JP6294331B2 - 自己緊結性コンクリート用ヒドロキシエチルメチルセルロース含有モルタル - Google Patents

自己緊結性コンクリート用ヒドロキシエチルメチルセルロース含有モルタル Download PDF

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Description

発明の技術分野
本発明は自己緊結性コンクリート配合物の使用に適したモルタルに関し、具体的には、ヒドロキシエチルメチルセルロースを含むこのようなモルタルに関する。
緒言
自己緊結性コンクリート(SCC)として知られている、また自己圧密性コンクリート(self−consolidating concrete)としても知られている特殊コンクリートは、比較的新しい特殊材料である。SCCの開発は、現在SCCとして知られているコンクリート配合物を発見した日本の研究者によるものとされている。SCC組成物は他のコンクリート配合物とは異なる。SCCは型内にコンクリートを分布させるために振動を必要とせずに、その自重だけで型内の障害の周囲を流動し、型の隅部へと流動することができる。SCCは空気を捕捉せずに流動する傾向があり、それによって材料を分布させて空気を除去するために打設時に構造物を振動させるという複雑化を招くことなく複雑な形状の耐久性のあるコンクリート構造物の打設が可能となる。
SCCの所望の性能を達成するには、配合物は降伏応力が低く、かつ塑性粘度が高くなければならない。降伏応力はSCCを流動させるのに必要とされるエネルギー量の指標である。SCCとして資格を有するには、コンクリートはその自重で流動しなければならない。コンクリートがその自重で流動するには、その降伏応力が低くなければならない。塑性粘度は、内部摩擦の結果として流動しなければならない材料の抵抗の指標である。SCCは、骨材がコンクリート配合物内で分離するのを可能にするのでなく浮遊骨材の均質混合物を保持するために高い塑性粘度を有さなければならない。SCCは分離、過剰なブリーディングおよび過剰な空気同伴を避けながら高い塑性粘度を有しなければならない。これらの望ましい特性を達成するためには、SCCは独特な組成を有し、かつ組成の変化に敏感である。
SCCの降伏応力、塑性粘度、および他のレオロジー特性は、SCCのモルタル(すなわち、SCCモルタルの特性)によって決定付けられる。望ましいレオロジー特性を有するモルタル組成物をまず開発することによってコンクリート配合物を開発するのが一般的である。次いでモルタルに適切な骨材を配合してSCCを形成することができる。SCCモルタルとして好適であるかどうかを判断するためにモルタルを特徴付けるための有用な方法として、スランプ試験、V型漏斗流下時間、およびブリーディング値が挙げられる。SCC配合物として使用するのに好適であるためには、モルタルが290ミリメートルを超えるスランプ値、5秒未満のV型漏斗流下時間、および3パーセント未満のブリーディング値を同時に有することが特に望ましい。
SCCおよびSCCモルタルにおいて頻繁に使用される成分の1つが粘度変性剤(VMA)である。VMAは、典型的にはモルタルおよびコンクリートの粘度を高める働きをする。VMAは分離およびブリーディングを防止し、かつ水変化および素材の変化に強いコンクリート配合物を提供するのに助けとなる。しかしながら、望ましくは粘度を高めながら、VMAは不所望にもSCCの降伏応力を高めてしまう、それによってその自己緊結性の性質を抑制するかもしくは気泡を捕捉する可能性を増大させるため、好適なVMAの選択は挑戦的である。したがって、SCCおよびSCCモルタル用の適切なVMAの選択は、基本的には、かなり少数の材料に制限される。SCCに使用される一般的なVMAの実施例としては、澱粉(降伏応力に悪影響を及ぼす傾向にある)、粘土(降伏応力に悪影響を及ぼす傾向にある)、ウェランガムおよびデュータンガム(高価であり、かつ塑性粘度に悪影響を及ぼす傾向にある)、ヒドロキシエチルセルロース(流動特性に悪影響を及ぼす傾向にある)およびポリアクリレートに基づいた合成ポリマー(高価であり、かつ降伏応力に悪影響を及ぼす傾向にある)が挙げられる。
現行のVMAよりも利点をもたらすSCCおよびSCCモルタルに使用するのに適した代替のVMAを特定することが望ましい。例えば、ヒドロキシエチルメチルセルロース(HEMC)が一般的なVMAの多数よりも安価なVMAである。しかしながら、HEMCポリマーは粘度が高すぎる傾向にあり、結果的に高品質のSCCにとっては低すぎるスランプ値を招くため、SCC配合物に使用されていない。HEMCはまたモルタルおよびコンクリートにおいて空気連行を誘起する傾向にあり、それによって結果的により低い密度およびより低い品質モルタルおよびコンクリートを生じさせる。290ミリメートルを超えるスランプ値、5秒未満のV型漏斗流下時間および3パーセント未満のブリーディング値を同時に有するSCCモルタルを配合するのに好適である代替VMAを特定することが望ましい。VMAが結果的に典型的なHEMCで経験される不所望に高い空気同伴を招くことがなければさらに望ましであろう。
