実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
余剰球受皿(下皿)4を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒操作が可能なスティックコントローラ122が取り付けられている。なお、スティックコントローラ122には、遊技者がスティックコントローラ122の操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作が可能なトリガボタン121(図3を参照)が設けられ、スティックコントローラ122の操作桿の内部には、トリガボタン121に対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサ125(図3を参照)が内蔵されている。また、スティックコントローラ122の下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニット123(図3を参照)が設けられている。また、スティックコントローラ122には、スティックコントローラ122を振動動作させるためのバイブレータ用モータ126(図3を参照)が内蔵されている。
打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ122の上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン120が設けられている。プッシュボタン120は、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン120の設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ124(図3を参照)が設けられていればよい。図1に示す構成例では、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が、上皿及び下皿の中央部分において上下の位置関係にある。これに対して、上下の位置関係を保ったまま、プッシュボタン120及びスティックコントローラ122の取付位置を、上皿及び下皿において左右のいずれかに寄せた位置としてもよい。あるいは、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が上下の位置関係にはなく、例えば左右の位置関係にあるものとしてもよい。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9の表示画面には、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄の可変表示を行う演出図柄表示領域がある。よって、演出表示装置9は、演出図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。演出図柄表示領域には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を可変表示する図柄表示エリアがある。図柄表示エリアには「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアがあるが、図柄表示エリアの位置は、演出表示装置9の表示画面において固定的でなくてもよいし、図柄表示エリアの3つ領域が離れてもよい。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(例えば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(例えば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)において行われる演出をリーチ演出という。また、リーチ状態やその様子をリーチ態様という。さらに、リーチ演出を含む可変表示をリーチ可変表示という。そして、演出表示装置9に変動表示される図柄の表示結果が大当り図柄でない場合には「はずれ」となり、変動表示状態は終了する。遊技者は、大当りをいかにして発生させるかを楽しみつつ遊技を行う。
なお、この実施の形態では、演出表示装置9における液晶表示の演出として演出図柄の変動表示を行う場合を示しているが、演出表示装置9で行われる演出は、この実施の形態で示したものにかぎらず、例えば、所定のストーリー性をもつ演出を実行して、大当り判定や変動パターンの決定結果にもとづいてストーリーの結果を表示するような演出を実行するようにしてもよい。例えば、プロレスやサッカーの試合や敵味方のキャラクタが戦うバトル演出を行うとともに、大当りであれば試合やバトルに勝利する演出を行い、はずれであれば試合やバトルに敗北する演出を行うようにしてもよい。また、例えば、勝敗などの結果を表示するのではなく、物語などの所定のストーリーを順に展開させていくような演出を実行するようにしてもよい。
演出表示装置9の表示画面の右上方部には、演出図柄と後述する特別図柄および普通図柄とに次ぐ第4図柄を表示する第4図柄表示領域9c,9dが設けられている。この実施の形態では、後述する第1特別図柄の変動表示に同期して第1特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cと、第2特別図柄の変動表示に同期して第2特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dとが設けられている。
この実施の形態では、特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示が実行されるのであるが(ただし、正確には、演出図柄の変動表示は、演出制御用マイクロコンピュータ100側で変動パターンコマンドにもとづいて認識した変動時間を計測することによって行われる。)、演出表示装置9を用いた演出を行う場合、例えば、演出図柄の変動表示を含む演出内容が画面上から一瞬消えるような演出が行われたり、可動物が画面上の全部または一部を遮蔽するような演出が行われるなど、演出態様が多様化してきている。そのため、演出表示装置9上の表示画面を見ていても、現在変動表示中の状態であるのか否か認識しにくい場合も生じている。そこで、この実施の形態では、演出表示装置9の表示画面の一部でさらに第4図柄の変動表示を行うことによって、第4図柄の状態を確認することにより現在変動表示中の状態であるのか否かを確実に認識可能としている。なお、第4図柄は、常に一定の動作で変動表示され、画面上から消えたり遮蔽物で遮蔽することはないため、常に視認することができる。
なお、第1特別図柄用の第4図柄と第2特別図柄用の第4図柄とを、第4図柄と総称することがあり、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cと第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dを、第4図柄表示領域と総称することがある。
第4図柄の変動(可変表示)は、第4図柄表示領域9c,9dを所定の表示色(例えば、青色)で一定の時間間隔で点灯と消灯とを繰り返す状態を継続することによって実現される。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおける第1特別図柄用の第4図柄の可変表示とは同期している。第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dにおける第2特別図柄用の第4図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点が同じであって、可変表示の期間が同じであることをいう。
また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおいて大当りを想起させる表示色(はずれとは異なる表示色。)で表示される。例えば、はずれのときには青色で表示されるのに対して、大当りのときには赤色で表示される。なお、大当りの種類(確変大当りや通常大当りのいずれであるか)に応じて表示色を異ならせてもよい。また、大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当りであるか否かに応じて表示色を異ならせてもよく、ラウンド数の異なる複数種類の大当りに制御可能である場合には、大当り遊技において継続されるラウンド数に応じて表示色を異ならせてもよい。また、各大当りのラウンド数が同じであっても、例えば、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が短く(例えば1秒)、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できない大当りと、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が長く(例えば30秒)、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当りとがある場合には、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できるか否かに応じて表示色を異ならせてもよい。また、例えば、1ラウンドあたりの大入賞口の開放回数が異なることによって、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当りと期待できない大当りがある場合にも、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できるか否かに応じて表示色を異ならせてもよい。
また、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dにおいて大当りを想起させる表示色(はずれとは異なる表示色。)で表示される。例えば、はずれのときには青色で表示されるのに対して、大当りのときには赤色で表示される。なお、大当りの種類(確変大当りや通常大当りのいずれであるか)に応じて表示色を異ならせてもよい。また、大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当りであるか否かに応じて表示色を異ならせてもよく、ラウンド数の異なる複数種類の大当りに制御可能である場合には、大当り遊技において継続されるラウンド数に応じて表示色を異ならせてもよい。また、各大当りのラウンド数が同じであっても、例えば、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が短く(例えば1秒)、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できない大当りと、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が長く(例えば30秒)、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当りとがある場合には、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できるか否かに応じて表示色を異ならせてもよい。また、例えば、1ラウンドあたりの大入賞口の開放回数が異なることによって、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当りと期待できない大当りがある場合にも、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できるか否かに応じて表示色を異ならせてもよい。
なお、第4図柄表示領域9c,9dの消灯時の表示色は、消灯したときに背景画像と同化して見えなくなることを防止するために、背景画像とは異なる表示色(例えば、黒色)であることが望ましい。
なお、この実施の形態では、第4図柄表示領域を演出表示装置9の表示画面の一部に設ける場合を示しているが、演出表示装置9とは別に、ランプやLEDなどの発光体を用いて第4図柄表示領域を実現するようにしてもよい。この場合、例えば、第4図柄の変動(可変表示)を、2つのLEDが交互に点灯する状態を継続することによって実現されるようにしてもよく、2つのLEDのうちのいずれのLEDが停止表示されたかによって大当り図柄が停止表示されたか否かを表すようにしてもよい。
また、この実施の形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とにそれぞれ対応させて別々の第4図柄表示領域9c,9dを備える場合を示しているが、第1特別図柄と第2特別図柄とに対して共通の第4図柄表示領域を演出表示装置9の表示画面の一部に設けるようにしてもよい。また、第1特別図柄と第2特別図柄とに対して共通の第4図柄表示領域をランプやLEDなどの発光体を用いて実現するようにしてもよい。この場合、第1特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときと、第2特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときとで、例えば、一定の時間間隔で異なる表示色の表示を点灯および消灯を繰り返すような表示を行うことによって、第4図柄の変動表示を区別して実行するようにしてもよい。また、第1特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときと、第2特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときとで、例えば、異なる時間間隔で点灯および消灯を繰り返すような表示を行うことによって、第4図柄の変動表示を区別して実行するようにしてもよい。また、例えば、第1特別図柄の変動表示に対応して停止図柄を導出表示するときと、第2特別図柄の変動表示に対応して停止図柄を導出表示するときとで、同じ大当り図柄であっても異なる態様の停止図柄を停止表示するようにしてもよい。
演出表示装置9の右方には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示部)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。また、演出表示装置9の右方(第1特別図柄表示器8aの右隣)には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示部)8bも設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。また、この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(可変表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲートなどのあらかじめ入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞しやすくなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。従って、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
第2特別図柄表示器8bの上方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、第2特別図柄保留記憶表示器18bのさらに上方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面の下部には、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部18cと、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部18dとが設けられている。なお、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(合算保留記憶表示部)が設けられるようにしてもよい。そのように、合計数を表示する合算保留記憶表示部が設けられているようにすれば、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組み合わせが停止表示される。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果が導出表示されたとき、特定遊技状態に制御される。特定表示結果とは予め定められた表示結果であり、例えば、本実施の形態では、大当り図柄がある。特定遊技状態とは、遊技者にとって有利な第1状態と遊技者にとって不利な第2状態とに変化可能な可変入賞手段を第1状態に変化させることであり、本実施の形態では、開状態と閉状態とに変化可能な特別可変入賞球装置20を開状態とする大当り遊技状態がある。例えば、特定表示結果として大当り図柄が導出表示されたとき、特定遊技状態として大当り遊技状態に制御される。各特定遊技状態において、閉状態とされている開閉版がソレノイド21によって開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
演出表示装置9の左方には、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器10は、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器10は、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。また、小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。なお、普通図柄表示器10は、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。また、普通図柄表示器10は、7セグメントLEDなどにかぎらず、例えば、所定の記号表示を点灯表示可能な表示器(例えば、「○」や「×」を交互に点灯表示可能な装飾ランプ)で構成されていてもよい。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。例えば、図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(通常状態と比較して、特別図柄の変動表示結果として大当りと判定される確率が高められた状態)では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる高ベース状態へ移行することがある。
遊技盤6の下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の可変表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
この実施の形態では、15R確変大当りまたは10R確変大当りとなった場合には、遊技状態を高確率状態に移行するとともに、遊技球が始動入賞しやすくなる(すなわち、特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における可変表示の実行条件が成立しやすくなる)ように制御された遊技状態である高ベース状態に移行する。高ベース状態である場合には、例えば、高ベース状態でない場合と比較して、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高められたり、可変入賞球装置15が開状態となる時間が延長されたりして、始動入賞しやすくなる。
なお、可変入賞球装置15が開状態となる時間を延長する(開放延長状態ともいう)のでなく、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められる普通図柄確変状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)となると、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。この場合、普通図柄確変状態に移行制御することによって、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高まる。従って、普通図柄確変状態に移行すれば、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められ、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。すなわち、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であったり、特別図柄の停止図柄が確変図柄である場合等に高められ、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(始動入賞しやすい状態)に変化する。なお、開放回数が高められることは、閉状態から開状態になることも含む概念である。
また、普通図柄表示器10における普通図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される普通図柄時短状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄時短状態では、普通図柄の変動時間が短縮されるので、普通図柄の変動が開始される頻度が高くなり、結果として普通図柄が当りとなる頻度が高くなる。従って、普通図柄が当たりとなる頻度が高くなることによって、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高くなり、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。
また、特別図柄や演出図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される時短状態(特別図柄時短状態)に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、特別図柄や演出図柄の変動が開始される頻度が高くなり(換言すれば、保留記憶の消化が速くなる。)、無効な始動入賞が生じてしまう事態を低減することができる。従って、有効な始動入賞が発生しやすくなり、結果として、大当り遊技が行われる可能性が高まる。
さらに、上記に示した全ての状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか複数の状態に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか1つの状態にのみ移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや、確変フラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う。
なお、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号を、ターミナル基板160を介して、ホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を可変表示する演出表示装置9の表示制御を行う。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、ランプドライバ基板35を介して、枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行うとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行う。
図3は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図3に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101、および演出図柄プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMは電源バックアップされていない。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データをフレームメモリを介して演出表示装置9に出力する。
また、演出制御基板80は、リアルタイムクロック108を搭載している。リアルタイムクロック108は、年/月/日/曜日や時/分/秒の情報を含む時刻情報を出力する機能を備え、独立した電源(例えば、ボタン電池)によって動作する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(演出図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP109は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図3には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図2に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122のトリガボタン121に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ125から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ124から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122の操作桿に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット123から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してバイブレータ用モータ126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ122を振動動作させる。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、LEDを駆動する信号にもとづいて枠LED28などの発光体に電流を供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。また、音声合成用IC703は演出制御基板80から所定の要求を受け付けた場合に音声を生成しスピーカ27に出力する。
次に遊技機の動作について説明する。図4は、遊技機に対して電力供給が開始され遊技制御用マイクロコンピュータ560へのリセット信号がハイレベルになったことに応じて遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56が実行するメイン処理を示すフローチャートである。リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになると、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、プログラムの内容が正当か否かを確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、マスク可能割込の割込モードを設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。なお、ステップS2では、遊技制御用マイクロコンピュータ560の特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込番地を示すモードに設定する。また、マスク可能な割込が発生すると、CPU56は、自動的に割込禁止状態に設定するとともに、プログラムカウンタの内容をスタックにセーブする。
次いで、内蔵デバイスレジスタの設定(初期化)を行う(ステップS5)。ステップS5の処理によって、内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の設定(初期化)がなされる。
この実施の形態で用いられる遊技制御用マイクロコンピュータ560は、I/Oポート(PIO)およびタイマ/カウンタ回路(CTC)504も内蔵している。
次いで、CPU56は、RAM55をアクセス可能状態に設定し(ステップS6)、クリア信号のチェック処理に移行する。
なお、遊技の進行を制御する遊技装置制御処理(遊技制御処理)の開始タイミングをソフトウェアで遅らせるためのソフトウェア遅延処理を実行するようにしてもよい。そのようなソフトウェア遅延処理によって、ソフトウェア遅延処理を実行しない場合に比べて、遊技制御処理の開始タイミングを遅延させることができる。遅延処理を実行したときには、他の制御基板(例えば、払出制御基板37)に対して、遊技制御基板(主基板31)が送信するコマンドを他の制御基板のマイクロコンピュータが受信できないという状況が発生することを防止できる。
次いで、CPU56は、クリアスイッチがオンされているか否か確認する(ステップS7)。なお、CPU56は、入力ポート0を介して1回だけクリア信号の状態を確認するようにしてもよいが、複数回クリア信号の状態を確認するようにしてもよい。例えば、クリア信号の状態がオフ状態であることを確認したら、所定時間(例えば、0.1秒)の遅延時間をおいた後、クリア信号の状態を再確認する。そのときにクリア信号の状態がオン状態であることを確認したら、クリア信号がオン状態になっていると判定する。また、このときにクリア信号の状態がオフ状態であることを確認したら、所定時間の遅延時間をおいた後、再度、クリア信号の状態を再確認するようにしてもよい。ここで、再確認の回数は、1回または2回に限られず、3回以上であってもよい。また、2回チェックして、チェック結果が一致していなかったときにもう一度確認するようにしてもよい。
ステップS7でクリアスイッチがオンでない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS8)。この実施の形態では、電力供給の停止が生じた場合には、バックアップRAM領域のデータを保護するための処理が行われている。そのような電力供給停止時処理が行われていたことを確認した場合には、CPU56は、電力供給停止時処理が行われた、すなわち電力供給停止時の制御状態が保存されていると判定する。電力供給停止時処理が行われていないことを確認した場合には、CPU56は初期化処理を実行する。
電力供給停止時処理が行われていたか否かは、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に保存されるバックアップ監視タイマの値が、電力供給停止時処理を実行したことに応じた値(例えば2)になっているか否かによって確認される。なお、そのような確認の仕方は一例であって、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップフラグ領域に電力供給停止時処理を実行したことを示すフラグをセットし、ステップS8において、そのフラグがセットされていることを確認したら電力供給停止時処理が行われたと判定してもよい。
電力供給停止時の制御状態が保存されていると判定したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行う(ステップS9)。この実施の形態では、クリアデータ(00)をチェックサムデータエリアにセットし、チェックサム算出開始アドレスをポインタにセットする。また、チェックサムの対象になるデータ数に対応するチェックサム算出回数をセットする。そして、チェックサムデータエリアの内容とポインタが指すRAM領域の内容との排他的論理和を演算する。演算結果をチェックサムデータエリアにストアするとともに、ポインタの値を1増やし、チェックサム算出回数の値を1減算する。以上の処理が、チェックサム算出回数の値が0になるまで繰り返される。チェックサム算出回数の値が0になったら、CPU56は、チェックサムデータエリアの内容の各ビットの値を反転し、反転後のデータをチェックサムにする。
電力供給停止時処理において、上記の処理と同様の処理によってチェックサムが算出され、チェックサムはバックアップRAM領域に保存されている。ステップS9では、算出したチェックサムと保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっている可能性があることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理(ステップS10〜S14の処理)を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、ROM54に格納されているバックアップ時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定する(ステップS43)。また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS44)。そして、ステップS15に移行する。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータをそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄バッファ、特別図柄プロセスフラグ、賞球中フラグ、球切れフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、ROM54に格納されている初期化時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS13)、その内容に従ってサブ基板を初期化するための初期化コマンドをサブ基板に送信する処理を実行する(ステップS14)。初期化コマンドとして、演出表示装置9に表示される初期図柄を示すコマンドや払出制御基板37への初期化コマンド等を使用することができる。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS15)。
そして、CPU56は、所定時間(例えば4ms)ごとに定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なうタイマ割込設定処理を実行する(ステップS16)。すなわち、初期値として例えば4msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、4msごとに定期的にタイマ割込がかかるとする。
タイマ割込の設定が完了すると、CPU56は、まず、割込禁止状態にして(ステップS17)、初期値用乱数更新処理(ステップS18a)と表示用乱数更新処理(ステップS18b)を実行して、再び割込許可状態にする(ステップS19)。すなわち、CPU56は、初期値用乱数更新処理および表示用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態にして、初期値用乱数更新処理および表示用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態にする。
なお、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、大当りの種類を決定するための判定用乱数(例えば、大当りを発生させる特別図柄を決定するための大当り図柄決定用乱数や、遊技状態を確変状態に移行させるかを決定するための確変決定用乱数、普通図柄にもとづく当りを発生させるか否かを決定するための普通図柄当たり判定用乱数)を発生するためのカウンタ(判定用乱数発生カウンタ)等のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータが、遊技機に設けられている演出表示装置9、可変入賞球装置15、球払出装置97等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、判定用乱数発生カウンタのカウント値が1周すると、そのカウンタに初期値が設定される。
また、表示用乱数とは、特別図柄表示器8の表示を決定するための乱数である。この実施の形態では、表示用乱数として、特別図柄の変動パターンを決定するための変動パターン決定用乱数や、大当りを発生させない場合にリーチとするか否かを決定するためのリーチ判定用乱数が用いられる。また、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。
また、表示用乱数更新処理が実行されるときに割込禁止状態にされるのは、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が後述するタイマ割込処理でも実行される(すなわち、タイマ割込処理のステップS26,S27でも同じ処理が実行される)ことから、タイマ割込処理における処理と競合してしまうのを避けるためである。すなわち、ステップS18a,S18bの処理中にタイマ割込が発生してタイマ割込処理中で初期値用乱数や表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新してしまったのでは、カウント値の連続性が損なわれる場合がある。しかし、ステップS18a,S18bの処理中では割込禁止状態にしておけば、そのような不都合が生ずることはない。
次に、タイマ割込処理について説明する。図5は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。メイン処理の実行中に、具体的には、ステップS17〜S19のループ処理の実行中における割込許可になっている期間において、タイマ割込が発生すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、タイマ割込の発生に応じて起動されるタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、CPU56は、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断処理(電源断検出処理)を実行する(ステップS20)。そして、CPU56は、スイッチ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23等のスイッチの検出信号を入力し、各スイッチの入力を検出する(スイッチ処理:ステップS21)。具体的には、各スイッチの検出信号を入力する入力ポートの状態がオン状態であれば、各スイッチに対応して設けられているスイッチタイマの値を+1する。
次に、CPU56は、特別図柄表示器8、普通図柄表示器10、特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。特別図柄表示器8および普通図柄表示器10については、ステップS36,S37で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
次いで、CPU56は、大入賞口への異常入賞の発生を検出して異常報知を行うための入賞報知処理を実行する(ステップS24)。
