(第1の実施の形態)
以下、図面を参照しながら、本実施の形態による入力装置について説明する。図1は、第1の実施の形態による入力装置1の機能的な構成の一例を示すブロック図である。入力装置1は、例えばNFCタグ、Radio Frequency IDentification(RFID)タグ等の無線タグから無線タグの識別情報を読み取り、識別情報を読み取った後に入力操作に基づいて確定情報を検出する。入力装置1は、識別情報と確定情報とに基づき、無線タグに対応付けられた複数の文字入力コードから一つの文字入力コードを確定して出力する装置である。なお、文字入力コードは、文字に対応づけられ、例えば、出力部5において、文字に応じた処理を行う際に用いられる情報である。入力装置1は、ユーザが、少なくとも一部を装着可能な装置である。また、無線タグに対応付けられた複数の文字入力コードから一つの文字入力コードを確定することを、無線タグから文字入力コードを読み取る、または無線タグから文字を読み取るということがある。また、確定された文字入力コードに対応する文字を、読み取られた文字ということがある。
図1に示すように、入力装置1は、検出部3、出力部5、および装着部7を有する。検出部3は、例えば、無線タグ9から識別情報を読み取る。また、検出部3は、識別情報と組み合わせて、無線タグから読み取る文字入力コードを確定する確定情報を検出する。識別情報は、無線タグ9に記憶され、検出部3が無線タグ9の所定距離以内に近づいた場合、無線による送受信が行われることで検出される。確定情報は、識別情報が読み取られた後の、例えば予め決められた時間内に検出部3で検出され、既に読み取られた識別情報と組み合わせることで、無線タグから読み取る文字入力コードを確定するための情報である。検出部3は、例えば、無線タグの内部に記憶された情報を読み取る装置、検出部3自身の動きを検出するセンサ類、それらを制御する制御装置などを含むようにしてもよい。
出力部5は、識別情報と確定情報とに基づき、無線タグ9から読み取る文字入力コードを確定し、確定した文字入力コードに応じた出力を行う。出力は、例えば音声としてもよい。出力部5は、確定した文字入力コードを出力するようにしてもよい。
装着部7は、例えば、検出部3をユーザに装着させる。出力部5は、装着部7によりユーザに装着されていても、装着されていなくてもよい。装着される場合、検出部3と出力部5とは、同一の場所に装着されてもよいし、別々に装着されてもよい。検出部3と出力部5とは、一体に形成されてもよい。検出部3と出力部5とは、有線または無線により接続される。出力部5は、ユーザのポケットや、携帯可能な入れ物などにより持ち運べるような形態としてもよい。出力部5は多機能携帯電話機などの携帯可能な情報処理装置、標準的なコンピュータ、集積回路などのハードウエア回路などとしてもよい。
上記のように、第1の実施の形態による入力装置1は、検出部3、出力部5、および装着部7を有している。例えば検出部3は、装着部7によりユーザに装着される。入力装置1の少なくとも一部を、ユーザが身につけた状態で使用することが可能な、いわばウエアラブルな装置である。
図2は、第1の実施の形態による文字判定テーブルの一例を示す図である。出力部5は、例えば文字判定テーブル12を参照して、識別情報と確定情報とに対応付けられた文字入力コードを、無線タグ9から読み取る文字入力コードとして確定する。読み取る文字入力コードが確定されると、出力部5は、確定された文字入力コードに基づき所定の処理を行い、出力を行う。出力は、例えば、確定された文字入力コードに対応する文字の表示、対応する音声の出力としてもよい。また、出力は、確定された文字入力コードの出力を含むようにしてもよい。
無線タグ9は、複数の無線タグを有していてもよい。無線タグ9は、関連付けられた文字入力コードに対応する文字を示す表示とともに備えられていることが好ましい。無線タグ9に、例えば「あ行」の文字入力コードなど、関連付けられる文字入力コードをいくつかに限定するための情報が表示されるようにしてもよい。無線タグ9に関連付けられる文字入力コードは、出力部5において、無線タグ9の識別情報と対応付けられていることが好ましい。これにより、無線タグ9の識別情報は、ユーザが入力を意図する文字を、少なくともいくつかに限定するための情報となる。さらに、検出部3は、無線タグから読み取る文字入力コード、すなわち、ユーザが入力を意図する文字を確定するための情報として、確定情報を出力する。
識別情報が、50音の例えば「あ行」の文字入力コードと対応付けられる場合には、無線タグ9と共に備えられる表示は、「あ」などとするようにしてもよい。例えば識別情報は、50音の子音を示すいずれかの情報(50音の各「行」を示す情報)、または母音を示すいずれかの情報、などとしてもよい。確定情報は、識別情報が子音を示す情報の場合は、母音を示す情報としてもよい。識別情報が母音を示す情報の場合は、確定情報は、子音を示す情報としてもよい。これにより、識別情報と確定情報との組合せを、50音のいずれかの文字入力コードと対応付けることができる。なお、対応付けられる文字入力コードは、50音の文字に対応するものに限定されず、数字、ローマ字、記号などでもよい。
また、入力装置1の例えば検出部3は、ユーザが持ち運ばなくても、装着部7により、身につけて移動することが可能であることが好ましい。出力部5は、検出部3と共にユーザに装着されない場合、例えば検出部3と無線により接続されるようにしてもよい。
以上説明したように、入力装置1は、無線タグ9の識別情報と、無線タグ9に対応付けられた複数の文字入力コードから一つを確定するための確定情報とを検出することで、入力操作に基づく文字入力コードに応じた情報を出力することができる。出力する情報は、表示、音声、あるいは、確定した文字入力コードなどとすることができる。
以上のように、入力装置1で無線タグ9に対応付けられた文字入力コードのうちから確定された一つの文字入力コードに応じた、表示、音声等による出力が行われることで、ユーザは、意図した文字入力が正確に行われたことを確認することができる。入力装置1により、所望の文字に対応する文字入力コードを出力させることで、他の装置や、他の処理のための文字入力を行うことが可能になる。また、入力装置1は、少なくとも一部を身につけて使用することが可能な装置である。これにより、入力装置1によれば、装着可能な機器を用いた文字入力の操作性を向上させることが可能になる。
(第2の実施の形態)
以下、第2の実施の形態による入力装置120について説明する。第2の実施の形態において、第1の実施の形態と同様の構成及び動作については、同一番号を付し、説明を省略する。以下、文字入力コードを、単に文字と記載することがある。本実施の形態による入力装置120は、入力装置1の具体的構成の一例である。
図3は、第2の実施の形態によるガジェット10の一例を示す概観図である。図4は、第2の実施の形態による入力装置120のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。入力装置120は、ガジェット10と、情報処理装置100とを有している。ガジェット10は、検出部3の一例であり、情報処理装置100は、出力部5の一例である。