本発明はSCCモルタル、または代替VMAを含むSCCとしても好適なモルタルを提供する。特に、本発明は、驚くべきことにSCCモルタルの要求を満たす諸特性の好適な組み合わせを提供する特殊HEMCを含むSCCモルタルを提供する。大抵のHEMCとは対照的に、本発明に使用されるHEMCは過度に高い粘度(2重量%水溶液について30,000ミリパスカル*秒を超える)を有さず、かつ望ましいスランプ(290ミリメートルを超える)、5秒以下のV型漏斗流下時間、および3パーセント未満のブリーディング値を有するSCCモルタルを生成することができる。HEMCはさらに驚くべきことに他のHEMC選択肢に比べて空気同伴を余り引き起こさない。
驚くべきことに本発明に至る研究は、30,000ミリパスカル*秒未満である2重量パーセント水溶液中の粘度を有し、かつ1.90以上かつ2.30以下であるヒドロキシエチル分子置換(MS)およびメチル置換度(DS)の総和を特徴とするHEMCは、他のHEMCがこのような使用において好適ではない場合でもSCCモルタルとして許容できるモルタル(すなわち、上記の望ましいスランプ値、V型漏斗流下時間、およびブリーディング値を有するモルタル)を調製するに際して好適な粘度変性剤として機能することができることを明らかにしている。さらに驚くべきくことに、1.65超かつ2.2以下のDS値と組み合わせて0.01超かつ0.5以下のMS値をさらに特徴とするこの特別なHEMCは、他のHEMCより少ない空気同伴を達成しながら望ましいスランプ値、V型漏斗流下時間、およびブリーディング値を達成するのに特に有利である。
第1の態様において、本発明はセメント、1種または2種以上の鉱物添加剤、高流動化剤、骨材、ヒドロキシエチルメチルセルロース、および水を含むモルタルに関し、このヒドロキシエチルメチルセルロースは、そのヒドロキシエチル分子置換およびメチル置換度の総和が1.90以上かつ2.30以下であること、および2重量パーセント水溶液中のその粘度が30,000ミリパスカル*秒未満であることを特徴とする。
本発明は自己緊結性コンクリートが現在使用されているところのどこでも自己緊結性コンクリートとして使用するのに特に有用である。
試験方法とは、試験方法番号が異なる日付を含まない限り本文書の優先日現在で直近の試験方法を指す。試験方法への言及は、試験協会および試験方法番号への言及の両方を包含する。次の試験方法略号が本明細書において適用される。ASTMとは ASTM international(既往の米国材料試験協会(American Society for Testing and Materials)として知られている)を指し、ENとは欧州規格(European Norm)を指し、NFとはフランス規格協会(association francaise de normalization)を指し、DINとはドイツ工業規格(Deutsches Institute fur Normung)を指し、ISOとは国際標準化機構(International Organization for Standards)を指す。
「複数」とは2つまたはそれ以上を意味する。「および/または」とは「および、代替としてまたは」を意味する。すべての範囲は特段の指示がない限り両方の終点を含む。「比較例(Comp Ex)」、および「比較例(Comparative Example)」は「実施例(Example)」ならびに「実施例(Ex)」と交換可能である。
「モルタル」とは本明細書においてセメント、水、および任意選択的に付加的な添加剤を含む配合物を指す。モルタルは典型的には鉱物添加剤、骨材、および粘度調整剤をさらに含む。
「コンクリート」とは本明細書において粗骨材を含むモルタルを指す。
本発明のモルタルはセメント、水、微粉、高流動化剤、骨材、およびヒドロキシエチルメチルセルロースを含み、かつ自己緊結性コンクリート配合物に使用するのに特に望ましい。
このセメントは、自己緊結性コンクリート(SCC)配合物に使用するのに適したいかなるセメントになり得る。例えば、このセメントはケイ酸カルシウム水硬性セメント、石灰を含有するセメント、アルカリセメント、プラスター、および石膏から選択された2種以上のセメントの1種または任意の組み合わせとなり得る。特に望ましいものはポルトランドセメント、特に種別CEM I、II、III、IV、およびV、ならびに/またはアルミナセメント(アルミネートセメント)である。
