以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、パチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」と略称する。)1の正面図である。また図2は、パチンコ機1の背面図である。パチンコ機1は、遊技球を遊技媒体として用いるものであり、遊技者は、遊技場運営者から遊技球を借り受けてパチンコ機1による遊技を行う。なお、パチンコ機1における遊技において、遊技球はその1個1個が遊技価値を有した媒体であり、遊技の成果として遊技者が享受する特典(利益)は、例えば遊技者が獲得した遊技球の数に基づいて遊技価値に換算することができる。以下、図1及び図2を参照して遊技機の全体構成について説明する。
〔遊技機の全体構成〕
パチンコ機1は、その本体として主に外枠アセンブリ2、ガラス枠ユニット4、受け皿ユニット6及びプラ枠アセンブリ7(遊技機枠)を備えている。このうち外枠アセンブリ2は、木材を縦長の矩形状に組み合わせた構造体であり、この外枠アセンブリ2は、遊技場内の島設備(図示されていない)に対してねじ等の締結具を用いて固定されるものである。
その他のガラス枠ユニット4や受け皿ユニット6、プラ枠アセンブリ7は外枠アセンブリ2を介して島設備に取り付けられ、これらはそれぞれ図示しないヒンジ機構を介して開閉式に動作する。図示しないヒンジ機構の開閉軸線は、パチンコ機1の正面からみて左側端部に沿って垂直方向に延びている。
図1中の正面からみてプラ枠アセンブリ7の右側縁部(図2では左側縁部)には、その内側に統一錠ユニット9が設けられている。また、これに対応してガラス枠ユニット4及び外枠アセンブリ2の右側縁部(裏側)にも、それぞれ図示しない施錠具が設けられている。図1に示されるように、外枠アセンブリ2に対してガラス枠ユニット4及びプラ枠アセンブリ7が閉じた状態で、その裏側にある統一錠ユニット9は施錠具とともにガラス枠ユニット4及びプラ枠アセンブリ7の開放を不能にしている。
また、受け皿ユニット6の右側縁部には鍵穴付きのシリンダ錠6aが設けられている。例えば、遊技場の管理者が専用キーを鍵穴に差し込んでシリンダ錠6aを時計回りに捻ると、統一錠ユニット9が作動してプラ枠アセンブリ7とともにガラス枠ユニット4及び受け皿ユニット6の開放が可能な状態となる。これら全体を外枠アセンブリ2から前面側へ開放する(扉のように動かす)と、前面側にてパチンコ機1の裏側が露出することになる。
一方、シリンダ錠6aを反時計回りに捻ると、プラ枠アセンブリ7は施錠されたままでガラス枠ユニット4の施錠だけが解除され、ガラス枠ユニット4が開放可能となる。ガラス枠ユニット4を前面側へ開放すると遊技盤ユニット8が直に露出し、この状態で遊技場の管理者が盤面内での球詰まり等の障害を取り除くことができる。またガラス枠ユニット4を開放すると、受け皿ユニット6のロック機構(図示していない)が露出する。この状態でロック機構を解除すると、受け皿ユニット6をプラ枠アセンブリ7に対して前面側へ開放することができる。
またパチンコ機1は、遊技用ユニットとして上記の遊技盤ユニット8を備えている。遊技盤ユニット8は、ガラス枠ユニット4の背後(内側)で上記のプラ枠アセンブリ7に支持されている。遊技盤ユニット8は、例えばガラス枠ユニット4を前面側へ開放した状態でプラ枠アセンブリ7に対して着脱可能である。ガラス枠ユニット4には、その中央部に縦長円形状の窓4aが形成されており、この窓4a内にガラスユニット(参照符号なし)が取り付けられている。ガラスユニットは、例えば窓4aの形状に合わせてカットされた2枚の透明板(ガラス板)を組み合わせたものである。ガラスユニットは、ガラス枠ユニット4の裏側に図示しないヒンジ機構を介して開閉式に取り付けられる。遊技盤ユニット8の前面には遊技領域8a(盤面)が形成されており、この遊技領域8aは窓4aを通じて前面側から遊技者に視認可能である。ガラス枠ユニット4が閉じられると、ガラスユニットの内面と遊技盤面との間に遊技球が流下できる空間が形成される。
受け皿ユニット6は、全体的に外枠アセンブリ2から前面側へ突出した形状をなしており、その上面に上皿6bが形成されている。この上皿6bには、遊技者に貸し出された遊技球(貸球)や入賞により獲得した遊技球(賞球)を貯留することができる。また受け皿ユニット6には、上皿6bの下段位置に下皿6cが形成されている。この下皿6cには、上皿6bが満杯の状態でさらに払い出された遊技球が貯留される。なお本実施形態のパチンコ機1はいわゆるCR機(CRユニットに接続する機種)であり、遊技者が借り受けた遊技球は、賞球とは別に裏側の払出装置ユニット172から受け皿ユニット6(上皿6b又は下皿6c)に払い出される。
受け皿ユニット6の上面には貸出操作部14が設けられており、この貸出操作部14には、球貸ボタン10及び返却ボタン12が配置されている。図示しないCRユニットに有価媒体(例えば磁気記録媒体、記憶IC内蔵媒体等)を投入した状態で球貸ボタン10を遊技者が操作すると、予め決められた度数単位(例えば5度数)に対応する個数(例えば125個)分の遊技球が貸し出される。このため貸出操作部14の上面には度数表示部(図示されていない)が配置されており、この度数表示部には、CRユニットに投入されている有価媒体の残存度数が表示される。なお遊技者は、返却ボタン12を操作することで、度数が残存している有価媒体の返却を受けることができる。本実施形態ではCR機を例に挙げているが、パチンコ機1はCR機とは別の現金機(CRユニットに接続されない機種)であってもよい。なお、パチンコ機1を現金機とする場合、貸出操作部14は搭載されない。
また、受け皿ユニット6の前面には、上段位置にある上皿6bの手前に上皿球抜きレバー6dが設置されており、そして下皿6cの手前でその中央部には下皿球抜きボタン6eが設置されている。遊技者は上皿球抜きレバー6dを例えば左方向へスライドさせることで、上皿6bに貯留された遊技球を下皿6cへ流下させることができる。また遊技者は、下皿球抜きボタン6eを例えば押し込み操作することで、下皿6cに貯留された遊技球を下方へ落下させて排出することができる。排出された遊技球は、例えば図示しない球受け箱等に受け止められる。
受け皿ユニット6の右下部には、グリップユニット16が設置されている。遊技者はこのグリップユニット16を操作することで発射制御基板セット174を作動させ、遊技領域8aに向けて遊技球を発射する(打ち込む)ことができる(球発射装置)。発射された遊技球は、遊技盤ユニット8の左側縁部に沿って上昇し、図示しない外バンドに案内されて遊技領域8a内に放り込まれる。遊技領域8a内には多数の障害釘や風車(図中参照符号なし)等が配置されており、放り込まれた遊技球は障害釘や風車により誘導・案内されながら遊技領域8a内を流下する。
〔盤面の構成〕
遊技領域8a内には、始動ゲート20や普通入賞口22,24、上始動入賞口26、可変始動入賞装置28、可変入賞装置30等が設置されている。遊技領域8a内に放り込まれた遊技球は、その流下の過程で無作為に始動ゲート20を通過したり、あるいは、普通入賞口22,24や上始動入賞口26、作動時の可変始動入賞装置28に入賞(入球)したりする。始動ゲート20を通過した遊技球は続けて遊技領域8a内を流下するが、入賞した遊技球は遊技板に形成された貫通穴を通じて遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。
なお、上記の可変始動入賞装置28は、所定の条件が満たされた場合(普通図柄が当りの態様で停止表示された場合)に作動し、それに伴って下始動入賞口28aへの入賞を可能にする(普通電動役物)。可変始動入賞装置28は、例えば左右一対の可動片28bを有しており、これら可動片28bは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に沿って左右方向に往復動作する。すなわち、図示のように先端が上を向いた状態で左右の可動片28bは閉位置にあり、このとき下始動入賞口28aへの入賞は不能(遊技球が流入できる隙間がない状態)となっている。一方、可変始動入賞装置28が作動すると、左右の可動片28bはそれぞれ閉位置から開放位置に向けて変位(拡開)し、下始動入賞口28aの開口幅を左右に拡大する。この間に可変始動入賞装置28は遊技球の流入が可能な状態となり、下始動入賞口28aへの入賞を発生させる。なお、遊技盤ユニット8に設置されている障害釘の配列(ゲージ)は、基本的に可変始動入賞装置28に向けて遊技球の流下を案内しやすい態様となっているが、必ず遊技球が可変始動入賞装置28に流入するというわけではなく、あくまで流入は無作為に発生する。
また上記の可変入賞装置30は、規定の条件が満たされた場合(特別図柄が非当選以外の態様で停止表示された場合)に作動し、大入賞口(参照符号なし)への入賞を可能にする(特別電動役物)。可変入賞装置30は、例えば1つの開閉部材30aを有しており、この開閉部材30aは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に対して前後方向に往復動作する。図示のように盤面に沿った状態で開閉部材30aは閉位置(閉鎖状態又は閉止状態)にあり、このとき大入賞口への入賞は常に不能(大入賞口は閉塞中)である。可変入賞装置30が作動すると、開閉部材30aがその下端縁部分をヒンジとして前方へ倒れ込むようにして変位し、大入賞口を開放する(開放状態)。この間に可変入賞装置30は遊技球の流入が不能ではない状態となり、大入賞口への入賞という事象を発生させることができる。なお、このとき開閉部材30aは大入賞口への遊技球の流入を案内する部材としても機能する。
その他、遊技領域8a内にはアウト口32が形成されており、入賞しなかった遊技球は最終的にアウト口32を通じて遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。また、上始動入賞口26や可変始動入賞装置28、可変入賞装置30に入賞した遊技球も含めて、遊技領域8a内に打ち込まれた全ての遊技球は遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。回収された遊技球は、図示しないアウト通路アセンブリを通じてパチンコ機1の裏側から枠外へ排出され、さらに図示しない島設備の補給経路に合流する。
また遊技盤ユニット8には、例えば窓4a内の右下位置に普通図柄表示装置33と普通図柄作動記憶ランプ33aが設けられている他、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38が設けられている(普通図柄表示手段、特別図柄表示手段、抽選要素記憶手段)。このうち普通図柄表示装置33は、例えば2つのランプ(LED)を交互に点灯させて普通図柄を変動表示し、そしてランプの点灯又は消灯により普通図柄を停止表示する。普通図柄作動記憶ランプ33aは、例えば2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせによって0〜4個の記憶数を表示する。
図3は、遊技盤ユニット8の一部(窓4a内の右下位置)を拡大して示す正面図である。第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35は、例えばそれぞれ7セグメントLED(ドット付き)により特別図柄の変動状態と停止状態とを表示することができる(図柄表示手段)。なお第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35は、複数のドットLEDを幾何学的(例えば円形状)に配列した形態であってもよい。
また、第1特別図柄作動記憶ランプ34a及び第2特別図柄作動記憶ランプ35aは、例えばそれぞれ2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせで構成される表示態様により、それぞれ0〜4個の記憶数を表示する(記憶数表示手段)。例えば、2つのランプをともに消灯させた表示態様では記憶数0個を表示し、1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数1個を表示し、同じ1つのランプを点滅させた表示態様では記憶数2個を表示し、1つのランプの点滅に加えてもう1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数3個を表示し、そして2つのランプをともに点滅させた表示態様では記憶数4個を表示する、といった具合である。
第1特別図柄作動記憶ランプ34aは、上記の上始動入賞口26に遊技球が流入するごとに、入賞が発生したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化していき(最大4個まで)、その入賞を契機として特別図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化していく。また第2特別図柄作動記憶ランプ35aは、上記の可変始動入賞装置28(下始動入賞口)に遊技球が流入するごとに、入賞が発生したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化し(最大4個まで)、その入賞を契機として特別図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化する。なお本実施形態では、第1特別図柄作動記憶ランプ34aが未点灯(記憶数が0個)の場合、第1特別図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で上始動入賞口26に遊技球が流入しても表示態様は変化しない。また第2特別図柄作動記憶ランプ35aが未点灯(記憶数が0個)の場合、第2特別図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で可変始動入賞装置28(下始動入賞口)に遊技球が流入しても表示態様は変化しない。すなわち、各特別図柄作動記憶ランプ34a,35aの表示態様により表される記憶数(最大4個)は、その時点で未だ第1特別図柄又は第2特別図柄の変動が開始されていない入賞の回数を表している。
また遊技状態表示装置38には、例えば大当り種別表示ランプ38a,38b、確率変動状態表示ランプ38c、時短状態表示ランプ38dにそれぞれ対応する4つのLEDが含まれている。なお本実施形態では、上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38が1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤ユニット8に取り付けられている。
〔遊技盤のその他の構成:図1を参照〕
また遊技盤ユニット8には、その中央位置から右側部分にかけて演出ユニット40が設置されている。演出ユニット40は、その上縁部40aが遊技球の流下方向を変化させる案内部材として機能する他、その内側に各種の装飾部品40b,40cを備えている。装飾部品40b,40cはその立体的な造形により遊技盤ユニット8の装飾性を高めるとともに、例えば内蔵された発光器(LED等)により透過光を発することで、演出的な動作をすることができる。また演出ユニット40の内側には液晶表示器42(画像表示器)が設置されており、この液晶表示器42には特別図柄に対応させた演出図柄をはじめ、各種の演出画像が表示される。このように遊技盤ユニット8は、その盤面の構成(図示しないセル板のデザイン)や演出ユニット40の装飾性に基づいて、遊技者にパチンコ機1の特徴を印象付けている。なお、遊技盤ユニット8にベニヤ板でなく透明板(例えばアクリル板)を用いる場合、透明板の前面や背後に配置された各種の装飾体(可動体や発光体を含む)による装飾性が付加される。
演出ユニット40の左側縁部には球案内通路40dが形成されており、その下縁部には転動ステージ40eが形成されている。球案内通路40dは遊技領域8a内にて左斜め上方に開口しており、遊技領域8a内を流下する遊技球が無作為に球案内通路40d内に流入すると、その内部を通過して転動ステージ40e上に放出される。転動ステージ40eの上面は滑らかな湾曲面を有しており、ここでは遊技球が左右方向に転動自在である。転動ステージ40e上で転動した遊技球は、やがて下方の遊技領域8a内に流下する。転動ステージ40eの中央位置には球放出路40fが形成されており、このとき転動ステージ40eから球放出路40fに流下した遊技球は、その真下にある上始動入賞口26に流入しやすくなる。
その他に演出ユニット40には、演出用の可動体として装飾体400が付属している。装飾体400は、例えばハート型を象った装飾部品であり、図1に示される状態では液晶表示器42の表示画面より上方位置で演出ユニット40に格納されている。装飾体400は、図1に示されない装飾体モータやリンク機構等の働きにより、演出ユニット40に格納された位置から下降して、その全体が液晶表示器42の表示画面より手前の位置まで移動することができる。また、装飾体400には図1に示されない装飾体ランプが設けられており、装飾体400は、装飾体ランプの点灯・点滅により発光演出を行うことができる。このような装飾体400は、液晶表示器42による画像を用いた演出や発光器による演出に加えて、有形物の動作を伴う演出を実行するものとなる。このような装飾体400を用いた演出により、二次元の画像を用いた演出とは別のインパクトを持たせることができる。
〔枠前面の構成〕
ガラス枠ユニット4には、演出用の構成要素としてガラス枠トップランプ46,48やガラス枠サイドランプ50がガラスユニット8を取り巻くようにして複数の箇所に設置されている。また、受け皿ユニット6には受け皿ランプ52が設置されており、この受け皿ランプ52とガラス枠トップランプ46,48及びガラス枠サイドランプ50とは、外見上、パチンコ機1の前面において一体的につながっているかのようにデザインされている。
上述した各種ランプ46〜52は、例えば内蔵するLEDの発光(点灯や点滅、輝度階調の変化、色調の変化等)により演出を実行する。またガラス枠ユニット4の上部には、左右一対のガラス枠上スピーカ54とその中央にガラス枠中スピーカ55が内蔵されており、そして受け皿ユニット6には、下皿6cの右側に受け皿スピーカ56が内蔵されている。これらスピーカ54,55,56は、効果音やBGM、音声等(音響全般)を出力して演出を実行するものである。
また受け皿ユニット6の中央には、上皿6bの手前位置に演出切替ボタン45(個別情報受付手段)が設置されている。遊技者は、この演出切替ボタン45を操作することで演出内容(例えば液晶表示部42に表示される背景画面)を切り替えたり、例えば図柄の変動中や大当りの確定表示中、あるいは大当り遊技中に何らかの演出(各種の予告演出、確変昇格演出等)を発生させたりすることができる。
さらに演出切替ボタン45の周囲には、演出切替ボタン45を取り囲むようにジョグダイアル45aが設置されている(個別情報受付手段)。遊技者は、このジョグダイアル45aを回転させることで、例えば液晶表示部42に表示される操作メニューを通じてパスワード等の個別情報を入力することができる。あるいは、遊技中の演出上で遊技者にジョグダイアル45aの回転操作が要求された場合、遊技者は実際にジョグダイアル45aを回転操作することで、演出上の要求に応じることができる。
〔裏側の構成〕
図2に示されているように、パチンコ機1の裏側には、電源制御ユニット162や主制御基板ユニット170、払出装置ユニット172、流路ユニット173、発射制御基板セット174、払出制御基板ユニット176、裏カバーユニット178等が設置されている。この他にパチンコ機1の裏側には、パチンコ機1の電源系統や制御系統を構成する各種の電子機器類(図示しない制御コンピュータを含む)や外部端子板160、電源コード(電源プラグ)164、アース線(アース端子)166、図示しない接続配線等が設置されている。なお、電子機器類については別のブロック図(図4)に基づいてさらに後述する。
上記の払出装置ユニット172は、例えば賞球タンク172a及び賞球ケース(参照符号なし)を有しており、このうち賞球タンク172aはプラ枠アセンブリ7の上縁部(裏側)に設置された状態で、図示しない補給経路から補給された遊技球を蓄えることができる。賞球タンク172aに蓄えられた遊技球は、図示しない上側賞球樋を通じて賞球ケースに導かれる。流路ユニット173は、払出装置ユニット172から送り出された遊技球を前面側の受け皿ユニット6に向けて案内する。
また上記の外部端子板160は、パチンコ機1を外部の電子機器(例えばデータ表示装置、ホールコンピュータ等)に接続するためのインタフェースであり、この外部端子板160からは、パチンコ機1の遊技進行状態やメンテナンス状態等を表す各種の外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報等)が外部の電子機器に向けて出力されるものとなっている。
電源コード164は、例えば遊技場の島設備に設置された電源装置(例えばAC24V)に接続されることで、パチンコ機1の動作に必要な電源(電力)を確保するものである。またアース線166は、同じく島設備に設置されたアース端子に接続されることで、パチンコ機1のアース(接地)を確保するものである。
〔制御上の構成〕
次に、パチンコ機1の制御に関する構成について説明する。図4は、パチンコ機1に装備された各種の電子機器類を示すブロック図である。パチンコ機1は、制御動作の中枢となる主制御装置70(主制御用コンピュータ)を備えており、この主制御装置70は主に、パチンコ機1における遊技の進行を制御する機能を有している。なお主制御装置70は、上記の主制御基板ユニット170に内蔵されている。
また主制御装置70には、中央演算処理装置である主制御CPU72を実装した回路基板(主制御基板)が装備されており、主制御CPU72は、図示しないCPUコアやレジスタとともにROM74、RAM(RWM)76等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。また主制御装置70には、乱数発生器75やサンプリング回路77が装備されている。このうち乱数発生器75は、大当り判定用にハードウェア乱数(例えば10進数表記で0〜65535)を発生させるものであり、ここで発生された乱数は、サンプリング回路77を通じて主制御CPU72に入力される。その他にも主制御装置70には、入出力(I/O)ポート79や図示しないクロック発生回路、カウンタ/タイマ回路(CTC)等の周辺ICが装備されており、これらは主制御CPU72とともに回路基板上に実装されている。なお回路基板上(又は内層部分)には、信号伝送経路や電源供給経路、制御用バス等が配線パターンとして形成されている。
上述した始動ゲート20には、遊技球の通過を検出するためのゲートスイッチ78が一体的に設けられている。また遊技盤ユニット8には、上始動入賞口26、可変始動入賞装置28及び可変入賞装置30にそれぞれ対応して上始動入賞口スイッチ80、下始動入賞口スイッチ82及びカウントスイッチ84が装備されている。各始動入賞口スイッチ80,82は、上始動入賞口26、可変始動入賞装置28(下始動入賞口28a)への遊技球の入賞を検出するためのものである。またカウントスイッチ84は、可変入賞装置30(大入賞口)への遊技球の入賞を検出し、その数をカウントするためのものである。同様に遊技盤ユニット8には、普通入賞口22,24への遊技球の入賞を検出する入賞口スイッチ86が装備されている。なお、ここでは全ての普通入賞口22,24について共通の入賞口スイッチ86を用いる構成を例に挙げているが、例えば盤面の左右で別々の入賞口スイッチ86を設置し、左側の入賞口スイッチ86では盤面の左側に位置する普通入賞口22,24に対する遊技球の入賞を検出し、右側の入賞口スイッチ86では盤面の右側に位置する普通入賞口24に対する遊技球の入賞を検出することとしてもよい。
いずれにしても、これらスイッチ類78〜86の入賞検出信号は、図示しない入出力ドライバを介して主制御CPU72に入力される。なお遊技盤ユニット8の構成上、本実施形態ではゲートスイッチ78、カウントスイッチ84及び入賞口スイッチ86からの入賞検出信号は、パネル中継端子板87を経由して送信され、パネル中継端子板87には、それぞれの入賞検出信号を中継するための配線パターンや接続端子等が設けられている。
上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38は、主制御CPU72からの制御信号に基づいて表示動作を制御されている。主制御CPU72は、遊技の進行状況に応じてこれら表示装置33,34,35,38及びランプ33a,34a,35aに対する制御信号を出力し、各LEDの点灯状態を制御している。また、これら表示装置33,34,35,38及びランプ33a,34a,35aは、上記のように1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤ユニット8に設置されており、この統合表示基板89には上記のパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
また遊技盤ユニット8には、可変始動入賞装置28及び可変入賞装置30にそれぞれ対応して普通電動役物ソレノイド88及び大入賞口ソレノイド90が設けられている。これらソレノイド88,90は主制御CPU72からの制御信号に基づいて動作(励磁)し、それぞれ可変始動入賞装置28、可変入賞装置30を開閉動作(作動)させる。なお、これらソレノイド88,90についても上記のパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
その他に上記のガラス枠ユニット4にはガラス枠開放スイッチ91が設置されており、また上記のプラ枠アセンブリ7にはプラ枠開放スイッチ93が設置されている。ガラス枠ユニット4が単独で開放されると、ガラス枠開放スイッチ91からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力され、また外枠アセンブリ2からプラ枠アセンブリ7が開放されると、プラ枠開放スイッチ93からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力される。主制御CPU72は、これら接点信号からガラス枠ユニット4やプラ枠アセンブリ7の開放状態を検出することができる。なお主制御CPU72は、ガラス枠ユニット4やプラ枠アセンブリ7の開放状態を検出すると、上記の外部情報信号として扉開放情報信号を生成する。
パチンコ機1の裏側には、払出制御装置92が装備されている(特別特典付与手段)。この払出制御装置92(払出制御コンピュータ)は、上述した払出装置ユニット172の動作を制御する。払出制御装置92には、払出制御CPU94を実装した回路基板(払出制御基板)が装備されており、この払出制御CPU94もまた、図示しないCPUコアとともにROM96、RAM98等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。払出制御装置92(払出制御CPU94)は、主制御CPU72からの賞球指示コマンドに基づいて払出装置ユニット172の動作を制御し、要求された個数の遊技球の払出動作を実行させる。なお主制御CPU72は賞球指示コマンドとともに、上記の外部情報信号として賞球情報信号を生成する。
払出装置ユニット172の図示しない賞球ケース内には、払出モータ102(例えばステッピングモータ)とともに払出装置基板100が設置されており、この払出装置基板100には払出モータ102の駆動回路が設けられている。払出装置基板100は、払出制御装置92(払出制御CPU94)からの払出数指示信号に基づいて払出モータ102の回転角度を具体的に制御し、指示された数の遊技球を賞球ケースから払い出させる。払い出された遊技球は、流路ユニット173内の払出流路を通って上記の受け皿ユニット6に送られる。
また、例えば賞球ケースの上流位置には払出路球切れスイッチ104が設置されている他、払出モータ102の下流位置には払出計数スイッチ106が設置されている。払出モータ102の駆動により実際に賞球が払い出されると、その都度、払出計数スイッチ106からの計数信号が払出装置基板100に入力される。また賞球ケースの上流位置で球切れが発生すると、払出路球切れスイッチ104からの接点信号が払出装置基板100に入力される。払出装置基板100は、入力された計数信号や接点信号を払出制御装置92(払出制御CPU94)に送信する。払出制御CPU94は、払出装置基板100から受信した信号に基づき、実際の払出数や球切れ状態を検知することができる。
またパチンコ機1には、例えば下皿6cの内部(パチンコ機1の正面からみて奧の位置)に満タンスイッチ161が設置されている。実際に払い出された賞球(遊技球)は上記の流路ユニット173を通じて上皿6bに放出されるが、上皿6bが遊技球で満杯になると、それ以上に払い出された遊技球は上述したように下皿6cへ流れ込む。さらに下皿6cが遊技球で満杯になると、それによって満タンスイッチ161がONになり、満タン検出信号が払出制御装置92(払出制御CPU94)に入力される。これを受けて払出制御CPU94は、主制御CPU72から賞球指示コマンドを受信してもそれ以上の賞球動作を一旦保留とし、未払出の賞球残数をRAM98に記憶させておく。なお、RAM98の記憶は電源断時にもバックアップが可能であり、遊技中に停電(瞬間的な停電を含む)が発生しても、未払出の賞球残数情報が消失してしまうことはない。
またパチンコ機1の裏側には、発射制御基板108とともに発射ソレノイド110が設置されている。また、受け皿ユニット6内には球送りソレノイド111が設けられている。これら発射制御基板108、発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111は上述した発射制御基板セット174を構成しており、このうち発射制御基板108には発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111の駆動回路が設けられている。このうち球送りソレノイド111は、受け皿ユニット6内に蓄えられた遊技球を1個ずつ、発射機ケース内で所定の発射位置に送り出す動作を行う。また発射ソレノイド110は、発射位置に送り出された遊技球を打撃し、上記のように遊技領域8に向けて遊技球を1個ずつ連続的(間欠的)に打ち出す動作を行う。なお遊技球の発射間隔は、例えば0.6秒程度の間隔(1分間で100個以内)である。
一方、パチンコ機1の表側に位置する上記のグリップユニット16には、発射レバーボリューム112、タッチセンサ114及び発射停止スイッチ116が設けられている。このうち発射レバーボリューム112は、遊技者による発射ハンドルの操作量(いわゆるストローク)に比例したアナログ信号を生成する。またタッチセンサ114は、静電容量の変化から遊技者の身体がグリップユニット16(発射ハンドル)に触れていることを検出し、その検出信号を出力する。そして発射停止スイッチ116は、遊技者の操作に応じて発射停止信号(接点信号)を生成する。
上記の受け皿ユニット6には発射中継端子板118が設置されており、発射レバーボリューム112やタッチセンサ114、発射停止スイッチ116からの各信号は、発射中継端子板118を経由して発射制御基板108に送信される。また、発射制御基板108からの駆動信号は、発射中継端子板118を経由して球送りソレノイド111に印加される。遊技者が発射ハンドルを操作すると、その操作量に応じて発射レバーボリューム112でアナログ信号(エンコードされたデジタル信号でもよい)が生成され、このときの信号に基づいて発射ソレノイド110が駆動される。これにより、遊技者の操作量に応じて遊技球を打ち出す強さが調整されるものとなっている。なお発射制御基板108の駆動回路は、タッチセンサ114からの検出信号がオフ(ローレベル)の場合か、もしくは発射停止スイッチ116から発射停止信号が入力された場合は発射ソレノイド110の駆動を停止する。この他に、発射中継端子板118には遊技球等貸出装置接続端子板120が接続されており、この遊技球等貸出装置接続端子板120に上記のCRユニットが接続されていない場合、同じく発射制御基板108の駆動回路は発射ソレノイド110の駆動を停止する。
また、受け皿ユニット6には度数表示基板122及び貸出及び返却スイッチ基板123が内蔵されている。このうち度数表示基板122には、上記の度数表示部の表示器(3桁分の7セグメントLED)が設けられている。また貸出及び返却スイッチ基板123には球貸ボタン10や返却ボタン12にそれぞれ接続されるスイッチモジュールが実装されており、球貸ボタン10又は返却ボタン12が操作されると、その操作信号が貸出及び返却スイッチ基板123から遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してCRユニットに送信される。またCRユニットからは、有価媒体の残り度数を表す度数信号が遊技球等貸出装置接続端子板120を経由して度数表示基板122に送信される。度数表示基板122上の図示しない表示回路は、度数信号に基づいて表示器を駆動し、有価媒体の残り度数を数値表示する。またCRユニットに有価媒体が投入されていなかったり、あるいは投入された有価媒体の残り度数が0になったりした場合、度数表示基板122の表示回路は表示器を駆動してデモ表示(有価媒体の投入を促す表示)を行うこともできる。