図3に示すように、ガジェット10は、ユーザの例えば手50に装着される。ガジェット10は、指ガジェット20とリストガジェット30とを有している。指ガジェット20は、動き検出部の一例である。指ガジェット20とリストガジェット30とは、信号線46で互いに接続され、電気的信号の授受が可能となっている。
指ガジェット20は、無線タグから所定距離内で所定の無線信号を出力し、無線タグの識別情報を示す信号を受信してリストガジェット30へ出力する。また、指ガジェット20は、自身の動きを検出し、動きを示す動き信号をリストガジェット30へ出力する。リストガジェット30は、例えば指ガジェット20へ、無線タグ62を読み取るためのポーリングなどの信号を出力すると共に、指ガジェット20から入力された信号に基づく情報を、後述する情報処理装置100へ出力する。
指ガジェット20は、例えば、装着部28によりユーザの指52に装着される。指ガジェット20は、自身の動きを検出することでユーザの動きを検出できる場所に装着されればよく、ユーザの身体の他の部位に装着するようにしてもよい。
指ガジェット20は、スイッチ26を有してもよい。スイッチ26は、接触を検知し、接触が行われているか否かを示す信号を出力する。スイッチ26は、例えば無線タグ62に記憶された識別情報を読み取る際に、指ガジェット20が無線タグ62に接触していることを示す信号を出力するようにしてもよい。スイッチ26は、例えば無線タグ62を読み取る前に、指ガジェット20が装着された指以外の指で接触されるようにしてもよい。
スイッチ26から接触されていることを示す信号を出力させることで、読み取る無線タグを決定したことを示すようにしてもよい。スイッチ26は、識別情報の読み取りを行う無線タグを決定する動作を受け付け、決定を示す動作を受け付けたことを示す決定情報を生成する決定情報生成部の一例である。
リストガジェット30は、装着部38を介して、ユーザの例えば手首に装着される。リストガジェット30は、指ガジェット20との間で有線または無線により電気信号の授受が可能であればよい。リストガジェット30は、例えば、ユーザの腕などに装着する形態や、首から下げるような形態でもよい。
指ガジェット20とリストガジェット30とは、ユーザの動きが検出できる同一の場所に装着されるようにしてもよい。このとき、指ガジェット20及びリストガジェット30を一体に形成するようにしてもよい。
図4に示すように、入力装置120は、ガジェット10と情報処理装置100とを有している。ガジェット10と情報処理装置100とは、例えば無線通信により接続される。
ガジェット10は、上述のように指ガジェット20及びリストガジェット30を有している。指ガジェット20は、アンテナ22、モーションセンサ24、スイッチ26を有している。指ガジェット20は、図示の構成以外に、アンテナ22、モーションセンサ24、スイッチ26の動作を制御するためのプロセッサ、動作を制御するプログラムや処理に応じて各種データなどを記憶するメモリなどを有するようにしてもよい。
アンテナ22は、無線タグ読み取りのための無線信号を出力し、所定距離内の無線タグから、無線タグの識別情報を示す信号を受信する。モーションセンサ24は、指ガジェット20の動きを検出する検出装置である。モーションセンサ24は、例えば、3軸の加速度センサ、3軸の地磁気センサ、3軸のジャイロセンサのいずれか少なくとも一つ、またはいずれか2つ以上の組合せなどとしてもよい。モーションセンサ24は、指ガジェット20の動きを検出し、検出した動きに応じた動き信号を出力する。
リストガジェット30は、タグ読み取り装置32、検出装置34、通信装置36を有している。リストガジェット30は、図示の構成以外に、タグ読み取り装置32、検出装置34、通信装置36の動作を制御するためのプロセッサ、動作を制御するプログラムや処理に応じて各種データなどを記憶するメモリなどを有するようにしてもよい。
タグ読み取り装置32は、アンテナ22に、無線タグ読み取りのための無線信号を出力し、アンテナ22を介して受信した信号から無線タグの識別情報を読み取る。タグ読み取り装置32は、読み取った識別情報と、読み取った時刻を示すタイムスタンプとを関連付けて出力するようにしてもよい。以下、無線タグの識別情報をタグIDということがある。タグIDとタグIDを取得した時刻を示すタイムスタンプとを含む情報をタグ情報ということがある。
検出装置34は、モーションセンサ24、スイッチ26から出力された信号を受信し、受信した信号に基づく情報を出力する。例えば検出装置34は、モーションセンサ24から出力される動き信号が示す動きを所定時間積分することにより、所定時間における指ガジェット20の動きを算出するようにしてもよい。算出される動きは、本実施の形態においては、例えば動きの方向とすることができる。検出装置34は、算出した指ガジェット20の動きを示す動き状態情報と、例えば、動きを算出した時刻を示すタイムスタンプとを含む動き情報を出力する。検出装置34は、例えばスイッチ26から出力された信号を受信し、受信した信号が示す、スイッチ26のオンまたはオフを示すスイッチ状態と、受信した時刻を示すタイムスタンプとを含むスイッチ情報を出力する。
検出装置34は、タグ情報、動き情報、スイッチ情報の夫々のタイムスタンプに応じた順に夫々の情報を通信装置36に出力するようにしてもよい。また、タグ情報のタイムスタンプが示す時刻より前の所定時間内にスイッチ26から押下を示す情報が検出されている場合に、タグ情報を通信装置36に出力するようにしてもよい。
通信装置36は、上記タグ情報、動き情報、スイッチ情報を、情報処理装置100へ出力する。通信装置36は、有線または無線による通信により、情報を出力する。
情報処理装置100は、Central Processing Unit(CPU)103、メモリ105、通信装置113、音声出力装置115、イヤホン117を有している。情報処理装置100は、さらに、入力装置、表示装置、外部記憶装置、可搬型記憶媒体駆動装置などを有する標準的なコンピュータとしてもよい。情報処理装置100は、マイクロホン、公衆通信網との通信装置などを備えた多機能携帯電話機などとしてもよい。
CPU103は、情報処理装置100全体の動作を制御する演算処理装置である。メモリ105は、情報処理装置100の動作を制御するプログラムを予め記憶したり、プログラムを実行する際に必要に応じて作業領域として使用したりするための記憶部である。メモリ105は、例えばRandom Access Memory(RAM)、Read Only Memory(ROM)等である。メモリ105は、本実施の形態による入力方法を実行させる入力プログラム107、後述する文字判定テーブル109、音声データ111などを記憶している。通信装置113は、有線または無線により通信を行う装置である。通信装置113は、例えばガジェット10と有線または無線により通信を行い、タグ情報、動き情報、スイッチ情報等を受信する。音声出力装置115は、情報処理装置100による処理結果などを音声で出力する装置である。イヤホン117は、ユーザの耳に装着可能な音声出力装置である。イヤホン117は、例えば、無線通信を介して情報処理装置100と接続されるようにしてもよい。
