[パチスロの機能フロー]
本発明の遊技機に係る実施例1について、以下図面を参照しながら説明する。はじめに、図1を参照して、実施例1における遊技機(以下、適宜パチスロという)1の機能フローについて説明する。
遊技者によりメダルが投入され、スタートレバー6が操作されると、予め定められた数値の範囲(例えば、0〜65535)の乱数から1つの値(以下、乱数値)が抽出される。
内部抽籤手段(後述のメインCPU31)は、抽出された乱数値に基づいて抽籤を行い、内部当籤役を決定する。内部当籤役の決定により、後述の入賞判定ラインに沿って表示を行うことを許可する図柄の組合せが決定される。尚、図柄の組合せの種別としては、メダルの払い出し、再遊技の作動等といった特典が遊技者に与えられる「入賞」に係るものと、それ以外のいわゆる「ハズレ」に係るものとが設けられている。
続いて、複数のリール3L、3C、3Rの回転が行われた後で、遊技者によりストップボタン7L、7C、7Rが押されると、リール停止制御手段(後述のモータ駆動回路39、後述のステッピングモータ49L、49C、49R)は、内部当籤役とストップボタンが押されたタイミングとに基づいて、該当するリールの回転を停止する制御を行う。
ここで、パチスロ1では、基本的に、ストップボタン7L、7C、7Rが押されたときから規定時間(190msec)内に、該当するリール3L、3C、3Rの回転を停止する制御が行われる。本実施の形態では、上記規定時間内でのリール3L、3C、3Rの回転に伴って移動する図柄の数を「滑り駒数」と呼び、その最大数を図柄4個分に定める。
リール停止制御手段は、入賞に係る図柄の組合せの表示を許可する内部当籤役が決定されているときでは、上記規定時間を利用して、その図柄の組合せが入賞判定ラインに沿って極力表示されるようにリール3L、3C、3Rの回転を停止する。その一方で、内部当籤役によってその表示が許可されていない図柄の組合せについては、上記規定時間を利用して、入賞判定ラインに沿って表示されることがないようにリール3L、3C、3Rの回転を停止する。
こうして、複数のリール3L、3C、3Rの回転がすべて停止されると、入賞判定手段(例えば、後述のメインCPU31)は、入賞判定ラインに沿って表示された図柄の組合せが、入賞に係るものであるか否かの判定を行う。入賞に係るものであるとの判定が行われると、メダルの払い出し等の特典が遊技者に与えられる。以上のような一連の流れがパチスロ1における1回の遊技として行われる。
また、パチスロ1では、前述した一連の流れの中で、液晶表示装置5により行う映像の表示、各種ランプにより行う光の出力、スピーカ9L、9Rにより行う音の出力、或いはこれらの組合せを利用して様々な演出が行われる。
遊技者によりスタートレバー6が操作されると、前述の内部当籤役の決定に用いられた乱数値とは別に、演出用の乱数値(以下、演出用乱数値)が抽出される。演出用乱数値が抽出されると、演出内容決定手段(後述のサブ制御基板72)は、内部当籤役に対応づけられた複数種類の演出内容の中から今回実行するものを抽籤により決定する。
演出内容が決定されると、演出実行手段(後述のスピーカ9L、9R、液晶表示装置5)は、リール3L、3C、3Rの回転が開始されるとき、各リール3L、3C、3Rの回転がそれぞれ停止されるとき、入賞の有無の判定が行われたとき等の各契機に連動させて演出の実行を進める。このように、パチスロ1では、内部当籤役に対応づけられた演出内容を実行することによって、決定された内部当籤役(言い換えると、狙うべき図柄の組合せ)を知る或いは予想する機会が遊技者に提供され、遊技者の興味の向上が図られる。
[遊技状態の移行]
ここで、実施例1では、抽出された乱数値が同一であっても、遊技状態が異なる場合には、決定される内部当籤役が異なる場合がある。実施例1では、遊技状態として、RT(リプレイタイム)0遊技状態(低RT遊技状態)、RT1遊技状態(通常遊技状態)、RT2遊技状態(擬似BBフラグ間遊技状態)、RT3遊技状態(擬似RBフラグ間遊技状態)、RT4遊技状態(ART遊技状態)、RT5遊技状態(CZ(チャンスゾーン)遊技状態)、RT6遊技状態(チェリー後チャンス遊技状態)、RT7遊技状態(連続チェリー後チャンス遊技状態)、RT8遊技状態(確定チェリー遊技状態)を設けている。
本実施例では、各遊技状態に対応した内部抽籤テーブル(後に、参照する図8−1、図8−2参照)が設けられており、再遊技の作動といった特典が遊技者に与えられる確率がそれぞれ異なる。すなわち、各遊技状態RT1〜8では、それぞれリプレイが内部当籤役として決定される確率がそれぞれ異なる。また、リプレイには、複数の種類があり、各種類のリプレイの抽籤確率は、各遊技状態に応じて異なる。なお、内部当籤役であるリプレイの種類としては、通常リプ、RT4時リプ1〜3、RT5時リプ123、RT5時132、RT5時213、RT5時231、RT5時312、RT5時321、RT6−7時リプ1、RT6−7時リプ213、RT6−7時リプ231、RT6−7時リプ312、RT6−7時リプ321、BBリプ、RBリプ、RT6移行リプ、RT7リプ、RT8リプ、BBリプ中、BBリプ右、RBリプ中、RBリプ右が存在する。
ここで、図2を用いて、各遊技状態への移行条件について説明する。パチスロ1では、電源投入時にRWM(Read Write Memory)が初期化されると、まずRT0遊技状態へ移行する。そして、RT0遊技状態において、「こぼし目」が表示された場合には、RT1遊技状態へ移行する。なお、RT2〜8遊技状態においても、「こぼし目」が表示された場合には、RT1遊技状態へ移行する。ここで、こぼし目とは、例えば、中右ベル1が内部当籤した場合に、左リールを第一停止し、且つ、押下位置が失敗すると表示される出目である。
RT1遊技状態は、いわゆる通常遊技状態であり、BBリプ、RBリプ、RT6移行リプ(RT6チェリーリプ1〜10)、RT8移行リプ(RT8チェリーリプ〜12)などに入賞して、RT4遊技状態、RT6遊技状態、RT8遊技状態に移行可能な遊技状態である。
RT1遊技状態において、BBリプに対応する図柄組合せ「7−7−7」またはRBリプに対応する図柄の組合せ「7−7−BAR」が表示されると、RT4遊技状態(ART)へ移行する。また、RT1遊技状態において、RT6チェリーリプ1〜10が入賞すると、RT6遊技状態へ移行する。また、RT1遊技状態において、RT8チェリーリプ〜12が入賞すると、RT8遊技状態へ移行する。
また、RT1遊技状態において、BBリプが内部当籤として決定された場合であって、且つ、BBリプに対応する図柄組合せ「7−7−7」が停止表示されなかった場合には、BBリプに当籤する確率がRT0、1、3〜6遊技状態よりも高いRT2遊技状態に移行する。また、RT1遊技状態において、RBリプが内部当籤として決定された場合であって、且つ、RBリプに対応する図柄組合せ「7−7−BAR」が停止表示されなかった場合には、RBリプに当籤する確率がRT0〜2、4〜8遊技状態よりも高いRT3遊技状態に移行する。なお、BBリプは、RT1、2、6〜8遊技状態で抽籤されるが、RT0、3〜5遊技状態では抽籤されず、RBリプは、RT1、3、6、7遊技状態で抽籤されるが、RT0、2、4、5、8遊技状態では抽籤されない。
RT2遊技状態は、いわゆる擬似BBフラグ間遊技状態であり、上述したように、BBリプに当籤する確率が高く設定されており、RT2遊技状態中においては、複数種類のリプレイのうち、BBリプのみが抽籤される(図8−1、図8‐2参照)。また、RT2遊技状態において、BBリプに対応する図柄組合せ「7−7−7」が表示されると、RT4遊技状態(ART)へ移行する。なお、RT2遊技状態では、RBリプは一切抽籤されず、BBリプのみが抽籤される。
RT3遊技状態は、いわゆる擬似RBフラグ間遊技状態であり、上述したように、RBリプに当籤する確率が高く設定されており、RT3遊技状態中においては、複数種類のリプレイのうち、RBリプのみが抽籤される(図8−1、図8−2参照)。また、RT3遊技状態において、RBリプに対応する図柄組合せ「7−7−BAR」が表示されると、RT4遊技状態(ART)へ移行する。なお、RT3遊技状態では、BBリプは一切抽籤されず、RBリプのみが抽籤される。このように、RT2遊技状態とRT3遊技状態とを比較すると、RT2遊技状態では、RBリプは一切抽籤されず、BBリプのみが抽籤され、一方、RT3遊技状態では、BBリプは一切抽籤されず、RBリプのみが抽籤される点が異なる。
ここで、RT2遊技状態(擬似BBフラグ間遊技状態)およびRT3遊技状態(擬似RBフラグ間遊技状態)においては、内部当籤役として、入賞させるための停止操作の情報が報知される中右ベル1及び中右ベル2、または、入賞させるための停止操作の情報が報知されない左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4が決定される可能性がある。そして、抽選の結果、中右ベル1または中右ベル2が内部当籤役として決定され、且つ、報知された停止操作の情報と異なる停止操作が行われた場合には、こぼし目が表示され、RT1遊技確率状態に転落する。一方、抽籤の結果、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4が内部当籤役として決定された場合には、入賞させるための停止操作の情報が報知されず、ベルを取りこぼした場合でも、こぼし目が表示されず、RT1遊技確率状態に転落することもない。
ここで、全てのベルに対して、こぼし目が表示される可能性があるように設定することも考えられるが、このように設定した場合には、擬似フラグ間遊技状態(RT2遊技状態、RT3遊技状態)から容易に転落させないようにする必要があり、こぼし目を表示させなくするために、全てのベルの押し順をナビすることとなる。このような場合には、こぼし目を表示させなくするということは、ベルを入賞させるということになり、擬似フラグ間遊技状態において、ナビに従う限り、全てのベルに入賞することが可能となり、ベルの入賞率が上がってしまう結果、還元率が上がるという問題が生じる。このため、本発明では、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4が内部当籤役として決定された場合には、入賞させるための停止操作の情報が報知されず、また、こぼし目が表示されることがないように設定されている。なお、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4の方が、中右ベル1、中右ベル2よりも当籤確率が高く設定されている。
RT4遊技状態は、いわゆるART遊技状態であり、ART中は遊技者に有利な停止操作の情報が報知される。例えば、RT4遊技状態においては、ARTゲーム数が「1」以上であれば、いわゆる3択ベル(左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4)が内部当籤した場合には、正解の押し順を報知し、また、いわゆる押し順リプ(RT4時リプ1〜3)が内部当籤した場合には、下段リプ(CZ移行リプ)が表示しないように(つまり、ARTを維持するために)、正解の押し順を報知する。一方、RT4遊技状態においては、ARTゲーム数が「0」であれば、3択ベルが内部当籤した場合には、下段リプ(CZ移行リプ)が表示するように押し順をナビし、RT5遊技状態へ移行させるようにする。
また、ART中は、ARTに移行してから所定ゲーム数(例えば、66ゲーム)の間、ARTを維持するための停止操作の情報が報知される第一の期間と、ARTに移行してから所定ゲーム数を経過した後、ARTを維持するための停止操作の情報の報知が中止され、CZへ移行させるための停止操作の情報が報知される第二の期間とがある。ここで、所定ゲーム数を経過して、第一の期間が終了すると、天井ゲーム数のカウントを開始する。そして、この天井ゲーム数が1000ゲームに達した場合には、ハマリ救済状態として、次回のARTに当籤するまでリプレイ・ベルの押し順がナビされる。また、後に図26を用いて説明するCZ管理モードが「1」となり、CZ管理モード「0」よりもCZ保障ゲーム数の多い値が選択される。
RT5遊技状態は、いわゆるCZ(チャンスゾーン)であり、RT4への復帰が期待できる遊技状態である。ここで、RT5遊技状態は、RT4遊技状態からどのような状況で移行したかに応じて、処理の内容が異なる。具体的には、RT4遊技状態におけるARTゲーム数を消化し、且つ、ARTゲーム消化後に下段リプ(CZ移行リプ)が表示されて、RT5遊技状態に移行した場合と、T4遊技状態におけるARTゲーム数を消化しておらず、且つ、ARTゲーム消化後に下段リプ(CZ移行リプ)が表示されて、RT5遊技状態に移行した場合とでは、処理の内容が異なる。
まず、RT4遊技状態におけるARTゲーム数を消化し、且つ、ARTゲーム消化後に下段リプ(CZ移行リプ)が表示されて、RT5遊技状態に移行した場合について説明する。このように移行したRT5遊技状態においては、BBリプ中、BBリプ右に内部当籤して、BBリプに対応する図柄組合せ「7−7−7」が表示された場合、または、RBリプ中、RBリプ右に内部当籤して、RBリプに対応する図柄組合せ「7−7−BAR」が表示された場合、RT4遊技状態(ART)へ移行(復帰)する。このように、RT4遊技状態からRT5遊技状態に移行して、すぐにRT4遊技状態へ移行するので、遊技者にARTが連荘した様にみせることができる。
次に、RT4遊技状態におけるARTゲーム数を消化しておらず、且つ、ARTゲーム消化後に下段リプ(CZ移行リプ)が表示されて、RT5遊技状態に移行した場合について説明する。このように移行したRT5遊技状態においては、ART中の演出が行われている。そして、このようなRT5遊技状態において、BBリプ中、BBリプ右、RBリプ中、RBリプ右に内部当籤した場合に、ボーナス図柄を含まないで構成されるRT4リプ1〜4に対応する図柄の組合せが表示されると、RT4遊技状態に移行する。つまり、ARTゲーム数を消化していないにもかかわらず、RT5遊技状態に転落した場合に、RT4遊技状態に復帰させ、遊技者を救済することができる。上記したように、ボーナス図柄を含まないで構成されるRT4リプ1〜4に対応する図柄の組合せが表示されることで、RT4遊技状態に復帰するので、ART中の演出が行われている際に、再度ボーナス図柄が表示されてしまうという事象を防止することができ、遊技機に対する不信感を抱かせないようにすることが可能である。
また、RT5遊技状態では、後述するCZ保障ゲーム数(後に、図26を用いて詳述)だけ、RT5遊技状態中にRT5時の押し順をナビする。ここで、RT5時の押し順をナビすることで、RT5遊技状態が維持され、RT4遊技状態に復帰することができる。一方、CZ保障ゲーム数が「0」になると、RT5時の押し順がナビされずに、クロスアップリプが停止表示されて、RT1に転落することとなる。
また、RT5遊技状態において、BBリプに対応する図柄組合せ「7−7−7」又はRBリプに対応する図柄組合せ「7−7−BAR」が表示されると、RT4遊技状態(ART)へ移行する。また、RT5遊技状態において、RT8チェリーリプ1〜12が表示されると、RT8遊技状態へ移行する。
RT6遊技状態は、いわゆる角チェリーが表示された後に移行する遊技状態であり、5択リプレイであるRT6−7時リプの当籤確率が高い遊技状態である。このRT6−7時リプは、押し順を正解すると中段リプ、上段リプが入賞して遊技状態が維持されるが、押し順が不正解であると、クロスアップリプが入賞してRT1遊技状態に転落する。
また、RT6遊技状態において、RT7チェリーリプ1〜8に入賞すると、RT7遊技状態へ移行し、RT8チェリーリプ1〜12に入賞すると、RT8遊技状態へ移行する。
RT7遊技状態は、RT6遊技状態よりもBBリプに当籤する確率が高く、RT4遊技状態へ移行しやすい遊技状態である。RT7遊技状態において、RT6−7時リプが内部当籤した場合には、押し順を正解すると中段リプが入賞して遊技状態が維持されるが、押し順が不正解であると、クロスアップリプが入賞してRT1遊技状態に転落する。また、RT7遊技状態においても、RT6遊技状態と同様に、RT8チェリーリプ1〜12に入賞すると、RT8遊技状態へ移行する。
RT8遊技状態は、RT7遊技状態よりもさらにBBリプに当籤する確率が高く、全ての遊技状態のうち、最もRT4遊技状態への移行を期待出来る遊技状態である。RT8遊技状態において、BBリプに対応する図柄組合せ「7−7−7」又はRBリプに対応する図柄組合せ「7−7−BAR」が表示されると、RT4遊技状態(ART)へ移行する。
[パチスロの構造]
次に、図3を参照して、本実施の形態におけるパチスロ1の構造について説明する。図3は、本実施の形態におけるパチスロ1の外部構造を示す。
パチスロ1は、いわゆる「パチスロ機」である。このパチスロ1は、コイン、メダル、遊技球又はトークン等の他、遊技者に付与された、もしくは付与される遊技価値の情報を記憶したカード等の遊技媒体を用いて遊技する遊技機であるが、以下ではメダルを用いるものとして説明する。
パチスロ1は、リール3L、3C、3Rや回路基板等を収容する筐体となるキャビネット1aと、キャビネット1aの前面側に対して開閉可能に取り付けられるフロントドア2と、フロントドア2の前面側にパネル部となるフロントパネル8とを備える。キャビネット1aの内部には、3つのリール3L、3C、3Rが横並びに設けられる。各リール3L、3C、3Rは、円筒状のフレームの周面に、複数の図柄が回転方向に沿って連続的に配置された帯状のシートを貼り付けて構成される。また、フロントドア2の正面の略中央には、縦長矩形の図柄表示領域21L、21C、21Rが設けられる。
フロントドア2は、ドア本体の部分であり、フロントドア2の中央には、液晶表示装置5が設けられる。液晶表示装置5は、フロントドア2の前面側であって、フロントドア2とフロントパネル8との間に設けられる。液晶表示装置5は、取付枠により、フロントドア2の上側の部分に固定される。
また、液晶表示装置5は、図柄表示領域21L、21C、21Rを含む表示画面5aを備え、正面から見て3つのリール3L、3C、3Rに重畳する手前側に位置するように設けられる。図柄表示領域21L、21C、21Rは、3つのリール3L、3C、3Rのそれぞれに対応して設けられており、その背面側に設けられたリール3L、3C、3Rを透過することが可能な構成を備える。図柄表示領域21L、21C、21Rには、入賞判定ラインとして、有効ライン8aが設けられている。
つまり、図柄表示領域21L、21C、21Rは、表示窓としての機能を果たすものであり、その背後に設けられたリール3L、3C、3Rの回転及びその停止の動作が遊技者側から視認可能となる。また、本実施の形態では、図柄表示領域21L、21C、21Rを含めた表示画面の全体を使って、映像の表示が行われ、演出が実行される。
図柄表示領域21L、21C、21Rは、その背後に設けられたリール3L、3C、3Rの回転が停止されたとき、リール3L、3C、3Rの表面に配された複数種類の図柄のうち、その枠内における上段、中段及び下段の各領域にそれぞれ1個の図柄(合計で3個)を表示する。また、各図柄表示領域21L、21C、21Rが有する上段、中段及び下段からなる3つの領域のうち予め定められた何れかをそれぞれ組合せてなる擬似的なラインを、入賞か否かの判定を行う対象となるライン(入賞ライン)として定義する。なお、本実施例では、入賞ラインは、中段ライン8cの1ラインのみである。
フロントドア2には、遊技者による操作の対象となる各種装置が設けられる。メダル投入口10は、遊技者によって外部から投下されるメダルを受け入れるために設けられる。メダル投入口10に受け入れられたメダルは、所定枚数(例えば3枚)を上限として1回の遊技に投入され、所定枚数を超えた分はパチスロ1内部に預けることが可能となる(いわゆるクレジット機能)。
ベットボタン11は、パチスロ内部に預けられているメダルから1回の遊技に投入する枚数を決定するために設けられる。精算ボタン12は、パチスロ内部に預けられているメダルを外部に引き出すために設けられる。
スタートレバー6は、全てのリール3L、3C、3Rの回転を開始するために設けられる。ストップボタン7L、7C、7Rは、3つのリール3L、3C、3Rのそれぞれに対応づけられ、対応するリール3L、3C、3Rの回転を停止するために設けられる。
7セグ表示器13は、7セグメントLEDからなり、今回の遊技に投入されたメダルの枚数(以下、投入枚数)、特典として遊技者に対して払い出すメダルの枚数(以下、払出枚数)、パチスロ内部に預けられているメダルの枚数(以下、クレジット枚数)等の情報を遊技者に対してデジタル表示する。
ランプ(LED等)14は、演出内容に応じた点消灯のパターンにて光を出力する。スピーカ9L、9Rは、演出内容に応じた効果音や楽曲等の音を出力する。メダル払出口15は、排出されるメダルを外部に導く。メダル払出口15から排出されたメダルは、メダル受皿16に貯められる。
[パチスロが備える回路の構成]
パチスロ1の構造についての説明は以上である。次に、図4を参照して、本実施の形態におけるパチスロ1が備える回路の構成について説明する。本実施の形態におけるパチスロ1は、主基板(主制御回路)71、サブ制御基板(サブ制御回路)72及びこれらと電気的に接続する周辺装置(アクチュエータ)を備える。
パチスロ1に設けられた各種基板のうち、主基板71によって遊技状態が制御され、サブ制御基板72によって遊技状態に応じた演出制御がなされる。主基板71は、主に、メインCPU31、メインROM32及びメインRAM33を備える。メインCPU31は、発生されたクロックパルスに基づいて、制御プログラムを実行する。メインRAM33には、制御プログラムの実行により決定された内部当籤役等の各種データを格納する格納領域(後述の図31〜図37参照)が設けられる。
また、サブ制御基板72は、サブCPU81及びサブRAM83を備える。サブCPU81は、主基板71から送信されたコマンドに応じて、制御プログラムに従い、映像、音、光の出力の制御を行う。サブRAM83は、決定された演出内容や演出データを登録する格納領域や、主基板71から送信される内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられている。
また、サブ中継基板73は、サブ制御基板72とドア中継基板74及び電源基板76との配線を中継する基板である。また、電源基板76にはパチスロ1の外部から電源が供給される。この電源基板76にはAC100Vの電源の供給を受けるための電源コードと、電源メインスイッチ77とが接続されている。
ドア中継基板74は、主基板71と、1ベットスイッチ12S、MAXベットスイッチ11S、スタートスイッチ6S、ストップスイッチ7S、停止ボタンLED35、メダルセンサ42S、C/Pスイッチ13S、ドア開閉監視スイッチ36、サブ中継基板73及び遊技動作表示基板75の配線を中継する。
1ベットスイッチ12Sは、1ベットスイッチ12Sが遊技者により押されたことを検出する。MAXベットスイッチ11Sは、MAXベットボタン11が遊技者により押されたことを検出する。
スタートスイッチ6Sは、スタートレバー6が遊技者により操作されたこと(開始操作)を検出する。ストップスイッチ7Sは、3つのストップボタン7L、7C、7Rのそれぞれが遊技者により押されたこと(停止操作)を検出する。
停止ボタンLED35は、ストップボタン7L、7C、7Rが受付状態である場合に、ストップボタン7L、7C、7Rを照明する。メダルセンサ42Sは、メダル投入口10に受け入れられたメダルが前述のセレクタ42内を通過したことを検出する。また、C/Pスイッチ13Sは、C/Pスイッチ13が遊技者により押されたことを検出する。ドア開閉監視スイッチ36は、セキュリティ信号として、遊技機外部にドア開閉を報知するために使用されるスイッチである。
上記した遊技動作表示基板75は、遊技メダルの投入受付時、回胴回転可能時、再遊技、投入された遊技メダル枚数の表示及びデジタル表示をする基板である。遊技動作表示基板75は、再遊技表示LED51、遊技開始可能LED52、メダル受付可能LED53、投入枚数表示LED54、貯留枚数表示器55、払出枚数表示器55、及び払出枚数表示器56と接続される。
