S2201)。Vフラグは後述の特定領域センサ検知処理(図35)にてONするフラグである。S2201で、VフラグがONであると判定した場合(S2201でYES)、確変フラグをONすると共に(S2202)、確変カウンタに「100」をセットし(S2203)、VフラグをOFFにし(S2204)、S2205の処理に進む。すなわち、本パチンコ遊技機1では、この遊技状態設定処理においてVフラグがONになっているか否かに基づいて、大当り遊技後の遊技状態を高確率状態に設定するか否かを決めている。
S2205では、終了した大当り遊技(今回実行した大当り遊技)が2R第2大当り遊技かどうかを判定する。そして、2R第2大当り遊技であると判定した場合(S2205でYES)、次いで大当り遊技前の遊技状態、すなわち2R第2大当りとなった際の遊技状態が、時短状態であったかどうかを判定する(S2208)。S2208で、時短状態でなかったと判定した場合(S2208でNO)、時短フラグをONにすることなく、処理を終える。これにより、今回の大当り遊技後の遊技状態が高確率状態且つ特別図柄の非時短状態且つ低ベース状態(すなわち高確低ベース状態)になる。この高確低ベース状態は、特別図柄が100回変動表示すること、及び、次の大当りが発生すること、の何れかの条件の成立により終了する(低確低ベース状態となる)。また、S2208で、大当り遊技前の遊技状態は時短状態であったと判定した場合(S2208でYES)、S2206の処理に移行する。
一方、S2205で、終了した大当り遊技(今回実行した大当り遊技)が2R第2大当り遊技ゆうぎでないと判定した場合(S2205でNO)、次いで、終了した(今回実行した大当り遊技)大当り遊技が2R第3大当り遊技であるかどうかを判定する(S2213)。S2213で、終了したのが2R第3大当りであると判定した場合(S2213でYES)、時短フラグをONにすることなく、処理を終える。これにより、今回の大当り遊技後の遊技状態が、高確低ベース状態となる。また、S2213で、終了したのが2R第3大当りでないと判定した場合(S2213でNO)、S2206の処理に移行する。S2206では、時短フラグをONにし(S2206)、時短カウンタに「100」をセットし(S2207)、処理を終える。これにより、今回の大当り遊技後の遊技状態が高確率状態且つ特別図柄の時短状態且つ高ベース状態(すなわち高確高ベース状態)になる。この高確高ベース状態は、特別図柄が100回変動表示すること、及び、次の大当りが発生すること、の何れかの条件の成立により終了する。
一方、S2201で、VフラグがOFFであると判定した場合(S2201でNO)、前述と同様に、終了した大当り遊技(今回実行した大当り遊技)が2R第2大当り遊技かどうかを判定する(S2209)。そして、S2209で、終了したのが2R第2大当り遊技であると判定した場合(S2209でYES)、次いで、大当り遊技前の遊技状態、すなわち2R第2大当りとなった際の遊技状態が、時短状態であったかどうかを判定する(S2210)。S2210で、時短状態でなかったと判定した場合(S2210でNO)、時短フラグをONにすることなく、処理を終える。これにより、今回の大当り遊技後の遊技状態が低確率状態且つ特別図柄の非時短状態且つ低ベース状態(すなわち低確低ベース状態)になる。また、S2210で、2R第2大当りとなった際の遊技状態が、時短状態であったと判定した場合(S2210でYES)、S2211の処理に移行する。
一方、S2209で、終了した大当り遊技(今回実行した大当り遊技)が2R第2大当りでないと判定した場合(S2209でNO)、次いで、終了した大当り遊技(今回実行した大当り遊技)が2R第3大当り遊技であったかどうかを判定する(S2214)。S2214で、終了した大当り遊技が2R第3大当り遊技であったと判定した場合(S2214でYES)、処理を終える。また、S2214で、終了した大当り遊技が、2R第3大当り遊技でないと判定した場合(S2214でNO)、S2211の処理に移行する。S2211では、時短フラグをONにし(S2211)、時短カウンタに「100」をセットし(S2212)、処理を終える。これにより、今回の大当り遊技後の遊技状態が低確率状態且つ特別図柄の時短状態且つ高ベース状態(すなわち低確高ベース状態)になる。この低確高ベース状態は、特別図柄が100回変動表示すること、及び、次の大当りが発生すること、の何れかの条件の成立により終了する。また、この時短カウンタ及び確変カウンタは、第1特別図柄の変動表示回数と第2特別図柄の変動表示回数とを合算した回数を計数するものである。
また、2R第2大当りとなった場合において、大当り遊技前の遊技状態が時短状態かどうかを判定する処理(S2208、S2210)を行うのは、低確低ベース状態(通常状態)において、発生した2R第2大当りと2R第3大当りとの、大当り遊技前後の時短機能の作動状態、及び高ベース機能(開放延長機能)の作動状態を同じにするためである。これにより、通常状態で発生した2R第2大当りと2R第3大当りとを大入賞口の開放パターンでの判別を困難にすると共に、その後発生する時短機能や高ベース発生機能の作動状態によっても判別困難としている。
[特別電動役物処理2(小当り遊技)]
図34に示すように、特別電動役物処理2(S1109)ではまず、小当り終了フラグがONであるか否かを判定する(S2301)。小当り終了フラグは、小当り遊技において大入賞装置(第1大入賞装置31及び第2大入賞装置36)の開放が全て終了したことを示すフラグである。
小当り終了フラグがONでなければ(S2301でNO)、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放動作中かどうか、すなわち、小当り用開放パターンを実行中かどうか判定する(S2302)。S2302で、大入賞口が開放動作中でないと判定した場合(S2302でNO)、大入賞口(第2大入賞口35)を開放させる時期(タイミング)に至ったか否か、すなわち小当りのオープニング期間(900ms)が経過して、所定の開放動作を開始する時期(タイミング)に至ったかどうかを判定する(S2303)。
S2303で、大入賞口の開放時期でないと判定した場合(S2303でNO)、そのまま処理を終える。一方、S2303で、大入賞口の開放時期であると判定した場合(S2303でYES)、V無効期間設定処理を行い(S2304)、小当り用開放パターン(図6参照)に従って第2大入賞口35を開放させ(S2305)、処理を終える。
V無効期間設定処理(S2304)では、小当り遊技における第2大入賞口35の開放中及び第2大入賞口35の閉鎖後の数秒間を、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を無効と判定する期間(第2期間)に設定する。また、本実施例1では、前述のV有効期間設定処理(S2111)で有効期間に定める期間以外の期間は無効期間(第2期間)とされている。従って、このV無効期間設定処理では、有効期間となっていないか、すなわち無効期間に設定されているかを確認する。具体的には、V有効期間の経過をカウントダウンにて計測するVタイマ(主制御基板80のRAMに設けられている)が「0」(すなわち有効期間無しの状態)に設定されているかを確認する。Vタイマが「0」でなければVタイマに「0」をセットする。尚、Vタイマが「0」か否かを確認することなく、Vタイマに「0」をセットする。すなわち、有効期間無しの状態に設定するようにしてもよい。これにより、小当り中にV通過があっても、小当り遊技前の遊技状態が通常状態であればその小当り遊技後の遊技状態を高確率状態に移行させないようにしている。もっとも、小当り遊技中は特定領域39の通過を許容する可動片150が動作しないため、不測の事態(故障、不具合、不正等)が発生しない限り、遊技球が特定領域を通過することはない。
S2302において、大入賞口(第2大入賞口35)の開放動作中であると判定した場合(S2302でYES)、小当り遊技中における大入賞口への入球個数が、規定の最大入球個数(本実施例1では10個)に達しているか否かを判定する(S2306)。規定入球個数に達していなければ(S2306でNO)、開放動作の終了時期かどうか(小当り用開放パターンを全て終了したかどうか)を判定する(S2307)。そして、大入賞口の開放動作が終了していないと判定した場合(S2307でNO)、処理を終える。
これに対して、S2306で小当り遊技中における大入賞口への入球個数が規定入球個数に達したと判定した場合(S2506でYES)、又は、S2307で大入賞口の開放動作の終了時期であると判定した場合(S2307でYES)には、所定の大入賞口閉鎖処理を行い(S2308)、S2311の処理に移行する。すなわち、小当り遊技の終了条件として、(1)実行中の小当り遊技に定められた開放動作を終了したこと(例えば、0.1s開放を2回)(2)実行中の小当り遊技において、定められた規定数(例えば、10球)の遊技球が入球したこと、の2個の条件が定められている。そして、何れか一方の条件が成立すると、当該先に成立した条件に基づいて小当り遊技の終了条件が成立となる。S2311では、小当り遊技を終了させる小当り終了処理として、小当り遊技のエンディングコマンドをセットすると共に(S2311)、小当りのエンディング期間を開始し(S2312)、小当り終了フラグをONにし(S2313)、処理を終える。ここで、S2311における小当り終了処理では、エンディングコマンドをセットする処理が行われるところ、小当り用のエンディングコマンドがセットされる(図48参照)。また、小当り用のエンディング期間として、3500msの期間がセットされるところ、これは、2R第5大当りに係るエンディング期間と同じ期間とされており、これによっても、小当りと2R第5大当りとの区別をし難いものとしている。
S2301において、小当り終了フラグがONであると判定した場合(S2301でYES)、次いで、小当りのエンディング期間(エンディング時間)が経過したか否かを判定し(S2315)、エンディング期間が経過していないと判定した場合(S2315でNO)、処理を終える。一方、S2315で、エンディング期間が経過したと判定した場合(S2315でYES)、小当り終了フラグをOFFにするとともに(S2316)、小当りフラグをOFFにし(S2317)、特図動作ステータスを「1」にセットし(S2318)、処理を終える。これにより、次回の割り込み処理において、特図動作処理(図20)として再び特別図柄待機処理(S1102)が実行されることになる。尚、小当り遊技の開始に際して確変フラグや時短フラグをONからOFFに切り変えることはしない。また、小当り遊技の終了に際しては、遊技状態設定処理(S2124、図33)を行わない。すなわち、本パチンコ遊技機1では、小当り遊技の実行前と実行後において遊技状態を変化させないものとしている。
[特定領域センサ検知処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、特図動作処理(S206)に次いで特定領域センサ検知処理(S207)を行う。特定領域センサ検知処理(S207)では図35に示すように、まず、特定領域センサ39aによる遊技球の検知があったか否かを判定する(S2401)。検知がないと判定された場合(S2401でNO)、処理を終了する。S2401で検知があると判定された場合(S2401でYES)、V有効期間中か否かを判定する(S2402)。V有効期間は、前述の特別電動役物処理1(図32)におけるV有効期間設定処理(S2111)にて設定される期間である。V有効期間は、大当り遊技における1ラウンド目と2ラウンド目に設定される。
また、S2402でV有効期間中であると判定した場合(S2402でYES)、VフラグをONにすると共に(S2403)、現在実行中の大当り遊技が2R大当りであるか否かを判定する(S2404)。そして、2R大当りでないと判定した場合(S2404でNO)、すなわち15R大当りであれば、第1V通過コマンドをセットし(S2405)、処理を終える。一方、2R大当りであると判定した場合(S2404でYES)、第2V通過コマンドをセットし(S2406)、処理を終える。主制御基板80のCPUは、所定のタイミングでこのV通過コマンドをサブ制御基板90に送信し、サブ制御基板90は受信したV通過コマンドの種別や、そのときの遊技状態や、受信した大当り遊技種別等によって、演出図柄表示領域等で遊技演出を実行する。
また、S2402でV有効期間中でないと判定した場合(S2402でNO)、VフラグをONにすることなく、無効期間通過コマンドをセットし(S2407)、処理を終える。尚、原則として、第1V通過コマンドは、サブ制御基板90にV通過の報知制御を行わせるためのコマンドである。これに対して、第2V通過コマンドは、サブ制御基板90にV通過の報知制御を原則行わせないためのコマンドである。また、無効期間通過コマンドは、主制御基板80やサブ制御基板90に特定領域の無効期間に遊技球が特定領域を通過した。すなわち、何らかの不具合や不正が発生しているおそれがあることを報知させるためのコマンドである。この報知は、表示画面7aや枠ランプや盤面ランプやスピーカ等を用いて行ってもよいし、ホールコンピュータに当該情報を送信して、ホールコンピュータにおいて行ってもよい。また、遊技制御用マイコン81は、このような特定領域センサ検知処理(S207)やV有効期間設定処理(S2111)を実行することにより、特定領域39への遊技球の通過の有効無効を切り替える手段(特定領域状態切替手段)として機能する。
[始動入球時処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、特定領域センサ検知処理(S207)に次いで始動入球時処理(S208)を行う。図36に示すように、始動入球時処理(S208)ではまず、主制御基板80のRAMに記憶されている特図1保留球数、特図2保留球数及び普通図柄保留球数を読み出す(S2501)。次いで、特図2保留球数が「1」増加したか否かを判定する(S2502)。S2502で、特図2保留球数が「1」増加したと判定した場合(S2502でYES)、S2503の処理に移行する。これは、第2始動口に遊技球が入球したことに基づいて、始動口センサ検知処理(S204)におけるS307で特図2保留球数に「1」を加算した場合が該当する。
一方、特図2保留球数が増加していないと判定した場合(S2502でNO)、S2506の処理に移行する。S2503では、直前の始動口センサ検知処理(S204)における特図2関係乱数取得処理(S308)で取得して第2特図保留記憶部に記憶した最新の取得乱数値(取得情報)を読み出す(S2503)。次いで、S2504で、読み出した第2特別図柄に係る取得乱数値を判定する(S2504)。具体的に、始動口への入球時に取得した特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(特別図柄当否判定用乱数値)が、現在の遊技状態(低確率状態か、高確率状態か)に応じて、大当りか、外れかを判定する。また、判定結果(事前判定結果)が大当りである場合には、大当りの種別を判定する。これは、特図2保留についての当否判定(大当りか否かの判定)を、後述の特図2当否判定処理(S1202)における当否判定(S1303,S1309)に先立って行う事前判定(所謂「保留先読み」)に相当するものである。
尚、事前判定は、大当り判定テーブル(図8(A)を参照)、すなわち、高確率状態であれば高確率状態用の大当り判定テーブル、通常状態(低確率状態)であれば通常状態用の大当り判定テーブル、に基づいて、大当り判定値と一致するか否かを判定することが可能である。また、他の事前判定態様として、変動パターン情報を判定可能な変動パターン情報判定テーブルとして、通常状態用(低確率状態用)の変動パターン情報判定テーブルと、高確率状態用(高確率状態用)の変動パターン情報判定テーブルと、を有するものとする。そして、事前判定においては、取得乱数値(特別図柄当否判定用乱数カウンタの値等)と、遊技状態に応じた変動パターン情報判定テーブルと、に基づいて、所定の変動パターン情報を選択するものとすることが可能である。そして、この選択した変動パターン情報から、大当りかどうかや、大当り種別や、大当り信頼度の高い遊技演出が実行されるかどうか等を識別可能とすることができる。
次いでS2505では、S2501で読み出した第2特別図柄に係る保留球数データと、S2504で事前判定した情報(事前判定情報)と、を少なくとも含む遊技情報を、特図2始動入球コマンドとして生成し、主制御基板80のRAMに設けられた、サブ制御基板90へのコマンド送信用の出力バッファにセットする(S2505)。尚、特図2始動入球コマンドとして、S2503で読み出した特図2取得乱数の値の一部又は全部を、そのままサブ制御基板に送信するようにしてもよいし、特図2取得乱数の値はそのまま送信せず、特図2取得乱数の値に基づいて取得した遊技情報(例えば、前述の変動パターン情報等)を送信するようにしてもよい。
