本明細書は、新規とみなされる本発明の特徴を定義する特許請求の範囲で締めくくられているが、類似の参照番号が繰り越されている図面と併せて以下の説明を検討することにより、本発明は、より良く理解されると考えられる。
本明細書において、本発明の様々な実施形態が説明される。異なる実施形態の多くにおいて、特徴は類似している。したがって、冗長さを避けるために、一部の場合には、これらの類似の特徴の繰り返しとなる説明がなされないこともある。しかしながら、初出の特徴の説明は、後出の類似の特徴に適用され、したがって、各それぞれの説明は、そのように繰り返されることがなくとも、そこに援用されることが理解されるべきである。
ここで図面の図を詳細に、そしてまず特にその図2を参照すると、カテーテル100が配置される内腔、例えば、尿道の内腔の断裂限界を超えて膨張することのない、圧力制限バルーンカテーテル100の第1の実施形態が示されている。
早すぎる不適切なバルーンの膨張に起因する、または膨張したバルーンの早すぎる取り外しに起因する、あるいはこれら両方による尿道断裂の発生を防ぐために、本出願の発明は、バルーン安全バルブ112を備えるバルーン110を提供する。上述のように、従来型のカテーテルのバルーン3では(図1の参照番号1から5参照)、高圧バルーン3は、流体ドレナージルーメン120(図1には示さず)の外面に固定され、膨張量が膨大にならない限りは、そこから取り外されたり、そこで破裂したりしないよう意図されている。このような断裂は、患者に使用する際、いかなる場合であっても起こってはならない。そのようなことが起これば、バルーン3の材料は、材料自体における微視的破壊または弱点に基づいてランダムな位置で開裂し、カテーテル1の取り外し後も1つまたは2つ以上のバルーン3の破片を患者の体内に残し得るバルーン破砕の危険に加えて、破裂によって重篤な障害を患者に与える危険を冒す。
そのような従来型の機器に対して、本発明のバルーン110は、バルーン110に既定の圧力がある、またはかかる場合、裂けるように特別に作られている。バルーン安全バルブ112が存在することから、制御された断裂が起こる。従来型のバルーンは、一定のバルーン肉厚を有する(膨張前)。それに対して、第1の実施形態におけるバルーン安全バルブ112には、バルーン肉厚において規定の減肉がなされている。この減肉は、バルーン110に既定の力が存在する、またはかかる場合、バルーン110が破壊するように特別に意図されている、ある破断点または選択された破断点を作り出す。バルーン110は、その厚さに応じる既知の引き裂き定数(これは、患者での使用前に所与の材料の異なる厚さについて実験的に測定される)を有する材料から製作されるため、尿道に適用するための本発明のバルーン安全バルブ112は、バルーン110の内圧または外圧が最大尿道内圧に達すると、破砕するように適合される。
図2に示される実施形態では、厚さの減少は、バルーン110の近位端付近に第1の半円周溝114として、またはバルーン110の遠位端付近に第2の半円周溝116として、あるいはこれらの両方として形成される。溝114、116は、例えば、台形、三角形、正方形、または長方形を含む、任意の断面形状を有し得る。ゴム、プラスチック、およびシリコーン材料は、薄肉の切れ目でよく裂けることから、どちらかといえば三角形の形状または底部が狭いものが例示的な構成であり得る。図示の実施形態のバルーン110全体が流体ドレナージルーメン120から完全に引き離されないようにするために、溝114、116の両方とも、バルーン110の全周囲にわたっては延在しない。図2の近位溝116の左に示されているように、溝116は、バルーン110の円周の少なくとも円弧部分118上には存在しない。円弧部分は、カテーテル100が患者から取り外される際に、カテーテル100からバルーン110が完全に引き離される(そして、上述の不都合な破砕状況を生み出す)ことができない程度に十分に大きく画定される。図示のバルーン安全バルブ112は、したがって、バルーン110を破砕後も一体に保ち、カテーテル100にしっかりと連結されたままにするように適合されて、バルーン安全バルブ112の作動後にバルーン110の破片が一切患者の体内に残らないことを確実にする。あるいは、溝は、カテーテルの軸に平行で、バルーンの長さに沿っていてもよい。この溝は、カテーテルに取り付けた後バルーンを薄く剥ぐことによって、または押し出し成形または浸漬成形の間にバルーンが形成される際にバルーンを薄く剥ぐことによって、作成され得る。この実施形態では、圧力が既定の限界を超えると、破片を出すことなく、バルーンが溝に沿って割れる。
なお、バルーン110は、典型的には、ルアーコネクタ(図3の260参照)の一端によって形成される、近位開口部を有するインフレーションルーメン130を介して膨張される。図示の端部は、図示されていない膨張用機器、例えば、バルーン110膨張用シリンジの遠位端に連結される。
この第1の実施形態では、バルーンは、例えば、エラストマー、ゴム、シリコーン、またはプラスチックであり得る。一度バルーンが壊れたならば、カテーテルは使用できず、廃棄されなければならない。この実施形態におけるバルーン110は、患者の体内で分解することから、望ましくない空気、気体、または生物学的に安全でない流体が患者に侵入するのを防ぐために、生物学的に安全な流体で膨張されなければならない。バルーンカテーテルが用いられる特定の状況では、患者の体腔内に放出されても空気または気体は患者を傷つけない。そのような状況においては、膨張用流体は、例えば、加圧した空気であってもよい。
最大尿道内圧はまた、一人ひとりの患者に合わせることができる。尿道内圧測定装置に基づいて、カテーテル100をそこに配置する前に、患者の最大尿道内圧が測定され得る。医師は、異なる安全バルブ破断点を有する一式のカテーテル100を入手でき、患者の最大尿道内圧を推定または算出あるいは把握した後、医師は、患者の最大尿道内圧よりも若干または実質的に小さい安全バルブ破断点を有するカテーテル100を選択できる。したがって、過膨張、または不適切な配置、または早すぎる取り外し、あるいはこれらの組み合わせに起因しようとすまいと、なんらかの理由でバルーン110の圧力が患者の最大尿道内圧に達すると、バルーン110は、患者の内腔(特に、患者の尿道)の前に、したがって、損傷を生じる前に壊れるように保証される。
圧力制限バルーンカテーテル200の単回使用で壊れる安全バルブの第2の実施形態が、図3に示されている。カテーテル200は、流体ドレナージルーメン220と、バルーンインフレーションルーメン230と、補助ルーメン240とを有する。
流体ドレナージルーメン220は、流体を体腔から排出するために、体腔(すなわち、膀胱30)に流体的に連結される。
補助ルーメン240は、任意の目的のため、例えば、照射コイル2にエネルギーを供給する照射用ラインを収容するために用いられ得る。補助ルーメン240は、カテーテル200の任意の遠位部分内に、あるいは、体腔自体にさえ、流体を注入するためにも用いられ得る。
バルーンインフレーションルーメン230は、例示的な実施形態では、ルアーコネクタの一部分である膨張用コネクタ260を備える近位端で始まる。バルーンインフレーションルーメン230は、カテーテル200の胴体を通ってバルーン110内まで続き、バルーン110の内部に流体的に連結される。
代替的または追加的に、バルーン安全バルブは、バルーンインフレーションルーメン230に流体的に連結される。安全バルブ212の第2の実施形態では、バルブ212は、バルーンインフレーションルーメン230と一体的に形成され、またバルーン110またはバルーンインフレーションルーメン230において最大尿道内圧を超えた場合、(患者の体内ではなく)環境内に開放するように設置することもできる。代替的に、そして図示されていないが、バルブ212は、バルーンインフレーションルーメン230と一体的に形成され、またバルーン110またはバルーンインフレーションルーメン230において最大尿道内圧を超えた場合、ドレナージルーメン220内に開放するように設置することもできる。さらなる代替策には、環境内およびドレナージルーメン220内の両方に解放することが含まれる。この安全バルブ212が、この構成では、バルーンインフレーションポート260の付近またはバルーンインフレーションポート260に配置されることから、バルーンを膨張するのに用いられる流体は、バルブ212解放時に患者には侵入しない。
第2の実施形態における安全バルブ212は、単に、バルーンインフレーションルーメン230とカテーテル220の外面250との間の距離の狭小化であり得る。図3において、バルブ212は、矩形の断面を有し、バルーンインフレーションルーメン230から離れる方向に延在している。図4、図5、および図6にそれぞれ示されるように、断面は、三角形(三次元で尖っている、またはピラミッド状)、湾曲(三次元で円形または円筒形)、または台形(三次元で円錐台または棒状)であり得る。断面は、狭小部がバルーンインフレーションルーメン230から外向きに出ている状態で、図3から図7に示されている。代替策として、狭小部は、カテーテルの外面上で始まり、バルーンインフレーションルーメン230向けて内向きに延在し得る。さらなる代替策は、内側ルーメン230とカテーテルの外面との両方から延在する狭小部を有し得る。
図示の断面は、単なる例示である。重要なのは、残りのバルーンインフレーションルーメン230にわたるカテーテル胴体の厚さTと比べた、バルブ212の底部213とカテーテル220の外面250との間の厚さtである。この厚さ比較の拡大図が、図7に示されている。厚さtが、厚さTよりも小さい限り(t<T)、そしてバルーンの破壊に要する力Fbが、安全バルブ212の一部分213の破壊に要する力Fsvよりも大きい限り(Fb>Fsv)、安全バルブ212の一部分213は、実質的に、毎回バルーンインフレーションルーメン230に力Fを与える圧力が、安全バルブの破壊に要する力Fsvよりも大きくなるたびに(Fsv>F)、壊れるように保証される。
この分析に基づいて、安全バルブの破壊に要する力Fsvは、患者が必要とする、または医師が所望するものに合わせることができ、また異なる寸法のバルブが、いかなる手術用にも入手可能であり、キットの形態で提供され得る。標準的な最大尿道内圧を用いるか、患者固有の最大尿道内圧を測定して用いるかによらず、患者に対して使用する前に様々なカテーテル厚さtで実験を行って、安全バルブ212の部分213の破壊に要する圧力を判定してもよい。例えば、10種の異なる最大尿道内圧を望ましい設定値として把握でき、厚さtは、10種の厚さを壊すのに要する圧力が、10種の設定値圧力に対応するように変えることができる。その結果、そのようなキットには10本のカテーテルがあって、それぞれが、10種の厚さのうちの1つを有する場合、医師は、患者に対して使用するために、10種にわたる最大尿道内圧値を用意できることになる。
図3から図7はカテーテルの壁の中への陥凹部を示しているが、陥凹部は、カテーテルの壁を貫通して、カテーテルの外側と通じる貫通孔の形態であってもよく、その上にスリーブが配置される。インフレーションルーメンの圧力に応じて、流体は孔から漏出し、スリーブを持ち上げて、そこから大気に漏出し得る。この実施形態では、圧力は、スリーブ材料の弾性率によって制御される。カテーテルにぴったりと嵌る硬めのスリーブは、低圧で漏出させない。また、軟らかめのゴム状のスリーブは、容易に持ち上がって、高圧流体を解放する。
第2の実施形態の安全バルブ212は、カテーテル200の胴体内に止められる必要はない。代わりに、膨張用コネクタ260は、それ自体、圧力安全バルブ212を備えてもよい。あるいは、安全バルブ212を含む図示されていないモジュール式アタッチメントが、膨張用コネクタ260に取り付けられてもよい。このようなモジュール式バルブアタッチメントは、取り外し可能かつ交換可能である(例えば、従来型のルアー式またはねじ込み式の連結部を介して)。したがって、バルブ212が作動(破壊)した後もカテーテル200がまだ使用され得る限り、使用済のモジュール式バルブアタッチメントは、新しいアタッチメントと交換され得る。カテーテル200が破壊し、アタッチメントのバルブが未破壊のままの場合、アタッチメントの再利用について、その逆もまた成り立つ。モジュール式バルブアタッチメントの下流端は(例えば、ルアーコネクタの一部として成形され)、膨張用コネクタ260の上流端に取り外し可能に取り付けられ、モジュール式バルブアタッチメントの上流端は、通常シリンジであるバルーン膨張機器に連結される。モジュール式バルブアタッチメントの上流端は、同様に、標準的な医療機器への容易な連結のために、ルアーコネクタの一部である。このような構成では、本発明の安全バルブ212、312は、カテーテル200、300から完全に別個であり、したがって、従来型のカテーテルに存在するあらゆるルアーコネクタ部分に取り付けるための改良機器を形成することができる。
第2の実施形態の単回使用で壊れる安全バルブの代替策として、複数回使用の圧力バルブが用いられ得る。圧力制限バルーンカテーテル300のこの第3の実施形態が、図8に示されている。カテーテル300は、図8に示される部分を除いて、図3のカテーテル200と同じであり得る。狭小化したルーメン壁の厚さtを有する代わりに、バルブ部分313は、環境(またはドレナージルーメン220内、あるいはこれらの両方)に完全に延出している。しかしながら、逆止弁314(図8に単に概略的に示されている)が、バルブ部分313の開放端に取り付けられ、またカテーテル300の外面250に固定されて、バルブ部分313の開放端を閉鎖する。逆止弁314は、外面250に(例えば、接着剤で)直接固定され得る、またはコネクタ315(例えば、ねじ式キャップ)が、逆止弁314をバルブ部分313の開放端に固定し得る。構成によらず、逆止弁314は、所与の抵抗Rを超えるまでは、ルーメン230から流体を出さない装置を含む。医師が使用するために異なる抵抗Rを有する一式の逆止弁が入手可能である場合、この所与の抵抗Rは、使用するために選択された逆止弁に応じて医師によって選択され得る。第2の実施形態と同様に、抵抗Rは、所望の最大尿道内圧値に対応するように設定され得る。したがって、使用する場合、流体は、バルーンが患者の最大尿道内圧を超えるかなり前に、環境内へと逆止弁314を出る。
逆止弁314は、機械的逆止弁であり得る。加えて、逆止弁314は、所望の一式の抵抗Rに対応する引き裂き強度を有する材料であり得る。材料は、カテーテルを構成する材料とは異なる液密な織物、ゴム、プラスチック、またはシリコーンであり得る。材料は、さらに、カテーテルを構成する材料と同じであるが、カテーテルの厚さTよりも減肉した厚さtを有するゴム、プラスチック、またはシリコーンであり得る。あるいは、逆止弁314は、スリットバルブであり得る。このようなバルブの様々な例示的な実施形態は、Nicholasらによる米国特許第4,995,863号に見ることができ、これによって、これは、参照によりその全体を本明細書に援用される。
さらに、理解され得るように、圧力解放(または安全)バルブは、ルーメンを備えるハウジングと、ボールと、ルーメン内のばねとから構成され、ばねがボールを規定の開口部に対して押す、従来型の圧力解放バルブであり得る。ボールにかかる圧力が、ばねの力を超えると、ボールが規定の開口部から移動して離れ、流体がボールの周囲を移動し、大気中に排出される。ばねにかかる張力を制御することによって、バルブが圧力を解放する際の圧力を制御できる。さらに、理解され得るように、圧力解放バルブは、ルアーコネクタに連結され得、ルアーコネクタは、従来型の尿路ドレナージカテーテルにはよくあることであるが、バルーンを膨張するために用いられ得る一方向逆止弁に連結され得る。
安全バルブ212、312が、カテーテル200、300の近位端に配置されていることから、カテーテル200、300の遠位端は、従来型のバルーンカテーテル2、3、4、5の遠位端の形態を取り得る。あるいは、図2に示される遠位端はまた、重複の過圧保護に用いられ得る。
本発明の別の例示的な実施形態では、図9から図18は、上述のゴム状の弾力性を有するバルーンへの代替策を示している。特に、上述のゴム状の弾力性を有するバルーンは、薄肉の予め形成された固定直径バルーン1010によって置き換えられる。これは、目立った直径の増加なしで、実質的に圧力をかけずに膨張し、約0.2気圧(2.9psi)から、最大尿道内圧にほぼ等しい0.5気圧(7.35psi)までの間の圧力に耐える。このようなバルーン材料および厚さの例は、血管形成術で用いられているものなど、医療分野で既に用いられている。その他の例示的な材料は、市販(パーティ用)の風船で用いられているもの、例えば、MYLAR(登録商標)、あるいは、例えば、ナイロン、PTA、PTFE、ポリエチレンおよびポリウレタンなどの同様の材料であり得る。図9および図13では、バルーン1010は、球形の形状で示されている。しかしながら、バルーン1010は、例えば、平坦または円錐状にテーパをつけられた端部を備える円筒形であり得る。
膨張バルーン1010は、管状の材料を金型内で加熱することによって、あるいは薄いシートを互いに熱融着することによって(例えば、パーティ用の風船は、2枚のシートを有する)形成され得る。比較的ノンコンプライアントな、柔軟でない本発明の薄肉のバルーン1010の一例は、吹込み成形プロセスを用いて形成される。吹込み成形プロセスでは、ナイロン、ポリウレタン、またはポリカーボネートなどの熱可塑性プラスチック材料が、中空の管状の形状(パリソン)に押し出し成形または形成され、引き続いて、最終的なバルーンの外形寸法を形成するための形状を有する中空の金型の中で、通常は空気で、加熱および加圧される。中空成形製品の例は、一般的なプラスチックの炭酸飲料または水のボトル容器である。
限定するものではないが、本発明のゼロ圧バルーンを形成する1つの例示的なプロセスは、図11を参照して説明され、ステップ1110において、標準的な「エアーマンドレル」押し出し成形技術を用いて形成される、比較的短い「パリソン」管の小片を切るステップを含む。ステップ1120では、管の一方の端部が封止される。ステップ1130では、管の中央部分を中空の金型に配置し、両端は、金型の外側に延びたままにする。ステップ1140では、金型の中央にある小孔を通して、熱い空気流で管の中央が数秒間加熱されて、金型内の管壁を軟化させる。ステップ1150において、管の内側は、流体、例えば、空気で加圧されて、管壁を金型の内側寸法に一致するように伸展する。短時間の冷却期間の後、ステップ1160において、(外にある)パリソンを引っ張ることによって、形成されたバルーンの追加的な伸展がなされ、その後、ステップ1170において、同じ金型での2回目の「吹込み」が用いられて、非常に薄肉のバルーンを作成する(0.001インチよりもはるかに薄く、典型的には、パリソン肉厚および最終的なバルーン直径に基づく)。次いで、ステップ1180において、余分な(吹込みされていない)パリソン管は、両端から切除され、薄肉の比較的しなやかなバルーンおよびその「脚部」を残して、以下に説明されるようにカテーテルに取り付けられる。
この例示的なプロセスは、例えば、12気圧を超える圧力における血管の「血管形成術」のための薄いノンコンプライアントバルーンを作成するのに用いられ得る。これらの圧力は、本出願において必須ではないが、非常に強靭な薄肉のバルーンが上記製造プロセスから得られ得るという事実の証拠である。
本発明の薄いノンコンプライアントゼロ圧バルーンは、様々な方法で、ドレナージカテーテルに取り付けられ得る。第1の例示的な取り付け実施形態では、図12のプロセス、図13のスリットバルブ、および図16の取り外し可能なバルーンを参照する。
例示的な実施形態では、図12のプロセスにしたがって製造されたバルーン1010の遠位および近位の脚部のそれぞれは、標準的な(例えば、FDAに認可された)接合剤を用いて、あるいは2つの部品を合わせて熱定着することによって、ドレナージカテーテルの遠位端に取り付けられる。薄肉ノンコンプライアントバルーンは、本発明の例示的な構成として、例えば、図13に示される「スリットバルブ」を包むような寸法に形成される。バルーンの薄い壁は、カテーテル挿入を容易にするために、カテーテル外径における大幅な増加なしに、バルーンの折り畳みを可能にする。
本発明によるバルーン内バルブ1012の例示的な実施形態は、図13、図14、および図15に示されている。このバルーン内バルブ1012は、ドレナージルーメン1120の壁を切ることによって、バルーン1010内にあるカテーテル軸1020の部分に形成される。スリットは、単一の切れ目または複数の切れ目であり得る。図示されたもの以外の一部の例示的なスリットバルブは、Nicholasらによる米国特許第4,995,863号に記載され、これらすべては本発明に利用できる。したがって、スリットを開く圧力は、スリット(複数可)の本数、長さおよび間隔ならびにドレナージルーメン壁1122の厚さを調節することによって調整され得る。例えば、スリット(複数可)1012の長さおよび向き圧力は、それ/それらがバルーンインフレーションルーメン1130を開き、排液する圧力を決定する。図15に示される1つの特定の実施形態では、スリット1124は、ゴム状の弾力性を有する壁を貫いて、くさび形の断面となるような方法で切られる。このくさび形の形状のおかげで、バルーン内の流体は、圧力下で容易に排出し得る。くさび形は、増加するのであっても減少するのであってもよい。前者では、縁部が互いに向けて、バルーンの中心軸からその外側に向けて面取りされ(例えば、図15に示す)、後者では、縁部が互いに向けて、バルーンの外側から中心軸に向けて面取りされる。
別の例示的な実施形態では、図示されていない薄肉のスリット付きスリーブは、バルーン1010内のドレナージカテーテル壁1122の部分の上に配置され、バルーン1010の内部をドレナージルーメン1120の内部に流体的に連結する貫通孔を覆い得る。そのため、バルーン1010内の圧力は、スリーブのスリット(複数可)を開け、それによって、バルーン1010内部をドレナージルーメン1120と流体的に連結して、バルーン1010の流体をドレナージルーメン1120に送る。これらの例示的なバルーン構成のそれぞれは、不適切な膨張または早すぎる取り外しによって生じる障害を完全に防ぐ。
あるいは、バルーン壁自体が特定の圧力で破裂するように修正され得て、拡張用媒体(膨張用流体)を解放する。この脆弱化部分は、例えば、機械的、化学的、または熱的な処理によって作られ得る。機械的措置は、表面を引っ掻いて、特定の部分でバルーン壁を薄くして、それを既定の圧力で破裂させることによって、あるいは実際にスライスする、または壁に穴を開けて、バルーンの残りの部分よりも低い既定の圧力で裂ける、薄く、より弱いフィルムの材料でその領域を覆うことによって達成され得る。同様に、バルーン壁のプラスチック分子構造に化学変化を起こし、それによりバルーン壁の所望の部分を脆弱化することによって、上記機械的装置と同じ効果を生むために、化学溶剤が塗布され得る。熱によりその分子構造を再配向するための熱によって(アニーリングによる軟化によく似ている)、壁の一部分を脆弱化することもまた可能である。したがって、既定の内圧におけるバルーン壁の優先的な断裂が、限定するものではないが、上述の方法で例示されたように、多くの方法で達成され得る。
