以下、本開示の実施形態について、図面を用いて説明する。
(本開示の一形態を得るに至った経緯)
Wi−Fi Directの仕組みを、WiGig通信に適用することを想定する。以下では、WiGig通信において無線通信装置同士が直接通信することを、「WiGigP2P」ともいう。
非特許文献1では、WiGig通信において、特定のフレーム(例えば、ビーコン(Beacon)フレーム、プローブ(Probe)フレーム)を除き、フレームは、ビーコン間隔内のスケジュールに従って通信されることが規定されている。また、スケジュールは、ビーコンフレームまたはアナウンスフレーム(Announce frame)に含まれるスケジュール情報によって通知されると規定されている。
よって、WiGig P2Pでは、2つの無線通信装置の少なくとも一方が、スケジュール情報を含むビーコン等を送信し、WiGig P2Pにおける帯域を管理しない場合、グループ形成のトリガであるアクションフレームを送信できない。
一方、Wi−Fi Directでは、2つの無線通信装置のいずれの装置も、探索フェーズが終了してからグループ形成フェーズが終了するまでの期間、スケジュール情報を送信しない。
よって、Wi−Fi DirectをWiGig通信に適用しても、探索フェーズが終了してからグループ形成フェーズが終了するまでの期間、WiGig P2Pにおける帯域を管理できず、アクションフレームを送信できない。この場合、2つの無線通信装置は、グループ形成、WPS及びWPAを実行できず、無線通信装置間の通信路を正常に確立できないので、データ通信できない。従って、WiGig P2Pの通信精度が不十分となる。
なお、WiGig以外の通信方式でも、スケジュールに従って通信する通信方式、つまり帯域管理が必要な通信方式の場合、同様の事情がある。
以下の実施形態では、所定の通信方式に従って無線通信装置同士が直接通信する場合の通信精度を向上できる無線通信装置、無線通信方法、及び無線通信プログラムについて説明する。
以下の実施形態に係る無線通信装置として、例えば、スマートフォン、タブレット、パソコン、ブルーレイディスクレコーダ、テレビ、ゲーム機、音楽プレイヤ、ドングル、アクセスポイント、ルータ、その他の無線通信装置が挙げられる。ドングルは、各種インタフェース(例えば、USB(Universal Serial Bus)、HDMI(High−Definition Multimedia Interface)(登録商標)、MHL(Mobile High−definition Link))により、所定の装置に着脱可能なデバイスである。
(第1の実施形態)
図1は実施形態に係る無線通信システム1000の構成例を示すブロック図である。無線通信システム1000は、無線通信装置100,200を備える。無線通信装置100と無線通信装置200とは、無線回線を介して接続される。無線通信システム1000における無線通信装置の台数は、2台に限られず、3台以上でもよい。
無線通信システム1000における無線通信装置100,200同士は、少なくともWiGig P2Pを用いて通信する。なお、無線通信装置100,200は、WiGig P2Pに限られず、と、WiGig P2Pと他の通信方式とを切り替えてもよい。この他の通信方式には、例えば、アクセスポイントを介したWiGig通信、Wi−Fi Direct、アクセスポイントを介したWi−Fi通信、が含まれる。
図2は無線通信装置100の構成例を示すブロック図である。図3は無線通信装置200の構成例を示すブロック図である。
無線通信装置100の構成と無線通信装置200の構成は同様である。ここでは、無線通信装置100を例に説明し、無線通信装置200の説明を省略又は簡略化する。
無線通信装置100は、操作部10、表示部11、通信部12、記憶部13、及び演算部14を含む構成である。演算部14は、設定開始部141、機器探索部142、帯域管理部143、グループ形成部144、及び接続制御部145を含む構成である。
同様に、無線通信装置200は、操作部20、表示部21、通信部22、記憶部23、及び演算部24を含む構成である。演算部24は、設定開始部241、機器探索部242、帯域管理部243、グループ形成部244、及び接続制御部245を含む構成である。
操作部20は、操作部10と同様の構成及び機能を有する。表示部21は、表示部11と同様の構成及び機能を有する。通信部22は、通信部12と同様の構成及び機能を有する。記憶部23は、記憶部13と同様の構成及び機能を有する。演算部24は、演算部14と同様の構成及び機能を有する。
設定開始部241は、設定開始部141と同様の構成及び機能を有する。機器探索部242は、機器探索部142と同様の構成及び機能を有する。帯域管理部243は、帯域管理部143と同様の構成及び機能を有する。グループ形成部244は、グループ形成部144と同様の構成及び機能を有する。接続制御部245は、接続制御部145と同様の構成及び機能を有する。
操作部10は、例えば、キーボード、マウス、ハードウェアのボタン、又はタッチパネルを含み、ユーザの操作を受け付ける入力用デバイスを含む。
表示部11は、表示用デバイス(例えば液晶ディスプレイ)を含む。
通信部12は、無線通信装置100と他の無線通信装置(例えば無線通信装置200)との間で、WiGig通信するためのインターフェースを含む。通信部12は、例えば、無線通信装置100と他の無線通信装置との間で、WPA(WPA2も含む)を実行し、又はデータ通信(例えばIP(Internet Protocol)通信)を実行するためのインターフェースを含む。WPA2とは、Wi−Fiアライアンスが定めた無線LANの暗号化方式の規格であり、WPAより強力な暗号に対応している。
記憶部13は、例えば、不揮発性の記憶媒体(例えば、HDD(Hard Disc Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ)を含む。記憶部13は、例えば、ソフトウェア(例えば、OS(オペレーティングシステム)、アプリケーション、各種プログラム)、各種情報(例えばパラメータ)を記憶する。ソフトウェアは、例えば、演算部14の作業用メモリにロードされ、CPU(Central Processing Unit)により演算処理されることで、起動、動作する。従って、記憶部13は、例えば、無線通信プログラムを記憶する。
また、記憶部13は、装置情報131及び設定情報132を記憶する。装置情報131は、例えば、無線通信装置100を識別可能な固有の情報(例えば、MAC(Media Access Control)アドレス、SSID(Service Set Identifier))、無線通信装置100の無線通信の能力を示す能力情報(WiGigで定められたCapability情報)を含む。
装置情報131は、例えば、演算部14により無線設定用アプリケーションを起動し、ユーザが操作部10を介してパラメータ毎に値を入力することで作成され、記憶部13に保持されてもよい。装置情報131は、例えば、演算部14によりソフトウェア(例えば、無線デバイスのドライバ又はミドルウェア)をインストールすることで、記憶部13に保持されてもよい。
設定情報132は、例えば、WPAを実行するための認証鍵の情報を含む。設定情報132は、例えば、無線通信装置100と他の無線通信装置との接続処理の過程において、WPSが実行されることで作成され、記憶部13に保持される。
演算部14は、例えば、電源、マザーボード、CPU、制御プログラムを格納した記録媒体(例えば、ROM(Read Only Memory))、及び作業用メモリ(例えばRAM(Random Access Memory))を含んで構成される。
演算部14は、設定開始部141、機器探索部142、帯域管理部143、グループ形成部144、及び接続制御部145を有する。設定開始部141、機器探索部142、帯域管理部143、グループ形成部144、及び接続制御部145の機能は、CPUが制御プログラムを実行することにより実現される。
設定開始部141は、操作部10から設定開始要求を取得する。操作部10は、ユーザから、他の無線通信装置との設定の開始を要求する操作を受け付けると、設定開始要求を生成し、設定開始部141へ出力する。この設定とは、例えば、無線通信装置100が他の無線通信装置との間でWiGig P2Pを実行するための設定を含む。