また、主制御部80から送信した特図2始動入球コマンドをサブ制御部90で解析することで、大当りに係る情報であるかどうか、第2特別図柄の保留球数はいくつか、大当り種別は何れか等を、サブ制御部90が識別できるものとされている。また、本実施例1では、これに加えて、特図2始動入球コマンドを解析することで、取得した特図2取得乱数が高確率状態で判定した場合に大当りとなるかどうか、及び低確率状態で判定した場合に大当りとなるかどうか、を特定可能とされている。これにより、サブ制御部は、受信した特図2始動入球コマンドを保留(演出保留情報)として記憶し、特定のタイミングで当該演出保留情報を事前判定し、低確率状態で当否判定した場合に大当りと判定される演出保留情報が記憶されているかどうかを判定することが可能となる。
尚、不正防止の観点から、S2503で読み出した取得乱数値のうち特別図柄当否判定用乱数値を、そのままサブ制御部に送信することはせず、その他の大当り種別決定用乱数カウンタの値(大当り種別決定用乱数値)とリーチ乱数カウンタの値(リーチ乱数値)と変動パターン乱数カウンタの値(変動パターン乱数値)を示す情報と、事前判定の結果を示す情報とを含むコマンドデータを特図2始動入球コマンドとして生成し、セットすることが可能である。
次いでS2506では、前述の特図2に係る処理と同様に、特図1保留球数が「1」増加したか否かを判定する(S2506)。S2506で、特図1保留球数が「1」増加したと判定した場合(S2506でYES)、S2507の処理に移行する。これは、第1始動口に遊技球が入球したことに基づいて、始動口センサ検知処理(S204)におけるS311で特図1保留球数に「1」を加算した場合が該当する。一方、S2506で、特図1保留球数が増加していないと判定した場合(S2506でNO)、そのまま処理を終える。
S2507では、時短フラグがONであるか否かを判定し(S2507)、時短フラグがONである、すなわち高ベース状態であると判定した場合(S2507でYES)、そのまま処理を終える。一方、S2507で、時短フラグがOFFである、すなわち低ベース状態であると判定した場合(S2507でNO)、S2508以降の事前判定に係る処理に進む。ここで、時短フラグがONである場合、すなわち現在の遊技状態が高ベース状態である場合、第2始動口21への入球頻度が高まる開放延長機能が作動しており、特図2の当否判定(図8(B)を参照)が行われやすい状態となっている。また、本実施例1では、後述するように特図2保留の消化(第2特別図柄の変動表示)を特図1保留の消化(第1特別図柄の変動表示)に優先して実行するもの(所謂特図2優先変動機)としている。このような構成において、例えば特図1の事前判定を行い、その結果を予告等の演出により遊技者に報知し、その事前判定の結果が大当りであることが明示された場合、遊技者は、特図2保留消化の優先を利用して、任意のタイミングで特図2保留を意図的に無くして(「0」にして)、事前判定の結果が示された特図1に係る大当りを意図的に発生させるといった技術介入が可能となる。このような大当りの発生タイミングを遊技者が調整できることは、遊技の公平性の観点から好ましくない。このため、現在の遊技状態が低ベース状態でなく高ベース状態である場合(S2507でYES)、S2508以降の特図1の事前判定に係る処理を行わず、本処理を終えることとしている。
S2508〜S2510の処理は、前述したS316〜S318と同様の処理を特図1について行うものである。すなわち、始動口センサ検知処理(S204)における特図1関係乱数取得処理(S312)で取得して第1特図保留記憶部に記憶した最新の取得乱数値(取得情報)を読み出し(S2508)、読み出した取得乱数値について事前判定を行い(S2509)、S2501で読み出した第1特別図柄に係る保留球数データと、S2509で事前判定した情報(事前判定情報)と、を少なくとも含む遊技情報を、特図1始動入球コマンドとして生成し、主制御基板80のRAMに設けられた、サブ制御基板90へのコマンド送信用の出力バッファにセットする(S2510)。尚、S2509の事前判定(保留先読み)は、後述の特図1当否判定処理(S1207)における当否判定(S1603,S1609)に先立って行うものである。
[電源断監視処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、保留球数処理(S208)に次いで電源断監視処理(S209)を行う。電源断監視処理(S209)では図37に示すように、まず、電源断信号の入力の有無を判定し(S2601)、入力がなければ(S2601でNO)、処理を終了する。一方、電源断信号の入力があれば(S2601でYES)、現在の遊技機の状態(確変かどうか、当り遊技中かどうか、保留球数はいくつか、確変・時短の残り変動回数はいくつか等)に関するデータをRAMに記憶するとともに(S2602)、電源断フラグをONし(S2603)、その後は割り込み処理(図11)に戻ることなくループ処理をする。
[サブ制御メイン処理]
次に、図38〜図51に基づいて、演出制御用マイコン91の動作(サブ制御部90による制御処理)について説明する。尚、演出制御用マイコン91の動作説明にて登場するカウンタ、フラグ、ステータス、バッファ、タイマ等は、サブ制御基板90(サブ制御部)のRAMに設けられている。サブ制御基板90に備えられた演出制御用マイコン91は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、サブ制御基板90のROMから図38に示すサブ制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、まず、CPU初期化処理を行う(S4001)。CPU初期化処理(S4001)では、スタックの設定、定数設定、CPU92の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間用コントローラ)等の設定や各種のフラグ、ステータス及びカウンタのリセット等を行う。
続いて、S4002で、電源断信号がONでかつサブ制御基板90のRAMの内容が正常であるか否かを判定する(S4002)。そして、この判定結果がNOであれば(S4002でNO)、サブ制御基板90のRAMの初期化をし(S4003)、S4004に進む。一方、判定結果がYESであれば(S4002でYES)、サブ制御基板90のRAMを初期化することなくS4004に進む。すなわち、電源断信号がONでない場合、又は電源断信号がONであってもRAMの内容が正常でない場合には(S4002でNO)、サブ制御基板90のRAMを初期化するが、停電などで電源断信号がONとなったがRAMの内容が正常に保たれている場合には(S4002でYES)、RAMを初期化しない。RAMを初期化すれば、各種のフラグ、ステータス及びカウンタの値はリセットされる。尚、このS4001〜S4003は、電源投入後に(電源投入に際して)一度だけ実行され、それ以降は実行されない。また、本実施例1では、演出制御用マイコン91においても、図11に示す遊技制御用マイコン81による電源断監視処理(S209)と同様の処理を行うこととしており、停電などで電源断信号がONになると、そのときの演出制御に係るデータがサブ制御基板90のRAMに記憶されるものとなっている。つまり、停電などの電源断発生時における演出制御に係るデータがバックアップされるものとなっている。このため、停電等の電源断から復帰した後の電源投入時(電断復帰時)に、サブ制御基板90のRAMの初期化(S4003)が行われない限り、演出制御用マイコン91による演出制御の状態は電源断発生前の状態に復帰する。
S4004では、割り込みを禁止する。次いで、乱数シード更新処理を実行する(S4005)。乱数シード更新処理(S4005)では、種々の演出決定用乱数カウンタの値を更新する。更新された乱数カウンタ値は、サブ制御基板90のRAMの所定の更新値記憶領域(図示せず)に逐次記憶される。演出決定用乱数には、実行する演出図柄遊技演出の態様(変動演出パターン)を決定する変動演出決定用乱数や、予告演出を決定する予告演出決定用乱数、演出図柄を決定する演出図柄決定用乱数等がある。乱数の更新方法は、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。尚、乱数の更新に際して、乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。演出決定用乱数は、予め定められたタイミングで取得される。このタイミングとしては、例えば主制御基板80から始動入球があった旨を通知する制御信号(始動入球コマンド)が送信されてきたときや、主制御基板80から変動開始を通知する制御信号(変動開始コマンド)が送信されてきたときや、後述の変動演出パターンを決定するときなどとすることができる。取得した演出決定用乱数の格納場所は、サブ制御基板90のRAMの所定の乱数カウンタ値記憶領域(図示せず)である。
乱数シード更新処理(S4005)が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4006)。コマンド送信処理では、サブ制御基板90のRAM内の出力バッファ(「サブ出力バッファ」ともいう)に格納されている各種のコマンド(制御信号)を、画像制御基板100、音声制御基板106およびランプ制御基板107のうち、対応するコマンド送信先となる制御基板に送信する。コマンドを受信した各制御基板(各制御部)は、受信したコマンドに従い各種の演出装置(画像表示装置7、スピーカ67、盤面ランプ5、枠ランプ66及び可動装飾部材14等)を用いて各種の演出(演出図柄遊技演出や、大当り遊技に係る特別遊技演出等)を実行する。演出制御用マイコン91は続いて、割り込みを許可する(S4007)。以降、S4004〜S4007をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4008)、2msタイマ割り込み処理(S4009)、及び10msタイマ割り込み処理(S4010)の実行が可能となる。これらの制御処理を実行することで、画像表示装置7の表示画面7a(演出図柄表示領域7b)上で実行される演出図柄等の表示制御や、各種ランプの点灯制御や、可動装飾部材の動作制御や、スピーカからの音声出力制御等を行うことが可能となる。
[受信割り込み処理]
受信割り込み処理(S4008)では、図39に示すように、ストローブ信号(STB信号)がONか否か、すなわち主制御基板80から送られたストローブ信号が演出制御用マイコン91の外部INT入力部に入力されたか否かを判定する(S4101)。そして、S4101で、ストローブ信号がONでないと判定した場合(S4101でNO)、処理を終える。一方、S4101で、ストローブ信号がONであると判定した場合(S4101でYES)、主制御基板80から送信されてきた各種のコマンドをサブ制御基板90のRAMに格納し(S4102)、処理を終える。この受信割り込み処理(S4008)は、他の割り込み処理(S4009、S4010)に優先して実行される処理である。
[2msタイマ割り込み処理]
2msタイマ割り込み処理(S4009)は、サブ制御基板90に2msec周期の割り込みパルスが入力する度に実行する処理である。図40に示すように、2msタイマ割り込み処理(S4009)では、まず、演出ボタン検知スイッチ63c、63dからの検知信号に基づいてスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成する入力処理を行う(S4201)。次いで、枠ランプ66や盤面ランプ5等のランプを発光させるためのランプデータを出力するランプデータ出力処理(S4202)と、可動装飾部材14(電気的駆動源)を駆動するための駆動データを出力する駆動データ出力処理(S4203)とを行う。尚、ランプデータおよび駆動データは、後述の10msタイマ割り込み処理で作成される。そして、ウォッチドッグタイマのリセット処理を行うウォッチドッグタイマ処理を行う(S4204)。
[10msタイマ割り込み処理]
10msタイマ割り込み処理(S4010)は、サブ制御基板90に10msec周期の割り込みパルスが入力する度に実行する処理である。図41に示すように、10msタイマ割り込み処理(S4010)では、まず、後述する受信コマンド解析処理(S4302)を行う。次いで、2msタイマ割り込み処理で作成したスイッチデータを10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとしてサブ制御基板90のRAMに格納するスイッチ状態取得処理を行い(S4303)、当該スイッチ状態取得処理にて格納したスイッチデータに基づいて表示画面7aの表示内容等を設定するスイッチ処理を行う(S4304)。その後、ランプデータ(盤面ランプ5や枠ランプ66の点灯を制御するデータ)を作成したり、演出決定用乱数を更新したりするなどのその他の処理を実行する(S4305)。
[受信コマンド解析処理]
図42及び図43に示すように、受信コマンド解析処理(S4302)では、まず、主制御基板80から始動入球コマンドを受信したか否かを判定し(S4401)、始動入球コマンドを受信していないと判定した場合(S4401でNO)、S4403の処理に移行し、始動入球コマンドを受信したと判定した場合(S4401でYES)、演出保留情報記憶処理(S4402)を行って、S4403の処理に移行する。演出保留情報記憶処理(S4402)は、受信した始動入球コマンド(特図1始動入球コマンド又は特図2始動入球コマンド)に含まれる各種情報(事前判定結果、大当り種別決定用乱数値、変動パターン乱数値等の遊技情報)を、特別図柄の種類(第1特別図柄、第2特別図柄)及び始動入球コマンドの送受信時(コマンド生成時)の特図保留球数に応じて、シフトメモリ形式でサブ制御基板90のRAMの所定の演出保留情報記憶領域に記憶する。例えば、受信した始動入球コマンドが特図1の保留球数「4」に対応する特図1始動入球コマンドである場合、その特図1始動入球コマンドに含まれる事前判定結果や当り種別等の情報を、特図1演出保留情報記憶領域のうち保留数4に対応する領域に、特図1演出保留情報として記憶する。こうして記憶される演出保留情報は、後述する変動演出や予告演出、演出モード等の各種演出の実行に用いられる。サブ制御基板90における演出保留情報記憶領域の記憶内容(演出保留情報)は、前述の主制御基板(主制御部)80における特図保留記憶部(第1特図保留記憶部、第2特図保留記憶部)の記憶内容(取得情報)と一致するものである。このことから、サブ制御基板90の演出保留情報記憶領域も「取得情報記憶手段」といえる。
次に、S4403では、主制御基板80から変動開始コマンドを受信したか否かを判定し(S4403)、変動開始コマンドを受信したと判定した場合(S4403でYES)、後述する変動演出開始処理(S4404)を行い、次いで、後述するST回数表示処理(S4405)を行い、S4406の処理に移行する。一方、S4403で、変動開始コマンドを受信していないと判定した場合(S4403でNO)、変動演出開始処理を行うことなく、S4406の処理に移行する。S4406では、主制御基板80から変動停止コマンドを受信したか否かを判定し(S4406)、変動停止コマンドを受信したと判定した場合(S4406でYES)、演出図柄を停止表示して変動演出を終了させる変動演出終了処理を行い(S4407)、次いで、後述する遊技状態判定処理を行い(S4417)、S4408の処理に移行する。変動演出終了処理(S4407)では、演出図柄8を停止表示して変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドをサブ出力バッファにセットする。セットした変動演出終了コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、画像表示装置7の表示画面7a上で変動表示していた演出図柄8を停止表示して、変動演出(演出図柄遊技演出)を終了させる。一方、S4406で、変動停止コマンドを受信していないと判定した場合(S4406でNO)、変動演出終了処理を行うことなく、S4408の処理に移行する。尚、変動演出とは、特別図柄の変動表示に合わせて行われる種々の演出を指す。
