3GPP LTEでは、下り回線の通信方式としてOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)が採用されている。3GPP LTEが適用された無線通信システムでは、基地局が予め定められた通信リソースを用いて同期信号(Synchronization Channel:SCH)及び報知信号(Broadcast Channel:BCH)を送信する。そして、端末は、まず、SCHを捕まえることによって基地局との同期を確保する。その後、端末は、BCH情報を読むことにより基地局独自のパラメータ(例えば、周波数帯域幅など)を取得する(非特許文献1、2、3参照)。
また、端末は、基地局独自のパラメータの取得が完了した後、基地局に対して接続要求を行うことにより、基地局との通信を確立する。基地局は、通信が確立された端末に対して、必要に応じてPDCCH(Physical Downlink Control Channel)等の下り回線制御チャネルを介して制御情報を送信する。
そして、端末は、受信したPDCCH信号に含まれる複数の制御情報(下り割当制御情報:DL Assignment(Downlink Control Information:DCIと呼ばれることもある))をそれぞれ「ブラインド判定」する。すなわち、制御情報は、CRC(Cyclic Redundancy Check)部分を含み、このCRC部分は、基地局において、送信対象端末の端末IDによってマスクされる。従って、端末は、受信した制御情報のCRC部分を自機の端末IDでデマスクしてみるまでは、自機宛の制御情報であるか否かを判定できない。このブラインド判定では、デマスクした結果、CRC演算がOKとなれば、その制御情報が自機宛であると判定される。
また、3GPP LTEでは、基地局から端末への下り回線データに対してARQ(Automatic Repeat Request)が適用される。つまり、端末は下り回線データの誤り検出結果を示す応答信号を基地局へフィードバックする。端末は下り回線データに対しCRCを行って、CRC=OK(誤り無し)であればACK(Acknowledgment)を、CRC=NG(誤り有り)であればNACK(Negative Acknowledgment)を応答信号として基地局へフィードバックする。この応答信号(つまり、ACK/NACK信号。以下、単に「A/N」と表記することもある)のフィードバックには、PUCCH(Physical Uplink Control Channel)等の上り回線制御チャネルが用いられる。
ここで、基地局から送信される上記制御情報には、基地局が端末に対して割り当てたリソース情報等を含むリソース割当情報が含まれる。この制御情報の送信には、前述の通りPDCCHが用いられる。このPDCCHは、1つ又は複数のL1/L2CCH(L1/L2 Control Channel)から構成される。各L1/L2CCHは、1つ又は複数のCCE(Control Channel Element)から構成される。すなわち、CCEは、制御情報をPDCCHにマッピングするときの基本単位である。また、1つのL1/L2CCHが複数(2,4,8個)のCCEから構成される場合には、そのL1/L2CCHには偶数のインデックスを持つCCEを起点とする連続する複数のCCEが割り当てられる。基地局は、リソース割当対象端末に対する制御情報の通知に必要なCCE数に従って、そのリソース割当対象端末に対してL1/L2CCHを割り当てる。そして、基地局は、このL1/L2CCHのCCEに対応する物理リソースにマッピングして制御情報を送信する。
また、ここで、各CCEは、PUCCHの構成リソース(以下、PUCCHリソースと呼ぶことがある)と1対1に対応付けられている。従って、L1/L2CCHを受信した端末は、このL1/L2CCHを構成するCCEに対応するPUCCHの構成リソースを特定し、このリソースを用いて応答信号を基地局へ送信する。ただし、L1/L2CCHが連続する複数のCCEを占有する場合には、端末は、複数のCCEにそれぞれ対応する複数のPUCCH構成リソースのうち一番インデックスが小さいCCEに対応するPUCCH構成リソース(すなわち、偶数番号のCCEインデックスを持つCCEに対応付けられたPUCCH構成リソース)を利用して、応答信号を基地局へ送信する。こうして下り回線の通信リソースが効率良く使用される。
複数の端末から送信される複数の応答信号は、図1に示すように、時間軸上でZero Auto-correlation特性を持つZAC(Zero Auto-correlation)系列、ウォルシュ(Walsh)系列、及び、DFT(Discrete Fourier Transform)系列によって拡散され、PUCCH内でコード多重されている。図1において(W0,W1,W2,W3)は系列長4のウォルシュ系列を表し、(F0,F1,F2)は系列長3のDFT系列を表す。図1に示すように、端末では、ACK又はNACKの応答信号が、まず周波数軸上でZAC系列(系列長12)によって1SC−FDMAシンボルに対応する周波数成分へ1次拡散される。すなわち、系列長12のZAC系列に対して複素数で表される応答信号成分が乗算される。次いで1次拡散後の応答信号及び参照信号としてのZAC系列がウォルシュ系列(系列長4:W0〜W3。ウォルシュ符号系列(Walsh Code Sequence)と呼ばれることもある)、DFT系列(系列長3:F0〜F2)それぞれに対応させられて2次拡散される。すなわち、系列長12の信号(1次拡散後の応答信号、又は、参照信号としてのZAC系列(Reference Signal Sequence))のそれぞれの成分に対して、直交符号系列(Orthogonal sequence:ウォルシュ系列又はDFT系列)の各成分が乗算される。さらに、2次拡散された信号が、IFFT(Inverse Fast Fourier Transform)によって時間軸上の系列長12の信号に変換される。そして、IFFT後の信号それぞれに対しCP(Cyclic Prefix)が付加され、7つのSC−FDMAシンボルからなる1スロットの信号が形成される。
異なる端末からの応答信号同士は、異なる巡回シフト量(Cyclic Shift Index)に対応するZAC系列、又は、異なる系列番号(Orthogonal Cover Index : OC index)に対応する直交符号系列を用いて拡散されている。直交符号系列は、ウォルシュ系列とDFT系列との組である。また、直交符号系列はブロックワイズ拡散コード系列(Block-wise spreading code)と称されることもある。従って、基地局は、従来の逆拡散及び相関処理を用いることにより、これらコード多重された複数の応答信号を分離することができる(非特許文献4参照)。
ただし、各端末が各サブフレームにおいて自分宛の下り割当制御信号をブラインド判定するので、端末側では、必ずしも下り割当制御信号の受信が成功するとは限らない。端末が或る下り単位バンドにおける自分宛の下り割当制御信号の受信に失敗した場合、端末は、当該下り単位バンドにおいて自分宛の下り回線データが存在するか否かさえも知り得ない。従って、或る下り単位バンドにおける下り割当制御信号の受信に失敗した場合、端末は、当該下り単位バンドにおける下り回線データに対する応答信号も生成しない。このエラーケースは、端末側で応答信号の送信が行われないという意味での、応答信号のDTX(DTX (Discontinuous transmission) of ACK/NACK signals)として定義されている。
ところで、3GPP LTEシステム(以下、「LTEシステム」と呼ばれることがある)では、基地局は上り回線データ及び下り回線データに対してそれぞれ独立にリソース割当を行う。そのため、LTEシステムでは、上り回線において、端末(つまり、LTEシステム対応の端末(以下、「LTE端末」という))が、下り回線データに対する応答信号と、上り回線データとを同時に送信しなければならない状況が発生する。この状況では、端末からの応答信号及び上り回線データは、時間多重(Time Division Multiplexing:TDM)を用いて送信される。このように、TDMを用いて応答信号と上り回線データとを同時に送信することで、端末の送信波形のシングルキャリア特性(Single carrier properties)を維持している。
また、図2に示すように、時間多重(TDM)では、端末から送信される応答信号(「A/N」)は、上り回線データ向けに割り当てられたリソース(PUSCH(Physical Uplink Shared CHannel)リソース)の一部(参照信号(RS(Reference Signal))がマッピングされるSC−FDMAシンボルに隣接するSC−FDMAシンボルの一部)を占有して基地局に送信される。ただし、図2における縦軸の「Subcarrier」は「Virtual subcarrier」、又は「Time contiguous signal」と呼ばれることもあり、SC−FDMA送信機においてDFT(Discrete Fourier Transform)回路に纏めて入力される「時間的に連続する信号」を便宜上「subcarrier」として表したものである。すなわち、PUSCHリソースでは、応答信号によって、上り回線データのうちの任意のデータがパンクチャ(puncture)される。このため、符号化後の上り回線データの任意のビットがパンクチャされることで、上り回線データの品質(例えば、符号化利得)が大幅に劣化する。そのため、基地局は、例えば、端末に対して非常に低い符号化率を指示したり、非常に大きな送信電力を指示したりすることで、パンクチャによる上り回線データの品質劣化を補償する。
また、3GPP LTEよりも更なる通信の高速化を実現する3GPP LTE−Advancedの標準化が行われている。3GPP LTE−Advancedシステム(以下、「LTE−Aシステム」と呼ばれることがある)は、LTEシステムを踏襲する。3GPP LTE−Advancedでは、最大1Gbps以上の下り伝送速度を実現するために、40MHz以上の広帯域周波数で通信可能な基地局及び端末が導入される。
LTE−Aシステムにおいては、LTEシステムにおける伝送速度の数倍もの超高速伝送速度による通信、及び、LTEシステムに対する後方互換性(バックワードコンパチビリティー:Backward Compatibility)を同時に実現するために、LTE−Aシステム向けの帯域が、LTEシステムのサポート帯域幅である20MHz以下の「単位バンド」に区切られる。すなわち、「単位バンド」は、ここでは、最大20MHzの幅を持つ帯域であって、通信帯域の基本単位として定義される。FDD(Frequency Division Duplex)システムでは、さらに、下り回線における「単位バンド」(以下、「下り単位バンド」という)は基地局から報知されるBCHの中の下り周波数帯域情報によって区切られた帯域、又は、下り制御チャネル(PDCCH)が周波数領域に分散配置される場合の分散幅によって定義される帯域として定義されることもある。また、上り回線における「単位バンド」(以下、「上り単位バンド」という)は、基地局から報知されるBCHの中の上り周波数帯域情報によって区切られた帯域、又は、中心付近にPUSCH(Physical Uplink Shared Channel)領域を含み、両端部にLTE向けのPUCCHを含む20MHz以下の通信帯域の基本単位として定義されることもある。なお、「単位バンド」は、3GPP LTE−Advancedにおいて、英語でComponent Carrier(s)又はCellと表記されることがある。また、略称としてCC(s)と表記されることもある。
TDD(Time Division Duplex)システムでは、下り単位バンドと上り単位バンドとが同一周波数帯域であり、時分割で下り回線と上り回線とを切り替えることによって、下り通信と上り通信とを実現する。そのためTDDシステムの場合、下り単位バンドは、「単位バンドにおける下り通信タイミング」とも表現できる。上り単位バンドは、「単位バンドにおける上り通信タイミング」とも表現できる。下り単位バンドと上り単位バンドとの切り替えは、図3に示すように、UL-DL Configurationに基づく。図3に示すUL-DL Configurationでは、1フレーム(10msec)当たりの下り通信(DL:Downlink)と上り通信(UL:Uplink)とのサブフレーム単位(すなわち、1msec単位)のタイミングが設定される。UL-DL Configurationは、下り通信と上り通信とのサブフレーム割合を変更することにより、下り通信に対するスループット及び上り通信に対するスループットの要求に柔軟に対応できる通信システムを構築することができる。例えば、図3は、下り通信と上り通信とのサブフレーム割合が異なるUL-DL Configuration(Config 0〜6)を示す。また、図3において、下り通信サブフレームを「D」で表し、上り通信サブフレームを「U」で表し、スペシャルサブフレームを「S」で表す。ここで、スペシャルサブフレームは、下り通信サブフレームから上り通信サブフレームへの切替時のサブフレームである。また、スペシャルサブフレームでは、下り通信サブフレームと同様、下りデータ通信が行われる場合がある。なお、図3に示す各UL-DL Configurationでは、2フレーム分のサブフレーム(20サブフレーム)を、下り通信に用いられるサブフレーム(上段の「D」及び「S」)と上り通信に用いられるサブフレーム(下段の「U」)とに分けて2段で表している。
