以下、この発明にかかる遊技機の一実施の形態であるパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)を、各図を参照しつつ詳細に説明する。
[パチンコ機の全体構成について]
図1を参照しつつ説明する。図1はパチンコ機の外枠の一側に本体枠が開かれその本体枠の一側に前面枠が開かれた状態を示す斜視図である。なお、図1においては遊技領域における装飾部材が省略された図を示している。
パチンコ機1は、外枠2、本体枠3、前面枠4および遊技球が流下可能な遊技盤5等を備えている。
外枠2は、上下左右の木製の枠材によって縦長四角形の枠状に形成されている。この外枠2の前側下部には、本体枠3の下面を受ける下受板6が設けられている。外枠2の前面の片側には、本体枠3が、ヒンジ機構7によって前方に開閉自在に装着されている。
なお、外枠2は、木製の枠材に代えて、樹脂やアルミニウム等の軽金属によって形成された枠材であってもよい。
[本体枠の構成について]
図2および図4を参照しつつ説明する。図2はパチンコ機1の前側全体を示す正面図であり、図4はパチンコ機1の本体枠3と遊技盤5とを分離して斜め右上前方から示す斜視図である。
本体枠3は、前枠体11、遊技盤装着枠12および機構装着体13を備えており、これら11,12,13を合成樹脂材によって一体成形することで構成されている。
前枠体11は、外枠側ヒンジ具14、本体枠側ヒンジ具15、ヒンジピンおよびヒンジ孔(いずれも参照符号なし)を有するヒンジ機構7によって外枠2に対して開閉自在に構成されている。
より具体的には、外枠側ヒンジ具14は外枠2の片側の上下部に固定されており、本体枠側ヒンジ具15は前枠体11の片側の上下部に固定されている。そして、前枠体11は、ヒンジピンおよびヒンジ孔によって外枠側ヒンジ具14に回動自在に装着されている。これにより、前枠体11は外枠2に対して開閉自在となっている。
前枠体11を前方(遊技盤5側)から見た場合において、前枠体11の前下部左側領域であって且つ遊技盤装着枠12の下方には、前方に開口部が形成されたスピーカボックス部16が前枠体11と一体に形成されている。このスピーカボックス部16には、前方に形成された開口部を塞ぐようにしてスピーカ装着板17が装着されている。このスピーカ装着板17にはスピーカ18(以下、「下部スピーカ18」と称する。)が装着されている。
また、前枠体11前面の下部領域内において、その上半部分には発射レール19が傾斜状に装着されており、その下半部分には下部前面板30が装着されている。
下部前面板30の前面の略中央部には、遊技球を貯留可能な下皿31が設けられている。この下皿31には、遊技球を下方に排出するための球排出レバー34が配設されている。また、下部前面板30の下部前面板30の前面の右側寄りにはハンドル32が設けられ、左側寄りには灰皿33が設けられている。
[前面枠の構成について]
図1および図2に基づき説明する。前枠体11の前面の片側には、その前枠体11の上端から下部前面板30の上縁にわたる部分を覆うようにして、前面枠4がヒンジ機構36によって前方に開閉自在に装着されている。
前面枠4の略中央部には、遊技盤5に形成された遊技領域37を前方から透視可能な略円形の開口窓38が形成されている。前面枠4の後側には、開口窓38よりも大きな矩形枠状をなす窓枠39が設けられている。この窓枠39には、ガラス板または透明樹脂板等の透明板50が装着されている。
前面枠4の前面の略全体は、ランプ等が内設された前面装飾部材によって装飾されている。同前面枠4の前面の下部には上皿51が形成されている。詳しくは、開口窓38の周囲において、左右両側部にサイド装飾装置52が、下部に上皿51が、上部に音響電飾装置53が装着されている。
サイド装飾装置52は、ランプ基板が内部に配置され且つ合成樹脂材によって形成されたサイド装飾体54を主体として構成されている。サイド装飾体54には、横方向に長いスリット状の開口孔が上下方向に複数配列されており、この開口孔には、ランプ基板に配置された光源に対応するレンズ55が組み込まれている。
音響電飾装置53は、透明カバー体56、スピーカ57、スピーカカバー58およびリフレクタ体(図示しない)等を備え、これらの構成部材が相互に組み付けられてユニット化されている。
また、上皿51の左側には、遊技者が操作可能な押しボタン60が設けられている。
[施錠装置の構成について]
図1および図4に基づき説明する。前枠体11のヒンジ機構36に対して反対側となる自由端側の後側には施錠装置70が装着されている。この施錠装置70は、外枠2に対し本体枠3を施錠する機能と、本体枠3に対し前面枠4を施錠する機能とを兼ね備えている。
施錠装置70の構成について詳述すると、施錠装置70は、上下複数の本体枠施錠フック72と、上下複数の扉施錠フック74と、シリンダー錠75と、を備えている。
上下複数の本体枠施錠フック72は、外枠2に設けられた閉止具71に係脱可能に係合して本体枠3を閉じ状態に施錠するものである。上下複数の扉施錠フック74は、前面枠4の自由端側の後側に設けられた閉止具73に係脱可能に係合して前面枠4を閉じ状態に施錠するものである。シリンダー錠75は、パチンコ機1の前方から鍵を挿入することによって解錠操作可能に構成されている。
そして、シリンダー錠75の鍵穴に鍵が挿入されて一方向に回動操作されると、本体枠施錠フック72と外枠2の閉止具71との係合が外れて本体枠3が解錠される。また、本体枠3が開錠される方向とは逆方向に回動操作されることで、扉施錠フック74と前面枠4の閉止具73との係合が外れて前面枠4が解錠される。
[遊技盤装着枠の構成について]
図1、図3、図4および図5を参照しつつ説明する。図3は遊技領域37の構成を示す拡大正面図であり、図5はパチンコ機1の後側全体を示す背面図である。
図1および図4に示すように、本体枠3の遊技盤装着枠12は、前枠体11の後側に設けられており、遊技盤5を前方から着脱交換可能に装着されるようになっている。遊技盤5は、遊技盤装着枠12の前方から嵌込まれる大きさの略四角板状に形成されている(図10参照)。遊技盤5の盤面(前面)には、外レール76と内レール77とを備えた案内レール78が設けられ、その案内レール78の内側に遊技領域37が区画形成されている。
なお、発射レール19と案内レール78との間には、所定の間隙が設けられており、発射された遊技球が案内レール78を逆戻りした場合には、その遊技球は、その隙間から排出され下皿31に案内されるように構成されている。また、遊技盤5の前面には、その案内レール78の外側領域において、合成樹脂製の前構成部材79が装着されている。
また、図3に併せて示されるように、上記遊技領域37のほぼ中央位置には、
・当該遊技領域37を特別入賞口93が設けられる第1の遊技領域37aとその他の第2の遊技領域37bとに区画形成する役物91。
・上記役物91内への遊技球の進入確率が高くなるように開閉動作可能な一対の羽根部材からなる第1の可動片456。などが配設されている。
ここで、役物91は、遊技盤5の中央部に貫設された組付孔に嵌込まれている。役物91の後部および演出表示装置115の表示装置制御基板116を有する表示装置制御基板ボックス117は遊技盤5の後側に突出して配設されている。
一方、図5に示すように、遊技盤5の後側下部であって且つその中央部から下部にわたる部分には、ボックス装着台118が設けられている。このボックス装着台118は、各種入賞装置に流入した遊技球を受け且つその遊技球を所定位置まで導く集合樋としての機能と、ボックス装着部としての機能とを兼ね備えている。
ボックス装着台118には、音声制御基板、ランプ制御基板等の副制御基板119が収納された副制御基板ボックス130が装着されている。
また、この副制御基板ボックス130の後側に重ね合わされた状態で、主制御基板131が収納された主制御基板ボックス132が装着されている。
さらに、遊技盤5の後側に対して装着されたボックス装着台118、副制御基板ボックス130および主制御基板ボックス132は、本体枠3の遊技盤装着枠12の前方から遊技盤5を嵌込んで装着できるように、遊技盤5の外郭より外側にはみ出すことなく配置されている。
[本体枠の機構装着体、球タンクおよびタンクレールの構成について]
図8および図9に基づき説明する。図8はパチンコ機1の本体枠3に各種部材が組み付けられた状態を斜め右上後方から示す斜視図であり、図9は本体枠3単体を斜め右上後方から示す斜視図である。
本体枠3の機構装着体13には、タンク装着部133、レール装着部134および払出装置装着部135等が形成されている。タンク装着部133には、球タンク136が装着されている。
球タンク136は、透明な合成樹脂材よりなり、上方に開口する箱形状に形成されている。これにより、島設備から供給される多数の遊技球が貯留可能となっている。そして、球タンク136の遊技球の貯留状態が球タンク136の後側壁を透して視認可能となっている。また、球タンク136の底板部137の後側隅部には遊技球を放出する放出口138が形成されると共に、底板部137は放出口138に向けて下傾する傾斜面に形成されている。
本体枠3の機構装着体13には、そのタンク装着部133に下方に接近してレール装着部134が一体に形成され、そのレール装着部134にレール構成部材139が装着されることでタンクレール150が構成されるようになっている。すなわち、この実施形態において、レール装着部134は、本体枠3の上部横方向部分が所定深さ凹まされた状態で形成されており、その凹部の奥側壁をタンクレール150の前壁部151とし、その凹部の下縁部に沿って一端(図9に向かって左端)から他端(図9に向かって右端)に向けて下傾する傾斜状のレール棚155が形成されている。そして、レール棚155の横方向に延びる上向き面をレール受け部158としている。
レール装着部134に装着されてタンクレール150を構成するレール構成部材139は、レール装着部134の前壁部151との間にレール通路を構成する後壁部152と、傾斜状をなす下板部と、その下板部の上面の前後方向中央部に沿って突設されレール通路を前後複数列(この実施形態では前後2列)に区画する仕切り壁(いずれも図示しない)とを一体に備えて形成されている。このレール構成部材139は、レール装着部134に対し適宜の取付手段によって装着され、これによって、前後複数列のレール通路を備えたタンクレール150が構成されている。そして、球タンク136の放出口138から放出(自重によって落下)された遊技球がタンクレール150の前後複数列のレール通路の一端部においてそれぞれ受けられた後、遊技球が自重によってレール通路に沿って転動することでレール通路の他端部に向けて流れるようになっている。また、この実施形態において、レール構成部材139は、透明な合成樹脂材より形成され、これによって、レール通路内の遊技球の流れ状態が、レール構成部材139の後壁部152を透して視認可能となっている。
タンクレール150(レール装着部134)の前壁部151は、遊技盤5の後側に突出する装備品(例えば役物91)における後部の上端部との干渉を避けるため第1空間部を隔てた状態で設けられている。また、この実施形態において、本体枠3の後端部となるレール棚155の後端と、タンクレール150の後壁部は、球タンク136の後側壁と略同一面をなしている。言い換えると、球タンク136の後壁部に対しタンクレール150の後壁部が略同一面となる位置までタンクレール150が遊技盤5の後面より後方に離隔して配置されている。これによって、遊技盤5の後側とタンクレール150の前壁部151との間に役物91の後部との干渉を避けるための第1空間部が設けられるようになっている。
また、タンクレール150の上方には、レール通路を流れる遊技球を上下に重なることなく整列させる整流体156がその上部において軸157を中心として揺動可能に装着されている。この整流体156には、その中央部から下部において錘が設けられている。
[払出装置装着部および球払出装置の構成について]
図8および図9に基づき説明する。本体枠3の機構装着体13の片側寄りの上下方向には、次に述べる球払出装置(球払出ユニット)170に対応する縦長の払出装置装着部135が形成されている。払出装置装着部135は、後方に開口部をもつ凹状に形成されている。また、払出装置装着部135の段差状をなす奥壁部(図示しない)の所定位置には、球払出装置170の払出用モータ172(図4参照)が突出可能な開口部173が形成されている。
払出装置装着部135の凹部に球払出装置170が装着された状態において、遊技盤5との間には、第1空間部と前後方向に略同一レベルとなる第2空間部が設けられている。これによって、レール通路と球通路とが前後方向に略同一レベルで配置されている。また、本体枠3の後端、すなわち払出装置装着部135の周壁部後端、レール棚155の後端、球タンク136、タンクレール150および球払出装置170のそれぞれの後面は略同一面をなしている。
球払出装置170は、払出装置装着部135の凹部と略同じ大きさの縦長のボックス形状をなし、払い出しに関する各種部品が装着されることでユニット化されている。なお、球払出装置170は、払出装置装着部135の凹部の後方開口部から嵌込まれて適宜の取付手段(例えば、弾性クリップ、係止爪、ビス等の取付手段)によって装着されるようになっている。
また、図示しないが、球払出装置170は、タンクレール150におけるレール通路の出口にそれぞれ連通する流入口を有する球通路が前後複数列(例えば前後2列)に区画されて形成されている。また、その内部に形成された前後複数列の球通路の下流部が二股状に分岐されて前後複数列の賞球および貸球用球通路と球抜き用球通路とがそれぞれ形成されている。そして賞球および貸球用球通路と球抜き用球通路との分岐部には、遊技球をいずれかの通路に振り分けて払い出すための回転体よりなる払出部材(図示しない)が正逆回転可能に配設されている。
[本体枠の後側下部の装備について]
図4および図5に基づき説明する。本体枠3の前枠体11の後側において、遊技盤装着枠12よりも下方に位置する前枠体11の後下部領域の片側(図5に向かって左側)には、発射レール19の下傾端部の発射位置に送られた遊技球を発射するための発射ハンマー(図示しない)、その発射ハンマーを作動する発射モータ192等が取付基板193に組み付けられてユニット化された発射装置ユニット194が装着されている。なお、遊技球がこうして発射されるときの速度は、上記ハンドル32の操作位置によって調整されるようになっている。また、前枠体11の後下部領域の略中央部には、電源基板195を収容する電源基板ボックス196が装着され、その電源基板ボックス196の後側に重ね合わされた状態で払出制御基板197を収容する払出制御基板ボックス198が装着されている。払出制御基板197は、遊技球を払い出す数を記憶するRAMを備え、主制御基板131から送信される払出用信号に従って遊技球を払い出す制御信号を中継用回路基板(図示しない)に伝達して払出用モータ172を作動制御するようになっている。
[後カバー体の構成について]
図5および図6に基づき説明する。図6はパチンコ機1の後側全体を右上後方から示す斜視図である。遊技盤5後面に配置された表示装置制御基板ボックス117(図10参照)および主制御基板ボックス132の後端部は機構装着体13の中央部に開口された窓開口部に向けて突出している。そして、機構装着体13の窓開口部の一側壁を構成する側壁部と他側壁を構成する払出装置装着部135の片側壁との間には、不透明な合成樹脂材によって略方形の箱形状に形成された後カバー体210がカバーヒンジ機構211によって開閉並びに着脱可能に装着されている。
後カバー体210は、略四角形状の後壁部212と、その後壁部212の外周縁から前方に向けて突出された周壁部213とから一体に構成されている。後カバー体210の周壁部213のうち、一側の壁部213aには、機構装着体13の側壁部の上下および中間の計3箇所に形成されたヒンジ体214のヒンジ孔の上方からそれぞれ着脱可能に嵌込まれるヒンジピン215を下向きに有するヒンジ体216が一体に形成されている。また、後カバー体210の周壁部213のうち、他側の壁部213bには、払出装置装着部135の片側壁に形成された係止孔に弾性的に係合可能な係止爪を有する弾性閉止体217が一体に形成されている。
すなわち、後カバー体210は、その上下および中間のヒンジ体216の各ヒンジピン215が機構装着体13の側壁部のヒンジ体214のヒンジ孔の上方からそれぞれ嵌込まれる。この状態で、ヒンジピン215を中心として後カバー体210が機構装着体13の他側に向けて回動されながら、その弾性閉止体217を払出装置装着部135の片側壁の係止孔に差し込んで弾性的に係合させることで、機構装着体13の後側に後カバー体210が閉じ状態で保持される。そして、後カバー体210によって、遊技盤5後面の表示装置制御基板ボックス117(図10参照)全体および主制御基板ボックス132の略中間部から上端にわたる部分が後カバー体210によって覆われるようになっている。これによって、主制御基板ボックス132の上部に露出された主制御基板131の基板コネクタ(主として表示装置制御基板116と接続するための基板コネクタ)が後方から視認不能に隠蔽されている。
また、主制御基板ボックス132の略中間部から下端にわたる部分は後カバー体210によって覆われることなく露出されている。そして、主制御基板ボックス132の下部には、その主制御基板131上に配置された検査用コネクタ218が露出されており、後カバー体210が閉じられた状態で主制御基板131上の検査用コネクタ218に基板検査装置(図示しない)を接続して検査可能となっている。
後カバー体210には、多数の放熱孔230、231、232、233が貫設されており、これら多数の放熱孔230、231、232、233から内部の熱が放出されるようになっている。この実施形態において、後カバー体210には、その周壁部213から後壁部212に延びる多数のスリット状の放熱孔230が貫設され、後壁部212の略中間高さ位置から上部においては多数の長円形、楕円形等の放熱孔231が貫設され、後壁部212の下部には多数の長円形、楕円形等の放熱孔232と所定数の横長四角形状の放熱孔233が貫設されている。
また、横長四角形状の放熱孔233は、主制御基板ボックス132の封印ねじ(封印部材)によって封印される複数の並列状の封印部235の列の大きさおよび配設位置に対応する大きさおよび位置に貫設されている。これによって、不透明な後カバー体210が閉じられた状態であっても、主制御基板ボックス132の複数の並列状の封印部235が放熱孔233の部分において視認可能に露出される。このため、後カバー体210が閉じられた状態であっても、主制御基板ボックス132の封印部235の封印状態を容易に視認することができる。また、不透明な合成樹脂材は、透明な合成樹脂材と比べ、リサイクル使用される合成樹脂材を材料として用いることが容易であるため、後カバー体210を安価に製作することができる。
後カバー体210の周壁部213のうち、上側壁部213cの所定位置(この実施形態では左右2箇所)には、電源コード(図示しない)を適宜に折り畳んだ状態で保持する略C字状でかつ弾性変形可能なコード保持体237が上方のタンクレール150の後壁面(レール構成部材139の後壁面)に向けて延出されている。このコード保持体237の先端部には、同コード保持体237を弾性変形させて電源コードを取り外すためのつまみが形成されている。
電源コードは、その一端が分電基板238の基板コネクタ239に取り外し可能に接続され、他端の電源プラグが電源コンセントに差し込まれる。前記したように、後カバー体210にコード保持体237を一体に形成して電源コードを保持することで、パチンコ機を運搬、保管する際に電源コードがぶらついて邪魔になったり、異物に引っ掛かる不具合を防止することができる。
[本体枠の後側下部の下皿用球誘導体等の構成について]
図2および図7に基づき説明する。図7は、図6に示すパチンコ機1の斜視図から後カバー体210および各種制御基板等を取り外した状態を示す斜視図である。
本体枠3の後下部領域の他側寄り部分(ヒンジ寄り部分)には、そのスピーカボックス部16の後段差部の凹み部分において下皿用球誘導体253が装着されている。この下皿用球誘導体253は、球払出装置170の賞球および貸球用球通路から上皿連絡路(図示しない)を経て上皿51に払い出された遊技球が満杯になったときに、上皿連絡路の遊技球を下皿31に導くためのものである。
なお、この実施形態において、下皿用球誘導体253の後壁外面には、インタフェース基板252を収納している基板ボックス254が装着されている。なお、インタフェース基板252は、パチンコ機1に隣接して設置される球貸機と払出制御基板197との間に介在され、球貸に関する信号を球貸機と払出制御基板197との間で送受信可能に電気的に接続するようになっている。
[遊技盤の構成について]
前述の通り、図3に示されるように、上記遊技領域37のほぼ中央位置には、
・当該遊技領域37を特別入賞口93が設けられる第1の遊技領域37aとその他の第2の遊技領域37bとに区画形成する役物91。
・上記役物91内への遊技球の進入確率が高くなるように開閉動作可能な一対の羽根部材からなる第1の可動片456。などが配設されている。
ここで、この実施の形態にかかる第1の可動片456は、図11に併せて示すように、キャラクタ体455が両手に把持するメガホンとして形作られており、基本的に図中点線の状態(閉状態)にある。そして、この第1の可動片456が図中点線の状態(閉状態)から図中実線の状態(開状態)になると、上記第2の遊技領域37bに打ち込まれた遊技球が、役物進入口92を通じて上記第1の遊技領域37a内に進入するようになる。なお後述するが、上記第2の遊技領域37bに打ち込まれた遊技球が上記第1の遊技領域37a内に進入するときは、適宜の箇所に設けられた第1のカウントセンサ319によって遊技球の当該第1の遊技領域37aへの進入が検出される。
また、この実施の形態では、上記第1の可動片456は、図12(a)及び(b)に示すように、上記役物91(図11参照)の裏面に配設された第1の可動片用ソレノイド331の駆動によって回動する構成となっている。すなわち、この第1の可動片用ソレノイド331は、図12(a)に示されるオフ状態(図11では点線の状態)にて駆動されると、そのプランジャが直線運動し、図12(b)に示されるオン状態(図11では実線の状態)になる。そして、こうしたプランジャの直線運動がリンク機構470を介して上記第1の可動片456の駆動軸471を回動運動させるようになる。なお、この実施の形態の第1の可動片456では、その先端を互いに離反する方向に回動させることで上記第1の遊技領域37a内に遊技球が進入可能となり、その先端を互いに接近する方向に回動させることで、上記第1の遊技領域37a内への遊技球の進入が不可能となる(図3及び図11参照)。
また、上記遊技領域37のうちの第1の遊技領域37aには、上記特別入賞口93のほか、
・上記特別入賞口93へと通じる2つの通路101a、101b。
・上記第1の可動片456の開閉動作を通じて上記第1の遊技領域37a内に進入した遊技球を上記2つの通路101a、101bのいずれかに供給する振分け装置102。
・上記特別入賞口93へと遊技球を案内する案内口103aを定常的に摺動動作させる第1の特別駆動役物103。
・上記2つの通路101a、101bからそれぞれ供給される遊技球が上記第1の特別駆動役物103が設けられる方向に打ち返されるようにバット部104aを動作させる第2の特別駆動役物104。
・上記バット部104aによって打ち返された遊技球の上記案内口103a(特別入賞口93)への入球確率が低くなるように守備人形105aを動作させる第3の特別駆動役物105(図14参照)。
・上記第2の特別駆動役物104に供給された遊技球が上記案内口103aに入球しなかったときに入球されるハズレ受入口94。等々、が設けられている。
図13は、先の図11と基本的に同様である。ただし、図中の2点鎖線にて示される矢印は、上記第1の遊技領域37a内にて遊技球が転動するときのルートの一部を示したものである。
ここで、同図13に併せて示されるように、上記2つの通路101a、101bのうちの通路101aは、その途中に分岐路1101a、2101aを有している。このような構成では、遊技球が上記分岐路1101a、2101aのいずれを通るかによって、上記第1の特別駆動役物103や、上記第2の特別駆動役物104に遊技球が到達するタイミングをずらすことができるようになる。なお、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、遊技球が当該通路101aを転動するときは、ノーマル(NM)ルート監視センサ322(図38参照)によってその転動が検出されることとなる。
また、この実施の形態にかかる通路101aは、当該通路101aを転動する遊技球を上記第2の特別駆動役物104に供給するにあたり、この遊技球をカップ形状からなる整流部3101aを通過させる構成となっている。また併せて、図14に示されるように、この整流部3101aを通過した遊技球を、上記バット部104aが設けられている板部材106上に落下させることによって、上記第2の特別駆動役物104に供給する構成となっている。このような構成では、遊技球は上記整流部3101aを渦巻状に回転しながら整流されるようになり、こうした整流機能を通じて上記第1の特別駆動役物103や、上記第2の特別駆動役物104に遊技球が到達するタイミングをずらすことができるようになる。なお、上記板部材106は、平面視が扇状の形状を呈しており、上記落下した遊技球が上記バット部104aへと転動する程度の傾斜角度をもって設けられている。また、同板部材106上には案内溝106aが形成されており、当該板部材106上に落下した遊技球は通常、この案内溝106aを通じて上記第2の特別駆動役物104のバット部104aに供給される。
一方、上記2つの通路101a、101bのうちの通路101bには、その途中に当該通路101bを転動する遊技球を一旦停留させる停留機能を有する停留装置107が設けられている。この停留装置107は、図15(a)及び(b)に示すように、上記通路101bの裏側に配設された停留装置用ソレノイド332と、このソレノイド332の駆動によって回動する停留部107aとを備えて構成されている。
ここで、上記停留部107aは、上記停留装置用ソレノイド332が図15(a)に示されるオフ状態にあるとき、上記通路101bを転動する遊技球と干渉しない位置に位置する構成となっている。また、同停留部107aは、上記停留装置用ソレノイド332が図15(a)に示されるオフ状態から図15(b)に示されるオン状態になると、上記通路101b中を転動する遊技球と干渉してこれを停留させるように変位する構成となっている。なお、当該停留装置107は、プランジャの直線運動がリンク機構を介して駆動軸を回動運動させる装置である点では先の図12(a)及び(b)に示した装置と同様である。また、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、遊技球が当該通路101bを転動することを検出するスペシャル(SP)ルート監視センサ323(図38参照)を備えており、このセンサ323による検出に基づいて上記停留装置用ソレノイド332はオン状態に駆動制御される。
このような構成では、上記第1の遊技領域37a内に2つの遊技球が同時に進入し、それら遊技球が上記2つの通路101a、101bを同時に転動するような場合であっても、当該通路101bを転動する遊技球は上記停留装置107により同通路101b中にて停留されるようになる。このため、上記2つの通路101a、101bを同時に転動する遊技球のうちの通路101aを転動する遊技球は、一方の遊技球よりも先に上記第2の特別駆動役物104に供給されるようになる。
また、この実施の形態では、当該通路101bも、上記バット部104aが設けられている板部材106上に遊技球を落下させることによって、上記第2の特別駆動役物104に遊技球を供給する構成となっている。ただし、図16に併せて示されるように、当該通路101bでは、遊技球をカップ形状からなる整流部3101aを通過させることなく、通過口3101bを通じて上記板部材106上に直接落下させる構成となっている。
また、上記振分け装置102は、上記第1の遊技領域37a内に進入した遊技球を上記2つの通路101a、101bのいずれかに振り分ける部分である。
ここで、この実施の形態にかかる振分け装置102は、上記第1の遊技領域37a内に進入した遊技球の経路となる振分け台102aを有しており、この振分け台102aの傾斜角度を変化させることによって上記遊技球を2つの通路101a、101bのいずれかに振り分ける構成となっている。また、この振分け装置102は、図17(a)及び(b)に示すように、上記振分け台102aの裏側に配設された振分け装置用ソレノイド325の駆動によって上記振分け台102aの傾斜角度を可変する構成となっている。より具体的には、上記振分け台102aは、上記振分け装置用ソレノイド325が図17(a)に示されるオフ状態にあるとき、上記2つの通路101a、101bのうちの通路101aに遊技球が供給される傾斜角度となる。また、同振分け台102aは、上記振分け装置用ソレノイド325が図17(b)に示されるオン状態にあるときは、上記2つの通路101a、101bのうちの通路101bに遊技球が供給される傾斜角度となる。なお、この振分け装置102も、プランジャの直線運動がリンク機構を介して駆動軸を回動運動させる装置である点では先の図12(a)及び(b)に示した装置と同様である。
このような構成では、上記振分け装置用ソレノイド325がオフ状態(図17(a))にあるときは、遊技球は、図18中の経路R11を通って上記バット部104aへと向かうようになる。また、上記ソレノイド325がオン状態(図17(b))にあるときは、遊技球は、図19中の経路R12を通って上記バット部104aへと向かうようになる。
