JP6301170B2 - 小型空調機及びこれを用いるパーソナル空調システム - Google Patents
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Description
古くからのパーソナル空調は、居室の天井等に敷設されている全体空調の空調システムとは別に、例えば上げ床にして床下を夏場低め、冬場高めの温調空気を供給し、居住者の机位置に床吹出口を設置し、その風向を調整して居住者個別に空調するシステムや、机やパーティションに吹出口を設け、床下等のダクトにそれらを接続する居住者個別に空調するシステムが存在していた。
ところが、近年温暖化ガス削減の社会要請等から、国の施策により、クールビズとして事務室等の居室の空調設定を夏場は28℃設定、冬場は20℃設定として空調するように推奨されている。
そこで、全体空調はクールビズの夏場28℃設定としても、居住者の快適性を向上するため、居室の居住者個別に局所的に冷風が供給できるパーソナル空調システムの要請が高まってきた。
特許文献2には、夜間電力を利用して、空調機内風路に居室の空気を通すことで、夜間電力で動作するペルチェ素子が設置された熱交換器を介して居室空気より低温の冷熱を蓄熱材に蓄冷し、昼間のピーク時には、その蓄冷した蓄熱材から、ペルチェ素子が設置された熱交換器とは別な熱交換器を介して単に水を冷媒として冷熱を取り出す、風路で2つの熱交換器がシリーズに並んだ技術が開示されている。
特許文献3には、ペルチェ素子やファンを駆動するのに電池又は2次電池で駆動されることも開示されている。
特許文献4は、例えば、昼間は、ペルチェ素子冷却側とペルチェ素子加熱側とを結び循環し、夜間は、ペルチエ素子加熱側と外空気との熱交換コイルとを結び、蓄熱した熱を放熱する技術が開示されている。潜熱蓄熱材としてパラフィン系が用いられていることが開示されている。
これでは、居住者の事務机引越しに伴うレイアウト変更に追従できず、コンパクトに薄くした風路による給気圧力損失の大きさに伴って中央空調機からの給気搬送動力が大きく省エネルギーにならない。
しかも、吹出口は、パーテイションに設置されているので、各個人の作業空間を圧迫するばかりか、快適性を損なう虞がある。
個別ではあるが、大型の空調機から分岐して各個別吹出口まで冷風を供給するので、搬送間のロスや搬送エネルギー等が必要で、必ずしも省エネルギー性に優れてはいない。
また、利用者が少なくても、大型の空調機を運転する必要があり、部分負荷時の効率低下にも無駄が生じる。
また、設備費が高価である等の問題点がある。
その結果、特許文献2の構成では、電力ピーク(例えば、夏の14時〜16時)での使用は各空調装置の制御手段設定で可能であるが、就業時間中の冷房のための排熱蓄熱を考慮すると、蓄熱手段の容量を大きくする必要があるため、居住者各々のパーソナル域の卓上に設置でき且つ持ち運び可能な小型空調機とするのには無理がある。
また、特許文献2の構成では、熱の搬送にペルチェ素子と蓄熱手段との間にヒートパイプ、熱交換器と蓄熱手段との間に冷却水循環系をそれぞれ設けるので、システム構成が複雑で大きくなりさらに卓上設置に無理がある。
また、特許文献4では、トラックのキャビン空調機の小型空調機であるため、卓上用に転用するには、特許文献1と同様に、局所のパーソナル域(各卓位置)へ、単一ダクト式中央空調機からのダクト設備を多足に設置しなければならない等の問題点がある。
本発明に係る小型空調機は、前記風路の対向する面それぞれに空冷式の熱交換器を設置し、各々の空冷式の熱交換器に前記ペルチェ素子を1つずつ合計2個配置していることを特徴とする。
本発明に係る小型空調機は、前記風路が断面矩形をしており、各内面4面それぞれに空冷式の熱交換器を設置し、各々の空冷式の熱交換器に前記ペルチェ素子を1つずつ合計4個配置していることを特徴とする。
