JP6304626B2 - リハビリテーション装置 - Google Patents

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本発明は、筋の不随意運動を抑制する訓練に用いられるリハビリテーション装置に関する。
近年、ヒトの脳活動に応じて外部機械を制御する技術であるブレイン・マシン・インタフェース(BMI)が注目されている。この技術は、脳の神経ネットワークを流れる微弱な電流から生じる脳波を検出し、これを解析して電気信号に変換することで情報伝達を行い、外部機器を制御するものである。特に、リハビリテーションや医療工学の分野において、この技術を応用して身体の代替を行わせることにより、肢体不自由者の生活の質を飛躍的に向上できることから大きく期待されている。例えば、四肢切断者においては、身体動作に伴う脳波変化に応じて電動の義手及び義足を操作することによって、移動や把持等の機能を切断以前のように回復させることが可能となる。
このようにBMIは、脊髄損傷患者や筋萎縮性側索硬化症等の重度四肢不自由者をはじめ、脳卒中片麻痺患者を適用対象者としており、これを用いた様々な研究が行われ、開示されている(例えば、特許文献1)。
しかしながら、特許文献1が開示している技術を含む従来のBMI技術は、運動命令が筋に伝達される前に阻害されてしまう運動麻痺患者のみを対象としており、そのような患者の数は限られている。このため、BMI技術を運動麻痺の患者だけではなく、中枢神経系の障害によって不随意な筋収縮を引き起こす運動障害・不随意運動の患者にも適用し、多くの患者がその恩恵を受けられるようにすることが望まれている。
中枢神経系の障害によって高まりすぎる筋の興奮性を下げる技術として、経頭蓋磁気刺激、投薬又は注射等を行う方法が模索されているが、いずれも患者への負担が大きく治療の制約も多いものであった。
例えば、中枢神経系の障害によって高まりすぎる筋の興奮性を下げるために、経頭蓋磁気刺激を与えても筋活動が出現しにくくなるように、脳内でイメージする訓練方法が提案されている(非特許文献1)。この訓練方法は、図1に示すように、頭部皮下である皮質運動野に磁気刺激を与え、この刺激に伴う筋への興奮の伝搬を筋電計で測定し、その結果を画面に筋電図として表示し、患者にフィードバックするものである。患者はその画面を見ながら筋への興奮の伝搬ができるだけ低減するようにイメージ訓練する。
特開2010−051356号公報
Young H.Sohn,Nguyet Dang,Mark Hallet,"Suppression of Corticospinal Excitability During Negative Motor Imagery",Journal of neurophysiology 90,pp.2303−2309, 2003
しかしながら、非特許文献1に開示されている訓練方法は、磁気刺激により頭部皮下の神経や筋を刺激しているので、不快感や痛みを伴うものであり、また、てんかん発作の可能性がある等の制約が多いものであった。しかも、大きなクリック音が発生するため、患者の集中力が乱れることからイメージ訓練としては適切な方法ではなかった。
従って本発明の目的は、リハビリ対象者への刺激なしに筋の不随意運動を抑制するイメージ訓練が可能となるリハビリテーション装置を提供することにある。
本発明によれば、リハビリテーション装置は、リハビリ対象者の脳波を計測して脳波信号を得る脳波計測部と、このリハビリ対象者の筋の不随意運動に基づく活動電位を計測して筋電図信号を得る筋電図計測部と、脳波計測部から得られる脳波信号のパワースペクトルを算出するパワースペクトル算出手段と、脳波計測部から得られる脳波信号及び筋電図計測部から得られる筋電図信号から脳波筋電図コヒーレンスを算出するコヒーレンス算出手段と、脳波筋電図コヒーレンスからこのリハビリ対象者において強い同期性を有する周波数帯を求め、パワースペクトル算出手段から得られるパワースペクトルのうちこの周波数帯におけるパワースペクトルを脳波の特徴量として算出する特徴量算出手段と、特徴量算出手段から得られる脳波の特徴量を線形判別関数に代入して皮質興奮性を示す判別結果を算出する線形判別手段と、リハビリ対象者へフィードバックするために、線形判別手段から得られた判別結果を表示画面に表示する表示制御手段とを備えている。