S4408では、主制御基板80からオープニングコマンドを受信したか否かを判定し(S4408)、オープニングコマンドを受信したと判定した場合(S4408でYES)、大当り遊技関連演出処理を行い(S4409)、次いで、後述する連荘回数計数処理を行い(S4410)、次いで、後述する第1発射領域報知処理を行い(S4411)、S4412の処理に移行する。S4408で、オープニングコマンドを受信していないと判定した場合(S4408でNO)、S4412の処理に移行する。S4412では、主制御基板80からエンディングコマンドを受信したか否か判定し(S4412)、エンディングコマンドを受信したと判定した場合(S4412でYES)、後述する演出モード設定処理を行い(S4413)、次いで、後述するSTカウンタ設定処理を行い(S4414)、次いで、後述する第2発射領域報知処理を行い(S4415)、S4416の処理に移行する。S4412で、エンディングコマンドを受信していないと判定した場合(S4412でNO)、S4416の処理に移行する。S4416では、その他の処理として、前述した各種コマンドを除いた他の受信コマンド(例えば、ラウンドの開始に際して送信されるラウンド開始コマンド、ラウンドの終了に際して送信されるラウンド終了コマンド、普通図柄変動開始コマンドや普通図柄変動停止コマンド等)に基づく処理を行い(S4416)、処理を終える。
また、例えば、受信したコマンドがオープニングコマンドであれば、当該コマンドに基づき特定される大当りの種別に応じたオープニング演出を指定するオープニング演出コマンドをサブ出力バッファにセットし、ラウンド開始コマンドであれば、当該コマンドに基づき特定されるラウンドに応じたラウンド演出を指定するラウンド演出コマンドをサブ出力バッファにセットし、エンディングコマンドであれば、当該コマンドに基づき特定される大当りの種別に応じたエンディング演出を指定するエンディング演出コマンドをサブ出力バッファにセットする。これらのセットした大当りに係る各種の演出コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、大当り遊技の進行状況に合わせて、オープニング演出やラウンド演出やエンディング演出等の大当り遊技に関連する演出を画像表示装置7の表示画面7a上で実行する。
[変動演出開始処理]
次に、受信コマンド解析処理(S4302)にて実行される変動演出開始処理(S4404)について説明する。図44に示すように、変動演出開始処理(S4404)では、まず、変動演出決定用乱数や予告演出決定用乱数、演出図柄決定用乱数等の各種演出決定用乱数を取得する演出決定用乱数取得処理(S4501)を行う。本実施例では、主制御部80から変動開始コマンドを受信したタイミングでS4501の処理を行い、夫々の乱数から所定の値(取得情報)を取得する。この取得した値(取得情報)に基づいて、実行する演出図柄遊技演出(変動演出)の態様や予告演出の態様(予告演出の有無を含む)、停止表示する演出図柄等を決定する。
次いで、S4502では、受信した変動開始コマンドを解析する(S4502)。変動開始コマンドには、第1特別図柄または第2特別図柄の変動パターン選択処理で選択された変動パターンを指定する変動パターン指定コマンド(変動パターンを指定する情報)が含まれている。そして、変動パターン指定コマンドには、図9に示す変動パターン情報(P1乃至P17)や、現在の遊技状態を指定する遊技状態情報や、第1特別図柄当否判定または第2特別図柄当否判定の判定結果や、大当り種別を指定する図柄情報等が含まれている(図8を参照)。また、変動パターン指定コマンドには、第1特別図柄に対応するものと第2特別図柄に対応するものとが存在することから、変動パターン指定コマンドを解析することで、今回開始する演出図柄遊技演出(演出図柄の変動表示)が第1特別図柄に係るものなのか第2特別図柄に係るものなのかを判別することが可能となる。尚、変動パターン情報や遊技状態情報や図柄情報等は、これ以降に実行する変動演出開始処理以外の他の処理においても利用可能である。
次いで、S4503では、演出制御用マイコン91が現在のモードステータスを参照する(S4503)。モードステータスは、実行する演出モードを決めるためのものである。モードステータスは「1」〜「5」までの何れかの値とされ、各値は演出モードA〜Eに対して割り当てられている。具体的には、モードステータス「1」が演出モードAに対応し、モードステータス「2」が演出モードBに対応し、モードステータス「3」が演出モードCに対応し、モードステータス「4」が演出モードDに対応し、モードステータス「5」が演出モードEに対応する。現在のモードステータスを参照することで、現在の演出モードを特定することが可能である。
ここで演出モードとは、画像表示装置7における演出の態様であり、演出モードが異なると、予告演出やリーチ演出等の遊技演出の演出態様の一部又は全部が異なるものとされる。具体的に、演出図柄8の表示態様(例えば、図柄デザイン、数字デザインなど)が異なったり、登場するキャラクタ、アイテム、背景画像が異なったりする等、画像表示装置7に表示される画像が演出モードによって異なるものとされる。また、演出図柄遊技演出も演出モードに応じた態様で実行することができ、複数の遊技演出(予告演出やリーチ演出等)を設ける場合に、演出モードによって異なる遊技演出を実行することができる。また、演出モードによって、所定の遊技状態を示す(示唆する)ことも可能である。本実施例では、演出モードAは、遊技状態が低確低ベース状態(通常モード)に制御されているときに実行される。また、演出モードBは、高確高ベース状態(確変モード)に制御されているときに実行される。また、演出モードCは、低確高ベース状態(時短モード)に制御されているときに実行される。また、演出モードDは、低確低ベース状態又は高確低ベース状態、若しくは、低確高ベース状態又は高確高ベース状態に制御されているときであって、高確率状態か低確率状態かを報知しない遊技状態(非報知モード、確率非報知モード)のときに実行される。また、演出モードEは、特定条件を満たしたうえで低確高ベース状態や低確低ベース状態(特別モード)に制御されているときに実行される。
従って、実行される演出モードがA〜C、Eの何れかである場合、遊技者は演出モードを確認することで、現在の遊技状態をある程度把握することができる。一方、演出モードがDである場合、遊技者は演出モードを確認しても、現在の遊技状態が高確率状態であるのか低確率状態であるのかを把握することは困難である。
次いで、S4504では、画像表示装置7、盤面ランプ5、可動装飾部材14等を用いて行うものであって、サブ制御部90が主体となって制御する変動演出のパターン(変動演出パターン、演出図柄遊技演出)を決定するための変動演出パターン決定テーブル(図示を省略)及び予告演出決定テーブルをセットする(S4504)。具体的には、S4503で参照したモードステータス(現在の演出モード)と主制御部80から受信した変動パターン指定コマンドに基づいて、使用する変動演出パターン決定テーブル、及び、予告演出決定テーブルをセットする。すなわち、複数の変動演出パターン決定テーブル、及び、複数の予告演出決定テーブルを備えており、それらから遊技状態や演出モード等に基づいて、所定の変動演出パターン決定テーブル及び予告演出決定テーブルをセットする。例えば、受信した変動パターン指定コマンドが指定する変動パターン情報が「P1(変動パターンP1)」(図9を参照)であった場合、変動演出パターン決定テーブルとして、現在の演出モードに対応した大当り時変動演出パターン決定テーブル及び予告演出決定テーブルがセットされる。変動演出パターン決定テーブルは、主に、演出図柄遊技演出の実行態様(演出図柄の変動態様等)を決定するためのもので、演出モード(モードステータス)に対応する複数の変動演出パターン決定テーブル(図示せず)がサブ制御基板90のROMに予め格納されている。S4504では、それらの変動演出パターン決定テーブルの中から、S4503で参照したモードステータス(現在の演出モード)に対応するテーブルが選択されてセットされる。
次いで、S4505では、S4501において取得した変動演出決定用乱数およびS4504においてセットした変動演出パターン決定テーブルに基づいて、指定された変動パターンに適合した変動演出パターンを選択し、これを設定する(S4505)。変動演出パターンとしては、演出図柄表示領域7bで表示される演出図柄8の変動態様(演出図柄遊技演出の実行態様)が設定される。これにより、演出図柄遊技演出において、リーチ演出を実行する場合(リーチ有演出図柄遊技演出)や、特定のキャラクタを用いて行うキャラクタ演出を実行する場合(キャラクタ演出図柄遊技演出)、リーチ演出やキャラクタ演出を実行しない場合(リーチ無演出図柄遊技演出)等が決定される。尚、リーチ演出とは、例えば、特別図柄当否判定の結果が大当りであることを示す場合の演出図柄8の表示態様として、3個の演出図柄8L、8C、8Rがすべて同一(ゾロ目)となる態様(大当り態様、特定態様)を設けている場合において、3個の演出図柄8L、8C、8Rのうちの2個が大当り態様を構成する図柄(同じ演出図柄)で停止表示(仮停止表示)され、残り1個が変動表示(スクロール表示)を続けている状態で、当該残り1個の演出図柄が大当り態様を完成させる図柄(3個の同じ演出図柄)で停止表示されるか否かを示す演出のことをいう。この際、演出図柄の変動表示に伴って所定のキャラクタを用いて遊技演出を実行し、演出図柄が大当り態様で停止表示されるかどうかを、当該所定のキャラクタが所定の目的を達成するかどうかの演出で示すことも可能である。このような遊技演出(後述するリーチ演出やキャラクタ演出)を、ストーリー演出(特定遊技演出)や目的演出(特定遊技演出)ということもできる。これにより、遊技者の大当りへの期待感を高め、遊技興趣を高めることが可能となる。
また、S4505では、S4501において取得した演出図柄決定用乱数および図示しない停止図柄決定テーブルに基づいて、停止表示する演出図柄8(「停止演出図柄」ともいう)を決定し、これを設定する。演出図柄遊技演出の結果として停止表示される演出図柄8は、特別図柄当否判定の結果が外れであって、リーチ有り外れの場合は「787」等の3個の演出図柄8L、8C、8Rのうち1個の演出図柄が他の演出図柄と異なるバラケ目とされ、リーチ無し外れのときは「635」等の3個の演出図柄8L、8C、8Rのうち少なくとも1個の演出図柄が他の演出図柄が異なるバラケ目とされる。一方、特別図柄当否判定の結果が大当りであって、15R第1大当り及び15R第4大当りの何れかの場合は「777」のゾロ目とされ、2R第2大当り及び2R第3大当りの何れかの場合は「777」以外の奇数図柄のゾロ目または「666」等の偶数図柄のゾロ目とされる。また、この他、RUBに相当する大当りがある場合には、「3★3」等のRUB専用出目(専用図柄)とされる。また、2R第5大当りの場合は、小当りのときと同じ態様(バラケ目)で3個の演出図柄8L、8C、8Rを停止表示するものとしている。また、2R第5大当り及び小当りについては、「135」等の予め定めたチャンス目を停止表示してもよい。尚、前述の演出図柄8の停止表示態様は一例であり、大当りとなったときに停止演出図柄として何を停止表示するかは適宜変更可能である。
また、演出図柄8の変動態様(変動演出パターン、演出図柄遊技演出)として、リーチA、リーチB、リーチC、スーパーリーチ(「SPリーチ」ともいう)A、スーパーリーチB、スーパーリーチC、キャラクタ演出等が設定されており、S4505で、変動演出パターン決定テーブルに基づいて、これらのうち何れの演出を行うか、又はこれらの演出を行わない(これを「ノーマル変動」ともいう)かが決定される。そして、リーチ有演出図柄遊技演出が実行される場合には、変動パターン指定コマンド及び変動演出パターン決定テーブルに基づいて、何れかのリーチ演出が設定される。ここで、演出図柄遊技演出として、スーパーリーチ演出が実行される場合には、ノーマルリーチ演出が実行される場合と比較して、大当りとなる可能性が高くなるように設定されている。すなわち、スーパーリーチ演出はリーチ(ノーマルリーチ)演出と比較して大当り信頼度(大当りとなる可能性)の高い遊技演出であるといえる。尚、リーチ演出は、主として、変動時間が20000ms以上の変動パターン(図9を参照)を指定する変動パターン指定コマンドを受信した場合に設定(実行)され得る。
また、S4506では、変動演出パターン(演出図柄遊技演出)に伴って実行される予告演出を決定する。また、この実行される予告演出を含めて演出図柄遊技演出ともいう。この予告演出は、実行中の演出図柄遊技演出の結果が大当り態様で停止表示する可能性を、演出図柄が停止表示(確定停止表示)する前(演出図柄の変動表示中)に示す演出(事前報知演出)である。S4506では、S4501において取得した予告演出決定用乱数およびS4504においてセットした予告演出決定テーブルに基づいて、指定された変動パターン及び決定された変動演出パターンに適合した予告演出を選択し、これを設定する(S4506)。
本実施例1では、表示態様(実行態様)が異なる複数の予告演出を有しており、これらに対応する予告演出決定用乱数として、複数の予告演出決定用乱数を有している。具体的に、キャラクタ予告決定用乱数、会話予告決定用乱数、ステップアップ予告決定用乱数等を有しており、これらの予告演出決定用乱数の取得値と各予告演出決定テーブルとを用いて、実行する予告演出を決定する。また各予告演出決定用乱数は、変動演出開始処理(S4404)における演出決定用乱数取得処理(S4501)により所定の値が取得される。
そして、S4507で、S4505及びS4506において設定した変動演出パターン及び予告演出に基づいて、演出図柄遊技演出等を開始するための変動演出開始コマンドをサブ制御基板90のRAM内の出力バッファにセットし(S4507)、変動演出開始処理を終了する。S4507でセットされた変動演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、変動演出開始コマンドに基づき特定される変動演出パターン、すなわちS4505で設定された変動演出パターンに対応する所定の画像データを画像制御基板100のROMから読み出して、該読み出した画像データによる変動演出等を画像表示装置7の表示画面7a上で実行する。また、演出表示器102での2個のLEDによる変動表示(点滅表示)も実行する。
[ST回数表示処理]
次に、図45を用いて、ST回数表示処理(S4405)について説明する。ST回数表示処理は、大当り遊技終了後に高ベース状態(「特典」ともいう)が設定された場合に、その高ベース状態の残り期間(又は、実行済期間)を遊技者に報知するための制御処理である。この高ベース状態の期間をスペシャルタイム(「ST」ともいう)期間(「ST期間」や「特典期間」ともいう)という。また、前述したように、高ベース状態は全ての大当り遊技終了後に設定されるわけではなく、特定の大当り遊技(15R第1大当り遊技、15R第4大当り遊技、2R第5大当り遊技)の終了後、及び、特定の遊技状態(高ベース状態)で特定の大当りとなった場合の当該大当り遊技(2R第2大当り遊技)の終了後、に設定される。従って、2R第3大当り遊技の終了後、及び、低ベース状態で2R第2大当りとなった場合の2R第2大当り遊技の終了後は、高ベース状態に設定されず、低ベース状態に設定される。
また、本実施例では、特定の大当り遊技(15R第1大当り遊技、15R第4大当り遊技、2R第5大当り遊技)の終了後、及び、特定の遊技状態(高ベース状態)で特定の大当りとなった場合の当該大当り遊技(2R第2大当り遊技)の終了後、の何れの場合も、高ベース状態の設定期間(特典期間)として、同じ期間(特別図柄の変動表示が100回実行されるまで)を設定している。すなわち、15R第1大当り遊技の終了後に設定される高ベース状態の設定期間(第1特典期間)も、15R第4大当り遊技の終了後に設定される高ベース状態の設定期間(第2特典期間)も、2R第5大当り遊技の終了後に設定される高ベース状態の設定期間(第3特典期間)も、高ベース状態2R第2大当りとなった場合の2R第2大当り遊技の終了後に設定される高ベース状態の設定期間(第4特典期間)も、何れも、同じ期間に設定される。もちろん、このような態様に限らず、第1乃至第4特典期間のうち、一部の特典期間を他の特典期間と異ならせてもよい(例えば、一部の特典期間を100回、他の特典期間を50回とする等)。また、後述する「ST上乗せ演出213」を効果的にするため、2R第5大当り遊技後に設定される高ベース状態の設定期間を、他の大当り遊技後(例えば、15R第4大当り遊技後)に設定される高ベース状態の設定期間よりも長い期間に設定してもよい。
