本発明の実施の形態を以下に説明する。
本発明が適用されたスロットマシンの実施の形態を図面を用いて説明すると、本実施の形態のスロットマシン1は、前面が開口する筐体1aと、この筐体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bと、から構成されている。
本実施の形態のスロットマシン1の筐体1aの内部には、図2に示すように、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リール)が水平方向に並設されており、図1に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉1bに設けられた透視窓3から見えるように配置されている。
リール2L、2C、2Rの外周部には、図3に示すように、それぞれ「黒7」、「網7(図中網掛け7)」、「白7」、「BAR」、「リプレイ」、「プラム」、「スイカ」、「チェリー」、「ベル」、「オレンジ」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ21個ずつ描かれている。リール2L、2C、2Rの外周部に描かれた図柄は、前面扉1bのリールパネル1c略中央に設けられた透視窓3において各々上中下三段に表示される。
各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられリールモータ32L、32C、32R(図4参照)によって回転させることで、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リール2L、2C、2Rの回転を停止させることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。
リール2L、2C、2Rの内側には、リール2L、2C、2Rそれぞれに対して、基準位置を検出するリールセンサ33L、33C、33Rと、リール2L、2C、2Rを背面から照射するリールLED55と、が設けられている。また、リールLED55は、リール2L、2C、2Rの連続する3つの図柄に対応する12のLEDからなり、各図柄をそれぞれ独立して照射可能とされている。
前面扉1bにおける各リール2L,2C,2Rに対応する位置には、リール2L,2C,2Rを前面側から透視可能とする横長長方形状の透視窓3が設けられており、該透視窓3を介して遊技者側から各リール2L,2C,2Rが視認できるようになっている。
前面扉1bには、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数のうち最大の賭数(本実施の形態ではいずれの遊技状態においても3)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダル及び賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジット及び賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8R、演出に用いるための演出用スイッチ56が遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
尚、本実施の形態では、回転を開始した3つのリール2L、2C、2Rのうち、最初に停止するリールを第1停止リールと称し、また、その停止を第1停止と称する。同様に、2番目に停止するリールを第2停止リールと称し、また、その停止を第2停止と称し、3番目に停止するリールを第3停止リールと称し、また、その停止を第3停止あるいは最終停止と称する。
また、前面扉1bには、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、入賞の発生により払い出されたメダル枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコード等が表示される遊技補助表示器12、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、後述するリプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられた遊技用表示部13が設けられている。
MAXBETスイッチ6の内部には、MAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21(図4参照)が設けられており、ストップスイッチ8L、8C、8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L、22C、22R(図4参照)がそれぞれ設けられている。
また、前面扉1bにおけるストップスイッチ8L、8C、8Rの下方には、スロットマシン1のタイトルや配当表などが印刷された下部パネル1dが設けられている。
前面扉1bの内側には、所定のキー操作により後述するエラー状態及び後述する打止状態を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23、後述する設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24、後述のBB終了時に打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36a、後述のBB終了時に自動精算処理(クレジットとして記憶されているメダルを遊技者の操作によらず精算(返却)する処理)に制御する自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチ36b、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体1a内部に設けられた後述のホッパータンク34a(図2参照)側またはメダル払出口9側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク34a側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31を有するメダルセレクタ(図示略)、前面扉1bの開放状態を検出するドア開放検出スイッチ25(図4参照)が設けられている。
筐体1a内部には、図2に示すように、前述したリール2L、2C、2R、リールモータ32L、32C、32R、各リール2L、2C、2Rのリール基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサ33L、33C、33R(図4参照)からなるリールユニット2、外部出力信号を出力するための外部出力基板1000、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク34a、ホッパータンク34aに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ34b、ホッパーモータ34bの駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ34cからなるホッパーユニット34、電源ボックス100が設けられている。
ホッパーユニット34の側部には、ホッパータンク34aから溢れたメダルが貯留されるオーバーフロータンク35が設けられている。オーバーフロータンク35の内部には、貯留された所定量のメダルを検出可能な高さに設けられた左右に離間する一対の導電部材からなる満タンセンサ35aが設けられており、導電部材がオーバーフロータンク35内に貯留されたメダルを介して接触することにより導電したときに内部に貯留されたメダル貯留量が所定量以上となったこと、すなわちオーバーフロータンクが満タン状態となったことを検出できるようになっている。
電源ボックス100の前面には、設定変更状態または設定確認状態に切り替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更状態においては後述する内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38、電源をon/offする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。
本実施の形態のスロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するにはMAXBETスイッチ6を操作すれば良い。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインLN(図1参照)が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。本実施の形態では、規定数の賭数として遊技状態に関わらず3枚が定められて規定数の賭数が設定されると入賞ラインLNが有効となる。尚、遊技状態に対応する規定数のうち最大数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
入賞ラインとは、各リール2L、2C、2Rの透視窓3に表示された図柄の組み合わせが入賞図柄の組み合わせであるかを判定するために設定されるラインである。本実施の形態では、図1に示すように、リール2Lの中段、リール2Cの中段、リール2Rの中段、すなわち中段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインLNのみが入賞ラインとして定められている。尚、本実施の形態では、1本の入賞ラインのみを適用しているが、複数の入賞ラインを適用しても良い。
また、本実施の形態では、入賞ラインLNに入賞を構成する図柄の組み合わせが揃ったことを認識しやすくするために、入賞ラインLNとは別に、無効ラインLM1〜4を設定している。無効ラインLM1〜4は、これら無効ラインLM1〜4に揃った図柄の組み合わせによって入賞が判定されるものではなく、入賞ラインLNに特定の入賞を構成する図柄の組み合わせが揃った際に、無効ラインLM1〜4のいずれかに入賞ラインLNに揃った場合に入賞となる図柄の組み合わせ(例えば、ベル−ベル−ベル)が揃う構成とすることで、入賞ラインLNに特定の入賞を構成する図柄の組み合わせが揃ったことを認識しやすくするものである。本実施の形態では、図1に示すように、リール2Lの上段、リール2Cの上段、リール2Rの上段、すなわち上段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM1、リール2Lの下段、リール2Cの下段、リール2Rの下段、すなわち下段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM2、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの下段、すなわち右下がりに並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM3、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの上段、すなわち右上がりに並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM4の4種類が無効ラインLMとして定められている。
そして全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、入賞ラインLNに予め定められた図柄の組み合わせ(以下、役とも呼ぶ)が各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施の形態では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口9(図1参照)から払い出されるようになっている。また、入賞ラインLNに、遊技状態の移行を伴う図柄の組み合わせが各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には図柄の組み合わせに応じた遊技状態に移行するようになっている。
また、本実施の形態におけるスロットマシン1にあっては、ゲームが開始されて各リール2L、2C、2Rが回転して図柄の変動が開始した後、いずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに、当該ストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリールの回転が停止して図柄が停止表示される。ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作から対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間は190ms(ミリ秒)である。
リール2L、2C、2Rは、1分間に80回転し、80×21(1リール当たりの図柄コマ数)=1680コマ分の図柄を変動させるので、190msの間では最大で4コマの図柄を引き込むことができることとなる。つまり、停止図柄として選択可能なのは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計5コマ分の図柄である。
このため、例えば、ストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの下段に表示されている図柄を基準とした場合、当該図柄から4コマ先までの図柄を下段に表示させることができるため、リール2L、2C、2R各々において、ストップスイッチ8L、8Rのうちいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの中段に表示されている図柄を含めて5コマ以内に配置されている図柄を入賞ラインLNに表示させることができる。
図4は、スロットマシン1の構成を示すブロック図である。スロットマシン1には、図4に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90、電源基板101が設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板101によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
電源基板101には、外部からAC100Vの電源が供給されるとともに、このAC100Vの電源からスロットマシン1を構成する電気部品の駆動に必要な直流電圧が生成され、遊技制御基板40及び遊技制御基板40を介して接続された演出制御基板90に供給されるようになっている。また、後述するメイン制御部41からサブ制御部91へのコマンド伝送ラインと、遊技制御基板40から演出制御基板90に対して電源を供給する電源供給ラインと、が一系統のケーブル及びコネクタを介して接続されており、これらケーブルと各基板とを接続するコネクタ同士が全て接続されることで演出制御基板90側の各部が動作可能となり、かつメイン制御部41からのコマンドを受信可能な状態となる。このため、メイン制御部41からコマンドを伝送するコマンド伝送ラインが演出制御基板90に接続されている状態でなければ、演出制御基板90側に電源が供給されず、演出制御基板90側のみが動作してしまうことがない。
また、電源基板101には、前述したホッパーモータ34b、払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39が接続されている。
遊技制御基板40には、前述したMAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10、リセットスイッチ23、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、投入メダルセンサ31、ドア開放検出スイッチ25、リールセンサ33L、33C、33Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述した払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。
また、遊技制御基板40には、前述したクレジット表示器11、遊技補助表示器12、ペイアウト表示器13、1〜3BETLED14〜16、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED20、BETスイッチ有効LED21、左、中、右停止有効LED22L、22C、22R、設定値表示器24、流路切替ソレノイド30、リールモータ32L、32C、32Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述したホッパーモータ34bが接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載された後述のメイン制御部41の制御に基づいて駆動されるようになっている。
遊技制御基板40には、メイン制御部41、乱数発生回路42、サンプリング回路43、スイッチ検出回路44、モータ駆動回路45、ソレノイド駆動回路46、LED駆動回路47、電断検出回路48、リセット回路49が搭載されている。
メイン制御部41は、1チップマイクロコンピュータにて構成され、メインCPU41a、ROM41b、RAM41c、I/Oポート41dを備えている。メイン制御部41は、ROM41bに記憶された制御プログラムを実行して、遊技の進行に関する処理を行うととともに、遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
乱数発生回路42は、所定数のパルスを発生するたびにカウントアップして値を更新するカウンタによって構成され、サンプリング回路43は、乱数発生回路42がカウントしている数値を取得する。乱数発生回路42は、乱数の種類毎にカウントする数値の範囲が定められており、本実施の形態では、その範囲として0〜65535が定められている。メインCPU41aは、その処理に応じてサンプリング回路43に指示を送ることで、乱数発生回路42が示している数値を乱数値として取得する(以下、この機能をハードウェア乱数機能という)。後述する内部抽選用の乱数は、ハードウェア乱数機能により抽出した乱数をそのまま使用するのではなく、ソフトウェアにより加工して使用する。また、メインCPU41aは、前述のタイマ割込処理(メイン)により、特定のレジスタの値を更新し、こうして更新された数値を乱数として取得する機能も有する(以下、この機能をソフトウェア乱数機能という)。
スイッチ検出回路44は、遊技制御基板40に直接または電源基板101を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を取り込んでメイン制御部41に伝送する。モータ駆動回路45は、メイン制御部41から出力されたモータ駆動信号をリールモータ32L、32C、32Rに伝送する。ソレノイド駆動回路46は、メイン制御部41から出力されたソレノイド駆動信号を流路切替ソレノイド30に伝送する。LED駆動回路は、メイン制御部41から出力されたLED駆動信号を遊技制御基板40に接続された各種表示器やLEDに伝送する。電断検出回路48は、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する。リセット回路49は、電源投入時または電源遮断時などの電源が不安定な状態においてメイン制御部41にシステムリセット信号を与える。
メイン制御部41のCPU41aは、ROMから読み出したプログラムを実行することにより、スロットマシン1におけるゲームの進行を制御するための処理などを実行する。
このように、メイン制御部41では、CPU41aがROM41bに格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、メイン制御部41(又はCPU41a)が実行する(又は処理を行う)ということは、具体的には、CPU41aがプログラムに従って制御を実行することである。このことは、遊技制御基板40以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
メイン制御部41が備えるRAM41cは、ゲーム制御用のワークエリアを提供する。ここで、RAM41cの少なくとも一部は、バックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであれば良い。すなわち、スロットマシンへの電力供給が停止しても、所定期間はRAM41cの少なくとも一部の内容が保存される。尚、本実施の形態では、RAM41cの全ての領域がバックアップRAMとされており、スロットマシンへの電力供給が停止しても、所定期間はRAM41cの全ての内容が保存される。尚、この実施の形態において、バックアップRAMとしてのRAM41cには、例えば、後述する遊技カウンタのカウント値や、遊技メダル投入枚数、役連動作動種別、遊技状態、RT状態、内部当選情報などの情報が保存されている。
メイン制御部41が備えるROM41bには、ゲームの進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納される。例えば、ROM41bには、CPU41aが各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM41bには、CPU41aが遊技制御基板40から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータなどが記憶されている。
メイン制御部41が備えるRAM41cには、スロットマシン1におけるゲームの進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、遊技制御用データ保持エリアが設けられている。RAM41cとしては、例えばDRAMが使用されており、記憶しているデータ内容を維持するためのリフレッシュ動作が必要になる。CPU41aには、このリフレッシュ動作を行うためのリフレッシュレジスタが内蔵されている。例えば、リフレッシュレジスタは8ビットからなり、そのうち下位7ビットはCPU41aがROM41bから命令フェッチするごとに自動的にインクリメントされる。したがって、リフレッシュレジスタにおける格納値の更新は、CPU41aにおける1命令の実行時間ごとに行われることになる。
メイン制御部41は、サブ制御部91に各種のコマンドを送信する。メイン制御部41からサブ制御部91へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、サブ制御部91からメイン制御部41へ向けてコマンドが送られることはない。
メイン制御部41は、遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態が入力ポートから入力される。そしてメイン制御部41は、これら入力ポートから入力される各種スイッチ類の検出状態に応じて段階的に移行する基本処理を実行する。
また、メイン制御部41は、割込の発生により基本処理に割り込んで割込処理を実行できるようになっている。本実施の形態では、一定時間間隔(本実施の形態では、約0.56ms)毎に後述するタイマ割込処理(メイン)を実行する。尚、タイマ割込処理(メイン)の実行間隔は、基本処理において制御状態に応じて繰り返す処理が一巡する時間とタイマ割込処理(メイン)の実行時間とを合わせた時間よりも長い時間に設定されており、今回と次回のタイマ割込処理(メイン)との間で必ず制御状態に応じて繰り返す処理が最低でも一巡することとなる。
また、メイン制御部41は、割込処理の実行中に他の割込を禁止するように設定されているとともに、複数の割込が同時に発生した場合には、予め定められた順位によって優先して実行する割込が設定されている。尚、割込処理の実行中に他の割込要因が発生し、割込処理が終了してもその割込要因が継続している状態であれば、その時点で新たな割込が発生することとなる。
演出制御基板90には、演出用スイッチ56が接続されており、この演出用スイッチ56の検出信号が入力されるようになっている。
演出制御基板90には、スロットマシン1の前面扉1bに配置された液晶表示器51(図1参照)、演出効果LED52、スピーカ53、54、前述したリールLED55等の演出装置が接続されており、これら演出装置は、演出制御基板90に搭載された後述のサブ制御部91による制御に基づいて駆動されるようになっている。
尚、本実施の形態では、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91により、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の演出装置の出力制御が行われる構成であるが、サブ制御部91とは別に演出装置の出力制御を直接的に行う出力制御部を演出制御基板90または他の基板に搭載し、サブ制御部91がメイン制御部41からのコマンドに基づいて演出装置の出力パターンを決定し、サブ制御部91が決定した出力パターンに基づいて出力制御部が演出装置の出力制御を行う構成としても良く、このような構成では、サブ制御部91及び出力制御部の双方によって演出装置の出力制御が行われることとなる。
また、本実施の形態では、演出装置として液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55を例示しているが、演出装置は、これらに限られず、例えば、機械的に駆動する表示装置や機械的に駆動する役モノなどを演出装置として適用しても良い。
演出制御基板90には、メイン制御部41と同様にサブCPU91a、ROM91b、RAM91c、I/Oポート91dを備えたマイクロコンピュータにて構成され、演出の制御を行うサブ制御部91、演出制御基板90に接続された液晶表示器51の表示制御を行う表示制御回路92、演出効果LED52、リールLED55の駆動制御を行うLED駆動回路93、スピーカ53、54からの音声出力制御を行う音声出力回路94、電源投入時またはサブCPU91aからの初期化命令が一定時間入力されないときにサブCPU91aにリセット信号を与えるリセット回路95、演出制御基板90に接続された演出用スイッチ56から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路96、日付情報及び時刻情報を含む時間情報を出力する時計装置97、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をサブCPU91aに対して出力する電断検出回路98、その他の回路等、が搭載されており、サブCPU91aは、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、演出を行うための各種の制御を行うとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
リセット回路95は、遊技制御基板40においてメイン制御部41にシステムリセット信号を与えるリセット回路49よりもリセット信号を解除する電圧が低く定められており、電源投入時においてサブ制御部91は、メイン制御部41よりも早い段階で起動するようになっている。一方で、電断検出回路98は、遊技制御基板40においてメイン制御部41に電圧低下信号を出力する電断検出回路48よりも電圧低下信号を出力する電圧が低く定められており、電断時においてサブ制御部91は、メイン制御部41よりも遅い段階で停電を検知し、後述する電断処理(サブ)を行うこととなる。
サブ制御部91は、メイン制御部41と同様に、割込機能を備えており、メイン制御部41からのコマンド受信時に割込を発生させて、メイン制御部41から送信されたコマンドを取得し、バッファに格納するコマンド受信割込処理を実行する。また、サブ制御部91は、システムクロックの入力数が一定数に到達する毎、すなわち一定間隔毎に割込を発生させて後述するタイマ割込処理(サブ)を実行する。
また、サブ制御部91は、メイン制御部41とは異なり、コマンドの受信に基づいて割込が発生した場合には、タイマ割込処理(サブ)の実行中であっても、当該処理に割り込んでコマンド受信割込処理を実行し、タイマ割込処理(サブ)の契機となる割込が同時に発生してもコマンド受信割込処理を最優先で実行するようになっている。
また、サブ制御部91にも、停電時においてバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM91cに記憶されているデータが保持されるようになっている。すなわち、スロットマシンへの電力供給が停止しても、所定期間はRAM91cの少なくとも一部の内容が保存される。尚、本実施の形態では、RAM91cの全ての領域がバックアップRAMとされており、スロットマシンへの電力供給が停止しても、所定期間はRAM91cの全ての内容が保存される。尚、この実施の形態において、バックアップRAMとしてのRAM91cには、例えば、後述する遊技カウンタ1コマンド格納領域の格納データや、遊技カウンタ2コマンド格納領域の格納データ、連続入賞回数カウンタの値、ペナルティカウンタの値などの情報が保存されている。
本実施の形態のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものである。詳しくは、後述する内部抽選において設定値に応じた当選確率を用いることにより、メダルの払出率が変わるようになっている。設定値は1〜6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど払出率が低くなる。すなわち設定値として6が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。
設定値を変更するためには、設定キースイッチ37をon状態としてからスロットマシン1の電源をonする必要がある。設定キースイッチ37をon状態として電源をonすると、設定値表示器24にRAM41cから読み出された設定値が表示値として表示され、リセット/設定スイッチ38の操作による設定値の変更操作が可能な設定変更状態に移行する。設定変更状態において、リセット/設定スイッチ38が操作されると、設定値表示器24に表示された表示値が1ずつ更新されていく(設定6からさらに操作されたときは、設定1に戻る)。そして、スタートスイッチ7が操作されると表示値を設定値として確定する。そして、設定キースイッチ37がoffされると、確定した表示値(設定値)がメイン制御部41のRAM41cに格納され、遊技の進行が可能な状態に移行する。
また、設定値を確認するためには、ゲーム終了後、賭数が設定されていない状態で設定キースイッチ37をon状態とすれば良い。このような状況で設定キースイッチ37をon状態とすると、設定値表示器24にRAM41cから読み出された設定値が表示されることで設定値を確認可能な設定確認状態に移行する。設定確認状態においては、ゲームの進行が不能であり、設定キースイッチ37をoff状態とすることで、設定確認状態が終了し、ゲームの進行が可能な状態に復帰することとなる。
本実施の形態のスロットマシン1においては、メイン制御部41は、タイマ割込処理(メイン)を実行する毎に、電断検出回路48からの電圧低下信号が検出されているか否かを判定する停電判定処理を行い、停電判定処理において電圧低下信号が検出されていると判定した場合に、電断処理(メイン)を実行する。電断処理(メイン)では、RAM41cにいずれかのビットが1となる破壊診断用データ(本実施の形態では、5AH)、すなわち0以外の特定のデータを格納するとともに、RAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0となるようにRAMパリティ調整用データを計算し、RAM41cに格納する処理を行うようになっている。尚、RAMパリティとはRAM41cの該当する領域(本実施の形態では、全ての領域)の各ビットに格納されている値の排他的論理和として算出される値である。このため、RAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0であれば、RAMパリティ調整用データは0となり、RAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが1であれば、RAMパリティ調整用データは1となる。
そして、メイン制御部41は、システムリセットによるかユーザリセットによるかに関わらず、その起動時においてRAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づいてRAMパリティを計算するとともに、破壊診断用データの値を確認し、RAMパリティが0であり、かつ破壊診断用データの値も正しいことを条件に、RAM41cに記憶されているデータに基づいてメイン制御部41の処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAMパリティが0でない場合(1の場合)や破壊診断用データの値が正しくない場合には、RAM異常と判定し、RAM異常エラーコードをレジスタにセットしてRAM異常エラー状態に制御し、遊技の進行を不能化させるようになっている。尚、RAM異常エラー状態は、通常のエラー状態と異なり、リセットスイッチ23やリセット/設定スイッチ38を操作しても解除されないようになっており、前述した設定変更状態において新たな設定値が設定されるまで解除されることがない。