ステップS24の後、CPU56は、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS25)。また、CPU56は、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理:ステップS26)。さらに、CPU56は、表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(表示用乱数更新処理:ステップS27)。
次いで、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS28)。特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。また、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS29)。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
次いで、CPU56は、特別図柄の変動に同期する演出図柄に関する演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する処理を行う(演出図柄コマンド制御処理:ステップS30)。なお、演出図柄の変動が特別図柄の変動に同期するとは、変動時間(可変表示期間)が同じであることを意味する。
次いで、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される始動口信号、図柄確定回数1信号、図柄確定回数2信号、大当り1〜3信号、時短信号などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS31)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS32)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
また、遊技機の制御状態を遊技機外部で確認できるようにするための試験信号を出力する処理である試験端子処理を実行する(ステップS33)。また、この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポート0のRAM領域におけるソレノイドに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS34:出力処理)。そして、CPU56は、保留記憶数の増減をチェックする記憶処理を実行する(ステップS35)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS36)。さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS37)。
次いで、CPU56は、各状態表示灯の表示を行うための状態表示制御データを状態表示制御データ設定用の出力バッファに設定する状態表示灯表示処理を行う(ステップS38)。この場合、遊技状態が高確率状態(例えば、確変状態)にも制御される場合には、高確率状態であることを示す状態表示灯の表示を行うための状態表示制御データを出力バッファに設定するようにしてもよい。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS39)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は4ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S39(ステップS31,33を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示態様を、可変表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の可変表示態様という。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示結果を、可変表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の可変表示態様という。
この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rに、演出図柄が揃って停止表示される。
図6は、あらかじめ用意された演出図柄の変動パターンを示す説明図である。図6に示すように、この実施の形態では、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、非リーチPA1−1〜非リーチPA1−4の変動パターンが用意されている。また、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−1〜ノーマルPA2−2、ノーマルPB2−1〜ノーマルPB2−2、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−2、スーパーPA3−5〜スーパーPA3−6、スーパーPB3−1〜スーパーPB3−2、スーパーPB3−5〜スーパーPB3−6の変動パターンが用意されている。
なお、図6に示すように、リーチしない場合に使用され擬似連の演出を伴う非リーチPA1−4の変動パターンについては、再変動が1回行われる。リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−1を用いる場合には、再変動が1回行われる。また、リーチしない場合に使用される非リーチPA1−2の変動パターンは、短縮変動用の変動パターンであり、演出図柄の変動時間が短い時間(本例では、3.0秒)に短縮される。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−2を用いる場合には、再変動が2回行われる。さらに、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−2、スーパーPA3−5〜スーパーPA3−6を用いる場合には、再変動が3回行われる。なお、再変動とは、演出図柄の可変表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでに一旦はずれとなる演出図柄を仮停止させた後に演出図柄の可変表示を再度実行することである。
また、図6に示すように、この実施の形態では、特別図柄の可変表示結果が大当り図柄になる場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−3〜ノーマルPA2−4、ノーマルPB2−3〜ノーマルPB2−4、スーパーPA3−3〜スーパーPA3−4、スーパーPA3−7〜スーパーPA3−8、スーパーPB3−3〜スーパーPB3−4、スーパーPB3−7〜スーパーPB3−8の変動パターンが用意されている。
また、図6に示すように、擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−3を用いる場合には、再変動が1回行われる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−4を用いる場合には、再変動が2回行われる。さらに、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スーパーPA3−3〜スーパーPA3−4、スーパーPA3−7〜スーパーPA3−8を用いる場合には、再変動が3回行われる。
なお、この実施の形態では、図6に示すように、リーチの種類に応じて変動時間が固定的に定められている場合(例えば、擬似連ありのスーパーリーチAの場合には変動時間が32.75秒で固定であり、擬似連なしのスーパーリーチAの場合には変動時間が22.75秒で固定である)を示しているが、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、合算保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。例えば、同じ種類のスーパーリーチを伴う場合であっても、合算保留記憶数が多くなるに従って、変動時間が短くなるようにしてもよい。また、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、第1特別図柄の変動表示を行う場合には、第1保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよく、第2特別図柄の変動表示を行う場合には、第2保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。この場合、第1保留記憶数や第2保留記憶数の値ごとに別々の判定テーブルを用意しておき(例えば、保留記憶数0〜2用の変動パターン種別判定テーブルと保留記憶数3,4用の変動パターン種別判定テーブルとを用意しておき)、第1保留記憶数または第2保留記憶数の値に応じて判定テーブルを選択して、変動時間を異ならせるようにしてもよい。
なお、詳細については後述するが、本実施の形態では、各スーパーリーチが示す大当りに対する信頼度は、スーパーリーチD>スーパーリーチC>スーパーリーチB>スーパーリーチAとなっている。具体的に、可変表示結果が大当りであるときの変動パターンの選択割合を、スーパーリーチDを含む変動パターン(スーパーPA3−8およびスーパーPB3−8)>スーパーリーチCを含む変動パターン(スーパーPA3−7およびスーパーPB3−7)>スーパーリーチBを含む変動パターン(スーパーPA3−4およびスーパーPB3−4)>スーパーリーチAを含む変動パターン(スーパーPA3−3およびスーパーPB3−3)とするとともに、可変表示結果がはずれであるときの変動パターンの選択割合を、スーパーリーチAを含む変動パターン(スーパーPA3−1およびスーパーPB3−1)>スーパーリーチBを含む変動パターン(スーパーPA3−2およびスーパーPB3−2)>スーパーリーチCを含む変動パターン(スーパーPA3−5およびスーパーPB3−5)>スーパーリーチDを含む変動パターン(スーパーPA3−6およびスーパーPB3−6)とする(図10参照)ことにより実現している。
図7は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1(MR1):大当りの種類(後述する15R確変大当り、10R確変大当り)を決定する(大当り種別判定用)
(2)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)
(3)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)
(4)ランダム4(MR4):普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(5)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)
なお、この実施の形態では、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。
なお、変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴に従ってグループ化したものである。例えば、複数の変動パターンをリーチの種類でグループ化して、ノーマルリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチAを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチBを伴う変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連の再変動の回数でグループ化して、擬似連を伴わない変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動1回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動2回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動3回の変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連や滑り演出などの特定演出の有無でグループ化してもよい。
図5に示された遊技制御処理におけるステップS25では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り種別判定用乱数、および(4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム2、ランダム3)または初期値用乱数(ランダム5)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。なお、大当り判定用乱数として、ハードウェア乱数ではなく、ソフトウェア乱数を用いてもよい。
図8(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(すなわち、確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、図8(A)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図8(A)の右欄に記載されている各数値が設定されている。図8(A)に記載されている数値が大当り判定値である。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図8(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(後述する15R確変大当り、10R確変大当り)にすることに決定する。なお、図8(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。
図8(B),(C)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。このうち、図8(B)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)である。また、図8(C)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)である。
各大当り種別判定テーブルは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)にもとづいて、大当りの種別を「15R確変大当り」、「10R確変大当り」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、この実施の形態では、図8(B),(C)に示すように、大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)には「15R確変大当り」に対して10個の判定値が割り当てられている(40分の10の割合で15R確変大当りと決定される)のに対して、大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)には「15R確変大当り」に対して30個の判定値が割り当てられている(40分の30の割合で15R確変大当りと決定される)場合を説明する。従って、この実施の形態では、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合よりも、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合の方が、「15R確変大当り」と決定される割合が高い。
この実施の形態では、図8(B),(C)に示すように、大当り種別として、「15R確変大当り」および「10R確変大当り」がある。なお、この実施の形態では、大当り遊技において実行されるラウンド数が15ラウンドおよび4ラウンドの2種類である場合を示しているが、大当り遊技において実行されるラウンド数は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、10ラウンドの大当り遊技に制御する10R確変大当りや、7ラウンドの大当り遊技に制御する7R確変大当り、5ラウンドの大当り遊技に制御する5R確変大当りが設けられていてもよい。また、この実施の形態では、大当り種別が「15R確変大当り」および「10R確変大当り」の2種類である場合を示しているが、2種類にかぎらず、例えば、3種類以上の大当り種別を設けるようにしてもよい。また、逆に、大当り種別が2種類よりも少なくてもよく、例えば、大当り種別として1種類のみ設けられていてもよい。
「15R確変大当り」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行させる大当りである(この実施の形態では、確変状態に移行されるとともに時短状態にも移行される。)。そして、可変表示を所定回(50回)実行するまで、確変状態および時短状態が継続する。以下、確変状態と時短状態とに制御されている遊技状態を「高確率高ベース状態」、確変状態および時短状態のいずれにも制御されていない状態を「低確率低ベース状態」ということがある。
「10R確変大当り」とは、4ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行させる大当りである(この実施の形態では、確変状態に移行されるとともに時短状態にも移行される。)。そして、可変表示を所定回(50回)実行するまで、確変状態および時短状態が継続する。
各大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「15R確変大当り」および「10R確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。CPU56は、ランダム1の値が大当り種別判定値のいずれかに一致した場合に、大当りの種別を、一致した大当り種別判定値に対応する種別に決定する。
図9(A),(B)は、大当り用変動パターン種別判定テーブルを示す説明図である。大当り用変動パターン種別判定テーブルは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別の判定結果に応じて、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
各大当り用変動パターン種別判定テーブルには、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、ノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
例えば、大当り種別が「15R確変大当り」である場合に用いられる図9(A)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブルと、大当り種別が「10R確変大当り」である場合に用いられる図9(B)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブルとで、ノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3の変動パターン種別に対する判定値の割り当てが異なっている。
このように、大当り種別に応じて選択される各大当り用変動パターン種別判定テーブルを比較すると、大当り種別に応じて各変動パターン種別に対する判定値の割り当てが異なっている。また、大当り種別に応じて異なる変動パターン種別に対して判定値が割り当てられている。よって、大当り種別を複数種類のうちのいずれにするかの決定結果に応じて、異なる変動パターン種別に決定することができ、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。
図9(C)〜(E)は、はずれ用変動パターン種別判定テーブルを示す説明図である。このうち、図9(C)は、遊技状態が通常状態であるとともに合算保留記憶数が3未満である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブルを示している。また、図9(D)は、遊技状態が通常状態であるとともに合算保留記憶数が3以上である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブルを示している。また、図9(E)は、遊技状態が確変状態である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブルを示している。はずれ用変動パターン種別判定テーブルは、可変表示結果をはずれ図柄にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
なお、図9に示す例では、遊技状態が確変状態である場合と合算保留記憶数が3以上である場合とで別々のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを用いる場合を示しているが、確変状態である場合と合算保留記憶数が3以上である場合とで、共通のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを用いるように構成してもよい。また、図9(E)に示す例では、1つの確変用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを用いる場合を示しているが、確変用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルとして合算保留記憶数に応じた複数のはずれ用変動パターン判定テーブル(判定値の割合を異ならせたテーブル)を用いるようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、遊技状態が通常状態である場合には、合算保留記憶数が3未満である場合に用いるはずれ変動パターン種別判定テーブルと、合算保留記憶数が3以上である場合に用いるはずれ変動パターン種別判定テーブルとの2種類のテーブルを用いる場合を示しているが、はずれ変動パターン種別判定テーブルの分け方は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、合算保留記憶数の値ごとに別々のはずれ変動パターン種別判定テーブルをそれぞれ備えてもよい(すなわち、合算保留記憶数0個用、合算保留記憶数1個用、合算保留記憶数2個用、合算保留記憶数3個用、合算保留記憶数4個用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルをそれぞれ別々に用いるようにしてもよい)。また、例えば、合算保留記憶数の他の複数の値の組合せに対応したはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。例えば、合算保留記憶数0〜2用、合算保留記憶数3用、合算保留記憶数4用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。
また、この実施の形態では、合算保留記憶数に応じてはずれ変動パターン種別判定テーブルを複数備える場合を示しているが、第1保留記憶数や第2保留記憶数に応じてはずれ変動パターン種別判定テーブルを複数備えるようにしてもよい。例えば、第1特別図柄の変動表示を行う場合には、第1保留記憶数の値ごとに別々に用意されたはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい(すなわち、第1保留記憶数0個用、第1保留記憶数1個用、第1保留記憶数2個用、第1保留記憶数3個用、第1保留記憶数4個用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルをそれぞれ別々に用いるようにしてもよい)。また、例えば、第1保留記憶数の他の複数の値の組合せに対応したはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。例えば、第1保留記憶数0〜2用、第1保留記憶数3用、第1保留記憶数4用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。この場合であっても、第1保留記憶数や第2保留記憶数が多い場合(例えば3以上)には、変動時間が短い変動パターンを含む変動パターン種別が選択されやすいように構成すればよい。
各はずれ用変動パターン種別判定テーブルには、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、非リーチCA2−1〜非リーチCA2−3、ノーマルCA2−4〜ノーマルCA2−6、スーパーCA2−7の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
また、この実施の形態では、遊技状態が確変状態に制御されている場合には、図9(E)に示す確変用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルが用いられる。図9(E)に示すように、この実施の形態では、確変状態に制御されている場合には、短縮変動の非リーチPA1−2の変動パターンを含む非リーチCA2−3の変動パターン種別を選択可能である。
なお、この実施の形態では、図9に示すように、現在の遊技状態にかかわらず、共通の大当り用変動パターン種別判定テーブルを用いる場合を示したが、現在の遊技状態が確変状態であるか通常状態であるかに応じて、それぞれ別々に用意された大当り用変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。また、この実施の形態では、合算保留記憶数が3以上である場合に、図9(D)に示す短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択して短縮変動の変動パターンが決定される場合があるように構成する場合を示しているが、現在の遊技状態に応じて短縮変動の変動パターンが選択されうる場合の合算保留記憶数(第1保留記憶数や第2保留記憶数でもよい)の閾値を異ならせてもよい。例えば、遊技状態が通常状態である場合には、合算保留記憶数が3である場合に(または、例えば、第1保留記憶数や第2保留記憶数が2である場合に)、短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択して短縮変動の変動パターンが決定される場合があるようにし、遊技状態が確変状態である場合には、合算保留記憶数がより少ない1や2の場合でも(または、例えば、第1保留記憶数や第2保留記憶数がより少ない0や1の場合でも)、短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択して短縮変動の変動パターンが決定される場合があるようにしてもよい。
図10(A)は、ROM54に記憶されている大当り変動パターン判定テーブルを示す説明図である。大当り変動パターン判定テーブルは、可変表示結果を「大当り」にする旨の判定がなされたときに、大当り種別や変動パターン種別の決定結果などに応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り変動パターン判定テーブルは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。すなわち、変動パターン種別をノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3のいずれかにする旨の決定結果に応じて大当り変動パターン判定テーブルが使用テーブルとして選択される。大当り変動パターン判定テーブルは、変動パターン種別に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)の値と比較される数値(判定値)であって、演出図柄の可変表示結果が「大当り」である場合に対応した複数種類の変動パターンのいずれかに対応するデータ(判定値)を含む。
図10(B)は、ROM54に記憶されているはずれ変動パターン判定テーブルを示す説明図である。はずれ変動パターン判定テーブルは、可変表示結果を「はずれ」にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別の決定結果に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。はずれ変動パターン判定テーブルは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。
図10(A)に示すように、変動パターン種別としてスーパーCA3−3が選択された場合には、選択割合は、スーパーリーチDを含む変動パターン(スーパーPA3−8およびスーパーPB3−8)>スーパーリーチCを含む変動パターン(スーパーPA3−7およびスーパーPB3−7)>スーパーリーチBを含む変動パターン(スーパーPA3−4およびスーパーPB3−4)>スーパーリーチAを含む変動パターン(スーパーPA3−3およびスーパーPB3−3)となっている。また、図10(B)に示すように、変動パターン種別としてスーパーCA2−7が選択された場合には、選択割合は、スーパーリーチAを含む変動パターン(スーパーPA3−1およびスーパーPB3−1)>スーパーリーチBを含む変動パターン(スーパーPA3−2およびスーパーPB3−2)>スーパーリーチCを含む変動パターン(スーパーPA3−5およびスーパーPB3−5)>スーパーリーチDを含む変動パターン(スーパーPA3−6およびスーパーPB3−6)となっている。従って、可変表示結果が大当りである場合には、発生割合がスーパーリーチD>スーパーリーチC>スーパーリーチB>スーパーリーチAとなっている一方で、可変表示結果がはずれである場合には、発生割合がスーパーリーチA>スーパーリーチB>スーパーリーチC>スーパーリーチDとなっている。これにより、本実施の形態では、大当りに対する信頼度は、スーパーリーチD>スーパーリーチC>スーパーリーチB>スーパーリーチAとなっている。
図11および図12は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図11および図12に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置9において可変表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C03(H)は、大当りとするか否か、および大当り種別を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C03(H)の受信に応じて演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C03(H)を表示結果指定コマンドという。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の可変表示を開始するのか第2特別図柄の可変表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド8F00(H)は、第4図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、第4図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001〜A002(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。この実施の形態では、大当りの種類に応じて、大当り開始1指定コマンド、大当り開始2指定コマンドのいずれかが用いられる。具体的には、「15R確変大当り」である場合には大当り開始1指定コマンド(A001(H))が用いられ、「10R確変大当り」である場合には大当り開始2指定コマンド(A002(H))が用いられる。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。なお、大入賞口開放中指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放中指定コマンドが送信される。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。なお、大入賞口開放後指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放後指定コマンドが送信される。
コマンドA301(H)、A302(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(大当り終了1指定コマンド:エンディング1指定コマンド、大当り終了2指定コマンド:エンディング2指定コマンド)である。なお、大当り終了1指定コマンド(A301(H))は、「15R確変大当り」による大当り遊技を終了する場合に用いられる。大当り終了2指定コマンド(A302(H))は、「10R確変大当り」による大当り遊技を終了する場合に用いられる。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(通常状態背景指定コマンド)である。コマンドB001(H)は、遊技状態が確変状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(確変状態背景指定コマンド)である。
コマンドC000(H)は、第1保留記憶数が1増加したことを指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンド)である。コマンドC100(H)は、第2保留記憶数が1増加したことを指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数加算指定コマンド)である。コマンドC200(H)は、第1保留記憶数が1減少したことを指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンド)である。コマンドC300(H)は、第2保留記憶数が1減少したことを指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数減算指定コマンド)である。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図11および図12に示された内容に応じて演出表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞があり第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて特別図柄の可変表示が開始される度に、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい
なお、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取込を指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。
図11および図12に示す例では、変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)と第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)とで共通に使用でき、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示に伴って演出を行う演出表示装置9などの演出用部品を制御する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
図13は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13a、または第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち、第1始動入賞口13への始動入賞または第2始動入賞口14への始動入賞が発生していたら、始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS311,S312)。そして、ステップS300〜S307のうちのいずれかの処理を行う。第1始動入賞口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aがオンしていなければ、内部状態に応じて、ステップS300〜S307のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS300〜S307の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行い、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において第4図柄が停止されるように制御する。
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。大当りフラグがセットされている場合に、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。大当りフラグがセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値が4となったことにもとづいて、後述するように、特別図柄表示制御処理において特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データが特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定され、ステップS22の表示制御処理において出力バッファの設定内容に応じて実際に特別図柄の停止図柄が停止表示される。
大入賞口開放前処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図14は、ステップS312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、まず、第1始動口スイッチ13aがオン状態であるか否かを確認する(ステップS1211)。第1始動口スイッチ13aがオン状態でなければ、ステップS1217に移行する。第1始動口スイッチ13aがオン状態であれば、CPU56は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(ステップS1212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、ステップS1217に移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1213)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1214)。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図15参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS1215)。なお、ステップS1215の処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)や変動パターン判定用乱数(ランダム3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を生成するための変動パターン種別判定用乱数カウンタから値を直接抽出したり、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出したりするようにしてもよい。
