JP6275904B1 - 口腔内治療支援システムおよび口腔内治療支援方法 - Google Patents
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Description
しかし、施術者は根管を含む治療箇所のイメージを把握して治療を進行する必要があるため、経験値の少ない施術者でも、安全に正確に治療ができるようにすべく、これまで種々の解決手法が提案されている。
なお、従来の単に視認不可の根管の箇所をバーチャルで表示しようとする技術とは異なり、本願発明は、最初に視認可能だった根管の箇所の直近のリアルで正確な画像を最大限活用する点にポイントがあり、従来の単なるバーチャル表示を追求する技術を開示する公報等にはいわゆる阻害要因が内在することとなる。
タッチパネル型PCと、歯科用インスツルメントと、カメラと、HMD装置と、携帯端末とを備え、前記タッチパネル型PCは前記歯科用インスツルメントに設けられたカメラと有線接続され、前記HMD装置は前記携帯端末と有線接続され、前記タッチパネル型PCは前記携帯端末と無線接続される口腔内治療支援システムであって、
前記タッチパネル型PCは、
前記カメラが撮影した、前記歯科用インスツルメントを用いて治療される患者の口腔内の根管を含む2次元静止画像である現実画像データを取得し、
前記カメラが撮影した、前記患者の口腔内の根管を含む実像の画像を前記携帯端末を介して前記HMD装置に表示させ、
自動認識により又は自装置のタッチパネルに対する施術者の操作を受け付けて、前記実像の画像に重畳して自装置に表示されている前記現実画像データに対して、追従のためのマーカーを設定することができ、
前記現実画像データを、前記実像の画像に重畳および追従して前記携帯端末を介して前記HMD装置に表示させ、
施術者が当初は視認可能だった前記根管が術中に視認できなくなった場合であっても前記現実画像データを前記根管が視認できなくなっている状態の前記実像の画像に重畳および追従して前記携帯端末を介して前記HMD装置に表示させ、
術中又は術前に前記カメラが撮像した前記患者の現状の歯の撮像データに基づいて、所定の記憶媒体に蓄積されている過去の症例における歯の撮像データとのマッチングにより類似する2次元又は3次元の予測画像データを選択して取得し、
前記現実画像データを前記根管が視認できなくなっている状態の前記実像の画像に重畳および追従させている際に、前記患者の歯と前記カメラのなす角度によって定まる追従角度が許容値を超えた場合には、前記予測画像データを前記実像の画像に重畳および追従して表示させ、
前記追従角度が前記許容値の範囲内に戻った場合には、再び前記現実画像データを前記根管が視認できなくなっている状態の前記実像の画像に重畳および追従して表示させ、
前記携帯端末は、
前記HMD装置に表示される各画像と同じ画像を表示し、自端末に対する施術者の操作を受け付けて、前記各画像を拡大又は縮小して表示させる。
また、HMD装置を使用するので、通常の視線方向に映像が提示され、従来の口腔内カメラのように特に表示装置を見ようとして姿勢変更等することなく、自然な姿勢で治療を実施することができる。
また、施術者がスマートフォンやタブレット端末等の携帯端末を使用するので、白衣のポケットに入れておいての操作も可能となり、光学ズームではなく、デジタルズームによる拡大表示等が可能となる。
また、現状の患者の歯の撮像データを用いて、過去のデータから統計的に2次元・3次元の画像を予測して表示するので、経験値の少ない施術者でも、先達の膨大な症例を引き出して有効活用することによって、実質的に施術者の経験値を底上げでき、経験値の高い治療ができるようになる。
また、施術者が当初は視認可能だった根管が術中に種々の原因から(例えば、歯肉に覆われて)根管が視認できなくなる場合、追従角度が許容値超えた時点で閲覧モードからAIモードへ切り替えられるので、最初に視認可能だった根管の箇所の直近のリアルで正確な画像を最大限活用し、かつ、必要なタイミングでのみ根管の位置を予測して表示することができる。
また、閲覧モードでタッチパネル型PCから施術者が手指操作で追従マーキング可能であるので、簡易かつ確実に追従(トラッキング)を実現することができる。
タッチパネル型PCと、歯科用インスツルメントと、カメラと、HMD装置と、携帯端末とであって、前記タッチパネル型PCは前記歯科用インスツルメントに設けられたカメラと有線接続され、前記HMD装置は前記携帯端末と有線接続され、前記タッチパネル型PCは前記携帯端末と無線接続されるものを利用した口腔内治療支援方法であって、
前記タッチパネル型PCが、