また、上記第1の特別駆動役物103は、上記特別入賞口93へと通じる案内口103aを定常的に摺動動作させる部分である。すなわち、図20に示されるように、この第1の特別駆動役物103においては、上記案内口103aに受け入れられた遊技球は、この案内口103aの摺動動作によって上記特別入賞口93が設けられている箇所まで案内される。そしてこの結果、図21に示されるように、この特別入賞口93に遊技球が入球すると、この遊技球は経路R13を通って上記第1の遊技領域37aから排出されるようになる。一方、図22及び図23に示されるように、上記案内口103aに受け入れられなかった遊技球は、経路R14、R15を通って上記ハズレ受入口94に受け入れられることとなる。
なお、この実施の形態では、当該第1の特別駆動役物103は、図24に示すように、上記案内口103aが設けられる部材と、ねじ溝が切られた摺動軸SH1とを備え、その摺動軸SH1のねじ溝に上記案内口103aが設けられる部材がかみ合って構成されている。また、同第1の特別駆動役物103は、上記摺動軸SH1が回動するとき、上記案内口103aがその軸方向に沿って移動するように該案内口103aが設けられる部材をガイドするガイド軸SH2を備えている。そして、特別駆動モータ334の回転軸に固定されたギアG2を上記摺動軸SH1の一端に形成されているギアG1と噛合した状態で上記特別駆動モータ334を駆動することによって、上記案内口103aを定常的に摺動動作させるようにしている。また、この実施の形態では、後述の主制御基板131(図38参照)が、フォトセンサ324により上記案内口103aの位置を検出し、この検出に応じて上記特別駆動モータ334の正逆回転にかかる駆動制御を行う。これにより、上記案内口103aは、図25(a)〜(c)に示されるように、予め定められた領域内でその摺動動作が行われるようになる。
さらに、この実施の形態では、フォトセンサ324の検出にもとづいてタイマの計測を行っている。具体的には、図25(a)で演出判定タイマの計測を開始し、再び図25(a)の位置に戻ったときに演出判定タイマをリセットするとともに計測を再開する。なお、図25(a)から図25(c)及び図25(c)から図25(a)への移動期間は「1920ms」、図25(a)及び図25(c)の状態での停止期間は「680ms」、とされ、案内口103aの1回の往復に要する期間は「5200ms」となっている。これにより演出判定タイマの値を参照することにより上記案内口103aの位置を把握できるようになる。
また、上記第2の特別駆動役物104は、図26に示されるように、そのバット部104aが上記板部材106の裏側に配設されたバット駆動用ソレノイド335の駆動によって回動する構成とされている。より具体的には、同バット部104aは、上記バット駆動用ソレノイド335が図26(a)に示されるオフ状態から図26(b)に示されるオン状態になるとき、上記板部材106上を反時計回りにて回転動作する。なお、この第2の特別駆動役物104も、プランジャの直線運動がリンク機構を介して駆動軸を回動運動させる装置である点では先の図12(a)及び(b)に示した装置と同様である。
このような構成では、上記2つの通路101a、101bからそれぞれ供給される遊技球は、図27に示されるように、上記バット部104aにより打ち返され、上記板部材106上を上記案内口103aが設けられる方向へ転動するようになる。そして、こうして打ち返された遊技球が上記案内口103aを介して上記特別入賞口93に入球すると、遊技者にとって有利な特別遊技が行われるようになる。ただし、遊技球は、上記バット部104aに到達するタイミングと、該バット部104aが動作するタイミングとの関係によっては、図28に示されるように、同バット部104aにより打ち返されることなく、上記ハズレ受入口94に受け入れられるような場合もある。なお、図27及び図28中の2点鎖線にて示される矢印は、上記バット部104aにより打ち返された遊技球が上記板部材106上を転動するときの経路を示したものである。
ちなみに、遊技球が上記特別入賞口93に入球するときは、適宜の箇所に設けられた大当たり受入センサ329(図38参照)によって遊技球の上記特別入賞口93への入球が検出される。また、上記バット部104aにより打ち返された遊技球が上記ハズレ受入口94に入球するときは、適宜の箇所に設けられたハズレ受入センサ330(図38参照)によって遊技球の上記ハズレ受入口94への入球が検出されることとなる。
また、後述するが、この実施の形態では、上記第2の特別駆動役物104は、上記2つの通路101a、101bからそれぞれ供給される遊技球に対し、上記バット部104aの動作態様を該当する遊技球の供給元である通路の別に異ならしめるようにしている。このような構成では、上記停留装置107とも相まって、上記2つの通路101a、101bを同時に流下する遊技球の上記特別入賞口93への入賞確率を各々該当する遊技球の供給元である通路の別に異ならしめることができるようになる。
また、上記第3の特別駆動役物105は、図29(a)及び(b)に示されるように、上記守備人形105aのほか、
・守備人形用モータ326の回転軸に固定されたギアG3と噛合されるとともに該守備人形用モータ326の駆動によって前後に摺動する摺動部材105b。
・「く」の字状に設けられるとともに、その一端が連結軸105cを介して上記摺動部材105bと回動可能に連結される連結部材105d。
・上記守備人形105aを支持するものであり、上記連結部材105dの他端から上記板部材106のガイド孔106bに挿通されるかたちで設けられる支持部材105e。などを備えている。このような構成では、上記守備人形用モータ326を駆動させることによって、上記守備人形105aは上記板部材106上を円弧状に回動するようになる。すなわち、このような守備人形105aの動作によって、図30及び図31に示されるように、上記バット部104aによって打ち返された遊技球の経路を大きく異ならしめることができるようになる。
一方、上記遊技領域37のうちの第2の遊技領域37bには、
・風車80(80a、80b)。
・所定のゲージ配列をなす多数の障害釘81(一部、図示略)。
・始動口96。
・始動ゲート97。
・大入賞口装置85。
・上記役物91の上側から上記始動口96の直上の領域まで通ずるワープ通路88。
・アウト口89。等々、が設けられている。
ここで、図中右側に配設される風車80aは、図32に示されるように、当該風車80aに供給される遊技球が2つの経路R1、R2のいずれかを通るように機能する部分である。なお、上記2つの経路R1、R2のうちの経路R1が、上記始動口96へと通ずる経路であり、経路R2が、上記始動ゲート97へと通ずる経路である。
また、図中左側に配設される風車80bは、図33に示されるように、当該風車80bに供給される遊技球が2つの経路R3、R4のいずれかを通るように機能する部分である。なおここでは、上記2つの経路R3、R4のうちの経路R3が、上記始動ゲート97へと通ずる経路であり、経路R4が、上記始動口96へと通ずる経路である。
また、上記始動口96は役物91の下方に配置されている。この始動口96は、開閉動作を行う第2の可動片99を備えて構成されている。この第2の可動片99は、第2の可動片用ソレノイド327(図38参照)の駆動により開放される。
また、遊技球が上記始動口96に入球(いわゆる始動入賞)されたときは、始動口センサ318によって遊技球の入球が検出される。そしてこのとき、後述の主制御基板131(図38参照)は、これも後述の特別図柄表示装置121aに表示される特別図柄を所定の時間だけ変動表示制御するとともに、予め定められた数値範囲内で更新される乱数に基づいて上記特別図柄の変動表示停止時における表示態様についての抽選処理を行うこととなる。なお、上記特別図柄の変動表示停止時における表示態様についての抽選処理を行うことにより、上記特別遊技の実行契機となる大当たり(いわゆるデジパチ当たり)、及び第1の可動片456の動作契機(補助遊技の実行契機)となる小当たりのうち一方に決定される。そしてその後は、上記第1の可動片456の開閉動作(補助遊技)や上記特別遊技など、この抽選結果に応じた処理を行うこととなる。
ここで、上記特別図柄の変動表示制御は、遊技盤5の下部右側に設けられている特別図柄表示装置121aにて行われる。
図34は、図1の特別図柄表示装置121a近傍の一区画を拡大して示したものである。
同図34に示されるように、この実施の形態では、上記特別図柄表示装置121aは、7セグメントLED、及びドットLEDによって構成されている。すなわち、上記特別図柄の変動表示制御は、これら8つのLEDが各別に点滅されることによって行われる。そして後述するが、こうした変動表示制御が所定の時間だけ行われた後は、上記特別図柄の変動表示停止時における表示態様についての抽選処理の結果が上記特別図柄表示装置121aとしての8つのLEDの表示態様(点灯の組み合わせ)によって表示され、遊技者に報知されることとなる。なお、特別図柄表示器121aの表示態様は、抽選処理の結果各々に対応して複数種類設けられている。そのため、特別図柄表示装置121aの表示態様から抽選処理の結果を把握することは困難である。
また、この実施の形態では、こうした特別図柄の変動表示停止時における表示態様についての抽選処理の結果は、演出表示装置115にも、例えば動画や映像等の演出とともに、特別図柄に対応した装飾図柄として表示されるようになっている。なお、装飾図柄は特別図柄の変動表示を開始するときに変動表示を開始して特別図柄の変動表示を停止するときに装飾図柄の変動表示を停止する、換言すると特別図柄の変動表示に同期して変動表示するように構成されるが、装飾図柄の停止図柄からは特別図柄の変動表示の抽選結果を容易に把握できないようになっている。具体的には、装飾図柄を演出表示装置115の左上端部に縮小表示するとともに、特別図柄の停止図柄に対応する装飾図柄の停止図柄を複数種類設けることにより、装飾図柄の停止図柄から特別図柄の変動表示の抽選結果を容易に把握できないようにしている。また、装飾図柄を液晶表示装置115に全く表示しないことにより特別図柄の抽選結果を把握し難くするようにしてもよい。すなわち、演出表示装置115に表示される装飾図柄から特別図柄の抽選結果を容易に把握できないように構成するものであればその態様(例えば表示の有無、表示位置)は問わない。また、演出表示装置115の表示面は役物91の後側においてその開口窓に臨んで装着されている。
また、この特別図柄表示装置121aの上側には、左右2連のLEDからなる特別保留数表示装置121bが設けられている。すなわち、この実施の形態では、後述の主制御基板131(図38参照)は、上記特別図柄の変動表示制御を行うにあたり、当該変動表示制御を一旦保留の状態とするものとなっており、当該特別保留数表示装置121bには、この保留の状態にある変動表示制御の数である特別図柄の保留数が表示される。なお、この実施の形態では、上記特別図柄の変動表示制御は、最大4つまで保留され、その保留数(「0」〜「4」)は、上記特別保留数表示装置121bとしての2つのLEDの点灯態様(点灯、点滅、消灯など)をもって遊技者に報知される。
また、これも後述するが、遊技球が上記始動ゲート97を通過したときは、ゲートセンサ317によって遊技球の通過が検出される。そしてこのときは、上記主制御基板131(図38参照)が、後述の普通図柄表示装置122aに表示される普通図柄を所定の時間だけ変動表示制御するとともに、予め定められた数値範囲内で更新される乱数に基づいて上記普通図柄の変動表示停止時における表示態様についての抽選処理を行う。そして、この抽選処理の結果に応じて上記第2の可動片99の開閉動作を第2の可動片用ソレノイド327(図38参照)の駆動によって実行することとなる。
なお、こうした普通図柄の変動表示制御は、遊技盤5の下部左側に設けられている普通図柄表示装置122aにて行われる。
図35は、図1の普通図柄表示装置122a近傍の一区画を拡大して示したものである。
同図35に示されるように、この実施の形態にかかる普通図柄表示装置122aは、左右2連のLEDを備えて構成されている。すなわち、上記普通図柄の変動表示制御は、これら2つのLEDが各別に点滅されることによって行われる。そして、この変動表示制御が所定の時間だけ行われた後は、上記普通図柄についての抽選処理の結果が、上記普通図柄表示装置122aとしての2つのLEDの表示態様(点灯の組み合わせ)によって表示され、遊技者に報知されることとなる。
また、この普通図柄表示装置122aの上側には、同じく左右2連のLEDからなる普通保留数表示装置122bが設けられている。すなわち、この実施の形態では、後述の主制御基板131(図38参照)は、上記普通図柄の変動表示制御を行うときもこの変動表示制御を一旦保留の状態とするものとなっている。そして、当該普通保留数表示装置122bには、この保留の状態にある変動表示制御の数である普通図柄の保留数が表示される。なお、上記普通図柄の変動表示制御も、最大4つまで保留され、その保留数(「0」〜「4」)は、上記普通図柄表示装置122aとしての2つのLEDの点灯態様(点灯、点滅、消灯など)をもって遊技者に報知される。
また、上記大入賞口装置85は、当該第2の遊技領域37bにて開閉動作する開閉部材86と、この開閉部材86による開閉動作を通じて同じく第2の遊技領域37bにて開放される大入賞口87とを備えて構成されている。この実施の形態では、上記始動口96への遊技球の入球による特別図柄の変動表示停止時における表示態様についての抽選処理の結果が予め決められた特定の停止図柄を示すとき(大当たり(いわゆるデジパチ当たり);大当たりA,大当たりB)、若しくは、上記第2の遊技領域37bに打ち込まれた遊技球が上記第1の可動片456の開閉動作を通じて上記第1の遊技領域37a内に進入し、該進入した遊技球が上記特別入賞口93に受け入れられた(V入賞した)とき(いわゆる羽根物当たりのとき)、上記開閉部材86による開閉動作を通じた上記大入賞口87の開放(大入賞口87への遊技球の入賞を可能にする大入賞口装置85の開放状態と大入賞口87への遊技球の入賞を困難にする大入賞口装置85の閉鎖状態とに変化すること)により遊技者にとって有利な特別遊技が行われる。
すなわち、上記大当たり(デジパチ当たり)であるときに行われる特別遊技は、例えば上記開閉部材86を一定パターンで開閉させることで大入賞口装置85を閉鎖状態と開放状態とに変化させる動作を主要遊技とするとき、補助遊技と同様の遊技(疑似補助遊技ともいう)から続く一連の遊技として主要遊技を行うものと、補助遊技と同様の遊技を経ることなく主要遊技を行うものと、がある。なお後述するが、この特別遊技時に行われる疑似補助遊技と主要遊技とを総称してラウンド遊技といい、該ラウンド遊技の実行回数は、上記始動口96に遊技球が入球(始動入賞)されるとき(より正確には、上記始動口センサ318による検出があったとき)に上記主制御基板131により取得される乱数(この例では、図柄決定用乱数)に基づいて抽選されるものであり、この実施の形態では、「2回」と、「15回」とのいずれかが抽選される。そして、大当たり(デジパチ当たり)であるときにラウンド遊技の実行回数として「15回」に決定されていれば、補助遊技と同様に第1の可動片456を予め決められた開放パターン(図56に示すように、第1の可動片456を0.3秒間(図56中には300msと記載)開状態に制御するパターンと、第1の可動片456を0.4秒間(図56中には400msと記載)開状態に制御するパターンと、第1の可動片456を0.5秒間(図56中には500msと記載)開状態に制御するパターンと、第1の可動片456を1.3秒間(図56中には1300msと記載)開状態に制御するパターンと、のうちステップS204で決定された開放パターン)で開閉動作した後に、上記主要遊技を14回繰り返し実行することによって上記特別遊技が行われ、大当たり(デジパチ当たり)であるときにラウンド遊技の実行回数として「2回」に決定されていれば、補助遊技と同様の遊技を経ることなく上記主要遊技を2回繰り返し実行することによって上記特別遊技が行われる。なお、大当たり(デジパチ当たり)であるときにラウンド遊技の実行回数として「2回」に決定されたときに実行される特別遊技では、ラウンド遊技の実行回数として「15回」に決定されたときに実行される特別遊技とは異なる態様で主要遊技が実行される。具体的には、大当たり(デジパチ当たり)であるときにラウンド遊技の実行回数として「2回」に決定されたときに実行される特別遊技のうちの主要遊技では、ラウンド遊技の実行回数として「15回」に決定されたときに実行される特別遊技よりも短い時間だけ大入賞口87を開放状態する。この例では、ラウンド遊技の実行回数として「15回」に決定されたときに実行される特別遊技のうちの主要遊技では最大30秒間大入賞口87を開放状態にするのに対し、ラウンド遊技の実行回数として「2回」に決定されたときに実行される特別遊技のうちの主要遊技では最大0.5秒間大入賞口87を開放状態にする。そのため、ラウンド遊技の実行回数として「2回」に決定されたときに実行される特別遊技のうちの主要遊技では、大入賞口87へ遊技球が入賞する確率が低くなり、極めて少ない賞球の払い出ししか望めないものとなっている。また、本例では、大当たり(デジパチ当たり)となったときにラウンド遊技の実行回数として「2回」に決定された場合には大当たり(デジパチ当たり)となったことを通知しないとともに短い時間で特別遊技を終了して特別遊技が実行されたことを悟られ難くすることで、特別遊技の終了後に時短状態に制御された場合には突然時短状態が発生したかのような印象を与えることができるようになっている。なお、時短状態の制御に限らず特別遊技の終了後に上記始動口96への遊技球の入球による特別図柄の変動表示停止時における表示態様についての抽選処理の結果が予め決められた特定の停止図柄となる確率を通常よりも高める制御(例えば、通常は300分の1の確率で大当たり(デジパチ当たり)とすると判定し、確率を向上させたときには30分の1の確率で大当たり(デジパチ当たり)とすると判定する制御;確率向上制御)を実行するようにしてもよい。
他方、上記第2の遊技領域37bに打ち込まれた遊技球が上記第1の可動片456の開閉動作を通じて上記第1の遊技領域37a内に進入し、該進入した遊技球が上記特別入賞口93に受け入れられた(V入賞した)とき(羽根物当たり)に行われる特別遊技は、補助遊技から続く一連の遊技として行われるものである。すなわち、上記第1の可動片456を予め決められた開放パターン(図56に示すように、第1の可動片456を0.3秒間(図56中には300msと記載)開状態に制御するパターンと、第1の可動片456を0.4秒間(図56中には400msと記載)開状態に制御するパターンと、第1の可動片456を0.5秒間(図56中には500msと記載)開状態に制御するパターンと、第1の可動片456を1.3秒間(図56中には1300msと記載)開状態に制御するパターンと、のうちステップS204で決定された開放パターン)で開閉動作する補助遊技を、いわば1回の主要遊技とし、上記特別入賞口93に遊技球が入球したことを条件に上記補助遊技に続くかたちで上記大入賞口装置85において主要遊技が任意の回数だけ繰り返し実行される。なお後述するが、こうした補助遊技に続く一連の遊技として行われる特別遊技の主要遊技と補助遊技とを総称してラウンド遊技といい、該ラウンド遊技の実行回数は、上記始動口96に遊技球が入球(始動入賞)されるとき(より正確には、上記始動口センサ318による検出があったとき)に上記主制御基板131により取得される乱数(この例では、図柄決定用乱数)に基づいて抽選されるものであり、この実施の形態では、「3」、「7」、「15」のいずれかが抽選される。すなわち、上記大入賞口装置85では、これら「3」、「7」、「15」から「1」減算した「2」、「6」、「14」の回数の主要遊技が行われることとなる。
このように、この実施の形態では、上記第1の可動片456の開閉動作を通じて上記第1の遊技領域37a内に進入した遊技球が上記特別入賞口93に受け入れられたときも、上記開閉部材86による開閉動作を通じた上記大入賞口87の開放によって上記特別遊技を行うこととしている。このため、補助遊技の際に遊技者に払い出される賞球の数、より具体的には上記特別入賞口93が設けられる第1の遊技領域37a内に遊技球が進入したときに遊技者に払い出される賞球の数を積極的に減らすことができるようになり、ひいては要求される始動性も適切に確保されるようになる。ちなみに、この実施の形態では、上記第2の遊技領域37bに打ち込まれた遊技球が上記始動口96に受け入れられるときに遊技者に払い出される賞球の数が「3」、上記第2の遊技領域37bに打ち込まれた遊技球が上記第1の可動片456の開閉動作を通じて上記第1の遊技領域37a内に進入するときに遊技者に払い出される賞球の数が「3」、上記第2の遊技領域37bに打ち込まれた遊技球が上記大入賞口87に受け入れられるときに遊技者に払い出される賞球の数が「9」にそれぞれ設定されている。
しかも、この実施の形態では、上記始動口96に遊技球が受け入れられるとき(始動入賞時)に乱数(図柄決定用乱数)を取得し、この乱数に基づいて上記大当たり(デジパチ当たり)及び上記第1の可動片456の動作契機(小当たり)となる上記特別図柄の変動表示停止時における表示態様にかかる抽選処理を行うようにしている。すなわち、上記特別図柄の変動表示停止時における表示態様それぞれには、大当たり(デジパチ当たり)とするか否かと、大当たりとしない(本例では小当りとする)場合の第1の可動片456の駆動継続時間及び駆動タイミング等に対応して関連付けされるかたちで記憶され、始動口96に遊技球が受け入れられるときに取得した乱数(図柄決定用乱数)に基づいて特別図柄の変動表示停止時における表示態様を決定することにより大当たり(デジパチ当たり)とするか否か、大当たりとしない(本例では小当りとする)場合の第1の可動片456の駆動継続時間及び駆動タイミング等が決定される。このような遊技機では、同一の始動口96への入賞であっても、上記取得される乱数の値に応じて上記特別図柄の変動表示停止時における表示態様を異ならせることができるため、大当たり(デジパチ当たり)とするか否か、大当たりとしない(本例では小当たりとする)場合に第1の可動片456の駆動継続時間及び駆動タイミングがその都度可変設定され、バリエーションに富む演出を実現することができるようになる。なお後述するが、上記第2の遊技領域37bに打ち込まれた遊技球が上記大入賞口87に入球するときは、適宜の箇所に設けられた第2のカウントセンサ320(図38参照)によって遊技球の当該大入賞口87内への入球が検出される。また、上記開閉部材86は、大入賞口用ソレノイド328(図38参照)の駆動制御によって開閉動作する構成となっている。
ところで、このような第2の遊技領域37bでは、遊技球は、図36に示されるように、上記役物91の上側から転動する。そして、同遊技球は通常、上記役物91の外壁に沿うように該役物91の下側まで転動し、上記始動口96や、上記アウト口89などへの入球によってこの第2の遊技領域37bから排出されることとなる。ただし、図37に示されるように、上記役物91の上側から上記ワープ通路88内に入球した場合には、同遊技球は、上記始動口96の直上の領域まで当該ワープ通路88により案内されつつ転動することとなる。
このようなパチンコ機1では、遊技者はまず、上記始動口96に遊技球が受け入れられるようにハンドル32を操作する。そしてこの結果、上記始動口96に遊技球が受け入れられると、図3中点線の状態にある第1の可動片456が図3中実線の状態となり、これによって上記第1の遊技領域37aが予め定められた時間だけ開放される補助遊技が行われるようになる。そこで、遊技者は、上記始動口96に遊技球が受け入れられた後は、上記第1の遊技領域37a内に遊技球が入球するようにハンドル32を操作する。そしてこの結果、上記第1の遊技領域37a内に遊技球が入球すると、この入球した遊技球は、上記通路101a、101bのいずれかを通じて上記バット部104aに供給される。そして、この遊技球が上記バット部104aにより打ち返され、この打ち返された遊技球が上記案内口103a、さらには上記特別入賞口93に入球されると、多くの賞球が遊技者に払い出される特別遊技が上記第2の遊技領域37bに設けられた大入賞口87の開放によって行われるようになる。
上述の通り、上記開閉部材86の開閉動作によって開放される上記大入賞口87に遊技球が入球するときは、上記補助遊技の際に払い出される賞球の数よりも多いため、遊技者は、この特別遊技が行われる状態にあるときは、この特別遊技が行われないときよりも多くの賞球を獲得可能である。なお、こうした開閉部材86の開閉動作を通じた主要遊技の終了条件は、例えば上記大入賞口87内に遊技球が9個だけ入球すること、及び当該主要遊技の開始から予め定められた時間(ラウンド遊技の実行回数として「2回」に決定されている場合には0.5秒、「15回」に決定されている場合には30秒)が経過すること、のいずれかの条件が満たされることなどである。
次に、このようなパチンコ機1についての電気的に構成を詳述する。
[パチンコ機の電気的構成について]
図38は、この実施の形態にかかるパチンコ機1の電気的構成をブロック図として示したものである。
パチンコ機1は、大きくは、主基板310と、周辺基板311とを備えて構成されている。
ここで、上記主基板310は、
・遊技球の検出。
・上記特別図柄の可変表示停止時における表示態様にかかる抽選処理。
・特別図柄についての変動表示制御。
・賞球の払い出しにかかる制御(払い出し制御)。
・パチンコ機1の管理に必要な情報(羽根物当たりとなったことを示す羽根物当たり情報、上記始動口96への遊技球の入球による特別図柄の変動表示停止時における表示態様についての抽選処理の結果として予め決められた特定の停止図柄となった場合に大当たり(デジパチ当たり)となったことを示す大当たり情報、特別図柄表示装置121aでの特別図柄の変動表示の実行回数(表示結果の導出回数)を示す図柄確定情報、小当たり時に第1の遊技領域37a内に進入した遊技球の個数(第1のカウントセンサ319によって検出した遊技球の個数)を示す大入賞口進入情報、小当たり時における第1の可動片456の開放回数を示す役物作動回数情報、遊技者に払い出された賞球数を示すメイン賞球情報、不正行為の発生(磁気検出、振動検出、入賞異常検出等)を示すセキュリティ情報)を、外部端子板500(図38に符号のみ記載)を介してパチンコ機1の外部(例えば遊技場に設置してあるホール管理用コンピュータ)に出力する制御。等々、遊技が予め定められたルールに従って進行するよう各種の制御を行う部分である。
一方、上記周辺基板311は、
・発光装飾。
・音響出力。
・液晶表示。等々、上記主基板310によって進行される遊技に各種の演出を付加し、これによって遊技の興趣の向上を図る部分である。
[主基板について]
主基板310は、主制御基板131と払出制御基板197とから構成されている。そしてこのうち、上記主制御基板131は、中央演算装置としてのCPU314、読み出し専用メモリとしてのROM315、読み書き可能メモリとしてのRAM316を備えている。
ここで、上記CPU314は、上記ゲートセンサ317、及び上記始動口センサ318、及び上記第1のカウントセンサ319、及び上記第2のカウントセンサ320、及び上記SPルート監視センサ323、及びNMルート監視センサ322、及び上記フォトセンサ324、及び上記大当たり受入センサ329、及び上記ハズレ受入センサ330など、各種のセンサからの検出信号に基づいて上記ROM315に格納されている制御プログラムを実行する部分である。すなわち、こうした制御プログラムの実行を通じて、上記第1の可動片用ソレノイド331、及び上記第2の可動片用ソレノイド327、及び上記停留装置用ソレノイド332、及び上記振分け装置用ソレノイド325、及び上記特別駆動モータ334、及び上記バット駆動用ソレノイド335、及び上記守備人形用モータ326、及び上記大入賞口用ソレノイド328など、各種のアクチュエータに適宜に駆動信号が出力されるようになり、これによって当該パチンコ機1にて行われる各種の遊技が予め定められたルールに従って進行するようになる。なお、後述するが、この主制御基板131のCPU314は、上記特別図柄表示装置121a、及び上記特別保留数表示装置121b、及び上記普通図柄表示装置122a、及び上記普通保留数表示装置122bの表示制御や、上記周辺基板311、及び上記払出制御基板197に遊技の進行状況を示す信号(演出コマンド、及びコマンド)を出力することも行う。
また、上記RAM316は、上記主制御基板131で実行される種々の処理において生成される各種のデータやフラグ、入力信号等の情報が一時的に記憶される部分である。なお、この実施の形態にかかる主制御基板131では、上述の特別図柄の保留数をカウンタ値として記憶保持する特別保留数カウンタ、及び上述の普通図柄の保留数をカウンタ値として記憶保持する普通保留数カウンタを備えており、当該RAM316にはこれらカウンタによるカウンタ値もそれぞれ格納される。
一方、上記払出制御基板197は、上記主制御基板131からのコマンドに基づいて球払出装置170に駆動信号を出力する部分であり、大きくは、中央演算装置としてのCPU333、読み出し専用メモリとしてのROM334および読み書き可能メモリとしてのRAM335を備えて構成されている。
ここで、上記ROM334には、遊技の進行状況に応じて遊技者に賞球を払い出すための制御プログラムが格納されている。より具体的には、この制御プログラムには、上述の通り、
・上記始動口96への遊技球の入球を示す信号が上記主制御基板131から入力されることに基づいて3個の遊技球を払い出す。
・上記第1の遊技領域37a内への遊技球の進入を示す信号が上記主制御基板131から入力されることに基づいて3個の遊技球を払い出す。