情報処理装置100は、例えば本実施の形態による入力方法を実行させる入力プログラム107をメモリ105に予め記憶させている。CPU103は、入力プログラム107をメモリ105から読み出して実行することにより、本実施の形態による入力の動作を行う。このとき、外部記憶装置や可搬型記憶媒体が利用可能な場合、入力プログラム107は、外部記憶装置や可搬型記憶媒体に記憶させるようにしてもよい。
CPU103は、通信装置113が、タグ情報、動き情報、スイッチ情報等を受信すると、受信した情報を解析する。例えば、CPU103は、タグ情報を解析して、タグIDと共にタグ情報のタイムスタンプを受け付けるようにしてもよい。また、CPU103は、動き情報を解析して、動き状態情報と共に動き情報のタイムスタンプを受け付けるようにしてもよい。このときCPU103は、動き情報のタイムスタンプが、タグ情報のタイムスタンプより後の所定時間内の時刻を示す場合、受け付けた動き状態情報とタグIDとが一つの文字に対応する情報であると判断するようにしてもよい。
CPU103は、解析結果に応じて文字判定テーブル109を参照し、対応する文字を取得し、ユーザにより入力された文字、すなわち入力装置120が無線タグから読み取る文字として確定する。CPU103は、確定した文字に対応する音声を音声データ111から読み出し、音声出力装置115またはイヤホン117などを介して出力する。
図5は、第2の実施の形態によるタグ盤60の一例を示す図である。第2の実施の形態によるガジェット10が読み取る無線タグは、例えばタグ盤60に配置された少なくとも一つの無線タグの一つである。図5の例では、タグ盤60には、無線タグ62を含む複数の無線タグが配置されている。タグ盤60においては、縦3つ横3つの9個が配置されているが、配置、数はこの例に限定されない。
タグ盤60の夫々の無線タグは、例えば50音のいずれかの文字の表示と共に備えられている。例えば無線タグ62は、「あ」という表示と共に備えられている。また、タグ盤60の各タグのタグIDは、情報処理装置100の文字判定テーブル109において、少なくとも一つの文字(文字入力コード)に対応付けられていることが好ましい。
図6は、第2の実施の形態による入力方法の一例を説明する図である。図6の例では、無線タグ62は、例えば文字判定テーブル109において、「あ行」の文字に対応付けられる。タグ盤60の他の無線タグも同様に、「か行」、「さ行」などの文字に対応付けられる。このとき、50音の文字は夫々、いずれかの無線タグに対応付けられるようにすることが好ましい。
タグ盤60における各無線タグは、夫々タグIDを記録したIntegrated Circuit(IC)チップが埋め込まれている。これら各無線タグは、例えば、タグ読み取り装置32によりアンテナ22を介して発信された所定の無線信号を受信すると、内蔵されたアンテナコイルに発生する誘導電流を起電力として起動されるパッシブ型の無線タグとしてもよい。このとき、タグ盤60の各無線タグは、内部に記憶されたタグID等の情報を示す無線信号を出力する。各無線タグは、指ガジェット20が所定距離以内に近づくことで読み取られる。
タグ盤60は、例えば一枚のシート上に複数の無線タグが配置され、シートの裏面に接着剤や面ファスナなどが配置されて、例えば、衣服の表面に貼付可能に構成されるようにしてもよい。貼付される箇所は、指ガジェット20を所定距離内に近づけることが可能な場所が好ましい。例えば、貼付される箇所は、ユーザの衣服の袖の部分などとしてもよい。
図6は、指ガジェット20の動き方向に基づき文字を確定する例を示す図である。すなわち、この例では、動き状態情報は、指ガジェット20の動き方向を示す。上述したように、指ガジェット20では、モーションセンサ24が、自身の動きを検出する。モーションセンサ24は、検出した動きに応じた動き信号をリストガジェット30の検出装置34に出力する。検出装置34では、例えば、タグ読み取り装置32から、タグIDを含むタグ情報が入力されると、モーションセンサ24からの信号に基づき、指ガジェット20の動きを算出するようにしてもよい。動きは、例えば所定時間内の動きを積算して算出されるようにしてもよい。検出装置34は、算出した動きを示す動き状態情報と、例えば算出した時刻を示すタイムスタンプとを含む動き情報を、通信装置36を介して、情報処理装置100に出力する。検出装置34は、算出した動きに基づき、無線タグ62に対して、図6に示した上下左右の方向への動きを示す動き方向64〜67のいずれであるかを解析し、解析結果を示す情報を含む動き情報を、通信装置36に出力するようにしてもよい。
図6に示すように、例えば、無線タグ62に対応するタグIDが検出された後に、動き方向64を示す情報が検出された場合、「い」の入力を示す。同様に、無線タグ62に対応するタグIDが検出された後に、動き方向65が検出された場合には、「う」、動き方向66が検出された場合には「え」、動き方向67が検出された場合には「お」の入力を示す。この対応は、文字判定テーブル109に記憶されることが好ましい。
図7は、第2の実施の形態による文字判定テーブル109の一例を示す図である。図7に示すように、文字判定テーブル109では、タグIDと、動き方向との組合せに対し、各50音が対応付けられている。例えば、タグID=ID−K1の場合、動き方向が検出されない場合は、「あ」が対応する文字となる。タグID=ID−K1の場合で、動き方向が上方向を示していれば「い」、右方向であれば「う」、下方向であれば「え」、左方向であれば「お」が、対応する文字となる。なお、例えば文字判定テーブル109に登録される情報は、例えば、文字に対応する文字入力コードである。
以下、フローチャートを参照しながら、第2の実施の形態による入力装置120における入力方法についてさらに説明する。図8は、第2の実施の形態による入力装置120における情報処理装置100の動作を示すフローチャートである。図8に示すように、情報処理装置100は、タグIDを取得する(S131)。すなわち、情報処理装置100は、指ガジェット20が、タグ盤60のいずれかの無線タグに近づくことにより取得したタグIDを、リストガジェット30を介して受け付けることで取得する。
情報処理装置100は、指先動作が検出されたか否か判別する(S132)。指先動作は、指ガジェット20の動きを示す動き信号として検出され、リストガジェット30から、動きを示す動き状態情報を含む動き情報として出力される。指先動作が検出されたか否かは、動き情報が検出されたか否かにより判定される。
リストガジェット30から指先動作を示す動き情報を受け付けた場合(S132:YES)、情報処理装置100は、動き情報が示す動き方向として指先動作を取得する(S133)。動き方向は、例えば、上、下、左、右で示される。このとき、情報処理装置100は、タグIDに対応するタイムスタンプが示す時刻から、所定時間以内後の時刻を示すタイムスタンプに対応する動き情報から、指先動作を取得することになる。すなわち、情報処理装置100は、動き情報が、タグ情報の後であって、所定時間内の時間差で検出されている場合に、タグ情報と動き情報とが、互いに組み合わせる情報であると判断するようにしてもよい。
