JP6322832B2 - 移動出口開口部を有するイオン移動度分離装置 - Google Patents

移動出口開口部を有するイオン移動度分離装置 Download PDF

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Description

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イオンをそのイオン移動度に応じて分離するために、イオン移動度分光計(IMS)のドリフト領域にわたって均一な電場を印加することが公知である。そのような装置に比較的高い分解能を与えるのが望ましい。ドリフト領域の電界強度を上げることによって、そのような装置の分解能を向上させることが可能である。しかしながら、これにより、最終的にドリフトガスの電気絶縁破壊が生じる。従って、装置の分解能を向上させるために、ドリフト領域を長くするとともに電界強度を維持する必要があると従来考えられている。しかしながら、これにより、IMS装置が比較的長くなり、より長いドリフト領域にわたって同じ電界強度を維持するためにより大きいポテンシャル差が使用される。これにより、高絶対電圧の使用が必要となり、その結果周囲の領域に危険な放電が発生することがある。
したがって、改良されたイオン移動度分離器およびイオンをそのイオン移動度に応じて分離する改良された方法を提供するのが望ましい。
本発明は、イオンをそのイオン移動度に応じて分離する方法を提供し、
イオン誘導路を形成するように配置された複数の電極を有するイオンガイドを提供するステップと、
イオンを上記イオン誘導路内に閉じ込めるために、RF(高周波)電圧を上記電極の少なくとも一部に供給するステップと、
直流(DC)電圧勾配を上記イオンガイドの縦軸の少なくとも一部分に沿って維持するステップであって、上記電圧勾配は、イオンがイオンガイドを通過するとそのイオン移動度に応じて分離するように、イオンガイドに沿ってイオンを付勢し、時間が経過すると、それに沿って上記直流電圧勾配が維持される上記イオンガイドの上記一部分は、上記イオンガイドに沿って移動するステップと、
イオンが異なる時間に異なる位置で上記イオンガイドを出るように、上記イオンガイドに沿って移動するイオン出口領域を提供するステップとを含む。
出口領域が、本発明のイオンガイドに沿って移動するのに伴い、イオンは、その分離行程中の最適時間にイオンガイドを出ることができる。例えば、このことは該イオンが他のイオンから最適に分離する時点であってもよいので、イオンは直流電圧勾配に沿って移動するのに伴い分離してもよく、イオンが電圧勾配の端部に達した時にイオンガイドを出るのが望ましい。このことは、イオン出口領域が固定位置にあるイオン移動度分離方法とは対照的である。このような方法においては、イオンは、出口領域に達する前に他のイオンから分離して、出口領域に達するまでに他のイオンと再合体することがある。
好ましくは、上記方法は、上記電圧勾配の高ポテンシャルから低ポテンシャルに向かう方向に対応する方向に、上記電圧勾配を上記イオンガイドに沿って移動させるステップを含む。
上記直流電圧勾配および出口領域は、上記出口領域が上記電圧勾配の上記低ポテンシャル端に留まり、イオンが上記電圧勾配の上記低ポテンシャル端に達した時に上記イオンがイオンガイドを出るように時間の経過と共に上記イオンガイドに沿って移動してもよい。
一組の実施形態によれば、上記方法は、上記電圧勾配が上記イオンガイドに沿って移動するのに伴い、上記電圧勾配の上記高ポテンシャル端に、イオンが上記電圧勾配の上記高ポテンシャル端から上記電圧勾配領域を出るのを阻止するためのポテンシャル障壁、好ましくは直流障壁を提供するステップを含む。本発明は、イオンが上記ポテンシャル障壁に隣接して存在して、上記電圧勾配の下方に移動しないように、第1の高い速度で上記イオンガイドに沿って上記電圧勾配を移動させ、次にイオンが上記ポテンシャル障壁から離れて上記電圧勾配の下方に移動して、イオン移動度に応じて分離するように、上記電圧勾配が上記イオンガイドに沿って移動する速度を第2の低い速度まで下げるステップを含んでもよい。上記電圧勾配が上記第1の高い速度で移動している場合には、イオン移動度の高いイオンおよびイオン移動度の低いイオンを、上記ポテンシャル障壁に隣接して存在させてもよく、上記電圧勾配が上記第2の低い速度で移動している場合には、イオン移動度の低いイオンを、上記ポテンシャル障壁に隣接して存在させてもよいが、高移動度のイオンは、上記電圧勾配の下方に移動して、イオン移動度に応じて分離してもよい。上記方法は、上記移動度の低いイオンが上記電圧勾配の下方に移動して、イオン移動度に応じて分離するように、上記電圧勾配が上記イオンガイドの周りを移動している上記速度を上記第2の速度より低い第3の速度まで下げるステップをさらに含んでもよい。上記イオンガイドは、好ましくは、閉ループイオン誘導路を形成し、上記電圧勾配の上記速度は、上記移動度の高いイオンおよび/または移動度の低いイオンが上記電圧勾配の下方に移動する間に上記イオンガイドの周りで複数サイクル駆動されるように選択される。
電圧勾配の速度は、連続して変化してもよく、あるいは段階的に変化してもよい。電圧勾配の速度は、線形でまたは不連続に変化してもよい。
代替の実施形態の組によれば、上記方法は、上記電圧勾配の上記低ポテンシャル端に、上記イオンが上記電圧勾配の上記低ポテンシャル端から上記電圧勾配領域を出るのを阻止するためのポテンシャル障壁、好ましくは直流障壁を提供するステップを含む。上記方法は、イオンが上記電圧勾配によって上記ポテンシャル障壁に向かう方向に押されるように、上記電圧勾配を一定に保持するか、または上記電圧勾配を第1の低い速度で上記イオンガイドに沿って移動させ、次にイオンが上記電圧勾配の上方に移動して、イオン移動度に応じて分離し始めるように、上記電圧勾配が上記イオンガイドに沿って移動する速度を第2の高い速度まで上げるステップを含んでもよい。上記電圧勾配が変動なくまたは上記第1の低い速度で移動している場合には、イオン移動度の高いイオンおよびイオン移動度の低いイオンを、上記ポテンシャル障壁に隣接して存在させてもよい。上記電圧勾配が上記第2の高い速度で移動している場合には、イオン移動度の高いイオンを、上記ポテンシャル障壁に隣接して存在させてもよいが、イオン移動度の低いイオンを、上記高ポテンシャル端に向かって上記電圧勾配の上方に移動して、イオン移動度に応じて分離してもよい。上記方法は、好ましくは、上記移動度の高いイオンが上記電圧勾配の上方に移動して、イオン移動度に応じて分離し始めるように、上記電圧勾配が上記イオンガイドの周りを移動する速度を上記第2の速度より高い第3の速度まで上げるステップをさらに含む。上記イオンガイドは、好ましくは、閉ループイオン誘導路を形成し、上記電圧勾配の上記速度は、上記移動度の高いイオンおよび/または移動度の低いイオンが上記電圧勾配の上方に移動する間に、上記イオンガイドの周りで複数サイクル駆動されるように選択されてもよい。上記出口領域は、好ましくは、上記電圧勾配の高ポテンシャル端で維持されるように上記イオンガイドに沿って移動し、上記イオンは、上記電圧勾配の上方に移動して、上記高ポテンシャル端で上記イオンガイドを出る。
電圧勾配の速度は、連続して変化してもよく、あるいは段階的に変化してもよい。電圧勾配の速度は、線形でまたは不連続に変化してもよい。
本発明によれば、上記出口領域は、好ましくは、イオンが上記出口領域の上記1つ以上の電極によって閉じ込められないように、上記電極の1つ以上に供給される電圧を変更することによって、上記イオンガイドの一部分上に形成される。イオンを半径方向に閉じ込めるために上記出口領域の外部の上記電極に第1のポテンシャルが印加されてもよく、イオンが上記イオンガイドを出るのを許可するかまたは出させるように上記出口領域の内部の一つ以上の電極に第2の異なるポテンシャルが印加されてもよい。上記第2のポテンシャルは、好ましくは、上記出口領域が上記イオンガイドに沿って移動するように、上記イオンガイドに沿った連続する電極に順次印加される。
本発明によれば、上記複数の電極は、好ましくは、開口電極を含み、上記電極および上記電極の開口部は、好ましくは、上記開口部を通って上記イオンガイドの周りでイオンを誘導するように整列されている。各開口電極の上記開口部は、その端縁から上記電極内に、上記電極の端縁に開放端を有するように形成されたスロットであってもよい。少なくとも1つのゲート電極を各スロットの上記開放端に隣接して設けてもよく、イオンが上記出口領域の外部の上記イオンガイドの領域の上記スロットの上記開放端を出るのを阻止するために、上記ゲート電極に第1のポテンシャルを印加してもよい。イオンが上記出口領域で内部の上記イオンガイドの領域で上記スロットの上記開放端を出るのを許可するかまたは出させるように、上記ゲート電極に第2のポテンシャルをに印加してもよい。上記電極は、好ましくは、上記イオン誘導路の少なくとも一部分が、湾曲し、これにより曲率半径を有するように配置され、各スロットの最少寸法が上記半径に実質的に平行であり最大寸法が上記半径に実質的に垂直である。
