JP6279298B2 - コンクリートの評価方法、およびこの評価に用いる拘束部材 - Google Patents

コンクリートの評価方法、およびこの評価に用いる拘束部材 Download PDF

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Description

本発明は、コンクリートの評価方法、およびこの評価に用いる拘束部材に関するものである。また、本発明は該拘束部材を内包するコンクリート供試体、およびその製造方法にも関するものである。
通常、コンクリートの耐久性評価試験方法は、多くの場合、10×10×40cmの供試体を用いて評価することが定められている。そのような評価試験として、例えば、JIS A 1148:2010「コンクリートの凍結融解試験方法」、JIS A 1153:2012「コンクリートの促進中性化試験方法」、およびJIS A 1129−2:2010「モルタル及びコンクリートの長さ変化測定方法」が挙げられる。これらの試験方法は、コンクリート材料そのものを評価する方法として広く普及しているが、鉄筋や型枠などの拘束効果を考慮して材料設計がなされているコンクリート、例えば膨張材を用いたコンクリートに対しては、不利な試験方法となることがこれまでの研究で明らかとなっている(例えば、図4(非特許文献1、第125頁、図40)参照)。一方で、「コンクリート用膨張材」に関する規格としてはJIS A 6202:1997があり、その中で拘束器具を用いた拘束膨張試験(A法)も規定されている。この方法では図1のような2枚の端板間に1本の鋼材を介在させた拘束器具にコンクリート組成物を流し込み、全体として10×10×40cmの直方体に形成した供試体(図2参照)を用いるとされている。
拘束部材を用いない試験方法が膨張材を用いたコンクリートに対して不利な結果を与える理由としては、以下のような理由が挙げられる。例えば、凍結融解によるコンクリートの破壊メカニズムは、コンクリート中の水分が凍結をすることで体積が膨張し、それが繰り返されることでコンクリート内部が破壊されることである。膨張材を用いたコンクリートの場合、最初から膨張したコンクリートを試験に用いるため、拘束材を用いずに凍結融解試験を行うと、コンクリート内部が破壊されやすくなる。また、無拘束状態の膨張コンクリートの空隙構造は、コンクリート内部に最初から膨張応力が生じているため、普通コンクリートと比べると粗である点も、コンクリート内部が破壊されやすくなる理由の一つとして挙げられる。
このことから、膨張材を用いたコンクリートに対しては、評価の客観性を担保する為、曝露試験による実環境下での耐久性評価が一般的に行われている。例えば、非特許文献2において、促進凍結融解試験と曝露による凍結融解試験では、促進試験で劣化が認められたとしても、曝露試験では劣化が認められないとの結果が生じることが開示されている。
また、非特許文献3においても、膨張コンクリートは、無拘束条件の供試体による評価を行うと、微細組織を弛緩させる影響によって耐久性評価に悪影響を及ぼすため、本来耐久性の基準値を満たす配合や材料を用いたとしても、膨張の影響により耐久性の判定が不合格となる場合があるとされている。一方で非特許文献3では、拘束膨張試験(A法)を用いることで、膨張コンクリートの耐久性を正しく評価できるとしている。
このように、評価方法によって様々な結論が出されるため、正確かつ客観的な評価を行える測定方法が求められているのが現状である。
「膨張材を使用するコンクリートの調合設計・施工指針案・同解説」、日本建築学会、1978年、P124−125 「膨張コンクリートによる構造物の高機能化/高耐久化に関するシンポジウム委員会報告書・論文集−膨張材を使用したコンクリートの寒冷地における長期曝露性状」、浜幸雄、田畑雅幸、洪悦郎、千歩修、金武漢、2003年9月19日 「膨張コンクリートによる構造物の高機能化/高耐久化に関するシンポジウム委員会報告書・論文集−膨張コンクリートの耐凍害性に及ぼす影響とその機構について」、高橋幸一、浅野研一、辻野英幸、豊田邦男、2003年9月19日