限定するものではないが、本発明のゼロ圧バルーンを、スリットバルブ有りまたは無しで用いられ得る本発明の安全カテーテル1600に取り付ける第2の例示的なプロセスは、図12および図16を参照して説明され、ステップ1210において、バルーン1610の第1の近位脚部1620をドレナージカテーテル軸1630の遠位端の上に「反転した」向きで(図16に示されるように、開放端をバルーン内部に向けて)取り付けるステップを含む。この反転した連結は、例えば、単に、バルーン1610の近位脚部1620の形状を用いることによって、またはゴムバンドなどの別個の圧縮装置を用いることによって、または近位脚部1620をドレナージカテーテル軸1630に取り外し可能に連結する接着剤を用いることによって形成され得る機械的な解放で達成される。圧縮のみの例では、近位バルーン封止部は、したがって、例えば、ドレナージカテーテル軸1630の材料(例えば、シリコーン)をその外径が小さくなるように伸展することによって、柔軟なドレナージカテーテル軸1630の遠位端を覆って、その周囲に延在する、「反転した」比較的ノンコンプライアントな近位脚部1620の力によって形成される。次いで、バルーン1610の他方の遠位脚部1640は、ステップ1220において、接合剤を用いて(上記第1の例のように)、または熱定着によって取り付けられ得る。なお、取り付け方法は、近位脚部1620については反転した向きで、また遠位脚部1640については反転していない向きで、図示および説明されているが、これらは、それぞれの唯一の可能な向きというわけではなく、反転した向きおよび非反転した向きの任意の組み合わせで組み立てられ得る。例えば、遠位脚部1640は、近位脚部1620のように、図16には示されていない反転した向きで取り付けられ得る。
バルーンの取り付けおよびカテーテルの収縮および挿入をさらに助けるために、バルーン1610の下のカテーテル1600の外径、ならびに遠位バルーン脚部1640の内径は、ドレナージカテーテル軸1630の外径と比べて減らされ得る。この構成は、図16から図19に示されている。カテーテル1600の直径を減ぜられた部分は、本明細書において、遠位先端部分1650と呼び、ドレナージカテーテル軸1630の遠位端から、少なくとも遠位バルーン脚部1640の遠位端まで延在する。図示のように、遠位先端部5(バルーン1610の遠位)はまた、同じ減ぜられた直径を有し得る(または、所望に応じて、さらに減ぜられても、より大きく増加されてもよい)。したがって、遠位先端部分1650の外径が、近位バルーン封止部1620のすぐ遠位で減ぜられる場合、任意の既定の引張力がカテーテル軸1630を伸展し、それによって、カテーテル軸1630の外径を近位バルーン封止部で減じ、近位バルーン脚部1620が摺動する、または遠位方向に剥がれ、バルーンを急速に収縮することができるようにし、その時、そこからすべての流体が、例えば、膀胱または尿道内に解放される。必要に応じて、同様の結果で、近位バルーン脚部1620が、バルーン脚部1620を反転させない、または「まっすぐな」位置で取り付けられ得ることが想定されている。しかしながら、このような構成では、カテーテル軸1630の遠位端上での近位脚部1620の摺動は、カテーテル軸1630の露出した近位端上の引張力に対する抵抗が強くなり得る。だが、バルーンを満たす流体のわずかな浸入が、この連結を潤滑化するのに用いられ得、したがって、引っ張りに対する抵抗は減少する。
本明細書において説明され、呼称されるゼロ圧構成で、バルーン1010、1610は、ゼロ圧または低圧下にある。このように、膨張用機器(例えば、シリンジ)は、上述の低圧範囲よりもはるかに高い圧力を送達するように構成される必要はない。単に充填用液体がバルーン内に存在するたけで、バルーンは十分に大きくなって、高い内圧を有することなく、尿道内および膀胱外へのバルーンの移動に逆らい、これを防ぐ。そのため、不適切に尿道に挿入された場合、バルーンは単に膨張しない。それは、バルーンが膨張する物理的な空間がないためであり、また膨張圧力が尿道を損傷させる圧力閾値を下回ったままであるためである。膨張用機器が低圧用に構成されている場合、バルーンへの最大送達圧力でさえ、尿道内でバルーンを膨張するのに不十分であり、そのため、尿道内でバルーンが膨張するあらゆる可能性を防ぐ。
バルーンが、膀胱内で適切に膨張されるが、カテーテルが、バルーンを収縮することなしに、患者から不適切に取り出されるその他の場合、本発明の安全機器は、取り出す際、尿道の断裂を防ぐ。内部バルーンバルブ1012と(例えば、バルーン1010、1610の内側に配置された、ドレナージルーメン1120の一部分の壁を貫通して形成される図13のスリットバルブ)、取り外し可能な近位バルーン封止部1620との任意の組み合わせを用いることができ、一方または両方を利用して、本発明の安全機構を提供してもよい。動作時、既定の膨張圧力に到達すると、内部バルーンバルブ1012が開き、ドレナージルーメン1120を通して、膀胱(遠位)および図示されていない外部ドレーンバッグ(近位)の両方、またはいずれか一方の中に、バルーン1010、1610のあらゆる流体が排出される。上に説明したように、圧力が内部バルーンバルブ1012を解放させる点は、本明細書に説明されるように、完全に膨張した従来技術のバルーンカテーテルが不適切に取り外される場合に、尿道を損傷するのに要する圧力を下回るように規定される。バルーン1010、1610が流体(液体または気体のいずれか)で満たされている低圧状態では、内部バルーンバルブ1012を開かせ、バルーン1010、1610から流体を排出させるのに十分な圧力はない。高圧状態(尿道を損傷させる圧力未満)では、その一方、流体にかかる圧力は、内部バルーンバルブ1012を開くのに十分であり、したがって、流体をバルーン1010、1610からドレナージルーメン1120内に迅速に排出させる。
バルーン1010、1610が尿道にあり、膨張が試みられている状況では、膨張しているバルーン1010、1610上に周囲の尿道壁によって加えられる圧力は、バルーン1010、1610が膨張するかなり前に、内部バルーンバルブ1012を開かせる。このようにして、バルーン膨張用流体は、バルーン1010、1610を満たすのではなく、ドレナージルーメン1120内に直接出ていく。代替的な実施形態では、膨張のために使用される流体は、尿(または、ドレナージルーメンを通過すると想定される任意のその他の流体)と対比させるために着色され得る。このようにして、バルーン1010、1610が尿道内にのみ挿入され、膨張が試みられる場合、膨張用流体は、直ちにドレナージルーメン内に出ていき、体外の(図示せず)ドレーンバッグに入る。したがって、数秒以内に、技師は、ドレーンバッグ内にある着色された膨張用流体を見ることによって、バルーン1010、1610が膀胱に入らず、そこで適切に膨張しなかった場合、それを把握する。このような状況では、技師は、カテーテルをさらに深く尿道内に挿入し、膨張を再度試みるだけでよい。ドレーンバッグ内に着色された膨張用流体がそれ以上出ないことは、正しいバルーン膨張がなされたことを示す。
代官的な例示的実施形態において、このカテーテルを膀胱内にその理想的な位置に配置することを向上させるために、挿入のための視覚支援手段1030、1032がカテーテル軸1020に印を付けることによって設けられる。この視覚支援手段は外面に設けることができるが、医療関係者に視認可能である限り、カテーテル軸を構成する材料内に埋設することもできる。例えば、視覚支援手段は、着色プラスチックやX線不透過性材料からなる埋設帯状体とすることができ、あるいは、単なるインク付けした環状のラインとすることもできる。男性患者と女性患者は異なる長さの尿道を有するため、第1のマーク1030は男性用の平均的な尿道長さ1031を示すために用いることができ、第2のマーク1032は女性用の平均的な尿道長さ1033を示すために用いることができる。
この態様において、挿入が「適正」であると考えた後、それでもなお使用者が患者の外部のマークを見るならば、使用者は、バルーンを膨張(尿道内で十分に離れて配置されていない場合の尿道内で生じる膨張)させる前に挿入の二重チェックすることができ、損傷を与え得る膀胱内での膨張を完全に防止することができる。加えて、マーク1030、1032は、患者がカテーテルを部分的に取り出したことが分かっている場合や、カテーテルが環境に捕らわれ、部分的荷引き出されたことが分かっている場合に、医療関係者に即時の指標を提供することができる。いずれの場合においても、医療関係者がカテーテルに目を向け、各マーク1030、1032を見たならば、膨張したバルーンカテーテルは不適正に部分的に取り出されたことが瞬時に明らかとなり、速度に修正動作をとるこができる。
なお、マークに関する特徴は図示説明の目的で図9のカテーテルにのみ示されていることに留意されたい。したがって、図9のカテーテルに限ることは意図しておらず、本明細書で述べる例示的な実施形態のいずれにもおよび/または全てに適用され得ると理解されるべきである。
バルーン1010、1610が膀胱内で膨張され、バルーン1010、1610を収縮せずにカテーテル100が膀胱から引き出されるその他の状況では、膨張したバルーン1010、1610上に膀胱・尿道移行部11によって加えられる圧力は、移行部11または尿道に損傷が発生する前に、バルブ1012を迅速に開かせ、流体をドレナージルーメン1120内に流す。そのような状況において、カテーテルに取り外し可能なバルーン端部(例えば、近位端1620)も備えられている場合、取り外し可能なバルーン端部が剥がれると、剥離前、または剥離と同時に、スリットバルブが開いて、圧力を解放する。これは、バルブ1012だけが存在する場合よりも、膨張用流体をさらに速く排出する。
図16から図18は、反転する取り外し可能バルーン1610を備える本発明のカテーテル1600の例示的な実施形態を示している。これらの図は、バルーン1610が膀胱内で膨張され、引くという矢印で示されているように、カテーテル1600は、バルーン1610を収縮せずに膀胱から引き出される状況を示している。ここで、バルーン1610の遠位封止部1640は、先端部5がドレナージカテーテル軸1630と比べて減ぜられた外径を有するカテーテル1600の遠位先端部分1650に固定され、近位封止部1620は、ドレナージカテーテル軸1630に取り外し可能に取り付けられている(例えば、圧縮封止で)。引張力は、ドレナージカテーテル軸1630を近位方向に尿道から出るように移動させ、それによって、膨張したバルーン1610の近位側を膀胱・尿道移行部11に対して圧縮する。カテーテル軸1630が近くに移動すると、本明細書において分離点と呼ぶが、封止部1620がカテーテル軸1630から自由になるまで、近位封止部1620にかかる力は増加する。図17は、分離点直後の目下部分的に膨張したバルーン1610示している。遠位先端部分1650の直径が、カテーテル軸1630の遠位端と比べて減ぜられているため、バルーン1610の近位封止部分の内径と、遠位先端部分1650の外径との間に間隙が開く。この間隙は、移行部11または尿道に損傷が発生する前に、膨張用流体がバルーン1610から尿道および膀胱の一方または両方内に迅速に出るのを可能にする。バルーン1610の中央部分は依然として移行部11の尿道開口部よりも大きいため、バルーン1610にかかる摩擦および力は、図18に示されるように完全にそれが反転されるまで、バルーン1610をそれ自体の上で巻かせる、すなわち、反転させる。この時、膨張用流体のすべては、尿道および膀胱の両方、またはいずれか一方にある。
取り外し可能な近位バルーン封止部1620の例示的な実施形態では、1から15ポンドの範囲の引張力は、近位バルーン封止部1620を引いて自由にし、バルーン1610の反転を可能にする、すなわち、分離点を実現する。別の例示的な実施形態では、分離点をかなえるのに要する力の範囲は、1から5ポンドの間、特に、1.5から2ポンドの間である。
本発明による自己収縮または自動収縮バルーンカテーテルの追加的な例示的な実施形態に関して、図19および図20は、フォーリーカテーテルとも呼ばれる従来技術の尿路カテーテルを製造するための構成およびプロセスを示すために提供される。本発明による尿路バルーンカテーテルの例示的な実施形態の理解を助けるために、従来技術の尿路カテーテルが本明細書に用いられるが、いずれも、本発明が尿路用カテーテルにのみ適用可能であること意味するものとして本明細書に用いられるのではない。そうではなく、本明細書に説明される技術は、本明細書で述べた全てのものを含むあらゆるバルーンカテーテルに適用可能である。
図19は、従来技術のカテーテル1900のバルーン部分を、バルーンがその膨張されていない状態にある状態で示している。環状のルーメン内壁1910(赤色)は、その内部にドレナージルーメン1912を画定する。ルーメン内壁1910の周囲の1つの円周長軸方向の広がりにおいて、インフレーションルーメン壁1920(橙色)は、インフレーションルーメン1922と、インフレーションルーメン1922に流体的に連結されるバルーンインフレーションポート1924とを画定する。標準的な尿路カテーテルでは、存在するのは、1つのインフレーションルーメン1922および1つのインフレーションポート1924だけである。図19および図20の図は、インフレーションルーメン1922とインフレーションポート1924とを通る断面を示している。インフレーションルーメン1922がカテーテル1900内を通ってその遠位端(図19および図20の左)まで延びた場合、すべての膨張用流体が遠位端で出るため、バルーンは膨張できない。したがって、バルーンの膨張を可能とするために、ルーメンプラグ1926(黒色)は、インフレーションポート1924の遠位でインフレーションルーメン1922を閉鎖する。この例示的な図では、ルーメンプラグ1926は、インフレーションルーメン1922において、インフレーションポート1924の遠位の位置から始まる。
インフレーションポート1924の周囲のルーメン内壁およびインフレーションルーメン壁1910、1920の周囲には、バルーン内部の壁1930(緑色)を形成する材料の管が存在する。バルーン内部の壁1930を形成している管は、それぞれの内壁1910、1920に対して、管の近位端および遠位端でのみ液密に封止される。したがって、その間にポケットが形成される。外壁1940(黄色)は、壁1910、1920、1926、1930のすべてを覆う。そして、これは、本明細書で呼称する液密な方法でなされ、これは、インフレーションルーメン1922およびインフレーションポート1924を通ってバルーンを膨らませるのに用いられるいかなる流体も、液密な連結部を通ってカテーテル1900を出ないことを意味する。図20は、流体(破線矢印で示す)がバルーンを膨張する様子を示している。少なくともバルーン内部の壁1930および外壁1940は、ゴム状の弾力性を有するため、これらの壁に対して膨張用流体2000がかける圧力は、例えば、図20に示されるように、これらを外向きに膨らませる。図示されていないカテーテル1900の近位端が、その中に流体2000がある状態で(例えば、図3に示されるルアーコネクタの少なくとも一部で)封止される場合、カテーテル1900は、図20に示される形状に保たれる。
上に説明したように、尿路カテーテルのバルーン2010は、膀胱2020にある場合にのみ、膨張されなければならない。図20は、カテーテル1900が膀胱2020で正しく膨張された様子を示しており、必要であれば、次いで、近位方向に引かれて、膨張したバルーン2010が尿道2030に置かれ、尿道2030を膀胱2020の内部から実質的に封止する。「実質的に」とは、この関連で用いられる場合、膀胱2020にある尿のほとんどまたはすべてが、ドレーンルーメン1912を通して排出され、正しく移植された尿路カテーテルにおいて一般的である、または必要とされる、あるいはこれら両方の尿を超えては、膨張したバルーン2010の周囲を通らないことを意味する。尿のごくわずかな量はバルーン2010を通過し、有利には、尿道2030を円滑にするが、男性および女性の様々な解剖学的構造における筋肉が十分な力で端部を封止して、大量の漏出を防ぐことから、尿道の端部から漏出しないことが知られている。
本明細書において壁のそれぞれが異なる色で示されているが、異なる色は、それぞれの壁が異なる材料から作られなければならないことを意味していない。これらの色は、本明細書に説明される従来技術および本発明のカテーテルの個々の部品を示すのに、単に明確にする目的のために用いられている。以下にさらに詳述するように、異なる色の壁のほとんどは、標準的な尿路カテーテルでは、実際には同じ材料で作られている。標準的なフォーリーカテーテルに用いられる生体適合性材料の一部には、ラテックス(天然または合成)、シリコーンゴム、ならびにスチレンブロック共重合体、ポリオレフィンブレンド、エラストマーアロイ(TPE−vまたはTPV)、熱可塑性ポリウレタン、熱可塑性コポリエステル、および熱可塑性ポリアミドを含む熱可塑性エラストマー(TPE)が含まれる。
従来技術の尿路カテーテルを作成するための1つの例示的なプロセスは、ラテックスのダブルルーメン押し出し成形で開始する。ダブルルーメンは、したがって、ドレナージルーメン1912およびインフレーションルーメン1922の両方を既に含む。両方のルーメン1912、1922は、しかしながら、閉塞部なしで、また径方向のポートなしで、押し出し成形される。したがって、インフレーションポート1924を備えるために、外側の表面から内向きにインフレーションルーメンまで、径方向の孔が作成される。インフレーションルーメン1922の遠位端の封止は、引き続くステップで行われる。バルーン内壁1930を作り上げる管は、多腔式押し出し成形体1910、1920の遠位端の上に摺動されて、インフレーションポートを覆い、内側の多腔式押し出し成形体に、管の両端で、しかし中間部分を除いて、液密に封止される。この管もまたラテックス製であり得るため、ラテックスを液密に接着する任意の既知の方法で、ラテックスの多腔式押し出し成形体に固定され得る。ここで、半組み立て品全体は、液状の形態のラテックス内に浸漬されて、外壁1940を作成する。ラテックスは、インフレーションルーメン1922の遠位端の少なくとも一部分に入ることができるが、インフレーションポート1924を塞ぐほどには深く入ることはできない。ラテックスが硬化すると、バルーン2010は、液密であり、インフレーションルーメン1922に流体的に連結される、インフレーションポートの図示されていない最近位の開口部を介してのみ環境に流体的に連結される。このプロセスでは、内壁1910、インフレーションルーメン壁1920、プラグ1926、バルーン内壁1930、および外壁1940は、すべて同じラテックス材料で作られるため、一体となって、非常にしっかりとした水密なバルーン2010を形成する。
上述のように、すべての従来技術のバルーンカテーテルは、これを膨張したものと同様のシリンジによって、またはバルーンが収縮できないとの医師の診断後、これはバルーンを外科的に取り出す手術が必要とされる状況であるのだが、手術によって、能動的に収縮させる場合にのみ収縮するように設計されている。
上述したのは、本発明による自己収縮または自動収縮カテーテルの様々な実施形態である。図21から図33は、本発明のさらにその他の例示的な実施形態における自動収縮ストレッチバルブバルーンカテーテルを示している。図21から図23は、本発明によるストレッチバルブバルーンカテーテル2100の第1の例示的な実施形態を示しており、図21は、本発明のカテーテル2100のバルーン部分を、バルーンがその膨張されていない状態にある状態で示している。環状のルーメン内壁2110(赤色)は、その内部にドレナージルーメン2112を画定する。ルーメン内壁2110の周囲の1つまたは2つ以上の円周長軸方向の広がりにおいて、インフレーションルーメン壁2120(橙色)は、インフレーションルーメン2122と、インフレーションルーメン2122に流体的に連結されるバルーンインフレーションポート2124とを画定する。本発明のカテーテルでは、存在し得るのは、2つ以上のインフレーションルーメン2122、および、ここでは1つしか示されていないが、対応するインフレーションポート2124である。したがって、図21および図23の図は、単一のインフレーションルーメン2122と単一のインフレーションポート2124とを通る断面を示している。ルーメンプラグ2126(黒色)は、インフレーションポート2124の遠位でインフレーションルーメン2122を閉鎖する。この例示的な図では、ルーメンプラグ2126は、インフレーションルーメン2122において、インフレーションポート2124の遠位の位置から始まる。この構成は単なる例示であり、インフレーションポート2124またはその遠位のどこでも始まり得る。
インフレーションポート2124の周囲のルーメン内壁およびインフレーションルーメン壁2110、2120の周囲には、バルーン内部の壁2130(緑色)を形成する材料の管が存在する。バルーン内部の壁2130を形成している管は、それぞれの内壁2110、2120に対して、管の近位端および遠位端でのみ液密に封止される。したがって、その間にポケットが形成される。外壁2140(黄色)は、壁2110、2120、2126、2130のすべてを液密に覆う。図21は、流体(破線矢印で示す)がバルーンを膨張しようとする様子を示している。少なくともバルーン内部の壁2130および外壁2140は、ゴム状の弾力性を有するため、これらの壁に対して膨張用流体2200がかける圧力は、例えば、図22に示されるように、これらを外向きに膨らませる。図示されていないカテーテル2100の近位端が、その中に流体2200がある状態で(例えば、図3に示されるルアーコネクタの少なくとも一部で)封止される場合、カテーテル2100は、図22に示される形状に保たれる。
図22は、カテーテル2100が膀胱2020で正しく膨張された様子を示しており、必要であれば、次いで、近位方向に引かれて、膨張したバルーン2210が尿道2030に置かれ、尿道2030を膀胱2020の内部から実質的に封止する。