リハビリ対象者、例えば患者、被験者又は使用者等、の脳波信号及び筋電図信号を計測し、脳波信号のパワースペクトルを算出すると共に脳波筋電図コヒーレンスを算出する。この脳波筋電図コヒーレンスからリハビリ対象者において強い同期性を有する周波数帯を求め、この周波数帯におけるパワースペクトルを脳波の特徴量として算出する。この特徴量を線形判別関数に代入して得られた皮質興奮性を示す判別結果を表示画面に表示してリハビリ対象者へフィードバックする。リハビリ対象者は、表示画面を見ながら皮質興奮性が高くならないように随意運動を行うことにより、不随意運動を抑制するイメージ訓練を行う。これにより、リハビリ対象者への刺激なしに筋の不随意運動を抑制するイメージ訓練が可能となる。その結果、不随意運動を低減し患者に負担をかけない新規なリハビリテーション装置として、これまで適用されていなかった患者群までBMI研究の適用範囲を広げることが可能となる。
線形判別手段が、フィッシャーの線形判別法により、下式(ただし、xは国際10−20法のC3に関する脳波の特徴量、xは国際10−20法のC4に関する脳波の特徴量、w、w及びcはあらかじめ設定されたパラメータ)
LDA=w+w+c
から判別結果LDAを算出するように構成されていることが好ましい。
この場合、線形判別手段が、教師付学習によって、パラメータw、w及びcをあらかじめ計測及び/又は計算しラベル付けした特徴量を使って設定するように構成されていることがより好ましい。
表示制御手段が、縦軸が判別結果を、横軸が時間をそれぞれ表す表示画面上に、線形判別手段から得られた判別結果をマーク表示するように構成されていることも好ましい。
パワースペクトル算出手段が、脳波計測部から得られる脳波信号を所定時間毎のデータに分割し、分割したデータをフーリエ変換し、フーリエ変換後の全データを二乗して平均化することによってパワースペクトルを算出するように構成されていることも好ましい。
コヒーレンス算出手段が、下式(ただし、X(f)は脳波信号の周波数fにおけるオートパワースペクトル、Y(f)は筋電図信号の周波数fにおけるオートパワースペクトル、*は共役複素数、・は内積、バーはアンサンブル平均)
Figure 0006304626
から脳波筋電図コヒーレンスCxy(f)を算出するように構成されていることも好ましい。
特徴量算出手段が、パワースペクトル算出手段から得られるパワースペクトルを上述の周波数帯のみのパワースペクトルとなるようにバンドパス処理し、バンドパス処理したパワースペクトルを整流処理し、整流処理したパワースペクトルを所定の窓幅で移動平均処理して脳波の特徴量を算出するように構成されていることも好ましい。
本発明によれば、リハビリ対象者への刺激なしに筋の不随意運動を抑制するイメージ訓練が可能となる。
経頭蓋磁気刺激により皮質興奮性を下げる従来の訓練方法を説明する図である。 本発明におけるリハビリテーション装置を用いて不随意運動を低減する方法を説明する図である。 本発明の一実施形態として、リハビリテーション装置全体の電気的構成を概略的に示すブロック図である。 図3の実施形態におけるリハビリテーション装置のコンピュータの構成を概略的に示すブロック図である。 図3の実施形態におけるリハビリテーション装置の信号処理部の動作を説明するフローチャートである。 図3の実施形態におけるリハビリテーション装置の信号処理部の構成を概略的に示すブロック図である。 図3の実施形態における脳波筋電図コヒーレンスの一例を示す特性図である。 図3の実施形態における患者へのフィードバック表示画面の一例を示す図である。 図3の実施形態によって訓練する前及び訓練した後の書痙患者の筆跡を示す図である。
