JP6324976B2 - 二環式複素環化合物およびそれらの治療での使用 - Google Patents

二環式複素環化合物およびそれらの治療での使用 Download PDF

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本発明は、新規二環式複素環化合物、前記化合物を含む医薬組成物、および、たとえばがんといった疾患の処置における前記化合物の使用に関する。
IAPファミリー
アポトーシス阻害(IAP)タンパク質のファミリーは、8つのメンバー、XIAP、cIAP1、cIAP2、NAIP、ILP2、ML−IAP、サバイビンおよびBRUCE(アポロンとしても知られる)を含む。IAPファミリーのメンバーは、アポトーシス酵素のカスパーゼファミリーのメンバーを直接阻害する能力を通して、プログラム細胞死を阻害することが示されているが、8つのメンバー全ての正確な役割はまだ完全に定義されていない。全IAPファミリーメンバーの共通の構造上の特徴は、バキュロウイルスIAPリピート(BIR)ドメインと呼ばれる約70個のアミノ酸の亜鉛結合した折り畳みであり、これは、1〜3つのコピーで存在する。
IAPと他のタンパク質との間の相互作用の多くは、BIRドメイン上の表面の溝を介してもたらされる。BIRドメインは、それらのぺプチド結合特異性によって分類され得る。BIRドメインには3つの種類があり;III型ドメイン(第3の(P3)位置でのプロリンへの特異性を伴って、カスパーゼ(およびカスパーゼ様)ペプチドを結合させることが可能(たとえば、XIAP BIR3)、II型ドメイン(III型ドメインと類似しているが、プロリン要求性が欠如している、たとえば、XIAP BIR2)およびI型ドメイン(カスパーゼまたは類似したペプチドを結合しない、たとえば、XIAP BIR1)(Eckelmanら、Cell Death and Differentiation 2008;15:920−928)である。BIRは小さな(約70のアミノ酸)、Znが配位したドメインであり、様々なタンパク質が、それらのN末端を用いてBIRドメイン溝と相互作用する。BIRアンタゴニストは、BIRと結合するカスパーゼを阻止し、したがって、カスパーゼ活性の増加につながり、それによって、IAPの自己ユビキチン化およびプロテアソーム分解を誘導する。
IAPは、腎癌、メラノーマ、結腸癌、肺癌、乳癌、卵巣癌および前立腺癌を包含する多くのがんで過剰発現され(Tammら、Clin.Cancer Research 2000;6(5):1796−803)、腫瘍成長、病変形成ならびに化学および放射線療法への耐性に関係する(Tamm 2000)。
XIAP
XIAPは、3つのBIRドメインを有する57kDaのタンパク質であり、第2および第3のBIRドメインは、カスパーゼおよびRING型ジンクフィンガー(E3リガーゼ)を結合する。XIAPは、カスパーゼに加えて複数のタンパク質を結合し、これには、TAK1および補助因子TAB1といったライゲーション基質、銅のホメオスタシスに関連するMURR1(Bursteinら、EMBO 2004;23:244−254)、カスパーゼの第2ミトコンドリア由来アクチベーター(SMAC)といった内因性阻害剤、ならびに、MAGE−D1、NRAGEといった機能がより明確でないもの(Jordanら、J.Biol.Chem.2001;276:39985−39989)が包含される。
BIR3ドメインは、カスパーゼ活性化のミトコンドリア経路の先端カスパーゼである、カスパーゼ−9を結合および阻害する。BIR3ドメインの表面上の溝は、カスパーゼ−9の小サブユニットのN末端と作用し、カスパーゼ−9を能力のない触媒部位を有する不活性単量体形態に固定する(Shiozakiら、Mol.Cell 2003;11:519−527)。
カスパーゼ結合に加え、XIAPはまた、他のメカニズムを介して、アポトーシスを阻害する。XIAPはTAK1キナーゼおよびその補助因子TAB1と一緒に複合体を形成し、これは、JNKおよびMAPKシグナル伝達経路の活性化をもたらし、次にNFκBの活性化をもたらす(Sannaら、Mol Cell Biol 2002;22:1754−1766)。XIAPはまた、核へのNFκB移行およびIκBの分解を促進することで、NFκBを活性化する(Hofer−Warbinekら、J.Biol.Chem.2000;275:22064−22068、Levkauら、Circ.Res.2001;88:282−290)。
XIAPを形質移入した細胞は、様々なアポトーシス刺激に反応するプログラム細胞死を遮断することができる(Duckettら、EMBO 1996;15:2685−2694、Duckettら、MCB 1998;18:608−615、Bratton、Lewis、Butterworth、DuckettおよびCohen、Cell Death and Differentiation 2002;9:881−892)。
XIAPは、全ての正常な組織で広範的に発現されるが、多くの急性および慢性白血病、前立腺、肺、腎臓および他の種類の腫瘍で病的に増加する(Byrdら、2002;Ferreiraら、2001;Hofmannら、2002;Krajewskaら、2003;Schimmerら、2003;Tammら、2000)。デノボ急性骨髄性白血病(AML)において、XIAP発現は、骨髄単球性フランス−アメリカ−イギリス(FAB)サブタイプM4/M5(0.05未満のP)、および、AML芽細胞の単球性マーカーの発現と相関する。さらに、XIAPは、正常な単球では過剰発現するが、顆粒球では検知不能であることがわかった。AMLにおいて、XIAP発現は、好ましい細胞遺伝子学を有する患者において、中程度または不十分な細胞遺伝子学を有する患者よりも、有意に低かった(n=74;0.05未満のP)(Tammら、Hematol.J.2004;5(6):489−95)。
過剰発現によって、細胞は多剤療法に耐性を有し、また、過剰発現は、AML、腎癌、メラノーマ(Tammら、Clin.Cancer Research 2000;6:1796−1803)および肺癌(Hofmannら、J.Cancer Res.Clin.Oncology 2002;128(10):554−60)を包含する疾患での乏しい臨床成績に関連する。
XIAPは、その5’非翻訳領域に位置する特有の内部リボソーム進入部位(IRES)配列要素が媒介する、キャップ非依存性の翻訳開始メカニズムによって翻訳される。これによって、XIAPのmRNAは、細胞タンパク質合成の大部分が阻害される際の細胞ストレスの状態の間に、活発的に翻訳されることが可能になる。ストレスに反応するXIAPの翻訳上方制御は、放射線誘導細胞死への耐性を高める(Holcikら、Oncogene 2000;19:4174−4177)。
XIAP阻害は、RNAサイレンシング、遺伝子ノックアウト、ペプチド性リガンド模倣物および小分子アンタゴニストを包含する複数の技術を介してインビトロで調査され、単独療法としてアポトーシスを助長すること、および、膀胱を包含する多くの腫瘍型を化学療法に対して感作することが示される(Kunzeら、2008;28(4B):2259−63)。XIAPノックアウトマウスは予期されるメンデルの法則に従った頻度で生まれ、顕著な身体的または組織的な欠陥はなく、正常な寿命を伴う(Harlinら、Mol.Cell Biol.2001;21(10):3604−3608)。このことは、XIAP活性を欠如することが正常な組織で有毒ではなく、腫瘍細胞に関する治療濃度域を示唆する。さらなる研究によって、XIAPはI型細胞および肝細胞を包含するII型細胞におけるアポトーシス間の決定的なディスクリミネーターであり、したがって、根底に肝臓症状を有する患者には注意を払って使用されるべきであることが示される(Jostら、Nature,2009,460,1035−1041)。cIAP1およびcIAP2の量がXIAPノックアウトマウスでは上方制御され、代償メカニズムを介して病理から保護し得うることが留意され、このことは、機能的なノックアウトのためには、全阻害が必要であり得ることを示唆した。同様に、cIAP1およびcIAP2ノックアウトマウスは無症候性でもある(Conzeら、Mol.Biol.Cell 2005;25(8):3348−56)。IAPのいずれか1つの欠如が明白な表現型をマウスにもたらさなかった一方で、cIAP1とcIAP2またはXIAPの欠失は、半胚性致死をもたらした(Moulin、EMBO J.、2012)。
SMACといった内因性IAPアンタゴニストは、このファミリーのメンバーを治療剤の標的として確証するために使用される。SMACペプチドは腫瘍細胞を化学的に感作し、異種移植ではプラチンおよび腫瘍壊死因子α関連アポトーシス誘導リガンド(TRAIL)と組み合わせると、腫瘍成長の遅れにつながる(Fuldaら、Nat.Med.2002;808−815;Yangら、Cancer Res.2003;63:831−837)。
天然物であるエンベリンが、天然のSMACペプチドに類似した親和性を伴って、XIAPのBIR3ドメインの表面の溝で結合することが認識された。エンベリンはインビトロの細胞系統でアポトーシスを誘導し、異種移植で腫瘍成長の遅れをもたらす(Nikolovska−Coleskaら、J.Med.Chem.2004;47(10):2430−2440;Chitraら、Chemotherapy 1994;40:109−113)。
XIAPアンチセンスオリゴヌクレオチドが、固形腫瘍および血液学的悪性腫瘍のための治療剤として開発されている。インビトロで、これらアンチセンスオリゴヌクレオチドは、タンパク質発現量を約70%でノックダウンし、アポトーシスを誘導して細胞を化学療法に対して感作し、インビボの腫瘍成長を遅らせることが示されている。これらの剤の1つ、AEG351156は、臨床試験で実験されている(Huら、Clin.Cancer Res.2003;9:2826−2836;Cummingsら、Br.J.Cancer 2005;92:532−538)。
開発されたXIAPの小分子アンタゴニストには、ペプチド模倣薬および合成剤が包含される。ペプチド模倣薬は、XIAPに結合するカスパーゼ−9のSMAC崩壊を模倣してBIR3ドメインを標的にし、単剤および化学療法増感剤として様々な腫瘍細胞系統でのアポトーシスの誘導を示し、臨床的にさらに調査されている最中である(Oostら、J.Med.Chem.2004;47:4417−4426;Sunら、Bioorg.Med.Chem.Lett.2005;15:793−797)。
BIR3およびBIR2ドメインの合成小分子アンタゴニストはまた、複数の異なるモデルで抗腫瘍活性を示し、これには、アネキシン−V染色によるアポトーシスの誘導、および、3分の1以上のNCI60細胞系統パネルに対して10μM未満のIC50が包含される。XIAPアンタゴニストはまた、5つの慢性リンパ性白血病細胞系統のうち5つで、および、5つの急性骨髄性白血病細胞系統のうち4つで、初代培養白血病細胞の用量依存性細胞死を誘発した(Schimmerら、Cancer Cell 2004;5:25−35;Berezovskayaら、Cancer Res.2005;65(6):2378−86)。
腫瘍細胞系統の高濃度のXIAPタンパク質は、いくつかの抗がん薬剤、特にシタラビンおよび他のヌクレオシドに対する感受性と逆相関した(Tammら、Clin.Cancer Research 2000;6:1796−1803)。XIAP阻害は、インビボの膵癌の2つの前臨床モデルで、TRAIL誘発抗腫瘍活性を増強する(Vogler 2008)。遺伝子発現および形質移入の研究によって、アポトーシスサプレッサーXIAPの発現の増加は、アノイキス耐性および循環ヒト前立腺癌細胞の生存に重要な役割を果たし、それによって転移を助長することが示唆される。小分子アンタゴニストはこれらのモデルで抗転移性であることがわかった(Berezovskayaら、Cancer Res.2005;65(6):2378−86)。
XIAPは、がんおよび他の疾患に関連する他の経路に関連することもわかっており、これらもXIAP標的剤から利益を得る可能性がある。XIAPのRINGフィンガードメインのE3リガーゼ活性は、TAB1および上流BMP受容体(1型)の双方を結合することが可能であり、XIAPはTGF−β媒介経路でシグナルを伝達し得ることを示唆する(Yamaguchiら、EMBO 1999;179−187)。局所接着キナーゼ(FAK)過剰発現は、上方制御XIAP発現につながることが示されている(Sonodaら、J.Biol.Chem.2000;275:16309−16315)。E3リガーゼは、魅力的な治療上の標的であり、MDM2といった他のタンパク質でのこの活性を標的にする分子が、現在開発中である(Vassilevら、Science 2004;303:844−848)。XIAPリガーゼ活性の直接または間接阻害はまた、がんおよび他の疾患の処置でも有用であり得る。プログラム細胞死を制御するIAP機能の阻害から起こり得る調節不全アポトーシスシグナル伝達も、多くの疾患で関連しており、細胞蓄積に関する障害(たとえば、がん、自己免疫、炎症および再狭窄)、または、過剰アポトーシスが細胞の損失につながる障害(たとえば、脳卒中、心不全、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症といった神経変性、AIDS、虚血(脳卒中、心筋梗塞)および骨粗鬆症)に関連する障害が包含される。
XIAPは、実験的な自己免疫性脳脊髄炎において重要なアポトーシス制御因子であり、多発性硬化症(MS)といった自己免疫疾患を処置するための可能性のある薬理学的標的である(Mooreら、2004;203(1):79−93)。XIAPのアンチセンス媒介ノックダウンは、MSの動物モデルにおいて麻痺を逆転させ、XIAPおよびおそらく他のIAPを標的にする処置は、MSの処置に有用性があり得ることを示唆する(Hebbら、Curr.Drug Disc.Tech.2008;5(1):75−7)。
cIAP1、cIAP−2、XIAPおよびサバイビンは、悪性胸膜中皮腫で過剰発現され、および、培養中皮腫細胞のシスプラチンに対する耐性の大部分の原因である。循環TNF−αの量は、外科的な腫瘍減少前の中皮腫患者において、手術後の患者より有意に高い。TNF−αは、mRNAおよびIAP−1、IAP−2およびXIAPのタンパク質の量を増大させる(Gordonら、2007)。NF−κb上方制御は、アスベスト繊維への露出の炎症効果に反応し、中皮腫において重要な生存的役割を有する(Sartore−Bianchiら、2007)。IAPアンタゴニストは、TNF−αの生存促進性効果を逆転する可能性を有する。
cIAP1&2が枯渇すると、自己分泌な方法で作用し、細胞を殺すのに十分な程度でTNF−アルファ発現を上方制御する細胞株の能力が、IAP活性のために重要であると考えられている(Nature Reviews Cancer(2010)、10(8)、561−74、Gryd−Hansen,M)。しかし、インビボでは、特定の腫瘍型は炎症促進性サイトカインネットワークに囲まれており、したがって、cIAP1/2の枯渇の際にアポトーシスによる細胞死滅へ切り替わる腫瘍細胞は、腫瘍関連マクロファージといった腫瘍微小環境で囲っている細胞または実際に腫瘍細胞そのものがすでに生産しているTNF−アルファ(または他の細胞死受容体サイトカインアゴニスト)によってアポトーシスするよう誘導され得る。胸部、卵巣およびメラノーマといった特定の腫瘍型は、IAPアンタゴニストに潜在的に標的にされ得る、この「炎症性表現型」を示す。
cIAP1およびcIAP2
細胞性IAP(cIAP)1および2は、3つのBIRドメイン、RINGドメインおよびカスパーゼ動員(CARD)ドメインを有するIAPファミリーに密接にかかわったメンバーである。機能性核外移行シグナルは、細胞分化に重要であると思われるcIAP1のCARDドメイン内に存在する(Plenchetteら、Blood 2004;104:2035−2043)。このCARDドメインの存在は、タンパク質のIAPファミリー内でcIAP1およびcIAP2に特有である。この2つの遺伝子は、染色体11q22に直列して存在し、これらの高度の相同性を踏まえると、遺伝子複製を通して生じたのだと考えられる。
cIAP1は、XIAPおよびサバイビンのように、腫瘍細胞系統で広く発現し、特に結腸直腸癌、ならびに、肺癌、卵巣癌、腎癌、CNSおよび乳癌において高濃度で発現することがわかっている(Tammら、Clin.Cancer Res.2000;6:1796−1803)。cIAP2発現は、一般的により制限的であり、cIAP1による恒常的なユビキチン化および分解を通して制御されると考えられている(Conzeら、Mol.Biol.Cell 2005;25(8):3348−56;Mahoneyら、PNAS 2008;105:11778−11783)。cIAP1およびcIAP2は双方とも、より多いコピー数の有無に関わらず、多数の肺癌で過剰発現されるため、免疫組織化学およびウェスターンブロット分析によってcIAP1およびcIAP2が可能性のある発がん遺伝子として識別された(Diaら、Human Mol.Genetics 2003;12(7):791−801)。cIAP1発現量は、低いステージの腺癌で重要な役割を有するように優先的に見える(Hofmannら、J.Cancer Res.Clin.Oncology 2002;128(10):554−60)。
cIAP1およびcIAP2の増加した量ならびに内因性阻害剤の低下した量は、XIAPに関して見られた通り、化学療法抵抗性に関連する。cIAP過剰発現は、インビトロで、カルボプラチン、シスプラチンおよびトポイソメラーゼ阻害剤VP−16といった、DNAアルキル化剤に対する耐性と相関することが分かっている(Tammら、Clin.Cancer Res.2000;6:1796−1803)。シスプラチンおよびドキソルビシン処置の後、cIAP1およびサバイビンの量が甲状腺癌細胞で高いことがわかった。タキソールといった化学療法に耐性を有する細胞は、低下したSMACの発現を示し、ミトコンドリアから、このタンパク質を最小限の量で放出した。cIAP1およびサバイビンの下方制御は、シスプラチンおよびドキソルビチンの細胞傷害性を増加することが分かった一方で、SMACの過剰発現は、タキソールの効能を向上した。しかし、RNA干渉によるcIAP1およびサバイビンのサイレンシングは、ドキソルビチンおよびシスプラチンへの感受性を回復した(Tirrоら;Cancer Res.2006;66(8):4263−72)。
LBW242といったSMAC模倣薬は本来、XIAPを主に標的にすると考えられていた。しかし、研究によって、cIAP1が、細胞の自己ユビキチン化による分解のために標的にされ(Yangら、J.Biol.Chem.2004;279(17):16963−16970)、結果としてアポトーシス効果に寄与していた可能性があったことが示された。cIAP1のSiRNAおよび腫瘍壊死因子(TNF)−アルファ誘導(または刺激)は、相乗的に組み合わさって、細胞系統をより感受性にすることが分かった(Gaitherら、Cancer Res.2007;67(24):11493−11498)。
cIAP1およびcIAP2は、様々な範囲の生物学的プロセス、特に自然免疫および適応免疫、ならびに増殖および生存に関するNFκBシグナル伝達経路の決定的な制御因子であることが実証されている。NFκB経路調節の解除は、肝炎および潰瘍性大腸炎、胃炎、肝細胞癌結腸直腸癌および胃癌ならびに血管新生および転移を包含する炎症およびがんに関連する(Shenら、Apoptosis 2009;14:348−363)。
リガンド結合の際には、TNF受容体(TNFR)はTNFR−関連デスドメイン(TRADD)および受容体共役タンパク質(RIP)1を動員する。TRAF2およびcIAP1/cIAP2が次いで動員され、大きな膜複合体を形成する。RIP1はユビキチン化され、これらポリユビキチン鎖は、下流キナーゼのドッキング部位として役立ち、NFκB経路シグナル伝達効果につながる(Eaら、Mol.Cell 2006;22:245−257;Wuら、Nat.Cell Biol.2006;8:398−406)。その広範な役割は複雑で、完全には定義されていないが、cIAP1およびcIAP2はTNF−アルファ媒介NFκBシグナル伝達制御ならびに恒常性(リガンド独立/古典)NFκBシグナル伝達の重要な成分として識別される(Varfolomeevら、Cell 2007;131(4):669−81)。cIAP1およびcIAP2は、古典および代替NFκB経路ならびにMAPK経路シグナル伝達経路の双方で機能するアダプタータンパク質である、TRAF2を結合することが示された(Rotheら、Cell 2005;83:1243−1252)。cIAP1およびcIAP2は、インビトロでユビキチン化のためにRIP1を直接標的にする(Betrandら、Mol.Cell 2008;30:689−700)。
TNF−アルファは多くの細胞機能を制御し、これにはアポトーシス、炎症、免疫反応ならびに細胞成長および分化が包含され(Traceら、Annu.Rev.Med.1994;45:491−503)、治療的IAPアンタゴニストは、これらの機能が影響を受ける症状で有用であり得る。
TNF−アルファの生産は、多くの悪性腫瘍で見られ、腫瘍発達および/または進行を駆り立てるがん関連炎症の重要な駆動因子の1つである。cIAPは、TNF−アルファの致死効果からがん細胞を保護する。
NAIP
NAIPは、1番初めに発見されたIAPである(Royら、Cell 1995;80:167−178)。NAIPは、IAPの中でも、ヌクレオチド結合およびオリゴマー化ドメイン、ならびに、自然免疫に通常関わるタンパク質に含まれるものに類似したロイシンに富むリピートを所有する点で独特である。NAIPはまた、乳癌および食道癌を包含するいくつかのがん(Nemotoら、Exp.Mol.Pathol.2004;76(3):253−9)ならびにMS(Choiら、J.Korean Med.2007;22 Suppl:S17−23;Hebbら、Mult.Sclerosis 2008;14(5):577−94)にも過剰発現され得る徴候がある。
ML−IAP
メラノーマアポトーシス阻害タンパク質(ML−IAP)は、単一のBIRおよびRINGフィンガーモチーフを含む。ML−IAPは、おそらく下流エフェクターカスパーゼの直接阻害剤として機能し、細胞死受容体および化学療法剤に誘導されるアポトーシスの強力な阻害剤である(Vucicら、Curr.Biol.2000;10(21):1359−66)。ML−IAPはまた、バキュロウイルスIAPリピート含有タンパク質7(BIRC7)、腎臓アポトーシス阻害タンパク質(KIAP)、RINGフィンガータンパク質50(RNF50)およびリビンとしても知られる。ML−IAPのBIPドメインは、抗アポトーシス活性に必要な進化的に保存された折り畳みを所有する。メラノーマ細胞系統の大部分は、検知不可能な量で発現した初期のメラノサイトと対照的に、高濃度のML−IAPを発現することが発見された。これらのメラノーマ細胞は、薬剤誘導アポトーシスに対して有意に耐性がより大きかった。ML−IAPの量の増大によって、メラノーマ細胞はアポトーシス刺激に対して耐性を有し、それによって、この悪性腫瘍の病変形成に潜在的に寄与する。
ILP−2
BIRC8としても知られるILP−2は、単一のBIRドメインおよびRINGドメインを有する。ILP−2は、正常な細胞の精巣でのみ発現され、カスパーゼ−9を結合する(Richterら、Mol.Cell.Biol.2001;21:4292−301)。
サバイビン
BIRC5としても知られるサバイビンは、カスパーゼ3およびカスパーゼ7の双方を阻害するが、その主な機能は、アポトーシスの制御というよりは、有糸分裂進行の制御である。サバイビンは、紡錘体の微小管の形成を助長し、細胞周期の間にアポトーシスに反作用する。サバイビンによるアポトーシス阻害は、結腸直腸癌(Kawasakiら、Cancer Res.1998;58(22):5071−5074)およびステージIIIの胃癌(Songら、Japanese J.Clin.Oncol.2009;39(5):290−296)の不十分な結果を予測する。
BRUCE
BRUCE(BIRリピート含有ユビキチン結合酵素)は、サバイビンのものに最も類似する単一のBIRドメインを有するトランスゴルジネットワークにおける表在性膜タンパク質である。BRUCEは3つのメカニズムを介して阻害される:(i)SMAC結合、(ii)HtrA2プロテアーゼおよび(iii)カスパーゼ媒介切断。さらに、BRUCEは、ユビキチン結合(UBC)ドメインを介してE2/E3ユビキチンリガーゼとして作用する。
本発明は、式(I)の化合物を提供する。本発明は、治療、特にがんの処置で有用である化合物を提供する。式(I)の化合物は、IAPファミリーのタンパク質(IAP)、特に、XIAPならびに/またはcIAP(cIAP1および/もしくはcIAP2といった)のアンタゴニストであり得、IAP媒介の症状の処置に有用であり得る。
本発明の第1の態様によると、提供されるのは、式(I):
Figure 0006324976
の化合物またはその互変異性もしくは立体化学的異性体型、N−オキシド、薬剤的に(薬学上)許容できる塩もしくは溶媒化合物(溶媒和物)であって;ここで、
XはCH、YはCRであり、または、XもしくはYのうち一方がCR、他方が窒素であり、または、XおよびYは窒素であり;
は、
(i)いずれかの炭素原子上で、C1−4アルキル、ヒドロキシル、ヒドロキシC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキル、メトキシメチル、=Oおよびニトリルから独立して選択される2つの置換基で置換されているN−結合ピラゾリル、
(ii)窒素原子上で、C1−4アルキル、ヒドロキシC1−4アルキルおよびハロC1−4アルキルから選択される置換基で置換されていてもよく、さらに、炭素原子上で、炭素原子上で、C1−4アルキル、ヒドロキシル、ヒドロキシC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキル、メトキシメチル、=Oおよびニトリルから独立して選択される1または2つの置換基で置換されていてもよいC結合ピラゾリル、
(iii)ハロゲン、C1−4アルキル、ヒドロキシル、ヒドロキシC1−4アルキル、C1−4アルキオキシ、ハロC1−4アルキル、メトキシメチル、=Oおよびニトリルから独立して選択される1または2つの置換基で置換されていてもよいイミダゾリル、
(iv)ハロゲン、C1−4アルキル、ヒドロキシル、ヒドロキシC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキル、メトキシメチル、=Oおよびニトリルから独立して選択される2つの置換基で置換されているピリジニル、
および、
(v)ハロゲン、C1−4アルキル、ヒドロキシル、ヒドロキシC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキル、=Oおよびニトリルから選択される1つの置換基、または、ハロゲン、ヒドロキシル、ヒドロキシC1−4アルキル、C1−4アルキオキシ、ハロC1−4アルキル、メトキシメチル、=Oおよびニトリルから独立して選択される2つの置換基で置換されているトリアゾリル;
から選択され、
は:フェニル基上で、フッ素およびニトリルから選択される1または2つの置換基で置換されていてもよい、および、メチレン上でヒドロキシルで置換されていてもよいベンジル;ならびに、フッ素およびヒドロキシルから選択される1または2つの置換基で置換されているC2−4アルキルから選択され;
は、水素およびニトリルから選択される。
本発明のさらなる態様では、本明細書で説明される疾患または症状の予防または処置における使用のための式(I)の化合物、式(I)の化合物を含む医薬組成物、および、式(I)の化合物の合成のための方法を提供する。
定義
別で明記されない限り、本文書の全てのセクション(本発明の使用、方法および他の態様を包含する)において、式(I)への参照は、明細書で定義される、他の下位式、下位群、優先度、実施形態および実施例の全てに対する参照を包含する。
「IAP」は、あらゆるIAPファミリーメンバー、XIAP、cIAP(cIAP1および/もしくはcIAP2)、NAIP、ILP2、ML−IAP、サバイビンならびに/またはBRUCE、具体的には、XIAP、cIAP1、cIAP2、ML−IAP、より具体的にはXIAP、cIAP1ならびに/またはcIAP2、最も具体的にはXIAPならびに/またはcIAP1を意味する。特に、IAPのBIRドメイン、特に、XIAP、cIAP1またはcIAP2のBIRドメインを意味する。
「1つ以上のIAPファミリーメンバー」は、あらゆるIAPファミリーメンバー、特にXIAP、cIAP1および/またはcIAP2、より具体的にはXIAPおよび/またはcIAP1を意味する。
「効力」は、所与の強度の効果をもたらすのに必要な量という観点から表現される薬剤活性の尺度である。高い効力の薬剤は、低濃度で大きな反応を誘起する。効力は、親和性および効能に比例する。親和性は、薬剤の受容体に結合する能力である。効能は、受容体占有率と、分子、細胞、組織またはシステムレベルで反応を開始する能力との関係性である。
「アンタゴニスト」という語句は、アゴニスト媒介生物学的反応を遮断または減衰する受容体リガンドまたは薬剤の種類を指す。アンタゴニストは、その同族受容体に対する親和性を有するが、その同族受容体に対するアゴニスト効能は有さず、結合が、その相互作用を崩壊し、受容体におけるあらゆるリガンド(たとえば、内因性リガンドまたは基質、アゴニストまたは逆アゴニスト)の機能を阻害する。拮抗作用は直接的または間接的に生じ得、あらゆる生理学的レベルで、あらゆるメカニズムによって媒介され得る。間接拮抗作用の一例は、その分解につながるcIAPのユビキチン化の結果としての、cIAPの間接拮抗作用であろう。その結果、リガンドの拮抗作用は、異なる状況下で、機能的に異なる方法で現れ得る。アンタゴニストは、受容体上の活性部位またはアロステリック部位に結合することでその効果を媒介し、または、アンタゴニストは、受容体の活性の生物学的制御には通常関連しない特有の結合部位で相互作用し得る。アンタゴニスト活性は、アンタゴニスト−受容体複合体の寿命によって可逆的または非可逆的であり得、該アンタゴニスト−受容体複合体の寿命は、アンタゴニスト受容体結合の性質による。
症状、すなわち状態、障害または疾患を処置するという文脈で本明細書で使用される「処置」という語句は、一般的に、ヒトに関してであれ動物(たとえば、獣医学での適用で)に関してであれ、たとえば症状の進行の阻害といった多少の所望する治療効果が達成される処置および治療に関連し、また、進行速度の低減、進行速度の停止、症状の改善、処置されている症状に関連するまたは処置されている症状が引き起こす少なくとも1つの徴候の縮小または軽減、および、症状の治癒を包含する。たとえば、処置は、障害の1または複数の徴候の縮小または障害の完全な根絶であり得る。
症状、すなわち状態、障害または疾患を処置するという文脈で本明細書で使用される「予防」(すなわち予防対策としての化合物の使用)という語句は、一般的に、ヒトに関してであれ動物(たとえば、獣医学での適用で)に関してであれ、たとえば疾患の発生を妨げるまたは疾患から守ることにおいて、多少の所望する防止効果が達成される予防または防止に関連する。予防には、不確定の時間の間、障害の全ての徴候を完全および全て遮断すること、疾患の1または複数の徴候の発症を単に遅くすること、または、疾患をより起こりにくくすることが包含される。
がんといった疾患状態または症状の予防または処置に対する言及には、それらの範囲内に、がんの発生率を軽減または低下させることが包含される。
本明細書で使用される、たとえば本明細書で説明されるIAPと組み合わさって使用される(およびたとえば様々な生理学的プロセス、疾患、状態、症状、治療、処置または干渉に適用される)「媒介」という語句は、この語句が適用される様々な生理学的プロセス、疾患、状態、症状、処置または干渉が、タンパク質が生物学的役割を果たすものであるように、限定して機能することが意図される。この語句が疾患、状態または症状に適用される場合、タンパク質が果たす生物学的役割は、直接的または間接的であり得、疾患、状態または症状の徴候の現れ(またはその病因または進行)のために必要および/または十分であり得る。したがって、タンパク質機能(および、特に機能の異常な量、たとえば過剰または過小発現)は、必ずしも疾患、状態または症状の至近要因である必要はなく:むしろ、媒介疾患、状態または状態には、問題となるタンパク質が部分的のみに関連する多因子性病因および複合体の進行を有するものが包含されることが企図される。この語句が処置、予防または干渉に適用される場合、このタンパク質が果たす役割は、直接的または間接的であり得、処置、予防の運用、または干渉の結果のために必要および/または十分であり得る。このように、タンパク質が媒介する疾患状態または症状には、あらゆる特定のがん薬剤または処置に対する耐性の発達が包含される。
本明細書で使用される「置換されていてもよい」という語句は、本明細書で定義される置換基で置換または非置換され得る基を指す。
本明細書で使用される接頭語「Cx−y」という語句は、所与の基の炭素原子の数を指す。したがって、C1−4アルキル基は、1〜4つの炭素原子を含み、C3−6シクロアルキル基は3〜6つの炭素原子を含み、ハロC1−4アルキル基は、1〜4つの炭素原子を含む、などである。
本明細書で使用される「ハロ」または「ハロゲン」という語句は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を指す。
基または基の一部として本明細書で使用される「C1−4アルキル」という語句は、それぞれ1〜4つの炭素原子を含む直鎖または分岐鎖飽和炭化水素基を指す。そのような基の例として、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tertブチルなどが挙げられる。
基または基の一部分として本明細書で使用される「C1−4アルコキシ」という語句は、−O−C1−4アルキル基を指し、ここで、C1−4アルキルは本明細書で定義される通りである。そのような基の例として、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシなどが挙げられる。
基または基の一部として本明細書で使用される「ハロC1−4アルキル」という語句は、1以上の水素原子がハロゲンで置換されている、本明細書で定義されるC1−4アルキルである。したがって、「ハロC1−4アルキル」という語句には、モノハロC1−4アルキルおよびポリハロC1−4アルキルが包含される。ハロゲンで置換されている水素原子は1、2、3またはそれ以上であり得るため、ハロC1−4アルキルは、1、2、3またはそれ以上のハロゲンを有し得る。そのような基の例として、フルオロエチル、フルオロメチル、トリフルオロメチルまたはトリフルオロエチルなどが挙げられる。
N結合ピラゾリルR基の例としては、1H−ピラゾール−1−イルが挙げられる。
C結合ピラゾリルR基の例としては、1H−ピラゾール−3−イル、1H−ピラゾール−4−イルおよび1H−ピラゾール−5−イルが挙げられる。
イミダゾリルR基の例としては、1H−イミダゾール−1−イルおよび1H−イミダゾール−2−イルが挙げられる。N結合イミダゾリルR基の例としては、1H−イミダゾール−1−イルが挙げられる。
ピリジニルR基の例としては、ピリジン−1−イル、ピリジン−2−イル、ピリジン−3−イルおよびピリジン−4−イルが挙げられる。N結合ピリジニルR基の例としては、ピリジン−1−イルが挙げられる。
トリアゾリルR基の例としては、1H−1,2,3−トリアゾール−1−イルおよび1H−1,2,4−トリアゾール−1−イルが挙げられる。
置換基の組み合わせは、そのような組み合わせが安定または化学的に可能な化合物(たとえば、40℃以下で少なくとも1週間保管される際に実質的に変化しないもの)である場合のみ、容認される。
本発明の化合物を構成する様々な官能基および置換基は通常、本発明の化合物の分子量が1000ダルトン(Da)を超えないように選ばれる。さらに一般的には、化合物の分子量は750Da未満、たとえば700Da未満、または、650Da未満、または、600Da未満、または、550Da未満である。
1つの実施形態では、XはCH、およびYはCRであり;Xは窒素、YはCHであり;または、XはCH、Yは窒素である。さらなる実施形態では、XはCH、YはC−CNであり;または、Xは窒素、YはCHであり;または、Xは窒素、YはC−CNであり;または、XはCH、Yは窒素であり;または、XおよびYは窒素である。さらなる実施形態では、XはCH、YはCHであり;Xは窒素、YはCHであり;または、XはCH、Yは窒素である。さらなる実施形態では、Xは窒素、YはCHであり;または、XはCH、Yは窒素である。さらなる実施形態では、Xは窒素、YはCHである。1つの実施形態では、XおよびYは窒素である。別の実施形態では、XはCH、Yは窒素である。
1つの実施形態では、Xは窒素、YはCRであり、または、XおよびYは窒素であり、または、XはCR、Yは窒素である。1つの実施形態では、XはCH、YはC−CN;または、Xは窒素、YはCHであり;または、Xは窒素、YはC−CNであり;または、XはCH、Yは窒素であり;または、XおよびYは窒素である。1つの実施形態では、Xは窒素、YはCHであり、または、XおよびYは窒素であり、または、XはCH、Yは窒素である。
式(Ia)の化合物の1つの実施形態では、XはCH、YはCRであり;Xは窒素、YはCRである;または、XはCR、Yは窒素である。
1つの実施形態では、Xは窒素、YはCR(CHといった)である。1つの実施形態では、YはC−CNといったCRである。
1つの実施形態では、XはCR(CHといった)、Yは窒素である。
1つの実施形態では、Xは窒素、YはCRであり、または、XおよびYは窒素であり、または、XはCR、Yは窒素である。1つの実施形態では、XおよびYは窒素である。1つの実施形態では、Xは窒素、YはCHであり、または、XおよびYは窒素、または、XはCH、Yは窒素である。
1つの実施形態では、Rは水素である。1つの実施形態では、Rはニトリルである。
1つの実施形態では、Rは:
(i)いずれかの炭素原子上で、C1−4アルキル(メチル、エチルまたはイソプロピルといった)、ヒドロキシル、ヒドロキシC1−4アルキル(ヒドロキシメチルといった)、C1−4アルコキシ(メトキシといった)、ハロC1−4アルキル(モノフルオロメチルまたはトリフルオロメチルといった)、メトキシメチル、=Oおよびニトリルから独立して選択される2つの置換基で置換されているN結合ピラゾリル;