またパチンコ機1は制御上の構成として、演出制御装置124(演出制御用コンピュータ)を備えている。この演出制御装置124は、パチンコ機1における遊技の進行に伴う演出の制御を行う。演出制御装置124にもまた、中央演算処理装置である演出制御CPU126を実装した回路基板(複合サブ制御基板)が装備されている。演出制御CPU126には、図示しないCPUコアとともにメインメモリとしてROM128やRAM130等の半導体メモリが内蔵されている。なお演出制御装置124は、パチンコ機1の裏側で上記の裏カバーユニット178に覆われる位置に設けられている。
また演出制御装置124には、図示しない入出力ドライバや各種の周辺ICが装備されている他、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134が装備されている。演出制御CPU126は、主制御CPU72から送信される演出用のコマンドに基づいて演出の制御を行い、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134に指令を与えて各種ランプ46〜52や盤面ランプ53を発光させたり、スピーカ54,55,56から実際に効果音や音声等を出力させたりする処理を行う。
演出制御装置124と上記の主制御装置70とは、例えば図示しない通信用ハーネスを介して相互に接続されている。ただし、これらの間の通信は、主制御装置70から演出制御装置124への一方向のみで行われ、逆方向への通信は行われない。なお通信用ハーネスには、主制御装置70から演出制御装置124に対して送信される各種コマンドのバス幅に応じてパラレル形式を採用してもよいし、それぞれのドライバIC(I/O)のハード構成に合わせてシリアル形式を採用してもよい。
ランプ駆動回路132は、例えば図示しないPWM(パルス幅変調)ICやMOSFET等のスイッチング素子を備えており、このランプ駆動回路132は、LEDを含む各種ランプに印加する駆動電圧をスイッチング(又はデューティ切替)して、その発光・点滅等の動作を管理する。なお各種ランプには、上記のガラス枠トップランプ46,48やガラス枠サイドランプ50,受け皿ランプ52の他に、遊技盤ユニット8に設置された装飾・演出用の盤面ランプ53が含まれる。盤面ランプ53は上記の演出ユニットに内蔵されるLEDや、可変始動入賞装置28、可変入賞装置30等に内蔵されるLEDに相当するものである。なお、ここでは受け皿ランプ52がガラス枠電飾基板136に接続されている例を挙げているが、受け皿ユニット6に受け皿電飾基板を設置し、受け皿ランプ52については受け皿電飾基板を介してランプ駆動回路132に接続される構成であってもよい。
また音響駆動回路134は、例えば図示しないサウンドROMや音響制御IC、アンプ等を内蔵したサウンドジェネレータであり、この音響駆動回路134は、上スピーカ54及び下スピーカ56を駆動して音響出力を行う。
本実施形態ではガラス枠ユニット4の内面にガラス枠電飾基板136が設置されており、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134からの駆動信号はガラス枠電飾基板136を経由して各種ランプ46〜52やスピーカ54,55,56に印加されている。またガラス枠電飾基板136には、上記の演出切替ボタン45が接続されており、遊技者が演出切替ボタン45を操作すると、その接点信号がガラス枠電飾基板136を通じて演出制御装置124に入力される。さらにガラス枠電飾基板136には、上記のジョグダイアル45aが接続されており、遊技者がジョグダイアル45aを回転させると、その回転信号がガラス枠電飾基板136を通じて演出制御装置124に入力される。なお、ここではガラス枠電飾基板136に演出切替ボタン45及びジョグダイアル45aを接続した例を挙げているが、上記の受け皿電飾基板を設置する場合、演出切替ボタン45及びジョグダイアル45aは受け皿電飾基板に接続されていてもよい。
その他、遊技盤ユニット8にはパネル電飾基板138が設置されており、ランプ駆動回路132からの駆動信号がパネル電飾基板138を経由して盤面ランプ53に印加されている。また上記の装飾体モータ402及び装飾体ランプ404は、パネル電飾基板138を介して演出制御装置124(演出制御CPU126)に接続されている。上記のように装飾体モータ402は、図示しないリンク機構等を介して装飾体400を昇降させることができる。また装飾体ランプ404は、例えばLEDの発光により装飾体400を装飾的に発光させることができる。
上記の液晶表示器42は遊技盤ユニット8の裏側に設置されており、遊技盤ユニット8に形成された略矩形の開口を通じてのその表示画面が視認可能となっている。また、遊技盤ユニット8の裏側にはインバータ基板158が設置されており、このインバータ基板158は液晶表示器42のバックライト(例えば例陰極管)に印加される交流電源を生成している。さらに、遊技盤ユニット8の裏側には演出表示制御装置144が設置されており、液晶表示器42による表示動作は、演出表示制御装置144により制御されている。演出表示制御装置144には、汎用の中央演算処理装置である表示制御CPU146とともに、表示プロセッサであるVDP152を実装した回路基板(演出表示制御基板)が装備されている。このうち表示制御CPU146は、図示しないCPUコアとともにROM148、RAM150等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。またVDP152は、図示しないプロセッサコアとともに画像ROM154やVRAM156等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。なおVRAM156は、その記憶領域の一部をフレームバッファとして利用することができる。
演出制御CPU126のROM128には、演出の制御に関する基本的なプログラムが格納されており、演出制御CPU126は、このプログラムに沿って演出の制御を実行する。演出の制御には、上記のように各種ランプ46〜53等やスピーカ54,55,56を用いた演出の制御が含まれる他、液晶表示器42を用いた画像表示による演出の制御が含まれる。演出制御CPU126は、表示制御CPU146に対して演出に関する基本的な情報(例えば演出番号)を送信し、これを受け取った表示制御CPU146は、基本的な情報に基づいて具体的に演出用の画像を表示する制御を行う。
表示制御CPU146は、VDP152に対してさらに詳細な制御信号を出力する。これを受け取ったVDP152は、制御信号に基づいて画像ROM154にアクセスし、そこから必要な画像データを読み出してVRAM156に転送する。さらにVDP152は、VRAM156上で画像データを1フレーム(単位時間あたりの静止画像)ごとにフレームバッファに展開し、ここでバッファされた画像データに基づき液晶表示器42の各画素(フルカラー画素)を個別に駆動する。
その他、プラ枠アセンブリ7の裏側には電源制御ユニット162(電源制御手段)が装備されている。この電源制御ユニット162はスイッチング電源回路を内蔵し、電源コード164を通じて島設備から外部電力(例えばAC24V等)を取り込むと、そこから必要な電力(例えばDC+34V、+12V等)を生成することができる。電源制御ユニット162で生成された電力は、主制御装置70や払出制御装置92、演出制御装置124、インバータ基板158に分配されている。さらに、払出制御装置92を経由して発射制御基板108に電力が供給されている他、遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してCRユニットに電力が供給されている。なお、ロジック用の低電圧電力(例えばDC+5V)は、各装置に内蔵された電源用IC(3端子レギュレータ等)で生成される。また上記のように電源制御ユニット164は、アース線166を通じて島設備にアース(接地)されている。
上記の外部端子板160は払出制御装置92に接続されており、主制御装置70(主制御CPU72)にて生成された各種の外部情報信号は、払出制御装置92を経由して外部端子板160から外部に出力されるものとなっている。主制御装置70(主制御CPU72)及び払出制御装置92(払出制御CPU94)は、外部端子板160を通じてパチンコ機1の外部に向けて外部情報信号を出力することができる。外部端子板160から出力される信号は、例えば遊技場のホールコンピュータ(図示していない)で集計される。なお、ここでは払出制御装置92を経由する構成を例に挙げているが、主制御装置70からそのまま外部情報信号が外部端子板160に出力される構成であってもよい。
以上がパチンコ機1の制御に関する構成例である。続いて、主制御装置70の主制御CPU72により実行される制御上の処理について説明する。
〔リセットスタート(メイン)処理〕
パチンコ機1に電源が投入されると、主制御CPU72はリセットスタート処理を開始する。リセットスタート処理は、前回の電源遮断時に保存されたバックアップ情報を元に遊技状態を復旧(いわゆる復電)したり、逆にバックアップ情報をクリアしたりすることで、パチンコ機1の初期状態を整えるための処理である。またリセットスタート処理は、初期状態の調整後にパチンコ機1の安定した遊技動作を保証するためのメイン処理(メイン制御プログラム)として位置付けられる。
図5及び図6は、リセットスタート処理の手順例を示すフローチャートである。以下、主制御CPU72が行う処理について、各手順を追って説明する。
ステップS101:主制御CPU72は、先ずスタックポインタにスタック領域の先頭アドレスをセットする。
ステップS102:続いて主制御CPU72は、ベクタ方式の割込モード(モード2)を設定し、デフォルトであるRST方式の割込モード(モード0)を修正する。これにより、以後、主制御CPU72は任意のアドレス(ただし最下位ビットは0)を割込ベクタとして参照し、指定の割込ハンドラを実行することができる。
ステップS103:主制御CPU72は、ここでリセット時待機処理を実行する。この処理は、リセットスタート(例えば電源投入)時にある程度の待機時間(例えば数千ms程度)を確保しておき、その間に主電源断検出信号のチェックを行うためのものである。具体的には、主制御CPU72は待機時間分のループカウンタをセットすると、ループカウンタの値をデクリメントしながら主電源断検出信号の入力ポートをビットチェックする。主電源断検出信号は、例えば周辺デバイスである電源監視ICから入力される。そして、ループカウンタが0になる前に主電源断検出信号の入力を確認すると、主制御CPU72は先頭から処理を再開する。これにより、例えば図示しない主電源スイッチの投入と切断の操作が短時間(1〜2秒程度)内に繰り返し行われた場合のシステム保護を図ることができる。
ステップS104:次に主制御CPU72は、RAM76のワーク領域に対するアクセスを許可する。具体的には、ワーク領域のRAMプロテクト設定値をリセット(00H)する。これにより、以後はRAM76のワーク領域に対するアクセスが許可された状態となる。
ステップS105:また主制御CPU72、割り込みマスクを設定するためにマスクレジスタの初期設定を行う。具体的には、CTC割り込みを有効にする値をマスクレジスタに格納する。
ステップS106:主制御CPU72は、先に退避しておいたRAMクリアスイッチからの入力信号を参照し、RAMクリアスイッチが操作(スイッチON)されたか否かを確認する。RAMクリアスイッチが操作されていなければ(No)、次にステップS107を実行する。
ステップS107:次に主制御CPU72は、RAM76にバックアップ情報が保存されているか否か、つまり、バックアップ有効判定フラグがセットされているか否かを確認する。前回の電源遮断処理でバックアップが正常に終了し、バックアップ有効判定フラグ(例えば「A55AH」)がセットされていれば(Yes)、次に主制御CPU72はステップS108を実行する。
ステップS108:主制御CPU72は、RAM76のバックアップ情報についてサムチェックを実行する。具体的には、主制御CPU72はRAM76のワーク領域(使用禁止領域及びスタック領域を含むユーザワーク領域)のうち、バックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全ての領域をサムチェックする。サムチェックの結果が正常であれば(Yes)、次に主制御CPU72はステップS109を実行する。
ステップS109:主制御CPU72は、バックアップ有効判定フラグをリセット(例えば「0000H」)する。
ステップS110:また主制御CPU72は、前回の電源断発生直前に送信待ちであったコマンドをクリアする。
ステップS111:次に主制御CPU72は、演出制御復帰処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は演出制御装置124に対し、復帰用のコマンド(例えば機種指定コマンド、特別図柄確率状態指定コマンド、特図別先読み情報コマンド、変動パターン先読み情報コマンド、作動記憶数増加時演出コマンド、作動記憶数減少時演出コマンド、回数切りカウンタ残数コマンド、特別遊技状態指定コマンド等)を送信する。これを受けて演出制御装置124は、前回の電源遮断時に実行中であった演出状態(例えば、内部確率状態、演出図柄の表示態様、作動記憶数の演出表示態様、音響出力内容、各種ランプの発光状態等)を復帰させることができる。
ステップS112:主制御CPU72は、状態復帰処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はバックアップ情報を元にRAM76のワーク領域に各種の値をセットし、前回の電源遮断時に実行中であった遊技状態(例えば、特別図柄の表示態様、内部確率状態、作動記憶内容、各種フラグ状態、乱数更新状態等)を復帰させる。また主制御CPU72は、バックアップされていたPCレジスタの値を復旧する。
一方、電源投入時にRAMクリアスイッチが操作されていた場合(ステップS106:Yes)や、バックアップ有効判定フラグがセットされていなかった場合(ステップS107:No)、あるいは、バックアップ情報が正常でなかった場合(ステップS108:No)、主制御CPU72はステップS113に移行する。
ステップS113:主制御CPU72は、RAM76の使用禁止領域以外の記憶内容をクリアする。これにより、RAM76のワーク領域及びスタックエリアは全て初期化され、有効なバックアップ情報が保存されていても、その内容は消去される。
ステップS114:また主制御CPU72は、RAM76の初期設定を行う。
ステップS115:主制御CPU72は、演出制御出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72が初期設定後に演出制御装置124に送信するべきコマンド(演出制御に必要なコマンド)を出力する。
ステップS116:主制御CPU72は、払出制御出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は払出制御装置92に対して、賞球の払い出しを開始するための指示コマンドを出力する。
ステップS117:主制御CPU72は、CTC初期設定処理を実行し、周辺デバイスであるCTC(カウンタ/タイマ回路)の初期設定を行う。この処理では、主制御CPU72は割込ベクタレジスタを設定し、また、CTCに割り込みカウント値(例えば4ms)を設定する。これにより、次にCTC割り込みが発生すると、主制御CPU72はバックアップされていたPCレジスタのプログラムアドレスから処理を続行することができる。
リセットスタート処理において以上の手順を実行すると、主制御CPU72は図6に示されるメインループに移行する(接続記号A→A)。
ステップS118,ステップS119:主制御CPU72は割込を禁止した上で、電源断発生チェック処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は主電源断検出信号の入力ポートをビットチェックし、電源遮断の発生(駆動電圧の低下)を監視する。電源遮断が発生すると、主制御CPU72は普通電動役物ソレノイド88や大入賞口ソレノイド90等に対応する出力ポートバッファをクリアすると、RAM76のワーク領域のうちバックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全体の内容をバックアップし、サムチェックバッファにサム結果値を保存する。そして主制御CPU72はバックアップ有効判定フラグ領域に上記の有効値(例えば「A55AH」)を格納し、RAM76のアクセスを禁止して処理を停止(NOP)する。一方、電源遮断が発生しなければ、主制御CPU72は次にステップS120を実行する。なお、このような電源断発生時の処理をマスク不能割込(NMI)処理としてCPUに実行させている公知のプログラミング例もある。
ステップS120:主制御CPU72は、初期値更新乱数更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、各種のソフトウェア乱数の初期値を更新(変更)するための乱数をインクリメントする。本実施形態では、大当り決定乱数(ハードウェア乱数)を除く各種の乱数(例えば、普通図柄に対応する当り決定乱数、大当り図柄乱数、リーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数、変動パターン決定乱数等)をプログラム上で発生させている。これらソフトウェア乱数は、別の割込処理(図8中のステップS201)で所定範囲内のループカウンタにより更新されているが、この処理において乱数値が1巡するごとにループカウンタの初期値(全ての乱数が対象でなくてもよい)を変更している。初期値更新用乱数は、この初期値をランダムに変更するために用いられており、ステップS120では、その初期値更新用乱数の更新を行っている。なお、ステップS118で割込を禁止した後にステップS120を実行しているのは、別の割込管理処理(図8中のステップS202)でも同様の処理を実行するため、これとの重複(競合)を防止するためである。なお上記のように、本実施形態において大当り決定乱数は乱数発生器75により発生されるハードウェア乱数であり、その更新周期はタイマ割込周期(例えば数ms)よりもさらに高速(例えば数μs)であるため、大当り決定乱数の初期値を更新する必要はない。
ステップS121,ステップS122:主制御CPU72は割込を許可し、その他乱数更新処理を実行する。この処理で更新される乱数は、ソフトウェア乱数のうち当選種類(当り種別)の判定に関わらない乱数(リーチ判定乱数、変動パターン決定乱数等)である。この処理は、メインループの実行中にタイマ割込が発生し、主制御CPU72が別の割込管理処理(図8)を実行した場合の残り時間で行われる。なお割込管理処理の内容については後述する。
〔電源断発生チェック処理〕
図7は、上記の電源断発生チェック処理の手順例を具体的に示すフローチャートである。
ステップS130:ここでは先ず、主制御CPU72は、電源断発生チェックのための条件を設定する。このチェック条件は、例えば主電源断検出信号が継続して出力されていることを確認するためのオンカウンタ値として設定することができる。
ステップS132:次に主制御CPU72は、主電源断検出スイッチ入力用ポートをリードし、主電源断検出信号が出力されているか否かを確認(特定のビットをチェック)する。特に図示していないが、主電源断検出スイッチは例えば主制御装置70に実装されており、この主電源断検出スイッチは、電源制御ユニット162から供給される駆動電圧を監視し、その電圧レベルが基準電圧を下回った場合に主電源断検出信号を出力する。なお、主電源断検出スイッチは電源制御ユニット162に内蔵されていてもよい。主制御CPU72は、現時点で主電源断検出信号が出力されていないことを確認すると(No)、この処理を抜けてリセットスタート処理に復帰する。一方、主電源断検出信号が出力されていることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS134に進む。
ステップS134:主制御CPU72は、上記のチェック条件を満たすか否かを確認する。具体的には、先のステップS130で設定したオンカウンタ値を例えば1減算し、その結果が0になったか否かを確認する。現時点で未だオンカウンタ値が0でなければ(No)、主制御CPU72はステップS132に戻って主電源断検出スイッチ入力用ポートを改めて確認する。そして、ステップS134からステップS132へのループを繰り返してチェック条件が満たされると(ステップS134:Yes)、主制御CPU72は次にステップS136に進む。
ステップS136:主制御CPU72は、上記のように普通電動役物ソレノイド88や大入賞口ソレノイド90に対応する出力ポートに加え、試験信号端子やコマンド制御信号に対応する出力ポートバッファをクリアする。
ステップS138,ステップS140:次に主制御CPU72は、RAM76のワーク領域のうち、バックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全体の内容を1バイト単位で加算し、全領域について加算を完了するまで繰り返す。
ステップS142:全領域についてサムの算出が完了すると(ステップS140:Yes)、主制御CPU72はサムチェックバッファにサム結果値を保存する。
ステップS144:次に主制御CPU72は、上記のようにバックアップ有効判定フラグ領域に有効値を格納する。
ステップS146:また主制御CPU72は、RAM76のプロテクト値にアクセス禁止を表す「01H」を格納し、RAM76のワーク領域(使用禁止領域及びスタック領域を含む)に対するアクセスを禁止する。
ステップS148:そして主制御CPU72は待機ループに入り、主電源断の遮断に備えて他の処理を全て停止する。主電源断の発生後は、図示しないバックアップ電源回路(例えば主制御装置70に実装された容量素子を含む回路)からバックアップ用電力が供給されるため、RAM76の記憶内容は主電源断後も消失することなく保持される。なおバックアップ用電源回路は、例えば電源制御ユニット162に内蔵されていてもよい。
以上の処理を通じて、バックアップ対象(サム加算対象)となるRAM76のワーク領域に記憶されていた情報は、全て主電源断の後もRAM76に記憶として保持されることになる。また保持されていた記憶は、先のリセットスタート処理(図5)でチェックサムの正常を確認した上で、電源断時のバックアップ情報として復元される。
〔割込管理処理(タイマ割込処理)〕
次に、割込管理処理(タイマ割込処理)について説明する。図8は、割込管理処理の手順例を示すフローチャートである。主制御CPU72は、カウンタ/タイマ回路からの割込要求信号に基づき、所定時間(例えば数ms)ごとに割込管理処理を実行する。以下、各手順を追って説明する。
ステップS200:先ず主制御CPU72は、メインループの実行中に使用していたレジスタ(アキュムレータAとフラグレジスタF、汎用レジスタB〜Lの各ペア)の値をRAM76の退避領域に退避させる。値を退避させた後のレジスタ(A〜L)には、割込管理処理の中で別の値を書き込むことができる。
ステップS201:次に主制御CPU72は、抽選乱数更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は抽選用の各種乱数を発生させるためのカウンタの値を更新する。各カウンタの値は、RAM76のカウンタ領域にてインクリメントされ、それぞれ規定の範囲内でループする。各種乱数には、例えば大当り図柄乱数、普通図柄当り決定乱数等が含まれる。
ステップS202:主制御CPU72は、ここでも初期値更新乱数更新処理を実行する。処理の内容は、先に述べたものと同じである。
ステップS203:主制御CPU72は、入力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は入出力(I/O)ポート79から各種スイッチ信号を入力する。具体的には、ゲートスイッチ78からの通過検出信号や、上始動入賞口スイッチ80、下始動入賞口スイッチ82、カウントスイッチ84、入賞口スイッチ86からの入賞検出信号の入力状態(ON/OFF)をリードする。
ステップS204:次に主制御CPU72は、スイッチ入力イベント処理を実行する。この処理では、先の入力処理で入力したスイッチ信号のうち、ゲートスイッチ78、上始動入賞口スイッチ80、下始動入賞口スイッチ82からの入賞検出信号に基づいて遊技中に発生した事象の判定を行い、それぞれ発生した事象に応じて、さらに別の処理を実行する。なお、スイッチ入力イベント処理の具体的な内容については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
本実施形態では、上始動入賞口スイッチ80又は下始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72はそれぞれ第1特別図柄又は第2特別図柄に対応した内部抽選の契機(抽選契機)となる事象が発生したと判定する。またゲートスイッチ78から通過検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72は普通図柄に対応した抽選契機となる事象が発生したと判定する。いずれかの事象が発生したと判定すると、主制御CPU72は、それぞれの発生事象に応じた処理を実行する。なお、上始動入賞口スイッチ80又は下始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号が入力された場合に実行される処理については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS205,ステップS206:主制御CPU72は、割込管理処理中において特別図柄遊技処理及び普通図柄遊技処理を実行する。これら処理は、パチンコ機1における遊技を具体的に進行させるためのものである。このうち特別図柄遊技処理(ステップS205)では、主制御CPU72は先に述べた第1特別図柄又は第2特別図柄に対応する内部抽選の実行を制御したり、第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35による変動表示や停止表示を制御したり、その表示結果に応じて可変入賞装置30の作動を制御したりする。なお、特別図柄遊技処理の詳細については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
また普通図柄遊技処理(ステップS206)では、主制御CPU72は先に述べた普通図柄表示装置33による変動表示や停止表示を制御したり、その表示結果に応じて可変始動入賞装置28の作動を制御したりする。例えば、主制御CPU72は先のスイッチ入力イベント処理(ステップS204)の中で始動ゲート20の通過を契機として取得した乱数(普通図柄当り決定乱数)を記憶しておき、この普通図柄遊技処理の中で記憶から乱数値を読み出し、所定の当り範囲内に該当するか否かの判定を行う(作動抽選実行手段)。乱数値が当り範囲内に該当する場合、普通図柄表示装置33により普通図柄を変動表示させて所定の当り態様で普通図柄の停止表示を行った後、主制御CPU72は普通電動役物ソレノイド88を励磁して可変始動入賞装置28を作動させる(可動片作動手段)。一方、乱数値が当り範囲外であれば、主制御CPU72は、変動表示の後にはずれの態様で普通図柄の停止表示を行う。
ステップS207:次に主制御CPU72は、賞球払出処理を実行する。この処理では、先の入力処理(ステップS203)において各種スイッチ80,82,84,86から入力された入賞検出信号に基づき、払出制御装置92に対して賞球個数を指示する賞球指示コマンドを出力する。
ステップS208:次に主制御CPU72は、外部情報処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は外部端子板160を通じて遊技場のホールコンピュータに対して上記の外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報等)をポート出力要求バッファに格納する。
なお本実施形態では、各種の外部情報信号のうち、例えば大当り情報として「大当り1」〜「大当り5」を外部に出力することで、パチンコ機1に接続された外部の電子機器(データ表示器やホールコンピュータ)に対して多様な大当り情報を提供することができる(外部情報信号出力手段)。すなわち、大当り情報を複数の「大当り1」〜「大当り5」に分けて出力することで、これらの組み合わせから大当りの種別(当選種類)を図示しないホールコンピュータで集計・管理したり、内部的な確率状態(低確率状態又は高確率状態)や図柄変動時間の短縮状態の変化を認識したり、非当選以外であっても「大当り」に分類されない小当り(条件装置が作動しない当り)の発生を集計・管理したりすることが可能となる。また大当り情報に基づき、例えば図示しないデータ表示装置によりパチンコ機1の台ごとに過去数営業日以内の大当り発生回数を計数及び表示したり、台ごとに現在大当り中であるか否かを認識したり、あるいは台ごとに現在図柄変動時間の短縮状態であるか否かを認識したりすることができる。この外部情報処理において、主制御CPU72は「大当り1」〜「大当り5」のそれぞれの出力状態(ON又はOFFのセット)を詳細に制御する。
ステップS209:また主制御CPU72は、試験信号処理を実行する。この処理では、主制御CPU72が自己の内部状態(例えば、普通図柄遊技管理状態、特別図柄遊技管理状態、大当り中、確率変動機能作動中、時間短縮機能作動中)を表す各種の試験信号を生成し、これらをポート出力要求バッファに格納する。この試験信号により、例えば主制御装置70の外部で主制御CPU72の内部状態を試験することができる。
ステップS210:次に主制御CPU72は、表示出力管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は普通図柄表示装置33、普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a、遊技状態表示装置38等の点灯状態を制御する。具体的には、先の特別図柄遊技処理(ステップS205)や普通図柄遊技処理(ステップS206)においてポート出力要求バッファに格納されている駆動信号をポート出力する。なお駆動信号は、各LEDに対して印加するバイトデータとしてポート出力要求バッファに格納されている。これにより、各LEDが所定の表示態様(図柄の変動表示や停止表示、作動記憶数表示、遊技状態表示等を行う態様)で駆動されることになる。
ステップS211:また主制御CPU72は、出力管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先の外部情報処理(ステップS208)でポート出力要求バッファに格納された外部情報信号(バイトデータ)をポート出力する。また主制御CPU72は、ポート出力要求バッファに格納されている普通電動役物ソレノイド88及び大入賞口ソレノイド90の各駆動信号、試験信号等を合わせてポート出力する。
ステップS212:主制御CPU72は、演出制御出力処理を実行する。この処理では、コマンドバッファ内に主制御CPU72が演出制御装置124に送信するべきコマンド(演出制御に必要なコマンド)があるか否かを確認し、未送信コマンドがある場合は出力対象のコマンドをポート出力する。
ステップS213:そして主制御CPU72は、今回のCTC割込で格納したポート出力要求バッファをクリアする。
なお本実施形態では、ステップS205〜ステップS212の処理(遊技制御プログラムモジュール)をタイマ割込処理として実行する例を挙げているが、これら処理をCPUのメインループ中に組み込んで実行している公知のプログラミング例もある。
ステップS214:以上の処理を終えると、主制御CPU72は割込終了を指定する値(01H)を割込プログラムカウンタ内に格納し、CTC割込を終了する。
ステップS215,ステップS216:そして主制御CPU72は、退避しておいたレジスタ(A〜L)の値を復帰し、次回のCTC割込を許可する。この後、主制御CPU72は、メインループ(スタックポインタで指示されるプログラムアドレス)に復帰する。
〔スイッチ入力イベント処理〕
図9は、スイッチ入力イベント処理(図8中のステップS204)の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順を追って説明する。
ステップS10:主制御CPU72は、第1特別図柄に対応する上始動入賞口スイッチ80から入賞検出信号が入力(第1事象が発生)されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS12に進んで第1特別図柄記憶更新処理を実行する。具体的な処理の内容については、別のフローチャートを用いてさらに後述する。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS14に進む。
ステップS14:次に主制御CPU72は、第2特別図柄に対応する下始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号が入力(第2事象が発生)されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS16に進んで第2特別図柄記憶更新処理を実行する。ここでも同様に、具体的な処理の内容については別のフローチャートを用いてさらに後述する。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS18に進む。