鉱物添加剤は、スラグ(NF EN197−1規格、5.2.2項に規定される)、ポゾラン質材料(NF EN197−1規格、5.2.3項に規定される)、フライアッシュ(NF En197−1規格、5.2.4項に規定される)、フライアッシュ(NF EN197−1規格 5.2.4項に規定される)、シェール(NF EN197−1規格 5.2.5項に規定される)、石灰石(NF EN197−1規格、5.2.6項に規定される)、および/またはシリカフューム(NF EN197−1規格 5.2.7項に規定される)から選択される。
高流動化剤は、モルタルの流動性を向上させるSCCモルタルの特徴のある成分であり、これはSCCモルタル(またはSCC自身)が障害の周囲に容易にぴったり合うことを可能にし、かつ空間中の空隙を満たすことを可能にする。高流動化剤はまた、モルタルの水セメント比を低減することができるため減水剤として知られている。本発明のモルタルに使用するための好適な高流動化剤は、SCC配合物に使用するのに適した高流動化剤のいずれをも含む。本発明のモルタルに使用するのに好適な高流動化剤の実施例としては、スルホン化メラミンホルムアルデヒド縮合物、スルホン化ナフタレンホルムアルデヒド縮合物、リグニンスルホン酸、およびポリカルボキシレートが挙げられる。高流動化剤は、典型的にはセメント合計重量に基づいて0.1重量%以上かつ2.0重量%以下の濃度で存在する。
骨材は、典型的には細骨材と粗骨材に分類される。本発明のモルタルは細骨材のみ、粗骨材のみもしくは、好ましくは、細骨材と粗骨材の組み合わせを含有する。骨材はASTM C33の分類に従って細または粗に等級分けされる。一般に、細骨材は9.5ミリメートル(mm)のふるいを完全に通過し、最大10質量パーセントが150マイクロメートルのふるい(No.100ふるい)を通過することになる。粗骨材はASTM C33に従って多数の異なる等級に分類され、かつ細骨材よりも大きな全体粒度分布によるものである。骨材は一般に岩石および/または鉱物のような自然に発生する無機質材料であり、岩石は一般に数種の鉱物から成る。細骨材は一般に砂の形態をしている。粗骨材は砂利、砕石、および類似の材料から選択されることが多い。
本発明のモルタルは特定の種別のヒドロキシエチルメチルセルロース(HEMC)をさらに含む。驚くべきことには、本発明はモルタルに使用するのに適した特定の種別のHEMC、特にSCCモルタルを見出した結果である。本発明のHEMC化合物はモルタルにおける理想的な降伏点および塑性粘度レベルの両方を独自に提供する。HEMC化合物の特定のものが他のHEMC化合物よりも少ない空気を同伴し、それによって他のHEMC化合物に比べてモルタルにおいてより少ない空気同伴を引き起こすことがさらに見出された。一般的に、HEMCは降伏点を不所望に高いレベルまで増大させずにモルタルの塑性粘度を高める働きをする。本発明のHEMC化合物は、降伏点を不所望に高いレベルまで増大させずにモルタルの塑性粘度を高めることが意外にも判明した置換の特定のレベルおよび種別を有する。さらに、本発明のHEMCは、望ましいスランプ(290ミリメートル超)、望ましいV型漏斗流下(本明細書に記載された試験において5秒未満)、および望ましいブリーディング値(3パーセント未満)を有するモルタルを含む。本発明の好ましい実施形態は他のHEMCを用いて製造されたモルタルよりも少ない同伴空気をさらに有する。
本発明のHEMCは、そのMS値およびDS値を特徴とすることができる。このMS値はHEMCにおけるセルロース骨格のアンヒドログルコース単位当たりのヒドロキシエチル基の分子置換レベルの指標である(すなわち、ヒドロキシエチル分子置換度)。DS値はセルロース骨格のアンヒドログルコース単位当たりのメチル基との置換度の指標である(すなわち、メチル置換度)。ヨウ化水素および赤燐で処理することによって有機化合物におけるアルコキシ結合を決定するためのツァイゼル(Zeisel)方法によってHEMCについてのMS値およびDS値を決定する。得られたアルキロイドおよびアルキンのガスクロマトグラフによる検査は、MS値およびDS値の決定を可能にする。
本発明のHEMCは、MS値とDS値の総和が1.90以上、好ましくは1.95以上であると同時に2.30以下、2.20以下、2.15以下、2.13以下、さらに2.10以下にもなり得ることを特徴とする。
