以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
本実施形態のスロットマシンは、所定数の遊技媒体が投入され、かつ、複数種類の図柄がそれぞれ施された複数のリールが所定の回転開始指示操作を受け付けたことで回転を開始するとともに、その回転開始指示操作を受け付けたことに基づいて複数種類の役の内部当選の当否を抽選により判定し、その複数のリールそれぞれが、所定の回転停止指示操作を受け付けることで回転を個別に停止し、その抽選の結果に基づく役およびその複数のリールが停止したときの図柄組み合わせによって決まる条件が所定の払出し条件に、合致していれば遊技媒体を払い出して終了となり、合致していなければ遊技媒体を払い出さずに終了となる一連の遊技を進行する遊技台である。
このような遊技台には、遊技者にとって有利な停止態様を導出させるストップボタンの操作に関する情報が報知される、所謂AT(アシストタイム)遊技を行う遊技台がある。AT遊技を行う遊技台は、遊技操作を単調にさせず、面白みのあるゲームを遊技者に提供することができる。
しかしながら、従来においては、AT遊技中の情報報知に従って停止操作を行っている場合、停止操作したリールの図柄が所望の図柄になっているか(入賞ライン上に入賞図柄が表示されているか)否かを確認することが困難な場合があった。
本実施形態の遊技台は、停止操作したリールの図柄が所望の図柄になっているか否かを明確かつ迅速に把握することができる遊技台である。
<全体構成>
まず、図1及び図2を用いてスロットマシン100の全体構成について説明する。図1は、スロットマシン100を正面側(遊技者側)から見た外観斜視図である。図2は、前面扉102を開けた状態のスロットマシン100を示す正面図である。
図1に示すスロットマシン100は、本発明の遊技台の一例に相当するものであり、本体101と、本体101の正面に取り付けられ、本体101に対して開閉可能な前面扉102と、を備える。本体101の中央内部には(図示省略)、外周面に複数種類の図柄が配置されたリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)収納され、スロットマシン100の内部で回転できるように構成されている。これらのリール110〜112はステッピングモータ等の駆動装置により回転駆動される。
本実施形態において、各図柄は帯状部材に等間隔で適当数印刷され、この帯状部材が所定の円形筒状の枠材に貼り付けられて各リール110〜112が構成されている。リール110〜112上の図柄は、遊技者から見ると、各リール110〜112の手前に設けられたリール窓113から縦方向に概ね三つ表示され、合計九つの図柄が見えるようになっている。図3(a)を用いて具体的に説明すると、左リール110の上段(図に示す1の位置;図柄位置1ともいう)に表示される図柄を左リール上段図柄、左リール110の中段(図に示す2の位置;図柄位置2ともいう)に表示される図柄を左リール中段図柄、左リール110の下段(図に示す3の位置;図柄位置3ともいう)に表示される図柄を左リール下段図柄、中リール111の上段(図に示す4の位置;図柄位置4ともいう)に表示される図柄を中リール上段図柄、中リール111の中段(図に示す5の位置;図柄位置5ともいう)に表示される図柄を中リール中段図柄、中リール111の下段(図に示す6の位置;図柄位置6ともいう)に表示される図柄を中リール下段図柄、右リール112の上段(図に示す7の位置;図柄位置7ともいう)に表示される図柄を右リール上段図柄、右リール112の中段(図に示す8の位置;図柄位置8ともいう)に表示される図柄を右リール中段図柄、右リール112の下段(図に示す9の位置;図柄位置9ともいう)に表示される図柄を右リール下段図柄とそれぞれ呼び、各リール110〜112のそれぞれの図柄はリール窓113を通して各リール110〜112にそれぞれ縦方向に三つ、合計九つ表示される。そして、各リール110〜112を回転させることにより、遊技者から見える図柄の組み合わせが変動することとなる。つまり、各リール110〜112は、複数種類の図柄の組み合わせを変動可能に表示する表示装置として機能する。なお、このような表示装置としてはリール以外にも液晶表示装置等の電子画像表示装置も採用できる。また、本実施形態では、3個のリールをスロットマシン100の中央内部に備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
各々のリール110〜112の背面には、リール窓113に表示される個々の図柄を照明するためのバックライト(図示省略)が配置されている。バックライトは、各々の図柄ごとに遮蔽されて個々の図柄を均等に照射できるようにすることが望ましい。なお、スロットマシン100内部において各々のリール110〜112の近傍には、投光部と受光部から成る光学式センサ(図示省略)が設けられており、この光学式センサの投光部と受光部の間をリールに設けられた一定の長さの遮光片が通過するように構成されている。このセンサの検出結果に基づいてリール上の図柄の回転方向の位置を判断し、目的とする図柄が入賞ライン上に表示されるようにリール110〜112を停止させる。
本実施形態では左リール下段図柄(図柄位置3)、中リール下段図柄(図柄位置6)および右リール下段図柄(図柄位置9)で構成される下段入賞ラインL1の一つの入賞ラインが設けられている。入賞ラインとは、リール窓113を介して視認可能となる図柄の停止位置に設定されるラインであり、後述する図6で説明する入賞役に対応する図柄組み合わせが表示されたか否かが判定されるラインのことである。図3(a)には、この入賞ラインL1が示されている。有効となる入賞ライン(以下、単に「有効ライン」と称する場合がある)は、遊技媒体としてベットされたメダルの枚数によって予め定まっている。本実施形態のスロットマシン100は3枚賭け専用機であり、メダルの投入枚数が3枚未満のときはどの入賞ラインも有効にはならず、メダルが3枚ベットされたときに全入賞ラインL1が有効になる。入賞ラインが有効になると、スタートレバー135を操作して遊技を開始することができるようになる。以下、リール窓113のうち、入賞ラインL1上の図柄位置3、6及び9を「入賞位置」、それ以外の図柄位置、つまり図柄位置1、2、4、5、7及び8を「非入賞位置」と称する場合がある。すなわち、入賞位置とは、入賞ライン上にあり、かつ入賞役に対応する図柄組合せを構成する図柄が停止する位置をいう。
なお、入賞ラインの数については1ラインに限定されるものではない。例えば、下段入賞ラインL1のほか、左リール上段図柄、中リール中段図柄および右リール下段図柄で構成される右下がり入賞ラインや、左リール下段図柄、中リール中段図柄および右リール上段図柄で構成される右上がり入賞ラインの計3ラインを有効な入賞ラインとして設定してもよく、ベット数に応じた数の入賞ラインを有効な入賞ラインとして設定してもよい。
告知ランプ123は、例えば、後述する内部抽選において特定の入賞役(具体的には、特別役1および特別役2)に内部当選していること、または、後述する特別遊技状態であることを遊技者に知らせるランプである。遊技メダル投入可能ランプ124は、遊技者が遊技メダルを投入可能であることを知らせるためのランプである。再遊技ランプ122は、前回の遊技において入賞役の一つである再遊技役(詳細は後述する)に入賞した場合に、今回の遊技が再遊技可能であること(メダルの投入が不要であること)を遊技者に知らせるランプである。
メダル投入ボタン(ベットボタンともいう)130〜132は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダル(クレジットという)を所定の枚数分投入するためのボタンである。本実施形態においては、ベットボタン130が押下される毎に1枚ずつ投入され、ベットボタン131が押下されると2枚投入され、ベットボタン132が押下されると3枚投入されるようになっている。以下、ベットボタン132はMAXベットボタンとも言う。なお、遊技メダル投入ランプ129は、投入されたメダル数に応じた数のランプを点灯させ、規定枚数のメダルの投入があった場合、遊技の開始操作が可能な状態であることを知らせる遊技開始ランプ121が点灯する。
メダル投入口141は、遊技を開始するに当たって遊技者がメダルを投入するための投入口である。すなわち、メダルの投入は、ベットボタン130〜132により電子的に投入することもできるし、メダル投入口141から実際のメダルを投入(投入操作)することもでき、投入とは両者を含む意味である。
貯留枚数表示器125は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルの枚数を表示するための表示器である。遊技情報表示器126は、各種の内部情報(例えば、ボーナス遊技中のメダル払出枚数)を数値で表示するための表示器である。払出枚数表示器127は、何らかの入賞役に入賞した結果、遊技者に払出されるメダルの枚数を表示するための表示器である。なお以下では、遊技者に払出される、と同様の意味で、遊技者に付与されると表現する場合がある。また、本実施形態の払出枚数表示器127は、後述する操作条件報知演出の表示装置としても用いられる。貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、および、払出枚数表示器127は、7セグメント(SEG)表示器とした。
スタートレバー135は、リール110〜112の回転を開始させるためのレバー型のスイッチである。即ち、メダル投入口141に所望するメダル枚数を投入するか、ベットボタン130〜132を操作して、スタートレバー135を操作すると、リール110〜112が回転を開始することとなる。スタートレバー135に対する操作を遊技の開始操作と言う。
ストップボタンユニット136には、左ストップボタン137、中ストップボタン138および右ストップボタン139で構成されるストップボタン137〜139が設けられている。ストップボタン137〜139は、スタートレバー135の操作によって回転を開始したリール110〜112を個別に停止させるためのボタン型のスイッチであり、各リール110〜112に対応づけられている。本実施形態では、左ストップボタン137を操作することによって左リール110を停止させることができ、中ストップボタン138を操作することによって中リール111を停止させることができ、右ストップボタン139を操作することによって右リール112を停止させることができる。
以下、ストップボタン137〜139に対する操作を停止操作と言い、最初の停止操作を第1停止操作、次の停止操作を第2停止操作、最後の停止操作を第3停止操作という。また、第1停止操作の対象となるリールを第1停止リール、第2停止操作の対象となるリールを第2停止リール、第3停止操作の対象となるリールを第3停止リールという。さらに、回転中の各リール110〜112を全て停止させるためにストップボタン137〜139を停止操作する順序を操作順序または押し順という。第1停止リールを左リール110とする停止操作の操作順序を「順押し操作順序」または単に「順押し」と呼び、第1停止リールを中リール111とする停止操作の操作順序を「中押し操作順序」または単に「中押し」と呼び、第1停止リールを右リール112とする停止操作の操作順序を「逆押し操作順序」または単に「逆押し」と呼ぶ。本実施形態では、各ストップボタン137〜139の内部に発光体が設けられており、ストップボタン137〜139の操作が可能である場合、該発光体を点灯させて遊技者に知らせることができる。
メダル返却ボタン133は、投入されたメダルが詰まった場合に押下してメダルを取り除くためのボタンである。精算ボタン134は、スロットマシン100に電子的に貯留されたメダル、ベットされたメダルを精算し、メダル払出口155から排出するためのボタンである。ドアキー孔140は、スロットマシン100の前面扉102のロックを解除するためのキーを挿入する孔である。
ストップボタンユニット136の下部には、機種名の表示と各種証紙の貼付とを行うタイトルパネル162が設けられている。タイトルパネル162の下部には、メダル払出口155、メダルの受け皿161が設けられている。音孔145はスロットマシン100内部に設けられているスピーカの音を外部に出力するための孔である。前面扉102の左右各部に設けられたサイドランプ144は遊技を盛り上げるための装飾用のランプである。前面扉102の上部にはタイトルパネル160および音孔143が設けられている。
リール窓113およびその周囲を含む領域には、液晶表示装置(演出画像表示装置)157が設けられている。
図2は、前面扉102を開けた状態のスロットマシン100を示す正面図である。本体101は、上面板261、左側の側面板260、右側の側面板260、下面板264および背面板242で囲われ、前面に開口する箱体である。本体101の内部には、背面板242の上部に設けた通風口249と重ならない位置に、内部に主制御基板を収納した主制御基板収納ケース210が配置され、この主制御基板収納ケース210の下方に、3つのリール110乃至112が配置されている。主制御基板収納ケース210及びリール110乃至112の側方、即ち向って左側の側面板260には、内部に副制御部400を構成する副制御基板を収納した副制御基板収納ケース220が配設してある。また、向かって右側の側面板260には、主制御基板に接続されて、スロットマシン100の情報を外部装置に出力する外部集中端子板248が取り付けられている。
そして、下面板264には、メダル払出装置180(バケットに溜まったメダルを払出す装置)が配設され、このメダル払出装置180の上方、即ちリール110乃至112の下方には、電源基板を有する電源装置252が配設され、電源装置252正面には電源スイッチ244を配設している。電源スイッチ244は前面扉102を開けることで操作可能となり、閉じた状態では操作が困難または不能である。
電源装置252は、スロットマシン100に外部から供給される交流電源を直流化し、所定の電圧に変換して後述する主制御部300、副制御部400、500等の各制御部、各装置に供給する。さらには、外部からの電源が断たれた後も所定の部品(例えば主制御部300のRAM308等)に所定の期間(例えば10日間)電源を供給するための蓄電回路(例えばコンデンサ)を備えている。
メダル払出装置180の右側には、メダル補助収納庫240が配設してあり、この背後にはオーバーフロー端子が配設されている(図示省略)。電源装置252には、電源コード265を接続する電源コード接続部が設けられ、ここに接続された電源コード265が、本体101の背面板242に開設した電源コード用穴262を通して外部に延出している。
前面扉102は、本体101の左側の側面板260にヒンジ装置276を介して蝶着され、液晶表示装置157の上部には、副制御部500を構成する副制御基板を収容する基板ケース230、上部スピーカ272を設けている。液晶表示装置157の下部には、投入されたメダルを選別するためのメダルセレクタ170、このメダルセレクタ170が不正なメダル等をメダル受皿161に落下させる際にメダルが通過する通路266等を設けている。さらに、音孔180に対応する位置には低音スピーカ277を設けている。
図1と図2を参照して、液晶表示装置157は、カラーフィルタを備えた透過型のカラー液晶パネル157Aと、カラー液晶パネル157Bを背面側から白色光で照明するバックライト157を備えた液晶ディスプレイである。液晶パネル157Aは、リール窓113の内側の領域と外側の領域の双方に延在する矩形のパネルであり、周知の液晶パネルを採用できる。液晶パネル157Aは、例えば、画素毎のR、G、B(赤、緑、青)のフィルタを備えると共に、信号線、スイッチング素子、画素電極等が形成されたガラスなどの透明基板間に液晶を封入して液晶層が構成され、この液晶層が偏光板間に挟まれて構成される。液晶パネル157Aは、液晶パネル157Aは、ノーマリ・ホワイト型でもよいが、本実施形態ではノーマリ・ブラック型である。
バックライト157は、導光板、導光板に光を照射するLED等の光源、拡散シート等の光学部材等を備える。光源は、例えば、導光板の端部に沿って配置され、導光板の内部を伝搬する光が液晶パネル157Aへ反射される。本実施形態の場合、バックライト157は、リール窓113の内側の領域に、その厚み方向に貫通する開口部157bが形成されており、遊技者は導光板等を介さずに各リール110〜112を視認可能である。本実施形態では、液晶パネル157Aと開口部157bとが重なる部分の背後からの照明は、各リール110〜112に備えられたバックライトを用いる。リール帯が白色(あるいは乳白色)を有していることにより、バックライト157と大差のない照明を各リール110〜112により実現可能であり、各リール110〜112のバックライトはバックライト157の一部またはこれら全体をバックライトユニットということもできる。
本実施形態の場合、開口部157bはリール窓113に輪郭を適合させた一つの矩形としているが、リール110〜112の各リール間の隙間を埋めるように、各リール110〜112に対応した三つの矩形としてもよい。リール間の隙間の位置に表示する画像の鮮明度を向上できる。
液晶パネル157Aにおいて、光の透過を遮ることで、遊技者から見ると黒色の画像が表示されているように見えることになる。また、バックライト光をR、G、Bで均等に透過させることで、遊技者から見ると白色の画像が表示されているように見えることになる。白色の画像を表示している場合とは、液晶パネル157Aの透過性が高まった状態であるということもでき、R、G、Bをそれぞれ最高輝度に制御した場合、最も光の透過性が高い状態であるということができる。このような黒色、白色あるいは他の色の表示は画素単位で制御可能である。
液晶表示装置157の動作例について、図3(b)〜(d)を用いて説明する。同図は、液晶表示装置157の動作の一例を示す図である。
図3(b)には、スロットマシン100に電力供給がされていない場合における、液晶表示装置157の状態が示されている。上記のとおり、本実施形態の場合、液晶表示装置157はノーマリ・ブラック型の液晶ディスプレイであり、電源断の状態では遊技者から見ると黒色の画像が表示されているように見え、リール110〜112が視認困難な状態となっている。
図3(c)には、液晶表示装置157の動作の一例が示されている。この図では、液晶表示装置157全体を用いて画像を表示していることが示されている。このとき、リール窓113の内側の領域では、リール110〜112からの光等がバックライトの役割を果たし、この領域において液晶表示装置157の画像が視認可能な状態となる。但し、液晶表示装置157の画像表示により、リール110〜112の図柄の視認性は低下する(見えにくくなる)ことになる。
図3(d)には、図3(c)とは異なる液晶表示装置157の動作の一例が示されている。この図では、リール窓113の内側の領域が、上記(c)の例とは異なる。具体的には、リール窓113の内側の領域において白色の画像を表示することにより、リール110〜112の視認性を確保した状態にしている。1遊技内においてメダルの投入があってからはこの状態となる。
本実施形態では、詳しくは後述するが、リール110〜112の回転中には、図3(d)に示すように、リール110〜112の視認性を確保している。そして、リール110〜112を停止させる場合において、所定の条件が成立したとき、リール窓113のうち非入賞位置に所定の画像を表示して、非入賞位置の視認性を低下させる一方、入賞位置は視認性を確保して、有効ラインL1上の図柄を明確化し、目立たせる場合がある。なお、所定の条件が成立していなければ、図3(c)のような全面への画像表示を行ってもよい。
なお、本実施形態では、液晶表示装置157の全画像領域のうち、リール窓113の上方の領域を演出領域S1と称し、演出領域S1には、主として演出画像(例えば、キャラクタを用いた演出画像)が表示されるようになっている。また、液晶表示装置157の全画像領域のうち、リール窓113の両脇の領域及びリール窓113の下方の領域(換言すれば、リール窓113以下の領域)を情報領域S2と称し、情報領域S2には、主として種々の情報(例えば、メダルの貯留数や払出数などの情報。7セグメント(SEG)表示器に表示されるものと同一の情報)が表示されるようになっている。
以上説明したように、本実施形態では、液晶表示装置157についてリール窓113を覆う領域を設け、白色の画像を表示してリール110〜112の視認性を向上可能にするとともに、白色以外の画像を表示した場合はリール110〜112の視認性を低下させるようにしている。なお、リール110〜112の視認性を向上させるために、リール窓113を覆う領域の画像を構成する各画素に透過率を設定可能とし、透過率を100%(透過状態)とする設定を行ってもよい。
なお、画像を表示する装置については、液晶表示装置に限らず、種々の演出画像や種々の遊技情報を表示可能な表示装置であればよく、例えば、複数セグメントディスプレイ(7セグディスプレイ)、ドットマトリクスディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、リール(ドラム)、或いは、プロジェクタとスクリーンとからなる表示装置等でもよい。また、表示画面は、方形をなし、その全体を遊技者が視認できるように構成されている。本実施形態の場合、表示画面は長方形であるが、正方形でもよい。また、表示画面の周縁に不図示の装飾物を設けて、表示画面の周縁の一部が該装飾物に隠れる結果、表示画面が異形に見えるようにすることもできる。表示画面は本実施形態の場合、平坦面であるが、曲面をなしていてもよい。
<制御部の回路構成>
次に、図4を用いて、スロットマシン100の制御部の回路構成について説明する。なお、同図は制御部の回路ブロック図である。
スロットマシン100の制御部は、大別すると、遊技の進行を制御する主制御部300と、主制御部300が送信するコマンド信号(以下、単に「コマンド」と呼ぶ)に応じて、主な演出の制御を行う第1副制御部400と、第1副制御部400より送信されたコマンドに基づいて各種機器を制御する第2副制御部500と、によって構成されている。
<主制御部>
まず、スロットマシン100の主制御部300について説明する。主制御部300は、主制御部300の全体を制御する基本回路302を備えており、この基本回路302には、CPU304と、制御プログラムデータ、入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの図柄配列等を記憶したROM306と、一時的にデータを記憶するためのRAM308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O310と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ312と、WDT(ウォッチドッグタイマ)314を搭載している。なお、ROM306やRAM308については他の記憶装置を用いてもよく、この点は後述する第1副制御部400や第2副制御部500についても同様であるが、本実施形態では、データを不揮発的に記憶する記憶領域を備える記憶デバイスであるROMと、データを一時的に記憶する記憶領域を備える記憶デバイスであるRAMとを併用している。
この基本回路302のCPU304は、水晶発振器315bが出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。さらには、CPU304は、電源が投入されるとROM306の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ312に送信し、カウンタタイマ312は受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU304に送信する。CPU304は、この割込み要求を契機に各センサ等の監視や駆動パルスの送信を実行する。例えば、水晶発振器315bが出力するクロック信号を8MHz、カウンタタイマ312の分周値を1/256、ROM306の分周用のデータを47に設定した場合、割り込みの基準時間は、256×47÷8MHz=1.504msとなる。
主制御部300は、水晶発振器315aから入力されるクロック信号に基づき0〜65535の範囲で数値を変動させるハードウェア乱数カウンタとして使用している乱数発生回路316と、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路338を備えており、CPU304は、この起動信号出力回路338から起動信号が入力された場合に、遊技制御を開始する(後述する主制御部メイン処理を開始する)。
また、主制御部300は、センサ回路320を備えており、CPU304は、割り込み時間ごとに各種センサ318(ベットボタン130センサ、ベットボタン131センサ、ベットボタン132センサ、メダル投入口141から投入されたメダルのメダル受付センサ、スタートレバー135センサ、左ストップボタン137センサ、中ストップボタン138センサ、右ストップボタン139センサ、精算ボタン134センサ、メダル払出装置180から払い出されるメダルのメダル払出センサ、左リール110のインデックスセンサ、中リール111のインデックスセンサ、右リール112のインデックスセンサ、前面扉102の開放検知センサ等)の状態を監視している。
なお、センサ回路320がスタートレバーセンサのHレベルを検出した場合には、この検出を示す信号を乱数発生回路316に出力する。この信号を受信した乱数発生回路316は、そのタイミングにおける値をラッチし、抽選に使用する乱数値を格納するレジスタに記憶する。
メダル受付センサは、メダル投入口141の内部通路に2個設置されており、メダルの通過有無を検出する。スタートレバー135センサは、スタートレバー135内部に2個設置されており、遊技者によるスタート操作を検出する。左ストップボタン137センサ、中ストップボタン138センサ、および、右ストップボタン139センサは、各々対応するストップボタン137〜139に設置されており、遊技者によるストップボタンの操作を検出する。