再遊技表示LED51は、再遊技の図柄が表示された時に点灯する。遊技開始可能LED52は、リール3L、3C、3Rが回転可能な時に点灯する。メダル受付可能LED53は、遊技メダルの投入が受付可能な時に点灯する。
投入枚数表示LED54は、投入された遊技メダル枚数に対応するLEDが点灯する。なお、投入枚数表示LED54は、遊技終了後、約180秒経過するまで遊技メダルの投入が場合には、消灯する。
貯留枚数表示器55は、貯留されている遊技メダルの枚数に応じてデジタル表示をする。払出枚数表示器56は、入賞による払出枚数、エラーコード及び打ち止めコードをデジタル表示する。また、払出枚数表示器56は、設定変更が行われた際には、設定値をデジタル表示する。
また、主基板71は、各回胴部中継端子板47L、47C、47Rを介して、各インデックスセンサ48L、48C、48R、及び各リールモータ49L、49C、49Rと接続される。各回胴部中継端子板47L、47C、47Rは、主基板71により各リール3L、3C、3Rを動作させるための中継基板である。
各インデックスセンサ48L、48C、48Rは、リールインデックスを検出するセンサである。各リールモータ49L、49C、49Rは、リール3L、3C、3Rを回転駆動するモータである。
また、主基板71は、設定用鍵型スイッチ61、補助庫スイッチ62、ホッパーモータ63、及び払出カウントスイッチ64と接続される。設定用鍵型スイッチ61は、設定変更もしくは確認を行う時、又はRWM(Read Write Memory)の内容が異常の時に使用する。
補助庫スイッチ62は、メダル貯留タンクから溢れ出た遊技メダルを収納する遊技メダル補助収納庫が満杯になっているか検知するためのスイッチである。ホッパーモータ63は、メダル貯留タンクに貯留されたメダルを払い出すホッパーを駆動するためのモータである。払出カウントスイッチ64は、払い出される遊技メダルの枚数をカウントする。
また、外部集中端子板80は、主基板71と接続されている。外部集中端子板80は、主基板71から受信した信号に応じて、パチスロ1の外部装置であるホールコンピュータ(図示せず)に信号を出力する。
ここで、主基板71及び外部集中端子板80の信号出力処理について、図5を用いて説明する。図5に示すように、遊技用システム100は、パチスロ1と、各表示器900と、ホールコンピュータ400と、各台計数器300と、データサーバ500とを備える。
パチスロ1は、ホールコンピュータ400に接続され、ホールコンピュータ400に各種信号を送信する。パチスロ1は、図5では、説明の便宜上、主基板(主制御回路)71及び外部集中端子板(通信用I/F)80のみを示している。
主基板71は、主基板71における処理の結果等に応じて、出力ポート1〜7のいずれかから、対応する外部集中端子板80の入力ポート1〜7に対して、各種信号を出力する。外部集中端子板80は、受信した信号に対応する出力ポート1〜8から、受信した信号に対応する信号を出力する。
パチスロ1では、BBリプに内部当籤して、BBリプに対応する図柄の組合せが表示され、且つ、ペナルティカウントフラグがオフである場合には、主基板71は、出力ポート5から、外部集中端子板80の入力ポート5に対して当たり信号1を出力し、外部集中端子板80は、出力ポート3から、当たり信号1を出力する。また、パチスロ1では、BBリプに内部当籤して、BBリプに対応する図柄の組合せが表示され、且つ、ペナルティカウントフラグがオンである場合には、主基板71は、出力ポート4から、外部集中端子板80の入力ポート4に対して当たり信号2を出力し、外部集中端子板80は、出力ポート4から、当たり信号2を出力する。
また、パチスロ1では、RBリプに内部当籤して、RBリプに対応する図柄の組合せが表示され、且つ、ペナルティカウントフラグがオフである場合には、主基板71は、出力ポート3から、外部集中端子板80の入力ポート3に対して当たり信号3を出力し、外部集中端子板80は、出力ポート5から、当たり信号3を出力する。また、パチスロ1では、RBリプに内部当籤して、RBリプに対応する図柄の組合せが表示され、且つ、ペナルティカウントフラグがオンである場合には、主基板71は、出力ポート22から、外部集中端子板80の入力ポート2に対して当たり信号4を出力し、外部集中端子板80は、出力ポート6から、当たり信号2を出力する。
外部集中端子板80から出力された当たり信号1〜4は、ホールコンピュータ400を介して各表示器900に入力される。
パチスロ1では、スタートスイッチ6Sがオンされた場合、主基板71は、出力ポート7から、外部集中端子板80の入力ポート7に対して、メダル投入信号を出力し、外部集中端子板80は、出力ポート1からメダル投入信号を出力する。外部集中端子板80から出力されたメダル投入信号は、ホールコンピュータ400を介して、各台表示機900に入力される。
パチスロ1では、単位遊技の結果、メダルの払出しがある場合、主基板71は、出力ポート6から、外部集中端子板80の入力ポート6に対して、メダル払出信号を出力し、外部集中端子板80は、出力ポート2からメダル払出信号を出力する。外部集中端子板80から出力されたメダル投入信号は、ホールコンピュータ400を介して、各台表示機900に入力される。
各台計数器300は、パチスロ1ごとに設けられ、ホールコンピュータ400に計数信号及び貸出信号を出力する。ホールコンピュータ400に出力された計数信号及び貸出信号は、各台表示機900に入力される。
各台表示機900は、パチスロ1ごとに設けられ、ホールコンピュータ400との間で通信を行う。各台表示機900は、制御部920を備える。制御部920は、CPU、RAM、ROM等を備えている。RAMは、後述する画面変更フラグ、表示データ、履歴記憶領域等を備える。また、制御部920には、タッチパネル924、呼び出しボタン902、「進む」ボタン903、「決定」ボタン904、「戻る」ボタン905、「過去」ボタン906、「履歴」ボタン907及び「グラフ切替」ボタン908が接続されている。
「進む」ボタン903、「決定」ボタン904及び「戻る」ボタン905は、表示データの選択及び決定のためのボタンである。「過去」ボタン906は、週間データを表示するためのボタンである。「履歴」ボタン907は、本日の履歴を表示するためのボタンである。「グラフ切替」ボタン908は、スランプグラフの表示の切り替えの指示のためのボタンである。
また、制御部920には、ランプ901、ディスプレイ910、台番号表示部911が接続されている。ランプ901は、光の出力を行う。ディスプレイ910は、遊技関連情報を表示する。台番号表示部911は、パチスロ1の台番号を表示する。なお、図示しないが、制御部920は、駆動制御部及びステッピングモータが接続されている。また、駆動制御部に起立位置・傾斜位置センサが接続されており、駆動制御部によって、各台表示機900が所定の角度範囲で駆動される。
ホールコンピュータ400は、パチスロ1及び各台計数器300の各々から各種信号を受信し、各台表示機900との間で通信を行う。また、ホールコンピュータ400は、通信用I/F401を介して、データサーバ500と通信可能である。データサーバ500は、例えば、遊技場(所謂パチンコホール)の外部に設置されており、データサーバ500から、更新プログラムが、各台表示機900にダウンロードされる。なお、本実施例では、パチスロ1から、ホールコンピュータ400を介して、各台表示機300に信号が入力される場合について説明するが、本発明はこれに限定されず、例えば、パチスロ1から、ホールコンピュータ400を介さずに、各台表示機300に対して信号が入力されることとしてもよい。
各台表示機900は、パチスロ1における遊技状態を示す遊技状態情報を含む遊技関連情報を表示する。例えば、各台表示機900は、RT4遊技状態中(ART中)であることをディスプレイ910に表示するとともに、ランプ901を点滅させる。また、各台表示機900は、当たり信号1〜4を受け付けると、ボーナス(ART)に当籤した回数に1を加算した当籤回数をディスプレイ910に表示する。
また、各台表示機900は、入力された当たり信号1〜4に応じて、当たり信号1に対応する遊技回数を設定する。例えば、各台数表示機900は、当たり信号1が入力された場合には、遊技回数「66」を設定し、当たり信号2が入力された場合には、遊技回数「44」を設定し、当たり信号3が入力された場合には、遊技回数「22」を設定し、当たり信号4が入力された場合には、遊技回数「11」を設定する。
ここで、当たり信号1は、BBリプに対応する図柄の組合せが表示された際に、ペナルティカウントフラグがオフである場合に、外部集中端子板80から各台表示機900へ出力される信号である。また、当たり信号2は、BBリプに対応する図柄の組合せが表示された際に、ペナルティカウントフラグがオンである場合に、外部集中端子板80から各台表示機900へ出力される信号である。つまり、当たり信号1および当たり信号2は、共に、BBリプに対応する図柄の組合せが表示されたことによりARTへ移行することを示す信号であるが、BBリプに対応する図柄の組合せが表示された際に、ペナルティカウントフラグがオンであるか否かに応じて、ARTの遊技回数が異なるため、当たり信号1と当たり信号2とがそれぞれ設けられている。具体的には、BBリプに対応する図柄の組合せが表示された際に、ペナルティカウントフラグがオンであれば、ARTの遊技回数が「66」となり、ペナルティカウントフラグがオンであれば、ARTの遊技回数が「44」となる。
また、当たり信号3は、RBリプに対応する図柄の組合せが表示された際に、ペナルティカウントフラグがオフである場合に、外部集中端子板80から各台表示機900へ出力される信号である。また、当たり信号4は、RBリプに対応する図柄の組合せが表示された際に、ペナルティカウントフラグがオンである場合に、外部集中端子板80から各台表示機900へ出力される信号である。つまり、当たり信号3および当たり信号4は、共に、RBリプに対応する図柄の組合せが表示されたことによりARTへ移行することを示す信号であるが、RBリプに対応する図柄の組合せが表示された際に、ペナルティカウントフラグがオンであるか否かに応じて、ARTの遊技回数が異なるため、当たり信号3と当たり信号4とがそれぞれ設けられている。具体的には、RBリプに対応する図柄の組合せが表示された際に、ペナルティカウントフラグがオンであれば、ARTの遊技回数が「22」となり、ペナルティカウントフラグがオンであれば、ARTの遊技回数が「11」となる。
また、各台表示機900は、当たり信号1〜4が入力されてから遊技回数を計数し、計数された遊技回数が、設定された遊技回数を超えた場合には、ART終了後の遊技回数の計数を開始するとともに、該遊技回数をディスプレイ910に表示する。
つまり、BB用ARTゲーム数は、通常66ゲームであり、RB用ARTゲーム数は、通常22ゲームである。ところが、パチスロ1において、左リール3L以外のリールを第一停止した場合であって、且つ、小役の入賞による払い出しがあった場合には、ペナルティーとして、BB用ARTゲーム数が44ゲームとなり、RB用ARTゲーム数が11ゲームとなる。このため、各台表示機900は、当たり信号1〜4に応じた遊技回数をカウントして、ARTの終了を判断し、ARTが終了したと判断した場合、すなわち、当たり信号1〜4に応じた遊技回数をカウントした場合に、ART終了後の遊技回数の計数を開始するとともに、該遊技回数をディスプレイ910に表示する。これにより、ARTの終了時点を各台表示機900が適切に把握することができる。この結果、例えば、遊技者に対して天井までの遊技回数を適切に表示することが可能となる。
ここで、天井とは、ARTのゲーム数を消化してから、次回のARTに当籤するまでのゲーム数が1000ゲーム(天井ゲーム数)に達した状況のことをいう。天井ゲーム数である1000ゲームに達した場合には、ハマリ救済状態として、次回のARTに当籤するまでリプレイ・ベルの押し順がナビされる。また、後に図26を用いて説明するCZ管理モードが「1」となり、CZ管理モード「0」よりもCZ保障ゲーム数の多い値が選択される。
また、各台表示機900は、計数された遊技回数が、設定された遊技回数を超えるまで、当たり信号1〜4の入力を受け付けない。すなわち、本実施例のパチスロ1では、ART中にナビが異なる停止操作を行って、CZ移行リプが表示されてCZに転落した場合には、RT4移行リプの押し順をナビして、ART4に復帰させる(後の図63参照)。このような場合に、CZ中にRT4移行リプに当籤した場合には、ARTの当籤回数を加算しないので、ARTの当籤回数を適切にカウントすることが可能である。
また、パチスロ1は、ART中にこぼし目の表示により、RT1遊技状態に移行された場合には、当たり信号1〜4を各台表示機900に出力することを中止し、当たり信号1〜4の出力が中止された場合には、RT1遊技状態における遊技回数の計数を開始するとともに、該遊技回数を表示する。これにより、ARTの終了時点を各台表示機900が適切に把握することができる。この結果、例えば、遊技者に対して天井までの遊技回数を適切に表示することが可能となる。
[図柄配置テーブル]
図6を参照して、図柄配置テーブルについて説明する。図柄配置テーブルは、各リール3L、3C、3Rの回転方向における各図柄の位置と、各位置に配された図柄の種類を特定するデータ(以下、図柄コード)とを規定している。
図柄配置テーブルは、リールインデックスが検出されるときに図柄表示領域21L、21C、21R内の中段に存在する図柄の位置を「0」として、リール3L、3C、3Rの回転方向に進む順に、各図柄の位置に対して「0」〜「20」をそれぞれ割り当てている。したがって、リールインデックスが検出されてから図柄何個分の回転が行われたかを管理しつつ、図柄配置テーブルを参照することによって、主として図柄表示領域21L、21C、21Rの中段に存在する図柄の位置及びその図柄の種類を常に管理することが可能となっている。
[図柄組合せテーブル]
図7−1〜図7−3を参照して、図柄組合せテーブルについて説明する。本実施例では、入賞ラインに沿って各リール3L、3C、3Rにより表示される図柄の組合せが、図柄組合せテーブルにより規定されている図柄の組合せと一致する場合に、入賞と判定され、メダルの払い出し、再遊技の作動、ボーナスゲームの作動(遊技状態をRT4遊技状態に移行する契機。本発明ではBB揃いリプ等が該当する)といった特典が遊技者に対して与えられる。図7−1〜図7−3は、3枚掛け時の図柄組合せテーブルを示す図である。
各図柄組合せテーブルは、特典の種類に応じて予め定められた図柄の組合せと、入賞作動フラグとを規定している。図柄組合せテーブルでは、入賞作動フラグとして、入賞ラインに沿って表示された図柄の組合せを識別する1バイトのデータと、該データを格納する後述の内部当籤役格納領域をメインCPU31が識別するために設けられた格納領域識別データと、表示役の内容(名称)と、図柄の組合せが表示された場合に移行するRT遊技状態を示すRT移行と、配当枚数とを規定している。
また、払出枚数として1以上の数値が決定された場合、メダルの払い出しが行われる。本実施例では、表示役としてチェリー1〜7、中段スイカ、上段スイカ、クロスアップスイカ、中段ベル1〜4、クロスダウンベル1〜8、または、上段ベル1〜12のいずれかが決定されたときメダルの払い出しが行われる。なお、入賞ラインに沿って表示された図柄の組合せが、図柄組合せテーブルにより規定されている図柄の組合せの何れとも一致しない場合には、いわゆる「ハズレ」となる。
また、表示役としてリプレイ(BB揃いリプ、RB揃いリプ、RT4リプ1〜4、クロスアップリプ1〜6、RT2リプ1〜12、下段リプ1〜4、RT3リプ1〜15、RT7チェリーリプ1〜8、RT8チェリーリプ1〜12、中段リプ1〜4、上段リプ1〜18、クロスダウンリプ1〜3、RT6チェリーリプ1〜11)のいずれかが決定されたとき、再遊技の作動が行われる。
また、表示役としてRT2リプ1〜12が決定されると、RT2遊技状態へ移行し、表示役としてRT3リプ1〜15が決定されると、RT3遊技状態へ移行し、表示役としてBB揃いリプ、RB揃いリプまたはRT4リプ1〜4が決定されると、RT4遊技状態へ移行し、表示役として下段リプ1〜4が決定されると、RT5遊技状態へ移行し、表示役としてRT6チェリーリプ1〜11が決定されると、RT6遊技状態へ移行し、表示役としてRT7チェリーリプ1〜8が決定されると、RT7遊技状態へ移行し、表示役としてRT8チェリーリプ1〜12が決定されると、RT8遊技状態へ移行する。また、表示役としてクロスアップリプ1〜6が決定されるか、こぼし目2−1〜2−8が表示された場合には、RT1遊技状態へ移行する。なお、各種リプレイに対応する図柄、及びこぼし目が表示される条件については、図30に詳細に記載されている。
また、表示役としてBB揃いリプの図柄の組合せ(赤7−赤7−赤7)、RB揃いリプの図柄の組合せ(赤7−赤7−BAR)のいずれかが決定されたとき、当籤役をナビするART(RT4遊技状態)へ移行する。以下では、BB揃いリプの図柄の組合せが表示されてARTへ移行した場合には、BB用ARTゲーム数カウンタに66ゲームがセットされ、ARTが66ゲームに亘って実行される。なお、ペナルティーフラグがオンである場合には、BB用ARTゲーム数カウンタが44ゲームとなる。また、RB揃いリプの図柄の組合せが表示されてARTへ移行した場合には、RB用ARTゲーム数カウンタに22ゲームがセットされ、ARTが22ゲームに亘って実行される。また、ペナルティーフラグがオンである場合には、RB用ARTゲーム数カウンタが11ゲームとなる。ここで、ペナルティーフラグとは、RT1遊技状態において、リール3L、3C、3Rを左から停止させなかった場合に(つまり第一停止リールが左リール3L以外である場合に)、払出枚数が1以上の役を入賞させると、オンとなるフラグである。
[内部抽籤テーブル]
図8−1、図8−2を参照して、内部抽籤テーブルについて説明する。図8−1、図8−2は、内部抽籤テーブルを示す図である。また、図8−1に示す内部抽籤テーブルは、設定値が「1」の場合に使用されるテーブル(以下、内部抽籤テーブル(設定1)と記載)であり、図8−2に示す内部抽籤テーブルは、設定値が「5」の場合に使用されるテーブル(以下、内部抽籤テーブル(設定5)と記載)である。内部抽籤テーブルは、当籤番号に応じて、抽籤値とデータポインタとを規定している。データポインタは、内部抽籤テーブルを参照して行う抽籤の結果として取得されるデータであり、後述の内部当籤役決定テーブルにより規定されている内部当籤役を指定するためのデータである。データポインタには、小役・リプレイ用データポインタが設けられている。
本実施例では、予め定められた数値の範囲「0〜65535」から抽出される抽籤用乱数値を、各当籤番号に応じた抽籤値で順次減算し、減算の結果が負となったか否か(いわゆる「桁かり」が生じたか否か)の判定を行うことによって内部的な抽籤が行われる。
したがって、抽籤値として規定されている数値が大きいほど、これが割り当てられたデータ(つまり、データポインタ)が決定される確率が高い。尚、各当籤番号の当籤確率は、「各当籤番号に対応する抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(65536)」によって表すことができる。なお、図中特に表記しない場合は、抽籤範囲は「0〜65535」、すなわち、確率分母は「65536」である。
また、内部抽籤テーブル(設定1)よりも内部抽籤テーブル(設定5)の方が、遊技者にとって有利となるように抽籤値が規定されている。例えば、RT1遊技状態において、当籤番号16に対応するBBリプ、当籤番号17に対応するRBリプ、当籤番号18に対応するRT6移行リプの抽籤値が、内部抽籤テーブル(設定1)よりも内部抽籤テーブル(設定5)の方が高く規定されている。すなわち、内部抽籤テーブル(設定1)よりも内部抽籤テーブル(設定5)の方が、BBリプ、RBリプ及びRT6移行リプに当籤しやすく、遊技者にとって有利である。
[内部抽籤テーブル決定テーブル]
図9を参照して、メインCPU31が内部抽籤テーブル及び抽籤回数を決定するときに用いる内部抽籤テーブル決定テーブルについて説明する。
内部抽籤テーブル決定テーブルは、遊技状態に対応して、内部抽籤テーブルを示す情報及び抽籤回数を示す情報を規定している。
遊技状態は、内部当籤役が決定される内部抽籤処理において決定される可能性のある内部当籤役の種類、内部抽籤処理において内部当籤役が決定される確率、最大の滑り駒数、及びボーナスゲーム(ART)の作動が行われているか否か等により区別される状態である。内部抽籤テーブルは、各遊技状態で使用される内部抽籤テーブルの種別である。抽籤回数は、サンプリング回路(図示せず)により抽出された一の乱数値(抽籤用乱数値)から後述の抽籤値をメインCPU31が減算する最大の回数である。
具体的には、図9に示すように、全ての遊技状態において、抽籤回数が「39」である。また、RT0遊技状態では、RT0遊技状態用内部抽籤テーブルを使用し、RT1遊技状態では、RT1遊技状態用内部抽籤テーブルを使用し、RT2遊技状態では、RT2遊技状態用内部抽籤テーブルを使用し、RT3遊技状態では、RT3遊技状態用内部抽籤テーブルを使用し、RT4遊技状態では、RT4遊技状態用内部抽籤テーブルを使用し、RT5遊技状態では、RT5遊技状態用内部抽籤テーブルを使用し、RT6遊技状態では、RT6遊技状態用内部抽籤テーブルを使用し、RT7遊技状態では、RT7遊技状態用内部抽籤テーブルを使用し、RT8遊技状態では、RT8遊技状態用内部抽籤テーブルを使用する。
[内部当籤役および押し順と表示される可能性のある図柄の組合せとの関係]
図10を参照して、内部当籤役および押し順と表示される可能性のある図柄の組合せとの関係を説明する。各内部当籤役は、押し順によって表示される図柄の組合せが変化する。また、各内部当籤役は、表示される可能性のある図柄の組合せが複数ある。
図10の例では、内部当籤役と当籤番号とに対応付けて、該内部当籤役が決定された場合に表示される可能性のある複数の図柄の組合せと、内部当籤役の名称とが規定されている。また、押し順の正解・不正解がある内部当籤役については、押し順の正解が規定されている。例えば、当籤番号「2」の「RT4時リプ1」が内部当籤役として決定した場合は、左リール3Lを第一停止させることで正解となり、中段リプ等が停止表示され、遊技状態が維持される。また、左リール3L以外を第一停止させることで不正解となり、下段リプが停止表示され、RT5へ転落する。
また、当籤番号「5」の「RT5時リプ123」が内部当籤役として決定した場合は、左リール3Lを第一停止、中リール3Cを第二停止、右リール3Rを第三停止させることで、正解となり、下段リプが停止表示され遊技状態が維持される。また、それ以外の停止操作の場合は、不正解となり、クロスアップリプが停止表示され、RT1へ転落する。
例えば、図10に示すように、内部当籤役として、当籤番号「1」の「通常リプ」が決定された場合には、中段リプ1(リプレイ1−リプレイ1−リプレイ1)、中段リプ2(リプレイ2−リプレイ1−リプレイ1)、中段リプ3(リプレイ1−リプレイ1−リプレイ2)、中段リプ4(リプレイ2−リプレイ1−リプレイ2)のいずれかの図柄の組合せが表示される。なお、中段リプ1〜4のいずれかの図柄の組合せが表示されるかは、ストップボタン7L、7C、7Rが押下されたタイミングに基づいて、決定される。
また、例えば、内部当籤役として、当籤番号「2」の「RT4時リプ1」が決定された場合には、中段リプ1〜4、下段リプ1〜4、上段リプ1〜18、クロスダウンリプ1〜3、またはRT6チェリーリプ1のいずれかの図柄の組合せが表示される可能性がある。ここで、RT4時リプ1とは、RT4遊技状態(ART)においてのみ、内部当籤役になりえるリプレイ役であり(図8−1、図8−2参照)、ART中の3択リプレイである。具体的には、RT4時リプ1が内部当籤役として決定され、第一停止リールが左リール3Lであれば、中段リプ等が表示され、第一停止リールが左リール3L以外であれば、下段リプが表示されてRT5へ転落する。
