JP6290437B2 - 軽石を含む凝結遅延セメント組成物及び関連方法 - Google Patents

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Description

実施形態は地下セメンチング作業に関連し、またある実施形態においては、凝結遅延セメント組成物及び地下層内における凝結遅延セメント組成物の使用方法に関する。
セメント組成物は種々の地下作業に用いられる。例えば、地下井戸建設において、パイプ列(例えば、ケーシング、ライナー、拡張性チューブ、等)を坑井内に挿入し適当な位置にセメントで固められる。パイプ列をセメントで適切な位置に固める工程は、一般的に「一次セメンチング」と呼ばれる。典型的な一次セメンチング方法において、セメント組成物は、坑井壁とそこに配置されたパイプ列の外面間のアニュラス内にポンピング(pumping)される。該セメント組成物は環状空間で凝結し、それによってパイプ列を坑井内で、支え位置づけしかつパイプ列の外面を地下層に結び付けるための凝結した、実質的に不透過性セメントの環状シース(すなわち、セメントシース)を形成する。他には、パイプ列を取り囲む該セメントシースは流動体のアニュラス内の移動を防止し、かつパイプ列を腐食から保護する機能を果たす。セメント組成物は、また補修的セメンチング方法、例えば、パイプ列やセメントシースの割れ目や穴を封止し、高度に透過性の領域やあるいは割れた部分を封止し、セメント栓を配置するなどのために用いることができる。
幅広い種々のセメント組成物が地下セメンチング作業に用いられてきた。例えば、凝結遅延セメント組成物が用いられてきた。凝結遅延セメント組成物は、静止保存状態で、室温(例えば約80華氏)で少なくとも約1日(例えば、少なくともおそよ7日、約2週間、約2年以上)、ポンプで注入可能な流動体状のままであることを特徴とする。使用が望まれる場合、凝結遅延セメント組成物は活性化できる必要があり、それによって合理的な圧縮強度が発現される。例えば、セメント凝結促進剤が凝結遅延セメント組成物に添加され、それによって該組成物は凝結物へと凝結する。その他には、凝結遅延セメント組成物は坑井応用での使用、例えば、セメント組成物が事前に調整されていることが望まれる場合などの使用、に適している。これにより、例えば、セメント組成物は使用に先立って保存することができる。加えて、これにより、例えば、セメント組成物は便利な場所で調整され現場に輸送することができる。従って、現場でのバルク貯蔵、混合設備の必要の減少によって、資本支出を削減できる。このことは、船上の空間が限られている沖合のセメンチング作業に特に有用である。
これまで凝結遅延セメント組成物が開発されてきており、一方地下セメンチング作業における好適利用が課題となっている。例えば、凝結遅延セメント組成物は、圧縮強度発現の増加から益を得る。特に、初期の強度発現の押し上げ並びに長期の強度発現によって、圧縮強度をより遅くあるいは長期強度をそれほど発現させない組成物に比べ、より多様な作業に用いられ得る組成物が得られる。
これらの図は本方法の実施形態の態様を示すが、これらの図は本方法をなんら制限したり限定するのもではない。
図1は、ある実施形態に従って凝結遅延セメント組成物を調整しまた坑井へ送付するためのシステムを図示する。 図2は、ある実施形態に従って坑井に凝結遅延セメント組成物を配置する際に用いられる坑外設備を図示する。 図3は、ある実施形態に従って凝結遅延セメント組成物の坑井アニュラスへの配置を図示する。
実施形態は地下セメンチング作業に関連し、またある実施形態において、凝結遅延セメント組成物及び地下層内で凝結遅延セメント組成物の使用方法に関する。特定の実施形態において、凝結遅延セメント組成物は、セメントキルンダスト、スラグ、及び/又はシリカ源(例えば、ポゾラン)等の強度増進剤とともに用いてもよい。強度増進剤を含む凝結遅延セメント組成物の実施形態は初期強度発現を促進すること及び/又は望みの濃縮時間及び後期圧縮強度発現を達成することもできる。
凝結遅延セメント組成物の実施形態は一般的に、水、軽石、水和石灰、及び凝結遅延剤を含んでいる。凝結遅延セメント組成物はさらに分散剤、スラグ、セメントキルンダスト、無定形無定形シリカ、ポゾラン及び/又はセメント凝固賦活剤を任意に含んでいてもよい。凝結遅延セメント組成物の実施形態は発泡していてもよい。有利には、凝結遅延セメント組成物の実施形態は長期間ポンプで注入可能な流動体状のままであることができる。例えば、凝結遅延セメント組成物は、少なくとも約1日、約2週間、約2年以上ポンプで注入可能な流動体状のままである。有利には、凝結遅延セメント組成物は、比較的低温での活性化の後、合理的な圧縮強度を発現できる。凝結遅延セメント組成物は、多くの地下セメンチング作業に適している一方、例えば、約200華氏未満の温度あるいは約100華氏から200華氏までの温度範囲などの比較的低い坑底静温度である地下層での使用に特に適している。別の実施形態において、凝結遅延セメント組成物は、450華氏以上までの坑底静温度である地下層で用いることができる。
水は、凝結遅延セメント組成物内の他の成分に望ましくない影響を及ぼす化合物を過度に含まない限りいずれの水源からのものであってよい。例えば、凝結遅延セメント組成物は、淡水あるいは塩水を含んでいてもよい。塩水は、一般的には一つ以上の溶けた塩を含んでおり、特定の望まれる用途に従い飽和あるいは不飽和であってもよい。海水あるいはブラインが実施形態における使用に適している。更に、水はポンプで注入可能なスラリーを形成するために十分な量で存在する。ある実施形態において、水は凝結遅延セメント組成物に軽石の質量の約33%から約200%の範囲の量で存在する。ある実施形態において、水は凝結遅延セメント組成物に軽石の質量の約35%から約70%の範囲の量で存在する。選択された利用に適した水の量は、本開示の利益を有する当業者に認識できるべきである。
凝結遅延セメント組成物内に軽石が存在し得る。一般的に、軽石は、水和石灰と水の存在下で凝結硬化するセメント系性質を示す火山岩である。軽石も砕かれていてもよい。一般的に、軽石は特定の望まれる用途に従いいずれの粒度分布であってもよい。ある実施形態において、軽石は、約1ミクロンから200ミクロンの範囲の平均粒度を持っている。平均粒度は、英国、ウスターシャー州、マルバーンインスツルメント製の分析器などの粒度分析器によって測定されたd50値に相当する。特定の実施形態において、軽石は約1ミクロンから約200ミクロン、約5ミクロンから約100ミクロン、あるいは約10ミクロンから約50ミクロンの範囲内の平均粒度を有する。特定の一実施形態において、軽石は約15ミクロン未満の平均粒度を有する。適した軽石の例としては、DS−325軽量骨材として、アイダホ、マラドのヘスピュミスプロダクツ(Hess Pumice Products,Inc.)約15ミクロン未満の粒度を持つものが入手できる。当然のことながら、粒度が小さすぎると混合性に問題があり、一方粒度が大きすぎると組成物中で効率的に懸濁するとこができない。選択された利用に適した軽石の粒度は、本開示の利益を有する当業者が選択できるべきである。
凝結遅延セメント組成物に水和石灰が含まれ得る。ここで用いられているように、「水和石灰」とは水酸化カルシウムを意味すると理解されるであろう。幾つかの実施形態において、水和石灰は、水と混合された時に水和し水和石灰を形成する生石灰(酸化カルシウム)として与えられてもよい。例えば、軽石とともに水圧性組成物を形成するため、水和石灰が凝結遅延セメント組成物の実施形態に含まれていてもよい。例えば、水和石灰は、軽石対水和石灰の質量比として、約10:1から約1:1の割合、あるいは3:1から約5:1の割合で存在する。ここで、存在する場合には水和石灰は凝結遅延セメント組成物に、例えば、軽石の質量の約10%から100%の範囲で存在し得る。幾つかの実施形態において,水和石灰は、軽石の質量の約10%、約20%、約40%、約60%、約80%、あるいは約100%を含む及び/又はそれらのいずれかの間の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態において、凝結遅延セメント組成物に存在するセメント系成分は、基本的に軽石と水和石灰からなりうる。例えば、セメント系成分は、水の存在下で水圧的に凝結するいずれの付加的成分(例えば、ポートランドセメント、フライアッシュ、スラグセメント)無しに、第一に軽石と水和石灰を含み得る。選択された用途に適した水和石灰の含有量は、本開示の利益を有する当業者が認識されるであろう。