(ii)窒素原子上で、C1−4アルキル(メチル、エチルまたはイソプロピルといった)、ヒドロキシC1−4アルキル(ヒドロキシメチルといった)およびハロC1−4アルキル(モノフルオロメチルまたはトリフルオロメチルといった)から選択される置換基で置換されていてもよく、さらに、炭素原子上で、C1−4アルキル(メチル、エチルまたはイソプロピルといった)、ヒドロキシル、ヒドロキシC1−4アルキル(ヒドロキシメチルといった)、C1−4アルコキシ(メトキシといった)、ハロC1−4アルキル(モノフルオロメチルまたはトリフルオロメチルといった)、メトキシメチル、=Oおよびニトリルから独立して選択される1または2つの置換基で置換されていてもよいC結合ピラゾリル;
(iii)ハロゲン(フッ素または塩素といった)、C1−4アルキル(メチル、エチルまたはイソプロピルといった)、ヒドロキシル、ヒドロキシC1−4アルキル(ヒドロキシメチルといった)、C1−4アルコキシ(メトキシといった)、ハロC1−4アルキル(モノフルオロメチルまたはトリフルオロメチルといった)、メトキシメチル、=Oおよびニトリルから独立して選択される1または2つの置換基で置換されていてもよいイミダゾリル;
(iv)ハロゲン(フッ素または塩素といった)、C1−4アルキル(メチル、エチルまたはイソプロピル)、ヒドロキシル、ヒドロキシC1−4アルキル(ヒドロキシメチルといった)、C1−4アルコキシ(メトキシといった)、ハロC1−4アルキル(モノフルオロメチルまたはトリフルオロメチルといった)、メトキシメチル、=Oおよびニトリルから独立して選択される1または2つの置換基で置換されているピリジニル;ならびに、
(v)ハロゲン(フッ素または塩素といった)、C1−4アルキル(メチル、エチルまたはイソプロピルといった)、ヒドロキシル、ヒドロキシC1−4アルキル(ヒドロキシメチルといった)、C1−4アルコキシ(メトキシといった)、ハロC1−4アルキル(モノフルオロメチルまたはトリフルオロメチルといった)、=Oおよびニトリルから選択される1つの置換基、または、ハロゲン(フッ素または塩素といった)、ヒドロキシル、ヒドロキシC1−4アルキル(ヒドロキシメチルといった)、C1−4アルコキシ(メトキシといった)、ハロC1−4アルキル(モノフルオロメチルまたはトリフルオロメチルといった)、メトキシメチル、=Oおよびニトリルから独立して選択される2つの置換基で置換されているトリアゾリル
から選択される。
さらなる実施形態では、Rは:
(i)いずれかの炭素原子上で、C1−4アルキル(メチル、エチルまたはイソプロピルといった)、ヒドロキシル、ヒドロキシC1−4アルキル(ヒドロキシメチルといった)、C1−4アルキオキシ(メトキシといった)、ハロC1−4アルキル(モノフルオロメチルまたはトリフルオロメチルといった)、メトキシメチル、=Oおよびニトリルから独立して選択される2つの置換基で置換されているN結合ピラゾリル;
(iii)ハロゲン(フッ素または塩素といった)、C1−4アルキル(メチル、エチルまたはイソプロピルといった)、ヒドロキシル、ヒドロキシC1−4アルキル(ヒドロキシメチルといった)、C1−4アルキオキシ(メトキシといった)、ハロC1−4アルキル(モノフルオロメチルまたはトリフルオロメチルといった)、メトキシメチル、=Oおよびニトリルから独立して選択される1または2つの置換基で置換されていてもよいイミダゾリル;
(iv)ハロゲン(フッ素または塩素といった)、C1−4アルキル(メチル、エチルまたはイソプロピルといった)、ヒドロキシル、ヒドロキシC1−4アルキル(ヒドロキシメチルといった)、C1−4アルキオキシ(メトキシといった)、ハロC1−4アルキル(モノフルオロメチルまたはトリフルオロメチルといった)、メトキシメチル、=Oおよびニトリルから独立して選択される1または2つの置換基で置換されているピリジニル;ならびに、
(v)ハロゲン(フッ素または塩素といった)、C1−4アルキル(メチル、エチルまたはイソプロピルといった)、ヒドロキシル、ヒドロキシC1−4アルキル(ヒドロキシメチルといった)、C1−4アルキオキシ(メトキシといった)、ハロC1−4アルキル(モノフルオロメチルまたはトリフルオロメチルといった)、=Oおよびニトリルから選択される1つの置換基、または、ハロゲン(フッ素または塩素といった)、ヒドロキシル、ヒドロキシC1−4アルキル(ヒドロキシメチルといった)、C1−4アルキオキシ(メトキシといった)、ハロC1−4アルキル(モノフルオロメチルまたはトリフルオロメチルといった)、メトキシメチル、=Oおよびニトリルから独立して選択される2つの置換基で置換されているトリアゾリル
から選択される。
1つの実施形態では、RがN結合ピラゾリルである場合、前記ピラゾリルは、いずれかの炭素原子上で、C1−4アルキルから独立して選択される2つの置換基で置換されている。さらなる実施形態では、RがN結合ピラゾリルである場合、前記ピラゾリルは、いずれかの炭素原子上で、2つのメチル置換基で置換されている。さらなる実施形態では、RがN結合 ピラゾリルである場合、前記R基は、4,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イルである。
1つの実施形態では、R
(i)窒素原子上で、C1−4アルキル(メチル、エチルまたはイソプロピルといった)、ヒドロキシC1−4アルキル(ヒドロキシメチルといった)およびハロC1−4アルキル(モノフルオロメチルまたはトリフルオロメチルといった)から選択される置換基で置換されていてもよく、さらに、炭素原子上で、C1−4アルキル(メチル、エチルまたはイソプロピル)、ヒドロキシル、ヒドロキシC1−4アルキル(ヒドロキシメチルといった)、C1−4アルコキシ(メトキシといった)、ハロC1−4アルキル(モノフルオロメチルまたはトリフルオロメチルといった)、メトキシメチル、=Oおよびニトリルから独立して選択される1または2つの置換基で置換されていてもよいC結合ピラゾリル;
(ii)ハロゲン(フッ素または塩素といった)、C1−4アルキル(メチル、エチルまたはイソプロピル)、ヒドロキシル、ヒドロキシC1−4アルキル(ヒドロキシメチルといった)、C1−4アルコキシ(メトキシといった)、ハロC1−4アルキル(モノフルオロメチルまたはトリフルオロメチルといった)、メトキシメチル、=Oおよびニトリルから独立して選択される1または2つの置換基で置換されていてもよいC結合イミダゾリル;
(iii)ハロゲン(フッ素または塩素といった)、C1−4アルキル(メチル、エチルまたはイソプロピル)、ヒドロキシル、ヒドロキシC1−4アルキル(ヒドロキシメチルといった)、C1−4アルコキシ(メトキシといった)、ハロC1−4アルキル(モノフルオロメチルまたはトリフルオロメチルといった)、メトキシメチル、=Oおよびニトリルから独立して選択される1または2つの置換基で置換されているC結合ピリジニル;ならびに、
(iv)ハロゲン(フッ素または塩素といった)、C1−4アルキル(メチル、エチルまたはイソプロピルといった)、ヒドロキシル、ヒドロキシC1−4アルキル(ヒドロキシメチルといった)、C1−4アルコキシ(メトキシといった)、ハロC1−4アルキル(モノフルオロメチルまたはトリフルオロメチルといった)、=Oおよびニトリルから選択される1つの置換基、または、ハロゲン(フッ素または塩素といった)、ヒドロキシル、ヒドロキシC1−4アルキル(ヒドロキシメチルといった)、C1−4アルコキシ(メトキシといった)、ハロC1−4アルキル(モノフルオロメチルまたはトリフルオロメチルといった)、メトキシメチル、=Oおよびニトリルから独立して選択される2つの置換基で置換されているC結合トリアゾリル
から選択される。
1つの実施形態では、Rは、窒素原子上で、C1−4アルキル、ヒドロキシC1−4アルキルおよびハロC1−4アルキルから選択される置換基で置換されていてもよく、さらに、炭素原子上で、C1−4アルキル、ヒドロキシル、ヒドロキシC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキル、メトキシメチル、=Oおよびニトリルから独立して選択される1または2つの置換基で置換されていてもよい、C結合ピラゾリルである。
1つの実施形態では、Rが、窒素原子上で、置換基で置換されているC結合ピラゾリルである場合、前記置換基は、C1−4アルキル(メチル、エチルまたはイソプロピルといった)、ヒドロキシC1−4アルキル(ヒドロキシメチルといった)およびハロC1−4アルキル(モノフルオロメチルまたはトリフルオロメチルといった)から選択され、さらに、炭素原子上で、C1−4アルキル(メチル、エチルまたはイソプロピル)、ヒドロキシル、ヒドロキシC1−4アルキル(ヒドロキシメチルといった)、C1−4アルコキシ(メトキシといった)、ハロC1−4アルキル(モノフルオロメチルまたはトリフルオロメチルといった)、メトキシメチル、=Oおよびニトリルから独立して選択される1または2つの置換基で置換されていてもよい。
1つの実施形態では、RがC結合ピラゾリルである場合、前記ピラゾリルは、窒素原子上で、C1−4アルキル置換基で置換されていてもよく、さらに、炭素原子上で、C1−4アルキルから独立して選択される1または2つの置換基で置換されていてもよい。さらなる実施形態では、RがC結合ピラゾリルである場合、前記ピラゾリルは1つの窒素原子上で、C1−4アルキル置換基で置換されており、1つの炭素原子上で、C1−4アルキル置換基で置換されていてもよい。さらなる実施形態では、RがC結合ピラゾリルである場合、前記ピラゾリルは1つの窒素原子上で、メチル置換基で置換されており、1つの炭素原子上で、メチル置換基によって置換されている。さらなる実施形態では、RがC結合ピラゾリルである場合、前記R基は、1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−5−イルである。代替実施形態では、RがC結合ピラゾリルである場合、前記ピラゾリルは、1つの窒素原子上で、メチル置換基で置換されており、炭素原子は非置換である。さらなる実施形態では、RがC結合ピラゾリルである場合、前記R基は、1−メチル−1H−ピラゾール−5−イルである。
1つの実施形態では、Rがイミダゾリルである場合、前記イミダゾリルは、N結合イミダゾリルである。
1つの実施形態では、Rがイミダゾリルである場合、前記イミダゾリルは、ハロゲン、C1−4アルキル、ヒドロキシC1−4アルキル、ハロC1−4アルキルおよびニトリルから独立して選択される1または2つの置換基で置換されていてもよい1H−イミダゾール−1−イルである。1つの実施形態では、Rがイミダゾリルである場合、前記イミダゾリルは、非置換である。代替実施形態では、Rがイミダゾリルである場合、前記イミダゾリルは、ハロゲン(塩素といった)、C1−4アルキル(メチルまたはエチルといった)、ハロC1−4アルキル(トリフルオロメチルといった)およびニトリルから選択される1つの置換基で置換されている。さらなる実施形態では、Rがイミダゾリルである場合、前記イミダゾリルは、塩素、メチル、エチル、トリフルオロメチルおよびニトリルから選択される1つの置換基で置換されている。代替実施形態では、Rがイミダゾリルである場合、前記イミダゾリルは、ハロゲン(塩素といった)、C1−4アルキル(メチルといった)、ヒドロキシC1−4アルキル(ヒドロキシメチルといった)およびニトリルから独立して選択される2つの置換基で置換されている。代替実施形態では、Rがイミダゾリルである場合、前記イミダゾリルは、塩素、メチル、ヒドロキシメチルおよびニトリルから独立して選択される2つの置換基で置換されている。
1つの実施形態では、Rがピリジニルである場合、前記ピリジニルは、N結合ピリジニル(すなわち、ピリジン−1−イル)である。1つの実施形態では、Rがピリジニルである場合、前記ピリジニルは、C1−4アルキル(メチルといった)および=Oから独立して選択される1または2つの置換基で置換されている。
さらなる実施形態では、Rがピリジニルである場合、前記ピリジニルは、C1−4アルキル(メチルといった)および=Oから独立して選択される2つの置換基で置換されている。さらなる実施形態では、Rがピリジニルである場合、前記ピリジニルは、メチルおよび=Oから選択される2つの置換基で置換されている。
1つの実施形態では、Rがトリアゾリルである場合、前記トリアゾリルは、N結合トリアゾリル(すなわち、1H−1,2,3−トリアゾール−1−イルまたは1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)である。1つの実施形態では、Rがトリアゾリルである場合、前記トリアゾリルは、1つのC1−4アルキル(メチルといった)置換基で置換されている。さらなる実施形態では、Rがトリアゾリルである場合、前記トリアゾリルは、1つのメチル置換基で置換されている。
1つの実施形態では、Rは:
(i)いずれかの炭素原子上で、メチル、エチル、イソプロピル、ヒドロキシル、ヒドロキシメチル、メトキシ、モノフルオロメチル、トリフルオロメチル、=Oおよびニトリルから独立して選択される2つの置換基で置換されているN結合ピラゾリル;
(iii)フッ素、塩素、メチル、エチル、イソプロピル、ヒドロキシル、ヒドロキシメチル、メトキシ、モノフルオロメチル、トリフルオロメチル、=Oおよびニトリルから独立して選択される1または2つの置換基で置換されていてもよいN結合イミダゾリル;ならびに、
(iv)フッ素、塩素、メチル、エチル、イソプロピル、ヒドロキシル、ヒドロキシメチル、メトキシ、モノフルオロメチル、トリフルオロメチル、=Oおよびニトリルから独立して選択される2つの置換基で置換されているN結合ピリジニル
から選択される。
さらなる実施形態では、Rは:
(i)2つの炭素原子上で、メチル置換基で置換されているN結合ピラゾリル;
(iii)塩素、メチル、エチル、ヒドロキシメチル、トリフルオロメチルおよびニトリルから独立して選択される1または2つの置換基で置換されていてもよいN結合イミダゾリル;ならびに、
(iv)メチルおよび=Oから選択される2つの置換基で置換されているN結合ピリジニル
から選択される。
さらなる実施形態では、Rは:
(i)2つの炭素原子上で、メチル置換基で置換されているN結合ピラゾリル;
(iii)塩素、メチル、エチル、ヒドロキシメチル、トリフルオロメチルおよびニトリルから独立して選択される1または2つの置換基で置換されているN結合イミダゾリル;ならびに、
(iv)メチルおよび=Oから選択される2つの置換基で置換されているN結合ピリジニル
から選択される。
さらなる実施形態では、Rは、2つの炭素原子上で、メチル置換基で置換されているN結合ピラゾリルである。
1つの実施形態では、Rは:フェニル基上で、フッ素およびニトリルから独立して選択される1または2つの置換基で置換されていてもよく、メチレン上でヒドロキシルで置換されているベンジル;ならびに、フッ素またはヒドロキシルから選択される1または2つの置換基で置換されているC2−4アルキルから選択される。
1つの実施形態では、Rは:フェニル基上で、1または2つのフッ素置換基で置換されていてもよく、メチレン上でヒドロキシルで置換されていてもよいベンジル;ならびに、1または2つのフッ素置換基で置換されているC2−4アルキルから選択される。
1つの実施形態では、Rは、フェニル基上で、フッ素およびニトリルから選択される1または2つの置換基で置換されていてもよく、メチレン上でヒドロキシルで置換されていてもよいベンジルである。別の実施形態では、Rは、フェニル基上で、フッ素およびニトリルから選択される1または2つの置換基で置換されており、メチレン上でヒドロキシルで置換されていてもよいベンジルである。
1つの実施形態では、Rは、フェニル基上で、フッ素から選択される1または2つの置換基で置換されていてもよいベンジルであり、および、ここで、メチレンは、ヒドロキシル基で置換されていてもよい(たとえば、Rは−C(H)(OH)−フェニル、−C(H)(OH)−2−フルオロフェニル、−C(H)(OH)−3−フルオロフェニル、−C(H)(OH)−4−フルオロフェニル、−C(H)(OH)−2,3−ジフルオロフェニル、−C(H)(OH)−2,4−ジフルオロフェニル、−C(H)(OH)−2,5−ジフルオロフェニル、−C(H)(OH)−2,6−ジフルオロフェニルおよび−C(H)(OH)−3,4−ジフルオロフェニルから選択される)。
1つの実施形態では、Rは、フェニル基上で、1または2つのフッ素置換基で置換されており、メチレン上でヒドロキシルで置換されていてもよいベンジルである。
別の実施形態では、Rは、フェニル基上で1または2つのフッ素置換基によって置換されており、メチレン上でヒドロキシルによって置換されているベンジルである。
1つの実施形態では、Rは、フェニル基上でフッ素から選択される1または2つの置換基によって置換されているベンジルであり、および、ここで、メチレンは、ヒドロキシル基によって置換されていてもよい(たとえば、−C(H)(OH)−2−フルオロフェニル、−C(H)(OH)−3−フルオロフェニル、−C(H)(OH)−4−フルオロフェニル、−C(H)(OH)−2,3−ジフルオロフェニル、−C(H)(OH)−2,4−ジフルオロフェニル、−C(H)(OH)−2,5−ジフルオロフェニル、−C(H)(OH)−2,6−ジフルオロフェニルまたは−C(H)(OH)−3,4−ジフルオロフェニル)。
1つの実施形態では、Rは、フェニル基上で、1または2つのフッ素で置換されていてもよいベンジルであり、ここで、メチレンはヒドロキシル基で置換されている(たとえば、−C(H)(OH)−4−フルオロフェニルまたは−C(H)(OH)−2,4−ジフルオロフェニル)。
1つの実施形態では、Rは、フェニル基上で1または2つのフッ素で置換されていてもよい(たとえば、置換されている)ベンジルである。
さらなる実施形態では、Rは、フェニル基上で、1つのフッ素で置換されていてもよいベンジル(2−フルオロベンジル、3−フルオロベンジルもしくは4−フルオロベンジルといった)、2つのフッ素で置換されていてもよいベンジル(2,3−ジフルオロベンジル、2,4−ジフルオロベンジルもしくは2,6−ジフルオロベンジルといった)、または、1つのフッ素および1つのニトリルで置換されていてもよいベンジル(2−シアノ−4−フルオロベンジルといった)である。
さらなる実施形態では、Rは、フェニル基上で、1つのフッ素で置換されていてもよいベンジル(4−フルオロベンジルといった)、2つのフッ素で置換されていてもよいベンジル(2,4−ジフルオロベンジルといった)、または、1つのフッ素および1つのニトリルで置換されていてもよいベンジル(2−シアノ−4−フルオロベンジルといった)である。
1つの実施形態では、Rはメチレン上でヒドロキシル基で置換されており、フェニル基上で非置換である、ベンジルである。
1つの実施形態では、Rは、フェニル基がフッ素から選択される1または2つの置換基で置換されていてもよい、−CH(OH)−フェニルである。
1つの実施形態では、Rは、フェニル基上で、1もしくは2つのフッ素で置換されていてもよいベンジル(2−フルオロベンジル、3−フルオロベンジル、4−フルオロベンジル、2,3−ジフルオロベンジル、2,4−ジフルオロベンジル、2,5−ジフルオロベンジル、2,6−ジフルオロベンジルもしくは3,4−ジフルオロベンジルといった)、もしくは、1つのフッ素および1つのニトリルで置換されていてもよいベンジル(2−シアノ−4−フルオロベンジルといった)であり、ここで、メチレンはヒドロキシル基で置換されていてもよく(−C(H)(OH)−2−フルオロフェニル、−C(H)(OH)−3−フルオロフェニル、−C(H)(OH)−4−フルオロフェニル、−C(H)(OH)−2,3−ジフルオロフェニル、−C(H)(OH)−2,4−ジフルオロフェニルもしくは−C(H)(OH)−3,4−ジフルオロフェニルといった)、または、Rは、1もしくは2つのフッ素で置換されているC2−4アルキル(1,1−ジフルオロプロピルもしくは1,1−ジフルオロブチルといった)である。
別のさらなる実施形態では、Rは、非置換ベンジルおよびフェニル基上で1つのフッ素で置換されているベンジルから選択される。1つの実施形態では、Rは、フェニル基上で、1または2つのフッ素で置換されていてもよいベンジル(4−フルオロベンジルまたは2,4−ジフルオロベンジルといった)である。1つの実施形態では、Rは、フェニル基上で、2つのフッ素で置換されていてもよいベンジル(2,4−ジフルオロベンジルといった)である。別のさらなる実施形態では、Rは、フェニル基上で、1つのフッ素で置換されていてもよいベンジルである。別のさらなる実施形態では、Rは4−フルオロベンジルである。
1つの実施形態では、Rはフッ素およびヒドロキシルから選択される1または2つの置換基で置換されているC2−4アルキルである。
1つの実施形態では、Rは、1つのヒドロキシルで置換されているC2−4アルキル(1−ヒドロキシブチルといった)である。
代替実施形態では、Rは1または2つのフッ素で置換されているC2−4アルキルである。さらなる実施形態では、Rは2つのフッ素で置換されているC2−4アルキルである。別のさらなる実施形態では、Rは2つのフッ素で置換されているプロピルまたはブチルである。別のさらなる実施形態では、Rは1,1−ジフルオロプロピルおよび1,1−ジフルオロブチルから選択される。1つの実施形態では、Rはジフルオロブチル(1,1−ジフルオロブチルといった)である。1つの実施形態では、XがCHであり、Yが窒素である場合、Rはジフルオロブチル(1,1−ジフルオロブチルといった)である。
下位式
1つの実施形態では、式(I)の化合物は、式(Ia):
Figure 0006324976
の化合物またはその互変異性もしくは立体化学的異性体型、N−オキシド、薬剤的に許容できる塩もしくは溶媒化合物であって;
ここで、RおよびRは本明細書またはいずれかの実施形態で定義される通りである。
式(Ia)の化合物の1つの実施形態では、Rは:
(i)いずれかの炭素原子上で、メチル、エチル、イソプロピル、ヒドロキシル、ヒドロキシメチル、メトキシ、モノフルオロメチル、トリフルオロメチル、=Oおよびニトリルから独立して選択される2つの置換基で置換されているN結合ピラゾリル;
(ii)窒素原子上で、C1−4アルキル(メチルといった)から選択される置換基で置換されており、さらに、炭素原子上で、C1−4アルキル(メチルといった)から独立して選択される1または2つの置換基で置換されていてもよいC結合ピラゾリル;
(iii)フッ素、塩素、メチル、エチル、イソプロピル、ヒドロキシル、ヒドロキシメチル、メトキシ、モノフルオロメチル、トリフルオロメチル、=Oおよびニトリルから独立して選択される1または2つの置換基で置換されていてもよいN結合イミダゾリル;
(iv)フッ素、塩素、メチル、エチル、イソプロピル、ヒドロキシル、ヒドロキシメチル、メトキシ、モノフルオロメチル、トリフルオロメチル、=Oおよびニトリルから独立して選択される2つの置換基で置換されているN結合ピリジニル;ならびに、
(v)1つのメチル置換基で置換されているN結合トリアゾリル
から選択される。
式(Ia)の化合物の1つの実施形態では、Rは、窒素原子上で、C1−4アルキル(メチルといった)、ヒドロキシC1−4アルキルおよびハロC1−4アルキルから選択される置換基で置換されていてもよく(たとえば、置換されており)、さらに、炭素原子上でC1−4アルキル(メチルといった)、ヒドロキシル、ヒドロキシC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキル、メトキシメチル、=Oおよびニトリルから独立して選択される1または2つの置換基で置換されていてもよいC結合ピラゾリルである。(Ia)の式の化合物の1つの実施形態では、Rは窒素原子上で、C1−4アルキル(メチルといった)置換基で置換されており、さらに、炭素原子上で、C1−4アルキル(メチルといった)から独立して選択される1または2つの置換基(たとえば、1つの置換基)で置換されていてもよいC結合ピラゾリルである。
(Ia)の式の化合物の1つの実施形態では、Rは、窒素上でC1−4アルキル(メチルといった)で置換されており、いずれかの炭素原子上で、C1−4アルキル(メチルといった)で置換されていてもよいC結合ピラゾリルである。
(Ia)の式の化合物の1つの実施形態では、Rは、フェニル基上で1または2つのフッ素で置換されていてもよいベンジルである。さらなる実施形態では、Rは、フェニル基上で、1つのフッ素で置換されていてもよいベンジル(4−フルオロベンジルといった)または2つのフッ素で置換されていてもよいベンジル(2,4−ジフルオロベンジル)である。さらなる実施形態では、Rは、フェニル基上で、1つのフッ素で置換されていてもよいベンジルである。さらなる実施形態では、Rは、4−フルオロベンジルである。
代替実施形態では、Rは、1または2つのフッ素で置換されているC2−4アルキルである。さらなる実施形態では、Rは、2つのフッ素で置換されているC2−4アルキルである。さらなる実施形態では、Rは、2つのフッ素で置換されているブチル(1,1−ジフルオロブチルといった)である。
1つの実施形態では、式(I)の化合物は、式(Ib):
Figure 0006324976
の化合物またはその互変異性もしくは立体化学的異性体型、N−オキシド、薬剤的に許容できる塩もしくは溶媒化合物であって;
ここで、Rは本明細書またはいずれかの実施形態で定義される通りである。
式(Ib)の化合物の1つの実施形態では、Rは:
(i)いずれかの炭素原子上で、メチル、エチル、イソプロピル、ヒドロキシル、ヒドロキシメチル、メトキシ、モノフルオロメチル、トリフルオロメチル、=Oおよびニトリルから独立して選択される2つの置換基で置換されているN結合ピラゾリル;
(ii)窒素原子上で、C1−4アルキル(メチルといった)置換基で置換されており、さらに、炭素原子上で、C1−4アルキル(メチルといった)から独立して選択される1または2つの置換基で置換されていてもよいC結合ピラゾリル;
(iii)フッ素、塩素、メチル、エチル、イソプロピル、ヒドロキシル、ヒドロキシメチル、メトキシ、モノフルオロメチル、トリフルオロメチル、=Oおよびニトリルから独立して選択される1または2つの置換基で置換されていてもよいN結合イミダゾリル;
(iv)フッ素、塩素、メチル、エチル、イソプロピル、ヒドロキシル、ヒドロキシメチル、メトキシ、モノフルオロメチル、トリフルオロメチル、=Oおよびニトリルから独立して選択される2つの置換基で置換されているN結合ピリジニル;ならびに、
(v)1つのメチル置換基で置換されているN結合トリアゾリル
から選択される。
式(Ib)の化合物の1つの実施形態では、Rは、窒素原子上で、C1−4アルキル(メチルといった)、ヒドロキシC1−4アルキルおよびハロC1−4アルキルから選択される置換基で置換されていてもよく(たとえば、置換されており)、さらに、炭素原子上で、C1−4アルキル(メチルといった)、ヒドロキシル、ヒドロキシC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキル、メトキシメチル、=Oおよびニトリルから独立して選択される1または2つの置換基で置換されていてもよいC結合ピラゾリルである。式(Ib)の化合物の1つの実施形態では、Rは、窒素原子上で、C1−4アルキル(メチルといった)置換基で置換されており、さらに、炭素原子上で、C1−4アルキル(メチルといった)から独立して選択される1または2つの置換基(たとえば、1つの置換基)で置換されていてもよいC結合ピラゾリルである。
式(Ib)の化合物の1つの実施形態では、Rは、窒素上で、C1−4アルキル(メチルといった)で置換されており、いずれかの炭素原子上で、C1−4アルキル(メチルといった)で置換されていてもよいC結合ピラゾリルである。
1つの実施形態では、式(I)の化合物は、式(Ic):
Figure 0006324976
の化合物またはその互変異性もしくは立体化学的異性体型、N−オキシド、薬剤的に許容できる塩もしくは溶媒化合物であって;
ここで、RおよびRは本明細書またはいずれかの実施形態で定義される通りである。
式(Ic)の化合物の1つの実施形態では、Rは、いずれかの炭素原子上で、C1−4アルキルから独立して選択される2つの置換基で置換されているN結合ピラゾリルである。さらなる実施形態では、Rは、2つの炭素原子上で、メチル置換基で置換されているN結合ピラゾリルである。さらなる実施形態では、Rは、4,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イルである。
式(Ic)の化合物の1つの実施形態では、Rは、窒素原子上で、C1−4アルキル(メチルといった)、ヒドロキシC1−4アルキルおよびハロC1−4アルキルから選択される置換基で置換されていてもよく(たとえば、置換されており)、さらに、炭素原子上でC1−4アルキル(メチルといった)、ヒドロキシル、ヒドロキシC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキル、メトキシメチル、=Oおよびニトリルから独立して選択される1または2つの置換基で置換されていてもよいC結合ピラゾリルである。(Ia)の式の化合物の1つの実施形態では、Rは窒素原子上で、C1−4アルキル(メチルといった)置換基で置換されており、さらに、炭素原子上で、C1−4アルキル(メチルといった)から独立して選択される1または2つの置換基(たとえば、1つの置換基)で置換されていてもよいC結合ピラゾリルである。
式(Ic)の化合物の1つの実施形態では、Rは、窒素上で、C1−4アルキル(メチルといった)で置換されており、いずれかの炭素原子上で、C1−4アルキル(メチルといった)で置換されていてもよいC結合ピラゾリルである。
式(Ic)の化合物の1つの実施形態では、Rは、フェニル基上で、1もしくは2つのフッ素で置換されていてもよいベンジル(4−フルオロベンジルもしくは2,4−ジフルオロベンジルといった)、または、2つのフッ素で置換されているC2−4アルキル(2つのフッ素で置換されているブチル、たとえば、1,1−ジフルオロブチルである。
1つの実施形態では、式(I)の化合物は、式(Id):
Figure 0006324976
の化合物またはその互変異性もしくは立体化学的異性体型、N−オキシド、薬剤的に許容できる塩もしくは溶媒化合物であって;
ここで、RおよびRは本明細書またはいずれかの実施形態で定義される通りである。
式(Id)の化合物の1つの実施形態では、Rは、窒素原子上で、C1−4アルキル(メチルといった)、ヒドロキシC1−4アルキルおよびハロC1−4アルキルから選択される置換基で置換されていてもよく(たとえば置換されており)、さらに、炭素原子上で、C1−4アルキル(メチルといった)、ヒドロキシル、ヒドロキシC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキル、メトキシメチル、=Oおよびニトリルから独立して選択される1または2つの置換基で置換されていてもよいC結合ピラゾリルである。(Ia)の式の化合物の1つの実施形態では、Rは窒素原子上で、C1−4アルキル(メチルといった)置換基で置換されており、さらに、炭素原子上で、C1−4アルキル(メチルといった)から独立して選択される1または2つの置換基(たとえば、1つの置換基)で置換されていてもよいC結合ピラゾリルである。
式(Id)の化合物の1つの実施形態では、Rは、窒素上で、C1−4アルキル(メチルといった)で置換されており、いずれかの炭素原子上で、C1−4アルキル(メチルといった)で置換されていてもよいC結合ピラゾリルである。
式(Id)の化合物の1つの実施形態では、Rは、2つの炭素原子上で、C1−4アルキル置換基に置換されているN結合ピラゾリルである。さらなる実施形態では、Rは、2つの炭素原子上で、メチル置換基で置換されているN結合ピラゾリルである。さらなる実施形態では、Rは、4,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イルである。
式(Id)の化合物の1つの実施形態では、Rは、フェニル基上で、1または2つのフッ素で置換されていてもよいベンジルである。さらなる実施形態では、Rは、フェニル基上で、1つのフッ素で置換されていてもよいベンジル(4−フルオロベンジルといった)、または、2つのフッ素で置換されていてもよいベンジル(2,4−ジフルオロベンジル)である。さらなる実施形態では、Rは、フェニル基上で、1つのフッ素によって置換されていてもよいベンジルである。さらなる実施形態では、Rは4−フルオロベンジルである。
代替実施形態では、Rは、1または2つのフッ素で置換されているC2−4アルキルである。さらなる実施形態では、Rは、2つのフッ素で置換されているC2−4アルキルである。さらなる実施形態では、Rは、2つのフッ素で置換されているブチル(1,1−ジフルオロブチルといった)である。
1つの実施形態では、式(I)の化合物は、式(Ie):
Figure 0006324976
の化合物またはその互変異性もしくは立体化学的異性体型、N−オキシド、薬剤的に許容できる塩もしくは溶媒化合物であって;
ここで、X、YおよびRは本明細書またはいずれかの実施形態で定義される通りであり、Rは、窒素原子上にある場合は、C1−4アルキル、ヒドロキシC1−4アルキルおよびハロC1−4アルキルから独立して選択され、炭素原子上にある場合は、C1−4アルキル、ヒドロキシル、ヒドロキシC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキル、メトキシメチル、=Oおよびニトリルから選択され;nは0、1、2または3である。
1つの実施形態では、式(I)の化合物は、式(Ie)の化合物であり、nは1である。1つの実施形態では、式(I)の化合物は式(Ie)の化合物であり、nは2である。
1つの実施形態では、式(I)の化合物は式(Ie)の化合物であり、ここで、nは2であり、RはC1−4アルキル(メチルといった)である。1つの実施形態では、nは1であり、RはC1−4アルキル(メチルといった)である。
1つの実施形態では、式(I)の化合物は式(If):
Figure 0006324976
の化合物またはその互変異性もしくは立体化学的異性体型、N−オキシド、薬剤的に許容できる塩もしくは溶媒化合物であって;
ここで、X、YおよびRは、本明細書またはいずれかの実施形態で定義される通りであり、RはC1−4アルキル、ヒドロキシC1−4アルキルおよびハロC1−4アルキルから選択され;RはC1−4アルキル、ヒドロキシル、ヒドロキシC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキル、メトキシメチル、=Oおよびニトリルから独立して選択され;mは0、1および2から選択される。1つの実施形態では、RはC1−4アルキル(メチルといった)である。
1つの実施形態では、式(I)の化合物は式(If)の化合物であり、ここで、mは1である。
1つの実施形態では、式(I)の化合物は、式(If)の化合物であり、ここで、mは1であり、R5はC1−4アルキル(メチルといった)である。
1つの実施形態では、式(I)の化合物は、式(Ig):
Figure 0006324976
の化合物またはその互変異性もしくは立体化学的異性体型、N−オキシド、薬剤的に許容できる塩もしくは溶媒化合物であって;
ここで、Rは、本明細書またはいずれかの実施形態で定義される通りである。
式(Ig)の1つの実施形態では、
は:
(i)いずれかの炭素原子上で、メチル、エチル、イソプロピル、ヒドロキシル、ヒドロキシメチル、メトキシ、モノフルオロメチル、トリフルオロメチル、=Oおよびニトリルから独立して選択される2つの置換基で置換されているN結合ピラゾリル;
(ii)窒素原子上で、C1−4アルキル (メチルといった) 置換基で置換されており、さらに、炭素原子上で、C1−4アルキル(メチルといった)から独立して選択される1または2つの置換基で置換されていてもよいC結合ピラゾリル;
(iii)フッ素、塩素、メチル、エチル、イソプロピル、ヒドロキシル、ヒドロキシメチル、メトキシ、モノフルオロメチル、トリフルオロメチル、=Oおよびニトリルから独立して選択される1または2つの置換基で置換されていてもよいN結合イミダゾリル;
(iv)フッ素、塩素、メチル、エチル、イソプロピル、ヒドロキシル、ヒドロキシメチル、メトキシ、モノフルオロメチル、トリフルオロメチル、=Oおよびニトリルから独立して選択される2つの置換基で置換されているN結合ピリジニル;ならびに、
(v)1つのメチル置換基で置換されているN結合トリアゾリル
から選択される。
式(Ig)の化合物の1つの実施形態では、Rは、窒素原子上で、C1−4アルキル(メチルといった)、ヒドロキシC1−4アルキルおよびハロC1−4アルキルから選択される置換基で置換されていてもよく(たとえば置換されており)、さらに、炭素原子上で、C1−4アルキル(メチルといった)、ヒドロキシル、ヒドロキシC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキル、メトキシメチル、=Oおよびニトリルから独立して選択される1または2つの置換基で置換されていてもよいC結合ピラゾリルである。式(Ig)の化合物の1つの実施形態では、Rは、窒素原子上で、C1−4アルキル(メチルといった)置換基で置換されており、さらに、炭素原子上で、C1−4アルキル(メチルといった)から独立して選択される1または2つの置換基(たとえば、1つの置換基)で置換されていてもよいC結合ピラゾリルである。
式(Ig)の化合物の1つの実施形態では、Rは、窒素上でC1−4アルキル(メチルといった)で置換されており、いずれかの炭素原子上で、C1−4アルキル(メチルといった)で置換されていてもよい、C結合ピラゾリルである。
1つの実施形態では、式(I)の化合物は、式(Ih):
Figure 0006324976
の化合物またはその互変異性もしくは立体化学的異性体型、N−オキシド、薬剤的に許容できる塩もしくは溶媒化合物であって;
ここで、Rは本明細書またはいずれかの実施形態で定義される通りである。
式(Ih)の化合物の1つの実施形態では、Rは:
(i)いずれかの炭素原子上で、メチル、エチル、イソプロピル、ヒドロキシル、ヒドロキシメチル、メトキシ、モノフルオロメチル、トリフルオロメチル、=Oおよびニトリルから独立して選択される2つの置換基で置換されているN結合ピラゾリル;
(ii)窒素原子上でC1−4アルキル(メチルといった)置換基で置換されており、さらに、炭素原子上で、C1−4アルキル(メチルといった)から独立して選択される1または2つの置換基で置換されてもよいC結合ピラゾリル;
(iii)フッ素、塩素、メチル、エチル、イソプロピル、ヒドロキシル、ヒドロキシメチル、メトキシ、モノフルオロメチル、トリフルオロメチル、=Oおよびニトリルから独立して選択される1または2つの置換基で置換されていてもよいN結合イミダゾリル;
(iv)フッ素、塩素、メチル、エチル、イソプロピル、ヒドロキシル、ヒドロキシメチル、メトキシ、モノフルオロメチル、トリフルオロメチル、=Oおよびニトリルから独立して選択される2つの置換基で置換されているN結合ピリジニル;ならびに、
(v)1つのメチル置換基で置換されているN結合トリアゾール
から選択される。