HEMCが、0.01超、好ましくは0.05以上、さらにより好ましくは0.1以上、さらに一層好ましく0.18以上であると同時に0.5以下、好ましくは0.4以下、さらにより好ましくは0.35以下、さらに一層好ましくは0.33以下であるMSを有することがさらに望ましい。同時に、本発明のHEMCは、1.65超、好ましくは1.70以上、より好ましくは1.72以上、さらにより好ましくは1.8以上であると同時に2.2未満、好ましくは2.0以下、およびより好ましくは1.9以下であるDSを有することが望ましい。MS値が0.01未満であるならば、ポリマーは本質的に、レオロジー制御が30℃を超える温度で不所望に失われるほど十分低い熱ゲル化温度を有する、メチルセルロースになるだろう。MS値が0.5超であるならば、HEMCは過剰な空気同伴および滞留特性を有するモルタルをもたらす傾向にあり、これは不所望に低密度モルタルおよびより低い品質のコンクリートをもたらす。DS値が1.65未満であるならば、HEMCはセメント凝結遅延に受け入れがたい影響を及ぼすであろう。DS値が2.2超であるならば、HEMCはモルタルに使用するには十分に水溶性ではない。HEMCがこれらの好ましい範囲にあるMS値およびDS値を有するとき、HEMCは、MS値およびDS値がこれらの好ましい範囲から外れるときに比べてモルタル中に空気を同伴する可能性がより少ないことが見出されている。
本発明のHEMCは、30,000ミリパスカル*秒(mPa*s)未満である2重量パーセント(重量%)水溶液中の粘度を有する。同時に、HEMCは1500mPa*s以上、好ましくは3000mPa*s以上、より好ましくは5000mPa*s以上の粘度を有することが望ましい。ロトビスコ・レオメーター(Rotovisco rheometer)で2.55秒−1の一定剪断速度における20℃でのHEMCの2重量%水溶液の粘度を求める。溶液の合計重量に対するHEMCの重量による重量%水溶液を求める。HEMCが30,000mPa*s超である2重量%水溶液中の粘度を有するならば、得られるモルタルは不所望に低いスランプおよび/または不所望に長いV型漏斗時間を有する傾向にあり、これはモルタルの流動特性が望ましくないものになったことを意味する。HEMCの粘度が1500mPa*s未満であるならば、HEMCはモルタルの粘度を調整するに際して効率が悪い傾向にあり、粘性を調整するために多量のHEMCを添加することが必要とされる。
本発明のモルタル中のHEMCの濃度は、合計セメント重量に基づいて望ましくは0.01重量%以上、好ましくは0.05重量%以上、また同時に望ましくは1.0重量%以下、好ましくは0.5重量%以下である。HEMCの濃度が0.01重量%未満であるならば、モルタルまたはコンクリートは不十分な安定性に起因してブリードおよび分離することになる。HEMCの濃度が1.0重量%を超えるならば、モルタル配合物は高価になり、かつHEMC粘度に応じて、モルタル粘度は高すぎるようになり得る。
水はまた本発明のモルタル中に存在する。高品質のモルタルを形成するには、水対セメント(水/セメント)容積比は可能な限り小さくすべきである。モルタルは0.5未満の水/セメント比を有することが望ましい。より高い水/セメント比は結果的に不所望に低いコンクリート強度をもたらす。水/セメント比は、モルタル中のセメントを完全に加水分解するように十分に高くすべきである。典型的には、水/セメント比は0.4以上である。水/セメント比が0.4未満であるならば、セメントを完全に加水分解するのは難しく、また不十分に加水分解されたセメントは結果的に不所望に低いモルタルまたはコンクリート強度をもたらすことになる。
モルタルは、必要に応じて1種または2種以上の付加的な添加剤の任意の組み合わせを任意選択的に含むことができる。例えば、1種または2種以上の次の添加剤の任意の組み合わせが、モルタル中に存在することができる:促進剤、遅延剤、分散剤、合成増粘剤、顔料、還元剤、および消泡剤。一般的に、モルタルは1種または2種以上の付加的な添加剤の組み合わせの最大5重量%を含む。
モルタルは粗骨材の不在を特徴とするとき次の特性を有する:290ミリメートルを超えるスランプ値、5秒未満であるV型漏斗流下時間、および3パーセント未満であるブリーディング値。
スランプはその自重の下で流動することができる多くのモルタルの指標であり、また、それによって、モルタルの降伏応力の指標を提供する。設定容積のモルタルを濡れたガラス上に堆積させることによってスランプ(スランプフローとも呼ばれている)を測定し、モルタルが広がる範囲を測定する。底部開口が濡れたガラスプレート上に(試験前に10秒濡れた)ある状態で100mmの底部開口直径、70mmの上部開口直径、および60mmの高さを有するコーン漏斗(スランプコーン)をセットする。コーンをモルタルで充填させ、次いで、コーンをプレートから垂直に迅速に引っ張りモルタルをプレート上に全部放出する。いったんモルタルが広がらなくなると、モルタルケーキ周囲の等間隔4箇所において得られたモルタルケーキの直径を測定する。4つの直径の平均がモルタルのスランプ値である。290mmを超えるスランプ値が望ましく、かつSCCモルタルとして機能するのに十分に低い降伏応力を有するモルタルに対応する。