設定開始部141は、設定開始要求を取得すると、記憶部13から装置情報131及び設定情報132を読み出し、読み出した装置情報131及び設定情報132を機器探索部142へ出力する。
機器探索部142(探索部の一例)は、設定開始部141から装置情報131及び設定情報132を取得すると、無線通信装置100の周辺に存在する他の無線通信装置の探索を開始する。
例えば、機器探索部142は、取得した装置情報131および設定情報132に基づいて、第1のフレーム(例えば、探索用のビーコン、Probe Request)を生成する。この第1のフレームは、例えば、装置情報131及び設定情報132を含む。
機器探索部142は、生成された第1のフレームを、通信部12を介して他の無線通信装置へ送信する。また、機器探索部142は、他の無線通信装置が生成した第1のフレーム(例えば、探索用のビーコン、Probe Response)を、通信部12を介して受信する。機器探索部142が受信する第1のフレームは、例えば、他の無線通信装置を識別可能な固有の情報と、他の無線通信装置の無線通信の能力を示す能力情報と、を含む。
機器探索部142は、他の無線通信装置から受信した第1のフレームに基づいて、探索結果情報を生成し、表示部11へ出力する。
機器探索部142は、例えば、他の無線通信装置を1つ以上探索できた場合、つまり他の無線通信装置が1つ以上探索された場合、探索された他の無線通信装置の情報を含む探索結果情報を生成する。他の無線通信装置の情報は、例えば、他の無線通信装置を識別可能な固有の情報、他の無線通信装置の無線通信の能力を示す能力情報、を含む。
機器探索部142は、例えば、他の無線通信装置を1つも探索できなかった場合、つまり他の無線通信装置が1つも探索されなかった場合、1つも探索されなかった旨を含む探索結果情報を生成する。探索結果情報は、表示部11に表示される。
機器探索部142は、他の無線通信装置が1以上探索された場合、探索された無線通信装置毎に、第1のフレームに基づいて、探索された無線通信装置の装置情報を生成する。この装置情報は、装置情報131と同様に、例えば、探索された他の無線通信装置を識別可能な固有の情報、及び、探索された無線通信装置の無線通信の能力を示す能力情報、を含む。なお、このように他の無線通信装置について生成される装置情報は、無線通信装置100についての装置情報131と区別するため、以下、「通信相手装置情報」ともいう。
機器探索部142は、探索された他の無線通信装置毎に、装置情報131と通信相手装置情報とに基づいて、無線通信装置100と通信相手装置とのロール(どちらがGOとなり、どちらがCLとなるか)を判定してもよい。通信相手装置は、探索された無線通信装置のうち、無線通信装置100の通信先となる無線通信装置であり、例えば無線通信装置200である。
ロールの判定とは、無線通信装置100及び通信相手装置のいずれがGOとして動作し、CLとして動作するかの判定である。ロールの判定方法は、例えば、WiGigで規定されている方法を適用してもよい。機器探索部142は、ロールの判定毎に、ロールの判定結果を示す情報(ロール判定結果)を生成する。
また、ロールの判定は、機器探索部142により行われなくてもよい。例えば、グループ形成部144によりロールを判定し、ロール判定結果を生成してもよい。つまり、機器探索する探索フェーズではロール判定されず、グループを形成するグループ形成フェーズにおいて、ロール判定されてもよい。
また、機器探索部142は、操作部10から通信相手指示を取得する。操作部10は、探索結果情報が示す無線通信装置のうち、通信先の無線通信装置(通信相手装置)を指定するユーザ操作を受け付け、この操作に応じて通信相手指示を生成する。通信相手指示には、指定された無線通信装置を示す情報(例えば、通信相手装置を識別可能な固有の情報)を含む。よって、操作部10は、通信先の無線通信装置を指定する指定部としての機能を有する。
機器探索部142は、例えば、通信相手指示により指定された無線通信装置の通信相手装置情報、通信相手指示により指定された無線通信装置及び無線通信装置100についてのロール判定結果、装置情報131、及び設定情報132を、帯域管理部143へ出力する。
なお、機器探索部142による機器探索のフェーズは、探索フェーズともいう。探索フェーズ(Find Phase)は、例えば、Searchフェーズ(第1のフェーズの一例)とListenフェーズ(第2のフェーズの一例)とを含む。
Searchフェーズは、例えば、第1のフレームを、無線通信装置100の周囲の無線通信装置へ送信するフェーズである。Listenフェーズは、無線通信装置100の周囲の無線通信装置から第1のフレームを受信した場合、第1のフレームに対して応答フレーム(例えばProbe response)を返信するフェーズである。
探索フェーズでは、SearchフェーズとListenフェーズとを交互に、所定期間毎(例えば100ms毎)に、繰り返される。なお、SearchフェーズとListenフェーズとを交互に繰り返さず、いずれか一方のフェーズで固定されてもよい。SearchフェーズであるかListenフェーズであるかの情報は、例えば、機器探索部142の内部メモリ又は記憶部13に保持される。
帯域管理部143は、機器探索部142から、通信相手装置情報、ロール判定結果、装置情報131、及び設定情報132を取得する。また、帯域管理部143は、取得した情報に応じて、例えば、WiGig P2Pを実行するための帯域を管理する。
帯域の管理は、例えば、帯域のスケジュール情報を含む第2のフレーム(例えば一時ビーコン)が生成され、送信されることを含む。この帯域とは、例えば、無線通信装置100と通信相手装置との間の無線回線における通信帯域(例えば通信周波数、通信速度)を指す。
また、帯域管理部143は、探索フェーズの終了後、又は探索フェーズの継続中に、アクションフレームの送信の指示、又はアクションフレームの受信に応じて、通信モードを以下の通信モードに設定する。つまり、帯域管理部143は、通信モード設定部としての機能を有する。アクションフレームの送信の指示は、例えば、通信相手装置の指定に基づく。
アクションフレームは、通信相手装置との間でグループを形成するためのデータであり、例えば、Group Owner Negotiation(GO Nego)用のフレームを含む。
GO Nego用のフレームは、例えば、Group Owner Negotiation Request(GO Nego Request)、Group Owner Negotiation Response(GO Nego Response)、Group Owner Negotiation Confirm(GO Nego Confirm)、の3種類のフレームを含む。
例えば、帯域管理部143は、探索処理(探索フェーズにおける処理)が継続中であり、Searchフェーズである場合、無線通信装置100がビーコン(探索用のビーコン)を送信する状態にある。この場合、機器探索部142は、探索処理は停止し、帯域管理部143は、第1の通信モードに切り替える。
第1の通信モードは、ビーコン(例えばグループ形成用のビーコン(一時ビーコン))の送信を維持し、アクションフレームを通信するモードである。なお、帯域管理部143は、明示的に探索処理を停止せず、第1の通信モードを開始してもよい。
例えば、帯域管理部143は、探索処理が継続中であり、Listenフェーズである場合、無線通信装置100がビーコンを送信しておらず、無線通信装置100の周囲の無線通信装置からのビーコンを受信する状態にある。この場合、機器探索部142は、探索処理を停止し、帯域管理部143は、第2の通信モードに切り替える。
第2の通信モードは、ビーコン(例えばグループ形成用のビーコン(一時ビーコン))の受信が可能な状態を維持し、アクションフレームを通信するモードである。なお、帯域管理部143は、明示的に探索処理を停止せず、第2の通信モードを開始してもよい。また、帯域管理部143は、通信相手装置情報に基づき、受信対象となる無線通信装置のビーコンを限定してもよい。