図2は本発明におけるリハビリテーション装置を用いて不随意運動を低減する方法を説明しており、同図に示すように、リハビリ対象者(患者、被験者又は使用者等)の脳波信号及び筋電図信号から皮膚興奮性の指標を計算し、皮質興奮性の変化をマーク(この場合星のマーク)の動きとして表示画面に表示してリハビリ対象者へリアルタイムでフィードバックする。リハビリ対象者は、表示画面を見ながら皮質興奮性が高くならないように随意運動を行うことにより、不随意運動を抑制するイメージ訓練を行う。これにより、リハビリ対象者への刺激なしに筋の不随意運動を抑制するイメージ訓練が可能となる。
以下、本発明の一実施形態であるリハビリテーション装置の構成、動作及び作用効果について詳細に説明する。図3は本発明の一実施形態としてリハビリテーション装置全体の電気的構成を概略的に示しており、図4は本実施形態におけるリハビリテーション装置のデジタルコンピュータの構成を概略的に示しており、図5は実施形態におけるリハビリテーション装置の信号処理部の動作を説明しており、図6は本実施形態におけるリハビリテーション装置の信号処理部の構成を概略的に示している。
本実施形態におけるリハビリテーション装置は、図3に示すように、リハビリ対象者の一例である患者の脳に貼付した複数の脳波電極10と、この脳波電極10に電気的に接続された生体信号増幅器11と、患者の手の筋に貼付した複数の筋電極12と、この筋電極12に電気的に接続された生体信号増幅器13と、生体信号増幅器11及び13に電気的に接続されたデジタルコンピュータ14とを備えている。
デジタルコンピュータ14は、生体信号増幅器11及び13にそれぞれ電気的に接続された信号処理部15と、信号処理部15に電気的に接続された表示ディスプレイ16とを少なくとも備えている。
複数の脳波電極10は、患者の国際10−20法のC3及びC4を中心に前後左右4箇所に電極中心間距離が等距離の2.5cmとなるように貼付した電極である。接地電極は前頭部、基準電極は右耳朶として単極導出を行うように構成されている。
複数の筋電極12は、手関節の伸展時に活動する橈側手根伸筋(ECR)の筋腹上に貼付され、双極導出を行うように構成されている。
生体信号増幅器11及び13は、高性能DC生体増幅器である例えばg.tec社のg.USBampからそれぞれ構成されている。これら生体信号増幅器11及び13は、複数の脳波電極10からの脳波信号及び複数の筋電極12からの筋電図信号を増幅し、2〜1000Hzの通過帯域でバンドパスし、その後、2400Hzのサンプリング周波数でA/D変換する。
生体信号増幅器11及び13からのデジタルの脳波データ及び筋電図データはデジタルコンピュータ14の信号処理部15へ入力するように構成されている。
図4に示すように、デジタルコンピュータ14は、バス40を介して互いに接続された中央処理装置(CPU)41と、リードオンリメモリ(ROM)42と、ランダムアクセスメモリ(RAM)43と、ハードディスク駆動装置(HDD)44と、画像処理部45と、外部メモリ駆動装置46と、入出力インタフェース47とを備えたコンピュータ及びこれを作動させるプログラムから構成される。
画像処理部45は表示ディスプレイ16に接続されており、外部メモリ駆動装置46は例えばブルーレイディスク/デジタルバーサタイルディスク/コンパクトディスク(BD/DVD/CD)48やメモリカードが装着可能となっており、入出力インタフェース47にはキーボード49及びマウス50が接続されており、さらに、図示しないUSBポートを介して前述した生体信号増幅器11及び13に接続され、脳波データ及び筋電図データが入力されるように構成されている。
CPU41は、ROM42に記憶されているオペレーションシステム(OS)やブートプログラム等の基本プログラムに従ってRAM43に記憶されているプログラムを実行して本実施形態の処理を行う。また、CPU41は、RAM43、HDD44、画像処理部45、外部メモリ駆動装置46、及び入出力インタフェース47の動作を制御する。
RAM43は信号処理部15のメインメモリとして使用され、HDD44や外部メモリ駆動装置46から転送されたプログラムやデータを記憶する。また、RAM43は、プログラム実行時の各種データが一時的に記憶されるワークエリアとしても使用される。
HDD44は、プログラム及びデータをあらかじめ記憶している。