V型漏斗流下時間は、モルタルの流動性および粘性の指標を提供する。このV型漏斗流下試験では、長さが275mmと幅が30mmである矩形上部開口を有するV字状角型漏斗を使用する。この漏斗開口は275mmの寸法が245mmの高さにわたって30mmまで一様に減少して、75mmの付加的な高さに対応して延在する30mm×30mmの正方形漏斗流れ口を形成し、流れ口では漏斗は漏斗の30mm×30mm底部を封止するために可逆的に閉鎖できるフラップを有する。V型漏斗の内面を濡らし、かつフラップを閉じた状態で、漏斗をモルタルで充填する。いったんV型漏斗が満杯になったらフラップを開けて、漏斗の底部からモルタルが流出するのにどれだけの時間がかかるかを記録する。その時間がV型漏斗流下時間である。本発明のモルタルは望ましくはV型漏斗流下時間が5秒未満である。V型漏斗流下時間が5秒を超えるならば、モルタルはSCCとしては不十分な流動特性を有する傾向にある。
ブリーディング値はモルタルが経験するブリーディングの程度の指標である。ブリーディングは打設された生コンクリートの上部または表面における水の層の発現である。ブリーディングはモルタル中の固形粒子の沈降によって引き起こされ水の上向きの変位を伴う。一部のブリーディングは許容できるが、過剰なブリーディングは上部表面付近で水セメント比を増大させ、かつそれは結果的にコンクリートの弱い上部表面をもたらし得る。500ミリリットル(mL)カップを計量し、カップに約375mLのモルタルを添加し、再び計量してカップ内のモルタルの重量を求め、水の蒸発を防止するためにカップとモルタルを覆い、そして30分間放置することによってモルタルのブリーディング値を求める。放置後、モルタルの上部からすべての表面水を除去し、カップとモルタルを再び計量してどれだけの水が除去されたかを求める。ブリーディングが止まるまで毎時間水の除去とカップの計量繰り返す。次の式を用いてパーセントとしてブリーディング値を計算する。
[式1]
ブリーディング(%)=100×[除去された水の合計質量(g)]/[(W)×(モルタル質量)]
(式中、モルタル質量は初めにカップ内に投入されたモルタルの質量(グラム単位)であり、Wはモルタル中の水の質量(グラム単位)をモルタルの質量(グラム単位)で割ることによって求められる初期のモルタル中の水の質量比である。本発明のモルタルはブリーディング値が3パーセント未満であることが望ましい。
モルタルは混合、輸送および分配時に可能な限り少ない空気を同伴することが望ましい。空気がモルタル中に同伴されるようになると、モルタルまたはコンクリートの形態を問わず、得られた空隙は得られた材料の中に望ましくない不均質性を形成し、視覚的に魅力のないものになり、かつ材料を構造的に弱める可能性がある。モルタル中のVMAとして典型的なHEMCを使用することの欠点の1つは、HEMCがモルタル中で空気滞留を容易にする傾向にあることである。驚くべきことには、本発明のモルタル配合物は、本発明に指定されたものとは異なるHEMCを含有するモルタル配合物に比べてより少ない空気を滞留させる。特に、HEMCが0.01超、好ましくは0.05以上、さらにより好ましくは0.1以上、さらに一層好ましくは0.18以上また同時に0.5以下、好ましくは0.4以下、さらにより好ましくは0.35以下、さらに一層好ましくは0.33以下であるMSを有し、また同時に、1.65超、好ましくは1.70以上、より好ましくは1.72以上、およびさらにより好ましくは1.8以上であると同時に2.2未満、好ましくは2.0以下、より好ましくは1.9以下であるDSを有するとき、モルタルはこの説明内容から外れたHEMCを含有するモルタルに比べてより少ない空気を同伴する傾向にあることが見出された。
モルタル中の空気連行の程度を比較する1つの方法は、モルタルの密度を比較することによる。類似のモルタルは類似の密度を持つべきである。類似のモルタルに比べてより低い密度を有するモルタルは、より高い密度のモルタルに比べてより多くの空気が同伴される。本明細書中の実施例および比較例は、本発明のモルタルが、本発明の範囲から外れるHEMCを有する同等のモルタルに比べてより低い密度を有する傾向にあることを示す。