また、帯域管理部143は、第2の通信モードへ切り替えた場合に、通信相手装置がListenフェーズである場合、両者がビーコンの受信待機状態となる。この場合、通信相手装置が、Searchフェーズへと切り替わってもよい。この場合、通信相手装置が、ビーコンを送信し、無線通信装置100が、ビーコンを受信すると、グループ形成の処理(例えば、アクションフレームを通信する処理)を開始できる。このように、無線通信装置100がビーコンの送信する役割を、通信相手装置に譲ってもよい。
また、帯域管理部143が、第1の通信モードへ切り替えた場合に、通信相手装置がSearchフェーズである場合、無線通信装置100及び通信相手装置のいずれもビーコンを送信する状態になる。そのため、WiGig規格又はIEEE802.11adの規格に基づいて、例えば、先に受信したビーコンを優先し、又はMACアドレスの大きい方を優先しても。つまり、何らかの優先度を基準に、無線通信装置100及び通信相手装置のどちらかのビーコンを優先してよい。この場合、帯域管理部143が、第2の通信モードへ切り替えてもよい。
このように、帯域管理部143は、第1の通信モードに遷移する場合、仮のGOとして帯域の管理を開始する。例えば、帯域管理部143は、第1の通信モードを開始し、第1の通信モードにおいて送信されるビーコンを生成する。また、帯域管理部143は、生成されたビーコンを、通信部12を介して、通信相手装置への送信を開始する。また、帯域管理部143は、第2の通信モードに遷移する場合、仮のCLとして動作し、通信部12を介して、ビーコンの受信を開始する。
帯域管理部143は、第1の通信モード又は第2の通信モードへの切替えを行った後に、通信相手装置情報、ロール判定結果、装置情報131、及び設定情報132を、グループ形成部144へ出力する。
なお、帯域管理部143は、通信相手装置情報を参照し、通信相手装置が通信に用いる通信周波数に応じて、帯域管理するか否かを決定してもよい。帯域管理部143が参照する設定情報、又は帯域管理部143の内部に、通信周波数と帯域管理の要否の関係が記載された情報(帯域管理判定情報)が保持される。帯域管理部143は、帯域管理判定情報を参照し、通信周波数に応じて帯域管理の要否を判定する。
例えば、帯域管理判定情報は、通信周波数が2.4GHzの場合、帯域管理が不要である旨の情報を含む。帯域管理判定情報は、通信周波数が5GHzの場合、帯域管理が不要である旨の情報を含む。帯域管理判定情報は、通信周波数が60GHzの場合、帯域管理が必要である旨の情報を含む。
このような帯域管理判定情報を帯域管理部143が保持する場合、帯域管理部143は、通信相手装置が通信に用いる通信周波数が2.4GHz又は5GHzである場合、帯域管理せずに、つまり第2のフレームを送信せずに、アクションフレームを通信させてもよい。一方、帯域管理部143は、通信相手装置が通信に用いる通信周波数が60GHzである場合、上述した帯域管理を行う、つまり第2のフレームを送信するようにしてもよい。これにより、帯域管理が必要な場合には帯域管理するので、接続処理の精度を向上できる。一方、帯域管理が不要な場合には実施しないので、接続処理を簡略化できる。
なお、帯域管理判定情報が、例えばビーコンフレーム又はプローブフレームに含まれ、帯域管理部143が、ビーコンフレーム又はプローブフレームに含まれる帯域管理判定情報を利用してもよい。
グループ形成部144は、操作部10からグループ形成開始指示を入力する。グループ形成開始指示は、例えば、通信相手装置と無線通信装置100との間でのグループの形成の開始を指示する情報である。操作部10は、ユーザからのグループ形成開始操作を受け付け、グループ形成開始指示の情報を生成する。
なお、グループ形成部144は、操作部10からグループ形成開始指示を受けない場合でも、帯域管理部143による第1の通信モード又は第2の通信モードに変更後、グループ形成を開始してもよい。
グループ形成部144は、操作部10からグループ形成開始指示を取得すると、帯域管理部143から取得した通信相手装置情報、装置情報131、及び設定情報132に基づいて、グループ形成処理を開始する。グループ形成処理は、例えば、アクションフレームの通信を含む。
グループ形成処理は、無線通信装置100が通信相手装置へGroup Owner Negotiation Requestフレームを送信することで開始される。従って、まず、グループ形成部144は、通信部12を介して、Group Owner Negotiation Requestフレームを送信する。
ここで、通信モードの設定に係る無線通信装置200の構成について、先の説明で省略した部分を説明する。なお、無線通信装置200の構成として説明するが、無線通信装置100も同様の構成を有する。
例えば、機器探索部242は、探索処理が継続中であり、Listenフェーズである場合、無線通信装置200がビーコンを送信せず、無線通信装置200の周囲の無線通信装置(例えば無線通信装置100)からのビーコンを受信可能な状態にある。この状態で、機器探索部242は、Group Owner Negotiation Requestフレームを受信すると、探索処理を停止し、帯域管理部243は、第3の通信モードに切り替える。
第3の通信モードは、ビーコンの受信が可能な状態を維持し、アクションフレームを通信するモードである。なお、帯域管理部243は、明示的に探索処理を停止せず、第3の通信モードを開始してもよい。また、帯域管理部243は、通信相手装置情報に基づき、受信対象となる無線通信装置のビーコンを限定してもよい。
また、機器探索部242は、探索処理が継続中であり、Searchフェーズであった場合、無線通信装置200がビーコンを送信する状態にある。この場合、機器探索部242は、Group Owner Negotiation Requestフレームを受信すると、探索処理を停止し、帯域管理部243は、第4の通信モードに切り替える。
第4の通信モードは、ビーコンの送信を維持し、アクションフレームを通信するモードである。なお、帯域管理部143は、明示的に探索処理を停止せず、第4の通信モードを開始してもよい。
ここで、無線通信装置100の構成の説明に戻る。
グループ形成部144は、無線通信装置200が探索処理から第3の通信モード又は第4の通信モードに切り替えられるまで、無線通信装置100は、GO Nego Requestを繰り返し送信し、GO Nego Responseの受信を待機する。
また、グループ形成部144は、通信相手装置との間で、グループ形成に関する情報、及び、WPSを実行するための情報(以下、「WPS情報」という)が通信される。グループ形成に関する情報は、例えば、ロールを決めるための情報であるGroup Owner Intent、グループ形成後のデータ通信時に利用するチャネルの情報、を含む。WPS情報は、例えば、WPSには複数種類のプロトコルがあるため、自端末が実行可能な方法を示す情報を含む。この実行可能な方法は、例えば、プッシュボタンをトリガにした方法、PINを入力する方法、を含む。ロールの決定方法については、規格で規定されているので、ここでは詳細を記載しない。
グループ形成部144は、GO Nego用のフレームの通信が終了すると、ビーコンの送信を停止してもよい。これにより、無線回線の回線効率を向上できる。なお、グループ形成部144は、GO Nego用のアクションフレームの通信が終了しても、GO Nego用のフレーム以外のアクションフレームの通信が必要な場合、ビーコンの送信を継続してもよい。
また、グループ形成部144は、帯域管理部143から取得したロール判定結果に基づいて、無線通信装置100および通信相手装置のロールを決定する。例えば、無線通信装置100が仮のGOとして動作していた場合、無線通信装置100を引き続きGOに設定し、又は、必要に応じてCLに変更する。ロールの決定後、GOとなった無線通信装置がビーコンを送信する。
なお、グループ形成部144は、帯域管理部143からロール判定結果を取得せず、GO Nego用のフレームの送受信後、ロールを判定してもよい。この場合、グループ形成部144は、ロールの判定に基づいてロール判定結果を作成し、このロール判定結果を用いてロール決定してもよい。
また、グループ形成部144は、通信相手装置から受信したWPS情報に基づいて、WPSを実行し、認証鍵を共有する。
グループ形成部144は、WPSが完了すると、WPSが完了した旨を示すグループ形成完了通知を生成し、表示部11へ出力する。これにより、表示部11には、グループ形成が完了した旨が表示される。このようにして、グループ形成処理は終了する。