本発明で使用される上記イオンガイドは、好ましくは、閉ループイオン誘導路を形成し、上記電圧勾配および出口領域は、好ましくは、上記イオンガイドの周りを移動する。
本発明によれば、直流電圧勾配は、イオンガイドに沿って維持される。好ましくは、イオンガイドの電極は、イオンガイドの縦軸に沿って軸方向に間隔が開けられており、異なる直流電圧は、直流電圧勾配を形成するために、軸方向に間隔が開けられている電極のうち異なる電極に印加される。直流電圧勾配領域は、好ましくは、比較的高いポテンシャルの第1電極から比較的低いポテンシャルの第2電極まで延びるイオンガイドの長さにわたって規定される。次第に小さくなる直流ポテンシャルは、好ましくは、電圧勾配を形成するために、第1電極と第2電極との間の電極に第1電極から第2電極に向かう方向に印加される。
実質的に均一な直流電圧勾配は、好ましくは、直流電圧勾配領域に沿って配置される。
イオンは、直流電圧勾配領域内でそのイオン移動度に応じて分離する。
好ましくは、直流電圧勾配は、任意の時間に、イオン誘導領域の実質的に全長にわたって、好ましくは出口領域を除いて配置される。
電極は、好ましくは、RF電圧が印加される時に、イオンガイドの縦軸に直交する方向にイオンを閉じ込めるように構成される。
電極は、好ましくは、好ましくは実質的に円形または楕円形である閉ループイオン誘導路が形成されるように配置される。
ドリフトガスは、好ましくは、イオンがそのイオン移動度に応じてイオンガイドに沿って付勢されるのに伴いドリフトガスを通って分離するように、イオンガイドに配置される。
出口領域を通ってイオンガイドを出るイオンは、好ましくは、さらなる分析および/または検出のために運び出される。
また、本発明は、イオンをそのイオン移動度に応じて分離する方法を提供し、円形または閉ループRFイオンガイドを提供するステップと、上記イオンガイドの周りでイオンに1サイクル以上受けさせるステップと、擬似ポテンシャル電圧によって、上記イオンを上記イオンガイド内に半径方向に保持するステップと、上記イオンガイドの一部分に沿って軸方向直流電圧勾配を維持するステップと、上記イオンガイドの周りを回転する回転イオン入口/出口を提供するステップとを含む。
また、本発明は、上述した方法のいずれかまたは組み合わせに従って、イオンを分離するステップを含む、質量分析の方法を提供する。
また、本発明は、イオン移動度分離器を提供し、該イオン移動度分離器は、
イオン誘導路を形成するように配置された複数の電極を有するイオンガイドと、
イオンを上記イオン誘導路内に閉じ込めるために、RF電圧を上記電極の少なくとも一部に供給するように配置および構成された装置と、
時間が経過すると、それに沿って上記直流電圧勾配が維持される上記イオンガイドの上記一部分が、上記イオンガイドに沿って移動するように、上記イオンガイドの縦軸の少なくとも一部に沿って直流電圧勾配を維持するように配置および構成された装置と、
使用において、イオンが異なる時間に異なる位置で上記イオンガイドを出るように、上記イオンガイドに沿って移動するイオン出口領域を提供するように配置および構成された装置とを備える。
また、本発明は、円形または閉ループRFイオンガイドであって、使用において、上記イオンガイドの周りでイオンに1サイクル以上受けさせ、イオンが擬似ポテンシャル電圧によって上記イオンガイド内で半径方向に保持される、円形または閉ループRFイオンガイドと、上記イオンガイドの一部分に沿って軸方向直流電圧勾配を維持するように配置および構成された装置と、使用において上記イオンガイドの周りを回転するイオン入口/出口とを備えるイオン分離度分離器を提供する。
使用において、上記軸方向直流電圧勾配は、好ましくは、上記イオンガイドの周りを進行する。
上記軸方向直流電圧勾配は、好ましくは、電圧勾配の高ポテンシャル端に向かう直流ポテンシャル障壁を有し、上記直流ポテンシャル障壁は、イオンが該直流ポテンシャル障壁を軸方向に通過するのを阻止する。
上記イオンガイドは、好ましくは、使用において、イオンが伝達される細長い開口部をそれぞれ有する複数の電極を備える。
イオン誘導路を形成する電極は、開口電極であるとして上で説明してきたが、電極の他の形状を、装置の周りでイオンを誘導するために用いてもよいとも考えられる。例えば、イオンガイドは、縦方向に複数のセグメントに分割されてもよく、各セグメントは、イオンを閉じ込め誘導するように配置および構成される複数の電極を備えてもよい。各セグメントは、好ましくは、上部電極、底部電極、およびその間に配置される複数のサイド電極を、それを通してイオンが誘導される上部電極、底部電極、およびサイド電極間の空間を規定するために備える。RFポテンシャルは、好ましくは、サイド電極に、該サイド電極間の方向の空間にイオンを閉じ込めるために印加される。直流ポテンシャルは、好ましくは、上部電極と底部電極との間の方向の空間にイオンを閉じ込めるために、上部電極および/または底部電極に印加される。さほど好ましくないが、RFポテンシャルは、上部電極および/または底部電極に、これらの電極間の方向の空間にイオンを閉じ込めるために印加される。
各セグメントは、上部電極と底部電極との間に配置されるサイド電極の複数の層を備えてもよい。各層は、好ましくは、その間にイオンを誘導するための空間を規定する2つの横方向に間隔があけられている電極を備える。各セグメントの底部電極も、好ましくは、2つの間隔が開けられた電極である。底部電極およびサイド電極は、好ましくは、電極の縦列間の空間を規定するために、縦列に積層される。上部電極、底部電極、およびサイド電極は、好ましくは、略平面的でありドリフトセルのセグメントを形成するためにドリフトセルの縦方向の周りに延びる。電極は、印刷回路基板から形成されてもよい。
イオンは、RFポテンシャルをサイド電極に印加することによって、サイド電極、上部電極および底部電極間の空間内に半径方向に閉じ込められてもよい。RF電源の同じ位相は、好ましくは、各層の2つのサイド電極に印加される。RF電源の異なる位相は、好ましくは、隣接する層のサイド電極に印加される。任意の所与の層のサイド電極には、好ましくは、隣接する層のサイド電極と逆のRF電圧位相が供給される。RFポテンシャルをサイド電極に印加することによって、イオンは、サイド電極間の空間内に横方向に閉じ込められる。RFポテンシャルは、空間内に縦方向にイオンを閉じ込めるために、上部電極および底部電極に印加されてもよい。しかしながら、直流ポテンシャルのみが、垂直方向にイオンを閉じ込めるために、上部電極および底部電極に印加されるのが好ましい。
直流電圧勾配は、好ましくは、ドリフトガスを通してイオンガイドの周りでドリフトするようイオンを付勢する軸方向電場を提供するために、電極の少なくとも一部に印加される。直流電圧勾配は、異なる直流電圧をドリフトセルの異なるセグメントの電極に供給することによって形成されてもよい。異なる直流電圧は、電圧勾配を形成するために、異なるセグメントの上部電極および/または底部電極に供給されてもよい。上記に加えてあるいは上記に代えて、異なる直流電圧は、電圧勾配を形成するために、異なるセグメントのサイド電極に供給されてもよい。例えば、次第に小さくなる直流電圧は、イオンをドリフト長に沿って駆動する電圧勾配を作成するために、ドリフトセルの周りの異なるセグメントの電極に印加されてもよい。次に、直流電圧圧勾配は、前述のように、装置の周りを移動してもよい。
イオンをイオンガイドの出口領域から抽出するのが望ましい場合には、出口領域で底部電極の1つ以上に印加されるポテンシャルは、イオンがサイド電極間の空間内にもはや閉じ込められないように変更されてもよい。むしろ、変更されたポテンシャルにより、イオンが、底部電極間で半径方向外方にかつ装置から外に駆動される。最初、底部電極に印加される直流ポテンシャルは、イオンが空間内に閉じ込められたままであるように、サイド電極に印加されるポテンシャル(例えば、その周りでRF電圧が振動する平均ポテンシャル)より高くてもよい。その後、イオンを出口領域から放出するのが望ましい場合には、出口領域の底部電極に印加される直流ポテンシャルは、サイド電極に対して低下してもよい。これにより、イオンは、底部電極間の装置から半径方向に放出される。その後、底部電極に印加されるポテンシャルは、イオンを空間内に半径方向に閉じ込めるために、その本来のポテンシャルまで回復されてもよい。