上記の通り、膨張材を用いたコンクリートを無拘束条件にて評価を行うと、本来耐久性の基準値を満たしている配合や材料を用いたとしても、膨張の影響により耐久性が不合格に判定される場合があり、また、膨張材を用いたコンクリートを無拘束条件にて試験する方法自体が、実際に使用する態様と乖離していて現実的ではないと言える。この点について、上記非特許文献3では拘束膨張試験(A法)によって膨張コンクリートの耐久性を正しく評価できると記載されているが、このA法にも以下の課題があると考えられる。
1.両端の鉄板(端板)によってコンクリートを拘束する試験方法であるため、鉄板がむき出しのまま試験を行うこととなる。そのため、外的要因によっては、鉄板が錆びたりして試験結果に悪影響を及ぼすおそれがある。
2.拘束膨張試験(A法)の拘束部材を用いる場合、供試体のコンクリート部分の長さが通常の試験のもの(400mm)よりも短くなっており(360mm)、この差によって試験結果に影響が出る可能性がある。
3.拘束膨張試験(A法)では、コンクリートの膨張変形に対しては両端の鉄板による拘束作用がある。しかし、収縮変形に関しては、鉄筋とコンクリートとの付着によるところが大きいため、丸鋼を用いた拘束膨張試験(A法)用の拘束部材を用いると正確に測定できないおそれがある。
4.膨張材を使用したコンクリートは、現実的には鉄筋による内部からの拘束を受けるため、両端が鉄板で固定されているような完全拘束条件で使用されることは稀であり、現実的ではない。
本発明者らは、今般、上記従来技術の課題を認識し、コンクリート供試体の内部に該コンクリート供試体と相似する形状を有し、かつ、該コンクリート供試体内に全体が収容される大きさを有する拘束部材を埋め込むことを採用することで、現実的な拘束を付与し、より正確な測定を行うことが可能となるとの知見を得たのである。本発明は、係る知見に基づいてなされたものである。
したがって、本発明は、従来の方法よりも正確なコンクリートの評価方法を提供するものである。
また、本発明は、従来の方法よりも正確なコンクリートの評価方法に使用する拘束部材を提供するものである。
本発明の一態様によれば、コンクリートを評価する方法であって、
コンクリート供試体と相似する形状を有し、かつ、金属材で構成される拘束部材を準備し、
コンクリート組成物により、前記拘束部材を内包させた、コンクリート供試体を調製し、
前記コンクリート供試体を用いてコンクリートを評価することを含んでなる、方法が提供される。
本発明の別の態様によれば、コンクリートを評価する方法に用いられる、拘束部材であって、
コンクリート供試体と相似する形状を有し、かつ、金属材で構成されてなる、拘束部材が提供される。
本発明のさらに別の態様によれば、コンクリートを評価する方法に用いられる、コンクリート供試体であって、
拘束部材と、コンクリート組成物とにより構成されてなり、
前記拘束部材が、前記コンクリート供試体と相似する形状を有し、かつ、金属材で構成されてなり、
前記コンクリート組成物により、前記拘束部材を内包させたものである、コンクリート供試体が提供される。
本発明のさらに別の態様によれば、コンクリートを評価する方法に用いられる、コンクリート供試体の製造方法であって、
コンクリート供試体用型枠と、前記コンクリート供試体と相似する形状を有し、かつ、金属材で構成された拘束部材と、コンクリート組成物とを用意し、
前記コンクリート供試体用型枠内に、前記拘束部材を配置し、
前記コンクリート組成物により、前記拘束部材を内包させてなることを含んでなる、コンクリート供試体の製造方法が提供される。
本発明のさらに別の態様によれば、コンクリートを評価する方法に用いられる、コンクリート供試体製造用キットであって、
コンクリート供試体用型枠と、拘束部材とにより構成されてなり、
前記拘束部材が、前記コンクリート供試体と相似する形状を有し、かつ、金属材で構成されてなるものである、キットを提供することができる。
本発明によれば、コンクリート内部に現実的な拘束を付与し、より正確な測定を行うことが可能となる。
