以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
余剰球受皿(下皿)4を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒操作が可能なスティックコントローラ122が取り付けられている。なお、スティックコントローラ122には、遊技者がスティックコントローラ122の操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作が可能なトリガボタン121(図3を参照)が設けられ、スティックコントローラ122の操作桿の内部には、トリガボタン121に対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサ125(図3を参照)が内蔵されている。また、スティックコントローラ122の下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニット123(図3を参照)が設けられている。また、スティックコントローラ122には、スティックコントローラ122を振動動作させるためのバイブレータ用モータ126(図3を参照)が内蔵されている。
打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ122の上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン120が設けられている。プッシュボタン120は、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン120の設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ124(図3を参照)が設けられていればよい。図1に示す構成例では、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が、上皿及び下皿の中央部分において上下の位置関係にある。これに対して、上下の位置関係を保ったまま、プッシュボタン120及びスティックコントローラ122の取付位置を、上皿及び下皿において左右のいずれかに寄せた位置としてもよい。あるいは、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が上下の位置関係にはなく、例えば左右の位置関係にあるものとしてもよい。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9の表示画面には、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄の可変表示を行う演出図柄表示領域がある。よって、演出表示装置9は、演出図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。演出図柄表示領域には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を可変表示する図柄表示エリアがある。図柄表示エリアには「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアがあるが、図柄表示エリアの位置は、演出表示装置9の表示画面において固定的でなくてもよいし、図柄表示エリアの3つ領域が離れてもよい。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(例えば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(例えば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)において行われる演出をリーチ演出という。また、リーチ状態やその様子をリーチ態様という。さらに、リーチ演出を含む可変表示をリーチ可変表示という。そして、演出表示装置9に変動表示される図柄の表示結果が大当り図柄でない場合には「はずれ」となり、変動表示状態は終了する。遊技者は、大当りをいかにして発生させるかを楽しみつつ遊技を行う。
なお、この実施の形態では、演出表示装置9における液晶表示の演出として演出図柄の変動表示を行う場合を示しているが、演出表示装置9で行われる演出は、この実施の形態で示したものにかぎらず、例えば、所定のストーリー性をもつ演出を実行して、大当り判定や変動パターンの決定結果にもとづいてストーリーの結果を表示するような演出を実行するようにしてもよい。例えば、プロレスやサッカーの試合や敵味方のキャラクタが戦うバトル演出を行うとともに、大当りであれば試合やバトルに勝利する演出を行い、はずれであれば試合やバトルに敗北する演出を行うようにしてもよい。また、例えば、勝敗などの結果を表示するのではなく、物語などの所定のストーリーを順に展開させていくような演出を実行するようにしてもよい。
演出表示装置9の表示画面の右上方部には、演出図柄と後述する特別図柄および普通図柄とに次ぐ第4図柄を表示する第4図柄表示領域9c,9dが設けられている。この実施の形態では、後述する第1特別図柄の変動表示に同期して第1特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cと、第2特別図柄の変動表示に同期して第2特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dとが設けられている。
この実施の形態では、特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示が実行されるのであるが(ただし、正確には、演出図柄の変動表示は、演出制御用マイクロコンピュータ100側で変動パターンコマンドにもとづいて認識した変動時間を計測することによって行われる。)、演出表示装置9を用いた演出を行う場合、例えば、演出図柄の変動表示を含む演出内容が画面上から一瞬消えるような演出が行われたり、可動物が画面上の全部または一部を遮蔽するような演出が行われるなど、演出態様が多様化してきている。そのため、演出表示装置9上の表示画面を見ていても、現在変動表示中の状態であるのか否か認識しにくい場合も生じている。そこで、この実施の形態では、演出表示装置9の表示画面の一部でさらに第4図柄の変動表示を行うことによって、第4図柄の状態を確認することにより現在変動表示中の状態であるのか否かを確実に認識可能としている。なお、第4図柄は、常に一定の動作で変動表示され、画面上から消えたり遮蔽物で遮蔽することはないため、常に視認することができる。
なお、第1特別図柄用の第4図柄と第2特別図柄用の第4図柄とを、第4図柄と総称することがあり、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cと第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dを、第4図柄表示領域と総称することがある。
第4図柄の変動(可変表示)は、第4図柄表示領域9c,9dを所定の表示色(例えば、青色)で一定の時間間隔で点灯と消灯とを繰り返す状態を継続することによって実現される。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおける第1特別図柄用の第4図柄の可変表示とは同期している。第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dにおける第2特別図柄用の第4図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点が同じであって、可変表示の期間が同じであることをいう。
また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおいて大当りを想起させる表示色(はずれとは異なる表示色。例えば、はずれのときには青色で表示されるのに対して、大当りのときには赤色で表示される。なお、大当りの種類(確変大当りや通常大当りのいずれであるか)に応じて表示色を異ならせてもよい。また、大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当り(例えば、突然確変大当り以外の大当り)であるか否かに応じて表示色を異ならせてもよく、ラウンド数の異なる複数種類の大当りに制御可能である場合には、大当り遊技において継続されるラウンド数に応じて表示色を異ならせてもよい。また、この実施の形態のように、各大当りのラウンド数が同じであっても、例えば、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が短く(例えば0.1秒)、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できない大当りと、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が長く(例えば27秒)、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当りとがある場合には、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できるか否かに応じて表示色を異ならせてもよい。また、例えば、1ラウンドあたりの大入賞口の開放回数が異なることによって、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当りと期待できない大当りがある場合にも、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できるか否かに応じて表示色を異ならせてもよい。
また、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dにおいて大当りを想起させる表示色(はずれとは異なる表示色。例えば、はずれのときには青色で表示されるのに対して、大当りのときには赤色で表示される。なお、大当りの種類(確変大当りや通常大当りのいずれであるか)に応じて表示色を異ならせてもよい。また、大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当り(例えば、突然確変大当り以外の大当り)であるか否かに応じて表示色を異ならせてもよく、ラウンド数の異なる複数種類の大当りに制御可能である場合には、大当り遊技において継続されるラウンド数に応じて表示色を異ならせてもよい。また、この実施の形態のように、各大当りのラウンド数が同じであっても、例えば、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が短く(例えば0.1秒)、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できない大当りと、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が長く(例えば27秒)、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当りとがある場合には、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できるか否かに応じて表示色を異ならせてもよい。また、例えば、1ラウンドあたりの大入賞口の開放回数が異なることによって、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当りと期待できない大当りがある場合にも、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できるか否かに応じて表示色を異ならせてもよい。
なお、第4図柄表示領域9c,9dの消灯時の表示色は、消灯したときに背景画像と同化して見えなくなることを防止するために、背景画像とは異なる表示色(例えば、黒色)であることが望ましい。
なお、この実施の形態では、第4図柄表示領域を演出表示装置9の表示画面の一部に設ける場合を示しているが、演出表示装置9とは別に、ランプやLEDなどの発光体を用いて第4図柄表示領域を実現するようにしてもよい。この場合、例えば、第4図柄の変動(可変表示)を、2つのLEDが交互に点灯する状態を継続することによって実現されるようにしてもよく、2つのLEDのうちのいずれのLEDが停止表示されたかによって大当り図柄が停止表示されたか否かを表すようにしてもよい。
また、この実施の形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とにそれぞれ対応させて別々の第4図柄表示領域9c,9dを備える場合を示しているが、第1特別図柄と第2特別図柄とに対して共通の第4図柄表示領域を演出表示装置9の表示画面の一部に設けるようにしてもよい。また、第1特別図柄と第2特別図柄とに対して共通の第4図柄表示領域をランプやLEDなどの発光体を用いて実現するようにしてもよい。この場合、第1特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときと、第2特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときとで、例えば、一定の時間間隔で異なる表示色の表示を点灯および消灯を繰り返すような表示を行うことによって、第4図柄の変動表示を区別して実行するようにしてもよい。また、第1特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときと、第2特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときとで、例えば、異なる時間間隔で点灯および消灯を繰り返すような表示を行うことによって、第4図柄の変動表示を区別して実行するようにしてもよい。また、例えば、第1特別図柄の変動表示に対応して停止図柄を導出表示するときと、第2特別図柄の変動表示に対応して停止図柄を導出表示するときとで、同じ大当り図柄であっても異なる態様の停止図柄を停止表示するようにしてもよい。
演出表示装置9の右方には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示部)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。また、演出表示装置9の右方(第1特別図柄表示器8aの右隣)には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示部)8bも設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。また、この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(可変表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲートなどのあらかじめ入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。従って、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
第2特別図柄表示器8bの上方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、第2特別図柄保留記憶表示器18bのさらに上方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面の下部には、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部18cと、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部18dとが設けられている。なお、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(合算保留記憶表示部)が設けられるようにしてもよい。そのように、合計数を表示する合算保留記憶表示部が設けられているようにすれば、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組み合わせが停止表示される。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。また、特別可変入賞球装置20には、遊技球が入賞したときに点灯表示される大入賞口LED20Aが設けられている。また、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに特定表示結果が導出表示され、大入賞口が開放状態や閉鎖状態に制御されるとき、演出表示装置9に演出画像が表示される構成となっている。
演出表示装置9の左方には、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器10は、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器10は、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。また、小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。なお、普通図柄表示器10は、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。また、普通図柄表示器10は、7セグメントLEDなどにかぎらず、例えば、所定の記号表示を点灯表示可能な表示器(例えば、「○」や「×」を交互に点灯表示可能な装飾ランプ)で構成されていてもよい。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。例えば、図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(通常状態と比較して、特別図柄の変動表示結果として大当りと判定される確率が高められた状態)では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間が高められる。また、確変状態ではないが図柄の変動時間が短縮されている時短状態(特別図柄の可変表示時間が短縮される遊技状態)でも、可変入賞球装置15の開放時間が高められる。また、普通図柄表示器10に当り図柄が導出表示され、可変入賞球装置15が開放状態に制御されるときや、開放状態が終了して次の開放状態に制御されるまでの間(すなわち、閉鎖状態に制御されているとき)、演出表示装置9に演出画像が表示される構成となっている。例えば、可変入賞球装置15が開放状態に制御されるとき、遊技球が可変入賞装置15へ入賞しやすい旨を遊技者に報知するための画像が、他の演出画像(例えば、特別図柄の可変表示に対する演出画像)に重畳表示される。遊技球が可変入賞装置15へ入賞しやすい旨を遊技者に報知するための画像は、可変入賞球装置15が開放状態に制御される期間の長さによってそれぞれ異なるものとする。
遊技盤6の下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の可変表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
この実施の形態では、確変大当りとなった場合には、遊技状態を高確率状態に移行するとともに、遊技球が始動入賞しやすくなる(すなわち、特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における可変表示の実行条件が成立しやすくなる)ように制御された遊技状態である高ベース状態に移行する。また、遊技状態が時短状態に移行されたときも、高ベース状態に移行する。高ベース状態である場合には、例えば、高ベース状態でない場合と比較して、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高められたり、可変入賞球装置15が開状態となる時間が延長されたりして、始動入賞しやすくなる。
なお、可変入賞球装置15が開状態となる時間を延長する(開放延長状態ともいう)のでなく、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められる普通図柄確変状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)となると、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。この場合、普通図柄確変状態に移行制御することによって、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高まる。従って、普通図柄確変状態に移行すれば、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められ、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。すなわち、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であったり、特別図柄の停止図柄が確変図柄である場合等に高められ、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(始動入賞しやすい状態)に変化する。なお、開放回数が高められることは、閉状態から開状態になることも含む概念である。
また、普通図柄表示器10における普通図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される普通図柄時短状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄時短状態では、普通図柄の変動時間が短縮されるので、普通図柄の変動が開始される頻度が高くなり、結果として普通図柄が当りとなる頻度が高くなる。従って、普通図柄が当たりとなる頻度が高くなることによって、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高くなり、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。
また、特別図柄や演出図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、特別図柄や演出図柄の変動が開始される頻度が高くなり(換言すれば、保留記憶の消化が速くなる。)、無効な始動入賞が生じてしまう事態を低減することができる。従って、有効な始動入賞が発生しやすくなり、結果として、大当り遊技が行われる可能性が高まる。
さらに、上記に示した全ての状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか複数の状態に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか1つの状態にのみ移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや、確変フラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う。
なお、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号を、ターミナル基板160を介して、ホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を可変表示する演出表示装置9の表示制御を行う。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、ランプドライバ基板35を介して、枠側に設けられている枠LED28、および大入賞口に設けられている大入賞口LED20Aの表示制御を行うとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行う。