尚、本実施の形態では、RAM41cに格納されている全てのデータが停電時においてもバックアップ電源により保持されるとともに、メイン制御部41は、電源投入時においてRAM41cのデータが正常であると判定した場合に、RAM41cの格納データに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成であるが、RAM41cに格納されているデータのうち停電時において制御状態の復帰に必要なデータのみをバックアップし、電源投入時においてバックアップされているデータに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成としても良い。
また、電源投入時において電断前の制御状態に復帰させる際に、全ての制御状態を電断前の制御状態に復帰させる必要はなく、遊技者に対して不利益とならない最低限の制御状態を復帰させる構成であれば良く、例えば、入力ポートの状態などを全て電断前の状態に復帰させる必要はない。
次に、メイン制御部41のRAM41cの初期化について説明する。メイン制御部41のRAM41cの格納領域は、重要ワーク、非保存ワーク、一般ワーク、特別ワーク、未使用領域、スタック領域に区分されている。
重要ワークは、各種表示器やLEDの表示用データ、I/Oの入出力データ、遊技時間の計時カウンタ等、初期化すると不都合があるデータに加え、後述するRTフラグ及びRT残りゲーム数が格納されるワークである。非保存ワークは、各種スイッチ類の状態を保持するワークであり、起動時にRAM41cのデータが破壊されているか否かに関わらず必ず値が設定されることとなる。一般ワークは、停止制御テーブル、停止図柄、メダルの払出枚数、BB中のメダル払出総数、後述する遊技状態フラグ等、BB終了時に初期化可能なデータが格納されるワークである。特別ワークは、各種ソフトウェア乱数等、設定開始前にのみ初期化されるデータが格納されるワークである。未使用領域は、RAM41cの格納領域のうち使用していない領域であり、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなる。スタック領域は、メイン制御部41のレジスタから退避したデータが格納される領域であり、このうちの未使用スタック領域は、未使用領域と同様に、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなるが、使用中スタック領域は、プログラムの続行のため、初期化されることはない。
本実施の形態においてメイン制御部41は、設定キースイッチ37がonの状態での起動時、RAM異常エラー発生時、BB終了時、設定キースイッチ37がoffの状態での起動時でRAM41cのデータが破壊されていないとき、1ゲーム終了時の5つからなる初期化条件が成立した際に、各初期化条件に応じて初期化される領域の異なる4種類の初期化を行う。
初期化1は、起動時において設定キースイッチ37がonの状態であり、設定変更状態へ移行する場合において、その前に行う初期化、またはRAM異常エラー発生時に行う初期化であり、初期化1では、RAM41cの格納領域のうち、重要ワーク及び使用中スタック領域を除く全ての領域(未使用領域及び未使用スタック領域を含む)、すなわち非保存ワークから未使用スタック領域までの領域が初期化される。初期化2は、BB終了時に行う初期化であり、初期化2では、RAM41cの格納領域のうち、一般ワーク、未使用領域及び未使用スタック領域、すなわち一般ワークから未使用スタック領域までの領域が初期化される。初期化3は、起動時において設定キースイッチ37がoffの状態であり、かつRAM41cのデータが破壊されていない場合において行う初期化であり、初期化3では、非保存ワーク、未使用領域及び未使用スタック領域が初期化される。初期化4は、1ゲーム終了時に行う初期化であり、初期化4では、RAM41cの格納領域のうち、未使用領域及び未使用スタック領域が初期化される。
尚、本実施の形態では、初期化1を設定変更状態の移行前に行っているが、設定変更状態の終了時に行ったり、設定変更状態移行前、設定変更状態終了時の双方で行うようにしても良い。
このように本実施の形態では、電源投入時などにRAM異常エラーが発生した場合には、初期化1が実行され、それ以前の制御状態が初期化されることとなるが、この際、重要ワークに割り当てられてられたRTフラグやRT残りゲーム数は初期化されることなく保持されるようになっている。一方で、一般ワークに割り当てられた遊技状態フラグについては、初期化1が実行されることに伴って初期化されることとなる。
本実施の形態のスロットマシン1は、前述のように遊技状態(通常、内部中、BB(RB))に応じて設定可能な賭数の規定数が定められており、遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されたことを条件にゲームを開始させることが可能となる。尚、本実施の形態では、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定された時点で、入賞ラインLNが有効化される。
本実施の形態のスロットマシン1は、全てのリール2L、2C、2Rが停止した際に、有効化された入賞ラインLN(以下では、有効化された入賞ラインLNを単に入賞ラインLNと呼ぶ)に役と呼ばれる図柄の組み合わせが揃うと入賞となる。役は、同一図柄の組み合わせであっても良いし、異なる図柄を含む組み合わせであっても良い。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役と、遊技者にとって有利な遊技状態への移行を伴う特別役と、がある。以下では、小役と再遊技役をまとめて一般役とも呼ぶ。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、後述する内部抽選に当選して、当該役の当選フラグがRAMに設定されている必要がある。
尚、これら各役の当選フラグのうち、小役及び再遊技役の当選フラグは、当該フラグが設定されたゲームにおいてのみ有効とされ、次のゲームでは無効となるが、特別役の当選フラグは、当該フラグにより許容された役の組み合わせが揃うまで有効とされ、許容された役の組み合わせが揃ったゲームにおいて無効となる。すなわち特別役の当選フラグが一度当選すると、例え、当該フラグにより許容された役の組み合わせを揃えることができなかった場合にも、その当選フラグは無効とされずに、次のゲームへ持ち越されることとなる。
内部抽選は、上記した各役への入賞を許容するか否かを、全てのリール2L、2C、2Rの表示結果が導出表示される以前に(実際には、スタートスイッチ7の検出時)決定するものである。内部抽選では、まず、スタートスイッチ7の検出時に内部抽選用の乱数値(0〜65535の整数)を取得する。詳しくは、RAM41cに割り当てられた乱数値格納ワークの値を同じくRAM41cに割り当てられた抽選用ワークに設定する。そして、遊技状態及び特別役の持ち越しの有無に応じて定められた各役について、抽選用ワークに格納された数値データと、遊技状態を特定するための遊技状態フラグの値、後述するRTを特定するためのRTフラグの値、賭数及び設定値に応じて定められた各役の判定値数に応じて行われる。
内部抽選では、内部抽選の対象となる役、現在の遊技状態フラグ値、RTフラグ値及び設定値に対応して定められた判定値数を、内部抽選用の乱数値(抽選用ワークに格納された数値データ)に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、当該役に当選したものと判定される。このため、判定値数の大小に応じた確率(判定値数/65536)で役が当選することとなる。
そして、いずれかの役の当選が判定された場合には、当選が判定された役に対応する当選フラグをRAM41cに割り当てられた内部当選フラグ格納ワークに設定する。内部当選フラグ格納ワークは、2バイトの格納領域にて構成されており、そのうちの上位バイトが、特別役の当選フラグが設定される特別役格納ワークとして割り当てられ、下位バイトが、一般役の当選フラグが設定される一般役格納ワークとして割り当てられている。詳しくは、特別役が当選した場合には、当該特別役が当選した旨を示す特別役の当選フラグを特別役格納ワークに設定し、一般役格納ワークに設定されている当選フラグをクリアする。また、一般役が当選した場合には、当該一般役が当選した旨を示す一般役の当選フラグを一般役格納ワークに設定する。尚、いずれの役及び役の組み合わせにも当選しなかった場合には、一般役格納ワークのみクリアする。
次に、リール2L、2C、2Rの停止制御について説明する。
メイン制御部41は、リールの回転が開始したとき、及びリールが停止し、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、ROM41bに格納されているテーブルインデックス及びテーブル作成用データを参照して、回転中のリール別に停止制御テーブルを作成する。そして、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作が有効に検出されたときに、該当するリールの停止制御テーブルを参照し、参照した停止制御テーブルの滑りコマ数に基づいて、操作されたストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる制御を行う。
テーブルインデックスには、内部抽選による当選フラグの設定状態(以下、内部当選状態と呼ぶ)別に、テーブルインデックスを参照する際の基準アドレスから、テーブル作成用データが格納された領域の先頭アドレスを示すインデックスデータが格納されているアドレスまでの差分が登録されている。これにより内部当選状態に応じた差分を取得し、基準アドレスに対してその差分を加算することで該当するインデックスデータを取得することが可能となる。尚、役の当選状況が異なる場合でも、同一の制御が適用される場合においては、インデックスデータとして同一のアドレスが格納されており、このような場合には、同一のテーブル作成用データを参照して、停止制御テーブルが作成されることとなる。
テーブル作成用データは、停止操作位置に応じた滑りコマ数を示す停止制御テーブルと、リールの停止状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスと、からなる。
リールの停止状況に応じて参照される停止制御テーブルは、全てのリールが回転しているか、左リールのみ停止しているか、中リールのみ停止しているか、右リールのみ停止しているか、左、中リールが停止しているか、左、右リールが停止しているか、中、右リールが停止しているか、によって異なる場合があり、更に、いずれかのリールが停止している状況においては、停止済みのリールの停止位置によっても異なる場合があるので、それぞれの状況について、参照すべき停止制御テーブルのアドレスが回転中のリール別に登録されており、テーブル作成用データの先頭アドレスに基づいて、それぞれの状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスが特定可能とされ、この特定されたアドレスから、それぞれの状況に応じて必要な停止制御テーブルを特定できるようになっている。尚、リールの停止状況や停止済みのリールの停止位置が異なる場合でも、同一の停止制御テーブルが適用される場合においては、停止制御テーブルのアドレスとして同一のアドレスが登録されているものもあり、このような場合には、同一の停止制御テーブルが参照されることとなる。
停止制御テーブルは、停止操作が行われたタイミング別の滑りコマ数を特定可能なデータである。本実施の形態では、リールモータ32L、32C、32Rに、168ステップ(0〜167)の周期で1周するステッピングモータを用いている。すなわちリールモータ32L、32C、32Rを168ステップ駆動させることでリール2L、2C、2Rが1周することとなる。そして、リール1周に対して16ステップ(1図柄が移動するステップ数)毎に分割した21の領域(コマ)が定められており、これらの領域には、リール基準位置から0〜20の領域番号が割り当てられている。一方、1リールに配列された図柄数も21であり、各リールの図柄に対して、リール基準位置から0〜20の図柄番号が割り当てられているので、0番図柄から20番図柄に対して、それぞれ0〜20の領域番号が順に割り当てられていることとなる。そして、停止制御テーブルには、領域番号別の滑りコマ数が所定のルールで圧縮して格納されており、停止制御テーブルを展開することによって領域番号別の滑りコマ数を取得できるようになっている。
前述のようにテーブルインデックス及びテーブル作成用データを参照して作成される停止制御テーブルは、領域番号に対応して、各領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施の形態では、透視窓3の下段図柄の領域)に位置するタイミング(リール基準位置からのステップ数が各領域番号のステップ数の範囲に含まれるタイミング)でストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出された場合の滑りコマ数がそれぞれ設定されたテーブルである。
次に、停止制御テーブルの作成手順について説明すると、まず、リール回転開始時においては、そのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスを取得する。具体的には、まずテーブルインデックスを参照し、内部当選状態に対応するインデックスデータを取得し、そして取得したインデックスデータに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから全てのリールが回転中の状態に対応する各リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して全てのリールについて停止制御テーブルを作成する。
また、いずれか1つのリールが停止したとき、またはいずれか2つのリールが停止したときには、リール回転開始時に取得したインデックスデータ、すなわちそのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから停止済みのリール及び当該リールの停止位置の領域番号に対応する未停止リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して未停止のリールについて停止制御テーブルを作成する。
次に、メイン制御部41がストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出したときに、該当するリールに表示結果を導出させる際の制御について説明すると、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出すると、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数に基づいて停止操作位置の領域番号を特定し、停止操作が検出されたリールの停止制御テーブルを参照し、特定した停止操作位置の領域番号に対応する滑りコマ数を取得する。そして、取得した滑りコマ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。具体的には、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数から、取得した滑りコマ数引き込んで停止させるまでのステップ数を算出し、算出したステップ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。これにより、停止操作が検出された停止操作位置の領域番号に対応する領域から滑りコマ数分先の停止位置となる領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施の形態では、透視窓3の下段図柄の領域)に停止することとなる。
本実施の形態のテーブルインデックスには、一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するインデックスデータとして1つのアドレスのみが格納されており、更に、一のテーブル作成用データには、一のリールの停止状況(及び停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルの格納領域のアドレスとして1つのアドレスのみが格納されている。すなわち一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するテーブル作成用データ、及びリールの停止状況(及び停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルが一意的に定められており、これらを参照して作成される停止制御テーブルも、一の遊技状態における一の内部当選状態、及びリールの停止状況(及び停止済みのリールの停止位置)に対して一意となる。このため、遊技状態、内部当選状態、リールの停止状況(及び停止済みのリールの停止位置)の全てが同一条件となった際に、同一の停止制御テーブル、すなわち同一の制御パターンに基づいてリールの停止制御が行われることとなる。
また、本実施の形態では、滑りコマ数として0〜4の値が定められており、停止操作を検出してから最大4コマ図柄を引き込んでリールを停止させることが可能である。すなわち停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5コマの範囲から図柄の停止位置を指定できるようになっている。また、1図柄分リールを移動させるのに1コマの移動が必要であるので、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能であり、停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5図柄の範囲から図柄の停止位置を指定できることとなる。
本実施の形態では、いずれかの役に当選している場合には、当選役を入賞ラインLNに4コマの範囲で最大限引き込み、当選していない役が入賞ラインLNに揃わないように引き込む滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う一方、いずれの役にも当選していない場合には、いずれの役も揃わない滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う。これにより、停止操作が行われた際に、入賞ラインLNに最大4コマの引込範囲で当選している役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役は、最大4コマの引込範囲でハズシして停止させる制御が行われることとなる。
特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で小役が当選した場合など、特別役と小役が同時に当選している場合には、当選した小役を入賞ラインLNに4コマの範囲で最大限に引き込むように滑りコマ数が定められているとともに、当選した小役を入賞ラインLNに最大4コマの範囲で引き込めない停止操作位置については、当選した特別役を入賞ラインLNに4コマの範囲で最大限に引き込むように滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う。これにより、停止操作が行われた際に、入賞ラインLNに最大4コマの引込範囲で当選している小役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、入賞ラインLNに最大4コマの引込範囲で当選している小役を引き込めない場合には、入賞ラインLNに最大4コマの引込範囲で当選している特別役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役は、4コマの引込範囲でハズシして停止させる制御が行われることとなる。すなわちこのような場合には、特別役よりも小役を入賞ラインLNに揃える制御が優先され、小役を引き込めない場合にのみ、特別役を入賞させることが可能となる。尚、特別役と小役を同時に引き込める場合には、小役のみを引き込み、特別役と同時に小役が入賞ラインLNに揃わないようになっている。
尚、本実施の形態では、特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で小役が当選した場合や新たに特別役と小役が同時に当選した場合など、特別役と小役が同時に当選している場合には、当選した特別役よりも当選した小役が優先され、小役が引き込めない場合のみ、特別役を入賞ラインLNに揃える制御を行っているが、特別役と小役が同時に当選している場合に、小役よりも特別役を入賞ラインLNに揃える制御が優先され、特別役を引き込めない場合にのみ、小役を入賞ラインLNに揃える制御を行っても良い。
特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で再遊技役が当選した場合など、特別役と再遊技役が同時に当選している場合には、停止操作が行われた際に、入賞ラインLNに最大4コマの引込範囲で再遊技役の図柄を揃えて停止させる制御が行われる。尚、この場合、再遊技役を構成する図柄または同時当選する再遊技役を構成する図柄は、リール2L、2C、2Rのいずれについても5図柄以内、すなわち4コマ以内の間隔で配置されており、4コマの引込範囲で必ず任意の位置に停止させることができるので、特別役と再遊技役が同時に当選している場合には、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングに関わらずに、必ず再遊技役が揃って入賞することとなる。すなわちこのような場合には、特別役よりも再遊技役を入賞ラインLNに揃える制御が優先され、必ず再遊技役が入賞することとなる。尚、特別役と再遊技役を同時に引き込める場合には、再遊技役のみを引き込み、再遊技役と同時に特別役が入賞ラインLNに揃わないようになっている。
本実施の形態においてメイン制御部41は、リール2L、2C、2Rの回転が開始した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっている。尚、リール回転エラーの発生により、一時的にリールの回転が停止した場合でも、その後リール回転が再開した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっている。
尚、本実施の形態では、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっているが、リールの回転が開始してから、予め定められた自動停止時間が経過した場合に、リールの停止操作がなされない場合でも、停止操作がなされたものとみなして自動的に各リールを停止させる自動停止制御を行うようにしても良い。この場合には、遊技者の操作を介さずにリールが停止することとなるため、例え、いずれかの役が当選している場合でもいずれの役も構成しない表示結果を導出させることが好ましい。
次に、本実施の形態におけるメイン制御部41が実行する各種制御内容を、図5〜図13に基づいて以下に説明する。
メイン制御部41は、リセット回路49からシステムリセット信号が入力されると、図5及び図6のフローチャートに示す起動処理(メイン)を行う。
まず、内蔵デバイスや周辺IC、割込モード、スタックポインタ等を初期化した後(Sa2)、Iレジスタ及びIYレジスタの値を初期化する(Sa3)。Iレジスタ及びIYレジスタの初期化により、Iレジスタには、割込発生時に参照する割込テーブルのアドレスが設定され、IYレジスタには、RAM41cの格納領域を参照する際の基準アドレスが設定される。これらの値は、固定値であり、起動時には常に初期化されることとなる。
次いで、RAM41cへのアクセスを許可し(Sa4)、RAM41cの全ての格納領域(未使用領域及び未使用スタック領域を含む)のRAMパリティを計算する(Sa5)。
Sa6のステップでは、Sa5のステップにおいて計算したRAMパリティが0か否かを判定する。正常に電断割込処理(メイン)が行われていれば、RAMパリティが0になるはずであり、Sa6のステップにおいてRAMパリティが0でなければ、RAM41cに格納されているデータが正常ではなく、この場合には、RAM41cの格納領域のうち、使用中スタック領域、重要ワークを除く全ての格納領域を初期化する初期化1を実行した後(Sa19)、設定キースイッチ37がonか否かを判定し(Sa20)、設定キースイッチ37がonであれば、遊技カウンタをクリアして(Sa16)、設定変更中であることを示す設定変更中コマンドを生成するとともに、生成した設定変更中コマンドをコマンドバッファに格納する(Sa17)。尚、設定変更中コマンドは、ステップSa17の処理の後、後述するタイマ割込処理におけるステップSk16のコマンド送信処理と同様の処理が実行されることによって直ちに送信される。次いで、図11において説明するメイン制御部41が一定間隔(0.56msの間隔)で実行するタイマ割込処理(メイン)の割込を許可して(Sa18)、当選役の当選確率の変更などを行う設定変更処理、すなわち設定変更状態に移行する。そして、設定変更処理が終了すると、図8に示すゲーム処理に移行する。
尚、遊技カウンタとは、ゲームごとに規則的に値が更新されるカウンタである。具体的には、この実施の形態では、遊技カウンタは、RAM41cにセットされ、ゲームが行われるたびに0〜127の範囲でカウント値が1ずつインクリメントされる。尚、遊技カウンタのカウント値は、最大値である127になると再度0に戻る。また、詳しくは後述するように、遊技カウンタのカウント値は、メイン制御部41によって、図9で示す遊技カウンタ1コマンドや遊技カウンタ2コマンドを生成して、サブ制御部91に送信するために用いられる。
尚、この実施の形態では、遊技カウンタの値を1ずつインクリメントしていくことによって更新する場合を示したが、規則的に更新するものであれば、特定データは、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、逆に、メイン制御部41は、遊技カウンタの値を1ずつデクリメントしていくことによって更新していってもよく、2ずつまたは3ずつインクリメントしていくことによって遊技カウンタの値を更新していっても構わない。また、例えば、カウント値などの数値にかぎらず、特定データとして所定の順序で配列された記号などを用いて、ゲームごとに配列順に従って記号を書き換えていくようなものであってもよい。
Sa20のステップにおいて設定キースイッチ37がoffであれば、RAM異常を示すエラーコードをレジスタに設定し(Sa21)、RAM異常を示すエラーコマンドを生成し(Sa22)、生成したエラーコマンドをコマンドバッファに格納する(Sa23)。尚、エラーコマンドは、ステップSa22の処理の後、後述するタイマ割込処理におけるステップSk16のコマンド送信処理と同様の処理が実行されることによって直ちに送信される。次いで、図11において説明するメイン制御部41が一定間隔(0.56msの間隔)で実行するタイマ割込処理(メイン)の割込を許可して(Sa24)、エラー処理、すなわちRAM異常エラー状態に移行する。そして、例えば、遊技店員によってリセット/設定スイッチ38が操作されるなどして、RAM異常エラー状態が解除されると、図8に示すゲーム処理に移行する。
Sa6のステップにおいて、RAMパリティが0であれば、更に破壊診断用データが正常か否かを判定する(Sa7)。正常に電断処理(メイン)が行われていれば、破壊診断用データが設定されているはずであり、Sa7のステップにおいて破壊診断用データが正常でない場合(破壊診断用データが電断時に格納される5A(H)以外の場合)にも、RAM41cのデータが正常ではないので、Sa19のステップに移行して初期化1を実行し、その後、Sa20のステップにおいて設定キースイッチ37がonであれば、前述したSa16〜Sa18の処理を行い、設定変更処理、すなわち設定変更状態に移行する。また、Sa20のステップにおいて設定キースイッチ37がoffであれば、前述したSa21〜Sa24の処理を行い、エラー処理、すなわちRAM異常エラー状態に移行する。そして、RAM異常エラー状態が解除されると、図8に示すゲーム処理に移行する。
Sa7のステップにおいて破壊診断用データが正常であると判定した場合には、RAM41cのデータは正常であるので、破壊診断用データをクリアし(Sa8)、RAM41cの非保存ワーク、未使用領域及び未使用スタック領域を初期化する初期化3を行った後(Sa9)、設定キースイッチ37がonか否かを判定し(Sa10)、設定キースイッチ37がonであれば、前述したSa16a〜Sa18の処理を行い、設定変更処理、すなわち設定変更状態に移行する。そして、設定変更処理が終了すると、図8に示すゲーム処理に移行する。
Sa10のステップにおいて設定キースイッチ37がoffであれば、各レジスタを電断前の状態、すなわちスタックに保存されている状態に復帰する(Sa11)。そして、復帰コマンド、遊技カウンタ1コマンド、投入枚数コマンド、ボーナス種別コマンド、遊技状態コマンド、RT情報コマンド、復帰時内部当選コマンドを順次生成して、生成したコマンドをコマンドバッファに格納し(Sa31〜Sa37)、図11において説明するメイン制御部41が一定間隔(0.56msの間隔)で実行するタイマ割込処理(メイン)の割込を許可して(Sa14)、電断前の最後に実行していた処理に戻る。尚、復帰コマンド、遊技カウンタ1コマンド、投入枚数コマンド、ボーナス種別コマンド、遊技状態コマンド、RT情報コマンド、復帰時内部当選コマンドは、メイン制御部41のRAM41cの特別ワークに割り当てられたコマンド送信用バッファに格納され、ステップSa31〜S37の後、後述するタイマ割込処理におけるステップSk16のコマンド送信処理と同様の処理が実行されることによって直ちに送信される。電断前に図8に示すゲーム処理中のいずれかの処理が行われていた場合には、Sa11で復帰されたプログラムカウンタ(PC)の値に基づいて、ゲーム処理のSd1〜Sd6の処理のうち、電断前に行われていた処理に戻る。また、例えば、電断前に図11に示すタイマ割込処理中のいずれかの処理が行われていた場合には、Sa11で復帰されたプログラムカウンタ(PC)の値に基づいて、タイマ割込処理のSk1〜Sk26の処理のうち、電断前に行われていた処理に戻る。
図7は、メイン制御部41がサブ制御部91に対して送信する一部のコマンドの内容を示す。これらコマンドは、コマンドの種類を示す1バイトのモードデータとコマンドの内容を示す1バイトのEXTデータとからなる。従って、サブ制御部91は、コマンドを受信した際に、コマンドに含まれるモードデータからコマンドの種類を判別し、EXTデータからコマンドの内容を判別することができる。
コマンド94XX(h)は、ゲーム開始時の遊技カウンタの値を指定する遊技カウンタ1コマンドである(それぞれのカウント値XXに対応)。つまり、遊技カウンタで使用されうるカウント値(0〜127)のそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定されるカウント値のそれぞれに対応する遊技カウンタ1コマンドがある。尚、「(h)」は16進数であることを示す。
コマンド95XX(h)は、RT状態か否か及びRT状態の種類(図17に示すRT0〜4)を指定するRT情報2コマンドである。つまり、RT状態か否か及びRT状態の種類に対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される状態に対応するRT情報2コマンドがある。
コマンド85XX(h)は、BBが内部当選しているか否か及び内部当選したBBの種類(図17に示すBB1〜4)及びメイン制御部41が演出を実行するか否か(例えば、フリーズ演出)を指定する内部当選コマンドである。つまり、BBが内部当選しているか否か及びBBの種類及びメイン制御部41が演出を実行するか否かに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される状態に対応する内部当選コマンドがある。
コマンド86XX(h)は、内部当選結果(内部当選フラグのフラグ番号)を指定する当選番号コマンドである。つまり、内部当選結果に対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される状態に対応する当選番号コマンドがある。尚、当選番号コマンドでも内部当選結果を識別できるため、内部当選コマンドは生成しなくてもよいが、内部当選コマンドを設けることによってプログラム上の判定の簡易化を図ることができる。
コマンド96XX(h)は、ゲーム終了時の遊技カウンタの値を指定する遊技カウンタ2コマンドである(それぞれのカウント値XXに対応)。つまり、遊技カウンタで使用されうるカウント値のそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定されるカウント値のそれぞれに対応する遊技カウンタ2コマンドがある。