従来技術による拘束部材を示す模式図である。 従来技術によるコンクリート供試体を示す模式図である。 従来技術による拘束部材を型枠で囲まれた充填部内に設置した状態を示す模式図である。 従来技術による拘束部材の有無と動弾性係数百分率との関係を示すグラフである(非特許文献1、第125頁、図40)。 本発明の一態様による拘束部材を示す模式図である。 本発明の一態様によるコンクリート供試体を示す模式図である。 本発明の一態様による拘束部材を型枠で囲まれた充填部内に設置した状態を示す模式図である。 本発明の一態様による拘束部材にひずみ計を取り付ける位置を示す模式図である。 膨張材を用いない場合の供試体に対する拘束部材の有無による、凍結融解試験への影響を示すグラフである。 膨張材を用いた場合の供試体に対する拘束部材の有無による、凍結融解試験への影響を示すグラフである。 従来技術における拘束部材(図1)を用いて凍結融解試験を行った結果を示すグラフである。 本発明の一態様による拘束部材を用いて膨張・収縮試験を行った結果を示すグラフである。 従来技術による拘束部材を用いて膨張・収縮試験を行った結果を示すグラフである。
本明細書において、「コンクリートの評価」とは、コンクリートの耐凍害性、中性化抵抗性、鋼材を保護する性能、塩化物侵入抵抗性、アルカリ骨材反応抵抗性、ひび割れ抵抗性、水密性、耐火性、すりへり抵抗性、強度、耐久性、耐候性、膨張性、耐薬品抵抗性、耐海水性および収縮性などの性質を評価するものを包含する。
本明細書において、「コンクリート供試体と相似する形状」とは、主としてコンクリート供試体の形状と似た形状を意味するものとして用いる。つまり、ここで用いられている「相似」という語は、単に数学分野における狭義の相似だけでなく、互いの形状が似ていることを意味するものとする。例えば、コンクリート供試体の形状が四角柱の場合、その中に内包される拘束部材の形状も四角柱であることを意味し、各辺の長さの比はコンクリート供試体のものと等しい必要はない。また、コンクリート供試体が円柱である場合は、その中に内包される拘束部材の形状も円柱であることを意味し、その円周長さ及び柱長さの比はコンクリート供試体のものと等しい必要はない。すなわち、コンクリート供試体が四角柱形状である場合に、拘束部材の縦、横、高さが正確な縮尺比でなくともよく、例えば、供試体に対して50:50:90の比の拘束部材であっても包含するものである。
本発明の内容を添付の図面を参照しつつ以下に説明する。
<コンクリートの評価方法>
本発明によるコンクリートを評価する方法においては、図6に示すようなコンクリート供試体19を用いる。このコンクリート供試体は、拘束部材15と、コンクリート組成物21とにより構成され、拘束部材15がコンクリート供試体と相似する形状を有し、かつ、金属材で構成されていて、さらにコンクリート供試体に内包されたものである。例えば、図6のような四角柱形状のコンクリート供試体を用いる場合は、図5に示すような四角柱形状の金属製拘束部材15を内包させる。このように四角柱形状のコンクリート供試体の場合、本発明による拘束部材を用いることで、多くの試験で採用されている10×10×40cmの供試体を調製できる点で好ましい。特に、従来のJIS A 6202:1997の拘束膨張試験(A法)では、図2のように端板5が存在するために供試体の全体をコンクリートで形成することができなかったが(10×10×40cmの供試体に対して、コンクリート部分の大きさが10×10×36cm)、本発明による方法であればコンクリート部分自体の大きさを10×10×40cmとすることができる点で優れている。
本発明におけるコンクリートの評価は、JISやASTM等の様々な規格に基づいて行うことができる。具体的には、JIS A 1148:2010「コンクリートの凍結融解試験方法」、JIS A 1153:2012「コンクリートの促進中性化試験方法」、JIS A 1129−2:2010「モルタル及びコンクリートの長さ変化測定方法」、ASTM C78「コンクリート梁の曲げ強さ」、およびASTM C666「水中における急速凍結融解に対するコンクリートの抵抗試験方法」等に基づいて評価を行うことができる。