ステップS18:主制御CPU72は、大入賞口に対応するカウントスイッチ84から入賞検出信号が入力されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS20に進んで大入賞口カウント処理を実行する。大入賞口カウント処理では、主制御CPU72は大当り遊技中に1ラウンドごとの可変入賞装置30への入賞球数をカウントする。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS22に進む。
ステップS22:主制御CPU72は、普通図柄に対応するゲートスイッチ78から通過検出信号が入力されたか否かを確認する。この通過検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS24に進んで普通図柄記憶更新処理を実行する。普通図柄記憶更新処理では、主制御CPU72は現在の普通図柄作動記憶数が上限数(例えば4個)未満であるか否かを確認し、上限数に達していなければ、普通図柄当り乱数を取得する。また主制御CPU72は、普通図柄作動記憶数を1インクリメントする。そして主制御CPU72は、取得した普通図柄当り乱数値をRAM76の乱数記憶領域に記憶させる。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72は割込管理処理(図8)に復帰する。
〔第1特別図柄記憶更新処理〕
図10は、第1特別図柄記憶更新処理(図9中のステップS12)の手順例を示すフローチャートである。以下、第1特別図柄記憶更新処理の手順について順を追って説明する。
ステップS30:ここでは先ず、主制御CPU72は第1特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、作動記憶数が最大値(例えば4とする)未満であるか否かを確認する。作動記憶数カウンタは、RAM76の乱数記憶領域に記憶されている大当り決定乱数や大当り図柄乱数等の個数(組数)を表すものである。すなわち、RAM76の乱数記憶領域は各図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)別で4つのセクション(例えば各2バイト)に分けられており、各セクションには大当り決定乱数及び大当り図柄乱数を1個ずつセット(組)で記憶可能である。このとき、第1特別図柄に対応する作動記憶数カウンタの値が最大値に達していれば(No)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図9)に復帰する。一方、作動記憶数カウンタの値が最大値未満であれば(Yes)、主制御CPU72は次のステップS31に進む。
ステップS31:主制御CPU72は、第1特別図柄作動記憶数を1つ加算する。第1特別図柄作動記憶数カウンタは、例えばRAM76の作動記憶数領域に記憶されており、主制御CPU72はその値をインクリメント(+1)する。ここで加算されたカウンタの値に基づき、表示出力管理処理(図8中のステップS210)で第1特別図柄作動記憶ランプ34aの点灯状態が制御されることになる。
ステップS32:そして主制御CPU72は、サンプリング回路77を通じて乱数発生器75から第1特別図柄に対応する大当り決定乱数値を取得する(抽選要素の取得、要素取得手段)。乱数値の取得は、乱数発生器75のピンアドレスを指定して行う。主制御CPU72が8ビット処理の場合、アドレスの指定は上位及び下位で1バイトずつ2回に分けて行われる。主制御CPU72は、指定したアドレスから大当り決定乱数値をリードすると、これを第1特別図柄に対応する大当り決定乱数として転送先のアドレスにセーブする。
ステップS33:次に主制御CPU72は、RAM76の大当り図柄乱数カウンタ領域から第1特別図柄に対応する大当り図柄乱数値を取得する。この乱数値の取得もまた、大当り図柄乱数カウンタ領域のアドレスを指定して行う。主制御CPU72は、指定したアドレスから大当り図柄乱数値をリードすると、これを第1特別図柄に対応する大当り図柄乱数として転送先のアドレスにセーブする。
ステップS34:また主制御CPU72は、RAM76の変動用乱数カウンタ領域から、第1特別図柄の変動条件に関する乱数値として、リーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数及び変動パターン決定乱数を順番に取得する(変動パターン決定要素の取得、要素記憶取得手段)。これら乱数値の取得も同様に、変動用乱数カウンタ領域のアドレスを指定して行われる。そして主制御CPU72は、指定したアドレスからリーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数及び変動パターン決定乱数をそれぞれ取得すると、これらを転送先のアドレスにセーブする。
ステップS35:主制御CPU72は、セーブした大当り決定乱数、大当り図柄乱数、リーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数及び変動パターン決定乱数をともに第1特別図柄に対応する乱数記憶領域に転送し、これら乱数を領域内の空きセクションにセット(組)で記憶させる(要素記憶手段としての処理)。複数のセクションには順番(例えば第1〜第4)が設定されており、現段階で第1〜第4の全てのセクションが空きであれば、第1セクションから順に各乱数が記憶される。あるいは、第1セクションが既に埋まっており、その他の第2〜第4セクションが空きであれば、第2セクションから順に各乱数が記憶されていく。なお、乱数記憶領域の読み出しはFIFO(First In First Out)形式である。
ステップS36:次に主制御CPU72は、現在の遊技管理状態(内部状態)が大当り中であるか否かを確認する。大当り中以外であれば(No)、主制御CPU72は次以降のステップS37を実行する。大当り中であれば(Yes)、主制御CPU72はステップS37をスキップしてステップS38に進む。本実施形態においてこの判断を行っているのは、基本的に大当り中は先読みによる演出を行わないためであるが、大当り中に発生した作動記憶についても、先読み予告演出の対象としてよい。
ステップS37:現在の遊技管理状態(内部状態)が大当り中以外である場合(ステップS36:No)、主制御CPU72は第1特別図柄に関して取得時演出判定処理を実行する。この処理は、先のステップS32,S33でそれぞれ取得した第1特別図柄の大当り決定乱数及び大当り図柄乱数に基づいて事前(変動開始前)に内部抽選の結果を判定し、また、ステップS34で取得した変動用乱数に基づいて事前に変動パターン情報を判定することで、演出内容を先判定(いわゆる「先読み」)するためのものである。また、この処理において、主制御CPU72は各種の先読み情報コマンドを生成する。なお、具体的な処理の内容については別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。
ステップS38:取得時演出判定処理から復帰すると、次に主制御CPU72は、第1特別図柄に関して作動記憶数増加時演出コマンドをセットする。具体的には、コマンドの種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BAH」)に対し、増加後の作動記憶数(例えば「01H」〜「04H」)を下位バイトに付加した1ワード長の演出コマンドを生成する。このとき下位バイトについては、デフォルトで第2の位を「0」とすることにより、その値が「作動記憶数の増加による結果(変化情報)」であることを表している。つまり、下位バイトが「01H」であれば、それは前回までの作動記憶数「00H」から1つ増加した結果、今回の作動記憶数が「01H」となったことを表している。同様に、下位バイトが「02H」〜「04H」であれば、それは前回までの作動記憶数「01H」〜「03H」からそれぞれ1つ増加した結果、今回の作動記憶数が「02H」〜「04H」となったことを表している。なお上記の先行値「BAH」は、今回の演出コマンドが第1特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値である。
ステップS39:そして主制御CPU72は、第1特別図柄に関して演出コマンド出力設定処理を実行する。この処理は、先のステップS37で生成した特図先判定時の演出コマンド(特図別先読み情報コマンド、変動パターン先読み情報コマンド)や、ステップS38で生成した作動記憶数増加時演出コマンド、始動口入賞音制御コマンド等を演出制御装置124に対して送信するためのものである(記憶数通知手段)。
以上の手順を終えるか、もしくは第1特別図柄作動記憶数が4に達していた場合(ステップS30:No)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図9)に復帰する。
〔第2特別図柄記憶更新処理〕
次に図11は、第2特別図柄記憶更新処理(図9中のステップS16)の手順例を示すフローチャートである。以下、第2特別図柄記憶更新処理の手順について順を追って説明する。
ステップS40:主制御CPU72は、第2特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、作動記憶数が最大値未満であるか否かを確認する。第2特別図柄作動記憶数カウンタについても上記と同様に、RAM76の乱数記憶領域に記憶されている大当り決定乱数や大当り図柄乱数等の個数(組数)を表すものである。このとき第2特別図柄作動記憶数カウンタの値が最大値(例えば4とする)に達していれば(No)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図9)に復帰する。一方、未だ第2特別図柄作動記憶数カウンタの値が最大値未満であれば(Yes)、主制御CPU72は次のステップS41以降に進む。
ステップS41:主制御CPU72は、第2特別図柄作動記憶数を1つ加算(第2特別図柄作動記憶数カウンタの値をインクリメント)する。先のステップS31(図10)と同様に、ここで加算されたカウンタの値に基づき、表示出力管理処理(図8中のステップS210)で第2特別図柄作動記憶ランプ35aの点灯状態が制御されることになる。
ステップS42:そして主制御CPU72は、サンプリング回路77を通じて乱数発生器75から第2特別図柄に対応する大当り決定乱数値を取得する(抽選要素の取得、要素取得手段)。乱数値を取得する手法は、先に説明したステップS32(図10)と同様である。
ステップS43:次に主制御CPU72は、RAM76の大当り図柄乱数カウンタ領域から第2特別図柄に対応する大当り図柄乱数値を取得する。乱数値を取得する方法は、先に説明したステップS33(図10)と同様である。
ステップS44:また主制御CPU72は、RAM76の変動用乱数カウンタ領域から、第2特別図柄の変動条件に関するリーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数及び変動パターン決定乱数を順番に取得する(変動パターン決定要素の取得、要素取得手段)。これら乱数値の取得もまた、先に説明したステップS34(図10)と同様に行われる。
ステップS45:主制御CPU72は、セーブした大当り決定乱数、大当り図柄乱数、リーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数及び変動パターン決定乱数をともに第2特別図柄に対応する乱数記憶領域に転送し、これら乱数を領域内の空きセクションにセット(組)で記憶させる(要素記憶手段としての処理)。記憶の手法は、先に説明したステップS35(図10)と同様である。
ステップS45a:次に主制御CPU72は、現在の遊技管理状態(内部状態)が大当り中であるか否かを確認する。そして大当り中以外であれば(No)、主制御CPU72は次以降のステップS46を実行する。逆に大当り中であれば(Yes)、主制御CPU72はステップS46をスキップしてステップS48に進む。本実施形態においてこの判断を行っているのは、大当り中は先読みによる演出を行わないためである。
ステップS46:大当り中以外である場合(ステップS45a:No)、次に主制御CPU72は、第2特別図柄に関して取得時演出判定処理を実行する。この処理もまた、先のステップS42,S43でそれぞれ取得した第2特別図柄の大当り決定乱数及び大当り図柄乱数に基づいて事前(変動開始前)に内部抽選の結果を判定し、また、ステップS44で取得した変動用乱数に基づいて事前に変動パターン情報を判定することで、演出内容を先判定するためのものである。ここでも同様に、主制御CPU72は各種の先読み情報コマンドを生成する。なお、具体的な処理の内容は後述する。
ステップS48:取得時演出判定処理から復帰すると、次に主制御CPU72は、第2特別図柄に関して作動記憶数増加時演出コマンドをセットする。ここでは、コマンドの種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BBH」)に対し、増加後の作動記憶数(例えば「01H」〜「04H」)を下位バイトに付加した1ワード長の演出コマンドを生成する。第2特別図柄についても同様に、デフォルトで下位バイトの第2の位を「0」とすることにより、その値が「作動記憶数の増加による結果(変化情報)」であることを表すことができる。なお先行値「BBH」は、今回の演出コマンドが第2特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値である。
ステップS49:そして主制御CPU72は、第2特別図柄に関して演出コマンド出力設定処理を実行する。これにより、第2特別図柄に関して特図先判定時の演出コマンド(特図別先読み情報コマンド、変動パターン先読み情報コマンド)や作動記憶数増加時演出コマンド、始動口入賞音制御コマンド等を演出制御装置24に対して送信する準備が行われる(記憶数通知手段)。また以上の手順を終えると、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図9)に復帰する。
〔取得時演出判定処理〕
図12は、取得時演出判定処理の手順例を示すフローチャートである。主制御CPU72は、先の第1特別図柄記憶更新処理及び第2特別図柄記憶更新処理(図10中のステップS37,図11中のステップS46)においてこの取得時演出判定処理を実行する(事前判定手段)。上記のように、この処理は第1特別図柄(上始動入賞口26への入賞時)、第2特別図柄(可変始動入賞装置28への入賞時)のそれぞれについて実行される。したがって以下の説明は、第1特別図柄に関する処理に該当する場合と、第2特別図柄に関する処理に該当する場合とがある。以下、各手順に沿って処理の内容を説明する。
ステップS50:先ず、主制御CPU72は、先判定用乱数値として大当り決定乱数をロードする。ここでロードする乱数は、先の第1特別図柄記憶更新処理(図10中のステップS35)又は第2特別図柄記憶更新処理(図11中のステップS45)でRAM76に記憶されているものである。
ステップS52:そして主制御CPU72は、ロードした乱数を用いて当り確認処理を実行する。ここでは、確率状態(低確率状態又は高確率状態)別に当り値の範囲を設定し、ロードした大当り決定乱数が当り値の範囲内にあるか否かを判定する。ここで当りを確認した場合、主制御CPU72は当選時用オフセット(例えば「1」)を戻り値としてセットする。一方、当りを確認できなかった場合、主制御CPU72は非当選時用オフセット(例えば「0」)を戻り値としてセットする。なお、「当選時用オフセット」及び「非当選時用オフセット」は、当り確認処理(ステップS52)の判定結果が「当選」又は「非当選」のいずれであるかを表す値である。
ステップS54:次に主制御CPU72は、先判定用乱数値として大当り図柄乱数をロードする。ここでロードする乱数は、先の第1特別図柄記憶更新処理(図10中のステップS35)又は第2特別図柄記憶更新処理(図11中のステップS45)でRAM76に記憶した図柄別の大当り図柄乱数である。
ステップS56:主制御CPU72は、図柄確認処理を実行する。この処理は、大当り決定乱数と組になっている大当り図柄乱数に基づいて、第1特別図柄又は第2特別図柄別の大当り種別(当選種類)を判定するためのものである。例えば、主制御CPU72は先の第1特別図柄記憶更新処理(図10中のステップS35)又は第2特別図柄記憶更新処理(図11中のステップS45)で記憶した図柄別の大当り図柄乱数をロードすると、図柄種別判定テーブル(特に図示していない)に記憶された比較値との比較を行い、その結果から大当り種別として「非確変(通常)図柄」又は「確変図柄」のいずれに該当するか、さらには、「7ラウンドの図柄」又は「16ラウンド図柄」のいずれに該当するかを判別する。そして、主制御CPU72は、判別結果に基づいて図柄確認オフセットを戻り値にセットする。以上の処理は、ステップS52の当り確認処理で当選時用オフセットを戻り値にセットした場合に行われる。主制御CPU72がステップS52で非当選時用オフセットを戻り値にセットした場合、今回の図柄確認処理では、例えば非当選時固定の図柄確認オフセットを戻り値にセットすることができる。ここで用いる「図柄確認オフセット」は、図柄確認処理(ステップS56)で行われた判定結果として「当選図柄は何に該当するか」又は「当選図柄の該当なし(非当選)」を表す値である。
ステップS57:主制御CPU72は、戻り値である図柄確認オフセットに基づいて特図別図柄先読み情報コマンドを生成する。このコマンドは、第1特別図柄又は第2特別図柄別に「はずれ図柄」又は「当り図柄種別」を先読みした結果を表している。なお、ここで生成した特図別図柄先読み情報コマンドは、演出制御出力処理(図8中のステップS212)で演出制御装置124に送信される。
ステップS58:ここまでの手順を実行すると、次に主制御CPU72は、当り確認処理(ステップS52)での先判定結果が当りに該当するか否かを確認する。この確認は、直前にセットした戻り値の図柄確認オフセットを用いて行うことができる。すなわち、図柄確認オフセットが「はずれ図柄」を表す値であれば(No)、主制御CPU72はステップS60に進み、逆に図柄確認オフセットがいずれかの「大当り図柄種別」を表す値であれば(Yes)、主制御CPU72はステップS68に進む。いずれの場合も、これ以降の手順で主制御CPU72は、変動パターンに関する先読み情報コマンドを生成する。先ず、はずれ時の手順から説明する。
〔はずれ時の変動パターン先読み情報コマンド生成手順〕
ステップS60:主制御CPU72は、状態別及び作動記憶数別のリーチグループ選択テーブルをセットする。リーチグループ選択テーブルは、変動パターンの決定に関する3つの乱数(リーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数及び変動パターン決定乱数)のうち、特にリーチグループ決定乱数を用いて変動パターンのカテゴリ抽選を行うテーブルである。なお、リーチグループ選択テーブルの構成例については、別の図面を用いて後述する。
ステップS62:次に主制御CPU72は、記憶済みのリーチグループ決定乱数をRAM76からロードする。
ステップS64:そして主制御CPU72は、変動パターン決定第1処理を実行する。この処理は、上記のようにリーチグループ決定乱数を用いて変動パターンのカテゴリ抽選(リーチ種別の抽選)を行い、選択したオフセットを戻り値としてセットするものである。なお、具体的な処理の内容については、リーチグループ選択テーブルの構成例とともに後述する。
ステップS66:そして主制御CPU72は、選択したオフセット値を用いて変動パターン先読み情報コマンドを生成する。ここで生成したコマンドもまた、演出制御出力処理(図8中のステップS212)において演出制御装置124に送信される。
〔当り時の変動パターン先読み情報コマンド生成手順〕
以上の手順は、先読みの当り確認結果がはずれ時の手順であるが、先読みで当りを確認した場合(ステップS58:Yes)、以下の手順で変動パターン先読み情報コマンドが生成される。
ステップS68:この場合、主制御CPU72は、当り時用に予め固定されているオフセットを選択し、これを戻り値にセットする。したがって、ここでは特にカテゴリ抽選を行わなくてもよい。
ステップS66:そして主制御CPU72は、選択した当り時用固定オフセット値を用いて予め固定された変動パターン先読み情報コマンドを生成する。このように、当り時はオフセットが常に固定であるため、変動パターン先読み情報コマンドも1種類とすることができる。なお、ここで生成したコマンドもまた、演出制御出力処理(図8中のステップS212)において演出制御装置124に送信される。なお、「当り時用固定オフセット」は、先の当り確認処理(ステップS52)の判定結果が「当選」であったことを表す値となる。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は第1特別図柄記憶更新処理(図10)又は第2特別図柄記憶更新処理(図11)に復帰する。
〔状態別及び作動記憶数別はずれ時リーチグループ選択テーブル〕
図13は、状態別及び作動記憶数別はずれ時リーチグループ選択テーブルの構成例を示す図である。主制御CPU72のROM76には、例えば、内部状態別及び作動記憶数別に複数の選択テーブルが予め格納されており、取得時演出判定処理のステップS60において、主制御CPU72は現在の内部状態及び作動記憶数の条件に合ったリーチグループ選択テーブルをセットする。内部状態の条件としては、例えば低確率非時短状態、低確率時短状態、高確率非時短状態又は高確率時短状態等の区別があり、また、作動記憶数の条件としては、例えば第1特別図柄又は第2特別図柄ごとに0〜1個、2個、3個等の区別、あるいは、両方の合計作動記憶数として0〜4個、5個、6個、7個等の区別がある。なお、図13に示されるテーブルは、通常状態(低確率非時短状態)かつ作動記憶数0〜1個の場合を想定している。
図13の「はずれ時リーチグループ選択テーブル」は、例えばその先頭アドレスから順番に「比較値」及び「オフセット値」をそれぞれ1バイトずつセットにして記憶する構造である。ここで「比較値」には、例えば8つの段階的に異なる値「124」,「174」,「374」,「546」,「616」,「761」,「961」,「999(0FFFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「オフセット値」としてのリーチモード選択オフセット「06」、「10」、「02」、「06」、「10」、「02」、「11」、「12」が割り当てられている。
主制御CPU72は、ロードしたリーチグループ決定乱数を上記の「比較値」と順番に比較していき、乱数の値が比較値以下であれば、その比較値に対応するオフセット値を選択する。例えば、そのときのリーチグループ決定乱数が「190」であったとすると、最初の比較値「124」と比較して乱数の値が比較値を超えているため、主制御CPU72は次の比較値「174」と乱数の値を比較する。ここでも乱数の値が比較値を超えているため、主制御CPU72はさらに次の比較値「374」と乱数の値を比較する。すると、この場合は乱数の値が比較値以下であるため、主制御CPU72は対応するリーチモード選択オフセット「02」を選択する。あるいは、リーチグループ決定乱数が「979」であれば、主制御CPU72は下から3段目の比較値「961」まで比較した後、次の比較値「961」を超えていることから、最下段の比較値「999(0FFFH)」に対応するリーチモード選択オフセット「12」を選択する。
ここで選択されたオフセット値は、実際の変動開始時の処理(はずれ時変動パターン決定処理)において次段階のリーチモード決定乱数を用いたリーチモード別変動パターンテーブル選択抽選の条件を指定するものである。また、実際の処理では、このリーチモード別変動パターンテーブル選択抽選を経て、さらに最終段階の変動パターン決定乱数を用いた変動パターン決定抽選の条件が指定される。そして実際の処理では、最終段階の変動パターン決定抽選の結果から、実際の変動開始時(当該変動時)において変動パターン番号が選択されるものとなっている。
その上で、本実施形態の取得時演出判定処理(図12)では、初期段階の選択抽選で得られたリーチモード選択オフセットだけで変動パターン先読み情報コマンドの下位バイト(EVENT値)を設定している。すなわち、実際の変動開始時には、入賞時に取得されたリーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数及び変動パターン決定乱数の全てを順番に使用して最終的な変動パターン番号を一意に決定するが、本実施形態の「先読み」では、リーチグループ決定乱数のみを用いて変動パターン先読み情報コマンドを決定しているところに独自の優位性がある。以下、より具体的に説明する。
〔変動パターン先読み情報コマンド選択テーブル〕
図14は、変動パターン先読み情報コマンド選択テーブルの構成例を示す図である。図14中(A)は、先読みの結果がはずれ時に適用されるテーブルを示し、図14中(B)は先読みの結果が当り時に適用されるテーブルを示している。
〔はずれ時変動パターン先読み情報コマンド〕
図14中(A):テーブル中の左カラムは、リーチグループ決定乱数を用いて選択されるリーチモード選択オフセット「00」〜「12」を示している。また、テーブル中の右側2本のカラムは、各オフセット値に対応する変動パターン先読み情報コマンドの値を示している。このうち、中央のカラムはコマンドの上位バイト(MODE値)である共通の「BEH」を示しており、右端カラムはコマンドの下位バイト(EVENT値)を示している。すなわち、変動パターン先読み情報コマンドは、上位バイトがMODE値(共通の「BEH」)であり、これに下位バイトのEVENT値(不定値)を組み合わせたワード形式で記述される。
テーブル中の見出し行を除く(これ以降も同じ)上2段に示されているように、リーチモード選択オフセットの値が「00」,「01」のいずれかであれば、対応する変動パターン先読み情報コマンドの下位バイトは「00H」となる。また、リーチモード選択オフセットの値が「02」〜「04」のいずれかであれば、対応する変動パターン先読み情報コマンドの下位バイトは「02H」となる。以下同様にして、リーチモード選択オフセットの値「05」から「12」までのそれぞれについて、対応する変動パターン先読み情報コマンドの下位バイトが「00H」,「01H」,「03H」、「04H」のいずれかに選択される。
〔当り時変動パターン先読み情報コマンド〕
図14中(B):当り時の変動パターン先読み情報コマンドは、上記のように固定である。すなわち、取得時演出判定処理(図12)で当りを確認した場合、主制御CPU72は当り時用の固定リーチモード選択オフセットとして「99」を選択する(図12中のステップS68)。この場合、テーブル中で対応する変動パターン先読み情報コマンドの下位バイトは常に固定で「7EH」となる。なお、上位バイトは「BEH」で共通である。
〔コマンド別リーチ種別対応表〕
図15は、コマンド別リーチ種別対応表を示す図である。この対応表は、取得時演出判定処理(図12)で生成された変動パターン先読み情報コマンドに対応するリーチ種別(変動パターン情報)を示している。
テーブル中の左側2本のカラムは、変動パターン先読み情報コマンドの「BEH00H」〜「BEH04H」及び「BEH7EH(固定値)」を示している。また、テーブル中の右側カラムは、各コマンドに対応するリーチ種別を示している。
〔リーチ種別〕
ここで、図15のテーブルに示されるリーチ種別の「非リーチ」、「ノーマルリーチ系」、「弱スーパーリーチ系」、「強スーパーリーチ系」、「ストーリーリーチ系」は、それぞれ以下のカテゴリを総称するものとする。
(1)「非リーチ」
リーチ種別としての「非リーチ」は、当該変動でリーチ変動を行わない変動パターン(通常はずれ変動パターン)が選択されることを意味している。この場合、実際の処理(はずれ時変動パターン決定処理)で選択される変動パターンは必ず「非リーチ」であり、比較的短い変動時間(例えば2秒〜13秒程度)が選択されることになる。
(2)「ノーマルリーチ系」
リーチ種別としての「ノーマルリーチ系」は、当該変動ではリーチ変動を行うが、演出制御上で「ノーマルリーチ」に属する変動演出パターンを指定する変動パターンが選択されることを意味している。この場合、実際の処理(はずれ時変動パターン決定処理)で選択される変動パターンは必ず「リーチ変動」であるが、その中でも比較的短い変動時間(例えば20秒〜30秒程度)が選択されることになる。
(3)「弱スーパーリーチ系」
リーチ種別としての「弱スーパーリーチ系」は、当該変動でリーチ変動を行い、かつ、演出制御上で「弱スーパーリーチ」に属する変動演出パターンを指定する変動パターンが選択されることを意味している。この場合も同様に、実際の処理(はずれ時変動パターン決定処理)で選択される変動パターンは必ず「リーチ変動」であり、その中で比較的中程度の変動時間(例えば50秒〜60秒程度)が選択されることになる。
(4)「強スーパーリーチ系」
リーチ種別としての「強スーパーリーチ系」は、当該変動でリーチ変動を行い、かつ、演出制御上で「強スーパーリーチ」に属する変動演出パターンを指定する変動パターンが選択されることを意味している。この場合もやはり、実際の処理(はずれ時変動パターン決定処理)で選択される変動パターンは必ず「リーチ変動」であり、その中で比較的長い変動時間(例えば100秒〜120秒程度)が選択されることになる。
(5)「ストーリーリーチ系」
リーチ種別としての「ストーリーリーチ系」は、当該変動でリーチ変動を行い、かつ、演出制御上で「ストーリーリーチ」に属する変動演出パターンを指定する変動パターンが選択されることを意味している。この場合、実際の処理(はずれ時変動パターン決定処理)で選択される変動パターンは必ず「リーチ変動」であって、その中でも最も長い時間(演出尺)に分類される変動時間(例えば150秒〜200秒程度)が選択されることになる。
(6)「当り変動」
なお、リーチ種別としての「当り変動」は、当該変動で当り変動が行われることを意味している。この場合、実際の処理(大当り時変動パターン決定処理)で選択される変動パターンは「大当り時リーチ変動」である。なお、当り時にはどのような内容の演出を指定するかよりも、「当選」という結果の方が重要であるため、演出制御装置124に対して「当り変動」というシンプルな結果だけを送信している。
以上のように本実施形態では、取得時演出判定処理(図12)において、各種の変動用乱数の中のリーチグループ決定乱数のみを用いて先読み情報コマンドを生成し、これを演出制御装置124に送信している。この場合、送信される変動パターン先読み情報コマンドは、当該変動で選択される一意の変動パターン番号(具体的なトータル変動時間)を完全に指定したものではないが、当該変動が「非リーチ」又は「リーチ」のいずれであるかの基本情報や、「リーチ」の場合はいずれのリーチ種別に属しているかを表す種別情報を明確に表していることが分かる。また、先判定結果が当りである場合は「当り変動」であることを明確に表している。したがって、主制御CPU72による処理負荷を軽減しつつ、演出制御装置124による演出制御処理においても、上記の変動パターン先読み情報コマンドを用いた先判定演出を充分に実行することが可能となる。
さらに、先判定結果が当りである場合は固定コマンドとし、以後の処理を省略している。これにより、主制御CPU72による処理負荷をさらに軽減することができる。また、当り時は「当り変動」を表す固定コマンドを送信するため、演出制御上で正しく当り時に対応した先判定演出を実行することができる。なお、演出制御処理の詳細については後述する。
〔特別図柄遊技処理〕
次に、割込管理処理(図8)の中で実行される特別図柄遊技処理の詳細について説明する。図16は、特別図柄遊技処理の構成例を示すフローチャートである。特別図柄遊技処理は、実行選択処理(ステップS1000)、特別図柄変動前処理(ステップS2000)、特別図柄変動中処理(ステップS3000)、特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)、可変入賞装置管理処理(ステップS5000)のサブルーチン(プログラムモジュール)群を含む構成である。ここでは先ず、各処理に沿って特別図柄遊技処理の基本的な流れを説明する。
ステップS1000:実行選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS2000〜ステップS5000のいずれか)のジャンプ先を「ジャンプテーブル」から選択する。例えば、主制御CPU72は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また戻り先のアドレスとして特別図柄遊技処理の末尾をスタックポインタにセットする。
いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況(特別図柄遊技管理ステータス)によって異なる。例えば、未だ特別図柄が変動表示を開始していない状況であれば(特別図柄遊技管理ステータス:00H)、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動前処理(ステップS2000)を選択する。一方、既に特別図柄変動前処理が完了していれば(特別図柄遊技管理ステータス:01H)、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動中処理(ステップS3000)を選択し、特別図柄変動中処理まで完了していれば(特別図柄遊技管理ステータス:02H)、次のジャンプ先として特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)を選択するといった具合である。なお、本実施形態ではジャンプ先のアドレスを「ジャンプテーブル」で指定して処理を選択しているが、このような選択手法とは別に、「プロセスフラグ」や「処理選択フラグ」等を用いてCPUが次に実行するべき処理を選択している公知のプログラミング例もある。このようなプログラミング例では、CPUが一通り各処理をCALLし、その先頭ステップで一々フラグを参照して条件分岐(継続/リターン)することになるが、本実施形態の選択手法では、主制御CPU72が各処理を一々呼び出す手間は不要である。