凝結遅延剤が凝結遅延セメント組成物にふくまれている。広範囲の種々の凝結遅延剤が、凝結遅延セメント組成物へ用いられるのに適している。凝結遅延剤は、次を含みうる:例えば、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)等のホスホン酸類、リグニンスルホン酸ナトリウム塩、リグニンスルホン酸カルシウム塩等のリグニンスルホン酸類、硫酸第一スズ、酢酸鉛、リン酸二水素カルシウム等の塩類、クエン酸、酒石酸等の有機酸類、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース(CMHEC)等のセルロース誘導体、スルホネート官能化アクリルアミドーアクリル酸共重合体等の合成、共、又は三元重合体、アルカリホウ酸塩、メタホウ酸ナトリウム、テトラホウ酸ナトリウム、ペンタホウ酸カリウムなどのホウ酸化合物、これらの誘導体、あるいはこれらの混合物である。これらのうち、適している凝結遅延剤は例えばホスホン酸誘導体類である。適している凝結遅延剤の一例として、ハリバートンエネルギーサービス社のミクロマトリックス(商標登録)セメント遅延剤がある。一般的に、凝結遅延剤は、望まれる時間に凝結を遅延させるのに十分な量で凝結遅延セメント組成物に存在し得る。幾つかの実施形態において、凝結遅延剤は凝結遅延セメント組成物に軽石の質量に対して約0.01%から約10%の範囲の量で存在し得る。特定の実施形態において、凝結遅延剤は軽石の質量に対して約0.01%、約0.1%、約1%、約2%、約4%、約6%、約8%、あるいは約10%を含む及び/又はこれらのいずれかの間の範囲の量で凝結遅延セメント組成物に存在し得る。選択された用途によって含くまれる凝結遅延剤の適量は、本開示の利益を有する当業者に認識されるであろう。
強度増強剤が凝結遅延セメント組成物に含まれうる。強度増強剤は、セメントキルンダスト、スラグ、又はそれらの組み合わせを含んでいる。セメントキルンダスト又はスラグは活性化の前に、あるいは同時に、あるいはその後に凝結遅延セメント組成物に加えられる。ここで用いられてセメントキルンダスト(「CKD」)とは、セメント製造中にガス流体から除去されダスト回収機内に回収された部分的に仮焼されたキルンフィードである。種々のセメント製造からのCKDの化学分析は、特定のキルンフィード、セメント製造操作、付随のダスト回収システムなどを含む数々の要素によって多様である。CKDは一般的にSiO2、Al2O3、Fe2O3、CaO、MgO、SO3、Na2O及びK2Oなど種々の酸化物を含んでいる。ここで用いられているスラグは、対応する鉱石からの種々の金属製造において形成される粒状化高炉副産物を言う。例えば、鋳鉄の製造から、一般的に鉄鉱石に発見される酸化された不純物を含むスラグとともに粒状化高炉副産物としてスラグが生産される。スラグは、凝結遅延セメント組成物の強度の発現を補助する易溶性ケイ酸カルシウム及びアルミン酸カルシウム源を提供する。強度増強剤は、特定の望まれる用途に従い、適切な時期に凝結遅延セメント組成物に含まれうる。例えば、強度増強剤は凝結遅延セメント組成物の活性化前あるいは後に含まれうる。
CKD及び/又はスラグは、特定の用途に適した量で凝結遅延セメント組成物の実施形態に含まれうる。幾つかの実施形態において、CKD及び/又はスラグは、軽石の質量の約1%から約400%、例えば、約1%、約10%、約50%、約100%、約250%、あるいは400%、の量で存在し得る。CKD及び/又はスラグは24時間圧縮強度を約100%以上強化するために用いられる。例えば、CKD又はスラグは24時間圧縮強度を約100%、約125%、約150%、約200%以上強化するために用いられる。さらにCKD及び/又はスラグは72時間圧縮強度を約50%以上強化するために用いられる。例えば、CKD又はスラグは72時間圧縮強度を約50%、約60%、約75%、約100%以上強化するために用いられる。選択された用途によってふくまれる強度増強剤の適量は、本開示の利益を有する当業者に認識されるであろう。
上述のように、凝結遅延セメント組成物の実施形態は任意に分散剤を含んでいてもよい。適している分散剤の例としては、スルホン化ホルムアルデヒド系分散剤(例えば、スルホン化アセトンホルムアルデヒド縮合物)があり、その例としては、ペンシルベニア州アンブラー、ゲオスペシャルティケミカルズより入手可能なDaxad(登録商標)19分散剤が含まれるが、これらに限定されない。その他の適切な分散剤は、テキサス州ヒューストン、BASF社より入手可能なLiquiment(登録商標)5581FやLiquiment(登録商標)514L分散剤、あるいはフランス、ジュネ、コーテックスより入手可能なEthacryl(登録商標)G等のポリカルボキシル化エーテル分散剤である。追加の適切な市販の分散剤はテキサス州ヒューストン、ハリーバートンエネルギーサービス社から入手可能なCFR(登録商標)−3がある。Liquiment(登録商標)514L分散剤は、水中に36質量%のポリカルボキシル化エーテルを含んでいる。種々の分散剤が、実施形態に従って用いることができる一方,ポリカルボキシル化エーテル分散剤は幾つかの実施形態において特に適している。理論的に限定されないが、ポリカルボキシル化エーテル分散剤は凝結遅延セメント組成物のほかの成分と相乗的に作用し得る。例えば、ポリカルボキシル化エーテル分散剤は、ある種の凝結遅延剤(例えば、ホスホン酸誘導体)に作用し、組成物中で軽石及び水和石灰を長時間懸濁させるゲルを形成する。
幾つかの実施形態において、該分散剤は、凝結遅延セメント組成物中に軽石の質量に対して約0.01%から約5%の範囲の量で含まれ得る。特定の実施形態において、特定の実施形態において、分散剤は軽石の質量に対して約0.01%、約0.1%、約0.5%、約1%、約2%、約3%、約4%、あるいは約5%を含む及び/又はこれらのいずれかの間の範囲の量で凝結遅延セメント組成物に存在し得る。選択された用途によって含まれる分散剤の適量は、本開示の利益を有する当業者に認識されるであろう。
地下セメンチング作業に用いられる適当な他の添加剤も凝結遅延セメント組成物の実施形態に含まれうる。そのような添加剤の例としては、特に限定されないが、増量剤、軽量添加剤、ガス発生添加剤、力学的性質強化添加剤、逸泥物質、ろ過制御添加剤、流体損失制御添加剤、泡消し剤、発泡剤、チキソトロープ添加剤、及びこれらの組み合わせがある。実施形態において、これらの添加剤の一つ以上が保存後で、しかし凝結遅延セメント組成物の地下層内への配置に先立ち凝結遅延セメント組成物に添加される。本開示の利益を有する、当分野における通常の知識を有する者は、特定の用途と望まれる結果に役立つ添加剤の種類と量は容易に決定できるであろう。
凝結遅延セメント組成物が特定の用途に適した密度をもつことは、当分野における通常の技術を有する者に認識されるであろう。例えば、凝結遅延セメント組成物は、約1ガロン当たり4ポンド(「lb/gal」)から20lb/galの範囲の密度を持ち得る。ある実施形態において、凝結遅延セメント組成物は8lb/galから17lb/galの範囲の密度を持ち得る。凝結遅延セメント組成物の実施形態は、発泡されていても泡消しされていてもよく、当分野で既知の中空微小体、低密度弾性ビーズやその他の低密度化添加剤などの密度を低減する他の手段を含んでいてもよい。実施形態において、密度は、保存後でしかし地下層内への配置に先立ち低減される。特定の用途に適した密度は、本開示の利益を有する、当分野における通常の技術を有する者に認識されるであろう。
上述のように、凝結遅延セメント組成物は、静止保存状態かつ室温(例えば約80華氏)で少なくとも約1日(例えば、少なくとも1日(例えば、少なくとも約1日、約2週間、約2年以上)ポンプで注入可能な流動体状のままである凝固遅延性を有する。例えば、凝結遅延セメント組成物は、約1日から約7日以上の期間、ポンプで注入可能な流動体状のままである。幾つかの実施形態において、凝結遅延セメント組成物は、少なくとも約1日、約7日、約10日、約20日、約30日、約40日、約50日、約60日以上ポンプで注入可能な流動体状のままである。流動体は、API RP Practice 10B−2、Recommended Practice for Testing Well Cements,第1版、2005年7月、に記載された、セメント濃縮時間を決定する手順に従って、加圧濃度計(pressurized consistometer)で測定された時の粘度のビアーデン単位(「Bc」)で70未満の濃度を有するポンプで注入可能な流動体状態の流動体であると考えられる。
使用に際して、凝結遅延セメント組成物の実施形態は活性化され(例えば、活性剤との結合により)硬化体へと凝結する。ここで用いられている用語「セメント凝結活性剤」又は「活性剤」は凝結遅延あるいはかなり遅延されたセメント組成物を活性化し、また凝結遅延あるいはかなり遅延されたあるいは他のセメント組成物の凝結を加速することができる添加剤である。例えば、凝結遅延セメント組成物の実施形態は活性化されて、約1時間から約12時間の期間内に硬化体を形成する。例えば、凝結遅延セメント組成物の実施形態は、約1日、約2日、約4日、約6日、約8日、約10日、約12日を含む及び/又はこれらのいずれかの間の範囲の期間内に硬化体を形成する。