ベットボタン130センサ、ベットボタン131センサ、および、ベットボタン132センサは、対応するメダル投入ボタン130〜132のそれぞれに設置されており、RAM308に電子的に貯留されているメダルを遊技への投入メダルとして投入する場合の投入操作を検出する。精算ボタン134センサは、精算ボタン134に設けられている。精算ボタン134が一回押されると、電子的に貯留されているメダルを精算する。メダル払出センサは、メダル払出装置180が払い出すメダルを検出するためのセンサである。なお、以上の各センサは、非接触式のセンサであっても接点式のセンサであってもよい。
左リール110のインデックスセンサ、中リール111のインデックスセンサ、および、右リール112のインデックスセンサは、各リール110〜112の取付台の所定位置に設置されており、リールフレームに設けた遮光片が通過するたびにLレベルになる。一旦Lレベルになってから次にLレベルになるまでの間、リールが基準位置からどのくらい回転しているかを示す回転位置情報は、水晶発振器315bが出力するクロック信号をカウントした値に基づいて算出される。CPU304は、上記Lレベルの信号を検出すると、リールが1回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。この回転位置情報は、主制御部300のRAM308に格納されている。
主制御部300は、リール110〜112に設けたステッピングモータを駆動する駆動回路322、投入されたメダルを選別するメダルセレクタ170に設けたソレノイドを駆動する駆動回路324、メダル払出装置180に設けたモータを駆動する駆動回路326、各種ランプ339(告知ランプ123、遊技メダル投入可能ランプ124、再遊技ランプ122、遊技メダル投入ランプ129、遊技開始ランプ121、貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、払出枚数表示器127)を駆動する駆動回路328を備えている。
また、基本回路302には、情報出力回路334を接続しており、主制御部300は、この情報出力回路334を介して、外部のホールコンピュータ(図示省略)等が備える情報入力回路652にスロットマシン100の遊技情報(例えば、遊技状態を示す情報)を出力する。
また、主制御部300は、電源管理部(図示省略)から主制御部300に供給している電源の電圧値を監視する電圧監視回路330を備えており、電圧監視回路330は、電源の電圧値が所定の値(本実施形態では9v)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を基本回路302に出力する。
また、主制御部300は、第1副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェースを備えており、第1副制御部400との通信を可能としている。なお、主制御部300と第1副制御部400との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300は第1副制御部400にコマンド等の信号を送信できるように構成しているが、第1副制御部400からは主制御部300にコマンド等の信号を送信できないように構成している。
<副制御部>
次に、スロットマシン100の第1副制御部400について説明する。第1副制御部400は、主制御部300が送信した制御コマンドを、入力インタフェースを介して受信する。第1副制御部400は、この制御コマンドに基づいて第1副制御部400の全体を制御する基本回路402を備えており、この基本回路402は、CPU404と、一時的にデータを記憶するためのRAM408と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O410と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ412を搭載している。基本回路402のCPU404は、水晶発振器414が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。ROM406には、第1副制御部400の全体を制御するための制御プログラム及びデータ、リールバックライトの点灯パターンや各種表示器を制御するためのデータ等が記憶されている。
CPU404は、所定のタイミングでデータバスを介してROM406の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ412に送信する。カウンタタイマ412は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU404に送信する。CPU404は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
また、第1副制御部400には、音源IC418を設けており、音源IC418に出力インタフェースを介してスピーカ272、277を設けている。音源IC418は、CPU404からの命令に応じてアンプおよびスピーカ272、277から出力する音声の制御を行う。音源IC418には音声データが記憶されたS−ROM(サウンドROM)が接続されており、このROMから取得した音声データをアンプで増幅させてスピーカ272、277から出力する。
また、第1副制御部400には、駆動回路422が設けられ、駆動回路422に入出力インタフェースを介して各種ランプ420(上部ランプ、下部ランプ、サイドランプ144、タイトルパネル162ランプ、遊技メダル投入可能ランプ124、ベットボタンランプ、リールバックライト、ストップボタン137〜139ランプ等)が接続されている。
また、第1副制御部400には、センサ回路423が設けられ、CPU404は、前面扉102の開放を検知する扉センサ421の検知結果を監視している。
また、CPU404は、出力インタフェースを介して第2副制御部500へ信号の送受信を行う。第2副制御部500は、第1副制御部400の指示にしたがって演出画像表示装置157の表示制御を行う。
次に、スロットマシン100の第2副制御部500について説明する。第2副制御部500は、第1副制御部400が送信した制御コマンドを、入力インタフェースを介して受信し、この制御コマンドに基づいて第2副制御部500の全体を制御する基本回路502を備えており、この基本回路502は、CPU504と、一時的にデータを記憶するためのRAM508と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O510と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ512と、を搭載している。基本回路502のCPU504は、水晶発振器514が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。ROM506には、第2副制御部500の全体を制御するための制御プログラム及びデータ、画像表示用のデータ等が記憶されている。
CPU504は、所定のタイミングでデータバスを介してROM506の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ512に送信する。カウンタタイマ512は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU404に送信する。CPU504は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
また、第2副制御部500には、VDP534(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサ)を設けており、このVDP534には、バスを介してROM506、VRAM536が接続されている。VDP534は、CPU504からの信号に基づいてROM506に記憶された画像データ等を読み出し、VRAM536のワークエリアを使用して表示画像を生成し、演出画像表示装置157に画像を表示する。CPU504はVRAM536のRAMクリアが可能である。
<図柄配列>
次に、図5を用いて、上述の各リール110〜112に施される図柄配列について説明する。なお、同図は、各リール(左リール110、中リール111、右リール112)に施された図柄の配列を平面的に展開して示す図である。
各リール110〜112には、同図の右側に示す複数種類(本実施形態では10種類)の図柄が所定コマ数(本実施形態では、番号0〜20の21コマ)だけ配置されている。また、同図の左端に示した番号0〜20は、各リール110〜112上の図柄の配置位置を示す番号である。例えば、本実施形態では、左リール110の番号19のコマには「スイカ図柄」、中リール111の番号20のコマには「ベル図柄」、右リール112の番号18のコマには「セブン1図柄」、がそれぞれ配置されている。
<入賞役の種類>
次に、図6を用いて、スロットマシン100の入賞役の種類について説明する。なお、同図は入賞役(作動役を含む)の種類、各入賞役に対応する図柄組み合わせ、各入賞役の作動または払出を示す図である。
スロットマシン100の入賞役には、特別役(特別役1、特別役2)と、一般役(再遊技役1〜再遊技役3、小役1〜小役3)がある。なお、入賞役の種類は、これらの役に限定されるものではなく、任意に採用することができる。
本実施形態における入賞役のうち、特別役1および特別役2は、遊技者に所定の利益が付与される特別遊技状態に移行する役である。また、再遊技役1〜再遊技役3は、新たにメダルを投入することなく再遊技が可能となる役である。これらの入賞役は「作動役」と呼ばれる場合がある。また、本実施形態における「入賞」には、メダルの配当を伴わない(メダルの払い出しを伴わない)作動役の図柄組み合わせが有効ライン上に表示される場合も含まれ、例えば、特別役1、特別役2、および再遊技役1〜再遊技役3への入賞が含まれる。
特別役1および特別役2は、入賞により特別遊技状態に移行する役(作動役)である。ただし、この役自身に入賞したことよるメダルの払出は行われない。対応する図柄組み合わせは、特別役1が「セブン1−セブン1−セブン1(BB1)」又は「セブン2−セブン2−セブン2(BB2)」であり、特別役2が「BAR−BAR−BAR(RB)」である。
特別役1または特別役2に内部当選すると、この内部当選した役に対応する特別役内部当選フラグがオンに設定される(主制御部300のRAM308の所定のエリア内に記憶される)。このフラグがオンに設定されていると、主制御部300は、遊技状態を特別役内部当選状態(以下、この状態をRT3と称することがある)に移行させる。このフラグは、その内部当選した役に入賞するまでオンの状態が維持され、次回以降の遊技においてもその内部当選した役に入賞しやすい状態となる。すなわち、特別役1または特別役2に内部当選した遊技においてその特別役に入賞しなくとも、次回以降の遊技でその特別役に内部当選した状態となり、特別役に対応する図柄組み合わせ(例えば特別役1に内部当選した場合は「セブン1−セブン1−セブン1(BB1)」又は「セブン2−セブン2−セブン2(BB2)」の図柄組み合わせ)が、揃って入賞しやすい状態になる。この特別役内部当選状態(RT3)については後述する。
主制御部300は、特別役1または特別役2に対応する図柄組み合わせが表示されたことに基づいて遊技状態を特別遊技状態(以下、この状態をRT4と称することがある)に移行させる。さらにこの特別遊技状態において、所定の枚数の払出しがされると再遊技低確率状態(以下、この状態をRT1と称することがある)に移行させる。この特別遊技状態(RT4)および再遊技低確率状態(RT1)については後述する。
再遊技役1から再遊技役3は、入賞により次回の遊技でメダル(遊技媒体)の投入を行うことなく遊技を行うことができる入賞役(作動役)であり、メダルの払出は行われない。なお、対応する図柄組み合わせは、再遊技役1は「リプレイ−リプレイ−リプレイ(通常リプレイ)」、再遊技役2は「リプレイ−リプレイ−ベル(昇格リプレイ)」、再遊技役3は「ベル−リプレイ−リプレイ(転落リプレイ)」である。
主制御部300は、再遊技役2に対応する図柄組み合わせが表示されたことに基づいて、遊技状態を再遊技高確率状態(以下、この状態をRT2と称することがある)に移行させる。また、再遊技役3に対応する図柄組み合わせが表示されたことに基づいて、遊技状態を再遊技低確率状態(RT1)に移行させる。なお、再遊技高確率状態(RT2)については後述する。
上記再遊技役は、遊技者がメダルを投入することなく、次回の遊技を行うことができる役であればよい。したがって、例えば、再遊技に入賞すると次回遊技でメダルの投入が自動的に投入(後述するメダル投入枚数記憶領域にメダル投入枚数を再設定)されるものであってもよいし、再遊技に入賞した遊技で投入されたメダルをそのまま次回の遊技に持ち越して使用できるものであってもよい。
「小役(小役1〜小役3)」(以下、それぞれ「小役1」、「小役2」、「小役3」と称する場合がある)は、入賞により所定数のメダルが払い出される入賞役で、対応する図柄組み合わせは、小役1が「スイカ−スイカ−スイカ(スイカ)」、小役2が「ANY−チェリー−ANY(チェリー)」、小役3が「ベル−ベル−ベル(ベル)」である。また、対応する払出枚数は同図に示す通りである。なお、「ANY−チェリー−ANY」の場合、中リール111の図柄が「チェリー」であればよく、左リール110と右リール112の図柄はどの図柄でもよい。
<遊技状態の種類>
次に、スロットマシン100の遊技状態の種類および変遷について説明する。図7は、スロットマシン100の主制御部300の遊技状態の遷移図である。
スロットマシン100の主制御部300は、大別すると、再遊技低確率状態(RT1)、再遊技高確率状態(RT2)、特別役内部当選状態(RT3)、及び特別遊技状態(RT4)を有する。本実施形態では、この四つに大別された遊技状態をRT系の遊技状態という。また、本実施形態では、主制御部300が所謂AT(アシストタイム)に関する状態(以下、AT系の遊技状態という)も制御しており、主制御部300が決定したAT系の遊技状態に従って、第1副制御部400は遊技状態を設定するようになっている。主制御部300のAT系の遊技状態は、図7に示すように、通常状態及びAT状態、の二つの遊技状態を有する。第1副制御部400の遊技状態は、主制御部300のAT系の遊技状態と一致するように設定される。
図8は、各遊技状態における入賞役の抽選テーブルを示す図である。横軸はそれぞれの遊技状態を表し、縦軸はそれぞれの入賞役の抽選値を示す。以後に説明する各遊技状態における役の内部当選確率は、ROM306に用意された抽選データから、各々の役に対応付けされた抽選データの範囲に該当する数値データを、内部抽選時に取得される乱数値の範囲の数値データ(例えば65535)で除した値で求められる。例えば、再遊技低確率状態(RT1)においては、小役1の抽選値が512であり、小役1の当選確率は512/65536×100≒0.8%である。抽選データは、予めいくつかの数値範囲に分割され、各数値範囲に各々の役やハズレを対応付けしている。内部抽選を実行した結果得られた乱数値が、何れの役に対応する抽選データに対応する値であったかを判定し、内部抽選役を決定する。この抽選データは少なくとも一つの役の当選確率を異ならせた設定1〜設定6が用意され、遊技店の係員等はいずれかの設定値を任意に選択し、設定することができる。なお、この図に示す内部当選確率は一例であって、この確率に限定されるものではない。
以降、図面を適宜参照しながら、スロットマシン100のRT系の遊技状態について説明する。
<再遊技低確率状態(RT1)>
再遊技低確率状態は、再遊技の内部当選確率が他の遊技状態(例えば特別遊技状態を除く遊技状態)のうち最も低い(遊技者にとって不利な)遊技状態であり、通常遊技状態と称することもある。再遊技低確率状態では、図8に示す横軸の「RT1」の列にある抽選テーブルを参照して内部当選する入賞役を抽選する。
再遊技低確率状態において内部当選する入賞役には、特別役1、特別役2、特別役1−小役1、特別役1−小役2、特別役2−小役1、特別役2−小役2、再遊技役1、再遊技役1−2、小役1、小役2、小役3aがある。なお、入賞役に当選しなかった場合はハズレとなり、入賞役に対応する図柄組み合わせは表示されない。なお、入賞ラインに入賞に係る図柄組合せが停止されないことを、「ハズレとなる」、と称する場合がある。また、入賞役に当選しなかったことを「ハズレに当選した」と表現する場合がある。
ここで、「特別役1−小役1」とは、特別役1および小役1が同時に内部当選したことを指す。同様に、「特別役1−小役2」は、特別役1および小役2が同時に内部当選したことを指し、「特別役2−小役1」は、特別役2および小役1が同時に内部当選したことを指し、「特別役2−小役2」は、特別役2および小役2が同時に内部当選したことを指す。これらの場合、遊技者の操作に応じていずれかの役に対応する図柄組み合わせが表示されるかが決定される。より具体的には、入賞ラインのいずれかにおいて、内部当選しているいずれかの役の入賞が不可能でない限り、その入賞ラインに対応する図柄組み合わせを構成する図柄を停止させる。
また、「再遊技役1−2」とは、再遊技役1および再遊技役2が同時に内部当選したことを指す。この場合、遊技者の操作順序に応じてどの役に対応する図柄組み合わせが表示されるかが決定される。より具体的には、予め定められた操作順序である正解操作順序に従って停止操作がされた場合は、再遊技役2に対応する図柄組み合わせ(昇格リプレイ)が表示され(図8備考欄中、操作順序正解時参照)、それ以外の場合には、再遊技役1に対応する図柄組み合わせ(通常リプレイ)が表示される(図8備考欄中、操作順序不正解時参照)。
本実施形態では、「再遊技役1−2」に内部当選した場合、複数種類(具体的には3種類)の中から一つのリール停止データが抽選により選択されるようになっており、このリール停止データごとに正解操作順序が設けられている。より具体的には、(1)リール停止データb−1が選択された場合には、第1停止リールを右リール112とする第1停止操作をした場合が正解操作順序であり、(2)リール停止データb−2が選択された場合には、第1停止リールを中リール111とする第1停止操作をした場合が正解操作順序であり、(3)リール停止データb−3が選択された場合には、第1停止リールを左リール110とする第1停止操作をした場合が正解操作順序である。すなわち、選択されたリール停止データごとに第1停止操作に関する正解停止順序が決定される。
この「再遊技役1−2」のように、当選役に対応する図柄組み合わせが操作順序によって決定される再遊技役を「押し順リプレイ」と呼ぶ場合がある。また、この「再遊技役1−2」のように、入賞役が操作順序によって決定される役を「操作順序役」と称する場合がある。
ここまで、図8における「再遊技役1−2」について説明したが、「小役3a」でも遊技者の操作順序に応じて遊技者の有利不利が異なるように設定されている。以下、具体的に説明する。
「小役3a」に内部当選した場合には、遊技者の操作順序に応じて小役3に対応する図柄組み合わせが入賞ラインに表示されるか否かが決定される(図8備考欄参照)。より具体的には、予め定められた操作順序である正解操作順序に従って停止操作がされた場合には、「ベル図柄−ベル図柄−ベル図柄」が入賞ラインL1上に表示され、4枚のメダルが払い出される。これに対して、正解操作順序に従って停止操作がされなかった場合には、「ベル図柄−ベル図柄−ベル図柄」が入賞ラインL1上に表示されない。
本実施形態では、「小役3a」に内部当選した場合、複数種類(具体的には3種類)の中から一つのリール停止データが抽選により選択されるようになっており、このリール停止データごとに正解操作順序が設けられている。より具体的には、(1)リール停止データd−1が選択された場合には、第1停止リールを右リール112とする第1停止操作をした場合が正解操作順序、(2)リール停止データd−2が選択された場合には、第1停止リールを中リール111とする第1停止操作をした場合が正解操作順序、(3)リール停止データd−3が選択された場合には、第1停止リールを左リール110とする第1停止操作をした場合が正解操作順序となっている。すなわち、選択されたリール停止データごとに第一停止操作に関する正解停止順序が決定される。
この「小役3a」のように、当選役に対応する図柄組み合わせが操作順序によって決定される小役を「押し順小役」と呼ぶ場合がある。また、この「小役3a」のように、入賞役が操作順序によって決定される役を「操作順序役」と称する場合がある。なお、本実施形態では、操作順序正解の場合には払出がある一方、不正解の場合には払出がない構成を採用したが、これに限定されない。例えば、操作順序に正解した場合と、不正解の場合とで、払い出し枚数が異なるものであってもよい。すなわち、操作順序に正解した場合の方が、操作順序に不正解の場合よりも有利になる構成であればよい。また、上記説明では、正解の操作条件を操作順序としたが、正解の操作条件は操作順序に限定されない。操作順序に限らず停止操作のタイミングや、操作順序と停止操作のタイミングとの組み合わせによって有利不利を生じさせる構成であってもよい。なお、ここで説明した「小役3a」については、以降説明する遊技状態でも同様である。
また、「小役3a」に内部当選した場合、リール停止データが抽選により選択されるようになっていたが、複数種類の小役のそれぞれに正解操作順序の異なるリール停止データを対応させて、正解操作順序に従った操作が実行されなければ、全ての小役を入賞させることが困難なものとしてもよい。例えば、小役3a−1と小役3a−2と小役3a−3を設け、どの役が入賞した場合でも4枚のメダルが払い出されるものとする。そして、小役3a−1に内部当選した場合には、リール停止データd−1が選択され、小役3a−2に内部当選した場合には、リール停止データd−2が選択され、小役3a−3に内部当選した場合には、リール停止データd−3が選択されるものとする。なお、本実施形態では、単独で小役3aが当選した場合にリール停止データに正解操作順序を設定したが、複数の小役に当選した場合に、リール停止データに正解操作順序を設定してもよい。例えば、小役3aが入賞した場合に4枚のメダルが払い出されるものとし、さらに、小役3a−1と小役3a−2と小役3a−3を設け、どの役が入賞した場合でも1枚のメダルが払い出されるものとする。そして、小役3aと小役3a−1に内部当選した場合には、リール停止データd−1xが選択され、小役3aと小役3a−2に内部当選した場合には、リール停止データd−2xが選択され、小役3aと小役3a−3に内部当選した場合には、リール停止データd−3xが選択されるものとする。リール停止データd−1x、d−2x及びd−3xは、それぞれ、正解操作順序に従った操作が実行されれば4枚のメダルが払い出されるものとし、正解操作順序に従った操作が実行されなければ1枚のメダルが払い出されるか、メダルの払い出しが0になるものとする。正解操作順序に従った操作が実行されなくても払い出しがある場合があるので、興趣ある遊技性となる場合がある。
図7には、再遊技低確率状態(RT1)において、再遊技役2に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示された場合(再遊技役2に入賞した場合)には、後述する再遊技高確率状態(RT2)に移行することが示されている。また、同図には、特別役1または特別役2に内部当選した場合には、後述する特別役内部当選状態(RT3)に移行することが示されている。さらに、特別役1または特別役2に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示された場合(特別役1または特別役2に入賞した場合)には、後述する特別遊技状態(RT4)に移行することが示されている。
<再遊技高確率状態(RT2)>
再遊技高確率状態(RT2)は、再遊技低確率状態(RT1)よりも再遊技役の内部当選確率が高い遊技状態である。再遊技高確率状態(RT2)では、図8に示す横軸の「RT2」の列にある抽選テーブルを参照して内部当選する入賞役を抽選する。
再遊技高確率状態(RT2)において内部当選する入賞役には、特別役1、特別役2、特別役1−小役1、特別役1−小役2、特別役2−小役1、特別役2−小役2、再遊技役1、再遊技役1−3、小役1、小役2、小役3aがある。なお、入賞役に当選しなかった場合はハズレとなり、入賞役に対応する図柄組み合わせは表示されない。
ここで、「再遊技役1−3」とは、再遊技役1および再遊技役3が同時に内部当選したことを指す。この場合、遊技者の操作順序に応じてどの役に対応する図柄組み合わせが表示されるかが決定される。より具体的には、予め定められた操作順序である正解操作順序に従って停止操作がされた場合は、再遊技役1に対応する図柄組み合わせ(通常リプレイ)が表示され(図8備考欄中、操作順序正解時参照)、それ以外の場合には、再遊技役3に対応する図柄組み合わせ(転落リプレイ)が表示される(図8備考欄中、操作順序不正解時参照)。
本実施形態では、「再遊技役1−3」に内部当選した場合、複数種類(具体的には3種類)の中から一つのリール停止データが抽選により選択されるようになっており、このリール停止データごとに正解操作順序が設けられている。より具体的には、(1)リール停止データc−1が選択された場合には、第1停止リールを左リール110又は中リール111とする第1停止操作をした場合が正解操作順序、(2)リール停止データc−2が選択された場合には、第1停止リールを左リール110又は右リール112とする第1停止操作をした場合が正解操作順序、(3)リール停止データc−3が選択された場合には、第1停止リールを中リール111又は右リール112とする第1停止操作をした場合が正解操作順序となっている。すなわち、選択されたリール停止データごとに第1停止操作に関する正解停止順序が決定される。
この「再遊技役1−3」も、上記「再遊技役1−2」と同様に「押し順リプレイ」と呼ぶ場合がある。また、この「再遊技役1−3」のように、入賞役が操作順序によって決定される役を「操作順序役」と称する場合がある。