ステップS2000:特別図柄変動前処理では、主制御CPU72は特別図柄の変動表示を開始するための条件を整える作業を行う。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS3000:特別図柄変動中処理では、主制御CPU72は変動タイマをカウントしつつ、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35の駆動制御を行う。具体的には、7セグメントLEDの各セグメント及びドット(0番〜7番)に対してON又はOFFの駆動信号(1バイトデータ)を出力する。駆動信号のパターンは時間の経過に伴って変化し、それによって特別図柄の変動表示が行われる。
ステップS4000:特別図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35の駆動制御を行う。ここでも同様に、7セグメントLEDの各セグメント及びドットに対してON又はOFFの駆動信号を出力するが、駆動信号のパターンは一定であり、これにより特別図柄の停止表示が行われる。
ステップS5000:可変入賞装置管理処理は、先の特別図柄停止表示中処理において当りの態様(非当選以外の態様)で特別図柄が停止表示された場合に選択される。例えば、特別図柄が16ラウンド大当りの態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態(遊技者にとって有利な特別遊技状態)に移行する契機が発生する。大当り遊技中は、先の実行選択処理(ステップS1000)においてジャンプ先が可変入賞装置管理処理にセットされ、特別図柄の変動表示は行われない。可変入賞装置管理処理においては、大入賞口ソレノイド90が一定時間(例えば29秒間又は9個の入賞をカウントするまで)、予め設定された連続作動回数(例えば7回、16回)にわたって励磁され、これにより可変入賞装置30が決まったパターンで開閉動作する(特別電動役物の連続作動)。この間に可変入賞装置30に対して遊技球を集中的に入賞させることで、遊技者には、まとまって多くの賞球を獲得する機会が与えられる(特別遊技実行手段)。なお、このように大当り時に可変入賞装置30が開閉動作することを「ラウンド」と称し、連続作動回数が全部で16回あれば、これらを「16ラウンド」と総称することがある。なお可変入賞装置30の1ラウンドの動作は、開放状態で所定の開放時間(例えば29秒程度)が経過するか、もしくは開放中に規定数の入賞(例えば8個の遊技球の入賞)が発生すると閉鎖状態に戻って終了する。本実施形態では、大当りの種類として16ラウンド大当りだけでなく、その他に複数種類の7ラウンド大当りが設けられている。また16ラウンド大当りや7ラウンド大当りについては、その中に複数の当選種類(当選図柄)が設けられている。
また、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理において大入賞口開放パターン(ラウンド数と1ラウンドごとの開閉動作の回数、開放時間等)を設定すると、1ラウンド分の可変入賞装置30の開閉動作を終了させるごとにラウンド数カウンタの値を1インクリメントする。ラウンド数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。また主制御CPU72は、ラウンド数カウンタの値を表すラウンド数コマンドを生成する。ラウンド数コマンドは、演出制御出力処理(図8中のステップS212)において演出制御装置124に送信される。ラウンド数カウンタの値が設定した連続作動回数に達すると、主制御CPU72はそのラウンド限りで大当り遊技(大役)を終了する。
そして、大当り遊技を終了すると、主制御CPU72は遊技状態フラグ(確率変動機能作動フラグ、時間短縮機能作動フラグ)に基づいて大当り遊技終了後の状態(高確率状態、時間短縮状態)を変化させる。「高確率状態」では確率変動機能が作動し、内部抽選での当選確率が通常よりも例えば10倍程度に高くなる(特定遊技状態移行手段、高確率状態移行手段、高確率状態設定手段)。また「時間短縮状態」では時間短縮機能が作動し、上記のように普通図柄の作動抽選が高確率になり、また普通図柄の変動時間が短縮されるとともに可変始動入賞装置28の開放時間が延長されて開放回数が増加する(いわゆる電チューサポートが行われる)。なお、「高確率状態」及び「時間短縮状態」については、制御上でいずれか一方だけに移行する場合もあれば、これら両方に合わせて移行する場合もある。
〔複数の当選種類〕
本実施形態では、上記の「16ラウンド大当り」について、例えば複数の当選種類として(1)「16ラウンド確変大当り」、(2)「16ラウンド通常(非確変)大当り」が設けられている(これ以上があってもよい)。また「16ラウンド大当り」以外に、本実施形態では複数の当選種類として(3)「7ラウンド確変大当り」、(4)「7ラウンド通常(非確変)大当り」が設けられている(これ以上があってもよい)。
上記の当選種類は、当選時に停止表示される第1特別図柄又は第2特別図柄の種類に対応している。例えば、「16ラウンド確変大当り」は「16ラウンド確変図柄」の大当りに対応し、「16ラウンド通常大当り」は「16ラウンド通常図柄」の大当りに対応する。また、「7ラウンド確変大当り」は「7ラウンド確変図柄」の大当りに対応し、「7ラウンド通常大当り」は「7ラウンド通常図柄」の大当りに対応する。このため以下では、「当選種類」のことを「当選図柄」として適宜呼称するものとする。
〔16ラウンド通常図柄(通常当選種類)〕
先ず、上記の特別図柄停止表示中処理において、特別図柄が「16ラウンド通常図柄」の態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態に移行する契機が発生する(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて大入賞口の開放が1回ずつ行われ、これが16ラウンド目まで継続する。このため「16ラウンド通常図柄」の大当り遊技は、16ラウンド分の出玉(賞球)を遊技者に付与するものとなる。なお大入賞口は、1ラウンド内に規定回数(例えば9回=遊技球9個)の入賞が発生すると、最長の開放時間の経過を待たずに閉止される。この場合、「確率変動機能」は作動されないため、「高確率状態」に移行する特典は遊技者に付与されない。ただし、それまでの遊技で「時間短縮機能」が非作動の状態であったとしても、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、「変動時間短縮状態」に移行する特典が遊技者に付与される。
〔16ラウンド確変図柄(特定当選種類)〕
あるいは先の特別図柄停止表示中処理において、特別図柄が「16ラウンド確変図柄」の態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態に移行する契機が発生する(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて大入賞口の開放が1回ずつ行われ、これが16ラウンド目まで継続する。これら「16ラウンド確変図柄」の大当り遊技もまた、それぞれが16ラウンド分の出玉(賞球)を遊技者に付与するものとなる。また大入賞口は、1ラウンド内に規定回数(例えば9回=遊技球9個)の入賞が発生すると、最長の開放時間の経過を待たずに閉止される。そして、大当り遊技の終了後に例えば「確率変動機能」を作動させることで、その結果として「高確率状態」に移行する特典が遊技者に付与される。またこの場合、それまでの遊技で「時間短縮機能」が非作動の状態であったとしても、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、合わせて「変動時間短縮状態」に移行する特典が遊技者に付与される。
〔7ラウンド通常図柄〕
上記の特別図柄停止表示中処理において、特別図柄が「7ラウンド通常図柄」の態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態に移行する契機が発生する(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて大入賞口の開放が1回ずつ行われ、これが7ラウンド目まで継続する。このため「7ラウンド通常図柄」の大当り遊技は、7ラウンド分の出玉(賞球)を遊技者に付与するものとなる。なお大入賞口は、1ラウンド内に規定回数(例えば9回=遊技球9個)の入賞が発生すると、最長の開放時間の経過を待たずに閉止される。この場合、「確率変動機能」は作動されないため、「高確率状態」に移行する特典は遊技者に付与されない。また、「7ラウンド通常図柄」に関しては、大当り遊技の終了後であっても、「時間短縮機能」は作動されず、「変動時間短縮状態」に移行する特典は遊技者に付与されない。
〔7ラウンド確変図柄〕
あるいは先の特別図柄停止表示中処理において、特別図柄が「7ラウンド確変図柄」の態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態に移行する契機が発生する(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて大入賞口の開放が1回ずつ行われ、これが7ラウンド目まで継続する。これら「7ラウンド確変図柄」の大当り遊技もまた、それぞれが7ラウンド分の出玉(賞球)を遊技者に付与するものとなる。また大入賞口は、1ラウンド内に規定回数(例えば9回=遊技球9個)の入賞が発生すると、最長の開放時間の経過を待たずに閉止される。そして、大当り遊技の終了後に例えば「確率変動機能」を作動させることで、その結果として「高確率状態」に移行する特典が遊技者に付与される。また「7ラウンド確変図柄」に関しては、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させて「変動時間短縮状態」に移行する特典が遊技者に付与される場合もあるが、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させずに「変動時間短縮状態」に移行させない場合もある。これらの振り分けの詳細は後述する。
いずれにしても、当選図柄が上記の「16ラウンド確変図柄」又は「7ラウンド確変図柄」のいずれかに該当すると、大当り遊技終了後に内部状態を「高確率状態」に移行させる特典が遊技者に付与される。また、「高確率状態」において内部抽選に当選し、そのときの当選図柄が「16ラウンド確変図柄」又は「7ラウンド確変図柄」のいずれかに該当すると、その大当り遊技終了後も「高確率状態」が継続(再開)される。一方、「高確率状態」で内部抽選に当選し、上記の「16ラウンド通常図柄」又は「7ラウンド通常図柄」のいずれかに該当すると、大当り遊技終了後に内部状態は通常確率状態(低確率状態)に復帰する。また言うまでもなく、通常確率状態で内部抽選に当選し、「16ラウンド通常図柄」又は「7ラウンド通常図柄」のいずれかに該当すると、大当り遊技終了後も内部状態は通常確率状態に維持される。
〔小当り〕
また本実施形態では、非当選以外の当選種類として小当りが設けられている。小当りに当選すると、大当り遊技とは別に小当りの遊技が行われて可変入賞装置30が開閉動作する。すなわち、先の特別図柄停止表示中処理において、第1特別図柄又は第2特別図柄が小当りの態様で停止表示されると、通常確率状態又は高確率状態の中で小当りの遊技(可変入賞装置30が作動する遊技)が実行される。このような小当りの遊技では可変入賞装置30が所定回数(例えば2回)だけ開閉動作するものの、大入賞口への入賞はほとんど発生しない。また小当りの遊技が終了しても、「確率変動機能」が作動することはなく、また、「時間短縮機能」が作動することもないので、「高確率状態」や「時間短縮状態」へ移行する特典は付与されない(そのための前提条件とはならない。)。また、「高確率状態」で小当りに当選しても、その小当りの遊技終了後に「高確率状態」が終了することはないし、「時間短縮状態」で小当りに当選しても、その小当りの遊技終了後に「時間短縮状態」が終了することもない(上限回数に達した場合を除く。)。なお、本実施形態では、小当りを設定する遊技仕様としているが、小当りを設定しない遊技仕様としてもよい。
〔特別図柄変動前処理〕
図17は、特別図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS2100:先ず主制御CPU72は、第1特別図柄作動記憶数又は第2特別図柄作動記憶数が残存しているか(0より大であるか)否かを確認する。この確認は、RAM76に記憶されている作動記憶数カウンタの値を参照して行うことができる。第1特別図柄及び第2特別図柄の両方の作動記憶数が0であった場合(No)、主制御CPU72はステップS2500のデモ設定処理を実行する。
ステップS2500:この処理では、主制御CPU72はデモ演出用コマンドを生成する。デモ演出用コマンドは、上記の演出制御出力処理(図8中のステップS212)において演出制御装置124に出力される。デモ設定処理を実行すると、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。なお復帰時は、上記のように末尾アドレスに復帰する(以降も同様)。
これに対し、第1特別図柄又は第2特別図柄のいずれかの作動記憶数カウンタの値が0より大きければ(Yes)、主制御CPU72は次にステップS2200を実行する。
ステップS2200:主制御CPU72は、特別図柄記憶エリアシフト処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はRAM76の乱数記憶領域に記憶されている抽選用乱数(大当り決定乱数、大当り図柄乱数)のうち、第2特別図柄に対応する方を優先的に読み出す。このとき2つ以上のセクションに乱数が記憶されていれば、主制御CPU72は先頭のセクションから順に乱数を読み出して消去(消費)した後、残った乱数を1つずつ前のセクションに移動(シフト)させる。読み出した乱数は、例えば別の一時記憶領域に保存される。第2特別図柄に対応する乱数が記憶されていない場合、主制御CPU72は第1特別図柄に対応する乱数を読み出して一時記憶領域に保存する。一時記憶領域に保存された各乱数は、次の大当り判定処理で内部抽選に使用される。その結果、本実施形態では第1特別図柄よりも第2特別図柄の変動表示が優先的に行われることになる。なお、このような特別図柄別の優先順位を設けることなく、単純に記憶された順番で乱数が読み出されるプログラムであってもよい。またこの処理において、主制御CPU72はRAM76に記憶されている作動記憶数カウンタ(第1特別図柄又は第2特別図柄のうち、乱数のシフトを行った方)の値を1つ減算し、減算後の値を「変動開始時作動記憶数」に設定する。これにより、上記の表示出力管理処理(図8中のステップS210)の中で第1特別図柄作動記憶ランプ34a又は第2特別図柄作動記憶ランプ35aによる記憶数の表示態様が変化(1減少)する。ここまでの手順を終えると、主制御CPU72は次にステップS2300を実行する。
ステップS2300:主制御CPU72は、大当り判定処理(内部抽選)を実行する。この処理では、主制御CPU72は、先ず大当り値の範囲を設定し、この範囲内に読み出した乱数値が含まれるか否かを判断する(抽選実行手段)。このとき設定される大当り値の範囲は、通常確率状態と高確率状態(確率変動機能作動時)とで異なり、高確率状態では通常確率状態よりも大当り値の範囲が約10倍程度に拡大される。そして、このとき読み出した乱数値が大当り値の範囲内に含まれていれば、主制御CPU72は大当りフラグ(01H)をセットし、次にステップS2400に進む。
上記の大当りフラグをセットしない場合、主制御CPU72は同じ大当り判定処理において、次に小当り値の範囲を設定し、この範囲内に読み出した乱数値が含まれるか否かを判断する(抽選実行手段)。ここでいう「小当り」は、非当選(はずれ)以外であるが、「大当り」とは異なる性質のものである。すなわち、「大当り」は上記の「高確率状態」や「時間短縮状態」に移行させる契機(遊技の節目)を発生させるものであるが、「小当り」はそのような契機を発生しない。ただし「小当り」は、「大当り」と同様に可変入賞装置30を作動させる条件を満たすものとして位置付けられている。なお、このとき設定される小当り値の範囲は、通常確率状態と高確率状態(確率変動機能作動時)とで異なっていてもよいし、同じでもよい。いずれにしても、読み出した乱数値が小当り値の範囲内に含まれていれば、主制御CPU72は小当りフラグをセットし、次にステップS2400に進む。このように、本実施形態では非当選以外に該当する当り範囲として、大当り値と小当り値の範囲が予めプログラム上で規定されているが、予め状態別の大当り判定テーブル、小当り判定テーブルをそれぞれROM74に書き込んでおき、これを読み出して乱数値と対比しながら大当り判定を行ってもよい。
ステップS2400:主制御CPU72は、先の大当り判定処理で大当りフラグに値(01H)がセットされたか否かを判断する。大当りフラグに値(01H)がセットされていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS2402を実行する。
ステップS2402:主制御CPU72は、先の大当り判定処理で小当りフラグに値(01H)がセットされたか否かを判断する。小当りフラグに値(01H)がセットされていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS2404を実行する。なお、主制御CPU72は大当りフラグと小当りフラグとを別々に用意せずに、共通当りフラグの値によって大当り(例えば01Hを設定)又は小当り(例えば0AHを設定)を判別してもよい。
ステップS2404:主制御CPU72は、はずれ時停止図柄決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35によるはずれ時の停止図柄番号データをセットする。また主制御CPU72は、演出制御装置124に送信するための停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(はずれ時)を生成する。これらコマンドは、演出制御出力処理(図8中のステップS212)において演出制御装置124に送信される。
なお本実施形態では、第1特別図柄表示装置34や第2特別図柄表示装置35に7セグメントLEDを用いているため、例えば、はずれ時の停止図柄の表示態様を常に1つのセグメント(中央のバー「−」)の点灯表示だけにしておき、停止図柄番号データを1つの値(例えば64H)に固定することができる。この場合、プログラム上で使用する記憶容量を削減し、主制御CPU72の処理負荷を軽減して処理速度を向上することができる。あるいは、第1特別図柄表示装置34や第2特別図柄表示装置35を複数のドットLEDの配列形態とする場合、はずれ時の停止図柄の表示態様を特定の1つのドットLEDの点灯表示としてもよい。
ステップS2405:次に主制御CPU72は、はずれ時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、特別図柄について、はずれ時の変動パターン番号を決定する(変動パターン選択手段)。変動パターン番号は、特別図柄の変動表示の種類(パターン)を区別したり、変動表示にかかる変動時間に対応したりするものである。はずれ時の変動時間は、上記の「時間短縮状態」であるか否かによって異なってくるため、この処理において主制御CPU72は、遊技状態フラグをロードし、現在の状態が「時間短縮状態」であるか否かを確認する。「時間短縮状態」であれば、基本的にリーチ変動を行う場合を除き、はずれ時の変動時間は短縮された時間に設定される(短縮時変動時間決定手段)。また「時間短縮状態」でなくとも、リーチ変動を行う場合を除き、はずれ時の変動時間は例えばステップS2200で設定した「変動表示開始時作動記憶数(例えば0個〜3個、あるいは、合計作動記憶数で0〜4個、5個、6個、7個等)」に基づいて短縮される場合がある。なお、はずれ時の図柄の停止表示時間は変動パターンに関わらず一定(例えば0.5秒程度)である。主制御CPU72は、決定した変動時間(はずれ時の変動秒数)の値を変動タイマにセットするとともに、はずれ時の停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。
本実施形態では、内部抽選の結果、非当選に該当した場合、演出上で例えば「リーチ演出」を発生させてはずれとしたり、「リーチ演出」を発生させずにはずれとしたりする制御を行うこととしている。そして、「はずれ時変動パターン選択テーブル」には、予め複数種類の演出、例えば「非リーチ演出」、「リーチ演出」に対応した変動パターンが規定されており、非当選に該当した場合は、その中からいずれかの変動パターンが選択されることになる。なお、リーチ演出には、上記のように「ノーマルリーチ系」に分類されるリーチ演出、「弱スーパーリーチ系」又は「強スーパーリーチ系」に分類されるリーチ演出、さらには、「ストーリーリーチ系」に分類されるリーチ演出等といった様々なリーチ演出が含まれる。
〔はずれ時変動パターン決定処理〕
図18は、上記のはずれ時変動パターン決定処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS2450:ここでは先ず、主制御CPU72は、状態別及び作動記憶数別のリーチグループ選択テーブルをセットする。この内容は、上述した取得時演出判定処理(図12中のステップS60)と同じである。したがって主制御CPU72は、現在の内部状態別及び作動記憶数別の条件に対応したリーチグループ選択テーブルをセットする。
ステップS2452:次に主制御CPU72は、先の特別図柄記憶エリアシフト処理(図17中のステップS2200)でシフトした各種変動用乱数のうち、リーチグループ決定乱数をロードする。ここでロードする対象は、取得時演出判定処理(図12中のステップS62)と同じ値となる。
ステップS2454:そして主制御CPU72は、はずれ時変動パターン決定第1処理を実行する。この処理は、ロードしたリーチグループ決定乱数を用いて変動パターンのカテゴリ抽選(リーチ種別の抽選)を行い、選択したオフセットを戻り値としてセットするものである。ここでの処理の内容は、上述した取得時演出判定処理(図12中のステップS64)と同じであり、カテゴリ抽選には上記と同様のはずれ時リーチグループ選択テーブル(図13)が用いられる。したがって、ここではリーチモード選択オフセットが戻り値にセットされる。
ステップS2456:主制御CPU72は、先の戻り値であるリーチモード選択オフセットを用いてリーチモード選択テーブルをセットする。なお、ここからの手順は取得時演出判定処理(図12)とは異なっている。ここでセットしたリーチモード選択テーブルは、次段階でリーチモード決定乱数を引数とした選択抽選に用いられる。
ステップS2458:上記の選択抽選を行うため、主制御CPU72はリーチモード決定乱数をロードする。
ステップS2460:そして主制御CPU72は、変動パターン決定第2処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はリーチモード決定乱数に基づき、上記のリーチモード選択テーブルから対応する変動モードオフセットを選択し、その結果を戻り値にセットする。ここで選択した変動モードオフセットは、最終段階の変動パターン決定抽選で用いられる変動パターン選択テーブルのアドレスを指定するものとなる。
ステップS2462:したがって、次に主制御CPU72は、戻り値である変動モードオフセットを用いて変動パターン選択テーブルをセットする。具体的には、上記のように変動モードオフセットの値で示されるテーブルアドレスをROM74上で指定する。
ステップS2464:テーブルアドレスを指定すると、主制御CPU72は、最後の乱数である変動パターン決定乱数をロードする。
ステップS2466:そして主制御CPU72は、変動パターン決定第3処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は変動パターン決定乱数に基づき、上記の変動パターン選択テーブルから対応する変動パターン番号を選択する。また主制御CPU72は、選択した変動パターン番号を戻り値にセットする。ここで選択した変動パターン番号は、最終的に当該変動で行われる一意の変動パターン(変動開始から予告の発生、テンパイまでの時間、リーチ態様、リーチ変動時間、最終停止表示に至るまでの変動態様)を表すものであり、この変動パターン番号から当該変動におけるトータルの変動時間(変動秒数)が一意に定まることになる。
ステップS2468:最後に主制御CPU72は、戻り値として選択した変動パターン番号から変動パターンコマンドを生成する。生成した変動パターンコマンドは、演出制御出力処理(図8中のステップS212)で演出制御装置124に送信される。そして、演出制御装置124は、受け取った変動パターンコマンドから当該変動の変動パターン情報を把握したり、変動演出パターンを選択したりすることができる。
〔変動パターン選択テーブルの構成例〕
図19は、変動パターン選択テーブルの構成例を示す図である。なお、図19中(A)〜(K)は、変動モードオフセットの値「00」〜「10」で指定されるテーブルをアドレス単位で区別して示したものである。また、各テーブルには、その左カラムに変動パターン決定乱数の範囲を示し、右カラムに対応する変動パターン番号を示している。
例えば、主制御CPU72が変動モードオフセット「00」を戻り値にセットしていた場合、変動パターン決定第3処理において、主制御CPU72は図19中(A)に示されるテーブルアドレスを指定する。この場合、変動パターン決定乱数が0〜250のいずれの値であっても、主制御CPU72は変動パターン番号として「特0」を選択することになる。
また、主制御CPU72が変動モードオフセット「01」を戻り値にセットしていた場合、変動パターン決定第3処理において、主制御CPU72は図19中(B)に示されるテーブルアドレスを指定する。この場合、変動パターン決定乱数が0〜250のいずれの値であっても、主制御CPU72は変動パターン番号として「特1」を選択することになる。
次に、主制御CPU72が変動モードオフセット「02」を戻り値にセットしていた場合、主制御CPU72は図19中(C)に示されるテーブルアドレスを指定する。このとき、変動パターン決定乱数が0〜200の範囲内であれば、主制御CPU72は変動パターン番号として「特2」を選択するが、変動パターン決定乱数が201以上(250までの範囲内)であれば、主制御CPU72は変動パターン番号として「特4」を選択することになる。
以下同様にして、戻り値である変動モードオフセット「03」,「04」,「05」,「06」,「07」,「08」,「09」,「10」について、主制御CPU72はそれぞれ順に図19中(D),(E),(F),(G),(H),(I),(J),(K)に示されるテーブルアドレスを指定する。そして主制御CPU72は、各テーブルにおいて変動パターン決定乱数の値に対応する変動パターン番号を選択することができる。
なお、はずれ時変動パターン決定処理(図18)の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄変動前処理(図17)に復帰する。また復帰後は、主制御CPU72は特別図柄変動前処理(図17中のステップS2415)に進むことになる。
〔図17:特別図柄変動前処理を参照〕
ここで、特別図柄変動前処理(ステップS2415)の前に実行されるステップS2404,ステップS2405は、大当り判定結果がはずれ時(非当選の場合)の制御手順であるが、判定結果が大当り(ステップS2400:Yes)又は小当り(ステップS2402:Yes)の場合、主制御CPU72は以下の手順を実行する。先ず、大当りの場合について説明する。
ステップS2410:主制御CPU72は、大当り時停止図柄決定処理を実行する(当選種類決定手段、第1図柄当選種類決定手段、第2図柄当選種類決定手段)。この処理では、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づき、特別図柄別(第1特別図柄又は第2特別図柄)に今回の当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)を決定する。大当り図柄乱数値と当選図柄の種類との関係は、予め特別図柄判定データテーブルで規定されている(当選種類規定手段、第1図柄当選種類規定手段、第2図柄当選種類規定手段)。このため主制御CPU72は、大当り時停止図柄決定処理において大当り時停止図柄選択テーブルを参照し、その記憶内容から大当り図柄乱数に基づいて当選図柄の種類を決定することができる。
〔大当り時の当選図柄〕
本実施形態では大当り時に選択的に決定される当選図柄として、大きく分けて10種類が用意されている。10種類の内訳は、「7ラウンド通常図柄1」、「7ラウンド通常図柄2」、「7ラウンド通常図柄3」、「16ラウンド通常図柄1」、「16ラウンド通常図柄2」、「16ラウンド通常図柄3」、「16ラウンド確変図柄1」、「16ラウンド確変図柄2」、「7ラウンド確変図柄1」、「7ラウンド確変図柄2」である。なお、10種類の当選図柄の各当選図柄は、さらに複数の当選図柄を含んでいてもよい。例えば「7ラウンド通常図柄1」であれば、「7ラウンド通常図柄1a」、「7ラウンド通常図柄1b」、「7ラウンド通常図柄1c」、・・・といった具合である。
また本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とでは、それぞれに対応する内部抽選の大当り時に選択される当選図柄の種類が異なっている。すなわち、第1特別図柄に対応する内部抽選の大当り時には、「7ラウンド通常図柄1〜3」、「16ラウンド確変図柄1」、「7ラウンド確変図柄1,2」のいずれかが選択される。
一方、第2特別図柄に対応する内部抽選の大当り時には、「16ラウンド通常図柄1〜3」、「16ラウンド確変図柄1,2」のいずれかが選択されることになる。このため主制御CPU72は、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応するものであるか、第2特別図柄に対応するものであるかによって当選図柄として選択可能な対象を区別している。
〔第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル〕
図20は、第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの構成列を示す図である。主制御CPU72は、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応する場合、図20に示される第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルを参照して当選図柄の種類を決定する。
第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル中、左カラムには当選図柄別の振分値が示されており、各振分値「6」,「7」,「8」,「4」,「48」,「27」は分母を100とした場合の割合に相当する。また左から2番目のカラムには、各振分値に対応する「7ラウンド通常図柄1」、「7ラウンド通常図柄2」、「7ラウンド通常図柄3」、「16ラウンド確変図柄1」、「7ラウンド確変図柄1」、「7ラウンド確変図柄2」が示されている。すなわち、第1特別図柄に対応する大当り時には、「7ラウンド通常図柄1」が選択される割合は100分の6(=6%)であり、「7ラウンド通常図柄2」が選択される割合は100分の7(=7%)である。また、「7ラウンド通常図柄3」が選択される割合は100分の8(=8%)であり、「16ラウンド確変図柄1」が選択される割合は100分の4(=4%)である。また、「7ラウンド確変図柄1」が選択される割合は100分の48(=48%)であり、「7ラウンド確変図柄2」が選択される割合は100分の27(=27%)である。各振分値の大きさは、大当り図柄乱数を用いた当選図柄別の選択比率に相当する。したがって、全体として第1特別図柄についての確変図柄の選択比率は79%である。
いずれにしても、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応する場合、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づいて選択抽選を行い、第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルに示される選択比率で当選図柄を選択的に決定する。また第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルには、左から3番目のカラムに示されるように当選時の停止図柄コマンドとして例えば2バイトのコマンドデータが規定されている。停止図柄コマンドは、例えばMODE値−EVENT値の組み合わせで記述されており、このうち上位バイトのMODE値「B1H」は、今回の当選図柄が第1特別図柄の大当り時に選択されたものであることを表している。また下位バイトのEVENT値「00H」,「01H」,「02H」,「06H」,「08H」,「09H」は、それぞれ選択テーブル中で対応する当選図柄の種類を表している。このため例えば、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応するものであり、当選図柄として「7ラウンド通常図柄1」が選択された場合、当選時の停止図柄コマンドは「B1H00H」で記述されることになる。