図3は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図3に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101、および演出図柄プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMは電源バックアップされていない。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データをフレームメモリを介して演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(演出図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP109は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図3には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図2に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122のトリガボタン121に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ125から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ124から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122の操作桿に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット123から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してバイブレータ用モータ126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ122を振動動作させる。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、LEDを駆動する信号にもとづいて枠LED28や大入賞口LED20Aなどの発光体に電流を供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に遊技機の動作について説明する。図4は、遊技機に対して電力供給が開始され遊技制御用マイクロコンピュータ560へのリセット信号がハイレベルになったことに応じて遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56が実行するメイン処理を示すフローチャートである。リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになると、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、プログラムの内容が正当か否かを確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、マスク可能割込の割込モードを設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。なお、ステップS2では、遊技制御用マイクロコンピュータ560の特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込番地を示すモードに設定する。また、マスク可能な割込が発生すると、CPU56は、自動的に割込禁止状態に設定するとともに、プログラムカウンタの内容をスタックにセーブする。
次いで、内蔵デバイスレジスタの設定(初期化)を行う(ステップS5)。ステップS5の処理によって、内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の設定(初期化)がなされる。
この実施の形態で用いられる遊技制御用マイクロコンピュータ560は、I/Oポート(PIO)およびタイマ/カウンタ回路(CTC)504も内蔵している。
次いで、CPU56は、RAM55をアクセス可能状態に設定し(ステップS6)、クリア信号のチェック処理に移行する。
なお、遊技の進行を制御する遊技装置制御処理(遊技制御処理)の開始タイミングをソフトウェアで遅らせるためのソフトウェア遅延処理を実行するようにしてもよい。そのようなソフトウェア遅延処理によって、ソフトウェア遅延処理を実行しない場合に比べて、遊技制御処理の開始タイミングを遅延させることができる。遅延処理を実行したときには、他の制御基板(例えば、払出制御基板37)に対して、遊技制御基板(主基板31)が送信するコマンドを他の制御基板のマイクロコンピュータが受信できないという状況が発生することを防止できる。
次いで、CPU56は、クリアスイッチがオンされているか否か確認する(ステップS7)。なお、CPU56は、入力ポート0を介して1回だけクリア信号の状態を確認するようにしてもよいが、複数回クリア信号の状態を確認するようにしてもよい。例えば、クリア信号の状態がオフ状態であることを確認したら、所定時間(例えば、0.1秒)の遅延時間をおいた後、クリア信号の状態を再確認する。そのときにクリア信号の状態がオン状態であることを確認したら、クリア信号がオン状態になっていると判定する。また、このときにクリア信号の状態がオフ状態であることを確認したら、所定時間の遅延時間をおいた後、再度、クリア信号の状態を再確認するようにしてもよい。ここで、再確認の回数は、1回または2回に限られず、3回以上であってもよい。また、2回チェックして、チェック結果が一致していなかったときにもう一度確認するようにしてもよい。
ステップS7でクリアスイッチがオンでない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS8)。この実施の形態では、電力供給の停止が生じた場合には、バックアップRAM領域のデータを保護するための処理が行われている。そのような電力供給停止時処理が行われていたことを確認した場合には、CPU56は、電力供給停止時処理が行われた、すなわち電力供給停止時の制御状態が保存されていると判定する。電力供給停止時処理が行われていないことを確認した場合には、CPU56は初期化処理を実行する。
電力供給停止時処理が行われていたか否かは、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に保存されるバックアップ監視タイマの値が、電力供給停止時処理を実行したことに応じた値(例えば2)になっているか否かによって確認される。なお、そのような確認の仕方は一例であって、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップフラグ領域に電力供給停止時処理を実行したことを示すフラグをセットし、ステップS8において、そのフラグがセットされていることを確認したら電力供給停止時処理が行われたと判定してもよい。
電力供給停止時の制御状態が保存されていると判定したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行う(ステップS9)。この実施の形態では、クリアデータ(00)をチェックサムデータエリアにセットし、チェックサム算出開始アドレスをポインタにセットする。また、チェックサムの対象になるデータ数に対応するチェックサム算出回数をセットする。そして、チェックサムデータエリアの内容とポインタが指すRAM領域の内容との排他的論理和を演算する。演算結果をチェックサムデータエリアにストアするとともに、ポインタの値を1増やし、チェックサム算出回数の値を1減算する。以上の処理が、チェックサム算出回数の値が0になるまで繰り返される。チェックサム算出回数の値が0になったら、CPU56は、チェックサムデータエリアの内容の各ビットの値を反転し、反転後のデータをチェックサムにする。
電力供給停止時処理において、上記の処理と同様の処理によってチェックサムが算出され、チェックサムはバックアップRAM領域に保存されている。ステップS9では、算出したチェックサムと保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっている可能性があることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理(ステップS10〜S14の処理)を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、ROM54に格納されているバックアップ時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定する(ステップS43)。また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS44)。そして、ステップS15に移行する。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータをそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄バッファ、特別図柄プロセスフラグ、賞球中フラグ、球切れフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、ROM54に格納されている初期化時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS13)、その内容に従ってサブ基板を初期化するための初期化コマンドをサブ基板に送信する処理を実行する(ステップS14)。初期化コマンドとして、演出表示装置9に表示される初期図柄を示すコマンドや払出制御基板37への初期化コマンド等を使用することができる。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS15)。
そして、CPU56は、所定時間(例えば4ms)ごとに定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なうタイマ割込設定処理を実行する(ステップS16)。すなわち、初期値として例えば4msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、4msごとに定期的にタイマ割込がかかるとする。
タイマ割込の設定が完了すると、CPU56は、まず、割込禁止状態にして(ステップS17)、初期値用乱数更新処理(ステップS18a)と表示用乱数更新処理(ステップS18b)を実行して、再び割込許可状態にする(ステップS19)。すなわち、CPU56は、初期値用乱数更新処理および表示用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態にして、初期値用乱数更新処理および表示用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態にする。
なお、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、大当りの種類を決定するための判定用乱数(例えば、大当りを発生させる特別図柄を決定するための大当り図柄決定用乱数や、遊技状態を確変状態に移行させるかを決定するための確変決定用乱数、普通図柄にもとづく当りを発生させるか否かを決定するための普通図柄当たり判定用乱数)を発生するためのカウンタ(判定用乱数発生カウンタ)等のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータが、遊技機に設けられている演出表示装置9、可変入賞球装置15、球払出装置97等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、判定用乱数発生カウンタのカウント値が1周すると、そのカウンタに初期値が設定される。
また、表示用乱数とは、特別図柄表示器8の表示を決定するための乱数である。この実施の形態では、表示用乱数として、特別図柄の変動パターンを決定するための変動パターン決定用乱数や、大当りを発生させない場合にリーチとするか否かを決定するためのリーチ判定用乱数が用いられる。また、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。
また、表示用乱数更新処理が実行されるときに割込禁止状態にされるのは、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が後述するタイマ割込処理でも実行される(すなわち、タイマ割込処理のステップS26,S27でも同じ処理が実行される)ことから、タイマ割込処理における処理と競合してしまうのを避けるためである。すなわち、ステップS18a,S18bの処理中にタイマ割込が発生してタイマ割込処理中で初期値用乱数や表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新してしまったのでは、カウント値の連続性が損なわれる場合がある。しかし、ステップS18a,S18bの処理中では割込禁止状態にしておけば、そのような不都合が生ずることはない。
次に、タイマ割込処理について説明する。図5は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。メイン処理の実行中に、具体的には、ステップS17〜S19のループ処理の実行中における割込許可になっている期間において、タイマ割込が発生すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、タイマ割込の発生に応じて起動されるタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、CPU56は、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断処理(電源断検出処理)を実行する(ステップS20)。そして、CPU56は、スイッチ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23等のスイッチの検出信号を入力し、各スイッチの入力を検出する(スイッチ処理:ステップS21)。具体的には、各スイッチの検出信号を入力する入力ポートの状態がオン状態であれば、各スイッチに対応して設けられているスイッチタイマの値を+1する。
次に、CPU56は、特別図柄表示器8、普通図柄表示器10、特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。特別図柄表示器8および普通図柄表示器10については、ステップS36,S37で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
次いで、CPU56は、大入賞口への異常入賞の発生を検出して異常入賞報知を行うための入賞報知処理を実行する(ステップS24)。
次いで、CPU56は、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS25)。また、CPU56は、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理:ステップS26)。さらに、CPU56は、表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(表示用乱数更新処理:ステップS27)。
次いで、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS28)。特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。また、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS29)。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
次いで、CPU56は、特別図柄の変動に同期する演出図柄に関する演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する処理を行う(演出図柄コマンド制御処理:ステップS30)。なお、演出図柄の変動が特別図柄の変動に同期するとは、変動時間(可変表示期間)が同じであることを意味する。
次いで、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される始動口信号、図柄確定回数1信号、図柄確定回数2信号、大当り1〜3信号、時短信号などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS31)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS32)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
また、遊技機の制御状態を遊技機外部で確認できるようにするための試験信号を出力する処理である試験端子処理を実行する(ステップS33)。また、この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポート0のRAM領域におけるソレノイドに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS34:出力処理)。そして、CPU56は、保留記憶数の増減をチェックする記憶処理を実行する(ステップS35)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS36)。さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS37)。
次いで、CPU56は、各状態表示灯の表示を行うための状態表示制御データを状態表示制御データ設定用の出力バッファに設定する状態表示灯表示処理を行う(ステップS38)。この場合、遊技状態が時短状態である場合には、時短状態であることを示す状態表示灯の表示を行うための状態表示制御データを出力バッファに設定する。なお、遊技状態が高確率状態(例えば、確変状態)にも制御される場合には、高確率状態であることを示す状態表示灯の表示を行うための状態表示制御データを出力バッファに設定するようにしてもよい。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS39)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は4ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S39(ステップS31,33を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示態様を、可変表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の可変表示態様という。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示結果を、可変表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の可変表示態様という。
この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rに、演出図柄が揃って停止表示される(ただし、突然確変大当りの場合には、リーチとはならずに突然確変大当り図柄(例えば「135」)が停止表示される場合もある。)
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当りである「5」が停止表示される場合には、演出表示装置9において、演出図柄の可変表示態様が「突然確変大当り」である場合と同様に演出図柄の可変表示が行われた後、所定の小当り図柄(突然確変大当り図柄と同じ図柄。例えば「135」)が停止表示されることがある。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当り図柄である「5」が停止表示されることに対応する演出表示装置9における表示演出を「小当り」の可変表示態様という。
ここで、小当りとは、大当りと比較して大入賞口の開放回数は同じであるものの1回あたりの開放時間が極めて短い(この実施の形態では0.1秒間の開放を15回)当りである。なお、小当り遊技が終了した場合、遊技状態は変化しない。すなわち、確変状態から通常状態に移行したり通常状態から確変状態に移行したりすることはない。また、突然確変大当りとは、大当り遊技状態において大入賞口の開放回数が他の大当りと同じ回数まで許容されるものの1回あたりの開放時間が極めて短い(この実施の形態では0.1秒間の開放を15回)大当りであり、かつ、大当り遊技後の遊技状態を確変状態に移行させるような大当りである(すなわち、そのようにすることにより、遊技者に対して突然に確変状態となったかのように見せるものである)。つまり、この実施の形態では、突然確変大当りと小当りとは、見た目上の大入賞口の開放パターンが同じである。そのように制御することによって、大入賞口の0.1秒間の開放が15回行われると、突然確変大当りであるか小当りであるかまでは認識できないので、遊技者に対して高確率状態(確変状態)を期待させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、この実施の形態では、突然確変大当りや小当りとなった場合に、1回あたりの開放時間を短くするだけで、大入賞口の開放回数は通常大当りや確変大当りと同じである場合を示しているが、さらに、大入賞口の開放回数を通常大当りや確変大当りと比較して少なくしてもよい。例えば、突然確変大当りや小当りとなった場合には、大入賞口を2回だけ開放するように制御してもよい。また、例えば、突然確変大当りや小当りとなった場合に、大入賞口の開放時間は通常大当りや確変大当りと同じであるものの、大入賞口の開放回数を少なく(例えば2回)するようにしてもよい。そのように、突然確変大当りや小当りとなる場合には、通常大当りや確変大当りと比較して、大入賞口の開放回数を少なくしたり、または1回あたりの大入賞口の開放時間を短くしたりすることによって、少なくとも通常大当りや確変大当りと比較して大入賞口への遊技球の入賞数が少なくなるものであればよい。
図6は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1(MR1):大当りの種類(後述する通常大当り、確変大当りA、確変大当りB、突然確変大当り)を決定する(大当り種別判定用)
(2)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)
(3)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)
(4)ランダム4(MR4):普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(5)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)
なお、この実施の形態では、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。
なお、変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴に従ってグループ化したものである。例えば、複数の変動パターンをリーチの種類でグループ化して、ノーマルリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチAを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチBを伴う変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連の再変動の回数でグループ化して、擬似連を伴わない変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動1回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動2回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動3回の変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連や滑り演出などの特定演出の有無でグループ化してもよい。
図5に示された遊技制御処理におけるステップS25では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り種別判定用乱数、および(4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム2、ランダム3)または初期値用乱数(ランダム5)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。なお、大当り判定用乱数として、ハードウェア乱数ではなく、ソフトウェア乱数を用いてもよい。
図7(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、図7(A)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図7(A)の右欄に記載されている各数値が設定されている。図7(A)に記載されている数値が大当り判定値である。
図7(B),(C)は、小当り判定テーブルを示す説明図である。小当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される小当り判定値が設定されているテーブルである。小当り判定テーブルには、第1特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第1特別図柄用)と、第2特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第2特別図柄用)とがある。小当り判定テーブル(第1特別図柄用)には、図7(B)に記載されている各数値が設定され、小当り判定テーブル(第2特別図柄用)には、図7(C)に記載されている各数値が設定されている。また、図7(B),(C)に記載されている数値が小当り判定値である。
なお、第1特別図柄の変動表示を行う場合にのみ小当りと決定するようにし、第2特別図柄の変動表示を行う場合には小当りを設けないようにしてもよい。この場合、図7(C)に示す第2特別図柄用の小当り判定テーブルは設けなくてもよい。この実施の形態では、遊技状態が確変状態に移行されているときには主として第2特別図柄の変動表示が実行される。遊技状態が確変状態に移行されているときにも小当りが発生するようにし、確変となるか否かを煽る演出を行うように構成すると、現在の遊技状態が確変状態であるにもかかわらず却って遊技者に煩わしさを感じさせてしまう。そこで、第2特別図柄の変動表示中は小当りが発生しないように構成すれば、遊技状態が確変状態である場合には小当りが発生しにくくし必要以上に確変に対する煽り演出を行わないようにすることができ、遊技者に煩わしさを感じさせる事態を防止することができる。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図7(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(後述する通常大当り、確変大当りA、確変大当りB、突然確変大当り)にすることに決定する。また、大当り判定用乱数値が図7(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りにすることに決定する。なお、図7(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、図7(B),(C)に示す「確率」は、小当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