前記カメラが撮影した、前記歯科用インスツルメントを用いて治療される患者の口腔内の根管を含む2次元静止画像である現実画像データを取得するステップと、
前記カメラが撮影した、前記患者の口腔内の根管を含む実像の画像を前記携帯端末を介して前記HMD装置に表示させるステップと、
自動認識により又は自装置のタッチパネルに対する施術者の操作を受け付けて、前記実像の画像に重畳して自装置に表示されている前記現実画像データに対して、追従のためのマーカーを設定するステップと
前記現実画像データを、前記実像の画像に重畳および追従して前記携帯端末を介して前記HMD装置に表示させるステップと、
施術者が当初は視認可能だった前記根管が術中に視認できなくなった場合であっても前記現実画像データを前記根管が視認できなくなっている状態の前記実像の画像に重畳および追従して前記携帯端末を介して前記HMD装置に表示させるステップと、
術中又は術前に前記カメラが撮像した前記患者の現状の歯の撮像データに基づいて、所定の記憶媒体に蓄積されている過去の症例における歯の撮像データとのマッチングにより類似する2次元又は3次元の予測画像データを選択して取得するステップと、
前記現実画像データを前記根管が視認できなくなっている状態の前記実像の画像に重畳および追従させている際に、前記患者の歯と前記カメラのなす角度によって定まる追従角度が許容値を超えた場合には、前記予測画像データを前記実像の画像に重畳および追従して表示させるステップと、
前記追従角度が前記許容値の範囲内に戻った場合には、再び前記現実画像データを前記根管が視認できなくなっている状態の前記実像の画像に重畳および追従して表示させるステップとを有し、
前記携帯端末が、
前記HMD装置に表示される各画像と同じ画像を表示し、自端末に対する施術者の操作を受け付けて、前記各画像を拡大又は縮小して表示させるステップを有する。
なお、以下では主として根管治療を行う場合を例として説明するが、本発明の適用範囲は、根管治療に限られるものではなく広く歯科治療等に適用可能である。
図1に示すように、本実施の形態における口腔内治療支援システムSは、タッチパネル型PC(パーソナル・コンピュータ)10、歯科用インストルメント20、患者の口腔内等を撮像する小型のカメラ30、カメラ30に接続されたケーブル31、施術者の顔部に取り付けられるHMD装置(ヘッドマウント型ディスプレイ装置)40、HMD装置40に接続されたケーブル41、携帯端末50から構成されている。
これらのハードウェアは一定の性能基準を満たす市販品から自由に選択されることであってよい。したがって、ハードウェアの維持費用ついても、既存の汎用品を使用することにより、従来の高額システムのように、治療ごとに機材を購入することがないため、コスト削減が可能となる。
タッチパネル型PC10は、所定のプログラムをインストールすることにより実現される。そのプログラムは、メモリに記憶されている。なお、そのプログラムは、周知の各種記憶媒体に記憶することができる。
タッチパネル型PC10は、実像取得部11、現実画像データ取得部12、閲覧モード実現部13、マーキング部14、追従部15、予測画像データ取得部16、追従角度判定・モード切替部17、AIモード実現部18およびグリッド表示部19を備えている。各部はCPU等により実現されることであってよい。
すなわち、タッチパネル型PCは、「閲覧モード」として、例えば、孔として見えている状態の根管を術中又は術前にカメラ30が撮像して静止画を取得し、その現状の患者の歯の「現実画像データ」120をHMD装置40に表示させる。そして、施術者が当初は視認可能だった根管が術中に種々の原因から(例えば、歯肉に覆われて)根管が視認できなくなる場合であっても、上記の孔として見えている状態の根管の「現実画像データ」120を引き続きリアルの根管が視認できなくなっている状態の術中の歯の実像の画像110に重畳および追従して透過的(スライダーアイコンにより透過度を調整可能であってもよい。)にHMD装置40に表示させる(図3参照)。したがって、根管の位置情報という重要な指標を術部の実像の画像に重畳および追従して表示することができる。
また、重畳および追従表示のために、後述する施術者による特別なマーキング操作は不要にて患者の歯牙そのもの等を自動認識してマーカーとすることに基づいて追従(トラッキング)することであってもよいが、タッチパネル型PC10は、「閲覧モード」では、例えば、図6に示すように、自装置の所定の表示部のタッチパネルに対する施術者等の手指操作を受け付けて、術中の歯の実像の画像110に重畳および追従して透過的に表示されている「現実画像データ」120に対して、簡易かつ確実に追従を実現するためのマーキング(マーカーを設定すること)が可能としてもよい。なお、マーカー設定部分の表示は透明で既存の他の画像の表示を妨げない形式であってもよい。