図15は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留バッファ)の構成例を示す説明図である。図15に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。この実施の形態では、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。
そして、CPU56は、第1保留記憶数加算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1216)。
次いで、CPU56は、第2始動口スイッチ14aがオン状態であるか否かを確認する(ステップS1217)。第2始動口スイッチ14aがオン状態でなければ、そのまま処理を終了する。第2始動口スイッチ14aがオン状態であれば、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(ステップS1218)。第2保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1219)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1220)。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファ(図15参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS1221)。なお、ステップS1221の処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第2特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
そして、CPU56は、第2保留記憶数加算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1222)。
図16および図17は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、合算保留記憶数の値を確認する(ステップS51)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば、まだ客待ちデモ指定コマンドを送信していなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して客待ちデモ指定コマンドを送信する制御を行い(ステップS51A)、処理を終了する。なお、例えば、CPU56は、ステップS51Aで客待ちデモ指定コマンドを送信すると、客待ちデモ指定コマンドを送信したことを示す客待ちデモ指定コマンド送信済フラグをセットする。そして、客待ちデモ指定コマンドを送信した後に次回のタイマ割込以降の特別図柄通常処理を実行する場合には、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグがセットされていることにもとづいて重ねて客待ちデモ指定コマンドを送信しないように制御すればよい。また、この場合、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグは、次回の特別図柄の変動表示が開始されるときにリセットされるようにすればよい。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU56は、第2保留記憶数が0であるか否かを確認する(ステップS52)。具体的には、第2保留記憶数カウンタの値が0であるか否かを確認する。第2保留記憶数が0でなければ、CPU56は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(ステップS53)。第2保留記憶数が0であれば(すなわち、第1保留記憶数のみが溜まっている場合)には、CPU66は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(ステップS54)。
この実施の形態では、ステップS52〜S54の処理が実行されることによって、第1特別図柄の変動表示に対して、第2特別図柄の変動表示が優先して実行される。言い換えれば、第2特別図柄の変動表示を開始させるための第2の開始条件が第1特別図柄の変動表示を開始させるための第1の開始条件に優先して成立するように制御される。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶数バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶数バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶数バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
そして、CPU56は、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(ステップS58)。なお、CPU56は、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM55の所定の領域に保存する。
また、CPU56は、現在の遊技状態に応じて背景指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS60)。この場合、CPU56は、確変状態であることを示す確変フラグがセットされている場合には、確変状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、確変フラグがセットされていなければ、通常状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。
なお、この実施の形態では、変動ごとに背景指定コマンドを毎回送信する場合を示しているが、例えば、変動開始時に前回の変動時から遊技状態が変化したか否かを判定するようにし、遊技状態が変化した場合にのみ変化後の遊技状態に応じた背景指定コマンドを送信するようにしてもよい。そのように構成すれば、背景指定コマンドの送信回数を低減することができ、遊技制御用マイクロコンピュータ560の処理負担を軽減することができる。
なお、具体的には、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する際に、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出図柄コマンド制御処理(ステップS30)において演出制御コマンドを送信する。なお、この実施の形態では、特別図柄の変動を開始するときに、タイマ割込ごとに、背景指定コマンド、変動パターンコマンド、表示結果指定コマンド、保留記憶数減算指定コマンドの順に演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されることになる。具体的には、特別図柄の変動を開始するときに、まず、背景指定コマンドが送信され、4ms経過後に変動パターンコマンドが送信され、さらに4ms経過後に表示結果指定コマンドが送信され、さらに4ms経過後に保留記憶数減算指定コマンドが送信される。なお、特別図柄の変動を開始するときにはさらに図柄変動指定コマンド(第1図柄変動指定コマンド、第2図柄変動指定コマンド)も送信されるが、図柄変動指定コマンドは、変動パターンコマンドと同じタイマ割込において演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信される。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、ステップS300〜S307の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読み出し、大当り判定モジュールを実行する。なお、この場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のステップS1215,S1221で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り判定用乱数を読み出し、大当り判定を行う。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値(図8参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率状態)の場合は、遊技状態が非確変状態(通常遊技状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、あらかじめ大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図8(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図8(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行い、遊技状態が通常遊技状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図8(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(ステップS61)、ステップS62に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行われる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的には、15R確変大当りまたは10R確変大当りとすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、大当りと決定されたときに特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミング、または50回の特別図柄の変動表示を終了するタイミングでリセットされる。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(ステップS61のN)、CPU56は、そのままステップS66に移行する。
ステップS62では、CPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、特別図柄ポインタが示す方の大当り種別判定テーブルを選択する(ステップS63)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図8(B)に示す第1特別図柄用の大当り種別判定用テーブルを選択する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、図8(C)に示す第2特別図柄用の大当り種別判定用テーブルを選択する。
次いで、CPU56は、選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した種別(「15R確変大当り」、「10R確変大当り」)を大当りの種別に決定する(ステップS64)。なお、この場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のステップS1215,S1221で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り種別判定用乱数を読み出し、大当り種別の決定を行う。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに設定する(ステップS65)。例えば、大当り種別が「15R確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「01」が設定され、大当り種別が「10R確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を決定する(ステップS66)。具体的には、大当りフラグがセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。すなわち、「15R確変大当り」に決定した場合には「7」を特別図柄の停止図柄に決定し、「10R確変大当り」に決定した場合には「3」を特別図柄の停止図柄に決定する。
なお、この実施の形態では、まず大当り種別を決定し、決定した大当り種別に対応する特別図柄の停止図柄を決定する場合を示したが、大当り種別および特別図柄の停止図柄の決定方法は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、あらかじめ特別図柄の停止図柄と大当り種別とを対応付けたテーブルを用意しておき、大当り種別決定用乱数にもとづいてまず特別図柄の停止図柄を決定すると、その決定結果にもとづいて対応する大当り種別も決定されるように構成してもよい。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS67)。
図18は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS91)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、大当り種別に応じて、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、大当り用変動パターン種別判定テーブルのいずれかを選択する(ステップS92)。そして、ステップS98に移行する。
大当りフラグがセットされていない場合には、CPU56は、確変状態であることを示す確変フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS93)。なお、確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的には、15R確変大当りまたは10R確変大当りとすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、大当りと決定されたときに特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングまたは50回の可変表示が終了するタイミングでリセットされる。確変フラグがセットされていれば(ステップS93のY)、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、確変用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択する(ステップS97)。そして、ステップS98に移行する。
確変フラグがセットされていなければ(ステップS93のN)、CPU56は、合算保留記憶数が3以上であるか否かを確認する(ステップS94)。合算保留記憶数が3未満であれば(ステップS94のN)、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、通常のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択する(ステップS95)。そして、ステップS98に移行する。
合算保留記憶数が3以上である場合(ステップS94のY)には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、変動時間短縮時のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択する(ステップS96)。そして、ステップS98に移行する。
この実施の形態では、ステップS93〜S96の処理が実行されることによって、合算保留記憶数が3以上である場合には、変動時間短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルが選択される。また、遊技状態が確変状態である場合には、確変用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルが選択される。この場合、後述するステップS98の処理で変動パターン種別として非リーチCA2−3が決定される場合があり、非リーチCA2−3の変動パターン種別が決定された場合には、ステップS99の処理で変動パターンとして短縮変動の非リーチPA1−2が決定される。従って、この実施の形態では、遊技状態が確変状態である場合または合算保留記憶数が3以上である場合には、短縮変動の変動表示が行われる場合がある。
なお、この実施の形態では、確変状態で用いる短縮変動用の変動パターン種別判定テーブルと、保留記憶数にもとづく短縮変動用の変動パターン種別判定テーブルとが異なるテーブルである場合を示したが、短縮変動用の変動パターン種別判定テーブルとして共通のテーブルを用いるようにしてもよい。
なお、遊技状態が確変状態である場合であっても、合算保留記憶数がほぼ0である場合(例えば、0であるか、0または1である場合)には、短縮変動の変動表示を行わないようにしてもよい。この場合、例えば、CPU56は、ステップS93でYと判定したときに、合算保留記憶数がほぼ0であるか否かを確認し、合算保留記憶数がほぼ0であれば、はずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム2(変動パターン種別判定用乱数)を読み出し、ステップS92,S83,S97,S95またはS96の処理で選択したテーブルを参照することによって、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS98)。なお、始動入賞のタイミングでランダム2(変動パターン種別判定用乱数)を抽出しないように構成する場合には、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を生成するための変動パターン種別判定用乱数カウンタから値を直接抽出し、抽出した乱数値にもとづいて変動パターン種別を決定するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、ステップS98の変動パターン種別の決定結果にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、大当り変動パターン判定テーブル、はずれ変動パターン判定テーブルのうちのいずれかを選択する(ステップS99)。また、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム3(変動パターン判定用乱数)を読み出し、ステップS99の処理で選択した変動パターン判定テーブルを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS100)。なお、始動入賞のタイミングでランダム3(変動パターン判定用乱数)を抽出しないように構成する場合には、CPU56は、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出し、抽出した乱数値にもとづいて変動パターンを決定するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の図柄変動指定コマンドを、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS101)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS102)。
次に、CPU56は、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(ステップS103)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS104)。
なお、はずれと決定されている場合において、いきなり変動パターン種別を決定するのではなく、まず、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。そして、リーチとするか否かの判定結果にもとづいて、ステップS93〜S96,S98の処理を実行し、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。この場合、あらかじめ非リーチ用の変動パターン種別判定テーブルと、リーチ用の変動パターン種別判定テーブルとを用意しておき、リーチ判定結果にもとづいて、いずれかの変動パターン種別判定テーブルを選択して、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。
また、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定する場合にも、合算保留記憶数(第1保留記憶数や第2保留記憶数でもよい)に応じて、リーチの選択割合が異なるリーチ判定テーブルを選択して、保留記憶数が多くなるに従ってリーチ確率が低くなるようにリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。
図19は、表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)を示すフローチャートである。表示結果指定コマンド送信処理において、CPU56は、決定されている大当りの種類、はずれに応じて、表示結果1指定〜表示結果3指定のいずれかの演出制御コマンド(図11参照)を送信する制御を行う。具体的には、CPU56は、まず、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS105)。セットされていない場合には、ステップS109に移行する。大当りフラグがセットされている場合、大当りの種別が「15R確変大当り」であるときには、表示結果2指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS106,S107)。なお、「15R確変大当り」であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS65で大当り種別バッファに設定されたデータが「01」であるか否かを確認することによって判定できる。また、CPU56は、大当りの種別が「10R確変大当り」であるときには、表示結果3指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS106,S108)。なお、「10R確変大当り」であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS65で大当り種別バッファに設定されたデータが「02」であるか否かを確認することによって判定できる。
一方、CPU56は、大当りフラグがセットされていないときには(ステップS105のN)、すなわち、はずれである場合には、CPU56は、表示結果1指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS109)。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS303)に対応した値に更新する(ステップS110)。
図20は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS131)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、セットされていれば、確変状態であることを示す確変フラグをリセットする(ステップS132)。
次いで、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS133)。具体的には、大当りの種別が15R確変大当りである場合には大当り開始1指定コマンドを送信する。大当りの種別が10R確変大当りである場合には大当り開始2指定コマンドを送信する。なお、大当りの種別が15R確変大当りまたは10R確変大当りのいずれであるかは、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータ(大当り種別バッファに記憶されているデータ)にもとづいて判定される。
また、CPU56は、大入賞口開放前タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS134)。なお、大入賞口開放前タイマは、大当り遊技中に大入賞口を開放するまでの時間を計測するためのタイマである。具体的には、大当り遊技の開始時には、ステップS134において、変動表示を停止してから第1ラウンドが開始されるまでに要する時間(演出制御用マイクロコンピュータ100側で変動表示を停止し大当り図柄を停止表示してから第1ラウンドが開始されるまでのファンファーレ演出を行う時間に相当)が大入賞口開放前タイマに設定される。また、第1ラウンド以降については、各ラウンド間のインターバル時間(演出制御用マイクロコンピュータ100側でラウンド間のインターバル演出を行う時間に装置)が大入賞口開放前タイマに設定される。
また、CPU56は、開放回数カウンタに大当り種別に応じた開放回数をセットする(ステップS135)。例えば、15R確変大当りであれば15回を、10R確変大当りであれば10回をそれぞれ開放回数カウンタにセットする。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS137)。
また、ステップS131で大当りフラグがセットされていなければ、CPU56は、確変フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS141)、セットされていない場合、すなわち、通常状態である場合にはステップS150へ移行する。確変フラグがセットされている場合、すなわち、確変状態である場合、確変回数カウンタの値を1減算し(ステップS142)、確変回数カウンタの値が0となったか否かを判定する(ステップS143)。0となっていない場合はステップS150へ移行する。0となった場合は確変フラグをリセットし(ステップS144)、ステップS150へ移行する。これにより、所定回数(50回)の変動をおこなうことを契機に確変状態から通常状態へ移行することとしている。ステップS150において、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS150)。
図21は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS160)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS164に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当りフラグをリセットし(ステップS161)、大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS162)。ここで、15R確変大当りであった場合には大当り終了1指定コマンドを送信し、10R確変大当りであった場合には大当り終了2指定コマンドを送信する。そして、大当り終了表示タイマに、演出表示装置9において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS163)、処理を終了する。
ステップS164では、大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS165)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過していれば(ステップS165のY)、CPU56は、確変フラグをセットして遊技状態を確変状態に移行させる(ステップS167)。そして、確変回数カウンタに「50」をセットし(ステップS168)、ステップS171に移行する。
そして、ステップS171において、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS171)。
図22は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄表示制御処理(ステップS36)のプログラムの一例を示すフローチャートである。特別図柄表示制御処理では、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が3であるか否か(すなわち、特別図柄変動中処理の実行中であるか否か)を確認する(ステップS3201)。特別図柄プロセスフラグの値が3であれば(すなわち、特別図柄変動中処理の実行中であれば)、CPU56は、特別図柄変動表示用の特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定または更新する処理を行う(ステップS3202)。この場合、CPU56は、特別図柄の変動表示を行うための特別図柄表示制御データを設定または更新する。例えば、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される特別図柄表示制御データの値を+1する。そして、その後、表示制御処理(ステップS22参照)が実行され、特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファの内容に応じて特別図柄表示器8a,8bに対して駆動信号が出力されることによって、特別図柄表示器8a,8bにおける特別図柄の変動表示が実行される。
特別図柄プロセスフラグの値が3でなければ、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が4であるか否か(すなわち、特別図柄停止処理の実行中であるか否か)を確認する(ステップS3203)。特別図柄プロセスフラグの値が4であれば(すなわち、特別図柄停止処理に移行した場合には)、CPU56は、特別図柄通常処理で設定された特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する処理を行う(ステップS3204)。この場合、CPU56は、特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データを設定する。そして、その後、表示制御処理(ステップS22参照)が実行され、特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファの内容に応じて特別図柄表示器8a,8bに対して駆動信号が出力されることによって、特別図柄表示器8a,8bにおいて特別図柄の停止図柄が停止表示される。なお、ステップS3204の処理が実行され停止図柄表示用の特別図柄表示制御データが設定された後には、設定データの変更が行われないので、ステップS22の表示制御処理では最新の特別図柄表示制御データにもとづいて最新の停止図柄を次の変動表示が開始されるまで停止表示し続けることになる。また、ステップS3201において特別図柄プロセスフラグの値が2または3のいずれかであれば(すなわち、表示結果指定コマンド送信処理または特別図柄変動中処理のいずれかであれば)、特別図柄変動表示用の特別図柄表示制御データを更新するようにしてもよい。この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で認識する変動時間と演出制御用マイクロコンピュータ100側で認識する変動時間との間にズレが生じないようにするため、表示結果指定コマンド送信処理においても変動時間タイマを1減算するように構成すればよい。
なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄表示制御データを出力バッファに設定する場合を示したが、特別図柄プロセス処理において、特別図柄の変動開始時に開始フラグをセットするとともに、特別図柄の変動終了時に終了フラグをセットするようにしてもよい。そして、特別図柄表示制御処理(ステップS36)において、CPU56は、開始フラグがセットされたことにもとづいて特別図柄表示制御データの値の更新を開始するようにし、終了フラグがセットされたことにもとづいて停止図柄を停止表示さえるための特別図柄表示制御データをセットするようにしてもよい。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図23は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、4ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。
次いで、演出制御用CPU101は、リアルタイムクロック108から時刻情報を読み出し(ステップS701A)、読み出した時刻情報にもとづいて現在の時刻を特定し、特定した時刻に応じて時間計測タイマをセットする(ステップS701B)。この実施の形態では、毎時00分に時間計測タイマがタイムアウトするように時間計測タイマに値がセットされる。一般に、遊技店は10時頃開店することから、ステップS701Bでは、11:00にタイムアウトするように時間計測タイマをセットする。例えば、時刻情報にもとづいて特定した現在の時刻が9:50であった場合には、ステップS703において、11:00までの70分間に相当する値を時間計測タイマにセットする。この実施の形態では、時間計測タイマがタイムアウトしたときに、後述する特定演出を実行するものである。
なお、この実施の形態では、リアルタイムクロック108および時間計測タイマを用いて計時する場合を示しているが、計時方法は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、リアルタイムクロック108を用いることなく、演出制御用CPU101における計時機能のみにもとづいて計時を行うこととしてもよい。具体的には、20ms毎にタイマ割込が発生して演出制御処理を実行するものであれば、50回のタイマ割込が発生することで1秒(20ms×50)、500回のタイマ割込が発生することで10秒(20ms×500)といったように計測し、18000回のタイマ割込が発生することで60分(=20ms×18000)、21000回のタイマ割込が発生することで70分(=20ms×21000)を計測することとしてもよい。
その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:ステップS704)。
次いで、演出制御用CPU101は、時間計測処理を行う(ステップS704a)。時間計測処理では、時間計測タイマを用いて時間計測を行う処理を実行する。
次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
次いで、演出制御用CPU101は、第4図柄プロセス処理を行う(ステップS706)。第4図柄プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第4図柄プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の第4図柄表示領域9c,9dにおいて第4図柄の表示制御を実行する。
ステップS706の後、大当り図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS709)。その後、ステップS702に移行する。
図24は、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図11および図12参照)であるのか解析する。なお、演出制御INT信号にもとづく割込処理は、4msごとに実行されるタイマ割込処理に優先して実行される。
図25および図26は、コマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS614)、演出制御用CPU101は、受信した変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS616)。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(ステップS617)、演出制御用CPU101は、受信した表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果3指定コマンド)を、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(ステップS618A)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(ステップS619)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS620)。確定コマンド受信フラグは、図柄確定指定コマンドを正常に受信したことを示すフラグである。
受信した演出制御コマンドが大当り開始1指定コマンドまたは大当り開始2指定コマンドであれば(ステップS621)、演出制御用CPU101は、大当り開始1指定コマンド受信フラグまたは大当り開始2指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS622)。なお、この実施の形態では、ステップS622でセットされる大当り開始1指定コマンド受信フラグ、大当り開始2指定コマンド受信フラグのことを、ファンファーレフラグともいう。
受信した演出制御コマンドが通常状態背景指定コマンドであれば(ステップS679)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に表示する背景画面を通常状態に応じた背景画面(例えば、青色の表示色の背景画面)に変更する(ステップS680)。そして、セットされていれば特殊背景フラグをリセットする(ステップS680A)。特殊背景フラグとは、通常状態において発生した大当り(以下、「初当り」ということがある)におけるラウンド10にて決定された、確変状態中の背景に対応するフラグである。確変状態中の背景には「第1特殊背景」、「第2特殊背景」および「第3特殊背景」があり、特殊背景フラグとしては、「第1特殊背景」が決定されたことを示す第1特殊背景フラグ、「第2特殊背景」が決定されたことを示す第2特殊背景フラグ、および「第3特殊背景」が決定されたことを示す第3特殊背景フラグがある。
また、受信した演出制御コマンドが確変状態背景指定コマンドであれば(ステップS682)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に表示する背景画面を特殊背景フラグに応じた背景画面に変更する(ステップS683)。例えば、第1特殊背景フラグがセットされていれば「第1特殊背景」を、第2特殊背景フラグがセットされていれば「第2特殊背景」を、第3特殊背景フラグがセットされていれば「第3特殊背景」を表示する。