また、例えば、内部当籤役として、当籤番号「26」の「左ベル1(3択ベル(左正解))」が決定された場合には、クロスダウン1〜8、上段ベル1、上段ベル10または上段ベル12のいずれかの図柄の組合せが表示される可能性がある。具体的には、左ベル1が内部当籤役として決定され、第一停止リールが左リール3Lであれば、クロスダウンベルが表示される。また、左ベル1が内部当籤役として決定され、第一停止リールが左リール3L以外であり、ストップボタン7L、7C、7Rが押下したタイミングが正解(押下位置成功)であれば、上段ベルが表示され、押下位置失敗でこぼし(通常出目)が表示される。
[各RT遊技状態と内部当籤する可能性があるリプレイとの関係]
図11−1、図11−2を参照して、各RT遊技状態と内部当籤する可能性があるリプレイとの関係を説明する。図11−1、図11−2は、各RT遊技状態と内部当籤する可能性があるリプレイとの関係を示す図である。具体的には、図11−1、図11−2では、各RT遊技状態において、内部当籤する可能性があるリプレイの種別には「○」が記載され、内部当籤する可能性がないリプレイの種別には「×」が記載されている。ここで、内部当籤する可能性がないリプレイの種別とは、各遊技状態において使用される内部抽籤テーブルにおいて、抽籤値が設定されていないリプレイ(すなわち、係数が「0」のリプレイ)である(図8−1、図8−2参照)。
図11−1、図11−2に示すように、例えば、当籤番号「1」に対応する通常リプは、RT0遊技状態及びRT1遊技状態において、内部当籤する可能性がある。また、当籤番号「2」〜「4」に対応するRT4時リプ1〜3は、RT4遊技状態において、内部当籤する可能性がある。また、当籤番号「5」〜「10」に対応するRT5時リプ123、132、213、231、312、321は、RT5遊技状態において、内部当籤する可能性がある。また、当籤番号「11」〜「15」に対応するRT6−7時リプ1、213、231、312、321は、RT6遊技状態およびRT7遊技状態において、内部当籤する可能性がある。
また、当籤番号「16」に対応するBBリプは、RT1遊技状態、RT2遊技状態、RT6遊技状態、RT7遊技状態、及びRT8遊技状態において、内部当籤する可能がある。また、当籤番号「17」に対応するRBリプは、RT1遊技状態、RT3遊技状態、RT6遊技状態、及びRT7遊技状態において、内部当籤する可能がある。また、当籤番号「18」に対応するRT6移行リプは、RT1遊技状態において、内部当籤する可能性がある。本発明では、RT2遊技状態は、いわゆる擬似BBフラグ間遊技状態であり、複数種類のリプレイのうち、BBリプのみが抽籤され、RBリプが抽籤されることはない。また、RT3遊技状態は、いわゆる擬似RBフラグ間遊技状態であり、複数種類のリプレイのうち、RBリプのみが抽籤され、BBリプが抽籤されることはない。
また、当籤番号「19」に対応するRT7リプは、RT6遊技状態において、内部当籤する可能性がある。また、当籤番号「20」に対応するRT8リプは、RT1遊技状態、RT5遊技状態、RT6遊技状態、及びRT7遊技状態において、内部当籤する可能がある。また、当籤番号「21」〜「24」に対応するBBリプ中、BBリプ右、RBリプ中、RBリプ右は、RT5遊技状態において、内部当籤する可能性がある。また、内部当籤番号「25」〜「38」に対応する各小役は、全RT遊技状態において、内部当籤する可能性がある。
[回胴停止初期設定テーブル]
図12は、回胴停止初期設定テーブルを示す図である。なお、図12に示す回胴停止初期設定テーブルでは、数値はテーブル番号などのデータを示し、記号「−」は数値が規定されていないことを示す。
回胴停止初期設定テーブルは、リール3L、3C、3Rを停止させるための情報であり、当籤役に応じて予め定められている。主制御回路71は、回胴停止初期設定テーブルを参照して、内部当籤役に対応する回胴停止用番号を取得し、初期データ(検索テーブル変更データ番号等)を取得する。
具体的には、回胴停止初期設定テーブルでは、回胴停止用番号に対応付けて、押下順序別判定データ(引込優先順位テーブル番号、引込優先順位選択テーブル番号)と、検索テーブル変更データ番号と、ランダム用停止データ番号、第一回胴第一停止用テーブル変更データ番号と、左第1停止用停止テーブル番号と、第一回胴第一停止後停止データテーブルと、当籤役とを規定している。これらの各種のデータは、単位遊技の進行の状況に応じてリール3L、3C、3Rの停止制御において選択すべき各種のテーブル番号を示す。
「引込優先順位テーブル番号」は、図18に示す引込優先順位テーブルを選択するための番号である。また、「引込優先順位選択テーブル番号」は、図13に示す引込優先順位選択テーブルを選択するための番号である。「検索テーブル変更データ」は、検索テーブルデータを決定するためのデータである。「ランダム用停止データ番号」は、最初に停止させるリール3L、3C、3Rが左リール3L以外の場合に、第二停止目に参照するランダム用停止データテーブルを選択するための番号である。また、ランダム用停止データ番号に対応する検索テーブル変更データ番号が「0」の場合には、ランダム用停止データテーブルをそのまま参照し、「2」の場合には、停止テーブル番号のBラインを参照する。
「第一回胴停止用テーブル変更データ番号」は、第一停止リールが左リール3Lである場合に、第二停止目以降にも同じ左第一停止後停止テーブルを使用するか変更するかを示すデータである。第一回胴停止用テーブル変更データ番号に値(00以外の値)がある場合には、第1回胴第1停止用テーブル変更データテーブルを選択し、データの検索を行って第2停止目以降の停止テーブルを選択する。
「左第一停止用停止テーブル番号」は、第一停止リールが左リール3Lである場合に、左第1停止用停止テーブルを選択するための番号である。「第一回胴第一停止後停止データテーブル番号」は、左第1停止後停止データテーブルの番号を決定するための番号である。なお、左第1停止用停止テーブルは、3つのストップボタン7L、7C、7Rの押し順が順押しである場合に、第1停止操作が検出されたときに用いられる停止テーブルである。また、左第1停止後停止データテーブルは、押し順が順押しである場合に、第2停止操作及び第3停止操作が検出されたときに用いられる停止テーブルである。
[引込み優先順位選択テーブル]
図13を用いて、引込み優先順位選択テーブルについて説明する。図13は、引込み優先順位選択テーブルを示す図である。引込み優先順位選択テーブルは、引込優先順位選択テーブル番号と押下順序に応じて、引込優先順位テーブル番号を選択するための番号を規定している。
具体的には、引込み優先順位選択テーブルは、図13に示すように、各引込優先順位選択テーブルに対応付けて、押下順序、引込優先順位テーブル番号(押下順序(該当、不該当))が規定されている。ここで、引込優先順位選択テーブルとは、図12に示す回胴停止初期設定テーブルを参照した際に選択された引込優先順位選択テーブル番号に応じて、選択される番号である。
また、引込み優先順位選択テーブルは、押下順序に規定されている押下順序通りに、停止操作が行われた場合には、引込優先順位テーブル番号の押下順序(該当)のテーブル番号が選択され、押下順序に規定されている押下順序以外の順序で、停止操作が行われた場合には、引込優先順位テーブル番号の押下順序(不該当)のテーブル番号が選択される。主制御回路71は、ここで選択した番号に対応する引込優先順位テーブルを参照する。押下順序として、例えば、「1−×−2」と規定されている場合には、第一停止リールが左リール3Lであり、第二停止リールが右リール3Rであれば、押下順序が「該当」となり、それ以外の停止操作が行われると押下順序が「不該当」となる。
[検索順序データテーブル]
図14を用いて、検索順序データテーブルについて説明する。図14は、検索順序データテーブルを示す図である。検索順序データテーブルは、停止データ用滑り駒数として予め定められた数値の範囲(すなわち0〜4)の中から適用可能な数値を優先的に適用する順序(以下、優先順序という)を規定する。この検索順序テーブルでは、優先順序が上位1から下位5までの順に各数値の検索を行い、検索の結果、優先順序「1」に対応する数値から優先的に適用される。検索順序テーブルは、引込優先順位が等しい滑り駒数が複数存在する場合を想定して設けられており、優先順序がより上位である滑り駒数が適用される。
検索順序データテーブルは、停止データ用滑り駒数に基づいて優先順序を規定している。つまり、停止データ用滑り駒数に該当する数値が最も上位となるように優先順序が規定されている。この結果、停止データ用滑り駒数は他の滑り駒数よりも優先的に決定されるので、停止テーブルの開発の際に意図されていた図柄の表示が優先される。
[左第1停止用停止テーブル]
図15−1、15−2を用いて、左第1停止用停止テーブルについて説明する。図15−1、15−2は、左第1停止用停止テーブルを示す図である。左第1停止用停止テーブルは、第一停止リールが左リール3Lである場合に選択されるテーブルであり、図12に示した回胴停止初期設定テーブルの左第1停止用停止テーブル番号において選択された番号1〜9に対応する左第一停止用停止テーブル番号1〜9のテーブルが選択される。
左第1停止用停止テーブルは、左リール3Lの図柄位置「0」〜「20」のそれぞれに対応して、滑り駒数決定データとチェンジステータスとを規定する。ここで、滑り駒数決定データとは、停止テーブルに基づいて決定される仮の滑り駒数を示すデータである。この仮の滑り駒数を参照し、前述した図14に対応する滑り駒数決定データのデータを使用する。この結果、図14の検索により優先される図柄が引き込まれる制御を行っている。また、チェンジステータスは、停止開始位置が特定のものであるか否かを識別するデータである。このチェンジステータスと前述した第一回胴第一停止用テーブル変更データ番号とを加算した値に基づいて、第一停止の後に続く第二停止操作時及び第三停止操作時において参照する停止データテーブルが決定される。チェンジステータスによって、第一停止をした後にラインを変更するか否かが決定される。
[第一回胴第一停止用テーブル変更データテーブル]
図16を参照して、第一回胴第一停止用テーブル変更データテーブルについて説明する。第一停止リールが左リール3Lである場合に、第二停止目以降にも同じ左第一停止後停止データテーブルを使用するか変更後の左第一停止後停止テーブルを使用するかを示すデータである。第一回胴第一停止用テーブル変更データテーブルは、図12に示した回胴停止初期設定テーブルの第一回胴第一停止用テーブル変更データテーブル番号において選択された番号に対応する第一回胴第一停止用テーブル変更データテーブル番号00または01のテーブルが選択される。
第一回胴第一停止用テーブル変更データテーブルは、第一回胴第一停止用テーブル変更データテーブル番号に対応付けて、左第一停止時テーブル変更要求図柄位置と、変更後の左第一停止後停止テーブル番号をチェンジステータスごとに記憶する。ここで「左第一停止時テーブル変更要求図柄位置」とは、左リール3Lが第一停止リールとして停止された場合における停止制御された図柄位置データの値であり、図16に規定された値に該当する場合には、第二停止目以降に変更後の左第一停止後停止テーブルを使用し、図16に規定された値に該当しない場合には、第二停止目以降にも同じ左第一停止後停止データテーブルを使用する。
[ランダム第1停止用停止テーブル]
図17は、ランダム第1停止用停止テーブルの一例を示す図である。図17に示すランダム第1停止用停止テーブルは、ランダム用停止データテーブル番号と、ランダム用停止データテーブル番号に対応する検索順序パラメータ及び停止テーブル番号とを規定する。
図17に示すランダム第1停止用停止テーブルは、ランダム用停止データテーブル番号「00」〜「06」を規定する。例えば、ランダム用停止データテーブル番号「00」は、第1停止操作時において選択されたストップボタンが中ストップボタン7C又は右ストップボタン7Rであり、回胴停止用番号が「17」であるときに選択される停止データテーブル番号である(図12参照)。
図17に示すように、滑り駒数決定データを示す検索順序パラメータ及びランダム第1停止後停止データテーブル番号を示す「停止テーブル番号」とは、中リール3C又は右リール3Rの図柄位置データに対応して規定されている。図柄位置データは、図柄位置(具体的には、停止開始位置である)「0」〜「20」を示すデータである。検索順序パラメータとは、滑り駒数決定データであり、図15−1、15−2に示した左第1停止用停止テーブルのものと同様である。例えば、図17に示すランダム第1停止用停止テーブルでは、ランダム用停止データテーブル番号「00」のときには、図柄位置データ「1」〜「16」に対して、ランダム第1停止後停止データテーブル番号「00」が規定され、図柄位置データ「0」、「17」〜「20」に対して、ランダム第1停止後停止データテーブル番号「06」が規定されている。
[引込優先順位テーブル]
図18を参照して、引込優先順位テーブルについて説明する。図18に示す引込優先順位テーブルは、引込優先順位テーブル番号の「00」〜「06」の各々に対応して、引込優先順位と引込優先順位データと入賞作動フラグのデータとを規定する。なお、図18では、簡便のために、入賞作動フラグのデータは省略して示した。
各種の停止テーブルが規定する停止データを参照することによって、滑り駒数決定データが決定される。図18に示す引込優先順位テーブルと、図14に示す検索順序データテーブルとは、これらの停止テーブルに基づいて決定された滑り駒数決定データの他に、より適切な滑り駒数が存在するか否かを検索するために使用される。
引込優先順位テーブルは、入賞作動フラグ(表示役)に係る図柄の組合せ間の引込みの優先順位を示す引込データを規定している。引込優先順位データは、引込みの優先順位に対応する全リプレイ、全小役の各々をメインCPU31が識別するために設けられた情報である。引き込みは、基本的に、最大滑り駒数の範囲内で内部当籤役に係る図柄の組合せを構成する図柄を入賞ラインに沿って表示するように、リール3L、3C、3Rの回転を停止させることをいう。
優先順位は、入賞作動フラグの種別に対応して優先的に引き込みが行われる引込優先順位データを規定する。図18に示す引込優先順位テーブルにおける優先順位の値が小さい方が引込優先順位は高く、値が大きい方が引込優先順位は低い。
引込優先順位テーブル番号「00」では、以下のように、引込優先順位データと入賞作動フラグのデータとを規定する。すなわち、優先順位1(引込優先順位データ008H)には、全リプレイの入賞作動フラグが規定され、優先順位2(引込優先順位データ004H)には、チェリー1〜7、スイカ全て、中段ベル1〜4、クロスダウンベル1〜8及び上段ベル1〜12の入賞作動フラグが規定される。
[ランダム第1停止後停止データテーブル]
図19−1及び図19−2は、ランダム第1停止後停止データテーブルを示す図である。図19−1は、ランダム用停止データテーブル番号が「03」のときに、図17に示すランダム第1停止用停止テーブルが参照されて選択される停止データテーブルである。図19−2は、ランダム用停止データテーブル番号が「05」のときに、図17に示すランダム第1停止用停止テーブルが参照されて選択される停止データテーブルである。この図19−1及び図19−2に示すテーブルは、ランダム第1停止後停止データテーブルを示す一例であり、同種のテーブルがメインROM32に記憶されている。
具体的には、図19−1及び図19−2に示すランダム第1停止後停止データテーブルは、第1停止操作時において選択されたストップボタンが中ストップボタン7C又は右ストップボタン7Rであり、図17に示すランダム第1停止用停止テーブルが参照されて選択される停止データテーブルである。
ランダム第1停止後停止データテーブルは、図柄位置データ「0」〜「20」の各々に対応して、1バイトの停止データを規定している。この図19−1及び図19−2の図柄位置データが示す図柄位置は押下位置である。ランダム第1停止後停止データテーブルの停止ラインデータの値が「0」である図柄位置は、その位置で停止させないことを意味し、停止ラインデータの値が「1」である図柄位置は、その位置で停止させることを意味する。なお、ここでも、前述した図14の検索順序データテーブルが使用されており、この場合、停止開始位置から停止ラインデータの値が「1」の図柄位置までの数を検索順序データテーブルの値とする。例えば、図19−1において、第3リール(ビット1)を図柄位置「7」で押下した場合、図柄位置「10」の停止ラインデータの値が「1」であるから、停止開始位置「7」から図柄位置「10」までの数が「3」となり、検索順序データテーブルで使用する滑り駒数決定データの値が「3」となる。
図19−1及び図19−2に示すランダム第1停止後停止データテーブルの例では、図22に示すように、bit0の列が「第二回胴、第三回胴の順に停止時の第一回胴Bラインデータ、又は、第三回胴、第二回胴の順に停止時の第一回胴Bラインデータ」であり、bit1の列が「第二回胴、第三回胴の順に停止時の第一回胴Aラインデータ、又は、第三回胴、第二回胴の順に停止時の第一回胴Aラインデータ」であり、bit2の列が「第二回胴、第三回胴の順に停止時のライン変更ビット、又は、第三回胴、第二回胴の順に停止時のライン変更ビット」であり、bit3の列が「第二回胴第一停止時の第三回胴ラインデータ、又は、第三回胴第一停止時の第二回胴ラインデータ」であり、bit4の列が「第二回胴、第一回胴の順に停止時の第三回胴Bラインデータ、又は、第三回胴、第一回胴の順に停止時の第二回胴Bラインデータ」であり、bit5の列が「第二回胴、第一回胴の順に停止時の第三回胴Aラインデータ、又は、第三回胴、第一回胴の順に停止時の第二回胴Aラインデータ」であり、bit6の列が「第二回胴、第一回胴の順に停止時のライン変更ビット、又は、第三回胴、第一回胴の順に停止時のライン変更ビット」であり、bit7の列が「第二回胴第一停止時の第一回胴ラインデータ、又は、第三回胴第一停止時の第一回胴ラインデータ」である。
図19−1及び図19−2の例では、ランダム第1停止後停止データテーブルの一部を例示しているが、実際は、左第1停止後停止データテーブル番号00〜06に対応するテーブルが用意されている。そして、停止データは、リールが停止する位置として図柄位置が適切か否かを示すデータである。停止データが「0」である図柄位置は、リールが停止する位置として適切でないことを示し、停止データが「1」である図柄位置は、リールが停止する位置として適切であることを示す。なお、ここでも、前述したように、図14の検索順序データテーブルが使用されており、停止開始位置から停止ラインデータの値が「1」の図柄位置までの数を検索順序データテーブルの値とする。
[左第1停止後停止データテーブル]
図20−1及び図20−2は、左第1停止後停止データテーブルの一例を示す図である。図20−1に示す左第1停止後停止データテーブルは、左第1停止後停止データテーブル番号が「04」である停止テーブルである。図20−2に示す左第1停止後停止データテーブルは、左第1停止後停止データテーブル番号が「05」である停止テーブルである。図20−1に示す左第1停止後停止データテーブルは、第1停止操作時において選択されたストップボタンが左ストップボタン7Lであり、回胴停止用番号が「38」、「39」であるときに選択される停止テーブルである(図12参照)。すなわち、当籤役が、中右ベル1、2のときに参照されるテーブルである。図20−2に示す左第1停止後停止データテーブルは、第1停止操作時において選択されたストップボタンが左ストップボタン7Lであり、回胴停止用番号が「25」〜「29」であるときに選択される停止テーブルである(図12参照)。すなわち、当籤役が、スイカ、左ベル1〜4のときに参照されるテーブルである。この図20−1及び図20−2に示すテーブルは、左第1停止後停止データテーブルを示す一例であり、同種のテーブルがメインROM32に記憶されている。
図23に示すように、左第1停止後停止データテーブルの構成は、図柄位置「0」〜「20」の各々に対応して、1バイトの停止データを規定している。図23に示す左第1停止後停止データテーブルの例では、1バイトの停止データは、bit0が「第三回胴Bラインデータ」であり、bit1が「第三回胴Aラインデータ」であり、bit2が「第三回胴ライン変更ビット」であり、bit3が「第二回胴Bラインデータ」であり、bit4が「第二回胴Aラインデータ」であり、bit5が「第二回胴ライン変更ビット」であり、bit6が「第一、第三回胴の順に停止時の第二停止以降ライン変更ビット、又は第三回胴Cラインデータ」であり、bit7が「第一、第二回胴の順に停止時の第二停止以降ライン変更ビット、又は第二回胴Cラインデータ」である。
図20−1、20−2の例では、左第1停止後停止データテーブルの一部を例示しているが、実際は、左第1停止後停止データテーブル番号00〜13に対応するテーブルが用意されている。そして、停止データは、リールが停止する位置として図柄位置が適切か否かを示すデータである。停止データが「0」である図柄位置は、リールが停止する位置として適切でないことを示し、停止データが「1」である図柄位置は、リールが停止する位置として適切であることを示す。なお、ここでも、前述したように、図14の検索順序データテーブルが使用されており、停止開始位置から停止ラインデータの値が「1」の図柄位置までの数を検索順序データテーブルの値とする。
図20−1及び図20−2の例では、左第1停止後停止データテーブルの一部を例示しているが、実際は、左第1停止後停止データテーブル番号00〜06に対応するテーブルが用意されている。そして、停止データは、リールが停止する位置として図柄位置が適切か否かを示すデータである。停止データが「0」である図柄位置は、リールが停止する位置として適切でないことを示し、停止データが「1」である図柄位置は、リールが停止する位置として適切であることを示す。なお、ここでも、前述したように、図14の検索順序データテーブルが使用されており、停止開始位置から停止ラインデータの値が「1」の図柄位置までの数を検索順序データテーブルの値とする。
左第1停止後停止データテーブルが規定する停止データには、「Aライン」の列に対応するビット、「Bライン」の列に対応するビット、「Cライン」の列に対応するビットがある。また、例えば、第一停止リールが左リール3L、第二停止リールが中リール3C、第三停止リールが右リール3Rである場合には、ラインの組合せとして、「Aライン→Aライン→Aライン」の順、「Aライン→Aライン→Bライン」の順、「Aライン→Bライン→Bライン」の順、「Aライン→Cライン→Cライン」の順の4通りがある。すなわち、滑り駒数決定データの決め方を4通り備えている。したがって、同じ停止開始位置であっても、「Aライン」、「Bライン」又は「Cライン」に応じて異なる停止予定位置を決定できる。停止データは、これらのうちの何れを選択すべきかの情報を、「ライン変更ビット」の列に対応するビットを割り当てることによって規定している。また、参照するラインの変更がない場合には、Aラインを参照するものとする。
[ランダム用停止データテーブル]
図21−1及び図21−2は、ランダム用停止データテーブルの一例を示す図である。図21−1に示すランダム用停止データテーブルは、ランダム用停止データテーブル番号が「00」である停止データテーブルである。ランダム用停止データテーブル番号「00」のランダム用停止データテーブルは、第1停止操作時において選択されたストップボタンが中ストップボタン7C又は右ストップボタン7Rであり、回胴停止用番号が「17」、「23」、「24」、「26」〜「29」であるときに選択される停止データテーブルである(図12参照)。図21−2に示すランダム用停止データテーブルは、ランダム用停止データテーブル番号が「02」である停止データテーブルである。ランダム用停止データテーブル番号「02」のランダム用停止データテーブルは、第1停止操作時において選択されたストップボタンが中ストップボタン7C又は右ストップボタン7Rであり、回胴停止用番号が「18」、「20」、「30」〜「33」であるときに選択される停止データテーブルである(図12参照)。この図21−1及び図21−2に示すテーブルは、ランダム用停止データテーブルを示す一例であり、同種のテーブルがメインROM32に記憶されている。