なお、この実施の形態では、図7(B),(C)に示すように、小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いる場合には300分の1の割合で小当りと決定されるのに対して、小当り判定テーブル(第2特別図柄)を用いる場合には3000分の1の割合で小当りと決定される場合を説明する。従って、この実施の形態では、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「小当り」と決定される割合が高い。
図7(D),(E)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブル131a,131bを示す説明図である。このうち、図7(D)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131aである。また、図7(E)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131bである。
大当り種別判定テーブル131a,131bは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)にもとづいて、大当りの種別を「通常大当り」、「確変大当りA」、「確変大当りB」、「突然確変大当り」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、この実施の形態では、図7(D),(E)に示すように、大当り種別判定テーブル131aには「突然確変大当り」に対して合計5個の判定値が割り当てられている(40分の5の割合で突然確変大当りと決定される)のに対して、大当り種別判定テーブル131bには「突然確変大当り」に対して1個の判定値が割り当てられている(40分の1の割合で突然確変大当りと決定される)場合を説明する。従って、この実施の形態では、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「突然確変大当り」と決定される割合が高い。言い換えれば、この実施の形態では、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、遊技価値が高い(本例では、1回あたりの大入賞口の開放時間が27秒と長く射幸性が高い)「確変大当りA,B」や「通常大当り」と決定される割合が高い。なお、第1特別図柄用の大当り種別判定テーブル131aにのみ「突然確変大当り」を振り分けるようにし、第2特別図柄用の大当り種別判定テーブル131bには「突然確変大当り」の振り分けを行わない(すなわち、第1特別図柄の変動表示を行う場合にのみ、「突然確変大当り」と決定される場合がある)ようにしてもよい。
この実施の形態では、図7(D),(E)に示すように、大当り種別として、「通常大当り」、「確変大当りA」、「確変大当りB」および「突然確変大当り」がある。なお、この実施の形態では、「確変大当りA」および「確変大当りB」を包括的に表現する場合に、単に「確変大当り」ともいう。
「確変大当り」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態(高確率状態)に移行させる大当りである(この実施の形態では、確変状態に移行されるとともに時短状態にも移行される。後述するステップS167,S168参照)。そして、確変状態に移行した後、次の大当りが発生するまで確変状態が維持される(後述するステップS132参照)。
なお、この実施の形態では、「確変大当り」には、「確変大当りA」および「確変大当りB」の2種類があり、それぞれ大入賞口の開放パターンが異なる。それぞれの大当り種別における開放パターンについては後述する。
また、「通常大当り」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行されず、時短状態にのみ移行される大当りである(後述するステップS169参照)。そして、時短状態に移行した後、特別図柄および演出図柄の変動表示の実行を所定回数(例えば、100回)終了するまで時短状態が維持される(後述するステップS141〜S144参照)。なお、この実施の形態では、時短状態に移行した後、所定回数の変動表示の実行を終了する前に大当りが発生した場合にも、時短状態が終了する(後述するステップS132参照)。
また、「突然確変大当り」とは、「確変大当り」や「通常大当り」と比較して大入賞口の開放回数が15回で同じであるものの、1回あたりの開放時間が0.1秒と短い大当りであり、その大当り遊技の終了後に確変状態(高確率状態)に制御されるとともに時短状態に制御される(後述するステップS167,S168参照)。そして、確変状態に移行した後、次の大当りが発生するまで確変状態が維持される(後述するステップS132参照)。
なお、前述したように、この実施の形態では、「小当り」となった場合にも、大入賞口の開放が0.1秒間ずつ15回行われ、「突然確変大当り」による大当り遊技状態と同様の制御が行われる。そして、「小当り」となった場合には、大入賞口の15回の開放が終了した後、遊技状態は変化せず、「小当り」となる前の遊技状態が維持される(後述するステップS145〜S149参照)。そのようにすることによって、「突然確変大当り」であるか「小当り」であるかを認識できないようにし、遊技の興趣を向上させている。
大当り種別判定テーブル131a,131bには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当りA」、「確変大当りB」、「突然確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。CPU56は、ランダム1の値が大当り種別判定値のいずれかに一致した場合に、大当りの種別を、一致した大当り種別判定値に対応する種別に決定する。
次に、大当り種別ごとの大当りおよび小当りにおける大入賞口の開放パターン(以下、大入賞口開放パターンということがある)を説明する。図8および図9は、大入賞口の開放パターンを示す説明図である。この実施の形態では、大当り遊技状態に制御される場合、大当り種別にかかわらず、大当り遊技中の内部制御上のラウンド数は15ラウンド一定である。しかし、この実施の形態では、大当り種別が通常大当り、確変大当りA,B、突然確変大当りのいずれであるかによって、各ラウンドの大入賞口の開放時間や開放回数が異なっており、ラウンドによっては大入賞口が極めて短い時間(本例では0.1秒間)しか開放されない制御(以下、高速開放制御ともいう)が行われることによって、見た目上のラウンド数が大当り種別によって異なって見える。本実施の形態においては、大当り遊技の一のラウンドにおける大入賞口の開放時間や開放回数のパターンとして、開放パターンA〜Cが設けられている。開放パターンAは、大入賞口を1回27秒間開放状態に制御するパターンであり、開放パターンBは、大入賞口を1回0.1秒間開放状態に制御するパターンである。また、開放パターンCは、大入賞口を0.1秒間開放状態に制御した後に0.1秒間閉鎖状態に制御する動作を15回繰り返し、さらに27秒間開放状態に制御するパターンである。また、小当り遊技における大入賞口の開放時間や開放回数を示すパターンとして、開放パターンDが設けられている。開放パターンDは、大入賞口を0.1秒間開放状態に制御した後に0.1秒間閉鎖状態に制御する動作を14回繰り返した後に0.1秒間開放状態に制御するパターンである。
まず、図8(1)を用いて、突然確変大当りおよび小当りにおける大入賞口の開放パターンを説明する。この実施の形態では、突然確変大当りにもとづく大当り遊技状態に制御される場合、1ラウンドあたり大入賞口を0.1秒間開放状態に制御した後、大入賞口が0.1秒間閉鎖状態に制御される(ただし、大入賞口が閉鎖状態とされる0.1秒間はインターバル期間である)。そして、そのような開放態様のラウンドが15回繰り返されることによって、図8(1)に示すように、大入賞口を0.1秒間開放状態に制御した後に0.1秒間閉鎖状態に制御するという動作が15回連続して繰り返される。すなわち、突然確変大当りにもとづく大当り遊技状態に制御される場合、1〜15ラウンドにて開放パターンBにおける大入賞口の制御がおこなわれることとなる。
また、この実施の形態では、小当り遊技状態に制御される場合、その小当り遊技中において、大入賞口を0.1秒間開放状態に制御した後に0.1秒間閉鎖状態に制御するという動作が15回連続して繰り返される(ただし、突然確変大当りとは異なり、ラウンドという概念はない)。すなわち、小当り遊技状態では、開放パターンDにおける大入賞口の制御がおこなわれることとなる。そのため、突然確変大当りと小当りの場合とでは、図8(1)に示すように、見た目上、全く同様の態様で大入賞口の高速開放制御が行われ、突然確変大当りであるのか小当りであるのかを認識しにくくしている。
次に、図8(2)を用いて、通常大当りおよび確変大当りAにおける大入賞口の開放パターンを説明する。この実施の形態では、通常大当りや確変大当りAにもとづく大当り遊技状態に制御される場合、1ラウンドあたり大入賞口を27秒間開放状態に制御した後、大入賞口が0.1秒間閉鎖状態に制御される(ただし、大入賞口が閉鎖状態とされる0.1秒間はインターバル期間である)。そして、そのような開放態様のラウンドが15回繰り返されることによって、図8(2)に示すように、大入賞口を27秒間開放状態に制御した後に0.1秒間閉鎖状態に制御するという動作が15回連続して繰り返される。すなわち、通常大当りや確変大当りAにもとづく大当り遊技状態に制御される場合、1〜15ラウンドにて開放パターンAにおける大入賞口の制御がおこなわれることとなる。そのため、この実施の形態では、通常大当りや確変大当りAとなった場合には、大入賞口の開放時間が27秒と長く遊技球の入賞が十分に期待できる開放動作が15回連続して実行され、見た目上のラウンド数は内部制御上のラウンド数15回と一致している。
なお、この実施の形態では、通常大当りや確変大当りAとなった場合には、大当り遊技中の各ラウンドにおいて、例えば、ラウンド数表示を行ったり、ラウンドごとに大入賞口への遊技球の入賞数を表示したりするなどの通常用のラウンド中演出が実行される。
次に、図9(3)を用いて、確変大当りBにおける大入賞口の開放パターンを説明する。この実施の形態では、確変大当りBにもとづく大当り遊技状態に制御される場合、まず、ラウンド1において、大入賞口を0.1秒間開放状態に制御した後に0.1秒間閉鎖状態に制御する動作を15回繰り返し、さらに大入賞口を1回27秒間開放状態に制御する。そのような動作態様によって、図9(3)に示すように、ラウンド1において、大入賞口が15回にわたって高速開放制御され、恰も突然確変大当りまたは小当りと同様の態様の開放制御が行われる。また、ラウンド1の15回目の大入賞口の開放を終了した後、大入賞口が0.1秒間閉鎖状態に制御され、さらに、大入賞口を27秒間開放状態に制御した後、大入賞口が0.1秒間閉鎖状態に制御される(ただし、大入賞口が閉鎖状態とされる0.1秒間はインターバル期間である)。すなわち、恰も突然確変大当りまたは小当りから開放時間が長い(遊技球の入賞を期待できる)大当りに発展したかのような制御が行われる。なお、この実施の形態では、確変大当りB中の高速開放制御が行われる期間に関しては、突然確変大当りまたは小当りと同様に高速用のプロセスデータが選択され、突然確変大当りにもとづく大当り遊技中と同様の演出が実行される。
次いで、ラウンド2〜ラウンド15では、1ラウンドあたり大入賞口を27秒間開放状態に制御した後、大入賞口が0.1秒間閉鎖状態に制御される(ただし、大入賞口が閉鎖状態とされる0.1秒間はインターバル期間である)。すなわち、確変大当りBにもとづく大当り遊技状態に制御される場合、1ラウンドでは開放パターンCにおける大入賞口の制御がおこなわれ、ラウンド2〜ラウンド15では開放パターンAにおける大入賞口の制御がおこなわれこととなる。
以上の制御が行われることによって、確変大当りBとなった場合には、遊技球の入賞があまり期待できない高速開放制御を行って恰も突然確変大当りまたは小当りであるかのように見せておいてから、大入賞口の開放時間が27秒と長く遊技球の入賞が十分に期待できる開放動作が15回連続して実行される。そのため、確変大当りBとなった場合には、恰も突然確変大当りまたは小当りであるかのように見せておいてから、内部制御上のラウンド数と同じ15ラウンドの大当りに発展したかのように見せている。また、確変大当りBとなった場合には、恰も突然確変大当りまたは小当りであるかのように見せておいてから、内部制御上のラウンド数と同じ15ラウンドの大当りに発展したかのように見せる演出をおこなうこととする。具体的には、突然確変大当り、小当りおよび確変大当りBのいずれの場合であっても、大入賞口を15回開放するまで共通の演出を実行するとともに、大入賞口を15回開放したときに(この場合、突然確変大当りの場合には15ラウンド全てを終了し、確変大当りBの場合には未消化のラウンドが残っていることになる)、大当りがさらに継続するか否かを煽るような態様の演出(いわゆるランクアップボーナス演出)を実行する。そして、突然確変大当りの場合には内部的に15ラウンド全てを終了していることから大当り遊技を終了し、確変大当りBの場合には内部的に未消化のラウンドが残っていることから、大当り遊技が継続する(恰も15回開放の大当りを終了した後にさらにボーナスで大入賞口の開放が追加で始まったような演出)ようにする。なお、大当りがさらに継続するか否かを煽る演出については、実行しないものであってもよい。また、同じ種別の大当りであっても、遊技状態や遊技者からの操作の有無などの条件によって、大当りがさらに継続するか否かを煽る演出を実行する場合と実行しない場合とを有することとしてもよい。
なお、本実施の形態では、確変大当りBのラウンド1における最終閉鎖状態(すなわち、15回目の閉鎖状態であり、27秒の開放状態の直前の閉鎖状態。)における閉鎖時間(以下「最終閉鎖時間」という)を0.1秒とするが、0.1秒よりも長い時間を設定することとしてもよい。そして、0.1秒よりも長い最終閉鎖状態において、突然確変大当りでなく確変大当りBが発生したことを報知するためのランクアップ報知演出をおこなうこととしてもよい。また、最終閉鎖時間として突然確変大当りまたは小当りにおけるエンディング時間と略同じ時間を設定し、突然確変大当りにおけるエンディング演出と同様の演出をおこなうことにより恰も突然確変大当りまたは小当りが発生したかのような挙動を示すこととしてもよい。また、更に、最終閉鎖時間として突然確変大当りにおけるエンディング時間よりも長い時間を設定し、突然確変大当りにおけるエンディング演出とランクアップ報知演出とを最終閉鎖状態においておこなうこととしてもよい。
図10〜図12は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図10〜図12に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置9において可変表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C06(H)は、大当りとするか否か、小当りとするか否か、および大当り種別を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C06(H)の受信に応じて演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C06(H)を表示結果指定コマンドという。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の可変表示を開始するのか第2特別図柄の可変表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド8F00(H)は、第4図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、第4図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001〜A003(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。大当り開始指定コマンドには、大当りの種類に応じた大当り開始1指定コマンド、大当り開始指定2指定コマンドおよび小当り/突確/確変大当りB開始指定コマンドがある。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、突然確変大当りである場合に突然確変大当り開始指定用のファンファーレ指定コマンドを送信するものの、小当りである場合にはファンファーレ指定コマンドを送信しないように構成してもよい。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)/開放パターンの大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。なお、大入賞口開放中指定コマンドは、内部制御上のラウンド数(見た目上のラウンド数ではない)および開放パターンを示す値がEXTデータにセットされて演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大入賞口開放中指定コマンドのEXTデータを確認すれば、大当り遊技中の何ラウンドを、どの開放パターンにて開始する場合であるかを認識することができる。
ここで、コマンドA1XX(H)の詳細について、図11を用いて説明する。図11に示すように、EXTデータとして「01(H)」〜「0F(H)」のいずれかがセットされている演出制御コマンド(大入賞口開放中A指定コマンド)である場合、大当り遊技の所定のラウンドを開放パターンAにて開始することを認識することができる。例えば、EXTデータとして「01(H)」がセットされていれば、大当り遊技のラウンド1を開放パターンAにて開始することを認識することができる。
また、図11に示すように、EXTデータとして「11(H)」〜「1F(H)」のいずれかがセットされている演出制御コマンド(大入賞口開放中B指定コマンド)である場合、大当り遊技の所定のラウンドを開放パターンBにて開始することを認識することができる。例えば、EXTデータとして「17(H)」がセットされていれば、大当り遊技のラウンド7を開放パターンBにて開始することを認識することができる。
また、図11に示すように、EXTデータとして「21(H)」がセットされている演出制御コマンド(大入賞口開放中C指定コマンド)である場合、大当り遊技のラウンド1を開放パターンCにて開始することを認識することができる。なお、本実施の形態において、開放パターンCにおける大入賞口の制御は、確変大当りBにおけるラウンド1でのみ発生することであるため、大入賞口開放中C指定コマンドは1種類のみ設けてある。
A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。なお、大入賞口開放後指定コマンドは、内部制御上のラウンド数(見た目上のラウンド数ではない)を示す値がEXTデータにセットされて演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大入賞口開放後指定コマンドのEXTデータを確認すれば、大当り遊技中の何ラウンドを終了する場合であるかを認識することができる。例えば、EXTデータとして「01(H)」がセットされていれば、大当り遊技のラウンド1の終了であることを認識することができ、EXTデータとして「07(H)」がセットされていれば、大当り遊技のラウンド7の終了であることを認識することができる。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、通常大当りであったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了1指定コマンド:エンディング1指定コマンド)である。コマンドA302(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、確変大当りであったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了2指定コマンド:エンディング2指定コマンド)である。コマンドA303(H)は、小当りの遊技の終了または突然確変大当りの遊技の終了を指定する演出制御コマンド(小当り/突然確変大当り終了指定コマンド:エンディング3指定コマンド)である。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、突然大当りである場合に突然確変大当り終了指定用のエンディング指定コマンドを送信するものの、小当りである場合にはエンディング指定コマンドを送信しないように構成してもよい。
コマンドA4XX(H)は、XXで示す開放パターンの普通電動役物開放中の表示を示す演出制御コマンド(普通電動役物開放中指定コマンド)である。なお、普通電動役物開放中指定コマンドは、開放パターンを示す値がEXTデータにセットされて演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、普通電動役物開放中指定コマンドのEXTデータを確認すれば、普通電動役物(可変入賞球装置15)をどの開放パターンにて開始する場合であるかを認識することができる。具体的には、普通電動役物開放パターンAにおける開放時には、普通電動役物開放中A指定コマンドが送信され、普通電動役物開放パターンBにおける開放時には、普通電動役物開放B指定コマンドが送信される。各普通電動役物開放パターンの詳細については、図38に後述する。
A500(H)は、普通電動役物閉鎖を示す演出制御コマンド(普通電動役物開放後指定コマンド)である。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、普通電動役物開放後指定コマンドのEXTデータを確認すれば、普通電動役物の開放制御を終了することを認識することができる。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(通常状態背景指定コマンド)である。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短状態(確変状態を含まない)であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(時短状態背景指定コマンド)である。コマンドB002(H)は、遊技状態が確変状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(確変状態背景指定コマンド)である。
コマンドC000(H)は、第1保留記憶数が1増加したことを指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンド)である。コマンドC100(H)は、第2保留記憶数が1増加したことを指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数加算指定コマンド)である。コマンドC200(H)は、第1保留記憶数が1減少したことを指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンド)である。コマンドC300(H)は、第2保留記憶数が1減少したことを指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数減算指定コマンド)である。
なお、この実施の形態では、第1保留記憶数と第2保留記憶数とについて、それぞれ保留記憶数が増加または減少したことを示す演出制御コマンドを送信する場合を示しているが、保留記憶数そのものを指定する演出制御コマンドを送信するようにしてもよい。この場合、例えば、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とのいずれに始動入賞したかを指定する演出制御コマンドを送信するとともに、保留記憶数を指定する保留記憶数指定コマンドとして第1保留記憶数と第2保留記憶数とで共通の演出制御コマンドを送信するようにしてもよい。
また、例えば、第1保留記憶数を指定する場合と第2保留記憶数を指定する場合とで別々の演出制御コマンド(保留記憶数指定コマンド)を送信するようにしてもよい。この場合、例えば、保留記憶数指定コマンドとして、MODEデータとして第1保留記憶数または第2保留記憶数を特定可能な値(例えば、第1保留記憶数を指定する場合には「C0(H)」、第2保留記憶数を指定する場合には「C1(H)」)を含むとともに、EXTデータとして保留記憶数の値を設定した演出制御コマンドを送信するようにしてもよい。