コマンド97XX(h)は、RT状態か否か及びRT状態の種類(図17に示すRT0〜4)及びBB内部当選中であるか否かを指定するRT情報3コマンドである。つまり、RT状態か否か及びBB内部当選中であるか否かに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される状態に対応するRT情報3コマンドがある。
コマンド8CXX(h)は、メダルの払出枚数を指定する払出枚数コマンドである。つまり、メダルの払出枚数(0〜3枚)に対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される状態に対応する払出枚数コマンドがある。
コマンド9300(h)は、ゲームが終了したことを指定する遊技終了コマンドである。
コマンドE0XX(h)は、停電復帰時に送信され、メダルの投入枚数を指定する投入枚数コマンドである。つまり、メダルの投入枚数に対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される状態に対応する投入枚数コマンドがある。例えば、コマンドE000(h)は、メダルの投入枚数が1枚であるときに用いられる投入枚数コマンドであり、コマンドE001(h)は、メダルの投入枚数が2枚であるときに用いられる投入枚数コマンドであり、コマンドE002(h)は、メダルの投入枚数が3枚であるときに用いられる投入枚数コマンドである。
コマンドE1XX(h)は、停電復帰時に送信され、BBが実行されているか否か及び実行されているBBがBB1〜BB4のいずれであるかを指定するボーナス種別コマンドである。つまり、ボーナス種別に対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される状態に対応するボーナス種別コマンドがある。
コマンドE2XX(h)は、停電復帰時に送信され、実行中の遊技状態(BB中、RB中、再遊技中、設定変更中)を指定する遊技状態コマンドである。つまり、実行中の遊技状態に対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される状態に対応する遊技状態コマンドがある。
コマンドE3XX(h)は、停電復帰時に送信され、RT状態か否か及びRT状態の種類(図17に示すRT0〜4)を指定するRT情報コマンドである。つまり、RT状態か否か及びRT状態の種類に対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される状態に対応するRT情報コマンドがある。
コマンドE4XX(h)は、停電復帰時に送信され、BBが内部当選しているか否か及び内部当選したBBの種類(図17に示すBB1〜4)を指定する内部当選コマンドである。つまり、BBが内部当選しているか否か及びBBの種類に対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される状態に対応する復帰時内部当選コマンドがある。
その他、メイン制御部41からサブ制御部91に送信されるコマンドとして、リール回転開始コマンド、リール停止コマンド、復帰コマンド、設定変更中コマンド、エラーコマンドがある。
リール回転開始コマンドは、リールの回転の開始を通知するコマンドである。
リール停止コマンドは、停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれかであるか、該当するリールの停止操作位置の領域番号、該当するリールの停止位置の領域番号、を特定可能なコマンドである。また、リール停止コマンドは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに送信されるので、リール停止コマンドを受信することでストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたことを特定可能である。
エラーコマンドは、エラー状態の発生または解除、エラー状態の種類を示すコマンドである。
復帰コマンドは、メイン制御部41が電断前の制御状態に復帰した旨を示すコマンドである。
設定変更中コマンドは、設定変更中であることを示すコマンドである。また、設定変更状態への移行に伴ってメイン制御部41の制御状態が初期化されるため、設定変更中であることを示す設定変更中コマンドによりメイン制御部41の制御状態が初期化されたことを特定可能である。
上述した複数種類のコマンドに関して、図5及び図6に示した起動処理において、設定変更中コマンドや、エラーコマンド、復帰コマンド、遊技カウンタ1コマンド、投入枚数コマンド、ボーナス種別コマンド、遊技状態コマンド、RT情報コマンド、復帰時内部当選コマンドが送信される場合には、これらのコマンドは、メイン制御部41のRAM41cの特別ワークに割り当てられたコマンド送信用バッファに格納され、後述するタイマ割込処理におけるステップSk16のコマンド送信処理と同様の処理が実行されることによって、起動処理において直ちに送信される。
他方、起動処理を完了して、後述するゲーム処理(図8参照)に移行した後に、遊技カウンタ1コマンドや、RT情報2コマンド、内部当選コマンド、当選番号コマンド、遊技カウンタ2コマンド、RT情報3コマンド、入賞番号コマンド、払出枚数コマンドが送信される場合には、これらのコマンドは、メイン制御部41のRAM41cの特別ワークに設けられたコマンド送信用バッファに一時的に格納され、図11に示すタイマ割込処理(メイン)で実行されるコマンド送信処理(Sk16)においてサブ制御部91に送信される。
また、この実施の形態では、詳しくは後述するように、復帰コマンドおよび設定変更中コマンドを受信したサブ制御部91は、演出制御基板90の立ち上がりが正常であるか否かの判定をする。また、図23に示すタイマ割込処理(サブ)においては、サブ制御部91でのコマンドの受信順序の判定が行われる。
図8は、メイン制御部41が実行するゲーム処理の制御内容を示すフローチャートである。
ゲーム処理では、BET処理(Sd1)、内部抽選処理(Sd2)、第1コマンド生成、格納処理(Sd3)、リール回転処理(Sd4)、入賞判定処理(Sd5)、第2コマンド生成、格納処理(Sd6)、払出処理(Sd7)、ゲーム終了時処理(Sd8)を順に実行し、ゲーム終了時処理が終了すると、再びBET処理に戻る。
Sd1のステップにおけるBET処理では、賭数を設定可能な状態で待機し、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定され、スタートスイッチ7が操作された時点でゲームを開始させる処理を実行する。
Sd2のステップにおける内部抽選処理では、Sd1のステップにおけるスタートスイッチ7の検出によるゲーム開始と同時にラッチされた内部抽選用の乱数値に基づいて上記した各役への入賞を許容するかどうかを決定する処理を行う。この内部抽選処理では、それぞれの抽選結果に基づいて、RAM41cに当選フラグが設定される。
尚、この実施の形態では、リール回転開始時に内部抽選処理を実行した後、内部当選コマンドおよび当選番号コマンドの2つのコマンドを送信することによって、サブ制御部91側で内部当選結果を把握して演出を決定可能としている。具体的には、サブ制御部91は、まず受信した内部当選コマンドにもとづいてBBに内部当選しているか否かやBBの種類を特定して、大まかにBB内部当選している場合の演出を決定する。次いで、サブ制御部91は、受信した当選番号コマンドにもとづいて小役や再遊技役(リプレイ)を含めた全ての内部当選役に当選しているか否かを把握して演出を決定することができる。
尚、この実施の形態では、内部当選コマンドおよび当選番号コマンドの2つのコマンドを送信することによって、サブ制御部91側で内部当選結果を把握する場合を説明したが、このような構成にかぎらず、内部当選結果を特定可能な1つのコマンドのみを送信するように構成してもよい。例えば、この実施の形態では、少なくとも、当選番号コマンドを受信できれば、BBなど特別役だけでなく、小役や再遊技役(リプレイ)を含む全ての内部当選役に当選しているか否かを特定可能なのであるから、内部当選コマンドを送信することなく、当選番号コマンドのみを送信するように構成してもよい。
Sd4のステップにおけるリール回転処理では、各リール2L、2C、2Rを回転させる処理、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことに応じて対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる処理を実行する。
図10に示すように、リール回転処理では、まず、前のゲームのリール回転開始時点からウェイトタイム(たとえば、約4.1秒)が経過したか否かを判定し(Sf1)、ウェイトタイムが経過していなければ、ウェイトタイムが経過するまで待機する。ウェイトタイムが経過していれば、ウェイトタイムの計時を新たに開始する(Sf2)。
次に、リールモータの回転開始時のワーク初期化コードをレジスタに設定し、リールの回転を開始させる(Sf3)。ここで、リール2L、2C、2Rが回転開始したことを示すリール回転コマンドを生成し(Sf4)、生成したリール回転開始コマンドをコマンドバッファに格納する(Sf5)。尚、コマンドバッファに格納されたリール回転開始コマンドは、図11に示すタイマ割込処理(メイン)で実行されるコマンド送信処理(Sk16)においてサブ制御部91に送信される。そして、テーブルインデックスを参照して、テーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データに基づいて、当該ゲームの遊技状態、内部当選状況、他のリールの停止状況に対応する停止制御テーブルを、回転中のリール別に作成し(Sf6)、停止準備完了時のワーク初期化コードをレジスタに設定する(Sf7)。これにより、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が有効となる。
次に、ストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかの有効な操作が検出されたか否かを判定する(Sf8)。Sf8においてストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出された場合には、操作された停止ボタンに対応するリールモータ(3ML、3MC、3MRのいずれか)における、その時点のリール基準位置からのステップ数(停止操作位置となるステップ数)を取得し、停止リールに対応するワークに設定する(Sf9)。ここで、停止されるリールの種類および該リールについて停止される図柄を示すリール停止コマンドを生成し、生成したリール停止コマンドをコマンドバッファに格納する(Sf11)。尚、コマンドバッファに格納されたリール停止コマンドは、図11に示すタイマ割込処理(メイン)で実行されるコマンド送信処理(Sk16)においてサブ制御部91に送信される。その後、操作されたストップスイッチに対応するリール(2L、2C、2Rのいずれか)の回転が停止するまで待機する(Sf12)。
そして、操作された停止ボタンに対応するリール(2L、2C、2Rのいずれか)の回転が停止すると、リール2L、2C、2Rの全てが停止したか否かを判定し(Sf13)、全てのリール2L、2C、2Rの回転が停止していなければ、Sf6に戻る。全てのリール2L、2C、2Rの回転が停止していれば、リール回転処理を終了する。
図8に示すように、Sd5のステップにおける入賞判定処理では、Sd3のステップにおいて全てのリール2L、2C、2Rの回転が停止したと判定した時点で、各リール2L、2C、2Rに導出された表示結果に応じて入賞が発生したか否かを判定する処理を実行する。
図9(b)に示すように、Sd6のステップにおける第2コマンド生成、格納処理では、まず、現在遊技カウンタにセットされているカウント値をコマンドバッファにセットして、遊技カウンタ2コマンドを生成するとともに、コマンドバッファに格納する(Se6)。次いで、RT情報2コマンド、内部当選コマンド、当選番号コマンドを生成するとともにコマンドバッファに格納し(Se7〜Se9)、処理を終了する。尚、コマンドバッファに格納された各コマンドは、図11に示すタイマ割込処理(メイン)で実行されるコマンド送信処理(Sk16)においてサブ制御部91に送信される。
Sd7のステップにおける払出処理では、Sd4のステップにおいて入賞の発生が判定された場合に、その入賞に応じた払出枚数に基づきクレジットの加算並びにメダルの払出等の処理を行う。
Sd8のステップにおけるゲーム終了時処理では、次のゲームに備えて遊技状態を設定する処理を実行する。
また、ゲーム処理では、ゲームの進行制御に応じてコマンドを生成してコマンドバッファに設定し、サブ制御部91に送信されるようになっている。
図11及び図12は、メイン制御部41が一定間隔(0.56msの間隔)で起動処理やゲーム処理に割り込んで実行するタイマ割込処理(メイン)の制御内容を示すフローチャートである。尚、タイマ割込処理(メイン)の実行期間中は自動的に他の割込が禁止される。
タイマ割込処理(メイン)においては、まず、使用中のレジスタをスタック領域に退避する(Sk1)。
次いで、停電判定処理を行う(Sk2)。停電判定処理では、電断検出回路48から電圧低下信号が入力されているか否かを判定し、電圧低下信号が入力されていれば、前回の停電判定処理でも電圧低下信号が入力されていたか否かを判定し、前回の停電判定処理でも電圧低下信号が入力されていた場合には停電と判定し、その旨を示す電断フラグを設定する。
Sk2のステップにおける停電判定処理の後、電断フラグが設定されているか否かを判定し(Sk3)、電断フラグが設定されていなければ、Sk4に進み、電断フラグが設定されていた場合には、後述する電断処理(メイン)に移行する。
Sk4のステップでは、入力ポートから各種スイッチ類の検出データを入力するポート入力処理を行う。
次いで、4種類のタイマ割込1〜4から当該タイマ割込処理(メイン)において実行すべきタイマ割込を識別するための分岐用カウンタを1進める(Sk5)。この実施形態では、タイマ割込1とは、モータを制御してリールの開始制御を行うタイマ割込中の分岐処理であり、具体的には、後述するリール始動処理など、Sk9〜Sk11の処理が行われる。また、タイマ割込2とは、LED表示制御や、時間カウンタの更新、ドア開閉状態の監視、制御信号等の出力制御、コマンドおよび外部出力信号の更新を行うタイマ割込中の分岐処理であり、具体的には、後述するLEDダイナミック表示処理など、Sk12〜Sk17の処理が行われる。また、タイマ割込3とは、リールの原点通過を検出したり、スイッチ入力を監視したり、乱数値の読み出しを行うタイマ割込中の分岐処理であり、具体的には、後述する原点通過時処理など、Sk20〜Sk22の処理が行われる。また、タイマ割込4とは、停止スイッチの入力を検出してリールの停止制御を行うタイマ割込中の分岐処理であり、具体的には、後述する停止スイッチ処理など、Sk23〜Sk25の処理が行われる。Sk5のステップでは、分岐用カウンタ値が0〜2の場合に1が加算され、カウンタ値が3の場合に0に更新される。すなわち分岐用カウンタ値は、タイマ割込処理(メイン)が実行される毎に、0→1→2→3→0・・・の順番でループする。
次いで、分岐用カウンタ値を参照して2または3か、すなわちタイマ割込3またはタイマ割込4かを判定し(Sk6)、タイマ割込3またはタイマ割込4ではない場合、すなわちタイマ割込1またはタイマ割込2の場合には、リールモータ32L、32C、32Rの始動時または定速回転中か否かを確認し、リールモータ32L、32C、32Rの始動時または定速回転中であれば、後述するSk10のモータステップ処理において変更した位相信号データや後述するSk24の最終停止処理において変更した位相信号データを出力するモータ位相信号出力処理を実行する(Sk7)。
次いで、分岐用カウンタ値を参照して1か否か、すなわちタイマ割込2か否かを判定し(Sk8)、タイマ割込2ではない場合、すなわちタイマ割込1の場合には、リールモータ32L、32C、32Rの始動時のステップ時間間隔の制御を行うリール始動処理(Sk9)、リールモータ32L、32C、32Rの位相信号データの変更を行うモータステップ処理(Sk10)、リールモータ32L、32C、32Rの停止後、一定時間経過後に位相信号を1相励磁に変更するモータ位相信号スタンバイ処理(Sk11)を順次実行した後、Sk25のステップに進む。
また、Sk8のステップにおいてタイマ割込2の場合には、各種表示器をダイナミック点灯させるLEDダイナミック表示処理(Sk12)、各種LED等の点灯信号等のデータを出力ポートへ出力する制御信号等出力処理(Sk13)、各種時間カウンタを更新する時間カウンタ更新処理(Sk14)、ドア開放検出スイッチ25の検出状態の監視、ドアコマンドの送信要求などを行うドア監視処理(Sk15)、コマンドバッファに設定された設定変更中コマンドや復帰コマンド、エラーコマンド等の各種コマンドをサブ制御部91に送信するコマンド送信処理(Sk16)、外部出力信号を更新する外部出力信号更新処理(Sk17)を順次実行した後、Sk25のステップに進む。
また、Sk6のステップにおいてタイマ割込3またはタイマ割込4であれば、更に、分岐用カウンタ値を参照して3か否か、すなわちタイマ割込4か否かを判定し(Sk18)、タイマ割込4でなければ、すなわちタイマ割込3であれば、回転中のリール2L、2C、2Rの原点通過(リール基準位置の通過)をチェックし、リール回転エラーの発生を検知するとともに、停止準備が完了しているか(停止準備完了コードが設定されているか)を確認し、停止準備が完了しており、かつ定速回転中であれば、回転中のリールに対応するストップスイッチの操作を有効化する原点通過時処理(Sk20)、スイッチ類の検出状態に変化があったか否かの判定、操作検出コマンドの送信要求等を行うスイッチ入力判定処理(Sk21)、乱数値レジスタR1Dから数値データを読み出して乱数値格納ワークに格納する乱数値読出処理(Sk22)を順次実行した後、Sk26のステップに進む。
また、Sk18のステップにおいてタイマ割込4であれば、ストップスイッチ8L、8C、8Rの検出に伴って停止リールのワークに停止操作位置が格納されたときに、停止リールのワークに格納された停止操作位置から停止位置を決定し、何ステップ後に停止すれば良いかを算出する停止スイッチ処理(Sk23)、停止スイッチ処理で算出された停止までのステップ数をカウントして、停止する時期になったら2相励磁によるブレーキを開始する停止処理(Sk24)、停止処理においてブレーキを開始してから一定時間後に3相励磁とする最終停止処理(Sk25)を順次実行した後、Sk26のステップに進む。
Sk26のステップでは、Sk1においてスタック領域に退避したレジスタを復帰し、割込前の処理に戻る。
このように本実施の形態では、一定間隔毎に基本処理に割り込んでタイマ割込処理(メイン)を実行するとともに、タイマ割込処理(メイン)を実行する毎に処理カウンタを更新し、処理カウンタ値に応じて定められた処理を行うようになっており、一度のタイマ割込処理(メイン)に要する負荷を分散できるうえに、処理カウンタ値に関わらず、電圧低下信号に基づいて電断の条件が成立しているか否かを判定する停電判定処理を行い、電断の条件が成立していれば、電断処理を行うようになっており、電断が検知された場合には速やかに電断処理を行うことが可能となる。
また、タイマ割込処理(メイン)内で、電断の条件が成立しているか否かの判定を行い、電断の条件が成立していれば、そのまま電断処理に移行することとなり、タイマ割込処理(メイン)の実行中に電断に伴う割込が発生することもないため、タイマ割込処理(メイン)の実行中に電断処理を割り込ませたり、タイマ割込処理(メイン)の終了を待って電断に伴う割込処理を行う必要がないため、電断条件の成立に伴う処理が複雑化してしまうことがない。
図13は、メイン制御部41が前述したタイマ割込処理(メイン)において電断フラグが設定されていると判定した場合に実行する電断処理(メイン)の制御内容を示すフローチャートである。
電断処理(メイン)においては、まず、使用している可能性がある全てのレジスタをスタック領域に退避する(Sm1)。尚、前述したIレジスタ及びIYレジスタの値は使用されているが、起動時の初期化に伴って常に同一の固定値が設定されるため、ここでは保存されない。
次いで、破壊診断用データ(本実施の形態では、5A(H))をセットして(Sm2)、全ての出力ポートを初期化する(Sm3)。次いでRAM41cの全ての格納領域(未使用領域及び未使用スタック領域を含む)の排他的論理和が0になるようにRAMパリティ調整用データを計算してセットし(Sm4)、RAM41cへのアクセスを禁止する(Sm5)。
本実施の形態のメイン制御部41は、RAM41cへのアクセスが許可された後、他の処理を行うことなく、まず、RAM41cの全ての格納領域(未使用領域及び未使用スタック領域を含む)のRAMパリティを計算し、その後、計算したRAMパリティから格納データが正常か否かの判定を行う前に、RAM41cの格納データが正常か否かに関わらず共通して行う必要のある処理を行い、その後、RAMパリティに基づいてRAM41cの格納データが正常か否かの判定を行うようになっている。
このため、これらRAM41cの格納データが正常か否かに関わらず共通して行う必要のある処理を、RAM41cの格納データが正常と判定された場合と異常と判定された場合とで個別に実行する必要がないため、起動時の処理に用いるプログラム容量を削減することができる。
また、メイン制御部41の起動後、RAM41cへのアクセスが許可された後、他の処理を行う前にRAMパリティの計算が行われるので、RAM41cに対して何らのアクセスも行われる前の状態で算出されたRAMパリティに基づいて格納データが正常か否かの判断が行われるため、データが正常か否かの判定の信頼性を高めることができる。
また、電断処理において、RAM41cの未使用領域及び未使用スタック領域を含む全てのデータに基づくRAMパリティが0となるようにRAMパリティ調整用データを計算し、格納するとともに、復旧時においてRAM41cにおける未使用領域及び未使用スタック領域を含む全ての領域に格納されているデータに基づいて計算したRAMパリティが0か否かを判定することで、RAM41cのデータが正常か否かを判定しているので、当該判定を正確にかつ簡便に行うことができるうえに、未使用領域や未使用スタック領域に不正なプログラムやデータが格納された場合でも、これら不正なプログラムやデータが格納されたまま復帰してしまうことを防止できる。
また、RAMパリティを計算した後、計算したRAMパリティから格納データが正常か否かの判定を行う前に、RAM41cの格納データが正常か否かに関わらず共通して行う処理として、RAM41cに格納されている各スイッチ入力データ、確定データ、エッジデータ、すなわち各スイッチの検出状況を示すデータをクリアするようになっており、メイン制御部41の起動時においてRAM41cのデータが正常であり、以前の制御状態に復帰させる場合でも以前の制御状態には復帰させない場合でも、割込が許可された後、速やかにスイッチの検出状態のチェックを開始することが可能となる。
本実施の形態のスロットマシン1は、メイン制御部41がゲームの進行制御を行う。操作スイッチとしてMAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8Rを備える。また、これら操作スイッチのうちスタートスイッチ7は、設定変更状態において設定値の確定操作にも用いられる。
メイン制御部41は、これら操作スイッチを、一定時間間隔毎に割り込んで実行されるタイマ割込処理(メイン)中に実行するスイッチ入力判定処理において検出する。
メイン制御部41は、電源投入に伴い、起動処理を実行し、起動処理の終了時に割込が許可され、その後、タイマ割込処理(メイン)を一定間隔毎に実行する。そして、メイン制御部41が電断前の状態に復帰可能な場合には、起動処理において割込が許可される前に復帰コマンドがサブ制御部91に対して送信される。また、RAM41cの格納データの異常によりメイン制御部41が電断前の状態に復帰不可能な場合には、起動処理において割込が許可される前にRAM異常を示すエラーコマンドがサブ制御部91に対して送信される。また、設定キースイッチ37がonの状態であり、RAM41cが初期化され、電断前の状態に復帰しない場合には、起動処理において割込が許可される前に設定変更中であることを示す設定変更中コマンドがサブ制御部91に対して送信される。これら起動処理において送信されるコマンドのうち復帰コマンドからは、メイン制御部41が電断前の状態に復帰する旨が特定され、RAM異常を示すエラーコマンド、設定変更中であることを示す設定変更中コマンドからは、メイン制御部41が電断前の状態には復帰しない旨が特定されることとなる。
次に、メイン制御部41が演出制御基板90に対して送信するコマンドに基づいてサブ制御部91が実行する演出の制御について説明する。
サブ制御部91は、メイン制御部41からのコマンドを受信した際に、コマンド受信割込処理を実行する。コマンド受信割込処理では、RAM91cに設けられた受信用バッファに、コマンド伝送ラインから取得したコマンドを格納する。
受信用バッファには、最大で16個のコマンドを格納可能な領域が設けられており、複数のコマンドを蓄積できるようになっている。
サブ制御部91は、タイマ割込処理(サブ)において、受信用バッファに未処理のコマンドが格納されているか否かを判定し、未処理のコマンドが格納されている場合には、そのうち最も早い段階で受信したコマンドに基づいてROM91bに格納された制御パターンテーブルを参照し、制御パターンテーブルに登録された制御内容に基づいて液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の各種演出装置の出力制御を行う。
制御パターンテーブルには、複数種類の演出パターン毎に、コマンドの種類に対応する液晶表示器51の表示パターン、演出効果LED52の点灯態様、スピーカ53、54の出力態様、リールLEDの点灯態様等、これら演出装置の制御パターンが登録されており、サブ制御部91は、コマンドを受信した際に、制御パターンテーブルの当該ゲームにおいてRAM91cに設定されている演出パターンに対応して登録された制御パターンのうち、受信したコマンドの種類に対応する制御パターンを参照し、当該制御パターンに基づいて演出装置の出力制御を行う。これにより演出パターン及び遊技の進行状況に応じた演出が実行されることとなる。
尚、サブ制御部91は、あるコマンドの受信を契機とする演出の実行中に、新たにコマンドを受信した場合には、実行中の制御パターンに基づく演出を中止し、新たに受信したコマンドに対応する制御パターンに基づく演出を実行するようになっている。すなわち演出が最後まで終了していない状態でも、新たにコマンドを受信すると、受信した新たなコマンドが新たな演出の契機となるコマンドではない場合を除いて実行していた演出はキャンセルされて新たなコマンドに基づく演出が実行されることとなる。
演出パターンは、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じた選択率にて選択され、RAM91cに設定される。演出パターンの選択率は、ROM91bに格納された演出テーブルに登録されており、サブ制御部91は、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じて演出テーブルに登録されている選択率を参照し、その選択率に応じて複数種類の演出パターンからいずれかの演出パターンを選択し、選択した演出パターンを当該ゲームの演出パターンとしてRAM91cに設定するようになっており、同じコマンドを受信しても内部当選コマンドの受信時に選択された演出パターンによって異なる制御パターンが選択されるため、結果として演出パターンによって異なる演出が行われることがある。
本実施の形態のスロットマシン1においては、入賞ラインLNに予め定められた図柄組み合わせが揃うと、入賞となる。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、ビッグボーナス、レギュラーボーナスへの移行を伴う特別役と、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役とがある。
尚、ビッグボーナスをBBと示し、レギュラーボーナスをRBと示す場合がある。また、ビッグボーナス、レギュラーボーナスを単にボーナスという場合もある。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、内部抽選に当選して、当該役の入賞を許容する旨の当選フラグがRAM41cに設定されている必要がある。
図14〜図16は、入賞役の種類、入賞役の図柄組み合わせ、及び入賞役に関連する技術事項について説明するための図である。また、図17は、メイン制御部41により制御される遊技状態及びRTの遷移を説明するための図である。
本実施の形態におけるスロットマシンは、図17に示すように、遊技状態として、通常遊技状態、内部中1、内部中2、RB、BB(RB)のいずれかに制御される。また、RTとは、リプレイとなる確率が高められたリプレイタイムのことであり、通常遊技状態(以下、通常遊技状態を通常と称す)においては、RT0〜4のいずれかの種類のRT(リプレイタイム)に制御される。
入賞役のうち特別役には、ビッグボーナス1〜4、レギュラーボーナス1、2の6種類のボーナスが含まれる。
BB1は、入賞ラインLNに「黒7−黒7−黒7」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。BB2は、入賞ラインLNに「網7−網7−網7」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。BB3は、入賞ラインLNに「白7−白7−白7」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。BB4は、入賞ラインLNに「BAR−BAR−BAR」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。BB4は、入賞ラインLNに「黒7−白7−網7」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。
BB1〜BB4のいずれかに入賞すると、BB中レギュラーボーナス(以下、BBRBと称する)に毎ゲーム制御されるビッグボーナスに移行される。
BB1〜BB4のいずれかの入賞に起因して発生したビッグボーナスは、316枚以上メダルが払い出されたことを条件として終了する。
RB1は、入賞ラインLNに「網7−網7−黒7」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。RB2は、入賞ラインLNに「白7−白7−黒7」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。
RB1、RB2のいずれかに入賞すると、レギュラーボーナス(以下、RBと称する)に移行される。
RB1、RB2のいずれかの入賞に起因して発生したレギュラーボーナスは、いずれかの役が6回入賞するか、12ゲーム消化したことを条件として終了する。
後述する内部抽選においてBB1〜BB4、RB1、RB2のうちいずれかに当選していても、ストップスイッチ8L、8C、8Rをこれらの役に入賞可能とする適正なタイミングで操作しなければ、これらの役に入賞することはない。BB1〜BB4、RB1、RB2を構成する図柄(「黒7」、「白7」、「網7」)は、各々、左リール2L、中リール2C、右リール2R各々において5コマ以内に配置されていないためである。
次に、図14を参照して、入賞役のうち小役について説明する。入賞役のうち小役には、中段ベル、右下がりベル、上段ベル1〜8、中段スイカ、右下がりスイカ、上段スイカ、下段チェリー、中段チェリー、1枚役、右上がりベル、右上がりベベリ、右上がりリベベが含まれる。
例えば、中段ベルは、入賞ラインLNに「ベル−ベル−ベル」の組み合わせが揃ったときに入賞となり、8枚のメダルが払い出される。
ここで、図3を参照すると、ベルは、左リール2L、中リール2C、右リール2R各々において5コマ以内に配置されている。このため、後述する内部抽選において中段ベルに当選しているときには、原則として、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングに関わらず入賞させることができる役といえる。
以下、右下がりベル、上段ベル1〜8、中段スイカ、右下がりスイカ、上段スイカ、下段チェリー、中段チェリー、1枚役、右上がりベル、右上がりベベリ、右上がりリベベも同様に、図14に示す図柄の組み合わせが揃ったときに入賞となり、図14に示す払い出し枚数のメダルが払い出される。尚、図3に示すように、右下がりベル、右上がりベル、右上がりベベリ、右上がりリベベは構成図柄が5コマ以内に配置されているため、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングに関わらず入賞させることができるが、上段ベル1〜8、中段スイカ、右下がりスイカ、上段スイカ、下段チェリー、中段チェリー、1枚役は、構成図柄が5コマ以内に配置されていない箇所があるので、構成図柄が5コマ以内に配置されていないリールに対応するストップスイッチを適正なタイミングで操作しなければ入賞することはない。