・上記大入賞口87への遊技球の入球を示す信号が上記主制御基板131から入力されることに基づいて9個の遊技球を払い出す。等々、が規定されている。すなわち、このような制御プログラムの実行を通じて、上記CPU333は、上記球払出装置170に駆動信号を出力する。これにより、上記球払出装置170が、こうした制御プログラムに従って遊技者に賞球を払い出すようになる。
なお、後述するが、これら主制御基板131と払出制御基板197との間では、それぞれの入出力インタフェースを介して双方向通信が実施される。例えば、上記主制御基板131が賞球コマンドを送信すると、これに応えて払出制御基板197から主制御基板131にACK(Acknowledge)信号が返される。
[周辺基板について]
一方、周辺基板311には、サブ統合基板336のほかに例えば複数の電飾制御基板337,338や波形制御基板339等が含まれる。上記の主制御基板131とサブ統合基板336との間では、それぞれの入出力インタフェースと入力インタフェースとの間で一方向だけの通信が行われており、主制御基板131からサブ統合基板336へのコマンドの送信はあっても、その逆は行われない。
サブ統合基板336も、CPU350をはじめROM351やRAM352等の電子部品を有しており、これら電子部品によって所定の演出制御プログラムを実行する。サブ統合基板336とその他の電飾制御基板337,338や波形制御基板339との間では、それぞれの入出力インタフェースとの間で双方向に通信が行われる。
1つ目の電飾制御基板337には、主にサイド装飾装置52(図2参照)等を含む装飾ランプ353が接続されている。サブ統合基板336から電飾制御基板337に対して装飾ランプ353の点灯信号が送信されると、これを受けて電飾制御基板337が装飾ランプ353を点灯させる処理を行う。
2つ目の電飾制御基板338には、演出表示装置115および演出ランプ354が接続されている。例えばサブ統合基板336から演出表示装置115に対する表示コマンドが電飾制御基板338に送信されると、これを受けて電飾制御基板338は実際に演出表示装置115を作動させる処理を行う。
波形制御基板339は、音響出力としての可聴音波のほか、不可聴である超音波等の波形信号を生成、送受信する処理を実行している。例えば、サブ統合基板336から音響出力コマンドが波形制御基板339に送信されると、これを受けて波形制御基板339は上記のスピーカ18、57を駆動する処理を行う。このほかにも、波形制御基板339には超音波送受信装置356が接続されており、この超音波送受信装置356は、複数の台間で超音波による通信を可能とする。通常、ホールの島設備には複数台のパチンコ機1が並べて設置されるが、超音波送受信装置356を装備しているパチンコ機1同士の間では、相互に超音波通信が可能となる。この通信機能を用いて、複数のパチンコ機1で演出動作をシンクロナイズさせたり、特定の台間で遊技情報の交換を行ったりすることができる。
なお、これら電飾制御基板337、338および波形制御基板339も、それぞれ、中央演算装置としてのCPU357、358、359、読み出し専用メモリとしてのROM370、371、372および読み書き可能メモリとしてのRAM373、374、375を備えている。
次に、主制御基板131と払出制御基板197との間の通信処理について、その一例を説明する。なお、信号名の先頭に「♯」が付されているものは、負論理であることを意味している。「ハイレベル」は2値信号の2つのレベルのうち「1」レベルを意味し、「ローレベル」は「0」レベルを意味している。
[主制御基板と払出制御基板との通信について]
主制御基板131と払出制御基板197との間では、種々のコマンドがシリアル転送によって送信される。コマンドを正常に受信した基板は、コマンドを送信した基板に対して、正常にコマンドを受け取ったことを伝えるACK信号を送信する。主制御基板131から払出制御基板197に対する主なコマンドとしては、遊技球の払い出しに関するコマンドや、払出制御基板197に動作状態の報告を指示するコマンドがある。遊技球の払い出しに関するコマンドとしては、例えば、遊技球の払い出し個数を指定するコマンドの他、遊技球の払い出しの開始を指示するコマンドや、遊技球の払い出しの停止を指示するコマンドなどが考えられる。払出制御基板197から主制御基板131に対する主なコマンドとしては、払出制御基板197の動作状態を伝えるコマンドがある。
図39は、主制御基板131および払出制御基板197の電気的な構成をより詳細に示したブロック図である。
主制御基板131のCPU314は、当該主制御基板131における種々の演算処理を行うCPUとして、外部とのシリアル通信機能およびパラレル通信機能を有する。
CPU314には、演算処理を行う演算処理部390と、外部とのシリアル通信を行うシリアル通信ユニットとしてのシリアルIF部391と、外部とのパラレル通信を行うパラレルIF部392とが回路構成されている。払出制御基板197とのコマンドのやり取りは、シリアルIF部391を介して行われ、払出制御基板197とのACK信号のやり取りは、パラレルIF部392を介して行われる。
シリアルIF部391は、演算処理部390からパラレルデータTDaを受け取り、該データを記憶する送信バッファレジスタ393と、送信バッファレジスタ393に記憶されたデータを受け取り、該データをシリアルデータDabに変換して払出制御基板197にシリアル転送する送信シフトレジスタ394と、払出制御基板197からシリアルデータDbaを受け取り、該データを記憶する受信シフトレジスタ395と、受信シフトレジスタ395に記憶されたデータを受け取り、該データを演算処理部390によってパラレルデータRDaとして読み出し可能に記憶する受信バッファレジスタ396と、シリアルIF部391における各部の動作状態を管理するシリアル管理部397とを備え、これらを1チップに集積して構成されている。送信バッファレジスタ393および送信シフトレジスタ394,受信シフトレジスタ395,受信バッファレジスタ396は、それぞれ、1バイトの記憶容量を有するレジスタである。
シリアル管理部397は、送信シフトレジスタ394および送信バッファレジスタ393に関して、送信シフトレジスタ394がシリアル転送中でない場合に、送信バッファレジスタ393から送信シフトレジスタ394へのデータの受け渡しを許可し、該受け渡し後に、該データを送信バッファレジスタ393から消去するように回路構成されている。
シリアル管理部397は、受信シフトレジスタ395および受信バッファレジスタ396に関して、受信バッファレジスタ396にデータが記憶されていない場合に、受信シフトレジスタ395から受信バッファレジスタ396へのデータの受け渡しを許可し、演算処理部390が受信バッファレジスタ396からパラレルデータRDaを読み出した後に、受信バッファレジスタ396からデータを消去するように回路構成されている。
なお、シリアルIF部391によるシリアル転送の転送レートは、CPU314を動作させるためのクロック信号を分周した信号に基づいて決定される。この転送レートを決定するクロック信号の分周比は、シリアルIF部391が有するレジスタ(図示しない)の値によって設定することができる。
演算処理部390は、送信バッファレジスタ393に対して書き込み信号♯WRaを立ち上げることによって、送信バッファレジスタ393へりパラレルデータTDaの書き込みを行い、受信バッファレジスタ396に対して読み出し信号♯REaを立ち上げることによって、受信バッファレジスタ396からのパラレルデータRDaの読み出しを行う。
演算処理部390は、シリアルIF部391における種々の状態を示す信号を、シリアル管理部397から受ける。演算処理部390がシリアル管理部397から受ける信号としては、送信バッファレジスタ393がクリアされている際にハイレベルとされる送信バッファ空き信号TEaと、送信シフトレジスタ394がシリアル転送中である際にハイレベルとされるシリアル転送中信号TCaと、受信バッファレジスタ396にデータが記憶されている際にハイレベルとされる受信データあり信号DFaとがある。
図39に示すように、払出制御基板197は、払出制御基板197における種々の演算処理を行うCPU333(払出CPU)と、外部とのシリアル通信を行う回路が形成されたシリアルIFチップ398と、外部とのパラレル通信を行う回路が形成されたパラレルIFチップ399とを備える。主制御基板131とのコマンドのやり取りは、シリアルIFチップ398を介して行われ、主制御基板131とのACK信号のやり取りは、パラレルIFチップ399を介して行われる。
シリアルIFチップ398は、CPU333からパラレルデータTDbを受け取り、該データを記憶する送信バッファレジスタ400と、送信バッファレジスタ400に記憶されたデータを受け取り、該データをシリアルデータDbaに変換して主制御基板131にシリアル転送する送信シフトレジスタ401と、主制御基板131からシリアルデータDabを受け取り、該データを記憶する受信シフトレジスタ402と、受信シフトレジスタ402に記憶されたデータを受け取り、該データをCPU333によってパラレルデータRDbとして読み出し可能に記憶する受信バッファレジスタ403と、シリアルIFチップ398における各部の動作状態を管理するシリアル管理部404とを備え、これらを1チップに集積して構成されている。送信バッファレジスタ400及び送信シフトレジスタ401及び受信シフトレジスタ402及び受信バッファレジスタ403は、それぞれ1バイトの記憶容量を有するレジスタである。
シリアル管理部404は、送信シフトレジスタ401および送信バッファレジスタ400に関して、送信シフトレジスタ401がシリアル転送中でない場合に、送信バッファレジスタ400から送信シフトレジスタ401へのデータの受け渡しを許可し、該受け渡し後に、該データを送信バッファレジスタ400から消去するように回路構成されている。
シリアル管理部404は、受信シフトレジスタ402および受信バッファレジスタ403に関して、受信バッファレジスタ403にデータが記憶されていない場合に、受信シフトレジスタ402から受信バッファレジスタ403へのデータの受け渡しを許可し、CPU333が受信バッファレジスタ403からパラレルデータRDbを読み出した後に、受信バッファレジスタ403からデータを消去するように回路構成されている。
なお、シリアルIFチップ398がシリアル転送されたコマンドをサンプリングするタイミングは、主制御基板131のCPU314を動作させるためのクロック信号を分周したサンプリングクロックに基づいて決定される。このサンプリングクロックを決定刈るクロック信号の分周比は、シリアルIFチップ398が有するレジスタ(図示しない)の値によって設定することができる。
CPU333は、送信バッファレジスタ400に対して書き込み信号♯WRbを立ち上げることによって、送信バッファレジスタ400へのパラレルデータTDbの書き込みを行い、受信バッファレジスタ403に対して読み出し信号♯RDbを立ち上げることによって、受信バッファレジスタ403からのパラレルデータRDbの読み出しを行う。
CPU333は、シリアルIFチップ398における種々の状態を示す信号を、シリアル管理部404から受ける。CPU333がシリアル管理部404から受ける信号としては、送信バッファレジスタ400がクリアされている際にハイレベルとされる送信バッファ空き信号TEbと、送信シフトレジスタ401がシリアル転送中である際にハイレベルとされるシリアル転送中信号TCbと、受信バッファレジスタ403にデータが記憶されている際にハイレベルとされる受信データ有り信号DFbとがある。
次に、主制御基板131と払出制御基板197との間におけるコマンド転送の際の動作について説明する。本実施形態のパチンコ機1は、主制御基板131から払出制御基板197へのコマンド転送と、払出制御基板197から主制御基板131へのコマンド転送を行うことが可能である。
(主制御基板のコマンド送信について)
払出制御基板197に対してコマンドを送信する主制御基板131の動作について説明する。図40は、主制御基板131の演算処理部390が実行するコマンド送信処理を示すフローチャートである。
主制御基板131の演算処理部390は、遊技の進行を制御する処理を実現するために所定の間隔(本実施形態では、4ミリセカンド(以下、msと表記))で定時割り込み処理を繰り返し実行し、この繰り返し実行される定時割り込み処理の一環として、払出制御基板197に対してコマンドを送信する場合に、図40に示したコマンド送信処理を実行する。
演算処理部390は、図40に示したコマンド送信処理を開始すると、払出制御基板197に対するコマンドを生成する(ステップS1001)。本実施形態では、払出制御基板197に対するコマンドは、シリアルIF部391の各レジスタの記憶容量である1バイトよりも大きな2バイトのコマンドである。
コマンドを生成した後(ステップS1001)、「送信バッファ空き信号TEaがハイレベル」かつ「シリアル転送中信号TCaがローレベル」であるか否か、すなわち、「送信バッファレジスタ393にデータが記憶されていない場合」かつ「送信シフトレジスタ394がシリアル転送中でない場合」であるか否かを判断する(ステップS1002)。
「送信バッファ空き信号TEaがハイレベル」かつ「シリアル転送中信号TCaがローレベル」である場合(ステップS1002)には、生成したコマンドの2バイトのうち上位1バイトである1バイト目を、送信バッファレジスタ393に書き込む(ステップS1003)。その後、予め設定された書込待機期間Lwaの待機を行った後(ステップS1004)、生成したコマンドの残りの下位1バイトである2バイト目を、送信バッファレジスタ393に書き込み(ステップS1005)、コマンド送信処理を終了する。
ここで、書込待機期間Lwaは、送信バッファレジスタ393へのコマンドの1バイト目の書き込みから、この1バイト目が送信シフトレジスタ394へと受け渡しされるまでの期間である送信レジスタ引渡期間Lbsよりも長い期間であり、その定時割り込み処理の終了までに2バイト目の書き込み処理(図40のステップS1005)を実行可能な時間を残す期間であり、次の定時割り込み処理の開始まで長引くような期間ではない。また、書込待機期間Lwaは、コマンドの1バイト目のシリアル転送が完了するまでの期間であるシリアル転送期間Lscよりも短い期間であり、定時割り込み処理の間隔である4msよりも短い期間である。本実施形態では、書込待機期間Lwaは、2.5マイクロセカンド(以下、μsと表記)に設定されている。なお、本実施形態のシリアルIF部391のハードウエア仕様による送信レジスタ引渡期間Lbsは、約1.25μsである。また、2バイト目の書き込み処理(図40のステップS1005)に要する演算処理部390の演算処理時間が、シリアルIF部391の送信レジスタ引渡期間Lbs以上である場合には、図40に示したコマンド待機処理のソフトウエアによる待機処理(ステップS1004)は不要である。
図41は、コマンド送信処理が実行される際の主制御基板131における各信号の様子を示すタイムチャートである。
上述したコマンド送信処理にて、「送信バッファ空き信号TEaがハイレベル」かつ「シリアル転送中信号TCaがローレベル」であると判断されると(図40中のステップS1002)、パラレルデータTDaにコマンドの1バイト目の出力が開始される(タイミングta1)。その後、書き込み信号♯WRaの立ち上がりによって、送信バッファレジスタ393にコマンドの1バイト目が書き込まれる(タイミングta2:図40中のステップS1002)。
送信バッファレジスタ393は、書き込まれたコマンドの1バイト目を送信シフトレジスタ394に引き渡し、この引き渡しが完了するとシリアル管理部397によってクリアされる。送信シフトレジスタ394は、送信バッファレジスタ393から受け取ったコマンドの1バイト目をシリアルデータDabとして出力する。シリアル転送中のシリアルデータDabには、スタートビットSTに続いて、コマンドの1ビット目D0から8ビット目D7までの各ビットが続き、最後にストップビットSPが出力される。このように、コマンドの1バイト目のシリアル転送が開始されると、シリアル転送中信号TCaはハイレベルとなる(タイミングta3)。
コマンドの1バイト目の書き込み(タイミングta2、図40中のステップS1002)から、書込待機期間Lwaの待機を経た後(図40中のステップS1004)、コマンドの1バイト目と同様に、送信バッファレジスタ393にコマンドの2バイト目が書き込まれる(タイミングta4:図40中のステップS1005)。
この際の送信シフトレジスタ394は、コマンドの1バイト目をシリアル転送中であり、コマンドの2バイト目を送信バッファレジスタ393から受け取ることができないため、送信バッファレジスタ393は、書き込まれたコマンドの2バイト目を記憶して保持し、送信バッファ空き信号TEaはローレベルとなる(タイミングta4)。
その後、送信シフトレジスタ394によるコマンドの1バイト目のシリアル転送が終了すると、送信バッファレジスタ393は、記憶するコマンドの2バイト目を送信シフトレジスタ394に引き渡し、この引き渡しが完了するとシリアル管理部397によってクリアされ、送信バッファ空き信号TEaはハイレベルとなる(タイミングta5)。
その後、送信シフトレジスタ394は、コマンドの1バイト目と同様に、送信バッファレジスタ393から受け取ったコマンドの2バイト目をシリアルデータDabとして出力する(タイミングta6〜ta7)。
以上説明した主制御基板131の動作によって、払出制御基板197に対して2バイトのコマンドが送信される。ただし、この実施の形態の主制御基板131は、上記払出制御基板197に対するコマンドの送信から所定の期間の間にACK信号の返答がない場合には、コマンドを再送する。
なお、逆に、主制御基板131に対してコマンドを送信する払出制御基板197の動作は、演算処理部390に代えてCPU333、送信バッファレジスタ393に代えて送信バッファレジスタ400、送信シフトレジスタ394に代えて送信シフトレジスタ401が、それぞれ上述した主制御基板131の場合と同様の動作を行うことによって実現される。
なお、この実施の形態では、CPU314は、4ミリセカンドの感覚で定時割り込み処理を繰り返し実行するのに対し、シリアルIF部391は、1200bps(Bit
Per Second)の転送レートでシリアル転送を実行する。従って、この実施の形態では、シリアルIF部391が2バイトのコマンドをシリアル転送する時間は約16.7msとなり、CPU314は、その間に定時割り込み処理を約4回繰り返し実行することとなる。
このように、CPU314は、上記送信バッファレジスタ393にコマンドを一旦書き込んだ後は、そのコマンドの払出制御基板197へのシリアル転送をシリアルIF部391に任せることができる。なお、シリアル転送における1200bpsの転送レートは、電気的ノイズに対するコマンド転送の信頼性を確保可能な転送レートであり、また、比較的安価なフォトカプラを用いたアイソレーションによってシリアル転送することが可能な転送レートである。
なお、主制御基板131は、シリアル転送中(送信バッファレジスタ393にコマンドが有る状態)に、制御処理を中断することなく、入球があれば入球情報を記憶するなど他の制御処理を実行する。パチンコ機の場合、遊技盤5へと打ち出される遊技球は、1分間に最大100個までと規制されているため、遊技球の打ち出し間隔は約600msである。したがって、遊技球が入賞口61に連続して入賞したとしても、主制御基板131は、遊技球の検出情報を滞りなく処理し、賞球コマンドを払出制御基板197にシリアル転送することができる。
(払出制御基板のコマンド受信について)
主制御基板131からのコマンドを受信する払出制御基板197の動作について説明する。図42は、払出制御基板197のCPU333が実行するコマンド受信処理を示すフローチャートである。
払出制御基板197のCPU333は、遊技球の払い出しを制御する一環として主制御基板131からのコマンドを受信する場合に、図42に示したコマンド受信処理を実行する。
CPU333は、コマンド受信処理を開始すると、「受信データ有り信号DFbがハイレベル」であるか否か、すなわち、「受信バッファレジスタ403にデータが記憶されている場合」であるか否かを判断する(ステップS1101)。
ここで、コマンド受信処理において「受信データ有り信号DFbがハイレベル」であると判断される場合(ステップS1101)には、主制御基板131から払出制御基板197に対して送信された2バイトのコマンドのうち、コマンドの1バイト目が受信バッファレジスタ403に記憶された状態である。
「受信データ有り信号DFbがハイレベル」である場合(ステップS1101)には、受信バッファレジスタ403に記憶されているコマンドの1バイト目を読み出す(ステップS1102)。その後、受信シフトレジスタ402を介して受信バッファレジスタ403に記憶されたコマンドの2バイト目を読み出し(ステップS1103)、コマンド受信処理を終了する。
図43は、コマンド受信処理が実行される際の払出制御基板197における各信号の様子を示すタイムチャートである。前述した主制御基板131におけるコマンド送信処理によって、シリアルデータDabとしてコマンドの1バイト目が出力されると(タイミングtb1〜tb2)、受信シフトレジスタ402にコマンドの1バイト目が記憶された後、受信バッファレジスタ403にコマンドの1バイト目が受け渡され、受信データ有り信号DFbはハイレベルとなる。
コマンドの1バイト目に続いた、シリアルデータDabとしてコマンドの2バイト目が出力されると(タイミングtb3〜tb4)、受信シフトレジスタ402にコマンドの2バイト目が記憶される。この際には、受信バッファレジスタ403からコマンドの1バイト目が読み出されておらず、受信バッファレジスタ403はシリアル管理部404によってクリアされていないため、受信シフトレジスタ402はコマンドの2バイト目の記憶を保持する。
その後、図42に示したコマンド受信処理にて、「受信データ有り信号DFbがハイレベル」であると判断されると(図42中のステップS1101)、読み出し信号♯REbの立ち下がりによって、受信バッファレジスタ403からパラレルデータRDbとしてコマンドの1バイト目が出力され、コマンドの1バイト目が、CPU333によって受信バッファレジスタ403から読み出される(タイミングtb5〜tb6:図42中のステップS1102)。
コマンドの1バイト目の読み出しが完了すると、受信バッファレジスタ403はシリアル管理部404によってクリアされ、受信データ有り信号DFbはローレベルとなる(タイミングtb6)。その後、受信シフトレジスタ402から受信バッファレジスタへとコマンドの2バイト目が受け渡されると、受信データ有り信号DFbはハイレベルとなる(タイミングtb7)。その後、コマンドの1バイト目と同様にして、受信バッファレジスタ403からコマンドの2バイト目が読み出される(タイミングtb8〜tb9:図42中のステップS1103)。
なお、説明の便宜上、図43では、コマンドの1バイト目と2バイト目とのシリアル転送時間のスケールは、CPU333の演算処理時間のスケールと比べ縮小されているが、実際には、コマンドの1バイト目と2バイト目とのシリアル転送時間は、CPU333の演算処理時間に比べて相当の時間を要する。従って、図42に示したコマンド受信処理は、CPU333が所定の間隔で繰り返し実行する定時割り込み処理の一環として、複数回の定時割り込み処理に分けて実行される処理である。
以上説明した払出制御基板197の動作によって、主制御基板131から送信された2バイトのコマンドが受信される。本実施形態の払出制御基板197は、主制御基板131からコマンドを受信してから所定の期間の間に、主制御基板131に対してACK信号を送信する。
なお、この実施の形態では、シリアルIFチップ398のサンプリングタイミングは、転送レート(1200bps)の16倍である19.2キロヘルツ(kHz)に設定されている。本実施形態では、シリアルIFチップ398は、スタートビット,コマンドの各データビット,ストップビットのビット毎に、それぞれ3回のサンプリングを行い、この3回のサンプリングで検出された値を多数決判定することによって、コマンド受信の信頼性の向上を図っている。
なお、逆に、払出制御基板197からのコマンドを受信する主制御基板131の動作は、CPU333に代えて演算処理部390、受信シフトレジスタ402に代えて受信シフトレジスタ395、受信バッファレジスタ403に代えて受信バッファレジスタ396が、それぞれ上述した払出制御基板197の場合と同様の動作を行うことによって実現される。
上記の構成により、主制御基板131のCPU314が1回の定時割り込み処理内を行う間に、シリアルIF部391がシリアル転送可能なコマンドを2バイト分、シリアルIF部391の送信バッファレジスタ393,送信シフトレジスタ394に格納することができ、主制御基板131のCPU314がコマンドのシリアル転送に関わる期間を短縮することができる。その結果、主制御基板131における他の制御処理の進行の阻害や、主制御基板131で実行される制御プログラムの複雑化を抑制することができる。従って、コマンドを分割してシリアル転送する場合における円滑な遊技制御を実現することができる。
ところで、上記の払出制御基板197では、CPU333,シリアルIFチップ398およびパラレルIFチップ399を備えたものを示したが、以下に示すような構成としても良い。
具体的には、図44に示すような、払出制御基板197に、払出制御基板197における種々の演算処理を行うCPU333(払出CPU)と、外部とのシリアル通信およびパラレル通信を行う回路が形成されたシリパラIFチップ405とを備えるものとすることができる。
このシリパラIFチップ405には、主制御基板131のパラレルIF部392とパラレル通信をするパラレルIF部406が備えられている。なお、図44は、図39に示すものとは異なる主制御基板131および払出制御基板197の電気的な構成の詳細を示すブロック図である。また、上記以外の構成については、図39に示したものと同様の構成であり、同一の符号を付してある。
図44に示す払出制御基板197のシリアル管理部407は、図39に示すシリアル管理部404とは異なるものとされている。このシリアル管理部407は、シリアル管理部407は、受信バッファレジスタ403のデータがCPU333からの読み出しによって消去される図13に示すシリアル管理部404とは異なり、CPU333からのバッファクリア信号#CBbに基づいて、受信バッファレジスタ403からデータを消去する。
(図44における主制御基板のコマンド送信について)
払出制御基板197に対してコマンドを送信する主制御基板131の動作について説明する。図45は、主制御基板131の演算処理部390が実行するコマンド送信処理を示すフローチャートである。
主制御基板131の演算処理部390は、遊技の進行を制御する処理の一環として、図45に示したコマンド送信処理を所定のタイミングで繰り返し実行する。
演算処理部390は、図45に示したコマンド送信処理を開始すると、ジョブフラグFjの値を判断する(ステップS1201)。ジョブフラグFjは、コマンド送信処理における状態を示すフラグであり、演算処理部390の起動時には「0」に設定されている。
「ジョブフラグFj=0」の場合には、払出制御基板197に対するコマンドの出力するためのコマンド出力処理を実行し(ステップS1202)、「ジョブフラグFj=1」の場合には、払出制御基板197からのACK信号を確認するためのACK待ち処理を実行する(ステップS1203)。コマンド出力処理(ステップS1202)、または、ACK待ち処理(ステップS1203)を終了した後、コマンド送信処理を終了する。
図45に示したコマンド送信処理におけるコマンド出力処理(図45中のステップS1202)の詳細について説明する。図46は、コマンド出力処理(図45中のステップS1202)を示すフローチャートである。
演算処理部390は。図46に示すコマンド出力処理を開始すると、「送信バッファ空き信号TEaがハイレベル」かつ「シリアル転送中信号TCaがローレベル」であるか否か、すなわち、「送信バッファレジスタ393にデータが記憶されていない場合」かつ「送信シフトレジスタ394がシリアル転送中でない場合」であるか否かを判断する(ステップS1301)。
「送信バッファ空き信号TEaがハイレベル」かつ「シリアル転送中信号TCaがローレベル」である場合(ステップS1301)には、「チェックフラグFc=1」であるか否かを判断する(ステップS1302)。チェックフラグFcは、払出制御基板197からのACK信号が確認できない場合に、払出制御基板197に対して動作状態の報告を指示するためのフラグであり、演算処理部390の起動時には「0」に設定されている。
「チェックフラグFc=1」でない場合であって(ステップS1302)、遊技球の入賞口への入賞がある場合には(ステップS1303)、払出制御基板197に所定の個数の賞品球の払い出しを指示する入賞コマンドの1バイト目を生成する(ステップS1304)。
一方、「チェックフラグFc=1」である場合には(ステップS1302)、チェックフラグFcを「0」に設定し(ステップS1305)、払出制御基板197に対して動作状態の報告を指示するチェックコマンドの1バイト目を生成する(ステップS1306)。なお、主制御基板131は、払出制御基板197からの動作状態の報告を、払出制御基板197から主制御基板131に対するコマンドの形態で受け取る。
入賞コマンドまたはチェックコマンドの1バイト目を生成した後(ステップS1304、S1306)、生成した1バイト目の各ビットを反転して、すなわち、1バイト目のビットのうち、「0」であるビットを「1」とし、「1」であるビットを「0」として、コマンドの2バイト目を生成する(ステップS1307)。本実施形態では、コマンドの1バイト目は、コマンドとしての実質的な意味を持つデータであり、コマンドの2バイト目は、払出制御基板197側でコマンドの正誤を判断するためのデータである。