また、受信した演出制御コマンドが客待ちデモ指定コマンドであれば(ステップS685)、演出制御用CPU101は、30秒後に演出表示装置9に客待ちデモ画面を表示するよう制御をおこなう(ステップS687)。具体的には、30秒を計測するタイマをセットし、該タイマがタイムアウトした際に客待ちデモ画面を演出表示装置9に表示する。なお、計測中に変動パターンコマンドなどを受信した場合には、該タイマをリセットし、計測を終了する。ステップS687の後、各保留記憶数保存領域に格納する保留記憶数をクリアする(ステップS688)。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセット、または処理を実行する(ステップS691)。そして、ステップS611に移行する。
図27は、図23に示されたメイン処理における時間計測処理(ステップS704a)を示すフローチャートである。時間計測処理において、演出制御用CPU101は、時間計測タイマの値を1減算し(ステップS2800)、減算後の時間計測タイマがタイムアウトしたか否かを確認する(ステップS2802)。タイムアウトしていなければ、そのまま処理を終了する。時間計測タイマがタイムアウトしていれば、演出制御用CPU101は、特定演出の開始条件が成立したことを示す開始条件成立フラグをセットし(ステップS2804)、時間計測タイマに60分に相当する値をセットする(ステップS2805)。詳細は後述するが、開始条件成立フラグがセットされた場合には特定演出が実行されるものである。これにより、毎時00分に開始条件成立フラグがセットされ、特定演出が実行されることとなる。
図28は、図23に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、特定演出を実行するための特定演出処理を行う(ステップS800A)。
「特定演出」とは、所定条件が成立したことにもとづいて所定期間にわたって実行される演出であり、例えば、所定条件が成立したタイミングで遊技店に設置される複数台の遊技機において一斉に実行される演出である。この実施の形態では、毎時00分になったことにもとづいて所定条件が成立し、所定期間として5分間にわたって所定の動画再生を一斉に開始するような態様の演出が特定演出として実行される。具体的には、この実施の形態では、毎時00分になると時間計測タイマがタイムアウトして特定演出が実行され、特定演出が開始されてから5分が経過すると特定演出タイマがタイムアウトして特定演出が終了される。なお、遊技店内に設置されておりパチンコ遊技機1を管理するホールコンピュータから特定のコマンドを受信することを契機に特定演出を実行するものであってもよい。その場合、ホールコンピュータが複数の遊技機に同時に特定のコマンドを送信すれば、遊技店に設置される複数台の遊技機において特定演出が一斉に実行されることとなる。
この実施の形態では、所定の指令を演出表示装置9に表示する特定演出を行い、該所定の指令が達成された場合には特典を付与する。具体的には、5分以内に大当りを発生させることを示す文字情報(「[MISSION]5分以内に大当りを出せ!」)を所定の指令として演出表示装置9に表示し、特定演出の開始時点から5分以内に大当りとなった場合(大当りとなる可変表示の開始時点が特定演出の開始前である場合も含む)、または5分以内に開始された可変表示にもとづいて大当りとなった場合(大当りとなった時点が特定演出の終了後である場合も含む)に指令を達成したものとして特典を付与するものである。なお、特定演出が終了するタイミングを遊技者に認識させやすくするために、特定演出の残り時間を報知することとしてもよい。
また、この実施の形態では、特定演出における指令が達成された場合には、選択演出における選択肢を通常の場合よりも増やすことにより特典を付与する。「選択演出」とは、初当りに対応する大当り遊技状態のラウンド10において実行される演出であり、該大当り遊技状態が終了した後の確変状態における背景を遊技者に選択させる演出である。具体的に、選択演出として、第1特殊背景および第2特殊背景のうちいずれかの背景を選択させる「通常背景演出」と、第1特殊背景、第2特殊背景および第3特殊背景のうちいずれかの背景を選択させる「特殊選択演出」とが設けられており、特定演出における指令を達成した場合には「特殊選択演出」が実行され、その他の場合には「通常選択演出」が実行される。すなわち、特定演出における指令が達成された場合には、選択肢として第3特殊背景を通常選択演出に加えた特殊選択演出を実行することにより特典を付与するものである。
その後、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の可変表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。なお、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示と、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示とを、別の演出制御プロセス処理により実行するように構成してもよい。また、この場合、いずれの演出制御プロセス処理により演出図柄の変動表示が実行されているかによって、いずれの特別図柄の変動表示が実行されているかを判断するようにしてもよい。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(ステップS801):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(ステップS803):演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)、変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)のいずれかに対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS804):大当りである場合には、変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。例えば、大当りの開始を指定するファンファーレ指定コマンドを受信したら、ファンファーレ演出を実行する。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(ステップS805):ラウンド中の表示制御を行う。例えば、大入賞口が開放中であることを示す大入賞口開放中表示コマンドを受信したら、ラウンド数の表示制御等を行う。
ラウンド後処理(ステップS806):ラウンド間の表示制御を行う。例えば、大入賞口が開放後(閉鎖中)であることを示す大入賞口開放後表示コマンドを受信したら、インターバル表示を行う。
大当り終了演出処理(ステップS807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。例えば、大当りの終了を指定するエンディング指定コマンドを受信したら、エンディング演出を実行する。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図29は、演出制御プロセス処理における特定演出処理(ステップS800A)を示すフローチャートである。特定演出処理において、演出制御用CPU101は、特定演出の実行中であることを示す特定演出フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS2801)。セットされていない場合、すなわち特定演出の実行中でない場合、演出制御用CPU101は、開始条件成立フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS2802)、セットされていれば該開始条件成立フラグをリセットする(ステップS2802a)。そして、演出制御用CPU101は、特定演出の実行を開始する(ステップS2803)。具体的には、上述したように「[MISSION]5分以内に大当りを出せ!」という文字情報を含む画像を演出表示装置9に表示(左右方向のスクロール表示)する。
次に、演出制御用CPU101は、特定演出フラグをセットし(ステップS2804)、特定演出タイマに5分に相当する値をセットする(ステップS2806)。この実施の形態では、4ms毎に特定演出処理が実行されるものであるから、ステップS2805では時間計測タイマに90000(=60分(360000ms)/4ms))をセットすることにより、毎時00分に特定演出を開始することとしている。また、ステップS2806では特定演出タイマに7500(=5分(30000ms)/4ms))をセットすることにより、特定演出の実行期間を5分間としている。なお、この実施の形態では、特定演出の実行中に指令が達成されたか否かにかかわらず、5分間が経過するまでは特定演出を終了しないこととしたが、これに限るものではなく、特定演出の実行中に指令が達成された場合は5分間が経過する前であっても特定演出を終了することとしてもよい。
その後、演出制御用CPU101は、演出図柄の変動中であるか否かを判定する(ステップS2807)。具体的には、演出制御プロセスフラグの値が演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値の「2」であるか否かを判定する。変動中でなければ、そのまま処理を終了する。変動中であれば、演出図柄の変動中に特定演出の実行/非実行が切り替えられたことを示す切替フラグをセットする(ステップS2808)。
また、ステップS2801において特定演出フラグがセットされている場合、すなわち特定演出の実行中である場合、特定演出タイマの値を1減算し(ステップS2809)、減算後の特定演出タイマがタイムアウトしたか否かを確認する(ステップS2810)。タイムアウトしていなければ、そのまま処理を終了する。特定演出タイマがタイムアウトしていれば、演出制御用CPU101は、特定演出の実行を終了し(ステップS2811)、特定演出フラグをリセットし(ステップS2812)、ステップS2807へ移行する。これにより、特定演出が開始されてから5分が経過した時点で特定演出を終了することとしている。
図30は、図28に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(ステップS812)。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に更新する(ステップS813)。
図31は、図28に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、まず、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出す(ステップS8001)。次いで、演出制御用CPU101は、ステップS8001で読み出した変動パターンコマンド、および表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップS8002)。すなわち、演出制御用CPU101によってステップS8002の処理が実行されることによって、可変表示パターン決定手段が決定した可変表示パターン(変動パターン)に応じて、識別情報の可変表示の表示結果(演出図柄の停止図柄)を決定する表示結果決定手段が実現される。なお、擬似連を指定する変動パターンも用いる場合に、変動パターンコマンドで擬似連が指定されている場合には、演出制御用CPU101は、ステップS8002において、擬似連中の仮停止図柄としてチャンス目図柄(例えば、「223」や「445」のように、リーチとならないものの大当り図柄と1つ図柄がずれている図柄の組み合わせ)も決定する。なお、演出制御用CPU101は、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。なお、ステップS8002において、演出制御用CPU101は、受信した変動パターンコマンドにもとづいて大当りであるか否かを判定し、変動パターンコマンドのみにもとづいて演出図柄の停止図柄を決定するようにしてもよい。
図32は、演出表示装置9における演出図柄の停止図柄の一例を示す説明図である。図32に示す例では、受信した表示結果指定コマンドが「15R確変大当り」を示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果2指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として3図柄が同じ奇数図柄で揃った演出図柄の組合せを決定する。また、受信した表示結果指定コマンドが「10R確変大当り」を示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果3指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として3図柄が同じ偶数図柄で揃った演出図柄の組合せを決定する。
そして、「はずれ」の場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果1指定コマンドである場合)、上記以外の演出図柄の組み合わせを決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左右の2図柄が揃った演出図柄の組み合わせを決定する。また、演出表示装置9に導出表示される3図柄の組合せが演出図柄の「停止図柄」である。
演出制御用CPU101は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、演出図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、演出図柄の停止図柄を決定する。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定する。
なお、演出図柄についても、大当りを想起させるような停止図柄(左中右が全て同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)を大当り図柄という。また、はずれを想起させるような停止図柄をはずれ図柄という。
次いで、演出制御用CPU101は、予告演出を設定するための予告演出設定処理を実行する(ステップS8003)。ここでは、例えば、開始する変動が大当りであるか否か、大当りである場合はいずれの大当り種別であるか、または読み出した変動パターンなどにもとづいて、所定の予告演出(例えば、大当りに対する信頼度に応じた段階まで発展するステップアップ予告、遊技者から操作部材への操作を受け付けることにより演出画面が切り替わるボタン演出など)の実行の有無について決定する。
そして、演出制御用CPU101は、特定演出フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS8004A)、セットされていない場合には、変動パターン、および予告演出を実行する場合にはその予告演出に応じた通常用のプロセステーブルを選択する(ステップS8004B)。特定演出フラグがセットされている場合、演出制御用CPU101は、開始する変動が大当り変動であるか否かを判定する(ステップS616B)。具体的には、ステップS8001で読み出した変動パターンコマンドが示す変動パターンがノーマルPA2−3〜ノーマルPA2−4、ノーマルPB2−3〜ノーマルPB2−4、スーパーPA3−3〜スーパーPA3−4、スーパーPA3−7〜スーパーPA3−8、スーパーPB3−3〜スーパーPB3−4、スーパーPB3−7〜スーパーPB3−8のいずれかであれば、開始する変動が大当り変動であると判定する。大当り変動である場合には、演出制御用CPU101は達成フラグをセットする(ステップS616C)。達成フラグは、特定演出における指令を達成したことを示すフラグである。このように、特定演出の実行中に開始される変動が大当り変動である場合には、特定演出における指令を達成したこととするものである。特定演出の実行中に開始される変動が大当り変動である場合とは、特定演出の実行中に該変動が終了する場合と、特定演出の終了後に該変動が終了する場合とを含むものである。ステップS616Bにおいて大当り変動でない場合には、ステップS8004Cへ移行する。
ステップS8004Cにおいて、演出制御用CPU101は、特定演出の実行中においてのみ実行可能である専用演出を実行するか否かを決定するための専用演出実行抽選を行う(ステップS8004C)。具体的には、図33に示す専用演出実行抽選テーブルを用いて、専用演出実行抽選を実行する。
図33は、専用演出実行抽選テーブルを示す説明図である。図33に示す専用演出実行抽選テーブルには、可変表示結果に応じて専用演出の実行の有無および実行する場合の専用演出態様に対応する判定値が割り当てられているが、図33に示す例では、説明を簡略化するために、割り当てられた判定値の割合が示されている。演出制御用CPU101は、例えば、専用演出実行抽選用の乱数を抽出し、抽出した乱数に一致する判定値が割り当てられている決定事項に決定する。
例えば、可変表示結果が大当りである場合、50/100の割合でキャラクタAを用いた専用演出を実行することが決定され、30/100の割合でキャラクタBを用いた専用演出を実行することが決定され、20/100の割合で専用演出を実行しないことが決定される。
また、例えば、可変表示結果がはずれである場合、10/100の割合でキャラクタAを用いた専用演出を実行することが決定され、20/100の割合でキャラクタBを用いた専用演出を実行することが決定され、70/100の割合で専用演出を実行しないことが決定される。
このように、この実施の形態では、変動開始タイミングにおいて特定演出の実行中であるか否かにもとづいて専用演出の実行の有無を決定するものである。
ステップS8004Cの専用演出実行抽選において専用演出を実行することが決定された場合には(ステップS8004DのY)、変動パターン、予告演出を実行する場合にはその予告演出、および専用演出に応じた特定演出用のプロセステーブルを選択する(ステップS8004E)。専用演出を実行しないことが決定された場合には(ステップS8004DのN)、変動パターン、および予告演出を実行する場合にはその予告演出に応じた特定演出用のプロセステーブルを選択する(ステップS8004F)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS8005)。
図34は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、および音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等(演出図柄の表示態様の他に演出表示装置9の表示画面における演出図柄以外の演出態様を含む。)が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その演出態様での演出時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている態様で演出図柄を表示させるとともに表示画面に表示されるキャラクタ画像や背景を表示させる制御を行う。また、ランプ制御実行データおよび音番号データに設定されている態様で発光体の点滅を制御するとともに、スピーカ27からの音出力を制御する。
図34に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンや予告演出の内容に応じて用意されている。なお、ステップS8004などの処理で予告演出を実行することに決定された場合には、予告演出に対応したデータが設定されてプロセステーブルを選択し、予告演出を実行することに決定されていない場合には、予告演出に対応したデータが設定されていないプロセステーブルを選択する。
また、リーチ演出を伴う変動パターンについて演出制御を実行する場合に用いられるプロセステーブルには、変動開始から所定時間が経過したときに左図柄を停止表示させ、さらに所定時間が経過すると右図柄を停止表示させることを示すプロセスデータが設定されている。なお、停止表示させる図柄をプロセステーブルに設定するのではなく、決定された停止図柄、擬似連や滑り演出における仮停止図柄に応じて、図柄を表示するための画像を合成して生成するようにしてもよい。
ステップS8005の後、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容に従って演出装置(演出表示装置9、スピーカ27、LEDおよび役物)を制御する(ステップS8006)。
ステップS8006の後、演出制御用CPU101は、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(ステップS8007)。そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値にする(ステップS8008)。
図35は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算するとともに(ステップS8101)、変動時間タイマの値を1減算する(ステップS8102)。
次に、演出制御用CPU101は、切替フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS8115)、セットされていない場合には、プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS8103)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(ステップS8104)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(ステップS8105)。
そして、演出制御用CPU101は、変動時間タイマがタイムアウトしていれば(ステップS8111)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に応じた値に更新する(ステップS8112)。
また、ステップS8115において切替フラグがセットされている場合、すなわち、演出図柄の変動中に特定演出の実行/非実行が切り替えられた場合、演出制御用CPU101は、特定演出フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS8116)。これにより、演出図柄の変動中に特定演出が開始されたのか終了されたのかを判定している。特定演出フラグがセットされている場合、すなわち演出図柄の変動中に特定演出が開始された場合、演出制御用CPU101は、変動パターン、および予告演出を実行する場合にはその予告演出に応じた特定演出用のプロセステーブルに切り替える(ステップS8117)。また、特定演出フラグがセットされていない場合、すなわち演出図柄の変動中に特定演出が終了された場合、演出制御用CPU101は、変動パターン、および予告演出を実行する場合にはその予告演出に応じた通常用のプロセステーブルに切り替える(ステップS8118)。そして、演出制御用CPU10は、プロセスタイマを再スタートさせ(ステップS8119)、切替後のプロセスデータの内容に従って演出装置の制御を実行し(ステップS8020)、切替フラグをリセットし(ステップS8121)、ステップS8103へ移行する。
このように、この実施の形態においては、変動中に特定演出が開始されたときに通常用のプロセステーブルから特定演出用のプロセステーブルに切り替えることとしたが、これに限るものではない。例えば、変動中に特別演出が開始された場合であっても、該変動が終了するまではプロセステーブルを切り替えることなく、次の変動から特定演出用のプロセステーブルを用いて演出装置の制御を行うこととしてもよい。同様に、この実施の形態においては、変動中に特定演出が終了されたときに特定演出用のプロセステーブルから通常用のプロセステーブルに切り替えることとしたが、これに限るものではなく、例えば、変動中に特別演出が終了された場合であっても、該変動が終了するまではプロセステーブルを切り替えることなく、次の変動から通常用のプロセステーブルを用いて演出装置の制御を行うこととしてもよい。
図36は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(ステップS803)を示すフローチャートである。演出図柄変動停止処理において、まず、演出制御用CPU101は、演出図柄の停止図柄を表示していることを示す停止図柄表示フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS861)。そして、停止図柄表示フラグがセットされていれば、演出制御用CPU101は、ステップS867に移行する。この実施の形態では、後述するように、演出図柄の停止図柄として大当り図柄を表示した場合には、ステップS866で停止図柄表示フラグがセットされる。そして、ファンファーレ演出を実行するときにステップS868で停止図柄表示フラグがリセットされる。従って、ステップS861で停止図柄表示フラグがセットされているということは、大当り図柄を停止表示したもののファンファーレ演出をまだ実行していない段階であるので、ステップS862の演出図柄の停止図柄を表示する処理を重ねて実行することなく、ステップS867に移行する。
停止図柄表示フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS861A)、セットされていなければステップS867へ移行する。セットされていれば、演出制御用CPU101は、記憶されている停止図柄(はずれ図柄または大当り図柄)を停止表示させる制御を行う(ステップS862)。なお、演出制御用CPU101は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの図柄確定指定コマンドの受信に応じて演出図柄を停止表示する制御を行うようにしてもよい。
ステップS862で大当り図柄を表示する場合には(ステップS863のY)、演出制御用CPU101は、達成フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS620A)、セットされていない場合には、特定演出フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS620B)。そして、特定演出フラグがセットされている場合には達成フラグをセットする(ステップS620D)。このように、特定演出の実行中に終了される変動が大当り変動であり、未だ特定演出における指令を達成したものとされていない場合には、特定演出における指令を達成したこととするものである。上述したように、大当り変動が特定演出の実行中に開始される場合には変動開始時に達成フラグがセットされるものであるため、ここで特定演出の実行中に終了される変動が大当り変動であり、未だ特定演出における指令を達成したものとされていない場合とは、特定演出を実行していないときに大当り変動が開始され、該大当り変動中に特定演出が開始され、特定演出の実行中に該大当り変動が終了する場合(すなわち、大当り変動が特定演出の実行中と終了後とにまたがっている場合であり、変動開始時は特定演出が行われていなかったが、大当り図柄の停止時には特定演出の実行中である場合)である。なお、ステップS620Aにおいて達成フラグがセットされている場合、またはステップS620Bにおいて特定演出フラグがセットされていない場合、ステップS863Aへ移行する。また、ステップS620A〜S620Dの処理については、変動を停止するタイミング(図柄確定指定コマンドを受信したタイミング)に限らず、大当り遊技状態の制御が開始されるタイミング(大当り開始指定コマンド(ファンファーレ指定コマンド)を受信したタイミングや、ラウンド1に対応する大入賞口開放中指定コマンドを受信したタイミング)であってもよい。
ステップS863Aにおいて、演出制御用CPU101は、通常状態であるか否かを判定し(ステップS863A)、通常状態である場合には、初当りであることを示す初当りフラグをセットする(ステップS863B)。そして、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをセットし(ステップS866)、ファンファーレフラグ(大当り開始1指定コマンド受信フラグまたは大当り開始2指定コマンド受信フラグ)がセットされたか否か確認する(ステップS867)。ファンファーレフラグがセットされたときは(ステップS867のY)、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをリセットする(ステップS868)とともに、ファンファーレ演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS869)。そして、プロセスタイマをスタートさせる(ステップS870)。
そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)に対応した値に設定する(ステップS871)。
また、ステップS863で大当り図柄を表示しない場合(すなわち、はずれ図柄を表示する場合:ステップS863のN)は、演出制御用CPU101は、所定のフラグをリセットする(ステップS864)。例えば、演出制御用CPU101は、コマンド受信フラグをリセットする。なお、演出制御用CPU101は、コマンド受信フラグを演出制御プロセス処理や第4図柄プロセス処理において参照されたあと直ぐにリセットするようにしてもよい(例えば、変動パターンコマンド受信フラグを確認すると直ちに変動パターンコマンド受信フラグをリセットするようにしてもよい)。
そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS865)。
図37は、演出制御プロセス処理における大当り表示処理(ステップS804)を示すフローチャートである。大当り表示処理において、演出制御用CPU101は、まず、大入賞口開放中表示コマンドを受信したことを示す大入賞口開放中フラグがセットされているか否か(すなわち、ラウンド1開始時の大入賞口開放中表示コマンドを受信したか否か)を確認する(ステップS1901)。大入賞口開放中フラグがセットされていないときは(ステップS1901のN)、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算し(ステップS1902)、プロセスデータnの内容に従って演出装置(演出表示装置9、スピーカ27、枠LED28等)の制御を実行する(ステップS1903)。例えば、演出表示装置9において大当り図柄を表示するとともに、大当りが発生したことを示す文字やキャラクタなどを表示する演出が実行される。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS1904)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS1905)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)に切り替える。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS1906)。
大入賞口開放中フラグがセットされているときは(ステップS1901のY)、すなわち、ラウンド1の開始タイミングとなっていれば、演出制御用CPU101は、その大入賞口開放中フラグをリセットする(ステップS1907)。そして、演出制御用CPU101は、ラウンド中演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS1909)。
そして、演出制御用CPU101は、プロセスタイマをスタートさせ(ステップS1913)、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に設定する(ステップS1914)。
図38は、演出制御プロセス処理におけるラウンド中処理(ステップS805)を示すフローチャートである。ラウンド中処理において、演出制御用CPU101は、まず、大入賞口開放後指定コマンドを受信したことを示す大入賞口開放後フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS3801)。
大入賞口開放後フラグがセットされていないときは(ステップS3801のN)、演出制御用CPU101は、操作の有効期間中であることを示す有効期間フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS2901)、セットされていなければ、ステップS308へ移行する。なお、この実施の形態では、初当りの大当り遊技状態におけるラウンド10が操作の有効期間である。セットされている場合には、選択演出における選択肢を選択する選択操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS2902)。具体的に、遊技者によるスティックコントローラ122への操作にもとづいてカーソルを移動させ、プッシュボタン120への操作を受け付けた場合に選択操作を受け付けたものとして判定する。選択操作を受け付けていなければ、そのまま処理を終了する。
選択操作を受け付けた場合には、演出制御用CPU101は、選択された背景に応じた特殊背景フラグをセットする(ステップS2903)。具体的には、「第1特殊背景」が選択された場合には第1特殊背景フラグを、「第2特殊背景」が選択された場合には第2特殊背景フラグを、「第3特殊背景」が選択された場合には第3特殊背景フラグをセットする。その後、演出制御用CPU101は、有効期間フラグをリセットする(ステップS2904)。このように、有効期間中に選択操作を受け付けることにより確変状態における背景を決定することとしている。
その後、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算し(ステップS3808)、プロセスデータnの内容に従って演出装置(演出表示装置9、スピーカ27、枠LED28等)の制御を実行する(ステップS3809)。例えば、ラウンド中演出を実行する場合には、演出表示装置9において大当り表示図柄を表示するとともに、ラウンド数を示す文字やその他のキャラクタなどを表示する演出が実行される。また、ラウンド10では選択演出を含むラウンド中演出が選択されるため、ステップS3809が実行されることにより選択演出が行われるものである。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS3810)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS3811)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)に切り替える。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS3812)。
ステップS3801において大入賞口開放後フラグがセットされているときは(ステップS3801のY)、有効期間フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS3802)、セットされていない場合にはステップS3813へ移行する。セットされている場合には、第1特殊背景フラグをセットし(ステップS3803)、有効期間フラグをリセットする(ステップS3804)。なお、ステップS3802において有効期間フラグがセットされている場合とは、遊技者による選択操作を受け付けることなく初当りのラウンド10が終了する場合である。この場合には、ステップS3803を行うことにより、強制的に第1特殊背景を確変状態における背景として決定することとしている。なお、初当りのラウンド10において遊技者からの操作を受け付けなかった場合には、第1特殊背景以外の特定の背景を確変状態における背景として決定するものであってもよいし、抽選によって決定された背景を確変状態における背景として決定するものであってもよい。
その後、演出制御用CPU101は、大入賞口開放後フラグをリセットする(ステップS3813)。そして、演出制御用CPU101は、大当り種別に応じたインターバル演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS3814)。そして、ステップS3861に移行する。
そして、演出制御用CPU101は、プロセスタイマをスタートさせ(ステップS3815)、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(ステップS806)に対応した値に設定する(ステップS3816)。
図39および図40は、演出制御プロセス処理におけるラウンド後処理(ステップS806)を示すフローチャートである。ラウンド後処理において、演出制御用CPU101は、まず、大当りが終了したことを示す大当り終了指定コマンド受信フラグ(具体的には、大当り終了1指定コマンド受信フラグまたは大当り終了2指定コマンド受信フラグ)がセットされているか否かを確認する(ステップS3901)。なお、大当り終了1指定コマンド受信フラグは大当り終了1指定コマンドを受信した際に、大当り終了2指定コマンド受信フラグは大当り終了2指定コマンドを受信した際に、ステップS691においてそれぞれセットされるフラグである。
大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされていないときは(ステップS3901のN)、演出制御用CPU101は、大入賞口開放中指定コマンドを受信したことを示す大入賞口開放中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS3902)。大入賞口開放中フラグがセットされていないときは(ステップS3902のN)、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算し(ステップS3903)、プロセスデータnの内容に従って演出装置(演出表示装置9、スピーカ27、LED25,28等)の制御を実行する(ステップS3904)。例えば、インターバル演出を実行する場合には、演出表示装置9において大当り表示図柄を表示するとともに、所定のキャラクタなどを表示する演出が実行される。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS3905)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS3906)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)に切り替える。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS3907)。