まず乾燥成分のすべてを一緒に添加および混合し、次いで任意の水性成分、次いで任意の残りの水を添加し、その後に混合することによって本発明のモルタルを調製する。混合しながらモルタル中への空気連行を最小に抑えるまたは回避するように混合時に注意を払うことが望ましい。
次の実施例は本発明の実施形態を例示するのに役に立つ。
モルタル配合
セメントと、フライアッシュと、安定剤とを組み合わせることによってドライミックス1をまず調製することによって表1の成分を用いて実施例および比較例のためのモルタルを調製する。次いで、骨材1〜3を組み合わせることによってドライミックス2を調製する。それから、ToniMIX mixer(Toni Technikから入手可能)用のミキシングボウル内で水と高流動化剤とを組み合わせる。混合レベル1で混合しながらドライミックス1およびドライミックス2をミキシングボウルへ添加する。得られた成分をレベル1で30秒間、次いで、レベル2で30秒間混合する。可溶性添加剤を溶解するために混合物を90秒間放置し、次いで、レベル2で60秒間再混合する。得られた混合物はモルタルとしての機能を果たす。
HEMC調製
例えば、欧州特許出願第EP1180526B1号および同第EP1589035A1号に記載される標準2段階圧力反応を用いてHEMCを調製する。次の論述が本実施例のHEMCに関するより具体的なガイダンスを提供する。
実施例(Ex)1に関するHEMC
約800ミリリットル/グラム(mL/g)の固有粘度を有する小さく砕いたセルロースパルプをジャケット付き、攪拌反応器内へ装入する。反応器を排気して、窒素でパージし、次いで、再び排気して酸素を除去する。温度を25℃に調節する。第1段階において、セルロースの1モル当たり4.7モルのジメチルエーテル、および3.2モルの塩化メチルをセルロースパルプ上に吹き付ける。次にセルロースの1モル当たり1.19モルの水酸化ナトリウム(50重量%水溶液)を迅速に添加する。得られた混合物を25℃において30分間攪拌し、次いで、セルロースの1モル当たり0.5モルの酸化エチレンを反応器へ添加する。30分にわたって温度を上昇させることによって反応器の内容物を80℃まで連続して加熱する。混合物を80℃において30分間反応させる。
セルロースの1モル当たり1.3モルの塩化メチルの別の用量を添加することによって第2段階を開始する。次いで、塩化メチルの完全な添加の後に、セルロースの1モル当たり0.9モルの水酸化ナトリウム(50重量%水溶液)の別の用量を迅速に添加する。80℃の温度を80分間維持して反応を完了させる。得られた湿潤HEMCを当該技術で既知であるいずれかの方法によって乾燥および粉砕する。
実施例2に関するHEMC
第2段階においてセルロースの1モル当たり1.0モルの水酸化ナトリウムを使用することを除いて、実施例1に関するHEMCと同様な方法で調製する。
実施例3に関するHEMC
小さく粉砕された木材セルロースパルプ(固有粘度約800mL/g)をジャケット付き攪拌反応器内へ装入する。反応器を排気して、窒素でパージして、次いで、再び排気して酸素を除去する。温度を45℃に調節する。第1段階において、セルロース1モル当たり5.8モルジメチルエーテルおよびセルロース1モル当たり2.7モルの塩化メチルをセルロースパルプ上に吹き付ける。次にセルロース1モル当たり2.3モルの水酸化ナトリウム(50重量%水溶液)を18分にわたって連続的に添加する。得られた混合物を45℃において2分間攪拌し、次いで、セルロース1モル当たり0.48モルの酸化エチレンを反応器へ添加する。反応器の内容物を45分の期間にわたって70℃まで連続的に加熱する。セルロース1モル当たり1.9モル塩化メチルを添加することによって第2反応段階を開始する。塩化メチルを添加した直後に、31分にわたってセルロース1モル当たり1.2モルの水酸化ナトリウム(50重量%水溶液)を均一に添加する。70℃の温度を10分間維持する。次に、反応器の内容物を15分間80℃まで加熱し、55分間この温度において反応させて反応を完了させる。得られた湿潤HEMCを、当該技術において既知であるいずれかの方法によって乾燥および粉砕する。
実施例4に関するHEMC
約1300mL/gの固有粘度を有する木材パルプを使用し、そして第1反応工程においてセルロースの1モル当たり0.48の代わりに0.32モルの酸化エチレンを使用することを除いて、実施例3に関するHEMC同様の方法で調製する。
実施例5に関するHEMC
約600mL/gの固有粘度を有する木材パルプの使用を除いて実施例3に関するHEMCと同様な方法で調製する。
実施例6に関するHEMC