ST回数表示処理(S4405)は、変動開始コマンドを受信する毎に実行する処理である。ST回数表示処理(S4405)ではまず、遊技状態が高ベース状態かどうかを判定し(S4601)、高ベース状態でない、すなわち、低ベース状態であると判定した場合(S4601でNO)、処理を終える。これは、高ベース状態の残期間(実行期間)を表示するための処理であり、低ベース状態であれば、ST回数のカウント処理等を行うことなく本処理を終了するものとしている。一方、S4601で、高ベース状態であると判定した場合(S4601でYES)、次いで、第2ST回数カウンタの値が1以上かどうかを判定する(S4602)。S4602で、第2ST回数カウンタの値が1未満、すなわち、0であると判定した場合(S4602でNO)、第1ST回数カウンタの値を「1」減算し(S4607)、減算後の第1ST回数カウンタの値を、所定の表示部に表示するためのカウンタコマンドをセットする。
S4608でセットされたカウンタコマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、カウンタコマンドに基づき特定される所定の画像データを画像制御基板100のROMから読み出して、該読み出した画像データによる画像を画像表示装置7の表示画面7a上に表示する(図55を参照)。これにより、遊技者は、高ベース状態(特典期間)の残り期間を把握することが可能となる。
ここで、「ST回数カウンタ」は、高ベース状態の実行期間(実行回数、残期間、残回数)をカウントするためのカウンタであり、大当り遊技終了後に高ベース状態が設定される場合に、所定の値(本実施例では「100」)が設定され、特別図柄の変動表示が実行される(開始する)毎に、カウンタの値を「1」減算し、高ベース状態の終了に伴って(特別図柄の変動表示が100回実行されると)、カウンタの値が「0」となる。また、第1ST回数カウンタ及び第2ST回数カウンタの2個のカウンタを有しており、第1ST回数カウンタは高ベース状態の実行期間(残り期間)を把握するためのカウンタである。従って、大当り遊技終了後に高ベース状態が設定される場合には、この第1ST回数カウンタに「100」がセットされる。
また、第2ST回数カウンタは、ST回数(ST残回数)の上乗せ演出を行うためのカウンタである。「上乗せ演出」とは、高ベース状態(時短状態)において、2R第5大当りが発生した場合に、2R第5大当り遊技の終了後の高ベース状態も、2R第5大当りとなる前の高ベース状態の残期間の表示(減算表示)を継続し、当該残期間が「0」になる際に(又は、「0」になる前の所定のタイミングで)、本来の高ベース状態の残期間を表示する演出である。つまり、2R第5大当り遊技の終了後は「100」回の高ベース状態が設定されるものの、この2R第5大当り遊技の発生自体を遊技者に報知せず、2R第5大当り発生前に実行されていたST期間の残期間報知演出(第1報知演出)を、2R第5大当り遊技終了後も継続して実行する。ここで、2R第5大当り遊技終了後に設定される本当(真)の高ベース状態の設定期間は、第1報知演出によって報知される残期間よりも長いため、第1報知演出が、残期間がなくなる(ST期間が終了する)ことを示す値になった後も、高ベース状態は継続することとなる。そして、このタイミング若しくは第1報知演出が「0」を示す前に、本当(真)の高ベース状態(ST期間)の残期間を示す第2報知演出に切り替える。
この偽(嘘)のST残期間を報知するST残期間報知演出(「ST残期間疑似報知演出212」ともいう)を、本当(真)のST残期間を報知するST残期間報知演出211に切り替える演出を、ST上乗せ演出213(特定演出)やST昇格演出という。また、このように、第1報知演出を、大当り遊技終了後の高ベース状態設定時期でない時期に第2報知演出に変化させる演出を、ST上乗せ演出213(特定演出)やST昇格演出という。また、2R第5大当り遊技は、0.1sの開放を2回(2ラウンド)行うといった極短時間で終了する大当り遊技である。また、2R第5大当り遊技の前後で、ST算期間報知演出の減算表示態様を継続して行ったり、2R第5大当り遊技の発生の際に当該発生を報知するファンファーレ演出等を行わなかったり、2R第5大当り遊技終了後の演出モードを2R第5大当り発生前の演出モードと同じにしたりすることで、遊技者は、2R第5大当り遊技が発生したこと、すなわち、遊技者にとって比較的不利な大当り遊技が発生したことに気づきにくくなる。
また、2R第5大当り遊技は獲得可能な遊技利益量が極めて少ないばかりか、2R第5大当り遊技の終了後は、高ベース状態且つ低確率状態の低確高ベース状態に設定される。このため、遊技者は、2R第5大当り遊技の発生をのぞまない。ここで、「ファンファーレ演出」とは、少なくとも、当り演出図柄の停止表示後であって大入賞口を開状態とするまえの期間において、「大当り!!」、「おめでとう」等の大当りとなったことを遊技者に示す報知演出である。
またこれにより、遊技者は不利な大当り遊技(2R第5大当り遊技)の発生に気づかず、2R第5大当り遊技終了後も高確高ベース状態が継続していると思わせ、大当り発生への高い期待感をもって遊技を行うことが可能となる。また、更に、ST残期間疑似報知演出212の実行中の所定タイミングで、ST残期間を上乗せする演出、遊技者が残期間として把握可能な見た目上の残期間を増加する(増やす)演出を実行可能となるため、遊技者は、大きな利益を得られたように感じ、遊技興趣を高めることが可能となる。すなわち、本来遊技興趣を減退させかねない不利な大当り遊技の見せ方(不利な大当り遊技が発生した際の演出態様)によって、遊技者が大きな利益を獲得できたように感じさせ、遊技興趣を高めることが可能となる。尚、高確高ベース状態のST期間のどのタイミングで2R第5大当りが発生したかによって、上乗せされる残期間が異なる。
次に、図55を用いて、ST上乗せ演出213について説明する。図55に示す場合では、所定の時期に15R第4大当りが発生し、15R第4大当り遊技の終了後の遊技状態が高確高ベース状態のST期間(第2特典期間)が設定される。尚、ST期間は高ベース状態とされ、より具体的には、高確高ベース状態と低確高ベース状態とがある。図55(a)は、15R第4大当り遊技の終了後に高ベース状態、すなわち、ST期間(第2特典期間)が設定され、当該ST期間における1回目の演出図柄(特別図柄)の変動表示が行われている場面を示す。演出図柄表示部7b(表示画面7a)の所定領域(右上部)には、ST残期間表示部が設けられており、ST残期間報知演出211(第1残期間報知演出)が実行されている。ST期間は当初100回に設定され、。図55(a)は、1回目の変動表示を実行中であるので、当該実行中の変動表示を除いてST期間が残り99回あることを示す「ST残99回」の演出態様が表示されている。また、このST残期間報知演出211は、第1ST回数カウンタの値に基づく本当(真)のST残期間を報知する演出である。
その後、大当りが発生することなく複数回の変動表示を行い、ST期間の40回目の変動表示で、2R第5大当りが発生している。図55(b)は、ST期間の40回目の変動表示で、2R第5大当りが発生した場面を示す。この2R第5大当りの発生を遊技者に認識困難とするため、停止表示する演出図柄は、大当りであるにもかかわらず、「434」の外れ図柄としている。また、ST残期間表示部には、40回目の変動表示を行ったこと、すなわち、ST期間が残り60回あることを示す「ST残60回」の演出態様が表示されている。一方、この第2特典期間(ST期間)は、2R第5大当り遊技の発生によって終了する。然しながら、遊技者に第2特典期間が終了したこと、及び、2R第5大当りが発生したことを認識困難とするため、2R第5大当り遊技終了後も、2R第5大当り遊技開始前の第2特典期間のST残期間を示すST残期間報知演出を続行(継続)する。すなわち、ST残期間疑似報知演出を開始する。
図55(c)は、2R第5大当り遊技終了後に新たに設定される第3特典期間開始後も、2R第5大当り遊技開始前に実行されていた第2特典期間のST残期間を示すST残期間報知演出を継続して行う場面を示す。そして、ST残期間表示部には、2R第5大当り遊技終了後の1回目の変動表示が行われたことに基づいて、ST期間が残り59回あることを示す「ST残59回」の演出態様が表示されている。尚、これはST残期間疑似報知演出であり、真(本当)のST残期間は「99」回である。その後、第3特典期間において大当りを発生することなく複数回の変動表示が行われ、これに伴い変動表示が行われる毎に、ST残期間疑似報知演出で示すST残期間が「1」ずつ減算される(ST残58、ST残57、ST残56・・・)。
そして、図55(d)、(e)、(f)は、ST残期間疑似報知演出で示すST残期間が終了する(「0」になる)のに伴って(際して)、ST残期間疑似報知演出から真のST残期間を報知するST残期間報知演出に変化させる(切り替える)ST上乗せ演出(特定演出)を実行する場面を示す。すなわち、これにより、ST残期間報知演出の報知対象を、第3特典期間のST残期間に変更する。尚、ST上乗せ演出は、必ずしもST残期間疑似報知演出で示すST残期間が終了する(「0」になる)際に行う必要はなく、終了する前の所定のタイミングで行ってもよい、残り3回等の特定のタイミングで行ってもよいし、乱数抽選により決定したタイミングで行ってもよい。また、図55に示すt4〜t5の期間(ST残期間疑似報知演出を実行する期間)は、遊技者に第2特典期間であるかのように見せるため、疑似第2特典期間(疑似特典期間)ともいう。
図55(d)乃至(f)は、ST残期間疑似報知演出が示すST残期間(疑似ST残期間)が終了する際に実行する演出である。具体的に図55(d)は、第3特典期間における60回目の変動表示の終了に伴って、外れ演出図柄を停止表示し、ST残期間表示部に示すST残期間疑似報知演出(ST残0回)でST残期間(疑似ST残期間)が終了した(「0」になった)ことを示す場面である。続いて、図55(d)の演出態様から図55(e)の演出態様に変化する。図55(e)は、「ST残0回」と表示したST残期間疑似報知演出の表示態様が変化する態様(ST残回数変動演出)を示す場面である。これにより、遊技者は、ST上乗せ演出が発生することに期待し、且つ、多くの回数が上乗せされることに期待する。
続いて、図55(e)の演出態様から図55(f)の演出態様に変化する。図55(f)は、ST回数上乗せ演出が成功し、ST残期間表示部に、真のST残回数、すなわち、2R第5大当り遊技の終了後に設定された第3特典期間のST残回数を示した場面である。このST回数上乗せ演出により、遊技者に報知されるST残期間が「0」から「40」に増加し、この増加したST残期間も高ベース状態が継続される。これにより、遊技者は、再度有利状態(高ベース状態)における大当りの発生に期待感を高め、遊技興趣を高めることが可能となる。また、遊技状態は、低確高ベース状態であるが、遊技者は、2R第5大当りの発生に気づいていない場合には、高確高ベース状態である第2特典期間が継続し、且つ、高確高ベース状態が上乗せ(延長)されたものと感じ、遊技興趣を高めることが可能となる。
また、図55(d)乃至(f)では、ST上乗せ演出(特定演出)の結果、成功した場面を示したが、成功する場合だけでなく、失敗する場合があってもよい。この場合、図55(e)の場面から再度、図55(d)と同様の場面に移行する(「ST残0回」のまま)ものとする。これは、例えば、第2特典期間の途中で2R第5大当りが発生することなくST期間が終了し、この終了時に合わせて、ST上乗せ演出(疑似ST上乗せ演出)を行った場合に起こりうる。
また、前述したST上乗せ演出を行って報知されるST残期間が、40回(ST残40回)に増加(報知されるST期間が延長)された後、第3特典期間において大当りを発生することなく複数回の変動表示が行われ、これに伴い変動表示が行われる毎に、ST残期間報知演出で示すST残期間が「1」ずつ減算される(ST残39、ST残38、ST残37・・・)。図55(h)は、第3特典期間における71回目の変動表示を行う場面を示し、ST残期間表示部には、実行中の変動表示を除いて、ST期間が残り29回であることを示す「ST残29回」が表示される。また、その後も大当りを発生することなく複数回の変動表示が行われ、これに伴い変動表示が行われる毎に、ST残期間報知演出で示すST残期間が「1」ずつ減算される。図55(g)は、第3特典期間において変動表示を予め定められた回数(「100」回)行い、ST残期間が「0」となり、ST期間を終了した場面を示す。これにより、以後低確低ベース状態(通常状態)に移行することとなる。また、この際にもST上乗せ演出(疑似ST上乗せ演出)を行い、上乗せに失敗する演出を行ってもよい。
ここで、図45の説明に戻って、S4602で、第2ST回数カウンタの値が「1」以上であると判定した場合(S4602でYES)、第2ST回数カウンタの値を「1」減算し(S4603)、第1ST回数カウンタの値を「1」減算し(S4604)、S4605の処理に移行する。S4605では、第2ST回数カウンタの値が「0」かどうかを判定し(S4605)、第2ST回数カウンタの値が「0」であると判定した場合(S4605でYES)、上乗せ演出表示コマンドをセットし(S4609)、減算後の第1ST回数カウンタの値を、所定の表示部に表示するためのカウンタコマンドをセットし(S4610)、処理を終える。一方、S4605で、第2ST回数カウンタの値が「0」でない判定した場合(S4605でNO)、第2ST回数カウンタの値を、所定の表示部に表示するためのカウンタコマンドをセットし(S4606)、S4609の処理に移行する。S4609では、第1ST回数カウンタの値が「0」かどうかを判定し(S4609)、「0」でないと判定した場合(S4609でNO)、処理を終える。S4609で、第1STカウンタの値が「0」であると判定した場合(S4609でYES)、演出モードを通常モードに設定し(S4610)、処理を終える。尚、第1STカウンタの値が「0」になると、遊技状態は低確低ベース状態(通常状態)となる。
このように、第1ST回数カウンタと第2ST回数カウンタとを備え、第1ST回数カウンタでは、実際の特典期間の実行回数(残り回数)をカウントし、ST残期間疑似報知演出を行う場合には、特定大当り(2R第5大当り)が発生した際の第1ST回数カウンタの値、すなわち、特定大当りが発生した際のST期間の残り期間(回数)を、第2ST回数カウンタに移行する。それと共に、特定大当り遊技終了後に実際に設定されたST期間を第1ST回数カウンタに記憶する。
そして、特定大当り遊技終了後は、第2ST回数カウンタのカウント値に基づいてST残期間報知演出(ST残期間疑似報知演出)を行うと共に、演出図柄(特別図柄)の変動表示が行われるごとに、第1ST回数カウンタ及び第2ST回数カウンタの両方のカウント値を1ずつ減算する。そして、第2ST回数カウンタのカウント値が「0」になる際に、第1ST回数カウンタのカウント値に基づいてST残期間を表示するST残期間報知演出に切り替える。これにより、遊技者にとって比較的不利な大当りである2R第5大当りの発生を、気付き難くし、ST期間を増加可能なST上乗せ演出により、遊技興趣を高めることが可能となる。
[遊技状態判定処理]
次に、図46を用いて、遊技状態判定処理(S4417)について説明する。この遊技状態判定処理(S4417)では、後述する連荘回数計数処理(S4410)でONにする「連荘フラグ」を、連荘状態終了した、すなわち、高ベース状態であるST期間が終了したことに基づいてOFFにする処理である。遊技状態判定処理(S4417)ではまず、今回の演出図柄(特別図柄)の変動表示が高ベース状態で行われたかどうかを判定する(S5201)。S5201で、高ベース状態で行われていない、すなわち、変動表示が低ベース状態で行われたと判定した場合(S5201でNO)、処理を終える。一方、S5201で、今回の変動表示が高ベース状態で行われたと判定した場合(S5201でYES)、次いで、次の演出図柄(特別図柄)の変動表示を行う際の遊技状態は高ベース状態かどうかを判定する(S5202)。すなわち、今回の変動表示でST期間(高ベース状態)を終了することなく、次の変動表示もST期間(高ベース状態)で行われるかどうかを判定する。S5202で、次の変動表示も高ベース状態で行われると判定した場合(S5202でYES)、処理を終える。
一方、S5202で、次の変動表示は高ベース状態でおこなわれない、すなわち、今回の変動表示をもって、ST期間(高ベース状態)を終了し、次回の変動表示は低ベース状態となると判定した場合(S5202でNO)、連荘フラグをOFFにし(S5203)、連荘回数カウンタの値をリセットし(S5204)、S5205の処理に移行する。これにより、大当り遊技と高ベース状態とが連続して発生する連荘状態を終了したものと判定することが可能となる。S5205では、図53(b)に示す第3左打ち報知演出203を実行するための第3左打ち報知演出実行コマンドをセットし(S5205)、処理を終える。これにより、高ベース状態のST期間が終了し、右打ち遊技から左打ち遊技に変更すべきことが遊技者に報知される。
