以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号、あるいは数字や記号に限定されない各セグメントの点灯パターン等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにより可変表示される複数種類の特別図柄には、それぞれを識別するための図柄番号が付されていればよい。一例として、「−」の記号を示す特別図柄には図柄番号として「0」が付されている他、複数種類の点灯パターンに対する図柄番号として「1」〜「9」が付されていればよい。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の画面上では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の画面上には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにおいて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、画像表示装置5の画面上では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
画像表示装置5の画面上には、始動入賞記憶表示エリア5Hが配置されている。始動入賞記憶表示エリア5Hでは、特図ゲームに対応した可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。
例えば、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)する第1始動入賞の発生により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの始動条件(第1始動条件)が成立したときに、当該第1始動条件の成立に基づく第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立しなければ、第1特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。また、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)する第2始動入賞の発生により、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの始動条件(第2始動条件)が成立したときに、当該第2始動条件の成立に基づく第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立しなければ、第2特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。これに対して、第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第1特図保留記憶数が1減算(デクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第2特図保留記憶数が1減算(デクリメント)される。
第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、あるいは始動入賞記憶表示エリア5Hに代えて、特図保留記憶数を表示する表示器を設けるようにしてもよい。図1に示す例では、始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bはそれぞれ、例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数のそれぞれにおける上限値(例えば「4」)に対応した個数(例えば4個)のLEDを含んで構成されている。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用のソレノイド81によって垂直位置となる閉鎖状態と傾動位置となる開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しない閉鎖状態にする。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)できる開放状態にする。なお、普通可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオフ状態であるときに通常開放状態となり、第2始動入賞口を遊技球が進入(通過)できる一方、ソレノイド81がオン状態であるときの拡大開放状態よりも遊技球が進入(通過)しにくいように構成してもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bは、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)可能な開放状態または拡大開放状態といった第1可変状態と、遊技球が通過(進入)不可能な閉鎖状態または通過(進入)困難な通常開放状態といった第2可変状態とに、変化できるように構成されている。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球(景品遊技媒体)として払い出され、第1保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2保留記憶数が所定の上限値以下であれば、第2始動条件が成立する。
なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。パチンコ遊技機1は、賞球となる遊技球を直接に払い出すものであってもよいし、賞球となる遊技球の個数に対応した得点を付与するものであってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)しやすくなる。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサが内蔵されていればよい。
スティックコントローラ31Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニットを含むコントローラセンサユニット35Aが設けられていればよい。例えば、傾倒方向センサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組み合わせた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ35Bが設けられていればよい。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板、タッチセンサ基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100やスイッチ回路110、ソレノイド回路111などが搭載されている。スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23といった、各種スイッチからの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、各種スイッチは、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20などの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。これらの演出制御コマンドはいずれも、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」となり、EXTデータの先頭ビットは「0」となるように、予め設定されていればよい。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random
Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central
Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データ
の更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成さ
れる。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100を構成する1チップのマイクロコンピュータは、少なくともCPU103の他にRAM102が内蔵されていればよく、ROM101や乱数回路104、I/O105などは外付けされてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、例えば乱数回路104などにより、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。遊技用乱数は、乱数回路104などのハードウェアによって更新されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することでソフトウェアによって更新されるものであってもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられたランダムカウンタや、RAM102とは別個の内部レジスタに設けられたランダムカウンタに、所定の乱数値を示す数値データを格納し、CPU103が定期的または不定期的に格納値を更新することで、乱数値の更新が行われるようにしてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種データが書換可能に一時記憶される。
演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。演出制御基板12には、画像表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。さらに、演出制御基板12には、スティックコントローラ31Aに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、コントローラセンサユニット35Aから伝送するための配線や、プッシュボタン31Bに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ35Bから伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データなど)や終了コードなどを含んだプロセスデータから構成されている。演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データが記憶される。
演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令などに基づき、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定する。例えば、表示制御部123は、画像表示装置5の表示画面内に表示させる演出画像の切換タイミングを決定することなどにより、飾り図柄の可変表示や各種の演出表示を実行させるための制御を行う。一例として、表示制御部123には、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character
Generator ROM)、VRAM(Video RAM)、LCD駆動回
路などが搭載されていればよい。なお、VDPは、GPU(Graphics Processing Unit)、GCL(Graphics Controller LSI)、あるいは、より一般的にDSP(Digital
Signal Processor)と称される画像処理用のマイクロプロセッサであってもよい。CGROM
は、例えば書換不能な半導体メモリであってもよいし、フラッシュメモリなどの書換可能な半導体メモリであってもよく、あるいは、磁気メモリ、光学メモリといった、不揮発性記録媒体のいずれかを用いて構成されたものであればよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、演出制御基板12の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えば、I/O125の出力ポートからは、画像表示装置5へと伝送される映像信号や、音声制御基板13へと伝送される指令(効果音信号)、ランプ制御基板14へと伝送される指令(電飾信号)などが出力される。
パチンコ遊技機1においては、遊技媒体としての遊技球を用いた所定の遊技が行われ、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値が付与可能となる。遊技球を用いた遊技の一例として、パチンコ遊技機1における筐体前面の右下方に設置された打球操作ハンドルが遊技者によって所定操作(例えば回転操作)されたことに基づいて、所定の打球発射装置が備える発射モータなどにより、遊技媒体としての遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技領域を流下した遊技球が、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口(第1始動領域)を通過(進入)すると、図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことなどにより第1始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始される。
また、遊技球が普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口(第2始動領域)を通過(進入)すると、図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことなどにより第2始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始される。ただし、普通可変入賞球装置6Bが第2可変状態としての通常開放状態や閉鎖状態であるときには、第2始動入賞口を遊技球が通過困難または通過不可能である。
通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことに基づいて、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立する。その後、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる開放制御や拡大開放制御が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る閉鎖制御や通常開放制御が行われる。
第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始されるときや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始されるときには、特別図柄の可変表示結果を、予め定められた特定表示結果としての「大当り」にするか否かが、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。そして、可変表示結果の決定に基づく所定割合で、変動パターンの決定などが行われ、可変表示結果や変動パターンを指定する演出制御コマンドが、図2に示す主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から演出制御基板12に向けて伝送される。
こうした可変表示結果や変動パターンの決定に基づいて特図ゲームが開始された後、例えば変動パターンに対応して予め定められた可変表示時間が経過したときには、可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される。第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄の可変表示に対応して、画像表示装置5の画面上に配置された「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、特別図柄とは異なる飾り図柄(演出図柄)の可変表示が行われる。「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで可変表示される飾り図柄は、それぞれ左図柄、中図柄、右図柄ともいう。第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるときには、画像表示装置5において飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示される。
特別図柄の可変表示結果として予め定められた大当り図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」(特定表示結果)となり、遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。すなわち、大当り遊技状態に制御されるか否かは、可変表示結果が「大当り」となるか否かに対応しており、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。特別図柄の可変表示結果として、大当り図柄が導出表示されず、ハズレ図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」(非特定表示結果)となる。
第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bに大当り図柄が停止表示(導出)されて可変表示結果が「大当り」となる場合には、画像表示装置5の表示領域において、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示される。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄が揃って停止表示されることにより、大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示されればよい。
大当り遊技状態では、大入賞口が開放状態となって特別可変入賞球装置7が遊技者にとって有利な第1状態となる。そして、所定の開放上限時間(例えば29.5秒間または0.1秒間)が経過するまでの期間、あるいは所定個数(例えば9個)の遊技球が大入賞口に進入して入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を継続して開放状態とするラウンド遊技(単に「ラウンド」ともいう)が実行される。こうしたラウンド遊技の実行期間以外の期間では、大入賞口が閉鎖状態となり、入賞球が発生困難または発生不可能となる。大入賞口に遊技球が進入したときには、カウントスイッチ23により入賞球が検出され、その検出ごとに所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。大当り遊技状態におけるラウンド遊技は、所定の上限回数(例えば「10」や「13」または「16」など)に達するまで繰返し実行される。
大当り遊技状態が終了した後には、所定の確変制御条件が成立したことに基づいて、可変表示結果が「大当り」となる確率(大当り確率)が通常状態よりも高くなる確変状態に制御されることがある。確変状態は、所定回数(例えば200回)の可変表示が実行されること、または可変表示の実行回数が所定回数に達する以前に大当り遊技状態が開始されることなど、所定の確変終了条件が成立するまで継続するように制御される。なお、確変終了条件は、可変表示の実行回数にかかわらず、次回の大当り遊技状態が開始されるときに成立するようにしてもよい。大当り遊技状態が終了した後には、平均的な可変表示時間が通常状態よりも短くなる時短状態に制御されることがある。時短状態は、所定回数(例えば100回)の可変表示が実行されたこと、または可変表示の実行回数が所定回数に達する以前に大当り遊技状態が開始されることなど、所定の時短終了条件が成立するまで継続するように制御される。
確変状態や時短状態では、通常状態よりも第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい有利変化態様で、普通可変入賞球装置6Bを第1可変状態(開放状態または拡大開放状態)と第2可変状態(閉鎖状態または通常開放状態)とに変化させる。例えば、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御により、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させればよい。なお、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させる制御は、高開放制御(「高ベース制御」ともいう)と称される。こうした確変状態や時短状態に制御されることにより、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの所要時間が短縮され、通常状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態となる。なお、確変状態にて確変制御が行われるときでも、高開放制御が行われない場合があってもよい。