前述の実施形態におけるように、それからイオンが放出される出口領域は、電圧勾配領域と共に、イオンガイドの周りを移動する。従って、当然のことながら、イオンが移動出口領域から放出されるように、電圧勾配がイオンガイドの周りを移動するのに伴い、底部電極に印加されるポテンシャルが変動する。イオンガイドの周りの底部電極は、典型的には、イオンを空間内に保持するために、全て対応するサイド電極に対して比較的高いポテンシャルに維持されてもよい。好ましくは、出口領域の底部電極のみは、そのポテンシャルが、イオンを放出するために、対応するサイド電極に対して比較的低いポテンシャルまで下げられる。出口領域は、好ましくは、低ポテンシャルがイオンガイドの周りで底部電極に順次印加されるように、イオンガイドのセグメントの周りで低ポテンシャルを移動させることによって、イオンガイドの周りを移動する。低ポテンシャルは、出口領域が電圧勾配領域の端部に連設されるように、電圧勾配がイオンガイドの周りを移動する速度と同期する速度でイオンガイドの周りを移動してもよい。
イオン移動度分離器は、本明細書で上述した任意の好ましい方法のいずれか1つまたは組み合わせを行うように配置および構成されてもよい。
本発明は、上述したように、イオン移動度分離器を備える質量分析計も提供する。
一実施形態によれば、質量分析計は、
(a)(i)エレクトロスプレーイオン化(ESI)イオン源;(ii)大気圧光イオン化(APPI)イオン源;(iii)大気圧化学イオン化(APCI)イオン源;(iv)マトリックス支援レーザー脱離イオン化(MALDI)イオン源;(v)レーザー脱離イオン化(LDI)イオン源;(vi)大気圧イオン化(API)イオン源、(vii)シリコン上脱離イオン化(DIOS)イオン源;(viii)電子衝撃(EI)イオン源;(ix)化学イオン化(CI)イオン源;(x)電界イオン化(FI)イオン源;(xi)電界脱離(FD)イオン源;(xii)誘導結合プラズマ(ICP)イオン源;(xiii)高速原子衝撃(FAB)イオン源;(xiv)液化二次イオン質量分析(LSIMS)イオン源;(xv)脱離エレクトロスプレーイオン化(DESI)イオン源;(xvi)ニッケルー63放射性イオン源;(xvii)大気圧マトリクス支援レーザー脱離イオン化イオン源;(xviii)サーモスプレーイオン源;(xix)大気サンプリンググロー放電イオン化(ASGDI)イオン源;(xx)グロー放電(GD)イオン源;および(xxi)インパクタイオン源からなる群から選択されるイオン源;および/または
(b)1つ以上の連続またはパルスイオン源;および/または
(c)1つ以上のさらなるイオンガイド;および/または
(d)1つ以上のさらなるイオン移動度分離装置および/または1つ以上の電界非対称イオン移動度分光計装置;および/または
(e)1つ以上のイオントラップまたは1つ以上のイオントラップ領域;および/または
(f)(i)衝突誘起解離(CID)フラグメンテーション(断片化)装置;(ii)表面誘起解離(SID)フラグメンテーション装置;(iii)電子移動解離(ETD)フラグメンテーション装置;(iv)電子捕獲解離(ECD)フラグメンテーション装置;(v)電子衝突または電子衝撃解離フラグメンテーション装置;(vi)光誘起解離(PID)フラグメンテーション装置;(vii)レーザー誘起解離フラグメンテーション装置;(viii)赤外線誘起解離装置;(ix)紫外線誘起解離装置;(x)ノズル‐スキマインターフェースフラグメンテーション装置;(xi)イン‐ソースフラグメンテーション装置;(xii)イオン源衝突誘起解離フラグメンテーション装置;(xiii)熱源または温度源フラグメンテーション装置;(xiv)電場誘起フラグメンテーション装置;(xv)磁場誘起フラグメンテーション装置;(xvi)酵素消化または酵素分解フラグメンテーション装置;(xvii)イオン‐イオン反応フラグメンテーション装置;(xviii)イオン‐分子反応フラグメンテーション装置;(xix)イオン‐原子反応フラグメンテーション装置;(xx)イオン‐準安定イオン反応フラグメンテーション装置;(xxi)イオン‐準安定分子反応フラグメンテーション装置;(xxii)イオン‐準安定原子反応フラグメンテーション装置;(xxiii)イオンの反応により付加イオンまたはプロダクトイオンを形成するイオン‐イオン反応装置;(xxiv)イオンの反応により付加イオンまたはプロダクトイオンを形成するイオン‐分子反応装置;(xxv)イオンの反応により付加イオンまたはプロダクトイオンを形成するイオン‐原子反応装置;(xxvi)イオンの反応により付加イオンまたはプロダクトイオンを形成するイオン‐準安定イオン反応装置;(xxvii)イオンの反応により付加イオンまたはプロダクトイオンを形成するイオン‐準安定分子反応装置;(xxviii)イオンの反応により付加イオンまたはプロダクトイオンを形成するイオン‐準安定原子反応装置;および(xxix)電子イオン化解離(EID)フラグメンテーション装置からなる群から選択される1つ以上の衝突セル、フラグメンテーションセルまたは反応セル;および/または
(g)(i)四重極質量分析計;(ii)2次元または線形四重極質量分析計;(iii)ポール(Paul)または3次元四重極質量分析計;(iv)ぺニング(Penning)トラップ型質量分析計;(v)イオントラップ型質量分析計;(vi)磁場型質量分析計;(vii)イオンサイクロトロン共鳴(ICR)質量分析計;(viii)フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴(FTICR)質量分析計;(ix)静電またはオービトラップ型質量分析計;(x)フーリエ変換静電またはオービトラップ型質量分析計;(xi)フーリエ変換質量分析計;(xii)飛行時間型質量分析計;(xiii)直交加速飛行時間型質量分析計;および(xiv)線形加速飛行時間型質量分析計からなる群から選択される質量分析計;および/または
(h)1つ以上のエネルギー分析器または静電エネルギー分析器;および/または
(i)1つ以上のイオン検出器;および/または
(j)(i)四重極質量フィルタ;(ii)2次元または線形四重極イオントラップ;(iii)ポールまたは3次元四重極イオントラップ;(iv)ぺニングイオントラップ;(v)イオントラップ;(vi)磁場型質量フィルタ;(vii)飛行時間型質量フィルタ;および(viii)ウィーン(Wien)フィルタからなる群から選択される1つ以上の質量フィルタ;および/または
(k)イオンをパルス状にするための装置またはイオンゲート;および/または
(l)実質的に連続的なイオンビームをパルスイオンビームに変換するための装置
をさらに備えてもよい。
質量分析計は、
(i)C型トラップと外側樽形電極および同軸の内側紡錘形電極を備えるオービトラップ(RTM)質量分析計であって、第1動作モードで、イオンは、C型トラップに伝達され、次にオービトラップ(RTM)質量分析計に注入され、第2動作モードで、イオンは、C型トラップに、次に衝突セルまたは電子移動解離装置に伝達されて、少なくとも一部のイオンが、フラグメントイオンに断片化され、フラグメントイオンは、次にオービトラップ(RTM)質量分析計に注入される前にC型トラップに伝達される、質量分析計;および/または
(ii)使用においてイオンを透過させる開口部を各々有する複数の電極を備え、該電極の間隔がイオン通路の長さに沿って大きくなり、イオンガイドの上流部の電極の開口部が第1の直径を有し、イオンガイドの下流部の電極の開口部が第1の直径より小さい第2の直径を有し、交流電圧またはRF電圧の逆位相が、使用において連続する電極に印加される、積層リング型イオンガイド
のいずれかをさらに備えてもよい。
一実施形態によれば、質量分析計は、電極に交流(AC)電圧またはRF電圧を供給するように配置および構成された装置をさらに備える。交流電圧またはRF電圧は、好ましくは、(i)50V未満のピークピーク値;(ii)50〜100Vのピークピーク値;(iii)100〜150Vのピークピーク値;(iv)150〜200のピークピーク値;(v)200〜250Vのピークピーク値;(vi)250〜300Vのピークピーク値;(vii)300〜350Vのピークピーク値;(viii)350〜400Vのピークピーク値;(ix)400〜450Vのピークピーク値;(x)450〜500Vのピークピーク値;および(xi)500Vより大きいピークピーク値からなる群から選択される振幅を有する。