コマンドの2バイト目を生成した後(ステップS1307)、生成したコマンドを送信する(ステップS1308〜S1310)。この処理(ステップS1308〜S1310)は、図40に示したコマンド送信処理における処理(ステップS1003〜S1005)と同様である。コマンドを送信した後(ステップS1308〜S1310)、ジョブフラグFjを「1」に設定し(ステップS1311)、コマンド出力処理を終了する。
コマンド出力処理においてコマンドの送信が実行される際(ステップS1308〜S1310)の主制御基板131における各信号の様子は、図41に示した主制御基板131における各信号の様子と同様である。
図45に示したコマンド送信処理におけるACK待ち処理(図45中のステップS1203)の詳細について説明する。図20は、ACK待ち処理(図44中のステップS1203)を示すフローチャートである。
演算処理部390は、図47に示すACK待ち処理を開始すると、払出制御基板197からACK信号を検出したか否かを判断する(ステップS1401)。ACK信号を検出した場合には(ステップS1401)、ジョブフラグFjを「0」に設定し(ステップS1402)、ACK待ち処理を終了する。
一方、ACK信号を検出しない場合には(ステップS1401)、コマンドの送信(図19中のステップS1308〜S1310)を終えてから所定の時間が経過したか否かを判断する(ステップS1403)。この所定の時間は、払出制御基板197からのACK信号の返答を待つ時間であり、本実施形態では、100msに設定されている。所定の時間が経過していない場合には(ステップS1403)、そのままACK待ち処理を終了し、所定の時間が経過した場合には(ステップS1403)、チェックフラグFcを「1」に設定し(ステップS1404)、ジョブフラグFjを「0」に設定した後(ステップS1402)、ACK待ち処理を終了する。
以上説明した主制御基板131の動作によって、払出制御基板197に対して2バイトのコマンドが送信される。なお、逆に、主制御基板131に対してコマンドを送信する払出制御基板197の動作は、演算処理部390に代えてCPU333、送信バッファレジスタ393に代えて送信バッファレジスタ400、送信シフトレジスタ394に代えて送信シフトレジスタ401が、それぞれ上述した主制御基板131の場合と同様の動作を行うことによって実現される。
(図44における払出制御基板のコマンド受信について)
主制御基板131からのコマンドを受信する払出制御基板197の動作について説明する。図48は、払出制御基板197のCPU333が実行するコマンド受信処理を示すフローチャートである。
払出制御基板197のCPU333は、遊技球の払い出しを制御する一環として主制御基板131からのコマンドを受信する場合に、図48に示したコマンド受信処理を実行する。なお、図48に示したコマンド受信処理は、図42に示したコマンド受信処理と同様に、CPU333が所定の間隔で繰り返し実行する定時割り込み処理の一環として、複数回の定時割り込み処理に分けて実行される処理である。
CPU333は、コマンド受信処理を開始すると、「受信データ有り信号DFbがハイレベル」であるか否か、すなわち、「受信バッファレジスタ403にデータが記憶されている場合」であるか否かを判断する(ステップS1501)。
ここで、コマンド受信処理において「受信データ有り信号DFbがハイレベル」であると判断される場合(ステップS1501)には、主制御基板131から払出制御基板197に対して送信された2バイトのコマンドのうち、コマンドの1バイト目が受信バッファレジスタ403に記憶された状態である。
「受信データ有り信号DFbがハイレベル」である場合(ステップS1501)には、受信バッファレジスタ403に記憶されているコマンドの1バイト目を読み出した後(ステップS1502)、再び受信バッファレジスタ403に記憶されているコマンドの1バイト目を読み出す(ステップS1503)。その後、1回目に読み出したコマンドの1バイト目と、2回目に読み出したコマンドの1バイト目とを照合して(ステップS1504)、両者が一致するか否かを判断する(ステップS1505)。
読み出したコマンドの1バイト目が1回目と2回目とで一致する場合には(ステップS1505)、バッファクリア信号♯CBbを立ち下げることによって受信バッファレジスタ403に記憶されたコマンドの1バイト目をクリアする(ステップS1506)。これによって、受信シフトレジスタ402に記憶されていたコマンドの2バイト目が、受信バッファレジスタ403に受け渡される。
受信バッファレジスタ403をクリアした後(ステップS1506)、受信バッファレジスタ403に記憶されているコマンドの2バイト目を、コマンドの1バイト目と同様に、2回の読み出しの後に照合を行い(ステップS1507,S1508,S1509)、1回目と2回目とが一致する場合には(ステップS1510)、受信バッファレジスタ403に記憶されたコマンドの2バイト目をクリアする(ステップS1511)。
その後、読み出したコマンドの1バイト目と、読み出したコマンドの2バイト日とを照合して(ステップS1512)、両者が整合するか否かを判断する(ステップS1513)。なお、前述したように、コマンドの2バイト目は、主制御基板131がコマンドの1バイト目の各ビットを反転して生成したデータである。
読み出したコマンドの1バイト目と2バイト目とが整合する場合には(ステップS1513)、主制御基板131に対してACK信号を送信して(ステップS1514)、コマンド送信処理を終了する。
一方、読み出したコマンドの1バイト目が1回目と2回目とで一致しない場合や(ステップS1505)、読み出したコマンドの1バイト目と2バイト目とが整合しない場合には(ステップS1513)、次回のコマンド受信に備えるために、受信シフトレジスタ402および受信バッファレジスタ403をクリアして(ステップS1515)、コマンド送信処理を終了する。
図49は、コマンド受信処理が実行される際の払出制御基板197における各信号の様子を示すタイムチャートである。なお、説明の便宜上、図49では、コマンドの1バイト目と2バイト目とのシリアル転送時間のスケールは、CPU333の演算処理時間のスケールと比べ縮小されている。
図48に示したコマンド受信処理にて、「受信データ有り信号DFbがハイレベル」であると判断されると(図48中のステップS1501)、読み出し信号#REbの立ち下がりによって、受信バッファレジスタ403からパラレルデータRDbにコマンドの1バイト目が出力され、コマンドの1バイト目が、CPU333によって受信バッファレジスタ403から読み出される(タイミングtb11〜tb12:図48中のステップS1502)。その後、さらにコマンドの1バイト目が、1回目と同様にして読み出される(タイミングtb13〜tb14,図48中のステップS1503)。
コマンドの1バイト目の2回の読み出しが完了した後、バッファクリア信号#CBbの立ち下がりによって受信バッファレジスタ403がクリアされ、受信データ有り信号DFbはローレベルとなる(タイミングtb15:図48中のステップS1506)。その後、受信シフトレジスタ402から受信バッファレジスタヘとコマンドの2バイト目が受け渡されると、受信データ有り信号DFbはハイレベルとなる(タイミングtb16)。
その後、コマンドの2バイト目が、コマンドの1バイト目と同様にして受信バッファレジスタ403から読み出される(タイミングtb21〜tb24:図48中のステップS1507、S1508)。コマンドの2バイト目の読み出しが完了した後、バッファクリア信号#CBbの立ち下がりによって受信バッファレジスタ403がクリアされ、受信データ有り信号DFbはローレベルとなる(タイミングtb25:図48中のステップS1511)。
以上説明した払出制御基板197の動作によって、主制御基板131から送信された2バイトのコマンドが受信される。なお、逆に、払出制御基板197からのコマンドを受信する主制御基板131の動作は、第一の実施例と同様である。
以上、図44〜図49に示した構成によれば、主制御基板131における他の制御処理の進行の阻害や、主制御基板131で実行される制御プログラムの複雑化を抑制することができる。更に、払出制御基板197のCPU333側の都合に応じて受信バッファレジスタ403に記憶されているコマンドの消去を行うことができるため、2バイト単位で1バイト毎にシリアル転送されるコマンドに対して、CPU333による2バイト単位での取り扱いの容易化を図ることができる。
また、払出制御基板197は、コマンドを重複して読み取り、重複して読み取ったコマンドを照合するため(図21中のステップS1502〜S1505)、受信バッファレジスタ403からCPU333へのコマンドの受け渡しの際に、ノイズなどの影響によって書き換えられてしまった異常なコマンドに基づいて処理が行われてしまうことを防止することができる。
また、主制御基板131は、コマンドの1バイト目を反転して2バイト目を生成し(図46中のステップS1307)、払出制御基板197は、コマンドの1バイト目と2バイト目とを照合するため(図48中のステップS1512〜S1513)、主制御基板131から払出制御基板197へのコマンド転送の際に、ノイズなどの影響によって書き換えられてしまった異常なコマンドに基づいて処理が行われてしまうことを防止することができる。
また、コマンドを受け取った払出制御基板197は、主制御基板131に対してACK信号を送信するため、主制御基板131は、コマンドが正常に転送されたか否かを確認することができる。さらに、主制御基板131は、払出制御基板197からのACK信号の返答がない場合に、払出制御基板197に対してチェックコマンドを送信するため、コマンドが正常に転送されなかった理由が払出制御基板197における異常動作に基づくものであるか否かを判断することができる。
なお、上記図39〜図49に示した構成は、サブ統合基板336や電飾制御基板337、338や波形制御基板339などの基板に適用可能であり、或いは、主制御基板131とサブ統合基板336との間のコマンド転送に適用しても良い。主制御基板131からサブ統合基板336に対するコマンドとしては、演出表示装置115における表示画像の演出内容を指示する演出コマンドがある。
また、送信側CPUが生成する2バイト以上のコマンドは、偶数バイトであることとしても良い。これによって、送信側CPUからシリアル通信ユニットに対する1回の定時割込処理あたり2バイト分のコマンドの格納を効率良く実行することができる。例えば、主制御基板131は、演出指示を規定した3バイトの指示コマンドと、この指示コマンドのチェックサムを算出した1バイトのチェックコマンドとから成る計4バイトのコマンドを一群のコマンドとして生成し、4バイトの一群のコマンドを2回分に分けて、2回の定時割り込み処理にて2バイト毎にシリアル転送することとしても良い。
また、主制御基板131は、3バイトの指示コマンドと、1バイトのチェックコマンドとの各ビットを反転させた4バイトの反転コマンドも併せて、計8バイトのコマンドを一群のコマンドとして生成し、8バイトの一群のコマンドを4回に分けて、4回の定時割り込み処理にて2バイト毎にシリアル転送することとしても良い。
次に、主制御基板131(特にCPU314)で実行される制御処理の例について説明する。
[遊技処理について]
図50(a)は、当該パチンコ機1に電源が投入されるとき、上記主制御基板131のCPU314によって行われる制御についてその処理手順を示すフローチャートである。
同図50(a)に示されるように、この実施の形態にかかる主制御基板131はまず、ステップS1の処理として、各種のレジスタやRAMに格納されているデータを初期化する。次いで、ステップS2の処理として、予め定められた数値範囲内で更新される数である乱数の更新を行う。
すなわち、この実施の形態にかかる主制御基板131では、
・上記特別図柄の変動表示停止時における表示態様についての抽選処理に供される乱数(図柄決定用乱数)。
・上記特別図柄の変動表示制御に要する所定の時間(変動時間)についての抽選処理に供される(変動パターン決定用乱数)。
・上記第2の可動片99の動作契機となる当たりの当落にかかる抽選処理に供される乱数(普通図柄の当たり判定用乱数)。等々、といった乱数を保持する乱数カウンタを備えている。そこで、このステップS2の処理では、これら乱数のうちの当落に関わらない乱数(変動パターン決定用乱数)のみが更新されるかたちで当該乱数カウンタのカウンタ操作が行われることとなる。
なお、こうしてステップS1及びS2の処理が行われた後は、上記ステップS2の処理のみが基本的に繰り返し行われる。ただし、この実施の形態では、例えば4ms毎に以下のタイマ割込制御が行われる。
図50(b)は、上記主制御基板131のCPU314によって定期的に行われるタイマ割込制御についてその処理手順を示すフローチャートである。
同図50(b)に示されるように、この割込制御ではまず、ステップS11の処理として、レジスタの退避処理が行われる。次いで、ステップS12の処理として、上記ゲートセンサ317、及び上記始動口センサ318、及び上記第1のカウントセンサ319、及び上記第2のカウントセンサ320、及び上記SPルート監視センサ323、及び上記フォトセンサ324、及び上記大当たり受入センサ329、及び上記ハズレ受入センサ330など、各種のセンサからの検出信号が入力される。そして次に、ステップS13の処理として、上記乱数カウンタの値を更新するための乱数更新処理が行われる。なお、このステップS13の処理では、上述の乱数のうち、上記特別図柄及び上記普通図柄の変動表示停止時における表示態様に関わる乱数(図柄決定用乱数、普通図柄の当たり判定用乱数)が更新されるかたちで上記乱数カウンタのカウンタ操作が行われる。
そして、こうして乱数の更新が行われた後、当該主制御基板131のCPU314は、ステップS14の処理として、上記特別図柄の変動表示停止時における表示態様にかかる抽選処理を含む特別図柄プロセス処理を実行する。なお、この特別図柄プロセス処理については後述するが、ここでは、基本的に、上記RAM316に格納されている遊技の進行状況を示す特別図柄プロセスフラグに基づいて該当する処理が選択的に実行されることとなる。
そして次に、同主制御基板131のCPU314は、ステップS15の処理として、上記第2の可動片99の動作契機となる当たりの当落にかかる抽選処理を含む普通図柄プロセス処理を実行する。なお、この普通図柄プロセス処理についても後述することとするが、ここでも、基本的に、遊技の進行状況を示す普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選択的に実行されることとなる。また、これも後述するが、上記主制御基板131のCPU314は、上記特別図柄の変動表示停止時における表示態様についての抽選処理の結果が予め決められた特定の停止図柄を示すこと(大当たり(デジパチ当たり))を実行契機として上記特別遊技が行われた場合、この特別遊技の終了後の所定期間内は、上記第2の可動片99の駆動頻度がより高くなるように当該抽選処理を実行する構成となっている(いわゆる時短状態)。なお、この実施の形態では、上記普通図柄の変動表示制御に要する時間を上記特別遊技の終了後の所定期間だけ短縮するとともに、上記第2の可動片99の開放時間を延長することによって、こうした時短状態を実現するようにしている。
また、上記特別図柄プロセス処理(ステップS14)及び普通図柄プロセス処理(ステップS15)が行われると、上記主制御基板131のCPU314は、次にステップS16の処理として、同特別図柄プロセス処理にて上記RAM316の所定の領域に設定されたコマンドを上記周辺基板311などに送信する処理を行う。次いで、ステップS17の処理として、上記普通図柄プロセス処理にて同じくRAM316の所定の領域に設定されたコマンドを例えば上記周辺基板311などに送信する処理を行う。
また、同主制御基板131のCPU314は、次にステップS18の処理として、大当たり情報などのパチンコ機1の管理に必要な情報(羽根物当たりとなったことを示す羽根物当たり情報、上記始動口96への遊技球の入球による特別図柄の変動表示停止時における表示態様についての抽選処理の結果として予め決められた特定の停止図柄となった場合に大当たり(デジパチ当たり)となったことを示す大当たり情報、特別図柄表示装置121aでの特別図柄の変動表示の実行回数(表示結果の導出回数)を示す図柄確定情報、小当たり時に第1の遊技領域37a内に進入した遊技球の個数(第1のカウントセンサ319によって検出した遊技球の個数)を示す大入賞口進入情報、小当たり時における第1の可動片456の開放回数を示す役物作動回数情報、遊技者に払い出された賞球数を示すメイン賞球情報、不正行為の発生(磁気検出、振動検出、入賞異常検出等)を示すセキュリティ情報)を、外部端子板500を介してパチンコ機1の外部(例えば遊技場に設置されているホール管理用コンピュータ等)に出力する情報出力処理を行う。
本例では上記複数種類の情報のうち上記始動口96への遊技球の入球による特別図柄の変動表示停止時における表示態様についての抽選処理の結果として予め決められた特定の停止図柄となった場合に大当たり(デジパチ当たり)となったことを示す大当たり情報については、通常のタイミング(従来のパチンコ機で出力しているタイミング)よりも遅延させてパチンコ機1の外部に出力している。すなわち、従来のパチンコ機では、特定の停止図柄を導出表示(停止表示)した後、演出表示装置115にて特別遊技の制御を開始するときに上記大当たり情報をパチンコ機1の外部に出力するのに対し、本例のパチンコ機1では、特別遊技の開始後(この例では主要遊技を開始する時。なお疑似補助遊技を終了してから主要遊技を開始するまでに出力するものであればよい。)に上記大当たり情報をパチンコ機1の外部に出力するように構成される。これにより、大当たり情報は、羽根物当たりとなったときに出力される羽根物当たり情報の出力タイミングと同様のタイミングでパチンコ機1の外部に出力されるようになる。
なお、遊技店では所謂「遊技島」に複数台のパチンコ機を列状に配置している。遊技島には、複数台のパチンコ機それぞれの設置箇所近傍(パチンコ機の設置個所上方など)にデータ表示器が設置され、上記パチンコ機から出力される情報に基づいて遊技島毎に設置されている遊技島管理コンピュータが上記表示器の表示を制御することにより、大当たり(デジパチ当たり及び羽根物当たり)の回数や前回の大当たり終了(デジパチ当たり及び羽根物当たりのうち直近の大当たり終了)から現在までに実行されている特別図柄の変動表示の実行回数(変動回数)などを表示している。
ここで、上記始動口96への遊技球の入球による特別図柄の変動表示停止時における表示態様についての抽選処理の結果として予め決められた特定の停止図柄となった場合に、特定の停止図柄を導出表示(停止表示)した後、演出表示装置115にて特別遊技の制御を開始するときに上記大当たり情報をパチンコ機1の外部に出力する従来のパチンコ機では、上記大当たり情報をパチンコ機1の外部に出力したことに応じて特別遊技の制御を開始するときに遊技島に設置されている表示器に表示される大当たり(デジパチ当たり及び羽根物当たり)の回数が加算更新される。また、上記羽根物当たりとなったときには、補助遊技を実行して特別入賞口93に遊技球が受け入れられた後、特別遊技の制御を開始するときに上記羽根物当たり情報をパチンコ機の外部に出力し、上記羽根物当たり情報をパチンコ機1の外部に出力したことに応じて特別遊技の制御を開始するときに遊技島に設置されている表示器に表示される大当たり(デジパチ当たり及び羽根物当たり)の回数が加算更新される。そのため、遊技者は遊技島に設置されている表示器に表示されている大当たり(デジパチ当たり及び羽根物当たり)の回数が加算更新されることによって大当たり(デジパチ当たり及び羽根物当たり)となったことを把握することができる。
この実施の形態では、上記始動口96への遊技球の入球による特別図柄の変動表示停止時における表示態様についての抽選処理の結果として予め決められた特定の停止図柄となった場合に、演出表示装置115にて大当たり(デジパチ当たり)となったことを通知することなく、特別遊技として補助遊技と同様の制御(第1の可動片456を予め決められた開放パターンで開閉動作する制御)を実行し、該補助遊技と同様の制御において上記特別入賞口93に遊技球が入球したか否かに拘わらず主要遊技を開始することで、補助遊技中に特別入賞口93に遊技球が入球しなかった場合であっても特別遊技に対する期待を抱かせることが可能になり、遊技興趣の低下を抑止できる。この場合に特別遊技として補助遊技と同様の制御の終了後に上記大当たり情報をパチンコ機1の外部に出力することにより、特定の停止図柄を導出表示したときに遊技島に設置されている表示器に表示されている大当たり(デジパチ当たり及び羽根物当たり)の回数が加算更新されることを防止し、羽根物当たりとなったときと同様に補助遊技の制御の終了、特別遊技の制御を開始するときに遊技島に設置されている表示器の大当たり(デジパチ当たり及び羽根物当たり)の回数を加算更新させるため、第1の可動片456が開閉制御されたときに補助遊技が実行されているのか特別遊技としての補助遊技と同様の制御が実行されているのかを判別すること(大当たりBとなったのか小当たりとなったのかを判別すること)が困難になり、補助遊技中に特別入賞口93に遊技球が入球しなかったにも拘わらず主要遊技が開始された場合には遊技者に衝撃を与えることができるとともに、第1の可動片456が開閉制御されたときに特別入賞口93に遊技球が入球しなかった場合であっても主要遊技が開始される可能性を有することで刺激的な遊技を実行可能にすることができ、遊技興趣を向上させることができる。
そして次に、同主制御基板131のCPU314は、ステップS19の処理として、上記始動口センサ318、上記第1のカウントセンサ319、上記第2のカウントセンサ320などの検出信号がオン状態にあるときは、それら信号に応じた賞球が遊技者に払い出されるよう上記払出制御基板197に払出制御コマンドを出力する。これにより、上記払出制御基板197が、上述のROM334に格納されている制御プログラムに従って遊技者に賞球を払い出すようになる。
また、同主制御基板131のCPU314は、次にステップS20の処理として、保留記憶数の増減をチェックする記憶処理を実行する。次いで、ステップS21の処理として、パチンコ機1の制御状態を遊技機外部で確認できるようにするための試験信号を出力する処理である試験端子処理を実行する。そしてその後、常時動作するアクチュエータ(特別駆動モータ334など)の駆動制御を行うとともに(ステップS22)、上記レジスタの内容を復帰させ(ステップS23)、割込許可状態に設定した時点で(ステップS24)、この制御が終了することとなる。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は4ms毎に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマによる割込処理によって遊技制御処理を実行することとしたが、当該割込処理では例えば割り込みが発生したことを示すフラグのセットのみを行うようにしてもよい。ただしこの場合、遊技制御処理をメイン処理にて実行することとなる。
図51は、上記特別図柄プロセス処理(ステップS14)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、各種の抽選処理に供される乱数が更新されたとすると(ステップS13)、同図51に示されるように、この主制御基板131のCPU314はまず、上記始動口センサ318による検出信号がオン状態(始動口への入球あり)にあることを条件に(ステップS30)、例えば特別図柄の図柄決定用乱数を上記乱数カウンタから取得してこれを上記RAM316に格納するなどの始動口通過処理を実行する(ステップS40)。そしてその後は、上述の特別図柄プロセスフラグに応じて、以下の9つのプロセス処理の1つを選択的に実行することとなる。
・上記RAM316に格納されている特別図柄の図柄決定用乱数などを読み出す処理などが行われる特別図柄通常処理(ステップS100)。
・上記図柄決定用乱数に基づいて上記特別図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理などが行われる特別図柄停止図柄設定処理(ステップS200)。
・上記変動パターン決定用乱数に基づいて上記特別図柄表示装置121aに表示される特別図柄の変動態様や、上記演出表示装置115に表示される飾り図柄の変動態様についての抽選処理などが行われる変動パターン設定処理(ステップS300)。
・上記特別図柄表示装置121aにおける上記特別図柄の変動表示が停止されるまで待機する特別図柄変動処理(ステップS400)。
・上記図柄決定用乱数に基づいて抽選された特別図柄が上記特別図柄表示装置121aに表示されるように上記特別図柄の変動表示を停止させる特別図柄停止処理(ステップS500)。
・上記特別図柄の変動表示停止時における表示態様についての抽選処理の結果が予め決められた特定の停止図柄とならなかったとき(小当たり)、及び上記特別図柄の変動表示停止時における表示態様についての抽選処理の結果が予め決められた特定の停止図柄となった場合にラウンド遊技の実行回数として「15回」に決定されたとき(大当たりB)、上記第1の可動片456の駆動制御(第1の可動片456を予め決められた開放パターンで開閉動作する制御)等が行われる補助遊技処理(ステップS600)。
・上記特別図柄の変動表示停止時における表示態様についての抽選処理の結果が予め決められた特定の停止図柄となった場合にラウンド遊技の実行回数として「15回」に決定されたとき(大当たりB)の主要遊技を実行するとき、上記特別図柄の変動表示停止時における表示態様についての抽選処理の結果が予め決められた特定の停止図柄となった場合にラウンド遊技の実行回数として「2回」に決定されたとき(大当たりA)、あるいは上記特別図柄の変動表示停止時における表示態様についての抽選処理の結果が予め決められた特定の停止図柄とならなかった場合(小当たり)に上記補助遊技処理にて遊技球が特別入賞口93に入球したとき(羽根物当たり)、に上記特別遊技を開始する旨や次に開始する予定の主要遊技の実行回数などの遊技者への報知が上記周辺基板311によって行われるまで待機する(本例ではラウンド遊技の実行回数が2回の大当たり(デジパチ当たり)となった場合には特別遊技を開始することを報知しないため他の特別遊技を実行するときに比べて待機時間を極めて短く(例えば0.2秒)している。)大入賞口開放前処理(ステップS700)。
・上記特別図柄の変動表示停止時における表示態様についての抽選処理の結果が予め決められた特定の停止図柄となった場合にラウンド遊技の実行回数として「15回」に決定されたとき(大当たりB)の主要遊技を実行するとき、上記特別図柄の変動表示停止時における表示態様についての抽選処理の結果が予め決められた特定の停止図柄となった場合にラウンド遊技の実行回数として「2回」に決定されたとき(大当たりA)、あるいは上記補助遊技処理にて遊技球が特別入賞口93に入球したとき(羽根物当たり)、に上記開閉部材86による開閉動作を通じて上記大入賞口87が上記第2の遊技領域37bにて開放される大入賞口開放中処理(ステップ800)。
・上記特別遊技を終了する旨の遊技者への報知が上記周辺基板311によって行われるまで待機する(本例ではラウンド遊技の実行回数が2回の大当たり(デジパチ当たり)となった場合には特別遊技を終了することを報知しないため他の特別遊技を実行したときに比べて待機時間を極めて短く(例えば0.2秒)している。)大入賞口開放後処理(ステップS900)。
なお、上記特別図柄プロセスフラグは、上述のステップS1の処理(図50参照)において、上記特別図柄通常処理(ステップS100)を行うべき旨を示すよう操作されている。
次に、上記始動口通過処理(ステップS40)、及びこうした9つのプロセス処理(ステップS100〜S900)の具体的態様についてそれら処理の別に詳述する。
<始動口通過処理>
図52は、上記始動口通過処理(ステップS40)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、上記ステップS30の処理において、上記始動口センサ318がオン状態にあり、上記始動口96への遊技球の入球があったと判断されたとすると、同図52に示されるように、上記主制御基板131のCPU314は、ステップS41の処理として、まず、上記特別保留数カウンタによるカウンタ値をRAM316から取得する。そして、このカウンタ値に基づいて上述の特別図柄の保留数がその最大値である「4」であるか否かの判断を行う。
このステップS41の処理において、上記特別図柄の保留数がその最大値でないと判断された場合には、上記特別図柄の変動表示制御を新たに保留の状態とすべく、以下のステップS42〜S44の処理を行うこととなる。すなわち、まず、上記ステップS42の処理として、上記特別保留数カウンタをカウントアップする。次いで、ステップS43の処理として、上記図柄決定用乱数を上記乱数カウンタから取得する。また、後述する演出決定用乱数を取得する。そして次に、ステップS44の処理として、こうして取得された各乱数を、上記RAM316の記憶領域のうちの上記特別保留数カウンタによるカウンタ値に対応する乱数記憶領域に格納する。
ただし、上記ステップS41の処理において、上記特別図柄の保留数がその最大値であると判断された場合には、上記特別図柄の変動表示制御は新たに保留されない。すなわち、上記特別図柄の変動表示制御を新たに保留の状態とすることなく、上記特別図柄の保留数がその最大値であると判断された時点で、この処理を終了する。
<特別図柄通常処理>
図53は、上記特別図柄通常処理(ステップS100)についてその手順を示すフローチャートである。