図3に示すように、下りデータに対する誤り検出結果(ACK/NACK)は、当該下りデータが割り当てられたサブフレームの4サブフレーム以上後の上り通信サブフレームで通知される。TDDシステムでは、複数の下り通信サブフレームで通知された下りデータに対する誤り検出結果を示す応答信号を、1つの上り通信サブフレームでまとめて送信する必要がある。このときの下り通信サブフレーム数(バンドリングウィンドウ(Bundling Window)と呼ばれることがある)をMと表し、1つの上り通信サブフレームに対する下り通信サブフレームのインデックスをmで表す。例えば、UL-DL Configuration#2では、第1フレームの4つの下り通信サブフレームSF#4,5,6,8における下りリンクデータに対する誤り検出結果が、第2フレームの上り通信サブフレームSF#3で通知されている。この場合、M=4であり、第1フレームのSF#4,5,6,8が、それぞれm=0,1,2,3に対応する。
LTE−AシステムにおけるTDDでは、端末がPDCCHを介して下り割当制御情報を受信し、下り回線データを受信した場合における上り回線で応答信号を送信する。その応答信号の送信方法として、以下の2つの方法が採用されている。
方法1は、PDCCHが占有しているCCE(Control Channel Element)の先頭CCEインデックスnCCEおよび1つの上り通信サブフレームに対する下り通信サブフレームのインデックスmと、1対1に関連付けられたPUCCHリソースを用いて端末が応答信号を送信する方法(Implicit signaling)である(特許文献1参照)。なお、mには、時系列にインデックスがつけられる。
より具体的には、端末はまず、DLサブフレームm毎に、自端末宛のPDCCH(DLassignment)が占有する先頭CCEインデックスn
CCEとN
cの大小関係において、数式(1)を満足するパラメータc={0,1,2,3}を算出する。なお、数式(1)におけるNcは数式(2)より算出する。数式(2)において、N
DL RBは下りリソースブロック数、N
RB SCは1リソースブロック当たりのサブキャリア数である。そして、端末が、DLサブフレームmおよび算出したcに基づいて、数式(3)よりPUCCHリソースn
(1) PUCCHを決定する(非特許文献3参照)。なお、数式(3)において、N
(1) PUCCHはPUCCHリソース全体に対するオフセット値であり、端末に対して予め設定される値である。
図4に示すように、TDDでは、PDCCHに対するPUCCHリソース領域10がc毎に分割され、各cに対応する部分領域がそれぞれm毎に分割される。そして、cおよびm毎のPUCCHリソースが、単位バンドの周波数端方向から中心方向に、mの昇順かつcの昇順に配置される。
図4の例において、端末は、m=2のサブフレームで通知された下りデータに対する誤り検出結果を示す応答信号を送信する場合、まず、m=2のサブフレームに対するPUCCHリソースをまとめた仮想的なPUCCHリソース領域50で、自端末宛のPDCCH(DL assignment)が占有する先頭CCEインデックスnCCEとNcの大小関係から、cを算出する(数式(1))。
次に、端末は、得られたc(図4ではc=0)に対して、実際のPUCCHリソース領域10中のPUCCHリソースn(1) PUCCH(図4の符番11)に当該応答信号を配置する(数式(3))。
ここで、使用されるcの範囲は、CCEインデックスが大きいほど大きくなる。また、CCEインデックスの最大値はPDCCH領域が大きいほど大きくなる。したがって、使用されるcの範囲は、PDCCH領域が大きいほど大きくなる。PDCCH領域の大きさは、CFI(Control Format Indicator)で定義される。例えば、PDCCH領域は、CFI=3のときに3つのOFDMシンボルで構成されるため、最も大きくなり、CFI=1のときに1つのOFDMシンボルで構成されるため、最も小さくなる。さらに、CFIはサブフレーム毎に動的に端末に対して通知される。したがって、PUCCHリソース領域の使用頻度は、cが小さいほど高くなる。このため、PUCCHリソース領域の中の制御情報の占有率は、cが小さいほど高くなり、cが大きいほど低くなる。
ここで、LTE−Aシステムでは、送信ダイバーシチの適用やCarrier Aggregation時におけるChannel Selectionの適用により、複数のPUCCHリソースを用いて制御信号を送信する場合がある。この場合、方法1では、数式(4)および図5に示すように、所定のPUCCHリソース(図5の符番11)と、実際のPUCCHリソース領域において、当該PUCCHリソースに隣接する(n
CCEに対してn
CCE+1となる)PUCCHリソース(図5の符番12)が用いられる。換言すれば、LTE−Aシステムでは、CCEインデックスに対して、実際のPUCCHリソース領域において+1のオフセットがかけられている。
方法2は、基地局が端末に対してPUCCHリソースを予め通知し、端末が基地局から予め通知されたPUCCHリソースを用いて応答信号を送信する方法(Explicit signaling)である。
方法2では、基地局が端末に対して複数のPUCCHリソースの中から1つのPUCCHリソースを指示する情報(ARI(Ack/nack Resource Indicator))を、予めDL assignmentで動的に通知することができる。これにより、準静的なPUCCHリソースを、少ないビット数で動的に切り替えることができる。例えば、ARIが2ビットであれば、基地局は4つのPUCCHリソースの中から1つを選択することができる。
ところで、LTE−Aシステムでは、M2M(Machine to Machine)通信等、様々な機器が無線通信端末として導入され、及び、MIMO伝送技術により端末の多重数が増加する状況にあるため、基地局から端末に送信される制御信号の数が増加すると考えられる。このため、制御信号に使用されるPDCCHがマッピングされる領域であるPDCCH領域が不足することが懸念される。基地局は、このリソース不足によって制御信号を送信できないと、端末に対してデータの割当を行うことができなくなる。このため、端末は、データに使用されるPUSCH領域が空いていても使用することができなくなり、システムスループットが低下してしまうおそれがある。
このリソース不足を解消する方法として、基地局配下の端末に向けた制御信号を、PDSCH領域にもマッピングすることが検討されている。この基地局配下の端末に向けた制御信号がマッピングされる領域、すなわち、制御信号及びデータのいずれにも使用可能な領域は、enhanced PDCCH(ePDCCH)領域と呼ばれる。このように、ePDCCHを用意することにより、基地局は、端末に多くの制御信号を送信することができるので、様々な制御を実現することができる。例えば、基地局は、セルエッジ付近に存在する端末へ送信される制御信号に対する送信電力制御、又は、送信される制御信号によって他のセルへ与える干渉制御若しくは他のセルから自セルへ与えられる干渉制御を行うことができる。
LTEでは、下り回線のデータ割当(PDSCH)を指示するDL assignment、及び、上り回線のデータ割当を指示するUL grantが、PDCCHによって送信される。
LTE−Advancedでは、PDCCHと同様に、DL assignmentおよびUL grantがePDCCHによっても送信される。ePDCCH領域では、DLassignmentがマッピングされるリソースとUL grantがマッピングされるリソースとが周波数軸で分割されることが検討されている。
PDCCH領域でDL assignmentが通知される場合のPUCCHリソース領域(以下、「PDCCH−PUCCHリソース領域」という)におけるPUCCHリソースの決定方法として、前述の方法1及び方法2が規定されている。さらに、方法2では、予め設定されたPUCCHリソースを、動的なARIによって選択することが規定されている。
ここで、ePDCCH領域でDL assignmentが通知される場合のPUCCHリソース領域(以下、「ePDCCH−PUCCHリソース領域」という)を、PDCCH−PUCCHリソース領域と別に確保すると、PUCCHリソース領域の総量が大きくなってしまう。特に、キャリアアグリゲーション適用時、端末のPAPR(Peak-to-Average Power Ratio)が上昇するのを避けるために、1つのセルでのみPUCCHが送信される。またそのセルは、常にPCellである。PCellは、一般に、カバレッジの大きいマクロセルであり、PUCCHの送信をマクロセルで行うことにより、高いモビリティを担保している。ePDCCHの導入だけでなく、キャリアアグリゲーションの導入、多くの端末がデータ通信を行うM2Mの導入などにより、今後、PUCCHのリソースが逼迫する可能性がある。そこで、LTE−Aシステムでは、ePDCCH−PUCCHリソース領域をPDCCH−PUCCHリソース領域に重複させる運用が検討されている。
ePDCCH−PUCCHリソースの決定方法として、eCCEインデックスに対して、予め設定されたオフセット値をARIで指示する方法、または、固定値を規定する方法が開示されている(数式(5))(非特許文献5参照)。これらの方法によれば、基地局は、最初にオフセット値0、すなわちimplicit signallingによるePDCCH−PUCCHリソースがPDCCH−PUCCHリソースと衝突するか否かを判定する。そして、衝突しない場合、基地局は、端末に当該ePDCCH−PUCCHリソースを用いるよう、ARI=0を通知する。一方、衝突する場合、基地局は、他のオフセット値を加えたePDCCH−PUCCHリソースにおいて、衝突の有無を順次判定し、衝突しないePDCCH−PUCCHリソースに対応するARI又は固定値を端末に通知する。
ところで、ePDCCHでは、一般には、1つのePDCCHサーチスペースセットの大きさNeCCEとして、4、8、16、32などの値をとる。ただし、スペシャルサブフレームであり、かつ、下り回線に用いるOFDMシンボル数が少ない場合は(すなわち、スペシャルサブフレームにおける下り通信に用いるOFDMシンボル数、ギャップ(下り/上りの切替期間)および上り通信に用いるOFDMシンボル数の比率を設定する、スペシャルサブフレームコンフィギュレーション(Special subframe configuration)として、下り回線に用いるOFDMシンボル数が少ないConfigurationに設定されている場合は)、NeCCEとして、2、4、8、16などの値をとる。また、基地局は、端末間で異なるePDCCHサーチスペースセットを設定することができ、これらのePDCCHサーチスペースセットは、大きさが異なっていてもよい。さらに、基地局は、1つの端末に対して、複数のePDCCHサーチスペースセットを設定することができ、これらのePDCCHサーチスペースセットは大きさが異なっていてもよい。さらに、基地局は、各ePDCCHサーチスペースセットに対して、それぞれ異なるPUCCHリソースの開始位置N(1) PUCCHを設定することができる。
以下、本発明の各実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、各実施の形態において、既に説明されたものと同一の構成要素には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
(実施の形態1)
図7は、本実施の形態に係る基地局100の主要構成を示すブロック図である。図8は、本実施の形態に係る端末200の主要構成を示すブロック図である。端末200は、第1の単位バンド及び第2の単位バンドを含む複数の単位バンドを用いて基地局100と通信する。また、端末200に設定される各単位バンドには、1フレームを構成するサブフレームの構成パターンであって、下り回線の通信に用いられる下り通信サブフレーム(DLサブフレーム)及び上り回線の通信に用いられる上り通信サブフレーム(ULサブフレーム)を含む構成パターン(DL-UL Configuration)が設定される。
基地局100において、制御部101がePDCCH−PUCCHリソースとPDCCH−PUCCHリソースとの衝突の有無を判定する。そして、制御情報生成部102が、衝突しないePDCCH−PUCCHリソースに対応するARIを端末200に通知する。
端末200において、抽出部204が、複数の単位バンドで下りデータをそれぞれ受信する。そして、復号部210は、下りデータを復号する。そして、CRC部211が、復号された各下りデータの誤りを検出する。そして、応答信号生成部212が、CRC部211で得られる各下りデータの誤り検出結果を用いて応答信号を生成する。そして、制御部208が、応答信号を所定のPUCCHリソースに配置して基地局100に送信する。
[基地局の構成]
図9は、本実施の形態に係る基地局100の構成を示すブロック図である。図9において、基地局100は、制御部101と、制御情報生成部102と、符号化部103と、変調部104と、符号化部105と、データ送信制御部106と、変調部107と、マッピング部108と、IFFT(Inverse Fast Fourier Transform)部109と、CP付加部110と、無線送信部111と、無線受信部112と、CP除去部113と、PUCCH抽出部114と、逆拡散部115と、系列制御部116と、相関処理部117と、A/N判定部118と、束A/N逆拡散部119と、IDFT(Inverse Discrete Fourier Transform)部120と、束A/N判定部121と、再送制御信号生成部122と、を有する。