大入賞口開放中フラグがセットされているときは(ステップS3902のY)、演出制御用CPU101は、演出制御用CPU101は、大入賞口開放中フラグをリセットする(ステップS4401)。次いで、演出制御用CPU101は、初当りフラグがセットされているか否かを判定し(ステップS4402)、セットされていない場合(確変状態において発生した大当りである場合)にはステップS4404へ移行する。初当りフラグがセットされている場合(初当りである場合)、演出制御用CPU101は、開始するラウンドがラウンド10であるか否かを判定する(ステップS4403)。具体的には、受信した大入賞口開放中指定コマンドにもとづいてラウンド10であるか否かを判定する。開始するラウンドがラウンド10でない場合、演出制御用CPU101は、通常のラウンド中演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS4404)。
ステップS4403において、開始するラウンドがラウンド10である場合、演出制御用CPU101は、初当りフラグをリセットし(ステップS4405)、達成フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS4406)。セットされていない場合には、通常選択演出を含むラウンド中演出に応じたプロセスデータを選択し(ステップS4407)、ステップS4410へ移行する。セットされている場合には、特殊選択演出を含むラウンド中演出に応じたプロセスデータを選択し(ステップS4408)、達成フラグをリセットする(ステップS4409)。そして、有効期間フラグをセットし(ステップS4410)、ステップS4411へ移行する。
ステップS4411では、演出制御用CPU101は、プロセスタイマをスタートさせる(ステップS4411)。そして、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS4412)。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に設定する(ステップS4413)。
また、ステップS3901において大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされたときは(ステップS3901のY)、演出制御用CPU101は、大当り終了指定コマンド受信フラグをリセットする(ステップS3908)。そして、演出制御用CPU101は、所定のフラグをリセットし(ステップS3915)、エンディング演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS3916)。また、演出制御用CPU101は、演出期間計測タイマをスタートさせるとともに、プロセスタイマをスタートさせる(ステップS3917)。そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(ステップS807)に対応した値に設定する(ステップS3918)。
図41は、演出制御プロセス処理における大当り終了演出処理(ステップS807)を示すフローチャートである。大当り終了演出処理において、演出制御用CPU101は、まず、エンディング演出の演出期間を計測するための演出期間計測タイマを1減算する(ステップS4101)。そして、減算後の演出期間計測タイマがタイムアウトしたか否かを確認する(ステップS4102)。
演出期間計測タイマがタイムアウトしていなければ(ステップS4102のN)、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算する(ステップS4104)。また、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1、可動部材制御データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、および演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS4105)。例えば、大当りが終了することを表示したり、所定のキャラクタなどを表示する演出が実行される。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしていない場合には(ステップS4106のN)、処理を終了する。プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS4106のY)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(ステップS4107)。また、演出制御用CPU101は、プロセスタイマをスタートさせる(ステップS4108)。
演出期間計測タイマがタイムアウトしていれば(ステップS4102のY)、演出制御用CPU101は、所定のフラグ(例えば、達成フラグ)をリセットする(ステップS4112)。ステップS4112において達成フラグがセットされている場合とは、初当りでない大当りとして特定演出における指令を達成した場合である。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS4113)。
図42〜図45は、選択演出を実行する場合のタイミングチャートである。各タイミングチャートには、特定演出の実行の有無、特別図柄の変動の有無および大当り遊技状態の制御の有無について示すタイミングチャートと、各タイミングにおける演出表示装置9の表示例とを示している。
図42には、特定演出が行われない状態で大当り変動が行われる場合のタイミングチャートを示している。まず、特定演出が実行されていないタイミングa1にて変動が開始され、特定演出が実行されないままタイミングa2にて該変動が停止する。該変動は大当り変動であり、大当り遊技が開始される。そして、タイミングa3からタイミングa4にわたって行われるラウンド10では、達成フラグがセットされていないことから通常選択演出が実行される。
図43には、特定演出の実行中に大当り変動の開始および停止が行われる場合のタイミングチャートを示している。まず、タイミングb1にて特定演出が実行され、特定演出の実行中であるタイミングb2にて大当り変動が開始されることにより、達成フラグがセットされる。そして、変動が停止されるタイミングb3から大当り遊技状態に制御される。そして、達成フラグがセットされていることから、ラウンド10が行われるタイミングb4〜b5において特殊選択演出が実行される。このように、特定演出における指令が達成されて特典が付与されるパターンのうち主なパターン(特定演出の実行中に大当り変動の開始および停止が行われるパターン)について図43に示した。以下、特定演出における指令が達成されて特典が付与されるパターンのうちイレギュラーなパターンについて図44および図45に示す。
図44には、特定演出の実行前に大当り変動が開始されるとともに特定演出の実行中に該大当り変動が停止される場合のタイミングチャートを示している。まず、特定演出が実行されていないタイミングc1にて大当り変動が開始される。次に、タイミングc2にて特定演出が実行される。そして、特定演出の実行中であるタイミングc3にて大当り変動が終了することにより、達成フラグがセットされて大当り遊技状態に制御される(図36参照)。そして、達成フラグがセットされていることから、ラウンド10が行われるタイミングc4〜c5において特殊選択演出が実行される。このように、この実施の形態では、特定演出を実行していないときに開始された変動にもとづいて大当り遊技状態に制御される場合であっても、特定演出の実行中に大当り遊技状態に制御される場合には、特典を付与するものとしている。
図45には、特定演出の実行中に大当り変動が開始されるとともに特定演出の終了後に該大当り変動が停止される場合のタイミングチャートを示している。まず、特定演出を実行しているタイミングd1にて大当り変動が開始されることにより、達成フラグがセットされる(図31参照)。そして、タイミングd2にて特定演出の実行が終了され、特定演出の終了後であるタイミングd3にて大当り変動が終了して大当り遊技状態に制御される。そして、達成フラグがセットされていることから、ラウンド10が行われるタイミングd4〜d5において特殊選択演出が実行される。このように、この実施の形態では、特定演出の終了後に大当り遊技状態に制御される場合であっても、特定演出の実行中に開始した変動にもとづいて大当り遊技状態に制御される場合には、特典を付与するものとしている。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、可変表示を行い、遊技者にとって有利な有利状態(本例では、大当り遊技状態)に制御可能な遊技機であって、計時を行う計時手段(本例では、リアルタイムクロック108、演出制御用CPU101によって実現される時間計測タイマ)と、計時手段による計時結果にもとづいて特定演出を実行可能である特定演出実行手段(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ100における、ステップS2803を実行する部分)と、特典を付与する付与手段(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ100における、ステップS4408において選択した特殊選択演出に応じたプロセスデータに応じてステップS4412,S3809を実行する部分)とを備え、付与手段は、特定演出の実行中に有利状態に制御されるときに特典を付与する(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出図柄変動停止処理(ステップS803)において、特定演出の実行中に大当り変動が終了する場合には達成フラグをセットし(ステップS863,S620A〜S620D)、ラウンド10において達成フラグがセットされているときには特殊選択演出に応じたプロセスデータを選択し(ステップS4408)、ステップS4412,S3809を実行する)こととした。
また、この実施の形態では、付与手段は、特定演出の実行前に開始された可変表示にもとづいて、特定演出の実行中に有利状態に制御されるときにも特典を付与する(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、特定演出の実行中に大当り変動が終了するときには、該大当り変動が特定演出の実行前に開始されたものであっても達成フラグをセットし(ステップS620A〜S620D)、ラウンド10において達成フラグがセットされているときにステップS4408において選択したプロセスデータに応じてステップS4412,S3809を実行する)こととした。これにより、特定演出の実行中に有利状態に制御されれば、特定演出の実行前に開始された可変表示にもとづいて有利状態に制御されるときであっても特典を付与することとなるため、遊技者に不信感を与えることを防止することができる。
また、この実施の形態では、付与手段は、特定演出の実行中に開始された可変表示にもとづいて、特定演出の終了後に有利状態に制御されるときにも特典を付与する(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、特定演出の実行中に大当り変動を開始するときには、該大当り変動を特定演出の終了後に終了するものであっても達成フラグをセットし(ステップS616B,S616C)、ラウンド10において達成フラグがセットされているときにステップS4408において選択したプロセスデータに応じてステップS4412,S3809を実行する)こととした。これにより、特定演出の実行中に開始された可変表示にもとづいて有利状態に制御されれば、特定演出の終了後に有利状態に制御されるときであっても特典を付与することとなるため、遊技者に不信感を与えることを防止することができる。
また、この実施の形態によれば、特定演出実行手段によって特定演出が実行されているときに、特定演出が実行されていないときには実行しない専用演出を実行可能な専用演出実行手段(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ100における、ステップS8004Eにおいて選択したプロセステーブルを用いてステップS8006,S8105を実行する部分)を備え、専用演出実行手段は、可変表示が開始されるときに特定演出の実行中であることにもとづいて専用演出を実行可能である(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出図柄変動開始処理(ステップS801)において特定演出フラグがセットされているとき(ステップS8004のY)に専用演出実行抽選(ステップS8004C)を実行可能であり、該専用演出実行抽選の抽選結果にもとづいて専用演出を実行可能である)こととした。これにより、遊技者にとって分かりやすい演出を実行することができる。
また、この実施の形態では、特典を付与するための条件を演出表示装置9に表示することとしたが、これに限るものではなく、スピーカ27から音声出力したり、所定の発光部材を発光させることにより、特典を付与するための条件を明示することとしてもよい。また、「特定演出」を実行することにより特典を付与するための条件を明示するものとしたが、該条件を明示しないものであってもよい。例えば、特典を付与するための条件を明示することなく、トラックなどのオブジェクトを表示する演出や、所定の楽曲を音声出力する演出を「特定演出」として実行することとしてもよい。
なお、この実施の形態では、特定演出を毎時00分に実行することとしたが、これに限るものではなく、例えば、予め定められた所定のタイミング(例えば、11時00分と17時00分)においてのみ特定演出を実行することとしてもよいし、抽選によって複数の実行タイミングのうち実行タイミングを決定することとしてもよい。また、年月日や曜日にもとづいて異なる実行タイミングが設けられているものであってもよい。また、複数種類の特定演出が設けられているものであれば、特定演出の種類にもとづいて異なるタイミングに実行することとしてもよい。
また、この実施の形態では、特定演出の実行期間を5分間としたが、これに限るものではなく、例えば、5分以外の期間としてもよいし、抽選によって複数の期間から実行期間を決定することとしてもよい。また、年月日や曜日にもとづいて異なる実行期間が設けられているものであってもよい。また、複数種類の特定演出が設けられているものであれば、特定演出の種類にもとづいて異なる期間を実行期間としてもよい。
また、この実施の形態では、確変状態中の背景の選択肢が通常選択演出よりも多い特殊選択演出を実行することにより「特典を付与」することとしたが、これに限るものではない。例えば、確変状態においてスピーカ7から出力される楽曲や、大当り遊技状態における演出を特典として付与するものであってもよい。具体的には、大当り遊技状態における演出を複数の選択肢から選択させる演出を行い、特典を付与する際には付与しないときよりも選択肢の数が多くすることにより「特典を付与」することとしてもよい。また、例えば、信頼度にかかわりのない演出(例えば、特定の画像(具体的に、音符や星印)を表示したり、特定の音声を出力したりする演出)を行ったり、通常では発生しないような希少性の高い演出を実行して興趣を向上させることにより特典を付与することとしてもよい。また、例えば、所定の情報を有する二次元コードを表示することや、外部のサーバによって遊技履歴が蓄積される履歴蓄積サービスにおけるポイントやアイテムを付与することにより特典を付与することとしてもよい。また、特典として遊技価値を付与することとしてもよい。具体的には、賞球を払い出すものであってもよいし、遊技機の遊技領域に設けられた可変入賞球装置の状態を打球が入賞しやすい遊技者にとって有利な状態とするものであってもよいし、遊技者にとって有利な状態になるための権利を発生させるものであってもよいし、賞球払出の条件が成立しやすくなる状態とするものであってもよい。
また、例えば、所定の信頼度(例えば、大当り遊技状態、小当り遊技状態、遊技者がより多くの出玉を得ることができる種類の大当り遊技状態、確変状態または時短状態のように遊技者に有利な有利状態に制御することに対する信頼度、または確変状態に制御されているか否かを遊技者に認識させにくくする演出(いわゆる、潜伏演出)を実行可能な遊技機であれば確変状態に制御されていることに対する信頼度)を報知することにより特典を付与するものであってもよい。
また、特定演出が実行されていないときに可変表示が開始されるとともに、特定演出が実行されていない状態のまま該可変表示が終了し、該可変表示にもとづいて特定演出の実行中に有利状態に制御する場合であっても、特典を付与するタイミング(例えば、この実施の形態におけるラウンド10)が特定演出の実行中であれば、特典を付与することとしてもよい。これにより、特定演出の実行中に有利状態に制御されれば、特定演出の実行前に大当り変動の開始および停止がなされるときであっても特典を付与することとなるため、遊技者に不信感を与えることを防止することができる。
また、この実施の形態では、初当りが発生することにより特定演出における指令を達成した場合に特典を付与する一方で、初当りでない大当り(確変状態において発生した大当り。以下、「連荘当り」ということがある)が発生することにより特定演出における指令を達成した場合には特典を付与しない構成としたが、これに限るものでなく、初当りであるか連荘当りであるかにかかわらず、大当りが発生することにより特定演出における指令を達成した場合に特典を付与することとしてもよい。
また、その場合、初当りが発生することにより特定演出における指令を達成した場合と、連荘当りが発生することにより特定演出における指令を達成した場合とで、付与する特典の態様(例えば、選択演出における選択画面)や、付与する特典の内容(例えば、選択演出における選択肢の希少性や数)が異なることとしてもよい。また、連荘当りの回数にもとづいて付与する特典の態様(例えば、選択演出における選択画面)や、付与する特典の内容(例えば、選択演出における選択肢の希少性や数)が異なることとしてもよい。
また、本実施の形態では、特定演出の実行中に大当りとなるものであれば、該大当りがいずれの種別の大当りであるかにかかわらず特典を付与することとしたが、これに限るものではなく、特定演出の実行中に発生する大当りの種別にもとづいて特典を付与するか否かが異なることとしてもよい。例えば、大当り遊技状態とは異なる遊技者に有利な有利状態として小当り遊技状態が設けられており、小当り図柄が導出表示されると小当り遊技状態へ移行するものであるとともに、小当りが発生した場合と同様の挙動を示した後に確変状態に移行する「突然確変大当り」が大当り種別として設けられている遊技機であっては、特定演出の実行中に発生した大当りの種別が突然確変大当り以外であれば特典を付与し、突然確変大当りであるときには特典を付与しないこととしてもよい。これにより、特定演出の実行中に突然確変大当りおよび小当りのいずれが発生する場合であっても特典が付与されないこととなり、突然確変大当りが発生したのか小当りが発生したのか(すなわち、確変状態に移行しているのか否か)を遊技者に認識させにくくすることができる。
また、この実施の形態では、有利状態とすることを特定演出における指令としたが、これに限るものではない。例えば、所定演出を実行することを特定演出における指令としてもよい。具体的には、以下の変形例1を用いて説明する。なお、上述した実施の形態と同じ箇所については、説明を省略する。
この変形例1では、特定演出の実行中にキャラクタ予告演出を実行したことにもとづいて特典画像(所定の情報が含まれる二次元コード)が表示されるものである。キャラクタ予告演出は、所定のキャラクタを演出表示装置9に表示する演出である。
図46は、変形例1における演出制御プロセス処理における特定演出処理を示すフローチャートである。特定演出処理において、演出制御用CPU101は、ステップS2812の後、演出図柄の変動中であるか否かを判定する(ステップS4600A)。具体的には、演出制御プロセスフラグの値が演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値の「2」であるか否かを判定する。変動中である場合には、特定演出の終了後であり、且つ、特定演出の実行中に開始された変動の実行中であることを示す終了後フラグをセットし(ステップS4600B)、ステップS2807へ移行する。変動中でない場合には、そのままステップS2807へ移行する。
この変形例1では、演出制御用CPU101は、図31に示した予告演出設定処理(ステップS8003)において、所定のキャラクタ画像を表示するキャラクタ予告演出を実行するか否かを決定するキャラクタ予告実行抽選が行われ、実行することが決定された場合にはステップS8004B,S8004E,S8004Fにおいてキャラクタ予告演出に応じたプロセステーブルが選択されるものである。具体的には、図47に示すキャラクタ予告実行抽選テーブルを用いて、キャラクタ予告実行抽選を実行する。
図47は、変形例1におけるキャラクタ予告実行抽選テーブルを示す説明図である。図47に示すキャラクタ予告実行抽選テーブルには、可変表示結果に応じてキャラクタ予告演出の実行の有無に対応する判定値が割り当てられているが、図47に示す例では、説明を簡略化するために、割り当てられた判定値の割合が示されている。演出制御用CPU101は、例えば、キャラクタ予告実行抽選用の乱数を抽出し、抽出した乱数に一致する判定値が割り当てられている決定事項に決定する。
例えば、可変表示結果が大当りである場合、20/100の割合でキャラクタ予告演出を実行することが決定され、80/100の割合でキャラクタ予告演出を実行しないことが決定される。また、例えば、可変表示結果がはずれである場合、10/100の割合でキャラクタ予告演出を実行することが決定され、90/100の割合でキャラクタ予告演出を実行しないことが決定される。なお、この変形例1では、可変表示結果が大当りである場合とはずれである場合とで異なる割合にてキャラクタ予告演出の実行の有無を決定することとしたが、可変表示結果にかかわらずキャラクタ予告演出の実行の有無を決定することとしてもよい。例えば、可変表示結果が大当りであるかはずれであるかにかかわらず一律の割合(例えば、1/20)でキャラクタ予告演出を実行することとしてもよい。
図48は、変形例1における演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、ステップS8115のNである場合、またはステップS8121の後、キャラクタ予告演出の実行タイミングであるか否かを判定し(ステップS4801)、実行タイミングでない場合にはステップS8103へ移行する。この変形例1では、変動を開始してから2秒後をキャラクタ予告演出の実行タイミングとするが、変動パターンにもとづいてキャラクタ予告演出の実行タイミングが異なることとしてもよいし、複数のタイミングからキャラクタ予告演出の実行タイミングを抽選によって決定することとしてもよい。
キャラクタ予告演出の実行タイミングである場合には、演出制御用CPU101は、特定演出フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS4802)、セットされている場合には、特典画像(所定の情報が含まれる二次元コード)を表示する(ステップS4804)。このように、この変形例1では、特定演出の実行中にキャラクタ予告演出が実行された場合に特定画像を表示することにより特典を付与することとしている。なお、特定演出の実行中にキャラクタ予告演出が実行された場合とは、該キャラクタ予告演出が実行された変動が特定演出の開始中に開始された場合と、該キャラクタ予告演出が実行された変動が特定演出の実行前に開始された場合とを含む。
また、特定演出フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU101は、終了後フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS4803)、セットされていない場合にはステップS8103へ移行する。セットされている場合にはステップS4804へ移行する。このように、この変形例1では、特定演出の終了後であり、且つ、特定演出の実行中に開始された変動の実行中にキャラクタ予告演出が実行された場合にも、特定画像を表示することにより特典を付与することとしている。
図49および図50は、変形例1における特典画像を表示する場合のタイミングチャートである。各タイミングチャートには、特定演出の実行の有無、特別図柄の変動の有無およびキャラクタ予告演出の実行の有無について示すタイミングチャートと、各タイミングにおける演出表示装置9の表示例とを示している。
図49には、特定演出の実行前に開始された可変表示の実行中において、特定演出の実行中にキャラクタ予告演出が実行された場合のタイミングチャートを示している。まず、特定演出が実行されていないタイミングa11にて変動が開始される。そして、タイミングa12にて特定演出が実行される。そして、特定演出の実行中であるタイミングa13にてキャラクタ予告演出が実行されることにより特定演出における指令を達成し、特典画像が表示される。このように、この変形例1では、特定演出の実行前に開始された変動にもとづいてキャラクタ予告演出が実行される場合であっても、特定演出の実行中にキャラクタ予告演出が実行される場合には、特典を付与するものとしている。
図50には、特定演出の実行中に開始された可変表示の実行中において、特定演出の終了後にキャラクタ予告演出が実行された場合のタイミングチャートを示している。まず、特定演出を実行しているタイミングb11にて変動が開始される。そして、タイミングb12にて特定演出の実行が終了され、特定演出の終了後であるタイミングb13にてキャラクタ予告演出が実行されることにより特定演出における指令を達成し、特典画像が表示される。このように、この変形例1では、特定演出の終了後にキャラクタ予告演出が実行される場合であっても、特定演出の実行中に開始した変動にもとづいてキャラクタ予告演出が実行される場合には、特典を付与するものとしている。
以上に説明したように、この変形例1によれば、可変表示を行う遊技機であって、計時を行う計時手段(本例では、リアルタイムクロック108、演出制御用CPU101によって実現される時間計測タイマ)と、計時手段による計時結果にもとづいて特定演出を実行可能である特定演出実行手段(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ100がステップS2803を実行する部分)と、可変表示の実行中に所定演出(本例では、キャラクタ予告演出)を実行可能な所定演出実行手段(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ100が、キャラクタ予告演出を実行する場合に選択されたプロセスデータを用いてステップS8006,S8105を実行する部分)と、特典を付与する付与手段(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ100が、ステップS4804を実行することにより特典画像を表示する部分)とを備え、付与手段は、特定演出の実行中に所定演出が実行されたときに特典を付与する(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS4801〜S4804を実行する)こととした。
また、この変形例1では、付与手段は、特定演出の実行前に開始された可変表示において、特定演出の実行中に所定演出が実行されたときにも特典を付与する(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、特定演出の実行中にキャラクタ予告演出を実行するときには、該キャラクタ予告演出を実行する変動が特定演出の実行前に開始されたものであってもステップS4804を実行する)こととした。これにより、特定演出の実行中に所定演出が実行されれば、特定演出の実行前に開始された可変表示の実行中に所定演出が実行されるときであっても特典を付与することとなるため、遊技者に不信感を与えることを防止することができる。
また、この変形例1では、付与手段は、特定演出の実行中に開始された可変表示において、特定演出の終了後に所定演出が実行されたときにも特典を付与する(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、特定演出の終了後にキャラクタ予告演出を実行する場合であっても、該キャラクタ予告演出を実行する変動が特定演出の実行中に開始されたものであれば(ステップS4803において終了後フラグがセットされていれば)、ステップS4804を実行する)こととした。これにより、特定演出の実行中に開始された可変表示において所定演出が実行されれば、特定演出の終了後に所定演出が実行されるときであっても特典を付与することとなるため、遊技者に不信感を与えることを防止することができる。
なお、上述した第1の実施の形態においては有利状態に制御されることを指令とした特定演出(以下、「第1特定演出」ということがある)を実行可能であり、変形例1においては所定演出が実行されることを指令とした特定演出(以下、「第2特定演出」ということがある)を実行可能であることとしたが、第1特定演出および第2特定演出の両方を実行可能であることとしてもよいし、いずれか一方の特定演出のみを実行可能であることとしてもよい。
この変形例1では、キャラクタ予告演出が実行されたタイミングにて特典を付与することとしたが、これに限るものではなく、キャラクタ予告演出が実行されたタイミングよりも後のタイミング(例えば、キャラクタ予告演出の変動終了時、特定演出の終了時、次の変動中(変動開始時および変動終了時を含む)、次回の大当り発生中(大当り開始時および大当り終了時を含む)など)にて特典を付与することとしてもよい。
なお、この変形例1では、特定演出の実行中にキャラクタ予告演出が実行された場合、または特定演出の終了後であり、且つ、特定演出の実行中に開始された変動の実行中にキャラクタ予告演出が実行された場合に特典を付与することとしたが、これに限るものではなく、例えば、特定演出の実行前に開始されて特定演出の実行中に終了する変動において、特定演出の実行前にキャラクタ予告演出を実行した場合であっても、特典を付与することとしてもよい。
実施の形態2.
第1の実施の形態では、特定演出の終了後の特典の付与の有無については、特定演出の実行中に開始された変動にもとづいて特定演出の終了後に大当り遊技状態に制御されることを条件として特典を付与する構成を示したが、特定演出の実行中に所定の演出を実行したことを更なる条件として特典を付与することとしてもよい。以下、特定演出の実行中に開始された変動にもとづいて特定演出の終了後に大当り遊技状態に制御されることと、特定演出の実行中に所定の演出(実行中の可変表示にもとづいて大当り遊技状態に制御することを報知する確定報知演出)を実行したこととを条件として特典を付与するよう構成する第2の実施の形態について説明する。
なお、この実施の形態において、第1の実施の形態と同様の構成および処理をなす部分についてはその詳細な説明を省略し、主として第1の実施の形態と異なる部分について説明する。
図51は、第2の実施の形態における演出図柄変動開始処理(ステップS801)の具体例を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、ステップS8004AのYである場合、ステップS8004Cへ移行する。このように、第2の実施の形態における演出図柄変動開始処理では、特定演出の実行中における大当り変動の開始時には達成フラグをセットしないものである。
また、第2の実施の形態では、演出制御用CPU101は、ステップS8003において、大当りに制御することを報知する確定予告演出を実行するか否かを決定する確定予告演出実行抽選を行う。具体的には、図52に示す確定予告演出実行抽選テーブルを用いて、確定予告演出実行抽選を実行する。
図52は、第2の実施の形態における確定予告演出実行抽選テーブルを示す説明図である。図52に示す確定予告演出実行抽選テーブルには、可変表示結果に応じて確定予告演出の実行の有無に対応する判定値が割り当てられているが、図52に示す例では、説明を簡略化するために、割り当てられた判定値の割合が示されている。演出制御用CPU101は、例えば、確定予告演出実行抽選用の乱数を抽出し、抽出した乱数に一致する判定値が割り当てられている決定事項に決定する。
例えば、可変表示結果が大当りである場合、10/100の割合で確定予告演出を実行することが決定され、90/100の割合で確定予告演出を実行しないことが決定される。また、例えば、可変表示結果がはずれである場合、0/100の割合で確定予告演出を実行することが決定され、100/100の割合で確定予告演出を実行しないことが決定される。このように、確定予告演出が発生した場合には必ず大当りに制御されるよう構成されている。
図53は、第2の実施の形態における演出図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、ステップS8115のNである場合、またはステップS8121の後、確定予告演出の実行タイミングであるか否かを判定し(ステップS8125)、実行タイミングでない場合にはステップS8103へ移行する。この第2の実施の形態では、変動を開始してから10秒後を確定予告演出の実行タイミングとするが、変動パターンにもとづいて確定予告演出の実行タイミングが異なることとしてもよいし、複数のタイミングから確定予告演出の実行タイミングを抽選によって決定することとしてもよい。
確定予告演出の実行タイミングである場合には、演出制御用CPU101は、特定演出フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS8126)、セットされている場合には達成フラグをセットする(ステップS8127)。このように、第2の実施の形態では、特定演出の実行中に確定予告演出を実行する場合にも、特定演出における指令が達成されたものとするものである。特定演出の実行中に確定予告演出を実行する場合には、特定演出の実行中に大当りに制御される場合と、特定演出の終了後に大当りに制御される場合とが含まれるものである。
図54は、第2の実施の形態における確定予告演出を特定演出の実行中に実行する場合のタイミングチャートである。このタイミングチャートには、特定演出の実行の有無、特別図柄の変動の有無、大当り遊技状態の制御の有無および確定予告演出の実行の有無について示すタイミングチャートと、各タイミングにおける演出表示装置9の表示例とを示している。
まず、特定演出が実行されているタイミングe1にて変動が開始される。そして、タイミングe2にて確定予告演出が実行されることにより、達成フラグがセットされる。そして、タイミングe3にて特定演出が終了し、変動が停止されるタイミングe4から大当り遊技状態に制御される。そして、達成フラグがセットされていることからラウンド10が行われるタイミングe5〜e6において特殊選択演出が実行される。このように、第2の実施の形態では、特定演出の終了後に大当り遊技状態に制御される場合であっても、特定演出の実行中に確定予告演出が実行された場合には、特典を付与するものとしている。なお、上述したように、特定演出における指令が達成されて特典が付与されるパターンのうち主なパターンは、特定演出の実行中に大当り変動の開始および停止が行われるパターンであり、第2の実施の形態にて説明したパターン(特定演出の実行中に開始されて特定演出の終了後に終了する変動にもとづいて特典を付与するパターン)は、特定演出における指令が達成されて特典が付与されるパターンのうちイレギュラーなパターンである。
以上に説明したように、第2の実施の形態によれば、可変表示を行い、遊技者にとって有利な有利状態(本例では、大当り遊技状態)に制御可能な遊技機であって、計時を行う計時手段(本例では、リアルタイムクロック108、演出制御用CPU101によって実現される時間計測タイマ)と、計時手段による計時結果にもとづいて特定演出を実行可能である特定演出実行手段(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ100が、ステップS2803を実行する部分)と、可変表示の実行中に、有利状態に制御することを報知する報知演出(確定予告演出)を実行可能である報知演出実行手段(確定予告演出を実行することに応じてステップS8004B,S8004E,S8004Fのいずれかの処理において選択したプロセステーブルを用いてステップS8006,S8105を実行する部分)と、特典を付与する付与手段(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ100が、ステップS4408において選択した特殊選択演出に応じたプロセスデータに応じてステップS4412,S3809を実行する部分)とを備え、付与手段は、特定演出の実行中に有利状態に制御されるときに特典を付与し(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ100が、演出図柄変動停止処理(ステップS803)において、特定演出の実行中に大当り変動が終了する場合には達成フラグをセットし(ステップS863,S620A〜S620D)、ラウンド10において達成フラグがセットされているときには特殊選択演出に応じたプロセスデータを選択し(ステップS4408)、ステップS4412,S3809を実行する)、特定演出の実行中に報知演出が実行され、特定演出の終了後に有利状態に制御されるときにも特典を付与する(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、特定演出の実行中に確定予告演出を実行するときには、実行中の大当り変動が特定演出の終了後に終了するものであっても達成フラグをセットし(ステップS8127)、ラウンド10において達成フラグがセットされているときにステップS4408において選択したプロセスデータに応じてステップS4412,S3809を実行する)こととした。これにより、特定演出の実行中に報知演出が実行されれば、特定演出の終了後に有利状態に制御される場合であっても特典を付与することとなるため、遊技者に不信感を与えることを防止することができる。
なお、この実施の形態2では、大当り遊技状態に制御することを明示する(「確定だよ」といった文字情報を表示する)確定報知演出を「報知演出」として実行することとしたが、大当り遊技状態に制御する可変表示においてのみ実行する演出であれば、これに限るものではない。例えば、特定のキャラクタのカットインが演出表示装置9に表示される演出や、特定の音声がスピーカ27から出力される演出や、特定の発光部材が発光する演出など、いずれの演出部材を用いた演出であってもよい。また、全ての演出図柄が同一図柄で揃いつつ変動する演出(いわゆる、全回転演出)を「報知演出」として実行することとしてもよい。
なお、第2の実施の形態では、可変表示結果が大当りである場合には実行し得るが、はずれである場合には実行しない演出(確定予告演出)を「報知演出」として実行可能であることとしたが(図52参照)、実行したときに大当りとなる割合が高い演出(大当りに対する信頼度が高い演出)を「報知演出」として実行可能であればよく、これに限るものではない。例えば、可変表示結果が大当りである場合には10/100の割合で実行し(90/100の割合で実行しない)、可変表示結果がはずれである場合には1/100の割合で実行する(99/100の割合で実行しない)演出を「報知演出」として実行可能であることとしてもよい。
実施の形態3.