上記特別図柄プロセスフラグが当該特別図柄通常処理を行うべき旨を示しているときは、同図53に示されるように、上記主制御基板131のCPU314は、まず、ステップS101の処理として、上記特別図柄の変動表示制御を開始することができる状態にあるか否かの判断を行う。例えば、上記特別図柄の変動表示制御が実行中であるような場合や、上記特別遊技が行われる状態にあるような場合には、上記特別図柄の変動表示制御を開始することができない状態であると判断し、この時点で当該処理を終了することとなる。
一方、こうした処理を通じて、上記ステップS101の処理において、上記特別図柄の変動表示制御を開始することができる状態にあると判断されるようになると、上記主制御基板131のCPU314は、次にステップS102の処理として、上記特別保留数カウンタによるカウンタ値に基づいて保留の状態にある特別図柄の変動表示制御があるか否かの判断を行う。この結果、保留の状態にある特別図柄の変動表示制御があると判断された場合には、次にステップS103の処理として、上記RAM316の乱数記憶領域に格納されている特別図柄の変動表示停止時における表示態様に関わる乱数(例えば、図柄決定用乱数)のうちの最先に格納された乱数を同RAM316から読み出す。そして次に、ステップS104及びS105の処理として、上記特別保留数カウンタをカウントダウンするとともに、上記RAM316の乱数記憶領域に格納されている上記特別図柄の変動表示停止時における表示態様に関わる乱数を先入れ先出し(First−In First−Out)の態様にてシフト操作する。これにより、上記特別図柄の変動表示制御の保留が解除されるようになる。
そしてその後、上記特別図柄停止図柄設定処理(ステップS200)にプロセス移行されるよう上述の特別図柄プロセスフラグが更新され時点で(ステップS106)、この処理を終了する。
<特別図柄停止図柄設定処理>
図54は、上記特別図柄停止図柄設定処理(ステップS200)についてその手順を示すフローチャートである。
上記特別図柄プロセスフラグが当該特別図柄停止図柄設定処理を行うべき旨を示しているときは、同図54に示されるように、上記主制御基板131のCPU314は、まず、ステップS201の処理として、特別図柄通常処理のステップS103でRAM316から読み出した図柄決定用乱数に基づいて特別図柄の変動表示停止時における表示態様(表示結果や停止図柄ともいう)の抽選処理を行う。
ここで、この表示態様についての抽選処理は、上記ROM315に格納されている図55に示される図柄表示テーブルT11に基づいて行われる。なお、このテーブルT11において、「1〜8」の数字は、上記特別図柄表示装置121a(図34参照)を構成する8つのLED(7セグメントLED、ドットLED)を各々示すものである。
すなわち、このテーブルT11には、上記特別図柄の変動表示停止時における表示態様(8つのLEDの点灯、消灯)を示す表示態様情報が上記図柄決定用乱数にそれぞれ対応して関連付けされるかたちで記憶されている。この点、この実施の形態にかかる主制御基板131のCPU314では、上記読み出された図柄決定用乱数に対応して関連付けされている表示態様情報をこのテーブルT11から取得することで、上記特別図柄の変動表示停止時における表示態様(8つのLEDの点灯、消灯)を決定する。これにより、上記特別図柄の変動表示停止時における表示態様(停止図柄)についての抽選処理が行われるようになる。
そして、抽選処理の結果、特別図柄の変動表示停止時における表示態様として特定の停止図柄(大当たりA、大当たりB)とする場合には(ステップS202)、ステップS203の処理として特定の停止図柄を表示することを示す大当たりフラグをセットする。一方、抽選処理の結果、特別図柄の変動表示停止時における表示態様として特定の停止図柄以外の停止図柄(通常の停止図柄)とする場合には(ステップS202)、大当たりフラグをセットすることなくステップS204に進む。
次にステップS204の処理として、上記抽選された停止図柄(8つのLEDの点灯、消灯)に基づいて以下の3項目を決定する。
(a)上記特別遊技にて繰り返し実行されるラウンド遊技の実行回数。
(b)上記第1の可動片456の動作継続時間(第1の遊技領域37aの開放時間)。
(c)上記特別遊技の実行後に付与される時短状態の種類及び継続期間。
ここで、これら3項目は、図56に示すように特別図柄の変動表示停止時の表示態様に関連付けされるかたちで上記ROM315に格納されている3項目決定テーブルT14に記憶されている。ただし、このテーブルT14において、上記通常の停止図柄とするときに選択されるラウンド遊技の実行回数(3、7、15)には、上記第1の可動片456の開放による補助遊技が1回の主要遊技として含まれる。また、このテーブルT14においても、「1〜8」の数字は、上記特別図柄表示装置121a(図34参照)を構成する8つのLED(7セグメントLED、ドットLED)を各々示すものである。また、このテーブルT14において、時短数の項目の欄に記載されている「A」、「B」は、上記時短状態の種類であり、時短Bよりも時短Aの状態にあるときのほうがより有利な抽選(普通図柄抽選)が行われるようになっている。また、同じく時短数の項目の欄に記載されている数値は、上記特別遊技の終了後に上記時短状態が継続される期間を示している。例えば、時短数「A20」は、上記特別遊技が終了してから上記特別図柄の変動表示制御が20回行われるまでの期間だけ上記時短Aの状態が継続されることを示している。なお、上記抽選された停止図柄(8つのLEDの点灯、消灯)に基づいて決定される内容は上記した例に限らず、特別遊技の終了後に上記始動口96への遊技球の入球による特別図柄の変動表示停止時における表示態様についての抽選処理の結果が予め決められた特定の停止図柄となる確率を通常よりも高める制御(例えば、通常は300分の1の確率で大当たり(デジパチ当たり)とすると判定し、確率を向上させたときには30分の1の確率で大当たり(デジパチ当たり)とすると判定する制御;確率向上制御)を実行するか否かを上記内容に加えて、若しくは上記内容の一部又は全部と替えて決定するようにしてもよい。
このように、当該テーブルT14には、上記3項目を示す情報が上記特別図柄の変動表示停止時における表示態様(8つのLEDの点灯、消灯)にそれぞれ対応して関連付けされるかたちで記憶されている。この点、この実施の形態にかかる主制御基板131のCPU314では、上記抽選された表示態様(8つのLEDの点灯、消灯)に対応して関連付けされている情報をこのテーブルT14から取得することで、上記3項目をそれぞれ決定する。
ところで、同図56に示されるテーブルT14からも明らかなように、この実施の形態では、上記第1の可動片456の動作継続時間を、上記特別図柄の表示態様に基づいて決定(抽選)するようにしている。このような構成では、上記補助遊技が行われる都度、上記第1の可動片456の動作継続時間(「300」、「400」、「500」、「1300」ms)が異なるようになる。すなわち、補助遊技を採用するいわゆる羽根物遊技機でありながら、上記特別遊技が付与される確率をその都度変化させることができるようになり、これによってよりバリエーションに富む演出を実現することができるようになる。
また、この実施の形態では、上記時短状態についての抽選処理に際しては、上記RAM316に格納されている後述の時短状態フラグに基づいて上記時短状態にあるか否かが判断される。そしてこの結果、上記時短状態にないと判断されるときは、
・上記通常の停止図柄とするとき、羽根物当たりとなった場合であっても上記特別遊技の終了後に上記時短状態が付与されない。
・上記特定の停止図柄とするとき、上記特別遊技にて繰り返し実行されるラウンド遊技の実行回数が「2」である場合(大当たりA)、上記特別遊技の終了後に上記時短Bが付与される。
・上記特定の停止図柄とするとき、上記特別遊技にて繰り返し実行されるラウンド遊技の実行回数が「15(補助遊技と同様の遊技を1回実行するとともに、補助遊技と同様の遊技の終了後に主要遊技を14回実行する)」である場合(大当たりB)、上記特別遊技の終了後に上記時短Aが付与される。といったかたちで上記時短状態が付与されるように上記時短状態についての抽選処理を行うようにしている。一方、この抽選処理に際し、上記時短状態フラグが時短状態にあることを示しているときは、上記通常の停止図柄とするときに羽根物当たりとなった場合も含めて、特別図柄の変動表示停止時の表示態様にかかわらず特別遊技が行われた場合には、当該特別遊技後に上記時短Aを付与するようにしている。
そして、こうして停止図柄の抽選処理及び上記3項目についての決定が行われた後は、ステップS205の処理として、これら抽選結果と該抽選結果に基づく3項目の決定事項などが上記周辺基板311に送信されるようコマンドをセットする。これにより、こうして決定された事項に基づく演出が上記演出表示装置115にて行われるようになる。そしてその後は、ステップS206の処理として、上記変動パターン設定処理(ステップS300)にプロセス移行されるよう上述の特別図柄プロセスフラグを更新した時点で、この処理を終了する。
なお、本例では図柄決定用乱数に基づいて特別図柄の変動表示停止時における表示態様の抽選処理の結果として通常の停止図柄に決定した場合には常に上記補助遊技を実行するように構成したが、これに限られるものではなく、通常の停止図柄のうち特別の停止図柄となった場合にだけ上記補助遊技を実行し、通常の停止図柄のうち特別の停止図柄とは異なる非特別の停止図柄となった場合には上記補助遊技を実行しないようにしてもよい。このように構成することにより、図柄決定用乱数に基づいて特別図柄の変動表示停止時における表示態様の抽選処理の結果として通常の停止図柄に決定した場合には常に上記補助遊技を実行するものに比べて、上記大当たりBとなった場合に特別遊技を実行していることを遊技者に悟られ難くすることができ、大当たりBとなったことに基づく特別遊技の終了後に上記時短Bが付与されることによって遊技者により強い衝撃を与えることが可能になる。
<変動パターン設定処理>
図57は、上記変動パターン設定処理(ステップS300)についてその手順を示すフローチャートである。
上記特別図柄プロセスフラグが当該変動パターン設定処理を行うべき旨を示しているときは、同図57に示されるように、上記主制御基板131のCPU314は、まず、ステップS301の処理として、上記乱数カウンタから上記変動パターン決定用乱数を取得する。そして、上記大当たりフラグがセットされているときは(ステップS302)、上記取得した変動パターン決定用乱数に基づいて上記特別図柄の変動パターンについての抽選処理を行う(ステップS303)。なおここでは、上記ROM315に格納されている大当たり(デジパチ当たり)時の変動パターンテーブル(図示略)に基づいて上記特別図柄の変動パターンについての抽選処理が行われる。ここで、このテーブルには、上記特別図柄の変動表示制御に要する所定の時間(変動時間)を示す複数の変動時間情報が上記変動パターン決定用乱数にそれぞれ対応して関連付けされるかたちで記憶されている。この点、この実施の形態にかかる主制御基板131のCPU314では、上記取得された変動パターン決定用乱数に対応して関連付けされている変動時間情報をこのテーブルから取得することで、上記特別図柄の変動パターンを決定する。これにより、上記特別図柄の変動パターンについての抽選処理が行われるようになる。
そして、こうして特別図柄の変動パターンについての抽選処理が行われると、次にステップS304の処理として、上記特別図柄表示装置121aにおける上記特別図柄の変動表示制御を開始するとともに、上記決定された特別図柄の変動パターンを上記周辺基板311へのコマンド(変動パターンコマンド)としてセットする。これにより、こうして決定された変動時間だけ上記演出表示装置115にて演出制御が行われるようになる。また、特別図柄の変動表示制御が開始されると、次にステップS305の処理として、時短カウンタや時短状態フラグなどが操作される時短処理を行うとともに、上記特別図柄変動処理(ステップS400)にプロセス移行されるよう上述の特別図柄プロセスフラグを更新した時点で(ステップS306)、この処理を終了する。なお、上記時短処理(ステップS305)については、図83を参照して後述することとする。
一方、上記ステップS302の処理において、上記大当たりフラグがセットされていないときは、次にステップS321の処理として、上記特別図柄保留数カウンタによるカウンタ値に基づいて上記特別図柄の保留数を確認する。次いで、ステップS322及びステップS323の処理として、上記取得した変動パターン決定用乱数に基づいて上記特別図柄の変動パターンについての抽選処理を行う。ただしここでは、上記ROM315に格納されている小当たり時の変動パターンテーブルT15〜T17のうち特別図柄停止図柄設定処理のステップS204で決定したラウンド遊技の実行回数に応じたテーブルに基づいて上記特別図柄の変動パターンについての抽選処理を行うこととなる。
ここで、図58(a−1)に示されるテーブルT15は、特別図柄停止図柄設定処理のステップS204で決定したラウンド遊技の実行回数として「3」に決定されたときに選択されるテーブルであり、図58(a−2)に示されるテーブルT16は、特別図柄停止図柄設定処理のステップS204で決定したラウンド遊技の実行回数として「7」に決定されたときに選択されるテーブルであり、図58(a−3)に示されるテーブルT17は、特別図柄停止図柄設定処理のステップS204で決定したラウンド遊技の実行回数として「15」に決定されたときに選択されるテーブルである。
また、このテーブルT15〜T17のそれぞれには、上記特別図柄の変動表示制御に要する所定の時間(変動時間)を示す複数の変動時間情報が上記変動パターン決定用乱数にそれぞれ対応して関連付けされるかたちで記憶されている。この点、この実施の形態にかかる主制御基板131のCPU314では、上記取得された変動パターン決定用乱数に対応して関連付けされている変動時間情報を取得することで、上記特別図柄の変動パターンを決定する。これにより、上記第1の可動片456の動作が開始するタイミングである動作タイミング(より正確には駆動タイミング)を、上記始動口96に遊技球が受け入れられる都度、当該変動パターンにかかる抽選処理の結果に応じて異ならしめることができるようになる。
また、同図58に示されるテーブルT15〜T17からも明らかなように、この実施の形態では、各テーブルにおいて上記変動表示制御に要する時間のばらつき度をそれら変動時間情報が関連付けされる上記保留数の別に見たとき、該保留数が最大保留数(保留3)であるときの上記ばらつき度を最も高く設定することとした(例えば、テーブルT15では、「1324」〜「2524」ms、テーブルT16及びテーブルT17では、「1604」〜「2524」ms)。したがって、遊技者は、上記特別遊技が終了した後に最初に行われる補助遊技にて上記特別入賞口93に遊技球が入賞する確率が最も高くなるタイミングを狙って上記特別遊技を終了させることが極めて困難となり、これによって予め設定された出玉率と実際の遊技時に現れる出玉率との不整合もより好適に改善されるようになる。
また、同じく図58に示されるテーブルT15〜T17から明らかなように、この実施の形態では、各テーブルにおいて上記保留の状態にある変動表示制御の数である保留数がその最小保留数であるときに上記保留の状態が解除されることによって行われる特別図柄の変動表示制御に要する変動時間の平均時間をa、同保留数がその最小保留数を除くいくつかの保留数であるときに上記保留の状態が解除されることによって行われる特別図柄の変動表示制御に要する変動時間の平均時間をbとするとき、それら平均時間が、「a<b」なる関係となるように当該抽選処理を行うようにしている。
このような構成では、上記保留数がその最小保留数を除くいくつかの保留数であるときに上記保留の状態が解除されることにより行われる特別図柄の変動表示制御に要する変動時間のみが積極的に長くなる。このため、上記保留の状態にある変動表示制御がない場合には、上記始動口96への入賞があってからすぐに補助遊技が行われることとなり、いわゆる羽根物遊技機としての遊技性の確保と保留機能の有効利用との好適な両立を図ることができるようになる。
さらに、テーブルT15〜T17のラウンド遊技の実行回数に対応するテーブルそれぞれでは、同一の保留数において、上記保留の状態が解除されることによって行われる特別図柄の変動表示制御に要する変動時間の平均時間が、ラウンド遊技の実行回数に比例して増加するように当該抽選処理を行うようにしている。具体的には、テーブルT15の上記保留数が「1」であるときに上記保留の状態が解除されることによって行われる特別図柄の変動表示制御に要する変動時間の平均時間を3a、テーブルT16の上記保留数が「1」であるときに上記保留の状態が解除されることによって行われる特別図柄の変動表示制御に要する変動時間の平均時間を7a、テーブルT17の上記保留数が「1」であるときに上記保留の状態が解除されることによって行われる特別図柄の変動表示制御に要する変動時間の平均時間を15aとするとき、それら平均時間が、「3a<7a<15a」となるように当該抽選処理を行うようにしている。
このような構成では、特別図柄停止図柄設定処理のステップS204で決定したラウンド遊技の実行回数に比例して上記保留の状態が解除されることにより行われる特別図柄の変動表示制御に要する変動時間が長くなり、ラウンド遊技の実行回数が多ければ長い変動時間に決定され易く、ラウンド遊技の実行回数が少なければ短い変動時間に決定され易くなる。しかして、長い変動時間で特別図柄の変動表示制御が実行された場合には、ラウンド遊技の実行回数「15」に対する期待感を抱かせつつ補助遊技に注目させることができるため、遊技の興趣を向上させることができる。なお、このテーブルT15〜T17において、「保留0」〜「保留3」とは、上記ステップS104(図53参照)の処理にて上記特別図柄保留数カウンタがカウントダウンされたときの保留数「0」〜「3」のことである。
そして、こうして抽選処理が行われた後は、上記決定された特別図柄の変動パターンを上記周辺基板311へのコマンド(変動パターンコマンド)としてセットするとともに(ステップS304)、後述の時短カウンタや時短状態フラグなどが操作される時短処理を行う(ステップS305)。そして、上記特別図柄変動処理(ステップS400)にプロセス移行されるよう上述の特別図柄プロセスフラグを更新した時点で(ステップS306)、この処理を終了する。
<特別図柄変動処理>
図59は、上記特別図柄変動処理(ステップS400)についてその手順を示すフローチャートである。
上記特別図柄プロセスフラグが当該特別図柄変動処理を行うべき旨を示しているときは、同図59に示されるように、上記主制御基板131のCPU314は、まず、ステップS401の処理として、上記変動パターンについての抽選処理(ステップS300)が行われてから当該処理にて抽選された変動時間が経過するまで待機する(計時手段)。そして、このステップS401の処理において、上記抽選された変動時間が経過したと判断されると、次にステップS402の処理に移行する。すなわち、このステップS402の処理において、上記特別図柄停止処理(ステップS500)にプロセス移行されるよう上述の特別図柄プロセスフラグを更新した時点で、この処理を終了する。
<特別図柄停止処理>
図60は、上記特別図柄停止処理(ステップS500)についてその手順を示すフローチャートである。
上記特別図柄プロセスフラグが当該特別図柄停止処理を行うべき旨を示しているときは、同図60に示されるように、上記主制御基板131のCPU314は、まず、ステップS501の処理として、上記ステップS201の処理にて決定された停止図柄を上記特別図柄表示装置121a(図38参照)に表示させるための表示制御を行う。
そして、上記大当たりフラグがセットされている場合に(ステップS502)、ラウンド遊技の実行回数が2回であれば(ステップS503)、大当たりAとなったことに基づいて実行される特別遊技に対応した演出表示(後述する図85(A)の表示を継続する演出表示)を演出表示装置115にて開始したり、該演出表示に関連して装飾ランプ353及び演出ランプ354を所定の点灯態様で点灯させる制御を開始したり、スピーカ18,57から所定の音声を出力させる制御を開始したりするように上記サブ統合基板336のCPU350に指示する大当たりAコマンドをセットし(ステップS504)、上記大入賞口開放前処理(ステップS700)にプロセス移行されるよう上述の特別図柄プロセスフラグを更新した時点で(ステップS505)、この処理を終了する。一方、上記大当たりフラグがセットされている場合に(ステップS502)、ラウンド遊技の実行回数が15回であれば(ステップS503)、大当たりBとなったことに基づいて実行される特別遊技に対応した演出表示(後述する図85(B)の演出表示)を演出表示装置115にて開始したり、該演出表示に関連して装飾ランプ353及び演出ランプ354を所定の点灯態様で点灯させる制御を開始したり、スピーカ18,57から所定の音声を出力させる制御を開始したりするように上記サブ統合基板336のCPU350に指示する大当たりBコマンドをセットし(ステップS507)、上記補助遊技処理(ステップS600)にプロセス移行されるよう上述の特別図柄プロセスフラグを更新した時点で(ステップS508)、この処理を終了する。
また、上記大当たりフラグがセットされていない場合(ステップS502)には、小当たりとなったことに基づいて実行される補助遊技に対応した演出表示(後述する図85(B)の演出表示)を演出表示装置115にて開始したり、該演出表示に関連して装飾ランプ353及び演出ランプ354を所定の点灯態様で点灯させる制御を開始したり、スピーカ18,57から所定の音声を出力させる制御を開始したりするように上記サブ統合基板336のCPU350に指示する小当たりコマンドをセットし(ステップS506)、上記補助遊技処理(ステップS600)にプロセス移行されるよう上述の特別図柄プロセスフラグを更新した時点で(ステップS508)、この処理を終了する。
以上の処理により、上記特別遊技の実行契機となる大当たり(デジパチ当たり)のうちラウンド遊技の実行回数が15回の大当たり(デジパチ当たり)となった場合には、当該大当たり(デジパチ当たり)に応じた特別遊技として、まず補助遊技と同様の遊技(疑似補助遊技)、すなわち第1の可動片456を予め決められた開放パターンで開閉動作する制御が実行され、その後主要遊技として上記開閉部材86を一定パターンで開閉動作する制御が14回実行される。一方、上記特別遊技の実行契機となる大当たり(デジパチ当たり)のうちラウンド遊技の実行回数が2回の大当たり(デジパチ当たり)となった場合には、補助遊技と同様の遊技を実行することなく、当該大当たり(デジパチ当たり)に応じた特別遊技として上記開閉部材86を一定パターンで開閉動作する制御が2回実行される。
<補助遊技処理>
図61〜図64は、上記補助遊技処理(ステップS600)についてその手順を示すフローチャートである。
上記特別図柄プロセスフラグが当該補助遊技処理を行うべき旨を示しているときは、同図61に示されるように、上記主制御基板131のCPU314は、まず、ステップS601〜S603、S612、S613の処理として、上記第1の可動片456の駆動制御を行う。
すなわち、上記ステップS601の処理では、上記第1の可動片用ソレノイド331が駆動中か否かを判断する。この第1の可動片用ソレノイド331が駆動中でないときは、該ソレノイド331の駆動許可期間内であることを条件に(ステップS612)、同ソレノイド331を駆動する(ステップS613)。なお、このソレノイド331の駆動許可期間は、例えば上記ステップS204の処理にて決定された上記第1の可動片456の動作継続時間として設定可能である。一方、上記ステップS601の処理において、上記第1の可動片用ソレノイド331が駆動中であると判断されるときは、該ソレノイド331が駆動されてから上記ステップS204の処理にて決定された上記第1の可動片456の動作継続時間が経過したことを条件に(ステップS602)、同ソレノイド331の駆動を停止する(ステップS603)。
そして、こうして上記第1の可動片456の駆動制御が行われた後は、図62に示されるように、次にステップS621〜S623、S632、S633の処理として、上記振分け装置102の駆動制御を行う。
すなわち、この振分け装置102の駆動制御では、まず、上記振分け装置用ソレノイド325が駆動中であるか否かを判断する(ステップS621)。そして、この振分け装置用ソレノイド325が駆動中でないときは、該ソレノイド325の駆動許可期間内であることを条件に(ステップS632)、上記振分け装置用ソレノイド325を駆動する(ステップS633)。これにより、上記2つの通路101a、101bのうちの通路101bに遊技球が振り分けられるようになる。なお、この駆動許可期間については適宜に設定してもよい。ただし、この実施の形態では、上記振分け装置用ソレノイド325の駆動許可期間を、
・上記ステップS204の処理にて決定される上記第1の可動片456の動作継続時間が短いときよりも長いときのほうが、上記2つの通路101a、101bのうちの通路101bに遊技球が振り分けられる確率が高くなる。
といった期間に設定するようにしている。
具体的には、第1の可動片用ソレノイド331を駆動するときには、振分け装置用ソレノイド325の駆動は停止した状態であり、第1の可動片用ソレノイド331を駆動することによって第1の可動片456を閉状態から開状態にしてからの経過時間が1300msになったときに振分け装置用ソレノイド325の駆動許可期間が開始される。すなわち、振分け装置用ソレノイド325の駆動を停止していることにより上記2つの通路101a、101bのうちの通路101aに遊技球が振り分けられる状態で、第1の可動片456を閉状態から開状態にし、第1の可動片456を閉状態から開状態にしてからの経過時間が1300msになったときに振分け装置用ソレノイド325を駆動して上記2つの通路101a、101bのうちの通路101bに遊技球が振り分けられるようにしている。なお、第1の可動片用ソレノイド331を駆動することによって第1の可動片456を閉状態から開状態にしてからの経過時間が1300msになったときに振分け装置用ソレノイド325の駆動許可期間の開始時期を開始することにより、補助遊技において第1の可動片456の動作継続時間が「1300ms」以外の場合には上記2つの通路101a、101bのうちの通路101bへの遊技球の振り分けが困難になり、第1の可動片456の動作継続時間に応じて特別入賞口93への遊技球の入球確率を異ならせることができる。
一方、上記ステップS621の処理において、上記振分け装置用ソレノイド325が駆動中であると判断されるときは、該ソレノイド325が駆動されてから予め定められている駆動時間が経過したことを条件に(ステップS622)、同ソレノイド325の駆動を停止する(ステップS623)。また、この実施形態では、補助遊技処理を終了するときに振分け装置用ソレノイド325の駆動を停止する。これにより、補助遊技処理を実行するときに、振分け装置用ソレノイド325の駆動は停止した状態となり、上記2つの通路101a、101bのうちの通路101aに遊技球が振り分けられる。なお、補助遊技処理で第1の可動片用ソレノイド331を駆動するときに振分け装置用ソレノイド325の駆動を停止している状態であればよく、補助遊技処理を開始するとき(第1の可動片用ソレノイド331を駆動する以前)に振分け装置用ソレノイド325の駆動を停止した後、第1の可動片用ソレノイド331を駆動するようにしてもよい。
そして、こうして上記振分け装置102の駆動制御が行われた後は、図63に示されるように、次にステップS641〜S643、S652〜S654の処理として、上記停留装置107の駆動制御を行う。
すなわち、上記ステップS641の処理では、上記停留装置用ソレノイド332が駆動中であるか否かを判断する。そして、この停留装置用ソレノイド332が駆動中でないときは、該ソレノイド332の駆動許可期間内であること(ステップS62)、及び上記SPルート監視センサ323がオン状態にあること(ステップS653)、の論理積条件が満たされることを条件に上記停留装置用ソレノイド332を駆動する(ステップS654)。なお、上記停留装置用ソレノイド332の駆動許可期間も、上記停留装置107に遊技球が到達し得ない期間(例えば、上記第1の可動片456が駆動される前時間など)を排除するために設定されるものである。一方、上記ステップS641の処理において、上記停留装置用ソレノイド332が駆動中であると判断されるときは、該ソレノイド332が駆動されてから予め定められている駆動時間が経過したことを条件に(ステップS642)、同ソレノイド332の駆動を停止する(ステップS643)。これにより、上記第1の遊技領域37a内に2つの遊技球が同時に進入し、それら遊技球が上記2つの通路101a、101bを同時に流下する場合であっても、上記2つの通路101a、101bを同時に転動する遊技球のうちの通路101aを転動する遊技球を一方の遊技球よりも先に上記第2の特別駆動役物104に供給することができるようになる。
そして、こうして上記停留装置107の駆動制御が行われた後は、図64に示されるように、次にステップS661〜S664、S674の処理として、上記第2の特別駆動役物104の駆動制御を行う。
この実施の形態では、上記主制御基板131のCPU314は、上記第1の可動片456が駆動されてから所定の期間が経過したことを条件に(ステップS661)、上記第2の特別駆動役物104の駆動制御を行う(ステップS662〜S664、S674)。なお、この所定の期間も、当該第2の特別駆動役物104に遊技球が到達し得ない期間(例えば、上記第1の可動片456が駆動される前時間など)を排除するために予め設定されるものである。