本発明に係る小型空調機は、前記電源装置が、充電池(2次電池)で構成されていることを特徴とする。
本発明に係るパーソナル空調システムは、夏期においては、前記蓄熱槽が、居住者が居室に居る時間帯には前記ペルチェ素子の他面側からの排熱を冷却水にて搬送されて蓄え、居住者が居ない夜間には前記直流電流供給回路にあるスイッチが切り替わって前記ペルチェ素子の他面側が吸熱し前記排熱が居室に排出され、前記風路から排出された排熱を帯びた空気は夜間の換気により建物外へ排出され、冬期においては、前記蓄熱槽が、居住者が居室に居る時間帯には前記ペルチェ素子の他面側からの冷熱を冷却水にて搬送されて蓄え、居住者が居ない夜間には前記直流電流供給回路にあるスイッチが切り替わって前記ペルチェ素子の他面側が排熱し前記冷熱が居室に排出され、前記風路から排出された冷熱を帯びた空気は夜間の換気により建物外へ排出されることを特徴とする。
本発明に係るパーソナル空調システムは、夏期においては、前記蓄熱槽が、居住者が居室に居る時間帯には前記ペルチェ素子の他面側からの排熱を冷却水にて搬送されて蓄え、前記蓄熱槽が排熱蓄熱容量が一杯となった際には、前記小型冷却塔を介して排熱を前記機械室に放出し、居住者が居ない夜間には前記直流電流供給回路にあるスイッチが切り替わって前記ペルチェ素子の他面側が吸熱し前記排熱が居室に排出され、前記風路から排出された排熱を帯びた空気は夜間の換気により建物外へ排出され、冬期においては、前記蓄熱槽が、居住者が居室に居る時間帯には前記ペルチェ素子の他面側からの冷熱を冷却水にて搬送されて蓄え、前記蓄熱槽が冷熱蓄熱容量が一杯となった際には、前記小型冷却塔を介して冷熱を前記機械室に放出し、居住者が居ない夜間には前記直流電流供給回路にあるスイッチが切り替わって前記ペルチェ素子の他面側が排熱し前記冷熱が居室に排出され、前記風路から排出された冷熱を帯びた空気は夜間の換気により建物外へ排出されることを特徴とする。
本発明に係るパーソナル空調システムは、居住者が居ない夜間の前記直流電流供給回路にあるスイッチが切り替わる代わりに、電源装置に送られる電源を直流として、昼間と夜間との直流電流の正負を入れ替えて、夏期においては、前記ペルチェ素子の他面側が吸熱し前記排熱が居室に排出され、前記風路から排出された排熱を帯びた空気は夜間の換気により建物外へ排出され、冬期においては、前記ペルチェ素子の他面側が排熱し前記冷熱が居室に排出され、前記風路から排出された冷熱を帯びた空気は夜間の換気により建物外へ排出されることを特徴とする。
本発明に係るパーソナル空調システムは、前記蓄熱槽は、前記ペルチェ素子の他面側からの排熱を冷却水を介して蓄え、一定時間利用後には、取り外して新たな前記蓄熱槽と取り替えられることを特徴とする。
本発明に係る小型空調機は、電源として充電可能な充電池(2次電池)を構成として追加すれば、電源線が不要となりさらに簡単に設置できる。
また、本発明に係るパーソナル空調システムでは、本発明に係る小型空調機からの排熱を、冷却水を熱搬送媒体として室単位で搬送循環し、複数の小型空調機から排熱を上流から下流にかけて熱搬送媒体で集めて搬送し、冷却水循環系の途中に蓄熱槽を設けることで、排熱を温度上昇として扱うことができ、小型空調機が内蔵する水ポンプと、中央設置の循環する冷却水ポンプとの直列運転に神経質にならずに複数の小型空調機を接続してよいシステムとなっている。排熱を上流から下流へのわずかずつ温度上昇して回収できるので、蓄熱槽内蔵の配管コイルによる熱回収も、冷却水側の温度差が取れるので熱交換効率が高い。
また、本発明に係るパーソナル空調システムでは、全体空調側がクールビズ等で設定温度が例えば夏場28℃等と高く設定されていても、居住者の快適性を向上させるための小型空調機を設置することで、必要な人が必要なときだけ利用することができ無駄なく快適な空間を提供できる。