図21から図23の例示的な実施形態のストレッチバルブは、3つの異なる態様を有する。最初は、インフレーションルーメン2122に配置されて、流体2200によるバルーン2210の膨張を妨げないようにする、中空のストレッチバルブ管2220である。ストレッチバルブ管2220の直径が、妨げられていない流体がインフレーションルーメン2122を通って流れるように適合する任意の寸法であり得る一方で、1つの例示的なストレッチバルブ管2220の内径は、インフレーションルーメン2122の直径に実質的に等しく、ストレッチバルブ管2220の外径は、インフレーションルーメン2122の直径よりもほんのわずかに大きい(例えば、管の肉厚は、0.05mmから0.2mmまでの間であり得る)。ストレッチバルブ管2220の近位端は、この例示的な実施形態では、バルーン内壁2130の近位端の近位にある。ストレッチバルブ管2220の遠位端は、バルーン内壁2130の近位端の付近のどこかであり、遠位端は、バルーン内壁2130の近位端の近位、バルーン内壁2130の近位端、またはバルーン内壁2130の近位端の遠位であり得、この位置の選択は、以下に説明されるように、本発明のカテーテル2100のストレッチバルブの作動に要する伸展量Sに依存する。図22では、ストレッチバルブ管2220の遠位端は、バルーン内壁2130の近位端で示されている。2つのポートは、バルーン2210の近位で形成される。近位ポート(紫色)2150は、外壁2140を通って、またインフレーションルーメン壁2020を通って形成され、ストレッチバルブ管2220の近位端の少なくとも一部分と重なっている。これにより、近位ポート2150におけるストレッチバルブ管2220の近位端の外面の一部分は、環境に露出しているが、インフレーションルーメン2122と近位ポート2150とは流体連通していない。遠位ポート(白色)2160は、外壁2140を通って、またインフレーションルーメン壁2020を通って形成され、ストレッチバルブ管2220の遠位端の少なくとも一部分と重なっている。これにより、遠位ポート2160におけるストレッチバルブ管2220の遠位端の外面の一部分は、環境に露出しているが、インフレーションルーメン2122から遠位ポート2160への流体連通は存在しない。ストレッチバルブ管2220をカテーテル2100に固定するために、近位ポート2150は、ストレッチバルブ管2220の近位端を、外壁2140およびインフレーションルーメン壁2020のうちの少なくとも1つに固定する材料で充填される。例示的な一実施形態では、接着剤は、ストレッチバルブ管2220の近位端を、外壁2140およびインフレーションルーメン壁2120の両方に結合する。
このような構成では、したがって、近位ポート2150における、またはその近位におけるカテーテル2100のいかなる近位方向の移動も、ストレッチバルブ管2220を近位に移動する。つまり、ストレッチバルブ管2220の遠位端は、インフレーションルーメン2122内で近位方向にSだけ摺動し得る。図23は、力がかかった時にカテーテル2100が依然として膨張している場合に、カテーテル2100の近位端が膀胱・尿道移行部または尿道に損傷が起こる直前よりも大きくない力で引かれた時、本発明のスライドバルブがどのように動作するかを示している。図21から図23のストレッチバルブの例示的な実施形態では、1から15ポンドまでの範囲の引張力は、ストレッチバルブ管2220をSだけ近くに摺動させて、ストレッチバルブ管2220の遠位端を遠位ポート2160のすぐ近位、すなわち、図23に示されるストレッチバルブの収縮点に配置する。別の例示的な実施形態では、収縮点をかなえるのに要する力の範囲は、1から5ポンドの間、特に、1.5から2ポンドの間である。
図23からわかるように、ストレッチバルブの収縮点に到達すると、バルーン2210の内部は、遠位ポート2160に流体的に連結される。遠位ポート2160は環境(例えば、膀胱2020の内部)に対して開放しているため、バルーン2210に比べて膀胱が比較的加圧されていないという事実に起因して、すべての内圧は、バルーン2210から解放されて、膨張用流体2200を膀胱2020内に排出し(破線矢印で示す)、それによって、バルーン2210を迅速に収縮させる(対向する実線の矢印で示す)。なお、インフレーションポート2124と遠位ポート2160との間の距離X(図22参照)は、バルーン2120が収縮する速度に直接影響する。そのため、この距離Xを短縮することは、バルーン2210が収縮する速度を速める。また、インフレーションポート2124、インフレーションルーメン2122、および遠位ポート2160の断面積は、バルーン2220が収縮する速度に直接影響する。さらに、あらゆる流体の方向の変化は、バルーンが収縮する速度を妨げ得る。収縮を速める一つの方法は、遠位ポート2160を、インフレーションルーメン2122から外向きに開く、図示されていないじょうご状の形態に成形することであり得る。収縮を速める別の方法は、ルーメン内壁2110の円周の周囲に2つまたは3つ以上のインフレーションルーメン2122を有し、各インフレーションルーメン2122について、対応する、ストレッチバルブ管2220、近位ポート2150、および遠位ポート2160の組を有することである。
膨張したバルーンを迅速に収縮するためのさらに別の可能性は、流体2200を、膀胱ではなくドレーンルーメン2112内に排出することである。この例示的な実施形態は、図24から図26に示されている。図24は、本発明のカテーテル2400のバルーン部分を、バルーンがその膨張されていない状態にある状態で示している。環状のルーメン内壁2410(赤色)は、その内部にドレナージルーメン2412を画定する。ルーメン内壁2410の周囲の1つまたは2つ以上の円周長軸方向の広がりにおいて、インフレーションルーメン壁2420(橙色)は、インフレーションルーメン2422と、インフレーションルーメン2422に流体的に連結されるバルーンインフレーションポート2424とを画定する。本発明のカテーテルでは、存在し得るのは、2つ以上のインフレーションルーメン2422、および、ここでは1つしか示されていないが、対応するインフレーションポート2424である。したがって、図24および図26の図は、単一のインフレーションルーメン2422と単一のインフレーションポート2424とを通る断面を示している。ルーメンプラグ2426(黒色)は、インフレーションポート2424の遠位でインフレーションルーメン2422を閉鎖する。この例示的な図では、ルーメンプラグ2426は、インフレーションルーメン2422において、インフレーションポート2424の遠位の位置から始まる。この構成は単なる例示であり、インフレーションポート2424またはその遠位のどこでも始まり得る。
インフレーションポート2424の周囲のルーメン内壁およびインフレーションルーメン壁2410、2420の周囲には、バルーン内部の壁2430(緑色)を形成する材料の管が存在する。バルーン内部の壁2430を形成している管は、それぞれの内壁2410、2420に対して、管の近位端および遠位端でのみ液密に封止される。したがって、その間にポケットが形成される。外壁2440(黄色)は、壁2410、2420、2426、2430のすべてを液密に覆う。図24は、流体(破線矢印で示す)がバルーンを膨張しようとする様子を示している。少なくともバルーン内部の壁2430および外壁2440は、ゴム状の弾力性を有するため、これらの壁に対して膨張用流体2200がかける圧力は、例えば、図25に示されるように、これらを外向きに膨らませる。図示されていないカテーテル2400の近位端が、その中に流体2200がある状態で(例えば、図3に示されるルアーコネクタの少なくとも一部で)封止される場合、カテーテル2400は、図25に示される形状に保たれる。
図25は、カテーテル2400が膀胱2020で正しく膨張された様子を示しており、必要であれば、次いで、近位方向に引かれて、膨張したバルーン2510が尿道2030に置かれ、尿道2030を膀胱2020の内部から実質的に封止する。
図24から図26の例示的な実施形態のストレッチバルブは、3つの異なる態様を有する。最初は、インフレーションルーメン2422に配置されて、流体2200によるバルーン2510の膨張を妨げないようにする、中空のストレッチバルブ管2520である。ストレッチバルブ管2520の直径が、妨げられていない流体がインフレーションルーメン2422を通って流れるように適合する任意の寸法であり得る一方で、1つの例示的なストレッチバルブ管2520の内径は、インフレーションルーメン2422の直径に実質的に等しく、ストレッチバルブ管2520の外径は、インフレーションルーメン2122の直径よりもほんのわずかに大きい(例えば、管の肉厚は、0.05mmから0.2mmまでの間であり得る)。ストレッチバルブ管2520の近位端は、この例示的な実施形態では、バルーン内壁2430の近位端の近位に配置される。ストレッチバルブ管2520の遠位端は、バルーン内壁2430の近位端の付近のどこかであり、遠位端は、バルーン内壁2430の近位端の近位、バルーン内壁2430の近位端、またはバルーン内壁2430の近位端の遠位であり得、この位置の選択は、以下に説明されるように、本発明のカテーテル2400のストレッチバルブの作動に要する伸展量Sに依存する。図25の例示的な実施形態では、ストレッチバルブ管2520の遠位端は、バルーン内壁2430の近位端で示されている。2つのポートは、1つが、バルーン2510の近位で、また1つが、インフレーションポート2424の近くで形成される。近位ポート(紫色)2450は、外壁2440を通って、またインフレーションルーメン壁2420を通って形成されて、ストレッチバルブ管2520の近位端の少なくとも一部分と重なる。これにより、近位ポート2450におけるストレッチバルブ管2520の近位端の外面の一部分は、環境に露出しているが、インフレーションルーメン2422と近位ポート2450とは流体連通していない。遠位ポート(白色)2460は、インフレーションポート2424の近位のどこかのルーメン内壁2410を通って形成されて、ストレッチバルブ管2520の遠位端の少なくとも一部分と重なる。これにより、遠位ポート2460におけるストレッチバルブ管2520の遠位端の外面の一部分は、ドレナージルーメン2412に露出しているが、インフレーションルーメン2422と遠位ポート2460とは流体連通していない。ストレッチバルブ管2520をカテーテル2400に固定するために、近位ポート2450は、ストレッチバルブ管2520の近位端を、外壁2440およびインフレーションルーメン壁2420のうちの少なくとも1つに固定する材料で充填される。例示的な一実施形態では、接着剤は、ストレッチバルブ管2520の近位端を、外壁2440およびインフレーションルーメン壁2420の両方に結合する。
このような構成では、したがって、近位ポート2450における、またはその近位におけるカテーテル2400のいかなる近位方向の移動も、ストレッチバルブ管2520を近位に移動する。つまり、ストレッチバルブ管2520の遠位端は、インフレーションルーメン2422内で近位方向にSだけ摺動し得る。図26は、力がかかった時にカテーテル2400が依然として膨張している場合に、カテーテル2400の近位端が膀胱・尿道移行部または尿道に損傷が起こる直前よりも大きくない力まで引かれた時、本発明のスライドバルブがどのように動作するかを示している。図24から図26のストレッチバルブの例示的な実施形態では、1から15ポンドまでの範囲の引張力は、ストレッチバルブ管2520をSだけ近くに摺動させて、ストレッチバルブ管2520の遠位端を遠位ポート2460のすぐ近位、すなわち、図26に示されるストレッチバルブの収縮点に配置する。別の例示的な実施形態では、収縮点をかなえるのに要する力の範囲は、1から5ポンドの間、特に、1.5から2ポンドの間である。
図26からわかるように、ストレッチバルブの収縮点に到達すると、バルーン2510の内部は、遠位ポート2460に流体的に連結される。遠位ポート2460はドレナージルーメン2412(これは、膀胱2020の内部および図示されていない近位ドレナージバッグに対して開放されている)に対して開放しているため、バルーン2510に比べて膀胱が比較的加圧されていないという事実に起因して、すべての内圧は、バルーン2510から解放されて、膨張用流体2200をドレナージルーメン2412内に排出し(図26の破線矢印で示す)、それによって、バルーン2510を迅速に収縮させる(図26の対向する実線の矢印で示す)。かさねて、なお、インフレーションポート2424と遠位ポート2460との間の距離X(図25参照)は、バルーン2510が収縮する速度に直接影響する。そのため、この距離Xを小さくすることは、バルーン2510が収縮する速度を速める。また、インフレーションポート2424、インフレーションルーメン2422、および遠位ポート2460の断面積は、バルーン2120が収縮する速度に直接影響する。さらに、あらゆる流体の方向の変化は、バルーンが収縮する速度を妨げ得る。収縮を速める一つの方法は、遠位ポート2460を、インフレーションルーメン2422から外向きに開く、じょうご状の形態に成形することであり得る。収縮を速める別の方法は、ルーメン内壁2410の円周の周囲に2つまたは3つ以上のインフレーションルーメン2422を有し、各インフレーションルーメン2422について、対応する、ストレッチバルブ管2520、近位ポート2450、および遠位ポート2460の組を有することである。
本明細書に図示されていないさらに別の例示的な実施形態は、図21から図23と、図24から図26との実施形態の両方を組み合わせて、流体2200を、遠位ポート2160、2460の両方から、それぞれ、膀胱2020およびドレーンルーメン2112の両方の中に排出させることである。
膨張したバルーンを迅速に収縮するためのさらに別の可能性は、流体2200を、いかなる長軸方向の移動Xもなく、直線で、ドレーンルーメン2712内に直接排出することである。この例示的な実施形態は、図27から図29に示されている。図27は、本発明のカテーテル2700のバルーン部分を、バルーンがその膨張されていない状態にある状態で示している。環状のルーメン内壁2710(赤色)は、その内部にドレナージルーメン2712を画定する。ルーメン内壁2710の周囲の1つまたは2つ以上の円周長軸方向の広がりにおいて、インフレーションルーメン壁2720(橙色)は、インフレーションルーメン2722と、インフレーションルーメン2722に流体的に連結されるバルーンインフレーションポート2724とを画定する。本発明のカテーテルでは、存在し得るのは、2つ以上のインフレーションルーメン2722、および、ここでは1つしか示されていないが、対応するインフレーションポート2724である。したがって、図27および図29の図は、単一のインフレーションルーメン2722と単一のインフレーションポート2724とを通る断面を示している。ルーメンプラグ2726(黒色)は、インフレーションポート2724の遠位でインフレーションルーメン2722を閉鎖する。この例示的な図では、ルーメンプラグ2726は、インフレーションルーメン2722において、インフレーションポート2724の遠位の位置から始まる。この構成は単なる例示であり、インフレーションポート2724またはその遠位のどこでも始まり得る。
インフレーションポート2724の周囲のルーメン内壁およびインフレーションルーメン壁2710、2720の周囲には、バルーン内部の壁2730(緑色)を形成する材料の管が存在する。バルーン内部の壁2730を形成している管は、それぞれの内壁2710、2720に対して、管の近位端および遠位端でのみ液密に封止される。したがって、その間にポケットが形成される。外壁2740(黄色)は、壁2710、2720、2726、2730のすべてを液密に覆う。図27は、流体(破線矢印で示す)がバルーンを膨張しようとする様子を示している。少なくともバルーン内部の壁2730および外壁2740は、ゴム状の弾力性を有するため、これらの壁に対して膨張用流体2200がかける圧力は、例えば、図28に示されるように、これらを外向きに膨らませる。図示されていないカテーテル2700の近位端が、その中に流体2200がある状態で(例えば、図3に示されるルアーコネクタの少なくとも一部で)封止される場合、カテーテル2700は、図28に示される形状に保たれる。
図28は、カテーテル2700が膀胱2020で正しく膨張された様子を示しており、必要であれば、次いで、近位方向に引かれて、膨張したバルーン2810が尿道2030に置かれ、尿道2030を膀胱2020の内部から実質的に封止する。
図27から図29の例示的な実施形態のストレッチバルブは、3つの異なる態様を有する。最初は、インフレーションルーメン2722に配置されて、流体2200によるバルーン2810の膨張を妨げないようにする、中空のストレッチバルブ管2820である。ストレッチバルブ管2820の直径が、妨げられていない流体がインフレーションルーメン2722を通って流れるように適合する任意の寸法であり得る一方で、1つの例示的なストレッチバルブ管2820の内径は、インフレーションルーメン2722の直径に実質的に等しく、ストレッチバルブ管2820の外径は、インフレーションルーメン2722の直径よりもほんのわずかに大きい(例えば、管の肉厚は、0.05mmから0.2mmまでの間であり得る)。ストレッチバルブ管2820の近位端は、この例示的な実施形態では、バルーン内壁2730の近位端の近位にある。ストレッチバルブ管2820の遠位端は、バルーン内壁2730の近位端の付近のどこかであり、遠位端は、バルーン内壁2730の近位端の近位、バルーン内壁2730の近位端、またはバルーン内壁2730の近位端の遠位であり得、この位置の選択は、以下に説明されるように、本発明のカテーテル2700のストレッチバルブの作動に要する伸展量Sに依存する。図28の例示的な実施形態では、ストレッチバルブ管2820の遠位端は、インフレーションポート2724と、バルーン内壁2730の近位端との間に示されている。2つのポートは、1つが、バルーン2810の近位で、また1つが、インフレーションポート2724と、バルーン内壁2730の近位端との間に形成される。近位ポート2750は、外壁2740を通って、またインフレーションルーメン壁2720を通って形成されて、ストレッチバルブ管2820の近位端の少なくとも一部分と重なる。これにより、近位ポート2750におけるストレッチバルブ管2820の近位端の外面の一部分は、環境に露出しているが、インフレーションルーメン2722と近位ポート2750とは流体連通していない。遠位ポート(白色)2760は、インフレーションルーメン壁2720と、バルーン内壁2730の近位連結部の遠位の内壁2710との両方を通って形成されて、ストレッチバルブ管2820の遠位端の少なくとも一部分と重なる。これにより、遠位ポート2760におけるストレッチバルブ管2820の遠位端の外面の対向する部分は、露出している、すなわち、一方がバルーン2810の内部に露出し、一方がドレナージルーメン2712に露出しているが、インフレーションルーメン2722またはドレナージルーメン2712のいずれも、遠位ポート2760とは流体連通していない。ストレッチバルブ管2820をカテーテル2700に固定するために、近位ポート2750は、ストレッチバルブ管2820の近位端を、外壁2740およびインフレーションルーメン壁2720のうちの少なくとも1つに固定する材料で充填される。例示的な一実施形態では、接着剤は、ストレッチバルブ管2820の近位端を、外壁2740およびインフレーションルーメン壁2720の両方に結合する。例示的な実施形態では、接着剤は、壁2710、2720、2730、2740のどれでもまたはすべてと同じ材料であってもよいし、異なる材料であってもよい。例えば、ダブルルーメン押し出し成形体と同じ材料の液浴内に、内壁2710およびインフレーションルーメン壁2720を含む内部部品を浸漬することによって外壁2740が形成される場合、固まると、外壁2740は、内壁2710およびインフレーションルーメン壁2720の両方に一体化され、近位ポート2750を介してストレッチバルブ管2820に固定して連結される。
このような構成では、したがって、近位ポート2750における、またはその近位におけるカテーテル2700のいかなる近位方向の移動も、ストレッチバルブ管2820を近位に移動する。つまり、ストレッチバルブ管2820の遠位端は、インフレーションルーメン2722内で近位方向にSだけ摺動し得る。図29は、力がかかった時にカテーテル2700が依然として膨張している場合に、カテーテル2700の近位端が膀胱・尿道移行部または尿道に損傷が起こる直前よりも大きくない力まで引かれた時、本発明のスライドバルブがどのように動作するかを示している。図27から図29のストレッチバルブの例示的な実施形態では、1から15ポンドまでの範囲の引張力は、ストレッチバルブ管2820をSだけ近くに摺動させて、ストレッチバルブ管2820の遠位端を遠位ポート2760のすぐ近位、すなわち、図29に示されるストレッチバルブの収縮点に配置する。別の例示的な実施形態では、収縮点をかなえるのに要する力の範囲は、1から5ポンドの間、特に、1.5から2ポンドの間である。
図29からわかるように、ストレッチバルブの収縮点に到達すると、バルーン2810の内部は、直接かつ直線で、遠位ポート2760の上部および下部の両方に流体的に連結される。遠位ポート2760はドレナージルーメン2712(これは、膀胱2020の内部および図示されていない近位ドレナージバッグに対して開放されている)に対して開放しているため、バルーン2810に比べて膀胱が比較的加圧されていないという事実に起因して、すべての内圧は、バルーン2810から解放されて、膨張用流体2200をドレナージルーメン2712内に排出し(図29の破線矢印で示す)、それによって、バルーン2810を迅速に収縮させる(対向する実線の矢印で示す)。上記の実施形態とは異なり、収縮ポート(遠位ポート2760の上部)と遠位ポート2760の下部との間の距離Xは、ゼロであり、したがって、バルーン2510が収縮する速度は、これ以上速めることは(遠位ポート2760の面積を広げる以外に)できない。なお、さらに、インフレーションポート2724はまた、ドレーンルーメン2712に流体的に連結され、したがって、流体2200のドレナージは、同様にインフレーションポート2724を介して生じる(これも破線矢印で示す)。インフレーションルーメン2722の断面積は、仮にあったとしてもほんのわずかしかバルーン収縮の速度に影響しない。収縮を速める一つの方法は、遠位ポート2760を、カテーテル2700の外周からドレナージルーメン2712に向けて内向きの方向で外向きに開く、じょうご状の形態に成形することであり得る。収縮を速める別の方法は、ルーメン内壁2710の円周の周囲に2つまたは3つ以上のインフレーションルーメン2722を有し、各インフレーションルーメン2722について、対応する、ストレッチバルブ管2820、近位ポート2750、および遠位ポート2760の組を有することであり得る。
図30は、図31および図32を説明するのを補助するために、図27を同じページに再現したものである。図31および図32は、それぞれ、図28および図29のストレッチバルブ管2820の閉鎖位置および開放位置を示している。これらの図は、遠位ポート2760を上から見下ろす図となるように、近位端から遠位端に向かう軸に沿ってみられたカテーテル2700の中心の長軸方向の軸に関して、反時計回りに90度回転した向きでみられている。図示のように、カテーテル2700の近位端を引かない状態で(図31)、ストレッチバルブ管2820は、遠位ポート2760を閉鎖している。カテーテル2700の近位端に近位方向の力をかけることで、図32の向きで示すように、ストレッチバルブ管2820は摺動し、もはや遠位ポート2760を閉鎖していない。
図33から図36は、本発明による自動収縮ストレッチバルブ安全バルーンカテーテルの代替的な例示的な実施形態を示している。これらの図に関して、実施形態の様々な部品が説明されないが(例えば、バルーン内部の壁)、本明細書において、上述の部品は参照によりこれらの実施形態に援用され、簡略にするため繰り返さない。