式(Ih)の化合物の1つの実施形態では、Rは、窒素原子上で、C1−4アルキル(メチルといった)、ヒドロキシC1−4アルキルおよびハロC1−4アルキルから選択される置換基で置換されていてもよく(たとえば置換されており)、さらに、炭素原子上で、C1−4アルキル(メチルといった)、ヒドロキシル、ヒドロキシC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキル、メトキシメチル、=Oおよびニトリルから独立して選択される1または2つの置換基で置換されていてもよいC結合ピラゾリルである。式(Ih)の化合物の1つの実施形態ではRは、窒素原子上で、C1−4アルキル(メチルといった)から選択される置換基で置換されており、さらに、炭素原子上で、C1−4アルキル(メチルといった)から独立して選択される1または2つの置換基(1つの置換基)で置換されていてもよいC結合ピラゾリルである。
式(Ih)の化合物の1つの実施形態では、Rは、窒素上で、C1−4アルキル(メチルといった)で置換されており、いずれかの炭素原子上で、C1−4アルキル(メチルといった)で置換されていてもよいC結合ピラゾリルである。
1つの実施形態では、式(I)の化合物は式(Ie)または(If)の化合物であり、ここで、Xは窒素、YはCHである。
1つの実施形態では、式(I)の化合物は、式(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ig)または(Ih)(式(Ia)、(Ib)、(Ic)または(Id)といった)の化合物であり、ここで、Rは、窒素原子上で、C1−4アルキル(メチル、エチルまたはイソプロピルといった)、ヒドロキシC1−4アルキル(ヒドロキシメチルといった)およびハロC1−4アルキル(モノフルオロメチルまたはトリフルオロメチル)から選択される置換基で置換されており、さらに、炭素原子上で、C1−4アルキル(メチル、エチルまたはイソプロピル)、ヒドロキシル、ヒドロキシC1−4アルキル(ヒドロキシメチルといった)、C1−4アルコキシ(メトキシといった)、ハロC1−4アルキル(モノフルオロメチルまたはトリフルオロメチルといった)、メトキシメチル、=Oおよびニトリルから独立して選択される1または2つの置換基で置換されてもよいC結合ピラゾリルである。
1つの実施形態では、式(I)の化合物は、式(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ig)または(Ih)(式(Ia)、(Ib)、(Ic)または(Id)といった)の化合物であり、ここで、Rは、窒素原子上でC1−4アルキル(メチル、エチルまたはイソプロピルといった)置換基で置換されており、さらに、炭素原子上で、C1−4アルキル(メチル、エチルまたはイソプロピルといった)から独立して選択される1または2つの置換基で置換されていてもよいC結合ピラゾリルである。
1つの実施形態では、式(I)の化合物は、式(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ig)または(Ih)(式(Ia)、(Ib)、(Ic)または(Id)といった)の化合物であり、ここで、Rは、C結合ピラゾリルであり、前記ピラゾリルは、1つの窒素原子上で、メチル置換基によって置換されており、炭素原子上で、めちる置換基によって置換されている(1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−5−イルといった)。
1つの実施形態では、式(I)の化合物は、式(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ig)または(Ih)(式(Ia)、(Ib)、(Ic)または(Id)といった)の化合物であり、ここで、Rは、C結合ピラゾリルであり、前記ピラゾリルは、1つの窒素原子で、メチル置換基によって置換されており、炭素原子は非置換である(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イルといった)。
1つの実施形態では、式(I)の化合物は式(Ia)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)の化合物であり、ここで、Rはフェニル基上で、1もしくは2つのフッ素で置換されていてもよいベンジル(非置換ベンジル、2−フルオロベンジル、3−フルオロベンジル、4−フルオロベンジル、2,3−ジフルオロベンジル、2,4−ジフルオロベンジル、2,5−ジフルオロベンジル、2,6−ジフルオロベンジルまたは3,4−ジフルオロベンジルといった)または1つのフッ素または1つの窒素で置換されていてもよいベンジル(2−シアノ−4−フルオロベンジルといった)であり、ここで、メチレンはヒドロキシル基で置換されていてもよく(たとえば、−C(H)(OH)ベンジル、−C(H)(OH)−2−フルオロフェニル、−C(H)(OH)−3−フルオロフェニル、−C(H)(OH)−4−フルオロフェニル、−C(H)(OH)−2,3−ジフルオロフェニル、−C(H)(OH)−2,4−ジフルオロフェニル、−C(H)(OH)−2,5−ジフルオロフェニル、−C(H)(OH)−2,6−ジフルオロフェニルもしくは−C(H)(OH)−3,4−ジフルオロフェニル)、または、Rは、1−ヒドロキシブチル、1,1−ジフルオロプロピルもしくは1,1−ジフルオロブチル、特に1,1−ジフルオロブチルといった、1もしくは2つのフッ素またはヒドロキシルで置換されているC2−4アルキルである。
1つの実施形態では、式(I)の化合物は式(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)または(If)の化合物であり、ここで、Rは−CH(OH)−フェニルであり、ここで、フェニル基はフッ素から選択される1または2つの置換基で置換されていてもよい。
1つの実施形態では、式(I)の化合物は、式(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)または(If)の化合物であり、ここで、Rは、フェニル基上で、1または2つのフッ素で置換されていてもよいベンジル(2−フルオロベンジル、3−フルオロベンジル、4−フルオロベンジル、2,3−ジフルオロベンジル、2,4−ジフルオロベンジル、2,5−ジフルオロベンジル、2,6−ジフルオロベンジルもしくは3,4−ジフルオロベンジルといった)、または、1つの窒素および1つのニトリルで置換されていてもよいベンジル(2−シアノ−4−フルオロベンジルといった)であり、ここで、メチレンは、ヒドロキシル基で置換されていてもよく(−C(H)(OH)−2−フルオロフェニル、−C(H)(OH)−3−フルオロフェニル、−C(H)(OH)−4−フルオロフェニル、−C(H)(OH)−2,3−ジフルオロフェニル、−C(H)(OH)−2,4−ジフルオロフェニルまたは−C(H)(OH)−3,4−ジフルオロフェニルといった)、または、Rは、ヒドロキシル基で置換されているC2−4アルキル(1−ヒドロキシブチルといった)、または、1もしくは2つのフッ素で置換されているC2−4アルキル(1,1−ジフルオロプロピルもしくは1,1−ジフルオロブチル)である。
1つの実施形態では、式(I)の化合物は、式(Ia)、(Ic)、(Id)、(Ie)または(If)の化合物であり、ここで、Rは、フェニル基上で、1または2つのフッ素で置換されていてもよいベンジル(4−フルオロベンジルまたは2,4−ジフルオロベンジル)、もしくは、1つのフッ素および1つのニトリルで置換されていてもよいベンジル(2−シアノ−4−フルオロベンジル)であり、ここで、メチレンは、ヒドロキシル基によって置換されていてもよく(たとえば−C(H)(OH)−4−フルオロフェニルもしくは−C(H)(OH)−2,4−ジフルオロフェニル)、または、Rは、1もしくは2つのフッ素またはヒドロキシルで置換されているC2−4アルキルである(1−ヒドロキシブチル、1,1−ジフルオロプロピルもしくは1,1−ジフルオロブチル、特に1,1−ジフルオロブチルといった)。
1つの実施形態では、式(I)の化合物は式(Ia)、(Ic)、(Id)、(Ie)または(If)の化合物であり、ここで、Rは、フェニル基上で、1または2つのフッ素で置換されていてもよいベンジル(4−フルオロベンジルもしくは2,4−ジフルオロベンジル)であり、または、Rは、1,1−ジフルオロプロピルもしくは1,1−ジフルオロブチル、たとえば1,1−ジフルオロブチルといった、1または2つのフッ素で置換されているC2−4アルキルである。
1つの実施形態では、式(I)の化合物は、式(Ia)、(Ic)、(Id)、(Ie)または(If)の化合物であり、ここで、Rは、フェニル基上で、1または2つのフッ素で置換されていてもよいベンジル(4−フルオロベンジルまたは2,4−ジフルオロベンジルといった)である。
1つの実施形態では、式(I)の化合物は、式(Ia)、(Ic)、(Id)、(Ie)または(If)の化合物であり、ここで、Rは、1,1−ジフルオロプロピルまたは1,1−ジフルオロブチル、たとえば1,1−ジフルオロブチルといった、1または2つのフッ素で置換されているC2−4アルキルである。
1つの実施形態では、本発明は,実施例1〜38(特に、実施例1〜22、30〜31および38または実施例1〜22)の化合物を含む式(I)の化合物またはその互変異性もしくは立体化学的異性体型、N−オキシド、薬剤的に許容できる塩もしくは溶媒化合物を提供する。1つの実施形態では、本発明は、実施例23〜37の化合物を含む式(I)の化合物またはその互変異性もしくは立体化学的異性体型、N−オキシド、薬剤的に許容できる塩もしくは溶媒化合物を提供する。
1つの実施形態では、本発明は、実施例1〜38(特に、実施例1〜22、30〜31および38または実施例1〜22)の化合物である式(I)の化合物またはその互変異性もしくは立体化学的異性体型、N−オキシド、薬剤的に許容できる塩もしくは溶媒化合物を提供する。
1つの実施形態では、本発明は、実施例1〜38(特に、実施例1〜22、30〜31および38または実施例1〜22)の化合物の遊離塩基である式(I)の化合物またはその互変異性もしくは立体化学的異性体型、N−オキシド、薬剤的に許容できる塩もしくは溶媒化合物を提供する。
1つの実施形態では、本発明は、実施例22の化合物の遊離塩基である式(I)の化合物またはその互変異性もしくは立体化学的異性体型、N−オキシド、薬剤的に許容できる塩もしくは溶媒化合物を提供する。
1つの実施形態では、本発明は、実施例30または実施例31の化合物の遊離塩基である式(I)の化合物またはその互変異性もしくは立体化学的異性体型、N−オキシド、薬剤的に許容できる塩もしくは溶媒化合物を提供する。
不確実性を避けるために、1つの置換基に関する一般的および具体的な優先度、実施形態および実施例のそれぞれは、本明細書に記載される1つ以上の、好ましくは全ての置換基に関する一般的および具体的な優先度、実施形態および実施例のそれぞれと組み合わせてよいこと、ならびに、そのような実施形態は全て本明細書に包含されることが理解される。
塩、溶媒化合物、互変異性体、異性体、N−オキシド、エステル、プロドラッグおよび同位体
式(I)の化合物およびその下位群への言及には、たとえば下で考察される、そのイオン形態、塩、溶媒化合物、異性体(幾何異性体および立体異性体)、互変異性体、N−オキシド、エステル、プロドラッグ、同位体および保護形態も包含され;好ましくは、その塩または互変異性体またはN−オキシドまたは溶媒化合物、さらにより好ましいことには、その塩または互変異性体または溶媒化合物である。

式(I)の多くの化合物は、塩の形態で存在し得、たとえば、酸付加塩、または、特定の場合では、カルボン酸塩、スルホン酸塩およびリン酸塩といった、有機および無機塩基の塩が挙げられる。そのような塩は全て本発明の範囲内であり、式(I)の化合物への言及には、化合物の塩形態が包含される。
本発明の塩は、Pharmaceutical Salts:Properties,Selection,and Use、P.Heinrich Stahl(編者)、Camille G.Wermuth(編者)、ISBN:3−90639−026−8、ハードカバー、388ページ、2002年8月で説明される方法といった、従来の化学的な方法で、塩基性または酸性部分を含む親化合物から合成され得る。一般的に、そのような塩は、これら化合物の遊離酸形態または塩基形態を水もしくは有機溶媒中またはその2つの混合物中の適切な塩基または酸と反応させることで調製され得;通常、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノールまたはアセトニトリルといった非水性媒体が用いられる。
酸付加塩(モノ−またはジ−塩)は、無機および有機の双方である幅広い種類の酸と形成され得る。酸付加塩の例として、酢酸、2,2−ジクロロ酢酸、アジピン酸、アルギン酸、アスコルビン酸(例えば、L−アスコルビン酸)、L−アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、4−アセトアミド安息香酸、ブタン酸、(+)ショウノウ酸、カンファー−スルホン酸、(+)−(1S)−カンファー−10−スルホン酸、カプリン酸、カプロン酸、カプリル酸、ケイ皮酸、クエン酸、シクラミン酸、ドデシル硫酸、エタン−1,2−ジスルホン酸、エタンスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、ガラクタル酸、ゲンチシン酸、グルコヘプトン酸、D−グルコン酸、グルクロン酸(たとえば、D−グルクロン酸)、グルタミン酸(たとえば、L−グルタミン酸)、α−オキソグルタール酸、グリコール酸、馬尿酸、ハロゲン化水素酸(たとえば、臭化水素酸、塩酸、ヨー化水素酸)、イセチオン酸、乳酸(たとえば、(+)−L−乳酸、(±)−DL−乳酸)、ラクトビオン酸、マレイン酸、リンゴ酸、(−)−L−リンゴ酸、マロン酸、(±)−DL−マンデル酸、メタンスルホン酸、ナフタレン−2−スルホン酸、ナフタレン−1,5−ジスルホン、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、ニコチン酸、硝酸、オレイン酸、オロチン酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモ酸、リン酸、プロピオン酸、ピルビン酸、L−ピログルタミン酸、サリチル酸、4−アミノサリチル酸、セバシン酸、ステアリン酸、コハク酸、硫酸、タンニン酸、(+)−L−酒石酸、チオシアン酸、ρ−トルエンスルホン酸、ウンデシレン酸および吉草酸およびアシル化アミノ酸から選択される酸で形成されるモノ−またはジ−塩ならびにカチオン交換樹脂が挙げられる。
塩の具体的な群の1つには、酢酸、塩酸、ヨー化水素酸、リン酸、硝酸、硫酸、クエン酸、乳酸、コハク酸、マレイン酸、リンゴ酸、イセチオン酸、フマル酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸(メチル酸)、エタンスルホン酸、ナフタリンスルホン酸、吉草酸、酢酸、プロパン酸、ブタン酸、マロン酸、グルクロン酸およびラクトビオン酸から形成される塩が含まれる。具体的な塩の1つは、塩酸塩である。
化合物がアニオン性またはアニオン性であり得る官能基(たとえば、−COOHは−COOであり得る)を有する場合、その時、塩は有機または無機塩基と形成され、適切なカチオンを生成してもよい。適切な無機カチオンの例には、Li、NaおよびKといったアルカリ金属イオン、Ca2+およびMg2+といったアルカリ土類金属カチオン、およびAl3+またはZnといった他のカチオンが挙げられるが、これらに限定されない。適切な有機カチオンの例には、アンモニウムイオン(すなわちNH )および置換アンモニウムイオン(たとえば、NH、NH 、NHR 、NR )が挙げられるが、これらに限定はされない。適切な置換アンモニウムイオンのいくつかの例には、次のものから派生したものが挙げられる:メチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、プロピルアミン、ジシクロヘキシルアミン、トリエチルアミン、ブチルアミン、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペラジン、ベンジルアミン、フェニルベンジルアミン、コリン、メグルミンおよびトロメタミンならびにリジンおよびアルギニンといったアミノ酸。一般的な四級アンモニウムイオンの例はN(CH である。
式(I)の化合物がアミン機能を含む場合、これらは、たとえば当業者には公知の方法に従ったアルキル化剤との反応によって、四級アンモニウム塩を形成し得る。そのような四級アンモニウム化合物は、式(I)の範囲内である。
本発明の化合物は、塩が形成される酸のpKaによって、モノ−またはジ−塩として存在し得る。
本発明の化合物の塩形態は、通常、薬剤的に許容できる塩であり、薬剤的に許容できる塩の例は、Bergeら、1977、「Pharmaceutically Acceptable Salts」、J.Pharm.Sci.、66巻、pp.1〜19で考察される。しかし、薬剤的に許容できない塩も、中間形態として調製され得、これは次いで、薬剤的に許容できる塩に転化され得る。たとえば本発明の化合物の精製または分離で有用になり得る、そのような薬剤的に許容できない塩形態も、本発明の一部分を形成する。
本発明の1つの実施形態では、本明細書で記載される式(I)の化合物ならびにその下位群および実施例を、10mg/ml超、通常15mg/ml超および好ましくは20mg/ml超の濃度の塩形態で含む溶液(たとえば、水溶液)を含む医薬組成物が提供される。
N−オキシド
アミン官能基を含む式(I)の化合物は、N−オキシドも形成し得る。本明細書において、アミン官能基を含む式(I)の化合物に対して言及する際、N−オキシドも包含される。
化合物が複数のアミン官能基を含む場合、1つ以上の窒素原子は酸化し、N−オキシドを形成してもよい。N−オキシドの具体的な例には、四級アミンまたは窒素含有複素環の窒素原子のN−オキシドが挙げられる。
N−オキシドは、対応するアミンと過酸化水素または過酸(たとえば、ペルオキシカルボン酸)といった酸化剤との処理によって形成され得、たとえば、Advanced Organic Chemistry、Jerry March著、第4版、ワイリー・インターサイエンス社、ページを参照されたい。さらに具体的には、N−オキシドは、L.W.Deady(Syn.Comm.1977、7、509−514)の手順によって作成され得、ここでは、アミン化合物を、たとえばジクロロメタンといった不活性溶媒中で、m−クロロペルオキシ安息香酸(MCPBA)と反応させる。
幾何異性体および互変異性体
式(I)の化合物は、複数の異なる幾何異性体および互変異性体形態で存在し得、式(I)の化合物への参照には、そのような形態が全て包含される。不確実性を避けるために、化合物が複数の幾何異性体または互変異性体形態のうちの1つで存在し得、1つのみが具体的に説明または示される場合でも、他のすべても式(I)によって包含される。
たとえば、式(I)の化合物において、環Eは下記の通り、2つの互変異性体形態で存在し得る。分かりやすくするため、一般式(I)は1つの形態Aを示すが、その式は双方の互変異性体形態を包含するものとして理解される。
Figure 0006324976
互変異性体の他の例には、たとえば、次に挙げる互変異性体のペアに見られるような、ケト−、エノール−およびエノレート形態が包含される:ケト/エノール(以下で示される)、イミン/エンアミン、アミド/イミノアルコール、アミジン/エンジアミン、ニトロソ/オキシム、チオケトン/エネチオール、およびニトロ/アシニトロ。
Figure 0006324976
立体異性体
特に別で言及または指示されない限り、化合物の化学記号は、可能性のある全ての立体化学的異性体形態の混合物を意味する。
立体中心は、「小刻み」または「くさび状」の線を用いた通常の方法で示され、たとえば、
Figure 0006324976
Boc−N−メチルアラニン、(S)−(+)−2−ヒドロキシ−2−フェニルプロピオン酸
である。
化合物が2つのジアステレオ異性体/エピマーの混合物として説明される場合、立体中心の立体配置は明記されず、直線で示される。
式(I)の化合物が1つ以上のキラル中心を含み、2つ以上の光学異性体の形態で存在し得る場合、式(I)の化合物への言及には、文脈によって別のことが要求されない限り、その光学異性体形態の全て(たとえば、鏡像異性体、エピマーおよびジアステレオ異性体)が、個々の光学異性体として、または、混合物(たとえばラセミ混合物)もしくは2つ以上の光学異性体としてのいずれかで包含される。
光学異性体は、その光学活性(すなわち、+および−異性体またはdおよびl異性体として)によって特徴づけおよび認識され得、または、光学異性体は、Cahn、IngoldおよびPrelogが開発した「RおよびS」命名を用いてその絶対立体化学の側面から特徴づけされ得、Advanced Organic Chemistry、Jerry March著、第4版、ジョンワイリー&サンズ社(John Wiley&Sons)、ニューヨーク、1992、ページ109−114、および、Cahn、Ingold&Prelog、Angew.Chem.Int.Ed.Engl.、1966、5、385−415を参照されたい。
光学異性体は、キラルクロマトグラフィー(キラル支持体上でのクロマトグラフィー)を包含する複数の技術によって分離され得、そのような技術は当業者には公知である。
キラルクロマトグラフィーに対する代替手段として、(+)−酒石酸、(−)−ピログルタミン酸、(−)−ジ−トルオイル−L−酒石酸、(+)−マンデル酸、(−)−リンゴ酸および(−)−カンファスルホン酸といったキラル酸でジアステレオ異性体塩を形成し、優先晶出によってジアステレオ異性体を分離し、次いでその塩を解離することで光学異性体を分離し得、遊離塩基の個々の鏡像異性体を得る。
さらに、鏡像異性体分離は、鏡像異性的に純粋なキラル補助基を化合物上に共有結合し、次いで、クロマトグラフィーといった従来の方法を用いてジアステレオ異性体分離を実施することで、達成され得る。これにはついで、前記の共有結合の切断が続き、適切な鏡像異性的に純粋な生成物を作製する。
式(I)の化合物が2つ以上の光学異性体形態として存在する場合、鏡像異性体のペアのうちの1つの鏡像異性体は、他の鏡像異性体に対して、たとえば生物学的活性の側面から有利な点を示し得る。このように、特定の環境では、治療剤として、鏡像体ペアのうち1つのみを、または、複数のジアステレオ異性体のうち1つのみを使用することが望ましい可能性がある。したがって、本発明は、1つ以上のキラル中心を有する式(I)の化合物を含む組成物を提供し、ここで、式(I)の化合物の少なくとも55%(たとえば、少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%または95%)が、単一の光学異性体(たとえば、鏡像異性体またはジアステレオ異性体)として存在する。1つの一般的な実施形態では、式(I)の化合物の総量の99%以上(たとえば、実質的に全て)が単一の光学異性体(たとえば、鏡像異性体またはジアステレオ異性体)として存在し得る。
二重結合を含む化合物は、前記二重結合において、E(逆に(entgegen))またはZ(一緒に(zusammen))立体化学を有し得る。二価環式または(部分的)飽和ラジカル上の置換基は、cis−またはtrans−配置のいずれかを有し得る。cisおよびtransという語句は、本明細書で使用される場合、Chemical Abstracts命名法(J.Org.Chem.1970、35(9)、2849−2867)に従い、環部分上の置換基の位置を指す。
特に興味深いのは、立体化学的に純粋なこれらの式(I)の化合物である。式(I)の化合物がたとえばRとして指定される場合、これは、その化合物が実質的にS異性体を含まないということである。式(I)の化合物がたとえばEとして指定される場合、これは、その化合物は実質的にZ異性体を含まないということである。cis、trans、R、S、EおよびZという語句は、当業者には公知である。
同位体の変異形
本発明には、薬剤的に許容される、同位体的で標識された本発明の化合物、すなわち、1つ以上の原子が、同一の原子番号を有するが、自然に通常見られる原子質量または質量数とは異なる原子質量または質量数を有する原子で置き換えられる、式(I)の化合物が全て包含される。
本発明の化合物への包含に適切な同位体の例としては、H(D)およびH(T)といった水素の同位体、11C、13Cおよび14Cといった炭素、36Clといった塩素、18Fといったフッ素、123I、125Iおよび131Iといったヨウ素、13Nおよび15Nといった窒素、15O、17Oおよび18Oといった酸素、32Pといったリン、35Sといった硫黄が挙げられる。
同位体的に分類された特定の式(I)の化合物、たとえば、放射性同位体を取り組むものは、薬剤および/または基質組織分布研究で有用である。式(I)の化合物はまた、重要な診断に関する特性も有し得、標識された化合物と他の分子、ペプチド、タンパク質、酵素または受容体との間の複合体の形成を検知または識別するために使用され得る点で、役に立つ診断的な特性を有し得る。検知または識別方法は、放射性同位体、酵素、蛍光物質、発光物質(たとえば、ルミノール、ルミノール誘導体、ルシフェリン、エクオリンおよびルシフェラーゼ)などといった、標識剤で標識される化合物を用い得る。放射性同位体三重水素、すなわちH(T)、および炭素−14、すなわち14Cは、それらの取り込みの簡易性および即時の検知方法という観点から、特にこの目的のために有用である。
重水素、すなわちH(D)といったより重い同位体での置換は、たとえばインビボの半減期の増加または投与必要量の低下といった、より良好な代謝安定性から生じる特定の治療上の利点をもたらし得、したがって、いくつかの環境ではより好ましい可能性がある。
11C、18F、15Oおよび13Nといったポジトロン放出同位体での置換は、標的の占有率を検査するためのポジトロン断層撮影法(PET)研究に有用であり得る。
同位体的に標識された式(I)の化合物は一般的に、以前に使用された非標識試薬の代わりに同位体的に標識した試薬を用いて、当業者には公知の従来の技術または付随の実施例および調製で説明されるものに類似したプロセスで調製され得る。
エステル
カルボン酸基またはヒドロキシル基を有する式(I)の化合物のカルボン酸エステル、アシルオキシエステルおよびリン酸エステルといったエステルも、式(I)によって包含される。エステルの例としては、基−C(=O)ORを含む化合物が挙げられ、ここで、Rは、エステル置換基、たとえば、C1−7アルキル基、C3−12ヘテロシクリル基またはC5−12アリール基、好ましくはC1−6アルキル基 である。エステル基の具体的な例には、−C(=O)OCH、−C(=O)OCHCH、−C(=O)OC(CHおよび−C(=O)OPhが挙げられるが、これらに限定されない。アシルオキシ(逆エステル(reverse ester))基は−OC(=O)Rで表され、ここで、Rはアシルオキシ置換基、たとえば、C1−6アルキル基、C3−12ヘテロシクリル基またはC5−12アリール基、好ましくはC1−6アルキル基である。アシルオキシ基の具体的な例には、−OC(=O)CH(アセトキシ)、−OC(=O)CHCH、−OC(=O)C(CH、−OC(=O)Phおよび−OC(=O)CHPhが挙げられるが、これらに限定されない。リン酸エステルの例には、リン酸から派生したものが挙げられる。
本発明の1つの実施形態では、式(I)には、その範囲内に、カルボン酸基またはヒドロキシル基を保有する式(I)の化合物のエステルが包含される。本発明の別の実施形態では、式(I)には、その範囲内に、カルボン酸基またはヒドロキシル基を保有する式(I)の化合物のエステルは包含されない。
溶媒和化合物および結晶形態
また、式(I)には、化合物の多形形態、および、水和物、アルコラートなどといった溶媒和化合物が包含される。
本発明の化合物は、たとえば水(すなわち水和物)または通常の有機溶媒と溶媒和化合物を形成し得る。本明細書で使用される「溶媒和化合物」という語句は、本発明の化合物の、1つ以上の溶媒分子との物理的な結合を意味する。この物理的な会合には、水素結合を包含する、異なる度合いのイオンおよび共有結合が含まれる。特定の例では、溶媒和化合物は、たとえば、1つ以上の溶媒分子が結晶質固形の結晶格子に組み込まれる時に、単離が可能である。「溶媒和化合物」という語句は、液相および単離可能溶媒和化合物の双方を包含することが意図される。適切な溶媒和化合物の非制限的な例としては、水、イソプロパノール、エタノール、メタノール、DMSO、酢酸エチル、酢酸またはエタノールアミンなどと組み合わせた本発明の化合物が挙げられる。本発明の化合物は溶液中にある際に、その生物学的効果を引き出してもよい。
溶媒和化合物は製薬化学では良く知られる。溶媒和化合物は、物質の調製のためのプロセス(たとえば、精製、物質の保存(たとえば、その安定性)に関して)およびその物質の扱いやすさに関して重要であり得、化学合成の単離または精製段階の部分としてしばしば形成される。当業者であれば、標準および長く用いられた技術を用いて、水和物または他の溶媒和化合物が、ある化合物を調製するのに使用された単離条件または精製条件によって、形成したのかどうかを決定できる。そのような技術の例として、熱重量分析(TGA)、示差走査熱量測定(DSC)、X線結晶構造解析(たとえば、単結晶X線結晶構造解析またはX線粉末回析)および固相NMR(SS−NMR、マジックアングルスピニングNMRまたはMAS−NMR)が挙げられる。そのような技術は、NMR、IR、HPLCおよびMSと同じくらい、当業化学者の標準的な分析ツールキットの一部である。
代替的に、当業者であれば、特定の溶媒和化合物のために必要な量の溶媒を包含する結晶化条件を用いて溶媒和化合物を計画的に形成し得る。その後に、上記の標準的な方法を用いて、溶媒和化合物が形成したかどうかを確立し得る。
さらに、本発明の化合物は1つ以上の多形またはアモルファス結晶形態を有し得、そのようなものも本発明の範囲内に包含されることが意図される。
複合体
式(I)は、その範囲内に、化合物の複合体(たとえば、封入複合体またはシクロデキストリンといった化合物との包接体、または金属錯体)を包含する。封入複合体、包接体および金属錯体は、当業者には良く知られる方法で形成され得る。
プロドラッグ
式(I)にはさらに、式(I)の化合物のあらゆるプロドラッグが包含される。「プロドラッグ」とは、たとえば、インビボで生物学的に活性な式(I)の化合物に転化するあらゆる化合物を意味する。
たとえば、いくつかのプロドラッグは、活性化合物のエステル(たとえば、生理学的に許容できる代謝的に不安定なエステル)である。代謝の間、エステル基(−C(=O)OR)は切断され、活性薬剤をもたらす。そのようなエステルは、適切な場合には親化合物に存在するいずれかの他の反応基の事前保護、次いで、必要に応じて脱保護を伴って、たとえば、親化合物のいずれかのカルボン酸基(−C(=O)OH)のエステル化によって形成され得る。
そのような代謝的に不安定なエステルの例には、式−C(=O)ORのものが包含され、ここで、Rは:
1−7アルキル(たとえば、−Me、−Et、−nPr、−iPr、−nBu、−sBu、−iBu、−tBu);
1−7アミノアルキル(たとえば、アミノエチル;2−(N,N−ジエチルアミノ)エチル;2−(4−モルホリノ)エチル);ならびに、
アシルオキシ−C1−7アルキル(たとえば、アシルオキシメチル;アシルオキシエチル;ピバロイルオキシメチル;アセトキシメチル;1−アセトキシエチル;1−(1−メトキシ−1−メチル)エチル−カルボンキシオキシエチル(carbonxyloxyethyl);1−イソプロポキシ−カルボニルオキシエチル;シクロヘキシル−カルボニルオキシメチル;1−シクロヘキシル−カルボニルオキシエチル;シクロヘキシルオキシ−カルボニルオキシメチル;1−シクロヘキシルオキシ−カルボニルオキシエチル;(4−テトラヒドロピラニルオキシ)カルボニルオキシメチル;1−(4−テトラヒドロピラニルオキシ)カルボニルオキシエチル;(4−テトラヒドロピラニル)カルボニルオキシメチル;および1−(4−テトラヒドロピラニル)カルボニルオキシエチル)である。
また、いくつかのプロドラッグは酵素的に活性化され、活性化合物、または、さらなる化学反応の際に活性化合物(たとえば、抗原指示性酵素プロドラッグ療法(ADEPT)、遺伝子指示性酵素プロドラッグ療法(GDEPT)、および、リガンド指示性酵素プロドラッグ療法(LIDEPT)などにおいて)をもたらす化合物をもたらす。たとえば、プロドラッグは糖誘導体または他のグリコシド抱合体であり得、または、アミノ酸エステル誘導体であり得る。1つの実施形態では、式(I)はその範囲内に式(I)の化合物のプロドラッグを包含しない。
本発明の化合物の利点
式(I)の化合物は、先行技術の化合物に対して複数の利点を有し得る。
本発明の化合物は、次の観点のうち1つ以上で具体的な利点を有し得る:
(i)IKr(hERG)心臓イオンチャンネルに対する優れた選択性;
(ii)優れた代謝安定性;
(iii)優れた経口バイオアベイラビリティー;および
(iv)優れたインビボ効能。
IKr(hERG)心臓イオンチャンネルに対する優れた選択性。
1990年代後半、米国FDAに承認された複数の薬剤が、心機能不全によって引き起こされる死に関わりと発見された際に、米国での販売から撤退しなくてはいけなかった。引き続き、これら薬剤の副作用が、心臓細胞のhERGチャンネルの遮断によって引き起こされる不整脈の発生であったことが分かった。hERGチャンネルは、カリウムイオンチャンネルのファミリーの1つであり、その第1のメンバーは、1980年代後半に変異体ドロソフィラ・メラノガスター(Drosophila melanogaster)ショウジョウバエ(Jan,L.Y.およびJan,Y.N.(1990).A Superfamily of Ion Channels.Nature、345(6277):672を参照)で識別された。hERGカリウムイオンチャンネルの生物物理学的な特性は、Sanguinetti,M.C.、Jiang,C.、Curran,M.E.およびKeating,M.T.(1995).A Mechanistic Link Between an Inherited and an Acquired Cardiac Arrhythmia:HERG encodes the Ikr potassium channel. Cell、81:299−307、ならびに、Trudeau,M.C.、Warmke,J.W.、Ganetzky,B.およびRobertson,G.A.(1995).HERG,a Human Inward Rectifier in the Voltage−Gated Potassium Channel Family.Science、269:92−95で説明される。したがって、hERG遮断活性の除去は、あらゆる新しい薬剤の開発において依然と重要な考慮点である。
式(I)の化合物の多くは、低下したhERG活性および/またはIAP活性とhERG活性との間の良好な分離(より大きい「治療濃度域」)を有することが分かっている。hERG活性の測定の方法の1つに、パッチクランプ電気生理学的方法がある。機能的なhERG活性の測定の代替方法には、hERG結合アッセイが包含され、hERG結合アッセイは、hERGチャンネルを安定して発現する細胞から単離した市販の膜またはhERGチャンネルを発現する市販の細胞系統を用い得る。
式(I)の化合物の多くは、向上した心臓安全性指標(Cardiac Safety Index)(CSI)[CSI=hERG IC50/Cmax(非有界)](Shultzら、J.Med.Chem.、2011;Redfernら、Cardiovasc.Res.、2003)を有する。これは、hERG IC50の増加または効能のために必要なCmaxの低下のためであり得る(より良好なIAP効力および/またはPKのため)。
好ましい式(I)の化合物は、低下したhERGイオンチャンネル遮断活性を有する。好ましい式(I)の化合物は、hERGに対して、細胞増殖アッセイでの化合物のIC50値よりも30倍超、または40倍超、または50倍超でより大きい平均IC50値を有する。好ましい式(I)の化合物は、hERGに対して、5μM超、より具体的には10μM超、およびより好ましくは15μM超でより大きい平均IC50値を有する。本発明のいくつかの化合物は、hERGに対して、30μMを超える平均IC50値有し、または、1、3、10または30μMの濃度でそのようなIC50値を代表する%阻害を示す。本発明の化合物のいくつかは、最小推奨値よりも高い(30倍)平均CSIを有する。
優れた代謝安定性
式(I)の化合物は、たとえば、より良好な代謝安定性(たとえば、マウスの肝臓ミクロソームで決定される通り)、より良好なP450プロフィールおよび/または有益なクリアランス(たとえば、低クリアランス)といった、有利なADMET特性を有し得る。これらの特徴は、適切な活性温部位に到達してその治療効果を引き出す、体循環で利用可能な薬剤をさらに有する利点を提供し得る。腫瘍の薬理作用を引き出すための増加した薬剤濃度は、向上した効能につながり、それによって投与する用量の低下を可能にする。こうして、式(I)の化合物は、低下した投与必要量を示し、より簡単に製剤化および投与されすはずである。
式(I)の化合物の多くは、それらがP450酵素に対して異なる感受性を有するという点で好都合である。たとえば、好ましい式(I)の化合物は、チトクロームP450酵素1A2、2C9、2C19、3A4および2D6(特に3A4)のそれぞれに対して10μMより大きいIC50値を有する。さらに、好ましくは化合物はP450阻害剤ではなく、P450のための基質でもない(すなわち、P450によってターンオーバーされない)。
優れた経口バイオアベイラビリティ
潜在的に、本発明の化合物は、経口暴露(経口暴露またはAUC)に適した生理化学的な特性を有する。特に、式(I)の化合物は、向上した経口バイオアベイラビリティを示し得る。経口バイオアベイラビリティは、経口経路で投与される際の、化合物のプラズマ暴露と、静脈内(i.v.)経路で投与される際の、化合物のプラズマ暴露との割合(F)として定義され得、パーセンテージで表される。
30%、より好ましくは40%を超える経口バイオアベイラビリティ(F値)を有する化合物は、それらが非経口投与ではなく経口投与、または、経口投与ならびに非経口投与され得る点で、特に有益である。
優れたインビボ効能
XIAPおよび/またはcIAPに対する増加した効力の結果、本発明の化合物は、がん細胞系統およびインビボモデルで増加したインビボ効能を有し得る。
式(I)の化合物の調製のための方法
このセクションでは、特に別で明記されない限り、本明細書の他の全セクションのように、式(I)に対する言及には、本明細書で記載されるその他の下位群および例も全て包含される。
式(I)の化合物は、当業者にはよく知られる合成方法に従って調製され得る。
本発明のさらなる形態に従って、すでに定義された式(I)の化合物を調製するためのプロセスが提供され、このプロセスは:
(a)(i)式(II):
Figure 0006324976
の化合物であって、