大当り遊技状態におけるラウンド遊技の実行態様や大当り遊技状態の終了後に制御される遊技状態に応じて、複数の大当り種別が設けられている。この実施の形態において、複数の大当り種別には、「16R確変A」、「16R確変B」、「10R確変」、「13R非確変」という4つの種別がある。「16R確変A」の大当り種別は、ラウンド遊技の上限回数が「16」であり、各ラウンド遊技における大入賞口の開放上限時間が「29.5秒間」であり、大当り遊技状態の終了後には遊技状態が確変状態となるように設定されている。「16R確変B」の大当り種別は、ラウンド遊技の上限回数が「16」であり、各ラウンド遊技における大入賞口の開放上限時間が「0.1秒間」であり、大当り遊技状態の終了後には遊技状態が確変状態となるように設定されている。「10R確変」の大当り種別は、ラウンド遊技の上限回数が「10」であり、各ラウンド遊技における大入賞口の開放上限時間が「29.5秒間」であり、大当り遊技状態の終了後には遊技状態が確変状態となるように設定されている。「13R非確変」の大当り種別は、ラウンド遊技の実行回数が「13」であり、各ラウンド遊技における大入賞口の開放上限時間が「29.5秒間」であり、大当り遊技状態の終了後には遊技状態が時短状態となるように設定されている。
画像表示装置5において、最終停止図柄(例えば左図柄、中図柄、右図柄のうちの中図柄)となる図柄以外の飾り図柄が、所定時間継続して大当り組合せと一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の飾り図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)において行われる演出を、リーチ演出という。リーチ演出として、画像表示装置5の画面上に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させることや、背景画像の表示態様を変化させること、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させることといった、飾り図柄の変動態様を変化させることとは異なる演出動作が実行されてもよい。画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ態様となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、リーチ演出に含まれていてもよい。リーチ状態やその様子をリーチ態様という。さらに、リーチ演出を含む可変表示をリーチ可変表示という。そして、画像表示装置5の画面上で変動表示される図柄の表示結果が大当り組合せでない場合には「ハズレ」となり、変動表示状態は終了する。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(演出態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ演出における演出態様に応じて、「大当り」となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。この実施の形態では、一例として、ノーマル、スーパーA、スーパーBといったリーチ演出が予め設定されている。そして、スーパーAやスーパーBといったスーパーリーチのリーチ演出が実行された場合には、ノーマルのリーチ演出が実行された場合に比べて、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高くなる。また、スーパーリーチのリーチ演出のうちでも、スーパーBといった特定のリーチ演出が実行された場合には、スーパーAのリーチ演出が実行された場合に比べて、大当り期待度が高くなる。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出とは異なり、例えば所定の演出画像を表示することや、メッセージとなる画像表示や音声出力などのように、飾り図柄の可変表示動作とは異なる演出動作により、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、スーパーリーチによるリーチ演出が実行される可能性があること、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、遊技者に予め告知するための予告演出が実行されることがある。
予告演出となる演出動作は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となるより前(「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて飾り図柄が仮停止表示されるより前)に実行(開始)されるものであればよい。また、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを報知する予告演出には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に実行されるものが含まれていてもよい。このように、予告演出は、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定特別図柄や確定飾り図柄が導出されるまでの所定タイミングにて、大当り遊技状態となる可能性を予告できるものであればよい。こうした予告演出を実行する場合における演出動作の内容(演出態様)に対応して、複数の予告パターンが予め用意されている。
予告演出のうちには、先読み予告演出(先読み演出ともいう)となるものが含まれている。先読み予告演出は、可変表示結果が「大当り」となる可能性などが予告される対象(予告対象)となる可変表示が実行されるより前に、演出態様に応じて可変表示結果が「大当り」となる可能性を予告する予告演出である。特に、複数回の特図ゲームに対応して複数回実行される飾り図柄の可変表示にわたり連続して予告する先読み予告演出は、連続予告演出ともいう。先読み予告演出では、予告対象となる可変表示が開始されるより前に、特図ゲームの保留記憶情報などに基づいて可変表示結果が「大当り」となる可能性などを予告するための演出動作が開始される。先読み予告演出との対比において、予告対象となる可変表示が開始された後に実行が開始される予告演出は、単独予告演出(単独予告ともいう、また、可変表示中予告演出ともいう)と称される。
この実施の形態では、先読み予告演出の一例として、特図保留記憶数を特定可能に表示する始動入賞記憶表示エリア5Hの表示部位を、通常時における表示態様とは異なる表示態様に変化させることにより、予告対象となる可変表示において「大当り」となる可能性などを予告する「保留表示」の先読み予告演出が実行される。より具体的には、特図保留記憶数を特定可能に表示する表示部位における表示色を、通常時における所定色(例えば白色)とは異なる特定色(例えば赤色、緑色、青色のいずれかなど)とすることにより、可変表示結果が「大当り」となる可能性が通常よりも高いことを報知できればよい。また、表示部位における表示柄を通常時とは異なる特定柄(例えばサクラ柄など)とすることにより、可変表示結果が「大当り」となる可能性が通常よりも高いことを報知できるようにしてもよい。
この実施の形態では、始動入賞記憶表示エリア5Hに表示されている保留表示の表示態様を、1の表示態様から他の表示態様に変化させることができる。保留表示の表示態様には、通常保留画像が表示される通常保留表示と、特定保留画像が表示される特定保留表示と、予告保留画像が表示される予告保留表示とがある。通常保留表示や特定保留表示が行われているときには、所定割合で保留変化演出が実行されることにより、保留表示の表示態様が予告保留表示に変化することがある。なお、保留変化演出が実行されても保留表示の表示態様が変化しないこともある。特定保留表示は、通常保留表示よりも保留変化演出が実行されやすく、予告保留表示に変化しやすくなっている。
第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bにハズレ図柄が停止表示(導出)されて可変表示結果が「ハズレ」となる場合には、可変表示態様が「非リーチ」(「通常ハズレ」ともいう)となる場合と、可変表示態様が「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)となる場合とが含まれている。可変表示態様が「非リーチ」となる場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、リーチにならない所定の飾り図柄の組合せ(非リーチ組合せ)が停止表示(導出)される。可変表示態様が「リーチ」となる場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り組合せとはならない所定の飾り図柄の組合せ(リーチ組合せ)が停止表示(導出)される。非リーチ組合せやリーチ組合せを構成する飾り図柄は、ハズレ図柄となる特別図柄とともに、非特定表示結果に含まれればよい。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM101がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
このような遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、割込み禁止状態に設定して、所定の遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。遊技制御用タイマ割込処理には、例えばスイッチ処理やメイン側エラー処理、情報出力処理、遊技用乱数更新処理、特別図柄プロセス処理、普通図柄プロセス処理、コマンド制御処理といった、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するための処理が含まれている。
スイッチ処理は、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する処理である。メイン側エラー処理は、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする処理である。情報出力処理は、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する処理である。遊技用乱数更新処理は、主基板11の側で用いられる複数種類の遊技用乱数のうち、少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための処理である。
一例として、主基板11の側で用いられる遊技用乱数には、特図表示結果決定用の乱数値MR1と、大当り種別決定用の乱数値MR2と、変動パターン決定用の乱数値MR3と、普図表示結果決定用の乱数値MR5とが含まれていればよい。特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定に用いられる乱数値である。大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合に、大当り種別を「16R確変A」、「16R確変B」、「10R確変」、「13R非確変」のいずれかといった、複数種別のいずれかに決定するために用いられる乱数値である。変動パターン決定用の乱数値MR3は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターンを、予め用意された複数パターンのいずれかに決定するために用いられる乱数値である。普図表示結果決定用の乱数値MR5は、普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果を「普図当り」として普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を閉鎖状態(通常開放状態)よりも高い頻度で遊技球が通過(進入)しやすい開放状態(拡大開放状態)に制御するか否かの決定に用いられる乱数値である。
遊技制御用タイマ割込処理に含まれる特別図柄プロセス処理では、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、特別図柄表示装置4における表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。普通図柄プロセス処理は、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする処理である。普通図柄プロセス処理では、時短制御に伴う高開放制御として、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御の一部または全部が行われる。
コマンド制御処理は、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる処理である。一例として、コマンド制御処理では、RAM102に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図3は、特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、図4に示すような始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。
図4に示す始動入賞判定処理を開始すると、CPU103は、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aからの検出信号に基づき、第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(ステップS201)。このとき、第1始動口スイッチ22Aがオンであれば(ステップS201;Yes)、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS202)。このとき、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS202;No)、RAM102の所定領域(遊技制御バッファ設定部など)に設けられた始動口バッファの格納値である始動口バッファ値を、「1」に設定する(ステップS203)。
ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aがオフであるときや(ステップS201;No)、ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(ステップS202;Yes)、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bからの検出信号に基づき、第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(ステップS204)。このとき、第2始動口スイッチ22Bがオンであれば(ステップS204;Yes)、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS205)。このとき、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS205にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS205;No)、始動口バッファ値を「2」に設定する(ステップS206)。
ステップS203、S206の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファ値に応じた保留記憶数カウント値を1加算するように更新する(ステップS207)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。また、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。このときには、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新する(ステップS208)。
ステップS208の処理を実行した後に、CPU103は、始動入賞の発生時に対応した所定の遊技用乱数を抽出する(ステップS209)。一例として、ステップS209の処理では、乱数回路104やRAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられたランダムカウンタ等によって更新される数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データが抽出される。こうして抽出された各乱数値を示す数値データが保留データとして、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭にセットされることで記憶される(ステップS210)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、保留データが図5(A)に示すような第1特図保留記憶部151Aにセットされる。一方、始動口バッファ値が「2」であるときには、保留データが図5(B)に示すような第2特図保留記憶部151Bにセットされる。
図5(A)に示す第1特図保留記憶部151Aは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動入賞が発生したものの、未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部151Aは、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)による第1始動条件の成立に基づいてCPU103が乱数回路104等から抽出した特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第1特図保留記憶部151Aに記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき大当り遊技状態に制御すると決定されるか否かや、可変表示結果が「大当り」となる場合の大当り種別が複数種別のいずれとなるかなどを判定可能にする保留記憶情報となる。
図5(B)に示す第2特図保留記憶部151Bは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2始動入賞が発生したものの、未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部151Bは、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)による第2始動条件の成立に基づいてCPU103が乱数回路104等から抽出した特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第2特図保留記憶部151Bに記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき大当り遊技状態に制御すると決定されるか否かや、飾り図柄の可変表示態様が特定態様(例えばスーパーリーチのリーチ演出など)となるか否かなどを判定可能にする保留記憶情報となる。
ステップS210の処理に続いて、入賞時乱数値判定処理を実行する(ステップS211)。その後、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS212)。このとき、始動口バッファ値が「2」であれば(ステップS212;「2」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS213)、始動入賞判定処理を終了する。これに対して、始動口バッファ値が「1」であるときには(ステップS212;「1」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS214)、ステップS204の処理に進む。これにより、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できる。
図6は、入賞時乱数値判定処理として、図5のステップS211にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この実施の形態において、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるときには、後述する特別図柄通常処理(図3のステップS110、図8)において、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定や、特図表示結果を「大当り」とする場合における大当り種別の決定などが行われる。他方、これらの決定とは別に、遊技球が始動入賞口(第1始動入賞口または第2始動入賞口)にて検出された始動入賞タイミングで、CPU103がステップS211の入賞時乱数値判定処理を実行することにより、特図表示結果として大当り図柄を導出すると決定される乱数値MR1であるか否かの判定などを行う。これにより、始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出に基づく特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるより前に、特図表示結果が「大当り」となるか否かを予測し、この予測結果に基づいて、演出制御基板12の側で演出制御用CPU120などにより、先読み演出となる予告演出を実行するか否かを、決定することができる。
図6に示す入賞時乱数値判定処理において、CPU103は、まず、例えばRAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた時短フラグや確変フラグの状態を確認することなどにより、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を特定する(ステップS401)。より具体的には、確変フラグがオンであるときには遊技状態が確変状態であること、確変フラグがオフで時短フラグがオンであるときには遊技状態が時短状態であること、確変フラグと時短フラグがともにオフであるときには通常状態であることを、それぞれ特定すればよい。また、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ制御部など)に設けられた特図プロセスフラグの値を確認することなどにより、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態が大当り遊技状態であるか否かを特定できればよい。