幾つかの実施形態において、凝結遅延セメント組成物は活性化後、凝結し望みの圧縮強度を持つ。圧縮強度は、一般的には軸方向の押力に耐える物質あるいは構造の能力である。圧縮強度は、凝結遅延セメント組成物が活性化され、得られた組成物が特定の温度と圧力の条件下で保たれた後の、特定の時間に測定される。圧縮強度は、破壊又は非破壊方法で測定できる。破壊方法は、圧縮試験機内でサンプルを破壊することによって、処理流体サンプルの強度を種々の点で物理的に適時に試験する。圧縮強度は荷重に抗する断面積で割った破損荷重から計算され、平方インチ当たりのポンド力を単位(psi)として報告される。非破壊方法では、テキサス州ヒューストン、ファンインスツルメント社から入手できるUCA(登録商標)超音波セメント分析器を用いられる。圧縮強度値は、API RP 10B−2、Recommended Practice for Testing Well Cements,First Edition,July 2005に従って決定される。
例えば、凝結遅延セメント組成物は、約50psiから5000psi、又は約100psiから4500psi、又は約500psiから4000psiの範囲の24時間圧縮強度を発現する。幾つかの実施形態において、凝結遅延セメント組成物は、少なくとも約50psi、少なくとも約100psi、少なくとも約500psi以上の圧縮強度を発現する。幾つかの実施形態において、圧縮強度値は、100°Fから200°Fの範囲内の温度で、破壊又は非破壊方法によって決定できる。
幾つかの実施形態において、凝結遅延セメント組成物は、活性化後望みの濃縮時間を有する。濃縮時間は典型的には、凝結遅延セメント組成物などの流体が、揚水され得る流体状態の保つ時間をいう。多くの異なる実験室技術が、濃縮時間を測定するために用いられる。加圧式濃度計が、上記API RP Practice 10B−2に従って操作され、流体が、ポンプで注入可能な流体状態かどうか測定するのに用いられる。濃縮時間は、処理された流体が70Bcに達するのに要する時間であり、70Bcに達する時間として報告される。幾つかの実施形態において,セメント組成物は、3,000psiで約50°Fから約400°F、あるいは約80°Fから約250°Fの範囲内の温度、あるいは、約140°Fの温度で、約1時間、あるいは約2時間、あるいは約5時間より長い濃縮時間である。
実施形態は、セメント凝結活性剤を凝結遅延セメント組成物に添加することを含んでいる。適したセメント凝結活性剤の例としては、特にこれらに限定はしないが、ゼオライト、トリエタノールアミンジエタノールアミン等のアミン類、ケイ酸ナトリウム等のケイ酸塩(silicates)、蟻酸亜鉛、酢酸カルシウム、水酸化ナトリウム、水酸化マグネシウム及び水酸化カルシウムなどのIA族及びIIA族の水酸化物、塩化ナトリウムなどの一価の塩類、塩化カルシウムなどの二価の塩類、ナノシリカ(すなわち、約100ナノメータ以下の粒度を持つシリカ)、ポリリン酸塩類(polyphosphates)、及びこれらの組み合わせが含まれる。幾つかの実施形態において、ポリリン酸と一価の塩の組み合わせを活性化のため用いてもよい。一価の塩は、ナトリウムやカリウムの塩などの、解離して一価の陽イオンを形成する塩である。適した一価の塩の具体的な例としては、硫酸カリウムと硫酸ナトリウムが含まれる。重合体メタリン酸塩(polymeric metaphosphate salts)、リン酸塩(phosphates)、及びこれらの組み合わせを含む、種々の異なるポリリン酸類が、一価の塩と組み合わせて凝結遅延セメント組成物の活性化に用いられる。用いられる重合体メタリン酸塩の具体的な例は、ヘキサメタリン酸ナトリウム、トリメタリン酸ナトリウム、テトラメタリン酸ナトリウム、ペンタメタリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、オクタメタリン酸ナトリウム、及びそれらの組み合わせを含んでいる。適切なセメント凝結活性剤の一具体例は、硫酸ナトリウムとヘキサメタリン酸ナトリウムの組合せを含む。特定の実施形態において、活性剤は、例えば、一価の塩、ポリリン酸塩、及び任意に分散剤などを含む液体添加剤として、凝結遅延セメント組成物に加えられる。
幾つかの実施形態において、ナノシリカを含むセメント凝結活性剤が含まれうる。ここで用いられているように、「ナノシリカ」は、約100ナノメータ(「nm」)以下の粒度を持つシリカである。ナノシリカの大きさは、いずれかの適した技術によって測定される。測定されたナノシリカのサイズは、測定技術や、サンプル調整、温度や濃度などのサンプル条件などによって多様であることは理解されるべきである。ナノシリカの粒度を測定する一つの技術は、透過型電子顕微鏡法(TEM)である。レーザー回折に基づく市販の製品の例としては、英国、ウスターシャー州、マルバーンインスツルメンツ社が提供するZETASIZER Nano ZS粒度分析器がある。幾つかの実施形態において、ナノシリカは、コロイド状のナノシリカを含んでいる。ナノシリカはいずれかの適した技術を使って安定化される。幾つかの実施形態において、ナノシリカは、酸化リチウム、酸化ナトリウム、酸化カリウム及び/又はそれらの組み合わせの酸化金属によって安定化される。加えて、ナノシリカは、上述のようにアミン及び/又は金属酸化によって、安定化される。ナノシリカの実施形態は、更にセメントの穴の空間を埋める優れた性質が知られており、その結果凝結された後にセメントの優れた機械的性質をもたらす。
幾つかの実施形態は、一価の塩とポリリン酸塩の組み合わせを含むセメント凝結活性剤を含む得る。一価の塩とポリリン酸塩は、凝結遅延セメント組成物への添加に先立ち組み合わせられるか、あるいは凝結遅延セメント組成物に別々に加えられる。一価の塩は、ナトリウム及びカリウム塩などのかい離して一価の陽イオンを形成するいずれの塩でもよい。適切な一価の塩の具体的な例として、硫酸カリウム及び硫酸ナトリウムが含まれる。例えば、重合体メタリン酸塩、リン酸塩、これらの組み合わせなどを含む、種々の異なるポリリン酸塩が、凝結遅延セメント組成物の活性化のため一価の塩と組み合わせられ用いられる。重合体メタリン酸塩として用いられる具体的な例は、ヘキサメタリン酸ナトリウム、トリメタリン酸ナトリウム、テトラメタリン酸ナトリウム、ペンタメタリン酸ナトリウム、ヘプタメタリン酸ナトリウム、オクタメタリン酸ナトリウム、及びこれらの組み合わせが含まれる。適切なセメント凝結活性剤の一例は、リン酸ナトリウムとヘキサメタリン酸ナトリウムの組み合わせを含む。興味深いことに、メタリン酸ナトリウムは本分野において、ポートランドセメントの強力な遅延剤としても知られている。ポリリン酸塩の特異な化学的性質により、ここで開示されている凝結遅延セメント組成物の実施形態用に、セメント凝結活性剤として用いられる。ポリリン酸塩に対する一価の塩の比は、例えば、約5:1から約1:25、あるいは約1:1から約1:10の範囲内である。セメント凝結活性剤の実施形態は、一価の塩とポリリン酸塩を、約5:1、2:1、約1:1、約1:2、約1:5、約1:10、約1:20、約1:25を含む及び/又はこれらのいずれかの間の範囲の比(ポリリン酸塩に対する一価の塩の比)で含んでいる。
幾つかの実施形態において、一価の塩とポリリン酸塩の組み合わせは、分散剤と水と混合され凝結遅延セメント組成物の活性化のための液体添加剤を形成する。適した分散剤の例としては、限定はしないが、スルホン化ホルムアルデヒド系分散剤とポリカルボキシル化エーテル分散剤などの前述の分散剤が含まれる。適したスルホン化ホルムアルデヒド系分散剤の一例は、スルホン化アセトンホルムアルデヒド縮合物)であり、ハリーバートンエネルギーサービス社から入手可能なCFR−3(登録商標)である。適したポリカルボキシル化エーテル分散剤の一例は、テキサス州ヒューストン、BASF社より入手可能なLiquiment(登録商標)514L又は5581Fである。
セメント凝結活性剤は、凝結遅延セメント組成物の実施形態に、凝結遅延セメント組成物が硬化体へと凝結するのを誘発するのに十分な量で加えられる。ある実施形態において、セメント凝結活性剤は、凝結遅延セメント組成物に、軽石の質量の約0.1%から約20%の範囲の量で加えられる。特定の実施形態において、セメント凝結活性剤は、軽石の質量の約0.1%、約1%、約5%、約10%、約15%、あるいは約20%のいずれかを含む及び/又はこれらのいずれかの間の範囲の量で存在し得る。選択された用途にしたがって、セメント凝結活性剤の適切な量は、本開示の利益を有する当業者は認識するであろう。
セメント凝結活性剤(液体セメント凝結活性添加剤を含む)の幾つかの実施形態は、例えば、無定形シリカなどのシリカ及び/又は強度増強剤として用いられるポゾランのシリカ源を含んでいる。例えば、セメント凝結活性剤は塩化カルシウム及びシリカ源を含む。シリカ源を含む強度増進剤は、上記のセメントキルンダスト及び/又はスラグ強度増進剤と同様、早期強度増進をさらに高めるために用いられる。しかし、シリカ源を含む強度増進剤は、凝結遅延セメント組成物に直接加える代わりにセメント凝結活性剤に加えられる。幾つかの実施形態において、シリカ源を含む強度増強剤の凝結遅延セメント組成物への直接添加は、ゲル化あるいは瞬時の凝結を誘導する。しかしながら、シリカ源強度増強剤を含むセメント凝結活性剤を含む実施形態はゲル化あるいは瞬時の凝結を誘導しない。