画像処理部45は、CPU41の指示に従って画像処理を行い、画像データを生成する。生成された画像データは、表示ディスプレイ16に出力される。
外部メモリ駆動装置46は、CPU41の指示に従って、セットされたBD/DVD/CD48やメモリカード等の外部メモリからプログラムやデータを読出し、RAM43へ転送する。また、セットされた外部メモリへプログラムやデータの書き込みをすることも可能である。
入出力インタフェース47は、生体信号増幅器11及び13からの脳波データ及び筋電図データの入力、並びにキーボード49及びマウス50とCPU41又はRAM43との間のデータのやり取りを制御する。
このような構成の信号処理部15において、CPU41は、作動時は、まず、RAM43内にプログラム記憶領域、データ記憶領域及びワークエリアを確保し、HDD44又は外部からプログラム及びデータを取り込んで、プログラム記憶領域及びデータ記憶領域に格納する。次いで、このプログラム記憶領域に格納されたプログラムに基づいて、図5に示す処理を実行する。CPU41がプログラムを実行することによって、図6に概略的に示すごとき信号処理部15が構築される。なお、本実施形態において、これらプログラムは、代表的な数値解析ソフトウェアであるMathwork社のMATLABを用いて構成されている。もちろん、他のソフトウェアを用いても良い。
図6に示すように、信号処理部15は、生体信号増幅器11からの(実際にはラプラシアン導出された)脳波データを受け取ってパワースペクトルを算出するパワースペクトル算出手段60と、生体信号増幅器11から脳波データ及び生体信号増幅器13から筋電図データを受け取って脳波筋電図コヒーレンスを算出するコヒーレンス算出手段61と、コヒーレンス算出手段61から脳波筋電図コヒーレンス及びパワースペクトル算出手段60からパワースペクトルを受け取って脳波の特徴量を算出する特徴量算出手段62と、特徴量算出手段62から脳波の特徴量を受け取って皮質興奮性を示す判別結果を算出する線形判別手段63と、線形判別手段63から得られた判別結果を表示ディスプレイ16上に表示する表示制御手段64とを備えている。
以下、図5を参照してデジタルコンピュータ14(CPU41)の処理動作を説明する。
まず、生体信号増幅器11から脳波データを、生体信号増幅器13から筋電図データをそれぞれ受け取る(ステップS1)。受け取った脳波データ及び筋電図データは、RAM43内のワークエリアに記憶される。
次いで、脳波データについて、ラプラシアン導出処理が行われる。このラプラシアン導出処理は、背景脳波の影響を取り除くための処理であり、例えばC3の脳波データについてはその前後左右4箇所の脳波データF3、T3、P3及びCzからC3′=C3−(F3+T3+P3+Cz)/4から算出される。C4の脳波データについても同様である。ラプラシアン導出された脳波データは、RAM43内のワークエリアに記憶される。
次いで、ラプラシアン導出されたC3及びC4に関する脳波データを所定時間毎のデータに分割し、これら分割したデータをフーリエ変換し、フーリエ変換後の全データを二乗して平均化することによってそれぞれのパワースペクトルが算出される(ステップS2)。ここでは、ウェルチの平滑化法が用いられる。算出されたパワースペクトルは、RAM43内のワークエリアに記憶される。これら脳波のパワースペクトルの算出方法は単なる一例であり、他の算出方法を用いても良い。
次いで、ラプラシアン導出された脳波データと筋電図データとから脳波筋電図コヒーレンスが算出される(ステップS3)。このコヒーレンスの算出は、下式から脳波筋電図コヒーレンスCxy(f)を算出するものである。ただし、X(f)は脳波信号の周波数fにおけるオートパワースペクトル、Y(f)は筋電図信号の周波数fにおけるオートパワースペクトル、*は共役複素数、・は内積、バーはアンサンブル平均である。
Figure 0006304626
このようにして算出された脳波筋電図コヒーレンスは、RAM43内のワークエリアに記憶される。この脳波筋電図コヒーレンスの算出方法は単なる一例であり、他の算出方法を用いても良い。