グループ形成部144は、装置情報131、設定情報132、及び通信相手装置情報を接続制御部145へ出力する。
接続制御部145は、操作部10から接続要求を取得する。接続要求は、通信相手装置への接続を要求する操作をユーザから操作部10が受け付けた場合、操作部10により生成される情報であり、通信相手装置への接続の要求を示す情報である。
接続制御部145は、操作部10から接続要求を取得すると、グループ形成部144から取得した装置情報131、設定情報132、及び通信相手装置情報に基づいて、WPAを実行し、接続認証する。これにより、WiGig P2Pにおいて暗号化通信できる。
グループ形成部144は、WPSが完了すると、WPSが完了した旨を示す接続完了通知を生成し、表示部11へ出力する。これにより、表示部11には、通信相手装置との接続が完了した旨が表示される。このようにして、無線通信装置100と通信相手装置とは、WiGig P2Pによるデータ通信が可能となる。
次に、通信システム1000の動作例について説明する。
図4及び図5は、無線通信装置100と無線通信装置200の間で行われる接続処理の第1例を示すタイムチャートである。図4及び図5では、無線通信装置200が無線通信装置100の通信相手装置であることを想定する。接続処理は、無線通信装置100と無線通信装置200との間でデータ通信するための通信路を確立するための処理である。図4及び図5では、探索に成功した無線通信装置の中から通信相手装置を指定する際に、無線通信装置100が探索フェーズにおいてSearchフェーズであることを想定する。
図4及び図5の接続処理は、例えば、ユーザ2名がそれぞれ所有する2台の無線通信装置100,200の間においてWiGig P2Pによりデータ通信する場合、又は、家庭内のテレビとスマートフォンとの間においてWiGig P2Pによりデータ通信する場合、実行される。データには、例えば、動画データ、静止画データが含まれる。
無線通信装置100と無線通信装置200とは、接続処理の実施前において、ロールが未決定である(S100)。即ち、無線通信装置100,200は、CLでもGOでもなく、ロールが未決定のSTAである。
操作部10は、ユーザの操作を受け付けて設定開始要求を生成し、演算部14へ送る(S101)。同様に、操作部20は、ユーザの操作を受け付けて設定開始要求を生成し、演算部24へ送る(S101)。
S101では、例えば、ユーザは、無線通信装置100と無線通信装置200を無線通信可能な状態となるように向き合わせる。続いて、ユーザは、操作部10を介して、無線通信装置100,200において、WiGig通信するためのアプリケーションを起動させる。続いて、ユーザは、操作部10を介して、無線通信装置100,200において、起動したアプリケーションの設定画面から、WiGig通信用のデバイス及びソフトウェアを起動するためのメニューを選択する。
これにより、無線通信装置100,200は、WiGig P2Pでの接続の設定を指示されることになり、操作部10が、上述した設定開始要求を生成する。なお、上記アプリケーションは、無線通信装置100又は200のいずれか一方において起動されてもよい。
演算部14の設定開始部141は、操作部10から設定開始要求を取得すると、記憶部13から装置情報131及び設定情報132を読み出し、機器探索部142へ送る。同様に、演算部24の設定開始部241は、操作部20から設定開始要求を取得すると、記憶部23から装置情報231及び設定情報232を読み出し、機器探索部242へ送る。
続いて、機器探索部142は、装置情報131及び設定情報132を取得すると、無線通信装置100の周辺に存在する他の無線通信装置の探索を開始する(S102)。同様に、機器探索部242は、装置情報231及び設定情報232を取得すると、無線通信装置200の周辺に存在する他の無線通信装置の探索を開始する(S102)。
S102では、まず、機器探索部142,242は、それぞれ、上述したとおり、取得した装置情報131,231及び設定情報132、232に基づいて、第1のフレームを生成する。図4では、第1のフレームとして、探索用のビーコン(DMG Beacon)が例示されている。続いて、機器探索部142,242は、それぞれ、生成した探索用のフレームを、通信部12,22を介して、他の無線通信装置へ送信する。機器探索部142,242は、それぞれ、他の無線通信装置が生成した第1のフレームを、通信部12,22を介して、他の無線通信装置から受信する。なお、探索用のビーコンは、例えば、所定期間(例えば100ms)毎に、繰り返し送信される。
図4では、機器探索部142は、通信部12を介して、無線通信装置200からの第1のフレームを受信する。機器探索部242は、通信部22を介して、無線通信装置100からの第1のフレームを受信する。
ここでは、探索の結果、例えば、機器探索部142は、少なくとも無線通信装置200の探索に成功し、機器探索部242は、少なくとも無線通信装置100の探索に成功したとする。
続いて、機器探索部142は、他の無線通信装置から受信した第1のフレームに基づいて探索結果情報を生成し、表示部11へ出力する(S103)。同様に、機器探索部242は、他の無線通信装置から受信した探索用のフレームに基づいて探索結果情報を生成し、表示部21へ出力する(S103)。
ここでは、機器探索部142が生成した探索結果情報は、少なくとも無線通信装置200を示す識別情報を含む。機器探索部242が生成した探索結果情報は、少なくとも無線通信装置100を示す識別情報を含む。
また、S103では、機器探索部142は、他の無線通信装置から受信した第1のフレームに基づいて、通信相手装置情報を生成する。同様に、機器探索部242は、他の無線通信装置から受信した第1のフレームに基づいて、通信相手装置情報を生成する。通信相手装置情報は、探索に成功した他の無線通信装置毎に生成される。
ここでは、機器探索部142が生成した通信相手装置情報は、少なくとも無線通信装置200を示す識別情報を含む。機器探索部242が生成した通信相手装置情報は、少なくとも無線通信装置100を示す識別情報を含む。
また、S103では、機器探索部142は、装置情報131と通信相手装置情報とに基づいて、無線通信装置100と通信相手装置との間において、それぞれのロールを判定し、ロール判定結果を生成してもよい。同様に、機器探索部242は、装置情報231と通信相手装置情報とに基づいて、無線通信装置200と通信相手装置との間において、それぞれのロールを判定し、ロール判定結果を生成してもよい。ロールの判定は、探索に成功した通信相手装置毎に行われる。また、ロール判定結果は、ロールの判定毎に生成される。
図4では、機器探索部142が生成したロール判定結果がGO、機器探索部242が生成したロール判定結果がCLであるとする。
なお、探索フェーズではロール判定されず、グループ形成フェーズにおいて、ロール判定されてもよい。
続いて、表示部11,21は、それぞれ、探索結果情報を含む探索結果を表示する(S104)。例えば、表示部11,21は、それぞれ、探索に成功した他の無線通信装置を表示する。即ち、表示部11は、少なくとも無線通信装置200の識別情報を表示し、表示部21は、少なくとも無線通信装置100の識別情報を表示する。
なお、探索結果情報が、探索に成功した無線通信装置として複数の無線通信装置の情報を含む場合、表示部11,21は、それぞれ、複数の無線通信装置の情報を含むリストを表示してもよい。
続いて、操作部10は、ユーザから、通信相手装置として無線通信装置200を指定する操作を受け付ける(S105)。ここでは、無線通信装置100の操作部10が無線通信装置200を指定する操作を受け付けることを例示するが、無線通信装置200の操作部20が無線通信装置100を指定する操作を受け付けてもよい。
続いて、操作部10は、無線通信装置200が指定された旨を示す通信相手指示を生成し、演算部14へ出力する(S106)。
演算部14の機器探索部142は、通信相手指示に基づいて、無線通信装置200についての通信相手装置情報と、無線通信装置200及び無線通信装置100の間のロール判定結果と、を導出する。無線通信装置200についての通信相手装置情報は、無線通信装置200の装置情報231と同様である。機器探索部142は、導出された通信相手装置情報及びロール判定結果と、記憶部13に記憶された装置情報131及び設定情報132とを、帯域管理部143へ出力する。