制御部101は、リソース割当の対象となる端末(以下「宛先端末」又は単に「端末」ともいう)200に対して、制御情報を送信するための下りリソース(下り制御情報割当リソース)、及び、下り回線データを送信するための下りリソース(下りデータ割当リソース)を割り当てる(Assignする)。このリソース割当は、リソース割当対象端末200に設定される単位バンドグループに含まれる下り単位バンドにおいて行われる。また、下り制御情報割当リソースは、各下り単位バンドにおける下り制御チャネル(PDCCHまたはePDCCH)に対応するリソース内で選択される。また、下りデータ割当リソースは、各下り単位バンドにおける下りデータチャネル(PDSCH)に対応するリソース内で選択される。また、リソース割当の対象となる端末200が複数有る場合には、制御部101は、各端末200に互いに異なるリソースを割り当てる。
下り制御情報割当リソースは、上記したL1/L2CCHと同等である。すなわち、下り制御情報割当リソースは、1つ又は複数のCCEまたはeCCEから構成される。
また、制御部101は、ePDCCH−PUCCHリソースがPDCCH−PUCCHリソースと衝突するか否かを判定し、判定結果に基づくARIを生成するように制御情報生成部102を制御する。
また、制御部101は、端末200に対して制御情報を送信する際に用いる符号化率を決定する。この符号化率に応じて制御情報のデータ量が異なるので、制御部101は、このデータ量の制御情報をマッピング可能な数のCCEまたはeCCEを持つ下り制御情報割当リソースを割り当てる。
そして、制御部101は、制御情報生成部102に対して、下りデータ割当リソースに関する情報を出力する。また、制御部101は、符号化部103に対して、符号化率に関する情報を出力する。また、制御部101は、送信データ(下り回線データ)の符号化率を決定し、符号化部105に出力する。また、制御部101は、下りデータ割当リソース及び下り制御情報割当リソースに関する情報をマッピング部108に出力する。ただし、制御部101は下り回線データと当該下り回線データに対する下り制御情報を同一の下り単位バンドにマッピングするよう制御する。
制御情報生成部102は、下りデータ割当リソースに関する情報、ARIを含む制御情報を生成して符号化部103に出力する。この制御情報は下り単位バンド毎に生成される。また、端末200が複数有る場合、リソース割当対象端末200同士を区別するために、制御情報には、宛先端末200の端末IDが含まれる。例えば、宛先端末200の端末IDでマスキングされたCRCビットが制御情報に含まれる。この制御情報は、「下り割当制御情報(Control information carrying downlink assignment)」又は「Downlink Control Information(DCI)」と呼ばれることがある。
符号化部103は、制御部101から受け取る符号化率に従って、制御情報を符号化して制御情報を変調部104に出力する。
変調部104は、符号化後の制御情報を変調し、得られた変調信号をマッピング部108に出力する。
符号化部105は、宛先端末200毎の送信データ(下り回線データ)に制御部101からの符号化率情報を挿入し、挿入後の送信データを符号化してデータ送信制御部106に出力する。ただし、宛先端末200に対して複数の下り単位バンドが割り当てられる場合には、符号化部105は、各下り単位バンドで送信される送信データをそれぞれ符号化する。
データ送信制御部106は、初回送信時には、符号化後の送信データを保持すると共に変調部107に出力する。符号化後の送信データは、宛先端末200毎に保持される。また、1つの宛先端末200への送信データは、送信される下り単位バンド毎に保持される。これにより、宛先端末200に送信されるデータ全体の再送制御だけでなく、下り単位バンド毎に再送制御を行うことも可能になる。
また、データ送信制御部106は、再送制御信号生成部122から所定の下り単位バンドで送信した下り回線データに対するNACK又はDTXを受け取ると、この下り単位バンドに対応する保持データを変調部107に出力する。データ送信制御部106は、再送制御信号生成部122から或る下り単位バンドで送信した下り回線データに対するACKを受け取ると、この下り単位バンドに対応する保持データを削除する。
変調部107は、データ送信制御部106から受け取る符号化後の送信データを変調し、変調信号をマッピング部108に出力する。
マッピング部108は、制御部101から受け取る下り制御情報割当リソースの示すリソース(PDCCH)に、変調部104から受け取る制御情報の変調信号をマッピングし、IFFT部109に出力する。
また、マッピング部108は、制御部101から受け取る下りデータ割当リソース(すなわち、制御情報に含まれる情報)の示すリソース(PDSCH)に、変調部107から受け取る送信データの変調信号をマッピングし、IFFT部109に出力する。
IFFT部109は、マッピング部108にてマッピングされた変調信号に対してIFFT処理を行い、CP付加部110に出力する。これにより、変調信号は周波数領域から時間領域に変換される。
CP付加部110は、IFFT後の信号の後尾部分と同じ信号をCPとしてその先頭に付加してOFDM信号とし、無線送信部111に出力する。
無線送信部111は、OFDM信号に対してD/A(Digital to Analog)変換、増幅及びアップコンバート等の送信処理を行い、アンテナを介して端末200に送信する。
無線受信部112は、端末200から送信された上り応答信号又は参照信号を、アンテナを介して受信し、上り応答信号又は参照信号に対しダウンコンバート、A/D変換等の受信処理を行い、CP除去部113に出力する。
CP除去部113は、受信処理後の上り応答信号又は参照信号に付加されているCPを除去し、PUCCH抽出部114に出力する。
PUCCH抽出部114は、受信信号に含まれるPUCCH信号から、予め端末200に通知してある束ACK/NACKリソースに対応するPUCCH領域の信号を抽出する。ここで、束ACK/NACKリソースとは、前述したように、束ACK/NACK信号が送信されるべきPUCCHリソースであり、DFT−S−OFDMフォーマット構成を採るリソースである。具体的には、PUCCH抽出部114は、束ACK/NACKリソースに対応するPUCCH領域のデータ部分(すなわち、束ACK/NACK信号が配置されているSC−FDMAシンボル)と参照信号部分(すなわち、束ACK/NACK信号を復調するための参照信号が配置されているSC−FDMAシンボル)を抽出する。PUCCH抽出部114は、抽出したデータ部分を束A/N逆拡散部119に出力し、参照信号部分を逆拡散部115−1に出力する。
また、PUCCH抽出部114は、受信信号に含まれるPUCCH信号から、下り割当制御情報(DCI)の送信に用いられたPDCCHが占有していたCCEに対応付けられているA/Nリソース、下り割当制御情報(DCI)の送信に用いられたePDCCHが占有していたeCCEに対応付けられているA/Nリソース、及び、予め端末200に通知してある複数のA/Nリソースに対応する複数のPUCCH領域を抽出する。ここで、A/Nリソースとは、A/Nが送信されるべきPUCCHリソースである。具体的には、PUCCH抽出部114は、A/Nリソースに対応するPUCCH領域のデータ部分(上り制御信号が配置されているSC−FDMAシンボル)と参照信号部分(上り制御信号を復調するための参照信号が配置されているSC−FDMAシンボル)を抽出する。そして、PUCCH抽出部114は、抽出したデータ部分及び参照信号部分の両方を、逆拡散部115−2に出力する。このようにして、CCEまたはeCCEに関連付けられたPUCCHリソース及び端末200に対して通知した特定のPUCCHリソースの中から選択されたリソースで応答信号が受信される。なお、A/Nリソース(応答信号が配置されるPUCCHリソース)の決定方法については後述する。
系列制御部116は、端末200から通知されるA/N、A/Nに対する参照信号、及び、束ACK/NACK信号に対する参照信号のそれぞれの拡散に用いられる可能性があるBase sequence(すなわち、系列長12のZAC系列)を生成する。また、系列制御部116は、端末200が用いる可能性のあるPUCCHリソースにおいて、参照信号が配置され得るリソース(以下「参照信号リソース」という)に対応する相関窓をそれぞれ特定する。そして、系列制御部116は、束ACK/NACKリソースにおいて参照信号が配置され得る参照信号リソースに対応する相関窓を示す情報及びBase sequenceを相関処理部117−1に出力する。系列制御部116は、参照信号リソースに対応する相関窓を示す情報及びBase sequenceを、相関処理部117−1に出力する。また、系列制御部116は、A/N及びA/Nに対する参照信号が配置されるA/Nリソースに対応する相関窓を示す情報及びBase sequenceを相関処理部117−2に出力する。
逆拡散部115−1及び相関処理部117−1は、束ACK/NACKリソースに対応するPUCCH領域から抽出された参照信号の処理を行う。
具体的には、逆拡散部115−1は、端末200が束ACK/NACKリソースの参照信号において2次拡散に用いるべきウォルシュ系列で参照信号部分を逆拡散し、逆拡散後の信号を相関処理部117−1に出力する。
相関処理部117−1は、参照信号リソースに対応する相関窓を示す情報及びBase sequenceを用いて、逆拡散部115−1から入力される信号と、端末200において1次拡散に用いられる可能性のあるBase sequenceとの相関値を求める。そして、相関処理部117−1は、相関値を束A/N判定部121に出力する。
逆拡散部115−2及び相関処理部117−2は、複数のA/Nリソースに対応する複数のPUCCH領域から抽出された参照信号及びA/Nの処理を行う。
具体的には、逆拡散部115−2は、端末200が各A/Nリソースのデータ部分及び参照信号部分において2次拡散に用いるべきウォルシュ系列及びDFT系列でデータ部分及び参照信号部分を逆拡散し、逆拡散後の信号を相関処理部117−2に出力する。
相関処理部117−2は、各A/Nリソースに対応する相関窓を示す情報及びBase sequenceを用いて、逆拡散部115−2から入力される信号と、端末200において1次拡散に用いられる可能性のあるBase sequenceとの相関値をそれぞれ求める。そして、相関処理部117−2は、それぞれの相関値をA/N判定部118に出力する。
A/N判定部118は、相関処理部117−2から入力される複数の相関値に基づいて、端末200において信号の送信にいずれのA/Nリソースが用いられたか、若しくは、いずれのA/Nリソースも用いられていないことを判定する。そして、A/N判定部118は、いずれかのA/Nリソースが用いられていると判定した場合、参照信号に対応する成分及びA/Nに対応する成分を用いて同期検波を行い、同期検波の結果を再送制御信号生成部122に出力する。一方、A/N判定部118は、いずれのA/Nリソースも用いられていないと判定した場合には、A/Nリソースが用いられていない旨を再送制御信号生成部122に出力する。
束A/N逆拡散部119は、PUCCH抽出部114から入力される束ACK/NACKリソースのデータ部分に対応する束ACK/NACK信号をDFT系列によって逆拡散し、その信号をIDFT部120に出力する。
IDFT部120は、束A/N逆拡散部119から入力される周波数領域上の束ACK/NACK信号を、IDFT処理によって時間領域上の信号に変換し、時間領域上の束ACK/NACK信号を束A/N判定部121に出力する。
束A/N判定部121は、IDFT部120から入力される束ACK/NACKリソースのデータ部分に対応する束ACK/NACK信号を、相関処理部117−1から入力される束ACK/NACK信号の参照信号情報を用いて復調する。また、束A/N判定部121は、復調後の束ACK/NACK信号を復号し、復号結果を束A/N情報として再送制御信号生成部122に出力する。ただし、束A/N判定部121は、相関処理部117−1から入力される相関値が閾値よりも小さく、端末200から束A/Nリソースを用いて信号が送信されていないと判定した場合には、その旨を再送制御信号生成部122に出力する。
再送制御信号生成部122は、束A/N判定部121から入力される情報、A/N判定部118から入力される情報、及び、予め端末200に設定したグループ番号を示す情報に基づいて、下り単位バンドで送信したデータ(下り回線データ)を再送すべきか否かを判定し、判定結果に基づいて再送制御信号を生成する。具体的には、再送制御信号生成部122は、或る下り単位バンドで送信した下り回線データに対して再送する必要があると判断した場合には、当該下り回線データの再送命令を示す再送制御信号を生成して、再送制御信号をデータ送信制御部106に出力する。また、再送制御信号生成部122は、或る下り単位バンドで送信した下り回線データに対して再送する必要が無いと判断した場合には、当該下り単位バンドで送信した下り回線データを再送しないことを示す再送制御信号を生成して、再送制御信号をデータ送信制御部106に出力する。
[端末の構成]
図10は、本実施の形態に係る端末200の構成を示すブロック図である。図10において、端末200は、無線受信部201と、CP除去部202と、FFT(Fast Fourier Transform)部203と、抽出部204と、復調部205と、復号部206と、判定部207と、制御部208と、復調部209と、復号部210と、CRC部211と、応答信号生成部212と、符号化・変調部213と、1次拡散部214−1,214−2と、2次拡散部215−1,215−2と、DFT部216と、拡散部217と、IFFT部218−1,218−2,218−3と、CP付加部219−1,219−2,219−3と、時間多重部220と、選択部221と、無線送信部222とを有する。