[連荘回数計数処理]
次に、図47を用いて、大当りの連荘回数(連続回数)を計数する連荘回数計数処理(S4410)について説明する。連荘とは、通常状態(又は、低ベース状態)における大当りの発生を1回目として、以後有利状態(高ベース状態)が途切れることなく(大当り遊技中は除く)、大当りが発生することをいう。すなわち、大当り遊技終了後に高ベース状態(ST期間)が設定され、当該ST期間が終了するまでに(ST期間中に)次の大当りが発生した場合、これを連荘という。そして、この連荘の回数を連荘回数計数処理(S4410)によって計数する。
連荘回数計数処理(S4410)ではまず、低ベース状態で大当りとなったかどうかを判定する(S4701)。ここで、本実施例では、低ベース状態として、低確低ベース状態と高確低ベース状態とが設けられている。S4701で、低ベース状態で大当りとなったと判定した場合(S4701でYES)、連荘フラグをONにし(S4701)、連荘回数カウンタに「1」をセットし(S4703)、処理を終える。これにより、連荘状態が開始し、連荘回数として「1」回目がカウントされる。この連荘状態は、大当り遊技後に高ベース状態が設定されず低ベース状態が設定されるか、又は、大当り遊技後に設定された高ベース状態が設定回数の変動表示を行うことによって終了し低ベース状態が設定されることによって、終了するものとする。
S4701で、発生した大当りは、低ベース状態における大当りでない、すなわち、高ベース状態において大当りとなったと判定した場合(S4701でNO)、連荘回数カウンタの値に「1」を加算し(S4704)、処理を終える。すなわち、既に連荘状態に突入しており、連荘状態の高ベース状態において大当りとなることで、連荘回数カウンタで計数する連荘回数を「1」加算する。尚、この連荘回数カウンタで計数する連荘回数に基づいて、連荘回数を表示する演出を行ったり、連荘回数を間接的に把握できるような演出(背景色の変化や特定キャラクタの出現等)を行ったりすることが可能である。
[第1発射領域報知処理]
次に、図48を用いて、大当り遊技中(オープニング期間中やエンディング期間中を含んでもよい)の好適な遊技球の発射領域を報知する第1発射領域報知処理について説明する。ここで、前述したように、本実施例では遊技盤2上に、遊技球が入球可能な複数の入球口(開閉態様が変化しない固定式入球口及び開閉態様が変化する可変式入球口)を設けており、入球口によって、遊技盤2に形成された遊技領域3のどの遊技領域に遊技球を発射させれば入球させることができるのかが異なっている。
特に、遊技において低ベース状態(大当り遊技中を除く)で入球を狙う第1始動口20は、遊技領域3の左遊技領域(第1遊技領域)に遊技球を発射し流下させることで、入球が可能となる(図54の流下経路(b)を参照)。また、大当り遊技において入球可能状態(開状態)となる第1大入賞口30は、遊技領域3の右遊技領域(第2遊技領域)に遊技球を発射し流下させることで、入球が可能となる(図54の流下経路(g)を参照)。また、同じく、大当り遊技において入球可能状態(開状態)となる第2大入賞口35は、遊技領域3の左遊技領域(第1遊技領域)及び右遊技領域(第2遊技領域)の何れに遊技球を発射し流下させることでも、入球が可能となる(図54の流下経路(c)及び(h)を参照)。また、高ベース状態、すなわち、ST期間(連荘状態)において入球を狙うゲート28及び第2始動口21は、遊技領域3の右遊技領域(第2遊技領域)に遊技球を発射し流下させることで、入球が可能となる(図54の流下経路(e)及び(f)を参照)。
尚、本実施例では、「第1始動口20」は、左遊技領域を流下する遊技球は入球可能であるが、右遊技領域を流下する遊技球は入球不能な位置に設けられている。このような態様に限らず、「第1始動口20」は、「右遊技領域(第2遊技領域)を流下する遊技球よりも左遊技領域(第1遊技領域)を流下する遊技球の方が、入球可能性(入球頻度)が高い位置」に設けてもよい。また、本実施例では、「ゲート28及び第2始動口21、並びに、第1大入賞口30」は、右遊技領域を流下する遊技球は入球可能であるが、左遊技領域を流下する遊技球は入球不能な位置に設けられている。このような態様に限らず、「ゲート28及び第2始動口21、並びに、第1大入賞口30」は、「左遊技領域を流下する遊技球よりも右遊技領域を流下する遊技球の方が、入球可能性(入球頻度)が高い位置」に設けてもよい。
従来の遊技機では、大当り遊技が発生したり、連荘状態(大当り遊技及び高ベース状態が連続する状態)が発生したりすると、左遊技領域へ遊技球を発射させる態様から、右遊技領域に遊技球を発射させる態様に切り替えて遊技を実行し、短時間で多量の遊技球を得られるものがあった。このような遊技機は、発射領域(発射方向)を切り替える作業を要するため、操作態様が煩雑ではあるものの、連荘状態と通常状態とでメリハリを付け、多量の遊技利益(賞球)を得られた場合には遊技興趣を高めることにもつながっていた。然しながら、連荘状態が極短期間で終了する場合や、そもそも1回の大当り遊技だけ実行され、当該大当り遊技終了後に高ベース状態が設定されない(低ベース状態が設定される)場合には、短期間で発射領域(発射方向)を切り替える作業を行う必要があり、遊技興趣を低下させる一因になっていた。しかも、このような大当り遊技が獲得可能な遊技利益が他の大当り遊技よりも少ないものである場合には、遊技興趣の低下は顕著であった。
そこで、本実施例のパチンコ遊技機では、右遊技領域への発射で入球可能な第1大入賞口30と、左遊技領域及び右遊技領域の何れに発射しても入球可能な第2大入賞口35と、を設けることで、大当り遊技の種類や、大当り遊技発生時の遊技状態によって、異なる発射領域(発射方向)を指示する発射領域報知演出を行うこととしている。これにより、遊技者に比較的不利な大当り遊技が発生した場合には、遊技球を流下させる遊技領域(発射領域)を左遊技領域としたまま、当該大当り遊技を実行することを可能にすると共に、既に右遊技領域への発射を行っている場合(右打ち中)には、そのまま右遊技領域への発射を維持したまま、当該大当り遊技を実行することを可能にしている。これにより、発射操作態様が煩雑となるのを防止し、遊技興趣が低下するのを防止することが可能となる。
このような発射態様を可能とするため、遊技者にとって獲得可能な利益が比較的少ない(小さい)2R第3大当りは、当該2R第3大当りにおいて、全てのラウンド(ラウンド遊技)を、左遊技領域及び右遊技領域の何れの遊技領域へ遊技球を発射した場合にも、当該発射した遊技球が入球可能となる第2大入賞口35だけを入球可能状態(開状態)とする。すなわち、右遊技領域への発射を要する第1大入賞口30を入球可能状態(開状態)としない。これにより、何れの遊戯領域に発射して大当り遊技を実行した場合にも、予定された量の遊技利益を獲得可能とされる。
また、左遊技領域及び右遊技領域の何れの遊技領域へ遊技球を発射した場合にも入球可能な大入賞口を、特定領域39(確変作動口)を有する第2大入賞口35としている。これにより、大当り遊技中に左遊技領域への発射だけを行った場合にも、若しくは、大当り遊技中に右遊技領域への発射だけを行った場合にも、何れも予定された遊技利益(高確率状態)を獲得可能となる。すなわち、特定領域への通過による大当り遊技終了後の高確率状態が予定されている場合には、左遊技領域及び右遊技領域の何れの遊技領域へ遊技球を発射した場合にも、当該高確率状態を獲得することが可能となる。
これにより、左遊技領域へ遊技球を発射する低ベース状態において、2R第3大当りとなった場合には、当該低ベース状態から当該2R大当り遊技中を経て、その後に設定される低ベース状態に亘るまで、全て左遊技領域への発射操作で遊技することが可能となる。またこれにより、左遊技領域へ発射する状態から発射領域を切り替えて、当該2R第3大当り遊技中に右遊技領域に遊技球を発射して遊技を行い、当該2R第3大当り遊技終了後に設定される低ベース状態となると再度左遊技領域に遊技球を発射する、といった短期間で発射領域を切り替える煩雑な発射操作を行う必要がない。
またこれに加えて、右遊技領域へ遊技球を発射する高ベース状態において、2R第3大当りや、当該2R第3大当りと同様に、大当り遊技中に第2大入賞口35を入球可能状態とする他の大当りが発生した場合には、第2大入賞口35を入球可能状態とする大当り遊技中又はラウンド中に、わざわざ右遊技領域から発射領域を切り替えて、左遊技領域への発射操作を行う必要がない。すなわち、右遊技領域へ遊技球を発射する状態、すなわち、高ベース状態において、これらの大当りが発生した場合には、右遊技領域への遊技球の発射を維持したまま、遊技を行うことが可能となる。
第1発射方向報知処理(S4411)では、このような遊技状態と発生した大当りに応じた最適な発射態様を遊技者に報知する処理である。第1発射方向報知処理(S4411)ではまず、低ベース状態で発生したした大当りであるかどうかを判定する(S4801)。S4801で、低ベース状態で発生した大当りであると判定した場合(S4801でYES)、次いで、当該大当りが2R第2大当りか2R第3大当りの何れかであるかを判定する(S4802)。S4802で、2R第2大当りか2R第3大当りの何れかである、すなわち、低ベース状態で2R第2大当り又は2R第3大当りが発生したと判定した場合(S4802でYES)、図52(a)に示す報知演出を実行するための第1左打ち報知演出実行コマンドをセットし(S4803)、処理を終える。
また、S4802で、2R第2大当り及び2R第3大当りの何れでもないと判定した場合(S4802)、S4805の処理に移行する。また、S4801で、低ベース状態で発生した大当りでない、すなわち、高ベース状態で発生した大当りであると判定した場合(S4801でNO)、次いで、発生した大当りが2R第5大当りかどうかを判定する(S4804)。S4804で、発生した大当りは2R第5大当りでないと判定した場合(S4804でNO)、S4805の処理に移行する。S4805では、図52(b)に示す報知演出を実行するための第1右打ち報知演出実行コマンドをセットし(S4805)、処理を終える。一方、S4804で、発生した大当りは2R第5大当りであると判定した場合(S4804でYES)、図52(c)に示す報知演出を実行するための第2右打ち報知演出実行コマンドをセットし(S4806)、処理を終える。
ここで、第1左打ち報知演出実行コマンドに基づいて実行される第1左打ち報知演出201(図52(a))は、遊技者に左遊技領域に発射すべきことを報知する演出である。図52(a)に示すように、表示画面7a上には、「左打ちしてください。」の文字表示を実行すると共に、遊技領域3(遊技盤2)の模式図をキャラクタ表示して、当該模式図の遊技領域に遊技球を流下させるべき領域を矢印で示している。これにより、遊技者は、これから実行する大当り遊技中に発射すべき遊技領域を認識することが可能となる。また、表示画面7a上の右上部には、当り演出図柄8を表示し、左上部には、大当り種別報知演出を実行する。尚、「大当り」は、獲得可能な利益が比較的低い(利益量が比較的少ない)大当りであることを示し、「超大当り」は、獲得可能な利益が比較的多い(利益量が比較的大きい)大当りであることを示している。
また、第1右打ち報知演出実行コマンドに基づいて実行される第1右打ち報知演出204(図52(b))は、遊技者に右遊技領域に発射すべきことを報知する演出である。図52(b)に示すように、表示画面7a上には、「右打ちしてください。」の文字表示を実行すると共に、遊技領域3(遊技盤2)の模式図をキャラクタ表示して、当該模式図の遊技領域に遊技球を流下させるべき領域を矢印で示している。これにより、遊技者は、これから実行する大当り遊技中に発射すべき遊技領域を認識することが可能となる。
また、第2右打ち報知演出実行コマンドに基づいて実行される第2右打ち報知演出205及び特定キャラクタ演出(図52(c))は、遊技者に右遊技領域に発射すべきことを報知する演出である。第2右打ち報知演出実行コマンドに基づいて実行される報知演出は、図52(c)に示すように、図52(a)及び(b)と比較して、発射領域(発射方向)を示す演出を目立たない(認識し難い)演出態様で実行している。また、当り演出図柄も、図52(a)及び(b)と比較して、異なる表示領域(右下)に、小さいサイズで表示している。また、遊技領域3(遊技盤2)の模式図を表示することなく、変わりに、特定キャラクタを表示する特定キャラクタ演出を実行する。この特定キャラクタ演出は、大当り遊技(2R第5大当り遊技)開始前に実行される遊技演出と関連する演出(例えば、同じキャラクタが出現する等)とされる。
これにより、遊技者は、2R第5大当り(2R第5大当り遊技)が発生したことを、認識しにくくなる。ここで、2R第5大当り遊技は、第2始動口21への入球に基づく当否判定によって発生しうる大当り遊技である。すなわち、高ベース状態で、第2始動口21を狙って遊技を行う際に発生しうる大当り遊技であるところ、この2R第5大当り遊技は、他の大当り遊技(15R第4大当り)と比較して不利な大当りに設定されている。具体的には、第2大入賞口35が入球可能状態となる時間(開放時間)が短く、遊技球を入球させるのが困難な程短期間に設定されている(0.1sの開放を2回行う一瞬開閉)。これにより、獲得可能な遊技利益量が少ない(略ゼロ)ものとなっている。また、遊技球が特定領域への通過する可能性も低い(可能性がない)大当り遊技とされているため、当該大当り遊技終了後の遊技状態は、低確率状態とされる。
このように、2R第5大当りの発生は遊技者にとって、喜ばしいことではないため、2R第5大当り遊技の実行に伴って図52(c)の演出を実行することで、遊技者に2R第5大当りの発生を気付き難くし、2R第5大当り発生前が高確率状態であれば、当該2R第5大当り遊技終了後も、高確率状態が継続しているものと思わせ、遊技興趣の低下を防止することが可能となる。
[演出モード設定処理]
次に、図49に基づいて演出モード設定処理について説明する。これは、大当り遊技終了後の表示画面7aで実行される演出モードである。これにより、大当り遊技終了後に実行される背景演出やリーチ演出や予告演出等の表示態様が決定される。演出モード設定処理ではまず、実行した(終了した)大当り遊技が2R第5大当り遊技かどうかを判定する(S4901)。S4901で、実行した大当り遊技が2R第5大当り遊技であったと判定した場合(S4901でYES)、次いで、大当り遊技中に特定領域を通過したかどうかを判定し(S4902)、特定領域を通過していないと判定した場合(S4902でNO)、S4903の処理に移行する。尚、大当り遊技中のVラウンドにおいて遊技球が特定領域を通過しなかった場合、当該大当り遊技終了後の遊技状態は低確率状態とされる。
S4903では、連荘回数カウンタの値が「2」以下かどうかを判定し(S4903)、「2」以下であると判定した場合(S4903でYES)、大当り遊技終了後の演出モードを特別モードに設定し(S4904)、処理を終える。この「特別モード」は、2R第5大当りとなった場合であって、当該2R第5大当り遊技中に遊技球が特定領域を通過せず、大当り遊技終了後が低確率状態に設定される場合であって、連荘回数が2回以下の場合に設定されるモードである。すなわち、低ベース状態において大当り(初当り)となって高ベース状態に移行したものの、高ベース状態における次の大当りが利益の低い2R第5大当りとなった場合に、「特別モード」に設定される。
この「特別モード」は、初当りから高ベース状態に移行し、連荘状態の継続により、多量の遊技利益(賞球)の獲得を期待したにもかかわらず、高ベース状態において1回の大当りを発生しただけで(しかも獲得可能な利益量が少ない)低確率状態に移行してしまうといった状況になった遊技者の、遊技興趣の低下を極力防止するためのモードである。「特別モード」は、他の遊技モードでは実行されないリーチ演出や予告演出やキャラクタ演出が実行されたり、他の遊技モードとは異なる背景演出やキャラクタが出現したり、他の遊技モードでは出現可能性が低い遊技演出(リーチ演出や予告演出等、例えば、プレミア演出やスーパーリーチ等)が他の遊技モードよりも高い確率で出現したりするモードである。また、この特別モードの実行中に大当りが発生した場合、大当り遊技中に実行される遊技演出やオープニング演出やエンディング演出を、他の大当り遊技中等に実行される演出と異なる特別の演出としてもよい。