CPU103は、こうして特定された遊技状態が大当り遊技状態となっている大当り中であるか否かを判定する(ステップS402)。このとき、大当り中でないと判定された場合には、さらに確変状態や時短状態において時短制御に伴う高開放制御が行われている高ベース中であるか否かを判定する(ステップS403)。ステップS402にて大当り中であると判定されたときや(ステップS402;Yes)、ステップS403にて高ベース中であると判定されたときには(ステップS403;Yes)、始動口バッファ値が「2」であるか否かを判定する(ステップS404)。
ステップS403にて時短制御中ではないと判定されたときや(ステップS403;No)、ステップS404にて始動口バッファ値が「2」であると判定されたときには(ステップS404;Yes)、大当り決定範囲を設定する(ステップS405)。例えば、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された特図表示結果決定テーブルを構成するテーブルデータから、現在の遊技状態に対応して特図表示結果の決定に用いられるデータ(特図表示結果決定用テーブルデータ)を選択する。この特図表示結果決定用テーブルデータにおいて、特図表示結果が「大当り」に割り当てられた決定値の範囲が、大当り決定範囲として設定されればよい。
その後、図4に示すステップS209の処理により抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データと、ステップS405の処理により設定された大当り決定範囲とを比較する(ステップS406)。これにより、乱数値MR1が大当り決定範囲内であるか否かを判定する。一例として、CPU103は、大当り決定範囲に含まれる個々の決定値と、図4に示すステップS209の処理により抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1とを、逐一比較することにより、乱数値MR1と合致する決定値の有無を判定してもよい。あるいは、大当り決定範囲に含まれる決定値の最小値(下限値)と最大値(上限値)とを示す数値を設定して、CPU103が乱数値MR1と大当り決定範囲の最小値や最大値とを比較することにより、乱数値MR1が大当り決定範囲の範囲内であるか否かを判定してもよい。
普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ22Aにより検出されて始動入賞(第1始動入賞)が発生したときには、図4に示すステップS202の処理で第1特図保留記憶数が上限値に達していないと判定されることにより、第1始動条件が成立する。第1始動条件は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームを実行するための条件である。第1始動条件が成立したときには、主基板11から演出制御基板12に対して第1始動口入賞指定コマンドが送信される。演出制御基板12の側では、第1始動口入賞指定コマンドを受信することで、第1始動条件が成立したことを検知できる。このように、第1始動口入賞指定コマンドは、第1始動条件の成立を通知する演出制御コマンドである。また、第1始動口入賞指定コマンドは、第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出時である第1始動入賞時に抽出された遊技用乱数(特図表示結果決定用の乱数値MR1など)を用いた比較結果(入賞時判定結果)も、演出制御基板12の側に対して通知する。
普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ22Bにより検出されて始動入賞(第2始動入賞)が発生したときには、図4に示すステップS205の処理で第2特図保留記憶数が上限値に達していないと判定されることにより、第2始動条件が成立する。第2始動条件は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを実行するための条件である。第2始動条件が成立したときには、主基板11から演出制御基板12に対して第2始動口入賞指定コマンドが送信される。演出制御基板12の側では、第2始動口入賞指定コマンドを受信することで、第2始動条件が成立したことを検知できる。このように、第2始動口入賞指定コマンドは、第2始動条件の成立を通知する演出制御コマンドである。また、第2始動口入賞指定コマンドは、第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出時である第2始動入賞時に抽出された遊技用乱数(特図表示結果決定用の乱数値MR2など)を用いた比較結果(入賞時判定結果)も、演出制御基板12の側に対して通知する。
こうした第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドによる通知内容は、例えばステップS404の処理による判定結果やステップS406の処理による比較結果に応じて設定される(ステップS407)。より具体的に、ステップS404の処理にて始動口バッファ値が「2」ではなく「1」であると判定されたときには(ステップS404;No)、通知内容が「入賞時判定制限中」に設定される。ステップS406の処理による比較結果として乱数値MR1が大当り決定範囲内であると判定されたときには、通知内容が「大当り判定あり」に設定される。ステップS406の処理による比較結果として乱数値MR1が大当り決定範囲外であると判定されたときには、通知内容が「大当り判定なし」に設定される。
図7(A)に示すように、第1始動口入賞指定コマンドとなるコマンドB1XXHと、第2始動口入賞指定コマンドとなるコマンドB2XXHとが、始動口入賞指定コマンドとして予め用意されている。なお、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。始動口入賞指定コマンドでは、ステップS407の処理により設定された通知内容に応じて、EXTデータ(2バイト構成のうち下位1バイトのデータ)を異ならせる。
図7(B)は、第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドによる通知内容を例示している。図7(B)に示す第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドのうち、コマンドB100HやコマンドB200Hは、通知内容が「入賞時判定制限中」を示している。コマンドB101HやコマンドB201Hは、通知内容が「大当り判定なし」を示している。コマンドB102HやコマンドB202Hは、通知内容が「大当り判定あり」を示している。
ステップS407の処理による通知内容の設定に基づいて、始動口入賞指定コマンドを送信するための設定が行われる(ステップS408)。このときには、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかに応じて、第1始動口入賞指定コマンドを送信するか第2始動口入賞指定コマンドを送信するかが決定される。そして、ステップS407の処理により設定された通知内容に対応したEXTデータをセットすることにより、通知内容に応じてEXTデータが異なる始動口入賞指定コマンドが送信される。
ステップS408の処理により、第1始動口入賞指定コマンドは、第1始動入賞の発生により第1始動条件が成立したときに、第1始動条件の成立を通知する演出制御情報として、演出制御基板12の側へと送信される。また、第2始動口入賞指定コマンドは、第2始動入賞の発生により第2始動条件が成立したときに、第2始動条件の成立を通知する演出制御情報として、演出制御基板12の側へと送信される。この実施の形態において、第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドは、第1始動入賞口と第2始動入賞口とのいずれを遊技球が通過(進入)して始動入賞が発生したかを通知するとともに、始動入賞時に抽出された遊技用乱数を用いて、可変表示結果が「大当り」に決定されるか否かの入賞時判定結果を通知する判定結果情報として送信される。なお、第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドとは別に、始動入賞時に抽出された遊技用乱数を用いた入賞時判定結果を通知する演出制御コマンド(例えば入賞時判定結果指定コマンドなど)を、送信するようにしてもよい。
ステップS408の処理を実行した後には、保留記憶数通知コマンドの送信設定が行われてから(ステップS409)、入賞時乱数値判定処理が終了する。図7(A)に示すように、この実施の形態では、保留記憶数通知コマンドとして、第1保留記憶数通知コマンドとなるコマンドC1XXHと、第2保留記憶数通知コマンドとなるコマンドC2XXHとが、予め用意されている。これらの保留記憶数通知コマンドでは、第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数に応じて、異なるEXTデータが設定される。
第1保留記憶数通知コマンドは、第1特図保留記憶数を通知する演出制御コマンドである。第2保留記憶数通知コマンドは、第2特図保留記憶数を通知する演出制御コマンドである。図6に示すステップS409の処理では、始動口バッファ値が「1」であるときに、演出制御基板12に対して第1保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときには、演出制御基板12に対して第2保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う。
ステップS409の処理が実行されることで、第1保留記憶数通知コマンドは、第1始動入賞の発生により第1始動条件が成立したときに、第1特図保留記憶数の増加を通知する演出制御情報として、演出制御基板12の側へと送信される。また、第2保留記憶数通知コマンドは、第2始動入賞の発生により第2始動条件が成立したときに、第2特図保留記憶数の増加を通知する演出制御情報として、演出制御基板12の側へと送信される。この実施の形態において、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、第1始動入賞口と第2始動入賞口とのいずれを遊技球が通過(進入)して始動入賞が発生したかを通知するとともに、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とのいずれが増加したかを指定する保留通知情報として送信される。
なお、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、第1開始条件と第2開始条件のいずれかが成立したときに、特図ゲームの実行が開始されることなどに対応して送信されるようにしてもよい。あるいは、保留記憶数が増加したときに、第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数が増加したことを示す保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド)を送信する一方、保留記憶数が減少したときに、第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数が減少したことを示す保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンド)を送信するようにしてもよい。
第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドに代えて、あるいは第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドとともに、合計保留記憶数を通知する合計保留記憶数通知コマンドを送信するようにしてもよい。すなわち、合計保留記憶数の増加(または減少)を通知するための合計保留記憶数通知コマンドが用いられてもよい。
図6に示す入賞時乱数値判定処理では、ステップS402にて大当り中であると判定されたことや、ステップS403にて高ベース中であると判定されたことに基づいて、ステップS404の処理により始動口バッファ値が「2」であるか否かを判定する。このとき、始動口バッファ値が「1」であり「2」ではない場合には、ステップS405、S406の処理を実行せずにステップS407の処理に進み、大当り決定範囲の判定などが制限中であることに対応して通知内容が「入賞時判定制限中」を示す始動口入賞指定コマンドの送信設定を行う。こうして、時短制御に伴う高開放制御が行われるときや、大当り遊技状態であるときには、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる始動入賞(第1始動入賞)の発生に基づいて特定パターンの判定が行われないように制限する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行される場合に、高開放制御中や大当り遊技状態であるときには、第1始動入賞に基づく先読み予告が実行されないように制限して、遊技の健全性を確保することができる。
図3に示すステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S117の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。このとき、可変表示結果が「大当り」に決定された場合には、大当り種別を複数種別のいずれかに決定する。大当り種別の決定結果を示すデータがRAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部)に設けられた大当り種別バッファに格納されることにより、大当り種別が記憶される。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄、ハズレ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果などに基づいて、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。特別図柄や飾り図柄の可変表示時間は、変動パターンに対応して予め設定されている。したがって、変動パターン設定処理にて変動パターンを決定することにより、特別図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定特別図柄を導出するまでの可変表示時間が決定される。また、変動パターン設定処理は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に、飾り図柄の可変表示態様を「リーチ」とするか否かを決定する処理を含んでもよい。あるいは、変動パターン設定処理にて可変表示結果が「ハズレ」となる場合の変動パターンを所定割合で決定することにより、飾り図柄の可変表示態様を「リーチ」とするか否かが決定されてもよい。さらに、変動パターン設定処理は、特別図柄表示装置4において特別図柄の変動を開始させるための設定を行う処理を含んでもよい。変動パターン設定処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、特別図柄表示装置4において特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、特別図柄表示装置4にて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示させるための設定を行う処理が含まれている。そして、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われる。大当りフラグがオンである場合には、特図表示結果が「大当り」であることに基づく大当り遊技状態の開始を指定する当り開始指定コマンドの送信設定を行うとともに、特図プロセスフラグの値を“4”に更新する。大当りフラグがオフである場合には、特図プロセスフラグの値を“0”に更新する。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、可変表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンド遊技の実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。大当り開放前処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻したときには、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンド遊技の実行回数が所定の上限回数(例えば大当り種別に応じた「16」、「13」、「10」のいずれかなど)に達したか否かを判定する処理や、上限回数に達していない場合に次回のラウンド遊技が開始されるまで待機する処理などが含まれている。そして、次回のラウンド遊技が開始されるときには、特図プロセスフラグの値が“4”に更新される一方、ラウンド遊技の実行回数が上限回数に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、確変制御条件の成否に対応して確変状態や時短状態に制御するための各種の設定を行う処理などが含まれている。そして、確変状態や時短状態に制御するための設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
図8は、特別図柄通常処理として、図3のステップS110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図8に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。CPU103は、第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS231;No)、第2特図保留記憶部151Bの先頭領域(保留番号「1」に対応する記憶領域)に記憶されている保留データとして、所定の乱数値を示す数値データを読み出す(ステップS232)。これにより、図4に示すステップS209の処理で第2始動入賞口における始動入賞(第2始動入賞)の発生に対応して抽出された遊技用乱数が読み出される。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS232の処理に続いて、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部151Bにおける記憶内容をシフトさせる(ステップS233)。例えば、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位にシフトする。また、ステップS233の処理では、合計保留記憶数を1減算するように更新してもよい。そして、RAM102の所定領域(遊技制御バッファ設定部など)に設けられた変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を、「2」に更新する(ステップS234)。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(ステップS231;Yes)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS235)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。CPU103は、第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、ステップS235の処理は、ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
なお、第1始動入賞口であるか第2始動入賞口であるかにかかわらず、遊技球が始動入賞口を通過(進入)した順番で、特図ゲームが実行される場合には、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過(進入)したかを示す始動口データを、保留データとともに、あるいは保留データとは別個に、保留番号と対応付けてRAM102の所定領域に記憶させておき、それぞれの保留データに対応する特図ゲームについて、始動条件が成立した順番を特定可能にすればよい。
ステップS236の処理に続いて、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部151Aにおける記憶内容をシフトさせる(ステップS237)。例えば、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位にシフトする。また、ステップS237の処理では、合計保留記憶数を1減算するように更新してもよい。そして、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS238)。
ステップS234、S238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を、「大当り」と「ハズレ」のいずれかに決定する(ステップS239)。一例として、ステップS239の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された特図表示結果決定テーブルを選択し、特図表示結果を決定するための使用テーブルに設定する。特図表示結果決定テーブルでは、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づいて、特図表示結果決定テーブルを参照することにより、特図表示結果を決定すればよい。