無線受信部201は、基地局100から送信されたOFDM信号を、アンテナを介して受信し、受信OFDM信号に対しダウンコンバート、A/D変換等の受信処理を行い、CP除去部202に出力する。なお、受信OFDM信号には、PDSCH内のリソースに割り当てられたPDSCH信号(下り回線データ)、PDCCH内のリソースに割り当てられたPDCCH信号、または、ePDCCH内のリソースに割り当てられたePDCCH信号が含まれる。
CP除去部202は、受信処理後のOFDM信号に付加されているCPを除去し、FFT部203に出力する。
FFT部203は、CP除去後のOFDM信号をFFTして周波数領域信号に変換し、得られた受信信号を抽出部204に出力する。
抽出部204は、入力される符号化率情報に従って、FFT部203から受け取る受信信号から下り制御チャネル信号(PDCCH信号またはePDCCH信号)を抽出する。すなわち、符号化率に応じて下り制御情報割当リソースを構成するCCEまたはeCCEの数が変わるので、抽出部204は、その符号化率に対応する個数のCCEまたはeCCEを抽出単位として、下り制御チャネル信号を抽出し、復調部205に出力する。なお、下り制御チャネル信号は、下り単位バンドごとに抽出される。
また、抽出部204は、後述する判定部207から受け取る自装置宛の下りデータ割当リソースに関する情報に基づいて、受信信号から下り回線データ(下りデータチャネル信号(PDSCH信号))を抽出し、復調部209に出力する。このように、抽出部204は、PDCCHまたはePDCCHにマッピングされた下り割当制御情報(DCI)を受信し、PDSCHで下り回線データを受信する。
復調部205は、抽出部204から受け取る下り制御チャネル信号を復調し、得られた復調結果を復号部206に出力する。
復号部206は、入力される符号化率情報に従って、復調部205から受け取る復調結果を復号して、得られた復号結果を判定部207に出力する。
判定部207は、復号部206から受け取る復号結果に含まれる制御情報が自装置宛の制御情報であるか否かをブラインド判定(モニタ)する。この判定は、上記した抽出単位に対応する復号結果を単位として行われる。例えば、判定部207は、自装置の端末IDでCRCビットをデマスキングし、CRC=OK(誤り無し)となった制御情報を自装置宛の制御情報であると判定する。そして、判定部207は、自装置宛の制御情報に含まれる、自装置に対する下りデータ割当リソースに関する情報を抽出部204に出力する。
また、判定部207は、自装置宛の制御情報(すなわち、下り割当制御情報)を検出した場合、ACK/NACK信号が発生(存在)する旨を制御部208に通知する。また、判定部207は、自装置宛の制御情報をPDCCH信号またはePDCCH信号から検出した場合、当該PDCCHが占有していたCCEに関する情報または当該ePDCCHが占有していたeCCEに関する情報を制御部208に出力する。
制御部208は、判定部207から入力されるCCEまたはeCCEに関する情報から、当該CCEまたは当該eCCEに関連付けられたA/Nリソースを特定する。そして、制御部208は、CCEに関連付けられたA/Nリソース、eCCEに関連付けられたA/Nリソース、又は、予め基地局100から通知されているA/Nリソースに対応するBase sequence及び循環シフト量を、1次拡散部214−1に出力し、当該A/Nリソースに対応するウォルシュ系列及びDFT系列を2次拡散部215−1に出力する。また、制御部208は、A/Nリソースの周波数リソース情報をIFFT部218−1に出力する。なお、A/Nリソース(応答信号が配置されるPUCCHリソース)の決定方法については後述する。
また、制御部208は、束ACK/NACK信号を束ACK/NACKリソースを用いて送信すると判断した場合、予め基地局100から通知されている束ACK/NACKリソースの参照信号部分(参照信号リソース)に対応するBase sequence及び循環シフト量を、1次拡散部214−2に出力し、ウォルシュ系列を2次拡散部215−2に出力する。また、制御部208は、束ACK/NACKリソースの周波数リソース情報をIFFT部218−2に出力する。
また、制御部208は、束ACK/NACKリソースのデータ部分の拡散に用いるDFT系列を拡散部217に出力し、束ACK/NACKリソースの周波数リソース情報をIFFT部218−3に出力する。
また、制御部208は、束ACK/NACKリソース又はA/Nリソースのいずれかを選択し、選択したリソースを無線送信部222に出力するよう選択部221に指示する。更に、制御部208は、選択したリソースに応じて、束ACK/NACK信号又はACK/NACK信号のいずれかを生成するよう応答信号生成部212に指示する。
復調部209は、抽出部204から受け取る下り回線データを復調し、復調後の下り回線データを復号部210に出力する。
CRC部211は、復号部210から受け取る復号後の下り回線データを生成し、CRCを用いて下り単位バンド毎に誤り検出し、CRC=OK(誤り無し)の場合にはACKを、CRC=NG(誤り有り)の場合にはNACKを、応答信号生成部212にそれぞれ出力する。また、CRC部211は、CRC=OK(誤り無し)の場合には、復号後の下り回線データを受信データとして出力する。
応答信号生成部212は、CRC部211から入力される、各下り単位バンドにおける下り回線データの受信状況(下り回線データの誤り検出結果)、及び、予め設定されたグループ番号を示す情報に基づいて応答信号を生成する。すなわち、応答信号生成部212は、制御部208から束ACK/NACK信号を生成するように指示された場合には、下り単位バンド毎の誤り検出結果の各々が個別データとして含まれている束ACK/NACK信号を生成する。一方、応答信号生成部212は、制御部208からACK/NACK信号を生成するように指示された場合には、1シンボルのACK/NACK信号を生成する。そして、応答信号生成部212は生成した応答信号を符号化・変調部213に出力する。
符号化・変調部213は、束ACK/NACK信号が入力された場合には、入力された束ACK/NACK信号を符号化・変調し、12シンボルの変調信号を生成し、DFT部216に出力する。また、符号化・変調部213は、1シンボルのACK/NACK信号が入力された場合には、当該ACK/NACK信号を変調し、1次拡散部214−1に出力する。
A/Nリソース、及び、束ACK/NACKリソースの参照信号リソースに対応する1次拡散部214−1及び214−2は、制御部208の指示に従ってACK/NACK信号又は参照信号を、リソースに対応するBase sequenceによって拡散し、拡散した信号を2次拡散部215−1,215−2に出力する。
2次拡散部215−1,215−2は、制御部208の指示により、入力された1次拡散後の信号をウォルシュ系列又はDFT系列を用いて拡散し、IFFT部218−1,218−2に出力する。
DFT部216は、入力される時系列の束ACK/NACK信号を12個纏めてDFT処理を行うことにより、12個の周波数軸上の信号成分を得る。そして、DFT部216は12個の信号成分を拡散部217に出力する。
拡散部217は、制御部208から指示されたDFT系列を用いて、DFT部216から入力された12個の信号成分を拡散し、IFFT部218−3に出力する。
IFFT部218−1,218−2,218−3は、制御部208の指示により、入力された信号を、配置されるべき周波数位置に対応付けてIFFT処理を行う。これにより、IFFT部218−1,218−2,218−3に入力された信号(すなわち、ACK/NACK信号、A/Nリソースの参照信号、束ACK/NACKリソースの参照信号、束ACK/NACK信号)は時間領域の信号に変換される。
CP付加部219−1,219−2,219−3は、IFFT後の信号の後尾部分と同じ信号をCPとしてその信号の先頭に付加する。
時間多重部220は、CP付加部219−3から入力される束ACK/NACK信号(すなわち、束ACK/NACKリソースのデータ部分を用いて送信される信号)と、CP付加部219−2から入力される束ACK/NACKリソースの参照信号とを、束ACK/NACKリソースに時間多重し、得られた信号を選択部221に出力する。
選択部221は、制御部208の指示に従って、時間多重部220から入力される束ACK/NACKリソースとCP付加部219−1から入力されるA/Nリソースのいずれかを選択し、選択したリソースに割り当てられた信号を無線送信部222に出力する。
無線送信部222は、選択部221から受け取る信号に対しD/A変換、増幅及びアップコンバート等の送信処理を行い、アンテナから基地局100に送信する。
[ePDCCH−PUCCHリソースの決定方法]
次に、上記の構成を有する基地局100及び端末200におけるePDCCH−PUCCHリソースの決定方法について説明する。
図11は、本実施の形態に係るePDCCH−PUCCHリソースの決定方法の説明に供する図である。図11に示すように、ePDCCH−PUCCHリソース領域300は、c’およびm毎に分割され、単位バンドの周波数端方向から中心方向に、mの昇順かつc’の昇順に配置される。
本実施の形態において、基地局100は、現在のDLサブフレームmcurrentに対する仮想的なPUCCHリソース領域でシフトするオフセット値(δ1、δ2、δ3)を設定する。
そして、基地局100は、最初にオフセット値0、すなわちimplicit signallingによるePDCCH−PUCCHリソース310がPDCCH−PUCCHリソースと衝突するか否かを判定する。そして、衝突しない場合、基地局100は、端末200に当該ePDCCH−PUCCHリソース310を用いるよう、ARI=0を通知する。一方、衝突する場合、基地局100は、他のオフセット値を加えたePDCCH−PUCCHリソース311、312、313)において、衝突の有無を順次判定し、衝突しないePDCCH−PUCCHリソースに対応するARIを端末200に通知する。
端末200は、eCCEインデックスneCCE、及び、通知されたARIに対応する仮想的なPUCCHリソース領域におけるオフセット値δARIに基づいてc’を求め、現在のDLサブフレームmcurrentに対するPUCCHリソース領域の中から、下り回線データの誤り検出結果を示す応答信号の通知に用いるPUCCHリソースを決定する。
[効果]
このように、本実施の形態によれば、ARIで指示するオフセット値によるシフトが、m=mcurrent、すなわち、現在のDLサブフレームに対応づけられたPUCCHリソース内のみで行われるため、未来のDLサブフレームにおけるDLスケジューリングへの制約を与えない。
(実施の形態2)
実施の形態2では、端末200は、m=mcurrentに対するPUCCHリソースをまとめた仮想的なPUCCHリソース領域において、eCCEインデックスneCCE、及び、通知されたARIに対応するオフセット値δARIに基づいてc’を求める。次に、端末200は、実際に用いるePDCCH−PUCCHリソース領域において、下り回線データの誤り検出結果を示す応答信号の通知に用いるPUCCHリソースを決定する。
図12は、本実施の形態に係るePDCCH−PUCCHリソースの決定方法の説明に供する図である。図12の例では、mcurrent=2であるとする。図12において、PUCCHリソース領域350は、m=mcurrent=2のPUCCHリソースをまとめた仮想的なPUCCHリソース領域である。PUCCHリソース領域350は、c’毎に分割され、単位バンドの周波数端方向から中心方向に、c’の昇順に配置される。
基地局100は、仮想的なPUCCHリソース領域350において、n
eCCE+δ
ARIが属するc’を、数式(6)にしたがって算出する。算出されたc’に基づいて、数式(7)にしたがって、PUCCHリソース(360、361、362、363)のいずれかに決定する。
なお、数式(6)において、c’は必ずしもPDCCH−PUCCHにおけるcと同じ値および同じ値の範囲でなくてもよい。また、数式(7)において、N(1) PUCCH’は、端末200に予め設定されたePDCCH−PUCCHリソース全体に対するオフセット値であるが、PDCCH−PUCCHリソース全体に対するオフセット値N(1) PUCCHとは異なる値であってもよい。
なお、前述の通り、下り回線に用いるOFDMシンボル数が少ないスペシャルサブフレームでは、ePDCCHサーチスペースセットの大きさは、ノーマルサブフレームの半分である。そのため、ノーマルサブフレームに対するオフセット値をδとするのに対して、スペシャルサブフレームに対するオフセット値をδ/2としてもよい。
[効果]
このように、本実施の形態によれば、ARIで指示するオフセット値によるシフトが、仮想的なPUCCHリソース領域で行われる。さらに、仮想的なPUCCHリソースは、m=mcurrent、すなわち、現在のDLサブフレームに対応づけられたPUCCHリソースのみを用いるため、未来のDLサブフレームにおけるDLスケジューリングへの制約を与えない。さらに、小さい絶対値のオフセット値であっても、同じmかつ異なるc’に対するePDCCH−PUCCHリソースを指示することができるため、正のオフセット値を与えた場合に、PDCCH−PUCCHリソースとの衝突確率がより低いePDCCH−PUCCHリソース領域にシフトすることができる。さらにこれらの効果は、異なるc’およびmにおいて同一のオフセット値を設定していても得ることができる。