また、例えば、同じ第1保留記憶数を指定する場合であれば、MODEデータを共通として、EXTデータを異ならせることによって、第1保留記憶数の加算または減算を指定した演出制御コマンドを送信するようにしてもよい。例えば、共通のMODEデータ「C0(H)」を用い、第1保留記憶数の減算を指定する場合にはコマンドC000(H)を送信するようにし、第1保留記憶数の加算を指定する場合にはコマンドC001(H)を送信するようにしてもよい。さらに、第2保留記憶数を指定する場合にはMODEデータを異ならせて、第2保留記憶数の減算を指定する場合にはコマンドC100(H)を送信するようにし、第2保留記憶数の加算を指定する場合にはコマンドC101(H)を送信するようにしてもよい。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図10〜図12に示された内容に応じて演出表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞があり第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて特別図柄の可変表示が開始される度に、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は大入賞口開放中指定コマンドを除いて「0」に設定される。大入賞口開放中指定コマンドにおけるEXTデータの先頭ビット(ビット7)は、「0」〜「2」のいずれかに設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
なお、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取込を指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。
図10〜図12に示す例では、変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)と第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)とで共通に使用でき、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示に伴って演出を行う演出表示装置9などの演出用部品を制御する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
図13は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13a、または第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち、第1始動入賞口13への始動入賞または第2始動入賞口14への始動入賞が発生していたら、始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS311,S312)。そして、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。第1始動入賞口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aがオンしていなければ、内部状態に応じて、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS300〜S310の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行い、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において第4図柄が停止されるように制御する。
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。大当りフラグがセットされている場合に、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値が4となったことにもとづいて、後述するように、特別図柄表示制御処理において特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データが特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定され(図32参照)、ステップS22の表示制御処理において出力バッファの設定内容に応じて実際に特別図柄の停止図柄が停止表示される。
大入賞口開放前処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306Aに対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(ステップS306A):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立した場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306Bに対応した値(この例では11)に更新する。
大入賞口開放後処理(ステップS306B):特別図柄プロセスフラグの値が11であるときに実行される。全てのラウンドを終了したか否かを判定し、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグや時短フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
小当り開放前処理(ステップS308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS309に対応した値(この例では9)に更新する。なお、小当り開放前処理は小当り遊技中の大入賞口の開放毎に実行されるが、小当り遊技中の最初の開放を開始する場合には、小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
小当り開放中処理(ステップS309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ大入賞口の開放回数が残っている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。また、全ての開放を終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS310に対応した値(この例では10)に更新する。
小当り終了処理(ステップS310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図14は、ステップS312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、まず、第1始動口スイッチ13aがオン状態であるか否かを確認する(ステップS211)。第1始動口スイッチ13aがオン状態でなければ、ステップS217に移行する。第1始動口スイッチ13aがオン状態であれば、CPU56は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(ステップS212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、ステップS217に移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS213)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS214)。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図15参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS215)。なお、ステップS215の処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)や変動パターン判定用乱数(ランダム3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を生成するための変動パターン種別判定用乱数カウンタから値を直接抽出したり、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出したりするようにしてもよい。
図15は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留バッファ)の構成例を示す説明図である。図15に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。この実施の形態では、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。
そして、CPU56は、第1保留記憶数加算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS216)。
次いで、CPU56は、第2始動口スイッチ14aがオン状態であるか否かを確認する(ステップS217)。第2始動口スイッチ14aがオン状態でなければ、そのまま処理を終了する。第2始動口スイッチ14aがオン状態であれば、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(ステップS218)。第2保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS219)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS220)。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファ(図15参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS221)。なお、ステップS221の処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第2特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
そして、CPU56は、第2保留記憶数加算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS222)。
図16および図17は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、合算保留記憶数の値を確認する(ステップS51)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば、まだ客待ちデモ指定コマンドを送信していなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して客待ちデモ指定コマンドを送信する制御を行い(ステップS51A)、処理を終了する。なお、例えば、CPU56は、ステップS51Aで客待ちデモ指定コマンドを送信すると、客待ちデモ指定コマンドを送信したことを示す客待ちデモ指定コマンド送信済フラグをセットする。そして、客待ちデモ指定コマンドを送信した後に次回のタイマ割込以降の特別図柄通常処理を実行する場合には、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグがセットされていることにもとづいて重ねて客待ちデモ指定コマンドを送信しないように制御すればよい。また、この場合、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグは、次回の特別図柄の変動表示が開始されるときにリセットされるようにすればよい。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU56は、第2保留記憶数が0であるか否かを確認する(ステップS52)。具体的には、第2保留記憶数カウンタの値が0であるか否かを確認する。第2保留記憶数が0でなければ、CPU56は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(ステップS53)。第2保留記憶数が0であれば(すなわち、第1保留記憶数のみが溜まっている場合)には、CPU66は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(ステップS54)。
この実施の形態では、ステップS52〜S54の処理が実行されることによって、第1特別図柄の変動表示に対して、第2特別図柄の変動表示が優先して実行される。言い換えれば、第2特別図柄の変動表示を開始させるための第2の開始条件が第1特別図柄の変動表示を開始させるための第1の開始条件に優先して成立するように制御される。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶数バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶数バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶数バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
そして、CPU56は、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(ステップS58)。なお、CPU56は、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM55の所定の領域に保存する。
また、CPU56は、現在の遊技状態に応じて背景指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS60)。この場合、CPU56は、確変状態であることを示す確変フラグがセットされている場合には、確変状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、確変フラグがセットされておらず、時短状態であることを示す時短フラグがセットされている場合には、時短状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、確変フラグおよび時短フラグのいずれもセットされていなければ、通常状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。
なお、この実施の形態では、変動ごとに背景指定コマンドを毎回送信する場合を示しているが、例えば、変動開始時に前回の変動時から遊技状態が変化したか否かを判定するようにし、遊技状態が変化した場合にのみ変化後の遊技状態に応じた背景指定コマンドを送信するようにしてもよい。そのように構成すれば、背景指定コマンドの送信回数を低減することができ、遊技制御用マイクロコンピュータ560の処理負担を軽減することができる。
なお、具体的には、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する際に、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出図柄コマンド制御処理(ステップS30)において演出制御コマンドを送信する。なお、この実施の形態では、特別図柄の変動を開始するときに、タイマ割込ごとに、背景指定コマンド、変動パターンコマンド、表示結果指定コマンド、保留記憶数減算指定コマンドの順に演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されることになる。具体的には、特別図柄の変動を開始するときに、まず、背景指定コマンドが送信され、4ms経過後に変動パターンコマンドが送信され、さらに4ms経過後に表示結果指定コマンドが送信され、さらに4ms経過後に保留記憶数減算指定コマンドが送信される。なお、特別図柄の変動を開始するときにはさらに図柄変動指定コマンド(第1図柄変動指定コマンド、第2図柄変動指定コマンド)も送信されるが、図柄変動指定コマンドは、変動パターンコマンドと同じタイマ割込において演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信される。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、ステップS300〜S310の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読み出し、大当り判定モジュールを実行する。なお、この場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のステップS215,S221で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り判定用乱数を読み出し、大当り判定を行う。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値や小当り判定値(図7参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りや小当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定や小当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率状態)の場合は、遊技状態が非確変状態(通常遊技状態および時短状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、あらかじめ大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図7(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図7(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行い、遊技状態が通常遊技状態や時短状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図7(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(ステップS61)、ステップS71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行われる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的には、確変大当りまたは突然確変大当りとすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、大当りと決定されたときに特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(ステップS61のN)、CPU56は、小当り判定テーブル(図7(B),(C)参照)を使用して小当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図7(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りとすることに決定する。この場合、CPU56は、特別図柄ポインタが示すデータを確認し、特別図柄ポインタが示すデータが「第1」である場合には、図7(B)に示す小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。また、特別図柄ポインタが示すデータが「第2」である場合には、図7(C)に示す小当り判定テーブル(第2特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。そして、小当りとすることに決定した場合には(ステップS62)、CPU56は、小当りであることを示す小当りフラグをセットし(ステップS63)、ステップS75に移行する。
なお、ランダムRの値が大当り判定値および小当り判定値のいずれにも一致しない場合には(ステップS62のN)、すなわち、はずれである場合には、そのままステップS75に移行する。
ステップS71では、CPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、特別図柄ポインタが示す方の大当り種別判定テーブルを選択する(ステップS72)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図7(D)に示す第1特別図柄用の大当り種別判定用テーブル131aを選択する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、図7(E)に示す第2特別図柄用の大当り種別判定用テーブル131bを選択する。
次いで、CPU56は、選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した種別(「通常大当り」、「確変大当りA」、「確変大当りB」、「突然確変大当り」)を大当りの種別に決定する(ステップS73)。なお、この場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のステップS215,S221で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り種別判定用乱数を読み出し、大当り種別の決定を行う。また、この場合に、図7(D),(E)に示すように、第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、突然確変大当りが選択される割合が高い。言い換えれば、第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、第1特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、遊技価値の高い(1回あたりの大入賞口の開放時間が27秒と長く射幸性が高い)通常大当りや確変大当りが選択される割合が高い。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに設定する(ステップS74)。例えば、大当り種別が「通常大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「01」が設定され、大当り種別が「確変大当りA」の場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定され、大当り種別が「確変大当りB」の場合には大当り種別を示すデータとして「03」が設定され、大当り種別が「突然確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「08」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を決定する(ステップS75)。具体的には、大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「1」、「2」、「4」、「7」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。すなわち、「通常大当り」に決定した場合には「2」を特別図柄の停止図柄に決定し、「確変大当りA」に決定した場合には「7」を特別図柄の停止図柄に決定し、「確変大当りB」に決定した場合には「4」を特別図柄の停止図柄に決定し、大当り種別を「突然確変大当り」に決定した場合には「1」を特別図柄の停止図柄に決定する。また、小当りフラグがセットされている場合には、小当り図柄となる「5」を特別図柄の停止図柄に決定する。
なお、この実施の形態では、まず大当り種別を決定し、決定した大当り種別に対応する特別図柄の停止図柄を決定する場合を示したが、大当り種別および特別図柄の停止図柄の決定方法は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、あらかじめ特別図柄の停止図柄と大当り種別とを対応付けたテーブルを用意しておき、大当り種別決定用乱数にもとづいてまず特別図柄の停止図柄を決定すると、その決定結果にもとづいて対応する大当り種別も決定されるように構成してもよい。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS76)。
図18は、表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)を示すフローチャートである。表示結果指定コマンド送信処理において、CPU56は、決定されている大当りの種類、小当り、はずれに応じて、表示結果1指定〜表示結果6指定のいずれかの演出制御コマンド(図10参照)を送信する制御を行う。具体的には、CPU56は、まず、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS101)。セットされていない場合には、ステップS107に移行する。
大当りフラグがセットされている場合、大当りの種別が確変大当りAまたはBであるときには、確変大当りAまたはBのいずれであるかに応じて、表示結果3指定コマンドまたは表示結果4指定コマンドのいずれかを送信する制御を行う(ステップS102,S103)。なお、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータを確認し、大当り種別バッファに「02」が設定されていれば確変大当りAを指定する表示結果3指定コマンドを送信し、大当り種別バッファに「03」が設定されていれば確変大当りBを指定する表示結果4指定コマンドを送信する。
また、CPU56は、大当りの種別が突然確変大当りであるときには、表示結果5指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS104,S105)。なお、突然確変大当りであるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「08」であるか否かを確認することによって判定できる。
そして、確変大当りA,Bおよび突然確変大当りのいずれでもないときには(すなわち、通常大当りであるときには)、CPU56は、表示結果2指定コマンドを送信する制御を行う(ステップSS106)。