ここでR、XおよびYは式(I)の化合物に関してすでに定義された通りであり、Lはハロゲン原子(たとえば、塩素)といった適切な脱離基であり、Pは水素またはtert−ブチルオキサカルボニル(tBoc)といった保護基である式(II)の化合物を、式RHの化合物またはその保護されていてもよい誘導体で反応させること、次いで、続いて適切な脱保護反応を行ってP保護基および他のいずれかの保護基を必要に応じで取り除くこと;もしくは、
(ii)式(III):
Figure 0006324976
の化合物であって、ここで、X、YおよびRは式(I)の化合物に関してすでに定義された通りであり、Lはハロゲン(たとえば、塩素)といった適切な脱離基である、式(III)の化合物を、式(IV):
Figure 0006324976
の化合物またはその保護されていてもよい誘導体と反応させること;ここで、Rは式(I)の化合物に関してすでに定義された通りであり、Pは水素またはtert−ブチルオキサカルボニル(tBoc)基といった適切な保護基であり、続いてP保護基および他のいずれかの保護基を必要に応じで取り除くのに適切な脱保護反応を行うこと;ならびに/または、
(b)式(I)の化合物の保護誘導体の脱保護;ならびに/または
(c)式(I)の化合物またはその保護誘導体の、さらなる式(I)の化合物またはその保護誘導体への相互変換;ならびに、
(d)式(I)の化合物の薬剤的に許容される塩の任意形成
を包含する。
プロセス(a)(i)は通常、式(II)の化合物を式RHの化合物と反応させることを含み、これは、アセトニトリルといった適切な溶媒中の、ヨウ化カリウムといった適切な添加剤および炭酸カリウムといった適切な塩基の存在下でもよい。そのようなプロセスは、環境温度またはたとえば70℃といった高温で実行され得る。
プロセス(a)(ii)は通常、式(III)の化合物を式(IV)の化合物と反応させることを含み、これは、アセトニトリルといった適切な溶媒中の、ヨウ化カリウムといった適切な添加剤および炭酸カリウムといった適切な塩基の存在下でもよい。
プロセス(b)は通常、いずれかの適切な脱保護反応を含み得、その条件は保護基の性質による。保護基がtBocである場合、そのような脱保護反応は一般的に適切な溶媒中での適切な酸の使用を含む。たとえば、酸は適切にトリフルオロ酢酸または塩化水素を含み得、溶媒は適切にジクロロメタン酢酸エチル、1,4−ジオキサン、メタノールまたは水を含み得る。たとえば、水性メタノールまたは酢酸エチル/1,4−ジオキサンといった、溶媒の混合物を使用してもよい。
プロセス(b)は、式(I)の化合物の調製、方法1および2で説明される手順に従って実行され得る。
保護基がtBocである場合、上記の通り適切な酸を使用した脱保護は、直接単離され得る薬剤的に許容される塩として本発明の化合物を生産し得る。代替的には、式(I)の化合物は、当該技術分野で知られる方法を用いて、およびその後任意でプロセス(d)に従った薬剤的に許容される塩へ転化して、遊離塩基として単離され得る。
プロセス(c)は通常、当業者に公知である相互転化手順を含む。たとえば、式(I)の化合物では、第1の置換基が、当業者に公知の方法で第2の代替置換基に転化され得る。前駆化合物を式Iの化合物に転化するための、幅広い範囲の公知の官能基の相互転化が当業者には知られ、Advanced Organic Chemistry、著者Jerry March、第4版、ジョンワイリー&サンズ社、1992で説明される。たとえば、有機スズ試薬(スティル反応)、グリニャール試薬および水素求核剤との反応を用いるといった、可能な金属触媒官能基化が「Palladium Reagents and Catalysts」(Jiro Tsuji、ワイリー社、ISBN 0−470−85032−9)およびHandbook of OrganoPalladium Chemistry for Organic Synthesis(第1巻、編者Ei−ichi Negishi、ワイリー社、ISBN 0−471−31506−0)で説明される。
プロセス(d)は、遊離塩基形態である式(I)の化合物を化学量論的な量または過剰な量の薬剤的に許容される有機または無機酸と一緒に適切な溶媒に溶解し、次いで、当該技術分野で知られる方法、たとえば溶媒の蒸発または結晶化によって得られた塩を単離する、遊離塩基形態である式(I)の化合物の処理によって実行され得る。
適切な場合、プロセス(a)、(b)および(c)で説明された反応は、当業者には公知の1つ以上の反応が続き、または、当業者には公知の1つ以上の反応が先行し、上記で定義したRおよびR上の必要な置換を達成するのに適切な順番で実施され、式(I)の他の化合物を得る。その条件が文献に記載されるそのような反応の非制限的な例としては:
反応官能基の保護
反応官能基の脱保護
ハロゲン化
脱ハロゲン化
脱アルキル化
アミン、アニリン、アルコールおよびフェノールのアルキル化およびアリール化
ヒドロキシル基の光延反応
適切な基の環化付加反応
ニトロ、エステル、シアノ、アルデヒドの還元
遷移金属触媒カップリング反応
アシル化
スルホニル化/スルホニル基の導入
けん化/エステル基の加水分解
エステル基のアミド化またはエステル交換
カルボキシル基のエステル化またはアミド化
ハロゲン交換
アミン、チオールまたはアルコールとの求核性置換
還元的アミノ化
カルボニルおよびヒドロキシルアミン基でのオキシム形成
S−酸化
N−酸化
塩化が挙げられる。
式(II)の化合物は、式(III)の化合物から、次のスキーム1:
スキーム1
Figure 0006324976
に従って調製され得、ここで、X、Y、R、L、LおよびPは上文で定義された通りである。
スキーム1の工程(i)は通常、式(III)および(V)の化合物を反応させることを含み、アセトニトリルといった適切な溶媒中のヨウ化カリウムといった適切な添加剤および炭酸カリウムといった適切な塩基の存在下であってもよい。そのような反応の例が、本明細書の調製18で示される。
が塩素である場合、スキーム1の工程(ii)は通常、トリエチルアミンの存在下で、式(VI)の化合物を、ヒドロキシル基を良好な離脱基、たとえばメチルスルホニルクロリドに転化することができる試薬と反応させることを含む。そのような反応の例が、本明細書の調製19で示される。
式(III)の化合物は次のスキーム2:
スキーム2
Figure 0006324976
に従って調製され得、ここで、X、YおよびRは式(III)の化合物に関して上文で定義した通りであり、LおよびLは、ハロゲン原子といった適切な離脱基であり、ここで、LおよびLは、微分反応度を有するように選択され(たとえば、Lは臭素であり、Lはヨウ素である)、Pは、tert−ブチルオキサカルボニル(tBoc)基といった適切な保護基である。
が臭素であり、Lがヨウ素である場合、スキーム2の工程(i)は通常、式(VII)の化合物を、N−ヨードスクシンイミドといったヨウ素化剤で反応させることを含む。そのような反応の例を、本明細書の調製11に示す。
スキーム2の工程(ii)は通常、tert−ブトキシドカリウムといった塩基の存在下で、式(VIII)の化合物を3−ブロモ−2−メチルプロプ−1−エンと反応させることを含む。そのような反応の例が本明細書の調製12で示される。
スキーム2の工程(iii)は通常、適切な溶媒系中の塩基の存在下での、パラジウム塩といった遷移金属触媒を用いた、式(IX)の化合物の結晶化を含む。そのようなプロセスのために適切な条件は、テトラブチルアンモニウムクロリド、ギ酸ナトリウム、酢酸パラジウム、トリエチルアミン、水およびジメチルスルホキシドの使用を含み得る。そのような反応の例が本明細書の調製13に示される。
がtBocである場合、スキーム2の工程(iv)は、tert−ブトキシドカリウムといった塩基の存在下で、式(X)の化合物をTHFといった適切な溶媒中のジ−tert−ブチルジカルボネートと反応させることを含む。そのような反応の例が、本明細書の調製14に示される。
スキーム2の工程(v)は通常、式(XI)の化合物を式R−Mの化合物で反応させることを含み、ここで、Rは上文で定義された通りであり、Mは、R−Mが有機亜鉛ハロゲン化物といった求核性有機金属試薬であるように、有機金属種の残基である。そのような反応の例が本明細書の調製15で示される。または、Lが臭素といったハロゲンである場合、化合物(XI)は、理想的には低温でTHFといった不活性溶媒中で、ブチルリチウムといった適切な有機金属試薬を用いてメタレート化され得、得られたアニオンを適切な求電子剤、たとえばN−メトキシ−N−メチルプロピオンアミドといったワインレブアミドまたは4−フルオロベンズアルデヒドといったアルデヒドでクエンチし、次いで、次に続く官能基相互転化を行って式(XII)の化合物を得る。
スキーム2の工程(vi)は通常、式(XII)の化合物の脱保護反応を含む。たとえば、PがtBocである場合、工程(vi)は通常、塩酸での処理を含む。そのような反応の例が本明細書の調製16で示される。
が塩素といったハロゲンである場合、スキーム2の工程(vii)は通常、アセトニトリルの存在下で、クロロアセチルクロリドといったハロアセチルハロゲン化物と式(XIII)の化合物を反応させることを含む。そのような反応の例が本明細書の調製17で示される。
化合物(XII)および/または(XIII)では、官能基相互転化を実行してもよく、たとえば、基Rを修飾してもよい。そのような形質転換の例は、調製21〜23で示される。
上文で定義された式(IV)の化合物またはその保護された誘導体は、式(XIV)
Figure 0006324976
の化合物から調製され得、ここで、Pは、本明細書ですでに定義される通りであり、Pは、保護基、たとえばベンジルであり、Lは、ハロゲンといった脱離基(たとえば、クロロ);ならびに、式RHの化合物またはその保護誘導体である。そのようなプロセスは、上記プロセス(a)(i)に関して記載されるのと類似した方法で実行され得る。
または、式(IV)の化合物またはその保護された誘導体は、たとえばRがC結合基、特にC結合ピラゾリルである、式(XV)
Figure 0006324976
の化合物の結晶化によって調製され得;ここで、Rは本明細書ですでに定義される通りであり、PおよびPは独立して、水素または適切な保護基であり、たとえば、PはtBocまたはCbzであり得、Pは、C1−4アルキル基であり得;得られたジケトピペラジンの還元および保護が続いて、基Pを導入する。そのようなプロセスの結晶化工程は、アミド結合形成に関する分野で良く知られる方法を用いて実行され得る。特定の環境では、結晶化は、保護基PまたはPの除去の際に、同時に進行し得る。還元工程は、THFといった適切な溶媒中のボランといった適切な還元剤を用いて実行され得、基Pを導入する再保護は、当該技術分野では良く知られる方法を用いてもたらされ得る。
式(XV)の特定の化合物は、文献では公知であり、および/または、アミド結合形成に関して良く知られる方法、たとえば、下記調製28に記載されるものに類似した手順を用いて、2つの適切に保護されたアミノ酸誘導体の結合によって調製され得る。RがC結合ピラゾリルである、化合物(IV)および(XV)の調製のための適切な順番は、25および32を含めた下記の調製25〜32に示される。
XおよびYが双方とも独立してCHおよびCRである式(X)または(XIII)の化合物は、式(XVI)
Figure 0006324976
の化合物の反応によって調製され得、ここで、LおよびRは上文で定義された通りであり、式MeCHCHOの化合物と一緒に、ヒドラゾンを形成し、次いで、その次の環化によって所望する置換インドリンを形成する。そのようなプロセスは通常、酸性条件を用いて達成され、たとえば、酢酸を溶媒として用いる、または、トルエンといった不活性溶媒中で適切な酸を用いることである。XおよびYの特定の組み合わせに関しては、この一連の流れは、位置異性体の混合物の生産につながるということ、および、これらの分離が当業者には公知の標準的な方法、たとえばカラムクロマトグラフィーで実行され得るということが、理解されるであろう。たとえば、クロロアセチルクロリドまたはたとえばtBoc保護基を用いるN−保護を利用した、このプロセスから生じる生成物のN−アシル化によってそのような分離は助長され得、その後に、たとえばtBoc保護化合物に関してはHClといった適切な酸での処理といった、式(XIII)の化合物を標準的な条件を用いた脱保護によって再度生産してもよい。
または、XがNであり、YがCHである上文で定義された式(X)の化合物は、次のスキーム3:
スキーム3
Figure 0006324976
に従って調製され得、ここで、LおよびLは上文で定義された通りであり、Lはフッ素といった適切な離脱基である。工程(i)は、テトラヒドロフランといった適切な溶媒中のビス(トリメチルシリル)アミドといった適切な塩基の存在下でのイソブチロニトリルとの反応によって実施され得る。工程(ii)は、テトラヒドロフランといった適合性のある溶媒中でボランといった適切な還元剤を用いてもたらされ得る。工程(iii)に従う結晶化は、1−メチル−2−ピロリジノンといった適切な高沸点溶媒中の炭酸カリウムといった適切な塩基の存在下で、高温で実施され得る。
または、式(I)の化合物を、式(XVII):
Figure 0006324976
の化合物または保護されていてもよいその誘導体を、上文で定義した式(XIII)の化合物と反応させ、続いて保護基Pおよびいずれかの他の保護基を取り除くのに適切な脱保護反応によって合成し得、ここで、式(VII)中、RおよびPは、式(I)の化合物に関して上文で定義された通りであり、Pはtert−ブチルオキサカルボニル(tBoc)基といった適切な保護基である。
この反応は通常、適切な塩基および式(XVII)の化合物に存在するカルボン酸基を活性することができる試薬の存在下で、適切な溶媒中および適切な温度、たとえば環境温度で、式(XVII)の化合物を式(XIII)の化合物で反応させることを含む。適切な溶媒は、使用される試薬に対して不活性であるべきであり、たとえば、ジクロロメタンである。適切な塩基の例としては、トリエチルアミンおよびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)である。適切な活性化剤は、ブロモ−トリス−ピロリジノ−ホスホニウムヘキソフルオロホスフェート(PyBrop)、O−ベンゾトリアゾール−N,N,N’,N’−テトラメチル−ウロニウム−ヘキサフルオロ−ホスフェート(HBTU)、1,1’−カルボニルジイミダゾール、1−エチル−3−(3’−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミドヒドロクロリド(EDC)および2−(7−アザ−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート)(HATU)である。このプロセスは、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)または1−ヒドロキシアザベンゾトリアゾール(HOAt)といった、適切な同時活性化剤が触媒量または化学量論的量で存在する中で、実施されてもよい。
式(XVII)の化合物または保護されていてもよいその誘導体は、上文で定義される式(IV)の化合物または保護されていてもよいその誘導体から、当該技術分野でよく知られる方法で調製され得、たとえば、アセトニトリルといった適切な溶媒中の炭酸カリウムといった適切な塩基の存在下でベンジルブロモ酢酸といったモノハロ酢酸のエステルとの反応;および、それに続くエステル加水分解(またはベンジルエステルの場合は水素化分解でもよい)によってである。
特定の化合物、たとえば式(I)、(II)、(IV)、(V)、(VI)、(XIV)、(XV)および(XVII)の化合物は、異なるジアステレオ異性および/または鏡像異性形態で存在し得、これらの調製のためのプロセスは、鏡像異性的に純粋な合成前駆体を使用し得ることが理解されるであろう。または、ラセミ体前駆体を用い得、これらのプロセスで作製したジアステレオ異性体の混合物を当業者にはよく知られる方法で分離し得、たとえば、非キラルまたはキラル分取クロマトグラフィーまたはジアステレオマー誘導体を用いた分割の使用;たとえばL−酒石酸といった鏡像異性的に純粋な酸で形成した塩の結晶化;または、化合物上に鏡像異性的に純粋なキラル補助基を共有結合することで形成されるジアステレオマー誘導体の鏡像異性体分離、続いてキラルクロマトグラフィーといった従来の方法を用いた分離である。前述の共有結合を次いで切断し、適切な鏡像異性的に純粋な生成物を作製する。
必要とされる中間体、たとえば式(V)、(VII)、(XVIII)およびR−Mの化合物は、市販されているか、文献で知られるか、文献に記載されるものに類似した方法で調製されるか、または、以下の実施例の実験手順で説明されるものに類似した方法で調製されるかのいずれかである。
さらなる実施形態では、本発明は、新規の中間体を提供する。1つの実施形態では、本発明は式(II)または(IV)または(V)または(VII)または(XVI)または(XVII)の新規の中間体を提供する。
保護基
上記の反応の多くでは、1つ以上の基を保護して、分子上の所望されない位置で反応が生じるのを防ぐ必要があり得る。保護基の例ならびに官能基を保護および脱保護する方法は、Protective Groups in Organic Synthesis(T.Green and P.Wuts;第3版、ジョンワイリー&サンズ社、1999)に見られる。
特に、基RおよびRは、保護形態で合成され得、保護基を取り除いて式(I)の化合物を作製し得る。
ヒドロキシ基を、たとえば、エーテル(−OR)またはエステル(−OC(=O)R)として、たとえば:t−ブチルエーテル;テトラヒドロピラニル(THP)エーテル;ベンジル、ベンズヒドリル(ジフェニルメチル)、または、トリチル(トリフェニルメチル)エーテル;トリメチルシリルまたはt−ブチルジメチルシリルエーテル;または、アセチルエステル(−OC(=O)CH)として保護し得る。
アルデヒドまたはケトン基をたとえばアセタール(R−CH(OR))またはケタール(RC(OR))としてそれぞれ保護し得、ここで、カルボニル基(>C=O)は、たとえば一級アルコールで処理される。アルデヒドまたはケトン基は、酸の存在下で多大な過剰量の水を用いた加水分解によって容易に作製される。
アミン基をたとえば、アミド(−NRCO−R)またはカルバメート(−NRCO−OR)、たとえば:メチルアミド(−NHCO−CH);ベンジルカルバメート(−NHCO−OCH、−NH−CbzまたはNH−Z);t−ブチルカルバメート(−NHCO−OC(CH、−NH−Boc);2−ビフェニル−2−プロピルカルバメート(−NHCO−OC(CH、−NH−Bpoc)、9−フルオレニルメチルカルバメート(−NH−Fmoc)、6−ニトロベラトリルカルバメート(−NH−Nvoc)、2−トリメチルシリルエチルカルバメート(−NH−Teoc)、2,2,2−トリクロロエチルカルバメート(−NH−Troc)、アリルカルバメート(−NH−Alloc)または2(−フェニルスルホニル)エチルカルバメート(−NH−Psec)として保護し得る。
たとえば、式IIの化合物にはアミノ基が含まれ、アミノ基は上文で定義される保護基を用いて保護することができ、好ましい基の1つはtert−ブチルオキシカルボニル(Boc)基であり、一方で、付加的な官能基化が導入される。それに続くアミノ基の修飾が一切必要でない場合、保護基は反応順序を通して、式(I)の化合物のN−保護形態を得ることができ、これを次いで、標準的な方法(たとえば、Boc基の場合は酸との処理)で脱保護し、式(I)の化合物を得ることができる。
環式アミンおよび複素環式N−H基といったアミンのための他の保護基として、トルエンスルホニル(トシル)およびメタンスルホニル(メシル)基、パラ−メトキシベンジル(PMB)基といったベンジル基およびテトラヒドロピラニル(THP)基が挙げられる。
カルボン酸基は、エステルとして保護され得、たとえば:C1−7アルキルエステル(たとえば、メチルエステル;t−ブチルエステル);C1−7ハロアルキルエステル(たとえば、C1−7トリハロアルキルエステル);トリC1−7アルキルシリル−C1−7アルキルエステル;または、C5−20アリール−C1−7アルキルエステル(たとえば、ベンジルエステル;ニトロベンジルエステル;パラ−メトキシベンジルエステルとしてである。チオール基は、たとえばチオエーテル(−SR)、たとえば:ベンジルチオエーテル;アセトアミドメチルエーテル(−S−CHNHC(=O)CH)として保護され得る。
本発明の化合物の単離および精製
本発明の化合物を、当業者にはよく知られる標準的な技術に従って単離および精製し得、そのような方法の例として、カラムクロマトグラフィー(たとえば、フラッシュクロマトグラフィー)およびHPLCといったクロマトグラフィー技術が挙げられる。化合物を精製するにあたって特に有用な技術の1つに、クロマトグラフィーのカラムから生じる精製化合物を検知する手段として質量分析を用いた分取液体クロマトグラフィーがある。
分取LC−MSは本明細書に記載される化合物のような小さな有機分子の精製のために用いされる標準的で効果的な方法である。液体クロマトグラフィー(LC)および質量分析(MS)のための方法は、粗物質のより良好な分離およびMSによる試料の検知の向上を提供するために、様々であり得る。分取勾配LC方法の最適化には、様々なカラム、揮発性溶離液および修飾剤ならびに勾配が関わる。分取LC−MS方法を最適化し、次いでそれを用いて化合物を精製するための方法は当該技術分野では良く知られる。そのような方法は、Rosentreter U、Huber U.;Optimal fraction collecting in preparative LC/MS;J Comb Chem.;2004;6(2)、159−64およびLeister W、Strauss K、Wisnoski D、Zhao Z、Lindsley C.、Development of a custom high−throughput preparative liquid chromatography/mass spectrometer platform for the preparative purification and analytical analysis of compound libraries;J Comb Chem.;2003;5(3);322−9で説明される。分取LC−MSを介して化合物を精製するためのそのようなシステムの一例が、本明細書の以下の実施例のセクションで説明される(「質量標的精製LC−MSシステム」という見出しで)。
式(I)の化合物およびその塩の再結晶化の方法は、当業者にはよく知られる方法で実施され、たとえば、(P.Heinrich Stahl(編者)、Camille G.Wermuth(編者)、ISBN:3−90639−026−8、Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties,Selection,and Use、第8章、出版社ワイリー−VCH社)を参照されたい。有機反応から得られる生成物は、反応混合物から直接単離される場合、ほとんど純粋ではない。化合物(またはその塩)が固形である場合、適切な溶媒からの再結晶化によって精製および/または結晶化され得る。良好な再結晶化溶媒は、高温では精製される物質を中程度の量で溶解するが、より低い温度ではその物質を少量でしか溶解しないべきである。良好な再結晶化溶媒は、低温では不純物を容易に溶解するか、一切しないかであるべきである。そして、溶媒は、精製生成物から簡単に取り除かれるべきである。これは通常、溶媒が比較的低い沸点を有することを意味し、当業者であれば、特定の物質のための再結晶化溶媒を知っており、または、その情報が入手可能でない際は複数の溶媒を試験するであろう。精製材料の良好な収率を得るため、全ての不純材料を溶解するための最小限の量の熱い溶媒を用いる。実際には、溶媒が飽和状態でないように必要よりも3〜5%多い溶媒を用いる。不純化合物が溶媒に不溶性である不純物を含む場合、ろ過および次いで溶液を結晶化させることで、不純化合物を取り除き得る。さらに、不純化合物が化合物由来ではない有色材料を微量で含む場合、少量の脱色剤、たとえば炭を熱い溶液で活性化し、ろ過し、次いで結晶化させることで、取り除き得る。通常、結晶化は溶液の冷却の際に同時に生じる。そうでない場合、結晶化は、溶液を室温以下に冷やすこと、または、純粋な材料(シード結晶)の単結晶を加えることで、誘導され得る。再結晶化も実行され得、および/または、その収率は、逆溶剤または共溶媒の使用で最適化され得る。この場合、化合物を高温で適切な溶媒に溶解し、ろ過し、次いで必要となる化合物が低溶解性を有する溶媒をさらに加えて結晶化を助長する。通常、次いで結晶を真空ろ過を用いて単離し、洗浄し、次いで、たとえばオーブン内でまたは脱水を介して乾燥する。
精製の方法の他の例としては、昇華が挙げられ、これは、たとえばコールドフィンガーを用いた真空下での加熱工程、および、融解物からの結晶化が挙げられる(Crystallization Technology Handbook 第2版、編者A.Mersmann、2001)。
生物学的効果
本発明の化合物、その下位群および例は、アポトーシス阻害タンパク質(IAP)のアンタゴニストであり、これは、本明細書に記載される疾患状態または症状を防止または処置するのに有用であり得る。さらに、本発明の化合物およびその下位群は、IAPが媒介する疾患または症状を防止または処置するのに有用であろう。がんといった疾患状態または症状の防止もしくは予防または処置への言及には、その範囲内に、がんの発生率を緩和または軽減することが包含される。
したがって、たとえば、本発明の化合物はがんの発生率を緩和または軽減するのに有用であることが認識される。
本発明の化合物は、成体群の処置のために有用であり得る。本発明の化合物は、小児(幼体?)群の処置に有用であり得る。
さらに具体的には、式(I)の化合物およびその下位群は、IAPのアンタゴニストである。たとえば、本発明の化合物は、XIAP、cIAP1および/またはcIAP2に対して親和性を有し、特に、XIAPおよびcIAP1から選択されるIAPに対して親和性を有する。
好ましい化合物は、XIAP、cIAP1およびcIAP2から選択される1つ以上のIAPに対する親和性を有する化合物である。本発明の好ましい化合物は、0.1μM未満のIC50値を有するものである。
式(I)のアンタゴニスト化合物は、IAPに結合し、IAPに関して効力を示すことができる。1つの実施形態では、式(I)のアンタゴニスト化合物は、他のIAPファミリーメンバーに対して、1つ以上のIAPへの選択性を示し、他のIAPファミリーメンバーに結合および/または親和性を示すよりも、XIAPおよび/またはcIAPに結合および/または親和性を示すことができ得る。
さらに、本発明の化合物の多くは、cIAPに比べてXIAPに対する選択性またはその逆、XIAPに比べてcIAPに対する選択性(特にcIAP1)を示し、そのような化合物は、本発明の実施形態の1つである。特に、本発明の化合物は、1つ以上のIAPファミリーメンバー、特にXIAP、cIAP1および/またはcIAP2に対して、他のIAPファミリーメンバーよりも少なくとも10倍大きい親和性を有し得る。これは、本明細書に記載される方法を用いて決定され得る。さらなる実施形態では、本発明の化合物は、XIAP、cIAP1および/またはcIAP2に対して同等の親和性、特に、XIAPおよびcIAP1に対して同等の親和性(すなわち、親和性において10倍未満の違い)を有し得る。
XIAPおよびcIAP1に対する活性は特に有益であり得る。等効力でXIAPおよびcIAP1を拮抗することは、カスパーゼ−8の活性化を介したアポトーシスの誘発、および、生存促進性NF−カッパBシグナル伝達からアポトーシスへの切り替えが可能であるはずであり;XIAPの強力な拮抗作用は、いずれかの固有な耐性メカニズムが上方制御されてそのプロセスを遮断する前に、アポトーシスが達成されることを確実にする。自己ユビキチン化およびプロテアソーム分解を介したcIAP1の枯渇の際に、感受性細胞系統でのTNF−アルファの発現の原因であるNF−カッパBシグナル伝達の一時的な上方制御が存在し、これはまた、cIAP2およびc−FLIPといった抗アポトーシス因子の上方制御の原因でもある。したがって、cIAP2媒介耐性を許容するよりも、エフェクターカスパーゼ活性化および細胞死を増強する強力なXIAP拮抗作用の必要がある。これらの化合物をインビボで投与する際に生じる有毒性は、NFカッパBシグナル伝達の一時的な誘導およびその結果としてのcIAP1/2拮抗作用のみに媒介される炎症促進性サイトカインの上方制御から生じると一般的に考えられている。したがって、二重効力は用量制限毒性に直面する前に治療濃度域が達成されることを可能にするはずである。
プログラム細胞死を制御するIAP機能も多くの疾患に関連しており、細胞蓄積に関わる疾患(たとえば、がん、自己免疫障害、炎症および再狭窄)、過剰アポトーシスが細胞の損失につながる障害(たとえば、脳卒中、心不全、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症いった神経変性、AIDS、虚血(脳卒中、心筋梗塞)および骨粗鬆症)または多発性硬化症(MS)といった自己免疫障害を治療することが包含される。
したがって、炎症、肝炎、潰瘍性大腸炎、胃炎、自己免疫、炎症、再狭窄、脳卒中、心不全、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、筋強直性ジストロフィーおよび筋萎縮性側索硬化症といった神経変性症状、AIDS、外傷性脳損傷、脊髄損傷、脳虚血、脳虚血/再灌流(I/R)損傷、急性および慢性CNS損傷虚血、脳卒中または心筋梗塞といった虚血、骨粗鬆症といった筋骨格系の変性疾患、多発性硬化症(MS)およびI型糖尿病といった自己免疫疾患、ならびに、プログラム細胞死の制御消失に起因するおよび網膜変性症といった眼疾患といった他の症状を処置するのにも有用であり得ることも認識される。
IAPに対する親和性のために、化合物はプログラム細胞死を制御する方法を提供するのに有用であり得る。したがって、化合物はがんといった増殖性障害を処置または防止するのに有用であり得ることが予測される。さらに、本発明の化合物は、細胞蓄積に関連する障害があり、または、過剰アポトーシスが細胞損失につながる疾患の処置に有用であり得る。
処置され得る(または阻害され得る)がん(およびその対応する良性のもの)の例としては、膀胱および尿路、胸、胃腸管(食道、腹(胃)、小腸、結腸、直腸および肛門を含む)、肝臓(肝細胞癌)、胆嚢および胆道系、外分泌膵臓、腎臓、肺(たとえば腺癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、気管支肺胞上皮癌および中皮腫)、頭頸部(たとえば、舌、口腔、喉頭、咽頭、鼻咽腔、扁桃腺、唾液腺、鼻腔および副鼻腔の癌)、卵巣、ファロピーオ管、腹膜、膣、陰門、陰茎、頚部、子宮筋層、子宮内膜、甲状腺(たとえば甲状腺濾胞癌)、副腎、前立腺、皮膚および付属器(たとえばメラノーマ、基底細胞癌、扁平上皮癌、角化棘細胞腫、異形成母斑)の癌といった、上皮由来の腫瘍(腺癌、扁平上皮癌、移行細胞癌および他の癌を包含する様々な種類の腺腫および癌);血液系腫瘍およびリンパ系統の関連症状(たとえば急性リンパ性白血病[ALL]、慢性リンパ球性白血病[CLL]、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫[DLBCL]といったB細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、バーキットリンパ腫、マントル細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫および白血病、ナチュラルキラー[NK]細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、毛様細胞白血病、意義不明の単クローン性γグロブリン血症、プラズマ細胞腫、多発性骨髄腫および移植後リンパ増殖性障害)、ならびに、血液系腫瘍および骨髄系統の関連症状(たとえば、急性骨髄性白血病[AML]、慢性骨髄性白血病[CML]、慢性骨髄単球性白血病[CMML]、好酸球増加症候群、真性赤血球増加症、本態性血小板血症および原発性骨髄線維症といった骨髄増殖症候群、骨髄増殖症候群、骨髄異形成症候群および前骨髄性白血病)を含む、血液系腫瘍(すなわち白血病、リンパ腫)ならびに前がん状態血液疾患および境界悪性の障害;間充織由来の腫瘍、たとえば、骨肉腫、繊維肉腫、軟骨肉腫、横紋筋肉腫、平滑筋肉腫、脂肪肉腫、血管肉腫、カポジ肉腫、ユーイング肉腫、滑膜肉腫、類上皮肉腫、消化管間葉性腫瘍、良性および悪性組織球腫ならびに隆起性皮膚線維肉腫といった、軟繊維、骨または軟骨の肉腫;中枢または末梢神経系の腫瘍(たとえば、星状細胞腫、神経膠腫および膠芽腫、髄膜腫、脳室上衣腫、果体部腫瘍ならびにシュワン細胞腫);内分泌腺の腫瘍(たとえば、下垂体腫瘍、副腎腫瘍、膵島腫瘍、甲状腺傍腫瘍、カルチノイド腫瘍および甲状腺の髄様癌);視覚および付属器腫瘍(たとえば、網膜芽細胞腫);生殖細胞および栄養芽層腫瘍(たとえば、奇形腫、精上皮腫、未分化胚細胞腫、胞状奇胎および絨毛膜癌腫);ならびに、小児および胚芽腫(たとえば、髄芽細胞腫、神経芽細胞腫、ウィルムス腫瘍および原始神経外胚葉性腫瘍);または、患者が悪性腫瘍に影響を受けることになる、先天的またはそうではない症候群(色素性乾皮症)が挙げられるが、これらに限定されない。
細胞の成長は、綿密に制御される機能である。異常な細胞の成長の状態であるがんは、細胞が制御されていない方法で複製し(数が増える)、制御不能に成長し(大きくなる)、および/または、アポトーシス(プログラム細胞死)、壊死もしくはアノイキスによる細胞死の減少を経験する際に生じる。1つの実施形態では、異常な細胞の成長は、制御されていない細胞増殖、過剰な細胞成長またはプログラム細胞死の減少から選択される。特に、異常な細胞成長の症状または疾患は、がんである。このように、医薬組成物において、異常な細胞成長(すなわち、制御されていないおよび/または急速な細胞成長)を包含する疾患または症状を処置するための本発明の使用または方法であり、1つの実施形態における異常な細胞成長を包含する疾患または症状は、がんである。
1つの実施形態では、血液系腫瘍は白血病である。他の実施形態では、血液系腫瘍は、リンパ腫である。
多くの疾患は、持続性で制御されない血管新生を特徴とする。慢性の増殖性疾患はしばしば、深刻な血管新生を併発し、これは、炎症性および/または増殖性状態の一因となり得、もしくは、炎症性および/または増殖性状態を維持し得、または、これは、血管の侵略性増殖を通して組織の破壊につながる。腫瘍の成長および転移は、血管新生依存性であることが分かっている。本発明の化合物はしたがって、腫瘍血管新生の開始を防止および妨害するのに有用であり得る。特に、本発明の化合物は、転移および転移性がんの処置に有用であり得る。
転移または転移性疾患は、ある疾患が1つの器官または部分から他の非隣接器官または部分に転移することである。本発明の化合物に処置され得るがんには、原発腫瘍(すなわち、生じた部位におけるがん細胞)、局所湿潤(局所部位で周囲の正常な組織に浸透および湿潤するがん細胞)、および転移性(または続発性)腫瘍、すなわち血流を通して(血行性転移)またはリンパ管もしくは体腔を介して(体腔転移性)身体の他の部位および組織に循環した悪性細胞から生じた腫瘍が包含される。
具体的ながんとしては、肝細胞、メラノーマ、食道、腎臓、結腸、結腸直腸、肺、たとえば中皮腫もしくは肺腺癌、胸、膀胱、胃腸、卵巣および前立腺の癌が挙げられる。
具体的ながんには、腎臓、メラノーマ、結腸、肺、胸、卵巣および前立腺の癌が含まれる。1つの実施形態では、がんは、メラノーマ、結腸、胸および卵巣から選択される。1つの実施形態では、がんはメラノーマである。1つの実施形態では、がんは炎症性乳癌である。
本発明のさらなる態様には、非常に高い炎症性要素を伴うがんを保有するかいぐん分集団から選択される患者におけるがんの予防または処置における使用のための本発明の化合物が包含される。そのようながんはまた、「炎症性表現型」としても知られ、上昇したサイトカインのシグナル伝達(たとえばTNF)を伴う腫瘍が包含される。1つの実施形態では、がんは、たとえば、メラノーマ、結腸、胸および卵巣、特にメラノーマの炎症性腫瘍である。
1つの実施形態では、処置される疾患は、急性および慢性白血病、急性骨髄性白血病(AML)、および慢性リンパ性白血病(CLL)といった白血病である。1つの実施形態では、白血病は、難治性DLBCLである。
1つの実施形態では、がんは、悪性腹膜中皮腫または悪性胸膜中皮腫を包含する中皮腫である。
特定のがんは、特定の薬剤での処置に耐性を有する。これは、腫瘍の種類のためであり得(最も多い上皮悪性腫瘍は元来化学療法抵抗性である)、または、耐性は、疾患が進行するにつれて偶発的に、または処置の結果として生じ得る。この観点では、中皮腫への言及には、トポイソメラーゼ毒、アルキル化剤、抗チューブリン剤、葉酸代謝拮抗剤、白金化合物および放射線療法に対して耐性を有する中皮腫、特に、シスプラチン耐性中皮腫が包含される。同様に、複数の骨髄腫への参照には、ボルテゾミブ感受性の多発性骨髄腫または難治性の多発性骨髄腫が包含され、慢性骨髄性白血病への参照には、イミタニブ(imitanib)感受性の慢性骨髄性白血病および難治性慢性骨髄性白血病が包含される。
がんは、XIAP、cIAP1、cIAP2、NAIP、ILP2、ML−IAP、サバイビンおよびBRUCE、より好ましくはXIAP、cIAP1、cIAP2、ML−IAP、最も好ましくはXIAPから選択される1つ以上のいずれかのIAPの拮抗作用に対して感受性を有するがんであり得る。
本発明の化合物、および、特にIAP親和性を有する化合物が、上昇した量のIAPまたは11q22の増幅の存在に関連した、または上昇した量のIAPまたは11q22の増幅の存在を特徴とした種類のがん、たとえば、本明細書の導入セクションでこの文脈で参照されるがんの処置または防止において有用であることがさらに認識される。
IAPの過剰発現によるIAPの上昇した量は、多くのがんで発見され、悪い予後に関連する。さらに、11q22増幅を伴うがんはまた、IAPアンタゴニストにも感受性を有し得る。IAPの上昇した量および11q22の増幅は、本明細書で説明される技術によって識別され得る。特定のがんがIAP機能に感受性を有するものであるかどうかは、「診断の方法」という見出しのセクションで説明される方法によって決定され得る。
さらなる態様では、本明細書に記載される疾患または症状、特にがんの処置のための薬物の製造に関する化合物の使用が提供される。
化合物はまた、細胞を化学療法に対して感作することで、または、抗転移剤として、腫瘍の成長、病変形成、化学および放射線療法に対する耐性の処置に有用であり得る。
全ての種類の治療的抗がん介入は、必然的に標的腫瘍細胞に負荷するストレスを増大する。そのようなストレスの有害な効果の緩和において、IAPは、がんの薬剤および処置レジメンの効果への抵抗に直接関与する。こうして、IAPのアンタゴニストは:(i)悪性細胞を抗がん薬剤および/または処置に対して感作する;(ii)抗がん薬剤および/または処置に対する耐性の発生を緩和または低減させる;(iii)抗がん薬剤および/または処置に対する耐性を逆転させる;(iv)抗がん薬剤および/または処置の活性を増強する;(v)抗がん薬剤および/または処置に対する耐性の発生を遅らせるまたは阻止する可能性を有する化学療法剤の種類である。