なお、図12では仮想的なPUCCHリソース領域において、m=2に対するePDCCH−PUCCHリソース領域以外に、ePDCCH−PUCCHリソース領域外のリソース(例えばPUSCH領域)が含まれる。本実施の形態では、オフセットによるシフト後のPUCCHリソースを、(1)ePDCCH−PUCCHリソース領域外のリソースを指示することができるよう運用してもよいし、(2)ePDCCH−PUCCHリソース領域内のリソースのみを必ず指示するよう運用してもよい。
以下、(1)ePDCCH−PUCCHリソース領域内に限定しない場合と、(2)ePDCCH−PUCCHリソース領域内に限定する場合について説明する。
(バリエーション1)
バリエーション1は、(1)PUCCHリソースをePDCCH−PUCCHリソース領域内に限定しない場合である。
図13および図14に、それぞれ、仮想的なPUCCHリソース領域をePDCCH−PUCCHリソース領域内に限定しない場合の運用方法を示す。
図13に示す運用方法では、実際のePDCCH−PUCCHリソース領域300において、ePDCCH−PUCCHリソース領域外のリソースも、c’およびm毎に(すなわちePDCCH−PUCCHと同一のルールに従って)分割される。なお、図13では、ePDCCH−PUCCHリソース領域が、c’=0,1,2,3で定義され、ePDCCH−PUCCHリソース領域外のリソース(例えばPUSCH領域)が、c’=4,・・・で定義される。仮想的なPUCCHリソース領域350においては、m=mcurrentとなるePDCCH−PUCCHリソース領域、および、ePDCCH−PUCCHリソース領域外のリソース領域において、ARIが指示するオフセット値に基づく、PUCCHリソースのシフトが行われる。なお、数式(6)および数式(7)は、本運用方法に従ったものである。
一方、図14に示す運用方法では、実際のePDCCH−PUCCHリソース領域300において、ePDCCH−PUCCHリソース領域外のリソースは、c’およびm毎に分割されない。仮想的なPUCCHリソース領域においては、m=m
currentとなるePDCCH−PUCCHリソース領域に加えて、ePDCCH−PUCCHリソース領域外のリソースが、実際のリソース領域と同様に付加される。このリソース領域において、ARIが指示するオフセット値に基づく、PUCCHリソースのシフトが行われる。本運用方法においては、数式(6)を満足するc’が、ePDCCH−PUCCHリソース領域として定義されたc’の最大値(c’
maxと定義する)(図14の例ではc’
max=3)以下である場合は、数式(6)および数式(7)に従ってPUCCHリソースを算出し、ePDCCH−PUCCHリソース領域として定義されたc’の最大値より大きい場合は、数式(8)に従ってPUCCHリソースを算出する。
上記図13に示した運用方法では、ePDCCH−PUCCHリソース領域外のリソース領域をm毎に分割するため、ePDCCH−PUCCHリソース領域外においても、異なるm間で、ePDCCHにより指示されるPUCCHリソースの衝突が発生しない。したがって、この運用方法は、ePDCCH−PUCCHリソース領域が小さい場合や、オフセット値の絶対値が大きい場合など、オフセットによるシフト先の多くがePDCCH−PUCCHリソース領域外に出る場合において有用である。
一方、上記図14に示した運用方法では、ePDCCH−PUCCHリソース領域外のリソース領域をm毎に分割しない。このため、この運用方法は、ePDCCH−PUCCHリソース領域が大きい場合や、オフセット値の絶対値が小さい場合など、オフセットによるシフト先の多くがePDCCH−PUCCHリソース領域内に含まれる場合において有用である。
(バリエーション2)
バリエーション2は、(2)PUCCHリソースをePDCCH−PUCCHリソース領域内に限定する場合である。
図15に、仮想的なPUCCHリソース領域においてPUCCHリソースをePDCCH−PUCCHリソース領域内に限定する場合の運用方法を示す。
図15に示す運用方法(方法1)では、仮想的なPUCCHリソース領域において、m=m
currentとなるePDCCH−PUCCHリソース領域を周回する。この周回リソース領域において、ARIが指示するオフセット値に基づく、PUCCHリソースのシフトが行われる。本運用方法においては、数式(9)を満足するc’が、ePDCCH−PUCCHリソース領域として定義されたc’の最大値(c’
maxと定義する)(図15の例ではc’
max=3)以下となるように、仮想的なPUCCHリソース領域全体を周回させる。得られたc’から、数式(10)に従ってPUCCHリソースを算出する。
なお、図15に示す方法1では、仮想的なPUCCHリソース領域全体の周回により、PDCCH−PUCCH占有率の高い、c’が小さいePDCCH−PUCCHリソース領域に戻ってきてしまう(図15ではδ3シフト時)。シフト先のePDCCH−PUCCHリソースはPDCCH−PUCCHリソースにより占有されている可能性が高いため、当該シフト先を使えない可能性が高い。そこで、図15に示す方法2や方法3に示すように、より大きいc’が優先的に使われるような周回または折り返し方法をとってもよい。具体的には、方法2は、所定の閾値より大きいc’(図15では2<c’)に対するePDCCH−PUCCHリソース領域内で周回する。方法3は、ePDCCH−PUCCHリソース領域として定義されたc’の最大値に対するePDCCH−PUCCHリソース領域の最下端(単位バンドの中心方向を下と定義する)に達した後、折り返す(負のオフセット値が使われる)。
(バリエーション3)
本実施の形態においては、c’およびmが増える方向である正のオフセット値を前提として説明したが、本発明はこれに限られず、負のオフセット値を用いて、より単位バンド端方向のPUCCHリソースを使用しても良い。PUCCHは、スロット毎に各単位バンドの中心周波数に対して対称に周波数ホッピングが行われるため、負のオフセット値を積極的に活用することにより、システム帯域の外側のリソースが使われる可能性が高くなるため,周波数ダイバーシチ効果が大きく得られる。ただし、c’が小さいほど、ePDCCH−PUCCHリソースがPDCCH−PUCCHリソースと衝突する確率が高くなる。そのため、例えば、図16に示すように、所定の閾値(例えば1.5)より小さいc’では、正のオフセットにより衝突回避を行い、所定の閾値より大きいc’では、負のオフセットにより周波数ダイバーシチ効果を高めるように運用してもよい。すなわち、本実施の形態は、オフセット値は、正負いずれの値も取ることができる。また、本実施の形態は、全てのc’およびmに対して、同一のオフセット値に限定するものではない。
(バリエーション4)
前述したとおり、ePDCCH−PUCCHリソースにおけるc’は、必ずしもPDCCH−PUCCHと同じ値および同じ値の範囲でなくてもよい。図17および図18に、c’={0}の場合において、本実施の形態を適用した場合の例を示す。図17は、ePDCCH−PUCCHリソース領域がc=1に対するPDCCH−PUCCHリソース領域と共用される場合の例を示す。図18は、ePDCCH−PUCCHリソース領域がPDCCH−PUCCHリソース領域と共用されない場合の例を示す。
図17のように、PDCCH−PUCCHリソース領域と共用する場合は、共用されるPDCCH−PUCCHリソース領域(c=1)と、ePDCCH−PUCCHリソース領域(c’=0)において、cおよびm毎のPUCCHリソース領域の大きさとc’およびm毎のPUCCHリソース領域の大きさを等しくする。すなわち、図17において、c=1におけるm毎のPDCCH−PUCCHリソース領域と、c’=0におけるm毎のePDCCH−PUCCHリソース領域が同じ大きさである。これにより、実際のPUCCHリソース番号において、PDCCH−PUCCHとePDCCH−PUCCHで同一のmに対するPUCCH領域を用いることができるため、現在のDLサブフレームにおける一方の制御チャネル(PDCCHまたはePDCCH)が、未来のDLサブフレームにおける他方の制御チャネル(ePDCCHまたはPDCCH)のスケジューリングに制約を与えない。
前述の通り、PDCCH領域の大きさは、CFI(Control Format Indicator)で定義される。したがって、PDCCH−PUCCHリソース領域の大きさを示すcが取りうる最大値は、CFIの大きさに依存する。
ところで、CFIは、PDCCH領域の大きさを指示するものである。そのため、仮にePDCCH(およびPDSCH)が割当開始されるOFDMシンボルが、PDCCH領域の大きさに依存せず、固定的な(または基地局100により予め設定された)OFDMシンボルから割り当てられる場合、ePDCCHを受信しPDCCHを受信しない端末200では、CFIを受信する必要がない。すなわち、ePDCCHを受信しPDCCHを受信しない端末200では、CFIを受信せず、固定的に、例えばCFI=3(すなわちPDCCH領域が第1〜第3OFDMシンボルを占有している)とし、第4OFDMシンボルからePDCCHが割り当てられると仮定する運用にしてもよい。ただしこの場合、端末200は、実際のPDCCH領域の大きさがわからない。そのため、cが取りうる最大値もまたわからない。このような場合、端末200は、上記で仮定した値であるCFI=3として、cが取りうる最大値を計算してもよい。基地局100が、cがとりうる最大値またはそれに準ずる情報(例えばCFIの値)を端末200に予め設定してもよい。
図18のように、PDCCH−PUCCHリソース領域と共用しない場合は、ePDCCH−PUCCHリソース領域のデザインは、PDCCH−PUCCHリソース領域のデザインに拘束されることがない。そのため、c’およびm毎のePDCCH−PUCCHリソース領域の大きさの算出方法が、cおよびm毎のPDCCH−PUCCHリソース領域の大きさの算出方法(Nc+1−Nc)に拘束されない。また、本実施の形態では、ARIが指示するオフセット値に基づくシフトによって、ePDCCH−PUCCHリソース領域がPDCCH−PUCCHリソース領域に重なる(例えば図18ではδ3)ように運用してもよい。あるいは、本実施の形態では、PDCCH−PUCCHリソース領域外かつePDCCH−PUCCHリソース領域外に配置される(例えば図18ではδ1およびδ2)ように運用してもよい。ePDCCH−PUCCHリソース領域がPDCCH−PUCCHリソース領域に重なるように積極的に運用すれば、トータルでのPUCCHリソースのオーバーヘッドを減らすことができる。
(バリエーション5)
さらに、本実施の形態では、implicitなパラメータとして、eCCEインデックスを用いて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。eCCEインデックスの他に、ePDCCH領域におけるリソースエレメントグループ(REG: Resource Element Group)eREGのインデックス、PDSCHのPRB(Physical Resource Block)番号、または、ePDCCHが通知されるアンテナポート番号であってもよい。複数のePDCCHサーチスペースセットを定義し、どちらのサーチスペースセットでePDCCHが通知されたか、もまた、implicitなパラメータであるといえる。そしてこれらのパラメータの一部、またはこれらのパラメータの組合せもまた、implicitなパラメータである。要は、端末200にDL assignmentおよびPDSCHが割り当てられた場合に、暗黙的(implicit)に決定されるパラメータであればよい。
(バリエーション6)
さらに、本発明は、必ずしもimplicitなパラメータと、ARIが指示するimplicitなパラメータからのオフセット値(相対値)に基づいたPUCCHリソース通知方法のみに適用されるものではなく、図19に示すように、端末200は、m=mcurrentに対する仮想的なPUCCHリソース領域において、ARIが指示する「仮想的なPUCCHリソース領域におけるexplicitリソース(絶対値)」に基づいてc’を求め、その後、実際のPUCCHリソース領域において、PUCCHリソースを特定する、としてもよい。この場合、図19に示すように、仮想的なPUCCHリソース領域におけるexplicitリソース(絶対値)が異なるm間で同一であっても、実際のPUCCHリソース領域は、各mに適したものが用いられる。なお、「仮想的なPUCCHリソース領域におけるexplicitリソース(絶対値)」は、「仮想的なPUCCHリソース領域における固定位置(例えば単位バンドの周波数端)からのオフセット値(絶対値)」と表現することもできる。
すなわち、ARIが、「仮想的なPUCCHリソース領域におけるexplicitリソース(絶対値)」を指示する場合には、PDCCH−PUCCHリソース領域内またはePDCCH−PUCCHリソース領域内において、m=mcurrentなるePDCCH−PUCCHリソースが指示されるので、未来のDLサブフレームにおけるスケジューリング制約を与えない。
(バリエーション7)
上記では、オフセット値によるシフトが仮想的なPUCCHリソース領域で行われたが、c’毎およびm毎のPUCCHリソース領域の分割方法およびオフセット値に制約を与えることによって、未来のDLサブフレームにおけるDLスケジューリングへの制約を与えることなく、オフセットによるシフトを実現できることを以下に説明する。ただし以降は、PDCCH−PUCCHリソースとePDCCH−PUCCHリソースとの衝突ではなく、ePDCCH−PUCCHリソース同士の衝突を回避するものである。