約1300mL/gの固有粘度を有するセルロースパルプを使用し、第1反応工程においてセルロースの1モル当たり0.85モルの酸化エチレンを使用し、そして第2反応段階においてセルロースの1モル当たり1.6モルの水酸化ナトリウム(50重量%水溶液)を使用することを除いて、実施例1に関するHEMCと同様な方法で調製する。
実施例7に関するHEMC
約600mL/gの固有粘度を有するセルロースパルプを使用し、第1の反応段階においてセルロース1モル当たり5.5モルのジメチルエーテルおよびセルロース1モル当たり2.3モルの塩化メチル、セルロース1モル当たり2.2モルの水酸化ナトリウム(50重量%水溶液)、およびセルロースの1モル当たり0.28モルの酸化エチレンを使用し、そして第2反応段階においてセルロース1モル当たり2.3モルの塩化メチルおよびセルロース1モル当たり1.9モルの水酸化ナトリウム(50重量%水溶液)を使用することを除いて、実施例1に関するHEMCと同様の方法で調製する。
比較例Aに関するHEMC
約1300mL/gの固有粘度を有するセルロースパルプを使用し、第1反応段階においてセルロース1モル当たり4.5モルのジメチルエーテルおよびセルロース1モル当たり1.8モルの水酸化ナトリウム(50重量%水溶液)、およびセルロースの1モル当たり0.14モルの酸化エチレンを使用し、そして第2反応段階においてセルロース1モル当たり0.8モルの塩化メチルおよびセルロース1モル当たり0モルの水酸化ナトリウム(50重量%水溶液)を使用することを除いて、実施例1に関するHEMCと同様な方法で調製する。
比較例Bに関するHEMC
約1300mL/の固有粘度を有するセルロースパルプの使用し、第1反応段階においてセルロースの1モル当たり0.14モルの酸化エチレンを使用し、そして第2反応段階においてセルロース1モル当たり0.2モルの水酸化ナトリウム(50重量%水溶液)を使用することを除いて、実施例1に関するHEMCと同様の方法で調製する。
比較例Cに関するHEMC
約1300mL/gの固有粘度を有するセルロースパルプを使用し、第1反応段階においてセルロースの1モル当たり0.75モルの酸化エチレンを使用し、そして第2反応段階においてセルロース1モル当たり0.3モルの水酸化ナトリウム(50重量%水溶液)を使用することを除いて、実施例1に関するHEMCと同様の方法で調製する。
比較例Dに関するHEMC
約1300mL/gの固有粘度を有するセルロースパルプを使用することを除いて、実施例1に関するHEMCと同様の方法で調製する。
比較例Eに関するHEMC
約1500mL/gの固有粘度を有するセルロースパルプを使用し、第1反応段階においてセルロース1モル当たり5.6モルのジメチルエーテル、セルロース1モル当たり3.1モルの塩化メチル、セルロース1モル当たり2.4モルの水酸化ナトリウム(50重量%水溶液)、セルロース1モル当たり0.35モルの酸化エチレンを使用し、そして第2反応段階においてセルロースの1モル当たり1.5モルの塩化メチルおよびセルロース1モル当たり0.8モルの水酸化ナトリウム(50重量%水溶液)を使用することを除いて、実施例3に関するHEMCと同様の方法で調製する。
比較例Fに関するHEMC
約1500mL/gの固有粘度を有するセルロースパルプを使用し、第1反応段階においてセルロース1モル当たり4.5モルのジメチルエーテル、セルロース1モル当たり0.13モルの酸化エチレンを使用し、そして第2反応段階においてセルロース1モル当たり1.5モルの水酸化ナトリウム(50重量%水溶液)を使用することを除いて、実施例1に関するHEMCと同様の方法で調製する。
比較例Gに関するHEMC
約1800mL/gの固有粘度を有するセルロースパルプを使用することを除いて、実施例1に関するHEMCと同様の方法で調製する。
比較例Hに関するHEMC
約1500mL/gの固有粘度を有するセルロースパルプを使用することを除いて、実施例3に関するHEMCと同様の方法で調製する。
比較例Iに関するHEMC
約1500mL/gの固有粘度を有するセルロースパルプを使用し、第1反応段階においてセルロース1モル当たり0.13モルの酸化エチレンを使用し、そして第2段階においてセルロース1モル当たり0.7モルの水酸化ナトリウム(50重量%水溶液)を使用することを除いて、実施例1に関するHEMCと同様の方法で調製する。
比較例Jに関するHEMC
約1800mL/gの固有粘度を有するセルロースパルプを使用することを除いて、実施例1に関するHEMCと同様の方法で調製する。
比較例Kに関するHEMC