ただし、この実施の形態では、上記ROM315には、上記第2の特別駆動役物104の駆動にかかる制御態様として異なる複数の制御態様が規定された役物制御プログラムとして、後述のNMバット動作スケジュール(図65(a)参照)及びSPバット動作スケジュール(図65(b)参照)が格納されている。この点、上記主制御基板131のCPU314は、こうした役物制御プログラムを予め定められた実行順序に従って順次に実行することで、上記特別入賞口93への入賞確率を各々該当する遊技球の供給元である通路101a、101bの別に異ならしめるようにしている。
すなわち、当該主制御基板131のCPU314は、上記特別駆動役物104の駆動制御を行うにあたり、上記NMバット動作スケジュールが実行済みであるか否かを判断する(ステップS662)。そしてこの結果、未だ実行されていないときは、このNMバット動作スケジュールを実行する。これにより、上記2つの通路101a、101bのうちの通路101aから供給される遊技球(先に供給される遊技球)に対して上記バット部104aが作用すべく上記第2の特別駆動役物104が駆動するようになる。
一方、こうしてNMバット動作スケジュールが実行された後は(ステップS662)、上記SPルート監視センサ323がオン状態にあることを条件に(ステップS663)、上記SPバット動作スケジュールを実行する。これにより、上記2つの通路101a、101bのうちの通路101bから供給される遊技球(後に供給される遊技球)に対して上記バット部104aが先のNMバット動作スケジュールが実行されるときとは異なる態様をもって作用するかたちで上記第2の特別駆動役物104が駆動するようになる。なお、このSPバット動作スケジュールは、上記NMバット動作スケジュールよりも上記特別入賞口93への遊技球の入賞が高くなるように上記バット部104aを動作させるための役物制御プログラムからなる。
図65(a)及び(b)は、上記NMバット動作スケジュール及び上記SPバット動作スケジュールのプログラム内容を示す表である。
同図65(a)及び(b)に示されるように、上記NMバット動作スケジュール及び上記SPバット動作スケジュールは、複数のジョブを有して構成されている。すなわち、これらジョブが順次実行されることで、上記第2の特別駆動役物104のバット部104aが所望の態様をもって動作するようになる。なお、これらバット動作スケジュール(ステップS664、S674)は、上記割込制御(図50(b))の処理の一環として行われるものであり、上記順次実行される複数のジョブは、実際には複数回の割込制御に亘って実行される。
まず、図65(a)を参照して、上記NMバット動作スケジュールについて説明する。
このNMバット動作スケジュールは、以下のジョブ「1」〜「12」から構成されている。ジョブ「1」:当該NMバット動作スケジュールが呼び出されることを条件に、バット駆動用ソレノイド335が「1000」msだけオフ状態とされる。ジョブ「2」:上記ジョブ「1」が実行済みとなることを条件に、バット駆動用ソレノイド335が「1000」msだけオフ状態とされる。ジョブ「3」:上記ジョブ「2」が実行済みとなることを条件に、バット駆動用ソレノイド335が「1000」msだけオフ状態とされる。ジョブ「4」:上記ジョブ「3」が実行済みとなることを条件に、バット駆動用ソレノイド335が「300」msだけオフ状態とされる。ジョブ「5」:上記ジョブ「4」が実行済みとなることを条件に、バット駆動用ソレノイド335が「276」msだけオン状態とされる。ジョブ「6」:上記ジョブ「5」が実行済みとなることを条件に、バット駆動用ソレノイド335が「380」msだけオフ状態とされる。ジョブ「7」:上記ジョブ「6」が実行済みとなることを条件に、バット駆動用ソレノイド335が「276」msだけオン状態とされる。ジョブ「8」:上記ジョブ「7」が実行済みとなることを条件に、バット駆動用ソレノイド335が「380」msだけオフ状態とされる。ジョブ「9」:上記ジョブ「8」が実行済みとなることを条件に、バット駆動用ソレノイド335が「276」msだけオン状態とされる。ジョブ「10」:上記ジョブ「9」が実行済みとなることを条件に、バット駆動用ソレノイド335が「380」msだけオフ状態とされる。ジョブ「11」:上記ジョブ「10」が実行済みとなることを条件に、バット駆動用ソレノイド335が「276」msだけオン状態とされる。ジョブ「12」:上記ジョブ「11」が実行済みとなることを条件に、バット駆動用ソレノイド335が「904」msだけオフ状態とされるとともに、その後は、当該バットスケジュールの実行終了を示すジョブ「0」に移行する。
このような役物制御プログラムでは、上記ジョブ「4」〜「6」において、上記バット部104aは、図66(a)〜(c)に示される態様にて動作するようになる。すなわち、上記バット部104aは、上記2つの通路101a、101bのうちの通路101aから供給される遊技球を、上記第1の特別駆動役物103(案内口103a)が設けられている方向へ打ち返すように動作するようになる(図27参照)。なお、この実施の形態では、上記バット部104aによるこうした動作は、上記ジョブ「4」〜「12」を通じて4回繰り返し行われる。
ただし、この役物制御プログラムでは、遊技球は、上記バット部104aが図66(c)に示されるような状態にあるときに同バット部104aに到達することもある。このような場合、遊技球は、上記バット部104aに打ち返されることなく、上記ハズレ受入口94に受け入れられることとなる(図28参照)。
ちなみに、上記ジョブ「1」〜「12」のうちのジョブ「1」〜「4」は、上記第1の遊技領域37a内に進入した遊技球が上記通路101aを通って上記第2の特別駆動役物104に到達するまでの待ち時間として設定されている。
次に、図65(b)を参照して、上記SPバット動作スケジュールについて説明する。
このSPバット動作スケジュールは、以下のジョブ「13」〜「18」から構成されている。ジョブ「13」:当該SPバット動作スケジュールが呼び出されることを条件に、バット駆動用ソレノイド335が「40」msだけオフ状態とされる。ジョブ「14」:上記ジョブ「13」が実行済みとなることを条件に、バット駆動用ソレノイド335が「1000」msだけオン状態とされる。ジョブ「15」:上記ジョブ「14」が実行済みとなることを条件に、バット駆動用ソレノイド335が「500」msだけオン状態とされる。ジョブ「16」:上記ジョブ「15」が実行済みとなることを条件に、バット駆動用ソレノイド335が「320」msだけオフ状態とされる。ジョブ「17」:上記ジョブ「16」が実行済みとなることを条件に、バット駆動用ソレノイド335が「300」msだけオン状態とされる。ジョブ「18」:上記ジョブ「17」が実行済みとなることを条件に、バット駆動用ソレノイド335が「200」msだけオフ状態とされるとともに、その後は、当該バットスケジュールの実行終了を示すジョブ「0」に移行する。
ちなみに、ジョブ「14」は、上記第1の遊技領域37a内に進入した遊技球が通路101bを通って上記停留装置107にて停留された後に上記第2の特別駆動役物104に到達するまでの待ち時間として設定されている。
このような構成では、上記ジョブ「13」〜「17」において、上記バット部104aは、図67(a)〜(e)に示される態様にて動作するようになる。すなわち、図67(c)に示されるように、上記ジョブ「15」が実行されている間、上記通路101bから供給される遊技球は、上記バット部104aと保持部材104bとにより一旦保持されるようになる(ジョブ14の状態)。そして、次のジョブ「16」では、図67(d)に示されるように、上記バット部104aと保持部材104bとにより保持されていた遊技球が上記板部材106の傾斜によって上記バット部104aの先端あたりまで流下し、さらに次のジョブ「17」では、同バット部104aによって上記第1の特別駆動役物103(案内口103a)が設けられている方向へ打ち返されるようになる。(図27参照)。これにより、上記2つの通路101a、101bのうちの通路101bから供給される遊技球は、このSPバット動作スケジュールの実行を通じて上記第1の特別駆動役物103(案内口103a)が設けられている方向へ必ず打ち返されることとなる。
なお、上述したように板部材106上には案内溝106aが形成され、当該板部材106上に落下した遊技球は通常、この案内溝106aを通じて上記第2の特別駆動役物104のバット部104aに供給される。また、バット部104aによって打ち返された遊技球が案内溝106aに入ったときには、第3の特別駆動役物105に遮られることなく、案内溝106aに沿って真直ぐ後方まで打ち返すことが可能になっている。上記SPバット動作スケジュールでは、上記NMバット動作スケジュールを実行したときよりも案内溝106a方向に打ち返す割合を高め、上記NMバット動作スケジュールを実行したときよりも特別入賞口93への遊技球の入球確率を向上させている。
そして、こうして上記第2の特別駆動役物104の駆動制御が行われた後は(ステップS664、S674)、図68に示されるように、次にステップS681〜S688、S691〜S696の処理として、上記第3の特別駆動役物105の駆動制御、及び各種フラグの操作を行う。
すなわち、上記ステップS681の処理では、守備人形動作スケジュールが実行中であるか否かを判断する。なお、この守備人形動作スケジュールとは、その詳細は割愛するが、基本的には、上記守備人形105aが先の図30及び図31に示される態様で動作するように上記守備人形用モータ326を駆動制御するためのプログラムである。そして、この守備人形動作スケジュールが実行中でないときは、上記守備人形用モータ326の駆動許可期間内であることを条件に(ステップS691)、該守備人形動作スケジュールを実行する。なお、上記守備人形用モータ326の駆動許可期間は、上記守備人形105aに遊技球が到達し得ない期間(例えば、上記第1の可動片456が駆動される前時間など)を排除するために設定されるものである。
そして、こうして上記守備人形動作スケジュールが実行されると、次にステップS682の処理として、第1のカウントセンサ319によって第1の遊技領域37aへの遊技球の進入が検出されたか否かを判断する。そしてこの結果、第1の遊技領域37aへの遊技球の進入が検出されていれば、演出設定処理を実行する(ステップS686)。なお後述するが、演出設定処理では、特別入賞口93への入球確率に応じた演出を実行するための処理を行う。演出設定処理が実行されると、次にステップS687の処理として、上記大当たり受入センサ329がオン状態であるか否かを判断する。そしてこの結果、このセンサ329がオン状態であれば、上記大当たりフラグをオン状態(大当たりフラグをセット)に(ステップS693)、後述する第1演出フラグ、第2NM演出フラグ、及び第2SP演出フラグをオフ状態に(ステップS694)、それぞれ操作するとともに羽根物当たりとなったことに基づく主要遊技を開始する旨を示すラウンド遊技コマンド(羽根物当たり時ラウンド遊技コマンド)をセットする(ステップS695)。そして、上記大入賞口開放前処理(ステップS700)にプロセス移行されるよう上述の特別図柄プロセスフラグを更新した時点で(ステップS696)、この処理を終了する。
ただし、上記ステップS687の処理においては、上記大当たり受入センサ329がオフ状態であると判断されるような場合もある。このような場合には、次のステップS688の処理において、第1のカウントセンサ319によって第1の遊技領域37aへの進入が検出された遊技球が全て排出されたと判断されるまで、すなわち、第1のカウントセンサ319によって検出された遊技球の個数と、ハズレ受入センサ330によって検出された遊技球の個数と、が一致すると判断されるまで、当該補助遊技処理(S600)を継続して実行することとなる。そして、第1のカウントセンサ319によって検出された遊技球の個数と、ハズレ受入センサ330によって検出された遊技球の個数と、が一致すると判断した場合には、ステップS684に進む。なお、ステップS688で所定期間に亘って第1のカウントセンサ319によって第1の遊技領域37aへの進入が検出された遊技球が残存していると判断されたときに異常(例えば、球詰まり等)が発生したと判断して、該異常を報知してもよい。
また、上記ステップS682の処理においては、第1のカウントセンサ319によって第1の遊技領域37aへの遊技球の進入が検出されない場合もある。このような場合には、次のステップS683の処理において、予め定められている補助遊技実行時間が経過したと判断されるまで、当該補助遊技処理(S600)を継続して実行することとなる。一方、このステップS683の処理において、上記補助遊技実行時間が経過したと判断されるようになると、後述する第1演出フラグ、第2NM演出フラグ、及び第2SP演出フラグをオフ状態に操作した後(ステップS684)、上記大当たりフラグの状態を判別して(ステップS684a)、大当たりフラグの状態に応じた処理を実行する。
すなわち、上記大当たりフラグがセットされていれば(ステップS684a)、特定の停止図柄が導出表示されたことに基づく主要遊技を開始することを示すラウンド遊技コマンド(復活大当たり時ラウンド遊技コマンド)をセットした後(ステップS684b)、上記大入賞口開放前処理(ステップS700)にプロセス移行されるよう上述の特別図柄プロセスフラグを更新した時点で(ステップS696)、この処理を終了する。一方、上記大当たりフラグがセットされていなければ(ステップS684a)、上記特別図柄通常処理(ステップS100)にプロセス移行されるよう上述の特別図柄プロセスフラグを更新した時点で(ステップS685)、この処理を終了する。
<演出設定処理>
図69は、上記演出設定処理(ステップS686)についてその手順を示すフローチャートである。
上記主制御基板131のCPU314は、まず、ステップS6861〜ステップS6868の処理として遊技球が通路101aを通過したことにもとづいて特別入賞口93への遊技球の入球確率に応じた演出を実行するための処理を行う。すなわち、上記ステップS6861の処理では、NMルート監視センサ322によって通路101aを転動する遊技球が検出されたか否かを判断する。そしてこの結果、通路101aを転動する遊技球が検出されていれば、通路101aの通過にもとづく特別入賞口93への遊技球の入球確率に応じた演出の実行を周辺基板311に指示したことを示す第2NM演出フラグがセットされているか否かを判断する(ステップS6862)。そして、第2NM演出フラグがセットされていなければ、第2NM演出フラグをセットし(ステップS6863)、実行する演出を決定する処理を行う。
この実施形態では、ステップS613(図61)で第1の可動片用ソレノイド331をオン、すなわち、第1の可動片456を閉状態から開状態にしてから所定期間が経過したときにステップS674(図64)でNMバット動作スケジュールが実行される。そのため、NMバット動作スケジュールを実行してバット部104aを動作させるときの特別入賞口93の位置により特別入賞口93への遊技球の入球確率の判定が可能である。具体的には、第1の可動片用ソレノイド331をオンにしたときに特別入賞口93の駆動状況を示す上記演出判定タイマの値を確認し、NMルート監視センサ322により通路101aを転動する遊技球を検出したときに、第1の可動片用ソレノイド331をオンにしたときに確認した演出判定タイマの値にもとづいて遊技球の入球確率が高いか否かを判断する(ステップS6864)。そして、上述のステップS204の処理(図54参照)にて決定されたラウンド遊技の実行回数に応じて後述するNMルート監視センサ検出時判定2テーブルを選択し(ステップS6865)、この選択したNMルート監視センサ検出時判定2テーブルと、当該小当たりの起因となった始動口96への遊技球の入球時に取得した上記演出決定用乱数と、上記演出判定タイマの値と、にもとづいて実行する演出を決定し(ステップS6866)、この決定結果が周辺基板311に送信されるようコマンドをセットする(ステップS6868)。これにより、こうして決定された事項に基づく演出が上記演出表示装置115にて行われるようになる。
図70は、第1の可動片用ソレノイド331をオンにしたときに確認した上記演出判定タイマの値、すなわち、NMバット動作スケジュールを実行してバット部104aを動作させるときの特別入賞口93の位置により特別入賞口93への遊技球の入球確率が高いか否かを判断するためのNMルート監視センサ検出時判定1テーブルであり、図71(A)〜図71(C)は、ラウンド遊技の実行回数に応じて実行する演出を決定するためのNMルート監視センサ検出時判定2テーブルである。
図70に示されるように、通路101aを転動する遊技球が検出されたことにもとづき、上記NMルート監視センサ322通過時の演出を入球確率に応じたNM演出1〜NM演出5のうちいずれかに決定する。また、この実施形態では、ステップS6864においてNMルート監視センサ検出時判定1テーブルにもとづいて第1の可動片用ソレノイド331をオンにしたときの演出判定タイマの値が「0〜410ms」、「2490〜3170ms」及び「5030〜5200ms」の場合にNM演出1〜NM演出3を実行可能と判断し、演出判定タイマの値が「410〜910ms」、「1990〜2490ms」、「3170〜3670ms」及び「4740〜5030ms」の場合にNM演出4を実行可能と判断する。
なお、上記NM演出1〜NM演出3を実行可能と判断するためのタイマ値「0〜410ms」、「2490〜3170ms」及び「5030〜5200ms」は、第1の可動片用ソレノイド331をオンにしたときにこのタイマ値の範囲内の場合に上記特別入賞口93に入球し易いものとして予め設定されているものである。また、上記NM演出4を実行可能と判断するためのタイマ値「410〜910ms」、「1990〜2490ms」、「3170〜3670ms」及び「4740〜5030ms」は、上記NM演出1〜NM演出3のタイマ値のときよりも上記特別入賞口93への入球確率は劣るものの、十分に入球が期待できるものとして予め設定されているものである。NMルート監視センサ検出時判定1テーブルをこのように設定することにより第1の可動片用ソレノイド331をオンにしたときの特別入賞口93の位置にもとづいてNM演出1〜NM演出3が実行されたときにはNM演出4が実行されたときよりも特別入賞口93への遊技球の入球確率が高いといえる。
また、NM演出5は、NM演出1〜NM演出4が実行されない場合に実行される。すなわち、ステップS6864で第1の可動片用ソレノイド331をオンにしたときの演出判定タイマ値がNM演出1〜NM演出4のタイマ値に該当しない場合及びステップS6866でNM演出1〜NM演出4のいずれにも当選しなかった場合にはNM演出5に決定する(ステップS6867)。
ステップS6864でNMルート監視センサ検出時判定1テーブルにもとづいてNM演出1〜NM演出4を実行可能と判断した場合には、NMルート監視センサ検出時判定2テーブルにもとづいて実行する演出を決定する。図71に示されるように、この実施形態では、上述のステップS204の処理(図54参照)にて決定されたラウンド遊技の実行回数に応じて異なるテーブルが選択される。具体的には、上述のステップS204の処理でラウンド遊技の実行回数として「3」に決定されたときには図71(A)に示されるNMルート監視センサ検出時判定2テーブル、上述のステップS204の処理でラウンド遊技の実行回数として「7」に決定されたときには図71(B)に示されるNMルート監視センサ検出時判定2テーブル、上述のステップS204の処理でラウンド遊技の実行回数として「15」に決定されたときには図71(C)に示されるNMルート監視センサ検出時判定2テーブルをそれぞれ選択する。各テーブルは判定値の振分けが異なるように設定され、ラウンド遊技の実行回数に応じて実行される演出の割合を異ならせている。
また、ステップS6864でNMルート監視センサ検出時判定1テーブルにもとづいてNM演出1〜NM演出3を実行可能と判断した場合には、NM演出1を実行するか否かを優先的に判定する。NM演出1を実行すると判定されたときにはNM演出2及びNM演出3を実行するか否かを判定することなくNM演出1を実行することに決定する。一方、NM演出1を実行しない場合にはNM演出2を実行するか否かを判定する。NM演出2を実行すると判定されたときにはNM演出3を実行するか否かを判定することなくNM演出2を実行することに決定する。さらにNM演出2を実行しない場合にはNM演出3を実行するか否かを判定する。
また、この実施形態では、上述のステップS204の処理でラウンド遊技の実行回数として「3」に決定されたときに選択されるNMルート監視センサ検出時判定2テーブルではNM演出1及びNM演出2に、上述のステップS204の処理でラウンド遊技の実行回数として「7」に決定されたときに選択されるNMルート監視センサ検出時判定2テーブルではNM演出1に判定値を振分けていない。すなわち、上述のステップS204の処理でラウンド遊技の実行回数として「3」に決定されたときにステップS6864でNMルート監視センサ検出時判定1テーブルにもとづいてNM演出1〜NM演出3を実行可能と判断した場合であってもNM演出1及びNM演出2を実行することに決定されることはなく、上述のステップS204の処理でラウンド遊技の実行回数として「7」に決定されたときにステップS6864でNMルート監視センサ検出時判定1テーブルにもとづいてNM演出1〜NM演出3を実行可能と判断した場合であってもNM演出1を実行することに決定されることはない。
また、ステップS6864でNMルート監視センサ検出時判定1テーブルにもとづいてNM演出1〜NM演出3を実行可能と判断した場合にNM演出1、NM演出2、NM演出3の順序で実行するか否かの判定を行うため、上述のステップS204の処理でラウンド遊技の実行回数として「7」に決定されたときにステップS6864でNMルート監視センサ検出時判定1テーブルにもとづいてNM演出1〜NM演出3を実行可能と判断した場合にはNM演出3を実行することに決定される割合よりもNM演出2を実行することに決定される割合の方が高くなり、上述のステップS204の処理でラウンド遊技の実行回数として「15」に決定されたときにステップS6864でNMルート監視センサ検出時判定1テーブルにもとづいてNM演出1〜NM演出3を実行可能と判断した場合にはNM演出1〜NM演出3のうちNM演出1を実行することに決定される割合が最も高くなる。このように構成することにより、NM演出1が実行された場合には特別入賞口93への入球に対する期待が高まるだけでなくラウンド遊技の実行回数として「15」に対する期待が高まるため興趣を向上させることができる。また、上述のステップS204の処理でラウンド遊技の実行回数として「15」に決定されたときにステップS6864でNMルート監視センサ検出時判定1テーブルにもとづいてNM演出1〜NM演出3を実行可能と判断した場合にもNM演出2及びNM演出3が実行されるため、遊技に対する興趣を低下させることなくラウンド遊技の実行回数として「15」に対する期待を抱かせつつ特別入賞口93に入球するか否かに注目させることができる。
また、上述のステップS204の処理でラウンド遊技の実行回数として「15」に決定されたときに選択されるNMルート監視センサ検出時判定2テーブルにおいてNM演出2に振分けられる判定値の個数は、上述のステップS204の処理でラウンド遊技の実行回数として「7」に決定されたときに選択されるNMルート監視センサ検出時判定2テーブルにおいてNM演出2に振分けられる判定値の個数よりも少ない。そのため、NM演出2が実行されたときには、特別入賞口93へ入球したことにもとづいてラウンド遊技の実行回数として「7」の特別遊技を発生する確率が高くなる。また、NM演出2が実行されたときには、特別入賞口93へ入球したことにもとづいてラウンド遊技の実行回数として「3」の特別遊技を発生させないため、遊技者に安心感を与えることができるとともに、上述のステップS204の処理でラウンド遊技の実行回数として「15」に決定されたときにステップS6864でNMルート監視センサ検出時判定1テーブルにもとづいてNM演出1〜NM演出3を実行可能と判断した場合にもNM演出2が実行されるため、遊技に対する興趣を低下させることなくラウンド遊技の実行回数として「15」に対する期待を抱かせつつ特別入賞口93に入球するか否かに注目させることができる。
また、ステップS6864でNMルート監視センサ検出時判定1テーブルにもとづいてNM演出4を実行可能と判断した場合には、上述のステップS204の処理(図54参照)にて決定されたラウンド遊技の実行回数に応じて選択したNMルート監視センサ検出時判定2テーブルにもとづいてNM演出4を実行するか否か判定する。この実施形態では、上述のステップS204の処理でラウンド遊技の実行回数として「3」に決定されたときに選択されるNMルート監視センサ検出時判定2テーブルではNM演出4に判定値を振分けていない。すなわち、上述のステップS204の処理でラウンド遊技の実行回数として「3」に決定されたときにステップS6864でNMルート監視センサ検出時判定1テーブルにもとづいてNM演出4を実行可能と判断した場合であってもNM演出4を実行することに決定されることはない。このように構成することにより、NM演出4が実行されたときにラウンド遊技の実行回数として「7」及び「15」に対する期待を高めることができるため、NM演出4が実行されたことによって入球確率が低いことを認識した場合であっても遊技に対する興趣を低下させることなくラウンド遊技の実行回数として「7」及び「15」に対する期待を抱かせつつ特別入賞口93に入球するか否かに注目させることができる。
また、ステップS6864でNMルート監視センサ検出時判定1テーブルにもとづいてNM演出1〜NM演出4を実行可能と判断しなかった場合及びステップS6865〜S6866でNM演出1〜NM演出4のいずれにも当選しなかった場合にはNM演出5に決定する(ステップS6867)。これにより、NMルート監視センサ322によって通路101aを転動する遊技球が検出された場合にはNM演出1〜NM演出5のいずれかの演出を実行することに決定されるため、実行された演出によって特別入賞口93に入球するか否かに注目させることができる。
そして、ステップS6861で遊技球が通路101aを通過しなかった場合及びステップS6862で遊技球が通路101aを通過したことにもとづいて特別入賞口93への遊技球の入球確率に応じた演出の実行を周辺基板311に指示したことを示す第2NM演出フラグがセットされている場合には、ステップS6872〜S6876の処理として、遊技球が通路101bを通過したことにもとづいて特別入賞口93への遊技球の入球確率に応じた演出を実行するための処理を行う。すなわち、上記ステップS6872の処理では、SPルート監視センサ323によって通路101bを転動する遊技球が検出されたか否かを判断する。そしてこの結果、通路101bを転動する遊技球が検出されていれば、通路101bの通過にもとづく特別入賞口93への遊技球の入球確率に応じた演出の実行を周辺基板311に指示したことを示す第2SP演出フラグがセットされているか否かを判断する(ステップS6873)。そして、第2SP演出フラグがセットされていなければ、第2SP演出フラグをセットし(ステップS6874)、実行する演出を決定する処理を行う。
この実施形態では、ステップS613(図61)で第1の可動片用ソレノイド331をオン、すなわち、第1の可動片456を閉状態から開状態にしてから所定期間が経過したときにステップS664(図64)でSPバット動作スケジュールが実行される。そのため、SPバット動作スケジュールを実行してバット部104aを動作させるときの特別入賞口93の位置により特別入賞口93への遊技球の入球確率の判定が可能である。具体的には、第1の可動片用ソレノイド331をオンにしたときに特別入賞口93の駆動状況を示す上記演出判定タイマの値を確認し、SPルート監視センサ323により通路101bを転動する遊技球を検出したときに、第1の可動片用ソレノイド331をオンにしたときに確認した演出判定タイマの値にもとづいて遊技球の入球確率が高いか否かを判断する(ステップS6875)。そして、上述のステップS204の処理(図54参照)にて決定されたラウンド遊技の実行回数に応じて後述するSPルート監視センサ検出時判定2テーブルを選択し(ステップS6876)、この選択したSPルート監視センサ検出時判定2テーブルと、当該小当たりの起因となった始動口96への遊技球の入球時に取得した上記演出決定用乱数と、上記演出判定タイマの値と、にもとづいて実行する演出を決定し(ステップS6877)、この決定結果が周辺基板311に送信されるようコマンドをセットする(ステップS6879)。これにより、こうして決定された事項に基づく演出が上記演出表示装置115にて行われるようになる。
また、この実施形態では、通路101aを通過する遊技球が検出されるとともに通路101bを通過する遊技球が検出された場合には、通路101bを遊技球が通過したことにもとづく演出を優先して実行する。具体的には、ステップS6861でNMルート監視センサ322によって通路101aを転動する遊技球が検出され、ステップS6864〜ステップS6867で決定した演出の実行を指示するコマンドを送信した後、ステップS6872でSPルート監視センサ323によって通路101bを転動する遊技球が検出された場合には、ステップS6875〜ステップS6878で決定した演出の実行を指示するコマンドを送信する。これにより、ステップS6864〜ステップS6867で決定した演出の実行を中断し、ステップS6875〜ステップS6878で決定した演出の実行を開始する。なお、ステップS6864〜ステップS6867で決定した演出を実行した後にステップS6875〜ステップS6878で決定した演出を実行するように構成してもよく、この場合には、ステップ6862で第2NM演出フラグがセットされていると判定した場合にNMバット動作スケジュールを実行したか否か判断し、この結果、NMバット動作スケジュールを実行していれば、ステップS6873〜ステップS6879を実行するようにしてもよい。