続いて、帯域管理部143は、機器探索部142から、通信相手装置情報、ロール判定結果、装置情報131、及び設定情報132を取得する。帯域管理部143は、例えば記憶部13を参照し、無線通信装置100が探索フェーズにおいてSearchフェーズであるかListenフェーズであるかを判定する。つまり、帯域管理部143は、フェーズ判定部としての機能を有する。帯域管理部143は、SerchフェーズであるかListenフェーズであるかに応じて、通信モードを所定の通信モードに設定する(S107)。
図4では、S107の時点において、無線通信装置100がSearchフェーズであるので、機器探索部142が探索処理を停止し、帯域管理部143が先述した第1の通信モードに切り替える。なお、機器探索部142が明示的に探索処理を停止せず、帯域管理部143が第1の通信モードを開始してもよい。
なお、帯域管理部143が、第1の通信モードへ切り替えた状態で、無線通信装置200がSearchフェーズである場合、無線通信装置100,200のいずれもビーコンを送信する状態になる。そのため、WiGig規格又はIEEE802.11adの規格に基づいて、例えば、先に受信したビーコンを優先し、又はMACアドレスの大きい方を優先してもよい。つまり、何らかの優先度を基準に、無線通信装置100,200のどちらかのビーコンを優先してよい。この場合、帯域管理部143が、第2の通信モードへ切り替えてもよい。
無線通信装置100が第1の通信モードに設定された後、帯域管理部143は、ビーコン(一時ビーコン)を生成し、通信部12を介して、無線通信装置200へのビーコンの送信を開始する(S108)。これにより、無線通信装置100から無線通信装置200へのアクションフレームの送信が可能となる。なお、一時ビーコン(図4ではDMG Beacon)は、第2のフレームの一例である。
なお、アクションフレームとして、GO Nego用のフレームが指定されてもよいし、他のフレーム(例えばProvision Discovery用のフレーム)が指定されてもよい。この指定は、例えば、探索フェーズにおいて操作部10を介して行われてもよい。図4では、GO Nego用のフレームが通信されることを例示する。
また、帯域管理部143は、第1の通信モードに設定された後、通信相手装置情報、ロール判定結果、装置情報131、及び設定情報132を、グループ形成部144へ出力する。
なお、S101〜S104における処理段階は、「Find Phase(探索フェーズ)」と称されてもよい。また、S101〜S108における処理段階が、「Find Phase」とされてもよい。つまり、探索フェーズが明示的に終了されずに、アクションフレームが通信可能な状態とされてもよい。
S108の処理が終了すると、演算部14は、無線通信装置200と無線通信装置100との間でグループの形成を開始するグループ形成開始指示を生成し、グループ形成部144へ出力する。なお、グループ形成開始指示は、操作部10へのユーザの操作を受け付けることにより、操作部10が生成してもよい。
グループ形成部144は、演算部14からグループ形成開始指示を入力すると、グループ形成処理を開始する。グループ形成処理は、帯域管理部143から取得した通信相手装置情報、装置情報131、及び設定情報132に基づいて、行われる。
続いて、グループ形成部144は、GO Nego Requestを、通信部12を介して、無線通信装置200へ送信する(S109)。グループ形成部144は、GO Nego Requestに対するGO Nego Responseを待機し、GO Nego Requestを繰り返し送信する。
一方、無線通信装置200では、通信部22によりGO Nego Requestを受信した際(S110)、機器探索部242により探索処理中である。この場合、帯域管理部243は、記憶部23を参照し、無線通信装置200が探索フェーズにおいてSerchフェーズであるかListenフェーズであるかを判定する。機器探索部242及び帯域管理部243は、SerchフェーズであるかListenフェーズであるかに応じて、通信モードを所定の通信モードに設定する(S111)。
S110の時点では、無線通信装置200がListenフェーズであるので、帯域管理部243は、先述した第3の通信モードに切り替える。なお、機器探索部242が明示的に探索処理を停止せず、帯域管理部143が第3の通信モードを開始してもよい。なお、帯域管理部143は、通信相手装置情報に基づき、受信対象のビーコンを限定してもよい。
無線通信装置200が第3の通信モードに設定された後、通信部22は、無線通信装置100からGO nego reqを受信すると、GO Nego Requestに対して応答する。この場合、通信部22は、応答として、GO Nego Responseを、通信部22を介して無線通信装置100へ送信する(S112)。なお、S112では、グループ形成開始の準備が整っていないため、グループ形成不可(GO Nego Response:Unavailable)である旨が通知される。
演算部24の設定開始部241は、GO Nego Requestを受信した場合、グループ形成開始通知を生成し、表示部21へ出力する(S113)。グループ形成開始通知は、無線通信装置200が無線通信装置100とグループ形成を開始する旨を示す情報を含む。
表示部21は、グループ形成開始通知を取得すると、無線通信装置100とグループ形成を許可するか否かをユーザに選択させるための表示を行う(S114)。
操作部20は、ユーザからのグループ形成を許可するか否かを選択する操作を受け付けると、この選択結果を示す情報(グループ形成選択結果)を生成し、演算部24へ出力する(S115)。
S115では、操作部20が、ユーザから無線通信装置100とのグループ形成を許可する操作を受け付けたとする。よって、グループ形成選択結果は、無線通信装置100とのグループ形成が許可された旨を示す。
続いて、演算部24のグループ形成部244は、操作部20からのグループ形成選択結果を含むGO Nego Confirmを、通信部22を介して無線通信装置100へ送信する(S116)。また、GO Nego Confirmには、グループ形成に関する情報およびWPS情報の情報が含まれてもよい。
グループ形成部144又は帯域管理部143は、GO Nego用のフレームを、無線通信装置100,200間において通信終了すると、ビーコンの送信を停止する。この通信終了とは、例えば、GO Nego Confirmの通信まで終了することである。
なお、グループ形成部144又は帯域管理部143は、GO Nego用のフレームの通信が終了しても、GO Nego以外のアクションフレームの送受信が必要な場合、ビーコンの送信を継続してもよい。
なお、グループ形成処理に係る無線通信装置100,200の処理は、S109〜S116に示す処理に限定されない。
続いて、グループ形成部144は、帯域管理部143から取得したロール判定結果に基づいて、無線通信装置100のロールを決定する。また、グループ形成部244は、機器探索部242又は帯域管理部243からロール判定結果を取得し、このロール判定結果に基づいて、無線通信装置200のロールを決定する。
なお、帯域管理部143からロール判定結果を取得せず、上記3種類のGo Nego用のフレームを通信後、グループ形成部144によりロール判定結果を作成する場合、このロール判定結果を用いてロールを設定する。
即ち、仮のGOとして動作していた無線通信装置100は、ロール判定結果が示す本来のロール(例えばGO)に設定される。一方、無線通信装置200は、ロール判定結果が示す本来のロール(例えばCL)に設定される。なお、必要に応じて、無線通信装置100のロールがCLに変更され、無線通信装置200のロールがGOに変更される。この場合、無線通信装置200がビーコンの送信を開始する。ここでの本来のロールは、WPS以降の処理のロールを指す。
続いて、グループ形成部144,244は、WPS情報に基づいてWPSを実行し、認証鍵を共有する(S117)。WPSは公知であるので、ここでのWPSの説明は省略する。