図33は、本発明のカテーテル3300のバルーン部分を、バルーン3302が部分的に膨張された状態にある状態で示している。環状のルーメン内壁3310は、その内部にドレナージルーメン3312を画定する。ルーメン内壁3310の周囲の1つまたは2つ以上の円周長軸方向の広がりにおいて、インフレーションルーメン壁3320は、インフレーションルーメン3322と、インフレーションルーメン3322に流体的に連結されるバルーンインフレーションポート3324とを画定する。本発明のカテーテルでは、存在し得るのは、2つ以上のインフレーションルーメン3322、および、ここでは1つしか示されていないが、対応するインフレーションポート3324である。したがって、図33〜図36の図は、単一のインフレーションルーメンと単一のインフレーションポートとを通る断面を示している。インフレーションポート3324の遠位でインフレーションルーメン3322(これは、上述の例示的な実施形態とは対照的なもの)を閉鎖するルーメンプラグは存在しない。図33の例示的な実施形態では、ストレッチバルブ機構3330は、以下にさらに詳述するように、インフレーションポート3324の遠位でインフレーションルーメン3322に栓をするように働く。外壁3340は、内部の壁3310および3320のすべてを液密に覆い、バルーン3342の外部を形成するが、インフレーションルーメン3322の遠位端については覆わない。外壁3340は、本明細書に説明される任意の方法で形成され、ここではさらなる詳細については記載しない。
ストレッチバルブ機構3330は、インフレーションルーメン3322に配置されて、膨張用流体よるバルーン3302の膨張を妨げないようにする。近位の中空アンカー部分3332は、インフレーションポート3324の近位のインフレーションルーメン3320に配置される。中空アンカー部分3332の直径が、妨げられていない流体がインフレーションルーメン3322を通って流れるように適合する任意の寸法であり得る一方で、1つの例示的な中空アンカー部分3332の内径は、インフレーションルーメン3322の直径に実質的に等しく、中空アンカー部分3332の外径は、インフレーションルーメン3322の直径よりもほんのわずかに大きい(例えば、管の肉厚は、0.05mmから0.2mmまでの間であり得る)。中空アンカー部分3332の長軸方向の長さは、所定の位置に設置された際、インフレーションルーメン3322内に長軸方向にしっかりと固定するのに望ましいだけの長さである。管は、その形状だけから、固定連結部を提供し得るが、さらに、任意の方法において、接着剤が用いられ得る。これらのうちの1つは、上記実施形態で示されたように近位ポートを作成することと、浸漬による外装を用いて固定連結部を形成することとを含む。中空アンカー部分3332の遠位端は、この例示的な実施形態では、バルーン3302の近位端の近位にある。中空アンカー部分3332の遠位端は、インフレーションポート3324のより近くであり得るが、インフレーションポート3324、またはインフレーションポート3324の遠位にはない。中空アンカー部分3332の両端は、バルーン3302の近位端の近位、バルーン3302の近位端、またはバルーン3302の近位端の遠位であり得、この位置の選択は、以下に説明されるように、本発明のカテーテル3300のストレッチバルブの作動に要する伸展量に依存する。図33の例示的な実施形態では、ストレッチバルブ機構3330はまた、その近位端で中空アンカー部分3332に連結される中間ストッパーワイヤ3334と、ストッパーワイヤ3334の遠位端に連結されるストッパー3336とを含む。ストッパー3336は、インフレーションルーメン3322に摺動可能に配置されるように、また同時に、液密な封止を提供して、液体が、インフレーションルーメン3322内において、ストッパー3336の片側から他方の側へ通過できないようにするように寸法決めされる。ストッパー3336は、インフレーションポート3324の遠位に配置される。ストッパーワイヤ3334は、したがって、インフレーションポート3324にわたる。ストッパー3336がインフレーションポート3324を横断しなければならないことから、これは、インフレーションポート3324のすぐ遠位でなければならないが、中空アンカー部分は、インフレーションポート3324の近位のどこにでも配置され得る。ストッパーワイヤ3334の長さは、インフレーションポート3324にわたるのに十分である必要があるが、望ましいだけの長さであり得、これは、中空アンカー部分3332が存在する場所および所望の伸展量による。近位端から引かれた際、カテーテル3300が近位端でより多く、遠位端でより少なく伸展すると、中空アンカー部分3322は、インフレーションルーメン3322において、図示よりもさらに近位になり得、インフレーションルーメン3322の近位端の非常に近く、またはインフレーションルーメン3322の近位端にさえなり得る。なお、たとえ用語「ワイヤ」が本明細書で用いられていたとしても、これは、必ずしも、ワイヤ構造が非圧縮性の棒状体であることを意味していない。同様に、柔軟性を有するが、非伸縮性のケーブルないしはコードとすることもできる。したがって、このような形状においては、ストッパー3336が一度近位に引っ張られると(図33の右方向)、カテーテルの伸展が解放されたときにストッパー3336は遠位に押し戻されない。このように、柔軟なケーブルの実施形態は、単一作動のバルブを提供する。
このような構成では、したがって、インフレーションポート3324における、またはその近位におけるカテーテル3300のいかなる近位方向の移動も、ストレッチバルブ機構3330を近位に移動する。つまり、ストッパー3336は、インフレーションルーメン3322内で、インフレーションポート3324の遠位からインフレーションポート3324の近位側まで、近位方向に摺動する。力がかかった時にカテーテル3300が依然として膨張している場合に、カテーテル3300の近位端が膀胱・尿道移行部または尿道に損傷が起こる直前よりも大きくない力で引かれて、ストッパー3336をインフレーションポート3324を横断して移動させる時、バルーン3342の流体は、インフレーションルーメン3322から遠位で排出され得る。図33のストレッチバルブの例示的な実施形態では、1から15ポンドまでの範囲の引張力は、ストレッチバルブ機構3330を近くに摺動させて、ストッパー3336をインフレーションポート3324のすぐ近位、すなわち、図33に示されるストレッチバルブの収縮点に配置する。別の例示的な実施形態では、収縮点をかなえるのに要する力の範囲は、1から5ポンドの間、特に、1.5から2ポンドの間である。ストッパー3336がインフレーションポート3324を横断する際、バルーン3342は、自動的に収縮し、膨張用流体は、カテーテル3300の遠位端で開放されているインフレーションルーメン3332の遠位端を出て、膀胱内に排出される。
図34は、本発明のカテーテル3400のバルーン部分を、バルーン3402が部分的に膨張された状態にある状態で示している。環状のルーメン内壁3410は、その内部にドレナージルーメン3412を画定する。ルーメン内壁3410の周囲の1つまたは2つ以上の円周長軸方向の広がりにおいて、インフレーションルーメン壁3420は、インフレーションルーメン3422と、インフレーションルーメン3422に流体的に連結されるバルーンインフレーションポート3424とを画定する。本発明のカテーテルでは、存在し得るのは、2つ以上のインフレーションルーメン3422、および、ここでは1つしか示されていないが、対応するインフレーションポート3424である。インフレーションポート3424の遠位でインフレーションルーメン3422を閉鎖するルーメンプラグは存在しない。この例示的な実施形態では、ストレッチバルブ機構3430は、以下にさらに詳述するように、インフレーションポート3424の遠位でインフレーションルーメン3422に栓をするように働く。外壁3440は、内部の壁3410および3420のすべてを液密に覆い、バルーン3442の外部を形成するが、インフレーションルーメン3422の遠位端については覆わない。外壁3440は、本明細書に説明される任意の方法で形成され、ここではさらなる詳細については記載しない。
ストレッチバルブ機構3430は、インフレーションルーメン3422に配置されて、膨張用流体よるバルーン3402の膨張を妨げないようにする。近位の中空アンカー部分3432は、インフレーションポート3424の近位のインフレーションルーメン3420に配置される。中空アンカー部分3432の直径が、妨げられていない流体がインフレーションルーメン3422を通って流れるように適合する任意の寸法であり得る一方で、1つの例示的な中空アンカー部分3432の内径は、インフレーションルーメン3422の直径に実質的に等しく、中空アンカー部分3432の外径は、インフレーションルーメン3422の直径よりもほんのわずかに大きい(例えば、管の肉厚は、0.05mmから0.2mmまでの間であり得る)。中空アンカー部分3432の長軸方向の長さは、所定の位置に設置された際、インフレーションルーメン3422内に長軸方向にしっかりと固定するのに望ましいだけの長さである。管は、その形状だけから、固定連結部を提供し得るが、さらに、任意の方法において、接着剤が用いられ得る。これらのうちの1つは、上記実施形態で示されたように近位ポートを作成することと、浸漬による外装を用いて固定連結部を形成することとを含む。中空アンカー部分3432の遠位端は、この例示的な実施形態では、バルーン3402の近位側にある。中空アンカー部分3432の遠位端は、インフレーションポート3424のより近くであり得るが、インフレーションポート3424、またはインフレーションポート3424の遠位にはない。中空アンカー部分3432の両端は、バルーン3402の近位端の近位、バルーン3402の近位端、またはバルーン3402の近位端の遠位であり得、この位置の選択は、以下に説明されるように、本発明のカテーテル3400のストレッチバルブの作動に要する伸展量に依存する。図34の例示的な実施形態では、ストレッチバルブ機構3430はまた、その近位端で中空アンカー部分3432に連結される中間中空ストッパー管3434と、ストッパー管3434の遠位端に連結されるストッパー3436とを含む。ストッパー管3434は、単なる中空アンカー部分3432の円周部分であり、インフレーションポート3424の反対側に配置されて、これが流体をインフレーションポート3424を通って流れるのを遮らないようにする。ストッパーは、その一方、中空アンカー部分3432と同じ外径を有する固体の円筒体である。機構3430全体は、インフレーションルーメン3422に摺動可能に配置されるように、また同時に、ストッパー3436において液密な封止を提供して、液体が、インフレーションルーメン3422内において、ストッパー3436の片側から他方の側へ通過できないようにするように寸法決めされる。ストッパー3436は、インフレーションポート3424の遠位に配置される。ストッパー管3434は、したがって、インフレーションポート3424にわたる。ストッパー3436がインフレーションポート3424を横断しなければならないことから、これは、インフレーションポート3424のすぐ遠位でなければならないが、中空アンカー部分3432は、インフレーションポート3424の近位のどこにでも配置され得る。ストッパー管3434の長さは、インフレーションポート3424にわたるのに十分である必要があるが、望ましいだけの長さであり得、これは、中空アンカー部分3432が存在する場所による。近位端から引かれた際、カテーテル3400が近位端でより多く、遠位端でより少なく伸展すると、中空アンカー部分3422は、インフレーションルーメン3422において、図示よりもさらに近位になり得、インフレーションルーメン3422の近位端の非常に近く、またはインフレーションルーメン3422の近位端にさえなり得る。
このような構成では、したがって、インフレーションポート3424における、またはその近位におけるカテーテル3400のいかなる近位方向の移動も、ストレッチバルブ機構3430を近位に移動する。つまり、ストッパー3436は、インフレーションルーメン3422内で、インフレーションポート3424の遠位からインフレーションポート3424の近位側まで、近位方向に摺動する。力がかかった時にカテーテル3400が依然として膨張している場合に、カテーテル3400の近位端が膀胱・尿道移行部または尿道に損傷が起こる直前よりも大きくない力で引かれて、ストッパー3436をインフレーションポート3424を横断して移動させる時、バルーン3442の流体は、インフレーションルーメン3422から遠位で排出され得る。図34のストレッチバルブの例示的な実施形態では、1から15ポンドまでの範囲の引張力は、ストレッチバルブ機構3430を近くに摺動させて、ストッパー3436をインフレーションポート3424のすぐ近位、すなわち、図34に示されるストレッチバルブの収縮点に配置する。別の例示的な実施形態では、収縮点をかなえるのに要する力の範囲は、1から5ポンドの間、特に、1.5から2ポンドの間である。ストッパー3436がインフレーションポート3424を横断する際、バルーン3442は、自動的に収縮し、膨張用流体は、カテーテル3400の遠位端で開放されているインフレーションルーメン3432の遠位端を出て、膀胱内に排出される。
図35は、本発明のカテーテル3500のバルーン部分を、バルーン3502が部分的に膨張された状態にある状態で示している。環状のルーメン内壁3510は、その内部にドレナージルーメン3512を画定する。ルーメン内壁3510の周囲の1つまたは2つ以上の円周長軸方向の広がりにおいて、インフレーションルーメン壁3520は、インフレーションルーメン3522と、インフレーションルーメン3522に流体的に連結されるバルーンインフレーションポート3524とを画定する。本発明のカテーテルでは、存在し得るのは、2つ以上のインフレーションルーメン3522、および、ここでは1つしか示されていないが、対応するインフレーションポート3524である。インフレーションポート3524の遠位でインフレーションルーメン3522を閉鎖するルーメンプラグは存在しない。この例示的な実施形態では、ストレッチバルブ機構3530は、以下にさらに詳述するように、インフレーションポート3524の遠位でインフレーションルーメン3522に栓をするように働く。外壁3540は、内部の壁3510および3520のすべてを液密に覆い、バルーン3542の外部を形成するが、インフレーションルーメン3522の遠位端については覆わない。外壁3540は、本明細書に説明される任意の方法で形成され、ここではさらなる詳細については記載しない。
ストレッチバルブ機構3530は、インフレーションルーメン3522に配置されて、膨張用流体よるバルーン3502の膨張を妨げないようにする。近位の中空アンカー部分3532は、インフレーションポート3524の近位のインフレーションルーメン3520に配置される。中空アンカー部分3532の直径が、妨げられていない流体がインフレーションルーメン3522を通って流れるように適合する任意の寸法であり得る一方で、1つの例示的な中空アンカー部分3532の内径は、インフレーションルーメン3522の直径に実質的に等しく、中空アンカー部分3532の外径は、インフレーションルーメン3522の直径よりもほんのわずかに大きい(例えば、管の肉厚は、0.05mmから0.2mmまでの間であり得る)。中空アンカー部分3532の長軸方向の長さは、所定の位置に設置された際、インフレーションルーメン3522内に長軸方向にしっかりと固定するのに望ましいだけの長さである。管は、その形状だけから、固定連結部を提供し得るが、さらに、任意の方法において、接着剤が用いられ得る。これらのうちの1つは、上記実施形態で示されたように近位ポートを作成することと、浸漬による外装を用いて固定連結部を形成することとを含む。中空アンカー部分3532の遠位端は、この例示的な実施形態では、バルーン3502の近位側にある。ストレッチバルブ機構3530の遠位端は、インフレーションポート3524のより近くであり得るが、インフレーションポート3524、またはインフレーションポート3524の遠位にはない。中空アンカー部分3532の両端は、バルーン3502の近位端の近位、バルーン3502の近位端、またはバルーン3502の近位端の遠位であり得、この位置の選択は、以下に説明されるように、本発明のカテーテル3500のストレッチバルブの作動に要する伸展量に依存する。図35の例示的な実施形態では、ストレッチバルブ機構3530はまた、その近位端で中空アンカー部分3532に連結されるばねなどの中間バイアス装置3534と、バイアス装置3534の遠位端に連結されるストッパー3536とを含む。バイアス装置3534は、インフレーションポート3524に配置されるが、流体がインフレーションポート3524を通って流れるのを遮らない。ストッパー3536は、その一方、中空アンカー部分3532と同じ外径を有する固体の円筒体である。機構3530全体は、インフレーションルーメン3522に摺動可能に配置されるように、また同時に、ストッパー3536において液密な封止を提供して、液体が、インフレーションルーメン3522内において、ストッパー3536の片側から他方の側へ通過できないようにするように寸法決めされる。ストッパー3536は、インフレーションポート3524の遠位に配置される。ストッパー3536の遠位方向の移動を防ぐために、制限部材3538がストッパー3536の遠位に提供される。バイアス装置3534は、したがって、インフレーションポート3524にわたる。ストッパー3536がインフレーションポート3524を横断しなければならないことから、これは、インフレーションポート3524のすぐ遠位でなければならないが、中空アンカー部分3532は、インフレーションポート3524の近位のどこにでも配置され得る。バイアス装置3534の長さは、インフレーションポート3524にわたるのに十分である必要があるが、望ましいだけの長さであり得、これは、中空アンカー部分3532が存在する場所による。近位端から引かれた際、カテーテル3500が近位端でより多く、遠位端でより少なく伸展すると、中空アンカー部分3522は、インフレーションルーメン3522において、図示よりもさらに近位になり得、インフレーションルーメン3522の近位端の非常に近く、またはインフレーションルーメン3522の近位端にさえなり得る。
このような構成では、したがって、インフレーションポート3524における、またはその近位におけるカテーテル3500のいかなる近位方向の移動も、ストレッチバルブ機構3530を近位に移動する。つまり、ストッパー3536は、インフレーションルーメン3522内で、インフレーションポート3524の遠位からインフレーションポート3524の近位側まで、近位方向に摺動する。力がかかった時にカテーテル3500が依然として膨張している場合に、カテーテル3500の近位端が膀胱・尿道移行部または尿道に損傷が起こる直前よりも大きくない力で引かれて、ストッパー3536をインフレーションポート3524を横断して移動させる時、バルーン3542の流体は、インフレーションルーメン3522から遠位で排出され得る。図35のストレッチバルブの例示的な実施形態では、1から15ポンドまでの範囲の引張力は、ストレッチバルブ機構3530を近くに摺動させて、ストッパー3536をインフレーションポート3524のすぐ近位、すなわち、図35に示されるストレッチバルブの収縮点に配置する。別の例示的な実施形態では、収縮点をかなえるのに要する力の範囲は、1から5ポンドの間、特に、1.5から2ポンドの間である。ストッパー3536がインフレーションポート3524を横断する際、バルーン3542は、自動的に収縮し、膨張用流体は、カテーテル3500の遠位端で開放されているインフレーションルーメン3532の遠位端を出て、膀胱内に排出される。
図36は、本発明のカテーテル3600のバルーン部分を、バルーン3602が部分的に膨張された状態にある状態で示している。環状のルーメン内壁3610は、その内部にドレナージルーメン3612を画定する。ルーメン内壁3610の周囲の1つまたは2つ以上の円周長軸方向の広がりにおいて、インフレーションルーメン壁3620は、インフレーションルーメン3622と、インフレーションルーメン3622に流体的に連結されるバルーンインフレーションポート3624とを画定する。本発明のカテーテルでは、存在し得るのは、2つ以上のインフレーションルーメン3622、および、ここでは1つしか示されていないが、対応するインフレーションポート3624である。インフレーションポート3624の遠位でインフレーションルーメン3622を閉鎖するルーメンプラグは存在しない。この例示的な実施形態では、ストレッチバルブ機構3630は、以下にさらに詳述するように、インフレーションポート3624の遠位でインフレーションルーメン3622に栓をするように働く。外壁3640は、内部の壁3610および3620のすべてを液密に覆い、バルーン3642の外部を形成するが、インフレーションルーメン3622の遠位端については覆わない。外壁3640は、本明細書に説明される任意の方法で形成され、ここではさらなる詳細については記載しない。
ストレッチバルブ機構3630は、インフレーションルーメン3622に配置されて、膨張用流体よるバルーン3602の膨張を妨げないようにする。図示されていない近位のアンカー部は、インフレーションポート3624の近位のインフレーションルーメン3620に配置される。近位のアンカー部は、妨げられていない流体がインフレーションルーメン3622を通って流れるように適合する任意の寸法または形状であり得、1つの例示的な中空アンカー部分の内径は、インフレーションルーメン3622の直径に実質的に等しく、外径は、インフレーションルーメン3622の直径よりもほんのわずかに大きい(例えば、管の肉厚は、0.07mmから0.7mmまでの間であり得る)。この中空のアンカー部の長軸方向の長さは、所定の位置に設置された際、インフレーションルーメン3622内に長軸方向にしっかりと固定するのに望ましいだけの長さであり得る。アンカー部は、この例示的な実施形態では、図示されていないインフレーションルーメン3622の近位端にある、またはその付近にある。ストレッチバルブ機構3630の遠位端は、インフレーションポート3624の遠位である。アンカー部の位置の選択は、以下に説明されるように、本発明のカテーテル3600のストレッチバルブの作動に要する伸展量に依存する。図36の例示的な実施形態では、ストレッチバルブ機構3630はまた、その近位端でアンカー部に連結される、非弾性または弾性の中間コード3634を含む。ストッパー3636は、コード3634の遠位端に連結される。コード3634は、インフレーションポート3624に配置されるが、流体がインフレーションポート3624を通って流れるのを遮らない。ストッパー3636は、その一方、これをコード3634が引いた際、これがインフレーションルーメン3622内を摺動可能に移動可能とする直径を有する固体の円筒体であるが、また同時に、液密な封止を提供して、液体が、インフレーションルーメン3622内において、ストッパー3636の片側から他方の側へ通過できないようにする。ストッパー3636は、インフレーションポート3624の遠位に配置される。ストッパー3636の遠位方向の移動を防ぐために、制限部材3638がストッパー3636の遠位に提供される。コード3634は、したがって、インフレーションポート3624にわたる。ストッパー3636がインフレーションポート3624を横断しなければならないことから、これは、インフレーションポート3624のすぐ遠位でなければならないが、アンカー部は、インフレーションポート3624の近位のどこにでも配置され得る。コード3634の長さは、インフレーションポート3624にわたるのに十分である必要があるが、望ましいだけの長さであり得、これは、アンカー部が存在する場所による。近位端から引かれた際、カテーテル3600が近位端でより多く、遠位端でより少なく伸展すると、アンカー部は、インフレーションルーメン3622の近位端の非常に近くにあり得、またはインフレーションルーメン3622の近位端になり得る。これは、ルアーコネクタの片側にも取り付けられ得、流体がインフレーションルーメン3622の近位端から流れ出るのを防ぐ。