図24に示すように、ランダム用停止データテーブルの構成は、図柄位置「0」〜「20」の各々に対応して、1バイトの停止データを規定している。図24に示す左第1停止後停止データテーブルの例では、1バイトの停止データは、bit0が「第三回胴Bラインデータ」であり、bit1が「第三回胴Aラインデータ」であり、bit2が「第三回胴ライン変更ビット」であり、bit3が「第二回胴Bラインデータ」であり、bit4が「第二回胴Aラインデータ」であり、bit5が「第二回胴ライン変更ビット」であり、bit6が「第一回胴Bラインデータ」であり、bit7が「第一回胴Aラインデータ」である。「Aライン」や「Bライン」などのラインは、上述したものと同様である。
例えば、ランダム用停止データテーブルにおいて、bit1(右から第2列)は「第三回胴Aラインデータ」である。「第三回胴Aラインデータ」は、Aラインを用いて第1停止時〜第3停止時に右リール3Rの滑り駒数決定データを生成するときに参照するデータである。「第三回胴Aラインデータ」の値が「0」である図柄位置は、その位置で停止させないことを意味し、「右リール停止時のAライン検索データ」の値が「1」である図柄位置は、その位置で停止させることを意味する。なお、ここでも、前述したように、図14の検索順序データテーブルが使用されており、停止開始位置から停止ラインデータの値が「1」の図柄位置までの数を検索順序データテーブルの値とする。
[RT6チェリー当籤時におけるナビ抽籤の抽籤テーブル]
図25を参照して、RT6チェリー当籤時におけるナビ抽籤の抽籤テーブルについて説明する。図25は、RT6チェリー当籤時におけるナビ抽籤の抽籤テーブルを示す図である。本実施例では、RT6チェリー1〜11に対応する図柄の組合せが表示されて、RT6遊技状態へ移行した時に、RT6遊技状態、RT7遊技状態中のRT6−7時リプ、中右ベルの押し順をナビするかどうかの抽籤を行う。ナビに当籤し、このナビに従って停止操作を行っている限り、BB又はRB当籤まで有利な遊技状態を継続することができる。なお、ナビに従わずに停止操作を行ってRT1遊技状態に転落した場合は、ナビを終了する。
上述したように、RT6遊技状態へ移行した時に、RT6遊技状態、RT7遊技状態中のRT6−7時リプ、中右ベルの押し順をナビするかどうかの抽籤を行う際に、図25に示す抽籤テーブルが参照されて、ナビ抽籤が行われる。図25に示すように、各設定値1〜5に対応付けて、当籤および非当籤の抽籤値が割り当てられている。例えば、設定値1の場合には、予め定められた乱数値の個数32000のうち、30000が非当籤として規定され、2000が当籤として規定されている。また、設定値5の場合には、予め定められた乱数値の個数32000のうち、28000が非当籤として規定され、4000が当籤として規定されている。つまり、設定値1よりも設定値5の方が(設定値が高い方が)、ナビ抽籤により当籤しやすくなるように規定されている。
[CZ保障ゲーム数を決定するための抽籤テーブル]
図26を参照して、CZ保障ゲーム数を決定するための抽籤テーブルについて説明する。図26は、CZ保障ゲーム数を決定するための抽籤テーブルを示す図である。本実施例では、BB又はRB終了後のRT5中にRT5時リプの押し順をナビするかどうかの抽籤とともに、ナビゲーム数の抽籤を行う。このような抽籤の結果、ナビに当籤した場合には、ナビゲーム数が残っている間、RT5時リプの押し順のナビを行う。なお、ナビに従わずに停止操作を行ってRT1遊技状態に転落した場合には、ナビを終了する。また、ナビゲーム数は、BB又はRB当籤ごとにリセットする。
また、上述したRT5中にRT5時リプの押し順をナビするかどうかの抽籤を行う契機として、BBリプ当籤時と、RBリプ当籤時と、RT4中又はRT5中のスイカ当籤時とがある。図26に示すように、各抽籤の契機に応じて、それぞれ抽籤時に参照されるテーブルが異なる。具体的には、図26の(1)に示すように、BBリプ当籤時のナビ数抽籤テーブルと、図26の(2)に示すように、RBリプ当籤時のナビゲーム数抽籤テーブルと、図26の(3)に示すように、RT4中又はRT5中のスイカ当籤時のナビゲーム数抽籤テーブルとが設けられている。
図26の(1)に示すBBリプ当籤時のナビ数抽籤テーブルおよび図26の(2)に示すRBリプ当籤時のナビゲーム数抽籤テーブルは、CZ管理モード0〜2ごとに異なる抽籤値が割り当てられている。ここで、CZ管理モード0〜2についてそれぞれ説明する。CZ管理モード0とは、いわゆる初当たり時用のモードであり、RT1、6、7遊技状態中のBB又はRB当籤時にセットされるモードである。このCZ管理モード0では、ナビされるゲーム数は、BBの当籤又はRBの当籤により異なるが、CZ管理モード1、2と比較して、少なめのゲーム数が抽籤されやすい。
また、CZ管理モード1とは、いわゆるループ時用のモードであり、初当たり後のRT5中にBB又はRBに当籤した場合にセットされる。また、CZ管理モード1は、BB又はRB間で1000ゲーム以上ハマった時は、初当たり時でもCZ管理モード1となります。また、ナビされるゲーム数は、16ゲームか1000ゲームとなる。なお、ループ率は、約80%となる。また、CZ管理モード2とは、中チェリー用のモードであり、RT8経由(中チェリー当籤)で当籤した場合にセットされるモードである。また、CZ管理モード0またはCZ管理モード1滞在時のBB又はRB中のハズレ時に格上げ抽籤を行う。また、ナビされるゲーム数は、32ゲーム又は1000ゲームとなる。なお、ループ率は、96%となる。
図26の(1)に示すように、BBリプ当籤時のナビ数抽籤テーブルでは、CZ管理モード0については、各設定値1〜5ごとに抽籤値が割り当てられ、CZ管理モード1及びCZ管理モード2については、前設定共通で抽籤値が割り当てられている。例えば、CZ管理モード0については、設定値1の場合には、予め定められた乱数値の個数32000のうち、抽籤値として、0ゲームが「0」、1ゲームが「8000」、2ゲーム、3ゲーム、4ゲームがそれぞれ「100」、5ゲームが「13000」、6ゲーム、7ゲーム、8ゲーム、9ゲームがそれぞれ「100」、10ゲームが「5000」、12ゲーム、14ゲームがそれぞれ「100」、16ゲームが「5000」、32ゲーム、1000ゲームがそれぞれ「50」が規定されている。ここで、「0ゲーム」とは、ナビに非当籤であることを意味する。すなわち、図26の(1)に示すテーブルでは、0ゲームの抽籤値が「0」なので、必ずナビに当籤し、ナビゲーム数が付与されることとなる。
また、図26の(1)に示すように、CZ管理モード1については、16ゲームと1000ゲームに対してのみ抽籤値が割り当てられているので、ナビされるゲーム数は、16ゲーム又は1000ゲームのいずれかが選択されることとなる。また、CZ管理モード2については、32ゲームに対してのみ抽籤値が割り当てられているので、ナビされるゲーム数は、必ず32ゲームが選択されることとなる。
また、図26の(2)に示すように、RBリプ当籤時のナビ数抽籤テーブルでは、CZ管理モード0については、各設定値1〜5ごとに抽籤値が割り当てられ、CZ管理モード1及びCZ管理モード2については、前設定共通で抽籤値が割り当てられている。例えば、CZ管理モード0については、設定値1の場合には、予め定められた乱数値の個数32000のうち、抽籤値として、0ゲームが「30000」、5ゲームが「1300」、10ゲームが「400」、1000ゲームが「300」が規定され、その他のゲーム数は設定値が「0」となっている。
また、図26の(2)に示すように、CZ管理モード1については、0ゲームと16ゲームに対してのみ抽籤値が割り当てられているので、ナビに非当籤となるか、ナビされるゲーム数が16ゲームとなるかが選択されることとなる。また、CZ管理モード2については、0ゲームと32ゲームに対してのみ抽籤値が割り当てられているので、ナビに非当籤となるか、ナビされるゲーム数が32ゲームとなるかが選択されることとなる。
また、図26の(3)に示すように、RT4中又はRT5中のスイカ当籤時のナビゲーム数抽籤テーブルでは、CZ管理モード0については、各設定値1〜5ごとに抽籤値が割り当てられている。例えば、CZ管理モード0については、設定値1の場合には、予め定められた乱数値の個数32000のうち、抽籤値として、0ゲームが「31000」、1000ゲームが「2000」が規定され、その他のゲーム数は設定値が「0」となっている。
[出玉率に応じてナビ率を決定するための抽籤テーブル]
図27を参照して、出玉率に応じてナビ率を決定するための抽籤テーブルについて説明する。図27は、出玉率に応じてナビ率を決定するための抽籤テーブルを示す図である。具体的には、図27の(1)に示すように、直近400ゲーム分の抽籤テーブルと、図27の(2)に示すように、直近6000ゲーム分の抽籤テーブルと、図27の(3)に示すように、直近17500ゲーム分の抽籤テーブルとが設けられている。
本実施例では、400ゲーム以上が消化されている場合であって、且つ、直近の400ゲーム分の出玉率が250%以上である場合には、出玉率に応じて、ART中のナビを行うか否かの確率を示すナビ率を決定する。このナビ率を決定する際に、図27の(1)に示す抽籤テーブルが参照される。図27の(1)に示すように、抽籤テーブルは、直近の400ゲーム分の「出玉率」とART中のナビを行うか否かの確率を示す「ナビ率」とが対応付けて記憶されている。
具体的には、図27の(1)に示すように、出玉率「250%〜270%」とナビ率「50%」とが対応付けて記憶されており、出玉率「270%〜290%」とナビ率「30%」とが対応付けて記憶されており、出玉率「290%〜」とナビ率「0%」とが対応付けて記憶されている。ここで、図27の(1)に例示する出玉率「250%〜270%」とは、出玉率が250%以上であって、且つ、270%未満であることを示しており、出玉率「270%〜290%」とは、出玉率が270%以上であって、且つ、290%未満であることを示しており、出玉率「290%〜」とは、出玉率が290%以上であることを示している。また、ナビ率「50%」とは、ART中に3択ベル(左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4)が内部当籤した場合に、50%の確率で押し順ナビが行われることを示しており、ナビ率「30%」とは、ART中に3択ベルが内部当籤した場合に、30%の確率で押し順ナビが行われることを示しており、ナビ率「0%」とは、ART中に3択ベルが内部当籤しても押し順ナビが行われないことを示している。
また、同様に、本実施例では、6000ゲーム以上が消化されている場合であって、且つ、直近の6000ゲーム分の出玉率が120%以上である場合には、出玉率に応じて、ナビ率を決定する。また、17500ゲーム以上が消化されている場合であって、且つ、直近の17500ゲーム分の出玉率が115%以上である場合にも、出玉率に応じて、ナビ率を決定する。図27(2)に例示する抽籤テーブルは、直近の6000ゲーム分の「出玉率」と「ナビ率」とが対応付けて記憶されており、図27の(3)に例示する抽籤テーブルは、直近の17500ゲーム分の「出玉率」と「ナビ率」とが対応付けて記憶されている。
具体的には、図27の(2)に示すように、出玉率「120%〜130%」とナビ率「50%」とが対応付けて記憶されており、出玉率「130%〜140%」とナビ率「30%」とが対応付けて記憶されており、出玉率「140%〜」とナビ率「0%」とが対応付けて記憶されている。また、図27の(3)に示すように、出玉率「115%〜117%」とナビ率「50%」とが対応付けて記憶されており、出玉率「117%〜119%」とナビ率「30%」とが対応付けて記憶されており、出玉率「119%〜」とナビ率「0%」とが対応付けて記憶されている。
このように、図27の(1)〜(3)に示す抽籤テーブルは、出玉率が高くなるほど、ナビ率が低くなるように設定されている。つまり、出玉率が高くなるほど、出玉率を抑える必要があるため、ナビ率を低くして、3択ベルが入賞し難くするようにしている。これにより、現在の出玉率に応じて小役のナビ率を制御して抑制することが可能となる。
また、例えば、400ゲーム分の出玉率が、遊技の構成を害さない出玉率の上限の指標である「300%」とかなり近い、出玉率「290%」となった場合には、これ以上出玉率が高くなることを防ぐため、ナビ率を0%にして、3択ベル(左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4)の押し順ナビを報知しないようにする。この結果、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律の所定の試験で定められた出玉率の上限値に極めて近い数値を市場で体感できる遊技機の作成を可能とする。なお、遊技の構成を害さない出玉率の指標とは、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律の所定の試験で規定されている出玉率の指標であり、遊技者に不当な損失を与えたり、遊技店側に不測の不利益を与えたりすることのないように規定された指標である。
[ナビを行うか否かを決定するための抽籤テーブル]
図28を参照して、ナビを行うか否かを決定するための抽籤テーブルについて説明する。図28は、ナビを行うか否かを決定するための抽籤テーブルを示す図である。本実施例では、上記したように、直近の400ゲーム分の出玉率が250%以上である場合、直近の6000ゲーム分の出玉率が120%以上である場合、および、直近の17500ゲーム分の出玉率が115%以上である場合には、出玉率に応じて、ART中のナビを行うか否かの確率を示すナビ率を決定する。ここで決定されたナビ率に基づいて、図28に示す抽籤テーブルを参照して、ナビを行うか否かを決定する。具体的には、ART中であって、且つ、3択ベル(左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4)が内部当籤した場合に、ナビを行うか否かを決定する。
図28に示すように、ナビを行うか否かを決定するための抽籤テーブルは、ナビ率に応じて、複数設けられている。具体的には、図28の(1)の抽籤テーブルは、ナビ率が「50%」である場合に参照されるテーブルであり、図28の(2)の抽籤テーブルは、ナビ率が「30%」である場合に参照されるテーブルであり、図28の(3)の抽籤テーブルは、ナビ率が「0%」である場合に参照されるテーブルである。また、図28の(1)〜(3)に示すように、各抽籤テーブルは、当籤および非当籤の抽籤値が割り当てられている。
例えば、図28の(1)の抽籤テーブルの場合には、予め定められた乱数値の個数「32000」のうち、「16000」がナビ当籤として規定され、「16000」がナビ非当籤として規定されている。これは、ナビ抽籤に当籤する確率が「50%」であることを示している。
また、図28の(2)の抽籤テーブルの場合には、予め定められた乱数値の個数「32000」のうち、「9600」がナビ当籤として規定され、「22400」がナビ非当籤として規定されている。これは、ナビ抽籤に当籤する確率が「30%」であることを示している。
また、図28の(3)の抽籤テーブルの場合には、予め定められた乱数値の個数「32000」のうち、「0」がナビ当籤として規定され、「32000」がナビ非当籤として規定されている。これは、ナビ抽籤に当籤する確率が「0%」であることを示している。つまり、例えば直近の400ゲーム分の出玉率が290%以上である場合には、ART中に3択ベルが内部当籤しても押し順ナビが行われない。すなわち、出玉率が高くなるほど、ナビ抽籤により当籤し難くなる、もしくは、ナビ抽籤に当籤しなくなるように規定されている。
本実施例では、2種類の押し順ベルとして、押し順不正解時に、こぼし目(RT1遊技確率状態転落役)が表示される中右ベル1、2と、押し順不正解時であっても、こぼし目ではなく通常のハズレ目が表示さる左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4とが規定されている。ここで、こぼし目とは、表示されるとRT1遊技確率状態に転落する図柄の組合せである。また、通常のハズレ目とは、表示されても遊技状態は変化せず、また、全ての内部当籤役に当籤しない場合、いわゆる「ハズレ」の場合にも、表示され得る図柄の組合せである。
ここで、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4のいずれかに内部当籤した場合であって、且つ、上記のナビ抽籤に当籤しないで押し順ナビが報知されず、押し順不正解の場合には、ハズレ目が表示されるので、遊技者には、「ハズレ」であったのか、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4のいずれかに内部当籤して押し順不正解であったのかが解らない。このため、3択ベル(左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4)のナビ率を制御することにより、遊技者にナビ率が変わったことが気付かれ辛く、容易に出玉率を制御することが可能となる。
[出玉率の管理]
図29を参照して、出玉率についての情報を記憶するサブRAM83上の所定の記憶エリアのメモリマップについて説明する。図29は、サブRAM上の所定の記憶エリアのメモリマップを示す図である。本実施例では、直近の400ゲーム分の出玉率を計算しており、この出玉率を計算する際に、サブRAM83上の所定の記憶エリアに記憶される400ゲーム分の投入数履歴および払出数履歴が参照される。なお、図示を省略するが、本実施例では、図29に例示するメモリマップと同様の構成であって、直近の6000ゲーム分の投入数履歴および払出数履歴を記憶するメモリマップと、直近の17500ゲーム分の投入数履歴および払出数履歴を記憶するメモリマップとがサブRAM83上の所定の記憶エリアに記憶されている。以下では、400ゲーム分の投入数履歴および払出数履歴を記憶するメモリマップを例にして説明する。
図29に示すように、「累積投入数データ」、「累積払出枚数」、「出玉率データ」、「投入数履歴リングバッファ」および「払出数履歴リングバッファ」が、サブRAM83上の所定の記憶エリアに蓄積されている。累積投入数データとは、直近400ゲームのメダルの投入数を累積値、つまり、総投入数を示すデータである。また、累積払出数データとは、直近400ゲームのメダルの払出数の累積値、つまり、総払出数を示すデータである。また、出玉率データとは、管理されるデータに基づき算出されるデータであって、400ゲーム間の出玉率(累積払出数データ/累積投入数データ)を示す。
また、投入数履歴リングバッファは、直近400ゲームにおいて、ゲーム毎のメダルの投入数を記憶するバッファである。また、払出数履歴リングバッファは、直近400ゲームにおいて、ゲーム毎のメダルの払出数を記憶するバッファである。
投入数履歴リングバッファ及び払出数履歴リングバッファは、400ゲーム分の各メダル投入数、メダル払出数が記憶できるように1〜400に区分けされている。そして、今回の遊技のメダル投入数、メダル払出数のデータは、それぞれ、最も古いデータに上書きされる。具体的には、図29の例の場合には、バッファ中の400→399→398・・・2→1→400といったように循環的に今回のデータが書き込むエリアを変更していくことで、今回のデータが最も古いデータに上書きされることになる。こうすることで、常に直近の400ゲーム分のメダル投入数、メダル払出数が記憶されることになる。例えば、図29の例を挙げて説明すると、投入数履歴リングバッファ及び払出数履歴リングバッファは、前々回のゲームでデータが書き込まれたエリアのデータを「前々回のデータ」とし、前回のゲームでデータが書き込まれたエリアのデータを「前回のデータ」とし、最も古いデータが書き込まれたエリアのデータを「最古のデータ」としている。この場合、今回のゲームにおいては、図29に示すように、「最古のデータ」が書き込まれたエリアに「今回のデータ」を上書きすることとなる。
ここで、サブCPU81によるサブRAM83上のデータ更新処理について説明する。サブCPU81は、1ゲームごとに、サブRAM83上の累積投入数データに、今回の遊技で投入されたメダルの投入数を加算する。また、同じくサブCPU81は、サブRAM83上の累積払出数データに、今回の遊技で払い出されたメダルの払出数を加算する。そして、サブCPU81は、今回の遊技で投入されたメダルの投入数と、今回の遊技で払い出されたメダルの払出数とを、サブRAM83上の投入数履歴リングバッファ及び払出数履歴リングバッファにそれぞれ格納して、データを更新する。
[内部当籤役と表示される図柄の組合せとの関係]
図30を参照して、内部当籤役と表示される図柄の組合せとの関係について説明する。図30は、内部当籤役と表示される図柄の組合せとの関係を示す図である。内部当籤役および押し順と表示される可能性のある図柄の組合せとの関係を説明する。各内部当籤役は、ストップボタン7L、7C、7Rの押し順及びストップボタン7L、7C、7Rの押下タイミングによって表示される図柄の組合せが変化する。
図30の例では、内部当籤役ごとに、表示される可能性のある図柄の組合せと、その図柄の組合せが表示される条件について記載している。例えば、内部当籤役として、当籤番号「1」の「通常リプ」が決定された場合には、中段にリプレイが揃う。
内部当籤役として、当籤番号「2」の「RT4時リプ1」が決定された場合には、第一停止リールが左リール3Lであれば、中段リプ等が表示されてRT4遊技状態が維持され、第一停止リールが左リール3L以外であれば、下段リプが表示されてRT5へ転落する。
また、例えば、内部当籤役として、当籤番号「26」の「左ベル1」が決定された場合には、第一停止リールが左リール3Lであれば、クロスダウンベルが入賞し、第一停止リールが中リール3C、右リール3Rであり且つ押下位置成功で上段ベルが入賞し、第一停止リールが中リール3C、右リール3Rであり且つ押下位置失敗でベルの取りこぼしとなり、通常出目が表示される。
また、例えば、内部当籤役として、当籤番号「37」の「中右ベル1」が決定された場合には、第一停止リールが中リール3C、右リール3Rであれば、中段ベルが入賞して遊技状態が維持され、第一停止リールが左リール3Lで押下位置成功でクロスダウンベルが入賞し、第一停止リールが左リール3Lで押下位置失敗でこぼし目が表示され、RT1遊技状態に移行する。
このように、当籤番号「37」、「38」の中右ベル1、2が内部当籤役として決定された場合には、こぼし目が表示される場合があり、こぼし目が表示されると、RT1へ転落する。また、当籤番号「26」〜「37」の左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4が内部当籤役として決定された場合には、こぼし目が表示されることはなく、RT1へ転落することもない。
[内部当籤役格納領域]
図31は、内部当籤役(当たり要求フラグ)を示すデータが格納される内部当籤役格納領域1〜内部当籤役格納領域5を示す。内部抽籤処理において決定された内部当籤役は対応する領域に格納される。
[遊技状態フラグ格納領域]
図32、図33は、遊技状態フラグを示すデータが格納される遊技状態フラグ格納領域1、2を示す。遊技状態フラグの値は、メインCPU31が現在の遊技状態を識別するために用いられる。例えば、RT0遊技状態である場合には、ビット0に「1」が格納される。ここで、遊技状態フラグ格納領域に格納された遊技状態フラグを示すデータに応じて、前述した図8−1、図8−2に示す内部抽籤テーブルがメインCPU31によりセットされる。例えば、ビット0に「1」が格納された場合には、RT0用の内部抽籤テーブルがメインCPU31によりセットされる。