次に、図15を参照して、入賞役のうち再遊技役について説明する。入賞役のうち再遊技役には、通常リプレイ、下段リプレイ、転落リプレイ、昇格リプレイ1、2、特殊リプレイ、SP(スペシャル)リプレイが含まれる。
例えば、通常リプレイは、入賞ラインLNに「リプレイ−リプレイ−リプレイ」、「リプレイ−リプレイ−プラム」、「プラム−リプレイ−リプレイ」、「プラム−リプレイプラム」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。リプレイ、プラムは、左リール2L、中リール2C、右リール2R各々において5コマ以内に配置されている。よって、通常リプレイについては、原則として、当選していれば、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングに関わらず入賞させることができる役といえる。
以下、下段リプレイ、転落リプレイ、昇格リプレイ1、2、特殊リプレイ、SP(スペシャル)リプレイも同様に、図15で示す図柄の組み合わせが揃ったときに入賞となる。また、図3に示すように、これらの各リプレイも構成図柄が5コマ以内に配置されているので、当選していれば、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングに関わらず入賞させることができる役といえる。
図17に示すように、通常・RT0において転落リプレイに入賞した後は、RT1に制御される。
また、通常・RT1において昇格リプレイ(昇格リプレイ1または昇格リプレイ2)に入賞した後は、通常・RT0に制御される。後述するように、昇格リプレイは、通常・RT2、通常・RT3、通常・RT4における内部抽選においては単独で当選しないように設定されている。また、通常・RT2、通常・RT3、通常・RT4における内部抽選において特別役と昇格リプレイが同時に当選した場合には、その時点で内部中1・RT0または内部中2・RT0に制御される。このため、通常・RT2、通常・RT3、通常・RT4においては昇格リプレイに入賞しない。その結果、通常・RT2、通常・RT3、通常・RT4から通常・RT0に制御されないように構成されており、通常・RT1であるときにのみ昇格リプレイ入賞し、当該通常・RT1からのみ通常・RT0に制御されるように構成されている。
また、通常・RT1、通常・RT3において特殊リプレイに入賞した後は、通常・RT2に制御される。後述するように、特殊リプレイは、通常・RT1、通常・RT4における内部抽選においては単独で当選しないように設定されている。また、通常・RT1、通常・RT4における内部抽選において特別役と特殊リプレイが同時に当選した場合には、その時点で内部中1・RT0または内部中2・RT0に制御される。このため、通常・RT1、通常・RT4においては特殊リプレイに入賞しない。その結果、通常・RT1、通常・RT4から通常・RT2に制御されないように構成されており、通常・RT0、通常・RT3であるときにのみ特殊リプレイ入賞し、当該通常・RT0、通常・RT3からのみ通常・RT2に制御されるように構成されている。尚、通常・RT2において特殊リプレイが入賞した場合には、通常・RT2が維持されることとなる。
図17に示すように、通常・RT2においてSPリプレイに入賞した後は、通常・RT3に制御される。後述するように、SPリプレイは、通常・RT0、通常・RT1、通常・RT4における内部抽選においては単独で当選しないように設定されている。また、通常・RT0、通常・RT1、通常・RT4における内部抽選において特別役とSPリプレイが同時に当選した場合には、その時点で内部中1・RT0または内部中2・RT0に制御される。このため、通常・RT0、通常・RT1、通常・RT4においてはSPリプレイに入賞しない。その結果、通常・RT0、通常・RT1、通常・RT4から通常・RT3に制御されないように構成されており、通常・RT2であるときにのみSPリプレイ入賞し、当該通常・RT2からのみ通常・RT3に制御されるように構成されている。尚、通常・RT3において特殊リプレイが入賞した場合には、通常・RT3が維持されることとなる。
次に、図16を参照して、移行出目について説明する。移行出目は、図16に示すように、例えば「リプレイ−オレンジ−ベル」など、20種類の組み合わせで構成されている。本実施の形態では、後述する左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4が当選し、中段ベルの入賞条件となるリール以外を第1停止とし、かつ当選している上段ベルを取りこぼした場合に、上記の移行出目が入賞ラインLNに揃う。
図17に示すように、通常・RT0、通常・RT2、通常・RT3、通常・RT4において移行出目が入賞ラインLNに揃った後は、通常・RT1に制御される。尚、通常・RT1において移行出目が入賞ラインLNに揃った場合には、通常・RT1が維持されることとなる。
次に、遊技状態毎に抽選対象役として読み出される抽選対象役の組み合わせについて説明する。本実施の形態では、遊技状態が、通常遊技状態であるか、内部中1(BB1、BB3、RB2が当選している状態)であるか、内部中2(BB2、BB4、RB1が当選している状態)であるか、BB(RB)であるか、RBであるか、によって内部抽選の対象となる役及びその当選確率が異なる。さらに遊技状態が通常遊技状態であれば、RT0〜4の種類によって、内部抽選の対象となる再遊技役及びその当選確率の少なくとも一方が異なる。尚、抽選対象役として後述するように、複数の入賞役が同時に読出されて、重複して当選し得る。以下において、入賞役の間に“+”を表記することにより、内部抽選において同時に抽選対象役として読み出されることを示す。
通常・RT0であるときには、BB1、BB1+弱スイカ、BB1+強スイカ、BB1+弱チェリー、BB1+強チェリー、BB1+中段チェリー、BB1+1枚役、BB1+通常リプレイ、BB1+転落リプレイ、BB1+昇格リプレイ、BB1+特殊リプレイ、BB1+SPリプレイ、BB2、BB2+弱スイカ、BB2+強スイカ、BB2+弱チェリー、BB2+強チェリー、BB2+中段チェリー、BB2+1枚役、BB2+通常リプレイ、BB2+転落リプレイ、BB2+昇格リプレイ、BB2+特殊リプレイ、BB3、BB3+弱スイカ、BB3+強スイカ、BB3+弱チェリー、BB3+強チェリー、BB3+中段チェリー、BB3+1枚役、BB3+通常リプレイ、BB3+転落リプレイ、BB3+昇格リプレイ、BB3+特殊リプレイ、BB4、BB4+中段チェリー、BB4+1枚役、BB4+特殊リプレイ、RB1、RB1+強スイカ、RB1+弱チェリー、RB1+強チェリー、RB1+1枚役、RB2、RB2+弱スイカ、RB2+強スイカ、RB2+弱チェリー、RB2+強チェリー、RB2+1枚役、ベル、左ベル1、左ベル2、左ベル3、左ベル4、中ベル1、中ベル2、中ベル3、中ベル4、右ベル1、右ベル2、右ベル3、右ベル4、弱スイカ、強スイカ、弱チェリー、強チェリー、中段チェリー、1枚役、リプレイGR11、リプレイGR12、リプレイGR13、リプレイGR14、リプレイGR15、リプレイGR16、リプレイGR21、リプレイGR22、リプレイGR23、リプレイGR24、リプレイGR25が内部抽選の対象役となる。
尚、弱スイカとは、上段スイカ+右下がりスイカである。すなわち上段スイカが入賞した場合に、弱スイカであることを認識できる。強スイカとは中段スイカ+右下がりスイカである。すなわち中段スイカが入賞した場合に、強スイカであることを認識できる。弱チェリーとは、下段チェリー単独であり、強チェリーとは、下段チェリー+1枚役である。弱チェリーでは、中段に「BAR−BAR−BAR」の組み合わせが揃うことで弱チェリーであることを認識できるのに対して、左リール2Lの下段にチェリーが停止し、かつ中段に「BAR−BAR−BAR」の組み合わせが揃うことで強チェリーであることを認識できる。
また、昇格リプレイとは、昇格リプレイ1+昇格リプレイ2である。ベルとは、中段ベル+右下がりベルである。左ベル1とは、右下がりベル+上段ベル5+上段ベル8であり、左ベル2とは、右下がりベル+上段ベル6+上段ベル7であり、左ベル3とは、右下がりベル+上段ベル2+上段ベル3であり、左ベル4とは、右下がりベル+上段ベル2+上段ベル4である。左ベル1〜4を単に左ベルとも呼ぶ。中ベル1とは、中段ベル+上段ベル2+上段ベル5であり、中ベル2とは、中段ベル+上段ベル1+上段ベル6であり、中ベル3とは、中段ベル+上段ベル4+上段ベル7であり、中ベル4とは、中段ベル+上段ベル3+上段ベル8である。中ベル1〜4を単に中ベルとも呼ぶ。右ベル1とは、中段ベル+上段ベル3+上段ベル5であり、右ベル2とは、中段ベル+上段ベル1+上段ベル7であり、右ベル3とは、中段ベル+上段ベル4+上段ベル6であり、右ベル4とは、中段ベル+上段ベル2+上段ベル8である。右ベル1〜4を単に右ベルとも呼ぶ。また、これら左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4を単に押し順ベルとも呼ぶ。
リプレイGR11とは、転落リプレイ+昇格リプレイ2であり、リプレイGR12とは、転落リプレイ+昇格リプレイ2+通常リプレイであり、リプレイGR13とは、転落リプレイ+昇格リプレイ1であり、リプレイGR14とは、転落リプレイ+昇格リプレイ1+通常リプレイであり、リプレイGR15とは、転落リプレイ+昇格リプレイ1+昇格リプレイ2であり、リプレイGR16とは、転落リプレイ+昇格リプレイ1+昇格リプレイ2+通常リプレイである。
リプレイGR21とは、転落リプレイ+特殊リプレイであり、リプレイGR22とは、転落リプレイ+特殊リプレイ+通常リプレイであり、リプレイGR23とは、転落リプレイ+特殊リプレイ+下段リプレイであり、リプレイGR24とは、転落リプレイ+特殊リプレイ+通常リプレイ+下段リプレイであり、リプレイGR25とは、転落リプレイ+特殊リプレイ+昇格リプレイ1である。
通常・RT1であるときには、BB1、BB1+弱スイカ、BB1+強スイカ、BB1+弱チェリー、BB1+強チェリー、BB1+中段チェリー、BB1+1枚役、BB1+通常リプレイ、BB1+転落リプレイ、BB1+昇格リプレイ、BB1+特殊リプレイ、BB1+SPリプレイ、BB2、BB2+弱スイカ、BB2+強スイカ、BB2+弱チェリー、BB2+強チェリー、BB2+中段チェリー、BB2+1枚役、BB2+通常リプレイ、BB2+転落リプレイ、BB2+昇格リプレイ、BB2+特殊リプレイ、BB3、BB3+弱スイカ、BB3+強スイカ、BB3+弱チェリー、BB3+強チェリー、BB3+中段チェリー、BB3+1枚役、BB3+通常リプレイ、BB3+転落リプレイ、BB3+昇格リプレイ、BB3+特殊リプレイ、BB4、BB4+中段チェリー、BB4+1枚役、BB4+特殊リプレイ、RB1、RB1+強スイカ、RB1+弱チェリー、RB1+強チェリー、RB1+1枚役、RB2、RB2+弱スイカ、RB2+強スイカ、RB2+弱チェリー、RB2+強チェリー、RB2+1枚役、ベル、左ベル1、左ベル2、左ベル3、左ベル4、中ベル1、中ベル2、中ベル3、中ベル4、右ベル1、右ベル2、右ベル3、右ベル4、弱スイカ、強スイカ、弱チェリー、強チェリー、中段チェリー、1枚役、通常リプレイ、リプレイGR1、リプレイGR2、リプレイGR3、リプレイGR4、リプレイGR5、リプレイGR6が内部抽選の対象役となる。
リプレイGR1とは、通常リプレイ+昇格リプレイ1であり、リプレイGR2とは、通常リプレイ+昇格リプレイ1+昇格リプレイ2であり、リプレイGR3とは、通常リプレイ+昇格リプレイ1+下段リプレイであり、リプレイGR4とは、通常リプレイ+昇格リプレイ1+昇格リプレイ2+下段リプレイであり、リプレイGR5とは、通常リプレイ+昇格リプレイ2であり、リプレイGR6とは、通常リプレイ+昇格リプレイ2+下段リプレイである。
通常・RT2であるときには、BB1、BB1+弱スイカ、BB1+強スイカ、BB1+弱チェリー、BB1+強チェリー、BB1+中段チェリー、BB1+1枚役、BB1+通常リプレイ、BB1+転落リプレイ、BB1+昇格リプレイ、BB1+特殊リプレイ、BB1+SPリプレイ、BB2、BB2+弱スイカ、BB2+強スイカ、BB2+弱チェリー、BB2+強チェリー、BB2+中段チェリー、BB2+1枚役、BB2+通常リプレイ、BB2+転落リプレイ、BB2+昇格リプレイ、BB2+特殊リプレイ、BB3、BB3+弱スイカ、BB3+強スイカ、BB3+弱チェリー、BB3+強チェリー、BB3+中段チェリー、BB3+1枚役、BB3+通常リプレイ、BB3+転落リプレイ、BB3+昇格リプレイ、BB3+特殊リプレイ、BB4、BB4+中段チェリー、BB4+1枚役、BB4+特殊リプレイ、RB1、RB1+強スイカ、RB1+弱チェリー、RB1+強チェリー、RB1+1枚役、RB2、RB2+弱スイカ、RB2+強スイカ、RB2+弱チェリー、RB2+強チェリー、RB2+1枚役、ベル、左ベル1、左ベル2、左ベル3、左ベル4、中ベル1、中ベル2、中ベル3、中ベル4、右ベル1、右ベル2、右ベル3、右ベル4、弱スイカ、強スイカ、弱チェリー、強チェリー、中段チェリー、1枚役、通常リプレイ、リプレイGR31、リプレイGR32、リプレイGR33、リプレイGR34、リプレイGR35、リプレイGR36が内部抽選の対象役となる。
リプレイGR31とは、特殊リプレイ+SPリプレイ+通常リプレイであり、リプレイGR32とは、特殊リプレイ+SPリプレイ+通常リプレイ+転落リプレイであり、リプレイGR33とは、特殊リプレイ+SPリプレイ+下段リプレイであり、リプレイGR34とは、特殊リプレイ+SPリプレイ+下段リプレイ+転落リプレイであり、リプレイGR35とは、特殊リプレイ+SPリプレイ+通常リプレイ+下段リプレイであり、リプレイGR36とは、特殊リプレイ+SPリプレイ+通常リプレイ+下段リプレイ+転落リプレイである。
通常・RT3であるときには、BB1、BB1+弱スイカ、BB1+強スイカ、BB1+弱チェリー、BB1+強チェリー、BB1+中段チェリー、BB1+1枚役、BB1+通常リプレイ、BB1+転落リプレイ、BB1+昇格リプレイ、BB1+特殊リプレイ、BB1+SPリプレイ、BB2、BB2+弱スイカ、BB2+強スイカ、BB2+弱チェリー、BB2+強チェリー、BB2+中段チェリー、BB2+1枚役、BB2+通常リプレイ、BB2+転落リプレイ、BB2+昇格リプレイ、BB2+特殊リプレイ、BB3、BB3+弱スイカ、BB3+強スイカ、BB3+弱チェリー、BB3+強チェリー、BB3+中段チェリー、BB3+1枚役、BB3+通常リプレイ、BB3+転落リプレイ、BB3+昇格リプレイ、BB3+特殊リプレイ、BB4、BB4+中段チェリー、BB4+1枚役、BB4+特殊リプレイ、RB1、RB1+強スイカ、RB1+弱チェリー、RB1+強チェリー、RB1+1枚役、RB2、RB2+弱スイカ、RB2+強スイカ、RB2+弱チェリー、RB2+強チェリー、RB2+1枚役、ベル、左ベル1、左ベル2、左ベル3、左ベル4、中ベル1、中ベル2、中ベル3、中ベル4、右ベル1、右ベル2、右ベル3、右ベル4、弱スイカ、強スイカ、弱チェリー、強チェリー、中段チェリー、1枚役、リプレイGR31、リプレイGR32、リプレイGR33、リプレイGR34、リプレイGR35、リプレイGR36、SPリプレイが内部抽選の対象役となる。
通常・RT4であるときには、BB1、BB1+弱スイカ、BB1+強スイカ、BB1+弱チェリー、BB1+強チェリー、BB1+中段チェリー、BB1+1枚役、BB1+通常リプレイ、BB1+転落リプレイ、BB1+昇格リプレイ、BB1+特殊リプレイ、BB1+SPリプレイ、BB2、BB2+弱スイカ、BB2+強スイカ、BB2+弱チェリー、BB2+強チェリー、BB2+中段チェリー、BB2+1枚役、BB2+通常リプレイ、BB2+転落リプレイ、BB2+昇格リプレイ、BB2+特殊リプレイ、BB3、BB3+弱スイカ、BB3+強スイカ、BB3+弱チェリー、BB3+強チェリー、BB3+中段チェリー、BB3+1枚役、BB3+通常リプレイ、BB3+転落リプレイ、BB3+昇格リプレイ、BB3+特殊リプレイ、BB4、BB4+中段チェリー、BB4+1枚役、BB4+特殊リプレイ、RB1、RB1+強スイカ、RB1+弱チェリー、RB1+強チェリー、RB1+1枚役、RB2、RB2+弱スイカ、RB2+強スイカ、RB2+弱チェリー、RB2+強チェリー、RB2+1枚役、ベル、左ベル1、左ベル2、左ベル3、左ベル4、中ベル1、中ベル2、中ベル3、中ベル4、右ベル1、右ベル2、右ベル3、右ベル4、弱スイカ、強スイカ、弱チェリー、強チェリー、中段チェリー、1枚役、通常リプレイが内部抽選の対象役となる。
内部中1・RT0、内部中2・RT0であるときには、ベル、左ベル1、左ベル2、左ベル3、左ベル4、中ベル1、中ベル2、中ベル3、中ベル4、右ベル1、右ベル2、右ベル3、右ベル4、弱スイカ、強スイカ、弱チェリー、強チェリー、中段チェリー、1枚役、通常リプレイ、下段リプレイ、SPリプレイ、転落リプレイ、昇格リプレイ、特殊リプレイが内部抽選の対象役となる。
BBRB・RT0であるときには、弱チェリー、全役が内部抽選の対象役となり、RB・RT0であるときには、全役、RBベル1、RBベル2、RBベル3が内部抽選の対象役となる。
全役とは、右上がりベベリ以外の全ての小役、すなわち中段ベル+右下がりベル+上段ベル1+上段ベル2+上段ベル3+上段ベル4+上段ベル5+上段ベル6+上段ベル7+上段ベル8+中段スイカ+右下がりスイカ+上段スイカ+下段チェリー+中段チェリー+1枚役+右上がりベル+右上がりリベベである。
RBベル1とは、右上がりベル+右上がりリベベであり、RBベル2とは、右上がりベル+右上がりリベベ+右上がりベリリであり、RBベル3とは、全ての小役、すなわち中段ベル+右下がりベル+上段ベル1+上段ベル2+上段ベル3+上段ベル4+上段ベル5+上段ベル6+上段ベル7+上段ベル8+中段スイカ+右下がりスイカ+上段スイカ+下段チェリー+中段チェリー+1枚役+右上がりベル+右上がりベベリ+右上がりリベベである。
また、通常・RT0〜4などにおいて、BB1〜BB4、RB1、RB2のいずれかと同時当選し得る弱スイカ、強スイカ、弱チェリー、強チェリー、中段チェリー、1枚役、通常リプレイ、転落リプレイ、昇格リプレイ、SPリプレイの判定値数は、内部中1・RT0、内部中2・RT0においては、各々、ボーナスと別個に読み出される、強スイカ、弱チェリー、強チェリー、中段チェリー、1枚役、通常リプレイ、転落リプレイ、昇格リプレイ、SPリプレイに加算されているため、強スイカ、弱チェリー、強チェリー、中段チェリー、1枚役、通常リプレイ、転落リプレイ、昇格リプレイ、SPリプレイ各々の当選確率が一定となるように担保されている。
このように、遊技状態が通常遊技状態であるか、内部中1、2であるか、BB(RB)であるか、RBであるか、によって内部抽選の対象役が異なるとともに、BB(RB)やRBでは、小役の当選確率が通常遊技状態及び内部中よりも高く定められた抽選テーブルを用いて内部抽選が行われる。
また、遊技状態が内部中1、2である場合には、内部中1であるか、内部中2であるか、によって内部抽選の対象役は変わらないが、内部中1であるか、内部中2であるか、によって対象となる再遊技役の当選確率が異なる抽選テーブルを用いて内部抽選が行われる。
また、遊技状態が通常遊技状態である場合には、RT0〜4のいずれかであるかによって、内部抽選の対象となる再遊技役が異なるとともに、RT0〜4のいずれかであるかによって、対象となる再遊技役及びその当選確率が異なる抽選テーブルを用いて内部抽選が行われる。
詳しくは後述するように、本実施の形態では、複数種類の小役(ベル)や複数種類の再遊技役が同時に当選している場合には、当選した小役や再遊技役の種類及びストップスイッチ8L、8C、8Rの押し順に応じて定められた小役の図柄組み合わせや再遊技役の図柄組み合わせを入賞ラインLNに最大4コマの引込範囲で揃えて停止させる制御が行われる。そこで、図18〜図20を用いて同時に当選する小役や再遊技役の種類について具体的に説明するが、図18は、同時に当選する小役や再遊技役の一覧を示す。また、図19は、複数のリプレイが同時当選したときのリール制御を示し、図20は、複数の小役が同時当選したときのリール制御を示す。
図18及び図19に示すように、例えば、リプレイGR1(通常リプレイ+昇格リプレイ1)が当選し、左中右の順番で停止操作がなされた場合には、当選した再遊技役のうち昇格リプレイ1の組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、左中右以外の順番で停止操作がなされた場合には、通常リプレイの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
また、リプレイGR2〜6も同様に、所定の順番で停止操作がなされた場合には、当選した再遊技役のうち昇格リプレイ1又は昇格リプレイ2の組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、所定の順番以外の順番で停止操作がなされた場合には、通常リプレイの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
図3に示すように、昇格リプレイ1、昇格リプレイ2及び通常リプレイを構成する図柄は、左リール2L、中リール2C、右リール2Rの全てにおいて5コマ以内の間隔で配置されているため、停止操作順に応じて、ストップスイッチ8L〜8Rの停止操作タイミングに関わらず、昇格リプレイ1、昇格リプレイ2または通常リプレイが必ず入賞するようにリール制御が行われる。
このため、リプレイGR1〜6が内部抽選の対象となる通常・RT1において、リプレイGR1〜6のいずれかが当選していれば1/6の確率で昇格リプレイが入賞することとなり、通常・RT0に移行することとなる。
また、リプレイGR11〜16も同様に、所定の順番で停止操作がなされた場合には、当選した再遊技役のうち昇格リプレイ1又は昇格リプレイ2の組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、所定の順番以外の順番で停止操作がなされた場合には、転落リプレイの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
図3に示すように、昇格リプレイ1、昇格リプレイ2及び転落リプレイを構成する図柄は、左リール2L、中リール2C、右リール2Rの全てにおいて5コマ以内の間隔で配置されているため、停止操作順に応じて、ストップスイッチ8L〜8Rの停止操作タイミングに関わらず、昇格リプレイ1、昇格リプレイ2または転落リプレイが必ず入賞するようにリール制御が行われる。
このため、リプレイGR11〜16が内部抽選の対象となる通常・RT0において、リプレイGR11〜16のいずれかが当選していれば1/6の確率で昇格リプレイが入賞して通常・RT0が維持される一方で、5/6の確率で転落リプレイが入賞して通常・RT1に移行することとなる。
また、リプレイGR21〜25では、所定の順番で停止操作がなされた場合には、当選した再遊技役のうち特殊リプレイの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、所定の順番以外の順番で停止操作がなされた場合には、転落リプレイの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
図3に示すように、特殊リプレイ及び転落リプレイを構成する図柄は、左リール2L、中リール2C、右リール2Rの全てにおいて5コマ以内の間隔で配置されているため、停止操作順に応じて、ストップスイッチ8L〜8Rの停止操作タイミングに関わらず、特殊リプレイまたは転落リプレイが必ず入賞するようにリール制御が行われる。
このため、リプレイGR21〜25が内部抽選の対象となる通常・RT0において、リプレイGR21〜25のいずれかが当選していれば1/5の確率で特殊リプレイが入賞して通常・RT2に移行することとなる一方で、4/5の確率で転落リプレイが入賞して通常・RT1に移行することとなる。
また、リプレイGR31〜36では、所定の順番(左押し)で停止操作がなされた場合には、当選した再遊技役のうちSPリプレイ又は通常リプレイの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、所定の順番以外の順番で停止操作がなされた場合には、特殊リプレイの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
図3に示すように、SPリプレイ、特殊リプレイ及び通常リプレイを構成する図柄は、左リール2L、中リール2C、右リール2Rの全てにおいて5コマ以内の間隔で配置されているため、停止操作順に応じて、ストップスイッチ8L〜8Rの停止操作タイミングに関わらず、SPリプレイ、特殊リプレイまたは通常リプレイが必ず入賞するようにリール制御が行われる。
このため、リプレイGR31〜36が内部抽選の対象となる通常・RT2において、リプレイGR31〜36のいずれかが当選していれば1/6の確率でSPリプレイが入賞して通常・RT3へ移行させることができる一方で、5/6の確率で通常リプレイまたは特殊リプレイが入賞して通常・RT2が維持されることとなる。また、後述のようにSPリプレイが入賞すると、遊技者にとって有利なナビストックが1つ以上必ず付与されることとなるため、通常・RT2において、リプレイGR31〜36のいずれかが当選していれば1/6の確率でSPリプレイが入賞してナビストックが1つ以上付与され、かつSPリプレイに入賞しやすい、すなわちナビストックが付与される可能性の高い通常・RT3へ移行させることができる。
また、リプレイGR31〜36が内部抽選の対象となる通常・RT3において、リプレイGR31〜36のいずれかが当選していれば1/6の確率でSPリプレイが入賞して後述するナビストックが1つ以上付与される一方で、1/6の確率で通常リプレイが入賞して通常・RT3が維持され、4/6の確率で特殊リプレイが入賞して通常・RT2へ移行することとなる。
図18及び図20に示すように、左ベル1〜5が当選し、左押しで停止操作を行った場合には、当選した小役のうち右下がりベルの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、中押しまたは右押しで停止操作がなされた場合には、上段ベル2〜8または移行出目のいずれかの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
図3に示すように、右下がりベルの構成図柄は、全てのリールにおいて5コマ以内の間隔で配置されており、左ベル1〜4が当選した場合に、左押しにて停止操作を行った場合には、停止操作のタイミングに関わらず、必ず右下がりベルを入賞ラインLNに揃える制御が行われる一方で、上段ベル1〜8を構成する図柄は、全てのリールにおいて5コマ以上の間隔で配置されている箇所があるため、左ベル1〜4が当選した場合でも、中押しまたは右押しにて停止操作を行った場合には、当選した上段ベル1〜8の構成図柄の引込範囲となる適切なタイミングで停止操作を行わなければ、当選した上段ベルを入賞ラインLNに揃えることはできず、その場合には、移行出目が入賞ラインLNに揃うように制御される。
また、中ベル1〜4が当選し、中押しで停止操作を行った場合には、当選した小役のうち中段ベルの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、左押しまたは右押しで停止操作がなされた場合には、上段ベル1〜8または移行出目のいずれかの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
右ベル1〜4が当選し、右押しで停止操作を行った場合には、当選した小役のうち中段ベルの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、左押しまたは中押しで停止操作がなされた場合には、上段ベル1〜8または移行出目のいずれかの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
図3に示すように、中段ベルの構成図柄は、全てのリールにおいて5コマ以内の間隔で配置されており、右ベル1〜4が当選した場合に、右押しにて停止操作を行った場合には、停止操作のタイミングに関わらず、必ず中段ベルを入賞ラインLNに揃える制御が行われる一方で、上段ベル1〜8を構成する図柄は、全てのリールにおいて5コマ以上の間隔で配置されている箇所があるため、右ベル1〜4が当選した場合でも、左押しまたは中押しにて停止操作を行った場合には、当選した上段ベル1〜8の構成図柄の引込範囲となる適切なタイミングで停止操作を行わなければ、当選した上段ベルを入賞ラインLNに揃えることはできず、その場合には、移行出目が入賞ラインLNに揃うように制御される。
このように本実施の形態では、左ベル、中ベル、右ベル、すなわち押し順ベルのいずれかが当選した場合には、当選役の種類に応じた特定の操作態様で停止操作を行うことで、右下がりベルまたは中段ベルが必ず入賞する一方で、当選役の種類に応じた特定の操作態様以外の操作態様で停止操作を行うことで、1/4で上段ベルが揃うが、3/4で上段ベルが揃わず移行出目が揃うこともある。
このため、押し順ベルの当選時には、当選役の種類に応じた特定の操作態様で操作されたか否かによって払い出されるメダル数の期待値を変えることができる。すなわち押し順ベルのいずれかが当選しても、その種類が分からなければ意図的に特定の操作態様を選択することはできないことから、1/3の割合で右下がりベルまたは中段ベルを確実に入賞させることにより確実にメダルを獲得できるものの、2/3の割合ではさらに1/4でしか上段ベルを入賞させることができず、確実にメダルを獲得することができない。
RBベル1(右上がりベル+右上がりリベベ)が当選し、左押しで停止操作を行った場合には、当選した小役のうち右上がりベルの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、中押しまたは右押しで停止操作がなされた場合には、右上がりリベベの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
RBベル2(右上がりベル+右上がりリベベ+右上がりベリリ)が当選し、中押しで停止操作を行った場合には、当選した小役のうち右上がりベルの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、左押しで停止操作がなされた場合には右上がりベベリの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、右押しで停止操作がなされた場合には、右上がりリベベの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
RBベル3(中段ベル+右下がりベル+上段ベル1+上段ベル2+上段ベル3+上段ベル4+上段ベル5+上段ベル6+上段ベル7+上段ベル8+中段スイカ+右下がりスイカ+上段スイカ+下段チェリー+中段チェリー+1枚役+右上がりベル+右上がりベベリ+右上がりリベベ)が当選し、右押しで停止操作を行った場合には、当選した小役のうち右上がりベルの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、左押しまたは中押しで停止操作がなされた場合には右上がりベベリの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
図3に示すように、右上がりベル、右上がりリベベ、右上がりベベリの構成図柄は、全てのリールにおいて5コマ以内の間隔で配置されており、RBベル1〜4が当選した場合には、停止操作のタイミングに関わらず、必ず右上がりベル、右上がりリベベ、右上がりベベリのいずれかの組み合わせが入賞ラインLNに揃って10枚のメダルが払い出されることとなるが、1/3の割合でのみ、「ベル−ベル−ベル」の組み合わせが右上がりに揃うこととなる。
また、特に図示しないが、ベル(中段ベル+右下がりベル)が当選した場合には、リールの停止順及び操作のタイミングに関わらず、入賞ラインLNに「ベル−ベル−ベル」の組み合わせが揃うように制御される。
また、全役(中段ベル+右下がりベル+上段ベル1+上段ベル2+上段ベル3+上段ベル4+上段ベル5+上段ベル6+上段ベル7+上段ベル8+中段スイカ+右下がりスイカ+上段スイカ+下段チェリー+中段チェリー+1枚役+右上がりベル+右上がりリベベ)が当選した場合には、リールの停止順及び操作のタイミングに関わらず、「ベル−ベルベル」の組み合わせが右上がりに揃うように制御される。
本実施の形態では、図17に示すように、通常遊技状態、内部中1、内部中2、RB、BB(RB)のいずれかに制御され、さらに通常遊技状態においては、RT0〜4のいずれかに制御される。