このような構成では、したがって、アンカー部が存在する近位端におけるカテーテル3600のいかなる近位方向の移動もまた、ストレッチバルブ機構3630を近位に移動する。つまり、ストッパー3636は、インフレーションルーメン3622内で、インフレーションポート3624の遠位からインフレーションポート3624の近位側まで、近位方向に摺動する。力がかかった時にカテーテル3600が依然として膨張している場合に、カテーテル3600の近位端が膀胱・尿道移行部または尿道に損傷が起こる直前よりも大きくない力で引かれて、ストッパー3636をインフレーションポート3624を横断して移動させる時、バルーン3642の流体は、インフレーションルーメン3622から遠位で排出され得る。図36のストレッチバルブの例示的な実施形態では、1から15ポンドまでの範囲の引張力は、ストレッチバルブ機構3630を近くに摺動させて、ストッパー3636をインフレーションポート3624のすぐ近位、すなわち、図36に示されるストレッチバルブの収縮点に配置する。別の例示的な実施形態では、収縮点をかなえるのに要する力の範囲は、1から5ポンドの間、特に、1.5から2ポンドの間である。ストッパー3636がインフレーションポート3624を横断する際、バルーン3642は、自動的に収縮し、膨張用流体は、カテーテル3600の遠位端で開放されているインフレーションルーメン3622の遠位端を出て、膀胱内に排出される。
代替的な例示的な実施形態は、図30および図36の実施形態を組み合わせて、管2820をカテーテルの近位端につなぐ。
図37から図36の各実施形態において、インフレーションルーメン3322、3422、3522、3622を通してのバルーン3342、3442、3542、3642の収縮は、ストッパー3336、3436、3536、3636(図33〜図36に示される)の休止状態または定常状態の位置にてストッパー3336、3436、3536、3636とドレーンルーメン3312、3412、3512、3612との間に独立した収縮ポートDを形成することによって促進され得る。このような構成においては、ストッパー3336、3436、3536、3636がインフレーションポート3324、3424、3524、3624の下流側に移動すると、膨張用流体はインフレーションルーメン3322、3422、3522、3622の遠位端(上流側端部)から流出するのみならず、ドレーンルーメン3312、3412、3512、3612内に直接流出する。ストッパー3336、3436、3536、3636が、インフレーションポート3324、3424、3524、3624上でもこれを超えることもなく、僅かに下流側に移動しただけの場合は、収縮ポートDがドレーンルーメン3312、3412、3512、3612をインフレーションルーメン3322、3422、3522、3622に流体的に連結することに留意されたい。これはこの構成において不利ではない。ルーメンは、排尿器官(例えば膀胱)においてルーメンの遠位端を通して既に連結されるからである。
図37は、本発明のカテーテル3700のバルーン部分を、バルーン3742が部分的に膨張された状態にある状態で示している。環状のルーメン内壁3710は、その内部にドレナージルーメン3712を画定する。ルーメン内壁3710の周囲の1つまたは2つ以上の円周長軸方向の広がりにおいて、インフレーションルーメン壁3720は、インフレーションルーメン3722と、インフレーションルーメン3722に流体的に連結されるバルーンインフレーションポート3724とを画定する。本発明のカテーテルでは、存在し得るのは、2つ以上のインフレーションルーメン3722、および、ここでは1つしか示されていないが、対応するインフレーションポート3724である。ルーメンプラグ3736は、インフレーションポート3724の遠位でインフレーションルーメン3722を流体的に閉鎖して、すべての膨張用流体3702がバルーン3742内に向けられるようにする。ルーメンプラグ3736は、インフレーションポート3724からの任意の点または広がりで、遠位で栓をすることができる。外壁3740は、内部の壁3710および3720のすべてを液密に覆い、バルーン3742の外部を形成するが、ドレナージルーメン3712の遠位端については覆わない。外壁3740は、本明細書に説明される任意の方法で形成され、ここではさらなる詳細については記載しない。
この例示的な実施形態では、中空のストレッチバルブ管3730は、ドレナージルーメン3712に配置されて、排出される流体(例えば、尿)のドレナージを妨げないようにする。ストレッチバルブ管3730の直径が、妨げられていない流体がドレナージルーメン3712を通って流れるように適合する任意の寸法であり得る一方で、1つの例示的なストレッチバルブ管3730の内径は、ドレナージルーメン3712の直径に実質的に等しく、ストレッチバルブ管3730の外径は、ドレナージルーメン3712の直径よりもほんのわずかに大きい(例えば、管の肉厚は、0.07mmから0.7mmまでの間であり得る)。ストレッチバルブ管3830の近位端は、この例示的な実施形態では、収縮ポート3760の近位端の近位にある。ストレッチバルブ管3730の遠位端は、バルーン3742が収縮できるように、バルーン3742の遠位端の遠位ではない。遠位端は、バルーン3742の2つの端部の間のどこであってもよいが、図37では、中間位置で示されている。ストレッチバルブ管3730の遠位端は、収縮ポート3760の遠位の一定の距離にあるが、この距離Sの選択は、以下に説明されるように、本発明のカテーテル3700のストレッチバルブの作動に要する伸展量に依存する。図37の例示的な実施形態では、収縮ポート3760の長軸方向の長さは、ストレッチバルブ管3730の長軸方向の長さの半分未満として示されている。収縮ポート3760は、ルーメン内壁3710を通って形成され、ストレッチバルブ管3730は、少なくとも収縮ポート3760に重なるように配置される。これにより、ストレッチバルブ管3730の遠位端の外面の一部分は、収縮ポート3760を閉鎖して、バルーン3742とドレナージルーメン3712との間の収縮ポート3760を介する流体連通を妨げる。
ストレッチバルブ管3730をカテーテル3700に固定するための例示的な実施形態は、収縮ポート3760から離れてここでは近位に配置されている、ドレナージルーメン3710内の近位アンカー部3732を含んでいる。近位アンカー部3732は、妨げられていない流体がドレナージルーメン3712を通って流れるように適合する任意の寸法または形状であり得、1つの例示的な管または輪である中空アンカー部3732の内径は、ドレナージルーメン3712の直径に実質的に等しく、外径は、ドレナージルーメン3712の直径よりもほんのわずかに大きい(例えば、管の肉厚は、0.07mmから0.7mmまでの間であり得る)。この中空のアンカー部3732の長軸方向の長さは、所定の位置に設置された際、望ましいだけの長さ、ただし、ストレッチバルブ管3730をドレナージルーメン3712内に長軸方向にしっかりと固定するのに過不足ない長さであり得る。アンカー部3732は、この例示的な実施形態では、バルーン3742の近位端にあるが、バルーン3742のさらに内側(遠位)であってもよいし、バルーン3742の完全に近位であってもよい。例示的な実施形態では、アンカー部3732は、ステップ状の遠位オリフィスを有し、これは、ストレッチバルブ管3730の近位端を、例えば、永久的な連結のためにそこに圧入させることができるようにする。別の例示的な実施形態では、アンカー部3732は、接着剤(adhesive or glue)であり、これは、ストレッチバルブ管3730の近位端を長軸方向にドレナージルーメン3712内の所定の位置に固定する。接着剤は、壁3710、3720、3740のどれでもまたはすべてと同じ材料であってもよいし、異なる材料であってもよい。固定用ポートまたは一式の固定用ポートが、内壁3710を通して、バルーン3742の最近位端の近位で、またストレッチバルブ管3730の近位端の周囲で形成される例示的な図示されていない実施形態では、例えば、ダブルルーメン押し出し成形体と同じ材料の液浴内に、内壁3710およびインフレーションルーメン壁3720を含む内部部品を浸漬することによって外壁3740が形成される場合、固まると、外壁3740は、内壁3710およびインフレーションルーメン壁3720の両方に一体化され、固定用ポート(複数可)を介してストレッチバルブ管3730に固定して連結される。(ストレッチバルブ管3730をカテーテル3700に固定するための更なる例示的な実施形態は、図48に関連して以下で述べる。)
このような構成では、したがって、収縮ポート3760における、またはその近位におけるカテーテル3700のいかなる近位方向の移動も、ストレッチバルブ管3730を近位に移動する。つまり、ストレッチバルブ管3730の遠位端は、ドレナージルーメン3712内で近位方向に摺動し得る。力がかかった時にカテーテル3700が依然として膨張している場合に、カテーテル3700の近位端が膀胱・尿道移行部または尿道に損傷が起こる直前よりも大きくない力まで引かれる時、力は、例えば、1から15ポンドの範囲の引張力で、ストレッチバルブ管3730を近位に摺動させて、ストレッチバルブ管3730の遠位端を収縮ポート3760のすぐ近位に配置する。別の例示的な実施形態では、収縮点をかなえるのに要する力の範囲は、1から5ポンドの間、特に、1.5から2ポンドの間である。
ストレッチバルブ管3730の収縮点が生ずると、バルーン3742の内部は、直接ドレナージルーメン3712内(これは、膀胱2020の内部および図示されていない近位ドレナージバッグに対して開放されている)に流体的に連結され、バルーン3742に比べて膀胱が比較的加圧されていないという事実に起因して、すべての内圧は、バルーン3742から解放されて、膨張用流体3702を直接ドレナージルーメン3712内に排出し、それによって、バルーン3742を迅速に収縮させる。バルーン膨張用流体3702とドレナージルーメン3712との間に中間的な構造体が存在しないため、バルーン3742が収縮する速度は速い。収縮を速める一つの方法は、収縮ポート3760を、外壁3740からカテーテル3700の内部に向けて外向きに開く、じょうご状の形態に成形することであり得る。収縮を速める別の方法は、ルーメン内壁3710の円周の周囲に2つまたは3つ以上の収縮ポート3760を設けること、または収縮ポート3760の断面積を拡大すること、あるいはこれらの両方を行うことであり得る。
図38は、本発明のカテーテル3800のバルーン部分を、バルーン3842が部分的に膨張された状態にある状態で示している。環状のルーメン内壁3810は、その内部にドレナージルーメン3812を画定する。ルーメン内壁3810の周囲の1つまたは2つ以上の円周長軸方向の広がりにおいて、インフレーションルーメン壁3820は、インフレーションルーメン3822と、インフレーションルーメン3822に流体的に連結されるバルーンインフレーションポート3824とを画定する。本発明のカテーテルでは、存在し得るのは、2つ以上のインフレーションルーメン3822、および、ここでは1つしか示されていないが、対応するインフレーションポート3824である。ルーメンプラグ3836は、インフレーションポート3824の遠位でインフレーションルーメン3822を流体的に閉鎖して、すべての膨張用流体3802がバルーン3842内に向けられるようにする。ルーメンプラグ3736は、インフレーションポート3724のからの任意の点または広がりで、遠位で栓をすることができる。外壁3840は、内部の壁3810および3820のすべてを液密に覆い、バルーン3842の外部を形成するが、ドレナージルーメン3812の遠位端については覆わない。外壁3840は、本明細書に説明される任意の方法で形成され、ここではさらなる詳細については記載しない。
この例示的な実施形態では、中空のストレッチバルブ管3830は、ドレナージルーメン3812に配置されて、排出される流体(例えば、尿)のドレナージを妨げないようにする。ストレッチバルブ管3830の直径が、妨げられていない流体がドレナージルーメン3812を通って流れるように適合する任意の寸法であり得る一方で、1つの例示的なストレッチバルブ管3830の内径は、ドレナージルーメン3812の直径に実質的に等しく、ストレッチバルブ管3830の外径は、ドレナージルーメン3812の直径よりもほんのわずかに大きい(例えば、管の肉厚は、0.07mmから0.7mmまでの間であり得る)。ストレッチバルブ管3830の近位端は、この例示的な実施形態では、収縮ポート3860の近位端の近位にある。収縮ポート3860の長軸方向の長さは、バルーン3842が収縮できるように、バルーン3842の遠位端の遠位ではない。遠位端は、バルーン3842の2つの端部の間のどこであってもよいが、図38では、中間位置で示されている。ストレッチバルブ管3830の遠位端は、収縮ポート3860の遠位の一定の距離Sにあるが、この距離Sの選択は、以下に説明されるように、本発明のカテーテル3800のストレッチバルブの作動に要する伸展量に依存する。図38の例示的な実施形態では、収縮ポート3860の長軸方向の長さは、ストレッチバルブ管3830の長軸方向の長さの半分未満として示されている。ドレナージポート3860は、ルーメン内壁3810を通って形成され、ストレッチバルブ管3830は、少なくともドレナージポート3860に重なるように配置される。これにより、ストレッチバルブ管3830の近位端の外面の一部分は、ドレナージポート3860を閉鎖して、バルーン3842とドレナージルーメン3812との間のドレナージポート3860を介する流体連通を妨げる。
この例示的な実施形態では、図37の実施形態と比べると、第2のドレナージポート3862が、ルーメン内壁3810にドレナージポート3860と整合して提供され、両方のドレナージポート3860、3862は、インフレーションポート3824と整合している。そのため、ストレッチバルブ管3830が近位に移動して、ドレナージポート3860、3862を開放すると、バルーン3842の内側からの膨張用流体3802は、インフレーションポート3824およびドレナージポート3860の両方から排出される。
ストレッチバルブ管3830をカテーテル3800に固定するために、近位アンカー部3832が、ドレナージルーメン3810に収縮ポート3860、3862から離れて、ここでは近位に配置されている。近位アンカー部3832は、妨げられていない流体がドレナージルーメン3812を通って流れるように適合する任意の寸法または形状であり得、1つの例示的な管または輪である中空アンカー部3832の内径は、ドレナージルーメン3812の直径に実質的に等しく、外径は、ドレナージルーメン3812の直径よりもほんのわずかに大きい(例えば、管の肉厚は、0.07mmから0.7mmまでの間であり得る)。この中空のアンカー部3832の長軸方向の長さは、所定の位置に設置された際、望ましいだけの長さ、ただし、ストレッチバルブ管3830をドレナージルーメン3812内に長軸方向にしっかりと固定するのに過不足ない長さであり得る。アンカー部3832は、この例示的な実施形態では、バルーン3842の近位端にあるが、バルーン3842のさらに内側(遠位)であってもよいし、バルーン3842の完全に近位であってもよい。例示的な実施形態では、アンカー部3832は、ステップ状の遠位オリフィスを有し、これは、ストレッチバルブ管3830の近位端を、例えば、永久的な連結のためにそこに圧入させることができるようにする。別の例示的な実施形態では、アンカー部3832は、接着剤(adhesive or glue)であり、これは、ストレッチバルブ管3830の近位端を長軸方向にドレナージルーメン3812内の所定の位置に固定する。接着剤は、壁3810、3820、3840のどれでもまたはすべてと同じ材料であってもよいし、異なる材料であってもよい。固定用ポートまたは一式の固定用ポートが、内壁3810を通して、バルーン3842の最近位端の近位で、またストレッチバルブ管3830の近位端の周囲で形成される例示的な図示されていない実施形態では、例えば、ダブルルーメン押し出し成形体と同じ材料の液浴内に、内壁3810およびインフレーションルーメン壁3820を含む内部部品を浸漬することによって外壁3840が形成される場合、固まると、外壁3840は、内壁3810およびインフレーションルーメン壁3820の両方に一体化され、固定用ポート(複数可)を介してストレッチバルブ管3820に固定して連結される。(ストレッチバルブ管3830をカテーテル3800に固定するための更なる例示的な実施形態は、図48に関連して以下で述べる。)
このような構成では、したがって、ドレナージポート3860、3862における、またはその近位におけるカテーテル3800のいかなる近位方向の移動も、ストレッチバルブ管3830を近位に移動する。つまり、ストレッチバルブ管3830の遠位端は、ドレナージルーメン3812内で近位方向に摺動し得る。力がかかった時にカテーテル3800が依然として膨張している場合に、カテーテル3800の近位端が膀胱・尿道移行部または尿道に損傷が起こる直前よりも大きくない力まで引かれる時、力は、例えば、1から15ポンドの範囲の引張力で、ストレッチバルブ管3830を近位に摺動させて、ストレッチバルブ管3830の遠位端をドレナージポート3860、3862のすぐ近位に配置する。別の例示的な実施形態では、収縮点をかなえるのに要する力の範囲は、1から5ポンドの間、特に、1.5から2ポンドの間である。
ストレッチバルブ管3830の収縮点が生じると、バルーン3842の内部は、直接ドレナージルーメン3812内(これは、膀胱2020の内部および図示されていない近位ドレナージバッグに対して開放されている)に流体的に連結され、バルーン3842に比べて膀胱が比較的加圧されていないという事実に起因して、すべての内圧は、バルーン3842から解放されて、膨張用流体3802を直接ドレナージルーメン3812内に排出し、それによって、バルーン3842を迅速に収縮させる。バルーン膨張用流体3802とドレナージルーメン3812との間に中間的な構造体が存在しないため、バルーン3842が収縮する速度は速い。収縮を速める一つの方法は、ドレナージポート3860、3862を、外壁3840からカテーテル3800の内部に向けて外向きに開く、じょうご状の形態に成形することであり得る。収縮を速める別の方法は、ルーメン内壁3810の円周の周囲に2つまたは3つ以上のドレナージポート3860を有すること、またはドレナージポート3860、3862の断面積を拡大すること、あるいはこれらの両方を行うことであり得る。
図21から図23の実施形態によるカテーテルを製作するためのプロセスの例示的な一実施形態を説明するために、図39のフローチャートを参照する。
カテーテルは、ステップ3910において、ラテックスのダブルルーメン押し出し成形で開始する。この押し出し成形は、したがって、ドレナージルーメン2112を備える環状のルーメン内壁2110と、1つまたは2つ以上のルーメン内壁2110の周囲の円周長軸方向の広がりにおいて、インフレーションルーメン2122を備えるインフレーションルーメン壁2120とを画定する。ダブルルーメンは、したがって、ドレナージルーメン2112およびインフレーションルーメン2122の両方を既に含む。両方のルーメン2112、2122は、しかしながら、閉塞部なしで、また径方向のポートなしで、押し出し成形される。したがって、インフレーションポート2124を備えるために、押し出し成形体の外側の表面とインフレーションルーメンとの間に、径方向の孔が作成される必要がある。
ステップ3912では、バルーンインフレーションポート2124が作られて、押し出し成形体の環境をインフレーションルーメン2122に流体的に連結する。
インフレーションルーメン2122の遠位端の封止は、ステップ3914において、そこにプラグ2126を挿入または作成することによって行われ得る、あるいは、下記外壁2140の作成と同時に封止は起こり得る。
ステップ3916では、バルーンスリーブ2130が、インフレーションポート2124の周囲に配置され、両端でインフレーションルーメン壁2120の外部に固定されて、その間に液密のバルーン内部2200を画定する。その結果、バルーン2210の拡張は、インフレーションルーメン2122を通して起こり得る。例えば、バルーン内壁を作り上げる管2130は、ダブルルーメン押し出し成形体の遠位端の上に摺動されて、インフレーションポート2124を覆い、内側の多腔式押し出し成形体に、管の両端で、しかし中間部分を除いて、液密に封止される。この管もまたラテックス製であり得るため、ラテックスを液密に接着する任意の既知の方法で、ラテックスの多腔式押し出し成形体に固定され得る。
ステップ3918では、半組み立て品全体は、外壁2140で覆われる。例えば、半組み立て品全体は、液状の形態のラテックス内に浸漬されて、外壁2140を作成する。遠位のインフレーションルーメンプラグが用いられていない代替的な実施形態では、ラテックスは、インフレーションルーメン2122の遠位端の少なくとも一部分に入ることができるが、インフレーションポート2124を塞ぐほどには深く入ることはできない。ラテックスが硬化すると、バルーン2210は、液密であり、インフレーションルーメン2122に流体的に連結される、インフレーションポートの最近位の開口部を介してのみ環境に流体的に連結される。このプロセスでは、内壁2110、インフレーションルーメン壁2120、プラグ2126、バルーン壁2130、および外壁2140は、すべて同じラテックス材料で作られるため、一体となって、非常にしっかりとした水密なバルーン2210を形成する。
ステップ3910から3920で説明されるサブプロセスは、所望の場合省略され、代わりに、標準的なフォーリーカテーテルを利用することにより達成され、それに対して以下のステップが実行されるのであってもよい。
ここで、ストレッチバルブが形成される。近位ポート2150は、ステップ3920において、外壁2140を通って、またインフレーションルーメン壁2020を通って形成される。遠位ポート2160は、ステップ3922において、外壁2140を通って、またインフレーションルーメン壁2020を通って形成される。次いで、ステップ3924において、ストレッチバルブ管2220は、近位ポートまたは遠位ポート2150、2160のうちのいずれかを通して挿入されて、近位ポート2150が、ストレッチバルブ管2220の近位端の少なくとも一部分と重なり、また遠位ポート2160が、ストレッチバルブ管2220の遠位端の少なくとも一部分と重なるようにする。これにより、近位ポートおよび遠位ポート2150、2160におけるストレッチバルブ管2220の近位端の外面の2つの部分は、環境に露出しているが、インフレーションルーメン2122と近位ポートまたは遠位ポート2150、2160とは流体連通していない。