情報処理装置100は、受け付けたタグ情報のタグIDと、動き情報の動き状態情報が示す動き方向とを文字判定テーブル109において参照し、対応する文字を、無線タグから読み取る文字として確定する(S134)。
S132で指先動作が検出されない場合(S132:NO)、情報処理装置100は、タイムアウトかを判定し(S135)、タイムアウトでない場合(S135:NO)、一定時間待った後(S136)、S132から処理を繰り返す。なお、タイムアウトとは、例えば、S131の処理を行った時刻からの経過時間が、予め決められた待機時間以上である状態をいう。タイムアウトの場合(S135:YES)、情報処理装置100は、S131で取得されたタグIDが示す文字を、文字判定テーブル109で取得し、無線タグから読み取る文字として確定する(S137)。タグIDが示す文字とは、この例では、例えば50音の各「行」の先頭の文字であるが、これに限定されない。
情報処理装置100は、S134またはS137で確定した文字を、例えば不図示の表示部に表示するとともに、音声データ111から対応するデータを読み出し音声出力装置115を介して、例えばイヤホン117に出力する(S138)。情報処理装置100は、確定した文字に対応する文字入力コードを出力するようにしてもよい。なお、必ずしも表示と音声出力とを共にしなくてもよい。
以上詳細に説明したように、本実施の形態による入力装置120によれば、ガジェット10の指ガジェット20は、例えば、タグ盤60に配置された複数の無線タグにおける一つの無線タグからタグIDを読み取る。読み取られたタグIDは、読み取り時刻を示すタイムスタンプと共に、リストガジェット30を介して情報処理装置100により受け付けられる。指ガジェット20は、自身の動きを検出し、動き信号をリストガジェット30に出力する。リストガジェット30は、例えばタグ読み取り装置32からタグ情報が出力された後、指ガジェット20から入力される動き信号から指ガジェット20の動きを示す動き状態情報を算出し、情報処理装置100に出力する。動き状態情報は、本実施の形態においては、指ガジェット20の移動(スライド)方向を示す動き方向である。
情報処理装置100は、受け付けたタグIDと、タイムアウトする前に指先動作が検出された場合は、指先動作を示す動き方向とを文字判定テーブル109で参照し、対応する文字を確定する。情報処理装置100は、確定した文字に応じた出力を行う。確定された文字に応じた出力は、例えばイヤホン117を介する音声で行われるようにしてもよい。また、確定した文字に応じた文字入力コードが出力されるようにしてもよい。
なお、上記の処理において、無線タグからタグ情報を読み取る前にスイッチ26を押下し、タグIDを読み取る無線タグの決定を情報処理装置100に通知するようにしてもよい。このとき、スイッチ26は、スイッチが押下(接触)されていることを示すスイッチ状態情報を示すスイッチ状態信号を出力する。リストガジェット30は、スイッチ状態情報と受け付けた時刻を示すタイムスタンプとを含むスイッチ情報を情報処理装置100に出力する。このとき、スイッチ状態情報は、タグIDを読み取る無線タグの決定を示す動作を受け付けたことを示す決定情報の一例である。このとき情報処理装置100は、スイッチ状態情報を受け付けた場合に、無線タグの識別情報の読み取りを開始する。
以上のように、第2の実施の形態による入力装置120によれば、ガジェット10で検出された、タグIDと、タグIDより後に検出された指ガジェット20の動きとにより、無線タグから読み取られる文字(文字入力コード)が確定される。すなわち、無線タグの読み取りと、指または手等の動き方向を検出することで、無線タグから読み取る文字を確定させることができる。
このとき、例えばタグ盤60は、ユーザの衣服の上などに貼付することができる。よって、無線タグを持ち運ぶ必要はない。ガジェット10は、ユーザの手指などに装着される。よって、機器を手に持ち、視認しながら入力を行う必要はなく、いわば、ハンズフリー、アイズフリーで文字入力を行うことができる。よって、入力装置120は、例えば、流通分野における集荷作業や配送作業、医療分野における医薬品や医療機器の作業を行う場面など、作業中の文字入力を効率よく行えるようにするために有用である。
情報処理装置100では、入力が確定された文字に応じた音声が出力される。よって、ユーザは、入力が正しく行われたか否かを音声で確認することができる。このとき、入力として確定された文字に対応する音声は、イヤホン117を介して出力することもできる。このため、ユーザは、例えば、騒音のある作業環境などにおいても、入力が正しく行われたか否か確認することができる。このように入力装置120により、装着可能な装置による文字入力の操作性を向上させることができる。
なお、上記のような効果は、第1の実施の形態による入力装置1による効果と同様である。加えて、入力装置120は、以下のような効果を奏することができる。すなわち、本実施の形態において検出される指ガジェット20の動作は、指のタッチ位置とスライド方向による、いわゆるフリック入力の動作と同じである。このため、例えば多機能携帯電話機を常時使っているユーザなどは、慣れた動作で文字入力を行うことができる。また、第2の実施の形態においては、ウエアラブルな入力装置120及びタグ盤60により文字入力を行い、確定された文字の音声の出力をイヤホン117で行う。よって、文字入力の確認を音声に頼らざるを得ないような騒音が大きな現場環境で、認識率が下がったり、それにより作業者のストレスが増加したり、正しい入力ができないなどの問題を、さらに確実に回避することが可能となる。
なお、本実施の形態による入力装置120においては、スイッチ26は、必ずしもなくてもよい。
(第3の実施の形態)
以下、第3の実施の形態による入力方法について説明する。第3の実施の形態において、第1または第2の実施の形態と同様の構成及び動作には同一番号を付し、重複説明を省略する。第3の実施の形態による入力装置120のハードウエア構成は、第2の実施の形態による入力装置120と同様である。また、タグ盤60を利用可能であることも同様である。第3の実施の形態においては、メモリ105には、後述する文字判定テーブル165が備えられる。
第3の実施の形態においては、確定情報は、トグル動作を示す情報となる。トグル動作とは、例えば指を下にストロークしてもう一度上に動作してもとの位置に戻す動作と定義する。トグル動作は、指ガジェット20において検出された動きを示す信号に基づき、リストガジェット30で検出され、動き情報として出力される。すなわち、本実施の形態において、動き情報は、トグル動作を示す動き状態情報と、検出された時刻に対応するタイムスタンプを含む。
図9は、第3の実施の形態による入力方法の一例を説明する図である。図9に示すように、ガジェット10は、例えばタグ盤60の無線タグ62に指52が近づけられることにより、無線タグ62のタグIDを読み取り、情報処理装置100に出力する。タグIDが読み取られた後、トグル状況150に示すように、トグル動作の回数に応じて、無線タグ62が示す「あ行」のどの文字を、無線タグ62から読み取る文字とするかが確定される。図9の例では、情報処理装置100の文字判定テーブル165において、「あ行」の文字に対応する無線タグ62のタグIDが読み取られた後、トグル動作が1回の場合には、「い」、2回では「う」、などと対応付けられている。