図9(A)は、ステップS239の処理による特図表示結果の決定例を示している。このように、特図表示結果を「大当り」、「ハズレ」のいずれとするかが、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データや特図表示結果決定テーブルを用いて、所定割合で決定されればよい。図9(A)に示す決定例では、確変状態における確変制御の有無に応じて、特図表示結果を「大当り」とするか否かの決定割合を異ならせている。CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた確変フラグがオンである場合に、確変制御が行われていると判定すればよい。
図9(A)に示すように、確変状態にて確変制御が行われているときには、通常状態や時短状態にて確変制御が行われていないときよりも高い割合で、特図表示結果が「大当り」に決定される。確変状態は、例えば図3に示すステップS117の大当り終了処理により、大当り種別が「16R確変A」、「16R確変B」、「10R確変」のいずれかであった場合に対応して確変フラグがオン状態にセットされることで開始される。確変状態であるときには、通常状態や時短状態にて確変制御が行われていないときよりも、特図表示結果が「大当り」になりやすく、大当り遊技状態になりやすい。
CPU103は、ステップS239の処理により決定された特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS240)。特図表示結果が「大当り」に決定された場合には(ステップS240;Yes)、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS241)。また、大当り種別を複数種類のいずれかに決定する(ステップS242)。一例として、ステップS242の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された大当り種別決定テーブルを選択し、大当り種別を決定するための使用テーブルに設定する。大当り種別決定テーブルでは、変動特図が第1特図と第2特図のいずれであるかに応じて、大当り種別決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、大当り種別を複数種類のいずれとするかの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データに基づいて、大当り種別決定テーブルを参照することにより、大当り種別を決定すればよい。
図9(B)は、ステップS242の処理による大当り種別の決定例を示している。この決定例では、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて、大当り種別の決定内容や決定割合を異ならせている。より具体的に、変動特図が第1特図である場合には、大当り種別が「16R確変A」、「16R確変B」、「10R確変」、「13R非確変」のいずれかに決定される。一方、変動特図が第2特図である場合には、大当り種別が「16R確変A」、「10R確変」、「13R非確変」のいずれかに決定される。また、大当り種別が「16R確変A」に決定される割合は、変動特図が第1特図のときよりも、変動特図が第2特図のときに高くなる。このように、特図ゲームにて可変表示される特別図柄に応じて、異なる大当り種別に決定されてもよい。また、特図ゲームにて可変表示される特別図柄に応じて異なる割合で、所定の大当り種別に決定されてもよい。
ステップS242の処理を実行した後には、大当り種別を記憶させる(ステップS243)。CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御バッファ設定部など)に設けられた大当り種別バッファに、大当り種別の決定結果を示すデータを格納することにより、大当り種別を記憶させればよい。
ステップS240にて特図表示結果が「大当り」ではない場合や(ステップS240;No)、ステップS243の処理を実行した後には、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を決定する(ステップS244)。一例として、ステップS240にて特図表示結果が「大当り」ではないと判定された場合には、ハズレ図柄として予め定められた特別図柄を確定特別図柄に決定する。一方、ステップS240にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、ステップS242における大当り種別の決定結果に応じて、複数種類の大当り図柄として予め定められた特別図柄のいずれかを確定特別図柄に決定すればよい。
ステップS244の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“1”に更新してから(ステップS245)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS245にて特図プロセスフラグの値が“1”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図3に示すステップS111の変動パターン設定処理が実行される。
ステップS235にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(ステップS235;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS246)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
図10(A)は、変動パターン設定処理として、図3のステップS111にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図10(A)に示す変動パターン設定処理において、CPU103は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS261)。そして、大当りフラグがオンである場合には(ステップS261;Yes)、特図表示結果が「大当り」となる大当り時に対応した変動パターンを決定する(ステップS262)。一方、大当りフラグがオフである場合には(ステップS261;No)、特図表示結果が「ハズレ」となるハズレ時に対応した変動パターンを決定する(ステップS263)。
ステップS262の処理では、例えばROM101の所定領域に記憶するなどして用意された大当り変動パターン決定テーブルを用いて、大当り時の変動パターンが決定される。大当り変動パターン決定テーブルでは、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターンの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づいて、大当り変動パターン決定テーブルを参照することにより、可変表示結果が「大当り」となる場合に対応した変動パターンを決定すればよい。また、ステップS263の処理では、例えばROM101の所定領域に記憶するなどして用意されたハズレ変動パターン決定テーブルを用いて、ハズレ時の変動パターンが決定される。ハズレ変動パターン決定テーブルでは、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターンの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づいて、ハズレ変動パターン決定テーブルを参照することにより、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に対応した変動パターンを決定すればよい。
図10(B)は、この実施の形態における変動パターンを示している。この実施の形態では、可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様にはならない「非リーチ」である場合とリーチ態様になる「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」である場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。
図10(A)に示すステップS262の処理では、例えば図11(A)に示すような割合で、大当り時の変動パターンが決定される。図11(A)に示す例では、大当り時の変動パターンとして、変動パターンPA3−1、変動パターンPA3−2、変動パターンPA3−3のいずれかが、所定割合で使用パターンに決定される。より具体的に、変動パターンPA3−3に決定される割合が最も高く、変動パターンPA3−2、変動パターンPA3−1の順に決定割合が低くなるように設定されている。
図10(A)に示すステップS263の処理では、例えば図11(B)に示すような割合で、ハズレ時の変動パターンが決定される。図11(B)に示す例では、変動パターンPA2−1といった、ノーマルのリーチ演出だけが実行されてスーパーAやスーパーBのリーチ演出が実行されない変動パターンの決定割合が、変動パターンPA2−2や変動パターンPA2−3といったスーパーリーチのリーチ演出が実行される変動パターンの決定割合よりも高くなるように設定されている。一方、大当り時には、スーパーリーチのリーチ演出が実行される変動パターンの決定割合が、ハズレ時よりも高くなるように設定されている。これにより、スーパーリーチのリーチ演出が実行されてから可変表示結果が導出されるときには、その可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高められる。ステップS263の処理では、ハズレ時の変動パターンを決定することにより、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とするか否かが決定される。なお、変動パターンの決定とは別個の処理により、可変表示結果が「ハズレ」となる場合にリーチ状態とするか否かが決定されてもよい。
ステップS262、S263の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示時間である特図変動時間を設定する(ステップS264)。特別図柄の可変表示時間となる特図変動時間は、特図ゲームにおいて特別図柄の変動を開始してから可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示されるまでの所要時間である。特図変動時間は、図10(B)に示すように、予め用意された複数の変動パターンに対応して、予め定められている。したがって、ステップS262、S263の処理にて変動パターンを決定することにより、特図変動時間が決定される。CPU103は、特図変動時間を設定することにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が導出されるタイミングを設定できる。
ステップS264の処理に続いて、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームのうち、開始条件が成立したいずれかの特図ゲームを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための設定を行う(ステップS265)。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。
ステップS265の処理を実行した後には、特別図柄の変動開始時におけるコマンドの送信設定が行われる(ステップS266)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して第1変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第1保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第1変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレス(先頭アドレス)を指定する。他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第2保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第2変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを指定する。
第1変動開始コマンドや第2変動開始コマンドは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始や、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を、指定する演出制御コマンドである。変動パターン指定コマンドは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで可変表示される飾り図柄などの変動パターンを指定する演出制御コマンドである。可変表示結果通知コマンドは、特別図柄や飾り図柄などの可変表示結果を指定する演出制御コマンドである。
ステップS266の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“2”に更新してから(ステップS267)、変動パターン設定処理を終了する。ステップS267にて特図プロセスフラグの値が“2”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図3に示すステップS112の特別図柄変動処理が実行される。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。
演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、所定の演出制御メイン処理を実行する。演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば、待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
タイマ割込みフラグがオンである場合には、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに、コマンド解析処理を実行する。コマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
一例として、コマンド解析処理では、演出制御コマンド受信用バッファに格納された受信コマンドがある場合に、その受信コマンドのMODEデータを確認することなどにより、いずれの演出制御コマンドを受信したかを判定する。このとき、第1始動口入賞指定コマンドとともに第1保留記憶数通知コマンドを受信した場合には、RAM122の所定領域(例えば演出制御バッファ設定部)などに設けられた第1始動入賞時コマンドバッファにおける空き領域のうちで、バッファ番号となる保留表示番号が最も小さい格納領域に、第1始動口入賞指定コマンドと第1保留記憶数通知コマンドを順番に記憶させる。一方、第2始動口入賞指定コマンドとともに第2保留記憶数通知コマンドを受信したときには、RAM122の所定領域(例えば演出制御バッファ設定部)などに設けられた第2始動入賞時コマンドバッファにおける空き領域のうちで、バッファ番号となる保留表示番号が最も小さい格納領域に、第2始動口入賞指定コマンドと第2保留記憶数通知コマンドを順番に記憶させる。
第1始動入賞時コマンドバッファには、第1始動入賞の発生に対応して送信された1セットの演出制御コマンド(第1始動口入賞指定コマンドおよび第1保留記憶数通知コマンド)を対応付けて記憶できるように、格納領域が確保されている。演出制御用CPU120は、第1始動入賞が発生したときに受信した演出制御コマンドを、その受信順序に従って、第1始動入賞時コマンドバッファの保留表示番号「1」〜「4」に対応する格納領域における空き領域の先頭から順番に格納していく。第1始動入賞時コマンドバッファにおける保留表示番号は、第1特図保留記憶数に対応している。
第2始動入賞時コマンドバッファには、第2始動入賞の発生に対応して送信された1セットの演出制御コマンド(第2始動口入賞指定コマンドおよび第2保留記憶数通知コマンド)を対応付けて記憶できるように、格納領域が確保されている。演出制御用CPU120は、第2始動入賞が発生したときに受信した演出制御コマンドを、その受信順序に従って、第2始動入賞時コマンドバッファの保留表示番号「1」〜「4」に対応する格納領域における空き領域の先頭から順番に格納していく。第2始動入賞時コマンドバッファにおける保留表示番号は、第2特図保留記憶数に対応している。
コマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する。演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9および装飾用LEDなどの発光体における点灯動作といった、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され、演出制御に用いる各種の乱数値として、RAM122のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。
図12は、演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図12に示す演出制御プロセス処理では、まず、保留表示設定処理を実行する(ステップS161)。保留表示設定処理は、第1始動入賞や第2始動入賞が発生した始動入賞時に、始動入賞記憶表示エリア5Hでの画像表示を更新するための処理を含んでいる。また、保留表示設定処理は、例えばRAM121の所定領域に設けられた保留表示データ記憶部の記憶データなどを用いて、「保留表示」の先読み予告演出を実行するための決定処理や設定処理などを含んでいる。
図13は、保留表示データ記憶部の構成例を示している。保留表示データ記憶部は、第1特図や第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることに対応して、始動入賞記憶表示エリア5Hにて保留記憶表示を行うための各種データを、保留表示データとして記憶する。保留表示データ記憶部として、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶表示に対応する第1保留表示データ記憶部と、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶表示とに対応する第2保留表示データ記憶部とが設けられていればよい。保留表示データ記憶部には、例えば第1特図保留記憶部151Aや第2特図保留記憶部151Bと同様の保留番号に関連付けて、可変表示結果、保留表示パターン、変化前カウンタの値を示すデータを記憶するための格納領域が確保されている。可変表示結果は、始動口入賞指定コマンド(第1始動口入賞指定コマンドまたは第2始動口入賞指定コマンド)に基づいて特定される特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を示している。保留表示パターンは、始動入賞記憶表示エリア5Hの表示部位における保留表示の表示態様を示している。変化前カウンタの値は、保留表示の表示態様を変化させるまでに実行される可変表示の残り回数を示している。
この実施の形態において、始動口入賞指定コマンドによる通知内容には、「入賞時判定制限中」、「大当り判定あり」、「大当り判定なし」がある。このような始動口入賞指定コマンドにより「大当り判定あり」が通知された場合には、可変表示結果が「大当り」であることが特定される。一方、始動口入賞指定コマンドにより「大当り判定なし」が通知された場合には、可変表示結果が「ハズレ」であることが特定される。なお、始動口入賞指定コマンドにより「入賞時判定制限中」が通知された場合には、可変表示結果を特定できないことを示す所定データが保留表示データ記憶部の格納領域に格納されればよい。
保留表示パターンには、保留表示パターンPHN、保留表示パターンPHA、保留表示パターンPHBがある。保留表示パターンPHNは、通常保留画像となる保留表示画像DHNを、始動入賞記憶表示エリア5Hの表示部位に表示する通常保留表示の保留表示パターンである。保留表示パターンPHAは、特定保留画像に含まれる保留表示画像DHAを、始動入賞記憶表示エリア5Hの表示部位に表示する特定保留表示の保留表示パターンである。保留表示パターンPHBは、特定保留画像に含まれる保留表示画像DHBを、始動入賞記憶表示エリア5Hの表示部位に表示する特定保留表示の保留表示パターンである。特定保留画像に含まれる保留表示画像DHAと保留表示画像DHBは、互いに表示態様が異なっており、それぞれの表示態様に応じて異なる演出態様の保留変化演出を実行することにより、保留表示の表示態様を変化させて、予告保留表示とすることができる。通常保留画像である保留表示画像DHNを表示する通常保留表示の場合でも、所定割合で保留変化演出を実行することにより、保留表示の表示態様を変化させて、予告保留表示とすることができる。ただし、保留変化演出が実行されて予告保留表示となる割合は、特定保留表示の場合が通常保留表示の場合よりも高くなるように設定されている。