実施形態において、シリカ源を含む強度増強剤は無定形シリカを含んでいてもよい。無定形シリカは、セメント圧縮強度を高めるためセメント凝結活性剤の実施形態に含まれる粉末である。無定形シリカは、一般にフェロシリコン製造工程の副産物であり、該無定形シリカは、該行程中に中間体として形成されるガス状の低級酸化ケイ素、SiO,の酸化及び濃縮によって形成される。適した無定形シリカ源の一例として、テキサス州ヒューストン、ハリーバートンエネルギーサービス社から入手可能なシリカライト(登録商標)セメントがある。強度増進剤を含む実施形態は、圧縮強度を増強するため必要に応じてシリカ源を追加的に用いることができる。
実施形態において、シリカ源を含む強度増強剤は、ポゾランを含んでいる。ポゾランの例としては、珪藻土、メタカオリン、ゼオライト、フライアッシュ、火山灰、乳白色シェール、凝灰岩、及びそれらの組み合わせである。強度増進剤を含む実施形態は、圧縮強度を増強するため必要に応じてシリカ源を追加的に用いることができる。
種々のフライアッシュは、強度増進剤を含む実施形態にシリカ源として用いるのに適している。フライアッシュは、アメリカ石油協会の、API分類(API Specification for Materials and Testing for Well Cements,API Specification 10,Fifth Ed.,July 1,1990)に従った、クラスCとクラスFに分類されるフライアッシュを含んでいる。適したフライアッシュの例としては、これに限定されないが、ハリーバートンエネルギーサービス社から市場で入手可能なポズミックス(登録商標)Aセメント添加剤がある。
メタカオリンは、強度増進剤を含む実施形態にシリカ源として用いるのに適している。一般的に、メタカオリンは、カオリン粘度を約600℃から800℃の温度範囲で加熱することによって調整される白ポゾランである。
珪藻土は、強度増進剤を含む実施形態にシリカ源として用いるのに適している。珪藻土は、主にシリカからなる柔らかく嵩高い固体物質である。一般的に、珪藻土は、珪藻と呼ばれる先史の小さな水生植物の骨格が化石化された残留物から得られる。これは一般的に粉末として得られる。適した珪藻土の一例としては、テキサス州ヒューストンのハリーバートンエネルギーサービス社から入手可能なダイアセルD(登録商標)セメント添加剤がある。
ゼオライトは、強度増進剤を含む実施形態にシリカ源として用いるのに適している。ゼオライトは一般的に天然あるいは合成のいずれかの多孔性アルミノシリケート鉱物である。合成ゼオライトは、天然ゼオライトと同様のタイプのセル構造に基づいておりアルミノシリケート水和物を含んでいる。ここで用いられているように、「ゼオライト」はゼオライトのすべての天然及び合成形を言う。適したゼオライトの一例としては、ペンシルベニア州マルバーンのPQコーポレーションから入手可能なバルフォー100(登録商標)ゼオライトあるいはアドベラ(登録商標)401がある。
シリカ源強度増強剤は、凝結遅延セメント組成物の圧縮強度を増加させるのに十分な量でセメント凝結活性剤の実施形態に加えられる。ある実施形態において、シリカ源は、軽石の質量の約0.1%から約20%の範囲の量でセメント凝結活性剤に加えられる。特定の実施形態において、シリカ源強度増強剤はセメント凝結活性剤に軽石の質量の約0.1%、約1%、約5%、約10%、約15%、あるいは約20%のいずれかを含む及び/又はこれらのいずれかの間の範囲の量で存在し得る。選択された用途用に含む、シリカ源強度増強剤の適切な量を、本開示の利益を有する当業者は認識するであろう。
当分野における通常の技術を有する者に認識されているように、凝結遅延セメント組成物の実施形態は、最初の及び補修的セメンチングを含む種々の地下作業に採用される。幾つかの実施形態において、水、軽石、水和石灰、凝結遅延剤、及び任意に分散剤を含む凝結遅延セメント組成物が提供される。強度増強剤が凝結遅延セメント組成物に含まれ得る。凝結遅延セメント組成物が、地下層に導入されそこで凝結することができる。ここで用いられているように、凝結遅延セメント組成物を地下層に導入することは、それに限られないが、地下層に開けられた坑井に、坑井を取り囲む近くに坑井に、あるいはその両方を含む、地下層のいずれかの部分への導入を含んでいる。実施形態は、更に凝結遅延セメント組成物の活性化も含んでいる。凝結遅延セメント組成物の活性化は、例えば、セメント凝結活性剤を凝結遅延セメント組成物に添加すること含みうる。シリカ源強度増強剤がセメント凝結活性剤に含まれ得る。
幾つかの実施形態において、水、軽石、水和石灰、凝結遅延剤、及び任意に分散剤及び/又は強度増強剤を含む凝結遅延セメント組成物が提供される。凝結遅延セメント組成物は、例えば、管あるいは他の適した容器に保存される。凝結遅延セメント組成物は、望む期間そのままで保存することができる。例えば、凝結遅延セメント組成物は、約1日以上保存のままであることができる。例えば、凝結遅延セメント組成物は、約1日、約2日、約5日、約7日、約10日、約20日、約30日、約40日、約50日、約60日あるいはそれ以上保存のままであることができる。幾つかの実施形態において、凝結遅延セメント組成物は、約1日から7日以上の範囲の時間保存のままであることができる。その後、凝結遅延セメント組成物は、例えば、強度増強剤を含むセメント凝結活性剤を加えることにより活性化され、地下層へ導入され、そこで凝固する。
一次のセメンチング実施形態において、例えば、凝結遅延セメント組成物は、坑井に配置された導管と坑井の壁(及び/又は坑井にあるより大きな導管)との間の環状空間に導入されるが、ここで坑井は地下層を貫いている。凝結遅延セメント組成物は、環状空間で凝固し、硬化セメントの環状シースを形成する。凝結遅延セメント組成物は坑井において流動体の移動を防止する障壁を形成する。凝結遅延セメント組成物はまた、例えば、坑井中の導管を支持する。
補修的セメンチング実施形態において、凝結遅延セメント組成物は、スクィーズセメンチング作業あるいはセメントプラグの設置に採用できる。例えば,凝固遅延組成物は坑井に配置され、層中、礫パック中、導管中、セメントシース中、及び/又はセメントシースと導管の間(例えばミクロアニュラス)にある開口(例えば、空所あるいは裂け目)を塞ぐために配置される。
実施形態は、水、軽石、水和石灰、凝結遅延剤及び強度増強剤、該強度増強剤はセメントキルンダスト、スラグ、無定形シリカ、ポゾラン、及びこれらのいずれかの組み合わせからなる群から選ばれる少なくとも一つの物質を含んでいる、を含む凝結遅延セメント組成物を供給すること、セメント組成物を地下層内に導入すること、地下層内でセメント組成物を凝結させる地下層のセメンチング方法を含む。強度増強剤を含むセメント組成物の成分を、上記検討された実施形態に関連しより詳細に述べる。セメント組成物は、上記検討された実施形態で述べられているように凝固が遅延される。上述されているものなど、セメント凝結活性剤はセメント組成物の活性化のために用いることができる。
実施形態は、水、軽石、水和石灰、凝結遅延剤及び強度増強剤、該強度増強剤はセメントキルンダスト、スラグ、無定形シリカ及びポゾランからなる群から選ばれる、を含むセメント組成物を含んでいる。強度増強剤を含んでいるセメント組成物の成分を、上記検討された実施形態に関連しより詳細に述べる。セメント組成物は、上記検討された実施形態で述べられているように凝固が遅延される。上述されているものなど、セメント凝結活性剤はセメント組成物の活性化のために用いることができる。
実施形態は、水、軽石、水和石灰、凝結遅延剤及び強度増強剤、該強度増強剤はセメントキルンダスト、スラグ、無定形シリカ及びポゾランからなる群から選ばれる、を含むセメント組成物を含むセメンチングシステムを含んでいる。該システムは、セメント組成物を混合することができる混合機器を更に含んでいる。該システムは、セメント組成物をポンピングすることができるポンピング機器を更に含んでいる。強度増強剤を含んでいるセメント組成物の成分を、上記検討された実施形態に関連しより詳細に述べる。セメント組成物は、上記検討された実施形態で述べられているように凝固が遅延される。上述されているものなど、セメント凝結活性剤はセメント組成物の活性化のために用いることができる。
次に、図1を参照し、例としての実施形態に従って凝結遅延セメント組成物の調整について述べる。図1は、ある実施形態に従って凝結遅延セメント組成物の調整、それに続く坑井への該組成物の送付のためのシステム2を図示している。示されているように、凝結遅延セメント組成物は、例えば、ジェットミキサー、再循環混合器、又はバッチミキサー等の混合機器4内で混合され、その後坑井へ、ポンピング機器6を経てポンピングされる。幾つかの実施形態において、混合機器4及びポンピング機器6は、当分野における通常の技術を有す者にとって明らかなように、一つ以上のセメントトラック上に配置される。幾つかの実施形態において,ジェットミキサーが、例えば、坑井へポンピングしながら、継続的に石灰/凝固性物質を水と混合するために用いられる。凝結遅延実施形態において、再循環混合器及び/又はバッチミキサーが、凝結遅延セメント組成物を混合するため用いられ、セメント組成物をダウンホールへポンピングするのに先立ち、活性化剤が粉末として該混合器に加えられる。加えて、スラリー用のバッチミキサー型ユニットが、セメント凝結活性剤を含んでいる別のタンクとつないで配管される。その後、セメント凝結活性剤は、混合ユニットから吐き出されながらスラリーと調和して供給される。