すなわち、「あ」を示す無線タグ62をタッチした後、1回トグル動作をすると「い」が認識され、2回ならば「う」が認識される。繰り返しトグル動作が行われている間は「あ」〜「お」が繰り返し選択され、例えば、決められた時間、間が空くと文字が確定される。
この例では、指ガジェット20は、タグIDを示す信号を出力し、さらに、指ガジェット20の動きを示す動き信号を出力する。リストガジェット30は、指ガジェット20からのタグIDを示す信号に基づき読み取ったタグIDを含むタグ情報と、トグル動作を示す動き情報が検出された場合は、動き情報と、を情報処理装置100に出力する。このとき、検出装置34は、タグ情報を受信した後、モーションセンサ24から受信した動き信号がトグル動作を示している場合、トグル動作を示す動き情報を情報処理装置100に出力するようにしてもよい。
図10は、第3の実施の形態によるタグIDとトグル動作とによる文字判定テーブル165の一例を示す図である。図10に示すように、文字判定テーブル165では、タグIDが、50音の同一の行に含まれる文字に対応付けられ、トグル回数が、どの母音に対応する文字であるかに対応付けられている。文字判定テーブル165の例では、母音「あ」に対応するトグル回数は、5の倍数となっており、例えば、「あ」から「お」まで一巡しても、次に再び「あ」から順に選択可能である。
図11は、第3の実施の形態による入力装置120における情報処理装置100の動作を示すフローチャートである。図11に示すように、情報処理装置100は、タグIDを取得する(S171)。上述のように、情報処理装置100は、リストガジェット30で出力されたタグ情報からタグIDを取得する。
情報処理装置100は、トグルカウンタをリセットする(S172)。例えば、情報処理装置100は、トグル回数をカウントする変数を“0”にリセットする。情報処理装置100は、S171で取得したタグIDに対応する文字を仮設定する(S173)。
情報処理装置100は、トグル動作が検出されたか判定する(S174)。例えば、情報処理装置100は、リストガジェット30から動き情報が出力されているか、出力されていれば、動き情報にトグル情報が含まれているか判定する。このとき、タグ情報のタイムスタンプと動き情報のタイムスタンプとから、タグ情報とトグル情報とが組み合わせる情報であることを確認することが好ましい。トグル情報が含まれている場合、情報処理装置100は、トグル動作が検出されたと判定し(S175)、トグルカウンタを進める(S175)。
情報処理装置100は、例えば、文字判定テーブル165を参照し、取得済のタグIDとトグルカウンタが示すトグル回数に応じて、文字を仮設定する(S176)。情報処理装置100は、音声データ111から、現在の設定された文字の音声データを読み出し、音声出力装置115を介して出力する(S177)。さらに情報処理装置100は、後述するS179に処理を進め、一定時間待ち、さらにトグル動作が検出された場合(S174:YES)、処理を繰り返す。
情報処理装置100は、トグル動作が検出されない場合は(S174:NO)、タイムアウトしたか否かを判定する(S178)。タイムアウトしていない場合は(S178:NO)、情報処理装置100は、一定時間待ち(S179)、S174に戻って処理を行う。
タイムアウトした場合は(S178:YES)、情報処理装置100は、現在仮設定されている文字を確定し(S180)、処理を終了する。
以上のように、第3の実施の形態による入力方法では、ガジェット10で検出された、タグIDと指ガジェット20のトグル動作とにより、無線タグから読み取る文字(文字入力コード)が確定される。本実施の形態においては、確定情報は、指ガジェット20により検出されるトグル動作の回数である。入力装置120は、タグIDとトグル動作の回数とにより、無線タグから読み取る文字を確定する。
第3の実施の形態による入力方法によれば、第1の実施の形態による入力装置1が奏する効果に加え、以下のような効果を奏することができる。すなわち、第3の実施の形態による入力方法において、タグIDを読み取る際に指ガジェット20を無線タグに近づけた後は、トグル動作をどのような状態で行ってもよい。すなわち、必ずしもタグ盤60の近くで行わなくてもよい。例えば、タグ盤60をユーザの衣服の腕の部分に貼付した場合、トグル動作中には、指ガジェット20をタグ盤60に近づけた状態を保つ必要がない。よって、不自然な姿勢を保つことによる不快感を回避できる。
なお、本実施の形態においても、スイッチ26を用いた、読み取る無線タグの決定動作を加えることもできる。スイッチ26を用いない場合には、スイッチ26を含まない構成とすることもできる。
(第4の実施の形態)
以下、第4の実施の形態による入力方法について説明する。第4の実施の形態において、第1から第3の実施の形態と同様の構成及び動作には同一番号を付し、重複説明を省略する。第4の実施の形態による入力装置120のハードウエア構成は、第2及び第3の実施の形態による入力装置120と同様である。第4の実施の形態においては、タグ盤60に代えて、タグ盤220を利用する。また、第4の実施の形態においては、メモリ105には、後述する文字判定テーブル230が備えられる。
第4の実施の形態においては、確定情報は、はじめに読み取られた無線タグとは別の無線タグから読み取られるタグIDとなる。図12は、第4の実施の形態によるタグ盤220の構成の一例を示す図である。図12に示すように、タグ盤220では、中央部にタグ盤60と同様のタグ配列が備えられている。さらに、外側に、12個の無線タグが配列されている。夫々の無線タグは、夫々タグIDを記憶している。タグ盤220では、50音の全ての文字が、いずれかの無線タグに関連付けられると共に、文字が対応付けられた無線タグのそれぞれについて、上下左右に別の無線タグが配置される構成となっている。
図13は、第4の実施の形態による入力方法を説明する図である。図13の例では、無線タグ62の上下左右に、無線タグ222〜228の4つの無線タグが配置されている。本実施の形態では、互いに隣接する2つの無線タグの組合せに応じて、文字を入力する方法が採用される。このとき、指ガジェット20を移動させて2つの無線タグのタグIDを読み取ることが好ましい。しかし、指ガジェット20の移動中に、意図しない無線タグを読み取ることがないように、スイッチ26を利用することが好ましい。スイッチ26は、例えば、はじめに読み取る無線タグを読み取る前に押下(接触)されることが好ましい。スイッチ26は、押下されると、押下(接触)されたことを示すスイッチ状態信号をリストガジェット30へ出力する。
図13の例で、「い」を入力する場合、指ガジェット20のスイッチ26が押下される。続いて、指ガジェット20が無線タグ62に近づけられ、無線タグ62のタグIDが読み取られる。さらに、指ガジェット20が、無線タグ222に近づけられ、無線タグ222のタグIDが読み取られる。リストガジェット30は、スイッチ情報と、2つのタグ情報とを情報処理装置100に出力する。情報処理装置100は、スイッチ情報、2つのタグ情報に基づき、文字判定テーブル230を参照し、無線タグから読み取る文字を確定する。