また、本発明に係るパーソナル空調システムでは、充電池(2次電池)を介して利用するので、太陽光発電偉力の変動や、各自が必要とする電力量の変動との整合をとるのにも対応しやすいシステムとなる。
また、本発明に係るパーソナル空調システムでは、排熱に関して、設備配管等の恒久設備を必要とせず、設備レイアウト変更にも柔軟に対応できる。
また、本発明に係るパーソナル空調システムでは、潜熱蓄熱材を用いることにより排熱温度が一定となり冷却能力が安定する。
また、本発明に係るパーソナル空調システムでは、充電池(2次電池)を利用するので電力ピークカットが可能となる。
図1〜図8は、本発明に係る小型空調機1の一実施形態を示す。
本実施形態に係る小型空調機1は、一対のペルチェ素子ユニット(電子冷暖部)10A,10Bを備えている。
ペルチェ素子11A,11Bは、n型の熱電半導体から直流電流を流すと、n型の熱電半導体とp型の熱電半導体との接合部で温度低下を招く、ペルチェ冷却と、逆に、p型の熱電半導体から直流電流を流すと、p型の熱電半導体とn型の熱電半導体との接合部で温度が上昇するペルチェ加熱とを発現する。
冷却用ジャケット27は、ペルチェ素子11A,11Bの他面15側との間に冷却水の通路27dを形成するように、例えば、一端側が開口する矩形状のジャケット本体27aと、ジャケット本体27aの周囲に形成される側壁部27bと、ジャケット本体27aの中央部に設けられる仕切り部27cとを備えている。側壁部27b及び仕切り部27cは、ペルチェ素子11A,11Bの他面15側に接着剤27eで固定されている。仕切り部27cは、一端が側壁部27bとの間に隙間を形成し、冷却水導入管29から流入する冷却水が仕切り板27cに沿って流れを反転(Uターン)して冷却水導出管31から流出するように構成されている。
冷却用ジャケット27には、例えば、図1、図4に示すように、冷却水導入管29と冷却水導出管31とが接続されている。
例えば、図2に示すように、上段側のペルチェ素子ユニット10Aに用いられる冷却用ジャケット27の冷却水導入管29(以下、上段側の冷却水導入管29と称する)と、下段側のペルチェ素子ユニット10Bに用いられる冷却用ジャケット27の冷却水導入管29(以下、下段側の冷却水導入管29と称する)とは、下段側の冷却水導入管29に結合した分岐管33を介して水ポンプ39に連結する冷却水供給管37に接続している。
なお、図3において、冷却水供給管37と冷却水還管路41とは紙面の垂直方向に重なっているので、冷却水還管路41しか表示されていない。
冷却水還管路41は、第二熱交換器25A,25Bから排出された冷却水を次段の小型空調機1又は蓄熱槽又は小型冷却塔へ供給する。冷却水還管路41の端部には、雌型カプラ47を設け、次段の小型空調機1又は蓄熱槽又は小型冷却塔との接続口としている。
本実施形態では、カプラを雄型カプラ45及び雌型カプラ47に区別することで、冷却水の入、出を明確にしている。
各第一熱交換器17A,17Bの背面側には、周囲の空気を吸い込み、各第一熱交換器17A,17Bに供給するモータファン(軸流ファン)49が枠体3に組付部材3aを介して固定されている。モータファン49は、モータMを格納する軸部49aに複数の羽根49bを固着している。
整流器53は、例えば、図7、図8に示すように、3端子レギュレータ65に接続されている。3端子レギュレータ65では、整流器53から入力される12Vの直流電流を5Vで空調機用制御装置55に出力し、空調機用制御装置55のIC駆動電源としている。
なお、ペルチエ素子11A,11B及び4つのMOSFET93,95,97,99によって構成されるHブリッジ回路は、図7、図8の紙面の垂直方向で同じ位置に設けられるため、ペルチエ素子11Aとこのペルチェ素子11Aに連なるHブリッジ回路を示し、ペルチエ素子11Bとこのペルチェ素子11Bに連なるHブリッジ回路は省略してある。