グループ形成部144は、WPSが完了すると、WPSが完了した旨を示すグループ形成完了通知を生成し、表示部11へ出力する(S118)。同様に、グループ形成部244は、WPSが完了すると、WPSが完了した旨を示すグループ形成完了通知を生成し、表示部21へ出力する(S118)。これにより、表示部11,21には、グループ形成が完了した旨が表示される。このようにして、グループ形成処理は終了する。
続いて、グループ形成部144は、装置情報131、設定情報132、及び通信相手装置情報を、接続制御部145へ出力する。同様に、グループ形成部244は、装置情報131、設定情報132、及び通信相手装置情報を、接続制御部245へ出力する。
なお、例えばステップS109〜S118の処理は、「Group Formation Procedure」ともいう。
続いて、操作部10は、ユーザから、無線通信装置200への接続を要求する操作を受け付けると、接続要求を生成し、演算部14へ出力する(S119)。ここでは、無線通信装置100の操作部10において無線通信装置200への接続を要求する操作を受け付けることを例示したが、無線通信装置200の操作部20において無線通信装置100への接続を要求する操作を受け付けてもよい。
演算部14の接続制御部145は、操作部10から接続要求を取得すると、グループ形成部144から取得した装置情報131、設定情報132、及び通信相手装置情報に基づいて、無線通信装置200との間でWPAを実行し、接続認証する(S120)。WPAは公知であるので、ここでのWPAの説明は省略する。これにより、暗号化通信が可能な状態となる。
グループ形成部144は、WPAが完了すると、WPAが完了した旨を示す接続完了通知を生成し、表示部11へ出力する(S121)。同様に、グループ形成部244は、WPSが完了すると、WPSが完了した旨を示す接続完了通知を生成し、表示部21へ出力する(S121)。これにより、表示部11,21には、通信相手装置との接続が完了した旨が表示される。このようにして、無線通信装置100,200は、WiGig P2Pによるデータ通信が可能となる(S122)。
なお、ステップS119〜S121の処理は、「Operation Phase」ともいう。
無線通信システム1000の第1動作例によれば、無線通信装置100,200が探索処理が終了していない状態でも、アクションフレームの送信指示又はアクションフレームの受信に応じて、第2のフレームを送信できる。探索処理は、終了されても継続されてもよい。従って、WiGig P2Pにおける帯域を管理でき、アクションフレームを送信できる。よって、グループ形成、WPS及びWPAを実行でき、無線通信装置100,200間の通信路を正常に確立して、WiGig P2Pにより直接通信できる。
また、無線通信装置100は、Searchフェーズにおける通信相手装置の指定に応じて通信モードを設定するので、特別なユーザ操作なく、一時ビーコンを送信できる。また、無線通信装置200は、Listenフェーズにおけるアクションフレームの受信に応じて通信モードを設定するので、特別なユーザ操作なく、一時ビーコンを送信できる。
図6及び図7は、無線通信装置100と無線通信装置200の間で行われる接続処理の第2例を示すタイムチャートである。図6及び図7では、無線通信装置200が無線通信装置100の通信相手装置であることを想定する。図6及び図7では、探索に成功した無線通信装置の中から通信相手装置を指定する際に、無線通信装置100が探索処理においてListenフェーズであることを想定する。
図6及び図7において、図4及び図5と同様の処理については、同一のステップ番号を付し、説明を省略又は簡略化する。
図6では、無線通信装置100が探索フェーズにおいてListenフェーズであり、無線通信装置200が探索フェーズにおいてSearchフェーズである。この場合、機器探索部142が生成したロール判定結果がCL、機器探索部242が生成したロール判定結果がGOとなる。即ち、無線通信装置100のロールが仮のCL、無線通信装置200のロールが仮のGOとして、指定される。
図6では、S107Bの時点において、無線通信装置100がListenフェーズであるので、機器探索部142が探索処理を停止し、帯域管理部143が先述した第2の通信モードに切り替える。なお、機器探索部142が明示的に探索処理を停止せず、帯域管理部143が第2の通信モードを開始してもよい。なお、帯域管理部143は、通信相手装置情報に基づき、受信対象のビーコンを限定してもよい。
なお、帯域管理部143が、第2の通信モードへ切り替えた場合に、通信相手装置としての無線通信装置200がListenフェーズである場合、無線通信装置100,200が共にビーコンの受信待機状態となる。この場合、無線通信装置200が、Searchフェーズへと切り替わってもよい。この場合、無線通信装置200が、ビーコンを送信し、無線通信装置100が、ビーコンを受信すると、グループ形成の処理(例えば、アクションフレームを通信する処理)を開始できる。
Searchフェーズにある無線通信装置100の機器探索部242は、第1のフレームとして、探索用のビーコン(DMG Beacon)を送信する(S108B)。探索用のビーコンは、例えば、所定期間(例えば100ms)毎に、繰り返し送信される。
図6では、通信相手装置の指定の受け付けは、図4と同様に、無線通信装置100の操作部10により行われる。従って、グループ形成部144が、GO Nego Requestを、通信部12を介して無線通信装置200へ送信する(S109)。
また、機器探索部242は、探索処理が継続中であり、Searchフェーズであった場合、無線通信装置200がビーコンを送信する状態にある。この場合、機器探索部242は、Group Owner Negotiation Requestフレームを受信すると(S110B)、探索処理を停止し、帯域管理部243は、第4の通信モードに切り替える(S111B)。なお、機器探索部242が明示的に探索処理を停止せず、第4の動作モードを開始してもよい。
なお、無線通信装置100,200の双方の通信モードの切り替えを行う間、無線通信装置100は、GO Nego Requestを繰り返し送信し、GO Nego Responseの受信を待機する。
第4の通信モードとされた無線通信装置200では、帯域管理部243が、帯域のスケジュール情報を含むビーコンを生成し、通信部22を介して、無線通信装置100へビーコンを送信する(S112等)。
図4,5及び図6,7では、S112以降の処理は、ビーコンの送信者(無線通信装置100又は無線通信装置200)が異なるが、他の処理は同様であるので、説明を省略する。
無線通信システム1000の第2動作例によれば、無線通信装置100,200が探索処理が終了していない状態でも、アクションフレームの送信指示又はアクションフレームの受信に応じて、第2のフレームを送信できる。探索処理は、終了されても継続されてもよい。従って、WiGig P2Pにおける帯域を管理でき、アクションフレームを送信できる。よって、グループ形成、WPS及びWPAを実行でき、無線通信装置100,200間の通信路を正常に確立して、WiGig P2Pにより直接通信できる。
また、無線通信装置100は、Listenフェーズにおける通信相手装置の指定に応じて通信モードを設定するので、特別なユーザ操作なく、一時ビーコンを受信でき、アクションフレームを通信できる。また、無線通信装置200は、Searchフェーズにおけるアクションフレームの受信に応じて通信モードを設定するので、特別なユーザ操作なく、一時ビーコンを送信でき、アクションフレームを通信できる。
次に、ビーコンの構成例について説明する。
図4及び図5では無線通信装置100がビーコンを送信し、図6及び図7では無線通信装置200がビーコンを送信する。ビーコンは、例えば、探索用のビーコン、グループ形成用のビーコン(一時ビーコン)を含む。探索用のビーコンでは、探索用のフラグがセットされるが、探索用のフラグ以外は、その他のビーコンの構成と同様である。ビーコンは、例えばフレーム形式の構成を有する。
ビーコンには、帯域を管理するためのスケジュール情報が含まれる。以下、一時ビーコンの構成について、図8及び図9を用いて説明する。図8(A)〜(F)及び図9(A),(B)に示す構成例は、WiGig規格に準拠したものである。