本発明による評価方法でコンクリート供試体の膨張・収縮を測定する場合は、コンクリート供試体用型枠内に拘束部材を配置する前に、図8のように拘束部材の少なくとも1箇所にひずみ計を取り付けた上でコンクリート供試体を製造することが好ましい。このような態様によれば、コンクリート供試体内の拘束部材が、コンクリートに追従して膨張・収縮するため、拘束部材の歪みを測定することで、コンクリート供試体の膨張・収縮を測定することができる。さらに、このような態様によれば、膨張・収縮の経時変化を連続的に測定し得る。
<拘束部材>
本発明による拘束部材は、コンクリート供試体と相似する形状を有し、かつ、金属材で構成される。この拘束部材は、鋼材で構成されているものがより現実的な拘束を与え得る点で好ましい。鋼材としては、例えば、丸鋼鉄筋、異形鉄筋、ステンレス鋼鉄筋等を使用することができるが、これらに限定されるものではない。鋼材の太さは、本発明の機能を妨げない範囲で適宜選択することができるが、直径6mmの丸鋼を用いることでJIS A 6202:1997の拘束膨張試験(A法)で用いられる拘束鋼材と断面積が同等になるため、拘束膨張試験(A法)で得たデータと比較が可能になる点で好ましい。さらに、鋼材として表面がブラスト処理されたものを用いると、コンクリート組成物と鋼材との接着性が高まるため、より好ましい。
拘束部材をコンクリート供試体の略中央に配置すると、コンクリート供試体全体に均等に拘束力が及ぶため好ましい。コンクリート供試体の略中央に拘束部材を配置するには、スペーサーを用いるのが好ましい。このスペーサーは、拘束部材をコンクリート供試体の略中央に固定できるものであれば特に限定されない。
拘束部材の大きさは、コンクリート供試体に内包される大きさであればどのような大きさでも良いが、コンクリート組成物を充填する際に、拘束部材と型枠との間に骨材が入る隙間を有する大きさであることが好ましい。このような大きさとすることで、骨材の偏在を防止し得る。拘束部材の形状は、コンクリート供試体の形状や、評価方法、および実際の使用態様に合わせて適宜定めることができ、例えば、多角柱または円柱でよい。また上記の通り、四角柱形状とすると好ましい。拘束部材は図5のような骨組み形状を有していることが、拘束部材とコンクリートとの接触面積を増やす上で好ましい。
<補強部材>
本発明の好ましい態様によれは、拘束部材は、少なくとも1つの補強部材をさらに備えてなることが好ましい。これにより、より実際のコンクリートに近い供試体を形成させることが可能となる。補強部材は、供試体の用途に合わせて、拘束部材のいずれの箇所に配置してよく、好ましくは、拘束部材の長手及び横手方向にそれぞれ(好ましくは平行に)配置してよい。より好ましい態様としては、例えば、図5に示すように、拘束部材15が拘束部材の長手方向中心部よりも両端側に、それぞれ少なくとも1つの補強部材17をさらに備える態様があり、この態様によればコンクリートに対する追従性が向上するため好ましい。また、拘束部材の長手方向両端から、長手方向全長の10%以下の位置にそれぞれ少なくとも1つの補強部材を備える態様も好ましい。補強部材の材質は特に限定されないが、拘束部材と同じ材質であることが好ましい。
<コンクリート供試体>
本発明によるコンクリート供試体は、拘束部材と、コンクリート組成物とにより構成され、拘束部材が、コンクリート供試体と相似する形状を有し、かつ、金属材で構成され、コンクリート組成物によって拘束部材を内包させたものである。コンクリート供試体の大きさおよび形状は、評価を行う試験に合わせて自由に設定することができる。
本発明によるコンクリート供試体は、以下の手順で製造される。まず、コンクリート供試体用型枠11と、コンクリート供試体と相似する形状を有し、かつ、金属材で構成された拘束部材15と、コンクリート組成物とを用意する。次いでコンクリート供試体用型枠内に、拘束部材を配置し、そこへコンクリート組成物を流し込んでコンクリート組成物によって拘束部材を内包させることで、コンクリート供試体が製造される。コンクリート供試体は、十分に硬化させた後に型枠から取り出し、必要であれば所定期間養生した後に、評価に用いられる。なお、型枠から取り外した後にコンクリート供試体を覆って水分の逸散を防ぐために、型枠内に予めポリエステルシートを設置していてもよい。