以上のように、主制御CPU72は第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルから当選図柄を選択すると、そのときの停止図柄コマンドを生成する。生成した停止図柄コマンドは、例えば上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また主制御CPU72は、選択した当選図柄に基づいて第1特別図柄についての大当り時停止図柄番号を決定する。
〔時短回数〕
第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの左から4番目のカラム(右カラム)には、大当り遊技の終了後に付与される時短回数(限度回数)の値が示されている。時短回数の具体的な値は、以下の通りである。
「7ラウンド通常図柄1」に該当した場合、時短回数は0回付与される。なお、時短回数が0回付与されるとは、実質的に時短回数が付与されない状態と同様の状態を意味する。
「7ラウンド通常図柄2」に該当した場合、時短回数は0回付与される。
「7ラウンド通常図柄3」に該当した場合、時短回数は0回付与される。
なお、「7ラウンド通常図柄1〜3」については、時間短縮状態中での当選であれば、それぞれ30回、50回、100回の時短回数を付与することとしてもよい。
「16ラウンド確変図柄1」に該当した場合、時短回数は10000回付与される。
「7ラウンド確変図柄1」に該当した場合、時短回数は10000回付与される。
「7ラウンド確変図柄2」に該当した場合、時短回数は0回付与される。したがって、「7ラウンド確変図柄2」で当選した場合、高確率状態には移行するが、時間短縮状態には移行されないため、いわゆる潜伏確変状態に移行される。
〔第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル〕
図21は、第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの構成列を示す図である。主制御CPU72は、今回の大当りの結果が第2特別図柄に対応する場合、図21に示される第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルを参照して当選図柄の種類を決定する。
第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルにおいても、その左カラムには当選図柄別の振分値が示されており、各振分値「6」,「7」,「8」,「4」,「75」は分母を100とした場合の割合に相当する。同様に左から2番目のカラムには、各振分値に対応する「16ラウンド通常図柄1」、「16ラウンド通常図柄2」、「16ラウンド通常図柄3」、「16ラウンド確変図柄1」、「16ラウンド確変図柄2」が示されている。すなわち、第2特別図柄に対応する大当り時においては、「16ラウンド通常図柄1」が選択される割合は100分の6(=6%)であり、「16ラウンド通常図柄2」が選択される割合は100分の7(=7%)である。また、「16ラウンド通常図柄3」が選択される割合は100分の8(=8%)であり、「16ラウンド確変図柄1」が選択される割合は100分の4(=4%)である。また、「16ラウンド確変図柄2」が選択される割合は100分の75(=75%)である。したがって第2特別図柄についても、全体として確変図柄の選択比率は79%である。ただし、第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルには、「7ラウンド通常図柄1〜3」、「7ラウンド確変図柄1,2」についての振分値は設定されていない。
今回の大当りの結果が第2特別図柄に対応する場合、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づいて選択抽選を行い、第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルに示される選択比率で当選図柄を選択的に決定する。同様に第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルにも、その左から3番目のカラムに示されるように当選時の停止図柄コマンドとして例えば2バイトのコマンドデータが規定されている。ここでも停止図柄コマンドは、上記のMODE値−EVENT値の組み合わせで記述されており、このうち上位バイトのMODE値「B2H」は、今回の当選図柄が第2特別図柄の大当り時に選択されたものであることを表している。また下位バイトのEVENT値「03H」,「04H」,「05H」,「06H」,「07H」は、それぞれ選択テーブル中で対応する当選図柄の種類を表している。このため例えば、今回の大当りの結果が第2特別図柄に対応するものであり、当選図柄として「16ラウンド通常図柄1」が選択された場合、停止図柄コマンドは「B2H03H」で記述されることになる。
以上のように、主制御CPU72は第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルから当選図柄を選択すると、そのときの停止図柄コマンドを生成する。生成した停止図柄コマンドは、例えば上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また主制御CPU72は、選択した当選図柄に基づいて第2特別図柄についての大当り時停止図柄番号を決定する。
〔時短回数〕
第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの左から4番目のカラム(右カラム)には、大当り遊技の終了後に付与される時短回数の値が示されている。時短回数の具体的な値は、以下の通りである。
「16ラウンド通常図柄1」に該当した場合、時短回数は30回付与される。
「16ラウンド通常図柄2」に該当した場合、時短回数は50回付与される。
「16ラウンド通常図柄3」に該当した場合、時短回数は100回付与される。
「16ラウンド確変図柄1」に該当した場合、時短回数は10000回付与される。
「16ラウンド確変図柄2」に該当した場合、時短回数は10000回付与される。
なお、上記のように第1特別図柄と第2特別図柄とで、選択される当選図柄が異なっているのは、例えば以下の理由による。すなわち、「高確率状態」や「時間短縮状態」に移行した場合、通常時(時間短縮機能の非作動時)に比較して高頻度で可変始動入賞装置28が作動するため、第2特別図柄についての作動記憶が途切れにくくなっている。そして、本実施形態では第1特別図柄よりも第2特別図柄についての記憶が優先して消費されることから、第2特別図柄についての当選種類から「7ラウンド通常大当り」や「7ラウンド確変大当り」を除外しておけば、特に「高確率状態」及び「時間短縮状態」で「7ラウンド通常大当り」や「7ラウンド確変大当り」を引きにくくなるため、それだけ遊技者の利益を高めることができるという利点がある。
〔図17:特別図柄変動前処理を参照〕
ステップS2412:次に主制御CPU72は、大当り時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先のステップS2200でシフトした変動パターン決定乱数に基づいて第1特別図柄又は第2特別図柄の変動パターン(変動時間と停止表示時間)を決定する。また主制御CPU72は、決定した変動時間(大当り時の変動秒数)の値を変動タイマにセットするとともに、停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。一般的に大当りリーチ変動の場合、はずれ時よりも長い変動時間が決定される。
本実施形態では、内部抽選の結果、16ラウンド大当り(16ラウンド通常大当り又は16ラウンド確変大当り)や7ラウンド大当り(7ラウンド通常大当り又は7ラウンド確変大当り)に該当した場合、演出上で例えば「リーチ演出」を発生させて大当りとする制御を行うこととしている。そして、「大当り当選時変動パターン選択テーブル」には、複数種類の「リーチ演出」に対応した変動パターンが規定されており、16ラウンド大当りや7ラウンド大当りに該当した場合は、その中からいずれかの変動パターンが選択されることになる。なお、リーチ演出には、ノーマルリーチ演出、弱スーパーリーチ演出、強スーパーリーチ演出、ストーリーリーチ演出等といった様々なリーチ演出が含まれる(これら以外のリーチ演出があってもよい)。なお、時間短縮機能が作動している高確率状態での当選時には、長い変動時間を有する変動パターンを選択せずに、短い変動時間を有する変動パターン(リーチ演出を行わない変動パターン)を選択するようにしてもよい。この場合、内部状態別や特別図柄別の選択テーブルを用意する必要がある。この点については、はずれ時の変動パターン選択テーブルについても同様である。
ステップS2414:次に主制御CPU72は、大当り時その他設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先のステップS2410で決定した当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)が「7ラウンド確変図柄1,2」、「16ラウンド確変図柄1,2」のいずれかである場合、遊技状態フラグとして確率変動機能作動フラグの値(01H)をRAM76のフラグ領域にセットする(高確率状態移行手段、確率変動機能作動手段)。また、主制御CPU72は、先のステップS2410で決定した当選図柄の種類が「7ラウンド通常図柄1〜3」、「16ラウンド通常図柄1〜3」のいずれかである場合、遊技状態フラグとして確率変動機能作動フラグの値をリセットする(低確率状態設定手段、低確率状態移行手段)。
また主制御CPU72は、先のステップS2410で決定した当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)が「16ラウンド確変図柄1,2」、「7ラウンド確変図柄1」、「16ラウンド通常図柄1〜3」のいずれかである場合、主制御CPU72は遊技状態フラグとして時間短縮機能作動フラグの値(01H)をRAM76のフラグ領域にセットする(時間短縮状態移行手段、時間短縮機能作動手段)。
またステップS2414の処理において、主制御CPU72は大当り時停止図柄番号に基づいて第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35による停止図柄(大当り図柄)の表示態様を決定する。合わせて主制御CPU72は、上記の停止図柄コマンド(大当り時)とともに抽選結果コマンド(大当り時)を生成する。これら停止図柄コマンド及び抽選結果コマンドもまた、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
次に、小当り時の処理について説明する。
ステップS2407:主制御CPU72は、小当り時停止図柄決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づき、小当り時の当選図柄の種類(小当り時停止図柄番号)を決定する。ここでも同様に、大当り図柄乱数値と小当り時の当選図柄の種類との関係が予め小当り時特別図柄選択テーブルで規定されている(当選種類規定手段)。なお本実施形態では、主制御CPU72の負荷を軽減するために大当り図柄乱数を用いて小当り時の当選図柄を決定しているが、別途専用の乱数を用いてもよい。
〔小当り時の当選図柄〕
本実施形態では、小当り時の当選図柄は「2回開放小当り図柄」の1種類だけである。ただし、これ以外に例えば「1回開放小当り図柄」や「3回開放小当り図柄」等の別の種類が用意されていてもよい。上記のように内部抽選の結果としての「小当り」は、その後の状態が「高確率状態」や「時間短縮状態」に変化する契機とはならないため、この種のパチンコ機で必須となる「2ラウンド(2回開放)以上」の規定にとらわれることなく、「1回開放小当り図柄」を設けることができる。
ステップS2408:次に主制御CPU72は、小当り時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先のステップS2200でシフトした変動パターン決定乱数に基づいて第1特別図柄又は第2特別図柄の変動パターン(変動時間と停止表示時間)を決定する(変動パターン選択手段)。また主制御CPU72は、決定した変動時間(小当り時の変動秒数)の値を変動タイマにセットし、停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。なお、本実施形態では小当りの場合にリーチ変動パターンを選択することもできるし、はずれ通常変動時と同等の変動パターンを選択することもできる。
ステップS2409:次に主制御CPU72は、小当り時その他設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は小当り時停止図柄番号に基づき、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35による停止図柄(小当り図柄)の表示態様を決定する。合わせて主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(小当り時)を生成する。これら停止図柄コマンド及び抽選結果コマンドもまた、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS2415:次に主制御CPU72は、特別図柄変動開始処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は変動パターン番号(はずれ時/当り時)に基づいて変動パターンデータを選択する。合わせて主制御CPU72は、RAM76のフラグ領域に特別図柄の変動開始フラグをセットする。そして主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する変動開始コマンドを生成する。この変動開始コマンドもまた、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄変動中処理(ステップS3000)を次のジャンプ先に設定し、特別図柄遊技処理に復帰する。
〔図16:特別図柄変動中処理,特別図柄停止表示中処理〕
特別図柄変動中処理では、上記のように主制御CPU72は変動タイマの値をレジスタからタイマカウンタにロードし、その後、時間の経過(クロックパルスのカウント数又は割込カウンタの値)に応じてタイマカウンタの値をデクリメントする。そして主制御CPU72は、タイマカウンタの値を参照しつつ、その値が0になるまで上記のように特別図柄の変動表示を制御する。そして、タイマカウンタの値が0になると、主制御CPU72は特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)を次のジャンプ先に設定する。
また特別図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は停止図柄決定処理(図17中のステップS2404,ステップS2407,ステップS2410)で決定した停止図柄に基づいて特別図柄の停止表示を制御する。また主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する図柄停止コマンドを生成する。図柄停止コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。特別図柄停止表示中処理の中で停止図柄を所定時間にわたり表示させると、主制御CPU72は図柄変動中フラグを消去する。
〔特別図柄記憶エリアシフト処理〕
図22は、上記の特別図柄記憶エリアシフト処理の手順例を示すフローチャートである。先の特別図柄変動前処理において、第1特別図柄又は第2特別図柄に対応する作動記憶カウンタの値が「0」より大であった場合(図17中のステップS2100:Yes)、主制御CPU72はこの特別図柄記憶エリアシフト処理を実行する。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS2210:主制御CPU72は、乱数記憶領域を参照して、優先して消費する方の第2特別図柄に対応する作動記憶カウンタの値が「0」であるか否かを確認する。このとき、第2特別図柄に対応する作動記憶カウンタの値が「1」以上であれば(No)、主制御CPU72は次にステップS2212に進む。
ステップS2212:主制御CPU72は、対象特別図柄(変動の対象となる特別図柄)として第2特別図柄を指定する。この指定は、例えば対象図柄指定値として「02H」をセットすることで行われる。
ステップS2214:一方、第2特別図柄に対応する作動記憶カウンタの値が「0」であった場合(ステップS2210:Yes)、主制御CPU72は記憶エリアをシフトする対象の特別図柄として第1特別図柄を指定する。この場合の指定は、例えば対象図柄指定値として「01H」をセットすることで行われる。
ステップS2216:上記のステップS2212又はステップS2214のいずれかで指定した対象の特別図柄について、主制御CPU72はRAM76の乱数記憶領域をシフトする。なお、具体的な処理の内容については、先の特別図柄変動前処理において既に述べたとおりである。
ステップS2218:また、上記のステップS2212又はステップS2214のいずれかで指定した対象特別図柄について、主制御CPU72は作動記憶カウンタの値を減算する。例えば、今回の対象特別図柄が第2特別図柄であれば、主制御CPU72は第2特別図柄に対応する作動記憶カウンタの値を減算(−1)する。
ステップS2220:そして主制御CPU72は、減算後の作動記憶カウンタの値から「変動開始時作動記憶数」を設定する。なお、ここでは第1特別図柄と第2特別図柄の両方について、作動記憶カウンタの値を加算した上で「変動開始時作動記憶数」を設定してもよい。ここで設定した「変動開始時作動記憶数(合計記憶数)」は、例えばこの後、はずれ時変動パターン決定処理(図18中のステップS2450)において、上記のように状態別及び作動記憶数別はずれ時リーチグループ選択テーブルをセットする際に参照することができる。
ステップS2222:また主制御CPU72は、今回の記憶エリアをシフトする対象の特別図柄が第2特別図柄であるか否かを確認する。
ステップS2224:対象が第2特別図柄であった場合(ステップS2222:Yes)、主制御CPU72は第2特別図柄に関して作動記憶数減少時演出コマンドをセットする。ここでセットされる演出コマンドもまた、1ワード長のコマンドとして生成されるが、その構成は上述した「作動記憶数増加時演出コマンド」と対照的である。すなわち、作動記憶数減少時演出コマンドは、コマンド種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BBH」)に対して、減少後の作動記憶数を表す下位バイトの値(例えば「00H」〜「03H」)を付加するとともに、下位バイトの値については、「消費に伴う作動記憶数の減少」を意味する加算値(例えば「10H」)をさらに付加(論理和)したものである。したがって下位バイトについては、加算値「10H」を論理和することでその第2の位が「1」となり、この値によって「作動記憶数の減少による結果(変化情報)」であることを表したものとなる。つまり、コマンドの下位バイトが「13H」であれば、それは前回までの作動記憶数「4」(コマンド表記は「14H」)が1つ減少した結果、今回の作動記憶数が「3」(コマンド表記は「13H」)となったことを表している。同様に、下位バイトが「12H」〜「10H」であれば、それは前回までの作動記憶数「3」〜「1」(コマンド表記は「13H」〜「11H」)がそれぞれ1つ減少した結果、今回の作動記憶数が「2」〜「0」(コマンド表記は「12H」〜「10H」)となったことを表している。なお上記の先行値「BBH」は、今回の演出コマンドが第2特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値である。
ステップS2226:なお、今回の対象が第1特別図柄であった場合(ステップS2222:No)、主制御CPU72は第1特別図柄に関して作動記憶数減少時演出コマンドをセットする。この場合のコマンドは、先行値が第1特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値(例えば「BAH」)となる以外は上記と同じである。
ステップS2228:そして主制御CPU72は、演出コマンド出力処理を実行する。この処理は、先のステップS2224又はステップS2226でセットした作動記憶数減少時演出コマンドを演出制御装置124に対して送信するためのものである(記憶数通知手段)。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄変動前処理(図17)に復帰する。
〔特別図柄停止表示中処理〕
次に図23は、特別図柄停止表示中処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS4100:主制御CPU72は、停止図柄表示タイマの値を減算(割込周期分だけデクリメント)する。
ステップS4200:そして主制御CPU72は、今回減算した停止図柄表示タイマの値に基づき、停止表示時間が終了したか否かを判断する。具体的には、停止図柄表示タイマの値が0以下でなければ、主制御CPU72は未だ停止表示時間が終了していないと判断する(No)。この場合、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰し、次の割込周期においても実行選択処理(図16中のステップS1000)からジャンプして特別図柄停止表示中処理を繰り返し実行する。
これに対し、停止図柄表示タイマの値が0以下であれば、主制御CPU72は停止表示時間が終了したと判断する(Yes)。この場合、主制御CPU72は次にステップS4250を実行する。
ステップS4250:主制御CPU72は、図柄停止コマンドを生成する。図柄停止コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また主制御CPU72は、ここで図柄変動中フラグを消去する。
ステップS4300:ここで主制御CPU72は、大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。大当りフラグの値(01H)がセットされている場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS4350を実行する。
〔当選時〕
ステップS4350:主制御CPU72は、ジャンプテーブルのジャンプ先を「可変入賞装置管理処理」に設定する。
ステップS4355:また主制御CPU72は、回数切り機能作動時フラグをリセットする。これにより、大当り遊技開始前に変動時間短縮機能又は確率変動機能の少なくとも一方が作動していた場合、当該機能は非作動となる。
ステップS4400:そして主制御CPU72は、制御上の内部状態フラグとして「大役開始(大当り遊技中)」をセットする。また主制御CPU72は、大当り図柄の種類に応じて連続作動回数ステータスの値をセットする。例えば、大当り図柄の種類が「16ラウンド通常図柄」又は「16ラウンド確変図柄」であれば、連続作動回数ステータスには「16ラウンド」に対応する値がセットされる。また「7ラウンド通常図柄」又は「7ラウンド確変図柄」の場合、連続作動回数ステータスには「7ラウンド」を表す値がセットされる。また合わせて主制御CPU72は、大当り中を表す状態コマンドを生成する。大当り中を表す状態コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS4500:そして主制御CPU72は、連続作動回数コマンドを生成する。連続作動回数コマンドは、先の大当り時停止図柄決定処理(図17中のステップS2410)で決定された大当り図柄の種類(停止図柄番号)に基づいて生成することができる。例えば、大当り図柄の種類がいずれかの「16ラウンド確変図柄」であれば、連続作動回数コマンドは「16ラウンド」を表す値(最大回数)として生成される。また「7ラウンド確変図柄」の場合、連続作動回数コマンドは「7ラウンド」を表す値として生成される。生成された連続作動回数コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
大当り時に以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。
〔非当選時〕
これに対し、大当り時以外の場合は以下の手順が実行される。
すなわち主制御CPU72は、ステップS4300において大当りフラグの値(01H)がセットされていないと判断した場合(No)、次にステップS4600を実行する。
ステップS4600:主制御CPU72は、次に小当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。そして小当りフラグの値(01H)もセットされておらず、単純にはずれである場合(No)、主制御CPU72は次にステップS4602を実行する。
ステップS4602:主制御CPU72は、ジャンプテーブルのジャンプ先アドレスとして特別図柄変動前処理のアドレスをセットする。
ステップS4605:これに対し、小当りフラグの値(01H)がセットされていた場合(ステップS4600:Yes)、主制御CPU72はジャンプテーブルのジャンプ先アドレスとして可変入賞装置管理処理のアドレスをセットする。
ステップS4606:そして主制御CPU72は、制御上の内部状態フラグとして「小当り開始(小当り中)」をセットする。また合わせて主制御CPU72は、小当り中を表す状態コマンドを生成する。小当り中を表す状態コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップ4610:次に主制御CPU72は、回数切りカウンタの値をロードする。「回数切りカウンタ」は、「高確率状態」や「時間短縮状態」においてそれぞれのカウンタ値がRAM76の確変カウント領域、時短カウント領域にセットされている。なお、ここでは「回数切り」としているが、「高確率状態」の場合の回数切りカウンタの値は、極端に膨大な値(例えば10000回以上)に設定することができる。このような膨大な値を設定することで、実質的に次回の当選が得られるまで「高確率状態」が継続することを確率的に保証することができる。なお、「高確率状態」ではなく単独の「時間短縮状態」だけである場合、回数切りカウンタは標準的な数値(例えば30回、50回、100回等)に設定される。
ステップS4620:主制御CPU72は、ロードしたカウンタ値が0であるか否かを確認する。このとき、既に回数切りカウンタ値が0であれば(Yes)、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。一方、回数切りカウンタ値が0でなかった場合(No)、回数切りカウンタ値コマンドを生成してから、主制御CPU72は次にステップS4630を実行する。
ステップS4630:主制御CPU72は、回数切りカウンタ値をデクリメント(1減算)する。
ステップS4640:そして主制御CPU72は、その減算結果が0でないか否かを判断する。減算の結果、回数切りカウンタの値が0でなかった場合(Yes)、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。これに対し、回数切りカウンタの値が0になった場合(No)、主制御CPU72はステップS4650に進む。
ステップS4650:ここで主制御CPU72は、回数切り機能作動時のフラグをリセットする。リセットされるのは、確率変動機能作動フラグ又は時間短縮機能作動フラグであるが、上記のように「高確率状態」で回数切りカウンタの値が0になることは実質的にはないため、実用上でリセットされるのは時間短縮機能作動フラグである。これにより、特別図柄の停止表示を経て時間短縮状態が終了する。以上の手順を終えると、特別図柄遊技処理に復帰する。
〔表示出力管理処理〕
次に図24は、割込管理処理の中で実行される表示出力管理処理(図8中のステップS210)の構成例を示すフローチャートである。表示出力管理処理は、特別図柄表示設定処理(ステップS1200)、普通図柄表示設定処理(ステップS1210)、状態表示設定処理(ステップS1220)、作動記憶表示設定処理(ステップS1230)、連続作動回数表示設定処理(ステップS1240)のサブルーチン群を含む構成である。
このうち特別図柄表示設定処理(ステップS1200)と普通図柄表示設定処理(ステップS1210)、作動記憶表示設定処理(ステップS1230)、については、既に述べたように第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、普通図柄表示装置33、普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄作動記憶ランプ34a及び第2特別図柄作動記憶数表示ランプ35aの各LEDに対して印加する駆動信号を生成及び出力する処理である。
状態表示設定処理(ステップS1220)及び連続作動回数表示設定処理(ステップS1240)については、遊技状態表示装置38の各LEDに対して印加する駆動信号を生成及び出力する処理である。先ず状態表示設定処理では、主制御CPU72は、確率変動機能作動フラグ又は時間短縮機能作動フラグの値に応じてそれぞれ確率変動状態表示ランプ38c、時短状態表示ランプ38dの点灯を制御する。例えば、パチンコ機1の電源投入時において確率変動機能作動フラグに値(01H)がセットされていれば、主制御CPU72は確率変動状態表示ランプ38cに対応するLEDに対して点灯信号を出力する。なお確率変動状態表示ランプ38cは、特別図柄に関する大当り遊技が開始されるまで、もしくは、特別図柄の変動表示が規定回数行われて確率変動機能がOFF(非作動)にされるまで点灯し続け、その後、非表示に(消灯)切り替えられる。一方、時間短縮機能作動フラグに値(01H)がセットされていれば、特に電源投入時であるか否かに関わらず、主制御CPU72は時短状態表示ランプ38dに対応するLEDに対して点灯信号を出力する。
また主制御CPU72は、連続作動回数表示設定処理において大当り種別表示ランプ38a,38bの点灯を制御する。具体的には、主制御CPU72は今回の当選図柄の種類別(ラウンド数別)に表される連続作動回数ステータスの値に基づき、大当り種別表示ランプ38a,38bのいずれかに対する点灯信号を出力する。このとき点灯信号を出力する対象となるのは、当選図柄で表される連続作動回数ステータスの値で指定されたいずれかの表示ランプ38a,38bである。例えば、連続作動回数ステータスの値が「16ラウンド」を指定するものであれば、主制御CPU72は「16ラウンド(16R)」を表すランプ38bに対して点灯信号を出力する。また連続作動回数ステータスの値が「7ラウンド」を指定するものであれば、主制御CPU72は「7ラウンド(7R)」を表すランプ38aに対して点灯信号を出力する。
〔可変入賞装置管理処理〕
次に、可変入賞装置管理処理の詳細について説明する。図25は、可変入賞装置管理処理の構成例を示すフローチャートである。可変入賞装置管理処理は、遊技プロセス選択処理(ステップS5100)、大入賞口開放パターン設定処理(ステップS5200)、大入賞口開閉動作処理(ステップS5300)、大入賞口閉鎖処理(ステップS5400)、終了処理(ステップS5500)のサブルーチン群を含む構成である。
ステップS5100:遊技プロセス選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS5200〜ステップS5500のいずれか)のジャンプ先を選択する。すなわち主制御CPU72は、ジャンプテーブルから次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとして選択し、また戻り先のアドレスとして可変入賞装置管理処理の末尾をスタックポインタにセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ可変入賞装置30の作動(開閉動作)を開始していない状況であれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として大入賞口開放パターン設定処理(ステップS5200)を選択する。一方、既に大入賞口開放パターン設定処理が完了していれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として大入賞口開閉動作処理(ステップS5300)を選択し、大入賞口開閉動作処理まで完了していれば、次のジャンプ先として大入賞口閉鎖処理(ステップS5400)を選択する。また、設定された連続作動回数(ラウンド数)にわたって大入賞口開閉動作処理及び大入賞口閉鎖処理が繰り返し実行されると、主制御CPU72は次のジャンプ先として終了処理(ステップS5500)を選択する。以下、それぞれの処理についてさらに詳しく説明する。