図7はこの算出された脳波筋電図コヒーレンスの一例を示している。同図において、横軸は周波数(Hz)、縦軸は脳波筋電図コヒーレンスをそれぞれ表している。なお、点線は1%の統計的有意レベルを表している。同図から分かるように、この例では、25〜35Hzの周波数帯が統計的有意レベルを有しており、脳波と筋電図とに強い同期性が現れている。
その後、算出された脳波筋電図コヒーレンス及び算出されたC3及びC4に関するパワースペクトルから脳波の振幅に相当する特徴量がそれぞれ算出される(ステップS4)。これら特徴量の算出は、ステップS3において算出されたC3及びC4に関するパワースペクトルのうち、脳波筋電図コヒーレンスが統計的有意レベルを有する上述の周波数帯(図7の例では25〜35Hz)のみのC3及びC4に関するパワースペクトルとなるように、例えばバターワースフィルタによってバンドパス処理し、バンドパス処理して得たパワースペクトルを全波整流処理(絶対値化処理)し、全波整流処理したパワースペクトルを例えば1秒等の所定の窓幅で移動平均処理(ローパスフィルタ処理)するものである。このようにして算出されたC3に関する脳波の特徴量x及びC4に関する脳波の特徴量xは、RAM43内のワークエリアに記憶される。この脳波の特徴量の算出方法は単なる一例であり、他の算出方法を用いても良い。
次いで、算出されたC3及びC4に関する脳波の特徴量から特徴量の線形判別が行われる(ステップS5)。この線形判別は、フィッシャーの線形判別法により、下式から判別結果LDAを算出するものである。ただし、xは国際10−20法のC3に関する脳波の特徴量、xは国際10−20法のC4に関する脳波の特徴量、w、w及びcはあらかじめ設定されたパラメータである。
LDA=w+w+c
算出された線形判別結果LDAは、RAM43内のワークエリアに記憶される。この線形判別方法は単なる一例であり、他の方法を用いても良い。
パラメータw、w及びcは、教師付学習によって、あらかじめ計測及び/又は計算しラベル付けした特徴量を使って設定される。例えば、「安静」及び「運動」を脳波から識別するために、両方のデータが入った特徴量ベクトルのセットx,x,...,x2Nを用意する。ここで、2Nは計測した回数であり、xからxまでは安静時のクラス、xN+1からx2Nは運動時のクラスとする。このとき、クラス間分散Sとクラス内分散SBとの比であり、次式で示すJが最大となるように、パラメータw、w及びcを設定する。
J(w)=Tr{S−1′}=Tr{(ww)−1(ww)}
即ち、Jが最大となるwはS−1′の固有ベクトルで与えられるので、この行列の固有値を求めることでwを設定することができる。このパラメータの設定方法は単なる一例であり、他の設定方法を用いても良い。
次いで、算出された線形判別結果LDAが表示ディスプレイ16上に表示される(ステップS6)。図8は表示ディスプレイ16上に表示され、患者へフィードバックされる判別結果LDAの一例を示している。同図において、横軸は時間、縦軸は線形判別結果LDAをそれぞれ表しており、この例では星マークで示される線形判別結果LDAが時間の経過に従って左から右へ一定の速度で移動する。本実施形態においては、1トライアルを8secとし、画面の更新速度が120Hzであるため、約4msecに一度、星マークが横軸方向へ移動することとなる。この表示方法は単なる一例であり、他の表示方法を用いても良い。
患者は、表示ディスプレイ16上のこの星マークの動きを注視し、画面上に色分けして示される腕の伸展時に星マークが上方へ上がらないように繰り返して訓練する。
図9は本実施形態のリハビリテーション装置によって訓練する前及び訓練した後の書痙患者の筆跡を示している。同図に示すように、本実施形態のリハビリテーション装置を用いて、1日60分、2週間に1日訓練することによって、約半年後には書痙がかなり改善されたことが分かる。
以上述べた実施形態は全て本発明を例示的に示すものであって限定的に示すものではなく、本発明は他の種々の変形態様及び変更態様で実施することができる。従って本発明の範囲は特許請求の範囲及びその均等範囲によってのみ規定されるものである。
10 脳波電極
11、13 生体信号増幅器
12 筋電極
14 デジタルコンピュータ