交流電圧またはRF電圧は、好ましくは、(i)100kHz未満;(ii)100〜200kHz;(iii)200〜300kHz;(iv)300〜400kHz;(v)400〜500kHz;(vi)0.5〜1.0MHz;(Vii)1.0〜1.5kHz;(viii)1.5〜2.0MHz;(ix)2.0〜2.5MHz;(x)2.5〜3.0MHz;(xi)3.0〜3.5MHz;(xii)3.5〜4.0MHz;(xiii)4.0〜4.5MHz;(xiv)4.5〜5.0MHz;(xv)5.0〜5.5MHz;(xvi)5.5〜6.0MHz;(xvii)6.0〜6.5MHz;(xvii)6.5〜7.0MHz;(xix)7.0〜7.5MHz;(xx)7.5〜8.0MHz;(xxi)8.0〜8.5MHz;(xxii)8.5〜9.0MHz;(xxiii)9.0〜9.5MHz;(xxiv)9.5〜10.0MHz;および(xxv)10.0MHzより大きい値からなる群から選択される周波数を有する。
好ましい実施形態は、装置に沿って移動する電圧勾配および出口領域を有するマルチパスイオン移動度分離器(IMS)に関する。該装置により、より広範囲な移動度を保持することができ、該装置は次に高移動度分解能で分析することができる。好ましい実施形態では、IMS装置は、閉ループの周りでイオンを誘導する。そのような装置の移動度分解能と対応できる移動度の範囲との間に相対関係がある。装置の分解能が高くなるほど(すなわち、イオンが装置の周りを循環する回数が多くなるほど)、電圧勾配上で保持することができる移動度の範囲が低くなる。移動出口領域および電圧勾配上のポテンシャル障壁を使用することによって、好ましい実施形態により、高移動度分解能範囲研究と完全移動度範囲研究とのいずれも達成することができる。
好ましい装置は、閉ループイオンガイドを形成する電極を備え、RF電極が、イオンをイオンガイドの周りで誘導することができるように、イオンを電極内に半径方向に閉じ込めるように電極に印加される。直流電圧勾配は、イオンを閉ループの周りで駆動するために、閉じ込めRF電圧に重畳され、それによってイオンをそのイオン移動度に応じて分離することができる。
直流電圧勾配は、好ましくは、閉ループの周りを進行し、移動度分離イオンの動きに追従する。時間の経過と共に、イオン種は移動度に依存して電圧勾配の端部に達する。イオンが電圧勾配の端部に達した時点で、イオンは、好ましくは、イオンガイドから抽出され、さらなる分析または検出のために運び出される。そのため、イオン出口領域は、好ましくは、閉ループの周りを進むのに伴い、電圧勾配の端点をたどる。ポテンシャル障壁を、ポテンシャル勾配の高電圧端または低電圧端で使用してもよく、それによりイオンはこれらの点で分離領域(すなわち電圧勾配領域)を出ないようになる。ポテンシャル勾配が装置の周りを循環する速度は、イオンが勾配に沿って分離し、最後に電圧勾配の高ポテンシャル端または低ポテンシャル端、すなわちポテンシャル障壁の対向端部を通り過ぎることによって装置を出るために、時間の経過と共に増減されてもよい。これらのイオンが電圧勾配を出るのに伴い、イオンは、好ましくは、更なる分析のために抽出され運び出される。ポテンシャル障壁を使用し、イオンガイドの周りの電圧勾配およびイオンガイドの周りの移動出口領域の循環の速度を変更することによって、広範囲の移動度を、高分解能で分析することができる。
本発明の様々な実施形態を、一例としてのみ添付の図面を参照して説明する。
異なる長さのドリフト領域に沿って同じ電界強度を維持するために、異なる長さのドリフト領域に印加されなければならない電圧の一例を示す。 円形ドリフト長を有するイオン移動度分離器を示す。 本発明の一実施形態の電極の配置の平面図を示す。 イオン出口領域の位置を示す実施形態の概略図を示す。 イオン出口領域の位置を別の時間で示す実施形態の概略図を示す。 図3A〜図3Cの実施形態の一部分の平面図を示す。 イオン分離行程中のこの部分に沿った直流電圧ポテンシャルプロファイルを示す。 イオン分離行程中の別の時間でこの部分に沿った直流電圧ポテンシャルプロファイルを示す。 図3A〜図3Cの実施形態の一部分の概略図を示し、イオンガイドの開口電極およびゲート電極を示す。 図5Bは、開口電極およびその対応するゲート電極に印加されるポテンシャルを、時間の関数として示す。 本発明の一実施形態の電極の配置の平面図を示す。 ドリフトセルを通る断面図を示す。
均一な電界強度を使用するイオン移動度分光計(MS)の分解能Rは、次の式で与えられる。

上記式において、tは装置のドリフト領域を通るイオンドリフト時間であり、tFWHMは、信号の半分の高さでのピーク幅であり、Lは、ドリフト領域の長さであり、Eは、電界強度であり、zは、分析されているイオン上の電荷数であり、eは、単位電子電荷であり、Vは、装置のドリフト領域前後のポテンシャル差であり(E=V/L)、kは、ボルツマン定数であり、Tは、ドリフト領域のドリフトガスの温度である。
IMS装置のドリフト領域前後のポテンシャル差Vを、装置の分解能を向上させるために大きくすることができることが、上記式から明らかである。しかしながら、ドリフト領域の固定長の前後のポテンシャル差を大きくした結果、最終的にドリフトガスの電気絶縁破壊が生じることになる。従って、装置の分解能をさらに上げるために、ドリフト領域Lをさらに長くする必要があると従来考えられている。しかしながら、ドリフト領域Lが長くなれば、より大きなポテンシャル差gを、より長いドリフト領域にわたって同じ電界強度を維持するためにドリフト領域の両端に与えられなければならない。
図1は、ドリフト領域の異なる長さに沿って同じ電界強度を維持するために、異なる長さのドリフト領域に印加されなければならない電圧の一例を示す。ドリフト領域のみが、長さLを有するなら、電圧Vは、ドリフト領域の出口で印加されてもよく、より高い電圧Vは、ドリフト領域両端に電場を与えるために、ドリフト領域の入口で印加されてもよい。電場は、イオンがドリフト領域を通過するのに伴い、ドリフトガスを通るそのイオン移動度に応じて分離するように、ドリフト領域に存在しているドリフトガスを通してイオンを駆動する。ドリフト領域の長さが2Lに倍増され、同じ電圧Vがドリフト領域の出口で印加される場合には、長さLのドリフト領域に沿って存在していたのと同じ電界強度を、長さ2Lのドリフト領域に沿って維持するために、ドリフト領域の入口で印加される電圧をVまで上げなければならない。同様に、ドリフト領域が3Lまで長くされ、同じ電圧Vがドリフト領域の出口で印加される場合には、長さLのドリフト領域に沿って存在していたのと同じ電界強度を、長さ3Lのドリフト領域に沿って維持するために、ドリフト領域の入口で印加される電圧をVまで上げなければならない。この従来の手法は、最終的に非常に長いドリフト領域、よって大きなIMS装置をもたらす。また、この従来の手法は、比較的長ドリフト領域に沿って所望の電界強度を達成するために、比較的大きなポテンシャル差の使用を必要とする。これを達成するために高絶対電圧を使用することによって、周囲に電気絶縁破壊が生じることがあり、このことは危険である。
図2は、物理的に大きなドリフト領域を提供しなければならないという上述の問題を克服するために設計されたIMS装置2を示す。IMS装置2は、連続円形形状として配置されるドリフト長に沿ってイオンを誘導するための電極を有するドリフトセルを備える。イオンは、入口領域6で装置に導入されてもよい。イオンが装置2に入った後、イオンは、電圧を装置の電極に印加することによって、イオンを装置のドリフト長の周りで移動させる。より詳細には、電圧勾配は、イオンがドリフト長に沿って付勢されるように、ドリフト長に沿って配置される。ドリフトガスは、ドリフト長に存在し、ドリフトガスによりイオンは、ドリフト長に沿って移動するのに伴いドリフトガスを通ってそのイオン移動度に応じて分離する。電圧勾配は、イオンがドリフトセル4の周りを移動するのに伴い分離し続けるようにイオンを電圧勾配領域内に維持しようとして、イオンがドリフトセル4の周りを移動するのに伴いドリフトセル4の周りを搬送される。装置は円形であるので、イオンおよび電圧勾配は、イオンにとって必要な全ドリフト長、ひいては所望のイオン移動度分解能を提供するのに必要とされるのと同じ回数、ドリフトセル4の周りを循環されてもよい。この後、イオンは、入口領域6と同じ位置にある出口領域6で装置2から抽出される。
そのような装置では、所与の実験で分析することができるイオン移動度の範囲は、電圧勾配領域の物理長および移動度分離実験の時間的長さによって判定される。例えば、電圧勾配が、該電圧勾配に変化がない場合に最も低い移動度のイオン種が電圧勾配の下方に移動するのと同じ速度で装置2の周りを進行するなら、最も低いイオン移動度のイオン種は、電圧勾配が装置2の周りを循環するのに伴い電圧勾配に対する一定の位置に留まる。それと対照的に、最も高い移動度のイオン種は、電圧勾配の下方に移動し、最終的に電圧勾配の低ポテンシャル端に達する。いったんこれらのイオンが低ポテンシャル端に達した時に、この種についてさらなる移動度分離は生じない。これらのイオンが、電圧勾配の低ポテンシャル端に達した時に装置2の出口領域6になければ、イオンが出口領域6に達するまで電圧勾配が装置2の周りをさらに循環する必要がある期間がある。この期間中、最も高い移動度のイオンより低い移動度のイオンは、電圧勾配の下方に移動し続け、電圧勾配の低ポテンシャル端に達して、最も高い移動度のイオンと再合体することもある。この結果、装置2内で移動度分離が失われる。イオンが装置2の周りを多数回循環するモードで装置2が動作される場合には、この問題が悪化することがある。