約1300mL/gの固有粘度を有するセルロースパルプを使用し、第1反応段階においてセルロース1モル当たり3.5モルのジメチルエーテル、セルロース1モル当たり2.5モルの水酸化ナトリウム(50重量%水溶液)、およびセルロース1モル当たり1.7モルの酸化エチレンを使用し、そして第2反応段階においてセルロース1モル当たり2.8モルの塩化メチルおよびセルロース1モル当たり3.0モルの水酸化ナトリウム(50重量%水溶液)を使用することを除いて、実施例1に関するHEMCと同様の方法
で調製する。
比較例Lに関するHEMC
約1300mL/gの固有粘度を有するセルロースパルプを使用し、第1反応段階においてセルロース1モル当たり1.1モルの酸化エチレンを使用し、そして第2反応段階においてセルロース1モル当たり0.4モルの水酸化ナトリウム(50重量%水溶液)を使用することを除いて、実施例1に関するHEMCと同様の方法で調製する。
実施例特徴づけ
表2は、MS、DS、および粘度の異なる値とともに本発明のモルタルの特徴づけを提供する。スランプ、V型漏斗時間、およびブリーディング値については本明細書において先に説明されたように求める。DIN EN12350−7の方法に従って調製した直後に生モルタルの密度を求める。
これらの実施例の各々について、スランプ、V型漏斗時間、ブリーディング値、および密度のそれぞれがSCCモルタルについての所望の値内に収まる。上記の通り、SCCモルタルについての所望の値は290mm超のスランプ、5秒未満のV型漏斗時間、および3パーセント未満のブリーディング値である。この特定のモルタル組成物については、2000キログラム/立方メートルを超える生密度を達成するように十分に低い空気同伴を有することがまた望ましい。1.65〜2.2のDSおよび0.01〜0.5のMSを有する実施例のそれぞれは所望のスランプ、V型漏斗時間、およびブリーディング値に加えて低レベルの空気同伴を達成する。
表3は、HEMCが本発明に使用するのに適した範囲を下回っているMS+DSの値を有するため、本発明の範囲から外れるモルタルに関する特性を提供する。表3中のデータは、得られたモルタルのスランプおよび時折V型漏斗時間がSCCモルタルについての所望の範囲から外れることを明らかにしている(太字のイタリックで示す)。比較例A〜Cが望ましい生密度を有しているにもかかわらず、望ましいスランプおよびV型漏斗時間を有しそこなう、したがって本発明の範囲から外れる。
表4は、HEMCが30,000mPa*sを超える2重量%水溶液中の粘度を有するため、本発明の範囲から外れるモルタルに関する特性を提供する。表3中のそのデータはHEMCがこのような高い粘度を有するとき(たとえMS+DS値が範囲内でも)得られたモルタルに関するスランプ値および典型的にはV型漏斗時間はSCCモルタルに関する所望の範囲から外れることを明らかにする(太字のイタリックで示す)。
表5はHEMCに関する粘度値が請求項に記載された範囲から外れている(太字で示す)ため、本発明の範囲から外れている付加的なモルタルに関する特性を提供する。表5中のデータは、これらのモルタルがSCCモルタルに関して所望の範囲から外れるモルタルV型漏斗時間および典型的にはスランプ値を有することを例示している(太字イタリックで示す)。

Claims (4)

  1. セメント、1種または2種以上の鉱物添加剤、高流動化剤、骨材、ヒドロキシエチルメチルセルロース(HEMC)、および水を含むモルタルであって、前記ヒドロキシエチルメチルセルロースが、そのヒドロキシエチル分子置換およびメチル置換度の総和が1.95以上かつ2.30以下であることおよび2重量パーセント水溶液中のその粘度(ロトビスコ・レオメーターで2.55秒 −1 の一定剪断速度における20℃における)が30,000ミリパスカル*秒未満であることを特徴とここで前記のヒドロキシエチル分子置換(MS)およびメチル置換度(DS)は、ヨウ化水素および赤燐で前記ヒドロキシエチルメチルセルロース(HEMC)を処理するツァイゼル方法によって決定される、モルタル。
  2. 前記ヒドロキシエチルメチルセルロースが、0.01超かつ0.5以下であるヒドロキシエチル分子置換、および1.65超かつ2.2未満であるメチル置換度を有することをさらに特徴とする、請求項1に記載のモルタル。
  3. 前記ヒドロキシエチルメチルセルロースが、セメントの合計重量に基づいて0.01重量パーセント以上かつ1.0重量パーセント以下の濃度で存在することをさらに特徴とする、請求項1または請求項2に記載のモルタル。
  4. コンクリートを形成するように粗骨材を含むことをさらに特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のモルタル。
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