一方、CPU56は、大当りフラグがセットされていないときには(ステップS101のN)、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS107)。小当りフラグがセットされていれば、CPU56は、表示結果6指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS108)。小当りフラグもセットされていないときは(ステップS107のN)、すなわち、はずれである場合には、CPU56は、表示結果1指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS109)。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS303)に対応した値に更新する(ステップS110)。
図19は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS131)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、セットされていれば、確変状態であることを示す確変フラグ、および時短状態であることを示す時短フラグをリセットする(ステップS132)。なお、セットされていれば、時短回数カウンタもリセットする。
次いで、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS133)。具体的には、大当りの種別が通常大当りである場合には大当り開始1指定コマンドを送信する。大当りの種別が確変大当りAである場合には大当り開始2指定コマンドを送信する。大当りの種別が確変大当りBまたは突然確変大当りである場合には小当り/突確/確変大当りB開始指定コマンドを送信する。なお、大当りの種別が通常大当り、確変大当りA,Bまたは突然確変大当りのいずれであるかは、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータ(大当り種別バッファに記憶されているデータ)にもとづいて判定される。
また、CPU56は、大入賞口開放前タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS134)。なお、大入賞口開放前タイマは、大当り遊技や小当り遊技中に大入賞口を開放するまでの時間を計測するためのタイマである。具体的には、大当り遊技の開始時には、ステップS134において、変動表示を停止してから第1ラウンドが開始されるまでに要する時間(演出制御用マイクロコンピュータ100側で変動表示を停止し大当り図柄を停止表示してから第1ラウンドが開始されるまでのファンファーレ演出を行う時間に相当)が大入賞口開放前タイマに設定される。
また、CPU56は、大当り遊技中のラウンド数をカウントするためのラウンド数カウンタに0をセットする(ステップS136)。本実施の形態において、このラウンド数カウンタは、各ラウンドを開始する際に1ずつ加算されることとなる。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS137)。
また、ステップS131で大当りフラグがセットされていなければ、CPU56は、時短状態における特別図柄の変動回数をカウントするための時短回数カウンタの値が0となっているか否かを確認する(ステップS141)。時短回数カウンタの値が0でなければ(この場合、通常大当りとなったことにもとづいて時短状態に制御されるとともに時短回数カウンタがセットされている場合である)、CPU56は、時短回数カウンタの値を−1する(ステップS142)。そして、CPU56は、減算後の時短回数カウンタの値が0になった場合には(ステップS143)、時短フラグをリセットする(ステップS144)。
次いで、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS145)。小当りフラグがセットされていれば、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に小当り/突確/確変大当りB開始指定コマンドを送信する(ステップS146)。また、大入賞口開放前タイマに小当り表示時間(小当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS147)。なお、小当りとなる場合には、小当り遊技の開始時に、ステップS147において、変動表示を停止してから小当り遊技が開始されるまでに要する時間が大入賞口開放前タイマに設定される。また、小当り遊技中においては、大入賞口の各開放間のインターバル時間が大入賞口開放前タイマに設定される。
なお、この実施の形態では、既に説明したように、突然確変大当りと小当りの場合とでは、見た目上、全く同様の態様で大入賞口の高速開放制御が行われ(図8(1)参照)、突然確変大当りであるのか小当りであるのかを認識しにくくしている。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開始前処理(ステップS308)に対応した値に更新する(ステップS149)。
小当りフラグもセットされていなければ(ステップS145のN)、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS150)。
図20は、大当り遊技における各ラウンドの前に実行される大入賞口開放前処理(ステップS305)を示すフローチャートである。大入賞口開放前処理において、CPU56は、ラウンド数カウンタの値が0であるか否かを判定する(ステップS1400)。ここで、ラウンド数カウンタの値が0であるとは、すなわち、1ラウンドであるということである。ラウンド数カウンタの値が0でない場合、すなわち、1ラウンドでない場合はステップS1403へ移行する。ラウンド数カウンタの値が0である場合、すなわち、1ラウンドである場合、CPU56は、大入賞口開放前タイマの値を−1する(ステップS1401)。大入賞口開放前タイマがタイムアウト(大入賞口開放前タイマの値が0)したら(ステップS1402)、CPU56は、入賞個数カウンタを初期化する(ステップS1403)。すなわち、入賞個数カウンタの値を0にする。
次いで、CPU56は、ラウンドおよび大当り種別に応じた大入賞口開放パターンテーブルを選択する(ステップS1404)。大入賞口開放パターンテーブルとは、開放パターン毎の大入賞口の開放制御および閉鎖制御の所要時間が含まれるテーブルである。ここで選択された大入賞口開放パターンテーブルは、後述する時間データ展開処理において用いられる。また、ステップS1404では、図21に示す開放パターンテーブル指定テーブルを用いて、大入賞口開放パターンテーブルを選択する。
図21は、開放パターンテーブル指定テーブルを示す説明図である。図21(A)〜(C)に示す各開放パターンテーブル指定テーブルは、大当り種別毎のラウンド数に応じた開放パターンを示している。また、図21(D)に示す開放パターンテーブル指定テーブルは、小当りにおける開放パターンを示している。
図21(A)に示す開放パターンテーブル指定テーブルは、通常大当り/確変大当りA用の開放パターンテーブル指定テーブルである。具体的に、通常大当り/確変大当りA用の開放パターンテーブル指定テーブルでは、開始するラウンドが1〜15ラウンドである場合の開放パターンとして開放パターンAが対応付けられている。
図21(B)に示す開放パターンテーブル指定テーブルは、確変大当りB用の開放パターンテーブル指定テーブルである。具体的に、確変大当りB用の開放パターンテーブル指定テーブルでは、開始するラウンドが1ラウンドである場合の開放パターンとして開放パターンCが、開始するラウンドが2〜15ラウンドである場合の開放パターンとして開放パターンAが、それぞれ対応付けられている。
図21(C)に示す開放パターンテーブル指定テーブルは、突然確変大当り用の開放パターンテーブル指定テーブルである。具体的に、突然確変大当り用の開放パターンテーブル指定テーブルでは、開始するラウンドが1〜15ラウンドである場合の開放パターンとして開放パターンBが対応付けられている。
図21(D)に示す開放パターンテーブル指定テーブルは、小当り用の開放パターンテーブル指定テーブルである。なお、小当りにおいてはラウンドという概念がないため、ラウンド数の欄には「−」が記されている。具体的に、小当り用の開放パターンテーブル指定テーブルでは、開放パターンとして開放パターンDが対応付けられている。
具体的に、ステップS1404では、まず、大当り種別に応じていずれかの開放パターンテーブル指定テーブルを選択し、選択した開放パターンテーブル指定テーブルを用いて、開放パターンA〜Cのうちいずれかを選択する。例えば、大当り遊技の1ラウンドにおいては、選択した開放パターンテーブル指定テーブルに対するラウンドカウント用のポインタの値を1とする(このとき、ポインタは1ラウンドに対応したデータを指すことになる)とともに、各ラウンドが終了する毎に該ポインタを1ずつ加算し、各ラウンド開始時に該ポインタの指す開放パターンに応じた大入賞口開放パターンテーブルを選択することにより、大当り種別および開始するラウンドに応じた大入賞口開放パターンテーブルを選択可能としている。
ここで、図22〜24を用いて、大入賞口開放パターンテーブルについて説明する。図22〜図24は、大入賞口開放パターンテーブルを示す説明図である。図22〜図24に示す大入賞口開放パターンテーブルには、開放時間、閉鎖時間および終了コードが含まれている。開放時間は、大入賞口を開放状態に制御する時間の長さである。閉鎖時間は、大入賞口を閉鎖状態に制御する時間の長さである。終了コードは、ラウンド毎の合計時間の算出時に、加算を終了することを示すデータである。
図22(1)に示す大入賞口開放パターンテーブルは、開放パターンA用の大入賞口開放パターンテーブルである。図示するように、開放パターンA用の大入賞口開放パターンテーブルには、上から、開放時間27秒、終了コードが記されている。
図22(2)に示す大入賞口開放パターンテーブルは、開放パターンB用の大入賞口開放パターンテーブルである。図示するように、開放パターンB用の大入賞口開放パターンテーブルには、上から、開放時間0.1秒、終了コードが記されている。
図23に示す大入賞口開放パターンテーブルは、開放パターンC用の大入賞口開放パターンテーブルである。図示するように、開放パターンC用の大入賞口開放パターンテーブルには、上から、開放時間0.1秒および閉鎖時間0.1秒が交互に15行ずつ記され、更に開放時間27秒、終了コードが記されている。ステップS1404では、これらの大入賞口開放パターンテーブルのうちいずれかが選択される。なお、図23の例では1種類の長さの閉鎖時間を設けることとしたが、複数種類の長さの閉鎖時間を設けることとしてもよい。また、図23の例では複数種類の長さの開放時間を設けることとしたが、1種類の長さの開放時間を設けることとしてもよい。
図24に示す大入賞口開放パターンテーブルは、開放パターンDの大入賞口開放パターンテーブルである。図示するように、開放パターンC用の大入賞口開放パターンテーブルには、上から、開放時間0.1秒および閉鎖時間0.1秒が交互に15行ずつ記載され、最後に終了コードが記されている。この開放パターンDの大入賞口開放パターンテーブルは、後述する小当り開放前処理において選択される開放パターンテーブルである。
ステップS1404の後、選択した大入賞口開放パターンテーブルを用いて、時間データ展開処理をおこなう(ステップS1405)。ここで、図25を用いて、時間データ展開処理について説明する。
図25は、時間データ展開処理を示すフローチャートである。時間データ展開処理は、大当り遊技におけるラウンド中の大入賞口の開放時間および閉鎖時間の合計時間、または普通図柄が当りである場合における可変入賞球装置15の開放時間および閉鎖時間の合計時間を、算出する処理である。時間データ展開処理において、CPU56は、時間データ展開処理における演算結果である演算値Aを初期化して0とする(ステップS2501)。そして、時間データ展開処理の直前に選択した開放パターンテーブル(大入賞口開放パターンテーブル、または後述する普通電動役物開放パターンテーブル)のポインタの値を1とする(ステップS2502)。
そして、ポインタが指すデータが終了コードであるか否かを判定する(ステップS2503)。ポインタが指すデータが終了コードでない場合、ポインタが指す開放時間または閉鎖時間(以下、開放時間および閉鎖時間を「開閉時間」と総称することがある)を演算値Aに加算し(ステップS2504)、ポインタを1加算し(ステップS2505)、ステップS2503へ移行する。そして、ステップS2503において、ポインタが指すデータが終了コードであると判定するまで、ステップS2504およびS2505を繰り返しおこなう。これにより、大当り遊技におけるラウンド中の大入賞口の開放時間および閉鎖時間の合計時間、または普通図柄が当りである場合における可変入賞球装置15の開放時間および閉鎖時間の合計時間が、演算値Aとして算出されることとなる。
なお、選択された開放パターンが、開放パターンA用の大入賞口開放パターンテーブルであれば演算値Aとして27秒が、開放パターンB用の大入賞口開放パターンテーブルであれば演算値Aとして0.1秒が、開放パターンC用の大入賞口開放パターンテーブルであれば演算値Aとして30秒が、それぞれ算出される。また、選択された開放パターンが、開放パターンD用の大入賞口開放パターンテーブルであれば演算値Aとして2.9秒が算出される。また、詳細は後述するが、選択された開放パターンが、普通電動役物開放パターンテーブルAであれば演算値Aとして7秒が、普通電動役物開放パターンテーブルBであれば演算値Aとして3秒が算出される。
ステップS1405の後、CPU56は、ステップS1405の演算結果である演算値Aの値を合計時間タイマにセットする(ステップS1406)。合計時間タイマは、大入賞口の開閉制御を終了するまでの期間を示すタイマである。すなわち、合計時間タイマがタイムアウトすることを契機に大入賞口の開閉制御が終了される。その後、CPU56は、ラウンド数カウンタを1加算し(ステップS1407)、ポインタの値を1とし(ステップS1408)、ポインタが指す大入賞口開放パターンテーブルの開放時間を読み出して、開閉時間タイマにセットする(ステップS1409)。
次いで、CPU56は、大入賞口(役物)を開放状態に制御する(ステップS1410)。具体的には、ソレノイド21を駆動して開閉板を開状態にする。また、CPU56は、演算値Aにもとづいて、演出制御用マイクロコンピュータ100に大入賞口開放中指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS1411)。例えば、演算値Aが27秒であれば大入賞口開放中A指定コマンドを送信し、演算値Aが0.1秒であれば大入賞口開放中B指定コマンドを送信し、演算値Aが30秒であれば大入賞口開放中C指定コマンドを送信する。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、大入賞口開放中処理(ステップS306A)に対応した値に更新する(ステップS1412)。
図26は、大入賞口開放中処理(ステップS306A)を示すフローチャートである。大入賞口開放中処理において、CPU56は、まず、合計時間タイマを−1する(ステップS1451)。そして、合計時間タイマがタイムアウトしたか否か、すなわち、合計時間タイマが0になったか否かを判定し(ステップS1452)、タイムアウトした場合にはステップS1463へ移行する。
タイムアウトしていない場合、カウントスイッチ23からの検出信号を入力したか否かを確認する(ステップS1453)。カウントスイッチ23がオンしたら、すなわち大入賞口に入賞した遊技球を検出したら(ステップS1453のY)、入賞個数カウンタの値を+1する(ステップS1454)。そして、CPU56は、加算後の入賞個数カウンタの値が10になった場合には(ステップS1455)、ステップS1463に移行する。
入賞個数カウンタの値が10未満であれば、CPU56は、開閉時間タイマを1減算し(ステップS1456)、開閉時間タイマがタイムアウトしたか否かを確認する(ステップS1457)。開閉時間タイマがタイムアウトしていなければ、そのまま処理を終了する。開閉時間タイマがタイムアウトしていれば、CPU56は、ポインタを1加算し(ステップS1458)、大入賞口が開放中であるか否かを確認する(ステップS1459)。ここでは、例えば、大入賞口を開放状態に制御する際に大入賞口開放中フラグをオンにし、閉鎖状態に制御する際に大入賞口開放中フラグをオフにするように構成すれば、大入賞口開放中フラグがオンであるか否かを判定することにより、大入賞口が開放状態であるか否かを判定することが可能である。また、大入賞口の位置を確認することにより、大入賞口が開放状態であるか否かを判定することとしてもよい。
大入賞口が開放中であれば、大入賞口を閉鎖状態に制御する(ステップS1460)。具体的には、ソレノイド21の駆動を停止して開閉板を閉鎖状態にする。ステップS1459において、大入賞口が開放中でなければ、すなわち、閉鎖中であれば、大入賞口を開放状態に制御する(ステップS1461)。ステップS1460,S1461の後、CPU56は、ポインタが指す開放パターンデータ中の開閉時間を読み出して、開閉時間タイマにセットし(ステップS1462)、処理を終了する。このように、ステップS1453〜S1462の処理を、合計時間タイマがタイムアウトするまで繰り返しておこなうことにより、一のラウンド中に大入賞口の開閉制御を複数回おこなうことができるようになっている。
ステップS1463では、CPU56は、開放後タイマをセットする(ステップS1463)。開閉後タイマは、各ラウンド間のインターバル時間(演出制御用マイクロコンピュータ100側でラウンド間のインターバル演出を行う時間に装置)を計測するタイマであり、ここでは相当0.1秒が設定される。
次いで、CPU56は、現在のラウンド数カウンタの値をEXTデータにセットして、演出制御用マイクロコンピュータ100に大入賞口開放後指定コマンドを送信する制御をおこなう(ステップS1464)。そして、大入賞口を閉鎖状態に制御し(ステップS1465)、特別図柄プロセスフラグの値を、大入賞口開放後処理(ステップS306B)に対応した値に更新する(ステップS1466)。
図27は、大入賞口開放後処理(ステップS306B)を示すフローチャートである。大入賞口開放後処理において、CPU56は、まず、開放後タイマを−1する(ステップS1481)。そして、開放後タイマがタイムアウトしたか否か、すなわち、開放後タイマが0になったか否かを判定し(ステップS1482)、タイムアウトしていない場合はそのまま処理を終了する。
開放後タイマがタイムアウトした場合には、CPU56は、ラウンド数カウンタの値が15となっているか否かを確認する(ステップS1483)。ラウンド数カウンタの値が15未満であれば(すなわち、まだ残りのラウンドがあれば)、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、大入賞口開放前処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS1485)。
ステップS1483において、ラウンド数カウンタの値が15となっている場合(すなわち、大当り遊技における全てのラウンド(ラウンド1〜15)が終了している場合)には、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、大当り終了処理(ステップS307)に対応した値に更新する(ステップS1487)。
図28は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS160)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS164に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当りフラグをリセットし(ステップS161)、大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS162)。ここで、通常大当りであった場合には大当り終了1指定コマンドを送信し、確変大当りA,Bであった場合には大当り終了2指定コマンドを送信し、突然確変大当りであった場合には小当り/突然確変大当り終了指定コマンドを送信する。そして、大当り終了表示タイマに、演出表示装置9において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS163)、処理を終了する。
ステップS164では、大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS165)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過していれば(ステップS165のY)、CPU56は、大当りの種別が確変大当りA,Bまたは突然確変大当りであるか否かを確認する(ステップS166)。なお、確変大当りA,Bや突然確変大当りであるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「02」、「03」または「08」であるか否かを確認することによって判定できる。確変大当りA,Bまたは突然確変大当りであれば、CPU56は、確変フラグをセットして遊技状態を確変状態に移行させる(ステップS167)とともに、時短フラグをセットして遊技状態を時短状態に移行させる(ステップS168)。そして、ステップS171に移行する。
確変大当りA,Bおよび突然確変大当りのいずれでもなければ(すなわち、通常大当りであれば)、CPU56は、時短フラグをセットして遊技状態を時短状態に移行させる(ステップS169)。また、CPU56は、時短状態における特別図柄の変動回数をカウントするための時短回数カウンタに所定回数(例えば100回)をセットする(ステップS170)。そして、ステップS171に移行する。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS171)。なお、時短状態に移行する大当りが発生した場合、発生した大当りの種別にもとづいて、ステップS168,S169のいずれかで時短フラグをセットすることとしたが、本実施の形態のようにいずれの大当りが発生した場合にも高ベース状態へ移行する場合には、大当り種別を判定せずに一括して時短フラグをセットすることとしてもよい。また、ステップS166のNである場合には、ステップS169はおこなわずにステップS170をおこない、その後ステップS168へ移行するようなことしてもよい。そうすることにより、プログラムを簡略化することができ、容量を削減することができる。
図29は、小当り遊技において実行される小当り開放前処理(ステップS308)を示すフローチャートである。小当り開放前処理において、CPU56は、大入賞口開放前タイマの値を−1する(ステップS2470)。大入賞口開放前タイマがタイムアウト(大入賞口開放前タイマの値が0)したら(ステップS2471)、CPU56は、入賞個数カウンタを初期化する(ステップS2472)。すなわち、入賞個数カウンタの値を0にする。
次いで、CPU56は、小当りに応じた大入賞口開放パターンテーブルを選択する(ステップS2476)。ここでは、図24に示した開放パターンD用の大入賞口開放パターンテーブルを選択する。
ステップS2476の後、選択した大入賞口開放パターンテーブルを用いて、時間データ展開処理をおこなう(ステップS2477)。次いで、CPU56は、ステップS2477の演算結果である演算値Aの値を合計時間タイマにセットする(ステップS2478)。そして、CPU56は、ポインタの値を1とし(ステップS2479)、ポインタが指す大入賞口開放パターンテーブルの開放時間を読み出して、開閉時間タイマにセットする(ステップS2480)。
次いで、CPU56は、大入賞口(役物)を開放状態に制御し(ステップS2474)、特別図柄プロセスフラグの値を、小当り開放中処理(ステップS309)に対応した値に更新する(ステップS2475)。
図30は、小当り開放中処理(ステップS309)を示すフローチャートである。小当り開放中処理において、CPU56は、まず、合計時間タイマを−1する(ステップS2481)。そして、合計時間タイマがタイムアウトしたか否か、すなわち、合計時間タイマが0になったか否かを判定し(ステップS2482)、タイムアウトした場合にはステップS2493へ移行する。
タイムアウトしていない場合、CPU56は、開閉時間タイマを1減算し(ステップS2486)、開閉時間タイマがタイムアウトしたか否かを確認する(ステップS2487)。開閉時間タイマがタイムアウトしていなければ、そのまま処理を終了する。開閉時間タイマがタイムアウトしていれば、CPU56は、ポインタを1加算し(ステップS2488)、大入賞口が開放中であるか否かを確認する(ステップS2489)。
大入賞口が開放中であれば、大入賞口を閉鎖状態に制御する(ステップS2490)。大入賞口が開放中でなければ、すなわち、閉鎖中であれば、大入賞口を開放状態に制御する(ステップS2491)。ステップS2490,S2491の後、CPU56は、ポインタが指す開放パターンデータ中の開閉時間を読み出して、開閉時間タイマにセットし(ステップS2492)、処理を終了する。このように、ステップS2486〜S2492の処理を、合計時間タイマがタイムアウトするまで繰り返しておこなうことにより、小当り中に大入賞口の開閉制御を複数回おこなうことができるようになっている。
ステップS2493では、CPU56は、大入賞口を閉鎖状態に制御し(ステップS2493)、特別図柄プロセスフラグの値を、小当り開放前処理(ステップS308)に対応した値に更新する(ステップS2494)。