ステップ3926では、近位ポート2150は、ストレッチバルブ管2220をカテーテル2100に固定するために用いられる。例示的な一実施形態では、近位ポート2150は、ストレッチバルブ管2220の近位端を、外壁2140およびインフレーションルーメン壁2020のうちの少なくとも1つに固定する材料で充填される。例示的な実施形態では、接着剤は、ストレッチバルブ管2220の近位端を、外壁2140およびインフレーションルーメン壁2120の両方に結合する。別の例示的な実施形態では、本半組み立て品の一部分は、液状の形態のラテックス内に浸漬されて、近位ポート2150に栓をし、ストレッチバルブ管2220を外壁2140およびインフレーションルーメン壁2120の両方にしっかりと固定する。ラテックスが硬化すると、近位ポート2150における連結部は、液密であり、そこを通して環境に流体接続させない。このプロセスでは、したがって、充填された近位ポート2150、インフレーションルーメン壁2120、および外壁2140は、すべて同じラテックス材料で作られるため、一体となって、非常にしっかりとした水密な連結部を形成する。(ストレッチバルブ管2220をカテーテル2100に固定するための更なる例示的な実施形態は、図48に関連して以下で述べる。)
このような構成では、したがって、近位ポート2150における、またはその近位におけるカテーテル2100のいかなる近位方向の移動も、ストレッチバルブ管2220を近位に移動する。つまり、ストレッチバルブ管2220の遠位端は、インフレーションルーメン2122内で近位方向に摺動し得る。
図24から図26の実施形態によるカテーテルを製作するためのプロセスの例示的な一実施形態を説明するために、図39のフローチャートを参照する。
カテーテルは、ステップ3910において、ラテックスのダブルルーメン押し出し成形で開始する。この押し出し成形は、したがって、ドレナージルーメン2412を備える環状のルーメン内壁2410と、1つまたは2つ以上のルーメン内壁2410の周囲の円周長軸方向の広がりにおいて、インフレーションルーメン2422を備えるインフレーションルーメン壁2420とを画定する。ダブルルーメンは、したがって、ドレナージルーメン2412およびインフレーションルーメン2422の両方を既に含む。両方のルーメン2412、2422は、しかしながら、閉塞部なしで、また径方向のポートなしで、押し出し成形される。したがって、インフレーションポート2424を備えるために、押し出し成形体の外側の表面とインフレーションルーメンとの間に、径方向の孔が作成される必要がある。
ステップ3912では、バルーンインフレーションポート2424が作られて、押し出し成形体の環境をインフレーションルーメン2422に流体的に連結する。
インフレーションルーメン2422の遠位端の封止は、ステップ3914において、そこにプラグ2426を挿入または作成することによって行われ得る、あるいは、下記外壁2440の作成と同時に封止は起こり得る。
ステップ3916では、バルーンスリーブ2430が、インフレーションポート2424の周囲に配置され、両端でインフレーションルーメン壁2420の外部に固定されて、その間に液密のバルーン内部2200を画定する。その結果、バルーン2240の膨張は、インフレーションルーメン2422を通して起こり得る。例えば、バルーン内壁を作り上げる管2430は、ダブルルーメン押し出し成形体の遠位端の上に摺動されて、インフレーションポート2424を覆い、内側の多腔式押し出し成形体に、管の両端で、しかし中間部分を除いて、液密に封止される。この管もまたラテックス製であり得るため、ラテックスを液密に接着する任意の既知の方法で、ラテックスの多腔式押し出し成形体に固定され得る。
ステップ3918では、半組み立て品全体は、外壁2440で覆われる。例えば、半組み立て品全体は、液状の形態のラテックス内に浸漬されて、外壁2440を作成する。遠位のインフレーションルーメンプラグが用いられていない代替的な実施形態では、ラテックスは、インフレーションルーメン2422の遠位端の少なくとも一部分に入ることができるが、インフレーションポート2424を塞ぐほどには深く入ることはできない。ラテックスが硬化すると、バルーン2240は、液密であり、インフレーションルーメン2422に流体的に連結される、インフレーションポートの最近位の開口部を介してのみ環境に流体的に連結される。このプロセスでは、内壁2410、インフレーションルーメン壁2420、プラグ2426、バルーン壁2430、および外壁2440は、すべて同じラテックス材料で作られるため、一体となって、非常にしっかりとした水密なバルーン2240を形成する。
ステップ3910から3920で説明されるサブプロセスは、所望の場合省略され、代わりに、標準的なフォーリーカテーテルを利用することにより達成され、それに対して以下のステップが実行されるのであってもよい。
ここで、ストレッチバルブが形成される。近位ポート2450は、ステップ3920において、外壁2440を通って、またインフレーションルーメン壁2020を通って形成される。遠位ポート2460は、ステップ3922において、内壁2410を通って、インフレーションルーメン2422内に形成される。次いで、ステップ3924において、ストレッチバルブ管2520は、近位ポートまたは遠位ポート2450、2460のうちのいずれかを通して挿入されて、近位ポート2450が、ストレッチバルブ管2520の近位端の少なくとも一部分と重なり、また遠位ポート2460が、ストレッチバルブ管2520の遠位端の少なくとも一部分と重なるようにする。これにより、近位ポート2450におけるストレッチバルブ管2520の近位端の外面の1つの部分は、ドレーンルーメン2412に露出し、遠位ポート2460におけるストレッチバルブ管2520の遠位端の外面の別の部分は、環境に露出しているが、インフレーションルーメン2422から近位ポートまたは遠位ポート2450、2460のうちのいずれにも流体連通は存在しない。
ステップ3926では、近位ポート2450は、ストレッチバルブ管2520をカテーテル2400に固定するために用いられる。例示的な一実施形態では、近位ポート2450は、ストレッチバルブ管2520の近位端を、外壁2440およびインフレーションルーメン壁2020のうちの少なくとも1つに固定する材料で充填される。例示的な実施形態では、接着剤は、ストレッチバルブ管2520の近位端を、外壁2440およびインフレーションルーメン壁2420の両方に結合する。別の例示的な実施形態では、本半組み立て品の一部分は、液状の形態のラテックス内に浸漬されて、近位ポート2450に栓をし、ストレッチバルブ管2520を外壁2440およびインフレーションルーメン壁2420の両方にしっかりと固定する。ラテックスが硬化すると、近位ポート2450における連結部は、液密であり、そこを通して環境に流体接続させない。このプロセスでは、したがって、充填された近位ポート2450、インフレーションルーメン壁2420、および外壁2440は、すべて同じラテックス材料で作られるため、一体となって、非常にしっかりとした水密な連結部を形成する。(ストレッチバルブ管2520をカテーテル2400に固定するための更なる例示的な実施形態は、図48に関連して以下で述べる。)
このような構成では、したがって、近位ポート2450における、またはその近位におけるカテーテル2400のいかなる近位方向の移動も、ストレッチバルブ管2520を近位に移動する。つまり、ストレッチバルブ管2520の遠位端は、インフレーションルーメン2422内で近位方向に摺動し得る。
図27から図29の実施形態によるカテーテルを製作するためのプロセスの例示的な一実施形態を説明するために、図40のフローチャートを参照する。
カテーテルは、ステップ4010において、ラテックスのダブルルーメン押し出し成形で開始する。この押し出し成形は、したがって、ドレナージルーメン2712を備える環状のルーメン内壁2710と、1つまたは2つ以上のルーメン内壁2710の周囲の円周長軸方向の広がりにおいて、インフレーションルーメン2722を備えるインフレーションルーメン壁2720とを画定する。ダブルルーメンは、したがって、ドレナージルーメン2712およびインフレーションルーメン2722の両方を既に含む。両方のルーメン2712、2722は、しかしながら、閉塞部なしで、また径方向のポートなしで、押し出し成形される。したがって、インフレーションポート2724を備えるために、押し出し成形体の外側の表面とインフレーションルーメンとの間に、径方向の孔が作成される必要がある。
ステップ4012では、バルーンインフレーションポート2724が作られて、押し出し成形体の環境をインフレーションルーメン2722に流体的に連結する。
説明されたその他の例示的な実施形態とは異なり、遠位ポート2760は、バルーンインフレーションポート2724の前、後、または同時に、ステップ4014で作成される。遠位ポート2760は、環境をドレーンルーメン2712の内部に連結する。例示的な実施形態では、遠位ポート2760は、バルーンインフレーションポート2724の近位にある。
インフレーションルーメン2722の遠位端の封止は、ステップ4016において、そこにプラグ2726を挿入または作成することによって行われ得る、あるいは、下記外壁2740の作成と同時に封止は起こり得る。
ステップ4018では、バルーンスリーブ2730が、インフレーションポート2724および遠位ポート2760の周囲に配置され、両端でインフレーションルーメン壁2720の外部に固定されて、その間に液密のバルーン内部2200を画定する。その結果、バルーン2810の膨張は、インフレーションルーメン2722を通して起こり得る。例えば、バルーン内壁を作り上げる管2730は、ダブルルーメン押し出し成形体の遠位端の上に摺動されて、インフレーションポート2724を覆い、内側の多腔式押し出し成形体に、管の両端で、しかし中間部分を除いて、液密に封止される。この管もまたラテックス製であり得るため、ラテックスを液密に接着する任意の既知の方法で、ラテックスの多腔式押し出し成形体に固定され得る。
ストレッチバルブの設置は、ステップ4020において、インフレーションルーメン壁2020を通って近位ポート2750形成されることによって、行われる。次いで、ステップ4022において、ストレッチバルブ管2820は、近位ポートまたは遠位ポート2750、2760のうちのいずれかを通して挿入されて、近位ポート2750が、ストレッチバルブ管2820の近位端の少なくとも一部分と重なり、また遠位ポート2760が、ストレッチバルブ管2820の遠位端の少なくとも一部分と重なるようにする。これにより、近位ポートおよび遠位ポート2750、2760におけるストレッチバルブ管2820の近位端の外面の2つの部分は、環境に露出しているが、インフレーションルーメン2722と近位ポートまたは遠位ポート2750、2760とは流体連通していない。あるいは、ステップ4022は、4018前に起こって、バルーンスリーブ2730が配置および固定される前に、ストレッチバルブ管2820を挿入し得る。このような場合、近位ポート2750の作成は、遠位ポート2760およびバルーンインフレーションポート2724を作成する前、後、または同時に起こり得、この実施形態では、すべて3つのポート2724、2750、2760は同時に作成され得る。
ステップ4024では、半組み立て品全体は、外壁2740で覆われる。例えば、半組み立て品全体は、液状の形態のラテックス内に浸漬されて、外壁2740を作成する。遠位のインフレーションルーメンプラグが用いられていない代替的な実施形態では、ラテックスは、インフレーションルーメン2722の遠位端の少なくとも一部分に入ることができるが、インフレーションポート2724を塞ぐほどには深く入ることはできない。ラテックスが硬化すると、バルーン2810は、液密であり、インフレーションルーメン2722に流体的に連結される、インフレーションポートの最近位の開口部を介してのみ環境に流体的に連結される。このプロセスでは、内壁2710、インフレーションルーメン壁2720、プラグ2726、バルーン壁2730、および外壁2740は、すべて同じラテックス材料で作られるため、一体となって、非常にしっかりとした水密なバルーン2810を形成する。
先の実施形態では、近位ポート2750は、外壁2740を貫通する。この例示的な実施形態では、しかしながら、そうする必要はない。ここで、近位ポート2750は、外壁2740自体の材料で充填されて、ストレッチバルブ管2820の近位端を、外壁2740およびインフレーションルーメン壁2020のうちの少なくとも1つに固定し得る。ラテックスが硬化すると、近位ポート2750における連結部は、液密であり、そこを通して環境に流体接続させない。このプロセスでは、したがって、充填された近位ポート2750、インフレーションルーメン壁2720、および外壁2740は、すべて同じラテックス材料で作られるため、一体となって、非常にしっかりとした水密な連結部を形成する。代替的な例示的な実施形態では、接着剤は、ストレッチバルブ管2820の近位端を、インフレーションルーメン壁2720に結合するのに用いられ得る。(ストレッチバルブ管2820をカテーテル2700に固定するための更なる例示的な実施形態は、図48に関連して以下で述べる。)
このような構成では、したがって、近位ポート2750における、またはその近位におけるカテーテル2700のいかなる近位方向の移動も、ストレッチバルブ管2820を近位に移動する。つまり、ストレッチバルブ管2820の遠位端は、インフレーションルーメン2722内で近位方向に摺動し得る。
図37および図38の実施形態によるカテーテルを製作するためのプロセスの例示的な一実施形態を説明するために、図41のフローチャートを参照する。
カテーテルは、ステップ4110において、ラテックスのダブルルーメン押し出し成形で開始する。この押し出し成形は、したがって、ドレナージルーメン3712、3812を備える環状のルーメン内壁3710、3810と、1つまたは2つ以上のルーメン内壁3710、3810の周囲の円周長軸方向の広がりにおいて、インフレーションルーメン3722、3822を備えるインフレーションルーメン壁3720、3820とを画定する。ダブルルーメンは、したがって、ドレナージルーメン2712、2812およびインフレーションルーメン2722、2822の両方を既に含む。両方のルーメン2712、2722、2812、2822は、しかしながら、閉塞部なしで、また径方向のポートなしで、押し出し成形される。したがって、インフレーションポート3724、3824を備えるために、押し出し成形体の外側の表面とインフレーションルーメンとの間に、径方向の孔が作成される必要がある。
ステップ4112では、バルーンインフレーションポート3724、3824が作られて、押し出し成形体の環境をインフレーションルーメン3722、3822に流体的に連結する。
説明されたその他の例示的な実施形態とは異なり、図37の実施形態に関しては、収縮ポート3760は、バルーンインフレーションポート3724の前、後、または同時に、ステップ4114で作成される。収縮ポート3760は、バルーン3742の内部をドレーンルーメン3712の内部に連結する。例示的な実施形態では、収縮ポート3760は、バルーンインフレーションポート3724の近位にあるが、バルーンインフレーションポート3724にあっても、バルーンインフレーションポート3724の遠位にあってもよい。
説明されたその他の例示的な実施形態とは異なり、図38の実施形態に関しては、ドレナージポート3860および3862は、バルーンインフレーションポート3824の前、後、または同時に、ステップ4114で作成される。ドレナージポート3860は、バルーン3842の内部をドレーンルーメン2712の内部に連結し、ドレナージポート3862は、インフレーションルーメン3822の内部をドレーンルーメン2712の内部に連結する。例示的な実施形態では、ドレナージポート3860、3862は、バルーンインフレーションポート3824に整合されるが、それらは、その遠位または近位であってもよい。整合された際、単一の貫通孔は、カテーテル全体を貫いて作られ、インフレーションおよびドレナージの両方のチャネル3712、3722、3812、3822と、ダブルルーメン押し出し成形の両方の壁3710、3720、3810、3820とを貫き得る。あるいは、ドレナージポート3860、3862は、どちらか一方がインフレーションポート3824と整合した状態、あるいはどちらもこれと整合しない状態で、互いに離間して配置され得る。
ステップ4116では、外壁3710、3810に固定点3732、3832が作成される。この固定点に、ストレッチバルブ管3730、3830をドレナージルーメン3712、3812の内側に固定するための手段がある。固定点3732、3832は、ドレナージポート3760、3860、3862の近位のどこにでも配置され得る。固定点3732、3832は、図37および図38に示すように、インフレーションポート3724、3824と円周方向に整合されていない。例示的な実施形態では、固定点3732、3832は、依然としてバルーン3742、3842の近位端の内側にあるが、同様に、ドレナージルーメン3712、3812内のどの近位の点までバルーン3742、3842のさらに近位であり得る。
インフレーションルーメン3722、3822の遠位端の封止は、ステップ4118において、そこにプラグ3736、3836を挿入または作成することによって行われ得る、あるいは、固定用ポートを形成する前、またはステップ4124における下記外壁3740、3840の作成の直前もしくは同時に封止は起こり得る。
ステップ4120では、ストレッチバルブ管3730、3830は、ドレナージルーメン3712、3812内に挿入され、またストレッチバルブ管3730、3830がすべての収縮ポート3760、3860、3862およびすべての固定用貫通孔3732、3832を覆うように位置合わせされる。ストレッチバルブ管3730、3830の遠位端は、ストレッチバルブの動作に望ましい遠位の距離Sに配置される。例えば、距離は、最大1mm、最大2mm、最大3mmおよび最大1または2cmであり得る。距離Sはまた、ストレッチバルブ管の変位がカテーテルの伸びに比例することから、カテーテルの近位端における伸展量に依存し得る。例えば、カテーテルが500mm長であり、20%だけ引かれた場合、600mm長になる(100mmの伸び)。カテーテルのバルーン付近に配置される、金属(例えば、ステンレススチール、チタンなど)、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアミド、ポリウレタン(ショア硬さ55D〜75D)などの硬い材料から作られる10mmまたはそれ以上のストレッチバルブ管は、その近位端をインフレーションルーメンまたはドレナージルーメンの内側に接着される。このカテーテルが20%伸展される場合、10mmのストレッチバルブの遠位先端部は、近位方向に2mm移動する。したがって、ドレナージポート(複数可)がストレッチバルブ管の遠位端に対して2mm近位に配置される場合(ここで、S=2mm)、約20%伸展されたストレッチバルブ管によって封止されたままとなる。しかし、カテーテルが20%(または2mm)よりもわずかに多く引かれる場合、ドレナージポートは開放され、バルーン内の膨張用流体はドレナージポートから放出される。カテーテルは、製造業者によって異なることから、カテーテルの伸展に要する力に対する伸び率のキャリブレーションが、それぞれの異なるタイプのカテーテルに対してなされ得る。この力は、工学用語で、カテーテルの弾性率として定義され、材料の弾性率およびカテーテルの有効肉厚の関数である。同じ力にさらされた場合、低弾性率の材料およびカテーテルは、高弾性率の材料およびカテーテルよりも多く延びる。例示的なカテーテルは、ラテックスゴムまたはシリコーンゴムから作られたものである。シリコーンゴムは、一般に、ラテックスよりも高い弾性率を有し、したがって、バルーン内の圧力をするのに十分にカテーテルを伸展するには、より多くの力を要する。異なる材料から作られ、異なる肉厚を有する異なるカテーテルにかかる引く力に応じて、異なるストレッチバルブの長さが提供されて、バルーン圧力を放出し得ることを当業者は理解する。したがって、ストレッチバルブ管の距離が与えられているが、これらは例示であり、異なる材料/肉厚を有する異なるカテーテルに応じて変わり得る。そのため、ストレッチバルブ管を作動させるための、これらの例示的な距離は、本明細書に説明されるすべての実施形態に適用されるが、これに限定されない。
固定用貫通孔3732、3832が、バルーンスリーブの膨張による広がりの中にある場合(図示のように)接着剤は、固定用貫通孔3732、3832内に用いられて、バルーンスリーブの取り付け前に、そこでストレッチバルブ管3730、3830の近位端を固定し得る。固定用貫通孔3732、3832が、バルーンスリーブの広がりの中にあるが、バルーンスリーブの固定された近位端だけで重なる場合(図示せず)、バルーンスリーブの近位端を固定するものと同じ接着剤が、固定用貫通孔3732、3832内に用いられて、そこでストレッチバルブ管3730、3830の近位端を固定し得る。最後に、固定用貫通孔3732、3832が、バルーンスリーブの広がりの外側の近位側にある場合、接着剤または外壁3740、3840(下記参照)を作る同じ材料が、固定用貫通孔3732、3832内に用いられて、ストレッチバルブ管3730、3830の近位端を固定し得る。
ステップ4122では、バルーンスリーブは、インフレーションポート3724、3824および固定用貫通孔3732、3832の周囲に配置され(固定用貫通孔3732、3832がバルーンスリーブの広がりの中にある場合)、またバルーンスリーブは、両端で、内壁およびインフレーションルーメン壁3710、3720、3810、3820の外部に固定されて、その間に液密のバルーン内部を画定する。その結果、バルーン3742、3842の膨張は、インフレーションルーメン3722、3822を通して起こり得る。例えば、バルーン3742、3842の内壁を作り上げるバルーンスリーブは、ダブルルーメン押し出し成形体の遠位端の上に摺動されて、少なくともインフレーションポート3724、3824を覆い、内側の多腔式押し出し成形体に、バルーンスリーブの両端で、しかし中間部分を除いて、液密に封止される。バルーンスリーブもまたラテックス製であり得るため、ラテックスを液密に接着する任意の既知の方法で、ラテックスの多腔式押し出し成形体に固定され得る。