前述のように、メイン制御部41のRAM41cには、遊技状態を特定可能な遊技状態フラグが格納される領域と、RTの種類を特定可能なRTフラグが格納される領域と、が割り当てられている。遊技状態フラグは、4ビットのデータであり、0000が通常遊技状態を示し、0001が内部中1を示し、0010が内部中2を示し、0100がRBを示し、1100がBB(RB)を示す。RTフラグは、4ビットのデータであり、0000がRT0を示し、0001がRT1を示し、0010がRT2を示し、0011がRT3を示し、0100がRT4を示す。また、RAM41cには、RTフラグの格納領域とともにRT残りゲーム数を格納可能な領域が1バイト分割り当てられており、RTが終了するまでの残りゲーム数が格納される。尚、ゲーム数の消化で終了しないRT0、3、4の場合には、RT残りゲーム数として0が設定される。
遊技状態フラグの値が0000、RTフラグの値が0000の場合は、通常遊技状態かつRT0であることを示し、遊技状態フラグの値が0000、RTフラグの値が0001の場合は、通常遊技状態かつRT1であることを示し、遊技状態フラグの値が0000、RTフラグの値が0010の場合は、通常遊技状態かつRT2であることを示し、遊技状態フラグの値が0000、RTフラグの値が0011の場合は、通常遊技状態かつRT3であることを示し、RTフラグの値が0100の場合は、通常遊技状態かつRT4であることを示し、遊技状態フラグの値が0001、RTフラグの値が0000の場合は、内部中1であることを示し、遊技状態フラグの値が0010、RTフラグの値が0000の場合は、内部中2であることを示し、遊技状態フラグの値が0100、RTフラグの値が0000の場合は、RBであることを示し、遊技状態フラグの値が1100、RTフラグの値が0000の場合は、BB(RB)であることを示す。
そして、内部抽選処理においてメイン制御部41のRAM41cに格納されている遊技状態フラグの値及びRTフラグの値を参照して遊技状態及びRTの種類を特定し、それに応じて抽選テーブルを選択し、選択した抽選テーブルを用いて抽選を行うことにより、遊技状態及びRTの種類に応じた抽選対象役について、遊技状態及びRTの種類に応じた当選確率にて抽選が行われるようになっている。
詳しくは、メイン制御部41のRAM41cに格納されている遊技状態フラグの値を参照し、現在の遊技状態がBB(RB)中か否か、RB中か否か、内部中1か否か、内部中2か否か、を判定し、現在の遊技状態がBB(RB)中であれば、BB(RB)中における内部抽選の対象役及びその判定値数が格納されたBB(RB)用の抽選テーブルを選択して抽選を行い、RB中であれば、RB中における内部抽選の対象役及びその判定値数が格納されたRB用の抽選テーブルを選択して抽選を行い、内部中1であれば、内部中1における内部抽選の対象役及びその判定値数が格納された内部中1用の抽選テーブルを選択して抽選を行い、内部中2であれば、内部中2における内部抽選の対象役及びその判定値数が格納された内部中2用の抽選テーブルを選択して抽選を行う一方で、現在の遊技状態がBB(RB)中でもなく、RB中でもなく、内部中1、2でもない場合、すなわち通常遊技状態であれば、さらにRAM41cに格納されているRTフラグの値を参照し、その値から特定されるRTの種類に応じて内部抽選の対象役及びその判定値数が格納された通常用の抽選テーブルを選択して抽選を行うことで、各遊技状態及びRTの種類に応じた対象役の抽選が、各遊技状態及びRTの種類に応じた当選確率にて行われることとなる。
通常・RT0は、通常・RT1において昇格リプレイが入賞したとき(リプレイGR1〜6のいずれかが当選し、昇格リプレイが入賞する順番で停止操作がなされたとき)、通常・RT1、通常・RT2が規定ゲーム数の消化により終了したときに移行する。この際、遊技状態フラグの値は、通常遊技状態を示す0000から変わらず、RTフラグの値が、RT0を示す0000に更新され、RT残りゲーム数としてゲーム数の制限がない旨を示す0が設定される。そして、通常・RT0は、通常・RT0に移行してからのゲーム数に関わらず、転落リプレイの入賞または移行出目の停止により通常・RT1に移行するか、特殊リプレイの入賞により通常・RT2に移行するか、特別役が当選して内部中1または内部中2に移行することで終了する。
通常・RT1は、通常・RT0、通常・RT2、通常・RT3、通常・RT4において移行出目が停止するか、通常・RT0において転落リプレイが入賞したときに移行する。この際、遊技状態フラグの値は、通常遊技状態を示す0000から変わらず、RTフラグの値が、RT1を示す0001に更新され、RT残りゲーム数として1000が設定される。そして、通常・RT1は、1ゲーム毎に、RT残りゲーム数が減算されるようになっており、規定ゲーム数(本実施の形態では1000G)消化してRT残りゲーム数が0となることで通常・RT0に移行するか、特別役が当選して内部中1または内部中2に移行することで終了する。
通常・RT2は、通常・RT0または通常・RT3において特殊リプレイが入賞したときに移行する。この際、遊技状態フラグの値は、通常遊技状態を示す0000から変わらず、RTフラグの値が、RT2を示す0010に更新され、RT残りゲーム数として30が設定される。そして、通常・RT2は、1ゲーム毎に、RT残りゲーム数が減算されるようになっており、規定ゲーム数(本実施の形態では30G)消化してRT残りゲーム数が0となることで通常・RT0に移行するか、SPリプレイが入賞して通常・RT3に移行するか、移行出目が停止して通常・RT1に移行するか、特別役が当選して内部中1または内部中2に移行することで終了する。
通常・RT3は、通常・RT2においてSPリプレイが入賞したときに移行する。この際、遊技状態フラグの値は、通常遊技状態を示す0000から変わらず、RTフラグの値が、RT3を示す0011に更新され、RT残りゲーム数としてゲーム数の制限がない旨を示す0が設定される。そして、通常・RT3は、通常・RT3に移行してからのゲーム数に関わらず、特殊リプレイが入賞して通常・RT2に移行するか、移行出目が停止して通常・RT1に移行するか、特別役が当選して内部中1または内部中2に移行することで終了する。
通常・RT4は、BB(RB)、RBの終了時に移行する。この際、遊技状態フラグの値は、通常遊技状態を示す0000から変わらず、RTフラグの値が、RT3を示す0011に更新され、RT残りゲーム数としてゲーム数の制限がない旨を示す0が設定される。そして、通常・RT4は、通常・RT4に移行してからのゲーム数に関わらず、移行出目が停止してRT1に移行するか、特別役が当選して内部中1または内部中2に移行することで終了する。
内部中1は、通常遊技状態において特別役のうちBB1、BB3、RB2が当選したときに移行する。この際、遊技状態フラグの値は、内部中1を示す0001に更新され、RTフラグの値が、RT0を示す0000に更新され、RT残りゲーム数としてゲーム数も0に更新される。そして、内部中1は、内部中に移行してからのゲーム数に関わらず、内部中1に移行する契機となった特別役が入賞してBB(RB)またはRBに移行することで終了する。
内部中2は、通常遊技状態において特別役のうちBB2、BB4、RB1が当選したときに移行する。この際、遊技状態フラグの値は、内部中2を示す0010に更新され、RTフラグの値が、RT0を示す0000に更新され、RT残りゲーム数としてゲーム数も0に更新される。そして、内部中2は、内部中に移行してからのゲーム数に関わらず、内部中2に移行する契機となった特別役が入賞してBB(RB)またはRBに移行することで終了する。
RBは、内部中1、2においてRB1またはRB2が入賞したときに移行する。この際、遊技状態フラグの値は、RBを示す0100に更新され、RTフラグの値は、RT(0)を示す0000から変わらず、RT残りゲーム数も0から変わらない。そして、RBは、12ゲーム消化するか、6回入賞することで終了する。
BB(RB)は、内部中においてBBが入賞したときに移行する。この際、遊技状態フラグの値は、BB(RB)を示す1100に更新され、RTフラグの値は、RT(0)を示す0000から変わらず、RT残りゲーム数も0から変わらない。そして、BB(RB)は、BB(RB)に移行してからのゲーム数に関わらず、BB(RB)に払い出されたメダルの総数が規定数を超えることで終了する。
また、本実施の形態におけるスロットマシンは、遊技状態がRT0〜3であるときに、サブ制御部91により、内部抽選結果を報知するナビ演出を実行可能な報知期間となるアシストタイム(以下、ATという)に演出状態を制御可能となっている。
通常・RT4では、移行出目が停止することで、RT1に移行し、特別役が当選することで、当選した特別役の種類に応じて内部中1または内部中2に移行する。
通常・RT4において左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4のいずれかが当選し、かつ小役を入賞させることができなかった場合に移行出目が停止することとなるため、RBまたはBB(RB)の終了後に移行した通常・RT4において左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4のいずれかが当選し、かつ小役を入賞させることができなかった場合に、通常・RT1に移行することとなる。
通常・RT1では、特別役も当選せず、昇格リプレイも入賞せずに規定ゲーム数(1000G)消化するか、昇格リプレイが入賞することで通常・RT0に移行し、特別役が当選することで、当選した特別役の種類に応じて内部中1または内部中2に移行する。
通常・RT1においてリプレイGR1〜6が当選し、停止順が正解することで昇格リプレイが入賞することとなるため、通常・RT1では、リプレイGR1〜6が当選し、停止順に正解することで通常・RT0へ移行することとなる。
通常・RT0では、転落リプレイが入賞するか、移行出目が停止することで通常・RT1に移行し、特殊リプレイが入賞することで通常・RT2へ移行し、特別役が当選することで、当選した特別役の種類に応じて内部中1または内部中2に移行する。
通常・RT0においてリプレイGR11〜16が当選し、停止順が正解することで昇格リプレイが入賞し、不正解であると転落リプレイが入賞する。また、通常・RT0においてリプレイGR21〜25が当選し、停止順が正解することで特殊リプレイが入賞し、不正解であると転落リプレイが入賞する。また、通常・RT0において左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4のいずれかが当選し、かつ小役を入賞させることができなかった場合に移行出目が停止する。このため、通常・RT0では、リプレイGR21〜25が当選し、停止順が正解することで通常・RT2へ移行し、リプレイGR11〜16が当選し、停止順が不正解となるか、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4のいずれかが当選し、小役を入賞させることができなかった場合に通常・RT1へ移行することとなる。
通常・RT2では、特別役も当選せず、SPリプレイも入賞せずに規定ゲーム数(30G)消化することで通常・RT0に移行し、SPリプレイが入賞することで通常・RT3に移行し、特別役が当選することで、当選した特別役の種類に応じて内部中1または内部中2に移行する。
通常・RT2においてリプレイGR31〜36が当選し、停止順が正解することでSPリプレイが入賞する。また、通常・RT2において左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4のいずれかが当選し、かつ小役を入賞させることができなかった場合に移行出目が停止する。このため、通常・RT2では、リプレイGR31〜36が当選し、停止順が正解することで通常・RT3へ移行し、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4のいずれかが当選し、小役を入賞させることができなかった場合に通常・RT1へ移行することとなる。
通常・RT3では、特殊リプレイが入賞することでRT2に移行し、移行出目が停止することで通常・RT1に移行し、特別役が当選することで、当選した特別役の種類に応じて内部中1または内部中2に移行する。
通常・RT3においてリプレイGR31〜36が当選し、停止順が正解することでSPリプレイまたは通常リプレイが入賞し、不正解であると特殊リプレイが入賞する。また、通常・RT3において左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4のいずれかが当選し、かつ小役を入賞させることができなかった場合に移行出目が停止する。このため、通常・RT3では、リプレイGR31〜36が当選し、停止順が不正解となることで通常・RT2へ移行し、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4のいずれかが当選し、小役を入賞させることができなかった場合に通常・RT1へ移行することとなる。
内部中1、2では、当該内部中へ移行する契機となった特別役が入賞することでRBまたはBB(RB)に移行する。
また、本実施の形態では、前述のように遊技状態フラグは、メイン制御部41のRAM41cの領域のうち設定変更時に初期化される一般ワークに割り当てられる一方で、RTフラグ及びRT残りゲーム数は、RAM41cの領域のうち設定変更時に初期化されない重要ワークに割り当てられている。
このため、通常遊技状態において設定変更された場合には、遊技状態フラグは初期化されて通常遊技状態を示す0000に更新されるが、RTフラグの値やRT残りゲーム数の値は、設定変更前のまま維持されるので、通常遊技状態において設定変更された場合には、設定変更前のRTの種類及び残りRTゲーム数が設定変更後も引き継がれることとなる。
また、本実施の形態では、前述のように遊技状態が通常遊技状態から内部中1または内部中2に移行した場合には、RTフラグの値がRT0を示す0000に更新され、その後、移行したRBまたはBB(RB)が終了するまで、RTフラグの値がRT0を示す0000のまま維持されるようになっている。
このため、内部中1、2において設定変更された場合には、遊技状態フラグは初期化されて通常遊技状態を示す0000に更新され、RTフラグの値は維持されるものの、必ずRT0を示す0000が設定されているので、内部中において設定変更された場合には、必ず通常遊技状態のRT0の状態となる。
また、BB(RB)において設定変更された場合も同様で、遊技状態フラグは初期化されて通常遊技状態を示す0000に更新され、RTフラグの値は維持されるものの、必ずRT0を示す0000が設定されているので、BB(RB)において設定変更された場合にも、必ず通常遊技状態のRT0の状態となる。
設定変更しても、その変更前の遊技状態を維持できるスロットマシンであっても、ボーナスなどの極端に有利な遊技状態などは、開店前には初期化するのが一般的である。このため、従来のスロットマシンでは、設定変更により遊技者にとって極端に有利な特定の遊技状態を終了させるものの、設定変更前が特定の遊技状態であるか否かを特定するために、特定の遊技状態を示すデータは維持し、設定変更後、特定の遊技状態を示すデータが設定されている場合には、特定の遊技状態を示すデータをその時点で初期化するとともに、遊技状態を改めて設定するようになっており、特定の遊技状態において設定変更した場合に、その変更後、遊技状態を初期化するために、変更後に初期化されるデータ、すなわち設定変更後は必要としないデータまで維持しておく必要があった。
これに対して本実施の形態では、設定変更がされた場合に、RTフラグ及びRT残りゲーム数については変更前のデータが維持される一方で、遊技状態フラグについては、設定変更前の値が初期化され、通常遊技状態を示す値に更新されるので、RTフラグにより特定される内部抽選の確率とその残りゲーム数のみ、設定変更後も引き継ぐことが可能となり、遊技状態フラグにより特定される内部抽選の確率については、設定変更により初期化することが可能となる。そして、遊技状態フラグとして特定の遊技状態を示す値(内部中またはBB(RB)を示す値)が設定された場合には、RTフラグ及びRT残りゲーム数が初期化され、遊技状態フラグとして特定の遊技状態を示す値が設定された場合には、内部抽選においてRTフラグから特定される抽選テーブルを用いずに、遊技状態フラグから特定される抽選テーブルのみを用いて抽選を行うようになっており、特定の遊技状態を示す遊技状態フラグが設定されている状態において設定変更された場合には、設定変更後、遊技状態フラグも、RTフラグ及びRT残りゲーム数も初期化された状態とすることが可能となるため、RTフラグ及びRT残りゲーム数のみ設定変更後も変更前のものが維持されるものにおいて、特定の遊技状態を示す遊技状態フラグが設定されている状態で設定変更された場合には、従来のように設定変更後、その変更後は用いられることのないデータ、すなわち必要のなくなるデータを保持することなく、遊技状態フラグもRTフラグも初期化された状態とすることができる。
また、特定の遊技状態を示す遊技状態フラグが設定されている状態において設定変更された場合には、設定変更後、遊技状態フラグ、RTフラグに加え、RT残りゲーム数も初期化された状態とすることが可能となるため、特定の遊技状態を示す遊技状態フラグが設定されている状態において設定変更した場合に、当該遊技状態フラグが設定されてからのゲーム数に関わらず、設定変更後は、同一の状態、すなわち遊技状態フラグ、RTフラグ、RT残りゲーム数の全てが初期化された状態となるので、設定変更の時期によって遊技者に対して不公平となることがないため、ゲームの公正さを担保することができる。
また、本実施の形態では、内部抽選を行うにあたり、まず遊技状態フラグを参照し、遊技状態フラグが特定の遊技状態以外の遊技状態を示す場合のみ、RTフラグを参照して抽選テーブルを選択するとともに、遊技状態フラグが特定の遊技状態を示す場合には、RTフラグを参照せずに特定の遊技状態に用いる抽選テーブルを選択して抽選を行うようになっている。このため、RTフラグを参照したうえで、遊技状態フラグを参照し、遊技状態フラグが特定の遊技状態を示す遊技状態フラグであると判定された場合には、遊技状態フラグに対応する抽選テーブルが選択され、RTフラグを参照する処理が無駄になるが、本実施の形態のように、まず遊技状態フラグを参照し、遊技状態フラグが特定の遊技状態以外の遊技状態を示す場合のみ、RTフラグを参照して抽選テーブルを選択することで、特定の遊技状態を示す遊技状態フラグが設定されている場合において抽選テーブルに影響しないRTフラグを参照する処理を省くことができる。
また、本実施の形態では、特定の遊技状態として内部中1、2、すなわち特別役が当選している状態を示す遊技状態フラグが設定された場合に、RTフラグ及びRT残りゲーム数が初期化され、内部中1、2を示す遊技状態フラグが設定された場合には、内部抽選においてRTフラグから特定される抽選テーブルを用いずに、遊技状態フラグから特定される抽選テーブルのみを用いて抽選を行うので、特別役が当選している状態では、設定変更するのみで、遊技状態フラグもRTフラグも初期化された状態となるので、特別役の当選が持ち越されたまま遊技店が閉店した場合には、特別役が当選している状態を初期化し、かつRTフラグやRT残りゲーム数も初期化したい場合に、ただ設定変更するだけの作業で済むため、翌朝の開店までに遊技者を迎える準備として特別役の当選が持ち越された状態を終了させるための作業を効率的に行うことができる。
また、本実施の形態では、特定の遊技状態としてRBまたはBB(RB)、すなわち遊技者にとって有利なボーナス中を示す遊技状態フラグが設定された場合にも、RTフラグ及びRT残りゲーム数が初期化された状態が維持され、RBまたはBB(RB)を示す遊技状態フラグが設定された場合には、内部抽選においてRTフラグから特定される抽選テーブルを用いずに、遊技状態フラグから特定される抽選テーブルのみを用いて抽選を行うので、RB、BB(RB)では、設定変更するのみで、遊技状態フラグもRTフラグも初期化された状態となるので、RB中またはBB(RB)中に遊技店が閉店した場合には、RB、BB(RB)を初期化し、かつRTフラグやRT残りゲーム数も初期化する場合に、ただ設定変更するだけの作業で済むため、翌朝の開店までに遊技者を迎える準備としてRB、BB(RB)を終了させるための作業を効率的に行うことができる。
また、本実施の形態では、RBまたはBB(RB)終了時、すなわち特定の遊技状態の終了時に、RTフラグを初期化時のRTフラグ、すなわちRT0を示すRTフラグとは異なるRT4を示すRTフラグが設定されるようになっており、特定の遊技状態において設定変更するか、特定の遊技状態の終了後に、設定変更するか、に応じて異なるRTフラグの状態を設定することが可能となる。すなわち特定の遊技状態において閉店した場合には、特定の遊技状態のまま設定変更するか、特定の遊技状態を終了させてから設定変更するか、を遊技店側で選択することにより、開店時においてRTの状態をRT0とするか、RT4とするか、選択することが可能となる。
また、本実施の形態では、通常遊技状態を構成するRT0〜4のうち、特定の遊技状態において設定変更した場合には、他の遊技状態または他のRTへ移行するまでの期待ゲーム数(平均ゲーム数)が最も少ない通常遊技状態のRT0となるので、特定の遊技状態において設定変更した場合には、少ないゲーム数で他の遊技状態やRTへ変更することが可能であり、通常遊技状態のRT0のままとするか、他の遊技状態やRTへ変更するか、を遊技店側で容易に選択できる。
また、通常遊技状態を構成するRT0〜4のうち、特定の遊技状態において設定変更した場合に移行する通常遊技状態のRT0は、移行後のゲーム数に関わらず、他の遊技状態や他のRTへ移行する構成であるため、設定変更時に移行するRTのゲーム数を選択する必要もないうえに、規定ゲーム数消化するまで他の遊技状態や他のRTへ移行できないようなこともなく、特定の遊技状態において設定変更した場合において遊技店側が、他の遊技状態やRTへ変更することが制限されてしまうことを防止できる。さらに、通常遊技状態を構成するRT0〜4のうち、特定の遊技状態において設定変更した場合に移行する通常遊技状態のRT0、すなわち特定の遊技状態への移行時に同時に移行するRTは、ゲーム数に制限のないRTであり、特定の遊技状態を示す遊技状態フラグが設定されている状態において設定変更した場合に、当該遊技状態フラグが設定されてからのゲーム数に関わらず、設定変更後のRT0から他のRTへ移行する条件も、設定変更前の状態によって変わることがないため、設定変更の時期によって遊技者に対して不公平となることがないため、ゲームの公正さを担保することができる。
尚、本実施の形態では、内部抽選を行うにあたり、まず遊技状態フラグを参照し、遊技状態フラグが特定の遊技状態以外の遊技状態を示す場合のみ、RTフラグを参照して抽選テーブルを選択するとともに、遊技状態フラグが特定の遊技状態を示す場合には、RTフラグを参照せずに特定の遊技状態に用いる抽選テーブルを選択して抽選を行う構成、すなわち遊技状態フラグを優先して参照し、必要な場合のみRTフラグを参照する構成であるが、遊技状態フラグの値と、RTフラグの値と、の双方を用いて内部抽選に用いる抽選テーブルが特定される構成としても良い。
次に、本実施の形態におけるサブ制御部91が実行する各種制御内容を、図21〜図25に基づいて以下に説明する。
サブ制御部91は、リセット回路95からシステムリセット信号が入力されると、図21及び図22のフローチャートに示す起動処理(サブ)を行う。
まず、内蔵デバイスや周辺IC、割込モード、スタックポインタ等を初期化した後(Sn1)、RAM91cへのアクセスを許可する(Sn2)。次いで、図5の起動処理(メイン)のSa12で生成された復帰コマンドをメイン制御部41から受信したか否かを判定する(Sn3)。復帰コマンドを受信していない場合には、図5の起動処理(メイン)のSa16で生成された設定変更中コマンドをメイン制御部41から受信したか否かを判定する(Sn4)。設定変更中コマンドを受信した場合には、設定変更中コマンドを受信したことを示す設定受信コマンドフラグをRAM91cの所定領域に格納する(Sn5)。
復帰コマンドを受信した場合および設定変更中コマンドを受信した場合には、RAM91cにバックアップデータがあるか否かが判定される。RAM91cにバックアップデータがあるか否かは、例えば、後述する電断処理においてRAM91cに設定されるバックアップフラグがあるか否かによって確認される(Sn6)。リセット回路95からシステムリセット信号が入力されて起動処理が行われた場合には、演出制御基板90の立ち上がりが正常であるため、電断処理においてRAM91cにバックアップフラグが設定されているはずである。よって、Sn6のステップにおいてバックアップフラグが設定されていなければ、RAM91cに格納されているデータが正常ではない。すなわち、リセット回路95からシステムリセット信号が入力されて正常な起動処理が行われず、例えば不正な電波を演出制御基板90に向けて送信するなどの不正行為が行われ、演出制御基板90の立ち上がりが正常でないことになる。よって、この場合にはペナルティカウンタに10ゲームをセットし(Sn12)、RAM91cの初期化を実行する(Sn13)。この後、タイマ割込に応じて、図23で示すタイマ割込処理(サブ)が行われる。他方、Sn6において、バックアップフラグが設定されていることが判定された場合には、RAMのデータは正常であるので、バックアップフラグがクリアされる(Sn7)。
Sn7のステップにおいてバックアップフラグがクリアされた場合には、RAM91cの全ての格納領域のRAMパリティを計算する(Sn8)。Sn9のステップでは、Sn8のステップにおいて計算したRAMパリティが0か否かを判定する。リセット回路95からシステムリセット信号が入力されて起動処理が行われた場合には、演出制御基板90の立ち上がりが正常であるため、RAMパリティが0になるはずである。よって、Sn9のステップにおいてRAMパリティが0でなければ、RAM91cに格納されているデータが正常ではない。すなわち、リセット回路95からシステムリセット信号が入力されて正常な起動処理が行われず、例えば不正な電波を演出制御基板90に向けて送信するなどの不正行為が行われ、演出制御基板90の正常な立ち上がりが行われなかったことになる。この場合には、後述するAT抽選でATを実行するか否かを決定するための複数種類の決定条件のうち、遊技者に不利な決定条件を設定するためのペナルティカウンタに10ゲームをセットし(Sn12)、さらにRAM91cの初期化を実行する(Sn13)。ペナルティカウンタにゲーム数がセットされている期間であるペナルティ期間のゲームでは、成立したAT抽選条件の種類によってはAT抽選が行われず、AT抽選が行われたとしてもAT抽選に当選する確率が低くなり、また、ATのゲーム数を決定する際にもゲーム数が少なくなるようにゲーム数抽選が行われる。
Sn9のステップにおいて、RAMパリティが0であれば、設定変更中コマンド受信フラグがRAM91cに格納されているか否かが判定される(Sn10)。
設定変更中コマンド受信フラグがRAM91cに格納されている場合には、RAM91cの初期化を実行する(Sn13)。設定変更中コマンド受信フラグがRAM91cに格納されていない場合には、バックアップされたデータに基づいて復帰処理が実行される(Sn11)。また、ステップSn4において、設定変更中コマンドを受信していないことが判定された場合には、図5の起動処理(メイン)のSa22で生成されたエラーコマンドをメイン制御部41から受信したか否かが判定される(Sn14)。エラーコマンドを受信していることが判定された場合には、Sn15のステップに移行してRAM91cの初期化を実行し、エラー処理が行われる(Sn16)。エラー処理では、エラー報知がなされ、例えば、遊技店員によってリセット/設定スイッチ38が操作されるなどしてエラー状態が解除されると、エラー報知が終了して元の状態に復帰する。エラーコマンドを受信していないことが判定された場合、すなわち、設定変更中コマンドおよび復帰コマンドおよびエラーコマンドを受信していない場合には、ペナルティカウンタに10ゲームをセットし(Sn12)、RAM91cの初期化を実行する(Sn13)。正常な立ち上がりが行われる場合には、上記した設定変更中コマンドまたは復帰コマンドを受信しているはずである。しかし、設定変更中コマンドまたは復帰コマンドを受信していない場合には、正常な立ち上がりが行われずに、不正行為による正常でない立ち上がりが行われたと判定できるので、設定変更中コマンドおよび復帰コマンドおよびエラーコマンドを受信していない場合には、ペナルティカウンタに10ゲームをセットしている。
Sn11において復帰処理が行われた後は、図5の起動処理(メイン)においてメイン制御部41から送信された遊技カウンタ1コマンドを受信したか否かを判定する(Sn17)。遊技カウンタ1コマンドを受信した場合には、受信した遊技カウンタ1コマンドが示すカウント値と、遊技カウンタ1コマンド格納領域にバックアップされている遊技カウンタ1コマンドが示すカウント値とが同一値であるか否かを判定する(Sn18)。Sn18において、カウント値が同一値でないことを判定した場合には、RAM91cに設定された連続入賞回数カウンタをクリアする(Sn19)。次いで、ペナルティカウンタに2ゲームをセットする(Sn20)。この後、タイマ割込に応じて、図23で示すタイマ割込処理(サブ)が行われる。
尚、Sn18において、カウント値が同一でないと判定された場合には、不正に電断を発生させてRAM91cのデータを強制的に書き換えたり初期化したりするなどの不正行為が行われた可能性がある。このため、Sn18において、カウント値が同一でないと判定された場合には連続入賞回数カウンタをクリアするとともにペナルティカウンタに2ゲームをセットしている。これにより、不正行為をより確実に防止できる。
尚、連続入賞回数カウンタは、連続するゲームでベルが入賞し続けた回数をカウントするカウンタである。詳しくは、連続入賞回数カウンタのカウント値が所定値(例えば、「3」)に達したとき、すなわち、ベルが所定回数連続して入賞した場合には、AT抽選処理において通常モード用テーブルよりも遊技者に有利な連続入賞用テーブル(図示略)を用いてAT抽選が行われる。
尚、スタートスイッチ7の押下直後に電断が発生した場合など、偶然に遊技カウンタ1コマンドが送信されるタイミングとほぼ同じタイミングで電断が発生してしまうと、メイン制御部41から遊技カウンタ1コマンドが送信されても、サブ制御部91でコマンドを正常に受信できず、遊技カウンタ1コマンドが示すカウント値をコマンドバッファに格納できないことが考えられる。このような場合には、例えば、電断後に再送信された遊技カウンタ1コマンドで示されるカウント値が1つ進んでいても許容することとしてもよい。
また、この実施の形態では、電断復帰時に遊技カウンタ1コマンドを再送する場合を示したが、このような形態にかぎらず、例えば、電断復帰時に遊技カウンタ2コマンドとして再送して、サブ制御部91でバックアップしている遊技カウンタ2コマンドと一致するか否かを判定するようにしてもよい。また、例えば、遊技カウンタ1コマンドおよび遊技カウンタ2コマンドの両方を再送して、それぞれ、サブ制御部91でバックアップしている遊技カウンタ1コマンドおよび遊技カウンタ2コマンドと一致するか否かを判定するようにしてもよい。
また、RAMパリティの判定に加えて、起動処理(メイン)と同様に破壊診断用データが正常か否かを判定して、立ち上がりが正常か否かを判定してもよい。破壊診断用データが正常か否かを判定する実施形態では、不正行為によって、システムリセットが行われた場合には、破壊診断用データが存在しない場合と、破壊診断用データが存在していてもデータ自体が正常でない場合とがある。よって、破壊診断用データが正常か否かを判定するときには、破壊診断用データの有無を判定してもよいし、破壊診断用データのデータ自体が正常か否かを判定してもよいし、これら両方を判定してもよい。
また、本実施の形態における起動処理(サブ)では、復帰コマンド又は設定変更中コマンドを受信したことを条件にRAMパリティを計算してRAMパリティが0であるか否かを判定し、演出制御基板90の立ち上がりが正常であるか否かを判定しているが、いずれか一方のコマンドを受信したことを条件に判定してもよいし、各コマンドを受信したことを条件とせずに判定してもよい。特に、設定変更中コマンドを受信したときには立ち上がりが正常であるか否かを判定しない場合には起動処理(サブ)の処理負担を軽減できる。さらに、復帰コマンド又は設定変更中コマンドを受信した場合には、立ち上がりの判定を行うことなく、立ち上がりが正常であると判定してもよい。また、例えば、コマンドの受信に関わらず、演出制御基板90の立ち上がり時にバックアップフラグがセットされているか否かおよびRAMパリティが0であるか否かを判定し、バックアップフラグがセットされているとともにRAMパリティが0である場合には、立ち上がりが正常であると判定し、バックアップフラグがセットされていないかまたはRAMパリティが0でない場合には、立ち上がりが正常でないと判定してもよい。