化合物のIAPへの親和性の結果、化合物はプログラム細胞死を制御する方法を提供するのに有用であり得る。したがって、本発明の化合物は、肝炎、潰瘍性大腸炎および胃炎といった炎症性疾患;アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、筋強直性ジストロフィーおよび筋萎縮性側索硬化症といった神経変性症状;AIDS、再狭窄、外傷性脳損傷、脊髄損傷、脳虚血、脳虚血/再灌流(I/R)損傷、急性および慢性CNS損傷虚血、脳卒中または心筋梗塞といった虚血;骨粗鬆症といった筋骨格系の変性疾患;多発性硬化症(MS)およびI型糖尿病といった自己免疫疾患、および網膜変性症といった眼疾患といった他の症状の処置にも有用であり得る。
IAPのアンタゴニストとしての本発明の化合物の親和性は、本明細書の実施例に記載される生物学的および生物物理学的なアッセイを用いて測定され得、所与の化合物によって示される親和性のレベルは、IC50値の側面から定義される。本発明の好ましい化合物は、1μM未満、より好ましくは0.1μM未満のIC50値を有する化合物である。
1つの実施形態では、本発明はIAP(たとえば、XIAPおよび/またはcIAP、たとえばcIAP1)が媒介する疾患または症状の処置における使用のための化合物を提供する。さらなる実施形態では、本発明は、IAP(たとえば、XIAPおよび/またはcIAP、たとえばcIAP1)を過剰発現する疾患または症状の処置における使用のための化合物を提供する。
1つの実施形態では、本発明はIAPが媒介する疾患または症状の処置における使用のための化合物を提供し、ここで、化合物は、IAPに対する少なくとも1つのアッセイ(たとえば置換結合)で、50μM未満のIC50を有するIAPのアンタゴニストである。特に、IAPはXIAP、cIAP1および/またはcIAP2である。さらなる実施形態では、IAPが媒介する疾患または症状は、少なくとも1つのIAPの過剰発現および/または11q22の増幅を特徴とするがんである。
1つの実施形態では、本発明はIAPが媒介する疾患または症状の処置における使用のための化合物を提供し、ここで、化合物は、IAPに対するアッセイ(たとえば、置換結合)において少なくとも1つのIAPに対して10μM未満のIC50を有する。
さらなる態様では、IAPが媒介する疾患または症状の処置のための薬物の製造に関する化合物の使用が提供され、ここで、化合物はアッセイ(たとえば、置換結合)で少なくとも1つのIAPに対して50μM未満のIC50を有するIAPのアンタゴニストである。
診断の方法
式(I)の化合物の投与の前に、患者をスクリーンして、患者が患っているまたは患い得る疾患または症状が、IAPへの親和性を有する化合物での処置に感受性があるものであるかどうかを決定し得る。「患者」という用語にはヒトおよび獣医学の対象が包含される。
たとえば、患者から採取する生物学的試料を分析し、その患者が患っているまたは患い得るがんといった症状または疾患が、IAPの量の上方制御もしくは正常なIAP機能への経路の感作またはIAP活性化の下流の生化学経路の上方制御につながる遺伝子の異常または異常なタンパク質発現を特徴とするものであるかどうかを決定し得る。
IAPの活性化または感作につながるそのような異常の例としては、アポトーシス経路の損失もしくは阻害、受容体もしくはリガンドの上方制御、細胞遺伝学的異常もしくは受容体またはリガンドの変異体変異形の存在である。IAPの上方制御、特にIAPの過剰発現を伴う腫瘍は、IAPアンタゴニストに特に感受性を有し得る。たとえば、XIAPおよびcIAPの過剰発現は背景技術のセクションでの考察される様々な範囲のがんで識別される。
染色体11q22の増幅は、食道(Imotoら、2001)および頸部(Imotoら、2002)の扁平上皮癌由来の細胞系統および原発腫瘍、ならびに原発性肺癌/細胞系統(Daiら、2003)で検知された。免疫組織化学およびウェスタンブロット分析によって、cIAP1およびcIAP2は、両者ともこのまれな増幅が生じるがんで過剰発電されたため、この領域での潜在的ながん遺伝子として識別された。
上方制御という語句には、上昇した発現または過剰発現が包含され、遺伝子増幅(すなわち複数の遺伝子コピー)、細胞遺伝学的異常および転写効果による増加した発現が包含される。このように、患者は診断的試験を受けて、IAPの上方制御の特徴を示すマーカーを検知し得る。診断という語句には、スクリーニングも包含される。マーカーとは、たとえばIAPまたは11q22増幅の存在を識別するためのDNA組成の測定を包含する、遺伝子マーカーが包含される。マーカーという用語にはまた、タンパク質の量、タンパク質の状態および前述のタンパク質のmRNA量を包含する、IAPの上方制御の特徴を示すマーカーが包含される。
診断的検査およびスクリーンは通常、腫瘍生検試料、血液試料(脱落腫瘍細胞の単離および濃縮)、脳脊髄液、血漿、血清、唾液、便生検、痰、染色体分析、胸水、腹水、頬側やり(spear)、皮膚生検または尿から選択される、生物学的試料(すなわち、体組織または体液)上で実施される。
細胞遺伝学的異常、遺伝子増幅、突然変異およびタンパク質の上方制御の識別および分析の方法は、当業者には公知である。スクリーニング方法として、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)といった標準的な方法または蛍光インサイツハイブリダイゼーション(FISH)といったインサイツハイブリダイゼーションが挙げられ得るが、これらに限定されない。
RT−PCRでスクリーンする場合、mRNAのcDNAコピーを作成して次いでPCRによってそのcDNAを増幅することで、腫瘍のmRNAの量を測定する。PCR増幅の方法、プライマーの選択および増幅のための条件は、当業者には公知である。核酸操作およびPCRを、たとえばAusubel,F.M.ら、編者(2004)Current Protocols in Molecular Biology、ジョンワイリー&サンズ社またはInnis,M.A.ら、編者(1990)PCR Protocols:a guide to methods and applications、アカデミック・プレス社(Academic Press)、サンディエゴで説明される通り、標準的な方法で実行する。核酸技術に関連する反応および操作もSambrookら、(2001)、第3版、Molecular Cloning:A Laboratory Manual、コールド・スプリング・ハーバー研究所プレス(Cold Spring Harbor Laboratory Press)で説明される。または、RT−PCRのための市販のキット(たとえば、Roche Molecular Biochemicals)を使用してもよく、または、米国特許第4,666,828号;第4,683,202号;第4,801,531号;第5,192,659号、第5,272,057号、第5,882,864号および第6,218,529号に記載される方法を用いてもよく、これらは参照によって本明細書に組み込まれる。
mRNA発現を評価するインサイツハイブリダイゼーション技術の一例として、蛍光インサイツハイブリダイゼーション(FISH)が挙げられるであろう(Angerer(1987)Meth.Enzymol.、152:649)。
概して、インサイツハイブリダイゼーションは、次の主要な工程を含む:(1)分析する組織の固定;(2)試料をプレハイブリダイゼーション処理をして標的核酸の到達性を増大し、非特異結合を減らすこと;(3)核酸の混合物の生物学的構造または組織の核酸へのハイブリダイゼーション;(4)ポストハイブリダイゼーション洗浄してハイブリダイゼーションで結合しなかった核酸断片を取り除くこと、および(5)ハイブリダイズした核酸断片の検知。そのような適用に使用されるプローブは通常、たとえば放射性同位体または蛍光レポーターで標識されている。好ましいプローブは、ストリンジェント条件下で標的核酸(複数可)との特異的ハイブリダイゼーションを可能にするのに十分な長さの、たとえば約50、100または200のヌクレオチド〜約1000以上のヌクレオチドである。FISHを実施する標準的な方法は、Ausubel,F.M.ら、編者(2004)Current Protocols in Molecular Biology、ジョンワイリー&サンズ社およびFluorescence In Situ Hybridization:Technical Overview、John M.S.著、Bartlett in Molecular Diagnosis of Cancer,Methods and Protocols、第2版;ISBN:1−59259−760−2;2004年3月、pps.077−088;連続出版物:Methods in Molecular Medicineで説明される。
遺伝子発現プロファイリングの方法は、(DePrimoら(2003)、BMC Cancer、3:3)で説明される。簡潔に、プロトコルは次の通りである:第1の鎖cDNA合成を準備するために(dT)24オリゴマーを用いて、次いで、ランダムヘキサマープライマーで第2の鎖cDNA合成を行い、二重鎖cDNAを全RNAから合成する。二重鎖cDNAを、ビオチン化リボヌクレオチドを用いるcRNAのインビトロ転写のための鋳型として使用する。Affymetrix(米国、カリフォルニア州、サンタ・クララ)が説明するプロトコルに従ってcRNAを化学的に断片化し、次いで、Human Genome Arrays上で一晩ハイブリダイズする。
または、mRNAから発現されるタンパク質生成物は、腫瘍試料の免疫組織化学的検査、マイクロタイタープレートでの固相免疫アッセイ、ウェスタンブロッティング、2次元SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動、ELISA、フローサイトメトリーおよび特定のタンパク質検知のための当該技術では公知の他の方法によって、検定される。検知方法は、部位特異的抗体の使用を包含するであろう。当業者であれば、IAPの上方制御の検知、IAP変異形または変異体の検知、または11q22増幅の検知のためのそのような公知の技術がこの場合でも適用可能であり得ることを理解するであろう。
IAPといったタンパク質の異常な量は、標準的なタンパク質アッセイ、たとえば、本明細書に記載されるこれらアッセイを用いて測定し得る。上昇した量または過剰発現も、ケミコン・インターナショナル社(Chemicon International)のものといったアッセイでタンパク質の量を測定することで、組織試料、たとえば、腫瘍組織で検知され得る。対象タンパク質は試料溶解物から免疫沈澱し、その量が測定される。
そのアイソフォームを包含するIAPの過剰発現または上昇の測定の代替方法として、微小血管密度の測定が挙げられる。これはたとえば、OrreおよびRogers(Int J Cancer(1999)、84(2)、101−8)が説明する方法を用いて測定され得る。アッセイ方法には、マーカーの使用も包含される。
したがって、これらすべての技術を用いて、本発明の化合物での処置に特に適した腫瘍を識別も可能である。
したがって、本発明のさらなる態様には、IAPへの親和性を有する化合物(すなわち、IAPアンタゴニスト)での処置に感受性を有するであろう疾患または症状を患っているまたは患う可能性があるとスクリーンおよび決定された患者において、疾患または症状の処置または予防のための薬物の製造のために、本発明の化合物を使用することが包含される。
本発明の他の態様には、1つ以上のIAPファミリーメンバー(たとえばcIAPおよび/またはXIAP)の過剰発現を保有する分集団から選択された患者のがんの予防または処置における使用に関する、本発明の化合物が包含される。
本発明の他の態様には、IAPの過剰発現につながる細胞遺伝学的異常を保有するとして選択される患者、たとえば、11q22増幅を保有するとして選択される患者におけるがんの予防または処置における使用のための、本発明の化合物が包含される。
血管正常化のMRI決定(たとえば、MRIグラジェントエコー、スピンエコーおよびコントラスト向上を用いて血液量、相対血管サイズおよび血管透過性を測定する)を循環しているバイオマーカーと組み合わせて用いて、本発明の化合物での処置のために識別してもよい。
このように、本発明のさらなる態様は、IAPが媒介する疾患状態または症状の診断および処置のための方法であり、この方法には、(i)患者をスクリーンして、患者が患っているまたは患い得る疾患または症状がIAPへの親和性を有する化合物での処置に感受性を有するものかどうかを決定すること;および(ii)このように患者が患っているまたは患い得る疾患または症状が感受性を有すると示された場合、その後にその患者に、本明細書で定義される式(I)の化合物およびその下位群または例を投与することが包含される。
医薬製剤
活性化合物を投与するのが可能である一方で、活性化合物を医薬組成物、たとえば、製剤)として提供することが望ましい。
このように、本発明はさらに、上記の通り、医薬組成物、および、少なくとも1つの式(I)の化合物(および本明細書で定義されるその下位群)を、1つ以上の薬剤的に許容できる賦形剤および本明細書で定義されるあってもよい他の治療または予防剤と一緒に含む(たとえば、混合する)医薬組成物を作製する方法を提供する。
薬剤的に許容できる賦形剤(複数可)は、たとえば、担体(たとえば、固体、液体または半固体担体)、補助剤、希釈剤、充填剤もしくは増量剤、造粒剤、コーティング剤、放出制御剤、結合剤、崩壊剤、潤滑剤、保存剤、酸化防止剤、緩衝剤、懸濁剤、増粘剤、調味料、甘味剤、矯味剤、安定剤または医薬組成物で従来使用されるいずれかの他の賦形剤から選択され得る。様々な種類の医薬組成物のための賦形剤の例は、以下でさらに詳細に説明される。
本明細書で使用される「薬剤的に許容できる」という語句は、健全な医療判断の範囲内で、過剰な毒性、刺激、アレルギー反応または他の問題もしくは併発なく、妥当な利益/危険性の比に釣り合った、対象(たとえば、ヒト)の組織との接触に適切である化合物、材料、組成物、および/または剤形に関連する。各担体、賦形剤などは、製剤の他の成分と適合性があるという意味でも、「許容できる」必要がある。
式(I)の化合物を含む医薬組成物は、公知の技術に従って製剤化され得、たとえば、Remington’s Pharmaceutical Sciences、マック出版社(Mack Publishing Company)、米国、ペンシルベニア州、イーストンを参照されたい。.
医薬組成物は、経口、非経口、局所、鼻腔内、気管支内、舌下、眼、耳、直腸、膣内、または経皮投与に適したあらゆる形態であり得る。組成物が非経口投与を意図される場合、組成物は、静脈内、筋肉内、腹腔内、皮下投与のために、または、注射、点滴もしくは他の伝達手段による標的器官もしくは組織への直接伝達のために製剤化され得る。伝達は、ボーラス注射、短期点滴もしくは長期点滴によってなされ得、および、受動伝達を介して、または、適切な点滴ポンプもしくは注射ドライバーの使用を通してなされ得る。
非経口投与に適した医薬製剤には、酸化防止剤、緩衝液、静菌薬、共溶媒、界面活性剤、有機溶媒混合物、シクロデキストリン複合体形成剤、乳化剤(乳剤を形成および安定化させるための)、リポソームを形成するためのリポソーム成分、ポリマーゲルを形成するためのゲル化可能ポリマー、凍結乾燥保護剤、および、とりわけ可溶形態の活性成分を安定化し、製剤を意図する受取人の血液と等張にするための剤の組み合わせを含み得る、水性および非水性の滅菌注射液が包含される。非経口投与のための医薬製剤は、懸濁剤および増粘剤を含み得る水性および非水性の滅菌懸濁液の形態を取ってもよい(R.G.Strickly、Solubilizing Excipients in oral and injectable formulations、Pharmaceutical Research、第21巻(2)2004、p201−230)。
製剤は、たとえば密閉アンプル、小瓶およびプレフィルド注射器といった、単位用量または複数回用量容器で提供してもよく、使用直前に、たとえば注射用水といった、滅菌液体担体の添加のみを必要とする凍結乾燥(freeze−dried)(凍結乾燥(lyophilised))条件で保管され得る。
医薬製剤は、式(I)の化合物またはその下位群を凍結乾燥することで、調製され得る。凍結乾燥には、組成物を凍結乾燥する手順を指す。凍結乾燥(freeze−drying)および凍結乾燥(lyophilisation)は、したがって、類義語として本明細書で使用される。
即座の注射液および懸濁液は、滅菌粉末、顆粒剤、タブレット剤から調製してもよい。
非経口注射のための本発明の医薬組成物にはまた、使用の直前に滅菌注射可能溶液へ再構成するための、薬剤的に許容できる滅菌水性または非水性溶液、分散物、懸濁液または乳濁液ならびに滅菌粉末が包含される。
適切な水性および非水性担体、希釈剤、溶媒または媒体の例として、水、エタノール、ポリオール(グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなどといった)、カルボキシメチルセルロースおよびその適切な混合物、植物油(ひまわり油、サフラワー油、トウモロコシ油またはオリーブ油のような)ならびにオレイン酸エチルといった注射可能な有機エステルが挙げられる。適切な流動性は、たとえば、レシチンといった増粘またはコーティング材料の使用によって、分散物の場合は要求される粒径の維持によって、および界面活性剤の使用によって、維持され得る。
本発明の組成物は、保存剤、湿潤剤、乳濁剤および分散剤といった補助剤を含んでいてもよい。微生物の活性の阻止を、様々な抗細菌および抗真菌剤の封入によって確実にしてもよく、たとえば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸などである。糖、塩化ナトリウムなどといった、浸透圧を調節する剤を含むことも望まれ得る。注射可能な医薬形態の時間をかける吸収は、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンといった、吸収を遅くする剤の封入によってもたらされ得る。
本発明の1つの好ましい実施形態では、医薬組成物は、たとえば注射または点滴による、静脈内投与に適した形態である。静脈内投与に関して、溶液はそのまま服用され得、または、投与前に、輸液バッグ(0.9%生理食塩水または5%ブドウ糖といった薬剤的に許容できる賦形剤を含む)に注入し得る。
他の好ましい実施形態では、医薬組成物は皮下(s.c.)投与に適した形態である。
経口投与に適した医薬剤形には、錠剤(コーティングもしくは非コーティング)、カプセル剤(ハードもしくはソフトシェル)、カプレット、丸剤、舐剤、シロップ、溶液、粉末、顆粒剤、エリキシルおよび懸濁液、舌下錠もしくはウエハースまたは、頬パッチといったパッチが包含される。
したがって、錠剤組成物は、たとえばラクトース、スクロース、ソルビトールもしくはマンニトールのような糖もしくは糖アルコールといった不活性希釈剤もしくは担体、ならびに/または、炭酸ナトリウム、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、もしくは、セルロースもしくは結晶セルロース(MCC)、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースといったその誘導体およびコーンスターチのようなでんぷんといった、非糖由来希釈剤と一緒に活性化合物の単位剤形を含み得る。錠剤は、さらにポリビニルピロリドンといった結合および造粒剤、崩壊剤(たとえば架橋結合カルボキシメチルセルロールといった膨潤性架橋ポリマー)、潤滑剤(たとえば、ステアレート)、保存剤(たとえばパラベン)、酸化防止剤(たとえばBHT)、緩衝剤(たとえばリン酸緩衝液またはクエン酸緩衝液)、およびシトレート/炭酸水素塩混合物といった発泡剤のような標準成分を含んでいてもよい。そのような賦形剤は良く知られており、ここで詳細に説明する必要はない。
錠剤は、胃液との接触の際に薬剤を放出するように作られてもよく(即効放出型錠剤)、または、長期間にわたってもしくは胃腸管の特定の領域で制御された方法で放出するように作られてもよい(制御放出型錠剤)。カプセル製剤は、ハードゼタチンまたはソフトゼラチンの種類であってもよく、固体、半固体または液体形態で活性成分を含み得る。ゼラチンカプセルは、動物性ゼラチンまたはその合成もしくは植物由来同等物から形成され得る。
固形剤形(たとえば、錠剤、カプセル剤など)は、コーティングまたは非コーティングされ得る。コーティングは保護フィルムとして(たとえば、ポリマー、蝋またはワニス)、または、薬剤放出の制御のため、もしくは、美観もしくは識別目的のためのメカニズムとしてのいずれかで作用し得る。コーティング(たとえば、Eudragit(商標)種類ポリマー)は、胃腸管内の所望する位置で活性成分を放出するように作られ得る。このように、コーティングは、胃腸管内で特定のpH条件下で分解するように選択され、それにより、胃、または回腸、十二指腸、空腸もしくは結腸で化合物を選択的に放出し得る。
コーティングの代わりに、または、コーティングに加えて、薬剤を、たとえば、胃腸管で制御された方法で化合物を放出するよう構成され得る放出遅延剤である、放出制御剤を含む固体マトリックスで提供し得る。また、薬剤を、胃腸管内で異なる酸性またはアルカリ性の条件下で化合物を選択的に放出するように構成され得るポリマーコーティング、たとえばポリメタクリル酸ポリマーコーティングで提供されてもよい。または、マトリックス材料または放出遅緩コーティングは、剤形が胃腸管を通過するにつれて実質的に持続して侵食される侵食性ポリマー(たとえば、無水マレイン酸ポリマー)の形態を取り得る。他の代替手段では、コーティングは、腸内の微生物作用下で分解するように作られ得る。さらなる代替手段として、活性化合物は、化合物の放出の浸透圧制御を提供する伝達システムで製剤化され得る。浸透圧放出性および他の遅延放出性または徐放性製剤(たとえば、イオン交換樹脂をもとにした製剤)を当業者に良く知られる方法に従って調製してもよい。
式(I)の化合物は、担体と一緒に製剤化され、ナノ粒子の形態で投与され得、ナノ粒子の増加した表面積は、その吸収に役立つ。さらに、ナノ粒子は、細胞への直接浸透の可能性をもたらす。ナノ粒子薬剤伝達システムは、「Nanoparticle Technology for Drug Delivery」、編者Ram B GuptaおよびUday B.Kompella、インフォーマ・ヘルスケア社(Informa Healthcare)、ISBN 9781574448573、2006年3月13日出版で説明される。薬剤伝達のためのナノ粒子は、J.Control.Release、2003、91(1−2)、167−172、および、Sinhaら、Mol.Cancer Ther.8月1日(2006)5、1909でも説明される。
医薬組成物は通常、およそ1%(w/w)〜およそ95%(w/w)の活性成分および99%(w/w)〜5%(w/w)の薬剤的に許容できる賦形剤または賦形剤の組み合わせを含む。好ましくは、組成物は、およそ20%(w/w)〜およそ90%、%(w/w)の活性成分および80%(w/w)〜10%の薬剤的に許容できる賦形剤または賦形剤の組み合わせを含む。医薬組成物は、およそ1%〜およそ95%、好ましくはおよそ20%〜およそ90%の活性成分を含む。本発明に従う医薬組成物は、たとえば、アンプル、小瓶、および坐剤、プレフィルド注射器、糖剤、錠剤またはカプセル剤といった単位用量形態であり得る。
薬剤的に許容できる賦形剤(複数可)は、製剤の所望する物理的形態に従って選択され得、たとえば、希釈剤(たとえば、充填剤または増量剤といった固体希釈剤;また溶媒および共溶媒といった液体希釈剤)、崩壊剤、緩衝剤、潤滑剤、流動剤、放出制御(たとえば、放出遅緩または遅延ポリマーまたは蝋)剤、結合剤、造粒剤、色素、可塑剤、酸化防止剤、保存剤、調味料、矯味剤、浸透圧調整剤およびコーティング剤から選択され得る。
当業者であれば、製剤での使用のための成分の適切な量を選択する専門的知識を有するであろう。たとえば、錠剤およびカプセル剤は通常、0〜20%の崩壊剤、0〜5%の潤滑剤、0〜5%の流動剤および/または0〜99%(w/w)の充填剤/もしくは増量剤(薬剤投与量によって)を含む。錠剤およびカプセル剤はまた、0〜10%(w/w)のポリマー結合剤、0〜5%(w/w)酸化防止剤、0〜5%(w/w)の色素を含んでいてもよい。緩効性錠剤はさらに、0〜99%(w/w)の放出制御(たとえば、遅延)ポリマー(投与量によって)を含むだろう。錠剤またはカプセル剤のフィルムコーティングは通常、0〜10%(w/w)のポリマー、0〜3%(w/w)の色素、および/または0〜2%(w/w)の可塑剤を含む。
非経口製剤は通常、0〜20%(w/w)の緩衝液、0〜50%(w/w)の共溶媒、および/または0〜99%(w/w)の注射用水(WFI)(投与量および凍結乾燥されているかどうかによる)を含む。筋肉内デポーのための製剤はまた、0〜99%(w/w)の油を含んでいてもよい。
経口投与のための医薬組成物は、活性成分を固体担体と組み合わせ、所望する場合は得られた混合物を粒状にし、および、望ましいまたは必要な場合は、適切な賦形剤の添加後に混合物を錠剤、糖剤コアまたはカプセル剤に加工することで、得ることができる。医薬組成物を、活性成分が測定量で分散または放出されることを可能にするポリマーまたは蝋マトリックスに組み込むことも可能である。
本発明の化合物はまた、固体分散物としても製剤化され得る。固体分散物は、2つ以上の固体の均質で非常に細かい分散相である。固体分散物の1つの種類である固溶体(分子的分散システム)は、医薬技術での使用に関して良く知られ((ChiouおよびRiegelman、J.Pharm.Sci.、60、1281−1300(1971)を参照)、溶解速度を増大すること、および、不十分な水溶性の薬剤の生物学的利用度を増大するのに有用である。
本発明はまた、上記の固溶体を含む固体剤形も提供する。固体剤形には、錠剤、カプセル剤、咀嚼錠剤および分散性または発泡性錠剤が包含される。公知の賦形剤を固溶体と混ぜ、所望する剤形を提供し得る。たとえば、カプセル剤は(a)崩壊剤および潤滑剤、または、(b)崩壊剤、潤滑剤および界面活性剤と混ぜた固溶体を含み得る。さらに、カプセル剤は、ラクトースまたは結晶セルロースといった増量剤を含み得る。錠剤は、少なくとも1つの崩壊剤、潤滑剤、界面活性剤、増量剤および流動促進剤で混ぜた固溶体を含み得る。咀嚼錠剤は、増量剤、潤滑剤、および望ましい場合はさらに甘味剤(人工甘味料といった)および適切な調味料と混ぜた固溶体を含み得る。固溶体はまた、薬剤および適切なポリマーの溶液を糖ビーズ(「ノンパレイユ」)といった不活性担体の表面にスプレーすることで形成されてもよい。これらのビーズは、次いで、カプセル剤に詰めてもよく、または、錠剤に圧縮してもよい。
医薬製剤を、単一のパッケージ、通常ブリスターパック内に全コースの治療を含む「患者パック」で患者に提供してもよい。患者パックは、薬剤師がバルク補給から患者の医薬品の供給分を分割する従来の処方に対して利点を有し、患者パックでは、患者は患者パックに含まれる添付文書を常に利用でき、これは通常患者の処方箋には欠如している。添付文書の封入は、医師の指示への患者のコンプライアンスを向上させることが示されている。
局所使用および経鼻伝達のための組成物には、軟膏、クリーム、スプレー、パッチ、ジェル、液体ドロップおよび挿入物(たとえば眼内挿入物)が包含される。そのような組成物は、公知の方法に従って製剤化され得る。
直腸または膣内投与のための製剤の例としては、たとえば活性化合物を含む加工した成形可能または蝋の材料から形成され得るペッサリーおよび坐剤が挙げられる。活性化合物の溶液も、直腸投与に使用してもよい。
吸入による投与のための組成物は、吸入可能粉末組成物または液体もしくは粉末スプレーの形態を取り得、粉末吸入デバイスまたはエアゾール分散デバイスを用いた標準的な形態で投与され得る。そのようなデバイスは良く知られる。吸入による投与に関して、粉末化した製剤は通常、ラクトースといった不活性固体粉末希釈剤と一緒に活性化合物を含む。
式(I)の化合物は概して、単位剤形で提供され、それ自体として、通常、所望するレベルの生物学的活性を提供するのに十分な化合物を含むだろう。たとえば、製剤は、1ナノグラム〜2グラムの活性成分、たとえば、1ナノグラム〜2ミリグラムの活性成分を含んでいてもよい。これら範囲内で、化合物の特定の下位範囲は、0.1ミリグラム〜2グラムの活性成分(より一般的には10ミリグラム〜1グラム、たとえば50ミリグラム〜500ミリグラム)または1マイクログラム〜20ミリグラム(たとえば、1マイクログラム〜10ミリグラム、たとえば0.1ミリグラム〜2ミリグラムの活性成分)である。
経口組成物に関して、単位剤形は、1ミリグラム〜2グラム、より一般的には10ミリグラム〜1グラム、たとえば50ミリグラム〜1グラム、たとえば100ミリグラム〜1グラムの活性化合物を含んでいてもよい。
活性化合物は、それが必要な患者(たとえば、ヒトまたは動物患者)に、所望する治療効果を達成するのに十分な量で投与されるであろう。
治療の方法
本明細書で定義される式(I)の化合物および下位群は、IAPが媒介するさまざまな疾患状態または症状の予防または処置で有用であり得る。したがって、本発明のさらなる態様に従って、XIAPおよび/またはcIAPといったIAPが媒介する疾患状態または症状を治療する方法が提供され、この方法は、本明細書で説明する式(I)の化合物をそれが必要な対象に投与することを含む。本発明のさらなる態様によると、XIAPおよび/またはcIAPといったIAPを過剰発現する疾患状態または症状を治療する方法が提供され、この方法は、本明細書で説明する式(I)の化合物をそれが必要な対象に投与することを含む。そのような疾患状態および症状は例は上記で説明され、特にがんを包含する。
化合物は概してそのような投与の必要な対象に投与され、たとえば、ヒトまたは動物患者、好ましくはヒトである。化合物は通常、治療上または予防上有用であり、概して無毒性である量で投与される。しかし、特定の状況(たとえば、生死にかかわる疾患の場合)では、式(I)の化合物を投与する利点があらゆる有毒作用または副作用の不利を上回り得、この場合、化合物を、有毒性の程度に関連した量で投与することが望ましいと考えられ得る。
化合物を長期的な期間にわたって投与し、有益な治療効果を維持してもよく、または、短期間のみの間で投与してもよい。または、持続的な方法で、または、間欠投与を提供する方法(パルス方法)で投与してもよい。
式(I)の化合物の一般的な一日量は、体重1キログラムあたり100ピコグラム〜100ミリグラム、より一般的には体重1キログラムあたり5ナノグラム〜25ミリグラム、および、より一般的には体重1キログラムあたり10ナノグラム〜15ミリグラム(たとえば、10ナノグラム〜10ミリグラム、および、より一般的には1キログラムあたり1マイクログラム〜1キログラムあたり20ミリグラム、たとえば、1キログラムあたり1マイクログラム〜10の範囲であり得るが、必要な場合はより高いまたは低い用量が投与されてもよい。式(I)の化合物は、日常的に、または、たとえば2もしくは3もしくは4もしくは5もしくは6もしくは7もしくは10もしくは14もしくは21もしくは28日ごとに繰り返して投与され得る。
本発明の化合物は、たとえば1〜1500mg、2〜800mg、oR〜500mg、たとえば2〜200mgまたは10〜1000mgの範囲の用量で経口投与されてもよく、用量の具体的な例には、10、20、50および80mgが包含される。化合物を毎日1度以上投与してもよい。化合物を持続的に投与してもよい(すなわち、治療レジメンの間、中断なく毎日取る)。または、化合物を途切れ途切れに(すなわち、治療レジメンの期間全体を通して、1週間といった特定の期間の間持続的に取り、1週間といった期間の間中止し、もう1週間といった期間持続して取るなど)投与してもよい。間欠投与に関する治療レジメンの例として、1つ以上のサイクル、たとえば2、3、4、5、6、7、8、9もしくは10またはそれ以上のサイクルに関して、1週間有り、1週間無し;または、2週間有り、1週間無し;または、3週間有り、1週間無し;または、2週間有り、2週間無し;または、4週間有り、2週間無し;または、1週間有り、3週間無しのサイクル内で投与されるレジメンが挙げられる。
1つの特定の用量スケジュールでは、患者は、式(I)の化合物の点滴を、最大10日間、特に5日間、1週間の間、毎日1時間与えられ、治療は、2〜4週間、特に3週間ごとといった望ましい間隔で繰り返される。
さらに具体的には、患者は、式(I)の化合物の点滴を、5日間、毎日1時間与えられてもよく、治療は3週間ごとに繰り返されてもよい。
別の具体的な用量スケジュールでは、患者は、30分間〜1時間にわたって点滴を受け、次いで、たとえば1〜5時間、たとえば3時間といった、様々な時間で維持輸液を受ける。
さらなる具体的な用量スケジュールでは、患者は12時間〜5日間持続的に点滴を与えられ、特に、24時間〜72時間の持続的な点滴である。
しかし、最終的には、投与される化合物の量および使用される組成物の種類は、治療される疾患または生理学的症状の性質に釣り合い、医師の裁量によるだろう。
IAPアンタゴニストは単一剤としてまたは他の抗がん剤と組み合わせて使用され得ることがわかっている。たとえば、アポトーシスを誘発するアンタゴニストを、異なるメカニズムを介して細胞成長を制御するよう作用する他の剤と組み合わせ、こうしてがんの発達の2つの特徴的な特色を治療することが有益であり得る。組み合わせの実験をたとえば、Chou TC、Talalay P.Quantitative analysis of dose−effect relationships:the combined effects of multiple drugs or enzyme inhibitors. Adv Enzyme Regulat 1984;22:27−55で説明されるように実施し得る。
本明細書で定義される化合物は、たとえば上文で定義されるがんといった腫瘍疾患である、特定の疾患状態の処置のために、単一の治療剤として投与され得、または、1つ以上の他の化合物との併用療法(または併用療法(複数))で投与され得る。上記の症状の治療のために、本発明の化合物を、がんの治療で、1つ以上の薬剤、より具体的には、他の抗がん剤または補助剤(治療での支持剤)と併用して有利に使用してもよい。式(I)の化合物と一緒に投与され得る(同時であろうと異なる時間間隔であろうと)他の治療剤または治療の例としては次のものが挙げられるが、これらに限定されない:
・トポイソメラーゼI阻害剤
・代謝拮抗剤;
・チューブリン標的剤;
・DNA結合剤およびトポイソメラーゼII阻害剤;
・アルキル化剤;
・モノクローン抗体;
・抗ホルモン;
・シグナル伝達阻害剤;
・プロテアソーム阻害剤;
・DNAメチルトランスフェラーゼ;
・サイトカインおよびレチノイド;
・クロマチン標的療法;
・放射線療法;ならびに
・他の治療または予防剤。
抗がん剤または補助剤(またはその塩)の具体的な例として、下の群(i)〜(xlvi)およびあってもよい群(xlvii)から選択されるいずれかの剤が挙げられるがこれらに限定されない:
(i)白金化合物、例えばシスプラチン(アミホスチンと組み合わせてもよい)、カルボプラチンまたはオキサリプラチン;
(ii)タキサン化合物、例えばパクリタキセル、パクリタキセルタンパク質結合粒子(Abraxane(商標))、ドセタセル、カバジタキセル、ラロタキセル;
(iii)トポイソメラーゼI阻害剤、例えばカンプトテシン化合物、例えばカンプトテシン、イリノテカン(CPT11)、SN−38またはトポテカン;
(iv)トポイソメラーゼII阻害剤、たとえば抗腫瘍エピポドフィロトキシン、ポドフィロトキシン誘導体、たとえばエトポシド、または、テニポシド;
(v)ビンカアルカロイド、例えばビンブラスチン、ビンクリスチン、リポソームビンクリスチン(Onco−TCS)、ビノレルビン、ビンデシン、ビンフルニン、ビンンベシル(vinvesir);
(vi)ヌクレオシド誘導体、例えば5−フルオロウラシル(5−FU、ロイコボリンと組み合わせてもよい)ゲムシタビン、カペシタビン、テガフール、UFT、S1、クラドリビン、シタラビン(Ara−C、シトシンアラビノシド)、フルダラビン、クロファラビンまたはネララビン;
(vii)代謝拮抗剤、例えばクロファラビン、アミノプテリン、またはメトトレキセート、アザシチジン、シタラビン、フロクスウリジン、ペントスタチン、チオグアニン、チオプリン)、6−メルカプトプリンまたはヒドロキシウレア(ヒドロキシカルバミド;
(viii)ナイトロジェンマスタードまたはニトロソウレアといったアルキル化剤、例えばシクロホスファミド、クロラムブチル、カルマスティン(BCNU)、ベンダムスチン、チオテパ、メルファラン、トレオスルファン、ロムスチン(CCNU)、アルトレタミン、ブスルファン、ダカルバジン、エストラムスチン、ホテムスチン、イホスファミド(メスナと組み合わせてもよい)、ピポブロマン、プロカルバジン、ストレプトゾシン、テモゾロミド、ウラシル、メクロレタミン、メチルシクロヘキシルクロロエチルニトロソウレアまたはニムスチン(ACNU);
(ix)アントラサイクリン、アントラセンジオン、および関連薬剤、たとえばダウノルビシン、アドリアマイシン(デクスラゾキサンと組み合わせてもよい)、ドキソルビシンのリポソーム製剤(例えば、Caelyx(商標)、Myocet(商標)、Doxil(商標))、イダルビシン、ミトキサントロン、エピルビシン、アムサクリンまたはバルルビシン;
(x)エポチロン、例えばイクサベピロン、パツピロン(Patupilone)、BMS−310705、KOS−862およびZK−EPO、エポチロンA、エポチロンB、デスオキシエポチロンB(さらにエポチロンDまたはKOS−862としもて知られている)、アザ−エポチロンB(BMS−247550としても知られている)、アウリマリド(aulimalide)、イソラウリマリドまたはルエテロビン(luetherobin);
(xi)DNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤、例えばテモゾロミド、アザシチジン、デシタビン;
(xii)抗葉酸剤、例えばメトトレキセート)はペメトレキセド二ナトリウムまたはラルチトレキセド;
(xiii)細胞毒性抗生物質、例えばアンチノマイシン(antinomycin)D、ブレオマイシン、マイトマイシンC、ダクチノマイシン、カルミノマイシン、ダウノマイシン、レバミソール、プリカマイシンまたはミトラマイシン;
(xiv)チューブリン結合剤、例えばコンブレタスタチン、コルヒチンまたはノコダゾール;