図72(A)は、第1の可動片用ソレノイド331をオンにしたときに確認した上記演出判定タイマの値、すなわち、SPバット動作スケジュールを実行してバット部104aを動作させるときの特別入賞口93の位置により特別入賞口93への遊技球の入球確率が高いか否かを判断するためのSPルート監視センサ検出時判定1テーブルであり、図72(B)〜図72(D)は、ラウンド遊技の実行回数に応じて実行する演出を決定するためのSPルート監視センサ検出時判定2テーブルである。
図72(A)に示されるように、通路101bを転動する遊技球が検出されたことにもとづいて、上記SPルート監視センサ323通過時の演出を入球確率に応じたSP演出1またはSP演出2に決定する。また、この実施形態では、ステップS6875においてSPルート監視センサ検出時判定1テーブルにもとづいて第1の可動片用ソレノイド331をオンにしたときの演出判定タイマの値が「380〜1060ms」及び「3430〜4110ms」の場合にSP演出1を実行可能と判断する。なお、この演出判定タイマの値「380〜1060ms」及び「3430〜4110ms」は、第1の可動片用ソレノイド331をオンにしたときにこのタイマ値の範囲内の場合に上記特別入賞口93に入球し易いものとして予め設定されているものである。
また、SP演出2は、SP演出1が実行されない場合に実行される。すなわち、ステップS6875で第1の可動片用ソレノイド331をオンにしたときの演出判定タイマ値がSP演出1のタイマ値に該当しないと判断した場合及びステップS6877でSP演出1に当選しなかった場合にはSP演出2に決定する(ステップS6878)。SPルート監視センサ検出時判定1テーブルをこのように設定することにより第1の可動片用ソレノイド331をオンにしたときの特別入賞口93の位置にもとづいてSP演出1が実行されたときにはSP演出2が実行されたときよりも特別入賞口93への遊技球の入球確率が高いといえる。
ステップS6875でSPルート監視センサ検出時判定1テーブルにもとづいてSP演出1を実行可能と判断した場合には、SPルート監視センサ検出時判定2テーブルにもとづいてSP演出1を実行するか否か決定する。図72(B)〜図72(D)に示されるように、この実施形態では、上述のステップS204の処理(図54参照)にて決定されたラウンド遊技の実行回数に応じて異なるテーブルが選択される。具体的には、上述のステップS204の処理でラウンド遊技の実行回数として「3」に決定されたときには図72(B)に示されるSPルート監視センサ検出時判定2テーブル、上述のステップS204の処理でラウンド遊技の実行回数として「7」に決定されたときには図72(C)に示されるSPルート監視センサ検出時判定2テーブル、上述のステップS204の処理でラウンド遊技の実行回数として「15」に決定されたときには図72(D)に示されるSPルート監視センサ検出時判定2テーブルをそれぞれ選択する。各テーブルは判定値の振分けが異なるように設定され、ラウンド遊技の実行回数に応じて実行される演出の割合を異ならせている。
また、この実施形態では、上述のステップS204の処理でラウンド遊技の実行回数として「3」に決定されたときに選択されるSPルート監視センサ検出時判定2テーブルではSP演出1に判定値を振分けていない。すなわち、上述のステップS204の処理でラウンド遊技の実行回数として「3」に決定されたときにステップS6864でSPルート監視センサ検出時判定1テーブルにもとづいてSP演出1を実行可能と判断した場合であってもSP演出1を実行することに決定されることはない。このように構成することにより、SP演出1が実行された場合には特別入賞口93への入球に対する期待が高まるだけでなくラウンド遊技の実行回数として「7」及び「15」に対する期待が高まるため興趣を向上させることができる。また、SPバット動作スケジュールが実行されたときには、NMバット動作スケジュールが実行されたときよりも特別入賞口93への遊技球の入賞確率が高まるため、SP演出1が実行されたときには特別入賞口93への入球に対する期待をさらに高めることができる。
また、ステップS6875で第1の可動片用ソレノイド331をオンにしたときの演出判定タイマ値がSP演出1のタイマ値に該当しないと判断した場合及びステップS6877でSP演出1に当選しなかった場合にはSP演出2に決定する(ステップS6878)。これにより、SPルート監視センサ323によって通路101bを転動する遊技球が検出された場合にはSP演出1またはSP演出2を実行することに決定されるため、実行された演出によって特別入賞口93に入球するか否かに注目させることができる。また、SP演出2が実行されたときにはSP演出1が実行されたときよりも特別入賞口93への入球確率が低くなるが、SPバット動作スケジュールが実行されたときには、NMバット動作スケジュールが実行されたときよりも特別入賞口93への遊技球の入賞確率が高まるため、遊技に対する興趣を低下させることなく特別入賞口93に入球するか否かに注目させることができる。
このようにこの実施形態では、特別入賞口93への入球確率が低い場合に実行される演出と、特別入賞口93への入球確率が高い場合に実行される演出と、を備えたため、特別入賞口93への入球確率が高い場合に実行される演出が実行されたときに特別入賞口93への入球に対する期待を高めることができるとともに特別入賞口93に入球するか否かに注目させることができ、興趣を向上させることができる。
なお、本実施形態では、第1の可動片用ソレノイド331をオンにしたときに演出判定タイマを確認し、NMルート監視センサ322及びSPルート監視センサ323によって遊技球を検出したときに第1の可動片用ソレノイド331をオンにしたときに確認した演出判定タイマの値を参照し、当該演出判定タイマの値にもとづいて実行する演出を決定するように構成しているが、NMルート監視センサ322及びSPルート監視センサ323によって遊技球を検出したときに演出判定タイマの値を確認し、当該演出判定タイマの値にもとづいて実行する演出を決定するようにしてもよい。このように構成することにより、特別入賞口93に入球するか否かをより正確に判定することができるため、入球確率に応じた演出の期待値を向上させることができる。
そして、ステップS6872で遊技球が通路101bを通過しなかった場合には、第1のカウントセンサ319によって遊技球が第1の遊技領域37a内に進入したことが検出されたことにもとづいてステップS6881〜ステップS6884の処理として特別入賞口93への遊技球の入球確率に応じた演出を実行するための処理を行う。すなわち、上記ステップS6881の処理では、第1の遊技領域37a内への進入にもとづく特別入賞口93への遊技球の入球確率に応じた演出の実行を周辺基板311に指示したことを示す第1演出フラグがセットされているか否かを判断する(ステップS6881)。そして、第1演出フラグがセットされていなければ、第1演出フラグをセットし(ステップS6882)、実行する演出を決定する処理を行う。
この実施形態では、ステップS613(図61)で第1の可動片用ソレノイド331をオン、すなわち、第1の可動片456を閉状態から開状態にしてから所定期間が経過したときにステップS664(図64)でNMバット動作スケジュール及びSPバット動作スケジュールが実行される。そのため、第1のカウントセンサ319によって第1の遊技領域37a内に進入したことが検出された遊技球と、特別入賞口93と、の位置関係によって特別入賞口93への遊技球の入球確率の判定が可能である。しかして第1のカウントセンサ319により第1の遊技領域37a内に進入した遊技球を検出したときに特別入賞口93の駆動状況を示す演出判定タイマの値を確認し、該演出判定タイマの値にもとづいて判断した遊技球の入球確率に応じて実行する演出を決定する(ステップS6883)。そして、決定結果が周辺基板311に送信されるようコマンドをセットする(ステップS6884)。これにより、こうして決定された事項に基づく演出が上記演出表示装置115にて行われるようになる。
図73は、第1の遊技領域37a内に進入した遊技球と、特別入賞口93と、の位置関係によって特別入賞口93への遊技球の入球確率を判断するための第1の第1のカウントセンサ検出時判定テーブルである。
図73に示されるように、第1のカウントセンサ319によって第1の遊技領域37a内に進入した遊技球が検出されたことにもとづいて入球確率に応じたCS演出1〜CS演出3のいずれかに決定する。具体的には、ステップS6883において、演出判定タイマの値が「1200〜1500ms」の場合にCS演出1を実行することに決定し、演出判定タイマの値が「600〜800ms」の場合にCS演出2を実行することに決定する。また、ステップS6883において演出判定タイマの値にもとづいてCS演出1及びCS演出2に決定されなかった場合には、CS演出3を実行することに決定する。第1のカウントセンサ検出時判定テーブルをこのように設定することにより第1の遊技領域37a内に進入した遊技球と、特別入賞口93と、の位置関係にもとづいて特別入賞口93への遊技球の入球確率は、CS演出1>CS演出2>CS演出3となる。このように構成することにより、CS演出1〜CS演出3が実行された場合に第1の遊技領域37a内に遊技球が進入したことを把握させることができるとともに、特別入賞口93に入球するか否かに注目させることができるため、興趣を向上させることができる。
上述したようにバット部104aによって打ち返された遊技球が案内溝106aに入ったときには、第3の特別駆動役物105に遮られることなく、案内溝106aに沿って真直ぐ後方まで打ち返すことが可能である。また、案内溝106aは、板部材106の略中央付近に配置する。すなわち、案内溝106aの後方付近に案内口103aが位置する場合には特別入賞口93への入球確率が高い。上記演出設定処理では、演出判定タイマにもとづく案内口103aの位置に応じて案内溝106aの後方付近に案内口103aが位置した状態でバット部104aによって案内溝106a方向へ遊技球を打ち返す可能性が高い場合に特別入賞口93への入球確率が高いことを報知するため、特別遊技に対する期待感を高め、特別入賞口93に遊技球が入球するか否かに注目させることができる。
なお、この実施形態では、主制御基板131のCPU314により演出設定処理にて実行する演出を決定するように構成したが、NMルート監視センサ322、SPルート監視センサ323、及び第1のカウントセンサ319による遊技球の検出があったときにサブ統合基板336に当該検出があったことを示すコマンドを送信するとともに、演出判定タイマの計測をサブ統合基板336によって行うことにより実行する演出をサブ統合基板336のCPU350によって決定してもよい。この場合には、NMルート監視センサ322の検出信号をサブ統合基板336に入力されるように構成し、NMルート監視センサ322による遊技球の検出があったときにサブ統合基板336に当該検出があったことを示すコマンドを送信しないようにしてもよい。
<大入賞口開放前処理>
図74は、上記大入賞口開放前処理(ステップS700)についてその手順を示すフローチャートである。
上記特別図柄プロセスフラグが当該大入賞口開放前処理を行うべき旨を示しているときは、同図74に示されるように、上記主制御基板131のCPU314は、まず、ステップS701の処理として、上記周辺基板311によって上述の主要遊技に移行する旨の告知や、次に開始する予定の主要遊技の実行回数に応じた報知をするための移行告知時間が経過するまで待機する。なお、この周辺基板311による告知は、上記ラウンド遊技コマンド(羽根物当たり時ラウンド遊技コマンド、復活大当たり時ラウンド遊技コマンド、開始予定の主要遊技の実行回数に応じたラウンド遊技コマンド)が同周辺基板311に送信されることによって行われる。そして、このステップS701の処理において、上記移行告知時間が経過したと判断されると、次にステップS702の処理に移行する。そして、このステップS702の処理において、上記大入賞口開放中処理(ステップS800)にプロセス移行されるよう上述の特別図柄プロセスフラグを更新した時点で、この処理を終了する。
<大入賞口開放中処理>
図75は、上記大入賞口開放中処理(ステップS800)についてその手順を示すフローチャートである。なお上述の通り、この大入賞口開放中処理は、上記主要遊技が繰り返し実行されることによって行われる。
上記特別図柄プロセスフラグが当該大入賞口開放中処理を行うべき旨を示しているときは、同図75に示されるように、上記主制御基板131のCPU314は、まず、ステップS801の処理として、上記大入賞口用ソレノイド328の駆動(オン状態)を通じて上記大入賞口87を上記第2の遊技領域37bにて開放させる。そして次に、ステップS802の処理として、上記第2のカウントセンサ320による検出信号に基づいて当該大入賞口87内への遊技球の入球があったか否かを判断する。そして、この入球があることを条件に、ステップS803の処理として、上記大入賞口87内への遊技球の入球数をカウンタ値として得る入球カウンタをカウントアップする。そしてその後は、ステップS804の処理として、上記大入賞口87の開放終了条件(主要遊技の終了条件)が成立するまで待機する。なお、この開放終了条件が、例えば上記大入賞口87内に遊技球が9個だけ入球すること、及び当該主要遊技の開始から予め定められた時間(ラウンド遊技の実行回数として「2回」に決定されている場合には0.5秒、「15回」に決定されている場合には30秒)が経過すること、のいずれかの条件が満たされることであることは上述した。
そして、こうして大入賞口87の開放終了条件が成立するようになると、次にステップS805の処理として、上記大入賞口用ソレノイド328をオフ状態とすることで、上記大入賞口87の開放を終了する。次いで、ステップS806の処理として、このようなラウンド遊技の連続実行回数をカウンタ値として得るラウンドカウンタをカウントアップする。そして次に、ステップS807の処理として、このカウントアップされたカウンタ値が、上述のステップS204の処理(図54参照)にて決定されたラウンド遊技の実行回数と等しいか否かを判断する。そして、このステップS807の処理において、上記ラウンドカウンタのカウンタ値が上記決定されたラウンド遊技の実行回数よりも小さいと判断された場合には、上記入球カウンタをリセットするとともに、次に開始する予定の主要遊技の実行回数に応じたラウンド遊技コマンドをセットする(ステップS818)。すなわち、ラウンド遊技コマンドには、上記ラウンドカウンタのカウンタ値を示す情報も付加されている。そして、上記大入賞口開放前処理(ステップS700)に再度プロセス移行されるよう上述の特別図柄プロセスフラグを更新した時点で(ステップS819)、この処理を終了する。これにより、上記大入賞口前処理(ステップS700)において、上記主要遊技が継続して行われる旨が遊技者に報知されるようになる。
一方、こうした処理を通じて、上記ステップS807の処理において、上記ラウンドカウンタのカウンタ値が上記決定されたラウンド遊技の実行回数と等しいと判断されるようになると、次にステップS808の処理に移行する。このステップS808の処理では、上記ラウンドカウンタ及び入球カウンタをそれぞれリセットするとともに、こうしたラウンド遊技が終了する旨を示すラウンド遊技終了コマンド(図示略)をセットする。そして次に、ステップS809の処理として、上記大入賞口開放後処理(ステップS900)にプロセス移行されるよう上述の特別図柄プロセスフラグを更新した時点で、この処理を終了する。
<大入賞口開放後処理>
図76は、上記大入賞口開放後処理(ステップS900)についてその手順を示すフローチャートである。
上記特別図柄プロセスフラグが当該大入賞口開放後処理を行うべき旨を示しているときは、同図76に示されるように、上記主制御基板131のCPU314は、まず、ステップS901の処理として、上記周辺基板311によって上述のラウンド遊技が終了する旨を遊技者に告知するための終了告知時間が経過するまで待機する。なお、この周辺基板311による告知は、上記ラウンド遊技終了コマンドが同周辺基板311に送信されることによって行われる。そして、このステップS901の処理において、上記終了告知時間が経過したと判断されると、次にステップS902の処理に移行する。そして、このステップS902の処理において、上記ステップS204の処理にて決定された時短の種類を示すように時短状態フラグを更新するとともに、上記決定された時短状態の継続回数を時短カウンタにセットする。なお、この時短状態フラグとは、例えば上記時短Aの状態にあること、若しくは上記時短Bの状態にあること、若しくは上記時短A、Bのいずれの状態にもない(時短状態でない)ことを示すフラグである。また、上記時短カウンタとは、例えば当該大入賞口開放後処理(ステップS900)にて上記決定された継続回数がセットされた後、上記変動パターン設定処理のステップS305の時短処理にて、そのカウンタ値が「0」になるまでカウントダウンされることで、上記時短状態の継続回数をそのカウンタ値として示すカウンタである。なお、このステップS902の処理にて上記時短状態フラグが更新され、上記時短カウンタがセットされた後は、上記特別図柄通常処理(ステップS100)に再度プロセス移行されるよう上述の特別図柄プロセスフラグを更新した時点で(ステップS903)、この処理を終了する。
ここで、図57のステップS305に示す時短処理について詳述する。
図83は、この時短処理についてその手順を示すフローチャートである。
いま、上記ステップS305の処理(図57参照)において、上記特別図柄表示装置121aにおける上記特別図柄の変動表示制御が開始され、上記決定された特別図柄の変動パターンが上記周辺基板311へのコマンド(変動パターンコマンド)としてセットされたとすると、上記主制御基板131のCPU314は、まず、ステップS361の処理として、上記時短カウンタのカウンタ値が「0」であるか否かを判断する。そして、このカウンタ値が「0」でなければ、該時短カウンタをカウントダウンした後(ステップS362)、同時短カウンタのカウンタ値が「0」であるか否かをさらに判断する(ステップS363)。そしてこの結果、同カウンタ値が「0」であれば、上記時短状態フラグを上記時短状態でないことを示すように更新した時点で(ステップS364)、上記ステップS306の処理(図57参照)に移行する。
ただし、上記ステップS361の処理にて後述の時短カウンタのカウンタ値が「0」であると判断された場合や、上記ステップS363の処理にて後述の時短カウンタが「0」でないと判断された場合には、その時点で上記ステップS306の処理(図57参照)に移行することとなる。
図77は、上記普通図柄プロセス処理(ステップS15)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、上述の特別図柄プロセス処理が実行されたとすると(ステップS14)、同図77に示されるように、この主制御基板131のCPU314はまず、上記ゲートセンサ317による検出信号がオン状態(始動ゲート97での通過あり)にあることを条件に(ステップS2030)、例えば普通図柄の当たり判定用乱数を上記乱数カウンタから取得してこれを上記RAM316に格納するなどの始動ゲート通過処理を実行する(ステップS2040)。そしてその後は、上述の普通図柄プロセスフラグに応じて、以下の4つのプロセス処理の1つが選択的に実行されることとなる。
・上記RAM316に格納されている普通図柄の当たり判定用乱数に基づいて上記当たりの当落にかかる抽選処理などが行われる普通図柄待機中処理(ステップS2100)。
・上記普通図柄表示装置122aにおける上記普通図柄の変動表示が停止されるまで待機する普通図柄変動処理(ステップS2200)。
・上記当落にかかる抽選処理の結果に応じた普通図柄が上記普通図柄表示装置122aに表示されるように上記普通図柄の変動表示を停止させる普通図柄停止処理(ステップS2300)。
・上記第2の可動片99の駆動制御が行われる第2の可動片駆動処理(ステップS2400)。なお、上記普通図柄プロセスフラグは、上述のステップS1の処理(図50参照)において、上記普通図柄待機中処理(ステップS100)を行うべき旨を示すよう操作されている。
次に、上記始動ゲート通過処理(ステップS2040)、及びこうした4つのプロセス処理(ステップS2100〜S2400)の具体的態様についてそれら処理の別に詳述する。
<始動ゲート通過処理>
図78は、上記始動ゲート通過処理(ステップS2040)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、上記ステップS2030の処理において、上記ゲートセンサ317がオン状態にあり、上記始動ゲート97への遊技球の入球があったと判断されたとすると、同図78に示されるように、上記主制御基板131のCPU314は、ステップS2041の処理として、まず、上記普通保留数カウンタによるカウンタ値をRAM316から取得する。そして、このカウンタ値に基づいて上述の普通図柄の保留数がその最大値である「4」であるか否かの判断を行う。
このステップS2041の処理において、上記普通図柄の保留数がその最大値でないと判断された場合には、上記普通図柄の変動表示制御を新たに保留の状態とすべく、以下のステップS2042〜S2044の処理を行うこととなる。すなわち、まず、上記ステップS2042の処理として、上記普通保留数カウンタをカウントアップする。次いで、ステップS2043の処理として、上記普通図柄の当たり判定用乱数を上記乱数カウンタから取得する。そして次に、ステップS2044の処理として、こうして取得された当たり判定用乱数を、上記RAM316の記憶領域のうちの上記普通保留数カウンタによるカウンタ値に対応する乱数記憶領域に格納した時点で、この処理を終了する。
ただし、上記ステップS2041の処理において、上記普通図柄の保留数がその最大値であると判断された場合には、上記普通図柄の変動表示制御は新たに保留されない。すなわち、上記ステップS2042〜S2044の処理を行うことなく、上記普通図柄の保留数がその最大値であると判断された時点で、この処理を終了する。
<普通図柄待機中処理>
図79は、上記普通図柄待機中処理(ステップS2100)についてその手順を示すフローチャートである。
上記普通図柄プロセスフラグが当該普通図柄待機中処理を行うべき旨を示しているときは、同図79に示されるように、上記主制御基板131のCPU314は、まず、ステップS2101の処理として、上記普通図柄の変動表示制御を開始することができる状態にあるか否かの判断を行う。例えば、上記普通図柄の変動表示制御が実行中であるような場合や、上記第2の可動片99が開放状態にあるような場合には、上記普通図柄の変動表示制御を開始することができない状態であると判断し、この時点で当該処理を終了することとなる。
一方、こうした処理を通じて、上記ステップS2101の処理において、上記普通図柄の変動表示制御を開始することができる状態にあると判断されるようになると、上記主制御基板131のCPU314は、次にステップS2102の処理として、上記普通保留数カウンタによるカウンタ値に基づいて保留の状態にある普通図柄の変動表示制御があるか否かの判断を行う。この結果、保留の状態にある普通図柄の変動表示制御があると判断された場合には、次にステップS2103の処理として、上記RAM316の乱数記憶領域に格納されている普通図柄の当たり判定用乱数のうちの最先に格納された乱数を同RAM316から読み出す。そして次に、ステップS2104及びS2105の処理として、上記普通保留数カウンタをカウントダウンするとともに、上記RAM316の乱数記憶領域に格納されている上記普通図柄の当たり判定用乱数を先入れ先出し(First−In First−Out)の態様にてシフト操作する。これにより、上記普通図柄の変動表示制御の保留が解除されるようになる。
そしてその後、ステップS2106の処理として、上記読み出された普通図柄の当たり判定用乱数に基づいて上記当たりの当落についての抽選処理を行う。この抽選処理では、上記読み出された当たり判定用乱数と上記ROM315に格納されている当たり判定値(図示略)とが比較される。そして、この比較の結果、上記読み出された当たり判定用乱数が上記当たりに当選したことを示す当たり判定値と一致するときは(ステップS2107)、上記当たりの状態にあることを示す当たりフラグをセットする(ステップS2108)。
そして、こうして上記当たりフラグの操作が行われると、次にステップS2109〜S2113の処理として、上記普通図柄の変動パターン(普通図柄の変動表示制御に要する変動時間や上記第2の可動片99の開放時間など)を上記時短状態フラグによって示される情報に応じて決定することとなる。
例えば、上記時短状態フラグが上記時短状態にないことを示しているときは(ステップS2109)、予め定められた通常時用の変動パターンを設定する(ステップS2113)。なお、この通常時用の変動パターンには、例えば上記普通図柄の変動表示制御に要する変動時間として「21700」ms、上記第2の可動片99の開放時間として「180」ms、などが設定されている。
一方、上記時短状態フラグが上記時短Bの状態にあることを示しているときは(ステップS2109、S2110)、予め定められた時短B用の変動パターンを設定する(ステップS2112)。なお、この時短B用の変動パターンには、例えば上記普通図柄の変動表示制御に要する変動時間として「4512」ms、上記第2の可動片99の開放時間として「184」ms、などが設定されている。これにより、上記時短状態にないときよりも上記時短Bの状態にあるときのほうがより有利な抽選(普通図柄抽選)が行われるようになる。
また一方、上記時短状態フラグが上記時短Aの状態にあることを示しているときは(ステップS2109、S2110)、予め定められた時短A用の変動パターンを設定する(ステップS2111)。なお、この時短A用の変動パターンには、例えば上記普通図柄の変動表示制御に要する変動時間として「4512」ms、上記第2の可動片99の開放時間として「4848」ms、などが設定されている。これにより、上記時短Bの状態にあるときよりも上記時短Aの状態にあるときのほうがより有利な抽選(普通図柄抽選)が行われるようになる。
そして、こうして上記普通図柄の変動パターンが決定されると、次にステップS2114の処理として、この決定された変動パターンに応じて上記普通図柄の変動表示制御を実行する。次いで、ステップS2115の処理として、上記普通図柄変動処理(ステップS2200)にプロセス移行されるよう上述の普通図柄プロセスフラグを更新した時点で、この処理を終了する。
<普通図柄変動処理>
図80は、上記普通図柄変動処理(ステップS2200)についてその手順を示すフローチャートである。
上記普通図柄プロセスフラグが当該普通図柄変動処理を行うべき旨を示しているときは、同図79に示されるように、上記主制御基板131のCPU314は、まず、ステップS2201の処理として、上記変動パターンについての抽選処理(ステップS2100)が行われてから当該処理にて抽選された変動時間が経過するまで待機する。そして、このステップS2201の処理において、上記抽選された変動時間が経過したと判断されると、次にステップS2202の処理に移行する。すなわち、このステップS2202の処理において、上記普通図柄停止処理(ステップS2300)にプロセス移行されるよう上述の普通図柄プロセスフラグを更新した時点で、この処理を終了する。
<普通図柄停止処理>
図81は、上記普通図柄停止処理(ステップS2300)についてその手順を示すフローチャートである。
上記普通図柄プロセスフラグが当該普通図柄停止処理を行うべき旨を示しているときは、同図81に示されるように、上記主制御基板131のCPU314は、まず、ステップS2301の処理として、上記当たりフラグの状態に応じた図柄を上記普通図柄表示装置122a(図38参照)に表示させるための表示制御を行う。
そしてその後は、上記当たりフラグがセットされているときは(ステップS2302)、上記第2の可動片駆動処理(S2400)にプロセス移行されるよう上述の普通図柄プロセスフラグを更新した時点で(ステップS2303)、この処理を終了する。一方、上記当たりフラグがセットされていないときは(ステップS2302)、上記普通図柄待機中処理(ステップS2100)にプロセス移行されるよう上述の普通図柄プロセスフラグを更新した時点で(ステップS2304)、この処理を終了する。
<第2の可動片駆動処理>
図82は、上記第2の可動片駆動処理(ステップS2400)についてその手順を示すフローチャートである。
上記普通図柄プロセスフラグが当該第2の可動片駆動処理を行うべき旨を示しているときは、同図82に示されるように、上記主制御基板131のCPU314は、まず、ステップS2401の処理として、上記第2の可動片用ソレノイド327がオン状態にあるか否かを判断する。そして、この第2の可動片用ソレノイド327がオフ状態であるときは、上記第2の可動片99を駆動すべく、同ソレノイド327をオン状態とする(ステップS2412)。
一方、上記ステップS2401の処理において、上記第2の可動片用ソレノイド327がオン状態にあれば、次にステップS2402の処理として、上記第2の可動片99の駆動終了条件が成立するまで待機する。なお、この駆動終了条件とは、例えば上記始動口96内に遊技球が所定個だけ入球すること、及び上記ソレノイド327がオン状態とされてから予め定められた時間が経過すること、のいずれかの条件が満たされることである。そして、こうした駆動終了条件が満たされるようになると、次にステップS2403の処理として、第2の可動片用ソレノイド327をオフ状態とする。そしてその後に、上記普通図柄待機中処理(ステップS2100)にプロセス移行されるよう上述の普通図柄プロセスフラグを更新した時点で(ステップS2404)、この処理を終了する。