上述の配置では、電圧勾配が、ドリフトセル4の周りを循環する速度を興味のあるイオン移動度範囲に変化させることによって、比較的小さい範囲のイオン移動度に対して比較的高い分解能を提供することが可能である。興味のある範囲より低い移動度を有するイオン種は、勾配がドリフトセルの周りを循環するように、電圧勾配の高ポテンシャル端に向かって移動し、これらのイオンは、最終的に高ポテンシャル端から電圧勾配領域を出る。興味のある範囲を越える移動度を有するイオン種は、電圧勾配がドリフトセルの周りを循環するのに伴い電圧勾配の低ポテンシャル端に向かって移動し、最終的に低ポテンシャル端から電圧勾配領域を出て他のイオンと再合体する。興味のあるイオンは、電圧勾配の低ポテンシャル端に向かってドリフトするのに伴い、所望の態様で分離する。従って、この技術は、適正な分解能で分析することができるイオン移動度の範囲に制限される。
図3A〜図3Cは、本発明によるドリフトセルの好ましい実施形態を示す。図3Aは、ドリフトセル4の基本的な電極構造の平面図を示し、図3Bおよび3Cは、異なる2時点で動作しているドリフトセルの概略図を示す。図3Aを参照して、ドリフトセル4は、円形に各電極8がドリフトセル4の中心から半径方向外方に延びる平面内にあるように配置された複数の平面的な開口電極8から形成されてもよい。連続する電極8の開口部10を通って、よってドリフトセル4の周りでイオンを誘導するために、電圧が電極に印加される。より詳細には、イオンを半径方向に閉じ込め電極8の開口部10を通るイオン誘導路を提供するために、RF電圧が電極8に印加されてもよい。ドリフトセル4の交互の電極8は、好ましくは、RF電源の異なる位相で印加される。ドリフトセル4の交互の電極8は、好ましくは、RF電源の対向位相で印加され、すなわち、所与の電極8が0度のRF位相にある場合には、隣接する電極8は、好ましくは180度にある。直流電圧勾配は、電極8に印加され、ドリフトガスを通ってドリフトセル4の周りをドリフトするようイオンを付勢する軸方向電場を提供するために、RF電圧に重畳される。
図3Aに示す例では、電極は、比較的高い電圧Vで維持され、隣接する電極は、比較的低い電圧Vで維持される。これは、高電圧Vでは電極から離れて低電圧Vでは電極に向かって時計回りでドリフトセル4の周りを通過するように、イオン上に力を与える。2つの電極間で小さくなる電圧勾配を維持するために、VおよびVで保持された2つの電極間に配置される電極8の少なくとも一部には、好ましくは直流ポテンシャルも印加される。例えば、イオンをドリフト長に沿って駆動する電圧勾配を作成するために、次第に小さくなる直流電圧がドリフトセル4の周りで電極に印加されてもよい。直流電圧勾配は、ドリフトセル4を形成する電極に結合され、その周りにポテンシャル差が与えられる抵抗チェーンを用いて発生されてもよい。電圧勾配は、ドリフト領域を通してイオンを駆動し、イオンをそのイオン移動度に応じて分離させる。当然のことながら、装置の周りで正イオンを付勢するための減少電圧勾配を説明してきたが、装置の周りで負イオンを付勢するために増加電圧勾配を用いてもよい。
上記例では、装置に印加される直電圧勾配は、ドリフト領域の実質的に全長に沿って配置される。代わりに、直流ポテンシャル差は、ドリフト領域の長さの一部分のみに沿って配置されてもよい。
上述したように、ドリフトセル4に沿って直流電圧勾配および軸方向電場領域を形成するために、直流電圧がドリフトセルを形成する電極に印加される。次に、これらの直流電圧が印加される電極8は、直流電圧勾配が維持される長さがドリフトセル4の周りを移動するように、好ましくはイオンがドリフトセルの周りを通過するのに伴い、イオンの少なくとも一部が、装置を出るまで電場領域内に常に留まるように、時間の経過と共に変化する。このことは、イオンがドリフトセル4の周りを通過するのに伴い均一な電界強度を受けることを保証する。イオンがドリフトセル4の周りを循環するのに伴い直流電圧勾配が多数回ドリフトセル4の周りを循環することができる。このように、ドリフトセル4の周りを循環する直流電圧勾配を与えることによって、物理的に大きなドリフト領域を提供する必要なく、比較的長いドリフト通路に沿ってイオンを移動させることができる。軸方向直流電圧勾配は、単極8のステップで、あるいは多極8のステップで装置の周りで次第に階段状にされてもよい。しかしながら、それによって装置の周りで電圧勾配に階段状にされる電極8の数を増やすことにより、軸方向電場領域に保持することができるイオン移動度の範囲が効果的に小さくなる。
イオンは、ドリフト領域を通過するのに伴い分離し、イオンは、高イオン移動度から低イオン移動度の順序で電圧勾配の低ポテンシャル端に向かって移動する。イオンが、電圧勾配の低ポテンシャル端に達した時に、これらのイオンが他のイオンと再び合体しないように、イオンをドリフトセルから抽出するのが望ましい。従って、イオンは、好ましくは、それが電圧勾配の低ポテンシャル端に達した時点で抽出される。電圧勾配がドリフトセル4の周りを循環するのに伴い、移動度の高いイオンが、より低い移動度のイオンとは異なる時間に電圧勾配の低ポテンシャル端に達するのに伴い、ドリフトセル4の出口領域6も、ドリフトセル4の周りを循環する。
図3Bは、比較的高い移動度のイオンが、電圧勾配の低ポテンシャル端12に達し出口領域6でドリフトセル4を出ている第1の時点でのドリフトセル4を示す。電圧勾配は、ドリフトセル4の周りでは線14で表され、高ポテンシャル端16から低ポテンシャル端12まで延びる。図3Cは、比較的低い移動度のイオンが、電圧勾配14の低ポテンシャル端12に達し出口領域6でドリフトセル4を出ている後の第2の時点でのドリフトセル4を示す。図3Bおよび3Cから分かるように、出口領域6は、任意の所与のイオンを、電圧勾配14の低ポテンシャル端12に達した時点で抽出することができるように、時間の経過と共にドリフトセル4の周りを移動している。抽出されるイオンは、さらなる分析および/または検出のために運び出されてもよい。そのため、勾配14の低ポテンシャル端12に達するイオンは、他のイオンと再び合体せず、その移動度分離を、保持および記録することができる。
分離され抽出されるのが望ましいイオン移動度によっては所望される分解能によっては、電圧勾配14がドリフトセル4の周りを移動する速度を選択する必要がある。例えば、電圧勾配14が比較的高い速度でドリフトセル4の周りを移動する場合に、比較的低い移動度のイオンは、高ポテンシャル端16で電圧勾配領域14を出てもよい。電圧勾配領域14内の比較的低い移動度のイオンを保持し、イオンを電圧勾配領域14で分離させるために、電圧勾配領域14がドリフトセル4の周りを移動する速度を、移動度の低いイオンがドリフトセル4の周りを移動する速度より低くなるように設定する必要がある。他方、電圧勾配14が比較的低い速度でドリフトセル4の周りを移動するなら、比較的高い移動度のイオンは、ドリフトセル4を通って比較的短い距離しか移動していなかったので、低ポテンシャル端12で電圧勾配領域14を出てもよくドリフトセル4を出てもよい。この結果、これらのイオンについて分解能が比較的低くなる。比較的幅広い範囲の移動度を有するイオンの分析を改良する動作モードを、図4A〜図4Cに関連して説明する。
図4Aは、図3A〜図3Cのドリフトセル4の一部分を示す。図4Bおよび図4Cは、イオン分離行程中の異なる時間にドリフトセル4のこの部分に沿った直流ポテンシャルプロファイルを示す。前述したように、直流電圧は、ドリフトセル4の周りに直流電圧勾配を形成するために電極8に印加される。この勾配は、図4Bで見ることができ、高電圧端Vから定電圧端Vまで(上方から見ると)ドリフトセル4の周りで時計回りに延びる。直流ポテンシャル障壁18は、電圧勾配の高ポテンシャル端Vにも提供される。このポテンシャル障壁18は、任意のイオンが電圧勾配領域の高ポテンシャル端Vから電圧勾配領域を出ないように構成される。そのため、電圧勾配に変化がない場合に、イオンが電圧勾配の下方にドリフトする速度より速い速度で電圧勾配領域がドリフトセル4の周りを移動しても、これらのイオンは、高ポテンシャル端Vで電圧勾配領域を出ることができない。図4Bは、電圧勾配が比較的高速でドリフトセル4の周りを時計回りに移動している第1の時点でのイオンの位置および電圧勾配を示す。移動度の低いイオンは、暗サイクルで表され、移動度の高いイオンは、光サイクルで表される。図4Bに示した時間には、電圧勾配があまりにも速く移動しているので、移動度の高いイオンまたは移動度の低いイオンは電圧勾配を下方に移動することができない。むしろ、イオンは、その背後に位置する電極障壁18によってドリフトセルの周りに追いやられる。