第1の実施の形態では、特定演出の終了後の特典の付与の有無については、特定演出の実行中に開始された変動にもとづいて特定演出の終了後に大当り遊技状態に制御されることを条件として特典を付与する構成を示したが、特定演出の実行中に所定の演出を実行したことを条件として特典を付与することとしてもよい。以下、特定演出の終了後に大当り遊技状態に制御されることと、特定演出の実行中に所定の演出(実行中の可変表示より後に記憶されている保留記憶にもとづいて大当り遊技状態に制御することを報知する先読み報知演出)を実行したこととを条件として特典を付与するよう構成する第3の実施の形態について説明する。
なお、この実施の形態において、第1の実施の形態と同様の構成および処理をなす部分についてはその詳細な説明を省略し、主として第1の実施の形態と異なる部分について説明する。
また、第1の実施の形態においては、第1特別図柄の変動表示に対して第2特別図柄の変動表示が優先して実行されることとしたが、第3の実施の形態においては、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とに遊技球が入賞した始動入賞順に従って、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示が実行されることとする。
また、第3の実施の形態において、CPU56は、図11および図12に示したコマンドに加えて、コマンドC4XX(H)およびコマンドC6XX(H)を送信可能である。コマンドC4XX(H)およびコマンドC6XX(H)は、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。このうち、コマンドC4XX(H)は、入賞時判定結果のうち、大当りとなるか否かや、大当りの種別の判定結果を示す演出制御コマンド(図柄指定コマンド)である。また、コマンドC6XX(H)は、入賞時判定結果のうち、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す演出制御コマンド(変動カテゴリコマンド)である。
この実施の形態では、後述する入賞時演出処理(図58参照)において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞時に、大当りとなるか否かや、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲にとなるかを判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、大当りとなることを指定する値や、大当りの種別を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う。また、変動カテゴリコマンドのEXTデータに判定結果としての判定値の範囲を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う。なお、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄指定コマンドに設定されている値にもとづいて、表示結果が大当りとなるか否か、大当りの種別を認識できるとともに、変動カテゴリコマンドにもとづいて、変動パターン種別判定用乱数の値が所定の判定値となる場合には変動パターン種別を認識できる。
図55は、第3の実施の形態における図柄指定コマンドの内容の一例を示す説明図である。図55に示すように、第3の実施の形態では、大当りとなるか否かと、大当りの種別とに応じて、EXTデータが設定され、図柄指定コマンドが送信される。
例えば、後述する入賞時演出処理において、「はずれ」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「00(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄1指定コマンド)を送信する。また、例えば、「15R確変大当り」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「01(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄2指定コマンド)を送信する。また、例えば、「10R確変大当り」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「02(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄3指定コマンド)を送信する。なお、図柄指定コマンドに設定されるEXTデータと、表示結果指定コマンドに設定されるEXTデータとを共通化してもよい。そのように構成すれば、図柄指定コマンドを設定する際と表示結果指定コマンドを設定する際とで、読み出すデータを共通化することができる。
図56および図57は、第3の実施の形態における変動カテゴリコマンドの内容の一例を示す説明図である。図56および図57に示すように、この実施の形態では、いずれの遊技状態であるかと、特別図柄や演出図柄の表示結果がいずれの表示結果となるかと、始動入賞時に変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲になると判定したとかとに応じて、EXTデータに値が設定され、変動カテゴリコマンドが送信される。
例えば、始動入賞時に、遊技状態が通常状態且つはずれとなると判定した場合、後述する入賞時演出処理のステップS232において、CPU56は、まず、変動パターン種別判定用乱数の値が1〜79となるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の値が1〜79となる場合には、CPU56は、EXTデータに「00(H)」を設定した変動カテゴリ1コマンドを送信する。なお、この実施の形態では、遊技状態が通常状態である場合には、合算保留記憶数にかかわらず、判定値1〜79の範囲には非リーチCA2−1の変動パターン種別が共通に割り当てられているのであるから、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動カテゴリ1コマンドを受信したことにもとづいて、少なくとも変動パターン種別が非リーチCA2−1となることを認識することができる。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が80〜89となる場合には、EXTデータに「01(H)」を設定した変動カテゴリ2コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が90〜99となる場合には、EXTデータに「02(H)」を設定した変動カテゴリ3コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が100〜169となる場合には、EXTデータに「03(H)」を設定した変動カテゴリ4コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が170〜199となる場合には、EXTデータに「04(H)」を設定した変動カテゴリ5コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が200〜214となる場合には、EXTデータに「05(H)」を設定した変動カテゴリ6コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が215〜229となる場合には、EXTデータに「06(H)」を設定した変動カテゴリ7コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が230〜251となる場合には、EXTデータに「07(H)」を設定した変動カテゴリ8コマンドを送信する。なお、この実施の形態では、遊技状態が通常状態である場合には、合算保留記憶数にかかわらず、判定値230〜251の範囲にはスーパーCA2−7の変動パターン種別が共通に割り当てられているのであるから、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動カテゴリ8コマンドを受信したことにもとづいて、少なくとも変動パターン種別がスーパーCA2−7となることを認識することができる。
なお、上記のいずれの変動カテゴリに属するかを判定するために用いられる閾値79、89、99、169、199、214および229は、具体的には、図9(C),(D)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブルにおける各変動パターン種別に割り当てられた判定値の範囲の境界となりうる値をピックアップして導き出されたものである。このことは、以降の変動カテゴリ9〜11,21〜26についても同様であり、図9(A),(B),(E)に示す変動パターン種別判定テーブルにおける各変動パターン種別に割り当てられた判定値の範囲の境界となりうる値をピックアップしてカテゴリ判定のために用いられる閾値が導き出される。
また、例えば、始動入賞時に、遊技状態が確変状態且つはずれとなると判定した場合、後述する入賞時演出処理のステップS232において、CPU56は、まず、変動パターン種別判定用乱数の値が1〜190となるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の値が1〜190となる場合(すなわち、非リーチCA2−3の変動パターン種別となる場合)には、CPU56は、EXTデータに「08(H)」を設定した変動カテゴリ9コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が191〜219となる場合(すなわち、スーパーCA2−4の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「09(H)」を設定した変動カテゴリ10コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が220〜251となる場合(すなわち、スーパーCA2−7の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「0A(H)」を設定した変動カテゴリ11コマンドを送信する。
なお、遊技状態が確変状態(高確率/高ベース状態)である場合にも、判定値230〜251の範囲にスーパーCA2−7の変動パターン種別を割り当てるようにしてもよい。そのようにすれば、遊技状態にかかわらず、スーパーCA2−7の変動パターン種別に対して共通の判定値が割り当てられるようにすることができる。そのため、後述する入賞時演出の処理のステップS232の処理を実行する際に、はずれであれば、遊技状態にかかわらず共通の判定処理を行えばよくなり、プログラム容量をより低減することができる。また、この場合、ステップS226の遊技状態の判定処理も不要とすることができる。
また、例えば、始動入賞時に、「10R確変大当り」となると判定した場合、後述する入賞時演出処理のステップS232において、CPU56は、まず、変動パターン種別判定用乱数の値が1〜74となるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の値が1〜74となる場合(すなわち、ノーマルCA3−1の変動パターン種別となる場合)には、CPU56は、EXTデータに「10(H)」を設定した変動カテゴリ21コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が75〜149となる場合(すなわち、ノーマルCA3−2の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「11(H)」を設定した変動カテゴリ22コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が150〜251となる場合(すなわち、スーパーCA3−3の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「12(H)」を設定した変動カテゴリ23コマンドを送信する。
また、例えば、始動入賞時に、「15R確変大当り」となると判定した場合、後述する入賞時演出処理のステップS232において、CPU56は、まず、変動パターン種別判定用乱数の値が1〜38となるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の値が1〜38となる場合(すなわち、ノーマルCA3−1の変動パターン種別となる場合)には、CPU56は、EXTデータに「13(H)」を設定した変動カテゴリ24コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が39〜79となる場合(すなわち、ノーマルCA3−2の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「14(H)」を設定した変動カテゴリ25コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が80〜251となる場合(すなわち、スーパーCA3−3の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「15(H)」を設定した変動カテゴリ26コマンドを送信する。
図58は、第3の実施の形態における入賞時演出処理を示すフローチャートである。入賞時演出処理は、第3の実施の形態において、図14におけるステップS1215の後またはステップS1221の後に実行される。入賞時演出処理では、CPU56は、まず、ステップS1215,S1221で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図8(A)の左欄に示す通常時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(ステップS220)。この実施の形態では、特別図柄および演出図柄の変動を開始するタイミングで、特別図柄通常処理において大当りとするか否か、大当り種別を決定したり、変動パターン設定処理において変動パターンを決定したりするのであるが、それとは別に、遊技球が第1始動入賞口13や第2始動入賞口14に始動入賞したタイミングで、その始動入賞にもとづく変動表示が開始される前に、入賞時演出処理を実行することによって、あらかじめ大当りとなるか否かや、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲にとなるかを確認する。そのようにすることによって、演出図柄の変動表示が実行されるより前にあらかじめ変動表示結果や変動パターン種別を予測し、後述するように、入賞時の判定結果にもとづいて、演出制御用マイクロコンピュータ100によって演出図柄の変動表示中に大当りの信頼度を予告する先読み予告演出を実行する。
大当り判定用乱数(ランダムR)が通常時の大当り判定値と一致しなければ(ステップS220のN)、CPU56は、遊技状態が確変状態であることを示す確変フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS221)。確変フラグがセットされていれば、CPU56は、ステップS1215,S1221で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図8(A)の右欄に示す確変時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(ステップS222)。なお、始動入賞時にステップS221で確変状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間には、複数の変動表示が実行される可能性がある。そのため、始動入賞時にステップS221で確変状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間に遊技状態が変化している(例えば、変動開始前に15R確変大当りや、10R確変大当りが発生した場合には通常状態から確変状態に変化している。)場合がある。そのため、始動入賞時にステップS221で判定する遊技状態と変動開始時に判定する遊技状態(ステップS61参照)とは、必ずしも一致するとは限らない。なお、そのような不一致を防止するため、現在記憶している保留記憶内の遊技状態の変更を伴うものを特定して、変更後の遊技状態にもとづいて始動入賞時の判定を行うようにしてもよい。
大当り判定用乱数(ランダムR)が確変時の大当り判定値とも一致しなければ(ステップS222のN)、CPU56は、「はずれ」となることを示すEXTデータ「00(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う(ステップS224)。
次いで、CPU56は、現在の遊技状態を判定する処理を行う(ステップS225)。この実施の形態では、CPU56は、ステップS225において、遊技状態が確変状態であるか否か(具体的には、確変フラグがセットされているか否か)を判定する。なお、始動入賞時にステップS225で確変状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間には、複数の変動表示が実行される可能性がある。そのため、始動入賞時にステップS225で確変状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間に遊技状態が変化している(例えば、変動開始前に15R確変大当りや、10R確変大当りが発生した場合には通常状態から確変状態に変化している。)場合がある。そのため、始動入賞時にステップS225で判定する遊技状態と変動開始時に判定する遊技状態(ステップS61参照)とは、必ずしも一致するとは限らない。なお、そのような不一致を防止するため、現在記憶している保留記憶内の遊技状態の変更を伴うものを特定して、変更後の遊技状態にもとづいて始動入賞時の判定を行うようにしてもよい。
そして、CPU56は、ステップS225の判定結果に応じて、はずれ用の各閾値を設定する(ステップS226)。この実施の形態では、あらかじめ閾値判定を行う閾値判定プログラムが組み込まれており、閾値より大きいか否かを判定することにより、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲にとなるかが判定され、図56および図57に示す変動カテゴリコマンドに設定するEXTデータの値が決定される。
例えば、CPU56は、遊技状態が確変状態であると判定した場合には閾値190および219を設定する。この場合、CPU56は、後述するステップS232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値190以下であるか否かを判定し、閾値219以下である場合(すなわち、1〜190である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「08(H)」を設定すると判定する(図56参照)。また、閾値219以下である場合(すなわち、191〜219である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「09(H)」を設定すると判定する(図56参照)。また、閾値219以下でない場合(すなわち、220〜251である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「0A(H)」を設定すると判定する(図56参照)。
また、例えば、CPU56は、遊技状態が通常状態であると判定した場合には、合算保留記憶数にかかわらず、閾値79、89、99、169、199、214および229を設定する。この場合、CPU56は、後述するステップS232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値79以下であるか否かを判定し、閾値79以下である場合(すなわち、1〜79である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「00(H)」を設定すると判定する(図56参照)。また、閾値89以下である場合(すなわち、80〜89である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「01(H)」を設定すると判定する(図56参照)。また、閾値99以下である場合(すなわち、90〜99である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「02(H)」を設定すると判定する(図56参照)。また、閾値169以下である場合(すなわち、100〜169である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「03(H)」を設定すると判定する(図56参照)。また、閾値199以下である場合(すなわち、170〜199である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「04(H)」を設定すると判定する(図56参照)。また、閾値214以下である場合(すなわち、200〜214である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「05(H)」を設定すると判定する(図56参照)。また、閾値229以下である場合(すなわち、215〜229である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「06(H)」を設定すると判定する(図56参照)。また、閾値229以下でない場合(すなわち、230〜251である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「07(H)」を設定すると判定する(図56参照)。
なお、上記に示す閾値判定の例では、閾値の値が小さい方から順に79、89、99、169、199、214および229と判定していくので、後の順番の閾値で判定されたものが前の順番の閾値以下の範囲内となることはない。すなわち、閾値79以下であるか否かを判定した後に、閾値89以下であるか否かを判定するときには、前の順番の閾値以下の1〜79の範囲内となることはなく、80〜89の範囲であるか否かを判定することになる。また、この実施の形態では、閾値の値が小さい方から順に79、89、99、169、199、214および229と判定していく場合を示したが、逆に大きい方から順に229、214、199、169、99、89および79と判定していってもよい。このことは、以下に示す他の閾値を用いた判定を行う場合も同様である。
なお、ステップS225の遊技状態の判定を行うことなく、常に通常状態における閾値を設定するようにしてもよい。そのように構成しても、少なくとも「非リーチはずれ」となる変動パターン種別と「スーパーリーチはずれ」となる変動パターン種別とに関しては判定値の範囲が共通化されているのであるから、「非リーチはずれ」や「スーパーリーチはずれ」となるか否かについては判定することができる。
ステップS220またはステップS222で大当り判定用乱数(ランダムR)が大当り判定値と一致した場合には、CPU56は、ステップS1215,S1221で抽出した大当り種別判定用乱数(ランダム1)にもとづいて大当りの種別を判定する(ステップS229)。この場合、CPU56は、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合(ステップS1215の後に入賞時演出処理を実行する場合)には、図8(B)に示す大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)を用いて大当り種別が「15R確変大当り」または「8R確変大当り」のいずれとなるかを判定する。また、第2始動入賞口14への始動入賞があった場合(ステップS1221の後に入賞時演出処理を実行する場合)には、図8(C)に示す大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)を用いて大当り種別が「15R確変大当り」または「10R確変大当り」のいずれとなるかを判定する。
次いで、CPU56は、大当り種別の判定結果に応じたEXTデータを図柄指定コマンドに設定する処理を行う(ステップS230)。この場合、「15R確変大当り」となると判定した場合には、CPU56は、「15R確変大当り」となることを示すEXTデータ「01(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う。また、「10R確変大当り」となると判定した場合には、CPU56は、「10R確変大当り」となることを示すEXTデータ「02(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う。
そして、CPU56は、ステップS229で判定した大当り種別に応じて、大当り用の各閾値を設定する(ステップS231)。
例えば、CPU56は、「10R確変大当り」と判定した場合には、閾値74および149を設定する。この場合、CPU56は、後述するステップS232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値74以下であるか否かを判定し、閾値74以下である場合(すなわち、1〜74である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「10(H)」を設定すると判定する(図57参照)。また、閾値149以下である場合(すなわち、75〜149である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「11(H)」を設定すると判定する(図57参照)。また、閾値149以下でない場合(すなわち、150〜251である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「12(H)」を設定すると判定する(図57参照)。
また、例えば、CPU56は、「15R確変大当り」と判定した場合には、閾値38および79を設定する。この場合、CPU56は、後述するステップS232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値38以下であるか否かを判定し、閾値38以下である場合(すなわち、1〜38である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「13(H)」を設定すると判定する(図57参照)。また、閾値79以下である場合(すなわち、39〜79である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「14(H)」を設定すると判定する(図57参照)。また、閾値79以下でない場合(すなわち、80〜251である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「15(H)」を設定すると判定する(図57参照)。
次いで、CPU56は、ステップS226,S231で設定した閾値と、ステップS1215,S1221で抽出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)とを用いて、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかを判定する(ステップS232)。
なお、ステップS226,S231において、あらかじめ定められた閾値を設定するのではなく、変動パターン種別判定テーブル(図9参照)を設定するようにし、ステップS232において、設定した変動パターン種別判定テーブルを用いて、変動パターン種別判定用乱数の値の範囲やいずれの変動パターン種別となるかを判定するようにしてもよい。
そして、CPU56は、判定結果に応じたEXTデータを変動カテゴリコマンドに設定する処理を行う(ステップS233)。具体的には、CPU56は、ステップS232でいずれの変動パターン種別になると判定したかに応じて、図56および図57に示すような「00(H)」〜「0A(H)」、「10(H)」〜「15(H)」のいずれかの値を変動カテゴリコマンドのEXTデータに設定する処理を行う。
なお、この実施の形態では、入賞時判定において大当りとなると判定した場合であっても一律に変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの範囲となるかを判定する場合を示したが、大当りとなると判定した場合には、変動パターン種別判定用乱数の値の範囲の判定を行わないようにしてもよい。そして、大当りとなると入賞時判定したことを示す図柄指定コマンドを送信するとともに、大当りの変動パターン種別となることを包括的に示す変動カテゴリコマンドを送信するようにしてもよい。そして、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、具体的にいずれの変動パターン種別となるかまでは示されていないものの、包括的にいずれかの大当りの変動パターン種別となることが示された変動カテゴリコマンドを受信したことにもとづいて、後述する先読み予告演出を実行するようにしてもよい。
入賞時演出処理において設定された入賞時判定結果指定コマンド(図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンド)は、CPU56から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信され、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した入賞時判定結果指定コマンド(図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンド)を所定の格納領域に格納するものである。格納された入賞時判定結果指定コマンド(図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンド)は、該コマンドに対応する変動が開始されるとともに削除される。
図59は、第3の実施の形態における保留変化予告演出処理を示すフローチャートである。保留変化予告演出処理は、演出制御用CPU101によって、演出制御プロセス処理(図28参照)におけるステップS800〜S807のいずれかを実行するよりも前に実行される処理であり、保留変化予告演出の実行についての処理である。保留変化予告演出とは、保留表示の表示態様を通常の態様(例えば、白色)から特殊な態様(例えば、青色、赤色、虹色)に変化させる演出である。
保留変化予告演出処理において、まず、演出制御用CPU101は、新たな始動入賞時コマンドを受信したか否かを判定し(ステップS3500)、受信していない場合はそのまま処理を終了する。新たな始動入賞時コマンドを受信した場合、演出制御用CPU101は、保留変化予告演出の実行中であるか否かを判定し(ステップS3501)、実行中である場合にはそのまま処理を終了する。これにより、複数の保留記憶に対する保留変化予告演出が同時に実行されることを防止しているが、複数の保留記憶に対する保留変化予告演出が同時に実行され得る構成としてもよい。
保留変化予告演出の実行中でない場合、演出制御用CPU101は、保留変化予告演出を実行するか否かを決定するための保留変化予告実行抽選を実行する(ステップS3502)。具体的には、図60(A)に示す保留変化予告実行抽選テーブルを用いて保留変化予告演出を実行するか否かを決定する。
図60(A)は、保留変化予告実行抽選テーブルを示す説明図である。図60(A)に示す保留変化予告実行抽選テーブルには入賞時判定結果に応じて保留変化予告演出の実行の有無に対応する判定値が割り当てられているが、図60(A)に示す例では、説明を簡略化するために、割り当てられた判定値の割合が示されている。演出制御用CPU101は、例えば、保留変化予告実行抽選用の乱数を抽出し、抽出した乱数に一致する判定値が割り当てられている決定事項に決定する。
例えば、入賞時判定結果が15R確変大当りまたは10R確変大当りである場合(新たな始動入賞時コマンドに図柄2指定コマンドまたは図柄3指定コマンドが含まれる場合)、70/100の割合で保留変化予告演出を実行することが決定され、30/100の割合で保留変化予告演出を実行しないことが決定される。
また、例えば、入賞時判定結果がスーパーリーチはずれである場合(新たな始動入賞時コマンドに図柄1指定コマンドが含まれるとともに、変動カテゴリ8コマンド、変動カテゴリ10コマンド、または変動カテゴリ11コマンドが含まれる場合)、30/100の割合で保留変化予告演出を実行することが決定され、70/100の割合で保留変化予告演出を実行しないことが決定される。
また、例えば、入賞時判定結果がその他である場合(新たな始動入賞時コマンドに図柄1指定コマンドが含まれるとともに、変動カテゴリ1コマンド〜変動カテゴリ7コマンド、変動カテゴリ9コマンドのうちいずれかの変動カテゴリコマンドが含まれる場合)、0/100の割合で保留変化予告演出を実行することが決定され、100/100の割合で保留変化予告演出を実行しないことが決定される。
ステップS3502の後、保留変化予告演出を実行することが決定された場合には(ステップS3503のY)、演出制御用CPU101は、保留変化予告演出における変化態様を決定する変化態様決定抽選を行う(ステップS3504)。具体的には、図60(B)に示す変化態様決定抽選テーブルを用いて保留変化予告演出における変化態様を決定する。
図60(B)は、変化態様決定抽選テーブルを示す説明図である。図60(B)に示す変化態様決定抽選テーブルには入賞時判定結果に応じて保留変化予告演出における変化態様に対応する判定値が割り当てられているが、図60(B)に示す例では、説明を簡略化するために、割り当てられた判定値の割合が示されている。演出制御用CPU101は、例えば、変化態様決定抽選用の乱数を抽出し、抽出した乱数に一致する判定値が割り当てられている決定事項に決定する。