15 信号処理部
16 表示ディスプレイ
40 バス
41 CPU
42 ROM
43 RAM
44 HDD
45 画像処理部
46 外部メモリ駆動装置
47 入出力インタフェース
48 BD/DVD/CD
49 キーボード
50 マウス
60 パワースペクトル算出手段
61 コヒーレンス算出手段
62 特徴量算出手段
63 線形判別手段
64 表示制御手段

Claims (7)

  1. リハビリ対象者の脳波を計測して脳波信号を得る脳波計測部と、該リハビリ対象者の筋の不随意運動に基づく活動電位を計測して筋電図信号を得る筋電図計測部と、前記脳波計測部から得られる脳波信号のパワースペクトルを算出するパワースペクトル算出手段と、前記脳波計測部から得られる脳波信号及び前記筋電図計測部から得られる筋電図信号から脳波筋電図コヒーレンスを算出するコヒーレンス算出手段と、該脳波筋電図コヒーレンスから前記リハビリ対象者において強い同期性を有する周波数帯を求め、前記パワースペクトル算出手段から得られるパワースペクトルのうち前記周波数帯におけるパワースペクトルを脳波の特徴量として算出する特徴量算出手段と、該特徴量算出手段から得られる脳波の特徴量を線形判別関数に代入して皮質興奮性を示す判別結果を算出する線形判別手段と、前記リハビリ対象者へフィードバックするために、前記線形判別手段から得られた判別結果を表示画面に表示する表示制御手段とを備えていることを特徴とするリハビリテーション装置。
  2. 前記線形判別手段が、フィッシャーの線形判別法により、下式(ただし、xは国際10−20法のC3に関する脳波の特徴量、xは国際10−20法のC4に関する脳波の特徴量、w、w及びcはあらかじめ設定されたパラメータ)
    LDA=w+w+c
    から判別結果LDAを算出するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のリハビリテーション装置。
  3. 前記線形判別手段が、教師付学習によって、前記パラメータw、w及びcをあらかじめ計測及び/又は計算しラベル付けした特徴量を使って設定するように構成されていることを特徴とする請求項2に記載のリハビリテーション装置。
  4. 前記表示制御手段が、縦軸が判別結果を、横軸が時間をそれぞれ表す表示画面上に、前記線形判別手段から得られた前記判別結果をマーク表示するように構成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のリハビリテーション装置。
  5. 前記パワースペクトル算出手段が、前記脳波計測部から得られる脳波信号を所定時間毎のデータに分割し、該分割したデータをフーリエ変換し、該フーリエ変換後の全データを二乗して平均化することによって前記パワースペクトルを算出するように構成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のリハビリテーション装置。
  6. 前記コヒーレンス算出手段が、下式(ただし、X(f)は前記脳波信号の周波数fにおけるオートパワースペクトル、Y(f)は前記筋電図信号の周波数fにおけるオートパワースペクトル、*は共役複素数、・は内積、バーはアンサンブル平均)
    Figure 0006304626
    から前記脳波筋電図コヒーレンスCxy(f)を算出するように構成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のリハビリテーション装置。
  7. 前記特徴量算出手段が、前記パワースペクトル算出手段から得られる前記パワースペクトルを前記周波数帯のみのパワースペクトルとなるようにバンドパス処理し、該バンドパス処理したパワースペクトルを整流処理し、該整流処理したパワースペクトルを所定の窓幅で移動平均処理して脳波の特徴量を算出するように構成されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のリハビリテーション装置。
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