図7には、再遊技高確率状態(RT2)において、再遊技役3に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示された場合(再遊技役3に入賞した場合)又はATゲーム数を消化した場合には、上述した再遊技低確率状態(RT1)に移行することが示されている。また、同図には、特別役1または特別役2に内部当選した場合には、後述する特別役内部当選状態(RT3)に移行することが示され、さらに、特別役1または特別役2に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示された場合(特別役1または特別役2に入賞した場合)には、後述する特別遊技状態(RT4)に移行することが示されている。
<特別役内部当選状態(RT3)>
特別役内部当選状態(RT3)は、特別役1あるいは特別役2に対応する内部当選フラグがオンに設定された状態であり、遊技者が所定のタイミングで停止操作をすることで、このフラグに対応する特別役に対応する図柄組み合わせを表示させることができる遊技状態である。特別役内部当選状態では、図8に示す横軸の「RT3」の列にある抽選テーブルを参照して内部当選する入賞役を抽選する。特別役内部当選状態において内部当選する入賞役には、再遊技役1、小役1、小役2、小役3aがある。なお、入賞役に当選しなかった場合はハズレとなり、入賞役に対応する図柄組み合わせは表示されない。
また、図7には、特別役内部当選状態(RT3)において、特別役1または特別役2に対応する図柄組み合わせが表示された場合に、後述する特別遊技状態(RT4)に移行することが示されている。
<特別遊技状態(RT4)>
特別遊技状態(RT4)は、全ての遊技状態中で最も遊技者に有利な遊技状態である。特別遊技状態では、図8に示す横軸の「RT4」の列にある抽選テーブルを参照して内部当選する入賞役を抽選する。特別遊技状態において内部当選する入賞役は、小役3bのみである。また、入賞役に当選しなかった場合はハズレとなり、入賞役に対応する図柄組み合わせは表示されない。
「小役3b」に内部当選した場合には、操作順序に関わらず「ベル図柄−ベル図柄−ベル図柄」が入賞ラインL1上に表示され、4枚のメダルが払出される。(図8備考欄参照)。
図7には、特別遊技状態(RT4)において、規定枚数が払い出された場合に再遊技低確率状態(RT1)に移行することが示されている。具体的には、特別役1に対応する図柄組み合わせが表示されたことに基づいて特別遊技状態に移行した場合には、360枚以上のメダルの払出しが終了すると再遊技低確率状態(RT1)に移行する。また、特別役2に対応する図柄組み合わせが表示されたことに基づいて特別遊技状態に移行した場合には、96枚以上のメダルの払出しが終了すると再遊技低確率状態(RT1)に移行する。
なお、本実施形態では、特別遊技状態が規定枚数の払い出しが実行されると終了するが、例えば、所定の役(例えばシングルボーナス)に当選した場合に終了するものや、さらには所定の回数(例えば8回)の入賞があった場合、または所定の回数(例えば6回)の遊技が行われた場合に終了するものであってもよい。
<AT系の遊技状態の遷移>
図7に示すように、AT系の遊技状態は、RT系の遊技状態に基づいて一意に決定される。すなわち、本実施形態では、再遊技低確率状態(RT1)、特別役内部当選状態(RT3)、及び特別遊技状態(RT4)は、通常状態であり、再遊技高確率状態(RT2)は、AT状態である。
ここで、AT状態とは、本実施形態の場合、入賞役内部抽選処理において操作順序役である再遊技役1−3又は小役3aに内部当選したときに、停止操作の操作順序に関する報知演出(以下、操作条件報知演出という)が行われる状態であり、通常状態は、操作条件報知演出が行われない状態である。
より詳しくは、AT状態とは、遊技者に有利な結果がもたらされるように、操作タイミング又は停止操作の操作順序を含んだ操作条件報知演出が実行される遊技状態をいう。なお、AT状態における遊技をAT遊技とも称する。つまり、AT状態とは、遊技者が演出に従った操作を行うことにより、小役入賞を取りこぼさないようにしながら遊技できる遊技状態である。また、AT状態とは、遊技状態の昇格および降格がある遊技性においては、遊技者が演出に従った操作を行うことにより、有利な遊技状態を降格させず、有利な遊技状態を維持できたり、不利な遊技状態から有利な遊技状態に昇格できたりする遊技状態でもある。そして、操作順序を報知する演出とは、操作順序役を入賞させるための停止操作の正解となる操作順に関する情報が報知される演出である。また、操作タイミングを報知する演出とは、所謂とりこぼしが発生する操作順序役に関する情報が報知される演出である。例えば、小役1当選に関する情報としてスイカの画像を液晶表示装置157に表示する演出である。勿論、操作タイミング及び停止操作の順序の双方を報知する操作条件報知演出であってもよい。このようにAT状態は、有利な遊技状態である。
具体的には、AT状態においては、小役3aに内部当選した場合に正解操作順序を報知する演出を実行し、再遊技役1−3に内部当選した場合に正解操作順序を報知する演出を実行するので、遊技者は、演出に従った操作を行うことで、小役3aに内部当選した場合には、遊技者がメダルを獲得でき、再遊技役1−3に内部当選した場合にはRT1への降格を回避でき、有利な遊技状態を維持することができる。
本実施形態では、RT1において再遊技役2に入賞した場合、つまりRT2に移行したときにAT状態となり、AT状態は、付与された所定ゲーム数(例えば、30ゲームなど)を消化した場合に終了して、通常状態(再遊技低確率状態)に移行する。勿論、AT状態は、RT系の遊技状態の移行を伴う場合(RT2から他の遊技状態に移行する場合)にも終了して、移行先のRT系の遊技状態に対応したAT系の遊技状態に移行する。
なお、本実施形態では、操作順序役に内部当選した場合、第1停止操作が正解であれば、遊技者にとって有利な結果が得られるようになっていたが、これに限定されず、第1停止操作から第3停止操作までのすべてが正解の場合に遊技者にとって有利な結果が得られるようにしてもよい。そして、このような場合において操作順序を報知する操作条件報知演出を実行する場合には、第1停止操作から第3停止操作までの操作順序を報知するようにしてもよい。
なお、以下の説明においては、例えば、主制御部300のRT系の遊技状態がRT1にあり、AT系の遊技状態が通常状態にある場合を、主制御部300の遊技状態はRT1(通常状態)にあると略記する場合がある。
ここで、再遊技役1−3について再度説明すると、再遊技役1−3は、再遊技高確率状態(RT2)において内部当選する役である。この役に内部当選すると、再遊技役1(通常リプレイ)または再遊技役3(転落リプレイ)のいずれかの役に入賞する。これらの役は、再遊技が付与される点で共通するものの、再遊技役3が遊技者にとってより不利な遊技状態である再遊技低確率状態(RT1)に移行する役である点が異なる。すなわち、再遊技役3に入賞するよりも再遊技役1に入賞する方が遊技者にとって有利な結果になる。このため、AT状態において、「再遊技役1−3」に内部当選した場合には、再遊技役1に対応する図柄を揃えるための操作条件報知演出が実行される。
また、「小役3a」は、特別遊技状態(RT4)を除く遊技状態において内部当選する役である。この役に内部当選した場合には、「ベル図柄−ベル図柄−ベル図柄」が入賞ラインL1上に表示されると4枚のメダルが払い出される。このため、再遊技高確率状態(RT2)において、「小役3a」に内部当選した場合には、「ベル図柄−ベル図柄−ベル図柄」が入賞ラインL1上に表示されるための操作条件報知演出が実行される。
<リールの停止制御>
次に、リール110〜112の停止制御について概要を説明する。リールの停止制御は、予め定めた複数種類のリール停止制御データの中から、所定の条件(例えば、上述した入賞役の内部当選処理の結果)に基づいていずれかを選択し、選択したリール停止制御データに基づき行う。
本実施形態ではいわゆる引込制御(コマ滑り制御)を行う。引込制御とは、遊技者による各ストップボタン137〜139の操作があってから一定のコマ数(図柄数)の範囲(引き込み範囲;ここでは最大4コマ)でリール110〜112の停止位置をずらす制御をいう。リール停止データは主制御部300のROM306に格納されている。各リール停止データは、所定の入賞役の図柄組合せが入賞ライン上に揃って表示されることを許容する許容制御と、いずれの入賞役の図柄組合せも入賞ライン上に揃って表示されない禁止制御と、に大別される。
許容制御が行われる例としては、例えば、ある入賞役に内部当選した場合や、特別役の内部当選中(フラグ持ち越し中)の場合であり、遊技者による各ストップボタン137〜139を操作するタイミングが悪くても上記のコマ数の範囲内で入賞役の図柄組合せが揃って表示されるように制御が行われる。但し、「許容」するだけであるから、各ストップボタン137〜139を操作するタイミング次第で図柄組合せが揃わない場合もある。
例えば、小役1(スイカ)に内部当選した場合には、スイカ図柄は4コマを超えて配置されているので、ストップボタン137〜139を操作するタイミングが好適でないと、スイカ図柄は入賞ラインに停止しない。
尤も、リール110〜112における図柄の配置と引き込みコマ数次第で100%揃う場合もある。例えば、再遊技役1(通常リプレイ)に対応する、リプレイ図柄の配置間隔は最大4コマであるため、再遊技役1に内部当選すると、そのタイミングに関わらず100%入賞することになる。
一方、禁止制御が行われる例としては、例えば、内部抽選結果がハズレで、特別役の内部当選中(フラグ持ち越し中)ではない場合であり、遊技者による各ストップボタン137〜139を操作するタイミングが良くても上記のコマ数の範囲内で入賞役の図柄組合せが揃って表示されないように制御が行われる。
<主制御部の操作条件報知演出>
次に、図9〜図10を用いて、主制御部300の操作条件報知演出について説明する。図9は、再遊技役1−3及び小役3aに内部当選した場合のリール停止データの概要及び主制御部300の操作条件報知演出の演出データを示す図である。本実施形態の主制御部300の操作条件報知演出は、払出枚数表示器127を用いて行われる。したがって、主制御部300の操作条件報知演出の演出データとは、7セグメント(SEG)表示器の点灯パターンデータ(以下、7セグデータという)である。また、図10は、7セグデータと払出枚数表示器127の表示態様(点灯態様)の対応を示す図である。
まず、RT2(AT状態)において再遊技1−3に内部当選した場合について説明する。
(1)再遊技1−3に内部当選し、停止データc−1が選択された場合には、第1停止リールを左リール110または中リール111とする第1停止操作が正解操作順序であるので、第1停止操作が左又は中であることを示唆する7セグデータc−2またはc−3が選択される。また、(2)再遊技1−3に内部当選し、停止データc−2が選択された場合には、第1停止リールを左リール110または右リール112とする第1停止操作が正解操作順序であるので、第1停止操作が左または右であることを示唆する7セグデータc−1またはc−3が選択される。また、(3)再遊技1−3に内部当選し、停止データc−3が選択された場合には、第1停止リールを中リール111または右リール112とする第1停止操作が正解操作順序であるので、第1停止操作が中または右であることを示唆する7セグデータc−1またはc−2が選択される。
ここで、7セグデータc−1、c−2及びc−3の払出枚数表示器127における表示態様は、図10(a)に示す通りである。7セグデータc−1は、払出枚数表示器127の右側のセグメントを点灯するデータであり、7セグデータc−2は、払出枚数表示器127の中央のセグメントを点灯するデータであり、7セグデータc−3は、払出枚数表示器127の左側のセグメントを点灯するデータである。この結果、遊技者は払出枚数表示器127の点灯態様から視覚的に正解の第1停止操作を把握することができる。
次に、RT2(AT状態)において小役3aに内部当選した場合について説明する。
(1)小役3aに内部当選し、停止データd−1が選択された場合には、第1停止リールを右リール112とする第1停止操作が正解操作順序であるので、第1停止操作が右であることを示唆する7セグデータd−1が選択され、(2)小役3aに内部当選し、停止データd−2が選択された場合には、第1停止リールを中リール111とする第1停止操作が正解操作順序であるので、第1停止操作が中であることを示唆する7セグデータd−2が選択され、(3)小役3aに内部当選し、停止データd−3が選択された場合には、第1停止リールを左リール110とする第1停止操作が正解操作順序であるので、第1停止操作が左であることを示唆する7セグデータd−3が選択される。
ここで、7セグデータd−1、d−2及びd−3の払出枚数表示器127における表示態様は、図10(b)に示す通りである。7セグデータd−1は、払出枚数表示器127の右側のセグメントを点灯するデータであり、7セグデータd−2は、払出枚数表示器127の中央のセグメントを点灯するデータであり、7セグデータd−3は、払出枚数表示器127の左側のセグメントを点灯するデータである。この結果、遊技者は払出枚数表示器127の点灯態様から視覚的に正解の第1停止操作を把握することができる。
また、図10に示すように、本実施形態の主制御部300の操作順序報知演出では、同一の操作順序(例えば、第1停止操作を左など)を示す場合であっても内部当選役に応じて7セグの点灯箇所を変更している。したがって、遊技者は、払出枚数表示器127の表示態様を見ることによって、操作順序のみならず内部当選役の種類を把握することができる。
なお、本実施形態では、主制御部300は、選択されたリール停止データに応じた正解操作順序を含むコマンド(以下、選択されたリール停止データに応じた操作順序を含むコマンドをリール停止データコマンドという)を第1副制御部400に送信するようにしている。例えば、RT2(AT状態)において再遊技1−3に内部当選し、リール停止データとして停止データc−1が選択された場合には、停止データc−1選択を示すリール停止データコマンドを送信する。また、RT2(AT状態)において小役3aに内部当選し、リール停止データとして停止データd−2が選択された場合には、停止データd−2選択を示すリール停止データコマンドを送信する。
<副制御部の操作条件報知演出>
次に、図11〜図12を用いて、副制御部の操作条件報知演出について説明する。図11は、副制御部の操作条件報知演出の概要を示す図である。
本実施形態の副制御部の操作条件報知演出では、主制御部300から受信したリール停止データコマンドに基づいて操作条件報知演出の内容を決定している。例えば、停止データc−1選択を示すリール停止データコマンドを受信した場合には、演出1が選択され、停止データd−2選択を示すリール停止データコマンドを受信した場合には、演出2が選択される。
図12は、副制御部の操作条件報知演出の演出態様を説明する図である。図12(a)は、演出1の報知態様を示している。演出1は、演出画像表示装置157上に「−−1」の文字を表示するとともに、右サイドランプ144を点灯させ、スピーカ272及び277を介して「右から押して」の音声を出力して、第1停止操作が右であることを示唆する演出である。図12(b)は、演出2の報知態様を示している。演出2は、演出画像表示装置157上に「−1−」の文字を表示するとともに、上部ランプ146を点灯させ、スピーカ272及び277を介して「中から押して」の音声を出力して、第1停止操作が中であることを示唆する演出である。図12(c)は、演出3の報知態様を示している。演出3は、演出画像表示装置157上に「1−−」の文字を表示するとともに、左サイドランプ144を点灯させ、スピーカ272及び277を介して「左から押して」の音声を出力して、第1停止操作が左であることを示唆する演出である。
なお、本実施形態では、内部当選役に係わらず、操作順序が同一の場合には、同一の演出データを用いるようになっている。例えば、再遊技役1−3に内部当選して停止データc−1選択を示すリール停止データコマンドを受信した場合、及び小役3aに内部当選して停止データd−1選択を示すリール停止データコマンドを受信した場合には、いずれも演出1が選択されるので、第1副制御部400は同一の演出態様の操作順序報知演出を実行する。このように本実施形態では、内部当選役に係わらず、操作順序が同一の場合には、同一の演出データを用いた操作順序報知演出を実行するので、第1副制御部400の演出データを削減することができる。
また、本実施形態では、「1−−」などの文字を表示して、三つのリール110〜112に対する指示を報知したが、操作条件報知演出の報知態様はこれに限定されない。例えば、三つのリール110〜112のうちのいずれか一つのリールに対する指示が特定される表示態様であればよい(例えば、「右」などの文字を表示するなど)。また、操作条件報知演出として操作タイミングを報知するような場合には、図柄が特定されるような報知態様であればいずれの態様でもよい(例えば、「!」を表示することにより、遊技者がBAR図柄と特定可能な遊技性があるならば、「!」でもよい)。つまり、操作条件報知演出の報知態様は、数字や図柄を表示する態様を一例としており、操作条件報知演出は、遊技者に特定な操作を行わせることが可能な演出である。
<個々判定演出、全体判定演出>
次に、図13〜図20を用いて、操作条件報知演出を実行した遊技において実行可能な個々判定演出及び全体判定演出について説明する。個々判定演出は、操作条件報知演出を実行した遊技において、それぞれの停止操作が正解の停止操作であった場合に実行される演出であり、停止操作されたリールの非入賞位置に所定の画像を表示して、個々の停止操作が正解であったことを示唆する演出である。また、全体判定演出は、操作条件報知演出を実行した遊技において、すべての停止操作(第1停止操作、第2停止操作及び第3停止操作のすべて)が正解であった場合に実行される演出であり、すべての停止操作が正解であったことを示唆する演出である。
図13及び図14は、RT2(AT状態)において小役3aに内部当選し、停止データd1が選択された遊技における操作条件報知演出、個々判定演出、及び全体判定演出の流れを示すタイムチャートであり、図13は、正解の停止操作を行った場合、図14は、不正解の停止操作を行った場合を示している。
なお、この場合の正解の停止操作は、第1停止リールを右リール112とする停止操作(右ストップボタン139に対する第1停止操作)である。したがって、第1停止操作が正解であれば、以下、第2停止操作及び第3停止操作はいかなる操作であっても、正解となる。同様にして、第1停止操作が不正解であれば、以下、第2停止操作及び第3停止操作はいかなる操作であっても、不正解となる。
ここで、本実施形態の操作条件報知演出の実行期間について説明すると、(1)正解の停止操作をした場合には、主制御部・操作条件報知演出及び副制御部・操作条件報知演出は、スタートレバー操作時から第3停止操作時まで実行される一方、(2)不正解の停止操作をした場合には、主制御部・操作条件報知演出は、スタートレバー操作時から第3停止操作時まで実行され、副制御部・操作条件報知演出は、スタートレバー操作時から不正解の停止操作をしたときまで実行される。
なお、副制御部・操作条件報知演出を操作順序のミスが発生した時点で終了するのは、遊技者は演出画像表示装置157に表示された報知内容を主として見る(払出枚数表示器127に表示された報知内容より演出画像表示装置157に表示された報知内容に注目する)ので、失敗以後も報知を続けていると、報知内容が次の停止操作に関するメッセージなのか、それとも失敗した停止操作に関するメッセージなのかが曖昧になり遊技者を戸惑わせることになるためである。また、主制御部・操作条件報知演出は操作順序に失敗しても入賞判定時まで実行するのは、副制御部・操作条件報知演出は操作失敗の時点で終了してしまうので、その後、遊技者が正解操作順序を確認できるようにするためである。この結果、遊技者は操作手順を失敗した場合であっても、払出枚数表示器127を見ることにより正解操作順序を把握することができる。
まず、図13を用いて、正解の停止操作を行った場合の演出動作について説明する。
遊技者がスタートレバー操作を行うと、スロットマシン100は、スタートレバー操作の時点t1から、払出枚数表示器127を用いた主制御部・操作条件報知演出、演出画像表示装置157を用いた副制御部・操作条件報知演出を実行する。具体的には、払出枚数表示器127に、7セグデータd1に基づく点灯態様を表示し、演出画像表示装置157に、演出1の演出画像(操作特定画像)d10を表示する。
次に、遊技者が右ストップボタン139に対する第1停止操作を行うと、正解の停止操作が行われたので、スロットマシン100は、第1停止操作受付の時点t2から、所定時間TAに亘って、停止対象リールである右リール112に対して個々判定演出を実行する。具体的には、演出画像表示装置157上の右リール112の非入賞位置に停止操作が正解であったことを示唆する操作正解画像d20を表示する。なお、操作正解画像d20の構成及び動作については後述する。
次に、遊技者が中ストップボタン138に対する第2停止操作を行うと、正解の停止操作が行われたので、スロットマシン100は、第2停止操作受付の時点t3から、所定時間TAに亘って、停止対象リールである中リール111に対して個々判定演出を実行する。具体的には、演出画像表示装置157上の中リール111の非入賞位置に停止操作が正解であったことを示唆する操作正解画像d20を表示する。
次に、遊技者が左ストップボタン137に対する第3停止操作を行うと、正解の停止操作が行われたので、スロットマシン100は、第3停止操作受付の時点t4から、所定時間TAに亘って、停止対象リールである左リール110に対して個々判定演出を実行する。具体的には、演出画像表示装置157上の左リール110の非入賞位置に停止操作が正解であったことを示唆する操作正解画像d20を表示する。
また、図13に示す場合においては、全停止操作が正解であったので、スロットマシン100は、第3停止操作受付の時点t4から、全体判定演出を実行する。具体的には、演出画像表示装置157上の操作特定画像d10が表示された領域と略同一の領域に、すべての停止操作が正解であったことを示唆する全操作正解画像d30を表示する。具体的には、図13に示す場合においては、小役3(ベル)に入賞したので、「ベル獲得」の文字を含む画像を全操作正解画像d30として表示している。なお、全操作正解画像d30の表示位置については後述する。
なお、図13においては、右ストップボタン139、中ストップボタン138、左ストップボタン137の順序で停止操作した場合について説明したが、右ストップボタン139、左ストップボタン137、中ストップボタン138の順序で停止操作した場合も、正解の停止操作であるので、上記と同様に個々判定演出及び全体判定演出は実行される。
次に、図14を用いて、不正解の停止操作を行った場合の演出動作について説明する。
遊技者がスタートレバー操作を行うと、スロットマシン100は、スタートレバー操作の時点t1から、払出枚数表示器127を用いた主制御部・操作条件報知演出、演出画像表示装置157を用いた副制御部・操作条件報知演出を実行する。具体的には、払出枚数表示器127に、7セグデータd1に基づく点灯態様を表示し、演出画像表示装置157に、演出1の操作特定画像d10を表示する。
次に、遊技者が左ストップボタン137に対する第1停止操作を行うと、不正解の停止操作が行われたので、スロットマシン100は、第1停止操作受付の時点t2から、副制御部・操作条件報知演出を中止するとともに、時点t2から、個々判定演出を実行しない。
次に、遊技者が中ストップボタン138に対する第2停止操作を行うと、不正解の停止操作が行われたので、スロットマシン100は、第2停止操作受付の時点t3から、個々判定演出を実行しない。
次に、遊技者が右ストップボタン139に対する第3停止操作を行うと、不正解の停止操作が行われたので、スロットマシン100は、第3停止操作受付の時点t4から、個々判定演出を実行しない。
勿論、図14に示す場合においては、全停止操作が不正解であったので、スロットマシン100は、第3停止操作受付の時点t4から、全体判定演出を実行することもない。
なお、図13及び図14に示した例では、操作順序役として小役3aに内部当選した場合について説明したが、再遊技役1−3に内部当選した場合も同様である。すなわち、再遊技役1−3に内部当選し、操作条件報知演出を実行中に、遊技者が正解の停止操作を行った場合には、個々判定演出及び全体判定演出が実行される。
以上、本実施形態によれば、AT状態において操作順序役に内部当選し、操作条件報知演出を実行中に、遊技者が正解の停止操作を行った場合には、個々判定演出、及び全体判定演出を実行して、遊技者の個々の操作が正解である旨、及び正解の操作結果に基づく利益が付与される旨を報知する。
図15(a)は、操作正解画像d20の構成及び動作を示すタイムチャートである。操作正解画像d20は、図15(a)に示すように、左リール110の2図柄分の非入賞位置(図柄位置1と図柄位置2)に跨って表示される雲状の単色画像であり、非入賞位置の視認性を低下させて非入賞位置(図柄位置3)の図柄を隠すことはある(視認性を困難にする)が、入賞位置の視認性を低下させることなく入賞位置の図柄を隠すことはない(視認性が確保される)画像である。具体的には、操作正解画像d20は、表示開始(停止操作)の時点は、透過率50%の画像であり、時間の経過とともに透過率が上昇し、表示開始から所定時間TA(約1秒)が経過すると消失する画像である。したがって、操作正解画像d20が表示されている所定時間TAの間、非入賞位置の図柄の視認性は妨げられるが、操作正解画像d20を表示開始してから所定時間TAが経過した後には、非入賞位置の図柄の視認性が妨げられることはない。この結果、操作正解画像d20が表示されている間は、遊技者にとって入賞図柄はわかりやすい状態にある。また、仮に操作正解画像d20があることで図柄が見難い印象になった遊技者がいたとしても過度にそのストレスを与えることない。