また、本実施の形態における起動処理(サブ)では、設定変更中コマンドを受信した場合にRAM91cを初期化したが、設定変更中コマンドを受信した場合にはRAM91cの初期化とともにペナルティカウンタをクリアしてもよい。これにより、任意にペナルティカウンタをクリアすることが可能になり、利便性が向上することができる。
図23及び図24は、CPU91aが内部クロックのカウント値に基づいて1.12秒の間隔で実行するタイマ割込処理(サブ)のフローチャートである。
タイマ割込処理(サブ)においては、まず、使用中のレジスタをスタック領域に退避する(Sp1)。
次いで、停電判定処理を行う(Sp2)。停電判定処理では、電断検出回路48から電圧低下信号が入力されているか否かを判定し、電圧低下信号が入力されていれば、前回の停電判定処理でも電圧低下信号が入力されていたか否かを判定し、前回の停電判定処理でも電圧低下信号が入力されていた場合には停電と判定し、その旨を示す電断フラグを設定する。
Sp2のステップにおける停電判定処理の後、電断フラグが設定されているか否かを判定し(Sp3)、電断フラグが設定されていなければ、Sp4に進み、電断フラグが設定されていた場合には、後述する電断処理(サブ)に移行する。
Sp4では、コマンドバッファにコマンドが格納されているか否かを判定する。コマンドバッファにコマンドが格納されていればコマンドバッファからコマンドを取得する(Sp5)。
次いで、サブ制御部91は、コマンドの受信順序を判定可能な状態となっていれば、コマンドを正しい順序で受信しているか否かを判定する(Sp6)。例えば、サブ制御部91は、各コマンドをコマンドバッファから読み出すと、読み出したコマンドをRAM91cに設けられたコマンド格納領域に読み出した順に順次格納していく。そして、一組の遊技カウンタ1コマンド、RT情報2コマンド、内部当選コマンド、当選番号コマンド、遊技カウンタ2コマンド、RT情報3コマンド、入賞番号コマンド、払出枚数コマンド及び遊技終了コマンドが格納された状態となると、コマンドの受信順序を判定可能な状態となっていると判定する。そして、その格納順序が遊技カウンタ1コマンド→RT情報2コマンド→内部当選コマンド→当選番号コマンド→遊技カウンタ2コマンド→RT情報3コマンド→入賞番号コマンド→払出枚数コマンド→遊技終了コマンドの順になっているか否かを確認することによって、正しい順序でコマンド受信したか否かを判定できる。
そして、コマンドの受信順序が特定順序でなかった場合には、連続入賞回数カウンタをクリアし(Sp12)、ペナルティカウンタに2ゲームをセットする(Sp13)。この後、液晶表示器51において、後述するATの付与が規制されたことを示すペナルティ報知を行う(Sp14)。
一方、Sp6において、コマンドの受信順序が特定順序であることを判定した場合、またはコマンドの受信順序を判定可能な状態となっていなかった場合には、受信したコマンドが遊技カウンタ1コマンドであるか否かを判定する(Sp7)。受信したコマンドが遊技カウンタ1コマンドであった場合には、遊技カウンタ1コマンドをバックアップRAMの遊技カウンタ1コマンド格納領域に格納する(Sp8)。
次いで、コマンドバッファに格納した遊技カウンタ1コマンドが示すカウント値と、遊技カウンタ2コマンド格納領域に格納されている遊技カウンタ2コマンドが示すカウント値とが連続した値か否かを判定する(Sp9)。
ステップSp9において、遊技カウンタ2コマンド格納領域には、前回のゲームの回転停止時に送信された遊技カウンタ2コマンドが格納されている筈である。そして、今回新たに受信した遊技カウンタ1コマンドには、新たにゲームが開始され1インクリメントされたカウント値がセットされている筈であるから、遊技カウンタ2コマンド格納領域に格納されている遊技カウンタ2コマンドが示すカウント値に対して、今回新たに受信した遊技カウンタ1コマンドが示すカウント値は1インクリメントされた値となっている筈であり、連続した値となっている筈である。従って、カウント値が連続した値となっているか否かを確認することによって、遊技制御基板40と演出制御基板90との間のコネクタの抜き差しを行うなど、コマンドを通信不能にする不正行為が行われていないか否かを判定することができる。尚、不正行為が行われたときにSp9の判定を行う具体例については、図27(1−1)、図27(2−1)、図28(3−1)、図30(1−1)、図30(2−1)、図31(3−1)、図31(4−1)で後述する。
Sp9においてカウント値が連続した値でないことを判定した場合には、連続入賞回数カウンタをクリアし(Sp12)、ペナルティカウンタに2ゲームをセットする(Sp13)。そして、ペナルティ報知を開始する(Sp14)。
一方、Sp9において、カウント値が連続した値であることを判定した場合には、RT情報2コマンドを受信したか否かを判定する(Sp10)。RT情報2コマンドを受信した場合には、RAM91cに書き込まれているRT状態をRT情報2コマンドが示す状態に書き換えることによって、RT状態更新処理を行う(Sp11)。
次いで、遊技カウンタ2コマンドを受信したか否かを判定する(Sp20)。遊技カウンタ2コマンドを受信した場合には、遊技カウンタ2コマンドをバックアップRAMの遊技カウンタ2コマンド格納領域に格納する(Sp21)。
次いで、遊技カウンタ2コマンド格納領域に格納した遊技カウンタ2コマンドが示すカウント値と、遊技カウンタ1コマンド格納領域に格納されている遊技カウンタ1コマンドが示すカウント値とが同一値であるか否かを判定する(Sp22)。
ステップSp22において、遊技カウンタ1コマンド格納領域には、今回のゲームの開始時に送信された遊技カウンタ1コマンドが格納されている筈である。そして、遊技カウンタの値はゲームの開始時に1インクリメントされた後ゲーム中に重ねて更新されることはないのであるから、今回新たに受信した遊技カウンタ2コマンドにも同じ値のカウント値がセットされている筈である。従って、カウント値が同じ値となっているか否かを確認することによって、遊技制御基板40と演出制御基板90との間のコネクタの抜き差しを行うなど、コマンドを通信不能にする不正行為が行われていないか否かを判定することができる。尚、不正行為が行われたときにSp22の判定を行う具体例については、図27(1−2)、図27(2−2)、図29(4−3)、図30(1−2)、図30(22)、図31(4−2)で後述する。
Sp22においてカウント値が同一値でないことを判定した場合には、連続入賞回数カウンタをクリアし(Sp27)、ペナルティカウンタに2ゲームをセットする(Sp28)。そして、ペナルティ報知を開始する(Sp29)。
次いで、Sp22においてカウント値が同一値であることを判定した場合には、リール回転開始コマンドを受信したか否かを判定する(Sp23)。リール回転開始コマンドを受信した場合にはペナルティカウンタのカウント値を1減算する(Sp26)。
次いで、入賞番号コマンドを受信したか否かを判定する(Sp30)。入賞番号コマンドを受信した場合には、詳しくは後述するように図25で示す入賞回数カウント処理を実行する(Sp31)。
次いで、リール停止コマンドを受信したか否かを判定する(Sp32)。リール停止コマンドを受信したことを判定した場合には、ペナルティゲーム数決定処理においてペナルティカウンタに2ゲームをセットする(Sp33)。
次いで、その他のコマンドを受信したか否かを判定する(Sp34)。その他のコマンドを受信した場合には、受信したコマンドに応じた処理を行う(Sp35)。
次いで、バッファに格納されているコマンドをクリアする(Sp36)。コマンドのクリア後、後述するAT抽選処理を行う(Sp37)。
尚、本実施の形態では、Sp23においてリール回転開始コマンドを受信したときにペナルティカウンタのカウント値を減算したが、例えば、Sp32においてリール停止コマンドを受信したときに減算してもよい。
AT抽選処理が終了した後、ペナルティ報知中であるか否かを判定する(Sp38)。ペナルティ報知中である場合には、ペナルティ報知の終了条件が成立したか否かを判定する(Sp39)。終了条件としては、具体的には、例えば、ゲームが終了したこと、所定の終了スイッチがオンされたこと、報知を開始してから所定期間が経過したことなどが挙げられる。終了条件が成立していることを判定した場合にはペナルティ報知を終了し(Sp40)、処理を終了する。一方、終了条件が成立していないことを判定した場合にはペナルティ報知を継続して処理を終了する。
図25に示すように、図24におけるSp31の入賞回数カウント処理では、まず、受信した入賞番号コマンドにもとづいて、ベルが入賞したか否かを判定する(Sg1)。具体的には、受信した入賞番号コマンドで示される入賞役の種類が3図柄がベルの図柄で揃ったベル入賞であるか否かを判定する。ベルが入賞したことを判定した場合には、連続入賞回数カウンタのカウント値を「1」インクリメントする(Sg2)。一方、ベルが入賞しなかったことを判定した場合には、連続入賞回数カウンタをクリアする(Sg3)。これらの処理によって、ベルが連続入賞したか否かを判定することができる。
図26は、サブ制御部91が前述したタイマ割込処理(サブ)において電断フラグが設定されていると判定した場合に実行する電断処理(サブ)の制御内容を示すフローチャートである。
電断処理(サブ)においては、まず、使用している可能性がある全てのレジスタをスタック領域に退避する(St1)。尚、前述したIレジスタ及びIYレジスタの値は使用されているが、起動時の初期化に伴って常に同一の固定値が設定されるため、ここでは保存されない。
次いで、バックアップフラグをセットする(St2)。次いでRAM91cの全ての格納領域(未使用領域及び未使用スタック領域を含む)の排他的論理和が0になるようにRAMパリティ調整用データを計算してセットし(St3)、RAM91cへのアクセスを禁止する(St4)。
その後、電圧が低下してサブ制御部91のCPU91aが停止して待機状態に移行する。そして、この待機状態のまま電圧が低下すると内部的に動作停止状態になる。よって、電断時に確実にサブ制御部91は動作停止する。
尚、本実施の形態では、RAM91cに格納されている全てのデータが停電時においてもバックアップ電源により保持されるとともに、サブ制御部91は、電源投入時においてRAM91cのデータが正常であると判定した場合に、RAM91cの格納データに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成であるが、RAM91cに格納されているデータのうち停電時において制御状態の復帰に必要なデータのみをバックアップし、電源投入時においてバックアップされているデータに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成としても良い。
また、電源投入時において電断前の制御状態に復帰させる際に、全ての制御状態を電断前の制御状態に復帰させる必要はなく、遊技者に対して不利益とならない最低限の制御状態を復帰させる構成であれば良く、例えば、入力ポートの状態などを全て電断前の状態に復帰させる必要はない。
サブ制御部91は、AT抽選処理を実行することにより、ATに制御するか否かのAT抽選処理を行う。AT抽選処理では、メイン制御部41からのコマンドに基づき、所定の抽選条件が成立したか否かを判定し、成立したときにAT抽選が実行される。AT抽選では、ナビストック数を付与するか否か、ナビストック数をいくら付与するかが決定される。
ナビストック数とは、ATに制御可能となる期間を示す。ナビストック数を1消費(減算)することにより、所定ゲーム数(本実施の形態では30G、50G、70G、90G、111G、222G、333G、555G)の間、ATに制御され、その間ナビ演出が実行される。このため、決定されたナビストック数が多い程、長い期間にわたりATに制御されるため、遊技者にとって有利度合いが高いといえる。
このように、本実施の形態においては、サブ制御部91により行われるAT抽選処理により、抽選条件が成立したか否かが判定され、抽選条件が成立したときにはAT抽選が行われる。
AT抽選条件は、例えば、条件1と条件2と条件3とから構成されている。条件1は、RT0〜4において、前述した内部抽選の抽選対象役であるチェリー(弱チェリー、強チェリー、中段チェリー)または同じく内部抽選の抽選対象役であるSPリプレイが当選したときに成立する。条件2は、BBまたはRBが終了したときに成立する。条件3は、ベルの連続入賞回数が所定回数(例えば3回)に達したときに成立する。
AT抽選においては、AT抽選条件の条件1が成立したときには、ペナルティ期間中であれば、AT抽選が行われず、遊技者にペナルティを付与する場合には、抽選モードに応じたテーブル(通常モード用テーブル、高確率Aモード用テーブル、高確率Bモード用テーブル)が参照される。他方、AT抽選条件の条件2が成立したときには、遊技者にペナルティを付与する場合には、ペナルティ付与テーブルが参照され、遊技者にペナルティを付与しない場合には、ペナルティ無しテーブル(第1ペナルティ無しテーブル、第2ペナルティ無しテーブル)が参照される。また、AT抽選条件の条件3が成立したときには、遊技者にペナルティを付与する場合には、AT抽選が行われず、遊技者にペナルティを付与しない場合には、連続入賞用テーブルが参照される。
また、サブ制御部91は、AT管理処理を行うことにより、ATフラグからATである旨が特定されている場合には、遊技状態に応じたナビ対象役に当選することにより、ナビ演出を実行する。遊技状態に応じたナビ対象役とは、通常・RT1であるときにはリプレイGR1〜6であり、通常・RT0であるときにはリプレイGR11〜16、リプレイGR21〜25であり、通常・RT2であるときにはリプレイGR31〜36である。また、通常・RT0〜3では、押し順ベルが共通のナビ対象役である。
リプレイGR1〜6に当選したときのナビ演出としては、当選状況に応じて昇格リプレイを入賞させるための押し順が報知される。例えば、リプレイGR1に当選したときのナビ演出としては、「左中右!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。また、リプレイGR2に当選したときのナビ演出としては、「左右中!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。また、リプレイGR3に当選したときのナビ演出としては、「中左右!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。また、リプレイGR4に当選したときのナビ演出としては、「中右左!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。また、リプレイGR5に当選したときのナビ演出としては、「右左中!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。また、リプレイGR6に当選したときのナビ演出としては、「右中左!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。
リプレイGR11〜16に当選したときのナビ演出としては、当選状況に応じて昇格リプレイを入賞させるための押し順が報知される。リプレイGR21〜25に当選したときのナビ演出としては、当選状況に応じて特殊リプレイを入賞させるための押し順が報知される。リプレイGR31〜36に当選したときのナビ演出(ただしRT3は除く)としては、当選状況に応じてSPリプレイを入賞させるための押し順が報知される。押し順ベルのいずれかに当選したときのナビ演出(具体例については、図30及び図31で後述する)としては、右下がりベルまたは中段ベルを確実に入賞させるための押し順が報知される。
以上のように、本実施の形態におけるナビ演出は、遊技者にとって有利となる操作態様を想起させるメッセージが、ナビ対象役の種類に関わらず同じ態様で報知される。このため、遊技者は、当選したナビ対象役の種類を意識せずに遊技者にとって有利となる操作態様で操作することができる。
尚、ナビ演出の態様は、このような態様に限らず、遊技者が当選状況に応じて区別可能な態様であればどのようなものであっても良い。また、ナビ演出は、液晶表示器51に表示するものに限らず、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等を用いて実行するものであっても良い。
そして、ナビ演出が実行されることにより、意図的に当選した昇格リプレイ入賞、特殊リプレイ入賞、SPリプレイ入賞、ベル入賞を入賞させること、転落リプレイ入賞回避させることができる。
また、サブ制御部91は、AT制御処理において、AT抽選の抽選モードを通常モードとするか、高確率Aモードとするか、高確率Bモードとするか、を決定する抽選モード抽選を行う。抽選モード抽選では、メイン制御部41からのコマンドに基づき、所定の抽選条件(本実施の形態では、通常・RT0〜4において前述した内部抽選の抽選対象役であるスイカ(弱スイカ、強スイカ)が当選するか、AT終了時)が成立したか否かを判定し、成立したときに抽選モード抽選が実行される。
抽選モードとは、前述したようにAT抽選に適用するナビストック数の当選確率を示す。通常モードよりも高確率Aモード、高確率モードAよりも高確率Bモードの方がより多くのナビストック数の獲得が期待できるようになっている。
次に、図23のSp9及び図24のSp22の処理を行って不正行為を検出するときの具体例について、図27〜図29で説明する不正行為が行われた場合と、図30〜図31で説明する不正行為が行われた場合との2例について説明する。
まず、図27〜図29で示す例について説明する。
図27(1−1)に示すように、1ゲーム目でスタートスイッチ7が押下されたときに、メイン制御部41は、図9(a)に示す第1コマンド生成、格納処理中のSe1の処理によって、遊技カウンタのカウント値(メイン側カウント値60)を「n−1」から「n」に更新する。この後、図11に示すSk16の処理によって、メイン制御部41は、更新したカウント値nを示す遊技カウンタ1コマンドをサブ制御部91に送信する。サブ制御部91は、図23に示すSp8の処理によって、受信した遊技カウンタ1コマンドをRAM91cに格納する。次いで、図23に示すSp9の処理によって、サブ制御部91は、RAM91cに格納した遊技カウンタ1コマンドが示すカウント値(サブ側格納値61)と、前のゲームでRAM91cに格納された遊技カウンタ2コマンドが示すカウント値(サブ側格納値62)とが連続した値であるか否かを判定する。これらはnとn−1とで連続した値であるので正常であることが判定される。
図27(1−2)に示すように、遊技者が全リールを停止させると、図11に示すSk16の処理によって、メイン制御部41は、現在の遊技カウンタのカウント値nに基づく遊技カウンタ2コマンドをサブ制御部91に送信する。サブ制御部91は、図24に示すSp21の処理によって、受信した遊技カウンタ2コマンドをRAM91cに格納する。次いで、図24に示すSp22の処理によって、サブ側格納値61とサブ側格納値62とが同一値であるか否かを判定する。これらは同一値nであるので正常であることが判定される。
図27(1−2)に示すように、全リールが停止して中段ベルが入賞すると、連続入賞回数カウンタの値が1インクリメントされる(図25のステップSg2参照)。
図27(2−1)に示すように、2ゲーム目でスタートスイッチ7が押下されたときに、メイン制御部41は、図9(a)に示す第1コマンド生成、格納処理中のSe1の処理によって、遊技カウンタのカウント値(メイン側カウント値60)を「n」から「n+1」に更新する。この後、図11に示すSk16の処理によって、メイン制御部41は、更新したカウント値n+1を示す遊技カウンタ1コマンドをサブ制御部91に送信する。サブ制御部91は、図23に示すSp8の処理によって、受信した遊技カウンタ1コマンドをRAM91cに格納する。次いで、図23に示すSp9の処理によって、サブ制御部91は、サブ側格納値61とサブ側格納値62とが連続した値であるか否かを判定する。これらは、nとn+1とで連続した値であるので正常であることが判定される。
図27(2−2)に示すように、全リールが停止して中段ベルが入賞すると、連続入賞回数カウンタの値が1インクリメントされる(図25のステップSg2)。これにより、ベルの連続入賞回数が2回になる。
図28(3−1)に示すように、3ゲーム目でスタートスイッチ7が押下されたときに、メイン制御部41は、図9(a)に示す第1コマンド生成、格納処理中のSe1の処理によって、遊技カウンタのカウント値(メイン側カウント値60)を「n+1」から「n+2」に更新する。この後、図11に示すSk16の処理によって、メイン制御部41は、更新したカウント値n+2を示す遊技カウンタ1コマンドをサブ制御部91に送信する。サブ制御部91は、図23に示すSp8の処理によって、受信した遊技カウンタ1コマンドをRAM91cに格納する。次いで、図23に示すSp9の処理によって、サブ側格納値61とサブ側格納値62とが連続した値であるか否かを判定する。これらはn+2とn+1とで連続した値であるので正常であることが判定される。
図28(3−2)に示すように、ここで、遊技者がリール2L,2Cを停止させたときに、入賞ラインLN上にリプレイ−リプレイの組み合わせが停止したとする。この場合に、図15に示すように、リール2Rが停止したときに入賞ラインLN上にリプレイが停止すると通常リプレイが入賞するのであるが、左および中にベルの図柄が停止されなかったことにより、遊技者にとっては、中段ベルが入賞しないことが確定した状態になる。そこで、ベルを連続入賞させて特典を得るため、図28(3−2)に示すように、リール2Rを停止させたときに通常リプレイが入賞してしまって連続入賞回数カウンタがクリアされないように、メイン制御部41とサブ制御部91との間で入賞コマンドを通信不能にする不正行為が行われることが考えられる。この手法として、具体的には、例えば遊技制御基板40と演出制御基板90とのコネクタ接続を解除する、あるいは、遊技制御基板40と演出制御基板90とを接続する信号線に不正な基板(いわゆる、ぶらさがり基板)を取り付け、スイッチのオン/オフを切り替える、あるいは、不正な電波の送信することなどが挙げられる。
図28(3−3)に示すように、メイン制御部41とサブ制御部91との間で入賞コマンドを通信不能にした後、遊技者が全リールを停止させて通常リプレイが入賞したとする。しかし、入賞コマンドが通信不能となっているため連続入賞カウンタはクリアされず、ベルの連続入賞回数は2回となったままである。
また、コマンドが通信不能な状態となっているため、図11に示すSk16の処理によって、メイン制御部41は、現在の遊技カウンタのカウント値n+2に基づく遊技カウンタ2コマンドをサブ制御部91に送信するものの、サブ制御部91は、遊技カウンタ2コマンドを受信できない。よって、図24に示すSp21の遊技カウンタ2コマンドを格納する処理を行うことができず、図24に示すSp22の判定処理を行うことができないまま、3ゲーム目が終了する。
図29(4−1)に示すように、4ゲーム目に移行して4ゲーム目でスタートスイッチ7が押下されたときに、メイン制御部41は、図9(a)に示す第1コマンド生成、格納処理中のSe1の処理によって、遊技カウンタのカウント値(メイン側カウント値60)を「n+2」から「n+3」に更新する。そして、コマンドが通信不能な状態となっているため、図11に示すSk16の処理によって、メイン制御部41は、更新したカウント値n+3を示す遊技カウンタ1コマンドをサブ制御部91に送信するものの、サブ制御部91は、遊技カウンタ1コマンドを受信することができない。よって、サブ制御部91は、図23に示すSp8の遊技カウンタ1コマンドを格納する処理を行うことができず、図23に示すSp9の処理を行うことができない。
図29(4−2)に示すように、遊技者がリール2L,2Cを停止させたときに、入賞ラインLN上にベル−ベルの組み合わせが停止したとする。この場合に、図14に示すように、リール2Rが停止したときに入賞ラインLN上にベルが停止すると中段ベルが入賞することになる。中段ベルが入賞すれば、連続入賞回数が3回になって特典を得ることができるため、遊技者は、ここで一旦通信不能としたコマンドの送信状態を通信可能とする。
図29(4−3)に示すように、この後、遊技者がリール2Rを停止させて中段ベルが入賞したとする。このため、図11に示すSk16の処理によって、メイン制御部41は、現在の遊技カウンタのカウント値n+3に基づく遊技カウンタ2コマンドをサブ制御部91に送信する。図24に示すSp21の処理によって、サブ制御部91は、受信した遊技カウンタ2コマンドをRAM91cに格納する。次いで、図24に示すSp22の処理によって、サブ制御部91は、サブ側格納値61とサブ側格納値62とが同一値であるか否かを判定する。これらはn+2とn+3とで同一値でないので異常であることが判定される。このため、図24のSp27の処理によって連続入賞回数カウンタはクリアされ、図24のSp28の処理によってペナルティカウンタに2ゲームがセットされ、図24のSp29の処理によってペナルティ報知が開始される。このため、遊技者は、一旦コマンドを通信不能にして、ベルが3ゲーム連続して入賞したようにサブ制御部91に認識させることができない。これにより、不正行為を防止することができる。
まず、図30〜図31で示す例について説明する。
図30(1)に示すように、1ゲーム目のスタートスイッチ7の押下によって、液晶表示器51からは、例えば、中ベルが内部当選したことを示すベル画像63および中段ベルを入賞させるための第1停止リールを示す押し順ナビ画像64が表示されたとする。図の例では、ストップスイッチ8Cが第1停止であることを示している。
図30(1−1)に示すように、1ゲーム目でスタートスイッチ7が押下されたときに、メイン制御部41は、図9(a)に示す第1コマンド生成、格納処理中のSe1の処理によって、遊技カウンタのカウント値(メイン側カウント値60)を「n−1」から「n」に更新する。この後、図11に示すSk16の処理によって、メイン制御部41は、更新したカウント値nを示す遊技カウンタ1コマンドをサブ制御部91に送信する。サブ制御部91は、図23に示すSp8の処理によって、受信した遊技カウンタ1コマンドをRAM91cに格納する。次いで、図23に示すSp9の処理によって、サブ制御部91は、RAM91cに格納した遊技カウンタ1コマンドが示すカウント値(サブ側格納値61)と、前のゲームでRAM91cに格納された遊技カウンタ2コマンドが示すカウント値(サブ側格納値62)とが連続した値であるか否かを判定する。これらはnとn−1とで連続した値であるので正常であることが判定される。
図30(1−2)に示すように、遊技者が押し順ナビ画像64にしたがってストップスイッチ8L、8C、8Rを押下し、遊技者が全リールを停止させると、図11に示すSk16の処理によって、メイン制御部41は、現在の遊技カウンタのカウント値nに基づく遊技カウンタ2コマンドをサブ制御部91に送信する。サブ制御部91は、図24に示すSp21の処理によって、受信した遊技カウンタ2コマンドをRAM91cに格納する。次いで、図24に示すSp22の処理によって、サブ側格納値61とサブ側格納値62とが同一値であるか否かを判定する。これらは同一値nであるので正常であることが判定される。
図30(1−2)に示すように、全リールが停止して中段ベルが入賞すると、連続入賞回数カウンタの値が1インクリメントされる(図25のステップSg2参照)。
図30(2)に示すように、2ゲーム目のスタートスイッチ7の押下によって、液晶表示器51からは、例えば、右ベルが内部当選したことを示すベル画像63および中段ベルを入賞させるための第1停止リールを示す押し順ナビ画像64が表示されたとする。図の例では、ストップスイッチ8Rが第1停止であることを示している。
図30(2−1)に示すように、2ゲーム目でスタートスイッチ7が押下されたときに、メイン制御部41は、図9(a)に示す第1コマンド生成、格納処理中のSe1の処理によって、遊技カウンタのカウント値(メイン側カウント値60)を「n」から「n+1」に更新する。この後、図11に示すSk16の処理によって、メイン制御部41は、更新したカウント値nを示す遊技カウンタ1コマンドをサブ制御部91に送信する。サブ制御部91は、図23に示すSp8の処理によって、受信した遊技カウンタ1コマンドをRAM91cに格納する。次いで、図23に示すSp9の処理によって、サブ制御部91は、RAM91cに格納した遊技カウンタ1コマンドが示すカウント値(サブ側格納値61)と、前のゲームでRAM91cに格納された遊技カウンタ2コマンドが示すカウント値(サブ側格納値62)とが連続した値であるか否かを判定する。これらはn+1とnとで連続した値であるので正常であることが判定される。
図30(2−2)に示すように、遊技者が押し順ナビ画像64にしたがってストップスイッチ8L、8C、8Rを押下し、遊技者が全リールを停止させると、図11に示すSk16の処理によって、メイン制御部41は、現在の遊技カウンタのカウント値nに基づく遊技カウンタ2コマンドをサブ制御部91に送信する。サブ制御部91は、図24に示すSp21の処理によって、受信した遊技カウンタ2コマンドをRAM91cに格納する。次いで、図24に示すSp22の処理によって、サブ側格納値61とサブ側格納値62とが同一値であるか否かを判定する。これらは同一値n+1であるので正常であることが判定される。
図30(2−2)に示すように、全リールが停止して中段ベルが入賞すると、連続入賞回数カウンタの値が1インクリメントされる(図25のステップSg2参照)。これにより、ベルの連続入賞回数が2回になる。
図31(1)に示すように、3ゲーム目のスタートスイッチ7の押下によって、液晶表示器51からは、ベル画像63が表示されず、すなわちベルが内部当選しておらず、これに伴い、ストップスイッチ8L,8C,8Rの押下順序を非表示にしたことを示す押し順ナビなし画像65が表示されたとする。押し順ナビなし画像65は、例えば、リプレイは、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングに関わらず入賞させることができるので、リプレイが内部当選したときに表示される。
図31(3−1)に示すように、3ゲーム目でスタートスイッチ7が押下されたときに、メイン制御部41は、図9(a)に示す第1コマンド生成、格納処理中のSe1の処理によって、遊技カウンタのカウント値(メイン側カウント値60)を「n+1」から「n+2」に更新する。この後、図11に示すSk16の処理によって、メイン制御部41は、更新したカウント値n+2を示す遊技カウンタ1コマンドをサブ制御部91に送信する。サブ制御部91は、図23に示すSp8の処理によって、受信した遊技カウンタ1コマンドをRAM91cに格納する。次いで、図23に示すSp9の処理によって、サブ側格納値61とサブ側格納値62とが連続した値であるか否かを判定する。これらはn+2とn+1とで連続した値であるので正常であることが判定される。
ここで、遊技者は、液晶表示器51にベル画像63が表示されなかったことからベルが内部当選していないことを識別できるため、全リールを停止させたときにベルが入賞しないことを識別できる。そこで、ベルを連続入賞させて特典を得るため、図31(3−2)に示すように、全リールを停止させたときに他の当選役が入賞するか、または、ハズレとなって連続入賞回数カウンタがクリアされないように、メイン制御部41とサブ制御部91との間で入賞コマンドを通信不能にする不正行為が行われることが考えられる。この手法として、具体的には、例えば遊技制御基板40と演出制御基板90とのコネクタ接続を解除する、あるいは、遊技制御基板40と演出制御基板90とを接続する信号線に不正な基板(いわゆる、ぶらさがり基板)を取り付け、スイッチのオン/オフを切り替える、あるいは、不正な電波の送信することなどが挙げられる。
図31(3−2)に示すように、メイン制御部41からサブ制御部91に入賞コマンドが送信されることを不能にした後、遊技者が全リールを停止させて通常リプレイが入賞したとする。しかし、入賞コマンドが通信不能となっているため連続入賞カウンタはクリアされず、ベルの連続入賞回数は2回となったままである。
また、コマンドが通信不能な状態となっているため、図11に示すSk16の処理によって、メイン制御部41は、現在の遊技カウンタのカウント値n+2に基づく遊技カウンタ2コマンドをサブ制御部91に送信するものの、サブ制御部91は、遊技カウンタ2コマンドを受信できない。よって、図24に示すSp21の遊技カウンタ2コマンドを格納する処理を行うことができず、図24に示すSp22の判定処理を行うことができないまま、3ゲーム目が終了する。
ここで、中段ベルが入賞すれば、連続入賞回数が3回になって特典を得ることができるため、遊技者は、4ゲーム目のスタートスイッチ7の押下前に一旦通信不能としたコマンドの送信状態を通信可能とし、4ゲーム目で中ベルに当選した場合にはベル画像63及び押し順ナビ画像64が表示可能な状態とする。
そして、図31(4)に示すように、4ゲーム目のスタートスイッチ7の押下によって、液晶表示器51から、例えば、中ベルが内部当選したことを示すベル画像63および中段ベルを入賞させるための第1停止リールを示す押し順ナビ画像64が表示されたとする。図の例では、ストップスイッチ8Cが第1停止であることを示している。このとき、遊技者は、ベル画像63の表示によって、当該ゲームではベルが入賞することを識別できる。