次に、凝結遅延セメント組成物を地下層へ設置する技術の一例を図2と3を参照しながら、説明される。図2は、ある実施形態に従って、凝結遅延セメント組成物を配置する際に用いられる地表機器10を図示している。図2は、通常陸上の作業を表しているが、当業者はここに述べられている原則が本開示の範囲を逸脱せず、浮かんでいるか海底設置の足場やリグを用いた海中作業にも同様に適用できることは認識するであろう。図2に示されているように、陸上機器10はセメンチングユニット12を含んでいるが、これは一台以上のセメントトラックを含んでいる。該セメンチングユニット12は、当分野の通常の知識を有する者に明らかなように混合機器4とポンピング機器6(例えば、図1)を含んでいる。該セメンチングユニット12は、凝結遅延セメント組成物14を供給管16を通して、凝結遅延セメント組成物14をダウンホールへ運ぶセメンチングヘッド18へポンピングし得る。
次に、図3において、実施形態の例に従って、凝結遅延セメント組成物14は地下層20に配置される。図示されているように、坑井22が地下層20にまで掘られている。坑井22が地下層20に垂直に伸びているのが示されているが、ここに述べられている原理は水平あるいは傾いた坑井など地下層20へある角度を持って伸びている坑井にも同様に適用できる。図示されているように、坑井22は壁24からなる。図示された実施形態において、表層ケーシング26が坑井22に挿入されている。表層ケーシング26は、セメントシース28により坑井22の壁24にセメント結合される。図示された実施形態において、ここではケーシング30として図示されているが、一つ以上の追加の導管(例えば、中間ケーシング、製造ケーシング、ライナー等)が坑井22に配置される。図に示すように、ケーシング30と坑井22の壁24及び/又は表層ケーシング26の間に形成された坑井アニュラス32がある。一つ以上のセントラライザ34がケーシング30に取り付けられており、例えば、セメンチング作業に先立ちあるいはその間、ケーシング30を坑井22に中心化する。
続いて図3において、凝結遅延セメント組成物14はケーシング30の中にポンピングで下ろされる。凝結遅延セメント組成物14は、ケーシング30の底で、ケーシングシュー42を通してケーシング30の中へと下に流れ、及びケーシング30の周りで、坑井アニュラス32に向けて上に流れるようになっている。凝結遅延セメント組成物14は、坑井アニュラス32内で凝結するようになっており、例えば、坑井22内ケーシング30を支持し位置づけるセメントシースを形成する。図示されてはいないが、凝結遅延セメント組成物14の導入のためその他の技術も用いてもよい。例えば、ケーシング30を通す代わりに坑井アニュラス32を通して地下層20の中へ凝結遅延セメント組成物14導入すること等を含む逆循環技術が採用されてもよい。
導入されると、凝結遅延セメント組成物14は、掘削流体及び/又はスペーサ流体など、ケーシング30及び/又は坑井アニュラス32の内部に存在するかもしれない他の流体36を移動させる。移動させた流体36の少なくとも一部は、フローライン38を経て坑井アニュラス32を出て、例えば、図2に示されているように、一つ以上の保留ピット40(例えば、泥ピット)に堆積される。再度図3において、例えば、セメンチングに先立ちケーシング30内に存在しうる流体36から凝結遅延セメント組成物14を分離するために、底栓44が凝結遅延セメント組成物14より先に坑井22に導入される。底栓44が着地縁46に届いた後、隔膜又は他の適当な装置が破断し凝結遅延セメント組成物14が底栓44を通して流される。図3において、底栓44は着地縁46上にあることが示されている。図示された実施形態において、上部栓48が、坑井22に凝結遅延セメント組成物14の後ろに導入される。上部栓48は、凝結遅延セメント組成物14を移された流体50から離し、また凝結遅延セメント組成物14を底栓44を通して押しだす。
本願明細書で開示される例示的な凝結遅延セメント組成物は、直接又は間接的に、開示された凝結遅延セメント組成物の調製、輸送、回収、リサイクル、再利用、及び/又は廃棄に関連した機材の一つもしくはそれ以上の部品又は部分に影響を及ぼす場合がある。例えば、開示された凝結遅延セメント組成物は、例示的な凝結遅延セメント組成物を生成、貯蔵、モニター、調整、及び/又は再生するために用いられる、一つもしくはそれ以上のミキサー、関連した混合機材、マッドピット、貯蔵施設又はユニット、組成物セパレータ、熱交換器、センサー、ゲージ、ポンプ、圧縮器などに直接又は間接的に影響を及ぼす場合がある。開示された凝結遅延セメント組成物はまた、それを井用地又はダウンホールに輸送するために用いられるいかなる輸送又は送達装置、例えば、凝結遅延セメント組成物を一つの位置からもう一方の位置まで組成的(compositionally)に移動するために用いられるいかなる輸送容器、導管、パイプライン、トラック、管状物、及び/又はパイプ、凝結遅延セメント組成物を動き出させるために用いるいかなるポンプ、圧縮器、あるいはモーター(例えば、トップサイド又はダウンホール)、凝結遅延セメント組成物の圧力又は流速を調整するために用いるいかなるバルブもしくは関連した連結部、及び、いかなるセンサー(すなわち、圧力及び温度)、ゲージ、及び/又はそれらの組み合わせなどにも、直接又は間接的に影響を及ぼす場合がある。開示された凝結遅延セメント組成物はまた、概凝結遅延セメント組成物と接触するかもしれない様々なダウンホール機材及び工具に、直接又は間接的に影響を及ぼす場合がある。そのような機材及び工具には、以下に挙げるものが含まれるが、これらに限定されるものではない:坑井ケーシング、坑井ライナー、仕上げストリング、挿入ストリング、ドリルストリング、らせん状の管、スリックライン、ワイヤーライン、ドリルパイプ、ドリルカラー、マッドモーター、ダウンホールモーター及び/又はポンプ、セメントポンプ、表面実装型モーター及び/又はポンプ、セントラライザー、turbolizer、スクラッチャー、フロート(例えば、シュー、カラー、バルブなど)、記録ツール及び関連した遠隔測定装置、アクチュエーター(例えば、電気機械式装置、機械液圧式装置など)、スライディングスリーブ(sliding sleeve)、プロダクションスリーブ(production sleeve)、プラグ、スクリーン、フィルター、流量調整装置(例えば、流入量制御デバイス、自律流入量制御デバイス、流出量制御デバイスなど)、カプラ(例えば、電気油圧式ウェットコネクター、ドライコネクター、誘導型カプラ)、コントロール回線(例えば、電気、光ファイバー、液圧式など)、監視回線、ドリルビット及びリーマ、センサー又は分散型センサー、ダウンホール熱交換器、バルブ及び対応する作動装置、工具シール、包装装置、セメントプラグ、ブリッジプラグ、及び他の坑井隔離装置又は部品、など。
本実施形態の理解を更に容易にするために、以下に、いくつかの実施形態の態様を例を挙げ説明する。以下の実施例はいずれの意味においても本実施形態の範囲を限定、制限するものではない。
実施例1
次の実施例では、セメントキルンダスト強度増強剤を含む凝結遅延セメント組成物について述べる。三つの凝結遅延セメント組成物が調整された。この三つの組成物は、水、骨材として、アイダホ、マラドのヘスピュミスプロダクツ(Hess軽石Products,Inc.から入手可能であるDS−325軽量骨材、水和石灰として、テキサス州ヒューストン、BASF社より入手可能なLiquiment 5581F(登録商法)分散剤、テキサス州ヒューストン、ハリーバートンエネルギーサービス社から入手可能なMicro Matrix(登録商標)セメント 遅延剤(MMCR)、テキサス州ヒューストン、ハリーバートンエネルギーサービス社から入手可能な共遅延剤HR(登録商標)−5セメント遅延剤、テキサス州ヒューストン、ハリーバートンエネルギーサービス社から入手可能なMicroMax(登録商標)増量添加剤、テキサス州ヒューストン、ハリーバートンエネルギーサービス社から入手可能な増粘剤としてSA−1015(登録商標)懸濁剤、と任意に強度増強剤としてセメントキルンダストを含んでいた。これらの三つの全てのサンプルの成分構成は以下の表1に示されている。
表1
凝結遅延セメント組成物実施例
各スラリーは、1週間以上エージングされた。流動性測定は0日、(初期混合の後)、4日、及び7日目に行われた。流動性は、モデル35Aファン濃度計(Model 35A Fann Viscometer)とファンイールドストレスアダプタ(Fann Yield Stress Adapter)を持つNo.1ばねを用いてAPI RP Practice 10B−2、Recommended Practice for Testing Well Cementsに定められた手順に従って測定された。データは、下記表2に示されている。