[RT作動図柄格納領域]
図34は、RT作動図柄を示すデータが格納されるRT作動図柄格納領域1〜19を示す。表示されたRT作動図柄が対応する領域に格納される。例えば、RT4リプ1に対応する図柄の組合せ「リプレイ1−ベル1−ベル1」が停止表示された場合には、RT作動図柄格納領域1のビット2を「1」に更新する。
[押下順序格納領域]
図35は、停止操作の順序を示すデータが格納される押下順序格納領域を示す。例えば、第1停止操作に左のストップボタン7Lが操作された場合には、ビット6及び7に「1」が格納される。その後、第2停止操作として中のストップボタン7Cが操作されると、「1」が格納されているビット6及び7のうち、ビット6を「0」に更新し、ビット7を「1」のまま維持する。
[作動ストップボタン格納領域]
図36は、今回押されたストップボタン7L、7C、7R、いわゆる作動ストップボタンを示すデータが格納される作動ストップボタン格納領域を示す。なお、作動ストップボタン格納領域には、押す操作が有効なストップボタン7L、7C、7R、いわゆる有効ストップボタンを示すデータも格納される。本実施形態では、メインCPU31は、作動ストップボタン格納領域のビット5〜7に格納されているデータに基づいて、今回押されたストップボタン7L、7C、7Rを識別する。また、メインCPU31は、作動ストップボタン格納領域のビット1〜3に格納されているデータに基づいて、未だ押されていないストップボタン7L、7C、7Rを識別する。
[引込優先順位データ格納領域]
図37、各図柄位置データに対応して優先引込順位データが格納される引込優先順位データ格納領域を示す。引込優先順位データ格納領域は、左リール用引込優先順位データ格納領域、中リール用引込優先順位データ格納領域、及び右リール用引込優先順位データ格納領域により構成される。各引込優先順位データ格納領域は、当該引込優先順位データ格納領域に対応するリール3L、3C、3Rの図柄位置データのそれぞれについて、優先引込順位データを格納する。優先引込順位データは、一の図柄位置データに位置する図柄がセンターラインの位置で表示された場合に、何れの表示役に係る図柄の組合せ又はその一部が入賞ラインの何れかに沿って表示されるかを示すデータである。
[パチスロにおいて実行されるプログラムフロー]
次に、図38〜図56を参照して、主制御回路71のメインCPU31により実行されるプログラムの内容について説明する。なお、本実施形態では、いわゆるビックボーナスやレギュラーボーナスを有しないが、BBリプに対応する図柄組合せ「7−7−7」またはRBリプに対応する図柄の組合せ「7−7−BAR」が表示されると、いわゆるビックボーナスやレギュラーボーナスと同様に、払い出されるメダルを増加させ、遊技者の興趣を高めるART(RT4遊技状態)へ移行する。
[主制御回路のメインCPUの制御によるメインフローチャート]
図38を参照して、メインCPU31が実行する主たる処理を示したメインフローチャートについて説明する。
初めに、メインCPU31は、初期化処理を行い(ステップS1)、ステップS2に移る。なお、この処理では、メインCPU31は、バックアップが正常であるか否か、設定変更が適切に行われたか否かを判定し、判定結果に応じた初期化処理を行う。
続いて、メインCPU31は、一遊技終了時の初期化処理を行う(ステップS2)。例えば、メインCPU31は、内部当籤役格納領域や表示役格納領域等に格納されるデータをクリアする。そして、メインCPU31は、後で図39を参照して説明するメダル受付・スタートチェック処理を行う(ステップS3)。
次に、メインCPU31は、抽籤用乱数値を抽出し、乱数値格納領域に格納する(ステップS4)。このステップS4の処理で抽出された抽籤用乱数値は、内部抽籤処理(後述の図40)において使用される。続いて、メインCPU31は、後で図40を参照して説明する内部抽籤処理を行う(ステップS5)。なお、この処理では、メインCPU31は、内部当籤役を決定する。
次に、メインCPU31は、内部抽籤処理の結果に基づいて、リールの停止制御に関する各情報を格納するリール停止初期設定処理(後に図41を用いて詳述)を行う(ステップS6)。この処理では、メインCPU31は、リール3L、3C、3Rの回転を停止する制御に係る領域等の初期化を行う。
次に、メインCPU31は、スタートコマンド送信処理を行う(ステップS7)。この処理では、メインCPU31は、スタートコマンドをメインRAM33の通信データ格納領域に格納する。スタートコマンドは、遊技状態、内部当籤役等の情報を含み、後述する割込処理のコマンドデータ送信処理においてサブ制御基板72に送信される。これにより、サブ制御基板72は、開始操作に応じて演出を行うことができる。
続いて、メインCPU31は、ウェイト処理を行う(ステップS8)。この処理では、メインCPU31は、前回の遊技開始から所定の時間(例えば、4.1秒)経過するまで待機する。続いて、メインCPU31は、リール回転開始処理を行う(ステップS9)。この処理では、メインCPU31は、リール3L、3C、3Rの回転の開始を要求するとともに、リール回転開始コマンドをメインRAM33の通信データ格納領域に格納する。
そして、メインCPU31は、引込優先順位格納処理(後に図42を用いて詳述)を行う(ステップS10)。この処理では、内部抽籤処理の結果に基づいて、回転中の各リールの図柄位置毎に、停止許可の場合には、その引込優先順位データを格納し、また、停止不許可の場合(すなわち、当籤していない役が入賞してしまう場合等)には、停止禁止を格納する。
次に、メインCPU31は、後で図45を参照して説明するリール停止制御処理を行う(ステップS11)。続いて、メインCPU31は、後で図53を参照して説明する入賞検索処理を行う(ステップS12)。この処理では、メインCPU31は、リール3L、3C、3Rの停止後に有効ラインに沿って表示された図柄組合せと図柄組合せテーブルとを照合し、表示役を決定するとともに、メダルの払出枚数の決定を行う。
次に、メインCPU31は、ステップS12において決定されたメダルの払出枚数に基づいてメダルを払い出す(ステップS13)。続いて、メインCPU31は、当たり信号を、外部集中端子板80を介してホールコンピュータ400に送信する表示コマンド送信処理(後に図54を用いて詳述)を行う(ステップS14)。
続いて、メインCPU31は、後で図55を参照して説明するRT制御処理を行う(ステップS15)。この処理では、表示役に応じてRT遊技状態フラグの更新を行う。次にステップS2の処理を行う。
[メダル受付・スタートチェック処理]
図39を参照して、投入枚数に基づいて開始操作が可能であるか否かをメインCPU31が判別する処理の手順を示したメダル受付・スタートチェック処理について説明する。
初めに、メインCPU31は、自動投入カウンタの値があるか否か、すなわち、「0」であるか否かを判別する(ステップS31)。このとき、自動投入カウンタの値がある場合、すなわち「0」以外である場合には、メインCPU31は、続いて、自動投入処理を行い(ステップS32)、ステップS39に移る。具体的には、メインCPU31は、自動投入カウンタの値を投入枚数カウンタに複写する。なお、自動投入カウンタは、自動的に投入するメダルの枚数をメインCPU31が計数するために設けられたカウンタであり、投入枚数カウンタは、投入されたメダルの枚数をメインCPU31が計数するために設けられたカウンタである。自動投入カウンタ及び投入枚数カウンタは、メインRAM33の所定の領域に格納される。
他方、自動投入枚数カウンタの値がない、すなわち「0」である場合には、メインCPU31は、メダル受付を許可し(ステップS33)、続いて、ステップS34の処理を行う。ステップS34では、メインCPU31は、遊技状態に応じて投入枚数の最大値を設定する。本実施形態では、メインCPU31は、投入枚数の最大値を「3」とセットする。
続いて、メインCPU31は、メダル受付が許可されているか否かを判別する(ステップS35)。この判別がYESのときは、メインCPU31は、続いて、ステップS36の処理を行い、NOのときは、メインCPU31は、続いて、ステップS39の処理を行う。
ステップS36では、メインCPU31は、メダル投入チェック処理を行う。この処理では、メインCPU31は、メダルセンサ42Sからの入力をチェックする。続いて、メインCPU31は、メダル投入コマンド送信処理を行う(ステップS37)。この処理では、メインCPU31は、メダル投入コマンドを生成し、メインRAM33の通信データ格納領域に格納する。格納されたメダル投入コマンドは、後述する割込処理のコマンドデータ送信処理においてサブ制御基板72に送信される。
続いて、メインCPU31は、投入枚数が遊技開始可能枚数であるか否かを判別する(ステップS38)。例えば、メインCPU31は、投入枚数カウンタの値が投入枚数の最大値であるか否かを判別する。このとき、投入枚数カウンタの値が投入枚数の最大値である場合には、メインCPU31は、続いて、ステップS39の処理を行い、最大値でない場合には、メインCPU31は、続いて、ステップS35の処理を行う。
ステップS39では、メインCPU31は、スタートスイッチ6Sがオンであるか否かを判別する。具体的には、メインCPU31は、スタートレバー6の操作に基づくスタートスイッチ6Sからの入力があるか否かを判別する。このとき、スタートスイッチ6
Sからの入力がある場合には、メインCPU31は、メダル受付を禁止し(ステップS40)、メダル受付・スタートチェック処理を終了する。他方、スタートスイッチ6Sからの入力がない場合には、メインCPU31は、続いて、ステップS35の処理を行う。
[内部抽籤処理]
図40を参照して、乱数値及び遊技状態等に基づいてメインCPU31が内部当籤役を決定する処理の手順を示した内部抽籤処理について説明する。
初めに、メインCPU31は、遊技状態に応じた内部抽籤テーブルをセットする(ステップS41)。続いて、メインCPU31は、乱数値格納領域に格納されている乱数値を取得する(ステップS42)。
次に、メインCPU31は、内部抽籤テーブルを参照して当籤番号に対応する抽籤値を取得し、乱数値から抽籤値を減算する(ステップS43)。続いて、メインCPU31は、減算結果が「0」未満(負)であるか否かを判別する(ステップS44)。このとき、減算結果が負である場合には、メインCPU31は、当籤番号に対応する小役・リプレイ用データポインタを取得し(ステップS48)、続いて、ステップS49の処理を行う。他方、減算結果が負でない場合には、メインCPU31は、続いて、ステップS45の処理を行う。
ステップS45では、メインCPU31は、乱数値を更新するとともに当籤番号を更新する。具体的には、メインCPU31は、乱数値をステップS43で減算した後の値に更新するとともに、未だチェックしていない当籤番号に更新する。続いて、メインCPU31は、全ての当籤番号をチェックしたか否かを判別する(ステップS46)。このとき、全ての当籤番号をチェックした場合には、メインCPU31は、データポインタに「0」をセットし(ステップS47)、ステップS49に移る。他方、全ての当籤番号をチェックしていない場合には、メインCPU31は、ステップS43に移る。
ステップS49では、メインCPU31は、小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルを参照し、小役・リプレイ用データポインタに基づいて内部当籤役を取得する。続いて、メインCPU31は、取得した内部当籤役に対応する内部当籤役格納領域に格納し(ステップS50)、内部抽籤処理を終了する。
[リール停止初期設定処理]
図41を参照して、メインCPU31が内部抽籤処理の結果に基づいて、リールの停止制御に関する各情報を格納する処理の手順を示したリール停止初期設定処理について説明する。
初めに、メインCPU31は、回胴停止用番号選択テーブルを参照し、内部当籤役等に基づいて回胴停止用番号をセットする(ステップS51)。この処理では、回胴停止用番号選択テーブルを参照し、当籤番号(小役・リプレイの当籤役)や遊技状態に応じて回胴停止用番号を選択する。なお、回胴停止用番号選択テーブルとは、データポインタに対応する回胴停止用番号に対応付けて、停止制御に用いる各種情報が規定されているテーブルである。
続いて、メインCPU31は、リール停止初期設定テーブルを参照し、回胴停止用番号に基づいて各情報を取得する(ステップS52)。例えば、メインCPU31は、引込優先順位テーブル番号等を取得する。例えば、第1〜第3停止時に使用する停止テーブルの番号や制御変更処理において制御変更を行うために必要な情報(すなわち、リールが特定の順番で停止される際に、特定の位置で停止(あるいは押下)された場合に再度停止テーブルを選択しなおすために用いられる情報)等を取得する。
そして、メインCPU31は、図柄コード格納領域に回転中の識別子を格納する(ステップS53)。すなわち、メインCPU31は、全図柄コード格納領域(未使用領域を除く)のビットをオンにする。その後、メインCPU31は、ストップボタン未作動カウンタに3を格納し(ステップS54)、リール停止初期設定処理を終了する。なお、ストップボタン未作動カウンタは、遊技者により停止操作が行われていないストップボタン7L、7C、7Rの数を判別するためのものであり、メインRAM33の所定の領域に格納される。
[引込優先順位格納処理]
図42を参照して、引込優先順位データを取得し、取得した引込優先順位データを検索対象リールに応じた引込優先順位データ格納領域に格納する処理の手順を示した引込優先順位格納処理について説明する。
初めに、メインCPU31は、ストップボタン未作動カウンタの値を検索回数として格納する(ステップS61)。続いて、メインCPU31は、検索対象リール決定処理を行う(ステップS62)。この処理では、回転中のリール3L、3C、3Rのうちより左側のリールから順に検索対象リールと決定する。
次に、メインCPU31は、後で図43を参照して説明する引込優先順位テーブル選択処理を行う(ステップS63)。続いて、メインCPU31は、図柄チェック回数に「21」、検索図柄位置に「0」をセットする(ステップS64)。次に、メインCPU31は、後で図44を参照して説明する図柄コード格納処理を行う(ステップS65)。
次に、メインCPU31は、ステップS65において取得された図柄コードと図柄コード格納領域とに基づいて、表示役格納領域を更新する(ステップS66)。続いて、メインCPU31は、引込優先順位データ取得処理を行う(ステップS67)。この処理では、メインCPU31は、表示役格納領域で「1」が格納されているビットに対応する役であって、内部当籤役格納領域で「1」が格納されているビットに対応する役について、ステップS63で選択された引込優先順位テーブルを参照して、引込優先順位データを取得する。
次に、メインCPU31は、取得した引込優先順位データを検索対象リールに応じた引込優先順位データ格納領域に格納する(ステップS68)。続いて、メインCPU31は、図柄チェック回数を「1」減算し、検索図柄位置を「1」加算する(ステップS69)。
次に、メインCPU31は、図柄チェック回数が「0」であるか否かを判別する(ステップS70)。この判別がYESのときは、メインCPU31は、ステップS71の処理を行い、NOのときは、ステップS65の処理を行う。この処理では、図柄位置「0」〜「20」の全ての検索が行われたかを判別している。ステップS71では、メインCPU31は、検索回数分検索したか否かを判別する。この判別がYESのときは、メインCPU31は、引込優先順位格納処理を終了し、NOのときは、ステップS62の処理を行う。この処理では、全リールについて検索が行われたかを判別している。
[引込優先順位テーブル選択処理]
図43を参照して、引込優先順位を選択するための引込優先順位テーブルを選択する引込優先順位テーブル選択処理について説明する。
初めに、メインCPU31は、引込優先順位テーブル選択テーブル番号がセットされているか否かを判別する(ステップS72)。すなわち、リール停止初期設定処理において、直接テーブル番号が格納されているか判別する。この判別がYESのときは、メインCPU31は、引込優先順位テーブル選択処理を終了し、NOのときは、メインCPU31は、ステップS73の処理を行う。
ステップS73では、メインCPU31は、押下順序格納領域、作動ストップボタン格納領域を参照し、対応する引込優先順位テーブル選択テーブル番号をセットし、引込優先順位テーブル選択処理を終了する。具体的には、押下順序判定データを参照し、回胴停止用番号に規定されている引き込みに係るテーブルと停止操作を行ったリールとに基づいて、後に引込優先順位テーブルを決定する。
[図柄コード格納処理]
図44を参照して、セットした検索図柄位置に基づく図柄コードを取得する図柄コード格納処理について説明する。
初めに、メインCPU31は、有効ラインデータをセットする(ステップS74)。本実施形態では、有効ラインが1ラインであるため、1ライン(中段−中段−中段)をセットする。そして、メインCPU31は、検索図柄位置と有効ラインデータとに基づいて、検索対象リールのチェック用図柄位置データをセットする(ステップS75)。例えば、左リールであれば、上段と下段の図柄位置をチェック用図柄位置データとしてセットする。続いて、メインCPU31は、チェック用図柄位置データの図柄コードを取得し(ステップS76)、図柄コード格納処理を終了する。
[リール停止制御処理]
図45を参照して、メインCPU31が内部当籤役や遊技者による停止操作のタイミング等に基づいてリール3L、3C、3Rの回転を停止させる処理の手順を示したリール停止制御処理について説明する。
初めに、メインCPU31は、有効なストップボタン7L、7C、7Rが押されたか否かを判別する(ステップS81)。このとき、有効なストップボタン7L、7C、7Rが押された場合には、メインCPU31は、続いて、ステップS82の処理を行う。他方、有効なストップボタン7L、7C、7Rが押されていない場合には、メインCPU31は、再び、ステップS81の処理を行う。
ステップS82では、メインCPU31は、押下順序格納領域及び作動ストップボタン格納領域を更新する。続いて、メインCPU31は、ストップボタン未作動カウンタの値を「1」減算する(ステップS83)。続いて、メインCPU31は、作動ストップボタンから検索対象リールを決定する(ステップS84)。
続いて、ステップS85において、メインCPU31は、図柄カウンタに基づいて停止開始位置を格納する。次に、メインCPU31は、後に図46を用いて詳述する滑り駒数決定処理を行う(ステップS86)。この処理では、メインCPU31は、停止テーブルを参照し、停止開始位置に対して定められた滑り駒数決定データを決定する。
次に、メインCPU31は、リール停止コマンド送信処理を行う(ステップS87)。この処理では、メインCPU31は、リール停止コマンドをメインRAM33の通信データ格納領域に格納する。リール停止コマンドは、作動ストップボタン等についての情報を含み、後述する割込処理のコマンドデータ送信処理においてサブ制御基板72に送信される。これにより、サブ制御基板72は、停止操作に応じて演出を行うことができる。
続いて、メインCPU31は、停止開始位置と滑り駒数とに基づいて、検索対象リールの停止予定位置を決定し、格納する(ステップS88)。続いて、メインCPU31は、停止予定位置を検索図柄位置としてセットし(ステップS89)、図44で説明した図柄コード格納処理を行う(ステップS90)。そして、メインCPU31は、ステップS90において取得した図柄コードから図柄コード格納領域を更新する(ステップS91)。
続いて、メインCPU31は、特定の停止位置であった場合に、リール停止制御情報群を更新する制御変更処理(後に図52を用いて詳述)を行う(ステップS92)。次に、メインCPU31は、ストップボタン未作動カウンタの値が「0」であるか否かを判別する(ステップS93)。このとき、ストップボタン未作動カウンタの値が「0」でない場合(第3停止時でない場合)には、メインCPU31は、図42で説明した引込優先順位格納処理を行い(ステップS94)、次に、ステップS81の処理を行う。
すなわち、パチスロ1では、次のリール3L、3C、3Rの回転を停止する処理が行われる前に、未だに回転しているリール3L、3C、3Rの各図柄位置について引込優先順位データを格納する処理が行われる。他方、ストップボタン未作動カウンタの値が「0」である場合には、メインCPU31は、第3停止時の停止制御が終了したと判別し、リール停止制御処理を終了する。また、ボタン未作動カウンタの値が「0」である場合には、そのままリール停止制御処理を終了する。
[滑り駒数決定処理]
図46を参照して、メインCPU31が停止テーブルを参照し、停止開始位置に対して定められた滑り駒数決定データを決定する処理の手順を示した滑り駒数決定処理について説明する。
初めに、メインCPU31は、ランダム用ラインマスク変更有効ビットがオンであるか否かを判別する(ステップS95)。この結果、ランダム用ラインマスク変更有効ビットがオンである場合には、次に、ステップS97の処理を行い、また、ランダム用ラインマスク変更有効ビットがオンでない場合には、次に、作動ストップボタンに応じたラインマスクデータをセットし(ステップS96)、ステップS97の処理に移る。
ステップS97では、第1停止時(ストップボタン未作動カウンタの値が2)であるか否かを判別する(ステップS97)。このとき、第1停止時である場合には、メインCPU31は、続いて、ステップS99の処理を行い、第1停止時でない場合には、メインCPU31は、続いて、ステップS98の処理を行う。
ステップS98では、メインCPU31は、後に図48を用いて詳述する第2・第3停止処理を行い、ステップS105の処理を行う。また、ステップS99では、後に図47を用いて詳述する第1停止処理を行い、ステップS100の処理を行う。そして、ステップS100では、後で図51を参照して説明する優先引込制御処理を行い(ステップS100)、滑り駒数決定処理を終了する。
[第1停止処理]
図47を参照して、第1停止操作の検出に基づいた滑り駒数決定データ(仮の滑り駒数)を決定する処理の手順を示した第1停止処理について説明する。
初めに、メインCPU31は、操作されたストップボタンが左ストップボタンであるか否かを判別する(ステップS101)。このとき、操作されたストップボタンが左ストップボタンである場合には、左第一停止用停止テーブル及び図柄カウンタを取得する(ステップS102)。そして、メインCPU31は、対応する左第一停止用停止テーブルを参照し、図柄カウンタに基づいて、滑り駒数決定データを取得し(ステップS103)、第1停止処理を終了する。
また、ステップS101において、操作されたストップボタンが左ストップボタンでない場合には、検索テーブル変更データが「3」であるか判別する(ステップS104)。この結果、検索テーブル変更データが「3」である場合には、メインCPU31は、第一停止が中ストップボタンであるか判別する(ステップS105)。この結果、第一停止が中ストップボタンである場合には、ステップS107の処理を行い、また、第一停止が中ストップボタンでない場合には、メインCPU31は、取得しているランダム用停止データテーブル番号を1加算し(ステップS106)、ステップS107の処理を行う。
ステップS107では、メインCPU31は、ランダム用停止データテーブル番号に基づいて、ランダム第1停止用停止テーブルを取得し(ステップS107)、ランダム第1停止データテーブルを参照し、停止開始位置に基づいて、滑り駒数決定データ、ランダム第1停止後停止データテーブル番号を取得し(ステップS108)、第1停止処理を終了する。