なお、本実施形態では、全リール110〜112それぞれにおいて操作正解画像d20を表示したが、第1停止操作の内容に基づいて正解か不正解かの操作が確定するので、第1停止リールにおいてのみ操作正解画像d20を表示するようにしてもよい。図柄全体を見やすくできる場合がある。また、本実施形態では、操作正解画像d20全体が透過率を変化させていくが、部分的に透過率を変化させてその部分だけを最終的に消失させるようにしてもよい。正解操作を行ったことを容易に把握させることができる。
図15(b)は、操作特定画像d10及び全操作正解画像d30の表示位置を説明する図である。
本実施形態の操作特定画像d10は、各リール110〜112に対応させた三つの領域を有する表示領域S10に表示される。勿論、操作特定画像d10は、各リール110〜112に対応させた表示でなくてもよく、第1停止リールだけに対応させた表示でもよい。例えば、「右から押して」などの文字を含む画像を表示したり、右リール112に対応した位置にだけ「最初はココ」などの文字を含む画像を表示したりしてもよい。
全操作正解画像d30は、操作特定画像d10の表示が終了した後に表示される画像であり、全操作正解画像d30の表示領域S30は、操作特定画像d10の表示領域S10と重複があり、略同一の領域となっている。遊技者は、操作条件報知演出を実行中、操作特定画像d10を見ている可能性が高いので、略同一領域に全操作正解画像d30を表示することにより、入賞結果を容易に把握することができる。
なお、本実施形態の表示領域S30は、表示領域S10を含んで表示領域S10よりも若干大きい領域として設定されているが、これに限定されない。二つの表示領域を完全に一致させるようにしてもよいし、表示領域S10よりも小さい領域として設定されてもよい。
図16〜図18は、停止操作のテンポと操作正解画像d20の表示態様の関係を説明する図である。なお、いずれもRT2(AT状態)において小役3aに内部当選し、停止データd1が選択され、正解の停止操作、具体的には、右ストップボタン139に対する操作を第1停止操作、中ストップボタン138に対する操作を第2停止操作、左ストップボタン137に対する操作を第3停止操作とした場合を示している。
図16(a)は、停止操作のテンポが遅い場合、詳しくは、第1停止操作と第2停止操作の時間間隔がTL1(>所定時間TA)の場合のタイムチャートである。
操作正解画像d20の表示時間は、上述したように、所定時間TAであるので、第1停止操作に基づく操作正解画像d20の表示開始から所定時間TAが経過した後に第2停止操作を行ったとしても、第2停止操作の時点t3においては、第1停止操作に基づく操作正解画像d20は既に消失している。
図16(a)は、このことを示しており、図16(b)は、図16(a)の時点t3におけるリール窓113の表示態様を示している。このように、第1停止操作と第2停止操作の時間間隔をTL1(>所定時間TA)とし、ゆっくりと停止操作した場合には、第2停止操作の時点t2において、第2停止操作の対象となった中リール111に対しては操作正解画像d20が表示され、中リール111の非入賞位置の図柄は隠されるが、第1停止操作の対象となった右リール111に対しては操作正解画像d20が既に消失しているので、遊技者は、入賞候補の図柄がどの図柄であるか判断し難い。
これに対して、図17(a)は、停止操作のテンポが速い場合、詳しくは、第1停止操作と第2停止操作の時間間隔がTL2(<所定時間TA)の場合のタイムチャートである。
この場合には、操作正解画像d20の表示時間は、第1停止操作に基づく操作正解画像d20の表示開始から所定時間TAが経過する前に第2停止操作を行ったので、第2停止操作の時点t3においては、第1停止操作に基づく操作正解画像d20の表示は継続されている。
図17(a)は、このことを示しており、図17(b)は、図17(a)の時点t3におけるリール窓113の表示態様を示している。このように、第1停止操作と第2停止操作の時間間隔をTL2(<所定時間TA)とし、迅速に停止操作した場合には、第2停止操作の時点t2において、第1停止操作の対象となった右リール112、及び第2停止操作の対象となった中リール111のいずれに対しても操作正解画像d20が表示され、停止操作のあったリール111及び112において非入賞位置が隠されるので、遊技者は、入賞候補の図柄がどの図柄であるかを容易に判断することができるという効果を有する。つまり、遊技者は複数回の遊技を行っていく中で、停止操作のテンポを遅くしたり停止操作のテンポを速くしたりすることがあるが、停止操作のテンポを速くしたい場合に入賞候補の図柄を容易に判断できる印象を得ると、この操作を連続させる場合があり、結果として単位時間内の遊技回数を増やすことに貢献できる場合がある。
なお、本実施形態では、操作正解画像d20の表示時間である所定時間TAを約1秒としたが、これは以下の理由による。スロットマシンでは1回の遊技に必要な最少遊技時間TCを4.1秒としているので、1遊技を4.1秒のテンポで進行させる場合の各停止操作の時間間隔(4.1÷3=1.37)を根拠として設定したものである。表示時間を長くし過ぎると、次遊技を開始してもいくつかの操作正解画像d20が残る可能性があり、次遊技のリールの停止操作の妨げにあるおそれがあるからである。また、本実施形態のスロットマシン100には、操作無効時間TB(停止操作後、次の停止操作が有効なるまでの時間)が設けられているので、遊技の迅速化という観点からは、所定時間TAは、操作無効時間TB<所定時間TA<最少遊技時間TCという関係が成立することが好ましい。
図18(a)は、停止操作のテンポが非常に遅い場合(例えば、第2停止操作受付の時点t3から第3停止操作受付の時点t4までが所定時間TAを超えている場合)の第3停止操作受付の時点t4におけるリール窓113の表示態様を示している。この場合には、第3停止操作の時点t4においては、第1停止操作に基づく操作正解画像d20及び第2停止操作に基づく個々判定画像d2は既に消失しているので、左リール110の非入賞位置にだけ操作正解画像d20が表示されている。
図18(b)は、停止操作のテンポが非常に速い場合(例えば、第1停止操作受付の時点t2から第3停止操作受付の時点t4までが所定時間TA以内の場合)の第3停止操作受付の時点t4におけるリール窓113の表示態様を示している。この場合には、第3停止操作の時点t4においては、第1停止操作に基づく操作正解画像d20及び第2停止操作に基づく個々判定画像d2の表示は継続されているため、全リール110〜112の非入賞位置それぞれに操作正解画像d20が表示されている。
このように停止操作のテンポが非常に速い場合には、全リール110〜112の非入賞位置それぞれに操作正解画像d20が表示されるので、遊技者は、入賞位置の図柄を瞬時に判断することができる。そのため、単位時間内の遊技回数を増やすことに貢献できる場合がある。
図19は、従来の問題点を説明している図である。従来においては、AT状態において操作順序役に内部当選して、操作条件報知演出を実行する場合、操作特定画像d10の表示領域と同一の領域に操作正解画像d20を表示していた。すなわち、操作特定画像d10を消して同一の領域に操作正解画像d20を表示していた(図19(a−1)、(a−2)及び(a−3)参照)。また、全停止操作が正解の場合、操作特定画像d10の表示領域と同一の領域に全操作正解画像d30を表示していた。遊技者が最も注目する画像は操作特定画像d10であり、この画像を表示した領域に操作正解画像d20や全操作正解画像d30を表示することで、遊技者に操作の結果を認識させやすいからである。すなわち、操作正解画像d20と全操作正解画像d30が重複して表示されていた(図19(a−5)参照)。このように、従来においては、同一領域に操作特定画像d10、操作正解画像d20、及び全操作正解画像d30を表示していたので、第3停止操作後、全操作正解画像d30が見づらいという問題があった。これに対して、図19(b)に示すように、全操作正解画像d30を操作正解画像d20が表示されていた位置と異なる位置に表示するという方法も考えられるが、この場合には、背景画像が見づらくなるという別の問題が生じてしまう。また、全操作正解画像d30を表示しない場合には、上記二つの問題は生じないが、全操作正解画像d30が示す特典付与を遊技者に報知できないという問題が新たに生じしてしまう。
そこで、本実施形態では、操作特定画像d10と全操作正解画像d30を略同一の位置に表示しつつも、操作正解画像d20を操作特定画像d10及び全操作正解画像d30の表示位置とは別の位置(リール窓113の非入賞位置)に表示するので、上記問題が発生しないようにした。すなわち、スロットマシン100は、操作条件報知演出、個々判定演出及び全体判定演出を実行する遊技台において、第3停止操作後、全操作正解画像d30が見づらいという問題、背景画像が見づらいという問題、及び全操作正解画像d30が示す特典付与を遊技者に報知できないという問題を解決した遊技台となっている。
図20は、操作特定画像d10及び操作正解画像d20を表示中に電断が発生し、その後、復電した場合の演出画像表示装置157上の演出画像を説明する図である。
図20(a)から(b)への流れは、操作正解画像d20を表示開始してから所定時間TAが経過した場合の演出画像表示装置157上の演出画像を示している。この場合には、表示されていた操作正解画像d20が非表示に変化した様子が示されている。一方、図20(a)から(c)、次いで、(d)への流れは、操作正解画像d20を表示開始してから所定時間TAが経過する前に電断が発生し、その後、復電した場合の演出画像表示装置157上の演出画像を示している。この場合には、復電時、まず、復電していることを示す画像(例えば、「復帰中」などの文字を表示する画像など。以下、復旧画像という)を表示し、次いで、中断していた演出を再開する。ここで、再開される演出は、操作条件報知演出だけであり、個々判定演出は再開されない。具体的には、図20(d)に示すように、操作特定画像d10は表示されるが、操作正解画像d20は表示されない。本実施形態では、早期に演出を再開させるために操作条件報知演出を優先的に実行させている。さらに、変則的な時期に行われた電断であることから遊技者を慌てさせた可能性が高いが、この電断の後は、遊技者を次の停止操作に集中させ、新たな気持ちで遊技を再開させたいので、次の停止操作に関連する操作特定画像d10だけを表示するものとした。例えば、操作条件報知演出として6択押順の画像を表示していた場合には、演出を再開させた後も残る操作に注意を要するため、遊技者が注視しているであろう操作特定画像d10から目線をそらすことがないようにした。
なお、本実施形態では、復電時に復旧画像を介して演出画像を再開したが、これとは別に復旧画像を介さずにいきなり演出画像を表示して再開してもよい。早期に遊技を再開させられる場合がある。
<スロットマシンの動作>
以下、主制御部300、第1副制御部400、及び第2副制御部500の処理について図面を用いて説明する。
<主制御部メイン処理>
まず、図21を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部メイン処理について説明する。なお、同図は主制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。
上述したように、主制御部300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)338を設けている。この起動信号を入力した基本回路302のCPU304は、リセット割込によりリセットスタートしてROM306に予め記憶している制御プログラムに従って図21に示す主制御部メイン処理を実行する。
電源投入が行われると、まず、ステップS101で各種の初期設定を行う。この初期設定では、CPU304のスタックポインタ(SP)へのスタック初期値の設定、割込禁止の設定、I/O310の初期設定、RAM308に記憶する各種変数の初期設定、WDT314への動作許可及び初期値の設定等を行う。
ステップS102では、賭け数設定/スタート操作受付処理を実行する。ここではメダルの投入の有無をチェックし、メダルが投入されたことを示す投入コマンドの送信準備を行う。なお、前回の遊技で再遊技役に入賞した場合は、前回の遊技で投入されたメダル枚数と同じ数のメダルを投入する処理を行うので、遊技者によるメダルの投入が不要となる。また、スタートレバー135が操作されたか否かのチェックを行い、スタートレバー135の操作があればステップS103へ進む。
ステップS103では、投入されたメダル枚数を確定し、有効な入賞ラインを確定する入賞ライン確定処理を行う。
ステップS104では、乱数発生回路316で発生させた乱数を取得する乱数取得処理を行う。
ステップS105では、入賞役内部抽選処理を行う。入賞役内部抽選処理では、現在の遊技状態に応じてROM306に格納されている入賞役抽選テーブルを読み出し、これとステップS104で取得した乱数値とを用いて内部抽選を行うとともに、この内部抽選の結果を示す内部抽選コマンドを第1副制御部400へ送信するための準備を行う。内部抽選の結果、いずれかの入賞役(作動役を含む)に内部当選した場合、その入賞役のフラグがオンになる。
ステップS106では、入賞役内部抽選処理の内部抽選結果に基づき、リール停止データを選択するリール停止データ選択処理を行う。なお、このリール停止データは、主制御部300のROM306内に記憶されている。また、ステップS106では、選択されたリール停止データに関する情報を含んだリール停止データコマンドを第1副制御部400に送信する準備を行う。ここで、リール停止データコマンドには、操作順序に関する情報が含まれている。例えば、RT2において小役3aに内部当選し、停止データd−1を選択したことを示す情報(停止データd−1の正解操作順序を示す情報であり、停止データd−1選択と表記する)を含んだリール停止データコマンドを第1副制御部400に送信する準備を行う(図11参照)。
ステップS107では、主制御部300の操作条件報知演出の設定を行う主制御部・操作条件報知演出設定処理を実行する。具体的には、RT2(AT状態)における入賞役内部抽選処理において小役3aに内部当選した場合には、操作順序報知演出の設定に関する処理、つまり小役3aに内部当選した場合に選択されたリール停止データに基づいた正解操作順序の7セグデータを操作条件報知演出として設定し、RT2における入賞役内部抽選処理において再遊技役1−3に内部当選した場合には、操作順序報知演出の設定に関する処理、つまり再遊技役1−3に内部当選した場合に選択されたリール停止データに基づいた正解操作順序の7セグデータを操作条件報知演出として設定する(図9、10参照)。
ステップS108では、リール回転開始処理が実行され、全リール110〜112の回転を開始させる。
ステップS109では、リール停止制御処理を行う。リール停止制御処理では、ストップボタン137〜139の受け付けが可能になり、いずれかのストップボタンが押されると、押されたストップボタンに対応するリールを停止させるために、リール停止データの停止テーブルを参照し、停止テーブルに設定された引込みコマ数に従ってリール110〜112の何れかを停止させる。全リール110〜112が停止するとステップS110へ進む。なお、このステップS109では、各停止操作に対しては停止操作したストップボタン137〜139に関する停止ボタン受付コマンド(詳しくは、第1停止操作に対しては、停止ボタン受付1コマンド、第2停止操作に対しては、停止ボタン受付2コマンド、第3停止操作に対しては、停止ボタン受付3コマンド)を第1副制御部400に送信する準備を行い、各リールの停止に対しては、リールの停止位置に関するリール停止コマンド(詳しくは、第1停止リールに対しては、リール停止1コマンド、第2停止操作に対しては、リール停止2コマンド、第3停止操作に対しては、リール停止3コマンド)を第1副制御部400に送信する準備を行う。
ステップS110では、入賞判定を行う入賞判定処理を行う。この入賞判定処理では、有効化された入賞ライン114上に、何らかの入賞役に対応する絵柄組み合わせが表示された場合にその入賞役に入賞したと判定する。例えば、有効化された入賞ライン上に「ベル−ベル−ベル」が揃っていたならば小役3(ベル)に入賞したと判定される。また、このステップS110では、入賞判定の結果を示す入賞判定コマンドを第1副制御部400に送信するための準備を行う。
ステップS111では、メダル付与処理を行う。メダル付与処理では、払い出しのある何らかの入賞役に入賞していれば、その入賞役に対応する枚数のメダルを入賞ライン数に応じて払い出す。
ステップS112では、遊技状態制御処理(詳しくは後述)を行う。遊技状態制御処理では、RT系及びAT系の各遊技状態の移行に関する処理を行い、それらの開始条件又は終了条件の成立により、遊技状態を移行させる。また、現在の遊技状態を示す情報(RT系及びAT系)を含む遊技状態コマンドを送信するための準備を行う。
以上により一遊技が終了する。以降、ステップS102へ戻って上述した処理を繰り返すことにより遊技が進行することになる。
なお、上記各ステップで準備された各種コマンドは、後述する主制御部タイマ割込処理のコマンド設定送信処理(図22のステップS1006)において送信される。
<主制御部タイマ割込処理>
次に図22を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部タイマ割込処理について説明する。なお、同図は主制御部タイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。
主制御部300は、所定の周期(本実施形態では約2msに1回)でタイマ割込信号を発生するカウンタタイマ312を備えており、このタイマ割込信号を契機として主制御部タイマ割込処理を所定の周期で開始する。
ステップS1001では、タイマ割込開始処理を行う。このタイマ割込開始処理では、CPU304の各レジスタの値をスタック領域に一時的に退避する処理などを行う。
ステップS1002では、WDT314のカウント値が初期設定値(本実施形態では32.8ms)を超えてWDT割込が発生しないように(処理の異常を検出しないように)、WDT314を定期的に(本実施形態では、主制御部タイマ割込の周期である約2msに1回)リスタートを行う。
ステップS1003では、入力ポート状態更新処理を行う。この入力ポート状態更新処理では、I/O310の入力ポートを介して、各種センサ318のセンサ回路320の検出信号を入力して検出信号の有無を監視し、RAM308に各種センサ318ごとに区画して設けた信号状態記憶領域に記憶する。
ステップS1004では、各種遊技処理が実行され、割込みステータスに応じた処理が実行される。
ステップS1005では、タイマ更新処理を行う。より具体的には、各種タイマをそれぞれの時間単位により更新する。
ステップS1006では、コマンド設定送信処理を行い、送信準備されていた各種のコマンドが第1副制御部400に送信される。第1副制御部400では、受信した出力予定情報に含まれるコマンド種別により、主制御部300における遊技制御の変化に応じた演出制御の決定が可能になるとともに、出力予定情報に含まれているコマンドデータの情報に基づいて、演出制御内容を決定することができるようになる。
ステップS1007では、外部出力信号設定処理を行う。この外部出力信号設定処理では、RAM308に記憶している遊技情報を、情報出力回路334を介してスロットマシン100とは別体の情報入力回路652に出力する。
ステップS1008では、デバイス監視処理を行う。このデバイス監視処理では、まずはステップS1003において信号状態記憶領域に記憶した各種センサ318の信号状態を読み出して、メダル投入異常及びメダル払出異常等に関するエラーの有無を監視し、エラーを検出した場合には(図示省略)エラー処理を実行させる。さらに、現在の遊技状態に応じて、メダルセレクタ170(メダルセレクタ170内に設けたソレノイドが動作するメダルブロッカ)、各種ランプ339、各種の7セグメント(SEG)表示器の設定を行う。
ステップS1009では、低電圧信号がオンであるか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(電源の遮断を検知した場合)にはステップS1011に進み、低電圧信号がオフの場合(電源の遮断を検知していない場合)にはステップS1010に進む。
ステップS1010では、タイマ割込終了処理を終了する各種処理を行う。このタイマ割込終了処理では、ステップS1001で一時的に退避した各レジスタの値を元の各レジスタに設定等行う。その後、図21に示す主制御部メイン処理に復帰する。
一方、ステップS1011では、復電時に電断時の状態に復帰するための特定の変数やスタックポインタを復帰データとしてRAM308の所定の領域に退避し、入出力ポートの初期化等の電断処理を行い、その後、図21に示す主制御部メイン処理に復帰する。
<遊技状態制御処理>
次に、図23を用いて、遊技状態制御処理について説明する。図23は、図21のステップS112の遊技状態制御処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
ステップS201では、AT更新処理を行う。AT更新処理では、主制御部300のAT系の遊技状態がAT状態である場合には、AT状態のゲーム数をカウントする処理を行う。具体的には、AT状態の現在の残りのゲーム数から1を減算する。そして、減算されたAT状態の現在の残りのゲーム数が0、つまりAT状態が終了した場合には、主制御部300のRT系の遊技状態をRT1に設定し、AT系の遊技状態を通常状態に設定する。
ステップS202では、特別役1又は特別役2に入賞したか否かを判定する。特別役1又は特別役2に入賞した場合には、ステップS203に進み、そうでない場合には、ステップS204に進む。
ステップS203では、特別役1又は特別役2に入賞したので、RT系の遊技状態をRT4に設定し、AT系の遊技状態を通常状態に設定する。ステップS203の処理終了後は、ステップS210に進む。
ステップS204では、再遊技役3に入賞したか否かを判定する。再遊技役3に入賞した場合には、ステップS205に進み、そうでない場合には、ステップS206に進む。
ステップS205では、RT2において再遊技役3に入賞したので、RT系の遊技状態をRT1に設定し、AT系の遊技状態を通常状態に設定する。ステップS205の処理終了後は、ステップS210に進む。
ステップS206では、再遊技役2に入賞したか否かを判定する。再遊技役2に入賞した場合には、ステップS707に進み、そうでない場合には、ステップS208に進む。
ステップS207では、RT1において再遊技役2に入賞したので、RT系の遊技状態をRT2に設定し、AT系の遊技状態をAT状態に設定する。ステップS207の処理終了後は、ステップS210に進む。
ステップS208では、特別役1又は特別役2に内部当選したか否かを判定する。特別役1又は特別役2に内部当選した場合には、ステップS209に進み、そうでない場合には、ステップS210に進む。
ステップS209では、特別役1又は特別役2に内部当選したので、RT系の遊技状態をRT3に設定し、AT系の遊技状態を通常状態に設定する。ステップS209の処理終了後は、ステップS210に進む。
ステップS210では、その他の遊技状態制御処理を行う。例えば、遊技状態が特別役1に入賞してRT4(通常状態)に移行した場合には、360枚を超えるメダル払出によりRT4(通常状態)を終了し、RT1(通常状態)が設定される。また、遊技状態が特別役2に入賞してRT4(通常状態)に移行した場合には、96枚を超えるメダル払出によりRT4(通常状態)を終了し、RT1(通常状態)が設定される。また、主制御部300のRT系及びAT系の遊技状態を示す遊技状態コマンドを送信する準備を行う。
<第1副制御部の処理>
次に、図24を用いて、第1副制御部400の処理について説明する。なお、図24(a)は、第1副制御部400のCPU404が実行するメイン処理のフローチャートである。図24(b)は、第1副制御部400のコマンド受信割込処理のフローチャートである。図24(c)は、第1副制御部400のタイマ割込処理のフローチャートである。
まず、図24(a)を用いて、第1副制御部400のメイン処理について説明する。
電源投入が行われると、まずステップS3001で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポートの初期設定や、RAM408内の記憶領域の初期化処理等を行う。この処理で、内部当選の結果を表す情報である内部当選情報を記憶させるための領域と、遊技状態を表す情報であるRT更新情報を記憶させるための領域が、それぞれRAM408に設けられる。
ステップS3002では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、ステップS3003の処理に移行する。
ステップS3003では、タイマ変数に0を代入する。
ステップS3004では、主制御部300から受信した各コマンドに対応する処理であるコマンド処理が実行される。
ステップS3005では、演出制御処理(詳しくは後述する)を行う。ここでは、RAM408内に設けられた演出予約領域内にある演出予約情報に従って、演出の準備を行う。この準備には例えば、演出データをROM406から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行うことが含まれる。
ステップS3006では、ステップS3005の処理結果に基づいて音制御処理を行う。例えば、ステップS3005で読み出した演出データの中に音源IC418への命令がある場合には、この命令を音源IC418に出力する。
ステップS3007では、ステップS3005の処理結果に基づいてランプ制御処理を行う。例えば、ステップS3005で読み出した演出データの中に各種ランプ420への命令がある場合には、この命令を駆動回路422に出力する。
ステップS3008では、ステップS3005の処理結果に基づいて第2副制御部500にコマンドを送信する設定を行う情報出力処理を行う。例えば、ステップS3005で読み出した演出データの中に第2副制御部500に送信するコマンドがある場合には、この制御コマンドを出力する設定を行い、ステップS3002へ戻る。