〔大入賞口開放パターン設定処理〕
図26は、大入賞口開放パターン設定処理の手順例を示すフローチャートである。この処理は、大当り時又は小当り時にそれぞれ可変入賞装置30を開閉動作する回数や各開放の時間等の条件を設定するためのものである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS5202:主制御CPU72は、現在の遊技状態が大役中、つまりRAM76のフラグ領域に大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。大当りフラグの値がセットされていれば(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5204に進む。一方、大当りフラグの値がセットされていなければ(No)、主制御CPU72はステップS5212に進む。なお、この手順は小当りフラグの値を参照する内容に書き換えてもよい(ただしYes/Noの論理は逆となる。)。
〔大当り時の手順〕
先ず、大当り時の手順は以下となる。
ステップS5204:主制御CPU72は、図柄別開放パターン設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は今回の該当する当選図柄に応じて大入賞口の開放パターン(ラウンドごとの開放回数及び各開放の時間)や閉鎖時間、ラウンド間のインターバル時間、1ラウンド中のカウント数(最大入賞回数)を設定する。なお当選図柄別の開放パターンについては、先の特別図柄遊技処理(図16)において〔複数の当選種類〕の項目で説明した通りである。また閉鎖時間とラウンド間のインターバル時間の合計は、例えば「7ラウンド図柄」及び「16ラウンド図柄」については数秒(例えば2秒〜2.5秒)程度に設定されるものとする。なお、1ラウンド中のカウント数(最大入賞回数)は全ての当選図柄について例えば9個であるが、極端な短時間(0.1秒程度)の開放中に入賞が発生することはほとんどない(不能ではないが極めて困難である)。
ステップS5206:主制御CPU72は、先の大当り時停止図柄決定処理(図17中のステップS2410)で選択した大当り時当選図柄に基づき、今回の大当り遊技における実行ラウンド数を設定する。具体的には、当選図柄として大分類の「16ラウンド図柄」を選択していれば、主制御CPU72は実行ラウンド数を16回に設定する。また、当選図柄として「7ラウンド図柄」を選択していれば、主制御CPU72は実行ラウンド数を7回に設定する。ここで設定した実行ラウンド数は、プログラム上で対応する値(7回なら「6」、16回なら「15」)として、例えばRAM76のバッファ領域に格納される。
ステップS5208:次に主制御CPU72は、先のステップS5204で設定した大入賞口開放パターンに基づき、大当り時開放タイマを設定する。ここで設定したタイマの値は、可変入賞装置30を作動する際の1回あたりの開放時間となる。なお、大当り時開放タイマの値として29.0秒程度が設定されていれば、その開放時間は1回の開放中に大入賞口への入賞が容易に発生する充分な時間(例えば発射制御基板セット174により遊技球が10個以上発射される時間、好ましくは6秒以上)となる。一方、大当り開放タイマの値として0.1秒が設定されていれば、その開放時間は1回の開放中に大入賞口への入賞が不能ではなくとも、ほとんど発生しない(困難となる)短時間(例えば1秒より短い時間、好ましくは発射制御基板セット174による遊技球の発射間隔よりも短い時間)となる。
ステップS5210:そして主制御CPU72は、先のステップS5204で設定した大入賞口開放パターンに基づき、大当り時インターバルタイマを設定する。ここで設定したタイマの値は、大当り中のラウンド間での待機時間となる。
ステップS5220:以上の手順を終えると、主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定し、可変入賞装置管理処理に復帰する。
〔小当り時の手順〕
ステップS5212:一方、小当りの場合(ステップS5202:No)、主制御CPU72は、「小当り時開放パターン」を設定する。本実施形態の場合、「小当り時開放パターン」については、例えば1回目と2回目とでそれぞれ「0.1秒開放」の開放パターンが設定される。なお「小当り」については「ラウンド」という概念がないことから、「開放パターン」についても「1回目の開放」、「2回目の開放」といった表記となる。
ステップS5214:主制御CPU72は、先のステップS5212で設定した大入賞口開放パターンに基づき、大入賞口の開放回数を例えば2回に設定する。ここで設定した開放回数は、例えばRAM76のバッファ領域に格納される。
ステップS5216:次に主制御CPU72は、小当り時開放タイマを設定する。ここで設定したタイマの値は、可変入賞装置30を作動する際の1回あたりの開放時間となる。なお本実施形態では、上記のように小当り時開放タイマの値として0.1秒が設定されており、このような開放時間は1回の開放中に大入賞口への入賞がほとんど発生しない(困難となる)短時間(例えば1秒より短い時間、好ましくは発射装置ユニットによる遊技球の発射間隔よりも短い時間)となる。
ステップS5218:主制御CPU72は、小当り時インターバルタイマを設定する。ここで設定したタイマの値は、小当り時に可変入賞装置30を複数回にわたり開閉動作させる際の1回ごとの待機時間となるが、このタイマ値は例えば2秒程度に設定される。
ステップS5220:小当り時に以上の手順を終えると、主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定し、可変入賞装置管理処理に復帰する。そして主制御CPU72は、次に大入賞口開閉動作処理を実行する。
〔大入賞口開閉動作処理〕
図27は、大入賞口開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。この処理は主に、可変入賞装置30の開閉動作を制御するためのものである。以下、手順に沿って説明する。
ステップS5302:主制御CPU72は、大入賞口を開放させる。具体的には、大入賞口ソレノイド90に対して印加する駆動信号を出力する。これにより、可変入賞装置30が作動して閉止状態から開放状態に移行する。
ステップS5304:次に主制御CPU72は、開放タイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、先の大入賞口開放パターン設定処理(図26中のステップS5208又はステップS5216)で設定した開放タイマのカウントダウンを実行する。
ステップS5306:続いて主制御CPU72は、開放時間が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理後の開放タイマの値が0以下であるか否かを確認し、未だ開放タイマの値が0以下になっていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS5308を実行する。
ステップS5308:主制御CPU72は、入賞球数カウント処理を実行する。この処理では、開放時間内に可変入賞装置30(開放中の大入賞口)に入賞した遊技球の個数をカウントする。具体的には、主制御CPU72は開放時間内にカウントスイッチ84から入力された入賞検出信号に基づいて、カウント数の値をインクリメントする。
ステップS5310:次に主制御CPU72は、現在のカウント数が所定数(9個)未満であるか否かを確認する。この所定数は、上記のように開放1回(大当り中の1ラウンド、小当り時の1回)あたりに許容する入賞球数の上限(賞球数の上限)を定めたものである。未だカウント数が所定数に達していなければ(Yes)、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰する。そして、次に可変入賞装置管理処理を実行すると、現段階ではジャンプ先が大入賞口開閉動作処理に設定されているので、主制御CPU72は上記のステップS5302〜ステップS5310の手順を繰り返し実行する。
上記のステップS5306で開放時間が終了したと判断するか(Yes)、もしくはステップS5310でカウント数が所定数に達したことを確認すると(No)、主制御CPU72は次にステップS5312を実行する。なお、小当り時の開放は、開放タイマの値が短時間に設定されているので、通常、主制御CPU72はステップS5310でカウント数が所定数に達したことを確認するより先に、ステップS5306で開放時間が終了したと判断する場合がほとんどである。
ステップS5312:主制御CPU72は、大入賞口を閉止させる。具体的には、大入賞口ソレノイド90に印加していた駆動信号の出力を停止する。これにより、可変入賞装置30が開放状態から閉止状態に復帰する。
ステップS5314:次に主制御CPU72は、インターバル待機処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は上記の大入賞口開放パターン設定処理(図26中のステップS5210又はステップS5218)で設定したインターバルタイマのカウントダウンを実行する。そして、インターバルタイマの値が0以下になると、次に主制御CPU72はステップS5316に進む。
ステップS5316:主制御CPU72は、大役中(大当り遊技中)であるか否かを確認する。現在の遊技が大役中であれば(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5318を実行する。これに対し、現在の遊技が小当りであれば(No)、主制御CPU72は次にステップS5322に進む。
ステップS5318:主制御CPU72は、開放回数カウンタの値をインクリメントする。なお、開放回数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。
ステップS5320:主制御CPU72は、インクリメント後の開放回数カウンタの値が現ラウンド内で設定した回数に達しているか否かを確認する。ここで、「現ラウンド内で設定した回数」を判断しているのは、例えば「大当り中の1ラウンド内で可変入賞装置30を複数回にわたり開放動作させる」という開放パターンに対応するためである。なお本実施形態では、特にこのような開放パターンを採用していないので、「現ラウンド内で設定した回数」は、各ラウンドで1回ずつに設定されている。したがって、通常は1回の開閉動作でカウンタ値が設定した回数に達するため(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5322に進むことになる。
なお、上記のように1ラウンド内で複数回の開閉動作を繰り返すパターンを採用した場合、1回の開放終了時に未だカウンタ値が設定した回数に達していないことになる(No)。この場合、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰すると、現段階ではジャンプ先が大入賞口開閉動作処理に設定されているので、上記のステップS5302〜ステップS5320までの手順を繰り返し実行する。その結果、ステップS5318で開放回数カウンタのインクリメントが進み、そして、カウンタ値が設定した回数に達すると(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5322に進むことになる。
ステップS5322:主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口閉鎖処理に設定し、可変入賞装置管理処理に復帰する。そして、次に可変入賞装置管理処理を実行すると、主制御CPU72は次に大入賞口閉鎖処理を実行する。
〔大入賞口閉鎖処理〕
図28は、大入賞口閉鎖処理の手順例を示すフローチャートである。この大入賞口閉鎖処理は、可変入賞装置30の作動を継続したり、その作動を終了したりするためのものである。以下、手順に沿って説明する。
ステップS5401:先ず主制御CPU72は、現在の遊技が大役(大当り遊技)中であるか否かを確認し、大役中であれば(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5402を実行する。
ステップS5402:主制御CPU72は、上記のラウンド数カウンタをインクリメントする。これにより、例えば1ラウンド目が終了し、2ラウンド目に向かう段階でラウンド数カウンタの値は「1」となっている。
ステップS5404:主制御CPU72は、インクリメント後のラウンド数カウンタの値が設定した実行ラウンド数に達しているか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はインクリメント後のラウンド数カウンタの値(1〜16)を参照し、その値が設定した実行ラウンド数(1減算後の1〜16)未満であれば(No)、次にステップS5405を実行する。
ステップS5405:主制御CPU72は、現在のラウンド数カウンタの値からラウンド数コマンドを生成する。このコマンドは、上記のように演出制御出力処理において演出制御装置124に送信されるものである。演出制御装置124は、受信したラウンド数コマンドに基づいて現在のラウンド数を確認することができる。
ステップS5406:主制御CPU72は、次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定する。
ステップS5408:そして主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。
主制御CPU72が次に可変入賞装置管理処理を実行すると、遊技プロセス選択処理(図25中のステップS5100)で主制御CPU72は次のジャンプ先である大入賞口開閉動作処理を実行する。そして、大入賞口開閉動作処理の実行後は大入賞口閉鎖処理の実行を経て、主制御CPU72は再び大入賞口閉鎖処理を実行し、上記のステップS5402〜ステップS5408を繰り返し実行する。これにより、実際のラウンド数が設定した実行ラウンド数(7回又は16回)に達するまでの間、可変入賞装置30の開閉動作が連続して実行される。
実際のラウンド数が設定した実行ラウンド数に達した場合(ステップS5404:Yes)、主制御CPU72は次にステップS5410を実行する。
ステップS5410,ステップS5412:この場合、主制御CPU72はラウンド数カウンタをリセット(=0)すると、次のジャンプ先を終了処理に設定する。
ステップS5408:そして主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。これにより、次に主制御CPU72が可変入賞装置管理処理を実行すると、今度は終了処理が選択されることになる。
〔小当り時〕
これに対し、小当りの場合は以下の手順となる(特例作動実行手段)。
ステップS5411:主制御CPU72は現在の遊技が大役中でないことを確認すると(ステップS5401:No)、開放回数カウンタの値をインクリメントする。
ステップS5413:次に主制御CPU72は、インクリメント後の開放回数カウンタの値が設定した開放回数に達したか否かを確認する。開放回数は、先の大入賞口開放パターン設定処理(図26中のステップS5214)で設定したものである。未だ開放回数カウンタの値が設定した開放回数に達していなければ(No)、主制御CPU72はステップS5416を実行する。
ステップS5416:主制御CPU72は、次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定する。
ステップS5408:そして主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。
主制御CPU72が次に可変入賞装置管理処理を実行すると、遊技プロセス選択処理(図25中のステップS5100)で主制御CPU72は次のジャンプ先である大入賞口開閉動作処理を実行する。そして、大入賞口開閉動作処理の実行後は大入賞口閉鎖処理の実行を経て、主制御CPU72は再び大入賞口閉鎖処理を実行し、上記のステップS5401〜ステップS5413(No)を経てステップS5416、ステップS5408を繰り返し実行する。これにより、実際の開放回数が設定した開放回数(2回)に達するまでの間、可変入賞装置30の開閉動作が繰り返し実行される。
小当り時の実際の開放回数が設定した開放回数に達した場合(ステップS5413:Yes)、主制御CPU72は次にステップS5414を実行する。
ステップS5414,ステップS5412:この場合、主制御CPU72は開放回数カウンタをリセット(=0)すると、次のジャンプ先を終了処理に設定する。
ステップS5408:そして主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。これにより、次に主制御CPU72が可変入賞装置管理処理を実行すると、今度は終了処理が選択されることになる。
〔終了処理〕
図29は、終了処理の手順例を示すフローチャートである。この終了処理は、可変入賞装置30の作動を終了する際の条件を整えるためのものである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS5502:主制御CPU72は、大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認し、大当りフラグの値がセットされていれば(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5503を実行する。
ステップS5503,ステップS5504:この場合、主制御CPU72は大当りフラグをリセット(00H)する。これにより、主制御CPU72の制御処理上で大当り遊技状態は終了する。また主制御CPU72は、ここで内部状態フラグから「大当り中」を消去し、制御処理上で内部状態としての大役終了を宣言する。これにより、主制御CPU72は連続作動回数ステータス値をリセットする。これらの手順を実行すると、主制御CPU72は以後の連続作動回数表示設定処理(図24中のステップS1240)において大当り種別表示ランプ38a,38b等を非点灯にする。
ステップS5506:次に主制御CPU72は、確率変動機能作動フラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。このフラグは、先の特別図柄変動前処理中の大当り時その他設定処理(図17中のステップS2414)でセットされるものである。
ステップS5507:確率変動機能作動フラグの値がセットされている場合(ステップS5506:Yes)、主制御CPU72は確率変動機能に対応する回数切り機能作動時フラグをセットする。
ステップS5508:そして主制御CPU72は、確率変動回数(例えば10000回程度)を設定する。設定した確率変動回数の値は、例えばRAM76の確変カウンタ領域に格納されて上記の回数切りカウンタ値となる。ここで設定した確率変動回数は、これ以降の遊技で特別図柄の変動(内部抽選)を高確率状態で行う上限回数となる。ただし、上記のように10000回程度の膨大な回数を設定した場合、そこまで非当選が続くことは確率的にほとんどないので(高確率時の当選確率が例えば20分の1〜39分の1程度)、実質的には次回の当選まで高確率状態が続くことになる。これとは逆に、高確率状態に実質的な上限を設ける場合、確率変動回数は現実的な回数(例えば10回程度)に設定される(いわゆる回数切り確変)。なお、確率変動機能作動フラグの値がセットされていなければ(ステップS5506:No)、主制御CPU72はステップS5507,S5508を実行しない。
ステップS5510:次に主制御CPU72は、時間短縮機能作動フラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。このフラグもまた、先の特別図柄変動前処理中の大当り時その他設定処理(図17中のステップS2414)でセットされるものである。
ステップS5511:変動時間短縮機能作動フラグの値がセットされている場合(ステップS5510:Yes)、主制御CPU72は変動時間短縮機能に対応する回数切り機能作動時フラグをセットする。
ステップS5512:次に、主制御CPU72は時間短縮回数(例えば100回程度又は10000回程度)を設定する。設定した時間短縮回数の値は、上記のようにRAM76の時短カウント領域に格納される。ここで設定した時間短縮回数は、これ以降の遊技で特別図柄の変動時間を短縮化する上限回数となる。なお、時間短縮機能作動フラグの値がセットされていなければ(ステップS5510:No)、主制御CPU72はステップS5511,S5512を実行しない。
ステップS5514:そして主制御CPU72は、各種のフラグに基づいて状態指定コマンドを生成する。具体的には、大当りフラグのリセット又は大役終了に伴い、遊技状態として「通常中」を表す状態指定コマンドを生成する。また、高確率状態機能作動フラグがセットされていれば、内部状態として「高確率中」を表す状態指定コマンドを生成し、時間短縮機能作動フラグがセットされていれば、内部状態として「時間短縮中」を表す状態指定コマンドを生成する。これら状態指定コマンドは、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ここまでの手順は大当りの場合であるが、小当りの場合(ステップS5502:No)は以下の手順が実行される。
ステップS5520,ステップS5522:小当りの場合、主制御CPU72は小当りフラグの値をリセット(00H)し、また内部状態フラグから「小当り中」を消去する。なお小当りの場合、特に内部的な条件装置は作動しないため、このような手順は単にフラグの消去を目的としたものである。
ステップS5516:いずれにしても、以上の手順を経ると主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口開放パターン設定処理に設定する。
ステップS5518:そして主制御CPU72は、特別図柄遊技処理の中の実行選択処理(図16中のステップS1000)でのジャンプ先を特別図柄変動前処理に設定する。以上の手順を終えると、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰する。
〔演出画像の例〕
次に、パチンコ機1において実際に液晶表示器42に表示される演出画像について、いくつかの例を挙げて説明する。以上のように、パチンコ機1において大当りの内部抽選が行われると、主制御CPU72による制御の下で変動パターン番号(変動パターン及び変動時間)を一意に決定し、その結果に基づいて第1特別図柄や第2特別図柄による変動表示が行われる(図柄表示手段)。ただし、上記のように第1特別図柄や第2特別図柄そのものは7セグメントLED(又はドットLED等)による点灯・点滅表示であるため、見た目上の訴求力に乏しい。そこでパチンコ機1では、上記のように演出図柄を用いた変動表示演出が行われている。なお、変動表示演出は、主制御CPU72から送信される変動パターンコマンドに基づいて行われるが、先読み予告演出については、変動パターン先読み情報コマンドに基づいて行われている。
図30及び図31は、特別図柄の変動表示及び停止表示に対応させた演出画像の例を示す連続図である。なお、ここでは非当選(はずれ)時の特別図柄の変動について、演出図柄を用いて行われる変動表示演出と停止表示演出の一例を表している。この変動表示演出は、特別図柄(ここでは第1特別図柄)が変動表示を開始してから、停止表示(確定停止を含む)するまでの間に行われる一連の演出に該当する。また停止表示演出は、特別図柄が停止表示されたことと、そのときの内部抽選の結果を演出図柄の組み合わせとして表す演出である。ここでは先ず、制御処理の具体的な内容を説明する前に、本実施形態で採用されている変動1回ごとの変動表示演出と停止表示演出の基本的な流れについて説明する。
〔変動表示前〕
図30中(A):例えば、特別図柄が変動を開始する前の状態(デモ演出中でない状態)で、液晶表示器42の画面内の中央位置に左・中・右の演出図柄が表示されている。このとき第1特別図柄又は第2特別図柄の停止表示に合わせて、演出図柄も停止表示された状態にある。演出図柄には、例えば左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の3つが含まれており、これらは液晶表示器42の表示画面上で左・中・右に並んで表示される。このうち、左演出図柄と右演出図柄については、それぞれ表示画面の左領域と右領域に比較的大きいサイズで表示されているが、中演出図柄は表示画面の中領域に比較的小さいサイズで表示されている。
各演出図柄は、例えば数字の「1」〜「9」とともにキャラクターが付された絵札をデザインしたものとなっている。なお、左・中・右の演出図柄については、3つとも数字が「9」〜「1」の降順に並んだ図柄列を潜在的に構成していてもよいし、左演出図柄及び右演出図柄の2つについて、数字が「1」〜「9」の昇順に並んだ図柄列を潜在的に構成し、中演出図柄について数字が「9」〜「1」の降順に並んだ図柄列を潜在的に構成している態様であってもよい。いずれにしても、このような図柄列は、画面上の左領域・中領域・右領域でそれぞれ縦方向に流れる(スクロールする)ようにして変動表示されるが、停止表示時には図柄列中で1つの演出図柄(図30の例では「3」−「4」−「7」)が表示画面に表示されている。
このとき表示画面には、演出上の「昼ステージ」に対応する背景画像が表示されている。演出図柄は背景画像の手前に重なるようにして表示されるが、変動表示中(スクロール中)は演出図柄全体が透けた(透過)状態で表示されるため、背景画像の視認性が向上する。これにより、遊技者に対して演出上の滞在ステージを明確に認識させることができる。
〔記憶表示画像〕
表示画面の下部分には、遊技中の特別図柄作動記憶の有無を表す記憶表示画像を表示するための領域が形成されている。本実施形態で用いる記憶表示画像は、ベース画像及びマーカ画像の2種類を組み合わせて構成されている。このうちベース画像は、第1特別図柄及び第2特別図柄について、各図柄別の作動記憶を蓄積可能な最大数(4個)に対応して常時4個分が表示されるものであり、ここでは逆四角錐形状を象った4つの台座DZがベース画像の例として示されている。なお、図30中(A)にはマーカ画像が表示されていない。
本実施形態では、変動時間短縮機能が非作動の通常遊技中は、第1特別図柄に対応する記憶表示画像を優先的に表示することとしており、このため表示画面には、基本的に4つの台座DZが並んで表示されている。なお、台座DZは、例えば時間の経過とともに縦方向の軸線回りに回転する態様で表示されるものとなっている。
また、各台座DZは、作動記憶が発生した場合に対応するマーカ画像を乗せる(いわゆる載置する)ための「受け台」としての位置付けを有しており、図30中(A)に示されるように、4つの台座DZがいずれも単独(マーカ画像なしの状態)で表示されている場合、第1特別図柄に対応する作動記憶が存在しないこと(記憶数が0個)を表している。
特に図示していないが、例えば大当り遊技終了後の変動時間短縮機能作動中(時短中又は確変中)は、通常遊技中に比較して下始動入賞口28aへの入賞頻度が高くなり、第2特別図柄に対応する作動記憶が蓄積されて第2特別図柄が優先的に変動する。この場合の記憶数表示演出は、図30等に示されるものとは別の態様となり、台座DZ等の表示態様も異なったものとなるが、ここではその詳細を省略する。
〔当該変動中領域〕
表示画面下部の左隅位置には当該変動中領域HAが形成されている。この当該変動中領域HAには、今回の変動で消費された作動記憶に対応するマーカ画像が一定時間に表示されるものとなっている。作動記憶が次の変動開始によって消費されると、表示画面下部の左端(先頭)に表示されている台座DZに乗っていたマーカ画像が当該変動中領域HAに移動し、そこで一定時間(例えば1〜2秒程度)表示される。また、他の台座DZ上にマーカ画像が残っていれば、左端の台座DZからマーカ画像が抜けた後を詰めるようにマーカ画像を順次左側に移動(シフト)させる表示が行われる。なお当該変動中領域HAにマーカ画像が表示されて一定時間が経過するか、もしくは第1特別図柄が変動中でない場合、図示のように当該変動中領域HAはグレイアウト表示されている。
その他、表示画面の右上隅位置には、第1特別図柄及び第2特別図柄にそれぞれ対応する第4図柄Z1,Z2が表示されている。これら第4図柄Z1,Z2は、左・中・右の3つの演出図柄に続く「第4の演出図柄」であり、演出図柄の変動表示中はこれに同期して変動表示されている。なお第4図柄Z1,Z2は、単純なマーク(例えば「□」の図形)に色彩を付しただけのものであり、例えばその表示色を変化させることで変動表示を表現することができる。
また第4図柄Z1,Z2については、はずれに対応する態様(例えば白表示色)で停止表示されている。これは、停止表示演出が正しく行われており、パチンコ機1が正常に動作しているということを客観的に明らかにするためのものである。したがって、「はずれ」ではなく、実際に内部抽選の結果が「7ラウンド大当り」や「16ラウンド大当り」であれば、それらに対応する態様(例えば赤表示色や緑色表示色等)で第4図柄Z1,Z2は停止表示される。
〔マーカ画像例〕
図30中(B):例えば、上始動入賞口26への入賞が発生したことで、第1特別図柄に対応する作動記憶が1個発生した場合を想定する。この場合、画面下部の左端(先頭)に位置する台座DZ上に、作動記憶1個目の存在を表すマーカ画像が新たに表示される(記憶数表示演出実行手段)。ここでは、球形状を象った白色マーカMwがマーカ画像の例として表示されている。このような白色マーカMwは、遊技中に発生した作動記憶の存在を表す位置付けであり、その表示数は作動記憶数に対応している。したがって、次に2つ目の作動記憶が発生すると、左から2番目の台座DZ上にも白色マーカMwが新たに表示され、さらに3つ目の作動記憶が発生すると、左から3番目の台座DZ上に別の白色マーカMwが新たに表示されることになる。
主制御CPU72による制御上、作動記憶0個の状態で発生した作動記憶はそのまま消費されるため、第1特別図柄作動記憶ランプ34aは点灯表示されないか、もしくは記憶数1個を表す態様で点灯表示された後、直ちに非点灯となる。ただし、演出上では1つ目の白色マーカMwを短時間内に表示することで、遊技者に対して「新たに(第1特別図柄に対応する)作動記憶が発生した」ということを明確に知らせることができる。なお、主制御CPU72による制御上で第1特別図柄が変動表示を開始している場合、第4図柄Z1が変動表示中の態様で表示される。
図30中(C):最初に発生した作動記憶の消費に伴い、表示画面下部で左端の台座DZ上に表示された白色マーカMwを当該変動中領域HAに移動させる演出が行われる。これにより、遊技者に対して作動記憶を1個消費して内部抽選が行われたことを演出上でわかりやすく教示することができる。なお、当該変動中領域HAに移動した白色マーカMwは台座DZ上から外されることで、いわゆる「保留」との識別が図られている。
〔変動表示演出〕
また、第1特別図柄の変動表示に同期させて、液晶表示器42の表示画面上で3本の図柄列がスクロール変動することで変動表示演出が行われる(図柄演出実行手段)。すなわち、第1特別図柄の変動表示に合わせて、液晶表示器42の表示画面内で左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の列が縦方向にスクロールする(流れる)ようにして変動表示演出が開始される。なお図中、演出図柄の変動表示は単に下向きの矢印で示されている。また変動表示中、個々の演出図柄が透けた状態で表示(透過表示)されることにより、このとき表示画面内には演出図柄の背景となる画像(背景画像)が視認しやすい状態で表示されていることは既に述べたとおりである。
この場合の背景画像は、例えば「昼間の屋外にある自然」の風景を表現したものである。このような背景画像は、例えば「ステージ演出」として実行されているものであり、演出上での滞在ステージが例えば「昼ステージ」であることを表現している。本実施形態において「昼ステージ」は、上記の変動時間短縮機能が非作動であり、また確率変動機能も非作動である通常状態に対応するものとする。この他にも演出上で各種のステージ・ゾーン・モードが設けられており、各種のステージ・ゾーン・モードごとに風景や情景の異なる背景画像が用意されている(状態表示演出実行手段)。これらステージ・ゾーン・モードの違いは、内部的な「時間短縮状態」に対応するものであったり、「高確率状態」に対応するものであったりする。ここでは特に図示していないが、この後、例えば表示画面内にキャラクターやアイテム等の画像を表示させることで、予告演出が行われる態様であってもよい。また、演出図柄の変動表示中は第4図柄Z1も変動表示されており、第4図柄Z1は引き続き、その表示色を変化させることで変動表示を表現している。
〔その他の演出〕
図30中(D):変動表示演出の初期は、例えば装飾体400を小刻みに上下動させることで予告演出が実行される。また液晶表示器42の表示画面では、装飾体400の上下動に合わせて、装飾体400があたかも光を発しているかのような画像演出が行われる。またスピーカ54,55,56からは、装飾体400の上下動に合わせて何らかの効果音が出力される。これにより、有体物である装飾体400の動きに加えて、音と画像による聴覚的・視覚的なインパクトを遊技者に与えることができる。