手動でマーキングの確定操作を行い、その位置姿勢(スケール、回転、移動など)のデータを基準とした3次元での画像への変換行列などがタッチパネル型PC10に記憶される。なお、この変換行列は、マーカーの3次元位置姿勢に対する画像の3次元位置姿勢との相対的な関係を紐付けて示す情報(3次元位置関係情報)であり、角度が変わっても相対位置がわかる(串刺しのイメージ)。
カメラ30は、患者の口腔内の術部の実像の画像110を撮像してケーブル31を介してタッチパネル型PC10に出力する。なお、タッチパネル型PC10と無線接続される携帯端末50を介してHMD装置40にその撮像した画像が表示されることとなる。
施術者は、術中に、従来のようにPCのモニター画像と見比べる必要がなくなり、時間短縮等が図られる。
なお、施術者の実視野にて術部等の生の実像もシースルーで直接的に見ることができる光学透過型であるので、視線を少し変更することにより直接視による情報をも得ることができ、例えば、患者が苦痛を感じているか否か等を患者の表情から読み取ることができる。
HMD装置40は、ケーブル41のような有線で携帯端末50と接続されている。有線のため処理による遅延がなく、リアルタイム性を実現することができる。現時点の技術水準では無線の場合では0.5秒などの遅延が生じるため採用しないが、将来的にコスト的にも見合う高い処理能力を実現するHWが登場した際には無線であってもよい。なお、リアルタイムの画像とは、画像を見て手術を行うのに支障を生じ得ない範囲で即時性を満たせばよく、完全な時間の一致を要求するものではない。
HMD装置40は、ディスプレイ機能のみとし、CPU等を備えない構成とすれば軽量化が実現される。
術中においてはこのマーカーをタッチパネル型PC10の追従部15が追従(トラッキング)し、カメラ30が撮影した患者の口腔内の術部の実像の画像110内のマーカーの3次元位置姿勢が、リアルタイムにPC10に入力され、PC10はマーカーの3次元位置姿勢に変化が無いかの計測判断を極めて短い間隔(リアルタイム)で繰り返し行い、カメラ30が撮影した患者の口腔内の術部の実像の画像110に、現実画像データ120を重ね合わせるように、マーカーとの3次元的位置関係を保ちながら座標変換処理を行って、リアルタイムで重畳した、例えば、図3に示すような画像を出力してHMD装置40に表示させる。
すなわち、患者および施術者の体動等により術部の実像の画像110に含まれるマーカーの位置に変化が生じた場合でもその動きに合わせて現実画像データ120の位置も追従して補正されて表示される。例えば、PC10は、基準位置に対する変化量を算出し、算出した変化量に基づき補正する。基準位置の座標が(x、y、z)であり、変化量が(Δx、Δy、Δz)である場合、座標を、(x+Δx、y+Δy、z+Δz)に補正する。
また、歯科用インスツルメントに極小のファイバースコープカメラ等を設置し、HMD装置に、撮像した口腔内画像を表示させるので、施術者は作業野を間近に見ることができ治療の効率化を図ることができる。
また、HMDを使用するので、通常の視線方向に映像が提示され、従来の口腔内カメラのように特に表示装置を見ようとして姿勢変更等することなく、自然な姿勢で治療を実施することができる。
また、施術者がスマートフォンやタブレット端末等の携帯端末を使用するので、白衣のポケットに入れておいての操作も可能となり、光学ズームではなく、デジタルズームにより拡大表示が可能となる。
また、現状の患者の歯の撮像データを用いて、過去のデータから統計的に2次元の画像を予測して表示するので、経験値の少ない施術者でも、先達の膨大な症例を引き出して有効活用することによって、実質的に施術者の経験値を底上げでき、経験値の高い治療ができるようになる。
また、施術者が当初は視認可能だった根管が術中に種々の原因から(例えば、歯肉に覆われて)根管が視認できなくなる場合、追従角度が許容値超えた時点で閲覧モードからAIモードへ切り替えられるので、最初に視認可能だった根管の箇所の直近のリアルで正確な画像を最大限活用し、かつ、必要なタイミングでのみ根管の位置を予測して表示することができる。
また、AIモードでタッチパネル型PCから施術者が手指操作で追従マーキング可能であるので、簡易かつ確実に追従(トラッキング)を実現することができる。
10 タッチパネル型PC
20 歯科用インストルメント
30 カメラ
31 ケーブル
40 HMD装置
41 ケーブル
50 携帯端末
110 実像の画像
120 現実画像データ