また、この特別モードは、特定条件(特定の開始条件)が成立した場合に、2R第5大当り遊技の終了後に設定され、所定の終了条件が成立した場合に終了し、他の演出モードに移行する。本実施例では、この終了条件は、2R第5大当り遊技終了後に設定される高ベース状態が終了するか、この高ベース状態の実行中に大当り遊技が実行されることにより、終了するものとする。このように、特別モードにおいて、他の演出モードでは実行可能性の低い(実行されない)レアな遊技演出を実行可能とすることで、特別モードが実行された場合の遊技興趣を高めることができる。またこれにより、連荘状態が短期間で終了した場合、若しくは、連荘状態が短期間で終了する可能性が高まった場合における遊技興趣の低下を極力防止することが可能となる。また、特別モードにおける遊技演出を趣向性の高い遊技演出とすることが可能である。また、遊技者に特別モードに移行したことがわかるように、実行中のモードを認識可能なモード表示部を設け、遊技者に実行中のモードを報知してもよい。これは他の演出モードの実行中についても同様である。
尚、「特別モード」は、連荘回数カウンタの値が「2」、すなわち、連荘回数が最小限の2回となるときの大当りが、特定の大当り(2R第5大当り)であると、特定条件の成立として、設定するものとした。これに加えて、更に、特別モードを設定するかどうかを抽選によって決定してもよい。例えば、連荘回数カウンタの値が「2」以下であり、更に、1/2の確率の抽選に当選した場合に「特別モード」に設定してもよい。これにより、「特別モード」を更に貴重な演出モードとし、実行された場合の遊技興趣を高めることが可能となる。また、連荘回数カウンタの値を「2」に変えて、それより多い数「3」、「4」、又はそれ以上としてもよい。また、連荘状態において実行された大当り遊技の種別や回数によって、「特別モード」を設定するかどうか決定してもよい。すなわち、連荘状態において2R第5大当りが何回発生しても獲得可能な遊技利益量はそれほど増えないため、このような場合にも「特別モード」に設定してもよい。すなわち、連荘状態において獲得可能な遊技利益量がどれだけあったかによって「特別モード」を設定するかどうか決定してもよい。
また、S4903で、連荘回数カウンタの値が「2」以下でない、すなわち、「3」以上であると判定した場合(S4903でNO)、次いで、大当り発生時の演出モード、すなわち、大当り遊技開始前の演出モードが確変モードであったかどうかを判定し(S4905)、確変モードであったと判定した場合(S4905でYES)、確変モードを設定し(S4906)、処理を終える。これにより、前述したように、確変モード中(ST期間中)に2R第5大当り遊技が実行された場合、当該2R第5大当り遊技の前後の演出モードを同じにすることで、遊技者にとって利益の低い2R第5大当り遊技の発生を気付き難くすることが可能となる。これにより、2R第5大当りの発生による遊技興趣の低下を極力防止することが可能となる。尚、2R第5大当り遊技終了後に設定される確変モードは、実際には低確率状態であることから、「疑似確変モード」ともいう。一方、S4905で、大当り遊技開始前の演出モードは確変モードでなかったと判定した場合(S4905でNO)、時短モードを設定し(S4907)、処理を終える。
また、S4902で、大当り遊技中のVラウンド中において、遊技球が特定領域を通過していないと判定した場合(S4902でYES)、S4910の処理に移行する。また、S4901で、終了した大当り遊技は2R第5大当り遊技でないと判定した場合(S4901でNO)、次いで、大当り遊技終了後に設定される遊技状態は高ベース状態であるかどうかを判定する(S4908)。S4908で、高ベース状態に設定されると判定した場合(S4908でYES)、次いで、大値r遊技終了後に設定される遊技状態は高確率状態かどうかを判定し(S4909)、高確率状態である、すなわち、高確高ベース状態であると判定した場合(S4909でYES)、S4910の処理に移行する。S4910では、大当り遊技終了後の演出モードを確変モードに設定し(S4910)、処理を終える。
一方、S4909で、大当り遊技終了後に設定される遊技状態は高確率状態でない、すなわち、低確高ベース状態であると判定した場合(S4909でNO)、大当り遊技終了後の演出モードを時短モードに設定し(S4911)、処理を終える。また、S4908で、大当り遊技終了後に設定される遊技状態は高ベース状態でない、すなわち、低ベース状態であると判定された場合(S4908でNO)、次いで、実行された(終了した)大当り遊技が2R第3大当り遊技であるかどうかを判定する(S4912)。S4912で、実行された大当り遊技が2R大当り遊技であると判定した場合(S4912でYES)、大当り遊技終了後の演出モードを通常モードに設定し(S4910)、処理を終える。一方、S4912で、実行された大当り遊技は2R大当り遊技でないと判定した場合(S4912でNO)、非報知モードを設定し(S4914)、処理を終える。以上説明した処理により、発生した大当り遊技の種類や、大当り遊技終了後の遊技状態や、大当り遊技開始前の演出モード等によって、大当り遊技終了後の演出モードが設定される。
[STカウンタ設定処理]
次に、図50を用いて、ST期間における遊技演出や、ST残期間報知演出や、ST残期間疑似報知演出や、ST上乗せ演出等を実行するための、STカウンタ設定処理(S4414)について説明する。STカウンタ設定処理(S4414)ではまず、実行した(終了した)大当り遊技が2R第3大当り遊技かどうかを判定する(S5001)。S5001で、実行した大当り遊技が2R第3大当り遊技であると判定した場合(S5001でNO)、第1ST回数カウンタ及び第2ST回数カウンタの値をリセットし(S5007)、処理を終える。このように、2R第3大当りは、当該2R第3大当り遊技の終了後に高ベース状態を設定しない、すなわち、ST期間を設定しない大当りであるので、2R第3大当りの発生に基づいて、ST回数カウンタはリセットされる(図6参照)。尚、低ベース状態において、2R第3大当りが発生した場合には、第1ST回数カウンタ及び第2ST回数カウンタの値は既にリセット(「0」に設定)されているため、S5007のリセット処理を飛ばしてもよい。
一方、S5001で、実行した大当り遊技が2R第3大当り遊技でないと判定した場合(S5001でNO)、次いで、高ベース状態で発生した大当りであったかどうかを判定する(S5002)。S5002で、高ベース状態で発生した大当りではない、すなわち、低ベース状態で発生した大当りであると判定した場合(S5002でNO)、次いで、実行した大当り遊技が2R第2大当り遊技であるかどうかを判定する(S5006)。S5006で、実行した大当り遊技は2R第2大当り遊技である、すなわち、低ベース状態で2R第2大当りが発生し、当該2R第2大当り遊技が終了したと判定した場合(S5006でYES)、S5007に移行する。すなわち、低ベース状態で2R第2大当りとなった場合には、当該大当り遊技終了後は低ベース状態とされ、ST期間は設定されない(図6参照)。
一方、S5005で、実行した大当り遊技は2R第2大当り遊技でないと判定した場合(S5006でNO)、S5005の処理に移行する。一方、S5002で、高ベース状態で発生した大当りであると判定した場合(S5002でYES)、次いで、実行した大当り遊技が2R第5大当り遊技かどうかを判定する(S5003)。S5003で、実行した大当り遊技は2R第5大当り遊技である、すなわち、高ベース状態で2R第5大当りが発生し、当該2R第5大当り遊技を実行したと判定した場合(S5003でYES)、第1ST回数カウンタの値を第2ST回数カウンタにセットし(S5004)、S5005の処理に移行する。
これにより、高ベース状態において、比較的利益の低い2R第5大当りとなった場合に、当該2R第5大当り発生時のST期間の残り回数を、第2ST回数カウンタに記憶させることが可能となる。そして、この第2ST回数カウンタの値に基づいて、2R第5大当り遊技終了後に、ST残期間疑似報知演出を実行することが可能となる。
S5003で、実行したのが2R第5大当りでないと判定した場合(S5003でNO)、S5005の処理に移行する。S5005では、第1ST回数カウンタに「100」をセットし(S5005)、処理を終える。以上説明した処理により、大当り遊技終了に伴って、第1ST回数カウンタ及び第2ST回数カウンタに夫々所定の値がセットされ、又は、値がリセットされ、大当り遊技終了後の遊技を開始する。尚、第1ST回数カウンタ及び第2ST回数カウンタは、サブ制御部90のRAMに設けられている。
[第2発射領域報知処理]
次に、図51を用いて、大当り遊技終了後の遊技中に発射すべき発射領域を報知する第2発射領域報知処理(S4415)について説明する。第2発射領域報知処理(S4415)ではまず、大当り遊技終了後の遊技状態が高ベース状態に設定されるかどうかを判定する(S5101)。S5101で、高ベース状態に設定されると判定した場合(S5101でYES)、図53(c)に示す第3右打ち報知演出206を実行するための第3右打ち報知演出実行コマンドをセットし(S5102)、処理を終える。遊技状態が高ベース状態の際は、右遊技領域に遊技球を発射し、流下させて遊技を行うため、図53(c)に示す報知態様の演出を行う。具体的に、表示画面7a上には、「右打ちしてください。」の文字表示を実行すると共に、遊技領域3(遊技盤2)の模式図をキャラクタ表示して、当該模式図の遊技領域に遊技球を流下させるべき領域を矢印で示している。これにより、遊技者は、これから実行する高ベース状態の遊技において、発射すべき遊技領域を認識することが可能となる。また、表示画面7a上の左部には、演出図柄8の変動表示を開始する。すなわち、大当り遊技における入球可能状態を全て終了した後、第2発射領域報知演出を開始し、演出図柄の変動表示開始後も所定期間、当該報知演出を継続する。またこれにより、大当り遊技中から、大当り遊技終了後も継続して右遊技領域へ遊技球を発射する連荘状態が継続し、遊技興趣を高めることが可能となる。
一方、S5101で、大当り遊技終了後の遊技状態が高ベース状態に設定されない、すなわち、低ベース状態に設定されると判定した場合(S5101でNO)、連荘フラグをOFFし(S5103)、続いて、連荘回数カウンタの値をリセットし(S5104)、S5105の処理に移行する。従って、大当り遊技終了後は、連荘状態を終了し、ST期間も設定されない。S5105では、大当り遊技中に左打ち報知を行っていたかどうか、すなわち、大当り遊技を左打ち遊技により実行するよう報知したかどうかを判定する(S5105)。これは、低ベース状態で、2R第3大当りが発生し、左遊技領域に遊技球を発射する左打ちのまま、2R第3大当り遊技を行った場合が該当する。S5105で、大当り遊技中に左打ち報知を行った場合(すなわち、実行された大当り遊技が2R第3大当り遊技の場合)(S5105でYES)、図53(a)に示す第2左打ち報知演出202を実行するための第2左打ち報知演出実行コマンドをセットし(S5106)、処理を終える。
図53(a)に示す第2左打ち報知演出202は、表示画面7a上に、「左打ちしてください。」の文字表示を実行すると共に、遊技領域3(遊技盤2)の模式図をキャラクタ表示して、当該模式図の遊技領域に遊技球を流下させるべき領域を矢印で示している。これにより、遊技者は、これから実行する低ベース状態の遊技において、発射すべき遊技領域を認識することが可能となる。また、本報知演出は、後述する図53(b)の「左打ちに戻してください。」の報知演出と異なり、左打ち遊技の継続を示唆する報知演出である。一方、S5105で、実行した大当り遊技中に左打ち報知をしていない、すなわち、右打ち報知により大当り遊技を実行したと判定した場合(S5105でNO)、図53(b)に示す第3左打ち報知演出203を実行するための第3左打ち報知演出実行コマンドをセットし(S5106)、処理を終える。図53(b)に示す第3左打ち報知演出202は、表示画面7a上に、「左打ちに戻してください。」の文字表示を実行すると共に、遊技領域3(遊技盤2)の模式図をキャラクタ表示して、当該模式図の遊技領域に遊技球を流下させるべき領域を矢印で示している。これにより、遊技者は、これから実行する低ベース状態の遊技において、発射すべき遊技領域を右打ちから左打ちに変更することを認識することが可能となる。
以上説明した処理により、実行した大当り遊技の種別、大当り遊技中に実行していた発射領域報知演出(第1発射領域報知演出)の種類、大当り遊技後の遊技状態等に基づいて、大当り遊技終了後の最適な発射領域報知演出を実行し、遊技者は、これに従って発射操作を行うだけで、煩雑な発射操作を行うことなく、最適な発射操作を行うことが可能となる。またこれにより、煩雑な発射操作を伴うことによる遊技興趣の減退を防止し、遊技興趣を高めることが可能となる。
[他の態様]
前述した実施例では、特定領域39を開閉する可動片150(可動部)の動作パターンの実行契機を、大入賞口(第2大入賞口35)の特定ラウンドの開放開始時としたが、これに限らない。例えば、電源投入時から一定の動作パターンで常時動作してもよいし、可動片150の動作パターンの実行契機を、特定ラウンドにおいて特定個数目の遊技球が入球した時としてもよいし、特定ラウンドの経過時間が特定時間となった時としてもよいし、その他の条件を契機としてもよい。
前述した実施例の第1報知演出及び第2報知演出は、夫々残期間を認識可能な演出であるから、特典期間(ST期間)の実行期間を示してもよいし、特典期間の残り期間を示してもよい。また、ST上乗せ演出(特定演出)の実行時期(実行タイミング)は、第1報知演出で認識可能な残期間が終了する時期であってもよいし、それ以前の途中段階であってもよい(例えば、残り10回のとき等)。また、特典期間(ST期間)は、識別情報の変動表示の回数(例えば、特別遊技終了後100回)によって定めてもよいし、時間(例えば、特別遊技終了後300秒)によって定めてもよい。
前述した実施例では、左遊技領域への発射(左打ち)及び右遊技領域への発射(右打ち)の何れの遊技領域への発射でも大当り遊技を実行可能な大当り遊技(2R第2大当り遊技、2R第3大当り遊技、2R第5大当り遊技)は、何れの遊技領域からも入球可能な大入賞口(第2大入賞口)のみを入球可能状態とした。すなわち、第1大入賞口を入球可能状態としない(開状態としない)。然しながらこのような態様に限らない。、左遊技領域への発射(左打ち)及び右遊技領域への発射(右打ち)の何れの遊技領域への発射でも大当り遊技を実行可能な大当り遊技として、何れの遊技領域からも入球可能な第2大入賞口を、所定のラウンド遊技において所定の開閉パターンで開閉すると共に、右遊技領域のみから入球可能な第1大入賞口を、所定のラウンド遊技において、遊技球の入球が困難な態様で(一瞬開閉)開閉してもよい。これによると、第1大入賞口は開状態となるものの、遊技球が入球困難な程、極短期間の開放時間であるため、右遊技領域へ発射することなく、左遊技領域への発射で大当り遊技を実行しても遊技者は不利益を(殆ど)被ることはない。よって、大当り遊技の開閉パターンを、このような態様とした場合にも、当該大当り遊技は、左遊技領域への発射(左打ち)及び右遊技領域への発射(右打ち)の何れの遊技領域への発射でも大当り遊技を実行可能な大当り遊技といえる。
また、前述した実施例の構成において、遊技球が入球可能な始動口と、第1態様と第1態様よりも遊技球の入球可能性が高い第2の態様とに変化可能な可変式始動口と、のうち少なくとも一方を設け、始動口又は可変式始動口への遊技球の入球に基づいて識別情報を変動表示する識別情報表示手段を設けてもよい。また、遊技球が入球可能な入球可能状態と遊技球が入球不能な入球不能状態とに変化可能な可変入球口と、始動口への入球に基づいて第1当否判定を実行する第1当否判定手段と、可変式始動口への入球に基づいて第2当否判定を実行する第2当否判定手段と、第1当否判定又は第2当否判定の結果が当りになると可変入球口を入球可能状態とする特別遊技を実行可能な特別遊技実行手段と、を備えるものとしてもよい。また、可変式始動口への遊技球の入球頻度が所定の頻度の第1遊技状態と、第1遊技状態よりも可変式始動口への遊技球の入球頻度が高い第2遊技状態とに設定する遊技状態設定手段とを備えるものとしてもよい。ここで、「所定の頻度」には0を含むものとする。