図14は、保留表示設定処理として、図12のステップS161にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図14に示す保留表示設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、始動入賞時に伝送される演出制御コマンド(始動口入賞指定コマンドや保留記憶数通知コマンドなど)の受信があったか否かを判定する(ステップS301)。ステップS301の処理では、例えば第1始動入賞時コマンドバッファや第2始動入賞時コマンドバッファに、始動口入賞指定コマンドや保留記憶数通知コマンドが新たに格納されているか否かを確認することにより、始動入賞時におけるコマンド受信の有無を判定すればよい。
ステップS301にてコマンド受信がない場合には(ステップS301;No)、保留表示設定処理を終了する。一方、コマンド受信があると判定された場合には(ステップS301;Yes)、受信したコマンドによる通知内容を特定する(ステップS302)。例えば、始動口入賞指定コマンドによる通知内容が「入賞時判定制限中」、「大当り判定あり」、「大当り判定なし」のいずれであるかを特定する。このとき特定された通知内容が「入賞時判定制限中」であるか否かを判定する(ステップS303)。そして、「入賞時判定制限中」以外である場合には(ステップS303;No)、保留記憶表示として通常保留表示とは表示態様が異なる特定保留表示を可能にするテーブル設定などが行われる。より具体的には、保留表示データ記憶部の記憶内容を確認して(ステップS304)、予告保留表示に変化する前の特定保留表示があるか否かを判定し(ステップS305)、この判定結果に応じた保留表示パターン決定テーブルを選択する(ステップS306)。
ステップS304、S305の処理では、保留表示データ記憶部にて各保留番号と関連付けて記憶されている変化前カウンタの値を確認し、いずれかの値が「0」以外であるときに、変化前の特定保留表示があると判定する。また、変化前カウンタの値が「0」以外である保留番号と関連付けて記憶されている保留表示パターンを特定する。あるいは、変化前カウンタの値を確認することなく、保留表示パターンの記憶を確認し、いずれかの保留表示パターンが特定保留表示に対応する保留表示パターンPHAまたは保留表示パターンPHBであれば、変化前の特定保留表示があると判定してもよい。ステップS306の処理では、ステップS305の処理で判定された特定保留表示の有無や、特定保留表示がある場合の保留表示パターンに応じて、予め用意された複数の保留表示パターン決定テーブルから、いずれかのテーブルを選択し、保留表示パターンを決定するための使用テーブルに設定する。
図15は、保留表示パターン決定テーブルの構成例を示している。この実施の形態では、複数の保留表示パターン決定テーブルとして、図15(A)〜(C)に示す保留表示パターン決定テーブルTA1〜TA3が、予め用意されている。各々の保留表示パターン決定テーブルTA1〜TA3では、保留表示パターン決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が保留表示パターンの決定結果に対して割り当てられていればよい。保留表示パターン決定テーブルTA1では、保留表示パターンPHN、保留表示パターンPHA、保留表示パターンPHBのそれぞれが所定割合で決定可能となるように決定値が割り当てられている。保留表示パターン決定テーブルTA2では、保留表示パターンPHN、保留表示パターンPHAのそれぞれが所定割合で決定可能となる一方、保留表示パターンPHBが決定不能となるように決定値が割り当てられている。保留表示パターン決定テーブルTA3では、保留表示パターンPHN、保留表示パターンPHBのそれぞれが所定割合で決定可能となる一方、保留表示パターンPHAが決定不能となるように決定値が割り当てられている。
保留表示パターンPHNは、可変表示結果が「ハズレ」である場合に、可変表示結果が「大当り」である場合よりも決定割合が高くなる。保留表示パターンPHAや保留表示パターンPHBは、可変表示結果が「大当り」である場合に、可変表示結果が「ハズレ」である場合よりも決定割合が高くなる。また、保留表示パターンPHBは、保留表示パターンPHAよりも、可変表示結果が「ハズレ」である場合の決定割合が低くなる。このような設定により、保留表示パターンPHNによる通常保留表示が行われたときと比べて、保留表示パターンPHAや保留表示パターンPHBによる特定保留表示が行われたときの方が、可変表示結果が「大当り」となる可能性は高くなる。また、特定保留表示のうち、保留表示パターンPHAによる保留表示が行われたときに比べて、保留表示パターンPHBによる保留表示が行われたときの方が、可変表示結果が「大当り」となる可能性は高くなる。したがって、特定保留表示が行われたときには、通常保留表示が行われたときよりも可変表示結果が「大当り」となる可能性が高いことが示唆される。なお、可変表示結果が「ハズレ」であるか「大当り」であるかにかかわらず、所定割合で通常保留表示と特定保留表示のいずれとするかが決定されてもよい。この場合には、特定保留表示が行われるか否かによっては可変表示結果が「大当り」となる可能性の変化は生じない。このように、保留表示として通常保留表示と特定保留表示のいずれが行われるかに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせてもよいし、通常保留表示と特定保留表示のいずれが行われるかにかかわらず、可変表示結果が「大当り」となる可能性は同じになるようにしてもよい。
ステップS306の処理では、図15(D)に示すようなテーブル選択設定に従って、ステップS305の処理による判定結果に応じた保留表示パターン決定テーブルが選択される。すなわち、変化前の特定保留表示があるか否かを判定した結果として、通常保留表示に対応した保留表示パターンPHNのみである場合や、保留表示が行われていない場合(保留記憶数が「0」の場合)には、保留表示パターン決定テーブルTA1が選択される。一方、保留表示パターンPHAによる特定保留表示が含まれている場合には、保留表示パターン決定テーブルTA2が選択される。保留表示パターンPHBによる特定保留表示が含まれている場合には、保留表示パターン決定テーブルTA3が選択される。
ステップS303にて通知内容が「入賞時判定制限中」であると判定された場合や(ステップS303;Yes)、ステップS306の処理を実行した後には、保留表示パターンを決定する(ステップS307)。例えば演出制御用CPU120は、ステップS303にて通知内容が「入賞時判定制限中」であると判定された場合に、保留表示パターンPHNとすることに決定する。一方、ステップS306の処理により保留表示パターン決定テーブルが選択された場合、演出制御用CPU120は、乱数回路124またはRAM122の所定領域(演出制御カウンタ設定部など)に設けられた演出用ランダムカウンタなどから保留表示パターン決定用の乱数値を示す数値データを抽出する。そして、ステップS306の処理により選択された保留表示パターン決定テーブルを参照することで、保留表示パターンを決定すればよい。
図15(D)に示されたテーブル選択設定により、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける保留表示の状態に応じて異なる割合で、保留表示パターンが決定される。例えば通常保留表示のみである場合や保留表示が行われていない場合には、ステップS306の処理により保留表示パターン決定テーブルTA1が選択されることで、ステップS307の処理では保留表示パターンPHN、保留表示パターンPHA、保留表示パターンPHBのいずれかに決定することができる。一方、保留表示パターンPHAによる特定保留表示が含まれている場合には、ステップS306の処理により保留表示パターン決定テーブルTA2が選択されるので、ステップS307の処理では保留表示パターンPHNまたは保留表示パターンPHAのいずれかに決定できるが、保留表示パターンPHBには決定することができない。保留表示パターンPHBによる特定保留表示が含まれている場合には、ステップS306の処理により保留表示パターン決定テーブルTA3が選択されるので、ステップS307の処理では保留表示パターンPHNまたは保留表示パターンPHBのいずれかに決定できるが、保留表示パターンPHAには決定することができない。したがって、保留表示パターンPHAによる特定保留表示が行われているときには、保留表示パターンPHBによる特定保留表示が行われないように保留表示の表示態様が決定される。保留表示パターンPHBによる特定保留表示が行われているときには、保留表示パターンPHAによる特定保留表示が行われないように保留表示の表示態様が決定される。こうして、始動入賞記憶表示エリア5Hで表示される複数の保留表示において、第1表示態様の保留表示と第2表示態様の保留表示とが同時に表示されないように保留表示の表示態様を決定する。
保留表示パターンPHAによる特定保留表示(第1表示態様の保留表示)が含まれている場合には、ステップS306の処理により保留表示パターン決定テーブルTA2が選択された後、ステップS307の処理では保留表示パターンPHAに決定されることがある。保留表示パターンPHBによる特定保留表示(第2表示態様の保留表示)が含まれている場合には、ステップS306の処理により保留表示パターン決定テーブルTA3が選択された後、ステップS307の処理では保留表示パターンPHBに決定されることがある。このように、始動入賞記憶表示エリア5Hで保留表示パターンPHAによる第1表示態様の保留表示と保留表示パターンPHBによる第2表示態様の保留表示のいずれか一方を表示している特定表示期間にて第1始動入賞口または第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞が発生したときには、その始動入賞に対応して始動入賞記憶表示エリア5Hで表示する保留表示の表示態様を、特定表示期間にて始動入賞記憶表示エリア5Hで表示されている保留表示の表示態様に従って決定することができる。
また、保留表示パターンPHAによる特定保留表示(第1表示態様の保留表示)が含まれている場合には、ステップS306の処理により保留表示パターン決定テーブルTA2が選択された後、ステップS307の処理では保留表示パターンPHNに決定されることがある。保留表示パターンPHBによる特定保留表示(第2表示態様の保留表示)が含まれている場合には、ステップS306の処理により保留表示パターン決定テーブルTA3が選択された後、ステップS307の処理では保留表示パターンPHNに決定されることがある。このように、始動入賞記憶表示エリア5Hで保留表示パターンPHAによる第1表示態様の保留表示と保留表示パターンPHBによる第2表示態様の保留表示のいずれか一方を表示している特定表示期間にて第1始動入賞口または第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞が発生したときには、その始動入賞に対応して始動入賞記憶表示エリア5Hで表示する保留表示の表示態様を、第1表示態様および第2表示態様とは異なる保留表示パターンPHNによる第3表示態様に決定することができる。
図14に示すステップS307にて保留表示パターンを決定した後には、変化前カウンタの初期値を決定する(ステップS308)。演出制御用CPU120は、例えばROM121の所定領域に記憶するなどして用意された変化前カウンタ初期値決定テーブルを選択し、変化前カウンタの初期値を決定するための使用テーブルに設定する。変化前カウンタ初期値決定テーブルでは、保留表示パターンの決定結果や、今回の始動入賞に対応して保留表示データが記憶される保留番号、可変表示結果などに応じて、変化前カウンタ初期値決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、変化前カウンタ初期値の決定結果に割り当てられていればよい。演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出用ランダムカウンタなどから読み出した変化前カウンタ初期値決定用の乱数値を示す数値データに基づいて、変化前カウンタ初期値決定テーブルを参照することにより、変化前カウンタの初期値を決定すればよい。
図16は、ステップS308の処理による変化前カウンタ初期値の決定例を示している。図16(A)は、ステップS307の処理により保留表示パターンPHAまたは保留表示パターンPHBに決定された場合における変化前カウンタ初期値の決定例を示している。図16(B)は、ステップS307の処理により保留表示パターンPHNに決定された場合における変化前カウンタ初期値の決定例を示している。このように、ステップS308の処理では、保留表示パターンの決定結果、保留記憶数、保留表示の対象となる可変表示における表示結果などに応じて、異なる割合で変化前カウンタの初期値が決定されればよい。なお、これらの一部に応じて異なる割合で変化前カウンタの初期値が決定されてもよい。あるいは、保留表示パターンの決定結果、保留記憶数、保留表示の対象となる可変表示における表示結果などにかかわらず、共通の割合で変化前カウンタの初期値が決定されてもよい。ただし、変化前カウンタの初期値は、保留番号未満の値となるように決定されるとよい。これにより、始動入賞記憶表示エリア5Hにて保留表示が行われているうちに、変化前カウンタの値が「0」になることで、所定の保留変化演出を実行して保留表示の表示態様を変化させることができる。なお、変化前カウンタの初期値が「0」に決定された保留表示については、対応する保留変化演出が実行されずに保留表示の表示態様が維持されたまま、対応する可変表示の実行が開始されて保留表示が消去されればよい。
図16(A)に示す決定例では、保留表示パターンPHAまたは保留表示パターンPHBのいずれかに決定された場合に、変化前カウンタの初期値が「0」以外の値に決定される。したがって、保留表示パターンPHAまたは保留表示パターンPHBのいずれかに決定された保留表示は、対応する可変表示の実行が開始される以前に、対応する保留変化演出が必ず実行されて表示態様が変化することになる。一方、保留表示パターンPHNに決定された場合には、変化前カウンタの初期値が「0」に決定される割合が高い。したがって、保留表示パターンPHNに決定された保留表示は、対応する可変表示の実行が開始されるまでに保留変化演出が実行される可能性が低く、表示態様が変化することなく消去される場合が多い。このように、保留表示パターンPHNによる通常保留表示が行われたときよりも、保留表示パターンPHAまたは保留表示パターンPHBによる特定保留表示が行われたときの方が高い割合で表示態様を変化させることができる。
図14に示すステップS308にて変化前カウンタの初期値を決定した後には、保留表示データ記憶部における記憶内容を更新する(ステップS309)。このときには、保留表示データ記憶部における空き領域の先頭に、始動口入賞指定コマンドから特定された可変表示結果と、ステップS307の処理により決定された保留表示パターンと、ステップS308の処理により決定された変化前カウンタの初期値とを示すデータを格納することで記憶させればよい。その後、始動入賞時における保留表示の更新設定を行ってから(ステップS310)、保留表示設定処理を終了する。こうして、第1始動入賞口または第2始動入賞口のいずれかを遊技球が通過(進入)したことに基づいて、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける保留表示が、保留表示パターンに応じた表示態様で1つ増加するように更新されればよい。
図17は、始動入賞時における保留表示の更新実行例を示している。一例として、第1特図保留記憶数が「3」であり第2特図保留記憶数が「0」である場合、図17(A1)に示すように、始動入賞記憶表示エリア5Hでは保留表示パターンPHNによる3つの保留表示画像DHNが表示されているとする。このとき、図17(B1)に示すように、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動入賞が発生したとする。この場合、図14に示すステップS307の処理により保留表示パターンPHAに決定されると、図17(D1)に示すように、保留番号「4」に対応する表示部位では保留表示パターンPHAによる保留表示画像DHAが表示され、特定保留表示のうち第1表示態様による保留表示が開始される。
他の一例として、図17(A2)に示すように、図17(A1)と同様に3つの保留表示画像DHNが表示されているとき、図17(B2)に示すように、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動入賞が発生したとする。この場合、図14に示すステップS307の処理により保留表示パターンPHBに決定されると、図17(D2)に示すように、保留番号「4」に対応する表示部位では保留表示パターンPHBによる保留表示画像DHBが表示され、特定保留表示のうち第2表示態様による保留表示が開始される。
図12に示すステップS161にて保留表示設定処理を実行した後には、例えばRAM122の所定領域(演出制御フラグ設定部など)に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS170〜S175の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11からの第1変動開始コマンドあるいは第2変動開始コマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5の画面上における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。そして、第1変動開始コマンドや第2変動開始コマンドを受信したときには、演出プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、画像表示装置5の画面上における飾り図柄の可変表示や、その他の各種演出動作を行うために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類などに応じた確定飾り図柄や各種の演出制御パターンを決定する処理などを含んでいる。可変表示開始設定処理が実行されたときには、演出プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域(演出制御タイマ設定部など)に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行うための処理が含まれている。また、可変表示中演出処理には、主基板11から伝送される図柄確定指定コマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を完全停止表示(導出表示)させる処理が含まれている。なお、所定の演出制御パターンから終了コードが読み出されたことに対応して、確定飾り図柄を完全停止表示(導出表示)させるようにしてもよい。この場合には、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応する可変表示時間が経過したときに、主基板11からの演出制御コマンドによらなくても、演出制御基板12の側で自律的に確定飾り図柄を導出表示して可変表示結果を確定させることができる。こうした演出制御などを行った後に、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、当り開始指定コマンドを受信した場合には、演出プロセスフラグの値をアタッカー開放時処理に対応した値である“4”に更新する。これに対して、当り開始指定コマンドを受信せずに、演出制御プロセスタイマがタイムアウトしたときには、特図ゲームにおける特図表示結果が「ハズレ」であったと判断して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS174のアタッカー開放時演出処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。このアタッカー開放時演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態での演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示領域に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、アタッカーとしての大入賞口扉が開放状態となる所定期間における各種の演出動作を制御する。アタッカー開放時演出処理では、例えば主基板11からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“5”に更新する。
ステップS175のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示領域に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。
図18は、可変表示開始設定処理として、図12のステップS171にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図18に示す可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、飾り図柄の可変表示結果としての確定飾り図柄となる最終停止図柄などを決定する(ステップS321)。ステップS321の処理として、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドで示された変動パターンや、可変表示結果通知コマンドで示された可変表示結果といった、可変表示内容に基づいて、最終停止図柄を決定する。一例として、変動パターンや可変表示結果の組合せに応じた可変表示内容には、「非リーチ(ハズレ)」、「リーチ(ハズレ)」、「非確変(大当り)」、「確変(大当り)」がある。