図31(4−1)に示すように、4ゲーム目に移行して4ゲーム目でスタートスイッチ7が押下されたときに、メイン制御部41は、図9(a)に示す第1コマンド生成、格納処理中のSe1の処理によって、遊技カウンタのカウント値(メイン側カウント値60)を「n+2」から「n+3」に更新する。この後、図11に示すSk16の処理によって、メイン制御部41は、更新したカウント値nを示す遊技カウンタ1コマンドをサブ制御部91に送信する。サブ制御部91は、図23に示すSp8の処理によって、受信した遊技カウンタ1コマンドをRAM91cに格納する。次いで、図23に示すSp9の処理によって、サブ制御部91は、RAM91cに格納した遊技カウンタ1コマンドが示すカウント値(サブ側格納値61)と、前のゲームでRAM91cに格納された遊技カウンタ2コマンドが示すカウント値(サブ側格納値62)とが連続した値であるか否かを判定する。これらはn+1とn+3とで連続した値でないので異常であることが判定される。このため、図23のSp12の処理によって連続入賞回数カウンタはクリアされ、図23のSp13の処理によってペナルティカウンタに2ゲームがセットされ、図23のSp14の処理によってペナルティ報知が開始される。このため、遊技者は、一旦コマンドを通信不能にして、ベルが3ゲーム連続して入賞したようにサブ制御部91に認識させることができない。これにより、不正行為を防止することができる。
図31(4−2)に示すように、遊技者が押し順ナビ画像64にしたがってストップスイッチ8L、8C、8Rを押下し、遊技者が全リールを停止させると、図11に示すSk16の処理によって、メイン制御部41は、現在の遊技カウンタのカウント値nに基づく遊技カウンタ2コマンドをサブ制御部91に送信する。サブ制御部91は、図24に示すSp21の処理によって、受信した遊技カウンタ2コマンドをRAM91cに格納する。次いで、図24に示すSp22の処理によって、サブ側格納値61とサブ側格納値62とが同一値であるか否かを判定する。これらは同一値n+3であるので正常であることが判定される。
図31(4−2)に示すように、全リールが停止して中段ベルが入賞しても、図23のSp12の処理によって連続入賞回数カウンタはクリアされているため、遊技者は、一旦コマンドを通信不能にしても、ベルが3ゲーム連続して入賞したようにサブ制御部91に認識させることができない。これにより、不正行為を防止することができる。
尚、本実施の形態では、ATの対象役が当選した場合に、ストップスイッチ8L、8C、8Rの停止順に応じて停止態様が変化する構成であるが、ATの対象役としてストップスイッチ8L、8C、8Rの操作のタイミング(いわゆる目押しのタイミング)や、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作のタイミング及び停止順の双方に応じて停止態様が変化する構成としても良く、この場合には、ナビ演出としてATの対象役が当選した場合に、遊技者にとって有利となる操作態様として、停止操作のタイミング、或いは停止操作のタイミングと押し順の双方を報知する演出を行えば良い。
また、本実施の形態では、遊技者にとって有利な有利表示結果として、ナビストックが1個以上付与されるSPリプレイを適用しているが、少なくとも遊技者にとって有利な表示結果であれば良く、例えば、ナビストックが当選する確率の高い、或いは、ナビストックの当選個数の平均値が高い表示結果、前述した抽選モード抽選など、遊技者にとって有利な状態へ移行するか否かの抽選が行われる表示結果を適用しても良い。
また、本実施の形態では、通常遊技状態として遊技者にとって最も不利な遊技状態であり、直接通常・RT3へは移行することのない通常・RT1、すなわち当該通常・RT1において昇格リプレイが入賞することで通常・RT0に移行し、この通常・RT0においてさらに特殊リプレイが入賞することで通常・RT3へ直接移行する可能性のある通常・RT2へ移行する構成であるが、少なくとも通常遊技状態としてのRT1から直接、通常・RT3へ移行しうる通常・RT2に移行しない構成であれば良く、通常・RT1から通常・RT2へは直接移行しうる構成としても良く、このような構成とした場合でも、当該通常・RT1において通常・RT2への移行条件が成立することで通常・RT3へ直接移行する可能性のある通常・RT2へ移行するので、通常・RT1においても通常・RT3へ移行し、ナビストックを獲得することへの期待感を持たせることができる。
本実施の形態では、通常・RT2においてSPリプレイが入賞すると通常・RT2から通常・RT3に移行し、その後、通常・RT3において特殊リプレイが入賞することで、再度通常・RT2へ移行することとなる。
このように本実施の形態では、遊技の進行を制御する遊技制御手段としてのメイン制御部41と、遊技に関する演出の実行を制御する演出制御手段としてのサブ制御部91と、を備え、メイン制御部41は、当該メイン制御部41からサブ制御部91へSe2で生成、格納した遊技カウンタ1コマンド及びSe6で生成、格納した遊技カウンタ2コマンドをSk16で送信するとともに、サブ制御部91は、メイン制御部41との間で制御信号の送受信が正常に行われているか否かを判定し、正常に行われていないと判定したときに、所定のエラー信号としてペナルティ報知を行うことで、制御信号の送受信が正常に行われていないことを外部にて認識できるため、メイン制御部41とサブ制御部91とを接続する配線(ケーブル600d(図32参照))が抜かれることなどによる不正行為を確認することができる。
尚、本実施の形態では、液晶表示器51においてペナルティ報知を行っているが、液晶表示器51以外の表示装置やランプ装置等により報知することや、ホールコンピュータ等にエラー信号を出力することも含む。
また、メイン制御部41は、表示結果を示す表示結果データを含む制御信号として、Se8で生成、格納した入賞番号コマンドをSk16で送信し、サブ制御部91は、メイン制御部41によって出力された制御信号に含まれる入賞番号コマンドにもとづいて、連続入賞カウンタのカウント値が所定値になったか否かを判定するとともに、特定条件を満たしたと判定した場合には、特定条件を満たしていないと判定した場合と比較して、AT抽選処理において通常モード用テーブルよりも遊技者に有利な連続入賞用テーブルを用いてAT抽選を行う。そしてメイン制御部41は、ゲームごとに所定の規則に従って更新される特定データを含む制御信号として、Se2で生成、格納した遊技カウンタ1コマンド及びSe6で生成、格納した遊技カウンタ2コマンドをSk16で送信し、サブ制御部91は、メイン制御部41によって新たに遊技カウンタ1コマンドが出力されたときに、新たに出力された遊技カウンタ1コマンドと、格納領域に格納されている前回出力された遊技カウンタ1コマンドとが所定の規則に従う関係を満たしているか否かを判定し、所定の規則に従う関係を満たしていないと判定したときに、ペナルティカウンタが0でないとき(ペナルティ期間中)にAT抽選を実行しないまたは連続入賞回数カウンタをクリアするので、表示結果の履歴にもとづいて特典を付与可能に構成した場合に、不正により特典を付与してしまうことを防止することができる。
本実施の形態のスロットマシン1では、前述のように遊技の制御を行うメイン制御部41が設けられた遊技制御基板40などの各種基板が搭載されており、これらの基板には、図33に示すように、遊技者による遊技の進行操作が可能なスイッチ類等からなる電気部品がケーブルを介して接続されている。
遊技制御基板40には、前述したように、1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、投入メダルセンサ31、リールモータ32L、32C、32R、リールセンサ33L、33C、33R、ホッパーモータ34b、払出センサ34c、演出制御基板90が接続されている。
具体的には、図33に示すように、スタートスイッチ7は遊技制御基板40と配線接続され、1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、ストップスイッチ8L、8C、8R、投入メダルセンサ31、ドア開放検出スイッチ25は、操作部中継基板110を経由して遊技制御基板40と配線接続され、リールモータ32L、32C、32R及びリールセンサ33L、33C、33Rは、リール中継基板120を経由して遊技制御基板40と配線接続され、ホッパーモータ34b及び払出センサ34cは、電源基板101を経由して遊技制御基板40と配線接続され、演出制御基板90は遊技制御基板40と配線接続されている。
操作部中継基板110、リール中継基板120、電源基板101、演出制御基板90には、遊技制御基板40と各電気部品とを接続するための配線パターン(図示略)が設けられており、各電気部品から遊技制御基板40に対して出力される検出信号または遊技制御基板40から供給(入力)される電力や信号等を中継可能とされている。
このようにスタートスイッチ7を除く各種電気部品と遊技制御基板40とを、スロットマシン1の本体(本実施の形態では、筐体1a)所定箇所に取り付けた各中継基板110、120、140を経由して配線接続することで、遊技制御基板40からスロットマシン1の本体所定箇所に個々に配設される複数の電気部品との配線の取りまとめが容易になるとともに、コネクタ接続部が常に中継基板または遊技制御基板40に設けられることになり、これにより各電気部品それぞれのコネクタ接続部が固定されるため、配線接続作業時においてコネクタ接続部を探したり、接続する配線の種類を間違うこと等が防止される。
1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、投入メダルセンサ31、リールモータ32L、32C、32R、リールセンサ33L、33C、33R、ホッパーモータ34b、払出センサ34cは、ゲームの進行に関わる信号を遊技制御基板40に入出力する電気部品である。ゲームの進行に関わる信号とは、例えば、ゲームを開始可能な状態とするための賭数の設定操作、ゲームを開始させるための操作、リール2L、2C、2Rの表示結果を導出させるための操作等、ゲームの進行操作に応じて遊技制御基板40に出力される信号や、投入メダルの検出、リールの基準位置の検出、払出メダルの検出等、ゲームの進行に応じて遊技用電気部品から出力されて遊技制御基板40に入力される信号と、スタート操作の検出に応じてリール2L、2C、2Rを駆動させるための駆動信号や、入賞の発生に伴いメダルを払い出すホッパーを駆動するための駆動信号等、ゲームの進行に応じて遊技制御基板40から出力されて遊技用電気部品に入力される信号と、を含む。
そして、これら遊技用電気部品は、ゲームの進行に応じて遊技制御基板40に信号を出力する第1の電気部品と、ゲームの進行に応じて遊技制御基板40からの信号が入力される第2の電気部品と、からなる。
遊技用電気部品と基板とはケーブルを介して接続されており、遊技用電気部品と基板とを接続するケーブルは、スロットマシンの製造時における組み付け作業や配線作業を容易にするため、コネクタ同士の接続を解除することで分離可能とされている。また、これら遊技用電気部品は、基本的には複数の機種に共通して継続使用される電気部品であり、故障等が発生しない限り本体から取り外して交換する機会は少ないので、スロットマシンの本体所定箇所に固設されている。これに対して遊技制御基板40や演出制御基板90等は、機種変更の際には交換が必要となるため、その際には本体から取り外される。つまり、遊技制御基板40を取り外す際には遊技用電気部品や演出制御基板90との接続を解除する必要があるため、これら基板同士及び基板と遊技用電気部品とを接続するケーブルと基板とは、ケーブルの端部に設けられたケーブル側コネクタと基板の配線パターンと電気的に接続された基板側コネクタとの接続により電気的に接続されており、基板側コネクタからケーブル側コネクタを抜脱して接続を解除することで、遊技制御基板40を本体から容易に取り出して交換できるようになっている。
しかし、このように遊技制御基板40と遊技用電気部品との配線接続をコネクタの抜脱により容易に解除できる状態のままスロットマシンをメーカーから遊技店に出荷すると、例えば遊技店において、基板側コネクタからケーブル側コネクタを抜脱し、これに替えていわゆる打ち込み器具等の不正な器具に接続されたケーブル側コネクタを基板側コネクタに容易に接続することが可能となってしまう。
打ち込み器具とは、例えば遊技用電気部品から遊技制御基板40に入出力される信号を擬似的に再現した信号を遊技制御基板40に入出力させることで、スロットマシンに設けられた各種スイッチ等を操作することなく、ゲームを自動的に進行させることができるものである。従って、例えば遊技店等において、遊技制御基板40に設けられた基板側コネクタに接続されている正規なコネクタを抜脱し、これに替えて打ち込み器具に接続された不正なコネクタを接続して、各種信号を適宜タイミングで遊技制御基板40に入出力して遊技を自動的に進行させることで、例えば特別役が当選した状態等を容易に設定することができる。よって、このような不正な打ち込み器具を使用して特別役が当選した状態に設定したスロットマシン、さらにはRB、BBのうちより有利度の高いBBが当選している可能性が高い状態に設定したスロットマシンを、例えば遊技店の営業開始時等において遊技客に提供するといった不正営業が実施された場合、遊技の公平性が損なわれる虞がある。
このため本実施の形態では、前述したように、遊技用電気部品のうちスタートスイッチ7を遊技制御基板40に直接配線接続するとともに、遊技制御基板40とスタートスイッチ7との間のコネクタ接続、すなわち遊技制御基板40の基板側コネクタ620bとケーブル600bのケーブル側コネクタ610bとの接続について、コネクタ同士の接続の解除をコネクタ規制部材650によって規制できるようになっている。また、スタートスイッチ7の部品側コネクタ640bとケーブル側コネクタ630bとの接続について、コネクタ同士の接続の解除をコネクタ規制部材650aによって規制できるようになっている。
また、メイン制御部41からのコマンドに基づいてサブ制御部91により遊技者の有利度を左右するような演出(例えば、前述したように内部抽選結果を報知するナビ演出を実行可能な報知期間となるアシストタイムなど、遊技者にとって有利となる操作態様を報知する演出等)を行う場合には、遊技制御基板40に設けられた基板側コネクタに接続されている正規なコネクタを抜脱してこれを不正な器具に接続し、遊技者の有利度が高くなるような擬似的なコマンドを該不正器具から演出制御基板90に出力することができる。よって、このような不正な打ち込み器具を使用して遊技者の有利度が高くなるように設定したスロットマシンを、例えば遊技店の営業開始時等において遊技客に提供するといった不正営業が実施された場合や、前述したように、遊技制御基板40と演出制御基板90とのコネクタ接続を解除する、あるいは、遊技制御基板40と演出制御基板90とを接続する信号線に不正な基板(いわゆる、ぶらさがり基板)を取り付け、スイッチのオン/オフを切り替える、あるいは、不正な電波の送信することにより、遊技の公平性が損なわれる虞がある。
このため本実施の形態では、遊技用電気部品のうち演出制御基板90を遊技制御基板40に直接配線接続するとともに、遊技制御基板40と演出制御基板90との間のコネクタ接続、すなわち遊技制御基板40の基板側コネクタ620dとケーブル600dのケーブル側コネクタ610dとの接続について、コネクタ同士の接続の解除を上記したコネクタ規制部材650によって規制できるようになっている。また、演出制御基板90の基板側コネクタCN1とケーブル側コネクタHCN1との接続について、コネクタ同士の接続の解除をコネクタ規制部材300によって規制できるようになっている。
尚、コネクタ規制部材300の詳細な構造に関しては後述することとし、コネクタ規制部材650,650aに関しては、例えばコネクタ規制部材300と同様に構成されていればよいので、特に詳細な図示は省略する。
尚、本実施の形態では、遊技制御基板40とスタートスイッチ7及び遊技制御基板40と演出制御基板90とは中継基板を経由することなく接続され、コネクタ接続を遊技制御基板40、電気部品(スタートスイッチ7)及び演出制御基板90側でのみ行えば済むため、配線接続が簡素化されているが、1つまたは複数の中継基板を経由して接続される場合には、その間に存在するコネクタ接続全てについて抜脱を規制することが好ましく、このようにすることで遊技制御基板40とスタートスイッチ7及び遊技制御基板40と演出制御基板90との間のいずれかのコネクタの接続を解除することが困難となるため、上記不正営業をより効果的に防止できる。
また、本実施の形態では、ゲームの進行に応じて遊技制御基板40に対して信号を入力する第1の電気部品5、6、7、8、31、33L、33C、33R、35及びゲームの進行に応じて遊技制御基板40から信号が出力される第2の電気部品32L、32C、32R、34のうち、スタートスイッチ7と遊技制御基板40との間のコネクタ接続のみコネクタ規制部材650を設けてコネクタ同士の接続の解除を規制している。すなわちその信号がなければ遊技を進行させることができない電気部品の一つであるスタートスイッチ7(スタートスイッチ7からの信号が入力されなければゲームを開始することが不可能となる)と遊技制御基板40との間のコネクタ接続のみコネクタ規制部材650を設けてコネクタ同士の接続の解除を規制しており、他の電気部品と遊技制御基板40との間でコネクタ同士の接続を解除して打ち込み器具のコネクタに差し替えた場合でも、実質的に遊技を自動的に進行させることができなくなるため、最小限の規制で不正行為を防止することが可能となり、これらコネクタ同士の接続を解除するための部品点数を減らすことができる。
尚、本実施の形態では、スタートスイッチ7と遊技制御基板40との間のコネクタ接続にコネクタ規制部材650を設けてコネクタ同士の接続の解除を規制しているが、投入メダルセンサ31と遊技制御基板40との間のコネクタ接続のみコネクタ規制部材を設けてコネクタ同士の接続の解除を規制するようにしても同様の効果が得られる。また、本実施の形態のようにリールの回転開始後、リールの停止操作がなされるまでリールが停止する構成でないものであれば、ストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかと遊技制御基板40との間のコネクタ接続のみコネクタ規制部材を設けてコネクタ同士の接続の解除を規制するようにしても同様の効果が得られる。
また、本実施の形態では、ドア開放検出スイッチ25がケーブルを介して遊技制御基板40と接続されているが、ドア開放検出スイッチ25と遊技制御基板40との間に設けられるケーブルのコネクタのうちいずれかのコネクタでの接続が解除されると、前面扉1bが開放された際に、その旨を遊技制御基板に搭載されたメイン制御部41が検出することができず、ドア開放報知やドア開放信号の出力が行われなくなるため、前面扉1bが開放されて不正行為がなされてもその発見が遅れてしまう虞があるため、遊技制御基板40とドア開放検出スイッチ25との間のコネクタ接続にコネクタ規制部材を設けてコネクタ同士の接続の解除を規制するようにしてもよく、このようにすることで、遊技制御基板40とドア開放検出スイッチ25との間のいずれかのコネクタ同士の接続を解除することが困難となるため、前面扉1bの開放された旨の報知がされない状態で、前面扉1bが開放されてしまうことを効果的に防止できる。
また、本実施の形態では、メイン制御部41とゲームの進行上必要な信号の入出力が行われるスタートスイッチ7を除く複数の電気部品及びドア開放検出スイッチ25とを接続する複数の信号線が、遊技制御基板40と操作部中継基板110との間では1本のケーブル600aで接続されているため、遊技制御基板40の基板側コネクタ620aとケーブル側コネクタ610aとのコネクタ接続、すなわち1カ所のコネクタ接続のみ接続の解除を規制することで、複数の信号線同士の接続の解除を規制することが可能となり、これらコネクタ接続の解除を規制するための部品を複数用意する必要がなく、これらの部品点数を削減できる。
尚、メイン制御部41とゲームの進行上必要な信号の入出力が行われる複数の電気部品及びドア開放検出スイッチ25とを接続する複数の信号線が、複数のケーブルを介して接続される場合でも、基板側コネクタを近接する位置に配置するとともに、1つの部品でこれら複数の基板側コネクタと複数のケーブル側コネクタとの接続の解除を規制することで、これらコネクタ接続の解除を規制するための部品を複数用意する必要がなく、これらの部品点数を削減できる。
次に、演出制御基板90を収納する基板ケース800及びコネクタ規制部材300の構造について、図32〜図43を用いて説明する。図32は、スロットマシンの前面扉を示す背面図である。図33は、遊技制御基板と該遊技制御基板に接続される遊技用電気部品との配線接続状態を示す概略図である。図34は、(A)は演出制御基板ケースを示す斜視図、(B)は背面図である。図35は、演出制御基板ケースの構成を斜め後ろから見た状態を示す分解斜視図である。図36は、演出制御基板ケースの構成を斜め前から見た状態を示す分解斜視図である。図37は、ベース部材を示す正面図である。図38は、カバー部材を示す正面図である。図39は、(A)〜(E)はコネクタ規制部材を示す図である。図40は、(A)は第2閉塞位置、(B)は第1閉塞位置にある状態を示す概略図である。図41は、コネクタ規制部材の取付状況を示す斜視図である。図42は、(A)は図34(B)のA−A断面図、(B)はB−B断面図、(C)はC−C断面図である。図43は、コネクタの被覆状態を示す断面図である。尚、以下の説明においては、図32に示すように前面扉1bの背面に取り付けられた状態の基板ケース800をスロットマシン1の正面から見た場合を基準として、上下、左右、前後方向を示すものとする。
図34〜図36に示すように、演出制御基板ケース800(以下、基板ケース800と略称する)は、前面扉1bの背面に設けられた設置面360(図32参照)に取り付けられるベース部材801と、前面に演出制御基板90が取り付けられ、ベース部材801の背面を開閉可能に組み付けられるカバー部材802と、から主に構成され、図35及び図36に示すように、ベース部材801にカバー部材802を組み付けることで、演出制御基板90を内部に収納した状態で閉止できるようになっている。
演出制御基板90が内部に収納された基板ケース800は、図32に示すように、前面扉1bの背面に設けられた設置面360に取り付けられるようになっている。また、設置面360における基板ケース800の側方には、演出用の中継基板140が配設されている。
図35〜図37に示すように、ベース部材801は、透光性を有する合成樹脂材からなり、平面視長方形状に形成された底板810と、底板810の背面における右短辺に沿って立設された右側壁811と、底板810の背面における左短辺に沿って立設された左側壁890(図42参照)と、上下の長辺に沿って立設された外側壁812a,812bおよび該外側壁812a,812bの内側に並設される内側壁813a,813bと、から主に構成される。また、左側壁890の背面側の端部からは、底板810に対し平行な板状のスライド板部891が左側方に向けて延設されている。
右側壁811の後端における長手方向の中央位置には、カバー部材802に係合する係合凸部814が後向きに突設されているとともに、カバー部材802の係合凸部860が係合する係合孔830が底板810に沿って形成されている。また、それらの上下側には、ベース部材801にカバー部材802を組み付ける組み付け手段を構成する封止片815a,815bが突設されている。封止片815a,815bには、後述するワンウェイネジ816(図40照)が螺入されるネジ穴817が形成されている。
外側壁812a,812bには、L字形に形成された複数(本実施の形態では4つ)の規制溝818a〜818dがそれぞれ形成されている。詳しくは、図35中拡大図に示すように、外側壁812a,812bの後端から底板810に向けて垂設される第1溝818eと、該第1溝818eの前端から右側に向けて屈曲し底板810に対して平行に延設される第2溝818fと、から構成されている。
内側壁813a,813bの右側には、後述する演出制御基板90の上下端縁を支持する支持片819a,819bが背面側に向けて突設されている。また、底板810におけるこれら支持片819a,819bの間には、後述する演出制御基板90を支持する支持片819a,819bと同高さの第1ボス820が上下方向に3つ立設されているとともに、これら第1ボス820の近傍位置には、該第1ボス820よりも高さが低い円柱状の第2ボス821が立設されている。また、底板810の背面上には、高さの低い補強用リブ822が格子状に形成されている。
スライド板部891の左側辺における上下位置には、後述するカバー部材802の係止片870a,870bが差し込み可能な係止孔824hを構成する被係止部材824a,824bが形成されている。被係止部材824a,824bは、スライド板部891の左側辺に立設された上下一対の支持壁825a,825bと、該支持壁825a,825bの後端間に架設される係止杆825cと、から側面視コ字形に形成され、該被係止部材824a,824bとスライド板部891の左側辺とにより、カバー部材802の係止片870a,870bが差し込み可能な係止孔824hが構成されている。
また、スライド板部891における被係止部材824aの上側には、背面視凸形状をなす板状の突出部892が左側方に向けて突設されている。この突出部892は左右方向における係止杆825cとほぼ同位置まで突出している。
また、底板810の前面には、断面視L字形の複数(本実施の形態では4つ)の取付片827a〜827dが左右方向に向けて取り付けられており、前面扉1bの背面に設けられた取付板(図示略)に形成された取付溝(図示略)に押し込んでスライドさせることにより、取付片827a〜827dが取付溝(図示略)に係合されるとともに、取付板(図示略)の背面に対し出没可能に形成された係合爪(図示略)が右側壁811に弾性係合して左側へのスライドが規制されることで、前面扉1bの背面に基板ケース800が取り付けられる。
図35、図36及び図38に示すように、カバー部材802は、透光性を有する合成樹脂材からなり、平面視長方形状に形成された上板850と、右側壁851a、左側壁851b、上下の外側壁852a,852bと、により前面側が開口する箱状に形成されている。上板850の一部は背面側に向けて膨出されていることで、上辺に沿って形成される第1上面850a及び下辺に沿って形成される第1上面850bと、これら第1上面850a,850bよりも背面側に位置する第2上面850cと、を有している。
第1上面850aには、演出制御基板90に設けられる基板側コネクタCN1を外部に臨ませるための第1コネクタ用開口853と、基板側コネクタCN2、C3を外部に臨ませるための第2コネクタ用開口854aと、が形成されている。
また、第1上面850aの左側における第1コネクタ用開口853の下方位置には、第1上面850aに対し背面側に若干隆起した隆起部880が形成されており、該隆起部880の背面には、コネクタ規制部材300をカバー部材802に取り付けるための取付筒881が背面側に向けて突設されている。取付筒881は、円筒形状をなし、内周面における左右側に係止突起882a,882b(図41参照)がそれぞれ形成されている。係止突起882a,882bは、背面側から前面側に向けて漸次内側に突出するように断面視略三角形状に形成されている。
また、第1上面850bには、基板側コネクタCN4を外部に臨ませるための第2コネクタ用開口854b、基板側コネクタCN5を外部に臨ませるための第2コネクタ用開口854c、演出制御基板90に設けられる音量スイッチTを外部に臨ませるためのスイッチ用開口855と、が形成されている。尚、第2コネクタ用開口854cは、背面及び下面側に開放する開口であって、演出制御基板90および基板側コネクタCN5が開口に臨むように配設される。
尚、基板側コネクタCN1は、遊技制御基板40に接続されるケーブル600d(図32参照)のケーブル側コネクタHCN1が接続されるコネクタである。基板側コネクタCN2は、電源基板101に接続されるケーブル400aのケーブル側コネクタ(図示略)が接続されるコネクタである。基板側コネクタCN3は、中継基板140を介してリールLED55、演出効果LED52や他の演出装置に接続されるケーブル400bのケーブル側コネクタ(図示略)が接続されるコネクタである。尚、中継基板140とリールLED55とはケーブル400cを介して接続されている。基板側コネクタCN4は、演出効果LED52や液晶表示器51に接続されるケーブル400dのケーブル側コネクタ(図示略)が接続されるコネクタである。基板側コネクタCN5は、演出効果LED52や液晶表示器51に接続されるケーブル400eのケーブル側コネクタ(図示略)が接続されるコネクタである。
右側壁851aの前端における長手方向の中央位置には、ベース部材801の係合孔830に嵌合可能な係合凸部860が右側方に向けて突設されている。また、右側壁851aの外面における係合凸部860の上下には、ベース部材801にカバー部材802を組み付ける組み付け手段を構成する封止片861a,861bが突設されている。封止片861a,861bは、前述したワンウェイネジ816(図40参照)の取付孔862が形成される筒状部863aと該筒状部863aと右側壁851aとを連結する連結片863bとから構成され、連結片863bをニッパ等の工具により切断することにより封止状態を解除することができるようになっている。
また、右側壁851aの外面には、ベース部材801に組み付けた状態において、ベース部材801の右側壁811の後端に当接する当接片864が長手方向に向けて設けられている。つまり、右側壁851aはベース部材801の右側壁811よりも内側に配置されるようになっている。
さらに、右側壁851aの上下端部には、ベース部材801の外側壁812a,812bを挿通可能とする外スリット865a,865bが形成されているとともに、その内側には内側壁813a,813bを挿通可能とする内スリット866a,866bが形成されている。
上下長辺の外側壁852a,852bの内側には、それぞれ内側壁867a,867bが所定幅寸法離間して並設されており、これら外側壁852a,852bと内側壁867a,867bとの間に、ベース部材801の外側壁812a,812bを嵌合できるようになっている。すなわち、これら外側壁852a,852bと内側壁867a,867bとは、ベース部材801に対してカバー部材802を長手方向に向けてスライド移動させる際のガイド手段を構成している。また、外側壁852a,852bと内側壁867a,867bとの間には、規制溝818a〜818dに嵌合可能な規制突起868a〜868dが双方を連結するように設けられている。
左側壁851bの上下位置からは、ベース部材801の被係止部材824a,824bに係止可能な係止片870a,870bが側方に向けて突設されている。係止片870a,870bは、所定幅を有し上板850に対し平行に延設される板状片871aと該板状片871aの先端から背面側、つまりベース部材801と反対側に向けて約90度屈曲する屈曲片871bとから平面視略L字形に形成されている。
また、これら係止片870a,870bの上下側部には、被係止部材824a,824bの支持壁825a,825bが差し込み可能な上下一対の切欠溝872a〜872dがそれぞれ内側に向けて形成されている。これにより、左側壁851bから係止片870a,870bを大きく突出させなくても、板状片871aの突出長さ寸法を確保することができるため、係止片870a,870bの破損等を極力防止することができる。
カバー部材802の前面(内面)には、演出制御基板90を取り付けるためのボスが複数箇所に設けられている。演出制御基板90は、図11に示すように、制御基板90aとROM基板90bとから構成されており、制御基板90aに設けられた基板側コネクタBCN1とROM基板90bに設けられた基板側コネクタBCN2とを直接接続され、互いに一体化された状態でカバー部材802の内側に取り付けられる。
図36に示すように、カバー部材802の前面(内面)には、制御基板90aの取付位置を決定するための位置決め用ボス873と、制御基板90aを取り付けるためのネジ875が取り付けられるネジ穴を有する取付用ボス874とが突設されているとともに、ROM基板90bの取付位置を決定するための位置決め用ボス876と、ROM基板90bを取り付けるためのネジ878が取り付けられるネジ穴を有する取付用ボス877とが突設されている。
また、基板側コネクタBCN1,BCN2に対応する位置、詳しくは、ベース部材801に突設された第2ボス821に対応する位置には、ROM基板90bの撓みを当接規制する規制用ボス879が突設されており、第2ボス821と規制用ボス879とにより、制御基板90aとROM基板90bとを互いに挟持することにより、基板側コネクタBCN1,BCN2の接続が解除されることが規制されている。