また、前述した実施例では、1ラウンドにおける第1大入賞口又は第2大入賞口の開放回数を1回としているが、1ラウンドにおける第1大入賞口又は第2大入賞口の開放回数を複数回としてもよいし、異なる開放回数のラウンドを有するようにしてもよい。また、実施例1では、第2特図保留を第1特図保留に優先して消化する制御処理、所謂特図2優先の制御処理としたが、これに限らず、第1特図保留を第2特図保留に優先して消化する制御処理、所謂特図1優先の制御処理としてもよい。また、第1特図保留の消化と第2特図保留の消化とに優先順位を設定せず、第1特図保留及び第2特図保留のうち、最も古く記憶されたものから順に消化する制御処置、所謂入球順(記憶順)消化の制御処理としてもよい。
また、前述した実施例では、特定領域39を有するパチンコ遊技機に本発明を適用したものを例示したが、これに限らず、大入賞口内に特定領域39を有することなく、特別図柄当否判定の結果(停止表示される大当り図柄の種類)のみによって、大当り遊技終了後に高確率状態が付与されるかどうかが決定されるタイプの遊技機においても適用することができる。いうまでもなく、「特別図柄当否判定において大当りとなること(第1特別図柄又は第2特別図柄が大当り図柄で停止表示すること)に基づいて」には、このタイプの遊技機も、本実施例1のパチンコ遊技機も、他のタイプの遊技機も含まれる。また、確率設定手段を備えていない(高確率状態のない)タイプのパチンコ遊技機であって、内部に特定領域を有し、遊技球が入球可能な入球可能状態と遊技球が入球不能な入球不能状態とに変化可能な大入賞口を備え、大入賞口は、始動口への入球に基づく当否判定の結果が小当りとなると所定時間入球可能状態とされ、この入球可能状態となった大入賞口に遊技球が入球し、特定領域を遊技球が通過すると、大当りとなり大当り遊技が実行され、所定の特典が付与されるパチンコ遊技機にも適用される。このパチンコ遊技機は所謂1種2種混合機と呼ばれ、始動口への入球に基づく当否判定の結果が大当りになると、特定領域への通過を要せず、大当り遊技が実行される。また、特典としては、始動口への遊技球の入球頻度を高くする高ベース状態を発生することが挙げられる。また、第1始動口と第2始動口とを有し、第2始動口への入球頻度を高める高ベース状態を発生するものとすることが可能である。本発明はこれらあらゆるタイプの遊技機に適用することが可能である。
[その他]
前述した実施例のパチンコ遊技機について以下のようにすることも可能である。
[1−1]
第1−1の遊技機は、
所定条件の成立に基づいて識別情報を変動表示する識別情報表示手段と、
遊技球が入球可能な入球可能状態と、遊技球が入球不能な入球不能状態と、に変化可能な可変入球口と、
前記識別情報の変動表示の結果が特定結果となると前記可変入球口を入球可能状態とする特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、
所定の遊技上の特典を実行する特典実行手段と、
を備えた遊技機であって、
前記特別遊技として、少なくとも、第1特別遊技と、第2特別遊技と、を有し、
前記特典実行手段は、
予め定めた特定条件を満たして前記第2特別遊技が実行された場合、前記特典を実行し、
前記第1特別遊技が実行された場合、及び、前記特定条件を満たすことなく前記第2特別遊技が実行された場合、前記特典を実行しない
ことを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、可変入球口を入球可能状態とする特別遊技として、少なくとも、第1特別遊技と第2特別遊技とを含む複数の特別遊技を有し、予め定めた特定条件を満たして第2特別遊技が実行された場合には特典を付与するものとする。また、第1特別遊技が実行された場合、及び、予め定めた特定条件を満たすことなく第2特別遊技が実行された場合には、特典を付与しないものとしている。これにより、第2特別遊技の実行態様(特定条件を満たしているかどうか)に注目させ、特定条件を満たしての第2特別遊技の実行により、遊技興趣を高めることが可能となる。
[1−2]
また、第1−2の遊技機は、第1−1の遊技機において、
前記第2特別遊技において獲得可能な利益量は、前記第1特別遊技において獲得可能な利益量より少ないことを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、第2特別遊技の実行に基づいて獲得可能な利益量を、第1特別遊技の実行に基づいて獲得可能な利益量よりも少ないものとする。すなわち、第2特別遊技は、第1特別遊技と比較して不利な特別遊技であるということも可能である。これにより、比較的不利な第2特別遊技が実行される場合であっても、その実行態様(特定条件を満たして実行されるかどうか)によっては特典が付与される場合がある。またこれにより、比較的不利な第2特別遊技が実行される場合であっても、遊技興趣の低下を防止することが可能となる。
[1−3]
また第1−3の遊技機は、第1−1又は第1−2の遊技機において、
前記第2特別遊技終了後の遊技状態は、前記第1特別遊技終了後の遊技状態よりも遊技者にとって不利な遊技状態となる可能性が高いことを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、第2特別遊技終了後の遊技状態を、第1特別遊技終了後の遊技状態よりも不利な遊技状態となる可能性が高いものとする。すなわち、第2特別遊技は、第1特別遊技と比較して不利な特別遊技であるということも可能である。これにより、比較的不利な第2特別遊技が実行される場合であっても、その実行態様(特定条件を満たして実行されるかどうか)によっては特典が付与される場合がある。またこれにより、比較的不利な第2特別遊技が実行される場合であっても、遊技興趣の低下を防止することが可能となる。
ここで、「不利な遊技状態となる可能性が高い」とは、必ず不利な遊技状態となる場合も含むものである。また、特別遊技終了後の遊技状態として有利又は不利とは、例えば、識別情報の変動表示が特定結果となる確率が高確率の状態又は低確率の状態や、識別情報の変動表示の実行頻度が高い状態又は低い状態や、これらの回数が多い状態や少ない状態等をあげることが可能である。また、第2特別遊技が実行されることに基づいて得られる遊技上の利益は、第1特別遊技が実行されることに基づいて得られる遊技上の利益よりも小さいものということも可能である。
[1−4]
また第1−4の遊技機は、第1−1乃至第1−3の遊技機において、
第1の態様と、前記第1の態様よりも遊技球の入球可能性が高い第2の態様と、に変化可能な入球口と、
第1遊技状態と、前記第1遊技状態よりも前記入球口への入球頻度が高い第2遊技状態と、を設定可能な遊技状態設定手段と、を備え、
前記特定条件は、前記第2遊技状態において前記第2特別遊技が実行されることに基づいて成立することを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、第1の態様と第2の態様とに変化可能な入球口と、遊技状態を第1遊技状態と第2遊技状態とに設定可能な遊技状態設定手段とを備え、特定条件は、遊技状態が入球口への入球頻度が高い第2遊技状態において、第2特別遊技が実行されることに基づいて成立するものとする。これにより、特別遊技状態が入球口への入球頻度が高い第2遊技状態で発生するかどうかに注目させ、第2遊技状態における第2特別遊技の発生により特典を付与し、遊技興趣を高めることが可能となる。また、例えば、第2特別遊技が比較的不利な特別遊技であって、第2遊技状態において当該不利な第2特別遊技が発生した場合であっても、特典付与により、遊技興趣の低下を極力防止することが可能となる。ここで、「第1の態様と第2の態様とに変化可能な入球口」を、識別情報を変動表示する条件を成立するための入球口(始動口)としてもよい。また、他の態様として、特定条件は、第1遊技状態において第2特別遊技が実行されることに基づいて成立するものとしてもよい。
[1−5]
また、第1−5の遊技機は、第1−4の遊技機において、
前記識別情報の変動表示の結果が特定結果となる確率として、所定確率又は前記所定確率よりも高い高確率に設定可能な確率設定手段を備え、
前記第1特別遊技終了後は前記高確率且つ前記第2遊技状態とされ、前記第2特別遊技終了後は前記所定確率とされ、
前記特定条件は、前記高確率且つ前記第2遊技状態において、前記第2特別遊技が実行されることに基づいて成立することを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、識別情報の変動表示の結果が特定結果となる確率を所定確率又は高確率に設定可能な確率設定手段を備え、第1特別遊技終了後を高確率且つ第2遊技状態とし、第2特別遊技終了後を所定確率とする。また、特定条件は、遊技状態が高確率且つ第2遊技状態のときに、第2特別遊技が実行されることに基づいて成立するものとする。すなわち、第2特別遊技終了後の遊技状態を第1特別遊技終了後の遊技状態よりも不利な遊技状態とする。これにより、高確率且つ第2遊技状態といった遊技者にとって有利な遊技状態において、遊技状態を不利な遊技状態に変化させることとなる第2特別遊技が実行される場合であっても、特典付与により、遊技興趣の低下を極力防止することが可能となる。またこれにより、第2特別遊技の実行態様に注目させ、遊技興趣を高めることが可能となる。ここで、「第2特別遊技終了後は所定確率」とされるのであるから、所定確率且つ第1遊技状態とされる場合も、所定確率且つ第2遊技状態とされる場合も何れも含む。また、第1特別遊技終了後は、第2特別遊技終了後よりも高確率に設定される可能性が高いものとしてもよい。
[1−6]
第1−6の遊技機は、第1−4又は第1−5の遊技機において、
前記第1遊技状態において前記特別遊技が実行されて前記第2遊技状態となってから、前記第1遊技状態において前記識別情報が変動表示されるまでの期間に実行された前記特別遊技の実行回数を計数する連続回数計数手段を備え、
前記特定条件は、前記連続回数計数手段の計数値が所定回数以下のときに前記第2特別遊技が実行されることに基づいて成立することを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、第1遊技状態おいて特別遊技が実行され、当該特別遊技終了後が第2遊技状態となってから、再度第1遊技状態において識別情報の変動表示が行われるまでの期間に実行された特別遊技の回数(所謂連荘回数)を計数する連続回数計数手段を備える。また、特定条件は、連続回数計数手段の計数値(連荘回数)が所定回数以下のときに第2特別遊技が実行されることに基づいて成立するものとする。すなわち、特別遊技及び第2遊技状態が継続する有利状態(有利モード)における特別遊技の実行回数(連荘回数)が、所定回数以下のときに第2特別遊技が実行されることで特典を付与するものとしている。
これにより、連続回数計数手段の計数値(連荘回数)が所定回数以下のときに第2特別遊技が発生することに注目させ、すなわち、第2特別遊技の実行態様に注目させ、遊技興趣を高めることが可能となる。また、例えば、第2特別遊技が有利モードを終了させる(終了させやすい)不利な特別遊技であって、連続回数計数手段の計数値(連荘回数)が所定回数以下といった状況で第2特別遊技が発生した場合であっても、特典付与により、遊技興趣の低下を極力防止することが可能となる。
[1−7]
また、第1−7の遊技機は、第1−1乃至第1−6の遊技機において、
前記特典は、前記特典以外には実行されない又は前記特典以外では実行可能性が低い特別の遊技演出態様であることを特徴とするものとする。
これにより、特定条件を満たして第2特別遊技が実行される際の特典を、当該特典以外には実行されない、又は当該特典以外では実行される可能性が低い、特別の遊技演出態様とする。これにより、遊技者は、特典を実行させるために特定条件を満たしたうえで第2特別遊技が実行されることに期待し、特典が実行された際の遊技興趣を高めることが可能となる。また、第2特別遊技の実行により、遊技状態が不利となる可能性が高い場合であっても、遊技興趣の低下を極力防止することが可能となる。ここで、「特別の遊技演出態様」として、例えば、特別キャラクタの表示、通常と異なる背景(遊技モード)の表示、通常と異なる可動物動作態様の実行等を挙げることが可能である。
これによると、遊技者にとって比較的不利な大当り遊技が実行された場合であっても遊技興趣の低下を防止し、遊技興趣の向上を図ることが可能となる。
[2−1]
第2−1の遊技機は、
所定条件の成立に基づいて識別情報を変動表示する識別情報表示手段と、
遊技球が入球可能な入球可能状態と、遊技球が入球不能な入球不能状態と、に変化可能な可変入球口と、
前記識別情報の変動表示の結果が特定結果となると前記可変入球口を入球可能状態とする特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、
前記特別遊技の終了後に、特典期間を設定可能な特典期間設定手段と、
前記特典期間の残期間を遊技者が認識可能な残期間報知演出を実行する残期間報知手段と、を備えた遊技機であって、
前記特別遊技として、所定の利益量を獲得可能な第1特別遊技と、前記第1特別遊技よりも獲得可能な利益量が少ない第2特別遊技と、を有し、
前記特典期間設定手段は、前記第1特別遊技終了後に第1特典期間を設定し、前記第2特別遊技終了後に第2特典期間を設定し、
前記残期間報知演出として、前記第1特典期間の残期間を認識可能な第1報知演出と、前記第2特典期間の残期間を認識可能な第2報知演出と、を有し、
前記第1特典期間の実行中であって前記第1報知演出の実行中に、前記第2特別遊技が実行されることになった場合、当該第2特別遊技の終了後に設定される前記第2特典期間の実行中も所定期間に亘って前記第1報知演出を継続し、前記第2特典期間が終了する前の所定の時期に、前記第1報知演出を前記第2報知演出に変化する特定演出を実行する
ことを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、可変入球口を入球可能状態とする特別遊技として、少なくとも、獲得可能な利益量が比較的多い第1特別遊技と獲得可能な利益量が比較的少ない第2特別遊技とを有し、第1特別遊技終了後は第1特典期間を設定し第2特別遊技終了後は第2特典期間を設定する。また、第1特典期間の残期間を認識可能に報知する第1報知演出と、第2特典期間の残期間を認識可能に報知する第2報知演出と、を有する。そして、第1特典期間且つ第1報知演出の実行中に、第2特別遊技が実行される場合、第2特別遊技終了後に設定される第2特典期間中も、第2特別遊技が実行された際の第1報知演出を継続して実行し、当該第2特典期間が終了するまでに、継続して実行中の第1報知演出を、第2特典期間の残期間を認識可能な第2報知演出に変化する特定演出を実行するものとしている。
これにより、第1特典期間から第2特典期間に切り替わったことを、第2特別遊技の発生に基づいて報知しないため、遊技者は、利益量の少ない第2特別遊技が発生したことを気づき難くすることが可能となる。またこれにより、特典期間の残期間が、特別遊技の実行以外を契機として突然変化したように報知されるため、遊技興趣を高めることが可能となる。また、特定演出の発生により、特典期間が長くなることに期待し、遊技興趣を高めることが可能となる。
[2−2]
また、第2−2の遊技機は、第2−1の遊技機において、
前記特定演出は、前記残期間報知演出によって認識可能な前記特典期間の残期間を長くする残期間延長演出であることを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、第2特典期間の実行中において、第1報知演出を第2報知演出に変化する特定演出は、残期間報知演出によって認識可能な特典期間の残期間を長くする残期間延長演出とする。これにより、特定演出が発生すると、報知中の特典期間の残期間が延長されるので、遊技者は特定演出の発生に期待し、特定演出が発生することで遊技興趣を高めることが可能となる。尚、第1特典期間と第2特典期間とは同じ長さの期間とするか、又は、第2特典期間の方が第1特典期間よりも長い期間とすることが可能である。
[2−3]
また、第2−3の遊技機は、第2−1又は第2−2の遊技機において、
前記特定演出は、前記第1報知演出の残期間が終了するのに伴って実行されることを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、第1報知演出によって認識可能な特典期間の残期間が終了するのに伴って、特定演出が実行されて第2報知演出が実行される。すなわち、遊技者が終了すると認識していた特典期間が、その後も継続することとなる。これにより、遊技者は、再度特典期間における特別遊技の発生に期待して遊技を継続し、遊技興趣を高めることが可能となる。また、本来、遊技者にとって比較的不利な(利益の低い)第2特別遊技の発生により開始された第2特典期間を、効果的に演出することによって、第1特典期間が延長した(遊技者に有利な事態が発生した)ように感じさせることが可能となる。