また、当該変動中に重ねて上始動入賞口26への入賞が発生したことにより、新たに作動記憶が1個追加されたため、表示画面下部で左端の台座DZ上に新たな白色マーカMwが1個表示されている。なお、その他の残り3つの台座DZ上にはマーカ画像が表示されておらず、そこには作動記憶が存在しないことを表している。これにより、遊技者に対して作動記憶の存在とその個数(作動記憶数)だけでなく、マーカ画像が表示されていない台座DZの個数によって、あと残り何個の作動記憶を蓄積可能であるかの情報(この例ではあと3個蓄積可能)をわかりやすく教示することができる。
当該変動中領域HAは、マーカ画像(白色マーカMw)のシフト表示から一定時間が経過したことにより、当該変動中のマーカ画像は非表示となり、グレイアウト表示に変化している。これにより、当該変動で作動記憶が消費されたことを遊技者に対してさらに明確に伝達することができる。
〔左図柄停止〕
図31中(E):例えば、ある程度の時間(変動時間の半分程度)が経過すると、最初に左演出図柄が変動を停止する。この例では、画面に数字の「5」を表す演出図柄が停止したことを表している。なお、ここでは作動記憶がさらに1個追加されたため、追加された作動記憶の存在を表す白色マーカMwが2個目の台座DZ上に追加して表示されている。これにより、遊技者に対して作動記憶数が2個に増加したことを演出上でも教示することができる。
〔右演出図柄停止〕
図31中(F):左演出図柄に続いて、その後に右演出図柄が変動を停止する。この例では、画面に数字の「3」を表す演出図柄が停止したことを表している。この時点で既にリーチ状態が発生しないことは確定しているので、今回の変動が非リーチ(通常)変動であるということが見た目上でほとんど明らかとなっている。なお、ここではすべりパターン等によるリーチ変動を除くものとする。「すべりパターン」とは、例えば一旦は数字の「4」を表す演出図柄が停止した後、図柄列が1図柄分すべって数字の「5」を表す演出図柄が停止し、それによってリーチに発展するというものである。あるいは、一旦は数字の「6」を表す演出図柄が停止した後、図柄列が逆向きに1図柄分すべって数字の「5」を表す演出図柄が停止し、それによってリーチに発展するパターンもある。またその他にも、例えば「1」等の全くかけ離れた数字を表す演出図柄が一旦停止した後、画面上にキャラクターが出現して右演出図柄列を再変動させると、数字の「5」を表す演出図柄が停止してリーチに発展するといったパターンもある。
〔停止表示演出〕
図31中(G):第1特別図柄の停止表示に同期して、最後の中演出図柄が停止する。今回の内部抽選の結果が非当選であって、第1特別図柄が非当選(はずれ)の態様で停止表示される場合、演出図柄も同様に非当選(はずれ)の態様で停止表示演出が行われる。すなわち、図示の例では、画面の中段位置に数字の「1」を表す演出図柄が停止したことを表しており、この場合、演出図柄の組み合わせは「5」−「1」−「3」のはずれ目であるため、今回の変動は通常の「はずれ」に該当したことが演出上で表現されている。このとき、第4図柄Z1は、はずれに対応する態様(例えば白表示色)で停止表示される。これにより、遊技者に対して「第1特別図柄の停止表示が確定した」ということを演出上でも教示することができる。
〔次変動開始〕
図31中(H):第1特別図柄の停止表示時間が経過すると、第1特別図柄又は第2特別図柄の始動条件が満たされた状態となる。ここでは、この状態で第1特別図柄に対応する作動記憶だけが存在しているため、その作動記憶を記憶の順番(古い順)に消費して次の第1特別図柄の変動表示が開始される。
すなわち、次の変動開始に伴い、左・中・右の演出図柄はいずれも変動表示を開始している。また、変動開始に伴って第1特別図柄の作動記憶数が1個分減少するため、それに連動して白色マーカMwの表示個数が1個分減少されている。例えば、それまでに作動記憶数が3個存在していたが、左端の台座DZ上に表示されていた最も以前の(古い)白色マーカMwが当該変動中領域HAにシフト表示され、内部抽選によって消費される演出が合わせて行われる。これにより、第1特別図柄に関して作動記憶が消費されたことを演出上でも遊技者に教示することができる。
〔先読み保留変化予告演出〕
また、それまで左から2つ目、3つ目の各台座DZ上に表示されていた白色マーカMwがそれぞれ左方向に1つずつシフトされ、左から1番目、2番目の各台座DZ上に移動している。このとき、現状で最新の作動記憶に対応する2番目のマーカ画像について、それまでの白色マーカMwから青色マーカMbの表示態様に変化させる演出(先読み保留変化予告演出)が行われている。このような先読み保留変化予告演出は、表示態様が変化した青色マーカMbに対応する作動記憶が消費された当該変動において、大当りが得られる可能性が他の作動記憶に比較して高いことを予告するものである。この例では白色マーカMwから青色マーカMbの表示態様に変化させているが、例えば緑色マーカや黄色マーカのように異なる表示色のマーカ画像に表示態様を変化させることで、大当りが得られる可能性の度合(いわゆる期待度)がより高いことを示唆することもできる。
そして、図31中(H)の例においては、記憶順で先頭にあった作動記憶が消費されて残りが2個になり、それぞれ台座DZ上で次の変動まで待機する演出が行われる。これにより、作動記憶数の変化の前後関係を正確に演出上で表現するとともに、遊技者に対して「作動記憶が消費されて1つ減った」ということを直感的に分かりやすく教示することができる。
〔先読み保留変化予告演出発生後〕
図32は、先読み保留変化予告演出発生後の各変動時における演出画像の例を示す連続図である。なお、ここでは表示態様が変化した青色マーカMbの当該変動までを簡略的に示している。
〔停止表示中〕
図32中(I):先読み保留変化予告演出が発生した変動が終了し、停止表示演出が行われている。この例では、演出図柄が「8」−「9」−「6」のはずれ目で停止表示されており、今回の変動が非当選であったことを示している。
〔先読み保留前変動時〕
図32中(J):次回の変動では、表示態様が初期から変化していない白色マーカMwが消費されて当該変動領域HAにシフトされるとともに、青色マーカMbが左端の台座DZ上に移動する。これにより、いよいよ次変動で青色マーカMbが消費されることを分かりやすく遊技者に教示するとともに、次変動に対する期待感を一段と高めることができる。
図32中(K):白色マーカMwを消費した変動が終了し、停止表示演出が行われている。ここでは演出図柄が「4」−「1」−「5」のはずれ目で停止表示されており、今回の変動も非当選であったことを示している。
〔先読み保留当該変動時〕
図32中(L):そして、いよいよ先読み保留変化予告演出の対象となった作動記憶を消費して青色マーカMbの当該変動が行われる。すなわち、青色マーカMbが当該変動領域HAにシフトされ、左・中・右の演出図柄が変動表示を開始する。特に図示していないが、この後、当該変動で何らかの予告演出(例えばステップアップ予告、擬似連予告等)が行われてリーチ状態が発生し、スーパーリーチ演出等に発展する。
以上は、1回の変動ごとに演出図柄を用いて行われる変動表示演出と停止表示演出(非当選時)、また、適宜行われる先読み保留変化予告演出の一例である。このような演出を通じて、遊技者に当選に対する期待感を抱かせるとともに、最終的に内部抽選の結果を演出上で明確に教示することができる。特に、マーカ画像の表示態様を初期の白色マーカMwから青色マーカMb等に変化させる先読み保留変化予告演出は、その対象となった作動記憶の当該変動まで遊技者の期待感を持続させるとともに、実際の当該変動に対する興味を大きく惹きつけることができる点で有効である。
ただし、先読み保留変化予告演出は、それがどのタイミングで発生するかの予測が付きにくいという性質を有している。すなわち、先読み保留変化予告演出は、作動記憶の取得時に行われた事前の判定結果(特図別先読み情報コマンド、変動パターン先読み情報コマンド)に基づいて実行されるものであるが、例えば図31中(F)〜(H)のように、既に存在している作動記憶を対象として先読み保留変化予告演出が発生する場合もあれば、新たに発生した作動記憶を対象として行われる場合もある。特に図示していないが、新たに発生した作動記憶を対象とする場合の先読み保留変化予告演出は、例えば図31中(F)において、新に追加された3つ目のマーカ画像が最初から青色マーカMbとして表示される等の態様となる。
このように、先読み保留変化予告演出には、例えば(1)事後的に既存のマーカ画像の表示態様を変化させる態様、(2)新たに表示するマーカ画像の表示態様を変化させる態様の2パターンがあるが、いずれについても発生のタイミングには予測性がないことが分かる。したがって、先読み保留変化予告演出は、それが発生して初めて遊技者に対するアピール力を発揮するものであり、今までの手法では事前に演出効果を発揮させることはできていなかった。
以上を踏まえて本実施形態では、上述した先読み保留変化予告演出の非予測性という既成概念を大きく打ち破り、遊技者に対して先読み保留変化予告演出の明確な予測性を提供できる演出手法を採用している。以下、この点についてより詳細に説明する。
〔演出手法例〕
図33及び図34は、本実施形態で用いる演出手法の一例を示す連続図である。
図33中(A):例えば、通常状態の遊技中に第1特別図柄が変動表示中であり、第1特別図柄に対応する作動記憶が4個蓄積されている状況を想定する。この場合、表示画面下部に4つの白色マーカMwが台座DZ上に乗った状態(ベース画像とマーカ画像とを組み合わせた状態)で示されており、これにより、現在の作動記憶数が最大数の4個に達していることを演出上で明確に教示することができる。ただしこの段階では、遊技者にとって先読み保留変化予告演出が発生するか否かを予測することは極めて困難である。なお、ここでは変動時間の経過に伴い、左演出図柄が停止表示されている。
図33中(B):変動時間がさらに経過し、左演出図柄に続いて右演出図柄も停止表示されている。今回はリーチ状態が発生しておらず、現状で未だ中演出図柄が変動表示中であるものの、そのまま非当選時の態様で停止表示演出が行われる可能性が高くなっていることが分かる。なお、この段階でも遊技者には先読み保留変化予告演出の発生に対する予測性はほとんどない。
〔保留変化高確率ゾーン演出(表示態様変化予告期間演出)〕
図33中(C):例えば、今回の変動時間の終期に差し掛かり、中演出図柄のスクロール速度がスローダウンしてきた段階で「保留変化高確率ゾーン演出」が実行される。この例では、表示画面上部に帯状のカットイン模様が表示されるとともに、合わせて「保留変化高確率ゾーン」の文字情報が表示されている。このとき、スピーカ54,55,56から何らかの効果音(例えば電気的ノイズ音等)を出力させたり、「保留変化高確率ゾーン突入!」のような音声を出力させたりする態様であってもよい。
図33中(D):そして、例えば今回の変動についての停止表示演出が行われるタイミングに同期して、特定のベース画像を特殊な表示態様に変化させる演出が行われる。この例では、4つ目のベース画像をそれまでの台座DZから特殊台座DZCの表示態様に変化させている。これまで用いていた台座DZを通常の表示態様とすると、特殊台座DZCは、例えば全体が光を発するかのような表示態様となっている。また、このときスピーカ54,55,56から何らかの効果音(例えば「キラーン!」等)が出力される態様であってもよい。
このように、本実施形態では「保留変化高確率ゾーン演出」において、表示画面上部に「保留変化高確率ゾーン」のタイトルを表示してゾーンに突入したことを告知するとともに、特定のベース画像を特殊台座DZCに変化させている。この段階で、特殊台座DZCに乗っているマーカ画像は初期の白色マーカMwの表示態様であり、特に変化はしていないが、「保留変化高確率ゾーン」のタイトル表示とともに特殊台座DZCへの表示態様の変化を遊技者に提示することで、「4つ目の保留がこれから高確率で変化するかも知れない」ことを想起させ、合わせて保留変化に対する予測性を高め、大当りへの期待感を抱かせることができる。
〔ゾーン演出中保留変化(1回目)〕
図34中(E):例えば、「保留変化高確率ゾーン演出」に突入後の1変動目において、1回目の先読み保留変化予告演出が発生する。この例では、特殊台座DZCに乗っていたマーカ画像が左方向にシフトされるタイミングで、それまでの白色マーカMwから青色マーカMbの表示態様に変化する演出が行われている。これにより、白色→青色へと大当りが得られる可能性の度合が1つ高まったことを遊技者に想起させ、期待感の維持向上を図ることができる。また、ベース画像については、前回の変動までは4つ目が特殊台座DZCに変化していたが、マーカ画像のシフトに伴い、1変動目では3つ目が特殊台座DZCに変化し、それまで特殊台座DZCに変化していた4つ目のベース画像は通常の台座DZに復帰している。これにより、遊技者に対して「どの保留が変化の対象であるか」を引き続き印象付けることができる。
〔ゾーン演出中保留変化(2回目)〕
図34中(F):1回目の変動が非当選の態様で停止表示された場合を想定すると、続く「保留変化高確率ゾーン演出」に突入後の2変動目において、2回目の先読み保留変化予告演出が発生する。すなわち、特殊台座DZCに乗っていたマーカ画像が左方向にシフトされるタイミングで、今度は青色マーカMbから黄色マーカMyの表示態様に変化する演出が行われている。このような青色マーカMbから黄色マーカMyへの変化により、白色→青色(弱)→黄色(中)と段階的に大当りが得られる可能性の度合が高まっていくことを遊技者に想起させ、期待感の維持向上を図ることができる。またベース画像については、前回の変動で3つ目が特殊台座DZCに変化したが、2回目の変動では2つ目が特殊台座DZCに変化している。ここでも同様に、引き続き遊技者に対して「どの保留が変化の対象であるか」を印象付けておくことができる。
〔ゾーン演出中保留変化(3回目)〕
図34中(G):2回目の変動も非当選の態様で停止表示された場合を想定すると、「保留変化高確率ゾーン演出」に突入後の3変動目において、3回目の先読み保留変化予告演出が発生する。ここでは、特殊台座DZCに乗っていたマーカ画像が左方向にシフトされるタイミングで、さらに黄色マーカMyから赤色マーカMrの表示態様に変化する演出が行われている。このような黄色マーカMyから赤色マーカMrへの変化により、これまでに白色→青色(弱)→黄色(中)→赤色(強)と、3段階まで大当りが得られる可能性の度合が高まってきたことを遊技者に想起させ、さらに期待感の維持向上を図ることができる。またベース画像についても、3回目の変動では1つ目(先頭)が特殊台座DZCに変化する。これにより、遊技者に対して「ここまでどの保留が変化の対象であったか」を分かりやすく提示するとともに、「いよいよ次回が保留変化した作動記憶の当該変動になる」という緊張感を抱かせ、次変動に対する興味を大きく惹きつけることができる。
〔当該変動時〕
図35から図37は、保留変化高確率ゾーン演出で表示態様が変化した作動記憶の消費に伴う当該変動時に行われる演出例を示す連続図である。この例では、当該変動で「強スーパーリーチ系」のリーチ種別に属するリーチ演出が発生するものとする。なお、以下の演出例は「強スーパーリーチ系」としているが、演出内容に物語性を有するため、以下の演出例を「ストーリーリーチ系」としてもよい。また、これら図35から図37では、適宜のコマでベース画像やマーカ画像、第4図柄Z1,Z2等の図示を省略している。
〔ゾーン演出終了〕
図35中(A):当該変動の開始に伴い、それまで特殊台座DZC上に表示されていた赤色マーカMrが当該変動領域HAに移動し、内部抽選に消費されたことが表現されている。また、当該変動開始により、ここで「保留変化高確率ゾーン演出」は終了し、ベース画像は通常の台座DZに復帰している。これにより、遊技者の興味の中心をそれまでの「保留変化」から「当該変動」へとスムーズに誘導し、当該変動に対する期待感の維持を図ることができる。
図35中(B):特に図示していないが、変動表示演出の初期において何らかの予告演出が発生し、左演出図柄が停止表示される。図示の例では、数字の「5」を表す演出図柄が表示画面の中段位置に停止表示されている。
図35中(C):変動表示演出が進み、右演出図柄の変動がスローダウンしていく。図示の例では、数字の「5」を表す演出図柄が中段位置に停止しようとしており、まさにリーチ状態が発生するか否かの状況である。
〔リーチ状態発生〕
図35中(D):右演出図柄についても数字の「5」で停止表示されたため、上記のリーチ状態が発生している。このとき表示画面内では、リーチ状態が発生したことを表すため、左右の演出図柄を横一線に貫くようなエフェクト画像が表示されている。
〔ノーマルリーチ演出進行中〕
図35中(E):この後、中演出図柄のスクロール表示がスローダウンすることで、ノーマルリーチ演出が進行する。この場合のノーマルリーチ演出は、この後に実行される「強スーパーリーチ系」のリーチ演出に対する予告(予兆)演出としての位置付けであり、当該変動が「ノーマルリーチ系」のリーチ変動パターンであることを確定させるものではない。図示の例では、数字の「4」を表す中演出図柄が表示画面の中段位置を通り過ぎ、数字の「5」を表す演出図柄がゆっくりと降りてくるような演出が行われている。また、テンパイした左右の演出図柄がオーラをまとうエフェクト画像が表示されることで、この後の展開に対する期待感を醸し出している。
〔スーパーリーチ煽り演出〕
図35中(F):ノーマルリーチ演出がさらに進行し、スーパーリーチ演出(強スーパーリーチ系に属するもの)に発展するか否かの煽り演出が行われる。このような発展煽り演出には様々な態様がある。例えば、中演出図柄のスクロール表示が一度はスローダウンするが、スクロール表示が再加速されて中演出図柄が見えなくなり、そこからスーパーリーチ演出に発展するという態様がある。図示の例は上記の態様と異なり、中演出図柄のスクロール表示が再加速せずに、代わりにスーパーリーチ発展図柄が表示画面の中央位置に向けて降りてくるかのような態様の煽り演出が採用されている。ここでのスーパーリーチ発展図柄は、例えば女性キャラクターが合掌しながら目を瞑り、オーラをまといながら画面中央に降臨してくる様子がスーパーリーチ発展図柄に表されている。
図36中(G):そして、それまで煽られていたスーパーリーチ発展図柄が表示画面の中央位置で停止すると、スーパーリーチ確定となる。この例では、スーパーリーチ発展図柄に表されている女性キャラクターが開眼し、全体から炎をまきあげている様子が表されている。なお、ここではスーパーリーチ確定の場合を挙げているが、当該時の変動パターンが「ノーマルリーチ系」であった場合、スーパーリーチ発展図柄が停止せずに画面下部へ通り過ぎ、そのままはずれ目で終了するパターンもある。
〔スーパーリーチ演出(強スーパーリーチ系)〕
図36中(H):いずれにしても、スーパーリーチ確定により、液晶表示器42の表示画面内でスーパーリーチ演出のオープニング演出(タイトル画面)が表示される。この例では、表示画面の右側に浴衣を着た女性キャラクターが表示されるとともに、左側に敵キャラクター(ここでは「提灯お化け」)が表示され、両者がにらみ合って火花を散らす演出が行われている。また表示画面の中央位置には、縦方向に稲光が走るようなエフェクト画像が表示されており、両者の対決を煽る演出が行われている。そして表示画面には、今回のスーパーリーチ演出の趣向として「オバケ退治すると大当り!」といった文字情報が表示されている。これにより、遊技者に対して、これから行われるスーパーリーチ演出の方向性を分かりやすく伝達することができる。また、表示画面の左上隅位置には、現在テンパイしている左右演出図柄が縮小表示されており、中演出図柄は縮小して変動表示されている。
図36中(I):先のオープニング演出に続いて、実際にスーパーリーチ演出が進行する。この例では、味方の女性キャラクターが大写しになり、武器となる団扇をかまえて気合いを入れている様子が表されている。そして、表示画面内には大きく「攻撃!」の文字情報が表示され、合わせて女性キャラクターを強調するエフェクト画像が表示されている。これにより、遊技者に対して「これから味方の攻撃が始まる」ということを認識させることができる。
図36中(J):表示画面内では、さらにスーパーリーチ演出が進行している。この例では、味方の女性キャラクターが団扇を武器にして攻撃したが、敵キャラクターもベロを大きく出して防御している攻防の様子が表されている。
図36中(K):表示画面の中央部分では、主となるスーパーリーチ演出がさらに進行している。この例では、味方の女性キャラクターが敵キャラクターをさらに攻撃し、これを受けて敵キャラクターがダメージを受けて縮んでいく様子が表されている。また、このとき数字の「6」を表す画像がだんだんと壊されていく様子が表されることで、「6」→「7」→「8」→・・・とスーパーリーチ演出がさらに進行していく予定であることを遊技者に示唆することができる。
図36中(L):スーパーリーチ演出が順調に進行し、味方の女性キャラクターが敵キャラクターを続けざまに攻撃する様子が表されている。また、これに合わせて数字の「7」を表す画像がだんだんと壊されていく様子が表されている。
図37中(M):この後、スーパーリーチ演出がさらなる展開を見せている。この例では、先ほどまで劣勢であった敵キャラクターが攻撃を跳ね返し、味方の女性キャラクターを泣かせてしまった様子が表されている。このため表示画面の中央位置には、「5」とかけ離れた数字の「8」が大きく表示されており、未だ大当りにはほど遠いことが表現されている。
図37中(N):さらにスーパーリーチ演出が別の展開を見せており、この例では、味方となる別の女性キャラクター2名が出現して勇ましい台詞(例えば「待ちなさい!」等)を発し、敵キャラクターを驚かせる様子が表されている。
図37中(P):表示画面内では、この後もスーパーリーチ演出が進行している。この例では、新たに出現した2名の女性キャラクターが敵キャラクターを強く攻撃し、ダメージを与えている様子が表されている。このとき、未だ表示画面内では数字の「3」がつぶれていく段階であり、当落判定に関わる数字の「4」や「5」には至っていないため、未だリーチ演出内で当落判定は明らかにされていない。
図37中(Q):表示画面内では、スーパーリーチ演出の残りが進行している。この例では、いよいよ味方の女性キャラクター2名が敵キャラクターにとどめを刺そうとしており、これによって数字の「4」が壊されようとしている様子が表されている。この場合、女性キャラクター2名が数字の「4」とともに敵キャラクターをやっつければ、いよいよ「5」−「5」−「5」の大当りとなる。
〔当落判定演出〕
図37中(R):スーパーリーチ演出の最終盤となり、最終的に今回の変動に関する当落判定演出が行われる。この例では、残念ながら味方の女性キャラクター2名は勝利することができず、敵キャラクターが居残ってしまった様子が示されている。そして、敵キャラクターに重なるようにして数字の「4」が大きく表示画面中央に表示されることで、遊技者に対して「数字の4が壊れなかった=大当りにならなかった」ということを教示している。
〔結果確定演出〕
図37中(S):そして、第1特別図柄の確定停止表示に略同期して、演出図柄としての結果表示演出について上記の確定停止表示が行われる。すなわち、左・中・右演出図柄をそれぞれ初期の大きさに復元した状態で、表示画面の中段位置に数字の「5」−「4」−「5」の非当選を表す組み合わせが表示されている。このとき第4図柄Z1は、同じく非当選時の停止図柄で停止表示されている。また、表示画面下部にはこれまでに蓄積された作動記憶数に対応して、2つ目までの台座DZ上に白色マーカMwがそれぞれ表示されており、当該変動領域HAの表示も通常に行われている。なお、「保留変化高確率ゾーン演出」は当該変動開始時に終了しているので、ここでは特に終了演出等は行われていない。
以上は、保留変化高確率ゾーン演出中にマーカ画像の表示態様が高確率で変化し、その当該変動に至るまでの演出例であるが、このようなリーチ演出は、特に保留変化高確率ゾーン演出や先読み保留変化予告演出が発生しない場合でも実行されるものであり、特に保留変化高確率ゾーン演出を経なければリーチ演出を発生させることができないというものではない。
〔保留変化高確率ゾーン演出のまとめ〕
その上で本実施形態では、遊技中に作動記憶がある程度の個数まで蓄積され、その中の特定の作動記憶について、当選に該当する特図別先読み情報コマンドや「当り系」の変動パターン先読み情報コマンド、あるいは、「強スーパーリーチ系」や「ストーリーリーチ系」の変動パターン先読み情報コマンドが主制御CPU72から送信された場合、その特定の作動記憶が実際に消費されるまでの特定期間を利用して「保留変化高確率ゾーン演出」を発生させるとともに、そのゾーン演出中に「先読み保留変化予告演出」を高確率で発生させることとしている。これにより、本実施形態では以下のような演出効果を得ることができる。
(1)「保留変化高確率ゾーン」を発生させることで、現在蓄積されている作動記憶が消費されるまでの複数回の変動に跨って一種の先読みゾーン演出期間を設けることができる。
(2)ゾーン演出中は、高確率で保留変化が発生することを遊技者に告知することで、普段は予測性がほとんどない先読み保留変化予告に対する予測性をもたらすことができる。
(3)また、ゾーン演出中はどの保留が高確率に変化する対象になっているかについての情報を提示する(特殊台座DZCを表示する)ことで、遊技者に対象保留の変化過程を追いながら認識しやすくすることができる。
(4)上記(1)〜(3)により、既存の「先読みゾーン演出」と「先読み保留変化予告演出」という2つのジャンルを融合させ、新たなゲーム性をもった演出手法を確立することができる。
(5)なお、今回の「保留変化高確率ゾーン」は、あくまで「先読み保留変化予告演出が高確率で発生するゾーン」という位置付けであり、一般的なゾーン演出のように、「大当りが発生しやすいゾーン」という直接的な位置付けではないため、実際には大当りが得られる可能性の度合が比較的低い場合であっても、これにとらわれることなく「保留変化高確率ゾーン演出」を発生させることができる。例えば、現在蓄積されている作動記憶内で特に「強スーパーリーチ系」や「ストーリーリーチ系」、「当り変動」のような変動パターン先読み情報コマンドも受信していなかったとしても、「保留変化高確率ゾーン演出」を発生させ、そのゾーン中に「先読み保留変化予告演出」を高確率で発生させれば、演出として特に不自然な印象や喪失感を遊技者に与えることはない。これにより、「保留変化高確率ゾーン演出」を発生させるための条件(ハードル)を比較的低く設定することで、遊技者が演出に接することができる機会を比較的多く設けることができ、飽きの防止を図ることができる。
〔演出制御手法〕
次に、パチンコ機1で行われる演出の制御手法について説明する。上述した図柄演出としての変動表示演出や停止表示演出、リーチ演出、また、予告演出としてのリーチ発生前予告演出や先読み保留変化予告演出、保留変化高確率ゾーン演出、また、図柄演出に連動したステージ演出、大当り中(大役中)演出、モード移行演出、ゾーン突入演出、ステージ移行演出等は、いずれも以下の制御処理を通じて制御されている。
〔演出制御処理〕
図38は、演出制御CPU126により実行される演出制御処理の手順例を示すフローチャートである。この演出制御処理は、例えば図示しないリセットスタート(メイン)処理とは別にタイマ割込処理(割込管理処理)の中で実行される。演出制御CPU126は、リセットスタート処理の実行中に所定の割込周期(例えば数十μs〜数ms周期)でタイマ割込を発生させ、タイマ割込処理を実行する。
演出制御処理は、コマンド受信処理(ステップS400)、作動記憶演出管理処理(ステップS402)、演出図柄管理処理(ステップS403)、表示出力処理(ステップS404)、ランプ駆動処理(ステップS406)、音響駆動処理(ステップS408)、演出乱数更新処理(ステップS410)及びその他の処理(ステップS412)のサブルーチン群を含む構成である。以下、各処理に沿って演出制御処理の基本的な流れを説明する。
ステップS400:コマンド受信処理において、演出制御CPU126は主制御CPU72から送信される演出用のコマンドを受信する。また、演出制御CPU126は受信したコマンドを解析し、それらを種類別にRAM130のコマンドバッファ領域に保存する。なお、主制御CPU72から送信される演出用のコマンドには、例えば特図別先読み情報コマンド、変動パターン先読み情報コマンド、(特別図柄)作動記憶数増加時演出コマンド、(特別図柄)作動記憶数減少時演出コマンド、始動口入賞音制御コマンド、デモ演出用コマンド、抽選結果コマンド、変動パターンコマンド、変動開始コマンド、停止図柄コマンド、図柄停止時コマンド、状態指定コマンド、ラウンド数コマンド、エラー通知コマンド、大当り終了演出コマンド、回数切りカウンタ値コマンド等がある。
ステップS402:作動記憶演出管理処理では、演出制御CPU126は上述した記憶数表示演出や、先読み保留変化予告演出、保留変化高確率ゾーン演出の実行を制御する。先読み保留変化予告演出や保留変化高確率ゾーン演出は、主制御CPU72から受信した特図別先読み情報コマンドや変動パターン先読み情報コマンドに基づいて実行することができる。なお、作動記憶演出管理処理の詳細については、別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS403:演出図柄管理処理では、演出制御CPU126は演出図柄を用いた変動表示演出や停止表示演出の内容を制御したり、可変入賞装置30の開閉動作時の演出内容を制御したりする。またこの処理において、演出制御CPU126は各種予告演出(リーチ発生前予告演出、リーチ発生後演出等)の演出パターンを選択したり、セリフ演出の演出パターンを選択したりする。なお、演出図柄管理処理の内容については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
ステップS404:表示出力処理では、演出制御CPU126は演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して演出内容の基本的な制御情報(例えば、第1特別図柄及び第2特別図柄それぞれの作動記憶数、作動記憶演出パターン番号、先読み予告演出パターン番号、変動演出パターン番号、変動時予告演出番号、背景パターン番号等)を指示する。これにより、演出表示制御装置144(表示制御CPU146及びVDP152)は指示された演出内容に基づいて液晶表示器42による表示動作を制御する(各種の演出実行手段としての機能を果たす)。
ステップS406:ランプ駆動処理では、演出制御CPU126はランプ駆動回路132に対して制御信号を出力する。これを受けてランプ駆動回路132は、制御信号に基づいて各種ランプ46〜52や盤面ランプ53、装飾体ランプ404等を駆動(点灯又は消灯、点滅、輝度階調変化等)する。
ステップS408:次の音響駆動処理では、演出制御CPU126は音響駆動回路134に対して演出内容(例えば変動表示演出中やリーチ演出中、モード移行演出中、大当り演出中のBGM、音声データ等)を指示する。これにより、スピーカ54,55,56から演出内容に応じた音が出力される。
ステップS410:演出乱数更新処理では、演出制御CPU126はRAM130のカウンタ領域において各種の演出乱数を更新する。演出乱数には、例えば予告選択に用いられる乱数や通常のステージ移行抽選(演出抽選)に用いられる乱数等がある。
ステップS412:その他の処理では、演出制御CPU126は例えば装飾体モータ402の駆動用ICに対して制御信号を出力する。これにより、装飾体400が装飾体モータ402やリンク機構の働きにより動作し、液晶表示器42による画像の表示と同期して、又は単独で演出を行う。
以上の演出制御処理を通じて、演出制御CPU126はパチンコ機1における演出内容を統括的に制御することができる。次に、演出制御処理の中で実行される作動記憶演出管理処理の内容について説明する。
〔作動記憶演出管理処理〕
図39は、作動記憶演出管理処理の手順例を示すフローチャートである。
ステップS450:先ず演出制御CPU126は、主制御CPU72から作動記憶数増加時演出コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、作動記憶数増加時演出コマンドが保存されているか否かを確認する。作動記憶数増加時演出コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS452を実行する。なお、作動記憶数増加時演出コマンドが保存されていることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126はステップS452を実行しない。
ステップS452:演出制御CPU126は、作動記憶数増加時演出選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は、増加後の合計記憶数に対応するマーカ画像を表示させる演出パターンを選択する。ここでのマーカ画像は、白色マーカMwの表示態様とする。なお、ここではマーカ画像についての演出パターン選択を行い、ベース画像(台座DZ)の演出パターンについては後の手順で選択するものとする。
ステップS454:演出制御CPU126は、主制御CPU72から作動記憶数減少時演出コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、作動記憶数減少時演出コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、作動記憶数減少時演出コマンドが保存されていた場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS456を実行する。なお、作動記憶数減少時演出コマンドが保存されていることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126はステップS456を実行しない。