次に、図24(b)を用いて、第1副制御部400のコマンド受信割込処理について説明する。このコマンド受信割込処理は、第1副制御部400が、主制御部300が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。コマンド受信割込処理のステップS3101では、主制御部300が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM408に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
次に、図24(c)を用いて、第1副制御部400のCPU404によって実行する第1副制御部タイマ割込処理について説明する。第1副制御部400は、所定の周期(本実施形態では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。
ステップS3201では、図24(a)に示す第1副制御部メイン処理におけるステップS3002において説明したRAM408のタイマ変数記憶領域の値に、1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、ステップS3002において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。
ステップS3202では、ステップS3008で設定された第2副制御部500へのコマンドの送信や、演出用乱数値の更新処理等を行う。
<第2副制御部の処理>
次に、図25を用いて、第2副制御部500の処理について説明する。なお、図25(a)は、第2副制御部500のCPU504が実行するメイン処理のフローチャートである。図25(b)は、第2副制御部500のコマンド受信割込処理のフローチャートである。図25(c)は、第2副制御部500のタイマ割込処理のフローチャートである。図25(d)は、第2副制御部500の画像制御処理のフローチャートである。
まず、図25(a)のステップS5001では、各種の初期設定を行う。電源投入が行われると、まずステップS5001で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポート初期設定や、RAM508内の記憶領域の初期化処理や、VRAM536内の記憶領域の初期化処理等を行う。RAMの初期化においては、記憶領域に「0」が格納されるのが一般的である。この場合、初期化用にROM506に記憶する「0」のデータ(1ビット)を最小にすることもできる。本実施形態では、RAM508内の記憶領域の初期化の際は「0」を格納する。しかし、VRAM536内の記憶領域の初期化の際は「F」を格納する。初期化用にROM506に記憶するデータとして「0」のデータの他に「F」のデータ(4ビット)を要することになるが、これは白色の画像を表示することを目的としたものである。
ステップS5002では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、ステップS5003の処理に移行する。
ステップS5003では、タイマ変数に0を代入する。
ステップS5004では、コマンド処理を行う。コマンド処理では第2副制御部500のCPU504は、第1副制御部400のCPU404からコマンドを受信したか否かを判別する。
ステップS5005では、演出制御処理を行う。具体的には、ステップS5004で新たなコマンドがあった場合には、このコマンドに対応する処理を行う。例えば、背景画像に関する画像制御を行う演出データおよびシャッタ演出に関する演出データをROM506から読み出す処理を実行する。また、これ以外の演出データをROM506から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行うことが含まれる。
ステップS5007では、ステップS5005の処理結果に基づいて画像制御処理(詳しくは後述)を行う。例えば、ステップS5005で読み出した演出データの中に画像制御の命令がある場合には、この命令に対応する画像制御を行う。例えば、表示画像(報知画像、背景画像)に関する画像制御が実行される。この画像制御処理が終了すると、ステップS5002へ戻る。
次に、図25(b)を用いて、第2副制御部500のコマンド受信割込処理について説明する。このコマンド受信割込処理は、第2副制御部500が、第1副制御部400が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。
コマンド受信割込処理のステップS5101では、第1副制御部400が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM508に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
次に、図25(c)を用いて、第2副制御部500のCPU504によって実行する第2副制御部タイマ割込処理について説明する。第2副制御部500は、所定の周期(本実施形態では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。
ステップS5201では、図25(a)に示す第2副制御部メイン処理におけるステップS5002において説明したRAM508のタイマ変数記憶領域の値に、1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、ステップS5002において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。
ステップS5202では、演出用乱数値の更新処理等を行う。
次に、図25(d)を用いて、第2副制御部500のメイン処理におけるステップS5007の画像制御処理について説明する。同図は、画像制御処理の流れを示すフローチャートを示す図である。
ステップS5301では、画像データの転送指示を行う。ここでは、CPU504は、まず、VRAM536の表示領域Aと表示領域Bの描画領域の指定をスワップする。これにより、描画領域に指定されていない表示領域に記憶された1フレームの画像が演出画像表示装置157に表示される。次に、CPU504は、VDP534のアトリビュートレジスタに、位置情報等テーブルに基づいてROM座標(ROM506の転送元アドレス)、VRAM座標(VRAM536の転送先アドレス)などを設定した後、ROM506からVRAM536への画像データの転送開始を指示する命令を設定する。VDP534は、アトリビュートレジスタに設定された命令に基づいて画像データをROM506からVRAM536に転送する。その後、VDP534は、転送終了割込信号をCPU504に対して出力する。
ステップS5302では、VDP534からの転送終了割込信号が入力されたか否かを判定し、転送終了割込信号が入力された場合はステップS5303に進み、そうでない場合は転送終了割込信号が入力されるのを待つ。
ステップS5303では、演出シナリオ構成テーブルおよびアトリビュートデータなどに基づいて、パラメータ設定を行う。ここでは、CPU504は、ステップS421でVRAM536に転送した画像データに基づいてVRAM536の表示領域AまたはBに表示画像を形成するために、表示画像を構成する画像データの情報(VRAM536の座標軸、画像サイズ、VRAM座標(配置座標)、透過度など)をVDP534に指示する。VDP534はアトリビュートレジスタに格納された命令に基づいてアトリビュートに従ったパラメータ設定を行う。
ステップS5304では、描画指示を行う。この描画指示では、CPU504は、VDP534に画像の描画開始を指示する。VDP534は、CPU504の指示に従ってフレームバッファにおける画像描画を開始する。
ステップS5305では、画像の描画終了に基づくVDP534からの生成終了割込み信号が入力されたか否かを判定し、生成終了割込み信号が入力された場合はステップS5306に進み、そうでない場合は生成終了割込み信号が入力されるのを待つ。
ステップS5306では、RAM508の所定の領域に設定され、何シーンの画像を生成したかをカウントするシーン表示カウンタをインクリメント(+1)して処理を終了する。
<演出制御処理>
次に、図26を用いて、演出制御処理について説明する。図26は、図24のステップS3005の演出制御処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
ステップS3301では、受信した遊技状態コマンド、内部抽選コマンドの内容に基づいて、RT2(AT状態)において小役3a又は再遊技役1−3に内部当選したか否かを判定する。RT2(AT状態)において小役3a又は再遊技役1−3に内部当選した場合には、ステップS3302に進み、そうでない場合には、ステップS3303に進む。
ステップS3302では、副制御部・操作条件報知演出設定処理(詳しくは後述)を行う。
ステップS3303では、副制御部・操作条件報知演出を実行しているか否かを判定する。副制御部・操作条件報知演出を実行している場合には、ステップS3304に進み、そうでない場合には、ステップS3305に進む。
ステップS3304では、判定演出設定処理(詳しくは後述)を行う。
ステップS3305では、その他の演出制御処理を行う。例えば、AT状態にある場合には、AT遊技の進行に応じた演出切替の制御や残りゲーム数表示の更新制御などを行う。
<副制御部・操作条件報知演出設定処理>
次に、図27を用いて、副制御部・操作条件報知演出設定処理について説明する。図27は、図26のステップS3303の副制御部・操作条件報知演出設定処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
ステップS3401では、リール停止データコマンドを受信したか否かを判定する。リール停止データコマンドを受信した場合には、ステップS3402に進み、そうでない場合には、副制御部・操作条件報知演出設定処理を終了する。
ステップS3402では、受信したリール停止データコマンドの内容に基づいて操作順序を決定する。例えば、RT2(AT状態)において再遊技役1−3に内部当選し、停止データc−1選択を示すリール停止データコマンドを受信した場合には、第1停止リールを左リール110又は中リール111とする操作順序が正解なので、そのいずれかを操作順序として決定する。また、RT2(AT状態)において小役3aに内部当選し、停止データd−1選択を示すリール停止データコマンドを受信した場合には、第1停止リールを右リール112とする操作順序が正解なので、第1停止リールを右リール112とする操作順序として決定する。
ステップS3403では、ステップS3402の操作順序決定に基づいて、操作条件報知演出を設定する。例えば、RT2(AT状態)において小役3aに内部当選し、停止データd−2選択を示すリール停止データコマンドを受信した場合には、第1停止リールを中リール111とする操作順序が正解なので、第1停止リールを中リール111とする操作順序を報知する演出2を設定する。この結果、副制御部・操作条件報知演出が実行される(図12参照)。
<判定演出設定処理>
次に、図28を用いて、判定演出設定処理について説明する。図28は、図26のステップS3304の判定演出設定処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
ステップS3501では、停止ボタン受付コマンドを受信したか否かを判定する。停止ボタン受付コマンドを受信した場合には、ステップS3502に進み、そうでない場合には、判定演出設定処理を終了する。
ステップS3502では、受信した停止ボタン受付コマンドの内容から正解の停止操作であったか否かを判定する。正解の停止操作であった場合には、ステップS3503に進み、そうでない場合には、判定演出設定処理を終了する。
ステップS3503では、操作条件報知演出を実行中に正解の停止操作が行われたので、個々判定演出の設定を行う。この結果、個々判定演出が実行され、操作正解画像d20が演出画像表示装置157上に表示される(図13参照)。
ステップS3504では、受信した停止ボタン受付コマンドに基づいて、すべてのストップボタン137〜139に対する停止操作が行われたか否かを判定する。すべてのストップボタン137〜139に対する停止操作が行われた場合には、ステップS3505に進み、そうでない場合には、判定演出設定処理を終了する。
ステップS3505では、すべてのストップボタン137〜139に対する停止操作が正解の停止操作であったか否かを判定する。すべてのストップボタン137〜139に対する停止操作が正解の停止操作であった場合には、ステップS3506に進む。
ステップS3506では、操作条件序報知演出を実行中にすべてのストップボタン137〜139に対する停止操作が正解の停止操作であったので、全体判定演出の設定を行う。この結果、全体判定演出が実行され、全操作正解画像d30が演出画像表示装置157上に表示される(図13参照)。
<その他の変形例>
図29は、操作正解画像d20の変形例を示す図である。図29(a)に示すように、個々の停止操作の正解を示唆する文字(例えば、「正解」など)を含む画像としてもよい。また、文字だけの画像を表示し、リール110〜112に配置された文字ではない図柄との差違を明確にしてもよい。この場合には、文字画像と所定の形状(例えば、円形、矩形など)をした単色画像を非入賞位置に表示する。そして、文字画像は単色画像よりも暗い色とした方がよい。文字画像をより目立たせるためである。
また、図29(b)に示すように、非入賞位置にある図柄領域すべてを覆うような操作正解画像d20としてもよい。入賞位置にある図柄を目立たせることができる場合がある。この場合、単色、模様なしの操作正解画像d20としてもよいし、単色又は多色の模様ありの操作正解画像d20でもよい。そして、全リール110〜112に亘って同一の操作正解画像d20を表示してもよいし、各リール110〜112それぞれ異なる操作正解画像d20を表示してもよい。なお、操作正解画像d20は、画像の一部を画像表示領域のうちのリール窓内の表示領域に表示しつつ、画像の他部をリール窓外の表示領域(リール窓113の両脇の領域、リール窓113の下方の領域)に表示してもよい。リール窓内の表示領域に、操作に正解したことを認識させる主要部分の画像が表示されていれば、遊技者に誤った認識をさせる可能性は低いからである。
図30及び図31は、入賞ライン及び操作正解画像d20の表示位置の変形例を示している。
図30(a)は、入賞ラインが中段水平入賞ラインL2一つの場合の操作正解画像d20の表示位置を示しており、非入賞位置である図柄位置1、3、4、6、7及び9に操作正解画像d20が表示される。つまり、各リール110〜112の上段位置及び下段位置それぞれに操作正解画像(略1図柄分の大きさを視認困難とする操作正解画像)d20が表示される。
なお、本実施形態における図柄配置とは異なる図柄配置とした場合、水平入賞ラインL2の一部である図柄位置2と非入賞位置である図柄位置1とに同じ図柄が停止する場合がある。この場合でも図柄位置1は非入賞位置であるので、図柄位置1に停止した図柄の手前側に操作正解画像d20が表示される。
図30(b)は、入賞ラインが上段水平入賞ラインL3一つの場合の操作正解画像d20の表示位置を示しており、非入賞位置である図柄位置2、3、5、6、8及び9に操作正解画像d20が表示される。つまり、各リール110〜112それぞれの中段位置及び下段位置に2図柄に跨った一つの操作正解画像(略2図柄分の大きさを視認困難とする操作正解画像)d20が表示される。
図30(c)は、入賞ラインが右上がり入賞ラインL4一つの場合の操作正解画像d20の表示位置を示しており、非入賞位置である図柄位置1、2、4、6、8及び9に操作正解画像d20が表示される。つまり、左リール110及び右112リールは、2図柄に跨った一つの操作正解画像(略2図柄分の大きさを視認困難とする操作正解画像)d20が表示される一方、中リール111は、上下に分かれた二つの操作正解画像(略1図柄分の大きさを視認困難とする操作正解画像)d20が表示される。
図31(a)は、入賞ラインが上段水平入賞ラインL11、中段水平入賞ラインL12、下段水平入賞ラインL13の三つの場合の操作正解画像d20の表示位置の一例を示しており、ベル図柄が入賞ラインL12に揃った場合を示している。この場合には、ベル図柄が並んだ入賞ラインL12以外の図柄位置1、3、4、6、7及び9に操作正解画像d20が表示される。
図31(b)は、入賞ラインが右上がり入賞ラインL21、中段水平入賞ラインL22、右下がり入賞ラインL23の三つの場合の操作正解画像d20の表示位置の一例を示しており、ベル図柄が入賞ラインL22に揃った場合を示している。この場合には、ベル図柄が並んだ入賞ラインL22以外の図柄位置1、3、4、6、7及び9に操作正解画像d20が表示される。
図31(c)は、左リール110及び中リール111は3図柄が視認されるが、右リール112は1図柄しか視認されないリール窓113Aを有し、入賞ラインが上段水平入賞ラインL31、中段水平入賞ラインL32、下段水平入賞ラインL33の三つの場合の操作正解画像d20の表示位置の一例を示している。図31(c)に示すように、入賞図柄であるベル図柄が中段水平入賞ラインL32上に揃った場合には、左リール110及び中リール111の入賞ラインL32以外の図柄位置1、3、4及び6に操作正解画像d20が表示され、右リール112には操作正解画像d20が表示されない。このように、操作正解画像d20が表示されないリールがあってもよく、全リール110〜112に操作正解画像d20が表示されなくてもよい。
このように入賞ラインが複数ある場合には、揃った入賞図柄、及び成立した入賞ラインを判断して、成立した入賞ライン上の揃った入賞図柄以外の位置に操作正解画像d20を表示するようにしてもよい。
図32は、入賞ラインが上段水平入賞ラインL5一つの場合であって、リール窓113の上方近傍の位置(1図柄分離れない距離)に操作特定画像d10を表示する場合の演出態様を示している。つまり、この変形例の場合、非入賞位置は各リール110〜112の中段及び下段位置となる。なお、図32は、RT2(AT状態)において小役3aに内部当選し、停止データd1が選択され、正解の停止操作、具体的には、右ストップボタン139に対する操作を第1停止操作、中ストップボタン138に対する操作を第2停止操作、左ストップボタン137に対する操作を第3停止操作とした場合を示している。
図32(a)は、スタートレバー操作後の全リール110〜112が回転しているときのリール窓113上のリール110〜112の態様及び演出画像表示装置157上に表示される画像を示している。この状態では、右リール112の上方近傍には、第1停止操作を示す操作特定画像d10(具体的には、「1」の文字)が表示され、中リール111及び右リール112の上方近傍には、それぞれ第1停止操作に関係ない操作特定画像d10(具体的には、「−」の文字)が表示される。
図32(b)は、第1停止操作時のリール窓113上のリール110〜112の態様及び演出画像表示装置157上に表示される画像を示している。この状態では、右リール112の上方近傍に表示されていた操作特定画像d10(具体的には、「1」の文字)は非表示となり、右リール112の非入賞位置(図柄位置8、9)には操作正解画像d20が表示される。このように本実施形態では、操作特定画像d10と操作正解画像d20とによって挟まれる位置に入賞図柄であるベル図柄が停止するので、遊技者の見る画像は、操作特定画像d10から操作正解画像d20に移るが、その過程で入賞図柄を見ることができる。よって、遊技者は入賞ライン及び入賞図柄を迅速に把握しやすいという効果がある。
図32(c)は、第3停止操作時のリール窓113上のリール110〜112の態様及び演出画像表示装置157上に表示される画像を示している。この状態では、左リール110の非入賞位置には操作正解画像d20が表示されるとともに、リール窓113の上方近傍の位置に表示されていた操作特定画像d10は非表示となり、代わりに略同一の位置に全操作正解画像d30(具体的には、「ベル獲得」の文字)が表示される。
この結果、入賞ラインL5上の入賞図柄(ベル図柄)は、全操作正解画像d30と操作正解画像d20に挟まれるので、遊技者の見る画像は、操作正解画像d20から全操作正解画像d30に移るが、その過程で入賞図柄を見ることができる。よって、入賞ライン及び入賞図柄をより明確に把握しやすいという効果を有する。
なお、図32に示した変形例では、操作正解画像d20を2図柄に亘って表示される画像としたが、1図柄分の大きさを有する画像としてもよい。この場合には、中段位置の図柄を隠すように操作正解画像d20を表示するのが望ましい。入賞図柄(ベル図柄)が操作正解画像d20と操作特定画像d10又は全操作正解画像d30に挟まれるので、2図柄に亘って表示された操作正解画像d20の場合と同一の効果が生じるからである。
また、図32は、入賞ラインを上段水平入賞ラインL5一つとした場合について説明したが、上記実施形態のように入賞ラインを下段水平入賞ラインL1(図柄位置3、6、9で構成される入賞ライン)一つとした場合には、リール窓113の下方近傍の位置(1図柄分離れない距離)に操作特定画像d10を表示すればよい。図32で説明した変形例と同一の効果を達成することができる。
図33は、停止操作の前にリール窓113上に所定の画像(以下、操作前画像という)d40を表示する場合の各演出の流れを示すタイムチャートである。
上記実施形態及び上記変形例では、操作正解画像d20は操作特定画像d10と異なる位置に表示された。そのため、予期せぬ位置に予期せぬ画像が突然表示されるので、遊技者は戸惑う場合がある。そのため、本変形例では、操作正解画像d20の表示に際して遊技者に違和感を与えないようにするため、事前に操作正解画像d20の表示位置と略同一の位置に操作前画像d40を表示することとした。遊技者は事前に操作前画像d40を視認しているので、後の停止操作時に略同一位置に操作正解画像d20が表示されたとしても戸惑うことはない。ここで、操作前画像d40は、遊技者が停止操作の対象となるリール110〜112に表示されるので、操作に影響を与えない透過性を有する静止画像であることが好ましい。また、操作前画像d40を所定の形状に縁取りされた縁内は透明な画像としてもよい。
なお、図33においては、上記実施形態と同様に、入賞ラインは下段水平入賞ラインL1の一つであり、RT2(AT状態)において小役3aに内部当選し、停止データd1が選択され、正解の停止操作、具体的には、右ストップボタン139に対する操作を第1停止操作、中ストップボタン138に対する操作を第2停止操作、左ストップボタン137に対する操作を第3停止操作とした場合を示している。
遊技者がスタートレバー操作を行うと、スロットマシン100は、スタートレバー操作の時点t1から、払出枚数表示器127を用いた主制御部・操作条件報知演出、演出画像表示装置157を用いた副制御部・操作条件報知演出を実行する。具体的には、払出枚数表示器127に、7セグデータd1に基づく点灯態様を表示し、演出画像表示装置157に、操作特定画像d10を表示する。また、スロットマシン100は、時点t1から、操作前画像d40を全リール110〜112の非入賞位置それぞれに表示する。
次に、遊技者が右ストップボタン139に対する第1停止操作を行うと、正解の停止操作が行われたので、スロットマシン100は、右リール112に表示されていた操作前画像d40の表示を止め、第1停止操作受付の時点t2から、所定時間TAに亘って、停止対象リールである右リール112に対して個々判定演出を実行する。具体的には、演出画像表示装置157上の右リール112の非入賞位置に停止操作が正解であったことを示唆する操作正解画像d20を表示する。なお、左リール110及び中リール111の非入賞位置には操作前画像d40が表示されている。
次に、遊技者が中ストップボタン138に対する第2停止操作を行うと、正解の停止操作が行われたので、スロットマシン100は、中リール111に表示されていた操作前画像d40の表示を止め、第2停止操作受付の時点t3から、所定時間TAに亘って、停止対象リールである中リール111に対して個々判定演出を実行する。具体的には、演出画像表示装置157上の中リール111の非入賞位置に停止操作が正解であったことを示唆する操作正解画像d20を表示する。なお、左リール110の非入賞位置には操作前画像d40が表示されている。
次に、遊技者が左ストップボタン137に対する第3停止操作を行うと、正解の停止操作が行われたので、スロットマシン100は、左リール110に表示されていた操作前画像d40の表示を止め、第3停止操作受付の時点t4から、所定時間TAに亘って、停止対象リールである左リール110に対して個々判定演出を実行する。具体的には、演出画像表示装置157上の左リール110の非入賞位置に停止操作が正解であったことを示唆する操作正解画像d20を表示する。
また、図33に示す場合においては、全停止操作が正解であったので、スロットマシン100は、第3停止操作受付の時点t4から、全体判定演出を実行する。具体的には、操作特定画像d10が表示された領域と略同一の領域に、すべての停止操作が正解であったことを示唆する全操作正解画像d30を表示する。
なお、図33においては、正解の停止操作を行った場合について説明したが、不正解の停止操作を行った場合には、スロットマシン100は、不正解の停止操作を行った時点から、すべての操作前画像d40の表示を中止するようにしている。操作正解画像d20を表示することがないので、その前提となる操作前画像d40を表示する必要がないからである。
なお、図33に示した操作前画像d40はその一例であって、他の画像であってもよい。例えば、所定の形状、模様及び色を有する画像であればよく、操作内容に関する文字(例えば、操作に対する喚起を促す文字)の画像(例えば、「!」「注意などの」画像)でもよいし、このような文字を含む画像(例えば、「!」「注意」を含む画像)であってもよい。遊技者に伝えたい内容を的確に伝えることができる場合がある。また、操作順序を示唆する画像(例えば、次操作をして欲しいリールに対応する絵柄画像だけ他の絵柄画像より大きい画像とする)としてもよい。操作ミスを低減させることができる場合がある。さらには、操作順序を示唆する文字画像(例えば、「1−2−3」などの画像)としてもよい。文字画像だけを表示し、リール110〜112に配置された文字ではない図柄との差違を明確にしてもよいし、文字画像と絵柄画像の両者を表示し、文字画像が遊技の世界観を壊さないようにしてもよい。この場合も、操作ミスを低減させることができる場合がある。