表2
サンプルの流動性
*1.6g追加分散剤添加、**5.7g追加分散剤添加、***2.0g追加分散剤添加。
次に、水、ポリリン酸塩(ヘキサメタリン酸ナトリウム)、一価の塩(硫酸ナトリウム)、テキサス州ヒューストン、BASF社より入手可能なLiquiment 5581F(登録商標)分散剤からなる液体添加剤であるセメント凝結活性剤が調整された。セメント凝結活性剤118.9gが各サンプルに加えられた。液体添加剤であるセメント凝結活性剤の組成は以下の表3に示されている。
表3
セメント凝結活性剤組成
セメントキルンダストが活性化されたサンプルの圧縮強度に与える影響を測定するため、各サンプルの圧縮強度が、24時間及び72時間の硬化後測定された。破壊圧縮強度は、サンプルを、140°Fの水槽に設置された2インチ×4インチのプラスチック試験管内で硬化し凝結円筒を形成して測定された。水槽から取り除いた直後に、破壊圧縮強度が、機械プレスを用いて、API RP 10B−2、“Recommended Practice for Testing Well Cements”に従って測定された。この試験の結果は、psi単位で以下の表4に掲載されている。記録されている圧縮強度は各サンプルの三つの円筒の平均値である。
表4
圧縮強度試験
実施例1は、セメントキルンダストが凝結遅延セメント組成物にとって強度増強剤として機能することを示している。
実施例2
次の実施例では、スラグ強度増強剤を含む凝結遅延セメント組成物を説明する。三個の活性化された凝結遅延セメント組成物実施例を調整した。この三つの組成物は水、アイダホ、マラドのヘスピュミスプロダクツ(Hess Pumice Products,Inc.)から入手可能なDS−325軽量骨材の軽石、水和石灰、テキサス州ヒューストン、BASF社より入手可能なLiquiment 5581F(登録商標)分散剤、テキサス州ヒューストン、ハリーバートンエネルギーサービス社から入手可能なマイクロマトリックス(Micro Matrix(登録商標))セメント遅延剤(MMCR)、テキサス州ヒューストン、ハリーバートンエネルギーサービス社から入手可能な共遅延剤HR(登録商標)‐5セメント遅延剤、テキサス州ヒューストン、ハリーバートンエネルギーサービス社から入手可能なマイクロマックス(MicroMax(登録商標))増量剤、テキサス州ヒューストン、ハリーバートンエネルギーサービス社から入手可能な増粘剤SA−1015(登録商標)である懸濁剤、及び任意に強度増強剤であるスラグからなる。なお、サンプルはCaCl2溶液で活性化された。これらの三つの全てのサンプルの成分構成は以下の表5に示されている。
表5
凝結遅延セメント組成物実施例
*軽石の質量%
スラグが活性化されたサンプルの圧縮強度に与える影響を測定するため、各サンプルの圧縮強度が、24時間の硬化後測定された。破壊圧縮強度は、サンプルを、140°Fの水槽に設置された2インチ×4インチのプラスチック試験管内で硬化し凝結円筒を形成して測定された。水槽から取り除いた直後に、破壊圧縮強度が、機械プレスを用いて、API RP 10B−2、“Recommended Practice for Testing Well Cements”に従って測定された。この試験の結果は、psi単位で以下の表6に掲載されている。記録されている圧縮強度は各サンプルの三つの円筒の平均値である。
表6
圧縮強度テスト
実施例2はスラグが凝結遅延セメント組成物にとって、強度増強剤として機能することを示している。
実施例3
次の実施例では、異なるシリカ源の凝結遅延セメント組成物への強度増進効果をしめすため異なるシリカ源からなる強度増進剤を含むセメント凝結活性剤を用いた。CaCl2(全セメント凝結活性剤溶液の43%)と水のみからなる参照サンプルが調整された。各実験用セメント凝結活性剤溶液は、水、塩化カルシウム、及びシリカ源を含んでいた。実験用セメント凝結活性剤の構成は、以下の表7に掲載されている。
表7
セメント凝固活性化剤組成物
シリカ源は無定形シリカ、珪藻土、メタカオリン、D50の粉砕軽石、ゼオライト、クラスFのフライアッシュの中から選ばれた。各シリカ源は凝結遅延セメント組成物中に、軽石の質量(「bwoP」)の5%の分量で存在し、CaCl2はbwopの10%の分量で存在した。
凝結遅延セメント組成物は水、アイダホ、マラドのヘスピュミスプロダクツ(Hess Pumice Products,Inc.)から入手可能なDS−325軽量骨材軽石、水和石灰、BASF社より入手可能なLiquiment 5581F(登録商標)分散剤、テキサス州ヒューストン、ハリーバートンエネルギーサービス社から入手可能なマイクロマトリックス(Micro Matrix(登録商標))セメント遅延剤(MMCR)、テキサス州ヒューストン、ハリーバートンエネルギーサービス社から入手可能な共遅延剤HR(登録商標)‐5セメント遅延剤、テキサス州ヒューストン、ハリーバートンエネルギーサービス社から入手可能なマイクロマックス(MicroMax(登録商標))増量剤、テキサス州ヒューストン、ハリーバートンエネルギーサービス社から入手可能な増粘剤SA−1015(登録商標)である懸濁剤、及び任意に強度増強剤であるセメントキルンダストからなる。これらの三つの全てのサンプルの成分構成は以下の表8に示されている。
表8
凝結遅延セメント組成物実施例
活性化後、各サンプルの破壊圧縮強度を、140°Fの水槽に設置された2インチ×4インチのプラスチック試験管内で24時間硬化させ凝結円筒を形成して測定された。水槽から取り除いた直後に、破壊圧縮強度が、機械プレスを用いて、API RP 10B−2、“Recommended Practice for Testing Well Cements”に従って測定された。この試験の結果は、psi単位で以下の表9に掲載されている。記録されている圧縮強度は各サンプルの三つの円筒の平均値である。
表9
圧縮強度試験
結果は、シリカ源を含む強度増強剤のセメント凝結活性剤への添加が,凝結遅延セメント組成物の24時間圧縮強度を増加させることを示している。
実施例4
本実施例において、実施例3の同じ凝結遅延セメント組成物を、ポゾランを種々の濃度で含むセメント凝結活性剤で活性化した。ポゾランの分量が各サンプルで異なること以外はCaCl2は一定に保たれ、すべてのサンプルの密度は、水の分量を変更して一定に保たれた。実験に用いられたポゾランは珪藻土であった。
凝結遅延セメント組成物がセメント凝結活性剤に曝された後、各サンプルの破壊圧縮強度は、サンプルを、160°Fの水槽に設置された2インチ×4インチのプラスチック試験管内で24時間硬化し凝結円筒を形成して測定された。水槽から取り除いた直後に、破壊圧縮強度が、機械プレスを用いて、API RP 10B−2、“Recommended Practice for Testing Well Cements”に従って測定された。この試験の結果は、psi単位で以下の表10に掲載されている。記録されている圧縮強度は各サンプルの三つの円筒の平均値である。
表10
圧縮強度試験
結果は、強度増強剤の分量増加により凝結遅延セメント組成物の24時間圧縮強度の増加することを示している。
実施例5
次の実施例は、ポゾランを含むシリカ源強度増強剤を用いた実施形態の圧縮強度発現に非遅延化されたポゾランの解離によっていることを示す。実施例3の同じ凝結遅延セメント組成物を2つの別のサンプルに分けた。サンプル7はセメント凝結活性剤が非存在下で調節され、その後5%bwopのCaCl2と5%bwopの珪藻土を含むセメント凝結活性剤が凝結に先立ち加えられた。サンプル8は5%bwopのCaCl2と5%bwopの珪藻土を含むセメント凝結活性剤の存在下で調節された。両サンプルは、183°Fで60分続いて151°Fで70分間調節された。結果は、以下の表11が示されている。
サンプル7と8が調節され活性化された後、各サンプルの破壊圧縮強度は、サンプルを、160°F,3000psiのオートクレーブに設置された1インチ×1インチのプラスチック試験管内で24時間硬化し凝結円筒を形成して測定された。オートクレーブから取り除いた直後に、破壊圧縮強度が、機械プレスを用いて、API RP 10B−2、“Recommended Practice for Testing WellCements”に従って測定された。この試験の結果は、psi単位で以下の表11に掲載されている。記録されている圧縮強度は各サンプルの三つの円筒の平均値である。
表11
圧縮強度試験
実験は、CaCl2の濃度を4.5%bwopに下げた以外は同じパラメータで繰り返した。結果は表12に示す。
表12
圧縮強度試験試験
実験は、ポゾランをセメント凝結活性剤に加えなかった以外は同じパラメータで再び繰り返した。結果は表13に示す。
表13
圧縮強度試験試験
結果は、強度増強剤がたとえなくても凝結遅延セメント組成物を調節順序に付すことによって圧縮強度の幾分か改善されることを示しているが、この効果は強度増進剤を含むセメント凝結増強剤にみられるよりはかなり小さいことがわかる。全体の結果としては、温度上昇は長期的に強度増強剤の溶解を強化するが、凝結遅延セメント組成物にはそれだけではほとんど効果がないことが示された。