また、ステップS104において、検索テーブル変更データが「3」でないと判別された場合には、ランダム用停止データテーブル番号に基づいて、ランダム用停止データテーブルを取得し(ステップS109)、後に図49を用いて詳述するライン変更ビットチェック処理を行う(ステップS110)。そして、メインCPU31は、後に図50を用いて詳述するラインマスクデータ変更処理を行い(ステップS111)、取得した停止データテーブルを参照し、停止開始位置とラインマスクデータに基づいて、滑り駒数決定データを生成し(ステップS112)、第1停止処理を終了する。
[第2・第3停止処理]
図48を参照して、第2停止操作の検出及び第3停止操作の検出に基づいた滑り駒数決定データ(仮の滑り駒数)を決定する処理の手順を示した第2・第3停止処理について説明する。
最初に、メインCPU31は、第1停止操作時の作動ストップボタンが左ストップボタン7Lであるか否かを判断する(ステップS113)。この結果、第1停止操作時の作動ストップボタンが左ストップボタン7Lであると判別された場合には、ステップS116の処理を行う。第1停止操作時の作動ストップボタンが左ストップボタン7Lでないと判別された場合には、ステップS114の処理を行う。
ステップS114では、メインCPU31は、ランダム用ラインマスク変更有効ビットがオンであるか否かを判別する。この結果、ランダム用ラインマスク変更有効ビットがオンであると判別した場合には、メインCPU31は、ランダム用停止データテーブル番号を右に1ビットシフトし、シフト後の値に基づいて、ランダム用第1停止後停止データテーブルを取得し(ステップS115)、ステップS119の処理を行う。また、ランダム用ラインマスク変更有効ビットがオンでないと判別した場合には、メインCPU31は、ステップS119の処理を行う。
メインCPU31は、ステップS113の判断処理で、第1停止操作時の作動ストップボタンが左ストップボタン7Lであると判別した場合には、第2停止時か否かを判別する(ステップS116)。この結果、第2停止時でないと判別した場合には、メインCPU31は、ステップS119の処理を行い、第2停止時であると判別した場合には、左第1停止後停止データテーブル番号に基づいて、左第1停止後停止データテーブルを取得し(ステップS117)、図49に示すライン変更ビットチェック処理を実行する(ステップS118)。このライン変更ビットチェック処理は、ステップS113及びステップS116の判別結果から、順押しかつ第2停止操作時に行われる処理であって、「Aライン」から「Bライン」に変更するか否かを判断するための処理である。
ステップS119では、図50に示すラインマスクデータ変更処理を実行する。そして、取得したデータテーブルを参照し、停止開始位置とラインマスクデータとに基づいて、滑り駒数決定データを生成し(ステップS120)、第2・第3停止処理を終了する。
[ライン変更ビットチェック処理]
図49を参照して、図柄位置データと停止操作順をチェックするライン変更ビットチェック処理について説明する。
初めに、メインCPU31は、検索テーブル変更データは1であるか否かを判別する(ステップS121)。この結果、検索テーブル変更データは1である場合には、ライン変更ビットチェック処理を終了する。また、検索テーブル変更データは1でない場合には、作動ストップボタンに応じて、ラインマスクデータをライン変更ビットチェック用に変更する(ステップS122)。
次に、メインCPU31は、停止開始位置のライン変更ビットがオンであるか否かを判別する(ステップS123)。この結果、メインCPU31は、停止開始位置のライン変更ビットがオンである場合には、ライン変更有効ビットをオンにし(ステップS124)、ライン変更ビットチェック処理を終了する。この結果、メインCPU31は、停止開始位置のライン変更ビットがオンでない場合には、ライン変更ビットチェック処理を終了する。
[ラインマスクデータ変更処理]
図50を参照して、ラインマスクデータ変更処理について説明する。
初めに、メインCPU31は、ランダム用ラインマスク変更有効ビットがオンであるか否かを判別する(ステップS125)。この結果、ランダム用ラインマスク変更有効ビットがオンであると判別した場合には、メインCPU31は、ステップS126の処理を行い、ランダム用ラインマスク変更有効ビットがオンでないと判別した場合には、ステップS132の処理を行う。
ステップS126では、メインCPU31は、第2停止時か否かを判別する。この結果、第2停止時であると判別した場合には、メインCPU31は、ステップS127の処理を行い、第2停止時でないと判別した場合には、ステップS131の処理を行う。
ステップS127では、メインCPU31は、ラインマスクデータ格納領域1をセットする。そして、メインCPU31は、検索対象リールより右のリールが回転中であるか否かを判別する(ステップS128)。この結果、検索対象リールより右のリールが回転中であると判別した場合には、メインCPU31は、ラインマスクデータ格納領域2をセットし(ステップS129)、ステップS130の処理を行い、検索対象リールより右のリールが回転中でないと判別した場合には、直ちにステップS130の処理を行う。
ステップS130では、メインCPU31は、セットされたラインマスクデータ格納領域からラインマスクデータを取得し、ラインマスクデータ変更処理を終了する。また、ステップS131では、メインCPU31は、セットされたラインマスクデータを取得して、ラインマスクデータ変更処理を終了する。また、ステップS132では、ライン変更有効ビットがオンであるか否かを判別する。この結果、ライン変更有効ビットがオンである場合には、メインCPU31は、作動ストップボタンに応じてラインマスクデータをBライン用に変更し(ステップS133)、ラインマスクデータ変更処理を終了し、ライン変更有効ビットがオンでない場合には、直ちにラインマスクデータ変更処理を終了する。
[優先引込制御処理]
図51を参照して、メインCPU31が滑り駒数を決定する処理の手順を示した優先引込制御処理について説明する。
初めに、メインCPU31は、作動ストップボタンに応じた引込優先順位データ格納領域をセットする(ステップS141)。続いて、メインCPU31は、停止開始位置を取得する(ステップS142)。
次に、メインCPU31は、滑り駒数決定データに応じた優先順序テーブルをセットし(ステップS143)、続いて、優先順序の初期値及びチェック回数に「5」をセットする(ステップS144)。つまり、0駒〜4駒の5回分検索するために、チェック回数に「5」をセットする。
次に、メインCPU31は、滑り駒数決定データを滑り駒数としてセットする(ステップS145)。続いて、メインCPU31は、停止開始位置及び優先順序に基づいて停止検索位置を抽出し(ステップS146)、停止検索位置の引込優先順位データを取得する(ステップS147)。
続いて、メインCPU31は、先に取得された引込優先順位データ以上であるか否かを判別する(ステップS148)。このとき、先に取得された引込優先順位データ以上である場合には、メインCPU31は、滑り駒数を更新し(ステップS149)、続いて、ステップS150の処理を行う。他方、先に取得された引込優先順位データ以上でない場合には、メインCPU31は、ステップS150の処理を行う。
ステップS150では、メインCPU31は、優先順序及びチェック回数を「1」減算する。続いて、チェック回数が「0」であるか否かを判別する(ステップS151)。このとき、チェック回数が「0」である場合には、メインCPU31は、更新された滑り駒数をセットし(ステップS152)、優先引込制御処理を終了する。他方、チェック回数が「0」でない場合には、メインCPU31は、続いて、ステップS146の処理を行う。
このように、優先引込制御処理では、メインCPU31は、複数の種類の滑り駒数の中から、より優先順位の高い引込みを行うべき内部当籤役に係る図柄の組合せが表示される滑り駒数を決定する。
[制御変更処理]
図52を参照して、制御変更処理について説明する。最初に、メインCPU31は、第3停止後であるか判断する(ステップS161)。この結果、メインCPU31は、第3停止後であると判別した場合には、制御変更処理を終了し、第3停止後でないと判別した場合には、第一停止が左ストップボタンであるか否かを判別する(ステップS162)。
この結果、メインCPU31は、第一停止が左ストップボタンであると判別した場合には、制御変更処理を終了し、第一停止が左ストップボタンでないと判別した場合には、検索テーブル変更データが「3」であるか否かを判別する(ステップS163)。
この結果、メインCPU31は、検索テーブル変更データが「3」でないと判別した場合には、制御変更処理を終了し、検索テーブル変更データが「3」であると判別した場合には、第2停止後か判別する(ステップS164)。この結果、第2停止後であると判別した場合には、セットされたラインマスクデータを右に1ビットシフトし、ラインマスクデータとしてセットして(ステップS170)、制御変更処理を終了する。
他方、第2停止後でないと判別した場合には、メインCPU31は、ランダム用ラインマスク変更有効ビットをオンにし(ステップS165)、ラインマスク選択データとして「00」をセットして(ステップS166)、第1停止が中ストップボタンであるか判別する(ステップS167)。この結果、第1停止が中ストップボタンである場合には、メインCPU31は、ステップS169の処理を行い、第1停止が中ストップボタンでない場合には、ラインマスクデータ選択データを「01」に更新し(ステップS168)、ステップS169の処理を行う。ステップS169では、メインCPU31は、各ラインマスクデータ格納領域にラインマスクデータを格納し、制御変更処理を終了する。
[入賞検索処理]
図53を参照して、リール3L、3C、3Rの停止後に有効ラインに沿って表示された図柄組合せと図柄組合せテーブルとを照合し、表示役を決定するとともに、メダルの払出枚数の決定を行う優先引込制御処理について説明する。
初めに、メインCPU31は、図柄組合せテーブルにより規定される図柄の組合せと、図柄格納領域に格納されている3つの図柄コードと比較する(ステップS171)。続いて、メインCPU31は、入賞作動フラグと、指定された表示役予想格納領域との論理和を当該表示役予想格納領域に格納する(ステップS172)。
続いて、メインCPU31は、払出枚数を取得し、払出枚数カウンタに加算し(ステップS173)、左リール3L以外のリールを第1停止したか否かを判別する(ステップS174)。この結果、左リール3L以外のリールを第1停止していないと判別した場合には、メインCPU31は、入賞検索処理を終了する。また、左リール3L以外のリールを第1停止したと判別した場合には、メインCPU31は、RT1遊技状態か否かを判別する(ステップS175)。この結果、RT1遊技状態でないと判別した場合には、メインCPU31は、入賞検索処理を終了する。
また、RT1遊技状態であると判別した場合には、メインCPU31は、ペナルティカウントフラグをオンにし、ペナルティゲーム数に「10」をセットする(ステップS176)。そして、メインCPU31は、ペナルティゲーム数を「1」減算し(ステップS177)、ペナルティゲーム数が「0」ならペナルティカウントフラグをオフに更新し(ステップS178)、入賞検索処理を終了する。
[表示コマンド送信処理]
図54を参照して、当たり信号を、外部集中端子板80を介してホールコンピュータ400に送信する優先引込制御処理について説明する。
最初に、メインCPU31は、BBリプまたはRBリプが表示されたか否かを判別する(ステップS181)。この結果、BBリプまたはRBリプが表示されたと判別された場合には、ステップS182の処理を行い、BBリプまたはRBリプが表示されなかったと判別された場合には、ステップS184の処理を行う。
ステップS182では、メインCPU31は、ペナルティカウントフラグがオンであるか否かを判別する。この結果、ペナルティカウントフラグがオンであると判別した場合には、メインCPU31は、BBリプに当籤し、且つ、BBリプに対応する図柄の組合せが表示されたら当たり信号2を、外部集中端子板80を介してホールコンピュータ400に送信し、また、RBリプに当籤し、且つ、RBリプに対応する図柄の組合せが表示されたら当たり信号4を、外部集中端子板80を介してホールコンピュータ400に送信し(ステップS183)、表示コマンド送信処理を終了する。他方、ペナルティカウントフラグがオンでないと判別した場合には、メインCPU31は、ステップS184の処理を行う。
ステップS184では、メインCPU31は、BBリプに当籤し、且つ、BBリプに対応する図柄の組合せが表示されたら当たり信号1を、外部集中端子板80を介してホールコンピュータ400に送信し、また、RBリプに当籤し、且つ、RBリプに対応する図柄の組合せが表示されたら当たり信号3を、外部集中端子板80を介してホールコンピュータ400に送信し、その後、表示コマンド送信処理を終了する。
[RT制御処理]
図55を参照して、RT遊技状態を更新する処理を示すRT制御処理について説明する。図55に示すように、最初に、メインCPU31は、こぼし目、又は、クロスアップリプが表示されたか否かを判別する(ステップS191)。この結果、こぼし目、又は、クロスアップリプが表示されたと判別した場合には、メインCPU31は、遊技状態をRT1遊技状態に更新し(ステップS192)、RT制御処理を終了する。他方、こぼし目、又は、クロスアップリプが表示されなかったと判別した場合には、メインCPU31は、ステップS193の処理を行う。
ステップS193では、メインCPU31は、RT2リプが表示されたか否かを判別する。この結果、RT2リプが表示されたと判別した場合には、メインCPU31は、遊技状態をRT2遊技状態に更新する(ステップS194)。他方、RT2リプが表示されなかったと判別した場合には、メインCPU31は、ステップS195の処理を行う。なお、RT2リプは、BBリプの図柄組合せが表示されなかった場合に、表示される。
ステップS195では、メインCPU31は、RT3リプが表示されたか否かを判別する。この結果、RT3リプが表示されたと判別した場合には、メインCPU31は、遊技状態をRT3遊技状態に更新する(ステップS196)。他方、RT3リプが表示されなかったと判別した場合には、メインCPU31は、ステップS197の処理を行う。なお、RT3リプは、RBリプの図柄組合せが表示されなかった場合に、表示される。
ステップS197では、メインCPU31は、RT4リプが表示されたか否かを判別する。この結果、RT4リプが表示されたと判別した場合には、メインCPU31は、遊技状態をRT4遊技状態に更新する(ステップS198)。他方、RT4リプが表示されなかったと判別した場合には、メインCPU31は、ステップS199の処理を行う。なお、BBリプ、RBリプの図柄の組合せが表示された場合もRT4遊技状態(ART)へ移行する。
ステップS199では、メインCPU31は、下段リプが表示されたか否かを判別する。この結果、下段リプが表示されたと判別した場合には、メインCPU31は、遊技状態をRT5遊技状態(CZ遊技状態)に更新する(ステップS200)。他方、下段リプが表示されなかったと判別した場合には、メインCPU31は、ステップS201の処理を行う。
ステップS201では、メインCPU31は、RT6リプが表示されたか否かを判別する。この結果、RT6リプが表示されたと判別した場合には、メインCPU31は、遊技状態をRT6遊技状態に更新する(ステップS202)。他方、RT6リプが表示されなかったと判別した場合には、メインCPU31は、ステップS203の処理を行う。
ステップS203では、メインCPU31は、RT7リプが表示されたか否かを判別する。この結果、RT7リプが表示されたと判別した場合には、メインCPU31は、遊技状態をRT7遊技状態に更新する(ステップS204)。他方、RT7リプが表示されなかったと判別した場合には、メインCPU31は、ステップS205の処理を行う。
ステップS205では、メインCPU31は、RT8リプが表示されたか否かを判別する。この結果、RT8リプが表示されたと判別した場合には、メインCPU31は、遊技状態をRT8遊技状態に更新し(ステップS206)、RT制御処理を終了する。他方、RT8リプが表示されなかったと判別した場合には、メインCPU31は、RT制御処理を終了する。
[メインCPUの制御による割込処理(1.1172msec)]
図56を参照して、メインCPU31が所定の時間(例えば、1.1172ms)毎に実行する割込の処理の手順を示したメインCPU31の制御による割込処理について説明する。
初めに、メインCPU31は、レジスタの退避を行う(ステップS211)。続いて、メインCPU31は、入力ポートチェック処理を行う(ステップS212)。この処理では、メインCPU31は、マイクロコンピュータ30へ送信される信号の有無を確認する。例えば、メインCPU31は、スタートスイッチ6S、ストップスイッチ7S等のオンエッジ、オフエッジを割込処理毎に格納する。また、メインCPU31は、各種スイッチのオンエッジ、オフエッジの情報を含む入力状態コマンドをメインRAM33の通信データ格納領域に格納する。格納された入力状態コマンドは、後述する割込処理の通信データ送信処理においてサブ制御基板72に送信される。これにより、スタートレバー6やストップボタン7L、7C、7Rといった操作手段を用いて各種演出を実行することができる。
続いて、メインCPU31は、タイマ更新処理を行う(ステップS213)。次に、メインCPU31は、コマンドデータ送信処理を行う(ステップS214)。この処理では、通信データ格納領域に格納されたコマンドをサブ制御基板72へ送信する。本実施例では、メインCPU31は、ロック演出の開始時、及び、リールのアクションが開始されるごとに、サブ制御基板72に対して、リールが動作するタイミングとリールの動作内容に関する情報を含むコマンドを送信する。
続いて、メインCPU31は、リール制御処理を行う(ステップS215)。例えば、メインCPU31は、リール3L、3C、3Rの回転を制御する。より詳細には、メインCPU31は、リール3L、3C、3Rの回転を開始する旨の要求、すなわち、開始操作に応じて、リール3L、3C、3Rの回転を開始するとともに、一定の速度でリール3L、3C、3Rが回転するように制御を行う。また、停止操作に応じて、停止操作に対応するリール3L、3C、3Rの回転が停止するように制御を行う。
続いて、メインCPU31は、ランプ・7SEG駆動処理を行う(ステップS216)。例えば、メインCPU31は、クレジットされているメダルの数、払出枚数等を各種表示部に表示する。続いて、メインCPU31は、レジスタの復帰を行い(ステップS217)、定期的に発生する割込の処理を終了する。
[サブ制御基板のサブCPUによって実行されるプログラムフロー]
次に、図57〜図67を参照して、サブ制御基板72により実行されるプログラムの内容について説明する。
初めに、サブCPU81は、初期化処理を行い(ステップS301)、ステップS302に移る。この処理では、サブCPU81は、サブRAM83等のエラーチェック、タスクシステムの初期化を行う。タスクシステムは、タイマ割込同期のタスクグループであるランプ制御タスク、サウンド制御タスク、及びVSYNC(Vertical Synchronization)割込同期のタスクグループであるマザータスクを含んで構成される。
ステップS302では、演出制御タスクを起動し、ステップS303に移る。演出制御タスクについては、後に図58を参照して説明するが、サブCPU81に対して2ms毎に送信されるタイマ割込イベントメッセージをサブCPU81が受け取るのを待ち、このタイマ割込イベントメッセージをサブCPU81が受け取ったことに応じて、サブCPU81は、各種ランプの点灯状態を制御する処理や、スピーカ9L、9Rからの出音状態を制御する処理を行う。
ステップS303では、主基板通信タスクを起動し、処理を打ち切る。主基板通信タスクについては、後に図59を参照して説明するが、VSYNC(垂直同期信号)割込同期のタスクグループであり、液晶表示装置5で1フレームの映像が表示されたときに液晶表示装置5から送られる垂直同期信号(VSYNC割込信号)を用いる。
[演出制御タスク]
図58を参照して、演出制御タスクについて説明する。初めに、サブCPU81は、制御用データが更新されたか判別する(ステップS311)。この結果、サブCPU81は、制御用データが更新された場合には、制御用データ出力処理を行い(ステップS312)、ステップS311に移り、制御用データが更新されなかった場合には、そのままステップS311に戻る。
[主基板通信タスク]
図59を参照して、サブCPU81により行われる主基板通信タスクについて説明する。初めに、サブCPU81は、通信メッセンジャーキューの初期化を行い(ステップS321)、ステップS322に移る。ステップS322では、コマンド受信のチェックを行い、ステップS323に移る。ステップS323では、前回とは異なるコマンドを受信したか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS324に移り、NOのときは、ステップS322に移る。
ステップS324では、受信したコマンドのパラメータから内部当籤役、遊技状態、設定値、RTゲーム数カウンタの値等の遊技情報を作成、格納し、ステップS325に移る。ステップS325では、後に図60を参照して説明するコマンド解析処理を行い、ステップS322に移る。
[コマンド解析処理]
図60を参照して、サブCPU81により行われるコマンド解析処理について説明する。初めに、サブCPU81は、初期化コマンド受信時であるか否かを判別する(ステップS331)。初期化コマンド受信時である場合には、サブCPU81は、初期化コマンド受信時処理を行い(ステップS332)、コマンド解析処理を終了する。なお、この処理では、例えば、設定値の情報を取得する。また、初期状態で滞在する演出ステージの種別等を決定する。
他方、初期化コマンド受信時でない場合には、サブCPU81は、続いて、メダル投入コマンド受信時であるか否かを判別する(ステップS333)。メダル投入コマンド受信時である場合には、サブCPU81は、メダル投入コマンド受信時処理を行い(ステップS334)、コマンド解析処理を終了する。なお、この処理では、例えば、メダル投入の有無、投入枚数カウンタやクレジットカウンタの値の情報を取得する。
他方、メダル投入コマンド受信時でない場合には、サブCPU81は、続いて、スタートコマンド受信時であるか否かを判別する(ステップS335)。スタートコマンド受信時である場合には、サブCPU81は、後で図61を参照して説明するスタートコマンド受信時処理を行い(ステップS336)、コマンド解析処理を終了する。
他方、スタートコマンド受信時でない場合には、サブCPU81は、続いて、リール回転開始コマンド受信時であるか否かを判別する(ステップS337)。リール回転開始コマンド受信時である場合には、サブCPU81は、リール回転開始コマンド受信時処理を行い(ステップS338)、コマンド解析処理を終了する。なお、この処理では、例えば、リール3L、3C、3Rの回転に伴う演出を行う。
他方、リール回転開始コマンド受信時でない場合には、サブCPU81は、続いて、リール停止コマンド受信時であるか否かを判別する(ステップS339)。リール停止コマンド受信時である場合には、サブCPU81は、リール停止コマンド受信時処理を行い(ステップS340)、コマンド解析処理を終了する。なお、この処理では、例えば、停止操作に応じた演出を行う。
他方、リール停止コマンド受信時でない場合には、サブCPU81は、続いて、表示コマンド受信時であるか否かを判別する(ステップS341)。表示コマンド受信時である場合には、サブCPU81は、図67を参照して説明する表示コマンド受信時処理を行い(ステップS342)、コマンド解析処理を終了する。なお、この処理では、例えば、表示役や払い出し枚数の情報を取得する。