図14は、第4の実施の形態による文字判定テーブル230の一例を示す図である。図14に示すように、文字判定テーブル230は、はじめに読み取られる第1の無線タグのタグID_Aと、次に読み取られる第2の無線タグのタグID_Bとの組合せに文字が関連付けられている。第1の無線タグのタグIDを、第1のタグIDということがある。同様に、2つ目の無線タグのタグIDを、第2のタグIDということがある。
例えば、「あ」は、第1のタグIDがID−K1の場合で、第2のタグIDがタイムアウトまでに読み取られない場合に対応している。例えば、「い」は、第1のタグIDがID−K1の場合で、第2のタグIDがID−L1の場合に対応している。他の文字についても同様である。
以下、フローチャートを参照しながら、第4の実施の形態による入力装置120における入力方法についてさらに説明する。図15は、第4の実施の形態による入力装置120における情報処理装置100の動作を示すフローチャートである。図15に示すように、情報処理装置100は、スイッチ26の押下(接触)を示すスイッチ情報を検出しない場合(S241:NO)、一定時間待ち(S242)、S241に戻って処理を繰り返す。情報処理装置100は、スイッチ26の押下を示すスイッチ情報を検出すると(S241:YES)、第1の無線タグのタグ情報から第1のタグIDを取得する(S243)。すなわち、情報処理装置100は、指ガジェット20が、タグ盤220の、文字に対応付けられた無線タグのいずれかに近づくことにより取得したタグIDを、リストガジェット30を介して受け付け、第1のタグIDとして取得する。
情報処理装置100は、続いて、次の無線タグのタグIDが検出されたか否か判別する(S244)。次のタグ情報が検出された場合(S244:YES)、情報処理装置100は、次のタグIDを取得する。例えば、情報処理装置100は、タグ盤220において、第1の無線タグが無線タグ62である場合、無線タグ62に隣接する無線タグから第2のタグIDを取得する。例えば、情報処理装置100は、図13に示す無線タグ222のタグIDを第2のタグIDとして取得する(S245)。
情報処理装置100は、受け付けた第1のタグIDと、第2のタグIDとを、図14に示した文字判定テーブル230において参照し、対応する文字を、無線タグから読み取る文字として確定する(S246)。
S244で、次の無線タグのタグIDが検出されない場合(S244:NO)、情報処理装置100は、タイムアウトかを判定する(S247)。タイムアウトでない場合(S247:NO)、情報処理装置100は、一定時間待った後(S248)、S244から処理を繰り返す。なお、タイムアウトとは、例えば、S243の処理を行った時刻からの経過時間が、予め決められた待機時間以上である状態をいう。タイムアウトの場合(S247:YES)、情報処理装置100は、S243で取得された第1のタグIDが示す文字を、文字判定テーブル230で取得し、無線タグから読み取る文字として確定する(S249)。
情報処理装置100は、S246またはS249で確定した文字を、例えば不図示の表示部に表示するとともに、音声データ111から対応するデータを読み出し、音声出力装置115を介して、例えばイヤホン117に出力する(S250)。情報処理装置100は、確定した文字に対応する文字入力コードを出力するようにしてもよい。
以上のように、第4の実施の形態による入力方法では、ガジェット10で検出された、スイッチ情報、第1の無線タグの第1のタグIDと第2の無線タグの第2のタグIDとにより、無線タグから読み取る文字が確定される。本実施の形態においては、確定情報は、第2の無線タグの第2のタグIDである。本実施の形態においては、連続する2つの無線タグIDの読み取り結果に応じて、読み取る文字が確定される。このとき、第2の無線タグは、第1の無線タグの周囲に配置されている。よって、第2の無線タグから第2のタグIDを読み取ることは、指ガジェット20の動きを検出しているともいえる。また、第1の無線タグを読み取る際にスイッチ26を押下することで、第1の無線タグの誤認識を防止する。以上のようにして、入力装置120は、無線タグから読み取る文字を確定し、出力する。
第4の実施の形態による入力方法によれば、第1の実施の形態による入力装置1が奏する効果に加え、以下のような効果を奏することができる。すなわち、確定情報として第2の無線タグのタグIDを用いるので、例えば、操作の個人差などで、処理結果が変わってしまうというような心配はない。また、スイッチ26を利用することで、意図しない場合に読み取られたタグIDを誤って検出することが防止される。
(第4の実施の形態の変形例)
以下、第4の実施の形態による入力方法の変形例について説明する。本変形例は、第4の実施の形態におけるスイッチ26の利用方法の変形例である。本変形例において、第1から第4の実施の形態と同様の構成及び動作については、同一番号を付し、重複説明を省略する。本変形例による入力装置120のハードウエア構成は、第2から第4の実施の形態による入力装置120と同様である。
図16は、本変形例の入力方法を説明する図である。本変形例では、タグ盤220、及び文字判定テーブル230を用いることも、第4の実施の形態による入力方法と同様である。図16の入力状況240に示すように、本変形例においては、第4の実施の形態と同様に、スイッチ26の押下(接触)が検出された後、初めに検出された無線タグを第1の無線タグとする。また、スイッチ26の押下(接触)が検出されなくなった場合、最新に検出されていた無線タグを第2の無線タグとする。この間、スイッチ26は押下された状態を継続することが好ましい。
図16の例では、スイッチ26が押下されて初めて読み取られる無線タグは、無線タグ62である。指ガジェット20は、続いて、無線タグ224、無線タグ226、無線タグ228を順に読み取るが、無線タグ228を読み取った後に、スイッチ26の接触が解除されたことが検出されている。この場合、スイッチ26の接触が解除された際に、最新に読み取られていた無線タグ228が、第2の無線タグとなる。よって、入力状況240の例では。「お」が、読み取られる文字として取得される。
以下、フローチャートを参照しながら、第4の実施の形態の変形例による入力装置120における入力方法についてさらに説明する。図17は、第4の実施の形態の変形例による情報処理装置100の動作を示すフローチャートである。図17に示すように、情報処理装置100は、スイッチ26の押下を示すスイッチ情報を検出しない場合(S251:NO)、一定時間待ち(S252)、S251に戻って処理を繰り返す。情報処理装置100は、スイッチ26の押下(接触)を示すスイッチ情報を検出すると(S251:YES)、第1の無線タグのタグ情報から第1のタグIDを取得する(S253)。すなわち、情報処理装置100は、指ガジェット20が、タグ盤220の、文字に対応付けられた無線タグのいずれかに近づくことにより取得したタグIDを、リストガジェット30を介して受け付け、第1のタグIDとして取得する。情報処理装置100は、文字判定テーブル230を参照し、第1のタグIDのみが読み取られた場合に対応する文字を取得する(S254)。情報処理装置100は、取得した文字取得した文字を、例えば不図示の表示部に表示するとともに、音声データ111から対応するデータを読み出し音声出力装置115を介して、例えばイヤホン117に出力する(S255)。