本バリエーションによれば、基地局100は、端末間に異なるePDCCHサーチスペースセットを設定する。このとき、c’毎およびm毎のPUCCHリソース領域の大きさ(図23におけるN)を、ePDCCHサーチスペースによらず一定の値にする。ただし、下り回線に用いるOFDMシンボル数が少ないスペシャルサブフレームでは、c’毎およびm毎のPUCCHリソース領域の大きさをN/2としてもよい。図23によれば、大きさがNeCCE(=N)のePDCCHサーチスペースセットAと、大きさがNeCCE’(=2N)のePDCCHサーチスペースセットBが設定され、それぞれのePDCCHサーチスペースにおいてDL assignmentが割り当てられた先頭eCCEインデックスneCCEおよびneCCE’が、同じPUCCHリソースを指示するものとする。このときPUCCHリソースの衝突が発生するため、一方のPUCCHリソースに対して少なくともePDCCHサーチスペースセットの大きさNeCCEまたはNeCCE’以上のオフセットを加えることで、衝突を回避することができる。ただし、前述のとおり、未来のDLサブフレームにおけるスケジューリング制約を与えるのは望ましくない。
そこで本バリエーションでは、図24に示すように、物理的なPUCCHリソース領域において、NeCCE=Nなる大きさをもつePDCCHサーチスペースセットAに対して、オフセット値δをMNとする。ここで、Nは、異なるサーチスペースセット間で共通の、c’毎およびm毎のPUCCHリソース領域の大きさである。c’毎およびm毎のPUCCHリソース領域の大きさNを、ePDCCHサーチスペースによらず一定の値にすることで、物理的なPUCCHリソース領域においても、未来のスケジューリングに制約を与えることなく、ePDCCH−PUCCHリソースの衝突を回避することができる。
また、図23におけるPUCCHリソースの衝突回避のために、図25に示すように、NeCCE’=2Nなる大きさのePDCCHサーチスペースセットBをもつ端末200において、オフセットによるシフトを行ってもよい。この場合、オフセット値δを2MNとする。これにより、未来のスケジューリングに制約を与えることなく、ePDCCH−PUCCHリソースの衝突を回避することができる。
なお、図25の例ではオフセット値δをMNにすることによっても、PUCCHリソースの衝突を回避できるが、オフセット値δ=MNによるシフトは、N
eCCE=Nなる大きさのePDCCHサーチスペースセットAをもつ他の端末で行えばよい。したがって、オフセットによるシフトは、自端末向けのDL assignmentが通知されるePDCCHサーチスペースの大きさに基づいて決定すればよい。上記では、N
eCCE=NおよびN
eCCE’=2Nの例を示したが、一般化するならば、N
eCCE≦Nの範囲であれば、オフセットδの値はMNであればよく、N<N
eCCE≦2Nの範囲であれば、オフセットδの値は2MNであればよい。以上を一般化して表現すると、オフセット値δ(δ
ARI)は、数式(11)に示すように設定すればよい。ここで、N
eCCEは、オフセットによるシフトを行う端末200において、DL assignmentが通知されたePDCCHサーチスペースセットの大きさである。Mはbundling windowである。
なお、前述の通り、下り回線に用いるOFDMシンボル数が少ないスペシャルサブフレームでは、ePDCCHサーチスペースセットの大きさは、ノーマルサブフレームの半分である。そのため、ノーマルサブフレームに対するc’毎およびm毎のPUCCHリソース領域の大きさN
NormalをNとするのに対して、スペシャルサブフレームに対するc’毎およびm毎のPUCCHリソース領域の大きさN
SpecialをN/2としてもよい。このとき、本バリエーションの説明に係る図23のオフセット値は、バンドリングウィンドウMが下り回線に用いるOFDMシンボル数が少ないスペシャルサブフレームを含む場合は(3+1/2)Nであり、バンドリングウィンドウMが下り回線に用いるOFDMシンボル数が少ないスペシャルサブフレームを含まない場合は4Nである。図24のオフセット値は、バンドリングウィンドウMが下り回線に用いるOFDMシンボル数が少ないスペシャルサブフレームを含む場合は2×(3+1/2)Nであり、バンドリングウィンドウMが下り回線に用いるOFDMシンボル数が少ないスペシャルサブフレームを含まない場合は2×4Nである。すなわち、このときのオフセット値は、バンドリングウィンドウMが下り回線に用いるOFDMシンボル数が少ないスペシャルサブフレームを含む場合は、数式(12)に示すとおりであり、バンドリングウィンドウMが下り回線に用いるOFDMシンボル数が少ないスペシャルサブフレームを含まない場合は、数式(13)に示すとおりである。
なお、本発明はTDDに関するものであるが、FDDに適用する場合は、M=1とし、c’毎およびm毎のPUCCHリソース領域を考慮する必要がないため、Nを考慮する必要がない。すなわち、オフセット値δ(δ
ARI)は、数式(14)に示すように、端末200において、自端末宛のDL assignmentが割り当てられたePDCCHサーチスペースセットの大きさである。
また、FDD、TDDによらず、ePDCCHサーチスペースセットの大きさが偶数であること、ePDCCHのアグリゲーションレベルは1以外が偶数であることから、偶数番目のeCCEインデックスに対するPUCCHリソースが占有されやすい。これを踏まえて、数式(11)および数式(14)に示すオフセット値が偶数である場合は、当該オフセット値に+1または−1を加えたオフセット値を用いてもよい。
上記を踏まえて、本バリエーションに係るPUCCHリソースの決定方法を、数式を用いて説明する。
端末200は、自端末宛のDL assignmentが割り当てられた先頭のeCCEインデックスn
eCCEが属するc’を、数式(15)にしたがって算出する。端末200は、算出されたc’に基づいて、数式(16)にしたがって、PUCCHリソースを決定する。
なお、N(1) PUCCH’は、端末200に予め設定されたePDCCH−PUCCHリソース全体に対するオフセット値であり、ePDCCHサーチスペースセット毎に異なる値であってもよい。
数式(16)により決定したPUCCHリソースが他の端末が用いるPUCCHリソースと衝突する場合、基地局100は、動的なオフセットδ
ARIによるPUCCHリソースのシフトを、端末200宛のDL assignmentで通知されるARIで端末200に指示してもよい。このとき端末200は、数式(17)を用いて、シフト後のPUCCHリソースを決定する。なお、数式(17)におけるc’の値は、数式(16)と同一の値である。また、数式(17)におけるδ
ARIの値は、数式(11)より決定する。
[Nを一定の値にすることによる効果]
ここで、c’毎およびm毎のPUCCHリソース領域の大きさNを、ePDCCHサーチスペースによらず一定の値にすることによる効果について、図26、図27および図28を援用して説明する。
基地局100が、端末間で異なるePDCCHサーチスペースセット(セットAとセットB)を設定する場合、基地局100の運用方法としては、以下の2種類の方法が考えられる。
(1)一方のePDCCHサーチスペースセットのみにスケジューリングする
(2)同時に(同じサブフレームで)両方のePDCCHサーチスペースセットにスケジューリングする
(1)一方のePDCCHサーチスペースセットのみにスケジューリングする場合は、各ePDCCHサーチスペースセットに対応するPUCCHリソースのオーバーヘッドを低減するために、図26に示すようにPUCCHリソースを共用する。ここで、図26は、図3に示す、UL-DL Configuration#2のサブフレーム#5における、ePDCCHでの下り回線データの割当通知と、それに対応するPUCCHリソースを示している。図26では、ePDCCHサーチスペースセットAにのみスケジューリングがされている。ePDCCHサーチスペースセットBには、ePDCCHサーチスペースセットAと同じPUCCHリソース領域が対応づけられているが、ePDCCHサーチスペースセットBにスケジューリングがなされないため、両セット間でのPUCCHリソースの衝突は発生しない。
一方で、(2)同時に両方のePDCCHサーチスペースセットにスケジューリングする場合は、両セット間でのPUCCHリソースの衝突が発生するために、PUCCHリソース領域を共用しないことが望ましい。
ここで、基地局が、上記2種類の運用方法、すなわち、(1)一方のePDCCHサーチスペースセットのみにスケジューリングすることと、(2)同時に(同じサブフレームで)両方のePDCCHサーチスペースセットにスケジューリングすることを、動的に切り替えて運用する場合を考える。このとき、PUCCHリソースをセット間で共用すれば、PUCCHリソースのオーバーヘッドを低減することができるが、一方で、セット間でのPUCCHリソースの衝突が発生する。衝突を回避するためには、ePDCCHサーチスペースセットの大きさよりも大きいオフセット値を用いる必要があるが、その値は、前述の通り、4,8,16,32などであり、1よりも大きい。
そのため、端末間で異なるePDCCHサーチスペースセットを設定する場合においても、あるタイミングにおけるDLサブフレームに対するmをmcurrentとしたとき、オフセット先のPUCCHリソースが、m>mcurrentとなる可能性が、PDCCH−PUCCHリソース領域において適用されるオフセット値である“+1”の場合よりも高くなる。したがって、ePDCCHで下りデータ割当が指示される場合において、未来のDLサブフレームに対してスケジューリングの制約を持たせることになる。また、その制約は、mの値が大きくなるほど大きくなる。したがって、基地局は、大きいmについて、最適な端末に制御情報を割り当ることができなくなるおそれが高くなる。また、基地局は、サブフレーム間を考慮したスケジューリングが必要になってしまい、基地局スケジューラが煩雑になってしまう。
また、前述したとおり、基地局は、端末間で異なるePDCCHサーチスペースセットを設定することができ、さらに、これらのePDCCHサーチスペースセットは、大きさが異なっていてもよい。また、基地局は、各ePDCCHサーチスペースセットに対して、それぞれ異なるPUCCHリソースの開始位置N(1) PUCCHを設定することができる。図27に、ePDCCHサーチスペースセットAの大きさをNeCCE、対応するPUCCHリソースの開始位置をN(1) PUCCHとし、かつ、ePDCCHサーチスペースセットBの大きさをNeCCE’(≠NeCCE)、対応するPUCCHリソースの開始位置をN(1) PUCCH’としたときのPUCCHリソースを示す。ここで図27は、PDCCHに対するPUCCHリソースと同様に、数式(1)、数式(2)および数式(3)に基づいて、ePDCCHに対するPUCCHリソースを算出する。また、c毎およびm毎のPUCCHリソース領域の大きさN1−0、N2−1およびN3−2は、それぞれ数式(2)を用いてN1−N0、N2−N1およびN3−N2により求められ、その値はそれぞれ異なる。すなわち、c毎に、c毎およびm毎のPUCCHリソース領域の大きさが異なる。図27に示すように、ePDCCHサーチスペースセットAのPUCCHの開始位置N(1) PUCCHが、ePDCCHサーチスペースセットBのPUCCHリソースのc=1の先頭と一致している場合、ePDCCHサーチスペースセットAのm=0に対応するPUCCHリソースは、ePDCCHサーチスペースセットBのm=0に対応するPUCCHリソースに一致しているが、ePDCCHサーチスペースセットAのm=1に対応するPUCCHリソースの先頭部分は、ePDCCHサーチスペースセットBのm=0に対応するPUCCHリソースに一致してしまう(図27の網掛け部分(A))。このとき、ePDCCHサーチスペースセットBのm=0において、図27の網掛け部分(A)のPUCCHリソースが使われると、ePDCCHサーチスペースセットAにおいて、m=0に対して未来のサブフレームであるm=1におけるPUCCHリソースを使うことができない。図27の網掛け部分(B)、(C)についても同様である。したがって、複数のePDCCHサーチスペースにおいて、ePDCCHサーチスペースの大きさと、ePDCCHサーチスペースに対応するPUCCHの開始位置がそれぞれ異なるときもまた、未来のDLサブフレームに対してスケジューリングの制約を持たせることになる。
そこで、図28に示すように、ePDCCHサーチスペースセットAおよびePDCCHサーチスペースセットBに対するPUCCH領域をそれぞれ同じ大きさNで分割することにより、セット間のPUCCHリソースで常に同じmの値が対応づけられるため、図27に示すようなePDCCHサーチスペースの大きさが異なることに起因する、未来のスケジューリングへの制約を回避することができる。
以上、c’毎およびm毎のPUCCHリソース領域の大きさNを、ePDCCHサーチスペースによらず一定の値にすることによる効果について説明した。
[Nの値]
本バリエーションに係るNは、複数のePDCCHサーチスペースセット間でPUCCHリソース領域を共用する場合に共通の大きさであればよく、その値または値の範囲を必ずしも限定するものではないが、具体的なNの設定方法の一例を以下に示す。なお、複数のePDCCHサーチスペースセット間でPUCCHリソース領域を共用する場合は、前述のとおり、複数のePDCCHサーチスペースセット間で共通の大きさのNの値をとる必要があるが、複数のePDCCHサーチスペースセット間でPUCCHリソース領域を共用しない場合は、複数のePDCCHサーチスペースセット間で共通の大きさのNの値をとってもよいし、異なる大きさのNの値をとってもよい。