[2−4]
また、第2−4の遊技機は、第2−1乃至第2−3の遊技機において、
前記識別情報の変動表示の結果が特定結果で停止表示した後であって前記特別遊技の開始前の期間、及び、前記特別遊技の実行中の少なくとも一方において、特別演出を実行する特別演出実行手段を備え、
前記特別演出として、遊技者が前記特別遊技の実行を容易に認識可能な第1演出と、前記第1演出よりも遊技者が前記特別遊技の実行を認識し難い第2演出と、を有し、
前記第1特別遊技が実行される場合、前記特別演出として前記第1演出を実行し、
前記第2特別遊技が実行される場合、前記特別演出として前記第2演出を実行する
ことを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、識別情報の変動表示の結果が特定結果(特定態様、特別遊技実行態様)で停止表示した後であって、特別遊技の開始前の期間及び特別遊技の実行中の少なくとも一方において、特別遊技の実行を容易に認識可能な第1演出、又は、特別遊技の実行を認識し難い第2演出を実行するものとするものとしている。そして、実行される特別遊技が第1特別遊技である場合には、当該第1特別遊技の実行を認識し易い第1演出を実行し、実行される特別遊技が第2特別遊技である場合には、当該第2特別遊技の実行を認識し難い第2演出を実行するものとしている。
これにより、遊技者は第1特別遊技の発生は認識し易くなり、第2特別遊技の発生は認識し難くなる。またこれにより、遊技者にとって比較的不利な第2特別遊技の発生を気付き難くし、第1特典期間の実行中且つ第1報知演出の実行中に、第2特別遊技が発生した場合に、当該第2特別遊技終了後の第2特典期間中も、第1特典期間に係る第1報知演出を継続しても、遊技者に気付き難くすることが可能となる。これにより、特定演出を効果的に演出することが可能となり、特定演出の発生に期待させ、遊技興趣を高めることが可能となる。
[2−5]
また、第2−5の遊技機は、第2−1乃至第2−4の遊技機において、
前記特典期間は、前記特別遊技の終了後に設定され、前記特別遊技の終了後に前記識別情報の変動表示が特定回数実行されることに基づいて終了することを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、特別遊技の終了後に設定される特典期間は、識別情報の変動表示が特定回数実行されることに基づいて終了するものとされる。これにより、特典期間において、識別情報の変動表示を特定回数実行させることが可能となり、特典期間が長い程、特典期間中に特別遊技が発生する可能性が高くなる。またこれにより、遊技者は、報知演出によって示される特典期間の残期間が延長される特定演出の発生に期待し、遊技興趣を高めることが可能となる。
[2−6]
また、第2−6の遊技機は、第2−1乃至第2−5の遊技機において、
第1の態様と、前記第1の態様よりも遊技球の入球可能性が高い第2の態様と、に変化可能な可変始動口と、
第1遊技状態と、前記第1遊技状態よりも前記可変始動口への入球頻度が高い第2遊技状態と、を設定可能な遊技状態設定手段と、を備え、
前記識別情報は、前記可変始動口への入球に基づいて変動表示するものとされ、
前記特典期間は、前記第2遊技状態とされ、前記特典期間が終了すると前記第1遊技状態とされることを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、第1の態様と第2の態様とに変化可能な可変始動口と、可変始動口への入球頻度が異なる第1遊技状態と第2遊技状態とに設定可能な遊技状態設定手段と、を備える。また、可変始動口への入球に基づいて識別情報が変動表示するものとし、特典期間は可変始動口への入球頻度が高い第2遊技状態とされる。これにより、特典期間は、識別情報の変動表示の頻度が高い遊技状態とされ、特別遊技の発生に期待することが可能となる。またこれにより、遊技者は、報知演出によって示される特典期間の残期間が延長される特定演出の発生に期待し、遊技興趣を高めることが可能となる。
これによれば、特典期間の報知演出を多様化し、遊技興趣の向上を図ることが可能となる。
また従来の遊技機は、低ベース状態を左打ちで遊技し、特別遊技や高ベース状態を右打ちで遊技する遊技機の場合、特別遊技を右打ちで行い、ごく短期間で左打ち遊技に戻す必要がある場合がある。例えば、特別遊技終了後が低ベース状態である場合や、特別遊技自体が極短時間で終了する場合や、特別遊技終了後の高ベース状態が極短時間で終了する場合等がある。このような場合、得られる利益が多くないにもかかわらず、発射方向を短期間で変化させる必要があり、遊技者はその作業を煩雑に感じ、遊技興趣を低下させる虞がある。本遊技機は、前述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、所定の大当り遊技が実行された場合において発射操作が煩雑となるのを防止し、遊技興趣の低下を防止することにある。
[3−1]
また第3−1の遊技機は、
遊技球が入球可能な始動口と、
前記始動口への入球に基づいて識別情報を変動表示する識別情報表示手段と、
遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な入球可能状態と、遊技球が入球不能な入球不能状態と、に変化可能な第1可変入球口と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な入球可能状態と、遊技球が入球不能な入球不能状態と、に変化可能な第2可変入球口と、
前記識別情報の変動表示の結果が特定結果となると前記第1可変入球口又は前記第2可変入球口を入球可能状態とする特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、を備えた遊技機であって、
前記遊技領域として、少なくとも、第1遊技領域と第2遊技領域とを有し、
前記始動口は、前記第1遊技領域を流下する遊技球が入球可能な位置に設けられ、
前記第1可変入球口は、前記第1遊技領域を流下する遊技球が入球不能な位置であって、前記第2遊技領域を流下する遊技球が入球可能な位置に設けられ、
前記第2可変入球口は、前記第1遊技領域及び前記第2遊技領域の何れの遊技領域を流下する遊技球も入球可能な位置に設けられ、
前記特別遊技として、所定量の遊技利益を獲得可能な第1特別遊技と、前記第1特別遊技よりも獲得可能な遊技利益の量が少ない第2特別遊技と、を有し、
前記第1特別遊技は、少なくとも前記第1可変入球口を入球可能状態に変化させて遊技利益を獲得可能な特別遊技とし、
前記第2特別遊技は、前記第2可変入球口を入球可能状態とし、且つ、前記第1可変入球口を入球可能状態としない若しくは遊技球が入球困難な態様で入球可能状態とする特別遊技とするものであって、
前記第1特別遊技を、前記第1遊技領域に遊技球を発射することなく、前記第2遊技領域に遊技球を発射して遊技することを可能とし、
前記第2特別遊技を、前記第2遊技領域に遊技球を発射することなく、前記第1遊技領域に遊技球を発射して遊技することを可能とする
ことを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、識別情報を変動表示させるための始動口と、特別遊技が実行された場合に入球可能状態となりうる第1可変入球口及び第2可変入球口と、を備え、始動口を、第1遊技領域を流下する遊技球が入球可能な位置に設け、第1可変入球口を第1遊技領域を流下する遊技球が入球不能な位置であって第2遊技領域を流下する遊技球が入球可能な位置に設け、第2可変入球口を第1遊技領域及び第2遊技領域の何れの遊技領域を流下する遊技球も入球可能な位置に設ける。また、特別遊技として、獲得可能な利益量が多い第1特別遊技と、獲得可能な利益量が少ない第2特別遊技と、を有し、第1特別遊技は少なくとも第1可変入球口を入球可能状態とし、第2特別遊技は第2可変入球口を入球可能状態とし、且つ、第1可変入球口を入球可能状態としないか若しくは遊技球が入球困難な態様で入球可能状態とする。すなわち、第2特別遊技は、第1可変入球口を入球可能状態としない(開状態としない)特別遊技であるか、若しくは、第1可変入球口を入球可能状態としたとしても入球困難な態様(例えば、極短時間の一瞬開閉)で入球可能状態とする特別遊技の何れかとされる。そして、第1特別遊技を第1遊技領域に遊技球を発射することなく、第2遊技領域に遊技球を発射して遊技することを可能とし、第2特別遊技を、第2遊技領域に遊技球を発射することなく、第1遊技領域に遊技球を発射して遊技することを可能としている。
すなわち、第1特別遊技は、第1可変入球口を入球可能状態とする特別遊技であるので、第2遊技領域に遊技球を発射して遊技を行うことを可能とすると共に、第1特別遊技において、第2可変入球口を入球可能状態としたとしても、第2可変入球口は第2遊技領域を流下する遊技球が入球可能であるため、いずれにしても第1特別遊技を第2遊技領域だけに遊技球を発射して遊技を行うことが可能である。また、第2特別遊技は、第2可変入球口を入球可能状態とする特別遊技であるので、第1遊技領域に遊技球を発射して遊技を行うことを可能とすると共に、第2特別遊技において、第1可変入球口が入球可能状態となるとしても、その態様は遊技球が入球困難な態様であるので、第2遊技領域に発射しなくともほとんど不利益を被ることはないため、いずれにしても第2特別遊技を第1遊技領域だけに遊技球を発射して遊技を行うことが可能である。
これにより、遊技球を発射する領域を変化させて遊技を行う遊技機において、始動口(第1遊技領域)を狙って遊技する遊技状態から、獲得可能な利益量が多い第1特別遊技が発生した場合には、遊技球の発射領域を第2遊技領域に変化させて遊技を行うものとする。また、始動口(第1遊技領域)を狙って遊技する遊技状態から、獲得可能な利益量が少ない第2特別遊技が発生した場合には、遊技球の発射領域を第1領域のまま変化させず遊技を行うことを可能とする。またこれにより、多量の利益を獲得可能な場合は発射領域を変化させ遊技し、遊技の変化を楽しみ、少量の利益しか獲得できない場合は発射領域を変化させることなく遊技することを可能とし、煩雑な操作態様が生じることを防止することが可能となる。またこれにより、利益量の少ない第2特別遊技が実行された場合の遊技興趣の低下を防止することが可能となる。
また、「始動口」は、「第2遊技領域を流下する遊技球よりも第1遊技領域を流下する遊技球の方が、入球可能性(入球頻度)が高い位置」に設けるものとされ、「第2遊技領域を流下する遊技球が入球不能な位置であって、第1遊技領域を流下する遊技球が入球可能な位置」としてもよい。
[3−2]
また、第3−2の遊技機は、第3−1の遊技機において、
第1の態様と、前記第1の態様よりも遊技球の入球可能性が高い第2の態様と、に変化可能な可変始動口と、
第1遊技状態と、前記第1遊技状態よりも前記可変始動口への入球頻度が高い第2遊技状態と、を設定可能な遊技状態設定手段と、を備え、
前記可変始動口は、前記第2遊技領域を流下する遊技球が入球可能な位置に設けられ、
前記第1遊技状態において前記第1特別遊技が実行されると、当該第1特別遊技終了後の遊技状態を前記第2遊技状態に設定し、
前記第1遊技状態において前記第2特別遊技が実行されると、当該第2特別遊技終了後の遊技状態を前記第1遊技状態に設定し、
前記第1特別遊技及び前記第1特別遊技終了後の前記第2遊技状態を、前記第1遊技領域に遊技球を発射することなく、前記第2遊技領域に遊技球を発射して遊技することを可能とし、
前記第2特別遊技及び前記第2特別遊技終了後の前記第1遊技状態を、前記第2遊技領域に遊技球を発射することなく、前記第1遊技領域に遊技球を発射して遊技することを可能とする
ことを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、第1の態様と第2の態様とに変化可能な可変始動口と、可変始動口への入球頻度が低い第1遊技状態と当該入球頻度が高い第2遊技状態とを設定可能な遊技状態設定手段と、を備え、可変始動口を、第2遊技領域を流下する遊技球が入球可能な位置に設けるものとする。そして、第1遊技状態において第1特別遊技が発生すると、当該第1特別遊技終了後を第2遊技状態に設定し、第1遊技状態において第2特別遊技が発生すると、当該第2特別遊技終了後を第1遊技状態に設定するものとする。また、第1特別遊技及びその後の第2遊技状態を、第1遊技領域に遊技球を発射することなく、第2遊技領域に遊技球を発射して遊技することを可能とし、第2特別遊技及びその後の第1遊技状態を、第2遊技領域に遊技球を発射することなく、第1遊技領域に遊技球を発射して遊技することを可能としている。
これにより、獲得可能な利益量の多い第1特別遊技が発生した場合には、当該第1特別遊技終了後に設定される第2遊技状態(有利状態)を含めて、第2遊技領域に遊技球を発射することで遊技を行うことを可能とする。また、獲得可能な利益量の少ない第2特別遊技が発生した場合には、当該第2特別遊技終了後に設定される第1遊技状態を含めて、第1遊技領域に遊技球を発射することで遊技を行うことを可能とする。すなわち、第1遊技領域に遊技球を発射して遊技を行う第1遊技状態において、第2特別遊技が発生した場合には、発射領域を変化することなく、第1遊技領域に遊技球を発射する態様を維持したままで、遊技を行うことが可能となる。これにより、利益量の少ない第2特別遊技が実行された場合に、煩雑な操作態様が生じることを防止し、遊技興趣の低下を防止することが可能となる。
また、「可変始動口」は、「第1遊技領域を流下する遊技球よりも第2遊技領域を流下する遊技球の方が、入球可能性(入球頻度)が高い位置」に設けるものとされ、「第1遊技領域を流下する遊技球が入球不能な位置であって、第2遊技領域を流下する遊技球が入球可能な位置」としてもよい。
[3−3]
また、第3−3の遊技機は、第3−1又は第3−2の遊技機において、
前記第1特別遊技は、前記第1可変入球口及び前記第2可変入球口を所定の順序で入球可能状態に変化させて遊技利益を獲得可能な特別遊技とされ、
前記第1特別遊技を、前記第2遊技領域に遊技球を発射して遊技することを可能とすることを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、第1特別遊技は、第1可変入球口及び第2可変入球口を所定の順序で入球可能状態とする特別遊技とされ、当該第1特別遊技を、第2遊技領域に遊技球を発射して遊技することを可能とする。すなわち、第1特別遊技は第1可変入球口及び第2可変入球口の両方の可変入球口が所定のタイミングで入球可能状態とされるものであり、この第1特別遊技を第2遊技領域だけに遊技球を発射して遊技することを可能とする。これにより、第1特別遊技において第1可変入球口及び第2可変入球口の両方を入球可能状態とする場合であっても、第1特別遊技及びその後の第2遊技状態に亘って、第1遊技領域に遊技球を発射することなく、第2遊技領域に遊技球を発射して遊技することを可能とする。またこれにより、第1特別遊技及び第2遊技状態が連続して発生する場合にも、煩雑な操作態様が生じることを防止し、遊技興趣の低下を防止することが可能となる。
[3−4]
また、第3−4の遊技機は、第3−3の遊技機において、
前記識別情報の変動表示の結果が特定結果となる確率として、所定確率又は前記所定確率よりも高い高確率に設定可能な確率設定手段を備え、
前記第2可変入球口は内部に特定領域を有し、
前記確率設定手段は、前記特別遊技において遊技球が前記特定領域を通過することに基づいて、前記高確率に設定することを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、識別情報の変動表示の結果が特定結果となる(特定態様で停止表示する)確率を、所定確率又は高確率に設定可能な確率設定手段を備える。また、第2可変入球口の内部に特定領域を有し、特別遊技において遊技球が特定領域を通過することに基づいて高確率に設定するものとしている。また、第1特別遊技及び第2特別遊技の何れの特別遊技においても、内部に特定領域を有する第2可変入球口を入球可能状態にすると共に、当該第2可変入球口を、第1遊技領域及び第2遊技領域の何れを流下する遊技球も入球可能な位置に設けている。これにより、第1特別遊技が発生して第2遊技領域に遊技球を発射して遊技する場合にも、第2特別遊技が発生して第1遊技領域に遊技球を発射して遊技する場合にも、何れも第2可変入球口を狙って遊技を行うことを可能とする。またこれにより、特別遊技が発生した場合に、煩雑な操作態様が生じることを防止し、遊技興趣の低下を防止することが可能となる。
これによれば、所定の大当り遊技が実行された場合において発射操作が煩雑となるのを防止し、遊技興趣の向上を図ることが可能となる。