他方、表示コマンド受信時でない場合には、サブCPU81は、続いて、入力状態コマンド受信時であるか否かを判別する(ステップS343)。入力状態コマンド受信時である場合には、サブCPU81は、入力状態コマンド受信時処理を行い(ステップS344)、コマンド解析処理を終了する。なお、この処理では、例えば、遊技者に操作されたスタートレバー6やストップボタン7L、7C、7Rの種別を取得する。他方、入力状態コマンド受信時でない場合には、サブCPU81は、コマンド解析処理を終了する。
[スタートコマンド受信時処理]
図61を参照して、サブCPU81により行われるスタートコマンド受信時処理について説明する。初めに、サブCPU81は、遊技状態情報を取得する(ステップS351)。そして、サブCPU81は、遊技状態情報に基づいて、現在の遊技状態がRT4遊技状態であるか否かを判別する(ステップS352)。この結果、現在の遊技状態がRT4遊技状態であると判別した場合には、サブCPU81は、後に図62を用いて詳述するART処理を行って(ステップS353)、スタートコマンド受信時処理を終了する。
また、現在の遊技状態がRT4遊技状態でないと判別した場合には、サブCPU81は、現在の遊技状態がRT5遊技状態であるか否かを判別する(ステップS354)。この結果、現在の遊技状態がRT5遊技状態であると判別した場合には、サブCPU81は、後に図63を用いて詳述するART処理を行って(ステップS355)、スタートコマンド受信時処理を終了する。他方、現在の遊技状態がRT4遊技状態でないと判別した場合には、サブCPU81は、後に図64を用いて詳述する一般中処理を行う(ステップS356)。つまり、ART処理またはCZ処理でない場合には、一般中処理となる。
そして、サブCPU81は、ペナルティーフラグがONであるか否かを判別する(ステップS357)。この結果、サブCPU81は、ペナルティーフラグがONである場合には、ペナルティーゲーム数を減算し、ゲーム数が「0」ならペナルティーフラグをOFFにして(ステップS367)、スタートコマンド受信時処理を終了する。他方、サブCPU81は、ペナルティーフラグがONでない場合には、天井カウンタを「1」減算し(ステップS358)、天井カウンタが「0」であるか否かを判別する(ステップS359)。
この結果、サブCPU81は、天井カウンタが「0」である場合には、天井状態をセットし(ステップS360)、ステップS361の処理を行う。天井状態の場合は、CZ管理モード2が付与される。また、サブCPU81は、天井カウンタが「0」でない場合には、ステップS361の処理を行う。
ステップS361では、サブCPU81は、RT8移行リプに当籤したか否かを判別する。この結果、サブCPU81は、RT8移行リプに当籤した場合には、CZ管理モード1をセットし(ステップS362)、スタートコマンド受信時処理を終了する。他方、サブCPU81は、RT8移行リプに当籤しなかった場合には、RT6移行リプに当籤したか否かを判別する(ステップS363)。
この結果、サブCPU81は、RT6移行リプに当籤しなかった場合には、ペナルティーゲーム数を減算し、ゲーム数が「0」ならペナルティーフラグをOFFにして(ステップS367)、スタートコマンド受信時処理を終了する。他方、サブCPU81は、RT6移行リプに当籤した場合には、RT6移行時ナビ抽籤を行い(ステップS364)、ナビ当籤か否かを判別する(ステップS365)。
この結果、サブCPU81は、ナビ当籤でない場合には、ペナルティーゲーム数を減算し、ゲーム数が「0」ならペナルティーフラグをOFFにして(ステップS367)、スタートコマンド受信時処理を終了する。他方、サブCPU81は、ナビ当籤である場合には、遊技状態を維持するナビを行うART待ち状態をセットし(ステップS366)、ペナルティーゲーム数を減算し、ゲーム数が「0」ならペナルティーフラグをOFFにして(ステップS367)、スタートコマンド受信時処理を終了する。
[ART処理]
図62を参照して、RT4遊技状態である際に行われるART処理について説明する。初めに、サブCPU81は、ARTフラグがセットされているか否かを判別する(ステップS371)。この結果、サブCPU81は、ARTフラグがセットされている場合には、ステップS385の処理を行い、ARTフラグがセットされていない場合には、ステップS372の処理を行う。
ステップS372では、サブCPU81は、ベルのこぼし目が出現しないように押し順をナビし、押し順リプ当籤時はRT5へ移行する押し順をナビする。そして、サブCPU81は、ペナルティーフラグがONであるか否かを判別する(ステップS373)。この結果、サブCPU81は、ペナルティーフラグがONである場合には、ART処理を終了する。また、ペナルティーフラグがONでない場合には、天井カウンタを減算し(ステップS374)、RT4中CZ保障ゲーム数上乗せ抽籤を行い(ステップS375)、当籤ならCZ保障ゲーム数に加算して(ステップS376)、ART処理を終了する。
ステップS385では、サブCPU81は、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4のいずれかに内部当籤したか否かを判別する。この結果、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4のいずれかに内部当籤した場合には、ステップS386の処理を行い、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4のいずれかに内部当籤なかった場合には、ステップS377の処理を行う。
ステップS386では、サブCPU81は、「出玉率」に応じて決定されたナビ率(後述する図67のステップS458〜S463参照)に基づいて、ART中のナビを行うか否かを抽籤するナビ抽籤を行う。具体的には、サブCPU81は、後述する図67のステップS459において直近400ゲーム分の出玉率に対応するナビ率が決定された場合には、該ナビ率に応じて、ART中に内部当籤した3択ベルの押し順ナビを行うか否かの抽籤を行う。また、同じく、サブCPU81は、後述する図67のステップS461において直近6000ゲーム分の出玉率に対応するナビ率が決定された場合には、該ナビ率に応じて、ART中に内部当籤した3択ベルの押し順ナビを行うか否かの抽籤を行い、後述する図67のステップS463において直近17500ゲーム分の出玉率に対応するナビ率が決定された場合には、該ナビ率に応じて、ART中に内部当籤した3択ベルの押し順ナビを行うか否かの抽籤を行う。
この抽籤の結果、サブCPU81は、全ての抽籤において、ナビに当籤したか否かの判別を行う(ステップS387)。そして、サブCPU81は、全ての抽籤結果において、ナビに当籤したと判別した場合には、ステップS377の処理を行い、全ての抽籤結果のうちいずれか一つの抽籤結果でも、ナビに非当籤だったと判別した場合には、押し順ナビを行わずに、ステップS378の処理を行う。例えば、サブCPU81は、直近400ゲーム分の出玉率に対応するナビ率に応じて、ART中に内部当籤した3択ベルの押し順ナビを行う抽籤処理と、直近6000ゲーム分の出玉率に対応するナビ率に応じて、ART中に内部当籤した3択ベルの押し順ナビを行う抽籤処理とを行った際に、両方の抽籤処理においてナビに当籤した場合には、ステップS377の処理を行い、いずれかの抽籤処理において非当籤があった場合には、ステップS378の処理を行う。このように、各ゲーム数(400、6000、17500)におけるナビ抽籤結果のうち、いずれか一つの抽籤結果であっても、ナビに非当籤だったと判別した場合には、押し順ナビを行わないので、全てのゲーム間(400ゲーム間、6000ゲーム間、および17500ゲーム間)において、出玉率が高くなり過ぎないように制御することが可能である。
ステップS377では、サブCPU81は、ベル、リプ全てRT4を維持するための押し順をナビする。そして、サブCPU81は、ペナルティーフラグがONであるか否かを判別する(ステップS378)。この結果、サブCPU81は、ペナルティーフラグがONでない場合には、CZ管理モード移行抽籤を行い(ステップS379)、当籤ならCZ管理モードにモード2をセットし(ステップS380)、ステップS381の処理を行う。他方、サブCPU81は、ペナルティーフラグがONである場合には、ステップS381の処理を行う。
ステップS381では、サブCPU81は、ARTゲーム数カウンタを減算する。そして、サブCPU81は、ARTゲーム数カウンタが「0」であるか否かを判別する(ステップS382)。この結果、サブCPU81は、ARTゲーム数カウンタが「0」である場合には、ARTフラグをクリアし(ステップS383)、天井カウンタをセットし(ステップS384)、ART処理を終了する。他方、サブCPU81は、ARTゲーム数カウンタが「0」でない場合には、ART処理を終了する。
[CZ処理]
図63を参照して、RT5遊技状態である際に行われるCZ処理について説明する。初めに、サブCPU81は、ARTフラグがセットされているか否かを判別する(ステップS391)。この結果、サブCPU81は、ARTフラグがセットされている場合には、ARTゲーム数カウンタを減算し(ステップS392)、BBリプ中・右、又は、RBリプ中・右が当籤したか否かを判別する(ステップS393)。この結果、サブCPU81は、BBリプ中・右、又は、RBリプ中・右が当籤しなかった場合は、CZ処理を終了し、また、BBリプ中・右、又は、RBリプ中・右が当籤した場合には、RT4移行リプ(RT4リプ1〜4)の押し順をナビし(ステップS394)、CZ処理を終了する。つまり、本実施例のパチスロ1では、ART中にナビと異なる停止操作を行って、CZ移行リプが表示されてCZに転落した場合には、RT4移行リプの押し順をナビして、ART4に復帰させる。
また、サブCPU81は、ARTフラグがセットされていない場合には、保障ゲーム数ありか否かを判別する(ステップS395)。この結果、サブCPU81は、保証ゲーム数ありの場合には、ベル、リプ全てRT5を維持するための押し順をナビし(ステップS397)、ステップS398の処理を行う。また、サブCPU81は、保障ゲーム数なしの場合には、ベルのこぼし目が出現しないように押し順をナビし(ステップS396)、ステップS398の処理を行う。
ステップS398では、サブCPU81は、CZ保障ゲーム数を減算する。そして、サブCPU81は、RT8移行リプに当籤か否かを判別する(ステップS399)。この結果、サブCPU81は、RT8移行リプに当籤した場合には、ART待ち状態をセットし(ステップS400)、ステップS401の処理を行う。他方、サブCPU81は、RT8移行リプに当籤しなかった場合には、ステップS401の処理を行う。
ステップS401では、サブCPU81は、ペナルティーフラグがONであるか否かを判別する。この結果、サブCPU81は、ペナルティーフラグがONである場合には、ステップS405の処理を行う。他方、サブCPU81は、ペナルティーフラグがONでない場合には、天井カウンタを減算し(ステップS402)、RT4中CZ保障ゲーム数上乗せ抽籤を行い(ステップS403)、当籤ならCZ保障ゲーム数に加算して(ステップS404)、ステップS405の処理を行う。
ステップS405では、サブCPU81は、BBリプに当籤したか否かを判別する。この結果、サブCPU81は、BBリプに当籤した場合には、後に図65を用いて詳述するBB用ARTゲーム数セット処理を行い(ステップS406)、ステップS409の処理を行う。他方、サブCPU81は、BBリプに当籤しなかった場合には、RBリプに当籤したか否かを判別する(ステップS407)。この結果、サブCPU81は、RBリプに当籤した場合には、後に図66を用いて詳述するRB用ARTゲーム数セット処理を行い(ステップS408)、ステップS409の処理を行う。他方、サブCPU81は、RBリプに当籤しなかった場合には、CZ処理を終了する。
ステップS409では、サブCPU81は、CZ保障ゲーム数をクリアする(ステップS409)。そして、サブCPU81は、CZ管理モード2であるか否かを判別する(ステップS410)。この結果、サブCPU81は、CZ管理モード2である場合には、ステップS412の処理を行う。他方、サブCPU81は、CZ管理モード2でない場合には、CZ管理モード1をセットし(ステップS411)、ステップS412の処理を行う。ステップS412では、サブCPU81は、CZゲーム数抽籤を行って、CZ処理を終了する。
[一般中処理]
図64を参照して、ART処理またはCZ処理ではない場合に行われる一般中処理について説明する。初めに、サブCPU81は、BBリプに当籤したか判別する(ステップS421)。この結果、サブCPU81は、BBリプに当籤した場合には、後に図65を用いて詳述するBB用ARTゲーム数セット処理を行い(ステップS422)、ステップS425の処理を行う。他方、サブCPU81は、BBリプに当籤しなかった場合には、RBリプに当籤したか判別する(ステップS423)。RBリプに当籤した場合には、後に図66を用いて詳述するRB用ARTゲーム数セット処理を行い(ステップS424)、ステップS425の処理を行う。
ステップS425では、サブCPU81は、CZ保障ゲーム数をクリアする。そして、サブCPU81は、CZ管理モード0をセットし(ステップS426)、CZ保障ゲーム数抽籤を行って(ステップS427)、一般中処理を終了する。
[BB用ARTゲーム数セット処理]
図65を参照して、BB用ARTゲーム数セット処理について説明する。初めに、サブCPU81は、ペナルティーフラグがONであるか否かを判別する(ステップS431)。この結果、サブCPU81は、ペナルティーフラグがONである場合には、ARTゲーム数カウンタに44ゲームをセットし(ステップS432)、BB用ARTゲーム数セット処理を終了する。
また、サブCPU81は、ペナルティーフラグがONでない場合には、ARTゲーム数カウンタに66ゲームをセットし(ステップS433)、BB用ARTゲーム数セット処理を終了する。
[RB用ARTゲーム数セット処理]
図66を参照して、RB用ARTゲーム数セット処理について説明する。初めに、サブCPU81は、ペナルティーフラグがONであるか否かを判別する(ステップS441)。この結果、サブCPU81は、ペナルティーフラグがONである場合には、ARTゲーム数カウンタに11ゲームをセットし(ステップS442)、RB用ARTゲーム数セット処理を終了する。
また、サブCPU81は、ペナルティーフラグがONでない場合には、ARTゲーム数カウンタに22ゲームをセットし(ステップS443)、RB用ARTゲーム数セット処理を終了する。
[表示コマンド受信時処理]
図67を参照して、表示コマンド受信時処理について説明する。初めに、サブCPU81は、BBリプ、または、RBリプに入賞したか判別する(ステップS451)。この結果、サブCPU81は、BBリプ、または、RBリプに入賞した場合には、ARTフラグをONにして(ステップS452)、ステップS453の処理を行う。また、サブCPU81は、BBリプ、または、RBリプに入賞しなかった場合には、ステップS453の処理を行う。
ステップS453では、サブCPU81は、RT1移行図柄が表示されたか否かを判別する。この結果、サブCPU81は、RT1移行図柄表示が表示された場合には、CZ管理モード0をセットし(ステップS454)、ステップS455の処理を行う。また、サブCPU81は、RT1移行図柄表示が表示されなかった場合には、ステップS455の処理を行う。
ステップS455では、サブCPU81は、ナビなし時の変則押しによりベル・チェリー1〜7に入賞したか否かを判別する。この結果、サブCPU81は、ナビなし時の変則押しによりベル・チェリー1〜7に入賞した場合には、ペナルティーフラグをONにして(ステップS456)、ステップS457の処理を行う。また、サブCPU81は、ナビなし時の変則押しによりベル・チェリー1〜7に入賞しなかった場合には、ステップS457の処理を行う。
ステップS457では、サブCPU81は、出玉率を計算する。具体的には、サブCPU81は、サブRAM83に記憶された400ゲーム間の累積払出数データおよび累積投入数データ、6000ゲーム間の累積払出数データおよび累積投入数データおよび17500ゲーム間の累積払出数データおよび累積投入数データをそれぞれ取得し、各ゲーム間について、累積払出数を累積投入数で除算した値を出玉率としてそれぞれ算出する。
そして、サブCPU81は、直近の400ゲーム分の出玉率が250%以上であるか否かを判別する(ステップS458)。この結果、サブCPU81は、出玉率が250%以上でないと判別した場合には、ステップS460の処理を行う。また、サブCPU81は、出玉率が250%以上であると判別した場合には、出玉率に応じたナビ率を決定する処理を行って(ステップS459)、ステップS460の処理を行う。具体的には、サブCPU81は、出玉率に応じたナビ率を決定する処理として、抽籤テーブル(図27の(1))を参照して、計算した出玉率に対応するナビ率を決定する。例えば、図27の(1)に例示するように、サブCPU81は、出玉率が250%以上であって、且つ、270%未満である場合には、ナビ率を「50%」に決定する。
ステップS460では、サブCPU81は、直近の6000ゲーム分の出玉率が120%以上であるか否かを判別する。この結果、サブCPU81は、出玉率が120%以上でないと判別した場合には、ステップS462の処理を行う。また、サブCPU81は、出玉率が120%以上であると判別した場合には、出玉率に応じたナビ率を決定する処理を行って(ステップS461)、ステップS462の処理を行う。具体的には、サブCPU81は、出玉率に応じたナビ率を決定する処理として、抽籤テーブル(図27の(2))を参照して、計算した出玉率に対応するナビ率を決定する。例えば、図27の(2)に例示するように、サブCPU81は、出玉率が120%以上であって、且つ、130%未満である場合には、ナビ率を「50%」に決定する。
ステップS462では、サブCPU81は、直近の17500ゲーム分の出玉率が115%以上であるか否かを判別する。この結果、サブCPU81は、出玉率が115%以上でないと判別した場合には、表示コマンド受信時処理を終了する。また、サブCPU81は、出玉率が115%以上であると判別した場合には、出玉率に応じたナビ率を決定する処理を行って(ステップS463)、表示コマンド受信時処理を終了する。具体的には、サブCPU81は、出玉率に応じたナビ率を決定する処理として、抽籤テーブル(図27の(3))を参照して、計算した出玉率に対応するナビ率を決定する。例えば、図27の(3)に例示するように、サブCPU81は、出玉率が115%以上であって、且つ、117%未満である場合には、ナビ率を「50%」に決定する。
以上、説明したように、実施例1の遊技機1では、出玉率に応じて、3択ベル(左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4)のナビ率を変化させるので、出玉率を適切に制御することが可能である。また、3択ベル(左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4)に内部当籤した場合であって、且つ、押し順不正解の場合には、通常のハズレ目が表示されるので、遊技者には、内部当籤役に非当籤の「ハズレ」であったのか、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4のいずれかに内部当籤して押し順不正解であったのかが解らない。このため、3択ベル(左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4)のナビ率を制御することにより、遊技者にナビ率が変わったことが気付かれ辛く、容易に出玉率を制御することが可能となる。また、こぼし目が表示され得る中右ベル1、2は出玉率に関係なくナビを行うので、最低限こぼし目に係るベルはナビされるため、こぼし目が表示されてRT1遊技状態に転落することによる遊技者の興趣の低下を防止するとともに、遊技者に3択ベル(左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4)がナビされなくなったことを気付き難くすることが可能である。
また、実施例1の遊技機1では、出玉率が高くなり過ぎないように、出玉率が高くなるほどナビ率が低くなるように制御する。つまり、出玉率が高くなるほど、出玉率を抑える必要があるため、ナビ率を低くして、3択ベル(左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4)が入賞し難くするようにしている。これにより、現在の出玉率に応じて小役のナビ率を制御して抑制することが可能となる。
また、実施例1の遊技機1では、出玉率が遊技の構成を害さない出玉率の上限の指標と近くなった場合には、これ以上出玉率が高くなることを防ぐため、ナビ率を0%にして、3択ベル(左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4)の押し順ナビを報知しないようにする。この結果、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律の所定の試験で定められた出玉率の上限値に極めて近い数値を市場で体感できる遊技機の作成を可能とする。
また、実施例1の遊技機1では、RT1遊技状態において、ボーナス図柄を含む図柄の組合せ「7−7−7」、または、ボーナス図柄を含む図柄の組合せ「7−7−BAR」が表示された場合には、RT4遊技状態に移行させる。そして、RT1遊技状態において、BBリプが内部当籤として決定された場合であって、且つ、「7−7−7」が表示されなかった場合には、BBリプに当籤する確率がRT1遊技状態よりも高いRT2遊技状態に移行させ、RT1遊技状態において、RBリプが内部当籤として決定された場合であって、且つ、「7−7−BAR」が表示されなかった場合には、RBリプに当籤する確率がRT1遊技状態よりも高いRT3遊技状態に移行させる。これにより、ボーナス図柄を有効ライン上に目押しすることが出来ない場合であっても、ARTへ移行するBBリプが当籤する確率が高いRT2遊技状態またはRBリプが当籤する確率が高いRT3遊技状態へ移行するので、擬似的にARTへ移行させる機会を持ち越すことができる結果、遊技者が獲得できるはずの利益を逸失することを防止し、遊技者の興趣を向上させることが可能である。また、RT2遊技状態では、RBリプは一切抽籤されず、BBリプのみが抽籤され、一方、RT3遊技状態では、BBリプは一切抽籤されず、RBリプのみが抽籤される。「7−7−7」と「7−7−BAR」を重複させ、押し順で表示される図柄の組合せを切り替えることも可能であるが、押し順ミス等により、本来はRBリプに対応する恩恵しか受けられないのに、表示される図柄がBBリプに対応する「7−7−7」となってしまうことがなくなる。また、専用の擬似フラグ間遊技状態を有することで、遊技者を惑わせることをなくすことができる。
また、実施例1の遊技機1では、RT4遊技状態が、図柄の組合せ「7−7−7」が表示されたことを契機として移行した場合には、図柄の組合せ「7−7−BAR」が表示されたことを契機として移行した場合よりも、RT4遊技状態が継続する回数が多くなるように制御する。これにより、図柄の組合せ「7−7−7」が表示されたことを移行契機とするか、図柄の組合せ「7−7−BAR」が表示されたことを移行契機とするかに応じて、ARTが継続する回数を変化させるので、遊技性がさらに向上し、遊技者の興趣をより向上させることが可能である。具体的には、サブ制御基板72が、図柄の組合せ「7−7−7」が表示されたことを移行契機とした場合の方が、図柄の組合せ「7−7−BAR」が表示されたことを移行契機とした場合よりも、RT4遊技状態が継続する回数が多くなるように制御する。つまり、サブ制御基板72が、図柄の組合せ「7−7−7」が表示されたことを移行契機とするか、図柄の組合せ「7−7−BAR」が表示されたことを移行契機とするかに応じて、規定回数分のナビを行うことにより、RT4遊技状態の継続回数に差をつける。