なお、図33に示した変形例では、操作前画像d40の表示位置と操作正解画像d20の表示位置を略同一とし、操作前画像d40の大きさを操作正解画像d20の大きさよりも大きくしたが、この逆、操作前画像d40の大きさを操作正解画像d20の大きさよりも小さくしてもうよい。より広義には、両者の表示位置が重複していればよい。遊技者は略同一の位置に表示されたと認識するからである。なお、図32に示した入賞ライン上段水平入賞ラインL5一つとした場合であってもよく、操作正解画像d20を見ている遊技者が、停止操作を行う前から入賞位置が操作正解画像d20から近い位置に設定されていることを認識できる場合がある。
また、上記実施形態及び上記変形例では、正解の停止操作に基づいて対応付けられた操作特定画像d10を消去するようにしていたが、停止操作後も操作特定画像d10の表示を継続するようにしてもよい。例えば、操作特定画像d10を、枠体の画像(例えば、倒木画像)d11と、停止操作の内容を示唆する画像(例えば、「1」などの文字画像)d12と、を合わせた画像とし、操作特定画像d10を常時表示するようにしてもよい。具体的には、画像11は、常時表示されるようにし、画像12の表示位置を示唆する画像と位置付けるものである。大きく表示された操作特定画像d10は、遊技者にとって視認性向上のメリットがある一方、背景画像を見えにくくするというデメリットもある。一方、操作特定画像d10を小さく表示する場合には、視認性が低下するため、遊技者の操作ミスを誘因することになる。そのため、本変形例では、操作特定画像d10を小さく表示しつつも遊技者の操作ミスを軽減させるため、操作特定画像d10のうち、報知内容を含まない画像11を常時表示しておき、遊技者の注意を喚起して、遊技者の意識を画像11の位置に向けさせ、停止操作のタイミングに際した好適なタイミングにおいて、画像11上に報知内容を含んだ画像d12を重ねて表示させるようにした。この結果、画像d12が表示されたときには、遊技者は停止操作の内容を迅速かつ明確に把握することができるので、操作ミスを軽減することができる場合がある。
図34は、このような変形例の演出画像表示装置157上の画像例を示している。図34(a)は、全リール110〜112が停止している状態を示しており、操作特定画像d10のうち、画像d11だけが表示されている。
図34(b)は、図34(a)の後、スタートレバー操作が行われたときの状態を示しており、操作特定画像d10として、画像11及び画像12の双方が表示されている。なお、右リール112に対応した画像12には、第1停止操作を示唆する「1」の文字、左リール110及び中リール111には、停止操作の順序を示唆しない「−」の文字を表示して、第1停止リールが右リール112であることを報知している。
図34(c)は、図34(b)の後、右リール112を第1停止リールとする停止操作をしたときの状態を示しており、停止操作が終了した右リール112に対応した操作特定画像d10としては、画像11が表示され、停止操作が終了していない左リール110及び中リール111に対応した操作特定画像d10としては、画像11及び画像12の双方が表示されている。
このように、停止操作のミスを軽減するため、一遊技に亘って操作特定画像d10を表示するようにしてもよい。
また、上記実施形態及び上記変形例では、リール窓113に重ねられた透過型液晶に画像(具体的には、操作正解画像d20)を表示させることで、図柄の視認性に変化を生じさせる構成について説明した。しかしながら、図柄の視認性に変化を生じさせる構成はこれに限定されない。以下説明する変形例では、リール窓113に可動体を設け、これを用いて図柄の視認性に変化を生じさせるように構成したものである。
図35は、可動体163を用いた変形例の構成を示す図である。図36は、可動体163を用いた変形例の動作を示す図である。
図35(a)には、リール窓113の上下に、リール110〜112の上下にそれぞれ可動体163と、可動体センサ538が設けられた様子が示されている。また、図35(b)には、この変形例における第2副制御部500の構成が示されている。
可動体163は、駆動回路530によってリール窓113内のリール110〜112の前面側を移動する。これにより、リール窓113内の図柄を遮蔽(視認性低下の一形態)することができる。具体的には、左リール110の上部に設けられた可動体163は、図2に示す番号1および番号2の位置(図柄位置1、2)にある図柄を遮蔽することができ、下部に設けられた可動体163は、図2に示す番号2および番号3の位置(図柄位置2、3)にある図柄を遮蔽することができる。また、中リール111の上部に設けられた可動体163は、図2に示す番号4および番号5の位置(図柄位置4、5)にある図柄を遮蔽することができ、下部に設けられた可動体163は、図2に示す番号5および番号6の位置(図柄位置5、6)にある図柄を遮蔽することができる。また、右リール112の上部に設けられた可動体163は、図2に示す番号7および番号8の位置(図柄位置7、8)にある図柄を遮蔽することができ、下部に設けられた可動体163は、図2に示す番号8および番号9の位置(図柄位置8、9)にある図柄を遮蔽することができる。
可動体163の初期位置は、図35(a)に示す位置であり、この位置にあるときに可動体163に設けられた検知片が可動体センサ538に検知されることで、可動体163の位置の初期化を行えるように構成されている。この初期位置を含め、リール窓113の範囲外に可動体163がある場合には、この可動体163はスロットマシン100の前面パネルの裏側に位置し、遊技者から視認することができない。すなわち、リール窓113上の図柄は可動体163により遮蔽されない。
本変形例の個々判定演出は、この可動体163を用いた演出であり、上部に設けられた可動体163が非入賞位置の図柄を所定時間TA(約1秒)遮蔽して、非入賞位置の図柄を視認困難とするものである。具体的には、可動体163は、初期位置から非入賞位置まで0.1秒で移動し、非入賞位置にて0.5秒間滞在し、その後、0.5秒かけて非入賞位置から初期位置まで移動する。したがって、本変形例の場合、非入賞位置における図柄は、時間の経過とともに徐々に視認可能となっていく。
図36は、可動体163を用いた個々判定演出の流れを示すタイムチャートである。
なお、図36においては、上記実施形態と同様に、入賞ラインは下段水平入賞ラインL1の一つであり、RT2(AT状態)において小役3aに内部当選し、停止データd1が選択され、正解の停止操作、具体的には、右ストップボタン139に対する操作を第1停止操作、中ストップボタン138に対する操作を第2停止操作、左ストップボタン137に対する操作を第3停止操作とした場合を示している。
遊技者がスタートレバー操作を行うと、スロットマシン100は、スタートレバー操作の時点t1から、払出枚数表示器127を用いた主制御部・操作条件報知演出、演出画像表示装置157を用いた副制御部・操作条件報知演出を実行する。具体的には、払出枚数表示器127に、7セグデータd1に基づく点灯態様を表示し、演出画像表示装置157に、操作特定画像d10を表示する。
次に、遊技者が右ストップボタン139に対する第1停止操作を行うと、正解の停止操作が行われたので、スロットマシン100は、第1停止操作受付の時点t2から、所定時間TAに亘って、停止対象リールである右リール112に対して個々判定演出を実行する。具体的には、可動体163を移動させて右リール112の非入賞位置(図柄位置7、8)を遮蔽し、停止操作が正解であったことを示唆する。なお、所定時間TAが経過した後は、右リール112上の可動体163は初期位置に戻る。
次に、遊技者が中ストップボタン138に対する第2停止操作を行うと、正解の停止操作が行われたので、スロットマシン100は、第2停止操作受付の時点t3から、所定時間TAに亘って、停止対象リールである中リール111に対して個々判定演出を実行する。具体的には、可動体163を移動させて中リール111の非入賞位置(図柄位置4、5)を遮蔽し、停止操作が正解であったことを示唆する。なお、所定時間TAが経過した後は、中リール111上の可動体163は初期位置に戻る。
次に、遊技者が左ストップボタン137に対する第3停止操作を行うと、正解の停止操作が行われたので、スロットマシン100は、第3停止操作受付の時点t4から、所定時間TAに亘って、停止対象リールである左リール110に対して個々判定演出を実行する。具体的には、可動体163を移動させて左リール110の非入賞位置(図柄位置1、2)に停止操作が正解であったことを示唆する。なお、所定時間TAが経過した後は、左リール110上の可動体163は初期位置に戻る。
また、図36に示す場合においては、全停止操作が正解であったので、スロットマシン100は、第3停止操作受付の時点t4から、全体判定演出を実行する。具体的には、操作特定画像d10が表示された領域と略同一の領域に、すべての停止操作が正解であったことを示唆する全操作正解画像d30を表示する。
なお、図36に示した変形例においては、正解の停止操作を行った場合について説明したが、不正解の停止操作を行った場合は、スロットマシン100は、可動体163を移動させず(初期位置のまま)、不正解の停止操作を行った時点から、操作特定画像d10の表示を中止する。
また、本変形例では、リール110〜112の上部に設けられた可動体163はリールの上段および中段を遮蔽することができ、下部に設けられた可動体163はリールの中段および下段を遮蔽することができる構成について説明したが、例えば、各リールに設けられた可動体163が、上段、中段、下段のいずれも遮蔽できるように構成するというように、各リールに対応する可動体163の移動範囲は制限されるものではない。
また、可動体163と透過型液晶を併用する構成であってもよい。上述した透過型液晶では、画像を表示することでリールの視認性を低下させることができるが、背面のリールが透けて見えてしまうため、完全に遮蔽することが困難である。
なお、上記実施形態で説明した透過型液晶については、これ以外の表示装置として例えば、透過型ELディスプレイや、イルミネーションパネルといったものを採用してもよい。なお、イルミネーションパネルとは、表示用の導光板の端面に対向するようにLED等の発光素子を複数配置したり、またその導光板に、端面から入射した発光素子からの光を前面側等に反射する微小凹部等よりなる反射部を、任意の文字や図形等を形成するように配置したものである。そして、この発光素子を発光させることにより、導光板に任意の文字等が浮かび上がるように構成されている。
<扉開演出>
前面扉102の開放が検知された場合、不正行為が行われている可能性がある。そこで、前面扉102の開放を店員ら、周囲に報知する演出を行うことができる。図37はそのフローチャートであり、第1副制御部400が実行する図24(a)のステップS3005の演出制御処理の一例である。
ステップS1では他の演出制御処理(扉開放演出以外の演出)を実行する。ステップS2では、扉開演出延長設定があるか否かを判定し、ある場合はステップS5へ進み、ない場合はステップS3へ進む。扉開演出延長設定については後述する。
ステップS3では、主制御部300からのコマンドに基づいて、前面扉102が開状態から閉状態に変化したか否かを判定する。閉状態に変化した場合はステップS7へ進み、そうでない場合はステップS4へ進む。ステップS7では扉開延長設定を行う。なお、前面扉102の状態は扉センサ421の検知結果から判断する構成も採用可能であり、あるいは、主制御部300からのコマンドと扉センサ421の検知結果との双方から判断する構成も採用可能である。
ステップS4では、主制御部300からのコマンドに基づいて、前面扉102が開状態であるか否かを判定する。開状態である場合はステップS8へ進み、開状態でない場合は一単位の処理を終了する。
ステップS8では、扉開演出の実行を設定する。ここでは、第2副制御部500に対して液晶表示装置157による扉開演出画像の表示開始指示の設定を行う。なお、電源投入時の場合、この表示開始指示コマンドは、第2副制御部500の初期化処理後(初期化完了の通知の受信後)に送信することができる。コマンドを受信した第2副制御部は、液晶表示装置157に前面扉102が開放中であることを報知する画像を表示させる。
ステップS8では、また、第1副制御部400が管理する演出デバイス(例えばスピーカ272、277による音出力、各種ランプ420による表示)による報知も設定する。これらの処理により、前面扉102が開放中であることが周囲に報知される。例えば、音声による「扉が開いています」の演出を行う。
前面扉102が開状態から閉状態になった場合、扉開演出を直ちに終了すると、扉開演出が短時間で終了して報知が不十分な場合があり、不正行為に気づかない場合がある。そこで、ステップS7では、前面扉102が開状態から閉状態に戻った場合に、扉開演出延長設定を行う。この設定により、前面扉102の閉鎖後も規定時間(例えば5秒)、扉開演出を継続する。すなわち、ステップS2で扉開演出延長設定があると判定した場合、ステップS5で規定時間が経過したか否かを判定する。
規定時間を経過していると、ステップS6で扉開演出の終了設定を行う。経過していない場合は一単位の処理を終了し、これにより扉開演出が継続することになる。
<電源投入時の表示制御>
本実施形態では液晶表示装置157がノーマリ・ブラック型であるため、電断中は液晶表示装置157が全面的に黒色の画像表示(ブラックアウト)の状態にあり、各リール110〜112の図柄が見えにくい状態にある。
電源投入により各リール110〜112の図柄の視認性が向上されればよいが、多くの場合、電源投入後の処理(ROM506からVRAM536へ画像データを転送する処理等)に一定の時間を要するので、この時間帯には自由に画像を表示することが困難となる。例えば、本実施形態では、電源スイッチ244がスロットマシン100の内部に配設されているため、その操作には前面扉102の開放が必須とされる。したがって、電源投入後には、まず、上記の扉開演出を実行したいところではあるが、上述したように液晶表示装置157で扉開演出画像を表示するためには、画像データの転送時間等、一定の時間を要する。このため、扉開演出画像が表示されるまでの間は各リール110〜112の図柄が見えにくい状態が継続する場合がある。
例えば、各リール110〜112が回転している状態で停電があった場合の復電時のように、遊技が途中から再開されるような場合、停止操作が可能となっても各リール110〜112の図柄が見えにくい状態が継続していることは好ましくない。
そこで、本実施形態では、電源投入により、液晶表示装置157に白色の画像を表示させることで、背後の各リール110〜112の図柄の視認性を早期に向上する。
図38は、電源投入時における第1副制御部400のCPU404、第2副制御部500のCPU504およびVDP534の処理の流れ、並びに、液晶表示装置157の表示例を示している。
電断時には、状態ST1で示すように、液晶表示装置157はブラックアウトしており、各リール110〜112の視認性が低い状態にある。電源が投入されると、CPU404、CPU504はそれぞれ初期設定処理を実行する(ステップS3001、ステップS5001)。
CPU504は、その初期設定処理の中で、VDP534に対して白色の画像の表示を指示する。具体的には、VRAM536を初期化(白色の画像と成り得る「FF」を書き込む)した後に、画像の表示を指示する。その結果、状態ST2で示すように、液晶表示装置157がリール窓113の領域と、液晶表示装置157のリール窓113の領域を除く領域との両者に白色の画像を表示し、各リール110〜112の視認性が向上する。同図の例では液晶表示装置157の全表示領域を白色の画像としている。なお、この段階では液晶表示装置157のリール窓113の領域を除く領域に、電源投入に関わる画像(扉開放中の画像)を表示していない。
CPU504は、その初期設定処理が終わると、その旨を第1副制御部400に通知する。第1副制御部400は、第2副制御部500から初期設定処理が終わったことを指示されると、それまで主制御部300からのコマンドに基づいて蓄積していたコマンドを順に、第2副制御部500送信する。これらのコマンドには、通常、前面扉102が開状態であることを報知するように指示するコマンドが含まれる。
第2副制御部500では、受け取ったコマンドに対応する表示を行う。その結果、状態ST3で示すように、扉開演出の画像が表示される。なお、第2副制御部500は、前面扉102の開放等、不正行為に関連するエラーに関わるコマンドを優先的に処理することができるように構成でき、それにより、より早期に扉開演出の画像が表示される。
以上の処理により、扉開演出等、初期設定後になされる演出画像表示よりも以前に、白色の画像が表示されるので、リールの図柄の識別を妨げる期間を、より少なくすることができる。特に、VRAM536の初期化の際に、白色の画像を表示するための「FF」の書き込むだけなので、VRAM536に画像データを転送する前に行われるVRAM536の初期化処理において、白色の画像を表示できる準備が済む。本実施形態の場合、扉開演出の画像は、リール窓113の領域が白色の画像とされ、この領域以外の表示領域に電源投入に関わる画像(扉開放中)と表示されている。状態ST2の段階では、この扉開放中の画像を表示しない。状態ST2の段階の後に電源投入に関わる画像(扉開放中)を含む遊技に係わる画像データをROM506からVRAM536へ転送する処理を行うので、画像(扉開放中)を準備するために必要な時間を少なくとも確保できる。
なお、扉開放中の画像には、扉が開放中であることを示す文字を含めることが望ましい。文字が表示されなければ遊技台の状態を即座に把握することが困難だからである。しかし、扉開放中の画像に文字を含めた場合には、例えば画素毎に異なる色情報を記憶できるビットマップ形式の画像データを要することなり画像データ量が大きいものとなる。
さらに、例えばビットマップ形式でも1画素のデータ量を小さくすれば画像データ量を小さくできるとも考えられるが、他の画像のデータ形式と同じデータ形式としなければ処理が複雑になる等の問題がある。他の画像は鮮明な画像であることを要求されるため、例えば1画素のR、G、Bについてそれぞれ8ビットのデータ(計24ビット構成)としており、扉開放中の画像だけデータ量を小さくすることが困難である。
即ち、白色の画像を表示せずとも扉開放中の画像を表示すればよいとの考えもあるが、画像データ量が多くなるが故に即座に画像を表示することが困難となる問題がある。
本実施形態では、白色の画像を表示するためにROM506からVRAM536へ転送するデータを「F」(4ビット)のみとし、短時間でデータ転送を終えて白色の画像を表示することを可能としている。
また、本実施形態における扉開演出の画像は、背景画像が黒色の画像で、この背景画像に重なって文字画像(扉開放中)が表示されている。状態ST2から状態ST3へ切り替わる際に、白色の画像領域が黒色の画像領域に切り替わるので、ドット異常をホール店員らが確認し易い場合がある。例えば、状態ST2の段階で、黒色のままのドット異常であることが確認でき、また、状態ST3の段階で、白色のままのドット異常であることが確認できる。電源投入時に、白→黒と切り替わるので、ホール店員らが点検タイミングを掴みやすく、ドット異常の確認を促進できる場合がある。
リール窓113内に対応する領域は、状態ST2から状態ST3へ切り替わっても透過した状態を維持するので、リール110〜112の図柄に着目していた場合、ドット異常があったとしても認識しづらい。ドット異常があってこれを認識できた場合でも遊技者に不利益が少ないと考えることもできる。
なお、状態ST3において、文字画像(扉開放中)の表示は、リール窓113内に表示されてもよい。黒色画像の領域を大きく確保でき、ドット異常の確認が容易になる場合がある。
また、液晶表示装置157として、ノーマリ・ホワイト型を採用した場合、白画面(電源投入前)→黒画面(電源投入後)→白画面(電源投入後)と表示を制御することで、ドット異常の確認を行い易い場合がある。
*処理例*
次に、図39を参照して説明した白画像の表示に関する第2副制御部500の処理例を説明する。図39は、CPU504の初期設定処理(ステップS5001)の例を示すフローチャートである。
ステップS11では、電源投入時の各種設定を行う。ステップS12ではVRAM設定処理を行う。ここでは、例えば、VRAM536の全記憶領域に白色を示す「FF」のデータを書き込む。この「FF」のデータは、例えば、ROM506に格納しておき、VRAM536の初期化においてVRAM536に書き込まれる。図40(a)はVRAM536の全記憶領域に白色の画像の画像データを設定した状態を模式的に示している。同図の例は、1画素のR、G、Bについて、それぞれ8ビットのデータとしており、「FF」は最高輝度を意味している(「00」は最低輝度。RGB全て「00」で黒色となる)。これにより、白色の画像表示が設定されたことになる。ROM506には、「FF」の情報を一つ格納しておくだけで、VRAM536の全記憶領域に「FF」を書き込んでいけばよいことになる。
なお、上記の例では、VRAM536の全記憶領域に「F」を書き込んだが、VRAM536の記憶領域のうち、フレームバッファとして設定された記憶領域にのみ、白色を示す「FF」のデータを書き込んでもよい。フレームバッファとして設定された記憶領域を除く領域は、初期化されないことになるが、初期化しなくても問題が生じない場合には適している。さらに、最初にVRAM536の全記憶領域に「0」を書き込んで、その後に、VRAM536の記憶領域のうち、フレームバッファとして設定された記憶領域にのみ、白色を示す「FF」のデータを書き込んでもよい。初期化設定処理と確実に実行できる場合がある。複数のフレームバッファを切り替えて用いる構成の場合、各フレームバッファに白色を示す「FF」のデータを書き込んでもよい。
また、フレームバッファと、初期化すべき他の一部の記憶領域とに白色を示す「FF」のデータを書き込んでもよい。また、フレームバッファには「FF」を、初期化すべき他の一部の記憶領域には「00」を書き込んでもよい。表示された画像から表示位置のズレの有無を確認できる場合がある。
図39に戻り、ステップS13ではVDP534に対して描画指示を行う。描画指示を受けてVDP534は、液晶表示装置157にVRAM536のフレームバッファに記憶された画像データの画像を表示する。これにより液晶表示装置157が白色の画像を表示する。これらの処理は短時間で完了でき、電源投入後、直ちに白色の画像を表示させることができる。
ステップS14では、初期転送処理を行う。ここでは、初期化されたVRAM536に対し、その後の演出において使用頻度の高い画像データを予めROM506からVRAM536へ転送する。転送した画像はVRAM536へ常駐させておくことができる。これにより、使用頻度の高い画像データを用いた画像を表示する際に、準備時間を短くすることができる。予め転送する画像データには、扉開演出に用いる画像の画像データが含まれていてもよい。
図40(b)は予め転送する画像データの例を示している。同図の例では、ROM506に格納されている、エラー画像のデータ、遊技中の背景画像のデータ、デモ演出中の背景画像のデータが、VRAM536へ転送されることを模式的に示している。他に、小役告知で使用する画像データ等も転送することができる。なお、このとき転送する画像データ量が多いと、扉開演出の画像を表示するまでに時間がかかる場合があるので、最小限の画像データを転送するようにしてもよい。一方、通常遊技の動作を優先すると、より多くの画像データが転送されていたほうがよい。
図39に戻り、ステップS15では、転送すべき全画像データの転送が終了したかを判定し、終了していた場合は初期設定処理を終了する。つまり、画像データの転送が完了するまで、白色の画像の表示が継続することになる。本実施形態では、ステップS12におけるVRAM536の初期化処理を、時間を必要とするステップS14の初期転送処理よりも先に行うことで、より早くリール110〜112の図柄識別性を向上することができる。
*扉開演出画像*
図41を参照して、状態ST3等で例示した扉開演出の画像の生成例について説明する。同図はその説明図である。この生成例では、扉開演出の画像を生成するために、「扉開放中」の画像データと、「白」の画像データと、を準備する。別の手法として、「扉開放中」の画像データを、リール窓113に対応する部位を開口させた画像データとするものも考えられる。図39、図40で説明した例によると、リール窓113に対応する表示領域のフレームバッファには白色の画像のデータが書き込まれているので、これも採用可能である。
本生成例では、「扉開放中」を含む、全表示領域をカバーする画像の画像データを用意し、これに「白」の画像データを重ねることでリール窓113に対応する部位を確実に透過させる画像を生成する。これにより、扉開演出の画像の表示前に、例えば、VRAM536がノイズ等の影響をうけ、リール窓113に対応する表示領域に何らかの画像が出てしまう事態を防ぐこともできる。
時間tの経過とともに説明する。時間t1の前は、例えば、全リールの停止中に停電が生じて電断状態になっている。時間t1で前面扉102を開放して電源が投入されると、上記の処理により、まず、液晶表示装置157が白色の画像を全表示領域に表示する。各副制御部400、500の初期設定処理が終わると、リールバックライトの点灯や、扉開演出が開始される。扉開演出により、扉開演出の画像が液晶表示装置157に表示される。
なお、扉開演出が開始される前にリールバックライトの点灯を開始するので、扉開演出があった後は、店員が扉を閉めた直後から遊技者は図柄を視認できるようになる。
その後、前面扉102が閉じられ、扉開演出が終了すると、遊技画面が表示されることになる。なお、前面扉102の閉鎖後も規定時間(例えば5秒)は扉開演出を継続するようにし、不正な前面扉102の開閉を発見容易にしている。