図4Cは、電圧勾配がドリフトセル4の周りを移動している速度が下げられた後の時点でのイオンの位置および電圧勾配を示す。(電圧勾配によって生じる)ドリフトセル4の周りの移動度の高いイオンのドリフト速度が、電圧勾配がドリフトセル4の周りを移動している速度より高いように、電圧勾配の速度をある範囲まで下げている。そのため、移動度の高いイオンは、電圧勾配の低ポテンシャル端Vに向かって移動し始める。他方、電圧勾配の速度は、電圧勾配に変化がない場合には、移動度の低いイオンが電圧勾配に沿ってドリフトする速度より高いままである。そのため、移動度の低いイオンは、ポテンシャル障壁18に隣接したままであり、ポテンシャル障壁18によってドリフトセル4の周りに追いやられる。従って、電圧勾配がドリフトセル4の周りを移動する速度を下げることによって、移動度の高いイオンは、電圧勾配の低ポテンシャル端Vに達した時に他のイオンから分離しドリフトセル4を出ることができる。高分解能を達成するために、移動度の高いイオンが、該イオンがドリフトセル4を出る前に電圧勾配領域内でドリフト領域の周りを比較的長い距離、例えば、ドリフトセル4の周りを複数サイクル移動するように、電圧勾配の速度は十分高いままである。より低いイオン移動度のイオンは、ポテンシャル障壁18によって電圧勾配領域の高ポテンシャル端Vを出ないようになっているので、高速電圧勾配領域から失われない。
その後、電圧勾配がドリフトセル4の周りを移動する速度を、より低い移動度のイオンが電圧勾配の下方にポテンシャル障壁18から離れてドリフトし始めるように、さらに下げてもよい。次に、これらのより低い移動度のイオンは、電圧勾配の低ポテンシャル端Vまで通過し、低ポテンシャル端Vに達した時にドリフトセル4を出ることができる。さらにその後、電圧勾配がドリフトセル4の周りを移動する速度を、さらに低い移動度のイオンが電圧勾配の下方にポテンシャル障壁18から離れてドリフトし始めるように、さらにもっと下げてもよい。また、次に、これらのイオンは、電圧勾配の低ポテンシャル端Vまで通過し、低ポテンシャル端Vに達した時にドリフトセル4を出ることができる。このようにして、移動度の範囲を包含しているイオン種の全てを、高分解能で分離することができる。分解能は移動度によって異なることに注目されたい。
電圧勾配がドリフトセル4の周りを移動する速度は、線形または非線形で減速されてもよいと考えられる。例えば、電圧勾配は、連続的かつ漸進的に減速されるかまたは不連続に速度が漸減されてもよい。
上記に代わる動作モードでは、ポテンシャル障壁18は、高ポテンシャル端Vではなく電圧勾配の低ポテンシャル端Vに配置されてもよい。電圧勾配は、最初は変化がなくてもよくまたはドリフトセル4の周りを比較的遅い速度で移動してもよい。そのため、全てのイオンは、ポテンシャル障壁18に向かって電圧勾配の下方に付勢され、ポテンシャル障壁18に隣接して捕捉される。分離を実行するために、ドリフトセル4の周りの移動度の低いイオンのドリフト速度が、電圧勾配がドリフトセル4の周りを移動している速度より低いように、電圧勾配の速度をある程度まで(電圧勾配の高ポテンシャルから低ポテンシャルの方向に)上げている。そのため、移動度の低いイオンは、電圧勾配の高ポテンシャル端Vに向かって移動し始める。他方、電圧勾配の速度は、電圧勾配に変化がない場合には、より高い移動度のイオンが電圧勾配に沿ってドリフトする速度より低いままである。そのため、より高い移動度のイオンは、電圧勾配領域がドリフトセル4の周りを移動するのに伴い、電圧勾配によってポテンシャル障壁18に押し付けられたままである。従って、電圧勾配がドリフトセル4の周りを移動する速度を上げることによって、移動度の低いイオンは、電圧勾配の高ポテンシャル端Vに達した時に他のイオンから分離しドリフトセル4を出ることができる。高分解能を達成するために、移動度の低いイオンが、該イオンが高電圧端Vに達しドリフトセル4を出る前に電圧勾配領域内でドリフト領域の周りを比較的長い距離、例えばドリフトセルの周りを複数サイクル移動するように、電圧勾配の速度は十分低いままである。移動度の高いイオンは、ポテンシャル障壁18によって電圧勾配領域の低ポテンシャル端Vを出ないようになっているので、低速電圧勾配領域から失われない。
その後、電圧勾配がドリフトセル4の周りを移動する速度を、より高い移動度のイオンが電圧勾配の上方にポテンシャル障壁18から離れてドリフトし始めるように、さらに上げてもよい。次に、これらのより高い移動度のイオンは、電圧勾配の高ポテンシャル端Vまで通過し、高ポテンシャル端Vに達した時にドリフトセル4を出ることができる。さらにその後、電圧勾配がドリフトセル4の周りを移動する速度を、さらに高い移動度のイオンが電圧勾配の上方にポテンシャル障壁18から離れてドリフトし始めるように、さらにもっと上げてもよい。また、次に、これらのイオンは、電圧勾配の高ポテンシャル端Vまで通過し、高ポテンシャル端Vに達した時にドリフトセル4を出ることができる。このようにして、移動度の範囲を包含しているイオン種全てを、高分解能で分離することができる。また、分解能は移動度によって異なる。
電圧勾配がドリフトセル4の周りを移動する速度は、線形または非線形で加速されてもよいと考えられる。例えば、電圧勾配は、連続的かつ漸進的に加速されるかまたは不連続に速度が漸増されてもよい。
図5Aおよび図5Bは、イオンが電圧勾配の端部に達した時にそれによってドリフトセル4から放出されてもよい態様を示す。図5Aは、ドリフトセル4の区域を形成する電極の概略図を示す。ドリフトセル4は、円形に、各電極8a,8bがドリフトセル4の中心から半径方向外方に延びる平面内にあるように配置された複数の平面的な開口電極8aおよび平面的なゲート電極8bから形成される。この例では、開口電極8aは、溝付き開口部10を有し、スロットは各電極8aの端縁内に形成される。連続する電極8aの開口部10を通って、よってドリフトセル4の周りでイオンを誘導するために、電圧が電極8aに印加される。より詳細には、イオンを半径方向に閉じ込め電極8aの開口部10を通るイオン誘導路を提供するために、RF電圧を電極8aに印加してもよい。ドリフトセル4の交互の電極8aは、好ましくはRF電源の異なる位相で印加される。ドリフトセル4の交互の電極8aは、好ましくはRF電源の逆位相で印加されてもよい、すなわち所与の電極8aが0度のRF位相にある場合には、隣接する電極8aは、好ましくは180度である。
開口電極8aの構成は、スロットがその内に形成される半径方向端縁でイオンを閉じ込めない。むしろ、2つのゲート電極8bは、各開口電極8aの溝付き開口部に隣接して配置される。ゲート電極8bは、一般的に、開口電極8a内のイオンがスロット10の開放側を半径方向外方に通過することができないようにあるポテンシャルに維持される。例えば、ゲート電極8bは、それらに対応する開口電極8よりわずかに高いポテンシャルに保持される。
直流電圧勾配は、開口電極8aの少なくとも一部に印加され、好ましくはドリフトガスを通してドリフトセル4の周りでドリフトするようイオンを付勢する軸方向電場を提供するためにRF電極に重畳される。
ドリフトセル4の出口領域6からイオンを抽出するのが望ましい場合には、出口領域6の1つ以上のゲート電極8bに印加されるポテンシャルは、イオンが出口領域6の開口電極8a内にもはや閉じ込められないように変更される。むしろ、変更されたポテンシャルにより、イオンは、ゲート電極8b間で装置4から外に、開口電極8aのスロット10の開放側を通して半径方向外方に駆動される。図5Bは、開口電極8aおよびゲート電極8bに印加される直流ポテンシャルの例を時間の関数として示す。開口電極8aに印加される直流ポテンシャルを、実線で示す。これは、その周りでRF半径方向閉じ込め電圧が振動する平均ポテンシャルであってもよい。ゲート電極8bに印加される直流ポテンシャルを、破線で示す。最初、ゲート電極8bに印加される直流ポテンシャルは、イオンが開口電極8a内に閉じ込められたままであるように、開口電極8aに印加される直流ポテンシャルより高い。その後、ドリフトセル4の出口領域6からイオンを放出するのが望ましい場合には、出口領域6のゲート電極8bに印加されるポテンシャルは、対応する開口電極8aに対して低下する。これにより、イオンは、ゲート電極8b間でドリフトセル4から外に、開口電極8aのスロット10の開放側から半径方向に放出される。その後、ゲート電極8bに印加されるポテンシャルは、イオンを開口電極8a内に半径方向に閉じ込めるために、その本来のポテンシャルまで回復される。