冷房運転用スイッチ61及び暖房運転用スイッチ63は、押しボタンを押している間だけ動作状態を維持する自動復帰形のスイッチ方式を採用している。冷房運転用スイッチ61及び暖房運転用スイッチ63は、冷房運転用スイッチ61のOn/Off切換信号入力部67と、暖房運転用スイッチ63のOn/Off切換信号入力部69とを介してそれぞれスイッチ回路71に接続されている。
そして、この状態で、再度同じ冷房運転用スイッチ61を押すと、スイッチ回路71では、既に押された冷房運転用スイッチ61の解除信号として感知し、CPU89に冷房運転用スイッチ61からの解除信号を送信する。CPU89は、ペルチェ素子制御部79に冷房運転用スイッチ61の解除信号を送り、冷房回路をOffし、暖房回路をOffのままに維持する信号を送ると共に、モータファン49及び水ポンプ39をOffとする信号を送る。
冷房時温度センサ(T1)57及び暖房時温度センサ(T2)59は、温度監視部77に逐次測定値を送信し、CPU89が受信した測定値に基づいて演算処理を行っている。
また、温度監視部77は、冷房時温度センサ(T1)57の測定温度が15℃以下になると、結露を防止するため、ペルチエ素子A,11Bへの電力の通電を停止する信号をCPU89に送出する。CPU89は、ペルチェ素子11A,11Bへの電力の供給を停止する信号を出力する。
スイッチ回路71には、バス90及びLED出力部103を介してLED105が接続されている。冷房時はLED105が青に点灯し、暖房時はLED105が赤に点灯し、停止時はLED105が消灯する。また、異常時にはLED105は青と赤とを同時に通電して紫を表示する。
複数の小型空調機1は、機械室から居室へ冷却水が流れる冷却水往配管と、居室から機械室へ冷却水が流れる冷却水還配管とからなる一筆書きの管路である冷却水循環管路101のうち、冷却水往配管に対して、冷却水流れ方向上流側から下流側へ向けて同じ冷却水往配管から枝分かれさせる2つのタッピング毎に順次接続されている。冷却水循環管路101は、居室側配管(冷却水搬送路)101Aと機械室側配管(冷却水路)101Bとで構成されている。
具体的には、居室内で机のレイアウトが変更になった際にも、冷却水循環管路101の冷却水往配管から各机の配置想定箇所に予め設けてある雌型カプラ107及び雄型カプラ111に、接続し直すだけで、小型空調機は容易に位置変更が可能である。冷却水循環管路101には、蓄熱槽141と小型冷却塔115とが直列に接続されている。ここで、蓄熱槽141が大きな容量を有する場合には、小型冷却塔115が内蔵する冷却水ポンプ129を外に出して、小型冷却塔115を省略したシステムも考えられる。
居室側配管101Aは、各小型空調機1に対する接続位置において、冷却水流れ方向上流側から先端部に雌型カプラ107を設けた冷却水往枝管109が分岐し、冷却水往枝管109は、小型空調機1の冷却水往管路43の端部に設けた雌型カプラ47に雄カプラ107を接続することによって連結されている。
また、居室側配管101Aは、機械室に設けた小型冷却塔115内の水循環管路121で構成される機械室側配管101Bに接続されている。居室側配管101Aと機械室側配管101Bとは、居室側配管101Aの冷却水流れ方向上流側接続口に設けた雌型カプラ117に小型冷却塔115の水循環管路121の冷却水流れ方向下流側接続口に設けた雄型カプラ123を接続し、冷却水循環管路101の冷却水流れ方向下流側接続口に設けた雌型カプラ119に小型冷却塔115の水循環管路121の冷却水流れ方向上流側接続口に設けた雄型カプラ125を接続することによって連結されている。
水タンク127は、側部に水循環管路121を流れる冷却水の水位を確認する窓127aを設け、上部に注水口127bを設けている。また、水タンク127は、水循環管路121を流れる冷却水の温度を直接計測する水温センサ127cを内部に設けている。水温センサ127cは、2つのラジエータ131,133に配置したモータファン131a,131bの発停を制御するファン制御部を備える冷却塔用制御装置135に接続されている。