なお、本実施の形態では省略したが、小当り遊技においても大当り遊技と同様に、1回の開放制御の間に所定数(例えば、10個)の遊技球の大入賞口への入賞を検出した場合に、大入賞口を閉鎖制御することとしてもよい。
図31は、特別図柄プロセス処理における小当り終了処理(ステップS310)を示すフローチャートである。小当り終了処理において、CPU56は、小当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS2160)、小当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS2164に移行する。小当り終了表示タイマが設定されていない場合には、小当りフラグをリセットし(ステップS2161)、小当り/突然確変大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS2162)。そして、小当り終了表示タイマに、演出表示装置9において小当り終了表示が行われている時間(小当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS2163)、処理を終了する。
ステップS2164では、小当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、小当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち小当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS2165)。経過していなければ処理を終了する。
小当り終了表示時間を経過していれば(ステップS2165のY)、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS2166)。
図32は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄表示制御処理(ステップS36)のプログラムの一例を示すフローチャートである。特別図柄表示制御処理では、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が3であるか否かを確認する(ステップS3201)。特別図柄プロセスフラグの値が3であれば(すなわち、特別図柄変動中処理の実行中であれば)、CPU56は、特別図柄変動表示用の特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定または更新する処理を行う(ステップS3202)。この場合、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)の変動表示を行うための特別図柄表示制御データを設定または更新する。例えば、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される特別図柄表示制御データの値を+1する。そして、その後、表示制御処理(ステップS22参照)が実行され、特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファの内容に応じて特別図柄表示器8a,8bに対して駆動信号が出力されることによって、特別図柄表示器8a,8bにおける特別図柄の変動表示が実行される。
特別図柄プロセスフラグの値が3でなければ、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が4であるか否かを確認する(ステップS3203)。特別図柄プロセスフラグの値が4であれば(すなわち、特別図柄停止処理に移行した場合には)、CPU56は、特別図柄通常処理で設定された特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する処理を行う(ステップS3204)。この場合、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データを設定する。そして、その後、表示制御処理(ステップS22参照)が実行され、特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファの内容に応じて特別図柄表示器8a,8bに対して駆動信号が出力されることによって、特別図柄表示器8a,8bにおいて特別図柄の停止図柄が停止表示される。なお、ステップS3204の処理が実行され停止図柄表示用の特別図柄表示制御データが設定された後には、設定データの変更が行われないので、ステップS22の表示制御処理では最新の特別図柄表示制御データにもとづいて最新の停止図柄を次の変動表示が開始されるまで停止表示し続けることになる。また、ステップS3201において特別図柄プロセスフラグの値が2または3のいずれかであれば(すなわち、表示結果指定コマンド送信処理または特別図柄変動中処理のいずれかであれば)、特別図柄変動表示用の特別図柄表示制御データを更新するようにしてもよい。この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で認識する変動時間と演出制御用マイクロコンピュータ100側で認識する変動時間との間にズレが生じないようにするため、表示結果指定コマンド送信処理においても変動時間タイマを1減算するように構成すればよい。
なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄表示制御データを出力バッファに設定する場合を示したが、特別図柄プロセス処理において、特別図柄の変動開始時に開始フラグをセットするとともに、特別図柄の変動終了時に終了フラグをセットするようにしてもよい。そして、特別図柄表示制御処理(ステップS36)において、CPU56は、開始フラグがセットされたことにもとづいて特別図柄表示制御データの値の更新を開始するようにし、終了フラグがセットされたことにもとづいて停止図柄を停止表示さえるための特別図柄表示制御データをセットするようにしてもよい。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行する普通図柄プロセス処理(ステップS29)について説明する。図33は、普通図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。普通図柄プロセス処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、ゲート32を遊技球が通過してゲートスイッチ32aがオン状態となったことを検出すると(ステップS5111)、ゲートスイッチ通過処理(ステップS5112)を実行する。そして、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じてステップS5100〜S5103に示された処理のうちのいずれかの処理を実行する。
ゲートスイッチ通過処理(ステップS5112):CPU56は、ゲート通過記憶カウンタのカウント値(ゲート通過記憶数)が最大値(この例では「4」)に達しているか否か確認する。最大値に達していなければ、ゲート通過記憶カウンタのカウント値を+1する。なお、ゲート通過記憶カウンタの値に応じて普通図柄保留記憶表示器41のLEDが点灯される。そして、CPU56は、普通図柄当り判定用乱数(ランダム4)の値を抽出し、ゲート通過記憶数の値に対応した保存領域(普通図柄判定用バッファ)に格納する処理を行う。
普通図柄通常処理(ステップS5100):CPU56は、普通図柄の変動を開始することができる状態(例えば普通図柄プロセスフラグの値がステップS100を示す値となっている場合、具体的には、普通図柄表示器10において普通図柄の変動表示がなされておらず、かつ、普通図柄表示器10に当たり図柄が導出表示されたことにもとづく可変入賞球装置15の開閉動作中でもない場合)には、ゲート通過記憶数の値を確認する。具体的には、ゲート通過記憶数カウンタのカウント値を確認する。ゲート通過記憶数が0でなければ、当りとするか否か(普通図柄の停止図柄を当り図柄とするか否か)を決定する。そして、普通図柄プロセスタイマに普通図柄の変動時間をセットし、タイマをスタートさせる。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄変動処理(ステップS5101)を示す値(具体的には「1」)に更新する。
普通図柄変動処理(ステップS5101):CPU56は、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認し、タイムアウトしていたら、普通図柄プロセスタイマに普通図柄停止図柄表示時間をセットし、タイマをスタートさせる。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄停止処理(ステップS5102)を示す値(具体的には「2」)に更新する。
普通図柄停止処理(ステップS5102):CPU56は、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたか否かを確認し、タイムアウトしていたら、普通図柄の停止図柄が当り図柄であるかどうかを確認する。当り図柄でなければ(はずれ図柄であれば)、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS5100)を示す値(具体的には「0」)に更新する。一方、普通図柄の停止図柄が当り図柄であれば、普通図柄プロセスタイマに普通電動役物作動時間をセットし、タイマをスタートさせ、可変入賞球装置15の開放を開始する。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通電動役物作動処理(ステップS5103)を示す値(具体的には「3」)に更新する。
普通電動役物作動処理(ステップS5103):CPU56は、普通図柄プロセスタイマを計測し、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトすると、可変入賞球装置15を閉鎖する。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS5100)を示す値(具体的には「0」)に更新する。
図34は、普通図柄通常処理(ステップS5100)を示すフローチャートである。普通図柄通常処理において、CPU56は、ゲート通過記憶数カウンタのカウント値を確認することにより、ゲート通過記憶数が0であるか否かを確認する(ステップS5121)。ゲート通過記憶数が0であれば(ステップS5121のY)、そのまま処理を終了する。ゲート通過記憶数が0でなければ(ステップS5121のN)、CPU56は、ゲート通過記憶数=1に対応する保存領域に格納されている普通図柄当り判定用乱数値を読み出す(ステップS5122)。そして、CPU56は、ゲート通過記憶数カウンタの値を1減らし、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS5123)。すなわち、ゲート通過記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている普通図柄当り判定用乱数値を、ゲート通過記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各ゲート通過記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている普通図柄当り判定用乱数値が抽出された順番は、常に、ゲート通過記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
次いで、CPU56は、時短フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS5124)。時短フラグがセットされていれば(すなわち、時短状態(高ベース状態)であれば)、CPU56は、普通図柄の変動表示結果を当りとするか否かを決定するためのテーブルとして、確変/時短用の普通図柄判定テーブルを選択する(ステップS5125)。なお、この実施の形態では、時短フラグがセットされているのは、通常大当りとなった後に時短状態のみに制御されている場合に加えて、確変大当りや突然確変大当りとなった後に確変状態とともに時短状態に制御されている場合がある。そのため、時短状態のみに制御されている場合に加えて確変状態に制御されているときにもステップS5125の処理が実行されて確変/時短用の普通図柄判定テーブルが選択される。一方、時短フラグがセットされていなければ(すなわち、通常状態(低ベース状態)であれば)、CPU56は、普通図柄の変動表示結果を当りとするか否かを決定するためのテーブルとして、通常用の普通図柄判定テーブルを選択する(ステップS5126)。
次いで、CPU56は、ステップS5125,S5126で選択した普通図柄判定テーブルを用いて、読み出した普通図柄当り判定用乱数値にもとづいて抽選処理を実行し、普通図柄の変動表示結果を当りとするかはずれとするかを決定する(ステップS5127)。具体的には、普通図柄当り判定用乱数の値が当り判定値と一致するか否かが判定され、一致する当り判定値があれば当りと決定される。なお、ステップS5127で当りとすることに決定された場合には、例えば、普通図柄の変動表示結果が当りであることを示す普通図柄当り判定フラグがセットされ、後述するように、普通図柄表示制御処理(ステップS33参照)を実行するときに、普通図柄プロセスフラグの値が普通図柄停止処理を示す値「2」となっていることと普通図柄当り判定フラグがセットされていることとにもとづいて、普図当り用の普通図柄表示制御データが普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定され、普通図柄表示器10に対して駆動信号が出力されることによって、普通図柄表示器10において当り図柄(例えば、「7」)が停止表示された状態となる。一方、はずれと決定され普通図柄当り判定フラグがセットされていなければ、普通図柄表示器10においてはずれ図柄(例えば、「−」)が停止表示された状態となる。
次いで、CPU56は、普通図柄プロセスタイマに普通図柄変動時間(例えば、5.0秒)をセットする(ステップS5128)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄変動処理(ステップS5101)を示す値(具体的には「1」)に更新する(ステップS5129)。
図35は、普通図柄判定テーブルを示す説明図である。普通図柄判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、普通図柄当り判定用乱数(ランダム4)と比較される普通図柄当り判定値が設定されているテーブルである。
図35(A)は、遊技状態が確変状態または時短状態に制御されているときに選択される確変/時短用の普通図柄判定テーブルである(ステップS5125参照)。図35(A)に示すように、この実施の形態では、確変状態や時短状態に制御されているときには、10/11の確率で当りとすることに決定される。
図35(B)は、遊技状態が通常状態に制御されているときに選択される通常用の普通図柄判定テーブルである(ステップS5126参照)。図35(B)に示すように、この実施の形態では、通常状態に制御されているときには、1/11の確率で当りとすることに決定される。
図35に示すように、この実施の形態では、遊技状態が通常状態(低ベース状態)である場合には、普通図柄の変動結果が当りとなる確率が1/11と低く、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が低く第2始動入賞口14に始動入賞しにくい。一方、遊技状態が確変状態や時短状態(高ベース状態)である場合には、普通図柄の変動結果が当りとなる確率が10/11に高められ、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高くなり第2始動入賞口14に始動入賞しやすくなる。
なお、遊技状態が確変状態や時短状態である場合に第2始動入賞口14に始動入賞しやすくなるようにする制御の仕方は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、普通図柄通常処理のステップS5128において、確変状態や時短状態である場合には、通常状態である場合と比較して、普通図柄変動時間として短い時間をセットする(例えば、通常状態では普通図柄変動時間として5秒をセットするのに対して、確変状態や時短状態(高ベース状態)では普通図柄変動時間として2秒をセットする)ことによって、確変状態や時短状態中には普通図柄の変動時間を短くする(普通図柄時短状態)に制御するようにしてもよい。そのようにすれば、確変状態や時短状態である場合には、普通図柄の変動時間を短くすることによって普通図柄変動の稼働率を向上させることができ、結果として普通図柄の変動結果が当りとなって可変入賞球装置15が開状態となる頻度を高めることができ、第2始動入賞口14に始動入賞しやすくすることができる。
また、例えば、後述する普通図柄停止処理のステップS5153において、確変状態や時短状態である場合には、通常状態である場合と比較して、普通電動役物作動時間として長い時間をセットする(例えば、通常状態では普通電動役物作動時間として3秒をセットするのに対して、確変状態や時短状態(高ベース状態)では普通電動役物作動時間として7秒をセットする)ことによって、確変状態や時短状態中には可変入賞球装置15の開放時間を長くするように制御してもよい。そのようにすれば、確変状態や時短状態である場合には、可変入賞球装置15の開放時間を長くすることによって、第2始動入賞口14に始動入賞しやすくすることができる。具体的に、本実施の形態では、高ベース状態において当りが発生した場合には可変入賞球装置15を普通電動役物開放パターンAにて開放制御をおこなう一方、低ベース状態において当りが発生した場合には可変入賞球装置15を普通電動役物開放パターンBにて開放制御をおこなうこととする。普通電動役物開放パターンAは、普通電動役物開放パターンBよりも長い時間にわたって可変入賞球装置15を開放状態とする普通電動役物の開放パターンである。
また、例えば、後述する普通図柄停止処理および普通電動役物作動処理において、確変状態や時短状態である場合には、通常状態である場合と比較して、可変入賞球装置15を多くの回数開放する(例えば、通常状態では可変入賞球装置15の開放回数として1回をセットするのに対して、確変状態や時短状態(高ベース状態)では可変入賞球装置15の開放回数として2回をセットする)ように制御してもよい。そのようにすれば、確変状態や時短状態である場合には、可変入賞球装置15の開放回数を多くすることによって、第2始動入賞口14に始動入賞しやすくすることができる。
また、例えば、確変状態や時短状態である場合には、通常状態である場合と比較して、上記に示した普通図柄の変動結果が当りとなる確率を高める制御と、普通図柄時短状態への制御と、可変入賞球装置15の開放時間を長くする制御と、可変入賞球装置15の開放回数を多くする制御とのいずれか複数または全てを組み合わせて実行してもよい。
図36は、普通図柄変動処理(ステップS5101)を示すフローチャートである。普通図柄変動処理において、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値が0になったかどうか、すなわち、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたかどうかを確認する(ステップS5141)。普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしていなければ(ステップS5141のN)、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値を−1する(ステップS5144)。
普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたとき、すなわち、普通図柄の変動時間が経過したときは(ステップS5141のY)、CPU56は、普通図柄プロセスタイマに普通図柄停止図柄表示時間をセットする(ステップS5142)。そして、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄停止処理(ステップS5102)を示す値(具体的には「2」)に更新する(ステップS5143)。
図37は、普通図柄停止処理(ステップS5102)を示すフローチャートである。普通図柄停止処理において、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値を−1する(ステップS5151)。そして、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値が0になったかどうか、すなわち、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたかどうかを確認する(ステップS5152)。普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしていなければ(ステップS5152のN)、そのまま処理を終了する。
普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたとき、すなわち、普通図柄停止図柄表示時間が経過したときは(ステップS5152のY)、CPU56は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であるかどうか(ステップS5127にて当りと判定されたかどうか)を確認する(ステップS5153)。なお、普通図柄の停止図柄が当り図柄かどうかは、例えば、ステップS5127にて当りと判定されたときに普通図柄当り判定フラグをセットすることとして、そのフラグがセットされているかどうかによって確認することができる。
普通図柄の停止図柄が当り図柄でなく、はずれ図柄であると判定されたときは(ステップS5153のN)、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS5100)を示す値(具体的には「0」)に更新する(ステップS5154)。
ステップS5153において、普通図柄の停止図柄が当り図柄であるときは(ステップS5153のY)、CPU56は、時短フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS5155)、セットされている場合、すなわち、高ベース状態である場合には、普通電動役物開放パターンA用の普通電動役物開放パターンテーブル(以下、「普通電動役物開放パターンテーブルA」という)を選択する(ステップS5156)。また、時短フラグがセットされていない場合、すなわち、高ベース状態でない場合には、普通電動役物開放パターンB用の普通電動役物開放パターンテーブル(以下、「普通電動役物開放パターンテーブルB」という)を選択する(ステップS5157)。普通電動役物開放パターンテーブルとは、普通電動役物開放パターン毎の普通電動役物(可変入賞球装置15)の開放制御および閉鎖制御の所要時間が含まれるテーブルである。ここで選択された普通電動役物開放パターンテーブルは、時間データ展開処理において用いられる。
ここで、図38を用いて、普通電動役物開放パターンテーブルについて説明する。図38は、普通電動役物開放パターンテーブルを示す説明図である。図38に示す普通電動役物開放パターンテーブルには、開放時間、閉鎖時間および終了コードが含まれている。開放時間は、普通電動役物を開放状態に制御する時間の長さである。閉鎖時間は、普通電動役物を閉鎖状態に制御する時間の長さである。終了コードは、普通電動役物を制御する合計時間の算出時に、加算を終了することを示すデータである。
図38(1)に示す普通電動役物開放パターンテーブルは、普通電動役物開放パターンテーブルAである。図示するように、普通電動役物開放パターンテーブルAには、上から、開放時間3秒、閉鎖時間1秒、開放時間3秒、終了コードが記されている。
図38(2)に示す普通電動役物開放パターンテーブルは、普通電動役物開放パターンテーブルBである。図示するように、普通電動役物開放パターンテーブルBには、上から、開放時間1秒、閉鎖時間1秒、開放時間1秒、終了コードが記されている。
ステップS5156またはステップS5157の後、選択した普通電動役物開放パターンを用いて、上述した時間データ展開処理をおこなうことにより、可変入賞球装置15の作動時間を算出する(ステップS5158)。そして、CPU56は、ステップS5158の演算結果である演算値Aの値を普電合計時間タイマにセットする(ステップS5159)。普電合計時間タイマは、可変入賞球装置15の開閉制御を終了するまでの期間を示すタイマである。すなわち、普電合計時間タイマがタイムアウトすることを契機に可変入賞球装置15の開閉制御が終了される。その後、CPU56は、ポインタの値を1とし(ステップS5160)、ポインタが指す普通電動役物開放パターンテーブルの開放時間を読み出して、普通図柄プロセスタイマにセットする(ステップS5161)。
次いで、CPU56は、可変入賞球装置15を開放状態に制御する(ステップS5162)。具体的には、ソレノイド16を駆動して可変入賞球装置15を開状態にする。また、CPU56は、演算値Aにもとづいて、演出制御用マイクロコンピュータ100に普通電動役物開放中指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS5163)。例えば、演算値Aが7秒であれば普通電動役物開放中A指定コマンドを送信し、演算値Aが3秒であれば普通電動役物開放中B指定コマンドを送信する。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、普通電動役物作動処理(ステップS5103)に対応した値(具体的には「3」)に更新する(ステップS5164)。