図8(A)は、ビーコンのフレームフォーマットの一例を示す模式図である。図8(A)では、スケジュール情報は、Bodyに付加される。
図8(B)は、図8(A)に示すBodyに含まれるパラメータの一例を示す模式図である。図8(B)に示す各パラメータのうち、スケジュール情報は、例えば、DMG Parameters又はExtended Scheduleに含まれる。
図8(C)は、DMG Parametersのフォーマットの一例を示す模式図である。図8(C)に示す「CBAP Only」には、帯域(Beacon Interval)がCBAP(Contention−Based Access Periods)により構成されているか否かを示すパラメータが記載される。CBAPは、どの無線通信装置でも通信可能なベストエフォートな帯域である。
帯域がCBAPにより構成される場合、CBAP Onlyには「true」が記載される。一方、帯域がCBAPの他にSP(専有帯域)を含む場合、CBAP Onlyには「false」が記載される。CBAP Onlyが「false」の場合には、Extended Scheduleが付加され、詳細なスケジュールが指定される。
図8(D)は、Extended Scheduleのフォーマットの一例を示す模式図である。図8(C)に示すCBAP Onlyがfalseである場合、帯域(Beacon Interval)の詳細は、図8(D)に示すAllocationのデータ列の全体としての複数のESE(Extended Schedule Element)によって示される。即ち、図8(D)に示すフォーマットは、帯域においてどのような種類のブロックがどのように配置されているかを示す。図8(D)では、ブロックの種類の数の分、「Allocation」というエレメントが追加される。
図8(E)は、各Allocationのエレメントのフォーマットの一例を示す模式図である。図8(E)に示す各フィールドの意味は、下記のとおりである。「Allocation control」は、例えば、CBAP及びSPを区別する情報を含む。「BF Control」は、例えば、電波がビームフォーミングしているか否かの情報を含む。「Source AID、Destination AID」は、例えば、どの無線通信装置とどの無線通信装置のリンクかを示す情報を含む。「Allocation Start」は、例えば、ブロックの開始タイミング(μs)の情報を含む。「Allocation block duration」は、例えば、ブロック1個の幅の情報を含む。「Number of block」は、例えば、1つのBeacon Intervalに含まれるブロックの数の情報を含む。「Allocation block period」は、例えば、ブロック間の幅(時間)の情報を含む。
図8(F)は、図8(B)のBeacon Interval Controlフィールドのフォーマットを示す図である。「Discovery Mode」は、探索用のビーコンを示すフィールドであるが、ネットワーク形成前にビーコンを送信する場合にTrueにすると規定されている。そのため、一時ビーコンにおいても、例えばDiscovery ModeをTrueとする。従って、形式的には探索用のビーコンと同じ一時ビーコンを利用できる。
また、一時ビーコンと他のビーコンとを区別するために、一時ビーコンであることを明示的に示す一時ビーコン(Temporaly Beacon)フラグを設けてもよい。一時ビーコンフラグは、例えば、WiGig規格においてReservedとされた部分を使用して定義する。例えば、図8(F)のReservedとされたB44〜B47のうち、B44が一時ビーコンフラグを記載する領域とされてもよい。また、図8(C)のDMG Parametersフィールドを拡張してもよく、DMG Parametersフィールドの最後のReserved部分の1bitが、一時ビーコンフラグに割り当てられてもよい。また、DMG Parametersフィールドの最初のBSS Typeフィールド(2bit)においてReservedとされた値0が、一時ビーコンフラグに割り当てられてもよい。
図9(A),(B)は、Beacon Intervalの構成例を示す模式図である。図9(A)は、図8(C)のCBAP Onlyがtrueである場合の構成例である。この場合、Beacon IntervalのDTI(Data Transfer Interval)は、CBAPを含んで構成される。図9(B)は、図8(C)のCBAP Onlyがfalseである場合の構成例である。この場合、Beacon IntervalのDTIは、CBAPとSPとを含んで構成される。
図8(A)〜(F),図9(A),(B)に示したビーコンを送信することによって、帯域においてCBAP又はSPがどのように割り当てられているかを、各無線通信装置が認識できる。よって、無線通信システム1000では、帯域が管理された状態で、アクションフレームを送信できる。
無線通信装置100,200によれば、無線通信装置同士がWiGig P2Pを実行する場合、以下のように動作する。
即ち、探索フェーズにおいて、操作部10,20を介してユーザから通信相手の指示し、又は、通信部12,22によりアクションフレームを受信したとする。この場合、帯域管理部143,243が、SearchフェーズかListenフェーズかに応じて、帯域管理(例えばビーコンの送信)を継続するか、ビーコンを受信可能な状態を継続するか、を判定する。帯域管理部143,243は、この判定結果に応じて、WPSを実行する前の段階まで、一時ビーコンを送信し、アクションフレームを通信する第1の通信モード、又は、一時ビーコンを受信し、アクションフレームを通信する第2の通信モードに切り替える。
これにより、探索処理が終了していなくても、無線通信装置100,200は、アクションフレーム(例えば、グループ形成を開始するために必要なGO Nego用のフレーム)を他の無線通信装置200,100との間で通信できる。従って、2つの無線通信装置は、グループ形成、WPS、WPAと処理を進行でき、データ通信できる。
例えば、無線通信装置100,200が携帯電話、スマートフォンの場合、探索処理が明示的に終了しない可能性がある。この場合でも、帯域管理するための第2のフレームを送信し、アクションフレームを通信できる。従って、無線通信装置100,200との間で通信路を高精度に確率でき、通信精度を向上できる。
次に、本実施形態の変形例について説明する。
(第1変形例)
上記実施形態では、探索処理におけるロールの判定は必須でなくてもよい。例えば、ロール未決定の無線通信装置100,200のいずれかが、一時ビーコンの生成及び送信を行ってもよい。また、無線通信装置100,200は、仮のGOにならず、STAのまま一時ビーコンの生成及び送信を行ってもよい。また、探索処理におけるロールの判定結果が、無線通信装置100がCL、無線通信装置200がGOである場合について説明したが、ロールは逆でもよい。
(第2変形例)
上記実施形態では、一時ビーコンにより帯域管理することを例示したが、アナウンスフレームを用いて帯域管理してもよい。図10(A)は、アナウンスフレームのフォーマットの一例を示す模式図である。図10(A)において、スケジュール情報は、Frame Bodyに付加される。図10(B)は、図10(A)に示すFrame Bodyに含まれるパラメータの一例を示す模式図である。図10(B)に示すLast(ベンダー独自領域)に、Extended Scheduleが記載される。即ち、図10(C)に示すように、Extended Scheduleに帯域のスケジュール情報が記載される。
図10(A)〜(C)に示した構成のアナウンスフレームを送信することによっても、一時ビーコンの送信の場合と同様に帯域管理できる。
(第3変形例)
上記実施形態では、アクションフレームの一例として、GO Nego Request,GO Nego Response,GO Nego Confirmationを例示した。なお、アクションフレームは、これらに限定されない。
例えば、アクションフレームは、WPS情報の交換に用いられるProvision Discovery Request、Provision Discovery Responseでもよい。