(xv)キナーゼ阻害剤(例えばEGFR(上皮成長因子受容体)阻害剤、VEGFR(血管内皮成長因子受容体)阻害剤、PDGFR(血小板由来成長因子受容体)阻害剤、MTKI(複数標的キナーゼ阻害剤)、Raf阻害剤、mTOR阻害剤、例えばメシル酸イマチニブ、エルロチニブ、ゲフィチニブ、ダサチニブ、ラパチニブ、ドボチニブ(dovotinib)、アキシチニ、ニロチニブ、バンデタニブ、バタリニブ(vatalinib)、パゾパニブ、ソラフェニブ、スニチニブ、テムシロリムス、エベロリムス(RAD 001)またはベムラフェニブ(PLX4032/RG7204といったシグナル伝達阻害剤;
(xvi)オーロラキナーゼ阻害剤、たとえばAT9283、バラセルチブ(AZD1152)、TAK−901、MK0457(VX680)、セニセルチブ(cenisertib)(R−763)、ダヌセルチブ(danusertib)(PHA−739358)、アリセルチブ(MLN−8237)またはMP−470);
(xvii)CDK阻害剤、例えばAT7519、ロスコビチン、セリシクリブ(seliciclib)、アルボシジブ(alvocidib)(フラボピリドール)、ジナシクリブ(dinaciclib)(SCH−727965)、7−ヒドロキシ−スタウロスポリン(UCN−01)、JNJ−7706621、BMS−387032(別名SNS−032)、PHA533533、PD332991、ZK−304709またはAZD−5438;
(xviii)PKA/B阻害剤およびPKB(akt)経路阻害剤、例えばAT13148、AZ−5363、セマフォア(Semaphore)、ラパマイシン類似体、AP23841およびAP23573といったSF1126およびMTOR阻害剤、カルモジュリン阻害剤(フォークヘッド転移阻害剤)、API−2/TCN(トリシリビン)、RX−0201、エンザスタウリンHCl(LY317615)、NL−71−101、SR−13668、PX−316またはKRX−0401(ペリホシン/NSC 639966);
(xix)Hsp90阻害剤、例えば、AT13387、ハービマイシン、ゲルダナマイシン(GA)、17−アリルアミノ−17−デスメトキシゲルダナマイシン(17−AAG)、例えば、NSC−330507、Kos−953およびCNF−1010、17−ジメチルアミノエチルアミノ−17−デメトキゲルダナマイシンヒドロクロリド(17−DMAG)、例えば、NSC−707545およびKos−1022、NVP−AUY922(VER−52296)、NVP−BEP800、CNF−2024(BIIB−021、経口プリン)、ガネテスピブ(ganetespib)(STA−9090)、SNX−5422(SC−102112)またはIPI−504;
(xx)抗CD、抗VEGFR、抗HER2または抗EGFR抗体といったモノクローン抗体(放射性同位体、毒素または他の剤に非結合または結合)、抗体誘導体および関連剤、例えばリツキシマブ(CD20)、オファツムマブ(CD20)、イブリツモマブチウクセタン(CD20)、GA101(CD20)、トシツモマブ(CD20)、エピラツズマブ(CD22)、リンツズマブ(CD33)、ジェムツツマブオゾガミシン(CD33)、アレムツズマブ(CD52)、ガリキシマブ(CD80)、トラスツズマブ(HER2抗体)、ペルツズマブ(HER2)、トラスツズマブ−DM1(HER2)、エルツマキソマブ(ertumaxomab)(HER2およびCD3)、セツキシマブ(EGFR)、パニツムマブ(EGFR)、ネシツムマブ(EGFR)、ニモツズマブ(EGFR)、ベバシズマブ(VEGF)、イピリムマブ(CTLA4)、カツマキスマブ(catumaxumab)(EpCAMおよびCD3)、アバゴボマブ(CA125)、ファルレツズマブ(farletuzumab)(葉酸受容体)、エロツズマブ(CS1)、デノスマブ(RANKリガンド)、フィギツムマブ(figitumumab)(IGF1R)、CP751,871(IGF1R)、マパツムマブマパツムマブ(mapatumumab)(TRAIL受容体)、metMAB(met)、ミツモマブ(GD3ガングリオシド)、ナプツモマブエスタフェナトクス(naptumomab estafenatox)(5T4)またはシルツキシマブ(siltuximab)(IL6);
(xxi)エストロゲン受容体アンタゴニストもしくは選択的エストロゲン受容体修飾因子(SERM)またはエストロゲン合成の阻害剤、例えばタモキシフェン、フルベストラント、トレミフェン、ドロロキシフェン、フェソロデックスまたはラロキシフェン;
(xxii)エキセメスタン、アナストロゾール、レトラゾール(letrazole)、テストラクトンアミノグルテチミド、ミトタンまたはボロゾールといったアロマターゼ阻害剤および関連薬剤;
(xxiii)抗アンドロゲン(すなわち、アンドロゲン受容体アンタゴニスト)および関連剤、例えばビカルタミド、ニルタミド、フルタミド、シプロテロンまたはケトコナゾール;
(xxiv)メドロキシプロゲステロン、ジエチルスチルベストロール(diethylstilbestrol)(別名ジエチルスチルベストロール(diethylstilboestrol))またはオクトレオチドといったホルモン、およびその類似体;
(xxv)ステロイド、例えばプロピオン酸ドロモスタノロン、酢酸メゲストロール、ナンドロロン(デカノアート、フェンプロピオネート)、フルオキシメストロン(fluオキシmestrone)、ゴシポール、
(xxvi)ステロイドシトクロムP450 17アルファ−ヒドロキシラーゼ17,20−リアーゼ阻害剤(CYP17)、例えばアビラテロン;
(xxvii)生殖腺刺激ホルモン放出ホルモンアゴニストまたはアンタゴニスト(GnRAs)、例えばアバレリックス、酢酸ゴセレリン、酢酸ヒストレリン、酢酸リュープロリド、トリプトレリン、ブセレリンまたはデスロレリン;
(xxviii)グルココルチコイド、例えばプレドニゾン、プレドニゾロン、デキサメタゾン;
(xxix)レチノイド、レキシノイド(rexinoids)、ビタミンDまたはレチノイン酸およびレチノイン酸代謝遮断剤(RAMBA)といった分化誘導薬、例えば、アキュテイン、アリトレチノイン、ベキサロテンまたはトレチノイン;
(xxx)ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤(例えばチピファルニブ;
(xxxi)ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)阻害剤といったクロマチン標的療法、例えば酪酸ナトリウム、スベロイルアニリドヒドロキサム酸(SAHA)、デプシペプチド(FR 901228)、ダシノスタット(dacinostat)(NVP−LAQ824)、R306465/JNJ−16241199、JNJ−26481585、トリコスタチンA、ボリノスタット、クラミドシン、A−173、JNJ−MGCD−0103、PXD−101またはアピシジン;
(xxxii)プロテアソーム阻害剤、例えばボルテゾミブ、カーフィルゾミブ、CEP−18770、MLN−9708またはONX−0912);
(xxxiii)光力学性薬剤、例えばポルフィマーナトリウムまたはテモポルフィン;
(xxxiv)トラベクテジンといった海洋生物由来の抗がん剤;
(xxxv)たとえばベータ粒子放射性アイソトープ(例えばヨウ素−131、イットリウム−90)またはアルファ粒子放射性アイソトープ(例えばビスマス−213またはアクチニウム−225)との放射免疫療法のための放射能標識薬剤、例えばイブリツモマブ、ヨウ素トシツモマブ;
(xxxvi)テロメラーゼ阻害剤、例えばテロメスタチン;
(xxxvii)マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤、例えばバチマスタット、マリマスタット、プリノスタット(prinostat)、メタスタット(metastat);
(xxxviii)組み換えインターフェロン(インターフェロン−γおよびインターフェロンαといった)ならびにインターロイキン(例えばインターロイキン2)、例えばアルデスロイキン、ニロイキンジフチトクス、インターフェロンアルファ2a、インターフェロンアルファ2bまたはペグインターフェロンアルファ 2b;
(xxxix)選択的な免疫応答修飾因子、例えばサリドマイドまたはレナリドマイド;
(xl)シプロイセルT(プロベンジ)またはOncoVexといった治療ワクチン;
(xli)サイトカイン活性化剤はピシバニール、ロムルチド、シゾフィラン、ビルリジン(Virulizin)またはチモシンを包含する;
(xlii)三酸化二砒素;
(xliiiGタンパク質共役受容体(GPCR)の阻害剤、例えばアトラセンタン;
(xliv)L−アスパラギナーゼ、ペガスパルガーゼ、ラスブリカーゼまたはペガデマーゼといった酵素;
(xlv)PARP阻害剤といったDNA修複阻害剤、例えばオラパリブ、ベラパリブ(velaparib)、イニパリブ、INO−1001、AG−014699またはONO−2231;
(xlvi)マパツムマブ(以前はHGS−ETR1)、コナツムマブ(conatumumab)(以前はAMG 655)、PRO95780、レクサツムマブ、デュラネルミン(dulanermin)、CS−1008、アポマブ(apomab)または組み換えヒトTRAIL/Apo2リガンドのような組み換えTRAILリガンドといっ細胞死受容体,のアゴイニスト(例えば、リガンド(TRAIL)受容体を誘導するTNF関連アポトーシス);
(xlvii)予防剤(補助剤);つまり、化学療法剤に関連した副作用を多少軽減または緩和する剤であり、例えば
−制吐剤、
−化学療法に関連する好中球減少の継続期間を予防または減少し、および、血小板、赤血球または白血球の量の減少から生じる合併症を予防する剤、例えばインターロイキン−11(例えばオプレルベキン)、エリトロポイエチン(EPO)およびその類似体(例えばダーベポエチンアルファ)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子といったコロニー刺激因子類似体(GM−CSF)(例えばサルグラモスチム)ならびに果粒球コロニー刺激因子(G−CSF)およびその類似体(例えばフィルグラスチム、ペグフィルグラスチム)、
−デノスマブまたはビスフォスフォネートといった骨吸収を阻害する剤、例えばゾレドロネート、ゾレドロン酸、パミドロネートおよびイバンドロネート、
−デキサメタゾン、プレドニゾンおよびプレドニゾロンといった炎症反応を抑制する剤、
−薬品は、ホルモンソマトスタチン、例えば酢酸オクトレオチドの合成形態といった、先端巨大症または他のまれなホルモン生産性腫瘍を有する患者の成長ホルモンおよびIGF−I(および他のホルモン)の血中濃度を低下するために使用される剤、
−ロイコボリンまたはフォリニン酸といった葉酸の濃度を低下させる薬剤に対する解毒剤、
−痛みのための剤、例えばモルヒネ、ジアモルヒネおよびフェンタニルといったアヘン剤
−COX−2阻害薬といった非ステロイド性抗炎症剤(NSAID)、例えばセレコキシブ、エトリコキシブ、ルミラコキシブ、
−粘膜炎のための剤、例えばパリフェルミン
−酢酸メゲストロールといった、食欲不振、悪液質、浮腫または血栓塞栓症発作を含む副作用の治療のための剤。
本発明の組み合わせに存在する化合物はそれぞれ、個別に異なる服用スケジュールで、および、異なる経路を介して与えられてよい。そのようなものとして、2つ以上の剤のそれぞれの薬量学は異なり得る:それぞれ同じ時間または異なる時間で投与され得る。当業者であれば、自身の通常の一般知識を通して、使用する服用レジームおよび併用療法が分かるだろう。たとえば、本発明の化合物は、それらの既存の併用レジメンに従って投与される1つ以上の他の剤と組み合わせて使用し得る。標準的な併用レジメンの例が以下に提供される。
タキサン化合物は、体表面積1平方メートルあたり50〜400mg(mg/m)の用量で有利に投与され、たとえば、75〜250mg/m、特にパクリタキセルに関しては約175〜250mg/m、および、ドセタキセルに関しては治療のコースあたり約75〜150mg/mである。
カンプトテシン化合物は、体表面積1平方メートルあたり0.1〜400mg(mg/m)の用量で有利に投与され、たとえば、1〜300mg/m、特にイリノテカンに関しては約100〜350mg/m、および、トポテカンに関しては、治療のコースあたり、約1〜2mg/mである。
抗腫瘍ポドフィロトキシン誘導体は、体表面積1平方メートルあたり30〜300mg(mg/m)の用量で有利に投与され、たとえば、50〜250mg/m、特にエトポシドに関しては約35〜100mg/m、および、テニポシドに関しては、治療のコースあたり、約50〜250mg/mである。
抗腫瘍ビンカアルカロイドは、体表面積1平方メートルあたり2〜30mg(mg/m)の用量で有利に投与され、特にビンブラスチンに関しては約3〜12mg/mの用量、ビンクリスチンに関しては、約1〜2mg/mの用量、および、ビノレルビンに関しては、治療のコースあたり、約10〜30mg/mの用量である。
抗腫瘍ヌクレオシド誘導体は、体表面積1平方メートルあたり200〜2500mg(mg/m)の用量で有利に投与され、たとえば、700〜1500mg/m、特に5−FUに関しては約200〜500mg/mの用量、ゲムシタビンに関しては、約800〜1200mg/mの用量、および、カペシタビンに関しては、治療のコースあたり、約1000〜2500mg/mの用量である。
ナイトロジェンマスタードまたはニトロソウレアといったアルキル化剤は、体表面積1平方メートルあたり100〜500mg(mg/m)の用量で有利に投与され、たとえば、120〜200mg/m、特にシクロホスファミドに関しては約100〜500mg/mの用量、クロラムブチルに関しては、約0.1〜0.2mg/kgの用量、カルマスティンに関しては150〜200mg/mの用量、および、ロムスチンに関しては、治療のコースあたり、約100〜150mg/mの用量である。
抗腫瘍アントラサイクリン誘導体は、体表面積1平方メートルあたり10〜75mg(mg/m)の用量で有利に投与され、たとえば、15〜60mg/m、特にドキソルビシンに関しては約40〜75mg/mの用量、ダウノルビシンに関しては、約25〜45mg/mの用量、および、イダルビシンに関しては、治療のコースあたり、約10〜15mg/mの用量である。
抗エストロゲン剤は、具体的な剤およ治療される症状によって、毎日約1〜100mgの用量で有利に投与される。タモキシフェンは、5〜50mgの用量、好ましくは1日2回10〜20mgの用量で有利に経口投与され、その治療を十分な時間の間持続して、治療効果を達成および維持する。トレミフェンは、1日1回、約60mgの用量で有利に経口投与され、その治療を十分な時間の間持続して、治療効果を達成および維持する。アナストロゾールは、1日1回、約1mgの用量で有利に経口投与される。ドロロキシフェンは、1日1回、約20〜100mgの用量で有利に経口投与される。ラロキシフェンは、1日1回、約60mgの用量で有利に経口投与される。エキセメスタンは、1日1回、約25mgの用量で有利に経口投与される。
抗体は、体表面積1平方メートルあたり約1〜5mg(mg/m)の用量で有利に投与され、もし異なっても、当該技術分野では知られる通りである。トラスツズマブは、体表面積1平方メートルあたり1〜5mg(mg/m)の用量で有利に投与され、特に、治療のコースあたり、2〜4mg/mである。
式(I)の化合物を1、2、3、4以上の他の治療剤(好ましくは1または2、さらに好ましくは1)と組み合わせて投与する場合、化合物は同時または順次投与され得る。後者の場合、2つ以上の化合物は、ある期間内で、ある量で、ならびに、有益な効果および相乗効果が達成されるのを確実にする方法で、投与される。順次投与される場合、化合物は、短い間隔で投与され得(たとえば、5〜10分間の間)、または、より長い間隔で投与され得(1、2、3、4時間またはそれ以上の時間の差で、もしくは必要な場合はさらに長い期間の差で)、正確な投与レジメンは、治療剤(複数可)の性質に釣り合う。これらの投与は、治療コースあたり、たとえば1回、2回またはそれ以上投与され、これをたとえば毎7、14、21または28日ごとに繰り返し得る。
投与の好ましい方法および順番ならびに組み合わせの各成分のそれぞれの投与量およびレジームは、投与される特定の他の薬剤および本発明の化合物、それらの投与経路、治療される特定の腫瘍ならびに治療される特定のホスト次第であることが理解される。投与の最適な方法および順番ならびにの投与量およびレジームは、従来の方法を用いて、および本明細書で示される情報を考慮して、当業者によって簡単に決定され得る。
組み合わせて与えられる場合、本発明に従う化合物および1つ以上の他の抗がん剤(複数可)の重量比は、当業者によって決定され得る。投与の前記比ならびに正確な投与量および頻度は、当業者には公知の通り、本発明に従った特定の化合物および使用される他の抗がん剤(複数可)、治療される特定の症状、治療される症状の重度、年齢、体重、性別、食事、投与の時間および特定の患者の一般的な身体状況、投与の形態ならびに個人が取り得る他の薬物次第である。さらに、効果的な一日量は、治療される対象の反応および/または本発明の化合物を処方する医師の評価によって、低下または増加し得る。式(I)の本化合物および別の抗がん剤の具体的な重量比は、1/10〜10/1、さらに具体的には1/5〜5/1、よりさらに具体的には1/3〜3/1の範囲であり得る。
本発明の化合物は、放射線療法、光力学療法、遺伝子療法;外科手術および制限食といった非化学療法的治療と組み合わせて投与されてもよい。
本発明の化合物はまた、腫瘍細胞を放射線療法および化学療法のために感作させることにおいて治療的な適用を有する。したがって、本発明の化合物は、「放射線増感剤」および/もしくは「化学療法増感剤」として使用され得、または、他の「放射線増感剤」および/もしくは「化学療法増感剤」と組み合わせて与えられ得る。1つの実施形態では、本発明の化合物は、化学療法増感剤としての使用のためである。
「放射線増感剤」という語句は、細胞の電離放射線に対する感受性を増加し、および/または、電離放射線で治療可能な疾患の治療を助長するために治療上効果的な量で患者に投与される分子として定義される。
「化学療法増感剤」という語句は、細胞の化学療法に対する感受性を増加し、および/または、化学療法剤で治療可能な疾患の治療を助長するために治療上効果的な量で患者に投与される分子として定義される。
多くのがん治療のプロトコルは現在、x線の放射と組み合わせて放射線増感剤を使用する。x線活性化放射線増感剤の例としては、次のものが挙げられるが、これらに限定されない:メトロニダゾール、ミソニダゾール、デスメチルミソニダゾール、ピモニダゾール、エタニダゾール、ニモラゾール、マイトマイシンC、RSU 1069、SR 4233、EO9、RB 6145、ニコチンアミド、5−ブロムデキシウリジン(BUdR)、5−イドクスウリジン(IUdR)、ブロモデオキシシチジン、フルオロデオキシウリジン(FudR)、ヒドロキシウレア、シスプラチン、ならびにその治療上有効な類似体および誘導体。
がんの光力学療法(PDT)は、増感剤の放射アクチベーターとして、可視光を使用する。光力学放射線増感剤の例として、次のものが挙げられるが、これらに限定されない:ヘマトポルフィリン誘導体、フォトフリン、ベンゾポルフィリン誘導体、スズエチオポルフィリン、フェオボルビド(pheoborbide)−a、バクテリオクロロフィル−a、ナフタロシアニン、フタロシアニン、亜鉛フタロシアニン、ならびにその治療上有効な類似体および誘導体。
放射線増感剤は、治療上有効な量である1つ以上の他の化合物と組み合わせて投与され得、化合物には、次のものが包含されるが、これらに限定されない:標的細胞への放射線増感剤の組み込みを助長する化合物;標的細胞への治療薬、養分および/または酸素の流れを制御する化合物;追加的な放射線の有無に関わらず、腫瘍に作用する化学療法剤;または、がんまたは他の疾患を治療するための他の治療上有効な化合物。
化学療法増感剤は、治療上有効な量である1つ以上の他の化合物と組み合わせて投与され得、化合物には、次のものが包含されるが、これらに限定されない:標的細胞への化学療法増感剤の組み込みを助長する化合物;標的細胞への治療薬、養分および/または酸素の流れを制御する化合物;腫瘍に作用する化学療法剤、または、がんまたは他の疾患を治療するための他の治療上有効な化合物。カルシウムアンタゴニスト、たとえば、ベラパミルは、抗悪性腫瘍薬と組み合わせると有用であり、受け入れた化学療法剤に耐性を有する腫瘍細胞に化学受容性を確立し、および、薬剤感受性悪性腫瘍におけるそのような化合物の効能を増強することが分かっている。
他の化学療法剤との併用療法での使用に関して、式(I)の化合物および1、2、3、4またはそれ以上の他の治療剤は、たとえば、2、3、4またはそれ以上の治療剤を含む剤形、すなわち、全成分を含む一体型医薬組成物と一緒に製剤化され得る。代替実施形態では、個別の治療剤は、別々に製剤化され、その使用の説明書を有してもよいキットの形態で一緒に提供されてもよい。
1つの実施形態では、1つ以上(たとえば、1または2)の他の治療剤(たとえば、上記の抗がん剤)と式(I)の化合物の組み合わせが提供される。
別の実施形態では、がんの予防または処置といった、治療での使用に関する、1つ以上(たとえば、1または2)の他の治療剤(たとえば、抗がん剤)と組み合わせた式(I)の化合物が提供される。
1つの実施形態では、医薬組成物は、薬剤的に許容できる担体およびあってもよい1つ以上の治療剤(複数可)と一緒に式(I)の化合物を含む。
別の実施形態では、本発明は、腫瘍細胞の成長を阻害するための医薬組成物の製造における本発明に従った組み合わせの使用に関する。
さらなる実施形態では、本発明は、がんを患う患者の治療での同時、別々または順次の使用のための組み合わせた調製物として、式(I)の化合物および1つ以上の抗がん剤を含む製品に関する。
本発明は、次の実施例で説明される具体的な実施形態への参照によって例示されるが、これらに限定はされない。化合物は、AutoNom(MDL)といった自動命名パッケージを用いて命名され、および、化学物質供給業者によって命名された通りである。
次の合成手順は、使用される方法の例示のために例供される;特定の調製または工程に関して、使用される前駆体は必ずしも与えられる説明の工程に従って合成された各バッチ由来でなくてもよい。実施例では、次の省略が使用される。
Figure 0006324976
Figure 0006324976
NMRデータ:別に明記されない限り、H NMRスペクトルは、400MHzで操作されるBruker Avance I分光計上に、25℃で、記録された。データをTopspin 2.1ソフトウェアを用いて処理および分析した。NMRデータに関しては、与えられたプロトン数が、分子内の理論上のプロトン数未満である場合、一見欠けているシグナル(複数可)は、溶媒および/または水のピークによってわかりにくくなっていると推測される。さらに、スペクトルがプロトン性NMR溶媒内で取得された場合、NHおよび/またはOHプロトンの溶媒との交換が起こり、したがってそのようなシグナルは通常観察されない。
IRデータ:IRスペクトルは、Bruker Alpha P IR分光計を用いて記録された。
分析および分取LC−MSシステム
分析LC−MSシステムおよび方法の説明
次の実施例で、化合物を、以下に記載するシステムを用い、以下に記載する条件を実行して、質量分析法によって特徴づけした。異なる同位体を有する原子が存在し、単一の質量が引用される場合、化合物に関して引用された質量は、モノアイソトピック質量(すなわち、35Cl;79Brなど)である。
ウォーターズ社(Waters)プラットフォームLC−MSシステム:
HPLCシステム:Waters 2795
Mass Spec検出器:Micromass Platform LC
PDA検出器:Waters 2996 PDA
・プラットフォームMS条件:
キャピラリ電圧:3.6kV(ES陰性で3.40kV)
コーン電圧:30V
源温度:120℃
スキャン範囲:125−800amu
イオン化モード:エレクトロスプレー陽性または
エレクトロスプレー陰性または
エレクトロスプレー陽性および陰性
ウォーターズ社Fractionlynx LC−MSシステム:
HPLCシステム:2767自動回収装置−2525バイナリーグラジエントポンプ
Mass Spec検出器:Waters ZQ
PDA検出器:Waters 2996 PDA
・Fractionlynx MS条件:
キャピラリ電圧:3.5kV(ES陰性で3.25kV)
コーン電圧:40V(ES陰性で25V)
源温度:120℃
スキャン範囲:125−800amu
イオン化モード:エレクトロスプレー陽性または
エレクトロスプレー陰性または
エレクトロスプレー陽性および陰性
アジレント社(Agilent)1200SL−6140 LC−MSシステム−RAPID:
HPLCシステム:Agilent 1200シリーズSL
Mass Spec検出器:Agilent 6140シングル四重極
第2検出器:Agilent 1200MWD SL
・Agilent MS条件:
キャピラリ電圧:ESポジティブで4000V(ESネガティブで3500V)
フラグメンター/獲得:100
獲得:1
乾燥ガスの流速:7.0L/分
ガス温度:345℃
ネブライザー圧力:35psig
スキャン範囲:125−800amu
イオン化モード:エレクトロスプレー陽性−陰性切り替え
分取LC−MSシステムおよび方法の説明
分取LC−MSは、本明細書で記載される化合物といった小さな有機分子の精製のために使用される標準的および効果的な方法である。液体クロマトグラフィー(LC)および質量分析(MS)のための方法は、様々で、粗材料のより良好な分離およびMSによる試料の向上した検知を提供し得る。分取勾配LC方法の最適化は、様々なカラム、揮発性溶離液および修飾剤、ならびに勾配に関与する。分取LC−MS方法を最適化し、次いでそれを用いて化合物を精製するための方法は、当該技術分野では良く知られている。そのような方法は、Rosentreter U,Huber U.;Optimal fraction collecting in preparative LC/MS;J Comb Chem.;2004;6(2)、159−64およびLeister W,Strauss K,Wisnoski D,Zhao Z,Lindsley C.,Development of a custom high−throughput preparative liquid chromatography/mass spectrometer platform for the preparative purification and analytical analysis of compound libraries;J Comb Chem.;2003;5(3);322−9.に説明される。
分取LC−MSを介して化合物を精製するための複数のシステムが以下で説明されるが、当業者であれば、説明されるこれらに対する代替的なシステムおよび方法が用いられ得ることを理解するだろう。本明細書で提供される情報から、または、代替クロマトグラフィーシステムを用いることから、当業者は分取LC−MSによって本明細書に記載される化合物を精製し得る。
ウォーターズ社Fractionlynxシステム:
・ハードウェア:
2767デュアルループオートサンプラー/フラクションコレクタ
2525分取ポンプ
カラム選択のためのCFO(カラム流体オーガナイザー)
メイクアップポンプとしてRMA(ウォーターズ社試薬マネージャー)
ウォーターズ社ZQ質量分析計
ウォーターズ社2996フォトダイオードアレイ検出器
ウォーターズ社ZQ質量分析計
・ウォーターズ社MS操作条件:
キャピラリ電圧:3.5kV(ES陰性で3.2 kV)
コーン電圧:25V
源温度:120℃
スキャン範囲:125−800amu
イオン化モード:エレクトロスプレー陽性または
エレクトロスプレー陰性
アジレント社1100 LC−MS分取システム:
・ハードウェア:
自動回収機:1100シリーズ「prepALS」
ポンプ:分取フロー勾配のための1100シリーズ「PrepPump」およびプレップフロー(prep flow)での修飾剤をポンプするための1100シリーズ
UV検出器:1100シリーズ「MWD」多波長検出器
MS検出器:1100シリーズ「LC−MSD VL」
フラクションコレクタ:2×「Prep−FC」
メイクアップポンプ:「Waters RMA」
アジレント社アクティブスプリッタ
・アジレント社MS操作条件:
キャピラリ電圧:4000V(ESネガティブで3500V)
フラグメンタ/獲得:150/1
乾燥ガス流速:12.0L/分
ガス温度:350℃
ネブライザ圧力:50psig
スキャン範囲:125−800amu
イオン化モード:エレクトロスプレー陽性または
エレクトロスプレー陰性
・カラム
様々な市販のカラム、アキラルおよびキラルの双方ともが、移動相、有機修飾剤およびpHでの変化と同時に、カラムが幅広い範囲の選択性という側面から、最も大きくカバーすることが可能なように、使用され得る。全てのカラムは、製造業者の推奨操作条件に従って使用された。通常、5ミクロン粒径サイズのカラムが利用可能な際に用いられた。たとえば、ウォーターズ社(限定はされないが、XBridge(商標)Prep OBD(商標)C18およびPhenyl、Atlantis(登録商標)Prep T3 OBD(商標)およびSunfire(商標)Prep OBD C18 5μm 19×100mmが包含される)、フェノメネクス社(Phenomenex) (限定はされないがSynergy MAX−RPおよびLUX(商標)Cellulose−2)、アステック社(Astec)(限定はされないがV、V2およびT2を包含するChirobiotic(商標)カラム)およびDiacel(登録商標)(限定はされないが、Chiralpak(登録商標)AD−Hを含む)のカラムが、スクリーニングのために利用可能であった。
・溶離液
カラム分離の性能を最適化するために、カラム製造業者が推奨する固定相の制限に合わせて、移動相溶離液を選択した。
・方法
アキラル分取クロマトグラフィー
記載される例示的な化合物を、指示される場合は、Snyder L.R.,Dolan J.W.,High−Performance Gradient Elution The Practical Application of the Linear−Solvent−Strength Model、ワイリー社、ホーボーケン、2007で説明される推奨事項に従って発展させた方法を用いて、HPLC精製にかけた。
キラル分取クロマトグラフィー
キラル固定相(CSP)を用いた分取分離は、鏡像異性体混合物の分解能に適用するための当然な技術である。同様に、ジアステレオマーおよびアキラル分子の分離にも適用され得る。CSP上で分取キラル分離を最適化し、次いで、それを用いて化合物を精製するための方法は当該技術分野では良く知られている。そのような方法は、Beesley T.E.、Scott R.P.W.;Chiral Chromatography;ワイリー社、チチェスター、1998で説明される。
調製1:(R)−2−((S)−2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−ヒドロキシ−プロピオニル−アミノ)−プロピオン酸メチルエステル
ジイソプロピルエチルアミン(375mL)を(R)−2−アミノ−プロピオン酸メチルエステルヒドロクロリド(100g、0.716mol)、EDC(165g、0.86mol)、カルボベンジルオキシ−L−セリン(174.1g、0.716mol)およびDCM(3.6L)の冷却した混合物に滴下して加えた。結果として生じる混合物を窒素下、環境温度で16時間撹拌した。真空中40℃で溶媒を除去した後、残渣を飽和炭酸ナトリウム(1L)、水(1L)で希釈して、EtOAc(2L、2×1L)で抽出した。合わせた有機相を2Mの塩酸(1L)、飽和ブライン溶液(1L)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、真空中40℃で濃縮して、表題の化合物(172g)を無色固体として得た。HNMR(Me−d3−OD):7.44−7.28(6H,m),5.13(2H,s),4.46(1H,d),4.43(1H,d),4.25(1H,t),3.82−3.68(5H,m),1.39(3H,d).
調製2:(3S,6R)−3−ヒドロキシメチル−6−メチル−ピペラジン−2,5−ジオン
(R)−2−((S)−2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−ヒドロキシ−プロピオニルアミノ)−プロピオン酸メチルエステル(172g、0.53mol)を10%Pd/C(8.6g)、MeOH(530mL)、およびシクロヘキサン(344mL)に窒素下添加した。混合物を熱して17時間還流した。MeOH(500mL)を加え、還流を1時間続けた。熱い反応混合物をセライトのパッドを介してろ過し、ケーキを熱いMeOH(2×500mL)で洗浄した。合わせたろ液を濃縮した。結果として生じる固体を2−ブタノン(400mL)中で懸濁してガソリン(400mL)を10分間にわたって徐々に添加した。30分間撹拌した後、固体をろ過し、ケーキを2:1ガソリン/2−ブタノン(300mL)で洗浄した。フィルターケーキを真空中40℃で乾燥し、表題の化合物(68.3g)を灰白色固体として得た。HNMR(DMSO−d6):8.08(1H,s),7.90(1H,s),5.11(1H,t),3.92(1H,q),3.80−3.71(1H,m),3.71−3.60(1H,m),3.58−3.47(1H,m),1.24(3H,d).
調製3:((2R,5R)−5−メチル−ピペラジン−2−イル)−メタノールヒドロクロリド
(3S,6R)−3−ヒドロキシメチル−6−メチル−ピペラジン−2,5−ジオン(34g、0.215mol)にTHF(1M、1.6L、1.6mol)中のボラン溶液を添加し、混合物を70℃まで18時間熱した。溶液を氷の中で冷却し、次いでMeOH(425mL)を徐々に添加し、続いて5Mの塩酸(113mL)を添加した。混合物を70℃まで2時間熱し、次いで環境温度まで冷却した。結果として生じる固体をろ過し、ケーキをTHF(200mL)で洗浄し、真空中40℃で乾燥し、表題の化合物(39.3g)を無色固体として得た。HNMR(DMSO−d6):9.79(3H,s),5.59(1H,s),3.76−3.40(5H,m),3.19−2.94(2H,m),1.28(3H,d).
調製4:(2R,5R)−5−ヒドロキシメチル−2−メチル−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
0℃(氷浴)でMeOH(96mL)中の((2R,5R)−5−メチル−ピペラジン−2−イル)−メタノールヒドロクロリド(20g、119mmol)にトリエチルアミン(48.7mL、357mmol)を添加した。MeOH(145mL)中のtert−ブチルジカルボネートを30分間にわたって添加した。反応温度は<10℃を1時間保ち、1時間かけて環境温度まで温め、次いで50℃まで18時間熱した。反応を濃縮し、残渣をエタノール(397mL)に溶解した。水(397mL)中のNaOH(23.8g、595mmol)溶液を添加し、反応を100℃まで18時間熱し、次いで環境温度まで冷却した。混合物を1MのHCl(〜300mL)でpH9(pHメーター使用)まで中和し、次いでクロロホルム(3×700mL)で抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過して濃縮した。残渣をMeOHに溶解して濃縮し、次いで真空中40℃で乾燥し、表題の化合物(21g、75%)を無色固体として得た。HNMR(Me−d3−OD):4.20−4.07(1H,m),3.79(1H,dd),3.71−3.58(2H,m),3.54(1H,dd),3.24(1H,dd),3.18−3.01(1H,m),3.01−2.89(1H,m),2.55(1H,dd),1.48(9H,s),1.25(3H,s).
調製5:(2R,5R)−4−ベンジル−5−ヒドロキシメチル−2−メチル−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
Figure 0006324976
(2R,5R)−5−ヒドロキシメチル−2−メチル−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(3.48g、15.1mmol)、ベンズアルデヒド(1.76g、16.6mmol)、ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(3.84g、18.1mmol)および1,2−ジクロロエタン(30mL)の混合物を20℃で18時間撹拌し、次いで飽和水性NaHCO(150mL)とDCM(3×50mL)の間で分配した。合わせた有機抽出物を乾燥(NaSO)し、次いで真空中濃縮して油を得た。クロマトグラフィー(SiO、ガソリン中0−30%EtOAc)により表題の化合物(4.588g、74%)を無色固体として得た。MS:[M+H]=321。
調製6:(2R,5R)−4−ベンジル−5−クロロメチル−2−メチル−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
メタンスルホニルクロニド(570μL、7.35mmol)を、0℃でDCM(30mL)中、TEA(2.6mL、18.4mmol)を含有する(2R,5R)−4−ベンジル−5−ヒドロキシメチル−2−メチル−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(1.9g、6.12mmol)の溶液に添加した。溶液を室温で18時間撹拌した。反応を水性NHClとDCMの間で分配した。有機相を集め、MgSOで乾燥し、ろ過して真空中濃縮した。クロマトグラフィー(ガソリン中30%EtOAc)により表題の化合物(1.6g)を白色固体として得た。MS:[M+H]=339.
調製7:2−クロロ−5−ヨード−ピリジン−4−イルアミン
N−ヨードスクシンイミド(24.75g、110.0mmol)をアセトニトリル(400mL)中の2−クロロピリジン−4−イルアミン(12.85g、100.0mmol)の溶液に添加し、混合物を撹拌して一晩中還流を持続した。室温まで冷却すると、溶媒を真空中除去し、残渣をEtOAc(250mL)、飽和チオ硫酸ナトリウム(100mL)および水(250mL)の間で分配した。有機層を分離し、水(2×500mL)で洗浄し、分離して溶媒を真空中除去して、シリカ上のカラムクロマトグラフィーにかけられるオレンジ色油を与えた。ガソリン中30−50%EtOAcでの勾配溶出は、ガソリン(80mL)中25%EtOAcで洗浄された薄いオレンジ色固体を与えた。固体はろ過により集め、吸い尽くして表題の化合物(7.32g)を灰白色固体として与えた。母液を乾燥するまで真空中濃縮し、残渣はシリカ上のカラムクロマトグラフィーにかけた。ガソリン中30−50%EtOAcでの溶出は、さらなる純物質(1.90g)を与えた。合わせた収率:(9.22g、36%)HNMR(DMSO−d)8.20(1H,s),6.64(1H,s),6.50(2H,brs).MS:[M+H]255.