図39は、普通電動役物作動処理(ステップS5103)を示すフローチャートである。普通電動役物作動処理において、CPU56は、普電合計時間タイマの値を−1する(ステップS3901)。そして、普電合計時間タイマの値が0になったかどうか、すなわち、普電合計時間タイマがタイムアウトしたかどうかを確認する(ステップS3902)。普電合計時間タイマがタイムアウトしていなければ(ステップS3901のN)、普通図柄プロセスタイマの値を−1する(ステップS3903)。そして、普通図柄プロセスタイマの値が0になったかどうか、すなわち、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたかどうかを確認する(ステップS3904)。普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしていなければ(ステップS3904のN)、そのまま処理を終了する。
ステップS3904において、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたときは(ステップS3904のY)、CPU56は、ポインタを1加算し(ステップS3905)、可変入賞球装置15が開放中であるか否かを判定する(ステップS3906)。ここでは、例えば、可変入賞球装置15を開放状態に制御する際に普通電動役物開放中フラグをオンにし、閉鎖状態に制御する際に普通電動役物開放中フラグをオフにするように構成すれば、普通電動役物開放中フラグがオンであるか否かを判定することにより、可変入賞球装置15が開放状態であるか否かを判定することが可能である。また、可変入賞球装置15の位置を確認することにより、可変入賞球装置15が開放状態であるか否かを判定することとしてもよい。
可変入賞球装置15が開放中であれば、可変入賞球装置15を閉鎖状態に制御する(ステップS3907)。具体的には、ソレノイド16の駆動を停止して可変入賞球装置15を閉鎖状態にする。ステップS3906において、可変入賞球装置15が開放中でなければ、すなわち、閉鎖中であれば、可変入賞球装置15を開放状態に制御する(ステップS3908)。ステップS3907,S3908の後、CPU56は、ポインタが指す普通電動役物開放パターンデータ中の開閉時間を読み出して、普通図柄プロセスタイマにセットし(ステップS3909)、処理を終了する。このように、ステップS3903〜S3909の処理を、普電合計時間タイマがタイムアウトするまで繰り返しておこなうことにより、一の当りに対して可変入賞球装置15の開閉制御を複数回おこなうことができるようになっている。
ステップS3902において、普電合計時間タイマがタイムアウトした場合、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に、可変入賞球装置15を閉鎖することを示す普通電動役物開放後指定コマンドを送信する制御をおこなう(ステップS3910)。そして、可変入賞球装置15を閉鎖状態に制御し(ステップS3911)、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS5100)を示す値(具体的には「0」)に更新する(ステップS3912)。
なお、普通図柄の変動表示は、具体的には、普通図柄表示制御処理(ステップS33参照)において、図32に示した特別図柄表示制御処理(ステップS32参照)と同様の処理が実行されることによって行われる。具体的には、普通図柄プロセスフラグの値が普通図柄変動処理を示す値「1」となっていることにもとづいて、特別図柄表示制御処理ステップS3202と同様の処理が行われ、普通図柄変動表示用の普通図柄表示制御データが普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定され、普通図柄表示器10に対して駆動信号が出力されることによって、普通図柄表示器10において普通図柄の変動表示が実行される。また、普通図柄プロセスフラグの値が普通図柄停止処理を示す値「2」となっていることにもとづいて、特別図柄表示制御処理ステップS3204と同様の処理が行われ、例えば、ステップS5127で当りと決定され普通図柄当り判定フラグがセットされていれば、普図当り用の普通図柄表示制御データが普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定され、普通図柄表示器10に対して駆動信号が出力されることによって、普通図柄表示器10において当り図柄(例えば、「7」)が停止表示されている状態となる。また、例えば、ステップS5127ではずれと決定され普通図柄当り判定フラグがセットされていなければ、普図はずれ用の普通図柄表示制御データが普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定され、普通図柄表示器10に対して駆動信号が出力されることによって、普通図柄表示器10においてはずれ図柄(例えば、「−」)が停止表示されている状態となる。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図40は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、4ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:ステップS704)。
次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
次いで、演出制御用CPU101は、第4図柄プロセス処理を行う(ステップS706)。第4図柄プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第4図柄プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の第4図柄表示領域9c,9dにおいて第4図柄の表示制御を実行する。
次いで、大当り図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS707)。その後、ステップS702に移行する。
図41は、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図10〜図12参照)であるのか解析する。
図42および図43は、コマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS614)、演出制御用CPU101は、受信した変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS616)。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(ステップS617)、演出制御用CPU101は、受信した表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果6指定コマンド)を、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(ステップS618)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(ステップS619)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS620)。
受信した演出制御コマンドが大当り開始1指定コマンドまたは大当り開始2指定コマンドであれば(ステップS621)、演出制御用CPU101は、大当り開始1指定コマンド受信フラグまたは大当り開始2指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS622)。受信した演出制御コマンドが小当り/突確/確変大当りB開始指定コマンドであれば(ステップS623)、演出制御用CPU101は、小当り/突確/確変大当りB開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS624)。
なお、この実施の形態では、ステップS622,S624でセットされる大当り開始1指定コマンド受信フラグ、大当り開始2指定コマンド受信フラグ、および小当り/突確/確変大当りB開始指定コマンド受信フラグのことを、ファンファーレフラグともいう。
受信した演出制御コマンドが大入賞口開放中指定コマンドであれば(ステップS679)、演出制御用CPU101は、受信した大入賞口開放中指定コマンドを、RAMに形成されている大入賞口開放中指定コマンド格納領域に格納する(ステップS680)。そして、演出制御用CPU101は、大入賞口開放中指定コマンドを受信したことを示す大入賞口開放中フラグをセットする(ステップS681)。
受信した演出制御コマンドが大入賞口開放後指定コマンドであれば(ステップS682)、演出制御用CPU101は、受信した大入賞口開放後指定コマンドを、RAMに形成されている大入賞口開放後指定コマンド格納領域に格納する(ステップS683)。そして、演出制御用CPU101は、大入賞口開放後指定コマンドを受信したことを示す大入賞口開放後フラグをセットする(ステップS684)。
受信した演出制御コマンドが普通電動役物開放中指定コマンドであれば(ステップS685)、受信した普通電動役物開放中指定コマンドが示す普通電動役物開放パターンが普通電動役物開放パターンAであるか否かを判定し(ステップS686)、普通電動役物開放パターンAである場合、7秒演出に応じた画像の重畳表示を開始する(ステップS687)。7秒演出は、可変入賞球装置15が開放中である旨を示す7秒間の演出である。また、受信した普通電動役物開放中指定コマンドが示す普通電動役物開放パターンが普通電動役物開放パターンAでない場合、3秒演出に応じた画像の重畳表示を開始する(ステップS688)。3秒演出は、可変入賞球装置15が開放中である旨を示す3秒間の演出である。
受信した演出制御コマンドが普通電動役物開放後指定コマンドであれば(ステップS689)、画像の重畳表示を終了する(ステップS690)。なお、7秒演出に応じた画像がステップS687にて表示された場合には、画像を表示してから7秒後に普通電動役物開放後指定コマンドを受信し、画像表示を終了することにより、7秒間表示することを実現している。また、3秒演出に応じた画像がステップS687にて表示された場合には、画像を表示してから3秒後に普通電動役物開放後指定コマンドを受信し、画像表示を終了することにより、3秒間表示することを実現している。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(ステップS691)。そして、ステップS611に移行する。
図44は、図40に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S810のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の可変表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。なお、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示と、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示とを、別の演出制御プロセス処理により実行するように構成してもよい。また、この場合、いずれの演出制御プロセス処理により演出図柄の変動表示が実行されているかによって、いずれの特別図柄の変動表示が実行されているかを判断するようにしてもよい。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(ステップS801):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(ステップS803):演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)、小当り表示処理(ステップS808)、変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)のいずれかに対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS804):大当りである場合には、変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。また、小当りである場合には、変動時間の終了後、演出表示装置9に小当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。例えば、大当りの開始を指定するファンファーレ指定コマンドを受信したら、ファンファーレ演出を実行する。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(ステップS805):ラウンド中の表示制御を行う。例えば、大入賞口が開放中であることを示す大入賞口開放中表示コマンドを受信したら、ラウンド数の表示制御等を行う。
ラウンド後処理(ステップS806):ラウンド間の表示制御を行う。例えば、大入賞口が開放後(閉鎖中)であることを示す大入賞口開放後表示コマンドを受信したら、インターバル表示を行う。
大当り終了演出処理(ステップS807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。例えば、大当りの終了を指定するエンディング指定コマンドを受信したら、エンディング演出を実行する。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
小当り表示処理(ステップS808):変動時間の終了後、演出表示装置9に小当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を小当り開放中処理(ステップS809)に対応した値に更新する。
小当り開放中処理(ステップS809):大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残り開放がある場合には、演出制御プロセスフラグの値を小当り表示処理(ステップS808)に対応した値に更新する。また、全ての開放を終えた場合には、演出制御プロセスフラグの値を小当り終了演出処理(ステップS810)に対応した値に更新する。
小当り終了演出処理(ステップS810):演出表示装置9において、小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図45は、演出制御プロセス処理における大当り表示処理(ステップS804)を示すフローチャートである。大当り表示処理において、演出制御用CPU101は、まず、大入賞口開放中表示コマンドを受信したことを示す大入賞口開放中フラグがセットされているか否か(すなわち、ラウンド1開始時の大入賞口開放中表示コマンドを受信したか否か)を確認する(ステップS1901)。大入賞口開放中フラグがセットされていないときは(ステップS1901のN)、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算し(ステップS1902)、プロセスデータnの内容に従って演出装置(演出表示装置9、スピーカ27、枠LED28等)の制御を実行する(ステップS1903)。例えば、演出表示装置9において大当り図柄を表示するとともに、大当りが発生したことを示す文字やキャラクタなどを表示する演出が実行される。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS1904)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS1905)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)に切り替える。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS1906)。
大入賞口開放中フラグがセットされているときは(ステップS1901のY)、すなわち、ラウンド1の開始タイミングとなっていれば、演出制御用CPU101は、その大入賞口開放中フラグをリセットする(ステップS1907)。そして、演出制御用CPU101は、大入賞口開放パターンAにおける大入賞口の制御がおこなわれるか否かを確認する(ステップS1908)。なお、大入賞口開放パターンAにおける大入賞口の制御がおこなわれるか否かは、具体的には、大入賞口開放中指定コマンド格納領域に大入賞口開放中A指定コマンドが格納されているか否かを確認することにより判定できる。大入賞口開放パターンAにおける大入賞口の制御がおこなわれると判定した場合には、演出制御用CPU101は、27秒演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS1909)。27秒演出は、大入賞口を開放している旨を示す27秒間の演出である。
また、演出制御用CPU101は、大入賞口開放パターンBにおける大入賞口の制御がおこなわれるか否かを確認する(ステップS1910)。なお、大入賞口開放パターンBにおける大入賞口の制御がおこなわれるか否かは、具体的には、大入賞口開放中指定コマンド格納領域に大入賞口開放中B指定コマンドが格納されているか否かを確認することにより判定できる。大入賞口開放パターンBにおける大入賞口の制御がおこなわれると判定した場合には、演出制御用CPU101は、0.1秒演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS1911)。0.1秒演出は、大入賞口を開放している旨を示す0.1秒間の演出である。なお、ステップS1909およびS1911については、ラウンドの合計時間のみに応じたプロセスデータを選択するものでなく、ラウンドの合計時間およびラウンド数に応じたプロセスデータを選択することとしてもよい。
また、大入賞口開放パターンBにおける大入賞口の制御がおこなわれないと判定した場合、すなわち、大入賞口開放パターンCにおける大入賞口の制御がおこなわれる場合、演出制御用CPU101は、30秒演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS1912)。30秒演出は、大入賞口を開放している旨を示す30秒間の演出であり、最初の3秒は小当り遊技中や突然確変大当りにもとづく大当り遊技中におこなわれる演出と同様の演出であり、最後の27秒は確変大当りAにもとづく大当り遊技の1ラウンドにておこなわれる演出と同様の演出である。これにより、恰も15回開放の大当りを終了した後にさらにボーナスで大入賞口の開放が追加で始まったように遊技者に見せることができる。
そして、演出制御用CPU101は、プロセスタイマをスタートさせ(ステップS1913)、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に設定する(ステップS1914)。
図46は、演出制御プロセス処理におけるラウンド中処理(ステップS805)を示すフローチャートである。ラウンド中処理において、演出制御用CPU101は、まず、大入賞口開放後指定コマンドを受信したことを示す大入賞口開放後フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS2901)。
大入賞口開放後フラグがセットされていないときは(ステップS2901のN)、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算し(ステップS2902)、プロセスデータnの内容に従って演出装置(演出表示装置9、スピーカ27、枠LED28等)の制御を実行する(ステップS2903)。例えば、通常用のラウンド中演出を実行する場合には、演出表示装置9において大当り表示図柄を表示するとともに、ラウンド数を示す文字やその他のキャラクタなどを表示する演出が実行される。また、例えば、高速用のラウンド中演出を実行する場合には、演出表示装置9において大当り表示図柄を表示するとともに、その他のキャラクタなどを表示する演出が実行される(ただし、ラウンド数表示や大入賞口への入賞数の表示は行わない)。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS2904)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS2905)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)に切り替える。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS2906)。
ステップS2901において大入賞口開放後フラグがセットされているときは(ステップS2901のY)、演出制御用CPU101は、大入賞口開放後フラグをリセットする(ステップS2913)。そして、演出制御用CPU101は、大当り種別に応じたインターバル演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS2914)。そして、ステップS2961に移行する。
そして、演出制御用CPU101は、プロセスタイマをスタートさせ(ステップS2915)、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(ステップS806)に対応した値に設定する(ステップS2916)。
図47および図48は、演出制御プロセス処理におけるラウンド後処理(ステップS806)を示すフローチャートである。ラウンド後処理において、演出制御用CPU101は、まず、大当りまたは小当りが終了したことを示す大当り終了指定コマンド受信フラグ(具体的には、大当り終了1指定コマンド受信フラグ、大当り終了2指定コマンド受信フラグ、または小当り/突然確変大当り終了指定コマンド受信フラグ)がセットされているか否かを確認する(ステップS3901)。なお、大当り終了1指定コマンド受信フラグは大当り終了1指定コマンドを受信した際に、大当り終了2指定コマンド受信フラグは大当り終了2指定コマンドを受信した際に、小当り/突然確変大当り終了指定コマンド受信フラグは小当り突然確変大当り終了指定コマンドを受信した際に、ステップS691においてそれぞれセットされるフラグである。大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされていないときは(ステップS3901のN)、演出制御用CPU101は、大入賞口開放中指定コマンドを受信したことを示す大入賞口開放中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS3902)。大入賞口開放中フラグがセットされていないときは(ステップS3902のN)、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算し(ステップS3903)、プロセスデータnの内容に従って演出装置(演出表示装置9、スピーカ27、LED25,28等)の制御を実行する(ステップS3904)。例えば、通常用のインターバル演出を実行する場合には、演出表示装置9において大当り表示図柄を表示するとともに、所定のキャラクタなどを表示する演出が実行される。また、例えば、高速用のインターバル演出を実行する場合には、演出表示装置9において大当り表示図柄を表示するとともに、その他のキャラクタなどを表示する演出が実行される(ただし、ラウンド数表示や大入賞口への入賞数の表示は行わない)。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS3905)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS3906)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)に切り替える。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS3907)。
大入賞口開放中フラグがセットされているときは(ステップS3902のY)、演出制御用CPU101は、演出制御用CPU101は、大入賞口開放中フラグをリセットする(ステップS3908)。そして、演出制御用CPU101は、大入賞口開放パターンAにおける大入賞口の制御がおこなわれるか否かを確認する(ステップS4801)。なお、大入賞口開放パターンAにおける大入賞口の制御がおこなわれるか否かは、具体的には、大入賞口開放中指定コマンド格納領域に大入賞口開放中A指定コマンドが格納されているか否かを確認することにより判定できる。大入賞口開放パターンAにおける大入賞口の制御がおこなわれると判定した場合には、演出制御用CPU101は、27秒演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS4802)。大入賞口開放パターンAにおける大入賞口の制御がおこなわれないと判定した場合には、演出制御用CPU101は、0.1秒演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS4803)。ステップS4801は2ラウンド目以降のラウンドであるため、ここでは、大入賞口開放パターンCにおける大入賞口の制御がおこなわれることはない。そのため、ステップS4801において大入賞口開放パターンAにおける大入賞口の制御がおこなわれないと判定した場合は、すなわち、大入賞口開放パターンBにおける大入賞口の制御がおこなわれる場合であるため、0.1秒演出に応じたプロセスデータを選択することとしている。