図39に示すように、コネクタ規制部材300は、カバー部材802に形成された被取付部としての取付筒881に嵌挿される取付部301と、基板側コネクタCN1及び該基板側コネクタCN1に接続されるケーブル側コネクタHCN1を被覆する被覆部302と、取付部301と被覆部302とを連結する連結部としての連結片303と、被覆部302に形成され、後述する被規制部に差し込み可能な差込片304と、から主に構成される。
取付部301は、取付筒881の内径よりも若干短い外径を有する円柱部材にて形成され、取付筒881内に嵌挿可能とされている。取付部301の差込側端部には、左右方向に貫通する貫通孔310が形成されることにより、外周面左右側に開口310a,310bが形成されており、取付筒881内に嵌挿されたときに開口310a,310bが取付筒881の係止突起882a,882bに対向して配置され、該係止突起882a,882bが開口310a,310bの端縁に係止され、逸脱方向への移動が規制されるようになっている。
このように、係止突起882a,882bは取付筒881の内周面に形成され、取付筒881の内部にて開口310a,310bが係止されるようになっていることで、取付部301を取付筒881内に嵌挿して係止突起882a,882bが開口310a,310bの端縁に係止されると、係止突起882a,882bと開口310a,310bの端縁との係止状態を外部から解除することはできない。すなわち、これら取付筒881の係止突起882a,882bと取付部301の開口310a,310bとは、基板ケース800のカバー部材802に被覆部材としてのコネクタ規制部材300を、痕跡を残すことなく解除することが不能な状態で取り付ける取付手段を構成している。
被覆部302は、第1上面850a上に配置され第1コネクタ用開口853を背面側から被覆する第1被覆部302aと、第1被覆部302aの左側に連設され突出部892を背面側から被覆する第2被覆部302bと、から構成されている。
具体的には、第1被覆部302aは、背板320、上板321a、下板321b、右側板321c、左側板321dにより下板前面が開放するとともに所定の深さを有する四角箱状をなし、取付部301が取付筒881内に嵌挿されたときに、開口端縁、つまり、上板321a、下板321b、右側板321c、左側板321dの前端面が第1上面850aにおける第1コネクタ用開口853の周囲に当接する大きさに形成されている(図42参照)。左側板321dは、右側板321cよりも下方に延設されている。また、前後幅寸法、つまり、深さ寸法は、基板側コネクタCN1及び該基板側コネクタCN1に接続されたケーブル側コネクタHCN1を被覆可能な深さとされている(図43参照)。
第1被覆部302aの下方には取付部301が配設されている。取付部301は、第1被覆部302aの下板321bと左側板321dとに連結片303を介してそれぞれ連結されている。連結片303は、例えばニッパ等の工具によって切断可能な肉厚に形成されており、切断することにより、取付部301と被覆部302とを分離できるようになっている。
また、左側板321dの前端下部には、差込片304が前側に向けて延設されている。この差込片304は、後述するようにベース部材801に対しカバー部材802が第1閉塞位置に位置したときに、切欠溝872aと支持壁825aとの間に形成される隙間350に差し込み可能な帯板状の部材により形成されている。
第2被覆部302bは、背板330、上板331a、下板331b、左側板331cにより前面及び左側面が開放し所定の深さを有する四角箱状をなし、第1被覆部302aに対し前側にずれた位置、詳しくは、背板330が第1被覆部302aの開口端縁と前後方向の同位置に形成されている。
また、第2被覆部302bは、第1被覆部302aよりも上下幅が大きく、かつ、突出部892を被覆可能な大きさに形成されており、取付部301が取付筒881内に嵌挿されたときに、突出部892が背面側から被覆されるようになっている。また、取付部301が取付筒881内に嵌挿されたときに、開口端縁、つまり、上板331a、下板331b、左側板331cが突出部892の上下側辺及び左側辺に沿って配置され、これらの前端面がベース部材801の底板810の下面と前後方向の同位置になるので、図42に示すように、前面扉1bの背面に設けられた設置面360(図32参照)に取り付けたときに、該設置面360に上板331a、下板331b、左側板331cの前端面が当接するようになっている。
第1被覆部302aの左側板321dと第2被覆部302bの背板330との間には、横断面視略扇状の連通部340が形成されており、第1被覆部302aの配線を第2被覆部302bに挿通できるようになっている。
また、左側板331cの前端部には切欠凹部341が形成されており、第2被覆部302bまで引き出された配線を、切欠凹部341から外部に引き出すことができるようになっている。
次に、このように構成されたベース部材801とカバー部材802とにより演出制御基板90を収納する方法について、図35、図36及び図40に基づいて説明する。
まず、図35及び図36に示すように、制御基板90aおよびROM基板90bを、コネクタCN1〜CN5や各種ROM等の電子部品が実装された実装面を、カバー部材802の前面(内面)に対向させた状態で、ROM基板90bをネジ878により、制御基板90aをネジ875によりそれぞれカバー部材802に取り付ける。そして制御基板90aを取り付ける際に、基板側コネクタBCN1が基板側コネクタBCN2に接続される。
尚、これら両基板90a,90bは、ROM基板90bを取り付けた後に制御基板90aを取り付けて基板側コネクタBCN1,BCN2同士を接続してもよいし、これらコネクタを接続して一体化した状態でカバー部材802に取り付けてもよい。
このように、演出制御基板90は、電子部品が実装された実装面をカバー部材802に対向させた状態で該カバー部材802に取り付けられていることで、ベース部材801からカバー部材802が開放されても、カバー部材802から各基板90a,90bを取り外さない限り電子部品が実装された実装面が露呈されないので、電子部品に対して不正行為を行う際に、極力手間がかかるようにすることができる。
次いで、カバー部材802をベース部材801に組み付けるために、カバー部材802の係止片870a,870bを、図40(A)中2点鎖線で示すように、ベース部材801の被係止部材824a,824bにより形成された係止孔824h内に差し込む。
このとき、ベース部材801に対してカバー部材802を約90度の範囲内で傾斜させた傾斜姿勢としても、係止片870a,870bを係止孔824hに差し込むことはできず、ベース部材801に対してカバー部材802を約90度回転させた起立姿勢(図40(A)中1点鎖線参照)とし、屈曲片871bを底板810に平行にすれば、係止孔824h内に差し込むことが可能となる。
そして、図40(A)に示すように、屈曲片871bを係止孔824h内に差し込んだ状態で、係止杆825cを中心としてカバー部材802の他端側を少し回転させることで、屈曲片871bは係止孔824hを挿通するため、係止片870a,870bをさらに係止孔824h内に押し込む(図中白矢印参照)ことが可能となる。
このとき、図40(A)中拡大図に示すように、切欠溝872,872内に支持壁825a,825bが差し込まれることで、係止片870a,870bは、板状片871aの基部まで係止孔824h内に差し込まれる。この状態でカバー部材802をさらに回転させることにより規制突起868a〜868dが第1溝818eに嵌合され、カバー部材802がベース部材801に対し略平行な倒伏姿勢となる(図40(A)中実線位置参照)。つまり、カバー部材802は、ベース部材801に対して係止片870a,870bの差し込み方向(図40中右方向)、つまり係止孔824h側にずれた第2閉塞位置(ベース部材801の一部がカバー部材802により被覆されない位置)にて倒伏姿勢となる。
尚、カバー部材802は、係止片870a,870bを係止孔824h内に差し込まなければ、各規制突起868a〜868dを各規制溝818a〜818dの第1溝818eに嵌合できないことから第2閉塞位置に倒伏姿勢にて配置することができない。
次いで、図40(B)に示すように、ベース部材801に対してカバー部材802を係止片870a,870bの差し込み方向とは逆方向(図40(B)中左方向)にスライドさせて、ベース部材801を閉塞する第1閉塞位置に位置させる。具体的には、カバー部材802の右側壁851aがベース部材801の右側壁811に当接することにより移動規制される位置が第1閉塞位置とされ、該第1閉塞位置に位置したときに、封止片861a,861bの取付孔862と封止片815a,815bのネジ穴817とが合致し、ワンウェイネジ816を螺入可能となる。
また、この移動により、規制突起868a〜868dが左右方向を向く第2溝818f内を移動し、第1閉塞位置において奥側の端部に配置されることで、カバー部材802の開放方向(背面方向)への移動が規制されることになる。
さらに、図40(B)中拡大図に示すように、切欠溝872,872内から支持壁825a,825bが離脱することで、第1閉塞位置において係止杆825cに屈曲片871bが当接する。つまり、係止片870a,870bは、カバー部材802が第2閉塞位置と第1閉塞位置との間を移動する間、係止孔824h内に差し込まれた係止状態が維持されるようになっているとともに、第1閉塞位置において、係止杆825cに屈曲片871bが当接してスライド移動が規制されることで、係止孔824hからの逸脱が防止される。
よって、第1閉塞位置においては、カバー部材802の上下長辺に形成された規制突起868a〜868dが第2溝818f内に嵌合されるとともに(図40(B)参照)、係合凸部860が係合孔830内に係合される。さらに、左短辺に形成された係止片870a,870bは係止杆825cに係止された状態で維持されていることにより、ベース部材801に対するカバー部材802の開放方向(後方)への移動が規制される。つまり、規制溝818a〜818dと規制突起868a〜868dおよび係合凸部860と係合孔830は、本発明の係止手段を構成している。
また、第1閉塞位置に位置した状態において、基板側コネクタBCN1,BCN2を介して接続された制御基板90aとROM基板90bとが、ベース部材801に突設された第2ボス821,821とカバー部材802に突設された規制用ボス879a,879bとにより、基板側コネクタBCN1,BCN2に対応する位置が前後から挟持されることで、基板側コネクタBCN1,BCN2の接続が解除されることが防止される。
また、ROM基板90bは、制御基板90aをカバー部材802から取り外さない限りカバー部材802から取り外すことができないようになっているので、カバー部材802がベース部材801から取り外されたとしても、プログラムデータ等が記憶されているROM基板90bを簡単にとりはずすことができないようになっている。さらに、ROM基板90bの上下端縁が、ベース部材801の支持片819a,819bにより前側から支持されるため、基板の撓み等が防止される。
次いで、図40(B)に示すように、封止片861a,861bの取付孔862に背面側からワンウェイネジ816を取り付け、封止片815a,815bのネジ穴817に螺入する。尚、ワンウェイネジ816は、ドライバー等の工具によりネジを取り付ける方向に回転させることはできても、ネジを取り外す方向には回転させることができない従来公知のワンウェイネジである。
つまり、取付孔862に取り付けたワンウェイネジ816をネジ穴817に螺入すると、ワンウェイネジ816をネジ穴817から取り外して、カバー部材802をベース部材801に対して開放させることが極めて困難となる封止状態が構成される。そして封止状態が構成された場合、例えば連結片863bをニッパ等の工具にて切断したり、カバー部材802やベース部材801の一部を破壊するなど、封止に関連する関連部位を破壊しない限り封止状態を解除してカバー部材802を開放することができなくなる。
よって、封止状態とされた後にカバー部材802を開放する場合、封止に関連する関連部位が破壊された痕跡が必ず残ることになるため、カバー部材802が不正に開放された可能性があることを確認することが可能となる。
尚、本実施の形態では、一度に上下の封止片を封止していたが、上下いずれか一方のみをワンウェイネジ816で取り付けるようにしてもよい。また、封止片は2以上設けてもよい。
また、本実施の形態では、封止状態を構成する組付手段の一例として、封止片861a,861bと封止片815a,815bとを連結するワンウェイネジ816が適用されていたが、組付手段は、封止状態が解除されたときにその痕跡が確実に残るように構成されたものであれば、ワンウェイネジ等に限定されるものではなく、例えば封止片同士をカシメピンによりカシメたり、溶着したり、あるいは、剥離した際にその痕跡が残る特殊な粘着シールを掛け渡すように貼着してもよい。
次に、封止状態を解除するには、例えば連結片863bをニッパ等の工具にて切断し、筒状部863aとカバー部材802との連結状態を解除した後、カバー部材802をベース部材801に対して第2閉塞位置に向けてスライドさせる。つまり、係止片870a,870bを係止孔824hに差し込む方向に向けてスライドさせる。これにより、規制突起868a〜868dが第1溝818eまで移動するため(図40(B)参照)、規制溝818a〜818dによるカバー部材802の開放規制が解除される。
次いで、係止片870a,870bが係止孔824hに奥深く差し込まれた第2閉塞位置から、係止杆825cを中心としてカバー部材802の右端を回転させ、ベース部材801に対してカバー部材802が起立する起立姿勢になったときに、カバー部材802を起立姿勢のままベース部材801に沿ってスライドさせることで、屈曲片871bを係止孔824hから抜き取ることが可能となる。
次に、コネクタ規制部材300のカバー部材802への取付状況について、図40〜図43に基づいて説明する。尚、図41及び図42では、構造を説明する便宜上、基板側コネクタCN1にケーブル側コネクタHCN1が接続されていない状態としている。
設置面360に設置されたベース部材801に対し、カバー部材802を第2閉塞位置から第1閉塞位置までスライド移動することにより、ベース部材801の支持壁825aと切欠溝872aとの間に隙間350が形成される(図40(B)参照)。
図41に示すように、この状態で、コネクタ規制部材300をカバー部材802に取り付ける場合、第1被覆部302aをコネクタ用開口853の背面側に配置するとともに、第2被覆部302bを突出部892の背面側に配置した状態で、取付部301を取付筒881内に嵌挿する。
取付部301を取付筒881内に嵌挿すると、図42(B)に示すように、係止突起882a,882bが僅かに弾性変形して貫通孔310の左右の開口310a,310bが取付筒881の係止突起882a,882bに対向して配置され、該係止突起882a,882bが開口310a,310bの端縁に係止され、逸脱方向への移動が規制される。
また、取付部301が取付筒881内に嵌挿された取付状態になることで、図42(A)に示すように、第1被覆部302aの上板321a、下板321b、右側板321c、左側板321dの前端面が第1上面850aにおける第1コネクタ用開口853の周囲に当接するとともに、第2被覆部302bの上板331a、下板331b、左側板331cが突出部892の上下側辺及び左側辺に沿って配置され、これらの前端面が設置面360に当接することで、基板ケース800におけるコネクタ用開口853からその右側方の突出部892周辺の領域がコネクタ規制部材300により被覆される。この被覆状態においては、コネクタ規制部材300の内部空間Sは切欠凹部341と設置面360との間に形成される配線引出口のみが外部との連通口とされる。
また、図41及び図42(C)に示すように、取付部301を取付筒881内に嵌挿することにより、切欠溝872aにおける左側壁851bとこれに対向する支持壁825aとの間に形成される隙間350に差込片304が差し込まれる。これにより、ベース部材801に対しカバー部材802を左側である第2閉塞位置側(図中右側)に向けて移動しようとすると、カバー部材802に一体的に取り付けられたコネクタ規制部材300の差込片304もカバー部材802とともに移動する。すると、差込片304の左端部が支持壁825aの右端部に当接することで、差込片304の第2閉塞位置側(図中右側)への移動、つまり、カバー部材802の移動が規制される。
尚、差込片304の左右幅寸法L1は、切欠溝872aにおける左側壁851bの外面と支持壁825aの右端面との間、つまり、隙間350の左右幅L2よりも小寸とされている(L1<L2)。また、左側壁851bと差込片304との間にも隙間があるが、この両者の相対位置関係は変わらないため、隙間幅は不変である。これに対し、差込片304と支持壁825aとの間には遊びとしての隙間L3が形成されるが、この隙間L3分だけカバー部材802が移動しても、規制突起868a〜868dは第2溝818fから第1溝818eまで移動して第2溝818fから逸脱しない。つまり、隙間350に差込片304が差し込まれている限り、カバー部材802は第2閉塞位置まで移動できないことで、ベース部材801に対し離脱する方向に移動できないため、基板ケース800を開放することができない。
すなわち、カバー部材802が第1閉塞位置にあるときにコネクタ規制部材300がカバー部材802に取り付けられることで、ベース部材801に対するカバー部材802のスライド移動が差込片304が支持壁825aに当接することにより規制され、これにより規制突起868a〜868dと規制溝818a〜818dとによる係止状態を解除することができなくなるため、ワンウェイネジ861によりベース部材801に対してカバー部材802を閉止しなくても、基板ケース800を開放することができない状態とすることができる。
図43には、基板側コネクタCN1にケーブル側コネクタHCN1を接続した状態で、コネクタ規制部材300をカバー部材802に取り付けた状態が示されている。図43に示すように、基板側コネクタCN1及び該基板側コネクタCN1に接続されたケーブル側コネクタHCN1のケーブル600dは、第1被覆部302aにより背面側から被覆される。この被覆状態において、ケーブル側コネクタHCN1からコネクタ規制部材300の背板320までの距離L10は、基板側コネクタCN1に対するケーブル側コネクタHCN1を抜脱するために必要なストローク(基板側コネクタCN1に対するケーブル側コネクタHCN1の嵌合深さL11)よりも短寸であるため(L10<L11)、コネクタ規制部材300が取り付けられた状態でケーブル側コネクタHCN1からコネクタ規制部材300を抜脱することはできない。
また、ケーブル側コネクタHCN1のケーブル600dは、第1被覆部302a内において前方に折り返されて連通部340を通して第2被覆部302b内に挿通された後、切欠凹部341により形成された配線用引出口から左側方に向けて引き出される。尚、切欠凹部341は設置面360との間から引き出されたケーブル600は、中継基板140の上部に設けられた配線押えにより押えられるので、ケーブル600dは設置面360に沿って配線される。これにより、ケーブル600dに不正な基板を取り付けるときに設置面360が邪魔になるので、不正な基板の取り付けを困難とすることができる。
ここで、第2被覆部302bは、第1被覆部302aに対し前方にずれた位置に配置されているとともに、配線用引出口を形成する切欠凹部341が第2被覆部302bに形成されていることで、基板側コネクタCN1に接続されたケーブル側コネクタHCN1のケーブル600dの接続部に対し切欠凹部341は前方にずれた位置に配置されている。
また、ケーブル側コネクタHCN1のケーブル600dの接続部と切欠凹部341とを仮想直線Pで結んだときに、背板330の右端部330aが仮想直線Pに交差する位置に形成されているので、図43中白矢印で示すように、ケーブル600dに所定の引張力が作用したときに、張設されたケーブル600dの所定箇所に背板330の右端部330aが接触することになるので、ケーブル600dが引き出されようとする際に右端部330aとケーブル600dとの間に摩擦が生じる。よって、ケーブル600dが引き出されにくくなるので、ケーブル600dに何らかの外力が加わって所定の引張力が作用しても、ケーブル側コネクタHCN1のケーブル600dの接続部に負荷がかかり断線する虞がなくなる。
また、コネクタ規制部材300は、基板側コネクタCN1及びケーブル側コネクタHCN1を被覆する第1被覆部302aだけでなく、ケーブル側コネクタHCN1から延出されるケーブル600dの一部を被覆する第2被覆部302bを有することで、基板側コネクタCN1からのケーブル側コネクタHCN1の抜脱が規制されるだけでなく、ケーブル600dに不正な基板を取り付けることが困難となるとともに、これら第1被覆部302aと第2被覆部302bとが前後に異なる位置に形成されていることで、切欠凹部341から基板側コネクタCN1及びケーブル側コネクタHCN1へのアクセスが困難となるので、不正行為を効果的に防止できる。
以上説明したように、本発明の実施の形態としての基板ケース800にあっては、基板ケース800は、ベース部材801及び該ベース部材801を開閉可能とするカバー部材802からなり、ベース部材801に対しカバー部材802を閉塞位置にて係止する係止手段としての規制突起868a〜868dと規制溝818a〜818dを備え、カバー部材802を閉塞位置から所定方向である右側に移動させることで係止手段による係止状態を解除可能に構成され、コネクタ規制部材300には、取付手段としての取付筒881の係止突起882a,882bと取付部301の開口310a,310bにより係止状態であるカバー部材802に取り付けられたときに、ベース部材801に対するカバー部材802のスライド移動を規制する規制部としての差込片304が設けられていることで、コネクタ規制部材300を取付手段により基板ケース800に取り付けることで、基板側コネクタCN1からのケーブル側コネクタHCN1の抜脱が防止されるとともに、コネクタ規制部材300が基板ケース800から取り外されたときにはその痕跡が残るため、不正行為が行われた可能性があることを発見しやすくなるばかりか、コネクタ規制部材300の差込片304によりカバー部材802の移動が規制されて係止状態を解除できなくなることによってカバー部材802の開放が規制されるため、不正行為を抑制できる。
また、コネクタ規制部材300を取付手段によりカバー部材802に取り付けた状態において、基板側コネクタCN1及びケーブル側コネクタHCN1の周囲が被覆されることで、基板側コネクタCN1からケーブル側コネクタHCN1を抜脱することにより遊技制御基板40と演出制御基板90とのコネクタ接続を解除することや、遊技制御基板40と演出制御基板90とを接続するケーブル600dに不正な基板(いわゆる、ぶらさがり基板)を取り付けることが困難となるため、不正行為を抑止することができる。
また、痕跡を残すことなく解除することが不能な状態で取り付ける取付手段とは、例えば、一度取り付けたらベース部材801やカバー部材802等の取り付けに関連する取付関連部位を破壊しない限り取付状態を解除することができないものであればよく、例えば、一方向にしか回すことができないワンウェイネジ等の取付部材や、所謂カシメ等によるものが含まれる。
また、基板ケース800は、カバー部材802をベース部材801に沿ってスライド移動させることで規制突起868a〜868dと規制溝818a〜818dとによる係止状態を解除可能に構成され、差込片304は、カバー部材802が閉塞位置にあるときに形成される支持壁825aと左側壁851bとの間に形成される隙間350に差し込み可能な差込片304にて構成されることで、ベース部材801に対しカバー部材802をスライドさせることで容易に係止状態を解除できるとともに、基板ケース800にコネクタ規制部材300を取り付けたときに隙間350に差込片304が差し込まれるだけの簡素な構造で容易にスライド移動を規制することができる。
また、本実施の形態では、第1閉塞位置から第2閉塞位置までスライド移動させることで、係止手段としての規制突起868a〜868dと規制溝818a〜818dとの係止状態が解除されるようになっており、このスライド移動の移動方向(右側への移動)は、係止解除するための移動であって、ベース部材801に対するカバー部材802の開放方向への移動方向(後側への移動)とは異なり、差込片304は、係止解除のための移動を規制するものであるため、ベース部材801に対しカバー部材802を無理に開放しようとしても、その力が直接差込片304に加わることがないので、差込片304の破損等が防止される。
また、本実施の形態では、第2閉塞位置において、差込片304は支持壁825aに当接することによりスライド移動が規制されるようになっていたが、ベース部材801における支持壁825a以外の箇所に当接することでスライド移動が規制されるようにしてもよく、例えば、ベース部材801に形成された差込孔内に挿入されるようにすることで、該差込孔の開口縁に当接されてスライド移動が規制されてもよい。
また、ベース部材801側に差込片等の被規制部を形成し、コネクタ規制部材300側に差込孔等の規制部を形成しても、上記と同様の作用・効果が得られる。
また、第2被覆部302bに引出口が形成されることで、ケーブル600dの引出口を極力基板側コネクタCN1及びケーブル側コネクタHCN1から離れた位置に設けることができるため、引出口からケーブル側コネクタHCN1にアクセスして不正な基板(いわゆる、ぶらさがり基板)を取り付けることを困難とすることができる。また、第2被覆部302bにより被覆される突出部892が形成されていることで、第2被覆部302bの背面側からの不正なアクセスを防止することができる。
また、コネクタ規制部材300は、取付手段により取り付けられる取付部301と、被接続部を被覆する被覆部302と、取付部301と被覆部302との間に設けられる連結片303と、を有し、連結片303を切断することにより交換可能とされていることで、連結片303を切断することなどにより、点検等で取付手段による取付状態を解除して新たな部品に取り付けることができるため、基板ケース800を交換しなくても使いまわすことができる。
また、コネクタ規制部材300は、係止状態である基板ケース800に取り付けられたときにケーブル側コネクタHCN1からのケーブル600dを引き出すための引出口(切欠凹部341により設置面360との間に形成される配線引出口)と、ケーブル600dに所定の引張方向の外力が加わったときにケーブル側コネクタHCN1から前記引出口まで引き回される配線に当接する配線当接部としての背板330の右端部330aと、を備えることで、ケーブル600dに引張力が働いたときに背板330の右端部330aに当接して摩擦抵抗が生じることによりケーブル側コネクタHCN1に引張力が伝わりにくくなるので、基板側コネクタCN1からのケーブル側コネクタHCN1の抜脱が防止される。
尚、この実施の形態では、切欠凹部341により設置面360との間に配線引出口が形成されるようになっていたが、左側板331cに開口を形成することにより配線引出口を形成してもよい。
また、ケーブル600dは、筐体1aに取り付けられている遊技制御基板40に接続されるため、特に前面扉1bを開放する際にケーブル600dに張力が生じることがあるため、このように前面扉1bの開閉時や、前面扉1bを開放して行われる点検作業時などにおいてケーブル600dが引っ掛かり引張力が生じた場合でも、コネクタの抜脱が防止される。
また、係止片870a,870bを係止孔824hに差し込むことでベース部材801に対してカバー部材802を第2閉塞位置に配置可能となるとともに、該第2閉塞位置から、係止片870a,870bの差し込み方向と反対側に向けてスライド移動させて第1閉塞位置に配置することで開放方向への移動が規制され、組付手段としてのワンウェイネジ816により封止状態とすることが可能となる。よって、カバー部材802を開放させるためには、ワンウェイネジ816による封止状態を解除した後、カバー部材802を第2閉塞位置までスライド移動させることで規制溝818a〜818dと規制突起868a〜868dとによる開放方向への移動の規制が解除されるものの、カバー部材802をスライド方向とは異なる方向に移動、例えば左側辺を中心として回転させなければ係止孔824hから係止片870a,870bを抜出して係止状態を解除することができない。よって、ベース部材801に対しカバー部材802を開放したり取り外したりするためには、少なくとも2段階の開放動作(スライド動作と回転動作)が必要となって手間を要することになるため、不正行為を抑制することができる。
また、係止片870a,870bは、板状片871aの先端に屈曲片871bが形成されていることで、ベース部材801に対してカバー部材802を左側辺を中心として傾けなければ(回転させなければ)係止孔824hから屈曲片871bを引き抜くことができないため、開放動作を複雑化することができる。
また、係止孔824hは、底板810から立設された一対の支持壁825a,825bと該一対の支柱間に架設された係止杆825cにより形成され、係止片870a,870bの両側に、支持壁825a,825bが差し込み可能な切欠溝872,872が形成されていることで、係止片870a,870bを左短辺から大きく突出させることなく、スライド移動のストロークを十分に確保することができるため、係止片870a,870bの破損等が防止される。
また、屈曲片871bは、板状片871aに対して略90度屈曲されていることで、ベース部材801に対してカバー部材802をある程度回転させて起立姿勢としなければカバー部材802を取り外すことができないため、手間がかかるようになる。
また、特に基板ケース800は、筐体1aに対して左側辺を中心として開閉可能に取り付けられた前面扉1bの背面に取り付けられているとともに、第2閉塞位置において左側辺を中心としてカバー部材802をベース部材801に対して約90度回転させる、つまりベース部材801に対してカバー部材802を起立姿勢としなければ取り外すことができない。よって、カバー部材802を開放するためには、筐体1aに対して前面扉1bを大きく開放しなければならず、これにより前面扉1bが開放されていることが目立ちやすくなるため、不正行為を行い難くすることが可能となる。
また、係止手段を構成する規制溝818a〜818dおよび規制突起868a〜868dは複数箇所に設けられていることで、カバー部材802を撓ませにくくなるため、ベース体とカバー部材802との隙間から針金等の異物を進入させにくくなる。特に、上辺および下辺それぞれの左右に2つずつ配設されていることで、第1閉塞位置から第2閉塞位置までベース部材801に対してカバー部材802を略平行にスライド移動案内することになるため、第2閉塞位置に位置するまでカバー部材802の開放方向への移動を確実に規制することができる。
また、本実施の形態では、係止手段として、規制溝818a〜818dと規制突起868a〜868dおよび係合凸部860と係合孔830が適用されていたが、係止片870a,870bを係止孔824hに差し込む方向とは逆方向にスライドさせることによりカバー部材802の開放方向への移動を規制するものであれば、上記のように、溝と突起からなるものや、係合凸部と係合孔とからなるものでなくてもよい。
また、本実施の形態では、基板ケースの一例として、演出制御基板90を収納する演出制御基板ケース800を記載したが、収納する基板は演出制御基板90に限定されるものではなく、遊技制御基板40や他の回路基板等を収納してもよい。
以上、本発明の実施の形態を図面により説明してきたが、本発明はこの実施の形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれることは言うまでもない。
例えば、前記実施の形態では、本発明の遊技機の一例として、遊技用価値としてメダル(遊技媒体)やクレジット等を用いて遊技を行うスロットマシン1を適用したが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技用価値としてパチンコ球(遊技媒体)を用いて遊技を行うスロットマシンであってもよいし、パチンコ遊技機や雀球遊技機等にも適用可能である。
また、前記実施の形態では、遊技者所有の遊技用価値としてのメダルの一部(前記実施の形態では50枚まで)をクレジットとして記憶可能であり、メダルまたはクレジットを用いることで遊技(ゲーム)を行うことができるようになっていたが、例えば貸出要求に応じて貸し出された価値や入賞に応じて付与された価値を全てクレジットとして記憶し、該クレジットのみの使用で遊技を行うことが可能な遊技機であってもよく、この場合、遊技用価値とはクレジットにあたる。
また、本発明は、所定の遊技を行うことが可能な遊技機であればよく、例えば入賞や大当り等の発生など遊技を行うことにより成立する所定条件の成立にもとづいて有価価値を付与する遊技機にも適用可能である。
また、有価価値とは、遊技を行うための遊技用価値としてのメダルや遊技球等の遊技媒体であってもよいし、賭数の設定をクレジットのみを使用して行う完全クレジット式であればクレジットを付与するものであればよい。