情報処理装置100は、続いて、次の無線タグのタグIDが検出されたか否か判別する(S256)。S256で、次の無線タグのタグIDが取得されない場合は(S256:NO)、情報処理装置100は、S259に処理を進める。
次の無線タグのタグIDを取得した場合(S256:YES)、情報処理装置100は、第1のタグIDと、次の無線タグのタグID(次のタグIDということがある。)との組合せを文字判定テーブル230で参照し、対応する文字を取得する(S257)。
例えば、情報処理装置100は、タグ盤220において、第1の無線タグが無線タグ62である場合、次の無線タグとして図13に示す無線タグ222のタグIDを受け付ける。本変形例では、この間、スイッチ26が押下されていることを示すスイッチ情報は、継続して受け付けられているものとする。情報処理装置100は、検出したタグIDを取得する。
情報処理装置100は、受け付けた第1のタグIDと、次のタグIDとの組合せを、図14に示した文字判定テーブル230において参照し、対応する文字を、無線タグから読み取る文字として取得する(S257)。
情報処理装置100は、S257で取得した文字を、例えば不図示の表示部に表示するとともに、音声データ111から対応するデータを読み出し音声出力装置115を介して、例えばイヤホン117に出力する(S258)。
情報処理装置100は、スイッチが解除状態であるか判定し(S259)、解除状態でない場合は(S259:NO)、一定時間待ち(S261)、S256に戻って処理を繰り返す。情報処理装置100は、スイッチが解除状態であると(S259:YES)、最新に取得した文字を確定する(S260)。このとき、情報処理装置100は、確定した文字に対応する文字入力コードを出力するようにしてもよい。
以上のように、第4の実施の形態の変形例による入力方法では、ガジェット10で検出された、スイッチ情報、第1の無線タグのタグID、次の無線タグのタグIDに基づき、無線タグから読み取る文字が確定される。入力装置120は、スイッチが接触を検知している間に読み出された2つのタグIDに基づき、無線タグから読み取る文字を確定する。すなわち、スイッチ26の接触が解除された瞬間に、文字を確定させることができる。本変形例では、確定情報は、次のタグIDと、スイッチ26の接触解除を示す情報となる。
第4の実施の形態の変形例による入力方法によれば、第4の実施の形態による入力装置120が奏する効果に加え、以下のような効果を奏することができる。すなわち、スイッチが接触状態にある間、所望の文字が確定されるまで読み取り処理を継続することができるので、より正確に入力を行うことが可能となる。また、この際に音声で途中の読み取り結果を提示するようにすることで、取得された文字が入力したい文字ではない場合に、ユーザは、即座に修正可能である。
(第5の実施の形態)
以下、第5の実施の形態による入力方法について説明する。第5の実施の形態において、第1から第4の実施の形態及びその変形例と同様の構成及び動作には同一番号を付し、重複説明を省略する。第5の実施の形態による入力装置120のハードウエア構成は、第2から第4の実施の形態による入力装置120と同様である。第5の実施の形態においては、タグ盤60及び、指タグ282〜288を利用する。指タグ282〜288とは、指に装着する無線タグである。また、第5の実施の形態においては、第4の実施の形態、及びその変形例と同様、文字判定テーブル230を利用するようにしてもよい。第5の実施の形態においては、確定情報は、指タグのいずれかのタグIDとなる。指タグのタグIDを、指タグIDということがある。
図18は、第5の実施の形態による入力方法を説明する図である。図18に示すように、第5の実施の形態においては、指ガジェット20が手50の第1指51に備えられている。また、指タグ282〜288は、夫々第2指52から第5指55に貼付されている。このとき、まず指ガジェット20がタグ盤60のいずれかの無線タグに近づけられることで、第1の無線タグの第1のタグIDが読み取られる。図18の例では、例えば無線タグ62のタグIDが読み取られる。次に、第2指52〜第5指55のいずれかと指ガジェット20とが近づけられることで、第2の無線タグの第2のタグIDが読み取られる。情報処理装置100は、読み取られた第1のタグIDと第2のタグIDとを文字判定テーブル230で参照して、文字を確定する。
以下、フローチャートを参照しながら、第5の実施の形態による入力装置120における入力方法についてさらに説明する。図19は、第5の実施の形態による入力装置120における情報処理装置100の動作を示すフローチャートである。図19に示すように、情報処理装置100は、まず、第1の無線タグのタグ情報から第1のタグIDを取得する(S301)。すなわち、情報処理装置100は、指ガジェット20が、タグ盤60の、無線タグのいずれかに近づくことにより取得したタグIDを、リストガジェット30を介して受け付け、取得する。
情報処理装置100は、続いて、指タグ282〜288のいずれかの指タグIDが検出されたか否か判別する(S302)。例えば、情報処理装置100は、いずれかの指タグが検出された場合(S302:YES)、情報処理装置100は、検出された指タグのタグIDを取得する(S303)。情報処理装置100は、取得した第1のタグIDと、指タグIDとを文字判定テーブル230で参照し、組合せに応じた文字を確定する(S304)。
S302で、指タグIDが検出されない場合(S302:NO)、情報処理装置100は、タイムアウトかを判定する(S305)。タイムアウトでない場合(S305:NO)、情報処理装置100は、一定時間待った後(S306)、S302から処理を繰り返す。タイムアウトの場合(S305:YES)、情報処理装置100は、S301で取得された第1のタグIDが示す文字を、文字判定テーブル230で取得し、無線タグから読み取る文字として確定する(S307)。
情報処理装置100は、S304またはS307で確定した文字を、例えば不図示の表示部に表示するとともに、音声データ111から対応するデータを読み出し音声出力装置115を介して、例えばイヤホン117に出力する(S308)。情報処理装置100は、確定した文字に対応する文字入力コードを出力するようにしてもよい。
以上のように、第5の実施の形態による入力方法では、ガジェット10で検出された、第1の無線タグの第1のタグIDと、指タグの指タグIDとにより、無線タグから読み取る文字が確定される。このとき、指ガジェット20は、操作の容易さから第1指に装着される。第5の実施の形態は、例えば、指ガジェット20による第1の無線タグへのタッチと、指ガジェット20を装着している手の各指に貼った指タグの読み取りで文字を確定する方法である。例えば、指ガジェット20で「あ」を示す無線タグ62をタッチしたのち、第2指と指ガジェット20とを合わせるように指タグ222を読ませた場合は、情報処理装置100は、「い」が選択されたと判断する。