また、小型冷却塔115には、複数の空気取込口137が設けられている。
また、小型冷却塔115は、交流電源に接続する整流器139が設けられている。
蓄熱槽141は、上部に潜熱蓄熱材143を充填するためのプラグ147が設けてある。冷却水伝熱管145は、両端部に冷却水導入口145aと冷却水導出口145bとをそれぞれ設けている。冷却水導入口145aは、雄カプラ149を設け、居室側配管101Aの冷却水下流側接続口に設けた雌型カプラ107と接続されている。冷却水導出口145bは、雌型カプラ151を設け、居室側配管101Aの冷却水流れ方向下流側接続口に設けた雄型カプラ153と接続されている。
蓄熱槽141は、一定時間利用した後に簡単に取り外して新たな蓄熱槽141に取り替えることができるようにしても良い。その際は、分断された冷却水循環管路101を、雌型カプラ107と雄型カプラ153とを接続して連結する。
先ず、冷房使用勝手で説明する。
図11は、就業時間の通常状態を示す。
本実施形態に係るパーソナル空調システム100では、先ず、小型冷却塔115の水ポンプ129を駆動し、冷却水循環管路101内に冷却水を循環させる。
同時に、各ペルチェ素子11A,11Bには12Vの直流電流が供給され、モータファン49が駆動される。
また、機械室の換気用のモータファン155は、自己温度制御により室内を30℃程度を目標に運転している。
この状態で、各小型空調機1のモータファン49により導入される室内空気は、第一熱交換器17A,17Bのプレートフィン19部分と接触して熱交換されて冷却され、小型空調機1の吹出口51から冷風として吹き出される。
具体的には、冷房勝手時に、第二熱交換器25A,25Bにおいて、水ポンプ39によって導入された30℃の冷却水と熱交換することで、小型空調機1から導入された27℃の室内空気を、18℃まで冷却して吹出口51から吹出し、30℃の冷却水を還り温度34℃(△t=4℃)にして冷却水還枝管113から居室側配管101Aへ戻す系が成り立つ。
具体的には、7時間程度の潜熱蓄熱ができるように蓄熱槽141内に潜熱蓄熱材143を充填して、冷却水導入口145aから入ってきた34℃の冷却水から温熱を奪って、冷却水導出口145bから30℃の冷却水にして7時間継続して冷却できる。ここで、潜熱蓄熱材143は、固相から液相へ変化する。
一方、蓄熱槽141で吸収し切れなかった室内空気の排熱(温熱)は、冷却水循環管路101を介して機械室内の小型冷却塔115へ送られ、小型冷却塔115から機械室内に放出される。機械室内の空気に排出した熱は、機械室の換気用のモータファン155によって外気へ放出される。ここで、潜熱蓄熱材143は、約90%が液相へ変化している。
夏でも、夜間の室内冷却により、次の日の冷房には響かない。
なお、個別の冷房ボタン63による切替操作に代えて、例えば、図14に示すように、中央制御盤160にて交流直流変換して各小型空調機1にDC12Vを供給できる構成とし、中央制御盤160にてデイリータイマ161により、就業時間外と就業時間とを正負逆転させることで、放熱運転に移行するようにしても良い。
就業時間内運転確認部171は、判定結果に基づいて就業時間内の運転状態(冷房運転又は暖房運転)を入力し、就業時間内の運転が冷房運転であれば、暖房運転に切り替え、就業時間内の運転が暖房運転であれば、冷房運転に切り替える信号を開閉切替部169へ出力する。開閉切替部169は、デイリータイマ161がタイムアップすると、就業時間外と就業時間とを正負逆転させる。
図15は、就業時間の通常状態を示す。
本実施形態に係るパーソナル空調システム100では、先ず、小型冷却塔115の水ポンプ129を駆動し、冷却水循環管路101内に冷却水を循環させる。