なお、上記駆動終了条件については、上述の時短状態に応じて設定するようにしてもよい。例えば、上記時短Aの状態にあるときは、上記第2の可動片99の駆動時間が長くなるような駆動終了条件を設定するとともに、上記時短Bの状態にあるときは、上記時短状態にないときと近似するような駆動終了条件を設定するようにしてもよい。
<演出表示装置の表示内容>
次に上記補助遊技及び特別遊技の実行中に演出表示装置115にて実行される演出表示について説明する。図85及び図86は、演出表示装置115の表示内容の一例を示す説明図である。なお、上記したように特別図柄に対応する装飾図柄は演出表示装置115の左上端部に縮小表示されるが、図85及び図86においてはその表示を省略する。
本例では、上記大当たりBとなった場合に小当たりと同様の演出表示を実行することにより、小当たりとなったか大当たり(デジパチ当たり)となったかを悟られ難くしている。具体的には、図85(A)に示すように、サブ統合基板336のCPU350は、通常、上記補助遊技及び特別遊技の制御を実行していない場合に、主制御基板131から上記大当たりBコマンド及び小当たりコマンドを受信するまでは、換言すると特別図柄表示装置121aに上記特別図柄の変動表示の表示結果を導出表示するまでは、キャラクタAが歩いている態様を表示する。そして、主制御基板131から上記大当たりBコマンド及び小当たりコマンドを受信すると、キャラクタAが歩みを止めて何かが起こることを期待させる態様を表示する(図85(B))。なお、主制御基板131から上記大当たりAコマンドを受信したときにはキャラクタAが歩いている態様を継続して表示することで大当たりAとなったことを遊技者に悟られ難くしている。
その後、第1の遊技領域37a内へ遊技球が進入すると、キャラクタBとして導火線に火が付いた爆弾を表示する(図85(C))。なお、上述したように本例では上記通路101a,101bのうち通路101bから供給される遊技球の上記特別入賞口93への入賞確率を通路101aから供給される遊技球の上記特別入賞口93への入賞確率よりも高くなるように構成し、第1の遊技領域37aに進入した遊技球が通路101bを通過した場合には第1の遊技領域37aに進入した遊技球が通路101aを通過した場合とは異なる演出表示を実行することにより羽根物当たりに対する期待を向上させるように制御している。例えば、第1の遊技領域37a内へ遊技球が進入した場合に第1の遊技領域37aに進入した遊技球が通路101bを通過したときには第1の遊技領域37aに進入した遊技球が通路101aを通過したときよりも大きな爆弾をキャラクタBとして表示するようにしてもよい。すなわち、サブ統合基板336のCPU350は、上記演出設定処理の決定事項を示すコマンドを主制御基板131から受信すると、受信したコマンドによって特定される決定事項に応じた態様でキャラクタBを表示する。
一方、第1の遊技領域37a内へ遊技球が進入することなく第1の可動片456の開閉制御を終了した場合、換言すると上記演出設定処理の決定事項を示すコマンドを主制御基板131から受信しなかった場合に、特別図柄表示装置121aの停止図柄が通常の停止図柄であれば、換言すると主制御基板131から上記復活大当たりラウンド遊技コマンドを受信しなければ、図85(A)の表示に戻り、キャラクタAが歩いている態様を表示し、特別図柄表示装置121aの停止図柄が特定の停止図柄であれば、換言すると主制御基板131から上記復活大当たりラウンド遊技コマンドを受信すれば、図85(C)に示すようにキャラクタBとしての導火線に火が付いた爆弾を表示した後、後述する図86(H)に進む。
また、第1の遊技領域37a内へ遊技球が進入したことに応じてキャラクタBとしての導火線に火が付いた爆弾を表示した後、特別入賞口93へ遊技球が受け入れられると、換言すると上記羽根物当たり時ラウンド遊技コマンドを受信すると、キャラクタBとしての爆弾が爆発した態様を表示し(図85(D))、羽根物当たりとなったことを通知する表示(この例では「V入賞大当たり!!」)を行った後(図85(E))、上記開閉部材86を一定パターンで開閉させる主要遊技を開始する。また、第1の遊技領域37a内へ遊技球が進入したことに応じてキャラクタBとしての導火線に火が付いた爆弾を表示した後、特別入賞口93へ遊技球が受け入れられなければ、換言すると上記羽根物当たり時ラウンド遊技コマンドを受信しなければ、キャラクタBとしての爆弾の導火線に付いていた火が消えた態様を表示するとともにキャラクタAが落胆した態様を表示する(図86(F))。
このとき、特別図柄表示装置121aの停止図柄が通常の停止図柄であれば、換言すると主制御基板131から上記復活大当たりラウンド遊技コマンドを受信しなければ、図85(A)の表示に戻り、キャラクタAが歩いている態様を表示し、特別図柄表示装置121aの停止図柄が特定の停止図柄であれば、換言すると主制御基板131から上記復活大当たり時ラウンド遊技コマンドを受信すれば、キャラクタBとしての爆弾の導火線に再び火が付いた態様を表示するとともにキャラクタAが驚いた態様を表示した後(図86(G))、キャラクタBとしての爆弾が爆発した態様を表示し(図86(H))、大当たりとなったことを通知する表示(この例では「復活大当たり!!」)を表示して上記開閉部材86を一定パターンで開閉させる主要遊技を開始する(図86(I))。
このように、特別図柄表示装置121aに特定の停止図柄が停止表示して上記大当たりBとなった場合にも特別図柄表示装置121aに通常の停止図柄が停止表示して上記小当たりとなった場合と同様に第1の可動片456を予め決められた開放パターンで開閉動作して疑似補助遊技を実行し、さらに演出表示装置115にて上記小当たりとなったときと同様の演出表示を実行することにより、遊技者に大当たりBとなったのか小当たりとなったのかを悟られ難くしている。すなわち、特別図柄表示装置121aに特定の停止図柄が停止表示して上記大当たりBとなったときに特別遊技の全てのラウンド遊技として上記開閉部材86を一定パターンで開閉制御する構成とすることなく、特別遊技の1回目のラウンド遊技として補助遊技と同様の疑似補助遊技に制御した後に残りのラウンド遊技として上記開閉部材86を一定パターンで開閉制御する主要遊技に制御する構成、換言すると特別図柄表示装置121aに特定の停止図柄が停止表示して上記大当たりBとなったときに補助遊技と同様の疑似補助遊技の制御を経た後に上記開閉部材86を一定パターンで開閉制御する主要遊技の制御を実行する構成としたため、第1の可動片456を予め決められた開放パターンで開閉動作しているときに大当たりBとなったのか小当たりとなったのかを悟られ難くすることができる。
なお、上記した例では特別図柄表示装置121aに特定の停止図柄が停止表示して上記大当たりBとなった場合に、特別遊技の1回目のラウンド遊技として補助遊技と同様の疑似補助遊技の制御を実行するように構成したが、特別図柄表示装置121aに特定の停止図柄が停止表示して上記大当たりBとなった場合に補助遊技と同様の疑似補助遊技の制御を経た後に上記開閉部材86を一定パターンで開閉制御するものであればこれに限られるものではない。例えば、特別図柄表示装置121aに特定の停止図柄が停止表示して上記大当たりBとなった場合に、1回目のラウンド遊技の前半として補助遊技と同様の疑似補助遊技の制御を実行した後、1回目のラウンド遊技の後半として上記開閉部材86を一定パターンで開閉制御する主要遊技の制御を実行するものであってもよい。
<羽根物当たり時の動作と大当たり時の動作>
図87(A)は、特別図柄表示装置121aの停止図柄が通常の停止図柄となったことに基づいて補助遊技を実行して羽根物当たりとなる場合の制御状態を示すタイムチャートであり、図87(B)は特別図柄表示装置121aの停止図柄が特定の停止図柄となったことに基づいて大当たり(デジパチ当たり)となる場合の制御状態を示すタイムチャートである。
上述したように本例では、始動入賞時に取得した図柄決定用乱数に基づいて特別図柄の変動表示停止時における表示態様に係る抽選処理を行い、この抽選処理の結果が通常の停止図柄であれば特別図柄を変動表示して通常の停止図柄を導出表示した後、補助遊技を開始し、抽選処理の結果が特定の停止図柄であれば特別図柄を変動表示して特定の停止図柄を導出表示した後、特別遊技を開始する。
図87(A)に示すように、特別図柄表示装置121aに通常の停止図柄を導出表示したこと(小当たりとなったこと)に基づいて実行される補助遊技では、第1の可動片456を所定期間に亘って閉状態から開状態に制御する。また、CPU314は第1の可動片456を開状態に制御してから一定期間に亘って特別入賞口93へ進入した遊技球を検出する大当たり受入センサ319を有効にする。なお、大当たり受入センサ319を有効とする期間は第1の可動片456を開状態に制御する期間よりも長くなるように設定され、役物91内に進入した遊技球が特別入賞口93及びハズレ受入口94のいずれか一方に進入し得る十分な時間を確保している。
しかして、第1の可動片456を開状態に制御したときに第1のカウントセンサ319によって役物91内へ進入した遊技球が検出され、この役物91内へ進入した遊技球が特別入賞口93に受け入れられたことを大当たり受入センサ319によって検出した場合には、開閉部材86を一定パターンで開閉させることで大入賞口装置85を閉鎖状態と開放状態とに変化させる主要遊技を所定回数実行する特別遊技を開始する。これにより、特別遊技、換言すると大当たり動作を開始する。
一方、図87(B)に示すように、特別図柄表示装置121aに特定の停止図柄を導出表示したこと(デジパチ当たりとなったこと)に基づいて実行される特別遊技では、まず上記補助遊技と同様に第1の可動片456を所定期間に亘って閉状態から開状態に制御する疑似補助遊技を行う。なお、疑似補助遊技では特別入賞口93へ進入した遊技球を検出する大当たり受入センサ319を有効とすることなく無効のまま維持する。
しかして、第1の可動片456を開状態に制御した後、上記補助遊技にて大当り受付センサ319を有効とする期間と同様の期間が経過したことに基づいて開閉部材86を一定パターンで開閉させることで大入賞口装置85を閉鎖状態と開放状態とに変化させる主要遊技を所定回数実行する。
このように、特別図柄表示器121aに特定の停止図柄を導出表示したこと(デジパチ当たりとなったこと)に基づいて実行される特別遊技では、まず疑似補助遊技を行い、特別入賞口93へ遊技球が進入するか否かとは無関係に疑似補助遊技の終了後に主要遊技を実行する。すなわち、特別図柄表示器121aに特定の停止図柄を導出表示した(デジパチ当たりとなった)場合には、特別図柄表示装置121aに特定の停止図柄を導出表示した直後に特別遊技、換言すると大当り動作を開始し、補助遊技と同様の制御を行う疑似補助遊技を実行することにより、あたかも小当たりとなったことによる補助遊技が実行されていると認識させることができ、大当たりBとなったのか小当たりとなったのかを悟られ難くすることができる。
また、疑似補助遊技にて特別入賞口93へ遊技球が進入した場合には羽根物当たりとなったと認識させることができるため、大当たりBとなったのか小当たりとなったのかを悟られ難くすることができるとともに、常に羽根物遊技が実行されていると認識させることができ、遊技者に分り難い遊技となることを抑止できる。また、疑似補助遊技にて特別入賞口93へ遊技球が進入しなかった場合にも主要遊技を開始するため、羽根物遊技を実行していると認識している遊技者に新鮮な印象を与えることができ、さらに特別入賞口93への遊技球の進入を狙う単調な遊技に変化を与えることができるため、遊技興趣の低下を抑止できる。
上記したように本例では、ラウンド遊技の実行回数として「15回」のデジパチ当たりとなったときに、1回目のラウンド遊技として第1の可動片456を予め決められた開放パターンで開閉制御する補助遊技と同様の疑似補助遊技を実行し、その後に開閉部材86を一定パターンで開閉させることで大入賞口装置85を閉鎖状態と開放状態とに変化させる主要遊技を14回繰り返し実行する。また、本例では上記第2の遊技領域37bに打ち込まれた遊技球が上記第1の可動片456の開閉動作を通じて上記第1の遊技領域37a内に進入するときに遊技者に払い出される賞球の数が「3」、上記第2の遊技領域37bに打ち込まれた遊技球が上記大入賞口87に受け入れられるときに遊技者に払い出される賞球の数が「9」に設定されている。このため、デジパチ当たりの15回のラウンド遊技のうち補助遊技と同様の疑似補助遊技を実行する1回目のラウンド遊技の際に遊技者に払い出される賞球の数、より具体的には上記特別入賞口93が設けられる第1の遊技領域37a内に遊技球が進入したときに遊技者に払い出される賞球の数を積極的に減らせるようになり、ラウンド遊技の実行回数として「15回」のデジパチ当たりとなったときに開閉部材86を一定パターンで開閉させることで大入賞口装置85を閉鎖状態と開放状態とに変化させる主要遊技を15回繰り返し実行する従来の遊技機に比べて、遊技者に払い出される賞球の数を積極的に減らせるようになる。
また、上記したように本例では、大入賞口87に遊技球が進入したときに遊技者に払い出される賞球の数を「9」に設定する一方、第1の遊技領域37a内に遊技球が進入したときに遊技者に払い出される賞球の数を大入賞口87に遊技球が進入したときに遊技者に払い出される賞球の数に比べて格段に少ない「3」に設定している。このように、第1の遊技領域37a内に遊技球が進入したときに遊技者に払い出される賞球の数を少なくなるように設定することで、第1の遊技領域37a内への遊技球の進入を可能にする第1の可動片456の動作契機となる始動口96への遊技球の入賞を障害釘81の調整によって極端に制限することなく、一定の頻度で始動口96に入賞可能とし、ひいては始動口96への遊技球の入賞に応じて特別図柄の変動表示を一定の頻度で実行できるため、特別図柄の停止図柄に応じて一定の頻度で第1の可動片456を開閉させることができる。すなわち、第1の遊技領域37a内に遊技球が進入したときに遊技者に払い出される賞球の数が多ければ、賞球の払い出しによって利益が減少する遊技店においては始動口96への遊技球の入賞割合を低減させるように障害釘を調整することにより特別図柄の変動表示の実行回数ひいては第1の可動片456を開閉制御する頻度を低減させて遊技店の利益を確保する場合があるが、第1の遊技領域37a内に遊技球が進入したときに遊技者に払い出される賞球の数を少なければ始動口96への遊技球の入賞割合を低減させるように障害釘を調整しなくても一定の利益を確保することができるため、より多くの特別図柄の変動表示を実行でき、ひいては第1の可動片456を開閉制御する頻度を増大させることができる。これにより、第1の遊技領域37a内へ遊技球を進入させて羽根物当たりとなる割合が増大するため、遊技興趣を向上させることができる。
また、上述したように補助遊技及び疑似補助遊技では第1の可動片456を0.3秒間開状態に制御するパターンと、第1の可動片456を0.4秒間開状態に制御するパターンと、第1の可動片456を0.5秒間開状態に制御するパターンと、第1の可動片456を1.3秒間開状態に制御するパターンと、のうちいずれかの開放パターンで開閉制御し、補助遊技及び疑似補助遊技では最大でも1.3秒間しか第1の可動片456を開状態に制御しない。これに対し、デジパチ当たりの15回のラウンド遊技のうちの主要遊技では最大で30秒間大入賞口87を開放状態に制御する。すなわち、補助遊技及び疑似補助遊技にて第1の遊技領域37a内へ遊技球を進入させるよりも、デジパチ当たりの15回のラウンド遊技のうちの主要遊技にて大入賞口87内へ遊技球を進入させる方が容易である。そのため、補助遊技及び疑似補助遊技の際に遊技者に払い出される賞球の数を積極的に減らすことができ、ラウンド遊技の実行回数として「15回」のデジパチ当たりとなったときに開閉部材86を一定パターンで開閉させることで大入賞口装置85を閉鎖状態と開放状態とに変化させる主要遊技を15回繰り返し実行する従来の遊技機に比べて、遊技者に払い出される賞球の数を積極的に減らせるようになる。
なお、本例では上記第2の遊技領域37bに打ち込まれた遊技球が上記第1の可動片456の開閉動作を通じて上記第1の遊技領域37a内に進入するときに遊技者に払い出される賞球の数を、上記第2の遊技領域37bに打ち込まれた遊技球が上記大入賞口87に受け入れられるときに遊技者に払い出される賞球の数よりも少なく設定しているが、本例と同様に補助遊技及び疑似補助遊技にて第1の遊技領域37a内への遊技球の進入が容易ではない場合には、遊技者に払い出される賞球の数が同数であっても15回のラウンド遊技を実行するデジパチ当たりの際に遊技者に払い出される賞球の数を減らすことが可能である。その一方で、本例の様に賞球の数に格差を設け、上記第2の遊技領域37bに打ち込まれた遊技球が上記第1の可動片456の開閉動作を通じて上記第1の遊技領域37a内に進入するときに遊技者に払い出される賞球の数を、上記第2の遊技領域37bに打ち込まれた遊技球が上記大入賞口87に受け入れられるときに遊技者に払い出される賞球の数よりも少なく設定することにより、補助遊技及び疑似補助遊技の際に遊技者に払い出される賞球の数をより積極的に減らすことができ、ラウンド遊技の実行回数として「15回」のデジパチ当たりとなったときに開閉部材86を一定パターンで開閉させることで大入賞口装置85を閉鎖状態と開放状態とに変化させる主要遊技を15回繰り返し実行する従来の遊技機に比べて、遊技者に払い出される賞球の数を積極的に減らせるようになる。
また、本例では15回のラウンド遊技を実行するデジパチ当たりとして、15回のラウンド遊技を実行し、15回のラウンド遊技のうち初回のラウンド遊技だけ疑似補助遊技を実行して第1の可動片456を予め決められた開放パターンで開閉制御し、以降のラウンド遊技においては主要遊技を実行するように構成したが、15回のラウンド遊技のうち第1の可動片456の開閉制御によって実行されるラウンド遊技の割合を高めることによって15回のラウンド遊技を実行するデジパチ当たりの際に遊技者に払い出される賞球の数をさらに減らすことができる。例えば、補助遊技及び疑似補助遊技として第1の可動片456を所定回数(例えば3回)開閉制御する場合には、疑似補助遊技における第1の可動片456の1回の開閉動作を1回のラウンド遊技として設定することにより、デジパチ当たりの15回のラウンド遊技のうちの主要遊技を実行する割合(例えば15回のうちの12回のラウンド遊技として主要遊技を実行する)を減少させることができるため、ラウンド遊技の実行回数として「15回」のデジパチ当たりとなったときに開閉部材86を一定パターンで開閉させることで大入賞口装置85を閉鎖状態と開放状態とに変化させる主要遊技を15回繰り返し実行する従来の遊技機に比べて、遊技者に払い出される賞球の数をより減らせるようになる。このように構成した場合にも補助遊技と同様の疑似補助遊技の終了後に主要遊技を実行することで常に羽根物遊技が実行されていると認識させることができるため、遊技興趣を低下させることなくラウンド遊技の実行回数として「15回」のデジパチ当たりとなったときに開閉部材86を一定パターンで開閉させることで大入賞口装置85を閉鎖状態と開放状態とに変化させる主要遊技を15回繰り返し実行する従来の遊技機に比べて、遊技者に払い出される賞球の数を積極的に減らせるようになる。また、本例の様に第1の遊技領域37aへの遊技球の進入に基づいて払い出される賞球の数と大入賞口87への遊技球の進入に基づいて払い出される賞球の数とに格差を設けた場合には、ラウンド遊技の実行回数として「7回」に決定されている羽根物当たりとなったときには第1の可動片456を上記開放パターンとは異なる大当たり開放パターン(例えば第1の可動片456を開状態に制御してから30秒が経過又は所定個数(例えば9個)の遊技球が第1の遊技領域37a内に進入したことを条件に閉状態に制御する)で開閉制御するラウンド遊技を6回実行するように構成し、ラウンド遊技の実行回数として「15回」に決定されている羽根物当たりとなったときには第1の可動片456を上記大当たり開放パターンで開閉制御するラウンド遊技を6回実行した後、開閉部材86を一定パターンで開閉させることで大入賞口装置85を閉鎖状態と開放状態とに変化させる主要遊技を8回実行するように構成し、15回のラウンド遊技を実行するデジパチ当たりとなったときには第1の可動片456を上記大当たり開放パターンで開閉制御するラウンド遊技を6回実行した後、開閉部材86を一定パターンで開閉させることで大入賞口装置85を閉鎖状態と開放状態とに変化させる主要遊技を8回実行するように構成することにより、デジパチ当たりの際に遊技者に払い出される賞球の数をより減少させることができ、さらにラウンド遊技の「15回」に決定されている羽根物当たりとなったときと同様の制御を実行することで常に羽根物遊技を実行していると認識させることができるため、遊技興趣を低下させることなくラウンド遊技の実行回数として「15回」のデジパチ当たりとなったときに開閉部材86を一定パターンで開閉させることで大入賞口装置85を閉鎖状態と開放状態とに変化させる主要遊技を15回繰り返し実行する従来の遊技機に比べて、遊技者に払い出される賞球の数を積極的に減らせるようになる。
上記実施形態から把握し得る請求項及び請求項以外の技術的思想について、以下にその効果と共に記載する。
(解決手段1)
所定条件の成立(特別図柄の変動表示停止時における表示態様として特定の停止図柄となった(大当たり)、特別図柄の変動表示停止時における表示態様として通常の停止図柄となった(小当たり))に基づいて遊技球の進入が困難な閉鎖状態から遊技球の進入を許容する開放状態に動作し得る可変入賞装置(役物91の第1の可動片456)と、
該可変入賞装置内に進入した遊技球を受け入れ可能な複数種類の受入口(特別入賞口93、ハズレ受入口94)と、
予め決められた特殊条件の成立(特別図柄の変動表示停止時における表示態様として通常の停止図柄となった場合)に基づいて所定の開閉態様で前記可変入賞装置を開閉制御する特殊遊技状態(補助遊技)に制御する特殊遊技状態制御手段(CPU314が特別図柄表示装置121aの停止図柄が通常の停止図柄となった場合に補助遊技処理を実行する部分;ステップS600)と、
前記特殊遊技状態中に前記可変入賞装置内に進入した遊技球が前記複数種類の受入口のうち特定受入口(特別入賞口93)に受け入れられたことを条件に遊技者に所定の利益を付与する第1利益付与状態(羽根物当たり)に制御する第1利益付与状態制御手段(CPU314が第1の遊技領域37a内に進入した遊技球が特別入賞口93に受け入れられたことを条件に、補助遊技の終了後に大入賞口開放前処理、大入賞口開放中処理、大入賞口開放後処理を実行する部分;ステップS700〜S900)と、
予め決められた当選条件の成立(特別図柄の変動表示停止時における表示態様として特定の停止図柄となった場合)に基づいて遊技者に所定の利益を付与する第2利益付与状態(大当たりB)に制御する第2利益付与状態制御手段(CPU314が特別図柄の変動表示停止時における表示態様として特定の停止図柄となった場合に補助遊技と同様の遊技として補助遊技処理(ステップS600)を実行するとともに該補助遊技処理の終了後に、大入賞口開放前処理(ステップS700)、大入賞口開放中処理(ステップS800)、大入賞口開放後処理(ステップS800)を実行する部分)と、を備え、
前記第2利益付与状態制御手段は、
前記所定の開閉態様で前記可変入賞装置を開閉制御することで前記特殊遊技状態と同様の疑似特殊遊技状態(補助遊技と同様の遊技;疑似補助遊技)に制御する疑似特殊遊技状態制御手段(CPU314が特別図柄の変動表示停止時における表示態様として特定の停止図柄となった場合に補助遊技と同様の遊技として補助遊技処理(ステップS600)を実行する部分)と、
該疑似特殊遊技状態制御手段による前記疑似特殊遊技状態の終了後に所定回数の主要遊技(開閉部材86を一定パターンで開閉させる動作)を実行する主要遊技制御手段(CPU314が特別図柄の変動表示停止時における表示態様として特定の停止図柄となった場合に補助遊技と同様の遊技としての補助遊技処理(ステップS600)の実行後に、大入賞口開放前処理(ステップS700)、大入賞口開放中処理(ステップS800)、大入賞口開放後処理(ステップS800)を実行する部分)と、を備え、
前記主要遊技制御手段は、前記疑似特殊遊技状態中に前記可変入賞装置内に進入した遊技球が前記特定受入口に受け入れられない場合にも前記疑似特殊遊技状態の終了後に前記主要遊技を実行することを特徴とする遊技機。
解決手段1記載の遊技機によれば、特殊条件の成立に基づいて所定の開閉態様で可変入賞装置を開閉制御する特殊遊技状態に制御して可変入賞装置内に進入した遊技球が複数種類の受入口のうち特定受入口に受け入れられたことを条件に遊技者に所定の利益を付与する第1利益付与状態に制御し、当選条件の成立に基づいて実行される第2利益付与状態においても所定の開閉態様で可変入賞装置を開閉制御することで特殊遊技状態と同様の疑似特殊遊技状態に制御して疑似特殊遊技状態の終了後に所定回数の主要遊技を実行するため、特殊遊技状態及び疑似特殊遊技状態に制御されたときに特殊条件が成立したのか当選条件が成立したのかを判別することが困難になり、可変入賞装置内に進入した遊技球が複数種類の受入口のうち特定受入口に受け入れられないことで第1利益付与状態となる可能性が消滅した場合であっても主要遊技に対する期待を抱かせることができ、遊技興趣の低下を抑止できる。また、特殊条件の成立に基づいて所定の開閉態様で可変入賞装置を開閉制御する特殊遊技状態に制御して可変入賞装置内に進入した遊技球が複数種類の受入口のうち特定受入口に受け入れられたことを条件に遊技者に所定の利益を付与するいわゆる羽根物タイプの遊技が実行されている中で遊技球が特定受入口に受け入れられない場合にも突如として主要遊技が開始されるため、遊技者に新鮮な印象を与えるとともに単調な遊技に変化を与えることができ、遊技興趣の低下を抑止できる。
(解決手段2)
前記疑似特殊遊技状態制御手段は、前記特殊遊技状態制御手段が前記特殊遊技状態の制御を実行するときに用いるプログラムモジュール(補助遊技処理;ステップS600)と共通のプログラムモジュールを用いて前記疑似特殊遊技状態に制御することを特徴とする解決手段1記載の遊技機。
解決手段2記載の遊技機によれば、特殊遊技状態制御手段が特殊遊技状態の制御を実行するときに用いるプログラムモジュールと共通のプログラムモジュールを用いて疑似特殊遊技状態に制御するため、遊技機の制御状態から特殊遊技状態に制御されているのか疑似特殊遊技状態に制御されているのかを判別することが困難になる。
(解決手段3)
所定の始動条件の成立(遊技球が始動口96に入球)に基づいて遊技機の制御状態に関わる抽選処理を実行する抽選手段(CPU314が図柄決定用乱数に基づいて変動制御後の停止図柄を抽選する部分;ステップS201)と、
複数種類の図柄情報を変動表示して前記抽選手段の抽選結果に応じた表示結果を導出表示する図柄表示手段(特別図柄表示装置121a)と、を備え、
前記図柄表示手段は、前記抽選手段が前記特殊遊技状態に制御すると判定したときに特殊表示結果(通常の停止図柄)を導出表示し、前記抽選手段が前記第2利益付与状態に制御すると判定したときに特定表示結果(特定の停止図柄)を導出表示し、
前記特殊遊技状態制御手段は、前記図柄表示手段に前記特殊表示結果が導出表示されたことに応じて前記特殊遊技状態の制御を開始し、
前記疑似特殊遊技状態制御手段は、前記図柄表示手段に前記特定表示結果が導出表示されたことに応じて前記疑似特殊遊技状態の制御を開始することを特徴とする解決手段1又は解決手段2に記載の遊技機。
解決手段3記載の遊技機によれば、図柄表示手段の表示結果によって特殊遊技状態に制御されているのか疑似特殊遊技状態に制御されているのかを判別することができるため、遊技者に不信感を与えない。
(解決手段4)
前記特殊遊技状態制御手段が前記特殊遊技状態に制御したときには前記可変入賞装置内に進入した遊技球が前記特定受入口に受け入れられたことを条件に、前記第1利益付与状態の制御を開始する以前に当該第1利益付与状態に制御する旨を報知する(図85(D),(E))一方、前記疑似特殊遊技状態制御手段が前記疑似特殊遊技状態に制御したときには前記可変入賞装置内に進入した遊技球の前記特定受入口への受け入れとは無関係に、前記主要遊技を開始する以前に前記第1利益付与状態に制御する旨を疑似報知する(図85(C),(H),(I)又は図85(C),図86(F)〜(I))報知手段(CPU350が主制御基板131からのコマンドに基づいて図85(A)〜図86(I)の演出表示を実行する部分)を備えることを特徴とする解決手段1乃至解決手段3のいずれかに記載の遊技機。
解決手段4記載の遊技機によれば、特殊遊技状態に制御したときには遊技球が特定受入口に受け入れられたことを条件に、第1利益付与状態の制御を開始する以前に当該大1利益付与状態に制御する旨を報知する一方で、疑似特殊遊技状態に制御したときには遊技球の特定受入口への受け入れとは無関係に、主要遊技を開始する以前に第1利益付与状態に制御する旨を疑似報知するため、遊技球が特定受入口に受け入れられなかった場合であっても第1利益付与状態に制御する旨の報知がなされるか否かに注目させることができ、ひいては特定受入口に遊技球が受け入れられる可能性が消滅した時点で第1利益付与状態に対する期待を失わせることを抑止できるため、特殊遊技状態及び疑似特殊遊技状態が実行されたときには第1利益付与状態に対する期待を長期間に亘って維持することができ、遊技興趣の低下を抑止できる。また、疑似特殊遊技状態に制御したときに遊技球が特定受入口に受け入れられなかったことで第1利益付与状態に制御されないと認識している遊技者にも第1利益付与状態に制御することを認識させることができ、不利益を与えない。