<コンクリート供試体製造用キット>
本発明によれば、上記コンクリート供試体を製造するためのキットも提供される。このキットはコンクリート供試体用型枠11と、拘束部材15とにより構成され、拘束部材が、コンクリート供試体と相似する形状を有し、かつ、金属材で構成されていることを特徴とする。このキットを用いることで、コンクリートの特性以外の要素を統一することができるため、コンクリートの評価を安定して横並びで比較し得る。このキットは、さらにスペーサーを含むことで、コンクリート供試体中の所定の位置に拘束部材を配置することができる点で好ましい。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明が実施例により限定されるものではない。
<コンクリート供試体の調製>
例1
図5に示した拘束部材(50mm×50mm×360mm、丸棒鉄筋:φ6mm、両端から15mmと30mmの位置に補強部材を有する)を用いて、コンクリート供試体を作成した。具体的には、表−2に記載の原料を、表−1に記載のPL配合で混合してミキサを用いて練り混ぜ、図7のように拘束部材を配置した型枠の充填部内に流し込んだ。コンクリートが十分に硬化するまで、24時間放置し、その後型枠を外して図6のようなコンクリート供試体(100mm×100mm×400mm)を得た。なお、目標スランプを15±2.5cmに、目標空気量を4.5±1.5%にそれぞれ設定した。
例2
拘束部材を用いなかった以外は例1と同様にして、コンクリート供試体を得た。
例3
使用するコンクリートの配合をEX配合にした以外は例1と同様にして、コンクリート供試体を得た。
例4
拘束部材を用いなかった以外は例3と同様にして、コンクリート供試体を得た。
例5
図1に示した拘束部材(端板:100mm×100mm×20mm、拘束鋼材:φ11mm、長さ360mm)を用いて、コンクリート供試体を作成した。具体的には、表−2に記載の原料を、表−1に記載のEX配合で混合してミキサを用いて練り混ぜ、図3のように拘束部材を配置した型枠の充填部内に流し込んだ。コンクリートが十分に硬化するまで、24時間放置し、その後型枠を外して図2のようなコンクリート供試体(全体:100mm×100mm×400mm、コンクリート部:100mm×100mm×360mm)を得た。なお、目標スランプを15±2.5cmに、目標空気量を4.5±1.5%にそれぞれ設定した。
例6
図5に示した拘束部材(50mm×50mm×360mm、丸棒鉄筋:φ6mm、両端から15mmと30mmの位置に補強部材を有する)に図8のようにひずみ計を取り付けたものを用いて、コンクリート供試体を作成した。具体的には、表−2に記載の原料を、表−1に記載のEX配合で混合してミキサを用いて練り混ぜ、図7のように拘束部材を配置した型枠の充填部内に流し込んだ。コンクリートが十分に硬化するまで、24時間放置し、その後型枠を外して図6のようなコンクリート供試体(100mm×100mm×400mm)を得た。なお、目標スランプを15±2.5cmに、目標空気量を4.5±1.5%にそれぞれ設定した。
例7
使用するコンクリートの配合をPL配合にした以外は例6と同様にして、コンクリート供試体を得た。
例8
例5と同様にして、コンクリート供試体を得た。
例9
使用するコンクリートの配合をPL配合にした以外は例5と同様にして、コンクリート供試体を得た。
Figure 0006279298
Figure 0006279298
上記例1〜9で得られた供試体について、以下の表にまとめた。
Figure 0006279298
上記例1〜5で得られた供試体を用いて、凍結融解試験を実施した。その際、コンクリートの養生方法や試験方法は、JIS A 1148:2010「コンクリートの凍結融解試験方法」に準拠して行った。
<凍結融解試験>