次に、使用される各小型空調機1では、暖房運転用スイッチ63が投入されると、水ポンプ39が駆動され、居室側配管101Aの冷却水往枝管109から冷却水を導入して第二熱交換器25A,25Bへ圧送し、冷却水を冷却水還枝管113へ排出し、再び居室側配管101Aへ戻す。
また、小型冷却塔115では、モータファン131a,133aを停止し、熱交換を行っていない。
また、機械室の換気用のモータファン155は、自己温度制御により室内を30℃程度を目標に運転している。
この状態で、各小型空調機1のモータファン49により導入される室内空気は、第一熱交換器17A,17Bのプレートフィン19部分と接触して熱交換されて加熱され、小型空調機1の吹出口51から温風として吹き出される。
具体的には、暖房勝手時に、第二熱交換器25A,25Bにおいて、水ポンプ39によって導入された26℃の冷却水と熱交換することで、小型空調機1から導入された22℃の室内空気を、38℃まで加熱して吹出口51から吹出し、26℃の冷却水を還り温度24℃(△t=2℃)にして冷却水還枝管113から居室側配管101Aへ戻す系が成り立つ。
具体的には、7時間程度の潜熱蓄熱ができるように蓄熱槽141内に潜熱蓄熱材143を充填して、冷却水導入口145aから入ってきた24℃の冷却水に相変化で温熱を与え、冷却水導出口145bから26℃の冷却水にして7時間継続して加熱できる。
冬でも、夜間の室内残留熱により、次の日の暖房には響かない。
また、本実施形態によれば、暖房運転において、潜熱蓄熱材143を充填した小型の蓄熱槽141に、複数の小型空調機1からの排熱(冷熱)を集めて水ポンプ129で流れてくる冷却水と、潜熱蓄熱材143とを間接熱交換して、暖房による空気からの排熱を、就業時間内は蓄えることができる。
また、本実施形態によれば、就業時間外の夜間において、小型空調機1のペルチエ素子11A,11Bの電流向きを反対に切り替えて、室内に蓄熱を放出することができる。夏でも、夜間の室内冷却により、次の日の冷房には響かない。
また、本実施形態によれば、電力供給として交流電源に充電可能な充電池(2次電池)を採用したので、充電に太陽光発電を利用すれば、電源コンセントも不要となる。
本実施形態によれば、暖房運転において、潜熱蓄熱材143を充填した小型の蓄熱槽141に、複数の小型空調機1からの排熱を集めて水ポンプ129で流れてくる冷却水と、潜熱蓄熱材143とを間接熱交換して、暖房による空気からの排熱を、日中の暑いピーク負荷時(2〜3時間)に溜め込み、それ以外の就業時間内は冷却塔で吸熱し、居住者が退社した時間帯に、室内へ放冷することができる。
例えば、冷房使用勝手では、潜熱蓄熱材143を充填して、内部にコイル状の冷却水伝熱管145を設けた小型の蓄熱槽141を冷却水メイン管に直列に接続することで、複数の小型空調機1からの排熱を集めて水ポンプ39で圧送で流れてくる冷却水と、潜熱蓄熱材143とを間接熱交換する。
具体的には、34℃で入ってきた冷却水から温熱を奪って、冷却水出口温度を30℃にして2〜3時間継続して冷却できる。
以上のように、本実施形態によれば、電力供給として交流電源に充電可能な充電池(2次電池)を採用して、冷房又は暖房による空気からの排熱を、日中の暑いピーク負荷時(2〜3時間)に溜め込むので、商用電力を利用する従来の小型空調機を用いるパーソナル空調システムと比べて、電力需要のピークにあたる時間帯の電力消費を低く抑えることができる。
また、上記実施形態では、1本の冷却水循環管路で冷却水の冷却水往路と冷却水還管路とを接続する場合について説明したが,本発明はこれに限らず、冷却水往路と冷却水還管路とをそれぞれ平行に配置しても良い。
10A,1OB ペルチェ素子ユニット
11A,11B ペルチェ素子
13 ペルチェ素子11A,11Bの一面
15 ペルチェ素子11A,11Bの他面
17A,17B 第一熱交換器
19 プレートフィン
21 ベース部
23 フィン部
25A,25B 第二熱交換器
27 冷却用ジャケット