調製8:(2−クロロ−5−ヨード−ピリジン−4−イル)−(2−メチル−アリル)−アミン
カリウムtert−ブトキシド(4.56g、40.73mmol)を、無水THF(140mL)中の2−クロロ−5−ヨード−ピリジン−4−イルアミン(8.62g、33.94mmol)の撹拌した溶液に添加し、混合物を室温で0.25時間撹拌し、3−ブロモ−2−メチル−プロプ−1−エン(5.51g、40.73mmol)を添加し、混合物を室温で一晩中撹拌した。溶媒を真空中除去し、残渣をDCM(100mL)および水(100mL)の間で分配した。有機層は分離し、溶媒を真空中除去して残渣をシリカ上のカラムクロマトグラフィーにかけた。ガソリン中5−20%EtOAcでの勾配溶出は、表題の化合物(7.93g、76%)を薄い黄色油として与えた。HNMR(DMSO−d)8.24(1H,s),6.50(1H,brt),6.39(1H,s),4.84(1H,d),4.73(1H,d),3.83(2H,d),1.70(3H,s).MS:[M+H]309.
調製9:6−クロロ−3,3−ジメチル−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン
酢酸パラジウム(II)(300mg、1.34mmol)、ギ酸ナトリウム(2.40g、30.53mmol)、テトラ−n−ブチル−アンモニウムクロリド(8.48g、30.53mmol)およびトリエチルアミン(10.6mL、76.32mmol)をトルエン(200mL)および水(10mL)中の(2−クロロ−5−ヨード−ピリジン−4−イル)−(2−メチル−アリル)−アミン(7.85g、25.44mmol)の溶液に添加し、混合物を撹拌して窒素雰囲気下一晩中100℃で維持した。混合物を温めつつろ過して固体をトルエン(50mL)、水(50mL)およびEtOAc(50mL)で洗浄した。有機溶媒を真空中除去し、水性の残渣を水(100mL)で希釈してEtOAc(2×200mL)で抽出した。有機層を分離し、溶媒を真空中除去して残渣をシリカ上のカラムクロマトグラフィーにかけた。ガソリン中30−100%EtOAcでの溶出は、表題の化合物(4.12g、89%)を無色固体として与えた。HNMR(DMSO−d)7.72(1H,s),6.75(1H,brs),6.33(1H,s),3.32(2H,d),1.25(6H,s).MS:[M+H]183.
調製10:6−クロロ−3,3−ジメチル−2,3−ジヒドロ−ピロロ[3,2−c]ピリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
THF(20mL)中の6−クロロ−3,3−ジメチル−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン(1.3g、7.4mmol)の溶液をtert−ブチルエステルジカルボネート(4.1g、18.6mmol)およびジメチル−ピリジン−4−イル−アミン(2.22g、18.6mmol)に添加して、溶液を2時間撹拌した。水(60mL)を添加し、生成物をEtOAcで抽出した。有機相をブラインで洗浄し、乾燥(MgSO)し、ろ過して濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO、ガソリン−0−40%EtOAcで溶出した)により表題の化合物(1.04g)を得た。HNMR(Me−d3−OD):8.04(1H,s),7.60(1H,s),3.81(2H,s),1.59(9H,s),1.40(6H,s).MS:[M+H]=283.
代替手順:カリウムtert−ブトキシド(600mg、5.36mmol)を無水THF(15mL)中の6−クロロ−3,3−ジメチル−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン(800mg、4.38mmol)の撹拌した溶液に添加して、混合物を室温で10分間撹拌した。無水THF(15mL)中のジ−tert−ブチルジカルボネート(1.07g、4.89mmol)の溶液を添加し、混合物を室温で一晩中撹拌した。有機溶媒を真空中除去し、水性の残渣を水(100mL)で希釈してEtOAc(2×200mL)で抽出した。有機層を合わせて溶媒を真空中除去して、表題の化合物(1.19g、96%)、予め得られたものと矛盾しないNMRデータを与えた。
調製11:5−ブロモ−2−ヨード−ピリジン−3−イルアミン
Figure 0006324976
(3−アミノ−ブロモピリジン(13.8g、79.8mmol)を酢酸(440mL)中に溶解し、窒素雰囲気下に置いた。N−ヨードスクシンイミド(16.15g、71.8mmol)を室温で一晩中撹拌した反応に充填した。反応を濃縮して残渣をEtOAc(200mL)および飽和水性炭酸水素ナトリウム(200mL)の間で分配した。層を分離して有機相を飽和水性炭酸水素ナトリウム(200mL)で洗浄した。水相はEtOAc(3×200mL)で抽出した。有機抽出物は硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過して濃縮した。カラムクロマトグラフィー(シリカ;70%DCM:30%ヘプタン中に詰められた1.4Kg、ヘプタン中70−100%DCMでの溶出)により表題の化合物(11.5g)を得た。HNMR(270MHz,CDCl):7.83(1H,m),7.04(1H,m),4.33(2H,brs).
調製12:(5−ブロモ−2−ヨード−ピリジン−3−イル)−(2−メチル−アリル)−アミン
Figure 0006324976
5−ブロモ−2−ヨードピリジニル−3−アミン、カリウムtert−ブトキシド(1.1eq)および3−ブロモ−2−メチルプロプ−1−エン(1.1eq)の使用を除いて、表題の化合物を調製8に記載のものと同様な方法に従い調製した。HNMR(270MHz,CDCl):7.76(1H,d),6.72(1H,d),4.92(2H,m),4.61(1H,s),3.70(2H,d),1.69(3H,s).
調製13:6−ブロモ−3,3−ジメチル−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン
Figure 0006324976
(5−ブロモ−2−ヨード−ピリジン−3−イル)−(2−メチル−アリル)−アミン(10.2g、28.9mmol)、テトラブチルアンモニウムクロリド(9.64g、34.7mmol)、ギ酸ナトリウム(2.36g、34.7mmol)、酢酸パラジウム(0.97g、4.3mmol)、トリエチルアミン(8.76g、86.7mmol)、水(12.1mL)およびジメチルスルホキシド(255mL)の混合物を100℃で窒素下1時間撹拌した。混合物を氷(100g)の添加により冷却し、次いで撹拌しながら水(200mL)で希釈した。混合物を水(1L)とトルエン(600mL)およびEtOAc(50mL)の混合物との間で分配した。有機相を水(4×250mL)で洗浄し、乾燥(NaSO)し、真空中濃縮して茶色油を得た。カラムクロマトグラフィー(SiO、40−60石油エーテル中0−100%ジエチルエーテルで勾配溶出)により表題の化合物(2.84g)を黄色固体として得た。MS:[M+H]=227,229.
調製14:6−ブロモ−3,3−ジメチル−2,3−ジヒドロ−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
Figure 0006324976
6−ブロモ−2,3−ジヒドロ−2,3−ジメチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン(2.45g、10.8mmol)をTHF(44mL)中に溶解して窒素雰囲気下に置いた。カリウムtert−ブトキシド(1.2g、10.8mmol)を室温で10分間撹拌した反応に添加した。ジ−tert−ブチルジカルボネート(0.25mL、1.0mmol)の付加充填を反応に添加した。さらに45分後反応を濃縮した。残渣を水(50mL)とDCM(50mL)の間で分配した。層を分離して水性をDCM(2×50mL)で抽出した。有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過して濃縮した。カラムクロマトグラフィー(シリカ;ヘプタン中に詰められた250g、5%EtOAc:ヘプタンで溶出)により、表題の化合物(2.3g)、MS:[M+H]=327を得た。
調製15:6−(4−フルオロ−ベンジル)−3,3−ジメチル−2,3−ジヒドロ−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
Figure 0006324976
6−ブロモ−3,3−ジメチル−2,3−ジヒドロ−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(3.27g、10.0mmol)、臭化リチウム(2.58g、30.0mmol)、(1,3−ジイソプロピルイミダゾール−2−イルイデン)(3−クロロピリジル)パラジウム(II)ジクロリド(0.136g、0.2mmol)、1−メチル−2−ピロリジノン(30mL)およびTHF(30mL)の窒素−脱気した混合物に、THF(0.5M、40mL、20mmol)中の4−フルオロ−ベンジル亜鉛クロリドの溶液を添加して、結果として生じる混合物を20℃で3時間撹拌した。混合物を水(150mL)および5%水性クエン酸(30mL)に注ぎ、結果として生じる混合物をEtO(3×70mL)で抽出した。有機相を水(100mL)、ブライン(3×100mL)で洗浄し、乾燥(MgSO)し、真空中濃縮して油を得た。クロムクロマトグラフィー(SiO、ガソリン−EtOAc0−30%で溶出した)により表題の化合物(3.5g、99%)を油として得た。MS:[M+H]=357.
調製16:6−(4−フルオロ−ベンジル)−3,3−ジメチル−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン
Figure 0006324976
メタノール(62.5mL)中の6−(4−フルオロ−ベンジル)−3,3−ジメチル−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(9.0g、25mmol)の溶液を5M塩酸(62.5mL)で処理し、混合物を20℃で18時間撹拌し、次いで50℃で2時間熱した。溶媒を濃縮し、残渣を水(200mL)とEtOAc(3×)の間で分配した。水性相をゆっくりと飽和水性NaHCOに注ぎ、結果として生じる固体をろ過により集めて表題の化合物(3.45g)を与えた。1HNMR(CDCl):7.81(1H,s),7.16(2H,dd),6.99(2H,t),6.58(1H,d),3.84(2H,s),3.38(2H,s),1.36(6H,s).MS:[M+H]=257.さらに表題の化合物(1.5g)を、合わせた有機抽出物の水性酸抽出およびその後の合わせた水性抽出物の塩基性化により得た。
以下の化合物は、調製15および16に記載されたものと類似の方法に従い調製された:
6−(4−フルオロ−ベンジル)−3,3−ジメチル−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン;MS:[M+H]=257.
6−(2,4−ジフルオロ−ベンジル)−3,3−ジメチル−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン;MS:[M+H]=257.
6−(2,4−ジフルオロ−ベンジル)−3,3−ジメチル−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン;MS:[M+H]=257.
調製17:2−クロロ−1−[6−(4−フルオロベンジル)−3,3−ジメチル−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−イル]−エタノンヒドロクロリド
Figure 0006324976
20℃のアセトニトリル(20mL)中の6−(4−フルオロ−ベンジル)−3,3−ジメチル−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン(6.68g、26mmol)の撹拌した懸濁液に、反応混合物を外部の氷−メタノール浴を使用して20℃以下で維持しながら、0.2時間にわたり着実に、アセトニトリル(10mL)中のクロロアセチルクロリド(3.83g、2.7mL、33.9mmol)の溶液を添加した。済んだ溶液がその時結果として生じ、内部温度が0℃に達すると、固体が反応混合物から結晶化し始める。20℃での撹拌を1時間続け、次いでトルエン(20mL)および40−60石油エーテル(20mL)をゆっくりと添加し、撹拌を0.2時間続けた。結果として生じる無色固体をろ過により集めて表題の化合物(8.0g、83%)を得た。1HNMR(Me−d3−OD):8.81(1H,s),8.31(1H,s),7.39−7.29(2H,m),7.16−7.04(2H,m),4.45(2H,s),4.19(4H,s),1.58(6H,s).MS:[M+H]=333.
以下の化合物は調製17に記載されたものと同様の方法に従い調製された:
17A:2−クロロ−1−[6−(4−フルオロ−ベンジル)−3,3−ジメチル−2,3−ジヒドロ−ピロロ[3,2−c]ピリジン−1−イル]−エタノンヒドロクロリド;MS:[M+H]=333.
17B:2−クロロ−1−[6−(2,4−フルオロ−ベンジル)−3,3−ジメチル−2,3−ジヒドロ−ピロロ[3,2−c]ピリジン−1−イル]−エタノンヒドロクロリド;MS:[M+H]=351.
17C:2−クロロ−1−[6−(2,4−ジフルオロ−ベンジル)−3,3−ジメチル−2,3−ジヒドロ−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−イル]−エタノンヒドロクロリド;MS:[M+H]=351.
17D:2−クロロ−1−[6−(1,1−ジフルオロ−ブチル)−3,3−ジメチル−2,3−ジヒドロ−ピロロ[3,2−c]ピリジン−1−イル]−エタノン;MS:[M+H]=317.
調製18:(2R,5R)−4−{2−[6−(4−フルオロ−ベンジル)−3,3−ジメチル−2,3−ジヒドロ−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−5−ヒドロキシメチル−2−メチル−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
細かく砕かれたヨウ化カリウム(7.5g、45.26mmol)を(2R,5R)−5−ヒドロキシメチル−2−メチル−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(5.7g、24.89mmol)、2−クロロ−1−[6−(4−フルオロベンジル)−3,3−ジメチル−2,3−ジヒドロ−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−イル]−エタノンヒドロクロリド(8.35g、22.63mmol)炭酸カリウム(12.5g、90.51mmol)およびアセトニトリル(100mL)の混合物に窒素下添加した。混合物は20℃で一晩中撹拌した。混合物を水(300mL)とEtOAc(300mL)の間で分配し、有機相を乾燥し真空中濃縮して表題の化合物(12.14g)を得た。MS:[M+H]=527.
調製19:(2R,5R)−5−クロロメチル−4−{2−[6−(4−フルオロ−ベンジル)−3,3−ジメチル−2,3−ジヒドロ−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−2−メチル−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
メチルスルホニルクロリド(0.76mL、10mmol)を(2R,5R)−4−{2−[6−(4−フルオロ−ベンジル)−3,3−ジメチル−2,3−ジヒドロ−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−5−ヒドロキシメチル−2−メチル−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(4.33g、8.23mmol)および0℃のDCM(50mL)中のトリエチルアミン(3.6mL、24.7mmol)の溶液に添加した。溶液を室温まで温めて窒素下一晩中撹拌した。混合物を水性アンモニウムクロリド(100mL)とDCM(100mL)の間で分配し、有機相は乾燥(NaSO)して真空中濃縮した。クロマトグラフィー(SiO、ガソリン−EtOAc0−70%勾配で溶出した)より表題の化合物(3.44g、77%)を得た。MS:[M+H]=545.
調製20:(2R,5S)−5−(2−シアノ−イミダゾール−1−イルメチル)−4−{2−[6−(4−フルオロ−ベンジル)−3,3−ジメチル−2,3−ジヒドロ−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−2−チル−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
アセトニトリル(5mL)中の(2R,5R)−5−クロロメチル−4−{2−[6−(4−フルオロ−ベンジル)−3,3−ジメチル−2,3−ジヒドロ−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−2−メチル−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(0.10g、0.18mmol)、2−シアノイミダゾール(0.025g、0.27mmol)炭酸カリウム(0.10g、0.72mmol)、およびヨウ化カリウム(0.09g、0.54mmol)の混合物を90℃で18時間熱し、冷却し、次いで水(30mL)とDCM(3×20mL)の間で分配した。合わせた有機抽出物を乾燥して蒸発させて油を得た。クロマトグラフィー(SiO、石油勾配0−100%EtOAc)により表題の化合物(0.012g)を油として得た。MS:[M+H]=602.
以下に書き立てた化合物は、調製20に記載のものと類似の方法に従い調製した:
(2R,5R)−5−(3,5−ジメチルーピラゾール−1−イルメチル)−4−{2−[6−(4−フルオロ−ベンジル)−3,3−ジメチル−2,3−ジヒドロ−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−2−メチル−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル;MS:[M+H]=605.
(2R,5S)−4−{2−[6−(4−フルオロ−ベンジル)−3,3−ジメチル−2,3−ジヒドロ−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−2−メチル−5−(2−メチル−イミダゾール−1−イルメチル)−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル;MS:[M+H]=591.
2−[(2R,5R)−2−(4,5−ジメチル−イミダゾール−1−イルメチル)−5−メチル−ピペラジン−1−イル]−1−[6−(4−フルオロ−ベンジル)−3,3−ジメチル−2,3−ジヒドロ−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−イル]−エタノン;MS:[M+H]=605.
2−[(2R,5R)−2−(2−エチル−イミダゾール−1−イルメチル)−5−メチル−ピペラジン−1−イル]−1−[6−(4−フルオロ−ベンジル)−3,3−ジメチル−2,3−ジヒドロ−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−イル]−エタノン;MS:[M+H]=605.
(2R,5S)−4−{2−[6−(4−フルオロ−ベンジル)−3,3−ジメチル−2,3−ジヒドロ−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−2−メチル−5−(2−トリフルオロメチル−イミダゾール−1−イルメチル)−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル;MS:[M+H]=645.
(2R,5S)−4−{2−[6−(4−フルオロ−ベンジル)−3,3−ジメチル−2,3−ジヒドロ−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−5−イミダゾール−1−イルメチル−2−メチル−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル;MS:[M+H]=577.
(2R,5S)−5−(2,4−ジメチル−イミダゾール−1−イルメチル)−4−{2−[6−(4−フルオロ−ベンジル)−3,3−ジメチル−2,3−ジヒドロ−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−2−メチル−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル;MS:[M+H]=605.
(2R,5R)−5−(2−クロロ−イミダゾール−1−イルメチル)−4−{2−[6−(4−フルオロ−ベンジル)−3,3−ジメチル−2,3−ジヒドロ−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−2−メチル−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル;MS:[M+H]=611.
(2R,5S)−4−{2−[6−(4−フルオロ−ベンジル)−3,3−ジメチル−2,3−ジヒドロ−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−2−メチル−5−(5−メチル−2−オキソ−2H−ピリジン−1−イルメチル)−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル;MS:[M+H]=618.
(2R,5S)−5−(4−クロロ−2−メチル−イミダゾール−1−イルメチル)−4−{2−[6−(4−フルオロ−ベンジル)−3,3−ジメチル−2,3−ジヒドロ−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−2−メチル−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル;MS:[M+H]=625.
(2R,5S)−5−(4−シアノ−2−メチル−イミダゾール−1−イルメチル)−4−{2−[6−(4−フルオロ−ベンジル)−3,3−ジメチル−2,3−ジヒドロ−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−2−メチル−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル;MS:[M+H]=616.
(2R,5S)−4−{2−[6−(4−フルオロ−ベンジル)−3,3−ジメチル−2,3−ジヒドロ−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−2−メチル−5−(4−メチル−イミダゾール−1−イルメチル)−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルおよび(2R,5S)−4−{2−[6−(4−フルオロ−ベンジル)−3,3−ジメチル−2,3−ジヒドロ−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−2−メチル−5−(5−メチル−イミダゾール−1−イルメチル)−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル;MS:[M+H]=591.
(2R,5R)−4−{2−[6−(4−フルオロ−ベンジル)−3,3−ジメチル−2,3−ジヒドロ−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−2−メチル−5−(5−メチル−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメチル)−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル;MS:[M+H]=592;および(2R,5R)−4−{2−[6−(4−フルオロ−ベンジル)−3,3−ジメチル−2,3−ジヒドロ−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−2−メチル−5−(4−メチル−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメチル)−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル;MS:[M+H]=592;位置異性体混合物はフラッシュクロマトグラフィーで分離される。
(2R,5S)−5−[4−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシメチル)−2−メチル−イミダゾール−1−イルメチル]−4−{2−[6−(4−フルオロ−ベンジル)−3,3−ジメチル−2,3−ジヒドロ−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−2−メチル−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルおよび(2R,5S)−5−[5−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシメチル)−2−メチル−イミダゾール−1−イルメチル]−4−{2−[6−(4−フルオロ−ベンジル)−3,3−ジメチル−2,3−ジヒドロ−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−2−メチル−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル;MS:[M+H]=735.
(2R,5R)−5−(3,4−ジメチル−ピラゾール−1−イルメチル)−4−{2−[6−(4−フルオロ−ベンジル)−3,3−ジメチル−2,3−ジヒドロ−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−2−メチル−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルおよび(2R,5R)−5−(4,5−ジメチル−ピラゾール−1−イルメチル)−4−{2−[6−(4−フルオロ−ベンジル)−3,3−ジメチル−2,3−ジヒドロ−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−2−メチル−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル;MS:[M+H]=605.
(2R,5R)−4−{2−[6−(4−フルオロ−ベンジル)−3,3−ジメチル−2,3−ジヒドロ−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−2−メチル−5−(5−メチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イルメチル)−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル;MS:[M+H]=592.
調製21:6−ブチル−3,3−ジメチル−5−オキシ−2,3−ジヒドロ−ピロロ[3,2−c]ピリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
6−クロロ−3,3−ジメチル−2,3−ジヒドロ−ピロロ[3,2−c]ピリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(2.82g、10mmol)、リチウム(II)ブロミド(2.58g、30mmol)、(1,3−ジイソプロピルイミダゾール−2−イリデン)(3−クロロピリジル)パラジウム(II)ジクロリド(0.136g、0.2mmol)、ブチル亜鉛ブロミド(THF中0.5M;40mL、20mmol)、THF(30mL)およびNMP(30mL)の脱気した混合物を窒素下20℃18時間撹拌した。混合物を水(200mL)に注ぎ入れ、エーテルで抽出した。水性相を10%水性クエン酸(30mL)で処理し、次いでエーテル(100mL)で再抽出した。合わせたエーテル層をガソリン(50mL)で処理し、次いで水(3×80mL)で洗浄した。有機相は乾燥(MgSO)し、濃縮して薄黄色油(2.90g)を得た。DCM中のこの材料および3−クロロ過安息香酸(3.0g、13.4mmol)の混合物を20℃2時間撹拌した。さらに3−クロロ過安息香酸(1.0g、7.7mmol)を添加し、撹拌を1時間続けた。混合物を次いで、予め充填されたシリカカートリッジに直接適用した。クロマトグラフィー(SiO勾配溶出、0−20%、ガソリン中のEtOAc)により表題の化合物(1.725g)を得た。MS:[M+H]=321.
調製22:6−(1−ヒドロキシ−ブチル)−3,3−ジメチル−2,3−ジヒドロ−ピロロ[3,2−c]ピリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
6−ブチル−3,3−ジメチル−5−オキシ−2,3−ジヒドロ−ピロロ[3,2−c]ピリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(1.72g、5.4mmol)および無水酢酸(10mL)の混合物を100℃で2時間撹拌し、次いで氷−水(50g)に注ぎ入れた。結果として生じる混合物を1時間撹拌し、次いでNaHCOで処置した。混合物をDCM(3×50mL)で抽出し、合わせた抽出物を乾燥し、濃縮して油を得た。この材料を水(2mL)、メタノール(10mL)および水酸化ナトリウム(0.28g)で処理し、混合物を2時間20℃で撹拌した。混合物をブラインに注ぎ、DCM(3×50mL)で抽出した。合わせた抽出物を乾燥し、濃縮して油を得た。クロマトグラフィー(SiO、ガソリン中0−50%エーテル勾配)により表題の化合物(1.44g)を得た。MS:[M+H]=321.
調製23:6−(1,1−ジフルオロ−ブチル)−3,3−ジメチル−2,3−ジヒドロ−ピロロ[3,2−c]ピリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
ジクロロメタン(30mL)中の6−(1−ヒドロキシ−ブチル)−3,3−ジメチル−2,3−ジヒドロ−ピロロ[3,2−c]ピリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(1.44g、4.5mmol)およびマンガン(IV)オキシド(3.92、45mmol)の混合物を20℃で18時間撹拌した。固体をろ過により除去してろ液を濃縮して固体(1.19g)を得た。DCM(4mL)中のこの材料の溶液をDCM(8mL)中のDAST(3.61g、22.5mmol)の撹拌した溶液に−78℃で窒素下添加した。混合物を−70℃で1時間、次いで20℃で40時間撹拌した。混合物を氷−水(〜80g)にゆっくりと注ぎ入れ、結果として生じる2つの相混合物をNaHCOで中和した。結果として生じる混合物をDCM(3×30mL)で抽出して合わせた抽出物を乾燥し、濃縮して油を得た。クロマトグラフィー(SiO、ガソリン中0−40%エーテル勾配)により表題の化合物(1.113g)を得た。MS:[M+H]=341.
調製24:6−(1,1−ジフルオロ−ブチル)−3,3−ジメチル−2,3−ジヒドロ−ピロロ[3,2−c]ピリジン
6−(1,1−ジフルオロ−ブチル)−3,3−ジメチル−2,3−ジヒドロ−ピロロ[3,2−c]ピリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(1.113g、3.3mmol)、メタノール(20mL)および5MのHCl(20mL)の混合物を20℃で72時間撹拌し、次いで真空中濃縮した。蒸発からの残渣をDCMと水性炭酸水素ナトリウムの間の分配により、遊離塩基に変換して表題の化合物(0.799g)を油として得た。MS:[M+H]=241.
調製25:(Z)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−(2,5−ジメチル−2H−ピラゾール−3−イル)−アクリル酸メチルエステル
ジクロロメタン(100mL)中の(+/−)−Boc−アルファ−ホスホノグリシントリメチルエステル(16.5g、55.5mmol)に、DBU(7.64mL、51.1mmol)を添加し、混合物を10分間撹拌した。2,5−ジメチル−2H−ピラゾール−3−カルバルデヒド(5.76g、46.4mmol;ケムコレクト社(ChemCollect))を、ジクロロメタン(100mL)中の溶液として20分かけて添加した。混合物を室温一晩撹拌した。混合物をEtOAc(200mL)で希釈し、希釈水性KHPO(約400mL)、ブラインで洗浄し、その後乾燥した(NaSO)。混合物を真空濃縮し、残渣をSiOクロマトグラフィー(25−75%EtOAc−ヘキサン類で溶出)で精製し、白色結晶固体(10.8g)を得た。この材料から、8.8gをEtOAcに溶解し、次いで、希釈水性NaCO、ブラインで洗浄し、乾燥した(MgSO)。溶液を蒸発させ、MeOH(120mL)に再度溶解し、10%Pd/C(1.7g)で処理した。混合物を一晩撹拌し、ろ過および蒸発させた。得られた固体を再結晶化(20%EtOAc/ヘプタン)し、微細な結晶固体として、表題化合物の第1バッチ(4.78g)を得た。MS:m/z=296(M+H.ろ液の蒸発およびそれに続く再結晶化(iPrO)によって、第2のクロップの表題化合物(2.5g)を得た。
調製26:(S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−(2,5−ジメチル−2H−ピラゾール−3−イル)プロピオン酸メチルエステル
(Z)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−(2,5−ジメチル−2H−ピラゾール−3−イル)−アクリル酸メチルエステル(調製25)(7.28g、24.7mmol)および1,2−ビス[(2S,5S)−2,5−ジエチルホスホラノ]ベンゼン(1,5−シクロオクタジエン)ロジウム(I)トリフルオロメタンスルホネート[(S,S)−Et−DUPHOS−Rh](1.4g)をMeOH(100mL)に溶解し、水素雰囲気下(60psi)で16時間振動した。溶液を蒸発し、残渣をSiOクロマトグラフィー(25−100%EtOAc−ヘキサン類で溶出)で精製し、無色油として表題化合物(6.96g)を得た。MS:m/z=298(M+H
調製27:(S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−(2,5−ジメチル−2H−ピラゾール−3−イル)プロピオン酸
(S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−(2,5−ジメチル−2H−ピラゾール−3−イル)プロピオン酸メチルエステル(調製26)(6.81g、22.9mmol)をMeOH(30mL)およびTHF(100mL)の混合物に溶解し、次いで、1N水性LiOH(35mL、1.5mol当量)で処理した。混合物を室温で2時間撹拌し、次いで真空濃縮した。混合物を水とEtOの間で分配した。水層を次いで5N水性HClを徐々に添加することで酸性化し、EtOAc(×3)で抽出した。1つにまとめたEtOAc層をブラインで洗浄、乾燥し(MgSO)、蒸発して、無色結晶固体として表題化合物(5.64g)を得た。MS:m/z=284(M+H
調製28:(R)−2−[(S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−(2,5−ジメチル−2H−ピラゾール−3−イル)−プロピオニルアミノ]−プロピオン酸メチルエステル
(S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−(2,5−ジメチル−2H−ピラゾール−3−イル)プロピオン酸(調製27)(2.47g、8.73mmol)、HOBt(1.4g、1.2mol当量)およびD−アラニンメチルエステルヒドロクロリド(1.45g、1.2mol当量)をDMF(25mL)に溶解した。N、N−ジイソプロピルエチルアミン(1.8mL、1.2mol当量)、次いでEDC(2.0g、1.2mol当量)を添加し、混合物を室温で2時間撹拌した。混合物を真空濃縮し、次いで、ジクロロメタン(120mL)と水(30mL)の間で分配した。ジクロロメタン層を希釈水性NaCO、希釈水性KHPOで洗浄し、乾燥した(MgSO)。溶液を蒸発させ、残渣をSiOクロマトグラフィー(50−100%EtOAc−ヘキサン類で溶出)で精製し、無色のガム状物質として表題化合物(3.27g)を得た。MS:m/z=369(M+H
調製29:(R)−2−[(S)−2−アミノ−3−(2,5−ジメチル−2H−ピラゾール−3−イル)−プロピオニルアミノ]−プロピオン酸メチルエステルヒドロクロリド
(R)−2−[(S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−(2,5−ジメチル−2H−ピラゾール−3−イル)−プロピオニルアミノ]−プロピオン酸メチルエステル(調製28)(2.27g、6.17mmol)をEtOAc(10mL)に溶解し、約0℃まで冷却し、次いで、HCl(1,4−ジオキサン中4N;22mL)で処理した。混合物を次いで室温で90分間撹拌した。混合物を乾燥するまで蒸発し、無色固体として表題生成物(2.21g)を得た。MS:m/z=269(M+H
調製30:(3R,6S)−3−メチル−6−(5−メチル−2H−ピラゾール−3−イルメチル)−ピペラジン−2,5−ジオン
(R)−2−[(S)−2−アミノ−3−(2,5−ジメチル−2H−ピラゾール−3−イル)−プロピオニルアミノ]−プロピオン酸メチルエステルヒドロクロリド(調製29)(1.72g、5.6mmol)およびトリエチルアミン(2.3mL、3mol当量)をMeOH(50mL)に溶解し、一晩加熱還流した。混合物を次いで放冷し、生成物が沈殿した。第1バッチの表題化合物(315mg)をろ過によって回収した。MS:m/z=237(M+H
ろ液をスラリーになるまで濃縮し、そこにメチルエチルケトン(8mL)およびヘキサン類(8mL)を添加した。不均一な混合物を10分間撹拌し、次いで、ろ過によって回収し、無色固体(1mol当量のトリエチルアミンヒドロクロリドを含む)として第2バッチの表題化合物(871mg)を得た。
調製31:(2S,5R)−2−(2,5−ジメチル−2H−ピラゾール−3−イルメチル)−5−メチル−ピペラジンヒドロクロリド
(3R,6S)−3−メチル−6−(5−メチル−2H−ピラゾール−3−イルメチル)−ピペラジン−2,5−ジオン(調製30)(460mg、1.95mmol)をボラン(THF中1N;14mL、7mol当量)に溶解し、75℃で一晩加熱した。混合物を冷却し、次いでMeOH(4mL)を慎重に添加した。5N水性HCl(1mL)を添加し、混合物を70℃で2時間加熱した。混合物を冷却し、約3mLのスラリーになるまで濃縮した。固体(主にホウ酸)をろ過で回収した。ろ液を乾燥するまで蒸発し、無色固体として表題化合物(580mg)を得た。1HNMR(400MHz,Me−d3−OD):6.68(1H,s),4.28−4.13(1H,m),4.08(3H,s),3.96−3.84(1H,m),3.84−3.66(2H,m),3.59(1H,dd),3.51−3.38(3H,m),2.45(3H,s),1.48(3H,d).
調製32: (2R,5S)−5−(2,5−ジメチル−2H−ピラゾール−3−イルメチル)−2−メチル−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
(2S,5R)−2−(2,5−ジメチル−2H−ピラゾール−3−イルメチル)−5−メチル−ピペラジンピペラジンヒドロクロリド(調製32)(580mg)およびトリエチルアミン(2mL)をMeOH/H2O(15mL;1:1)に溶解し、約0℃まで冷却した。BocO(THF中の溶液として348mg)を添加し、次いで混合物を室温で一晩撹拌した。混合物を濃縮し、ジクロロメタンと希釈水性NaCOとの間で分配した。有機層を乾燥(MgSO)し、蒸発した。残渣をSiOクロマトグラフィー(0−20%MeOH−ジクロロメタンで溶出)によって精製し、無色のガム状物質として表題化合物(200mg)を得た。MS:m/z=309(M+H
調製33:(2R,5S)−4−{2−[6−(2,4−ジフルオロ−ベンジル)−3,3−ジメチル−2,3−ジヒドロ−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−5−(2,5−ジメチル−2H−ピラゾール−3−イルメチル)−2−メチル−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
(2R,5S)−5−(2,5−ジメチル−2H−ピラゾール−3−イルメチル)−2−メチル−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(195mg、0.63mmol)、2−クロロ−1−[6−(2,4−ジフルオロ−ベンジル)−3,3−ジメチル−2,3−ジヒドロ−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−イル]−エタノンヒドロクロリド(243mg、1.1mol当量)、KI(210mg、2mol当量)およびKCO(350mg、4mol当量)をMeCN(5mL)中で、室温で一晩、一緒に撹拌した。混合物をジクロロメタンとブラインの間で分配した。有機層を乾燥し(MgSO)、蒸発した。SiOクロマトグラフィーによる精製(0−10%MeOH−EtOAcで溶出)によって、無色のガム状物質として表題化合物(330mg)を得た。MS:[M+H]=623.
以下の化合物は、調製33に類似した方法を用いて調製された。
(2R,5S)−4−{2−[6−(1,1−ジフルオロ−ブチル)−3,3−ジメチル−2,3−ジヒドロ−ピロロ[3,2−c]ピリジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−5−(2,5−ジメチル−2H−ピラゾール−3−イルメチル)−2−メチル−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル;[M+H]=589.
(2R,5S)−4−{2−[6−(2,4−ジフルオロ−ベンジル)−3,3−ジメチル−2,3−ジヒドロ−ピロロ[3,2c]ピリジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−5−(2,5−ジメチル−2H−ピラゾール−3−イルメチル)−2−メチル−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル;[M+H]=623.
調製34:2−メチル−4−シアノイミダゾール
2−メチル−4−カルバルデヒドイミダゾール(0.8g、7.27mmol)、トリチルクロリド(3.04g、10.91mmol)およびEtN(2.02ml、14.55mmol)をDCM(7mL)中で1つにまとめ、室温で一晩撹拌した。混合物をDCMで希釈し、水で洗浄した。溶媒を蒸発して白色の粉末を得た。トルエンからの再結晶によって、1−トリチル−2−メチル−1H−イミダゾール−4−カルバルデヒド(750mg)を白色の粉末として得た。この材料をピリジン(10mL)およびNHOHに溶解した。HCl(0.22g、3.20mmol)を添加し、反応を室温で1時間撹拌した。AcO(8ml)を添加し、混合物を80℃まで3時間加熱した。水(50ml)を添加し、混合物をDCM(2×20mL)で抽出し、抽出物を乾燥し、蒸発した。残渣をEtOAc/ガソリン(1:4)で粉砕し、生成物をろ過で回収した(350mg)。ろ液を濃縮し、カラムクロマトグラフィー(0−50%EtOAc/石油勾配)で精製し、白色の粉末としてさらなる生成物(250mg)を得た。得られた1−トリチル−2−メチル−1H−イミダゾール−4−カルボニトリル(600mg)をMeOH/AcOH(1:1、20mL)に溶解し、2時間加熱還流した。水(30ml)を添加し、次いで、2MのHClをpH2になるまで添加した。混合物をEtOAc(2×20ml)で洗浄し、次いで水層をKCOで塩基性化し、DCMで抽出した。DCM相を乾燥、蒸発して、白色の粉末として表題化合物を得た。1HNMR(400MHz、Me−d3−OD):7.71(1H、s)、2.40(3H、s).
調製35:4−{[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ]メチル}−2−メチル−1H−イミダゾール
4−ヒドロキシメチルイミダゾール(500mg、4.46mmol)、トリエチルアミン(0.81mL、5.80mmol)およびTBDMS−Cl(739mg、4.90mmol)の混合物をDMF(5mL)に溶解し、室温で一晩撹拌した。この後、水(25mL)およびEtOAc(10mL)を添加し、混合物をEtOAc(3×10mL)で抽出した。回収した有機相をブライン(25mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥し、ろ過し、濃縮してオレンジ色の油として表題化合物(972mg、96%収率)を得、次の工程で粗物質として使用した。MS:[M+H]227.
調製36:2−(5−クロロ−3−フルオロ−ピリジン−2−イル)−2−メチル−プロピオニトリル
ビス(トリメチルシリル)アミドナトリウム(610mL、テトラヒドロフラン中40%、1.326モル)の溶液をトルエン(2L)中の5−クロロ−2,3−ジフルオロピリジン(198.2g、1.326モル)およびイソブチロニトリル(238mL、2.65モル)の冷却した溶液に添加した。飽和水性アンモニウムクロリド(1L)の添加前に、混合物を窒素下RTで一晩中撹拌した。相を分離し、水性のものを酢酸エチル(2×1L)で抽出した。合わせた有機物を乾燥(MgSO)し、真空中40℃で濃縮して表題の化合物(259.8g、95%)を得た1HNMR(400MHz,DMSO−d6):8.57(1H,dd),8.24(1H,dd),1.74(6H,bd).