第5の実施の形態による入力方法によれば、第1の実施の形態による入力装置1が奏する効果に加え、以下のような効果を奏することができる。すなわち、確定情報として指タグIDを用いるので、操作の個人差などで、処理結果が変わってしまうというような心配はない。また、操作の途中で意図しない指タグIDが読み取られるといった誤検出の可能性は、少なくてすむ可能性が高い。
なお、本発明は、以上に述べた実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の構成または実施形態を採ることができる。フローチャートに示した処理手順は、示した例に限定されない。同様の作用効果を奏する場合には、処理の順序を入れ替えて実行することも可能である。入力装置120、タグ盤60、指タグ282〜288等の構成例は上記に限定されない。
指ガジェット20とリストガジェット30とは、無線通信を介して接続されるようにしてもよいし、一体に形成されてもよい。指ガジェット20でタグIDを読み取る際は、指ガジェット20を無線タグに近づけるが、例えば、指ガジェット20を装着した指を無線タグに接触させることで、タグIDを読み取るようにしてもよい。指タグを読み取る場合には、例えば、指ガジェット20を装着した指と、読み取り対象の指タグを貼付した指とを接触させるようにして指タグIDを読み取るようにしてもよい。
タグ情報に含まれるタイムスタンプは、検出装置34において、タグIDの検出順を確認し、検出順に情報処理装置100に出力するために利用するようにしてもよい。タグ盤60、タグ盤220の配置や構成は、上記例に限定されない。
以上の第1から第5の実施形態及び変形例に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)
無線タグから前記無線タグの識別情報を読み取るとともに、前記識別情報に対応付けられた複数の文字入力コードのうちの一つを確定する確定情報を、前記識別情報を読み取った後に入力操作に基づいて検出する検出部と、
前記識別情報と前記確定情報とに基づき、前記複数の文字入力コードのうちの一つを確定し、前記複数の文字入力コードのうちの一つを表す情報を出力する出力部と、
少なくとも前記検出部をユーザに装着させるための装着部と、
を有することを特徴とする入力装置。
(付記2)
前記検出部は、前記入力操作に応じた動きを検出する動き検出部
を有し、
前記動き検出部は、前記装着部により前記ユーザに装着されて前記ユーザの動きを検出し、
前記確定情報は、前記ユーザの動きを示す情報である
ことを特徴とする付記1に記載の入力装置。
(付記3)
前記確定情報は、前記ユーザの動きの方向を示す情報である
ことを特徴とする付記2に記載の入力装置。
(付記4)
前記確定情報は、少なくとも一回のトグル操作を示す情報である
ことを特徴とする付記2に記載の入力装置。
(付記5)
前記動き検出部は、前記ユーザの指に装着される
ことを特徴とする付記2から付記4のいずれかに記載の入力装置。
(付記6)
前記識別情報を読み取る前記無線タグの決定を示す動作を受け付け、前記決定を示す動作を受け付けたことを示す決定情報を生成する決定情報生成部、
をさらに有し、
前記無線タグは、複数の無線タグのうちの第1の無線タグであり、
前記識別情報は、前記決定情報が生成された後に読み取られた前記複数の無線タグのうちの第1の無線タグの第1の識別情報であり、
前記確定情報は、前記複数の無線タグのうちの第2の無線タグの第2の識別情報である
ことを特徴とする付記1に記載の入力装置。
(付記7)
前記第2の識別情報は、前記決定情報の出力が継続されている間に読み取られ、
前記確定情報は、前記第2の識別情報と、前記決定情報の出力停止を示す情報である
ことを特徴とする付記6に記載の入力装置。
(付記8)
前記検出部は、前記ユーザの第1指に装着され、
前記複数の無線タグのうちの4つが、前記ユーザの第2指から第5指に夫々装着され、
前記無線タグは、前記複数の無線タグのうちの第1の無線タグであり、
前記識別情報は、前記決定情報が生成された後に読み取られた前記複数の無線タグのうちの第1の無線タグの第1の識別情報であり、
前記確定情報は、前記複数の無線タグのうちの第2の無線タグの第2の識別情報であり、
前記第2の識別情報は、前記第2指から前記第5指のいずれかに装着された前記無線タグのうちの4つの中のいずれかの識別情報であり、前記第1指と、前記第2指から前記第5指とのいずれかが近づけられることにより、前記第2の識別情報が読み取られる
ことを特徴とする付記1または付記6に記載の入力装置。
(付記9)
ユーザに装着された検出部を有する入力装置が、
前記検出部により、無線タグから前記無線タグの識別情報を読み取り、
前記検出部により、前記識別情報に対応付けられた複数の文字入力コードのうちの一つを確定する確定情報を、前記識別情報を読み取った後に入力操作に基づいて検出し、
前記識別情報と前記確定情報とに基づき、前記複数の文字入力コードのうちの一つを確定し、
前記複数の文字入力コードのうちの一つに応じた情報を出力する
ことを特徴とする入力方法。
(付記10)
さらに、前記検出部は、前記入力操作に応じた動きを検出し
前記確定情報は、前記ユーザの動きを示す情報である
ことを特徴とする付記9に記載の入力方法。
(付記11)
さらに、前記識別情報を読み取る前記無線タグの決定を示す動作を受け付けて、前記決定を示す動作を受け付けたことを示す決定情報を生成し、
前記無線タグは、複数の無線タグのうちの第1の無線タグであり、
前記識別情報は、前記決定情報が生成された後に読み取られた前記複数の無線タグのうちの第1の無線タグの第1の識別情報であり、
前記確定情報は、前記複数の無線タグのうちの第2の無線タグの第2の識別情報である
ことを特徴とする付記9または付記10に記載の入力方法。
(付記12)
ユーザに装着された検出部により、無線タグから前記無線タグの識別情報を読み取り、
前記検出部により、前記識別情報に対応付けられた複数の文字入力コードのうちの一つを確定する確定情報を、前記識別情報を読み取った後に入力操作に基づいて検出し、
前記識別情報と前記確定情報とに基づき、前記複数の文字入力コードのうちの一つを確定し、
前記複数の文字入力コードのうちの一つに応じた情報を出力する
処理をコンピュータに実行させる入力プログラム。
(付記13)
前記入力操作に基づいて検出される前記確定情報は、前記ユーザの動きを示す情報である
ことを特徴とする付記12に記載の入力プログラム。
(付記14)
さらに、前記処理は、
前記識別情報を読み取る前記無線タグの決定を示す動作を受け付けて、前記決定を示す動作を受け付けたことを示す決定情報を生成する処理を含み、
前記無線タグは、複数の無線タグのうちの第1の無線タグであり、
前記識別情報は、前記決定情報が生成された後に読み取られた前記複数の無線タグのうちの第1の無線タグの第1の識別情報であり、
前記確定情報は、前記複数の無線タグのうちの第2の無線タグの第2の識別情報である
ことを特徴とする付記12または付記13に記載の入力プログラム。