29 冷却水導入管
31 冷却水導出管
33,35 分岐管
37 冷却水供給管
39 水ポンプ
41 冷却水還管路
43 冷却水往管路
49,131a,131b,155 モータファン
53 整流器
55 空調機用制御装置
57 冷房時温度センサ(T1)
59 暖房時温度センサ(T2)
61 冷房運転用スイッチ
63 暖房運転用スイッチ
65 3端子レギュレータ
67 On/Off切換信号入力部
69 On/Off切換信号入力部
71 スイッチ回路
73 冷房時温度センサ(T1)57の温度計測値入力部
75 暖房時温度センサ(T2)59の温度計測値入力部
77 温度監視部
79 ペルチエ素子制御部
81 ペルチエ素子11AのOn/Off信号及び冷房暖房切換信号出力部
83 ペルチエ素子11BのOn/Off信号及び冷房暖房切換信号出力部
85 モータファン49のOn/Off信号出力部
87 水ポンプ39のOn/Off信号出力部
89 CPU
90 バス
91 演算部
93,95,97,99 MOSFET
100 パーソナル空調システム
101 冷却水循環管路
101A 居室側配管
101B 機械室側配管
109 冷却水往枝管
113 冷却水還枝管
115 小型冷却塔
121 水循環管路
127 水タンク
127c 水温センサ
129 水ポンプ
131,133 ラジエータ
135 冷却塔用制御装置
141 蓄熱槽
143 潜熱蓄熱材
145 冷却水伝熱管
Claims (12)
- ペルチェ素子と、前記ペルチェ素子の一面側に設けられる空冷式の熱交換器と、前記ペルチェ素子の他面側に設けられる水冷式の熱交換器とで構成されるペルチェ素子ユニットと、
前記空冷式の熱交換器に送風するファンと、
前記空冷式の熱交換器と前記ファンと内蔵し小型空調機周囲の空気を通過させる風路と、
水ポンプと、
前記水冷式の熱交換器に接続する冷却水往路と、
前記水冷式の熱交換器に接続する冷却水還路と、
交流又は直流電源に接続する電源装置と、
前記ペルチェ素子と前記電源装置とを接続する直流電流供給回路と、
前記直流電流供給回路に設けられる冷房運転用スイッチと、
前記直流電流供給回路に設けられる暖房運転用スイッチと
を備え、
前記冷却水往路は、前記小型空調機の外部にある冷却水往配管の接続口に接続され、前記冷却水還路は、外部に設置される冷却水往配管の接続口に接続され、前記水ポンプは前記冷却水往配管から前記冷却水往路を介して冷却水を吸い出し、前記水冷式の熱交換器を通した後、前記冷却水往配管に再び冷却水を戻すように働く
ことを特徴とする小型空調機。 - 請求項1に記載の小型空調機において、
前記冷却水往路の末端部及び前記冷却水還路の末端部に、それぞれ外部にある2つの前記冷却水往配管の接続口とカップリングするカプラを備えている
ことを特徴とする小型空調機。 - 請求項1又は請求項2に記載の小型空調機において、
前記風路の対向する面それぞれに空冷式の熱交換器を設置し、各々の空冷式の熱交換器に前記ペルチェ素子を1つずつ合計2個配置している
ことを特徴とする小型空調機。 - 請求項1又は請求項2に記載の小型空調機において、
前記風路が断面矩形をしており、各内面4面それぞれに空冷式の熱交換器を設置し、各々の空冷式の熱交換器に前記ペルチェ素子を1つずつ合計4個配置している
ことを特徴とする小型空調機。 - 請求項1乃至請求項4の何れかに記載の小型空調機において、
前記電源装置は、充電池(2次電池)で構成される
ことを特徴とする小型空調機。 - 全体を空調する中央空気調和装置によって空調される居室と、
前記居室に設置される居住者用机の各卓上に個別に設置される請求項1乃至請求項5の何れかに記載の小型空調機と、
前記居室の上げ床内に配設され循環する冷却水搬送路を形成する冷却水往配管及び冷却水還配管と、
前記冷却水搬送路に接続される冷却水管のコイルを内蔵し且つ該コイルの周りに潜熱蓄熱材を充填した蓄熱槽と、