例えば、入賞時判定結果が15R確変大当りまたは10R確変大当りである場合(新たな始動入賞時コマンドに図柄2指定コマンドまたは図柄3指定コマンドが含まれる場合)、20/100の割合で変化態様として「青色」が決定され、60/100の割合で変化態様として「赤色」が決定され、10/100の割合で変化態様として「虹色」が決定される。
また、例えば、入賞時判定結果がスーパーリーチはずれである場合(新たな始動入賞時コマンドに図柄1指定コマンドが含まれるとともに、変動カテゴリ8コマンド、変動カテゴリ10コマンド、または変動カテゴリ11コマンドが含まれる場合)、70/100の割合で変化態様として「青色」が決定され、30/100の割合で変化態様として「赤色」が決定され、0/100の割合で変化態様として「虹色」が決定される。
これにより、入賞時判定結果が大当りである場合に限り、変化態様として「虹色」が選択されるようになっている。従って、変化態様が「虹色」である保留変化予告演出が実行された場合には、大当りに制御することを報知するものである。
その後、演出制御用CPU101は、保留変化予告演出を実行する(ステップS3505)。具体的には、保留表示の表示態様を、保留変化予告実行抽選にて決定された表示態様(青色、赤色または虹色)に変更する。なお、保留表示を増加させる処理を、保留記憶加算指定コマンド(第1保留記憶加算指定コマンド、第2保留記憶加算指定コマンド)を受信したときに行うこととした場合には、保留変化予告演出を実行する場合であっても、通常の態様(例えば、白色)にて保留表示が一瞬だけ表示されてからステップS3505の処理により表示態様が通常とは異なる態様(例えば、青色、赤色または虹色)に変化されるものである。なお、保留変化予告演出を実行する場合には、通常の態様を経由することなく、最初から通常とは異なる態様(例えば、青色、赤色または虹色)にて表示されるものであってもよい。
その後、演出制御用CPU101は、保留変化予告演出における変化態様が「虹色」(以下、変化態様が「虹色」である保留記憶を「虹色保留」ということがある。)である場合には(ステップS3506のY)、特定演出フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS3507)、セットされている場合には達成フラグをセットして(ステップS3508)、処理を終了する。これにより、特定演出の実行中に変化態様が「虹色」である保留変化予告演出を実行した場合には、特定演出における指令を達成したものとするものである。
図61は、第3の実施の形態における変化態様が「虹色」である保留変化予告演出を特定演出の実行中に実行する場合のタイミングチャートである。このタイミングチャートには、特定演出の実行の有無、特別図柄の変動の有無、大当り遊技状態の制御の有無および変化態様が「虹色」である保留変化予告演出の実行の有無について示すタイミングチャートと、各タイミングにおける演出表示装置9の表示例とを示している。
まず、特定演出が実行されているタイミングf1にて始動入賞が発生し、入賞時判定結果が大当りであることから変化態様が「虹色」である保留変化予告演出が実行されることにより達成フラグがセットされ、タイミングf2にて特定演出が終了する。そして、タイミングf3にて虹色保留に対する変動が開始され、タイミングf4にて該変動が終了して大当り遊技状態に制御される。そして、達成フラグがセットされていることから、ラウンド10が行われるタイミングf5〜f6において特殊選択演出が実行される。このように、第3の実施の形態では、特定演出の終了後に大当り遊技状態に制御される場合であっても、特定演出の実行中に変化態様が「虹色」である保留変化予告演出が実行された場合には、特典を付与するものとしている。なお、上述したように、特定演出における指令が達成されて特典が付与されるパターンのうち主なパターンは、特定演出の実行中に大当り変動の開始および停止が行われるパターンであり、第3の実施の形態にて説明したパターン(特定演出の終了後に実行される変動にもとづいて特典を付与するパターン)は、特定演出における指令が達成されて特典が付与されるパターンのうちイレギュラーなパターンである。
以上に説明したように、第3の実施の形態によれば、可変表示を行い、遊技者にとって有利な有利状態(本例では、大当り遊技状態)に制御可能な遊技機であって、計時を行う計時手段(本例では、リアルタイムクロック108、演出制御用CPU101によって実現される時間計測タイマ)と、未だ開始していない可変表示について、保留情報として記憶する保留記憶手段(本例では、第1保留記憶バッファ、第2保留記憶バッファ)と、有利状態に制御するか否かを決定する決定手段(本例では、遊技出制御用マイクロコンピュータ560が、ステップS61を実行する部分)と、決定手段の決定よりも前に有利状態に制御されるか否かを判定する判定手段(本例では、遊技出制御用マイクロコンピュータ560が、ステップS220,S222を実行する部分)と、計時手段による計時結果にもとづいて特定演出を実行可能である特定演出実行手段(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ100が、ステップS2803を実行する部分)と、判定手段の判定にもとづいて、該判定の対象となった可変表示以前に実行される可変表示において、該判定の対象となった可変表示において有利状態に制御することを報知する先読み報知演出(本例では、変化態様が「虹色」である保留変化予告演出)を実行可能な先読み報知演出実行手段(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ100が、ステップS3505を実行する部分)と、特典を付与する付与手段(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ100における、ステップS4408において選択した特殊選択演出に応じたプロセスデータに応じてステップS4412,S3809を実行する部分)とを備え、付与手段は、特定演出の実行中に有利状態に制御されるときに特典を付与し(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出図柄変動停止処理(ステップS803)において、特定演出の実行中に大当り変動が終了する場合には達成フラグをセットし(ステップS863,S620A〜S620D)、ラウンド10において達成フラグがセットされているときには特殊選択演出に応じたプロセスデータを選択し(ステップS4408)、ステップS4412,S3809を実行する)、特定演出の実行中に先読み報知演出が実行され、特定演出の終了後に有利状態に制御されるときにも特典を付与する(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、特定演出の実行中に変化態様が「虹色」である保留変化予告演出を実行するときには、特定演出の終了後に大当り遊技状態に制御するものであっても達成フラグをセットし、ラウンド10において達成フラグがセットされているときにステップS4408において選択したプロセスデータに応じてステップS4412,S3809を実行する)こととした。これにより、特定演出の実行中に先読み報知演出が実行されれば、特定演出の終了後に有利状態に制御される場合であっても特典を付与することとなるため、遊技者に不信感を与えることを防止することができる。
なお、この第3の実施の形態では、先読み報知演出として、変化態様が「虹色」である保留変化予告演出を実行することとしたが、これに限るものではない。例えば、演出対象の変動を含む複数の変動、または演出対象の変動より前の変動において実行される一連の演出において大当り遊技状態に制御することを報知する演出を先読み報知演出として実行することとしてもよい。
また、この第3の実施の形態では、保留変化予告演出の変化態様として保留表示の色彩を変化させることとしたが、これに限るものではない。例えば、保留表示の形状や大きさを変化させるものであってもよい。
なお、第3の実施の形態では、入賞時判定結果が大当りである場合には実行し得るが、はずれである場合には実行しない演出(変化態様が「虹色」である保留変化予告演出)を「先読み報知演出」として実行可能であることとしたが(図60参照)、実行したときに大当りとなる割合が高い演出(大当りに対する信頼度が高い演出)を「先読み報知演出」として実行可能であればよく、これに限るものではない。例えば、入賞時判定結果が大当りである場合には10/100の割合で実行し(90/100の割合で実行しない)、可変表示結果がはずれである場合には1/100の割合で実行する(99/100の割合で実行しない)演出を「先読み報知演出」として実行可能であることとしてもよい。
ここで、各実施の形態における特典を付与する場合について改めて説明する。図62は、各実施の形態における特典を付与する場合についての概要を示す説明図である。図62には、特典を付与する場合におけるタイミング毎の特定演出の実行の有無および変動の有無が実施の形態毎に示されている。この説明図においては、特定演出の実行がタイミングTaに開始され、タイミングTbに終了されるものである。
まず、第1の実施の形態においては、タイミングTaよりも前に変動が開始された場合であっても、タイミングTaよりも後に大当り図柄が停止表示されれば、特典を付与するものである。また、第1の実施の形態においては、タイミングTbよりも後に大当り図柄が停止表示されて変動が終了する場合であっても、タイミングTbより前に該変動が開始されていれば、特典を付与するものである。
次に、第2の実施の形態においては、タイミングTbよりも後に大当り図柄が停止表示されて変動が終了する変動であっても、タイミングTbより前に該変動が開始されて確定報知演出が実行されていれば、特典を付与するものである。
次に、第3の実施の形態においては、タイミングTbよりも後に開始される変動において大当り図柄が停止表示される場合であっても、タイミングTbより前に該変動を予告対象とする虹色保留が発生したものであれば、特典を付与するものである。
また、上述した第1の実施の形態では、電源投入時のみ、リアルタイムクロック108の計時情報にもとづいて時間計測タイマをセットすることとしたが、所定期間毎にリアルタイムクロック108の計時情報にもとづいて時間計測タイマをセットし直すこととしてもよい。具体的には、以下の変形例2を用いて説明する。なお、上述した実施の形態と同じ箇所については、説明を省略する。なお、変形例2における「一斉演出」とは、第1の実施の形態における「特定演出」と同じ演出である。また、変形例2では、電源投入時または前回一斉演出開始時から60分経過したタイミング、または後述する一斉演出設定ボタンが操作されたことにもとづいたタイミングにて「一斉演出」を実行するものとする。
図63は、変形例2における演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。変形例2においては、ステップS701の後、ステップS702へ移行する。なお、ステップS701においては、演出制御の起動間隔として20msを決定するものである。すなわち、変形例2における演出制御処理は、20ms毎に起動されることになる。
また、変形例2において、演出制御用CPU101は、ステップS703の後、時間計測タイマを設定済みであるか否かを確認する(ステップS703a)。時間計測タイマを設定済みでない場合には、演出制御用CPU101は、リアルタイムクロック108からフルセットの時刻情報(日・時・分・秒)を読み出す(ステップS703b)。また、ステップS703bでは、読み出した時刻情報を、基準時刻情報として記憶する。次いで、演出制御用CPU101は、一斉演出設定データにもとづいて時間計測タイマをセットする(ステップS703c)。その後、ステップS702に移行する。
時間計測タイマは、演出制御用CPU101によって実現され、一斉演出を開始するタイミングを計時するために用いられる。この変形例2では、ステップS703cにおいて、一斉演出設定データに定められたタイミング(初期値は、電源投入時または前回一斉演出開始時から60分経過したタイミング)で時間計測タイマがタイムアウトするように時間計測タイマに値がセットされる。例えば、リアルタイムクロック108から読み出した時刻情報が6月11日・9時・30分・0秒であった場合には、ステップS703cにおいて、10時30分までの60分間に相当する値が時間計測タイマにセットされる。具体的には、時間計測タイマは、ステップS703cにおいて、60分間に相当する値として180000がセットされ、20ms毎に実行される時間計測処理(詳細については後述する)のステップS750bにおいて、値が1減算される。そして、時間計測タイマの値が0になると、すなわち時間計測タイマがタイムアウトすると、60分(20ms×180000)が経過したことを示しているため、計時結果が所定条件を満たしたとして、一斉演出が開始される。なお、この変形例2では、電源投入時から一斉演出設定データに示された期間(初期値は60分)が経過するごとに一斉演出が実行されるため、ステップS703bで電源投入時に読み出した時刻情報と、一斉演出設定データに示された期間とにもとづいて、一斉演出を開始する各タイミング(時・分・秒)を記憶するようにしてもよい。例えば、ステップS703bで読み出した時刻情報が、6月11日・9時・30分・0秒である場合には、10時・30分・0秒、11時・30分・0秒、12時・30分・0秒、・・・23時・30分・0秒というように、一斉演出を開始する各タイミング(時・分・秒)を記憶するようにしてもよい。
時刻計測タイマを設定済みである場合(ステップS703aのY)には、演出制御用CPU101は、秒以下の単位まで時間を管理するために用いる差分回数データを設定済みであるか否かを確認する(ステップS703d)。
差分回数データを設定済みでない場合には、演出制御用CPU101は、リアルタイムクロック108から時刻情報(秒)を読み出す(ステップS703e)。また、演出制御用CPU101は、時刻情報を読み出すタイミング(すなわち読み出す周期)を特定するために用いる読出タイミングカウンタ(初期値0)の値を1加算する(ステップ703f)。そして、演出制御用CPU101は、ステップS703bでリアルタイムクロック108から読み出した時刻情報(例えば、基準時刻情報)の秒情報と、今回リアルタイムクロック108から読み出した秒情報とを比較し、一致するか否かを確認することで、秒情報に変化があるか否かを確認する(ステップS703g)。そして、秒情報に変化がないと判断した場合には、ステップS702に移行する。
既に説明したように、この変形例2では、演出制御処理は、20msごとに実行される。そのため、ステップS703d〜S703gの処理が実行されることによって、電源投入時から差分回数データが設定されるまでは、20ms毎にリアルタイムクロック108から時刻情報(秒)が読み出される。
秒情報に変化があると判断した場合には(ステップS703gのY)、演出制御用CPU101は、50−(読出タイミングカウンタの値)を、差分回数データとして設定する(ステップS703h)。その後、ステップS702に移行する。
この変形例2では、リアルタイムクロック108は、時間計測タイマよりも計測誤差が少ない。しかし、リアルタイムクロック108からは、秒単位までしか読み出すことができない。そのため、秒以下の単位まで時間を管理することができず、20ms毎に起動される演出制御処理では、一斉演出の開始タイミングがずれて実行されるおそれがある。そこで、この変形例2では、図64(a)に示すように、電源投入を行うと、20msごとにリアルタイムクロック108の時刻情報(秒)を読み出す処理を、読み出した秒情報が変化するまで繰り返す。そして、読み出した秒情報が変化した時点の読出タイミングカウンタの値を50から引いた値を差分回数データとして記憶する。
例えば、ステップS703bで読み出した時刻情報が、6月11日・9時・30分・0秒であるとする。秒以下の単位まで時間を管理しない場合には、電源投入時から60分経過したとき、すなわち6月11日・10時・30分・0秒に一斉演出が開始される。
ここで、ステップS703gで読み出した秒情報が変化した時点の読出タイミングカウンタの値が5であるとする。この場合には、ステップS703bで時刻情報を読み出してから、5×20ms=100ms後に秒情報が変化している。そのため、ステップS703bで読み出した時刻情報を秒以下の単位まで示すと、6月11日・9時・30分・0秒・900msであると推測することができる。すると、電源投入時から60分経過したとき、すなわち6月11日・10時・30分・0秒・900msに一斉演出が開始されるように、時間を管理する必要がある。そこで、この900msという計測差を管理するために、50(×20ms=1秒となる)から読出タイミングカウンタの値5(×20ms=100msとなる)を引いた値である45(×20ms=900msとなる)を差分回数データとして記憶する。そして、読み出したリアルタイムクロック108の時刻情報が10時・30分・0秒を示すと、20ms毎にカウントを行い、カウント回数が差分回数データの値である45になったとき、すなわち、10時・30分・0秒・900msになったときに、一斉演出を開始する。このようにすることで、秒以下の単位まで時間を管理することができる。
なお、リアルタイムクロック108は、時間計測タイマよりも計測誤差が少ないが、独立した電源(例えばボタン電池)によって動作しているため、遊技機を導入してから日がたつと少なからず誤差が生じる。ただし、1日程度であれば、ほぼ誤差はないといえる。そのため、リアルタイムクロック108と時間計測タイマとを用いることで、一斉演出を正確に行うことができる。つまり、同時に電源投入された複数の遊技機において、同時に一斉演出を行うことができる。
差分回数データを設定済みである場合(ステップS703dのY)には、ステップS704へ移行する。
また、ステップS709の後、演出制御用CPU101は、管理者によって一斉演出設定ボタン(演出制御基板80に設けられている)を用いて一斉演出の開始タイミングを変更する操作(一斉演出設定ボタンの押下操作など)が行われた場合には(ステップS710のY)、操作に応じて一斉演出の開始タイミングを示す一斉演出設定データを更新する。この際、一斉演出設定データの更新内容を報知する(例えば、音声や画面表示により報知する)ようにしてもよい。その後、ステップS702に移行する。なお、一斉演出設定ボタンを用いた一斉演出の開始タイミングを変更する操作は、例えば、デモ画面表示中(変動表示が行われていない状態)のみ有効としてもよい。また、例えば、演出制御用CPU101は、有効期間中において、一斉演出設定ボタンの押下操作が一回行われると、一斉演出が開始されるタイミングを30分遅らせるように、一斉演出設定データを更新するようにしてもよい。具体的には、初期値として、電源投入時または前回一斉演出開始時から60分経過したときに一斉演出が開始されるように一斉演出設定データが設定されている場合、演出制御用CPU101は、一斉演出設定ボタンの押下操作が1回行われると、電源投入時または前回一斉演出開始時から90分経過したときに一斉演出が開始されるように一斉演出設定データを更新し、一斉演出設定ボタンの押下操作が2回行われると、電源投入時または前回一斉演出開始時から120分経過したときに一斉演出が開始されるように一斉演出設定データを更新する。なお、一斉演出設定ボタンは、遊技機の裏側に設けられている。そのため、管理者は一斉演出設定ボタンを操作することができるが、遊技者は操作することができない。
図65は、変形例2における時間計測処理(ステップS704a)を示すフローチャートである。時間計測処理では、演出制御用CPU101は、まず、読出タイミングカウンタの値を1加算するとともに(ステップS750a)、時間計測タイマの値を1減算する(ステップS750b)。次いで、演出制御用CPU101は、一斉演出開始タイミングまでの残り期間が1分未満であるか否か確認する(ステップS751)。1分未満であるか否かは、例えば、時間計測タイマの値が3000(=1分(60000ms)/20ms)未満であるときに、1分未満であると判断することができる。なお、この変形例2では、時間計測タイマを用いて残り時間を確認するが、例えば、電源投入時に所定のカウンタに初期値として180000をセットし、20ms毎に値を1減算するように構成する場合には、所定のカウンタの値が3000未満であるときに、1分未満であると判断することができる。また、ステップS703bで電源投入時に読み出した時刻情報と、一斉演出設定データに示された期間とにもとづいて、一斉演出を開始する各タイミング(時・分・秒)を記憶している場合には、記憶しているタイミングと、前回リアルタイムクロック108から読み出した時刻情報が示す時刻に、時間計測タイマが示す値に20msを乗算した時間を加算した時刻とを比較し、差が1分より大きい場合には1分未満でないと判断し、差が1分である場合または差がない場合には1分未満であると判断することができる。
残り期間が1分未満でなければ、演出制御用CPU101は、読出タイミングカウンタの値が3000になっているか否か確認する(ステップS752)。読出タイミングカウンタの値が3000になっていなければ、処理を終了する。
また、読出タイミングカウンタの値が3000であれば(ステップS752のY)、演出制御用CPU101は、リアルタイムクロック108から時刻情報(時・分・秒)を読み出し(ステップS753)、読み出した時刻情報にもとづいて、時間計測タイマの値を補正する(ステップS754)。その後、演出制御用CPU101は、読出タイミングカウンタの値をリセットし(ステップS755)、処理を終了する。ステップS754では、例えば、基準時刻情報として記憶した時刻情報(例えば、ステップS703b,S764)と、ステップS753で読み出した時刻情報との差を20msで割った値を算出し、算出した値を時間計測タイマの補正値としてセットする。具体的には、基準時刻情報が、6月11日・9時・30分・0秒であり、ステップS753で読み出した時刻情報が、9時・40分・0秒であるときには、差が10分(600000ms)であり、これを20msで割った値は、30000である。よって、時間計測タイマには、補正値30000をセットする。このように、所定期間(本例では、1分や1秒)ごとに、リアルタイムクロック108から時刻情報を読み出して、時間計測タイマを補正することによって、時間計測タイマの正確さを担保することができる。
読出タイミングカウンタの値が30000になったということは(ステップS752のY)、20ms×30000=60000ms、すなわち1分が経過したことを示す。したがって、ステップS751〜S754の処理が実行されることによって、一斉演出が開始されるタイミングまでの期間が1分以上であるときには、1分毎にリアルタイムクロック108から時刻情報(時・分・秒)が読み出され、時間計測タイマが補正される。なお、ステップS754について、必ず時刻計測タイマの補正を行う例を説明したが、例えば、S753またはステップS758で読み出した時刻情報を一時的に記憶しておき、前回読み出した時刻情報と今回読み出した時刻情報との差が、正しい期間(1秒間または1分間)でない場合にのみ、時刻計測タイマを補正するようにしてもよい。また、基準時刻情報を用いて時刻計測タイマを補正するものに限らず、前回読み出した時刻情報と今回読み出した時刻情報とによって示される期間が、正しい期間と合致しない場合には、その差分を20msで割った値を算出し、算出した値を時間計測タイマの値に加算することで補正するようにしてもよい。具体的には、前回読み出した時刻情報が9時・50分・00秒であり、読出タイミングカウンタで計測した1分後に読み出した時刻情報が9時・51分・10秒である場合には、+10秒間に相当する値として、10000ms/20ms=500を、時間計測タイマの値から減算する。また、前回読み出した時刻情報が9時・50分・00秒であり、読出タイミングカウンタで計測した1分後に読み出した時刻情報が9時・50分・50秒である場合には、−10秒間に相当する値として、10000ms/20ms=500を、時間計測タイマの値に加算する。このように時間計測タイマを補正することによっても、時間計測タイマの正確さを担保することができる。
一斉演出開始タイミングまでの期間が1分未満であれば(ステップS751のY)、演出制御用CPU101は、一斉演出開始タイミングまでの期間が1秒未満であるか否か確認する(ステップS756)。1秒未満であるか否かは、例えば、時間計測タイマの値が50(=1000ms/20ms)未満であるときに、1秒未満であると判断することができる。なお、この変形例2では、時間計測タイマを用いて残り時間を確認するが、例えば、電源投入時に所定のカウンタに初期値として180000をセットし、20ms毎に値を1減算するように構成する場合には、所定のカウンタの値が50未満であるときに、1秒未満であると判断することができる。また、例えば、ステップS703bで電源投入時に読み出した時刻情報と、一斉演出設定データに示された期間とにもとづいて、一斉演出を開始する各タイミング(時・分・秒)を記憶している場合には、記憶しているタイミングと、前回リアルタイムクロック108から読み出した時刻情報が示す時刻に、時間計測タイマが示す値に20msを乗算した時間を加算した時刻とを比較し、差が1秒より大きい場合には1秒未満でないと判断し、差が1秒である場合または差がない場合には1秒未満であると判断することができる。
一斉演出開始タイミングまでの期間が1秒未満でなければ、演出制御用CPU101は、読出タイミングカウンタの値が50になっているか否か確認する(ステップS757)。読出タイミングカウンタの値が50になっていなければ、処理を終了する。
また、読出タイミングカウンタの値が50であれば(ステップS757のY)、演出制御用CPU101は、リアルタイムクロック108から時刻情報(分・秒)を読み出し(ステップS758)、読み出した時刻情報にもとづいて、時間計測タイマを補正する(ステップS754)。その後、演出制御用CPU101は、読出タイミングカウンタの値をリセットし(ステップS755)、処理を終了する。
読出タイミングカウンタの値が50になったということは(ステップS757のY)、20ms×50=1000ms、すなわち1秒が経過したことを示す。したがって、ステップS756〜S758の処理が実行されることによって、一斉演出が開始されるタイミングまでの期間が1分未満、1秒以上であるときには、1秒毎にリアルタイムクロック108から時刻情報(分・秒)が読み出され、時間計測タイマが補正される。
一斉演出開始タイミングまでの期間が1秒未満であれば(ステップS756のY)、演出制御用CPU101は、リアルタイムクロック108から時刻情報(秒)を読み出し(ステップS759)、読み出した時刻情報の秒情報が、基準時刻情報及び一斉演出設定データによって示される一斉演出を開始するタイミング(秒)と一致するか否か確認し(ステップS760)、一致しなければ、処理を終了する。
また、読み出した時刻情報の秒情報が、基準時刻情報及び一斉演出設定データによって示される一斉演出を開始するタイミング(秒)と一致する場合、すなわち一斉演出設定データが示すタイミングになった場合には、演出制御用CPU101は、差分回数を計測するために用いる差分基準値を記憶しているか否か確認する(ステップS761a)。差分基準値を記憶していなければ、演出制御用CPU101は、読出タイミングカウンタの値を差分基準値として記憶し(ステップS761b)、処理を終了する。また、差分基準値を記憶していれば、演出制御用CPU101は、読出タイミングカウンタの値と差分基準値との差が、差分回数データの値と一致するか否か確認し(ステップS762)、一致しなければ処理を終了し、一致すれば一斉演出開始条件成立フラグをセットする(ステップS763)とともに、一斉演出設定データにもとづいて、時間計測タイマを設定する(ステップS764)。また、ステップS764において、基準時刻情報によって示される時刻に、一斉演出設定データによって示される期間を加えた時刻情報を、新たな基準時刻情報として記憶する。なお、変形例2における一斉演出開始条件成立フラグは、第1の実施の形態に示した開始条件成立フラグと同じフラグであることとする。
既に説明したように、例えば、ステップS703bで読み出した時刻情報が、6月11日・9時・30分・0秒であり、ステップS703gで読み出した秒情報が変化した時点の読出タイミングカウンタの値が5であるとする。この場合には、ステップS703bで時刻情報を読み出してから、5×20ms=100ms後に秒情報が変化している。そのため、ステップS703bで読み出した時刻情報を秒以下の単位まで示すと、6月11日・9時・30分・0秒・900msであると推測することができる。そこで、900msという計測差を管理するために、50(×20ms=1秒となる)から読出タイミングカウンタの値5(×20ms=100msとなる)を引いた値である45(×20ms=900msとなる)を差分回数データとして記憶している。このような場合に、リアルタイムクロック108から読み出した時刻情報が、電源投入時から60分経過した10時・30分・0秒を示すと、その時点の読出タイミングカウンタの値(例えば、10)を差分基準値として記憶する。そして、20ms毎に読出タイミングカウンタの値に1加算し、読出タイミングカウンタの値が、差分基準値(10)と差分回数データの値(45)との和に一致したとき、すなわち、45×20ms=900ms経過し、10時・30分・0秒・900msになったときに、一斉演出を開始する。このようにすることで、秒以下の単位まで時間を管理して一斉演出を開始することができる。図64(b)に示す例では、差分回数データ=5である場合が示されている。この場合、リアルタイムクロック108から読み出した時刻情報が一斉演出開始時刻になると差分基準値を設定し、その後、差分回数のカウントとして、20ms毎に読出タイミングカウンタの値が1加算される。そして、読出タイミングカウンタの値と差分基準値との差が、差分回数データの値と一致したタイミング、すなわち、読出タイミングカウンタの値に1加算する処理が5回行われたタイミングで、一斉演出が開始されている。
この変形例2では、図64(a)に示すように、差分回数データが設定された後は、リアルタイムクロック108の時刻情報(時・分・秒)を1分毎に読み出す(ステップS751〜S755)。また、図64(b)に示すように、一斉演出開始の1分前になると、リアルタイムクロック108の時刻情報(分・秒)を1秒毎に読み出す(ステップS756〜S758)。さらに、一斉演出開始の1秒前になると、リアルタイムクロック108の時刻情報(秒)を20m毎に読み出す(ステップS756,S759)。このように、この変形例2では、必要に応じて、読み出す時刻情報の内容と、読み出す周期とを異ならせるため、処理負担が大きくなることを防止することができる。
以上に説明したように、変形例2によれば、遊技機への電力供給の有無にかかわらず計時可能な第1計時手段(例えば、リアルタイムクロック108)と、遊技機への電力供給がなされているときに計時可能な第2計時手段(例えば、演出制御用CPU101によって実現される時間計測タイマ)と、第1計時手段が計時した計時情報を読み出す読出手段と、少なくとも第2計時手段が計時した計時情報にもとづいて特定演出(例えば、一斉演出)を実行する特定演出実行手段とを備え、第2計時手段は、読出手段によって読み出された第1計時手段が計時した計時情報を基準として計時を行い、読出手段は、特定演出実行手段が特定演出を実行するタイミングまでの期間が所定期間以上(例えば、1分以上)であるときには第1周期(例えば、1分毎)で計時情報を読み出し、特定演出実行手段が特定演出を実行するタイミングまでの期間が該所定期間未満(例えば、1分未満)であるときには該第1周期よりも短い第2周期(例えば、1秒毎)で計時情報を読み出すことを特徴とする。そのように構成されることにより、必要に応じて計時情報を読み出すため、正確に計時することができるとともに、処理負担が増大することを防止することができる。
また、この変形例2では、第1計時手段(例えば、リアルタイムクロック108)は、第2計時手段(例えば、時間計測タイマ)よりも計時誤差が少ないように構成されている。そのように構成されることにより、第1計時手段と第2計時手段とを用いて効果的に計時することができる。
また、この変形例2では、読出手段は、第2周期(例えば、1秒毎)で計時情報を読み出した後に、該第2周期よりも短い第3周期(例えば、20ms毎)で計時情報を読み出し、遊技機への電力供給が開始されたときに第1計時手段が計時した計時情報と第2計時手段が計時した計時情報との差分(例えば、差分回数データ)を計測する際には、第3周期で計時情報を読み出すように構成されている。そのように構成されることにより、必要に応じて計時情報を読み出すため、正確に計時することができるとともに、処理負担が増大することを防止することができる。
また、この変形例2では、特定演出実行手段が特定演出を実行するタイミングを設定可能な設定手段(例えば、一斉演出設定ボタン)と、遊技機への電力供給が停止しても設定手段の設定結果を含むバックアップデータを所定期間保持可能なバックアップ記憶手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100のバックアップRAM)とを備えるように構成されている。そのように構成されることにより、特定演出の演出効果を向上させることができる。