上記例1〜5で得た供試体を、供試体容器に収容した。供試体容器としては、凍結融解中、常に約3mm厚の水で供試体の全面が覆われるようなものであって、内面に突起部を有するゴム製のものを用いた。凍結融解の1サイクルは、供試体の中心部温度が、通常5℃〜−18℃に下がり、また−18℃〜5℃に上がるものとした。なお、凍結融解1サイクルに要する時間を4時間とし、420サイクルまで測定した。30サイクル毎に供試体を試験層から取り出し、水洗い後に表面の水を拭き取り、速やかに供試体のたわみ振動の一次共鳴振動数および質量を測定した。その後、供試体を試験層に戻し、サイクルを繰り返した。
相対動弾性係数は、以下の式によって算出した。なお、小数点以下は四捨五入した。
Figure 0006279298
式中、Pは凍結融解nサイクル後の相対動弾性係数(%)を示し、fは凍結融解nサイクル後のたわみ振動の一次共鳴振動数(Hz)を示し、fは凍結融解0サイクルにおけるたわみ振動の一次共鳴振動数(Hz)を示す。
得られた結果を図9〜11に示す。図9は、膨張材を用いない場合の供試体に対する拘束部材の有無の影響を測定したものであり、図10は膨張材を用いた場合の供試体に対する拘束部材の有無の影響を測定したものである。また、図11は、従来技術における拘束部材(図1)を用いて測定したものである。
<膨張・収縮試験>
次いで、上記例6〜9で得られた供試体を用いて、膨張・収縮試験を、JIS A 1129−2:2010「モルタル及びコンクリートの長さ変化測定方法」およびJIS A 6202「コンクリート用膨張材;付属書2(参考)膨張コンクリートの拘束膨張及び収縮試験方法(B法)」に準拠して行った。なお、例6および7で得られた供試体の長さ変化測定については、コンクリート内部の拘束部材に図8のよう取り付けられたひずみ計を用いて測定した。養生条件は、20℃・相対湿度60%の条件にて行い、測定は材齢6か月まで行った。
得られた結果を図12および13に示す。図12は本発明の一態様による拘束部材を有する例6および7の供試体を用いて測定したものであり、図13は、従来技術による拘束部材を用いて測定したものである。
1 従来技術による拘束部材
3 拘束鋼材
5 端板
7 従来技術によるコンクリート供試体
9 コンクリート組成物
11 型枠
13 充填部
15 本発明の一態様による拘束部材
17 補強部材
19 本発明の一態様によるコンクリート供試体
21 コンクリート組成物
23 スペーサー
25 ひずみ計取り付け位置

Claims (6)

  1. コンクリートを評価する方法に用いられる、拘束部材であって、
    コンクリート供試体と相似する形状を有し、かつ、金属材で構成されてなり、
    前記拘束部材の長手方向中心部よりも両端側に、それぞれ少なくとも1つの補強部材をさらに備えてなり、
    かつ前記補強部材を含む拘束部材は、コンクリート供試体に内包されるものであることを特徴とする、拘束部材。
  2. 前記金属材が鉄筋である、請求項1に記載の拘束部材。
  3. 前記拘束部材の長手方向の両端に環状部を有する、請求項1または2に記載の拘束部材。
  4. さらに、前記拘束部材の少なくとも1箇所にひずみ計を備えてなる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の拘束部材。
  5. コンクリートを評価する方法に用いられる、コンクリート供試体であって、
    前記の請求項1〜4のいずれかに記載の拘束部材と、コンクリート組成物とにより構成されてなり、
    前記コンクリート組成物により、前記拘束部材を内包させたものである、コンクリート供試体。
  6. コンクリートを評価する方法であって、
    前記の請求項1〜4のいずれかに記載の拘束部材を準備し、
    コンクリート組成物により、前記拘束部材を内包させた、コンクリート供試体を調製し、
    前記コンクリート供試体を用いてコンクリートを評価することを含んでなる、方法。
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