特に図3Bおよび図3Cに関連して前述したように、イオンがドリフトセル4から放出される出口領域6は、電圧勾配領域14と共に、ドリフトセル4の周りを移動する。特に、出口領域6は、好ましくは電圧勾配の低ポテンシャル端12が位置するドリフトセル4の領域に位置したままである。上述した方法の他方では、出口領域6は、好ましくは電圧勾配の高ポテンシャル端16が位置するドリフトセル4の領域に位置したままである。従って、当然のことながら、ゲート電極8bに印加されるポテンシャルは、イオンが移動出口領域6から放出されるようにドリフトセル4の周りを移動するのに伴い変動する。ドリフトセル4の周りのゲート電極8bは、典型的には、イオンを開口電極8aに保持するために、全て対応する開口電極8aに対して比較的高いポテンシャルに維持される。出口領域6のゲート電極8bのみは、そのポテンシャルが、イオンを放出するためにそれに対応する開口電極8aに対して比較的低いポテンシャルまで低下する。出口領域6は、低ポテンシャルがドリフトセル4の周りでゲート電極8bに順次印加されるように、ドリフトセルの周りで低ポテンシャルを移動させることによってドリフトセル4の周りを移動する。低ポテンシャルは、出口領域6が電圧勾配領域14の端部に連接されるように、電圧勾配がドリフトセル4の周りを移動する速度と同期する速度でドリフトセルの周りを移動する。
ドリフトセルを形成する電極を開口電極であるとして説明してきたが、他の電極形状が、ドリフトセルの周りでイオンを誘導するために用いられてもよいとも考えられる。
図6Aは、ドリフトセル4における電極の配置の好ましい実施形態を平面視で示す。ドリフトセル4は円形に配置される複数の開口電極8から形成されるのではなく、ドリフトセルは、セグメント20に分割され、図6Bに示すように、各セグメント20は、複数の電極層を備える。
図6Bは、図6Aのセグメント20の1つを通る断面図を示す。各セグメント20は、上部電極22、底部電極24、およびその間に配置された複数の電極層26から形成される。各層は、これらの電極26がサイド電極を形成するように配置される2つの横方向に間隔があいている電極26を備える。底部電極24もまた横方向に間隔があいている。サイド電極26および底部電極24は、サイド電極26の縦列間および上部電極22と底部電極24との間の空間28を規定するために縦列に積層される。上部電極22、底部電極24、およびサイド電極26は、図6Aに示すように、ドリフトセル4のセグメント20を形成するために略平面的でありドリフトセルの縦方向の周りに延びる周りに延びる。平面的な電極22,24,26は、使用において、イオンが移動する平面内を延びる。
イオンは、サイド電極26と上部電極22と底部電極24との間の空間28内に半径方向に閉じ込められる。この閉じ込めを達成するために、RFポテンシャルは、サイド電極26に印加される。RF電源の同位相は、好ましくは各層のサイド電極26に印加される。RF電源の異なる位相は、好ましくは隣接する層のサイド電極26に印加される。任意の所与の層のサイド電極26には、好ましくは隣接する層のサイド電極26と逆RF電圧位相が供給される。RFポテンシャルをサイド電極26に印加することによって、イオンは、サイド電極26間の空間内に半径方向に閉じ込められる。RFポテンシャルは、イオンを垂直方向の空間28内に閉じ込めるために、上部電極22および底部電極24に印加されてもよい。しかしながら、イオンを垂直方向に閉じ込めるために、直流ポテンシャルのみが上部電極22および底部電極24に印加されるのが好ましい。
ドリフトセル4が、開口電極8を有する前述の実施形態と異なる電極構成を有するが、ドリフトセル4の動作は実質的に同じである。直流電圧勾配は、ドリフトガスを通してドリフトセル4の周りでドリフトするようイオンを付勢する軸方向電場を提供するために電極の少なくとも一部に印加される。直流電圧勾配は、異なる直流電圧をドリフトセル4の異なるセグメント20の電極に供給することによって形成されてもよい。異なる直流電圧は、電圧勾配を形成するために、異なるセグメント20の上部電極22および/または底部電極24に供給されてもよい。上記に加えてあるいは上記に代えて、異なる直流電圧は、電圧勾配を形成するために、異なるセグメント20のサイド電極26に供給されてもよい。例えば、次第に小さくなる直流電圧は、ドリフト長に沿ってイオンを駆動する電圧勾配を作成するために、ドリフトセル4の周りで異なるセグメント20の電極に印加されてもよい。先の実施形態に関連して説明したように、直流電圧勾配は、次にイオンと共に装置の周りで移動してもよい。
ドリフトセル4の出口領域6からイオンを抽出するのが望ましい場合には、出口領域6の1つ以上の底部電極24(すなわちゲート電極)に印加されるポテンシャルは、イオンがサイド電極26間の空間28内にもはや閉じ込められないように変更される。むしろ、変更されたポテンシャルにより、イオンは底部電極24間で半径方向外方にかつ装置4から外に駆動される。最初に、底部電極24に印加される直流ポテンシャルは、イオンが空間28内に閉じ込められたままであるように、サイド電極26に印加される直流ポテンシャルより高い。その後、ドリフトセル4の出口領域6からイオンを放出するのが望ましい場合には、出口領域6の底部電極24に印加される直流ポテンシャルは、サイド電極26に対して低下する。これにより、イオンは、底部電極24間の装置から半径方向に放出される。その後、底部電極24に印加されるポテンシャルは、イオンを空間28内に半径方向に閉じ込めるために、その本来のポテンシャルまで回復される。
前述した実施形態におけるように、イオンがドリフトセル4から放出される出口領域6が、電圧勾配領域14と共に、ドリフトセル4の周りを移動する。従って、当然のことながら、底部電極24に印加されるポテンシャルは、イオンが移動出口領域6から放出されるようにドリフトセル4の周りを移動するのに伴い変動する。ドリフトセル4の周りの底部電極24は、典型的には、イオンを空間28に保持するために、全て対応するサイド電極26に対して比較的高いポテンシャルに維持される。出口領域6の底部電極24のみは、そのポテンシャルが、イオンを放出するためにそれに対応するサイド電極26に対して比較的低いポテンシャルまで低下する。出口領域6は、低ポテンシャルがドリフトセル4の周りで底部電極26に順次印加されるように、ドリフトセルの周りで低ポテンシャルを移動させることによってドリフトセル4の周りを移動する。低ポテンシャルは、出口領域が電圧勾配領域14の端部に連設されるように、電圧勾配がドリフトセル4の周りを移動する速度と同期する速度でドリフトセル4の周りを移動する。
本発明を好ましい実施形態を参照して説明してきたが、添付の特許請求範囲に記載の発明の範囲から逸脱することなく、様々な形状および詳細の変更がなされてもいいということが当業者によって理解されよう。
例えば、ドリフトセル4は、連続イオン誘導路が形成される限り、円形である必要がなく、任意の他の形状であってもよい。さほど好ましくない実施形態においては、イオン誘導路が連続的でなくてもよいとも考えられる。

Claims (25)

  1. イオンをそのイオン移動度に応じて分離する方法であって、
    イオン誘導路を形成するように配置された複数の電極を有するイオンガイドを提供するステップと、
    イオンを前記イオン誘導路内に閉じ込めるために、前記電極の少なくとも一部にRF電圧を供給するステップと、
    直流電圧勾配を前記イオン誘導路の少なくとも一部分に沿って維持するステップであって、前記直流電圧勾配は、イオンがイオンガイドを通過するとそのイオン移動度に応じて分離するように、イオンガイドに沿ってイオンを付勢し、前記イオンガイドの前記一部分であって、当該一部分に沿って前記直流電圧勾配が維持される前記イオンガイドの前記一部分は、時間が経過すると前記イオンガイドに沿って移動するステップと、
    イオンがイオン出口領域の前記複数の電極の1つ以上の電極によって閉じ込められないように、前記複数の電極の前記1つ以上の電極に供給される電圧を変更するステップであって、前記イオン出口領域は、イオンが異なる時間に異なる位置で前記イオンガイドを出るように、前記イオンガイドに沿って移動するステップとを含む方法。
  2. 前記直流電圧勾配は、第1の高ポテンシャル端、及び、第2の低ポテンシャル端を有し、