ステップS456:演出制御CPU126は、作動記憶数減少時演出選択処理を実行する。この処理では、減少後の合計記憶数に対応するマーカ画像(白色マーカMw等)を表示させる演出パターン(マーカ画像のシフト表示パターン)を選択する。ここでの演出パターンには、液晶表示器42の表示画面内でマーカ画像を当該変動中領域HAにシフト表示させたり、台座DZ上に表示されている各マーカ画像を左側へシフト表示させたりするものが含まれる。
ステップS458:演出制御CPU126は、マーカ表示態様選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126はマーカ画像の表示態様(例えば、先読み変化による変化後の青色マーカMb、黄色マーカMy、赤色マーカMr等の表示パターン)を選択する。また演出制御CPU126は、この処理においてベース画像(初期の台座DZ)の表示パターンを選択する。
ステップS459:そして演出制御CPU126は、保留変化高確率ゾーン管理処理を実行する。この処理において、演出制御CPU126は「保留変化高確率ゾーン演出」の進行を制御する。具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
以上の手順を実行すると、演出制御CPU126は演出制御処理(図38)に復帰する。
〔マーカ表示態様選択処理〕
図40は、上記のマーカ表示態様選択処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS460:先ず演出制御CPU126は、変動パターン先読み情報コマンドを取得する。具体的には、RAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、該当のアドレスから変動パターン先読み情報コマンドを読み込む。なお、ここで演出制御CPU126はコマンド解析を行い、リーチ種別を表す内部情報(オフセット値)を生成することとしてもよい。また、ここでは変動パターン先読み情報コマンドの他に、特図別先読み情報コマンド(当選/非当選)を取得してもよい。
ステップS462:次に演出制御CPU126は、マーカ表示態様変化条件を満たすか否かを確認する。マーカ表示態様変化条件としては、例えば以下のものを挙げることができる。
(1)現状で特別図柄が変動中であること。これは、特別図柄が未変動の場合、追加された作動記憶が直ちに消費されるため、マーカ表示態様を変化させるほどの演出時間を確保しにくいことを考慮したものである。ただし、本実施形態では最初のマーカ画像が当該変動領域HAにシフトされる演出手法を採用しているため、最初のマーカ画像を白色マーカMwとは異なる表示態様(青色マーカMb、黄色マーカMy等)で表示することとしてもよい。
(2)特別図柄が変動中の場合、当該までの残り変動時間が所定時間(例えば3秒程度)以上あること。これは、追加された作動記憶の当該変動までに残り時間が短いと、マーカ表示態様を変化させても、充分な演出効果を発揮しにくいことを考慮したものである。ここでも同様に、残り変動時間が所定時間未満でも、マーカ画像を白色マーカMwとは異なる表示態様(青色マーカMb、黄色マーカMy等)で表示することとしてもよい。
(3)変動パターン先読み情報コマンドが特定の内容(例えば「スーパーリーチ系」以上)を表すものであること(特図別先読み情報コマンドの場合は「当選」を表すものであること。)。
いずれにしても、マーカ表示態様変化条件を満たす場合(ステップS462:Yes)、演出制御CPU126は次のステップS464に進む。逆にマーカ表示態様変化条件を満たさなければ(ステップS462:No)、演出制御CPU126はここでマーカ表示態様選択処理を抜け、呼び出し元の作動記憶演出管理処理(図39)に復帰する。
ステップS464:マーカ表示態様変化条件を満たす場合、演出制御CPU126は表示態様変化抽選を行う。表示態様変化抽選は、例えば演出抽選乱数を用いて内部的に実行することができる。
ステップS466:演出制御CPU126は、表示態様変化抽選の結果を確認し、当選の場合(Yes)、次のステップS468に進む。なお、表示態様変化抽選の結果が非当選であれば(No)、演出制御CPU126はここでマーカ表示態様選択処理を抜け、呼び出し元の作動記憶演出管理処理(図39)に復帰する。
ステップS468:当選の場合、演出制御CPU126は、変動パターン先読み情報コマンドに対応した表示態様変化パターンを選択する。これにより、マーカ画像の表示態様として、上述した変化後の青色マーカMb、黄色マーカMy、赤色マーカMr等に対応する表示パターンが選択される。
ステップS470:そして演出制御CPU126は、選択した表示パターンに基づいてマーカ画像の表示コマンドを生成する。また、ここで演出制御CPU126はベース画像(台座DZ)についても表示コマンドを生成すると、呼び出し元の作動記憶演出管理処理(図39)に復帰する。
そして、復帰後の演出制御処理(図38)で演出制御CPU126が表示出力処理(図38中のステップS404)を実行すると、表示コマンドが演出表示制御装置144に指示される結果、液晶表示器42の表示画面下部に4つのベース画像(初期の台座DZ)が表示されるとともに、作動記憶数に応じた数のマーカ画像が表示され、変化の対象となるマーカ画像の表示態様が変化する。
〔保留変化高確率ゾーン管理処理〕
図41は、保留変化高確率ゾーン管理処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS700:演出制御CPU126は、保留変化高確率ゾーン演出中であるか否かを確認する。この確認は、以降の手順でセットする「保留変化高確率ゾーン演出中フラグ」の値に基づいて行うことができる。したがって、未だ保留変化高確率ゾーン演出中フラグをセットしていなければ(No)、演出制御CPU126は次のステップS702に進む。
ステップS702,S704:演出制御CPU126は、現状の作動記憶数コマンドを取得する。続いて演出制御CPU126は、変動パターン先読み情報コマンドを取得する。具体的には、RAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、該当のアドレスから作動記憶数コマンド及び変動パターン先読み情報コマンドをそれぞれ読み込む。なお、ここでは変動パターン先読み情報コマンドの他に、特図別先読み情報コマンド(当選/非当選)を取得してもよい。
ステップS706:次に演出制御CPU126は、ゾーン演出突入条件を満たすか否かを確認する。ゾーン演出突入条件としては、例えば以下のものを挙げることができる。
(1)作動記憶数が所定数(例えば2個)以上あること。
(2)現状の作動記憶内にリーチ変動以上(「非リーチ系」以外)を表す変動パターン先読み情報コマンドが含まれること。
上記(1)及び(2)の両方に該当する場合、演出制御CPU126はゾーン演出突入条件を満たす(Yes)と判断し、ステップS708に進む。上記(1)及び(2)の両方に該当しない場合、演出制御CPU126はゾーン演出突入条件を満たさない(No)と判断し、今回の処理を抜けて呼び出し元の作動記憶演出管理処理に復帰する。以下、ゾーン演出突入条件を満たす場合(ステップS706:Yes)の手順について説明する。
ステップS708:ここで演出制御CPU126は、ゾーン突入抽選を実行する。ゾーン突入抽選もまた、内部的な演出乱数を用いて行うことができる。
ステップS710:ゾーン突入抽選に当選した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS712に進む。一方、ゾーン突入抽選で非当選となった場合(No)、演出制御CPU126は今回の処理を抜けて呼び出し元の作動記憶演出管理処理に復帰する。以下では、ゾーン突入抽選の当選時について説明する。
ステップS712:演出制御CPU126は、ゾーン演出進行パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は上述した「保留変化高確率ゾーン演出」の進行パターンを選択する。ゾーン演出進行パターンは、例えば(1)ゾーン演出中の変動回数、(2)変化対象の保留位置、(3)変化後のマーカ画像の表示態様、等を変動回数の進行に応じて定めたゾーン演出進行パターンシナリオである。このようなゾーン演出進行パターンシナリオは、変化対象の保留(作動記憶)が消費されるまでの変動回数(当該前変動回数)別に予め複数パターンが用意されており、演出制御CPU126は、当該前変動回数に応じていずれかのゾーン演出進行パターンシナリオを選択する。なお、当該前変動回数別ゾーン演出進行パターンシナリオの構成例についてはさらに後述する。
ステップS714:ここで演出制御CPU126は、保留変化高確率ゾーン演出中フラグをONにする。これにより、以後の呼び出しでは保留変化高確率ゾーン演出中と判断されるため(ステップS700:Yes)、このステップS714を含めてステップS702〜ステップS712の手順がスキップされる。
ステップS716:そして演出制御CPU126は、ゾーン演出進行処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は「保留変化高確率ゾーン演出」の進行及びその終了を制御する。具体的な処理の内容については、別のフローチャートを用いて後述する。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は呼び出し元の作動記憶演出管理処理に復帰する。
〔ゾーン演出進行処理〕
図42は、上記のゾーン演出進行処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS750:先ず演出制御CPU126は、演出図柄管理ステータスを取得する。演出図柄管理ステータスは、演出図柄を用いた演出の進行状況に応じて更新される内部的な値であり、例えば以下のように設定される。
演出図柄変動開始待ち状態:50H
演出図柄変動中聴牌前状態:51H
演出図柄変動中聴牌後状態:52H
演出図柄停止表示中状態:53H
ステップS752:演出図柄管理ステータスを取得すると、次に演出制御CPU126は、ゾーン演出進行パターンシナリオ更新処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は先のステップS750で取得した演出図柄管理ステータスの値に基づき、保留変化高確率ゾーン演出中の変動回数に応じた進行パターンシナリオを更新する。なお、ゾーン演出進行パターンシナリオの更新についてはさらに後述する。
ステップS754:ゾーン演出進行パターンシナリオ更新処理から復帰すると、演出制御CPU126は、ゾーン演出終了条件を満たすか否かを確認する。本実施形態では、上述のように変化対象の保留(作動記憶)が消費された当該変動のゾーン演出完了時をゾーン演出終了時としている。したがって、未だ当該変動時に到達していなければ、演出制御CPU126はゾーン演出終了条件を満たさない(No)と判断し、ステップS756に進む。
ステップS756:この場合、演出制御CPU126は、更新後のゾーン演出進行パターンシナリオに基づいて保留変化高確率ゾーン演出パターンを選択する。ゾーン演出パターンの例についても、シナリオの構成例と合わせて後述する。
ステップS758:演出制御CPU126は、選択した演出パターンに応じて表示コマンドを生成する。ここで生成した表示コマンドは、演出制御処理中の表示出力処理(図38中のステップS404)で演出表示制御装置144に送信される。これにより、実際に液晶表示器42の表示画面において保留変化高確率ゾーン演出中のベース画像(台座DZ、特殊台座DZC)やマーカ画像(白色マーカMw、青色マーカMb、黄色マーカMy、赤色マーカMr等)が表示される(表示態様変化予告期間演出実行手段)。
〔当該前変動回数別ゾーン演出進行パターンシナリオ構成例〕
図43は、当該前変動回数別ゾーン演出進行パターンシナリオの構成例を示す図である。上記のように演出制御CPU126は、例えばROM128内に複数パターンの「当該前変動回数別ゾーン演出進行パターンシナリオ」を記憶している。そして、演出制御CPU126は、先のゾーン演出進行パターン選択処理(図41中のステップS712)において、保留変化高確率ゾーン演出中に変化対象となった作動記憶が消費されるまでの当該前変動回数に応じて、いずれかの「当該前変動回数別ゾーン演出進行パターンシナリオ」を選択する。図43に示される「当該前変動回数別ゾーン演出進行パターンシナリオ」は、例えば当該までの変動回数が「4回」の場合に選択されるものとなっている。以下、シナリオの具体的な構成について説明する。
図43に示されるシナリオ中、左端カラムは「当該前変動回数」を示しており、シナリオの見出し段を除く(以下も同じ)1段目〜5段目には、それぞれ「当該前変動回数」が「4回」〜「0回」のときのゾーン演出進行パターンが割り当てられている。
左から2番目〜4番目のカラムには、ゾーン演出進行パターンシナリオ中の演出項目として、例えば「特殊台座位置」、「マーカ表示態様」、「効果音」等が示されている。このうち「特殊台座位置」は、表示画面内でどの位置にあるマーカ画像に対応するベース画像を初期の台座DZから特殊台座DZCの表示態様に変化させるかを示している。また「マーカ表示態様」は、変化対象として特定された作動記憶に対応するマーカ画像をどのような表示態様に設定するかを示している。「効果音」は、例えばマーカ画像のシフト時にスピーカ54,55,56から出力させる効果音のパターンを示している。
〔ゾーン演出進行パターンシナリオ更新〕
次に、ゾーン演出進行パターンシナリオの更新とゾーン演出進行パターンの選択例について説明する。
〔当該前変動回数:4回(保留変化高確率ゾーン突入時)〕
保留変化高確率ゾーン突入時は、ゾーン演出進行パターンシナリオの1段目に示されるゾーン演出進行パターンが選択される。この例では、表示画面下部で「第4マーカ(左から4番目)」のマーカ画像に対応するベース画像が特殊台座DZCに変化することになる。また、今回の変動では「マーカ表示態様」として「通常(白色マーカMw)」が選択される(図33中(D)等)。また、「効果音」は「なし」が選択されるため、特に効果音は出力されない。
〔当該前変動回数:3回(保留変化高確率ゾーン中の変動1回目)〕
保留変化高確率ゾーン中の1回目の変動開始に伴い、演出図柄管理ステータスの値が「53H」から「50H」になると、演出制御CPU126はゾーン演出進行パターンシナリオを更新する(図42中のステップS752)。この場合、演出制御CPU126は、ゾーン演出進行パターンシナリオの2段目に示されるゾーン演出進行パターンを選択する(図42中のステップS756)。これにより、表示画面下部で「第3マーカ(左から3番目)」のマーカ画像に対応するベース画像が特殊台座DZCに変化するとともに、変動開始時に「マーカ表示態様」として「弱変化(青色マーカMb)」が選択されることになる(図34中(E)等)。また、「効果音」には「パターンA」が選択されるので、スピーカ54,55,56から「パターンA」に対応した効果音が出力される。
〔当該前変動回数:2回(保留変化高確率ゾーン中の変動2回目)〕
保留変化高確率ゾーン中に変動が進行して2回目の変動開始時になると、演出制御CPU126は、ゾーン演出進行パターンシナリオの3段目に示されるゾーン演出進行パターンを選択する。これにより、表示画面下部で「第2マーカ(左から2番目)」のマーカ画像に対応するベース画像が特殊台座DZCに変化するとともに、変動開始時に「マーカ表示態様」として「中変化(黄色マーカMy)」が選択されることになる(図34中(F)等)。また、「効果音」には「パターンB」が選択され、スピーカ54,55,56から「パターンB」に対応した効果音が出力される。
〔当該前変動回数:1回(保留変化高確率ゾーン中の変動3回目)〕
さらに保留変化高確率ゾーン中に変動が進行して3回目の変動開始時になると、演出制御CPU126は、ゾーン演出進行パターンシナリオの4段目に示されるゾーン演出進行パターンを選択する。これにより、表示画面下部で「第1マーカ(先頭)」のマーカ画像に対応するベース画像が特殊台座DZCに変化するとともに、変動開始時に「マーカ表示態様」として「強変化(赤色マーカMr)」が選択されることになる(図34中(G)等)。また、「効果音」には「パターンC」が選択され、スピーカ54,55,56から「パターンC」に対応した効果音が出力される。
〔当該前変動回数:0回(当該変動時)〕
保留変化高確率ゾーン中に当該変動時に到達すると、演出制御CPU126は、ゾーン演出進行パターンシナリオの5段目に示されるゾーン演出進行パターンを選択する。この場合、特殊台座DZCへの表示態様の変化は終了し、表示態様が変化していたマーカ画像(例えば赤色マーカMr)について「消化表示パターン」が選択される。これにより、表示画面下部で4つのベース画像の表示態様が全て初期の台座DZに復帰するとともに、当該変動領域HAにマーカ画像がシフトされる演出が行われる(図35中(A)等)。また、「効果音」には「特殊消化パターン」が選択され、スピーカ54,55,56から「特殊消化パターン」に対応した効果音が出力される。
〔図42:ゾーン演出進行処理を参照〕
以上のようにして、ゾーン演出進行処理中におけるゾーン演出進行パターンシナリオ更新処理(ステップS752)と更新後のシナリオに基づくゾーン演出進行パターンの選択(ステップS756)が行われる。
上記のように、ステップS754のゾーン演出終了条件は、ゾーン演出進行パターンシナリオの更新により全てのゾーン演出進行パターンが選択され、シナリオ上で全てのゾーン演出が完了した場合に満たされるものとする。したがって、演出制御CPU126は、当該変動時の初回の呼び出しでシナリオの更新(ステップS752)及びゾーン演出進行パターン選択(ステップS756)を実行し、表示コマンドの生成(ステップS758)を終えると、次回からの呼び出しでシナリオ更新(ステップS752)は実質的に行わず、ステップS754でゾーン演出終了条件を満たす(Yes)と判断する。この場合、演出制御CPU126はステップS760及びステップS762を実行する。
ステップS760:ここで演出制御CPU126は、非ゾーン演出復帰パターンを選択する。具体的には、それまで表示画面上部に表示されていた「保留変化高確率ゾーン」等のタイトル画像を非表示とする演出パターンを選択する。なお、タイトル画像以外にもゾーン中に専用の画像が表示されていた場合、演出制御CPU126はそのような専用画像を非表示とする演出パターンを選択する。
ステップS762:演出制御CPU126は、ここで保留変化高確率ゾーン演出中フラグをOFFにする。
ステップS758:そして、演出制御CPU126は選択した非ゾーン演出復帰パターンに基づく表示コマンドを生成し、呼び出し元の保留変化高確率ゾーン管理処理に復帰する。
また、以後は保留変化高確率ゾーン演出中ではなくなるので、ゾーン突入条件を満たし、ゾーン突入抽選に当選することで再び保留変化高確率ゾーン演出が実行されることになる。
〔演出図柄管理処理〕
図44は、演出図柄管理処理の手順例を示すフローチャートである。演出図柄管理処理は、実行選択処理(ステップS500)、演出図柄変動前処理(ステップS502)、演出図柄変動中処理(ステップS504)、演出図柄停止表示中処理(ステップS506)及び可変入賞装置作動時処理(ステップS508)のサブルーチン群を含む構成である。以下、各処理に沿って演出図柄管理処理の基本的な流れを説明する。
ステップS500:実行選択処理において、演出制御CPU126は次に実行するべき処理(ステップS502〜ステップS508のいずれか)のジャンプ先を選択する。例えば、演出制御CPU126は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また戻り先のアドレスとして演出図柄管理処理の末尾を「ジャンプテーブル」にセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ変動表示演出を開始していない状況であれば、演出制御CPU126は次のジャンプ先として演出図柄変動前処理(ステップS502)を選択する。一方、既に演出図柄変動前処理が完了していれば、演出制御CPU126は次のジャンプ先として演出図柄変動中処理(ステップS504)を選択し、演出図柄変動中処理まで完了していれば、次のジャンプ先として演出図柄停止表示中処理(ステップS506)を選択する。また可変入賞装置作動時処理(ステップS508)は、主制御CPU72において可変入賞装置管理処理(図16中のステップS5000)が選択された場合にのみジャンプ先として選択される。この場合、ステップS502〜ステップS506は実行されない。
ステップS502:演出図柄変動前処理では、演出制御CPU126は演出図柄を用いた変動表示演出を開始するための条件を整える作業を行う。またこの処理において、演出制御CPU126は各種の条件(抽選結果、当選種類、変動パターン等)に応じてリーチ演出の内容を選択したり、予告演出についての演出パターン(先読み予告演出パターン以外のリーチ発生前予告パターン、リーチ発生後予告パターン等)を選択したりする。その他にも演出制御CPU126は、パチンコ機1がいわゆる客待ち状態である場合のデモ演出の制御も行う。また演出制御CPU126は、デモ演出の制御中にパスワードの入力や二次元コードの発行に関する処理を実行する。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS504:演出図柄変動中処理では、演出制御CPU126は必要に応じて演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に指示する制御情報を生成する。例えば、演出図柄を用いた変動表示演出を実行中に演出切替ボタン45を用いた演出を行う場合、遊技者による演出ボタンの操作の有無を演出制御CPU126が監視するとともに、その結果に応じた演出内容(ボタン演出)の制御情報を表示制御CPU146に対して指示する。
ステップS506:演出図柄停止表示中処理では、演出制御CPU126は内部抽選の結果に応じた態様で演出図柄や動画像を用いた停止表示演出の内容を制御する。すなわち、演出制御CPU126は演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して変動表示演出の終了と停止表示演出の実行を指示する。これを受けて演出表示制御装置144(表示制御CPU146)は、実際に液晶表示器42の表示画面内でそれまで実行していた変動表示演出を終了させ、停止表示演出を実行する。これにより、特別図柄の停止表示に略同期して停止表示演出が実行され、遊技者に対して内部抽選の結果を演出的に教示(開示、告知、報知等)することができる(図柄演出実行手段)。ただし本実施形態において、小当り時には、はずれと同様か近似した態様で停止表示演出を実行する。
ステップS508:可変入賞装置作動時処理では、演出制御CPU126は小当り中又は大当り中の演出内容を制御する(特別遊技演出実行手段)。この処理において、演出制御CPU126は各種の条件(例えば当選種類)に応じて大役中演出の内容(演出パターン)を選択する。例えば16ラウンドの出玉あり確変大当りの場合、演出制御CPU126は液晶表示器42に表示する演出内容として、16ラウンドの大役中演出パターンを選択し、これを演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して指示する。これにより、液晶表示器42の表示画面では大当り中演出の画像が表示されるとともに、ラウンドの進行に伴って演出内容が変化していくことになる。
〔演出図柄変動前処理〕
図45は、上記の演出図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS600:演出制御CPU126は、主制御CPU72からデモ演出用コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、デモ演出用コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、デモ演出用コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS602を実行する。
ステップS602:演出制御CPU126は、デモ選択処理を実行する(待機状態演出実行手段)。この処理では、演出制御CPU126はデモ演出パターンを選択する。デモ演出パターンには、パチンコ機1がいわゆる客待ち状態であることを表す演出の内容が含まれるほか、例えば液晶表示器42の表示画面にパスワード入力案内用の画像を表示させたり、コード発行用のメニュー画面を表示させたりするものが含まれる(図示していない)。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は演出図柄管理処理の末尾のアドレスに復帰する。そして演出制御CPU126はそのまま演出制御処理に復帰し、続く表示出力処理(図38中のステップS404)、ランプ駆動処理(図38中のステップS406)においてデモ演出パターンに基づいてデモ演出の内容を制御する。
一方、ステップS600においてデモ演出用コマンドが保存されていないことを確認すると(No)、演出制御CPU126は次にステップS604を実行する。
ステップS604:演出制御CPU126は、今回の変動がはずれ(非当選)であるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、非当選時の抽選結果コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、非当選時の抽選結果コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS612を実行する。逆に、非当選時の抽選結果コマンドが保存されていないことを確認した場合(No)、演出制御CPU126はステップS606を実行する。なお、今回の変動がはずれか否かの確認は、抽選結果コマンドの他に変動パターンコマンドや停止図柄コマンドに基づいて行うことも可能である。すなわち、今回の変動パターンコマンドがはずれ通常変動又ははずれリーチ変動に該当していれば、今回の変動がはずれであると判定することができる。あるいは、今回の停止図柄コマンドが非当選の図柄を指定するものであれば、今回の変動がはずれであると判定することができる。
ステップS606:抽選結果コマンドが非当選(はずれ)以外であれば(ステップS604:No)、次に演出制御CPU126は、今回の変動が大当たりであるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、大当り時の抽選結果コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、大当り時の抽選結果コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS610を実行する。逆に、大当り時の抽選結果コマンドが保存されていないことを確認した場合(No)、残るは小当り時の抽選結果コマンドだけであるので、この場合、演出制御CPU126はステップS608を実行する。なお、今回の変動が大当たりであるか否かの確認もまた、変動パターンコマンドや停止図柄コマンドに基づいて行うことも可能である。すなわち、今回の変動パターンコマンドが大当り変動に該当していれば、今回の変動が大当りであると判定することができる。また今回の停止図柄コマンドが大当り図柄に該当していれば、今回の変動が大当りであると判定することができる。
ステップS608:演出制御CPU126は、小当り時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンド(例えば、「C0H00H」〜「D0H7FH」)に基づいて、そのときの演出パターン番号を決定する。演出パターン番号は、変動パターンコマンドに対応して予め用意されており、演出制御CPU126は図示しない演出パターン選択テーブルを参照して、そのときの変動パターンコマンドに対応した演出パターン番号を選択することができる。なお、演出パターン番号は、変動パターンコマンドと対になって用意されていてもよく、1つの変動パターンコマンドに対して複数のものが用意されていてもよい。
また演出パターン番号を選択すると、演出制御CPU126は図示しない演出テーブルを参照し、そのときの変動演出パターン番号に対応する演出図柄の変動スケジュール(変動時間やリーチの種類とリーチ発生タイミング)、停止表示の態様等を決定する。なお、ここで決定される演出図柄の種類は、全て「小当り時の図柄の組み合わせ」に該当するものとなっている。
以上の手順は「小当り」に該当した場合であるが、7ラウンド大当り又は16ラウンド大当りに該当した場合、演出制御CPU126はステップS606で「大当り」であることを確認する(Yes)。この場合、演出制御CPU126はステップS610を実行する。
ステップS610:演出制御CPU126は、大当り時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンド(例えば、「E0H00H」〜「F0H7FH」)に基づいて、そのときの演出パターン番号を決定する。なお、大当り時演出パターン選択処理の中では、さらに大当り時停止図柄別に処理を分岐させてもよい。
また、非当選時の場合は以下の手順が実行される。すなわち、演出制御CPU126はステップS604ではずれであることを確認すると(Yes)、次にステップS612を実行する。
ステップS612:演出制御CPU126は、はずれ時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンド(例えば、「A0H00H」〜「A6H7FH」)に基づいて、はずれ時の演出パターン番号を決定する。はずれ時の演出パターン番号は、「はずれ通常変動」や「時短はずれ変動」、「はずれリーチ変動」等に分類されており、さらに「はずれリーチ変動」には細かいリーチ変動パターンが規定されている。なお、演出制御CPU126がいずれの演出パターン番号を選択するかは、主制御CPU72から送信された変動パターンコマンドによって決まる。
はずれ時の演出パターン番号を選択すると、演出制御CPU126は図示しない演出テーブルを参照し、そのときの変動演出パターン番号に対応する演出図柄の変動スケジュール(変動時間やリーチ発生の有無、リーチ発生の場合はリーチ種類とリーチ発生タイミング)、停止表示の態様(例えば「7」−「2」−「4」等)を決定する。
以上のステップS608,ステップS610,ステップS612のいずれかの処理を実行すると、演出制御CPU126は次にステップS614を実行する。
ステップS614:演出制御CPU126は、予告選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は今回の変動表示演出中に実行するべき予告演出の内容を抽選によって選択する。予告演出の内容は、例えば内部抽選の結果(当選又は非当選)や現在の内部状態(通常状態、高確率状態、時間短縮状態)に基づいて決定される。上記のように予告演出は、変動表示演出中にリーチ状態が発生する可能性を遊技者に予告したり、最終的に大当りになる可能性があることを予告したりするものである。したがって、非当選時には予告演出の選択比率は低く設定されているが、当選時には遊技者の期待感を高めるため、予告演出の選択比率は比較的高く設定されている。
ステップS616:演出制御CPU126は、ステージ管理処理を実行する。この処理において、演出制御CPU126はステージ(モード、ゾーン)に関する具体的な処理を実行する。ステージ演出は、複数の背景画像(例えば「昼ステージ」や「夜ステージ」等)を用いて実行され、ステージ演出の実行中に所定の演出実行条件を満たす場合、背景画像を変化させてステージ移行演出が実行される。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は演出図柄管理処理(末尾アドレス)に復帰する。これにより、その後の演出図柄変動中処理(図44中のステップS504)において、実際に選択された変動演出パターンに基づいて変動表示演出及び停止表示演出が実行されるとともに(各種の演出実行手段としての機能)、各種予告演出パターンに基づいて予告演出が実行される。その他、ここで選択された背景(滞在)モードパターンに基づいて、各種の滞在モード演出が実行される。
本発明は上述した一実施形態に制約されることなく、種々に変形して実施することができる。例えば、一実施形態で用いた台座DZや変化後の特殊台座DZC、白色マーカMw、青色マーカMb、黄色マーカMy、赤色マーカMr等は例示であり、これら以外の表示態様にベース画像及びマーカ画像を変化させてもよい。
また、一実施形態では第1特別図柄に対応する作動記憶を用いて説明したが、第2特別図柄に対応する作動記憶を対象として保留変化高確率ゾーン演出を実行してもよい。
また本発明は、第1特別図柄及び第2特別図柄の合計作動記憶(最大8個)を入賞順番に消費する遊技仕様であっても適用することができる。この場合、最大で変動8回の期間を保留変化高確率ゾーンとしつつ、変動8回の中でより多様なマーカ画像の変化を発生させることができる。
その他の演出例であげた画像はあくまで一例であり、これらは適宜に変形することができる。また、パチンコ機1の構造や盤面構成等は図示のものも含めて好ましい例示であり、これらを適宜に変形可能であることはいうまでもない。