実施例6
本実施例用に、実施例3の同じ凝結遅延セメント組成物を、強度増進剤、一価の塩、及びポリリン酸塩含むセメント凝結活性剤で活性化した。CaCl2分量が各サンプルで異なること以外は、強度増強剤が一定に保たれ、すべてのサンプルの密度は、水の分量を変更して一定に保たれた。実験に用いられたポゾランは珪藻土であった。
凝結遅延セメント組成物がセメント凝結活性剤に曝された後、各サンプルの破壊圧縮強度は、サンプルを、160°Fのオートクレーブに設置された1インチ×2インチのプラスチック試験管内で24時間硬化し凝結円筒を形成して測定された。オートクレーブから取り除いた直後に、破壊圧縮強度が、機械プレスを用いて、API RP 10B−2、“Recommended Practice for Testing Well Cements”に従って測定された。この増ちょう時間は、高温高圧コンシストメーターで、API RP 10B−2、“Recommended Practice for Testing Well Cements”,First Edition, July 2005に規定されているセメントの増ちょう時間を決定するための手順にしたがって、室温(例えば、約80°F)かつ大気圧から183°Fかつ3000psiまで52分間で上昇させ測定された。試験の結果は、以下の表14掲載されている。記録されている結果は各サンプルの三つの円筒の平均値である。
表14
圧縮強度及び増ちょう時間試験
結果は、強度増強剤の添加が凝結遅延セメント組成物の増ちょう時間を短縮しまた圧縮強度をかなり増強することをしめしている。結果は、またCaCl2の濃度は、強度増強剤の存在下で増ちょう時間にかすかな効果しかないことを示している。
実施例7
本実施例用に、実施例3の同じ凝結遅延セメント組成物を、一価の塩(硫酸ナトリウム)及びポリリン酸塩(ヘキサリン酸ナトリウム)を含む対照のセメント凝結活性剤(サンプル13と15)か、又は一価の塩(硫酸ナトリウム)とポリリン酸塩(ヘキサリン酸ナトリウム)及び強度増強剤(珪藻土)を含む実験のセメント凝結活性剤(サンプル14と16)で活性化した。すべての実験において、一価の塩とポリリン酸塩は1:1の割合で用いられた。セメント凝結活性剤の濃度は2点間で変えられ、一方強度増強剤は一定に保たれた。
保たれた。
凝結遅延セメント組成物が対照のセメント凝結活性剤か実験のセメント凝結活性剤のいずれかに曝された後、各サンプルの破壊圧縮強度は、サンプルを、160°F、3000psiのオートクレーブに設置された1インチ×2インチのプラスチック試験管内で24時間硬化し凝結円筒を形成して測定された。オートクレーブから取り除いた直後に、破壊圧縮強度が、機械プレスを用いて、API RP 10B−2、“Recommended Practice for Testing Well Cements”に従って測定された。本試験の結果は、以下の表15掲載されている。記録されている結果は各サンプルの三つの円筒の平均値である。
表15
圧縮強度試験
結果は、強度増強剤の添加はサンプルの圧縮強度を増強することを示している。
圧縮強度試験の硬化に先立ち、増ちょう時間測定が各サンプルの部分で実施された。サンプルは、183°Fで60分、続いて151°Fで70分間調節された。続いて、増ちょう時間は、高温高圧コンシストメーターで、API RP 10B−2、“Recommended Practice for Testing Well Cements”,First Edition,July 2005に規定されているセメントの増ちょう時間を決定するための手順にしたがって、室温(例えば、約80°F)かつ大気圧から183°Fかつ3000psiまで52分間で上昇させ測定された。試験の結果は、以下の表16に掲載されている。
表16
増ちょう時間試験
本特定のシステムにおいて、圧縮強度データと並べてみると、増ちょう時間データは、セメント凝結活性剤に加えられたシリカ源強度増強剤は凝結遅延セメント組成物の増ちょう時間を変化させないが、圧縮強度は増加させることを示している。一般的に、増ちょう時間と圧縮強度は、一方の減少が他方の減少を引き起こすように直接的関係で結ばれている。しかし、本システムにおいては、増ちょう時間と圧縮強度は切り離されている。
組成物及び方法は、種々の成分あるいは工程を「(集まって)構成する」、「包含する」、あるいは「含む」の用語で述べられていること、また組成物及び方法は、種々の成分あるいは工程から「本質的に成る」又は「成る」であってもよいことを理解されたい。更に、請求項で用いられている不定冠詞「a」又は「an」は、ここではそれに続く要素が一つあるいは一つ以上であることを意図するものとする。
簡潔のために、ここでは、確かな範囲のみを明示的に記している。しかしながら、いずれかの下限からの範囲はいずれかの上限と組み合わされ、明示的に列挙されない範囲を表しており、また、いずれかの下限からの範囲は他のいずれかの下限と組み合わされ、明示的に列挙されない範囲を表しており、同様に、いずれかの上限からの範囲は他のいずれかの上限と組み合わされ、明示的に列挙されない範囲を表している。加えて、下限と上限の数値的範囲が開示されている時はいつでも、該範囲内のいずれの数値もいずれの含まれる範囲も具体的に開示されている。特に、ここで開示されている各値の範囲(「約aから約b」、あるいは同様に、「ほぼaからb」、あるいは、同様にほぼa〜b」という形式)は、たとえ明示的に列挙されていなくても、すべての数値と範囲はより広い範囲の値の中に存在するものと理解すべきである。このように、各点又は個々の値は、他のいずれかの点又は個々の値、あるいは他のいずれかの下限又は上限と組み合わせられたそれ自体の下限又は上限を示し、明示的に列挙されていない範囲を指定している。
従って、本実施形態は、述べられた目的と利点並びに本来の目的と利点を達成するためによく適合している。上述の特定の実施形態は、単に例示するにすぎず、本実施形態は、当分野における教えの利益を有する者にとって明らかで、異なるが同等の方法で修正し実行してもよい。個々の実施形態が検討されたが、本開示は、各実施形態の全ての組み合わせを企図し含んでいる。更に、ここに示された詳細な構造や設計は、下記の特許請求の範囲に含まれる限り、何ら限定を意図するものではない。また、特許請求の範囲内の用語は、特許所有者によって明示的に明らかに定義されない限り、平明かつ通常の意味を持つ。
それ故、上述の具体的かつ実例的実施形態は変更又は修正することができることは明らかであり、そのような全ての変更は本開示の要旨と範囲内に含まれる。本明細書及びここに参照として組み入れられている一つ以上の特許あるいは文献において、単語あるいは用語の使用に矛盾がある場合、本明細書と一致する定義が用いられるべきである。
本発明の別の態様は、以下のとおりである。
〔1〕地下層におけるセメンチングの方法であって、以下の工程、
1.水、軽石、水和石灰、凝結遅延剤、及び強度増強剤を含むセメント組成物を準備する工程であって、前記強度増強剤が、セメントキルンダスト、スラグ、無定形シリカ、ポゾラン、及びそれらいずれかの組み合わせからなる群から選択される少なくとも一つを含む工程、
2.該セメント組成物を前記地下層へ導入する工程、及び
3.該セメント組成物を前記地下層で凝固させる工程、
を含むことを特徴とする方法。
〔2〕該強度増強剤が、セメントキルンダストを含み、該セメントキルンダストが、軽石の質量の約50%〜約100%の分量で存在する前記〔1〕に記載の方法。
〔3〕該強度増強剤が、スラグを含み、該スラグが、軽石の質量の約50%〜約100%の分量で存在する前記〔1〕に記載の方法。
〔4〕該強度増強剤が、ポゾランを含み、該ポゾランが、珪藻土、メタカオリン、フライアッシュ、ゼオライト及びそれらのいずれかの組み合わせからなる群から選ばれ、該ポゾランは、軽石の質量の約0.1%〜約20%の量で存在する前記〔1〕に記載の方法。
〔5〕該強度増強剤が、ポゾランを含み、該方法が、さらにセメント組成物を調製することを含み、該調製が、セメント凝結活性剤及び該ポゾランを含む添加剤を凝結遅延セメント組成物と組み合わせることを含む前記〔1〕に記載の方法。
〔6〕該強度増強剤が、無定形シリカを含み、該無定形シリカが、軽石の質量の約0.1%〜約20%の量で存在する前記〔1〕に記載の方法。
〔7〕該凝結遅延剤が、リン酸塩、ホスホン酸塩、ホスホン酸、ホスホン酸誘導体、リグノスルホン酸塩、塩、有機酸、カルボキシメチル化ヒドロキシエチル化セルロース、スルホン酸基及びカルボン酸基を含む合成共−又はタ−ポリマー、ホウ酸塩化合物、及びこれらのいずれかの混合物からなる群から選ばれる少なくとも一つの遅延剤を含む前記〔1〕に記載の方法。
〔8〕該セメント組成物が、ゼオライト、アミン類、ケイ酸塩類、IA族及びIIA族の水酸化物、一価の塩類、二価の塩類、ナノシリカ、ポリリン酸塩類、及びこれらの組み合わせの群から選ばれるセメント凝結活性剤を含んでいる前記〔1〕に記載の方法。