(方法1)
図29に、複数のePDCCHサーチスペースセット間でPUCCHリソース領域を共用する場合において、ePDCCHサーチスペースセットAの大きさがNeCCE=8、ePDCCHサーチスペースセットBの大きさがNeCCE=32であるときのNの大きさを、N=32とした場合の具体例を示す。ePDCCHサーチスペースセットAのみに割当がなされた場合、対応するPUCCHリソースは、N=32のm毎およびc’毎の各PUCCHリソース領域のうち、8つ分のPUCCHリソース(図29の斜線部分)であり、残りの24リソース分は、サーチスペースセットAに対応するPUCCHリソースとしては使われない。PUCCHリソース領域内において、使われるPUCCHリソースが離散しているため、複数のePDCCHサーチスペースセット間でPUCCHリソース領域を共用する場合において、ePDCCHサーチスペースセットAのみに割当がなされた場合、N=32にすると、PUCCHのオーバーヘッドが大きいことがわかる。
続いて図30に、図29におけるN=32を、N=8に変更した場合の具体例を示す。ePDCCHサーチスペースセットAのみに割当がなされた場合、対応するPUCCHリソース(図30の斜線部分)は、PUCCHリソース領域内に固まって配置されるため、複数のePDCCHサーチスペースセット間でPUCCHリソース領域を共用する場合において、ePDCCHサーチスペースセットAのみに割当がなされた場合に、N=8とすると、N=32とした場合に比べてPUCCHのオーバーヘッドを低減することができる。
また、前述のとおり、ePDCCHサーチスペースセットの大きさは、4,8,16,32などである。また、Nの値は、複数のePDCCHサーチスペースセット間で割り切れる方が、PUCCHリソースが離散することがないため、効率的にPUCCHリソースを活用することができる。以上より、大きさの異なる複数のePDCCHサーチスペースセット間でPUCCHリソース領域を共用する場合、Nの値は、ePDCCHサーチスペースセットの小さい方に設定すればよい。すなわち、図29および図30のように、ePDCCHサーチスペースセットAの大きさがNeCCE=8、ePDCCHサーチスペースセットBの大きさがNeCCE’=32のときは、N=8とする。ただし、端末200は、自端末宛のePDCCHサーチスペースセット以外のePDCCHサーチスペースを認識しないので、ePDCCHサーチスペースセットAとePDCCHサーチスペースセットBの大きさが、端末200に通知されていることが前提となる。
大きさの異なる複数のePDCCHサーチスペースセット間でPUCCHリソース領域を共用する場合、Nの値を、ePDCCHサーチスペースセットの小さい方に設定することで、PUCCHのオーバーヘッドを低減することができる。
以上より、方法1に係る端末200におけるNの決定方法は、次に示すとおりとなる。
端末200は、自端末に設定された複数のePDCCHサーチスペースセット間で、PUCCHリソースを共用する場合は、PUCCHリソースを共用する、自端末に設定された複数のePDCCHサーチスペースセットの中で、最も小さいePDCCHサーチスペースの大きさをNの値とする。これにより、PUCCHのオーバーヘッドを低減することができる。
ここで、PUCCHリソースを共用するか否かの判定は、以下のように行われる。端末200に設定されたePDCCHサーチスペースセットAおよびePDCCHサーチスペースセットBに関するPUCCHリソースの開始位置をそれぞれN
(1) PUCCHおよびN
(1) PUCCH’(N
(1) PUCCH≦N
(1) PUCCH’)としたとき、ePDCCHサーチスペースセットAの大きさN
eCCEに関して、数式(18)を満足するとき、ePDCCHサーチスペースセットAおよびePDCCHサーチスペースセットBは、PUCCHリソースを共用する。数式(18)を満足しないとき、PUCCHリソースを共用しない。
なお、端末200に設定された複数のePDCCHサーチスペースセット間でPUCCHリソース領域を共用しない場合は、それぞれのePDCCHサーチスペースセットに対して、ePDCCHサーチスペースセットの大きさをNの値にしてもよい。または、簡単のために、端末200に設定されたePDCCHサーチスペースセットの大きさの中で最小のものにあわせてもよい。
さらに簡単に、端末200に設定された全てのePDCCHサーチスペースセットの中で、最小となるePDCCHサーチスペースセットの大きさをNの値にしても、同様にPUCCHオーバーヘッドを低減することができる。
(方法2)
図31に、N=4とした場合のPUCCHリソース領域を示す。PUCCHは、PUCCHリソースインデックスの昇順に、最大36/ΔPUCCH_OFFSETずつ、1つのPRB(Physical Resource Block)に多重できる。ここで、ΔPUCCH_OFFSETは、1PRB内にマッピングするPUCCHのオフセット量を表し、一般に、ΔPUCCH_OFFSET=2または3である。すなわち、ΔPUCCH_OFFSET=2、3のとき、1PRBにそれぞれ最大18、12のPUCCHが多重できる。ただし、実際には、多重数を大きくするにつれて、当該PRB内のPUCCH同士の干渉が大きくなるため、1PRBに多重可能なPUCCH数は、その最大多重数よりも小さくなる。図31の斜線部分に示すように、N=4としたとき、1PRBに、m=0,1,2,3(4通りのm)に対するPUCCHが多重される(なお、図31ではΔPUCCH_OFFSET=2とした)。mの値が大きくなるにつれて、当該PRBに配置されるPUCCHの数が大きくなり、その分干渉が大きくなる。そのため、mの値が大きくなればなるほど、当該PRBにPUCCHを配置できなくなる。これにより、未来のサブフレームに対するスケジューリングに制約を与えることになる。
大きさの異なる複数のePDCCHサーチスペースセット間でPUCCHリソース領域を共用する場合、Nの値を、ePDCCHサーチスペースセットの大きい方に設定することで、1PRBに多くのDLサブフレームに対するPUCCHを多重することに起因する、未来のサブフレームに対するスケジューリングの制約を抑えることができる。
以上より、方法2に係る端末200におけるNの決定方法は、次に示すとおりとなる。
端末200は、自端末に設定された複数のePDCCHサーチスペースセット間で、PUCCHリソースを共用する場合は、PUCCHリソースを共用する、自端末に設定された複数のePDCCHサーチスペースセットの中で、最も大きいePDCCHサーチスペースの大きさをNの値とする。これにより、1PRBに多くのDLサブフレームに対するPUCCHを多重することに起因する、未来のサブフレームに対するスケジューリングの制約を抑えることができる。
ここで、PUCCHリソースを共用するか否かの判定は、方法1と同様、数式(18)により行われる。
なお、方法2を適用すると、自端末に設定された複数のePDCCHサーチスペースセットの中で、最も大きいePDCCHサーチスペースの大きさをNの値とするので、c’の値は常に0となる。すなわちこのとき、パラメータc’を考慮しなくてよい。
なお、端末200に設定された複数のePDCCHサーチスペースセット間でPUCCHリソース領域を共用しない場合は、それぞれのePDCCHサーチスペースセットに対して、ePDCCHサーチスペースセットの大きさをNの値にしてもよい。または、簡単のために、端末200に設定されたePDCCHサーチスペースセットの大きさの中で最大のものにあわせてもよい。
さらに簡単に、端末200に設定された全てのePDCCHサーチスペースセットの中で、最大となるePDCCHサーチスペースセットの大きさをNの値にしても、同様に1PRBに多くのDLサブフレームに対するPUCCHを多重することに起因する、未来のサブフレームに対するスケジューリングの制約を抑えることができる。
(方法3)
方法1および方法2は、トレードオフであり、本バリエーションを適用するシステムがどのように運用されるかによって、方法1および方法2によって得られる効果をどの程度重視するかは異なる。下り通信を重視するシステムでは、UL-DL Configuration 2などの、DLサブフレーム比率が高いUL-DL Configurationが使われる。このとき、複数のDLサブフレームにおける下り回線データに対するHARQ−ACKを、1つのULサブフレームでまとめて通知する必要があるため、PUCCHのオーバーヘッドを低減可能な、方法1が有効である。基地局スケジューラの複雑度を低減することで、より簡易な基地局構成を重視する場合は、方法2が有効である。方法1および方法2の両方の効果を活かすために、方法3に係る端末200におけるNの決定方法は、次に示すとおりとしてもよい。
Nの取りうる値に対して静的あるいは準静的な下限値を設定した上で、端末200は、自端末に設定された複数のePDCCHサーチスペースセット間で、PUCCHリソースを共用する場合は、PUCCHリソースを共用する、自端末に設定された複数のePDCCHサーチスペースセットの中で、最も小さいePDCCHサーチスペースの大きさをNの値とする。ただしこの値が下限値を下回る場合は、Nの値を下限値に設定する。これにより、1PRBに多くのDLサブフレームに対するPUCCHを多重することに起因する、未来のサブフレームに対するスケジューリングの制約を低減しつつ、PUCCHのオーバーヘッドを低減することができる。
(方法4)
方法4では、方法3とは反対に、上限値を設定した上で、複数のePDCCHサーチスペースセット間で、PUCCHリソースを共用する場合は、PUCCHリソースを共用する、自端末に設定された複数のePDCCHサーチスペースセットの中で、最も大きいePDCCHサーチスペースの大きさをNの値とする。すなわち、方法4に係る端末200におけるNの決定方法は、次に示すとおりとする。
Nの取りうる値に対して静的あるいは準静的な上限値を設定した上で、端末200は、自端末に設定された複数のePDCCHサーチスペースセット間で、PUCCHリソースを共用する場合は、PUCCHリソースを共用する、自端末に設定された複数のePDCCHサーチスペースセットの中で、最も大きいePDCCHサーチスペースの大きさをNの値とする。ただしこの値が上限値を上回る場合は、Nの値を上限値に設定する。これにより、PUCCHのオーバーヘッドを低減しつつ、1PRBに多くのDLサブフレームに対するPUCCHを多重することに起因する、未来のサブフレームに対するスケジューリングの制約を抑えることができる。
(方法5)
方法5では、方法2に関連して、Nの値を、1PRBに多重可能なPUCCHの最大値とする。すなわち、端末200は、数式(19)に基づいてNの値を設定する。ここで、Δ
PUCCH_OFFSETは、1PRB内にマッピングするPUCCHのオフセット量を表し、予め基地局100から設定された値である。1PRBのPUCCHに配置されるHARQ−ACKが、1つのDLサブフレームでの下り回線データにのみ対応するため、1PRBに多くのDLサブフレームに対するPUCCHを多重することに起因する、未来のサブフレームに対するスケジューリングの制約を回避することができる。
(方法6)
方法1において前述したとおり、ePDCCHサーチスペースセットの大きさは、4,8,16,32などであり、またNの値は、複数のePDCCHサーチスペースセット間で割り切れる方が、PUCCHリソースが離散することがないため、効率的にPUCCHリソースを活用することができる。そこで、方法6では、Nの値を、ePDCCHサーチスペースセットの大きさと等しくする。なお、本方法は、方法1〜5のいずれとも組合せ可能である。
以上、複数のePDCCHサーチスペースセット間でPUCCHリソース領域を共用する場合における、c’毎およびm毎のPUCCHリソース領域の大きさNの値に対する具体的な設定方法を示した。
(実施の形態3)
実施の形態2では、端末200は、m=mcurrentに対する仮想的なPUCCHリソース領域において、eCCEインデックスneCCEだけでなくオフセット値δARIに基づいてc’を求め、その後、実際のPUCCHリソース領域において、PUCCHリソースを特定した。本実施の形態では、端末200は、m=mcurrentだけでなく、m<mcurrentに対するePDCCH−PUCCHリソース領域もまた、仮想的なPUCCHリソース領域に含める。
前述した通り、パラメータmは、1つの上り通信サブフレームに対する下り通信サブフレームのインデックスであり、時系列に番号づけられる。そのため、m<mcurrentなるパラメータmは過去のDLサブフレームを意味する。過去のDLサブフレームにおけるDLスケジューリングは、現在のDLサブフレームにおいては確定しているので、過去のDLサブフレームのPDCCHまたはePDCCHに対するPUCCHリソースに、空きがある場合は、現在のDLサブフレームにおいて使ったとしても、未来のDLサブフレームのスケジューリングには何ら制約を与えない。
そこで本実施の形態においては、図20に示すように、m≦mcurrentなるePDCCH−PUCCHリソース領域を、仮想的なPUCCHリソース領域とする。図20は、mcurrent=2における例である。
ここで、m≦mcurrentなるとすると、m=0に対するePDCCH−PUCCHリソース領域が最も混雑してしまうので、「m≦mcurrent」の代わりに、「mcurrentおよびmcurrent−1(mcurrent>0)」のように、とりうるmの範囲を限定してもよい。