130 予測画像データ
Claims (2)
- タッチパネル型PCと、歯科用インスツルメントと、カメラと、HMD装置と、携帯端末とを備え、前記タッチパネル型PCは前記歯科用インスツルメントに設けられたカメラと有線接続され、前記HMD装置は前記携帯端末と有線接続され、前記タッチパネル型PCは前記携帯端末と無線接続される口腔内治療支援システムであって、
前記タッチパネル型PCは、
前記カメラが撮影した、前記歯科用インスツルメントを用いて治療される患者の口腔内の根管を含む2次元静止画像である現実画像データを取得し、
前記カメラが撮影した、前記患者の口腔内の根管を含む実像の画像を前記携帯端末を介して前記HMD装置に表示させ、
自動認識により又は自装置のタッチパネルに対する施術者の操作を受け付けて、前記実像の画像に重畳して自装置に表示されている前記現実画像データに対して、追従のためのマーカーを設定することができ、
前記現実画像データを、前記実像の画像に重畳および追従して前記携帯端末を介して前記HMD装置に表示させ、
施術者が当初は視認可能だった前記根管が術中に視認できなくなった場合であっても前記現実画像データを前記根管が視認できなくなっている状態の前記実像の画像に重畳および追従して前記携帯端末を介して前記HMD装置に表示させ、
術中又は術前に前記カメラが撮像した前記患者の現状の歯の撮像データに基づいて、所定の記憶媒体に蓄積されている過去の症例における歯の撮像データとのマッチングにより類似する2次元又は3次元の予測画像データを選択して取得し、
前記現実画像データを前記根管が視認できなくなっている状態の前記実像の画像に重畳および追従させている際に、前記患者の歯と前記カメラのなす角度によって定まる追従角度が許容値を超えた場合には、前記予測画像データを前記実像の画像に重畳および追従して表示させ、
前記追従角度が前記許容値の範囲内に戻った場合には、再び前記現実画像データを前記根管が視認できなくなっている状態の前記実像の画像に重畳および追従して表示させ、
前記携帯端末は、
前記HMD装置に表示される各画像と同じ画像を表示し、自端末に対する施術者の操作を受け付けて、前記各画像を拡大又は縮小して表示させる
口腔内治療支援システム。 - タッチパネル型PCと、歯科用インスツルメントと、カメラと、HMD装置と、携帯端末とであって、前記タッチパネル型PCは前記歯科用インスツルメントに設けられたカメラと有線接続され、前記HMD装置は前記携帯端末と有線接続され、前記タッチパネル型PCは前記携帯端末と無線接続されるものを利用した口腔内治療支援方法であって、
前記タッチパネル型PCが、
前記カメラが撮影した、前記歯科用インスツルメントを用いて治療される患者の口腔内の根管を含む2次元静止画像である現実画像データを取得するステップと、
前記カメラが撮影した、前記患者の口腔内の根管を含む実像の画像を前記携帯端末を介して前記HMD装置に表示させるステップと、
自動認識により又は自装置のタッチパネルに対する施術者の操作を受け付けて、前記実像の画像に重畳して自装置に表示されている前記現実画像データに対して、追従のためのマーカーを設定するステップと
前記現実画像データを、前記実像の画像に重畳および追従して前記携帯端末を介して前記HMD装置に表示させるステップと、
施術者が当初は視認可能だった前記根管が術中に視認できなくなった場合であっても前記現実画像データを前記根管が視認できなくなっている状態の前記実像の画像に重畳および追従して前記携帯端末を介して前記HMD装置に表示させるステップと、
術中又は術前に前記カメラが撮像した前記患者の現状の歯の撮像データに基づいて、所定の記憶媒体に蓄積されている過去の症例における歯の撮像データとのマッチングにより類似する2次元又は3次元の予測画像データを選択して取得するステップと、
前記現実画像データを前記根管が視認できなくなっている状態の前記実像の画像に重畳および追従させている際に、前記患者の歯と前記カメラのなす角度によって定まる追従角度が許容値を超えた場合には、前記予測画像データを前記実像の画像に重畳および追従して表示させるステップと、
前記追従角度が前記許容値の範囲内に戻った場合には、再び前記現実画像データを前記根管が視認できなくなっている状態の前記実像の画像に重畳および追従して表示させるステップとを有し、
前記携帯端末が、
前記HMD装置に表示される各画像と同じ画像を表示し、自端末に対する施術者の操作を受け付けて、前記各画像を拡大又は縮小して表示させるステップを有する
口腔内治療支援方法。
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