〔9〕該セメント組成物が、更に一価の塩とポリリン酸塩の組み合わせを含むセメント凝結活性剤含む前記〔1〕に記載の方法。
〔10〕該セメント組成物が、更にスルホン化されたホルムアルデヒド系分散剤、ポリカルボキシル化エーテル分散剤、及びその組み合わせからなる群から選ばれる分散剤の一つを含む前記〔1〕に記載の方法。
〔11〕該セメント組成物が、坑井に配置された導管と坑井の壁又は他の導管との間のアニュラスに導入する前記〔1〕に記載の方法。
〔12〕該導入工程に先立ち、更に該セメント組成物を約7日間保存しその後セメント凝結活性剤を該セメント組成物に加えることを含む前記〔1〕に記載の方法。
〔13〕水、
軽石、
水和石灰、
凝結遅延剤、及び
強度増強剤、
を含むセメント組成物であって、該強度増強剤が、セメントキルンダスト、スラグ、無定形シリカ、及びポゾランからなる群から選択されることを特徴とするセメント組成物。
〔14〕該硬度増強剤が、セメントキルンダストを含み、該セメントキルンダストが、軽石の質量の約50%〜約100%の量で存在する、前記〔13〕に記載の組成物。
〔15〕該強度増強剤が、スラグを含み、該スラグが、軽石の質量の約50%〜約100%の量で存在する、前記〔13〕に記載の組成物。
〔16〕該強度増強剤が、ポゾランを含み、該ポゾランが、珪藻土、メタカオリン、フライアッシュ、ゼオライト、あるいはこれらのいずれかの組み合わせからなる群から選ばれ、該ポゾランは軽石の質量の約0.1%〜約20%存在する、前記〔13〕に記載の組成物。
〔17〕該強度増強剤が、無定形シリカを含み、該無定形シリカが、軽石の質量の約0.1%〜約20%の量で存在する、前記〔13〕に記載の組成物。
〔18〕該凝結遅延剤が、リン酸塩、ホスホン酸塩、ホスホン酸、ホスホン酸誘導体、リグノスルホン酸塩、塩、有機酸、カルボキシメチル化ヒドロキシエチル化セルロース、スルホン酸基及びカルボン酸基を含む合成共−又はタ−ポリマー、ホウ酸塩化合物、及びこれらのいずれかの混合物からなる群から選ばれる少なくとも一つの遅延剤を含む前記〔13〕に記載の組成物。
〔19〕更にセメント凝結活性剤及びポゾランを含む添加剤を含む前記〔13〕に記載の組成物。
〔20〕更にゼオライト、アミン類、ケイ酸塩類、IA族及びIIA族の水酸化物、一価の塩類、二価の塩類、ナノシリカ、ポリリン酸塩類、及びこれらの組み合わせの群から選ばれる少なくとも一つの凝結活性剤を含むセメント凝結活性剤を含む前記〔13〕に記載の組成物。
〔21〕該セメント組成物が、約1日以上の期間ポンプで注入可能な流動体状態である前記〔13〕に記載の組成物。
〔22〕セメンティングシステムであって、
水、
軽石、
水和石灰、
凝結遅延剤、及び
強度増強剤、
を含むセメント組成物であって、該強度増強剤が、セメントキルンダスト、スラグ、無定形シリカ、及びポゾランからなる群から選択されるセメント組成物、
該セメント組成物を混合することができる混合機器、及び
該セメント組成物をポンピングすることができるポンピング機器、
を含むことを特徴とするセメンティングシステム。
〔23〕該凝結遅延剤が、リン酸塩、ホスホン酸塩、ホスホン酸、ホスホン酸誘導体、リグノスルホン酸塩、塩、有機酸、カルボキシメチル化ヒドロキシエチル化セルロース、スルホン酸基及びカルボン酸基を含む合成共−又はタ−ポリマー、ホウ酸塩化合物、及びこれらのいずれかの混合物からなる群から選ばれる少なくとも一つの遅延剤を含み、該セメント組成物が、ゼオライト、アミン類、ケイ酸塩類、IA族及びIIA族の水酸化物、一価の塩類、二価の塩類、ナノシリカ、ポリリン酸塩類、及びこれらの任意の組み合わせの群から選ばれる少なくとも一つの凝結活性剤を含む前記〔22〕に記載のセメンティングシステム。

Claims (20)

  1. 地下層におけるセメンチングの方法であって、以下の工程、
    1.水、軽石、水和石灰、凝結遅延剤、分散剤、及び強度増強剤を含む、坑井内における環状シースを形成するためのセメント組成物を準備する工程であって、前記強度増強剤が、セメントキルンダスト、スラグ、無定形シリカ、ポゾラン、及びそれらいずれかの組み合わせからなる群から選択される少なくとも一つの材料を含み、前記凝結遅延剤が、ホスホン酸誘導体を含み、そして、前記分散剤が、ポリカルボキシル化エーテル分散剤を含む工程、
    2.該セメント組成物を前記地下層へ導入する工程、及び
    3.該セメント組成物を前記地下層で凝固させる工程、
    を含むことを特徴とする方法。
  2. 該強度増強剤が、セメントキルンダストを含み、該セメントキルンダストが、軽石の質量の0%〜00%ので存在する請求項1に記載の方法。
  3. 該強度増強剤が、スラグを含み、該スラグが、軽石の質量の0%〜00%ので存在する請求項1に記載の方法。
  4. 該強度増強剤が、ポゾランを含み、該ポゾランが、珪藻土、メタカオリン、フライアッシュ、ゼオライト及びそれらのいずれかの組み合わせからなる群から選ばれ、該ポゾランは、軽石の質量の.1%〜0%の量で存在する請求項1に記載の方法。
  5. 該強度増強剤が、ポゾランを含み、該方法が、さらにセメント組成物を調製することを含み、該調製が、セメント凝結活性剤及び該ポゾランを含む添加剤を凝結遅延セメント組成物と組み合わせることを含む請求項1に記載の方法。
  6. 該強度増強剤が、無定形シリカを含み、該無定形シリカが、軽石の質量の.1%〜0%の量で存在する請求項1に記載の方法。
  7. 該セメント組成物が、ゼオライト、アミン類、ケイ酸塩類、IA族及びIIA族の水酸化物、一価の塩類、二価の塩類、ナノシリカ、ポリリン酸塩類、及びこれらの組み合わせの群から選ばれるセメント凝結活性剤を含んでいる請求項1に記載の方法。
  8. 該セメント組成物が、更に一価の塩とポリリン酸塩の組み合わせを含むセメント凝結活性剤含む請求項1に記載の方法。
  9. 該セメント組成物が、坑井に配置された導管と坑井の壁又は他の導管との間のアニュラスに導入する請求項1に記載の方法。
  10. 該導入工程に先立ち、更に該セメント組成物を日間保存しその後セメント凝結活性剤を該セメント組成物に加えることを含む請求項1に記載の方法。
  11. 水、
    軽石、
    水和石灰、
    凝結遅延剤、
    分散剤、及び
    強度増強剤、
    を含む、坑井内における環状シースを形成するためのセメント組成物であって、該強度増強剤が、セメントキルンダスト、スラグ、無定形シリカ、ゾラン、及びそれらいずれかの組み合わせからなる群から選択され、前記凝結遅延剤が、ホスホン酸誘導体を含み、そして、前記分散剤が、ポリカルボキシル化エーテル分散剤を含むことを特徴とするセメント組成物。
  12. 強度増強剤が、セメントキルンダストを含み、該セメントキルンダストが、軽石の質量の0%〜00%の量で存在する、請求項11に記載の組成物。
  13. 該強度増強剤が、スラグを含み、該スラグが、軽石の質量の0%〜00%の量で存在する、請求項11に記載の組成物。
  14. 該強度増強剤が、ポゾランを含み、該ポゾランが、珪藻土、メタカオリン、フライアッシュ、ゼオライト、あるいはこれらのいずれかの組み合わせからなる群から選ばれ、該ポゾランが、軽石の質量の.1%〜0%の量で存在する、請求項11に記載の組成物。
  15. 該強度増強剤が、無定形シリカを含み、該無定形シリカが、軽石の質量の.1%〜0%の量で存在する、請求項11に記載の組成物。
  16. 更にセメント凝結活性剤及びポゾランを含む添加剤を含む請求項11に記載の組成物。
  17. 更にゼオライト、アミン類、ケイ酸塩類、IA族及びIIA族の水酸化物、一価の塩類、二価の塩類、ナノシリカ、ポリリン酸塩類、及びこれらの組み合わせの群から選ばれる少なくとも一つの凝結活性剤を含むセメント凝結活性剤を含む請求項11に記載の組成物。
  18. 該セメント組成物が、日以上の期間ポンプで注入可能な流動体状態であることができる請求項11に記載の組成物。
  19. セメンティングシステムであって、
    水、
    軽石、
    水和石灰、
    凝結遅延剤、
    分散剤、及び
    強度増強剤、
    を含む、坑井内における環状シースを形成するためのセメント組成物であって、該強度増強剤が、セメントキルンダスト、スラグ、無定形シリカ、ゾラン、及びそれらいずれかの組み合わせからなる群から選択されるセメント組成物、
    該セメント組成物を混合することができる混合機器、及び
    該セメント組成物をポンピングすることができるポンピング機器、
    を含み、前記凝結遅延剤が、ホスホン酸誘導体を含み、そして、前記分散剤が、ポリカルボキシル化エーテル分散剤を含むことを特徴とするセメンティングシステム。
  20. 前記セメント組成物が、ゼオライト、アミン類、ケイ酸塩類、IA族及びIIA族の水酸化物、一価の塩類、二価の塩類、ナノシリカ、ポリリン酸塩類、及びこれらの任意の組み合わせの群から選ばれるセメント凝結活性剤を更に含む請求項19に記載のセメンティングシステム。
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