なお、複数の遊技機において、時刻情報にもとづいて同時に一斉演出を開始させることができるが、いずれかの遊技機において処理落ちが発生すると、その後の一斉演出の進行状況にずれが生じるおそれがある。そこで、一斉演出が開始されると、所定期間ごと(例えば、10秒ごと)に一斉演出の内容を対応するポイントまでスキップさせるようにしてもよい。例えば、この変形例2では、一斉演出として、動画再生を行うが、この動画にあらかじめ所定期間ごと(例えば、10秒ごと)にポイントを設けておく。そして、遊技機に処理落ちが発生したことにより、一斉演出が開始されてから10秒が経過した時点で、動画が9秒目の内容までしか進行していない場合には、強制的に対応するポイントの内容(10秒目の内容)に切り替えて、以降の再生を行う。このようにすることで、複数の遊技機において、同時に一斉演出を開始させるとともに、個々の遊技機の進行状況にずれが生じることを防止することができる。なお、一斉演出の進行が遅れている場合にのみ、切り替えるようにしてもよいし、一斉演出の進行状況に関わらず、所定期間ごとに対応するポイントに切り替えるようにしてもよい。
なお、上記の変形例2で示した構成は、いわゆる携帯連動型システムと呼ばれる遊技用システムにも適用できる。携帯連動型システムと呼ばれる遊技用システムは、一般に、所定条件の成立にもとづいて所定情報を出力する遊技機と、遊技機によって出力された所定情報にもとづいて、遊技者に対して所定の特典を付与する処理を行う特典付与装置とを備える。
具体的には、上記のような遊技用システムでは、遊技機は、変動回数や、大当り回数、いわゆる連荘数(確変状態継続中の大当り回数)、ミッション達成回数などの所定条件の成立を遊技履歴として蓄積し、遊技終了時などに所定情報として2次元コードなどを表示する。また、遊技者は、カメラ機能付き携帯電話機などの携帯端末を用いて、遊技機に表示された2次元コードを撮影し、インターネット上のWebサーバ(特典付与装置)に送信する。そして、Webサーバは、受信した情報にもとづいて遊技者の遊技履歴を管理し、その遊技履歴に応じて所定の特典を付与する処理を行う。例えば、Webサーバは、所定の特典として、画像コンテンツや音楽コンテンツなどのデジタルコンテンツを遊技者の携帯端末に対して送信したり、所定のパスワードを遊技者の携帯端末に送信して遊技者が次回遊技を行うときに遊技機の表示画面を遊技者の嗜好にあわせてカスタマイズできるようにする処理を行う。
また、上述した実施の形態では説明を省略したが、演出の設定(音声の出力を伴うスピーカなどの演出部材における音量の設定や、発光を伴うLEDなどの演出部材における輝度の設定)を遊技者に行わせることとしてもよい。具体的には、以下の変形例3を用いて説明する。なお、上述した実施の形態と同じ箇所については、説明を省略する。
図66は、変形例3における特定演出処理(ステップS800A)を示すフローチャートである。特定演出処理では、演出制御用CPU101は、まず、特定演出の終了条件が成立したことを示す演出終了条件成立フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS5001)。演出終了条件成立フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU101は、特定演出の実行中であることを示す特定演出実行中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS5002)。特定演出実行中フラグは、第1の実施の形態における特定演出フラグと同じフラグであることとする。特定演出実行中フラグがセットされていなければ(すなわち、特定演出の実行中でなければ)、演出制御用CPU101は、演出開始条件成立フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS5003)。演出開始条件成立フラグがセットされていなければ、そのまま処理を終了する。なお、変形例3における演出開始条件成立フラグは、第1の実施の形態に示した開始条件成立フラグと同じフラグであるものとする。
演出開始条件成立フラグがセットされていれば(すなわち、特定演出の開始条件が成立していれば)、演出制御用CPU101は、その演出開始条件成立フラグをリセットする(ステップS5004)。また、演出制御用CPU101は、RAMに設けられている設定値格納領域からスピーカ27の音量設定値と枠LED28の輝度設定値とを読み込む(ステップS5004A)。
この変形例3では、後述するように、遊技を開始するときの客待ちデモンストレーション表示中に遊技者の操作によりスピーカ27の音量と枠LEDの輝度とを設定可能である(後述する変動パターンコマンド受信待ち処理のステップS811G〜S811I参照)。そして、RAMに設けられた設定値格納領域には、遊技者によって設定されたスピーカ27の音量設定値および枠LED28の輝度設定値が格納されている。
次いで、演出制御用CPU101は、特定演出に用いる音量および輝度を、ステップS5004Aで読み込んだ音量設定値および輝度設定値の値に設定する(ステップS5004B)。次いで、演出制御用CPU101は、ステップS5004Aで読み込んだ音量設定値が所定値未満であるか否かを確認する(ステップS5004C)。なお、この変形例3では、ステップS5004Cにおいて、所定値としてスピーカ27の音量最大値の70%に相当する値未満であるか否かを判定する。音量設定値が所定値未満であれば、演出制御用CPU101は、ステップS5004Bで設定した特定演出に用いる音量を所定値(本例では、70%に相当する値)に変更して再設定する(ステップS5004D)。
次いで、演出制御用CPU101は、ステップS5004Aで読み込んだ輝度設定値が所定値未満であるか否かを確認する(ステップS5004E)。なお、この変形例3では、ステップS5004Eにおいて、所定値として枠LED28の輝度最大値の70%に相当する値未満であるか否かを判定する。輝度設定値が所定値未満であれば、演出制御用CPU101は、ステップS5004Bで設定した特定演出に用いる輝度を所定値(本例では、70%に相当する値)に変更して再設定する(ステップS5004F)。
次いで、演出制御用CPU101は、演出表示装置9の特定演出実行領域において、特定演出の動画再生を開始する制御を行う(ステップS5005)。この変形例3では、演出表示装置9の上部領域が特定演出実行領域とされ、ステップS5005では、演出制御用CPU101は、演出表示装置9の上部領域において、特定演出用の動画再生を開始する制御を行う。この場合、演出制御用CPU101は、ステップS5004B,S5004D,S5004Fで設定した音量および輝度に従って動画再生を開始することによって、設定した音量で特定演出の動画に対応した音をスピーカ27から出力し、設定した輝度で特定演出の動画に対応した発光パターンで枠LED28を発光させる制御を行う。
そして、演出制御用CPU101は、特定演出実行中フラグをセットし(ステップS5006)、特定演出の実行期間を計測するための特定演出期間計測タイマに所定期間(本例では、5分間)に相当する値をセットする(ステップS5007)。
なお、この変形例3では、ステップS5004A〜S5004Fの処理が実行されることによって、遊技者によって設定された音量設定値や輝度設定値が所定値(本例では、70%に相当する値)以上であれば、その設定された音量設定値や輝度設定値に相当する音量や輝度で特定演出が実行され、所定値未満であれば少なくとも所定値に相当する音量や輝度で特定演出が実行されるようにし、必要以上に小さい音で特定演出が実行されたり、必要以上に暗い輝度で特定演出が実行されたりすることがないようにしている。
また、この変形例3では、特定演出の音量および輝度を、遊技者によって設定された音量設定値および輝度設定値に仮設定した後に(ステップS5004B参照)、音量設定値や輝度設定値が所定値未満であるか否かを判定し、所定値未満であれば所定値に相当する音量や輝度に変更して再設定する場合を示しているが、特定演出の音量および輝度の設定方法は、この変形例3で示したものにかぎられない。例えば、ステップS5004Aで音量設定値および輝度設定値を読みだすと、まず、読み込んだ音量設定値が所定値未満であるか否かを確認し、所定値未満であれば特定演出の音量を所定値に相当する値に設定し、所定値以上であれば特定演出の音量をそのまま読み込んだ音量設定値に設定するようにしてもよい。また、読み込んだ輝度設定値が所定値未満であるか否かを確認し、所定値未満であれば特定演出の輝度を所定値に相当する値に設定し、所定値以上であれば特定演出の輝度をそのまま読み込んだ輝度設定値に設定するようにしてもよい。そのように構成すれば、音量や輝度の設定が1回で済み、後から再設定する必要をなくすことができる。
また、この変形例3では、ステップS5004C〜S5004Fの処理が実行されることによって、音量および輝度の両方について所定値未満であるか否かを判定して再設定する場合を示しているが、音量または輝度のいずれか一方のみについて所定値未満であるか否かを判定して再設定するようにしてもよい。具体的には、ステップS5004C,S5004Dの処理とステップS5004E,S5004Fの処理とのいずれか一方のみを実行するように構成してもよい。
特定演出実行中フラグがセットされていた場合には(ステップS5002のY)、すなわち特定演出の実行中であった場合には、演出制御用CPU101は、特定演出期間計測タイマの値を1減算する(ステップS5008)。特定演出期間計測タイマは、第1の実施の形態における特定演出タイマと同じタイマであることとする。次いで、演出制御用CPU101は、減算後の特定演出期間計測タイマがタイムアウトしたか否かを確認する(ステップS5009)。タイムアウトしていなければ、そのまま処理を終了する。特定演出期間計測タイマがタイムアウトしていれば(すなわち、所定期間(本例では、5分間)を経過し特定演出の終了条件が成立していれば)、演出制御用CPU101は、演出制御用プロセスフラグの値が演出図柄変動中処理を示す値(本例では、2)となっているか否かを確認する(ステップS5010)。演出制御用プロセスフラグの値が演出図柄変動中処理を示す値となっていれば(すなわち、演出図柄の変動表示中であれば)、演出制御用CPU101は、直ちには特定演出を終了せず、演出終了条件成立フラグのセットのみを行い(ステップS5011)、処理を終了する。演出制御用プロセスフラグの値が演出図柄変動中処理を示す値でなければ、ステップS5014に移行する。
演出終了条件成立フラグがセットされていた場合には(ステップS5001のY)、演出制御用CPU101は、演出制御用プロセスフラグの値が演出図柄変動停止処理を示す値(本例では、3)となっているか否かを確認する(ステップS5012)。演出制御用プロセスフラグの値が演出図柄変動停止処理を示す値となっていなければ、そのまま処理を終了する。演出制御用プロセスフラグの値が演出図柄変動停止処理を示す値となっていれば(すなわち、演出図柄の変動表示の停止タイミングとなっていれば)、演出制御用CPU101は、演出終了条件成立フラグをリセットする(ステップS5013)。次いで、演出制御用CPU101は、演出表示装置9の特定演出実行領域において実行中の特定演出の動画再生を終了する制御を行う(ステップS5014)。そして、演出制御用CPU101は、特定演出実行中フラグをリセットする(ステップS5015)。
ステップS5001,S5009〜S5015の処理が実行されることによって、この変形例3では、演出図柄の変動表示中以外のタイミングで所定期間(本例では、5分間)が経過して特定演出の終了条件が成立した場合には、ステップS5014に移行して直ちに特定演出の実行が終了される。一方で、演出図柄の変動表示中に所定期間(本例では、5分間)が経過して特定演出の終了条件が成立した場合には、直ちには特定演出の実行を終了せず、演出図柄の変動表示を終了するタイミングまで待ってから(ステップS5012参照)特定演出の実行が終了される。
なお、この変形例3では、図28に示された演出制御プロセス処理においてステップS800〜S807の処理の前にステップS800Aの特定演出処理が実行されるので、特定演出の開始条件が成立していれば大当り遊技中であっても特定演出が実行される。この場合、演出表示装置9において大当り遊技中の演出が実行されるので、例えば、特定演出の動画再生を演出表示装置9の表示画面の一部に縮小表示することによって、特定演出の実行を継続するようにすればよい。そして、例えば、大当り遊技中に所定期間(本例では、5分間)が経過して特定演出の終了条件が成立した場合には、その縮小表示していた動画再生を終了して特定演出の実行を終了するようにすればよい。
また、特定演出処理の処理態様は、この変形例3で示したものにかぎられない。例えば、図66に示す特定演出処理において、ステップS5010の前後で演出制御プロセスフラグの値が演出図柄変動停止処理を示す値であるか否かを判定し、演出制御プロセスフラグの値が演出図柄変動停止処理を示す値であれば、そのままステップS5014に移行して特定演出の動画再生を終了するようにしてもよい。
また、この変形例3では、変動表示中に所定期間が経過した場合に変動停止まで待ってから特定演出の動画再生を終了するようにしているが、さらに次の変動開始まで待ってから特定演出の動画再生を終了するようにしてもよい。この場合、例えば、ステップS5010の前後で演出制御プロセスフラグの値が演出図柄変動停止処理を示す値であるか否かを判定し、演出制御プロセスフラグの値が演出図柄変動停止処理を示す値であれば、演出制御プロセスフラグの値が演出図柄変動開始処理を示す値であるか否かを判定するようにしてもよい。そして、演出制御プロセスフラグの値が演出図柄変動開始処理を示す値であれば特定演出の動画再生を終了するようにすることによって、次の変動開始まで待ってから特定演出の動画再生を終了するようにすればよい。または、例えば、ステップS5010の前後で演出制御プロセスフラグの値が演出図柄変動開始処理を示す値であるか否かを判定し、演出制御プロセスフラグの値が演出図柄変動開始処理を示す値であれば、そのままステップS5014に移行して特定演出の動画再生を終了することによって、次の変動開始まで待ってから特定演出の動画再生を終了するようにしてもよい。
図67は、変形例3における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、ステップS811にて変動パターンコマンド受信フラグがセットされていなければ(すなわち、変動パターンコマンドを受信していなければ)、演出制御用CPU101は、客待ちデモンストレーション表示中であるか否かを確認する(ステップS811A)。なお、客待ちデモンストレーション表示中であるか否かは、例えば、後述するステップS811Eで客待ちデモンストレーション表示を開始したときに、客待ちデモンストレーション表示中であることを示す客待ちデモ表示中フラグをセットし、ステップS811Aではその客待ちデモ表示中フラグがセットされているか否かを確認するようにすればよい。
なお、上述した第1の実施の形態では、コマンド解析処理において客待ちデモ表示を行うための処理(ステップS687を参照)を実行することとしたが、変形例3のコマンド解析処理においては、客待ちデモ指定コマンドを受信した場合(ステップS685のY)、ステップS687は行わずに客待ちデモ指定コマンド受信フラグ(客待ちデモ指定コマンドを受信したことを示すフラグ)をセットしてステップS688へ移行する。そして、変動パターンコマンド受信待ち処理において、以下のステップS811B〜S811Fを実行することにより客待ちデモ表示を行うこととする。
ステップS811Aにおいて客待ちデモンストレーション表示中でなければ、演出制御用CPU101は、客待ちデモ指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS811B)。客待ちデモ指定コマンド受信フラグがセットされていれば(すなわち、客待ちデモ指定コマンドを受信していれば)、演出制御用CPU101は、客待ちデモ指定コマンドを受信してからの経過時間が30秒を経過したか否かを確認する(ステップS811C)。なお、客待ちデモ指定コマンドを受信してからの経過時間が30秒を経過したか否かは、例えば、コマンド解析処理において客待ちデモ指定コマンド受信フラグをセットしたときに(すなわち、客待ちデモ指定コマンドを受信したときに)、所定のタイマに30秒に相当する値をセットするようにし、ステップS811Cにおいてそのタイマがタイムアウトしたか否かを確認するようにすればよい。
客待ちデモ指定コマンドを受信してから30秒が経過していれば、演出制御用CPU101は、客待ちデモ指定コマンド受信フラグをリセットする(ステップS811D)とともに、演出表示装置9において所定の客待ちデモンストレーション表示を開始する(ステップS811E)。例えば、所定の客待ちデモンストレーション表示として、「デモ表示中」などの文字列を表示したり、所定の初期出目(例えば、「123」などの図柄の組み合わせや、「777」などの大当りを連想させる図柄の組み合わせ)を表示したり、所定のキャラクタを表示させたり、遊技機メーカのロゴタイプを表示させたりしてもよい。
なお、この変形例3では、客待ちデモ指定コマンドを受信してから(すなわち、変動表示が途切れてから)30秒を経過したタイミングで客待ちデモンストレーション表示を開始する場合を示しているが、このような態様にかぎられない。例えば、客待ちデモ指定コマンドを受信してから20秒や1分が経過したタイミングで客待ちデモンストレーション表示を開始するようにしてもよい。また、例えば、客待ちデモ指定コマンドを受信すると直ちに客待ちデモンストレーション表示を開始するようにしてもよい。
また、演出制御用CPU101は、客待ちデモンストレーション表示を開始すると、演出表示装置9において、音量や輝度の設定を行うための音量輝度設定画面の重畳表示も開始する(ステップS811F)。
客待ちデモンストレーション表示中である場合には(ステップS811AのY)、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122からの操作信号を入力したか否かを確認し(ステップS811G)、操作信号を入力していれば、操作に従って音量設定値および輝度設定値を入力する(ステップS811H)。そして、演出制御用CPU101は、入力した音量設定値および輝度設定値を、RAMに設けられた設定値格納領域に格納する(ステップS811I)。
図68は、変形例3における音量および輝度の設定態様の具体例を示す説明図である。図68では、遊技機A〜Cの3台の遊技機の設定例が示されているが、遊技機Aでは遊技者によって音量および輝度ともに30%に相当する値に設定された場合が示され、遊技機Bでは遊技者によって音量が80%に相当する値に輝度が40%に相当する値に設定された場合が示され、遊技機Cでは遊技者によって音量が90%に相当する値に輝度が100%に相当する値に設定された場合が示されている。
図68に示すように、遊技機Aでは、特定演出以外の変動表示その他の演出に関しては、遊技者によって設定された音量および輝度に従って30%に相当する値の音量および30%に相当する値の輝度で変動表示その他の演出が実行される。例えば、演出図柄の変動表示や、その変動表示中に実行される予告演出、リーチ演出などについては、遊技者によって設定された音量に従って30%に相当する音量でスピーカ27から演出音が出力され、遊技者によって設定された輝度に従って30%の輝度で枠LED28が発光される。一方、特定演出に関しては、音量設定値および輝度設定値がともに所定値(本例では、70%に相当する値)未満であることから、音量および輝度ともに遊技者によって設定された値ではなく所定値に相当する値(本例では、70%に相当する値)の音量および輝度に変更されて特定演出が実行される(ステップS5004A〜S5004F参照)。
また、図68に示すように、遊技機Bでは、特定演出以外の変動表示その他の演出に関しては、遊技者によって設定された音量および輝度に従って80%に相当する値の音量および40%に相当する値の輝度で変動表示その他の演出が実行される。例えば、演出図柄の変動表示や、その変動表示中に実行される予告演出、リーチ演出などについては、遊技者によって設定された音量に従って80%に相当する音量でスピーカ27から演出音が出力され、遊技者によって設定された輝度に従って40%の輝度で枠LED28が発光される。一方、特定演出に関しては、音量設定値は所定値以上であるものの輝度設定値が所定値未満であることから、音量は遊技者によって設定された値(本例では、80%に相当する値)とするものの輝度は遊技者によって設定された値ではなく所定値に相当する値(本例では、70%に相当する値)の輝度に変更されて特定演出が実行される(ステップS5004A〜S5004F参照)。
また、図68に示すように、遊技機Cでは、特定演出以外の変動表示その他の演出に関しては、遊技者によって設定された音量および輝度に従って90%に相当する値の音量および100%に相当する値の輝度で変動表示その他の演出が実行される。例えば、演出図柄の変動表示や、その変動表示中に実行される予告演出、リーチ演出などについては、遊技者によって設定された音量に従って90%に相当する音量でスピーカ27から演出音が出力され、遊技者によって設定された輝度に従って100%の輝度で枠LED28が発光される。一方、特定演出に関しては、音量設定値および輝度設定値ともに所定値以上であることから、音量は遊技者によって設定された値(本例では、90%に相当する値)且つ輝度は遊技者によって設定された値(本例では、100%に相当する値)で特定演出が実行される(ステップS5004A〜S5004F参照)。
以上に説明したように、変形例3によれば、遊技者によって演出の設定を行うことが可能な設定手段(本例では、変形例3における演出制御用マイクロコンピュータ100が、ステップS811F〜S811I,ステップS811F〜S811Iを実行する部分)を備えたこととした。これにより、遊技者に合った演出を実行することができる。
また、以上に説明したように、この変形例3によれば、計時手段の計時結果(本例では、リアルタイムクロック108と時間計測タイマとを用いた計測結果)が所定条件(本例では、時間計測タイマがタイムアウトして毎時00分となり特定演出の開始条件が成立したこと)を満たしたときに、音出力を伴う特定演出を実行する。また、遊技者によって音量設定を行うことが可能である(スティックコントローラ122のような操作部材への操作にもとづく設定に限らず、タッチセンサへの接触にもとづく設定であってもよい)一方、特定演出を実行する際には、設定された音量から変更した音量(本例では、音量設定値が所定値(70%に相当する値)未満である場合には70%に相当する音量に変更)に従って音出力を行うことにより特定演出を実行可能である。そのため、遊技者によって音量設定可能に構成された遊技機において、特定演出を好適に行えるようにすることができる。
また、この変形例3によれば、演出手段(本例では、枠LED28)の発光を伴う特定演出を実行する。また、遊技者によって輝度設定を行うことが可能である(スティックコントローラ122のような操作部材への操作にもとづく設定に限らず、タッチセンサへの接触にもとづく設定であってもよい)一方、特定演出を実行する際には、設定された輝度から変更した輝度(本例では、輝度設定値が所定値(70%に相当する値)未満である場合には70%に相当する輝度に変更)に従って演出手段を発光させることにより特定演出を実行可能である。そのため、遊技者によって輝度設定可能に構成された遊技機において、特定演出を好適に行えるようにすることができる。
また、この変形例3によれば、設定された音量または輝度から変更した音量または輝度に従って特定演出を実行する一方、特定演出以外の所定演出(本例では、特定演出以外の変動表示や予告演出、リーチ演出)に関しては、設定された音量または輝度に従って、それら所定演出を実行する。そのため、特定演出とともに所定演出も好適に実行することができる。
なお、例えば、特定演出の実行中に所定演出(本例では、特定演出以外の変動表示や予告演出、リーチ演出)を実行する場合であれば、それら所定演出についても、遊技者によって設定された音量設定値や輝度設定値から所定値に変更した音量や輝度に従って所定演出を実行するように構成してもよい。
また、例えば、音量や輝度を所定値(本例では、70%に相当する値)に変更して所定演出を実行する場合にかぎらず、所定演出に関しては音量設定値や輝度設定値から変更するものの所定値以外の値に音量や輝度を変更して所定演出を実行するようにしてもよい。例えば、特定演出として一斉演出を実行する場合に、遊技者によって設定された音量設定値や輝度設定値が極端に小さかったり低かったりした場合(例えば、5%や10%に相当する値)には、所定演出(本例では、特定演出以外の変動表示や予告演出、リーチ演出)が実行されても特定演出の演出音や発光にかき消されてしまうおそれがある。そこで、特定演出の実行中であっても、例えば、40%程度に相当する値まで音量や輝度を上げれば所定演出の演出音や発光を認識でき支障がないのであれば、音量設定値や輝度設定値から40%に相当する値に音量や輝度を変更して所定演出を実行するようにしてもよい。
また、この変形例3によれば、所定の音量(本例では、70%に相当する音量)よりも小さい音量または所定の輝度(本例では、70%に相当する輝度)よりも低い輝度に設定されているときには、少なくとも所定の音量以上の音量または所定の輝度以上の輝度に従って特定演出を実行する(本例では、70%に相当する音量や70%に相当する輝度に変更して特定演出を実行する)。そのため、所定の音量以上の音量または所定の輝度以上の輝度に従って特定演出を実行することによって、特定演出を好適に実行することができる。
例えば、この変形例3で示したように特定演出として複数の遊技機で一斉演出を行うように構成した場合、遊技者によって設定された音量設定値が必要以上に小さい音量に設定されている場合や輝度設定値が必要以上に低い輝度に設定されている場合、一斉演出の音量が小さかったり輝度が低いことにより演出として目立たず、一斉演出としての演出効果が著しく減退してしまうおそれがある。そこで、この変形例3では、一斉演出としての特定演出を実行するに際しては、音量設定値や輝度設定値が必要以上に小さい値に設定されていたとしても、ある程度大きい値(本例では、70%に相当する値)に変更して実行するので、特定演出が必要以上に音量が小さくなったり輝度が低くなったりすることを防止することができ、一斉演出としての特定演出の演出効果を確保している。
なお、この変形例3では、遊技者によって音量および輝度の両方を設定可能に構成する場合を示しているが、必ずしも音量および輝度の両方を設定可能に構成する必要はなく、音量または輝度のいずれか一方のみ遊技者によって設定可能に構成してもよい。
また、この変形例3では、遊技者によって設定された音量設定値や輝度設定値が所定値(本例では、70%に相当する値)未満であるか否かを判定し、所定値未満であれば、その所定値と同じ値(本例では、70%に相当する値)に音量や輝度を変更して特定演出を実行する場合を示しているが、そのような変更方法にかぎられない。例えば、遊技者によって設定された音量設定値や輝度設定値が第1所定値(例えば、50%に相当する値)未満であるか否かを判定し、第1所定値未満であれば、第1所定値とは異なる第2所定値(例えば、70%に相当する値)に音量や輝度を変更して特定演出を実行するように構成してもよい。
また、例えば、音量と輝度とで変更の仕方を異ならせてもよい。例えば、音量に関しては、遊技者によって設定された音量設定値が70%に相当する値であるか否かを判定し、70%に相当する値に音量を変更して特定演出を実行する一方で、輝度に関しては、遊技者によって設定された輝度設定値が音量の場合とは異なる50%に相当する値であるか否かを判定し、50%に相当する値に輝度を変更して特定演出を実行するように構成してもよい。
また、この変形例3では、音量設定値や輝度設定値が所定値未満である場合に、音量設定値や輝度設定値から所定値に音量や輝度を変更して特定演出を実行し、所定値以上である場合には、そのまま遊技者によって設定された音量設定値や輝度設定値に従って特定演出を実行する場合を示しているが、所定値以上であっても一律に音量設定値や輝度設定値から所定値に音量や輝度を変更して特定演出を実行するようにしてもよい。例えば、複数の遊技機で一斉演出としての特定演出を実行する場合に、音量設定値や輝度設定値が所定値(本例では、70%に相当する値)未満の50%に相当する値に設定されている遊技機を所定値に音量や輝度を変更して特定演出を実行する一方で、音量設定値や輝度設定値が所定値(本例では、70%に相当する値)以上の100%に相当する値に設定されている遊技機についても所定値に音量や輝度を変更して特定演出を実行することにより、複数の遊技機で一律の音量や輝度で特定演出を実行するようにしてもよい。
また、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で大当りとなるか否かや変動パターン種別の入賞時判定(先読み判定)を行い、その入賞時判定結果を示すコマンド(図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド)を送信し、演出制御用マイクロコンピュータ100側で、その入賞時判定結果を示すコマンドにもとづいて先読み予告演出を実行する場合を示したが、そのような態様にかぎらず、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100側で入賞時判定(先読み判定)を行うように構成してもよい。この場合、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞の発生時に抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)や変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)の値のみを指定するコマンドを送信するようにし、演出制御用マイクロコンピュータ100側で、それらのコマンドで指定される乱数の値にもとづいて入賞時判定(先読み判定)を行うように構成してもよい。
なお、上述した実施の形態について、特別図柄や演出図柄の可変表示結果にもとづいて大当り遊技状態に移行する遊技機(いわゆる第一種の遊技機)について説明したが、遊技領域に設けられた可変入賞球装置(いわゆる役物)内の特定入賞口(V入賞口)に遊技球が入賞(V入賞)したことにもとづいて大当り遊技状態に移行する遊技機(いわゆる第二種の遊技機)や、第一種と第二種とを組み合わせた遊技機において適用することとしてもよい。
また、上記の実施の形態では、発生した大当りの大当り種別にもとづいて確変状態へ移行可能とするが、これに限るものではない。例えば、大入賞口内に遊技球が通過可能な特定領域が設けられており、大当り中に該特定領域を遊技球が通過した場合に確変状態へ移行する一方、大当り中に該特定領域を遊技球が通過しなかった場合に通常状態へ移行するようなものであってもよい。その場合、大当り種別によって特定領域への遊技球の通過しやすさを変化させることにより、実質的な確変大当りおよび非確変大当りを実現するものであってもよい。例えば、大当り種別によって大入賞口の開放時間を異ならせることにより、特定領域への遊技球の通過のしやすさを変化させることとしてもよい。具体的には、大入賞口の開放時間が長い大当り種別を特定領域へ遊技球が通過しやすい大当り(実質的な確変大当り)とし、大入賞口の開放時間が短い大当り種別を特定領域へ遊技球が通過しにくい大当り(実質的な非確変大当り)としてもよい。
なお、上記の実施の形態においては、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無など、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無など、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータ100の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知するようにすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、上記の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
なお、上記の実施の形態において、「割合が異なる」とは、A:B=70%:30%やA:B=30%:70%のような関係で割合が異なるものだけにかぎらず、A:B=100%:0%のような関係で割合が異なるもの(すなわち、一方が100%の割り振りで他方が0%の割り振りとなるようなもの)も含む概念である。
また、上記の実施の形態では、例えば「1」〜「9」の複数種類の特別図柄や演出図柄を可変表示し表示結果を導出表示する場合を示したが、可変表示は、そのような態様にかぎられない。例えば、可変表示される図柄と導出表示される図柄とが必ずしも同じである必要ななく、可変表示された図柄とは異なる図柄が導出表示されるものであってもよい。また、必ずしも複数種類の図柄を可変表示する必要はなく、1種類の図柄のみを用いて可変表示を実行するものであってもよい。この場合、例えば、その1種類の図柄表示を交互に点灯および点滅を繰り返すことによって、可変表示を実行するものであってもよい。そして、この場合であっても、その可変表示に用いられる1種類の図柄が最後に導出表示されるものであってもよいし、その1種類の図柄とは異なる図柄が最後に導出表示されるものであってもよい。
また、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(例えば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。
また、上記の実施の形態では、遊技機としてパチンコ機を例にしたが、本発明を、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるスロット機に適用することも可能である。
また、上記の実施の形態では、遊技機として遊技媒体を使用するものを例にしたが本発明による遊技機は、所定数の景品としての遊技媒体を払い出す遊技機に限定されず、遊技球等の遊技媒体を封入し景品の付与条件が成立した場合に得点を付与する封入式の遊技機に適用することもできる。