本実施の形態により、実施の形態1に比べて、より多くのePDCCH−PUCCHリソースが仮想的なPUCCHリソース領域に含まれるので、ARIが指示するオフセット値に基づくシフトにより、シフト後のPUCCHリソースが、ePDCCH−PUCCHリソース領域外に配置される可能性を低くすることができ、トータルのPUCCHリソース領域を低減することができる。
なお、本実施の形態においても、実施の形態2に示したバリエーション1〜7を適用することができる。
(実施の形態4)
実施の形態2では、端末200は、m=mcurrentに対する仮想的なPUCCHリソース領域において、eCCEインデックスneCCEだけでなくオフセット値δARIに基づいてc’を求め、その後、実際のPUCCHリソース領域において、PUCCHリソースを特定した。本実施の形態では、端末200は、m=mcurrentだけでなく、PUCCH領域の占有率が低いm=mspecialに対するePDCCH−PUCCHリソース領域もまた、仮想的なPUCCHリソース領域に含める。
図3に示したように、TDDでは、DLサブフレームからULサブフレームへの切替を表すスペシャルサブフレームが存在する。スペシャルサブフレームは、下り通信用の数シンボル(DwPTS: Downlink Pilot Time Slot)、ギャップ、および、上り通信用の数シンボル(UpPTS: Uplink Pilot Time Slot)で構成される。DwPTSでは、下り通信サブフレームと同様、下りデータ通信が行われる場合がある。UpPTSでは、SRS(Sounding Reference Signal)送信やPRACH(Physical Random Access CHannel)送信が行われる場合がある。スペシャルサブフレームでは、利用可能なPDCCH領域およびPDSCH領域が他のDLサブフレームよりも小さい。そのため、当該サブフレームにおいて、PDSCH割当が行われる端末数もまた少ない。
また、マクロセルとピコセルを併用したHetNet環境を想定した場合、マクロセルからピコセルへの干渉を回避するために、マクロセルにおける下りサブフレームを、PDCCHおよびPDSCH割当を行わない、ABS(Almost Blank Subframe)が定義される。当該サブフレームでは、PDCCH−PUCCHリソースが存在しない。
このように、スペシャルサブフレームやABSでは、PDCCHによるPUCCH占有率が局所的に低くなる。したがって、本実施の形態では、このような局所的に占有率が低いPUCCH領域に、積極的にePDCCH−PUCCHリソースを配置する。これにより、空きリソースを有効的に活用することができる。
図21では、mcurrent=2であり、スペシャルサブフレームmspecial=0である場合を示している。ここで、図21におけるm=0,1,2は、図3におけるUL-DL Configuration#3におけるSF#1,5および6に対応する。
この場合、m=mcurrent=2またはmspecial=0に対するePDCCH−PUCCHリソース領域を、仮想的なPUCCHリソース領域と定義する。
なお、本実施の形態においても、実施の形態2に示したバリエーション1〜7を適用することができる。
また、実施の形態3と本実施の形態4を組み合わせて運用することも可能である。すなわち、m≦mcurrentおよびm=mspecialに対するePDCCH−PUCCHリソース領域を、仮想的なPUCCHリソース領域と定義することも可能である。
以上、本発明の実施の形態について説明した。
なお、上記では、PDCCH−PUCCHとePDCCH−PUCCHの衝突回避を中心に説明したが、本発明はこれらの衝突回避以外にも、ePDCCH端末におけるePDCCH−PUCCHと、UL CoMP端末におけるPUCCHとの衝突回避についても適用可能である。
図22は、HetNet環境において、ePDCCH端末とUL CoMP端末が存在する場合において、UL CoMP端末がマクロeNBからPDCCH(ePDCCH)およびPDSCHを受信し、ピコeNBにPUCCHを送信する場合を示している。ePDCCH端末およびUL CoMP端末が同一PRBでPUCCHを送信する場合、これらのPUCCHに対して、同一PRB内で互いに直交するPUCCHリソースが使われていたとしても、ピコeNBにおける複数PUCCHの受信タイミングずれによる干渉や、PUCCH受信電力差(遠近問題)による干渉が発生する。これは、UL CoMP端末が下り通信をマクロeNBと行うのに対して、上り通信をピコeNBと行うことに起因するものである。
上記の干渉を回避するためには、PUCCHリソースを少なくとも1PRBずらすことが必要になる。その方法として、図22に、方法1および方法2を示す。
方法1では、ePDCCH−PUCCHリソース領域全体をオフセットすることで、CoMP用PUCCHリソース領域とは完全に異なるリソースを用いることで、干渉を回避する。方法1では、容易に干渉回避を行える一方で、トータルでのPUCCHリソースのオーバーヘッドが大きくなるという課題がある。
そこで方法2では、ePDCCH−PUCCHリソース領域とCoMP用PUCCHリソース領域を共有することで、トータルでのPUCCHリソースのオーバーヘッドを小さくする。この場合、干渉回避を行うために、ARIが指示するオフセット値に基づいたシフトを行う。ここで、少なくとも1PRBシフトを実現するには、1PRB当たりのPUCCHリソース数を18とした場合、オフセット値は18以上に設定する必要がある。そのため、オフセット先のPUCCHリソースが、m>mcurrentとなる可能性が、PDCCH−PUCCHリソース領域において適用されるオフセット値である“+1”の場合よりも高くなる。すなわち、本発明が解決しようとする課題と同様の課題が存在する。つまり、未来のDLサブフレームのスケジューリングに制約が発生すること、および、PUCCHリソースの衝突(ただし図22のユースケースでは、ePDCCH−PUCCHリソースとPDCCH−PUCCHリソースの衝突ではなく、ePDCCH−PUCCHリソースとCoMP用PUCCHリソースの衝突)が発生することである。
なお、本発明は、ePDCCH−PUCCHリソースとPDCCH−PUCCHリソースとの衝突、または、ePDCCH−PUCCHリソースとUL CoMP用PUCCHリソースとの衝突のみならず、異なるePDCCH端末同士のePDCCH−PUCCHリソースの衝突が発生する場合においても適用可能である。すなわち、本発明は、異なる端末間でPUCCHリソースが衝突する場合において、少なくとも一方の端末においてはePDCCH−PUCCHリソースが使われる場合において適用可能である。
なお、上記実施の形態では、各アンテナとして説明したが、本発明はアンテナポート(antenna port)でも同様に適用できる。
アンテナポートとは、1本又は複数の物理アンテナから構成される、論理的なアンテナを指す。すなわち、アンテナポートは必ずしも1本の物理アンテナを指すとは限らず、複数のアンテナから構成されるアレイアンテナ等を指すことがある。
例えばLTEにおいては、アンテナポートが何本の物理アンテナから構成されるかは規定されず、基地局が異なる参照信号(Reference signal)を送信できる最小単位として規定されている。
また、アンテナポートはプリコーディングベクトル(Precoding vector)の重み付けを乗算する最小単位として規定されることもある。
また、上記実施の形態では、本発明をハードウェアで構成する場合を例にとって説明したが、本発明はハードウェアとの連携においてソフトウェアで実現することも可能である。
また、上記実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部又は全てを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
このように、上記実施の形態の端末装置は、拡張下り制御チャネル(ePDCCH)に対応する上り制御チャネル(PUCCH)リソース領域中の所定のPUCCHリソースに応答信号を配置する制御部と、前記PUCCHリソースに配置された応答信号を送信する送信部と、を具備し、前記PUCCHリソース領域は複数の部分領域に分割され、前記各部分領域は下り通信サブフレームの数に分割され、前記部分領域のインデックスc’および前記下り通信サブフレームの時系列の順番を表すインデックスm毎のPUCCHリソースは、前記PUCCHリソース領域にmの昇順かつc’の昇順に配置され、前記制御部は、m番目の下り通信サブフレームに対応する応答信号を、前記インデックスm以下に対応するPUCCHリソースの中から選択されたものに配置する、構成を採る。
また、上記実施の形態の端末装置は、上記の構成に加えて、基地局装置から送信された各下り通信サブフレームの下りデータの誤りを検出する誤り検出部と、誤り検出結果を示す応答信号を前記下り通信サブフレーム毎に生成する生成部と、を更に具備し、前記制御部は、m番目の下り通信サブフレームの誤り検出結果を示す応答信号を、前記インデックスm以下に対応するPUCCHリソースの中から選択されたものに配置する、構成を採る。
また、上記実施の形態の端末装置は、上記の構成に加えて、前記制御部が、m番目の下り通信サブフレームに対応する応答信号を、前記インデックスmに対応するPUCCHリソース、あるいは、他よりも前記ePDCCHの割り当てが少ない下り通信サブフレームのインデックスに対応するPUCCHリソースの中から選択されたものに配置する、構成を採る。
また、上記実施の形態の端末装置は、上記の構成に加えて、前記制御部が、各下り通信サブフレームに対するPUCCHリソースをまとめた仮想的なPUCCHリソース領域において前記インデックスc’を算出し、前記応答信号を配置するPUCCHリソースを決定する、構成を採る。
また、上記実施の形態の端末装置は、上記の構成に加えて、前記制御部が、自端末宛の前記ePDCCHが占有する先頭eCCEインデックスと、前記基地局装置から通知されたオフセット値に基づいて前記インデックスc’を算出し、前記応答信号を配置するPUCCHリソースを決定する、構成を採る。
また、上記実施の形態の端末装置は、上記の構成に加えて、前記制御部が、前記eCCEインデックスと前記オフセット値に基づいて決定したPUCCHリソースが前記PUCCHリソース領域に含まれない場合、前記仮想的なPUCCHリソース領域において周回させる、または、前記仮想的なPUCCHリソース領域の終端において反転させることにより、前記応答信号を配置するPUCCHリソースを前記PUCCHリソース領域の中に収める、構成を採る。
また、上記実施の形態の端末装置は、上記の構成に加えて、前記制御部が、前記eCCEインデックスと前記オフセット値に基づいて決定したPUCCHリソースが前記PUCCHリソース領域に含まれない場合、前記仮想的なPUCCHリソース領域以外の領域において、前記応答信号を配置するPUCCHリソースを決定する、構成を採る。
また、上記実施の形態の端末装置は、上記の構成に加えて、前記制御部が、前記インデックスc’が所定の閾値より小さい場合、前記インデックスm及び前記インデックスc’が増える方向である正のオフセット値に基づいて、前記応答信号を配置するPUCCHリソースを決定し、前記インデックスc’が前記閾値より大きい場合、前記インデックスm及び前記インデックスc’が減る方向である負のオフセット値に基づいて、前記応答信号を配置するPUCCHリソースを決定する、構成を採る。
また、上記実施の形態の端末装置は、上記の構成に加えて、前記制御部が、前記基地局装置から通知された固定値に基づいて前記インデックスc’を算出し、前記応答信号を配置するPUCCHリソースを決定する、構成を採る。
また、上記実施の形態の基地局装置は、拡張下り制御チャネル(ePDCCH)に対応する上り制御チャネル(PUCCH)リソース領域中の所定のPUCCHリソースが、他のリソースと衝突するか否かを判定する制御部と、端末装置に対して、衝突がないPUCCHリソースを特定するための制御情報を生成する制御情報生成部と、前記制御情報を送信する送信部と、を具備し、前記PUCCHリソース領域は複数の部分領域に分割され、前記各部分領域は下り通信サブフレームの数に分割され、前記部分領域のインデックスc’および前記下り通信サブフレームの時系列の順番を表すインデックスm毎のPUCCHリソースは、前記PUCCHリソース領域にmの昇順かつc’の昇順に配置され、前記制御部は、前記インデックスm以下に対応するPUCCHリソースの中で前記他のリソースとの衝突の有無を判定する、構成を採る。
また、上記実施の形態の送信方法は、拡張下り制御チャネル(ePDCCH)に対応する上り制御チャネル(PUCCH)リソース領域中の所定のPUCCHリソースに応答信号を配置する制御ステップと、前記PUCCHリソースに配置された応答信号を送信する送信ステップと、を具備し、前記PUCCHリソース領域は複数の部分領域に分割され、前記各部分領域は下り通信サブフレームの数に分割され、前記部分領域のインデックスc’および前記下り通信サブフレームの時系列の順番を表すインデックスm毎のPUCCHリソースは、前記PUCCHリソース領域にmの昇順かつc’の昇順に配置され、前記制御ステップでは、m番目の下り通信サブフレームに対応する応答信号を、前記インデックスm以下に対応するPUCCHリソースの中から選択されたものに配置する。
2012年8月2日出願の特願2012−172348および2012年9月24日出願の特願2012−209810の日本出願に含まれる明細書、図面および要約書の開示内容は、すべて本願に援用される。