ステップ4124では、半組み立て品全体は、外壁3740、3840で覆われる。例えば、半組み立て品全体は、液状の形態のラテックス内に浸漬されて、外壁3740、3840を作成する。遠位のインフレーションルーメンプラグ3736、3836が用いられていない代替的な実施形態では、ラテックスは、インフレーションルーメン3722、3822の遠位端の少なくとも一部分に入ることができるが、インフレーションポート3724、3824を塞ぐほどには深く入ることはできない。ラテックスが硬化すると、バルーン3742、3842は、液密であり、インフレーションルーメン3722、3822に流体的に連結される、インフレーションポートの最近位の開口部を介してのみ環境に流体的に連結される。このプロセスでは、内壁3710、3810、インフレーションルーメン壁3720、3820、プラグ3736、3836、バルーン壁、および外壁3740、3840は、すべて同じラテックス材料で作られるため、一体となって、非常にしっかりとした水密なバルーン3742、3842を形成する。(ストレッチバルブ管3730、3830をカテーテル3700、3800に固定するための更なる例示的な実施形態は、図48に関連して以下で述べる。)
このような構成では、したがって、近位アンカー部3732、3832における、またはその近位におけるカテーテル3700、3800のいかなる近位方向の移動も、ストレッチバルブ管3730、3830を近位に移動する。つまり、ストレッチバルブ管3730、3830の遠位端は、インフレーションルーメン3722、3822内で近位方向に摺動し得る。
例示的な実施形態において、上に概要を述べたステップは、説明または図示された順番でなされる必要はない。様々な例示的な実施形態によるカテーテルを作成するために、これらのステップのどれもが、任意の順番で存在し得る。
図42および図43は、本発明のカテーテル4200、4300のその他の例示的な実施形態のバルーン部分を、同様に、バルーン3842が部分的に膨張された状態にある状態で示している。これらの例示的な実施形態では、特徴の大半は、図38において示されるカテーテル3800、ならびに本明細書に説明される安全カテーテルのその他の例示的な実施形態と同じである。図42および図43で異なることは、ストレッチバルブの動作方法であり、したがって、類似の特徴は、図38と同じ参照番号を用いている。異なる特徴は、しかしながら、新規の参照番号を用いている。このように、類似の特徴の説明は、以下に繰り返されず、代わりに、上述の例示的な実施形態からの参照により本明細書に援用される。
カテーテル4200、4300では、環状のルーメン内壁4210、4310は、その内部にドレナージルーメン4212、4312を画定する。この例示的な実施形態では、中空のストレッチバルブ管3830は、ドレナージルーメン4212、4312に配置されて、排出される流体(例えば、尿)のドレナージを妨げないようにする。ストレッチバルブ管3830の直径が、妨げられていない流体がドレナージルーメン4212、4312を通って流れるように適合する任意の寸法であり得る一方で、1つの例示的なストレッチバルブ管3830の内径は、ドレナージルーメン4212、4312の直径に実質的に等しく、ストレッチバルブ管3830の外径は、ドレナージルーメン4212、4312の直径よりもほんのわずかに大きい(例えば、管の肉厚は、0.07mmから0.7mmまでの間であり得る)。(本明細書に説明されるストレッチバルブ管のあらゆる実施形態において、外径は、ドレナージルーメンの直径に等しいまたはそれ未満である。)
ストレッチバルブ管3830の近位端は、この例示的な実施形態では、収縮ポート3860の近位端の近位にある。収縮ポート3860の長軸方向の長さは、バルーン3842が収縮できるように、バルーン3842の遠位端の遠位ではない。遠位端は、バルーン3842の2つの端部の間のどこであってもよいが、図42および図43では、中間位置で示されている。ストレッチバルブ管3830の遠位端は、収縮ポート3860の遠位の一定の距離Sにあるが、この距離Sの選択は、以下に説明されるように、本発明のカテーテル4200、4300のストレッチバルブの作動に要する伸展量に依存する。
図38、図42および図43の例示的な実施形態では、収縮ポート3860の長軸方向の長さは、ストレッチバルブ管3830の長軸方向の長さの半分未満として示されている。ドレナージポート3860は、ルーメン内壁3810を通って形成され、ストレッチバルブ管3830は、少なくともドレナージポート3860に重なるように配置される。これにより、ストレッチバルブ管3830の近位端の外面の一部分は、ドレナージポート3860を閉鎖して、バルーン3842からドレナージルーメン4212、4312までのドレナージポート3860を介する流体連通を妨げる。第2のドレナージポート3862が、ルーメン内壁3810にドレナージポート3860と整合して提供され、両方のドレナージポート3860、3862は、インフレーションポート3824と整合している。そのため、ストレッチバルブ管3830が近位に移動して、ドレナージポート3860、3862を開放すると、バルーン3842の内側からの膨張用流体3802は、インフレーションポート3824およびドレナージポート3860の両方から排出される。
ストレッチバルブ管3830をカテーテル4200、4300に固定するために、近位アンカー部4232、4332が、ドレナージルーメン4212に収縮ポート3860、3862から離れて、ここでは近位に、図42では距離E、また図43では距離Fで配置されている。図示の距離は、ストレッチバルブ管3830のための唯一の寸法ではなく、短くても長くてもよく、長い場合、図43に示されるもの以上に、ドレナージルーメン4212、4312内にかなり近位に広がる。近位アンカー部3832は、妨げられていない流体がドレナージルーメン4212、4312を通って流れるように適合する任意の寸法または形状であり得、1つの例示的な管または輪である中空アンカー部3832の内径は、ドレナージルーメン4212の直径に実質的に等しく、外径は、ドレナージルーメン4212の直径よりもほんのわずかに大きい(例えば、管の肉厚は、0.07mmから0.7mmまでの間であり得る)。近位アンカー部3832は、ストレッチバルブ管3830に対して一体的であるか、連結されるかによらない、返し、またはその他の機械的な固定装置でも有り得る。このアンカー部3832の長軸方向の長さは、所定の位置に設置された際、望ましいだけの長さ、ただし、ストレッチバルブ管3830の近位端をドレナージルーメン4212内に長軸方向にしっかりと固定するのに十分な長さであり得る。アンカー部3832は、この例示的な実施形態では、図42に示されるように、バルーン3842の近位端にあるが、バルーン3842のさらに内側(すなわち、図42に関して遠位)であってもよいし、図43に示されるように、バルーン3842の完全に近位であってもよい。近位アンカー部3832がドレナージルーメン4212、4312内において連結されるのが近位になればなるほど、アンカー部3832とドレナージポート3860、3862の間において、伸展する材料が配置される距離は、大きくなり、それによって、ストレッチバルブを伸展および作動させる安全カテーテルの能力が強化される。(ストレッチバルブ管3830、4330をカテーテル4200、4300に固定するための更なる例示的な実施形態は、図48に関連して以下で述べる。)
このような構成では、したがって、ドレナージポート3860、3862における、またはその近位におけるカテーテル4200、4300のいかなる近位方向の移動も、ストレッチバルブ管3830を近位に移動する。つまり、ストレッチバルブ管3830の遠位端は、ドレナージルーメン4212内で近位方向に摺動し得る。力がかかった時にカテーテル4200、4300が依然として膨張している場合に、カテーテル4200、4300の近位端が膀胱・尿道移行部または尿道に損傷が起こる直前よりも大きくない力まで引かれる時、力は、例えば、1から15ポンドの範囲の引張力で、ストレッチバルブ管3830の遠位端を近位に摺動させ、かつ移動させて、ドレナージポート3860、3862を収縮点で解放する。別の例示的な実施形態では、収縮点をかなえるのに要する力の範囲は、1から5ポンドの間、特に、1.5から2ポンドの間である。
ストレッチバルブ管3830の収縮点が生じると、バルーン3842の内部は、直接ドレナージルーメン4212、4312内(これは、膀胱2020の内部および図示されていない近位ドレナージバッグに対して開放されている)に流体的に連結され、バルーン3842に比べて膀胱が比較的加圧されていないという事実に起因して、すべての内圧は、バルーン3842から解放されて、膨張用流体3802を直接ドレナージルーメン4212、4312内に排出し、それによって、バルーン3842を迅速に収縮させる。
カテーテル4200、4300の近位端が所望の収縮点に到達するのに十分な(そして損傷が起こる直前よりも大きくない)力まで引かれた場合、ストレッチバルブ管3830の遠位端は、摩擦で摺動しない、あるいは摺動する可能性が存在する。そのような状況が起こるのを防ぐために、アンカー部3832の遠位、特に、ドレナージポート3860、3862とアンカー部3832と間の広がりEにおけるルーメン内壁4210の伸縮性を強化することが望ましい。本明細書に説明されるカテーテルの材料には元々伸縮性があるため、広がりEをカテーテルのその他の部分、特に、アンカー部3832の近位の部分よりも多く伸展させるための様々な方法がある。伸縮性を高める1つの方法は、広がりEを含む材料の外側または内側に、小さい切れ目、切り欠き、引っ掻き傷、またはその他の意図的に形成された欠陥で刻み目を入れることである。広がりEを少なくともアンカー部3832の近位の部分よりも伸縮性の高いものにするための別の方法は、広がりEの外部または内部を研削することである。広がりEを伸縮性の高いものにするためのさらなる方法は、広がりEを含む材料を化学的に処理することである。広がりEを伸縮性の高いものにするためのさらに別の方法は、広がりEを加熱するなど、局所的な温度変化で広がりEを含む材料を処理することである。
全く違う方法は、カテーテル4200、4300に異なる材料を用いることである。例示的な一実施形態では、広がりEの少なくとも一部分は、カテーテルの残りの部分とは異なる、別のゴム状の弾力性を有する材料で置き換えられ、その他のゴム状の弾力性を有する材料は、アンカー部3832の近位のカテーテルの少なくとも一部分よりも弾力性がある。別の例示的な実施形態では、アンカー部3832の近位の部分は、広がりEよりも弾力性のないゴム状の弾力性を有する材料から作られる。
図43は、その他のストレッチバルブ管よりも大幅に長く、アンカー部4332によってルーメン内壁4310に、その他のストレッチバルブ管よりもさらにもっと近位で取り付けられた、ストレッチバルブ管4330を示している。ストレッチバルブ管4330を長くすることによって、広がりEが増大し、それによって、アンカー部3832のすぐ遠位の部分を伸展しやすくし、確実にストレッチバルブを作動させる。ストレッチバルブ管の例示的な実施形態のいずれも、図示された、または説明された、あるいはこれら両方がなされたものとは異なる長さを有し得る。
例示的な実施形態4200、4300は、図38を参照して本明細書に示されているが、限定されるものではなく、本明細書に説明されるその他の例示的な実施形態のそれぞれにも適用され得る。さらに、伸縮性を強化する特徴は、ルーメン内壁ではなく、またはルーメン内壁に加えて、外壁に加えられてもよい。本明細書に記載したカテーテルのいずれかの製造において、伸展強化4270、4370が含まれる場合、別の製造ステップが必要となる。そのため、伸展強化作成ステップは、例えば、図39のフローチャートではステップ3910の後のどこにでも、図40のフローチャートではステップ4010の後のどこにでも、また図41のフローチャートではステップ4110の後のどこにでも追加される。
代替的な例示的な実施形態は、本明細書に説明される実施形態の様々な特徴を組み合わせる。例えば、図44から図47は、上述のストレッチバルブ管のその他の例示的な実施形態を示している。一部の特徴が既に言及されている場合、類似の参照番号が用いられ、その説明は繰り返されない。
途切れのない管とは対照的に、図44および図45に関しては、本発明のカテーテル4500のストレッチバルブ管4430は、近位管状部4432と、遠位管状部4434と、中間連結部4436とを有する。図45は、本発明のカテーテル4500のバルーン部分を、バルーン3842が部分的に膨張された状態にある状態で示している。環状のルーメン内壁3810は、その内部にドレナージルーメン3812を画定する。ルーメン内壁3810の周囲の1つまたは2つ以上の円周長軸方向の広がりにおいて、インフレーションルーメン壁3820は、インフレーションルーメン3822と、インフレーションルーメン3822に流体的に連結されるバルーンインフレーションポート3824とを画定する。本発明のカテーテル4500では、存在し得るのは、2つ以上のインフレーションルーメン3822、および、ここでは1つしか示されていないが、対応するインフレーションポート3824である。ルーメンプラグ3836は、インフレーションポート3824の遠位でインフレーションルーメン3822を流体的に閉鎖して、すべての膨張用流体3802がバルーン3842内に向けられるようにする。ルーメンプラグ3736は、インフレーションポート3724のからの任意の点または広がりで、遠位で栓をすることができる。外壁3840は、内部の壁3810および3820のすべてを液密に覆い、バルーン3842の外部を形成するが、ドレナージルーメン3812の遠位端については覆わない。外壁3840は、本明細書に説明される任意の方法で形成され、ここではさらなる詳細については記載しない。
この例示的な実施形態では、ストレッチバルブ管4430は、ドレナージルーメン3812に配置されて、排出される流体(例えば、尿)のドレナージを妨げないようにする。ストレッチバルブ管4430の直径が、妨げられていない流体がドレナージルーメン3812を通って流れるように適合する任意の寸法であり得る一方で、1つの例示的なストレッチバルブ管4430の内径は、ドレナージルーメン3812の直径に実質的に等しく、ストレッチバルブ管4430の外径は、ドレナージルーメン3812の直径よりもほんのわずかに大きい(例えば、管の肉厚は、0.07mmから0.7mmまでの間であり得る)。ストレッチバルブ管4430の近位の管状部4432は、この例示的な実施形態では、収縮ポート3860の近位端の近位にある。ストレッチバルブ管4430の遠位の管状部4434は、バルーン3842が収縮できるように、バルーン3842の遠位端の遠位ではない。遠位端は、バルーン3842の2つの端部の間のどこであってもよいが、図45では、中間位置で示されている。ストレッチバルブ管4430の遠位管状部4434は、バルブの定常状態または非作動状態において、収縮ポート3860を長軸方向に覆う。収縮ポート3860の遠位の重なる距離Sは、以下に説明されるように、本発明のカテーテル4500のストレッチバルブを作動させるのに要する伸展量に依存する。
ストレッチバルブ管4430をカテーテル4500に固定するために、近位アンカー部3832が、ドレナージルーメン3810に収縮ポート3860、3862から離れて、ここでは近位に配置されている。近位アンカー部3832は、妨げられていない流体がドレナージルーメン3812を通って流れるように適合する任意の寸法または形状であり得、1つの例示的な管または輪である中空アンカー部3832の内径は、ドレナージルーメン3812の直径に実質的に等しく、外径は、ドレナージルーメン3812の直径よりもほんのわずかに大きい(例えば、管の肉厚は、0.07mmから0.7mmまでの間であり得る)。近位アンカー部3832は、ストレッチバルブ管4430に対して一体的であるか、連結されるかによらない、返し、またはその他の機械的な固定装置でも有り得る。この中空のアンカー部3832の長軸方向の長さは、所定の位置に設置された際、望ましいだけの長さ、ただし、ストレッチバルブ管4430をドレナージルーメン3812内に長軸方向にしっかりと固定するのに過不足ない長さであり得る。アンカー部3832は、この例示的な実施形態では、バルーン3842の近位端にあるが、バルーン3842のさらに内側(遠位)であってもよいし、図示のようにバルーン3842の完全に近位であってもよい。例示的な実施形態では、アンカー部3832は、ステップ状の遠位オリフィスを有し、これは、ストレッチバルブ管4430の近位端を、例えば、永久的な連結のためにそこに圧入させることができるようにする。別の例示的な実施形態では、アンカー部3832は、接着剤(adhesive or glue)であり、これは、ストレッチバルブ管4430の近位端を長軸方向にドレナージルーメン3812内の所定の位置に固定する。接着剤は、壁3810、3820、3840のどれでもまたはすべてと同じ材料であってもよいし、異なる材料であってもよい。固定用ポートまたは一式の固定用ポートが、内壁3810を通して、バルーン3842の最近位端の近位で、またストレッチバルブ管4430の近位端の周囲で形成される例示的な図示されていない実施形態では、例えば、ダブルルーメン押し出し成形体と同じ材料の液浴内に、内壁3810およびインフレーションルーメン壁3820を含む内部部品を浸漬することによって外壁3840が形成される場合、固まると、外壁3840は、内壁3810およびインフレーションルーメン壁3820の両方に一体化され、固定用ポート(複数可)を介してストレッチバルブ管3820に固定して連結される。(ストレッチバルブ管4430をカテーテル4500に固定するための更なる例示的な実施形態は、図48に関連して以下で述べる。)
このような構成では、したがって、収縮ポート3860、3862における、またはその近位におけるカテーテル4500のいかなる近位方向の移動も、ストレッチバルブ管4430を近位に移動する。つまり、ストレッチバルブ管4430の遠位端は、ドレナージルーメン3812内で近位方向に摺動し得る。力がかかった時にカテーテル4500が依然として膨張している場合に、カテーテル4500の近位端が膀胱・尿道移行部または尿道に損傷が起こる直前よりも大きくない力まで引かれる時、力は、例えば、1から15ポンドの範囲の引張力で、ストレッチバルブ管4430を近位に摺動させて、ストレッチバルブ管4430の遠位端を収縮ポート3860、3862のすぐ近位に配置する。別の例示的な実施形態では、収縮点をかなえるのに要する力の範囲は、1から5ポンドの間、特に、1.5から2ポンドの間である。
ストレッチバルブ管4430の収縮点が生じると、バルーン3842の内部は、直接ドレナージルーメン3812内(これは、膀胱2020の内部および図示されていない近位ドレナージバッグに対して開放されている)に流体的に連結され、バルーン3842に比べて膀胱が比較的加圧されていないという事実に起因して、すべての内圧は、バルーン3842から解放されて、膨張用流体3802を直接ドレナージルーメン3812内に排出し、それによって、バルーン3842を迅速に収縮させる。バルーン膨張用流体3802とドレナージルーメン3812との間に中間的な構造体が存在しないため、バルーン3842が収縮する速度は速い。収縮を速める一つの方法は、収縮ポート3860、3862を、外壁3840からカテーテル3800の内部に向けて外向きに開く、じょうご状の形態に成形することであり得る。収縮を速める別の方法は、ルーメン内壁3810の円周の周囲に2つまたは3つ以上の収縮ポート3860を有すること、または収縮ポート3860、3862の断面積を拡大すること、あるいはこれらの両方を行うことであり得る。
中間部分4436は、途切れのない状態ではなく、代わりに、小さい管状円弧部(図示)またはさらに複数の円弧部(図示せず)のいずれかである、あるいは、2つの管状部分4432、4434を一緒に連結する単なる線(図示せず)であり得る。そのため、ストレッチバルブ管4430は、中間可撓性間隙部を画定する。このような構成では、本明細書に説明されるその他のストレッチバルブ管と同じ材料で作られる場合、使用される材料が減るために、ストレッチバルブ管4430の柔軟性は高まる。柔軟性に乏しい材料で作られる場合、細い中間部分4436と組み合わせられた、短縮された近位部分および遠位部分4432、4434は、ストレッチバルブ管4430をカテーテル4500の挿入を妨げないようにするのに十分に柔軟にすることができる。さらに、ストレッチバルブ管4430のドレナージルーメン内への挿入も同様である。
これもまた途切れのない管とは対照的に、図46および図47に関しては、本発明のカテーテル4700のストレッチバルブアセンブリ4730は、近位コイル部4632と、遠位プラグ4634と、遠位コイル部4436とを有する。前述と同様に、図47は、本発明のカテーテル4700のバルーン部分を、バルーン3842が部分的に膨張された状態にある状態で示している。環状のルーメン内壁3810は、その内部にドレナージルーメン3812を画定する。ルーメン内壁3810の周囲の1つまたは2つ以上の円周長軸方向の広がりにおいて、インフレーションルーメン壁3820は、インフレーションルーメン3822と、インフレーションルーメン3822に流体的に連結されるバルーンインフレーションポート3824とを画定する。本発明のカテーテル4700では、存在し得るのは、2つ以上のインフレーションルーメン3822、および、ここでは1つしか示されていないが、対応するインフレーションポート3824である。ルーメンプラグ3836は、インフレーションポート3824の遠位でインフレーションルーメン3822を流体的に閉鎖して、すべての膨張用流体3802がバルーン3842内に向けられるようにする。ルーメンプラグ3736は、インフレーションポート3724のからの任意の点または広がりで、遠位で栓をすることができる。外壁3840は、内部の壁3810および3820のすべてを液密に覆い、バルーン3842の外部を形成するが、ドレナージルーメン3812の遠位端については覆わない。外壁3840は、本明細書に説明される任意の方法で形成され、ここではさらなる詳細については記載しない。
この例示的な実施形態では、ストレッチバルブアセンブリ4630は、ドレナージルーメン3812に配置されて、排出される流体(例えば、尿)のドレナージを妨げないようにする。近位コイル部4632が、ストレッチバルブアセンブリ4630をドレナージルーメン3812内に固定するための装置として作用し、中間コイル部4636が、遠位プラグ4634が収縮ポート3860、3862から外れて、離れる手段として作用することから、近位コイル部4632の直径は、中間コイル部4636よりも大きい。中間コイル部4636は、緩いコイルのピッチを有して、カテーテル本体がよじれずに曲がるのを可能にし得る。近位コイル部4632の直径が、妨げられていない流体がドレナージルーメン3812を通って流れるように適合する任意の寸法であり得る一方で、1つの例示的な近位コイル部分4632の休止状態または定常状態の外径は、ドレナージルーメン3812の直径よりもほんのわずかに大きい(例えば、管の肉厚は、0.07mmから0.7mmまでの間であり得る)。それに比べて、1つの例示的な中間コイル部分4636の休止状態または定常状態の外径は、ドレナージルーメン3812の直径よりもほんのわずかに小さい。これにより、固定された近位コイル部4632の近位方向の移動は、中間コイル部4636を引いて、遠位プラグ4634を収縮ポート3860、3862から外れて、近位方向に離れるように摺動させる。遠位プラグ4634の1つの例示的な構成は、シアノアクリレートでコイルに取り付けられた、熱収縮させたポリオレフィンである。