調製37:2−(5−クロロ−3−フルオロピリジン−2−イル)−2−メチルプロピルアミン
ボラン−テトラヒドロフラン錯体(1M、1.37L、1.365モル)をテトラヒドロフラン(670mL)中の2−(5−クロロ−3−フルオロピリジン−2−イル)−2−メチルプロピオニトリル(135.6g,0.683mole)の冷却した溶液に添加した。氷中に冷却する前に、混合物を窒素下室温で一晩中撹拌した。混合物を5Mの塩酸(335mL)の添加によりクエンチした。結果として生じる混合物を40%水性水酸化カリウム(460mL)で塩基性に変化させ、相を分離した。塩基性の水性相を酢酸エチル(2×670mL)で抽出し、合わせた有機抽出物をブライン(670mL)で洗浄し、乾燥(MgSO)し、真空中40℃で濃縮して表題の化合物(102.9g、74%)を得た1HNMR(400MHz,DMSO−d6):8.44(1H,t),7.95(1H,dd),2.85(2H,d),1.29(6H,d).
調製38:6−クロロ−3,3−ジメチル−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン
2−(5−クロロ−3−フルオロピリジン−2−イル)−2−メチルプロピルアミン(33g、0.163モル)、炭酸カリウム(122g)およびNMP(100mL)の混合物を150℃まで4時間熱した。冷却した混合物を水(330mL)で希釈し、トルエン(3×300mL)で抽出した 合わせた有機抽出物をブライン(160mL)で洗浄し、乾燥(MgSO)し、真空中40℃で濃縮して粗製材料(24.8g)を得た。5−30%酢酸エチル/ガソリンで溶出するシリカ上のクロマトグラフィーにより、表題の化合物(21g、71%)を得た1HNMR(400MHz,DMSO−d6):7.61(1H,d),6.75(1H,d),6.06(1H,bs),3.31(2H,s),1.21(6H,s).
調製39:6−クロロ−3,3−ジメチル−2,3−ジヒドロピロロ[3,2−b]ピリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
ジ−tertブチルジカルボネート(3.7g、17.1mmol)を、6−クロロ−3,3−ジメチル−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン(2.6g、14.2mmol)、テトラヒドロフラン(26mL)および2Mの水酸化ナトリウム(11.4mL、22.8mmol)の混合物に週末にわたり撹拌しながら添加した。2相の混合物を水(20mL)で希釈し、酢酸エチル(2×20mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥(MgSO)し、真空中40℃で濃縮して粗製材料(6.02g)を得た。5−30%酢酸エチル/ガソリンで溶出するシリカ上のクロマトグラフィーにより、表題の化合物(2.23g、55%)を得た;1HNMR(400MHz,DMSO−d6):8.11(1H,d),7.85(1H,bs),3.77(2H,s),1.52(9H,s),1.28(6H,s).
調製40:6−ブロモ−3,3−ジメチル−2,3−ジヒドロピロロ[3,2−b]ピリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(代替手順)
調製36−40を含むものと類似の方法に従い、表題の化合物を5−ブロモ−2,3−ジフルオロピリジンから合成した;解析データは予め得られたものと矛盾しなかった。
式(I)の化合物の調製
式(I)の化合物を以下に記載したものと類似の脱保護方法を用いて調製した:
方法1
(2R,5S)−5−(4−クロロ−2−メチル−イミダゾール−1−イルメチル)−4−{2−[6−(4−フルオロ−ベンジル)−3,3−ジメチル−2,3−ジヒドロ−ピロロ[3,2−b]ピ[3,2−b]ピリジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−2−メチル−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(0.11mmol)、酢酸エチル(3mL)およびHCl−ジオキサン(4M;5mL)の混合物を20℃で18時間撹拌し、結果として生じる固体をろ過により集めて2−[(2R,5R)−2−[(4−クロロ−2−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)メチル]−5−メチルピペラジン−1−イル]−1−{6−[(4−フルオロフェニル)メチル]−3,3−ジメチル−1H,2H,3H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−イル}エタン−1−オンジヒドロクロリド(実施例11)
方法2
(2R,5S)−5−(2−シアノ−イミダゾール−1−イルメチル)−4−{2−[6−(4−フルオロ−ベンジル)−3,3−ジメチル−2,3−ジヒドロ−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−2−メチル−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(0.10mg、0.17mmol)をTFAおよびDCMの混合物(1:1;5mL)に溶解し、2時間撹拌し、次いで、真空で蒸発させ、DCMと水性NaHCOの間で分配した。有機層を乾燥し、蒸発して、油を得た。この材料をEtOAcに溶解し、1モル当量のL−乳酸で処理した。混合物を次いで蒸発し、無色固体として、1−{[(2R,5R)−1−(2−{6−[(4−フルオロフェニル)メチル]−3,3−ジメチル−1H,2H,3H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−イル}−2−オキソエチル)−5−メチルピペラジン−2−イル]メチル}−1H−イミダゾール−2−カルボニトリルL−ラクテート(実施例10;0.11g)を得た。
実施例1〜22、30〜31および38
上に記載のものと同様および/または類似の方法に従って、以下の表に提示された化合物は、特に明記される場合を除いて、以下に示されたいくつもの大きな変化を伴い、対応するN−Boc保護誘導体から調製した。N−Boc保護誘導体の調製は、以下の表に(調製番号または名前により)同定される。表題の化合物は、さらなる精製無しに遊離塩基または対応する塩として直接単離されるか、または質量指向の分取HPLC、結晶化または粉砕を例えば用いて精製される。
Figure 0006324976
Figure 0006324976
Figure 0006324976
Figure 0006324976
Figure 0006324976
Figure 0006324976
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Figure 0006324976
Figure 0006324976
Figure 0006324976
Figure 0006324976
Figure 0006324976
実施例23−37
次の化合物は本明細書に記載の方法を用いて作製され得る。
特に、調製20および調製33は適切な中間体を用いて使用された。必要な中間体は市販されているか、または本明細書に記載のものと類似した方法を用いて合成され得る。
Figure 0006324976
Figure 0006324976
Figure 0006324976
生物学的アッセイ
XIAP、cIAP1およびcIAP2 BIR3ドメインの発現および精製
Hisタグと融合したヒトXIAP(残基252−350)、GSTタグと融合したヒトcIAP−1(残基267−363)およびHisタグと融合したヒトcIAP−2(残基244−337)の組み換えBIR3ドメインを、TB培地で成長させた大腸菌細胞から過剰発現させた。Ni−NTAアフィニティークロマトグラフィー(XIAP/cIAP−2)またはグルタチオンセファロース(sepharase)4Bアフィニティークロマトグラフィー(cIAP−1)を用いて、タンパク質を溶解物から単離した。XIAPおよびcIAP−1のためのアフィニティータグを、25mMのHEPES pH 7.5、100mMのNaCl、50μMのZn(OAc)および1mMのCa(OAc)内でトロンビンで切断し、次いで、サイズ排除クロマトグラフィーによってBIR3ドメインの精製を行った。cIAP−2に関してはHisタグは未切断であり、凝集誘導共有自己オリゴマー化の問題のため、タンパク質は3mg/mlを超えては濃縮されなかった。精製タンパク質を、25mMのTris pH 7.5、100mMのNaClに−80℃で保管した。
XIAP、cIAP1およびcIAP2インビトロ競合的置換結合アッセイ
修飾SMACペプチドおよび化合物を、XIAP、cIAP−1またはcIAP−2のいずれかから蛍光トレーサーを置換する能力に関して試験した。cIAP−1、cIAP−2およびXIAPのBIR3ドメインを、アッセイ緩衝液(50mMのHepes pH 7.5、0.025%Tween−20、0.01%BSAおよび1mMのDTT)中で、試験化合物またはSMACベースペプチドおよびそれらそれぞれのペプチドプローブ(Peptide Protein Research)とインキュベートした。陽性対照は、BIR3タンパク質をおよびトレーサー(阻害無し)を含み、陰性対照は、トレーサーのみ(100%阻害)を含んでいた。試料を、蛍光偏光モード(FP 485nm、520nm、520nm)のBMG Pherastarで読み込む前に、室温で1時間(XIAPおよびcIAP−2)または3時間(cIAP−1)インキュベートした。IC50値を、非線形最小二乗法分析を用いて用量反応プロットから決定した。
Figure 0006324976
実施例1〜9、13〜16、21、22、30、31および38の化合物は、XIAPアッセイでは1μMの濃度で、1μM未満のIC50値を有し、または、少なくとも50%の活性阻害を提供し、cIAP1アッセイでは0.1μMの濃度で、0.1μM未満のIC50値を有し、または、少なくとも50%の活性阻害を提供する。本発明の好ましい化合物は、XIAPおよび/またはcIAP1および/またはcIAP2に対して、0.01μM未満のIC50値を有する。上記アッセイの本発明の化合物に関するデータが、表1で提供される。
抗増殖活性
Alamar Blueアッセイ(Nociari,M. M、Shalev,A.、Benias,P.、Russo,C.Journal of Immunological Methods 1998、213、157−167)を用いて細胞成長の阻害を観測する。その方法は、リザズリンをその蛍光生成物レゾルフィンに変える生細胞の能力に基づく。各増殖アッセイに関して、細胞を96ウェルプレートにプレート化し、16時間回復させ、阻害剤化合物(0.1%DMSO v/v中)を添加してさらに72時間回復させた。インキュベーション時間の終わりに、10%(v/v)のAlamar Blueを添加し、さらに6時間インキュベートし、535nM ex/590nM emでの蛍光生成物の決定を行った。本発明の化合物の抗増殖活性を、3つのがん細胞系統:
・EVSA−T(ヒト乳癌)DSMZカタログ番号ACC 433
・MDA−MB−231(ヒト乳癌)ECACCカタログ番号92020424
・HCT116(ヒト結腸癌)ECACCカタログ番号91091005(非特異的細胞傷害性に関する対象として使用される非感受性細胞系統)
での化合物の成長を阻害する能力を測定することで、決定し得る。
本発明の多くの化合物は、EVSA−T細胞系統アッセイで0.01μM未満(および、MDA−MB−231細胞系統に対しては0.1μM未満)のEC50値を有することが分かり、好ましい化合物は、EVSA−T細胞系統で、0.001μM未満(およびMDA−MB−231細胞系統に対しては0.01μM未満)のEC50、ならびに、HCT116細胞に対して10μM超のEC50を有する。細胞系統EVSA−Tを用いるアッセイでは、実施例1〜22、30、31および38は、1μM未満のEC50を有する。上記アッセイの本発明の化合物に関するデータが、表1で提供される。
HEK293−XIAP−カスパーゼ−9免疫沈澱(IP)MSDアッセイプロトコル
安定したHEK293−XIAP−カスパーゼ−9細胞を、96ウェルプレート[培養完全培地(DMEM+10%FBS+0.5mg/mlのジェネテシン(インビトロゲン社(Invitrogen))中、1mlあたり1×10個の細胞である、200μl/ウェル]にプレート化し、37℃で一晩放置し、回復させた。化合物を添加して37℃で2時間、0.1%DMSO中でウェルを複製した。細胞を50μlの1×MSD溶解緩衝液(20mMのTris.Cl(pH 7.6)中の1%Triton X−100、プロテアーゼ阻害剤を含む150mMのNaCl)中で20分間、室温で振動しながら、可溶化した。ストレプトアビジン高結合性MSDプレート(L15SB−2)を、ビオチン標識抗−FLAG M2抗体(シグマ社(Sigma)F9291)で、1時間PBS中の抗体で5μg/mlの希釈を伴う25μl/ウェルで、振動しながらコーティングし;次いで、1時間、150μlの3%BSA/TBSTで遮断した。細胞溶解物(25μl)を、96ウェルの抗FLAGでコーティングしたMSDプレートに添加し、室温で4時間振盪機に置いた。150μlのTBST(20mMのTris.Cl(pH7.6)、150mMのNaCl、0.1%Tween−20)で4回洗浄した後、MSD遮断緩衝液(3%BSA/TBST)中5μl/mlに希釈した抗−カスパーゼ−9[CST#9505]を4℃で一晩添加した。150μlのTBSTで4回プレートを洗浄した後、MSD遮断緩衝液で2μg/mlまで希釈した抗ウサギ−スルホ(rabbit−sulfo)タグ(MSDカタログ番号R32AB−1)を室温で2時間添加した。プレートを150μlのTBSTで4回洗浄し、150μl/ウェルの1×MSDリード緩衝液(R92TC−2)を、各プレートを読む前に添加した。
非線形最小二乗法分析を用いて、用量反応プロットからEC50値を決定した。本発明の多くの化合物は、1μM未満のEC50値を有することが分かり、好ましい化合物は、0.1μM未満のEC50を有する。
Figure 0006324976
1つ以上のデータ点が取得される場合は、上の表は、(2つの有効数字に対する)これらデータ点の平均(たとえば、幾何平均)を示す。

Claims (25)

  1. 式(I):
    Figure 0006324976
    の化合物またはその互変異性もしくは立体化学的異性体型、N−オキシド、薬学上許容できる塩もしくは溶媒和物であって;ここで、
    XはCH、YはCRであり、または、XもしくはYのうち一方がCR、他方が窒素であり、または、XおよびYは窒素であり;
    は、
    (i)いずれかの炭素原子上で、C1−4アルキル、ヒドロキシル、ヒドロキシC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキル、メトキシメチル、=Oおよびニトリルから独立して選択される2つの置換基で置換されているN−結合ピラゾリル、
    (ii)窒素原子上で、C1−4アルキル、ヒドロキシC1−4アルキルおよびハロC1−4アルキルから選択される置換基で置換されていてもよく、さらに、炭素原子上で、炭素原子上で、C1−4アルキル、ヒドロキシル、ヒドロキシC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキル、メトキシメチル、=Oおよびニトリルから独立して選択される1または2つの置換基で置換されていてもよいC結合ピラゾリル、
    (iii)ハロゲン、C1−4アルキル、ヒドロキシル、ヒドロキシC1−4アルキル、C1−4アルキオキシ、ハロC1−4アルキル、メトキシメチル、=Oおよびニトリルから独立して選択される1または2つの置換基で置換されていてもよいイミダゾリル、
    (iv)ハロゲン、C1−4アルキル、ヒドロキシル、ヒドロキシC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキル、メトキシメチル、=Oおよびニトリルから独立して選択される2つの置換基で置換されているピリジニル、および、
    (v)ハロゲン、C1−4アルキル、ヒドロキシル、ヒドロキシC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキル、=Oおよびニトリルから選択される1つの置換基、または、ハロゲン、ヒドロキシル、ヒドロキシC1−4アルキル、C1−4アルキオキシ、ハロC1−4アルキル、メトキシメチル、=Oおよびニトリルから独立して選択される2つの置換基で置換されているトリアゾリル;
    から選択され、
    は:フェニル基上で、フッ素およびニトリルから選択される1または2つの置換基で置換されていてもよい、および、メチレン上でヒドロキシルで置換されていてもよいベンジル;ならびに、フッ素およびヒドロキシルから選択される1または2つの置換基で置換されているC2−4アルキルから選択され;
    は、水素およびニトリルから選択される、
    前記式(I)の化合物またはその互変異性もしくは立体化学的異性体型、N−オキシド、薬学上許容できる塩もしくは溶媒和物。
  2. XおよびYは双方とも窒素であり;Xは窒素、およびYはCHであり;または、XはCH、およびYは窒素である、請求項1に記載の化合物。
  3. Xは窒素、およびYはCHである、請求項1に記載の化合物。
  4. XはCH、およびYは窒素である、請求項1に記載の化合物。
  5. が:
    (i)窒素原子上で、C1−4アルキル、ヒドロキシC1−4アルキルおよびハロC1−4アルキルから選択される置換基で置換されていてもよく、さらに、炭素原子上で、C1−4アルキル、ヒドロキシル、ヒドロキシC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキル、メトキシメチル、=Oおよびニトリルから独立して選択される1または2つの置換基で置換されていてもよいC結合ピラゾリル;
    (ii)ハロゲン、C1−4アルキル、ヒドロキシル、ヒドロキシC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキル、メトキシメチル、=Oおよびニトリルから独立して選択される1または2つの置換基で置換されていてもよいC結合イミダゾリル;
    (iii)ハロゲン、C1−4アルキル、ヒドロキシル、ヒドロキシC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキル、メトキシメチル、=Oおよびニトリルから独立して選択される1または2つの置換基で置換されているC結合ピリジニル;ならびに、
    (iv)ハロゲン、C1−4アルキル、ヒドロキシル、ヒドロキシC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキル、=Oおよびニトリルから選択される1つの置換基、または、ハロゲン、ヒドロキシル、ヒドロキシC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキル、メトキシメチル、=Oおよびニトリルから独立して選択される2つの置換基で置換されているC結合トリアゾリル
    から選択されるか、
    が:
    (i)いずれかの炭素原子上で、メチル、エチル、イソプロピル、ヒドロキシル、ヒドロキシメチル、メトキシ、モノフルオロメチル、トリフルオロメチル、=Oおよびニトリルから独立して選択される2つの置換基で置換されているN結合ピラゾリル;
    (iii)フッ素、塩素、メチル、エチル、イソプロピル、ヒドロキシル、ヒドロキシメチル、メトキシ、モノフルオロメチル、トリフルオロメチル、=Oおよびニトリルから独立して選択される1または2つの置換基で置換されていてもよいN結合イミダゾリル;ならびに、
    (iv)フッ素、塩素、メチル、エチル、イソプロピル、ヒドロキシル、ヒドロキシメチル、メトキシ、モノフルオロメチル、トリフルオロメチル、=Oおよびニトリルから独立して選択される2つの置換基で置換されているN結合ピリジニル
    から選択されか、
    が:
    (i)2つの炭素原子上で、メチル置換基で置換されているN結合ピラゾリル;(iii)塩素、メチル、エチル、ヒドロキシメチル、トリフルオロメチルおよびニトリルから独立して選択される1または2つの置換基で置換されていてもよいN結合イミダゾリル;ならびに、
    (iv)メチルおよび=Oから選択される2つの置換基で置換されているN結合ピリジニル
    から選択されるか、あるいは
    が:
    (i)2つの炭素原子上で、メチル置換基で置換されているN結合ピラゾリル;(iii)塩素、メチル、エチル、ヒドロキシメチル、トリフルオロメチルおよびニトリルから独立して選択される1または2つの置換基で置換されているN結合イミダゾリル;ならびに、
    (iv)メチルおよび=Oから選択される2つの置換基で置換されているN結合ピリジニル
    から選択される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物。
  6. が、窒素原子上でC1−4アルキル、ヒドロキシC1−4アルキルおよびハロC1−4アルキルから選択される置換基で置換されていてもよく、さらに、炭素原子上で、C1−4アルキル、ヒドロキシル、ヒドロキシC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキル、メトキシメチル、=Oおよびニトリルから独立して選択される1または2つの置換基で置換されていてもよいC結合ピラゾリルである、請求項5に記載の化合物。
  7. が窒素原子上で置換基によって置換されているC結合ピラゾリルである場合、前記置換基が、C1−4アルキル、ヒドロキシC1−4アルキルおよびハロC1−4アルキルから選択され、さらに、炭素原子上で、C1−4アルキル、ヒドロキシル、ヒドロキシC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキル、メトキシメチル、=Oおよびニトリルから独立して選択される1または2つの置換基で置換されていてもよい、請求項6に記載の化合物。
  8. がC結合ピラゾリルである場合、前記ピラゾリルが、1つの窒素原子上でC1−4アルキル置換基によって置換されており、1つの炭素原子上でC1−4アルキル置換基によって置換されている、請求項6に記載の化合物。
  9. がC結合ピラゾリルである場合、前記ピラゾリルが1つの窒素原子上でメチル置換基によって置換されており、1つの炭素原子上でメチル置換基によって置換されている、請求項7または8に記載の化合物。
  10. が1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−5−イルである、請求項7または8に記載の化合物。
  11. が4−フルオロベンジル、2,4−ジフルオロベンジルまたは2−シアノ−4−フルオロベンジルから選択され、あるいは、Rが1,1−ジフルオロプロピルおよび1,1−ジフルオロブチルから選択される、請求項1〜10のいずれか一項に記載の化合物。
  12. が2,4−ジフルオロベンジルである、請求項1〜10のいずれか一項に記載の化合物。
  13. が1,1−ジフルオロブチルである、請求項1〜10のいずれか一項に記載の化合物。
  14. 式(I)の化合物が、式(Ie):
    Figure 0006324976
    の化合物またはその互変異性もしくは立体化学的異性体型、N−オキシド、薬学上許容できる塩もしくは溶媒和物であり;
    ここで、Rは請求項1または11〜13のいずれか一項に記載の通りであり、Rは、窒素原子上にある場合は、C1−4アルキル、ヒドロキシC1−4アルキルおよびハロC1−4アルキルから独立して選択され、炭素原子上にある場合は、C1−4アルキル、ヒドロキシル、ヒドロキシC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキル、メトキシメチル、=Oおよびニトリルから選択され;nは0、1、2または3である、請求項1に記載の化合物。
  15. 式(I)の化合物が式(If):
    Figure 0006324976
    の化合物またはその互変異性もしくは立体化学的異性体型、N−オキシド、薬学上許容できる塩もしくは溶媒和物であって;
    ここで、Rは請求項1または11〜13のいずれか一項に記載の通りであり、RはC1−4アルキル、ヒドロキシC1−4アルキルおよびハロC1−4アルキルから選択され;RはC1−4アルキル、ヒドロキシル、ヒドロキシC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキル、メトキシメチル、=Oおよびニトリルから独立して選択され;mは0、1および2から選択される、請求項1に記載の化合物。
  16. 前記化合物が
    2-[(2R,5R)-2-[(3,5-ジメチル-1H-ピラゾール-1-イル)メチル]-5-メチルピペラジン-1-イル]-1-{6-[(4-フルオロフェニル)メチル]-3,3-ジメチル-1H,2H,3H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-1-イル}エタン-1-オン;
    1-{6-[(4-フルオロフェニル)メチル]-3,3-ジメチル-1H,2H,3H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-1-イル}-2-[(2R,5R)-5-メチル-2-[(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]エタン-1-オン;
    2-[(2R,5R)-2-[(4,5-ジメチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]-5-メチルピペラジン-1-イル]-1-{6-[(4-フルオロフェニル)メチル]-3,3-ジメチル-1H,2H,3H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-1-イル}エタン-1-オン;
    2-[(2R,5R)-2-[(2-エチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]-5-メチルピペラジン-1-イル]-1-{6-[(4-フルオロフェニル)メチル]-3,3-ジメチル-1H,2H,3H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-1-イル}エタン-1-オン;
    1-{6-[(4-フルオロフェニル)メチル]-3,3-ジメチル-1H,2H,3H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-1-イル}-2-[(2R,5R)-5-メチル-2-{[2-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-1-イル]メチル}ピペラジン-1-イル]エタン-1-オン;
    1-{6-[(4-フルオロフェニル)メチル]-3,3-ジメチル-1H,2H,3H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-1-イル}-2-[(2R,5R)-2-(1H-イミダゾール-1-イルメチル)-5-メチルピペラジン-1-イル]エタン-1-オン;
    2-[(2R,5R)-2-[(2,4-ジメチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]-5-メチルピペラジン-1-イル]-1-{6-[(4-フルオロフェニル)メチル]-3,3-ジメチル-1H,2H,3H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-1-イル}エタン-1-オン;
    2-[(2R,5R)-2-[(2-クロロ-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]-5-メチルピペラジン-1-イル]-1-{6-[(4-フルオロフェニル)メチル]-3,3-ジメチル-1H,2H,3H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-1-イル}エタン-1-オン;
    1-{[(2R,5R)-1-(2-{6-[(4-フルオロフェニル)メチル]-3,3-ジメチル-1H,2H,3H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-1-イル}-2-オキソエチル)-5-メチルピペラジン-2-イル]メチル}-5-メチル-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン;
    1-{[(2R,5R)-1-(2-{6-[(4-フルオロフェニル)メチル]-3,3-ジメチル-1H,2H,3H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-1-イル}-2-オキソエチル)-5-メチルピペラジン-2-イル]メチル}-1H-イミダゾール-2-カルボニトリル;
    2-[(2R,5R)-2-[(4-クロロ-2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]-5-メチルピペラジン-1-イル]-1-{6-[(4-フルオロフェニル)メチル]-3,3-ジメチル-1H,2H,3H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-1-イル}エタン-1-オン;
    1-{[(2R,5R)-1-(2-{6-[(4-フルオロフェニル)メチル]-3,3-ジメチル-1H,2H,3H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-1-イル}-2-オキソエチル)-5-メチルピペラジン-2-イル]メチル}-2-メチル-1H-イミダゾール-4-カルボニトリル;
    1-{6-[(4-フルオロフェニル)メチル]-3,3-ジメチル-1H,2H,3H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-1-イル}-2-[(2R,5R)-5-メチル-2-[(4-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]エタン-1-オン;
    1-{6-[(4-フルオロフェニル)メチル]-3,3-ジメチル-1H,2H,3H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-1-イル}-2-[(2R,5R)-5-メチル-2-[(5-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]エタン-1-オン;
    1-{6-[(4-フルオロフェニル)メチル]-3,3-ジメチル-1H,2H,3H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-1-イル}-2-[(2R,5R)-5-メチル-2-[(5-メチル-1H-1,2,3-トリアゾ−ル-1-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]エタン-1-オン;
    1-{6-[(4-フルオロフェニル)メチル]-3,3-ジメチル-1H,2H,3H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-1-イル}-2-[(2R,5R)-5-メチル-2-[(4-メチル-1H-1,2,3-トリアゾ−ル-1-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]エタン-1-オン;
    1-{6-[(4-フルオロフェニル)メチル]-3,3-ジメチル-1H,2H,3H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-1-イル}-2-[(2R,5R)-2-{[4-(ヒドロキシメチル)-2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル]メチル}-5-メチルピペラジン-1-イル]エタン-1-オン;
    1-{6-[(4-フルオロフェニル)メチル]-3,3-ジメチル-1H,2H,3H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-1-イル}-2-[(2R,5R)-2-{[5-(ヒドロキシメチル)-2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル]メチル}-5-メチルピペラジン-1-イル]エタン-1-オン;
    2-[(2R,5R)-2-[(3,4-ジメチル-1H-ピラゾール-1-イル)メチル]-5-メチルピペラジン-1-イル]-1-{6-[(4-フルオロフェニル)メチル]-3,3-ジメチル-1H,2H,3H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-1-イル}エタン-1-オン;
    2-[(2R,5R)-2-[(4,5-ジメチル-1H-ピラゾール-1-イル)メチル]-5-メチルピペラジン-1-イル]-1-{6-[(4-フルオロフェニル)メチル]-3,3-ジメチル-1H,2H,3H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-1-イル}エタン-1-オン;
    1-{6-[(4-フルオロフェニル)メチル]-3,3-ジメチル-1H,2H,3H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-1-イル}-2-[(2R,5R)-5-メチル-2-[(5-メチル-1H-1,2,4-トリアゾ−ル-1-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]エタン-1-オン;
    1-{6-[(2,4-フルオロフェニル)メチル]-3,3-ジメチル-1H,2H,3H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-1-イル}-2-[(2S,5R)-2-[(1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-イル)メチル]-5-メチルピペラジン-1-イル]エタン-1-オン;
    1-{6-[(2,4-フルオロフェニル)メチル]-3,3-ジメチル-1H,2H,3H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-1-イル}-2-[(2R,5R)-2-[(4,5-ジメチル-1H-ピラゾール-1-イル)メチル]-5-メチルピペラジン-1-イル]エタン-1-オン;
    1-{6-[(2,4-フルオロフェニル)メチル]-3,3-ジメチル-1H,2H,3H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-1-イル}-2-[(2R,5R)-2-[(4,5-ジメチル-1H-ピラゾール-1-イル)メチル]-5-メチルピペラジン-1-イル]エタン-1-オン;
    2-[(2R,5R)-2-[(4,5-ジメチル-1H-ピラゾール-1-イル)メチル]-5-メチルピペラジン-1-イル]-1-{6-[(4-フルオロフェニル)メチル]-3,3-ジメチル-1H,2H,3H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-1-イル}エタン-1-オン;
    2-[(2R,5R)-2-[(4,5-ジメチル-1H-ピラゾール-1-イル)メチル]-5-メチルピペラジン-1-イル]-1-{6-[(4-フルオロフェニル)メチル]-3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1H-インドール-1-イル}エタン-1-オン;
    1-[6-(1,1-ジフルオロブチル)-3,3-ジメチル-1H,2H,3H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-1-イル]-2-[(2R,5R)-2-[(4,5-ジメチル-1H-ピラゾール-1-イル)メチル]-5-メチルピペラジン-1-イル]エタン-1-オン;
    2-[(2S,5R)-2-[(1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-イル)メチル]-5-メチルピペラジン-1-イル]-1-{6-[(4-フルオロフェニル)メチル]-3,3-ジメチル-1H,2H,3H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-1-イル}エタン-1-オン;
    1-{6-[(4-フルオロフェニル)メチル]-3,3-ジメチル-1H,2H,3H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-1-イル}-2-[(2S,5R)-5-メチル-2-[(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]エタン-1-オン;
    1-[6-(1,1-ジフルオロブチル)-3,3-ジメチル-1H,2H,3H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-1-イル]-2-[(2S,5R)-2-[(1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-イル)メチル]-5-メチルピペラジン-1-イル]エタン-1-オン;
    1-{6-[(2,4-フルオロフェニル)メチル]-3,3-ジメチル-1H,2H,3H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-1-イル}-2-[(2S,5R)-2-[(1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-イル)メチル]-5-メチルピペラジン-1-イル]エタン-1-オン;
    1-{3-[(2,4-フルオロフェニル)メチル]-7,7-ジメチル-5H,6H,7H-ピロロ[3,2-c]ピリダジン-5-イル}-2-[(2S,5R)-2-[(1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-イル)メチル]-5-メチルピペラジン-1-イル]エタン-1-オン;
    2-[(2S,5R)-2-[(1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-イル)メチル]-5-メチルピペラジン-1-イル]-1-{3-[(4-フルオロフェニル)メチル]-7,7-ジメチル-5H,6H,7H-ピロロ[3,2-c]ピリダジン-5-イル}エタン-1-オン;
    1-[3-(1,1-ジフルオロブチル)-7,7-ジメチル-5H,6H,7H-ピロロ[3,2-c]ピリダジン-5-イル]-2-[(2S,5R)-2-[(1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-イル)メチル]-5-メチルピペラジン-1-イル]エタン-1-オン;
    1-{3-[(2,4-フルオロフェニル)メチル]-7,7-ジメチル-5H,6H,7H-ピロロ[3,2-c]ピリダジン-5-イル}-2-[(2S,5R)-5-メチル-2-[(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]エタン-1-オン;
    1-{3-[(4-フルオロフェニル)メチル]-7,7-ジメチル-5H,6H,7H-ピロロ[3,2-c]ピリダジン-5-イル}-2-[(2S,5R)-5-メチル-2-[(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]エタン-1-オン;
    1-[3-(1,1-ジフルオロブチル)-7,7-ジメチル-5H,6H,7H-ピロロ[3,2-c]ピリダジン-5-イル]-2-[(2S,5R)-5-メチル-2-[(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]エタン-1-オン;
    1-{[(2R,5R)-1-(2-{6-[(4-フルオロフェニル)メチル]-3,3-ジメチル-1H,2H,3H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-1-イル}-2-オキソエチル)-5-メチルピペラジン-2-イル]メチル}-3-メチル-1,4-ジヒドロピリジン-4-オン
    またはその互変異性もしくは立体化学的異性体型、N−オキシド、薬学上許容できる塩もしくは溶媒和物から選択される、請求項1に記載の化合物。
  17. 請求項1〜16のいずれか一項に記載の式(I)の化合物を含んでなる、医薬組成物。
  18. 1つ以上の治療剤と組み合わせて請求項1〜16のいずれか一項に記載の式(I)の化合物を含んでなる、医薬組成物。
  19. (i)治療のため
    (ii)IAPが媒介する疾患状態または症状の予防または処置のため
    (iii)IAPを過剰発現する疾患状態または症状の予防または処置のため
    (iv)がんの予防または処置のため、または
    (v)膀胱および尿路、胸、胃腸管(食道、腹(胃)、小腸、結腸、直腸および肛門を含んでいてもよい)、肝臓(肝細胞癌)、胆嚢および胆道系、外分泌膵臓、腎臓、肺(腺癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、気管支肺胞上皮癌および中皮腫を含んでいてもよい)、頭頸部(舌、口腔、喉頭、咽頭、鼻咽腔、扁桃腺、唾液腺、鼻腔および副鼻腔の癌を含んでいてもよい)、卵巣、ファロピーオ管、腹膜、膣、陰門、陰茎、頚部、子宮筋層、子宮内膜、甲状腺(甲状腺濾胞癌を含んでいてもよい)、副腎、前立腺、皮膚および付属器(メラノーマ、基底細胞癌、扁平上皮癌、角化棘細胞腫、異形成母斑を含んでいてもよい)の癌を含んでいてもよい、上皮由来の腫瘍(腺癌、扁平上皮癌、移行細胞癌および他の癌を包含する様々な種類の腺腫および癌を含んでいてもよい);血液系腫瘍およびリンパ系統の関連症状(急性リンパ性白血病[ALL]、慢性リンパ球性白血病[CLL]、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫[DLBCL]を含んでいてもよいB細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、バーキットリンパ腫、マントル細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫および白血病、ナチュラルキラー[NK]細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、毛様細胞白血病、意義不明の単クローン性γグロブリン血症、プラズマ細胞腫、多発性骨髄腫および移植後リンパ増殖性障害を含んでいてもよい)、ならびに、血液系腫瘍および骨髄系統の関連症状(急性骨髄性白血病[AML]、慢性骨髄性白血病[CML]、慢性骨髄単球性白血病[CMML]、好酸球増加症候群、真性赤血球増加症、本態性血小板血症および原発性骨髄線維症を含んでいてもよい骨髄増殖障害、骨髄増殖症候群、骨髄異形成症候群および前骨髄性白血病)を含んでいてもよい、血液系腫瘍(白血病、リンパ腫を含んでいてもよい)ならびに前がん状態血液疾患および境界悪性の障害;間充織由来の腫瘍(軟組織、骨または軟骨の肉腫(骨肉腫、繊維肉腫、軟骨肉腫、横紋筋肉腫、平滑筋肉腫、脂肪肉腫、血管肉腫、カポジ肉腫、ユーイング肉腫、滑膜肉腫、類上皮肉腫、消化管間葉性腫瘍、良性および悪性組織球腫ならびに隆起性皮膚線維肉腫を含んでいてもよい)を含んでいてもよい);中枢または末梢神経系の腫瘍(星状細胞腫、神経膠腫および膠芽腫、髄膜腫、脳室上衣腫、果体部腫瘍ならびにシュワン細胞腫を含んでいてもよい);内分泌腺の腫瘍(下垂体腫瘍、副腎腫瘍、膵島腫瘍、甲状腺傍腫瘍、カルチノイド腫瘍および甲状腺の髄様癌を含んでいてもよい);視覚および付属器腫瘍(網膜芽細胞腫を含んでいてもよい);生殖細胞および栄養芽層腫瘍(奇形腫、精上皮腫、未分化胚細胞腫、胞状奇胎および絨毛膜癌腫を含んでいてもよい);ならびに、小児および胚芽腫(髄芽細胞腫、神経芽細胞腫、ウィルムス腫瘍および原始神経外胚葉性腫瘍を含んでいてもよい);または、患者が悪性腫瘍に影響を受けることになる、先天的またはそうではない症候群(色素性乾皮症を含んでいてもよい)の予防または処置のための
    請求項1〜16のいずれか一項に記載の化合物を含んでなる、医薬組成物。
  20. XIAPおよび/またはcIAPが媒介する疾患状態または症状の予防または処置のための、請求項1〜16のいずれか一項に記載の化合物を含んでなる、医薬組成物。
  21. XIAPおよび/またはcIAPを過剰発現する疾患状態または症状の予防または処置のための、請求項1〜16のいずれか一項に記載の化合物を含んでなる、医薬組成物。
  22. 1つ以上の他の治療剤と組み合わせてまたは1もしくは2つの他の抗がん剤と組み合わせて請求項1〜16のいずれか一項に記載の式(I)の化合物を含んでなる、医薬組成物。
  23. 1つ以上の他の治療剤と組み合わせて請求項1〜16のいずれか一項に記載の式(I)の化合物を含んでなる、治療のための、あるいは、
    1つ以上の他の治療剤と組み合わせて請求項1〜16のいずれか一項に記載の式(I)の化合物を含んでなる、がんの予防または処置のための、
    医薬組成物。
  24. 1または2つの他の抗がん剤と組み合わせて請求項1〜16のいずれか一項に記載の式(I)の化合物を含んでなる、治療のための、あるいは、
    1または2つの他の抗がん剤と組み合わせて請求項1〜16のいずれか一項に記載の式(I)の化合物を含んでなる、がんの予防または処置のための、
    医薬組成物。
  25. 1または2つの他の治療剤との組み合わせ治療のため、
    請求項1〜16のいずれか一項に記載の式(I)の化合物を含んでなる、医薬組成物。
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