    前記方法は、前記直流電圧勾配を、前記直流電圧勾配の前記第1の高ポテンシャル端から前記第2の低ポテンシャル端に向かう方向に対応する方向に、前記イオンガイドに沿って移動させるステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記直流電圧勾配は、第1の高ポテンシャル端、及び、第2の低ポテンシャル端を有し、
    前記直流電圧勾配および前記イオン出口領域は、前記イオン出口領域が前記直流電圧勾配の前記第2の低ポテンシャル端に留まり、イオンが前記直流電圧勾配の前記第2の低ポテンシャル端に達した時に前記イオンがイオンガイドを出るように時間の経過と共に前記イオンガイドに沿って移動する、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記直流電圧勾配は、第1の高ポテンシャル端、及び、第2の低ポテンシャル端を有し、
    前記方法は、前記直流電圧勾配が前記イオンガイドに沿って移動するのに伴い、前記直流電圧勾配の前記第1の高ポテンシャル端に、イオンが前記直流電圧勾配の前記第1の高ポテンシャル端から前記直流電圧勾配領域から出るのを阻止するためのポテンシャル障壁を提供するステップをさらに含む、請求項1、2または3に記載の方法。
  5. イオンが前記ポテンシャル障壁に隣接して存在して、前記直流電圧勾配の下方に移動しないように、第1の高い速度で前記イオンガイドに沿って前記直流電圧勾配を移動させ、次にイオンが前記ポテンシャル障壁から離れて前記直流電圧勾配の下方に移動して、イオン移動度に応じて分離するように、前記直流電圧勾配が前記イオンガイドに沿って移動する速度を第2の低い速度まで下げるステップを含む、請求項4に記載の方法。
  6. 前記直流電圧勾配が前記第1の高い速度で移動している場合には、イオン移動度の高いイオンおよびイオン移動度の低いイオンを、前記ポテンシャル障壁に隣接して存在させ、前記直流電圧勾配が前記第2の低い速度で移動している場合には、イオン移動度の低いイオンを、前記ポテンシャル障壁に隣接して存在させるが、高移動度のイオンは、前記直流電圧勾配の下方に移動させて、イオン移動度に応じて分離させる、請求項5に記載の方法。
  7. イオン移動度の低い前記イオンが前記直流電圧勾配の下方に移動して、イオン移動度に応じて分離するように、前記直流電圧勾配が前記イオンガイドの周りを移動している前記速度を前記第2の低い速度より低い第3の速度まで下げるステップをさらに含む、請求項6に記載の方法。
  8. 前記イオンガイドは、閉ループイオン誘導路を形成し、前記直流電圧勾配の前記速度は、イオン移動度の高い前記イオンおよび/またはイオン移動度の低い前記イオンが前記直流電圧勾配の下方に移動する間に前記イオンガイドの周りで複数サイクル駆動されるように選択される、請求項6または7に記載の方法。
  9. 前記直流電圧勾配は、第1の高ポテンシャル端、及び、第2の低ポテンシャル端を有し、
    前記方法は、イオンが前記直流電圧勾配の前記第2の低ポテンシャル端から、前記直流電圧勾配領域から出るのを阻止するためのポテンシャル障壁を、前記直流電圧勾配の前記第2の低ポテンシャル端に提供するステップをさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
  10. イオンが前記直流電圧勾配によって前記ポテンシャル障壁に向かう方向に押されるように、前記直流電圧勾配を一定に保持するか、または前記直流電圧勾配を第1の低い速度で前記イオンガイドに沿って移動させ、次にイオンが前記直流電圧勾配の上方に移動して、イオン移動度に応じて分離し始めるように、前記直流電圧勾配が前記イオンガイドに沿って移動する速度を第2の高い速度まで上げるステップを含む、請求項9に記載の方法。
  11. 前記直流電圧勾配が一定であるか、または前記第1の低い速度で移動している場合には、イオン移動度の高いイオンおよびイオン移動度の低いイオンを、前記ポテンシャル障壁に隣接して存在させ、前記直流電圧勾配が前記第2の高い速度で移動している場合には、イオン移動度の高いイオンを、前記ポテンシャル障壁に隣接して存在させるが、イオン移動度の低いイオンは、前記第1の高ポテンシャル端の方に向かって前記直流電圧勾配の上方に移動させて、イオン移動度に応じて分離させる、請求項10に記載の方法。
  12. イオン移動度の高い前記イオンが前記直流電圧勾配の上方に移動して、イオン移動度に応じて分離し始めるように、前記直流電圧勾配が前記イオンガイドの周りを移動する速度を前記第2の高い速度より高い第3の速度まで上げるステップをさらに含む、請求項11に記載の方法。
  13. 前記イオンガイドは、閉ループイオン誘導路を形成し、前記直流電圧勾配の前記速度は、イオン移動度の高い前記イオンおよび/またはイオン移動度の低い前記イオンが前記直流電圧勾配の上方に移動する間に、前記イオンガイドの周りで複数サイクル駆動されるように選択される、請求項11または12に記載の方法。
  14. 前記イオン出口領域は、前記直流電圧勾配の前記第1の高ポテンシャル端で維持されるように前記イオンガイドに沿って移動し、前記イオンは、前記直流電圧勾配の上方に移動して、前記第1の高ポテンシャル端で前記イオンガイドを出る、請求項10〜〜13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 第1のポテンシャルは、イオンを半径方向に閉じ込めるために前記イオン出口領域の外部の前記電極に印加され、第2の異なるポテンシャルは、イオンが前記イオンガイドを出るのを許可するかまたは出させるために前記イオン出口領域の内部の一つ以上の電極に印加される、請求項1に記載の方法。
  16. 前記第2の異なるポテンシャルは、前記イオン出口領域が前記イオンガイドに沿って移動するように、前記イオンガイドに沿った連続する電極に順次印加される、請求項15に記載の方法。
  17. 前記複数の電極は、開口電極を含み、前記電極および前記電極の開口部は、前記開口部を通って前記イオンガイドの周りでイオンを誘導するように整列されている、請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 各開口電極の前記開口部は、前記電極の端縁に開放端を有するように前記電極の前記端縁から前記電極内に延びるスロットである、請求項17に記載の方法。
  19. 少なくとも1つのゲート電極を各スロットの前記開放端に隣接して設け、イオンが前記イオン出口領域の外部の前記イオンガイドの領域で前記スロットの前記開放端を出るのを阻止するために、前記ゲート電極に第1のポテンシャルを印加し、イオンが前記イオン出口領域の内部の前記イオンガイドの領域で前記スロットの前記開放端を出るのを許可するかまたは出させるために、第2のポテンシャルを前記ゲート電極に印加するステップを含む、請求項18に記載の方法。
  20. 前記電極は、前記イオン誘導路の少なくとも一部分が、湾曲し、これにより曲率半径を有するように配置され、各スロットの最少寸法が前記曲率半径に実質的に平行であり最大寸法が前記曲率半径に実質的に垂直である、請求項18または19に記載の方法。
  21. 前記イオンガイドは、閉ループイオン誘導路を形成し、前記直流電圧勾配および前記イオン出口領域は、前記イオンガイドの周りを移動する、請求項1〜20のいずれか一項に記載の方法。
  22. 請求項1〜21のいずれか一項に記載の方法に従ってイオンを分離するステップを含む、質量分析の方法。
  23. イオン移動度分離器であって、
    イオン誘導路を形成するように配置された複数の電極を有するイオンガイドと、
    イオンを前記イオン誘導路内に閉じ込めるために、前記電極の少なくとも一部にRF電圧を供給するように配置および構成された装置と、
    前記イオン誘導路の少なくとも一部であって、当該一部に沿って直流電圧勾配が維持される前記イオン誘導路の少なくとも一部が、時間が経過すると前記イオンガイドに沿って移動するように、前記イオン誘導路の前記一部に沿って前記直流電圧勾配を維持するように配置および構成された装置と、
    イオンがイオン出口領域の前記複数の電極の1つ以上の電極によって閉じ込められないように、前記複数の電極の前記1つ以上の電極に供給される電圧を変更するように配置および構成された装置であって、前記イオン出口領域は、使用においてイオンが異なる時間に異なる位置で前記イオンガイドを出るように、前記イオンガイドに沿って移動するように配置および構成された装置とを備える、イオン移動度分離器。
  24. 前記イオン移動度分離器は、請求項1〜〜21のいずれか一項に記載の方法を行うように配置および構成される、請求項23に記載のイオン移動度分離器。
  25. 請求項23又は24に記載のイオン移動度分離器を備える、質量分析計。
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