ストレッチバルブアセンブリ4630の近位コイル部4632は、この例示的な実施形態では、収縮ポート3860、3862の近位端の近位にある。ストレッチバルブアセンブリ4630の遠位プラグ4634は、バルーン3842が収縮できるように、バルーン3842の遠位端の遠位ではない。遠位プラグ4634は、バルーン3842の2つの端部の間のどこであってもよいが、図47では、中間位置で示されている。ストレッチバルブアセンブリ4630の遠位プラグ4634は、バルブの定常状態または非作動状態において、収縮ポート3860、3862を長軸方向に覆う。収縮ポート3860、3862の遠位の重なる距離は、以下に説明されるように、本発明のカテーテル4700のストレッチバルブを作動させるのに要する伸展量に依存する。
ストレッチバルブアセンブリ4630をカテーテル4700に固定するために、ストレッチバルブアセンブリ4630に加えて近位アンカー部は必要でない。ここでは、近位アンカー部は、近位コイル部4632であり、これは、その本来の直径に拡張できるならば、ドレナージルーメン3812内に自ら固定して、妨げられていない流体がドレナージルーメン3812を通って流れるように適合する。近位コイル部4632の長軸方向の長さは、所定の位置に設置された際、望ましいだけの長さ、ただし、ストレッチバルブアセンブリ4630をドレナージルーメン3812内に長軸方向にしっかりと固定するのに過不足ない長さであり得る。アンカー部4632は、この例示的な実施形態では、バルーン3842の近位端の近位にあるが、バルーン3842のさらに内側(遠位)であってもよいし、図示よりもさらにバルーン3842の近位であってもよい。別の例示的な実施形態では、接着剤(adhesive or glue)は、ストレッチバルブアセンブリ4630の近位コイル部4632を長軸方向にドレナージルーメン3812内の所定の位置に固定する。接着剤は、壁3810、3820、3840のどれでもまたはすべてと同じ材料であってもよいし、異なる材料であってもよい。固定用ポートまたは一式の固定用ポートが、内壁3810を通して、バルーン3842の最近位端の近位で、またストレッチバルブアセンブリ4630の近位コイル部4632の周囲で形成される例示的な図示されていない実施形態では、例えば、ダブルルーメン押し出し成形体と同じ材料の液浴内に、内壁3810およびインフレーションルーメン壁3820を含む内部部品を浸漬することによって外壁3840が形成される場合、固まると、外壁3840は、内壁3810およびインフレーションルーメン壁3820の両方に一体化され、固定用ポート(複数可)を介して近位コイル部4632に固定して連結される。
このような構成では、したがって、ドレナージポート3860、3862における、またはその近位におけるカテーテル4700のいかなる近位方向の移動も、ストレッチバルブアセンブリ4630を近位に移動する。つまり、ストレッチバルブアセンブリ4630の遠位プラグ4634は、ドレナージルーメン3812内で近位方向に摺動し得る。力がかかった時にカテーテル4700が依然として膨張している場合に、カテーテル4700の近位端が膀胱・尿道移行部または尿道に損傷が起こる直前よりも大きくない力まで引かれる時、力は、例えば、1から15ポンドの範囲の引張力で、遠位プラグ4634を近位に摺動させて、ドレナージポート3860、3862を解放する。別の例示的な実施形態では、収縮点をかなえるのに要する力の範囲は、1から5ポンドの間、特に、1.5から2ポンドの間である。
ストレッチバルブアセンブリ4630をドレナージルーメン3812に設置するための1つの例示的な方法は、近位コイル部4632のコイルを、中間コイル部4636の内径に等しい、またはそれよりも小さい直径を有するマンドレル上に一時的に折り畳んで、所定の位置に保持することである。次いで、縮められた近位コイル部4632は、ドレナージルーメン3812内に移植または固定点まで挿入される。次いで、縮められた近位コイル部4632は、拡張できるようになり、それによって、中間コイル部4636および遠位プラグ4634が移動可能に配置される状態で、ストレッチバルブアセンブリ4630の近位部分をドレナージルーメン3812に固定する。
近位コイル部および中間コイル部4632、4636は、2つの異なる直径、または2つの異なるピッチ、あるいはこれらの両方である単一のコイルから作られ得る。
前述したように、本明細書で述べた多くの例示的なカテーテルは、ストレッチバルブ管それ自体の形状のみにより、ストレッチバルブ管に接続することができる。本明細書で述べた例示的なカテーテルの各々に適用可能であるカテーテル4800の形状を示す図48を参照して、この接続について説明する。各カテーテルにおいて、環状のルーメン内壁4820は本明細書ではドレナージルーメン4812を画定し、インフレーションルーメン壁4820は、インフレーションルーメン4822と、インフレーションルーメン4822に流体的に接続さている図示していないバルーンインフレーションポートとを画定する。外壁4840は、液密の態様で、内壁4810、4820のすべてを覆い、バルーン4842の外部を形成する。中空のストレッチバルブ4830は、排出される流体(例えば尿)の排出(ドレナージ)を妨げないよう、ドレナージルーメン4812内に配置される。ストレッチバルブ管4830の直径は、妨げられない流体がドレナージルーメン4812を通って流れるように適合する任意の寸法であり得る一方で、ストレッチバルブ管4830の例示的な外径は、バルブが作動されたときにストレッチバルブ管4830の遠位端がドレナージルーメン4812内で摺動できるようにする。
本明細書で述べたカテーテルの様々な実施形態において、ストレッチバルブ管の一端は対応のカテーテルに「固定」されているように示されており、他端はその中で摺動可能に配置される。この端部を固定するための前述の例示的な実施形態のいくつかは、接着剤(シアノアクリレート)やそのような構成を含み、いくつかは、その形状のみから単独で固定されるような固定手段をいう。したがって、本明細書で用いられているように、「固定」の手段は、個々の材料や個々の装置である必要はない。したがって、いくつかの例示的な実施形態では、対応のルーメン内で単にストレッチバルブ管を挿入することによってストレッチバルブ管を固定することができる。より詳細には、柔軟なカテーテルを伸展させると(例えば、尿路カテーテルが早めに引き出されたとき)、カテーテル本体が長くなるにつれて伸展された部分が、長軸方向の軸に向かって径方向内方に潰れる結果となる。この挙動を説明する2つの一般的な例、第1にはポアソン効果、第2にはチャイニーズ・フィンガー・トラップ(Chinese finger trap)がある。ポアソン効果は、軸方向の歪みに対する横方向の負の比である。サンプル物体が、加えられた負荷の方向における伸張(または収縮)に対して伸展された場合(圧迫された場合)、それは、加えられた負荷に直交する方向における収縮(または伸張)に対応する。本明細書において本発明をより詳細に説明すると、管がその両端に対して引っ張られると、そのロッドまたは管が径方向および周方向に縮む。したがって、より稜線のついた(more ridged)管、すなわちストレッチバルブ管が、あまり稜線のない管(カテーテル)のルーメン内に配置されると、カテーテルが軸方向に伸ばされてストレッチバルブに密着するにつれて、カテーテルの径は減少する。カテーテル上の遠位バルーンは、膀胱・尿道移行部により適所に配置された場合に、カテーテルの近位端が軸方向に引っ張られると、直径が縮小するにつれて、それはストレッチバルブを拘持し、カテーテルの少なくとも1つのルーメン内にバルーンから流体を放出する程度までストレッチバルブを近位へと引っ張る。この作用を説明する一般的な例はチャイニーズ・フィンガー・トラップであり、チャイニーズ・フィンガー・パズルまたはチャイニーズ・ハンドカフ(この悪ふざけ的なおもちゃはいたずらに用いられる)としても知られている。フィンガー・トラップは、小さな織られた竹製の筒の両端にトラップの餌食たる者の指を捕らえる単純な玩具である。犠牲者の最初の反応は、指を外方に引っ張ること(すなわち、管を伸ばす)であるが、これはトラップをきつくするだけである。トラップから逃れるための方法は、両端を中央部に向けて押すことであり、それによって2つの端部開口の外周を拡大し、指を自由にする。締付けは、螺旋状に編まれた円筒状の編組、通常は、一般的な二軸編組の通常の挙動にすぎない。編組全体をその両端から引っ張ると、それを長くし且つ細くする。その長さは、縦糸と横糸との間のその交差点での角度を減じることによって得られるが、これは対向する辺の間の径方向の距離を減じ、周全体を減じる。
本明細書で述べるストレッチバルブは、近位端が伸展領域内に存在するようにストレッチバルブ管4830を十分に近位へと伸ばすことによってポアソン効果およびチャイニーズパズル効果を利用することができる。この距離は、カテーテルの近位端の方向に長くする必要はなく、バルーン4842の近位端内にあることにすることもできる。しかし、数ミリメートルから数センチメートルまでのような短い距離が近位端を伸展領域内に位置させるために必須であることが分かった。このように、バルーン4842は、静止状態が維持され(例えば、膀胱内)、カテーテルの近位端が引っ張られる(例えば、患者により)と、ドレナージルーメン4812の周の減少が、自動的に、ストレッチバルブ管4830の近位端上の内方への把持力を増加させるが、ドレナージポート(図48では示さず)を覆うストレッチバルブ管4830の遠位端に対する同じ内方への力を及ぼすことはない。この効果は、拡大図である図48(尺度通りに描いていない)に示されている。この図48においては、図示のストレッチバルブ管4830の遠位部分(左側)は、ドレナージルーメン4812の内壁に接しておらず、ストレッチバルブ管4830の近位端(右側)はドレナージルーメン4812の内壁によって押圧されている。簡単に述べると、カテーテル4800の近位端がバルーン4842から引き離されると、伸展されているカテーテル4800の中央部分4850はその外周C′が減じられ、ストレッチバルブ管4830の近位端を把持し、一方、非伸展部分ないしはあまり伸展されていない部分4860はその周囲をそのまま維持し、それによって、ストレッチバルブ管4830の遠位端を摺動させ、本発明のストレッチバルブを作動させる。
したがって、この実施形態において、上述した固定用の貫通孔2150、2450、2750、3732、3832の全ては不必要なものとなり、製造のために極めて簡易な構造とする。上述したように形状自体のみが固定をもたらすだほけではなく、ストレッチバル管が位置するルーメンを構成する材料やストレッチバルブ管の特性も同様に固定に寄与する。例えば、ストレッチバルブの材料が、ドレナージルーメン4812の内部を僅かに把持するように選択された場合(逆の場合も同様)、ストレッチバルブ管4830の近位端の把持力が増加され得る。
図21〜図38および図42〜図47の各ストレッチバルブの実施形態は、他の優れた効果を奏する。ストレッチバルブの存在は、バルーンが過膨張した場合に自動的に収縮できるようにバルーンを自己調整する手段を提供する。これは、従来技術にはない特徴である。より詳細には、バルーンが過膨張した際、ストレッチバルブは過圧力をドレーンルーメンに解放するように作動する。バルーンが所望のサイズまで、前以て決められた量の膨張用流体で膨張されたとき、バルーンは、複数のルーメンの内部のいかなる部分も或いはバルーンに対して近位又は遠位のカテーテル材料を伸展することなく、膨張する。しかしながら、バルーンが過膨張すると、この過剰な膨張は、カテーテルに取り付けられたバルーンの両端(すなわち、円形バルーンの遠位極と近位極)を押し、互いから離隔するように動作する。この動作が生じると、ストレッチバルブは作動を開始する。バルーンが十分に過膨張してストレッチバルブが作動したならば、その結果として生じた動きが、バルーンの近位端と遠位端がバルーンを囲むカテーテルの部分を伸ばすことがなくなるまで、自動的にバルーンを収縮させる。バルーンの両端が伸ばされることがなくなったとき、ストレッチバルブは閉じ、それによって、収縮中間流れを停止し、バルーンを所望のサイズに保持する。
安全尿路カテーテルの例示的な実施形態において、カテーテルの近位端とバルーンの近位端との間の長さが約5%〜約200%の範囲内で伸び、特に、約5%〜約75%の範囲内で伸びた場合に、ストレッチバルブは伸展状態である。代替的にまたは追加的には、バルーンの両端間の長さが約5%〜約200%の範囲内で伸び、特に、約5%〜約75%の範囲内で伸びた場合に、ストレッチバルブは伸展状態である。
ストレッチバルブの存在は、さらなる利点を与える。すなわち、バルーンが収縮されたとき膨張を制御し除去できるようにする。所望の大きさよりも相当に小さい(例えば、カテーテルのバルーンが膀胱の代わりに尿道の範囲内で膨張されようとする場合)内腔内でのバルーンの膨張はよくあることであり、深刻で衰弱した患者の負傷を引き起こすおそれがあることが知られている。従来のカテーテルは、小さな内腔内で収縮された場合に、膨張を防ぐことができない。一方、本明細書で述べるストレッチバルブは、小さな内腔内で収縮された場合に、膨張を防ぐことができる。前述したように、径方向の伸展に加えて、バルーンは長軸方向(ストレッチバルブの作動軸と同じ方向)へも伸展する。バルーンは、内腔内で収縮された場合、径方向の伸びが許されないが、長軸方向の伸びが許される。この伸びによって、ストレッチバルブは、バルーンが膨張されている内腔(例えば尿道)に損傷を与える前に、開き、それによって、膨張用流体をバルーンではなくドレーンルーメン内に導く。尿ドレナージカテーテルの特定の実施形態において、ストレッチバルブは、尿道のルーメンを傷付ける前に、開放される。
ストレッチバルブが存在している各実施形態において、患者の体内のストレッチバルブの動作は使用者または医療従事者に示される。これは従来のバルーンカテーテルによっては提供されない状況である。上述したように、バルーンカテーテルを挿入する専門技師/医師/使用者は、バルーンが挿入された後、ある種の高価な放射線設備又は超音波設備が用いられない限り、バルーンが体内のどこにあるか分からない。しかしながら、本明細書で述べる本発明による安全カテーテルの場合、膨張用流体がバルーンから流出する状況があり、その場合には、使用者又は医療従事者に、危険な状態が正に回避されたことを知らせる独特で自動的な手段を提供することになる。より詳細には、膨張用流体が、バルーンカテーテルによって通常排出される流体の色とは異なる色の不活性着色剤を含んでいる場合、上述した安全カテーテルは、収縮された内腔(例えば尿道)内でバルーンが膨張されようとしたこと、または、カテーテルが十分に伸ばされて、挿入されたバルーンのストレッチバルブが作動して、起こり得る引っ張りによる損傷を防止したことを、視覚的に且つ即時に示す。始動したほぼ直後、着色した膨張用流体は流体ドレナージバッグに流入する。誰かがこの着色した流体を見たとき、その者は、バルーンが正しく配置されておらず、傷やそれ以上の傷が生ずる直前に修正動作をとる必要があることを知る。
本明細書で述べる実施形態の殆どは、尿ドレナージカテーテルについて説明している。本明細書で述べているように、これは、本明細書で概説された本発明の安全的特徴を説明するための好適な例示的な実施形態に過ぎない。特に、本発明の特徴は、尿ドレナージカテーテルに限られず、人体の他の色々な領域を調べるまたは他の臨床的状況で用いられる多種多様なカテーテル装置に適用され得るものである。
第1の例示的な代替実施形態において、自己調整型且つ自己収縮型のバルーンは冠状静脈洞カテーテル挿入術で用いられ得る。冠状静脈洞カテーテルは、心臓の後部の冠状静脈洞に配置されるバルーンを一端に有する柔軟な装置である。冠状静脈洞カテーテルは、心臓切開手術において心臓を停止させるために逆行性心筋保護液を投与するために用いられる。従来においては、バルーンが過剰に膨張されていると、体内管(CS)が裂傷を負ったり過度に出血したりし、それによって患者に重大な悪影響を与えたり死に至らしめたりするおそれがある。ストレッチバルブは、バルーンの膨張量を制限して冠状静脈洞の拡張を防止するために、冠状静脈洞カテーテルに設けられることができる。
第2の例示的な代替実施形態において、自己調整型且つ自己収縮型のバルーンは気道呼吸管(例えば、気管内チューブや気管切開チューブ)で用いられ得る。これらの装置は、呼吸を援助するために医療的ケアにおいて一般適に用いられる。気道に挿管された後、これらの装置のバルーンカフは、それを適所に固定するのを助け、呼吸ガスの漏れを防ぎ、気管気管支樹に胃酸のような望ましくない物質が流れ込むのを防止するために、管の離れた側の端部の真上にて膨張されるのが一般的である。そして、その管は、顔または首に固定され、T部材、麻酔呼吸回路、バッグバルブマスク装置または機械的換気装置に接続される。バルーンカフの過剰な膨張は、長時間、気道内部に外傷や損傷を与えるおそれがある。これは非常に重要であり、その結果として、医療関係者は最初の膨張時におよびその後数度にわたりバルーンカフの圧力をチェックしなければならない。しかし、ガスが期間中バルーンに対して出入りするおそれがあり、また、過剰な空気が不注意でバルーン内に入れられる可能性がある。本ストレッチバルブは、バルーンの膨張量を制限して気管の拡張を防止するために、気道呼吸管に設けられることができる。
第3の例示的な代替実施形態において、自己調整型且つ自己収縮型のバルーンは血栓除去装置、例えばフォガーティ(Fogarty)型のアテローム切除術用バルーンカテーテルで用いられ得る。かかるカテーテルは、動脈から血栓を引き出すために用いられる。したがって、このようなカテーテルのバルーンが過剰に膨張されまたは過剰な圧力がかけられると(すなわち、バルーンが、その直径よりも小さなルーメン内のような圧縮状態で膨張されるとき)、動脈壁に損傷を与え、その結果として狭窄症を引き起こすおそれがある。本ストレッチバルブは、バルーンの膨張量を制限して動脈壁への損傷を防止するために、血栓除去装置に設けられることができる。他のフォガーティ型バルーンは、透析用に動静脈瘻のような狭窄部を広げるために用いられる。これらの動静脈瘻は一般的に狭窄部である。使用時、フォガーティ型バルーンは狭窄部に対して近位へと進められ、膨張される。次いで、膨張されたバルーンは、狭窄部を横切って迅速に引っ張られ、繊維帯を壊すことによって狭窄部を開く。しかしながら、バルーンにとっては、ルーメン内の異物を破壊し残し、その後緊急手術が必要になることは稀ではない。ストレッチバルブを含むもののような、高圧力を認めたときに自己収縮するバルーンは、このようなことが生じるのを防止する。バルーンは、体内の殆どどの管における狭窄部を広げるために用いられる。例としては、これに限定されるものではないが、総胆管の狭窄部、膵管の狭窄部、解剖学的部位での腸内狭窄部、涙管の狭窄部、耳下腺管の狭窄部等がある。これらの管は非常に壊れやすい場合が多く、過剰な膨張により損傷することがある。また、狭窄部は、尿道、尿管、食道、消化管に生ずる。各々の場合、バルーンの過剰な膨張により、破裂が生ずる可能性があり、それが用いられている部位の組織を傷付けるおそれがある。本明細書で述べたストレッチバルブをこのようなバルーンと組み合わせることによって、かかる複雑な事態が生ずるのを防止する。
第4の例示的な代替実施形態において、自己調整型且つ自己収縮型のバルーンは、分離用バルーンカテーテルで用いられ得るが、このカテーテルは、例えば閉塞部のいずれかの側に薬剤を注入している間、血流を止めるために用いられる。バルーンの過剰な膨張は、分離用カテーテルが膨張される部位の管に損傷を与える可能性がある。本ストレッチバルブは、バルーンの膨張量を制限してルーメン壁に対する損傷を防ぐために、分離用バルーンカテーテルに設けられることができる。
第5の例示的な代替実施形態において、自己調整型且つ自己収縮型のバルーンは、血管形成術用バルーンカテーテル、特にナイロン12を含む柔軟なバルーンからなる血管形成術用バルーンカテーテルで用いられ得る。このようなカテーテルにおけるバルーンの過剰な膨張は、動脈の断裂を引き起こす可能性があり、これは患者にとり深刻な事態となり得る。本ストレッチバルブは、バルーンの膨張量を制限してルーメン壁に対する損傷を防ぐために、血管形成術用バルーンカテーテルに設けられることができる。
第6の例示的な代替実施形態において、自己調整型且つ自己収縮型のバルーンは、弁形成術用カテーテルで用いられ得る。このようなカテーテルは、心臓弁のカルシウム沈着を破壊するために用いられる。過剰な膨張は弁輪の細胞を損傷し、炎症および瘢痕組織形成を引き起こすおそれがある。本ストレッチバルブは、バルーンの膨張量を制限して弁輪に対する損傷を防ぐために、弁形成術用バルーンカテーテルに設けられることができる。
第7の例示的な代替実施形態において、自己調整型且つ自己収縮型のバルーンは、椎体形成術用バルーンで用いられ得る。椎体形成術用バルーンが過剰に膨張すると、椎骨を損傷させるおそれがある。リリース機構がこの治療をより安全なものにする。本ストレッチバルブは、椎体形成装置に含まれるこのようなリリース機構となる。
第8の例示的な代替実施形態において、自己調整型且つ自己収縮型のバルーンは、タンポン挿入治療で用いられ得る。一例は、気管支鏡検査中に生検を採取する場合である。この治療の後、出血が生じるかもしれない。バルーンはこの出血部を通り越し、出血している血管を圧迫するように膨張される。しかし、この損傷し易い組織での過剰な膨張は、簡単に虚血性障害を引き起こす可能性がある。本明細書で述べるストレッチバルブは、いかなる傷害も生じないよう、タンポン挿入治療用バルーンで用いられ得る。
本明細書で述べた様々なカテーテル200、300、1000、1600、2100、2400、2700、3300、3400、3500、3600、3700、3800、4200、4300、4500、4700、4800は、引っ張られたときにその近位端から伸びるカテーテルをいうものである。この動きは、バルーンの一端に対してバルーンの他端の長軸方向の動きと同等ないしは対応していると説明でき、または、同様に、バルーンの一端からバルーンの他端が離れる長軸方向の動きとして説明できる。
本発明によるカテーテル200、300、1000、1600、2100、2400、2700、3300、3400、3500、3600、3700、3800、4200、4300、4500、4700、4800は、血管に関係する用途に用いられ得る。全ての血管は、断裂可能圧力を有する。バルーンは、例えば、冠状動脈に用いられる。冠状動脈用バルーンが破裂するとして、本発明により破裂が制御されるならば、損害が少ない。腎血管または腸骨血管でも同様である。このような状況では、分離用カテーテルは、既存のカテーテルを安全にすることにより、それらを改良する。泌尿器の観点からは、分離用のバルーンは、損傷を防ぐだけでなく、技師に対する、彼または彼女がカテーテルの挿入に関して医師または泌尿器科医の助けを得る必要があるというシグナルになり得る。