次に、図42を参照して、扉開演出の画像の一部を動画とする例について説明する。時間t2での液晶表示装置157の表示の切り替わりの前後で、共に、静止画像が表示されていると、故障ではないか、との印象を与える場合がある。扉開演出が少なくとも5秒間継続するので尚更である。特に、停電後に電源投入した場合は、故障しているとの印象を持ち易い場合がある。扉開演出の画像の一部を動画とすることで、正常動作中であるとの印象を与えやすい場合がある。また、全部を動画とする場合よりも、処理負荷を削減できる場合がある。
同図の例では、白色で矩形の下地に黒文字で「扉開放中」と記載された画像が揺動している状態を示している。白色の下地に黒文字とすることで、画像の揺動によって白色と黒色とを交互に表示する画素をつくることができ、ドット異常も確認し易い場合がある。
「扉開放中」との文字列に代わる電源投入に関わる文字列として、例えば、「Nowloading」の文字を表示して、この文字を動かしてもよい。実際には画像データのローディングは終了しているが、正常動作していることは伝えられ、かつ、制御準備途中であることを示す表示があるが故に、扉が開いている状態で無理に遊技を進めようとする行為などを防ぐことが可能な場合がある。
*電断タイミングの例*
全リール110〜112の回転中に、停電等で電断した後、復電した場合、リールの停止操作が受付可能な状態に早期に復帰する場合がある。この場合、上述した白色の画像を表示する処理を行うことで、リールの図柄の識別を妨げる期間を、より少なくすることができる。図43はその説明図である。
図43を時間tの経過とともに説明する。時間t1の前は、例えば、全リールの回転中に停電が生じて電断状態になっている。時間t1で前面扉102を開放して電源が投入されると、上記の処理により、まず、液晶表示装置157が白色の画像を全表示領域に表示する。
主制御部300、各副制御部400、500の初期設定処理が終わると、リールの回転、停止操作の受付(停止ボタンランプの点灯切り替え)、リールバックライトの点灯等が行われる。
第1副制御部400は、主制御部300からリール回転開始のコマンドを受け取ると、第1副制御部400はリールバックライトや他のランプの点灯を開始する。リールバックライトが点灯していないのにリール110〜112が回転すると、遊技者に図柄の視認が困難な状態で停止操作させてしまう場合がある。また、リールバックライトが点灯していない方が、液晶表示装置157の透過性を確保できる場合がある。よって、同図の例では、リールの回転開始のギリギリまでリールバックライトを点灯させていない。なお、コマンドの受け取りに基づかず、予め決められたタイミングでリールバックライトの点灯開始を行うことも可能であるが、リールの回転開始時期をねらったタイミングとすることが好ましい。
なお、リールバックライトを点灯させる前に、停止ボタンランプを操作非受付状態の点灯態様で点灯(例えば、赤色点灯)させる。これは、リールバックライトの点灯とリール110〜112の回転とが再開したことで、操作の受付が可能になったと思い違いをさせないためである。実際、リール110〜112の回転中の停電からの復帰の際は、リール110〜112の回転開始時に脱調を生じ易いこともあり、回転が定速に達するまで時間が多くかかることがある。そのため、予め停止ボタンランプによる操作非受付状態の報知が行われていれば、遊技者に無駄な操作をさせなくて済む場合がある。
時間t2で扉開演出が開始される。時間t2は、初期設定処理が完了した時期である。扉開演出により、扉開演出の画像が液晶表示装置157に表示される。時間t2の前に、リールバックライトを点灯させ、停止ボタンランプを操作受付状態の点灯態様で点灯(例えば、青色点灯)させているので、店員は時間t2のときに、画像表示処理の復帰、リール110〜112の回転復帰、リールバックライトの復帰、停止操作の受け付けなどの確認を一度で済ませることができる。
その後、前面扉102が閉じられ、扉開演出が終了すると、遊技画面が表示されることになる。
*カラー単位でのドット異常確認*
黒色画像、白色画像において、画素の表示色を確認することでR、G、Bのカラーごとに異常を確認できる場合がある。図44はその説明図である。
まず、白色画像表示時に、黒色画像となる画素はRGB全て異常であり、黒色画像表示時に白色画像となる画素もRGB全て異常である。画素の表示カラーによって、同図に例示するようにRGB個別の異常も判定可能である。例えば、白色画像表示時に黄色となる場合は、Bが異常であると判定できる。逆に、図示していないが、黒色画像表示時に黄色となる場合は、R、Gが異常であると判定できる。
ここで、例えば黒色となる異常は、黒色画像を表示した場合にはこの異常を発見することは困難であり、白色画像を表示した場合には最も発見しやすい。同様に、例えば白色となる異常は、白色画像を表示した場合にはこの異常を発見することは困難であり、黒色画像を表示した場合には最も発見しやすい。また、例えば白色画像を表示した場合に黄色となる異常は、画素Bに異常があるため、画素Bを使わない色である黄色画像、緑色画像、赤色画像を表示した場合には、この異常を発見することは困難である。つまり、ドット異常の全てのケースを最小の画像数で確認したい場合、黒画像と白画像の表示を行うとよい。
*白色画像の終了タイミング*
白色画像の表示から扉開演出の画像表示に切り替えるタイミングの例について図45を参照して説明する。図45(a)および(b)において、時間t2’は使用頻度の高い画像データのVRAM536への転送が終了し、図39の初期設定処理が完了した段階を示している。図43では時間t2の段階で扉開演出の画像表示を行っていたが、時間t2の前後としてもよい説明をする。
図45(a)の例を時間tの経過とともに説明する。時間t1の前は、電断状態になっている。時間t1で前面扉102を開放して電源が投入されると、上記の処理により、まず、液晶表示装置157が白色の画像を全表示領域に表示する。時間t2’の段階で扉開演出の画像表示が可能であるが、白色画像の表示をしばらく継続し(例えば3秒)、その扉開演出の画像を表示している。これは、白色画像の表示を利用したドット異常の確認時間を長く確保する点で有利なタイミングである。
図45(b)の例を時間tの経過とともに説明する。時間t1の前は、電断状態になっている。時間t1で前面扉102を開放して電源が投入されると、上記の処理により、まず、液晶表示装置157が白色の画像を全表示領域に表示する。時間t2’の段階の前に扉開演出の画像を表示している。これは、扉開演出の画像に用いる画像データの転送順序を早くしておくことで、全画像データの転送終了前に扉開演出の画像の表示を可能としたものである。これは、前面扉102が開放されていることをいち早く報知する点で有利なタイミングである。
*フレームバッファの利用例*
フレームバッファにおいて重ねられる画像のレイヤの順序により、画像の切り替えを早くできる場合がある。図46はその一例を示す。時間t3は扉開演出の画像表示から遊技背景表示に画像を切り替えるタイミングを例示している。
扉開演出の画像を生成する際、白色画像、遊技背景画像、扉開演出画像の3つを準備してフレームバッファに用意する。画像処理の仕様上、後からフレームバッファに用意した画像が優先される仕組みを有している場合、遊技背景画像→遊技背景画像→白色画像の順でフレームバッファに用意することで、遊技背景画像に対して扉開演出画像の表示を優先させることができる。結果、遊技背景画像が表示されない扉開演出画像が表示される。また、白色画像を常に後から用意するプログラムとしておくことで、同じルールによって、白色画像を優先して表示することができる。時間t3で扉開演出画像を取り除くと、遊技背景画像が表示される。さらに、遊技背景画像を表示していなかった期間も表示の内容を進めることができるので、表示を開始する位置の設定を要しない。これにより、遊技背景の切り替えをスムーズに行える。
*黒色と白色の反転*
図38の状態ST2等に例示する白色の画像は、初期設定処理の中で行っている場合、表示時間の管理が難しい場合があり、表示される時間が短い時間となる場合がある。白色の画像表示中にドット異常を確認するために、図38の状態ST2等に例示する白色の画像を用いようとすると、時間が足りない場合がある。そこで、扉開演出の画像において、リール窓113外において、白色と黒色とを反転することで、各色におけるドット異常の確認時間を確保することができる。図47はその一例を示す説明図である。
時間t2’の段階で扉開演出の画像表示が開始される。その後、所定時間(例えば5秒)が経過すると、リール窓113の内側の領域を除いて、白色と黒色とが反転した反転画像を表示する。そのまま反転画像の表示を継続してもよいが、所定時間(例えば5秒)経過すると、再び白色と黒色とを反転して元の画像を表示してもよい。
*黒色画像の表示領域*
図38の状態ST3等に例示した扉開演出の画像は、文字画像とリール窓113以外の表示領域を全て黒色とし、ドット異常の確認範囲を広いものとした。しかし、例えば、図48(a)に示すように、遊技情報を表示する領域R2を設定したい場合がある。領域R2には、メダルの貯留数、遊技数、メダルの払出し数の表示が可能となっている。図48(a)の例の場合、文字画像領域R1、リール窓113および遊技情報領域R2を除く領域が黒色としている。黒色の領域は更に縮小したい場合もある。
そこで、リール窓113の周辺だけ、黒色の画像を表示してもよい。図48(b)はその一例を示す。同図の例では、黒色の画像の表示領域R3が、リール窓113の周縁に沿った帯状の領域とされている。帯の幅は例えば、1.5cm〜2.5cmの範囲の幅である。
このように表示領域R3を比較的狭い領域としても、必要な範囲でドット異常の確認が行える。一般に、リール窓113の近くでは表示異常が問題となりやすく、遠くでは問題となりにくい傾向にある。図48(c)はその説明図である。同図の例では、ドット異常D1〜D4を例示している。ドット異常D1は、リール窓113から離れているので、リールの停止操作にあたっては、余り気にならない。一方、ドット異常D2〜D4はリール窓113に比較的近いので、リールの停止操作に際して遊技者の視界に入り易く、気になって誤操作を誘発させたり、あるいは、特定の図柄を停止させる位置の目安の報知演出や停止操作のタイミングや順番の報知演出と勘違いする場合もありえる。
図48(b)の例のようにリール窓113の周辺だけ、黒色の画像を表示することで、少なくとも、ドット異常D2〜D4の確認を行うことができ、遊技に影響を与えやすいドット異常を確認できる場合がある。つまり、電源投入後は、少なくともリール窓113の周辺(1.5cm〜2.5cmの範囲の幅)だけ、2色を順(白→黒)に表示するとよい。ドット異常を確認する狙いからすると、図38の状態ST2等に例示する白色の画像も、黒色の画像と同様の表示領域(リール窓113の周辺領域)に少なくとも表示されていればよい。
図48(b)の例において、表示領域R1〜R3およびリール窓113以外の表示領域には、遊技背景画像を表示してもよい。扉開放中でなくなったらどの遊技背景画面の表示になるか、その一部表示が見られるので、遊技者の遊技への期待感を高めることができる場合がある。あるいは、専用の待機演出画像を表示してもよい。例えば、モチーフが沖縄であれば、沖縄の景色画像を表示する。遊技者が待機している間の保養になる場合がある。リール窓を囲む所定幅の領域の外側の領域は、所定幅の領域に表示したドット異常確認色とは異なる色の画像を表示してもよい。
*フレームバッファの切り替え*
VRAM536の記憶領域に、白色の画像用のフレームバッファと、通常のフレームバッファとを設定し、フレームバッファを切り替えることで白色の画像の表示や、扉開演出等の各種画像の表示を行うようにしてもよい。
図49はその一例を示す。図49(a)は、液晶表示装置157に画像を表示させる通常のフレームバッファFB1と、白色画像表示用の専用のフレームバッファFB0とがVRAM536に設定されている。両者のうち何れか一方を使用して画像を表示させる。白色画像を表示する場合のみ、フレームバッファFB0を利用し、その他の通常の画像表示の場合はフレームバッファFB1を利用することで、白色画像の表示と他の画像の表示との切り替えを早く行える場合がある。また、VRAM536をバッテリバックアップしておくことで、電断中もフレームバッファFB0に白色画像の画像データを保持しておくことができ、電源投入時の白色画像の表示を早く行える場合がある。
図49(b)の例は、液晶表示装置157に画像を表示させる通常のフレームバッファFB1、FB2と、白色画像表示用の専用のフレームバッファFB0とがVRAM536に設定されている。つまり、通常のフレームバッファを複数設定し、切り替えて液晶表示装置157に画像を表示させる。これにより、フレームバッファFB0を使用して画像を表示している間に、通常のフレームバッファFB1、FB2に画像を準備できるので、通常の画像の切り替えを早くすることができる。
図49(b)の例において、フレームバッファFB2を扉開演出の画像表示専用のフレームバッファとしてもよい。電源投入時にROM506からVRAM536に転送される画像データを最小量とする仕様であれば、電源投入時は、比較的VRAM536の容量に空きがあるタイミングとなる。扉開演出画像用の専用フレームバッファFB2を設定することで、フレームバッファFB1にその後の遊技画像を生成しておくことで、画像の切り替えを早く行える場合がある。
*電源投入時の白色画像の表示領域*
図38の状態ST2等に例示する白色の画像は、液晶表示装置157の全表示領域を対象としたが、リール窓113の内側に対応する表示領域のみを白色の画像としてもよい。白色の画像の領域が小さくなることで、視認者が眩しさを感じにくい場合がある。
図50(a)はその一例を示す説明図であり、電源投入時における第1副制御部400のCPU404、第2副制御部500のCPU504およびVDP534の処理の流れ、並びに、液晶表示装置157の表示例を示している。
電断時には、状態ST11で示すように、液晶表示装置157はブラックアウトしており、各リール110〜112の視認性が低い状態にある。電源が投入されると、CPU404、CPU504はそれぞれ初期設定処理を実行する(ステップS3001、ステップS5001)。
CPU504は、その初期設定処理の中で、VDP534に対して白色の画像の表示を指示する。ここでは、図50(b)に示すように、VRAM536の記憶領域のうち、リール窓113内に対応する領域については、VRAM536の初期化の際に各カラーに最高輝度「FF」を設定し、他の領域については最低輝度「00」を設定する。
その結果、状態ST12で示すように、液晶表示装置157が、リール窓113の内側で白色の画像を表示し、各リール110〜112の視認性が向上し、外側の領域で黒色の画像を表示して眩しさが軽減する。
CPU504は、その初期設定処理が終わると、その旨を第1副制御部400に通知する。第1副制御部400は、第2副制御部500から初期設定処理が終わったことを指示されると、それまで主制御部300からのコマンドに基づいて蓄積していたコマンドを順に、第2副制御部500送信する。これらのコマンドには、通常、前面扉102が開状態であることを報知するように指示するコマンドが含まれる。
第2副制御部500では、受け取ったコマンドに対応する表示を行う。その結果、状態ST13で示すように、扉開演出の画像が表示される。なお、第2副制御部500は、前面扉102の開放等、不正行為に関連するエラーに関わるコマンドを優先的に処理することができるように構成でき、それにより、より早期に扉開演出の画像が表示される。
以上の処理により、扉開演出等、初期設定後になされる演出画像表示よりも以前に、白色の画像が表示されるので、リールの図柄の識別を妨げる期間を、より少なくすることができる。
状態ST13の後、状態ST14において反転画像(図47)を表示してもよい。状態ST12において、白色の表示領域が狭いため、ドット異常の確認を状態ST14において促進できる。
*リセット操作と扉開演出*
図37の例では、前面扉102が閉鎖されてから所定時間の経過により扉開演出を終了するようにしたが、リセット操作があり、かつ、前面扉102が閉鎖されたことを条件として扉開演出を終了するようにしてもよい。リセット操作をせずにうっかり前面扉102を閉鎖しても、扉開演出が継続するので、リセット操作を店員らに促すことができる。リセット操作を受け付けるリセットスイッチは、図示していないが、例えば、電源スイッチ244に隣接して配置することができ、前面扉102を開けることで操作可能となり、閉じた状態では操作が困難または不能であってもよい。リセットスイッチはキースイッチであってもよい。遊技台の前面扉102を開ける鍵をシリンダーに挿入し、鍵で前面扉102を開けるために回転させる方向と逆の方法に回転すると検知するキースイッチとすれば、実際に前面扉102を開けることなくリセットができる。第1副制御部400は、リセットスイッチの検知結果を取得できるように構成されてもよい。
図51はリセット操作を考慮した演出制御処理の例を示すフローチャートであり、図37の処理例に代えて第1副制御部400が実行する、図24(a)のステップS3005の演出制御処理の一例である。
ステップS21では他の演出制御処理を実行する。ステップS22では、電源投入時か否かを判定する。電源投入時か否かは、初期設定処理(S3001)でONに設定される電源投入フラグにより判定することができる。電源投入時の場合はステップS25へ進み、電源投入時でない場合はステップS23へ進む。
ステップS25では、電源投入フラグをOFFにし、電源投入時演出設定のフラグをONにする。電源投入時演出設定フラグは、扉開演出の実行期間を制御するためのフラグである。さらに、電源投入時演出を開始し、音声による「電源を投入しました」等の演出が実行される。その後、一単位の処理を終了する。
ステップS23では、電源投入時演出設定フラグがONか否かを判定する。該当する場合はステップS26へ進み、該当しない場合はステップS24へ進む。ステップS26では、リセット操作があったか否かを判定する。リセット操作があった場合はステップS27へ進み、なかった場合は一単位の処理を終了する。
ステップS27では前面扉102が開状態か否かを判定する。この判定は、扉センサ421の検知結果、あるいは、主制御部300からのコマンドにより可能である。前面扉102が開状態の場合はステップS29へ進み、電源投入時演出である音声による「電源を投入しました」等の演出を終了させて、扉開演出である音声による「扉が開いています」等の演出開始を設定する。前面扉102が閉状態の場合はステップS28へ進み、電源投入時演出終了設定(フラグOFF)を行う。ステップS28では、電源投入時演出である音声による「電源を投入しました」等の演出を終了させ、最新の状態の演出を実行するための設定(電断前に復帰する設定)を行う。
S24では前面扉102が閉状態か否かを判定する。前面扉102が閉状態の場合はステップS30へ進み、電源投入時演出設定フラグがONか否かを判定する。ONの場合は一単位を終了し、OFFの場合はリセット操作があり、かつ、前面扉102が閉鎖された状態とみなしてステップS31へ進み、扉開演出の終了を設定する。ステップS31では、扉開演出である音声による「扉が開いています」等の演出を終了させ、最新の状態の演出を実行するための設定(電断前に復帰する設定)を行う。
図52は、電源投入時における第1副制御部400のCPU404、第2副制御部500のCPU504およびVDP534の処理の流れ、並びに、液晶表示装置157の表示例を示している。
電断時には、状態ST21で示すように、液晶表示装置157はブラックアウトしており、各リール110〜112の視認性が低い状態にある。電源が投入されると、CPU404、CPU504はそれぞれ初期設定処理を実行する(ステップS3001、ステップS5001)。
CPU504は、その初期設定処理の中で、VDP534に対して白色の画像の表示を指示する。その結果、状態ST22で示すように、液晶表示装置157が白色の画像を表示し、各リール110〜112の視認性が向上する。同図の例では液晶表示装置157の全表示領域を白色の画像としている。換言すれば、遊技者に視認される範囲は白色としている。
CPU504は、その初期設定処理が終わると、その旨を第1副制御部400に通知する。第1副制御部400は、第2副制御部500から初期設定処理が終わったことを指示されると、それまで主制御部300からのコマンドに基づいて蓄積していたコマンドを順に、第2副制御部500送信する。これらのコマンドには、通常、前面扉102が開状態であることを報知するように指示するコマンドが含まれる。
第2副制御部500では、受け取ったコマンドに対応する表示を行う。その結果、状態ST23で示すように、扉開演出の画像が表示される。なお、第2副制御部500は、前面扉102の開放等、不正行為に関連するエラーに関わるコマンドを優先的に処理することができるように構成でき、それにより、より早期に扉開演出の画像が表示される。状態ST23の表示例では、上述した例の文字画像(扉開放中)とは異なり、「電源投入あり」との文字画像を採用している。「電源投入あり」との表示を行うことで、表示装置が表示を行う準備期間であることを認識させやすい場合がある。なお、「電源投入あり」との文字画像の表示を行ったあとに「扉開放中」の文字画像の表示を行ってもよい。状況に合わせた的確な報知とすることができる。
リセット操作が受け付けられ、かつ、前面扉102が閉状態にあることが、第1副制御部400から第2副制御部500へ通知されると第2副制御部500は扉開演出を終了する。その後、液晶表示装置157は状態ST24に示すようにリール窓113の外側の表示領域に遊技背景表示を行う。遊技背景表示は、遊技の表示(遊技の画像)であって、電源投入に係わる表示を除く表示である。遊技背景表示は、電断前に表示されていた遊技背景表示と同じ表示であってもよいし、遊技背景表示は、電断前に表示されていた遊技背景表示とは異なる遊技背景表示(例えば、電断前は主人公が城内にいる場面の背景表示であったが、電源投入後は主人公が城外を歩く場面の背景表示とする。)であってもよいし、遊技背景表示は、電源投入後なのでデモ表示であってもよいし、遊技背景表示は、通常背景表示に割り込んで実行された連続演出表示であってもよい。
以上の処理により、扉開演出等、初期設定後になされる演出画像表示よりも以前に、白色の画像が表示されるので、リールの図柄の識別を妨げる期間を、より少なくすることができる。
*VRAMに残存する画像と白色画像*
VRAM536をバッテリバックアップする構成の場合、電断時にフレームバッファに書き込まれた画像データが、電源投入時に残っている。電源投入時に白色の画像を表示する際、残っている画像データをクリアせずにそのまま活用し、白色の画像はリール窓113の内側に対応する表示領域のみに表示されるようにしてもよい。これにより、電断時の遊技情報が残されていて、電断時のまま、遊技を再開できる、との印象を遊技者に与えることができる。また、残っている画像データをクリアしないので、処理減を図れる場合がある。
図53は、電源投入時における第1副制御部400のCPU404、第2副制御部500のCPU504およびVDP534の処理の流れ、並びに、液晶表示装置157の表示例を示している。
電断時には、状態ST31で示すように、液晶表示装置157はブラックアウトしており、各リール110〜112の視認性が低い状態にある。電源が投入されると、CPU404、CPU504はそれぞれ初期設定処理を実行する(ステップS3001、ステップS5001)。
CPU504は、その初期設定処理の中でVRAM536の初期化の際にリール窓113内の表示領域だけ白色の画像を表示するための「FF」の書き込み、VDP534に対してリール窓113内の表示領域に白色の画像の表示を指示する。リール窓113外の表示領域は、VRAM536に残存している電断時の画像データをそのまま使う。その結果、状態ST32で示すように、液晶表示装置157がリール窓113内の表示領域では白色の画像を表示し、各リール110〜112の視認性が向上する。リール窓113外の表示領域では電断時の遊技背景画像が表示されている。
CPU504は、その初期設定処理が終わると、その旨を第1副制御部400に通知する。第1副制御部400は、第2副制御部500から初期設定処理が終わったことを指示されると、それまで主制御部300からのコマンドに基づいて蓄積していたコマンドを順に、第2副制御部500送信する。これらのコマンドには、通常、前面扉102が開状態であることを報知するように指示するコマンドが含まれる。
第2副制御部500では、受け取ったコマンドに対応する表示を行う。その結果、状態ST33で示すように、扉開演出の画像が表示される。なお、第2副制御部500は、前面扉102の開放等、不正行為に関連するエラーに関わるコマンドを優先的に処理することができるように構成でき、それにより、より早期に扉開演出の画像が表示される。
以上の処理により、扉開演出等、初期設定後になされる演出画像表示よりも以前に、白色の画像が表示されるので、リールの図柄の識別を妨げる期間を、より少なくすることができる。
*第2副制御部のメモリ構成*
上述した例では、ROM506にプログラムと画像データとの双方を記憶させたが、画像データを記憶する記憶デバイスを設けてもよい。図54はその一例を示す。同図の例では、VROM538が追加されている。基本的に、ROM506にはプログラムを記憶し、VROM538には画像データを記憶する。
電源投入時に白色の画像を表示するための画像データ(図39(a)等に例示したFFのデータ)は、ROM506に記憶しても、VROM538に記憶してもよい。ROM506に記憶した場合、初期設定処理時に白色画像を表示する際、VROM538にアクセスする必要がなく、処理速度を向上できる場合がある。VROM538に記憶した場合、画像データを一元的に管理し易い場合がある。
<実施形態のまとめ>