また、実施例1の遊技機1では、RT4遊技状態において、下段リプ1〜4(CZ移行リプ)が内部当籤役として決定された場合であって、且つ、報知された停止操作の情報と異なる停止操作が行われる場合に、下段リプ1〜4(CZ移行リプ)に対応する特定の図柄の組合せ(例えば、「ベル1−ブランク1−ベル1」等)が表示され、該特定の図柄の組合せが表示されると、他の遊技状態と比べてRT4遊技状態へ移行しやすいRT5遊技状態に移行するように制御する。例えば、RT4遊技状態中に遊技者による押し順ミス(リプレイの押し順ミス)でRT5に移行してしまった場合に、特定の図柄の組合せ「ベル1−ブランク1−ベル1」が表示され、RT5遊技状態へ移行する。なお、この場合には、RT5遊技状態へ移行してもART中の演出が続いている。そして、RT5遊技状態において、ボーナス図柄(7図柄等)を含まないで構成される再遊技役に対応する図柄の組合せが表示された場合には、RT4遊技状態に移行するように制御する。これにより、RT4遊技状態からRT5遊技状態に転落して、RT4遊技状態に復帰させる場合に、ボーナス図柄(7図柄等)を含まないで構成される再遊技役に対応する図柄の組合せを表示させることで、違和感無くRT4に復帰させることが可能であることから、ボーナス中に、再度ボーナス図柄が表示されてしまうという事象を防止し、遊技機に対する不信感を抱かせないことが可能である。
また、実施例1の遊技機1では、RT2遊技状態(擬似BBフラグ間遊技状態)およびRT3遊技状態(擬似RBフラグ間遊技状態)においては、内部当籤役として、入賞させるための停止操作の情報が報知される中右ベル1及び中右ベル2、または、入賞させるための停止操作の情報が報知されない左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4とが決定され、中右ベル1及び中右ベル2が内部当籤役として決定され、且つ、報知された停止操作の情報と異なる停止操作が行われた場合には、こぼし目が表示され、RT1遊技確率状態に転落する。
つまり、RT2遊技状態(擬似BBフラグ間遊技状態)およびRT3遊技状態(擬似RBフラグ間遊技状態)において、遊技者が敢えてBBリプまたはRBリプの組合せを表示させなくすることで遊技状態(擬似フラグ間RT)を維持させることをできなくするために、中右ベル1及び中右ベル2が内部当籤役として決定され、且つ、報知された停止操作の情報と異なる停止操作が行われた場合には、こぼし目が表示され、RT1遊技確率状態に転落させる。また、こぼし目が表示されることがない3択ベル(左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4)が内部当籤役として決定された場合は、停止操作の情報の報知を行わない。このように、こぼし目が表示される中右ベル1及び中右ベル2のみの報知を行うだけで、簡単に擬似RBフラグ間遊技状態から転落させないようにする。また、こぼし目が表示されるベルと、こぼし目が表示されないベルを設けることで、擬似フラグ間を維持した場合の払出し枚数の期待値を1以下(払出し枚数が増えない)にすることを目的としている。詳しく説明すると、こぼし目が表示されないベル(左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4)は、中右ベル1、2に比べて、高い確率で抽籤される。この高く抽籤されるベルにこぼし目を設けてしまうと、遊技状態を変動させないために、毎ベル当籤時にナビが必要となり、必然的に期待値が上がってしまう。しかし、ナビをせずにこぼし目を表示させてしまうことは遊技者にとって不利益になるどころか、再度BBリプまたはRBリプに当籤しなければならず、遊技者にとって大変酷となる。この問題を解決するために、こぼし目が表示され得るベル役を備えていても、当籤確率を低くしナビを行うことで、払出し枚数の期待値が上がってしまう虞が無いという効果を有する。
また、実施例1の遊技機1では、所定の停止操作順序以外の順序で停止操作が行われた場合であって、且つ、利益が付与された場合に、ARTの継続ゲーム数が変化するような場合であっても、各台表示機900は、当たり信号に応じた遊技回数をカウントして、ARTの終了を判断し、ARTが終了したと判断した場合、すなわち、当たり信号に応じた遊技回数をカウントした場合に、ART終了後の遊技回数の計数を開始するとともに、該遊技回数を表示する。例えば、ARTゲーム数は、通常66ゲームであるが、左リール以外のリールを第一停止させた場合であって、且つ、小役の入賞による払い出しがあった場合には、ペナルティーとして、ARTゲーム数が44ゲームとなるような場合であっても、各台表示機900は、当たり信号に応じた遊技回数をカウントして、ARTの終了を判断し、ARTが終了したと判断した場合、すなわち、当たり信号に応じた遊技回数をカウントした場合に、ART終了後の遊技回数の計数を開始するとともに、該遊技回数を表示する。このため、ARTの終了時点を各台表示機900が適切に把握することができる結果、例えば、遊技者に対して天井ゲーム数までの遊技回数を適切に表示することが可能となる。
また、実施例1の遊技機1では、遊技用装置は、計数された遊技回数が、設定された遊技回数を超えるまで、当たり信号の入力を受け付けない。すなわち、遊技機では、ART中にナビと異なる停止操作を行って、遊技状態が転落した場合には、RT4移行リプの押し順をナビして、ARTに復帰させる。このような場合に、CZ中にRT4移行リプに当籤した場合には、RT4移行リプが当たり信号1〜4に規定されていた場合であっても、ARTの当籤回数を加算しないので、ARTの当籤回数を適切にカウントすることが可能である。
また、実施例1の遊技機1では、ART中にこぼし目の表示により、RT1遊技状態に移行された場合には、当たり信号1〜4を各台表示機900に出力することを中止し、当たり信号1〜4の出力が中止された場合には、当たり信号以外の信号を受け付けて、RT1遊技状態における遊技回数の計数を開始するとともに、該遊技回数を表示する。これにより、ARTの終了時点を各台表示機900が適切に把握することができる。この結果、例えば、遊技者に対して天井までの遊技回数を適切に表示することが可能となる。
また、実施例1の遊技機1では、ART中は、ARTに移行してから所定ゲーム数(例えば、66ゲーム)の間、ARTを維持するための停止操作の情報が報知される第一の期間と、ARTに移行してから所定ゲーム数を経過した後、ARTを維持するための停止操作の情報の報知が中止され、CZへ移行させるための停止操作の情報が報知される第二の期間とがある。ここで、所定ゲーム数を経過して、第一の期間が終了すると、天井ゲーム数のカウントを開始する。このため、天井ゲーム数を適切にカウントすることが可能である。
また、実施例1の遊技機1では、RT4遊技状態中に遊技者による押し順ミス(リプレイの押し順ミス)でRT5遊技状態に移行してしまった場合であっても、ARTからRT5遊技状態に移行させ、ARTに復帰する期待感を遊技者に抱かせることができるため、遊技者の興趣を低下することを防止することが可能である。
また、実施例1の遊技機1では、RT4遊技状態におけるARTゲーム数を消化し、ARTが終了してしまった場合でも、ARTゲーム消化後に下段リプ(CZ移行リプ)が表示されて移行するRT5遊技状態が、ARTに復帰する確率が高い遊技状態であるため、遊技者にARTが連荘する期待感を抱かせることができる。具体的には、RT5遊技状態では、BBリプ中、BBリプ右、RBリプ中、RBリプ右が比較的高い確率で抽籤される。そして、このBBリプ中、BBリプ右に内部当籤し、BBリプに対応する図柄組合せ「7−7−7」が表示された場合、または、RBリプ中、RBリプ右に内部当籤して、RBリプに対応する図柄組合せ「7−7−BAR」が表示された場合、RT4遊技状態(ART)へ移行(復帰)する。このように、RT4遊技状態からRT5遊技状態に移行して、すぐにRT4遊技状態へ移行する可能性があるので、遊技者にARTが連荘する期待感を遊技者に抱かせることができるため、遊技者の興趣を低下することを防止することが可能である。
また、実施例1の遊技機1では、RT2遊技状態において、RBリプは一切抽籤されず、BBリプのみが抽籤され、RT3遊技状態において、BBリプは一切抽籤されず、RBリプのみが抽籤される。仮に、BBリプもRBリプも混在するRT遊技状態であれば、本来RBリプ当籤が付与され得るはずなのに、BBリプに対応する図柄の組合せが表示されてしまう虞があり、BBリプを表示させない手段を他に設定する必要がある。表示させない手段としては、押し順を用いることで実現させることが考えられる。例えば、本来RBリプ当籤が付与され得るはずなのにBBリプが当籤した場合には、押し順でBBリプの図柄を構成する図柄の組合せを表示させないようにする。他には、BBとRBの図柄に係るリプレイが完全に重複すれば、押し順で表示される図柄の組合せを変えることが可能である。しかし、押し順を用いて表示される図柄の組合せを変える場合には、図柄の位置を目押しするわけではなく、押し順に従うだけでBBリプに係る図柄を引き込めるようにするので、全てのリールにおいて、4駒範囲内に「7」図柄等が配置されていなければならず、リールの図柄配置に制限がかかってしまい、自由な図柄配置が困難となる。これに対して、実施例1の遊技機1では、BBリプのみを抽籤する遊技状態(RT2遊技状態)とRBのみを抽籤する遊技状態(RT3遊技状態)とをそれぞれ設けているため、4駒範囲内に「7」図柄等が配置させる必要がなく、リールの図柄配置に制限がかからない結果、自由な図柄配置を行うことが可能となる。
以上、実施例について説明したが、本発明はこれに限られるものではない。
例えば、上記の実施例では、ARTに移行すると、所定ゲーム数の間ARTが維持され、ART中に下段リプ(CZ移行リプ)が表示されると、ARTが終了するように制御する場合を説明した。具体的には、ARTに移行してから所定ゲーム数(例えば、66ゲーム)の間、ARTを維持するための停止操作の情報が報知され、ARTに移行してから所定ゲーム数を経過した後、ARTを維持するための停止操作の情報の報知が中止され、CZへ移行させるための停止操作の情報が報知される例を説明した。
しかし、ARTの制御は、これに限定されるものではなく、例えば、ARTをセット数で管理してもよい。つまり、所定のゲーム数に亘って維持されるARTを1セットとして管理し、複数セットのARTに当籤した場合には、当籤したセット数分だけARTに移行する制御が行われる。また、ARTのゲーム数が無制限であってもよい。つまり、所定の終了条件を満たすまで、ARTが無制限が続行されるようにしてもよい。
また、上記の実施例において、直近の所定ゲーム数分の出玉率とナビ率とが対応付けて記憶する抽籤テーブルについて図27の例を用いて説明したが、図27の例に限定されるものではなく、抽籤テーブルに規定された出玉率やナビ率の値は適宜変更してもよい。例えば、短時間(400ゲーム分)の出玉率に対応するナビ率よりも、中時間(6000ゲーム分)、長時間(17500ゲーム分)の出玉率に対応するナビ率の方が高くなるように抽籤テーブルを規定してもよい。
ここで、図68の例を用いて、出玉率に応じてナビ率を決定するための抽籤テーブルについて説明する。図68の(1)に例示する直近400ゲーム分の抽籤テーブルと、図68の(2)に例示する直近6000ゲーム分の抽籤テーブルと、図68の(3)に例示する直近17500ゲーム分の抽籤テーブルとが設けられている。具体的には、図68の(1)に示すように、直近400ゲーム分の抽籤テーブルには、出玉率「250%〜270%」とナビ率「50%」とが対応付けて記憶されており、出玉率「270%〜290%」とナビ率「30%」とが対応付けて記憶されており、出玉率「290%〜」とナビ率「0%」とが対応付けて記憶されている。
これに対して、図68の(2)に示すように、直近6000ゲーム分の抽籤テーブルでは、出玉率「120%〜130%」とナビ率「60%」とが対応付けて記憶されており、出玉率「130%〜140%」とナビ率「40%」とが対応付けて記憶されており、出玉率「140%〜」とナビ率「0%」とが対応付けて記憶されている。このように、直近6000ゲーム分の抽籤テーブルでは、出玉率「120%〜130%」に対応するナビ率として「60%」、出玉率「130%〜140%」に対応するナビ率として「40%」が規定されており、直近400ゲーム分の抽籤テーブルに規定されるナビ率「50%」、「30%」に比べて、ナビ率が高く規定されている。
さらに、図68の(3)に示すように、直近17500ゲーム分の抽籤テーブルでは、出玉率「115%〜117%」とナビ率「70%」とが対応付けて記憶されており、出玉率「117%〜119%」とナビ率「50%」とが対応付けて記憶されており、出玉率「119%〜」とナビ率「0%」とが対応付けて記憶されている。このように、直近17500ゲーム分の抽籤テーブルでは、出玉率「115%〜117%」に対応するナビ率として「70%」、出玉率「117%〜119%」に対応するナビ率として「50%」が規定されており、直近400ゲーム分の抽籤テーブルや直近6000ゲーム分の抽籤テーブルに規定されるナビ率に比べて、ナビ率がさらに高く規定されている。
つまり、出玉率を算出するために参照されるゲーム数が多いほど、出玉率の変動が緩やかであるため、短時間の出玉率に対応するナビ率よりも、中時間、長時間の出玉率に対応するナビ率の方が高くなるように抽籤テーブルを規定したとしても、出玉率が急激に上昇し出玉率が高くなり過ぎる心配が少ない。さらに、中時間、長時間の出玉率に対応するナビ率を高くすることで、遊技者にとって有利な遊技を維持しつつ、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律の所定の試験で定められた出玉率の上限値により近い数値を市場で体感できる遊技機の作成を可能とする。
また、上記の実施例では、リール3L、3C、3Rの3つのリールを用いたパチスロ1を例にとって説明したが、リールの数は3つに限られるものではない。例えば、2つ又は4つ以上のリールを用いることとしてもよい。また、リールの数の増減に伴い、択ベル等の択数を変化させることとしてもよい。なお、択数に関しては、リールの数の増減だけでなく、リールの数と図柄の組合せにより変化させることとしてもよい。
上記の実施例では、RT遊技状態として、RT0遊技状態〜RT8遊技状態の9つの遊技状態を設けている場合を説明したが、これに限られるものではない。例えば、遊技状態が10つ以上あってもよいし、8つ以下であってもよい。
さらに、実施例のようなパチスロ1の他、他の遊技機にも本発明を適用できる。さらに、上述のパチスロ1での動作を家庭用ゲーム機用として疑似的に実行するようなゲームプログラムにおいても、本発明を適用してゲームを実行することができる。その場合、ゲームプログラムを記録する記録媒体は、CD−ROM、FD(フレキシブルディスク)、その他任意の記録媒体を利用できる。
また、本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、複数の図柄がそれぞれの周面に配された複数のリールと、各リールの周面に配された複数の図柄の一部を表示する複数の図柄表示領域とを有する図柄表示手段(例えば、リール3L、3C、3R、表示窓21L、21C、21R)と、所定の開始条件が充足されたことに基づいて、前記複数のリールを回転させることにより、前記複数の図柄表示領域に表示されている各図柄を変動させる図柄変動手段(例えば、主基板71)と、複数の遊技状態に対応してそれぞれ設けられた内部抽籤テーブルと、現在の遊技状態およびメダルの投入枚数に対応する内部抽籤テーブルを参照して、複数の役の中から内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段(例えば、主基板71)と、前記複数の図柄表示領域のそれぞれに対応して設けられ、遊技者の停止操作を受け付ける複数の停止操作手段(例えば、ストップボタン7L、7C、7R)と、遊技者により前記停止操作手段が操作されることに応じて、操作された前記停止操作手段に対応するリールの停止を指令する停止指令信号を出力する停止指令手段(例えば、ストップスイッチ7S)と、前記停止指令信号が出力されたことに応じて、前記リールの回転を停止させるリール停止制御手段(例えば、主基板71)と、前記リール停止制御手段により全てのリールが停止されたときに、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役に係る図柄の組合せが入賞ライン上に表示されたか否か判定する入賞判定手段(例えば、主基板71)と、前記入賞判定手段により判定された内部当籤役に係る図柄の組合せに応じて利益を付与する利益付与手段(例えば、主基板71)と、所定の条件を満たした場合に、前記内部当籤役決定手段によって決定された内部当籤役に係る図柄の組合せを表示させるための停止操作手順を含む停止操作の情報を報知する報知手段(例えば、サブ制御基板72)と、を備え、前記内部当籤役として、予め定義された停止操作が行われると入賞し、入賞した場合にそれぞれ遊技媒体の払い出しが行われる第一の小役(例えば、中右ベル1、2)および第二の小役(例えば、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4)が規定され、一定期間内における遊技媒体の総投入数および遊技媒体の総払出し数を用いて、出玉率を計算する計算手段(例えば、サブ制御基板72)と、前記計算手段によって計算された出玉率に応じて、前記第二の小役を入賞させるための停止操作の情報を報知するか否かの確率である報知確率(例えば、ナビ率)を決定する報知確率決定手段(例えば、サブ制御基板72)と、をさらに備え、前記報知手段は、前記第一の小役が内部当籤役として決定された場合、前記報知確率決定手段により決定した報知確率とは関係なく前記第一の小役の報知を行い、前記第二の小役が内部当籤役として決定された場合には、該第二の小役について前記報知確率決定手段により決定した報知確率で報知を行うことを特徴とする。
また、本発明では、遊技状態として、通常遊技状態と、再遊技の作動に係る再遊技役の当籤確率が前記通常遊技状態よりも高い遊技状態であって、前記報知手段によって前記停止操作の情報が報知される遊技状態である特別遊技状態と、を少なくとも有し、前記一定期間として、期間の長さが異なる複数の期間があり、前記計算手段は、前記複数の期間の各々における出玉率を計算し、前記報知確率決定手段は、前記各期間毎に前記計算手段によって計算された前記出玉率に応じて前記報知確率をそれぞれ決定し、前記報知確率は、前記一定期間としての各期間が長くなるに従い高くなるように規定され、前記報知手段は、前記特別遊技状態において、前記第一の小役が内部当籤役として決定された場合、前記報知確率決定手段により決定した報知確率とは関係なく前記第一の小役の報知を行い、前記第二の小役が内部当籤役として決定された場合には、前記各期間毎に行う前記報知確率に基づく報知抽籤の結果が全て当籤であることを条件に、前記第二の小役の報知を行うことを特徴とする。
また、本発明では、前記報知確率決定手段は、前記計算手段によって計算された出玉率が高いほど、前記第二の小役を入賞させるための停止操作の情報を報知する確率が低い報知確率を決定することを特徴とする。
また、本発明では、前記報知確率決定手段は、前記計算手段によって計算された出玉率が所定の値(例えば、290%)より高い場合には、前記第二の小役を入賞させるための停止操作の情報を報知する確率が0である報知確率を決定することを特徴とする。
また、本発明では、前記計算手段は、前記一定期間として期間の長さが異なる複数の期間(例えば、400ゲーム間、6000ゲーム間、17500ゲーム間)があって、該複数の期間における遊技媒体の総投入数および遊技媒体の総払出し数をそれぞれ用いて、各期間内における出玉率をそれぞれ計算し、前記報知確率決定手段は、前記計算手段によって計算された各期間内における出玉率に応じて、該第二の小役を入賞させるための停止操作の情報を報知するか否かの確率である報知確率をそれぞれ決定し、前記報知判定手段は、前記特別遊技状態において、前記第二の小役が内部当籤役として決定された場合には、前記報知確率決定手段によって決定された各期間に対応する報知確率に基づいて、前記第二の小役を入賞させるための停止操作の情報を報知するか否かをそれぞれ抽籤し、全ての期間の抽籤結果が前記第二の小役を入賞させるための停止操作の情報を報知する旨の抽籤結果であった場合には、前記第二の小役を入賞させるための停止操作の情報を報知すると判定し、いずれか一つの期間の抽籤結果であっても前記第二の小役を入賞させるための停止操作の情報を報知しない旨の抽籤結果であった場合には、前記第二の小役を入賞させるための停止操作の情報を報知しないと判定することを特徴とする。
本発明によれば、出玉率に応じて、第二の小役(3択ベル(左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4))のナビ率を変化させるので、出玉率を適切に制御することが可能である。また、3択ベル(左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4)に内部当籤した場合であって、且つ、押し順不正解の場合には、内部当籤役に非当籤の場合に表示される通常のハズレ目が表示されるので、遊技者には、内部当籤役に非当籤の「ハズレ」であったのか、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4のいずれかに内部当籤して押し順不正解であったのかが解らない。このため、3択ベル(左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4)のナビ率を制御することにより、遊技者にナビ率が変わったことが気付かれ辛く、遊技者の興趣を減退させないように適切に出玉率を制御することが可能となる。また、こぼし目が表示され得るベル役(中右ベル1、2)は出玉率に関係なくナビを行うので、最低限こぼし目に係るベルはナビされるため、こぼし目が表示されて通常遊技状態(RT1遊技状態)に転落することによる遊技者の興趣の低下を防止するとともに、遊技者に3択ベル(左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4)がナビされなくなったことを気付き難くすることが可能である。
本発明によれば、出玉率が高くなり過ぎないように、出玉率が高くなるほどナビ率が低くなるように制御する。つまり、遊技の構成を害する出玉率、すなわち、遊技店側に不測の不利益を与える可能性のある出玉率を超えないように、出玉率が高くなるほど、出玉率を抑える必要があるため、ナビ率を低くして、3択ベル(左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4)が入賞し難くするようにしている。これにより、現在の出玉率に応じて小役のナビ率を制御して抑制することが可能となる。
本発明によれば、出玉率が遊技の構成を害する出玉率の上限に近くなった場合には、これ以上出玉率が高くなることを防ぐため、ナビ率を0%にして、3択ベル(左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4)の押し順ナビを報知しないようにする。この結果、上記した風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律の所定の試験で定められた出玉率の上限値に極めて近い数値を市場で体感できる遊技機の作成を可能とする。
本発明によれば、複数の期間(400ゲーム間、6000ゲーム間、17500ゲーム間)におけるナビ抽籤結果のうち、いずれか一つの抽籤結果であっても、ナビに非当籤だったと判定した場合には、押し順ナビを行わないので、全ての期間(400ゲーム間、6000ゲーム間、および17500ゲーム間)において、出玉率が高くなり過ぎないように制御することが可能となる。
本発明によれば、出玉率を適切に制御するとともに、遊技者にナビが中断されていることが分かり難くし、遊技者の興趣を減退させないことが可能となる。