またアクションフレームは、サービス情報の交換に用いられるService Discovery Request、Service Discovery Responseでもよい。
また、アクションフレームは、所定グループに属しているCLへの問い合わせに用いられるGroup Discoverability Request、Group Discoverability Responseでもよい。
また、アクションフレームは、所定グループへの招待に用いられるP2P Invitation Request、P2P Invitation Responseでもよい。
(第4変形例)
上記実施形態では、無線通信装置100,200をハードウェアにより構成する場合を例示した。なお、無線通信装置100,200は、ハードウェアとの連係において、ソフトウェアにより実現してもよい。
図11(A),(B)は、無線通信装置100のソフトウェア構成例を示すブロック図である。図11(A),(B)では、無線通信装置100を例示するが、無線通信装置200についても同様である。
図11(A)に示す第1例では、無線通信装置100は、WiGig通信するための通信デバイス400と接続可能な構成である。無線通信装置100は、ミドルウェア101およびドライバ102を備え、ミドルウェア101は通信設定制御部140を備える。
通信設定制御部140は、図1に示した演算部14が備える各部を含む。即ち、図11(A)では、演算部14の各部がミドルウェア101として実現される。通信設定制御部140は、ドライバ102を介して、通信デバイス400の通信部401を制御し、WiGig通信する。
なお、ミドルウェア101は、アプリケーションでもよい。また、通信設定制御部140は、ドライバ102に設けられてもよい。
図11(B)に示す第2例では、無線通信装置100は、WiGig通信するための通信デバイス400と接続可能な構成である。図11(B)では、図11(A)と異なり、通信設定制御部140が、通信デバイス400に設けられている。通信設定制御部140は、ドライバ102を介してミドルウェア101からの要求を受け、通信部401を制御して、WiGig通信する。なお、ミドルウェア101は、アプリケーションでもよい。
なお、本開示は、上記実施形態の構成に限られるものではなく、特許請求の範囲で示した機能、または本実施形態の構成が持つ機能が達成できる構成であればどのようなものであっても適用可能である。
上記実施形態では、本開示をハードウェアで構成する場合を例にとって説明したが、本開示はハードウェアとの連携においてソフトウェアでも実現することも可能である。
また、上記実施形態の説明に用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部または全てを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしてもよいし、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称してもよい。
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現してもよい。例えば、LSI製造後にプログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、LSI内部の回路セルの接続、又は、設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
(本開示の一態様の概要)
本開示の第1の無線通信装置は、
所定の通信方式に従って通信する通信部と、
他の無線通信装置を探索するための第1のフレームを用いて、前記通信部を介して、他の無線通信装置を探索する探索部と、
前記他の無線通信装置の探索中に、通信先の無線通信装置の情報を取得した場合、前記第1のフレームを送信する第1のフェーズか、前記第1のフレームを受信する第2のフェーズか、を判定するフェーズ判定部と、
前記フェーズ判定部による判定結果に応じて、前記通信先の無線通信装置との間の無線回線における帯域のスケジュール情報を含む第2のフレームと、前記通信先の無線通信装置との間でグループを形成するためのアクションフレームと、を通信するための通信モードを設定する通信モード設定部と、
前記通信モード設定部により設定された通信モードに応じて、前記通信部を介して、前記第2のフレーム及び前記アクションフレームを通信するグループ形成部と、
を備える。
本開示の第2の無線通信装置は、第1の無線通信装置であって、
前記グループ形成部は、前記通信モード設定部により設定された通信モードに応じて、前記通信部を介して、前記第2のフレーム及び前記アクションフレームを通信して、前記グループを形成し、
前記通信部は、前記グループ形成部により前記グループが形成された場合、前記通信先の無線通信装置との間で直接通信する。
本開示の第3の無線通信装置は、第1または第2の無線通信装置であって、
前記グループ形成部は、前記アクションフレームの通信終了後、前記第2のフレームの送信を停止する。
本開示の第4の無線通信装置は、第1ないし第3のいずれかの無線通信装置であって、
更に、前記通信先の無線通信装置を指定する指定部を備え、
前記通信モード設定部は、前記指定部により通信先の無線通信装置が指定された場合、前記通信モードを設定する。
本開示の第5の無線通信装置は、第1ないし第3のいずれかの無線通信装置であって、
前記通信先の無線通信装置から前記アクションフレームを受信する受信部を備え、
前記通信モード設定部は、前記受信部により前記アクションフレームが受信された場合、前記通信モードを設定する。
本開示の第6の無線通信装置は、第4の無線通信装置であって、
前記通信モード設定部は、前記指定部により前記通信先の無線通信装置を指定され、前記フェーズ判定部により前記第1のフェーズであると判定された場合、前記第2のフレームを送信し、前記アクションフレームを通信する第1の通信モードに設定する。
本開示の第7の無線通信装置は、第4の無線通信装置であって、
前記通信モード設定部は、前記指定部により前記通信先の無線通信装置を指定され、前記フェーズ判定部により前記第2のフェーズであると判定された場合、前記第2のフレームを受信し、前記アクションフレームを通信する第2の通信モードに設定する。
本開示の第8の無線通信装置は、第5の無線通信装置であって、
前記通信モード設定部は、前記受信部によりアクションフレームが受信され、前記フェーズ判定部により前記第1のフェーズであると判定された場合、前記第2のフレームを送信し、前記アクションフレームを通信する第3の通信モードに設定する。
本開示の第9の無線通信装置は、第6の無線通信装置であって、
前記通信モード設定部は、前記受信部によりアクションフレームが受信され、前記フェーズ判定部により前記第2のフェーズであると判定された場合、前記第2のフレームを受信し、前記アクションフレームを通信する第4の通信モードに設定する。
本開示の第10の無線通信装置は、第1ないし第9のいずれかの無線通信装置であって、
前記グループ形成部は、前記無線回線の通信周波数に応じて帯域管理の要否を判定し、帯域管理が必要と判定された場合、前記第2のフレームを送信する。
本開示の第11の無線通信装置は、第1ないし第10のいずれかの無線通信装置であって、
前記通信部は、WiGig方式に従って通信する。
本開示の無線通信方法は、
所定の通信方式に従って通信する無線通信装置における無線通信方法であって、
他の無線通信装置を探索するための第1のフレームを用いて、他の無線通信装置を探索するステップと、
前記他の無線通信装置の探索中に、通信先の無線通信装置の情報を取得した場合、前記探索において前記第1のフレームを送信する第1のフェーズか、前記第1のフレームを受信する第2のフェーズか、を判定するステップと、
前記第1のフェーズか前記第2のフェーズかの判定結果に応じて、前記通信先の無線通信装置との間の無線回線における帯域のスケジュール情報を含む第2のフレームと、前記通信先の無線通信装置との間でグループを形成するためのアクションフレームと、を通信するための通信モードを設定するステップと、
前記設定された通信モードに応じて、前記第2のフレーム及び前記アクションフレームを通信するステップと、
を有する。
本開示の無線通信プログラムは、
無線通信方法の各ステップをコンピュータに実行させるための無線通信プログラムである。