可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」の場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態にはならずに、非リーチ組合せの確定飾り図柄が停止表示されて、可変表示結果が「ハズレ」となる。可変表示内容が「リーチ(ハズレ)」の場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後に、リーチハズレ組合せの確定飾り図柄が停止表示されて、可変表示結果が「ハズレ」となる。可変表示内容が「非確変(大当り)」の場合には、可変表示結果が「大当り」となり、大当り遊技状態の終了後における遊技状態が時短状態となる。可変表示内容が「確変(大当り)」の場合には、可変表示結果が「大当り」となり、大当り遊技状態の終了後における遊技状態が確変状態となる。
可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」である場合に、演出制御用CPU120は、「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて異なる(不一致の)飾り図柄を最終停止図柄に決定する。演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出用ランダムカウンタなどにより更新される左確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された左確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の画面上における「左」の飾り図柄表示エリア5Lに停止表示される左確定飾り図柄を決定する。次に、乱数回路124または演出用ランダムカウンタなどにより更新される右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の画面上における「右」の飾り図柄表示エリア5Rに停止表示される右確定飾り図柄を決定する。このときには、右確定図柄決定テーブルにおける設定などにより、右確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄の図柄番号とは異なるように、決定されるとよい。続いて、乱数回路124または演出用ランダムカウンタなどにより更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の画面上における「中」の飾り図柄表示エリア5Cに停止表示される中確定飾り図柄を決定する。
可変表示内容が「リーチ(ハズレ)」である場合に、演出制御用CPU120は、「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて同一の(一致する)飾り図柄を最終停止図柄に決定する。演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出用ランダムカウンタなどにより更新される左右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された左右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の画面上における「左」と「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。さらに、乱数回路124または演出用ランダムカウンタなどにより更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の画面上における「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて停止表示される中確定飾り図柄を決定する。ここで、例えば中確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号と同一になる場合のように、確定飾り図柄が大当り組合せとなってしまう場合には、任意の値(例えば「1」)を中確定飾り図柄の図柄番号に加算または減算することなどにより、確定飾り図柄が大当り組合せとはならずにリーチ組合せとなるようにすればよい。あるいは、中確定飾り図柄を決定するときには、左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号との差分(図柄差)を決定し、その図柄差に対応する中確定飾り図柄を設定してもよい。
可変表示内容が「非確変(大当り)」や「確変(大当り)」である場合に、演出制御用CPU120は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて同一の(一致する)飾り図柄を最終停止図柄に決定する。演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出用ランダムカウンタなどにより更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出する。続いて、ROM121に予め記憶されて用意された大当り確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、画像表示装置5の画面上における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。このときには、可変表示内容が「非確変(大当り)」と「確変(大当り)」のいずれであるかや、大当り中昇格演出が実行されるか否かなどに応じて、通常図柄(例えば偶数を示す飾り図柄)と確変図柄(例えば奇数を示す飾り図柄)のいずれを確定飾り図柄とするかが決定されればよい。大当り中昇格演出は、画像表示装置5において大当りを想起させるが確変状態を想起させないような飾り図柄の組合せ(非確変大当り組合せ)が一旦は停止表示されてから、大当り遊技状態中や大当り遊技状態の終了時に確変状態となるか否かを報知する演出である。
具体的な一例として、可変表示内容が「非確変(大当り)」である場合には、複数種類の通常図柄のうちから、確定飾り図柄となるものを決定する。また、可変表示内容が「確変(大当り)」で大当り中昇格演出を実行しないと決定されたときには、複数種類の確変図柄のうちから、確定飾り図柄となるものを決定する。これに対して、可変表示内容が「確変(大当り)」であっても大当り中昇格演出を実行すると決定されたときには、複数種類の通常図柄のうちから、確定飾り図柄となるものを決定する。これにより、確定飾り図柄として確変図柄が揃って導出表示されたにもかかわらず、大当り中昇格演出が実行されてしまうことを防止して、遊技者に不信感を与えないようにすればよい。
ステップS321の処理では、可変表示内容が「非確変(大当り)」または「確変(大当り)」である場合に、再抽選演出や大当り中昇格演出といった確変昇格演出を実行するか否かが決定されてもよい。再抽選演出では、飾り図柄の可変表示中に同一の通常図柄からなる非確変大当り組合せの飾り図柄が一旦表示されることによって、確変状態に制御されることを一旦は認識困難または認識不能とし、飾り図柄を再び可変表示(再変動)させて同一の確変図柄からなる確変大当り組合せの飾り図柄が停止表示されることによって確変状態に制御されることを報知できる。なお、再抽選演出にて飾り図柄を再変動させた後に非確変大当り組合せの飾り図柄が停止表示されることにより、確変状態に制御されることを報知しない場合もある。ステップS321の処理にて再抽選演出を実行すると決定された場合には、再抽選演出の実行前に仮停止表示する飾り図柄の組合せなどを決定すればよい。
ステップS321の処理における最終停止図柄などの決定に続いて、保留変化演出の有無や実行する場合の演出態様などを決定する保留変化演出決定処理が実行される(ステップS322)。保留変化演出決定処理では、保留表示データ記憶部の記憶内容などに基づいて所定の変化演出条件が成立したときに、保留変化演出を実行するための保留変化演出パターンが決定される。保留変化演出決定処理を実行した後には、演出制御パターンを予め用意された複数パターンのいずれかに決定する(ステップS323)。例えば、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドで示された変動パターンなどに対応して、複数用意された演出制御パターン(特図変動時演出制御パターン)のいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする。また、演出制御用CPU120は、ステップS322の保留変化演出決定処理による保留変化演出の決定結果に対応して、複数用意された演出制御パターン(保留変化演出制御パターン)のいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする。
ステップS323の処理に続いて、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、RAM122の所定領域(演出制御タイマ設定部など)に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(ステップS324)。そして、画像表示装置5の画面上にて飾り図柄などの変動を開始させるための設定を行う(ステップS325)。このときには、例えばステップS323の処理にて決定された演出制御パターン(特図変動時演出制御パターン)に含まれる表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部123のVDPに対して伝送させることなどにより、画像表示装置5の表示領域に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動を開始させればよい。
ステップS325の処理を実行した後には、飾り図柄の可変表示が開始されることに対応して、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける保留記憶表示を更新するための設定を行う(ステップS326)。例えば、始動入賞記憶表示エリア5Hにおいて保留番号が「1」に対応した表示部位を消去するとともに、全体の表示部位を1つずつ左方向に移動させればよい。このような始動入賞記憶表示エリア5Hにおける保留表示の更新にあわせて、保留表示データ記憶部における記憶内容をシフトさせればよい。ずなわち、保留表示データ記憶部にて保留番号「1」に対応する格納領域の格納データを消去するとともに、保留番号「1」より下位の格納領域(保留番号「2」〜「4」に対応する格納領域)の格納データを、1エントリずつ上位にシフトする。その後、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS327)、可変表示開始設定処理を終了する。
図19は、ステップS322にて実行される保留変化演出決定処理の一例を示すフローチャートである。図19に示す保留変化演出決定処理において、演出制御用CPU120は、まず、保留表示データ記憶部の記憶内容を確認する(ステップS501)。そして、変化前カウンタの値が「0」以外となっているものがあるか否かを判定する(ステップS502)。このとき、変化前カウンタの値がすべて「0」である場合には(ステップS502;No)、保留変化演出決定処理を終了する。一方、いずれかの変化前カウンタの値が「0」以外である場合には(ステップS502;Yes)、その変化前カウンタの値を1減算するように更新する(ステップS503)。
ステップS503の処理における更新の結果として、変化前カウンタの値が「0」となったものがあるか否かを判定する(ステップS504)。このとき、更新後の値が「0」となった変化前カウンタがなければ(ステップS504;No)、保留変化演出決定処理を終了する。一方、更新後の値が「0」となった変化前カウンタがある場合には(ステップS504;Yes)、保留変化演出パターンを決定する(ステップS505)。
図20(A)は、この実施の形態における保留変化演出パターンを示している。保留変化演出パターンPAR、PAG、PAB、PANは、保留表示パターンPHAによる保留表示画像DHAを表示する第1表示態様の特定保留表示に対応して、キャラクタCH1を示す演出画像の表示による第1変化演出となる保留変化演出を実行するための演出パターンである。保留変化演出パターンPBR、PBG、PBB、PBNは、保留表示パターンPHBによる保留表示画像DHBを表示する第2表示態様の特定保留表示に対応して、キャラクタCH2を示す演出画像の表示による第2変化演出となる保留変化演出を実行するための演出パターンである。なお、保留表示パターンPHNによる保留表示画像DHNを表示する通常表示態様の保留表示は、第1変化演出と第2変化演出のいずれかとなる保留変化演出を実行することにより表示態様を変化させたり、保留変化演出を実行しても表示態様を変化させなかったりすることができる。これらの保留変化演出パターンは、始動入賞記憶表示エリア5Hに表示された1つ(単一)の保留表示に対応して、保留変化演出を実行するための演出パターンである。
保留変化演出パターンPARと保留変化演出パターンPBRは、保留変化演出を実行することにより保留表示の表示態様を変化させ、演出実行後には表示色が「赤」の保留表示DCRとなる。保留変化演出パターンPAGと保留変化演出パターンPBGは、保留変化演出を実行することにより保留表示の表示態様を変化させ、演出実行後には表示色が「緑」の保留表示DCGとなる。保留変化演出パターンPABと保留変化演出パターンPBBは、保留変化演出の実行により保留表示の表示態様を変化させ、演出実行後には表示色が「青」の保留表示DCBとなる。保留変化演出パターンPANと保留変化演出パターンPBNは、保留変化演出が実行されても保留表示の表示態様が変化しない、いわゆるガセの演出パターンである。
保留変化演出パターンPC[(X1,C1),(X2,C2),・・・]と、保留変化演出パターンPD[(Y1,C1),(Y2,C2),・・・]は、始動入賞記憶表示エリア5Hに表示された2つ以上(複数)の保留表示に対応して、保留変化演出を実行するための演出パターンである。保留変化演出パターンPC[(X1,C1),(X2,C2),・・・]は、アニメーションAN1を示す演出画像の表示による保留変化演出を実行するための演出パターンである。保留変化演出パターンPD[(Y1,C1),(Y2,C2),・・・]は、アニメーションAN2を示す演出画像の表示による保留変化演出を実行するための演出パターンである。データX1,X2,・・・とデータY1,Y2,・・・は、保留変化演出の対象となる保留表示の表示部位に対応する保留番号を示し、第1特図または第2特図を用いた特図ゲームごとに、「1」〜「4」(合計保留記憶数で指定する場合には「1」〜「8」)のいずれかが設定されればよい。データC1,C2,・・・は、保留変化演出の実行後における保留表示の表示態様として、対応する表示部位に表示される保留表示画像が指定される。保留変化演出の実行前と同一の保留表示画像が指定された場合には、保留変化演出が実行されても保留表示の表示態様が変化しないことを示している。
図19に示すステップS505の処理では、保留変化対象数や更新後に変化前カウンタの値が「0」になった保留番号の保留表示パターンに応じて、異なる保留変化演出パターンを決定することができる。保留変化対象数は、ステップS503の処理による減算更新で変化前カウンタの値が「0」になることで、表示態様を変化させる対象(保留変化対象)となる保留表示の個数を示している。なお、保留変化対象数は、ステップS503の処理による減算更新で少なくとも1つの変化前カウンタにおいて更新後の値が「0」になったときに、保留表示データ記憶部の記憶内容として保留表示パターンPHAまたは保留表示パターンPHBが記憶されている格納領域の数、すなわち、変化前の特定保留表示となっている表示部位の個数が設定されてもよい。あるいは、ステップS503の処理による減算更新で少なくとも1つの変化前カウンタにおいて更新後の値が「0」になったときに、特図保留記憶数の範囲内で、保留変化対象数が所定割合で決定されてもよい。保留変化対象となる保留表示のうちには、保留変化演出を実行した結果として表示態様が変化しないことがあってもよい(いわゆるガセの演出パターンに相当)。
図20(B)は、図19に示すステップS505の処理で決定可能な保留変化演出パターンの設定例を示している。この設定例では、保留変化対象数が「1」である場合に、保留変化演出の対象となる表示部位(保留番号)の保留表示パターンに応じて、決定可能な保留変化演出パターンが異なっている。より具体的に、保留表示パターンPHNの場合には、保留変化演出パターンPAR、PAG、PAB、PAN、PBR、PBG、PBB、PBNのいずれかに決定することができる。保留表示パターンPHAの場合には、保留変化演出パターンPAR、PAG、PAB、PANのいずれかに決定することができる。保留表示パターンPHBの場合には、保留変化演出パターンPBR、PBG、PBB、PBNのいずれかに決定することができる。保留変化対象数が「2」以上である場合には、保留表示パターンにかかわらず、保留変化演出パターンPC[(X1,C1),(X2,C2),・・・]と、保留変化演出パターンPD[(Y1,C1),(Y2,C2),・・・]のいずれかに決定することができる。
演出制御用CPU120は、例えばROM121の所定領域に記憶するなどして用意された保留変化演出パターン決定テーブルを参照することなどにより、保留変化演出パターンを複数パターンのいずれかに決定すればよい。保留変化演出パターン決定テーブルでは、保留変化演出の対象となる保留表示に応じた可変表示結果が「ハズレ」であるか「大当り」であるかに応じて異なる割合で、保留変化演出パターンが決定されるように決定値が割り当てられていてもよい。例えば、保留変化演出パターンPAR、PAG、PAB、PANのうちで、保留変化演出パターンPANは可変表示結果が「大当り」となる割合が最も低く、保留変化演出パターンPAB、保留変化演出パターンPAG、保留変化演出パターンPARの順に可変表示結果が「大当り」となる割合が高くなるように、保留変化演出パターンの決定割合が設定されてもよい。また、保留変化演出パターンPBR、PBG、PBB、PBNのうちで、保留変化演出パターンPBNは可変表示結果が「大当り」となる割合が最も低く、保留変化演出パターンPBB、保留変化演出パターンPBG、保留変化演出パターンPBRの順に可変表示結果が「大当り」となる割合が高くなるように、保留変化演出パターンの決定割合が設定されてもよい。このように、保留変化演出の実行により表示態様を変化させた後の保留表示は、その表示態様に応じて可変表示結果が「大当り」となる可能性が異なり、その可能性を遊技者が認識可能に示唆する予告保留表示となる。
保留変化対象数が「2」以上である場合には、例えば変化前カウンタの値が「0」になった保留表示の保留番号といった、保留変化対象となる保留表示の表示番号を、データX1,X2,・・・やデータY1,Y2,・・・に設定する。そして、保留変化対象となる保留表示ごとに、保留変化演出の実行後における表示態様を、データC1,C2,・・・によって指定する。保留変化演出の実行後も表示態様を変化させない場合には、データC1,C2,・・・によって保留変化演出の実行前と同じ保留表示画像DHA、DHB、DHNのいずれかが指定されればよい。保留変化演出の実行後に表示態様を変化させる場合には、データC1,C2,・・・によって保留変化演出の実行前とは異なる保留表示DCR(赤)、DCG(緑)、DCB(青)のいずれかが指定されればよい。保留表示DCR(赤)、DCG(緑)、DCB(青)のいずれとするかは、保留変化対象となる保留表示に応じた可変表示結果が「ハズレ」であるか「大当り」であるかに応じて異なる割合で決定されればよい。保留変化対象数が「1」の場合と同様に、保留変化演出の実行により表示態様を変化させた後の保留表示は、その表示態様に応じて可変表示結果が「大当り」となる可能性が異なり、その可能性を遊技者が認識可能に示唆する予告保留表示となればよい。
図21は、可変表示中演出処理として、図12のステップS172にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図21に示す可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば演出制御プロセスタイマのタイマ値などに基づいて、変動パターンに対応した可変表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS341)。一例として、ステップS341の処理では、演出制御プロセスタイマのタイマ値を更新(例えば1減算)し、更新後の演出制御プロセスタイマ値に対応して演出制御パターンから終了コードが読み出されたときなどに、可変表示時間が経過したと判定すればよい。
ステップS341にて可変表示時間が経過していない場合には(ステップS341;No)、保留変化演出を実行するための保留変化演出期間であるか否かを判定する(ステップS342)。保留変化演出期間は、例えば図18に示すステップS323の処理にて決定された演出制御パターン(保留変化演出制御パターン)において、予め定められていればよい。保留変化演出期間である場合には(ステップS342;Yes)、保留変化演出を実行するための制御が行われる(ステップS343)。ステップS343の処理では、保留変化演出制御パターンの設定に基づいて作成した各種指令を、表示制御部123や音声制御基板13、ランプ制御基板14などに対して伝送させる。これにより、画像表示装置5の画面上に所定の演出画像を表示させることや、スピーカ8L、8Rから所定の効果音を出力させること、遊技効果ランプ9および装飾用LEDを点灯または点滅または消灯させること、あるいは、これらの一部または全部を組み合わせることで、所定の演出装置にて保留変化演出を実行できればよい。