そして、演出制御用CPU101は、プロセスタイマをスタートさせる(ステップS3910)。そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に設定する(ステップS3911)。
ステップS3901において大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされたときは(ステップS3901のY)、演出制御用CPU101は、大当り終了指定コマンド受信フラグをリセットする(ステップS3913)。次いで、演出制御用CPU101は、エンディング演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS3914)。また、演出制御用CPU101は、演出期間計測タイマをスタートさせるとともに、プロセスタイマをスタートさせる(ステップS3915)。そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(ステップS807)に対応した値に設定する(ステップS3916)。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、大当り遊技のラウンドにおける大入賞口の開放時間と閉鎖時間とを設定するとともに、設定した大入賞口の開放時間と閉鎖時間との合計時間を算出することとした。これにより、大入賞口の変化状況を把握することを可能とすることができる。また、大入賞口の開放時間と閉鎖時間との合計時間のデータを記憶する必要がないため、記憶容量を節減することができる。また、複数の大入賞口開放パターンを有する構成においては、仮に合計時間のデータを記憶するタイプの遊技機であれば該合計時間のデータによって記憶容量の負担が大きくなるが、本実施の形態のようにラウンドの所要時間を演算によって算出する構成とすれば、該合計時間のデータの分の記憶容量を節減することができる。
また、本実施の形態では、長さの異なる複数の大入賞口開放パターンを有する遊技機において、大当り遊技のラウンドにおける大入賞口の開放時間と閉鎖時間とを足し合わせることにより、ラウンドの所要時間を算出することとした。これにより、大入賞口開放パターンに応じた大入賞口の変化状況を把握することを可能とすることができる。したがって、大入賞口の変化状況に応じた制御をおこなうことができる。
また、本実施の形態では、演算によって算出した大入賞口の開閉制御をおこなう際の所要時間を用いて、演出をおこなうこととした。これにより、大入賞口の変化状況に合わせた演出をおこなうことができ、興趣の向上を図ることができる。なお、本実施の形態においては、大当り発生時に、演算によって算出した大入賞口の開閉制御をおこなう際の所要時間を用いて演出をおこなうこととしたが、小当り発生時に、演算によって算出した大入賞口の開閉制御をおこなう際の所要時間を用いて演出をおこなうこととしてもよい。
なお、本実施の形態では、開放時間と閉鎖時間とを足し合わせることにより、ラウンドの所要時間を演算することとしたが、これに限るものではなく、例えば、総開放時間を算出することによりラウンドの所要時間を求めることとしてもよい。例えば、図49は、変形例における時間データ展開処理を示すフローチャートである。ステップS2505において、ポインタが指すデータが終了コードでない場合(ステップS2505のN)、ポインタが指すデータが開放時間であるか否かを判定する(ステップS4900)。そして、ポインタが指すデータが開放時間である場合、ステップS2503へ移行する。また、ポインタが指すデータが開放時間でない場合、すなわち、ポインタが指すデータが閉鎖時間である場合、ステップS2504へ移行する。これにより、開放パターンテーブルの開放時間のみを加算し続ける構成とすることができ、合計時間として、大入賞口開放パターンAにおいては27秒が、大入賞口開放パターンBにおいては0.1秒が、大入賞口開放パターンCにおいては28.5秒が、それぞれ算出されることとなる。これにより、大入賞口の変化状況を把握することを可能とすることができる。また、本実施の形態では開放時間と閉鎖時間とが記された開放パターンテーブルを有することとしたが、開放時間のみが記された開放時間パターンテーブルを有することとし、該開放時間パターンテーブルを用いて図25に示した時間データ展開処理をおこなうことにより、総開放時間を求めることとしてもよい。例えば、本実施の形態における大入賞口開放パターンCに対応する開放時間パターンテーブルとして、開放時間0.1秒が15行と、開放時間27秒と、終了コードとが記されている開放時間パターンテーブルを用いて、図25に示した時間データ展開処理をおこなうこととしてもよい。また、更に、全ての閉鎖時間を一律の0.1秒とすることにより総閉鎖時間も容易に算出することができ(例えば、ラウンド中の開放回数から1減算した値に0.1を乗じることにより求められる。開放回数は、開放時間を足し合わせた回数と同数、または総開放時間の算出が終了した際(ステップS2503のYの直後)におけるポインタの値と同値である。)、該総閉鎖時間と総開放時間とを足し合わせることにより合計時間を求めることとしてもよい。なお、可変入賞球装置15の開放時にも、同様にして総開放時間や合計時間を求めることとしてもよい。
また、以上に説明したように、この実施の形態によれば、普通図柄の当りが発生する際に、可変入賞球装置15の開放時間と閉鎖時間とを設定し、設定した可変入賞球装置15の開放時間と閉鎖時間との合計時間を算出することとした。これにより、可変入賞球装置15の変化状況を把握することを可能とすることができる。また、可変入賞球装置15の開放時間と閉鎖時間との合計時間のデータを記憶する必要がないため、記憶容量を節減することができる。また、複数の普通電動役物開放パターンを有する構成においては、仮に合計時間のデータを記憶するタイプの遊技機であれば該合計時間のデータによって記憶容量の負担が大きくなるが、本実施の形態のように可変入賞球装置15の開放時間と閉鎖時間との合計時間を演算によって算出する構成とすれば、該合計時間のデータの分の記憶容量を節減することができる。
また、本実施の形態では、長さの異なる複数の普通電動役物開放パターンを有する遊技機において、普通図柄の当りが発生する際における可変入賞球装置15の開放時間と閉鎖時間とを足し合わせることにより、開閉制御の所要時間を算出することとした。これにより、普通電動役物開放パターンに応じた可変入賞球装置15の変化状況を把握することを可能とすることができる。したがって、可変入賞球装置15の変化状況に応じた制御をおこなうことができる。
また、本実施の形態では、演算によって算出した可変入賞球装置15の開放時間と閉鎖時間との合計時間を用いて、演出をおこなうこととした。これにより、可変入賞球装置15の変化状況に合わせた演出をおこなうことができ、興趣の向上を図ることができる。
なお、本実施の形態では、開放時間と閉鎖時間とを足し合わせることにより、可変入賞球装置15の開閉制御における所要時間を演算することとしたが、これに限るものではなく、例えば、総開放時間を算出することにより、可変入賞球装置15の開閉制御における所要時間を求めることとしてもよい。例えば、図49に示した時間データ展開処理をおこなうことにより、開放パターンテーブルの開放時間のみを加算し続ける構成とし、合計時間として、普通電動役物開放パターンAにおいては6秒が、普通電動役物開放パターンBにおいては2秒が、それぞれ算出されることとしてもよい。これにより、可変入賞球装置15の変化状況を把握することを可能とすることができる。
また、本実施の形態において、大入賞口を開放する際の開閉時間と、可変入賞球装置15を開放する際の開閉時間とを、共通の時間データ展開処理において算出する構成とした。これにより、それぞれの開閉時間を算出するための処理を設けるよりも少ないプログラム量で実現することができ、容量を節減することができる。
また、本実施の形態においては、大入賞口を開放する際や可変入賞球装置15を開放する際の合計時間の演算は、遊技制御用マイクロコンピュータ560によっておこなわれることとしたが、演出制御用マイクロコンピュータ100によっておこなわれることとしてもよい。具体的には、演出制御用マイクロコンピュータ100が時間データ展開処理をおこなうことにより、大入賞口を開放する際や可変入賞球装置15を開放する際合計時間を算出し、該合計時間に応じた演出をおこなうこととしてもよい。このようにすれば、大入賞口または可変入賞球装置15の開閉毎に、演出制御用マイクロコンピュータ100および遊技制御用マイクロコンピュータ560の間で、合計時間の情報を含むコマンドを送受信する必要がなくなるため、大入賞口または可変入賞球装置15の開閉タイミングに応じた演出の実行の容易化を図ることができる。
なお、本実施の形態において、上述した大当り種別を有することとしたが、これに限るものではない。例えば、本実施の形態では、全ての大当り種別のラウンド数を15として一律にしたが、ラウンド数がそれぞれ異なる複数の大当り種別を有することとしてもよい。具体的には、最大ラウンド数が2である2ラウンド大当りと、8である8ラウンド大当りと、15である15ラウンド大当りなどを有するものとしてもよい。また、同様にして、小当りにおいても開放態様の異なる複数の小当り種別を有することとしてもよい。
また、本実施の形態において、上述した種類の大入賞口開放パターンを有することとしたが、これに限るものではない。例えば、大入賞口開放パターンに含まれる開放制御の開放時間を0.1秒または27秒の2種類としたが、1種類であってもよいし、または3種類以上の開放時間を有することとしてもよい。また、閉鎖時間として1種類(0.1秒)を設けることとしたが、2種類以上の閉鎖時間を設けることとしてもよい。また、閉鎖時間の異なる複数回の閉鎖制御を含む開放パターンを設けることとしてもよい。また、これらを組み合わせて、より複雑なパターン(開放回数、開放時間または閉鎖時間)にて大入賞口を開放させる大入賞口開放パターンを有することにより、興趣の向上を図ることができる。このような、より複雑なパターンの大入賞口開放パターンを有する遊技機において、合計時間を記憶せずに演算によって求めることとすれば、より大容量を節減することができる。
また、本実施の形態では、一のラウンド中に複数の開放時間をもって大入賞口を開放する大入賞口開放パターンCは、1ラウンドにしか発生しない構成としたが、これに限るものではなく、いずれのラウンドにおいても発生可能なものとしてもよい。また、大入賞口開放パターンCが複数回含まれる大当り種別が設けられているものとしてもよい。
また、本実施の形態においては、大入賞口を一つだけ設ける構成としたが、これに限るものではなく、複数の大入賞口が設けられたものとしてもよい。その場合、大当り遊技状態においては、予め定められた順に、異なる大入賞口が開放すること(例えば、二つの大入賞口が設けられ、交互に開放すること)としてもよいし、大当り種別毎に開放する大入賞口が異なるものとしてもよいし、またはラウンド毎に開放する大入賞口が異なるものとしてもよい。また、ランダムに選択された大入賞口を開放することとしてもよいし、複数の大入賞口を同時に開放する期間を設けることとしてもよい。
なお、本実施の形態では、大当り遊技におけるラウンド数カウンタに1加算する処理を、ラウンド開始時(大入賞口開放前処理)におこなうこととしたが、ラウンド終了時(例えば、大入賞口開放後処理)にておこなうこととしてもよい。その場合、ラウンド数カウンタの初期値をセットする際には、0ではなく1をセットすることとしてもよい。
また、本実施の形態において、確変状態に移行した場合、次の大当りが発生するまで確変状態から他の遊技状態へ移行しない構成としたが、これに限るものではない。例えば、確変状態へ移行してから所定回数の変動をおこなうことを契機として他の遊技状態(例えば、通常状態)へ移行することとしてもよい。
また、本実施の形態において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演算結果である演算値Aにもとづいた大入賞口開放中指定コマンドを送信することとしているが、これに限るものではない。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、ラウンド開始時に合計時間にかかわらず一の大入賞口開放中指定コマンドを送信するとともに、合計時間が経過することを契機に大入賞口開放後指定コマンドを送信することとしてもよい。その場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大入賞口開放中指定コマンドを受信するとともに演出の実行を開始し、大入賞口開放後指定コマンドを受信することを契機に演出の実行を終了することとする。すなわち、本実施の形態では大入賞口開放時の演出を、演出制御用マイクロコンピュータ100が経過時間を計測することにもとづいて終了するものとしたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が経過時間を計測することにもとづいて演出制御用マイクロコンピュータ100が終了することとしてもよい。その場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、いずれのタイミングに演出が終了するかを演出開始時には認識していないため、いずれのタイミングに大入賞口開放後指定コマンドを受信して演出を終了しても、遊技者に不自然に見えないような内容の演出をおこなうことが望ましい。例えば、ラウンド開始時から合計時間が経過する可能性がある全てのタイミングにおいて、ラウンドを終了するかのような演出をおこなうとともに、大入賞口開放後指定コマンドを受信しなかった場合には、「継続だ!」のような文字情報を表示する演出をおこなうことにより、恰もラウンド遊技が延長したかのように演出することとしてもよい。
また、ラウンド中におこなう演出については、本実施の形態のように、一のラウンド遊技中に一の演出をおこなうこととしてもよいが、開放制御中と閉鎖制御中とで異なる演出を切り替えておこなうようなこととしてもよい。
また、本実施の形態においては、ラウンド開始時に、ラウンド数および大入賞口開放パターンの情報を含む大入賞口開放中指定コマンドを送信することとしたが、これに限るものではなく、ラウンド数の情報を含むコマンドと、大入賞口開放パターンの情報を含むコマンドとを、それぞれ個別に送信することとしてもよい。
なお、本実施の形態においては、突然確変大当りまたは小当りに見せかける大当りとして確変大当りBを設け、確変大当りBの1ラウンドにおける大入賞口開放パターンCでは突然確変大当りまたは小当りと同様に0.1秒ずつ15回の開閉をおこなった後に27秒の開放制御をおこなうこととした。しかし、突然確変大当りまたは小当りに見せかけられるパターンであれば、これに限るものではない。例えば、0.1秒ずつ15回未満の回数(例えば、7回)の開閉をおこなった後に27秒の開放制御をおこなうこととし、該15回未満の回数の開閉をおこなっている間のみ突然確変大当りまたは小当りに見せかける大当りとしてもよい。
なお、本実施の形態において、同じ15ラウンドの大当りである突然確変大当りおよび確変大当りBが発生したときに、ランクアップボーナス演出を実行することとしたが、これに限らず、同じラウンド数ではない大当りにおいて、ランクアップボーナス演出を実行することとしてもよい。例えば、大入賞口を1ラウンドあたり1回開放する特定遊技状態に移行する大当りとして、8ラウンド大当りおよび15ラウンド大当りを設け、いずれの場合であっても、大入賞口を8ラウンド終了したときに大当りがさらに継続するか否かを煽るような態様の演出を実行するようにしてもよい。そして、8ラウンド大当りの場合には内部的に8ラウンド全てを終了していることから大当り遊技を終了し、15ラウンド大当りの場合には内部的に未消化のラウンドが残っていることから、大当り遊技が継続する(恰も8回開放の大当りを終了した後にさらにボーナスで大入賞口の開放が追加で始まったような演出)ようにしてもよい。
また、本実施の形態では、遊技者にとって不利な大当り(突然確変大当り)が発生したと見せかけてから、遊技者にとって有利な大当り(確変大当りB)が発生したことを報知する(すなわち、恰も大当りのランクが上がった(ランクアップした)かのように見せる)構成としたが、ランクアップしたかのように見せる段階を1段階ではなく複数段階とするものとしてもよい。例えば、大当り種別として、大入賞口への入賞が最も見込めない(すなわち、遊技者にとって最も不利な)第1大当りと、第1大当りよりも大入賞口への入賞が見込める(すなわち、第1大当りよりも遊技者にとって有利な)第2大当りと、第2大当りよりも大入賞口への入賞が見込める(すなわち、遊技者にとって最も有利な)第3大当りとが設けられていることとする。そして、第2大当りにもとづく大当り遊技では、第1大当りにもとづく大当り遊技と同じ挙動を示した後に、遊技球の入賞が見込める程度に大入賞口の開放をおこない、第3大当りにもとづく大当り遊技では、第2大当りにもとづく大当り遊技と同じ挙動を示した後に、更に遊技球の入賞が見込める程度に大入賞口の開放をおこなうこととする。このような3種類の大当りを設けることにより、いずれの大当りであっても第1大当りであることの不安感と、第2大当りや第3大当りであることの期待感を与えることができる。
具体的に、例えば、いずれの大当りも15ラウンドの大当りであり、第1大当りを、ラウンド1〜5では大入賞口を27秒開放制御(以下、「長開放」という)を1回ずつおこない、ラウンド6〜15では大入賞口を0.1秒開放制御(以下、「短開放」という)を1回ずつおこなう大当りとする。そして、第2大当りを、ラウンド1〜5では長開放を1回ずつおこない、ラウンド6では短開放を10回おこなった後に長開放を1回おこない、ラウンド7〜10では長開放を1回ずつおこない、ラウンド11〜15では短開放を1回ずつおこなう大当りとする。また、第3大当りを、ラウンド1〜5では長開放を1回ずつおこない、ラウンド6では短開放を10回おこなった後に長開放を1回おこない、ラウンド7〜10では長開放を1回ずつおこない、ラウンド11では短開放を5回おこなった後に長開放を1回おこない、ラウンド12〜15では長開放を1回ずつおこなう大当りとする。なお、各開放制御同士の間の閉鎖制御の閉鎖時間は、いずれも0.1秒とする。こうすることにより、第1大当りのラウンド1〜15と、第2大当りのラウンド1〜6と、第3大当りのラウンド1〜6とにおける大入賞口の開閉態様が同様であるため、いずれの大当り種別であるかを遊技者に認識させにくくすることができる。また、第2大当りのラウンド7〜15と、第3大当りのラウンド7〜11とにおける大入賞口の開閉態様が同様であるため、いずれの大当り種別であるかを遊技者に認識させにくくすることができる。従って、いずれの大当りであっても、第1大当りと同様の開閉制御をおこなっている間は、第1大当りであることへの不安感と第2大当りまたは第3大当りであることへの期待感とを遊技者に与えることができるとともに、第2大当りまたは第3大当りであっても、第2大当りと同様の開閉制御をおこなっている間は、第2大当りであることへの不安感と第3大当りであることへの期待感とを遊技者に与えることができることとなる。また、この例においても、他の大当りと同様の開閉態様における開閉制御をおこなう際には同様の演出をおこなうとともに、他の大当りと同様の開閉態様における開閉制御でなくなった際には恰もランクアップしたかのように見せかける演出(ランクアップ演出)をおこなうこととすれば、遊技者に対して与える不安感および期待感をより大きくすることができる。また、他の大当りに見せかける演出やランクアップ演出などをおこなう際の閉鎖時間を、他の閉鎖時間(0.1秒)よりも長くすることにより、それらの演出をより長い時間おこなうことを可能とし、興趣を向上させるものとしてもよい。
また、本実施の形態において、普通図柄として当り図柄が導出表示された場合に、時短状態であるか否かによって異なる態様にて可変入賞球装置15を開放することとしたが、これに限るものではない。例えば、大当りと同様に、開放態様の異なる複数の当り種別を有し、普通図柄として当り図柄が導出表示された場合にいずれかの当り種別を選択し、選択した当り種別にもとづいた態様にて可変入賞球装置15を開放させることとしてもよい。
また、本実施の形態において、上述した種類の普通電動役物開放パターンを有することとしたが、これに限るものではない。例えば、普通電動役物開放パターンに含まれる開放制御の開放時間を3秒または1秒の2種類としたが、1種類であってもよいし、または3種類以上の開放時間を有することとしてもよい。また、閉鎖時間として1種類(1秒)を設けることとしたが、2種類以上の閉鎖時間を設けることとしてもよい。また、開放回数も2回に限らず、1回であっても、3回以上であっても良い。また、これらを組み合わせて、より複雑なパターン(開放回数、開放時間または閉鎖時間)にて普通電動役物を開放させる普通電動役物開放パターンを有することにより、興趣の向上を図ることができる。
また、本実施の形態において、可変入賞球装置15を開放する際の演出として、演出表示装置9において表示中の画像に対して、可変入賞球装置15が開放する旨を示す画像を重畳表示することとしたが、これに限るものではない。例えば、演出表示装置9上に特定の領域を設け、該特定の領域において可変入賞球装置15の開閉に応じた画像や普通図柄の変動に応じた画像を表示することとしてもよい。また、演出表示装置9以外の演出部材を用いて可変入賞球装置15を開放する際の演出をおこなうこととしても良い。例えば、可変入賞球装置15の開放演出のために設けられた画像表示装置やランプや可動役物などを用いることとしてもよい。具体的には、可変入賞球装置15や可変入賞球装置15の周囲に配置されたLEDなどを発光させる演出をおこなうことにより、可変入賞球装置15が開放している旨を遊技者に報知することとしてもよい。なお、可変入賞球装置15を開放する際の演出については、必ずしも実行しないものであってもよい。
また、本実施の形態では、可変入賞球装置15開放時の演出をおこなう場合、普通電動役物開放中指定コマンドを受信することにより画像の表示を開始するとともに、普通電動役物開放後指定コマンドを受信することにより画像の表示を終了することとしたが、他の演出(例えば、大入賞口開放時の演出)と同様にして、プロセスデータを選択するとともに、プロセスタイマに応じた内容の演出をおこなうこととしてもよい。
また、可変入賞球装置15の開放中におこなう演出については、本実施の形態のように、1回当り図柄が導出表示される毎に一の演出をおこなうこととしてもよいが、開放制御中と閉鎖制御中とで異なる演出を切り替えておこなうようなこととしてもよい。
なお、上述した実施の形態について、特別図柄や演出図柄の可変表示結果にもとづいて大当り遊技状態に移行する遊技機(いわゆる第一種の遊技機)について説明したが、遊技領域に設けられた可変入賞球装置(いわゆる役物)内の特定入賞口(V入賞口)に遊技球が入賞(V入賞)したことにもとづいて大当り遊技状態に移行する遊技機(いわゆる第二種の遊技機)や、第一種と第二種とを組み合わせた遊技機において適用することとしてもよい。
また、本実施の形態では、発生した大当りの大当り種別にもとづいて確変状態へ移行可能とするが、これに限るものではない。例えば、大入賞口内に遊技球が通過可能な特定領域が設けられており、大当り中に該特定領域を遊技球が通過した場合に確変状態へ移行する一方、大当り中に該特定領域を遊技球が通過しなかった場合に通常状態へ移行するようなものであってもよい。その場合、大当り種別によって特定領域への遊技球の通過しやすさを変化させることにより、実質的な確変大当りおよび非確変大当りを実現するものであってもよい。例えば、大当り種別によって大入賞口の開放時間を異ならせることにより、特定領域への遊技球の通過のしやすさを変化させることとしてもよい。具体的には、大入賞口の開放時間が長い大当り種別を特定領域へ遊技球が通過しやすい大当り(実質的な確変大当り)とし、大入賞口の開放時間が短い大当り種別を特定領域へ遊技球が通過しにくい大当り(実質的な非確変大当り)としてもよい。
なお、上記の実施の形態においては、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無など、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無など、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータ100の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知するようにすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、上記の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
なお、上記の実施の形態において、「割合が異なる」とは、A:B=70%:30%やA:B=30%:70%のような関係で割合が異なるものだけにかぎらず、A:B=100%:0%のような関係で割合が異なるもの(すなわち、一方が100%の割り振りで他方が0%の割り振りとなるようなもの)も含む概念である。
また、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(例えば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。
また、上記の実施の形態では、遊技機としてパチンコ機を例にしたが、本発明を、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるスロット機に適用することも可能である。
また、上記の実施の形態では、遊技機として遊技媒体を使用するものを例にしたが本発明による遊技機は、所定数の景品としての遊技媒体を払い出す遊技機に限定されず、遊技球等の遊技媒体を封入し景品の付与条件が成立した場合に得点を付与する封入式の遊技機に適用することもできる。