前記冷却水搬送路に接続され冷却水を搬送する冷却水ポンプとで構成され、前記小型空調機の設置場所に対応して前記冷却水往配管にカプラを先端に設けた2つずつのタッピングを備える
ことを特徴とするパーソナル空調システム。 - 請求項6に記載のパーソナル空調システムにおいて、
夏期においては、
前記蓄熱槽が、居住者が居室に居る時間帯には前記ペルチェ素子の他面側からの排熱を冷却水にて搬送されて蓄え、
居住者が居ない夜間には前記直流電流供給回路にあるスイッチが切り替わって前記ペルチェ素子の他面側が吸熱し前記排熱が居室に排出され、前記風路から排出された排熱を帯びた空気は夜間の換気により建物外へ排出され、
冬期においては、
前記蓄熱槽が、居住者が居室に居る時間帯には前記ペルチェ素子の他面側からの冷熱を冷却水にて搬送されて蓄え、
居住者が居ない夜間には前記直流電流供給回路にあるスイッチが切り替わって前記ペルチェ素子の他面側が排熱し前記冷熱が居室に排出され、前記風路から排出された冷熱を帯びた空気は夜間の換気により建物外へ排出される
ことを特徴とするパーソナル空調システム。 - 請求項6に記載のパーソナル空調システムにおいて、
前記居室に隣接する機械室内に、前記冷却水ポンプを内蔵する小型冷却塔を有し、
前記冷却水搬送路と前記小型冷却塔内の冷却水路とが接続されている
ことを特徴とするパーソナル空調システム。 - 請求項8に記載のパーソナル空調システムにおいて、
夏期においては、
前記蓄熱槽が、居住者が居室に居る時間帯には前記ペルチェ素子の他面側からの排熱を冷却水にて搬送されて蓄え、
前記蓄熱槽が排熱蓄熱容量が一杯となった際には、前記小型冷却塔を介して排熱を前記機械室に放出し、
居住者が居ない夜間には前記直流電流供給回路にあるスイッチが切り替わって前記ペルチェ素子の他面側が吸熱し前記排熱が居室に排出され、前記風路から排出された排熱を帯びた空気は夜間の換気により建物外へ排出され、
冬期においては、
前記蓄熱槽が、居住者が居室に居る時間帯には前記ペルチェ素子の他面側からの冷熱を冷却水にて搬送されて蓄え、
前記蓄熱槽が冷熱蓄熱容量が一杯となった際には、前記小型冷却塔を介して冷熱を前記機械室に放出し、
居住者が居ない夜間には前記直流電流供給回路にあるスイッチが切り替わって前記ペルチェ素子の他面側が排熱し前記冷熱が居室に排出され、前記風路から排出された冷熱を帯びた空気は夜間の換気により建物外へ排出される
ことを特徴とするパーソナル空調システム。 - 請求項6乃至請求項9の何れかに記載のパーソナル空調システムにおいて、
前記蓄熱槽に充填される潜熱蓄熱材を30℃融点のパラフィンとすることで、前記小型空調機の前記風路から夏期においては18℃〜20℃の吹き出し冷風が、冬期においては38℃〜43℃の吹出し温風が得られる
ことを特徴とするパーソナル空調システム。 - 請求項7又は請求項9に記載のパーソナル空調システムにおいて、
居住者が居ない夜間の前記直流電流供給回路にあるスイッチが切り替わる代わりに、電源装置に送られる電源を直流として、昼間と夜間との直流電流の正負を入れ替えて、
夏期においては、前記ペルチェ素子の他面側が吸熱し前記排熱が居室に排出され、前記風路から排出された排熱を帯びた空気は夜間の換気により建物外へ排出され、
冬期においては、前記ペルチェ素子の他面側が排熱し前記冷熱が居室に排出され、前記風路から排出された冷熱を帯びた空気は夜間の換気により建物外へ排出される
ことを特徴とするパーソナル空調システム。 - 請求項6乃至請求項11の何れかに記載のパーソナル空調システムにおいて、
前記蓄熱槽は、前記ペルチェ素子の他面側からの排熱を冷却水を介して蓄え、一定時間利用後には、取り外して新たな前記蓄熱槽と取り替えられる
ことを特徴とするパーソナル空調システム。
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