ステップS342にて保留変化演出期間ではないと判定されたときや(ステップS342;No)、ステップS343の処理を実行した後には、リーチ演出を実行するためのリーチ演出期間であるか否かを判定する(ステップS344)。リーチ演出期間は、例えば変動パターンに応じて決定された演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。ステップS344にてリーチ演出期間であると判定されたときには(ステップS344;Yes)、リーチ演出を実行するための制御が行われる(ステップS345)。
ステップS344にてリーチ演出期間ではないと判定されたときや(ステップS344;No)、ステップS345の処理を実行した後には、例えば変動パターンに対応して決定された演出制御パターンにおける設定などに基づいて、その他、飾り図柄の可変表示動作を含めた可変表示中における演出を実行するための制御が行われる(ステップS346)。
ステップS341にて可変表示時間が経過した場合には(ステップS341;Yes)、主基板11から伝送される図柄確定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS347)。このとき、図柄確定コマンドの受信がなければ(ステップS347;No)、可変表示中演出処理を終了して待機する。なお、可変表示時間が経過した後、図柄確定コマンドを受信することなく所定時間が経過した場合には、図柄確定コマンドを正常に受信できなかったことに対応して、所定のエラー処理が実行されるようにしてもよい。
ステップS347にて図柄確定コマンドの受信があった場合には(ステップS347;Yes)、例えば表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった、飾り図柄の可変表示において表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)を導出表示させる制御を行う(ステップS348)。このときには、当り開始指定コマンド受信待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS349)。また、演出プロセスフラグの値を特図当り待ち処理に対応した値である“3”に更新してから(ステップS350)、可変表示中演出処理を終了する。
図22は、1つ(単一)の保留表示画像DHAが表示されている場合に対応した保留変化演出の実行例を示している。この実行例では、図22(A)に示すように、始動入賞記憶表示エリア5Hにおいて保留番号が「1」〜「4」に対応した保留表示が行われている。このうち、保留番号が「2」に対応した保留表示は、保留表示パターンPHAによる保留表示画像DHAを表示する特定保留表示となっている。図22(A)に示す飾り図柄の可変表示が開始されるときには、図18に示すステップS322にて図19に示すような保留変化演出決定処理が実行され、ステップS503の処理にて保留表示データ記憶部における保留番号「2」に対応した変化前カウンタの値が1減算されることで、更新後の値が「0」になる。これにより、ステップS505の処理にて保留変化演出パターンが決定される。保留番号「2」に対応して保留表示パターンPHAが記憶されていることから、ステップS505の処理では、保留変化演出パターンPAR、PAG、PAB、PANのいずれかに決定される。
このような保留変化演出パターンの決定結果に基づいて、図21に示すステップS342の処理にて保留変化演出期間であると判定されたときに、ステップS343の処理によって保留変化演出を実行するための制御が行われる。こうして保留変化演出の実行が開始され、例えば図22(B)に示すようなキャラクタCH1を示す演出画像が、画像表示装置5の画面上に表示される。その後、例えば保留変化演出パターンPABである場合には、図22(C1)に示すような保留変化演出が実行される。これにより、図22(D1)に示すように、保留番号「2」に対応する保留表示の表示態様が、保留表示DCB(青)に変化する。一方、例えば保留変化演出パターンPANである場合には、図22(C1)と同様に図22(C2)に示すような保留変化演出が実行される。しかしながら、図22(D2)に示すように、保留番号「2」に対応する保留表示の表示態様は変化せず、保留表示画像DHAの表示が維持される。保留変化演出パターンPAGである場合には、図22(C1)や図22(C2)と同様の保留変化演出が実行されることにより、保留番号「2」に対応する保留表示の表示態様が、保留表示DCG(緑)に変化すればよい。保留変化演出パターンPARである場合には、図22(C1)や図22(C2)と同様の保留変化演出が実行されることにより、保留番号「2」に対応する保留表示の表示態様が、保留表示DCR(赤)に変化すればよい。
図23は、1つ(単一)の保留表示画像DHBが表示されている場合に対応した保留変化演出の実行例を示している。この実行例では、図23(A)に示すように、始動入賞記憶表示エリア5Hにおいて保留番号が「1」〜「4」に対応した保留表示が行われているときに、保留番号「2」に対応した保留表示が保留表示パターンPHBによる保留表示画像DHBを表示する特定保留表示となっている。図23(A)に示す飾り図柄の可変表示が開始されるときには、図19に示すステップS503の処理にて保留表示データ記憶部における保留番号「2」に対応した変化前カウンタの値が1減算されることで、更新後の値が「0」になる。これにより、ステップS505の処理にて保留変化演出パターンが決定される。保留番号「2」に対応して保留表示パターンPHBが記憶されていることから、ステップS505の処理では、保留変化演出パターンPBR、PBG、PBB、PBNのいずれかに決定される。
図22の場合と同様にして保留変化演出の実行が開始されると、例えば図23(B)に示すようなキャラクタCH2を示す演出画像が、画像表示装置5の画面上に表示される。その後、例えば保留変化演出パターンPBBである場合には、図23(C1)に示すような保留変化演出が実行される。これにより、図23(D1)に示すように、保留番号「2」に対応する保留表示の表示態様が、保留表示DCB(青)に変化する。一方、例えば保留変化演出パターンPBNである場合には、図23(C1)と同様に図23(C2)に示すような保留変化演出が実行される。しかしながら、図23(D2)に示すように、保留番号「2」に対応する保留表示の表示態様は変化せず、保留表示画像DHBの表示が維持される。保留変化演出パターンPBGである場合には、図23(C1)や図23(C2)と同様の保留変化演出が実行されることにより、保留番号「2」に対応する保留表示の表示態様が、保留表示DCG(緑)に変化すればよい。保留変化演出パターンPBRである場合には、図23(C1)や図23(C2)と同様の保留変化演出が実行されることにより、保留番号「2」に対応する保留表示の表示態様が、保留表示DCR(赤)に変化すればよい。
図24は、2つ以上(複数)の保留表示画像DHAが表示されている場合に対応した保留変化演出の実行例を示している。この実行例では、図24(A)に示すように、始動入賞記憶表示エリア5Hにおいて保留番号が「1」〜「4」に対応した保留表示が行われているときに、保留番号「2」および保留番号「4」に対応した保留表示が保留表示パターンPHAによる保留表示画像DHAを表示する特定保留表示となっている。図24(A)に示す飾り図柄の可変表示が開始されるときには、図19に示すステップS503の処理にて保留表示データ記憶部における保留番号「2」および保留番号「4」に対応した変化前カウンタの値が1減算される。なお、これらの変化前カウンタのうちいずれか一方が「0」である場合(既に対応する変化演出が実行されて保留表示の表示態様が変化しなかった場合など)には、その変化前カウンタの値は更新しなくてよい。そして、保留番号「2」と保留番号「4」の一方または双方に対応した変化前カウンタの値が「0」になる。これにより、ステップS505の処理にて保留変化演出パターンが決定される。この実行例では、保留変化対象数が「2」であることに対応して、保留変化演出パターンPC[(X1,C1),(X2,C2),・・・]に決定される。
図24(A)および(B)に示すような保留変化演出では、アニメーションAN1を示す演出画像が画像表示装置5の画面上に表示される。その後、例えば保留変化演出パターンPC[(2,DCB),(4,DCB)]である場合には、図24(C1)に示すように、保留変化演出を実行することにより保留番号「2」および保留番号「4」に対応する保留表示の表示態様が、保留表示DCB(青)に変化する。また、例えば保留変化演出パターンPC[(2,DHA),(4,DCB)]である場合には、図24(C2)に示すように、保留変化演出を実行することにより保留番号「4」に対応する保留表示の表示態様が保留表示DCB(青)に変化する一方、保留番号「2」に対応する保留表示の表示態様は変化せず、保留表示画像DHAの表示が維持される。このように、始動入賞記憶表示エリア5Hで同時に表示する複数の保留表示が特定保留表示に含まれる第1表示態様の保留表示または第2表示態様の保留表示のいずれか一方であるときには、保留変化演出パターンの決定結果に応じて、図24(C1)に示すように、複数の特定保留表示に含まれる保留表示の表示態様を同時に変化させることがあってもよい。あるいは、保留変化演出パターンの決定結果に応じて、図24(C2)に示すように、複数の特定保留表示に含まれる1の保留表示の表示態様を変化させても、他の保留表示の表示態様を同時には変化させないことがあってもよい。複数の保留表示の表示態様を同時に変化させることで、保留変化演出が遊技者に与える印象を向上させ、保留表示の変化に対する遊技者の興味を高めて、遊技興趣を向上させることができる。一方、同時に表示する複数の保留表示の表示態様のうちで1の表示態様を変化させるときには、他の表示態様を変化させないことにより、保留表示の変化が複雑になることを防止できる。
図19に示すステップS505の処理では、保留番号「2」と保留番号「4」の双方に対応した変化前カウンタの更新後における値がいずれも「0」である場合に、保留変化演出パターンPC[(2,DCB),(4,DCB)]が使用パターンに決定されることで、図24(C1)に示すように、複数の保留表示の表示態様を同時に変化させるようにしてもよい。例えば図14に示すステップS308の処理では、保留表示データ記憶部にて既に記憶されている変化前カウンタの値にかかわらず、図16(A)に示された決定割合で変化前カウンタの初期値を決定する。そのため、ステップS308の処理により決定された変化前カウンタの初期値が、保留表示データ記憶部で他の保留番号に対応して記憶されている変化前カウンタの値と同一になる場合がある。この場合には、図19に示すステップS503の処理により変化前カウンタの値を減算更新したときに、複数の変化前カウンタにおける値が「0」になることがある。こうして複数の変化前カウンタにおける更新後の値が同時に「0」になった場合には、それぞれの保留番号に対応する保留表示の表示態様を同時に変化させることができるように、保留変化演出パターンの決定や設定が行われてもよい。
あるいは、図19に示すステップS505の処理では、保留番号「2」に対応した変化前カウンタの更新後における値が「0」以外である一方、保留番号「4」に対応した変化前カウンタの更新後における値が「0」である場合に、保留変化演出パターンPC[(2,DHA),(4,DCB)]が使用パターンに決定されることで、図24(C2)に示すように、複数の保留表示に含まれる1の保留表示の表示態様を変化させても、他の保留表示の表示態様を同時には変化させないようにしてもよい。図14に示すステップS308の処理では、保留表示データ記憶部にて既に記憶されている変化前カウンタの値にかかわらず、図16(A)に示されたような決定割合で変化前カウンタの初期値を決定しても、他の保留番号に対応して記憶されている変化前カウンタの値とは異なる場合がある。あるいは、ステップS308の処理では、保留表示データ記憶部にて既に記憶されている変化前カウンタの値と同一値となることがないように、変化前カウンタの初期値が決定されてもよい。例えば図16(A)に示されたような決定割合で変化前カウンタの初期値を決定した場合に、他の保留番号に対応して記憶されている変化前カウンタの値と同一値となる場合には、一旦は決定された変化前カウンタの初期値を1加算または2以上加算するなどして、他の変化前カウンタとは異なる値となるようにしてもよい。これにより、図19に示すステップS503の処理で変化前カウンタの値を減算更新したときには、複数の変化前カウンタのうち1の変化前カウンタにおける値が「0」になる一方、他の変化前カウンタにおける値が同時には「0」にならない。こうして複数の変化前カウンタに含まれる1の変化前カウンタにおける更新後の値が「0」になったときには、その保留番号に対応する1の保留表示の表示態様を変化させても、他の保留表示の表示態様を同時には変化させないように、保留変化演出パターンの決定や設定が行われてもよい。
図24(C2)に示すように保留番号「2」に対応した保留表示の表示態様を変化させずに保留変化演出の実行が終了した後、例えば次回の可変表示が開始されることに対応して更新した変化前カウンタの値が「0」になった場合には、キャラクタやアニメーションを示す演出画像を表示させずに、保留表示の表示態様を変化させてもよい。このように、2つ以上(複数)の保留表示画像DHAが表示されている場合に対応した保留変化演出が実行された後に、その保留変化演出の対象となった保留表示に対応する変化前カウンタにおける更新後の値が「0」となったときには、保留変化演出とは異なる特殊変化態様により保留表示の表示態様を変化させてもよい。これにより、1つの保留表示を変化させる演出が複雑になることを防止できる。
図25は、2つ以上(複数)の保留表示画像DHBが表示されている場合に対応した保留変化演出の実行例を示している。この実行例では、図25(A)に示すように、始動入賞記憶表示エリア5Hにおいて保留番号が「1」〜「4」に対応した保留表示が行われているときに、保留番号「2」および保留番号「4」に対応した保留表示が保留表示パターンPHBによる保留表示画像DHBを表示する特定保留表示となっている。図25(A)に示す飾り図柄の可変表示が開始されるときには、図19に示すステップS503の処理にて保留表示データ記憶部における保留番号「2」および保留番号「4」に対応した変化前カウンタの値が1減算される。そして、保留番号「2」と保留番号「4」の一方または双方に対応した変化前カウンタの値が「0」になる。これにより、ステップS505の処理にて保留変化演出パターンが決定される。この実行例では、保留変化対象数が「2」であることに対応して、保留変化演出パターンPD[(Y1,C1),(Y2,C2),・・・]に決定される。
図25(A)および(B)に示すような保留変化演出では、アニメーションAN2を示す演出画像が画像表示装置5の画面上に表示される。その後、例えば保留変化演出パターンPD[(2,DCB),(4,DCB)]である場合には、図25(C1)に示すように、保留変化演出を実行することにより保留番号「2」および保留番号「4」に対応する保留表示の表示態様が、保留表示DCB(青)に変化する。また、例えば保留変化演出パターンPD[(2,DCB),(4,DHB)]である場合には、図25(C2)に示すように、保留変化演出を実行することにより保留番号「2」に対応する保留表示の表示態様が保留表示DCB(青)に変化する一方、保留番号「4」に対応する保留表示の表示態様は変化せず、保留表示画像DHBの表示が維持される。このように、始動入賞記憶表示エリア5Hで同時に表示する複数の保留表示が特定保留表示に含まれる第1表示態様の保留表示または第2表示態様の保留表示のいずれか一方であるときには、保留変化演出パターンの決定結果に応じて、図25(C1)に示すように、複数の特定保留表示に含まれる保留表示の表示態様を同時に変化させることがあってもよい。あるいは、保留変化演出パターンの決定結果に応じて、図25(C2)に示すように、複数の特定保留表示に含まれる1の保留表示の表示態様を変化させても、他の保留表示の表示態様を同時には変化させないことがあってもよい。複数の保留表示の表示態様を同時に変化させることで、保留変化演出が遊技者に与える印象を向上させ、保留表示の変化に対する遊技者の興味を高めて、遊技興趣を向上させることができる。一方、同時に表示する複数の保留表示の表示態様のうちで1の表示態様を変化させるときには、他の表示態様を変化させないことにより、保留表示の変化が複雑になることを防止できる。
図19に示すステップS505の処理では、保留番号「2」と保留番号「4」の双方に対応した変化前カウンタの更新後における値がいずれも「0」である場合に、保留変化演出パターンPD[(2,DCB),(4,DCB)]が使用パターンに決定されることで、図25(C1)に示すように、複数の保留表示の表示態様を同時に変化させるようにしてもよい。ステップS503の処理により変化前カウンタの値を減算更新したときに、複数の変化前カウンタにおける更新後の値が同時に「0」になった場合には、それぞれの保留番号に対応する保留表示の表示態様を同時に変化させることができるように、保留変化演出パターンの決定や設定が行われてもよい。
あるいは、図19に示すステップS505の処理では、保留番号「2」に対応した変化前カウンタの更新後における値が「0」である一方、保留番号「4」に対応した変化前カウンタの更新後における値が「0」以外である場合に、保留変化演出パターンPD[(2,DCB),(4,DHA)]が使用パターンに決定されることで、図25(C2)に示すように、複数の保留表示に含まれる1の保留表示の表示態様を変化させても、他の保留表示の表示態様を同時には変化させないようにしてもよい。ステップS503の処理により変化前カウンタの値を減算更新したときに、複数の変化前カウンタのうち1の変化前カウンタにおける値が「0」になる一方、他の変化前カウンタにおける値が同時には「0」にならない場合には、変化前カウンタの値が「0」になった保留番号に対応する1の保留表示の表示態様を変化させても、他の保留表示の表示態様を同時には変化させないように、保留変化演出パターンの決定や設定が行われてもよい。
図25(C2)に示すように保留番号「4」に対応した保留表示の表示態様を変化させずに保留変化演出の実行が終了した後、例えば次回以降の可変表示が開始されることに対応して更新した変化前カウンタの値が「0」になった場合には、キャラクタやアニメーションを示す演出画像を表示させずに、保留表示の表示態様を変化させてもよい。このように、2つ以上(複数)の保留表示画像DHBが表示されている場合に対応した保留変化演出が実行された後に、その保留変化演出の対象となった保留表示に対応する変化前カウンタにおける更新後の値が「0」となったときには、保留変化演出とは異なる特殊変化態様により保留表示の表示態様を変化させてもよい。これにより、1つの保留表示を変化させる演出が複雑になることを防止できる。
また、複数の保留表示に含まれる1の保留表示に対応した変化前カウンタにおける更新後の値が「0」になったときには、保留変化対象数が「1」であると判断して、その保留番号で記憶されている保留表示パターンに応じて決定可能な保留変化演出パターンのうちから、使用パターンとなる保留変化演出パターンが決定されてもよい。例えば保留番号「2」に対応した変化前カウンタの更新後における値が「0」以外である一方、保留番号「4」に対応した変化前カウンタの更新後における値が「0」である場合に、保留表示データ記憶部にて保留番号「4」で保留表示パターンPHAが記憶されていれば、保留変化演出パターンPAR、PAG、PAB、PANのいずれかに決定することで、保留番号「4」の保留表示を対象とする保留変化演出が実行されるようにしてもよい。このようにしても、複数の保留表示に含まれる1の保留表示の表示態様を変化させる一方、他の保留表示の表示態様を同時には変化させないように保留変化演出パターンを決定することができる。
この実施の形態では、図14に示すステップS306の処理において、図15(D)に示すようなテーブル選択設定に従って保留表示パターン決定テーブルが選択される。ステップS307の処理では、ステップS306の処理で選択された保留表示パターン決定テーブルを用いて保留表示パターンが決定される。そのため、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける保留表示のうちに、保留表示パターンPHAによる保留表示画像DHAを表示する第1表示態様の特定保留表示が含まれている場合には、図15(B)に示す保留表示パターン決定テーブルTA2が選択されることで、保留表示パターンPHBには決定されないように制限が設けられる。一方、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける保留表示のうちに、保留表示パターンPHBによる保留表示画像DHBを表示する第2表示態様の特定保留表示が含まれている場合には、図15(C)に示す保留表示パターン決定テーブルTA3が選択されることで、保留表示パターンPHAには決定されないように制限が設けられる。これにより、始動入賞記憶表示エリア5Hで表示される複数の保留表示において、第1表示態様の保留表示(保留表示画像DHAの表示)と第2表示態様の保留表示(保留表示画像DHBの表示)とが同時に表示されないように保留表示の表示態様を決定することができる。