A1.以上述べたように、上記実施形態の遊技台(例えば、スロットマシン100)によれば、複数種類の図柄が施され、回転駆動される複数のリール(例えば、リール110〜112)と、前記複数のリールのそれぞれに対応して設けられ、前記複数のリールを個別に停止させるために操作される複数の停止操作手段(例えば、ストップボタン137〜139)と、前記複数の停止操作手段のそれぞれに対する操作に基づいて、対応するリールの回転の停止に関する停止制御を行う停止制御手段(例えば、主制御部300、リール停止制御処理S109)と、内部当選役を決定する内部当選役決定手段(例えば、主制御部300、入賞役内部抽選処理S105)と、前記内部当選役決定手段の決定結果、及び前記複数のリールのそれぞれに施された図柄を視認可能とするリール窓(例えば、リール窓113)と、停止した図柄を有効入賞ライン(例えば、入賞ラインL1)に基づいて判定する入賞判定手段(例えば、主制御部300、入賞判定処理S110)と、前記リール窓を含んだ画像表示領域に画像を表示する画像表示手段(例えば、演出画像表示装置157、第1副制御部400、第2副制御部500)と、を備えた遊技台であって、前記複数のリールのうち第一のリール(例えば、左リール110、中リール111、右リール112のいずれか)は、前記複数の停止操作手段のうちの第一の停止操作手段(例えば、左リール110の場合は左ストップボタン137、中リール111の場合は中ストップボタン138、右リール110の場合は右ストップボタン139)に対応して設けられたリールであり、前記内部当選役には、第一の図柄組み合わせ(例えば、「ベル図柄−ベル図柄−ベル図柄」の組合せ)を対応させた第一の役(例えば、小役3)が含まれ、前記第一の図柄組み合わせの前記第一のリールに対応する図柄は、第一の図柄(例えば、ベル図柄)であり、前記リール窓は、前記複数のリールのうちの前記第一のリールに対して、複数の図柄(例えば、三つの図柄)を視認可能とする窓であり、前記リール窓は、前記第一のリールに対して、複数の図柄を視認可能とする窓であり、前記停止制御手段は、前記内部当選役決定手段により前記第一の役を少なくとも含む役(例えば、小役3a)が内部当選役として決定され、かつ、前記画像表示手段により、前記複数の停止操作手段の操作態様を特定する操作特定画像(例えば、操作特定画像d10)が前記画像表示領域に表示された第一の遊技(例えば、RT2(AT)において小役3aに内部当選した遊技)において、前記第一の停止操作手段に対して前記操作特定画像の内容に従った第一の操作(例えば、正解の停止操作)が行われた場合には、前記第一のリールに施された図柄のうちの前記第一の図柄を前記有効入賞ラインが位置する停止位置(例えば、例えば、左リール110の場合、図2に示す入賞ラインL1では図柄位置3)に停止させる手段であり、前記画像表示手段は、前記第一の遊技において、前記第一の操作が行われた場合には、操作が正解であったことを示唆する操作正解画像(例えば、操作正解画像d20)を、前記第一のリールの前記第一の図柄(例えば、例えば、左リール110の場合、図2に示す入賞ラインL1では図柄位置3の図柄)の手前側には表示することなく、前記第一のリールの前記リール窓を介して視認可能な他の図柄(例えば、左リール110の場合、図2に示す入賞ラインL1では図柄位置1、2の図柄)の手前側に表示して、該他の図柄の視認性を低下させる手段である、ことを第一の基本的構成とする。
この第一の基本的構成によれば、停止操作したリールの非入賞位置には操作正解画像が表示されて視認性が低下する一方、入賞位置には操作正解画像が表示されることなく、入賞図柄が表示されているので、遊技者は、入賞可能な図柄の確認を明確かつ迅速に行うことができる。すなわち、第一の基本的構成は、従来の情報表示が改良された新規の遊技台である。
A2.また、上記第一の基本的構成において、前記画像表示手段は、前記操作正解画像を所定時間(例えば、所定時間TA)にわたって表示する手段であり、前記所定時間は、前記第一のリールに対する操作が行われてから次の前記停止操作手段に対する操作が有効となるまでの時間(例えば、操作無効時間TB)より長い時間であって一遊技の間隔を担保する時間(最少遊技時間TC)より短い時間である、ことを第一の好適な構成とする。
第一の好適な構成によれば、操作正解画像の表示が一遊技の間隔を担保する時間よりも短いので、遊技を迅速に進行させることができ、遊技促進に役立てることができる。
A3.また、上記第一の好適な構成において、前記操作正解画像は、前記所定時間の経過がある前から徐々に消去される画像である、ことを第二の好適な構成とする。
第二の好適な構成によれば、操作正解画像は徐々に消去されていくので、遊技者は視覚的に操作正解画像が消失していくことを認識でき、遊技促進を図ることができる。
A4.また、上記第一の好適な構成及び上記第二の好適な構成において、前記画像表示手段は、前記所定時間の経過がある前に電源断が発生した後、再度電源が投入されて遊技が開始された場合には、前記操作正解画像を表示しない手段である、ことを第三の好適な構成とする。
第三の好適な構成によれば、電源断が発生した後、再度電源が投入され遊技が開始されたときには、操作正解画像が表示されないので、再開された遊技だけに集中することができる。
A5.また、上記基本的な構成、上記第一の好適な構成、上記第二の好適な構成又は上記第三の好適な構成において、前記画像表示手段は、前記第一の遊技において、前記複数の停止操作手段のそれぞれ(例えば、左ストップボタン137、中ストップボタン138、右ストップボタン139)に対し、前記操作特定画像の内容に従った操作が行われた場合、前記操作正解画像を、操作が行われた前記複数の停止操作手段のそれぞれに対応したリールの前記第一の図柄の手前側には表示することなく、前記第一のリールの前記リール窓を介して視認可能な他の図柄の手前側に表示して、該他の図柄の視認性を低下させる手段である、ことを第四の好適な構成とする。
第四の好適な構成によれば、全てのリールにおいて停止操作したリールの非入賞位置には操作正解画像が表示されて視認性が低下する一方、入賞位置には操作正解画像が表示されることなく、入賞可能な図柄が表示されているので、遊技者は、入賞可能な図柄をさらに明確かつ迅速に判断することができる。
A6.また、上記基本的な構成、上記第一の好適な構成、上記第二の好適な構成、上記第三の好適な構成又は上記第四の好適な構成において、前記画像表示手段は、前記画像表示領域のうち前記リール窓の領域を除く領域の一部(例えば、液晶表示装置157の全画像領域のうち、リール窓113の上方の演出領域S1)に、前記操作特定画像を表示する手段であり、前記画像表示手段は、前記第一の遊技において、前記複数の停止操作手段のすべてに対し、前記操作特定画像の内容に従った操作が行われた場合、前記複数の停止操作手段のすべてに対して操作が行われた後、前記操作特定画像を表示する領域の少なくとも一部の領域を含む領域(例えば、液晶表示装置157の全画像領域のうち、リール窓113の上方の演出領域S1)に、すべての停止操作が正解であったことを示唆する全操作正解画像(例えば、全操作正解画像d30)を表示する手段である、ことを第五の好適な構成とする。
第五の好適な構成によれば、操作特定画像の表示位置の近傍に全操作正解画像が表示されるので、遊技結果を明確に把握することができる。
A7.また、上記第一の基本的構成、上記第一の好適な構成、上記第二の好適な構成、上記第三の好適な構成、上記第四の好適な構成又は上記第五の好適な構成において、前記第一の遊技において、前記画像表示手段は、前記報知遊技において、前記操作正解画像を表示する領域の少なくとも一部の領域を含む領域に、所定画像(例えば、操作前画像d40)を表示する手段であり、前記画像表示手段は、前記第一の遊技において、前記所定画像を表示した後、前記操作特定画像の内容に従った操作が行われた場合には、前記所定画像を消去して前記操作正解画像を表示する手段である、こと第六の好適な構成とする。
第六の好適な構成によれば、事前に、操作正解画像が表示される領域近傍に所定画像を表示しておくので、操作正解画像が表示されても遊技者に違和感を与えることがない。
A8.また、上記実施形態の遊技台(例えば、スロットマシン100)によれば、複数種類の図柄が施され、回転駆動される複数のリール(例えば、リール110〜112)と、前記複数のリールのそれぞれに対応して設けられ、前記複数のリールを個別に停止させるために操作される複数の停止操作手段(例えば、ストップボタン137〜139)と、
内部当選役を決定する内部当選役決定手段(例えば、主制御部300、入賞役内部抽選処理S105)と、前記内部当選役決定手段の決定結果、及び前記複数の停止操作手段のそれぞれに対する操作に基づいて、対応するリールの回転の停止に関する停止制御を行う停止制御手段(例えば、主制御部300、リール停止制御処理S109)と、前記複数のリールの手前側に設けられ、前記複数のリールのそれぞれに施された図柄を視認可能とするリール窓(例えば、リール窓113)と、停止した図柄を有効入賞ライン(例えば、入賞ラインL1)に基づいて判定する入賞判定手段(例えば、主制御部300、入賞判定処理S110)と、前記リール窓を含んだ画像表示領域に画像を表示する画像表示手段(例えば、演出画像表示装置157、第1副制御部400、第2副制御部500)と、前記複数のリールの手前側に設けられ、前記複数のリールのそれぞれに施された図柄を遮蔽して視認性を低下させる可動体(例えば、可動体163)を移動させる可動体制御手段(例えば、第1副制御部400、第2副制御部500)と、を備えた遊技台であって、前記複数のリールのうち第一のリール(例えば、左リール110、中リール111、右リール112のいずれか)は、前記複数の停止操作手段のうちの第一の停止操作手段(例えば、左リール110の場合は左ストップボタン137、中リール111の場合は中ストップボタン138、右リール110の場合は右ストップボタン139)に対応して設けられたリールであり、前記内部当選役には、第一の図柄組み合わせ(例えば、「ベル図柄−ベル図柄−ベル図柄」の組合せ)を対応させた第一の役(例えば、小役3)が含まれ、前記第一の図柄組み合わせの前記第一のリールに対応する図柄は、第一の図柄(例えば、ベル図柄)であり、前記リール窓は、前記第一のリールに対して、複数の図柄(例えば、三つの図柄)を視認可能とする窓であり、前記停止制御手段は、前記内部当選役決定手段により前記第一の役を少なくとも含む役(例えば、小役3a)が内部当選役として決定され、かつ、前記画像表示手段により、前記複数の停止操作手段の操作態様を特定する操作特定画像(例えば、操作特定画像d10)が前記画像表示領域に表示された第一の遊技(例えば、RT2(AT)において小役3aに内部当選した遊技)において、前記第一の停止操作手段に対して前記操作特定画像の内容に従った第一の操作(例えば、正解の停止操作)が行われた場合には、前記第一のリールに施された図柄のうちの前記第一の図柄を前記有効入賞ラインが位置する停止位置(例えば、例えば、左リール110の場合、図2に示す入賞ラインL1では図柄位置3)に停止させる手段であり、前記画像表示手段は、前記第一の遊技において、前記第一の操作が行われた場合には、前記可動体を、前記第一のリールの前記第一の図柄(例えば、例えば、左リール110の場合、図2に示す入賞ラインL1では図柄位置3の図柄)の手前側には移動させることなく、前記第一のリールの前記リール窓を介して視認可能な他の図柄(例えば、左リール110の場合、図2に示す入賞ラインL1では図柄位置1、2の図柄)の手前側に移動させて、該他の図柄の視認性を低下させる手段である、ことを第二の基本的構成とする。
この第二の基本的構成によれば、停止操作したリールの非入賞位置は可動体により遮蔽されて視認性が低下する一方、入賞位置は遮蔽されず、入賞可能な図柄が表示されているので、遊技者は、入賞可能な図柄の確認を明確かつ迅速に行うことができる。すなわち、第二の基本的構成は、従来の情報表示が改良された新規の遊技台である。なお、以上説明した実施形態や変形例の記載それぞれにのみ含まれている構成要件であっても、その構成要件を他の、実施形態や変形例に適用してもよい。
B1.上記実施形態の遊技台(例えば100)は、
複数種類の図柄が施され、回転駆動される複数のリール(例えば110-112)と、
画像を表示する表示領域を備えた表示手段(例えば157)と、
前記表示手段に表示する前記画像を制御する表示制御手段(例えば500)と、
を備えた遊技台において、
前記表示手段は、前記複数のリールの手前側に備えられ、リール窓表示領域(例えば113内側,157b)を透過型の表示領域とした手段であり、
前記リール窓表示領域は、特定の色(例えば白色)を表示した場合に透過率が最も高くなる領域であり、
前記表示制御手段は、電源投入後、第二の画像(例えば扉開演出画像)を表示する以前に第一の画像(例えば白色画像)を表示する手段であり、
前記第二の画像は、前記リール窓表示領域に前記特定の色を表示し、前記リール窓表示領域を除く表示領域に電源投入に関わる所定の画像(例えば扉開放中,状態ST3)を表示する画像であり、
前記第一の画像は、前記リール窓表示領域に前記特定の色を表示し、前記リール窓表示領域を除く表示領域に電源投入に関わる前記所定の画像を表示しない画像である(例えば状態ST2)、
ことを特徴とする。
この実施形態によれば、リールの手前側に備えた表示装置において、リールの図柄の識別を妨げる期間を、より少なくする遊技台を提供することができる場合がある。
B2.上記実施形態の遊技台(例えば100)は、
前記第一の画像は、前記リール窓表示領域に前記特定の色を表示し、前記リール窓表示領域を除く表示領域にも前記特定の色を表示する画像である(例えば図40(a))、
ことを特徴とする。
この実施形態によれば、処理が単純となり、処理の迅速化、データ量の削減を図ることができる場合がある。
B3.上記実施形態の遊技台(例えば100)は、
前記表示制御手段は、
データを記憶するROM(例えば506,538)と、
データを記憶するRAM(例えば536)と、を備えた手段であり、
前記表示制御手段は、前記電源投入後に、前記ROMに記憶された前記第一の画像を表示する画像データを、前記RAMの第一の記憶領域に記憶する第一の処理を実行する手段であり(例えばS12)、
前記表示制御手段は、前記電源投入後に、前記ROMに記憶された前記第二の画像を表示する画像データを、前記RAMの第二の記憶領域に記憶する第二の処理を実行する手段であり(例えばS14)、
前記第一の記憶領域は、前記第二の記憶領域とは異なる記憶領域であり(例えば図49)、
前記表示制御手段は、先に前記第一の処理を実行し、後に前記第二の処理を実行する手段であり(例えば図39)、
前記表示制御手段は、前記第二の処理を終了する以前に、前記第一の処理によって前記RAMに記憶された前記第一の画像を表示する画像データに基づいて前記第一の画像を表示する手段である(例えば図38)、
ことを特徴とする。
この実施形態によれば、リールの図柄の識別を妨げる期間を、更に少なくすることができる場合がある。前記RAMは強誘電体メモリであってもよい。
B4.上記実施形態の遊技台(例えば100)は、
前記RAMは、記憶領域のうちの一部領域を、前記表示手段に表示される画像の画像データを記憶するフレームバッファとする手段であり(例えば図41)、
前記表示制御手段は、予め設定された表示周期毎に、前記フレームバッファに記憶された前記画像データに基づいて、画像を前記表示手段に表示する手段であり(例えば図25)、
前記第一の記憶領域は、前記フレームバッファを構成する領域である(例えば図41)、
ことを特徴とする。
この実施形態によれば、通常用いているフレームバッファを利用することで、別途フレームバッファの領域を設定することがなく、処理負担を軽減しつつリールの図柄の識別を妨げる期間を、より少なくすることができる場合がある。
B5.上記実施形態の遊技台(例えば100)は、
前記ROMとして、第一のROM(例えば506)と、第二のROM(例えば538)と、を備え、
前記第一のROMは、プログラムデータを記憶するとともに、前記第一の画像を表示する画像データを記憶するものであり、
前記第二のROMは、前記第二の画像を表示する画像データを記憶するものであり、
前記表示制御手段は、前記電源投入後、前記第一のROMに記憶された前記プログラムデータに基づいて電源投入時の処理を行うとともに、前記第一のROMに記憶された前記第一の画像を表示する画像データを、前記RAMに記憶する手段である(例えば図39)、
ことを特徴とする。
この実施形態によれば、前記第二のROMにアクセスする必要なく、前記第一の画像を表示することができ、処理等の効率化が図れる場合がある。
C1.上記実施形態の遊技台(例えば100)は、
複数種類の図柄が施され、回転駆動される複数のリール(例えば110-112)と、
画像を表示する表示領域を備えた表示手段(例えば157)と、
前記表示手段に表示する前記画像を制御する表示制御手段(例えば500)と、
を備えた遊技台において、
前記表示手段は、カラーフィルタを備えた透過型のカラー液晶パネル(例えば157A)と、前記カラー液晶パネルを背面側から白色光で照明するバックライト手段(例えば157B)とを少なくとも備えた液晶ディスプレイであり、
前記液晶ディスプレイは、前記カラー液晶パネルが前記白色光の透過を遮ることにより画素単位で黒色の画像を表示可能であり、前記カラー液晶パネルが前記白色光を透過させることにより画素単位で白色の画像を表示可能であり、
前記液晶ディスプレイは、ノーマリ・ブラック型の液晶ディスプレイであり、
前記表示制御手段は、電源投入後、遊技の画像を表示する前に、第一の画像(例えば白色画像)と第二の画像(例えば扉開演出画像)を表示する手段であり、
前記表示制御手段は、前記第一の画像の表示を終了した後に、前記第二の画像を表示する手段であり、
前記第一の画像は、遊技者に視認される所定の範囲を前記白色の画像とする画像であり、
前記第二の画像は、電源投入に関わる所定の状態を表示する文字画像(例えば扉開放中)と第一の背景画像(例えば黒色の画像)とを含む画像であり、
前記第一の背景画像は、前記所定の範囲を前記黒色の画像とする画像である、
ことを特徴とする。
この実施形態によれば、ホールの店員らがドット異常を確認可能な遊技台を提供することができる場合がある。なお、前記液晶ディスプレイは、前記複数のリールの手前側に備えられていてもよいし、異なる位置に備えられていてもよい。異なる位置としては、前記複数のリールの上方の位置(例えば音孔143、143の間の位置)であってもよい。
C2.上記実施形態の遊技台(例えば100)は、
前記液晶ディスプレイは、前記複数のリールの手前側に備えられ、リール窓表示領域(例えば113内側,157b)を含むものであり、
前記第一の画像は、前記液晶ディスプレイの全表示領域に前記白色の画像を表示する画像であり(例えば状態ST2)、
前記第一の背景画像は、前記リール窓表示領域を除く領域を前記黒色の画像とし、前記リール窓表示領域を前記白色の画像とする画像であり(例えば状態ST3)、
前記文字画像は、前記リール窓表示領域を除く領域に表示された前記第一の背景画像と重なる位置に表示される画像である(例えば扉開放中,状態ST3)、
ことを特徴とする。
この実施形態によれば、電源投入後のリール図柄の視認性を確保することができる場合がある。
C3.上記実施形態の遊技台(例えば100)は、
前記表示制御手段は、
データを記憶するROM(例えば506,538)と、
データを記憶するRAM(例えば536)と、を備えた手段であり、
前記表示制御手段は、前記電源投入後に、前記ROMに記憶された前記第一の画像を表示する画像データを、前記RAMの第一の記憶領域に記憶する第一の処理を実行する手段であり(例えばS12)、
前記表示制御手段は、前記電源投入後に、前記ROMに記憶された前記第二の画像を表示する画像データを、前記RAMの第二の記憶領域に記憶する第二の処理を実行する手段であり(例えばS14)、
前記第一の記憶領域は、前記第二の記憶領域とは異なる記憶領域であり(例えば図49)、
前記表示制御手段は、先に前記第一の処理を実行し、後に前記第二の処理を実行する手段であり(例えば図39)、
前記表示制御手段は、前記第二の処理を終了する以前に、前記第一の処理によって前記第二の記憶手段に記憶された前記第一の画像を表示する画像データに基づいて前記第一の画像を表示する手段である(例えば図38)、
ことを特徴とする。
この実施形態によれば、リールの図柄の識別を妨げる期間を、更に少なくすることができる場合がある。前記RAMは強誘電体メモリであってもよい。
C4.上記実施形態の遊技台(例えば100)は、
前記RAMは、記憶領域のうちの一部領域を、前記表示手段に表示される画像の画像データを記憶するフレームバッファとする手段であり(例えば図41)、
前記表示制御手段は、予め設定された表示周期毎に、前記フレームバッファに記憶された前記画像データに基づいて、画像を前記表示手段に表示する手段であり(例えば図25)、
前記第一の記憶領域は、前記フレームバッファを構成する領域である(例えば図41)、
ことを特徴とする。
この実施形態によれば、通常用いているフレームバッファを利用することで、別途フレームバッファの領域を設定することがなく、処理負担を軽減しつつリールの図柄の識別を妨げる期間を、より少なくすることができる場合がある。
C5.上記実施形態の遊技台(例えば100)は、
前記ROMとして、第一のROM(例えば506)と、第二のROM(例えば538)と、を備え、
前記第一のROMは、プログラムデータを記憶するとともに、前記第一の画像を表示する画像データを記憶するものであり、
前記第二のROMは、前記第二の画像を表示する画像データを記憶するものであり、
前記表示制御手段は、前記電源投入後、前記第一のROMに記憶された前記プログラムデータに基づいて電源投入時の処理を行うとともに、前記第一のROMに記憶された前記第一の画像を表示する画像データを、前記RAMに記憶する手段である(例えば図39)、
ことを特徴とする。
この実施形態によれば、前記第二のROMにアクセスする必要なく、前記第一の画像を表示することができ、処理等の効率化が図れる場合がある。
C6.上記実施形態の遊技台(例えば100)は、
前記第一の背景画像は、少なくとも前記リール窓表示領域の周辺の領域を前記黒色の画像とする画像である(例えば図48(b))、
ことを特徴とする。
この実施形態によれば、ドット異常の確認領域を最小に留めることができる場合があり、ドット異常の確認作業の効率化が図れる場合がある。
C7.上記実施形態の遊技台(例えば100)は、
前記表示制御手段は、前記第二の画像の表示を終了した後に、第三の画像(例えば反転画像)を表示する手段であり、
前記第三の画像は、前記文字画像と第二の背景画像とを含む画像であり、
前記第二の背景画像は、前記白色の画像である(例えば状態ST14)、
ことを特徴とする。
この実施形態によれば、前記第一の画像における白色画像表示で確認できなかった領域を、前記第三の画像で再度確認することができる場合がある。前記第二の背景画像は、店員の操作(例えば前面扉の閉鎖)に基づいて表示を終了してもよい。最後の確認作業の時間を店員が自ら決めることができる場合がある。
[その他遊技台]
なお、上記実施形態においては、遊技台の一例として、メダル(コイン)を遊技媒体としたスロットマシン100を示したが、これに限定されるものではなく、遊技球(例えば、パチンコ玉)を遊技媒体としたスロットマシンや、パチンコ機、アレンジボール遊技機や、じゃん球遊技機、スマートボール、カジノマシン等に適用可能である。
パチンコ機は、所定の遊技領域に球を発射する発射装置と、発射装置から発射された球を入球可能に構成された入賞口と、入賞口に入球した球を検知する検知手段と、検知手段が球を検知した場合に球を払出す払出手段と、所定の図柄(識別情報)を変動表示する可変表示装置を備え、入賞口に遊技球が入って入賞することを契機として、可変表示装置が図柄を変動させた後に停止表示させて、遊技状態の推移を告知するようなパチンコ機であってもよい。パチンコ機は、可変表示装置として液晶表示装置157を備える。液晶表示装置157は、表示領域のうちの一部の領域を透過型の表示領域とする。例えば、スロットマシン100で説明したように、表示領域の中央部分の領域を透過型の表示領域とする。液晶表示装置157の透過型の表示領域の背後側には、演出可動装置を備える。演出可動装置は、遊技の結果に基づいて動作可能となっており、さらに液晶表示装置157の透過型の表示領域を介して遊技者に視認させる場合と、視認させない場合とがある。パチンコ機はさらに、背面側には電源基板を有する電源装置を備え、この電源装置の正面には電源スイッチを備える。電源スイッチはパチンコ機に備わる錠装置を解錠し、パチンコ機を島設備に外枠部分を固定しつつ内枠部分を開けた状態で操作可能となり、閉じた状態では操作が困難または不能である。電源スイッチが操作されて電源投入が行われた後の初期設定等は上述したスロットマシンの構成と同様である。
なお、パチンコ機は、球を封入し、封入した球をパチンコ機内で循環させて使用する封入式パチンコ機であってもよく、この封入式パチンコ機は、封入した球を発射球として使用し、球の払出はクレジットによって実行されるものであってもよい。
なお、スロットマシンは、メダルを使用せずに電子データのやり取りのみ行うスロットマシンであってもよく、この場合の遊技媒体は、メダルに相当する電子化したデータを含むものであり、遊技媒体の投入は、所定の外部装置(電子貯留装置)から、電子化したデータを入力することを含むものであり、遊技媒体の払出は、所定の外部装置(電子貯留装置)へ、電子化したデータを出力することを含むものである。
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は、上述した実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、本発明の実施の形態に対して種々の変形や変更を施すことができ、そのような変形や変更を伴うものもまた、本発明の技術的範囲に含まれるものである。また、発明の実施の形態に記載された、作用及び効果は、本発明から生じる最も好適な作用及び効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用及び効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。