図19に示すステップS505の処理では、図20(B)に示されるように、保留表示パターンPHAに対応して、キャラクタCH1を表示することによる保留変化演出が実行される保留変化演出パターンPAR、PAG、PAB、PANのいずれかに決定することができる。一方、保留表示パターンPHBに対応して、キャラクタCH2を表示することによる保留変化演出が実行される保留変化演出パターンPBR、PBG、PBB、PBNのいずれかに決定することができる。仮に、保留表示パターンPHAによる保留表示画像DHAを表示する第1表示態様の特定保留表示と、保留表示パターンPHBによる保留表示画像DHBを表示する第2表示態様の特定保留表示とが同時に表示された場合には、それぞれの保留表示パターンに対応した保留変化演出パターンによる保留変化演出が同時に重複して実行されてしまうことで、保留表示を変化させる演出が複雑になるおそれがある。しかしながら、この実施の形態では、保留表示パターンPHAによる保留表示画像DHAを表示する第1表示態様の特定保留表示と、保留表示パターンPHBによる保留表示画像DHBを表示する第2表示態様の特定保留表示とが同時に表示されないので、それぞれの保留表示パターンに対応した保留変化演出パターンによる保留変化演出が同時に重複して実行されてしまうことがない。これにより、保留表示を変化させる演出の多様化により遊技者の興味を高めつつ、保留表示を変化させる演出が複雑になることを防止できる。
この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。例えばパチンコ遊技機1は、上記実施の形態で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。
上記実施の形態では、図14に示すステップS306の処理により図15(B)に示す保留表示パターン決定テーブルTA2または図15(C)に示す保留表示パターン決定テーブルTA3が選択された場合に、所定割合で保留表示パターンPHNに決定できるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、保留表示パターンPHAまたは保留表示パターンPHBによる特定保留表示が行われている特定表示期間にて始動入賞が発生したときに、その始動入賞に対応した保留表示の表示態様が、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける特定保留表示の表示態様と同じ表示態様のみに決定されてもよい。すなわち、保留表示パターンPHAによる特定保留表示が行われている特定表示期間では、新たな始動入賞が発生したときに、保留表示パターンPHAによる保留表示画像DHAを表示する特定保留表示とすることが決定されてもよい。一方、保留表示パターンPHBによる特定保留表示が行われている特定表示期間では、新たな始動入賞が発生したときに、保留表示パターンPHBによる保留表示画像DHBを表示する特定保留表示とすることが決定されてもよい。このように、保留表示パターンPHAによる保留表示画像DHAを表示する第1表示態様の保留表示と保留表示パターンPHBによる保留表示画像DHBを表示する第2表示態様の保留表示とのいずれか一方を表示している特定表示期間にて第1始動入賞口または第2始動入賞口を遊技球が通過したときには、その遊技球の通過に対応して始動入賞記憶表示エリア5Hで表示する保留表示の表示態様を、特定表示期間にて表示している保留表示の表示態様と同じ表示態様のみに決定することで、特定表示期間にて表示している保留表示の表示態様に従って決定するようにしてもよい。あるいは、通常保留表示とは別に複数種類の特定保留表示が設けられている場合に、特定表示期間にて表示している特定保留表示の表示態様とは異なる別の特定保留表示には決定されないが、通常保留表示は所定割合で決定されるようにしてもよく、このような設定であっても、表示中の特定保留表示とは異なる別の特定保留表示が同時には表示されないように制限が設けられるという点で、表示している保留表示の表示態様に従って新たな始動入賞に対応した保留表示の表示態様を決定するものといえる。
上記実施の形態では、図14に示すステップS307の処理にて保留表示パターンを決定することにより、新たな始動入賞に基づく保留表示の表示態様として、保留表示画像DHNや保留表示画像DHA、保留表示画像DHBのいずれかを表示することが決定される。また、図14に示すステップS308の処理にて変化前カウンタの初期値を決定し、図19に示すステップS503の処理にて減算更新した変化前カウンタの値が「0」になったときには保留変化演出が実行される。この保留変化演出が実行されるときには、図19に示すステップS505の処理にて保留変化演出パターンを決定することにより、保留変化演出の演出態様と保留表示を変化させる場合の変化後における表示態様とが決定される。このように、上記実施の形態では、始動入賞時における保留表示の表示態様、保留変化演出を実行するタイミング、保留変化演出の演出態様および変化後における保留表示の表示態様が、順次に決定されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、始動入賞時における保留表示の表示態様、保留変化演出を実行するタイミング、保留変化演出の演出態様、変化後における保留表示の表示態様のうち、一部または全部が一括して決定されてもよい。例えば、保留表示パターンとして、始動入賞記憶表示エリア5Hに表示する保留表示画像と変更前カウンタの初期値とを組み合わせた複数種類の表示パターンを用意して、保留表示パターンを決定することにより、始動入賞時における保留表示の表示態様と保留変化演出を実行するタイミングとが一括して決定されてもよい。また、第1始動入賞口または第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞が発生したときに、保留表示パターンとともに保留変化演出パターンも決定されるようにしてもよい。保留表示や保留変化演出の内容を一括して決定することにより、決定処理の実行回数が増大することを抑制して、制御負担を軽減することができる。一方、一括して決定するためには用意するパターン数が増大し、これに伴い記憶データの容量が増大する。他方、保留表示や保留変化演出の内容を順次に決定する場合には、決定処理の実行回数が増大するものの、予め用意するパターン数が増大することを抑制できる。
上記実施の形態では、図14に示すステップS305の処理にて予告保留表示に変化する前の特定保留表示があるか否かを判定し、ステップS306の処理ではこの判定結果に応じた保留表示パターン決定テーブルを選択するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、予告保留表示に変化した後であっても特定保留表示があったか否かを判定し、この判定結果に応じた保留表示パターン決定テーブルを選択するようにしてもよい。例えばステップS305の処理では、変化前カウンタの値にかかわらず保留表示パターンPHAまたは保留表示パターンPHBのいずれかを示すデータが保留表示データ記憶部に記憶されていれば、特定保留表示があると判定して、その特定保留表示の表示態様に応じた保留表示パターン決定テーブルを選択してもよい。
上記実施の形態では、ステップS306にて選択する保留表示パターン決定テーブルを、特定保留表示の表示態様に応じて異なるテーブルとすることにより、第1表示態様の保留表示と第2表示態様の保留表示とが同時には表示されないようにするものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば特定保留表示の表示態様にかかわらず共通の保留表示パターン決定テーブルを用いて保留表示パターンを決定し、始動入賞記憶表示エリア5Hで表示している特定保留表示の表示態様とは異なる別の特定保留表示とすることに決定された場合には、既に表示している特定保留表示が消去されてから、新たな特定保留表示が開始されるように制限を設けてもよい。
図26は、特定保留表示となる保留表示画像DHAの表示を行っているときに、新たな始動入賞が発生したことに対応して保留表示パターンPHBに決定された場合の表示例を示している。この表示例では、図26(A)に示すように、始動入賞記憶表示エリア5Hにおいて保留番号が「1」〜「4」に対応した保留表示が行われているときに、保留番号「2」に対応した保留表示が保留表示パターンPHAによる保留表示画像DHAを表示する特定保留表示となっている。図26(A)に示す保留番号「4」に対応する始動入賞が発生したときには、図14に示すステップS306の処理にて図15(A)に示す保留表示パターン決定テーブルTA1を選択して、ステップS307の処理にて保留表示パターンPHBに決定される。この場合、ステップS310の処理では、既に保留表示画像DHAを表示する特定保留表示が行われていることから、保留表示パターンPHBに決定されていても、保留番号「4」に対応して保留表示画像DHNを表示する通常保留表示を開始させる。その後、図26(B)に示す飾り図柄の可変表示が開始されることに対応して、特図保留記憶数が1減算されることにあわせて図18に示すステップS326の処理が実行されることにより、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける保留表示が更新される。この可変表示の表示結果として図26(C)に示す確定飾り図柄が導出されると、続いて保留表示画像DHAを表示する特定保留表示に対応した飾り図柄の可変表示が開始される。
この可変表示の開始に対応して、特図保留記憶数が1減算されることにあわせて図18に示すステップS326の処理が実行されることにより、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける保留表示画像DHAの表示が消去される。このときには、保留表示データ記憶部の記憶内容を確認して、保留表示パターンPHBを示すデータが記憶されていることから、対応する保留番号の表示部位を特定保留表示に変更する。これにより、例えば図26(D)に示すように、保留番号「2」に対応した保留表示として、保留表示パターンPHBによる保留表示画像DHBを表示する特定保留表示が開始されてもよい。こうして、第3表示態様の保留表示となる保留表示画像DHNを表示する通常保留表示を、特定表示期間が終了してから保留表示画像DHBを表示する第2表示態様の保留表示といった、特定保留表示に変化させる。このようにしても、第1表示態様の保留表示と第2表示態様の保留表示とが同時に表示されることを防止できる。
上記実施の形態では、始動入賞記憶表示エリア5Hにて保留記憶表示が行われ、開始条件が成立していない特図ゲームに対応する保留表示が行われるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、始動入賞記憶表示エリア5Hには、現在実行中の可変表示に対応する保留表示画像を表示する今回表示領域が設けられてもよい。この今回表示領域に表示されている保留表示も、保留変化演出を実行することにより表示態様を変化させることができればよい。すなわち、開始条件が成立した可変表示に対応する保留表示を保留変化演出の対象とすることができればよい。例えば図14に示すステップS308の処理では、変化前カウンタの初期値として、保留番号と同一の値にも決定することができるように、変化前カウンタ初期値決定テーブルを構成するテーブルデータなどが設定されていればよい。また、図18に示すステップS326の処理では、保留番号「1」に対応した表示部位を今回表示領域に移動させるように、保留表示を更新すればよい。その後、例えば図21に示すステップS348の処理により最終停止図柄が導出されたときなどに、今回表示領域における保留表示画像の表示が消去されればよい。図14に示すステップS305の処理では、今回表示領域における保留表示を含めて、変化前の特定保留表示があるか否かを判定すればよい。この判定結果に応じた保留表示パターン決定テーブルをステップS306の処理にて選択し、ステップS307の処理にて保留表示パターンが決定されればよい。
こうして、今回表示領域を含めた始動入賞記憶表示エリア5Hで表示される複数の保留表示において、第1表示態様の保留表示と第2表示態様の保留表示とが同時に表示されないように保留表示の表示態様を決定してもよい。また、今回表示領域を含めた始動入賞記憶表示エリア5Hで保留表示パターンPHAによる第1表示態様の保留表示と保留表示パターンPHBによる第2表示態様の保留表示のいずれか一方を表示している特定表示期間にて第1始動入賞口または第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞が発生したときには、その始動入賞に対応して始動入賞記憶表示エリア5Hで表示する保留表示の表示態様を、特定表示期間にて始動入賞記憶表示エリア5Hで表示されている保留表示の表示態様に従って決定してもよい。さらに、今回表示領域を含めた始動入賞記憶表示エリア5Hで保留表示パターンPHAによる第1表示態様の保留表示と保留表示パターンPHBによる第2表示態様の保留表示のいずれか一方を表示している特定表示期間にて第1始動入賞口または第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞が発生したときには、その始動入賞に対応して始動入賞記憶表示エリア5Hで表示する保留表示の表意態様を、第1表示態様および第2表示態様とは異なる保留表示パターンPHNによる第3表示態様に決定してもよい。
今回表示領域における第1表示態様または第2表示態様の保留表示が消去されて特定表示期間が終了した後に、今回表示領域を含めた始動入賞記憶表示エリア5Hで表示する通常保留表示となる第3表示態様の保留表示を、第1表示態様または第2表示態様の保留表示に変化させてもよい。今回表示領域を含めた始動入賞記憶表示エリア5Hで同時に表示する複数の保留表示が第1表示態様と第2表示態様とのいずれか一方であるときには、保留変化演出を実行することにより複数の保留表示に含まれる1の保留表示の表示態様を変化させても、他の保留表示の表示態様を同時には変化させないように、変化前カウンタの初期値や保留変化演出パターンなどが決定されてもよい。あるいは、今回表示領域を含めた始動入賞記憶表示エリア5Hで同時に表示する複数の保留表示が第1表示態様と第2表示態様とのいずれか一方であるときには、保留変化演出を実行することにより複数の保留表示の表示態様を同時に変化させるように、変化前カウンタの初期値や保留変化演出パターンなどが決定されてもよい。今回表示領域を含めた始動入賞記憶表示エリア5Hで表示する保留表示の表示態様が保留表示画像DHNを表示する通常保留表示であるときよりも保留表示画像DHAを表示する第1表示態様の特定保留表示または保留表示画像DHBを表示する第2表示態様の特定保留表示であるときの方が表示態様を変化させる割合が高くなるように変化前カウンタの初期値や保留変化演出パターンなどが決定されてもよい。
上記実施の形態では、可変表示時間や飾り図柄の可変表示態様などを示す変動パターンを演出制御基板12の側に通知するために、可変表示を開始するときに1つの変動パターン指定コマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御基板12の側に通知してもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には、いわゆる第2停止の前)の可変表示時間や可変表示態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には、いわゆる第2停止の後)の可変表示時間や可変表示態様を示すコマンドを送信してもよい。この場合、演出制御基板12では、例えば演出制御用CPU120が2つのコマンドの組合せから導かれる可変表示時間に基づいて可変表示における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100の方では2つのコマンドのそれぞれにより可変表示時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な可変表示態様については演出制御用CPU120の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信してもよいし、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信してもよい。なお、それぞれのコマンドで示される可変表示態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知することで、変動パターン指定コマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
その他にも、遊技機の装置構成やデータ構成、フローチャートで示した処理、各種遊技や演出の決定割合、画像表示装置5における画像表示動作やスピーカ8L、8Rにおける音声出力動作さらには遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどの発光体における点灯動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更および修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、例えばパチンコ遊技機1などの遊技機に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
以上説明したように、上記実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、保留表示パターンPHAにより保留表示画像DHAを表示する第1表示態様の保留表示に対応して、キャラクタCH1を示す演出画像の表示などによる第1変化演出となる保留変化演出が実行される。一方、保留表示パターンPHBにより保留表示画像DHBを表示する第2表示態様の保留表示に対応してキャラクタCH2を示す演出画像の表示などによる第2変化演出となる保留変化演出が実行される。このような保留変化演出が実行されることで、保留表示を変化させる演出を多様化して遊技者の興味を高め、遊技興趣を向上させることができる。また、例えば図14に示すステップS307の処理では、ステップS305の処理による判定結果に応じてステップS306の処理にて選択された保留表示パターン決定テーブルを参照することで保留表示パターンを決定し、保留表示パターンPHAにより保留表示画像DHAを表示する第1表示態様の保留表示と、保留表示パターンPHBにより保留表示画像DHBを表示する第2表示態様の保留表示とが、同時には表示されないようにする。これにより、保留表示を変化させる演出が複雑になることを防止できる。
図14に示すステップS306にて図15(B)に示す保留表示パターン決定テーブルTA2または図15(C)に示す保留表示パターン決定テーブルTA3が選択されたときには、ステップS307の処理にて所定割合で保留表示パターンPHNに決定され、第3表示態様の保留表示として、通常保留表示となる保留表示画像DHNの表示が行われる。このような第3表示態様の保留表示により、第1表示態様の保留表示と第2表示態様の保留表示とが、同時に表示されることを好適に防止できる。
図26に示されたように、始動入賞記憶表示エリア5Hで表示する第3表示態様の保留表示となる通常保留表示は、第1表示態様の保留表示と第2表示態様の保留表示とのいずれか一方を表示している特定表示期間が終了した後に、第1表示態様または第2表示態様に変化させてもよい。これにより、第1表示態様の保留表示と第2表示態様の保留表示とが、同時に表示されることを好適に防止できる。
図14に示すステップS306にて図15(B)に示す保留表示パターン決定テーブルTA2が選択されたときには、ステップS307の処理にて所定割合で保留表示パターンPHAに決定され、特定表示期間にて表示している第1表示態様の保留表示に従って、さらに保留表示パターンPHAにより保留表示画像DHAを表示する第1表示態様の保留表示が行われる。また、図14に示すステップS306にて図15(C)に示す保留表示パターン決定テーブルTA3が選択されたときには、ステップS307の処理にて所定割合で保留表示パターンPHBに決定され、特定表示期間にて表示している第2表示態様の保留表示に従って、さらに保留表示パターンPHBにより保留表示画像DHBを表示する第2表示態様の保留表示が行われる。これにより、第1表示態様の保留表示と第2表示態様の保留表示とが、同時に表示されることを好適に防止できる。
図19に示すステップS505の処理にて保留表示パターンを決定するときには、始動入賞記憶表示エリア5Hで同時に表示する複数の保留表示が特定保留表示である場合に、図24(C2)や図25(C2)に示すように、それらの複数の保留表示に含まれる1の保留表示の表示態様を変化させても、他の保留表示の表示態様を同時には変化させないように保留表示パターンを決定してもよい。これにより、保留表示の変化が複雑になることを防止して、保留表示の変化に対する遊技者の興味を高め、遊技興趣を向上させることができる。
図19に示すステップS505の処理にて保留表示パターンを決定するときには、始動入賞記憶表示エリア5Hで同時に表示する複数の保留表示が特定保留表示である場合に、図24(C1)や図25(C1)に示すように、それらの複数の保留表示における表示態様を同時に変化させるように保留表示パターンを決定してもよい。これにより、保留表示の変化に対する遊技者の興味を高めて、遊技興趣を向上させることができる。
図14に示すステップS308の処理では、例えば図16に示すような決定割合で変動前カウンタの初期値を決定し、図19に示すステップS503の処理により減算更新した変動前カウンタの値が「0」になったときには、ステップS505の処理にて保留変化演出パターンを決定することで、保留変化演出を実行することにより保留表示の表示態様を変化させる。そして、図16に示すような決定割合で変化前カウンタの初期値を決定することで、始動入賞記憶表示エリア5Hで表示する保留表示の表示態様が保留表示パターンPHNにより保留表示画像DHNを表示する通常保留表示であるときよりも、保留表示パターンPHAにより保留表示画像DHAを表示する特定保留表示または保留表示パターンPHBにより保留表示画像DHBを表示する特定保留表示であるときの方が、高い割合で保留表示の表示態様を変化させる。これにより、保留表示の表示態様に対する遊技者の興味を高めて、遊技興趣を向上させることができる。